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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-12
(54)【発明の名称】ねじピッチ
(51)【国際特許分類】
   E21B 17/042 20060101AFI20241105BHJP
   E21B 10/38 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
E21B17/042
E21B10/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527492
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022082078
(87)【国際公開番号】W WO2023088939
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】21209361.1
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344785
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション ツールズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンマルグレン、ジョン
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB14
2D129BA04
2D129EC07
2D129GA21
(57)【要約】
打撃穿孔ツール用のねじ継手の一部を形成する雌部分であって、取付スリーブであって、取付スリーブは、長さLを有する少なくとも1つの実質的に円筒形の内側ねじ山付きセクションと、軸方向端部に向かうねじ入口と、軸方向内壁に向かうねじ出口と、を有し、ねじ山付きセクションは、頂部、谷底部、接触フランク、及び非接触フランクを含み、軸方向に隣接する2つの頂部間のピッチの長さL、及び谷底部間の径方向の内径Dを有する、ねじ形態を有する、取付スリーブと、軸方向内壁とねじ出口との間に位置付けられ、長さL及び直径Dを有するねじクリアランスセクションと、ねじ入口とスリーブの軸方向端部との間に位置付けられ、長さLを有するガイドセクションと、を含み、ピッチの長さLは、12.8~14.5mmであることを特徴とする、雌部分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃穿孔ツール(2)用のねじ継手(34)の一部を形成する雌部分(22)であって、
軸方向端部(52)を有する取付スリーブ(17)であって、前記取付スリーブ(17)は、前記軸方向端部(52)に対して前記取付スリーブ(17)の反対側の端部において軸方向内壁(24)を有する内部空洞(20)を取り囲み、
前記取付スリーブ(17)は、長さLを有する少なくとも1つの実質的に円筒形の内側ねじ山付きセクション(26)と、前記軸方向端部(52)に向かうねじ入口(27)と、前記軸方向内壁(24)に向かうねじ出口(30)と、を有し、
前記ねじ山付きセクション(26)は、頂部(56)、谷底部(57)、接触フランク(E)、及び非接触フランク(E)を含み、軸方向に隣接する2つの頂部(56)間のピッチの長さLと、前記谷底部(57)間の径方向の内径Dと、を有するねじ形態(54)を有する、取付スリーブ(17)と、
長さL及び直径Dを有する、前記軸方向内壁(24)と前記ねじ出口(30)との間に位置付けられたねじ山クリアランスセクション(32)と、
前記ねじ入口(27)と前記スリーブ(17)の前記軸方向端部(52)との間に位置付けられた、長さLを有するガイドセクション(50)と、を含み、
前記ピッチの長さLは、12.7~14.5mmであり、前記ねじ山付きセクション(26)は、(L+L+D)/L>6.2の比を有することを特徴とする、雌部分(22)。
【請求項2】
-Lは、0~12mmである、請求項1に記載の雌部分(22)。
【請求項3】
は、25~56mmである、請求項1又は2に記載の雌部分(22)。
【請求項4】
/L>0.01×Dである、請求項1~3のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項5】
/L>26%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項6】
/L<65%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項7】
/D>30%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項8】
/D<65%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項9】
それぞれのねじ形態(54)は、それぞれの前記ねじ形態(54)のそれぞれの内径(D)又は外径(D)に位置するそれぞれのベースライン(BL)に対して傾斜した接触フランク角度(α)及び非接触フランク角度(β)を有し、それぞれの非接触フランク角度(β)は、それぞれの前記接触フランク角度(α)よりも大きく、それぞれのねじ形態(54)の前記頂部(56)は、それぞれの前記接触フランク(E)からそれぞれの前記非接触フランク(E)まで傾斜して、それぞれの前記ねじ形態(54)のそれぞれの前記外径(D)及び前記内径(D)を画定するそれぞれの前記ねじ形態(54)の頂点(X)は、それぞれの前記非接触フランク(E)に隣接して位置し、それぞれの谷底部(57)は、第1の弧であり、それぞれの接触フランク(E)は、それぞれの第2の弧(A)によってそれぞれの前記谷底部(57)に接続され、それぞれの第1の弧の第1の半径(R)は、それぞれの前記第2の弧(A)の第2の半径(R)より大きい、請求項1~8のいずれかに記載の雌部分(22)。
【請求項10】
前記雌部分(22)は、ドリルビット(6)の一部である、請求項1~9のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項11】
前記雌部分(22)は、ドリルストリングロッド(4)の雌型端部(12)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の雌部分(22)。
【請求項12】
請求項1~9又は請求項11のいずれか一項に記載の雌部分(22)を含むドリルストリングロッド。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の雌部分(22)を含むドリルビット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃穿孔ツール用のねじ継手の一部を形成する雌部分に関し、特に、ドリルビット及びドリルロッド用であるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
打撃穿孔を使用して、相互接続された雄ねじ及び雌ねじによって端と端を共に連結された複数の細長いドリルストリングロッドによって長い掘削孔が生成される。あるいは、ドリルビットは単一のロッドに接続される場合がある。十分に確立された技術によって、岩石用ドリルビットから掘削孔の底部の岩石に伝達される打撃衝撃によって岩石が破壊される。岩石用ドリルビットは、一番端のドリルストリングロッド上の雄ねじを介してドリルストリングの一端でドリルビット上の雌ねじに取り付けられる。典型的には、岩石を破壊するために必要とされるエネルギーは、ドリルストリングを介してドリルビットに伝搬する応力(又は衝撃)波を生成するために、(シャンクアダプタを介して)ドリルストリングの端部に接触する油圧駆動ピストンによって生成される。従来のねじ山付き継手は、米国特許第4,332,502号、同第4,398,756号、同第4,687,368号及び独国特許第2800887号に記載されている。
【0003】
ドリルストリングロッド間、及び最端のドリルストリングロッドとドリルビットとの間のねじ山付き継手のような打撃穿孔ツールにおけるねじ山付き継手は、穿孔中にドリルストリングを伝播する応力波からの曲げ力を受ける。これらの曲げモーメントは、ねじ山付き継手を疲労させ、継手のねじ山付き部分内の破損をもたらす。最終的に、応力は、ねじ山付き継手を摩耗させ、ついには破損させてしまう。
【0004】
したがって、打撃穿孔ツールの性能を向上させ、ねじ山付き継手における損傷のリスクを減少させるために、ねじ山付き継手における応力を減少させることが望ましい。ねじ山付き継手における応力を減少させる1つの解決策は、雄ねじの直径を増大させることであるが、これに伴う問題は、雄ねじの直径を増大させることにより、ねじ山付き継手の雌部分が弱化し、ねじ山付き継手がより破損しやすくなることである。したがって、解決すべき問題は、ねじ山付き継手の応力をいかに低減して、その寿命を延ばすかということである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、打撃穿孔ツール用ねじ山付き継手の新規で改良された設計を提供することである。この目的は、打撃穿孔ツール用のねじ継手の一部を形成する雌部分を提供することによって達成され、雌部分は、軸方向端部を有する取付スリーブであって、取付スリーブは、軸方向端部に対して取付スリーブの反対側の端部に軸方向内壁を有する内部空洞を取り囲み、取付スリーブは、長さLを有する少なくとも1つの実質的に円筒形の内側ねじ山付きセクション、軸方向端部に向かうねじ入口、及び軸方向内壁に向かうねじ出口を有し、ねじ山付きセクションは、頂部、谷底部、接触フランク、及び非接触フランクを含み、軸方向に隣接する2つの頂部間のピッチの長さL、及び谷底部間の径方向の内径Dを有するねじ形態を有する、取付スリーブと、軸方向内壁とねじ出口との間に位置付けられ、長さL及び直径Dを有するねじクリアランスセクションと、ねじ入口とスリーブの軸方向端部との間に位置付けられ、長さLを有するガイドセクションと、を含み、ピッチの長さLは、12.8~14.5mmであることを特徴とする。好ましくは、Lは13.0~13.5mmである。
【0006】
有利なことに、これにより、ねじ山付き継手の雌部分における応力が減少し、これは、雌部分における破壊のリスクが低減されることを意味する。更に、雌部分における応力が増大すると、雄ねじ部分の直径を増大させることができ、これにより打撃穿孔ツールの性能が向上する。
【0007】
一実施形態では、ねじ山付きセクションは、(L+L+D)/L>6.2の比を有する。好ましくは、(L+L+D)/L>6.4の比を有する。有利なことに、これにより、ねじ山付き継手の雌部分における応力を減少させ、これは、雌部分における破壊のリスクが低減されることを意味する。
【0008】
別の実施形態では、L-Lは、0~12mmである。有利なことに、これにより、ねじ山付き継手の雌部分における応力を減少させ、これは、雌部分における破損のリスクが低減されることを意味する。
【0009】
別の実施形態では、Lは、25~56mmである。好ましくは、Lは、25~56mmであり、より好ましくは30~45mmである。好ましくは、雌ねじの全長(L+L+L)は、70~86mmである。有利なことに、これは、性能が増大したねじ山付きセクションの最適な長さである。
【0010】
一実施形態では、L/L>0.01×Dである。有利なことに、ねじ山付きセクションの長さに対するねじクリアランスエリアの長さの比を増加させることは、ねじクリアランスエリアにおける応力が低減することを意味する。
【0011】
一実施形態では、L/L>26%、好ましくはL/L>32%である。有利なことに、ねじ山付きセクションの長さに対するねじクリアランスエリアの長さの比を増加させることは、ねじクリアランスエリアにおける応力が低減することを意味する。
【0012】
一実施形態では、L/L<65%、好ましくは<50%である。有利なことに、これにより、ねじ山付きセクションにおいて十分な長さを提供して、確実なねじ接続を達成させる。
【0013】
一実施形態では、L/D>30%、好ましくはL/D>38%である。有利なことに、ねじ山付きセクションの直径に対するねじクリアランスエリアの長さの比を増加させることは、ねじクリアランスエリアにおける応力が低減することを意味する。したがって、ねじクリアランス及び雌ねじの直径を増大させることができ、その結果、雄部分の直径も増大させることができ、これにより、雄部分の性能が向上し、雌部分におけるスカートの損傷のリスクが少なくなる。
【0014】
一実施形態では、L/D<65%、好ましくは<50%である。有利なことに、これは確実なねじ接続を可能にする。
【0015】
一実施形態では、それぞれのねじ形態は、それぞれのねじ形態のそれぞれの内径又は外径に位置するそれぞれのベースラインに対して傾斜した接触フランク角度α及び非接触フランク角度βを有し、それぞれの非接触フランク角度βは、それぞれの接触フランク角度αよりも大きく、それぞれのねじ形態の頂部は、それぞれの接触フランクからそれぞれの非接触フランクまで傾斜して、それぞれのねじ形態のそれぞれの外径及び内径を画定するそれぞれのねじ形態の頂点は、それぞれの非接触フランクに隣接して位置し、それぞれの谷底部は、第1の弧であり、それぞれの接触フランクは、それぞれの第2の弧によってそれぞれの谷底部に接続されており、それぞれの第1の弧の第1の半径は、それぞれの第2の弧の第2の半径よりも大きい。
【0016】
有利なことに、上述した従来技術と比較して、ねじ形態の傾斜した頂部により、接触フランクは、カップリングの摩耗に応じて拡大される。更に、接触フランクに隣接する領域に形成されたピッチングは、摩耗の結果として除去され得る。
【0017】
一実施形態では、雌部分は、ドリルビットの一部である。
【0018】
一実施形態では、雌部分は、ドリルストリングロッドの雌型端部である。
【0019】
本発明の別の態様は、前述又は後述するような雌部分を含むドリルストリングロッドに関する。
【0020】
本発明の別の態様は、前述又は後述するような雌部分を含むドリルビットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
次に、本発明の特定の実施態様を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
図1】1つの雄型端部及び1つの雌型端部を有する打撃穿孔ツールの斜視図である。
図2】2つの雄型端部を有するドリルロッドの斜視図である。
図3】ドリルロッドの雌型端部の断面図である。
図4】ドリルビットの断面図である。
図5】打撃穿孔ツールのためのねじ継手の一部を形成する雌部分の空洞の内部プロファイルの断面図である。
図6】ねじ形態の図である。
図7】比較例のねじ形態の安全係数のプロットである。
図8】本発明のねじ形態の安全係数のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ドリルロッド4が従来の設計のドリルビット6にねじ連結されている打撃穿孔ツール2を示す。打撃穿孔ツール2は、特にトップハンマ穿孔(top hammer drilling)に使用される。表面ピストン(図示せず)によって生成された衝撃波は、ドリルロッド4からドリルビット6へ嵌合表面を介して伝達される。ドリルロッド4は、一端が雄型端部10で終端し、第2の反対側の端部が雌型端部12で終端し、長手方向軸線14を有する軸方向に延在する主要長さセクション8を含む。ドリルロッド4は、ドリルストリング(図示せず)を形成するために、別のねじ継手を介して他の更なるドリルロッドと端部同士で連結されることが可能である。
【0023】
図2は、代替的に、ドリルビット6が、2つの雄型端部10を有する単一のドリルロッド4に接続され得ることを示す。
【0024】
図3は、取付スリーブ18と、ドリルロッド4の雄型端部10を受け入れるための中空空間である内部空洞20と、を有するドリルロッド4の雌型端部12の断面を示す。
【0025】
図4は、例えば、岩石破砕手段を含む従来設計の軸方向最前方ドリルヘッド16であって、最も典型的には、これはドリルヘッド(図示せず)から軸方向前方に突出する複数の耐摩耗性切削ボタンである、軸方向最前方ドリルヘッド16と、ドリルロッド4の雄型端部10を受容するための軸方向に延在する内部空洞20を備える取付スリーブ18と、を含む、ドリルビット6の断面を示す。
【0026】
本発明は、雌部分22のための特別な設計に関し、特に、打撃穿孔ツール2のためのねじ継手の一部を形成するねじ形態54に関する。雌部分22は、ドリルロッド4における雌型端部12又はドリルビット6のいずれかであり得る。
【0027】
図5は、雌型部分22の空洞20の内部プロファイルの断面を示し、言い換えれば、図5は、図3又は図4の内部の拡大図である。空洞20は、ドリルロッド4の雄型端部10と当接する軸方向内壁24を有する。更に、空洞20は、軸方向内壁24に対して軸方向反対側の端部にねじ入口28と、軸方向内壁24により近いねじ出口30とを有する少なくとも1つの実質的に円筒形の内側ねじ山付きセクション26を有する。ねじ山付きセクション26は、ねじ入口28とねじ出口30との間の長さとして画定される長さLを有する。ねじ山付きセクション26は、複数の頂部56と、谷底部58と、接触フランクEと、非接触フランクEと、を含み、軸方向に隣接する2つの頂部56間の長さとして画定されるピッチの長さLを有するねじ形態54を有する。ねじ山付きセクション26はまた、谷底部58の間に径方向の内径Dを有する。
【0028】
雌部分22の空洞20はまた、軸方向内壁24とねじ山付きセクション26との間に位置付けられたねじクリアランスセクション32を有する。ねじクリアランスセクション32は、周方向に凹んだ凹部である。ねじクリアランスセクション32は、ねじ出口30と軸方向内壁24との間の長さとして画定される長さLを有する。ねじクリアランスセクションは、直径Dを有する。ねじクリアランスセクション32に対してねじ山付きセクション26の反対側端部に、ロッド4の雄型端部10を正しい位置に案内するためのガイドセクション50が存在する。ガイドセクション50は、ねじ入口28とスリーブ18の軸方向端部52との間の長さとして画定される長さLを有する。ガイドセクション50は、ガイドセクション50の全体にわたって一定の直径であってもよいか、又は、少なくとも2つの異なる直径を有するように任意に段状であってもよい。
【0029】
好ましくは、L-Lは、<12mm、より好ましくは<11.5mm、更により好ましくは<11mmである。好ましくは、L-Lは、>0mm、より好ましくは>5mm、更により好ましくは>7mmである。一実施形態では、Lは、25~56mm、より好ましくは30~45mmである。
【0030】
一実施形態では、L/L>0.01×Dである。
【0031】
一実施形態では、L/L>26%、より好ましくは>32%である。
【0032】
一実施形態では、L/L<65%、より好ましくは<50%である。
【0033】
一実施形態では、L/D>30%、より好ましくは>38%である。
【0034】
一実施形態では、L/D<65%、より好ましくは<50%である。
【0035】
雌部分22は、雌部分22と隣接するロッドの雄型端部10との間で肩部が接触するのではなく底部が接触する打撃穿孔ツール2用のねじ継手を形成するために使用されることが好ましい。換言すれば、雌部分22における軸方向内壁24と、隣接するロッド4の雄型端部10との間に接触が存在する。
【0036】
図6は、ねじ形態54を示す。それぞれのねじ形態54は、点Xで開始してもよく、谷底部Aを含んでもよい。それぞれの谷底部Aは、それぞれの半径Rを有する凹状弧であってもよく、それぞれの第2の弧Aまで延在してもよい。それぞれの第2の弧Aは、凹状であってもよく、それぞれの半径Rを有してもよく、それぞれの第1の頂部Aからそれぞれの接触フランクEまで延在してもよい。それぞれの谷底部の半径Rは、それぞれの第2の半径Rより大きくてもよく、例えば、それぞれの第2の半径より少なくとも50パーセント大きくてもよい。それぞれの接触フランクEは、それぞれのベースラインBLに対してそれぞれの第1のフランク角度αで傾斜した直線であってもよい。ベースラインBLは、長手方向であってもよく、それぞれのねじ形態54のそれぞれの外径D又は内径Dに位置してもよい。それぞれの第1のフランク角度αは、15~50度の範囲であってもよい。それぞれの接触フランクEは、それぞれの第2の弧Aからそれぞれの第3の弧Aまで延在してもよい。それぞれの第3の弧Aは、凸状であってもよく、それぞれの半径Rを有してもよい。それぞれの第3の弧Aは、それぞれの接触フランクEからそれぞれの頂部Aまで延在してもよい。それぞれの頂部Aは、それぞれの第3の弧Aに隣接するそれぞれの第1の高さHと、それぞれの第5の弧Aに隣接するそれぞれの第2の高さHと、を有してもよい。それぞれの高さH、Hは、それぞれのベースラインBLから測定することができる。それぞれの頂部Aは、それぞれの接触フランクEからそれぞれの非接触フランクEに傾斜してもよく、それぞれの外径D又は内径Dを画定するそれぞれのねじ形態54のそれぞれの頂点Xがそれぞれの非接触フランクに隣接して位置するようになっている。それぞれのねじ形態54は、長手方向であり得、それぞれのねじ形態54のそれぞれの外径D又は内径Dに位置することができるそれぞれのピークラインPLを有することができる。それぞれのねじ形態54のそれぞれの直径D、Dは、一定であってもよい。それぞれの頂部Aの傾斜により、それぞれの第2の高さHは、それぞれの第1の高さHよりも大きくてもよい。それぞれの傾斜は、それぞれの頂部Aがそれぞれの半径Rを有する凸状弧であることによって達成され得る。それぞれの頂部の半径Rは、雄型カップリング1の外径の10パーセントより大きくてもよい。それぞれの頂部Aは、それぞれの第3の弧Aからそれぞれの第5の弧Aまで延在してもよい。それぞれの第2の高さHは、それぞれの第1の高さHよりも5~20パーセント大きくてもよい。あるいは、それぞれの頂部Aは、直線状に傾斜していてもよい。それぞれの第5の弧Aは、凸状であってもよく、それぞれの半径Rを有してもよく、それぞれの頂部Aからそれぞれの非接触フランクEまで延在してもよい。それぞれの非接触フランクEは、それぞれのベースラインBLに対してそれぞれの第2のフランク角度βで傾斜した直線であってもよい。それぞれの第2のフランク角度βは、それぞれの第1のフランク角度αより大きくてもよく、例えば、それぞれの第1のフランク角度より5~30度大きくてもよく、それによってそれぞれの非対称ねじ形態54が得られる。それぞれの非接触フランクEは、それぞれの第5の弧Aからそれぞれの第6の弧Aまで延在してもよい。それぞれの第6の弧Aは、それぞれの非接触フランクEからそれぞれの終点Xまで延在してもよい。それぞれの第6の弧Aは、凹状であってもよく、それぞれの半径Rを有してもよい。それぞれのねじ形態54は、それぞれの始点Xとそれぞれの終点Xとの間の長手方向距離によって画定されるそれぞれのピッチLを有することができる。
【0037】
一実施形態では、それぞれの接触フランク角度αは、15~50度の範囲であり、それぞれの非接触フランク角度βは、それぞれの接触フランク角に5~30度を加えたものに等しい。
【0038】
一実施形態では、それぞれの頂部56の傾斜は、直線状である。
【0039】
一実施形態では、それぞれの非接触フランク62に隣接するそれぞれの頂部56の高さHは、それぞれの接触フランク60に隣接するそれぞれの頂部56の高さHよりも5%~20%大きい。
【0040】
一実施形態では、非接触フランク62は、それぞれの弧Aによってそれぞれの頂部に接続される。
【0041】
一実施形態では、それぞれの直径D、Dは、一定である。
【0042】
図7及び図8は、曲げ力が加えられたときに、図に示された点線に沿ってそれぞれ測定された、12.7mmのピッチLを有する対称ねじ山プロファイル(比較サンプル)及び13.2mmのピッチLを有する非対称ねじ山プロファイル(本発明のサンプル)についての安全係数のプロットを示す。より高い安全係数値は、破損のリスクが減少していることを示す。増加したピッチの長さを有する本発明のサンプルは、ねじ山プロファイルの長さに沿う破損のリスクが減少していることが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】