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特表2024-541785下プラスチック、電池、電池モジュール及び電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】下プラスチック、電池、電池モジュール及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/103 20210101AFI20241106BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/609 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/627
H01M50/176
H01M50/55 101
H01M50/533
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/486
H01M50/609
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576015
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022143209
(87)【国際公開番号】W WO2024066107
(87)【国際公開日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】202211185639.2
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520233906
【氏名又は名称】厦門海辰儲能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hithium Energy Storage Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.1, Benyuan Road, Tongxiang High-tech New City, Xiamen Torch High-tech Zone, Xiamen, Fujian, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁金云
(72)【発明者】
【氏名】徐衛東
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H023
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011BB04
5H011BB05
5H011CC02
5H011KK01
5H021AA02
5H021CC09
5H021EE02
5H021HH03
5H023AS01
5H023DD01
5H043AA19
5H043CA04
5H043DA09
5H043EA35
5H043JA06E
5H043LA22E
5H043LA23E
(57)【要約】
本出願は下プラスチック、電池、電池モジュール及び電力消費装置に関する。下プラスチック10はアプラスチック本体を含み、下プラスチック本体は、第1側面1と、第1側面1と背向配置される第2側面2とを備え、第1側面1には、緩衝用凹溝11が開設され、第2側面2には、接続片用凹溝21が開設され、下プラスチックは、条件1及び条件2の中の少なくとも1つの条件を満たし、条件1において、1mm≦c-e≦2mm、1mm≦c-f≦2mm、ただし、cは下プラスチック本体の厚さであり、fは緩衝用凹溝11の深さであり、eは接続片用凹溝21の深さであり、条件2において、1mm≦p≦2mm、p=(a-t*g-r*d)/n、ただし、gは接続片用凹溝21の長さであり、tは接続片溝21の数であり、rは緩衝用凹溝11の数であり、dは緩衝用凹溝11の長さであり、aは下プラスチック本体の長さであり、pは下プラスチック本体の長手方向に沿って排列したn個の側壁の中の各側壁の厚さである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下プラスチック本体を含む下プラスチックであって、
前記下プラスチック本体は、
第1側面(1)と、
前記第1側面(1)と背向配置される第2側面(2)とを備え、
前記第1側面(1)には、前記第2側面(2)に向かって窪んだ緩衝用凹溝(11)が開設され、前記緩衝用凹溝(11)内には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に貫通する少なくとも1つの導流孔(12)が設けられ、前記第2側面(2)には、前記第1側面(1)に向かって窪んだ接続片用凹溝(21)が開設され、前記接続片用凹溝(21)内には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に貫通する極柱貫通孔(4)が開設され、前記下プラスチックは、条件1及び条件2の中の少なくとも1つの条件を満たし、
前記条件1において、1mm≦c-e≦2mm、1mm≦c-f≦2mm、ただし、cは前記下プラスチック本体の厚さであり、fは前記緩衝用凹溝(11)の深さであり、eは前記接続片用凹溝(21)の深さであり、
前記条件2において、1mm≦p≦2mm、p=(a-t*g-r*d)/n、ただし、gは前記接続片用凹溝(21)の長さであり、tは前記接続片用凹溝(21)の数であり、rは前記緩衝用凹溝(11)の数であり、dは前記緩衝用凹溝(11)の長さであり、aは前記下プラスチック本体の長さであり、pは前記下プラスチック本体の長手方向に沿って排列したn個の側壁の中の各側壁の厚さであることを特徴とする下プラスチック。
【請求項2】
前記接続片用凹溝(21)と前記緩衝用凹溝(11)との前記下プラスチック本体上の投影領域が互いにずれていることを特徴とする請求項1に記載の下プラスチック。
【請求項3】
前記接続片用凹溝(21)は2つであり、前記緩衝用凹溝(11)の数は1つであり、2つの前記接続片用凹溝(21)は、それぞれ前記緩衝用凹溝(11)の両端部に位置すると、t=2、r=1、n=4になることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の下プラスチック。
【請求項4】
前記第1側面(1)と前記第2側面(2)とは、外周面(3)を介して接続され、前記第2側面(2)には切欠溝(22)が設置され、前記切欠溝(22)は前記外周面(3)から離間している外周溝壁(221)と、前記接続片用凹溝(21)が開設された溝底壁(222)とを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項5】
前記接続片用凹溝(21)内には、位置決め凸柱(212)が設けられ、前記位置決め凸柱(212)は、前記第1側面(1)から離れている側に突出し、前記位置決め凸柱(212)の端面は、前記切欠溝(22)の前記溝底壁(222)と面一とされていることを特徴とする請求項4に記載の下プラスチック。
【請求項6】
前記下プラスチック本体が平板状構造であり、前記下プラスチック本体の長さが300mm以上であり、前記下プラスチック本体の幅が100mm以上であり、前記下プラスチック本体の厚さが4mm以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項7】
前記下プラスチック本体の厚さが30mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の下プラスチック。
【請求項8】
前記緩衝用凹溝(11)の長さが285mm以上であり、前記緩衝用凹溝(11)の幅が96mm以上であり、前記緩衝用凹溝(11)の深さが2.5mm以上であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項9】
前記接続片用凹溝(21)の前記下プラスチック本体の長手方向への寸法が50mm以上であり、前記接続片用凹溝(21)の前記下プラスチック本体の幅方向への寸法が86mm以上であり、前記接続片用凹溝(21)の深さが2.5mm以上であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項10】
前記接続片用凹溝(21)の前記緩衝用凹溝(11)に近い側のコーナー箇所がフィレット(211)であり、前記フィレット(211)のフィレット半径が5mm~20mmであることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項11】
前記極柱貫通孔(4)は、前記下プラスチック本体の幅方向において前記下プラスチック本体の中央に位置することを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項12】
前記n個の側壁は、前記接続片用凹溝(21)の前記緩衝用凹溝(11)から離れている側壁である第1側壁(13)と、前記接続片用凹溝(21)の前記緩衝用凹溝(11)に近づいている側壁である第2側壁(14)とを含み、前記極柱貫通孔(4)と前記第1側壁(13)との間の距離は、前記極柱貫通孔(4)と前記第2側壁(14)との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の下プラスチック。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の下プラスチックを含む電池。
【請求項14】
前記下プラスチックの前記第1側面(1)の側に位置するカバープレート(20)をさらに備え、前記カバープレート(20)には注液孔(201)が開設され、前記注液孔(201)の前記第1側面(1)での投影は前記緩衝用凹溝(11)内に位置し、前記導流孔(12)は前記注液孔(201)からずらして配置されていることを特徴とする請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記電池は、前記下プラスチックの前記第2側面(2)の側に位置する接続片(30)と、前記極柱貫通孔(4)に通過設置される極柱と、を更に含み、前記接続片(30)は接続された極柱接続セグメント(301)と極耳接続セグメント(302)とを含み、前記極柱接続セグメント(301)は前記接続片用凹溝(21)内に位置し且つ前記極柱に固定的に接続され、前記極耳接続セグメント(302)は前記下プラスチックから離れる方向に伸出し、前記極耳接続セグメント(302)と前記極柱接続セグメント(301)との間の夾角が70°~110°であることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記電池は、少なくとも1つのベアセル(40)をさらに含み、前記ベアセル(40)は、前記極柱接続セグメント(301)の前記下プラスチックから背離する側に配置され、前記ベアセル(40)の縦方向の延在方向は、前記下プラスチック本体の長手方向と一致し、前記ベアセル(40)の縦方向の端部は、極耳(401)であり、前記極耳(401)は、前記極耳接続セグメント(302)に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記ベアセル(40)は、前記下プラスチックに向かって突出する突起部(402)を有し、前記突起部(402)は、近位部と遠位部とを含み、前記近位部と前記下プラスチックとの間の距離は最も短く、前記遠位部と前記下プラスチックとの間の距離は前記近位部と前記下プラスチックとの間の距離よりも大きく、前記突起部(402)上の前記導流孔(12)の投影は、前記遠位部上に位置するか、または前記導流孔(12)が前記突起部(402)からずれていることを特徴とする請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記緩衝用凹溝(11)内には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に沿って貫通する複数の導流孔(12)が設けられ、前記近位部の両側にいずれも前記導流孔(12)が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記電池は、複数のベアセル(40)を含み、前記導流孔(12)は、隣接した2つの前記ベアセル(40)の正中線の位置にあることを特徴とする請求項16~18のいずれか一項に記載の電池。
【請求項20】
請求項13~19のいずれか一項に記載の電池を含む電池モジュール。
【請求項21】
請求項20に記載の電池モジュールを備える電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2022年09月27日に中国国家知的財産局に提出した特許出願番号2022111856392の中国特許出願の優先権及び権益を請求し、参照によりその全文をここに組み込む。
【0002】
本発明は、電池の技術分野に関するものであり、具体的には、下プラスチック、電池、電池モジュール及び電力消費装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在、大型の下プラスチック構造はその厚さを増やして下プラスチックの強度を強化する作用を発揮することが多い。しかし、下プラスチックの厚さを厚くするには、より多くの下プラスチックの材料が必要になることが多く、これは生産コストを増加させる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、下プラスチック、電池、電池モジュール及び電力消費装置を提案する。
【0005】
本発明の実施例に係る下プラスチックは、
下プラスチック本体を含み、前記下プラスチック本体は、
第1側面と、
前記第1側面と背向配置される第2側面とを備え、
前記第1側面には、前記第2側面に向かって窪んだ緩衝用凹溝が開設され、前記緩衝用凹溝内には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に貫通する少なくとも1つの導流孔が設けられ、前記第2側面には、前記第1側面に向かって窪んだ接続片用凹溝が開設され、前記接続片用凹溝内には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に貫通する極柱貫通孔が開設され、前記下プラスチックは、条件1及び条件2の中の少なくとも1つの条件を満たし、
前記条件1において、1mm≦c-e≦2mm、1mm≦c-f≦2mm、ただし、cは前記下プラスチック本体の厚さであり、fは前記緩衝用凹溝の深さであり、eは前記接続片用凹溝の深さであり、
前記条件2において、1mm≦p≦2mm、p=(a-t*g-r*d)/n、ただし、gは前記接続片用凹溝の長さであり、tは前記接続片溝の数であり、rは前記緩衝用凹溝の数であり、dは前記緩衝用凹溝の長さであり、aは前記下プラスチック本体の長さであり、pは前記下プラスチック本体の長手方向に沿って排列したn個の側壁の中の各側壁の厚さである。
【0006】
本発明の実施例に係る下プラスチックによれば、下プラスチック本体の第1側面に緩衝用凹溝を開設し、第2側面に接続片用凹溝を開設することにより、下プラスチックの材料使用量を低減し、コストを節減することができ、条件1及び条件2の少なくとも一方により、射出成形の可能性を確保することができる。
【0007】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続片用凹溝と前記緩衝用凹溝との前記下プラスチック本体上の投影領域が互いにずれている。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続片用凹溝は2つであり、前記緩衝用凹溝の数は1つであり、2つの前記接続片用凹溝は、それぞれ前記緩衝用凹溝の両端部に位置すると、t=2、r=1、n=4になる。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1側面と前記第2側面とは、外周面を介して接続され、前記第2側面には切欠溝が設置され、前記切欠溝は前記外周面から離間している外周溝壁と、前記接続片用凹溝が開設された溝底壁とを有する。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続片用凹溝内には、位置決め凸柱が設けられ、前記位置決め凸柱は、前記第1側面から離れている側に突出し、前記位置決め凸柱の端面は、前記切欠溝の前記溝底壁と面一とされている。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記下プラスチック本体が平板状構造であり、前記下プラスチック本体の長さが300mm以上であり、前記下プラスチック本体の幅が100mm以上であり、前記下プラスチック本体の厚さが4mm以上である。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記下プラスチック本体の厚さが30mm以下である。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記緩衝用凹溝の長さが285mm以上であり、前記緩衝用凹溝の幅が96mm以上であり、前記緩衝用凹溝の深さが2.5mm以上である。
【0014】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続片用凹溝の前記下プラスチック本体の長手方向への寸法が50mm以上であり、前記接続片用凹溝の前記下プラスチック本体の幅方向への寸法が86mm以上であり、前記接続片用凹溝の深さが2.5mm以上である。
【0015】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続片用凹溝の前記緩衝用凹溝に近い側のコーナー箇所がフィレットであり、前記フィレットのフィレット半径が5mm~20mmである。
【0016】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記極柱貫通孔は、前記下プラスチック本体の幅方向において前記下プラスチック本体の中央に位置する。
【0017】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記n個の側壁は、前記接続片用凹溝の前記緩衝用凹溝から離れている側壁である第1側壁と、前記接続片用凹溝の前記緩衝用凹溝に近づいている側壁である第2側壁とを含み、前記極柱貫通孔と前記第1側壁との間の距離は、前記極柱貫通孔と前記第2側壁との間の距離よりも大きい。
【0018】
本発明の別の方面の実施例に係る電池は、上記のいずれかの実施例に記載された下プラスチックを含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記電池は、前記下プラスチックの前記第1側面の側に位置するカバープレートをさらに備え、前記カバープレートには注液孔が開設され、前記注液孔の前記第1側面での投影は前記緩衝用凹溝内に位置し、前記導流孔は前記注液孔からずらして配置されている。
【0020】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記電池は、前記下プラスチックの前記第2側面の側に位置する接続片と、前記極柱貫通孔に通過設置される極柱と、を更に含み、前記接続片は接続された極柱接続セグメントと極耳接続セグメントとを含み、前記極柱接続セグメントは前記接続片用凹溝内に位置し且つ前記極柱に固定的に接続され、前記極耳接続セグメントは前記下プラスチックから離れる方向に伸出し、前記極耳接続セグメントと前記極柱接続セグメントとの間の夾角が70°~110°である。
【0021】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記電池は、少なくとも1つのベアセルをさらに含み、前記ベアセルは、前記極柱接続セグメントの前記下プラスチックから背離する側に配置され、前記ベアセルの縦方向の延在方向は、前記下プラスチック本体の長手方向と一致し、前記ベアセルの縦方向の端部は、極耳であり、前記極耳は、前記極耳接続セグメントに接続されている。
【0022】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記ベアセルは、前記下プラスチックに向かって突出する突起部を有し、前記突起部は、近位部と遠位部とを含み、前記近位部と前記下プラスチックとの間の距離は最も短く、前記遠位部と前記下プラスチックとの間の距離は前記近位部と前記下プラスチックとの間の距離よりも大きく、前記突起部上の前記導流孔の投影は、前記遠位部上に位置するか、または前記導流孔が前記突起部からずれている。
【0023】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記緩衝用凹溝には、前記下プラスチック本体を厚さ方向に沿って貫通する複数の導流孔が設けられ、前記近位部の両側にいずれも前記導流孔が設けられている。
【0024】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記電池は、複数のベアセルを含み、前記導流孔は、隣接した2つの前記ベアセルの正中線の位置にある。
【0025】
本発明の別の方面の実施例に係る電池モジュールは、上記のいずれかの実施例に記載された電池を含む。
【0026】
本発明の別の方面の実施例に係る電力消費装置は、上記実施例に記載された電池モジュールを含む。
【0027】
本発明の実施例に係る電池、電池モジュール及び電力消費装置によれば、下プラスチック本体の第1側面に緩衝用凹溝を開設し、第2側面に接続片用凹溝を開設することにより、下プラスチックの材料使用量を低減し、コストを節減することができ、条件1及び条件2の少なくとも一方により、射出成形の可能性を確保することができる。
【0028】
本発明の追加の方面および利点は、以下の説明において部分的に示され、部分的には以下の説明から明らかになるか、または本発明の実践を通して理解されるであろう。
【0029】
本発明の上記のおよび/または追加の方面および利点は、以下の添付図面に関連した実施形態の説明から明らかであり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例による下プラスチックの1つの視点からの概略斜視図である。
図2】本発明の実施例による下プラスチックの別の1つの視点からの概略斜視図である。
図3】本発明の実施例による下プラスチックの平面図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5】下プラスチック本体の厚さ、緩衝用凹溝及び接続片用凹溝の深さを示す概略図である。
図6】本発明の実施例による下プラスチックの底面図である。
図7】本発明の実施例による下プラスチックの切欠溝の概略図である。
図8】本発明の別の実施例による下プラスチックの底面図である。
図9】接続片の概略斜視図である。
図10】カバープレート、下プラスチック、接続片、ベアセルの組立概略図である。
図11】ベアセルと下プラスチックとの相対位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付の図面に示される本発明の実施例を詳細に説明し、ここで、最初から最後まで同一または類似の符号は、同一または類似の要素、または同一または類似の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、本発明を説明するために意図された例示的なものであり、本発明を限定するものとは理解されない。
【0032】
本発明の説明において、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の用語が示す方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係であり、本発明の記述を容易して記述を簡単化するためだけのものであり、言及された装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作しなければならないことを示すまたは暗示するものでもなく、したがって、本発明を限定するものとして理解できない。
【0033】
また、「第1」、「第2」は、記述的な目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして、または技術的特徴の数を暗黙に指定するものとして理解できない。したがって、「第1」および「第2」で限定される特徴は、明示的または暗黙的に1つまたはより多くの当該特徴を含むことが可能である。本発明の記述では、「複数」とは、別段の明確で具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、二つ、三つを意味する。
【0034】
なお、本発明においては、特に明示的な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がる」、「接続」、「固定」という用語は一般的に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続または互いの通信であってもよく、直接、または中間媒体を介して間接的な接続であってもよく、2つの要素の内部の連通または2つの要素の相互作用であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0035】
本発明の実施例による下プラスチック10について、図1図11に関連して以下に詳細に説明する。この下プラスチック10は電池に使用でき、電池はケースと電池トップカバーとを含み、ケース内は収容空間を有し、収容空間内にセルが設けられ、電池トップカバーは収容空間の開口をカバーするために使用され、いくつかの実施例では、下プラスチック10は、電池トップカバーの一部として形成されることができる。
【0036】
図1図6を参照して示されるように、本発明の実施例に係る下プラスチック10は下プラスチック本体を含み、下プラスチック本体は第1側面1と第2側面2とを有し、第1側面1と第2側面2とは背向配置される。具体的には、図1において、下プラスチック本体の上面は第1側面1であり、下プラスチック本体の下面は第2側面2である。
【0037】
第1側面1には、第2側面2が位置する方向に向かって窪んだ緩衝用凹溝11が設けられており、図1に示すように、緩衝用凹溝11は下方に窪んでいる。緩衝用凹溝11には、下プラスチック本体の厚さ方向に下プラスチック本体を貫通する少なくとも1つの導流孔12が設けられており、下プラスチック10を電池に適用する際に、導流孔12を介して電池内部への注液を完了させることができ、緩衝用凹溝11が電解液の緩衝領域として機能し、注液圧力が過大になって電池ケース内のベアセルが損傷するのを効果的に防止することができ、セル内部の気圧をバランスさせることができる。緩衝用凹溝11の窪み構造は、下プラスチック本体の注液領域の機械的強度もある程度強化する。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、導流孔12の数は1つであり、これにより、下プラスチック10の加工プロセスを簡略化するのに有利であり、導流孔12の数が少ない場合に注液工程を管理するのが容易である。
【0039】
本発明のいくつかの実施例では、導流孔12の数は複数であり、これにより、注液効率を向上させるのに有利である。
【0040】
第2側面2には、第1側面1が位置する方向に向かって窪む接続片用凹溝21が設けられており、下プラスチック10を電池に適用する際に、接続片を接続片用凹溝21内に少なくとも部分的に取付けて位置決めすることができ、接続片と下プラスチック10との接続後の全体の厚さを削減するのに有利である。また、接続片用凹溝21の窪み構造により、下プラスチック本体の接続片領域の機械的強度がある程度強化される。
【0041】
本発明のいくつかの実施例において、下プラスチック10は、以下の少なくとも1つの条件を満たす。
【0042】
条件1:1mm≦c-e≦2mm、1mm≦c-f≦2mm、ただし、cは下プラスチック本体の厚さであり、fは緩衝用凹溝11の深さであり、eは接続片用凹溝21の深さである。
【0043】
条件2:1mm≦p≦2mm、p=(a-t*g-r*d)/n、ただし、gは接続片用凹溝21の長さであり、tは接続片用凹溝21の数であり、rは緩衝用凹溝11の数であり、dは緩衝用凹溝11の長さであり、aは下プラスチック本体の長さであり、pは下プラスチック本体の長手方向に沿って排列したn個の側壁の中の各側壁の厚さである。
【0044】
上記実施例の下プラスチック10は、下プラスチック本体の第1側面1に緩衝用凹溝11を開設し、第2側面2に接続片用凹溝21を開設することにより、下プラスチック10の材料使用量を低減し、コストを節減することができる。そして、条件1及び条件2の中の少なくとも一方により射出成形の可能性を確保することができる。
【0045】
具体的には、下プラスチック10は、射出成形プロセスを用いて製造されるのが一般的である。射出成形プロセスは厚さが2mmより大きい射出成形部品に対する成形効果が悪く、しかも下プラスチックの縦方向の占有空間が大きく、しかも電池の重量を増加させ、電池のエネルギー密度を減少させ、厚さが1mmより小さい場合、射出成形部品の強度が需要を満たすことができない。
【0046】
条件1において、1mm≦c-e≦2mmは、接続片用凹溝21の底面が第1側面1から離れた距離、すなわち接続片用凹溝21における下プラスチック本体の肉厚を示す。1mm≦c-f≦2mmは、緩衝用凹溝11の底面が第2側面2から離れた距離、すなわち緩衝用凹溝11における下プラスチック本体の肉厚を表し、一方では、射出成形の可能性を確保し、凹溝における下プラスチック10の構造的強度を確保することができ、他方では、注液時に緩衝用凹溝11が注液による電解液の衝撃力や収容された電解液の重量に耐え得ること、および電池が熱や振動を受けた際に緩衝用凹溝11が撓み変形することを防止することなどを確保する。
【0047】
図示の実施例では、図4を参照して、第1側面1に1つの緩衝用凹溝11が設けられ、第2側面2に2つの接続片用凹溝21が設けられ、2つの接続片用凹溝21はそれぞれ緩衝用凹溝11の両端に位置し、すなわちt=2及びr=1であり、下プラスチック本体の長手方向に沿って、左から右まで、それぞれ第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、第4側壁16の4つの側壁が下プラスチック10の底部に設けられ、すなわちn=4である。条件2において、1mm≦p≦2mm、各側壁の射出成形の可能性を確保し、射出成形の品質を確保し、各側壁の厚さがp=(a-2g-d)/4を満たし、4つの側壁の厚さが等しいことを確保する。そして、側壁の厚さは1mm≦p≦2mmであれば、下プラスチックの組立時または振動時の構造的強度を保証できる。さらに、側壁の厚さが等しく、下プラスチックの各部が均等な力を受けることが保証され、力を受けるときの下プラスチックの変形が低減される。なお、他の実施例では、t、rおよびnは、他の数値であってもよく、実際の需要に基づいて決定されてもよく、ここでは特に限定されない。
【0048】
第1側壁13は左側接続片用凹溝21の左側壁であり、第2側壁14は左側接続片用凹溝21の右側壁及び緩衝用凹溝11の左側壁であり、第3側壁15は緩衝用凹溝11の右側壁及び右側接続片用凹溝21の左側壁であり、第4側壁16は右側接続片用凹溝21の右側壁である。
【0049】
条件1と条件2により、各構造物間の肉厚を1mm~2mmに制御することを確保し、射出成形の可能性と構造的強度を満足しつつ、大量の製造材料を節約することができる。
【0050】
いくつかの例では、c-eは、1mm、1.1mm、1.2mm、1.5mm、1.7mm、1.9mm、2mmなどであってもよいが、もちろん、c-eは、1mm~2mmの間の他の数値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0051】
いくつかの例では、c-fは、1mm、1.3mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2mmなどであってもよいが、もちろん、c-eは、1mm~2mmの間の他の数値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0052】
いくつかの例では、c-eはc-fに等しくてもよく、c-eはc-fより大きくてもよく、c-eはc-fより小さくてもよい。
【0053】
いくつかの例では、pは、1mm、1.1mm、1.3mm、1.7mm、1.9mm、2mmなどであってもよいが、もちろん、pは、1mm~2mmの間の他の数値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0054】
なお、他の実施例では、下プラスチックは、条件1および条件2のいずれかを満たす。
【0055】
図1図6に示すように、接続片用凹溝21内には、下プラスチック本体の厚さ方向に沿って下プラスチック本体を貫通する極柱貫通孔4が設けられている。極柱貫通孔4は極柱を貫通させるためのものであり、接続片は極柱に溶接固定されている。
【0056】
本発明のいくつかの実施例では、図6に示すように、極柱貫通孔4が下プラスチック本体の幅方向において下プラスチック本体の中心に位置しており、すなわち、H1=H2であり、下プラスチック10の構造は軸対称構造であり、下プラスチック10を電池内に設置する際に、下プラスチック10は方向性がなく、下プラスチック10を180°で水平に回転させても依然として使用することができ、組立時間の節約に有利である。
【0057】
本発明のいくつかの実施例では、図4図6に示すように、n個の側壁は、接続片用凹溝21の緩衝用凹溝11から離れている側壁である第1側壁13と、接続片用凹溝21の緩衝用凹溝11に近づいている側壁である第2側壁14とを含み、極柱貫通孔4と第1側壁13との間の距離は、極柱貫通孔4と第2側壁14との間の距離よりも大きい。なお、ここで言及した「極柱貫通孔4と第1側壁13との間の距離」とは、極柱貫通孔4の円心から第1側壁13までの距離を指し、「極柱貫通孔4と第2側壁14との間の距離」とは、極柱貫通孔4の円心から第2側壁14までの距離を指し、極柱貫通孔4の円心から第1側壁13までの距離は、極柱貫通孔4の円心から第2側壁14までの距離よりも大きく、すなわち、H3>H4であり、これにより、極柱貫通孔4の円心が下プラスチック本体の縁から遠く離れており、極柱貫通孔4における割れのリスクを低減することができる。
【0058】
本発明の実施例の下プラスチック10によれば、下プラスチック本体の第1側面1に緩衝用凹溝11を開設することにより、電解液を緩衝することができ、注液圧が過大となって電池ケース内のベアセルが損傷するのを防止することができ、下プラスチック本体の材料を削減することができ、第2側面2に接続片用凹溝21を開設することにより、接続片と下プラスチック10との接続後の全体の厚さを削減することができ、さらに下プラスチック本体の材料を削減することができ、下プラスチック10の成形に必要な材料及び射出成形の冷却に必要な時間を節約することができ、コストを大幅に節約することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施例では、接続片用凹溝21と緩衝用凹溝11との下プラスチック本体上の投影領域が互いにずれている。これにより、下プラスチック本体の厚さが過度に切欠かされることがなく、下プラスチック本体の強度を高く維持するのに有利である。
【0060】
本発明のいくつかの実施例によれば、接続片用凹溝21と緩衝用凹溝11との下プラスチック本体上の投影領域がずれている距離は1mm~2mmである。図5に示すように、接続片用凹溝21と緩衝用凹溝11との下プラスチック本体上の投影領域がずれている距離はpであり、即ち、側壁の厚さはpであり、1mm≦p≦2mmである。p<1mmの場合、接続片用凹溝21と緩衝用凹溝11との接続強度が小さく、接続片用凹溝21と緩衝用凹溝11との間の領域内で下プラスチック本体が破断しやすい。p>2mmの場合、下プラスチック本体の厚さが大きく変化し、射出成形の困難性が上昇し、射出成形の成功率が低下する。選択的に、pは、1mm、1.1mm、1.3mm、1.7mm、1.9mm、2mmなどであってもよく、もちろん、pは、1mm~2mmの間の他の数値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0061】
本発明のいくつかの実施例では、図2図4図6に示すように、接続片用凹溝21は2つであり、緩衝用凹溝11の数は1つであり、2つの接続片用凹溝21はそれぞれ緩衝用凹溝11の両端に位置し、これにより、接続片領域が注液緩衝領域からずらされて空間を合理的に利用するのに有利であり、2つの接続片用凹溝21は、プラスチック10と2つの接続片との接続を容易にする。緩衝用凹溝11の窪み構造は、下プラスチック本体の中間領域の機械的強度をある程度強化し、接続片用凹溝21の窪み構造は、下プラスチック本体の両端領域の機械的強度をある程度強化する。
【0062】
本発明のいくつかの実施例では、図2図7に示すように、下プラスチック本体は、ある程度の厚さを有し、第1側面1と第2側面2とが外周面3によって接続されており、第2側面2には切欠溝22が設置され、切欠溝22は外周面3から離間した外周溝壁221と、溝底壁222とを有し、接続片用凹溝21は溝底壁222に開設されている。切欠溝22を設けることにより、下プラスチック本体の第2側面2の機械的強度をある程度強化することができる。切欠溝22は、ポリエステルフィルムMylarの熱融着領域としてもよく、具体的には、ポリエステルフィルムMylarの頂部を切欠溝22内に配置した後、熱融着プロセスによりポリエステルフィルムMylarと下プラスチック本体との接合を実現する。
【0063】
本発明のいくつかの実施例によれば、図8に示すように、接続片用凹溝21内には、第1側面1から離れる側に突出する位置決め凸柱212が設けられ、位置決め凸柱212の端面は、切欠溝22の溝底壁222と面一とされている。位置決め凸柱212は極柱貫通孔4からずらし、位置決め凸柱212は接続片に対して位置決め機能を果たすことができ、例えば、接続片には位置決め孔が開設され、位置決め孔内に位置決め凸柱212が挿着されることで、接続片の接続片用凹溝21内での位置決めが可能となり、さらに、接続片と極柱貫通孔4内の極柱との溶接固定が容易となる。
【0064】
本発明のいくつかの実施例では、下プラスチック本体は平板状構造であり、下プラスチック本体の長さは300mm以上であり、下プラスチック本体の幅は100mm以上であり、これにより、下プラスチック本体が対応する電池にマッチングすることが保証され、下プラスチック本体の大きさが小さすぎて下プラスチック本体の正常の使用に影響を及ぼすことが回避され、かつ、下プラスチック本体の厚さが4mm以上であり、これにより、下プラスチック本体の厚さが薄すぎて下プラスチック本体の強度を過度に低下させることがないことが保証される。具体的には、図3図5に示すように、下プラスチック本体の長さをaとすると、a≧300mmであり、下プラスチック本体の幅をbとすると、b≧100mmであり、下プラスチック本体の厚さをcとすると、c≧4mmである。選択的に、aは300mm、310mm、320mm、330mm、340mm等であってもよく、bは100mm、105mm、110mm、113mm、116mm、119mm等であってもよく、cは4mm、6mm、8mm、10mm、12mm等であってもよく、もちろん、a、b、cはそれぞれの下限値よりも大きい他の値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0065】
本発明のいくつかの実施例では、下プラスチック本体の厚さは30mm以下であり、これにより、下プラスチック本体が薄くなることが保証され、材料が節約され、薄い下プラスチック本体は下プラスチック10の射出成形効率を向上させ、下プラスチック10の成形成功率を向上させるのに有利である。
【0066】
本発明のいくつかの実施例では、緩衝用凹溝11の長さは285mm以上、緩衝用凹溝11の幅は96mm以上、緩衝用凹溝11の深さは2.5mm以上であるので、緩衝用凹溝11が対応する電池にマッチングすることが保証され、緩衝用凹溝11の領域が大きく、深さが十分に深く、注液時に緩衝用凹溝11が液体を良好に緩衝することができ、緩衝用凹溝11の大きさが小さすぎて注液時液体に対する緩衝効果に影響を及ぼすことが回避され、例えば液体の溢れを回避することができる。具体的には、図3図5に示すように、緩衝用凹溝11の長さをdとし、d≧285mmとし、緩衝用凹溝11の幅をmとし、m≧96mmとし、緩衝用凹溝11の深さをfとし、f≧2.5mmとする。選択的に、dは2mm、4mm、5mm、6mm、10mm等であってもよく、mは96mm、100mm、104mm、108mm、112mm、116mm等であってもよく、fは2.5mm、2.7mm、2.9mm、3.0mm等であってもよく、もちろん、d、m、fはそれぞれの下限値よりも大きい他の値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0067】
本発明のいくつかの実施例において、接続片用凹溝21の下プラスチック本体の長手方向への寸法が50mm以上であり、接続片用凹溝21の下プラスチック本体の幅方向への寸法が86mm以上であり、接続片用凹溝21の深さが2.5mm以上であるため、接続片用凹溝21が電池の他の構造にマッチングすることが保証され、接続片用凹溝21の領域が大きく、深さが十分に深く、接続片と接続する際に接続の困難性を低減することができる。具体的には、図5図6に示すように、下プラスチック本体の長手方向に沿った接続片用凹溝21の寸法をgとすると、g≧50mmとし、下プラスチック本体の幅方向に沿った接続片用凹溝21の寸法をqとすると、q≧86mmとし、接続片用凹溝21の深さをeとすると、e≧2.5mmとする。選択的に、gは50mm、52mm、54mm、56mm、58mm等であってもよく、qは86mm、88mm、90mm、92mm、94mm等であってもよく、eは2.5mm、2.7mm、2.9mm、3.0mm等であってもよく、もちろん、g、q、eはそれぞれの下限値よりも大きい他の値であってもよいので、ここでは列挙しない。
【0068】
本発明のいくつかの実施例では、図6に示すように、接続片用凹溝21の緩衝用凹溝11に近い側のコーナー箇所がフィレット211であり、フィレット211のフィレット半径が5mm~20mmである。フィレット211のフィレット寸法は、接続片の外形寸法にマッチングすることで、フィレット211が接続片を位置制限することができる。また、フィレット211構造は、直角に比べて接続片用凹溝21のコーナー箇所での応力集中現象を緩和することもでき、下プラスチック10の割れを防止することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施例では、下プラスチック本体には、下プラスチック本体の液戻り孔が厚さ方向に貫通されていてもよく、電池を倒置したときに頂部の電解液が液戻り孔を通って還流することができる。
【0070】
本発明の別の方面の実施例に係る電池は、上記のいずれかの実施例の下プラスチック10を含む。
【0071】
本発明の実施例に係る電池によれば、下プラスチック本体の第1側面1に緩衝用凹溝11を開設し、第2側面2に接続片用凹溝21を開設することにより、下プラスチック10の材料使用量を低減し、コストを節減することができ、条件1及び条件2の中の少なくとも一方により射出成形の可能性を確保することができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施例では、図1図2図10に示すように、電池は、下プラスチック10の第1側面1の側に位置するカバープレート20をさらに含み、カバープレート20には注液孔201が開設されており、注液孔201の第1側面1での投影は緩衝用凹溝11内に位置し、導流孔12は注液孔201からずらして配置されており、これにより、電解液が注液孔201から緩衝用凹溝11内に入った後、緩衝用凹溝11内で十分に緩衝され、導流孔12から電池内部に入ることができ、これにより、電池内部への電解液の衝撃力を低減し、注液プロセスをより円滑にすることができる。図1図3図6に示すように、導流孔12は、緩衝用凹溝11内に位置し且つ右端の接続片用凹溝21に近接している。もちろん、図示されていないいくつかの実施例では、導流孔12は緩衝用凹溝11内に位置し且つ左端の接続片用凹溝21に近接してもよく、または導流孔12は緩衝用凹溝11の中央位置に位置してもよい。
【0073】
本発明のいくつかの実施例では、図1図2図9図10に示すように、電池は接続片30と極柱とを更に含み、極柱は極柱貫通孔4に通過設置され、接続片30は下プラスチック10の第2側面2の側に位置し、接続片30は極柱接続セグメント301及び極耳接続セグメント302を含み、極柱接続セグメント301及び極耳接続セグメント302は、直接的に又は中間接続セグメントを介して間接的に接続されている。極柱接続セグメント301は、接続片用凹溝21内に位置し、極柱接続セグメント301と極柱とが固定的に接続されている。極耳接続セグメント302は下プラスチック10から離れる方向に伸出しており、極耳接続セグメント302と極柱接続セグメント301との間の夾角は70°~110°であり、極耳接続セグメント302は電池の他の部品(例えば、後述するベアセル40の極耳401)と接続するのに適合しており、極耳接続セグメント302と極柱接続セグメント301とは異なる平面内に位置しているので、極耳接続セグメント302を接続作業が容易な位置に配置することが容易であり、電池の横方向の寸法(すなわち、電池のF1~F2方向での寸法)を小さくすることができる。選択的に、極耳接続セグメント302と極柱接続セグメント301との間の夾角は90°であり、すなわち、極耳接続セグメント302が極柱接続セグメント301に対して垂直である。
【0074】
本発明のいくつかの実施例において、図1図2図9図10に示すように、電池は、少なくとも1つのベアセル40をさらに含み、ベアセル40は、極柱接続セグメント301の下プラスチック10から背離する側に配置され、ベアセル40の縦方向の延在方向は、下プラスチック本体の長手方向と一致し、ベアセル40の縦方向の端部は、極耳401であり、極耳401は、極耳接続セグメント302に接続されている。下プラスチック本体の長手方向は図10に示すF1~F2方向であり、ベアセル40の縦方向の延在方向が下プラスチック本体の長手方向と一致しているので、ベアセル40の大面と下プラスチック本体上の導流孔12との距離を近くすることができ、これにより、電解液が導流孔12を介して電池内部に入る際に、電解液がベアセル40の大面とより多く、より速く接触することができ、ベアセル40をより速く浸潤し、静置時間を短縮することができる。また、極耳401は側方に位置し、極耳401と極耳接続セグメント302との接続を容易にする。
【0075】
図11図10のF1-F2方向に垂直な断面におけるベアセル40と下プラスチック10との相対位置を示す概略図である。本発明のいくつかの実施例では、図1図2図10図11に示すように、ベアセル40は、下プラスチック10に向かって突出する突起部402を有し、突起部402は近位部4021と遠位部4022とを含み、近位部4021と下プラスチック10との間の距離が最も近く、遠位部4022と下プラスチック10との間の距離は近位部4021と下プラスチック10との間の距離より大きく、図11に示すように、近位部4021と下プラスチック10との間の距離がH1であり、遠位部4022と下プラスチック10との間の距離がH2であり、H2>H1であり、近位部4021は、ベアセル40が下プラスチック10から最も近い位置であり、ベアセル40の最高点である。突起部402と下プラスチック10との間には一定の空間があり、電解液がこの空間を通過する際の阻害を低減でき、電解液の下への流下及び拡散を容易にすることができる。
【0076】
一例では、突起部402の外面は半円柱面として構成することができ、これにより、近位部4021は半円柱面の一つの母線である。
【0077】
いくつかの実施例では、突起部402上の導流孔12の投影は遠位部4022上に位置しており、これにより、電解液が導流孔12を通って電池内部に入るときに、電解液が近位部4021上ではなく遠位部4022上に直接滴下し、遠位部4022が電解液をベアセル40の側面空間へより迅速に案内することができる。
【0078】
あるいは、別のいくつかの実施例では、導流孔12が突起部402からずらされており、すなわち、導流孔12がベアセル40の側面空間と正対しており、電解液が導流孔12を介してベアセル40の側面空間に直接に入ることができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施例では、緩衝用凹溝11内には、下プラスチック本体を厚さ方向に沿って貫通する複数の導流孔12が設けられ、近位部4021の両側にはいずれも導流孔12が設けられている。複数の導流孔12により、電解液を分散させることができ、ベアセル40への衝撃力を低減し、電池の注液効率を向上させ、ベアセル40に対する電解液の浸潤速度を向上させ、静置時間を短縮することができる。
【0080】
一例では、導流孔12は2つとすることができ、2つの導流孔12は近位部4021の両側の遠位部4022にそれぞれ配置され、または、別の一例では、導流孔12は2つとすることができ、2つの導流孔12はベアセル40の両側にそれぞれ配置されている。
【0081】
本発明の別のいくつかの実施例では、導流孔12は一つである。
【0082】
本発明のいくつかの実施例では、電池セルは、複数のベアセル40を含み、導流孔12は、隣接した2つのベアセル40の正中線の位置にあることで、導流孔12の下方の空間が大きく、電解液への阻害を低減することができる。
【0083】
本発明の別の方面の実施例に係る電池モジュールは、上記のいずれかの実施例に記載された電池を含む。
【0084】
本発明の実施例に係る電池モジュールによれば、下プラスチック本体の第1側面1に緩衝用凹溝11を開設し、第2側面2に接続片用凹溝21を開設することにより、下プラスチック10の材料使用量を低減し、コストを節減することができ、条件1及び条件2の中の少なくとも一方により射出成形の可能性を確保することができる。
【0085】
具体的には、1つの電池モジュールは、1つ以上の電池を含むことができる。複数の電池は、直列、並列または直並列に電気的に接続されている。複数とは、2つ以上を意味することができる。
【0086】
本発明の別の実施例に係る電力消費装置は、上記実施例に記載された電池モジュールを含む。
【0087】
本発明の実施例に係る電力使用装置によれば、下プラスチック本体の第1側面1に緩衝用凹溝11を開設し、第2側面2に接続片用凹溝21を開設することにより、下プラスチック10の材料使用量を低減し、コストを節減することができ、条件1及び条件2の中の少なくとも一方により射出成形の可能性を確保することができる。
【0088】
具体的には、電力消費装置は1つまたは複数の電池モジュールを含むことができ、複数の電池モジュールは直列、並列、または直並列に電気的に接続されることができる。
【0089】
電力消費装置には、エネルギー貯蔵装置及び車両が含まれるが、これらに限定されない。エネルギー貯蔵装置は、箱体と箱体内に配置された電池クラスタとを含むエネルギー貯蔵コンテナであってもよく、電池クラスタは、クラスタホルダーと複数の電池パックとを含み、複数の電池モジュールがクラスタホルダーに取り付けられている。エネルギー貯蔵装置は、家庭用エネルギー貯蔵キャビネットであってもよい。
【0090】
電池モジュールは、パワー電池パックとして車両に適用することができる。車両には、純電気自動車、ハイブリッド車、航続増加型電気自動車などが含まれるが、これに限定されない。
【0091】
本明細書の説明において、参照用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、または「いくつかの例」などの説明は、本発明の少なくとも1つの実施例または例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、または特点が本願の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本願の明細書では、上述の用語の概略的な表現は、同じ実施例または例を対象としていなければならないものではない。さらに、記述された特定の特徴、構造、材料、または特点は、任意の1つまたは複数の実施例または例において、適切な方法で組み合わされてもよい。さらに、当業者は、本明細書に記述された異なる実施例を結合し、組み合わせることができる。
【0092】
本発明の実施例が上述して示されて記述されているが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとは理解されず、当業者であれば、本発明の範囲内で上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0093】
10 下プラスチック
1 第1側面
11 緩衝用凹溝
12 導流孔
13 第1側壁
14 第2側壁
15 第3側壁
16 第4側壁
2 第2側面
21 接続片用凹溝
211 面取り
212 位置決め凸柱
22 切欠溝
221 外周溝壁
222 溝底壁
3 外周面
4 極柱貫通孔
20 カバープレート
201 注液孔
30 接続片
301 極柱接続セグメント
302 極耳接続セグメント
40 ベアセル
401 極耳
402 突起部
4021 近位部
4022 遠位部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】