IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サトール エスアールエルの特許一覧 ▶ フェラーリ,ファブリツィオの特許一覧

特表2024-541778改善された自動車ドアが設けられたモータ車両
<>
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図1
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図2
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図3
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図4
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図5
  • 特表-改善された自動車ドアが設けられたモータ車両 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】改善された自動車ドアが設けられたモータ車両
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/04 20060101AFI20241106BHJP
   E05D 15/18 20060101ALI20241106BHJP
   E05D 15/02 20060101ALI20241106BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B60J5/04 Z
E05D15/18
E05D15/02
E06B5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540808
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 IB2022060816
(87)【国際公開番号】W WO2023089456
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021000029072
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523250267
【氏名又は名称】サトール エスアールエル
(71)【出願人】
【識別番号】523250278
【氏名又は名称】フェラーリ,ファブリツィオ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ,ファブリツィオ
(57)【要約】
改善された自動車ドアが設けられたモータ車両(1)は:1つの基礎車台(2);1つの前後方向(A)に沿って可動である複数のホイール(3);1つの車室(4a、4b);水平で、前後方向(A)に対して直交する1つの回転軸(R)の周りを回転可能となるよう、基礎車台(2)に関連付けられた、1つの自動車ドア(5)、を備える。自動車ドア(5)は、直線形状の第1の側部(7)が設けられ、かつ第1の側部(7)と関連付けられた半周形状の第2の側部(8)が設けられた、1つの開放ドア(6)を備える。モータ車両(1)は、1つの誘導及び運動アセンブリ(10、11)を備え、それらは、第1の側部(7)が水平に配置された、1つの閉鎖構成と、第1の側部(7)が垂直に配置された、少なくとも1つの開放構成と、の間で自動車ドア(5)を動かすよう適合される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された自動車ドアが設けられたモータ車両(1)であって、
少なくとも1つの基礎車台(2)と、
前記基礎車台(2)に関連付けられ、前記モータ車両(1)の前方運動のための前後方向(A)に沿って可動である、少なくとも1つの複数のホイール(3)と、
少なくとも1人の搭乗者(P)を収容するよう意図された、少なくとも1つの車室(4a、4b)と、
実質的に水平で、前記前後方向(A)に対して直交した、少なくとも1つの回転軸(R)の周りを回転できるよう、前記基礎車台(2)に関連付けられた、少なくとも1つの自動車ドア(5)と、を備え、
ここで前記モータ車両(1)は、
前記自動車ドア(5)は少なくとも1つの開放ドア(6)を備え、それには、実質的に直線形状である、少なくとも第1の側部(7)が設けられ、かつ前記第1の側部(7)と関連付けられた、実質的に半周形状である少なくとも第2の側部(8)が設けられることと、
前記基礎車台(2)に関連付けられ、かつ、前記第1の側部(7)が実質的に水平に配置された、少なくとも1つの閉鎖構成と、前記第1の側部(7)が実質的に垂直に配置された、少なくとも1つの開放構成と、の間で前記自動車ドア(5)を動かすよう適合された、誘導及び運動アセンブリ(10、11)を備えることと、
を特徴とする、モータ車両(1)。
【請求項2】
前記誘導及び運動アセンブリ(10、11)は、
前記第2の側部(8)が、前記開放構成及び前記閉鎖構成の間で摺動するように関連付けられた、少なくとも1つの円形レール(10)と、
前記第1の側部(7)がヒンジ留めされる、回転軸(R)の周りの少なくとも1つの回転ピン(11)と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のモータ車両(1)。
【請求項3】
前記第2の側部(8)の曲率は、前記円形レール(10)の曲率と実質的に一致することを特徴とする、請求項2に記載のモータ車両(1)。
【請求項4】
前記回転ピン(11)は、前記第1の側部(7)に沿った中間位置に配置されることを特徴とする、請求項2または3に記載のモータ車両(1)。
【請求項5】
前記自動車ドア(5)は、少なくとも1つの窓(12)を備え、前記窓(12)は、前記開放ドア(6)または前記誘導及び運動アセンブリ(10、11)の内いずれか少なくとも一方に関連付けられ、かつ前記閉鎖構成と前記開放構成との間で可動であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のモータ車両(1)。
【請求項6】
前記窓(12)には、
実質的に直線形状で、前記開放構成及び前記閉鎖構成において、前記第1の側部(7)に実質的に合致して重複する、少なくとも第1のストレッチ部(13)と、
前記第1のストレッチ部(13)に関連付けられ、実質的に半周形状で、前記開放構成において前記第2の側部(8)と実質的に合致して重複し、かつ前記閉鎖構成において前記第2の側部(8)と並んで、前記第2の側部(8)と共に完全な円周を画定する、少なくとも第2のストレッチ部(14)と、
が設けられることを特徴とする、請求項5に記載のモータ車両(1)。
【請求項7】
前記第1のストレッチ部(13)は、前記回転ピン(11)にヒンジ留めされることと、前記第2のストレッチ部(14)は、前記閉鎖構成と前記開放構成との間で摺動するよう、前記円形レール(10)に関連付けられることと、を特徴とする、請求項6に記載のモータ車両(1)。
【請求項8】
前記回転ピン(11)は、前記第1のストレッチ部(13)に沿って中間位置に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のモータ車両(1)。
【請求項9】
前記第2のストレッチ部(14)の曲率は、前記円形レール(10)の曲率と実質的に一致することを特徴とする、請求項7または8に記載のモータ車両(1)。
【請求項10】
前記基礎車台(2)は、前記搭乗者(P)が、前記車室(4a、4b)に接近するために通過できる、少なくとも1つの前部入口(15a)及び少なくとも1つの後部入口(15b)を備え、前記前部入口(15a)及び前記後部入口(15b)は、実質的に半円形状であり、かつ互いに並んで、少なくとも1つの円形入口(15a、15b)を画定することと、
前記ドア(5)は、前記円形入口(15a、15b)に関連付けられ、前記後部入口(15b)に重複して前記前部入口(15a)のみが通過可能になる、少なくとも第1の開放構成、及び前記自動車ドア(5)が前記前部入口(15a)に重複して前記後部入口(15b)のみが通過可能になる、少なくとも第2の開放構成、に位置付けることができることと、
を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のモータ車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、モータ車両には従来から開閉する自動車ドアが装着されており、それは例えば運転者など、1人または複数人の搭乗者が、それらの開放によって車室に入ること/車室から出ること、同時に、それらの閉鎖によって搭乗者用車室を外側から隔絶すること、を可能にする。
【0003】
この場合、自動車ドアの開閉は、一般的にモータ車両の車台に取り付けられた、1つまたは複数のヒンジによって可能にされ、ヒンジに対して、自動車ドア自体が回転するよう関連付けられる。
【0004】
これに関して、モータ車両の第1の特に一般的なタイプは、垂直軸の周りに回転できる自動車ドアを備える。
【0005】
実際、このタイプのモータ車両の車室に入ること/車室から出ること、を可能にするために、自動車ドアを外側から引張り、または同じように、自動車ドアを内側から押して、自動車ドアをヒンジの周りに回転させて、開放できるようにすることが必要である。
【0006】
同様に、このような自動車ドアを外側から押すことによって、または同じように、自動車ドアを内側から引張ることによって、自動車ドアを閉鎖して車室を外側から隔絶することが可能である。
【0007】
しかし、この一般的なタイプのモータ車両は、多くの欠点によって影響を受けるので、特に1人または複数人の搭乗者が乗り降りできる実用性を向上させることを目的とする改善を、受ける余地がある。
【0008】
直前に記載した動作を考慮すると、実際に、これらのモータ車両のドアを適切に開放するために、車両自体の周りに十分に大きい空間を要することは、容易に理解できる。
【0009】
例えば、モータ車両が非常に狭い領域に駐車している場合、自動車ドアを内側から開放することは、部分的にのみ可能となり、車室から出ることを不便に複雑化し得る。または、それが全く不可能となり、自動車ドアを動かすために、異なる空間、特により広い駐車空間を探すことを強いられ得る。
【0010】
それだけではなく、モータ車両が、搭乗者の乗り降りを可能にする適切な空間を有することも想定すると、自動車ドアは、その開放ストロークにおいて障害物にぶつかる場合もあり、そうなると損傷を負うことになる。
【0011】
前述の課題の、少なくとも一部を解決するために、中国実用新案第200961412号明細書の教示に従って作られた、モータ車両が公知である。
【0012】
この文献は、現行の事例にいて、1/4の円形として形状付けられた入口と、回転する方法でモータ車両の車台に関連付けられ、やはり車室への入口と極めて類似した1/4の円形として形状付けられた自動車ドアと、を有する半球形の車室が装備された、モータ車両を例示している。
【0013】
中国実用新案第200961412号明細書に例示されている、モータ車両の自動車ドアは、特にモータ車両の車台に関連付けられ、それによって自動車ドアは、モータ車両の標準的な移動である前後方向に対して直交する水平軸の周りに回転できる。
【0014】
したがってこのように、自動車ドアを、回転軸の周りに90°だけ一方向もしくは反対方向に回転させて、車室への入口に重複させるか、もしくは並べるのを可能にし、それによって外側からの接近を、それぞれ防止するか、または可能にする。
【0015】
中国実用新案第200961412号明細書に記載されているモータ車両は、垂直の回転軸を伴う自動車ドアに関する前述の課題を解決するのを明確に可能にする。なぜならこの場合、好適な方法で自動車ドアを開閉し得るための、モータ車両の周りに余分な空間を、必要としないためである。
【0016】
それにも関わらず、上記の特許は、様々な改善を受け入れる余地もある。
【0017】
最初に、中国実用新案第200961412号明細書に記載されているモータ車両には、幾分初歩的な方法で製造設計され、同様に幾分不正確な方法で動作する、自動車ドアが設けられていることに留意されたい。
【0018】
この証拠として、このようなモータ車両は、全体的に、自動車ドアを円滑に、同時に正確に動かすことを可能にする、自動車ドアを誘導及び制御するための任意のシステムが欠けている。
【0019】
これは必然的に、自動車ドアの不安定な動作を生じさせ、それは例えば、モータ車両が動いているときに、かなり不都合な揺れ/振動をもたらす。
【0020】
それだけではなく、中国実用新案第200961412号明細書の教示によって構築されたモータ車両は、審美的に魅力がなく不満足なものであるので、多くの顧客の、購入の際の興味を減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】中国実用新案第200961412号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の主な目的は、改善された自動車ドアが設けられたモータ自動車を考案することであり、その自動車ドアは、特に狭い空間に駐車したときでさえ、特に自動車ドアの開放ストロークにおける障害物に対する衝撃の危険を最小に抑えることによって、円滑、実用的、及び機能的な、搭乗者用車室の中への接近/搭乗者用車室からの退出を可能にする。
【0023】
この主な目的の中で、本発明の目標は、顧客に対して審美的に価値があり、かつ魅力があって顧客の購買を刺激すると判断される、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両を考案することである。
【0024】
本発明の追加の目標は、所謂「双方向」である両方向に駆動することができる、対称的なモータ車両に関連して、前述の主な目的を解決するのを可能にする、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両を考案することである。
【0025】
本発明の別の目標は、単純、合理的、使用が容易、及び費用効率の良い解決策の枠組内で、先行技術の前述の欠点を克服するのを可能にする、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前述の目標は、請求項1の特徴を有する改善された自動車ドアが設けられた、モータ車両によって実現される。
【0027】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表における非限定例の表示によって例示された、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両の、好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、より明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明によるモータ車両の不等角投影図である。
図2】自動車ドアが閉鎖構成にある、本発明によるモータ車両の側面図である。
図3】自動車ドアが第1の開放構成にある、本発明によるモータ車両の側面図である。
図4】自動車ドアが第2の開放構成にある、本発明によるモータ尾車両の側面図である。
図5】本発明によるモータ車両の分解組立図である。
図6】代替の実施形態による、本発明によるモータ車両の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
これらの図を詳細に参照すると、参照番号1は、改善された自動車ドアが設けられたモータ車両を全体的に示す。
【0030】
改善された自動車ドアが設けられたモータ車両1は、少なくとも1つの基礎車台2と、基礎車台2に関連付けられ、かつモータ車両1の前進運動のための、少なくとも1つの前後方向Aに沿って可動である、少なくとも1つの複数のホイール3と、を備える。
【0031】
好ましくは、モータ車両1は4つのホイール3を備える。
【0032】
この場合、4つのホイール3は、互いに反対側のポイントにおいて、かつ4つのホイールが設けられた従来のモータ車両のものと極めて類似の方法で、基礎車台2に対して配置される。
【0033】
しかし、例えば5つ以上のホイール3が設けられたモータ車両1など、基礎車台2に関連付けられた異なる数のホイール3が設けられたモータ車両1を、排除できない。
【0034】
好都合には、モータ車両1は、少なくとも1つの電動ユニットを有するが、簡略化のために図面には示されない。
【0035】
好ましくは、モータ車両1には、4つの電動ユニットが設けられ、各々はそれぞれのホイール3に関連付けられる。
【0036】
好ましい実施形態によると、電動ユニットは電気モータタイプである。
【0037】
しかし、モータ車両1の異なるエンジンソリューションを排除できない。
【0038】
例えば、異なる数、及び/または異なるタイプ(例えば内燃タイプ)、及び/または異なる位置の、電動ユニットを排除できない。
【0039】
モータ車両1は、少なくとも1人の搭乗者Pを収容するよう意図された、少なくとも1つの車室4a、4bと、実質的に水平で前後方向Aに対して直交した、少なくとも1つの回転軸Rの周りを、回転可能な方法で基礎車台2に関連付けられた、少なくとも1つの自動車ドア5と、を備える。
【0040】
本発明によると、自動車ドア5は、実質的に直線形状である、少なくとも第1の側部7と、第1の側部7と関連付けられた、実質的に半周形状である、少なくとも第2の側部8と、が設けられた、少なくとも1つの開放ドア6を備える。
【0041】
特に、第1の側部7の両端部は、第2の側部8の両端部に合致するよう作られ、実質的に半円形状の開放ドア6を画定する。
【0042】
さらに、本発明によると、モータ車両1は、少なくとも1つの誘導及び運動アセンブリ10、11を備え、それらは、基礎車台2に関連付けられ、かつ、第1の側部7が実質的に水平に配置された、少なくとも1つの閉鎖構成と、第1の側部7が実質的に垂直に配置された、少なくとも1つの開放構成と、の間で自動車ドア5を動かすよう適合される。
【0043】
特に、誘導及び運動アセンブリ10、11は、少なくとも1つの円形レール10を備え、それを用いて第2の側部8は、開放構成と閉鎖構成との間において摺動するよう関連付けられる。
【0044】
これに関して、本開示に関連して、用語「円形の」は、中心において180~360°の角度を有する円形区域構造を指すことを意味するよう規定される。
【0045】
換言すると、用語「円形の」は、半円と全円との間の角度幅の任意の円形領域を備えることが意図される。
【0046】
好都合には、円形レール10は、基礎車台2の中に形成され、自動車ドア5は、摺動するよう円形レール10の中に嵌合される。
【0047】
しかし、例えば基礎車台2に外部で固定された円形リングから構成されるか、または全ての事例で開放構成と閉鎖構成との間における、円滑で効果的な運動を可能にする、他の技術ソリューションから構成された、異なるタイプの円形レール10を排除できない。
【0048】
図に示される好ましい実施形態において、円形レール10は、全円構成を有する。
【0049】
これに関して、第2の側部8の曲率は、円形レール10の曲率と実質的に一致する。
【0050】
本開示における「曲率」は、直線からの逸脱の程度を指し、それは曲率半径に相当するものに、幾何学的に対応するよう規定される。
【0051】
この点で、円形レール10を提供する特別な手段が、自動車ドア5の特に安定した動作を可能にし、モータ車両1が運動中にいかなる揺れ/振動も防ぐこと、に留意する価値がある。
【0052】
次に、誘導及び運動アセンブリ10、11は回転軸Rの周りに、少なくとも1つの回転ピン11を備え、そこに第1の側部7はヒンジ留めされる。
【0053】
正確には、回転ピン11は、第1の側部7に沿った中間位置に配置される。
【0054】
これは明らかに、自動車ドア5を、開放構成と閉鎖構成との間を正確に、効果的に、かつ円滑に動かすことを可能にする。
【0055】
自動車ドア5は、少なくとも1つの窓12を備え、それは、開放ドア6か、または誘導及び運動アセンブリ10、11か、のいずれか一方に関連付けられ、閉鎖構成と開放構成との間を可動である。
【0056】
特に、窓12には、実質的に直線である、少なくとも第1のストレッチ部13が設けられる。
【0057】
詳細には、第1のストレッチ部13は、第1の側部7と実質的に一致した長さを有する。
【0058】
好都合には、第1のストレッチ部13は、開放構成及び閉鎖構成において、第1の側部7と実質的に合致するよう重複する。
【0059】
これは、第1のストレッチ部13及び第1の側部7が、開放構成及び閉鎖構成において、互いに平行に配置されること、ならびに開放構成から閉鎖構成までの切替えにおいて、互いに付随すること、を意味する。
【0060】
好都合には、第1のストレッチ部13は、回転ピン11にヒンジ留めされる。
【0061】
正確には、回転ピン11は、第1のストレッチ部13に沿った中間位置に配置される。
【0062】
換言すると、回転ピン11は、第1のストレッチ部13及び第1の側部7に、同時にヒンジ留めされる。
【0063】
追加として、窓12は、少なくとも第2のストレッチ部14を備え、それは第1のストレッチ部13に関連付けられ、かつ実質的に半周形状である。
【0064】
詳細には、第2のストレッチ部14は、第2の側部8と実質的に一致した長さを有する。
【0065】
さらに、第2のストレッチ部14は、第2の側部8と実質的に同じ曲率を有する。
【0066】
開放ドア6について言及したことと同様に、第1のストレッチ部13の両端部は、第2のストレッチ部14の両端部と合致するよう作られ、実質的に半円形状のドア12を画定する。
【0067】
実際、窓12及び開放ドア6は、実質的に同じ半円形状を有する。
【0068】
追加として、第2のストレッチ部14は、閉鎖構成と開放構成との間で摺動するよう、円形レール10に関連付けられる。
【0069】
第2のストレッチ部14が、第2の側部8と実質的に同じ曲率を有することを考慮すると、第2のストレッチ部14の曲率が、円形レール10の曲率と実質的に一致すること理解することは容易である。
【0070】
したがって、その形状によって、第2のストレッチ部14は、開放構成において、第2の側部8と実質的に合致して重複する。
【0071】
同じ理由のため、図1及び図2で視認できるように、第2のストレッチ14は、閉鎖構成において第2の側部8と並び、第2の側部8と共に完全な円周を画定する。
【0072】
これは、自動車ドア5が閉鎖構成にあるときに、車室4a、4bが、外部から効果的に隔絶されるのを有利に可能にし、同時に、自動車ドア5が開放構成にあるときに、搭乗者Pが容易かつ速やかに車室4a、4bに入るのを可能にする。
【0073】
好都合には、自動車ドア5は、開放ドア6に関連付けられかつ構造的補強機能を有する、少なくとも1つの外周要素9を備える。
【0074】
この場合、外周要素9は、実質的に半周形状である。
【0075】
正確には、外周要素9の両端部は第2の側部8の両端部に実質的に合致して、第2の側部8と共に完全な円周を画定する。
【0076】
実際、外周要素9は、第2の側部8と実質的に等しい曲率を有する。
【0077】
正確には、外周要素9は、第2の側部8及び円形レール10の両方と実質的に等しい曲率を有する。
【0078】
この事実は、いくつかの異なる理由で特に有利であることを証明する。
【0079】
最初に、外周要素9の構造は、自動車ドア5が閉鎖構成にあるときに、窓12を伴う手段に連結するのを可能にし、実質的に完全な半円を画定する。
【0080】
このように、車室4a、4bを外側から、効果的かつ機能的に隔絶することが、明確に可能である。
【0081】
それだけではなく、外周要素9は、開放ドア6と一体化した円形レール10で回転することによって、開放ドア自体及び窓12の動きの円滑さを向上させ、それによって閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて生成される揺れ/振動を、大幅に軽減させることも可能にする。
【0082】
好ましい実施形態によると、開放ドア6は、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、回転軸Rの周りに一方向の回転を成し、窓12は同時に、回転軸Rの周りに反対方向の回転を成す。
【0083】
正確には、開放ドア6及び窓12は、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、互いに対して反対方向に90°だけ回転する。
【0084】
これは、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、開放ドア6が反時計回り/時計回りに、回転軸Rの周りを90°だけ回転し、窓12が、時計回り/反時計回りに、回転軸Rの周りを90°だけ回転することを意味する。
【0085】
同様に、開放構成から閉鎖構成までの切替えにおいて、開放ドア6が時計回り/反時計回りに、回転軸Rの周りを90°だけ回転し、窓12が反時計回り/時計回りに、回転軸Rの周りを90°だけ回転する。
【0086】
全ての事例において、開放ドア6及び窓12が、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、異なる方法で回転することを排除できない。
【0087】
この点で、開放ドア6が、例えば90°の大きさで回転軸Rの周りを一方向に回転すること、及び窓12が、例えば270°の大きさで回転軸Rの周りを同じ方向に回転すること、を排除できない。
【0088】
換言すると、開放ドア6及び窓12が、同じ方向に回転をすること、ならびに窓12の回転角度が、開放ドア6の回転角度とは異なり、そのため開放ドア6が窓12に、開放構成において重複できること、を除外できない。
【0089】
モータ車両1は、前後方向Aの一方向のみに沿って前方に駆動できるように、好都合に作られる。
【0090】
換言すると、このように作られたモータ車両1は、前方ギアにおいて前後方向Aの一方向の運動が可能となるように、かつ逆進によって前後方向Aの反対方向の運動が可能なように、作られる。
【0091】
代替として、好ましい実施形態によると、モータ車両1を、「双方向」モータ車両として構築することができる。
【0092】
後者の事例において、これは、モータ車両1が前後方向Aの両方で、前方ギアで駆動可能であることを意味する。
【0093】
この点において、このように基礎車台2は、搭乗者Pが車室4a、4bに接近するために通過できる、少なくとも1つの前部入口15aと、少なくとも1つの後部入口15bと、を備える。
【0094】
特に、前部入口15a及び後部入口15bは、実質的に半円形状であり、互いに並んで設置されて、少なくとも1つの円形入口を画定する。
【0095】
より詳細には、図3で視認できるように、車室4a、4bは、搭乗者Pが前部入口15aを通して接近できる、少なくとも1つの前部位置4aと、搭乗者Pが後部入口15bを通して接近できる、少なくとも1つの後部位置4bと、を備える。
【0096】
これに関して、自動車ドア5は、円形入口15a、15bに関連付けられ、後部入口15bに重複して前部入口15aのみで通過が可能になる、少なくとも第1の開放構成と、自動車ドア5が前部入口15aに重複して後部入口15bのみで通過が可能になる、少なくとも第2の開放構成と、に位置付けることができる。
【0097】
換言すると、自動車ドア5は、第1の開放構成において、外側から前部位置4aのみへの接近を可能にする。
【0098】
同様に、自動車ドア5は、第2の開放構成において、外側から後部位置4bのみへの接近を可能にする。
【0099】
これは、自動車ドア5が、一方向または反対方向に、180°だけ回転軸Rの周りを回転して、第1の開放構成から第2の開放構成まで切替えることができることを意味する。
【0100】
この事実は、前部位置4aまたは後部位置4bのいずれか一方に接近したい搭乗者Pにとって、特に好都合である。なぜなら、これは自動車ドア5を一方向また反対多方向に、閉鎖構成に対して90°だけ回転する必要があるのみだからである。
【0101】
有利には、基礎車台2は、前部入口15aと後部入口15bとの間に設置された、少なくとも1つの垂直材16を備え、回転ピン11は、垂直材16に関連付けられ、かつ垂直材16に沿って中間位置に配置される。
【0102】
特に、垂直材16は、互いに直径方向に反対側に円形レール10と関連付けられた、少なくとも1つの第1の端部17、及び少なくとも1つの第2の端部18を備える。
【0103】
正確には、垂直材16は、円形レール10の中心に配置される。
【0104】
第1の端部17及び第2の端部18の特別な配置は、垂直材16が、前部入口15aを後部入口15bから分離するのを可能にし、その結果前部位置4aを後部位置4bから分離するのを可能にすることに、留意されたい。
【0105】
図6は、モータ車両1の代替の実施形態を示す。特に、回転軸Rの周りに互いに対して反対方向に回転可能な、少なくとも第1の部分12a及び少なくとも第2の部分12bを備えた窓12が設けられる点、ならびに垂直材16が欠如している点、において前のものとは異なる。
【0106】
これに関して、別様に示されない限り、この代替の実施形態に従って作られたモータ車両1には、参照した詳細説明に対する前の実施形態のために挙げられたものと、類似の構成要素が設けられるよう規定される。
【0107】
好都合には、第1の部分12a及び第2の部分12bは、1/4の円形として形状付けられる。
【0108】
特に、自動車ドア5が閉鎖構成にあるとき、第1の部分12a及び第2の部分12bは、並んで設置され、半円を画定する。
【0109】
これに関して、自動車ドア5が閉鎖構成にあるとき、第1の部分12a及び第2の部分12bは、回転軸Rの周りを個々に回転可能である。
【0110】
換言すると、自動車ドア5が閉鎖構成にあるとき、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内いずれか一方のみが、回転軸Rの周りを回転できる。
【0111】
例えば、第1の部分12a及び第2の部分12bを、回転軸Rの周りを個々に90°だけ回転させることが可能である。
【0112】
しかし、第1の部分12a及び第2の部分12bを、異なる値を有する角度、例えば180°の値で個々に回転させる可能性を排除できない。
【0113】
自動車ドア5が閉鎖構成にあるとき、個々に回転させることができる第1の部分12a及び第2の部分12bを提供する特別の手段は、窓12を完全に開放して、この場合は車室4a、4bの全体を換気する必要なく、前部位置4aまたは後部位置4bの内いずれか一方のみを換気することを、有利に可能にする。
【0114】
閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内いずれか少なくとも一方は、一方向または反対方向に180°だけ回転し、それによって窓12は、開放構成において開放ドア6に重複し、搭乗者Pに車室4a、4bへの接近をもたらす。
【0115】
正確には、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内いずれか一方は、閉鎖構成から第1の開放構成までの切替えにおいて、一方向に180°だけ回転し、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内他方は、閉鎖構成から第2の開放構成までの切替えにおいて、反対方向に180°だけ回転する。
【0116】
しかし、第1の部分12a及び第2の部分12bが、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、別の方法で回転することを排除できない。
【0117】
例えば、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内いずれか一方が、一方向に180°だけ回転し、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内他方が、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、反対方向に90°だけ回転することを排除できない。
【0118】
換言すると、第1の部分12aまたは第2の部分12bの内いずれか少なくとも一方が、閉鎖構成から開放構成までの切替えにおいて、異なる大きさで回転をすることを排除できない。
【0119】
図6に示されて直前に記載された代替の実施形態と、図1図5に示された前の実施形態との間における混成のソリューションも、これに関して排除できない。
【0120】
例えば、垂直材16が設けられ、さらには第1の部分12a及び第2の部分12bが設けられたモータ車両1、または他の混成のソリューションも、排除できない。
【0121】
この点において、図面に示されるように、好ましい実施形態によるモータ車両1は、完全に対称であることが明確である。
【0122】
したがって、この対称性によって、前部位置4a及び後部位置4b、ならびに前部入口15a及び後部入口15bは、実質的に交換可能であり、互いに同等である。
【0123】
この点において、モータ車両1を対称に作る特別の手段が多くの利点を与えることが、強調される。
【0124】
初めに、特に基礎車台2の対称構成は、モータ車両1の空気力学的特性を大幅に向上させ、それによって駆動中のエネルギー消費を低減させる。
【0125】
追加として、モータ車両1の、このような製造は、互いから異なる構成要素の数を大幅に減らし、その際の製造費用、その後の販売価格を下げて、顧客の購買を刺激することが可能である。
【0126】
それだけではなく、より少ない異なる構成要素の数は、モータ車両1の製造段階を簡略化し、それによって市場へ導入するスピードを上げることを、好都合に可能にする。
【0127】
実際、説明した本発明は、意図した目的を実現することが確認された。
【0128】
この事例において、半円形状の自動車ドアを提供し、水平で、標準的な駆動のモータ車両の前後方向に対して直交した回転軸の周りを回転させる特別な手段は、容易で実用的、かつ機能的な、車室の中への接近/車室からの退出を可能にする、ということが強調される。
【0129】
これはさらに、モータ車両が特に狭い空間に駐車したときでさえ、自動車ドアの開放ストロークにおいて障害物にぶつかる危険を、最小に抑える。
【0130】
最後に、自動車ドアの第1及び第2の開放構成を提供する特別な手段は、所謂「双方向」である両方向に駆動できる、対称的なモータ車両の事例においても、自動車ドアが有益に使用されることを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】