(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】光分割方法および関連デバイス
(51)【国際特許分類】
F21S 43/251 20180101AFI20241106BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241106BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20241106BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20241106BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20241106BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20241106BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241106BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241106BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20241106BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241106BHJP
【FI】
F21S43/251
F21V23/00 140
F21V8/00 200
F21S41/19
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y113:10
F21Y115:10
F21Y115:30
F21W102:00
F21W103:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523782
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022103251
(87)【国際公開番号】W WO2023071274
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111280767.0
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ビーン
(72)【発明者】
【氏名】イエン,ユインフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,ジーヨーン
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
本出願は、光分割方法を提供する。本方法は車両に適用され得る。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスを含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。車両内の制御デバイスは、発光命令を取得することであって、発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、取得することと、各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てることとを行い得る。このようにして、光源が適切に使用され、光源の利用率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御デバイスに適用される光分割方法であって、前記制御デバイスは車両に位置し、前記車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに備え、前記光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって前記集中光源に接続され、前記方法は、
発光命令を取得するステップであって、前記発光命令は、前記少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、ステップと、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて、前記集中光源によって出射される光を割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記車両は、第1の光分割デバイスをさらに備え、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて、前記集中光源によって出射される光を割り当てる前記ステップは、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて前記第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、前記赤色光、前記緑色光、および前記青色光は、前記集中光源から出射されるときに別々に伝送され、前記発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送し、
前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて前記第1の光分割デバイスの分割比を決定する前記ステップは、
前記第1の光パワーおよび前記色情報に基づいて、それぞれ前記赤色光、前記緑色光、および前記青色光に対する前記第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、前記第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続され、
前記方法は、
前記ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、前記ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップと、
前記第3の光パワーに基づいて前記第1の光分割デバイスの前記分割比を決定するステップ、および/または前記集中光源の光パワーを決定するステップと
をさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを備え、前記第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、前記第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、
前記方法は、
前記第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、前記第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、前記第1の光分割デバイスの前記分割比を更新するステップ
をさらに含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の光パワーに基づいて前記集中光源の前記光パワーを決定するステップであって、前記集中光源の前記光パワーは、前記ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップと、
前記集中光源の前記光パワーに基づいて光を出射するように前記集中光源を制御するステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
制御デバイスであって、前記制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令とを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記命令を実行する、制御デバイス。
【請求項8】
コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
光分割システムであって、前記光分割システムは制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、光分割システム。
【請求項10】
前記光分割システムは、少なくとも2つの光出射デバイスをさらに備え、前記光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される、請求項9に記載の光分割システム。
【請求項11】
対応するターゲット光出射デバイス上の前記光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、前記光導波路端部構造は、前記対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する、請求項10に記載の光分割システム。
【請求項12】
少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、前記光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて前記側面から光を出射するようにする、請求項11に記載の光分割システム。
【請求項13】
前記ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを備え、前記表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、前記表示パネルに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路は、前記面光タイプに基づいて曲げられ、前記表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される、請求項12に記載の光分割システム。
【請求項14】
少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、前記対応するターゲット光出射デバイスの前記ターゲット光タイプに対応する、請求項11に記載の光分割システム。
【請求項15】
前記ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを備え、前記投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、前記投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である、請求項14に記載の光分割システム。
【請求項16】
前記ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、前記ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、前記第1の光コアの屈折率および前記第2の光コアの屈折率は、前記ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する、請求項14に記載の光分割システム。
【請求項17】
前記光出射デバイスは、前記車両内のディスプレイデバイスおよび/または照明器具を備える、請求項9から16のいずれか一項に記載の光分割システム。
【請求項18】
請求項9から17のいずれか一項に記載の光分割システムを備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年10月29日に中国国家知識産権局に出願された「LIGHT SPLITTING METHOD AND RELATED DEVICE」と題する中国特許出願第202111280767.0号の優先権を主張するものである。
【0002】
[技術分野]
本出願は、光分割技術の分野に関し、具体的には、光分割方法および関連するデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
光源は、ディスプレイデバイスおよび照明器具などの様々なデバイスにおいて広く使用されている。現在、各デバイスには通常、独立した光源が設けられている。車両などの複雑なハードウェアシステムには、通常、光を出射する必要があるデバイスが大量に存在する。その結果、これらのハードウェアシステム内の光源は大空間を占め、光源の利用率は高くない。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、光源を適切に使用し、光源の利用率を向上させるための光分割方法を提供する。本出願は、対応する装置、コンピュータデバイス、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品などをさらに提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願は、制御デバイスに適用される光分割方法を提供する。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源(centralized light)を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイス(device to emit light)をさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。本方法は、発光命令を取得するステップであって、発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイス(target device to emit light)によって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、ステップと、各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てるステップとを含む。
【0006】
第1の態様において、光分割方法は、ドライビングツールなどの複雑なハードウェアシステムに適用され得る。ドライビングツールは、車両、船舶、飛行機、鉄道列車などであり得る。光出射デバイスは、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具であり得る。制御デバイスは、集中光源からターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光分割デバイス、光結合デバイス、および光スイッチなどの構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素のオンまたはオフを制御し、分割比などのパラメータを調整して、集中光源によって出射された光を割り当て得る。
【0007】
上記から、第1の態様では、集中光源は、要件に基づいて、光分割システム内の少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つまたは複数に光エネルギーを供給し、それによって、車両または他のハードウェアシステム内の光源の量が減少し、光源の空間要件および放熱要件が低減され、使用される光源の利用率が向上することができることが分かる。加えて、集中光源によって出射される光は、第1の光パワーに基づいて割り当てられ得、これにより、集中光源によって出射される光を実際のシナリオ要件に基づいて柔軟に割り当てることができ、光出射デバイスに伝送される光が光出射デバイスの発光要件を満たすことができる。
【0008】
第1の態様の可能な実装形態では、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てる前述のステップは、各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップを含む。
【0009】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよいし、複数の光スプリッタを含んでもよい。第1の光分割デバイスに含まれる光スプリッタにおいて、少なくとも1つの光スプリッタは、調整可能な分割比を有する光スプリッタである。光出射デバイスに対応する第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光パワーに基づいて決定され、集中光源からの光エネルギーは、光出射デバイスに伝送されるターゲット光エネルギーが光出射デバイスの光出射要件を満たすことができるように、実際のシナリオ要件に基づいて、第1の光分割デバイスを使用することによって柔軟に割り当てられ得る。
【0010】
第1の態様の可能な実装形態では、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定する前述のステップは、第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップを含む。
【0011】
この可能な実装形態では、赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比はそれぞれ、各ターゲット光出射デバイスが受光する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比であってもよい。第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよく、この1つの光スプリッタの出力ポートは、光出射デバイスの赤色光、緑色光、または青色光に対応する。代替的に、第1の光分割デバイスは、複数の光スプリッタを含んでもよく、この複数の光スプリッタは、複数の光出射デバイスと1対1の対応関係にあってもよい。
【0012】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスは、集中光源によって出射された光をターゲット光出射デバイスに割り当てる方式を制御するためだけでなく、赤色光、緑色光、および青色光にそれぞれ対応する分割比を調整することによって、ターゲット光出射デバイスが受光する光の色を制御するためにも使用され得、それによって、制御効率が大幅に向上し、波長変換装置の使用が減り、ハードウェアコストが削減されることが分かる。
【0013】
第1の態様の可能な実装形態では、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。光分割方法は、ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップと、第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ、および/または集中光源の光パワーを決定するステップとをさらに含む。
【0014】
この可能な実装形態では、第2の光分割デバイスの分割比は固定値である。このようにして、任意の第2の光分割デバイスに対応するターゲット光出射デバイスが受光する光のパワーの、第2の光分割デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーに対する比は、固定値である。したがって、この可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーは、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値を決定し、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値が対応するターゲット光出射デバイスの要件を満たすかどうかを判定するために使用され得る。
【0015】
通常、第2の光分割デバイスは、より多くの光エネルギーを対応するターゲット光出射デバイスに割り当て、より少ない光エネルギーを対応する光パワーメータに割り当てる。例えば、ターゲット光出射デバイスに対応する第2の光分割デバイスの第2の分割比は1:99である。このようにして、光の大部分は、発光のために対応するターゲット光出射デバイスに伝送され得、光のわずかな部分のみが、検出のために対応する光パワーメータに伝送され、それによって、光エネルギーの浪費を回避する。
【0016】
第1の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。光分割方法は、第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新するステップをさらに含む。
【0017】
この可能な実装形態では、予め設定された比閾値は通常小さい。例えば、予め設定された比閾値は、0.2、0.1、または0.05であり得る。このようにして、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーが、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーよりも明らかに小さいことを示す。
【0018】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光を再割り当てするために、第2の光出射デバイスの第1の光パワーおよび第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて更新され得る。このケースでは、再割り当ての前後で、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光の和は変化しないままであり得る。このようにして、集中光源の光パワーも変わらないままであり得、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新される必要がある。ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは変化するが、実際の制御プロセスでは、第1の光分割デバイスの分割比のみを調整すればよく、集中光源の光パワーを調整する必要がないことが分かる。したがって、制御手順が最適化され、集中光源の光パワーが頻繁に調整されることが回避され、集中光源の耐用年数が延長される。
【0019】
第1の態様の可能な実装形態では、光分割方法は、第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定するステップであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップと、集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御するステップとをさらに含む。
【0020】
この可能な実装形態では、集中光源の光パワーは、第1の光パワーに基づいて適切に決定され得、それによって、ターゲット光出射デバイスの要件を満たしつつリソースの浪費が回避される。
【0021】
第2の態様によれば、本出願は、光分割装置を提供する。本装置は、制御デバイスに適用され得る。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。光分割装置は、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実装するための機能を有する。機能は、ハードウェアによって実装されてもよいし、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つまたは複数のモジュール、例えば、取得モジュールおよび割当てモジュールを含む。
【0022】
第3の態様によれば、本出願は制御デバイスを提供する。制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インターフェースと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータ実行可能命令とを含む。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0023】
第4の態様によれば、本出願は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0024】
第5の態様によれば、本出願は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0025】
第6の態様によれば、本出願は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態における機能を実装する際に制御デバイスをサポートするように構成されたプロセッサを含む。可能な設計では、チップシステムは、メモリをさらに含み得る。メモリは、制御デバイスに必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリートデバイスとを含んでもよい。
【0026】
第7の態様によれば、本出願は、光分割システムを提供する。光分割システムは、制御デバイスを含み、制御デバイスは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実装するように構成される。
【0027】
第7の態様の可能な実装形態では、光分割システムは、少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0028】
第7の態様の可能な実装形態では、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0029】
この可能な実装形態では、任意のターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプは、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプを指す。ターゲット光タイプは、ターゲット光タイプの形態(面光タイプ、線光タイプ、または点光タイプなど)、形状(矩形、円形、三角形、扇形、または台形など)、ターゲット光タイプのサイズ(幅、長さ、または直径など)、ターゲット光タイプ内の光強度分布などのうちの少なくとも1つを使用することによって記述され得る。光導波路端部構造の具体的な形態は、対応する光出射デバイスの要件に基づいて柔軟に調整され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利かつ柔軟に生成される。このようにして、光出射デバイスの異なる光タイプの要件のために、光出射デバイス内に様々な異なる光成形デバイスを構成すること、例えば、導光板、光均一板、および別の光タイプ変換デバイスを構成する必要がなくなり、それによって、ハードウェアコストを大幅に削減する。
【0030】
第7の態様の可能な実装形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて側面から光を出射するようにする。
【0031】
この可能な実装形態では、いくつかの適用シナリオにおけるターゲット光タイプの要件を満たすために、光ファイバー端部構造内の光ファイバーの側面のクラッドを事前に切断し、光ファイバー端部構造内の光コア内の光が光ファイバーの側面の光透過領域から出射することができるようにする。クラッドを切断して形成された光透過領域は、透明材料で覆われていてもよい。透明材料は、適宜クラッドを切断することによって露出される光コアを保護するためのものであり得る。光透過領域の面積および形状は、ターゲット光タイプに基づいて柔軟に決定され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利にかつ柔軟に生成され得る。
【0032】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、表示パネルに対応する光導波路端部構造において、光導波路は、面光タイプに基づいて曲げられ、表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される。
【0033】
この可能な実装形態では、光導波路端部構造は、複数の光導波路部に曲げられて屈曲順序で順次配置される配置方式で、または多層の円もしくは矩形のフレームに曲げられる配置方式で、ターゲット発光領域に配置されて、面光タイプを形成し得る。
【0034】
第7の態様の可能な実装形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0035】
この可能な実装形態では、光コアの中心軸に垂直な表面が光コアの断面である。光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応することは、光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプと同じまたは類似していることであり、これにより、対応するターゲット光出射デバイス上の光コアの一端を使用して光を出射するとき、光コアの断面の形状に基づいて、対応するターゲット光タイプを形成することができる。
【0036】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを含み、投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である。
【0037】
この可能な実装形態では、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスであり得る。投影デバイスには、通常、点光タイプが使用され、点光タイプの具体的な形態は、矩形光タイプである。したがって、この可能な実装形態では、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形であり、これにより、光が投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの端部部分に伝送されるとき、光は光コアの端部部分を使用することによって出射され、矩形光タイプを形成する。
【0038】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、第1の光コアの屈折率および第2の光コアの屈折率は、ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する。
【0039】
この可能な実装形態では、ヘッドランプのターゲット光タイプの上部の光強度は強く、下部の光強度は弱い。ヘッドランプのターゲット光タイプの要件に基づいて、第1の光コアは、第2の光コアの上方に位置し、第1の光コアの屈折率は、第2の光コアの屈折率よりも大きい。このように、第1の光コアによって出力される光の光強度は、第2の光コアによって出力される光の光強度よりも大きいので、ヘッドランプの光導波路端部構造は、光強度が上から下へ徐々に弱まる光タイプを出射することができる。光タイプは、ヘッドランプのターゲット光タイプと同じまたは類似していてもよく、それによって、ヘッドランプにおけるいくつかの光成形デバイスの使用を減らす。
【0040】
第7の態様の可能な実装形態では、光出射デバイスは、車両内のディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含む。
【0041】
この可能な実装形態では、ディスプレイデバイスは、表示パネルおよび/または投影デバイスを含み得る。表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0042】
第8の態様によれば、本出願は車両を提供する。車両は、第7の態様または第7の態様の任意の可能な実装形態による光分割システムを含む。
【0043】
第2の態様から第6の態様または第2の態様から第6の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果については、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。第8の態様によってもたらされる技術的効果については、第7の態様または第7の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細はここでは改めて説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本出願の一実施形態による車両の例示的な機能ブロック図である。
【
図2】本出願の一実施形態による光分割方法の実施形態の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による集中光源の例示的な概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。
【
図5a】本出願の一実施形態による第1の光分割デバイスの例示的な概略図である。
【
図5b】本出願の一実施形態による第1の光分割デバイスの別の例示的な概略図である。
【
図6a】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式の概略図である。
【
図6b】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式の別の概略図である。
【
図6c】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式のさらに別の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による光分割装置の実施形態の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による制御デバイスの構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による光分割システムの構造の概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による光ファイバーの構造の例示的な概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の光透過領域の例示的な概略図である。
【
図13a】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の例示的な概略図である。
【
図13b】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の別の例示的な概略図である。
【
図13c】本出願の一実施形態による光導波路端部構造のさらに別の例示的な概略図である。
【
図13d】本出願の一実施形態による光導波路端部構造のさらに別の例示的な概略図である。
【
図14a】本出願の一実施形態による、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の例示的な概略図である。
【
図14b】本出願の一実施形態による、ヘッドランプのターゲット光タイプの光強度分布の例示的な概略図である。
【
図14c】本出願の一実施形態によるヘッドランプに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の例示的な概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による車両の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、添付図面を参照して、本出願の実施形態を詳細に説明する。説明される実施形態は、本出願の実施形態のすべてではなく一部にすぎないことは明らかである。当業者は、技術が進化し、新しいシナリオが出現するにつれて、本出願の実施形態において提供される技術的解決策が同様の技術的問題にも適用可能であることを認識し得る。
【0046】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1の」、「第2の」などの用語は、同様の物体を区別することを意図するものであり、必ずしも特定の順序またはシーケンスを示すとは限らない。そのように使用されるデータは、適切な場合には交換可能であり、これにより、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で図示または説明される順序以外の順序で実装することができることを理解されたい。加えて、「含む(include)」および「有する(have)」などの用語ならびにそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。例えば、ステップまたはユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、必ずしもそれらの明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0047】
本出願の実施形態は、光源を適切に使用し、光源の利用率を向上させるための光分割方法を提供する。本出願の実施形態は、対応する装置、コンピュータデバイス、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品などをさらに提供する。詳細については、別途後述する。
【0048】
本出願の一実施形態において提供される光分割方法は、車両、船舶、飛行機、または鉄道列車などの複雑なハードウェアシステムに適用され得る。
【0049】
以下では、本発明の実施形態が適用された車両について説明するが、
図1に示すように、
図1は、本出願による車両の実施形態の機能ブロック図である。一実施形態では、車両100は、完全自動運転モードまたは部分自動運転モードになるように構成される。例えば、車両100は、自動運転モードで自身を制御し得、さらに、手動操作によって車両および周囲環境の現在の状態を決定し、周囲環境における少なくとも1つの別の車両の可能な挙動を決定し、その別の車両が可能な挙動を行う可能性に対応する信頼レベルを決定し得る。車両100は、決定された情報に基づいて制御される。車両100が自動運転モードにあるとき、車両100は、人と対話することなく動作し得る。車両100は様々なシステムを含み得、各システムは複数の構成要素を含み得る。加えて、車両100のすべてのシステムおよび要素は、有線または無線で互いに接続され得る。
【0050】
この実施形態において示される車両は、センサシステム120を含み、センサシステム120は、車両100の周囲環境に関する情報を感知するいくつかのセンサを含み得る。例えば、センサシステム120は、測位システム121(測位システムは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)システムであってもよいし、COMPASSシステム、もしくは別の測位システムであってもよい)、慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)122、レーダ123、レーザ距離計124、およびカメラ125を含み得る。センサシステム120はさらに、監視対象の車両100の内部システムのセンサ(例えば、車内空気質モニタ、燃料計、油温計など)を含んでもよい。これらのセンサのうちの1つまたは複数からのセンサデータを使用して、物体および物体の対応する特徴(位置、形状、方向、速度など)を検出することができる。このような検出および認識は、自動運転車両100の安全運転のための重要な機能である。測位システム121は、車両100の地理的位置を推定するように構成され得る。IMU122は、慣性加速度に基づいて車両100の位置および向きの変化を感知するように構成される。一実施形態では、IMU122は、加速度計とジャイロスコープとの組合せであり得る。レーダ123は、無線信号を使用することによって車両100の周囲環境内の物体を感知する。いくつかの実施形態では、物体を感知することに加えて、レーダ123は、物体の速度および/または前方方向を感知するようにさらに構成され得る。レーダ123の具体的なタイプは、この実施形態では限定されない。例えば、レーダ123は、ミリ波レーダまたはレーザレーダであり得る。レーザ距離計124は、レーザを使用することによって、車両100が位置する環境内の物体を感知し得る。いくつかの実施形態では、レーザ距離計124は、1つまたは複数のレーザ源、レーザスキャナ、1つまたは複数の検出器、および他のシステム構成要素を含み得る。カメラ125は、車両100の周囲環境の複数の画像を取り込むように構成され得る。カメラ125は、静的カメラ、ビデオカメラ、単眼/双眼カメラ、または赤外線撮像装置であり得る。
【0051】
車両100は、先進運転支援システム(advanced driving assistance system、ADAS)110をさらに含む。車両の運転プロセスにおいて、ADAS110は、周囲環境を随時感知し、データを収集し、静的物体および動的物体の識別、検出、および追跡を行い、ナビゲーションマップデータに基づいてシステムコンピューティングおよび分析を実行する。このようにして、運転者は、潜在的なリスクを事前に認識することができ、それによって、車両運転の快適性および安全性を効果的に向上させる。例えば、ADAS110は、感知システム120によって取得されたデータに基づいて車両を制御し得る。別の例として、ADAS110は、車載機データに基づいて車両を制御してもよい。車載機データは、車両のダッシュボードのメインデータ(燃料消費量、モータ回転数、温度など)、車両速度に関する情報、ステアリングホイールの回転角に関する情報、車体の姿勢データなどであり得る。
【0052】
ADAS110は、以下の方式のうちの1つまたは複数で車両を制御し得る。
【0053】
ADAS110は、車両100の前方方向を調整する。ADAS110は、車両のエンジンの動作速度を制御して車両100の速度を制御する。ADAS110は、カメラ125によって取り込まれた画像を操作して、車両100の周囲環境内の物体および/または特徴を認識する。いくつかの実施形態では、ADAS110は、環境のマッピング、物体の追跡、物体の速度の推定などを行うように構成され得る。ADAS110は、車両100の走行経路を決定する。いくつかの実施形態では、ADAS110は、感知システム120からの1つまたは複数の所定のマップデータを参照して車両100の走行経路を決定し得る。ADAS110は、車両100の環境内の潜在的な障害物を認識し、評価し、回避するか、または別の方式で潜在的な障害物を横断し得る。
【0054】
車両100は、周辺デバイス130を使用することによって、外部センサ、別の車両、別のコンピュータシステム、またはユーザと対話する。周辺デバイス130は、ワイヤレス通信システム131、車載コンピュータ132、マイクロフォン133、および/またはラウドスピーカ134を含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、周辺デバイス130は、車両100のユーザがユーザインターフェースと対話するための手段を提供する。例えば、車載コンピュータ132は、車両100のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェースはさらに、ユーザ入力を受信するように車載コンピュータ132を操作し得る。車載コンピュータ132は、タッチスクリーンを使用することによって操作され得る。別のケースでは、周辺デバイス130は、車両100が車両に位置する別のデバイスと通信するための手段を提供し得る。例えば、マイクロフォン133は、車両100のユーザから音声(例えば、音声コマンドまたは別の音声入力)を受信し得る。同様に、ラウドスピーカ134は、車両100のユーザに音声を出力し得る。
【0056】
ワイヤレス通信システム131は、直接または通信ネットワークを介して1つまたは複数のデバイスとワイヤレス通信を実行し得る。例えば、ワイヤレス通信システム131は、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、グローバルシステムフォーモービルコミュニケーションズ(global system for mobile communications、GSM)、および汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)などの第3世代(3rd-generation、3G)モバイル通信技術をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131は、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)などの第4世代モバイル通信技術(4th generation mobile communication technology、4G)をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131はさらに、第5世代モバイル通信技術(5th generation mobile communication technology、5G)をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)を通信に使用し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤレス通信システム131は、赤外線リンク、Bluetooth(登録商標)、またはジグビープロトコル(ZigBee)を使用することによってデバイスと直接通信し得る。ワイヤレス通信システム131は、様々な車両通信システムをさらに使用し得る。例えば、ワイヤレス通信システム131は、1つまたは複数の専用短距離通信(dedicated short-range communications、DSRC)デバイスを含み得、これらのデバイスは、車両および/または路側局間のパブリックおよび/またはプライベートデータ通信を含み得る。
【0057】
車両100の機能のうちの一部またはすべては、コンピュータシステム140によって制御される。コンピュータシステム140は、様々なシステム(感知システム120、ADAS110、周辺デバイス130など)およびユーザインターフェースから受信された入力に基づいて車両100の機能を制御し得る。コンピュータシステム140は、少なくとも1つのプロセッサ141を含み得、このプロセッサ141は、メモリ142などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する。コンピュータシステム140は、代替的に、車両100の個々の構成要素またはサブシステムを分散方式で制御する複数のコンピューティングデバイスであってもよい。
【0058】
プロセッサ141のタイプは、この実施形態において限定されない。例えば、プロセッサ141は、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate arrays、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(system on chip、SoC)、中央処理装置(central processor unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、別の集積チップ、または前述のチップもしくはプロセッサの任意の組合せであり得る。プロセッサ141は、車両の内部に位置してもよいし、プロセッサ141は、車両から遠く離れて位置し、車両とワイヤレス通信を実行してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、メモリ142は、命令(例えば、プログラムロジック)を含み得、命令は、車両100の様々な機能を実行するためにプロセッサ141によって実行され得る。命令に加えて、メモリ142は、データ、例えば、マップデータ、ルート情報、車両の位置、方向、および速度、ならびに別の車両のデータをさらに記憶し得る。メモリ142に記憶された情報は、車両100が自律モード、半自律モード、および/または手動モードで動作しているときに、車両100およびコンピュータシステム140によって使用され得る。
【0060】
この実施形態において示される車両100は、少なくとも2つの光出射デバイス150(
図1には、2つの光出射デバイスのうちの1つのみが例として示されている)と、集中光源160とをさらに含む。光出射デバイス150は、車両100内のディスプレイデバイスまたは照明器具であり得る。ディスプレイデバイスは、表示パネルおよび/または投影デバイスであり得、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、運転者の運転を支援するための車両内のインジケータ、または乗客に促すためのインジケータであり得る
集中光源160は、少なくとも2つの光出射デバイスに光エネルギーを供給するように構成される。車両100は、制御デバイスを使用することによって、集中光源によって出射された光を割り当て得、これにより、現在光を出射する必要があるデバイスを出射する各デバイスは、光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得する。制御デバイスは、
図1に示されるコンピュータシステム140に位置してもよいし、コンピュータシステム140以外の車両100内の別のコンピューティングデバイスであってもよい。この実施形態において示される少なくとも2つの光出射デバイス150および集中光源160は、車両に適用されるだけでなく、船舶、飛行機、鉄道列車などのドライビングツールにも適用され得る。
【0061】
以下では、実施形態を参照して、現在光を出射する必要がある各光出射デバイスが、光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得することを可能にするために集中光源によって出射された光を割り当てるプロセスについて説明する。
【0062】
本出願の実施形態において提供される光分割方法の一実施形態は、車両などのドライビングツールの制御デバイスに適用され得る。車両が一例として使用される。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0063】
光出射デバイスは、光を出射する必要があるデバイスであり、光出射デバイスは、光源を含まなくてもよい。
【0064】
光導波路(optical waveguide)は、光導波路内を伝送する光波を導波する誘電体であり、誘電体光導波路とも呼ばれる。光導波路は、複数の形態であってもよい。例えば、光導波路は、平面光導波路、ストリップ光導波路、または円筒形光導波路であってもよい。円筒形光導波路は、一般に、光ファイバー(optical fiber)と呼ばれ、略して光ファイバーと呼ばれる。
【0065】
図2に示すように、この実施形態は、以下のステップを含む。
【0066】
201:発光命令を取得する。
【0067】
発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する。
【0068】
発光命令は、複数の方式で生成され得る。発光命令は、制御デバイスによって生成されてもよいし、制御デバイス以外の別のデバイスによってワイヤード通信方式またはワイヤレス通信方式によって制御デバイスに送信されてもよい。発光命令は、ユーザ操作に基づいて生成されるようにトリガされてもよいし、車両上のカメラもしくは別のセンサによって検出されたデータに基づいて制御デバイスもしくは別のデバイスによって自動的に生成されてもよい。
【0069】
例えば、一例では、運転者は、音声を車載コンピュータに入力すること、指定された制御ジェスチャを実行すること、車両上の指定された物理ボタンをタップすること、または車載コンピュータのタッチスクリーン上の指定された仮想ボタンをタップすることによって、発光命令を生成するように制御デバイスをトリガし得る。別の例では、制御デバイスは、先進運転支援システム(advanced driving assistance system、ADAS)である。車載カメラによって撮影された環境画像を取得した後、ADASは、環境画像に基づいて、車両に対応する環境輝度が予め設定された輝度閾値未満であると判定し、指定された車両用灯具に関する発光命令を生成して、照明のために車両用灯具を点灯するように車両をトリガする。ターゲット光出射デバイスは、発光命令に対応する時間に、またはその時間に対応する期間に光を出射する必要がある光出射デバイスと見なされ得る。
【0070】
本出願のこの実施形態では、各ターゲット光出射デバイスは、1つの発光命令と1対1の対応関係にあり得、または、1つの発光命令は、複数のターゲット光出射デバイスによってそれぞれ必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送し得る。ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは固定され得る。例えば、ターゲット光出射デバイスがヘッドランプである場合、ヘッドランプによって必要とされる第1の光パワーは、事前に固定され得る。照明のためにヘッドランプを点灯させるようにトリガするためのユーザによるトリガ操作を検出した後、車両は、ヘッドランプに対応する第1の光パワーに関する予め記憶された情報を照会して、ヘッドランプに対応する発光命令を生成し得る。代替的に、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは、適用シナリオに基づいて変化してもよい。例えば、ターゲット光出射デバイスが車載コンピュータの表示パネルである場合、ユーザが車載コンピュータのディスプレイインターフェースの表示輝度を調整すると、車載コンピュータは、ユーザによって選択された表示輝度に基づいて、車載コンピュータの表示パネルに対応する発光命令を生成し、発光命令を制御デバイスに送信するようにトリガされ得る。発光命令は、車載コンピュータの表示パネルに対応する第1の光パワーに関する情報を搬送し、車載コンピュータの表示パネルに対応する第1の光パワーは、ユーザによって選択された表示輝度に基づいて決定される。
【0071】
202:各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てる。
【0072】
集中光源は、複数の光出射デバイスに同時に光エネルギーを供給することができる。集中光源は、車両内に配置され得る。例えば、集中光源は、車両のシャーシまたは車両内の空間に位置してもよいし、車両のトランクまたはエンジンブロックなどの広い空間のある場所に位置してもよい。通常、光源は、追加の放熱装置を必要とする。それぞれ光出射デバイスに光エネルギーを供給するために独立した光源を配置する方式と比較して、本出願のこの実施形態では、集中光源を車両内に配置して複数の光出射デバイスに光エネルギーを供給する場合、集中光源の放熱方式および体積の制約が少なくなり、それによって、空間およびハードウェアコストを節約し、車両のより柔軟な設計および生産を容易にする。
【0073】
集中光源の具体的なタイプは、本出願のこの実施形態では限定されない。例えば、集中光源は、ハロゲンランプ、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、レーザ、超高圧水銀ランプ、またはキセノンランプであってもよい。一例では、集中光源は、レーザとして設定される。このようにして、集中光源によって出射された光は、十分に集中されたものであり、光導波路によって便利に受光および伝送されることができ、それによって、光伝送中の大きな光損失を回避する。
【0074】
光出射デバイスが同時に光を出射する必要があるときに、集中光源がロバストな光エネルギーを供給することができるように、集中光源の最大光パワーは、光出射デバイスの最大光パワーと光損失とに基づいて決定され得る。光損失は、集中光源、光分割デバイス、光導波路、および光出射デバイスの光伝送、受光、ビーム結合、およびビーム分割などのプロセスにおける光の損失を含み得る。加えて、いくつかの例では、さらに、光出射デバイスに対応する過去の使用期間および過去の使用期間に対応する光パワーに関する情報についての統計が事前に収集され得、次いで、事前に収集された情報に基づいて、過去の使用プロセスにおいて同時に光を出射する少なくとも2つの光出射デバイスの光パワーの和の最大値が決定され、最大値に基づいて、集中光源の最大光パワーが決定される。
【0075】
集中光源は、単色光源(例えば、青色光源)であってもよいし、多色光源(例えば、赤緑青(red green blue、RGB)三色光源)であってもよい。
【0076】
集中光源が多色光源である場合、集中光源によって生成される複数の異なる色の光は、組み合わされてから、光導波路を使用することによって各ターゲット光出射デバイスに割り当てられてもよい。
【0077】
集中光源が単色光源であるか、または集中光源が多色光源であるが、集中光源によって生成された多色光が組み合わされてから、光導波路を使用することによって各ターゲット光出射デバイスに割り当てられる場合、集中光源によって各光出射デバイスに割り当てられる光は、単一波長の光、言い換えると、単色光であると見なされ得る。このようにして、光出射デバイスが存在し、光出射デバイスによって必要とされる光の波長が集中光源によって出射される光の波長と異なる場合、光出射デバイスに伝送される光に対して波長変換を実行するために、光出射デバイスに対応する波長変換装置が使用され得る。波長変換装置の具体的なタイプは、ここでは限定されない。例えば、波長変換装置は、蛍光材料を使用することによって波長変換を実行してもよいし、光-電気変換原理に基づいて波長変換を実行してもよい。
【0078】
いくつかの例では、
図3に示すように、集中光源の信頼性を向上させるために、集中光源は、第1の光源と、少なくとも1つの第2の光源と、光スイッチとを含み得る。第1の光源は通常使用される光源であり、第2の光源は第1の光源の予備の光源である。第2の光源の数は、ここでは限定されず、例えば、第1の光源の耐用年数および故障頻度率などに基づいて決定され得る。実際の適用シナリオでは、第1の光源が故障していることを検出した場合、制御デバイスは、光スイッチを使用することによって、利用可能な第2の光源に切り替えて、集中光源が正常に光を出射することを確実にし、それによって、集中光源の信頼性を向上させ得る。
【0079】
本出願のこの実施形態では、制御デバイスは、集中光源からターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光分割デバイス、光結合デバイス、および光スイッチなどの構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素のオンまたはオフを制御し、分割比などのパラメータを調整して、集中光源によって出射された光を割り当て得る。
【0080】
本出願のこの実施形態では、集中光源は、要件に基づいて、光分割システム内の少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つまたは複数に光エネルギーを供給し、それによって、車両または他のハードウェアシステム内の光源の量が減少し、光源の空間要件および放熱要件が低減され、使用される光源の利用率が向上することができることが分かる。加えて、集中光源によって出射される光は、第1の光パワーに基づいて割り当てられ得、これにより、集中光源によって出射される光を実際のシナリオ要件に基づいて柔軟に割り当てることができ、光出射デバイスに伝送される光が光出射デバイスの発光要件を満たすことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、光出射デバイスは、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含み得る。
【0082】
ディスプレイデバイスは、投影デバイスおよび/または表示パネルを含み得る。
【0083】
表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0084】
照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0085】
異なるシナリオ要件に基づいて、集中光源を使用して、車両または他のハードウェアシステム内の複数のタイプの光出射デバイスに光エネルギーを供給し得ることが分かる。
【0086】
いくつかの実施形態では、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。
【0087】
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、集中光源によって出射された光が第1の光パワーに関する情報に基づいて割り当てられることは、以下を含む:
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0088】
図4は、本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。第1の光分割デバイス42は、集中光源と各光出射デバイスとの間の光伝送経路に位置し得る。このように、各光導波路に割り当てられる集中光源43によって出射される光の一部は、第1の光分割デバイス42の分割比を決定することによって決定され得る。
【0089】
第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよいし、複数の光スプリッタを含んでもよい。光スプリッタは、光学スプリッタ、光ビームスプリッタ、光パワースプリッタなどと呼ばれることもあり、入力ポートから入力された光を特定の比率にしたがって複数の部分に分割し、次いで、光の複数の部分を複数の出力ポートからそれぞれ出力するデバイスである。第1の光分割デバイスに含まれる光スプリッタにおいて、少なくとも1つの光スプリッタの分割比は調整可能である。調整可能な分割比を有する光スプリッタは、電気光学効果、音響光学効果、磁気光学効果、または熱光学効果の原理に基づいて設計され得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。調整可能な分割比を有する光スプリッタの分割比の調整可能な範囲は、実際の適用シナリオの要件に基づいて選択され得る。例えば、いくつかの例では、光スプリッタの分割比は、[0,1]の範囲内で調整され得る。いくつかのシナリオでは、光スプリッタは、光スプリッタに対応する光出射デバイスの光スイッチとして使用され得る。
【0090】
光分割デバイスにおける光スプリッタは、複数の形態で配置され得る。
【0091】
例えば、
図5aは、第1の光分割デバイスの例示的な概略図である。
【0092】
第1の光分割デバイスは、光スプリッタ511である。集中光源501は、光スプリッタ511の入力ポートに対応する。各光出射デバイス(例えば、
図5aの光出射デバイス521、光出射デバイス522、および光出射デバイス523)は、光スプリッタ511の出力ポートに対応し、異なる光出射デバイスは、異なる出力ポートに対応する。現在のターゲット光出射デバイスが光出射デバイス521および光出射デバイス522である場合、光スプリッタ511の入力ポートが集中光源501によって出射された光を受光した後、光出射デバイス521および光出射デバイス522にそれぞれ対応する出力ポートによって出力される光エネルギーの値は、光出射デバイス521および光出射デバイス522によってそれぞれ必要とされる第1の光パワーに関する情報に基づき得、すなわち、出力ポートに対する光スプリッタ511の分割比が決定され得る。
【0093】
別の例として、
図5bは、第1の光分割デバイスの別の例示的な概略図である。第1の光分割デバイスは、マルチレベル光スプリッタを含み得る。光スプリッタ512は、第1のレベルの光分割デバイスとして使用され、光スプリッタ513および光スプリッタ514は、第2のレベルの光分割デバイスであり、光スプリッタ515および光スプリッタ516は、第3のレベルの光分割デバイスとして使用される。光分割デバイス513の出力ポートは、光スプリッタ515および光スプリッタ516にそれぞれ対応する。光スプリッタ515の2つの出力ポートは、車両内の左ヘッドランプ531および右ヘッドランプ532にそれぞれ対応する。光スプリッタ516の2つの出力ポートは、車両内の左テールランプ533および右テールランプ534にそれぞれ対応する。光分割デバイス514の出力ポートは、車両内のディスプレイデバイス541およびディスプレイデバイス542にそれぞれ対応する。
【0094】
光スプリッタ512、光スプリッタ513、および光スプリッタ514の分割比は調整可能である。光スプリッタ515および光スプリッタ516の分割比は、1:1に固定されている。
【0095】
本出願のこの実施形態では、光出射デバイスに対応する第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光パワーに基づいて決定され、集中光源からの光エネルギーは、光出射デバイスに伝送されるターゲット光エネルギーが光出射デバイスの光出射要件を満たすことができるように、実際のシナリオ要件に基づいて、第1の光分割デバイスを使用することによって柔軟に割り当てられ得ることが分かる。
【0096】
任意選択で、集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式は、以下のうちの1つであり得る:
【0097】
1.一実施形態では、
図6aに示すように、集中光源61は、赤色、緑色、および青色という3色の光を出射し得、3色の光は、光多重化構成要素601および光結合デバイス602を使用することによって白色光へと組み合わされる。光多重化構成要素601は、集中光源61によって出射された3色の光を集光することができ、光結合デバイス602は、集光された3色の光を組み合わせて白色光を取得し得る。
【0098】
ターゲット光出射デバイス611によって必要とされる光の色が、光結合デバイス602によって出力される白色光の色と同じである場合、ターゲット光出射デバイス611は、受光した白色光に基づいて光を出射することができる。
【0099】
ターゲット光出射デバイス612がカラー投影を実行する必要がある場合、ターゲット光出射デバイス612に対応する光デマルチプレクサ621が、受光した光を逆多重化して、赤色光、緑色光、および青色光を取得し得、これにより、ターゲット光出射デバイス612は、後続の投影表示のために別々に独立した必要な3色光を取得し得る。
【0100】
ターゲット光出射デバイス613によって必要とされる光の色が、光結合デバイス602によって出力される白色光の色と異なる場合、ターゲット光出射デバイス613は、対応する波長変換装置622を使用することによって、受光した白色光に対して波長変換を実行して、その色がターゲット光出射デバイス613によって必要とされる色である光を取得し得る。
【0101】
2.一実施形態では、
図6bに示すように、集中光源62は青色光を出射し得、各ターゲット光出射デバイス(例えば、図中のターゲット光出射デバイス614およびターゲット光出射デバイス615)は、対応するターゲット光出射デバイスによって取得される光の色がそれぞれの光色要件を満たすように、それぞれの対応する蛍光材料を使用することによって受光した光の色を調整し得る。
【0102】
3.一実施形態では、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。
【0103】
第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定する前述のステップは、以下を含む:
第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ。
【0104】
この実施形態では、赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比はそれぞれ、各ターゲット光出射デバイスが受光する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比であってもよい。各ターゲット光出射デバイスによってそれぞれ受光される赤色光、緑色光、および青色光の分割比の設定を容易にするために、第1の光分割デバイスは、複数の光スプリッタを含んでもよく、この複数の光スプリッタは、複数の光出射デバイスと1対1の対応関係にあってもよい。代替的に、第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよく、この1つの光スプリッタの出力ポートは、光出射デバイスの赤色光、緑色光、または青色光に対応する。
【0105】
以下では、
図6cを例として使用してこの実施形態を説明する。
【0106】
図6cに示すように、一例では、集中光源63は、赤色光、緑色光、および青色光という3つのタイプの光を出射し得、集中光源63から出射された後、これらの3つのタイプの光は、異なる光導波路を使用することによって別々に独立して伝送される。
【0107】
ターゲット光出射デバイス616によって必要とされる光は白色光であり、ターゲット光出射デバイス616によって受光される赤色光、緑色光、および青色光が必要な白色光へと組み合わされるように、ターゲット光出射デバイス616に対応する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイス605の分割比は1:1:1である。
【0108】
ターゲット光出射デバイス617によって必要とされる光は黄色光であり、赤色光および緑色光を組み合わせることによって得られる黄色光をターゲット光出射デバイス617が取得することができるように、ターゲット光出射デバイス617に対応する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイス605の分割比は1:1:0である。
【0109】
本出願のこの実施形態では、第1の光分割デバイスは、集中光源によって出射された光をターゲット光出射デバイスに割り当てる方式を制御するためだけでなく、赤色光、緑色光、および青色光にそれぞれ対応する分割比を調整することによって、ターゲット光出射デバイスが受光する光の色を制御するためにも使用され得、それによって、制御効率が大幅に向上し、波長変換装置の使用が減り、ハードウェアコストが削減されることが分かる。
【0110】
いくつかの実施形態では、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。
【0111】
この方法は、以下をさらに含む:
ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップ、および
第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ、および/または集中光源の光パワーを決定するステップ。
【0112】
本出願のこの実施形態では、各光出射デバイスは、光導波路を使用することによって、対応する第2の光分割デバイスに接続され、各第2の光分割デバイスは、光導波路を使用することによって、対応する光パワーメータに接続される。
【0113】
第2の光分割デバイスの分割比は固定値である。このようにして、任意の第2の光分割デバイスに対応する光出射デバイスが受光する光のパワーの、第2の光分割デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーに対する比は、固定値である。したがって、本出願のこの実施形態では、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーは、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値を決定し、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値が対応するターゲット光出射デバイスの要件を満たすかどうかを判定するために使用され得る。
【0114】
通常、第2の光分割デバイスは、より多くの光エネルギーを対応するターゲット光出射デバイスに割り当て、より少ない光エネルギーを対応する光パワーメータに割り当てる。このようにして、光の大部分は、発光のために対応するターゲット光出射デバイスに伝送され得、光のわずかな部分のみが、検出のために対応する光パワーメータに伝送され、それによって、光リソースの浪費を回避する。
【0115】
例えば、ターゲット光出射デバイスに対応する第2の光分割デバイスの第2の分割比が1:99である場合、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーの、ターゲット光出射デバイスによって受光される光の光パワーに対する比は1:99である。
【0116】
図7は、本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。光出射デバイス731および光出射デバイス732は各々が、第2の光分割デバイスおよび光パワーメータに対応し、光出射デバイス731および光出射デバイス732にそれぞれ対応する第2の光分割デバイスの分割比は、両方とも1:99である。
【0117】
本出願のこの実施形態では、第2の光分割デバイスに接続された光パワーメータによって検出された第3の光パワーは、ターゲット光出射デバイスによって受光された光に関するフィードバック情報として使用され得、これにより、制御デバイスは、第2の光分割デバイスおよび光パワーメータを使用することによって、各ターゲット光出射デバイスによって受光された光が各ターゲット光出射デバイスの要件を満たすことができるかどうかを効果的に監視し、偏差が発生したときに適時に調整を実行することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。
【0119】
この方法は、以下をさらに含む:
第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新するステップ。
【0120】
本出願のこの実施形態では、予め設定された比閾値は通常小さい。例えば、予め設定された比閾値は、0.2、0.1、または0.05であり得る。このようにして、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーが、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーよりも明らかに小さいことを示す。
【0121】
予め設定された比閾値は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスの光強度の精度に関するユーザ要件に基づいて予め設定され得る。
【0122】
例えば、第1の光出射デバイスは、車両内の車載コンピュータの表示パネルであり、第2の光出射デバイスは、車両内のヘッドランプである。実際の使用プロセスでは、ユーザは通常、5%の範囲内のヘッドランプの光強度の変動変化を感知することができないので、予め設定された比閾値は5%に設定されてもよい。一例では、車載コンピュータの表示パネルに対応する最大光パワーが200ミリワット(mW)であり、ヘッドランプの最大光パワーが5ワット(W)である場合、表示パネルによって必要とされる最大光パワーは、ヘッドランプの最大光パワーの5%未満である。車載コンピュータの表示パネルおよびヘッドランプは、光導波路を使用することによって第1の光分割デバイスに別々に接続される。このケースでは、表示パネルは、本出願のこの実施形態では、第1の光出射デバイスとして使用され得、ヘッドランプは、本出願のこの実施形態では、第2の光出射デバイスとして使用され得る。
【0123】
本出願のこの実施形態では、第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光を再割り当てするために、第2の光出射デバイスの第1の光パワーおよび第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて更新され得る。このケースでは、再割り当ての前後で、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光の和は変化しないままであり得る。このようにして、集中光源の光パワーも変わらないままであり得、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新される必要がある。
【0124】
例えば、一例では、ターゲット光出射デバイスは、車載コンピュータの表示パネルおよび車両のヘッドランプである。第1の光出射デバイスは、車載コンピュータの表示パネルであり、第2の光出射デバイスはヘッドランプである。
【0125】
車載コンピュータを使用するプロセスにおいて、ユーザは、表示パネルの輝度を調整するための指示命令を入力して、表示パネルに対応する第1の光パワーを更新させ得る。代替的に、車載コンピュータは、現在の時間または現在の環境輝度に基づいて、表示パネルの輝度を調整するための指示命令を自動的に生成して、表示パネルに対応する第1の光パワーを更新させてもよい。しかしながら、表示パネルに対応する第1の光パワーが更新されたことを制御デバイスが検出した場合、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新されてもよく、表示パネルに対応する第1の光パワーの更新に基づいて集中光源の光パワーを対応して調整する必要はない。例えば、更新前、表示パネルに対応する第1の光パワーが200mWであり、ヘッドランプの第1の光パワーが4800mWであり、集中光源の総パワーが5000mWである場合、表示パネルに対する分割比は4%であり、ヘッドランプに対する分割比は96%である。
【0126】
表示パネルに対応する第1の光パワーが200mWから250mWに更新されたことが検出された場合、第1の光分割デバイスの分割比が更新され、これにより、表示パネルに対する分割比が5%に更新され、光導波路を使用することによって表示パネルによって取得される光の光エネルギーの値は250mWに変化し、光導波路を使用することによってヘッドランプによって取得される光の光エネルギーの値は4500mWに変化する。このケースでは、ヘッドランプに対する分割比は95%に更新され、集中光源の総パワー5000mWは変更されない。しかしながら、4800mWから4500mWへのヘッドランプの光パワーの変化は、ユーザが裸眼で知覚することはできない。そのため、ヘッドランプの使用効果に影響を与えない。
【0127】
本出願のこの実施形態では、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは変化するが、実際の制御プロセスでは、第1の光分割デバイスの分割比のみを調整すればよく、集中光源の光パワーを調整する必要がないが分かる。したがって、制御手順が最適化され、集中光源の光パワーが頻繁に調整されることが回避され、集中光源の耐用年数が延長される。
【0128】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下をさらに含む:
第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定するステップであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップ、および
集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御するステップ。
【0129】
本出願のこの実施形態では、集中光源の光パワーは、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報に基づいて決定され得る。集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である。加えて、伝送および光分割を含むプロセスにおける集中光源から各ターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光の損失が、各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失としてさらに決定され得る。各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失が取得された後、集中光源の光パワーは、各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失と、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報とに基づいて決定され得る。
【0130】
例えば、ターゲット光出射デバイスaの第1の光パワーが300mWであり、ターゲット光出射デバイスbの第1の光パワーが1200mWであり、ターゲット光出射デバイスaに対応する光損失が10%であり、ターゲット光出射デバイスbに対応する光損失が5%である場合、集中光源の光パワーは、次のようになり得る:
300*(1+0.1)+1200*(1+0.05)=1590(mW)
【0131】
集中光源の光パワーは、第1の光パワーに基づいて適切に決定され得、それによって、ターゲット光出射デバイスの要件を満たしつつリソースの浪費が回避されることが分かる。
【0132】
上記では、本出願の実施形態におけるいくつかの態様から光分割方法について説明している。以下では、添付図面を参照して、本出願の光分割装置について説明する。
【0133】
図8に示すように、本出願の実施形態は、光分割装置800を提供する。光分割装置800は、制御デバイスに適用され得る。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0134】
光分割装置800の一実施形態は、以下を含む:
発光命令を取得するように構成された取得モジュール801であって、発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、取得モジュール810、および
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てるように構成された割当てモジュール802。
【0135】
任意選択で、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。
【0136】
割当てモジュール802は、以下を行うように構成される:
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0137】
任意選択で、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。
【0138】
割当てモジュール802は、以下を行うように構成される:
第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0139】
任意選択で、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。
【0140】
光分割装置800は、第1の決定モジュール803をさらに含む。
【0141】
第1の決定モジュール803は、以下を行うように構成される:
ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得すること、および
第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定し、および/または集中光源の光パワーを決定すること。
【0142】
任意選択で、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。
【0143】
光分割装置800は、第2の決定モジュール804をさらに含む。
【0144】
第2の決定モジュール804は、以下を行うように構成される:
第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新すること。
【0145】
光分割装置800は、制御モジュール805をさらに含む。
【0146】
制御モジュール805は、以下を行うように構成される:
第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定することであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、決定すること、および
集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御すること。
【0147】
図9は、本出願の一実施形態による制御デバイス900の可能な論理構造の概略図である。制御デバイス900は、メモリ901と、プロセッサ902と、通信インターフェース903と、バス904とを有する。メモリ901、プロセッサ902、および通信インターフェース903は、バス904を使用することによって互いへの通信接続を実施する。
【0148】
メモリ901は、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、静的記憶デバイス、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であり得る。メモリ901は、プログラムを記憶し得る。メモリ901に記憶されたプログラムがプロセッサ902によって実行されると、プロセッサ902および通信インターフェース903は、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実行するように構成される。
【0149】
プロセッサ902は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)もしくは別のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せであり得る。プロセッサ902は、関連プログラムを実行して、本出願のこの実施形態における光分割装置の取得モジュール、割当てモジュール、第1の決定モジュール、第2の決定モジュール、および制御モジュールによって実行される必要がある機能を実装するか、または本出願の方法の実施形態における光分割方法の実施形態のステップ201~202などを実行するように構成される。本出願の実施形態を参照して開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサを使用することによって直接実行および達成され得るか、または復号プロセッサ内のハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組合せを使用することによって実行および達成され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなど、当技術分野における成熟した記憶媒体内に位置し得る。記憶媒体は、メモリ901に位置する。プロセッサ902は、メモリ901内の情報を読み取り、プロセッサ902のハードウェアと組み合わせて、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実行する。
【0150】
通信インターフェース903は、制御デバイス900と別のデバイスまたは通信ネットワークとの間の通信を実施するために、送信および受信装置、例えば、限定はしないが、トランシーバを使用する。例えば、分割比に関する情報は、通信インターフェース903を使用することによって第1の光分割デバイスに送信され得る。
【0151】
バス904は、制御デバイス900の構成要素(例えば、メモリ901、プロセッサ902、および通信インターフェース903)の間で情報を転送するための経路を実装し得る。バス904は、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バスまたは拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであり得る。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類され得る。説明を簡単にするために、
図9のバスは、1つのみの太線を使用することによって表されているが、これは、1つのみのバスまたは1つのタイプのバスが存在することを示すものではない。
【0152】
本出願の別の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶する。デバイスのプロセッサがコンピュータ実行可能命令を実行するとき、デバイスは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実行する。
【0153】
本出願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含み、コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。デバイスのプロセッサがコンピュータ実行可能命令を実行するとき、デバイスは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実行する。
【0154】
本出願の別の実施形態では、チップシステムがさらに提供される。チップシステムはプロセッサを含み、プロセッサは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実施するように構成される。可能な設計では、チップシステムは、メモリをさらに含み得る。メモリは、データ書込み装置に必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリートデバイスとを含んでもよい。
【0155】
本出願の別の実施形態では、
図10に示すように、光分割システム1000がさらに提供される。光分割システム1000は、制御デバイス900を含み、制御デバイス900は、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実施するように構成される。
【0156】
いくつかの実施形態では、光分割システム1000は、少なくとも2つの光出射デバイス1001(
図10では一例として1つのみが示されている)をさらに含み、各光出射デバイス1001は、光導波路を使用することによって集中光源1002に接続される。
【0157】
いくつかの実施形態では、光出射デバイス1001は、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含み得る。
【0158】
ディスプレイデバイスは、投影デバイスおよび/または表示パネルを含み得る。
【0159】
表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0160】
照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0161】
異なるシナリオ要件に基づいて、集中光源を使用して、車両または他のハードウェアシステム内の複数のタイプの光出射デバイスに光エネルギーを供給し得ることが分かる。
【0162】
いくつかの実施形態では、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0163】
任意のターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプは、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプを指す。ターゲット光タイプは、ターゲット光タイプの形態(面光タイプ、線光タイプ、または点光タイプなど)、形状(矩形、円形、三角形、扇形、または台形など)、ターゲット光タイプの長さ、ターゲット光タイプのサイズ(幅、長さ、または直径など)、ターゲット光タイプ内の光強度分布などのうちの少なくとも1つを使用することによって記述され得る。
【0164】
光導波路は、光コアおよびクラッドを含み得る。クラッドの光屈折率は、光コアの光屈折率よりも小さい。このようにして、光が適切な角度で光コアを透過するとき、光コアとクラッドとの境界で全反射が形成される。加えて、光導波路は、クラッド、シェル、および他の構造を保護するためのコーティング(例えば、プラスチックコーティング)をさらに含み得る。
【0165】
現在、光ファイバーなどの光導波路は、光導波路の両端から光を入力し、光を出力する。しかしながら、本出願のこの実施形態では、各ターゲット光出射デバイスの光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスにおいて、対応するターゲット光出射デバイスによって必要とされるターゲット光タイプを形成するために使用され得る。光導波路端部構造が光を出射するときに、対応するターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプが形成され得るように、光導波路端部構造内の光導波路の配置方式が設定されてもよく、および/または光導波路端部構造内の光出力位置が設定されてもよい。
【0166】
本出願のこの実施形態では、光導波路端部構造の具体的な形態は、対応する光出射デバイスの要件に基づいて柔軟に調整され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利かつ柔軟に生成されることが分かる。このようにして、光出射デバイスの異なる光タイプの要件のために、光出射デバイス内に様々な異なる光成形デバイスを構成すること、例えば、導光板、光均一板、および別の光タイプ変換デバイスを構成する必要がなくなり、それによって、ハードウェアコストを大幅に削減する。
【0167】
以下では、光導波路端部構造を説明するために、光導波路が光ファイバーである例を使用する。
【0168】
光導波路は光ファイバーであるので、光導波路端部構造は光ファイバー端部構造である。光ファイバーは、光コアおよびクラッドを含み得る。クラッドの光屈折率は、光コアの光屈折率よりも小さい。加えて、光ファイバーは、クラッド、シェル、および他の構造を保護するためのコーティング(例えば、プラスチックコーティング)をさらに含み得る。
【0169】
通常、光ファイバーは円筒形構造である。
図11に示すように、光ファイバー内の光コアの部分であり、クラッドによって包まれていない部分が光ファイバーの両端に別々に位置する。一端は、光を入力するように構成され得、他端は、光を出力するように構成され得る。光ファイバーにおける光コアの両端に対応する2つの端面以外の面は、光ファイバーの側面(side surface)と呼ばれることがある。光ファイバーの側面は、通常、クラッドおよびコーティングによって包まれている。
【0170】
以下では、光導波路端部構造のいくつかの任意選択の構造について説明する。
【0171】
1.いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて側面から光を出射するようにする。
【0172】
本出願のこの実施形態では、いくつかの適用シナリオにおけるターゲット光タイプの要件を満たすために、光ファイバー端部構造内の光ファイバーの側面のクラッドを事前に切断し、光ファイバー端部構造内の光コア内の光が光ファイバーの側面の光透過領域から出射することができるようにする。
【0173】
いくつかの例では、クラッドを切断して形成された光透過領域は、透明材料で覆われていてもよい。透明材料は、適宜クラッドを切断することによって露出される光コアを保護するためのものであり得る。
【0174】
光透過領域の面積および形状は、ターゲット光タイプに基づいて柔軟に決定され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利にかつ柔軟に生成され得る。
【0175】
例えば、光導波路端部構造が表示パネル内のターゲット発光領域内に配置され、表示パネルのバックライト光源として使用される場合、光導波路端部構造は、表示パネルの表示画面に向けて光を出射する必要がある。このケースでは、光透過領域はまた、光導波路端部構造の、ディスプレイ画面に面する側に位置する。
【0176】
別の例として、光導波路端部構造が、光を均一に出射する線光タイプを形成するように構成される場合、光導波路端部構造内の光透過領域は、
図12に示され得る。光導波路の光エネルギーは、対応するターゲット光出射デバイスの一端から遠く離れた位置で大きくなるので、
図12のy軸方向に沿った光透過領域の幅は、端から遠く離れた位置で短くなり、これにより、この位置で光透過領域から出射される光の割合は小さくなる。しかしながら、光導波路の光エネルギーは、対応するターゲット光出射デバイスの一端に近い位置で徐々に減少する。したがって、このケースでは、
図12のy軸方向に沿った光透過領域の幅が長くなるので、この位置で光透過領域から出射される光の割合が大きくなり、それによって、光透過領域全体を通して光導波路端部構造によって出射される光の均一性が確保される。
【0177】
一例では、ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、表示パネルに対応する光導波路端部構造において、光導波路は、面光タイプに基づいて曲げられ、表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される。
【0178】
例えば、
図13aに示すように、光導波路端部構造は、複数の光導波路部に曲げられて屈曲順序で順次配置される配置方式で、矩形のターゲット発光領域に配置されて、面光タイプを形成し得る。代替的に、
図13bに示すように、光導波路端部構造は、面光タイプを形成するために、多層の円などに曲げられる配置方式で、円形のターゲット発光領域に配置されてもよい。光導波路端部構造における光透過領域は、表示パネルの画面に面する側にあり得る。
【0179】
別の例では、ターゲット光出射デバイスは、車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは、面光タイプである。
図13cに示すように、表示パネルに対応する光導波路端部構造は、2つの光導波路を含み、2つの光導波路は、それぞれ、導光板の両側に配置される。加えて、2つの光導波路内の光コアのクラッドは導光板に面する側が切断されて光伝送領域を形成し、これにより、2つの光導波路は、別々に線状光源を形成する。このようにして、2つの光導波路によって形成された線状光源によって出射された光が導光板を通って伝送された後、表示パネルのバックライト光源として使用されるために、面光タイプが形成され得る。
【0180】
さらに別の例では、ターゲット光出射デバイスは、車両内の乗客を促すためのインジケータを含み、インジケータに対応するターゲット光タイプは、線光タイプである。
図13dに示すように、インジケータに対応する光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端から開始して予め設定された長さを有する光導波路部である。光導波路部が線状光源を形成し得るように、光導波路部内の光コアのクラッドを完全に切断してもよい。
【0181】
2.いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0182】
本出願のこの実施形態では、
図11に示すように、光コアの中心軸(すなわち、
図11のx軸)に垂直な表面を光コアの断面として使用する。
【0183】
光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応することは、光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプと同じまたは類似していることであり、これにより、対応するターゲット光出射デバイス上の光コアの一端を使用して光を出射するとき、光コアの断面の形状に基づいて、対応するターゲット光タイプを形成することができる。
【0184】
ターゲット光タイプの要件にしたがって、断面の形状は、長方形、円形、三角形、扇形、または台形などの規則的な形状であってもよいし、不規則な形状であってもよい。
【0185】
任意選択で、一実施形態では、ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを含み、投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である。
【0186】
例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスであり得る。
【0187】
投影デバイスには、通常、点光タイプが使用され、点光タイプの具体的な形態は、矩形光タイプである。
図14aは、投影デバイスに対応する光導波路端部構造における光コアの断面の例示的な概略図である。投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形であり、これにより、光が投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの端部部分に伝送されるとき、光は光コアの端部部分を使用することによって出射され、矩形光タイプを形成する。
【0188】
任意選択で、一実施形態では、ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、第1の光コアの屈折率および第2の光コアの屈折率は、ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する。
【0189】
実際の適用では、GB25991-2010などの規格は、光電性能、光の色、およびヘッドランプの温度サイクルの設定規則を指定する。
【0190】
本出願のこの実施形態では、第1の光コアおよび第2の光コアは、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造に配置され得、第1の光コアおよび第2の光コアの屈折率は異なる。したがって、ヘッドランプの光導波路端部構造に伝送された光は、第1の光コアの端面と第2の光コアの端面とに均一に出力されない。このように、ヘッドランプの光導波路端部構造を使用することによって、勾配光強度を有する光を出力することができる。加えて、ヘッドランプの光導波路端部構造内の第1の光コアおよび第2の光コアの具体的な配置方式がヘッドランプのターゲット光タイプに基づいて決定され得る。
【0191】
図14bは、ヘッドランプのターゲット光タイプの光強度分布の例示的な概略図である。ターゲット光タイプの上部の光強度は強く、下部の光強度は弱い。ヘッドランプのターゲット光タイプの要件に基づいて、
図14cに示すように、第1の光コア1401は、第2の光コア1402の上に配置され得、第1の光コア1401の屈折率は、第2の光コア1402の屈折率よりも大きい。加えて、第1の光コア1401の幅は、代替的に、第2の光コア1402の幅未満であってもよい。このようにして、第1の光コア1401によって出力される光の光強度は第2の光コア1402によって出力される光の光強度よりも大きく、これにより、ヘッドランプの光導波路端部構造は、光強度が上から下へ徐々に弱まる光タイプを出射することができる。光タイプは、ヘッドランプのターゲット光タイプと同じまたは類似していてもよく、それによって、ヘッドランプにおいていくつかの光成形デバイスの使用が減る。
【0192】
本出願の別の実施形態では、
図15に示すように、車両1500がさらに提供される。車両1500は、光分割システム1000を含む。
【0193】
当業者は、本明細書で開示された実施形態において説明されたユニットおよびアルゴリズムステップの例と組み合わせて、本出願が、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せを使用することによって実施され得ることを認識し得る。これらの機能がハードウェアよって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、特定の用途と技術的解決策の設計制約条件とに依存する。当業者は、特定の用途ごとに異なる方法を使用して、説明した機能を実装してもよいが、これらの実装が本出願の実施形態の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0194】
便利で簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者によって明確に理解され得る。詳細はここでは改めて説明しない。
【0195】
本出願の実施形態において提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が別のシステムへと組み合わされたり統合されたりすることもあるし、一部の特徴が無視されたり実行されなかったりすることもある。加えて、表示または議論された相互結合、直接結合、または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実装され得る。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態で実装され得る。
【0196】
別個の部分として説明されるユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであってもなくてもよく、言い換えると、1つの位置に配置されてもよいし、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態における解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0197】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットの各々が物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0198】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本出願の実施形態の技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであり得る)に、本出願の実施形態において説明される方法のステップのすべてまたはいくつかを実行するように命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディクス、または光ディスクのような、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0199】
上記の説明は、本出願の実施形態の特定の実装形態にすぎず、本出願の実施形態の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御デバイスに適用される光分割方法であって、前記制御デバイスは車両に位置し、前記車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに備え、前記光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって前記集中光源に接続され、前記方法は、
発光命令を取得するステップであって、前記発光命令は、前記少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を
示す、ステップと、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて、前記集中光源によって出射される光を割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記車両は、第1の光分割デバイスをさらに備え、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて、前記集中光源によって出射される光を割り当てる前記ステップは、
各ターゲット光出射デバイスが前記光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて前記第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、前記赤色光、前記緑色光、および前記青色光は、前記集中光源から出射されるときに別々に伝送され、前記発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに
示し、
前記第1の光パワーに関する前記情報に基づいて前記第1の光分割デバイスの分割比を決定する前記ステップは、
前記第1の光パワーおよび前記色情報に基づいて、それぞれ前記赤色光、前記緑色光、および前記青色光に対する前記第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、前記第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続され、
前記方法は、
前記ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、前記ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップと、
前記第3の光パワーに基づいて前記第1の光分割デバイスの前記分割比を決定するステップ、および/または前記集中光源の光パワーを決定するステップと
をさらに含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを備え、前記第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、前記第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、
前記方法は、
前記第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、前記第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、前記第1の光分割デバイスの前記分割比を更新するステップ
をさらに含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の光パワーに基づいて前記集中光源の前記光パワーを決定するステップであって、前記集中光源の前記光パワーは、前記ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップと、
前記集中光源の前記光パワーに基づいて光を出射するように前記集中光源を制御するステップと
をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
制御デバイスであって、前記制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令とを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記命令を実行する、制御デバイス。
【請求項8】
コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
光分割システムであって、前記光分割システムは制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、請求項
1に記載の方法を実施するように構成される、光分割システム。
【請求項10】
前記光分割システムは、少なくとも2つの光出射デバイスをさらに備え、前記光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される、請求項9に記載の光分割システム。
【請求項11】
対応するターゲット光出射デバイス上の前記光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、前記光導波路端部構造は、前記対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する、請求項10に記載の光分割システム。
【請求項12】
少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、前記光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて前記側面から光を出射するようにする、請求項11に記載の光分割システム。
【請求項13】
前記ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを備え、前記表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、前記表示パネルに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路は、前記面光タイプに基づいて曲げられ、前記表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される、請求項12に記載の光分割システム。
【請求項14】
少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、前記対応するターゲット光出射デバイスの前記ターゲット光タイプに対応する、請求項11に記載の光分割システム。
【請求項15】
前記ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを備え、前記投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、前記投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である、請求項14に記載の光分割システム。
【請求項16】
前記ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、前記ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、前記光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、前記第1の光コアの屈折率および前記第2の光コアの屈折率は、前記ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する、請求項14に記載の光分割システム。
【請求項17】
前記光出射デバイスは、前記車両内のディスプレイデバイスおよび/または照明器具を備える、請求項9から16のいずれか一項に記載の光分割システム。
【請求項18】
請求項9から
16のいずれか一項に記載の光分割システムを備える車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光分割技術の分野に関し、具体的には、光分割方法および関連するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光源は、ディスプレイデバイスおよび照明器具などの様々なデバイスにおいて広く使用されている。現在、各デバイスには通常、独立した光源が設けられている。車両などの複雑なハードウェアシステムには、通常、光を出射する必要があるデバイスが大量に存在する。その結果、これらのハードウェアシステム内の光源は大空間を占め、光源の利用率は高くない。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、光源を適切に使用し、光源の利用率を向上させるための光分割方法を提供する。本出願は、対応する装置、コンピュータデバイス、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品などをさらに提供する。
【0004】
第1の態様によれば、本出願は、制御デバイスに適用される光分割方法を提供する。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源(centralized light)を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイス(device to emit light)をさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。本方法は、発光命令を取得するステップであって、発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイス(target device to emit light)によって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、ステップと、各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てるステップとを含む。
【0005】
第1の態様において、光分割方法は、ドライビングツールなどの複雑なハードウェアシステムに適用され得る。ドライビングツールは、車両、船舶、飛行機、鉄道列車などであり得る。光出射デバイスは、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具であり得る。制御デバイスは、集中光源からターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光分割デバイス、光結合デバイス、および光スイッチなどの構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素のオンまたはオフを制御し、分割比などのパラメータを調整して、集中光源によって出射された光を割り当て得る。
【0006】
上記から、第1の態様では、集中光源は、要件に基づいて、光分割システム内の少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つまたは複数に光エネルギーを供給し、それによって、車両または他のハードウェアシステム内の光源の量が減少し、光源の空間要件および放熱要件が低減され、使用される光源の利用率が向上することができることが分かる。加えて、集中光源によって出射される光は、第1の光パワーに基づいて割り当てられ得、これにより、集中光源によって出射される光を実際のシナリオ要件に基づいて柔軟に割り当てることができ、光出射デバイスに伝送される光が光出射デバイスの発光要件を満たすことができる。
【0007】
第1の態様の可能な実装形態では、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てる前述のステップは、各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップを含む。
【0008】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよいし、複数の光スプリッタを含んでもよい。第1の光分割デバイスに含まれる光スプリッタにおいて、少なくとも1つの光スプリッタは、調整可能な分割比を有する光スプリッタである。光出射デバイスに対応する第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光パワーに基づいて決定され、集中光源からの光エネルギーは、光出射デバイスに伝送されるターゲット光エネルギーが光出射デバイスの光出射要件を満たすことができるように、実際のシナリオ要件に基づいて、第1の光分割デバイスを使用することによって柔軟に割り当てられ得る。
【0009】
第1の態様の可能な実装形態では、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定する前述のステップは、第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップを含む。
【0010】
この可能な実装形態では、赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比はそれぞれ、各ターゲット光出射デバイスが受光する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比であってもよい。第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよく、この1つの光スプリッタの出力ポートは、光出射デバイスの赤色光、緑色光、または青色光に対応する。代替的に、第1の光分割デバイスは、複数の光スプリッタを含んでもよく、この複数の光スプリッタは、複数の光出射デバイスと1対1の対応関係にあってもよい。
【0011】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスは、集中光源によって出射された光をターゲット光出射デバイスに割り当てる方式を制御するためだけでなく、赤色光、緑色光、および青色光にそれぞれ対応する分割比を調整することによって、ターゲット光出射デバイスが受光する光の色を制御するためにも使用され得、それによって、制御効率が大幅に向上し、波長変換装置の使用が減り、ハードウェアコストが削減されることが分かる。
【0012】
第1の態様の可能な実装形態では、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。光分割方法は、ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップと、第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ、および/または集中光源の光パワーを決定するステップとをさらに含む。
【0013】
この可能な実装形態では、第2の光分割デバイスの分割比は固定値である。このようにして、任意の第2の光分割デバイスに対応するターゲット光出射デバイスが受光する光のパワーの、第2の光分割デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーに対する比は、固定値である。したがって、この可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーは、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値を決定し、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値が対応するターゲット光出射デバイスの要件を満たすかどうかを判定するために使用され得る。
【0014】
通常、第2の光分割デバイスは、より多くの光エネルギーを対応するターゲット光出射デバイスに割り当て、より少ない光エネルギーを対応する光パワーメータに割り当てる。例えば、ターゲット光出射デバイスに対応する第2の光分割デバイスの第2の分割比は1:99である。このようにして、光の大部分は、発光のために対応するターゲット光出射デバイスに伝送され得、光のわずかな部分のみが、検出のために対応する光パワーメータに伝送され、それによって、光エネルギーの浪費を回避する。
【0015】
第1の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。光分割方法は、第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新するステップをさらに含む。
【0016】
この可能な実装形態では、予め設定された比閾値は通常小さい。例えば、予め設定された比閾値は、0.2、0.1、または0.05であり得る。このようにして、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーが、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーよりも明らかに小さいことを示す。
【0017】
この可能な実装形態では、第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光を再割り当てするために、第2の光出射デバイスの第1の光パワーおよび第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて更新され得る。このケースでは、再割り当ての前後で、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光の和は変化しないままであり得る。このようにして、集中光源の光パワーも変わらないままであり得、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新される必要がある。ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは変化するが、実際の制御プロセスでは、第1の光分割デバイスの分割比のみを調整すればよく、集中光源の光パワーを調整する必要がないことが分かる。したがって、制御手順が最適化され、集中光源の光パワーが頻繁に調整されることが回避され、集中光源の耐用年数が延長される。
【0018】
第1の態様の可能な実装形態では、光分割方法は、第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定するステップであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップと、集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御するステップとをさらに含む。
【0019】
この可能な実装形態では、集中光源の光パワーは、第1の光パワーに基づいて適切に決定され得、それによって、ターゲット光出射デバイスの要件を満たしつつリソースの浪費が回避される。
【0020】
第2の態様によれば、本出願は、光分割装置を提供する。本装置は、制御デバイスに適用され得る。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。光分割装置は、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実装するための機能を有する。機能は、ハードウェアによって実装されてもよいし、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つまたは複数のモジュール、例えば、取得モジュールおよび割当てモジュールを含む。
【0021】
第3の態様によれば、本出願は制御デバイスを提供する。制御デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インターフェースと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータ実行可能命令とを含む。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0022】
第4の態様によれば、本出願は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0023】
第5の態様によれば、本出願は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実行する。
【0024】
第6の態様によれば、本出願は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態における機能を実装する際に制御デバイスをサポートするように構成されたプロセッサを含む。可能な設計では、チップシステムは、メモリをさらに含み得る。メモリは、制御デバイスに必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリートデバイスとを含んでもよい。
【0025】
第7の態様によれば、本出願は、光分割システムを提供する。光分割システムは、制御デバイスを含み、制御デバイスは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態による方法を実装するように構成される。
【0026】
第7の態様の可能な実装形態では、光分割システムは、少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0027】
第7の態様の可能な実装形態では、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0028】
この可能な実装形態では、任意のターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプは、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプを指す。ターゲット光タイプは、ターゲット光タイプの形態(面光タイプ、線光タイプ、または点光タイプなど)、形状(矩形、円形、三角形、扇形、または台形など)、ターゲット光タイプのサイズ(幅、長さ、または直径など)、ターゲット光タイプ内の光強度分布などのうちの少なくとも1つを使用することによって記述され得る。光導波路端部構造の具体的な形態は、対応する光出射デバイスの要件に基づいて柔軟に調整され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利かつ柔軟に生成される。このようにして、光出射デバイスの異なる光タイプの要件のために、光出射デバイス内に様々な異なる光成形デバイスを構成すること、例えば、導光板、光均一板、および別の光タイプ変換デバイスを構成する必要がなくなり、それによって、ハードウェアコストを大幅に削減する。
【0029】
第7の態様の可能な実装形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて側面から光を出射するようにする。
【0030】
この可能な実装形態では、いくつかの適用シナリオにおけるターゲット光タイプの要件を満たすために、光ファイバー端部構造内の光ファイバーの側面のクラッドを事前に切断し、光ファイバー端部構造内の光コア内の光が光ファイバーの側面の光透過領域から出射することができるようにする。クラッドを切断して形成された光透過領域は、透明材料で覆われていてもよい。透明材料は、適宜クラッドを切断することによって露出される光コアを保護するためのものであり得る。光透過領域の面積および形状は、ターゲット光タイプに基づいて柔軟に決定され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利にかつ柔軟に生成され得る。
【0031】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、表示パネルに対応する光導波路端部構造において、光導波路は、面光タイプに基づいて曲げられ、表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される。
【0032】
この可能な実装形態では、光導波路端部構造は、複数の光導波路部に曲げられて屈曲順序で順次配置される配置方式で、または多層の円もしくは矩形のフレームに曲げられる配置方式で、ターゲット発光領域に配置されて、面光タイプを形成し得る。
【0033】
第7の態様の可能な実装形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0034】
この可能な実装形態では、光コアの中心軸に垂直な表面が光コアの断面である。光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応することは、光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプと同じまたは類似していることであり、これにより、対応するターゲット光出射デバイス上の光コアの一端を使用して光を出射するとき、光コアの断面の形状に基づいて、対応するターゲット光タイプを形成することができる。
【0035】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを含み、投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である。
【0036】
この可能な実装形態では、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスであり得る。投影デバイスには、通常、点光タイプが使用され、点光タイプの具体的な形態は、矩形光タイプである。したがって、この可能な実装形態では、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形であり、これにより、光が投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの端部部分に伝送されるとき、光は光コアの端部部分を使用することによって出射され、矩形光タイプを形成する。
【0037】
第7の態様の可能な実装形態では、ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、第1の光コアの屈折率および第2の光コアの屈折率は、ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する。
【0038】
この可能な実装形態では、ヘッドランプのターゲット光タイプの上部の光強度は強く、下部の光強度は弱い。ヘッドランプのターゲット光タイプの要件に基づいて、第1の光コアは、第2の光コアの上方に位置し、第1の光コアの屈折率は、第2の光コアの屈折率よりも大きい。このように、第1の光コアによって出力される光の光強度は、第2の光コアによって出力される光の光強度よりも大きいので、ヘッドランプの光導波路端部構造は、光強度が上から下へ徐々に弱まる光タイプを出射することができる。光タイプは、ヘッドランプのターゲット光タイプと同じまたは類似していてもよく、それによって、ヘッドランプにおけるいくつかの光成形デバイスの使用を減らす。
【0039】
第7の態様の可能な実装形態では、光出射デバイスは、車両内のディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含む。
【0040】
この可能な実装形態では、ディスプレイデバイスは、表示パネルおよび/または投影デバイスを含み得る。表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0041】
第8の態様によれば、本出願は車両を提供する。車両は、第7の態様または第7の態様の任意の可能な実装形態による光分割システムを含む。
【0042】
第2の態様から第6の態様または第2の態様から第6の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果については、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。第8の態様によってもたらされる技術的効果については、第7の態様または第7の態様の任意の可能な実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細はここでは改めて説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本出願の一実施形態による車両の例示的な機能ブロック図である。
【
図2】本出願の一実施形態による光分割方法の実施形態の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による集中光源の例示的な概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。
【
図5a】本出願の一実施形態による第1の光分割デバイスの例示的な概略図である。
【
図5b】本出願の一実施形態による第1の光分割デバイスの別の例示的な概略図である。
【
図6a】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式の概略図である。
【
図6b】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式の別の概略図である。
【
図6c】本出願の一実施形態による集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式のさらに別の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による光分割装置の実施形態の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による制御デバイスの構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による光分割システムの構造の概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による光ファイバーの構造の例示的な概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の光透過領域の例示的な概略図である。
【
図13a】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の例示的な概略図である。
【
図13b】本出願の一実施形態による光導波路端部構造の別の例示的な概略図である。
【
図13c】本出願の一実施形態による光導波路端部構造のさらに別の例示的な概略図である。
【
図13d】本出願の一実施形態による光導波路端部構造のさらに別の例示的な概略図である。
【
図14a】本出願の一実施形態による、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の例示的な概略図である。
【
図14b】本出願の一実施形態による、ヘッドランプのターゲット光タイプの光強度分布の例示的な概略図である。
【
図14c】本出願の一実施形態によるヘッドランプに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の例示的な概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による車両の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下では、添付図面を参照して、本出願の実施形態を詳細に説明する。説明される実施形態は、本出願の実施形態のすべてではなく一部にすぎないことは明らかである。当業者は、技術が進化し、新しいシナリオが出現するにつれて、本出願の実施形態において提供される技術的解決策が同様の技術的問題にも適用可能であることを認識し得る。
【0045】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1の」、「第2の」などの用語は、同様の物体を区別することを意図するものであり、必ずしも特定の順序またはシーケンスを示すとは限らない。そのように使用されるデータは、適切な場合には交換可能であり、これにより、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で図示または説明される順序以外の順序で実装することができることを理解されたい。加えて、「含む(include)」および「有する(have)」などの用語ならびにそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。例えば、ステップまたはユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、必ずしもそれらの明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0046】
本出願の実施形態は、光源を適切に使用し、光源の利用率を向上させるための光分割方法を提供する。本出願の実施形態は、対応する装置、コンピュータデバイス、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品などをさらに提供する。詳細については、別途後述する。
【0047】
本出願の一実施形態において提供される光分割方法は、車両、船舶、飛行機、または鉄道列車などの複雑なハードウェアシステムに適用され得る。
【0048】
以下では、本発明の実施形態が適用された車両について説明するが、
図1に示すように、
図1は、本出願による車両の実施形態の機能ブロック図である。一実施形態では、車両100は、完全自動運転モードまたは部分自動運転モードになるように構成される。例えば、車両100は、自動運転モードで自身を制御し得、さらに、手動操作によって車両および周囲環境の現在の状態を決定し、周囲環境における少なくとも1つの別の車両の可能な挙動を決定し、その別の車両が可能な挙動を行う可能性に対応する信頼レベルを決定し得る。車両100は、決定された情報に基づいて制御される。車両100が自動運転モードにあるとき、車両100は、人と対話することなく動作し得る。車両100は様々なシステムを含み得、各システムは複数の構成要素を含み得る。加えて、車両100のすべてのシステムおよび要素は、有線または無線で互いに接続され得る。
【0049】
この実施形態において示される車両は、センサシステム120を含み、センサシステム120は、車両100の周囲環境に関する情報を感知するいくつかのセンサを含み得る。例えば、センサシステム120は、測位システム121(測位システムは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)システムであってもよいし、COMPASSシステム、もしくは別の測位システムであってもよい)、慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)122、レーダ123、レーザ距離計124、およびカメラ125を含み得る。センサシステム120はさらに、監視対象の車両100の内部システムのセンサ(例えば、車内空気質モニタ、燃料計、油温計など)を含んでもよい。これらのセンサのうちの1つまたは複数からのセンサデータを使用して、物体および物体の対応する特徴(位置、形状、方向、速度など)を検出することができる。このような検出および認識は、自動運転車両100の安全運転のための重要な機能である。測位システム121は、車両100の地理的位置を推定するように構成され得る。IMU122は、慣性加速度に基づいて車両100の位置および向きの変化を感知するように構成される。一実施形態では、IMU122は、加速度計とジャイロスコープとの組合せであり得る。レーダ123は、無線信号を使用することによって車両100の周囲環境内の物体を感知する。いくつかの実施形態では、物体を感知することに加えて、レーダ123は、物体の速度および/または前方方向を感知するようにさらに構成され得る。レーダ123の具体的なタイプは、この実施形態では限定されない。例えば、レーダ123は、ミリ波レーダまたはレーザレーダであり得る。レーザ距離計124は、レーザを使用することによって、車両100が位置する環境内の物体を感知し得る。いくつかの実施形態では、レーザ距離計124は、1つまたは複数のレーザ源、レーザスキャナ、1つまたは複数の検出器、および他のシステム構成要素を含み得る。カメラ125は、車両100の周囲環境の複数の画像を取り込むように構成され得る。カメラ125は、静的カメラ、ビデオカメラ、単眼/双眼カメラ、または赤外線撮像装置であり得る。
【0050】
車両100は、先進運転支援システム(advanced driving assistance system、ADAS)110をさらに含む。車両の運転プロセスにおいて、ADAS110は、周囲環境を随時感知し、データを収集し、静的物体および動的物体の識別、検出、および追跡を行い、ナビゲーションマップデータに基づいてシステムコンピューティングおよび分析を実行する。このようにして、運転者は、潜在的なリスクを事前に認識することができ、それによって、車両運転の快適性および安全性を効果的に向上させる。例えば、ADAS110は、センサシステム120によって取得されたデータに基づいて車両を制御し得る。別の例として、ADAS110は、車載機データに基づいて車両を制御してもよい。車載機データは、車両のダッシュボードのメインデータ(燃料消費量、モータ回転数、温度など)、車両速度に関する情報、ステアリングホイールの回転角に関する情報、車体の姿勢データなどであり得る。
【0051】
ADAS110は、以下の方式のうちの1つまたは複数で車両を制御し得る。
【0052】
ADAS110は、車両100の前方方向を調整する。ADAS110は、車両のエンジンの動作速度を制御して車両100の速度を制御する。ADAS110は、カメラ125によって取り込まれた画像を操作して、車両100の周囲環境内の物体および/または特徴を認識する。いくつかの実施形態では、ADAS110は、環境のマッピング、物体の追跡、物体の速度の推定などを行うように構成され得る。ADAS110は、車両100の走行経路を決定する。いくつかの実施形態では、ADAS110は、センサシステム120からの1つまたは複数の所定のマップデータを参照して車両100の走行経路を決定し得る。ADAS110は、車両100の環境内の潜在的な障害物を認識し、評価し、回避するか、または別の方式で潜在的な障害物を横断し得る。
【0053】
車両100は、周辺デバイス130を使用することによって、外部センサ、別の車両、別のコンピュータシステム、またはユーザと対話する。周辺デバイス130は、ワイヤレス通信システム131、車載コンピュータ132、マイクロフォン133、および/またはラウドスピーカ134を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、周辺デバイス130は、車両100のユーザがユーザインターフェースと対話するための手段を提供する。例えば、車載コンピュータ132は、車両100のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェースはさらに、ユーザ入力を受信するように車載コンピュータ132を操作し得る。車載コンピュータ132は、タッチスクリーンを使用することによって操作され得る。別のケースでは、周辺デバイス130は、車両100が車両に位置する別のデバイスと通信するための手段を提供し得る。例えば、マイクロフォン133は、車両100のユーザから音声(例えば、音声コマンドまたは別の音声入力)を受信し得る。同様に、ラウドスピーカ134は、車両100のユーザに音声を出力し得る。
【0055】
ワイヤレス通信システム131は、直接または通信ネットワークを介して1つまたは複数のデバイスとワイヤレス通信を実行し得る。例えば、ワイヤレス通信システム131は、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、グローバルシステムフォーモービルコミュニケーションズ(global system for mobile communications、GSM)、および汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)などの第3世代(3rd-generation、3G)モバイル通信技術をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131は、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)などの第4世代モバイル通信技術(4th generation mobile communication technology、4G)をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131はさらに、第5世代モバイル通信技術(5th generation mobile communication technology、5G)をセルラー通信に使用し得る。ワイヤレス通信システム131は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)を通信に使用し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤレス通信システム131は、赤外線リンク、Bluetooth(登録商標)、またはジグビープロトコル(ZigBee)を使用することによってデバイスと直接通信し得る。ワイヤレス通信システム131は、様々な車両通信システムをさらに使用し得る。例えば、ワイヤレス通信システム131は、1つまたは複数の専用短距離通信(dedicated short-range communications、DSRC)デバイスを含み得、これらのデバイスは、車両および/または路側局間のパブリックおよび/またはプライベートデータ通信を含み得る。
【0056】
車両100の機能のうちの一部またはすべては、コンピュータシステム140によって制御される。コンピュータシステム140は、様々なシステム(センサシステム120、ADAS110、周辺デバイス130など)およびユーザインターフェースから受信された入力に基づいて車両100の機能を制御し得る。コンピュータシステム140は、少なくとも1つのプロセッサ141を含み得、このプロセッサ141は、メモリ142などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する。コンピュータシステム140は、代替的に、車両100の個々の構成要素またはサブシステムを分散方式で制御する複数のコンピューティングデバイスであってもよい。
【0057】
プロセッサ141のタイプは、この実施形態において限定されない。例えば、プロセッサ141は、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate arrays、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(system on chip、SoC)、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、別の集積チップ、または前述のチップもしくはプロセッサの任意の組合せであり得る。プロセッサ141は、車両の内部に位置してもよいし、プロセッサ141は、車両から遠く離れて位置し、車両とワイヤレス通信を実行してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、メモリ142は、命令(例えば、プログラムロジック)を含み得、命令は、車両100の様々な機能を実行するためにプロセッサ141によって実行され得る。命令に加えて、メモリ142は、データ、例えば、マップデータ、ルート情報、車両の位置、方向、および速度、ならびに別の車両のデータをさらに記憶し得る。メモリ142に記憶された情報は、車両100が自律モード、半自律モード、および/または手動モードで動作しているときに、車両100およびコンピュータシステム140によって使用され得る。
【0059】
この実施形態において示される車両100は、少なくとも2つの光出射デバイス150(
図1には、2つの光出射デバイスのうちの1つのみが例として示されている)と、集中光源160とをさらに含む。光出射デバイス150は、車両100内のディスプレイデバイスまたは照明器具であり得る。ディスプレイデバイスは、表示パネルおよび/または投影デバイスであり得、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、運転者の運転を支援するための車両内のインジケータ、または乗客に促すためのインジケータであり得る
集中光源160は、少なくとも2つの光出射デバイスに光エネルギーを供給するように構成される。車両100は、制御デバイスを使用することによって、集中光源によって出射された光を割り当て得、これにより、現在光を出射する必要があ
る各光出射デバイスは、光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得する。制御デバイスは、
図1に示されるコンピュータシステム140に位置してもよいし、コンピュータシステム140以外の車両100内の別のコンピューティングデバイスであってもよい。この実施形態において示される少なくとも2つの光出射デバイス150および集中光源160は、車両に適用されるだけでなく、船舶、飛行機、鉄道列車などのドライビングツールにも適用され得る。
【0060】
以下では、実施形態を参照して、現在光を出射する必要がある各光出射デバイスが、光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得することを可能にするために集中光源によって出射された光を割り当てるプロセスについて説明する。
【0061】
本出願の実施形態において提供される光分割方法の一実施形態は、車両などのドライビングツールの制御デバイスに適用され得る。車両が一例として使用される。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0062】
光出射デバイスは、光を出射する必要があるデバイスであり、光出射デバイスは、光源を含まなくてもよい。
【0063】
光導波路(optical waveguide)は、光導波路内を伝送する光波を導波する誘電体であり、誘電体光導波路とも呼ばれる。光導波路は、複数の形態であってもよい。例えば、光導波路は、平面光導波路、ストリップ光導波路、または円筒形光導波路であってもよい。円筒形光導波路は、一般に、光ファイバー(optical fiber)と呼ばれ、略して光ファイバーと呼ばれる。
【0064】
図2に示すように、この実施形態は、以下のステップを含む。
【0065】
201:発光命令を取得する。
【0066】
発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する。
【0067】
発光命令は、複数の方式で生成され得る。発光命令は、制御デバイスによって生成されてもよいし、制御デバイス以外の別のデバイスによってワイヤード通信方式またはワイヤレス通信方式によって制御デバイスに送信されてもよい。発光命令は、ユーザ操作に基づいて生成されるようにトリガされてもよいし、車両上のカメラもしくは別のセンサによって検出されたデータに基づいて制御デバイスもしくは別のデバイスによって自動的に生成されてもよい。
【0068】
例えば、一例では、運転者は、音声を車載コンピュータに入力すること、指定された制御ジェスチャを実行すること、車両上の指定された物理ボタンをタップすること、または車載コンピュータのタッチスクリーン上の指定された仮想ボタンをタップすることによって、発光命令を生成するように制御デバイスをトリガし得る。別の例では、制御デバイスは、先進運転支援システム(advanced driving assistance system、ADAS)である。車載カメラによって撮影された環境画像を取得した後、ADASは、環境画像に基づいて、車両に対応する環境輝度が予め設定された輝度閾値未満であると判定し、指定された車両用灯具に関する発光命令を生成して、照明のために車両用灯具を点灯するように車両をトリガする。ターゲット光出射デバイスは、発光命令に対応する時間に、またはその時間に対応する期間に光を出射する必要がある光出射デバイスと見なされ得る。
【0069】
本出願のこの実施形態では、各ターゲット光出射デバイスは、1つの発光命令と1対1の対応関係にあり得、または、1つの発光命令は、複数のターゲット光出射デバイスによってそれぞれ必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送し得る。ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは固定され得る。例えば、ターゲット光出射デバイスがヘッドランプである場合、ヘッドランプによって必要とされる第1の光パワーは、事前に固定され得る。照明のためにヘッドランプを点灯させるようにトリガするためのユーザによるトリガ操作を検出した後、車両は、ヘッドランプに対応する第1の光パワーに関する予め記憶された情報を照会して、ヘッドランプに対応する発光命令を生成し得る。代替的に、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは、適用シナリオに基づいて変化してもよい。例えば、ターゲット光出射デバイスが車載コンピュータの表示パネルである場合、ユーザが車載コンピュータのディスプレイインターフェースの表示輝度を調整すると、車載コンピュータは、ユーザによって選択された表示輝度に基づいて、車載コンピュータの表示パネルに対応する発光命令を生成し、発光命令を制御デバイスに送信するようにトリガされ得る。発光命令は、車載コンピュータの表示パネルに対応する第1の光パワーに関する情報を搬送し、車載コンピュータの表示パネルに対応する第1の光パワーは、ユーザによって選択された表示輝度に基づいて決定される。
【0070】
202:各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てる。
【0071】
集中光源は、複数の光出射デバイスに同時に光エネルギーを供給することができる。集中光源は、車両内に配置され得る。例えば、集中光源は、車両のシャーシまたは車両内の空間に位置してもよいし、車両のトランクまたはエンジンブロックなどの広い空間のある場所に位置してもよい。通常、光源は、追加の放熱装置を必要とする。それぞれ光出射デバイスに光エネルギーを供給するために独立した光源を配置する方式と比較して、本出願のこの実施形態では、集中光源を車両内に配置して複数の光出射デバイスに光エネルギーを供給する場合、集中光源の放熱方式および体積の制約が少なくなり、それによって、空間およびハードウェアコストを節約し、車両のより柔軟な設計および生産を容易にする。
【0072】
集中光源の具体的なタイプは、本出願のこの実施形態では限定されない。例えば、集中光源は、ハロゲンランプ、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、レーザ、超高圧水銀ランプ、またはキセノンランプであってもよい。一例では、集中光源は、レーザとして設定される。このようにして、集中光源によって出射された光は、十分に集中されたものであり、光導波路によって便利に受光および伝送されることができ、それによって、光伝送中の大きな光損失を回避する。
【0073】
光出射デバイスが同時に光を出射する必要があるときに、集中光源がロバストな光エネルギーを供給することができるように、集中光源の最大光パワーは、光出射デバイスの最大光パワーと光損失とに基づいて決定され得る。光損失は、集中光源、光分割デバイス、光導波路、および光出射デバイスの光伝送、受光、ビーム結合、およびビーム分割などのプロセスにおける光の損失を含み得る。加えて、いくつかの例では、さらに、光出射デバイスに対応する過去の使用期間および過去の使用期間に対応する光パワーに関する情報についての統計が事前に収集され得、次いで、事前に収集された情報に基づいて、過去の使用プロセスにおいて同時に光を出射する少なくとも2つの光出射デバイスの光パワーの和の最大値が決定され、最大値に基づいて、集中光源の最大光パワーが決定される。
【0074】
集中光源は、単色光源(例えば、青色光源)であってもよいし、多色光源(例えば、赤緑青(red green blue、RGB)三色光源)であってもよい。
【0075】
集中光源が多色光源である場合、集中光源によって生成される複数の異なる色の光は、組み合わされてから、光導波路を使用することによって各ターゲット光出射デバイスに割り当てられてもよい。
【0076】
集中光源が単色光源であるか、または集中光源が多色光源であるが、集中光源によって生成された多色光が組み合わされてから、光導波路を使用することによって各ターゲット光出射デバイスに割り当てられる場合、集中光源によって各光出射デバイスに割り当てられる光は、単一波長の光、言い換えると、単色光であると見なされ得る。このようにして、光出射デバイスが存在し、光出射デバイスによって必要とされる光の波長が集中光源によって出射される光の波長と異なる場合、光出射デバイスに伝送される光に対して波長変換を実行するために、光出射デバイスに対応する波長変換装置が使用され得る。波長変換装置の具体的なタイプは、ここでは限定されない。例えば、波長変換装置は、蛍光材料を使用することによって波長変換を実行してもよいし、光-電気変換原理に基づいて波長変換を実行してもよい。
【0077】
いくつかの例では、
図3に示すように、集中光源の信頼性を向上させるために、集中光源は、第1の光源と、少なくとも1つの第2の光源と、光スイッチとを含み得る。第1の光源は通常使用される光源であり、第2の光源は第1の光源の予備の光源である。第2の光源の数は、ここでは限定されず、例えば、第1の光源の耐用年数および故障頻度率などに基づいて決定され得る。実際の適用シナリオでは、第1の光源が故障していることを検出した場合、制御デバイスは、光スイッチを使用することによって、利用可能な第2の光源に切り替えて、集中光源が正常に光を出射することを確実にし、それによって、集中光源の信頼性を向上させ得る。
【0078】
本出願のこの実施形態では、制御デバイスは、集中光源からターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光分割デバイス、光結合デバイス、および光スイッチなどの構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素のオンまたはオフを制御し、分割比などのパラメータを調整して、集中光源によって出射された光を割り当て得る。
【0079】
本出願のこの実施形態では、集中光源は、要件に基づいて、光分割システム内の少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つまたは複数に光エネルギーを供給し、それによって、車両または他のハードウェアシステム内の光源の量が減少し、光源の空間要件および放熱要件が低減され、使用される光源の利用率が向上することができることが分かる。加えて、集中光源によって出射される光は、第1の光パワーに基づいて割り当てられ得、これにより、集中光源によって出射される光を実際のシナリオ要件に基づいて柔軟に割り当てることができ、光出射デバイスに伝送される光が光出射デバイスの発光要件を満たすことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、光出射デバイスは、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含み得る。
【0081】
ディスプレイデバイスは、投影デバイスおよび/または表示パネルを含み得る。
【0082】
表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0083】
照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0084】
異なるシナリオ要件に基づいて、集中光源を使用して、車両または他のハードウェアシステム内の複数のタイプの光出射デバイスに光エネルギーを供給し得ることが分かる。
【0085】
いくつかの実施形態では、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。
【0086】
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、集中光源によって出射された光が第1の光パワーに関する情報に基づいて割り当てられることは、以下を含む:
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0087】
図4は、本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。第1の光分割デバイス42は、集中光源と各光出射デバイスとの間の光伝送経路に位置し得る。このように、各光導波路に割り当てられる集中光源43によって出射される光の一部は、第1の光分割デバイス42の分割比を決定することによって決定され得る。
【0088】
第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよいし、複数の光スプリッタを含んでもよい。光スプリッタは、光学スプリッタ、光ビームスプリッタ、光パワースプリッタなどと呼ばれることもあり、入力ポートから入力された光を特定の比率にしたがって複数の部分に分割し、次いで、光の複数の部分を複数の出力ポートからそれぞれ出力するデバイスである。第1の光分割デバイスに含まれる光スプリッタにおいて、少なくとも1つの光スプリッタの分割比は調整可能である。調整可能な分割比を有する光スプリッタは、電気光学効果、音響光学効果、磁気光学効果、または熱光学効果の原理に基づいて設計され得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。調整可能な分割比を有する光スプリッタの分割比の調整可能な範囲は、実際の適用シナリオの要件に基づいて選択され得る。例えば、いくつかの例では、光スプリッタの分割比は、[0,1]の範囲内で調整され得る。いくつかのシナリオでは、光スプリッタは、光スプリッタに対応する光出射デバイスの光スイッチとして使用され得る。
【0089】
光分割デバイスにおける光スプリッタは、複数の形態で配置され得る。
【0090】
例えば、
図5aは、第1の光分割デバイスの例示的な概略図である。
【0091】
第1の光分割デバイスは、光スプリッタ511である。集中光源501は、光スプリッタ511の入力ポートに対応する。各光出射デバイス(例えば、
図5aの光出射デバイス521、光出射デバイス522、および光出射デバイス523)は、光スプリッタ511の出力ポートに対応し、異なる光出射デバイスは、異なる出力ポートに対応する。現在のターゲット光出射デバイスが光出射デバイス521および光出射デバイス522である場合、光スプリッタ511の入力ポートが集中光源501によって出射された光を受光した後、光出射デバイス521および光出射デバイス522にそれぞれ対応する出力ポートによって出力される光エネルギーの値は、光出射デバイス521および光出射デバイス522によってそれぞれ必要とされる第1の光パワーに関する情報に基づき得、すなわち、出力ポートに対する光スプリッタ511の分割比が決定され得る。
【0092】
別の例として、
図5bは、第1の光分割デバイスの別の例示的な概略図である。第1の光分割デバイスは、マルチレベル光スプリッタを含み得る。光スプリッタ512は、第1のレベルの光分割デバイスとして使用され、光スプリッタ513および光スプリッタ514は、第2のレベルの光分割デバイスであり、光スプリッタ515および光スプリッタ516は、第3のレベルの光分割デバイスとして使用される。光分割デバイス513の出力ポートは、光スプリッタ515および光スプリッタ516にそれぞれ対応する。光スプリッタ515の2つの出力ポートは、車両内の左ヘッドランプ531および右ヘッドランプ532にそれぞれ対応する。光スプリッタ516の2つの出力ポートは、車両内の左テールランプ533および右テールランプ534にそれぞれ対応する。光分割デバイス514の出力ポートは、車両内のディスプレイデバイス541およびディスプレイデバイス542にそれぞれ対応する。
【0093】
光スプリッタ512、光スプリッタ513、および光スプリッタ514の分割比は調整可能である。光スプリッタ515および光スプリッタ516の分割比は、1:1に固定されている。
【0094】
本出願のこの実施形態では、光出射デバイスに対応する第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光パワーに基づいて決定され、集中光源からの光エネルギーは、光出射デバイスに伝送されるターゲット光エネルギーが光出射デバイスの光出射要件を満たすことができるように、実際のシナリオ要件に基づいて、第1の光分割デバイスを使用することによって柔軟に割り当てられ得ることが分かる。
【0095】
任意選択で、集中光源の発光方式およびターゲット光出射デバイスが必要な光を取得する方式は、以下のうちの1つであり得る:
【0096】
1.一実施形態では、
図6aに示すように、集中光源61は、赤色、緑色、および青色という3色の光を出射し得、3色の光は、光多重化構成要素601および光結合デバイス602を使用することによって白色光へと組み合わされる。光多重化構成要素601は、集中光源61によって出射された3色の光を集光することができ、光結合デバイス602は、集光された3色の光を組み合わせて白色光を取得し得る。
【0097】
ターゲット光出射デバイス611によって必要とされる光の色が、光結合デバイス602によって出力される白色光の色と同じである場合、ターゲット光出射デバイス611は、受光した白色光に基づいて光を出射することができる。
【0098】
ターゲット光出射デバイス612がカラー投影を実行する必要がある場合、ターゲット光出射デバイス612に対応する光デマルチプレクサ621が、受光した光を逆多重化して、赤色光、緑色光、および青色光を取得し得、これにより、ターゲット光出射デバイス612は、後続の投影表示のために別々に独立した必要な3色光を取得し得る。
【0099】
ターゲット光出射デバイス613によって必要とされる光の色が、光結合デバイス602によって出力される白色光の色と異なる場合、ターゲット光出射デバイス613は、対応する波長変換装置622を使用することによって、受光した白色光に対して波長変換を実行して、その色がターゲット光出射デバイス613によって必要とされる色である光を取得し得る。
【0100】
2.一実施形態では、
図6bに示すように、集中光源62は青色光を出射し得、各ターゲット光出射デバイス(例えば、図中のターゲット光出射デバイス614およびターゲット光出射デバイス615)は、対応するターゲット光出射デバイスによって取得される光の色がそれぞれの光色要件を満たすように、それぞれの対応する蛍光材料を使用することによって受光した光の色を調整し得る。
【0101】
3.一実施形態では、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。
【0102】
第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定する前述のステップは、以下を含む:
第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ。
【0103】
この実施形態では、赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比はそれぞれ、各ターゲット光出射デバイスが受光する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比であってもよい。各ターゲット光出射デバイスによってそれぞれ受光される赤色光、緑色光、および青色光の分割比の設定を容易にするために、第1の光分割デバイスは、複数の光スプリッタを含んでもよく、この複数の光スプリッタは、複数の光出射デバイスと1対1の対応関係にあってもよい。代替的に、第1の光分割デバイスは、1つの光スプリッタであってもよく、この1つの光スプリッタの出力ポートは、光出射デバイスの赤色光、緑色光、または青色光に対応する。
【0104】
以下では、
図6cを例として使用してこの実施形態を説明する。
【0105】
図6cに示すように、一例では、集中光源63は、赤色光、緑色光、および青色光という3つのタイプの光を出射し得、集中光源63から出射された後、これらの3つのタイプの光は、異なる光導波路を使用することによって別々に独立して伝送される。
【0106】
ターゲット光出射デバイス616によって必要とされる光は白色光であり、ターゲット光出射デバイス616によって受光される赤色光、緑色光、および青色光が必要な白色光へと組み合わされるように、ターゲット光出射デバイス616に対応する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイス605の分割比は1:1:1である。
【0107】
ターゲット光出射デバイス617によって必要とされる光は黄色光であり、赤色光および緑色光を組み合わせることによって得られる黄色光をターゲット光出射デバイス617が取得することができるように、ターゲット光出射デバイス617に対応する赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイス605の分割比は1:1:0である。
【0108】
本出願のこの実施形態では、第1の光分割デバイスは、集中光源によって出射された光をターゲット光出射デバイスに割り当てる方式を制御するためだけでなく、赤色光、緑色光、および青色光にそれぞれ対応する分割比を調整することによって、ターゲット光出射デバイスが受光する光の色を制御するためにも使用され得、それによって、制御効率が大幅に向上し、波長変換装置の使用が減り、ハードウェアコストが削減されることが分かる。
【0109】
いくつかの実施形態では、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。
【0110】
この方法は、以下をさらに含む:
ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得するステップ、および
第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定するステップ、および/または集中光源の光パワーを決定するステップ。
【0111】
本出願のこの実施形態では、各光出射デバイスは、光導波路を使用することによって、対応する第2の光分割デバイスに接続され、各第2の光分割デバイスは、光導波路を使用することによって、対応する光パワーメータに接続される。
【0112】
第2の光分割デバイスの分割比は固定値である。このようにして、任意の第2の光分割デバイスに対応する光出射デバイスが受光する光のパワーの、第2の光分割デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーに対する比は、固定値である。したがって、本出願のこの実施形態では、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーは、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値を決定し、対応するターゲット光出射デバイスが受光する光の光エネルギーの値が対応するターゲット光出射デバイスの要件を満たすかどうかを判定するために使用され得る。
【0113】
通常、第2の光分割デバイスは、より多くの光エネルギーを対応するターゲット光出射デバイスに割り当て、より少ない光エネルギーを対応する光パワーメータに割り当てる。このようにして、光の大部分は、発光のために対応するターゲット光出射デバイスに伝送され得、光のわずかな部分のみが、検出のために対応する光パワーメータに伝送され、それによって、光リソースの浪費を回避する。
【0114】
例えば、ターゲット光出射デバイスに対応する第2の光分割デバイスの第2の分割比が1:99である場合、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出される第3の光パワーの、ターゲット光出射デバイスによって受光される光の光パワーに対する比は1:99である。
【0115】
図7は、本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。光出射デバイス731および光出射デバイス732は各々が、第2の光分割デバイスおよび光パワーメータに対応し、光出射デバイス731および光出射デバイス732にそれぞれ対応する第2の光分割デバイスの分割比は、両方とも1:99である。
【0116】
本出願のこの実施形態では、第2の光分割デバイスに接続された光パワーメータによって検出された第3の光パワーは、ターゲット光出射デバイスによって受光された光に関するフィードバック情報として使用され得、これにより、制御デバイスは、第2の光分割デバイスおよび光パワーメータを使用することによって、各ターゲット光出射デバイスによって受光された光が各ターゲット光出射デバイスの要件を満たすことができるかどうかを効果的に監視し、偏差が発生したときに適時に調整を実行することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。
【0118】
この方法は、以下をさらに含む:
第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新するステップ。
【0119】
本出願のこの実施形態では、予め設定された比閾値は通常小さい。例えば、予め設定された比閾値は、0.2、0.1、または0.05であり得る。このようにして、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満であり、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーが、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーよりも明らかに小さいことを示す。
【0120】
予め設定された比閾値は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスの光強度の精度に関するユーザ要件に基づいて予め設定され得る。
【0121】
例えば、第1の光出射デバイスは、車両内の車載コンピュータの表示パネルであり、第2の光出射デバイスは、車両内のヘッドランプである。実際の使用プロセスでは、ユーザは通常、5%の範囲内のヘッドランプの光強度の変動変化を感知することができないので、予め設定された比閾値は5%に設定されてもよい。一例では、車載コンピュータの表示パネルに対応する最大光パワーが200ミリワット(mW)であり、ヘッドランプの最大光パワーが5ワット(W)である場合、表示パネルによって必要とされる最大光パワーは、ヘッドランプの最大光パワーの5%未満である。車載コンピュータの表示パネルおよびヘッドランプは、光導波路を使用することによって第1の光分割デバイスに別々に接続される。このケースでは、表示パネルは、本出願のこの実施形態では、第1の光出射デバイスとして使用され得、ヘッドランプは、本出願のこの実施形態では、第2の光出射デバイスとして使用され得る。
【0122】
本出願のこの実施形態では、第1の光分割デバイスの分割比は、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光を再割り当てするために、第2の光出射デバイスの第1の光パワーおよび第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて更新され得る。このケースでは、再割り当ての前後で、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスによってそれぞれ取得された光の和は変化しないままであり得る。このようにして、集中光源の光パワーも変わらないままであり得、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新される必要がある。
【0123】
例えば、一例では、ターゲット光出射デバイスは、車載コンピュータの表示パネルおよび車両のヘッドランプである。第1の光出射デバイスは、車載コンピュータの表示パネルであり、第2の光出射デバイスはヘッドランプである。
【0124】
車載コンピュータを使用するプロセスにおいて、ユーザは、表示パネルの輝度を調整するための指示命令を入力して、表示パネルに対応する第1の光パワーを更新させ得る。代替的に、車載コンピュータは、現在の時間または現在の環境輝度に基づいて、表示パネルの輝度を調整するための指示命令を自動的に生成して、表示パネルに対応する第1の光パワーを更新させてもよい。しかしながら、表示パネルに対応する第1の光パワーが更新されたことを制御デバイスが検出した場合、第1の光分割デバイスの分割比のみが更新されてもよく、表示パネルに対応する第1の光パワーの更新に基づいて集中光源の光パワーを対応して調整する必要はない。例えば、更新前、表示パネルに対応する第1の光パワーが200mWであり、ヘッドランプの第1の光パワーが4800mWであり、集中光源の総パワーが5000mWである場合、表示パネルに対する分割比は4%であり、ヘッドランプに対する分割比は96%である。
【0125】
表示パネルに対応する第1の光パワーが200mWから250mWに更新されたことが検出された場合、第1の光分割デバイスの分割比が更新され、これにより、表示パネルに対する分割比が5%に更新され、光導波路を使用することによって表示パネルによって取得される光の光エネルギーの値は250mWに変化し、光導波路を使用することによってヘッドランプによって取得される光の光エネルギーの値は4500mWに変化する。このケースでは、ヘッドランプに対する分割比は95%に更新され、集中光源の総パワー5000mWは変更されない。しかしながら、4800mWから4500mWへのヘッドランプの光パワーの変化は、ユーザが裸眼で知覚することはできない。そのため、ヘッドランプの使用効果に影響を与えない。
【0126】
本出願のこの実施形態では、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーは変化するが、実際の制御プロセスでは、第1の光分割デバイスの分割比のみを調整すればよく、集中光源の光パワーを調整する必要がないが分かる。したがって、制御手順が最適化され、集中光源の光パワーが頻繁に調整されることが回避され、集中光源の耐用年数が延長される。
【0127】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下をさらに含む:
第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定するステップであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、ステップ、および
集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御するステップ。
【0128】
本出願のこの実施形態では、集中光源の光パワーは、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報に基づいて決定され得る。集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である。加えて、伝送および光分割を含むプロセスにおける集中光源から各ターゲット光出射デバイスまでの光伝送経路上の光の損失が、各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失としてさらに決定され得る。各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失が取得された後、集中光源の光パワーは、各ターゲット光出射デバイスに対応する光損失と、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報とに基づいて決定され得る。
【0129】
例えば、ターゲット光出射デバイスaの第1の光パワーが300mWであり、ターゲット光出射デバイスbの第1の光パワーが1200mWであり、ターゲット光出射デバイスaに対応する光損失が10%であり、ターゲット光出射デバイスbに対応する光損失が5%である場合、集中光源の光パワーは、次のようになり得る:
300*(1+0.1)+1200*(1+0.05)=1590(mW)
【0130】
集中光源の光パワーは、第1の光パワーに基づいて適切に決定され得、それによって、ターゲット光出射デバイスの要件を満たしつつリソースの浪費が回避されることが分かる。
【0131】
上記では、本出願の実施形態におけるいくつかの態様から光分割方法について説明している。以下では、添付図面を参照して、本出願の光分割装置について説明する。
【0132】
図8に示すように、本出願の実施形態は、光分割装置800を提供する。光分割装置800は、制御デバイスに適用され得る。制御デバイスは車両に位置する。車両は、集中光源を使用することによって光エネルギーを供給する少なくとも2つの光出射デバイスをさらに含み、光出射デバイスの各々は、光導波路を使用することによって集中光源に接続される。
【0133】
光分割装置800の一実施形態は、以下を含む:
発光命令を取得するように構成された取得モジュール801であって、発光命令は、少なくとも2つの光出射デバイスのうちの1つのターゲット光出射デバイスによって必要とされる第1の光パワーに関する情報、または複数のターゲット光出射デバイスの各々によって必要とされる第1の光パワーに関する情報を搬送する、取得モジュール810、および
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて、集中光源によって出射される光を割り当てるように構成された割当てモジュール802。
【0134】
任意選択で、車両は、第1の光分割デバイスをさらに含む。
【0135】
割当てモジュール802は、以下を行うように構成される:
各ターゲット光出射デバイスが光導波路を使用することによってそれぞれの対応する光を取得するように、第1の光パワーに関する情報に基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0136】
任意選択で、集中光源は、赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成され、赤色光、緑色光、および青色光は、集中光源から出射されるときに別々に伝送され、発光命令は、各ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光の色情報をさらに搬送する。
【0137】
割当てモジュール802は、以下を行うように構成される:
第1の光パワーおよび色情報に基づいて、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に対する第1の光分割デバイスの分割比を決定すること。
【0138】
任意選択で、各光出射デバイスは、第2の光分割デバイスに接続され、第2の光分割デバイスは、光パワーメータにさらに接続される。
【0139】
光分割装置800は、第1の決定モジュール803をさらに含む。
【0140】
第1の決定モジュール803は、以下を行うように構成される:
ターゲット光出射デバイスが光を出射するとき、ターゲット光出射デバイスに対応する光パワーメータによって検出された第3の光パワーを取得すること、および
第3の光パワーに基づいて第1の光分割デバイスの分割比を決定し、および/または集中光源の光パワーを決定すること。
【0141】
任意選択で、ターゲット光出射デバイスは、第1の光出射デバイスおよび第2の光出射デバイスを含み、第1の光出射デバイスに対応する最大光パワーの、第2の光出射デバイスに対応する最大光パワーに対する比は、予め設定された比閾値未満である。
【0142】
光分割装置800は、第2の決定モジュール804をさらに含む。
【0143】
第2の決定モジュール804は、以下を行うように構成される:
第1の光出射デバイスの第1の光パワーが更新されたことが検出された場合、第1の光出射デバイスの更新された第1の光パワーに基づいて、第1の光分割デバイスの分割比を更新すること。
【0144】
光分割装置800は、制御モジュール805をさらに含む。
【0145】
制御モジュール805は、以下を行うように構成される:
第1の光パワーに基づいて集中光源の光パワーを決定することであって、集中光源の光パワーは、ターゲット光出射デバイスにそれぞれ対応する第1の光パワーの和以上である、決定すること、および
集中光源の光パワーに基づいて光を出射するように集中光源を制御すること。
【0146】
図9は、本出願の一実施形態による制御デバイス900の可能な論理構造の概略図である。制御デバイス900は、メモリ901と、プロセッサ902と、通信インターフェース903と、バス904とを有する。メモリ901、プロセッサ902、および通信インターフェース903は、バス904を使用することによって互いへの通信接続を実施する。
【0147】
メモリ901は、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、静的記憶デバイス、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であり得る。メモリ901は、プログラムを記憶し得る。メモリ901に記憶されたプログラムがプロセッサ902によって実行されると、プロセッサ902および通信インターフェース903は、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実行するように構成される。
【0148】
プロセッサ902は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)もしくは別のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せであり得る。プロセッサ902は、関連プログラムを実行して、本出願のこの実施形態における光分割装置の取得モジュール、割当てモジュール、第1の決定モジュール、第2の決定モジュール、および制御モジュールによって実行される必要がある機能を実装するか、または本出願の方法の実施形態における光分割方法の実施形態のステップ201~202などを実行するように構成される。本出願の実施形態を参照して開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサを使用することによって直接実行および達成され得るか、または復号プロセッサ内のハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組合せを使用することによって実行および達成され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなど、当技術分野における成熟した記憶媒体内に位置し得る。記憶媒体は、メモリ901に位置する。プロセッサ902は、メモリ901内の情報を読み取り、プロセッサ902のハードウェアと組み合わせて、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実行する。
【0149】
通信インターフェース903は、制御デバイス900と別のデバイスまたは通信ネットワークとの間の通信を実施するために、送信および受信装置、例えば、限定はしないが、トランシーバを使用する。例えば、分割比に関する情報は、通信インターフェース903を使用することによって第1の光分割デバイスに送信され得る。
【0150】
バス904は、制御デバイス900の構成要素(例えば、メモリ901、プロセッサ902、および通信インターフェース903)の間で情報を転送するための経路を実装し得る。バス904は、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バスまたは拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであり得る。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類され得る。説明を簡単にするために、
図9のバスは、1つのみの太線を使用することによって表されているが、これは、1つのみのバスまたは1つのタイプのバスが存在することを示すものではない。
【0151】
本出願の別の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶する。デバイスのプロセッサがコンピュータ実行可能命令を実行するとき、デバイスは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実行する。
【0152】
本出願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含み、コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。デバイスのプロセッサがコンピュータ実行可能命令を実行するとき、デバイスは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実行する。
【0153】
本出願の別の実施形態では、チップシステムがさらに提供される。チップシステムはプロセッサを含み、プロセッサは、
図9のプロセッサによって実行されるステップを実施するように構成される。可能な設計では、チップシステムは、メモリをさらに含み得る。メモリは、データ書込み装置に必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリートデバイスとを含んでもよい。
【0154】
本出願の別の実施形態では、
図10に示すように、光分割システム1000がさらに提供される。光分割システム1000は、制御デバイス900を含み、制御デバイス900は、前述の光分割方法の実施形態におけるステップ201~202などを実施するように構成される。
【0155】
いくつかの実施形態では、光分割システム1000は、少なくとも2つの光出射デバイス1001(
図10では一例として1つのみが示されている)をさらに含み、各光出射デバイス1001は、光導波路を使用することによって集中光源1002に接続される。
【0156】
いくつかの実施形態では、光出射デバイス1001は、ディスプレイデバイスおよび/または照明器具を含み得る。
【0157】
ディスプレイデバイスは、投影デバイスおよび/または表示パネルを含み得る。
【0158】
表示パネルは、タッチスクリーンまたは非タッチスクリーンなどのディスプレイ画面を使用することによって平面表示または曲面表示を行うデバイスである。例えば、表示パネルは、車載コンピュータのタッチパネルおよび様々なメータ表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得る。投影デバイスは、カーテン、壁、道路などの実体に画像またはビデオなどを投影したり、空気などの非実体に画像またはビデオなどを投影したりすることができるデバイスである。例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0159】
照明器具は、点灯器具または情報表示器具であってもよい。例えば、照明器具は、車両用灯具、車両内の照明デバイス、車両内の運転する際に運転者を支援するためのインジケータ、または乗客を促すためのインジケータのうちの少なくとも1つであり得る。
【0160】
異なるシナリオ要件に基づいて、集中光源を使用して、車両または他のハードウェアシステム内の複数のタイプの光出射デバイスに光エネルギーを供給し得ることが分かる。
【0161】
いくつかの実施形態では、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端には光導波路端部構造が位置しており、光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0162】
任意のターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプは、ターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプを指す。ターゲット光タイプは、ターゲット光タイプの形態(面光タイプ、線光タイプ、または点光タイプなど)、形状(矩形、円形、三角形、扇形、または台形など)、ターゲット光タイプの長さ、ターゲット光タイプのサイズ(幅、長さ、または直径など)、ターゲット光タイプ内の光強度分布などのうちの少なくとも1つを使用することによって記述され得る。
【0163】
光導波路は、光コアおよびクラッドを含み得る。クラッドの光屈折率は、光コアの光屈折率よりも小さい。このようにして、光が適切な角度で光コアを透過するとき、光コアとクラッドとの境界で全反射が形成される。加えて、光導波路は、クラッド、シェル、および他の構造を保護するためのコーティング(例えば、プラスチックコーティング)をさらに含み得る。
【0164】
現在、光ファイバーなどの光導波路は、光導波路の両端から光を入力し、光を出力する。しかしながら、本出願のこの実施形態では、各ターゲット光出射デバイスの光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイスにおいて、対応するターゲット光出射デバイスによって必要とされるターゲット光タイプを形成するために使用され得る。光導波路端部構造が光を出射するときに、対応するターゲット光出射デバイスによって必要とされる光タイプが形成され得るように、光導波路端部構造内の光導波路の配置方式が設定されてもよく、および/または光導波路端部構造内の光出力位置が設定されてもよい。
【0165】
本出願のこの実施形態では、光導波路端部構造の具体的な形態は、対応する光出射デバイスの要件に基づいて柔軟に調整され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利かつ柔軟に生成されることが分かる。このようにして、光出射デバイスの異なる光タイプの要件のために、光出射デバイス内に様々な異なる光成形デバイスを構成すること、例えば、導光板、光均一板、および別の光タイプ変換デバイスを構成する必要がなくなり、それによって、ハードウェアコストを大幅に削減する。
【0166】
以下では、光導波路端部構造を説明するために、光導波路が光ファイバーである例を使用する。
【0167】
光導波路は光ファイバーであるので、光導波路端部構造は光ファイバー端部構造である。光ファイバーは、光コアおよびクラッドを含み得る。クラッドの光屈折率は、光コアの光屈折率よりも小さい。加えて、光ファイバーは、クラッド、シェル、および他の構造を保護するためのコーティング(例えば、プラスチックコーティング)をさらに含み得る。
【0168】
通常、光ファイバーは円筒形構造である。
図11に示すように、光ファイバー内の光コアの部分であり、クラッドによって包まれていない部分が光ファイバーの両端に別々に位置する。一端は、光を入力するように構成され得、他端は、光を出力するように構成され得る。光ファイバーにおける光コアの両端に対応する2つの端面以外の面は、光ファイバーの側面(side surface)と呼ばれることがある。光ファイバーの側面は、通常、クラッドおよびコーティングによって包まれている。
【0169】
以下では、光導波路端部構造のいくつかの任意選択の構造について説明する。
【0170】
1.いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光導波路の側面のクラッドを切断して光透過領域を形成し、光導波路端部構造が、対応するターゲット光タイプに基づいて側面から光を出射するようにする。
【0171】
本出願のこの実施形態では、いくつかの適用シナリオにおけるターゲット光タイプの要件を満たすために、光ファイバー端部構造内の光ファイバーの側面のクラッドを事前に切断し、光ファイバー端部構造内の光コア内の光が光ファイバーの側面の光透過領域から出射することができるようにする。
【0172】
いくつかの例では、クラッドを切断して形成された光透過領域は、透明材料で覆われていてもよい。透明材料は、適宜クラッドを切断することによって露出される光コアを保護するためのものであり得る。
【0173】
光透過領域の面積および形状は、ターゲット光タイプに基づいて柔軟に決定され得、これにより、異なる光タイプが、必要に応じて異なる光出射デバイスにおいて便利にかつ柔軟に生成され得る。
【0174】
例えば、光導波路端部構造が表示パネル内のターゲット発光領域内に配置され、表示パネルのバックライト光源として使用される場合、光導波路端部構造は、表示パネルの表示画面に向けて光を出射する必要がある。このケースでは、光透過領域はまた、光導波路端部構造の、ディスプレイ画面に面する側に位置する。
【0175】
別の例として、光導波路端部構造が、光を均一に出射する線光タイプを形成するように構成される場合、光導波路端部構造内の光透過領域は、
図12に示され得る。光導波路の光エネルギーは、対応するターゲット光出射デバイスの一端から遠く離れた位置で大きくなるので、
図12のy軸方向に沿った光透過領域の幅は、端から遠く離れた位置で短くなり、これにより、この位置で光透過領域から出射される光の割合は小さくなる。しかしながら、光導波路の光エネルギーは、対応するターゲット光出射デバイスの一端に近い位置で徐々に減少する。したがって、このケースでは、
図12のy軸方向に沿った光透過領域の幅が長くなるので、この位置で光透過領域から出射される光の割合が大きくなり、それによって、光透過領域全体を通して光導波路端部構造によって出射される光の均一性が確保される。
【0176】
一例では、ターゲット光出射デバイスは車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは面光タイプであり、表示パネルに対応する光導波路端部構造において、光導波路は、面光タイプに基づいて曲げられ、表示パネルのバックライト光源として機能するように、ターゲット光出射領域に配置される。
【0177】
例えば、
図13aに示すように、光導波路端部構造は、複数の光導波路部に曲げられて屈曲順序で順次配置される配置方式で、矩形のターゲット発光領域に配置されて、面光タイプを形成し得る。代替的に、
図13bに示すように、光導波路端部構造は、面光タイプを形成するために、多層の円などに曲げられる配置方式で、円形のターゲット発光領域に配置されてもよい。光導波路端部構造における光透過領域は、表示パネルの画面に面する側にあり得る。
【0178】
別の例では、ターゲット光出射デバイスは、車両の表示パネルを含み、表示パネルに対応するターゲット光タイプは、面光タイプである。
図13cに示すように、表示パネルに対応する光導波路端部構造は、2つの光導波路を含み、2つの光導波路は、それぞれ、導光板の両側に配置される。加えて、2つの光導波路内の光コアのクラッドは導光板に面する側が切断されて光伝送領域を形成し、これにより、2つの光導波路は、別々に線状光源を形成する。このようにして、2つの光導波路によって形成された線状光源によって出射された光が導光板を通って伝送された後、表示パネルのバックライト光源として使用されるために、面光タイプが形成され得る。
【0179】
さらに別の例では、ターゲット光出射デバイスは、車両内の乗客を促すためのインジケータを含み、インジケータに対応するターゲット光タイプは、線光タイプである。
図13dに示すように、インジケータに対応する光導波路端部構造は、対応するターゲット光出射デバイス上の光導波路の一端から開始して予め設定された長さを有する光導波路部である。光導波路部が線状光源を形成し得るように、光導波路部内の光コアのクラッドを完全に切断してもよい。
【0180】
2.いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット光出射デバイスに対応する光導波路端部構造において、光コアの断面の形状は、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応する。
【0181】
本出願のこの実施形態では、
図11に示すように、光コアの中心軸(すなわち、
図11のx軸)に垂直な表面を光コアの断面として使用する。
【0182】
光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプに対応することは、光コアの断面の形状が、対応するターゲット光出射デバイスのターゲット光タイプと同じまたは類似していることであり、これにより、対応するターゲット光出射デバイス上の光コアの一端を使用して光を出射するとき、光コアの断面の形状に基づいて、対応するターゲット光タイプを形成することができる。
【0183】
ターゲット光タイプの要件にしたがって、断面の形状は、長方形、円形、三角形、扇形、または台形などの規則的な形状であってもよいし、不規則な形状であってもよい。
【0184】
任意選択で、一実施形態では、ターゲット光出射デバイスは、車両の投影デバイスを含み、投影デバイスに対応するターゲット光タイプは矩形光タイプであり、投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形である。
【0185】
例えば、投影デバイスは、車両内のヘッドアップディスプレイデバイス、乗客空間内の乗客に対して投影表示を実行するように構成されたデバイス、および車両の走行経路上に運転指示情報を投影するように構成されたデバイスであり得る。
【0186】
投影デバイスには、通常、点光タイプが使用され、点光タイプの具体的な形態は、矩形光タイプである。
図14aは、投影デバイスに対応する光導波路端部構造における光コアの断面の例示的な概略図である。投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの断面の形状は矩形であり、これにより、光が投影デバイスに対応する光導波路端部構造内の光コアの端部部分に伝送されるとき、光は光コアの端部部分を使用することによって出射され、矩形光タイプを形成する。
【0187】
任意選択で、一実施形態では、ターゲット光出射デバイスは車両のヘッドランプを含み、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造において、光導波路の光コアは第1の光コアおよび第2の光コアを含み、第1の光コアの屈折率および第2の光コアの屈折率は、ヘッドランプのターゲット光タイプにおける光強度分布に対応する。
【0188】
実際の適用では、GB25991-2010などの規格は、光電性能、光の色、およびヘッドランプの温度サイクルの設定規則を指定する。
【0189】
本出願のこの実施形態では、第1の光コアおよび第2の光コアは、ヘッドランプに対応する光導波路端部構造に配置され得、第1の光コアおよび第2の光コアの屈折率は異なる。したがって、ヘッドランプの光導波路端部構造に伝送された光は、第1の光コアの端面と第2の光コアの端面とに均一に出力されない。このように、ヘッドランプの光導波路端部構造を使用することによって、勾配光強度を有する光を出力することができる。加えて、ヘッドランプの光導波路端部構造内の第1の光コアおよび第2の光コアの具体的な配置方式がヘッドランプのターゲット光タイプに基づいて決定され得る。
【0190】
図14bは、
本出願の一実施形態による、ヘッドランプのターゲット光タイプの光強度分布の例示的な概略図である。ターゲット光タイプの上部の光強度は強く、下部の光強度は弱い。ヘッドランプのターゲット光タイプの要件に基づいて、
図14cに示すように、第1の光コア1401は、第2の光コア1402の上に配置され得、第1の光コア1401の屈折率は、第2の光コア1402の屈折率よりも大きい。加えて、第1の光コア1401の幅は、代替的に、第2の光コア1402の幅未満であってもよい。このようにして、第1の光コア1401によって出力される光の光強度は第2の光コア1402によって出力される光の光強度よりも大きく、これにより、ヘッドランプの光導波路端部構造は、光強度が上から下へ徐々に弱まる光タイプを出射することができる。光タイプは、ヘッドランプのターゲット光タイプと同じまたは類似していてもよく、それによって、ヘッドランプにおいていくつかの光成形デバイスの使用が減る。
【0191】
本出願の別の実施形態では、
図15に示すように、車両1500がさらに提供される。車両1500は、光分割システム1000を含む。
【0192】
当業者は、本明細書で開示された実施形態において説明されたユニットおよびアルゴリズムステップの例と組み合わせて、本出願が、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せを使用することによって実施され得ることを認識し得る。これらの機能がハードウェアよって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、特定の用途と技術的解決策の設計制約条件とに依存する。当業者は、特定の用途ごとに異なる方法を使用して、説明した機能を実装してもよいが、これらの実装が本出願の実施形態の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0193】
便利で簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者によって明確に理解され得る。詳細はここでは改めて説明しない。
【0194】
本出願の実施形態において提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が別のシステムへと組み合わされたり統合されたりすることもあるし、一部の特徴が無視されたり実行されなかったりすることもある。加えて、表示または議論された相互結合、直接結合、または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実装され得る。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態で実装され得る。
【0195】
別個の部分として説明されるユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであってもなくてもよく、言い換えると、1つの位置に配置されてもよいし、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態における解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0196】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットの各々が物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0197】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本出願の実施形態の技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであり得る)に、本出願の実施形態において説明される方法のステップのすべてまたはいくつかを実行するように命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディクス、または光ディスクのような、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0198】
上記の説明は、本出願の実施形態の特定の実装形態にすぎず、本出願の実施形態の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】