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特表2024-541754外部回路をサージ電圧から保護するための方法
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  • 特表-外部回路をサージ電圧から保護するための方法 図1
  • 特表-外部回路をサージ電圧から保護するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-12
(54)【発明の名称】外部回路をサージ電圧から保護するための方法
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/20 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
H02H7/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527568
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022078065
(87)【国際公開番号】W WO2023083536
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021212797.5
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレル トルステン
(72)【発明者】
【氏名】コズロウスキー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】トパロフ ペンヨ
(72)【発明者】
【氏名】ズィマーシート フィリップ
【テーマコード(参考)】
5G053
【Fターム(参考)】
5G053AA10
5G053BA04
5G053CA05
5G053EA09
5G053EC03
(57)【要約】
本発明は、保護回路(1)によって、外部回路(2)をサージ電圧から保護する方法に関する。前記保護回路(1)は、半導体スイッチ(4)を備えた保護ユニット(3)と、電圧レギュレーター(6)とを備える。この方法では、外部回路(2)の、設定電圧(U_SOLL)と前記実際の電圧(U_IST)とが、前記電圧レギュレーター(6)に指定され、前記設定電圧(U_SOLL)と取り出された前記実際の電圧(U_IST)との差に応じて、ゲート電圧(U_GATE)が、電圧レギュレーター(6)によって、半導体スイッチ(4)に供給される。本発明は、この方法を実行するための保護回路(1)にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護回路(1)によって、外部回路(2)をサージ電圧から保護する方法であって、前記保護回路(1)は、前記外部回路(2)と並列に接続され、スイッチングされ得る半導体スイッチ(4)を備えた保護ユニット(3)と、電圧レギュレーター(6)とを備え、
前記電圧レギュレーター(6)は、前記外部回路(2)の定格電圧に対応する設定電圧(U_SOLL)が指定され、
前記電圧レギュレーター(6)は、前記外部回路(2)の現在の電圧(U_AKTUELL)に対応する、前記外部回路(2)の実際の電圧(U_IST)を取り出し、
前記電圧レギュレーター(6)は、指定された前記設定電圧(U_SOLL)と取り出された前記実際の電圧(U_IST)との差に応じて、前記保護ユニット(3)の前記半導体スイッチ(4)に、ゲート電圧(U_GATE)を供給し、
印加された前記ゲート電圧(U_GATE)において、前記半導体スイッチ(4)は、前記外部回路(2)に流れる電流(I1)を消費し、よって前記外部回路における前記現在の電圧(U_AKTUELL)を変化させる、
方法。
【請求項2】
前記保護ユニット(3)は、前記半導体スイッチ(4)に並列に接続された分圧器(5)を備え、
前記外部回路(2)における前記現在の電圧(U_AKTUELL)は、前記分圧器(5)によって指定された倍率によって、前記分圧器(5)によって分圧され、前記実際の電圧(U_IST)として、前記電圧レギュレーター(6)から取り出され、
前記電圧レギュレーター(6)は、前記倍率によって予め分圧された前記外部回路(2)の前記定格電圧に対応する、前記設定電圧(U_SOLL)が指定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電圧レギュレーター(6)はインピーダンス変換器(7)を備え、前記外部回路(2)において取り出された前記実際の電圧(U_IST)は、前記インピーダンス変換器(7)によって伝導され、よって前記外部回路(2)から減結合される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記電圧レギュレーター(6)はPID制御ループ(8)を備え、前記PID制御ループ(8)は、前記設定電圧(U_SOLL)と前記実際の電圧(U_IST)とが指定され、
前記設定電圧(U_SOLL)と前記実際の電圧(U_IST)との差に応じて、前記PID制御ループ(8)は、前記半導体スイッチ(4)において、前記ゲート電圧(U_GATE)を供給する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記PID制御ループ(8)には、前記インピーダンス変換器(7)によって減結合された、前記実際の電圧(U_IST)が供給される、
請求項3及び4に記載の方法。
【請求項6】
前記PID制御ループ(8)によって供給される前記ゲート電圧(U_GATE)は、前記外部回路(2)における前記現在の電圧(U_AKTUELL)を、前記外部回路(2)の前記定格電圧にするために必要な値に整定する、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記倍率は、前記設定電圧(U_SOLL)と対応する、
請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記外部回路(2)の前記現在の電圧(U_AKTUELL)が、前記外部回路(2)の前記定格電圧を下回るとすぐに、前記電圧レギュレーター(6)によって、前記半導体スイッチ(4)がオフにされる、
請求項1-7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
外部回路(2)をサージ電圧から保護する保護回路(1)であって、
前記保護回路(1)は、半導体スイッチ(4)を持つ保護ユニット(3)と、電圧レギュレーター(6)とを備え、
前記保護回路(1)は、請求項1-8のいずれか1項に記載の方法を実行するように設計されている、
保護回路(1)。
【請求項10】
前記保護ユニット(3)の前記半導体スイッチ(4)は、絶縁されたゲート電極を持つバイポーラトランジスタであり、及び/又は、
前記保護ユニット(3)は、前記実際の電圧(U_IST)についての倍率を指定するための、少なくとも2つの抵抗素子(R2,R3)を持つ分圧器(5)を備え、前記分圧器(5)は、前記半導体スイッチ(4)に並列に接続され、及び/又は、
前記電圧レギュレーター(6)はインピーダンス変換器(7)を備え、前記インピーダンス変換器(7)は、前記保護回路(1)の前記保護ユニット(3)に、直接的に接続され、及び/又は、
前記電圧レギュレーター(6)はPID制御ループ(8)を備え、前記PID制御ループ(8)は、前記実際の電圧(U_IST)を取り出すための前記外部回路(2)、設定電圧(U_SOLL)を取り出すための外部ソース、及びゲート電圧(U_GATE)を指定するための前記半導体スイッチ(4)と相互に接続されている、
請求項9に記載の保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる保護回路によって、外部回路をサージ電圧から保護するための方法に関する。本発明は、この方法を実行するための保護回路にも関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路におけるサージ電圧のピークを制限するために、サプレッサーダイオード又はTVSダイオード(TVS、transient voltage suppressor)を備えた保護回路がしばしば使用される。しかし、TVSダイオードは、一般に、非常に短いピーク(μsからms)に対して最適化されており、低電力であってもサージ電圧が高い場合には、往々にして、十分にはロバストではない。よって、例えば他励式同期機において、故障時、又は動的な動作状況において同期機に対する電力需要が変化する時には、サージ電圧のピークが長くなる可能性がある。この場合、TVSダイオードを備えた保護回路では、サージ電圧のピークを、十分に安全にオフにすることができない。
【0003】
本発明の主題は、したがって、一般的な種類の方法及び保護回路に対して、改良された、又は少なくとも代替の実施形態を述べることであり、それによって、記載されている欠点は克服される。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、この目的は、独立請求項の主題によって解決される。好適な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
保護回路によって、外部回路をサージ電圧から保護する方法が提供される。前記保護回路は、前記外部回路と並列に接続され、スイッチングされ得る半導体スイッチを備えた保護ユニットと、電圧レギュレーターとを備える。この方法において、外部回路の定格電圧に対応する設定電圧が、電圧レギュレーターに指定される。加えて、電圧レギュレーターは、外部回路の現在の電圧に対応する、外部回路の実際の電圧を取り出す。指定された設定電圧と、取り出された実際の電圧との差に応じて、電圧レギュレーターは、保護ユニットの半導体スイッチに、ゲート電圧を供給する。ゲート電圧が印加されると、半導体スイッチは、外部回路に流れる電流を消費するので、外部回路における現在の電圧を変化させる。
【0006】
本発明による方法において、ゲート電圧は、半導体スイッチで調節されるので、半導体スイッチの抵抗値は変化する。抵抗値が変化する時、半導体スイッチから消費される電流は変化し、それに応じて、外部回路での現在の電圧も変化する。実際に、保護回路は、過剰なエネルギーを受けるための制御された抵抗を持つ、並列の経路として機能する。
【0007】
半導体スイッチの抵抗値は、ゲート電圧の上昇につれて減少し、ゲート電圧の降下につれて増加する。ゲート電圧が上昇して抵抗値が減少すると、半導体スイッチによる外部回路の消費電流は、より一層増加する。ゲート電圧が下降して抵抗値が増加すると、半導体スイッチによる外部回路の消費電流は、より一層減少する。よって、半導体スイッチから取り出される電流によって、外部回路での現在の電圧が、スイッチング回路の定格電圧を下回るように、半導体スイッチにおけるゲート電圧が調節される。換言すれば、半導体スイッチを通って流れる電流が、外部回路の現在の電圧のピーク値を制限するのに十分であるように、半導体スイッチにおけるゲート電圧が調節される。回路における現在の電圧が、定格電圧を下回る時、半導体スイッチは、完全にオフにされ得る。
【0008】
本発明による方法において、長期的な電力損失の低減と、電力動作のより良好な制御とが、好適には達成され得る。加えて、従来のTVSダイオードを有する保護回路と比べると、コストが削減され得る。
【0009】
好適には、この方法は、異なる応用例に適している可能性がある。例えば、外部回路は、他励式同期機のための非接触のローター電源であることが考えられる。保護回路は、制御された散逸直列抵抗器として用いられることも考えられる。ここで、保護回路は、例えば、プリチャージの応用例のための回路保護スイッチ、又は、固定子インバータの短絡時の、他励式同期機の回転子の共振エネルギー放出のための回路保護スイッチに統合されてもよい。
【0010】
保護回路において、実際の電圧は、現在の電圧に対応し、設定電圧は、定格電圧に対応する。いずれの場合も、対応関係は同一であることを理解されたい。例えば、現在の電圧の実際の電圧、及び定格電圧の設定電圧は、同一であることが考えられる。代替として、実際の電圧は、倍率の分だけ現在の電圧とは異なり、設定電圧は、倍率の分だけ定格電圧とは異なる可能性もある。
【0011】
したがって、保護ユニットは、半導体スイッチに並列に接続された分圧器を備え得る。この方法において、外部回路における現在の電圧は、よって、分圧器によって指定された倍率の分だけ、分圧器によって分圧され得る。分圧器は、よって、分圧された現在の電圧を、実際の電圧として取り出すことができる。実質的に、倍率によって予め分圧された、外部回路の定格電圧に対応する設定電圧は、よって、電圧レギュレーターに指定される。分圧器は、互いに異なる電気抵抗を持つ、2つの抵抗素子を備えてもよい。倍率は、よって、2つの抵抗素子の互いの抵抗値の比によって定義され、応用例の事例に応じて、要求の分だけ、大きくも小さくもなる。好適には、倍率は、設定電圧に適応され得る。
【0012】
この方法において、電圧レギュレーターはインピーダンス変換器を備えることが提供され得る。外部回路から取り出された実際の電圧は、よって、インピーダンス変換器によって伝導され得るので、外部回路から減結合され得る。インピーダンス変換器によって、電圧レギュレーターと外部回路との間の相互作用は、排除され得る。インピーダンス変換器は、当業者に知られているように設計され得る。好適には、インピーダンス変換器は、少なくとも1つの抵抗素子と、オペアンプとを備えてもよい。少なくとも1つの抵抗素子は、オペアンプの、反転入力と出力とに接続され得る。
【0013】
好適には、電圧レギュレーターはPID制御ループを備えることが提供され得る。この方法において、設定電圧及び実際の電圧は、よって、電圧レギュレーターのPID制御ループに指定され得る。
【0014】
設定電圧と実際の電圧との差に応じて、PID制御ループは、よって、半導体スイッチにゲート電圧を供給し得る。PID制御ループは、当業者に知られているように設計され得る。好適には、PID制御ループは、積分器回路とオペアンプとを備え得る。積分器回路は、当業者に知られているように設計され得て、少なくとも1つのキャパシタと、少なくとも1つの抵抗素子とを備え、それら互いに並列に接続されている。積分器回路は、オペアンプの、反転入力と出力とに接続され得る。設定電圧は、オペアンプの反転入力に印加され得て、実際の電圧は、オペアンプの非反転入力に印加され得る。半導体スイッチのためのゲート電圧は、オペアンプの出力に供給され得る。
【0015】
上述のように、半導体スイッチの抵抗値は、ゲート電圧の上昇/降下に応じて、減少/増加し、半導体スイッチを流れる電流は変化する。よって、外部回路での現在の電圧も変化する。ゲート電圧は、次に、回路での現在の電圧に依存する。好適には、PID制御ループによって供給されるゲート電圧は、ここで、外部回路における現在の電圧を、外部回路の定格電圧にするために必要な値に整定する。
【0016】
外部回路の現在の電圧が、外部回路の定格電圧を下回るとすぐに、半導体スイッチは、電圧レギュレーターによってオフにされ得る。特に、2つの入力における、設定電圧と実際の電圧との明確な差は、電圧レギュレーターのPID制御では、もはや求められず、したがって、PID制御によってゲート電圧は供給されない。したがって、半導体スイッチにゲート電圧は印加されず、半導体スイッチはオフにされる。
【0017】
好適には、保護回路は、電流保護ユニットと、電流保護ユニットを調節するための電流調整器とを備え得る。この方法では、外部回路も、よって、サージ電流から保護され得る。よって、長期間にわたって動作可能な電力制限システムが形成され得る。
【0018】
本発明は、外部回路をサージ電流から保護するための保護回路にも関する。保護回路は、半導体スイッチを備えた保護ユニットと、電圧レギュレーターとを備える。本発明によれば、保護回路は、上述の方法を実行するために設計される。
【0019】
好適には、保護ユニットの半導体スイッチは、絶縁されたゲート電極を持つバイポーラトランジスタであってもよい。
【0020】
保護ユニットは、実際の電圧に対する倍率を指定するための、少なくとも2つの電気的な抵抗素子を持つ分圧器を備えてもよい。分圧器は、半導体スイッチに、並列に接続され得る。
【0021】
分圧器は、インピーダンス変換器を備え得て、このインピーダンス変換器は、保護回路の保護ユニットに、直接的に接続されている。インピーダンス変換器は、当業者に知られているように設計され得る。好適には、インピーダンス変換器は、少なくとも1つの抵抗素子及びオペアンプを備え得る。
【0022】
分圧器は、PID制御ループを備え得て、このPID制御ループは、実際の電圧を取り出すための外部回路、設定電圧を取り出すための外部ソース、及びゲート電圧を指定するための半導体スイッチと相互に接続されている。PID制御ループは、当業者に知られているように設計され得る。好適には、PID制御ループは、積分器回路及びオペアンプを備え得る。
【0023】
繰り返しを避けるために、ここでは、上の説明が参照される。
【0024】
本発明の、さらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項、図面、及び図面による関連付けられた図の説明から得られる。
【0025】
上述の特徴、及び以下でさらに説明される特徴は、それぞれ記載された組み合わせで使用されるだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独でも使用され得ることを理解されたい。
【0026】
本発明の、好ましい例示的な実施形態は、図面に示されており、以下の説明において、より詳細に説明されており、同一の参照番号は、同一の、類似の、又は機能的に同一の構成要素に関する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
それぞれの場合を概略的に示す。
図1図1は、外部回路を備えた、本発明による保護回路の回路を示す。
図2図2は、図1による回路における、電圧と電流との時間的経過を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、外部回路2を備えた、本発明による保護回路1の回路を示す。外部回路2は、電流源Q1、キャパシタC1、及び抵抗素子R1を備える。電流源Q1、キャパシタC1、及び抵抗素子R1は、互いに並列に接続されている。示されている外部回路2は、単なる例示であることを理解されたい。示されている外部回路2は、本発明の一部ではない。
【0029】
本発明による保護回路1は、半導体スイッチ4と分圧器5とを持つ保護ユニット3を備え、この分圧器は、抵抗素子R2及びR3から形成される。分圧器5は、2つの抵抗素子R2及びR3の、電気抵抗の比によって求められる倍率を指定する。加えて、保護回路1は、インピーダンス変換器7及びPID制御ループ8を持つ電圧レギュレーター6を備える。インピーダンス変換器7は、第1オペアンプOP1、並びに抵抗素子R4,R5,R11及びR15を備える。PID制御ループ8は、2つのキャパシタC2及びC3、並びに抵抗素子R14を持つ、積分器回路9を備える。加えて、PID制御ループ8は、第2オペアンプOP2、並びに2つの抵抗素子R9及びR10を備える。
【0030】
電流源Q1は電流I1を生成し、現在の電圧U_AKTUELLが、外部回路2の素子に印加される。分圧器5において、実際の電圧U_ISTが印加され、それは、倍率によって分圧された現在の電圧U_AKTUELLに対応する。実際の電圧U_ISTは、電圧レギュレーターから取り出され、インピーダンス変換器7によって、外部回路2から減結合される。これに続いて、実際の電圧U_ISTは、PID制御ループ8の第2オペアンプOP2に伝導される。加えて、設定電圧U_SOLLは、PID制御ループ8の第2オペアンプOP2に印加され、それは、倍率によって分圧された、外部回路2の定格電圧に対応する。
【0031】
その入力端子における実際の電圧U_ISTと設定電圧U_SOLLとの差に依存して、第2オペアンプOP2は、ゲート電圧U_GATEを出力し、この電圧は、今度は半導体スイッチ4に印加される。実際の電圧U_ISTが設定電圧U_SOLLを超える時、半導体スイッチ4はオンになり、そうでない場合はオフになる。ゲート電圧U_GATEは、上述の差によって上昇及び降下し、その結果、これに依存して、半導体スイッチ4の抵抗値も変化する。半導体スイッチ4の抵抗値は、ゲート電圧U_GATEが上昇すると減少し、ゲート電圧U_GATEが降下すると増加する。ゲート電圧U_GATEが上昇する時、半導体スイッチ4の抵抗値は減少し、それは外部回路2においてより多くの電流を消費する。よって、外部回路2における、現在の電圧U_AKTUELLは降下する。ゲート電圧U_GATEが降下する時、半導体スイッチ4の抵抗値は増加し、それは外部回路2においてより少ない電流しか消費しない。よって、外部回路2における、現在の電圧U_AKTUELLは上昇する。よって、ゲート電圧、及び半導体スイッチ4の抵抗値は、現在の電圧U_AKTUELLが、外部回路の定格電圧に正確に対応する値で落ち着く。
【0032】
2つのオペアンプOP1及びOP2には、電源の供給電圧U_AMPが、それぞれ供給される。2つのオペアンプOP1及びOP2には、同一の電源から、供給電圧U_AMPが供給されることが考えられる。電源は、追加的に、設定電圧U_SOLLも供給し得る。このために、電源の供給電圧U_AMPは、さらなる分圧器によって分圧されてもよい。2つのオペアンプOP1及びOP2は、共通の部品において、配置、固定、又は一体化されることもさらに想定され得る。
【0033】
保護回路1は、本発明による方法10を実行するために設計される。方法10は、図2によって、さらに詳しく説明される。
【0034】
図2は、本発明による方法10のシミュレーションに対応する、図1による回路における電圧及び電流の時間的経過を示す。部分画像Aでは、電流源Q1の電流I1の時間的経過と、半導体スイッチ4から取り出された電流I_4の時間的経過とが示される。部分画像Bでは、ゲート電圧U_GATEの時間的経過が示される。部分画像Cでは、実際の電圧U_ISTの時間的経過と、設定電圧U_SOLLの時間的経過とが示される。部分画像Dでは、外部回路2における、現在の電圧U_AKTUELLの時間的経過が示される。
【0035】
シミュレーションの間、例示的な値が設定される。ここで、電流源Q1は、200mAの電流I1を供給する。抵抗素子R1は、5kΩの抵抗である。分圧器5は、100に等しい倍率で、外部回路2における現在の電圧U_AKTUELLを、実際の電圧U_ISTに分圧する。外部回路2の定格電圧は、420Vに設定される。設定電圧U_SOLLは、倍率100によって分圧された外部回路2の定格電圧と一致し、4.2Vとなる。電圧レギュレーターは、よって、420Vの定格電圧に設定される。
【0036】
400Vの現在の電圧U_AKTUELLでは、5kΩの抵抗を持つ抵抗素子R1は、80mAの電流を消費する。しかし、電流源Q1は、200mAの電流I1を供給する。よって、抵抗素子R1での現在の電圧U_AKTUELLは、上昇する。現在の電圧U_AKTUELLが420Vよりも高くなり、つまり実際の電圧が4.2Vよりも高くなる時、第2オペアンプOP2は、半導体スイッチ4にゲート電圧U_GATEを印加する。よって、半導体スイッチ4はオンになる。ゲート電圧U_GATEは、半導体スイッチ4が、外部回路2における余分な電流120mAをちょうど消費する値に落ち着く。この振る舞いは、従来のTVSダイオードの動作に対応するが、長期的な電力損失の減少と、システム動作のより適切な制御とを可能にする。
図1
図2
【国際調査報告】