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特表2024-541790分析物測定値特徴量及び機械学習を使用する疾患予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】分析物測定値特徴量及び機械学習を使用する疾患予測
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20241106BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504558
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022047462
(87)【国際公開番号】W WO2023076121
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/263,106
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ヒェ・パク
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー・トロイ・フランク
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エー・プライス
(72)【発明者】
【氏名】カザンナ・シー・ハメス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・アール・ストロイェック
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジェイ・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】アルナチャラム・パンチ・サンタナム
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥルラマン・ジュバイリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・イ-カイ・リー
(72)【発明者】
【氏名】チ・アン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
分析物測定値及び機械学習を使用する疾患予測が記載される。1つ以上の実装態様では、分析物測定値の特徴量の組み合わせが、組み合わせのロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、分析物測定値の複数の特徴量から選択され得、機械学習モデルが、組み合わせを使用して健康状態分類を予測するように訓練され得る。性能メトリックは、健康状態分類を予測する正解率に関連付けられ得、ロバスト性メトリックは、正解率に関する分析物センサ製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられ得る。訓練されると、機械学習モデルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集されたユーザの分析物測定値に基づいて、ユーザについての健康状態分類を予測する。特徴量の組み合わせは、ユーザの分析物測定値から抽出され、分類を予測するために機械学習モデルに入力され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物測定値の複数の特徴量を取得することと、
分析物センサの製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられたロバスト性メトリックと、健康状態分類を予測することに関連付けられた性能メトリックと、に基づいて、前記複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することと、
前記特徴量の組み合わせを使用して、前記健康状態分類を予測するための1つ以上の機械学習モデルを訓練することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記分析物測定値が、ユーザ母集団の転帰データに関連付けられた前記ユーザ母集団からの履歴分析物測定値であり、前記ロバスト性メトリック及び前記性能メトリックに基づいて、前記複数の特徴量の前記特徴量の組み合わせを選択することが、
前記複数の特徴量の複数の候補組み合わせの各々について前記健康状態分類のモデル予測を生成することと、
前記ユーザ母集団の前記転帰データに対する前記健康状態分類の前記モデル予測に基づいて、前記複数の候補組み合わせの各々について前記性能メトリックを決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記性能メトリックが、前記複数の候補組み合わせの各々についての前記転帰データに対する前記健康状態分類の前記モデル予測に基づいて、前記健康状態分類を予測することについての感度と、前記健康状態分類を予測することについての特異度と、の一方又は両方を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記転帰データが、前記ユーザ母集団の各ユーザの臨床的に決定された健康状態分類を示す、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記ロバスト性メトリック及び前記性能メトリックに基づいて、前記複数の特徴量の前記特徴量の組み合わせを選択することが、
各々がシミュレートされたばらつきの異なる割合を前記分析物測定値に導入する複数のシミュレーションラウンドにわたって、前記分析物測定値における前記分析物センサの前記製造ばらつきをシミュレートすることと、
シミュレートされた前記ばらつきの割合ごとの前記性能メトリックの変化に基づいて、前記複数の候補組み合わせの各々について前記ロバスト性メトリックを決定することと、を更に含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のシミュレーションラウンドにわたって前記分析物測定値における前記分析物センサの前記製造ばらつきをシミュレートすることが、各シミュレーションラウンドで前記分析物測定値に前記シミュレートされたばらつきの異なる割合を導入するように、異なる性能ばらつき及び分析物センサ特性をシミュレートすることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロバスト性メトリック及び前記性能メトリックに基づいて、前記複数の特徴量の前記特徴量の組み合わせを選択することが、
ロバスト性閾値に対する前記複数の候補組み合わせの各々の前記ロバスト性メトリックに基づいて、前記複数の特徴量の前記複数の候補組み合わせをフィルタリングすることと、
前記性能メトリックについて最高値を有するフィルタリングされた候補組み合わせを前記特徴量の組み合わせとして選択することと、を更に含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の特徴量の前記特徴量の組み合わせが、第1の特徴量及び第2の特徴量を含み、前記方法が、前記複数の特徴量の各々についての前記健康状態分類のモデル予測を使用して、前記複数の特徴量の各々についての個々の性能メトリック及び個々のロバスト性メトリックを決定することを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の特徴量及び前記第2の特徴量のうちの少なくとも1つが、前記分析物測定値の傾向関連特徴量である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の特徴量が、前記分析物測定値のばらつき及び安定性特徴量である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記特徴量の組み合わせを使用して、前記健康状態分類を予測するための前記1つ以上の機械学習モデルを訓練した後に、
観察期間にわたってユーザによって装着された分析物測定デバイスから新しい分析物測定値を取得することと、
前記新しい分析物測定値から前記特徴量の組み合わせの特徴量を抽出することと、
前記特徴量の組み合わせの抽出された前記特徴量を前記1つ以上の機械学習モデルに入力することと、
前記1つ以上の機械学習モデルの出力として、前記ユーザの前記健康状態分類を受信することと、
を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ可読命令が記憶されたメモリと、を備え、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ以上のプロセッサによって、
分析物センサによって測定されたユーザの分析物データを取得することと、
前記分析物データの少なくとも2つの特徴量を抽出することであって、前記少なくとも2つの特徴量が、ユーザ母集団の履歴分析物データに対して実行されたばらつきシミュレーションに基づいて、前記分析物センサの製造ばらつきに対してロバストであると判定された分析物特徴量の多変量モデルに含まれる、抽出することと、
前記少なくとも2つの特徴量の組み合わせを機械学習モデルに入力することと、
前記機械学習モデルを介して、前記ユーザの健康状態分類を予測することと、
前記機械学習モデルの出力として、前記健康状態分類を受信することと、を含む動作を実行するように実行可能である、
デバイス。
【請求項13】
前記ユーザの前記分析物データが、観察期間にわたって前記分析物センサによって測定され、前記健康状態分類が、健康状態に関する前記観察期間中の前記ユーザのステータスを記述する指標である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記健康状態が、糖尿病であり、前記健康状態分類が、糖尿病ステータス、前糖尿病ステータス、及び非糖尿病ステータスのうちの1つである、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記機械学習モデルが、前記ユーザ母集団の前記履歴分析物データから抽出された前記少なくとも2つの特徴量の前記組み合わせを含む訓練入力部分と、前記ユーザ母集団の各ユーザの前記健康状態分類を表すラベルを含む期待される出力部分と、を用いて訓練される、請求項12~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年10月27日に出願された、「Generalized Diagnostic Continuous Glucose Monitor」と題された米国仮特許出願第63/263,106号の利益を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの健康状態(例えば、医学的状態)は、血液及び/又は間質液中の分析物のレベルを生成又は改変する。一例として、糖尿病は、血中グルコースレベルの上昇をもたらす、何億もの人々に影響を及ぼす代謝状態である。糖尿病は、世界中で主要な死因のうちの1つであるが、早期発見及び適切な治療により、糖尿病に起因する心臓、血管、眼、腎臓、及び神経への損傷を大幅に回避することができる。
【0003】
臨床及び規制団体によって受け入れられている糖尿病の従来の検査としては、ヘモグロビンA1c(Hemoglobin A1c、HbA1c)、空腹時血漿グルコース(Fasting Plasma Glucose、FPG)、及び2時間血漿グルコース(2-Hour Plasma Glucose、2Hr-PG)が挙げられる。FPG及び2Hr-PGの両方は、経口ブドウ糖負荷検査(Oral Glucose Tolerance Test、OGTT)の一部であるが、FPGは、OGTTとは別個に検査され得る。FPG検査では、血液試料を採取し、その結果を使用して、そのヒトを「正常」(例えば、非糖尿病)、前糖尿病を有する、又は糖尿病を有すると分類する。一般に、ヒトは、空腹時血中グルコースレベルが100ミリグラム/デシリットル(mg/dL)未満である場合に正常であるとみなされるのに対して、ヒトは、2つの別個の検査において、空腹時血中グルコースレベルが100~125mg/dLである場合に前糖尿病を有すると分類されるか、又は空腹時血中グルコースレベルが126mg/dLよりも大きい場合に糖尿病を有すると分類される。
【0004】
FPG検査のためにヒトの空腹時血中グルコースを測定した後、次いで、OGTTは、ヒトの血中グルコースレベルにスパイクを引き起こすために、ヒトが糖液を飲むことを必要とする。多くの人々、特に妊娠している女性が、この糖飲料に耐えることに困難がある。次いで、2Hr-PGの次の2時間の間、追加の血液試料を使用して、ヒトの血中グルコースレベルを定期的に検査する。140mg/dL未満である血糖値は「正常」と考えられるのに対して、糖飲料を飲んだ2時間後の200mg/dLよりも大きい読み取り値は、糖尿病を示す。140~199mg/dLの読み取り値は、前糖尿病を示す。
【0005】
各々が単一の時点でヒトの血中グルコースレベルを測定する、OGTTのFPG検査及び2Hr-PG検査とは異なり、HbA1c検査は、直前の2~3ヶ月にわたるユーザの平均血中グルコースレベルを測定する。しかしながら、HbA1c検査は、グルコースを直接測定するのではなく、ヘモグロビンに付着したグルコースの割合を測定する。グルコースがヒトの血中に蓄積すると、グルコースは、ヘモグロビン、赤血球中の酸素運搬タンパクに付着する。赤血球は、ヒトにおいておよそ2~3ヶ月間生存し、したがって、HbA1c検査は、直前の2~3ヶ月にわたる血中グルコースの平均レベルを示す。FPG検査及び2Hr-PG検査と同様に、血液試料をヒトから採取し、ヒトのHbA1cレベルを測定するために使用する。しかしながら、FPG検査及び2Hr-PG検査とは異なり、HbA1c検査が実施される場合、そのヒトは、絶食状態である必要はない。2つの別個の検査で6.5パーセント以上のHbA1cレベルは、そのヒトが糖尿病を有することを示す一方、5.7~6.4パーセントのHbA1cレベルは、一般に、そのヒトが前糖尿病を有することを示す。5.7パーセント未満のHbA1cレベルは、正常とみなされる。
【0006】
糖尿病をスクリーニング(又は診断)するために実施されるこれらの従来の検査の各々は、不適切な診断につながることが多い多様な欠点を有する。従来の糖尿病検査は、不正確であることが多いが、それは、異なる日に個人に実施される所与の検査が、病気、ストレス、運動の増加、又は妊娠などの、グルコースレベルを変動させる様々な外的要因に起因して、一貫性のない診断をもたらし得るからである。対照的に、HbA1c検査は、直前の2~3ヶ月にわたる平均グルコースレベルを測定しても、HbA1c検査結果は、検査に至る数週間におけるユーザの血中グルコースレベルによって大きく影響を受ける。したがって、HbA1c検査結果は、妊娠又は病気に起因するなど、3ヶ月の期間中の血液特性の変化によって大きく影響を受け得る。加えて、HbA1c検査は血中グルコースの直接的な尺度ではないため、そのような検査は、貧血などの様々な血液状態を有する人々、又はまれな形態のヘモグロビンを有する人々にとって不正確であり得る。
【0007】
加えて、そのような従来の検査は、一致に劣ることが多い。言い換えれば、これらの検査は、必ずしも同じ個体において糖尿病を検出するわけではない。検査タイプ間の一貫性の欠如は、不正確な診断、又は適切な治療計画を決定することができないことにつながり得る。例えば、ユーザは、高い空腹時グルコースであるが、正常範囲内のHbA1cスコアを有し得る。そのようなシナリオでは、異なる医師が、ユーザは糖尿病を有するかどうか、及びユーザのための治療計画のタイプに関して、異なる結論に達し得る。
【0008】
最後に、また、これらの検査を妊婦などの異なる人々に実施することに多様な制限及び欠点がある。例えば、これらの従来の糖尿病検査は、血液サンプルを採取するために、ユーザが診療所又は検査室を訪れることを必要とし、このことは、時間がかかり、高価であり、一部のユーザにとって苦痛であり得る。これらの要因の各々は、単独又は組み合わせで、ユーザが糖尿病について検査してもらうことを防止する心理的障壁を作り出すように作用し、それによって、早期発見に関連付けられた利益が低減され得る。その上、これらの従来の検査の多くは、ユーザが絶食状態にあることを必要とし、このことは、妊娠している女性を含む一部のユーザにとって困難であり得るか、又は更には危険であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの問題を克服するために、分析物測定値から抽出されたロバストに正確な特徴量と機械学習とを使用する、糖尿病予測を含む健康状態予測が活用される。1つ以上の実装態様では、分析物測定値の特徴量の組み合わせが、組み合わせのロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、分析物測定値の複数の特徴量から選択され得、機械学習モデルが、組み合わせを使用して健康状態分類を予測するように訓練され得る。性能メトリックは、健康状態分類を予測する正解率に関連付けられてもよく、ロバスト性メトリックは、正解率に関する分析物センサ製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられてもよい。訓練されると、機械学習モデルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集されたユーザの分析物測定値に基づいて、ユーザの健康状態分類を予測する。特徴量の組み合わせは、ユーザの分析物測定値から抽出され、分類を予測するために機械学習モデルに入力されてもよい。
【0010】
この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態で更に記載される概念の選択を簡略化された形態で紹介している。したがって、この発明の概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
詳細な説明は、添付の図を参照して記載されている。
図1】本明細書に記載の技法を採用するように動作可能である実装態様の一例における環境の例示である。
図2】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの一例をより詳細に示す。
図3】分析物データが健康状態分類に関連して異なるシステムにルーティングされる実装態様の一例を示す。
図4】分析物センサ変動に対してロバストであり、かつ健康状態分類を予測するのに正確である、抽出された分析物特徴量の組み合わせが選択される、予測システムの実装態様の一例をより詳細に示す。
図5】性能メトリック及びロバスト性メトリックに基づく分析物特徴量カテゴリ化及び選択を例示する例示的なグラフを示す。
図6】機械学習モデルが、抽出された分析物特徴量の選択された組み合わせを使用して健康状態分類を予測するように訓練される、予測システムの実装態様の一例をより詳細に示す。
図7】機械学習と抽出された分析物特徴量の選択された組み合わせとを使用して健康状態分類が予測される、予測システムの実装態様の一例をより詳細に示す。
図8】観察期間中に収集された分析物測定値に基づいて生成された健康状態予測に関してユーザに通知するために表示されるユーザインターフェースの実装態様の一例を示す。
図9】健康状態予測に関連して生成された他の情報とともにユーザの健康状態予測を報告するために表示されるユーザインターフェースの実装態様の一例を示す。
図10】健康状態予測を生成するための機械学習モデルへの入力として使用され得る追加のデータを収集するために表示されるユーザインターフェースの実装態様の一例を示す。
図11】健康状態分類をロバストに予測するための分析物特徴量がユーザ母集団の履歴分析物測定値及び転帰データに基づいて学習される実装態様の一例における手順を示す。
図12】ユーザ母集団の履歴分析物測定値及び転帰データに基づいて機械学習モデルが健康状態分類を予測するように訓練される実装態様の一例における手順を示す。
図13】観察期間中にウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集されたユーザの分析物測定値に基づいて、機械学習モデルが健康状態分類を予測する実装態様の一例における手順を示す。
図14】異なる糖尿病分類を有する参加者についての、所定のグルコースレベルを上回るパーセント時間と、四分位範囲と、の例示的なプロットを示す。
図15】本明細書に記載の技法の実施形態を実装するための、図1図13を参照して記載及び/又は利用される任意のタイプのコンピューティングデバイスとして実装され得るデバイスの一例の様々な構成要素を含むシステムの一例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概要
上述したように、臨床及び規制団体によって受け入れられている糖尿病の従来の検査としては、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、空腹時血漿グルコース(FPG)、及び2時間血漿グルコース(2Hr-PG)が挙げられる。FPG及び2Hr-PGの両方が、経口ブドウ糖負荷検査(OGTT)の一部であり得るか、又はFPGが、OGTTとは別個に検査され得る。しかしながら、そのような従来の検査は、しばしば、同じ個体において糖尿病を検出することに関して一致に劣ることが多いか、又は血中グルコースレベルに影響を及ぼす様々な因子に起因して、異なる日に異なる結果を生じ得る。また、これらの検査を妊婦などの異なる人々に実施することに多様な制限及び欠点がある。
【0013】
したがって、糖尿病予測などの健康状態予測のために、機械学習が活用され得る。健康状態予測は、1つ以上の機械学習モデル(例えば、回帰モデル、ニューラルネットワーク、強化学習エージェント)を介して分析物モニタリングデバイスによって取得された分析物測定値(例えば、グルコース測定値)を処理することによって実行され得る。例えば、分析物モニタリングデバイスは、ユーザの皮膚を通して挿入されて、血液及び/又は間質液に接触し、モニタリングデバイスのセンサを介して、観察期間にわたって健康状態を識別することに関連する1つ以上の分析物を測定するように構成された、針を含み得る。1つ以上の機械学習モデルは、個々のユーザについての健康状態分類(例えば、糖尿病分類)を予測するために、履歴分析物測定値とユーザ母集団の履歴転帰データとを使用して生成される。ユーザ母集団の履歴分析物測定値は、ユーザ母集団のユーザによって装着された分析物モニタリングデバイスによって提供され得る。更に、訓練のために使用される履歴転帰データは、機械学習モデルが出力するように構成された分類に応じて変動し得る。一般に、履歴転帰データは、分析物モニタリングデバイスとは独立したソースから取得された1つ以上の診断尺度を含む。例えば、履歴転帰データは、HbA1c、FPG、又は2Hr-PG(又はFPGと2Hr-PGとの組み合わせとしてのOGTT)などの1つ以上の診断尺度に基づいて、ユーザ母集団のそれぞれのユーザが糖尿病と臨床的に診断されているかどうかを示し得る。したがって、履歴転帰データは、臨床的に決定された健康状態分類を示し得る。
【0014】
伝統的に検査室又は診療所で管理される従来の検査とは異なり、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの使用によって、分析物測定値を遠隔で収集することができるようになる。例えば、分析物モニタリングデバイスは、例えば分析物モニタリングデバイスのプロバイダ、薬局、医療検査機関、遠隔医療サービスなどから、ユーザに郵送されるか、又は別様に提供され得る。次いで、ユーザは、自宅及び/又は職場でデバイスを継続的に装着することなどによって、観察期間の過程にわたって分析物モニタリングデバイスを装着し得る。
【0015】
ユーザは、自動センサ貼り付け具を使用することなどによって、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスのセンサをユーザの身体に挿入することができる。HbA1c、FPG、及び2Hr-PGなどの従来の検査によって必要とされる採血とは異なり、分析物モニタリングデバイスのユーザによって開始される貼り付けは、ほとんど無痛であり、採血、糖飲料の消費、又は絶食を利用しない。その上、自動センサ貼り付け具によって、一般に、ユーザは、臨床医又はヘルスケア提供者の支援なしに、センサをユーザの皮膚に埋め込むことができるようになる。自動センサ貼り付け具が論じられているが、分析物モニタリングデバイスは、少し例を挙げると、自動センサ貼り付け具なしで、ヘルスケア従事者の支援を得て(又はヘルスケア従事者が、単にウェアラブルをヒトに貼り付けてもよい)、又は接着剤の保護層を剥がして接着剤をヒトに貼ることによるなど、本明細書に記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の方法でヒトに貼り付けられてもよいし、ヒトによって別様に装着されてもよい。センサがユーザの皮膚に挿入されると、分析物モニタリングデバイスは、複数日に及び得る観察期間にわたってヒトの分析物レベルをモニタする。いくつかの実装態様では、センサはヒトの皮膚に挿入されなくてもよいことも理解されたい。代わりに、センサは、そのような実装態様では、接着パッチのように、単にヒトの皮膚に接して配設されてもよい。いずれにしても、分析物モニタリングデバイスのセンサは、分析物を連続的に検出し、分析物測定値の生成を可能にし得る。
【0016】
しかしながら、分析物モニタリングデバイスのセンサは、分析物に対するセンサの応答におけるセンサ間の差を引き起こす製造ばらつきを有し得る。例えば、製造ばらつきは、異なる製造ロット間、異なるセンサブランド間、同じブランドの異なるセンサモデル間などに存在し得る。これらの製造ばらつきは、センサバイアス(例えば、正又は負のベースラインオフセット)などに起因して、血液又は間質液中の同じ分析物レベルに対して異なる分析物測定値を生成する異なるセンサをもたらし得る。結果として、1つ以上の機械学習モデルは、モデルが製造ばらつきを考慮に入れない場合、一部のユーザの健康状態の状態を誤って予測し得る。
【0017】
これらの問題を克服するために、例えば、分析物測定値における値及びパターンを表す特徴量が分析物測定値から抽出され、センサの製造ばらつきに対して感度が低い特徴量のロバストな組み合わせが選択され、機械学習モデルを介して健康状態を予測することに使用される。1つ以上の実装態様では、特徴量のロバストな組み合わせは、特徴量の複数の候補組み合わせの各々のロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて選択される。特徴量の各候補組み合わせの性能メトリックは、候補組み合わせを使用して健康状態分類を予測する正解率を示し、各候補組み合わせのロバスト性メトリックは、正解率に対する製造ばらつきに対する鈍感さを示す。
【0018】
ロバスト性メトリックを決定するために、ばらつきシミュレータは、シミュレートされたばらつきの様々な割合を履歴分析物測定値に加え、各候補組み合わせの性能は、シミュレートされたばらつきの各割合で評価される。例えば、ロバスト性メトリックは、シミュレートされたばらつきのパーセント変化当たりの性能メトリックの平均割合変化の尺度となり得る。いくつかの実装態様では、シミュレートされたばらつきは、固定標準偏差と、第1のより低い割合と第2のより高い割合との間で掃引される平均値と、を有する正規分布から引き出される乗法的パーセントバイアスである。高いロバスト性メトリックを有する候補組み合わせは、シミュレートされたばらつきのパーセント変化当たりの性能メトリックのより低い変化を呈する。特徴量のロバストな組み合わせは、閾値を下回るロバスト性メトリックを有する候補組み合わせをフィルタ除去した後に最高の性能メトリックを有する候補組み合わせを選択することなどによって、性能メトリックとロバスト性メトリックとを効果的にバランスさせるように選択され得る。
【0019】
特徴量のロバストな組み合わせが選択されると機械学習モデルが、(例えば、シミュレートされたばらつきを追加せずに)ユーザ母集団の履歴分析物測定値から抽出された特徴量のロバストな組み合わせと、転帰データと、に基づいて、健康状態分類を予測するように訓練される。訓練された機械学習モデルは、観察期間にわたってウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集されたユーザの新しい分析物測定値を処理して、ユーザの健康状態分類を予測する。特に、訓練された機械学習モデルは、ユーザの新しい分析物測定値から抽出された特徴量のロバストな組み合わせを処理して、健康状態分類を予測する。
【0020】
概して言えば、健康状態分類は、機械学習モデルが訓練される特定の健康状態分類に関して、観察期間中のユーザの状態(又はステータス)を記述する。いくつかの実装態様では、この「健康状態分類」は、ユーザが健康状態を有するかどうか、健康状態を発症するリスクがあるかどうか、及び/又はユーザが経験すると予測される副作用を示すかどうかを示し得る。一例として、ユーザは、分析物モニタリングデバイスを介して自分のグルコースをモニタリングさせて、自分が糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠期糖尿病(gestational diabetes mellitus、GDM)、嚢胞性線維症糖尿病など)を有するか否か、糖尿病(例えば、前糖尿病)を発症するリスクがあるか否か、及び/又は、自分が糖尿病に関連付けられた副作用(例えば、少し例を挙げると、網膜症、神経障害、併存症、血糖異常、帝王切開術を必要とする巨人児、及び新生児低血糖)を経験すると予測されるか否かを予測し得る。1つ以上の実装態様では、機械学習モデルは、加えて又はあるいは、前糖尿病のタイプ(例えば、空腹時血糖異常(impaired glucose fasting、IFG)又は耐糖能障害(impaired glucose tolerance、IGT))を予測するように構成されてもよい。あるいは又は加えて、健康状態分類は、健康状態を発症するリスクが高い、リスクが低い、又はリスクがないなどの、関連付けられた健康状態を有するか、又は発症するリスクレベルに対応してもよい。動作中、機械学習モデルによって予測された健康状態分類を(例えば、ヘルスケア従事者によって)使用して、従来の検査を使用して(例えば、あるタイプの糖尿病を有し、かつ/又は副作用を経験しやすいと)臨床的に診断された場合にヒトをどのように治療するかと同様に、ヒトを治療するか、又は治療計画を策定し得る。
【0021】
特に、従来の糖尿病検査とは異なり、機械学習モデルによって予測される健康状態分類(例えば、糖尿病分類)は、複数日にわたって観察された分析物(例えば、グルコース)値に基づく。したがって、予測は、単一の時点で収集された血液試料に依拠する検査よりも正確である。その上、血中グルコースの間接的な測定であり、かつ病気又は妊娠などの外部要因又は状態によって引き起こされるグルコースレベルの最近の変化によって影響を受ける可能性があるHbA1c検査とは異なり、機械学習モデルによって予測される健康状態分類は、現在の観察期間中に直接取得されたグルコース測定値に基づく。
【0022】
健康状態分類予測は、次いで、ユーザインターフェースを介してユーザ、医師、又はユーザの保護者に健康状態分類の指標を表示することなどによって提示される。また、分析物測定値の視覚化、及び分析物測定値から導出された他の統計などの、他の情報が提示されてもよい。いくつかの場合、健康状態分類予測は、ユーザのための1つ以上の治療オプション、観察期間中に分析物モニタリングデバイスによって収集された分析物測定値の視覚的表現、収集された分析物測定値に基づいて生成されたユーザの分析物レベル統計、重症度レベル、(例えば、医師、ヘルスケア従事者、又はユーザのための)次のステップ、フォローアップ要求、分析物モニタリングデバイスのためのより多くのセンサを注文する要求、活動レベル、分析物レベル若しくは他のマーカの傾向、分析物レベル若しくは他のマーカのパターン、運動のパターン、分析物測定値の解釈、又は分析物レベルに関連する活動も含み得る分析物観察レポートで提示される。したがって、糖尿病についての従来の血中グルコース検査結果とは異なり、1つ以上の機械学習モデルによって生成される分析物観察レポートは、予測の詳細な分析及び様々な治療オプションを含み得る。健康状態分類及びそのような分類に関連付けられた情報は、例えば、スピーカ又はデジタルアシスタントを介したオーディオ信号としての出力を含む、多様な方法で提供され得ることを理解されたい。
【0023】
有利なことに、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、ユーザの健康状態分類の予測を生成するために分析物モニタリングデバイスのセンサの製造ばらつきに対して感度が低い機械学習モデルと、を利用することは、予測の正解率を高め、上述の診断検査の不快な態様の多くを排除し、検査され得る者を制限しない。例えば、HbA1cとは異なり、妊婦は、観察期間にわたって分析物モニタリングデバイスを安全に装着することができる。その上、機械学習モデルは、複数日にわたって収集された分析物測定値から抽出された特徴量のロバストな組み合わせに適用されるため、従来の検査に関連付けられた不一致が低減され、それによって、単一の血液試料に基づく従来の検査と比較して予測の正解率が向上する。健康状態分類を正確に予測し、ユーザ、ヘルスケア提供者、及び/又は遠隔医療サービスに通知することによって、説明される機械学習モデルは、糖尿病などの健康状態の早期発見を可能にし、潜在的に有害な健康状態を緩和し得る治療選択肢を識別する。その際、糖尿病に起因する心臓、血管、眼、腎臓、及び神経への重大な損傷を大幅に回避することができる。
【0024】
健康状態分類を正確に予測することに関連付けられた性能メトリックと、分析物測定値を取得する分析物センサの製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられたロバスト性メトリックと、に基づいて、分析物測定値から抽出された特徴量のロバストな組み合わせを選択することの技術的効果は、特徴量のロバストな組み合わせを用いて健康状態分類を予測するように訓練された機械学習モデルが、単一の分析物特徴量又はロバストでない特徴量の組み合わせを用いて訓練された機械学習モデルと比較して高められた正解率を有し得ることである。
【0025】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、分析物測定値の複数の特徴量を取得することと、分析物センサの製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられたロバスト性メトリックと、健康状態分類を予測することに関連付けられた性能メトリックと、に基づいて、複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することと、特徴量の組み合わせを使用して健康状態分類を予測するための1つ以上の機械学習モデルを訓練することと、を含む方法に関する。
【0026】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、分析物測定値が、ユーザ母集団の転帰データに関連付けられたユーザ母集団からの履歴分析物測定値であり、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することが、複数の特徴量の複数の候補組み合わせの各々について健康状態分類のモデル予測を生成することと、ユーザ母集団の転帰データに対する健康状態分類のモデル予測に基づいて、複数の候補組み合わせの各々について性能メトリックを決定することと、を含む、方法に関する。
【0027】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、性能メトリックが、複数の候補組み合わせの各々についての転帰データに対する健康状態分類のモデル予測に基づいて、健康状態分類を予測するための感度と健康状態分類を予測するための特異度との一方又は両方を示す、方法に関する。
【0028】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、転帰データが、ユーザ母集団の各ユーザの臨床的に決定された健康状態分類を示す、方法に関する。
【0029】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することが、各々がシミュレートされたばらつきの異なる割合を分析物測定値に導入する複数のシミュレーションラウンドにわたって分析物測定値における分析物センサの製造ばらつきをシミュレートすることと、シミュレートされたばらつきの割合ごとの性能メトリックの変化に基づいて、複数の候補組み合わせの各々についてロバスト性メトリックを決定することと、を更に含む、方法に関する。
【0030】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技術は、複数のシミュレーションラウンドにわたる分析物測定値における分析物センサの製造ばらつきをシミュレートすることが、各シミュレーションラウンドで分析物測定値にシミュレートされたばらつき異なる割合を導入するように、異なる性能ばらつき及び分析物センサ特性をシミュレートことを含む、方法に関する。
【0031】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することが、ロバスト性閾値に対する複数の候補組み合わせの各々のロバスト性メトリックに基づいて、複数の特徴量の複数の候補組み合わせをフィルタリングすることと、性能メトリックについて最高値を有するフィルタリングされた候補組み合わせを特徴量の組み合わせとして選択することと、を更に含む、方法に関する。
【0032】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、複数の特徴量の特徴量の組み合わせが、第1の特徴量及び第2の特徴量を含み、方法が、複数の特徴量の各々についての健康状態分類のモデル予測を使用して、複数の特徴量の各々についての個々の性能メトリック及び個々のロバスト性メトリックを決定すること、を更に含む、方法に関する。
【0033】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第1の特徴量及び第2の特徴量のうちの少なくとも1つが、分析物測定値の傾向関連特徴量である、方法に関する。
【0034】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第2の特徴量が、分析物測定値のばらつき及び安定性特徴量である、方法に関する。
【0035】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、特徴量の組み合わせを使用して健康状態分類を予測するために1つ以上の機械学習モデルを訓練した後に、観察期間にわたってユーザによって装着された分析物測定デバイスから新しい分析物測定値を取得することと、新しい分析物測定値から特徴量の組み合わせの特徴量を抽出することと、特徴量の組み合わせの抽出された特徴量を1つ以上の機械学習モデルに入力することと、1つ以上の機械学習モデルの出力として、ユーザの健康状態分類を受信することと、を更に含む、方法に関する。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、1つ以上のプロセッサと、コンピュータ可読命令が記憶されたメモリと、を備え、コンピュータ可読命令が、1つ以上のプロセッサによって、分析物センサによって測定されたユーザの分析物データを取得することと、分析物データの少なくとも2つの特徴量を抽出することであって、少なくとも2つの特徴量が、ユーザ母集団の履歴分析物データに対して実行されたばらつきシミュレーションに基づいて、分析物センサの製造ばらつきに対してロバストであると判定された分析物特徴量の多変量モデルに含まれる、抽出することと、少なくとも2つの特徴量の組み合わせを機械学習モデルに入力することと、機械学習モデルを介して、ユーザの健康状態分類を予測することと、機械学習モデルの出力として、健康状態分類を受信することと、を含む動作を実行するように実行可能である、デバイスに関する。
【0037】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ユーザの分析物データが、観察期間にわたって分析物センサによって測定され、健康状態分類が、健康状態に関する観察期間中のユーザのステータスを記述する指標である、デバイスに関する。
【0038】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、健康状態が、糖尿病であり、健康状態分類が、糖尿病ステータス、前糖尿病ステータス、及び非糖尿病ステータスのうちの1つである、デバイスに関する。
【0039】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、機械学習モデルが、ユーザ母集団の履歴分析物データから抽出された少なくとも2つの特徴量の組み合わせを含む訓練入力部分と、ユーザ母集団の各ユーザの健康状態分類を表すラベルを含む期待される出力部分と、を用いて訓練される、デバイスに関する。
【0040】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、観察期間中にユーザの分析物測定値を収集するためにユーザの皮膚に皮下挿入されたセンサを含むウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、観察期間中に収集されたユーザの分析物測定値を維持するための記憶デバイスと、ユーザの分析物測定値からロバストな分析物特徴量の組み合わせを抽出し、かつ1つ以上の機械学習モデルを用いてロバストな分析物特徴量の組み合わせを処理することによって、ユーザの健康状態分類を予測するための予測システムと、を含む、デバイスに関する。
【0041】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、1つ以上の機械学習モデルが、ユーザ母集団の履歴分析物測定値及び履歴転帰データに基づいて生成され、システムが、ユーザ母集団の履歴分析物測定値及び履歴転帰データを取得することであって、履歴分析物測定値が、ユーザ母集団のユーザによって装着された分析物モニタリングデバイスによって提供される、取得することと、履歴分析物測定値からロバストな分析物特徴量の組み合わせを抽出することと、履歴分析物測定値から抽出されたロバストな分析物特徴量の組み合わせを1つ以上の機械学習モデルに提供すること、及び1つ以上の機械学習モデルから受信された訓練健康状態分類と、履歴転帰データによって示された臨床的に検証された健康状態分類と、の比較に基づいて、1つ以上の機械学習モデルの重みを調整することによって、1つ以上の機械学習モデルを生成することと、を行うためのモデルマネージャを更に含む、システムに関する。
【0042】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、履歴転帰データによって示された臨床的に検証された健康状態分類が、ユーザ母集団のユーザによって装着された分析物モニタリングデバイスによって提供された履歴分析物測定値とは独立した1つ以上の診断尺度に関連付けられている、システムに関する。
【0043】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、記憶デバイス及び予測システムの一方又は両方が、少なくとも部分的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに実装されている、システムに関する。
【0044】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、予測システムが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから遠隔にある1つ以上のコンピューティングデバイスに実装されている、システムに関する。
【0045】
以下の議論では、最初に、本明細書に記載の技法を用いることができる環境の一例が説明される。例えば、分析物モニタリングデバイスが、図1に示される例示的な実装態様によるなど、観察期間にわたってユーザからの1つ以上の分析物を測定するために使用され得る。分析物モニタリングデバイスは、図2に示されるようなセンサを用いて、1つ以上の分析物を測定し得る。本明細書に記載の技法によれば、分析物モニタリングデバイスによって生成された分析物データは、図3に例示されるような健康状態分類に関連して異なるシステムにルーティングされ得る。次いで、論じられる環境、及び他の環境において実行され得る実装態様の詳細及び手順の例を説明する。例えば、図4の実装態様及び図11の手順(例えば、方法)に例示されるように、モデルマネージャが、ユーザ母集団の履歴分析物測定値に対してばらつきシミュレーションを実行して、シミュレートされたばらつきが存在する場合であっても正確な健康状態予測を生成する分析物特徴量の組み合わせを識別し得る。単独及び組み合わせでの複数の分析物特徴量についての性能メトリック及びばらつき感度メトリックを示す例示的なグラフが、図5に示されている。分析物特徴量の組み合わせが選択されると、モデルマネージャは、図6の実装態様及び図12の手順に例示されるように、機械学習モデルを訓練して、履歴分析物測定値の分析物特徴量と、ユーザ母集団の転帰データと、の組み合わせを用いて健康状態分類を予測し得る。訓練されると、機械学習モデルを使用して、図7に示される実装態様及び図13の手順に従うなど、ユーザの分析物データから抽出された分析物特徴量の組み合わせに基づいて、ユーザの健康状態分類を予測し得る。健康状態分類は、図8及び図9に示される例示的なユーザインターフェースを介して入力され得る。更に、健康状態分類を予測する際に使用され得る追加の健康データが、図10の例示的なユーザインターフェースを介して入力され得る。グルコース測定値から導出されたメトリックが糖尿病分類アルゴリズムにおいてどのように使用され得るかの一例が、図14に関して論じられる。図15は、上記で論じられる技法を実装及び実行するための任意のタイプのコンピューティングデバイスとして実装され得る様々な構成要素を含む例示的なシステムを示す。それらの手順の実行は、この環境の例に限定されず、この環境の例は、それらの手順の実行に限定されない。
【0046】
例示的な環境
図1は、本明細書に記載の分析物測定値及び機械学習を使用する健康状態予測を用いるように動作可能である実装態様の一例における環境100の説明図である。この例示された環境100は、分析物モニタリングデバイス104を装着して示されているヒト102を含む。例示される環境はまた、観察キットプロバイダ106及び観察分析プラットフォーム108を含む。
【0047】
例示される環境100において、分析物モニタリングデバイス104は、例えば観察キットの一部として、観察キットプロバイダ106によってヒト102に提供されるように示されている。分析物モニタリングデバイス104は、例えば、ヒト102の血液及び/又は間質液中の1つ以上の分析物を、複数日続く、又は異なる時間量、例えば分、時間など続く観察期間にわたってモニタする目的で、観察キットの一部として提供され得る。本明細書で使用される場合、「分析物」という用語は、健康状態に関してユーザの状態を決定する際に分析に供される生化学物質又は化学物質を指し得る。例えば、「分析物」という用語は、代謝産物若しくは他の化学物質、タンパク質(例えば、酵素)、又は血液及び/若しくは間質液中に存在する健康状態の重症度若しくは存在(又はその不在)の別の測定可能な指標を指し得る。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、グルコース、乳酸塩、ケトン、カリウム、インスリン、リン酸塩、重炭酸塩、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、及び血中尿素窒素のうちの1つ以上を測定するように構成され得る。一例として、ヒト102は、自分のグルコースをモニタリングさせて、自分が糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿、妊娠期糖尿病(GDM)、嚢胞性線維症糖尿病など)を有するか否か、糖尿病(例えば、前糖尿病)を発症するリスクがあるか否か、及び/又は、糖尿病に関連付けられた副作用(例えば、少し例を挙げると、併存症、血糖異常、帝王切開術(cesarean section、C-section)を必要とする巨人児、及び新生児低血糖)を経験すると予測されるか否かを予測し得る。別の例として、分析物モニタリングデバイス104は、1つ以上の分析物をモニタして、ヒト102が急性状態(例えば、ケトン血症、アシドーシス、又はセプシス)又は慢性状態(例えば、肝疾患、腎疾患、又は睡眠時無呼吸)を有するかどうかを予測し得る。
【0048】
観察期間に関連して、少し例を挙げると、飲料又は特定の食事(例えば、OGTTに関連して消費されるのと同じ飲料)を消費すること、1つ以上の特定の食物を避けること、運動すること、及び休息することをヒト102に指示するなど、観察期間中に1つ以上の活動を行うようにヒト102に指示する指示がヒト102に提供され得る。1つ以上の実装態様では、指示は、観察キットの一部、例えば書面による指示として提供され得る。あるいは又は加えて、観察分析プラットフォーム108は、ヒト102に関連付けられた1つ以上のコンピューティングデバイスに指示を伝達させ、これらのコンピューティングデバイスを介して(例えば、表示又はオーディオ出力のために)出力させてもよい。観察分析プラットフォーム108は、観察期間における所定の時間量が経過した後(例えば、2日)に、かつ/又は取得された分析物測定値におけるパターンに基づいて、出力のためにこれらの指示を提供し得る。そのような指示を提供することに関連して、分析物モニタリングデバイス104は、指示された食事を消費した後、指示された運動を実行した後などにヒト102のグルコースが変化する量をモニタすることなどによって、指示された活動を行った後にヒト102の分析物レベルを自動的にモニタする。
【0049】
全体を通して複数日続くものとして論じられているが、1つ以上の実装態様では、ヒト102の健康状態分類を正確に予測するのに十分な分析物測定値が収集されたときに観察期間が終了し得るように、観察期間の持続時間は、可変であり得る。一例として、いくつかの場合、ほんの数時間にわたるヒト102のグルコース測定値を処理して、ヒト102が糖尿病を有することを統計的な確実性で予測し得る。この場合、観察期間の持続時間は、複数日ではなく、何時間かであり得る。しかし、一般に、観察期間は、例えば分析物レベルの日毎の変動を記述するように特徴量を抽出することができるようにデータを取得するために、かつ異常な測定又は観察によって別様に引き起こされ得る誤った予測を防止するために、複数日続く。
【0050】
この目的のために、観察キットプロバイダ106は、ヒト102が健康状態を有するかどうか、又は健康状態の副作用を経験すると予測されるかどうかに関する予測を取得することに関連付けられた多様なエンティティのうちの1つ以上を表し得る。例えば、観察キットプロバイダ106は、分析物モニタリングデバイス104と、分析物モニタリングデバイス104のプロバイダにも対応する場合に、観察分析プラットフォーム108などの、分析物モニタリングデバイス104から取得された測定値をモニタ及び分析するプラットフォームと、のプロバイダを表し得る。あるいは又は加えて、観察キットプロバイダ106は、少し例を挙げると、ヘルスケア提供者(例えば、主治医、OB/GYN、内分泌科医)、診療所、病院、保険提供者、医療検査機関、又は遠隔医療サービスに対応してもよい。あるいは又は加えて、観察キットプロバイダ106は、薬剤師又は薬局に対応してもよく、薬剤師又は薬局は、物理的な実店舗を有してもよく、かつ/又はオンラインでサービスを提供してもよい。これらは少しの例であり、観察キットプロバイダ106は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なるエンティティを表し得ることを理解されたい。
【0051】
これを前提として、ヒト102への分析物モニタリングデバイス104の提供は、説明される技術に従って多様な方途で行われ得る。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、例えば観察キットの一部として、診療所、病院、医療検査機関又は実店舗薬局でヒト102に手渡されてもよい。あるいは、分析物モニタリングデバイス104は、例えば分析物モニタリングデバイス104のプロバイダ、薬局、医療検査機関、遠隔医療サービスなどからヒト102に郵送されてもよい。ヒト102は、1つ以上の実装態様では、他の方途で観察期間にわたって分析物モニタリングデバイス104を取得してもよい。
【0052】
分析物モニタリングデバイス104がヒト102によってどのように取得されるかにかかわらず、分析物モニタリングデバイス104は、複数日に及ぶ期間にわたって続く観察期間中にヒト102の1つ以上の所定の分析物(例えば、グルコース)をモニタするように構成されている。1つ以上の実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、デバイスが様々な動作を実行する間、ヒト102によって装着されるようなウェアラブルデバイスである。加えて又はあるいは、分析物モニタリングデバイス104は、ヒト102によって装着される前又は後に1つ以上の動作を実行する。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、ヒト102の中の分析物を示す1つ以上の信号を検出し、かつ分析物測定値の生成、又は推定(例えば、グルコース値の推定)を可能にする分析物センサを用いて構成され得る。これらの分析物測定値(例えば、グルコース測定値)は、センサデータ118の一例である分析物測定値110として、コンピューティングデバイス又は観察分析プラットフォーム108のうちの1つ以上に対応し得るか、又はそうでなければ、通信のためにパッケージ化され得る。
【0053】
少なくとも1つの実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、グルコースモニタリングシステムである。一例として、分析物モニタリングデバイス104は、連続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring、「CGM」)システム、例えばウェアラブルCGMシステムとして構成され得る。本明細書で使用される場合、分析物モニタリングに関連して使用される「連続」という用語は、実質的に連続して測定値を生成するためのデバイスの能力を指し得、したがって、デバイスは、異なるデバイスとの通信結合を確立すること(例えば、観察分析プラットフォーム108が、測定値のうちの1つ以上を取り出すために、分析物モニタリングデバイス104との無線接続を確立する場合)などに応じて、規則的に、又は不規則な時間間隔(例えば、およそ1時間ごと、およそ30分ごと、およそ5分ごとなど)で、分析物測定値を生成するように構成され得る。しかしながら、他の実装態様では、グルコース(又は他の分析物)モニタリングは、「連続」でなくてもよく、代わりに、要求されたときにグルコース測定値を提供する。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、コンピューティングデバイスからの要求に応答して、現在のグルコース測定値をコンピューティングデバイスに伝達し得る。この要求は、コンピューティングデバイスによって表示されるユーザインターフェースへのユーザ入力に応答して、分析物モニタリングデバイス104に対する閾値近接内へのコンピューティングデバイスの配置に応答して、分析物モニタリングデバイス104と物理的に接触するコンピューティングデバイスに応答して、コンピューティングデバイスに実装されたアプリケーションからの要求に応答してなど、多様な方途で開始され得る。この機能は、分析物モニタリングデバイス104の構成の更なる態様とともに、図2に関連してより詳細に論じられる。
【0054】
センサデータ118(分析物測定値110を含む)を生成することに加えて、分析物モニタリングデバイス104はまた、生成されたセンサデータ118を、例えば観察分析プラットフォーム108に送信する。分析物モニタリングシステム104は、データを、分析物センサ又は他のセンサを使用して、リアルタイムで(例えば、データが生成されると)伝達し得る。あるいは又は加えて、分析物モニタリングデバイス104は、予め定められた時間間隔でデータを観察分析プラットフォーム108に伝達してもよい。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、およそ5分ごとにセンサデータ118を観察分析プラットフォーム108に伝達するように構成されてもよい。センサデータ118が分析物モニタリングデバイス104によって伝達される間隔は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記の例とは異なってもよい。センサデータ118は、分析物モニタリングデバイス104によって他のコンピューティングデバイスに伝達されてもよい(例えば、説明される技法に従う観察分析プラットフォーム108に加えて又は代えて)。
【0055】
分析物モニタリングデバイス104は、糖尿病を治療するためなど、健康状態を治療するために使用されるウェアラブル分析物モニタリングデバイスと同様の様式で構成されてもよいが、1つ以上の実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、治療に使用されるデバイスとは異なるように構成されてもよい。これらの異なる構成は、ユーザの通常の日ごとの挙動の影響を正確に反映する測定値が得られるように、観察期間の交絡因子を制御するように展開されてもよい。このことは、例えば、ユーザが観察期間中にそれらの測定値を検査することを制限し、かつ/又は完全に防止することを含むことができる。ユーザが観察期間の過程にわたって分析物測定値110を検査することを防止することによって、観察構成は、ユーザが分析物測定事象(例えば、グルコースのスパイク)を見るか、又は別様に観察し、かつそのような事象に対抗するようにユーザの挙動を変化させることを更に防止する。
【0056】
いくつかの場合、分析物モニタリングデバイス104は、糖尿病分類が生成され得るように、複数日又は何らかの他の期間に及ぶ観察期間中にユーザのグルコース測定値を収集する目的で特別に設計された専用デバイスであり得、糖尿病分類は、糖尿病を治療するためにユーザによって装着されたウェアラブルグルコースモニタリングデバイスとは、1つ以上の方途で区別され得る。他の事例では、分析物モニタリングデバイス104は、糖尿病を治療するために使用されるウェアラブルグルコースモニタリングデバイスと同じハードウェア特性を有し得るが、ユーザが観察期間中に分析物測定値110を検査することを防止するソフトウェアなどの、異なる機能を無効又は有効にするソフトウェアを含み得る。これらの事例では、観察期間中に無効にされた機能を、観察期間が終了した後に有効にすることができ、その結果、ユーザは、実質的にリアルタイムでグルコース測定値を視認する能力などの、以前に無効にされた機能にアクセスすることができる。
【0057】
当該異なる構成はまた、健康状態予測のための観察期間に関連して分析物測定値110がどのように使用されるかと、測定値が健康状態の治療に関連してどのように使用されるかと、の間の差異に基づいてもよい。健康状態が糖尿病であり、かつ分析物がグルコースである例では、グルコース測定値の連続又はほぼ連続の受信及び出力は、治療に伴い、実質的にそれらの測定値が生成されるときに、治療意思決定を通知するために、例えばヒト又はその介護者が、何を食べるか、どのようにインスリンを投与するか、ヘルスケア提供者に連絡するかどうかなどを意思決定することに役立てるために使用され得る。それらのシナリオでは、測定値及び/又は測定値の傾向を適時に(例えば、実質的にリアルタイムで)知ることが、潜在的に深刻な副作用を効果的に軽減するために枢要であり得る。対照的に、観察されているヒトへの(又は介護者への)グルコース測定値の受信と実質的にリアルタイムの出力とは、これらのシナリオにおける糖尿病予測に関連して不要であり得る。代わりに、糖尿病予測のために生成されたグルコース測定値は、観察期間の終わりに、又は何らかの他の範囲の後(例えば、統計的確実性を達成するために十分な測定値が生成されたとき)に、糖尿病に関する正確な予測が生成され得るように処理される。
【0058】
分析物測定値がどのように使用されるかに関するそのような差異に基づいて、分析物モニタリングデバイス104は、治療(例えば、糖尿病治療)のために使用されるウェアラブル分析物測定デバイスよりも多くのローカル記憶装置を有し得る。限定ではなく例として、10~15日分の分析物測定値記憶装置が観察構成に提供され得るのに対して、3時間分の分析物測定値記憶装置が治療構成に提供され得る。分析物モニタリングデバイス104のより大きな記憶容量は、観察期間の持続時間にわたって分析物測定値110を記憶するのに好適であり得る。対照的に、治療のために使用されるウェアラブル分析物測定デバイスは、分析物測定値をオフロードし、その結果、測定値が好適にオフロードされると、測定値がそれらのデバイス上にローカルに記憶されなくなるように構成され得る。例として、糖尿病の治療に使用されるウェアラブルグルコースデバイスは、例えば、所定の時間間隔で、かつ/又はコンピューティングデバイスとの接続を確立若しくは再確立することに応答して、無線接続を介してグルコース測定値を外部コンピューティングデバイスに送信することによって、グルコース測定値をオフロードし得る。
【0059】
分析物モニタリングデバイス104が観察期間の全体にわたって分析物測定値110を記憶するように構成され得る限りにおいて、1つ以上の実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、無線送信手段なしで、例えば、分析物測定値110を無線で送信するためのアンテナなしで、かつそのような無線送信のためのパケットを生成するためのハードウェア又はファームウェアなしで構成され得る。代わりに、分析物モニタリングデバイス104は、物理的な有線結合を介して分析物測定値110を伝達するハードウェアを用いて構成されてもよい。そのようなシナリオでは、分析物モニタリングデバイス104は、デバイスの記憶装置から分析物測定値110を抽出するために「プラグイン」されてもよい。
【0060】
したがって、分析物モニタリングデバイス104は、外部コンピューティングデバイスへの分析物測定値110の有線送信を可能にする1つ以上のポートを備えて構成されてもよい。そのような物理的結合の例は、少し例を挙げると、マイクロユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)接続、ミニUSB接続、及びUSB-C接続を含み得る。分析物モニタリングデバイス104は、上記で論じたばかりのように有線接続を介して分析物測定値110を抽出するように構成されてもよいが、異なるシナリオでは、分析物モニタリングデバイス104は、あるいは又は加えて、1つ以上の無線接続を介して分析物測定値110をオフロードするように構成されてもよい。分析物測定値110の有線通信及び/又は無線通信を伴う実装態様が、以下で更に論じられる。
【0061】
記憶及び通信の差異に加えて、分析物モニタリングデバイス104はまた、健康状態の治療のために設計されたデバイスとは異なるように構成された1つ以上のセンサ又はセンサ回路機構を含んでもよい。例えば、糖尿病を治療するために使用されるウェアラブルグルコースモニタリングデバイスのセンサ及び回路機構(例えば、測定アルゴリズムを含む)は、40mg/dL~400mg/dLに及ぶ測定範囲に対して最適化され得る。これは、糖尿病の治療が、範囲の両端に向かって起こり得る重度の血糖事象、例えば低血糖及び高血糖を軽減するためにどのような措置を講じるべきかを決定することを伴うことが多いからである。しかしながら、糖尿病を予測するために、広い範囲にわたる測定の忠実度は必要とされない場合がある。むしろ、糖尿病予測は、120mg/dL~240mg/dLに及ぶグルコース測定値の範囲などの、より小さい範囲に関連して好適に生成され得る。したがって、分析物モニタリングデバイス104は、そのようなより小さい範囲の測定値を生成するように最適化された1つ以上のセンサ又はセンサ回路機構を含み得る。上記で論じられる差異は、分析物モニタリングデバイス104が健康状態の治療のために構成されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスとどのように異なり得るかの単なる例であること、及び分析物モニタリングデバイス104は、説明された技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なる方途でそれらのデバイスと異なり得ることを理解されたい。
【0062】
分析物モニタリングデバイス104が分析物測定値110を生成すると、測定値は、観察分析プラットフォーム108に提供される。上述したように、分析物測定値110は、有線接続及び/又は無線接続を介してセンサデータ118として観察分析プラットフォーム108に伝達され得る。例えば、観察分析プラットフォーム108が分析物モニタリングデバイス104上に部分的又は全体的に実装されるシナリオでは、分析物測定値110は、バスを介してデバイスのローカル記憶装置からデバイスの処理システムに転送され得る。分析物モニタリングデバイス104が分析物測定値110を処理することによって健康状態分類の予測を生成するように構成されているシナリオでは、分析物モニタリングデバイス104はまた、例えば健康状態分類を外部コンピューティングデバイスに伝達することによって、予測された健康状態分類を出力として提供するように構成されてもよい。他のシナリオでは、分析物測定値110は、健康状態分類を予測するように構成された外部コンピューティングデバイスによって処理され得る。
【0063】
1つ以上の実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、外部デバイスとの有線接続を介して、例えばUSB-C又は何らかの他の物理的な通信結合を介して、分析物測定値110を外部デバイスに送信するように構成されている。ここで、コネクタが、分析物モニタリングデバイス104に差し込まれ得るか、又は分析物モニタリングデバイス104が、デバイスの対応する接点とインターフェース接続するレセプタクルを有する装置に挿入され得る。次いで、分析物測定値110は、この有線接続を介して分析物モニタリングデバイス104の記憶装置から取得され、例えば、有線接続を介して外部デバイスに転送され得る。そのような接続は、分析物モニタリングデバイス104が観察期間の後にヒト102によって、ヘルスケア提供者、遠隔医療サービス、分析物モニタリングデバイス104のプロバイダ、又は医療検査機関などに郵送されるシナリオにおいて使用され得る。この目的のために、観察キット(図示せず)が、観察後に分析物モニタリングデバイス104をそのようなエンティティに郵送するための包装(例えば、封筒又は箱)を含に得る。そのような接続はまた、分析物モニタリングデバイス104が、診療所又は病院(又はヘルスケア提供者の他の施設)、薬局、又は医療検査機関などに、観察期間後にヒト102によって届けられるシナリオで使用されてもよい。あるいは又は加えて、有線接続を伴うシナリオは、検査期間後に、例えば観察キットの一部として提供されるコードを使用して、ヒト102が分析物モニタリングデバイス104を外部コンピューティングデバイスに差し込むことを伴い得る。これらのシナリオでは、外部コンピューティングデバイスは、インターネットなどのネットワーク(図示せず)を介して分析物測定値110を観察分析プラットフォーム108に伝達し得る。
【0064】
あるいは又は加えて、観察分析プラットフォーム108への分析物測定値110の提供が、分析物モニタリングデバイス104が1つ以上の無線接続を介して分析物測定値110を伝達することを含んでもよい。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、分析物測定値110を、携帯電話、タブレットデバイス、ラップトップ、スマートウォッチ、他のウェアラブル健康追跡装置などの外部コンピューティングデバイスに無線で伝達してもよい。したがって、分析物モニタリングデバイス104は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技法を使用して外部デバイスと通信するように構成されてもよい。例として、分析物モニタリングデバイス104は、Bluetooth(例えば、Bluetooth Low Energyリンク)、近距離無線通信(near-field communication、NFC)、5Gなどのロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)規格などのうちの1つ以上を使用して外部デバイスと通信してもよい。分析物モニタリングデバイス104は、分析物測定値110が処理のために外部デバイスに伝達されるシナリオでは、対応するアンテナ及び他の無線送信手段を有して構成され得る。それらのシナリオでは、分析物測定値110は、少し例を挙げると、所定の時間間隔(例えば、毎日、毎時、又は5分ごと)で、何らかの事象の発生(例えば、分析物モニタリングデバイス104の記憶バッファの満杯)に応答して、又は観察期間の終了に応答してなど、様々な様式で観察分析プラットフォーム108に伝達され得る。
【0065】
したがって、観察分析プラットフォーム108が実装される場所にかかわらず、観察分析プラットフォーム108は、分析物モニタリングデバイス104によって生成された分析物測定値110を取得する。1つ以上の実装態様では、観察分析プラットフォーム108は、分析物モニタリングデバイス104に全体的又は部分的に実装され得る。あるいは又は加えて、観察分析プラットフォーム108は、ヒト102に関連付けられた1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、タブレットデバイス、ラップトップ、デスクトップ、又はスマートウォッチ)又はサービスプロバイダ(例えば、ヘルスケア提供者、遠隔医療サービス、分析物モニタリングデバイス104のプロバイダに対応するサービス、医療検査機関など)に関連付けられた1つ以上のコンピューティングデバイスなどの、分析物モニタリングデバイス104の外部の1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して、全体的又は部分的に実装されてもよい。後者のシナリオでは、観察分析プラットフォーム108は、1つ以上のサーバデバイス上に少なくとも部分的に実装されてもよい。
【0066】
例示される環境100において、観察分析プラットフォームは、記憶デバイス112を含む。説明される技法によれば、記憶デバイス112は、分析物測定値110を維持するように構成されている。記憶デバイス112は、1つ以上のデータベース、及び分析物測定値110を記憶することが可能な他のタイプの記憶装置を表し得る。記憶デバイス112はまた、ヒト102を記述する人口統計情報、ヘルスケア提供者に関する情報、保険提供者に関する情報、支払情報、処方情報、決定された健康指標、アカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)などの多様な他のデータを記憶してもよい。以下でより詳細に論じられるように、記憶デバイス112はまた、ユーザ母集団の他のユーザのデータを維持してもよい。
【0067】
例示される環境100において、観察分析プラットフォーム108はまた、予測システム114を含む。予測システム114は、分析物測定値110を処理して、ヒト102が糖尿病(例えば、2型糖尿病、GDM、嚢胞性線維症糖尿病など)を有するかどうか、糖尿病(例えば、前糖尿病)を発症するリスクがあるかどうか、及び/又は糖尿病に関連付けられた副作用(例えば、少し例を挙げると、併存症、血糖異常、帝王切開術を必要とする巨人児、及び新生児低血糖)を経験すると予測されるかどうかを予測するなどの、疾患及び状態予測を生成するための機能を表す。以下でより詳細に論じられるように、予測システム114は、機械学習を使用して、健康状態分類を予測する。機械学習の使用は、例えば、機械学習技法を使用して生成された1つ以上のモデルを活用すること、及び履歴分析物測定値とユーザ母集団の履歴転帰データとを使用して、健康状態分類を予測するために使用する分析物測定値のロバストな特徴量を識別することを含み得る。
【0068】
例示される環境100はまた、予測システム114によって出力され得る健康状態分類116を含む。説明される技法によれば、健康状態分類116は、ヒトが示された健康状態を有すると予測されるかどうか、又は健康状態に関連付けられた副作用を経験すると予測されるかどうかを示し得る。健康状態分類116はまた、健康状態分類を含む(例えば、ヒトが糖尿病などの健康状態を有すると予測される)、ヘルスケア提供者に向けられた報告、又はヒト102に自分のヘルスケア提供者に連絡するように指示する、ヒト102に向けられた通知などの分類に基づいて、1つ以上の通知又はユーザインターフェースを生成するために使用されてもよい。健康状態分類116に基づいて生成され得るユーザインターフェースの例が、図8及び図9に関連してより詳細に説明される。分析物、例えば、対象の1つ以上の分析物を連続的に分析するなど、分析物を測定し、かつそのような測定値を記述するデータを取得するコンテキストにおいて、図2の以下の議論を検討する。
【0069】
図2は、図1の分析物モニタリングデバイス104の実装態様の例200をより詳細に示す。したがって、図1において先に紹介された構成要素は、同じ番号が付されており、再度紹介されない。特に、例示される例200は、分析物モニタリングデバイス104の上面図及び対応する側面図を含む。分析物モニタリングデバイス104は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、以下の議論から、実装態様において、多様に変わり得ることを理解されたい。
【0070】
この例200では、分析物モニタリングデバイス104は、分析物センサ202(例えば、グルコースセンサ)及びセンサモジュール204を含むように例示されている。ここでは、分析物センサ202は、例えば、図1のヒト102の皮膚206に皮下挿入されている側面図で示されている。センサモジュール204は、上面図に破線長方形として近似されている。分析物モニタリングデバイス104はまた、例示された例200において送信機208を含む。センサモジュール204について破線長方形を使用することにより、そのセンサモジュールが送信機208のハウジング内に収容されるか、又はそうでなければ実装され得ることが示されている。送信機208がデータを、例えば観察分析プラットフォーム108への無線接続を介して、伝達するための信号を生成することを可能にするために使用される、アンテナ及び/又は他のハードウェアも、送信機208のハウジング内に収容されるか、又は別様に実装され得る。この例200では、分析物モニタリングデバイス104は、接着パッド210を更に含む。
【0071】
動作中、分析物センサ202及び接着パッド210は、貼り付けアセンブリを形成するように組み立てられ得、貼り付けアセンブリは、描写されているように分析物センサ202が皮下挿入されるように皮膚206に適用されるように構成されている。そのようなシナリオでは、送信機208は、取り付け機構(図示せず)を介して皮膚206に貼り付けた後、アセンブリに取り付けられ得る。あるいは、送信機208は、貼り付けアセンブリの一部として組み込まれ得、その結果、分析物センサ202、接着パッド210、及び送信機208(センサモジュール204を有する)は、皮膚206に一度に全て貼り付けることができる。1つ以上の実装態様では、この貼り付けアセンブリは、別個のセンサ貼り付け具(図示せず)を使用して皮膚206に貼り付けられる。従来の血中グルコース測定器によって必要とされる指穿刺とは異なり、例えば、センサ貼り付け具を有する分析物モニタリングデバイス104の、ユーザが開始する貼り付けは、ほぼ無痛であり、血液の採取を必要としない。更に、自動センサ貼り付け具により、一般に、臨床医又はヘルスケア提供者の支援なしに、ヒト102が分析物センサ202を皮膚206中の皮下に埋め込むことが可能になる。
【0072】
分析物モニタリングデバイス104はまた、接着パッド210を皮膚206から剥離することによって取り外され得る。分析物モニタリングデバイス104及びその様々な構成要素は、1つの例示的なフォームファクタとして例示されており、かつ分析物モニタリングデバイス104及びその構成要素は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なるフォームファクタを有し得ることを理解されたい。
【0073】
動作中、分析物センサ202は、無線接続又は有線接続とすることができる少なくとも1つの通信チャネルを介して、センサモジュール204に通信可能に結合されている。分析物センサ202からセンサモジュール204への通信、又はセンサモジュール204から分析物センサ202への通信は、能動的又は受動的に実装され得、これらの通信は、連続的(例えば、アナログ式)又は離散的(例えば、デジタル式)とすることができる。
【0074】
分析物センサ202は、デバイス、分子、及び/又は化学物質であってもよく、それらは、分析物センサ202とは少なくとも部分的に独立している事象に応答して変化するか又は変化を引き起こす。センサモジュール204は、分析物センサ202に対する変化の兆候、又は分析物センサ202によって引き起こされた変化の兆候を受信するように実装されている。例えば、分析物センサ202は、グルコース及び酸素と反応して、電極を含み得るセンサモジュール204によって電気化学的に検出可能である過酸化水素を形成するグルコースオキシダーゼを含むことができる。この例では、分析物センサ202は、1つ以上の測定技法を使用してグルコースレベルを示す、血液又は間質液中の分析物を検出するように構成されたグルコースセンサとして構成され得るか、又はグルコースセンサを含み得る。1つ以上の実装態様では、分析物センサ202はまた、乳酸塩レベル、ケトン類、又はイオン性カリウムなどの他のマーカを示す血液又は間質液中の分析物も検出するように構成され得、これにより、グルコースベースの事象(例えば、高血糖又は低血糖)を識別又は予測する際の正解率が改善され得る。加えて又はあるいは、分析物モニタリングデバイス104は、他のマーカを示すそれらの分析物を検出するための、分析物センサ202への追加のセンサ及び/又はアーキテクチャを含んでもよい。
【0075】
別の例では、分析物センサ202(又は分析物モニタリングデバイス104の追加の図示されていないセンサ)は、第1及び第2の導体を含むことができ、センサモジュール204は、分析物センサ202の第1及び第2の導体間の電位の変化を電気的に検出することができる。この例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、電位変化が温度変化に対応するように、熱電対として構成されている。いくつかの例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、単一の分析物、例えば、グルコースを検出するように構成されている。他の例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、複数の分析物、例えば、イオン性ナトリウム、イオン性カリウム、二酸化炭素、及びグルコースを検出するための多様な感知モードを使用するように構成されている。あるいは又は加えて、分析物モニタリングデバイス104は、1つ以上の分析物(例えば、イオン性ナトリウム、イオン性カリウム、二酸化炭素、グルコース、及びインスリン)だけでなく、1つ以上の環境条件(例えば、温度、湿度、移動)も検出するための複数のセンサを含む。したがって、センサモジュール204及び分析物センサ202(並びに任意の追加のセンサ)は、1つ以上の分析物の存在、1つ以上の分析物の不在、及び/又は1つ以上の環境条件の変化を検出し得る。更に、センサモジュール204及び分析物センサ202(並びに任意の追加のセンサ)は、血液又は間質液中の1つ以上の分析物の量(例えば、レベル)を示す信号を出力するように構成されてもよい。上述したように、分析物モニタリングデバイス104は、単一の分析物(例えば、グルコース)又は複数の分析物を記述するデータを生成するように構成され得る。
【0076】
1つ以上の実装態様では、センサモジュール204は、プロセッサ及びメモリ(図示せず)を含むことができる。センサモジュール204は、プロセッサを活用することによって、上記に論じられる変化を示す分析物センサ202との通信に基づいて、分析物測定値110を生成し得る。分析物センサ202からの上述の通信に基づいて、センサモジュール204は、少なくとも1つの分析物測定値110を含む通信可能なデータパッケージを生成するように更に構成されている。この例200では、センサデータ118は、これらのデータパッケージを表す。加えて又はあるいは、センサモジュール204は、例として、補足センサ情報214を含む、追加のデータを含むように分析物データ118を構成し得る。補足センサ情報214には、センサ識別子、センサステータス、分析物測定値110に対応する温度、分析物測定値110に対応する他の分析物の測定値などが含まれ得る。補足センサ情報214は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、少なくとも1つの分析物測定値110を補足する多様なデータを含み得ることを理解されたい。
【0077】
分析物モニタリングデバイス104が無線送信のために構成されている実装態様では、送信機208は、センサデータ118をデータのストリームとしてコンピューティングデバイス(例えば、図1の観察分析プラットフォーム108のコンピューティングデバイス)に送信し得る。あるいは又は加えて、センサモジュール204は、分析物測定値110及び/又は補足センサ情報214を(例えば、センサモジュール204のメモリ、及び/又は分析物モニタリングデバイス104の他の物理的コンピュータ可読記憶媒体に)バッファリングし、後に様々な規則的又は不規則な間隔、例えば、時間間隔(およそ1秒ごと、およそ30秒ごと、およそ1分ごと、およそ5分ごと、およそ1時間ごとなど)、記憶間隔(バッファリングされた分析物測定値110及び/又は補足センサ情報214がデータの閾値量又は測定値の数に達したとき)などで、バッファリングされたセンサデータ118を送信機208に送信させてもよい。いくつかの実装態様では、分析物モニタリングデバイス104は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記で説明される例から多数の方途で変わり得ることを理解されたい。
【0078】
補足センサ情報214に関して、センサ識別子は、他の分析物モニタリングデバイスの他のセンサ、以前又は以後に皮膚206に埋め込まれた他のセンサなどのような、他のセンサから、分析物センサ202を一意に識別する情報を表す。分析物センサ202を一意に識別することによって、センサ識別はまた、分析物センサ202の製造ロット、分析物センサ202の包装の詳細、分析物センサ202の出荷の詳細などのような、分析物センサ202に関する他の態様を識別するために使用され得る。このようにして、分析物センサ202と同様の様式で製造、包装、及び/又は出荷されたセンサについて検出された様々な問題は、例えばグルコース測定値110を較正するために、欠陥のあるセンサをユーザに通知するために、製造施設に機械加工の問題を通知するためになどの種々の方途で、識別及び使用され得る。
【0079】
補足センサ情報214のセンサステータスは、所与の時点における分析物センサ202のステータス、例えば分析物測定値110のうちの1つが生成されるのと同じ時点におけるセンサの状態、を表す。この目的のために、センサステータスは、分析物測定値110の各々に対するエントリを含み得、分析物測定値110と、補足センサ情報214に捕捉されたステータスと、の間に1対1の関係があるようにする。例えば、センサステータスは、分析物センサ202の動作状態を記述し得る。1つ以上の実装態様では、センサモジュール204は、所与の分析物測定値110に対するいくつかの所定の動作状態のうちの1つを識別し得る。識別された動作状態は、分析物センサ202からの通信及び/又はそれらの通信の特性に基づき得る。
【0080】
例として、センサモジュール204は、ある状態を別の状態から選択するための所定の数の動作状態及び基礎を有するルックアップテーブルを(例えば、メモリ又は他の記憶装置に)含み得る。例えば、所定の状態は、「通常の」動作状態を含み得、この状態を選択するための基礎は、分析物センサ202からの通信が、通常の動作を示す閾値内に収まる、例えば、予想される時間の閾値内に収まる、予想される信号強度の閾値内に収まる、環境温度が予想どおりに動作を継続するのに好適な温度の閾値内にある、ことであり得る。所定の状態はまた、分析物センサ202の通信の1つ以上の特性が通常の活動の範囲外であることを示し、かつ分析物測定値110における潜在的な誤差をもたらし得る動作状態を含んでもよい。
【0081】
例えば、これらの非通常動作ステータスの基礎は、閾値予想時間外で分析物センサ202からの通信を受信すること、予想信号強度の閾値外で分析物センサ202の信号強度を検出すること、予想どおりに動作を継続するための好適な温度外の環境温度を検出すること、ヒト102が(例えばベッドにおいて)分析物モニタリングデバイス104上で転がったことを検出することなどを含み得る。センサステータスは、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、分析物センサ202及び分析物モニタリングデバイス104に関する多様な態様を示し得る。
【0082】
環境の一例及びウェアラブル分析物モニタリングデバイスの一例を検討してきたが、ここで、1つ以上の実装態様による、デジタルメディア環境における分析物測定値及び機械学習を使用する健康状態予測のための技法の詳細のいくつかの例の議論を検討する。
【0083】
健康状態予測
図3は、分析物測定値を含む健康関連データが健康状態予測に関連して異なるシステムにルーティングされる実装態様300の一例を示す。
【0084】
例示される例示的な実装態様300は、観察分析プラットフォーム108及びヒト102を含む、図1からの構成要素を含む。したがって、図1において先に紹介された構成要素は、同じ番号が付されており、再度紹介されない。以下で詳述されるように、実装態様300は、特定の健康状態に関してヒト102のステータスを分類するために使用され得る。例えば、ステータスは、特定の健康状態の不在、特定の健康状態の存在、及び/又は特定の健康状態の重症度を含み得る。いくつかの例では、ステータスは、ヒト102が経験すると予測される健康状態の症状又は他の副作用、ヒト102が経験すると予測される併存症などを更に含み得る。本明細書で使用される場合、「健康状態」という用語は、医学的治療を受け得る疾患、障害、及び非病理学的状態を広く含むことが理解され得る。「疾患」という用語は、身体の正常な機能を損なう任意の健康状態を指し得る。したがって、糖尿病などの疾患は、本明細書では健康状態と称され得る。更に、「疾患」又は「健康状態」は、異なるタイプに下位分類され得る疾患又は健康状態の群を含み得る。例えば、糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、GDM、嚢胞性線維症糖尿病などとして下位分類され得る。
【0085】
例示される例示的な実装態様300はまた、健康状態予測に関連して観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に分析物測定値110を提供し得る、ヒト102に関連付けられたデバイス302を示す。示されるデバイス302は、分析物測定結果110を生成するために観察期間中にヒト102によって着用される分析物モニタリングデバイス104を、分析物モニタリングデバイス104の外部の追加のデバイスとともに含む。具体的には、示される追加の外部デバイスは、携帯電話及びスマートウォッチを含むが、様々な他のデバイスが、1つ以上の実装態様では、分析物測定値110を観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に提供するように構成され得る。デバイス302の他の例は、ラップトップ、タブレットデバイス、ウェアラブル健康追跡装置などを含み得る。
【0086】
上記で言及されるように、分析物測定値110は、有線接続又は無線接続を介して、観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に伝達又は別様に提供され得る。例えば、分析物モニタリングデバイス104は、上記で論じられるように、有線接続又は無線接続を介して分析物測定値110を観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に提供し得る。追加の外部デバイス302のうちの1つが分析物測定値110を提供するシナリオでは、追加の外部デバイスは、分析物測定値110を観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に伝達するか、又は別様に提供するように、分析物測定値110は、最初に、分析物モニタリングデバイス104から追加の外部デバイスに提供されてもよい。
【0087】
これらのシナリオでは、外部デバイス302を使用して、分析物測定値110を分析物モニタリングデバイス104から観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112にルーティングするように、追加の外部デバイス302は、分析物モニタリングデバイス104と観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112との間の媒介物として機能してもよい。あるいは又は加えて、他のデバイスが、分析物測定値110を分析物モニタリングデバイス104から観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112にルーティングしてもよい。これらの他のデバイスは、分析物モニタリングデバイス104からデータを抽出するように構成され、かつヘルスケア提供者、病院、薬局、遠隔医療サービス、医療検査機関などの健康状態予測に関与するエンティティに関連付けられた、専用デバイスを含んでもよい。
【0088】
例示される例示的な実装態様300はまた、ユーザ母集団304を含む。ユーザ母集団304は、分析物モニタリングデバイス104などの分析物モニタリングデバイスを装着したヒトに対応する複数のユーザを表す。次いで、これらの他のユーザの分析物測定値110が、これらのユーザのそれぞれのモニタリングデバイスによって、及び/又は外部コンピューティングデバイスによって、観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に提供されることになる。1つ以上の実装態様では、ユーザ母集団304は、データ(分析物測定値110を含む)を収集する目的で少なくとも部分的に行われる1つ以上の研究の一部として選択されたユーザを含み、このデータを使用することにより、機械学習を使用して、例えば特定の健康状態を分類するために使用され得る教師あり学習、教師なし学習、強化学習などを使用して、1つ以上のモデルを生成することができるようにする。
【0089】
あるいは又は加えて、ユーザ母集団304は、健康状態予測がヒト102に対して生成されるのと同様の様式で、分析物モニタリングデバイス104を伴う観察期間中に生成された自分の分析物測定値に基づいて、健康状態の分類が以前に生成されたユーザを含んでもよい。ヒト102の健康状態予測の前に、かつデータを収集するために実行される調査に関連して生成されたデータは、ヒト102の分析物測定値110が生成される前の時点で生成されるため、「履歴」データと称される。同様に、ヒト102の健康状態予測の前に、かつ他のユーザの健康状態予測に関連して生成されたデータも、履歴データである。説明される技法によれば、履歴データは、例えば、履歴分析物測定値及び履歴転帰データを含む。これらの履歴データは、図5に関連してより詳細に説明されるように、健康状態予測及び/又は分類のための基礎となるモデルを訓練するか、又は別様に学習するために、機械学習とともに使用される。ユーザ母集団304の履歴分析物測定値とは対照的に、ヒト102の健康状態予測のための分析物測定値110は、新しい分析物測定値であり得る。
【0090】
例として、健康状態予測に関連してデータを収集するための研究は、参加者が複数日の期間にわたって分析物モニタリングデバイスを装着して、それらの参加者について分析物測定値110を生成することを伴い得る。期間は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ヒト102の分析物測定値110を生成するために使用される観察期間と同じ又は異なる持続時間を有し得る。分析物測定値110を収集することに加えて、そのような研究は、参加者に関する他のデータを取得するために活用され得る。転帰データ306は、これらの他のデータのうちの少なくともいくつかに対応し、ユーザ母集団304のユーザに関する多様な態様を記述し得る。
【0091】
例えば、糖尿病を予測するための研究に関連して、参加者は、分析物(例えば、グルコース)モニタリングデバイスを装着することに加えて、HbA1c、FPG、及び/又は2Hr-PGなどの1つ以上の診断尺度を生成する従来の技法を使用して検査され得る。独立した診断尺度308は、ユーザ母集団304のユーザに関する1つ以上のそのような検査の転帰を記述するデータを表す。例えば、独立した診断尺度308は、ユーザ母集団304のユーザに関連して、HbA1c、FPG、2Hr-PG(又はFPGと2Hr-PGとの組み合わせとしてのOGTT)、及び/又はランダム血漿グルコース(random plasma glucose、RPG)の結果を記述し得る。したがって、独立した診断尺度308は、ユーザ母集団304の臨床的に決定された健康状態分類を表し得る。このことを前提として、研究参加者の分析物測定値110は、例えば測定値をラベル付けすることによって、それぞれの参加者の独立した診断尺度308と関連付けられ得る。以下でより詳細に論じられるように、機械学習は、訓練プロセスを通じて、それぞれの個人のHbA1cが10.0である可能性が高いことを示す分析物測定値110におけるパターンなどの、独立した診断尺度308の特定の値を示す分析物測定値110におけるパターンを学習し得る。研究が糖尿病ではない疾患及び状態を予測することを含む場合、独立した診断尺度308は、上記で説明されるものとは異なり得ることが理解され得る。
【0092】
例示されるように、転帰データ306はまた、観察された副作用310及び臨床診断312を含む。観察された副作用310は、ユーザ母集団304のユーザによって経験される副作用を記述するデータを表す。例として、糖尿病を予測することに関連して、観察された副作用310は、2型糖尿に関連付けられた1つ以上の副作用のいずれかをユーザが経験したか否かを記述し得る。2型糖尿病に関連付けられた1つ以上の副作用は、少し例を挙げると、糖尿病性網膜症、白内障症、緑内症、失明、重度の高血糖又は低血糖、心臓及び血管疾患、神経障害、勃起障害、腎不全又は末期腎不全、治癒遅延、聴覚障害、皮膚状態(例えば、細菌及び真菌感染症)、睡眠時無呼吸、及びアルツハイマー症などである。
【0093】
加えて又はあるいは、観察された副作用310は、ユーザが、GDMに関連付けられた1つ以上の副作用のいずれかを経験したか否かを記述してもよく、例えば、過剰な出生時体重を有する(帝王切開出産を必要とする)ユーザの赤ちゃん、早期出産(早産)、呼吸窮迫症候群、新生児低血糖を有するユーザの赤ちゃん、晩年に肥満になるか又は2型糖尿病を発症する赤ちゃん、死産などである。
【0094】
加えて又はあるいは、観察された副作用310は、ユーザが、1型糖尿病、嚢胞性線維症糖尿病、膵性糖尿病などに関連付けられた作用などの、他のタイプの糖尿病に関連付けられた1つ以上の副作用を経験したか否かを記述してもよい。観察された副作用310は、糖尿病以外の疾患及び状態を予測するために異なる場合があり、糖尿病予測は、例として提供されることが理解され得る。このことを前提として、研究参加者の分析物測定値110は、例えば測定値をラベル付けすることによって、それぞれの参加者の観察された副作用310と関連付けられ得る。以下でより詳細に論じられるように、機械学習は、訓練プロセスを通して、それぞれのヒトが帝王切開術を必要とする過剰な出生時体重を有する赤ちゃんを有する確率を示す分析物測定値110におけるパターンなどの、観察された副作用310の発生及び非発生を示す分析物測定値110におけるパターンを学習し得る。
【0095】
臨床診断312は、ユーザ母集団304のユーザが臨床医によって健康状態と診断されたか(若しくは診断されなかったか)どうか、又はユーザが健康状態と暫定的若しくは予備的に診断されたかどうかを記述するデータを表す。例として、診断は、独立した診断尺度308及び/又は観察された副作用310のうちの1つ以上に基づいて、臨床医によって行われ得る。したがって、診断は、臨床的に検証された健康状態分類を提供し得る。加えて又はあるいは、臨床診断312は、例えば、食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)又は臨床コミュニティ全体によって診断について承認されていない診断検査に基づくラベル付けを表すように構成されてもよい。糖尿病の例では、臨床診断312の値は、それぞれのユーザが、少し例を挙げると、糖尿病(又はあるタイプの糖尿病)と臨床的に診断されていること、前糖尿病(又は異なるタイプの前糖尿病のいずれか)と臨床的に診断されていること、糖尿病と暫定的又は予備的に診断されていること、糖尿病を有していない(すなわち、スクリーニングされている)こと、非承認検査を使用して糖尿病と診断されていること、又は非承認検査を使用して前糖尿病と診断されていることを示し得る。このこと及び独立した診断尺度308を前提として、例えば、分析物測定値110は、それぞれの研究参加者の独立した診断尺度308とそれぞれの参加者の臨床診断312とに関連付けられ得る。
【0096】
機械学習は、訓練を通じて、独立した診断尺度308の特定の値を示し、かつ異なる臨床診断312を更に示す分析物測定値110におけるパターンを学習し得る。例示的な例として、機械学習は、ヒトのHbA1cが6.0である可能性が高い(例えば、「推定A1c」)ことを示し、更に臨床医の分析が前糖尿病の診断をもたらす可能性が高い分析物測定値110におけるパターンを学習し得る。この例は、ヒトのHbA1cに関連して論じられているが、前糖尿病又は糖尿病の臨床診断は、説明される技術の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なる測定(例えば、FPG)及び/又は観察(例えば、体重増加、神経障害、及び睡眠時無呼吸)に基づいて行われてもよいことを理解されたい。
【0097】
1つ以上の実装態様では、転帰データ306は、ラベルを含み得るか、又はラベルとして使用可能であり得る。例えば、各独立した診断尺度308の値を使用して、ユーザ母集団304のそれぞれのユーザの分析物測定値110をラベル付けし得る。あるいは又は加えて、それぞれのユーザによって経験された観察された副作用310を示すラベルを使用して、それぞれのユーザの分析物測定値110をラベル付けしてもよい。あるいは又は加えて、臨床診断312を示すラベルを使用して、それぞれのユーザの分析物測定値110をラベル付けしてもよい。例えば、前糖尿病と臨床的に診断されたユーザの分析物測定値110は、「前糖尿病」ラベルに関連付けられてもよいのに対して、糖尿病と臨床的に診断された異なるユーザの分析物測定値110は、「糖尿病」ラベルに関連付けられてもよい。例示的な実装態様300には独立した診断尺度308、観察された副作用310、及び臨床診断312が示されているが、転帰データ306は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ユーザ母集団304のユーザの異なる態様、追加の態様、又はより少ない態様を記述するデータを含んでもよいことを理解されたい。
【0098】
例示される例示的な実装態様300に示されるように、ユーザ母集団304のユーザの分析物測定値110及び転帰データ306は、観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112に伝達されるか、又は別様に提供される。分析物測定値110及び転帰データ306に加えて、ユーザ母集団304のユーザの他の態様を記述する追加データが、観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112によって取得されてもよい。例として、この追加のデータは、人口統計データ(例えば、年齢、性別、民族性)、医療履歴データ(例えば、身長、体重、体格指数(body mass index、BMI)、体脂肪率、様々な状態の有無)、ストレスデータ、栄養データ、運動データ、処方データ、身長及び体重データ、職業データなどを含んでもよい。これらのタイプの追加のデータは、単なる例であり、追加のデータは、本明細書に記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、より多い、より少ない、又は異なるタイプのデータを含み得る。1つ以上の実装態様では、観察分析プラットフォーム108及び/又は記憶デバイス112は、ヒト102に関する、及びユーザ母集団304のユーザに関するそのような追加のデータ(又は追加のデータのうちの少なくともいくつか)を取得し得る。
【0099】
特に、例示された例示的な実装態様300は、観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112を別個に示し、また、記憶デバイス112と観察分析プラットフォーム108との間の破線矢印を示す。一般的に言えば、この矢印は、記憶デバイス112に維持されたデータが、記憶デバイス112から観察分析プラットフォーム108によって取得され得ることを表す。別の言い方をすれば、記憶デバイス112によって維持されたデータは、観察分析プラットフォーム108に提供され得る。上記で論じられるように、記憶デバイス112は、ヒト102の分析物測定値110、並びにユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を記憶し得る。
【0100】
1つ以上の実装態様では、観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112は、分析物モニタリングデバイス(例えば、分析物モニタリングデバイス104)と分析物モニタリングに関連するサービスとのプロバイダなどの、同じエンティティに対応し得る。そのような実装態様では、観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112は、複数のコンピューティングデバイス(例えば、サーバ)と、エンティティに割り振られるか、又はエンティティに別様に(例えば、サブスクリプション又は所有権を介して)関連付けられた記憶装置リソースと、にわたって、「クラウド」に実装され得る。この目的のために、ヒト102の分析物測定値110、並びにユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306は、サービスプロバイダに関連付けられたサーバがそのサービスプロバイダに関連付けられた記憶装置からデータを取得する方途で、記憶デバイス112から観察分析プラットフォーム108によって取得され得る。
【0101】
他の実装態様では、観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112は、異なるエンティティに対応し得る。例として、記憶デバイス112は、ヒト102のコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話又はタブレットデバイス)などの第1のエンティティに対応し得、観察分析プラットフォーム108は、分析物モニタリングデバイスと分析物モニタリングに関連するサービスとのプロバイダなどの第2のエンティティに対応し得る。この例では、観察分析プラットフォーム108は、少なくとも部分的に、ヒト102のコンピューティングデバイス上で動作する第2のエンティティのアプリケーションとして実装され得る。あるいは又は加えて、観察分析プラットフォーム108は、第2のエンティティのサーバデバイスを使用して実装されてもよい。アプリケーション実装態様では、第2のエンティティのアプリケーションは、コンピューティングデバイス上にローカルに実装された記憶デバイス112から、例えばコンピューティングデバイスのバス又は他のローカル送信手段を介して、ヒト102の分析物測定値110、ユーザ母集団304の分析物測定値110、又はユーザ母集団304の転帰データのうちの1つ以上を取得し得る。サーバ実装態様では、第2のエンティティのサーバは、インターネットなどの1つ以上のネットワークを介して、コンピューティングデバイス上に実装された記憶デバイス112からデータを取得し得る。
【0102】
観察分析プラットフォーム108及び記憶デバイス112が異なるエンティティに対応する別の例では、記憶デバイス112は、分析物モニタリングデバイスと分析物モニタリングに関連するサービス(又は分析物モニタリングに関連する限定されたサービス)とのプロバイダなどの第1のエンティティに対応し得る。この後者の例では、観察分析プラットフォーム108は、サービスプロバイダ、例えば第1のエンティティのデータパートナなどの、第2の異なるエンティティに対応し得る。この例では、第2のエンティティは、記憶デバイス112(及び分析物モニタリングデバイス104)に対応するエンティティに関して「サードパーティ」とみなされ得る。それがデータパートナに対応する場合、観察分析プラットフォーム108は、第1のエンティティと第2のエンティティとの間の1つ以上の法的合意に従って、第1のエンティティ(すなわち、記憶デバイス112)からデータを取得し得る。記憶デバイス112に維持されたデータの観察分析プラットフォーム108への提供は、アプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface、API)によって制御され得る。
【0103】
このタイプのシナリオでは、そのようなAPIは、分析物測定値110及び転帰データ306などのデータの「出口」とみなされ得る。「出口」とは、データのフローが、一般に、第1のエンティティからサードパーティ(例えば、第2のエンティティ)へと外向きであることを意味する。データ提供のコンテキストでは、APIは、1つ以上の「コール」(例えば、データ要求のための特定のフォーマット)をサードパーティに公開し得る。例として、APIは、サードパーティがAPIを介して記憶デバイス112からデータを取得することを可能にする、例えば第1のエンティティに対応するビジネスとの、合意をサードパーティが結んだ後に、それらのコールをサードパーティに公開し得る。この合意の一部として、サードパーティは、第1のエンティティからデータを取得するために、決済をやり取りすることに合意し得る。あるいは又は加えて、サードパーティは、第1のエンティティからデータを取得するために、例えば関連付けられたデバイスを介して、サードパーティが生成するデータをやり取りすることに合意し得る。APIを介して第1のエンティティからデータ(例えば、分析物測定値110)を取得する合意を結ぶ当事者は、「データパートナ」と称され得る。動作中、APIは、サードパーティが、特定の要求フォーマットで記憶デバイス112に維持されたデータ(例えば、分析物測定値110及び/又は転帰データ306)の要求を行うことを可能にし、要求が特定のフォーマットで行われる場合には、第1のエンティティは、要求されたデータを特定の応答フォーマットで提供する。要求されたデータは、ネットワーク、例えばインターネット、を介した1つ以上の通信における特定の応答フォーマット(例えば、パケット)で提供され得る。「サードパーティ」とみなされ得る第2のエンティティの例は、1つ以上の健康モニタリング/追跡サービス、フィットネス関連サービス、遠隔医療サービス、医療検査機関サービスなどを提供するサービスプロバイダなどの、様々なサービスプロバイダを含む。実際に、記憶デバイス112及び観察分析プラットフォーム108は、多様なデバイス及び/又はリソース(例えば、コンピューティング、通信、記憶装置など)を使用して実装され得、様々なデバイス及び/又はリソースに対応するエンティティ間の分割(又は非分割)は、本明細書に記載の技術の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記で説明されるものと異なり得る。
【0104】
いずれにしても、観察分析プラットフォーム108は、ヒト102の分析物測定値110、並びにユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を取得して、説明される技法に従ってそれらを処理するように構成されている。例えば、ユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を使用して、予測システム114は、1つ以上の機械学習モデル、例えば回帰モデル、ニューラルネットワーク、及び/又は強化学習エージェントを生成するように構成されている。1つ以上のそのようなモデルが生成されると、予測システム114は、図7に関して本明細書で更に説明されるように、それらの1つ以上のモデルを使用して、ヒト102の分析物測定値110を処理して、ヒト102の健康状態分類116を予測するように構成されている。
【0105】
例示された例示的な実装態様300では、予測システム114は、通知314を出力するように示されている。通知314は、健康状態分類116(図3には図示せず)に基づき得るか、又は健康状態分類116を含み得る。予測システム114の1つ以上の機械学習モデルによって出力される健康状態分類116が、ヒト102が糖尿病を有すると予測されることを示すラベル、例えば、「1」(「0」は、糖尿病がないことを示す)、又は「糖尿病」などのテキストラベルである例を考える。この場合、単にヒト102に健康状態分類116を提供することは、望ましくない場合がある。そのような情報が、関連する教材とともに配信されないか、又は、適切な設定及びパーソナライズされた様式で配信されない場合、そのような情報の提供は、混乱、怒り、うつ状態などを引き起こすことによるなどの、多様なネガティブな様でヒト102に影響を及ぼし得る。したがって、通知314は、観察期間の結果が利用可能であることをヒト102に通知すること、及び自分の関連付けられたヘルスケア提供者との予約をスケジュールするように指示することによるなど、単に健康状態分類116に基づき得る。
【0106】
対照的に、ヒト102のヘルスケア提供者に健康状態分類116を提供することは、望ましくないものではない場合がある。代わりに、ヘルスケア提供者がヒト102に好適に通知し、かつヒト102の治療計画を策定することができるように、(分類を提供しないこととは対照的に)ヘルスケア提供者に健康状態分類116を提供することが好ましい場合がある。そのようなシナリオでは、通知314は、単に健康状態分類116に対応し得る。あるいは、ヘルスケア提供者(又は他の者)に伝達される通知は、観察期間にわたるヒト102の分析物測定値110のトレース、それらの分析物測定値110から導出された尺度、治療の推奨(例えば、ユーザ母集団304の履歴データから学習された)などの他の情報とともに健康状態分類116を含む報告として構成されてもよい。これらの通知の例は、図8及び図9に関連してより詳細に論じられる。
【0107】
上記で言及され、かつ(例えば、図6に関して)以下で更に詳細に論じられるように、予測システム114の1つ以上の機械学習モデルは、ユーザ母集団304からの分析物測定値110の様々な特徴量を用いて訓練され、ヒト102の健康状態分類116を予測し得る。しかしながら、健康状態を分類するための臨床的関連性を有するだけでなく、分類の正解率を高めるために分析物モニタリングデバイス104の(例えば、図2に示される分析物モニタリングデバイス104の分析物センサ202の)製造ばらつきに対してロバストである(又は感度が低い)特徴量(又は特徴量の組み合わせ)を選択することが望ましい場合がある。対照的に、健康状態分類116を予測するためにセンサバイアスなどの製造ばらつきに対して感度が高い分析物測定値110の特徴量を使用することは、誤分類をもたらし得る。例えば、誤分類は、健康状態についての偽陽性、健康状態についての偽陰性などを含み得る。
【0108】
したがって、図4は、健康状態を分類するための1つ以上の機械学習モデルを訓練及び使用するための特徴量を選択するための実装態様400の一例を示す。図1図3において先に紹介された構成要素は、同じ番号が付されており、再度紹介されない。
【0109】
実装態様400は、タスクの中でもとりわけ、分析物センサ202(図4には図示せず)の製造ばらつきによって引き起こされ得る分析物測定値110の観察されたばらつきが存在する場合であっても、対象となる健康状態を正確に分類するためにロバストである分析物測定値110の特徴量を評価及び選択するように構成されたモデルマネージャ402を含む。モデルマネージャ402は、前処理マネージャ404、ばらつきシミュレータ406、特徴量構築器408、予測器410、及び評価器412を含む、複数のモジュールを含むように示されている。「モジュール」は、以下で説明される機能などの、1つ以上の機能を実行するように動作するハードウェア及び/又はソフトウェアシステムを含み得る。例えば、モジュールは、コンピュータメモリなどの有形かつ非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令に基づいて動作を実行するコンピュータプロセッサ、コントローラ、又は別のロジックベースのデバイスを含んでもよいし、それらに含まれてもよい。あるいは、モジュールは、デバイスのハードワイヤードロジックに基づいて動作を実行するハードワイヤードデバイスを含んでもよい。図4を含む添付の図面に示される様々なモジュールは、ソフトウェア命令若しくはハードワイヤード命令に基づいて動作するハードウェア、動作を実行するようにハードウェアに指示するソフトウェア、又はそれらの組み合わせを表し得る。ハードウェアは、図15に関して詳述されるように、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの1つ以上のロジックベースのデバイスを含む、かつ/又はこれらのロジックベースのデバイスに接続された、電子回路を含み得る。モデルマネージャ402は、本開示の範囲から逸脱することなく、図4に例示されるモジュールよりも多い、これらのモジュールよりも少ない、又はこれらのモジュールとは異なるモジュールを含み得ることが理解され得る。
【0110】
例示される実装態様400では、モデルマネージャ402は、例えば記憶デバイス112からの、分析物測定値110、及びユーザ母集団304の転帰データ306を取得するように示されている。一般に、前処理マネージャ404は、分析物測定値110を前処理して、それぞれのタイムスタンプに従って分析物測定値110の時間順シーケンスを決定するように構成されている。コラプション及び通信誤差に起因して、予測システム114によって取得された分析物測定値110は、時間順序から外れ得るだけでなく、1つ以上の測定値が欠落し得る。例えば、1つ以上の測定値が予想される時間順序シーケンス中にギャップがあり得る。これらの事例では、前処理マネージャ404は、欠落した分析物測定値を補間し、これらの値を時間順シーケンスに組み込むように更に構成され得る。加えて又はあるいは、前処理マネージャ404は、破損した又は劣った信号品質データを除去するためになど、所定の基準に従って分析物測定値110の部分をフィルタ除去するように構成されてもよい。この機能が論じられているが、1つ以上の実装態様では、予測システム114によって取得される分析物測定値110は、それらの測定値を序付けること、及び欠落測定値を補間することが前処理マネージャ404によって実行されないように、すでに時間順(例えば、分析物測定値110の1つ以上の時系列)になっていてもよい。
【0111】
例示される実装態様400において、前処理マネージャ404は、上記で論じられるように、順次時系列フォーマットの分析物測定値110を含む前処理済みデータ414を出力するように示されている。前処理済みデータ414は、ばらつきシミュレータ406に入力される。ばらつきシミュレータ406は、ばらつきシミュレーションを実行することによって、前処理済みデータ414に製造関連センサばらつきを導入するように構成されている。例えば、ばらつきシミュレータ406は、複数のシミュレーションラウンドにわたって複数のばらつきシミュレーションを実行し得、各々は、特徴量構築器408にデータが入力される前に、前処理済みデータ414に追加されるシミュレートされた製造関連分析物センサばらつきの異なる割合を有する。一例として、ばらつきシミュレータ406は、複数のシミュレーションラウンドの各々の間に、異なる性能ばらつき及び分析物センサ特性を前処理済みデータ414に適用し得る。いくつかの例では、ばらつきシミュレータ406は、前処理済みデータ414のトレースごとに適用された固定ばらつき(例えば、標準偏差)を用いてバイアスをシミュレートし得る。例として、乗法的ばらつき(例えば、パーセントばらつき)は、固定標準偏差と、各シミュレーションラウンドについて第1のパーセントばらつきと第2のパーセントばらつきとの間で掃引される平均値と、を有する正規分布から引き出され、前処理済みデータ414に適用され得る。第2のパーセントばらつきは、第1のパーセントばらつきよりも大きくてもよい。非限定的な例として、第1のパーセントばらつきは、負の値(例えば、-8%、又は-10%~-5%の値)であってもよく、第2のパーセントばらつきは、正の値(例えば、11%、又は10%~15%の値)であってもよい。別の非限定的な例として、固定標準偏差は、8であってもよい。
【0112】
シミュレートされたばらつきのないもの(例えば、0%のばらつき)及び既知の量のシミュレートされたばらつきを有するものを含む、前処理済みデータ414は、特徴量構築器408に入力される。特徴量構築器408は、健康状態分類を予測することに関連して評価され得るデータ(例えば、1つ以上の特徴量ベクトル)を生成するように構成され得る。例示される実装態様400では、特徴量構築器408は、ユーザ母集団304の各ユーザからなど、前処理済みデータ414の抽出された分析物特徴量416を出力するように示されている。特徴量構築器408は、1つ以上の所定のアルゴリズム又は機能に従って前処理済みデータ414を処理することによって、抽出された分析物特徴量416を決定し得る。異なる抽出された分析物特徴量416の各々は、少なくともいくつかの例において、特徴量構築器408が前処理済みデータ414を処理する異なるアルゴリズム又は関数に対応し得る。
【0113】
ここで、抽出された分析物特徴量416は、傾向関連特徴量418、時間及び日に関連する特徴量420、ばらつき及び安定性特徴量422、周波数に関連する特徴量424、並びに値ベースの特徴量426を含む。抽出された分析物特徴量416は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、例示される組み合わせから変わり得ることを理解されたい。上記で論じられるように、前処理済みデータ414は、各測定された分析物レベルがある時点に関連付けられ、かつ時間に関して順序付けられるように、時系列データとして構成され得る。すなわち、より早い時間に取得された第1の分析物測定値は、時系列データにおいて、より遅い時間に取得された第2の分析物測定値の前に配置される。前処理済みデータ414のこの時系列配列は、特徴量構築器408が、分析物測定値110の時間的傾向及び安定性に関連する特徴量を抽出することを可能にし得、これにより、分析物センサ202の製造ばらつきに起因する分析物センサ202の出力の差異にあまり感度が高くない特徴量の候補を提供し得る。
【0114】
傾向関連特徴量418は、時系列データにおけるパターン又は傾向を記述する特徴量を含み得る。例えば、傾向関連特徴量418は、自己相関特徴量などの、異なる時点(例えば、5分間隔、10分間隔、15分間隔)で取得された分析物値(例えば、レベル)間の関係を記述する特徴量を含み得る。傾向関連特徴量418は、変化率特徴量を更に含んでもよい。これらの変化率特徴量は、単位時間にわたるユーザ母集団304の所与のユーザの分析物測定値110の差異に対応し得る。一例として、前処理マネージャ404は、ある単位時間にわたる分析物の量の変化が判定され得るように、少なくとも2つの測定値の間で、測定された分析物の量の差異及び時間の差異を判定し得る。そのような変化率は、前処理済みデータ414における分析物測定値110のうちの3つ以上を使用して判定され得ることを理解されたい。いくつかの例では、変化率特徴量は、分析物測定値110の変化率の標準偏差などの、分析物測定値110の変化率に関する統計を含み得る。
【0115】
時間及び日に関連する特徴量420は、分析物動態が日ごとにかつ/又は時刻に基づいて、どのように異なるかを記述する特徴量を含み得る。時間及び日に関連する特徴量420の例は、例えば、特定の日の平均値分析物レベル、特定の時刻の平均値分析物レベル、特定の日の分析物レベルの変化率、特定の時刻間の分析物レベルの変化率、及び対応する統計(例えば、標準偏差、ばらつきの係数、歪度、尖度など)を含み得る。例えば、時間及び日に関連する特徴量420は、日ごとの統計の特徴量及び時刻ごとの統計の特徴量を含み得る。別の例として、時間及び日に関連する特徴量420は、異なる日についての分析物測定値110の平均値間の差異(例えば、日ごとの差異の平均値)、異なる時刻についての分析物測定値110の平均値間の(例えば、起きている時間と眠っている時間との間の)差異、異なる時刻についての分析物測定値110の標準偏差間の差異などを含み得る。
【0116】
ばらつき及び安定性特徴量422は、分析物測定値がどの程度安定しているか又はばらついているかを示す特徴量を含み得る。例えば、ばらつき及び安定性特徴量422は、設定点周波数特徴量及びピーク特徴量を含み得る。設定点周波数特徴量は、例えば、分析物レベルが設定点値の予め定められた範囲内にある頻度の尺度となり得る。設定点値は、例えば、分析物測定値110のモードであり得る。ピーク特徴量は、(例えば、分析物レベルが極大値に達する)分析物測定値110におけるピーク中の分析物動態を表す統計を含み得る。例えば、ピーク特徴量は、ユーザの安定したベースライン分析物レベルに対するピーク幅及び/又は高さの尺度となり得る。安定したベースライン分析物レベルは、例えば、モード又はモードプロキシであり得る。
【0117】
周波数に関連する特徴量424は、時系列前処理済みデータ414の周波数変換されたデータから抽出された特徴量を含み得る。周波数に関連する特徴量424は、例えば、分析物ばらつきの支配的な周波数を示し得る。周波数に関連する特徴量424により、時間領域データが分解され得る異なる周波数などの追加情報を時間領域データから抽出することができるようになり得る。
【0118】
値ベースの特徴量426は、例えば、ユーザ母集団304の所与のユーザについての分析物測定値110の平均値分析物値及び/又は中央値分析物値、並びに対応する統計的尺度(例えば、標準偏差、歪度、尖度、ばらつきの係数、統計的分布など)を含み得る。値ベースの特徴量426は、分位数間範囲差及び時間ベースの閾値尺度を更に含んでもよい。例えば、値ベースの特徴量426は、ユーザの分析物測定値110が、範囲の上限及び下限にそれぞれ対応する、第1の分析物レベルと、第1の分析物レベル未満である第2の分析物レベルと、の間にある、データ収集期間中の時間量に対応する、範囲内時間尺度を含んでもよい。別の例として、前処理マネージャ404は、ユーザの分析物測定値110がそのような範囲外にある観察期間の過程にわたる時間量に対応する、範囲外時間尺度を決定し得る。加えて又はあるいは、値ベースの特徴量426は、事象発生ベースの特徴量を含んでもよく、事象発生ベースの特徴量は、ユーザの分析物測定値110が第1の分析物レベルを上回って増加すること(例えば、高血糖事象)、及び/又は第2の分析物レベルを下回って減少すること(例えば、低血糖事象)の発生を示し得る。値ベースの特徴量426の追加の例は、少し例を挙げると、分析物の閾値パーセンタイルに対応する値(例えば、第94百分位数以上などの統計的に有意な閾値パーセンタイル)、分析物の10~90パーセンタイル範囲、及び振幅ベースの特徴量(例えば、分析物レベルエクスカーションの平均値振幅)を含み得る。
【0119】
予測器410は、抽出された分析物特徴量416についてのモデル予測428を、単独及び組み合わせで提供するように構成されている。例えば、モデル予測428は、ばらつきシミュレータ406によってシミュレートされた製造ばらつき(又は、パーセントばらつきが0%であるときなど、その欠如)の各量に対する抽出された分析物特徴量416の各々に対する健康状態予測の二値又は確率ベースの出力であり得る。予測器410は、抽出された分析物特徴量416のうちの1つを含む単変量特徴量モデルと、抽出された分析物特徴量416のうちの少なくとも2つの特徴量を組み合わせる多変量モデル(例えば、二変量モデル)と、の両方を利用し得る。非限定的な例として、予測器410は、抽出された分析物特徴量416及びそれらの様々な組み合わせの回帰モデル、例えば線形又はロジスティック回帰モデルを利用し得る。
【0120】
評価器412は、モデル予測428を受信し、かつ1つ以上のメトリックに従って1つ以上の抽出された分析物特徴量416をカテゴリ化するように構成されている。ここで、評価器412は、性能メトリック430及びロバスト性メトリック432を決定するように示されている。性能メトリック430は、1つ以上の抽出された分析物特徴量416の各々が、モデル予測428と比較して、ユーザ母集団304の所与のユーザについての転帰データ306に基づいて健康状態をどの程度良好に分類するかの指標を提供し得、ロバスト性メトリック432は、以下で詳述されるように、1つ以上の抽出された分析物特徴量416の各々が、シミュレートされた製造ばらつきに対してどの程度感度が低いかの指標を提供し得る。
【0121】
性能メトリック430は、1つ以上の抽出された分析物特徴量416のモデル予測428が、ユーザ母集団304の関連付けられたユーザが健康状態を有することを正確に予測する真陽性率(例えば、感度)と、1つ以上の抽出された分析物特徴量416のモデル予測428が、ユーザ母集団304の関連付けられたユーザが健康状態を有さないことを正確に予測する真陰性率(例えば、特異度)と、の一方又は両方の尺度となり得る。例えば、性能メトリック430が高いほど、1つ以上の抽出された分析物特徴量416は、健康状態を分類するための感度及び特異度が高いと予測される。一例として、性能メトリック430は、1つ以上の抽出された分析物特徴量416を、0~1のスケールなどの予め定められたスケールでランク付けし得、0は、対応するモデル予測428のいずれも(例えば、0%)正確でないことを指し、1は、対応するモデル予測428の全て(例えば、100%)が正確であることを指す。
【0122】
ロバスト性メトリック432は、ユーザ母集団304の各ユーザの反復にわたって平均されるように、ばらつきシミュレータ406によって前処理済みデータ414に追加されたパーセントばらつきごとに性能メトリック430がどれだけ変化するかの尺度となり得る。例えば、ロバスト性メトリック432は、真陽性率及び真陰性率に対するばらつき感度を組み合わせ得る。ロバスト性メトリック432は、1つ以上の抽出された分析物特徴量416を予め定められたスケールでランク付けし得、最高値は、シミュレートされたばらつきに応答して性能メトリック430の変化がないことを示し、最低値は、シミュレートされたばらつきに応答して性能メトリック430の最大変化を示す。ロバスト性メトリック432が高いほど、対応する1つ以上の抽出された分析物特徴量416は、分析物センサの製造ばらつきに対してより感度が低いと予測される。いくつかの例では、ロバスト性メトリック432に加えて又は代えて、評価器412は、ロバスト性メトリック432の逆数であり得るばらつき感度メトリックを決定し得る。例えば、ばらつき感度メトリックが高いほど、対応する1つ以上の抽出された分析物特徴量416は、分析物測定値110に影響を及ぼし得る分析物センサの製造ばらつきに対してより感度が高い(かつロバスト性が低い)と予測される。一般に、高度にロバストな分析物特徴量(例えば、高いロバスト性メトリック432又は低いばらつき感度メトリックを有するもの)は、様々な量のシミュレートされたばらつきに伴う性能メトリック430の変化をほとんど呈さない抽出された分析物特徴量416に対応する。非限定的な例として、傾向関連特徴量418並びにばらつき及び安定性特徴量422は、相対的に高いロバスト性メトリック432(及び相対的に低いばらつき感度メトリック)を有する抽出された分析物特徴量416を生成し得る。
【0123】
様々な抽出された分析物特徴量416のロバスト性メトリック432及び性能メトリック430に基づいて、評価器412は、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を選択及び出力するように構成されている。ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、分析物センサ出力及び性能に影響を与え得る製造ばらつきによって比較的影響を受けない高い感度及び特異度で健康状態を正確に予測する健康状態分類モデルを生成するために、性能とロバスト性とをバランスさせ得る。図5に関して以下で更に説明されるように、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、抽出された分析物特徴量416のうちの少なくとも2つを含み得る。例えば、少なくとも2つの抽出された分析物特徴量416から構築されたモデルは、単一の抽出された分析物特徴量416よりも大きいロバスト性と性能との組み合わせを呈し得る。一例として、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の分析物特徴量のうちの第1のものは、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434における分析物特徴量のうちの第2のものよりも高い性能メトリック430を有し得、第2のものは、第1のものよりも高いロバスト性メトリック432を有し得る。別の例では、分析物特徴量のうちの第1のものは、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434における分析物特徴量のうちの第2のものよりも高い性能メトリック430及び高いロバスト性メトリック432を有し得る。
【0124】
糖尿病が健康状態であり、かつグルコースが分析物である非限定的な例として、平均値グルコースなどの値ベースの特徴量426は、グルコースの上昇が糖尿病の特質であることから、相対的に高い性能メトリック430を有し得る。しかしながら、値ベースの特徴量426のうちの少なくともいくつかはまた、分析物センサ202の製造ばらつきに対して相対的に感度が高い場合がある。例えば、グルコース測定値がより高くシフトされる、シミュレートされた正のバイアスを増加させることは、糖尿病を有さないユーザがバイアスを上昇させたグルコースレベルに起因して糖尿病を有することをモデルが誤って予測することに起因して、値ベースの特徴量426のうちの少なくともいくつかの単変量モデルの真陰性率を減少させ得る。同様に、グルコース測定値がより低くシフトされる、シミュレートされた負のバイアスを増加させることは、糖尿病を有するユーザがバイアスを低下させたグルコースレベルに起因して糖尿病を有さないことをモデルが誤って予測することに起因して、値ベースの特徴量426のうちの少なくともいくつかの単変量モデルの真陽性率を減少させ得る。結果として、値ベースの特徴量426のうちの少なくともいくつかの単変量モデルは、相対的に低いロバスト性メトリック432を有し得る。したがって、一例では、値ベースの特徴量426のうちの1つを、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434において、傾向関連特徴量418のうちの1つなどの高いロバスト性メトリック432を有する特徴量とバランスさせ得る。
【0125】
上記の例は、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を、異なるカテゴリ(又はタイプ)に属する特徴量を含むものとして説明しているが、他の例では、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、同じカテゴリからの特徴量を含み得ることが理解され得る。例えば、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の特徴量の各々は、傾向関連特徴量418のうちの1つであり得る。別の例として、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の特徴量の各々は、値ベースの特徴量426のうちの1つであり得る。したがって、上記の例は、限定ではなく例示のために提供されていることを理解されたい。
【0126】
ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を選択するために、評価器412は、所定の閾値未満であるロバスト性メトリック432を有する多変量モデル予測428をフィルタ除去し得る。評価器412は、残りの候補の最も高い性能メトリック430を有する多変量モデル予測428を選択し得、関連付けられた抽出された分析物特徴量416は、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434として出力され得る。
【0127】
ここで図5を参照すると、抽出された分析物特徴量(例えば、図4の抽出された分析物特徴量416)をカテゴリ化してロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を識別するためのグラフ500のセットの一例が示されている。グラフ500は、単変量特徴量モデルの第1のグラフ502と、二変量特徴量モデルの第2のグラフ504と、を含み、各グラフの垂直軸は、ばらつき感度メトリックを表し、各グラフの水平軸は、性能メトリックを表す。ばらつき感度メトリックは、例えば、図4のロバスト性メトリック432の逆数であり得、性能メトリックは、図4の性能メトリック430であり得る。各データポイントは、関連付けられた抽出された分析物特徴量を使用して健康状態分類を予測するための各単変量(第1のグラフ502)又は二変量(第2のグラフ504)モデル予測(例えば、図4のモデル予測428)のばらつき感度メトリック及び性能メトリックを表す。すなわち、第1のグラフ502は、各抽出された分析物特徴量を個々に使用するモデル予測のための個々の性能メトリック及び個々のばらつき感度メトリックを示す一方、第2のグラフ504は、抽出された分析物特徴量のうちの2つを組み合わせて使用するモデル予測のための性能メトリック及びばらつき感度メトリックを示す。
【0128】
最初に第1のグラフ502を参照すると、凡例506は、データポイントの塗りつぶしパターンに従う、抽出された各分析物特徴量のカテゴリを表す。この例では、高性能特徴量508は、濃いドットシェーディングによって示され、他の特徴量よりも相対的に高い性能メトリック、例えば少なくとも0.97の性能メトリック、を有する。図4に関して上記で説明されるように、性能メトリックは、各抽出された分析物特徴量を0~1のスケールでランク付けし得、0は、その特徴量についての単変量モデル予測のいずれも(例えば、0%)、健康状態分類を予測することにおいて正確でないことを指し、1は、その特徴量についての単変量モデル予測の全て(例えば、100%)が、健康状態分類を予測することにおいて正確であることを指す。第1のグラフ502に示される例では、高性能特徴量508は全て、相対的に高いばらつき感度メトリックも有し、これらの高性能特徴量508が、健康状態分類を予測する際の分析物測定値に対する製造ばらつきの影響に対する感度が高いことを示す。
【0129】
中間特徴量510は、高性能特徴量508の濃いドットシェーディングよりも明るい中間ドットシェーディングによって示される。説明される技法によれば、中間特徴量510は、中間性能メトリックと中間ばらつき感度メトリックとの両方を有するものである。例えば、図5の第1のグラフ502に示される例では、中間特徴量510は、0.75~0.97の性能メトリックと、0.3~1.2のばらつき感度メトリックと、を有する。性能メトリック及びばらつき感度の異なる範囲を使用して、ばらつきにおける中間特徴量510(及び他のタイプの特徴量)を定義し得る。
【0130】
この例では、高いロバスト性の特徴量512は、水平線シェーディングによって示され、他の特徴量よりも相対的に低いばらつき感度メトリック、例えばこの例では0.2未満のばらつき感度メトリック、を有する。図4に関して上記で説明されるように、高度にロバストな特徴量は、シミュレートされた製造関連ばらつきが分析物測定値に追加されたときに性能の変化をほとんど経験しないものとして識別される。第1のグラフ502に示される高いロバスト性の特徴量512は、0.80~0.95の範囲内の性能メトリックを有する。
【0131】
この例では、低い性能の特徴量514は、白塗り(例えば、シェーディングなし)によって示される。ここで、低い性能の特徴量514は、0.65未満の性能メトリックを有する特徴量として定義され、これらの特徴量が機械学習モデルを使用して健康状態分類を予測するのに正確な信頼性ではない場合があることを示す。しかしながら、様々なシナリオにおいて、低い性能の特徴量514はまた、これらの特徴量の低いばらつき感度メトリックによって示されるように、高いロバスト性を有する。
【0132】
したがって、図5に示される例などのいくつかの例では、任意の単一の抽出された分析物特徴量よりも高い性能メトリック及び低いばらつき感度メトリックを伴う特徴量の組み合わせを生成するために、少なくとも2つの抽出された分析物特徴量を組み合わせることが有益であり得る。ここで第2のグラフ504を参照すると、凡例516は、データポイントの塗りつぶしに従って各データポイントに示される、分析物特徴量の組み合わせのカテゴリを表す。第2のグラフ504に示される例では、第1のグラフ502の2つの高い性能の特徴量を含む高い性能の特徴量の組み合わせ518は、濃いドットシェーディングによって示される。第1のグラフ502の1つの高い性能の特徴量及び1つの中間特徴量を含む、高い性能及び中間特徴量の組み合わせ520は、垂直線シェーディングによって示される。第1のグラフ502からの2つの中間特徴量を含む中間特徴量の組み合わせ522は、中間ドットシェーディングによって示される。第1のグラフ502の1つの高いロバスト性の特徴量及び1つの中間特徴量を含む、高いロバスト性及び中間特徴量の組み合わせ524は、車線シェーディングによって示される。第1のグラフ502の2つの高いロバスト性の特徴量を含む、高いロバスト性の特徴量の組み合わせ526は、水平線シェーディングによって示され、第1のグラフ502の2つの低い性能の特徴量を含む、低いロバスト性の特徴量の組み合わせ528は、白塗り(又は塗りつぶしなし)によって示される。
【0133】
第2のグラフ504に示されるロバスト性閾値530を(例えば、評価器412によって)使用して、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434として考慮するために二変量モデルの特徴量の組み合わせをフィルタ除去し得る。1つ以上の実装態様では、ロバスト性閾値530は、分析物センサの製造ばらつきに対してロバストである特徴量の組み合わせを、分析物センサの製造ばらつきに対してロバストでない特徴量の組み合わせから区別するように較正された非零である所定のばらつき感度メトリック値である。したがって、ロバスト性閾値530未満のばらつき感度メトリックを有する特徴量の組み合わせは、ロバストであると考えられる。非限定的な例として、ロバスト性閾値530は、図5に示されるように、0.5であり得る。他の例では、ロバスト性閾値530は、0.4などの別の値に設定されてもよい。
【0134】
更に他の例では、ロバスト性メトリックは、ばらつき感度メトリックの代わりに使用されてもよい。そのような例では、ロバスト性閾値530は、非零の所定のロバスト性メトリック値であってもよく、それを上回ると、特徴量の組み合わせは、分析物センサの製造ばらつきに対してロバストであると考えられる。したがって、ロバスト性メトリックがばらつき感度メトリックの代わりに使用されるとき、ロバスト性閾値530未満である特徴量の組み合わせは、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434に対する考慮からフィルタ除外され得る。
【0135】
図5に示される例などのいくつかの例では、ロバスト性閾値530によってフィルタ除去されない(例えば、ロバスト性閾値530がばらつき感度メトリック値であるときにロバスト性閾値530未満である)最大の性能メトリックを伴う特徴量の組み合わせが、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434として選択される。ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、第2のグラフ504に示される例では、高いロバスト性及び中間特徴量の組み合わせ524であるが、他の例では、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、異なるカテゴリの特徴量の組み合わせであってもよい。したがって、図5に示される例は、例示のためであって、限定するためのものではないことが理解され得る。
【0136】
いくつかの実装態様では、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を選択する際に(例えば、性能メトリック及びロバスト性閾値530に加えて)追加の態様が評価され得る。追加の態様は、特徴量の組み合わせにおける特徴量の計算の容易さ、ハードウェアを単独で使用して特徴量の組み合わせにおける特徴量を決定する能力、特徴量の組み合わせにおける特徴量を計算するために必要とされるデータの量(例えば、複数日にわたる収集対、数時間にわたる収集)などを含み得るが、これらに限定されない。したがって、いくつかの実装態様では、ロバスト性閾値530によってフィルタ除去されない最高の性能メトリックを有する選択された数の上位候補の特徴量の組み合わせについて、追加のメトリック(又はスコア)が、これらの追加の態様に基づいて(例えば、評価器412を介して)決定され得る。非限定的な例として、追加のメトリックは、3つの最大の性能メトリックを有する候補の特徴量の組み合わせについて決定され得る。いくつかの実装態様では、追加のメトリックは、選択された数の上位候補の特徴量の組み合わせの各々の性能メトリックに追加され得、最高和を有する上位候補の特徴量の組み合わせが、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434として選択され得る。このようにして、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434は、最大の性能メトリックを伴う特徴量の組み合わせよりも分析することが容易な特徴量の組み合わせを含み得る。
【0137】
更に、図5は、ロバスト性閾値530を使用して第2のグラフ504の特徴量の組み合わせをフィルタリングすることを示しているが、他の例では、ロバスト性閾値530の代わりに、又はロバスト性閾値530に加えて、性能メトリック閾値を使用して、特徴量の組み合わせをフィルタリングしてもよい。例えば、性能メトリック閾値よりも大きい最低のばらつき感度メトリック(又は最高のロバスト性メトリック)を伴う特徴量の組み合わせが、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434として選択されてもよい。ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434がばらつき感度メトリック(又はロバスト性メトリック)及び性能メトリックに基づいてどのように選択され得るかの追加の例が、図11に関して以下に説明される。
【0138】
図4の例示的な実装態様400を介して決定され、かつ図5の第2のグラフ504に例示されるロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を使用して、健康状態分類を予測するための機械学習モデルを訓練し得る。ここで図6を参照すると、機械学習モデル602がモデルマネージャ402を介して訓練される予測システム114の実装態様600の一例が、より詳細に示されている。図1図4において先に紹介された構成要素は、同じ番号が付されており、再度紹介されない。
【0139】
例示される実装態様600では、予測システム114は、機械学習モデル602と、機械学習モデル602を管理するモデルマネージャ402と、を含む。説明される技法によれば、機械学習モデル602は、単一の機械学習モデル又は複数のモデルのアンサンブルを表し得る。機械学習モデル602は、異なるタイプの機械学習モデルに対応し得、基礎となるモデルは、教師あり学習、教師なし学習、及び/又は強化学習を使用するなどの種々の手法を使用して学習される。例として、これらのモデルは、少し例を挙げると、回帰モデル(例えば、線形、多項式、及び/又はロジスティック回帰モデル)、分類器、ニューラルネットワーク、及び強化学習ベースのモデルを含み得る。
【0140】
機械学習モデル602は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のタイプの機械学習モデルとして構成され得るか、又は他のタイプの機械学習モデルを含み得る。これらの異なる機械学習モデルは、それぞれ、異なるアーキテクチャ及び/又はパラダイムに少なくとも部分的に起因する異なるデータ及び異なるアルゴリズムを使用して、構築又は訓練され(又はモデルが別様に学習され)得る。したがって、モデルマネージャ402の機能の以下の議論は、多様な機械学習モデルに適用可能であることを理解されたい。しかしながら、説明目的で、機械学習モデル602を訓練する際のモデルマネージャ402の機能は、一般に、統計モデル及びニューラルネットワークに関連して説明される。
【0141】
概して言えば、モデルマネージャ402は、機械学習モデル602を含む機械学習モデルを管理するように構成されている。このモデル管理は、例えば、機械学習モデル602を構築すること、機械学習モデル602を訓練すること、このモデルを更新することなどを含む。具体的には、モデルマネージャ402は、少なくとも部分的に、記憶デバイス112に維持された豊富なデータを使用して、このモデル管理を実行するように構成されている。例示されるように、このデータは、ユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を含む。別の言い方をすれば、モデルマネージャ402は、機械学習モデル602を構築し、機械学習モデル602を訓練し(又は別様に基礎となるモデルを学習し)、ユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を使用してこのモデルを更新する。例えば、モデルマネージャ402は、図4に関して上記で論じられる実装態様400に従って、ユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306に基づいて、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を選択し、機械学習モデル602を訓練するための入力としてロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を使用し得る。機械学習モデル602が、入力としてのロバストな分析物特徴量の組み合わせ434に加えて、ユーザ母集団304からの追加データなどのデータを受信する実装態様では、モデルマネージャ402はまた、そのような追加データを使用して、機械学習モデル602を構築、訓練、及び更新する。
【0142】
1つ以上の実装態様では、モデルマネージャ402は、機械学習モデル602を訓練するための、又は別様にモデルのパラメータを学習するための訓練データを生成する。概して言えば、訓練データの生成は、機械学習モデルが出力するように設計された健康状態分類に依存する。この訓練データは、例えば、機械学習モデル602が、ヒトの診断尺度、ヒトが経験すると予測される副作用、又はヒトの臨床診断の予測を生成するように構成されている場合、異なるであろう。予測される転帰にかかわらず、訓練データを生成することは、図4に関して上記で説明されるように、ユーザ母集団304の分析物測定値110を時間順序付けすること(分析物測定値110がまだ時間順序付けされていない場合)と、それらの時間順序付けされた分析物測定値110から分析物特徴量を抽出することと、を含み得る。モデルマネージャ402は、前処理マネージャ404の機能を活用して、時間順序付けされた分析物測定値110の前処理済みデータ414を形成し、特徴量構築器408の機能を活用して、例えば、抽出された分析物特徴量416を生成することに関連して上記で論じられるのと同様の様式で、分析物特徴量を抽出し得る。一例として、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434が選択されると、モデルマネージャ402は、特徴量構築器408を使用して、訓練データからロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を抽出し得る。モデルマネージャ402は、少なくともいくつかの例では、機械学習モデル602を訓練する際にばらつきシミュレータ406を利用しない場合がある。
【0143】
訓練データを生成することはまた、分析物測定値110のトレース、又は分析物測定値110から抽出されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を、ユーザ母集団304のそれぞれのユーザの転帰データ306に関連付けることを含む。このことを前提として、特定のユーザに対応する分析物トレース又は抽出された分析物特徴量は、特定のユーザの転帰データ306に関連付けられる。例として、特定のユーザは、糖尿病と臨床的に診断されていてもよく、自分のグルコースは、観察期間の27%に対応する時間量にわたって閾値を上回っていてもよい。このことを前提として、モデルマネージャ402は、閾値を上回るユーザの時間が27%であることを示す値を伴う入力部分と、ヒトが糖尿病を有することを示す値、例えば、「1」又は何らかの他の対応する値、を伴う関連付けられた出力部分と、を含む、訓練インスタンスを形成してもよい。
【0144】
1つ以上の実装態様では、モデルマネージャ402は、転帰データ306から、臨床診断312の値、例えば「糖尿病」、「前糖尿病」、「非糖尿病」などの、少なくとも1つのタイプの転帰に対応する観察値又はラベル、又はそれらのラベルを示す値を抽出することによって、統計モデルを構築し得る。統計モデルは、構築されると、この少なくとも1つの転帰タイプの値又はラベルを予測し、それらを健康状態分類116として出力するように構成されている。少なくとも1つの転帰タイプを示す値又はラベルは、モデルへの入力として作用しない。統計モデルが回帰モデルであるシナリオでは、例えば、転帰値又はラベルは、1つ以上の従属変数に対応し得る。対照的に、分析物測定値110から抽出されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の各特徴量は、モデルへの入力として作用し得る。したがって、機械学習モデル602が統計モデルとして構成されているシナリオでは、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の少なくとも2つの分析物特徴量は、少なくとも2つの説明(又は独立)変数に対応し得る。
【0145】
転帰データ306からの転帰値又はラベルのセットと、分析物測定値110から抽出されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の値のセットと、が与えられると、モデルマネージャ402は、抽出された分析物特徴量値の入力に応答して、モデルマネージャ402がある許容範囲内で転帰値又はラベルを生成するように、これらの値のセットを方程式に「フィッティング」するための1つ以上の知られている手法を使用する。そのようなフィッティング手法の例は、最小二乗法を使用すること、最小絶対偏差回帰を使用すること、最小二乗コスト関数の罰則付きバージョン(例えば、リッジ回帰又はラッソ)を最小化することなどを含む。「フィッティング」とは、モデルマネージャ402が、1つ以上の手法及び訓練データのこれらの値のセットを使用して、方程式のモデルパラメータを推定することを意味する。
【0146】
推定されるパラメータは、例えば、独立変数(例えば、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434)が動作中に機械学習モデルに入力されるときに独立変数の値に適用される重みを含む。モデルマネージャ402は、ユーザ母集団304の観察値をフィッティングすることから推定されたこれらのパラメータを式に組み込んで、統計モデルとして機械学習モデル602を生成する。動作中、予測システム114は、独立変数の値(例えば、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の値)を統計モデルに(例えば、1つ以上のベクトル又は行列として)入力し、統計モデルは、推定された重みをこれらの入力値に適用し、次いで、1つ以上の従属変数の値又はラベルを出力する。この出力は、健康状態分類116に対応する。
【0147】
以下の議論では、モデルマネージャ402が機械学習モデルを構築及び訓練する能力について、少なくとも1つのニューラルネットワークに対応するか、又は少なくとも1つのニューラルネットワークを含む機械学習モデル602の構成に関連して論じられる。
【0148】
使用される訓練データに関して、モデルマネージャ402は、上述したように、入力部分と、期待される出力部分、すなわち訓練中にモデルの出力と比較するためのグラウンドトゥルース、と、を含む訓練データのインスタンスを生成し得る。訓練データインスタンスの入力部分は、分析物測定値110の1つ以上のトレース、及び/又は特定のユーザのロバストな分析物特徴量の組み合わせ434における1つ以上の抽出された特徴量に対応し得る。出力部分は、特定のユーザの転帰データ306の1つ以上の値、例えば健康状態の臨床診断を示す値又は確証する臨床診断値(例えば、健康状態が糖尿病であるときのユーザの観察されたHbA1c)、に対応し得る。ここでも、トレースが訓練に使用されるかどうか、並びに訓練に使用されるロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の特徴量、及びどの転帰データが訓練に使用されるかは、機械学習モデル602が入力として受信するように設計(及び訓練)されるデータと、出力するように設計(及び訓練)されるデータと、に依存する。
【0149】
モデルマネージャ402は、機械学習モデル602を訓練するために、訓練入力部分をそれぞれの期待される出力部分とともに使用する。訓練のコンテキストでは、モデルマネージャ402は、訓練入力部分のセットからのデータのインスタンスを機械学習モデル602に提供することによって、機械学習モデル602を訓練し得る。このことに応答して、機械学習モデル602は、臨床診断を示す値を予測することなどによって、状態分類の疾患の予測を生成する。モデルマネージャ402は、機械学習モデル602からのこの訓練予測を出力として取得し、訓練予測を、訓練入力部分に対応する期待される出力部分と比較する。例えば、機械学習モデル602が、ユーザが糖尿病を有することを示す糖尿病分類を出力する場合には、この予測は、予測が正しかったかどうかを判定するために、出力データ(例えば、ユーザを糖尿病を有するか、又は糖尿病を有さないと分類する)と比較される。この比較に基づいて、モデルマネージャは、それぞれの訓練入力部分が将来入力として提供されるときに、機械学習モデルが期待される出力部分を実質的に再現することができるように、機械学習モデル602の内部重みを調整する。
【0150】
訓練入力部分のインスタンスを機械学習モデル602に入力し、機械学習モデル602から訓練予測を受信し、(例えば、平均二乗誤差などの損失関数を使用して)訓練予測を入力インスタンスに対応する期待される出力部分(観察された)と比較し、これらの比較に基づいて機械学習モデル602の内部重みを調整するこのプロセスは、何百、何千、又は更には何万の反復にわたって、反復ごとに訓練データのインスタンスを使用して、繰り返され得る。
【0151】
モデルマネージャ402は、機械学習モデル602が、期待される出力部分に一貫して実質的に一致する予測を生成することができるまで、そのような反復を実行し得る。期待される出力部分に実質的に一致する予測を一貫して生成する機械学習モデルの能力は、「収束」と称され得る。このことを考慮すると、モデルマネージャ402は、機械学習モデル602が解に「収束する」、例えばモデルが期待される出力部分に実質的に一致する予測を一貫して生成するようにモデルの内部重みが訓練反復に起因して好適に調整される、まで、機械学習モデル602を訓練すると言うことができる。
【0152】
上述したように、機械学習モデル602は、1つ以上の実装態様では、分析物測定値110及び/又はそれらの測定値から抽出されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434に加えて、入力を受信するように構成され得る。そのような実装態様では、モデルマネージャ402は、訓練入力部分と、それぞれの期待される出力部分と、健康状態分類を予測するために使用されているユーザ母集団304の任意の他の態様、例えば人口統計学的情報、病歴、運動、及び/又はストレス、を記述する追加の入力データと、を含む訓練インスタンスを形成し得る。この追加データ並びに訓練入力部分は、入力ベクトルを生成するために、1つ以上の知られている技法に従ってモデルマネージャ402によって処理され得る。訓練入力部分並びに他の態様を記述するこの入力ベクトルは、次いで、機械学習モデル602に提供され得る。それに応答して、機械学習モデル602は、予測が訓練インスタンスの期待される出力部分と比較され、かつモデルの重みが比較に基づいて調整され得るように、上記で論じられるのと同様の様式で、健康状態分類の予測を生成し得る。
【0153】
いくつかの例では、図4の実装態様400及び図6の実装態様600の少なくとも一部分を組み合わせて実行し得ることができることが理解され得る。例えば、ばらつきシミュレータ406は、機械学習モデル602を調節するときに製造関連センサばらつきを導入し得る。例として、シミュレートされた製造関連センサばらつきは、交差検証の内部で、検証フォールドで候補モデルを評価する前に、機械学習モデル602の候補モデルの検証フォールドに適用され得る。
【0154】
機械学習モデル602が訓練されると、機械学習モデル602を使用して、健康状態分類を予測する。ヒト102の分析物測定値110からヒト102の健康状態分類116を予測するコンテキストにおいて、図7の以下の議論を検討する。
【0155】
図7は、健康状態分類が機械学習を使用して予測される、図1の予測システムの実装態様700の一例をより詳細に示す。したがって、図1図6において先に紹介された構成要素は、同じ番号が付されており、再度紹介されない。
【0156】
例示される実装態様700では、予測システム114は、例えば、記憶デバイス112(図7には図示せず)から、分析物測定値110を取得するように示されている。ここで、分析物測定値110は、ヒト102に対応する。実装態様700では、予測システム114は、前処理マネージャ404、特徴量構築器408、及び機械学習モデル602を含んで示されており、これらは、ヒト102の分析物測定値110に基づいて、健康状態分類116の予測を生成するように構成されている。予測システム114は、これらの3つの構成要素を含んで示されているが、予測システム114は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、分析物測定値110に基づいて健康状態分類116を生成するために、より多くの、より少ない、及び/又は異なる構成要素を有してもよいことを理解されたい。
【0157】
1つ以上の実装態様では、分析物測定値110は、図4に関して上記で説明されるように、分析物測定値110の各々がタイムスタンプに対応するように、時間順序付けされたデータとして構成されている。したがって、前処理マネージャ404は、それぞれのタイムスタンプに従ってヒト102の分析物測定値110の時間順シーケンスを決定し、かつ前処理済みデータ414を生成するように構成され得る。前処理済みデータ414は、機械学習モデル602への入力として提供され得る前処理済みデータ414(例えば、特徴量ベクトル)と、健康状態分類116(例えば、図3に示される通知314の一部として含まれる)に関連して報告され得るデータと、から分析物特徴量を抽出するように構成され得る特徴量構築器408に入力され得る。特に、機械学習モデル602は、図6の実装態様600に関して上記で説明されるように、図4の実装態様400を介して選択されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を使用して、状態分類116を予測するように訓練され得る。したがって、例示される実装態様700では、特徴量構築器408は、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を出力するように示されている。特徴量構築器408は、1つ以上の所定のアルゴリズム又は関数に従って分析物測定値110の前処理済みデータ414を更に処理することによって、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を決定し得る。ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434の異なる抽出された分析物特徴量の各々は、特徴量構築器408が分析物測定値110の前処理済みデータ414を処理する異なるアルゴリズム又は関数に対応し得る。
【0158】
ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434に加えて、特徴量構築器408はまた、少なくともいくつかの例では、ヒト102の異なる態様を記述する追加データからの特徴量を組み込んでもよい。この追加のデータは、分析物測定値110とは異なる第2の分析物のデータ(例えば、分析物測定値110がグルコース測定値である場合の乳酸塩測定値)、環境データ(例えば、ヒトの体温)、すでに観察された副作用データ(例えば、すでに観察された健康状態分類に関連付けられた多様な副作用のいずれかを記述するデータ)、アンケートを通して収集された又は別様に取得された人口統計データ(例えば、年齢、性別、民族性を記述する)、病歴データ、ストレスデータ、栄養データ、運動データ、処方データ、身長及び体重データ、職業データなどを含み得る。言い換えれば、機械学習モデル602又は機械学習モデルのアンサンブルへの入力として提供されるデータは、1つ以上の実装態様では、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434に加えて、ヒト102に関する多様な態様を(例えば、入力特徴量ベクトルの特徴量として)記述し得る。そのようなシナリオでは、機械学習モデル602は、ユーザ母集団304(図6を参照)の同様の履歴データを使用して訓練される。
【0159】
例示される実装態様700は、特徴量構築器408が、前処理済みデータ414を処理してロバストな分析物特徴量の組み合わせ434を生成し、それらの特徴量を機械学習モデル602への入力(例えば、抽出された特徴量を示す特徴量ベクトル)として使用することを示すが、1つ以上の実装態様では、特徴量構築器408はまた、分析物測定値110(例えば、トレース)の1つ以上の時系列を(単独で又は他の特徴量とともに)表す特徴量ベクトルを生成してもよい。したがって、機械学習モデル602への入力データは、分析物測定値110のベクトル化された時系列、又は分析物測定値110の複数のベクトル化された時系列に対応し得るか、又は別様にこれらの時系列を含み得る。分析物測定値110の時系列がベクトル化される実装態様では、機械学習モデル602は、例えば、ニューラルネットワークに対応し得る。ロバストな分析物特徴量の組み合わせ434がベクトル化される実装態様では、機械学習モデルは、例えば、多変量回帰モデル、例えば多変量線形回帰モデル又はロジスティック回帰モデル、に対応し得る。
【0160】
特徴量構築器408から入力データを受信することに応答して、機械学習モデル602は、健康状態分類116を生成及び出力するように構成されている。具体的には、機械学習モデル602は、健康状態分類116を出力するように訓練され得る。例として、図6に関して上記で詳述されるように、機械学習モデル602は、1つ以上の訓練手法に基づいて、かつユーザ母集団304の分析物測定値110及び転帰データ306を使用するなど、健康状態分類を導出することができる履歴分析物データ及び転帰データを使用して、訓練され得るか、又は基礎となる表現が学習され得る。説明される技法によれば、機械学習モデル602は、例えば、ヒトが健康状態を有するかどうかを予測するように訓練されたモデルと、1つ以上の実装態様では、ヒトが健康状態を有さないかどうかを予測するための追加のモデル(例えば、ある程度の確実性でヒトを糖尿病を有さないものとしてスクリーニングするために使用され得る糖尿病分類)と、を含む、1つ以上のモデルを表し得る。多モデル構成のモデルの各々は、異なる態様を記述する異なるように構成された入力データ、例えば健康状態に関連する異なる態様を表す特徴量を有する特徴量ベクトル、を受信し得る。他の実装態様では、単一のモデルが両方のタイプの予測を生成するように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の実装態様では、機械学習モデル602は、他のモデルとは異なる健康状態に関する予測を各々が生成するモデルのアンサンブルとして構成され得る。
【0161】
健康状態分類116は、機械学習モデル602を訓練するために使用される転帰データ306によって記述される転帰に対応する1つ以上の転帰に関してヒト102を分類し得る。ユーザ母集団304の臨床診断312を使用して、機械学習モデル602が訓練されるか、又はモデルが学習される実装態様では、次いで、機械学習モデル602は、ヒト102の分析物測定値110を診断のうちの1つに対応するクラスに分類し得る。健康状態が糖尿病である例示的な実装態様では、機械学習モデル602は、ヒト102の分析物測定値110を、糖尿病、前糖尿病、又は非糖尿病として分類し得る。この目的のために、ヘルスケア提供者は、健康状態分類116を使用して、ヒト102を治療し得るか、又はヒト102が従来の技法、例えばHbA1c、FPG、及び/又は2Hr-PG、に従って糖尿病と診断されるとする場合にヘルスケア提供者がそのようにする方法と同様に、治療計画を策定し得る。
【0162】
同様に、ユーザ母集団の観察された副作用310を使用して、機械学習モデル602が訓練されるか、又はモデルが学習される場合には、機械学習モデル602は、ヒト102の分析物測定値110が、ヒトが種々の副作用を経験していることを示す確率、例えばヒトが健康状態に関連付けられた多様な副作用のうちのいずれかを経験する0~1の確率、を出力し得る。いくつかの実装態様では、ヒト102が各作用を経験するか否かに関する予測(又はヒトが各作用を経験する確率)を生成することが可能なモデルのアンサンブルを機械学習モデル602が表すように、各作用について訓練又は構築された機械学習モデルがあり得る。
【0163】
ユーザ母集団の独立した診断尺度308を使用して、機械学習モデルが訓練されるか、又はモデルが学習される実装態様では、次いで、機械学習モデル602は、特定の診断尺度の値の予測を出力し得る。健康状態が糖尿病である例示的な実装態様を続けると、機械学習モデル602は、HbA1c値、FPG値、2Hr-PG値、又はOGTT値の予測を出力し得る。出力される健康状態分類116は、機械学習モデル602がどのように訓練されたかに大きく依存し、特に、健康状態分類116が表す情報は、訓練に依存する。例えば、状態分類116は、ヒトが健康状態を有するか否か、又はヒトに健康状態を発症するリスクがあるか否かを示すラベル(例えば、糖尿病ラベル、前糖尿病ラベル、又は非糖尿病ラベル)、ヒトが特定のタイプの健康状態(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病、及びGDM)を有するか否かを示すラベル、確率、又は測定値を表し得る。加えて、異なるタイプの機械学習モデルが、健康状態分類116によって表され得る異なるタイプの転帰に関する予測を生成するのにより良く適し得る。
【0164】
加えて、機械学習モデル602によって出力される状態分類116は、予測が生成されることに関連してヒト102に提供される多様な情報、及びヒト102のヘルスケア提供者、介護者、遠隔医療又は健康追跡サービスなどのような、ヒトに関連付けられた他の情報の基礎として作用し得る。予測に基づいて出力され得る情報のコンテキストにおいて、図8図9の以下の議論を検討する。
【0165】
図8は、観察期間中に生成された分析物測定値に基づいて生成された健康状態予測に関してユーザに通知するために表示されるユーザインターフェースの実装態様800の一例を示す。以下の説明では、健康状態予測を生成するための、図1図7に例示される構成要素及び特徴を参照する。ただし、実装態様800は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の特徴及び構成要素を使用して健康状態予測生成に関してユーザに通知してもよいことが理解され得る。
【0166】
例示される例示的な実装態様800は、ユーザインターフェース804を表示しているコンピューティングデバイス802を含む。この例示的な実装態様800では、ユーザインターフェース804は、図3の通知314に対応し得る。この例示的な実装態様800は、通知314(例えば、ユーザインターフェース804を介した出力)が、図1において導入された健康状態分類116に基づいて生成されるが、健康状態分類116を含まないシナリオを表す。ここで、コンピューティングデバイス802は、分析物測定値が観察期間中に収集され、かつそれに関連して健康状態分類116が生成されるヒト102に関連付けられ得る。あるいは、コンピューティングデバイス802は、介護者などの、ヒト102と提携している別のヒトに関連付けられ得る。
【0167】
この目的のために、ユーザインターフェース804は、予測された分類を明らかにすることなく、健康状態分類116に関してヒト102(又はヒト102と提携しているヒト)に通知するように表示され得る。これは、ヒト102への健康状態分類116の出力が、混乱、怒り、うつ状態などを引き起こすことによるなどの、多様なネガティブな様でヒト102に影響を及ぼす可能性があるからである。この例示的な実装態様800では、ユーザインターフェース804は、ヒト102の分析物測定の処理に関する概要を含む。ユーザインターフェース804はまた、健康状態分類に基づく対処可能な挙動の推奨(この場合、ヒト102が自分のヘルスケア提供者とフォローアップすることを推奨する)を含む。加えて、ユーザインターフェース804は、推奨される対処可能な挙動を実行するために選択可能であるグラフィカルユーザインターフェース要素806を含む。グラフィカルユーザインターフェース要素806の各々は、ヘルスケア提供者の物理的な場所での予約、又は例えば遠隔医療及び/又は遠隔医療サービスに関連する、電話又はビデオ会議を介した予約などの、ヒト102のヘルスケア提供者とのフォローアップ予約をスケジュールさせるように選択可能であり得る。健康状態分類116に基づいて生成されるが、分類を含まない通知が、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、種々の方途で構成されてもよいことを理解されたい。
【0168】
図9は、健康状態予測に関連して生成された他の情報とともにユーザの健康状態予測を報告するために表示されるユーザインターフェースの実装態様900の一例を示す。以下の説明では、健康状態予測を生成するための、図1図7に例示される構成要素及び特徴を参照する。ただし、実装態様900は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の特徴及び構成要素を使用して生成及び分析されたデータに基づいて健康状態予測を報告し得ることが理解され得る。例示的な実装態様900は、ユーザから取得されたグルコース測定値に基づいて決定される健康状態として糖尿病を含む。ただし、実装態様900は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の疾患及び状態についての予測及び関連付けられた情報を報告するように適合され得ることが理解され得る。
【0169】
例示される例示的な実装態様900は、レポートとして構成されたユーザインターフェース904を表示しているディスプレイデバイス902を含む。この例では、ユーザインターフェース904は、図3の通知314に対応し得る。図8に示される例示的な実装態様800とは対照的に、この例示的な実装態様900は、通知が図1において導入された健康状態分類116を含むシナリオを表す。この例示される例示的な実装態様900では、グラフィカル診断要素906は、健康状態分類116を表すか、又は別様に示す。ここで、ディスプレイデバイス902は、分析物測定値が観察期間中に収集され、かつ健康状態分類116が生成されるヒト102と提携しているヘルスケア提供者に関連付けられ得る。
【0170】
この目的のために、ユーザインターフェース904は、健康状態分類116をヘルスケア提供者に報告するように、かつ分類に関連し得る追加の情報を報告するように表示され得る。動作中、ヘルスケア提供者は、報告された追加の情報を独立して分析し、健康状態分類116によって示される診断とは異なる診断を提供し得る。この例示的な実装態様900では、追加の情報は、グルコーストレース908、910を含む。グルコーストレース908、910は、2日間の観察期間にわたって収集されたヒト102の分析物測定値110を表す。ユーザインターフェース904はまた、ユーザが、観察期間の前又は後の日に対応するトレースなどの収集された他の分析物測定値110にナビゲートすることを可能にし得る、制御部とともに示される。
【0171】
ユーザインターフェース904はまた、ヒト102の分析物測定値110に基づいて特徴量構築器408によって決定された抽出された分析物特徴量416のうちの1つ以上を表すか、又は別様に示す、グラフィカルグルコース特徴量要素912を含む。予測された臨床診断に加えて、グラフィカル診断要素906によって示されるように、ユーザインターフェース904はまた、予測された副作用要素914及び確率要素916を含む。予測された副作用要素914及び確率要素916を含むことは、図6において導入された機械学習モデル602が、2つ以上のタイプの糖尿病分類の予測を生成するように(例えば、モデルのアンサンブルとしての構成を介して、かつ/又はアーキテクチャ及び訓練に基づいて)構成され得ることを示す。例として、機械学習モデル602は、ヒト102の臨床診断、糖尿病に関連付けられた複数の臨床診断値(例えば、HbA1c、FPG、2Hr-PG、及びOGTT)のうちの1つ以上の値と、ヒト102が糖尿病の複数の副作用のうちの1つ以上を経験する確率と、を予測するように構成され得る。
【0172】
特に、予測された副作用要素914は、例えば機械学習モデルによって出力されるそれらの作用を経験する確率が50%よりも大きいことに基づいて、ヒト102が経験しないよりも経験する可能性が高いことを糖尿病分類が示す副作用に対応する。機械学習モデル602が任意の発生確率を有すると予測する副作用はまた、対応する確率とともに1つ以上のシナリオにおいて出力され得ることを理解されたい。確率要素916は、要素914によって示される副作用が発生する確率を含む。これらの確率要素916によって示される確率は、1つ以上の実装態様では、機械学習モデル602によって出力され得る。健康状態分類116を含むレポートは、印刷に好適な文書など、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なる方途で構成されてもよいことを理解されたい。
【0173】
図10は、健康状態予測を生成するための機械学習モデルへの入力として使用され得る追加のデータを収集するために表示されるユーザインターフェースの実装態様1000の一例を示す。以下の説明では、健康状態予測を生成するための、図1図7に例示され、かつ上記で説明される構成要素及び特徴を参照する。ただし、実装態様1000は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の特徴及び構成要素による使用のために追加のデータを収集してもよいことが理解され得る。
【0174】
例示される例示的な実装態様1000は、ユーザインターフェース1004を表示しているコンピューティングデバイス1002を含む。この例示的な実装態様1000では、ユーザインターフェース1004は、観察期間中に収集された分析物測定値110に加えて、ヒト102に関するデータを収集するために表示され得る。これらの追加のデータは、分析物測定値110、及び/又は抽出された分析物特徴量416のうちの1つ以上、のトレースとともに、入力として機械学習モデル602に提供され得る。すなわち、追加のデータは、モデルに入力される特徴量ベクトルの特徴量において表され得る。機械学習モデル602を訓練するために、これらの追加のデータはまた、ユーザ母集団304のユーザから収集されてもよい。したがって、ユーザインターフェース1004をユーザ母集団304のユーザに対して表示して、それらのユーザからこれらの追加のデータを収集してもよい。追加のデータは、例えば、人口統計、病歴、運動、及び/又はストレスを記述するデータを含んでもよい。
【0175】
例示される例示的な実装態様1000では、ユーザインターフェース1004は、ユーザが、自身に関する追加のデータを提供するためにインタラクトし得る(例えば、値を選択又は入力する)、多様なグラフィカル要素1006を含む。ただし、含まれるグラフィカル要素1006は、例にすぎず、そのような追加のデータを収集するためのユーザインターフェースは、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な追加のデータの収集を可能にする、より多い、より少ない、又は異なる要素を含むように、異なる方途で構成され得ることを理解されたい。
【0176】
分析物測定値及び機械学習を使用して、健康状態予測についての技法の詳細の例を論じてきたが、ここで、技法のいくつかの追加の態様を例示する手順のいくつかの例を検討する。
【0177】
手順の例
このセクションは、分析物測定値及び機械学習を使用する健康状態予測のための手順(例えば、方法)の例を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。いくつかの例では、マルチスレッディング又は並列処理が、説明される手順を実行する際に使用され得る。少なくともいくつかの実装態様では、手順は、図4のモデルマネージャ402を利用する図1の予測システム114などの予測システムによって実行される。したがって、図1図6に関して上記で説明される特徴及び構成要素が参照されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の構成要素又は異なる構成要素を使用して手順が実行され得ることが理解され得る。
【0178】
図11は、健康状態分類を予測するためのロバストな分析物特徴量の組み合わせがユーザ母集団の履歴分析物測定値及び転帰データに基づいて選択される実装態様の一例における手順1100を示す。
【0179】
ユーザ母集団のユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集された分析物測定値が取得される(ブロック1102)。例として、モデルマネージャ402は、ユーザ母集団304のユーザの分析物測定値110を取得する。いくつかの例では、モデルマネージャ402は、モデルマネージャ402の前処理マネージャ404を介してなど、分析物測定値110から分析物データを生成する。分析物データは、分析物測定値110の時間順及び/又はフィルタリングされたシーケンスを含み得る前処理済みデータ(例えば、図4の前処理済みデータ414)であり得る。
【0180】
健康状態に関連するユーザ母集団のユーザの1つ以上の態様を記述する転帰データが取得される(ブロック1104)。例として、モデルマネージャ402が、転帰データ306を取得する。上記で論じられる例では、転帰データは、ユーザ母集団304のユーザの独立した診断尺度308、ユーザ母集団304のユーザの観察された副作用310、及びユーザ母集団304のユーザの臨床診断312、のうちの1つ以上などの例示的な態様を記述する。
【0181】
分析物センサ製造関連ばらつきが、分析物データにおいてシミュレートされる(ブロック1106)。例として、モデルマネージャ402のばらつきシミュレータ406が、分析物センサ製造関連ばらつきを、分析物測定値110から生成される分析物データに導入する。分析物センサ製造関連ばらつきは、例えば、センサバイアス、異なるセンサモデル、異なるセンサロット、異なるセンサ製造元などに起因する、同じ分析物レベルに対する異なる分析物センサ(例えば、図2の分析物センサ202)の応答の差異を指し得る。例えば、ばらつきシミュレータ406は、分析物データの各部分(例えば、各トレース)に対して複数のシミュレーションを実行し得、各シミュレーションは、シミュレートされた製造関連ばらつきの異なる割合を分析物データに導入し得る。例えば、ばらつきシミュレータ406は、分析物データの各部分に乗法ばらつき又は加法ばらつきを適用することによって、製造関連ばらつきをシミュレートし得る。一例として、ばらつきは、固定標準偏差と、製造関連ばらつき割合の所定の範囲内で掃引される平均値と、を有する正規分布から引き出される。非限定的な例として、標準偏差は、8に設定され得、製造関連ばらつき割合の所定の範囲は、-8%~11%であり得る。したがって、新しい製造関連ばらつき値が、シミュレーションの各ラウンド中に分析物データの各部分について決定され得る。非限定的な例として、シミュレーションは、20~40ラウンド(例えば、30ラウンド)にわたって実行され得る。
【0182】
分析物データから複数の特徴量が抽出される(ブロック1108)。例として、モデルマネージャ402の特徴量構築器408は、シミュレーションの各ラウンドから、シミュレートされた分析物センサ製造関連ばらつきを有さない分析物データと、シミュレートされた分析物センサ製造関連ばらつきの変動する量を有する分析物データと、を含む分析物データを受信し、抽出された分析物特徴量416を出力し得る。したがって、抽出された分析物特徴量416は、0%を含む、シミュレートされた製造関連ばらつきの各割合を有する分析物データについて出力され得る。
【0183】
複数の特徴量の組み合わせが、分析物センサ製造関連ばらつきに対する感度に関連付けられたロバスト性メトリックと、健康状態分類を予測することに関連付けられた性能メトリックと、について評価される(ブロック1110)。例として、複数の特徴量のうちの少なくとも2つの特徴量が、多変量モデル(例えば、二変量モデル)として組み合わされ、健康状態分類のモデル予測が生成され、転帰データ306と比較される。あるいは、複数の特徴量のうちの単一の特徴量が、単変量モデルにおいて使用され得る。図4に関して説明させるように、性能メトリック(例えば、性能メトリック430)は、状態分類の疾患を予測する正解率に従って複数の特徴量の各候補組み合わせをランク付けし得、ロバスト性メトリック(例えば、ロバスト性メトリック432)は、シミュレートされた製造関連ばらつきのパーセント変化当たりの性能メトリックのパーセント変化に従って複数の特徴量の各候補組み合わせをランク付けするために使用され得る。より高い性能メトリックは、候補組み合わせが状態の疾患を予測することに対してより感度が高くかつ特異的であることを示し得、より高いロバスト性メトリックは、候補組み合わせの性能が分析物センサ製造関連ばらつきによってより影響を受けないことを示し得る。あるいは、ロバスト性メトリックの代わりに、ロバスト性メトリックの逆数であるばらつき感度メトリックが使用されてもよい。より高いばらつき感度メトリックは、候補組み合わせの性能が、分析物センサ製造関連ばらつきによってより影響を受ける(例えば、製造関連ばらつきに対してより感度が高い)ことを示し得る。
【0184】
複数の特徴量の組み合わせが、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、機械学習モデルを介して健康状態分類を予測するためのロバストな特徴量の組み合わせであるように選択される(ブロック1112)。一例として、ロバスト性閾値(例えば、図5のロバスト性閾値530)を使用して、ロバスト性閾値を下回るロバスト性メトリック(又はロバスト性閾値を上回る感度メトリック)を有する候補組み合わせが更なる考慮から除外されるように、複数の特徴量の候補組み合わせをフィルタリングし得る。いくつかの例では、最も高い性能メトリックを有するフィルタリングされた候補組み合わせが、ロバストな特徴量の組み合わせ(例えば、図4のロバストな分析物特徴量の組み合わせ434)として選択され得る。したがって、ロバストな特徴量の組み合わせは、ロバスト性閾値よりも大きいロバスト性メトリック(又はロバスト性閾値未満であるばらつき感度メトリック)を有する組み合わせのうちの最大の性能メトリックを有する候補組み合わせであり得る。
【0185】
別の例として、性能メトリック閾値が、ロバスト性閾値の代わりに、又はロバスト性閾値に加えて使用され得る。例えば、性能メトリック閾値は、性能メトリック閾値未満である性能メトリックを有する複数の特徴量の候補組み合わせをフィルタ除去するために使用され得る。最も高いロバスト性メトリック(又は最も低いばらつき感度メトリック)を有する残りの候補組み合わせが、ロバストな特徴量の組み合わせとして選択され得る。
【0186】
更に別の例として、ロバストな特徴量の組み合わせを選択する際に追加の態様が評価され得る。図5に関して上記で言及されるように、これらの追加の態様は、候補の特徴量の組み合わせにおける特徴量の計算の容易さ、ハードウェアを単独で使用して候補の特徴量の組み合わせにおける特徴量を決定する能力、候補の特徴量の組み合わせにおける特徴量を計算するために必要とされるデータの量(例えば、複数日にわたる収集対、数時間にわたる収集)などを含み得るが、これらに限定されない。したがって、いくつかの実装態様では、追加のメトリックが、選択された数の上位候補の特徴量の組み合わせ(例えば、ロバスト性閾値によってフィルタ除去されない上位の性能メトリックを有するもの、又は性能メトリック閾値によってフィルタ除去されない上位のロバスト性メトリックを有するもの)について決定され得る。いくつかの実装態様では、追加のメトリックは、上位候補の特徴量の組み合わせの各々の性能メトリック及び/又はロバスト性メトリックと(例えば、加重和又は非加重和として)加算され得、最高の合計を有する上位候補の特徴量の組み合わせが、ロバストな特徴量の組み合わせとして選択され得る。
【0187】
また別の例として、ロバストな特徴量の組み合わせは、ロバスト性メトリックと性能メトリックとの組み合わせを最大化するために、各候補組み合わせについてのロバスト性メトリックと性能メトリックとの和に基づいて選択され得る。例えば、ロバスト性メトリックと性能メトリックとの最高和を有する候補組み合わせが、ロバストな特徴量の組み合わせとして選択され得る。いくつかの例では、和は、ロバスト性メトリックに対して性能メトリックにより多い又はより少ない重みを与えるために、加重和であり得る。
【0188】
このようにして、センサ間の製造ばらつき及び被験者間のばらつきに起因する、分析物測定値110の範囲又は期待されるばらつきに対して一貫した性能及び高い正解率を有する機械学習モデルを生成し得るロバストな分析物特徴量の組み合わせが選択され得る。ロバストな分析物特徴量の組み合わせを使用することによって、結果として得られる機械学習モデルの性能及びロバスト性は、単一の分析物特徴量を用いて達成され得るよりも効果的にバランスされ得る。
【0189】
図12は、ユーザ母集団の履歴分析物測定値及び転帰データから抽出されたロバストな分析物特徴量に基づいて、機械学習モデルが健康状態分類を予測するように訓練される実装態様の一例における手順1200を示す。
【0190】
ユーザ母集団のユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集された分析物測定値が取得される(ブロック1202)。例として、モデルマネージャ402は、ユーザ母集団304のユーザの分析物測定値110を取得する。健康状態に関連するユーザ母集団のユーザの1つ以上の態様を記述する転帰データが取得される(ブロック1204)。例として、モデルマネージャ402が、転帰データ306を取得する。上記で論じられる例では、転帰データは、ユーザ母集団304のユーザの独立した診断尺度308、ユーザ母集団304のユーザの観察された副作用310、及びユーザ母集団304のユーザの臨床診断312、のうちの1つ以上などの例示的な態様を記述する。
【0191】
訓練入力部分及び期待される出力部分を含む訓練データのインスタンスが生成され、訓練入力部分は、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて選択されたユーザの分析物測定値の特徴量の組み合わせを含み、期待される出力部分は、ユーザに対応する転帰データの1つ以上の値を含む(ブロック1206)。本明細書で論じられる原理によれば、特徴量の組み合わせは、各ユーザの分析物測定値の少なくとも2つの抽出された特徴量を含む(例えば、図4に関して導入されたロバストな分析物特徴量の組み合わせ434)。ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて特徴量の組み合わせを選択することは、図11の手順1100に関して上記で更に説明されている。更に、期待される出力部分は、各ユーザに対応する転帰データの1つ以上の値を含む。例として、モデルマネージャ402は、ユーザ母集団304の各ユーザについて、ブロック1202で取得されたユーザの分析物測定値から抽出された特徴量の組み合わせを、ブロック1204で取得されたユーザの転帰データの1つ以上の値に関連付けることによって、訓練データのインスタンスを生成する。1つ以上の実装態様では、モデルマネージャ402は、特徴量の組み合わせを、ユーザに対応する転帰データの値を表す1つ以上のラベルで「ラベル付け」する。転帰データは、例えば、健康状態分類の臨床的に検証された指標を含み得る。
【0192】
ここで、ブロック1208~1214は、機械学習モデルが解に「収束」するまでなど、機械学習モデルが好適に訓練されるまで繰り返され得、例えば、モデルの内部重みは、モデルが期待される出力部分に実質的に一致する予測を一貫して生成するように、訓練反復に起因して好適に調整されていく。あるいは又は加えて、ブロック1208~1214は、訓練データのいくつかのインスタンス(例えば、全てのインスタンス)に対して繰り返され得る。
【0193】
訓練データのインスタンスの訓練入力部分は、機械学習モデルへの入力として提供される(ブロック1208)。例として、モデルマネージャ402は、ブロック1206で生成された訓練データのインスタンスの訓練入力部分を、機械学習モデル602への入力として提供する。
【0194】
健康状態分類の予測は、機械学習モデルからの出力として受信される(ブロック1210)。本明細書で論じられる原理によれば、健康状態分類の予測は、訓練インスタンスに含まれるユーザの転帰データの1つ以上の値と健康状態に関連する同じ態様に対応する。例として、機械学習モデル602は、ブロック1208で提供された訓練入力部分に基づいて、健康状態分類(例えば、「健康状態が存在する」クラス、「健康状態を発症するリスクがある」クラス、「健康状態が存在しない」クラス、又はそれらのクラスのうちの1つを示す値へのユーザの分類)を予測し、モデルマネージャ402は、健康状態分類を機械学習モデル602の出力として受信する。
【0195】
健康状態分類の予測は、訓練データのインスタンスの期待される出力部分と比較される(ブロック1212)。例として、モデルマネージャ402は、例えば、平均二乗誤差(mean squared error、MSE)などの損失関数を使用することによって、ブロック1210で予測された健康状態分類を、ブロック1206で生成された訓練インスタンスの予想される出力部分と比較する。モデルマネージャ402は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、訓練中に他の損失関数を使用して、機械学習モデル602の予測を期待される出力と比較し得ることを理解されたい。
【0196】
機械学習モデルの重みは、比較に基づいて調整される(ブロック1214)。例として、モデルマネージャ402は、比較に基づいて機械学習モデル602の内部重みを調整し得る。1つ以上の実装態様では、モデルマネージャ402は、訓練中に1つ以上のハイパーパラメータ最適化技法を任意選択で活用して、採用される学習アルゴリズムのハイパーパラメータを調節し得る。
【0197】
図13は、観察期間中にウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集されたユーザの分析物測定値に基づいて、機械学習モデルが健康状態分類を予測する実装態様の一例における手順1300を示す。機械学習モデルは、例えば、手順1200に従って訓練され得る。
【0198】
ユーザの分析物測定値が取得され、分析物測定値は、観察期間中にユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって収集される(ブロック1302)。例として、機械学習モデル602は、観察期間中にヒト102(例えば、ユーザ)によって装着された分析物モニタリングデバイス104によって収集される分析物測定値110を取得する。分析物モニタリングデバイス104は、例えば、ヒト102の分析物をモニタする目的で、観察キットの一部として提供され得る。分析物モニタリングデバイス104がヒト102によってどのように取得されるかにかかわらず、デバイスは、一般に複数日に及び期間にわたって続く観察期間中にヒト102の分析物レベルをモニタするように構成されている。分析物モニタリングデバイス104は、例えばヒト102の皮膚に皮下挿入され、かつヒト102の血液又は間質液中の分析物を測定するために使用され得る、分析物センサ202を有して構成され得る。
【0199】
全体を通して、ヒト102の皮膚に皮下挿入されるものとして論じられているが、1つ以上の実装態様では、分析物センサ202は、皮下挿入されなくてもよい。そのような実装態様では、分析物センサ202は、代わりにヒト102の皮膚又は筋肉上に配設され得る。例えば、分析物センサ202は、観察期間にわたってヒト102の皮膚に付着するパッチであり得る。次いで、このパッチは、剥がされ得る。あるいは又は加えて、非侵襲的分析物センサは、例えばフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography、PPG)を使用する、光学ベースであってもよい。分析物センサ202は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ヒト102の分析物レベルを示す測定値を取得するように、多様な方途で構成され得る。
【0200】
ロバストな特徴量の組み合わせが分析物測定値から抽出され、ここで、ロバストな特徴量の組み合わせは、分析物センサ202の製造ばらつきに対する感度が低く、健康状態分類を予測するのに正確である(ブロック1304)。図4図5及び図11に関して上記で説明されるように、ロバストな特徴量の組み合わせは、複数の抽出された分析物特徴量416からの少なくとも2つの抽出された分析物特徴量を含み得る。例として、ロバストな特徴量の組み合わせの第1の分析物特徴量は、健康状態分類を正確に予測するためのより高い性能メトリック(例えば、図4の性能メトリック430)と、分析物センサバイアスなどの分析物センサの製造ばらつきに対する鈍感さのためのより低いロバスト性メトリック(例えば、図4のロバスト性メトリック432)と、を有し得、ロバストな特徴量の組み合わせの第2の分析物特徴量は、(例えば、第1の分析物特徴量よりも)より高いロバスト性メトリック及びより低い性能メトリックを有し得る。例示的な例として、第1の分析物特徴量は、図4の値ベースの特徴量426のうちの1つなどの、ヒト102の血液中の分析物レベル又は分析物上昇の程度を表し得る。別の例示的な例として、第2の分析物特徴量は、図4の傾向関連特徴量418又はばらつき及び安定性特徴量422のうちの1つなどの、分析物パターン又は傾向を表し得る。
【0201】
ユーザの健康状態分類は、1つ以上の機械学習モデルを使用して抽出されたロバストな特徴量の組み合わせを処理することによって予測される(ブロック1306)。本明細書で論じられる原理によれば、1つ以上の機械学習モデルは、図12に関して上記で説明される手順1200に従うなど、ユーザ母集団の履歴分析物測定値及び履歴転帰データに基づいて生成される。例として、機械学習モデル602は、健康状態分類116を予測する。機械学習モデル602は、訓練中に学習された、ロバストな特徴量の組み合わせのパターンと、ユーザ母集団304の転帰データ306と、に基づいて、抽出されたロバストな特徴量の組み合わせを処理することによって、この予測を生成する。上述したように、ユーザ母集団304は、分析物モニタリングデバイス104などのウェアラブル分析物モニタリングデバイスを装着するユーザを含む。個々の抽出された分析物特徴量ではなく、ロバストな特徴量の組み合わせを一緒に処理することによって、性能及び製造ばらつきロバスト性は、一貫した正確なモデル性能のためにバランスされ得る。
【0202】
健康状態分類が出力される(ブロック1308)。例として、機械学習モデル602は、健康状態分類116を出力する。全体を通して論じられるように、健康状態分類116は、ヒトが健康状態を有すると予測されるかどうか、又は健康状態に関連付けられた副作用を経験すると予測されるかどうかを示し得る。また、健康状態分類116を使用して、健康状態分類を含む(例えば、ヒトが健康状態を有すると予測される)、ヘルスケア提供者に向けられた報告、又はヒト102に自分のヘルスケア提供者に連絡するように指示する、ヒトに向けられた通知などの分類に基づいて、1つ以上の通知又はユーザインターフェースを生成してもよい。
【0203】
実装態様の実施例:工場で較正されたCGMシステムを使用して2型糖尿病を診断する
2型糖尿病(Type 2 diabetes、T2D)は、世界中で4億人を超える人々に影響を与えている進行性疾患であり、長期の血管合併症につながり得る。T2Dに進行する前に、多くは、軽度に上昇したグルコースレベルによって特徴付けられる前糖尿病を最初に発症する。前糖尿病及びT2Dを有する者にとって、適正な診断及び管理は、血糖コントロールを改善し、糖尿病関連合併症のリスクを低減することができる。
【0204】
本明細書で前述したように、臨床及び規制団体は、典型的には空腹時血漿グルコース(FPG)、2時間血漿グルコース(2Hr-PG)、ランダム血漿グルコース(RPG)値、及びヘモグロビンHbA1c(HbA1c)に基づく、T2Dを診断するための基準を策定している。FPG及び2Hr-PGの両方は、経口ブドウ糖負荷検査(OGTT)の一部であるが、FPGは、OGTTとは別個に検査され得る。各検査は、いくつかの長所及び限界を有する。FPG検査は、診療所で実施するのが容易であるが、採血前の一晩の絶食に依拠する。OGTTからの2Hr-PG測定は、FPG単独よりも感度が高く、糖尿病を示す食後グルコーススパイクを捕捉する。140mg/dL未満である血糖値は「正常」とみなされるのに対して、200mg/dLよりも大きい読み取り値は、糖尿病を示す。140~199mg/dLの読み取り値は、前糖尿病を示す。しかしながら、この検査は、絶食及び食事準備に依拠し、2時間にわたる少なくとも2回の採血で時間がかかり、再現性が相対的に低い(例えば、60~80%の範囲)。したがって、FPG値及び2Hr-PG値の両方が診断閾値を上回らない限り、診断を確認するためにOGTTを繰り返すことが推奨される。
【0205】
RPG検査はいつでも実施できるが、明白な糖尿病症状を伴わない限り、それ自体では容認される診断ではない。HbA1c検査は、絶食に依拠せず、正確で再現性がある。しかしながら、HbA1cはグルコースの直接的な尺度ではなく、HbA1c値は、貧血、異常ヘモグロビン症、人種、及びHbA1c測定値とフルクトサミン測定値との間の不一致に対応するいわゆる「糖化ギャップ」を含む因子によって影響を受け得る。これらの状態は、HbA1c結果とOGTT結果との間の準最適な一致とともに、誤診及び治療の遅延につながる場合があり、このことは、健康及び経済的に有害な結果をもたらし得る。
【0206】
連続グルコースモニタリングシステム(CGM)システムは、例えば、所定の間隔で、血液又は間質液からグルコースレベルを報告する。非限定的な例として、所定の間隔は、5分間隔である。様々な実装態様では、CGMシステムは、分析物モニタリングデバイス104を含む。したがって、CGMシステムに関する追加の詳細が、図1及び図2に関して上記で説明されている。CGMシステムが連続して(例えば、取り外されることなく)装着される個々のセンサセッションは、10日間などの所定の観察期間にわたって持続し得、糖尿病管理を支援するためにCGMシステム装着者(例えば、ユーザ)にグルコース濃度データを利用可能にすることができる。あるいは又は加えて、「ブラインドモード」で実行されるセッションについて、センサデータを記録することができるが、表示することはできない。リアルタイムCGMデータは、例えば、即時の治療意思決定を通知することができる現在のグルコース濃度推定値及び傾向を含む。更に、CGMデータの遡及的分析は、より長期の介入、調整、又は糖尿病関連合併症のリスクを通知する要約統計をもたらすことができる。
【0207】
治療診断検査の現在の標準の限界を考慮して、説明される技法に従って、アルゴリズムが、T2Dの代替診断として、観察期間からのCGMデータを使用する。本実施例では、二値分類診断CGM(diagnostic CGM、dCGM)アルゴリズムを使用して、T2Dのための分類を生成する。1つ以上の実装態様では、HbA1c測定値は、正常血糖、前糖尿病、又はT2Dの糖尿病ステータスに対応するものとして測定値を分類するタグと対にされる。観察されたCGM由来のメトリックがまた、観察されたHbA1c測定値と対にされてもよく、その結果、糖尿病ステータスを、訓練データにおいて、そのようなCGM由来のメトリックと対にすることができる。dGCMアルゴリズムを訓練するために、血糖ばらつき、範囲内時間、リスク評価スコアなどのメトリックを含む広範囲のCGM由来のメトリック(例えば、特徴量)を糖尿病ステータスと組み合わせ得る。そのようなメトリックの更なる例は、抽出された分析物特徴量416によって表され、図4に関して説明される。1つ以上の実装態様では、特徴量重要度が、k分割交差検証において評価され、所望のCGMメトリックは、判別力、解釈可能性、及び共線性に基づいて、下方選択され得る。
【0208】
1つ以上の実装態様では、dCGMアルゴリズムは、入力として、血糖レベル(例えば、140mg/dLを上回る時間)及び定量化されたばらつき(例えば、四分位範囲)を評価するメトリックの組み合わせを利用するように訓練される。これらのCGMデータ由来のメトリックの有用性を更に例示するために、血糖レベルと糖尿病ステータスに関するばらつきとの間の相関が、図14に示されている。図14は、140mg/dLを上回るパーセント時間(縦軸)及び四分位範囲(横軸)のプロット1400を示す。凡例1402は、塗りつぶし及び形状に従って各データポイントに関連付けられた糖尿病ステータスを示す。この例では、正常血糖ユーザ1404(例えば、5.7%未満のHbA1c測定値を有するユーザ)からのデータポイントは、黒塗りの逆三角形によって表され、前糖尿病ユーザ1406(例えば、5.7%以上6.5%未満のHbA1c測定値を有するユーザ)からのデータポイントは、斜線でシェーディングを施された円によって表され、T2Dユーザ1408(例えば、少なくとも6.5%のHbA1c測定値を有するユーザ)からのデータポイントは、白塗りの三角形(例えば、シェーディングなし)によって表されている。
【0209】
プロット1400によって例証されるように、四分位範囲に対して140mg/dLを上回るパーセント時間をプロットすることは、T2Dを伴うユーザと伴わないユーザとの分離をもたらす。例えば、T2Dユーザ1408は、140mg/dL値を上回るより高いパーセント時間及びより高い四分位範囲値(例えば、プロット1400の右上)で相対的にクラスタ化されている一方、正常血糖ユーザ1404及び前糖尿病ユーザ1406は、140mg/dL値を上回るより低いパーセント時間及びより低い四分位範囲値(例えば、プロット1400の左下)で相対的にクラスタ化されている。140mg/dLを上回って費やされる時間は、健康な個体ではまれであるため、このCGMメトリックは、T2Dを診断するための、又はT2Dを発症するリスクを評価するための閾値として使用され得る。
【0210】
実生活条件下で測定されたCGMデータによって生成された豊富な情報は、図4図7及び図11図13に関して上記で詳細に説明されるような、糖尿病をスクリーニングし、かつ糖尿病リスクを予測するための機械学習ベースのアルゴリズムを訓練するための特徴量抽出及び特徴量選択を可能にする。本実施例は、数日間装着され、単一センサ着用セッションからの盲検遡及データである工場で較正されたCGMシステムを採用しているが、他の実施例は、他の較正、他の装着持続時間、2つ以上のセンサ装着セッションなどを有するCGMセンサからのデータを使用してもよい。更に、本実施例は、T2Dを診断するための二値分類アルゴリズムを説明しているが、dCGMアルゴリズムは、糖尿病のタイプ、糖尿病を発症するリスク、糖尿病に関連する健康への副作用を発症する予測などを分類するように適合されてもよい。
【0211】
140mg/dLを上回るパーセント時間及び四分位範囲は、T2Dを有するもの及び有さないものの分類について高い判別力を有するCGMメトリックの解釈可能なセットの一例を表す。ただし、高密度CGMデータに基づく異なる、かつ/又は追加のメトリックの他の組み合わせが、他のdCGMアルゴリズムにおけるこれらのユーザ間の血糖異常の差異を解決するために使用され得ることを理解されたい。
【0212】
1つ以上の実装態様による手順の例について説明してきたため、ここで、本明細書に説明される様々な技法を実装するために利用され得るシステム及びデバイスの例を検討する。
【0213】
システム及びデバイスの実施例
図15は、全体的に1500において、システムの一実施例を例示しており、このシステムは、本明細書に記載の様々な技術を実装し得る1つ以上のコンピューティングシステム及び/又はデバイスを表すコンピューティングデバイス1502の一実施例を含む。このことは、プラットフォームレベル及び個々のコンピューティングデバイスレベルにおける予測システム114の包含を通して例示されている。予測システム114は、一方のレベル若しくは他方のレベルで、又は少なくとも部分的に両方のレベルで実装され得る。コンピューティングデバイス1502は、例えば、サービスプロバイダのサーバ、クライアントに関連付けられたデバイス(例えば、クライアントデバイス)、オンチップシステム、及び/又は任意の他の好適なコンピューティングデバイス若しくはコンピューティングシステムであり得る。
【0214】
例示されるようなコンピューティングデバイス1502の実施例は、処理システム1504、1つ以上のコンピュータ可読媒体1506、及び互いに通信可能に結合されている1つ以上の入力/出力(input/output、I/O)インターフェース1508を含む。図示されていないが、コンピューティングデバイス1502は、様々な構成要素を互いに結合するシステムバス又は他のデータ及びコマンド転送システムを更に含み得る。システムバスは、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス、ユニバーサルシリアルバス、及び/又は多様なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサ若しくはローカルバスなどの異なるバス構造のうちの任意の1つ又は組み合わせを含み得る。制御ライン及びデータラインなど、多様な他の例も企図されている。
【0215】
処理システム1504は、ハードウェアを使用して1つ以上の動作を実行するための機能を表す。したがって、処理システム1504は、プロセッサ、機能ブロックなどとして構成され得るハードウェア要素1510を含むものとして例示されている。これは、1つ以上の半導体を使用して形成された特定用途向け集積回路又は他のロジックデバイスとして、ハードウェア内の実装態様を含み得る。ハードウェア要素1510は、それらが形成される材料、又はその中に採用される処理機構によっては限定されない。例えば、プロセッサは、半導体及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(electronic integrated circuits、IC))で構成され得る。このようなコンテキストでは、プロセッサ実行可能な命令は、電子的に実行可能な命令であり得る。
【0216】
コンピュータ可読媒体1506は、メモリ/記憶装置1512を含むものとして例示されている。メモリ/記憶装置1512は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に関連付けられたメモリ/記憶容量を表す。メモリ/記憶装置1512は、揮発性媒体(ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)など)及び/又は不揮発性媒体(読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスクなど)を含み得る。メモリ/記憶装置1512は、固定媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハードドライブなど)、並びに取り外し可能媒体(例えば、フラッシュメモリ、取り外し可能ハードドライブ、光ディスクなど)を含み得る。コンピュータ可読媒体1506は、以下で更に説明されているように、多様な他の方法で構成され得る。
【0217】
入力/出力インターフェース1508は、ユーザが、コマンド及び情報をコンピューティングデバイス1502に入力することを可能にし、かつ又は、様々な入力/出力デバイスを使用して情報がユーザ及び/又は他の構成要素若しくはデバイスに提示されることを可能にする機能を表す。入力デバイスの例としては、キーボード、カーソル制御デバイス(例えば、マウス)、マイクロフォン、スキャナ、タッチ機能(例えば、物理的接触を検出するように構成されている容量型センサ又は他のセンサ)、カメラ(例えば、可視波長、又は赤外線周波数などの非可視波長を採用して、非接触ジェスチャーとして動きを認識することができる)などが挙げられる。出力デバイスの例は、ディスプレイデバイス(例えば、モニタ又はプロジェクタ)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカード、触覚応答デバイスなどを含む。したがって、コンピューティングデバイス1502は、以下に更に説明されているように、様々な方法で構成されて、ユーザ相互作用をサポートすることができる。
【0218】
本明細書では、ソフトウェア、ハードウェア要素、又はプログラムモジュールの一般的なコンテキストで様々な技法が記載され得る。一般に、そのようなモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、エレメント、コンポーネント、データ構造などを含む。本明細書で使用される場合、「モジュール」、「機能」、及び「構成要素」という用語は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを表す。本明細書に記載の技法の特徴は、プラットフォームに依存せず、つまり、この技法は、多様なプロセッサを有する多様な商用計算プラットフォームに実装され得ることを意味する。
【0219】
記載されるモジュール及び技法の実装態様は、コンピュータ可読媒体1506などの何らかの形態のコンピュータ可読媒体上に記憶され得るか、又はこのコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス1502によってアクセスされ得る様々な媒体を含み得る。限定ではなく、例として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ可読記憶媒体」及び「コンピュータ可読信号媒体」を含み得る。
【0220】
「コンピュータ可読記憶媒体」とは、単なる信号送信、搬送波、又は信号それ自体とは対照的に、情報の永続的及び/又は非一時的記憶を可能にする媒体及び/又はデバイスを指し得る。したがって、コンピュータ可読記憶媒体は、非信号担持媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性及び非揮発性、取り外し可能及び非取り外し可能媒体などのハードウェア、並びに/又はコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、論理要素/回路、若しくは他のデータなどの情報の記憶に好適な方法若しくは技術で実装された記憶デバイスを含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光記憶装置、ハードディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、若しくは他の記憶デバイス、有形媒体、又は所望の情報を記憶するのに好適であり、かつコンピュータによってアクセスされ得る製品を含み得るが、これらに限定されない。
【0221】
「コンピュータ可読信号媒体」とは、ネットワークなどを介して、コンピューティングデバイス1502のハードウェアに命令を送信するように構成されている信号担持媒体を指し得る。信号媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波、データ信号、若しくは他の輸送機構などの変調されたデータ信号における他のデータを具体化し得る。信号媒体は、任意の情報送達媒体も含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号における情報を符号化するような様式で設定又は変更されたその特性のうちの1つ以上を有する信号を意味する。限定ではないが例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。
【0222】
先に説明されるように、ハードウェア要素1510及びコンピュータ可読媒体1506は、いくつかの実施形態において採用されて、1つ以上の命令を実行するためなどの、本明細書で説明される技法の少なくともいくつかの態様を実装し得る、ハードウェア形態で実装されたモジュール、プログラマブルデバイスロジック、及び/又は固定デバイスロジックを表す。ハードウェアは、集積回路又はオンチップシステムの構成要素、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、及びシリコン又は他のハードウェアにおける他の実装態様を含み得る。このコンテキストにおいて、ハードウェアは、ハードウェアによって具現化された命令及び/又はロジックによって定義されるプログラムタスク、並びに、実行のための命令を格納するために利用されるハードウェア、例えば、以前説明されたコンピュータ可読記憶媒体、を実行する処理デバイスとして動作することができる。
【0223】
前述の組み合わせを用いて、本明細書に記載の様々な技法を実装し得る。したがって、ソフトウェア、ハードウェア、又は実行可能モジュールは、何らかの形態のコンピュータ可読記憶媒体上に、かつ/又は1つ以上のハードウェア要素1510によって具現化された1つ以上の命令及び/又はロジックとして実装され得る。コンピューティングデバイス1502は、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実装するように構成され得る。したがって、コンピューティングデバイス1502によって、ソフトウェアとして実行可能であるモジュールの実装態様は、例えばコンピュータ可読記憶媒体1506、及び/又は処理システム1504のハードウェア要素1510の使用を介して、少なくとも部分的にハードウェアで達成され得る。命令及び/又は機能は、本明細書で説明される技法、モジュール、及び例を実装するための1つ以上の製造物品(例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス1502及び/又は処理システム1504)によって実行可能/動作可能であり得る。
【0224】
本明細書で説明される技法は、コンピューティングデバイス1502の様々な構成によってサポートされ得、本明細書で説明される技法の特定の例に限定されない。この機能はまた、以下に説明されるように、プラットフォーム1516を介した「クラウド」1514上などでの分散システムの使用を通じて、全て又は部分的に実装され得る。
【0225】
クラウド1514は、リソース1518のためのプラットフォーム1516を含み、かつ/又は表す。プラットフォーム1516は、クラウド1514のハードウェアリソース(例えば、サーバ)及びソフトウェアリソースの基礎となる機能を抽象化する。リソース1518は、コンピューティングデバイス1502から遠隔にあるサーバ上でコンピュータ処理が実行されている間に利用することができるアプリケーション及び/又はデータを含み得る。リソース1518はまた、インターネットを介して、かつ/又はセルラーネットワーク若しくはWi-Fiネットワークなどの加入者ネットワークを介して提供されるサービスも含むことができる。
【0226】
プラットフォーム1516は、コンピューティングデバイス1502を他のコンピューティングデバイスと接続するためのリソース及び機能を抽象化することができる。プラットフォーム1516はまた、リソースのスケーリングを抽象化して、プラットフォーム1516を介して実装されている、リソース1518が直面した需要に対応するスケールレベルを提供する役割も果たすことができる。したがって、相互接続されたデバイスの実施形態では、本明細書に説明されている機能の実装態様は、システム1500全体にわたって分散することができる。例えば、機能は、部分的にコンピューティングデバイス1502上に、並びにクラウド1514の機能を抽象化するプラットフォーム1516を介して、実装され得る。
【0227】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて、複数の特徴量の特徴量の組み合わせを選択することが、性能閾値に対する複数の候補組み合わせの各々の性能メトリックに基づいて、複数の特徴量の複数の候補組み合わせをフィルタリングすることと、ロバスト性メトリックについて最高値を有するフィルタリングされた候補組み合わせを特徴量の組み合わせとして選択することと、を更に含む、方法に関する。
【0228】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ロバスト性メトリック及び性能メトリックに基づいて複数の特徴量のうちの特徴量の組み合わせを選択することが、特徴量の組み合わせとしてロバスト性メトリックと性能メトリックとの組み合わせを最大化する特徴量の複数の候補組み合わせから候補組み合わせを選択することを更に含む、方法に関する。
【0229】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ユーザ母集団の転帰データを使用して健康状態分類を予測するために1つ以上の機械学習モデルを訓練することを更に含む方法に関する。
【0230】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、個々の性能メトリックが、第2の特徴量よりも第1の特徴量について高く、個々のロバスト性メトリックが、第1の特徴量よりも第2の特徴量について高い、方法に関する。
【0231】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、個々の性能メトリック及び個々のロバスト性メトリックが、両方とも、第2の特徴量よりも第1の特徴量について高い、方法に関する。
【0232】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第1の特徴量及び第2の特徴量のうちの少なくとも1つが、分析物測定値の値ベースの特徴量である、方法に関する。
【0233】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、健康状態分類が、健康状態の存在、健康状態の不在、健康状態の重症度の程度、健康状態に関連付けられた副作用、及び/又は健康状態に関連付けられた臨床診断値を記述する指標である、方法に関する。
【0234】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ユーザの健康状態分類に基づいて通知を生成することを更に含む、方法に関する。
【0235】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、通知が、ユーザの健康状態分類を含むユーザのヘルスケア提供者に向けられたレポートを含む、方法に関する。
【0236】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、通知が、ユーザに出力され、ユーザのヘルスケア提供者に連絡するための指示を含む、方法に関する。
【0237】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、ユーザの分析物データが、観察期間にわたって分析物センサによって測定され、観察期間が、複数日に及び、デバイスに関する。
【0238】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、健康状態に関するユーザの状態が、健康状態の不在、健康状態の存在、健康状態の重症度、健康状態のタイプ、及びユーザが健康状態に関連付けられた副作用を経験する確率、のうちの少なくとも1つである、デバイスに関する。
【0239】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、観察期間中にユーザによって装着された分析物モニタリングデバイスの分析物センサを介して、観察期間中にユーザの分析物測定値を取得することと、ユーザの分析物測定値から第1の特徴量及び第2の特徴量を抽出することと、第1の特徴量と第2の特徴量との組み合わせを機械学習モデルに提供することと、機械学習モデルから健康状態分類の予測を受信することと、を含む、デバイスに関する。
【0240】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、機械学習モデルから受信された健康状態分類の予測に基づいて通知を生成することを更に含む、方法に関する。
【0241】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、通知を生成することが、ユーザに出力され、かつ健康状態分類の予測を含まない指示を含む第1の通知と、ユーザのヘルスケア提供者に出力され、かつ健康状態分類の予測を含む第2の通知と、のうちの少なくとも1つを生成することを含む、方法に関する。
【0242】
いくつかの態様では、本明細書で説明する技法は、第1の特徴量が、振幅ベースの特徴量、範囲内時間ベースの特徴量、範囲外時間ベースの特徴量、安定性ベースの特徴量、又は事象発生ベースの特徴量を含む、方法に関する。
【0243】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第2の特徴量が、傾向ベースの特徴量、ばらつきベースの特徴量、周波数に関連する特徴量、又は自己相関特徴量を含む、方法に関する。
【0244】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、健康状態分類が、糖尿病分類であり、分析物測定値が、グルコース測定値である、方法に関する。
【0245】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、糖尿病分類が、観察期間中のユーザの状態を妊娠糖尿病を有するか、又は妊娠糖尿病を有さないと記述する指標である、方法に関する。
【0246】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、糖尿病分類が、観察期間中のユーザの状態を、糖尿病を有する、糖尿病有さない、又は前糖尿病を有するとして記述する指示である、方法に関する。
【0247】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、糖尿病分類が、ユーザが経験すると予測される糖尿病の1つ以上の副作用の指標である、方法に関する。
【0248】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技術は、第1の特徴量が、分析物測定値の値ベースの特徴量であり、第2の特徴量が、分析物測定値のパターンベースの特徴量である、方法に関する。
【0249】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第1の特徴量及び第2の特徴量の各々が、分析物測定値の値ベースの特徴量である、方法に関する。
【0250】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第1の特徴量及び第2の特徴量の各々が、分析物測定値のパターンベースの特徴量である、方法に関する。
【0251】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、第1の特徴量と第2の特徴量との組み合わせが、ユーザ母集団の履歴分析物測定値における製造関連分析物センサばらつきをシミュレートしながら、ユーザ母集団の臨床的に決定された健康状態分類を予測する際の第1の特徴量と第2の特徴量との組み合わせの性能に基づいて選択される、方法に関する。
【0252】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、観察期間中にユーザによって装着された分析物モニタリングデバイスの分析物センサを介して、観察期間中にユーザの分析物測定値を取得することと、ユーザの分析物測定値から特徴量を抽出することと、特徴量を機械学習モデルに提供することと、機械学習モデルから健康状態分類の予測を受信することと、を含む、方法に関する。
【0253】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、分析物センサの製造ばらつきに対する鈍感さに関連付けられたロバスト性メトリックと、健康状態分類を予測することに関連付けられた性能メトリックと、に基づいて、特徴量を選択することを更に含む、方法に関する。
【0254】
いくつかの態様では、本明細書に記載の技法は、健康状態分類の予測を含まない指示を含む第1の通知と、健康状態分類の予測を含む第2の通知と、のうちの少なくとも1つを生成することを更に含む、方法に関する。
【0255】
結論
システム及び技法は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義されるシステム及び技法は、必ずしも記載される特定の特徴又は行為に限定されないと理解するべきである。むしろ、特定の特徴及び行為は、特許請求される主題を実装する形態の実施例として開示されている。
【符号の説明】
【0256】
100 環境
102 ヒト
104 分析物モニタリングデバイス
106 観察キットプロバイダ
108 観察分析プラットフォーム
110 分析物測定結果
112 記憶デバイス
114 予測システム
116 健康状態分類
118 センサデータ
図1
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【国際調査報告】