(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】導体接続端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533035
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2022084595
(87)【国際公開番号】W WO2023104796
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021132043.7
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】シュトルツェ,ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ギーゼ,ヨハネス
(57)【要約】
本発明は、絶縁体ハウジングと、第1の導電体を収容するための第1の導体収容空間を有する第1のスプリングクランプ接続部と、第2の導電体を収容するための第2の導体収容空間を有する第2のスプリングクランプ接続部とを備えた導体接続端子であって、第1のスプリングクランプ接続部は第2のスプリングクランプ接続部と、第1の導体収容空間から第2の導体収容空間へ延びている送電レールを介して接続されており、絶縁体ハウジングは複数の部分に分かれており、主ハウジング部分および少なくとも1つの第1の蓋部分によって形成されている、導体接続端子に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体ハウジング(10)と、第1のスプリングクランプ接続部(13)と、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)に割り当てられており、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)にクランプされるべき第1の導電体を収容するための第1の導体収容空間(18)と、第2のスプリングクランプ接続部(23)と、前記第2のスプリングクランプ接続部(23)に割り当てられており、前記第2のスプリングクランプ接続部(23)にクランプされるべき第2の導電体を収容するための第2の導体収容空間(28)と、を備え、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)が前記第2のスプリングクランプ接続部(23)と、前記第1の導体収容空間(18)から前記第2の導体収容空間(28)へ延びている送電レール(6)を介して接続されており、前記絶縁体ハウジング(10)が複数の部分に分かれ、主ハウジング部分(11)および少なくとも1つの第1の蓋部分(4)によって形成されている導体接続端子(1)であって、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)が前記第2のスプリングクランプ接続部(23)の上方に配置される前記導体接続端子(1)の高さ方向(H)において、前記第1の蓋部分(4)が、前記第2のスプリングクランプ接続部(23)の高さ区間にわたってのみ延びていることを特徴とする導体接続端子(1)。
【請求項2】
前記第1の蓋部分(4)の少なくとも一区域(9)が、前記第1の導体収容空間(18)と前記第2の導体収容空間(28)の間の隔壁を形成していることを特徴とする請求項1に記載の導体接続端子。
【請求項3】
前記第1の蓋部分(4)の少なくとも一区域(9)が、前記絶縁体ハウジング(10)の、前記第1の導体収容空間(18)に通じている第1の導体挿入路(19)の部分区域を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の導体接続端子。
【請求項4】
前記絶縁体ハウジング(10)が第2の蓋部分(3)を有し、前記第2の蓋部分(3)に、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)の少なくとも一部が支持されているおよび/または固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項5】
前記第2の蓋部分(5)が、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)の導体挿入方向(L1)を少なくとも実質的には横切る方向に、前記主ハウジング部分(11)に嵌め込み得ることを特徴とする請求項4に記載の導体接続端子。
【請求項6】
前記第1の蓋部分(4)が、前記第1のスプリングクランプ接続部(13)の導体挿入方向(L1)に平行な方向に、前記主ハウジング部分(11)に嵌め込み得ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項7】
前記送電レール(6)が、前記主ハウジング部分(11)の壁および前記第1の蓋部分(4)の壁の互いに向かい合う端面によって形成されている開口部を通って、前記第1の導体収容空間(18)から前記第2の導体収容空間(28)へ延びていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項8】
前記第1のスプリングクランプ接続部(13)が、バネ力により前記第1の導電体をクランプするための第1のクランプバネ(14)を有し、前記第1のクランプバネ(14)が、前記絶縁体ハウジング(10)内に配置された第1のクランプ位置(141)で前記第1の導電体をクランプするための第1のクランプ脚部(140)と、前記第1のクランプバネ(14)を前記第1のクランプ脚部(140)のクランプ力に対して支持する第1の接触脚部(142)とを有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項9】
前記第2のスプリングクランプ接続部(24)が、前記第1のクランプ脚部(140)の、前記第1の接触脚部(142)に面していない側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の導体接続端子。
【請求項10】
前記送電レール(6)が第1のクランプ区域(61)を有し、前記第1のクランプ区域(61)が前記第1のクランプ脚部(140)と共に前記第1のクランプ位置(141)を形成していることを特徴とする請求項8または9に記載の導体接続端子。
【請求項11】
前記送電レール(6)が、前記第1のクランプ区域(61)に隣接するアーチ区域(63)を有し、前記アーチ区域(63)では、前記送電レール(6)がアーチ状に、直接または前記送電レール(6)の少なくとも1つの別の区域を介して第2のクランプ区域(62)に移行し、前記第2のクランプ区域(62)が第2のクランプバネ(24)の第2のクランプ脚部(240)と共に、前記第2の導電体をクランプするための第2のクランプ位置(241)を形成していることを特徴とする請求項10に記載の導体接続端子。
【請求項12】
前記第2のクランプ区域(63)が、前記第1のクランプ区域(61)に対して実質的におよび/または主として平行に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の導体接続端子。
【請求項13】
前記導体接続端子(1)が追加の部品として、前記第1のクランプ位置(141)を開くために前記第1のクランプ脚部(140)を手動の作動によって変位させ得る作動要素(5)、特に作動レバーまたは押ボタンを有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項14】
前記絶縁体ハウジング(10)が、前記第1の導電体を挿入するための第1の導体挿入口(12)および前記第2の導電体を挿入するための第2の導体挿入口(22)を有し、前記第1の導体挿入口(12)が、前記導体接続端子(1)の、前記第2の導体挿入口(22)とは反対の側に配置されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体ハウジングと、第1のスプリングクランプ接続部と、この第1のスプリングクランプ接続部に割り当てられており、第1のスプリングクランプ接続部にクランプされるべき第1の導電体を収容するための第1の導体収容空間と、第2のスプリングクランプ接続部と、この第2のスプリングクランプ接続部に割り当てられており、第2のスプリングクランプ接続部にクランプされるべき第2の導電体を収容するための第2の導体収容空間とを備えた導体接続端子であって、第1のスプリングクランプ接続部は第2のスプリングクランプ接続部と、第1の導体収容空間から第2の導体収容空間へ延びている送電レールを介して接続されており、絶縁体ハウジングは複数の部分に分かれ、主ハウジング部分および少なくとも1つの第1の蓋部分によって形成されている、導体接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
属概念の導体接続端子がDE102019108291A1から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の基礎となる課題は、これに対してさらに改良された導体接続端子を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、冒頭に挙げた種類の導体接続端子では、第1のスプリングクランプ接続部が第2のスプリングクランプ接続部の上方に配置されている導体接続端子の高さ方向において、第1の蓋部分が、第2のスプリングクランプ接続部の高さ区間にわたってのみ延びていることによって解決される。本発明はこのようにして、導体接続端子の比較的単純で安価な構造を、既に実証済みの部品および構成原理を使用して可能にする。とりわけ、導体接続端子の簡単で自動化された組立が可能であることが有利である。これは、とりわけ第1の蓋部分の有利な設計によって支援され、この第1の蓋部分は、比較的小さな構造であり、かつ導体接続端子の比較的小さな高さ範囲にわたってのみ延びている。これに関し、導体接続端子の高さ方向Hは、第1のスプリングクランプ接続部の導体挿入方向に垂直におよび/または第2のスプリングクランプ接続部の導体挿入方向に垂直に延びている。
【0005】
第1のスプリングクランプ接続部および第1の導体収容空間は、有利な一形態では、絶縁体ハウジング内に配置されており、この第1のスプリングクランプ接続部は少なくとも部分的には第1の導体収容空間内に配置され得る。第2のスプリングクランプ接続部および第2の導体収容空間は、有利な一形態では、絶縁体ハウジング内に配置されており、この第2のスプリングクランプ接続部は少なくとも部分的には第2の導体収容空間内に配置され得る。
【0006】
本発明の有利な一形態によれば、第1の蓋部分の少なくとも一区域が、第1と第2の導体収容空間の間の隔壁を形成している。したがって第1の蓋部分により、第1の導体収容空間が第2の導体収容空間から隔てられている。こうすることで主ハウジング部分は、少なくとも第1の蓋部分が嵌め込まれ得る側では、比較的大きな開口部を備えて形成することができ、これにより、主ハウジング部分内での、部品、とりわけ第2のスプリングクランプ接続部の部品の簡単で自動化された組立が可能である。これに加え、現況技術から知られている導体接続端子に対し、材料が節減され、かつ組立が簡略化される。
【0007】
第1のスプリングクランプ接続部は第1のクランプバネを有し得る。第1のクランプバネは、絶縁体ハウジング内に配置された第1のクランプ位置で第1の導電体をクランプするための第1のクランプ脚部と、第1のクランプバネを第1のクランプ脚部のクランプ力に対して支持する第1の接触脚部とを有し得る。これは、バネ力による第1の導電体の信頼できるクランプを可能にする。第1のクランプバネは、第1のクランプ脚部の自由端にクランプ縁部を有することができ、このクランプ縁部により第1の導電体が、特に確実に第1のクランプ位置でクランプされ得る。第1のクランプバネは、第1のバネアーチ部を有することができ、この第1のバネアーチ部を介して第1のクランプ脚部は第1の接触脚部と結合している。
【0008】
第2のスプリングクランプ接続部は第2のクランプバネを有し得る。第2のクランプバネは、絶縁体ハウジング内に配置された第2のクランプ位置で第2の導電体をクランプするための第2のクランプ脚部と、第2のクランプバネを第2のクランプ脚部のクランプ力に対して支持する第2の接触脚部とを有し得る。これは、バネ力による第2の導電体の信頼できるクランプを可能にする。第2のクランプ脚部は、自由端にクランプ縁部を有することができ、このクランプ縁部により第2の導電体が、特に確実に第2のクランプ位置でクランプされ得る。第2のクランプバネは、第2のバネアーチ部を有することができ、この第2のバネアーチ部を介して第2のクランプ脚部は第2の接触脚部と結合している。
【0009】
第1のスプリングクランプ接続部は、第1のクランプ脚部の作動なしでも第1の導電体を直接的に差込可能で、このようにしてクランプ可能である直接差込式端子として形成され得る。第2のスプリングクランプ接続部は、第2のクランプ脚部の作動なしでも第2の導電体を直接的に差込可能で、このようにしてクランプ可能である直接差込式端子として形成され得る。
【0010】
第1の蓋部分は、例えば側断面においてU字形に形成することができ、したがって第2の導電体の、第2のクランプバネを越えて突き出ている部分のための収容室を形成し得る。第1の蓋部分は、絶縁体ハウジングの内側に向けられた、1つの側が開放されている中空空間によっても形成され得る。
【0011】
第1の蓋部分は支持輪郭を有することができ、第2のクランプバネの少なくとも一部を支持するために、例えば第2のクランプバネの第2のバネアーチ部を支持するために形成された例えば凹状に湾曲した輪郭を有し得る。支持輪郭は、第1の蓋部分の側壁に組み込まれ得る。
【0012】
絶縁体ハウジングは、絶縁体ハウジングに第1の導電体を挿入するための第1の導体挿入口を有し得る。絶縁体ハウジングは、絶縁体ハウジングに第2の導電体を挿入するための第2の導体挿入口を有し得る。本発明の有利な一形態によれば、第1の導体挿入口は、導体接続端子のうち第2の導体挿入口とは反対の側に配置されている。これにより、貫通端子台に似た有利なコネクタ端子台が提供される。
【0013】
本発明の有利な一形態によれば、第1の蓋部分は、第2の導体挿入口に向かい合って配置されている。このようにして第1の蓋部分は、導体接続端子のうち第2の導体挿入口に隣接する第2の導体挿入路の、いわば後ろの終端を形成し得る。
【0014】
本発明の有利な一形態によれば、第1の蓋部分の少なくとも一区域が、絶縁体ハウジングの、第1の導体挿入口から第1の導体収容空間に通じている第1の導体挿入路の部分区域になっている。これは、第1の蓋部分が、追加的な機能、つまり第1の導体収容空間内での第1の導電体の導体案内を担い得るという利点を有する。第1の蓋部分のうち、第1の導体挿入路の部分区域になり得る言及した区域は、例えば、第1の蓋部分の、導体案内に適した壁区域として存在し得る。
【0015】
本発明の有利な一形態によれば、絶縁体ハウジングが第2の蓋部分を有し、この第2の蓋部分に、第1のスプリングクランプ接続部の少なくとも一部が支持されているおよび/または固定されている。これは、第1のスプリングクランプ接続部も、簡単に、とりわけ自動化された組立により、絶縁体ハウジング内で組み立てられ得るという利点を有する。これに関し、第1のスプリングクランプ接続部の部品、とりわけ第1のクランプバネおよび送電レールおよび/または保持枠ならびに場合によっては作動要素および/または第2の蓋部分は、予め組み立てられたアセンブリとして主ハウジング部分に嵌め込まれ得る。
【0016】
本発明の有利な一形態によれば、第2の蓋部分は、第1のスプリングクランプ接続部の導体挿入方向を横切る方向に、主ハウジング部分に嵌め込み得る。これは、とりわけこのアセンブリが例えば作動レバーのような作動要素を有する場合に、主ハウジング部分内での第1のスプリングクランプ接続部の簡単で信頼できる自動化された組立を可能にする。
【0017】
本発明の有利な一形態によれば、第1の蓋部分は、第1のスプリングクランプ接続部の導体挿入方向に対して少なくとも実質的には平行な方向に、主ハウジング部分に嵌め込み得る。これに応じて、第1の蓋部分は第2の蓋部分とは違う方向で主ハウジング部分に嵌め込まれる。これも、自動化された組立にとって有利である。
【0018】
本発明の有利な一形態によれば、送電レールは、それぞれ主ハウジング部分の壁および第1の蓋部分の壁の互いに向かい合う端面によって形成されている開口部を通って、第1の導体収容空間から第2の導体収容空間へ延びている。これは、送電レールも簡単に絶縁体ハウジングに嵌め込み得るという利点を有する。これに関し送電レールは、例えば、第2のスプリングクランプ接続部を含む予め組み立てられる構造ユニットの一部として、第2のスプリングクランプ接続部と共に主ハウジング部分に嵌め込まれ得る。
【0019】
開口部は比較的短く、例えば、絶縁体ハウジングのうち第1の導体挿入口が存在する側から絶縁体ハウジングの向かい側まで測定した導体接続端子の長さの、例えば30%未満または20%未満の長さで形成され得る。
【0020】
本発明の有利な一形態によれば、第2のスプリングクランプ接続部は、第1のクランプ脚部の、第1の接触脚部に面していない側に配置されている。こうすることで、導体挿入方向において比較的短い構造の導体接続端子を実現でき、この導体接続端子では、第1のスプリングクランプ接続部と第2のスプリングクランプ接続部がいわば重なり合って配置されている。
【0021】
本発明の有利な一形態によれば、送電レールが第1のクランプ区域を有し、この第1のクランプ区域が第1のクランプ脚部と共に第1のクランプ位置を形成する。
本発明の有利な一形態によれば、送電レールが、第1のクランプ区域に隣接するアーチ区域を有し、このアーチ区域では、送電レールがアーチ状に、直接的にまたは送電レールの少なくとも1つの別の区域を介して第2のクランプ区域に移行し、この第2のクランプ区域が第2のクランプバネの第2のクランプ脚部と共に、第2の導電体をクランプするための第2のクランプ位置を形成する。
【0022】
本発明の有利な一形態によれば、第2のクランプ区域は、第1のクランプ区域に対して実質的におよび/または主として平行に配置されている。これも、導体接続端子のコンパクトな構造にとって有益である。送電レールは、例えば側面図においてU字形を有し得る。
【0023】
本発明の有利な一形態によれば、この接続モジュールが追加の部品として、第1のクランプ位置を開くために第1のクランプ脚部を手動の作動によって変位させ得る作動要素、特に作動レバーまたは押ボタンを有する。これは、追加的な工具なしで、第1のクランプ位置を簡単に開くことを可能にする。クランプ脚部が変位することにより、クランプ脚部が送電レールの第1のクランプ区域から動かされる。作動レバーは、例えば旋回可能な作動レバーとして形成され得る。
【0024】
本発明の意味において、不定の概念の「1つ」を数詞と理解してはならない。つまり、例えば1つの部品と言う場合、これは「少なくとも1つの部品」の意味で解釈されるべきである。角度表示が度でなされる場合には、この角度表示は360度(360°)の円の尺度に関する。
【0025】
以下では、例示的実施形態に基づき、図面を使用して、本発明をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図4】第1のスプリングクランプ接続部の斜視図である。
【
図5】第2のスプリングクランプ接続部の斜視図である。
【
図6】第1のスプリングクランプ接続部を有するアセンブリの側断面図である。
【
図9】
図7に基づく第1の蓋部分および
図8に基づく第2の蓋部分を備えて形成された導体接続端子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、絶縁体ハウジング10と、その中に配置された第1のスプリングクランプ接続部13と、同様にその中に配置された第2のスプリングクランプ接続部23とを備えた導体接続端子1を示している。第1のスプリングクランプ接続部13には、第1の導電体を収容するための第1の導体収容空間18が割り当てられている。第2のスプリングクランプ接続部23には、第2の導電体を収容するための第2の導体収容空間28が割り当てられている。第1の導体収容空間18内に第1のクランプバネ14が、第2の導体収容空間28内に第2のクランプバネ24が配置されている。
【0028】
第1の導電体は、導体挿入方向L1で第1の導体収容空間18に挿入可能であり、第2の導電体は、向かい合う導体挿入方向L2で第2の導体収容空間28に挿入可能である。
絶縁体ハウジング10は複数の部分に分かれており、主ハウジング部分11と、第1の蓋部分4と、第2の蓋部分3とによって形成されている。第1の蓋部分4は、側断面図では、下壁41と、絶縁体ハウジング10の外壁を形成している後壁40と、上壁9とによってU字形に形成されている。これらの壁9、40、41が、側断面図では第1の蓋部分4のU字形を形成している。第1の蓋部分4は、これに加えて片側または両側に側壁42を有することができ、この側壁42により、壁9、40、41と共に、導電体を収容するための、4つまたは5つの側で閉鎖された中空空間が提供されている。一方または両方の側壁42には、第2のクランプバネ24を支持するための支持輪郭43が形成され得る。第1の蓋部分4が主ハウジング部分11に固定されている場合、例えば後壁40が、絶縁体ハウジング10の外壁になり得る。この場合、下壁41は、主ハウジング部分11の外壁と実質的に全体的に重なり合って配置され得る。この場合、上壁9は、第1と第2の導体収容空間18、28の間の隔壁になっていることができ、かつ/または絶縁体ハウジング10の、第1の導体収容空間18に通じている第1の導体挿入路19の部分区域になり得る。
【0029】
第1のスプリングクランプ接続部13は第1のクランプバネ14を有する。第1のクランプバネ14は、第1のクランプ位置141で第1の導電体をしっかりとクランプするための第1のクランプ脚部140と、第1の接触脚部142とを有する。第1の接触脚部142により、第1のクランプバネ14が第1のクランプ脚部140のクランプ力に対して支持されている。このために、第1の接触脚部142は保持枠8に取り付けられている。保持枠8は、第1の接触脚部142の上側の領域から、下側の送電レール支持領域144まで延びており、送電レール支持領域144には送電レール6が支持されている。
【0030】
送電レール6は、第1のクランプ区域61、第1のクランプ区域61に隣接するアーチ区域63を有し、アーチ区域63では送電レール6がアーチ状に形作られており、かつ送電レール6の第2のクランプ区域62に移行している。クランプ脚部140は、送電レール6を介して、つまり送電レール6の第1のクランプ区域61を介して、またはそこで第1の導電体がクランプされている場合は第1の導電体を介して間接的に、送電レール支持領域144に支持されている。
【0031】
送電レール6が、第1のクランプ位置141から開口部17を通り抜けて第2のクランプ位置241に延びていることが認識される。開口部17は、第1の蓋部分4の上壁9および主ハウジング部分11の壁26の互いに面した端面によって形成されている。
【0032】
絶縁体ハウジング10は第1の導体挿入口12を有し、この第1の導体挿入口12を通って第1の導電体が、絶縁体ハウジング10内の第1のクランプ位置141へと挿入され得る。導体挿入口12には第1の導体収容路19が隣接している。これに関し、第1の蓋部分4の上壁9が、第1の導体収容路19の部分領域になっている。絶縁体ハウジング10は第2の導体挿入口22を有し、この第2の導体挿入口22を通って第2の導電体が、絶縁体ハウジング10内の第2のクランプ位置241へと挿入され得る。さらに、第1のクランプ脚部140を作動させるための作動要素5として、旋回可能な作動レバーが存在しており、この作動レバーは、絶縁体ハウジング10の外面、例えば蓋部分3が存在する上側に図示したハウジング面において、手動で作動され得る。
【0033】
絶縁体ハウジング10内に第2のスプリングクランプ接続部23が配置されており、この第2のスプリングクランプ接続部23は、第2のクランプ位置241でバネ力により第2の導電体をクランプするための第2のクランプバネ24を有する。第2のクランプバネ24は第2のクランプ脚部240を有し、この第2のクランプ脚部240が送電レール6の第2のクランプ区域62と共に、第2のクランプ位置241を形成している。さらに、第2のクランプバネ24は第2の接触脚部242を有し、この第2の接触脚部242は、送電レール6の第2のクランプ区域62の、第2のクランプ脚部240に面していない側に取り付けられている。
【0034】
図2および
図3に基づいて作動要素5の有利な設計を解説する。作動要素5は、ユーザが掴んで手動で操作し得る手動作動領域50を有し得る。作動要素5は、手動作動領域50から実質的に直角に突き出ていて、互いに対して主として平行に配置されている2つの案内壁51を有し、案内壁51の間には空所52が形成されている。例えば、手動作動領域50は案内壁51の長手方向の部分区間にわたってのみ延びていてよく、したがって後ろの領域では空所52が、案内壁51の、手動作動領域50に面する上縁まで延びている。
【0035】
手動作動領域50に面していない(換言すれば、手動作動領域50と反対側の)端部において、案内壁51は、それぞれの支持領域53を有し、この支持領域53は、凸状に、例えば少なくとも部分的に円弧状に成形され得る。支持領域53から、それぞれの案内壁に平行に、追加的な内壁54が延びていることができる。このようにして、作動要素5の各々の側で、案内壁51と割り当てられた内壁54との間の追加的な収容空間が提供されており、この追加的な収容空間は、例えば第1の絶縁体ハウジング10の内側のハウジング壁を受け入れるために使用され得る。一方または両方の内壁54にバネ駆動体55を付加成形することができ、このバネ駆動体55により、第1のクランプ脚部140が、作動要素5の旋回運動の際に変位する(
図6で認識可能)。
【0036】
図4は、第1のクランプバネ14の設計を示している。この第1のクランプバネ14は保持枠8と一体的に形成されており、例えば接触脚部142が、延長されて第1のクランプ脚部140に向かって両側で曲げられた細長い領域を介してこのような保持枠8へと変形することによって一体的に形成されている。これに関し送電レール保持区域144は、両側でそれぞれ保持枠8の鉛直壁143を介して第1の接触脚部142と結合されている。この例示的実施形態では、保持枠8は、送電レール保持区域144の側部区域の間の間隙を除いて、周方向に閉じられて形成されている。
【0037】
図5は、第2のクランプバネ24を備えた第2のスプリングクランプ接続部23の有利な設計を示している。第2のクランプバネ24は、いわゆるプッシュワイヤ端子として、例えば板状の金属部品から形成することができ、この板状の金属部品から打ち抜き及び曲げ工程により、第2のクランプ脚部240が形成され、かつ第2の接触脚部242が、第2のクランプ脚部240から左右に突き出ている材料区域の形態で形成され、これら材料区域は横方向ウェブ243によって相互に結合されている。横方向ウェブ243は、
図1が明らかにしているように、第2のクランプバネ24を、送電レール6の第2のクランプ区域62に固定するために役立つ。この第2の接触脚部242は、側面図においてU字形を形成しており、これに関し、接触脚部242の2つの区域がアーチ部を介して相互に結合されている。この接触脚部は、クランプ脚部240の両側で側方に形成された2つのバー状区域によって形成されており、これらバー状区域は、クランプ脚部240とは反対側の端部で、横方向ウェブ243を介して相互に結合されている。これに関し、バー状区域の間に開口部が形成されている。
【0038】
図6は、第1のスプリングクランプ接続部13と、第1の蓋部分3と、作動要素5とから成る予め組み立てられたアセンブリを示している。これらの部品は嵌合式に相互に結合されており、つまり1つの構造ユニットを形成するように互いを保持し、この構造ユニットはこの場合、簡単に第1の主ハウジング部分11内に取り付けられ得る。第1のクランプバネ14は、
図4に対応して形成されている。
【0039】
図7は、第1の蓋部分4を斜視図で示している。5つの壁9、40、41、42によって閉鎖された内側の中空空間を有する小部屋状の構造が認識される。第1の蓋部分4は、1つまたは複数の係止要素44を、例えば1つまたは複数の側壁42に有し得る。この係止要素44により、第1の蓋部分4が主ハウジング部分11と係合され得る。
【0040】
第1の蓋部分4の上側の側壁9が、第1と第2の導体収容空間18、28の間の隔壁になっていることが認識される。これに関し、上壁9は同時に、絶縁体ハウジング10の、第1の導体収容空間18に通じている第1の導体収容路19の部分区域になっている。
【0041】
図8は、第2の蓋部分3を斜視図で示している。第2の蓋部分3を据え付けるために、第2の蓋部分3は、例えば横に突き出ている係止要素30を有することができ、この係止要素30が主ハウジング部分11と係合可能である。これに加え、下に向かって突き出ている係止タブ31が存在していてもよく、この係止タブ31に、第1のスプリングクランプ接続部13の一部、例えば言及した保持枠8または第1のクランプバネ14が係合され得る。第1の導体挿入口12に面した側では、
図1で明らかにしているように第2の蓋部分3が、主ハウジング部分11と係合するためのさらなる係止縁部32を有する。
【0042】
図9は、完全に組み立てられたハウジング部分を備えた導体接続端子1を示している。第1の蓋部分4は、導体挿入方向L1に平行に主ハウジング部分11に嵌め込まれており、かつ第1の蓋部分4の係止要素44によって主ハウジング部分11に係止されている。第2の蓋部分3は、上から、つまり第1の導体挿入方向L1に対して直角に主ハウジング部分11に嵌め込まれており、かつ第2の蓋部分3の係止要素30によって主ハウジング部分11に係止されている。
【符号の説明】
【0043】
1 導体接続端子
3 第2の蓋部分
4 第1の蓋部分
5 作動要素
6 送電レール
8 保持枠
9 上壁
10 絶縁体ハウジング
11 主ハウジング部分
12 第1の導体挿入口
13 第1のスプリングクランプ接続部
14 第1のクランプバネ
17 開口部
18 第1の導体収容空間
19 第1の導体収容路
22 第2の導体挿入口
23 第2のスプリングクランプ接続部
24 第2のクランプバネ
26 壁
28 第2の導体収容空間
30 係止要素
31 係止タブ
32 さらなる係止縁部
40 後壁
41 下壁
42 側壁
43 支持輪郭
44 係止要素
50 作動領域
51 案内壁
52 空所
53 支持領域
54 内壁
55 バネ駆動体
61 第1のクランプ区域
62 第2のクランプ区域
63 アーチ区域
140 第1のクランプ脚部
141 第1のクランプ位置
142 第1の接触脚部
143 鉛直壁
144 送電レール支持領域
240 第2のクランプ脚部
241 第2のクランプ位置
242 第2の接触脚部
243 横方向ウェブ
H 高さ方向
L1 導体挿入方向
L2 導体挿入方向
【国際調査報告】