(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-11
(54)【発明の名称】エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システム
(51)【国際特許分類】
B63J 3/02 20060101AFI20241101BHJP
F01D 15/10 20060101ALI20241101BHJP
F01K 9/02 20060101ALI20241101BHJP
F01K 23/10 20060101ALI20241101BHJP
F02G 5/02 20060101ALI20241101BHJP
B63J 2/12 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
B63J3/02 D
F01D15/10 B
F01K9/02
F01K23/10 P
F02G5/02 A
B63J2/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524748
(86)(22)【出願日】2023-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 KR2023012408
(87)【国際公開番号】W WO2024085408
(87)【国際公開日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0135912
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ホ セン
(72)【発明者】
【氏名】イム、スン テク
(72)【発明者】
【氏名】キム、セ ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ジョン ボム
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ジョン ヒョン
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BA02
3G081BB10
3G081BC07
(57)【要約】
本発明は、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムに係り、特に、LNGエンジンから発生する廃熱をエコノマイザを介して回収し、これから流出する高温高圧の蒸気を有機ランキンサイクルの蒸発器に供給して電力を生産し、前記高温高圧の蒸気の一部を用いて、LNGエンジンの排気ガスとエコノマイザとの接触面に発生する煤を除去することができる、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ(300)が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器(200)を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする有機ランキンサイクル(100)を含む、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムであって、
前記有機ランキンサイクルは、
前記エコノマイザによって生成された高温高圧の蒸気を熱源として用いる蒸発器(110)と、
前記蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産するタービン発電機(120)と、
前記海水熱交換器を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて、前記タービン発電機から流出する冷媒を液化させる凝縮器(130)と、
前記凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記蒸発器に提供する循環ポンプ(140)と、を含み、
前記蒸発器から流出する流体を前記エコノマイザに循環させる循環ポンプ(410)をさらに含む、船舶廃熱発電システム。
【請求項2】
LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ(300)が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器(200)を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする第1有機ランキンサイクル(100)と、
前記第1有機ランキンサイクルで熱源として用いられた後に排出される流体を熱源とし、前記第1有機ランキンサイクルでヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水をヒートシンクとする第2有機ランキンサイクル(100´)と、を含む、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムであって、
前記第1有機ランキンサイクルは、
前記エコノマイザによって生成された高温高圧の蒸気を熱源として用いる第1蒸発器(110)と、
前記第1蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する第1タービン発電機(120)と、
前記海水熱交換器を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて、前記第1タービン発電機から流出する冷媒を液化させる第1凝縮器(130)と、
前記第1凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記第1蒸発器に提供する循環ポンプ(140)と、を含み、
前記第2有機ランキンサイクルは、
前記第1蒸発器でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体を熱源として用いる第2蒸発器(110´)と、
前記第2蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する第2タービン発電機(120´)と、
前記第1凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体をヒートシンクとして、前記第2タービン発電機から流出する冷媒を液化させる第2凝縮器(130´)と、
前記第2凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記第2蒸発器に提供する循環ポンプ(140´)と、を含み、
前記第1タービン発電機から流出する高温の冷媒を用いて、前記第2凝縮器から流出する冷媒を熱交換させて前記循環ポンプ(140´)に提供する熱交換器(600)をさらに含み、
前記第2蒸発器から流出する流体を前記エコノマイザに循環させる循環ポンプ(410)をさらに含む、船舶廃熱発電システム。
【請求項3】
前記エコノマイザ(300)で生成された高温高圧の蒸気のうちの一部がスチームバルブ(400)を介して排気ガスと前記エコノマイザとの接触面に提供されて煤を除去するように構成された、請求項1または2に記載の船舶廃熱発電システム。
【請求項4】
前記循環ポンプ(410)を介して前記エコノマイザ(300)に供給される流体は、前記メインエンジンから発生する排気ガスを熱源とする第1予熱器(500)及び第2予熱器(510)によって予熱されるように構成された、請求項1または2に記載の船舶廃熱発電システム。
【請求項5】
前記海水熱交換器(200)は、循環ポンプ(210)によって取水された海水を用いて熱交換された淡水を前記第1凝縮器(130)にヒートシンクとして提供し、
前記第1凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水が前記第2凝縮器(130´)にヒートシンクとして提供され、
前記第2凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水は、前記海水熱交換器に提供されるように構成された、請求項2に記載の船舶廃熱発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムに係り、特に、LNGエンジンから発生する廃熱をエコノマイザを介して回収し、これから流出する高温高圧の蒸気を有機ランキンサイクルの蒸発器に供給して電力を生産し、前記高温高圧の蒸気の一部を用いてLNGエンジンの排気ガスとエコノマイザとの接触面に発生する煤を除去することができる、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国際海事機関(IMO)の環境調和型船舶の実現の一環として、LNGなどの天然ガスを燃料として用いるエンジンの開発が行われており、補給化を予備している。既存のディーゼルエンジンの場合、燃料加温のために高温のスチーム生産が必要であり、このようなスチームは、船舶から発生する排気ガス廃熱を活用して熱を供給する。ところが、LNGを燃料として活用する船舶は、燃料加温が不要であり、これは、既存のディーゼル類船舶から発生する排気ガス廃熱よりもさらに多くの廃熱の活用が可能となる。
【0003】
また、LNG船舶のメインエンジンから発生した高温の排気ガスを高密度の安定した水で熱交換して、モジュール化された有機ランキンサイクル発電設備の熱源として活用することができる。水の場合、密度が高く潜熱量が大きいので、排気熱を回収する過程でエコノマイザのチューブの体積を最小限に抑えることができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開第2012-0110709号公報(発明の名称:廃熱を利用した有機ランキンサイクル発電システム)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上述したような状況を考慮してなされたもので、その目的は、LNGエンジンから発生する排気ガスの熱回収率を極大化することができる、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、エネルギー転換を極大化することができる、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする有機ランキンサイクル100を含む、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムであって、前記有機ランキンサイクルは、前記エコノマイザによって生成された高温高圧の蒸気を熱源として用いる蒸発器110と、前記蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産するタービン発電機120と、前記海水熱交換器を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて前記タービン発電機から流出する冷媒を液化させる凝縮器130と、前記凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記蒸発器に提供する循環ポンプ140と、を含み、前記蒸発器から流出する流体を前記エコノマイザに循環させる循環ポンプ410をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の他の実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする第1有機ランキンサイクル100と、前記第1有機ランキンサイクルで熱源として用いられた後に排出される流体を熱源とし、前記第1有機ランキンサイクルでヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水をヒートシンクとする第2有機ランキンサイクル100´と、を含む、エコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムであって、前記第1有機ランキンサイクルは、前記エコノマイザによって生成された高温高圧の蒸気を熱源として用いる第1蒸発器110と、前記第1蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する第1タービン発電機120と、前記海水熱交換器を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて、前記第1タービン発電機から流出する冷媒を液化させる第1凝縮器130と、前記第1凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記第1蒸発器に提供する循環ポンプ140と、を含み、前記第2有機ランキンサイクルは、前記第1蒸発器でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体を熱源として用いる第2蒸発器110´と、前記第2蒸発器によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する第2タービン発電機120´と、前記第1凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体をヒートシンクとして、前記第2タービン発電機から流出する冷媒を液化させる第2凝縮器130´と、前記第2凝縮器から流出する冷媒を圧縮させて前記第2蒸発器に提供する循環ポンプ140´と、を含み、前記第1タービン発電機から流出する高温の冷媒を用いて、前記第2凝縮器から流出する冷媒を熱交換させて前記循環ポンプ140´に提供する熱交換器600をさらに含み、前記第2蒸発器から流出する流体を前記エコノマイザに循環させる循環ポンプ510をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
前記実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、前記エコノマイザ300で生成された高温高圧の蒸気のうちの一部がスチームバルブ400を介して排気ガスと前記エコノマイザとの接触面に提供されて煤を除去するように構成できる。
【0010】
前記実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、前記循環ポンプ410を介して前記エコノマイザ300に供給される流体が、前記メインエンジンから発生する排気ガスを熱源とする第1予熱器500及び第2予熱器510によって予熱されるように構成できる。
【0011】
前記実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムにおいて、前記海水熱交換器200は、循環ポンプ210によって取水された海水を用いて熱交換された淡水を前記第1凝縮器130にヒートシンクとして提供し、前記第1凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水が前記第2凝縮器130´にヒートシンクとして提供され、前記第2凝縮器でヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水は、前記海水熱交換器に提供されるように構成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムによれば、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする有機ランキンサイクルを含み、循環ポンプ410を介してエコノマイザ300に供給される流体が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源とする第1予熱器500及び第2予熱器510によって予熱されるように構成されることにより、LNGエンジンから発生する排気ガスの熱回収率を極大化することができるという優れた効果がある。
【0013】
本発明の実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムによれば、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源として用いる第1、第2有機ランキンサイクルを直列連結して構成することにより、エネルギー転換を極大化することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムの構成図である。
【
図2】本発明の第2実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を説明するにあたり、本発明に関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わり得る。このため、その定義は、本明細書全般にわたった内容に基づいて下されるべきである。詳細な説明で使用される用語は、本発明の実施形態を記述するためのものに過ぎず、決して制限的に解釈されてはならない。特に明記しない限り、単数形の表現は複数形の意味を含む。本説明において、「含む」または「具備」などの表現は、ある特性、数字、ステップ、動作、要素、これらの一部または組み合わせを指すためのものであり、記述されたもの以外に1つまたはそれ以上の他の特性、数字、ステップ、動作、要素、これらの一部または組み合わせの存在または可能性を排除すると解釈されてはならない。
【0016】
図面に示されている各システムにおいて、いくつかの場合における要素は、それぞれ同じ参照番号または異なる参照番号を有し、表現された要素が異なるまたは類似する可能性があることを示唆することができる。しかし、要素は、異なる実現を有し、本明細書に開示または記述されたシステムのうちの幾つかまたは全部と作動することができる。図面に示されている多様な要素は、同じでも異なってもよい。どれが第1の要素と呼ばれるか、及びどれが第2の要素と呼ばれるかは任意である。
【0017】
本明細書において、ある一つの構成要素が他の構成要素へデータまたは信号を「伝送」、「伝達」または「提供」するというのは、ある一つの構成要素が他の構成要素へ直接データ又は信号を伝送するのはもとより、少なくとも一つの別の構成要素を介してデータまたは信号を他の構成要素へ伝送することを含む。
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムの構成図である。
【0020】
本発明の第1実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、
図1に示すように、有機ランキンサイクル100および周辺装置を含む。
【0021】
有機ランキンサイクル100は、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして電力を生産する役割を果たす。有機ランキンサイクル100は、蒸発器110、タービン発電機120、凝縮器130及び循環ポンプ140を含む。
【0022】
蒸発器110は、LNG船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300によって生成された高温高圧の蒸気を熱源として冷媒を蒸発させる役割を果たす。
【0023】
タービン発電機120は、蒸発器110によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する役割を果たし、流出する冷媒によって回転するタービンと、タービンの回転時に電力を生産する発電機と、を含む。
【0024】
凝縮器130は、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて、タービン発電機120から流出する冷媒を液化させる役割を果たす。
【0025】
循環ポンプ140は、凝縮器130から流出する冷媒を圧縮させて蒸発器110に提供する役割を果たす。
【0026】
周辺装置は、海水熱交換器200、循環ポンプ210、エコノマイザ300、スチームバルブ400、第1予熱器500、第2予熱器510及び循環ポンプ410を含む。
【0027】
海水熱交換器200は、循環ポンプ210によって取水された海水を用いて淡水を熱交換させて凝縮器130にヒートシンクとして提供する役割を果たす。
【0028】
循環ポンプ210は、海水を取水して海水熱交換器200に提供する役割を果たす。
【0029】
エコノマイザ300は、LNGエンジン船舶の排気口側に設置され、メインエンジンから発生する400℃以上の排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて高温高圧の蒸気を生成し、これを蒸発器110に提供する役割を果たす。
【0030】
スチームバルブ400は、エコノマイザ300で生成された高温高圧の蒸気のうちの一部を分岐させる管に設置され、排気ガスとエコノマイザ300との接触面に蓄積される煤の除去に活用される。排気ガスに含まれている煤は、エコノマイザ300に付着し、これは、熱容量の減少と排気圧の圧力損失といった問題を起こし、スチームバルブ400を開放する場合、エコノマイザ300からの高温高圧の蒸気の一部が排気ガスとエコノマイザ300との接触面に提供されることにより、付着した煤が除去される。これにより、煤のエコノマイザ300の付着による熱容量の減少と排気圧の圧力損失などの問題が解決できる。
【0031】
第1予熱器500は、循環ポンプ410を介してエコノマイザ300に供給される流体を、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として予熱させる役割を果たす。
【0032】
第2予熱器510は、第1予熱器500を通過した流体を、排気ガスを熱源として予熱させてエコノマイザ300に提供する役割を果たす。
【0033】
循環ポンプ410は、蒸発器110と第1予熱器500との間で流体を循環させる役割を果たす。
【0034】
上述のように構成された本発明の第1実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムによれば、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとする有機ランキンサイクルを含み、循環ポンプ410を介してエコノマイザ300に供給される流体が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源とする第1予熱器500及び第2予熱器510によって予熱されるように構成されることにより、LNGエンジンから発生する排気ガスの熱回収率を極大化することができる。
【0035】
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムの構成図である。
【0036】
本発明の第2実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムは、
図2に示すように、第1有機ランキンサイクル100、第2有機ランキンサイクル100´および周辺装置を含む。
【0037】
第1有機ランキンサイクル100は、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源とし、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして電力を生産する役割を果たす。第1有機ランキンサイクル100は、第1蒸発器110、タービン発電機120、第1凝縮器130、及び循環ポンプ140を含む。
【0038】
第1蒸発器110は、LNG船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300によって生成された高温高圧の蒸気を熱源として冷媒を蒸発させる役割を果たす。
【0039】
タービン発電機120は、第1蒸発器110によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する役割を果たし、流出する冷媒によって回転するタービンと、タービンの回転時に電力を生産する発電機と、を含む。
【0040】
第1凝縮器130は、海水熱交換器200を介して熱交換された淡水をヒートシンクとして用いて、タービン発電機120から流出する冷媒を液化させる役割を果たす。
【0041】
循環ポンプ140は、第1凝縮器130から流出する冷媒を圧縮させて第1蒸発器110に提供する役割を果たす。
【0042】
第2有機ランキンサイクル100´は、第1有機ランキンサイクル100の第1蒸発器110で熱源として用いられた後に排出される流体を熱源とし、第1有機ランキンサイクル100の第1凝縮器130でヒートシンクとして用いられた後に排出される淡水をヒートシンクとして電力を生産する役割を果たす。第2有機ランキンサイクル100´は、第2蒸発器110´、第2タービン発電機120´、第2凝縮器130´及び循環ポンプ140´を含む。
【0043】
第2蒸発器110´は、第1蒸発器110でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体を熱源として冷媒を蒸発させる役割を果たす。
【0044】
第2タービン発電機120´は、第2蒸発器110´によって蒸発された後に流出する冷媒によって回転して電力を生産する役割を果たし、流出する冷媒によって回転するタービンと、タービンの回転時に電力を生産する発電機と、を含む。
【0045】
第2凝縮器130´は、第1凝縮器130でヒートシンクとして用いられた後に排出される流体をヒートシンクとして、第2タービン発電機120´から流出する冷媒を液化させる役割を果たす。
【0046】
循環ポンプ140´は、第2凝縮器130´から流出する冷媒を圧縮させて第2蒸発器110´に提供する役割を果たす。
【0047】
周辺装置は、熱交換器600、海水熱交換器200、循環ポンプ210、エコノマイザ300、スチームバルブ400、第1予熱器500、第2予熱器510及び循環ポンプ410を含む。
【0048】
熱交換器600は、第1タービン発電機120から流出する高温の冷媒を用いて、第2凝縮器130´から流出する冷媒を熱交換させて循環ポンプ140´に提供する役割を果たす。また、冷媒熱交換器600は、第2有機ランキンサイクル100´の低温冷媒と第1有機ランキンサイクル100の高温冷媒との熱交換によって捨てられるエネルギーを減縮し、各サイクルの凝縮器の体積を減少させる役割を果たす。
【0049】
海水熱交換器200は、循環ポンプ210によって取水された海水を用いて淡水を熱交換させて第1凝縮器130にヒートシンクとして提供する役割を果たす。
【0050】
循環ポンプ210は、海水を取水して海水熱交換器200に提供する役割を果たす。
【0051】
エコノマイザ300は、LNGエンジン船舶の排気口側に設置され、メインエンジンから発生する400℃以上の排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて高温高圧の蒸気を生成し、これを第1蒸発器110に提供する役割を果たす。
【0052】
スチームバルブ400は、エコノマイザ300で生成された高温高圧の蒸気のうちの一部を分岐させる管に設置され、排気ガスとエコノマイザ300との接触面に蓄積される煤の除去に活用される。排気ガスに含まれている煤は、エコノマイザ300に付着し、これは、熱容量の減少と排気圧の圧力損失などの問題を起こし、スチームバルブ400を開放する場合、エコノマイザ300からの高温高圧の蒸気の一部が排気ガスとエコノマイザ300との接触面に提供されることにより、付着した煤が除去される。これにより、煤のエコノマイザ300の付着による熱容量の減少と排気圧の圧力損失などの問題が解決できる。
【0053】
第1予熱器500は、循環ポンプ410を介してエコノマイザ300に供給される流体を、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として予熱させる役割を果たす。
【0054】
第2予熱器510は、第1予熱器500を通過した流体を、排気ガスを熱源として予熱させてエコノマイザ300に提供する役割を果たす。
【0055】
循環ポンプ410は、第2蒸発器110´と第1予熱器500との間で流体を循環させる役割を果たす。
【0056】
上述のように構成された本発明の第2実施形態によるエコノマイザを介して回収したLNGエンジン船舶の廃熱を利用した船舶廃熱発電システムによれば、LNGエンジン船舶の排気口側に設置されたエコノマイザ300が、メインエンジンから発生する排気ガスを熱源として用いて水を熱交換させて生成した高温高圧の蒸気を熱源として用いる第1、第2有機ランキンサイクルを直列連結して構成することにより、エネルギー転換を極大化することができる。
【0057】
図面と明細書には最適な実施形態が開示されており、特定の用語が使用されたが、これは、単に本発明の実施形態を説明するための目的で使用されたものであり、意味を限定するか或いは特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるだろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【国際調査報告】