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特表2024-541677高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用
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  • 特表-高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/00 20060101AFI20241031BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20241031BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 39/118 20060101ALI20241031BHJP
   C12N 15/40 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
C12N7/00 ZNA
A61P37/04
A61P31/14
A61K39/118
C12N15/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533111
(86)(22)【出願日】2023-04-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 KR2023005204
(87)【国際公開番号】W WO2023204559
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0048696
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0114175
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522413146
【氏名又は名称】コリア ナショナル インスティテュート オブ ヘルス
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シム サンム
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュヨン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ジョンサン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065BA22
4B065BB23
4B065BB40
4B065BC01
4B065BC50
4B065BD15
4B065CA45
4C085AA03
4C085BA62
4C085DD22
4C085EE01
4C085GG03
(57)【要約】
本発明は、高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用に関し、より詳しくは、継代培養及びマウス大脳接種方法を用いて産生した高力価ウイルス及びそれを含むワクチン組成物に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項2】
前記日本脳炎ウイルスが、配列番号1の遺伝子を含むことを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項3】
前記日本脳炎ウイルスが、マウス大脳接種によって産生されたことを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項4】
前記高力価は、1×108pfu/mL以上であることを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項5】
分離した日本脳炎ウイルスをマウス大脳に接種する工程;及び
マウス大脳から日本脳炎ウイルスを得る工程;
を含む高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項6】
前記分離した日本脳炎ウイルスが、日本脳炎ウイルス遺伝子型V型であることを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項7】
さらに、Vero細胞で継代培養する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項8】
前記接種が、2回以上であることを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の日本脳炎ウイルスを含むワクチン組成物。
【請求項10】
さらに、薬学的に許容される担体又は賦形剤を含むことを特徴とする請求項9に記載のワクチン組成物。
【請求項11】
請求項9又は9に記載のワクチン組成物を非ヒト動物に投与する工程を含む日本脳炎に対する予防接種方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本脳炎は、蚊によって媒介される感染症であり、ヒトにおいて高熱、昏睡などを伴う脳炎を起こし、最終的に死に至る致命的な致命的である人獣共通伝染病である。日本脳炎は、韓国と日本では、コガタアカイエカ(Culex. tritaeniorhynchus)によって伝染することが知られているが、中国、インドをはじめとする東南アジア地域では、Culex. annulus, Culex. pipiens, Culex. gelidus及びAnopheles spp.も日本脳炎ウイルスを媒介すると知られている。不顕性感染を示す成人とは異なり、14歳以下の子供や高齢者が日本脳炎に感染すると、高熱、頭痛、知覚異常、意識障害、昏睡及び死亡を引き起こし、回復期には言語障害、判断能力の低下などの後遺症が現れる。豚、馬、牛、羊、山羊を含む家畜と鳩、青サギなどの野生鳥類、爬虫類がこの病気に感受性があり、特に豚は、日本脳炎ウイルスの増幅宿主として知られており、公衆衛生学的に重要な免疫対象動物である。蚊によって日本脳炎ウイルスが成豚と肥育豚に感染すると、ウイルス血症を起こしても不顕性臨床症状を示すが、妊娠中の豚が日本脳炎に感染すると、早産、ミイラ胎児などの流死産症状や神経症状を伴う虚弱子豚を分娩する繁殖障害疾患を誘発する。雄豚では生殖器に侵入して精子形成を阻害し、精子数の減少、奇形精子の増加で受胎率を低下させる。
【0003】
韓国では、日本脳炎は1950年度以降、持続的に発生している蚊によって媒介される人獣共通感染症であり、中国、日本、韓国を含む東南アジアで主に発生している。しかし、アジア以外の地域であるオーストラリア、アフリカ、ロシアなどでも報告されており、浮上するする新型感染症として認識されており、ヒトの場合、アジア地域だけで毎年67,900件以上が報告されており、そのうちの約5,000人が死亡している。特に、最近の地球温暖化と気候の変化は、農業灌漑水路の整備、農業の専業化及び大規模化に加え、疾患の媒介体である蚊の生態環境を変化させ、日本脳炎の伝染に大きな影響を与える可能性があり、さらに問題となっている。また、豚が日本脳炎ウイルスに感染すると、2~3日間のウイルス血症を示し、この時期に蚊が吸血すると大量のウイルスが蚊に移される。豚から移された日本脳炎ウイルスは、蚊の体内で約10日経過すると、蚊の唾液腺を介して他の動物やヒトに感染することがある。したがって、増幅宿主である豚に対する日本脳炎の防疫と免疫の形成は、ヒトの日本脳炎管理に非常に重要である。
【0004】
現在、韓国内で流行している日本脳炎ウイルスは、遺伝子型I型であり、ワクチンは遺伝子型III型で接種が行われている。2015年に韓国で日本脳炎ウイルスに感染した患者から遺伝子型V型が初めて分離(分離株名:K15P38)され、既存の流行ウイルスが置換される懸念が提起されている。したがって、新しい遺伝子型(V型)置換に対する備えが必要であり、本発明は、患者から分離された遺伝子型V型ウイルスを用いてワクチン候補物質を開発しようとした。
【0005】
特許文献1は、精製された遺伝子1型の日本脳炎ウイルスを含む豚日本脳炎予防用ワクチン組成物に関するもので、精製された遺伝子1型の日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus)KV1899-120P(受託番号:KCTC18347P)及びこれを含むワクチン組成物を開示している。特許文献2は、BEIで不活化された日本脳炎ウイルスKV1899株抗原及び豚のGM-CSF組換えタンパク質を含む日本脳炎不活化ワクチン組成物を開示している。
【0006】
しかし、本発明の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型及びその使用に関する内容は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許 第1642705号公報
【特許文献2】韓国登録特許 第1484605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記の問題点を解決するために、本発明は、新たな日本脳炎ウイルス遺伝子型であるV型流行に備えるために、国内の日本脳炎患者から確保したウイルスを用いて、細胞での増殖率が向上した高力価ウイルスを確保し、これをワクチン候補物質として開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するために、本発明は、高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを提供する。
【0010】
K15P38-KNIHと命名した本発明の日本脳炎ウイルスは、最近国内で流行している日本脳炎ウイルスから派生したものであり、K15P38ウイルス株をVero細胞で継代培養して、K15P38-V25ウイルス株を得、これをマウス大脳に接種して最終的に産生されたものであり、ゲノム塩基配列分析結果は、配列番号1と同じである。
【0011】
前記日本脳炎ウイルスは、寄託番号KCTC15027BPであってもよい。
【0012】
前記高力価は、1×108pfu/mL以上であってもよい。
【0013】
本発明の別の例では、本発明は、分離した日本脳炎ウイルスをマウス大脳に接種する工程;及びマウス大脳から日本脳炎ウイルスを得る工程;を含む高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法を提供する。
【0014】
前記分離した日本脳炎ウイルスが、日本脳炎ウイルス遺伝子型V型であってもよく、Vero細胞で継代培養する工程をさらに含んでもよく、前記接種は、2回以上であってもよい。
【0015】
本発明の別の例において、本発明は、前記日本脳炎ウイルスを含むワクチン組成物を提供する。
【0016】
前記ワクチン組成物は、前記ウイルスに加え、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含むことができる。ワクチンに適した担体は当業者に公知であり、タンパク質、糖などを含むが、これらに限定されない。前記担体は、水溶液又は非水溶液、懸濁液又はエマルジョンであってもよい。非水溶液担体の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、食用油、例えば、オリーブ油、及び注射可能な有機エステル、例えば、エチルオレエートが挙げられる。水溶液担体は、食塩水及び緩衝培地を含む水、アルコール/水溶液、エマルジョン又は懸濁液を含む。非経口担体は、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸処理リンガー又は固定油を含む。静脈内注射用担体は、例えば、リンガーデキストロースをベースとするような電解質サプリメント、液体及び栄養補給食品などを含む。防腐剤及びその他の添加剤は、例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどを含むことができる。好ましい防腐剤としては、ホルマリン、チメロサール、ネオマイシン、ポリミキシンB及びアンフォテリシンBを含む。
【0017】
また、前記ワクチン組成物は、希釈液の形態でアジュバント(adjuvant、免疫組成剤、免疫増強剤)をさらに含むことができる。
【0018】
前記アジュバントは、免疫反応の向上及び/又は接種後の吸収速度を促進する化合物又は混合物を言い、任意の吸収促進剤を含む。許容されるアジュバントには、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、ミネラルゲル、例えば、水酸化アルミニウム、界面活性剤、例えば、リゾレシチン、フルロンポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油又は炭化水素エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノールなどを含むが、これらに限定されない。好ましいアジュバントは、SEPPIC社製のMONTANIDE IMS1313アジュバントである。
【0019】
本発明の目的のためのワクチン組成物の投与量は、投与対象の状態、投与経路及び投与形態に応じて調節することができ、限定されず、症状に応じて、本発明の分野の当業者であれば、自明に様々な範囲内で使用することができるが、通常、本発明では、実験的な有効量として、投与対象の体重1kg当たり001~1mL(105.0TCID50/mL以上)、好ましくは、体重1kg当り001~003mLを1日に連続的又は間欠的に投与が可能であると判断される。
【0020】
本発明のワクチン組成物は、経口、筋肉、皮下、腹腔、静脈、真皮、眼球、脳内などの投与経路を通じて投与することができるが、これらに限定されず、好ましくは筋肉投与経路を通じて投与することができる。
【0021】
本発明のさらに別の例では、本発明は、前記ワクチン組成物を非ヒト動物に投与する工程を含む日本脳炎に対する予防接種方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ワクチン開発のための産業的活用時の必須条件であるワクチン株の増殖率を改善するために、人体分離株を動物細胞及びマウス脳接種を繰り返して高力価ウイルスを確保したものであり、増殖改善株は、一部の遺伝子変異があるが、原(original)ウイルスと比較時、免疫原性を維持することにより、ワクチン候補株での活用度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】日本脳炎ウイルスK15P38-V25とK15P38-KNIHの増殖率の比較を示す図である。
図2】日本脳炎ウイルスK15P38-V25及びK15P38-KNIHウイルス免疫原性の比較を示す図である。各ウイルス接種血清IgG ELISA。(A)オリジナル日本脳炎ウイルス付着、(B)K15P38-KNIHウイルス付着、対照群(Ctrl)は非免疫マウス血清。
図3】日本脳炎ウイルスK15P38-KNIH接種血清中和抗体体能分析結果を示す図である。
図4】日本脳炎ウイルス遺伝子型III型とV型それぞれの抗原(8ug/dose)接種群で、同じ抗原2回接種した場合、免疫グロブリン抗体力価(total IgG)の増加を確認した結果を示す図である。
図5】遺伝子型V型免疫抗原によって誘導されたマウス血清を用いて中和抗体力価(ND50, Karber formula)を確認した結果を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
<実施例1>日本脳炎ウイルス株の製造方法
1)継代培養株(K15P38-V25)
・遺伝子型V型日本脳炎ウイルス株であるK15P38で高力価ウイルスを作製するために、Vero細胞で繰り返し継代培養実験を行った。K15P38ウイルス株は、患者から分離されたオリジナルウイルスである。Vero(サル腎臓上皮細胞由来)細胞は5×106細胞/75フラスコに接種して作製した。24時間後、DPBSを使用して2回洗浄後、無血清MEM3mL培地に200μL接種後、1時間5%CO2で培養した。全培養液が2%血清MEM6mLになるように追加した後、48時間間5%CO2で培養した。この過程を25継代繰り返し行い、K15P38-V25を作製した。
【0026】
2)マウス大脳接種株(K15P38-KNIH)
・K15P38-V25ウイルスをBALB/cマウスの大脳に繰り返し投与によって高力価ウイルス作製のための本実験を行った。1セット当たり5匹(雌)を用意し、麻酔剤(ゾレチル:50μL/kg、ロンプン:10mg/kg混合)を使用して筋肉注射方法で麻酔した。頭部の皮膚を1cm切開し、小動物用脳深部固定装置(Stereotaxic)にマウスの頭を固定した。前項(bregma)を確認後、海馬部位の右頭蓋骨に穴を開け、K15P38-V25を2分(2.5μL/分)にわたって5μLを投与した。皮膚を縫合し、回復を誘導した。K15P38-V25投与(0日目)から5~6日目まで病状モニタリングを確認した。異常症状(立毛、歩行異常、伸展)が発生した場合、マウスの脳組織を摘出した。脳組織に1mLのPBSを入れ、組織破砕後、遠心分離(12,000rpm、20分)後、分離した上清を再びマウスに接種する過程を繰り返した。
【0027】
<実施例2>細胞継代培養及びマウス大脳反復接種によるウイルス力価の確認
1)プラークアッセイ実験法によるウイルス力価の確認
・Vero細胞を用いた継代培養及びvero細胞継代培養後の大脳繰り返し接種により確保したウイルスの力価を比較した。日本脳炎遺伝子型V型分離株を細胞のみで継代培養繰り返した結果(図1の黒色ブロック)、細胞継代培養1回、20回、25回繰り返した結果、最大力価は6.5×106pfu/mLであったが、マウス脳繰り返し接種後、再びvero細胞に1回、3回、5回継代培養(図1の白色ブロック)で増殖率が改善され、力価は1.15×108pfu/mLであることを確認した。
【0028】
・臨床検体分離株(K15P38)ウイルスをVero細胞で継代培養した(名称:K15P38-V25)場合、増殖率の改善が難しかったが、その後のマウス脳接種を経た(名称:K15P38-KNIH、寄託番号:KCTC15027BP)ウイルスは増殖率が改善され、高い力価値が得られることを確認した。細胞で継代培養された力価よりもマウス大脳での繰り返し継代接種後、細胞での短い継代培養でも高力価ウイルスを確認できた(図1)。
【0029】
<実施例3>K15P38-V25及びK15P38-KNIHウイルスの遺伝子変異確認
1)日本脳炎ウイルス全長遺伝子変異の分析
・Vero細胞継代培養(継代培養1と25)と高力価ウイルスを確保するために大脳に繰り返し接種した日本脳炎ウイルスの塩基配列分析のために、Blast 2 sequenceを利用して全長遺伝子変異を分析した。分析の結果、日本脳炎ウイルスDNAの同一性は98%(10925/10945)と一部の遺伝子変異があることを確認した(表1)。最終的に確保されたウイルス株(K15P38-KNIH)の配列は、下記配列番号1と同じである。
【0030】
[配列番号1]K15P38-KNIH全長ゲノム配列
TAGAAGTTTATCTGTGTGAACTTCTTGGCTTAGTATTGTTGAGAGGAATCGAGAGATTAGTGCAGTTTAAACAGTTTTTTAGAACGGAAGAAAACCATGA 100
CTAAAAAACCAGGAGGGCCCGGTAAAAACCGGGCTATCAATATGCTGAAACGCGGCATACCCCGCGTATCCCCACTTGTGGGGGTGAAGAGGGTAATTAT 200
GAACTTGCTCGACGGCAGAGGGCCAATACGATTCGTTTTGGCTCTCTTGGCGTTTTTCAATTTCACATCACTAGCCCCGACCAAGGCACTCGTTAGCCGA 300
TGGAAGGCAGTATAGAAAAACGTTGCAATGAAACATCTCACCAGTTTCAAAAAGGAACTGGGAACGCTCATCAACGCTGTAAATAAGAGGGGCAAAAAAC 400
AAAACAAAAGAGGAGGAAGTAATGGGACAGTCATCTGGATAATGGGCTTGGCAGTTGTGGTTGCCAGTGTGAGTGCAATCAAGCTGTCAAATTTTCAAGG 500
CAAGGTGCTGATGACAATCAACAACACCGATGTGGCTGATGTGATCACCATTCCCACCTCAAAAGGGAGTAATAGATGTTGGGTCCGAGCTATAGATGTG 600
GGACACATGTGCGAGGACACAATCACTTATGAATGCCCAAAGCTTGACGCTGGCAACGACCCGGAGGACATTGACTGCTGGTGCGACAAACAAGCCGTGT 700
ATGTCCAGTATGGACGTTGCACTAGGACCAGGCACTCCAGGAGAAGTAGAAGATCTGTGTCAGTGCAAACCCACGGAGAAAGTTCTTTAGTGAACAAAAA 800
AGAAGCCTGGATGGATTCGACGAAAGCCACTCGGTATCTCATGAAAACAGAGAATTGGATCATACGGAATCCAGGCTATGCTCTTGTGGCAGTGGCACTT 900
GGATGGATGCTTGGTAGCAACAACGGCCAGCGTGTGGTATTCACAATTCTCTTGCTGTTGGTCGCACCCGCATATAGCTTCAACTGCTTAGGTATGGGAA 1000
ATCGTGACTTCATCGAAGGAGTCAGTGGAGCGACGTGGGTGGACCTGGTGCTGGAAGGAGACAGTTGCCTCACCATCATGGCGAACGACAAACCAACATT 1100
GGACGTGCGCATGATAAACATCGAGGCCACGGAACTGGCTGAGGTGCGAACCTACTGCTACCACGCCACAGTGGCTGACATCTCAACAGTGGCAAGATGC 1200
CCCACGACTGGAGAAGCCCATAACACGAAGCGAGCTGACAGCAGCTATGTCTGCAAGCAAGGCTACACTGATCGTGGATGGGGAAACGGATGTGGGTTGT 1300
TTGGGAAAGGCAGCATTGACACATGCGCTAAATTTGTTTGCAGCCACAAGGCCATTGGAAAGATAATCCAGCCAGAAAACATCAAATATGAAGTTGGAGT 1400
GTTTGTTCATGGAACCACAACAGCAGAGAACCACGGAAATTACACAGCCCAGATTGGGGCTTCCCAGGCTGCCAAGTTCACCATCACGCCCAATGCTCCT 1500
TCCATCACTCTGAAGCTTGGAGATTACGGAGAAGTCACGATGGATTGCGAGCCGCGTAGTGGATTTAATACTGAGGCATTTTACGTGCTGACCGTAGGGT 1600
CTAAGTCGTTCCTAGTCCACCGCGAATGGTTCAATGATCTTGCGCTTCCGTGGCTATCTCCATCTAGCACAAATTGGAGAAATAGAGAGATCCTGATGGA 1700
GTTCGAAGAGGCTCACGCGACAAAACAGTCTGTCGTCGCGCTTGGATCACAAGAGGGAGCCTTGCATCAGGCATTGGCTGGTGCCATAGTGGTGGAGTAC 1800
TCTAGCTCAGTGAAGTTGACATCTGGTCACCTCAAATGCAGACTAAGAATGGAGAAGTTGGCGTTGAAAGGGACCACCTATGGTATGTGCACAGAGAAGT 1900
TCTCTTTTTCCAAGAATCCAGCTGACACTGGTCATGGTACGGTTGTCATAGAATTGCAGTACACCGGCACTGACGGACCTTGCAAGATACCCATTTCTTC 2000
GGTGGCCAGTCTGAATGATTTAACTCCAGTTGGTAGATTGGTGACAGTCAATCCTTTTGTTGCCACATCCACCGCCAATTCGAAGGTTTTGGTAGAATTG 2100
GAACCACCATTTGGAGATTCATTCATTGTTGTCGGAAGAGGAGATAAGCAGATCAATCACCATTGGCACAAGGCTGGCAGTTCACTGGGAAAGGCTTTCA 2200
CGACTACTTTGAAAGGAGCTCAGAGGCTGGCAGCCCTTGGTGACACCGCTTGGGACTTTGGATCCATTGGAGGGGTTTTCAATTCCATTGGTAAGGCCGT 2300
GCACCAAGTGTTTGGAGGAGCTTTCAGAACCCTTTTTGGTGGCATGTCCTGGATAACACAAGGATTGATGGGAGCGCTGCTGCTGTGGATGGGTATCAAC 2400
GCACGAGATCGGTCGATTGCACTAGCTTTTCTTGCTACAGGAGGTGTGCTCTTGTTTCTGGCCACCAATGTCCACGCCGATACCGGCTGCGCCATCGATA 2500
TAACCAGAAAAGAAATGAGGTGTGGTAGTGGCATATTTGTGCACAATGACGTGGAGGCTTGGGTTGATAGATACAAGTATCTACCTGAGACTCCCAAGTC 2600
TTTAGCCAAAATAGTCCACAAAGCACACAAGGAAGGCATTTGTGGAGTGAGATCAGTCACCAGACTGGAACACCAAATGTGGGAGGCCGTCAGGGACGAG 2700
TTAAATGTCTTGTTGAAGGAGAATGCGGTAGATCTTAGTGTGGTGGTGGACAAACCATCAGGAAGATACCGACCAGCTCCATTGCGGTTGGCCATGACTC 2800
AGGAAAAGTTTGAGATGGGTTGGAAAGCATGGGGGAAGAGCATTCTCTTTGCGCCGGAACTGGCCAATTCCACGTTTGTGATCGACGGACCTGAAACCAA 2900
AGAGTGTCCAGATGAGCGTAGAGCATGGAACAGCATGCAGATTGAGGATTTTGGGTTTGGCATTACGTCGACTCGAGTGTGGTTGAAGATCAGGGAGGAG 3000
CGCACGAATGAATGTGATGGAGCCATCATCGGCACGGCTGTTAAAGGGAACATGGCAGTGCACAGTGACTTGTCATACTGGATTGAAAGCCATCTCAACG 3100
ACACCTGGAAGCTCGAGAGAGCTGTGTTTGGAGAGATAAAGTCTTGCACTTGGCCAGAAACACACACGCTCTGGGGAGATGGTGTTGAGGAAAGTGAGTT 3200
GATAATTCCACACACACTCGCTGGACCCAAAAGCAAGCATAACAGAAGAGAGGGTTACAAGACACAGAATCAGGGACCATGGGACGAGAGTGAGATCACT 3300
CTTGATTTTGACTACTGTCCAGGGACCACAGTCACCATTGCTGAGGGATGTGGGAAAAGGGGGCCCTCAATCAGGACCACCACTGATAGTGGAAAATTAA 3400
TCACTGATTGGTGTTGCAGGAGCTGCACTTTGCCGCCACTGAGGTTCAGGACAGCCAGTGGGTGCTGGTATGGAATGGAAATACGGCCCATGAAgCATGA 3500
TGAATCCACGCTCGTGAAATCACAAGTCAACGCGTTTAATGGGGAGATGATTGATCCTTTTCAGTTGGGCCTTCTGGTGATGTTTCTGGCCACCCAGGAG 3600
GTCCTTCGCAAGAAGGTGGACGGCCAGACTGACGATTCCTGCGGTTTTGGGGGCCCTACTTGTTCTGATGCTTGGGGGCATCACCTACACTGATCTAGTG 3700
AGATATGTGGTGTTGGTGGCTGCTGCTTTCGCTGAAGCTAACAATGGAGGCGATGTAGTTCATTTGGCCCTGATTGCCGTATTTAAAATCCAACCGGCAT 3800
TCCTAGTCATGAGCATAGCAAGAACAAATTGGACAAACCAGGAAAACATTGCCCTAGTGCTAGGAGCTGCTTTCTTTCAGATGGCCTCAACAGACCTGGA 3900
GTTTGGTATCCATGGGCTGCTAAATGCAGCGGCGACGGCCTGGATGGTAGTGCGGGCGATCACGTTTCCCACGACCTCCACCATCACAATGCCCATACTA 4000
GCTTTGCTGGCGCCAGGAATGAGAGCTCTCCATCTTGACACCTACAGAATCTTTTTGCTTATCATCGGGGTCTGTGCTCTGCTGCATGAAAGGAGGAAAa 4100
aCCATGGCGAAGAAGAAAGGTGCTGTCCTTTTGGGTCTAGCCCTAAGTTCCACTGGGTGGTTTTCACCAGCCATTATGGCAGCTGGGCTCATGGCGTGCA 4200
ATCCAAACAAAAAGAGAGGATGGCCAGCGACAGAATTTCTGTCTGCGATTGGGTTGATGTTTGCTATTGTTGGGGGCCTGGCCGAGTTGGACATCGACTC 4300
TATGGCGATACCTTTCATGTTAGCTGGGCTTATGGCAGTGTCATATGTGGTATCAGGAAAAGCAACGGACATGTGGCTAGAACGTGCGGCCGACATTAGT 4400
TGGGAAGTGGATGCAGCGATCACAGGCAGCAGCCGAAGGTTGGACGTCAAACTAGATGATGATGGAGATTTCCACCTTATTGATGATCCAGGCGTCCCAT 4500
GGAAAATTTGGGTACTGCGCATGTCTTGCATAGGATTGGCGGCCTTCACACCATGGGCCATCATCCCAGCGGCTTTTGGATATTGGCTGACTTTGAAAAC 4600
CACAAAGAGAGGAGGCGTTTTTTGGGACACACCATCACCCAAAGTCTACGCAAAAGGGGACACAACCACAGGAGTGTACAGGATAATGGCTCGAGGGATC 4700
TTTGGCGTCTACCAAGCAGGTGTTGGAGTGATGTATGAGAACGTGTTCCACACTCTGTGGCACACGACCAGAGGAGCTGCCATAATGAGTGGAGAAGGAA 4800
AGTTGACGCCGTACTGGGGAAGCGTTAAGGAGGACCGCATAACTTATGGGGGCCCATGGAGATTCGATCGAAAATGGAATGGAGTGGATGACGTGCAAAT 4900
GATTGTAGTTGAACCAGGAAAAGCAGCTGTAAATGTCCAAACAAAGCCGGGAGTGTTTCGGACTCCACACGGAGAAATTGGAGCTGTTAGCCTGGATTAC 5000
CCTAGTGGGACATCGGGCTCACCCATCCTGGACATCAACGGTGATATCATTGGATTGTATGGGAACGGAGTTGAACTTGGAGATGGCTCATATGTGAGCG 5100
CCATTGTGCAGGGTGAACGGCAAGAAGAGCCCATCCCCGATGCATACAATCCAAACATGCTCAAGAAAAGGCAGCTGACCGTGTTGGACTTGCATCCAGG 5200
ATCTGGGAAAACAAGGAAAATCTTACCCCAAATCATCAAGGATGCCATTCAACAGCGTCTCAGAACAGCTGTTCTGGCGCCCACTCGGGTTGTTGCAGCT 5300
GAGATGGCAGAAGCTCTTAGAGGACTTCCCGTTAGATACCAAACTTCAGCGGTTCCGCGAGAACATCAGGGGAATGAGATAGTTGATGTCATGTGTCACG 5400
CCACCTTAACGCATAAGCTGATGTCACCAAATCGCGTCCCCAATTACAACTTGTTTGTCATGGATGAGGCCCATTTCACAGACCCAGCCAGCATCGCCGC 5500
TAGAGGATACATATCCACCAGAGTGGAATTGGGAGAAGCCGCGGCTATCTTCATGACTGCCACTCCACCAGGAACGACTGACCCCTTCCCTGACTCCAAC 5600
GCTCCCATTCATGATTTGCAGGACGAGATCCCTGACAGAGCATGGAGCAGTGGGTATGAATGGATAACTGAGTACTCTGGGAAGACAGTATGGTTTGTGG 5700
CGAGTGTGAAAATGGGCAACGAAATCGCAGTGTGTCTACAGAGAGCCGGAAAGAGAGTCATCCAGTTAAATCGGAAATCTTATGACACCGAGTACCCCAA 5800
ATGTAAGAATGGGGATTGGGATTTTGTCATCACCACGGACATTTCTGAAATGGGGGCCAACTTTGGAGCGAGCAGAGTGATTGATTGTAGGAAGAGTGTG 5900
AAACCCACCATTCTGGAAGAAGGAGAAGGAAGAGTCATTCTCAGCAACCCATCGCCTATCACCAGTGCGAGTGCAGCCCAGCGGAGAGGCAGAGTGGGCA 6000
GAAATCCAAATCAGGTTGGAGATGAGTACCATTACGGAGGGGTCACAAGTGAAGATGACACCAACCTAGCACACTGGACAGAAGCCAAGATCATGTTGGA 6100
CAACATCCACCTGCCAAATGGGTTGGTAGCTCAGCTCTATGGACCTGAAAGGGAAAAGGCCTTCACAATGGACGGTGAGTATCGATTGAGGGGTGAAGAA 6200
AAGAAGAACTTTCTGGAGTTAATCAGAACAGCCGACCTCCCCGTATGGCTAGCTTACAAAGTGGCTTCAAATGGAATACAGTACACCGATAGGAGATGGT 6300
GTTTTGATGGACCTCGGACGAATGCTATCTTAGAAGACAGCACTGAAGTAGAGATAATCACCAGAACGGGAGAAAGGAAAATTCTAAAACCAAGATGGCT 6400
GGACGCACGGGTGTACGCAGATCACCAGGCTTTGAAGTGGTTTAAGGACTTCGCAGCAGGAAAGAGATCAGCTGTCAGTTTTCTAGAGGTGCTTGGGCGC 6500
ATGCCAGAGCACTTCATGGGGAAAACGCGTGAAGCTCTTGATACAATGTACCTGGTTGCCACGGCAGAAAAAGGGGGAAAAGCTCACCGAATGGCCCTGG 6600
AGGAACTGCCAGATGCACTGGAGACGGTGACACTCATCGCAGCGCTTGCCGTGATGACAGGTGGGTTCTTTCTACTCATGATGCAACGAAAGGGCATAGG 6700
AAAAATGGGCCTCGGGGCTCTCGTGCTCACCCTGGCCACTTTCTTCTTGTGGATGGCAGAGGTCTCAGGGACGAAAATAGCCGGGACCTTACTCATAGCG 6800
TTGCTGCTTATGGTGGTACTCATCCCGGAGCCGGAGAAGCAAAGATCCCAAACGGACAACCAGTTGGCCGTGTTTCTGATCTGCGTCCTCACCGTAGTGG 6900
GAATTGTGGCTGCTAATGAGTATGGCATGCTCGAAAAGACCAAGGAAGACATAAGGAATGTGTTTGGTAACAAGGTTCAGACATCCAATGCACCTGGAAG 7000
CCTATCAAGTCTGGCGCTCGATCTACGACCAGCAACGGCTTGGGCCTTATATGGAGGTAGTACAGTGATTTTAACTCCACTGCTGAAACATTTGATCACC 7100
TCTGAGTATGTGACAACATCACTAGCTTCAATCAACTCACAGGCCGGCTCACTTTTTGTTTTGCCAAAAGGCATGCCTTTCACGGATTTGGATCTGACGG 7200
TTGGACTCGTCTTTCTGGGTTGTTGGGGGCAAATCACTCTCACCACTTTTCTGACAGCTGGAGTGTTAGTAGTTCTGCATTACGGCTATATGCTCCCTGG 7300
CTGGCAAGCTGAAGCCCTGAGGGCAGCTCAGAGACGAACAGCTGCGGGTATCATGAAGAACGCCGTTGTGGATGGGATGGTTGCCACTGATGTGCCTGAA 7400
TTGGAAAGAACAACACCCCTAATGCAGAAGAAGGTGGGGCAAGTGTTGCTAATAGGAGTCAGTATAGCAGCTTTTCTTGTCAATCCCAATGTCACCACCG 7500
TGCGAGAAGCCGGTGTGCTGGTGACCGCTGCTACGCTCACCCTATGGGATAATGGAGCAAGTGCCGTCTGGAATTCAACTACAGCCACAGGACTCTGCCA 7600
CGTCATGCGAGGCAGTTACTTGGCTGGTGGTTCAATAGCTTGGACTCTCATCAAGAATGTTGATAAACCATCCTTGAAAAGAGGAAGGCCTGGAGGAAGA 7700
ACGCTGGGTGAGCAATGGAAAGAAAAATTGAACGCCATGAACAAAGAAGAGTTTTTCAGGTACAGGAAAGAAGCCATAGTTGAGGTGGACCGCACAGAGG 7800
CACGCAGGGCTAGACGAGAGAATAACAAAGTGGGAGGTCATCCCGTGTCACGAGGTTCAGCAAAGCTCCGATGGATGGTGGAGAAAGGGTTTGTCTCCCC 7900
TGTTGGAAAGGTTGTGGACCTTGGCTGTGGGCGGGGAGGATGGTGCTATTATGCTGCCACTCTGAAAAAAGTGCAAGAAGTTAAAGGTTATACAAAAGGA 8000
GGGGCCGGACATGAGGAACCGATGCTGATGCAAAGCTATGGTTGGAATCTGGTCACGATGAAGAGTGGAGTGGATGTGTTCTACAGACCTTCAGAGCCTA 8100
GTGACACCCTGCTCTGTGACATAGGGGAGTCTTCTCCAAGTCCAGACGTCGAGGAGCAACGCACTCTGCGGGTTCTGGAAATGGCATCAGAGTGGCTACA 8200
CCGAGGACCCAGAGAATTCTGCATTAAAGTTTTGTGTCCATACATGCCAAAGGTGATAGAAAAGATGGAAACGCTACAACGTCGCTTTGGAGGCGGACTG 8300
GTGCGCGTTCCCCTGTCACGCAACTCAAATCACGAAATGTACTGGGTTAGTGGGGCTGCTGGGAACGTGGTACATGCTGTAAACATGACCAGTCAAGTTT 8400
TGCTGGGGCGAATGGACCGACCAGTCTGGAGAGGACCCAAATATGAAGAAGATGTCAACTTGGGAAGCGGGACCAGAGCTGTAGGGAAAGGTGAGGTTCA 8500
CAGTGACCAAGGAAAAATCAAGAAGCGGATAGAGAAGCTGAAAGAAGAGTATGCAGCGACGTGGCACGAGGACCCTGAACATCCATACCGCACTTGGACA 8600
TACCATGGAAGCTATGAAGTGAAGGCCACCGGTTCAGCCAGCTCCCTTGTCAACGGAGTGGTTAAGCTCATGAGTAAACCTTGGGATGCCATCACTAGTG 8700
TCACCACCATGGCCATGACTGACACTACTCCCTTTGGTCAGCAGAGAGTCTTCAAAGAAAAAGTTGACACCAAGGCGCCTGAGCCACCTGCAGGAGTTCG 8800
GGAAGTGCTGGACGAAACTACCAACTGGCTGTGGGCCTACTTGTCAAGAGAGAAAAGACCTCGCTTGTGTACGAGAGAGGAGTTCATCCGGAAAGTCAAC 8900
AGCAACGCAGCTCTTGGAGCCATGTTTGCCGAGCAAAATCAGTGGAGCTCAGCCAGGGAGGCTGTTAGTGACCCGGCCTTCTGGAACATGGTCGACATTG 9000
AAAGAGAGAACCACCTACGAGGGGAGTGCCACACCTGCATCTACAACATGATGGGAAAAAGAGAAAAGAAACCTGGTGAGTTTGGGAAGGCTAAAGGAAG 9100
CAGAGCTATCTGGTTCATGTGGCTCGGAGCCCGCTACCTGGAATTCGAGGCACTCGGGTTCCTGAACGAGGACCATTGGCTGAGCAGGGAGAACTCTGGA 9200
GGAGGAGTGGAAGGCTCAGGCATACAGAAGCTAGGGTACATTTTGCGAGACATCTCAACGAAATCTGGAGGGAAAATGTATGCTGATGACACCGCAGGCT 9300
GGGACACTAGGATCACAAGGGTTGATCTGGACAATGAGGCAAAGGTGCTGGAACTTCTGGATGGGGAGCACAGGATGTTGGCCCGTGCTATTATAGAATT 9400
GACTTACAAACACAAAGTTGTCAAAGTAATGAGGCCAGCAGTAGGTGGAAAGACCGTGATGGATGTGATCTCTAGAGAAGATCAAAGAGGGAGTGGGCAA 9500
GTGGTCACATATGCTCTCAACACCTTCACAAACATAGCTGTCCAGCTAGTGAGGTTGATGGAGGCTGAAGGGGTTGTCGGTCCACAGGATGTGGAGCAGC 9600
TCCCCAGGAAAACCAAATTCGCAGTCAGGACATGGCTTTTTGAAAATGGAGAAGAGAGAGTCACCAGAATGGCAGTGAGTGGGGATGACTGCGTTGTCAA 9700
ACCTTTGGATGACAGATTCGCGCATGCTTTACACTTCTTGAATGCGATGTCAAAGGTGAGGAAAGACATACAAGAATGGAAGCCATCTCAAGGCTGGCAC 9800
GACTGGCAGCAAGTCCCTTTCTGCTCGAACCACTTTCAGGAGATTGTGATGAAGGATGGTAGAAGCCTTGTTGTGCCCtGCCGGGGACAGGATGAGTTAA 9900
TAGGCAGGGCCCGGATTTCACCAGGAGCAGGATGGAATGTGAGAGACACAGCCTGCCTAGCTAAGGCCTACGCCCAAATGTGGCTCCTCCTCTACTTTCA 10000
CCGGAGAGACTTGCGCCTTATGGCCAACGCGATCTGCTCAGCCGTTCCGGTAGACTGGGTACCCACAGGTAGGACATCATGGTCGATACACTCAAAAGGA 10100
GAGTGGATGACAACAGAAGACATGCTGCAGGTGTGGAACAGGGTATGGATTGAGGAGAATGAATGGATGAGAGACAAAACCCCCGTCGCCAGTTGGACCG 10200
ACGTCCCATACGTCGGAAAGAGGGAAGACATCTGGTGCGGCAGCTTGATCGGAACGCGGACAAGGGCCACCTGGGCAGAAAACATCTATGCAGCAATAAA 10300
CCAAGTGAGAGCAATAATTGGAAATGAAAAGTATGTGGACTACATGACATCACTTAGGAGGTATGAAGACACTTTGGTCCAGGAAGATAGAGTAATTTAA 10400
AAAACTTTTGGTAATGAGTGTAAATAGTAGTATTTATTGTAAATAGTGTAAATAAACAAATTTAAATAGGAAGTCAGGCCGACGTAAGTCGCCACCGGAT 10500
GCTGAGTAGACGGTGCTGCCTGCGCCTCAGCCCCAGGAGGACTGGGTTAACAAATCTGACAACCGAAGGTAGGAAAGCCCTCAAAACCGTCTCGGAAGAA 10600
GGTCCCTGCTTACTGGAGGTTGGAAGACCGTGTCAGGCCACGCAAGTGCCACTTCGCTGAGGAGTGCAGCCTGTACAGCCCCGGGAGGACCGGGTAAACA 10700
AAGCCGATGAGGCCCCCACGGCCCAAACCTCATCCAGGATGCAATGGATGAGGCGTAAGGACTAGAGGTTAGAGGAGACCCCGTGGAAAAGAAAATGCGG 10800
CCCAAACTCTTTcGAAGCTGTAGAAGGAGTGGAAGGACTAGAGGTTAGAGGAGACCCCGCATTTGCATCAAAACAGCATATTGACACCTGGGATTAGACT 10900
AGGAGATCTTCTGATCTATCTCAACATCAGCTACAAGGCACAGAGCGCCGAAATATGTAGCTGGTGGTGGGGAAGAACACAGGATCT 10987
【0031】
<実施例4>K15P38及びK15P38-KNIH免疫原性の確認
1)ELISA分析法を用いた免疫原性分析
・K15P38及びK15P38-KNIHウイルスをそれぞれマウスに免疫した後、血清を確保した。各ウイルスを免疫後、得られた血清を用い、各ウイルスに対し血清の免疫グロブリンG(IgG)産生及び交差反応免疫原性を確認するためのELISA法を行った。細胞継代前のオリジナル日本脳炎ウイルス(K15P38)又はK15P38-KNIHウイルスをELISAプレートに付着(coating)後、各細胞継代ウイルス(K15P38-V25)又はマウス脳継代ウイルス(K15P38-KNIH)免疫血清のウイルス特異的免疫グロブリンG(IgG)産生を比較した結果、細胞継代及び脳継代ウイルスの免疫原性には差がないことを確認した(図2)。
【0032】
・オリジナル分離株に対する抗体反応が2つの継代培養方法による差がなく(図2A)、脳継代接種ウイルスに対する免疫原性も大きな差はなく類似していることを確認する(図2B)。
【0033】
2)PRNT(Plaque Reduction Neutralization Test)分析法を用いた中和抗体形成分析
・日本脳炎ウイルスK15P38-KNIHで免疫したマウス血清を用いて、オリジナルウイルス(K15P38)及び高力価ウイルス(K15P38-KNIH)に対する中和抗体力価(ND50, Karber formula)を比較した。
【0034】
・K15P38-KNIHウイルス株を免疫して得られたマウス血清がオリジナルウイルスに対しても高力価ウイルスと同等程度の効果的な中和能があることを確認した(図3)。
【0035】
・高力価ウイルス(K15P38-KNIH)免疫後に産生された中和抗体がオリジナル分離株及び高力価ウイルスに対して効果的な中和能を確認することができ、一部の遺伝子変異が免疫原性に大きな影響を及ぼさないことを確認した。
【0036】
3)動物モデル(BALB/C)を用いたワクチン候補物質の免疫原性の確認
・日本脳炎ウイルス免疫原性実験に使用したワクチン株遺伝子型III型(Beijing)とワクチン候補物質V型(K15P38-KNIH)不活化抗原を確保した。
【0037】
・日本脳炎ウイルス遺伝子型III型とV型の各抗原(8ug/dose)接種群において、同じ抗原を2回接種した場合、免疫グロブリンと抗体力価(total IgG)の増加を確認し、不活化抗原の免疫原性には大きな差はなかた(図4)。
【0038】
・遺伝子型V型免疫抗原によって誘導されたマウス血清を用いて中和抗体力価(ND 50, Karber formula)を確認した結果、遺伝子型V型ウイルスと比較して遺伝子型III型に対する中和能が著しく低いことを確認し、これは遺伝子型別の交差防御能が低いことが予測できる。
【0039】
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に説明したが、当業者にとって、このような具体的な技術は単なる好ましい実施様態であり、これによって本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とそれらの等価物によって定義されると言える。
【0040】
[受託番号]
寄託機関名:生物資源センター
寄託番号:KCTC150277BP
受託日時:2022年07月08日
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
2024541677000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項2】
前記日本脳炎ウイルスが、配列番号1の遺伝子を含むことを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項3】
前記日本脳炎ウイルスが、マウス大脳接種によって産生されたことを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項4】
前記高力価は、1×108pfu/mL以上であることを特徴とする請求項1に記載の日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIH。
【請求項5】
分離した日本脳炎ウイルスをマウス大脳に接種する工程;及び
マウス大脳から日本脳炎ウイルスを得る工程;
を含む高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項6】
前記分離した日本脳炎ウイルスが、日本脳炎ウイルス遺伝子型V型であることを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項7】
さらに、Vero細胞で継代培養する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項8】
前記接種が、2回以上であることを特徴とする請求項5に記載の高力価日本脳炎ウイルス遺伝子型V型K15P38-KNIHを製造する方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の日本脳炎ウイルスを含むワクチン組成物。
【請求項10】
さらに、薬学的に許容される担体又は賦形剤を含むことを特徴とする請求項9に記載のワクチン組成物。
【請求項11】
請求項に記載のワクチン組成物を非ヒト動物に投与する工程を含む日本脳炎に対する予防接種方法。
【国際調査報告】