(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241031BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241031BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20241031BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/213
H01M50/291
H01M50/293
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532988
(86)(22)【出願日】2023-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 KR2023014808
(87)【国際公開番号】W WO2024071985
(87)【国際公開日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0122411
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジミョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンス
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY10
5H040LL06
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、それぞれのバッテリーセルが挿入されるセル挿入空間およびセル挿入空間を区画し、それぞれのバッテリーセルを支持する支持リブが設けられたセルフレームと、セル挿入空間に設けられ、それぞれのバッテリーセルを囲むように設けられた防火壁部と、を含み、セルフレームは、バッテリーセルの挿入方向に沿って、セルフレームの中央部に行くほど少なくとも一部で厚さが厚くなるように設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
それぞれのバッテリーセルが挿入されるセル挿入空間と、前記セル挿入空間を区画し、前記それぞれのバッテリーセルを支持する支持リブとが設けられたセルフレームと、
前記セル挿入空間に設けられ、前記それぞれのバッテリーセルを囲むように設けられた防火壁部と、を含み、
前記セルフレームは、前記バッテリーセルの挿入方向に沿って、前記セルフレームの中央部に行くほど少なくとも一部で厚さが厚くなるように設けられる、
バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記セルフレームは、前記バッテリーセルの挿入方向に沿って、前記セルフレームの上端から前記セルフレームの中央部に行くほど厚さが厚くなるように設けられ、前記中央部から前記セルフレームの下端に行くほど厚さが狭くなるように設けられる、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記セルフレームは、前記支持リブによって前記セル挿入空間が上下に区画され、前記支持リブの上部である前記セル挿入空間の上部空間と前記支持リブの下部である前記セル挿入空間の下部空間とが互いに流体移動可能に連結される、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記セルフレームは、上部空間と下部空間とが前記支持リブを基準に互いに対称な形状を有する、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記防火壁部は、前記セル挿入空間に注入および硬化されることにより、前記それぞれのバッテリーセルを囲んだ状態であるポッティングレジンを含む、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記ポッティングレジンは、前記セル挿入空間の全領域に注入される、
請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記ポッティングレジンは、シリコン系レジン、ウレタン系レジン、またはエポキシ系レジンのうちいずれか一つである、
請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記防火壁部は、前記セル挿入空間の内面と前記それぞれのバッテリーセルの外周面とにそれぞれ接触し、隣接するバッテリーセルを区画するように配置される、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記防火壁部は、前記セルフレームの内面と前記セルフレームに最も隣接するバッテリーセルとの間の幅が、バッテリーセルの挿入方向に沿って前記防火壁部の上端から中央部に行くほど狭くなるように設けられ、前記防火壁部の中央部から前記防火壁部の下端に行くほど広くなるように設けられる、
請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記支持リブは、前記それぞれのバッテリーセルが挿入される複数のリブホールを有する、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記支持リブは、前記セルフレームに一体に形成される、
請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記支持リブは、前記リブホールの周りに沿って離隔して配置され、前記リブホールに挿入されたバッテリーセルの側面を支持するように設けられた複数の支持突起を含む、
請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記支持突起は、前記支持リブの上部または下部のうち少なくとも一方に突出形成される、
請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記支持リブを上下に貫通し、前記バッテリーセルと並んで配置され、前記支持リブに結合された支持柱をさらに含む、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記支持柱の上部に装着され、前記セルフレームの開放された上部を覆うように前記セルフレームに結合される上部カバーと、
前記支持柱の下部に装着され、前記セルフレームの開放された下部を覆うように前記セルフレームに結合される下部カバーと、をさらに含む、
請求項14に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、特に、連鎖発火防止用バッテリーモジュールに関し、詳細には、複数のバッテリーセルの外周面を一体に囲むように設けられた防火壁部が火災の転移を防止できる連鎖発火防止用バッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2022年9月27日付の韓国特許出願第10-2022-0122411号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文書に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
図1および
図2は、従来のバッテリーモジュールの構造を説明するための図である。
【0004】
図1を参照すると、従来のバッテリーモジュール10は、下部フレーム21、上部フレーム22、および複数のバッテリーセル15を含む。
【0005】
下部フレーム21と上部フレーム22は、上下に組み立てられて一つのセルフレーム20を形成する。
【0006】
下部フレーム21には、一つのバッテリーセル15が挿入可能に、下部フレーム21の内部空間27を区画する下部隔壁25が設けられる。上部フレーム22は、下部フレーム21と同じ構造であり、下部隔壁25と対向して設けられた上部隔壁26が設けられる。
【0007】
それぞれのバッテリーセル15は、下部フレーム21の内部空間27に挿入される。次に、上部フレーム22がそれぞれのバッテリーセル15を覆うように下部フレーム21の上部に結合される。
【0008】
従来の射出工程では、バッテリーセル15の高さに対応する高さでセルフレーム20を製作することが困難である。これにより、セルフレーム20は、下部フレーム21と上部フレーム22とに2つに分離製作され、上下に組み立てられる。
【0009】
セルフレーム20が一つの構成物で製作されない限り、セルフレーム20は、下部フレーム21と上部フレーム22との継ぎ目部に隙間23が生じる。この隙間23は、互いに対向して配置された下部隔壁25と上部隔壁26との間にも存在する。
【0010】
隙間23は、非常に狭い間隔Gを有する。非常に狭い間隔Gであっても隙間23が存在すれば、セルフレームの内部空間が隙間23を介して流体移動可能に連結される。
【0011】
バッテリーモジュール10に設けられた複数のバッテリーセルのうちいずれか一つのバッテリーセル15が発火した場合、火炎は、隙間23を介して、発火したバッテリーセル15から周辺バッテリーセルに急速に転移し得る。
【0012】
一般に、バッテリーセル15は、充電時に熱が発生する。バッテリーセル15の充電または使用時に発生する熱を効率的に除去できないと、バッテリーセル15の熱蓄積によりバッテリーセル15が発火し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来、上部フレームと下部フレームとの組立体でセルフレームを構成せず、バッテリーセルの長手方向に上下対称構造を有する一体型のセルフレームを有するバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、セルフレームがワンピース(one-piece)で製作され、バッテリーセルの外周面を囲むように設けられた防火壁部がセルフレーム内部の全領域に充填されることにより、隣接するバッテリーセル間の火炎の転移を防止できるバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、それぞれのバッテリーセルが挿入されるセル挿入空間およびセル挿入空間を区画し、それぞれのバッテリーセルを支持する支持リブが設けられたセルフレームと、前記セル挿入空間に設けられ、前記それぞれのバッテリーセルを囲むように設けられた防火壁部と、を含む。
【0016】
また、前記セルフレームは、前記バッテリーセルの挿入方向に沿って、前記セルフレームの中央部に行くほど少なくとも一部で厚さが厚くなるように設けられる。
【0017】
また、前記セルフレームは、前記バッテリーセルの挿入方向に沿って、前記セルフレームの上端から前記セルフレームの中央部に行くほど厚さが厚くなるように設けられ、前記中央部から前記セルフレームの下端に行くほど厚さが狭くなるように設けられ得る。
【0018】
また、前記セルフレームは、前記支持リブによって前記セル挿入空間が上下に区画され、前記支持リブの上部である前記セル挿入空間の上部空間と前記支持リブの下部である前記セル挿入空間の下部空間とが互いに流体移動可能に連結され得る。
【0019】
また、前記セルフレームは、上部空間と下部空間とが前記支持リブを基準に互いに対称な形状を有することができる。
【0020】
また、前記防火壁部は、前記セル挿入空間に注入および硬化されることにより、それぞれのバッテリーセルを囲んだ状態であるポッティングレジンを含むことができる。
【0021】
また、前記ポッティングレジンは、前記セル挿入空間の全領域に注入され得る。
【0022】
また、前記ポッティングレジンは、シリコン系レジン、ウレタン系レジン、またはエポキシ系レジンのうちいずれか一つを含むことができる。
【0023】
また、前記防火壁部は、前記セル挿入空間の内面と前記それぞれのバッテリーセルの外周面とにそれぞれ接触し、隣接するバッテリーセルを区画するように配置され得る。
【0024】
また、前記防火壁部は、前記セルフレームの内面と前記セルフレームに最も隣接するバッテリーセルとの間の幅が、バッテリーセルの挿入方向に沿って前記防火壁部の上端から中央部に行くほど狭くなるように設けられ、前記防火壁部の中央部から前記防火壁部の下端に行くほど広くなるように設けられ得る。
【0025】
また、前記支持リブは、前記それぞれのバッテリーセルが挿入される複数のリブホールを有することができる。
【0026】
また、前記支持リブは、前記セルフレームに一体に形成され得る。
【0027】
また、前記支持リブは、前記リブホールの周りに沿って離隔して配置され、リブホールに挿入されたバッテリーセルの側面を支持するように設けられた複数の支持突起を含むことができる。
【0028】
また、前記支持突起は、前記支持リブの上部または下部のうち少なくとも一方に突出形成され得る。
【0029】
前記バッテリーモジュールは、前記支持リブを上下に貫通し、前記バッテリーセルと並んで配置され、前記支持リブに結合された支持柱をさらに含むことができる。
【0030】
また、バッテリーモジュールは、前記支持柱の上部に装着され、前記セルフレームの開放された上部を覆うように前記セルフレームに結合される上部カバーと、前記支持柱の下部に装着され、前記セルフレームの開放された下部を覆うように前記セルフレームに結合される下部カバーと、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
以上で述べた通り、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールは、次のような効果を有する。
【0032】
従来のセルフレームが上部フレームと下部フレームとの組立体から構成されるのとは異なり、本発明において、セルフレームは、バッテリーセルの挿入方向(または「セルフレームの高さ方向」)に一体型で製作される。
【0033】
また、セルフレームの中央部を基準に上下対称構造を有するワンピース(one-piece)で製作され、それぞれのバッテリーセルを囲むようにセルフレームの内側空間に充填された防火壁部がバッテリーセル間の火災の転移を防止することができる。
【0034】
また、一体に形成されたセルフレームの構造的特徴として、セルフレームの厚さがセルフレームの中央から上端および下端に向かって行くほど小さくなるように設けられることにより、防火壁部の厚さをより厚く形成することができ、その結果、バッテリーセル間の火災の転移を効果的に防止することができる。
【0035】
従来のバッテリーモジュールは、セルフレームを構成する上部フレームと下部フレームとが上下に結合される構造を有し、組み立て後、上部フレームと下部フレームとの間に隙間が生じるのに対して、本発明は、一体型のセルフレームに複数のバッテリーセルを挿入後、セルフレームのセル挿入空間に難燃素材を注入および硬化させることにより、防火壁部を一体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来のバッテリーモジュールの構造を説明するための図である。
【
図2】従来のバッテリーモジュールの構造を説明するための図である。
【0037】
【
図3】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの断面図を概略的に示す図である。
【0038】
【
図4】本発明の一実施形態に係るセルフレームの斜視図を概略的に示す図である。
【0039】
【
図5】本発明の一実施形態に係るセルフレームの断面図を概略的に示す図である。
【0040】
【
図6】本発明の一実施形態に係るセルフレームのセル挿入空間にバッテリーセルが挿入される過程を説明するための図である。
【0041】
【
図7】本発明の一実施形態において、バッテリーセルがセルフレームに挿入された状態を説明するための図である。
【0042】
【
図8】本発明の一実施形態において、セルフレームのセル挿入空間に設けられた防火壁部の構造を説明するための図である。
【0043】
【
図9】本発明の一実施形態において、上部カバーと下部カバーとがセルフレームに結合される過程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールについて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
また、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素については同一または類似の参照番号を付し、これに対する重複説明は省略するようにし、説明の便宜のために示された各構成部材の大きさおよび形状は誇張または縮小されることがある。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール100の断面図を概略的に示す図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係るセルフレームの斜視図を概略的に示す図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係るセルフレームの断面図を概略的に示す図である。
【0047】
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール100は、セルフレーム110、複数のバッテリーセル120、および防火壁部130を含む。
【0048】
また、それぞれのバッテリーセル120は、円筒形状のバッテリーであり得る。
【0049】
具体的には、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル120と、それぞれのバッテリーセル120が挿入されるセル挿入空間111およびセル挿入空間111を区画し、それぞれのバッテリーセル120を支持する支持リブ114が設けられたセルフレーム110と、セル挿入空間111に設けられ、それぞれのバッテリーセル120を囲むように設けられた防火壁部130と、を含む。
【0050】
図4および
図5を参照すると、セルフレーム110は、複数のバッテリーセル120を収容するためのケースである。セルフレーム110には、セル挿入空間111および支持リブ114が設けられる。セル挿入空間111は、複数のバッテリーセル120が挿入される空間である。
【0051】
セルフレーム110は、上部と下部がそれぞれ開放され得る。
【0052】
セルフレーム110は、支持リブ114によってセル挿入空間111が上下に区画される。このとき、支持リブ114の上部であるセル挿入空間111の上部空間111aと支持リブ114の下部であるセル挿入空間111の下部空間111bとは、互いに流体移動可能に連結され得る。また、上部空間111aおよび下部空間111bは、支持リブ114を基準に上下対称に設けられ得る。
【0053】
例えば、セルフレーム110は、上部空間111aと下部空間111bとが支持リブ114を基準に互いに対称な形状を有することができる。また、支持リブ114は、セルフレーム110に一体に形成され得る。
【0054】
図3において、x軸方向は、セルフレーム110内に配置された複数のバッテリーセル120の配列方向またはバッテリーセル120の半径方向を示す。そして、y軸方向は、バッテリーセル120の挿入方向またはセルフレーム110の高さ方向を示す。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態に係るセルフレームのセル挿入空間にバッテリーセルが挿入される過程を説明するための図であり、
図7は、本発明の一実施形態において、バッテリーセルがセルフレームに挿入された状態を説明するための図である。
【0056】
セルフレーム110は、高さ方向に沿って一体に形成され得る。セルフレーム110は、ワンピースで製造されることにより、バッテリーセル120の挿入方向F1(
図6参照)に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど厚さt1が厚くなるように設けられ、中央部110aからセルフレームの下端110cに行くほど厚さt2が狭くなるように設けられ得る。
【0057】
図5および
図6を参照すると、セルフレーム110は、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほどセルフレーム110のセル挿入空間111の幅W1が狭くなるように設けられる。
【0058】
すなわち、セルフレーム110は、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど、セル挿入空間111の上部空間111aの幅W1が狭くなるように設けられる。
【0059】
また、セルフレーム110の上端部110dは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど厚さt1が厚くなるように設けられる。厚さt1は、セルフレーム110の上端部110dにおいて、セルフレーム110の外面112と内面113との間の間隔である。
【0060】
また、セルフレーム110の上端部110dは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど少なくとも一部で厚さt1が厚くなるように設けられ得る。
【0061】
また、セルフレーム110の上端部110dは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど厚さt1が継続的に厚くなるように設けられ得る。
【0062】
また、セルフレーム110の上端部110dは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の上端110bからセルフレーム110の中央部110aに行くほど厚さt1が線形に厚くなるように設けられ得る。
【0063】
ここで、セルフレームの上端部110dは、上部空間111aが設けられた部分を指称する。また、上部空間111aは、ほぼ逆台形状の断面を有することができる。
【0064】
また、セルフレーム110は、上部空間111aと下部空間111bとが支持リブ114を基準に互いに対称な形状を有することができる。
【0065】
セルフレーム110は、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の中央部110aからセルフレーム110の下端110cに行くほどセル挿入空間111の幅W2が広くなるように設けられる。
【0066】
すなわち、セルフレーム110は、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、セルフレーム110の中央部110aからセルフレーム110の下端110cに行くほどセル挿入空間111の下部空間111bの幅W2が広くなるように設けられる。
【0067】
セルフレームの下端部110eは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、中央部110aからセルフレームの下端110cに行くほど厚さt2が小さくなるように設けられる。厚さt2は、セルフレーム110の下端部110eにおいて、セルフレーム110の外面112と内面113との間の間隔である。
【0068】
また、セルフレームの下端部110eは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、中央部110aからセルフレームの下端110cに行くほど少なくとも一部で厚さt2が小さくなるように設けられる。
【0069】
また、セルフレームの下端部110eは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、中央部110aからセルフレームの下端110cに行くほど厚さt2が継続的に小さくなるように設けられ得る。
【0070】
また、セルフレームの下端部110eは、バッテリーセルの挿入方向F1に沿って、中央部110aからセルフレームの下端110cに行くほど厚さt2が線形的に小さくなるように設けられ得る。
【0071】
ここで、セルフレーム110の下端部110eは、下部空間111bが設けられた部分を指称する。また、下部空間111bは、台形状の断面を有することができる。
【0072】
図8は、本発明の一実施形態において、セルフレームのセル挿入空間に設けられた防火壁部の構造を説明するための図であり、
図9は、本発明の一実施形態において、上部カバーと下部カバーとがセルフレームに結合される過程を説明するための図である。
【0073】
防火壁部130は、セル挿入空間111に注入および硬化されることにより、それぞれのバッテリーセルを囲んだ状態であるポッティングレジンを含むことができる。
【0074】
また、防火壁部130は、難燃性を有する難燃素材で形成され得る。防火壁部130は、セル挿入空間111の内面とそれぞれのバッテリーセル120の外周面とを囲むように設けられる。
【0075】
また、防火壁部130は、セル挿入空間111の内面とそれぞれのバッテリーセル120の外周面とにそれぞれ接触し、隣接するバッテリーセル120を区画するように配置される。すなわち、隣接するバッテリーセル120間の空間に防火壁部130が充填形成される。また、防火壁部130は、セルフレーム110の内面と、セルフレーム110に最も隣接するバッテリーセル120との間の空間にも充填形成される。
【0076】
また、防火壁部130は、難燃素材がセル挿入空間111内にバッテリーセル120間の空間に注入および硬化されて形成され得る。また、ポッティングレジンは、セル挿入空間111の全領域に注入され得る。
【0077】
本明細書では、難燃素材は、シリコンと難燃剤とを混合したポッティングレジン(potting resin)が使用され得る。本実施形態では、ポッティングレジンは、シリコン系レジン、ウレタン系レジン、またはエポキシ系レジンのうちいずれか一つを含むことができる。
【0078】
防火壁部130は、セル挿入空間111の内面とそれぞれのバッテリーセル120の外周面とに接触し、隣接するバッテリーセル120を区画する。
【0079】
図8を参照すると、上部空間111aにおいて、防火壁部130は、セルフレーム110の内面とセルフレーム110に隣接するバッテリーセル120との間の幅W3がセルフレーム110の上端110bから中央部110aに行くほど狭くなるように設けられる。
【0080】
すなわち、防火壁部130は、セルフレーム110の内面(セル挿入空間を形成する面)と、セルフレーム110に最も隣接するバッテリーセル120との間の幅W3が、セルフレーム110の上端110bから中央部110aに行くほど狭くなるように設けられ得る。
【0081】
また、防火壁部130は、セルフレーム110の内面113(セル挿入空間を形成する面)と、セルフレーム110に最も隣接するバッテリーセル120との間の幅W4が、バッテリーセルの挿入方向に沿って、セルフレーム110の中央部110aからセルフレーム110の下端110cに行くほど増加するように設けられ得る。
【0082】
また、防火壁部130は、隣接する2つのバッテリーセル間の空間にも配置され、このとき、互いに隣接する2つのバッテリーセル120を区画する防火壁部130は、バッテリーセルの挿入方向に沿って厚さW5がほぼ一定に設けられ得る。
【0083】
図4および
図5を参照すると、支持リブ114は、それぞれのバッテリーセル120が挿入される複数のリブホール116を有することができる。また、それぞれのリブホール116には、それぞれのバッテリーセル120が挿入される。
【0084】
支持リブ114は、セル挿入空間111が上下に区画されるようにセルフレーム110に一体に形成される。また、支持リブ114は、セル挿入空間111に挿入されたそれぞれのバッテリーセル120を一体に支持する。
【0085】
また、支持リブ114は、リブホール116の周りに沿って離隔して配置され、リブホール116に挿入されたバッテリーセル120の側面を支持するように設けられた複数の支持突起115を含むことができる。一例として、支持突起115は、支持リブ114の上部または下部のうち少なくとも一方に突出形成され得る。また、支持突起115は、支持リブ114と一体に形成され得る。
【0086】
また、支持リブ114は、所定の幅間隔W5でバッテリーセル120の外周面を囲むように設けられ得、互いに隣接する2つのバッテリーセル120を幅間隔W5だけ離隔させることができる。例えば、隣接するリブホール116は、所定の幅間隔W5を有するように離れて配置され得る。また、隣接する2つのバッテリーセル間の空間には、防火壁部130が充填される。
【0087】
図4および
図5を参照すると、支持リブ114は、セル挿入空間111が上下に区画されるようにセルフレーム110に設けられる。支持リブ114は、それぞれのバッテリーセル120を側面支持し、それぞれのバッテリーセル120が一定の間隔で離隔して配置されるように設けられる。
【0088】
それぞれのバッテリーセル120は、それぞれのリブホール116を貫通してセル挿入空間111に挿入される。支持突起115は、バッテリーセル120の外周面と接してバッテリーセル120の側面を支持することができる。
【0089】
バッテリーモジュール100は、支持リブ114を上下に貫通し、バッテリーセル120と並んで配置され、支持リブ114に結合された支持柱117を含むことができる。
【0090】
支持柱117は、支持リブ114を上下に貫通して支持リブ114に結合され、バッテリーセル120と並んで配置され、支持リブ114を支持する。
【0091】
バッテリーモジュール100は、支持柱117の上部に装着され、セルフレーム110の開放された上部を覆うようにセルフレーム110に結合される上部カバー140と、支持柱117の下部に装着され、セルフレーム110の開放された下部を覆うようにセルフレーム110に結合される下部カバー150とを含むことができる。
【0092】
一例として、支持柱117には、上部カバー140と下部カバー150とが嵌合され得る。
【0093】
図9を参照すると、上部カバー140は、支持柱117の上部に嵌合されて、セルフレーム110の開放された上部を覆うようにセルフレーム110に結合され得る。また、下部カバー150は、支持柱117の下部に嵌合されて、セルフレーム110の開放された下部を覆うようにセルフレーム110に結合され得る。
【0094】
以下、上記のように構成されるバッテリーモジュールの製造方法について説明する。
【0095】
図4および
図5を参照すると、セル挿入空間111と支持リブ114とが設けられたセルフレーム110が準備される。
【0096】
図6を参照すると、それぞれのバッテリーセル120がそれぞれのリブホール116を貫通してセル挿入空間111に挿入される。
【0097】
図7を参照すると、複数のバッテリーセル120がセル挿入空間111に挿入されると、難燃素材がセル挿入空間111に注入される。上述したように、難燃素材は、シリコンと難燃剤とを混合したポッティングレジン(potting resin)が使用され得る。また、ポッティングレジンは、シリコン系レジン、ウレタン系レジン、またはエポキシ系レジンのうちいずれか一つである。
【0098】
図8を参照すると、充填された難燃素材が硬化されながら、セル挿入空間111の内面とそれぞれのバッテリーセル120の外周面とを囲む防火壁部130が形成される。
【0099】
防火壁部130は、セル挿入空間111の内面とそれぞれのバッテリーセル120の外周面とにそれぞれ接触し、セル挿入空間111でそれぞれのバッテリーセル120を囲むようになり、防火壁部130は、互いに隣接するバッテリーセル120が互いに区画する防火壁を形成する。
【0100】
図9を参照すると、上部カバー140が支持柱117の上部に嵌合されて、セルフレーム110の開放された上部を覆い、下部カバー150が支持柱117の下部に嵌合されて、セルフレーム110の開放された下部を覆う。
【0101】
また、セルフレーム110がワンピース(one-piece)で製作されることにより、セルフレーム110の継ぎ目部がなく、継ぎ目部による間隔G(
図1参照)もない。
【0102】
また、防火壁部130が、セル挿入空間111の全領域に充填および硬化され、それぞれのバッテリーセル120を囲むように設けられるため、発火したバッテリーセルの火炎の周辺のバッテリーセルへの転移を遮断して、バッテリーセルの連鎖発火を防止することができる。
【0103】
上述した本発明の望ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明に対する通常の知識を有する当業者であれば、本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更、および付加は、下記の請求範囲に属するものと見なすべきである。
【国際調査報告】