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特表2024-541814ピアツーピア(p2p)通信の低レイテンシ方式
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ピアツーピア(p2p)通信の低レイテンシ方式
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20240101AFI20241106BHJP
   H04W 84/12 20090101ALN20241106BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520574
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 US2022041924
(87)【国際公開番号】W WO2023075922
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】17/513,645
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】アジャミ、アブデル・カリム
(72)【発明者】
【氏名】ホ、サイ・ユ・ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】チェリアン、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】アスタージャディ、アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】パティル、アビシェク・プラモド
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヤンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ナイク、ガウラン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、ピアツーピア(P2P)通信のワイヤレスリソースを要求するシステム及び方法を提供する。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のために送信機会(TXOP)の一部を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介してアクセスポイント(AP)にフレームを送信する。ワイヤレス通信デバイスは、P2P通信のTXOPの一部分を割り当てるトリガフレームを受信し、TXOPの割り当てられた一部分の間に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信する。いくつかの事例では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するサービス品質(QoS)制御フィールドを含む。いくつかの他の事例では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信の方法であって、
前記ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のために送信機会(TXOP)の一部を割り当てるようにとのアクセスポイント(AP)に対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介して前記APに送信することと、
前記P2P通信のために前記TXOPの一部分を前記ワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、前記ワイヤレス媒体を介して前記APから受信することと、
前記TXOPの前記割り当てられた一部分の間に、前記ワイヤレス媒体を介して前記クライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記要求が、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記P2P通信の要求される帯域幅、前記P2P通信のトラフィック識別子(TID)、前記P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、前記P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、前記P2P通信の要求されるサービス間隔、前記P2P通信に関連付けられた前記サービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレームの前記MACヘッダが、前記要求を搬送するサービス品質(QoS)制御フィールドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記QoS制御フィールドが、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されたトラフィック識別子(TID)サブフィールドであって、前記値が8以上である、TIDサブフィールド、又は、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールド、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記QoS制御フィールドが、サービス期間終了(EOSP)サブフィールドと、前記EOSPサブフィールドに続く肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールドと、前記ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、前記予約済みビットに続くオクテットとを含み、前記オクテットが、前記EOSPサブフィールド内で搬送される値と前記予約済みビットとに基づいて、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記予約済みビットが1に設定されるときに0の値を搬送する前記EOSPサブフィールドが、前記オクテットが前記TXOPの前記要求される部分の前記期間を示すことをシグナリングし、かつ前記ACKポリシーインジケータサブフィールドが前記TXOP共有モード帯域幅を示すことをシグナリングし、
前記予約済みビットが1に設定されるときに1の値を搬送する前記EOSPサブフィールドが、前記オクテットが前記TXOP共有モード帯域幅と前記TXOPの前記要求される部分の前記期間の両方を示すことをシグナリングする、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記予約済みビットが0に設定されているときに0の値に設定されている前記EOSPサブフィールドが、前記オクテットが前記TXOPの前記要求される部分の前記期間を示すことをシグナリングし、前記予約済みビットが0に設定されているときに1に設定されている前記EOSPサブフィールドが、前記オクテットが前記ワイヤレス通信デバイスの前記キューサイズを示すことをシグナリングする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームの前記MACヘッダが、前記要求を搬送するアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記A制御サブフィールドが、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御識別(ID)サブフィールドと、
前記TXOPの前記割り当てられた一部分に対する前記要求に関連付けられた前記P2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報サブフィールドと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御IDサブフィールド内で搬送される前記予約済み値が、9、11、12、13、又は14のうちの1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記P2P通信の前記1つ又は複数のパラメータが、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記P2P通信の要求される帯域幅、前記P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、前記P2P通信の要求されるサービス間隔、前記P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、前記P2P通信のトラフィック識別子(TID)、前記P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、前記P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、前記ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又は前記P2P通信に関連付けられた前記サービス期間の遅延限界のうちの1つ又は複数を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記A制御サブフィールドが、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送するデルタトラフィック識別子(TID)サブフィールドと、
前記TXOPの前記要求される部分の期間と要求されるTXOP共有モード帯域幅とを集合的に示す値を搬送するキューサイズハイサブフィールド及びキューサイズオールサブフィールドと、
を含む制御情報サブフィールドを搬送する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記フレームが、前記クライアントデバイスの前記MACアドレスを示すターゲットウェイク時間(TWT)エレメントと、前記P2P通信に関連付けられた制限付きTWT(r-TWT)サービス期間(SP)の1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記フレームが、前記クライアントデバイスの前記MACアドレスを示すトラフィック仕様(TSPEC)エレメントと、前記P2P通信に関連付けられた制限付きターゲットウェイク時間(r-TWT)サービス期間(SP)の1つ又は複数のデータレートパラメータと、を含むストリーム分類サービス(SCS)要求フレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記トリガフレームが、前記ワイヤレス通信デバイスと前記クライアントデバイスとを識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記トリガフレームが、前記ワイヤレス通信デバイスと前記クライアントデバイスとの間の前記P2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むマルチユーザ(MU)送信要求(RTS)TXOP共有(TXS)トリガフレームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ワイヤレス媒体を介して前記APから、前記要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記応答フレームの前記MACヘッダが、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、前記P2P通信のトラフィック識別子(TID)、前記P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、前記P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、前記P2P通信に関連付けられたサービス間隔、前記P2P通信に関連付けられた前記サービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記応答フレームが、サービス品質(QoS)データフレーム又はブロック肯定応答(BA)フレームを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記P2Pデータを送信又は受信することが、
前記APから前記トリガフレームを受信することに基づいて、前記ワイヤレス媒体を介して前記クライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信することと、
前記クライアントデバイスに前記レイテンシセンシティブなトラフィックを送信した後に、前記ワイヤレス媒体を介して前記クライアントデバイスにP2Pトリガフレームを送信することと、
前記P2Pトリガフレームに基づいて、前記ワイヤレス媒体を介して前記クライアントデバイスからレイテンシセンシティブなトラフィックを受信することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記クライアントデバイスが、前記ワイヤレス通信デバイスに関連付けられ、前記APに関連付けられない、仮想現実(VR)ヘッドセット又は拡張現実(AR)ヘッドセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記APに関連付けられたワイヤレス局(STA)として前記ワイヤレス通信デバイスを動作させると同時に、前記クライアントデバイスが関連付けられるsoftAPとして前記ワイヤレス通信デバイスを動作させること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリと、
を含む、ワイヤレス通信デバイスであって、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、
前記ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のために送信機会(TXOP)の一部を割り当てるようにとのアクセスポイント(AP)に対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介して前記APに送信し、
前記P2P通信のために前記TXOPの一部分を前記ワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、前記ワイヤレス媒体を介して前記APから受信し、
前記TXOPの前記割り当てられた一部分の間に前記ワイヤレス媒体を介して前記クライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信する、
ように構成されている、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項24】
前記要求が、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記P2P通信の要求される帯域幅、前記P2P通信のトラフィック識別子(TID)、前記P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、前記P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、前記P2P通信の要求されるサービス間隔、前記P2P通信に関連付けられた前記サービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項25】
前記フレームの前記MACヘッダが、前記要求を搬送するサービス品質(QoS)制御フィールドを含む、請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
前記QoS制御フィールドが、サービス期間終了(EOSP)サブフィールドと、前記EOSPサブフィールドに続く肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールドと、前記ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、前記予約済みビットに続くオクテットとを含み、前記オクテットが、前記EOSPサブフィールド内で搬送される値と前記予約済みビットとに基づいて、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項27】
前記フレームの前記MACヘッダが、前記要求を搬送するアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項28】
前記A制御サブフィールドが、
前記フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御識別(ID)サブフィールドと、
前記TXOPの前記割り当てられた一部分に対する前記要求に関連付けられた前記P2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報サブフィールドと、
を含む、請求項27に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項29】
前記プロセッサ可読コードの実行が、
前記ワイヤレス媒体を介して前記APから、前記要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信する
ように更に構成されている、請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記応答フレームの前記MACヘッダが、前記TXOPの前記要求される部分の期間、前記P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、前記P2P通信のトラフィック識別子(TID)、前記P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、前記P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、前記P2P通信に関連付けられたサービス間隔、前記P2P通信に関連付けられた前記サービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、請求項29に記載のワイヤレス通信デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001] 本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれている、2021年10月28日に出願された「LOW LATENCY SCHEMES FOR PEER-TO-PEER(P2P)COMMUNICATIONS」と題する、AJAMIらによる米国特許出願第17/513,645号の利益を主張する。
【0002】
[0002] 本開示は、概してワイヤレス通信に関し、より詳細には、ピアツーピア(peer-to-peer、P2P)通信のために共有ワイヤレス媒体のリソースを動的にスケジューリングすることに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)は、いくつかのクライアントデバイス又は局(station、STA)が使用する共有ワイヤレス媒体を提供する1つ又は複数のアクセスポイント(access point、AP)によって形成され得る。基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)に対応し得る各APは、APのワイヤレス範囲内の任意のSTAがWLANとの通信リンクを確立及び維持することを可能にするために、ビーコンフレームを周期的にブロードキャストし得る。IEEE802.11規格ファミリーに従って動作するWLANは、一般にWi-Fiネットワークと呼ばれる。
【0004】
[0004] いくつかのワイヤレス通信デバイスは、データトラフィックの厳密なエンドツーエンドレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を有する低レイテンシアプリケーションに関連付けられ得る。例示的な低レイテンシアプリケーションとしては、リアルタイムゲームアプリケーション、ビデオ通信、並びに拡張現実(augmented reality、AR)アプリケーション及び仮想現実(virtual reality、VR)アプリケーション(集合的にエクステンデッドリアリティ(extended reality、XR)アプリケーションと呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。そのような低レイテンシアプリケーションは、これらのアプリケーションに接続を提供するワイヤレス通信システムに関する様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を指定し得る。いくつかの低レイテンシアプリケーションは、(AR/VRヘッドセットなどの)クライアントデバイスと、APに関連付けられたSTAとの間のピアツーピア(P2P)通信を利用する。例えば、リアルタイムゲームアプリケーションを実行するワイヤレス通信デバイスは、関連付けられたAPを介してゲームサービスとの間でゲームデータを送信及び受信するSTAとして動作すると同時に、関連付けられたAR/VRヘッドセットとの間でゲームデータを送信及び受信するsoftAPとしても動作し得る。P2Pリンクを介してAR/VRヘッドセット(又は他のクライアントデバイス)に接続されたsoftAPとして動作するSTAがリアルタイムゲームアプリケーションを実行するときに、STAとAR/VRヘッドセットとの間のP2P通信は、ゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。同様に、STAと、関連付けられたAPとの間で送信されるゲームデータもまた、ゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示のシステム、方法、及びデバイスは、各々いくつかの革新的態様を有し、それらのうちのいずれの単一の態様も、本明細書で開示する望ましい特性を単独では担わない。
【0006】
[0006] 本開示で説明する主題の1つの革新的態様は、ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信の方法として実装され得る。いくつかの実装形態では、本方法は、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のために送信機会(transmission opportunity、TXOP)の一部を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送する媒体アクセス制御(medium access control、MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介してアクセスポイント(AP)に送信することを含み得る。本方法は、P2P通信のTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPから受信することを含み得る。本方法は、TXOPの割り当てられた一部分の間に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信することを含み得る。いくつかの態様では、要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(traffic identifier、TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(Stream Classification Service、SCS)識別子(SCS identifier、SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す。
【0007】
[0007] いくつかの実装形態では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するサービス品質(Quality-of-Service、QoS)制御フィールドを含む。いくつかの事例では、QoS制御フィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されており、値が8以上である、TIDサブフィールド、又はフレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された肯定応答(Acknowledgement、ACK)ポリシーインジケータ(Policy Indicator)サブフィールドを含む。いくつかの態様では、QoS制御フィールドは、サービス期間終了(End Of Service Period、EOSP)サブフィールドと、EOSPサブフィールドに続くACKポリシーインジケータサブフィールドと、ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、予約済みビットに続くオクテットとを含み、オクテットは、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す。例えば、予約済みビットが1に設定されているときに0の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングし、かつACKポリシーインジケータサブフィールドがTXOP共有モード帯域幅を示すことをシグナリングし、予約済みビットが1に設定されているときに1の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を示すことをシグナリングする。別の例では、予約済みビットが0に設定されているときに0の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングし、予約済みビットが0に設定されているときに1の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがワイヤレス通信デバイスのキューサイズを示すことをシグナリングする。
【0008】
[0008] いくつかの他の実装形態では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するアグリゲート制御(Aggregated-Control、A制御)サブフィールドを含む。いくつかの事例では、A制御サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御識別(Control identification、Control ID)サブフィールドを含み、P2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報(Control Information)サブフィールドを含む。P2P通信の1つ又は複数のパラメータは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はP2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの態様では、制御IDサブフィールド内で搬送される予約済み値は、9、11、12、13、又は14のうちの1つである。いくつかの他の事例では、A制御サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値に設定されたデルタTID(Delta TID)サブフィールドと、TXOPの要求される部分の期間及び要求されるTXOP共有モード帯域幅を集合的に示す値に設定された、キューサイズハイ(Queue Size High)サブフィールド及びキューサイズオール(Queue Size All)サブフィールドとを含む制御情報サブフィールドを搬送する。
【0009】
[0009] いくつかの事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すターゲットウェイク時間(target wake time、TWT)エレメントと、P2P通信に関連付けられた制限付きTWT(r-TWT)サービス期間(service period、SP)の1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームであり得る。いくつかの他の事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTSPECエレメントと、P2P通信に関連付けられたr-TWT SPの1つ又は複数のデータレートパラメータとを含むSCS要求フレームであり得る。様々な実装形態では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モード(TXOP sharing mode)サブフィールドを含むマルチユーザ(multi-user、MU)送信要求(Request-to-Send、RTS)TXOP共有(TXOP sharing、TXS)トリガフレームであり得る。いくつかの態様では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとを識別する。
【0010】
[0010] いくつかの実装形態では、本方法は、ワイヤレス媒体を介してAPから、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信することを更に含む。いくつかの事例では、応答フレームのMACヘッダは、P2P通信に割り当てられるべきTXOPの部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はA制御サブフィールドを含む。いくつかの態様では、応答フレームは、QoSデータフレーム又はブロック肯定応答(Block Acknowledgement、BA)フレームであり得る。
【0011】
[0011] いくつかの他の実装形態では、本方法は、APからトリガフレームを受信することに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信することと、レイテンシセンシティブなトラフィックをクライアントデバイスに送信した後に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにP2Pトリガフレームを送信することと、P2Pトリガフレームに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスからレイテンシセンシティブなトラフィックを受信することと、を更に含む。様々な実装形態では、本方法は、APに関連付けられたワイヤレス局(STA)としてワイヤレス通信デバイスを動作させると同時に、クライアントデバイスが関連付けられたsoftAPとしてワイヤレス通信デバイスを動作させることを更に含む。
【0012】
[0012] 本開示で説明する主題の別の革新的態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合された少なくとも1つのメモリと、を含み得る。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのメモリは、プロセッサ可読コードを記憶し、プロセッサ可読コードは、少なくとも1つのモデムとともに少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOPの少なくとも一部を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送するMACヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPに送信するように構成されている。プロセッサ可読コードの実行は、P2P通信のTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPから受信するように構成されている。プロセッサ可読コードの実行は、TXOPの割り当てられた一部分の間に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信するように構成されている。いくつかの態様では、要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す。
【0013】
[0013] いくつかの実装形態では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するQoS制御フィールドを含む。いくつかの事例では、QoS制御フィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されており、値が8以上である、TIDサブフィールド、又はフレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されたACKポリシーインジケータサブフィールドを含む。いくつかの態様では、QoS制御フィールドは、EOSPサブフィールドと、EOSPサブフィールドに続くACKポリシーインジケータサブフィールドと、ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、予約済みビットに続くオクテットとを含み、オクテットは、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す。例えば、予約済みビットが1に設定されているときに0の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングし、かつACKポリシーインジケータサブフィールドがTXOP共有モード帯域幅を示すことをシグナリングし、予約済みビットが1に設定されているときに1の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を示すことをシグナリングする。別の例では、予約済みビットが0に設定されているときに0の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングし、予約済みビットが0に設定されているときに1の値を搬送するEOSPサブフィールドは、オクテットがワイヤレス通信デバイスのキューサイズを示すことをシグナリングする。
【0014】
[0014] いくつかの他の実装形態では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するA制御サブフィールドを含む。いくつかの事例では、A制御サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御IDサブフィールドを含み、P2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報サブフィールドを含む。P2P通信の1つ又は複数のパラメータは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はP2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの態様では、制御IDサブフィールド内で搬送される予約済み値は、9、11、12、13、又は14のうちの1つである。いくつかの他の事例では、A制御サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値に設定されたデルタTIDサブフィールドと、TXOPの要求される部分の期間及び要求されるTXOP共有モード帯域幅を集合的に示す値に設定された、キューサイズハイサブフィールド及びキューサイズオールサブフィールドとを含む制御情報サブフィールドを搬送する。
【0015】
[0015] いくつかの事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTWTエレメントと、P2P通信に関連付けられたr-TWT SPの1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームであり得る。いくつかの他の事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTSPECエレメントと、P2P通信に関連付けられたr-TWT SPの1つ又は複数のデータレートパラメータとを含むSCS要求フレームであり得る。様々な実装形態では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むMU-RTS TXSトリガフレームであり得る。いくつかの態様では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとを識別する。
【0016】
[0016] いくつかの実装形態では、プロセッサ可読コードの実行はまた、ワイヤレス媒体を介してAPから、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信するように構成され得る。いくつかの事例では、応答フレームのMACヘッダは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はA制御サブフィールドを含む。いくつかの態様では、応答フレームは、QoSデータフレーム又はBAフレームであり得る。
【0017】
[0017] いくつかの他の実装形態では、プロセッサ可読コードの実行はまた、APからトリガフレームを受信することに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信し、クライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信した後に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにP2Pトリガフレームを送信し、P2Pトリガフレームに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスからレイテンシセンシティブなトラフィックを受信するように構成され得る。様々な実装形態では、プロセッサ可読コードの実行はまた、APに関連付けられたSTAとしてワイヤレス通信デバイスを動作させると同時に、クライアントデバイスが関連付けられたsoftAPとしてワイヤレス通信デバイスを動作させるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[0018] 本開示で説明する主題の1つ又は複数の実装形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになろう。以下の図の相対的な寸法が、縮尺で描かれていない場合があることに留意されたい。
図1】[0019] 例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図を示す。
図2A】[0020] アクセスポイント(AP)と1つ又は複数のワイヤレス局(STA)との間の通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(protocol data unit、PDU)を示す。
図2B】[0021] 図2AのPDU内の例示的なフィールドを示す。
図3A】[0022] APと1つ又は複数のSTAとの間の通信に使用可能な別の例示的なPDUを示す。
図3B】[0023] APと1つ又は複数のSTAとの間の通信に使用可能な別の例示的なPDUを示す。
図4】[0024] APといくつかのSTAとの間の通信に使用可能な例示的な物理レイヤコンバージェンスプロトコル(physical layer convergence protocol、PLCP)プロトコルデータユニット(PLCP protocol data unit、PPDU)を示す。
図5】[0025] 例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。
図6A】[0026] 例示的なアクセスポイント(AP)のブロック図を示す。
図6B】[0027] 例示的な局(STA)のブロック図を示す。
図7】[0028] いくつかの実装形態による、別の例示的なワイヤレスネットワークの絵図を示す。
図8】[0029] いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなピアツーピア(P2P)トラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の一例を示すタイミング図を示す。
図9】[0030] いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の別の例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図10】[0031] いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の別の例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図11】[0032] いくつかの他の実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の別の例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図12】[0033] いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の別の例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図13】[0034] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能な媒体アクセス制御(MAC)ヘッダの例示的な構成を示す。
図14A】[0035] 複数の異なるフレームタイプ及びサブタイプに対する図13のサービス品質(QoS)制御フィールドの内容及びビットアサインを記述する表を示す。
図14B】[0036] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なQoS制御フィールドの例示的な構成を示す。
図15】[0037] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なアグリゲート制御(A制御)サブフィールドの例示的な構成を示す。
図16】[0038] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なA制御サブフィールドの別の例示的な構成を示す。
図17A】[0039] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なターゲットウェイク時間(TWT)エレメントの例示的な構成を示す。
図17B】[0040] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なブロードキャストTWTパラメータセット(broadcast TWT Parameter Set)フィールドの例示的な構成を示す。
図17C】[0041] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なブロードキャストTWTパラメータセットフィールド内の要求タイプ(Request Type)フィールドの例示的な構成を示す。
図18】[0042] いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なトラフィック仕様(Traffic Specification、TSPEC)フィールドの例示的な構成を示す。
図19】[0043] いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。
【0019】
[0044] 様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0045] 以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的でいくつかの特定の実装形態を対象としている。しかしながら、本明細書での教示が多数の異なる方法で適用され得ることを当業者は容易に認識されよう。説明される実装形態は、数ある中でも、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP)によって公表された3G規格、4G規格若しくは5G(新無線(New Radio、NR))規格、米国電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineer、IEEE)802.11規格、IEEE802.15規格、又はBluetoothスペシャルインタレストグループ(Special Interest Group、SIG)によって定義されたBluetooth(登録商標)規格のうちの1つ又は複数に従って無線周波数(radio frequency、RF)信号を送信及び受信することが可能な任意のデバイス、システム又はネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態は、以下の技術又は技法、すなわち、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)、周波数分割多元接続(frequency division multiple access、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、シングルキャリアFDMA(single-carrier FDMA、SC-FDMA)、シングルユーザ(single-user、SU)多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)、及びマルチユーザ(multi-user、MU)MIMOのうちの1つ又は複数に従ってRF信号を送信及び受信することが可能な、任意のデバイス、システム、又はネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態はまた、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(wireless wide area network、WWAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、又はモノのインターネット(internet of things、IOT)ネットワークのうちの1つ又は複数における使用に適した他のワイヤレス通信プロトコル又はRF信号を使用して実装され得る。
【0021】
[0046] 多くのワイヤレスネットワークは、共有ワイヤレス媒体へのアクセスを制御するためにランダムチャネルアクセス機構を使用する。これらのワイヤレスネットワークでは、ワイヤレス通信デバイス(アクセスポイント(AP)及びワイヤレス局(STA)を含む)は、ワイヤレス媒体へのアクセスを得るために、キャリア感知多重アクセス/衝突回避(carrier sense multiple access、CSMA/collision avoidance、CA)技法を使用して互いに競合する。概して、最も低いバックオフ数(lowest back-off number、RBO)をランダムに選択するワイヤレス通信デバイスは、媒体アクセス競合動作を勝取り、一般に送信機会(TXOP)と呼ばれる時間期間中、ワイヤレス媒体へのアクセスが与えられ得る。他のワイヤレス通信デバイスは、概して、共有ワイヤレス媒体上での衝突を回避するために、別のワイヤレス通信デバイスのTXOPの間に送信することを許可されない。
【0022】
[0047] 拡張分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access、EDCA)など、いくつかのランダムチャネルアクセス機構は、低優先度トラフィックよりも媒体アクセスを得られる、より高い尤度を高優先度トラフィックに与える。EDCAは、データを、異なるアクセスカテゴリ(access category、AC)、例えば、音声(AC_VO)、ビデオ(AC_VI)、ベストエフォート(AC_BE)、及びバックグラウンド(AC_BK)などに分類する。各ACは、異なる優先度レベルに関連付けられ、(より低いRBOをより高い優先度データにアサインし、より高いRBOをより低い優先度データにアサインすることなどによって)より高い優先度データがより低い優先度データよりもTXOPを勝取る可能性が高くなるように、異なる範囲のRBOが割り当てられ得る。EDCAは、低レイテンシデータトラフィックが所与の競合期間中に共有ワイヤレス媒体へのアクセスを得ることになる尤度を増加させるが、媒体アクセス競合動作の予測不可能な結果は、低レイテンシアプリケーションが一定のレベルのスループットを達成すること、又は一定のレイテンシ要件を満たすことを妨げ得る。
【0023】
[0048] IEEE802.11規格のIEEE802.11be改訂版は、レイテンシセンシティブなトラフィックのために、より予測可能なレイテンシ、低減されたワーストケースレイテンシ、又は低減されたジッタを、より高い信頼性で提供するために使用され得る、制限付きターゲットウェイク時間(TWT)サービス期間(SP)について説明している。本明細書で使用される「非レガシーSTA」という用語は、制限付きTWT動作をサポートする任意のSTAを指すことがあり、「低レイテンシSTA」という用語は、送信又は受信すべきレイテンシセンシティブなトラフィックを有する任意の非レガシーSTAを指すことがある。対照的に、「レガシーSTA」という用語は、制限付きTWT動作をサポートしない任意のSTAを指すことがある。IEEE802.11be改訂版は、メンバーではない任意の制限付きTWT SP(r-TWT SP)の外側のTXOPホルダであるすべての非レガシーSTA(「非メンバーSTA」)が、r-TWT SPの開始前にそれらのそれぞれのTXOPを終了することを必要とする。r-TWT SPにおけるメンバーシップはもっぱら低レイテンシSTAのために予約され得るが、r-TWT SPに関する現在のルールは、非メンバーSTAがr-TWT SPの間にTXOPを得ることを防止しない。結果として、いくつかの非メンバーSTAは、r-TWT SPのメンバーがチャネルアクセスを取得できる前であっても、r-TWT SPの間に共有ワイヤレス媒体へのアクセスを得ることができる。
【0024】
[0049] いくつかのレイテンシセンシティブなトラフィックは、ピアツーピア(P2P)通信を使用してワイヤレスデバイス同士の間で交換され得る。例えば、リアルタイムゲームアプリケーションを実行する、非AP STAなどのワイヤレス通信デバイスは、アクセスリンクを介して関連付けられたAPを介してゲームサービスとの間でゲームデータを送信及び受信するSTAとして動作すると同時に、P2Pリンクを介して関連付けられたAR/VRヘッドセット(又は別の適切なクライアントデバイス)との間でゲームデータを送信及び受信するsoftAPとしても動作し得る。ワイヤレス通信デバイスがリアルタイムゲームアプリケーションを実行している間、STAとAR/VRヘッドセットとの間のP2P通信は、ゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。同様に、STAと、関連付けられたAPとの間で送信されるゲームデータもまた、ゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。レイテンシセンシティブなトラフィックは、r-TWT SPを使用して拡張チャネル保護を与えられることがあるが、リアルタイムゲーミングトラフィック(及び他のタイプのレイテンシセンシティブなトラフィック)は、関連付けられたAPから追加のワイヤレスリソースを動的に要求する能力から利益を得ることができる。例えば、リアルタイムゲームアプリケーションを実行するSTAが、ゲームアプリケーションに追加のプレーヤを認める場合、STAに送信される(及びSTAから受信される)ゲームデータの量は突然増加し、ゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件に違反することを回避するために追加のリソースを必要とする場合がある。
【0025】
[0050] 本明細書で開示する主題の様々な態様は、概して、レイテンシセンシティブなアプリケーションに関連付けられたワイヤレス通信に関し、詳細には、そのようなレイテンシセンシティブなアプリケーションの様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすために、低レイテンシSTAに動的チャネルアクセスを提供することに関する。いくつかの態様では、スマートフォン又は他のクライアントデバイスなどの低レイテンシSTAは、低レイテンシSTAと、AR/VRヘッドセットなどの別のクライアントデバイスとの間のP2P又は他のレイテンシセンシティブ通信のためにAPによって取得されたTXOPの少なくとも一部を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを関連付けられたAPに送信し得る。要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(Stream Classification Service、SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間についての遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示し得る。APは、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを送信することによって、要求に肯定応答し得る。いくつかの事例では、応答フレームのMACヘッダは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、サービス期間の遅延限界、要求されるタイプのトリガフレーム、又はそれらの任意の組み合わせを示す、サービス品質(QoS)制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含み得る。
【0026】
[0051] 次いで、APは、P2P通信のためのTXOPの(要求される部分であり得る)一部分を低レイテンシSTAに割り当てるトリガフレームを送信し得る。いくつかの事例では、トリガフレームは、低レイテンシSTAと他のクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むマルチユーザ(MU)送信要求(RTS)TXOP共有(TXS)トリガフレームであり得る。低レイテンシSTAは、トリガフレームを受信し、TXOPの割り当てられた一部分の間にワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信し得る。いくつかの事例では、低レイテンシSTA及びクライアントデバイスは、P2Pリンク又はWi-Fiダイレクトプロトコルに従うリンクを使用してP2Pデータを交換し得る。
【0027】
[0052] 以下の潜在的な利点のうちの1つ又は複数を実現するために、本開示で説明する主題の特定の実装形態が実装され得る。低レイテンシSTA(例えば、スマートフォン)などのワイヤレス通信デバイスがクライアントデバイス(AR/VRヘッドセットなど)とのレイテンシセンシティブ通信のための追加のワイヤレスリソースを動的に要求することを可能にすることによって、本開示の態様は、ワイヤレス通信デバイス及びそれに関連付けられたクライアントデバイスに、リアルタイムアプリケーションに関連付けられた様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすのに十分なチャネルアクセスが動的に割り当てられ得ることを確実にし得る。また、リソース割り当て要求がQoSヌルフレーム及びQoSデータフレームなどのフレームのMACヘッダ内で搬送されることを可能にすることによって、本開示の態様は、ワイヤレス通信デバイスが、例えば、リアルタイムアプリケーションに関連付けられた様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすために必要とされるリソースのリアルタイム変更に基づいて、そのような要求をAPに動的に送信することを可能にし得る。
【0028】
[0053] 図1は、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100のブロック図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100は、Wi-Fiネットワークなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の一例であり得る(また、以下WLAN100と呼ばれる)。例えば、WLAN100は、(IEEE802.11-2016仕様書、又は802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含むが、それらに限定されない、その改訂版によって定義されるものなどの)IEEE802.11規格ファミリーのうちの少なくとも1つを実装するネットワークであり得る。WLAN100は、アクセスポイント(AP)102及び複数の局(STA)104などの多数のワイヤレス通信デバイスを含んでもよい。1つのAP102しか示されていないが、WLAN100はまた、複数のAP102を含んでもよい。
【0029】
[0054] STA104の各々は、考えられる例の中でも、移動局(mobile station、MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(access terminal、AT)、ユーザ機器(user equipment、UE)、加入者局(subscriber station、SS)、又は加入者ユニットと呼ばれることもある。STA104は、考えられる例の中でも、モバイルフォン、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ディスプレイデバイス(例えば、特に、TV、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽デバイス又は他のオーディオデバイス若しくはステレオデバイス、リモートコントロールデバイス(「リモート」)、プリンタ、キッチン用器具又は他の家庭用器具、キーフォブ(例えば、パッシブキーレスエントリ及びスタート(passive keyless entry and start、PKES)システム用)などの様々なデバイスを表し得る。
【0030】
[0055] 単一のAP102、及びSTA104の関連付けられたセットは、それぞれのAP102によって管理される基本サービスセット(BSS)と呼ばれることがある。図1は、追加として、WLAN100の基本サービスエリア(basic service area、BSA)を表し得る、AP102の例示的なカバレージエリア106を示す。BSSは、サービスセット識別子(service set identifier、SSID)によってユーザに対して、並びにAP102の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであってもよい基本サービスセット識別子(BSSID)によって他のデバイスに対して識別される場合がある。AP102は、AP102のワイヤレス範囲内のあらゆるSTA104が、AP102とのそれぞれの(以下、「Wi-Fiリンク」とも呼ばれる)通信リンク108を確立するために、又はAP102との通信リンク108を維持するために、AP102と「関連付ける」こと又は再度関連付けることを可能にするように、BSSIDを含むビーコンフレーム(「ビーコン」)を周期的にブロードキャストする。例えば、ビーコンは、それぞれのAP102によって使用されるプライマリチャネルの識別情報、並びにAP102とのタイミング同期を確立又は維持するタイミング同期機能を含み得る。AP102は、それぞれの通信リンク108を介してWLANにおける様々なSTA104に外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。
【0031】
[0056] AP102との通信リンク108を確立するために、STA104の各々は、1つ又は複数の周波数帯域(例えば、2.4GHz、5.0GHz、6.0GHz、又は60GHz帯域)における周波数チャネル上でパッシブスキャン動作又はアクティブスキャン動作(「スキャン」)を実行するように構成されている。パッシブスキャンを実行するために、STA104はビーコンをリッスンし、ビーコンは、ターゲットビーコン送信時間(target beacon transmission time、TBTT)(時間単位(time unit、TU)で測定されており、1TUは1024マイクロ秒(μs)に等しいことがある)と呼ばれる周期的な時間間隔でそれぞれのAP102によって送信される。アクティブスキャンを実行するために、STA104は、プローブ要求を生成し、スキャンされるべき各チャネル上でそれらを連続的に送信し、AP102からのプローブ応答をリッスンする。各STA104は、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを通じて取得されたスキャン情報に基づいて、関連付けるべきAP102を識別又は選択し、選択されたAP102との通信リンク108を確立するために、認証及び関連付け動作を実行するように構成され得る。AP102は、AP102がSTA104を追跡するために使用するアソシエーション識別子(association identifier、AID)を関連付け動作中にSTA104にアサインする。
【0032】
[0057] ワイヤレスネットワークの遍在性が高まった結果として、STA104は、STAの範囲内の多くのBSSのうちの1つを選択する機会、又は接続された複数のBSSを含む拡張サービスセット(extended service set、ESS)を一緒に形成する複数のAP102の中から選択する機会を有し得る。WLAN100に関連付けられた拡張ネットワーク局は、複数のAP102がそのようなESS内で接続されることを可能にし得る、有線又はワイヤレスの配信システムに接続されてよい。したがって、STA104は、2つ以上のAP102によってカバーされることが可能であり、異なる送信のために異なる時間において異なるAP102に関連付けることができる。追加として、AP102との関連付けの後に、STA104はまた、より好適な関連付けるべきAP102を見つけるために、その周辺を周期的にスキャンするように構成され得る。例えば、その関連付けられたAP102に対して動いているSTA104は、より大きい受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator、RSSI)又は低いトラフィック負荷など、より望ましいネットワーク特性を有する別のAP102を見つけるために、「ローミング」スキャンを実行してもよい。
【0033】
[0058] 場合によっては、STA104は、AP102、又はSTA104自体以外の他の機器を伴わずに、ネットワークを形成してもよい。そのようなネットワークの一例は、アドホックネットワーク(又は、ワイヤレスアドホックネットワーク)である。アドホックネットワークは、代替として、メッシュネットワーク又はピアツーピア(P2P)ネットワークと呼ばれることがある。場合によっては、アドホックネットワークは、WLAN100などのより大きいワイヤレスネットワーク内で実装されてもよい。そのような実装形態では、STA104は、通信リンク108を使用してAP102を介して互いに通信することが可能であり得るが、STA104はまた、ダイレクト通信リンク110を介して互いに直接通信することもできる。加えて、2つのSTA104は、両方のSTA104が同じAP102に関連付けられているかどうか、かつ同じAP102によってサービスされるかどうかにかかわらず、ダイレクト通信リンク110を介して通信してもよい。そのようなアドホックシステムでは、STA104のうちの1つ又は複数がBSS内でAP102によって果たされる役割を担ってもよい。そのようなSTA104は、グループ所有者(group owner、GO)と呼ばれることがあり、アドホックネットワーク内の送信を協調させ得る。ダイレクト通信リンク110の例としては、Wi-Fiダイレクト接続、Wi-Fiトンネルドダイレクトリンクセットアップ(Tunneled Direct Link Setup、TDLS)リンクを使用することによって確立される接続、及び他のP2Pグループ接続が挙げられる。
【0034】
[0059] AP102及びSTA104は、(IEEE802.11-2016仕様書、又は802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含むが、それらに限定されない、その改訂版によって定義されるものなどの)IEEE802.11規格ファミリーに従って、機能し、(それぞれの通信リンク108を介して)通信してもよい。これらの規格は、PHYレイヤ及び媒体アクセス制御(MAC)レイヤのWLAN無線及びベースバンドプロトコルを定義する。AP102及びSTA104は、物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)の形式で、互いとの間でワイヤレス通信(以下、「Wi-Fi通信」とも呼ばれる)を送信及び受信する。WLAN100におけるAP102及びSTA104は、アンライセンススペクトルを介してPPDUを送信してもよく、アンライセンススペクトルは、2.4GHz帯域、5.0GHz帯域、60GHz帯域、3.6GHz帯域、及び900MHz帯域などのWi-Fi技術によって従来使用されている周波数帯域を含むスペクトルの一部分であり得る。本明細書で説明するAP102及びSTA104のいくつかの実装形態はまた、ライセンス通信とアンライセンス通信の両方をサポートし得る6.0GHz帯域などの他の周波数帯域において通信してもよい。AP102及びSTA104はまた、複数の事業者が、同じ又は重複する1つ又は複数の周波数帯域において運用する免許を有し得る、共有ライセンス周波数帯域などの他の周波数帯域を介して通信するように構成され得る。
【0035】
[0060] 周波数帯域の各々は、複数のサブバンド又は周波数チャネルを含んでもよい。例えば、IEEE802.11n、802.11ac、及び802.11ax規格の改訂版に準拠するPPDUは、各々が複数の20MHzチャネルに分割される2.4GHz及び5.0GHz帯域上で送信される場合がある。したがって、これらのPPDUは、20MHzの最小帯域幅を有する物理チャネルを介して送信されるが、チャネルボンディングを通じてより大きいチャネルが形成され得る。例えば、PPDUは、複数の20MHzチャネルを一緒にボンディングすることによって、40MHz、80MHz、160、又は320MHzの帯域幅を有する物理チャネルを介して送信され得る。
【0036】
[0061] 各PPDUは、PHYプリアンブル及びペイロードをPLCPサービスデータユニット(PLCP service data unit、PSDU)の形式で含む合成構成である。プリアンブル内で提供される情報は、PSDU内の後続のデータを復号するために受信デバイスによって使用されてもよい。ボンディングされたチャネルを介してPPDUが送信される事例では、プリアンブルフィールドは複製され、複数のコンポーネントチャネルの各々において送信されてもよい。PHYプリアンブルは、レガシー部分(又は「レガシープリアンブル」)と非レガシー部分(又は「非レガシープリアンブル」)の両方を含んでもよい。レガシープリアンブルは、用途の中でも特に、パケット検出、自動利得制御、及びチャネル推定に使用され得る。レガシープリアンブルはまた、概して、レガシーデバイスとの互換性を維持するために使用され得る。プリアンブルの非レガシー部分のフォーマット、符号化、及びそこで提供される情報は、ペイロードを送信するために使用されるべき特定のIEEE802.11プロトコルに基づく。
【0037】
[0062] 図2Aは、AP102と、1つ又は複数のSTA104との間のワイヤレス通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(PDU)200を示す。例えば、PDU200は、PPDUとして構成され得る。示すように、PDU200は、PHYプリアンブル202とPHYペイロード204とを含む。例えば、プリアンブル202は、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシーショートトレーニングフィールド(legacy short training field、L-STF)206と、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシーロングトレーニングフィールド(legacy long training field、L-LTF)208と、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシー信号フィールド(legacy signal field、L-SIG)210とをそれ自体が含むレガシー部分を含み得る。プリアンブル202のレガシー部分は、IEEE802.11aワイヤレス通信プロトコル規格に従って構成され得る。プリアンブル202はまた、例えば、IEEE802.11ac、802.11ax、802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信プロトコル規格などのIEEEワイヤレス通信プロトコルに準拠する、1つ又は複数の非レガシー(non-legacy)フィールド212を含む非レガシー部分を含み得る。
【0038】
[0063] L-STF206は、概して、受信デバイスが、自動利得制御(automatic gain control、AGC)と粗いタイミング推定と周波数推定とを実施することを可能にする。L-LTF208は、概して、受信デバイスが細かいタイミング推定と周波数の推定とを実施することを可能にし、ワイヤレスチャネルの初期推定を実施することも可能にする。L-SIG210は、概して、PDUの先頭で送信することを回避するために、受信デバイスがPDUの期間を決定すること及び決定された期間を使用することを可能にする。例えば、L-STF206、L-LTF208、及びL-SIG210は、二位相シフトキーイング(binary phase shift keying、BPSK)変調方式に従って変調され得る。ペイロード204は、BPSK変調方式、直交BPSK(quadrature BPSK、Q-BPSK)変調方式、直交振幅変調(quadrature amplitude modulation、QAM)変調方式、又は別の適切な変調方式に従って変調されてもよい。ペイロード204は、データフィールド(DATA)214を含むPSDUを含んでもよく、データフィールド(DATA)214は、上位レイヤデータを、例えば、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MAC protocol data units、MPDU)又はアグリゲートMPDU(aggregated MPDU、A-MPDU)の形態で搬送し得る。
【0039】
[0064] 図2Bは、図2AのPDU200内の例示的なL-SIG210を示す。L-SIG210は、データレート(data rate)フィールド222と、予約済みビット224と、長さ(length)フィールド226と、パリティビット228と、テール(tail)フィールド230と、を含む。データレートフィールド222はデータレートを示す(データレートフィールド222内で示されたデータレートは、ペイロード204内で搬送されるデータの実際のデータレートでない場合があることに留意されたい)。長さフィールド226は、例えば、シンボル又はバイトの単位でパケットの長さを示す。パリティビット228は、ビットエラーを検出するために使用され得る。テールフィールド230は、デコーダ(例えば、ビタビデコーダ)の動作を終了するために受信デバイスによって使用され得るテールビットを含む。受信デバイスは、例えば、マイクロ秒(μs)又は他の時間単位の単位でパケットの時間長を決定するために、データレートフィールド222及び長さフィールド226内で示されるデータレート及び長さを利用し得る。
【0040】
[0065] 図3Aは、APと、1つ又は複数のSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能な別の例示的なPDU300を示す。PDU300は、SU送信、OFDMA送信、又はMU-MIMO送信に使用されてもよい。PDU300は、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に対するIEEE802.11ax改訂版に従って、高効率(High Efficiency、HE)WLAN PPDUとしてフォーマットされてもよい。PDU300は、レガシー部分302と非レガシー部分304とを含むPHYプリアンブルを含む。PDU300は、例えば、データフィールド324を含むPSDUの形式で、プリアンブルの後にペイロード306を更に含んでもよい。
【0041】
[0066] プリアンブルのレガシー部分302は、L-STF308と、L-LTF310と、L-SIG312と、を含む。非レガシー部分304は、L-SIG(RL-SIG)314、第1のHE信号(first HE signal)フィールド(HE-SIG-A)316、HEショートトレーニング(HE short training)フィールド(HE-STF)320、及び1つ又は複数のHEロングトレーニング(HE long training)フィールド(又はシンボル)(HE-LTF)322の繰り返しを含む。OFDMA通信又はMU-MIMO通信の場合、非レガシー部分304は、HE-SIG-A316とは別々に符号化された第2の信号(second HE signal)フィールド(HE-SIG-B)318を更に含む。L-STF308、L-LTF310、及びL-SIG312のように、ボンディングされたチャネルの使用を伴う事例では、RL-SIG314及びHE-SIG-A316内の情報は複製され、20MHzコンポーネントチャネルの各々において送信されてもよい。対照的に、HE-SIG-B318の内容は、各20MHzチャネル及びターゲットの特定のSTA104に対して固有であってもよい。
【0042】
[0067] RL-SIG314は、PDU300がHE PPDUであることをHE互換STA104に示し得る。AP102は、APが複数のSTA104を識別し、複数のSTA104用にUL又はDLのリソースをスケジューリングしたことを複数のSTA104に知らせるために、HE-SIG-A316を使用し得る。例えば、HE-SIG-A316は、識別されたSTA104用のリソース割り当てを示すリソース割り当て(resource allocation)サブフィールドを含んでもよい。HE-SIG-A316は、AP102によってサービスされる各HE互換STA104によって復号されてもよい。MU送信の場合、HE-SIG-A316は、関連付けられたHE-SIG-B318を復号するために、識別された各STA104によって使用可能な情報を更に含む。例えば、HE-SIG-A316は、例の中でも特に、HE-SIG-B318の位置及び長さと、利用可能なチャネル帯域幅と、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme、MCS)とを含むフレームフォーマットを示し得る。HE-SIG-A316はまた、識別されたSTA104以外のSTA104によって使用可能なHE WLANシグナリング情報を含んでもよい。
【0043】
[0068] HE-SIG-B318は、例えば、STA固有(又は「ユーザ固有」)のMCS値及びSTA固有のRU割り当て情報などのSTA固有のスケジューリング情報を搬送し得る。DL MU-OFDMAのコンテキストでは、そのような情報により、それぞれのSTA104が関連付けられたデータフィールド324内の対応するリソースユニット(resource unit、RU)を識別及び復号することが可能になる。各HE-SIG-B318は、共通フィールドと、少なくとも1つのSTA固有フィールドとを含む。共通フィールドは、例の中でも特に、周波数領域におけるRUアサインメントを含む複数のSTA104に対するRU割り当てを示し、どのRUがMU-MIMO送信に割り当てられるか、どのRUがMU-OFDMA送信に対応するか、及び割り当てにおけるユーザの数を示すことができる。共通フィールドは、共通ビット、CRCビット、及びテールビットで符号化されてもよい。ユーザ固有フィールドは、特定のSTA104にアサインされ、固有のRUをスケジューリングし、他のWLANデバイスにスケジューリングを示すために使用されてよい。各ユーザ固有フィールドは、複数のユーザブロック(user block)フィールドを含んでもよい。各ユーザブロックフィールドは、データフィールド324内のそれぞれのRUペイロードを復号するために、2つのそれぞれのSTAについての情報を含む2つのユーザフィールドを含んでもよい。
【0044】
[0069] 図3Bは、APと、1つ又は複数のSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能な別の例示的なPPDU350を示す。PDU350は、SU送信、OFDMA送信、又はMU-MIMO送信に使用されてもよい。PDU350は、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に対するIEEE802.11be改訂版に従って、超高スループット(Extreme High Throughput、EHT)WLAN PPDUとしてフォーマットされてよく、又は将来のIEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格若しくは他のワイヤレス通信規格に準拠する新しいワイヤレス通信プロトコルの任意の後の(ポストEHT)バージョンに準拠するPPDUとしてフォーマットされてもよい。PDU350は、レガシー部分352と非レガシー部分354とを含むPHYプリアンブルを含む。PDU350は、例えば、データフィールド376を含むPSDUの形式で、プリアンブルの後にPHYペイロード356を更に含んでもよい。
【0045】
[0070] プリアンブルのレガシー部分352は、L-STF358と、L-LTF360と、L-SIG362と、を含む。プリアンブルの非レガシー部分354は、RL-SIG364と、RL-SIG364の後の複数のワイヤレス通信プロトコルバージョン依存信号(wireless communication protocol version-dependent signal)フィールドとを含む。例えば、非レガシー部分354は、(本明細書で「U-SIG366」と呼ばれる)汎用信号(universal signal)フィールド366と、(本明細書で「EHT-SIG368」と呼ばれる)EHT信号(EHT signal)フィールド368と、を含んでもよい。U-SIG366及びEHT-SIG368の一方又は両方が、EHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構成され、それらについてのバージョン依存情報を搬送し得る。非レガシー部分354は、追加の(本明細書で「EHT-STF372」と呼ばれるが、それはEHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構成され、それらのためのバージョン依存情報を搬送してもよい)ショートトレーニングフィールド372と、1つ又は複数の追加の(本明細書で「EHT-LTF374」と呼ばれるが、それらはEHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構築され、それらのためのバージョン依存情報を搬送し得る)ロングトレーニングフィールド374と、を更に含む。L-STF358、L-LTF360、及びL-SIG362のように、ボンディングされたチャネルの使用を伴う事例では、U-SIG366及びEHT-SIG368内の情報は複製され、20MHzコンポーネントチャネルの各々において送信されてもよい。いくつかの実装形態では、EHT-SIG368は、追加又は代替として、20MHzプライマリチャネルにおいて搬送されている情報とは異なる1つ又は複数の20MHz非プライマリチャネルにおいて情報を搬送し得る。
【0046】
[0071] EHT-SIG368は、1つ又は複数の統合符号化されたシンボルを含んでもよく、U-SIG366が符号化されるブロックとは異なるブロックにおいて符号化されてもよい。EHT-SIG368は、APが複数のSTA104を識別し、複数のSTA104用にUL又はDLのリソースをスケジューリングしたことを複数のSTA104に知らせるために、APによって使用されてもよい。EHT-SIG368は、AP102によってサービスされる各互換STA104によって復号されてもよい。EHT-SIG368は、概して、データフィールド376内のビットを解釈するために受信デバイスによって使用され得る。例えば、EHT-SIG368は、例の中でも特に、RU割り当て情報と、空間ストリーム構成情報と、MCSなどのユーザごとのシグナリング情報と、を含んでもよい。EHT-SIG368は、バイナリ畳み込みコード(binary convolutional code、BCC)のために使用され得る、巡回冗長検査(cyclic redundancy check、CRC)(例えば、4ビット)と、テール(例えば、6ビット)と、を更に含んでもよい。いくつかの実装形態では、EHT-SIG368は、各々がCRCとテールとを含む1つ又は複数のコードブロックを含んでもよい。いくつかの態様では、コードブロックの各々は、別々に符号化されてもよい。
【0047】
[0072] EHT-SIG368は、例えば、ユーザ固有のMCS値及びユーザ固有のRU割り当て情報などのSTA固有のスケジューリング情報を搬送し得る。EHT-SIG368は、概して、データフィールド376内のビットを解釈するために受信デバイスによって使用され得る。DL MU-OFDMAのコンテキストでは、そのような情報により、それぞれのSTA104が関連付けられたデータフィールド376内の対応するRUを特定及び復号することが可能になる。各EHT-SIG368は、共通フィールドと、少なくとも1つのユーザ固有フィールドと、を含んでもよい。共通フィールドは、例の中でも特に、複数のSTA104にRU分散を示し、周波数領域におけるRUアサインメントを示し、どのRUがMU-MIMO送信に割り当てられるか、どのRUがMU-OFDMA送信に対応するか、及び割り当てにおけるユーザの数を示すことができる。共通フィールドは、共通ビット、CRCビット、及びテールビットで符号化されてもよい。ユーザ固有フィールドは特定のSTA104にアサインされ、固有のRUをスケジューリングし、他のWLANデバイスにスケジューリングを示すために使用されてよい。各ユーザ固有フィールドは、複数のユーザブロックフィールドを含んでもよい。各ユーザブロックフィールドは、例えば、それぞれのRUペイロードを復号するために、2つのそれぞれのSTAについての情報を格納する2つのユーザフィールドを含んでもよい。
【0048】
[0073] RL-SIG364及びU-SIG366の存在は、PPDU350がEHT PPDUであること、又は将来のIEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に準拠する新しいワイヤレス通信プロトコルの任意の後の(ポストEHT)バージョンに準拠するPPDUであることを、EHT又は後のバージョンに準拠するSTA104に示すことができる。例えば、U-SIG366は、EHT-SIG368又はデータフィールド376のうちの1つ又は複数の中のビットを解釈するために、受信デバイスによって使用されてもよい。
【0049】
[0074] 図4は、AP102といくつかのSTA104との間の通信に使用可能な例示的なPPDU400を示す。上記で説明したように、各PPDU400は、PHYプリアンブル402とPSDU404とを含む。各PSDU404は、例えば、複数のMACプロトコルデータユニット(MPDU)サブフレーム408を含むアグリゲートMPDU(A-MPDU)406など、1つ又は複数のMPDUを搬送し得る。各MPDUサブフレーム408は、MPDUサブフレーム408のデータ部分又は「ペイロード」を含む、付随するフレームボディ416の前に、MACデリミタ412とMACヘッダ414と、を含み得る。フレームボディ416は、例えば、複数のMACサービスデータユニット(MAC service data unit、MSDU)サブフレーム424を含むアグリゲートMSDU(aggregated MSDU、A-MSDU)422など、1つ又は複数のMSDUを搬送し得る。各MSDUサブフレーム424は、サブフレームヘッダ428と、フレームボディ430と、1つ又は複数のパディングビット432とを含む、対応するMSDU426を含む。
【0050】
[0075] A-MPDUサブフレーム406を再び参照すると、MACヘッダ414は、フレームボディ416内にカプセル化されたデータの特性又は属性を定義するか又は示す情報を含むいくつかのフィールドを含んでもよい。MACヘッダ414はまた、フレームボディ416内にカプセル化されたデータのアドレスを示すいくつかのフィールドを含む。例えば、MACヘッダ414は、ソースアドレス、送信機アドレス、受信機アドレス、又は宛先アドレスの組み合わせを含んでもよい。MACヘッダ414は、制御情報を含むフレーム制御(frame control)フィールドを含んでもよい。フレーム制御フィールドは、フレームタイプ、例えば、データフレーム、制御フレーム、又は管理フレームを指定する。MACヘッダ414は、PPDUの終了から、ワイヤレス通信デバイスによって送信されるべき最後のPPDUの確認応答(ACK)(例えば、A-MPDUの場合はブロックACK(BA))の終了まで及ぶ期間を示す期間(duration)フィールドを更に含んでもよい。期間フィールドを使用すると、示された期間の間ワイヤレス媒体を予約するように働き、したがってNAVが確立される。各A-MPDUサブフレーム408はまた、誤り検出のためのフレームチェックシーケンス(frame check sequence、FCS)フィールド418を含んでもよい。例えば、FCSフィールド418は、巡回冗長検査(CRC)を含んでもよく、1つ又は複数のパディングビット420が後に続いてもよい。
【0051】
[0076] 上記で説明したように、AP102及びSTA104は、マルチユーザ(MU)通信をサポートし得る。すなわち、1つのデバイスから複数のデバイスの各々への同時送信(例えば、AP102から対応するSTA104への複数の同時ダウンリンク(DL)通信)、又は複数のデバイスから単一のデバイスへの同時送信(例えば、対応するSTA104からAP102への複数の同時アップリンク(UL)送信)である。MU送信をサポートするために、AP102及びSTA104は、マルチユーザ多入力多出力(multi-user multiple-input, multiple-output、MU-MIMO)技法と、マルチユーザ直交周波数分割多元接続(multi-user orthogonal frequency division multiple access、MU-OFDMA)技法と、を利用してもよい。
【0052】
[0077] MU-OFDMA方式では、ワイヤレスチャネルの利用可能な周波数スペクトルは、各々がいくつかの異なる周波数サブキャリア(「トーン」)を含む複数のリソースユニット(RU)に分割されてもよい。異なるRUは、特定の時間に異なるSTA104にAP102によって割り当てられても、又はアサインされてもよい。RUのサイズ及び分散は、RU割り当てと呼ばれる場合がある。いくつかの実装形態では、RUは2MHzの間隔で割り当てられる場合があるので、最小のRUは、24個のデータトーン及び2個のパイロットトーンからなる26個のトーンを含む場合がある。結果として、20MHzのチャネルでは、(一部のトーンは他の目的のために予約されるので)(2MHz、26トーンのRUなどの)最大で9個のRUが割り当てられる場合がある。同様に、160MHzのチャネルでは、最大で74個のRUが割り当てられる場合がある。より大きい52個のトーン、106個のトーン、242個のトーン、484個のトーン、及び996個のトーンのRUも割り当てられ得る。例えば、隣接するRU間の干渉を減らすために、受信機のDCオフセットを減らすために、及び送信中心周波数の漏洩を回避するために、隣接するRUは、(DCサブキャリアなどの)ヌルサブキャリアによって分離されてもよい。
【0053】
[0078] UL MU送信の場合、AP102は、複数のSTA104からAP102へのUL MU-OFDMA送信又はUL MU-MIMO送信を開始して同期させるために、トリガフレームを送信することができる。したがって、そのようなトリガフレームは、複数のSTA104が時間的に同時にULトラフィックをAP102に送信することを可能にし得る。トリガフレームは、それぞれのアソシエーション識別子(AID)を介して1つ又は複数のSTA104をアドレス指定してもよく、ULトラフィックをAP102に送信するために使用され得る1つ又は複数のRUを各AID(及びしたがって各STA104)にアサインしてもよい。APはまた、スケジューリングされていないSTA104が競合し得る1つ又は複数のランダムアクセス(random access、RA)RUを指定し得る。
【0054】
[0079] 図5は、例示的なワイヤレス通信デバイス500のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、図1を参照しながら上記で説明したSTA104のうちの1つなどのSTAにおいて使用するデバイスの一例であり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、図1を参照しながら上記で説明したAP102などのAPにおいて使用するデバイスの一例であり得る。ワイヤレス通信デバイス500は、ワイヤレス通信を(例えば、ワイヤレスパケットの形式で)送信(又は、送信のために出力)すること及び受信することが可能である。例えば、ワイヤレス通信デバイス500は、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含むが、それらに限定されない、IEEE802.11-2016仕様書又はその改訂版によって定義されるものなどの、IEEE802.11規格に準拠する物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)及び媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の形態でパケットを送信及び受信するように構成され得る。
【0055】
[0080] ワイヤレス通信デバイス500は、1つ又は複数のモデム502、例えば、Wi-Fi(IEEE802.11準拠)モデムを含む、チップ、システムオンチップ(system on chip、SoC)、チップセット、パッケージ、又はデバイスであり得るか、又はそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、1つ又は複数のモデム502(総称して「モデム502」)は、追加として、WWANモデム(例えば、3GPP 4G LTE又は5G準拠モデム)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、1つ又は複数の無線機504(総称して「無線機504」)も含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、1つ又は複数のプロセッサと、処理ブロック又は処理要素(総称して「プロセッサ506」)と、1つ又は複数のメモリブロック又はメモリ要素(総称して「メモリ508」)と、を更に含む。
【0056】
[0081] モデム502は、例えば、考えられる例の中でも、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)などの、インテリジェントハードウェアブロック又はデバイスを含むことができる。モデム502は、概して、PHYレイヤを実装するように構成されている。例えば、モデム502は、パケットを変調し、ワイヤレス媒体を介して送信するために、被変調パケットを無線機504に出力するように構成されている。モデム502は同様に、無線機504によって受信される被変調パケットを取得し、被復調パケットを提供するためにパケットを復調するように構成されている。変調器及び復調器に加えて、モデム502は、デジタル信号処理(digital signal processing、DSP)回路と、自動利得制御(AGC)と、コーダと、デコーダと、マルチプレクサと、デマルチプレクサと、を更に含んでもよい。例えば、送信モードにある間、プロセッサ506から取得されたデータはコーダに提供され、コーダは、データを符号化して符号化ビットを提供する。次いで、符号化されたビットは、(選択されたMCSを使用して)変調コンスタレーション内の点にマッピングされて変調されたシンボルを提供する。次いで、変調されたシンボルは、NSS個の数の空間ストリーム又はNSTS個の数の時空間ストリームにマッピングされ得る。次いで、それぞれの空間ストリーム又は時空間ストリームにおける変調されたシンボルは、多重化され、逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)ブロックを介して変換され、続いて、Txウィンドウ処理及びフィルタ処理のためにDSP回路に提供され得る。次いで、デジタル信号は、デジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)に提供され得る。次いで、得られたアナログ信号は、周波数アップコンバータに、最終的には、無線機504に提供され得る。ビームフォーミングを伴う実装形態では、それぞれの空間ストリームにおける被変調シンボルは、IFFTブロックへ提供される前にステアリング行列を介してプリコーディングされる。
【0057】
[0082] 受信モードにある間、無線機504から受信されたデジタル信号は、DSP回路に提供され、DSP回路は、例えば、信号の存在を検出すること並びに初期タイミング及び周波数オフセットを推定することによって、受信信号を得るように構成されている。DSP回路構成は、例えば、チャネル(狭帯域)フィルタ処理、(I/Q不平衡を補正することなどの)アナログ減損調整を使用して、かつ最終的に狭帯域信号を取得するためにデジタル利得を適用して、デジタル信号をデジタル的に調整するように更に構成されている。次いで、DSP回路の出力はAGCに供給されてもよく、AGCは、例えば、適切な利得を決定するために、1つ又は複数の受信されたトレーニングフィールド内でデジタル信号から抽出された情報を使用するように構成されている。DSP回路の出力はまた、復調器と結合されており、復調器は、信号から被変調シンボルを抽出し、例えば、各空間ストリームにおける各サブキャリアのビット位置ごとの対数尤度比(logarithm likelihood ratios、LLR)を算出するように構成されている。復調器はデコーダと結合されており、デコーダは、復号ビットを提供するために、LLRを処理するように構成され得る。次いで、空間ストリームのすべてからの復号されたビットは、逆多重化のためにデマルチプレクサに供給される。次いで、逆多重化されたビットは、逆スクランブルされ、処理、評価、又は解釈のためにMACレイヤ(プロセッサ506)に提供されてもよい。
【0058】
[0083] 無線機504は、概して、少なくとも1つの無線周波数(RF)送信機(又は、「送信機チェーン」)と少なくとも1つのRF受信機(又は、「受信機チェーン」)とを含み、それらは1つ又は複数の送受信機に組み合わせられてもよい。例えば、RF送信機及びRF受信機は、それぞれ、少なくとも1つの電力増幅器(power amplifier、PA)と、少なくとも1つの低雑音増幅器(low-noise amplifier、LNA)と、を含む様々なDSP回路構成を含んでよい。RF送信機及びRF受信機は、次に1つ又は複数のアンテナに結合され得る。例えば、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、(対応する送信チェーンを各々が伴う)複数の送信アンテナと(対応する受信チェーンを各々が伴う)複数の受信アンテナとを含んでもよく、又はそれらと結合されてもよい。モデム502から出力されたシンボルは、無線機504に提供されて、次いで、無線機504は、結合されたアンテナを介してシンボルを送信する。同様に、アンテナを介して受信されたシンボルは無線機504によって取得されて、次いで、無線機504はシンボルをモデム502に提供する。
【0059】
[0084] プロセッサ506は、例えば、処理コア、処理ブロック、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などのプログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどの、インテリジェントハードウェアブロック又はデバイスを含むことができる。プロセッサ506は、無線機504及びモデム502を介して受信された情報を処理し、ワイヤレス媒体を介して送信するために、モデム502及び無線機504を介して出力される情報を処理する。例えば、プロセッサ506は、MPDU、フレーム、又はパケットの生成及び送信に関係する様々な動作を実施するように構成された制御プレーン及びMACレイヤを実装し得る。MACレイヤは、動作又は技法の中でも特に、フレームの符号化及び復号と、空間多重化と、時空間ブロック符号化(space-time block coding、STBC)と、ビームフォーミングと、OFDMAリソース割り当てとを実施する、又はそれらを容易にするように構成されている。いくつかの実装形態では、プロセッサ506は、概して、上記で説明した様々な動作をモデムに実施させるようにモデム502を制御することができる。
【0060】
[0085] メモリ508は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)若しくは読取り専用メモリ(read-only memory、ROM)又はそれらの組み合わせなどの有形記憶媒体を含み得る。メモリ508はまた、プロセッサ506によって実行されたときに、MPDU、フレーム、又はパケットの生成、送信、受信、及び解釈を含む、ワイヤレス通信のための本明細書で説明する様々な動作をプロセッサに実施させる命令を含む非一時的プロセッサ又はコンピュータ実行可能ソフトウェア(software、SW)コードを記憶することができる。例えば、本明細書で開示する構成要素の様々な機能、又は本明細書で開示する方法、動作、プロセス、又はアルゴリズムの様々なブロック又はステップは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの1つ又は複数のモジュールとして実装され得る。
【0061】
[0086] 図6Aは、例示的なAP602のブロック図を示す。例えば、AP602は、図1を参照しながら説明したAP102の例示的な実装形態であり得る。AP602は、ワイヤレス通信デバイス(wireless communication device、WCD)610を含む。例えば、ワイヤレス通信デバイス610は、図5を参照しながら説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であってよい。AP602はまた、ワイヤレス通信を送信及び受信するために、ワイヤレス通信デバイス610と結合された複数のアンテナ620を含む。いくつかの実装形態では、AP602は、ワイヤレス通信デバイス610と結合されたアプリケーションプロセッサ630と、アプリケーションプロセッサ630と結合されたメモリ640と、を更に含む。AP602は、インターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを得るためにAP602がコアネットワーク又はバックホールネットワークと通信することを可能にする、少なくとも1つの外部ネットワークインターフェース650を更に含む。例えば、外部ネットワークインターフェース650は、有線(例えば、Ethernet)ネットワークインターフェース及び(WWANインターフェースなどの)ワイヤレスネットワークインターフェースのうちの一方又は両方を含んでもよい。上述の構成要素のうちのいくつかは、少なくとも1つのバスを介して、構成要素のうちの他のいくつかと直接又は間接的に通信することができる。AP602は、ワイヤレス通信デバイス610、アプリケーションプロセッサ630、メモリ640、並びにアンテナ620及び外部ネットワークインターフェース650の少なくとも一部分を包含するハウジングを更に含む。
【0062】
[0087] 図6Bは、例示的なSTA604のブロック図を示す。例えば、STA604は、図1を参照しながら説明したSTA104の例示的な実装形態であり得る。STA604は、ワイヤレス通信デバイス615を含む。例えば、ワイヤレス通信デバイス615は、図5を参照しながら説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であり得る。STA604はまた、ワイヤレス通信を送信及び受信するために、ワイヤレス通信デバイス615と結合された1つ又は複数のアンテナ625を含む。STA604は、ワイヤレス通信デバイス615と結合されたアプリケーションプロセッサ635と、アプリケーションプロセッサ635と結合されたメモリ645と、を更に含む。いくつかの実装形態では、STA604は、(タッチスクリーン又はキーパッドなどの)ユーザインターフェース(user interface、UI)655と、タッチスクリーンディスプレイを形成するようにUI655と統合され得るディスプレイ665と、を更に含む。いくつかの実装形態では、STA604は、例えば、1つ又は複数の慣性センサ、加速度計、温度センサ、圧力センサ、又は高度センサなどの1つ又は複数のセンサ675を更に含んでもよい。上述の構成要素のうちのいくつかは、少なくとも1つのバスを介して、構成要素のうちの他のいくつかと直接又は間接的に通信することができる。STA604は、ワイヤレス通信デバイス615、アプリケーションプロセッサ635、メモリ645、並びにアンテナ625、UI655、及びディスプレイ665の少なくとも一部分を包含するハウジングを更に含む。
【0063】
[0088] 論じたように、本明細書で開示する主題の様々な態様は、概して、P2P通信に関し、より詳細には、レイテンシセンシティブなアプリケーションに関連付けられたP2P通信に、そのようなレイテンシセンシティブなアプリケーションの様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすために動的チャネルアクセスが与えられることを確実にすることに関する。例えば、リアルタイムゲームアプリケーションを実行するワイヤレス通信デバイスは、関連付けられたAPを介してゲームサービスとの間でゲームデータを送信及び受信するSTAとして動作すると同時に、関連付けられたAR/VRヘッドセットとの間でゲームデータを送信及び受信するsoftAPとしても動作し得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにワイヤレス媒体上で取得されたTXOPの一部分を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送するMACヘッダを含むフレームを送信し得る。要求はまた、P2P通信の1つ又は複数のタイミング及び/又は帯域幅パラメータを示し得る、又は要求し得る。いくつかの事例では、フレームは、QoSヌルフレーム又はQoSデータフレームであり得る。APは、要求に肯定応答し、P2P通信のためにTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを送信し得る。ワイヤレス通信デバイスは、トリガフレームを受信し、その後、TXOPの割り当てられた一部分の間にワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信し得る。
【0064】
[0089] 以下の潜在的な利点のうちの1つ又は複数を実現するために、本開示で説明する主題の特定の実装形態が実装され得る。リアルタイムアプリケーションを実行し、クライアントデバイス(AR/VRヘッドセットなど)に関連付けられたワイヤレス通信デバイスがクライアントデバイスとのP2P通信のための追加のワイヤレスリソースを動的に要求することを可能にすることによって、本開示の態様は、ワイヤレス通信デバイス及びその関連付けられたクライアントデバイスに、リアルタイムアプリケーションに関連付けられた様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすようにチャネルアクセスが動的に割り当てられることを確実にし得る。また、P2P通信のためにワイヤレス媒体上で取得されたTXOPの部分を割り当てるようにとのAPに対する要求がQoSヌルフレーム及びQoSデータフレームなどのフレームのMACヘッダ内で搬送されることを可能にすることによって、本開示の態様は、ワイヤレス通信デバイスが、例えば、リアルタイムアプリケーションに関連付けられた様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすために必要とされる帯域幅のリアルタイム変化に基づいて、そのような要求をAPに動的に送信することを可能にし得る。
【0065】
[0090] 図7は、いくつかの実装形態による、別の例示的なワイヤレスネットワーク700のブロック図を示す。いくつかの態様では、ワイヤレスネットワーク700は、図1のWLAN100の一例であり得る。ワイヤレスネットワーク700は、AP702と、第1のワイヤレス局(STA)710と、第2のSTA720と、第3のSTA730とを含むように示されている。いくつかの実装形態では、AP702は、図1のAP102又は図6AのAP602の一例であり得、ワイヤレス通信規格のIEEE802.11ファミリーの1つ又は複数のバージョンに従って、ワイヤレス媒体上でBSSを動作させ得る。STA710、720、及び730は、図1のSTA104、図5のワイヤレス通信デバイス500、又は図6BのSTA604の例であり得る。STA710、720、及び730は、AP702に関連付けられ、AP702によって動作するBSSに従ってワイヤレス媒体上でAP702と通信し得る。
【0066】
[0091] 図7の例では、第1のSTA710は、第1のクライアントデバイス712に関連付けられた第1のsoftAP711とコロケートされており、第2のSTA720は、第2のクライアントデバイス722に関連付けられた第2のsoftAP721とコロケートされている。第1のsoftAP711及び第1のクライアントデバイス712は、第1のソフトAP711とクライアントデバイス712との間でP2P通信が交換され得るP2Pリンク713を確立し得る。第2のsoftAP721及び第2のクライアントデバイス722は、その上でP2P通信が第2のsoftAP721とクライアントデバイス722との間で交換され得るP2Pリンク723を確立し得る。いくつかの事例では、P2Pリンク713及び723は、ワイヤレス媒体上で確立されたトンネルドダイレクトリンクセットアップ(TDLS)リンクであり得る。他の事例では、P2Pリンク713及び723は、Wi-Fiダイレクトピアツーピア通信プロトコルに基づき得る。
【0067】
[0092] いくつかの実装形態では、第1のSTA710は、AP702とのワイヤレス通信のMACレイヤ機能と、クライアントデバイス712とのワイヤレス通信のMACレイヤ機能とを独立して実施することができる別個のMACエンティティを含む。例えば、第1のSTA710は、第1のSTA710に対応する第1のMACサービスアクセスポイント(MAC service access point、MAC-SAP)エンドポイント(S1)を含んでもよく、第1のsoftAP711に対応する第2のMAC-SAPエンドポイント(A1)を含んでもよい。第1のMAC-SAPエンドポイントS1は、AP702からワイヤレス媒体を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってよく、第1のSTA710からAP702へのワイヤレス媒体を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。第2のMAC-SAPエンドポイントA1は、クライアントデバイス712から第1のP2Pリンク713を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、第1のsoftAP711からクライアントデバイス712への第1のP2Pリンク713を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。いくつかの事例では、MAC-SAPエンドポイントS1及びA1は異なるMACアドレスを有してもよい。
【0068】
[0093] 同様に、第2のSTA720は、第2のSTA720に対応する第1のMAC-SAPエンドポイント(S2)を含んでもよく、第2のsoftAP721に対応する第2のMAC-SAPエンドポイント(A2)を含んでもよい。第1のMAC-SAPエンドポイントS2は、AP702からワイヤレス媒体を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、第2のSTA720からAP702へのワイヤレス媒体を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。第2のMAC-SAPエンドポイントA2は、クライアントデバイス722から第2のP2Pリンク723を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、第2のsoftAP721からクライアントデバイス722への第2のP2Pリンク723を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。いくつかの事例では、MAC-SAPエンドポイントS2及びA2は異なるMACアドレスを有してもよい。
【0069】
[0094] 第1のSTA710は、第1のクライアントデバイス712などのP2Pデバイスに第1のカバレージエリア715を提供することができ、第2のSTA720は、第2のクライアントデバイス722などのP2Pデバイスに第2のカバレージエリア725を提供することができる。いくつかの事例では、第1のカバレージエリア715及び第2のカバレージエリア725は、(図7の例に示すように)互いに重複しなくてもよい。いくつかの他の事例では、第1のカバレージエリア715及び第2のカバレージエリア725は互いに重複してもよい。簡単のために示されていないが、AP702によって提供されるカバレージエリアは、第1のSTA710の第1のsoftAP711によって提供される第1のカバレージエリア715のうちの一部又はすべてを含んでよく、第2のSTA720の第2のsoftAP721によって提供される第2のカバレージエリア725のうちの一部又はすべてを含んでよい。例えば、いくつかの事例では、クライアントデバイス712及び722の一方又は両方は、AP702によって送信されたフレームを受信し、正常に復号することが可能であり得るが、他の事例では、クライアントデバイス712及び722の一方又は両方は、(例えば、クライアントデバイス712及び722がAP702のワイヤレスカバレージエリア内にないために)AP702によって送信されたフレームを受信し、正常に復号できないことがある。
【0070】
[0095] クライアントデバイス712及び722は、それぞれのsoftAP711及び721とのP2Pリンクを確立することができる任意の好適なデバイスであり得る。図7の例では、クライアントデバイス712及び722は、データトラフィックの厳密なエンドツーエンドレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を有する低レイテンシアプリケーションに関連付けられる。いくつかの事例では、クライアントデバイス712及び722は、リアルタイムゲームアプリケーション、ビデオ通信、又は拡張現実(AR)アプリケーション及び仮想現実(VR)アプリケーション(集合的に、エクステンデッドリアリティ(XR)アプリケーションと呼ばれる)に関連付けられ得る。例えば、クライアントデバイス712及び722は、それぞれ、第1のSTA710とコロケートされたsoftAP711及び第2のSTA720とコロケートされたsoftAP721に関連付けられたAR/VRヘッドセットであり得る。いくつかの事例では、第1のSTA710及び第2のSTA720の各々は、低レイテンシSTAと呼ばれることがある。第3のSTA730がレイテンシセンシティブなトラフィックに関連付けられる事例では、第3のSTA730も、低レイテンシSTAと呼ばれることがある。
【0071】
[0096] 論じたように、低レイテンシアプリケーションは、ワイヤレスネットワーク700の様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を指定し得、したがって、ワイヤレスネットワーク700がそのような低レイテンシアプリケーションの様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすことができることを確実にすることが望ましい。いくつかの実装形態では、第1のSTA710及び第2のSTA720の各々は、それぞれのSTAとクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにワイヤレス媒体上で取得されたTXOPの一部分を割り当てるようにとのAP702に対する要求を含むフレームを送信することができる。いくつかの事例では、P2P通信のためにTXOPの一部分を割り当てるようにとのAPに対する要求は、フレームのMACヘッダ内で搬送され得る。要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示し得る。
【0072】
[0097] フレームのMACヘッダ内で搬送されるP2P要求を受信した後に、AP702は、要求を受け入れるか拒否するかを決定することができ、要求内に示されたパラメータのうちの1つ又は複数を受け入れるか、拒否するか、又は修正するかを決定することもできる。具体的には、AP702は、それらのP2P要求の受信に肯定応答するために、応答フレームを第1のSTA710及び第2のSTA720の各々に送信する。いくつかの事例では、各応答フレームのMACヘッダは、対応する要求の肯定応答を含む。各応答フレームのMACヘッダはまた、P2P通信に割り当てられるべきTXOPの部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含み得る。
【0073】
[0098] AP702は、ワイヤレス媒体上でTXOPを取得し、トリガフレームを第1のSTA710及び第2のSTA720に送信する。トリガフレームは、第1のSTA710及び第2のSTA720のそれぞれのクライアントデバイスとのP2P通信のために、TXOPの要求された部分を第1のSTA710及び第2のSTA720の一方又は両方に割り当てることができる。いくつかの事例では、AP702は、(P2P通信に関連付けられた異なるサービス期間中などに)TXOPの異なる部分を第1のSTA710及び第2のSTA720に割り当てることができる。その後、第1のSTA710及び第2のSTA720は、AP702によってP2P通信のために割り当てられたTXOPの部分の間に、それらのそれぞれのクライアントデバイスとP2Pデータを交換し得る。
【0074】
[0099] 図8は、いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートする例示的なワイヤレス通信800を示すタイミング図を示す。タイミング図は、APと、STAと、クライアントデバイスと、を含むように示されている。いくつかの実装形態では、APは、図7のAP702の一例であり得、STAは、図7の第1のSTA710又は第2のSTA720の一例であり得、クライアントデバイスは、図7のそれぞれのクライアントデバイス712及び722の一例であり得る。いくつかの他の実装形態では、APは、それぞれ、図1のAP102又は図6AのAP602の一例であり得、STAは、それぞれ、図1のSTA104又は図6BのSTA604の一例であり得る。1つのSTA及び1つのクライアントデバイスのみが図8の例に示されているが、実際の実装形態では、APによって動作するBSSは、任意の好適な数のSTAを含んでもよく、STAのうちの1つ又は複数は、1つ又は複数の関連付けられたクライアントデバイスとレイテンシセンシティブなP2P通信を交換することができるsoftAPを含み得る、又は実装し得る。
【0075】
[0100] 図7を参照しながら論じたように、STAは、APに関連付けられ、P2Pリンク810を介してクライアントデバイスが関連付けられるsoftAPを実装する、又は動作させる。いくつかの事例では、STAは、2つのMAC-SAPエンドポイントS1及びA1(簡略化のために図8には図示せず)を含み得る。第1のMAC-SAPエンドポイントS1は、APからワイヤレス媒体を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってよく、STAからAPへのワイヤレス媒体を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってよい。第2のMAC-SAPエンドポイントA1は、クライアントデバイスからP2Pリンク810を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、softAPからクライアントデバイスへのP2Pリンク810を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。いくつかの事例では、STAのMAC-SAPエンドポイントは、異なるMACアドレスを有し得る。
【0076】
[0101] いくつかの実装形態では、STAは、データトラフィックの厳密なエンドツーエンドレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を有する低レイテンシアプリケーションに関連付けられ得る。例示的な低レイテンシアプリケーションとしては、リアルタイムゲームアプリケーション、ビデオ通信、並びに拡張現実(AR)アプリケーション及び仮想現実(VR)アプリケーション(集合的にエクステンデッドリアリティ(XR)アプリケーションと呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの事例では、STAは、(AR/VRヘッドセットであり得る)クライアントデバイスとレイテンシセンシティブなトラフィックを交換するために、ピアツーピア(P2P)通信を利用し得る。例えば、いくつかの態様では、STAは、関連付けられたAPを介してゲームサービスとの間でゲームデータを送信及び受信するリアルタイムゲームアプリケーションを実行すると同時に、P2Pリンクを介して関連付けられたAR/VRヘッドセットとの間でゲームデータを送信及び受信するsoftAPとしても動作する。STA(又はsoftAP)とAR/VRヘッドセットとの間のP2P通信は、リアルタイムゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。同様に、STAとAPとの間で送信されるゲームデータもまた、リアルタイムゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を受けることがある。
【0077】
[0102] 時間tの前に、STAは、追加のワイヤレスリソースが必要であると決定し得る。例えば、リアルタイムゲームアプリケーションを実行している間、STAは、APからSTAへのダウンリンク(DL)送信及びSTAからクライアントデバイスへの関連するP2P送信を管理又は少なくとも監視することができ、クライアントデバイスからSTAへのP2P送信及びSTAからAPへの関連するアップリンク(UL)送信を管理又は少なくとも監視することができる。したがって、STAは、リアルタイムゲームアプリケーションに関連付けられた様々なレイテンシ、スループット、及びタイミング要件を満たすために追加のワイヤレスリソースがいつ必要とされるかを決定することが可能であり得、より具体的には、リアルタイムゲームアプリケーションに関連付けられたレイテンシセンシティブな通信のために追加のワイヤレスリソースを動的に要求することが可能であり得る。
【0078】
[0103] 時間tにおいて、STAは、ワイヤレス媒体を介してAPに、STAとクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにワイヤレス媒体上で取得されたTXOPの一部分を割り当てるようにとのAPに対する要求(REQ)を搬送するMACヘッダを含むフレームを送信する。フレームは、QoSヌルフレーム、QoSデータフレーム、PSポールフレーム、又は要求がその中でAPに送信され得るMACヘッダを含む任意の他の好適なフレームであってよい。フレームのMACヘッダ内で搬送される要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間に対する遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示し得る。
【0079】
[0104] いくつかの実装形態では、要求は、フレームのMACヘッダのQoS制御フィールド内で搬送され得る。いくつかの事例では、MACヘッダは、フレームが、P2P通信のTXOPの一部分をSTAに割り当てるMU-RTS TXSトリガフレームを送信するようにとのAPに対する要求を搬送するP2P要求フレームとして解釈されるべきであるという指示を含み得る。例えば、QoS制御フィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、フレームがP2P要求フレームであることを示す値(値は8以上である)に設定されたTIDサブフィールド、又はフレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されたACKポリシーインジケータサブフィールドを含み得る。
【0080】
[0105] いくつかの事例では、QoS制御フィールドは、ACKポリシーインジケータサブフィールドに先行するEOSPサブフィールドを含んでもよく、予約済みビットに続く、TXOP期間要求サブフィールド(TXOP Duration Requested subfield)を含んでもよい。QoS制御フィールドの最後のオクテットに対応し得る、TXOP期間要求サブフィールドは、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、STAのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を搬送又は示し得る。例えば、予約済みビットを1に設定するとともにEOSPサブフィールドを0に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールドがTXOPの要求される部分の期間を搬送又は示し、かつACKポリシーインジケータサブフィールドがTXOP共有モード帯域幅を搬送又は示すことをシグナリングすることができ、予約済みビットを1に設定するとともにEOSPサブフィールドを1に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールドがTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を搬送又は示すことをシグナリングすることができる。別の例では、予約済みビットを0に設定するとともにEOSPサブフィールドを0に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールドがTXOPの要求される部分の期間を搬送又は示すことをシグナリングすることができ、予約済みビットを0に設定するとともにEOSPサブフィールドを1に設定することは、TXOP期間要求サブフィールドがSTAのキューサイズを搬送又は示すことをシグナリングすることができる。
【0081】
[0106] いくつかの他の実装形態では、要求は、フレームのMACヘッダのA制御サブフィールド内で搬送され得る。HEバリアントHT制御(HE variant HT Control)フィールドであり得るA制御サブフィールドは、制御IDサブフィールドと制御情報サブフィールドとを含み得る。いくつかの事例では、制御IDサブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値に設定されており、制御情報サブフィールドは、P2P通信に関連付けられた様々なパラメータを搬送又は示す。例えば、いくつかの態様では、制御IDサブフィールド内で搬送される予約済み値は、9、11、12、13、又は14のうちの1つであってよい。論じたように、様々なパラメータは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、STAのキューサイズ、又はP2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0082】
[0107] いくつかの他の事例では、制御情報サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示し、TXOPの要求される部分の期間とTXOP共有モードの要求される帯域幅とを搬送する、バッファステータス報告(Buffer Status Report、BSR)制御(BSR Control)サブフィールドを含み得る。例えば、いくつかの態様では、BSR制御サブフィールドは、デルタTIDサブフィールドと、キューサイズハイサブフィールドと、キューサイズオールサブフィールドとを含み得る。デルタTIDサブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されてよく、キューサイズハイサブフィールド及びキューサイズオールサブフィールドは、TXOPの要求される部分の期間とTXOP共有モードの要求される帯域幅とを集合的に示す値を搬送し得る。
【0083】
[0108] いくつかの実装形態では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTWTエレメントと、P2P通信に関連付けられた制限付きTWT(r-TWT)サービス期間(SP)の1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームであり得る。いくつかの他の実装形態では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTSPECエレメントとP2P通信に関連付けられたr-TWT SPの1つ又は複数のパラメータとを含むSCS要求フレームであり得る。
【0084】
[0109] APは、要求を搬送するフレームを受信し、時間tにおいて応答フレーム(RESP)をSTAに送信することによって、要求の受信に肯定応答する。いくつかの実装形態では、応答フレームは、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む。いくつかの事例では、応答フレームのMACヘッダは、P2P通信に割り当てられるべきTXOPの部分の期間、P2P通信に割り当てられた帯域幅、P2P通信のTID、P2P通信のSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、又はサービス期間の遅延限界、要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はA制御サブフィールドを含み得る。いくつかの態様では、応答フレームは、QoSデータフレーム又はブロック肯定応答(BA)フレームであり得る。
【0085】
[0110] 時間tとtとの間で、APは、ワイヤレス媒体上でTXOPを取得しようと試みる前に、(クリアチャネルアセスメント(clear channel assessment、CCA)などの)チャネル感知動作に基づいて、ワイヤレス媒体がある期間の間アイドルであることを感知する。いくつかの事例では、APは、(時間tとtとの間の時間期間がPIFS期間であるように)チャネルアクセスを得ようと試みる前に、ワイヤレス媒体がPIFS期間の間アイドルであることを感知し得る。時間tにおいて、APは、ワイヤレス媒体が依然としてアイドルであることを感知し、例えば、ワイヤレス媒体を介した送信を開始することによって、TXOPを取得することに進む。具体的には、APは、P2P通信のためにTXOPの要求される部分をSTAに割り当てるトリガフレームを送信する。いくつかの態様では、トリガフレームは、レイテンシセンシティブなトラフィックを保護するために使用され得る期間フィールドを(MACヘッダ中に)含む。
【0086】
[0111] いくつかの実装形態では、トリガフレームは、STAとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むMU-RTS TXSトリガフレームであり得る。MU-RTS TXSトリガフレームは、STAのMACアドレス又はAIDを含んでもよく、例えば、クライアントデバイスがトリガフレームの期間フィールド内に示される時間期間にそのNAVを設定せず、代わりに、softAP(又はSTA)から管理及び/又は制御フレームを受信するためにアウェイクのままであるように、クライアントデバイスのMACアドレスを含んでもよい。いくつかの他の実装形態では、他の好適なタイプのトリガフレームが、softAP(又はSTA)とクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにTXOPの要求される部分を割り当てるために、APによって使用され得る。
【0087】
[0112] STAは、時間tとtとの間でトリガフレームを受信し、クライアントデバイスとのP2P通信のためにSTAに割り当てられるTXOPの一部分を決定する。時間tにおいて、STAは、CTSフレームをAPに送信することによって、MU-RTS TXSトリガフレームの受信に肯定応答する。いくつかの事例では、CTSフレームは、例えば、STA及びクライアントデバイスがそのそれぞれのNAVをCTSフレームの期間フィールド内に示される時間期間に設定することを防ぐために、softAPとクライアントデバイスとを識別する。
【0088】
[0113] 時間tとtとの間で、softAP(又はSTA)は、P2Pリンク810を使用してクライアントデバイスにP2Pデータを送信する。いくつかの事例では、P2Pリンク810は、Wi-Fiトンネルドダイレクトリンクセットアップ(TDLS)を使用して確立され得る。他の事例では、P2Pリンク810は、Wi-Fiダイレクト接続であってよい。いくつかの他の事例では、STA又はsoftAPは、グループ所有者(GO)であり得、クライアントデバイスへの又はクライアントデバイスからのP2P送信を調整し得る。クライアントデバイスは、P2Pデータを受信し、時間tにおいてsoftAP(又はSTA)にACKフレームを送信することによって、その受信に肯定応答する。
【0089】
[0114] 時間tにおいて、softAP(又はSTA)は、P2Pリンク810を介してクライアントデバイスにトリガフレームを送信する。基本トリガフレームであり得るトリガフレームは、クライアントデバイスからキューに入れられたP2Pデータを要請する。クライアントデバイスは、トリガフレームを受信し、それに応じて、時間tとt10との間にP2Pリンク810を使用してP2PデータをsoftAP(又はSTA)に送信する。softAP(又はSTA)は、P2Pデータを受信し、時間t11においてクライアントデバイスにACKフレームを送信することによって、その受信に肯定応答する。時間t12において、TXOPの割り当てられた一部分に対応する時間期間Tは満了し、APは、残りのTXOPを取り戻すことができる。
【0090】
[0115] 図9は、いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の例示的なプロセス900を示すフローチャートを示す。プロセス900は、図5を参照しながら上記で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。いくつかの事例では、プロセス900は、それぞれ、図1及び図6Bを参照しながら上記で説明したSTA102及び604のうちの1つなどのSTAとして又はその中で動作するワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。
【0091】
[0116] いくつかの実装形態では、プロセス900は、ブロック902において、ワイヤレス媒体を介してアクセスポイント(AP)にフレームを送信することから開始し、フレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のために送信機会(TXOP)の一部を割り当てるようにとのAPに対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含む。ブロック904において、プロセス900は続いて、ワイヤレス媒体を介してAPからトリガフレームを受信すること、トリガフレームは、P2P通信のためにTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てる。ブロック906において、プロセス900は続いて、TXOPの割り当てられた一部分の間に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信する。いくつかの事例では、要求は、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す。
【0092】
[0117] いくつかの実装形態では、フレームのMACヘッダは、要求を搬送するQoS制御フィールドを含む。いくつかの事例では、QoS制御フィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されており、値が8以上であるTIDサブフィールド、又はフレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されたACKポリシーインジケータサブフィールドを含む。いくつかの他の事例では、QoS制御フィールドは、EOSPサブフィールドと、EOSPサブフィールドに続くACKポリシーインジケータサブフィールドと、ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、予約済みビットに続くオクテットとを含む。TXOP期間要求サブフィールドに対応し得るオクテットは、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す。例えば、予約済みビットを1に設定するとともにEOSPサブフィールドを0に設定することにより、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示し、かつACKポリシーインジケータサブフィールドがTXOP共有モード帯域幅を示すことをシグナリングすることができ、予約済みビットを1に設定するとともにEOSPサブフィールドを1に設定することは、オクテットがTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を示すことをシグナリングすることができる。別の例では、予約済みビットを0に設定するとともにEOSPサブフィールドを0に設定することにより、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングすることができ、予約済みビットを0に設定するとともにEOSPサブフィールドを1に設定することは、オクテットがワイヤレス通信デバイスのキューサイズを示すことをシグナリングすることができる。
【0093】
[0118] いくつかの他の実装形態では、フレームのMACヘッダは、P2P要求を搬送するA制御サブフィールドを含むHEバリアントHT制御フィールドを含み得る。いくつかの事例では、A制御サブフィールドは、フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値に設定された制御IDサブフィールドを含み、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信に関連付けられたパラメータを搬送する制御情報サブフィールドを含む。例えば、いくつかの態様では、制御IDサブフィールド内で搬送される予約済み値は、9、11、12、13、又は14のうちの1つであってよい。いくつかの他の事例では、P2P通信に関連付けられたパラメータは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はサービス期間に関連付けられた遅延限界のうちの1つ又は複数を示し得る。
【0094】
[0119] いくつかの事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTWTエレメントと、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信に関連付けられた1つ又は複数のサービス期間中に使用され得る1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームであり得る。いくつかの他の事例では、フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを示すTSPECエレメントと、P2P通信に関連付けられたサービス期間の1つ又は複数のパラメータとを含むSCS要求フレームであり得る。
【0095】
[0120] 様々な実装形態では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むMU-RTS TXSトリガフレームであり得る。いくつかの事例では、トリガフレームは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとを識別する。
【0096】
[0121] いくつかの他の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信を管理するコロケートされたsoftAPを含み得る。いくつかの事例では、softAPは、ワイヤレス通信デバイスとは異なるMACアドレスを有し得る。例えば、ワイヤレス通信デバイスは、AP及びクライアントデバイスと独立して通信することができる別個のMACエンティティを含み得る。いくつかの態様では、ワイヤレス通信デバイスは、APとの非AP STA通信を担う第1のMAC-SAPエンドポイントを含んでよく、softAPとクライアントデバイスとの間のP2P通信を担う第2のMAC-SAPエンドポイントを含んでよい。
【0097】
[0122] 図10は、いくつかの他の実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の例示的なプロセス1000を示すフローチャートを示す。プロセス1000は、図5を参照しながら上記で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1000は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上記で説明したSTA104又は604のうちの1つなどのSTAとして又はその中で動作するワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。
【0098】
[0123] いくつかの実装形態では、プロセス1000は、図9のプロセス900のブロック902において要求を搬送するフレームを送信した後に実施され得る。例えば、プロセス1000は、ブロック1002において、ワイヤレス媒体を介してAPから、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信することから開始する。応答フレームは、ワイヤレス通信デバイスによって要求された又は示された1つ又は複数のP2PパラメータをAPが受け入れたか、拒絶したか、又は修正したかを示すことができる任意の好適なフレームであり得る。いくつかの事例では、応答フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを搬送し、APによって共有されるTXOPの割り当てられた部分の間にP2P通信のために使用されるべきTWTパラメータのセットを示すTWTエレメントを含むTWT応答フレームであり得る。いくつかの他の事例では、応答フレームは、クライアントデバイスのMACアドレスを搬送し、BSSに関連付けられたP2Pリンクの様々なQoSパラメータ、データレート、アクセスカテゴリ、及びユーザ優先度を示すTSPECエレメントを含むSCS応答フレームであり得る。
【0099】
[0124] いくつかの実装形態では、応答フレームのMACヘッダは、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信に関連付けられたTID、P2P通信に関連付けられたSCSID、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はA制御サブフィールドを含む。いくつかの事例では、応答フレームは、QoSデータフレームであり得る。いくつかの他の事例では、応答フレームは、ブロック肯定応答(BA)フレームであり得る。
【0100】
[0125] 図11は、いくつかの他の実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の例示的なプロセス1100を示すフローチャートを示す。プロセス1100は、図5を参照しながら上記で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1100は、それぞれ、図1及び図6Bを参照しながら上記で説明したSTA104又は604のうちの1つなどのSTAとして又はその中で動作するワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。
【0101】
[0126] いくつかの事例では、プロセス1100は、図9のブロック906においてP2Pデータを送信又は受信する一実装形態であり得る。例えば、ブロック1102において、プロセス1100は、APからトリガフレームを受信することに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信することから開始する。ブロック1104において、プロセス1100は続いて、クライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信した後に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにP2Pトリガフレームを送信する。ブロック1106において、プロセス1100は続いて、P2Pトリガフレームに基づいてワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスからレイテンシセンシティブなトラフィックを受信する。いくつかの事例では、P2P通信は、STAとクライアントデバイスとの間に確立されたトンネルドダイレクトリンクセットアップ(TDLS)リンクを介して受信され得る。いくつかの他の事例では、P2P通信は、Wi-Fiダイレクトピアツーピア通信プロトコルに基づいてSTAとクライアントデバイスとの間で交換され得る。
【0102】
[0127] 図12は、いくつかの他の実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信の例示的なプロセス1200を示すフローチャートを示す。プロセス1200は、図5を参照しながら上記で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1200は、それぞれ、図1及び図6Bを参照しながら上記で説明したSTA104又は604のうちの1つなどのSTAとして又はその中で動作するワイヤレス通信デバイスによって実施され得る。
【0103】
[0128] いくつかの事例では、プロセス1200は、図9のプロセス900とともに実施され得る。例えば、ブロック1202において、プロセス1200は、APに関連付けられたワイヤレス局(STA)としてワイヤレス通信デバイスを動作させると同時に、クライアントデバイスが関連付けられたsoftAPとしてワイヤレス通信デバイスを動作させることから開始する。論じたように、いくつかの事例では、ワイヤレス通信デバイスは、2つのMAC-SAPエンドポイントS1及びA1を含み得る。具体的には、第1のMAC-SAPエンドポイントS1は、APからワイヤレス媒体を介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、ワイヤレス通信デバイスからAPへのワイヤレス媒体を介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。第2のMAC-SAPエンドポイントA1は、クライアントデバイスからP2Pリンクを介して受信されたフレーム及びパケットを復号することを担ってもよく、softAPからクライアントデバイスへのP2Pリンクを介した送信のためにフレームを構築及びフォーマットすることを担ってもよい。
【0104】
[0129] 図13は、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なMACヘッダ1300の例示的な構成を示す。MACヘッダ1300は、フレーム制御フィールド1301と、期間/ID(Duration/ID)フィールド1302と、アドレス1(Address 1)フィールド1303と、アドレス2(Address 2)フィールド1304と、アドレス3(Address 3)フィールド1305と、シーケンス制御(Sequence Control)フィールド1306と、アドレス4(Address 4)フィールド1307と、QoS制御フィールド1308と、HT制御フィールド(HT Control)1309と、フレームボディ1310と、FCSフィールド1311とを含んでもよい。いくつかの他の実装形態では、MACヘッダ1300は、他のフィールド、より少ないフィールド、又はより多くのフィールドを含み得る。
【0105】
[0130] フレーム制御フィールド1301は、MACヘッダ1300を含む対応するフレームの形式又は機能を示し得る。例えば、フレーム制御フィールド1301は、MACヘッダ1300を含む対応するフレームを特定のタイプのフレーム(ビーコンフレーム又はP2P要求フレームなど)として識別することができる。期間/IDフィールド1302は、対応するフレームの期間をミリ秒単位で示し得る。アドレス1フィールド1303は、対応するフレームの宛先アドレスを示し得る。いくつかの事例では、アドレス1フィールド1303は、例えば、対応するフレームが複数のワイヤレス通信デバイスに向けられた場合、ブロードキャストアドレス又はマルチキャストアドレスを含み得る。
【0106】
[0131] アドレス2フィールド1304は、対応するフレームのソースアドレスを示し得る。例えば、アドレス2フィールド1304は、対応するフレームを送信したワイヤレスデバイスのMACアドレスを含み得る。アドレス3フィールド1305は、BSSIDを含み得る。いくつかの態様では、BSSIDは、対応するフレームを送信したワイヤレスデバイスのMACアドレスであり得る。シーケンス制御フィールド1306は、シーケンス番号とフラグメント番号とを含む。シーケンス番号は、対応するMACフレーム(MSDU又はA-MSDUなど)を識別し、フラグメント番号は、MSDUの各フラグメントの数を示す。アドレス4フィールド1307は、任意であり、対応するフレームがメッシュネットワークを介して送信されるときに、フォワーディングアドレスを示し得る。
【0107】
[0132] QoS制御フィールド1308は、(フレームタイプと送信デバイスの能力とに応じて)5つ又は8つのサブフィールドを含んでもよく、対応するフレームが属するトラフィッククラス又はトラフィックストリームを示す値を搬送し得る。QoS制御フィールド1308はまた、(限定はしないが)バッファサイズ、キューサイズ、TXOPの要求される部分の期間、TXOP制限などを含む、対応するフレームについての他のQoS情報を示し得る。
【0108】
[0133] HT制御フィールド1309は、HTバリアントと、VHTバリアントと、HEバリアントとを含む3つのバリアントを有し得る。例えば、HTバリアント及びVHTバリアントは、制御ミドル(Control Middle)サブフィールドと、AC制約(AC Constraint)サブフィールドと、更なるPPDUサブフィールドと、を含むが、HEバリアントは、A制御サブフィールドを含む。フレームボディ1310は、1つ又は複数のMSDU又はMDPUとして具現化されるデータを搬送する。FCSフィールド1311は、対応するフレーム内のデータの誤り検出を可能にする誤り検出符号を含み得る。
【0109】
[0134] 図14Aは、複数の異なるフレームタイプ及びサブタイプに対する図13のQoS制御フィールド1309の内容及びビットアサインを記述する表1400を示す。表1400は、ワイヤレス通信規格のIEEE802.11ファミリーに対するIEEE802.11ax(及びその後の)改訂版に適用可能である。
【0110】
[0135] 図14Bは、いくつかの実装形態による、レイテンシセンシティブなP2Pトラフィックのためにワイヤレス媒体リソースを割り当てる要求をサポートするワイヤレス通信に使用可能な例示的なQoS制御フィールド1410を示す。QoS制御フィールド1410は、TIDサブフィールド1411と、EOSPサブフィールド1412と、ACKポリシーインジケータサブフィールド1413と、予約済みビット1414と、TXOP期間要求サブフィールド1415とを含むように示されている。いくつかの事例では、TIDサブフィールド1411は、QoS制御フィールド1410のビット位置0~3を占有する4ビットを含み、EOSPサブフィールド1412は、QoS制御フィールド1410のビット位置4を占有する1ビットを含み、ACKポリシーインジケータサブフィールド1413は、QoS制御フィールド1410のビット位置5~6を占有する2ビットを含み、予約済みビット1414は、QoS制御フィールド1410のビット位置7を占有する1ビットを含み、TXOP期間要求サブフィールド1415は、QoS制御フィールド1410のビット位置8~15を占有する8ビット(例えば、オクテット)を含む。
【0111】
[0136] TIDサブフィールド1411は、対応するフレームが属するトラフィッククラス(TC)又はトラフィックストリーム(TS)を識別する。TIDサブフィールド1411はまた、例えば、TXOP期間要求サブフィールド1415又はキューサイズの値によって、TXOPが要求されているトラフィックのTC又はTSを識別し得る。EOSPサブフィールド1412は、現在のサービス期間の終了を示し得る。ACKポリシーインジケータサブフィールド1413は、対応するフレームの受信に肯定応答するために受信デバイスによって使用すべきACKポリシーを識別する。TXOP期間要求サブフィールド1415は、送信側STAが指定されたTIDに対してその次のTXOPに必要とする期間を32μs単位で示す。いくつかの態様では、TXOP期間要求サブフィールドは、現在のサービス期間内に指定されたTIDに対してTXOPが要求されないことを示すために0に設定されており、要求されるTXOP期間を(32μsの増分で)32μsから8160μsの範囲内で示すように非ゼロ値に設定される。
【0112】
[0137] いくつかの実装形態では、QoS制御フィールド1410は、STAからAPに送信されるフレームのMACヘッダ内で要求を搬送するために使用され得る。論じたように、要求は、STAによって実装されるか又はSTAとコロケートされるsoftAPとsoftAPに関連付けられたクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにAPによって取得されたTXOPの一部分を割り当てることであり得る。いくつかの事例では、QoS制御フィールド1410内の予約済みビット1414は、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定され得る。他の事例では、QoS制御フィールド1410内のTIDサブフィールド1411を8以上の値に設定することは、フレームがP2P要求フレームであることを示す。いくつかの他の事例では、ACKポリシーインジケータサブフィールド1413は、フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定され得る。
【0113】
[0138] いくつかの実装形態では、TXOP期間要求サブフィールド1415の内容は、EOSPサブフィールド1412及び予約済みビット1414内で搬送される値によって決定され得る。例えば、予約済みビット1414を1に設定するとともにEOSPサブフィールド1412を0に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールド1415がTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングすることができ、ACKポリシーインジケータサブフィールド1413がTXOP共有モード帯域幅を示すこともシグナリングすることができる。予約済みビット1414を1に設定するとともにEOSPサブフィールド1412を1に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールド1415がTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を示すことをシグナリングし得る。別の例では、予約済みビット1414を0に設定するとともにEOSPサブフィールド1412を0に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールド1415がTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングすることができ、予約済みビット1414を0に設定しながらEOSPサブフィールド1412を1に設定することにより、TXOP期間要求サブフィールド1415がワイヤレス通信デバイスのキューサイズを示すことをシグナリングすることができる。
【0114】
[0139] 図15は、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なA制御サブフィールド1500の例示的な構成を示す。A制御サブフィールド1500は、制御リスト(Control List)フィールド1501とパディング1502とを含む。パディング1502は、存在する場合、最後の制御サブフィールドに続き、A制御サブフィールド1500の長さが30ビットであるように、ゼロのシーケンスに設定される。制御リストフィールド1501は、制御IDサブフィールド1511と制御情報サブフィールド1512とを含む。制御IDサブフィールド1511は、制御情報サブフィールド1512内で搬送される情報のタイプを示す。制御情報サブフィールド1512の長さは、予約されていない制御IDサブフィールド1511の各値に対して固定される。
【0115】
[0140] 制御情報サブフィールド1512は、ID値(ID value)サブフィールド1521と、TXOP期間要求サブフィールド1522と、帯域幅(Bandwidth subfield)サブフィールド1523と、サービス開始時間(Service Start Time)サブフィールド1524と、サービス間隔(Service Interval)サブフィールド1525と、TXSタイプ(TXS Type)サブフィールド1526と、TIDサブフィールド1527と、ヘッドオブライン(Head-of-Line、HOL)遅延(Delay)サブフィールド1528と、バッファ/キューサイズ(Buffer/Queue Size)サブフィールド1529と、を含み得る。ID値サブフィールド1521は、制御情報サブフィールド1512内で搬送される情報のタイプ又は内容を示し得る。TXOP期間要求サブフィールド1522は、A制御サブフィールド1500を搬送するフレームを送信したワイヤレス通信デバイスに割り当てられるべき、又はそれと共有されるべきTXOPの一部分の要求される期間を示す。帯域幅サブフィールド1523は、TXOP共有モードに関連付けられたP2P通信のために要求される帯域幅又はチャネル幅を示す。サービス開始時間サブフィールド1524は、第1のスケジューリングされたサービス期間が開始する時間をマイクロ秒で指定する。サービス間隔サブフィールド1525は、スケジューリングされたサービス期間同士の間の時間をマイクロ秒で指定する。TXSタイプサブフィールド1526は、要求されるトリガフレームのタイプを示す。TIDサブフィールド1527は、対応するフレームが属するトラフィッククラス又はトラフィックストリームを示す。HOL遅延サブフィールド1528は、その後パケットがドロップされ得るヘッドオブラインパケットに対する遅延限界を示す。いくつかの事例では、遅延限界は、APのTSF値に基づいて決定され得る。いくつかの他の事例では、遅延限界は、パケット送信時間に基づいて決定され得る。バッファ/キューサイズサブフィールド1529は、対応するTIDに対するHOL遅延(遅延限界)を有するバッファのサイズをバイト単位で示す。
【0116】
[0141] 図16は、いくつかの他の実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なA制御サブフィールド1600の例示的な構成を示す。A制御サブフィールド1600は、制御リストフィールド1601とパディング1602とを含む。パディング1602は、存在する場合、最後の制御サブフィールドに続き、A制御サブフィールド1600の長さが30ビットであるように、ゼロのシーケンスに設定される。制御リストフィールド1601は、制御IDサブフィールド1611と制御情報サブフィールド1612とを含む。制御IDサブフィールド1611は、制御情報サブフィールド1612内で搬送される情報のタイプを示す。制御情報サブフィールド1612の長さは、予約されていない制御IDサブフィールド1611の各値に対して固定される。
【0117】
[0142] 制御情報サブフィールド1612は、アクセスカテゴリインジケータ(Access Category Indicator、ACI)ビットマップ(ACI Bitmap)サブフィールド1621と、デルタTIDサブフィールド1622と、ACIハイ(ACI High)サブフィールド1623と、スケーリングファクタ(Scaling Factor)サブフィールド1624と、キューサイズハイサブフィールド1625と、キューサイズオールサブフィールド1626とを含むバッファステータス報告(BSR)制御サブフィールド1620を含み得る。ACIビットマップサブフィールド1621は、バッファ状態が報告されるアクセスカテゴリを示す。デルタTIDサブフィールド1622は、STAがバッファステータスを報告しているTIDの数を、ACIビットマップサブフィールド1621の値とともに示す。ACIハイサブフィールド1623は、バッファステータス報告がキューサイズハイサブフィールド1625内に示されるアクセスカテゴリのACIを示す。スケーリングファクタサブフィールド1624は、キューサイズハイサブフィールド1625及びキューサイズオールサブフィールド1626の単位SFをオクテットで示す。キューサイズハイサブフィールド1625は、BSR制御サブフィールド1620を含むフレームの受信機アドレスによって識別されるSTA向けの、ACIハイサブフィールド1625によって識別されるアクセスカテゴリに対するバッファされたトラフィックの量を示す。キューサイズオールサブフィールド1626は、BSR制御サブフィールド1620を含むフレームの受信機アドレスによって識別されるSTA向けの、ACIビットマップサブフィールド1621によって識別されるすべてのアクセスカテゴリに対するバッファリングされたトラフィックの量を示す。
【0118】
[0143] いくつかの実装形態では、BSR制御サブフィールド1620は、対応するフレームが送信デバイスと送信デバイスに関連付けられたクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにTXOPの部分を割り当てるようにとのAPに対する要求を含むことを示すために使用され得る。いくつかの事例では、デルタTIDサブフィールド1622は、対応するフレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値に設定されており、キューサイズハイサブフィールド1625及びキューサイズオールサブフィールド1626は、TXOPの要求される部分の期間と要求されるTXOP共有モード帯域幅とを集合的に示す値を搬送する。
【0119】
[0144] 図17Aは、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なTWTエレメント1700の例示的な構成を示す。TWTエレメント1700は、エレメントID(element ID)フィールド1702と、長さフィールド1704と、制御フィールド1706と、TWTパラメータ情報(TWT parameter information)フィールド1708とを含み得る。エレメントIDフィールド1702は、エレメントがTWTエレメントであることを示す。長さフィールド1704は、TWTエレメント1700の長さを示す。制御フィールド1706は、TWTエレメント1700によって広告される制限付きTWTセッションについての様々な制御情報を含む。TWTパラメータ情報フィールド1708は、単一の個々のTWTパラメータセットフィールド又は1つ又は複数のブロードキャストTWTパラメータセットフィールドのいずれかを含む。
【0120】
[0145] 図17Bは、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なブロードキャストTWTパラメータセットフィールド1710の例示的な構成を示す。いくつかの事例では、ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド1710は、図17AのTWTパラメータ情報フィールド1708内に含まれ得る。ブロードキャストTWTパラメータセットフィールド1710は、要求タイプフィールド1712と、ターゲットウェイク時間(Target Wake Time)フィールド1714と、公称最小TWTウェイク期間(Nominal Minimum TWT Wake Duration)フィールド1716と、TWTウェイク間隔仮数(TWT Wake Interval Mantissa field)フィールド1717と、ブロードキャストTWT情報(Broadcast TWT Info)フィールド1718とを含み得る。要求タイプフィールド1712は、要求されるTWTセッションのタイプを示す。ターゲットウェイク時間フィールド1714は、STAがウェイクすることを要求するTSF時間に対応する符号なし整数を搬送する。公称最小TWTウェイク期間フィールド1716は、TWT要求STA又はTWTスケジューリング済みSTAがアウェイク状態又はアウェイクモードのままであると予想される最小時間量を示す。TWTウェイク間隔仮数フィールド1717は、周期的TWTに対して非ゼロ値に設定されてもよく、非周期的TWTに対してゼロ値に設定されてもよい。ブロードキャストTWT情報フィールド1718は、対応する制限付きTWTセッションのブロードキャストTWT IDを含み、ブロードキャストTWTパラメータセットに対応するブロードキャストTWT SPがその間に存在するTBTTの数を示す情報を搬送し得る。
【0121】
[0146] 図17Cは、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なブロードキャストTWTパラメータセットフィールドの要求タイプフィールド1720の例示的な構成を示す。いくつかの事例では、要求タイプフィールド1720は、図17Bの要求タイプフィールド1712の一例であり得る。要求タイプ(Request Type)フィールド1720は、TWT要求(TWT Request)サブフィールド1722と、TWTセットアップコマンド(TWT setup command)サブフィールド1724と、トリガ(trigger)サブフィールド1726と、ラストブロードキャストパラメータセット(Last Broadcast Parameter Set)サブフィールド1728と、フロータイプ(Flow Type)サブフィールド1730と、ブロードキャストTWT推奨(Broadcast TWT Recommendation)サブフィールド1732と、TWTウェイク間隔指数(TWT Wake Interval Exponent)サブフィールド1734と、予約済みビット数1736とを含み得る。TWT要求サブフィールド1722は、対応するTWT情報エレメントが、スケジューリング済みSTAによって送信されたか、又はスケジューリングSTAによって送信されたかを示す値を搬送し得る。TWTセットアップコマンドサブフィールド1724は、TWT情報エレメント内で搬送されるTWTコマンドのタイプを示す値を搬送し得る。トリガサブフィールド1726は、TWTエレメント1700によって示されるTWT SPが、トリガフレーム又はTRS制御(TRS Control)サブフィールドを搬送するフレームを含むか否かを示し得る。
【0122】
[0147] ラストブロードキャストパラメータセットサブフィールド1728は、別のブロードキャストTWTパラメータセットが続くかどうかを示す。例えば、ラストブロードキャストパラメータセットサブフィールド1728は、このセットの後に別のTWTパラメータセットがあることを示すために0の値に設定されてもよく、又はこれがブロードキャストTWTエレメント内の最後のブロードキャストTWTパラメータセットであることを示すために1の値に設定されてもよい。フロータイプサブフィールド1730は、TWTにおけるTWT要求STA又はTWTスケジューリング済みSTAとTWT応答STA又はTWTスケジューリングAPとの間の相互作用のタイプを示す。例えば、フロータイプサブフィールド1730を0の値に設定することは、TWT要求STA又はTWTスケジューリング済みSTAが、そのアウェイク状態をシグナリングするためにPS-Pollトリガフレーム又はAPSDトリガフレームを送信する、告知されたTWTを示す。フロータイプサブフィールド1730を1の値に設定することは、TWT応答STA又はTWTスケジューリングAPが、PS-Pollトリガフレーム又はAPSDトリガフレームを受信するのを待つことなく、TWTにおいてTWT要求STA又はTWTスケジューリング済みSTAにフレームを送信することになる、告知されていないTWTを示す。
【0123】
[0148] ブロードキャストTWT推奨サブフィールド1732は、ブロードキャストTWTエレメントのブロードキャストTWT推奨サブフィールド1732に従って符号化された、ブロードキャストTWT SPの間にTWTスケジューリング済みSTA及びスケジューリングAPによって送信されるフレームのタイプに関する推奨を示す値を含む。いくつかの事例では、ブロードキャストTWT推奨サブフィールド1732は、制限付きTWTセッションがピアツーピアTWTセッションであるか又はブロードキャストTWTセッションであるかを示し得る。TWTウェイク間隔指数サブフィールド1734は、TWTウェイク間隔がそこから取得され得る値を搬送する。いくつかの事例では、TWTウェイク間隔指数サブフィールド1734は、2を基数とする、マイクロ秒単位のTWTウェイク間隔値の指数値に設定される。
【0124】
[0149] 図18は、いくつかの実装形態による、ワイヤレス通信に使用可能なトラフィック仕様(TSPEC)エレメント1800の例示的な構成を示す。他のフィールドの中でも、TSPECエレメント1800は、エレメントIDフィールド1801と、長さフィールド1802と、トラフィックストリーム(TS)情報(info)フィールド1803と、最小サービス間隔(minimum service interval)フィールド1804と、最大サービス間隔(maximum service interval)フィールド1805と、最小データレート(minimum data rate)フィールド1806と、平均データレート(mean data rate)フィールド1807と、遅延限界(delay bound)フィールド1808とを含み得る。いくつかの実装形態では、エレメントIDフィールド1801、長さフィールド1802、TS情報フィールド1803、最小サービス間隔フィールド1804、最大サービス間隔フィールド1805、最小データレートフィールド1806、平均データレートフィールド1807、及び遅延限界フィールド1808以外のすべてのフィールドは省略されてよい。
【0125】
[0150] エレメントIDフィールド1801は、エレメント1800がTSPECエレメントであることを示し得る。いくつかの事例では、エレメントIDフィールド1801は、エレメント1800が、エレメントIDフィールド1801、長さフィールド1802、TS情報フィールド1803、最小サービス間隔フィールド1804、最大サービス間隔フィールド1805、最小データレートフィールド1806、平均データレートフィールド1807、及び遅延限界フィールド1808のみを含む縮小TSPECエレメントであることを示し得る。長さフィールド1802は、TSPECエレメント1800の長さを示し得る。Ts情報フィールド1803は、対応するサービス期間についてのユーザ優先度(user priority、UP)を含み得る。最小サービス間隔フィールド1804は、対応するサービス期間同士の間の最小許容サービス間隔を示し得る。最大サービス間隔フィールド1805は、対応するサービス期間同士の間の最大許容サービス間隔を示し得る。最小データレートフィールド1806は、対応するサービス期間の最小データレートを含み得る。平均データレートフィールド1807は、対応するサービス期間の平均データレートを含み得る。遅延限界フィールド1808は、対応サービス期間の遅延限界を含み得る。
【0126】
[0151] いくつかの実装形態では、TSPECエレメント1800は、対応するフレームが送信デバイスと送信デバイスに関連付けられたクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにTXOPの部分を割り当てるようにとのAPに対する要求を含むことを示すために使用され得る。
【0127】
[0152] 図19は、例示的なワイヤレス通信デバイス1900のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1900は、それぞれ、図9図10図11、及び図12を参照しながら上記で説明したプロセス900、1000、1100、又は1200のうちの1つ又は複数を実施するように構成され得る。ワイヤレス通信デバイス1900は、図1のSTA104、図5のワイヤレス通信デバイス500、又は図6BのSTA604のいずれかの例示的な実装形態であり得る。より具体的には、ワイヤレス通信デバイス1900は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのモデム(例えば、Wi-Fi(IEEE802.11)モデム又はセルラーモデム)とを含む、チップ、SoC、チップセット、パッケージ又はデバイスであり得る。
【0128】
[0153] ワイヤレス通信デバイス1900は、受信構成要素1910と、通信マネージャ1920と、送信構成要素1930とを含む。通信マネージャ1920は、softAP管理構成要素1922と、P2P通信構成要素1924と、を更に含む。構成要素1922又は1924のうちの1つ又は複数の部分は、ハードウェア又はファームウェアにおいて少なくとも部分的に実装され得る。いくつかの実装形態では、構成要素1922又は1924のうちの1つ又は複数は、(図5のメモリ508などの)メモリ内に記憶されたソフトウェアとして少なくとも部分的に実装される。例えば、構成要素1922又は1924のうちの1つ又は複数の部分は、それぞれの構成要素の機能又は動作を実施するために(図5のプロセッサ506などの)プロセッサによって実行可能な非一時的命令(又は「コード」)として実装され得る。
【0129】
[0154] 受信構成要素1910は、1つ又は複数の他のワイヤレス通信デバイスからRX信号を受信するように構成されており、送信構成要素1930は、1つ又は複数の他のワイヤレス通信デバイスにTX信号を送信するように構成されている。通信マネージャ1920は、1つ又は複数の他のワイヤレス通信デバイスとのワイヤレス通信を管理するように構成されている。いくつかの実装形態では、softAP管理構成要素1922は、ワイヤレス通信デバイス1900とコロケートされるか、又はさもなければ関連付けられたsoftAPを実装又は管理し得る。P2P通信構成要素1924は、ワイヤレス通信デバイス1900とワイヤレス通信デバイス1900に関連付けられたクライアントデバイスとの間のP2P通信のためにワイヤレス媒体上で取得されたTXOPの部分を割り当てるようにAPに要求し得る。P2P通信構成要素1924はまた、クライアントデバイスからのP2P送信を要請するためにクライアントデバイスにトリガフレームを送信し得る。
【0130】
[0155] 以下の番号付きの条項において、実装例について説明する。
1.ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信の方法であって、
ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のためにワイヤレス媒体上で取得された送信機会(TXOP)の一部分を割り当てるようにとのアクセスポイント(AP)に対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPに送信することと、
P2P通信のためにTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPから受信することと、
TXOPの割り当てられた一部分の間に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信することと、
を含む、方法。
2.要求が、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、条項1に記載の方法。
3.フレームのMACヘッダが、要求を搬送するサービス品質(QoS)制御フィールドを含む、条項1~2のうちのいずれか1つ又は両方に記載の方法。
4.QoS制御フィールドが、
フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された予約済みビット、
フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定されたトラフィック識別子(TID)サブフィールドであって、値が8以上である、TIDサブフィールド、又は、
フレームがP2P要求フレームであることを示す値に設定された肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールド、
を含む、条項3に記載の方法。
5.QoS制御フィールドが、サービス期間終了(EOSP)サブフィールドと、EOSPサブフィールドに続く肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールドと、ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、予約済みビットに続くオクテットとを含み、オクテットが、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す、条項3~4のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
6.予約済みビットが1に設定されているときに0の値を搬送するEOSPサブフィールドが、オクテットがTXOPの要求される部分の期間を示すことをシグナリングし、かつACKポリシーインジケータサブフィールドがTXOP共有モード帯域幅を示すことをシグナリングし、
予約済みビットが1に設定されているときに1の値を搬送するEOSPサブフィールドが、オクテットがTXOP共有モード帯域幅とTXOPの要求される部分の期間の両方を示すことをシグナリングする、
条項5に記載の方法。
7.予約済みビットが0に設定されているときに0の値に設定されるEOSPサブフィールドが、オクテットがTXOPの要求されている部分の期間を示すことをシグナリングし、予約済みビットが0に設定されているときに1に設定されているEOSPサブフィールドが、オクテットがワイヤレス通信デバイスのキューサイズを示すことをシグナリングする、条項6の方法。
8.フレームのMACヘッダが、要求を搬送するアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、条項1に記載の方法。
9.A制御サブフィールドが、
フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御識別(ID)サブフィールドと、
TXOPの割り当てられた一部分に対する要求に関連付けられたP2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報サブフィールドと、
を含む、条項8に記載の方法。
10.制御IDサブフィールド内で搬送される予約済み値が、9、11、12、13、又は14のうちの1つである、条項9に記載の方法。
11.P2P通信の1つ又は複数のパラメータが、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信を要請するトリガフレームの要求されるタイプ、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたトラフィックフローのユーザ優先度、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はP2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界のうちの1つ又は複数を含む、条項9~10のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
12.A制御サブフィールドが、
フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送するデルタトラフィック識別子(TID)サブフィールドと、
TXOPの要求される部分の期間と要求されるTXOP共有モード帯域幅とを集合的に示す値を搬送するキューサイズハイサブフィールド及びキューサイズオールサブフィールドと
を含む制御情報サブフィールドを搬送する、条項8~11のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
13.フレームが、クライアントデバイスのMACアドレスを示すターゲットウェイク時間(TWT)エレメントと、P2P通信に関連付けられた制限付きTWT(r-TWT)サービス期間(SP)の1つ又は複数のTWTパラメータとを含むTWT要求フレームである、条項1~12のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
14.フレームが、クライアントデバイスのMACアドレスを示すトラフィック仕様(TSPEC)エレメントと、P2P通信に関連付けられた制限付きターゲットウェイク時間(r-TWT)サービス期間(SP)の1つ又は複数のデータレートパラメータと、を含むストリーム分類サービス(SCS)要求フレームである、条項1~12のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
15.トリガフレームが、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとを識別する、条項1から14のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
16.トリガフレームが、ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のP2P通信のTXOP共有モードを示すTXOP共有モードサブフィールドを含むマルチユーザ(MU)送信要求(RTS)TXOP共有(TXS)トリガフレームを含む、条項1~15のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
17.ワイヤレス媒体を介してAPから、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信すること
を更に含む、条項1~16のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
18.応答フレームのMACヘッダが、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、条項17に記載の方法。
19.応答フレームが、サービス品質(QoS)データフレーム又はブロック肯定応答(BA)フレームを含む、条項18に記載の方法。
20.P2Pデータを送信又は受信することが、
APからトリガフレームを受信することに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信することと、
クライアントデバイスにレイテンシセンシティブなトラフィックを送信した後に、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスにP2Pトリガフレームを送信することと、
P2Pトリガフレームに基づいて、ワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスからレイテンシセンシティブなトラフィックを受信することと、
を含む、条項1~19のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
21.クライアントデバイスが、ワイヤレス通信デバイスに関連付けられ、APに関連付けられない、仮想現実(VR)ヘッドセット又は拡張現実(AR)ヘッドセットを含む、条項1~20のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
22.APに関連付けられたワイヤレス局(STA)としてワイヤレス通信デバイスを動作させると同時に、クライアントデバイスが関連付けられたsoftAPとしてワイヤレス通信デバイスを動作させること
を更に含む、条項1~21のいずれか1つ又は複数に記載の方法。
23.少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリと、
を含む、ワイヤレス通信デバイスであって、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムとともに少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、
ワイヤレス通信デバイスとクライアントデバイスとの間のピアツーピア(P2P)通信のためにワイヤレス媒体上で取得された送信機会(TXOP)の一部分を割り当てるようにとのアクセスポイント(AP)に対する要求を搬送する媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを含むフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPに送信し、
P2P通信のためにTXOPの一部分をワイヤレス通信デバイスに割り当てるトリガフレームを、ワイヤレス媒体を介してAPから受信し、
TXOPの割り当てられた一部分の間にワイヤレス媒体を介してクライアントデバイスとの間でP2Pデータを送信又は受信する、
ように構成されている、ワイヤレス通信デバイス。
24.要求が、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信の要求される帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の要求される開始時間、P2P通信の要求されるサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、条項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
25.フレームのMACヘッダが、要求を搬送するサービス品質(QoS)制御フィールドを含む、条項23~24のいずれか1つ又は複数に記載のワイヤレス通信デバイス。
26.QoS制御フィールドが、サービス期間終了(EOSP)サブフィールドと、EOSPサブフィールドに続く肯定応答(ACK)ポリシーインジケータサブフィールドと、ACKポリシーインジケータサブフィールドに続く予約済みビットと、予約済みビットに続くオクテットとを含み、オクテットが、EOSPサブフィールド内で搬送される値と予約済みビットとに基づいて、TXOPの要求される部分の期間、ワイヤレス通信デバイスのキューサイズ、又はTXOP共有モード帯域幅のうちの1つ又は複数を示す、条項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
27.フレームのMACヘッダが、要求を搬送するアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、条項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
28.A制御サブフィールドが、
フレームがP2P要求フレームであることを示す予約済み値を搬送する制御識別(ID)サブフィールドと、
TXOPの割り当てられた一部分に対する要求に関連付けられたP2P通信の1つ又は複数のパラメータを搬送する制御情報サブフィールドと、
を含む、条項27に記載のワイヤレス通信デバイス。
29.プロセッサ可読コードの実行が、
ワイヤレス媒体を介してAPから、要求の肯定応答を搬送するMACヘッダを含む応答フレームを受信する
ように更に構成されている、条項23~28のいずれか1つ又は複数に記載のワイヤレス通信デバイス。
30.応答フレームのMACヘッダが、TXOPの要求される部分の期間、P2P通信に割り当てられるべき帯域幅、P2P通信のトラフィック識別子(TID)、P2P通信のストリーム分類サービス(SCS)識別子(SCSID)、P2P通信に関連付けられたサービス期間の開始時間、P2P通信に関連付けられたサービス間隔、P2P通信に関連付けられたサービス期間の遅延限界、又は要求されるタイプのトリガフレームのうちの1つ又は複数を示す、QoS制御フィールド又はアグリゲート制御(A制御)サブフィールドを含む、条項29に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0131】
[0156] 本明細書で使用される、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ又は複数」に言及する句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、及びaとbとcとの組み合わせのという可能性を包含することが意図される。
【0132】
[0157] 本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、及びアルゴリズムプロセスは、本明細書で開示する構造及びその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの互換性は、機能の観点から概略的に説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びプロセスに示されている。そのような機能がハードウェアにおいて実装されるか、ファームウェアにおいて実装されるか、又はソフトウェアにおいて実装されるかは、具体的な適用例及びシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0133】
[0158] 本開示で説明した実装形態の様々な修正は、当業者には容易に明らかになる場合があり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示されている実装形態に限定されるものではなく、本開示、本明細書で開示する原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0134】
[0159] 加えて、別個の実装形態の文脈で本明細書において説明した様々な特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。反対に、単一の実装形態の文脈で説明した様々な特徴はまた、複数の実装形態において別々に、又は任意の好適な部分組み合わせにおいて実装され得る。したがって、特徴は特定の組み合わせで働くものとして上記で説明され、そのようなものとして最初に特許請求されることさえあるが、場合によっては、特許請求される組み合わせからの1つ又は複数の特徴をその組み合わせから削除することができ、特許請求される組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形を対象とする場合がある。
【0135】
[0160] 同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序若しくは連続した順序で実施されること、又は示されたすべての動作が実施されることを必要とするものとして理解されるべきでない。更に、図面は、1つ又は複数の例示的なプロセスをフローチャート又は流れ図の形式で概略的に示す場合がある。しかしながら、示されない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。例えば、1つ又は複数の追加の動作が、示される動作のうちのいずれかの前に、その後に、それと同時に、又はそれらの間に実施され得る。いくつかの状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利である場合がある。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明したプログラム構成要素及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
【国際調査報告】