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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】機械学習に基づく測位
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20241106BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20241106BHJP
【FI】
G01S5/02 A
H04W64/00 110
H04W64/00 171
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519840
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022077972
(87)【国際公開番号】W WO2023064812
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/255,393
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.Linux
3.UNIX
4.OS X
5.WINDOWS
6.ANDROID
7.VXWORKS
8.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】シロトキン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ウ ジビン
(72)【発明者】
【氏名】フ ハイジン
(72)【発明者】
【氏名】ファクーリアン サイエド アリ アクバー
(72)【発明者】
【氏名】マニターラ ヴァマナン スディープ
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC11
5J062FF01
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE16
5K067JJ52
5K067JJ54
(57)【要約】
動作を実行するための方法、システム、及びコンピュータ可読媒体が開示され、動作は、ユーザデバイスのための複数のポジション推定値を受信することと、訓練された機械学習モデルへの入力として複数のポジション推定値を提供することと、ユーザデバイスのハイブリッドポジションを出力することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ユーザデバイスについての複数のポジション推定値を受信することと、
訓練された機械学習モデルへの入力として前記複数のポジション推定値を提供することと、
前記ユーザデバイスのハイブリッドポジションを出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ハイブリッドポジションは、前記複数のポジション推定値の加重平均である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記ユーザデバイスによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、ネットワークエンティティによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークエンティティは、ロケーション管理機能(LMF)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ハイブリッドポジションを要求する第1のメッセージをネットワークエンティティから受信することと、
前記ハイブリッドポジションを前記ネットワークエンティティに通信するための第2のメッセージを生成することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のメッセージはLPP RequestLocationInformationメッセージであり、前記第2のメッセージはLPP ProvideLocationInformationメッセージである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザデバイスによって実行される方法であって、前記方法は、
無線周波数測定値のマップを受信することと、
前記ユーザデバイスによって受信された1つ以上の信号に関する個別の信号強度インジケータ値を測定することと、
前記ユーザデバイスによって受信された前記1つ以上の信号についての前記個別の信号強度インジケータ値に基づいて、前記ユーザデバイスのポジションを決定することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記ユーザデバイスの前記ポジションを決定するために前記マップを使用することは、
前記個別の信号強度インジケータ値を前記マップと比較することと、
前記個別の信号強度インジケータ値に対するk近傍一致を識別することとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記比較は、k近傍(KNN)アルゴリズムを使用して行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記k近傍一致の前記識別は、
前記個別の信号強度インジケータ値と前記マップ内の1つ以上の基準値との間のユークリッド距離を使用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
k近傍フィンガープリントに基づいて前記ポジションを計算すること、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記k近傍フィンガープリントに基づいて前記ポジションを計算することは、
k近傍一致に関連付けられたポジションを平均化することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上のコンピュータによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータに、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令で符号化された非一時的コンピュータ記憶媒体。
【請求項15】
1つ以上のコンピュータと、前記1つ以上のコンピュータによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータに請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行させるように動作可能な命令が記憶された1つ以上の記憶デバイスとを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月13日に出願された「Machine Learning Based Positioning」と題された米国仮特許出願第63/255,393号に対する優先権を主張する。
【0002】
現代のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、eタブレット、ウェアラブルデバイス)は、ナビゲーションシステムを含む。ナビゲーションシステムは、1つ以上の慣性センサ(例えば、加速度計、ジャイロ、磁力計)からのデータと、測位システム(例えば、衛星ベース、ネットワークベース)からのポジション座標とを使用して、モバイルデバイスの現在ロケーション及び移動方向を決定するソフトウェアナビゲーションアプリケーションを実行するマイクロプロセッサを含むことができる。ナビゲーションアプリケーションは、ユーザが所望の目的地を入力し、ユーザの好みに従って現在ロケーションから目的地までの経路を計算することを可能にする。マップ表示は、モバイルデバイスの現在ロケーション、所望の目的地、及び経路に沿った関心ポイント(POI)を示すマーカを含む。いくつかのナビゲーションアプリケーションは、ターンバイターン指示をユーザに提供することができる。指示は、マップ表示上で、及び/又はオーディオ出力を通してナビゲーションアシスタントによって、ユーザに提示されることができる。他のモバイルデバイスアプリケーションは、個人化及び文脈のためにロケーションを使用し得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、ユーザデバイスの測位精度を改善するために機械学習を使用するための方法及びシステムについて説明する。より具体的には、本開示は、ハイブリッド測位システム及びユーザ機器(UE)ベースのフィンガープリンティングシステムについて説明する。以下でより詳細に説明するように、これらのシステムは、機械学習を使用して、例えば、無線通信システムにおけるユーザデバイスの測位精度を改善する。
【0004】
本開示の一態様によれば、方法は、ユーザデバイスについての複数のポジション推定値を受信することと、訓練された機械学習モデルへの入力として複数のポジション推定値を提供することと、ユーザデバイスのハイブリッドポジションを出力することと、を含む。
【0005】
前述の実装形態は、コンピュータ実施方法と、コンピュータ実施方法を実行するためのコンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、コンピュータ実施方法又は非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行するように構成されたハードウェアプロセッサと相互動作可能に結合されたコンピュータメモリを含むコンピュータシステムとを使用して適用可能である。これら及び他の実施形態は各々、以下の特徴のうち1つ以上を任意選択的に含むことができる。
【0006】
いくつかの実装形態では、複数のポジション推定値が複数の測位方法から生成される。
【0007】
いくつかの実装形態では、ハイブリッドポジションは、複数のポジション推定値の加重平均である。
【0008】
いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される。いくつかの実装形態では、機械学習アルゴリズムは教師あり学習アルゴリズムである。
【0009】
いくつかの実装形態では、機械学習訓練は、機械学習モデルの出力を基準ロケーション情報と比較することを含む。いくつかの実装形態では、基準ロケーション情報は既知のロケーション情報である。
【0010】
いくつかの実装形態では、方法は、ユーザデバイスによって実行される。
【0011】
いくつかの実装形態では、方法は、ネットワークエンティティによって実行される。
【0012】
いくつかの実装形態では、ネットワークエンティティはLMFである。
【0013】
いくつかの実装形態では、方法は、ハイブリッドポジションを要求する第1のメッセージをネットワークエンティティから受信することと、ハイブリッドポジションをネットワークエンティティに通信するための第2のメッセージを生成することとを更に含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはネットワークからのRequestLocationInformationメッセージであり、第2のメッセージはLPP ProvideLocationInformationメッセージである。
【0015】
いくつかの実装形態では、本方法は、機械学習モデルに対する要求を生成することと、第1のメッセージ中の要求を訓練ノードに通信することと、訓練ノードから第2のメッセージ中の機械学習モデルを受信することとを更に含む。
【0016】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはLPP RequestAssistanceDataメッセージであり、第2のメッセージはLPP ProvideAssistanceDataメッセージである。
【0017】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはLPPメッセージRequestUEAssistanceDataであり、第2のメッセージはLPP ProvideUEAssistanceDataメッセージである。
【0018】
本開示の別の態様によれば、方法は、無線周波数測定値のマップを受信することと、ユーザデバイスによって受信された1つ以上の信号に関する個別の信号強度インジケータ値を測定することと、ユーザデバイスによって受信された1つ以上の信号についての個別の信号強度インジケータ値に基づいて、ユーザデバイスのポジションを決定することとを含む。
【0019】
前述の実装形態は、コンピュータ実施方法と、コンピュータ実施方法を実行するためのコンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、コンピュータ実施方法又は非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行するように構成されたハードウェアプロセッサと相互動作可能に結合されたコンピュータメモリを含むコンピュータシステムとを使用して適用可能である。これら及び他の実施形態は各々、以下の特徴のうち1つ以上を任意選択的に含むことができる。
【0020】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイスのポジションを決定するためにマップを使用することは、個別の信号強度インジケータ値をマップと比較することと、個別の信号強度インジケータ値に対するk近傍一致を識別することとを含む。
【0021】
いくつかの実装形態では、比較は、k近傍(KNN)アルゴリズムを使用して行われる。
【0022】
いくつかの実装形態では、k近傍一致を識別することは、個別の信号強度インジケータ値とマップ内の1つ以上の基準値との間のユークリッド距離を使用することを含む。
【0023】
いくつかの実装形態では、方法は、k近傍フィンガープリントに基づいてポジションを計算することを更に含む。
【0024】
いくつかの実装形態では、k近傍フィンガープリントに基づいてポジションを計算することは、k近傍一致に関連付けられたポジションを平均化することを含む。
【0025】
本明細書の主題の1つ以上の実装形態の詳細は、発明を実施するための形態、添付の図面、及び特許請求の範囲に記載されている。本主題の他の特徴、態様、及び利点は、明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】いくつかの実装形態による、いくつかの実装形態による、無線通信システムを示す図である。
【0027】
図2】いくつかの実装形態による、例示的なハイブリッド測位システムを示す図である。
【0028】
図3】いくつかの実装形態による、いくつかの実装形態による、例示的なハイブリッド測位ワークフローを示す図である。
【0029】
図4】いくつかの実装形態による、ユーザデバイスベースの(UEベースの)フィンガープリンティング測位システムを示す図である。
【0030】
図5A】いくつかの実装形態による、ハイブリッド測位方法を示す図である。
【0031】
図5B】いくつかの実装形態による、UEベースのフィンガープリンティング測位方法を示す図である。
【0032】
図6】いくつかの実装形態による、例示的なデバイスアーキテクチャのブロック図である。
【0033】
図7】いくつかの実装形態による、例示的な無線通信システムを示す図である。
【0034】
様々な図面における同様な参照番号及び呼称は、同様な要素を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。同じ参照番号が、同じ又は類似の要素を識別するために、異なる図面において使用される場合がある。以下の記載において、限定するためではなく説明の目的上、様々な実施形態の様々な態様の完全な理解を提供するために、特定の構造、アーキテクチャ、インタフェース、技法などの具体的な詳細を説明する。しかし、様々な実施形態の様々な態様が、これらの具体的な詳細から逸脱した他の例において実施され得ることは、本開示の利益を有する技術分野の当業者には明らかであろう。場合によっては、様々な実施形態の説明を不必要な詳細によって不明瞭にしないように、周知のデバイス、回路、及び方法の説明は省略される。本開示の目的のために、「A又はB」は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。
【0036】
本開示は、ユーザデバイスの測位精度を改善するために機械学習を使用するための方法及びシステムについて説明する。より具体的には、本開示は、ハイブリッド測位システム及びユーザ機器(UE)ベースのフィンガープリンティングシステムについて説明する。以下でより詳細に説明するように、これらのシステムは、機械学習を使用して、例えば、無線通信システムにおけるユーザデバイスの測位精度を改善する。
【0037】
図1は、いくつかの実装形態による無線通信システム100を示す。便宜上、限定はしないが、例示的なシステム100は、第3の世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術上の規格によって定義されたロングタームエボリューション(LTE)及び第5の世代(5G)新無線(NR)通信標準の文脈で説明される。より詳細には、無線通信システム100は、LTE及びNRの両方を組み込んだ非スタンドアロン(NSA)ネットワーク、例えば、E-UTRA(進化型ユニバーサル地上無線アクセス)-NR二重接続(EN-DC)ネットワーク、及びNE-DCネットワークに関連して説明される。しかしながら、無線通信システム100は、NRのみを組み込んだスタンドアロン(SA)ネットワークであってもよい。更に、将来の3GPPシステム(例えば、第6の世代(6G))システム、IEEE 802.16プロトコル(例えば、WMAN、WiMAXなど)などを含む、他のタイプの通信規格が可能である。
【0038】
図1に示すように、無線通信システム100は、ユーザデバイス102を含む。ユーザデバイス102は、民生用デバイス、携帯電話、スマートフォン、機能電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータデバイスなどの任意のモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0039】
ユーザデバイス102は、例えば、通信可能に結合することによって、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)104に接続されるように、構成することができる。実施形態では、RAN104は、NG RAN若しくは5G RAN、E-UTRAN、又はUTRAN若しくはGERANなどのレガシーRANであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「NG RAN」などは、NR又は5Gシステムで動作するRANを指し、用語「E-UTRAN」などは、LTE又は4Gシステムで動作するRANを指してもよい。ユーザデバイス102は、物理通信インタフェース又は層を備える接続(又はチャネル)108を利用する。
【0040】
一例では、接続108は、通信結合を可能にするためのエアインタフェースであり、GSM(登録商標)プロトコル、CDMAネットワークプロトコル、PTTプロトコル、POCプロトコル、UMTSプロトコル、3GPP LTEプロトコル、アドバンストロングタームエボリューション(LTE-A)プロトコル、無認可スペクトルへのLTEベースアクセス(LTE-U)、5Gプロトコル、NRプロトコル、無認可スペクトルへのNRベースアクセス(NR-U)プロトコル、及び/又は本明細書で説明する他の通信プロトコルのいずれかなどのセルラ通信プロトコルに一致し得る。
【0041】
また、図1に示すように、無線通信システム100は、ロケーション管理機能(LMF)106を含む。LMF106は、以下の機能のうちの1つ以上をサポートする5Gコアネットワーク(5GC)内のネットワークエンティティである:(i)ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス102)のロケーション決定、(ii)ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス102)からダウンリンクロケーション測定値又はロケーション推定値を取得すること、(iii)RAN(例えば、RAN104)からアップリンクロケーション測定値を取得すること、(iv)RAN(例えば、RAN104)から非UE関連支援データを取得すること。したがって、LMF106は、ユーザデバイス102及び/又はRAN104から情報を受信することができ、その情報を使用してユーザデバイス102のポジションを計算することができる。情報は、測定値及び支援情報を含むことができる。LMF106は、接続110を介してRAN104に直接接続されるものとして図1に示されているが、LMF106は、代替的に、例えば、NLインタフェースを介してLMF106に接続されるアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)を介して、RANに間接的に接続されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、測位プロトコルA(例えば、NRPPa)が、次世代制御プレーンインタフェース(NG-C)を介してRAN104とLMF106との間で測位情報を搬送するために使用される。LMF106は、AMFを介してLTE測位プロトコル(LPP)を使用して、ユーザデバイス102を構成する。LPPは、ターゲットデバイス(例えば、ユーザデバイス102)と測位サーバ(例えば、LMF106)との間で終端される。それは、基礎となるトランスポートとして、制御プレーンプロトコル又はユーザプレーンプロトコルのいずれかを使用し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、無線通信システム100は、ハイブリッド測位システムを含み得る。以下でより詳細に説明するように、ハイブリッド測位システムは、複数の測位方法からの測位データ(例えば、測位推定値)を使用して、ユーザデバイスポジション(「ハイブリッドポジション」又は「ハイブリッドポジション推定値」とも呼ばれる)を計算する。
【0044】
図2は、いくつかの実装形態による、例示的なハイブリッド測位システム200を示す図である。ハイブリッド測位システム200は、ユーザデバイス、ネットワーク(例えば、ネットワークデバイス)、又はユーザデバイスとネットワークの両方によって実装され得る(例えば、システムのいくつかの機能はユーザデバイス上で実装され、他の機能はネットワーク上で実装される)。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド測位システム200は、複数の測位方法からユーザデバイスについての測位情報を取得する。次いで、ハイブリッド測位システム200は、測位情報を測位データ202として記憶する。測位データ202は、複数の測位方法を使用して計算された測位推定値を含むことができる。複数の測位方法は、ユーザデバイス及び/又は別のデバイス(例えば、ネットワークデバイス)によって実行され得る。例では、複数の測位方法は、拡張セルID(E-CellID)、マルチセルラウンドトリップ時間(Multi-RTT)、ダウンリンク発射角(DL-AoD)、ダウンリンク到着時間差(DL-TDOA)、アップリンク到着時間差(UL-TDOA)、アップリンク到来角(UL-AOA)など、RAT依存測位方法のうちの1つ以上を含むことができる。追加及び/又は代替として、複数の測位方法は、全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)方法、Bluetooth(BT)方法、地上波ビーコンシステム(TBS)など、RAT非依存測位方法のうちの1つ以上を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド測位システム200は、測位データ202に基づいてユーザデバイスのためのハイブリッド測位データを計算する。一例では、ハイブリッド測位システム200は、測位データ202の加重平均を計算することによってハイブリッド測位データを計算する。具体的には、ハイブリッド測位システム200は、異なる重み係数を異なる測位推定値に適用して、最終的な「ハイブリッド」測位推定値を計算する。
【0047】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド測位システム200は、機械学習モデルを訓練するために1つ以上の機械学習アルゴリズムを使用する。いくつかの例では、ハイブリッド測位システム200は、訓練された機械学習モデル204を含む。機械学習モデル204は、1つ以上の入力に基づいてロケーション推定値を生成する。機械学習モデルへの入力は、UE又はネットワーク(例えば、LMF)によってサポートされる1つ以上の測位方法によって生成された測位推定値を含む。追加及び/又は代替として、入力は、デバイスの粗いロケーション(例えば、セルID、トラッキングエリア(TA)など)、現在時刻、及び/又はデバイスが屋内/屋外であるかどうか(例えば、バイナリ指示)を含むことができる。機械学習モデルの出力は、ハイブリッド測位推定値である。
【0048】
いくつかの実施形態では、訓練は、機械学習モデル204の出力を基準ロケーション情報(例えば、他の測位方法、例えば、GNSSを使用して取得された情報)と比較することを含む。基準ロケーションとの比較は、例えば、NNバックプロパゲーション訓練のために使用され得る。訓練フェーズは、ハイブリッド測位システム200(例えば、ユーザデバイスにおいて、又はネットワークにおいて)及び/又は別のシステム(例えば、指定された訓練システム)によって実行され得る。訓練フェーズが実施される1つ以上のノードは、訓練ノードと呼ばれる。機械学習モデル204は、それが訓練された同じデバイス(例えば、LMF又はUE)において使用され得るか、又は別のデバイス(LMF又はUE)に送信され得る。機械学習モデル204を使用する1つ以上のノードは、推論ノードと呼ばれる。
【0049】
いくつかの実施形態では、機械学習モデル204は、教師あり学習などの機械学習アルゴリズムを使用して訓練され得る。教師あり学習では、関心のある入力及び対応する出力が機械学習モデル204に提供される。機械学習モデル204は、後続の入力が提供されるときに所望の出力を提供するために、機械学習モデル204の出力と予期される出力との比較に基づいて、その機能(例えば、ニューラルネットワークの場合、2つ以上の異なる層の2つ以上のノードに関連付けられた1つ以上の重み)を調整する。教師あり学習アルゴリズムの例には、ディープニューラルネットワーク、類似度学習、線形回帰、ランダムフォレスト、k近傍、サポートベクトルマシン、及び決定木が含まれる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ユーザデバイス又はネットワーク(例えば、LMF)において実行され得る推論フェーズ中に、2つ以上の測位方法が使用され、それらの出力は、ハイブリッド測位推定値を生成する訓練されたMLモデルに供給される。
【0051】
図3は、いくつかの実装形態による、例示的なハイブリッド測位ワークフロー300を示す。ハイブリッド測位ワークフロー300は、ユーザデバイス及び/又はネットワーク(例えば、LMF)によって推論フェーズ中に実施され得る。図3に示すように、複数の測位方法からのポジション推定値は、機械学習モデル302に供給される。図3の例では、3つの測位方法からの3つのポジション推定値が機械学習モデル302に入力される。しかしながら、他の例では、任意の複数のポジション推定値が入力として使用され得る。加えて、デバイスの粗いロケーション、現在時刻、及び/又はデバイスが屋内/屋外であるかどうかなどの他の情報も、機械学習モデル302に入力され得る。また、図3に示すように、機械学習モデル302からの出力は、ハイブリッドポジション推定値304である。前に説明したように、ハイブリッドポジション推定値304は、入力ポジション推定値の加重和であり得、ここで、重みは機械学習モデル302によって決定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド測位システム200をサポートするために、ユーザデバイス及び/又はネットワークのためのシグナリング拡張が実施される。一例では、ハイブリッド測位推定値の要求及び受信をサポートするために、ユーザデバイスとネットワークとの間のシグナリングに対して拡張が行われる。一例として、ユーザデバイスがハイブリッド測位推定値を計算する実装形態では、ネットワークからユーザデバイスへのLPP RequestLocationInformationメッセージは、ネットワーク(例えば、LMF)がユーザデバイスからハイブリッド測位推定値を要求することを可能にするように修正される。更に、ユーザデバイスからネットワークへのLPP ProvideLocationInformationメッセージは、ハイブリッド測位結果を提供するために修正される。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つのノード(例えば、ユーザデバイス又はネットワーク)における訓練及び別のノード(ユーザデバイス又はネットワークのうちの他方)における推論を可能にするために、測位プロトコルが、モデル転送をサポートするように拡張される。一例として、モデル訓練がネットワークによって行われる実装形態では、ユーザデバイスからネットワークへのLPP RequestAssistanceDataメッセージは、ユーザデバイスがハイブリッド測位MLモデル(例えば、機械学習モデル204)を要求することを可能にするように修正される。RequestAssistanceDataメッセージは、ML訓練フェーズをトリガし得るか、又はML訓練は、要求の前に実行され得る。更に、LPP ProvideAssistanceData (ユーザデバイスへのネットワーク)は、ハイブリッド測位MLモデルを提供するように修正される。
【0054】
いくつかの実施形態では、(モデル訓練がユーザデバイスによって実行される場合)訓練されたMLモデルをユーザデバイスからネットワークに転送するために、新しいLPP手順が定義され得る。新しいLPP手順は、ネットワークからユーザデバイスへのLPPメッセージRequestUEAssistanceDataを含むことができる。更に、新しいLPP手順は、ユーザデバイスからネットワークへのLPPメッセージProvideUEAssistanceDataを含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、訓練ノードがより多くの訓練データポイントを取得するにつれて、連続的又は周期的に更新されてもよい。現在使用されている機械学習モデルのバージョンを決定するために、機械学習モデルの各反復は、バージョン識別子を割り当てられ得る。推論ノードは、訓練ノードからの機械学習モデルに対する要求においてバージョン識別子を使用することができる。推論ノードが機械学習モデルの最新バージョンをすでに有している場合、訓練ノードは推論ノードにそのようなものとして通知することができる。本明細書で説明されるシグナリングは、バージョン識別子を含むフィールドを含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、無線通信システム100は、追加及び/又は代替として、UEベースのフィンガープリンティング測位システムを含み得る。フィンガープリンティング測位は、例えば、Wi-Fi接続デバイス又は他の無線接続「ホットスポット」から発する所定の受信信号強度インジケータ(RSSI)値に基づいて、ロケーション又は環境の特定のエリアの無線周波数(RF)マップを開発する技術である。現在、フィンガープリンティングは、ネットワークによって実施され得る。フィンガープリンティングがネットワーク側で実施されるので、測位システムは、レイテンシ問題を被る可能性があり、カバレッジ外にあるユーザデバイスに利用可能でない可能性がある。ユーザデバイスベースのフィンガープリンティング測位システムの利点は、少なくとも、より低いレイテンシ及びカバレッジ外測位である。
【0057】
図4は、いくつかの実装形態による、ユーザデバイスベースの(UEベースの)フィンガープリンティング測位システム400を示す図である。UEベースのフィンガープリンティング測位システム400は、ユーザデバイスによって実施され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、ユーザデバイスは、RF測定値のマップを受信する。マップは、ユーザデバイス又は別のデバイス(例えば、ネットワークデバイス又は別のユーザデバイス)によって生成され得る。マップは、所定の受信信号強度インジケータ(RSSI)値に基づくロケーション又は環境の特定のエリアのものであり得る。マップは、マップ402としてユーザデバイスに記憶される。
【0059】
いくつかの実施形態では、測位モジュール404は、ユーザデバイスのポジションを決定するためにマップ402を使用する。測位モジュール404は、ネットワークへのユーザデバイスの信号強度インジケータ値(例えば、RSSI)を使用する。次いで、値をマップと比較して(例えば、k近傍(KNN)アルゴリズムを使用して)、最良の一致を見出す。k近傍フィンガープリントは、例えば、測定されたRSSIとマップ402からの参照されたRSSIとの間のユークリッド距離を使用することによって、マップ402において見いだされる。次いで、測位推定値は、これらのk近傍フィンガープリントに基づいて、例えば、それらの基準ポイントロケーションを平均することによって計算される。
【0060】
いくつかの実施形態では、UEベースのフィンガープリンティング測位システム400をサポートするために、ユーザデバイス及び/又はネットワークのためのシグナリング拡張が実施される。一例では、シグナリング拡張は、マップをユーザデバイスに転送する方法を定義する。これは、(i)既存のLPPメッセージ:RequestAssistanceData(ユーザデバイスからネットワーク)及びProvideAssistanceData(ネットワークからユーザデバイス)を拡張することによって、又は(ii)新しいLPPメッセージ:RequestMapInformation(ユーザデバイスからネットワーク)及びProvideMapInformation(ネットワークからユーザデバイス)によって実現することができる。メッセージは、マップ全体、又はネットワークで利用可能なマップの一部を転送するために使用することができる。後者の場合、ユーザデバイスからの要求は、粗いユーザデバイスロケーションを搬送することができる。代替的に、ネットワークは、例えば、ユーザデバイスのTA又はセルidに基づいて、粗いユーザデバイスロケーションを推定し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステムをサポートするために、新しいユーザデバイス能力が実施され得る。新しいユーザデバイス能力は、ハイブリッド測位のためのサポート及び/又はUEベースのフィンガープリンティング測位のためのサポートを含む。加えて、ハイブリッド測位のためのMLモデルを提供する能力が導入され得る。これらの新しい能力をサポートするために、以下のLPPメッセージが拡張される:RequestCapabilities(ネットワークがユーザデバイス能力を要求するため)及びProvideCapabilities(ユーザデバイスがネットワークに能力を提供するため)。
【0062】
図5Aは、いくつかの実装形態による、ハイブリッド測位方法500を示す図である。提示を明確にするために、以下の説明は、概して、本説明における他の図の文脈において方法500を説明する。例えば、方法500は、ネットワークエンティティ、例えば、LMF106によって、又はユーザデバイス、例えば、ユーザデバイス102によって実行され得る。方法500は、例えば、任意の適切なシステム、環境、ソフトウェア、ハードウェア、又はシステム、環境、ソフトウェア、及びハードウェアの組合せによって適宜実行され得ることが理解されるであろう。いくつかの実装形態では、方法500の様々なステップは、並行して、組み合わせて、ループで、又は任意の順序で実行され得る。
【0063】
ステップ502において、方法500は、ユーザデバイスについての複数のポジション推定値を受信することを含む。複数のポジション推定値は、複数の測位方法から生成され得る。
【0064】
ステップ504において、方法500は、訓練された機械学習モデルへの入力として複数のポジション推定値を提供することを含む。
【0065】
ステップ506において、方法500は、ユーザデバイスのハイブリッドポジションを出力することを含む。いくつかの実装形態では、ハイブリッドポジションは、複数のポジション推定値の加重平均である。
【0066】
いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される。いくつかの実装形態では、機械学習アルゴリズムは教師あり学習アルゴリズムである。
【0067】
いくつかの実装形態では、機械学習訓練は、機械学習モデルの出力を基準ロケーション情報と比較することを含む。いくつかの実装形態では、基準ロケーション情報は既知のロケーション情報である。
【0068】
いくつかの実装形態では、方法500は、ユーザデバイスによって実行される。
【0069】
いくつかの実装形態では、方法500は、ネットワークエンティティによって実行される。
【0070】
いくつかの実装形態では、ネットワークエンティティはLMFである。
【0071】
いくつかの実装形態では、方法500は、ハイブリッドポジションを要求する第1のメッセージをネットワークエンティティから受信することと、ハイブリッドポジションをネットワークエンティティに通信するための第2のメッセージを生成することとを更に含む。
【0072】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはネットワークからのRequestLocationInformationメッセージであり、第2のメッセージはLPP ProvideLocationInformationメッセージである。
【0073】
いくつかの実装形態では、方法500は、機械学習モデルに対する要求を生成することと、第1のメッセージ中の要求を訓練ノードに通信することと、訓練ノードから第2のメッセージ中の機械学習モデルを受信することとを更に含む。
【0074】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはLPP RequestAssistanceDataメッセージであり、第2のメッセージはLPP ProvideAssistanceDataメッセージである。
【0075】
いくつかの実装形態では、第1のメッセージはLPPメッセージRequestUEAssistanceDataであり、第2のメッセージはLPP ProvideUEAssistanceDataメッセージである。
【0076】
図5Bは、いくつかの実装形態による、UEベースのフィンガープリンティング測位方法520を示す図である。提示を明確にするために、以下の説明は、概して、本説明における他の図の文脈において方法520を説明する。例えば、方法520は、ユーザデバイス、例えばユーザデバイス102によって実行することができる。方法520は、例えば、任意の適切なシステム、環境、ソフトウェア、ハードウェア、又はシステム、環境、ソフトウェア、及びハードウェアの組合せによって適宜実行され得ることが理解されるであろう。いくつかの実装形態では、方法520の様々なステップは、並行して、組み合わせて、ループで、又は任意の順序で実行され得る。
【0077】
ステップ522において、方法500は、無線周波数測定値のマップを受信することを含む。マップは、ユーザデバイス又は別のデバイス(例えば、ネットワークデバイス)によって生成され得る。マップは、所定の受信信号強度インジケータ(RSSI)値に基づくロケーション又は環境の特定のエリアのものであり得る。
【0078】
ステップ524において、方法500は、ユーザデバイスによって受信された1つ以上の信号に関する個別の信号強度インジケータ値を測定することを含む。いくつかの実装形態では、値をマップと比較して(例えば、k近傍(KNN)アルゴリズムを使用して)、最良の一致を見出す。k近傍フィンガープリントは、測定値とマップからの参照値との間のユークリッド距離を使用することによってマップ内で見いだされる。次いで、測位推定値は、これらのk近傍フィンガープリントに基づいて、それらの基準ポイントロケーションを平均することによって計算される。いくつかの例では、kの値は、反復プロセス(例えば、トライアンドエラー)を通して決定される。
【0079】
ステップ526において、方法500は、ユーザデバイスによって受信された1つ以上の信号についての個別の信号強度インジケータ値に基づいて、ユーザデバイスのポジションを決定することを含む。
【0080】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイスのポジションを決定するためにマップを使用することは、個別の信号強度インジケータ値をマップと比較することと、個別の信号強度インジケータ値に対するk近傍一致を識別することとを含む。
【0081】
いくつかの実装形態では、比較は、k近傍(KNN)アルゴリズムを使用して行われる。
【0082】
いくつかの実装形態では、k近傍一致を識別することは、個別の信号強度インジケータ値とマップ内の1つ以上の基準値との間のユークリッド距離を使用することを含む。
【0083】
いくつかの実装形態では、方法520は、k近傍フィンガープリントに基づいてポジションを計算することを更に含む。
【0084】
いくつかの実装形態では、k近傍フィンガープリントに基づいてポジションを計算することは、k近傍一致に関連付けられた位置を平均化することを含む。
【0085】
図6は、図1から図5Bを参照して説明される特徴及びプロセスを実施するための例示的なデバイスアーキテクチャ600のブロック図である。例えば、アーキテクチャ600は、ユーザデバイス102及び/又はLMF106を実施するために使用されることができる。アーキテクチャ600は、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ポータブルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲームコンソール、ウェアラブルコンピュータ、セットトップボックス、メディアプレーヤ、スマートTVなどを含むが、これらに限定されない、図1から図5Bを参照して説明される特徴を生成するための任意のデバイス内に実装することができる。
【0086】
アーキテクチャ600は、メモリインタフェース602、1つ以上のデータプロセッサ604、1つ以上のデータコプロセッサ674、及び周辺機器インタフェース606を含み得る。メモリインタフェース602、プロセッサ(単数又は複数)604、コプロセッサ(単数又は複数)674、及び/又は周辺機器インタフェース606を別個の構成要素とすることができ、又は1つ以上の集積回路内に統合することができる。1つ以上の通信バス又は信号線は、様々な構成要素を結合することができる。
【0087】
プロセッサ(単数又は複数)604及び/又はコプロセッサ(単数又は複数)674は、本明細書に記載される動作を実行するために協働することができる。例えば、プロセッサ(単数又は複数)604は、アーキテクチャ600用の一次コンピュータプロセッサとして機能するように構成された1つ以上の中央処理ユニット(CPU)を含み得る。一例として、プロセッサ(単数又は複数)604は、アーキテクチャ600の一般化されたデータ処理タスクを実行するように構成することができる。更に、データ処理タスクのうちの少なくともいくつかは、コプロセッサ(単数又は複数)674にオフロードされ得る。例えば、動きデータの処理、画像データの処理、データの暗号化、及び/又は特定の種類の算術演算の実行などの特殊なデータ処理タスクを、それらのタスクを取り扱うための1つ以上の特殊なコプロセッサ(単数又は複数)674にオフロードすることができる。いくつかの場合では、プロセッサ(単数又は複数)604は、コプロセッサ(単数又は複数)674よりも相対的に強力であり得、及び/又はコプロセッサ(単数又は複数)674よりも多くの電力を消費することができる。これは、例えば、プロセッサ(単数又は複数)604が一般化されたタスクを迅速に取り扱うことを可能にし、同時に、それらのタスクをより効率的に及び/又はより効果的に実行し得るコプロセッサ(単数又は複数)674に特定の他のタスクをオフロードすることも可能にするため、有用であり得る。いくつかの場合では、コプロセッサ(単数又は複数)は、1つ以上のセンサ又は(例えば、本明細書に記載されるような)他の構成要素を含むことができ、それらのセンサ又は構成要素を使用して取得されたデータを処理し、処理されたデータを更なる分析のためにプロセッサ(単数又は複数)604に提供するように構成することができる。
【0088】
センサ、デバイス、及びサブシステムを周辺機器インタフェース606に結合することにより、多機能性を促進することができる。例えば、動きセンサ610、光センサ612、及び近接センサ614を周辺機器インタフェース606に結合することによって、向き、照明、及びアーキテクチャ600の近接機能を容易にできる。例えば、いくつかの実装形態では、光センサ612を利用して、タッチ面646の輝度の調整を容易にすることができる。いくつかの実装形態では、動きセンサ610を利用して、デバイスの動き及び向きを検出することができる。例えば、動きセンサ610は、(例えば、動きセンサ610及び/若しくはアーキテクチャ600が経験した加速度をある期間にわたって測定するための)1つ以上の加速度計、並びに/又は(例えば、動きセンサ610及び/若しくはモバイルデバイスの向きを測定するための)1つ以上のコンパス若しくはジャイロ、を含み得る。いくつかの場合では、動きセンサ610によって取得された測定値情報は、1つ以上の時間変化信号(例えば、ある期間にわたる加速度及び/又は向きの時間変化プロット)の形態であり得る。更に、表示オブジェクト又はメディアを、検出された向きに従って(例えば、「縦方向」の向き又は「横方向」の向きに従って)提示することができる。いくつかの場合では、動きセンサ610は、動きセンサ610によって取得された測定値を処理するように構成されたコプロセッサ674に直接統合することができる。例えば、コプロセッサ674は、1つ以上の加速度計、コンパス、及び/又はジャイロスコープを含むことができ、これらのセンサの各々からセンサデータを取得し、センサデータを処理し、処理されたデータを更なる分析のためにプロセッサ(単数又は複数)604に送信するように構成することができる。
【0089】
温度センサ、生体測定センサ、又は他の検知デバイスなど、他のセンサもまた、周辺機器インタフェース606に接続して、関連する機能を促進することができる。一例として、図6に示すように、アーキテクチャ600は、ユーザの心臓の拍動を測定する心拍数センサ632を含み得る。同様に、これらの他のセンサはまた、これらのセンサから取得された測定値を処理するように構成された1つ以上のコプロセッサ(単数又は複数)674に直接統合することができる。
【0090】
ロケーションプロセッサ615(例えば、GNSS受信機チップ)を周辺機器インタフェース606に接続して、ジオリファレンスを提供することができる。電子磁力計616(例えば、集積回路チップ)はまた、周辺機器インタフェース606に接続され、磁北の方向を判定するために使用できるデータを提供することができる。このように、電子磁力計616は、電子コンパスとして使用することができる。
【0091】
カメラサブシステム620及び光学センサ622(例えば、電荷結合素子[CCD]又は相捕型金属酸化膜半導体[CMOS]光学センサ)を利用して、写真及びビデオクリップの記録などのカメラ機能を容易にすることができる。
【0092】
通信機能は、1つ以上の通信サブシステム624を介して促進され得る。通信サブシステム(単数又は複数)624は、1つ以上の無線及び/又は有線通信サブシステムを含むことができる。例えば、無線通信サブシステムは、無線周波数受信機及び送信機、並びに/又は光(例えば、赤外線)受信機及び送信機を含むことができる。別の例として、有線通信システムには、ポートデバイス、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、又は他の通信デバイス、ネットワークアクセスデバイス、パーソナルコンピュータ、プリンタ、表示スクリーン、若しくはデータを送受信することができる他の処理デバイスなどの、他のコンピューティングデバイスへの有線接続を確立するために使用できるいくつかの他の有線ポート接続、が含まれ得る。
【0093】
通信サブシステム624の具体的な設計及び実装形態は、アーキテクチャ600が動作することを意図する通信ネットワーク(単数又は複数)又は媒体(単数又は複数)に依存し得る。例えば、アーキテクチャ600には、モバイル通信(GSM)ネットワーク、GPRSネットワーク、拡張データGSM環境(EDGE)ネットワーク、802.x通信ネットワーク(例えば、Wi-Fi、Wi-Max)、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、NFC、及びBluetooth(登録商標)ネットワーク用のグローバルシステムを介して動作するように設計された無線通信サブシステムを含むことができる。無線通信サブシステムはまた、アーキテクチャ600を他の無線デバイス用の基地局として構成できるように、ホスティングプロトコルを含むことができる。別の例として、通信サブシステム624は、例えば、TCP/IPプロトコル、HTTPプロトコル、UDPプロトコル、及び任意の他の既知のプロトコルなどの1つ以上のプロトコルを使用して、アーキテクチャ600をホストデバイスと同期させることを可能にし得る。
【0094】
オーディオサブシステム626をスピーカ628及び1つ以上のマイクロフォン630に結合することにより、音声認識機能、音声複製機能、デジタル録音機能、及び電話機能などの音声対応可能な機能を容易にすることができる。
【0095】
I/Oサブシステム640は、タッチコントローラ642及び/又は他の入力コントローラ(単数又は複数)644を含むことができる。タッチコントローラ642は、タッチ面646に結合することができる。タッチ面646及びタッチコントローラ642は、例えば、いくつかのタッチ感度技術のうちのいずれかを使用して、接触及び動作を検出することも、又は接触及び動作の中断を検出することもできる。タッチ感度技術としては、静電容量技術、抵抗性技術、赤外線技術、及び表面弾性波技術に加えて、タッチ面646との1つ以上の接触ポイントを判定するための、他の近接センサアレイ又は他の要素が挙げられるが、これらに限定されない。一実装形態では、タッチ面646は、仮想又はソフトボタン、及び仮想キーボードを表示することができ、仮想キーボードは、ユーザによる入力/出力デバイスとして使用することができる。
【0096】
他の入力コントローラ(単数又は複数)644は、1つ以上のボタン、ロッカースイッチ、サムホイール、赤外線ポート、USBポート、及び/又はスタイラスなどのポインタデバイスなどの、他の入力/制御デバイス648に結合することができる。1つ以上のボタン(図示せず)には、スピーカ628及び/又はマイクロフォン630のボリューム制御用の上/下ボタンを含むことができる。
【0097】
いくつかの実装形態では、アーキテクチャ600は、MP3ファイル、AACファイル、及びMPEGビデオファイルなどの、記録されたオーディオファイル及び/又はビデオファイルを提示することができる。いくつかの実装形態では、アーキテクチャ600は、MP3プレーヤの機能性を含むことができ、他のデバイスに係留するためのピンコネクタを含み得る。他の入出力及び制御デバイスを使用できる。
【0098】
メモリインタフェース602は、メモリ650に結合することができる。メモリ650としては、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光学記憶デバイス、若しくはフラッシュメモリ(例えば、NAND、NOR)などの、高速ランダムアクセスメモリ又は不揮発性メモリを挙げることができる。メモリ650には、Darwin、RTXC、LINUX、UNIX、OS X、WINDOWS、ANDROIDなどのオペレーティングシステム652、又はVxWorksなどの組み込みオペレーティングシステムを記憶することができる。オペレーティングシステム652は、基本システムサービスを処理する命令、及びハードウェア依存タスクを実行する命令を含むことができる。いくつかの実装形態では、オペレーティングシステム652は、カーネル(例えば、UNIXカーネル)を含み得る。
【0099】
メモリ650はまた、通信命令654を保存して、ピアツーピア通信を含む、1つ以上の追加のデバイス、1つ以上のコンピュータ又はサーバとの通信を容易にすることができる。通信命令654を使用して、(GPS/ナビゲーション命令668によって取得された)デバイスの地理的ロケーションに基づいて、デバイスが使用するための動作モード又は通信媒体を選択することもできる。メモリ650は、タッチ入力及びジェスチャを解釈するためのタッチモデルを含む、グラフィックユーザインタフェース処理を容易にするグラフィカルユーザインタフェース命令656と、センサ関連の処理及び機能を容易にするセンサ処理命令658と、電話関連の処理及び機能を容易にする電話命令660と、電子メッセージング関連の処理及び機能を容易にする電子メッセージング命令662と、ウェブブラウジング関連の処理及び機能を容易にするウェブブラウジング命令664と、メディア処理関連の処理及び機能を容易にするメディア処理命令666と、GPS及びナビゲーション関連プロセスを容易にするためのGPS/ナビゲーション命令668と、カメラ関連プロセス及び機能を容易にするためのカメラ命令670と、本明細書に記載されるプロセスの一部又は全てを実行するための他の命令672と、を含み得る。
【0100】
上記の特定された命令及びアプリケーションのそれぞれは、本明細書で説明される1つ以上の機能を実行するための命令セットに対応し得る。これらの命令は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実装する必要がない。メモリ650は、追加の命令を含んでもよく、又はより少ない命令を含み得る。更にまた、デバイスの様々な機能は、1つ以上の信号処理及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェア及び/又はソフトウェアに実装できる。
【0101】
説明される特徴は、デジタル電子回路内に、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア内に、若しくはそれらの組合せで実装されてもよい。特徴は、例えば、プログラム可能なプロセッサによる実行のために、情報キャリア内、例えば、マシン可読記憶デバイス内で有形的に具現化されたコンピュータプログラム製品内に実装されてもよく、方法ステップは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、記載された実装の機能を実行するための命令プログラムを実行するプログラム可能プロセッサによって実行されてもよい。
【0102】
記載された機能は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからのデータ及び命令を受信し、並びにこれらにデータ及び命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含む、プログラム可能システム上で実行可能な1つ以上のコンピュータプログラム内に有利に実装できる。コンピュータプログラムは、特定の行動を実行するか、又は特定の結果をもたらすために、コンピュータ内で直接的又は間接的に使用することができる命令セットである。コンピュータプログラムは、コンパイル型言語又はインタプリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語(例えば、Objective-C、Java)で書くことができ、スタンドアロンプログラム若しくはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピューティング環境で使用するのに好適な他のユニットを含む、任意の形態で配布され得る。
【0103】
命令のプログラムの実行に好適なプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のコンピュータの、ソールプロセッサ、又は複数のプロセッサ若しくはコアのうちの1つ、が含まれる。プロセッサは一般的に、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するプロセッサ、並びに命令及びデータを保存する1つ以上のメモリである。一般に、コンピュータは、データファイルを記憶するための大容量記憶デバイスと通信することができる。これらの大容量記憶デバイスには、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスク、光磁気ディスク、及び光ディスクなどの磁気ディスクが含まれてもよい。コンピュータプログラム命令及びデータを実体的に具現化するのに好適な記憶デバイスは、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサ及びメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか、又はその中に組み込まれてもよい。
【0104】
ユーザとの対話を提供するために、作者に情報を表示するための表示デバイス、並びにキーボード、及び作者がコンピュータに入力を提供し得るマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上に、機能を実装できる。
【0105】
図7は、いくつかの実装形態による、例示的な無線通信システム700を示す図である。便宜上、限定はしないが、例示的なシステム100は、第3の世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術上の規格によって定義されたロングタームエボリューション(LTE)及び第5の世代(5G)新無線(NR)通信標準の文脈で説明される。より詳細には、無線通信システム700は、LTE及びNRの両方を組み込んだ非スタンドアロン(NSA)ネットワーク、例えば、E-UTRA(進化型ユニバーサル地上無線アクセス)-NR二重接続(EN-DC)ネットワーク、及びNE-DCネットワークに関連して説明される。しかしながら、無線通信システム700は、NRのみを組み込んだスタンドアロン(SA)ネットワークであってもよい。更に、将来の3GPPシステム(例えば、第6の世代(6G))システム、IEEE 802.16プロトコル(例えば、WMAN、WiMAXなど)などを含む、他のタイプの通信規格が可能である。
【0106】
図7に示すように、システム700は、UE701a及びUE701b(集合的に「UE701」と呼ばれる)を含む。この例では、UE701は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラネットワークに接続可能な携帯式タッチスクリーンモバイルコンピューティングデバイス)として図示されているが、民生用デバイス、携帯電話、スマートフォン、機能電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータデバイス、携帯情報端末(PDA)、ページャ、無線ハンドセット、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、インフュージョンインフォテメント(IVI)、車両内娯楽(ICE)デバイス、インストルメントクラスタ(IC)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)デバイス、車載診断(OBD)デバイス、ダッシュトップモバイル機器(DME)、モバイルデータ端末(MDT)、電子エンジン管理システム(EEMS)、電子/エンジン制御ユニット(ECU)、電子エンジン/エンジン制御モジュール(ECM)、組み込みシステム、マイクロコントローラ、制御モジュール、エンジン管理システム(EMS)、ネットワーク化又は「スマート」電化製品、MTCデバイス、M2M、IoTデバイス、及び/又は同様のものなどの任意のモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。UE701は、ユーザデバイス102と同じか又は類似してもよい。
【0107】
UE701は、RAN710と接続する、例えば、通信可能に結合するように構成され得る。実施形態では、RAN710は、NG RAN若しくは5G RAN、E-UTRAN、又はUTRAN若しくはGERANなどのレガシーRANであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「NG RAN」などは、NR又は5Gシステム700で動作するRAN710を指し、用語「E-UTRAN」などは、LTE又は4Gシステム700で動作するRAN710を指してもよい。UE701は、それぞれ接続(又はチャネル)703及び接続704を利用し、これらは各々、物理通信インタフェース又は層(以下で更に詳細に議論する)を含む。RAN710は、RAN104と同じか又は類似してもよい。
【0108】
この例では、接続703及び704は、通信結合を可能にするためのエアインタフェースとして示されており、GSM(登録商標)プロトコル、CDMAネットワークプロトコル、PTTプロトコル、POCプロトコル、UMTSプロトコル、3GPP LTEプロトコル、アドバンストロングタームエボリューション(LTE-A)プロトコル、無認可スペクトルへのLTEベースアクセス(LTE-U)、5Gプロトコル、NRプロトコル、無認可スペクトルへのNRベースアクセス(NR-U)プロトコル、及び/又は本明細書で説明する他の通信プロトコルのいずれかなどのセルラ通信プロトコルに一致し得る。本実施形態では、UE701は、更に、ProSeインタフェース705を介して通信データを直接交換することができる。ProSeインタフェース705は、代替的にSLインタフェース705と称されることがあり、限定はしないが、PSCCH、PSSCH、PSDCH、及びPSBCHを含む、1つ以上の論理チャネルを備え得る。
【0109】
UE701bは、接続707を介してAP706(「WLANノード706」「WLAN706」「WLAN端末706」、「WT706」などとも呼ばれる)にアクセスするように構成されていることが示されている。接続707は、任意のIEEE802.11プロトコルと合致する接続などのローカルワイヤレス接続を含むことができ、AP706は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)ルータを備えるであろう。本例では、AP706は、図示するように、ワイヤレスシステムのコアネットワークに接続せずにインターネットに接続される(以下で更に詳細に説明する)。様々な実施形態では、UE701b、RAN710及びAP706は、LWA動作及び/又はLWIP動作を利用するように構成することができる。LWA動作は、LTE及びWLANの無線リソースを利用するために、RANノード711a~711bによって構成されているRRC_CONNECTEDのUE701bを伴い得る。LWIP動作は、接続707を介して送信されたパケット(例えば、IPパケット)を認証及び暗号化するために、IPsecプロトコルトンネルを介してWLAN無線リソース(例えば、接続707)を使用してUE701bに関与し得る。IPsecトンネリングは、元のIPパケットの全体をカプセル化し、新しいパケットヘッダを追加し、それによってIPパケットのオリジナルヘッダを保護することを含み得る。
【0110】
RAN710は、接続703及び接続704を可能にする1つ以上のANノード又はRANノード711a及び711b(まとめて「RANノード711」と呼ぶ)を含むことができる。ノード711a及び711bは、リンク712を介して通信するように構成されている。本明細書で使用するとき、用語「アクセスノード」、「アクセスポイント」などは、ネットワークと1人以上のユーザとの間のデータ及び/又は音声コネクティビティのための無線ベースバンド機能を提供する機器について述べてもよい。これらのアクセスノードは、BS、gNB、RANノード、eNB、NodeBs、RSUs、TRxP又はTRPなどと呼ばれる場合があり、地理的エリア(例えば、セル)内にカバレッジを提供する地上局(例えば、地上アクセスポイント)又はサテライト局を含むことができる。本明細書で使用される場合、「NG RANノード」などの用語は、NR又は5Gシステム700(例えば、gNB)において動作するRANノード711を指すことがあり、「E-UTRANノード」などの用語は、LTE又は4Gシステム700(例えば、eNB)において動作するRANノード711を指すことがある。様々な実施形態によれば、RANノード711は、マクロセルと比較してより小さいカバレッジエリア、より小さいユーザ容量、又はより高い帯域幅を有するフェムトセル、ピコセル、又は他の同様のセルを提供するための、マクロセル基地局、及び/又は低電力(LP)基地局などの専用物理デバイスのうちの1つ以上として実装され得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、RANノード711の全て又は一部は、CRAN及び/又は仮想ベースバンドユニットプール(vBBUP)と称され得る仮想ネットワークの一部としてサーバコンピュータ上で実行される1つ以上のソフトウェアエンティティとして実装されてもよい。これらの実施形態では、CRAN又はvBBUPは、RRC層及びPDCP層がCRAN/vBBUPによって動作され、他のL2プロトコルエンティティが個々のRANノード711によって動作されるPDCP分割、RRC層、PDCP層、RLC層、及びMAC層がCRAN/vBBUPによって動作され、PHY層が個々のRANノード711によって動作されるMAC/PHY分割、又はRRC層、PDCP層、RLC層、MAC層、及びPHY層の上位部分がCRAN/vBBUPによって動作され、PHY層の下位部分が個々のRANノード711によって動作される「下位PHY」分割などのRAN機能分割を実装することができる。この仮想化されたフレームワークにより、RANノード711の解放されたプロセッサコアは、他の仮想化されたアプリケーションを実行することができる。いくつかの実装形態では、個々のRANノード711は、個々のF1インタフェース(図7によって図示せず)を介してgNB-CUに接続された個々のgNB-DUを表し得る。これらの実装形態は、gNB-DUsは、1つ以上のリモート無線ヘッド又はRFEMを含んでもよく、gNB-CUは、RAN710(図示せず)内に位置するサーバによって、又はCRAN/vBBUPと同様の方法でサーバプールによって動作されてもよい。追加的又は代替的に、RANノード711のうちの1つ以上は、次世代eNB(next generation eNBs、ng-eNB)であってもよく、次世代eNBは、UE701に向けてE-UTRAユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル端末を提供し、且つNGインタフェースを介して5GCに接続される、RANノードである。
【0112】
RANノード711のいずれかは、エアインタフェースプロトコルを終了することができ、UE701の第1の接触ポイントとすることができる。いくつかの実施形態では、RANノード711のいずれも、RAN710のための様々な論理機能を果たすことができ、その機能は、限定されないが、無線ベアラ管理、アップリンク及びダウンリンク動的無線リソース管理、並びにデータパケットスケジューリング、並びにモビリティ管理などの無線ネットワークコントローラ(RNC)機能を含む。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、UE701は、様々な通信技術に従ったマルチキャリア通信チャネルにより、OFDM通信信号を用いて、互いに又はRANノード711のいずれかと通信するように構成することができ、この様々な通信技術は、例えば、(例えば、ダウンリンク通信用の)OFDMA通信技術、又は(例えば、アップリンク及びProSe又はサイドリンク通信用の)SC-FDMA通信技術であるが、これらに限定されず、実施形態の範囲は、この点において限定されない。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを含むことができる。
【0114】
様々な実施形態によれば、UE701及びRANノード711は、認可媒体(「認可スペクトル」及び/又は「認可帯域」とも呼ばれる)及び無認可共有媒体(「無認可スペクトル」及び/又は「無認可帯域」とも呼ばれる)を介してデータ(例えば、送信及び受信)データを通信する。ライセンススペクトルは、約400MHz~約3.8GHzの周波数範囲で動作するチャネルを含んでもよく、アンライセンススペクトルは、5GHz帯域を含んでもよい。無認可スペクトルにおけるNRはNR-Uと称されることがあり、無認可スペクトルにおけるLTEは、LTE-U、認可支援アクセス(LAA)、又はMulteFireと称されることがある。
【0115】
無認可スペクトルで動作するために、UE701及びRANノード711は、LAA、eLAA、及び/又はfeLAA機構を使用して動作し得る。これらの実装形態では、UE701及びRANノード711は、無認可スペクトル内の1つ以上のチャネルが無認可スペクトルで送信する前に利用不可能であるか、又は別の方法で占有されているかどうかを判定するために、1つ以上の既知の媒体検知動作及び/又はキャリア検知動作を実行してもよい。媒体/キャリア検知動作は、リッスンビフォアトーク(LBT)プロトコルに従って実行されてもよい。
【0116】
RAN710は、この実施形態ではコアネットワーク(CN)720であるコアネットワークに通信可能に結合されるように示されている。CN720は、RAN710を介してCN720に接続されている顧客/加入者(例えば、UE701のユーザ)に様々なデータ及び電気通信サービスを提供するように構成された複数のネットワーク要素722を備えることができる。CN720の構成要素は、マシン可読媒体又はコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的マシン可読記憶媒体)から命令を読み取って実行するための構成要素を含む、単一の物理ノード又は別個の物理ノードに実装されてもよい。いくつかの実施形態では、NFVを利用して、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(以下で更に詳細に説明する)に記憶された実行可能命令を介して、上述のネットワークノード機能のいずれか又は全てを仮想化することができる。CN720の論理インスタンス化は、ネットワークスライスと称されてもよく、CN720の一部の論理インスタンス化は、ネットワークサブスライスと呼ばれることができる。NFVアーキテクチャ及びインフラストラクチャは、業界標準のサーバハードウェア、ストレージハードウェア、又はスイッチの組合せを含む物理リソース上で、1つ以上のネットワーク機能を仮想化するために使用されてもよく、あるいは専用ハードウェアによって実行されてもよい。言い換えれば、NFVシステムを使用して、1つ以上のEPC構成要素/機能の仮想の又は再構成可能な実装を実行することができる。
【0117】
一般に、アプリケーションサーバ730は、コアネットワーク(例えば、UMTS PSドメイン、LTE PSデータサービスなど)とのIPベアラリソースを使用するアプリケーションを提供するエレメントであってもよい。アプリケーションサーバ730はまた、EPC720を介してUE701のために1つ以上の通信サービス(例えば、VoIPセッション、PTTセッション、グループ通信セッション、ソーシャルネットワーキングサービスなど)をサポートするように構成することもできる。アプリケーションサーバ730はまた、リンク725を介してCN720と通信するように構成され得る。
【0118】
実施形態では、CN720は5GC(「5GC720」などと呼ばれる)であってもよく、RAN710はNGインタフェース713を介してCN720に接続されてもよい。実施形態では、NGインタフェース713は、2つの部分、すなわち、RANノード711とUPFとの間でトラフィックデータを搬送するNGユーザプレーン(NG-U)インタフェース714と、RANノード711とAMFとの間のシグナリングインタフェースであるS1制御プレーン(NG-C)インタフェース715とに分割され得る。
【0119】
実施形態では、CN720は5GCN(「5GC720」などと呼ばれる)であってもよく、他の実施形態では、CN720はEPCであってもよい。CN720がEPC(「EPC720」などと呼ばれる)である場合、RAN710は、S1インタフェース713を介してCN720と接続され得る。実施形態では、S1インタフェース713は、2つの部分、すなわち、RANノード711とS-GWとの間でトラフィックデータを搬送するS1ユーザプレーン(S1-U)インタフェース714と、RANノード711とMMEとの間のシグナリングインタフェースであるS1-MMEインタフェース715とに分割され得る。
【0120】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0121】
いくつかの実装形態が説明されてきた。それにもかかわらず、様々な修正が行われ得ることを理解されたい。1つ以上の実装形態の要素は、更なる実装形態を形成するために組み合わされ、削除され、修正され、又は補足されてもよい。更に別の例として、図に描かれる論理フローは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必要としない。加えて、他のステップが提供されてもよく、又は記載されたフローからステップが排除されてもよく、及び他の構成要素が、記載されたシステムに追加されるか、又はそこから除去されてもよい。したがって、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】