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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】化学フィルタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/38 20060101AFI20241106BHJP
   B01D 39/14 20060101ALI20241106BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20241106BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20241106BHJP
   H01M 8/0662 20160101ALI20241106BHJP
【FI】
B01D53/38 111
B01D39/14 C
B01D39/14 K
B01D53/04 110
H01M8/04 N
H01M8/0662
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523263
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2022047805
(87)【国際公開番号】W WO2023076328
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,867
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラウアー,ダーヴィト ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー,スティーブ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,シェーン
(72)【発明者】
【氏名】アダメク,ダニエル イー.
(72)【発明者】
【氏名】モラヴェツ,デイヴィス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】シュトラ,アニル
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
4D019
5H127
【Fターム(参考)】
4D002AA01
4D002AA03
4D002AA12
4D002AA13
4D002AA26
4D002AA33
4D002AA40
4D002AB01
4D002AB02
4D002AC07
4D002DA02
4D002DA03
4D002DA11
4D002DA12
4D002DA16
4D002DA22
4D002DA38
4D002DA44
4D012BA01
4D012BA03
4D012BA04
4D012CA07
4D012CA09
4D012CA10
4D012CA11
4D012CA15
4D012CB02
4D012CB03
4D012CG01
4D012CG03
4D012CH01
4D019AA01
4D019AA02
4D019BB02
4D019BB09
4D019BB10
4D019BC05
4D019BC10
4D019BD01
4D019CB04
4D019CB06
5H127BA02
5H127BA17
5H127BA18
5H127BB07
5H127EE11
(57)【要約】
フィルタアセンブリには入口及び出口を画定するハウジングがある。複数の化学フィルタ要素がハウジング内に配置され、流体の流れに対して直列に配置される。間隔領域は、一連の隣接するフィルタ要素の間にある。また、ハウジング並びに第一及び第二の化学フィルタ要素を備えるアセンブリも開示される。第二の化学フィルタ要素は、第一の化学フィルタ要素の下流にある。各化学フィルタ要素には、第一の縁部と第二の縁部がある化学フィルタ材料のシートがある。第一の流路は、第一のシートの表面に平行に画定され、当該第一の縁部から当該第二の縁部まで延在する。第二の流路は、第二のシートの表面に平行に画定され、当該第一の縁部から当該第二の縁部まで延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング;
第一の縁部及び第二の縁部がある第一の化学フィルタ材料の第一のシートを含む第一の化学フィルタ要素であって、ここで、第一の濾過流路が前記第一のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する;並びに
第一の縁部及び第二の縁部がある第二の化学フィルタ材料の第二のシートを含む第二の化学フィルタ要素であって、ここで、第二の濾過流路が前記第二のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在し、ここで、前記第一の化学フィルタ要素及び前記第二の化学フィルタ要素が前記ハウジング内に配置され、前記第二の化学フィルタ要素が前記第一の化学フィルタ要素の下流に配置される;
を含む、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記第一の化学フィルタ要素と前記第二の化学フィルタ要素との間に、さらに、間隔領域を備え、ここで、前記間隔領域は、前記第一の化学フィルタ要素から前記第二の化学フィルタ要素への流路を画定する、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
さらに、前記間隔領域に配置された粒子フィルタを備え、ここで、前記粒子フィルタは粒子濾過媒体を備え、前記粒子濾過媒体を通って前記流路が延在する、請求項1又は2に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一のシートを含む前記第一の化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックを備え、前記第一の濾過流路は、前記スタック内の隣接する層の間に画定される、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックを備え、ここで、前記流路層の各々は、前記スタック内の前記第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置され、かつ、前記第一の化学フィルタ材料のシートの層に当接する、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートは、中心軸の周りにコイル状に構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートに当接する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の濾過流路を画定し、かつ、中心軸の周りにコイル状に構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間に延在するエンボスがある、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴がある、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
前記第一の縁部は、前記化学フィルタ材料の第一のシートの前記第二の縁部の反対側にある、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項11】
入口及び出口を画定するハウジング;
前記入口から前記出口への流体の流れに対して直列に配置された前記ハウジング内の複数の化学フィルタ要素;かつ、
一連の隣接する前記フィルタ要素間の間隔領域;
を含む、フィルタアセンブリ。
【請求項12】
化学フィルタ要素は各々、第一の縁部及び第二の縁部があるシートとして構成された化学フィルタ材料を含み、かつ、前記シートの表面に平行に延在する濾過流路を画定し、ここで、前記濾過流路は、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する、請求項11に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項13】
複数の前記化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、前記濾過流路を画定する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間で前記シートの前記表面に当接する、請求項11又は12に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
1つ以上の前記化学フィルタ要素が吸着フィルタ要素である、請求項11~13のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
前記化学フィルタ要素の少なくとも1つが、化学吸着被覆基板である、請求項11~14のいずれか1項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、塩基を含浸させた吸着剤を含む、請求項11~15のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
前記複数の化学フィルタ要素のうちの第二の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある、請求項11~16のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項18】
前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含む、請求項11~17のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項19】
第二の化学フィルタ要素が、塩基を含浸させた吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある、請求項11~18のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記複数の化学フィルタ要素は、さらに、前記第二の化学フィルタ要素の下流に第三の化学フィルタ要素を備える、請求項11~19のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2021年10月26日に出願された米国仮出願第63/271,867号の利益を主張し、その全体が参照により援用される。
[0002]本開示は、概して、フィルタアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、化学フィルタアセンブリに関する。
【発明の概要】
【0002】
[0003]本明細書に開示される技術のある実施形態は、ハウジング、第一の化学フィルタ要素及び第二の化学フィルタ要素を含むフィルタアセンブリに関する。第一の化学フィルタ要素は、第一の縁部及び第二の縁部がある第一の化学フィルタ材料の第一のシートを含む。第一の濾過流路が前記第一のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する。第二の化学フィルタ要素は、第一の縁部及び第二の縁部がある第二の化学フィルタ材料の第二のシートを含む。第二の濾過流路が前記第二のシートの表面に平行に画定される。前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する。前記第一の化学フィルタ要素及び前記第二の化学フィルタ要素が前記ハウジング内に配置される。前記第二の化学フィルタ要素が前記第一の化学フィルタ要素の下流に配置される。
【0003】
[0004]ある実施形態では、前記第一の化学フィルタ要素と前記第二の化学フィルタ要素との間に、さらに、間隔領域を備え、ここで、前記間隔領域は、前記第一の化学フィルタ要素から前記第二の化学フィルタ要素への流路を画定する。さらに又はあるいは、アセンブリは、さらに、前記間隔領域に配置された粒子フィルタを備え、ここで、前記粒子フィルタは粒子濾過媒体を備え、前記粒子濾過媒体を通って前記流路が延在する。さらに又はあるいは、前記第一の化学フィルタ要素は、前記第一のシートを含む前記第一の化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックをさらに備え、前記第一の濾過流路は、前記スタック内の隣接する層の間に画定される。ある実施形態では、第一の化学フィルタ要素には、第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックがあり、各流路層は、当該スタック内の当該第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置され、当該層に当接する。
【0004】
[0005]さらに又はあるいは、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートは、中心軸の周りにコイル状に構成される。ある実施形態では、前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートに当接する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の濾過流路を画定し、かつ、中心軸の周りにコイル状に構成される。
【0005】
[0006]さらに又はあるいは、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間に延在するエンボスがある。さらに又はあるいは、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴がある。さらに又はあるいは、フィルタアセンブリには、第一の縁部及び第二の縁部がある第三の化学フィルタ材料の第三のシートを含む第三の化学フィルタ要素があり、ここで、第三の濾過流路が第三のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する。さらに又はあるいは、フィルタアセンブリには、第二の化学フィルタ要素から第三の化学フィルタ要素への流路を画定する間隔領域がある。
【0006】
[0007]さらに又はあるいは、第一の化学フィルタ材料は、塩基を含浸させた吸着剤を備える。さらに又はあるいは、第一の化学フィルタ材料は、酸含浸吸着剤を含む。さらに又はあるいは、第二の化学フィルタ材料は酸含浸吸着剤を備える。さらに又はあるいは、第二の化学フィルタ材料は、塩基を含浸させた吸着剤を備える。さらに又はあるいは、前記第一の縁部は、前記化学フィルタ材料の第一のシートの前記第二の縁部の反対側にある。さらに又はあるいは、第四の化学フィルタ要素は、第一の縁部及び第二の縁部がある第四の化学フィルタ材料の第四のシートを有し、第四の濾過流路が前記第四のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する。さらに又はあるいは、間隔領域は、第三の化学フィルタ要素から第四の化学フィルタ要素への流路を画定する。さらに又はあるいは、第四の化学フィルタ材料には、メソ多孔性吸収剤がある。
【0007】
[0008]さらに又はあるいは、アセンブリには、第一の縁部及び第二の縁部がある第五の化学フィルタ材料の第五のシートがある第五の化学フィルタ要素があり、ここで、第五の濾過流路は、第五のシートの表面に平行に画定され、かつ、第一の縁部から第二の縁部まで延在する。さらに又はあるいは、アセンブリには、第四の化学フィルタ要素から第五の化学フィルタ要素への流路を画定する間隔領域がある。さらに又はあるいは、第五の化学フィルタ材料は酸含浸吸着剤を備える。
【0008】
[0009]本明細書に開示されるある他の実施形態は、入口及び出口を画定するハウジング;前記入口から前記出口への流体の流れに対して直列に配置された前記ハウジング内の複数の化学フィルタ要素;かつ、一連の隣接するフィルタ要素間の間隔領域;がある、フィルタアセンブリに関する。
[0010]ある実施形態では、化学フィルタ要素は各々、第一の縁部及び第二の縁部があるシートとして構成された化学フィルタ材料があり、かつ、前記シートの表面に平行に延在する濾過流路を画定し、ここで、前記濾過流路は、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在するさらに又はあるいは、複数の前記化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、前記濾過流路を画定する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間で前記シートの前記表面に当接するさらに又はあるいは、複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックを備え、濾過流路は、前記スタック内の隣接する層の間に画定される。ある実施形態では、複数の化学フィルタ要素の前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックを備え、ここで、前記流路層の各々は、前記スタック内の前記第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置され、かつ、前記層に当接する。
【0009】
[0011]さらに又はあるいは、第一の化学フィルタ材料のシートは、中心軸の周りにコイル状に構成される。さらに又はあるいは、シートには、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間に延在するエンボスがある。さらに又はあるいは、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴がある。さらに又はあるいは、1つ以上の前記化学フィルタ要素が吸着フィルタ要素である。さらに又はあるいは、前記化学フィルタ要素の少なくとも1つが、化学吸着被覆基板である。さらに又はあるいは、前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、塩基を含浸させた吸着剤を含む。
【0010】
[0012]さらに又はあるいは、前記複数の化学フィルタ要素のうちの第二の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある。さらに又はあるいは、前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を備える。さらに又はあるいは、第二の化学フィルタ要素が、塩基を含浸させた吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある。さらに又はあるいは、前記複数の化学フィルタ要素は、さらに、前記第二の化学フィルタ要素の下流に第三の化学フィルタ要素を備える。さらに又はあるいは、複数の化学フィルタ要素は、メソ多孔性吸着剤を備える第四の化学フィルタ要素を備え、第四の化学フィルタ要素は、第三の化学フィルタ要素の下流にある。さらに又はあるいは、複数の化学フィルタ要素は、さらに、第四の化学フィルタ要素の下流に第五の化学フィルタ要素を備える。さらに又はあるいは、第一の縁部は、化学フィルタ材料の第一のシートの第二の縁部の反対側にある。
[0013]上記の概要は、各実施形態又はすべての実施を説明することを意図していない。むしろ、例示的な実施形態のより完全な理解は、添付の図面の図を考慮して、以下の例示的な実施形態の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって明らかになり、認識されるであろう。
[0014]本技術は、添付の図面と関連して様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解され、認識され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0015]例示的なフィルタ要素の概略分解図である。
図2】[0016]例示的なフィルタ要素の概略図である。
図3】[0017]Aは、フィルタ材料のシートの一例の概略図である。[0018]Bは、フィルタ材料の別の例示的なシートの概略図である。
図4】[0019]他の例示的なフィルタ要素の概略図を示す。
図5】[0020]さらに他の例示的なフィルタ要素の概略図を示す。
図6】[0021]さらに他の例示的なフィルタ要素の概略図を示す。
図7】[0022]さらに他の例示的なフィルタ要素の概略図を示している。
図8】[0023]例示的なフィルタアセンブリの概略図を示す。
図9】[0024]様々なフィルタ材料及び様々な汚染物質に関連する試験結果である。
図10】様々なフィルタ材料及び様々な汚染物質に関連する試験結果である。
図11】様々なフィルタ材料及び様々な汚染物質に関連する試験結果である。
図12】様々なフィルタ材料及び様々な汚染物質に関連する試験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0025]図は、主に明確にするために描かれており、その結果、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。さらに、限定はしないが、ファスナ、電気部品(配線、ケーブルなど)などを含む様々な構造/部品は、図示された実施形態の態様をより良く示すために、又はそのような構造/部品を含めることが本明細書で説明される様々な例示的な実施形態の理解に必要でない場合、概略的に示されるか、又は図の一部若しくはすべてから除去される場合がある。しかしながら、特定の図におけるそのような構造/構成要素の図示/説明の欠如は、いかなる形でも様々な実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
[0026]本明細書に開示される技術は、多段化学濾過を実行するシステム及びアセンブリに関する。そのようなシステム及びアセンブリは、空気濾過及び液体濾過の文脈において有利であり得る。本技術が実装され得る1つの特定の例示的な環境は、燃料電池環境である。例えば、化学濾過システム又はアセンブリは、燃料電池内の水素セルを汚染物質から保護するために、吸気流に組み込むことができる。現在の技術の他の潜在的な用途としては、工業処理、自動車用途、石油化学プロセスのための燃焼後の煙道ガス流の精製、又は建物及び航空機における空気精製が挙げられる。
[0027]本技術のある実施態様は、異なる段階で特定の化学汚染物質を選択的に除去する。このような構成は、有利には、化学フィルタ材料を不活性化する等により、ある化学汚染物質が下流の濾過プロセスを否定的に妨害することを防止することができる。このような構成は、フィルタアセンブリの寿命、又はフィルタアセンブリ内の少なくとも個々のフィルタ要素の寿命を有利に改善することができる。本技術は、有利には、非常に少量の特定の汚染物質を除去するためのフィルタアセンブリの選択性を向上させることができる。ある実施形態では、フィルタアセンブリは、単一のフィルタハウジングに複数の化学的濾過ステージを組み込む。このような構成は、2つの別個のユニットとは対照的に、1つのアセンブリを再生するのに必要なエンタルピー勾配が低減されるため、エネルギー消費を有利に低減し、生産性を向上させることができる。
【0013】
定義
[0028]本明細書で用いられる「吸着剤」は、1つ以上の化学成分と表面結合を形成するように構成された材料として定義される。本明細書で用いられる「吸着」は、化学成分の物理的結合である「物理吸着」、及び化学反応から生じる化学結合である「化学吸着」を包含する。
[0029]化学フィルタ要素は、流体流から1つ以上の化学種を除去するように構成されたフィルタ要素である。化学フィルタ要素としては、吸着材料と、特定のタイプの汚染物質と反応するように選択された化学物質などの反応性化学物質があげられる。
[0030]「流れ面」は、流体が媒体に流入するか又は媒体から流出するフィルタ要素内の媒体によって画定される領域である。
[0031]本明細書で用いられる「粒子間細孔」は、シートを形成する繊維間の空隙空間などの粒子間の空隙空間、又は他の種類の粒子をいう。
[0032]本明細書で用いられる「粒子内細孔」は、吸着剤繊維などの粒子、又は顆粒若しくはビーズなどの繊維以外のタイプの粒子の表面によって画定される開口部をいう。
[0033]本明細書で用いられる「ミクロ細孔」は、直径が2nm未満である細孔をいう。
[0034]本明細書で用いられる「メソ細孔」及び「メソ細孔性」は、直径が2nm~50nmである細孔をいう。
[0035]「マクロ細孔」は、直径が50nmより大きい細孔をいう。
[0036]本明細書で用いられる「粒子濾過媒体」は、流体流から粒子を捕捉するように構成された材料をいう。
[0037]本明細書に開示される技術と一致するフィルタ要素は、「フローバイ」濾過のために配置されてよく、これは、入口流れ面から出口流れ面へとフィルタを通って流れる汚染物質を含有する流体が、フィルタ媒体の1つ以上の層の表面(例えば、上面及び底面)に対してほぼ平行に方向付けられ、その結果、材料が、フィルタ媒体の表面を通るのではなく、その表面の「近傍(そばを)」流れることを意味する。このような配置は、流体がフィルタ材料の細孔構造を直接通って(すなわち、上部平面から底部平面までなど、フィルタ材料中を通って)流れる従来のフィルタ配置に対して概ね垂直である。
【0014】
化学フィルタ材料
[0038]本明細書に開示される技術に一致するフィルタ材料としては、一般的な化学フィルタ材料があげられる。様々な実施形態では、フィルタ材料はシートとして構成され、これは、材料が比較的薄く、2つの対向する主面があることを意味する。シートの厚さは、一方の主面から反対側の主面まで延在する。フィルタ材料のシートの厚さは各々、少なくとも0.15mmであってよく、一般に10mm以下である。シートは、一般に、フローバイ濾過用のフィルタ要素内に構成される。このような構成については、以下でより詳細に説明する。
[0039]化学フィルタ材料のシートは、比較的小さい交差する繊維又はストランドがあるメッシュ又はスクリーンのシートとして構成できる。スクリーンは、吸着材料又は非吸着基材から構成されてよい。ある他の実施形態では、化学フィルタ材料のシートは、マットとして構成されてよく、吸着材料又は非吸着基材が、結合剤材料とともに圧縮され、フィルタ材料の比較的に均質なシートを形成する。
[0040]フィルタ材料の化学物質のシートは、(フィルタ材料がスクリーンとして構成される場合)交差する繊維によって画定される、及び/又は(フィルタ材料がスクリーンとして構成される場合及びフィルタ材料がマットとして構成される場合)シート内の粒子間に画定される空隙空間である粒子間細孔を画定してよい。粒子間細孔径は、特定の層によって捕捉される汚染物質のサイズを考慮して、及び/又は圧力降下などのパラメータによって証明されるフィルタ材料を横切る流体の流れに対する抵抗を考慮して、設計又は選択することができる。フィルタ材料のシートによって画定される粒子間細孔は、流体が流れるように構築され得るが、粒子間細孔を囲むフィルタ材料領域は、汚染物質を捕捉して保持するように構成される。
[0041]化学フィルタ材料のシートにはまた粒子内細孔があってよい。粒子内細孔は、ミクロ細孔、メソ細孔、及びマクロ細孔のうちの1つ以上を含むことができる。粒子内細孔は、汚染物質の捕捉、化学吸着含浸、及び/又は拡散に対応できる。特定の実施形態では、化学フィルタ材料のシートのマクロ細孔のサイズは、フロースルー配向で測定して50nm~200ミクロンの範囲であるが、より具体的には50nm~100ミクロン、より具体的には1~50ミクロン、より具体的には50nm~25ミクロン、より具体的には50nm~15ミクロン、又はさらにより具体的には50nm~10ミクロンの範囲であってよい。ある実施形態では、化学フィルタ材料のシートとしては、活性炭、シリカゲル、又は分子篩などの吸着材料があげられる。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、微孔性吸着材料である。ある実施形態では、化学フィルタ材料は細孔を画定しない。
[0042]吸着剤のシートを特定の化学成分でコーティング、反応、含浸又は洗浄して吸着剤の化学的濾過性能を改変することができる。ある実施形態では、吸着シートに塩を含浸させる。
[0043]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、化学吸着剤でコーティングされたセルロースウェブなどの非吸着基材である。化学フィルタ材料は、酸又は塩基含浸剤で被覆された非吸着基材であってよい。非吸着基材は、ある実施形態では、浸漬コーティングされてよい。
[0044]化学フィルタ材料は、特定の化学成分に対して比較的高い選択性、吸着容量、及び保持を維持するように構成することができる。このような化学成分としては、例えば、窒素酸化物、二酸化硫黄、硫化水素等の酸性ガス、シロキサン類、アンモニア、n-ブタン、揮発性有機化合物、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)等が挙げられる。
【0015】
酸性ガスフィルタ材料
[0045]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流から酸性ガスを除去するように構成される。ある実施形態では、化学フィルタ材料のシートには、炭酸カリウム(KCO)などの塩基を含浸させた吸着又は非吸着基材がある。炭酸ナトリウム(NaCO)、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、水酸化カリウム(KOH)、ヨウ化カリウム(KI)又は水酸化ナトリウム(NaOH)などの他の塩基を含浸剤として用いてよい。
[0046]ある実施形態では、酸性ガスフィルタ材料は、比較的弱い塩基性の化学吸着剤の含浸を通して、HSOx-OH又はHS-OH官能基の形態でHSOx/HS汚染物質に部分的に結合するように構成される。このような構成は、部分的に中和された酸がアンモニア用のさらなる吸着剤として作用しうるため、NH種の削減に有利に貢献しうる。ある実施形態では、酸性汚染物質及び塩基性汚染物質をともに酸性ガスフィルタ材料によって捕捉することができる。
[0047]一例では、酸性ガスフィルタ材料は、炭酸カリウムを含浸させた活性炭である。他の特定の例では、酸性ガスフィルタ材料は、6~7%のKI及び3~4%のKOHを含浸させた粒状の微孔性活性炭メッシュである。炭素メッシュサイズは12×20である。1つの特定の例示的な製品は、Haycarb PLC(スリランカ・コロンボ)から供給される。さらに他の特定の例では、化学フィルタ材料は、5%のヨウ化カリウム及び7.5%の水酸化ナトリウムを含浸させたメッシュ粒状の微孔性活性炭材料である。メッシュ炭素サイズは、8×200であり得るが、他のメッシュサイズもまた企図される。1つの特定の製品例は、Haycarb PLCから供給されるグレードRPPE 1034である。酸性ガスを濾過するための活性炭のための他の含浸剤の例としては、酸化鉄及び過マンガン酸カリウムが挙げられる。
【0016】
アンモニアフィルタ材料
[0048]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流からアンモニアを除去するように構成される。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、酸で含浸又はコーティングされる。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、酸含浸吸着剤である。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、酸コーティングされた非吸着基材である。様々な実施形態では、酸はクエン酸である。ある実施形態では、酸は、その比較的高い蒸気圧のためにリン酸ではない。
[0049]1つの特定の例では、化学フィルタ材料は、22%のクエン酸を含浸させた粒状の微孔性活性炭メッシュ材料である。メッシュ炭素サイズは8×16であり得るが、他のメッシュサイズも企図される。1つの特定の材料は、Haycarb PLC(スリランカ・コロンボ)から供給される。
【0017】
アルカン、シロキサン及びVOCの吸着及び保持の試験手順
[0050]13種の市販の炭素質吸着剤(そのうちのいくつかは含浸剤を含有した)を、ビーカー試験により、トルエン、シロキサン、ペンタン、及びヘキサン揮発性有機化合物(VOC)の静的吸着についてスクリーニングした。約0.1gの吸着剤をガラスバイアルに入れ、80℃に72時間加熱して、予め吸着された種を脱気した。次いで、脱気した試料を、5mLの所望の蒸気を含むジャーに密封し、シロキサンを除いて25℃で24時間飽和させた。シロキサンには周囲条件で蒸気圧がないため、飽和温度は40℃であった。吸着容量は、ジャー内で飽和した後の吸着剤の初期重量増加から計算した。
[0051]その後、ジャーからカバーを取り外し、試料を40℃に加熱した。質量減少を、1週間にわたって設定された増分で記録した。これから、汚染物質の試料の保持を計算した。ジャーは環境に対して開放されていたので、吸着剤には、水及び二酸化炭素などの他の環境種を吸着する機会があり、したがって、計算された保持は近似であることに留意されたい。以下のチャートは、試験された市販の吸着剤の各々の簡単な説明を提供する。
【0018】
【表1】
[0052]一般に、特定のフィルタ材料が、他の標的種と比較して標的種への吸着及び保持が比較的良好な場合、特定の汚染物質を濾過するために望ましいと考えられた。標的種への吸着が高いものの、保持能が低いフィルタ材料は、一般に、その種の濾過に望ましくないと考えられる。さらに、第一の種への吸着が高いフィルタ材料が、1以上の他の種のへの吸着/保持が高い場合、一般に望ましくないと考えられる。さらに、保持能が100%より高いフィルタ材料も、当該データから、他の種が保持段階中に吸着されていたことを示唆するため、一般に望ましくないと考えられた。試験は静的条件下で行われたので、結果は動的な実際の作業条件下での材料の性能の大まかな近似と考えることができる。具体的な試験結果を、試験した汚染物質のタイプの各々に関して以下に論じる。
【0019】
アルカンフィルタ材料
[0053]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流からアルカンを除去するように構成される。化学フィルタ材料は、特に流体流からブタンを除去するように構成することができる。様々な実施形態では、化学フィルタ材料は、ブタンなどのアルカンを捕捉して保持するように構成される。
[0054]上記の試験手順によるペンタン及びヘキサンの吸着/保持結果を、それぞれ図9A~9B及び図10A~10Bに示す。ここで、炭素は鎖長にかかわらず同様に機能したことに留意すべきであり、ペンタンの除去能が、ある実施形態では標的汚染物質であるブタンの除去能を予測しうることを意味する。炭素材料の多くは、同様の量のアルカンを吸着した。しかしながら、試料3、試料5及び試料12のアルカン保持能は各々比較的良好に見え、これらはいずれも有効なブタン吸着剤であり得ることを意味する。しかしながら、試料12は、他の化学物質の吸着も比較的良好であったため、その吸着を予測するために、複数のタイプの化学汚染物質が存在する動的条件下でのさらなる分析が必要である。試料3と5との間で、試料3の保持能はわずかに高かったが、これは、比較的重要な性能ヒューリスティックであるようだ。試料11のアルカン吸着能は比較的良好であったが、保持能は比較的低かった点は注目される。しかしながら、試料11の上記性能は、ある特定の実施態様では望ましいであろう。
[0055]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、1つ以上の塩基を含浸させた微孔性吸着剤である。吸着剤は、微孔性吸着材料であってよい。吸着剤には、様々な範囲の細孔径があってよく、一例では、0.1nm~50nmのミクロ細孔及びメソ細孔の細孔径分布である。1つの特定の例では、化学フィルタ材料は、5%のヨウ化カリウム及び7.5%の水酸化ナトリウムを含浸させたメッシュ粒状微孔性活性炭材料である。メッシュ炭素サイズは、8×200であり得るが、他のメッシュサイズもまた企図される。1つの特定の製品例は、Haycarb PLCから供給されるグレードRPPE 1034である。他の例では、アルカンフィルタ材料は、6~7%のKI及び3~4%のKOHを含浸させた粒状の微孔性活性炭メッシュである。炭素メッシュサイズは12×20であり得る。1つの特定の例示的な製品は、Haycarb PLCから供給される。さらに他の例では、アルカンフィルタ材料は、Ingevity(本社:米国サウスカロライナ州ノースチャールストン)から供給されるNuchar RGCなどの粒状活性炭素を組み込むことができる。このような粒状活性炭は、スクリーン又はマットなどのシートとして構成することができる。
【0020】
シロキサンフィルタ材料
[0056]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流からシロキサンを除去するように構成される。一般に、化学フィルタ材料のシロキサン容量及び保持は、比較的高い。様々な実施形態では、化学フィルタ材料は、メソ多孔性吸着剤である。
[0057]上記の試験手順によるシロキサン吸着/保持の結果を図11A~11Bに示す。第一に、ほぼ全ての炭素の保持能が100%を超えると同時に吸着容量は比較的低かった点に留意すべきである。これは、シロキサンが真に吸着されたのではなく、むしろ重量増加が他の化学種(水及び/又は二酸化炭素など)によって起こされたことを示す。もちろん、例外は試料10であり、この材料は他の試料よりもかなり多くの汚染物質を吸着するが、保持率は100%を超えなかったため、シロキサン標的を実際に捕捉したことを潜在的に示した。
[0058]1つの特定の例では、シロキサンフィルタ材料は、Haycarb PLC(スリランカ・コロンボ)から供給される製品番号RGUW 1016などの水洗活性炭素を組み込む。さらに別の例では、アルカンフィルタ材料は、Ingevity(本社:米国サウスカロライナ州ノースチャールストン)から供給されるNuchar RGCなどの粒状活性炭素を組み込む。このような活性炭は、スクリーン又はマットなどのシートとして構成することができる。
【0021】
VOCフィルタ材料
[0059]ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流から揮発性有機化合物(VOC)を除去するように構成される。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、流体流からトルエンを除去するように構成される。化学フィルタ材料は、一般に、VOCに対する容量及び保持率が比較的高い。様々な実施形態では、化学フィルタ材料には、細孔径が2nm未満である吸着剤を備える。細孔径が比較的小さい吸着剤は、有利には、特に小さい化学物質を保持することができる。
[0060]上記の試験手順に従って収集したトルエン吸着/保持の結果を、それぞれ図12A及び12Bに示す。データに基づいて、芳香族VOC濾過のための潜在的な候補として同定された、試料2、試料7、試料12及び試料13の4つの炭素が存在した。選択された特定のVOC濾過材料は、フィルタ材料用いられる特定の実施態様、及び現実の条件における材料の動的挙動に依存し得る。試料12のフィルタ材料は、VOCフィルタ材料の候補と考えられるが、この炭素はアルカン(上述)も吸着し、したがって、動的条件下での吸着挙動を予測するためにさらなる分析が必要であることに留意されたい。
[0061]1つの特定の例では、VOCフィルタ材料は、Hollingsworth&Vose(ドイツのハットフェルト)から供給される製品H&V 5224 V2などの炭素空気フィルタ媒体である。さらに別の例では、VOCフィルタ材料は、1.1重量%の炭酸カリウム(KCO)を含浸させた活性炭ビーズウェブである。さらに別の例では、VOCフィルタ材料は、水洗された活性炭及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ウェブであり、活性炭は、炭酸カリウムで含浸される。さらに別の例では、VOCフィルタ材料は、炭素の各表面上に配置されたメルトブロー粒状媒体を有する炭素積層体である。炭素層は、結合剤を有する粒状炭素であるマット構成で構築される。
【0022】
フィルタ要素
[0062]図1は本明細書に開示される技術の様々な実施形態に一致する例示的な化学フィルタ要素の例示的な分解概略図である。化学フィルタ要素100は、第一の縁部112及び第二の縁部114がある第一の化学フィルタ材料110aの第一のシートを備える。第二の縁部114は、フィルタ要素100に対して第一の縁部112の反対側にある。第一のシート110aには、表面111がある。フィルタ要素100は、第一の縁部112から第二の縁部114までの第一の濾過流路130を画定する。第一の濾過流路130は、表面111に対して平行である。第一の縁部112は、表面111に対して第二の縁部114の反対側にある。
[0063]この例では、フィルタ要素100には、第一の材料シート110aを含む化学フィルタ材料110のシートの複数の層のスタックがある。フィルタ材料110のシートの複数の層は、各シートの表面111がスタック内の他の層の表面111に対して概ね平行になるように積み重ねられる。濾過流路130は、スタック内のフィルタ材料110のシートの隣接する層の間に画定される。このように、複数の濾過流路130がある。
【0023】
[0064]第一のフィルタ材料シート110aと同様に、化学フィルタ材料シート110には各々、第一の縁部112、第二の縁部114、第一の表面116、及び第二の表面118がある。第一の表面116は第二の表面118の反対側にある。第一の縁部112は、フィルタ要素100の第一の流れ面102を協働して画定し、第二の縁部114は、フィルタ要素100の第二の流れ面104を協働して画定する。第一の流れ面102と第二の流れ面104との間の距離は、フィルタ要素100を横切る濾過流路130の長さである。流路長は、一般に、フィルタ要素の両端間の圧力降下と、フィルタ要素内のフィルタ材料に対する汚染流体の所望の暴露時間とのバランスをとるように構成されてよい。このように、流路長は特に限定されない。ある実施形態では、流路長は、少なくとも2cm又は4cmである。流路長は、一般に160cm未満であり得る。ある実施形態では、流路長は20cm未満である。ある実施形態では、流路長は、5~15cm、7~13cm、又は9~11cmの範囲である。
[0065]化学フィルタ材料110のシートには、以下でより詳細に説明する様々な構成があってよい。一般に、化学フィルタ材料110のシートは各々同一であり、化学フィルタ材料110のシートは各々同じ構成で同じ材料の組み合わせで構成されることを意味する。しかしながら、ある実施形態では、化学フィルタ材料110のシートは各々の同一のフィルタ材料であるが、シートサイズ又は物理的構成は異なってよい。
[0066]この例では、流路層120は、化学フィルタ材料110の第一のシートに当接する。流路層120は、特に、フィルタ材料110のシート間に濾過流路130を画定する。流路層120は、フィルタ要素100を通る流体の流れを、主にフィルタ材料110の1つ以上のシートの表面に沿って導くように構成された構造である。流路層120は、フィルタ要素100の第一の流れ面102と第二の流れ面104との間に延在することができる。流路層120には、第一の流れ面102を協働して画定する第一の縁部122と、第二の流れ面104を協働して画定する第二の縁部124と、第一の表面126と、第二の表面128とがあってよい。濾過流路130は第一の縁部122から第二の縁部124まで延在する。濾過流路130は第一のフィルタ材料シート110aの第一の表面116に隣接する。濾過流路130は略平面である。濾過流路130の厚さは第一の表面126から第二の表面128まで延在する厚さである。
[0067]この例のフィルタ要素には複数の流路層120がある。化学フィルタ材料110のシートと流路層120は、流路層120が積層体のフィルタ材料110のシートの層の間に配置され、それらに当接するように、交互に積層された関係にある。
【0024】
[0068]ある実施形態では流路層120は、フィルタ要素100を通って流れる流体の混合を促進するように構成される。ある実施形態では流路層120は、圧力降下を最小限に抑えるように構成される。ある実施形態では流路層120は、吸着材料などの化学フィルタ材料で構成される。
[0069]流路層120は、フィルタ材料のシートと比較して、比較的大きい交差する繊維又はストランドがあるメッシュ又はスクリーンタイプの構造として構成することができる。ある実施形態では、流路層120には各々比較的大きい繊維を備え、流路層の対応する大きい細孔は、フィルタ要素の透過性に寄与する。ある実施形態では、流路層120は、濾過流路130を累積的に画定する比較的大きな孔を画定するスポンジ又は発泡体材料で構成することができる。本明細書に開示されるフローバイフィルタは、流体が概して複数の層の表面を横切って流れるように構成されるが、細孔又は開口部のサイズは、フィルタ媒体のシートの表面に垂直なフロースルー方向で測定される。すなわち、フィルタがフィルタ材料の厚さを通って流れるように材料に対して配置されていなくても、孔サイズは、フローバイ構成に対して所望の流れ特性を提供するように測定され選択される。
[0070]流路層及び第一の化学フィルタ材料の第一のシートのいずれか又は両方の孔径を測定するために用いられる一般的な技術は、毛管流ポロメトリーである。この技術は、毛管理論を使用して、液体の表面張力、圧力、及び各孔の直径の関係に基づいて孔サイズを計算する。この測定方法は、非反応性液体を用いて、材料に対する接触角が極めて低い流体で多孔質材料の細孔を完全に湿潤させ、充填する。次いで、飽和した材料を非反応性ガスで加圧し、その間、液体の全てが細孔から押し出されるまで圧力及び空気流を測定する。この技術では、孔径がより小さいと、液体を孔から押し出すためにより高い圧力を要し、孔径がより大きいと反対の結果となる。収集されたデータを、その後、清浄な乾燥試料の圧力及び流量測定値と比較して、細孔径分布を計算する。この測定では、平均流れ孔径は、湿潤試料空気流が乾燥試料空気流の半分に等しい点で定義される。
[0071]一般に、様々な実施形態について、流路層の平均流孔径は、上述の技術及び/又は他の技術を用いてフロースルー配向で測定した場合、化学フィルタ材料のシートの平均流孔径(同様にフロースルー方向で測定される)よりも大きい。ある実施形態では、化学フィルタ材料は、細孔を画定しない。
【0025】
[0072]繊維又はストランドの厚さ、間隔、及び配置は、流路層の全体の厚さと共に、所望の濾過性能を達成するために変化させることができる。1つの例示的な実施形態では、フローチャネル層の全体の厚さは、約200μm~5000μmの範囲、より具体的には200μm~2000μmの範囲、より具体的には500μm~1000μmの範囲であるが、この厚さは、これらの厚さの範囲よりも小さくても大きくてもよい。
[0073]図1に戻ると、第一の流れ面102は、フィルタ要素100に対して第二の流れ面104の反対側にある。様々な実施形態では、第一の流れ面102は、第二の流れ面104に平行である。シート、フィルタ材料110、及び流路層120の各々は、平面であってよい。フィルタ材料の第一のシート110a及び流路層120の表面は、現在の実施形態では各々実質的に平坦であるが、本明細書でより詳細に説明される形態へ代替されてよい。
【0026】
[0074]ある実施形態では、流路層120の縁部及びフィルタ材料110のシートの縁部は、スタック内で互いに概ね位置決めされる。特定の実施形態では、所与の容積で濾過に利用可能な材料の量を最大にするために、スタックは、一般に、ハウジング、又はスタックが配置される他の構造を満たす。しかしながら、ある実施形態では、フィルタ材料110のシート及び流路層120のスタックは、様々な層の縁部がスタックに沿って規則的又は不規則な配置で互い違いに配置され得るように、異なる寸法及び/又は形状の層を含むことができる。層の縁部が平面に沿って整列していない構成のいずれにおいても、流れ面は、材料の流れがフィルタ要素100に入るか又はフィルタ要素100から出る方向に面する層の縁部によって累積的に画定される非平面領域である。
[0075]さらに、フィルタ材料110の層の各々の第一の縁部112及び第二の縁部114は、この例では平行であるが、いくつかの他の実施形態では、第一の縁部112は、第二の縁部114に対して非平行である。さらに、ある実施形態では、フィルタ材料の第一のシート110aの第一の縁部112及び/又は第二の縁部114は、スタック内のフィルタ材料の別のシートの第一の縁部112及び/又は第二の縁部114に対して非平行である。さらに、フィルタ材料の縁部は直線を形成するものとして示されているが、ある実施形態では、縁部の1つ以上は交点を有する曲線又は線分を形成することができる。
[0076]使用時に、フィルタ材料のシートと流路層とが交互になったスタックは、ハウジング内に配置されると、所望の量だけ層を圧縮し、かつ/又は層のスタックを特定の圧縮レベルに維持するハウジング又は他の構造内に配置することができる。1つの例示的な実施形態では、圧縮された材料のスタックの流れ面の化学フィルタ材料の表面積は、流れ面の総面積の約40~80%を画定する。
[0077]フィルタ要素を形成するスタック内の層の数は、広範囲に変化させることができるが、1インチ当たり5~30層の範囲内とすることができ、より具体的には、1インチ当たり10~20層の範囲内とすることができ、さらにより具体的には、1インチ当たり15~25層とすることができる。しかしながら、特定のフィルタ要素に組み込む層の数はこれより多くても少なくてもよいことが理解される。層の数は、フィルタ要素が収容するように構成された流体流の体積、及びフィルタ要素が流体流から除去するように構成された特定の汚染物質の量などの要因に依存し得る。ある実施形態では、フィルタ要素100は、0.5m/分~23m/分の範囲の流体流量に対応するように構成される。ある実施形態では、フィルタ要素100は、3~6m/分、5~11m/分、又は6~13m/分の範囲の流体流に対応するように構成される。ある実施形態では、フィルタ要素100は、6~13m/分の範囲の流体流量に対応するように構成されるが、フィルタ要素は、フィルタ要素の特定の動作環境に応じて、より大きい流体流量及びより小さい流体流量に対応するように構成することができる。
【0027】
[0078]図2は、ある実施形態に係るフィルタ要素200の概略例を示す。本明細書の他の箇所でのフィルタ要素の説明は、一般に、現在の設計に矛盾しない限り、現在の説明に適用される。例示のフィルタ要素200には、第一の流れ面202と第二の流れ面204とがある。例示的なフィルタ要素200は、第一の流れ面202から第二の流れ面204までの濾過流路230を画定する。フィルタ要素200は、積層構成のフィルタ材料210の複数の層から構成される。フィルタ材料210の層の各々には表面211がある。濾過流路230は、表面(複数可)に対して概ね平行に延在する。第一の流れ面202は、化学フィルタ材料210のシートの複数の層各々の第一の縁部212によって画定することができる。第二の流れ面204は、化学フィルタ材料210のシートの複数の層の各々の第二の縁部214によって画定することができる。したがって、濾過流路230は、フィルタ材料210のシートの各々の第一の縁部212から第二の縁部214まで延在する。
[0079]図2のフィルタ要素200は、図1に示されたフィルタ要素と一致し、流路層は、スタック内のフィルタ材料のシートと交互に配置されている。ある他の実施形態では、フィルタ要素200では、積層体の各層がフィルタ材料のシートであるように、流路層が省略される。このような例では、フィルタ材料210のシートは各々、フィルタ材料210の少なくとも1つの隣接するシートに当接する。
【0028】
[0080]ある実施形態では、フィルタ材料210のシートは各々、個々の個別のシートである。しかしながら、ある他の実施形態では、フィルタ材料210のシートは、フィルタ材料210の個々のシートを画定するようにプリーツ加工されたフィルタ材料210の単一の細長いシートによって画定されてよい。例えば、フィルタ材料210の各シートは、第三の縁部216及び第三の縁部216の反対側の第四の縁部218に沿って1つ以上の隣接するシートに結合されることができ、第三の縁部216及び第四の縁部218は、隣接するシート間の折り目を画定する。
[0081]この例示的なフィルタ要素200は立方体又は直方体を形成するが、本明細書に開示される技術と一致するフィルタ要素は、様々な他の形状であってよいことが理解されるであろう。ある実施形態では、フィルタ要素は、例えば、円筒形状を画定することができる。ある実施形態では、フィルタ要素は非幾何学的形状を画定することができる。さらに、図1を参照して説明したように、フィルタ材料のシートの縁部は必ずしも整列されず、必ずしも平行ではなく、したがって、縁部によって画定されるフィルタ要素200の対応する流れ面202、204は必ずしも平面ではなく、それらが平面である場合、流れ面202、204は必ずしも互いに平行ではない。
【0029】
[0082]ある実施形態では、フィルタ材料210の1つ以上の層には、フィルタ材料210のシートを完全に貫通して(すなわち、第一の表面から第二の表面まで)延在する1つ以上の穴215があってよい。1つ以上の穴215は、例えば、フィルタ材料210のシートの構造を形成する粒子間の孔とは対照的に、フィルタ材料210の表面を横切って貫通する不連続部である。穴215は、フィルタ材料のシートの形成後にフィルタ材料のシートに形成することができる。ある実施形態では、孔215の最大断面寸法(直径又は対角線測定値など)は50μm~5000μmである。穴215の断面寸法は等しいか、又は様々な断面寸法であってよい。穴215の形状は同じか又は異なってよい。穴215は、フィルタ材料シート210の表面にわたって均一、又はフィルタ材料シート210にわたってランダムに配置されてよい。ある実施形態では、穴215は、フィルタ材料シート210にわたってパターンを形成するか、かつ/又はフィルタ材料シート210にわたる穴の密度がフィルタ材料シート210にわたって変化する勾配を形成してよい。
【0030】
[0083]ある実施形態では、フィルタ材料の1つの層の穴215は、フィルタ材料の隣接する層の穴215とは位置決めされない。穴215によって、一般に、流体が、フィルタ要素200内のフィルタ材料の第一の対の隣接するシート間に画定された第一の濾過流路からフィルタ材料の第二の対の隣接するシート間に画定された第二の濾過流路に流れることができる。1つ以上の穴は、フィルタ要素200の第一の流れ面202から第二の流れ面204への圧力降下を有利に減少させることができる。このような穴215を組み込むと、フィルタ要素200を通る流体の全体的な流路はほとんど変せず、つまり、濾過流路230は、ほぼ平面であると認識されることに留意されたい。
[0084]フィルタ要素200を形成する層の各々がフィルタ材料210のシートである様々な実施形態では、フィルタ材料のシートの各々は、実質的に平坦であってよい。他の実施形態では、フィルタ材料のシートは、フィルタ材料210の当接シートとともに流路を作成するように構成される1つ以上の表面上にスペーサ構造を画定することができる。ある実施形態では、スペーサ構造は、第一の縁部と第二の縁部との間に延在するエンボスを含む。
【0031】
[0085]図3A及び図3Bは、エンボスを備えるフィルタ材料310、350のシートの概略例を示す。このようなフィルタ材料シート310、350は、上記フィルタ要素用、又は以下でより詳細に説明するコイル状配置などの本明細書で開示する他のフィルタ要素構成用の、他のフィルタ材料シートと積層することができる。
[0086]図3Aのフィルタ材料のシートには、第一の表面311、第一の縁部312、及び第二の縁部314があり、第二の縁部314は、第一の縁部312の反対側にある。フィルタ材料310のシートは、第一の表面311に平行な方向に、第一の縁部312から第二の縁部314までの濾過流路を画定するように構成される。第一の表面311には、第一の縁部312と第二の縁部314との間に延在するエンボス313がる。この例では、エンボス313は、第一の表面311から外側に延在する別個の隆起である。エンボス313は、第一の縁部312から第二の縁部314まで第一の表面311を横切る濾過流路330を画定するのに役立つ。濾過流路330は、概して、エンボス313の周りに画定される。フィルタ材料のシート310がフィルタ材料の当接シートと積み重ねられると、濾過流路330は、フィルタ材料の当接シートと、第一の表面311と、エンボス313との間の空間に画定される。当接するフィルタ材料シートは、1つ以上の表面上にエンボスを画定することもできる。
[0087]ある実施形態では、フィルタ材料310の第二の表面(第一の表面311の反対側)もまた、エンボスを画定する。エンボスは、第一の表面311上のエンボスと比較して異なる構成が、又は同じ構成であってよい。この例示的なエンボスは、別個の小塊として示されるが、他の実施形態では、エンボスは、複数の別個の細長い隆起部であってよい。さらに、この例では、エンボスは突起であるが、他の実施形態では、1つ以上のエンボスは、窪みであってよく、その例は、図3Bを参照して示され、説明される。
[0088]図3Bのフィルタ材料のシートには、第一の表面351、第一の縁部352、及び第二の縁部354があり、第二の縁部354は第一の縁部352の反対側にある。フィルタ材料350のシートは、第一の表面351に平行な方向に、第一の縁部352から第二の縁部354までの濾過流路を画定するように構成される。第一の表面351には、第一の縁部352と第二の縁部354との間に延在するエンボス353がある。特にこの実施形態では、1つ以上のエンボス353が第一の縁部352から第二の縁部354まで延在する。この例では、エンボス部353は、第一の表面351内の個別のチャネルである。エンボス353は、第一の縁部352から第二の縁部354まで第一の表面351を横切る濾過流路360を画定するのに役立つ。濾過流路360は、概して、エンボス353によって画定される。フィルタ材料のシート350がフィルタ材料の当接シートと積み重ねられると、濾過流路360は、フィルタ材料の当接シートと、第一の表面351と、エンボス353との間の空間に画定される。
[0089]この例では、エンボス部353は、第一の縁部352から第二の縁部354まで延在するが、他の実施形態では、エンボス部353のうちの1つ以上は、第一の縁部352と第二の縁部354との間の中間距離に延在することができる。ここでは、エンボス353は波状であるが、他の実施形態では、エンボスは直線状である。波状のエンボス353は、有利には、流動流体を混合させて、流動流体中の化学成分とフィルタ材料350との間の相互作用を最大化することができる。この例では、エンボス部353は、濾過流路360に対して概ね平行な方向に延在するが、他の実施形態では、エンボス部は、濾過流路に対して概ね垂直な方向に延在することができる。上述のように、フィルタ材料350の表面の窪みとして形成される代わりに、エンボスは、フィルタ材料350の表面から外に延びる突起として形成されてもよい。
[0090]図3Aの説明と同様に、第一の表面351の反対側の第二の表面にもエンボスがあってよく、又は第二の表面にはエンボスがなく実質的に平坦であってよい。
【0032】
[0091]図4は、いくつかの例に一致する他の例示的なフローバイフィルタ要素を示す。本明細書の他の箇所でのフィルタ要素の説明は、一般に、現在の設計に矛盾しない限り、現在の説明に適用される。図4の例示的な概略的フィルタ要素400には、第一の表面416、第二の反対側の表面418、第一の縁部412、及び第二の反対側の縁部414がある化学フィルタ材料410のシートがある。濾過流路430は第一の表面416に平行に画定される。濾過流路430は、第一の縁部412から第二の縁部414まで延在する。
[0092]図1及び図2に示された実施形態とは異なり、この例では、フィルタ要素400は、中心軸xの周りにコイル状に巻かれた構成のフィルタ材料410のシートで構成される。フィルタ材料410のシートは細長い。フィルタ材料シート410の第一の縁部412は第一の流れ面402を画定し、第二の縁部414は第二の流れ面404を画定する。第一の縁部412及び第二の縁部414の各々は、フィルタ材料シート410の細長い縁部である。
[0093]この例は、断面が略円形である略円筒形の構成のフィルタ媒体を示すが、他のコイル状構成が可能であることが理解されるであろう。ある実施形態では、中心軸xを通るコイル状媒体の断面は、卵形又は多角形であり得る。
[0094]この例では、流路層420は、フィルタ材料シート410に当接し、流路層420には、第一の流れ面402を協働して画定する第一の縁部422と、第二の流れ面404を協働して画定する第二の縁部424と、第一の表面426と、反対側の第二の表面428(直接は見えない)とがある。流路層420は、現在の議論及び/又は図において特定される場合を除いて、本明細書の他の箇所に記載される流路層と一致し得る。流路層420は、第一の流れ面402から第二の流れ面404までの濾過流路430を画定する。濾過流路430は、軸方向に、すなわち、流路形成層420の第一の縁部422から第二の縁部424まで延在する。濾過流路430は、フィルタ材料シート410の第一の表面416に当接する。
[0095]この例では、流路層420は細長いシートである。流路層420は、中心軸xの周りにコイル状に配置されている。流路層420は、隣接するフィルタ材料シート410と接触しており、層410、420の対は、それ自体の周りに、又は長手方向軸xに沿って延びるコア440の周りに巻かれ、又はコイル状に巻かれて、フィルタ要素400を形成する。この構成では、流体は、コイル状層の(図に対して)上部(すなわち、フィルタ要素400の一端)からコイル状層の底部(すなわち、フィルタ要素400の反対側の端部)まで、流路層420に沿ってフィルタ材料410の第一のシートのロール状表面を横切って流れることができる。あるいは、流体は、反対方向に(すなわち、図に対してロールの底部からロールの上部に)流れることができる。第一の流れ面402は、フィルタ要素400に対して第二の流れ面404の反対側にある。この例では、第一の流れ面402は、第二の流れ面404に平行である。フィルタ材料410の第一のシート及び流路層420は、各々、本実施形態では実質的に平坦であるが、いくつかの例では、図3A及び図3Bを参照して上記のように、層の一方又は両方が複数のエンボスを画定する。
【0033】
[0096]先に開示された実施形態とは異なり、ここでは、フィルタ材料410のシートは、概して平面内に延在しないことに留意されたい。むしろ、フィルタ材料410のシートはコイル状であり、したがって、表面416、418の各々もコイル状である。しかしながら、濾過流路430は、一方の流れ面から他方の流れ面まで軸方向にほぼ直線状に延びる。
【0034】
[0097]図4の代替実施形態などの様々な実施態様では、流路層が省略されることに留意されたい。そのような例では、フィルタ材料のシートは、上述のように、第一の縁部412と第二の縁部414との間に延在するエンボスを画定することができる。さらに、図2を参照して上記のように、ある実施形態では、フィルタ材料のシートには、フィルタ材料のシート410を貫通して延びる1つ以上の穴があってよい。
【0035】
[0098]図5は、ある実施形態に一致するさらに他の例示的なフィルタ要素を示す。本明細書の他の箇所でのフィルタ要素の説明は、一般に、現在の設計に矛盾しない限り、現在の説明に適用される。図5の例示的な概略的フィルタ要素500には、第一の流れ面502を画定する第一の縁部512と、第二の流れ面504を画定する第二の縁部514と、第一の表面516と、第一の表面の反対側の第二の表面(見えない)とがあるフィルタ材料510の第一のシートがある。流路層520は、フィルタ材料の第一のシート510に当接している。流路層520には、第一の流れ面502を協働して画定する第一の縁部522と、第二の流れ面504を協働して画定する第二の縁部524と、第一の表面と、第一の表面の反対側の第二の表面(見えない)とがある。流路層520は、フィルタ要素500の第一の流れ面502から第二の流れ面504までの濾過流路530を画定する。濾過流路530は、第一の縁部522から第二の縁部524まで延在する。濾過流路530は、フィルタ材料510の少なくとも1つの表面に平行であり、かつそれに当接している。複数の濾過流路530は、スタック内のフィルタ材料510の隣接する層の間に画定され得る。
[0099]この例では、フィルタ材料510のシートと流路層520のシートは、積層構成の交互のディスクである。各流路層520は、少なくとも1つの隣接する第一のフィルタ材料シート510に当接する。フィルタ材料の第一のシート510のディスクの各々と流路層520とは、長手方向軸xに沿って積み重ねられてフィルタ要素500を形成する。ディスクの各々は開口部を画定し、開口部は、一般に、濾過流路の一部を画定するように重なり合う。ディスクのスタックは、第一の流れ面502である外周面と、第二の流れ面504である内周面とを累積的に画定する。この例では、外周面及び内周面は円筒形として示されているが、他の形状も確実に企図される。
[0010]フィルタ媒体510の層を各々横断する濾過流路530は、概ね直線状である。本実施形態に一致する例では、流体は、一方の流れ面から他方の流れ面に半径方向に流れるように構成される。例えば、流体は、要素の第一の流れ面502からフィルタ要素500の開口部(第二の流れ面504)に向かって、又は開口部(第二の流れ面504)から第一の流れ面502に向かって、フローバイ型の流路で流れるように構成される。すなわち、フィルタ要素500を通る流体の流れは、長手方向軸xに対して概ね垂直である。上記のいくつかの例とは異なり、この例では、第一の流れ面502は第二の流れ面504の反対側にはない。この例では、第一の流れ面502は第二の流れ面504を取り囲む。より具体的には、この例では、第一の流れ面502は、第二の流れ面504と同心であり、第一の流れ面502と第二の流れ面504とが中心軸xを共有することを意味する。
[0101]様々な実施形態では、流路層520は省略され得る。ある実施形態では、フィルタ材料510の各シートの一方又は両方の表面には、上記のように、1つ以上のエンボスがあってよい。他の実施形態では、フィルタ材料510の各シートにはエンボスがなくてもよい。
【0036】
[0102]図6は、本明細書に開示される技術と一致する流通構成を備えるさらに他の例示的なフィルタ要素を示す。本明細書の他の箇所でのフィルタ要素の説明は、一般に、現在の設計に矛盾しない限り、現在の説明に適用される。層の材料は、一般に、以下の議論と一致し得る。例示的な概略的なフィルタ要素600には、第一の流れ面602を画定する第一の縁部612と、第二の流れ面604を画定する第二の縁部614と、第一の表面616と、第一の表面の反対側の第二の表面618(直接的には見えない)とがあるフィルタ材料のシートの第一の層610がある。フィルタ材料620のシートの第二の層はフィルタ材料610の第一のシートに隣接する。第二のシート620には、第一の流れ面602を協働して画定する第一の縁部622と、第二の流れ面604を協働して画定する第二の縁部624(部分的に見える)と、第一の表面626と、第二の表面628(直接には見えない)とがある。第二のフィルタ材料シート620は、第一の流れ面602から第二の流れ面604までの濾過流路630を画定する。濾過流路630は、第一の縁部612、622から第二の縁部614、624まで延在する。濾過流路630は、フィルタ材料シート610、620の表面に対して概ね平行である。
[0103]フィルタ材料610の第一の層及びフィルタ材料620の第二の層は、フィルタ材料620の第二の層がフィルタ材料610の2つの第一の層の間に配置されるように、交互に積み重ねられた関係にある。複数の濾過流路630がスタック内のフィルタ材料610、620の隣接する層の間に画定される。本実施形態では、フィルタ材料610の第一の層は縦溝付き構成であり、フィルタ材料610の第一の層が、第一の流れ面602から第二の流れ面604まで延在する縦溝613を画定することを意味する。縦溝613は、上記のエンボスの代わりのスペーサ構造の一種である。縦溝613は、特に、第一の流れ面602と第二の流れ面604との間に濾過流路630を画定する。フィルタ材料610の第一の層は一般にフィルタ材料のシートである。第二のフィルタ材料層620の構造構成は異なるが、第一のフィルタ材料層610と同じタイプのフィルタ材料シートであってよい。この例では、フィルタ材料620の第二の層のそれぞれは、実質的に平面である。
[0104]第一の流れ面602は、フィルタ要素600に対して第二の流れ面604の反対側にある。この例では、第一の流れ面602は第二の流れ面604に平行であるが、他の実施形態では、流れ面602、604は平行ではない。上記実施形態と同様に、フィルタ材料610の第一の層及びフィルタ材料620の第二の層の縁部は、スタック内で互いに概ね位置決めされる。
【0037】
[0105]図7は、本明細書に開示される技術の様々な実施形態に一致する例示的な化学フィルタ要素700のさらに他の例示的な概略図である。化学フィルタ要素700には第一の縁部712と第二の縁部714がある第一の化学フィルタ材料710の第一のシートがある。第二の縁部714はフィルタ要素700に対して第一の縁部712の反対側にある。第一のシート710には第一の表面711及び第二の表面713がある。フィルタ要素700は第一の縁部712から第二の縁部714までの第一の濾過流路730を画定する。第一の濾過流路730は表面711に対して平行である。
[0106]この例では、フィルタ要素700には、(フィルタ材料の第一のシート710を含む)化学フィルタ材料710のシートの複数の層があり、各層は、フィルタコア732から半径方向外側に延在する。フィルタコア732は、フィルタ材料の複数のシートにわたって濾過流路730を画定するのを助けるプラグであってよい。フィルタコア732は、流体の流れがフィルタ材料710を迂回するの防止するように構成されてよい。複数のシート層710は各々、フィルタコア732に結合された第三の縁部716と、第三の縁部716及びフィルタコア732から半径方向外側に位置決めされた第四の縁部718がある。この例では、各シートの表面711、713は、フィルタ要素700内の複数の他の層の表面711、713に対して平行でない。第一の濾過流路730は、フィルタ要素700内のシート710の隣接する層の間に画定される。
[0107]第一のフィルタ材料シート710と同様に、化学フィルタ材料シート710は各々、第一の縁部712、第二の縁部714、第一の表面711、及び第二の表面713がある。第一の表面711は第二の表面713の反対側にある。第一の縁部712はフィルタ要素700の第一の流れ面702を協働して画定し、第二の縁部714はフィルタ要素700の第二の流れ面704を協働して画定する。したがって、第一の流れ面702はフィルタ要素700に対して第二の流れ面704の反対側にある。ある実施形態では、第一の流れ面702は、第二の流れ面704に平行であるが、第一の流れ面702が第二の流れ面704に平行でない他の構成も考えられる。フィルタ材料710のシート(及び含まれる場合には流路層)は各々図示のように平面であってよい。第一の流れ面702と第二の流れ面704との間の距離は、フィルタ要素700を横断する濾過流路730の長さである。
[0108]フィルタ材料710の層の各々の第一の縁部712及び第二の縁部714は、この例では平行であるが、他の実施形態では、第一の縁部712は第二の縁部714に対して平行でない。さらに、ある実施形態では、フィルタ材料710の第一のシートの第一の縁部712及び/又は第二の縁部714は、フィルタ要素700内のフィルタ材料の別のシートの第一の縁部712及び/又は第二の縁部714に対して平行でない。さらに、フィルタ材料710のシートの縁部は直線を形成するように示されているが、ある実施形態では、縁部のうちの1つ以上は、交点を有する曲線又は線分を形成することができる。この例では、フィルタ材料710のシートは各々略平面であるが、他の実施形態では、フィルタ材料710のシートは各々、穴又はエンボス等の不連続部を画定してよい。
[0109]化学フィルタ材料710のシートには、本明細書の他の箇所で説明されるように、様々な構成があってよい。一般に、化学フィルタ材料710のシートは各々同一であり、化学フィルタ材料710のシートは各々同じ構成で同じ材料の組み合わせで構成されることを意味する。しかしながら、ある実施形態では、化学フィルタ材料710のシートは各々、同一のフィルタ材料であるが、シートサイズ又は交互構成が異なってよい。さらに、この例では、フィルタ材料の複数のシートは各々別個の分離したシートである。しかしながら、他の実施形態では、フィルタ材料の複数のシートは、プリーツ加工された化学フィルタ材料の連続シートから形成される。このような構成では、複数のフィルタ材料シート710各々の第三の縁部716及び第四の縁部718は、フィルタ材料の1つのシートをフィルタ材料の隣接するシートから分離する折り目とすることができる。
[0110]この例では、流路層は省略されているが、いくつかの他の実施形態では、複数の流路層が、フィルタ材料710の隣接するシート間に配置されてよい。流路層は、含まれる場合、上記流路層と一致し得るが、本実施形態では、1つの縁部でフィルタコア732に結合され、フィルタコア732から半径方向外側に延在する。
[0111]複数のフィルタ材料シートの各々の第四の縁部718は、フィルタ要素700の外周境界を形成する。様々な実施形態では、フィルタ要素700は、フィルタ要素700の外側境界の周りの流体の流れを遮断して、流体の流れをフィルタ材料のシート710を横切って第一の縁部712から第二の縁部714に向けるハウジングによって受け入れられるように構成される。ある実施形態では、ハウジングは、ハウジングへの挿入時に、複数のフィルタ材料シートの各々が屈曲して第三の縁部716と第四の縁部718との間に曲面を形成するように、複数のフィルタ材料シートの各々の第四の縁部718を変位させるようにサイズ決定される。
【0038】
濾過アセンブリ
[0112]本明細書に開示される技術と一致する濾過アセンブリは、上記の複数の化学フィルタ要素を組み込むことができる。フィルタ要素は、一般に、濾過流路に沿って直列に配置される。各化学フィルタ要素は、その意図された動作環境内の特定の化学種を標的とするように構成することができる。ある実施形態では、アセンブリ内の各化学フィルタ要素は、アセンブリ内の他の化学フィルタ要素とは異なる化学種を標的とするように構成される。ある実施形態では、アセンブリ内の化学フィルタ要素の各々は、異なるタイプの化学フィルタ材料で構成されるが、各化学フィルタ要素が、アセンブリ内の他の化学フィルタ要素とは異なる細孔径分布及び/又は異なる化学処理を有する化学フィルタ材料を有することを意味する。
[0113]図8は、本明細書に開示される技術と一致する例示的なフィルタアセンブリである。フィルタアセンブリ800にはハウジング850がある。ハウジング850は、入口852及び出口854を画定する。複数の化学フィルタ要素810a~eがハウジング850内に配置されている。フィルタ要素810a~eは、入口852から出口854への流体の流れに対して直列に配置される。間隔領域860a~dは、連続した隣接するフィルタ要素810a~eの間にある。
[0114]化学フィルタ要素810a~eは各々、図1図7を参照して本明細書に記載された化学フィルタ要素と一致し得る。したがって、各化学フィルタ要素810a~eには、第一の縁部及び第二の縁部があるシートとして構成された化学フィルタ材料があってよく、各化学フィルタ要素はシートの表面に平行に延在する濾過流路を画定し、濾過流路は第一の縁部から第二の縁部まで延在する。第一の縁部及び第二の縁部は図8では必ずしも特に見えないが、第一の縁部は、各フィルタ要素810a~eの第一の流れ面802a~eを画定し、第二の縁部は、フィルタ要素810a~eの第二の流れ面804a~eを画定する。
[0115]この図では見えないが、複数のフィルタ要素810a~eの1つ以上には、上述のように、濾過流路を画定する流路層があってよい。このような流路層は、上述のように、第一の縁部と第二の縁部との間でフィルタ材料のシートの表面に当接してもよい。さらに、化学フィルタ要素810a~eのうちの1つ以上は、化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックから構成されてもよく、濾過流路は、スタック内の隣接する層の間に画定される。そのような例示的な構成は、図1図2図5及び図6を参照して上記で説明される。ある実施形態では、フィルタ要素には、第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックがあってよく、各流路層は、図1図5、及び図6を参照して上記のように、スタック内の第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置され、それらの層に当接する。
[0116]複数のフィルタ要素810a~eの1つ以上には、図4を参照して上記のように、中心軸の周りにコイル状構成で配置されたフィルタ材料のシートがあってよい。当該フィルタ要素810a~eには、中心軸の周りにコイル状の構成である流路層があってよい。当該フィルタ要素810a~eには、第一の縁部と第二の縁部との間に延在するシートによって画定されるエンボスがあってよい。複数のフィルタ要素810a~eのうちの1つ以上には、シートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴があるフィルタ材料のシートがあってよい。
[0117]複数のフィルタ要素810a~eの1つ以上には、図7を参照して上記のようにフィルタコアから半径方向外側に延在するように配置されたフィルタ材料の複数のシートがあってよい。当該フィルタ要素810a~eには流路層があってよい。当該フィルタ要素810a~eには、第一の縁部と第二の縁部との間に延在するシートによって画定されるエンボスがあってよい。複数のフィルタ要素810a~eの1つ以上には、シートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴があるフィルタ材料のシートがあってよい。
【0039】
[0118]様々な実施形態では、フィルタアセンブリは、フィルタ要素810a~eの各々の流れ面の周りにシールを形成して、濾過される流体が各フィルタ要素を通って延びる流路を迂回するのを防止するように構成される。シールは、例えば、各流れ面に隣接するか又は当接する位置でフィルタ要素とフィルタハウジング850の内面との間に配置されたガスケットであってよい。ある実施形態では、個々のフィルタ要素810a~eは各々、各フィルタ要素810a~eにフィルタアセンブリハウジング850に挿入されるように構成された要素ハウジングがあるように、別々に収容され得る。要素ハウジングは、第一の流れ面から第二の流れ面までフィルタ要素810a~eを通る流路を画定し、流体がフィルタ要素のフィルタ材料を迂回するのを防止できる。このような例では、フィルタ要素ハウジングとフィルタアセンブリハウジング850との間にシールを画定することができる。
[0119]複数の化学フィルタ要素810a~eのうちの1つ以上は、吸着フィルタ要素であってよい。ある実施形態では、化学フィルタ要素の少なくとも1つは、化学吸着被覆基板である。
【0040】
[0120]ある実施形態では、1つ以上の化学フィルタ要素には、塩基でコーティングされた非吸着基材などの酸性ガスフィルタ材料がある。一例では、1つ以上の化学フィルタ要素は塩基を含浸させた吸着剤を含む。例示的な実施形態では、第一の化学フィルタ要素810aには、塩基を含浸させた吸着剤がある。ある実施形態では、酸性ガスフィルタ材料があるフィルタ要素は、フィルタアセンブリ内の最上流位置にある。このような構成により、有利には、酸性ガスがアセンブリ内の後続のフィルタ要素と負に相互作用して、例えば後続のフィルタ要素の分解を促進する前に、流体流から酸性ガスを中和及び/又は除去することができる。
【0041】
[0121]ある実施形態では、1つ以上の化学フィルタ要素は、酸被覆非吸着基材又は酸含浸吸着剤等のアンモニアフィルタ材料を含む。例示的な実施形態では、複数の化学フィルタ要素810a~eのうちの第二の化学フィルタ要素810b酸含浸吸着剤を備える。酸含浸吸着剤は、例えばクエン酸であってよい。この例では、アンモニアフィルタ材料があるフィルタ要素は、酸性ガスフィルタ材料があるフィルタ要素の下流に配置される。アンモニアは、様々な化学フィルタ材料の不活性化に寄与できるが、ある実施形態では、アンモニアは酸性ガスほどフィルタアセンブリに対して腐食性ではない。
[0122]アンモニアフィルタ要素を酸性ガスフィルタ要素の下流に配置すると、有利には、捕捉されたアンモニアが、酸性ガスフィルタ材料を有するフィルタ要素を出た後に流体流中に残留し得る様々な酸性種(例えば、CO、SOx、NOx、およびHS)を捕捉する機会を提供できる。理論に束縛されないが、アンモニアはクエン酸中のHと結合してNH を形成した後、酸性アニオンと反応して二次中和剤として作用できる。その結果、アンモニアフィルタ材料がアンモニアで飽和され、さらなる酸種化学吸着剤として作用できるため、アンモニアフィルタ要素は、経時的に酸性ガス除去を有利に示すことができる。
【0042】
[0123]ある実施形態では、1つ以上の化学フィルタ要素は、アルカンフィルタ材料を含む。化学フィルタ要素は、流体流からブタンを除去するように特に適合されてよい。例示的な実施形態では、複数のフィルタ要素810a~810eのうちの第三の化学フィルタ要素210cには、アルカンフィルタ材料がある。ある実施形態では、第三の化学フィルタ要素810cは、第二の化学フィルタ要素810bの下流にある。
【0043】
[0124]ある実施形態では、複数の化学フィルタ要素810a~eの1つ以上には、シロキサンフィルタ材料がある。一実施例では、複数の化学フィルタ要素810a~810eの第四の化学フィルタ要素210dにはシロキサンフィルタ材料がある。ある実施形態では、シロキサンフィルタ要素は、酸性ガスフィルタ要素、アンモニアフィルタ要素、及びアルカンフィルタ要素の下流にある。この例では、第四のフィルタ要素810dは、第三のフィルタ要素810cの下流に配置される。
【0044】
[0125]ある実施形態では、複数の化学フィルタ要素810a~eの1つ以上にはVOCフィルタ材料がある。一実施例では、複数の化学フィルタ要素810a~eの第五の化学フィルタ要素810eにはVOCフィルタ材料がある。ある実施形態では、VOCフィルタ要素は、酸性ガスフィルタ要素、アンモニアフィルタ要素、及びアルカンフィルタ要素の下流にある。ある実施形態では、VOCフィルタ要素はシロキサンフィルタ要素の下流にある。いくつかの他の実施形態では、シロキサンフィルタ要素はVOCフィルタ要素の下流にある。この例では、第五の化学フィルタ要素810eは第四の化学フィルタ要素810dの下流にある。
[0126]この例では、フィルタアセンブリ800には5つの化学フィルタ要素810a~eがあるが、より少ない化学フィルタ要素又はより多くのフィルタ要素をアセンブリ800に組み込むことができる。
【0045】
[0127]間隔領域860a~dは、隣接する化学フィルタ要素810a~eの間に画定され得る。間隔領域860a~dは、上流の化学フィルタ要素(第一の化学フィルタ要素810aなど)から下流の化学フィルタ要素(第二の化学フィルタ要素810bなど)への流路を画定する。間隔領域860a~dは、ハウジング入口852からハウジング出口854までの濾過流路830に沿った圧力降下を有利に低減できる。間隔領域860a~dは、有利には、ガス混合を促進することができ、これにより、化学フィルタ材料への汚染物質の曝露を高めることができる。ある実施形態では、間隔領域860a~dは、塩基含浸吸着剤が酸含浸又は酸洗浄吸着剤に隣接して配置される場合などに、1つ以上の化学フィルタ要素810a~eが隣接する化学フィルタ要素810a~eと反応することを有利に防止することができる。間隔領域860a~dは、隣接する化学フィルタ要素810a~e間の化学薬品の移動を有利に防止することができる。ある実施形態では、フィルタアセンブリには、少なくとも2つの隣接する化学フィルタ要素810a~eの間に間隔領域がない。
【0046】
[0128]ある実施形態では、粒子フィルタ870a~dは、間隔領域860a~d内に配置される。化学フィルタ要素810a~eのうちの1つ以上の下流。粒子フィルタ870a~dは各々、有利には、化学フィルタ要素810a~eによって脱落したあらゆる粒子を捕捉するように構成されてよい。粒子フィルタ870a~dには、一般に、流体が粒子フィルタ870a~dのフィルタ媒体のシートを通って流れるフロースルー構成がある。したがって、流路は、粒子フィルタ870a~dを各々通って延在する。ある実施形態では、アセンブリ800は、間隔領域に配置された粒子フィルタ870a~dを省略する。ある実施形態では、粒子フィルタ870eは、ハウジング出口854に隣接して濾過流路830を横切って配置される。このような粒子フィルタ870eは、出口854に、又は出口854と直列の最後の化学フィルタ要素(この例では第五の化学フィルタ要素810e)との間に配置されてよい。ある実施形態では、粒子フィルタは、最上流の化学フィルタ要素(ここでは、第一の化学フィルタ要素810a)の上流のハウジング850内に配置される。
【0047】
[0129]ある実施形態では、粒子フィルタ要素の1つ以上は、吸着剤又は化学反応性繊維等の化学濾過構成要素を組み込む。他の実施形態では、粒子フィルタ要素の各々には、化学濾過構成要素がない。
[0130]フィルタアセンブリ800の濾過流路830の長さは、少なくとも、複数のフィルタ要素810a~eの各々の流路長と、各間隔領域860a~d(含まれる場合)の長さと、直列の最後のフィルタ要素804eと下流の粒子フィルタ870e(含まれる場合)との間の距離との合計に対応する。フィルタアセンブリ800の入口852から出口854までの濾過流路830の長さは、特に限定されず、一般に、必要な流体流量でのアセンブリ全体にわたる望ましい圧力降下と濾過効率とのバランスであり得る。様々な実施形態では、フィルタアセンブリ800の入口852から出口854までの濾過流路830の長さは、少なくとも20cmである。様々な実施形態では、フィルタアセンブリ800の入口852から出口854までの濾過流路830の長さは、1500cm、1000cm、500cm、又は100cm未満である。ある実施形態では、フィルタアセンブリ800の入口852から出口854までの濾過流路830の長さは、40~60cmの範囲である。1つの特定の例では、フィルタアセンブリ800の入口852から出口854までの濾過流路830の長さは50cmである。
【0048】
例示的な濾過アセンブリ
[0131]実施形態1:フィルタアセンブリであって
[0132]ハウジング;
[0133]第一の縁部及び第二の縁部がある第一の化学フィルタ材料の第一のシートを含む第一の化学フィルタ要素であって、ここで、第一の濾過流路が前記第一のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する;並びに
[0134]第一の縁部及び第二の縁部がある第二の化学フィルタ材料の第二のシートを含む第二の化学フィルタ要素であって、ここで、第二の濾過流路が前記第二のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在し、ここで、前記第一の化学フィルタ要素及び前記第二の化学フィルタ要素が前記ハウジング内に配置され、前記第二の化学フィルタ要素が前記第一の化学フィルタ要素の下流に配置される;フィルタアセンブリ。
【0049】
[0135]実施形態2:前記第一の化学フィルタ要素と前記第二の化学フィルタ要素との間に、さらに、間隔領域を備え、ここで、前記間隔領域は、前記第一の化学フィルタ要素から前記第二の化学フィルタ要素への流路を画定する、実施形態1及び3~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0050】
[0136]実施形態3:さらに、前記間隔領域に配置された粒子フィルタを備え、ここで、前記粒子フィルタは粒子濾過媒体を備え、前記粒子濾過媒体を通って前記流路が延在する、実施形態1、2及び4~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0051】
[0137]実施形態4:前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一のシートを含む前記第一の化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックを備え、前記第一の濾過流路は、前記スタック内の隣接する層の間に画定される、実施形態1~3及び5~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0052】
[0138]実施形態5:前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックを備え、ここで、前記流路層の各々は、前記スタック内の前記第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置され、かつ、前記第一の化学フィルタ材料のシートの層に当接する、実施形態1~4及び6~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0053】
[0139]実施形態6:前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートは、中心軸の周りにコイル状に構成される、実施形態1~5及び7~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0054】
[0140]実施形態7:前記第一の化学フィルタ要素は、さらに、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートに当接する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の濾過流路を画定し、かつ、中心軸の周りにコイル状に構成される、実施形態1~6及び8~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0141]実施形態8:前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間に延在するエンボスがある、実施形態1~7及び9~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0142]実施形態9:前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートには、前記第一の化学フィルタ材料の前記第一のシートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴がある、実施形態1~8及び10~22のうちいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0055】
[0143]実施形態10:第三の化学フィルタ要素が、第一の縁部及び第二の縁部がある第三の化学フィルタ材料の第三のシートを含み、ここで、第三の濾過流路が、前記第三のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する、実施形態1~9及び11~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0144]実施形態11:さらに、前記第二の化学フィルタ要素から前記第三の化学フィルタ要素への流路を画定する間隔領域を備える、実施形態1~10及び12~22のいずれか1つのフィルタアセンブリ。
[0145]実施形態12:第一の化学フィルタ要素は、塩基を含浸させた吸着剤を含む、実施形態1~11及び13~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0146]実施形態13:第一の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含む、実施形態1~12及び14~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0147]実施形態14:第二の化学フィルタ材料は、酸含浸吸着剤を含む、実施形態1~13及び15~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0148]実施形態15:第二の化学フィルタ材料は、塩基を含浸させた吸着剤を含む、実施形態1~14および16~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0149]実施形態16:前記第一の縁部は前記化学フィルタ材料の第一のシートの前記第二の縁部の反対側にある、実施形態1~15及び17~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0056】
[0150]実施形態17:第四の化学フィルタ要素が、第一の縁部及び第二の縁部がある第四の化学フィルタ材料の第四のシートを含み、ここで、第四の濾過流路が、第四のシートの表面に平行に画定され、かつ、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する、実施形態1~16及び18~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0151]実施形態18:さらに、第三の化学フィルタ要素から第四の化学フィルタ要素への流路を画定する間隔領域を備える、実施形態1~17及び19~22のいずれか1つのフィルタアセンブリ。
[0152]実施形態19:第四の化学フィルタ材料は、メソ多孔性吸着剤を含む、実施形態1~18及び20~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0057】
[0153]実施形態20:さらに、第一の縁部及び第二の縁部がある第五の化学フィルタ材料の第五のシートを含む第五の化学フィルタ要素を含み、ここで、第五の濾過流路が、第五のシートの表面に平行に画定され、かつ、第一の縁部から第二の縁部まで延在する、実施形態1~19及び21~22のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0154]実施形態21:さらに、第四の化学フィルタ要素から第五の化学フィルタ要素への流路を画定する間隔領域を備える、実施形態1~20及び22のいずれか1つのフィルタアセンブリ。
[0155]実施形態22:第一の化学フィルタ材料は、化学吸着被覆基板を含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0058】
[0156]実施形態23:フィルタアセンブリであって
[0157]入口及び出口を画定するハウジング;
[0158]前記入口から前記出口への流体の流れに対して直列に配置された前記ハウジング内の複数の化学フィルタ要素;かつ、
[0159]一連の隣接する前記フィルタ要素間の間隔領域;を含む、フィルタアセンブリ。
[0160]実施形態24:化学フィルタ要素は各々、第一の縁部及び第二の縁部があるシートとして構成された化学フィルタ材料を含み、かつ、前記シートの表面に平行に延在する濾過流路を画定し、ここで、前記濾過流路は、前記第一の縁部から前記第二の縁部まで延在する、実施形態23及び25~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0161]実施形態25:複数の前記化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、前記濾過流路を画定する流路層を備え、ここで、前記流路層は、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間で前記シートの前記表面に当接する、実施形態23~24及び26~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0162]実施形態26:複数の前記化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、化学フィルタ材料のシートの複数の層のスタックを備え、ここで、濾過流路は、前記スタック内の隣接する層の間に画定される、実施形態23~25及び27~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0163]実施形態27:複数の前記化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、第一の濾過流路を画定する複数の流路層のスタックをさらに備え、ここで、流路層は各々、スタック内の第一の化学フィルタ材料のシートの層の間に配置されてそれらの層に当接する、実施形態23~26及び28~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0164]実施形態28:第一の化学フィルタ材料のシートは、中心軸の周りにコイル状に構成される、実施形態23~27及び29~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0165]実施形態29:シートには、前記第一の縁部と前記第二の縁部との間に延在するエンボスがある、実施形態23~28及び30~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0166]実施形態30:第一の化学フィルタ材料のシートには、前記シートを完全に貫通して延びる1つ以上の穴がある、実施形態23~29及び31~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0167]実施形態31:1つ以上の前記化学フィルタ要素が吸着フィルタ要素である、実施形態23~30及び32~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0168]実施形態32:化学前記化学フィルタ要素の少なくとも1つが、化学吸着被覆基板を含む、実施形態23~31及び33~40のいずれか1つのフィルタアセンブリ。
[0169]実施形態33:前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、塩基を含浸させた吸着剤を含む、実施形態23~32及び34~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0170]実施形態34:前記複数の化学フィルタ要素のうちの第二の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある、実施形態23~33及び35~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0171]実施形態35:前記複数の化学フィルタ要素のうちの第一の化学フィルタ要素は、酸含浸吸着剤を含む、実施形態23~34及び36~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0172]実施形態36:第二の化学フィルタ要素が、塩基を含浸させた吸着剤を含み、かつ、前記第一の化学フィルタ要素の下流にある、実施形態23~35及び37~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0173]実施形態37:前記複数の化学フィルタ要素は、さらに、前記第二の化学フィルタ要素の下流に第三の化学フィルタ要素を備える、実施形態23~36及び38~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0174]実施形態38:前記複数の化学フィルタ要素は、さらに、メソ多孔性吸着剤を含む第四の化学フィルタ要素を含み、ここで、前記第四の化学フィルタ要素は、前記第三の化学フィルタ要素の下流にある、実施形態23~37及び39~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0175]実施形態39:前記複数の化学フィルタ要素は、さらに、前記第四の化学フィルタ要素の下流に第五の化学フィルタ要素を備える、実施形態23~38及び40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0176]実施形態40:前記第一の縁部は、前記化学フィルタ材料の前記第一のシートの前記第二の縁部の反対側にある、実施形態23~39のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0059】
[0177]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「構成された」は、特定のタスクを実行するか、又は特定の構成を採用するように構築されたシステム、装置、又は他の構造を説明することにも留意されたい。当該用語「構成された」は、「配置された」、「構築された」、「製造された」などの類似の用語と交換可能に用いられうる。
[0178]本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本技術が属する技術分野における通常の技術のレベルを示す。全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参照により示されているのと同程度に、参照により本明細書に援用される。本出願の開示と、参照により本明細書に援用されるいかなる文書の開示との間に何らかの不一致が存在する場合、本出願の開示が優先する。
[0179]本出願は、本主題の適応又は変形を包含することを意図する。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図され、特許請求の範囲は、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されないことを理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】