(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】突出構造体を含む膜状物真空成形方法及びその成形設備
(51)【国際特許分類】
B29C 51/10 20060101AFI20241031BHJP
B29C 51/18 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B29C51/10
B29C51/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532987
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2022085340
(87)【国際公開番号】W WO2023193142
(87)【国際公開日】2023-10-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596146359
【氏名又は名称】許 漢忠
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】許 漢忠
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AC03
4F208MA01
4F208MB01
4F208MC02
4F208MD10
4F208MH06
4F208MJ14
4F208MJ15
4F208MJ22
4F208MJ26
4F208MW02
4F208MW23
(57)【要約】
突出構造体を含む膜状物真空成形方法及びその成形設備は、成形方法が、突出構造体を含む平面膜を密封装置上に固定させるステップと;製品模型を真空排気装置上に固定させるステップと;搬送装置を突出構造体上で挟持させるステップと;加熱装置を使用して平面膜を加熱し、前記平面膜を軟化させるステップと;前記搬送装置を制御し、前記突出構造体を所定の成形位置に移動させるステップと;前記密封装置を前記真空排気装置に密着させるステップと;前記真空排気装置は、前記平面膜と前記製品模型との間の空気を抽出して負圧を発生させ、前記平面膜を前記製品模型の表面に完全に付着させて突出構造体を含む完成品膜を成形するステップと;冷却した後に突出構造体を含む完成品膜を取り出すステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個又は1個以上の突出構造体を平面膜上に成形するステップと;
前記突出構造体を含む前記平面膜を密封装置上に固定させるステップと;
製品模型を真空排気装置上に固定させるステップと;
1個又は1個以上の搬送装置を各前記突出構造体上でそれぞれ挟持させるステップと;
加熱装置を使用して前記平面膜を加熱し、前記平面膜を軟化させるステップと;
前記搬送装置を制御し、前記製品模型が前記真空排気装置上で固定される位置まで前記突出構造体を移動させる位置を基準として所定の成形位置を推算するステップと;
前記密封装置を前記真空排気装置に密着させ、前記平面膜を前記製品模型の上方に対応させるステップと;
前記真空排気装置は、前記平面膜と前記製品模型との間の空気を抽出して負圧を発生させ、前記平面膜を前記製品模型の表面に完全に付着させて前記突出構造体を含む完成品膜を成形するステップと;を含むことを特徴とする、突出構造体を含む膜状物真空成形方法。
【請求項2】
前記突出構造体を前記平面膜上に成形する方式は、接着を介するか、前記平面膜を製造するときに一体成形することを特徴とする請求項1に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形方法。
【請求項3】
前記加熱装置は、前記平面膜の底部を加熱することを特徴とする請求項1に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形方法。
【請求項4】
前記搬送装置は、3次元ベクトルで制御し、前記突出構造体を変位させることを特徴とする請求項1に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形方法。
【請求項5】
前記完成品膜を冷却して取り出した後、トリミングして最終製品を形成することを特徴とする請求項1に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形方法。
【請求項6】
真空排気装置、密封装置、搬送装置及び加熱装置を含む、突出構造体を含む膜状物真空成形設備であって、
前記真空排気装置は、定位プラットフォームを有し、前記定位プラットフォーム上には、位置決め部材を有し、前記位置決め部材は、製品模型を固定するのに用い、前記定位プラットフォームの周辺にシールリングをさらに取り付け、
前記密封装置は、前記真空排気装置上に対応し、前記密封装置の内縁には、リングを密着させ、1個又は1個以上の前記突出構造体の平面膜を係合リングと前記密封装置との間に挟設し、前記密封装置上には、昇降装置を固設し、前記昇降装置は、制御コンソールと電気的に接続させ、前記制御コンソールが前記昇降装置を駆動させ、前記密封装置を前記真空排気装置の上方で昇降させ、下降させると前記シールリングが密着して前記平面膜と前記定位プラットフォームとの間に密封空間が形成され、
前記搬送装置は、前記密封装置の一側に位置し、前記平面膜上の前記突出構造体を挟持するか変位させ、前記搬送装置は駆動器と接続し、前記搬送装置を制御して移動させ、前記駆動器は、前記制御コンソールと電気的に接続し、
前記加熱装置は、前記密封装置の一側に位置し、前記係合リングと前記密封装置との間に挟設した前記平面膜を加熱し、前記加熱装置上には、移動装置を固設し、前記加熱装置及び前記移動装置は、前記制御コンソールと電気的に接続することを特徴とする、突出構造体を含む膜状物真空成形設備。
【請求項7】
前記製品模型は、台座を有し、前記台座の底部を前記位置決め部材と結合させ、前記製品模型を前記定位プラットフォーム上に位置決めさせることを特徴とする請求項6に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形設備。
【請求項8】
前記位置決め部材は、凹凸構造、係合又は爪部を使用して前記製品模型及び前記定位プラットフォームを組み立てることを特徴とする請求項6に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形設備。
【請求項9】
前記駆動器は、前記搬送装置を制御して2次元又は3次元で移動させることを特徴とする請求項6に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形設備。
【請求項10】
前記加熱装置は、赤外線を使用して加熱することを特徴とする請求項6に記載の突出構造体を含む膜状物真空成形設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄殻状プラスチック構造を速やかに成形する方法及び成形する設備である、突出構造体を含む膜状物真空成形方法及びその成形設備に関し、特に、薄殻状プラスチック上に含む特殊な突出構造体構造を指す。
【背景技術】
【0002】
プラスチックその他の可塑性分子構造の加工製造は、科学技術の発展に伴い、その技術は既に相当に成熟している。従来の可塑性分子構造は、真空排気により可塑形状態の膜状物を金型表層に速やかに貼着させ、金型表層の輪郭のような薄殻状プラスチック構造を製作することができた。
【0003】
この成形方法は、不規則な輪郭又は特定のカスタマイズされた製品の製造に適合している。例えば、目立たないマウスピースは、各患者の歯が特定の不規則な輪郭を有するため、患者の対応した寸法の歯型を製造した後、上述した従来技術を利用して成形することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の成形技術は、制御不能であり、金型表層に膜状物を速やかに貼着する際、規律性を備えず、計算に不利であったため、その薄殻状プラスチック構造の完成品の特定位置上には特殊構造が設計されていた。
例えば、目立たないマウスピースの側辺には、係合構造が設計されていたため、係合構造の成形位置を保証することが困難であり、不良品が生じ易い。仮に接着方式により特殊構造をその薄殻状プラスチック構造の完成品に固定させる場合、安定性が好ましくないといった問題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、上述した問題点に対し、本発明では、その膜状物を成形する前に、予め特殊な構造をコンピュータにより模擬的に構築するとともに、予め膜状物上の所定位置に成形し、制御可能な搬送装置を介して、膜状物を軟化させる際、予め特殊な構造を模擬的な経路に沿って成形位置まで移動させてから、金型表層に膜状物を真空成形し、これにより特殊構造を有する薄殻状プラスチック構造を製造することを本発明の解決策とする。
【0006】
本発明の突出構造体を含む膜状物真空成形方法は、1個又は1個以上の突出構造体を平面膜上に成形するステップと;前記突出構造体を含む前記平面膜を密封装置上に固定させるステップと;製品模型を真空排気装置上に固定させるステップと;1個又は1個以上の搬送装置を各前記突出構造体上でそれぞれ挟持させるステップと;加熱装置を使用して前記平面膜を加熱し、前記平面膜を軟化させるステップと;前記搬送装置を制御し、前記製品模型が前記真空排気装置上で固定される位置まで前記突出構造体を移動させる位置を基準として所定の成形位置を推算するステップと;前記密封装置を前記真空排気装置に密着させ、前記平面膜を前記製品模型の上方に対応させるステップと;前記真空排気装置は、前記平面膜と前記製品模型との間の空気を抽出して負圧を発生させ、前記平面膜を前記製品模型の表面に完全に付着させて前記突出構造体を含む完成品膜を成形するステップと;を含む。
【0007】
さらに詳細には、前記突出構造体を前記平面膜上に成形する方式は、接着を介するか、前記平面膜を製造するときに一体成形する。
【0008】
さらに詳細には、前記加熱装置は、前記平面膜の底部を加熱する。
【0009】
さらに詳細には、前記搬送装置は、3次元ベクトルで制御し、前記突出構造体を変位させる。
【0010】
さらに詳細には、前記完成品膜を冷却して取り出した後、トリミングして最終製品を形成する。
【0011】
本発明は、上述した方法を実施する成形設備をさらに含む。
【0012】
本発明の突出構造体を含む膜状物真空成形設備は、真空排気装置、密封装置、搬送装置及び加熱装置を少なくとも含み、前記真空排気装置は、定位プラットフォームを有し、前記定位プラットフォーム上には、位置決め部材を有し、前記位置決め部材は、製品模型を固定するのに用い、前記定位プラットフォームの周辺にシールリングをさらに取り付け、前記密封装置は、前記真空排気装置上に対応し、前記密封装置の内縁には、リングを密着させ、1個又は1個以上の前記突出構造体の平面膜を係合リングと前記密封装置との間に挟設し、前記密封装置上には、昇降装置を固設し、前記昇降装置は、制御コンソールと電気的に接続させ、前記制御コンソールが前記昇降装置を駆動させ、前記密封装置を前記真空排気装置の上方で昇降させ、下降させると前記シールリングが密着して前記平面膜と前記定位プラットフォームとの間に密封空間が形成され、前記搬送装置は、前記密封装置の一側に位置し、前記平面膜上の前記突出構造体を挟持するか変位させ、前記搬送装置は駆動器と接続し、前記搬送装置を制御して移動させ、前記駆動器は、前記制御コンソールと電気的に接続し、前記加熱装置は、前記密封装置の一側に位置し、前記係合リングと前記密封装置との間に挟設した前記平面膜を加熱し、前記加熱装置上には、移動装置を固設し、前記加熱装置及び前記移動装置は、前記制御コンソールと電気的に接続する。
【0013】
好適な実施例において、前記製品模型は、台座を有し、前記台座の底部を前記位置決め部材と結合させ、前記製品模型を前記定位プラットフォーム上に位置決めさせる。
【0014】
好適な実施例において、前記位置決め部材は、凹凸構造、係合又は爪部を使用して前記製品模型及び前記定位プラットフォームを組み立てる。
【0015】
好適な実施例において、前記駆動器は、前記搬送装置を制御して2次元又は3次元で移動させる。
【0016】
好適な実施例において、前記加熱装置は、赤外線を使用して加熱する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備の全体構造配置を示す図である。
【
図2】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備の真空排気装置を示す部分断面図である。
【
図3】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備の密封装置を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備が加熱を行うときの断面図である。
【
図5】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備が真空排気を行うときの断面図である。
【
図6】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備が膜成形を行うときの断面図である。
【
図7】本発明の突出構造体膜状物を含む真空成形設備が製造した平面膜を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付した図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。
【0019】
本発明の方法は、以下の実施例により例示して説明するが、本発明は以下で述べる実施例に限定されるものでない。
【0020】
本明細書で使用する「一体成形」の言葉は、1つの構造又は複数の構造を製造するときに、同一の本体に結合するか、同一の本体上で異なる位置、形状及び機能により生産された対応構造を指す。
【0021】
本発明の突出構造体を含む膜状物成形方法は、突出構造体を含む膜状物を一回限りの真空成形に用い、方法のステップは以下の通りである。
A:1個又は1個以上の突出構造体を平面膜上に成形し、その成形方式は、接着を介するか、平面膜を製造するときに一体成形し;
B:突出構造体を含む平面膜を密封装置上に固定させ;
C:製品模型を真空排気装置上に固定させ;
D:1個又は1個以上の搬送装置を設置し、この搬送装置を各突出構造体上でそれぞれ挟持し;
E:加熱装置を設置し、この加熱装置を平面膜の底部に移動させ、平面膜の底部を加熱し、平面膜を軟化させ、加熱が完了した後、加熱装置を傍らに移動させ;
F:搬送装置を操作し、3次元ベクトルで制御し、突出構造体を曲げ、引っ張り、又は製品模型を真空排気装置上に移動させて固定した位置を基準とし、所定の成形位置を推算し;
G:搬送装置及び密封装置を真空排気装置の上方まで同期で変位させるとともに、密封装置を真空排気装置に密着させ、平面膜を製品模型の上方に対応させ;
H:真空排気装置は、平面膜と製品模型との間の空気を抽出して負圧を発生させ、平面膜を製品模型の表面に完全に付着させて突出構造体を含む完成品膜を成形し;
I:冷却した後に突出構造体を含む完成品膜を取り出してトリミングし、最終製品を形成する。
【0022】
上述した方法以外に、本発明は、突出構造体膜状物を含む真空成形設備をさらに含む。以下では明細書の添付図面と併せた好適な実施例の説明において、その成形設備の技術内容、特長及び効果が明確となるであろう。
【0023】
本明細書で使用している冠詞「一」、「一個」及び「任意」とは、1個又は1個よりも多い(即ち少なくとも1個)を指す物品の文法である。例えば「一部材」とは、1個の部材又は1個よりも多い部材を意味する。
【0024】
本明細書で使用している構造組立関係の説明の「固設」、「固定」、「装着」、「接続」又は「設置」の用語は、複数の構造を組み合わせた後、容易に分離するか落下することが無いように連結固定してもよいし、取り外し可能な接続にしてもよいし、一体的接続にしてもよいし、機械的接続にしてもよいし、電気的接続にしてもよいし、直接物理的に接続してもよいし、中間媒介を介して間接的に接続してもよく、例えば、ねじ、カムピン、フック、釘、接着剤又は高周波の何れかの方式を使用して結合することを広く指す。
【0025】
本明細書で使用している構造位置の説明に用いられている「上」の用語は、一般的に呼称する方向性を有する「上方」又は「上面」ではなく、構造の位置を説明する「上方」、「下方」の用語は、一般に用いる構造位置の方向性を指す。
【0026】
図1を参照して説明する。本実施例では、マウスピースの製作を一例に説明する。
本発明は、真空排気装置1、密封装置2、搬送装置3、加熱装置4及び制御コンソール5を少なくとも含む。
真空排気装置1上には、歯型の製品模型6を固設する。
密封装置2は、突出構造体71を含む平面膜7を固定するのに用いる。
【0027】
図1~
図2を参照して説明する。真空排気装置1上には、定位プラットフォーム11を有する。
定位プラットフォーム11上には、位置決め部材12を有する。
位置決め部材12は、歯型の製品模型6を固定するのに用いる。
製品模型6は、標準寸法(standard size)である台座61を有する。
台座61の底部を位置決め部材12に結合させ、製品模型6を定位プラットフォーム11上に位置決めし、定位プラットフォーム11の周辺にシールリング13を取り付ける。
【0028】
上述した位置決め部材12は、凹凸構造、係合又は爪部など互いに対応した組立構造を使用してもよい。
この組立構造はよく見かける技術の運用であるため、詳細については述べない。
【0029】
上述した歯型の製品模型6は、人の歯のカスタマイズした転写を行い、標準寸法である台座61上に成形するが、この構造技術は一般歯科で患者の歯の治療に用いる良く見かける歯型であるため、詳細については述べない。
【0030】
図1、
図3を参照して説明する。密封装置2は、環状であり、その周囲には螺旋式の係合溝21を設ける。
係合溝21は、リング22を嵌入させ、リング22を密封装置2の内縁に密着させる。
密封装置2上には、昇降装置23を固設させる。
昇降装置23は、制御コンソール5と電気的に接続する。
【0031】
平面膜7は、密封装置2上に設ける。
リング22を係合溝21に嵌入させると、平面膜7がリング22と密封装置2との間に挟設される。
【0032】
制御コンソール5で昇降装置23を駆動させ、密封装置2を真空排気装置1の上方で昇降させ、下降させてシールリング13を密着させて平面膜7と位置決め部材12との間に密封空間を形成し、真空排気装置1により空気を排出させて真空化させる作業を都合良く行えるようにする。
【0033】
図1、
図3~
図6を参照して説明する。搬送装置3は、密封装置2の一側に位置し、平面膜7上の突出構造体71を挟持し、昇降装置23と組み合わせて同期で昇降動作を行う。
突出構造体71が2つ設けられている場合、2つの搬送装置3を少なくとも設置し、これらの突出構造体71をそれぞれ対応して挟持し、これらの搬送装置3に駆動器31をそれぞれ接続させる。
これらの駆動器31は、搬送装置3を2次元又は3次元でそれぞれ移動させる。
駆動器31は、制御コンソール5と電気的に接続し、制御コンソール5の計算及び設定により、これらの駆動器31によりこれらの搬送装置3を操作し、これらの突出構造体71を曲げ、引っ張り、又は所定の成形位置に移動させることを都合良くできるようにする。
【0034】
搬送装置3の2次元又は3次元の移動には、搬送装置を使用してもよい。
上述した搬送装置は、リニアアーム(軌道式)、SCARAアーム、関節多軸搬送装置でもよい。
【0035】
図7を参照する。本実施例において、これらの搬送装置3は、2つの突出構造体71を対称に下向きで、かつ、内方に折り曲げ、平面膜7を製品模型6のマウスピースに成形するとき、2つの突出構造体71が対称に両側に位置してマウスピースに連結固定し、平面膜7を成形するときも、これらの搬送装置3が依然として突出構造体71を挟持しているため、突出構造体71の位置が変化することを防ぐことができる。
これらの変位の位置、角度又は方向の計算は、予め標準寸法である台座61が位置する定位プラットフォーム11上の定位位置を基準として、コンピュータを介して製品全体を成形する経路を模擬的に構築して推算する。
【0036】
図7を参照して説明する。本実施例において、上述した平面膜7は、マウスピースを製作するために用い、上述した突出構造体71が形成されるマウスピースの両側後方を、固定用途の係合構造(フックブロック及び係合リング)として用いるが、異なる類型の製品の製造に運用する際、突出構造体71は、任意の形体又は不特定の形体の外凸構造でもよい。
その用途もそれぞれ異なり、突出構造体71を予めその他の技術により製作・成形することができるため、輪郭造形を特殊な構造に製作することができ、従来、空気を排出して真空化して成形する技術による制限を克服し、成形が困難なマウスピースを製作することができる。
【0037】
図1、
図3~
図5を参照して説明する。加熱装置4は、密封装置2の一側に位置し、赤外線を使用して加熱する。
加熱装置4上には、移動装置41を固設する。
加熱装置4と移動装置41と制御コンソール5とは、電気的に接続する。
【0038】
平面膜7がリング22と密封装置2との間に挟設されると、制御コンソール5は、移動装置41を駆動し、加熱装置4を密封装置2の下方に移動させるとともに、加熱装置4をオンして平面膜7を加熱し、後続の軟化成形作業を都合良く行えるようにようにする。突出構造体71が搬送装置3により挟持されるため、搬送装置3は、突出構造体71を放熱させることができる。そのため、突出構造体71が熱を受けて軟化して変形することがなく、加熱が完了した後に、制御コンソール5により移動装置41を再び駆動させて、加熱装置4を密封装置2の下方から移し出す。
【0039】
上述した実施例は、単なる好適な実施例であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の前述した技術的特徴及び実施例を理解し、本発明の保護範囲を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正(本実施例では、マウスピースを例にしているが、マウスピースの製作のみに使用するわけではなく、その他特殊な造形の自動車模型の外装、携帯電話のケースなどに適用させてもよい)を加えることも本発明の保護範囲に属する。
(符号の説明)
【0040】
1:真空排気装置
11:定位プラットフォーム
12:位置決め部材
13:シールリング
2:密封装置
21:係合溝
22:リング
23:昇降装置
3:搬送装置
31:駆動器
4:加熱装置
41:移動装置
5:制御コンソール
6:製品模型
61:台座
7:平面膜
71:突出構造体
【国際調査報告】