(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】最適化問題を解く量子プロセッサの構成を決定するための方法
(51)【国際特許分類】
G06N 10/60 20220101AFI20241031BHJP
【FI】
G06N10/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533061
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2022084222
(87)【国際公開番号】W WO2023099742
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524009989
【氏名又は名称】パスカル
【氏名又は名称原語表記】PASQAL
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リュカ・ルクレール
(72)【発明者】
【氏名】スリマン・タベット
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・グリハルバ
(72)【発明者】
【氏名】ロイック・アンリエ
(57)【要約】
本発明は、最適化問題を解くために量子プロセッサの構成を決定するための方法に関し、この量子プロセッサは、キュービットを形成するように操作されることが可能な中性原子を含み、この量子プロセッサは、中性原子の位置によって決まる相互作用ハミルトニアンを有し、この方法は、
a. QUBO行列に従って量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアンを決定するステップであって、QUBO行列が、二次制約なし二値最適化の形式で最適化問題を記述する、ターゲットハミルトニアンを決定するステップと、
b. 量子プロセッサの相互作用ハミルトニアンとターゲットハミルトニアンとの間の差を最小にするように量子プロセッサの中性原子の位置を決定するステップであって、位置を決定するステップが、ターゲットハミルトニアンからのデータに従って原子の位置を決定することが可能な機械学習ツールの使用を含む、中性原子の位置を決定するステップと
を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法であって、前記量子プロセッサが、キュービットを形成するように操作されるのに適した中性原子を含み、前記量子プロセッサが、キュービット間の相互作用を記述する相互作用ハミルトニアン(H)を有し、前記相互作用ハミルトニアン(H)が、前記中性原子の位置決めの関数であり、前記方法が、計算機によって実施される以下のステップ、すなわち、
a. QUBO(M)行列に従って前記量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップであって、前記QUBO(M)行列が、二次制約なし二値最適化の形式で前記最適化問題を記述する、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップと、
b. 前記量子プロセッサの前記相互作用ハミルトニアン(H)と前記ターゲットハミルトニアン(H
c)との間の差を最小にするように前記量子プロセッサの前記中性原子の位置を決定するステップであって、前記位置を決定する前記ステップが、前記ターゲットハミルトニアン(H
c)からのデータに従って前記原子の前記位置を決定することが可能な機械学習ツールの使用を含み、前記決定された位置が、前記最適化問題を解くために使用されるのに適したプロセッサ構成を定義する、前記中性原子の位置を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
量子プロセッサによって最適化問題を解く方法であって、前記解く方法が、請求項1に記載の量子プロセッサの構成を決定する方法のステップを含み、前記解く方法が、前記最適化問題を解くために決定された前記位置決めに従って前記量子プロセッサの前記中性原子を位置決めするステップを含む、方法。
【請求項3】
前記方法が、前記量子プロセッサの前記中性原子が前記決定された位置決めに従って位置決めされた状態で、QAOAと呼ばれる量子近似最適化アルゴリズム、または量子断熱アルゴリズムを用いて、前記最適化問題を解くステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記学習ツールが、前記ツールの入力において前記データの次元の非線形削減を実施するのに適した多様体機械学習ツールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチプル機械学習ツールが、多次元位置決めアルゴリズムに基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記QUBO(M)行列が、対称実行列の形式で構築され、前記位置を決定する前記ステップが、
a. 前記QUBO(M)行列の関数としての、距離行列(D
0)と呼ばれる行列の決定であって、前記距離行列(D
0)の位置i,jにおける各係数([D
0]
i,j)が、キュービットiとキュービットjとの間の距離に対応する、行列の決定と、
b. 前記学習ツールによる、前記距離行列(D
0)に従った前記中性原子の前記位置の決定と
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記位置を決定する前記ステップが、前記QUBO(M)行列の関数としての中間行列(U
0)の決定を含み、前記中間行列(U
0)が、その対角線上にはゼロに等しい係数、それ以外は前記QUBO(M)行列と同じ係数を有し、前記距離行列(D
0)が前記中間行列(U
0)の関数として取得される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記距離行列(D
0)の前記係数([D
0]
i,j)が、以下の式に従って取得され、
【数1】
式中、
[D
0]
i,jは、前記距離行列D
0の行iおよび列jの係数であり、
[U
0]
i,jは、前記中間行列U
0の行iおよび列jの係数であり、
C
6は、前記量子プロセッサの前記中性原子に関して励起状態として選ばれたリュードベリレベルに応じた係数である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲットハミルトニアン(H
c)が、以下の式を満たし、
【数2】
式中、
H
cは、検討中の前記最適化問題に関する前記ターゲットハミルトニアンであり、
Mは、前記QUBO行列であり、
xは、状態ベクトルであり、
x
Tは、ベクトルxの転置であり、
<Φ|は、ブラ-ケット記法におけるΦのブラであり、
|Ψ>は、ブラ-ケット記法におけるΨのケットである、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムが、データ処理ユニットにロードされ、前記コンピュータプログラムが前記データ処理ユニットに実装されると、前記コンピュータプログラムが、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップ、および位置を決定するステップの実装をもたらす、コンピュータプログラム製品。
【請求項11】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶された可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、データ処理ユニットにロードされ、前記コンピュータプログラムが前記データ処理ユニットに実装されると、前記コンピュータプログラムが、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップ、および位置を決定するステップの実装をもたらす、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法に関する。本発明はさらに、コンピュータプログラム製品に関する。本発明はさらに、関連する可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
量子コンピューティングは、特に組合せ最適化問題を解くための興味深い、急成長している技術である。すべての産業分野(ロジスティックス、エネルギー、電気通信、IT、バンキング/金融など)において生じる、そのような問題は、一般に、従来のコンピュータの計算能力に適合していない。
【0003】
組合せ最適化問題は、二次制約なし二値最適化(Quadratic Unconstrained Binary Optimization: QUBO)問題の形式で再構築されるのに適している。QUBO問題は、Mを対称実行列とすると、コスト関数C(x)=x
TMxを最小にするビットの文字列
【数1】
、すなわち、0と1のN次元ベクトルを見つけることにある。
【0004】
量子プロセッサを用いてQUBO問題を解くための方法は、従来技術から知られている。そのような方法は、たとえば、Edward Farhi、Jeffrey Goldstone、Sam Gutmann、Joshua Lapan、Andrew Lundgren、およびDaniel Predaによる論文、「A Quantum Adiabatic Evolution Algorithm Applied to Random Instances of an NP-Complete Problem(NP完全問題のランダムインスタンスに適用した量子断熱進化的アルゴリズム)」、Science、292(5516)、472~476頁、2001年4月、doi: 10.1126/science.1057726において説明されるように量子断熱アルゴリズムを使用する。他の方法は、Edward Farhi、Jeffrey Goldstone、およびSam Gutmannによる論説、「A Quantum Approximate Optimization Algorithm」、arXiv e-prints、art. arXiv:1411.4028、2014年11月において説明されるように量子近似最適化アルゴリズム(Quantum Approximate Optimization Algorithm:QAOA)に基づく。
【0005】
そのような解く方法の実装は、コスト関数Cに密接に関係している、量子プロセッサのためのハミルトニアンを構築するステップを含む。より詳細には、そのような方法を実装するために、量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアンH
cを、<x|H
c|x>=C(x)のように構築しようとする。量子状態は、一般に
【数2】
として書かれ、式中、|a
i|
2は、基本状態|x>
iの量子プロセッサ上で測定を実施する確率を示す。たとえば、N=5の場合、|x>のインスタンスは、キュービット1および3が一方の状態、ならびにキュービット2、4、および5が別の状態では、|01011>となる。<x|H
c|x>は、状態|x>の量子プロセッサ上で測定が行われるときに観測可能なH
cの測定値を示す。
【0006】
ターゲットハミルトニアンHcを正確に生成する手段が、D-wave社の機械など、超伝導量子回路またはプロセッサに基づく量子プロセッサのために開発されてきた。
【0007】
しかしながら、そのような手段は、他の量子プロセッサ技術、詳細には、アナログ演算の中性原子に基づく量子プロセッサには、使用することができない。実際、平面におけるまたは空間におけるN個の原子の配置によって考えられる自由度数は、Nに応じて線形にスケーリングし、したがってサイズ2Nの行列の生成中に課される制約の二次数を満たすことが急速に複雑になる。
【0008】
したがって、中性原子に基づく量子プロセッサの性能は、QUBO問題を解くには限られたものである。しかしながら、中性原子をまさに使用することによって、そのようなプロセッサは、超伝導回路またはシリコンスピンキュービットなどの人工原子に基づくプロセッサに勝る多くの利点を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Edward Farhi、Jeffrey Goldstone、Sam Gutmann、Joshua Lapan、Andrew Lundgren、Daniel Preda、「A Quantum Adiabatic Evolution Algorithm Applied to Random Instances of an NP-Complete Problem」、Science、292(5516)、472~476頁、2001年4月、doi: 10.1126/science.1057726
【非特許文献2】Edward Farhi、Jeffrey Goldstone、Sam Gutmann、「A Quantum Approximate Optimization Algorithm」、arXiv e-prints、art. arXiv:1411.4028、2014年11月
【非特許文献3】Loic Henriet、Lucas Beguin、Adrien Signoles、Thierry Lahaye、Antoine Browaeys、Georges-Olivier Reymond、Christophe Jurczak、「Quantum computing with neutral atoms.」Quantum、4:327、2020年9月、2020. ISSN 2521-327X. doi:10.22331/q-2020-09-21-327の段落II
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、QUBO問題を解くために、中性原子に基づく量子プロセッサの性能を向上させる方法の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的で、本明細書の主題は、最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法であり、量子プロセッサは、キュービットを形成するように操作されるのに適した中性原子を含み、量子プロセッサは、キュービット間の相互作用を記述する相互作用ハミルトニアンを有し、相互作用ハミルトニアンは、中性原子の位置決めの関数であり、この方法は、計算機によって実施される以下のステップ、すなわち
a. QUBO行列に従って量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアンを決定するステップであって、QUBO行列が、二次制約なし二値最適化の形式で最適化問題を記述する、ターゲットハミルトニアンを決定するステップと、
b. 量子プロセッサの相互作用ハミルトニアンとターゲットハミルトニアンとの間の差を最小にするように量子プロセッサの中性原子の位置を決定するステップであって、位置を決定するステップが、ターゲットハミルトニアンからのデータに従って原子の位置を決定することが可能な機械学習ツールの使用を含み、決定された位置が、最適化問題を解くために使用されるのに適したプロセッサ構成を定義する、中性原子の位置を決定するステップと
を含む。
【0012】
本発明はさらに、量子プロセッサによって最適化問題を解く方法に関し、解く上記の方法は、上記で説明したように量子プロセッサの構成を決定する方法のステップを含み、解く方法は、解く方法は、最適化問題を解くために決定された位置に従って量子プロセッサの中性原子を位置決めするステップを含む。
【0013】
特定の実施形態によれば、解く方法は、決定された位置に従って位置決めされた量子プロセッサの中性原子を用いて、QAOAと呼ばれる量子近似最適化アルゴリズム、または量子断熱アルゴリズムを用いて、最適化問題を解くステップをさらに含む。
【0014】
他の特定の実施形態によれば、決定および/または解く方法は、個々に、または技術的に可能な組合せすべてに従って採用される、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含む。
- 学習ツールは、ツールの入力においてデータの次元の非線形削減を実施するのに適した多様体機械学習ツールである。
- 複数の機械学習ツールは、多次元位置決めアルゴリズムに基づく。
- QUBO行列は、対称実行列(symmetrical real matrix)の形式で構築され、位置を決定するステップは、
・ QUBO行列の関数としての、距離行列と呼ばれる行列の決定であって、距離行列の位置i、jにおける各係数が、キュービットiとキュービットjとの間の距離に対応する、行列の決定と、
・ 学習ツールによる、距離行列に従った中性原子の位置の決定と
を含み、
- 位置を決定するステップは、QUBO行列の関数として中間行列の決定を含み、中間行列は、それの対角線上にゼロに等しい係数、およびそれ以外はQUBO行列と同じ係数を有し、距離行列は、中間行列の関数として取得され、
- 距離行列の係数は、以下の式に従って取得される。
【数3】
式中、
・ [D
0]
i,jは、距離行列D
0の行iおよび列jの係数であり、
・ [U
0]
i,jは、中間行列U
0の行iおよび列jの係数であり、
・ C
6は、量子プロセッサの中性原子に対して励起状態として選ばれたリュードベリ(Rydberg)レベルに応じた係数である。
- ターゲットハミルトニアンは、以下の式を検証する。
<x|H
c|x>=x
TMx
式中、
・ H
cは、検討中の最適化問題に関するターゲットハミルトニアンであり、
・ Mは、QUBO行列であり、
・ xは、状態ベクトルであり、
・ x
Tは、ベクトルxの転置であり、
・ <Φ|は、ブラ-ケット記法におけるΦのブラであり、
・ |Ψ>は、ブラ-ケット記法におけるΨのケットである。
【0015】
本発明はさらに、プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータプログラム製品に関し、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされ、コンピュータプログラムがデータ処理ユニットに実装されると、ターゲットハミルトニアンを決定するステップ、および上記で定義したような方法の位置を決定するステップの実装をもたらす。
【0016】
本明細書はさらに、プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶された可読記憶媒体に関し、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされ、コンピュータプログラムがデータ処理ユニットに実装されると、ターゲットハミルトニアンを決定するステップ、および上記で定義したような方法の位置を決定するステップの実装をもたらす。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、単に一例として与えられる、本発明の実施形態の以下の説明を読み、以下の図面を参照すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法の実装の一例のフローチャートである。
【
図2】
図1に示す方法の実装の特定の例を示す図である。
【
図3】本発明の方法によって決定された中性原子の位置を、すべて等しい係数を有するQUBO行列をグループ化した、QUBO行列の第1の族についての、三角配列上の位置と比較するグラフの一例である。
【
図4】それらの間に小さい差がある係数を有するQUBO行列を一緒にグループ化した、QUBO行列の第2の族についての、
図3に示すグラフと同様のグラフの一例である。
【
図5】それらの間に大きい差がある係数を有するQUBO行列を一緒にグループ化した、QUBO行列の第3の族について描いた、
図3および
図4に示すグラフと同様のグラフの一例である。
【
図6】本発明の方法によって決定された位置に従ってプロセッサの中性原子が位置決めされるとき、ならびにその位置が三角配列上にあるとき、QAOAアルゴリズムからQUBO問題を解くための量子プロセッサの性能を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
説明において以下に記載する決定方法は、量子コンピュータとも呼ばれる、量子プロセッサのために実行される。
【0020】
量子プロセッサは、キュービットのネットワークであり、ならびにキュービットを操作するためのハードウェアである。量子プロセッサは、キュービット上で量子演算を実行するのに適している。
【0021】
量子プロセッサは、データ上で演算を実行するために、重ね合わせおよびもつれなどの、物質の量子特性を使用する。(ビット、すなわち0または1に符号化された)2値データに作用するトランジスタに基づく従来のコンピュータとは異なり、量子プロセッサは、その量子状態が、離散的ではなく、連続的ないくつかの値をとることができる、キュービットに作用する。
【0022】
より詳細には、キュービットは、2レベルの量子力学系を指す。たとえば、キュービットは、キュービットの可能な量子状態を表す2つの基本的量子状態I0>およびI1>を含む。量子力学の重ね合わせの原理によれば、形態aI0> + bI1>(aおよびbは複素数であり、aa*+bb*=1)の任意の重ね合わせが、キュービットの可能な量子状態である。
【0023】
本方法の実装中に考えられる量子プロセッサは、キュービットを形成するように操作されるのに適した中性原子を含む。操作は、レーザーなどの光ビームによって実施される。
【0024】
中性原子は、電気的に中性な原子である。そのような中性原子は、たとえば、量子プロセッサの使用中にリュードベリレベルに励起される。中性原子は、たとえば、ルビジウム原子である。
【0025】
量子プロセッサは、キュービットの挙動、詳細にはそれの相互作用を記述する相互作用ハミルトニアンHを有する。中性原子を用いる量子プロセッサの場合、相互作用ハミルトニアンHは、中性原子の位置の関数である。たとえば、相互作用ハミルトニアンは、イジングモデル(Ising model)に対応する。そのような場合、相互作用ハミルトニアンHは、たとえば、以下の式によって与えられる。
【数4】
式中、
・ C
6は、量子プロセッサの中性原子に関して励起状態として選ばれたリュードベリレベルに応じた係数であり、
・ r
iは、キュービットiの位置を指し、
・
【数5】
は、キュービットiの占有演算子(occupancy operator)を指し、すなわち<x|n
i|x>=x
iのようになる。
【0026】
中性原子を用いるそのような量子プロセッサは、たとえば、Loic Henriet、Lucas Beguin、Adrien Signoles、Thierry Lahaye、Antoine Browaeys、Georges-Olivier Reymond、およびChristophe Jurczakによる論説、Quantum computing with neutral atoms. Quantum、4:327、2020年9月、2020. ISSN 2521-327X. doi:10.22331/q-2020-09-21-327の段落IIで説明されるものなどである。
【0027】
優先的に、量子プロセッサの構成を決定するための方法の少なくともいくつかのステップが、別のコンピュータ(古典または量子)によって、すなわち計算機がコンピュータプログラム製品と相互作用することによって、実施される。
【0028】
そのような場合、計算機は、たとえば、データ処理ユニットを含むプロセッサと、メモリと、データ記憶媒体リーダーと、場合によっては画面およびディスプレイなどの、人間機械インターフェースとを備える。
【0029】
コンピュータプログラム製品は、データ記憶媒体を含む。データ記憶媒体は、計算機によって、通常、データ処理ユニットによって可読な媒体である。可読記憶媒体は、電子命令を記憶するのに適し、コンピュータシステムのバスに結合されやすい媒体である。プログラム命令を含むコンピュータプログラムは、データ記憶媒体に記憶される。
【0030】
コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードすることができ、コンピュータプログラムが計算機の処理ユニットに実装されると、量子プロセッサの構成を決定するための方法のいくつかのステップの実装をもたらすのに適している。
【0031】
最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法の一例について、次に、方法のいくつかのステップを示す
図1および
図2~
図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
決定方法は、二次制約なし二値最適化の形式で最適化問題を記述する、QUBO M行列と呼ばれる行列を取得するステップ100を含む。最適化問題は、たとえば、組合せ最適化問題である。
【0033】
取得するステップ100は、たとえば、コンピュータプログラム製品と相互作用する計算機によって実施され、すなわち、コンピュータにより実施される。行列QUBOは、たとえば、演算子によって計算機に通信される。
【0034】
上記で説明したように、QUBO問題は、MをQUBO行列とすると、コスト関数C(x)=xTMxを最小にするビットの文字列
【0035】
【0036】
、すなわち、0と1のN次元を有するベクトルを見つけることにある。QUBO M行列は、対称実行列である。
【0037】
QUBO M行列は、検討中の最適化問題に固有である。
【0038】
決定方法は、QUBO行列Mの関数として量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアンHcを決定するステップ110を含む。したがって、ターゲットハミルトニアンHcもまた、当該の最適化問題に固有である。
【0039】
決定ステップ110は、たとえば、コンピュータプログラム製品と相互作用する計算機によって実施され、すなわち、コンピュータにより実施される。
【0040】
量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアンHcは、<x|Hc|x>=C(x)のようになり、すなわち、<x|Hc|x>=xTMxのようになる。
【0041】
占有演算子(occupation operator)に先の表記を使用して、ターゲットハミルトニアンH
cはまた、以下の形式で表される。
【数7】
【0042】
量子プロセッサの相互作用ハミルトニアンHが、以下の形式
【数8】
で表される限り、相互作用ハミルトニアンHがターゲットハミルトンH
cに最も良く近づくように、中性原子の位置{r
j}を見つけようとする。言い換えれば、U
i,jは、i≠jの場合、可能な限りM
i,jに近い。
【0043】
決定方法は、量子プロセッサの相互作用ハミルトニアンHとターゲットハミルトニアンHcとの間の差を最小にするように、量子プロセッサの中性原子の位置を決定するステップ120を含む。詳細には、差の最小化は、Mi,jに最も近いUi,jに対応する。原子の位置は、2次元空間(平面)または3次元空間で決定される。
【0044】
決定ステップ120は、たとえば、コンピュータプログラム製品と相互作用する計算機によって実施され、すなわち、コンピュータにより実施される。
【0045】
決定された位置は、最適化問題を解く際に使用されるのに適した量子プロセッサの構成を定義する。
【0046】
位置を決定するステップは、ターゲットハミルトニアンHcから生じたデータに応じて原子の位置を決定するのに適した機械学習ツールの使用を含む。
【0047】
学習ツールは、優先的には、ツールの入力においてデータの次元の非線形削減を実施するのに適した多様体機械学習ツールである。そのようなツールは、高次元の空間に埋め込まれた小次元のコレクタとしてデータセットを記述するために、教師なし推定器に基づくアルゴリズムを実装する。
【0048】
優先的には、学習ツールは、多次元尺度構成法(multidimensional scaling)アルゴリズムに基づく。そのようなアルゴリズムは、一連のN個の物体間の親近度行列(類似度または非類似度)からP次元空間におけるそれらの物体の座標に変える働きをする。Pが2または3に設定されると、物体の観察が容易である。
【0049】
変形態では、学習ツールは、別のアルゴリズム、たとえば、以下のリストから選ばれるアルゴリズムに基づく。イソマップ(Isomap)、局所線形埋め込み(Locally Linear Embedding)、修正局所線形埋め込み(Modified Locally Linear Embedding)、ヘッセ行列の固有写像(Hessian Eigenmapping)、スペクトル埋め込み(Spectral Embedding)、局所接空間アラインメント(Local Tangent Space Alignment)、T分布型確率的近傍埋め込み(T-distributed Stochastic Neighbor Embedding)。
【0050】
位置を決定するためのステップ120の実装の一例が、
図2(左側の列)に示されている。上記の例では、QUBO M行列は、それの対角線以外に正の係数を有する。優先的には、QUBO M行列は、正の項を有する対称実行列として定式化される。それでも、上記の例は、任意の対称QUBO M行列に一般化される。
【0051】
実装形態のそのような例では、決定ステップ120は、QUBO行列M(対称実行列)の関数として中間行列U0の決定を含む。
【0052】
中間行列U
0は、それの対角線上にゼロに等しい係数を有し、それ以外は行列QUBO Mと同じ係数を有する。中間行列U
0は、したがって、以下の形式で表される。
【数9】
式中、
・
【数10】
は、QUBO行列である。
【0053】
上記の例では、決定ステップ120は、中間行列U
0の関数として、距離行列D
0と呼ばれる行列の決定を含む。たとえば、距離行列D
0の係数[D
0]
i,jは、以下の式に従って得られる。
【数11】
式中、
・ [D
0]
i,jは、距離行列D
0の行iおよび列jの係数であり、
・ [U
0]
i,jは、中間行列U
0の行iおよび列jの係数であり、
・ C
6は、量子プロセッサの中性原子に関して励起状態として選ばれたリュードベリレベルに応じた係数である。
【0054】
したがって、距離行列D0の位置i、jにおける各係数[D0]i,jは、キュービットiとキュービットjとの間の距離に対応する。
【0055】
上記の例では、決定ステップ120は、学習ツールによる、距離行列D0の関数としての空間における中性原子の位置の決定を含む。より正確には、学習ツールは、出力で、検討される空間における各原子の座標を返す。
【0056】
優先的には、学習ツールは、空間の次元に関係するパラメータと、中性原子の最終位置を取得するために学習ツールによって実施される反復の数に関係するパラメータとを含む。したがって、原子の決定された位置は、最後の反復の終わりに取得された位置である。この場合は、空間は、2次元または3次元である。
【0057】
位置が決定されると、対応する相互作用ハミルトニアンHが、上記で説明した式、すなわち
【数12】
を用いて取得される。詳細には、各項U
i,jは、r
i,j=|r
i-r
j|から1つずつ決定される。
【0058】
方法の終わりに、Uは、アプリオリに可能な限りU0に近く、相互作用ハミルトニアンHとターゲットハミルトニアンHcとの間の差は、最小である。
【0059】
場合によっては、決定方法は、最適化問題を解くために決定された位置に従って量子プロセッサの中性原子を効果的に位置決めするステップ130を含む。
【0060】
位置決めするステップ130は、当該の量子プロセッサ上で、たとえば、中性原子を操作するためのツールを使用して実施される。ツールは、たとえば、光ピンセットである。
図2では、詳細には、点線ボックス(左側の列)内の要素は、検討される量子プロセッサ上の実施に対応する。量子プロセッサは、次いでQUBO問題を解くために使用される。解く方法は、たとえば、量子断熱アルゴリズムまたは量子近似最適化アルゴリズムを使用する。
【0061】
したがって、本方法は、QUBO形式で表された最適化問題を解くために中性原子を用いる量子プロセッサの構成を決定する働きをする。学習ツールの使用は、量子プロセッサの相互作用ハミルトニアンHとターゲットハミルトニアンHcとの間の差が最小であるように、量子プロセッサの中性原子の位置を決定することを可能にする。決定された位置は、詳細には、QUBO問題を解くのに役立つ原子の状態が、可能な状態であることを確実にする働きをする。
【0062】
結果として、そのような量子プロセッサの性能は、量子プロセッサがアナログモードで動作しているとき、QUBO問題を解く間、向上する。
【0063】
以下では、QUBO問題を解く間に本方法によって誘発される量子プロセッサの性能の向上を示すために行われる実験の例を挙げる。
【0064】
より詳細には、
図3から
図5は、所与のQUBO M行列について、2つの異なる構成、すなわち、本方法によって決定された位置決め(図の曲線C1)、および原子が三角格子上に置かれる、いわゆる三角位置決め(triangular positioning)(図の曲線C2)で配置された中性原子について、ターゲットハミルトニアンH
cの相互作用部分U
0を、相互作用ハミルトニアンHの相互作用部分Uと比較することを目指す。
【0065】
サイズN∈{2,…,14}については、各行列族の20インスタンスが、2つの前述の位置決め構成で近似される。Nに応じた
【数13】
の発展は、三角構成(曲線C2)および決定された構成(曲線C1)に対して行われる。近似行列は、以下のように生成される。
-
図3: M
i,j=m、ただしm~U(0,1)。すべての要素が同一である。
-
図4:
【数14】
ただしm
i,j~U(0,1)。要素間の相違は小さい。
-
図5:
【数15】
ただしa = 6、b = 3、およびm
i,j~U(0,1)。aおよびbは、10
-3~10
3に含まれる値を生成するようにとられ、後者はおおよそ、研究のために選択されたリュードベリレベルで起こり得る最も強い相互作用である。要素間の相違はしたがって大きい。
【0066】
三角位置決めでは、N個の原子が、D0の最小値の周りで間隔を空けた配列を有する三角配列に配置される。この方法によって決定された位置決めは、機械学習ツールによって100回反復後に取得された。
【0067】
2つのタイプの位置決めの相対的性能を比較するために、
【数16】
(|| ||は、フロベニウス標準形)が、両方の構成について計算される。結果は、行列Mの異なる族について
図3から
図5に提示されている。
【0068】
図3では、その要素がすべて等しい行列が検討されている。そのような行列は、三角構成によってうまく表される。三角構成は、最近傍と考えられ得る原子のペアの数を最大にし、したがって、間隔に等しい距離の数を最大にするからである。そのような場合、方法によって決定される位置決めは、方法が固定数の反復に制限されるとき、より良い解を生成しない。
【0069】
図4では、その要素が0~1の一様分布に従う行列が検討される。この方法によって決定される位置決めは、小数の原子については三角位置決めよりも良いが、Nが増えると、その差は縮小する傾向がある。
【0070】
図5では、行列は、それの要素間により大きい差を有し、すなわち
【数17】
のようになる。行列は、リュードベリハミルトニアンに通常存在する、従属行列
【数18】
に密接に関係しており、したがって、位置決め手法Mは、本方法によってより容易に実現される。そのような場合、本方法によって決定された構成は、三角位置決めを明らかにしのぐ。
【0071】
それによって例から、より関連性があり、したがってQUBO行列の要素が数桁異なる場合に、三角位置決めよりも優れているハミルトニアン近似につながる、中性原子のための位置決め構成を提供することを、本方法が可能にすることは明らかである。
【0072】
図6は、プロセッサの中性原子が本発明の方法によって決定された位置に従って位置決めされるとき、および三角位置の間に、QAOAアルゴリズムを使用してQUBO問題を解くための量子プロセッサの性能の比較例を示す。
【0073】
QAOAアルゴリズムの複雑さは、適用されるp層の数によって与えられる。pを増やすことによって、最適化効率も上がることになる。最適化するためにサイズ10の5つのQUBOを、本明細書では考える。QAOAアルゴリズムは、層の数を増やし、2つの異なる位置決め構成で、QUBOの各々に適用される。第1のケースでは、再スケーリング係数を除いて、5つのQUBOについて原子に三角位置決めが適用される。第2のケースでは、本方法は、QUBOの各々に適用され、使用される原子の位置決めは、したがって解かれるQUBOに固有である。正規化コスト関数C(x)/Cmin(C(x)は負であり、
【数19】
は、QUBOを最小化するとき1に向かうことになる。
【0074】
図6は、層の数の値を増やして、5つのQUBOについて達成されるスコアの分布を示す。
図6では、三角構成は、曲線C4に対応し、本方法によって決定された固有の構成は、曲線C3に対応する。両方の構成について、平均スコアは、予想されるようにpとともに増えるが、所与のpにおいて、QAOAは、本方法によって決定された構成を使用してより良いスコアを達成する。たとえば、p=5の場合、5つのQUBOの平均スコアは、三角位置決めでは約0.71であるが、固有の位置決めでは0.82に上がる。本方法はしたがって、QUBO問題を解くとき、量子プロセッサの性能を向上させる。
【0075】
上記で説明した実施形態および変形態は、それらが技術的に適合性がある場合、新しい実施形態を形成するために組み合わされ得ることを当業者は理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適化問題を解くための量子プロセッサの構成を決定するための方法であって、前記量子プロセッサが、キュービットを形成するように操作されるのに適した中性原子を含み、前記量子プロセッサが、キュービット間の相互作用を記述する相互作用ハミルトニアン(H)を有し、前記相互作用ハミルトニアン(H)が、前記中性原子の位置決めの関数であり、前記方法が、計算機によって実施される以下のステップ、すなわち、
a. QUBO(M)行列に従って前記量子プロセッサのためのターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップであって、前記QUBO(M)行列が、二次制約なし二値最適化の形式で前記最適化問題を記述する、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップと、
b. 前記量子プロセッサの前記相互作用ハミルトニアン(H)と前記ターゲットハミルトニアン(H
c)との間の差を最小にするように前記量子プロセッサの前記中性原子の位置を決定するステップであって、前記位置を決定する前記ステップが、前記ターゲットハミルトニアン(H
c)からのデータに従って前記原子の前記位置を決定することが可能な機械学習ツールの使用を含み、前記決定された位置が、前記最適化問題を解くために使用されるのに適したプロセッサ構成を定義する、前記中性原子の位置を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
量子プロセッサによって最適化問題を解く方法であって、前記解く方法が、請求項1に記載の量子プロセッサの構成を決定する方法のステップを含み、前記解く方法が、前記最適化問題を解くために決定された前記位置決めに従って前記量子プロセッサの前記中性原子を位置決めするステップを含む、方法。
【請求項3】
前記方法が、前記量子プロセッサの前記中性原子が前記決定された位置決めに従って位置決めされた状態で、QAOAと呼ばれる量子近似最適化アルゴリズム、または量子断熱アルゴリズムを用いて、前記最適化問題を解くステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記学習ツールが、前記ツールの入力において前記データの次元の非線形削減を実施するのに適した多様体機械学習ツールである、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記
多様体機械学習ツールが、多次元位置決めアルゴリズムに基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記QUBO(M)行列が、対称実行列の形式で構築され、前記位置を決定する前記ステップが、
a. 前記QUBO(M)行列の関数としての、距離行列(D
0)と呼ばれる行列の決定であって、前記距離行列(D
0)の位置i,jにおける各係数([D
0]
i,j)が、キュービットiとキュービットjとの間の距離に対応する、行列の決定と、
b. 前記学習ツールによる、前記距離行列(D
0)に従った前記中性原子の前記位置の決定と
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置を決定する前記ステップが、前記QUBO(M)行列の関数としての中間行列(U
0)の決定を含み、前記中間行列(U
0)が、その対角線上にはゼロに等しい係数、それ以外は前記QUBO(M)行列と同じ係数を有し、前記距離行列(D
0)が前記中間行列(U
0)の関数として取得される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記距離行列(D
0)の前記係数([D
0]
i,j)が、以下の式に従って取得され、
【数1】
式中、
[D
0]
i,jは、前記距離行列D
0の行iおよび列jの係数であり、
[U
0]
i,jは、前記中間行列U
0の行iおよび列jの係数であり、
C
6は、前記量子プロセッサの前記中性原子に関して励起状態として選ばれたリュードベリレベルに応じた係数である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲットハミルトニアン(H
c)が、以下の式を満たし、
【数2】
式中、
H
cは、検討中の前記最適化問題に関する前記ターゲットハミルトニアンであり、
Mは、前記QUBO行列であり、
xは、状態ベクトルであり、
x
Tは、ベクトルxの転置であり、
<Φ|は、ブラ-ケット記法におけるΦのブラであり、
|Ψ>は、ブラ-ケット記法におけるΨのケットである、
請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
プログラム命令を含むコンピュータプログラ
ムであって、前記コンピュータプログラムが、データ処理ユニットにロードされ、前記コンピュータプログラムが前記データ処理ユニットに実装されると、前記コンピュータプログラムが、請求項
1に記載の方法の、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップ、および位置を決定するステップの実装をもたらす、コンピュータプログラ
ム。
【請求項11】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶された
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、データ処理ユニットにロードされ、前記コンピュータプログラムが前記データ処理ユニットに実装されると、前記コンピュータプログラムが、請求項
1に記載の方法の、ターゲットハミルトニアン(H
c)を決定するステップ、および位置を決定するステップの実装をもたらす、
コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】