(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】セルの干渉協調方法、装置、サーバ及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 16/10 20090101AFI20241031BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20241031BHJP
H04W 16/08 20090101ALI20241031BHJP
【FI】
H04W16/10
H04W16/14
H04W16/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533146
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2022121432
(87)【国際公開番号】W WO2023109244
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111551195.5
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲ヂャン▼勇
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD17
5K067EE10
(57)【要約】
本願の実施例は、通信の技術分野に関し、特に、セルの干渉協調方法、装置、サーバ及び記憶媒体に関する。セルの干渉協調方法は、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するステップと、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得するステップと、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するステップと、
前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得するステップと、
前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するステップと、
を含むセルの干渉協調方法。
【請求項2】
前記ターゲットセルが動的スペクトル共有オーケストレーション方式を採用する場合、前記第1の周期優先ポリシーはピュア5G状態又は4/5G共有状態であり、前記クラスタ状態はクラスタ内状態又は非クラスタ内状態であり、
前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する前記ステップは、
前記クラスタ状態が前記クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記ピュア5G状態である場合、前記干渉協調ポリシーを、干渉協調を行わないポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記4/5G共有状態である場合、前記干渉協調ポリシーを、適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記非クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記ピュア5G状態である場合、前記干渉協調ポリシーを、前記適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記非クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記4/5G共有状態である場合、前記干渉協調ポリシーを、前記適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーとして決定するステップ、
を含む請求項1に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項3】
前記適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーは、
各前記関連セルの4Gセル参照信号干渉強度に基づいて、シンボルレベルレートマッチングを行うか否かを決定することと、
前記ターゲットセルの、チャネル状態情報干渉測定リソース上で測定された各リソースブロックの干渉状況に基づいて、各前記リソースブロックからターゲットリソースブロックを選択し、スケジューリングを行うことと、
を含む請求項2に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項4】
前記ターゲットセルがフレーム構造オーケストレーション方式を採用する場合、前記第1の周期優先ポリシーは、DDDSUフレーム構造又はDSUUUフレーム構造であり、前記クラスタ状態は、クラスタ内状態又は非クラスタ内状態であり、
前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する前記ステップは、
前記クラスタ状態が前記クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記DDDSUフレーム構造である場合、前記干渉協調ポリシーを、干渉協調を行わないポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記非クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記DDDSUフレーム構造である場合、前記干渉協調ポリシーを、各前記関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記DSUUUフレーム構造である場合、前記干渉協調ポリシーを、前記干渉協調を行わないポリシーとして決定するステップ、又は、
前記クラスタ状態が前記非クラスタ内状態であり、且つ前記第1の周期優先ポリシーが前記DSUUUフレーム構造である場合、前記干渉協調ポリシーを、各前記関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調する前記ポリシーとして決定するステップ、
を含む請求項1に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項5】
前記ポリシー情報テーブルは前記ターゲットセルのターゲットセル識別子と前記ターゲットセルの各関連セルの関連セル識別子とをさらに含み、
ターゲットセルの次周期におけるポリシー情報テーブルを取得する前記ステップは、
前記ターゲットセルに対して周期的負荷予測を行い、前記ターゲットセルの予測結果に基づいて前記第1の周期優先ポリシーを取得するステップと、
各前記関連セルの、前記第2の周期優先ポリシーと前記関連セル識別子とを含むブロードキャスト情報を受信するステップと、
前記ターゲットセル識別子と各前記関連セル識別子とに基づいて、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとを予め設定された初期化ポリシー情報テーブルに書き込んで、前記ポリシー情報テーブルを生成するステップと、
を含む請求項1~4の何れか一項に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項6】
前記ターゲットセルが動的スペクトル共有オーケストレーション方式を採用する場合、前記ターゲットセルの予測結果に基づいて前記第1の周期優先ポリシーを取得する前記ステップは、
前記予測結果が、前記ターゲットセルの4G負荷が軽く、且つ前記ターゲットセルに対応するベースセルの4G負荷が軽いとの予測結果である場合、前記第1の周期優先ポリシーを、ピュア5G状態を採用するポリシーとして取得するステップ、又は、
前記予測結果が、前記ターゲットセルの4G負荷が軽く、且つ前記ターゲットセルに対応するベースセルの4G負荷が重いとの予測結果である場合、前記第1の周期優先ポリシーを、4/5G共有状態を採用するポリシーとして取得するステップ、又は、
前記予測結果が、前記ターゲットセルの4G負荷が重いとの予測結果である場合、前記第1の周期優先ポリシーを、4/5G共有状態を採用するポリシーとして取得するステップ、
を含む請求項5に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項7】
前記ターゲットセルがフレーム構造オーケストレーション方式を採用する場合、
前記ターゲットセルの予測結果に基づいて前記第1の周期優先ポリシーを取得する前記ステップは、
前記予測結果が、前記ターゲットセルのダウンリンク負荷が重いとの予測結果である場合、前記第1の周期優先ポリシーを、DDDSUフレーム構造を採用するポリシーとして取得するステップ、又は、
前記予測結果が、前記ターゲットセルのダウンリンク負荷が重いとの予測結果である場合、前記第1の周期優先ポリシーを、DSUUUフレーム構造を採用するポリシーとして取得するステップ、
を含む請求項5に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項8】
前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得する前記ステップは、
前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとが全て一致する場合、前記ターゲットセルのクラスタ状態をクラスタ内状態として取得するステップ、又は、
前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに不一致が存在する場合、前記ターゲットセルのクラスタ状態を非クラスタ内状態として取得するステップ、
を含む請求項1~4の何れか一項に記載のセルの干渉協調方法。
【請求項9】
第1の取得モジュールと、第2の取得モジュールと、ポリシー決定モジュールと、を含み、
前記第1の取得モジュールは、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するのに用いられ、
前記第2の取得モジュールは、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得するのに用いられ、
前記ポリシー決定モジュールは、予め設定された干渉協調ルールに従って、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するのに用いられる
セルの干渉協調装置。
【請求項10】
サーバであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~8の何れか一項に記載のセルの干渉協調方法を実行できるようにする
サーバ。
【請求項11】
プロセッサにより実行された場合、請求項1~8の何れか一項に記載のセルの干渉協調方法を実現するコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2021年12月17日に出願された、出願番号が202111551195.5である中国特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本願の実施例は、通信の技術分野に関し、特に、セルの干渉協調方法、装置、サーバ及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在では、スペクトルリソースをいかに効率的に使用するかがモバイル無線ネットワーク分野における研究の焦点となっており、一連の新しい技術も次々と現れている。その中で、代表的なものは、フレーム構造オーケストレーションと動的スペクトル共有(Dynamic Spectrum Sharing、略してDSSと称する)オーケストレーションである。フレーム構造オーケストレーションとは、時分割二重化(Time Division Duplex、略してTDDと称する)ネットワークにおいて、アップリンクとダウンリンクの負荷の割合に応じて、アップリンクフレームとダウンリンクフレームの割合を動的に調整する技術である。フレーム構造オーケストレーションにより、アップリンクとダウンリンクの負荷の変化傾向に動的に適応し、スペクトルリソースの使用効率を高めることができる一方、ユーザ体験を向上させることもできる。DSSオーケストレーションとは、様々の方式の無線アクセスネットワークサービスが同時にデプロイされたDSS状態(例えば3G/4G/5G DSS)、及び単一方式のサービスのみを提供する状態(例えばピュア5G)が単一のスペクトル上でセルによりサポートされ、セルのリアルタイムの状態は各方式のユーザのリアルタイムの負荷比率の変化に従って動的に調整されることを指す。DSSオーケストレーションを利用することにより、異なる方式のトラフィックの変化傾向に動的に適応することができる一方、DSSレートマッチングの固定オーバーヘッドを省くことにより、スペクトルリソース利用効率を大幅に向上させることもできる。
【0004】
しかしながら、フレーム構造オーケストレーションの場合、異なる小区間のアップリンクとダウンリンクの負荷の比率に著しい差が存在する可能性があるため、フレーム構造オーケストレーションを有効化した後で、極めて高い確率で、関連セル間のフレーム構造同士をアライメントさせることができず、周波数内隣接セルのダウンリンクサブフレームが自セルのアップリンクサブフレームと衝突すれば、自セルのアップリンクに深刻な干渉を引き起こすことになる。DSSオーケストレーションの場合、異なるセル間の異なる方式のトラフィックの比率にも著しい差が存在する可能性があるため、DSSオーケストレーションを有効化した後で、極めて高い確率で、関連セル間のセル状態をアライメントさせることができない。周波数内隣接セルが4G/5G DSS状態にあり、自セルがピュア5G状態にある場合、周波数内隣接DSS 4Gのセル参照信号(Cell Reference Signal、略してCRSと称する)は自セルの物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel、略してPDSCHと称する)に深刻な干渉を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例の主な目的は、セルの干渉協調方法、装置、サーバ及び記憶媒体を提案することにある。フレーム構造オーケストレーション又はDSSオーケストレーション方式の下で自動且つ正確なセル間干渉協調を実現し、関連セル間干渉がユーザのチャネル品質に与える影響を除去/緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願の実施例は、セルの干渉協調方法を提供し、前記セルの干渉協調方法は、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するステップと、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得するステップと、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するステップと、を含む。
【0007】
上記目的を達成するために、本願の実施例は、セルの干渉協調装置をさらに提供し、前記セルの干渉協調装置は、第1の取得モジュールと、第2の取得モジュールと、ポリシー決定モジュールと、を含み、前記第1の取得モジュールは、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するのに用いられ、前記第2の取得モジュールは、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得するのに用いられ、前記ポリシー決定モジュールは、予め設定された干渉協調ルールに従って、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するのに用いられる。
【0008】
上記目的を達成するために、本願の実施例はサーバをさらに提供する。前記サーバは、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを含み、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが上記のセルの干渉協調方法を実行できるようにする。
【0009】
上記目的を達成するために、本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行された場合に上記のセルの干渉協調方法を実現するコンピュータプログラムを記憶している。
【0010】
(有益な効果)
本願により提案されるセルの干渉協調方法によれば、ターゲットセルの干渉協調過程において、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得し、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得し、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。ターゲットセル及び各関連セルの次周期優先ポリシーを組み合わせることによりターゲットセルのクラスタ状態を取得し、その後、ターゲットセルのクラスタ状態と周期優先ポリシーとに基づいて適切な干渉協調ポリシーを決定することにより、フレーム構造オーケストレーション又はDSSオーケストレーション方式の下で自動且つ正確なセル間干渉協調を実現し、関連セル間干渉がユーザのチャネル品質に与える影響を除去/緩和することができ、フレーム構造オーケストレーションにより関連セル間のフレーム構造がアライメントできないことと、DSSオーケストレーションにより関連セル間のセル状態がアライメントできないこととに起因する、関連セル間の干渉が深刻であるという技術的問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願の実施例により提供される、DSSオーケストレーション方式を用いたセルの干渉協調方法のフローチャートである。
【
図2】本願の実施例により提供されるターゲットセルと各関連セルの模式配置図である。
【
図3】本願の実施例により提供されるターゲットセルのクラスタ状態の模式図である。
【
図4】本願の実施例により提供される、DSSオーケストレーション方式を用いたターゲットセルのポリシー情報模式図。
【
図5】本願の実施例により提供される、フレーム構造オーケストレーション方式を用いたセルの干渉協調方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例により提供される、フレーム構造オーケストレーション方式を用いたターゲットセルのポリシー情報模式図。
【
図7】本願の実施例により提供されるセルの干渉協調方法のフローチャートである。
【
図8】本願の実施例により提供されるターゲットセルの初期化ポリシー情報模式図である。
【
図9】本願の実施例により提供されるセルの干渉協調装置の模式構成図である。
【
図10】本願の実施例により提供されるサーバの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされており、本願の具体的な実施例にいかなる限定を構成すべきではなく、各実施例は、矛盾しない限り、組み合わせたり互いに参照したりしてもよい。
【0013】
本願の一実施例は、DSSオーケストレーション方式を用いるターゲットセルに適用される、セルの干渉協調方法に関し、
図1に示すように、前記セルの干渉協調方法は、以下のステップを含む。
【0014】
ステップ101において、ターゲットセルの次周期における、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーとターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得する。
【0015】
一例示的な実施形態において、任意の1つの基地局セルをターゲットセルとすることができ、ターゲットセルの関連セルとは、ターゲットセルとカバレッジが重複する全ての周波数内隣接セルを指す。
図2に示すように、基地局セル40001とカバレッジが重複する全ての周波数内隣接セルは、基地局セル40003、基地局セル40007及び基地局セル40009であるため、基地局セル40001をターゲットセルとする場合、その各関連セルは、基地局セル40003、基地局セル40007及び基地局セル40009である。同様に、基地局セル40003をターゲットセルとする場合、その各関連セルは、基地局セル40001である。基地局セル40007をターゲットセルとする場合、その各関連セルは、基地局セル40001、基地局セル40009及び基地局セル40011である。基地局セル40009をターゲットセルとする場合、その各関連セルは、基地局セル40001及び基地局セル40007である。同様に、基地局セル40011をターゲットセルとする場合、その各関連セルは、基地局セル40007である。
【0016】
一例示的な実施形態において、各ターゲットセルのポリシー情報テーブルは、セル識別子と、セルの次周期の周期選択可能ポリシーとにより構成され、
図4に示すように、各ターゲットセルのポリシー情報テーブルが与えられ、ポリシー情報テーブルにおいて、ターゲットセルと関連セルとを区別するために、ターゲットセルを1番目に設定してもよく、識別子を増やす方法を用いてもよく、各セルのセル識別子に直接基づいて区別してもよい。ここで、セル識別子は、各セルに割り当てられた一意の任意の識別番号を指し、その初期化値は、システムにより割り当てられた識別番号である。周期が事前に設定されるものであるため、次周期は将来の最も近い周期を指し、次周期優先ポリシーは、各セルがその次周期の負荷予測と他の関連情報とに基づいて次周期のために選択したポリシーを指し、その初期化値は、事前に定義された、全てのセルについて同じであるデフォルトポリシーである。
【0017】
一例示的な実施形態において、第1の周期優先ポリシー及び第2の周期優先ポリシーは、ピュア5G状態(即ち、5G)又は4/5G共有状態(即ち、4G/5G DSS)である。
【0018】
ステップ102において、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに従って、ターゲットセルのクラスタ状態を取得する。
【0019】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルのクラスタ状態は、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと、各関連セルの第2の周期優先ポリシーとに基づいて決定され、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとが全て一致する場合、ターゲットセルのクラスタ状態がクラスタ内状態であるとみなし、一方、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに不一致が存在する場合、ターゲットセルのクラスタ状態が非クラスタ内状態であるとみなす。
【0020】
一例示的な実施形態において、
図3に示されるように、ターゲットセルと各関連セルとが次周期の周期優先ポリシーにおいて一致する場合、ターゲットセルと各関連セルとが次周期において同じ動作環境及び状態にあることを意味し、この場合、ターゲットセルのクラスタ状態がクラスタ内状態であるとみなす。ターゲットセルと各関連セルとが次周期の周期優先ポリシーにおいて一致しない場合、ターゲットセルと各関連セルとが次周期において異なる動作環境及び状態にあることを意味し、この場合、ターゲットセルのクラスタ状態が非クラスタ内状態であるとみなす。
【0021】
一例示的な実施形態において、
図4により与えられたターゲットセルのポリシー情報テーブルを例として、ターゲットセル40001について、関連セル40003の周期優先ポリシーとターゲットセル40001の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40001は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40003について、関連セル40001の周期優先ポリシーとターゲットセル40003の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40003は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40007について、関連セル40011の周期優先ポリシーとターゲットセル40007の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40007は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40009について、各関連セル40001と40007の周期優先ポリシーとターゲットセル40009の周期優先ポリシーとが全て一致するので、ターゲットセル40009はクラスタ内状態であり、ターゲットセル40011について、関連セル40007の周期優先ポリシーとターゲットセル40011の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40011は非クラスタ内状態である。
【0022】
ステップ103において、第1の周期優先ポリシーとクラスタ状態とに基づいて、ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。
【0023】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーはピュア5G状態又は4/5G共有状態であり、ターゲットセルのクラスタ状態はクラスタ内状態又は非クラスタ内状態であり、干渉協調ポリシーの決定ルールは以下の通りである。(1)クラスタ状態がクラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがピュア5G状態である場合、干渉協調ポリシーは、干渉協調を行わないポリシーである。(2)クラスタ状態がクラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーが4/5G共有状態である場合、干渉協調ポリシーは、適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。(3)クラスタ状態が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがピュア5G状態である場合、干渉協調ポリシーは、適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。(4)クラスタ状態が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーが4/5G共有状態である場合、干渉協調ポリシーは、適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。
【0024】
一例示的な実施形態において、適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーは、各関連セルの4Gセル参照信号干渉強度に基づいて、シンボルレベルレートマッチングを行うか否かを決定することと、ターゲットセルの、チャネル状態情報干渉測定リソース(Channel State Information-Interference Measurement Resource、略してCSI-IMと称する)上で測定された各リソースブロックの干渉状況に基づいて、各リソースブロックからターゲットリソースブロックを選択し、スケジューリングを行うことと、を含む。
【0025】
一例示的な実施形態において、
図4により与えられたターゲットセルのポリシー情報テーブルを例として、ターゲットセル40001が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがピュア5G状態であり、ターゲットセル40001の干渉協調ポリシーは適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。ターゲットセル40003が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーが4/5G共有状態であり、ターゲットセル40003の干渉協調ポリシーは適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。ターゲットセル40007が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがピュア5G状態であり、ターゲットセル40007の干渉協調ポリシーは適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。ターゲットセル40009が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがピュア5G状態であり、ターゲットセル40009の干渉協調ポリシーは干渉協調を行わないポリシーである。ターゲットセル40011が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーが4/5G共有状態であり、ターゲットセル40011の干渉協調ポリシーは適応オン/オフシンボルレベルレートマッチングポリシーである。
【0026】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルが次周期において有効化する優先ポリシーは、
図4に示す各周期優先ポリシーである。
【0027】
本実施例によれば、ターゲットセルの干渉協調過程において、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得し、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得し、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。ターゲットセル及び各関連セルの次周期優先ポリシーを組み合わせることによりターゲットセルのクラスタ状態を取得し、その後、ターゲットセルのクラスタ状態と周期優先ポリシーとに基づいて適切な干渉協調ポリシーを決定することにより、フレーム構造オーケストレーション又はDSSオーケストレーション方式の下で自動且つ正確なセル間干渉協調を実現し、関連セル間干渉がユーザのチャネル品質に与える影響を除去/緩和することができ、フレーム構造オーケストレーションにより関連セル間のフレーム構造がアライメントできないことと、DSSオーケストレーションにより関連セル間のセル状態がアライメントできないこととに起因する、関連セル間の干渉が深刻であるという技術的問題を解決する。
【0028】
本願の一実施例は、フレーム構造オーケストレーション方式を用いるターゲットセルに適用される、セルの干渉協調方法に関し、
図5に示すように、前記セルの干渉協調方法は、以下のステップを含む。
【0029】
ステップ201において、ターゲットセルの次周期における、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーとターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得する。
【0030】
一例示的な実施形態において、このステップは、本願の実施例のステップ101と概ね同じであるため、ここでは説明を省く。唯一の違いは、第1の周期優先ポリシー及び第2の周期優先ポリシーが、DDDSUフレーム構造又はDSUUUフレーム構造であることにあり、ここで、DDDSUフレーム構造とは、基地局セルが30KHzのサブキャリア間隔及び2.5ms単一周期フレーム構造を採用することを意味し、各周期の5つのslotはそれぞれ、3つのダウンリンクslot、1つのスペシャルslot及び1つのアップリンクslotである。ここで、DSUUUフレーム構造とは、基地局セルが30KHzのサブキャリア間隔及び2.5ms単一周期フレーム構造を採用することを意味し、各周期の5つのslotはそれぞれ、1つのダウンリンクslot、1つのスペシャルslot及び3つのアップリンクslotである。
【0031】
ステップ202において、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに従って、ターゲットセルのクラスタ状態を取得する。
【0032】
一例示的な実施形態において、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとが全て一致する場合、ターゲットセルのクラスタ状態がクラスタ内状態であり、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに不一致が存在する場合、ターゲットセルのクラスタ状態が非クラスタ内状態である。
【0033】
一例示的な実施形態において、
図6により与えられたターゲットセルのポリシー情報テーブルを例として、ターゲットセル40001について、関連セル40003及び40007の周期優先ポリシーとターゲットセル40001の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40001は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40003について、関連セル40001の周期優先ポリシーとターゲットセル40003の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40003は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40007について、関連セル40001及び40009の周期優先ポリシーとターゲットセル40007の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40007は非クラスタ内状態であり、ターゲットセル40009について、各関連セル40007の周期優先ポリシーとターゲットセル40007の周期優先ポリシーとが一致しないので、ターゲットセル40009は非クラスタ内状態である。ターゲットセル40011について、関連セル40007の周期優先ポリシーとターゲットセル40011の周期優先ポリシーとが一致するので、ターゲットセル40011はクラスタ内状態である。
【0034】
ステップ203において、第1の周期優先ポリシーとクラスタ状態とに基づいて、ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。
【0035】
一例示的な実施形態において、第1の周期優先ポリシーは、DDDSUフレーム構造又はDSUUUフレーム構造であり、クラスタ状態は、クラスタ内状態又は非クラスタ内状態であり、干渉協調ポリシーの決定ルールは以下の通りである。(1)クラスタ状態がクラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDDDSUフレーム構造である場合、干渉協調ポリシーは、干渉協調を行わないポリシーである。(2)クラスタ状態が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDDDSUフレーム構造である場合、干渉協調ポリシーは、各関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーである。(3)クラスタ状態がクラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDSUUUフレーム構造である場合、干渉協調ポリシーは、干渉協調を行わないポリシーである。(4)クラスタ状態が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDSUUUフレーム構造である場合、干渉協調ポリシーは、各前記関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーである。
【0036】
一例示的な実施形態において、
図6により与えられたターゲットセルのポリシー情報テーブルを例として、ターゲットセル40001が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDDDSUフレーム構造であり、ターゲットセル40001の干渉協調ポリシーは、各関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーであり、ターゲットセル40003が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDSUUUフレーム構造であり、ターゲットセル40003の干渉協調ポリシーは、各関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーであり、ターゲットセル40007が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDSUUUフレーム構造であり、ターゲットセル40007の干渉協調ポリシーは、各関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーであり、ターゲットセル40009が非クラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDDDSUフレーム構造であり、ターゲットセル40009の干渉協調ポリシーは、各関連セルの協調オン/オフビットマップを組み合わせて協調するポリシーであり、ターゲットセル40011がクラスタ内状態であり、且つ第1の周期優先ポリシーがDSUUUフレーム構造であり、ターゲットセル40011の干渉協調ポリシーは干渉協調を行わないポリシーである。
【0037】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルが次周期において有効化する優先ポリシーは、
図6に示す各周期優先ポリシーである。
【0038】
本実施例によれば、ターゲットセルの干渉協調過程において、ターゲットセルの次周期における、前記ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと前記ターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得し、前記第1の周期優先ポリシーと各前記第2の周期優先ポリシーとに従って、前記ターゲットセルのクラスタ状態を取得し、前記第1の周期優先ポリシーと前記クラスタ状態とに基づいて、前記ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。ターゲットセル及び各関連セルの次周期優先ポリシーを組み合わせることによりターゲットセルのクラスタ状態を取得し、その後、ターゲットセルのクラスタ状態と周期優先ポリシーとに基づいて適切な干渉協調ポリシーを決定することにより、フレーム構造オーケストレーション又はDSSオーケストレーション方式の下で自動且つ正確なセル間干渉協調を実現し、関連セル間干渉がユーザのチャネル品質に与える影響を除去/緩和することができ、フレーム構造オーケストレーションにより関連セル間のフレーム構造がアライメントできないことと、DSSオーケストレーションにより関連セル間のセル状態がアライメントできないこととに起因する、関連セル間の干渉が深刻であるという技術的問題を解決する。
【0039】
本願の一実施例は、フレーム構造オーケストレーション方式を用いる又はDSSオーケストレーション方式を用いるターゲットセルに適用される、セルの干渉協調方法に関し、
図7に示すように、前記セルの干渉協調方法は、以下のステップを含む。
【0040】
ステップ301において、ターゲットセルに対して周期的負荷予測を行い、ターゲットセルの予測結果に基づいて第1の周期優先ポリシーを取得する。
【0041】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルの負荷は、論理セルのアップリンク/ダウンリンクPRB使用率、RRCユーザ数、アクティブユーザ数などを含むが、これらに限定されない。ターゲットセルに対して周期的負荷予測を行うことは、ターゲットセルの過去の周期的負荷データに基づいて行うことであり、本願では採用される具体的な予測アルゴリズムについて限定せず、任意の周期的負荷予測アルゴリズムを使用することが可能である。
【0042】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルが動的スペクトル共有オーケストレーション方式を採用する場合、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーの生成ルールは、以下のルールを含む。(1)予測結果が、ターゲットセルの4G負荷が軽く、且つターゲットセルに対応するベースセルの4G負荷が軽いとの予測結果である場合、第1の周期優先ポリシーはピュア5G状態を採用するポリシーである。(2)予測結果が、ターゲットセルの4G負荷が軽く、且つターゲットセルに対応するベースセルの4G負荷が重いとの予測結果である場合、第1の周期優先ポリシーは4/5G共有状態を採用するポリシーである。(3)予測結果が、ターゲットセルの4G負荷が重いとの予測結果である場合、第1の周期優先ポリシーは4/5G共有状態を採用するポリシーである。ここで、ターゲットセルに対応するベースセルとは、ターゲットセルの4Gトラフィックを受け入れることができる基地局セルを指す。
【0043】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルがフレーム構造オーケストレーション方式を採用する場合、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーの生成ルールは、以下のルールを含む。(1)予測結果が、ターゲットセルのダウンリンク負荷が重いとの予測結果である場合、第1の周期優先ポリシーは、DDDSUフレーム構造を採用するポリシーである。(2)予測結果が、ターゲットセルのアップリンク負荷が重いとの予測結果である場合、第1の周期優先ポリシーは、DSUUUフレーム構造を採用するポリシーである。
【0044】
一例示的な実施形態において、ターゲットセル自体も他の基地局セルの関連セルであるので、ターゲットセルは、第1の周期優先ポリシーを取得した後に、他の周波数内隣接セルにブロードキャストする必要があり、ブロードキャストされる情報は、セル識別子と、対応する周期優先ポリシーとを含む。
【0045】
ステップ302において、各関連セルの、第2の周期優先ポリシーと関連セル識別子とを含むブロードキャスト情報を受信する。
【0046】
一例示的な実施形態において、関連セルは、第2の周期優先ポリシーを取得した後に、第2の周期優先ポリシーを関連セル識別子とともにブロードキャストし、ターゲットセルは、各関連セルのブロードキャスト情報を受信することができる。
【0047】
一例示的な実施形態において、ターゲットセルと各関連セルとは周期が全て一致するので、ターゲットセルと関連セルとは周期優先ポリシーを生成する時間も一致する。ターゲットセルは、第1の周期優先ポリシーを生成した後に、予め設定された時間内で各関連セルのブロードキャスト情報を受信し、予め設定された時間の終了後に初期化ポリシー情報テーブルの更新を開始してもよい。
【0048】
ステップ303において、ターゲットセル識別子と各関連セル識別子とに基づいて、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとを予め設定された初期化ポリシー情報テーブルに書き込んで、ポリシー情報テーブルを生成する。
【0049】
一例示的な実施形態において、初期化ポリシー情報テーブルのフォーマットは、
図3又は
図5のポリシー情報テーブルのフォーマットと一致する。ただし、初期化ポリシー情報テーブルには、ターゲットセルと各関連セルとのセル識別子のみが含まれ、ターゲットセルと各関連セルとに対応する周期優先ポリシーが空白であり、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーと各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを取得し後、ターゲットセル識別子と各関連セル識別子とに基づいて、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとを初期化ポリシー情報テーブルの対応する位置に書き込めば、ターゲットセルのポリシー情報テーブルを形成することができる。ここで、
図8に示すように、初期化ポリシー情報テーブルには、ターゲットセルのセル識別子と各関連セルのセル識別子とが含まれ、初期化ポリシー情報テーブルにおいて、ターゲットセルと各関連セルとに対応する周期優先ポリシーは、初期周期優先ポリシー(4G/5G DSS又はDDDSU)であってもよく、ヌル値であってもよい。
【0050】
ステップ304において、ポリシー情報テーブル内の第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに従って、ターゲットセルのクラスタ状態を取得する。
【0051】
一例示的な実施形態において、このステップは、本願の実施例のステップ102又はステップ202と概ね同じであるため、ここでは説明を省く。
【0052】
ステップ305において、第1の周期優先ポリシーとクラスタ状態とに基づいて、ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定する。
【0053】
一例示的な実施形態において、このステップは、本願の実施例のステップ103又はステップ203と概ね同じであるため、ここでは説明を省く。
【0054】
本願の実施形態は、他の実施形態をもとに、さらに、ターゲットセルのポリシー情報テーブルを一定期間おきに更新することにより、決定される干渉協調ポリシーがターゲットセルのトラフィック状況と一致できるようにし、干渉協調ポリシーの干渉協調能力を最適とすることができる。
【0055】
上記の各種方法のステップ分けは、単に明確に説明するためになされたものであり、実装時に1つのステップに統合するか、又は一部のステップを複数のステップに再分割することができ、同一の論理的関係が含まれていれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれ、アルゴリズム及びプロセスの中核となる設計を変更せずに、そのアルゴリズム又はプロセスに重要でない修正を加えたり、又は重要でない設計を導入したりしたものであれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【0056】
本願の別の実施例は、フレーム構造オーケストレーション方式を用いる又はDSSオーケストレーション方式を用いるターゲットセルに適用される、セルの干渉協調装置に関する。以下では、本実施例のセルの干渉協調装置の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、提供される実現の詳細への理解を容易にするためのものであり、本例を実施するための必須条件ではない。
図9は本実施例に記載のセルの干渉協調装置の模式図であり、第1の取得モジュール401と、第2の取得モジュール402と、ポリシー決定モジュール403と、を含む。
【0057】
第1の取得モジュール401は、ターゲットセルの次周期における、ターゲットセルの第1の周期優先ポリシーとターゲットセルの各関連セルの第2の周期優先ポリシーとを含むポリシー情報テーブルを取得するのに用いられる。
【0058】
第2の取得モジュール402は、第1の周期優先ポリシーと各第2の周期優先ポリシーとに従って、ターゲットセルのクラスタ状態を取得するのに用いられる。
【0059】
ポリシー決定モジュール403は、予め設定された干渉協調ルールに従って、第1の周期優先ポリシーとクラスタ状態とに基づいて、ターゲットセルの次周期における干渉協調ポリシーを決定するのに用いられる。
【0060】
本実施例は、上記方法実施例に対応するシステム実施例であり、本実施例は上記方法実施例と組み合わせて実施できることは、容易に理解できる。上記の実施例で言及された関連する技術的詳細及び技術的効果は、本実施例においても有効であるため、重複を減らすために、ここでは説明を省く。したがって、本実施例で記載された関連する技術的詳細は、上記の実施例にも適用可能である。
【0061】
なお、本システム実施例は主に、方法実施例により提供されるセルの干渉協調方法のソフトウェア実現レベルでの説明であり、その実現はハードウェアのサポートにも依存する必要がある。例えば、プロセッサが対応する機能を実行するために、関連モジュールの機能をプロセッサ上に配置してもよい。特に、実行により生成された関連データは、その後の検査及び使用のためにメモリに記憶されてもよい。
【0062】
なお、本実施例にかかる各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現してもよい。また、本願の創造的な部分を際立たせるために、本願で提起された技術的課題の解決にあまり関係のない手段を本実施例には導入していないが、これは本実施例に他の手段が存在しないことを示しているわけではない。
【0063】
本発明の別の実施例はサーバに関する。
図10に示すように、少なくとも1つのプロセッサ501と、前記少なくとも1つのプロセッサ501と通信可能に接続されたメモリ502とを含み、前記メモリ502には前記少なくとも1つのプロセッサ501により実行できる命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサ501により実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサ501により上記の各実施例におけるセルの干渉協調方法を実行できるようにする。
【0064】
ここで、メモリとプロセッサとはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、バスにより、1つ又は複数のプロセッサとメモリの様々な回路が一つに接続される。バスはまた、周辺機器、電圧安定器、及びパワーマネジメント回路などの様々な他の回路を一つに接続することができるが、これらは当分野で周知なことであるので、本文ではこれ以上の説明を省く。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、1つの素子であってもよく、複数の受信機及び送信機のような複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサによって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはまたデータを受信して、プロセッサにデータを伝送する。
【0065】
プロセッサは、バスの管理及び通常の処理を担う以外にも、さらにタイミング、周辺インターフェース、電圧調節、電源管理及びその他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリは、プロセッサによりオペレーションを実行するときに使用されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0066】
本願の別の実施例は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時、上記の方法実施例を実現する。
【0067】
即ち、当業者であれば、上記の実施例の方法における全部又は一部のステップを実施することは、プログラムによって関連するハードウェアに命令することにより実現できることは、理解できるであろう。このプログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの装置(ワンチップコンピュータ、チップなどであってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、略してROMと称する)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、略してRAMと称する)、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶可能な種々の媒体を含む。
【0068】
当業者であれば、上記の各実施例は、本願を実施するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の精神及び範囲を逸脱することなく、形式的に及び細部に様々な変更を加えることができることを理解することができる。
【国際調査報告】