(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】改善された音響特性を有する超音波システムおよびデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20241106BHJP
H04R 17/00 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
A61B8/00
H04R17/00 330G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024523901
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2021056026
(87)【国際公開番号】W WO2023069101
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520342725
【氏名又は名称】エコー イメージング,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】サリバン,キリアン
(72)【発明者】
【氏名】オグズ,フセイン・ケーガン
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】コンロイ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ターター,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グンサー,ドレイク
(72)【発明者】
【氏名】バーカムショー,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C601
5D019
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601EE04
4C601EE19
4C601GA01
4C601GB06
4C601GB20
4C601GB30
4C601GB41
4C601GB50
5D019AA21
5D019BB02
5D019FF04
(57)【要約】
撮像システムおよびデバイスによって生成される音響撮像アーチファクトは、システムまたはデバイス内にマルチシンク媒体を備えることによって低減またはなくされ得る。マルチシンク材料は、撮像システムまたはデバイスの音響反射コンポーネントと撮像システムまたはデバイスの超音波トランスジューサとの間に配設され得る。熱伝導性でかつ音響非伝導性であるマルチシンク媒体の包含は、撮像システムおよびデバイス内の熱管理を維持または改善しながら、音響撮像アーチファクトを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路基板と、
前記集積回路基板と接触状態のマルチシンク媒体と、
前記集積回路基板に結合された1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサとを備える撮像デバイス。
【請求項2】
ヒートシンクをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ヒートシンクは金属を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記金属はアルミニウムである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記マルチシンク媒体は、前記ヒートシンクと接触状態にある、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ヒートシンクとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記集積回路基板に結合されたハウジングをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記マルチシンク媒体は、前記ハウジングと接触状態にある、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ハウジングとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記マルチシンク媒体は注入可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも0.5mmの厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.0mmの厚さを有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5mmの厚さを有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
バッキング材料をさらに備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記バッキング材料はバッキングラミネートを含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
撮像デバイスを作製する方法であって、
前記撮像デバイスの第1のコンポーネントを集積回路基板に結合することによって内部キャビティを形成するステップと、
1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサを前記集積回路基板に結合するステップと、
マルチシンク媒体を前記内部キャビティに注入するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1のコンポーネントは音響反射材料を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のコンポーネントは、集積回路板に直接結合される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のコンポーネントはヒートシンクである、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ヒートシンクは金属を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マルチシンク媒体は、前記ヒートシンクと接触状態にある、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のコンポーネントはハウジングを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記マルチシンク媒体は、前記ハウジングと接触状態にある、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記第1のコンポーネントとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記マルチシンク媒体は注入可能である、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する、請求項21~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項21~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも0.5mmの厚さを有する、請求項21~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.0mmの厚さを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.5mmの厚さを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
バッキング材料を前記集積回路基板に結合するステップをさらに含む、請求項21~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記バッキング材料はバッキングラミネートを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記バッキング材料は、前記第1のコンポーネントと前記1つまたは複数のMEM超音波トランスジューサとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項39または40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[001]超音波撮像は、医療および非破壊試験のための一般的な技法である。超音波システムおよびデバイスは、典型的に、音響波送信軸に沿って画像を作成するために、音響エネルギーを生成し、送信軸に沿って音響的に異質なターゲット物質内に送信し、ターゲット物質から反射される音響エネルギーを検出することが可能な超音波トランスジューサを備える。送信音響エネルギーの部分的または完全反射は、送信音響エネルギー波が、第1の音響インピーダンス(Z1)を有するターゲット物質の第1の部分と第2の音響インピーダンス(Z2)を有するターゲット物質の第2の部分と間の界面に遭遇すると起こり得る。反射音響エネルギー波の振幅を決定するために使用され得る反射係数(R)は、方程式(1)を使用して計算され得る:
【0002】
【0003】
[002]しかしながら、超音波システムおよびデバイスの性能は、超音波プローブトランスジューサおよび/または超音波スキャンのターゲット物質の周囲環境内の音響ノイズ源によって悪い影響を及ぼされ得る。多重反射(リバーブ)アーチファクトは、超音波エネルギー波が、2つ以上の平行な音響反射体間で反射するときに生じる可能性がある。幾つかの場合、平行な音響反射体を備えるターゲット物質内のリバーブアーチファクトの悪影響は、音響波がターゲット物質に送信される角度を変更することによって減じられ得る。しかしながら、そのような方策は、平行な音響反射体に対する超音波トランスジューサの角度を変更することが可能であるときに使用され得るだけである。多重反射アーチファクトが音響ノイズ源から生じ、送信超音波の入射角度が容易に変更されない状況に対処する長年にわたりかつ未解決の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[003]超音波スキャンターゲット(例えば、ターゲット物質)の外の発生源から生じる超音波撮像アーチファクトは、例えば、そのような妨害に対処するための超音波デバイスまたはシステムの設計に対する調整が、実質的な性能トレードオフおよび設計上の妥協を伴う可能性があるため、特有の課題を提示する可能性がある。本明細書において、超音波走査デバイス内の音響多重反射から生じるアーチファクトに関して超音波スキャン性能を改善することができるシステム、デバイス、および方法が説明される。種々の態様において、システム、デバイス、および方法は、熱管理、コスト、および/またはプローブ幾何形状制約に関連する競合する設計制約を同様に克服しながら、超音波スキャン品質に対する音響多重反射の影響を低減することができる。例えば、本明細書で説明する幾つかの実施形態は、システムまたはデバイスのプローブ内の熱伝導を同時に改善しながら、(例えば、超音波システムまたはデバイスの音響反射コンポーネントからの)超音波システムまたはデバイスの超音波トランスジューサの音響分離を改善することができるマルチシンク媒体(例えば、注入可能なマルチシンク媒体400)を含む。
【0005】
[004]種々の態様において、撮像デバイスは、集積回路基板と、集積回路基板と接触状態のマルチシンク媒体と、集積回路基板に結合された1つまたは複数の微小電気機械(MEM:microelectromechanical)超音波トランスジューサとを備える。幾つかの場合、撮像デバイスは、ヒートシンクをさらに備える。幾つかの場合、ヒートシンクは金属を含む。幾つかの場合、金属はアルミニウムである。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ヒートシンクと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサとヒートシンクとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、デバイスは、集積回路基板に結合されたハウジングをさらに備える。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジングと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサとハウジングとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、マルチシンク媒体は注入可能である。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも0.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.0mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、撮像デバイスは、バッキング材料をさらに備える。幾つかの場合、バッキング材料はバッキングラミネートを含む。
【0006】
[005]さらなる態様において、撮像デバイスを作製する方法は、撮像デバイスの第1のコンポーネントを集積回路基板に結合することによって内部キャビティを形成するステップと、1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサを集積回路基板に結合するステップと、マルチシンク媒体を内部キャビティに注入するステップとを含む。幾つかの場合、第1のコンポーネントは音響反射材料を含む。幾つかの場合、第1のコンポーネントは、集積回路板に直接結合される。幾つかの場合、第1のコンポーネントはヒートシンクである。幾つかの場合、ヒートシンクは金属を含む。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ヒートシンクと接触状態にある。幾つかの場合、第1のコンポーネントはハウジングを備える。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジングと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサと第1のコンポーネントとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、マルチシンク媒体は注入可能である。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも0.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.0mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、方法は、バッキング材料を集積回路基板に結合するステップをさらに含む。幾つかの場合、バッキング材料はバッキングラミネートを含む。幾つかの場合、バッキング材料は、第1のコンポーネントと1つまたは複数のMEM超音波トランスジューサとの間に少なくとも部分的に配設される。
【0007】
[006]本主題の特徴および利点のよりよい理解は、例証的な実施形態および添付図面を述べる以下の詳細な説明を参照して得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[007]実施形態によるマルチシンク媒体を備えることができる撮像デバイスのブロック図である。
【
図2】[008]実施形態によるマルチシンク媒体を備えることができる撮像デバイスの略図である。
【
図3】[009]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの略図である。
【
図4】[010]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの代替の構成の略図である。
【
図5】[011]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの第2の代替の構成の略図である。
【
図6】[012]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの第3の代替の構成の略図である。
【
図7A】[013]実施形態による、アルミニウムバッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図7B】[014]実施形態による、マルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図7Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図7C】[015]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図7Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8A】[016]実施形態による、0.5ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8B】[017]実施形態による、1.0ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図8Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8C】[018]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図8Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9A】[019]実施形態による、0.5ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体400を使用する試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9B】[020]実施形態による、1.0ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図9Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9C】[021]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図9Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図10】[022]実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[023]本明細書に、超音波撮像アプリケーションにおける改善された音響および熱管理のためのシステム、デバイス、および方法が開示される。超音波撮像システムおよびデバイスを構成する幾何形状および材料は、熱管理および音響アーチファクトの低減を含む、複数のおそらくは競合する設計制約を生じさせる可能性がある。撮像システムまたはデバイスの温度感応性電子コンポーネント(例えば、超音波撮像システムまたはデバイスのプローブヘッド)から外方への熱伝達(Heat transfer)は、電子コンポーネントによって生成される熱用の導管として働く熱伝導性金属ヒートシンクの組み込みによって既存の機器において、典型的に対処される。残念ながら、金属ヒートシンクは、多重反射アーチファクトを含む音響アーチファクトを生成する可能性があり、そのアーチファクトは、超音波デバイスのトランスジューサ(例えば、超音波プローブヘッドのトランスジューサ)によって生成される超音波エネルギー(例えば、超音波波形またはパターン)に起因する可能性があり、超音波エネルギーは、デバイスの本体を通して後方に移動し、金属ヒートシンク(および/または超音波エネルギーを反射することができる他のコンポーネント)から反射し、デバイスの検出トランスジューサに戻る。その間、撮像システムまたはデバイスの内部キャビティまたは空間内に存在することができる、空気などの多くの音響絶縁材料は、熱エネルギーを効率的に伝導せず、超音波プローブヘッド内のプロセッサおよび集積回路などの撮像システムまたはデバイスの熱感応性内部コンポーネントから外方への熱伝導の総合効率を減少させる。本明細書で説明するように、熱エネルギーを効率的に伝導し、同時に、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)を吸収するまたは消散させることが可能な物質(例えば、セラミック粒子を含むシリコーンベースペーストまたはパティ)を含むことができるマルチシンク媒体400は、撮像トランスジューサの熱管理および音響分離を同時に改善するために、撮像システムおよびデバイス内に組み込まれ得る。多くの場合、注入可能かまたは成形可能なペーストまたはパティの形態で使用され得るマルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス内の不規則形状のキャビティ、ギャップ、または空間(例えば、超音波プローブヘッド内の)を容易に充填することができ、熱束(例えば、電気コンポーネントから、金属ヒートシンクまたはハウジングであって、音響アーチファクトを生成する可能性に加えて、そのようなキャビティ、ギャップ、および空間を充填するために容易に作製されない場合がある、金属ヒートシンクまたはハウジングまでの)のためのより大きい断面積を提供し、音響反射材料のより密接するおよび/または完全な輪郭付け(例えば、音響分離)を可能にする。
【0010】
[024]本明細書で説明するように、撮像システムまたはデバイス100は、超音波エネルギーを(例えば、超音波波形あるいは超音波波形の群またはパターンの形態で)送信および/または受信するように構成されるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。多くの場合、ターゲット物質の(例えば、ターゲット組織)の全てまたは一部分の画像は、撮像デバイスまたはシステム、例えば、本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステムの超音波トランスジューサによる超音波エネルギー(例えば、超音波波形または超音波波形のパターン)の処理および/または分析によって生成され得る。幾つかの場合、本開示の実施形態は、撮像デバイスおよびシステム、例えば、微小電気機械システム(MEM)超音波トランスジューサを備える非貫入型超音波撮像デバイスおよびシステムに関することができる。幾つかの場合、超音波トランスジューサは、MUT(例えば、単一ダイヤフラムまたは膜を有するトランスジューサユニット(例えば、「ピクセル(pixel)」))を備えることができる。幾つかの場合、超音波システムまたはデバイスは、1つのものとして共に機能するためにグループ化された複数のトランスジューサユニットを備えることができるトランスジューサ素子を備える。幾つかの場合、超音波トランスジューサは、受信した超音波エネルギー(例えば、受信した超音波波形またはパターン)を電気信号またはパターンに変換することができる。幾つかの場合、超音波デバイスまたはシステムは、受信した超音波波形またはパターンからトランスジューサによって生成される電気信号またはパターンをターゲット物質の全てまたは一部分の画像に変換するように構成され得る。
【0011】
[025]
図1に示すように、撮像システムまたはデバイス100はトランスジューサ102を備えることができる。撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ102は、1つまたは複数のトランスジューサ素子104(例えば、アレイで配置された、例えば、複数のトランスジューサ素子)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ102は、複数のトランスジューサ素子104を備えることができる。トランスジューサ素子104は、複数のトランスジューサユニットを備えることができ、複数のトランスジューサユニットは、圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT:piezoelectric micromachined ultrasound transducer)または容量性微細加工超音波トランスジューサ(cMUT:capacitive micromachined ultrasound transducer)をそれぞれ備える場合がある。pMUTまたはcMUTは、例えば、ターゲット物質の撮像において、光音響または超音波原理に基づいて動作することができる。トランスジューサ素子102またはその所定の部分(例えば、トランスジューサユニット)は、生物学的組織(例えば、人間または動物の骨、血流、および/または器官(複数可)を備える)および/または他の物質または質量を備えることができるターゲット物質を通って伝搬する超音波圧力波(例えば、超音波エネルギー)を生成するために使用され得る。トランスジューサ素子102またはその所定の部分(例えば、トランスジューサユニット)は、(例えば、ターゲット物質の一部分から反射された)超音波エネルギーを受信するために使用され得る。多くの場合、トランスジューサ素子102またはその所定の部分は、受信した超音波エネルギーを電気信号に変換するように構成され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、信号(例えば、超音波波形またはパターン)をターゲット物質(例えば、身体またはその所定の部分)内に送信し、ターゲット物質(例えば、身体またはその所定の部分)からの反射信号(例えば、超音波波形またはパターン)を受信することができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスは、超音波エネルギー(例えば、1つまたは複数の超音波波形またはパターンを含む)を同時に送信し受信するように構成され得る。
【0012】
[026]pMUTまたはcMUTなどのトランスジューサ(または複数のトランスジューサ)は、基板260上で、例えば、半導体ウェハ製造プロセスを利用する方法で、効率的に形成され得る。従来のトランスジューサ(例えば、伝統的なバルク圧電(PZT:piezoelectric)トランスジューサ)と比較して、pMUTトランスジューサ素子およびピクセルは、半導体基板260(例えば、集積回路基板)上に構築され得、半導体基板260は、かさばらず、製造するのに費用がかからず、より複雑でなく、伝統的なPZTトランスジューサ基板に比べて、高性能の電子/トランスジューサ相互接続を有することができる。多くの場合、pMUTを備える撮像システムおよびデバイス100は、動作周波数においてより大きい柔軟性を可能にすることができ、より高品質な画像を生成することができる。
【0013】
[027]幾つかの場合、基板260(例えば、集積回路基板)は、半導体ウェハを備えることができる。幾つかの場合、半導体ウェハは、長さが、152.4mm(6インチ)、203.2mm(8インチ)、304.8mm(12インチ)、152.4~203.2mm(6~8インチ)、203.2~304.8mm(8~12インチ)、152.4~304.8mm(6~12インチ)、152.4mm(6インチ)より小さい値、または304.8mm(12インチ)より大きい値であることができる。幾つかの場合、半導体ウェハは、シリコン基板上に1つまたは複数の二酸化ケイ素(SiO2)層を形成することによって製造され得る。半導体ウェハの製造におけるさらなる処理は、例えば、半導体ウェハ集積回路基板260に結合される電子コンポーネント用のインターコネクトおよびボンドパッドとして役立つために、金属層または経路の付加(例えば、堆積またはエッチングのプロセスを含む)を含むことができる。幾つかの場合、キャビティは、集積回路基板260内にエッチングされ得る。
【0014】
[028]撮像システムまたはデバイス100は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)を備えることができ、ASICは、トランスジューサの動作、送信超音波波形またはパターンの形成、および/または、(例えば、ターゲット物質またはその所定の部分からの)(例えば、反射された)超音波エネルギーを受信すると、トランスジューサによって生成される電気信号の処理のための電子部品を備えることができる。幾つかの場合、ASICは、1つまたは複数の送信ドライバー、(例えば、撮像される物体または物質から後方に反射した後にトランスジューサによって受信されたと思われる受信超音波エネルギーに対応する電気エネルギー(例えば、エコー信号)を処理するための検知回路部、および/または、撮像システムまたはデバイス100の機能に関連する他の動作を制御するための他の処理回路部を備えることができる。幾つかの場合、ASICは、基板260(例えば、半導体ウェハ集積回路基板などの半導体ウェハ)上に形成され得る。幾つかの場合、ASICは、例えば、寄生損失を低減するために、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ(例えば、pMUTまたはcMUT)素子またはピクセルにごく接近して位置付けられ(例えば、撮像システムまたはデバイス100内に位置決めされ)得る。例えば、ASICは、トランスジューサ(例えば、トランスジューサ素子のアレイ)から50マイクロメートル以下に位置付けられ得る。ASICは、撮像システムまたはデバイス100の基板260(例えば、半導体ウェハ集積回路基板)に直接結合され得る。幾つかの場合、ASICは、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサが直接結合されるのと同じ集積回路基板260(例えば、半導体ウェハ基板)に直接結合される。例えば、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサは、例えば、ASICに適合する低温ピエゾ材料スパッタリングおよび/または他の低温処理を使用して、ASICがその上で製造される集積回路基板260に結合され得る。幾つかの場合、ASICは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のトランスジューサに(例えば、積層式ウェハ-ツー-ウェハ相互接続によって)直接的に結合される集積回路基板260(例えば、半導体ウェハ基板)に間接的に結合される。例えば、ASICは、トランスジューサに間接的に結合される第1の集積回路基板260に直接結合される場合がある(例えば、第1の集積回路基板は、トランスジューサに直接結合される第2の集積回路基板260に直接結合される)。幾つかの場合、ASIC(または、ASICに結合された集積回路基板260)は、トランスジューサ素子またはアレイ(あるいはトランスジューサ素子またはアレイに結合された半導体ウェハ基板260)から100マイクロメートル未満だけ空間的に分離される場合がある。幾つかの場合、ASICは、pMUTトランスジューサ(例えば、pMUT素子を備える)に対して同様のまたは同一のフットプリントを有することができる。ASICは、インターコネクトを介してトランスジューサに結合され得る。
【0015】
[029]撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のトランスジューサ104(例えば、1つまたは複数のトランスジューサ素子またはピクセル)は、特定の周波数および帯域幅で(または或る範囲の周波数内でおよび或る範囲の帯域幅で)超音波信号(例えば、超音波圧力波または波形のパターンの形態の、例えば、超音波エネルギー)を送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104(またはトランスジューサ素子のアレイ)は、例えば、第1の中心周波数(および第1の帯域幅)および1つまたは複数のさらなる中心周波数(1つまたは複数の対応するさらなる帯域幅を有する)を含む、複数の周波数および帯域幅で、信号(例えば、超音波圧力波または波形のパターンの形態の、例えば、超音波エネルギー)を送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104(例えば、トランスジューサアレイ、素子、またはピクセル)は、0.1メガヘルツ(MHz)~100メガヘルツ(MHz)(例えば、0.1MHz~1.8MHz、1.8MHz~5.1MHz、または5.1MHzより大きい値)の中心周波数を有する超音波信号を放出(例えば、送信)または受信することができる。幾つかの場合、超音波信号(例えば、超音波波形、パターン、または圧力波)は、1つまたは複数のトランスジューサがそれに応答する周波数の電圧パルスを用いてトランスジューサアレイ(例えば、または、トランスジューサ素子104またはピクセルの群)の1つまたは複数のトランスジューサ102を駆動するために1つまたは複数の送信チャネル108を使用することによって生成され得る。多くの場合、これは、例えば、ターゲット物質またはその一部分の撮像が所望されるときに、超音波波形を、トランスジューサ素子104からターゲット物質に向かって放出(例えば、送信)させることができる。幾つかの場合、超音波波形は、撮像デバイスの1つまたは複数の対応するトランスジューサ素子から送信される1つまたは複数の超音波圧力波を含むことができ、例えば、圧力波は、同時にまたは実質的に同時に送信される。超音波エネルギー(本明細書で説明するように、例えば、波形またはパターンの形態で、例えば、トランスジューサによってターゲット物質に向けて送信される)は、ターゲット物質に向かって、その中に、および/またはそれを通って移動することができる。多くの場合、送信超音波エネルギーの全てまたは一部分は、トランスジューサ102に戻るように反射され得る。多くの場合、例えば、ターゲット物質またはその所定の部分からトランスジューサ102に戻るように反射される超音波エネルギーは、トランスジューサ102によって受信され得る。トランスジューサ102によって受信される超音波エネルギー(例えば、トランスジューサ102に戻るように反射された後の)は、トランスジューサ102における圧電効果を通して電気エネルギー(例えば、電気信号)に変換され得る。1つまたは複数の受信チャネル110は、トランスジューサ102によって生成される電気エネルギーを(例えば、超音波エネルギーを電気信号に変換する結果として)収集することができる。幾つかの場合、1つまたは複数の受信チャネル110は、電気エネルギーを処理することができる。幾つかの場合、トランスジューサ102によって生成される(例えば、また、受信チャネル110によって収集される)電気エネルギーは、例えば、表示され得る画像の生成を含む場合がある処理のために、コンピューティングシステムまたはデバイス112に送信され得る。
【0016】
[030]撮像システムまたはデバイス100、200、250は、コントローラを備えることができる制御回路部106を備えることができる。撮像システムまたはデバイス100、200、250の制御回路部106は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のトランスジューサ素子102またはトランスジューサユニットを制御する(例えば、動作させる)ように構成され得る。幾つかの場合、制御回路部106は、トランスジューサ素子104に戻るように反射される超音波エネルギー(例えば、超音波圧力波を含む)を受信し、受信超音波信号に基づいて電気信号を生成するためにトランスジューサ素子104を動作させるように構成され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250の制御回路部106は、1つまたは複数の送信チャネル108および1つまたは複数の受信チャネル110を備えることができる。幾つかの場合、制御回路部は、ビーム形成回路部を備えることができる。幾つかの場合、制御回路部106は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、システムオンチップ、プロセッサ、メモリ(例えば、非一時的メモリおよび/または一時的メモリ)、電圧源、電流源、1つまたは複数の増幅器(例えば、1つまたは複数の演算増幅器)、1つまたは複数のデジタルアナログ変換器、および/または、1つまたは複数のアナログデジタル変換器を備える。幾つかの場合、トランスジューサ104は、1つまたは複数の送信ドライバー回路(例えば、本明細書で説明する送信チャネルの)および/または低ノイズ増幅器(例えば、受信チャネルの)に結合され得る。幾つかの場合、送信チャネルは送信ドライバーを含むことができる。幾つかの場合、受信チャネルは、1つまたは複数の低ノイズ増幅器を備えることができる。幾つかの場合、送信および受信チャネルは、例えば、特定のトランスジューサ素子およびトランスジューサ素子のセットが、起動される、停止される、または低電力モードに置かれることを可能にするために、多重化およびアドレス制御回路部をそれぞれ含むことができる。
【0017】
[031]撮像システムまたはデバイス100、200、250は、本明細書で説明するように、コンピューティングシステム112(例えば、コンピューティングデバイス112)を備えることができる。幾つかの場合、コンピューティングシステムまたはデバイスは、プロセッサ、メモリ(例えば、非一時的メモリおよび/または一時的メモリ)、通信回路部(例えば、無線または有線通信ポートおよび/または通信モジュール)、電池、および/またはディスプレイを備えることができる。コンピューティングシステムまたはデバイス112は、制御回路部106および/または1つまたは複数のトランスジューサ素子、ピクセル、またはアレイ102と統合され(例えば、に結合され)得る。幾つかの場合、コンピューティングシステムまたはデバイス112は、例えば、単一システムオンチップ(SoC:system on a chip)として単一基板260(例えば、チップ)に結合された、または、同じハウジング内に配設された複数のコンポーネント(例えば、制御回路部、トランスジューサ、および/またはマルチシンク媒体400などの本明細書で説明するコンポーネント)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250のコンピューティングシステムまたはデバイス112は、制御回路部、トランスジューサ、および/またはマルチシンク媒体400に結合されるが、それから物理的に離れている(例えば、それと同じチップ内にまたは同じハウジング内に位置しない)ことができる。
【0018】
[032]幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスは、必要とされる画像品質を同時に維持しながら、撮像デバイスの温度限界を超えることなく、電力損失を制御する方法で、発射を送信するように構成され得る(例えば、トランスジューサ素子からターゲット物質に向けての、その中への、および/またはそれを通した超音波波形の送信)。幾つかの場合、送信および/または受信チャネルの数またはパターンは、例えば、デバイス内の電力消費を低減するおよび/または過熱のリスクを低減するために、(例えば、制御回路部106によって)動的に制御され得る。幾つかの場合、動作中の撮像システムまたはデバイス100、200、250の送信チャネル108の数および/または受信チャネル110の数は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の動作を通して一定である。幾つかの場合、動作中の送信チャネルの数は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の動作を通して一定でない。例えば、N列およびM行を有する2次元空間アレイで配置された(例えば、直交する行および列で配置された、または、非対称の(または、千鳥状の)直線的アレイで配置された)トランスジューサ素子104を有する撮像システムは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のトランスジューサアレイの動作全体を通してまたは動作中の任意の時点において、Nと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネル、Mと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネル、N×Mと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネルを使用する場合がある。例えば、トランスジューサ素子104のサブセットは、所与の超音波スキャンまたは超音波スキャンの所定の部分のために使用される場合がある。幾つかの場合、トランスジューサ素子は、送信チャネル108と受信チャネル110の両方に結合される場合がある。例えば、トランスジューサ素子104は、超音波パルスを作成し送信し、その後、例えば、反射超音波エネルギーを電気エネルギーに変換することによって、そのパルスのエコーを検出するように構成される場合がある。幾つかの場合、複数のトランスジューサ104は、同じ1つまたは複数の送信チャネル108および/または同じ1つまたは複数の受信チャネル110に結合され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104のそれぞれは、異なる送信チャネル108および/または異なる受信チャネル110に結合され得る。幾つかの場合、トランスジューサ素子104の任意のものまたは全ては、送信チャネル108または受信チャネル110に結合されるが、両方に結合されない場合がある。
【0019】
[033]本明細書で説明するように、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、例えば、熱管理を改善するおよび/また撮像アーチファクト(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250の音響反射コンポーネントに起因する多重反射アーチファクト)を低減するために、(例えば、送信および/または受信チャネルの動的制御を有するまたはそれを欠くシステムおよびデバイス100において)マルチシンク媒体400を備えることができる。
【0020】
[034]
図2は、幾つかの実施形態による、選択的に調整可能なフィーチャを有する撮像デバイス100、200、250の略図である。撮像デバイス200、250は、単に例として、
図1の撮像デバイス100と同様である場合がある。撮像デバイス100、200、250は、超音波医療プローブを備える場合がある。
【0021】
[035]
図2に示すように、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250のプローブ)は、例えば、トランスジューサ202および関連する電子部品を収容することができるハウジング231(例えば、手持ち式ケーシング)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250のプローブ)は、例えば、
図2に示すように、例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分の1つまたは複数のコンポーネントに電力供給するために、電池238を備えることができる。幾つかの場合、例えば、
図2に示すように、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分は、2Dアレイで配置された、任意選択で、基板260(例えば、シリコンウェハ集積回路ウェハ)上に構築された(に結合された)pMUTトランスジューサ素子を使用して2次元(2D)および/または3次元(3D)撮像が可能なポータブル撮像デバイスを備えることができる。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ(例えば、トランスジューサアレイ)は、例えば、本明細書で説明するように、トランスジューサ動作のパラメータを制御するのに役立つことができる特定用途向け集積回路(ASIC)106に(例えば、直接または間接的に)結合され得る。
図2に明示的に示さないが、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、
図2に示す)は、例えば、トランスジューサ(および/またはASIC、および/または集積回路基板260などの基板260)と、ヒートシンク、ハウジング、または
図2に示す1つまたは複数のさらなるコンポーネントのうちの1つまたは複数との間で、ハウジング内に配設され得るマルチシンクを備えることができる。
【0022】
[036]
図2に示すように、撮像デバイス100、200、250は、1つまたは複数のトランスジューサ202を備えることができる。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ202は、トランスジューサ素子の1つまたは複数のアレイを備えることができ、例えば、トランスジューサ202は、超音波エネルギー(例えば、超音波圧力波)を送信および/受信するように構成される場合がある。
【0023】
[037]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、トランスジューサ202とターゲット物質(例えば、撮像デバイス100、200、250によって超音波エネルギーがそこを通って送信される人間の身体あるいは他の質量または組織)との間のインピーダンス整合界面として役立つために、コーティング層222を備えることができる。幾つかの場合、コーティング層222は、レンズであることができ、または、例えば、所望の焦点距離と整合する曲率を持つように設計されると、レンズとして機能することができる。幾つかの場合、ユーザは、例えば、コーティング層222およびターゲット物質の表面の界面におけるインピーダンス整合を改善するために、コーティング層222をターゲット物質の表面に接触させる前に、ターゲット物質の表面に(例えば、生体の皮膚に)ゲルを塗布する場合がある。幾つかの場合、本明細書で説明する整合インピーダンスは、(例えば、ターゲット物質内への送信中に、または、ターゲット物質からの反射音響エネルギーの受信中に)コーティング層222およびターゲット物質の表面の界面における音響エネルギーの伝導を改善することができ、音響エネルギーの(例えば、振幅の)損失を低減することができる。コーティング層222は、例えば、トランスジューサ202(例えば、その平坦アレイ)から身体への音響信号の送信を最大にする、また、その逆も同様に最大にするために平坦層である場合がある。コーティング層222は、幾つかの実施形態において、トランスジューサ202で生成される音響圧力波の波長の1/4(例えば、25%)に等しい厚さを有することができる。
【0024】
[038]撮像デバイス100、200、250は、制御回路部106を備えることができる。制御回路部106は、例えば、1つまたは複数のトランスジューサ202を制御するために、1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。幾つかの場合、制御回路部106は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはASICチップを備える。幾つかの場合、ASICまたはASICチップは、1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。制御回路部106は、幾つかの実施形態において、例えば、バンプによって、例えば、積層構成で1つまたは複数のトランスジューサ102に結合され得る。幾つかの場合、制御回路部は、例えば、欠陥についてピクセルを試験したいおよび/または走査モードを変更するかまたはその他の方法でトランスジューサ102の動作を調整したいという要望に基づいて、送信チャネル108および受信チャネル110を(例えば、選択的に)動作させるおよび/またはその動作を調整するように構成され得る。幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のコンポーネントを制御するために、1つまたは複数のプロセッサ226を備えることができる。1つまたは複数のプロセッサ226は、1つまたは複数のトランスジューサ素子の動作を(例えば、制御回路部106と協調してまたはそれと独立に)制御する、電気信号を(例えば、トランスジューサ素子によって受信される反射超音波エネルギーに基づいて)処理する、および/または、(例えば、コンピューティングデバイス112などのコンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって撮像されるターゲット物質またはその所定の部分の画像の回復をもたらすために)信号を生成するように構成され得る。幾つかの場合、1つまたは複数のプロセッサ226は、撮像デバイス100、200、250に関連する他の処理機能を実施するように構成され得る。プロセッサ(複数可)226は、任意のタイプのプロセッサ(複数可)として具現化され得る。例えば、1つまたは複数のプロセッサ226は、単一またはマルチコアプロセッサ(複数可)、単一またはマルチソケットプロセッサ(複数可)、デジタル信号プロセッサ(複数可)、グラフィクスプロセッサ(複数可)、ニューラルネットワークコンピュータエンジン(複数可)、画像プロセッサ(複数可)、マイクロコントローラ(複数可)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(複数可)(FPGA)、または他のプロセッサ/制御回路(複数可)として具現化され得る。
【0025】
[039]撮像デバイス100、200、250は、アナログフロントエンド(AFE:Analog Front End)(例えば、信号を処理する/調整するための)を備えることができる回路(複数可)228を備えることができる。幾つかの場合、アナログフロントエンド228は、制御回路部106およびプロセッサ226などの撮像デバイスの他のコンポーネントとインターフェースするように構成される任意の1つまたは複数の回路として具現化され得る。例えば、アナログフロントエンド228は、例えば、1つまたは複数のデジタルアナログ変換器、1つまたは複数のアナログデジタル変換器、および/または1つまたは複数の増幅器を含むことができる。
【0026】
[040]撮像デバイス100、200、250は、例えば、
図3、
図4、
図5、および
図6に示すように、マルチシンク媒体400および/または音響吸収体層230(例えば、トランスジューサ202によって生成され、回路228に向かって伝搬される音響エネルギーを吸収するための)を備えることができる。マルチシンク媒体400(および、幾つかの場合、音響吸収体層)は、普通なら反射され、(例えば、多重反射アーチファクトなどのアーチファクト(複数可)の生成を通して)画像の品質に干渉する場合がある、逆方向に放出される(例えば、コーティング層222から離れる方向にトランスジューサ202によって放出される)超音波エネルギーを吸収することができる。例えば、トランスジューサ(複数可)202(例えば、基板260上に搭載される場合がある)は、マルチシンク媒体400と接触状態にあることができる(例えば、マルチシンク媒体400は、トランスジューサアレイ202の全てまたは一部分と、ハウジング231、ヒートシンク268、バッキングラミネート、および/または音響収集体230などの撮像デバイス100、200、250の別のコンポーネントの全てまたは一部分との間に少なくとも部分的に配設される)。幾つかの場合、トランスジューサ(複数可)202は、基板260上に搭載され、音響吸収体層230に(例えば、1つまたはふく数の接着剤層262によって)結合され得、任意選択で、バッキングラミネート(例えば、
図3に示すように、アルミニウムバッキングラミネートまたはタングステンバッキングラミネートなどの金属反射体)を有する。
【0027】
[041]本明細書で説明するように、マルチシンク媒体400は、撮像システムおよびデバイス100、200、250内への包含のために独自に有利な特性を有することができる。例えば、マルチシンク媒体400は、熱伝導性であると共に音響非伝導性(例えば、超音波エネルギーについて吸収性または消散性)であることができる。多くの場合、しばしば良好な熱伝導を示さない音響吸収層230は、しばしば音響反射性である1つまたは複数のヒートシンク268と共に撮像デバイス100、200、250内で最もよく使用される場合がある。マルチシンク媒体400は、変形可能または流動可能(例えば、注入可能または成形可能)であることもでき、それは、マルチシンク媒体400が、撮像デバイス100、200、250内のキャビティ、ギャップ、または空間270内に充填されることを可能にすることができ、トランスジューサ202の後方のコンポーネント(例えば、コーティング層266および/またはターゲット物質と反対方向に配設された)のより広範な音響分離、および、撮像デバイス100、200、250の熱感応性コンポーネントと、外部コンポーネント(例えば、ハウジング231)および/または音響反射性である場合がある熱伝導コンポーネント(例えば、ヒートシンク268など)との間のより大きい接触面積(例えば、熱流束のための断面積)を可能にする。例えば、マルチシンク媒体400は、音響吸収体層230と比べて、撮像デバイス100、200、250の音響反射コンポーネントのより完全な包囲を可能にする場合があり、音響吸収体層230は、パッド、ラミネート、またはフィルムを備える場合があり、また、例えば、音響反射コンポーネントの周りのキャビティ、ギャップ、または空間270内に、注入可能、成形可能、または流動可能でない場合がある。マルチシンク媒体400は、
図3、
図5、または
図6に明示的に示されないが、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270(例えば、
図3、
図5、または
図6に示すような)が、マルチシンク媒体400によって部分的にまたは完全に充填され得ること、および、本明細書で説明するかまたは本出願の図に示す音響吸収体層230および/またはヒートシンク268の一部または全てがマルチシンク媒体400によって置換される場合があることが企図される。
【0028】
[042]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、マルチシンク媒体400および音響吸収体層230(および、任意選択で、バッキングラミネート)を備える。
図3は、音響吸収体層230およびバッキングラミネート232(例えば、アルミニウムバッキングまたはタングステン反射体などの金属バッキング)を示すが、これらのコンポーネントの一方または両方は、省略されるかまたは(例えば、マルチシンク媒体400によって)置換される場合があり、例えば、撮像デバイス100、200、250の他のコンポーネント(例えば、マルチシンク媒体400)は、コーティング層222から離れる方向へのトランスジューサ202からの超音波の送信を実質的に防止する。例えば、撮像デバイス100、200、250は、例えば、
図4、
図5、および
図6に示すように、音響吸収体層230なしで、また任意選択で、バッキングラミネートなしでマルチシンク媒体400を含むことができる。幾つかの場合、例えば、バッキングラミネート232の代わりの、マルチシンク媒体400の使用は、撮像デバイス100、200、250のコンポーネントの製造を簡略化するおよび/またはそのコストを低減することができる。
【0029】
[043]
図3は、音響吸収層230を備える撮像デバイス250の実施形態を示す。本明細書で説明するように、撮像デバイス250は、マルチシンク媒体400を備えることができ、例えば、マルチシンク媒体は(例えば、部分的にまたは完全に充填する)キャビティ270内に配設される、および/または、マルチシンク媒体は、バッキングラミネート232、接着剤層262、および/または音響吸収体層230の1つまたは複数を置換する。
図3に示すように、本明細書で説明する超音波撮像システムまたはデバイス100、200の一部である場合がある撮像デバイス250は、レンズである場合があるまたはレンズとして機能する場合があるコーティング層222を備えることができる。
図3に示すように、コーティング層222は、ASICに(例えば、直接)結合される場合がある微小電気機械(MEM)トランスジューサ(複数可)202としての撮像デバイス250の遠位端のより近くに位置することができる。制御回路部を備える場合があるASIC106は、基板260(例えば、プリント回路板(PCB:printed circuit board)などの集積回路基板)に結合され得る。ASIC106は、電池238、メモリ236、通信回路部232、プロセッサ226、AFE228、および/またはポート234を含む場合がある撮像デバイス250の電子コンポーネントの一部または全てを含む場合がある。幾つかの場合、撮像デバイス250のコンポーネント(例えば、コーティング層222、トランスジューサ202、ASIC106、および/または基板260)は、タンブステン反射体などの反射体を備える場合がある1つまたは複数の接着剤層262、吸収体層230、および/またはバッキングラミネート232上に載る場合がある、または、それに直接または間接的に結合される場合がある。
【0030】
[044]
図4に示すように、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270(例えば、
図5または
図6に示すキャビティ270)の全てまたは一部分を充填することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジング231とヒートシンク268との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、撮像デバイス100、200、250のハウジング231と接触状態にあることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のヒートシンク268と接触状態にあることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、1つまたは複数のヒートシンク268と撮像デバイス100、200、250の基板260(例えば、プリント回路板を備えることができる)との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の基板260と接触状態にあることができる。
図4において接触状態で示されないが、マルチシンク媒体400は、ASIC106(例えば、制御回路部を備えることができる)と撮像デバイス100、200、250のヒートシンク268またはハウジング231との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、トランスジューサ202(例えば、トランスジューサアレイ、素子、またはピクセル)と撮像デバイス100、200、250のヒートシンク268またはハウジング231との間に配設され得る。
図6に示す撮像デバイス250のキャビティ270が、マルチシンク媒体400によって部分的にまたは完全に充填され得ること、および、1つまたは複数の音響吸収体層230および/または1つまたは複数の接着剤層262および/または1つまたは複数のバッキングラミネートが、幾つかの実施形態において、マルチシンク媒体400と接触状態にあることができることが理解される。
【0031】
[045]
図3、
図4、
図5、および
図6に示すように、ヒートシンク268および/またはハウジングは、種々の実施形態によれば、撮像デバイス250の基板上に載るかまたはそれに直接結合される場合がある。幾つかの場合、そのような構成は、マルチシンク媒体400がそこに配設され得る1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270を提供することができる。幾つかの場合、そのような構成は、ヒートシンク268および/または基板260が、(例えば、マルチシンク媒体400ではなく)撮像デバイス250の1つまたは複数のコンポーネントを機械的に支持することを可能にする。
【0032】
[046]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、(例えば、ポート234または無線送受信機を通して)例えば、コンピューティングデバイスなどの外部デバイスと、例えば、制御信号を含むデータを通信するために、通信ユニット232を備えることができる。撮像デバイス100、200、250は、例えば、撮像デバイス250のコンポーネント(例えば、プロセッサおよび/またはトランスジューサ)の動作のためのデータおよび/または命令を記憶するために、メモリ236(例えば、非一時的メモリ)を備えることができる。メモリ236は、本明細書で説明する機能を実施することが可能な、揮発性または不揮発性メモリあるいはデータストレージ(例えば、本明細書で説明する)として具現化され得る。幾つかの場合、メモリ236は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、および/またはドライバーなどの、撮像デバイス100、200、250の動作中に使用される場合がある種々のデータおよびソフトウェアを記憶する場合がある。
【0033】
[047]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、トランスジューサ、プロセッサ、および/またはメモリなどの撮像デバイスの1つまたは複数のコンポーネントに電力を提供するために、電池238を含むことができる。電池238は、無線または有線充電回路である場合がある電池充電回路を含む場合がある。撮像デバイス100、200、250は、幾つかの実施形態によれば、消費された電池電荷量を示し、電池寿命の改善のために電力管理を最適化するよう撮像デバイスを構成するために使用される場合があるゲージを含む場合がある。付加的にまたは代替的に、撮像デバイス100、200、250は、幾つかの実施形態によれば、外部電力源(例えば、壁電気コンセントから撮像デバイスに電力供給するためのプラグ)によって電力供給される場合がある。
【0034】
[048]撮像デバイス100、200、250は、種々の実施形態において、異なる適切なフォームファクターを含むことができる。幾つかの実施形態において、トランスジューサ202を含む撮像デバイス100、200、250の一部分は、撮像デバイス100、200、250の残りの部分から外方に延在する場合がある。撮像デバイス100、200、250は、任意の適切な超音波医療プローブ、例えば、コンベックスアレイプローブ、マイクロコンベックスアレイプローブ、リニアアレイプローブ、経膣プローブ、直腸内プローブ、外科プローブ、または術中プローブとして具現化される場合がある。
【0035】
[049]
図7A~7Cは、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400の(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図7Aは、試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示し、金属バッキング(この場合、アルミニウムバッキング)は、(ASICおよびトランスジューサのような電子コンポーネントから外方への最大熱伝達を提供するために)利用される撮像デバイス100、200、250の集積回路基板260に(例えば、接着剤によって)結合される。スキャンは、かなりの多重反射アーチファクトを示す;試験物質ターゲットまたはフィーチャはウォッシュアウトのために識別できない。
図7Bは、同一のスキャン設定を使用する同じ試験ターゲット物質のスキャンを示し、マルチシンク媒体400は、電子コンポーネント(集積回路基板260を含む)とアルミニウムヒートシンクとの間で利用される。スキャンは、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを示す。
図7Cは、同一のスキャン設定を使用する同じ試験ターゲット物質のスキャンを示し、空気バッキングは、電子コンポーネント(集積回路基板260を含む)とアルミニウムヒートシンクとの間で利用される。スキャンは、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを示す。
【0036】
[050]
図8A~8Cは、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400のいろいろな厚さの(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図8Aは、集積回路基板260と撮像デバイスのアルミニウムヒートシンクとの間に配設された0.5mmの厚さを有するマルチシンク媒体400を備える撮像デバイス100を使用して5.1MHzの中心周波数における試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示す。スキャンは、画像内にわずかな多重反射アーチファクトストリエーションを有する、明瞭に識別可能な試験物質ターゲットおよびフィーチャを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400がないスキャン結果(例えば、
図7Aに示す)を凌ぐ有意の改善を示す。
図8Bは、1.0mmであるマルチシンク媒体400の厚さを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図8Aに示すスキャン結果を凌ぐ有意の改善を示し、マルチシンク媒体400の厚さの増加は、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを有する画像をもたらす。
図8Cは、マルチシンク媒体400が空気バッキング(例えば、マルチシンク媒体400充填ギャップの代わりに、トランスジューサと撮像デバイス100のヒートシンクとの間の空気充填ギャップ)によって置換されることを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図8Bに示す結果と同様の結果を示し、その際、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャが、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態の画像において明らかである。全てにおいて、これらの結果は、マルチシンク媒体400の0.5mm以下の厚さが超音波スキャン品質を改善する(例えば、多重反射アーチファクトを低減する)のに十分であり、その際、品質が、マルチシンク媒体400の1.0mm程度の値の厚さにおける理想的な条件に向けて改善する(例えば、内部音響反射および多重反射アーチファクトの減少の結果として)ことを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400の1.5mm(例えば、+/-0.25mm)の厚さが、中域のまたは高い中心周波数における任意のスキャン条件から全ての多重反射アーチファクトを減衰させるまたはなくすのに十分であることを示唆する。
【0037】
[051]
図9A~9Cは、より低い中心周波数を有するスキャンを使用する、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400のいろいろな厚さの(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図9Aは、集積回路基板260と撮像デバイスのアルミニウムヒートシンクとの間に配設された0.5mmの厚さを有するマルチシンク媒体400を備える撮像デバイス100を使用して1.8MHzの中心周波数における試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示す。スキャンは、画像内にわずかな多重反射アーチファクトストリエーションを有する、明瞭に識別可能な試験物質ターゲットおよびフィーチャを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400がないスキャン結果(例えば、
図7Aに示す)を凌ぐ有意の改善を示す。
図9Bは、1.0mmであるマルチシンク媒体400の厚さを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図9Aに示すスキャン結果を凌ぐ有意の改善を示し、マルチシンク媒体400の厚さの増加は、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを有する画像をもたらす。
図9Cは、マルチシンク媒体400が空気バッキング(例えば、マルチシンク媒体400充填ギャップの代わりに、トランスジューサと撮像デバイス100のヒートシンクとの間の空気充填ギャップ)によって置換されることを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図9Bに示す結果と同様の結果を示し、その際、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャが、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態の画像において明らかである。全てにおいて、これらの結果は、マルチシンク媒体400の0.5mm以下の厚さが超音波スキャン品質を改善する(例えば、多重反射アーチファクトを低減する)のに十分であり、その際、品質が、マルチシンク媒体400の1.0mm程度の値の厚さにおける理想的な条件に向けて改善する(例えば、内部音響反射および多重反射アーチファクトの減少の結果として)ことを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400の1.5mm(例えば、+/-0.25mm)の厚さが、低い中心周波数における任意のスキャン条件から全ての多重反射アーチファクトを減衰させるまたはなくすのに十分であることを示唆する。
トランスジューサ
[052]幾つかの場合、本明細書で説明するシステム、デバイス、または方法は、1つまたは複数の圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT)を備えることができる。幾つかの場合、本明細書で説明するシステム、デバイス、または方法は、1つまたは複数の容量性微細加工超音波トランスジューサ(cMUT)を備えることができる。圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT)は、半導体ウェハ(例えば、プリント回路版、PCB)などの基板260上に形成され得る。半導体基板260上に構築されるpMUT素子は、よりかさばる圧電材料を有するかさばる従来のトランスジューサより小さいサイズプロファイルを提供することができる。幾つかの場合、pMUTは、製造するのに費用がかからない可能性もある、および/または、トランスジューサと超音波デバイスまたはシステムのさらなる電子部品との間により複雑でなくかつ高性能の相互接続を可能にする場合がある。
【0038】
[053]pMUTおよび/またはcMUTを含むことができる微細加工超音波トランスジューサ(MUT)は、ダイヤフラム(例えば、撮像デバイス(例えば、超音波プローブ)の内部の1つまたは複数の部分に対して、例えば、膜縁部に取り付けられる薄膜を含むことができる。対照的に、伝統的なバルク圧電(PZT)素子は、典型的に、単一固体材料片からなる。そのような伝統的なPZT超音波システムおよびデバイスは、例えば、適切な間隔を有するPZT超音波システムおよびデバイスを構成するPZTまたはセラミック材料をカットし搭載するために、高い精度が必要とされるため、作製するのに費用がかかる可能性がある。さらに、伝統的なPZT超音波システムおよびデバイスは、PZTシステムおよびデバイスの送信/受信電子部品のインピーダンスと比較して著しく高いトランスジューサインピーダンスを有する可能性があり、それは、性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0039】
[054]幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ素子104は、特定の周波数または帯域幅(例えば、帯域幅は中心周波数に関連する)で信号を送信および/または受信するように構成され得る。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ素子は、さらなる中心周波数および帯域幅で信号を送信および/または受信するようにさらに構成され得る。そのような複数周波数トランスジューサ素子104は、マルチモーダル素子104と呼ばれ得、幾つかの実施形態において、撮像システムまたはデバイス100の帯域幅を拡張するために使用され得る。トランスジューサ素子またはピクセル104は、例えば、0.1メガヘルツ(MHz)~100MHzの適切な中心周波数で超音波エネルギー(例えば、超音波波形、パターン、または圧力波)を放出(例えば、送信)および/または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、0.1MHz~1MHz、0.1MHz~1.8MHz、0.1MHz~3.5MHz、0.1MHz~5.1MHz、0.1MHz~10MHz、0.1MHz~25MHz、0.1MHz~50MHz、0.1MHz~100MHz、1MHz~1.8MHz、1MHz~3.5MHz、1MHz~5.1MHz、1MHz~10MHz、1MHz~25MHz、1MHz~50MHz、1MHz~100MHz、1.8MHz~3.5MHz、1.8MHz~5.1MHz、1.8MHz~10MHz、1.8MHz~25MHz、1.8MHz~50MHz、1.8MHz~100MHz、3.5MHz~5.1MHz、3.5MHz~10MHz、3.5MHz~25MHz、3.5MHz~50MHz、3.5MHz~100MHz、5.1MHz~10MHz、5.1MHz~25MHz、5.1MHz~50MHz、5.1MHz~100MHz、10MHz~25MHz、10MHz~50MHz、10MHz~100MHz、25MHz~50MHz、25MHz~100MHz、または50MHz~100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、少なくとも0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、せいぜい0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。
マルチシンク媒体400
[055]本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステム(例えば、超音波撮像デバイスまたはシステム)は、マルチシンク媒体400を備えることができる。マルチシンク媒体400は、音響非伝導性(例えば、超音波エネルギーについて非伝導性)であることができる。マルチシンク媒体400は、音響非反射性(例えば、超音波エネルギーについて非反射性)であることができる。例えば、マルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)の伝導および/または反射を部分的にまたは完全に阻止することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)を部分的にまたは完全に吸収するまたはその他の方法で消散させることができる。マルチシンク媒体400は熱伝導性であることができる。マルチシンク媒体400は、熱伝導性であると共に音響非伝導性である物質を含むことができる。
【0040】
[056]多くの場合、マルチシンク媒体400は、入射超音波波形またはパターンの一部または全てのエネルギーを吸収することができる(例えば、音響非伝導性)。例えば、マルチシンク媒体400は、入射超音波波形またはパターンのエネルギーを低減することが可能な物質を含むことができる。多くの場合、マルチシンク媒体400は、本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステムの超音波トランスジューサによって生成される入射音響エネルギーの一部または全てを吸収することが可能な物質を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、例えば、ターゲット物質またはその所定の部分以外の物質から撮像デバイスまたはシステムのトランスジューサに向かって反射される音響エネルギー(撮像デバイスまたはシステムの一部分を構成する音響反射材料から反射される音響エネルギー)の送信を減少させるために、超音波トランスジューサと、撮像デバイスまたはシステムのハウジング231、ヒートシンク268、および/または基板260などの音響反射材料との間に配設される。幾つかの場合、金属を含む物質は、音響反射性であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、金属がない可能性がある。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、金属酸化物がない可能性がある。例えば、マルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、金属粒子(例えば、アルミニウム粒子)を含まない場合がある。
【0041】
[057]マルチシンク媒体400は、ペーストまたはパティを含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、充填剤を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、テープ、シート、またはフィルムを備えることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、パッドを備えることができる。
【0042】
[058]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、エラストマーを含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、シリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーを含むことができる。幾つかの場合、シリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーは、所望の変形能特性(例えば、室温で流動するおよび/または注入または押し出しされる能力)を高熱伝導率の高い特性(例えば、シリコーンの熱伝導率から生じる場合がある)と組み合わせることができる。マルチシンク媒体400は、超音波エネルギーの伝搬を少なくとも部分的に阻止することが可能な材料を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、超音波エネルギーを少なくとも部分的に吸収することが可能な材料を含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、セラミック材料を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、セラミック充填シリコーンエラストマー(または、セラミック充填シリコーンベースエラストマー)を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、マルチシンク媒体400のバルク内に分散した粒子を含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、セラミック粒子を含むシリコーンエラストマーを含むことができる。幾つかの場合、セラミック粒子を含むシリコーンベースエラストマーは、ペーストまたはパティであることができる。
【0043】
[059]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、(例えば、室温で)変形または流動することが可能である。室温で変形可能であるかまたは流動することが可能である(例えば、室温で注入可能である)マルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス100、200、250内の(例えば、撮像デバイスまたはシステムのヒートシンクを完全にまたは部分的に囲むキャビティなどの、撮像デバイスまたはシステムのプローブ内のキャビティ内の)不規則形状の幾何学的構造を充填するときに有用であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分のキャビティ、ギャップ、または空間270に注入され得る(例えば、マルチシンク媒体400は、ヒートシンクおよび/またはプリント回路板に接触する)。幾つかの実施形態において、マルチシンク媒体400は、撮像デバイスまたはシステムまたはその所定の部分に(例えば、撮像デバイスまたはシステムプローブのヒートシンクおよび/またはプリント回路板と接触状態で)付加され得る。例えば、マルチシンク媒体400は、(例えば、室温で)注入可能または成形可能であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25グラム/分(g/min)~45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25g/min~30g/min、25g/min~35g/min、25g/min~40g/min、25g/min~45g/min、30g/min~35g/min、30g/min~40g/min、30g/min~45g/min、35g/min~40g/min、35g/min~45g/min、または40g/min~45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25g/min、30g/min、35g/min、40g/min、または45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、少なくとも25g/min、少なくとも30g/min、少なくとも35g/min、少なくとも40g/min、または少なくとも45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、せいぜい30g/min、せいぜい35g/min、せいぜい40g/min、またはせいぜい45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、非ニュートン速度を有する(例えば、シアシニング特性を有する)。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、時間依存速度を有する(例えば、チキソトロピック特性を有する)。幾つかの場合、エラストマーであるかまたはエラストマーを含むマルチシンク媒体400は、変形可能であるかまたは流動することが可能であることができる。例えば、エラストマーであるマルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、注入可能または成形可能であることができる。
【0044】
[060]幾つかの場合、変形可能であるかまたは流動することが可能である(例えば、注入可能または成形可能である)マルチシンク媒体400は、熱伝達を改善することが、普通なら容易でないかまたはおそらくは可能でないことになる撮像システムまたは撮像デバイスの所定の部分において熱伝達が改善されることを可能にすることができる。例えば、撮像システムおよび撮像デバイスまたはその所定の部分(例えば、超音波トランスジューサプローブ)、特に、(例えば、手持ち式超音波トランスジューサプローブヘッドにおいて)総合寸法の減少または最小化から利益を得る部分における熱伝達は、伝統的なヒートシンク(例えば、アルミニウムヒートシンクブロックなどの金属ヒートシンク)によってしばしば促進され、伝統的なヒートシンクは、撮像システムまたはデバイスのおそらくは熱感応性の他のコンポーネントによって支持される、それに取り付けられる、それと接触状態にある、または、それと接触状態にないがそれに近接する場合があり、別々に作製される必要がある場合があり、撮像システムまたはデバイスあるいはその所定の部分内の(例えば、空気充填式)キャビティ、ギャップ、または空間をおそらくは必要にする。そのようなキャビティ、ギャップ、または空間は、(例えば、ガス、例えば空気などの熱絶縁体で充填されると)撮像システムまたは撮像デバイス内の熱伝達を低減することができる。伝統的なヒートシンク(例えば、アルミニウムヒートシンクブロックなどの金属ヒートシンク)は、そのようなキャビティ、ギャップ、または空間を充填するために容易に作製されない場合がある。そのため、成形される、プレス加工される、注入される、変形される、またはその他の方法で撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間の全てまたは一部分に嵌ることを許容されることが可能なマルチシンク媒体400の包含は、伝統的な熱伝達コンポーネントが占有することができない場合がある撮像システムおよびデバイスの領域における熱伝達を改善することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にあるいはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5(ミリメートル)mm~2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5ミリメートル(mm)~0.8mm、0.5mm~1.0mm、0.5mm~1.3mm、0.5mm~1.5mm、0.5mm~1.7mm、0.5mm~2mm、0.8mm~1.0mm、0.8mm~1.3mm、0.8mm~1.5mm、0.8mm~1.7mm、0.8mm~2mm、1.0mm~1.3mm、1.0mm~1.5mm、1.0mm~1.7mm、1.0mm~2.0mm、1.3mm~1.5mm、1.3mm~1.7mm、1.3mm~2mm、1.5mm~1.7mm、1.5mm~2.0mm、または1.7mm~2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.3mm、1.5mm、1.7mm、または2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、少なくとも0.5mm、少なくとも0.8mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.3mm、少なくとも1.5mm、少なくとも1.7mm、または少なくとも2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンク媒体は、せいぜい0.8mm、せいぜい1.0mm、せいぜい1.3mm、せいぜい1.5mm、せいぜい1.7mm、またはせいぜい2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、多重反射アーチファクトは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のマルチシンク媒体が、幾つかの場合、+/-0.25mmの許容範囲を有する少なくとも1.0mmまたは少なくとも1.5mmの厚さを有するとき、超音波スキャンから完全になくされ得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250を製造する方法は、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270を部分的にまたは完全に充填するために、マルチシンク媒体400を注入することまたは成形することを含むことができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、完全に捕捉された縁部を備えることができる(例えば、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270の縁部は、例えば、注入されるときにマルチシンク媒体400の漏出を防止するために、結合されると共にシールされる)。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270内へのマルチシンク媒体400の注入を促進するために1つまたは複数の注入ポート(例えば、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のヒートシンクを通る)を備えることができる。幾つかの場合、注入ポートは、(例えば、基板260とヒートシンクとの間のボンディングとの干渉を回避するために、例えば、ヒートシンクの外側から、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間に開放するヒートシンクの内側まで)ハウジングまたはヒートシンクの側面を通して設けられる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、例えば、ヒートシンクが基板にボンディングされると、マルチシンク媒体400をキャビティ、ギャップ、または空間内に捕捉するために、ヒートシンクおよび基板またはハウジングおよび基板が結合/ボンディングされる前に、撮像デバイスまたはシステムに付加され得る。
【0045】
[061]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、熱伝導性であることができる。例えば、マルチシンク媒体400は、2ワット/メートル-ケルビン(W/mK)~7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、2W/mK~2.3W/mK、2W/mK~2.5W/mK、2W/mK~3W/mK、2W/mK~3.7W/mK、2W/mK~4W/mK、2W/mK~5W/mK、2W/mK~5.5W/mK、2W/mK~6W/mK、2W/mK~6.4W/mK、2W/mK~7W/mK、2.3W/mK~2.5W/mK、2.3W/mK~3W/mK、2.3W/mK~3.7W/mK、2.3W/mK~4W/mK、2.3W/mK~5W/mK、2.3W/mK~5.5W/mK、2.3W/mK~6W/mK、2.3W/mK~6.4W/mK、2.3W/mK~7W/mK、2.5W/mK~3W/mK、2.5W/mK~3.7W/mK、2.5W/mK~4W/mK、2.5W/mK~5W/mK、2.5W/mK~5.5W/mK、2.5W/mK~6W/mK、2.5W/mK~6.4W/mK、2.5W/mK~7W/mK、3W/mK~3.7W/mK、3W/mK~4W/mK、3W/mK~5W/mK、3W/mK~5.5W/mK、3W/mK~6W/mK、3W/mK~6.4W/mK、3W/mK~7W/mK、3.7W/mK~4W/mK、3.7W/mK~5W/mK、3.7W/mK~5.5W/mK、3.7W/mK~6W/mK、3.7W/mK~6.4W/mK、3.7W/mK~7W/mK、4W/mK~5W/mK、4W/mK~5.5W/mK、4W/mK~6W/mK、4W/mK~6.4W/mK、4W/mK~7W/mK、5W/mK~5.5W/mK、5W/mK~6W/mK、5W/mK~6.4W/mK、5W/mK~7W/mK、5.5W/mK~6W/mK、5.5W/mK~6.4W/mK、5.5W/mK~7W/mK、6W/mK~6.4W/mK、6W/mK~7W/mK、または6.4W/mK~7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、2W/mK、2.3W/mK、2.5W/mK、3W/mK、3.7W/mK、4W/mK、5W/mK、5.5W/mK、6W/mK、6.4W/mK、または7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、少なくとも2W/mK、少なくとも2.3W/mK、少なくとも2.5W/mK、少なくとも3W/mK、少なくとも3.7W/mK、少なくとも4W/mK、少なくとも5W/mK、少なくとも5.5W/mK、少なくとも6W/mK、少なくとも6.4W/mK、または少なくとも7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、せいぜい2.3W/mK、せいぜい2.5W/mK、せいぜい3W/mK、せいぜい3.7W/mK、せいぜい4W/mK、せいぜい5W/mK、せいぜい5.5W/mK、せいぜい6W/mK、せいぜい6.4W/mK、またはせいぜい7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マトリクス材料の選択は、マルチシンク媒体400が熱伝導性であるか否かを判定することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、マルチシンク媒体400がシリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーを含むとき熱伝導性であることができる。熱伝導性であるマルチシンク媒体400は、撮像デバイスまたは撮像システムにおける熱伝達を改善することができる。例えば、マルチシンク媒体400(例えば、集積回路(例えば、ASIC)、プロセッサ、および/またはトランスジューサ素子などの撮像デバイスまたは撮像システムのコンポーネントと接触状態にある)は、1つまたは複数のコンポーネントであって、(例えば、動作中に)熱を生成する場合がある、および/または、過剰の熱に敏感である場合がある(例えば、過剰の熱の存在下で、過熱する、性能の低下を経験する、および/または機能することを停止する場合がある)、1つまたは複数のコンポーネントから外方に熱を伝達するのに役立つことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像システムまたは撮像デバイスのヒートシンクおよび/またはハウジングまたはケーシングなどの撮像システムまたは撮像デバイスの別の熱伝導コンポーネントに接触することによって熱伝達を促進することができる。幾つかの場合、熱伝導性であるヒートシンクは、例えば、熱伝達(例えば、撮像システムまたは撮像デバイスの1つまたは複数の熱感応性コンポーネントから外方への)を改善するために、撮像システムまたは撮像デバイスまたはその一部分のキャビティ、ギャップ、または空間内に、位置付けられ得る、位置決めされ得る、注入され得る、または堆積され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間は、撮像システムまたはデバイスを作製するために使用される方法に起因する場合がある、または、システムまたはデバイスの第1のコンポーネントをシステムまたはデバイスの第2のコンポーネントから電気的にまたは機械的に分離するのを助けるために、システムまたはデバイスの設計に含まれる場合がある。幾つかの場合、撮像システムまたは撮像デバイスまたはその所定の部分のキャビティ、ギャップ、または空間内に、位置付けられる、位置決めされる、注入される、または堆積されるマルチシンクは、キャビティ、ギャップ、または空間内に普通なら位置付けられるコンポーネントまたは材料(例えば、空気などのガス)を置換することができ、例えば、置換されるコンポーネントまたは材料は、マルチシンク媒体400より低い熱伝導率を有する。例えば、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間をマルチシンク媒体400で充填することは、より低い熱伝導性のコンポーネントまたは材料(例えば、空気)を置換することができ、システムまたはデバイス内の熱伝達を増加させることができ、それは、撮像システムまたは撮像デバイスの過熱のまたは熱関連の性能の低下のリスクを低減する場合がある。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、熱伝導性である(例えば、本明細書で説明するように)と共に音響非伝導性(例えば、音響絶縁性)である。なぜなら、例えば、超音波を反射するという熱伝導材料の傾向の存在から生じる音響多重反射の結果として、多くの熱伝導材料(例えば、アルミニウムヒートシンク)が、超音波走査中にアーチファクトを引き起こす可能性があるからである。
バッキング層
[062]本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100(例えば、超音波撮像システムまたはデバイス100)は、バッキング層232(例えば、バッキングラミネート)を備えることができる。幾つかの場合、例えば、吸収体層230および/またはマルチシンク媒体400を備えるバッキング層232(例えば、バッキングラミネート)は、例えば、撮像システムまたはデバイス100内の超音波エネルギーの多重反射に起因する場合がある多重反射アーチファクトを減少させるために、撮像システムまたはデバイス100に付加され(例えば、撮像システムまたはデバイス100のプローブの内側に位置決めされ)得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、マルチシンク媒体400およびバッキング層232を備えることができる。バッキング層232(例えば、バッキングラミネート)は、金属を含むことができる。例えば、バッキングラミネート232は、タングステン反射体を備えることができる。幾つかの場合、バッキング層232の一部分を、幾つかの場合、備えることができる吸収体層230は、金属フォーム(例えば、銅フォーム)を含むことができる。幾つかの場合、バッキング層(例えば、バッキングラミネート)は、アルミニウムバッキングを備えることができる。幾つかの場合、バッキング層は、(例えば、バッキング層のコンポーネントを共に、および/またはバッキング層のコンポーネントを、基板260および/またはヒートシンク268などの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のコンポーネントに結合するために1つまたは複数の接着剤層262を備えることができる。
コンピューティグシステム
[063]
図10を参照すると、コンピュータシステム1000(例えば、処理またはコンピューティングシステム)を含む例示的な機械を示すブロック図が示され、コンピュータシステム1000内で、本開示の静的コードスケジューリングのための態様および/または方法論の任意の1つまたは複数をデバイスに実施または実行させるための命令のセットが実行され得る。
図10のコンポーネントは、例に過ぎず、任意のハードウェア、ソフトウェア、組み込み式(embedded)ロジックコンポーネント、または、特定の実施形態を実装する2つ以上のそのようなコンポーネントの組み合わせの使用または機能の範囲を制限しない。
【0046】
[064]コンピュータシステム1000は、バス1040を介して、互いにおよび他のコンポーネントと通信する1つまたは複数のプロセッサ1001、メモリ1003、およびストレージ1008を含む場合がある。バス1040は、ディスプレイ1032、1つまたは複数の入力デバイス1033(例えば、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラスなどを含む場合がある)、1つまたは複数の出力デバイス1034、1つまたは複数の記憶デバイス1035、および種々の有形記憶媒体1036にリンクする場合もある。これらの要素の全ては、直接あるいは1つまたは複数のインターフェースまたはアダプターを介してバス1040にインターフェースする場合がある。例えば、種々の有形記憶媒体1036は、記憶媒体インターフェース1026を介してバス1040とインターフェースすることができる。コンピュータシステム1000は、1つまたは複数の集積回路(IC)、プリント回路板(PCB)、モバイル手持ち式デバイス(モバイルテレフォンまたはPDAなど)、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、分散型コンピュータシステム、コンピューティンググリッド、またはサーバを含むがそれに限定しない任意の適切な物理的形態を有する場合がある。
【0047】
[065]コンピュータシステム1000は、機能を実行する1つまたは複数のプロセッサ(複数可)1001(例えば、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、汎用グラフィクス処理ユニット(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、または量子処理ユニット(QPU:quantum processing unit))を含む。プロセッサ(複数可)1001は、命令、データ、またはコンピュータアドレスの一時的ローカル記憶のためにキャッシュメモリユニット1002を、任意選択で含む。プロセッサ(複数可)101は、コンピュータ可読命令の実行を支援するように構成される。コンピュータシステム1000は、メモリ1003、ストレージ1008、記憶デバイス1035、および/または記憶媒体1036などの1つまたは複数の有形コンピュータ可読記憶媒体において具現化される非一時的プロセッサ実行可能命令をプロセッサ(複数可)1001が実行する結果として
図10に示すコンポーネントのための機能を提供する場合がある。コンピュータ可読媒体は、特定の実施形態を実装するソフトウェアを記憶する場合があり、プロセッサ(複数可)1001は、ソフトウェアを実行する場合がある。メモリ1003は、1つまたは複数の他のコンピュータ可読媒体(大容量記憶デバイス(複数可)1035、1036など)から、または、ネットワークインターフェース1020などの適切なインターフェースを通した1つまたは複数の他の供給源からソフトウェアを読み取る場合がある。ソフトウェアは、本明細書で説明するかまたは示す、1つまたは複数のプロセスあるいは1つまたは複数のプロセスの1つまたは複数のステップをプロセッサ(複数可)1001に実行させる場合がある。そのようなプロセスまたはステップを実行することは、メモリ1003に記憶されるデータ構造を規定すること、および、ソフトウェアによって指示されるようにデータ構造を修正することを含む場合がある。
【0048】
[066]メモリ1003は、ランダムアクセスメモリコンポーネント(例えば、RAM1004)(例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM:ferroelectric random access memory)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM:phase-change random access memory)など)、読み出し専用メモリコンポーネント(例えば、ROM1005)、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない種々のコンポーネント(例えば、機械可読媒体)を含む場合がある。ROM1005は、プロセッサ(複数可)1001に対してデータおよび命令を一方向に通信するために働く場合があり、RAM1004は、プロセッサ(複数可)1001とデータおよび命令を双方向に通信するために働く場合がある。ROM1005およびRAM1004は、以下で説明する任意の適切な有形コンピュータ可読媒体を含む場合がある。一例において、スタートアップ中などで、コンピュータシステム1000内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む基本入力/出力システム1006(BIOS:basic input/output system)は、メモリ1003に記憶される場合がある。
【0049】
[067]固定ストレージ1008は、任意選択で、ストレージ制御ユニット1007を通して、プロセッサ(複数可)1001に双方向に接続される。固定ストレージ1008は、さらなるデータストレージ容量を提供し、本明細書で説明する任意の適切な有形コンピュータ可読媒体を含む場合もある。ストレージ1008は、オペレーティングシステム1009、実行ファイル(複数可)1010、データ1011、アプリケーション1012(アプリケーションプログラム)、および同様のものを記憶するために使用される場合がある。ストレージ1008は、光ディスクドライブ、固体メモリデバイス(例えば、フラッシュベースシステム)、または上記の任意のものの組み合わせを含むこともできる。ストレージ1008内の情報は、適切な場合、メモリ1003内の仮想メモリとして組み込まれる場合がある。
【0050】
[068]一例において、記憶デバイス(複数可)1035は、記憶デバイスインターフェース1025を介してコンピュータシステム1000と(例えば、外部ポートコネクタ(示さず)を介して)取り外し可能にインターフェースされる場合がある。特に、記憶デバイス(複数可)1035および関連する機械可読媒体は、機械可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/またはコンピュータシステム1000用の他のデータの不揮発性および/または揮発性記憶を提供する場合がある。一例において、ソフトウェアは、記憶デバイス(複数可)1035上の機械可読媒体内に完全にまたは部分的に存在する場合がある。別の例において、ソフトウェアは、プロセッサ(複数可)1001内に完全にまたは部分的に存在する場合がある。
【0051】
[069]バス1040は、多種多様なサブシステムを接続する。本明細書で、バスに対する参照は、適切である場合、共通機能を提供する1つまたは複数のデジタル信号線を包含する場合がある。バス1040は、種々のバスアーキテクチャの任意のアーキテクチャを使用する、メモリバス、メモリコントローラ、ペリフェラルバス、ローカルバス、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない幾つかのタイプのバス構造の任意のバス構造である場合がある。制限としてではなく例として、そのようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、エンハンスドISA(EISA:Enhanced ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA:Micro Channel Architecture)バス、ビデオエレクトロニクススタンダードアソシエーションローカルバス(VLB:Video Electronics Standards Association local bus)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI:Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-エクスプレス(PCI-X:PCI-Express)バス、アクセラレーテッドグラフィクスポート(AGP:Accelerated Graphics Port)バス、ハイパートランスポート(HTX:HyperTransport)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA:serial advanced technology attachment)バス、およびその任意の組み合わせを含む。
【0052】
[070]コンピュータシステム1000は、入力デバイス1033を含む場合もある。一例において、コンピュータシステム1000のユーザは、コマンドおよび/または他の情報を入力デバイス(複数可)1033を介してコンピュータシステム1000に入力する場合がある。入力デバイス(複数可)1033の例は、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、ポインティングデバイス(例えば、マウスまたはタッチパッド)、タッチパッド、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ジョイスティック、スタイラス、ゲームパッド、オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン、音声応答システムなど)、光学スキャナ、ビデオまたはスチル画像取り込みデバイス(例えば、カメラ)、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。幾つかの実施形態において、入力デバイスは、Kinect、Leap Motion、または同様のものである。入力デバイス(複数可)1033は、シリアル、パラレル、ゲームポート、USB、FIREWIRE、THUNDERBOLT、または上記の任意の組み合わせを含むがそれに限定されない種々の入力インターフェース1023(例えば、入力インターフェース1023)の任意のインターフェースを介してバス1040にインターフェースされる場合がある。
【0053】
[071]特定の実施形態において、コンピュータシステム1000は、ネットワーク1030に接続されると、ネットワーク1030に接続された、他のデバイス、特にモバイルデバイスおよびエンタープライズシステム、分散型コンピューティングシステム、クラウドストレージシステム、クラウドコンピューティングシステム、および同様のものと通信する場合がある。コンピュータシステム1000へおよびからの通信は、ネットワークインターフェース1020を通して送信される場合がある。例えば、ネットワークインターフェース1020は、ネットワーク1030から1つまたは複数のパケット(インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)パケットなど)の形態で到来する通信(要求または他のデバイスからの要求など)を受信する場合があり、コンピュータシステム1000は、処理のために、到来する通信をメモリ1003に記憶する場合がある。コンピュータシステム100は、1つまたは複数のパケットの形態で出て行く通信(要求または他のデバイスへの要求など)をメモリ1003に同様に記憶し、ネットワークインターフェース1020からネットワーク1030に通信する場合がある。プロセッサ(複数可)1001は、処理のために、メモリ1003に記憶されたこれらの通信パケットにアクセスする場合がある。
【0054】
[072]ネットワークインターフェース1020の例は、ネットワークインターフェースカード、モデム、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ネットワーク1030またはネットワークセグメント1030の例は、分散型コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングシステム、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)(例えば、インターネット、エンタープライズネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)(例えば、オフィス、建物、キャンパス、または他の比較的小さい地理空間に関連するネットワーク)、電話ネットワーク、2つのコンピューティングデバイス間の直接接続、ピア-ツー-ピアネットワーク、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ネットワーク1030などのネットワークは、有線および/または無線通信モードを使用する場合がある。一般に、任意のネットワークトポロジーが使用される場合がある。
【0055】
[073]情報およびデータは、ディスプレイ1032を通して表示され得る。ディスプレイ1032の例は、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD:thin film transistor liquid crystal display)、パッシブマトリクスOLED(PMOLED:passive-matrix OLED)またはアクティブマトリクスOLED(AMOLED:active-matrix OLED)ディスプレイなどの有機液晶ディスプレイ(OLED:organic liquid crystal display)、プラズマディスプレイ、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ディスプレイ1032は、バス1040を介して、プロセッサ(複数可)1001、メモリ1003、および固定ストレージ1008、ならびに、入力デバイス(複数可)1033などの他のデバイスにインターフェースすることができる。ディスプレイ1032は、ビデオインターフェース1022を介してバス1040にリンクされ、ディスプレイ1032とバス1040との間のデータの伝送は、グラフィクスコントロール1021によって制御され得る。幾つかの実施形態において、ディスプレイはビデオプロジェクタである。幾つかの実施形態において、ディスプレイは、VRヘッドセットなどの頭部搭載型ディスプレイ(HMD:head-mounted display)である。さらなる実施形態において、適切なVRヘッドセットは、非制限的な例によれば、HTC Vive、Oculus Rift、Samsung Gear VR、Microsoft HoloLens、Razer OSVR、FOVE VR、Zeiss VR One、Avegant Glyph、Freefly VRヘッドセット、および同様のものを含む。なおさらなる実施形態において、ディスプレイは、本明細書で開示するデバイスなどのデバイスの組み合わせである。
【0056】
[074]ディスプレイ1032に加えて、コンピュータシステム1000は、オーディオスピーカ、プリンター、記憶デバイス、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない1つまたは複数の他のペリフェラル出力デバイス1034を含む場合がある。そのようなペリフェラル出力デバイスは、出力インターフェース1024を介してバス1040に接続される場合がある。出力インターフェース1024の例は、シリアルポート、パラレル接続、USBポート、FIREWIREポート、THUNDERBOLTポート、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。
【0057】
[075]さらにまたは代替として、コンピュータシステム1000は、本明細書で説明するかまたは示す1つまたは複数のプロセスあるいは1つまたは複数のプロセスの1つまたは複数のステップを実行するためにソフトウェアの代わりにまたはソフトウェアと共に動作する場合がある、回路において配線で接続されたまたはその他の方法で具現化されたロジックの結果として機能を提供する場合がある。本開示におけるソフトウェアに対する参照は、ロジックを包含し、ロジックに対する参照は、ソフトウェアを包含する場合がある。さらに、コンピュータ可読媒体に対する参照は、適切である場合、実行のためのソフトウェアを記憶する回路(ICなど)、実行のためのロジックを具現化する回路、または両方を包含する場合がある。本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の任意の適切な組み合わせを包含する。
【0058】
[076]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装される場合があることを当業者は理解するであろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、種々の例証的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能の観点から全体的に上記で説明された。
【0059】
[077]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書で説明する機能を実施するために設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはその任意の組み合わせによって実装または実施される場合がある。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサである場合があるが、代替において、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械である場合がある。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装される場合もある。
【0060】
[078]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接、1つまたは複数のプロセッサ(複数可)によって実行されるソフトウェアモジュールで、または両者の組み合わせで具現化される場合がある。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在する場合がある。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み取り、情報を記憶媒体に書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替において、記憶媒体は、プロセッサと一体をなす場合がある。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在する場合がある。ASICは、ユーザ端末内に存在する場合がある。代替において、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内でディスクリートコンポーネントとして存在する場合がある。
【0061】
[079]本明細書の説明によれば、適切なコンピューティングデバイスは、非制限的な例として、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、手持ち式コンピュータ、インターネットアプライアンス、モバイルスマートフォン、およびタブレットコンピュータを含む。オプションのコンピュータネットワーク接続性を有するセレクトテレビジョン、ビデオプレーヤ、およびデジタルミュージックプレーヤが、本明細書で説明するシステムで使用するのに適することを当業者は同様に認識するであろう。適切なタブレットコンピュータは、種々の実施形態において、当業者に知られている、ブックレット、スレート、および変換可能な構成を有するコンピュータを含む。
【0062】
[080]幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、実行可能命令を実施するように構成されるオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、例えば、デバイスのハードウェアを管理し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含むソフトウェアである。適切なサーバオペレーティングシステムが、非制限的な例として、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD(登録商標)、Linux(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標)Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標)NetWare(登録商標)を含むことを当業者は認識するであろう。適切なパーソナルコンピュータオペレーティングシステムが、非制限的な例として、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標) Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などのUNIXに似たオペレーティングシステムを含むことを当業者は認識するであろう。幾つかの実施形態において、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングによって提供される。適切なモバイルスマートフォンオペレーティングシステムが、非制限的な例として、Nokia(登録商標)Symbian(登録商標)OS、Apple(登録商標)iOS(登録商標)、Research In Motion(登録商標)BlackBerry OS(登録商標)、Google(登録商標)Android(登録商標)、Microsoft(登録商標) Windows Phone(登録商標)OS、Microsoft(登録商標)Windows Mobile(登録商標)OS、Linux(登録商標)、およびPalm(登録商標)WebOS(登録商標)を含むことを当業者は同様に認識するであろう。
アプリケーション
[081]幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、(例えば、非侵襲的)医療撮像、砕石術、治療介入のための局在化組織加熱、高密度焦点式超音波(HIFU:highly intensive focused ultrasound)手術、および/またはパイプ(またはスピーカおよびマイクロフォンアレイ)内の非医療使用流量測定において使用され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイスは、例えば、ドプラーモード撮像を使用して、動脈および/または静脈内の流体流(例えば、血液流)の方向および/または速度を決定するために使用され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイスは、組織剛性を測定するために使用され得る。
【0063】
[082]幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、1次元撮像(例えば、A-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、2次元撮像(例えば、B-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、3次元撮像(例えば、C-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、ドプラー撮像を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、リニアモードまたはセクターモードを含む異なるモードに(例えば、モード間で)切り換えられる場合がある。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、(例えば、ユーザによって)プログラム制御下で電子的に構成され得る。
【0064】
[083]多くの場合、撮像システムまたはデバイス100(例えば、撮像システムまたはデバイス100のプローブ)はポータブルであることができる。例えば、撮像システムまたはデバイス100は、1つまたは複数のトランスジューサ素子、ピクセル、またはアレイ、ASIC、制御回路部、および/またはコンピューティングデバイスを収容することができる手持ち式ケーシングを備えることができる(例えば、ハウジング内に収容することができる)。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、電池を備えることができる。
特定の定義
[084]別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語は、本主題が属する技術分野の専門家によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0065】
[085]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段に文脈が明確に指示しない限り、複数参照を含む。本明細書の「または(or)」に対するいずれの参照も、別段に述べない限り、「および/または(and/or)」を包含することを意図される。
【0066】
[086]本明細書全体を通して、「幾つかの実施形態(some embodiments)」、「さらなる実施形態(further embodiments)」、または「特定の実施形態(a particular embodiment)」に対する参照は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書全体を通しての種々の場所におけるフレーズ「幾つかの実施形態において(in some embodiments)」または「さらなる実施形態において(in further embodiments)」または「特定の実施形態において(in a particular embodiment)」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされる場合がある。
【0067】
[087]本主題の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されたが、そのような実施形態が単に例として提供されることが当業者に明らかになるであろう。多数の変形、変更、および置換を、ここで、本主題から逸脱することなく当業者が思い付くことになる。本明細書で説明する本主題の実施形態に対する種々の代替が本主題を実施するときに使用される場合があることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[001]超音波撮像は、医療および非破壊試験のための一般的な技法である。超音波システムおよびデバイスは、典型的に、音響波送信軸に沿って画像を作成するために、音響エネルギーを生成し、送信軸に沿って音響的に異質なターゲット物質内に送信し、ターゲット物質から反射される音響エネルギーを検出することが可能な超音波トランスジューサを備える。送信音響エネルギーの部分的または完全反射は、送信音響エネルギー波が、第1の音響インピーダンス(Z1)を有するターゲット物質の第1の部分と第2の音響インピーダンス(Z2)を有するターゲット物質の第2の部分と間の界面に遭遇すると起こり得る。反射音響エネルギー波の振幅を決定するために使用され得る反射係数(R)は、方程式(1)を使用して計算され得る:
【0002】
【0003】
[002]しかしながら、超音波システムおよびデバイスの性能は、超音波プローブトランスジューサおよび/または超音波スキャンのターゲット物質の周囲環境内の音響ノイズ源によって悪い影響を及ぼされ得る。多重反射(リバーブ)アーチファクトは、超音波エネルギー波が、2つ以上の平行な音響反射体間で反射するときに生じる可能性がある。幾つかの場合、平行な音響反射体を備えるターゲット物質内のリバーブアーチファクトの悪影響は、音響波がターゲット物質に送信される角度を変更することによって減じられ得る。しかしながら、そのような方策は、平行な音響反射体に対する超音波トランスジューサの角度を変更することが可能であるときに使用され得るだけである。多重反射アーチファクトが音響ノイズ源から生じ、送信超音波の入射角度が容易に変更されない状況に対処する長年にわたりかつ未解決の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[003]超音波スキャンターゲット(例えば、ターゲット物質)の外の発生源から生じる超音波撮像アーチファクトは、例えば、そのような妨害に対処するための超音波デバイスまたはシステムの設計に対する調整が、実質的な性能トレードオフおよび設計上の妥協を伴う可能性があるため、特有の課題を提示する可能性がある。本明細書において、超音波走査デバイス内の音響多重反射から生じるアーチファクトに関して超音波スキャン性能を改善することができるシステム、デバイス、および方法が説明される。種々の態様において、システム、デバイス、および方法は、熱管理、コスト、および/またはプローブ幾何形状制約に関連する競合する設計制約を同様に克服しながら、超音波スキャン品質に対する音響多重反射の影響を低減することができる。例えば、本明細書で説明する幾つかの実施形態は、システムまたはデバイスのプローブ内の熱伝導を同時に改善しながら、(例えば、超音波システムまたはデバイスの音響反射コンポーネントからの)超音波システムまたはデバイスの超音波トランスジューサの音響分離を改善することができるマルチシンク媒体(例えば、注入可能なマルチシンク媒体400)を含む。
【0005】
[004]種々の態様において、撮像デバイスは、集積回路基板と、集積回路基板と接触状態のマルチシンク媒体と、集積回路基板に結合された1つまたは複数の微小電気機械(MEM:microelectromechanical)超音波トランスジューサとを備える。幾つかの場合、撮像デバイスは、ヒートシンクをさらに備える。幾つかの場合、ヒートシンクは金属を含む。幾つかの場合、金属はアルミニウムである。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ヒートシンクと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサとヒートシンクとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、デバイスは、集積回路基板に結合されたハウジングをさらに備える。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジングと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサとハウジングとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、マルチシンク媒体は注入可能である。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも0.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.0mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、撮像デバイスは、バッキング材料をさらに備える。幾つかの場合、バッキング材料はバッキングラミネートを含む。
【0006】
[005]さらなる態様において、撮像デバイスを作製する方法は、撮像デバイスの第1のコンポーネントを集積回路基板に結合することによって内部キャビティを形成するステップと、1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサを集積回路基板に結合するステップと、マルチシンク媒体を内部キャビティに注入するステップとを含む。幾つかの場合、第1のコンポーネントは音響反射材料を含む。幾つかの場合、第1のコンポーネントは、集積回路基板に直接結合される。幾つかの場合、第1のコンポーネントはヒートシンクである。幾つかの場合、ヒートシンクは金属を含む。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ヒートシンクと接触状態にある。幾つかの場合、第1のコンポーネントはハウジングを備える。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジングと接触状態にある。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、1つまたは複数のMEMトランスジューサと第1のコンポーネントとの間に少なくとも部分的に配設される。幾つかの場合、マルチシンク媒体は注入可能である。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも0.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.0mmの厚さを有する。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.5mmの厚さを有する。幾つかの場合、方法は、バッキング材料を集積回路基板に結合するステップをさらに含む。幾つかの場合、バッキング材料はバッキングラミネートを含む。幾つかの場合、バッキング材料は、第1のコンポーネントと1つまたは複数のMEM超音波トランスジューサとの間に少なくとも部分的に配設される。
【0007】
[006]本主題の特徴および利点のよりよい理解は、例証的な実施形態および添付図面を述べる以下の詳細な説明を参照して得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[007]実施形態によるマルチシンク媒体を備えることができる撮像デバイスのブロック図である。
【
図2】[008]実施形態によるマルチシンク媒体を備えることができる撮像デバイスの略図である。
【
図3】[009]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの略図である。
【
図4】[010]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの代替の構成の略図である。
【
図5】[011]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの第2の代替の構成の略図である。
【
図6】[012]実施形態による撮像デバイスの内部コンポーネントの第3の代替の構成の略図である。
【
図7A】[013]実施形態による、アルミニウムバッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図7B】[014]実施形態による、マルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図7Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図7C】[015]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図7Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8A】[016]実施形態による、0.5ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8B】[017]実施形態による、1.0ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図8Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図8C】[018]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図8Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9A】[019]実施形態による、0.5ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体400を使用する試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9B】[020]実施形態による、1.0ミリメートル厚を有するマルチシンク媒体を使用する同一のスキャン設定による、
図9Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図9C】[021]実施形態による、空気バッキングを使用しマルチシンク媒体を使用しない同一のスキャン設定による、
図9Aの試験ターゲット基板の超音波スキャンを示す図である。
【
図10】[022]実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[023]本明細書に、超音波撮像アプリケーションにおける改善された音響および熱管理のためのシステム、デバイス、および方法が開示される。超音波撮像システムおよびデバイスを構成する幾何形状および材料は、熱管理および音響アーチファクトの低減を含む、複数のおそらくは競合する設計制約を生じさせる可能性がある。撮像システムまたはデバイスの温度感応性電子コンポーネント(例えば、超音波撮像システムまたはデバイスのプローブヘッド)から外方への熱伝達(Heat transfer)は、電子コンポーネントによって生成される熱用の導管として働く熱伝導性金属ヒートシンクの組み込みによって既存の機器において、典型的に対処される。残念ながら、金属ヒートシンクは、多重反射アーチファクトを含む音響アーチファクトを生成する可能性があり、そのアーチファクトは、超音波デバイスのトランスジューサ(例えば、超音波プローブヘッドのトランスジューサ)によって生成される超音波エネルギー(例えば、超音波波形またはパターン)に起因する可能性があり、超音波エネルギーは、デバイスの本体を通して後方に移動し、金属ヒートシンク(および/または超音波エネルギーを反射することができる他のコンポーネント)から反射し、デバイスの検出トランスジューサに戻る。その間、撮像システムまたはデバイスの内部キャビティまたは空間内に存在することができる、空気などの多くの音響絶縁材料は、熱エネルギーを効率的に伝導せず、超音波プローブヘッド内のプロセッサおよび集積回路などの撮像システムまたはデバイスの熱感応性内部コンポーネントから外方への熱伝導の総合効率を減少させる。本明細書で説明するように、熱エネルギーを効率的に伝導し、同時に、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)を吸収するまたは消散させることが可能な物質(例えば、セラミック粒子を含むシリコーンベースペーストまたはパティ)を含むことができるマルチシンク媒体400は、撮像トランスジューサの熱管理および音響分離を同時に改善するために、撮像システムおよびデバイス内に組み込まれ得る。多くの場合、注入可能かまたは成形可能なペーストまたはパティの形態で使用され得るマルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス内の不規則形状のキャビティ、ギャップ、または空間(例えば、超音波プローブヘッド内の)を容易に充填することができ、熱束(例えば、電気コンポーネントから、金属ヒートシンクまたはハウジングであって、音響アーチファクトを生成する可能性に加えて、そのようなキャビティ、ギャップ、および空間を充填するために容易に作製されない場合がある、金属ヒートシンクまたはハウジングまでの)のためのより大きい断面積を提供し、音響反射材料のより密接するおよび/または完全な輪郭付け(例えば、音響分離)を可能にする。
【0010】
[024]本明細書で説明するように、撮像システムまたはデバイス100は、超音波エネルギーを(例えば、超音波波形あるいは超音波波形の群またはパターンの形態で)送信および/または受信するように構成されるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。多くの場合、ターゲット物質の(例えば、ターゲット組織)の全てまたは一部分の画像は、撮像デバイスまたはシステム、例えば、本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステムの超音波トランスジューサによる超音波エネルギー(例えば、超音波波形または超音波波形のパターン)の処理および/または分析によって生成され得る。幾つかの場合、本開示の実施形態は、撮像デバイスおよびシステム、例えば、微小電気機械システム(MEM)超音波トランスジューサを備える非貫入型超音波撮像デバイスおよびシステムに関することができる。幾つかの場合、超音波トランスジューサは、MUT(例えば、単一ダイヤフラムまたは膜を有するトランスジューサユニット(例えば、「ピクセル(pixel)」))を備えることができる。幾つかの場合、超音波システムまたはデバイスは、1つのものとして共に機能するためにグループ化された複数のトランスジューサユニットを備えることができるトランスジューサ素子を備える。幾つかの場合、超音波トランスジューサは、受信した超音波エネルギー(例えば、受信した超音波波形またはパターン)を電気信号またはパターンに変換することができる。幾つかの場合、超音波デバイスまたはシステムは、受信した超音波波形またはパターンからトランスジューサによって生成される電気信号またはパターンをターゲット物質の全てまたは一部分の画像に変換するように構成され得る。
【0011】
[025]
図1に示すように、撮像システムまたはデバイス100はトランスジューサ102を備えることができる。撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ102は、1つまたは複数のトランスジューサ素子104(例えば、アレイで配置された、例えば、複数のトランスジューサ素子)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ102は、複数のトランスジューサ素子104を備えることができる。トランスジューサ素子104は、複数のトランスジューサユニットを備えることができ、複数のトランスジューサユニットは、圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT:piezoelectric micromachined ultrasound transducer)または容量性微細加工超音波トランスジューサ(cMUT:capacitive micromachined ultrasound transducer)をそれぞれ備える場合がある。pMUTまたはcMUTは、例えば、ターゲット物質の撮像において、光音響または超音波原理に基づいて動作することができる。トランスジューサ素子104またはその所定の部分(例えば、トランスジューサユニット)は、生物学的組織(例えば、人間または動物の骨、血流、および/または器官(複数可)を備える)および/または他の物質または質量を備えることができるターゲット物質を通って伝搬する超音波圧力波(例えば、超音波エネルギー)を生成するために使用され得る。トランスジューサ素子104またはその所定の部分(例えば、トランスジューサユニット)は、(例えば、ターゲット物質の一部分から反射された)超音波エネルギーを受信するために使用され得る。多くの場合、トランスジューサ素子104またはその所定の部分は、受信した超音波エネルギーを電気信号に変換するように構成され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、信号(例えば、超音波波形またはパターン)をターゲット物質(例えば、身体またはその所定の部分)内に送信し、ターゲット物質(例えば、身体またはその所定の部分)からの反射信号(例えば、超音波波形またはパターン)を受信することができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスは、超音波エネルギー(例えば、1つまたは複数の超音波波形またはパターンを含む)を同時に送信し受信するように構成され得る。
【0012】
[026]pMUTまたはcMUTなどのトランスジューサ(または複数のトランスジューサ)は、基板260上で、例えば、半導体ウェハ製造プロセスを利用する方法で、効率的に形成され得る。従来のトランスジューサ(例えば、伝統的なバルク圧電(PZT:piezoelectric)トランスジューサ)と比較して、pMUTトランスジューサ素子およびピクセルは、半導体基板260(例えば、集積回路基板)上に構築され得、半導体基板260は、かさばらず、製造するのに費用がかからず、より複雑でなく、伝統的なPZTトランスジューサ基板に比べて、高性能の電子/トランスジューサ相互接続を有することができる。多くの場合、pMUTを備える撮像システムおよびデバイス100は、動作周波数においてより大きい柔軟性を可能にすることができ、より高品質な画像を生成することができる。
【0013】
[027]幾つかの場合、基板260(例えば、集積回路基板)は、半導体ウェハを備えることができる。幾つかの場合、半導体ウェハは、長さが、152.4mm(6インチ)、203.2mm(8インチ)、304.8mm(12インチ)、152.4~203.2mm(6~8インチ)、203.2~304.8mm(8~12インチ)、152.4~304.8mm(6~12インチ)、152.4mm(6インチ)より小さい値、または304.8mm(12インチ)より大きい値であることができる。幾つかの場合、半導体ウェハは、シリコン基板上に1つまたは複数の二酸化ケイ素(SiO2)層を形成することによって製造され得る。半導体ウェハの製造におけるさらなる処理は、例えば、半導体ウェハ集積回路基板260に結合される電子コンポーネント用のインターコネクトおよびボンドパッドとして役立つために、金属層または経路の付加(例えば、堆積またはエッチングのプロセスを含む)を含むことができる。幾つかの場合、キャビティは、集積回路基板260内にエッチングされ得る。
【0014】
[028]撮像システムまたはデバイス100は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)を備えることができ、ASICは、トランスジューサの動作、送信超音波波形またはパターンの形成、および/または、(例えば、ターゲット物質またはその所定の部分からの)(例えば、反射された)超音波エネルギーを受信すると、トランスジューサによって生成される電気信号の処理のための電子部品を備えることができる。幾つかの場合、ASICは、1つまたは複数の送信ドライバー、(例えば、撮像される物体または物質から後方に反射した後にトランスジューサによって受信されたと思われる受信超音波エネルギーに対応する電気エネルギー(例えば、エコー信号)を処理するための)検知回路部、および/または、撮像システムまたはデバイス100の機能に関連する他の動作を制御するための他の処理回路部を備えることができる。幾つかの場合、ASICは、基板260(例えば、半導体ウェハ集積回路基板などの半導体ウェハ)上に形成され得る。幾つかの場合、ASICは、例えば、寄生損失を低減するために、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサ(例えば、pMUTまたはcMUT)素子またはピクセルにごく接近して位置付けられ(例えば、撮像システムまたはデバイス100内に位置決めされ)得る。例えば、ASICは、トランスジューサ(例えば、トランスジューサ素子のアレイ)から50マイクロメートル以下に位置付けられ得る。ASICは、撮像システムまたはデバイス100の基板260(例えば、半導体ウェハ集積回路基板)に直接結合され得る。幾つかの場合、ASICは、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサが直接結合されるのと同じ集積回路基板260(例えば、半導体ウェハ基板)に直接結合される。例えば、撮像システムまたはデバイス100のトランスジューサは、例えば、ASICに適合する低温ピエゾ材料スパッタリングおよび/または他の低温処理を使用して、ASICがその上で製造される集積回路基板260に結合され得る。幾つかの場合、ASICは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のトランスジューサに(例えば、積層式ウェハ-ツー-ウェハ相互接続によって)直接的に結合される集積回路基板260(例えば、半導体ウェハ基板)に間接的に結合される。例えば、ASICは、トランスジューサに間接的に結合される第1の集積回路基板260に直接結合される場合がある(例えば、第1の集積回路基板は、トランスジューサに直接結合される第2の集積回路基板260に直接結合される)。幾つかの場合、ASIC(または、ASICに結合された集積回路基板260)は、トランスジューサ素子またはアレイ(あるいはトランスジューサ素子またはアレイに結合された半導体ウェハ基板260)から100マイクロメートル未満だけ空間的に分離される場合がある。幾つかの場合、ASICは、pMUTトランスジューサ(例えば、pMUT素子を備える)に対して同様のまたは同一のフットプリントを有することができる。ASICは、インターコネクトを介してトランスジューサに結合され得る。
【0015】
[029]撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のトランスジューサ104(例えば、1つまたは複数のトランスジューサ素子またはピクセル)は、特定の周波数および帯域幅で(または或る範囲の周波数内でおよび或る範囲の帯域幅で)超音波信号(例えば、超音波圧力波または波形のパターンの形態の、例えば、超音波エネルギー)を送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104(またはトランスジューサ素子のアレイ)は、例えば、第1の中心周波数(および第1の帯域幅)および1つまたは複数のさらなる中心周波数(1つまたは複数の対応するさらなる帯域幅を有する)を含む、複数の周波数および帯域幅で、信号(例えば、超音波圧力波または波形のパターンの形態の、例えば、超音波エネルギー)を送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104(例えば、トランスジューサアレイ、素子、またはピクセル)は、0.1メガヘルツ(MHz)~100メガヘルツ(MHz)(例えば、0.1MHz~1.8MHz、1.8MHz~5.1MHz、または5.1MHzより大きい値)の中心周波数を有する超音波信号を放出(例えば、送信)または受信することができる。幾つかの場合、超音波信号(例えば、超音波波形、パターン、または圧力波)は、1つまたは複数のトランスジューサがそれに応答する周波数の電圧パルスを用いてトランスジューサアレイ(例えば、または、トランスジューサ素子104またはピクセルの群)の1つまたは複数のトランスジューサ102を駆動するために1つまたは複数の送信チャネル108を使用することによって生成され得る。多くの場合、これは、例えば、ターゲット物質またはその一部分の撮像が所望されるときに、超音波波形を、トランスジューサ素子104からターゲット物質に向かって放出(例えば、送信)させることができる。幾つかの場合、超音波波形は、撮像デバイスの1つまたは複数の対応するトランスジューサ素子から送信される1つまたは複数の超音波圧力波を含むことができ、例えば、圧力波は、同時にまたは実質的に同時に送信される。超音波エネルギー(本明細書で説明するように、例えば、波形またはパターンの形態で、例えば、トランスジューサによってターゲット物質に向けて送信される)は、ターゲット物質に向かって、その中に、および/またはそれを通って移動することができる。多くの場合、送信超音波エネルギーの全てまたは一部分は、トランスジューサ102に戻るように反射され得る。多くの場合、例えば、ターゲット物質またはその所定の部分からトランスジューサ102に戻るように反射される超音波エネルギーは、トランスジューサ102によって受信され得る。トランスジューサ102によって受信される超音波エネルギー(例えば、トランスジューサ102に戻るように反射された後の)は、トランスジューサ102における圧電効果を通して電気エネルギー(例えば、電気信号)に変換され得る。1つまたは複数の受信チャネル110は、トランスジューサ102によって生成される電気エネルギーを(例えば、超音波エネルギーを電気信号に変換する結果として)収集することができる。幾つかの場合、1つまたは複数の受信チャネル110は、電気エネルギーを処理することができる。幾つかの場合、トランスジューサ102によって生成される(例えば、また、受信チャネル110によって収集される)電気エネルギーは、例えば、表示され得る画像の生成を含む場合がある処理のために、コンピューティングシステムまたはデバイス112に送信され得る。
【0016】
[030]撮像システムまたはデバイス100、200、250は、コントローラを備えることができる制御回路部106を備えることができる。撮像システムまたはデバイス100、200、250の制御回路部106は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のトランスジューサ素子104またはトランスジューサユニットを制御する(例えば、動作させる)ように構成され得る。幾つかの場合、制御回路部106は、トランスジューサ素子104に戻るように反射される超音波エネルギー(例えば、超音波圧力波を含む)を受信し、受信超音波信号に基づいて電気信号を生成するためにトランスジューサ素子104を動作させるように構成され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250の制御回路部106は、1つまたは複数の送信チャネル108および1つまたは複数の受信チャネル110を備えることができる。幾つかの場合、制御回路部は、ビーム形成回路部を備えることができる。幾つかの場合、制御回路部106は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、システムオンチップ、プロセッサ、メモリ(例えば、非一時的メモリおよび/または一時的メモリ)、電圧源、電流源、1つまたは複数の増幅器(例えば、1つまたは複数の演算増幅器)、1つまたは複数のデジタルアナログ変換器、および/または、1つまたは複数のアナログデジタル変換器を備える。幾つかの場合、トランスジューサ104は、1つまたは複数の送信ドライバー回路(例えば、本明細書で説明する送信チャネルの)および/または低ノイズ増幅器(例えば、受信チャネルの)に結合され得る。幾つかの場合、送信チャネルは送信ドライバーを含むことができる。幾つかの場合、受信チャネルは、1つまたは複数の低ノイズ増幅器を備えることができる。幾つかの場合、送信および受信チャネルは、例えば、特定のトランスジューサ素子およびトランスジューサ素子のセットが、起動される、停止される、または低電力モードに置かれることを可能にするために、多重化およびアドレス制御回路部をそれぞれ含むことができる。
【0017】
[031]撮像システムまたはデバイス100、200、250は、本明細書で説明するように、コンピューティングシステム112(例えば、コンピューティングデバイス112)を備えることができる。幾つかの場合、コンピューティングシステムまたはデバイスは、プロセッサ、メモリ(例えば、非一時的メモリおよび/または一時的メモリ)、通信回路部(例えば、無線または有線通信ポートおよび/または通信モジュール)、電池、および/またはディスプレイを備えることができる。コンピューティングシステムまたはデバイス112は、制御回路部106および/または1つまたは複数のトランスジューサ素子、ピクセル、またはアレイ102と統合され(例えば、に結合され)得る。幾つかの場合、コンピューティングシステムまたはデバイス112は、例えば、単一システムオンチップ(SoC:system on a chip)として単一基板260(例えば、チップ)に結合された、または、同じハウジング内に配設された複数のコンポーネント(例えば、制御回路部、トランスジューサ、および/またはマルチシンク媒体400などの本明細書で説明するコンポーネント)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250のコンピューティングシステムまたはデバイス112は、制御回路部、トランスジューサ、および/またはマルチシンク媒体400に結合されるが、それから物理的に離れている(例えば、それと同じチップ内にまたは同じハウジング内に位置しない)ことができる。
【0018】
[032]幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスは、必要とされる画像品質を同時に維持しながら、撮像デバイスの温度限界を超えることなく、電力損失を制御する方法で、発射を送信するように構成され得る(例えば、トランスジューサ素子からターゲット物質に向けての、その中への、および/またはそれを通した超音波波形の送信)。幾つかの場合、送信および/または受信チャネルの数またはパターンは、例えば、デバイス内の電力消費を低減するおよび/または過熱のリスクを低減するために、(例えば、制御回路部106によって)動的に制御され得る。幾つかの場合、動作中の撮像システムまたはデバイス100、200、250の送信チャネル108の数および/または受信チャネル110の数は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の動作を通して一定である。幾つかの場合、動作中の送信チャネルの数は、撮像システムまたはデバイス100、200、250の動作を通して一定でない。例えば、N列およびM行を有する2次元空間アレイで配置された(例えば、直交する行および列で配置された、または、非対称の(または、千鳥状の)直線的アレイで配置された)トランスジューサ素子104を有する撮像システムは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のトランスジューサアレイの動作全体を通してまたは動作中の任意の時点において、Nと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネル、Mと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネル、N×Mと同程度の数の送信チャネルおよび/または受信チャネルを使用する場合がある。例えば、トランスジューサ素子104のサブセットは、所与の超音波スキャンまたは超音波スキャンの所定の部分のために使用される場合がある。幾つかの場合、トランスジューサ素子は、送信チャネル108と受信チャネル110の両方に結合される場合がある。例えば、トランスジューサ素子104は、超音波パルスを作成し送信し、その後、例えば、反射超音波エネルギーを電気エネルギーに変換することによって、そのパルスのエコーを検出するように構成される場合がある。幾つかの場合、複数のトランスジューサ104は、同じ1つまたは複数の送信チャネル108および/または同じ1つまたは複数の受信チャネル110に結合され得る。幾つかの場合、トランスジューサ104のそれぞれは、異なる送信チャネル108および/または異なる受信チャネル110に結合され得る。幾つかの場合、トランスジューサ素子104の任意のものまたは全ては、送信チャネル108または受信チャネル110に結合されるが、両方に結合されない場合がある。
【0019】
[033]本明細書で説明するように、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、例えば、熱管理を改善するおよび/また撮像アーチファクト(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250の音響反射コンポーネントに起因する多重反射アーチファクト)を低減するために、(例えば、送信および/または受信チャネルの動的制御を有するまたはそれを欠くシステムおよびデバイス100において)マルチシンク媒体400を備えることができる。
【0020】
[034]
図2は、幾つかの実施形態による、選択的に調整可能なフィーチャを有する撮像デバイス100、200、250の略図である。撮像デバイス200、250は、単に例として、
図1の撮像デバイス100と同様である場合がある。撮像デバイス100、200、250は、超音波医療プローブを備える場合がある。
【0021】
[035]
図2に示すように、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250のプローブ)は、例えば、トランスジューサ202および関連する電子部品を収容することができるハウジング231(例えば、手持ち式ケーシング)を備えることができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250のプローブ)は、例えば、
図2に示すように、例えば、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分の1つまたは複数のコンポーネントに電力供給するために、電池238を備えることができる。幾つかの場合、例えば、
図2に示すように、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分は、2Dアレイで配置された、任意選択で、基板260(例えば、シリコンウェハ集積回路ウェハ)上に構築された(に結合された)pMUTトランスジューサ素子を使用して2次元(2D)および/または3次元(3D)撮像が可能なポータブル撮像デバイスを備えることができる。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ(例えば、トランスジューサアレイ)は、例えば、本明細書で説明するように、トランスジューサ動作のパラメータを制御するのに役立つことができる特定用途向け集積回路(ASIC)106に(例えば、直接または間接的に)結合され得る。
図2に明示的に示さないが、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分(例えば、
図2に示す)は、例えば、トランスジューサ(および/またはASIC、および/または集積回路基板260などの基板260)と、ヒートシンク、ハウジング、または
図2に示す1つまたは複数のさらなるコンポーネントのうちの1つまたは複数との間で、ハウジング内に配設され得るマルチシンクを備えることができる。
【0022】
[036]
図2に示すように、撮像デバイス100、200、250は、1つまたは複数のトランスジューサ202を備えることができる。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ202は、トランスジューサ素子の1つまたは複数のアレイを備えることができ、例えば、トランスジューサ202は、超音波エネルギー(例えば、超音波圧力波)を送信および/受信するように構成される場合がある。
【0023】
[037]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、トランスジューサ202とターゲット物質(例えば、撮像デバイス100、200、250によって超音波エネルギーがそこを通って送信される人間の身体あるいは他の質量または組織)との間のインピーダンス整合界面として役立つために、コーティング層222を備えることができる。幾つかの場合、コーティング層222は、レンズであることができ、または、例えば、所望の焦点距離と整合する曲率を持つように設計されると、レンズとして機能することができる。幾つかの場合、ユーザは、例えば、コーティング層222およびターゲット物質の表面の界面におけるインピーダンス整合を改善するために、コーティング層222をターゲット物質の表面に接触させる前に、ターゲット物質の表面に(例えば、生体の皮膚に)ゲルを塗布する場合がある。幾つかの場合、本明細書で説明する整合インピーダンスは、(例えば、ターゲット物質内への送信中に、または、ターゲット物質からの反射音響エネルギーの受信中に)コーティング層222およびターゲット物質の表面の界面における音響エネルギーの伝導を改善することができ、音響エネルギーの(例えば、振幅の)損失を低減することができる。コーティング層222は、例えば、トランスジューサ202(例えば、その平坦アレイ)から身体への音響信号の送信を最大にする、また、その逆も同様に最大にするために平坦層である場合がある。コーティング層222は、幾つかの実施形態において、トランスジューサ202で生成される音響圧力波の波長の1/4(例えば、25%)に等しい厚さを有することができる。
【0024】
[038]撮像デバイス100、200、250は、制御回路部106を備えることができる。制御回路部106は、例えば、1つまたは複数のトランスジューサ202を制御するために、1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。幾つかの場合、制御回路部106は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはASICチップを備える。幾つかの場合、ASICまたはASICチップは、1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。制御回路部106は、幾つかの実施形態において、例えば、バンプによって、例えば、積層構成で1つまたは複数のトランスジューサ102に結合され得る。幾つかの場合、制御回路部は、例えば、欠陥についてピクセルを試験したいおよび/または走査モードを変更するかまたはその他の方法でトランスジューサ102の動作を調整したいという要望に基づいて、送信チャネル108および受信チャネル110を(例えば、選択的に)動作させるおよび/またはその動作を調整するように構成され得る。幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のコンポーネントを制御するために、1つまたは複数のプロセッサ226を備えることができる。1つまたは複数のプロセッサ226は、1つまたは複数のトランスジューサ素子の動作を(例えば、制御回路部106と協調してまたはそれと独立に)制御する、電気信号を(例えば、トランスジューサ素子によって受信される反射超音波エネルギーに基づいて)処理する、および/または、(例えば、コンピューティングデバイス112などのコンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって撮像されるターゲット物質またはその所定の部分の画像の回復をもたらすために)信号を生成するように構成され得る。幾つかの場合、1つまたは複数のプロセッサ226は、撮像デバイス100、200、250に関連する他の処理機能を実施するように構成され得る。プロセッサ(複数可)226は、任意のタイプのプロセッサ(複数可)として具現化され得る。例えば、1つまたは複数のプロセッサ226は、単一またはマルチコアプロセッサ(複数可)、単一またはマルチソケットプロセッサ(複数可)、デジタル信号プロセッサ(複数可)、グラフィクスプロセッサ(複数可)、ニューラルネットワークコンピュータエンジン(複数可)、画像プロセッサ(複数可)、マイクロコントローラ(複数可)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(複数可)(FPGA)、または他のプロセッサ/制御回路(複数可)として具現化され得る。
【0025】
[039]撮像デバイス100、200、250は、アナログフロントエンド(AFE:Analog Front End)(例えば、信号を処理する/調整するための)を備えることができる回路(複数可)228を備えることができる。幾つかの場合、アナログフロントエンド228は、制御回路部106およびプロセッサ226などの撮像デバイスの他のコンポーネントとインターフェースするように構成される任意の1つまたは複数の回路として具現化され得る。例えば、アナログフロントエンド228は、例えば、1つまたは複数のデジタルアナログ変換器、1つまたは複数のアナログデジタル変換器、および/または1つまたは複数の増幅器を含むことができる。
【0026】
[040]撮像デバイス100、200、250は、例えば、
図3、
図4、
図5、および
図6に示すように、マルチシンク媒体400および/または音響吸収体層230(例えば、トランスジューサ202によって生成され、回路228に向かって伝搬される音響エネルギーを吸収するための)を備えることができる。マルチシンク媒体400(および、幾つかの場合、音響吸収体層)は、普通なら反射され、(例えば、多重反射アーチファクトなどのアーチファクト(複数可)の生成を通して)画像の品質に干渉する場合がある、逆方向に放出される(例えば、コーティング層222から離れる方向にトランスジューサ202によって放出される)超音波エネルギーを吸収することができる。例えば、トランスジューサ(複数可)202(例えば、基板260上に搭載される場合がある)は、マルチシンク媒体400と接触状態にあることができる(例えば、マルチシンク媒体400は、トランスジューサアレイ202の全てまたは一部分と、ハウジング231、ヒートシンク268、バッキングラミネート、および/または音響収集体230などの撮像デバイス100、200、250の別のコンポーネントの全てまたは一部分との間に少なくとも部分的に配設される)。幾つかの場合、トランスジューサ(複数可)202は、基板260上に搭載され、音響吸収体層230に(例えば、1つまたはふく数の接着剤層262によって)結合され得、任意選択で、バッキングラミネート(例えば、
図3に示すように、アルミニウムバッキングラミネートまたはタングステンバッキングラミネートなどの金属反射体)を有する。
【0027】
[041]本明細書で説明するように、マルチシンク媒体400は、撮像システムおよびデバイス100、200、250内への包含のために独自に有利な特性を有することができる。例えば、マルチシンク媒体400は、熱伝導性であると共に音響非伝導性(例えば、超音波エネルギーについて吸収性または消散性)であることができる。多くの場合、しばしば良好な熱伝導を示さない音響吸収層230は、しばしば音響反射性である1つまたは複数のヒートシンク268と共に撮像デバイス100、200、250内で最もよく使用される場合がある。マルチシンク媒体400は、変形可能または流動可能(例えば、注入可能または成形可能)であることもでき、それは、マルチシンク媒体400が、撮像デバイス100、200、250内のキャビティ、ギャップ、または空間270内に充填されることを可能にすることができ、トランスジューサ202の後方のコンポーネント(例えば、コーティング層222および/またはターゲット物質と反対方向に配設された)のより広範な音響分離、および、撮像デバイス100、200、250の熱感応性コンポーネントと、外部コンポーネント(例えば、ハウジング231)および/または音響反射性である場合がある熱伝導コンポーネント(例えば、ヒートシンク268など)との間のより大きい接触面積(例えば、熱流束のための断面積)を可能にする。例えば、マルチシンク媒体400は、音響吸収体層230と比べて、撮像デバイス100、200、250の音響反射コンポーネントのより完全な包囲を可能にする場合があり、音響吸収体層230は、パッド、ラミネート、またはフィルムを備える場合があり、また、例えば、音響反射コンポーネントの周りのキャビティ、ギャップ、または空間270内に、注入可能、成形可能、または流動可能でない場合がある。マルチシンク媒体400は、
図3、
図5、または
図6に明示的に示されないが、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270(例えば、
図3、
図5、または
図6に示すような)が、マルチシンク媒体400によって部分的にまたは完全に充填され得ること、および、本明細書で説明するかまたは本出願の図に示す音響吸収体層230および/またはヒートシンク268の一部または全てがマルチシンク媒体400によって置換される場合があることが企図される。
【0028】
[042]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、マルチシンク媒体400および音響吸収体層230(および、任意選択で、バッキングラミネート)を備える。
図3は、音響吸収体層230およびバッキングラミネート232(例えば、アルミニウムバッキングまたはタングステン反射体などの金属バッキング)を示すが、これらのコンポーネントの一方または両方は、省略されるかまたは(例えば、マルチシンク媒体400によって)置換される場合があり、例えば、撮像デバイス100、200、250の他のコンポーネント(例えば、マルチシンク媒体400)は、コーティング層222から離れる方向へのトランスジューサ202からの超音波の送信を実質的に防止する。例えば、撮像デバイス100、200、250は、例えば、
図4、
図5、および
図6に示すように、音響吸収体層230なしで、また任意選択で、バッキングラミネートなしでマルチシンク媒体400を含むことができる。幾つかの場合、例えば、バッキングラミネート232の代わりの、マルチシンク媒体400の使用は、撮像デバイス100、200、250のコンポーネントの製造を簡略化するおよび/またはそのコストを低減することができる。
【0029】
[043]
図3は、音響吸収層230を備える撮像デバイス250の実施形態を示す。本明細書で説明するように、撮像デバイス250は、マルチシンク媒体400を備えることができ、例えば、マルチシンク媒体は(例えば、部分的にまたは完全に充填する)キャビティ270内に配設される、および/または、マルチシンク媒体は、バッキングラミネート232、接着剤層262、および/または音響吸収体層230の1つまたは複数を置換する。
図3に示すように、本明細書で説明する超音波撮像システムまたはデバイス100、200の一部である場合がある撮像デバイス250は、レンズである場合があるまたはレンズとして機能する場合があるコーティング層222を備えることができる。
図3に示すように、コーティング層222は、ASICに(例えば、直接)結合される場合がある微小電気機械(MEM)トランスジューサ(複数可)202としての撮像デバイス250の遠位端のより近くに位置することができる。制御回路部を備える場合があるASIC106は、基板260(例えば、プリント回路板(PCB:printed circuit board)などの集積回路基板)に結合され得る。ASIC106は、電池238、メモリ236、通信回路部232、プロセッサ226、AFE228、および/またはポート234を含む場合がある撮像デバイス250の電子コンポーネントの一部または全てを含む場合がある。幾つかの場合、撮像デバイス250のコンポーネント(例えば、コーティング層222、トランスジューサ202、ASIC106、および/または基板260)は、タンブステン反射体などの反射体を備える場合がある1つまたは複数の接着剤層262、吸収体層230、および/またはバッキングラミネート232上に載る場合がある、または、それに直接または間接的に結合される場合がある。
【0030】
[044]
図4に示すように、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270(例えば、
図5または
図6に示すキャビティ270)の全てまたは一部分を充填することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、ハウジング231とヒートシンク268との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、撮像デバイス100、200、250のハウジング231と接触状態にあることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体は、撮像デバイス100、200、250の1つまたは複数のヒートシンク268と接触状態にあることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、1つまたは複数のヒートシンク268と撮像デバイス100、200、250の基板260(例えば、プリント回路板を備えることができる)との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像デバイス100、200、250の基板260と接触状態にあることができる。
図4において接触状態で示されないが、マルチシンク媒体400は、ASIC106(例えば、制御回路部を備えることができる)と撮像デバイス100、200、250のヒートシンク268またはハウジング231との間に配設され得る。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、トランスジューサ202(例えば、トランスジューサアレイ、素子、またはピクセル)と撮像デバイス100、200、250のヒートシンク268またはハウジング231との間に配設され得る。
図6に示す撮像デバイス250のキャビティ270が、マルチシンク媒体400によって部分的にまたは完全に充填され得ること、および、1つまたは複数の音響吸収体層230および/または1つまたは複数の接着剤層262および/または1つまたは複数のバッキングラミネートが、幾つかの実施形態において、マルチシンク媒体400と接触状態にあることができることが理解される。
【0031】
[045]
図3、
図4、
図5、および
図6に示すように、ヒートシンク268および/またはハウジングは、種々の実施形態によれば、撮像デバイス250の基板上に載るかまたはそれに直接結合される場合がある。幾つかの場合、そのような構成は、マルチシンク媒体400がそこに配設され得る1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270を提供することができる。幾つかの場合、そのような構成は、ヒートシンク268および/または基板260が、(例えば、マルチシンク媒体400ではなく)撮像デバイス250の1つまたは複数のコンポーネントを機械的に支持することを可能にする。
【0032】
[046]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、(例えば、ポート234または無線送受信機を通して)例えば、コンピューティングデバイスなどの外部デバイスと、例えば、制御信号を含むデータを通信するために、通信ユニット232を備えることができる。撮像デバイス100、200、250は、例えば、撮像デバイス250のコンポーネント(例えば、プロセッサおよび/またはトランスジューサ)の動作のためのデータおよび/または命令を記憶するために、メモリ236(例えば、非一時的メモリ)を備えることができる。メモリ236は、本明細書で説明する機能を実施することが可能な、揮発性または不揮発性メモリあるいはデータストレージ(例えば、本明細書で説明する)として具現化され得る。幾つかの場合、メモリ236は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、および/またはドライバーなどの、撮像デバイス100、200、250の動作中に使用される場合がある種々のデータおよびソフトウェアを記憶する場合がある。
【0033】
[047]幾つかの場合、撮像デバイス100、200、250は、例えば、トランスジューサ、プロセッサ、および/またはメモリなどの撮像デバイスの1つまたは複数のコンポーネントに電力を提供するために、電池238を含むことができる。電池238は、無線または有線充電回路である場合がある電池充電回路を含む場合がある。撮像デバイス100、200、250は、幾つかの実施形態によれば、消費された電池電荷量を示し、電池寿命の改善のために電力管理を最適化するよう撮像デバイスを構成するために使用される場合があるゲージを含む場合がある。付加的にまたは代替的に、撮像デバイス100、200、250は、幾つかの実施形態によれば、外部電力源(例えば、壁電気コンセントから撮像デバイスに電力供給するためのプラグ)によって電力供給される場合がある。
【0034】
[048]撮像デバイス100、200、250は、種々の実施形態において、異なる適切なフォームファクターを含むことができる。幾つかの実施形態において、トランスジューサ202を含む撮像デバイス100、200、250の一部分は、撮像デバイス100、200、250の残りの部分から外方に延在する場合がある。撮像デバイス100、200、250は、任意の適切な超音波医療プローブ、例えば、コンベックスアレイプローブ、マイクロコンベックスアレイプローブ、リニアアレイプローブ、経膣プローブ、直腸内プローブ、外科プローブ、または術中プローブとして具現化される場合がある。
【0035】
[049]
図7A~7Cは、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400の(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図7Aは、試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示し、金属バッキング(この場合、アルミニウムバッキング)は、(ASICおよびトランスジューサのような電子コンポーネントから外方への最大熱伝達を提供するために)利用される撮像デバイス100、200、250の集積回路基板260に(例えば、接着剤によって)結合される。スキャンは、かなりの多重反射アーチファクトを示す;試験物質ターゲットまたはフィーチャはウォッシュアウトのために識別できない。
図7Bは、同一のスキャン設定を使用する同じ試験ターゲット物質のスキャンを示し、マルチシンク媒体400は、電子コンポーネント(集積回路基板260を含む)とアルミニウムヒートシンクとの間で利用される。スキャンは、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを示す。
図7Cは、同一のスキャン設定を使用する同じ試験ターゲット物質のスキャンを示し、空気バッキングは、電子コンポーネント(集積回路基板260を含む)とアルミニウムヒートシンクとの間で利用される。スキャンは、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを示す。
【0036】
[050]
図8A~8Cは、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400のいろいろな厚さの(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図8Aは、集積回路基板260と撮像デバイスのアルミニウムヒートシンクとの間に配設された0.5mmの厚さを有するマルチシンク媒体400を備える撮像デバイス100を使用して5.1MHzの中心周波数における試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示す。スキャンは、画像内にわずかな多重反射アーチファクトストリエーションを有する、明瞭に識別可能な試験物質ターゲットおよびフィーチャを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400がないスキャン結果(例えば、
図7Aに示す)を凌ぐ有意の改善を示す。
図8Bは、1.0mmであるマルチシンク媒体400の厚さを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図8Aに示すスキャン結果を凌ぐ有意の改善を示し、マルチシンク媒体400の厚さの増加は、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを有する画像をもたらす。
図8Cは、マルチシンク媒体400が空気バッキング(例えば、マルチシンク媒体400充填ギャップの代わりに、トランスジューサと撮像デバイス100のヒートシンクとの間の空気充填ギャップ)によって置換されることを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図8Bに示す結果と同様の結果を示し、その際、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャが、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態の画像において明らかである。全てにおいて、これらの結果は、マルチシンク媒体400の0.5mm以下の厚さが超音波スキャン品質を改善する(例えば、多重反射アーチファクトを低減する)のに十分であり、その際、品質が、マルチシンク媒体400の1.0mm程度の値の厚さにおける理想的な条件に向けて改善する(例えば、内部音響反射および多重反射アーチファクトの減少の結果として)ことを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400の1.5mm(例えば、+/-0.25mm)の厚さが、中域のまたは高い中心周波数における任意のスキャン条件から全ての多重反射アーチファクトを減衰させるまたはなくすのに十分であることを示唆する。
【0037】
[051]
図9A~9Cは、より低い中心周波数を有するスキャンを使用する、スキャン品質およびスキャンアーチファクトに対するマルチシンク媒体400のいろいろな厚さの(例えば、トランスジューサと、ヒートシンク、金属バッキング、またはハウジングなどの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のさらなるコンポーネントとの間への)組み込みの影響を示す。
図9Aは、集積回路基板260と撮像デバイスのアルミニウムヒートシンクとの間に配設された0.5mmの厚さを有するマルチシンク媒体400を備える撮像デバイス100を使用して1.8MHzの中心周波数における試験ターゲット物質(ピンターゲット、ワイヤターゲット、および嚢胞を含む)のスキャンを示す。スキャンは、画像内にわずかな多重反射アーチファクトストリエーションを有する、明瞭に識別可能な試験物質ターゲットおよびフィーチャを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400がないスキャン結果(例えば、
図7Aに示す)を凌ぐ有意の改善を示す。
図9Bは、1.0mmであるマルチシンク媒体400の厚さを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図9Aに示すスキャン結果を凌ぐ有意の改善を示し、マルチシンク媒体400の厚さの増加は、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態で、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャを有する画像をもたらす。
図9Cは、マルチシンク媒体400が空気バッキング(例えば、マルチシンク媒体400充填ギャップの代わりに、トランスジューサと撮像デバイス100のヒートシンクとの間の空気充填ギャップ)によって置換されることを除いて、同一のスキャン設定および機器条件を使用する同じ試験物質のスキャンを示す。スキャンは、
図9Bに示す結果と同様の結果を示し、その際、試験基板内の全てのターゲットおよびフィーチャの明瞭なフィーチャが、多重反射アーチファクトがほとんどないかまたは全くない状態の画像において明らかである。全てにおいて、これらの結果は、マルチシンク媒体400の0.5mm以下の厚さが超音波スキャン品質を改善する(例えば、多重反射アーチファクトを低減する)のに十分であり、その際、品質が、マルチシンク媒体400の1.0mm程度の値の厚さにおける理想的な条件に向けて改善する(例えば、内部音響反射および多重反射アーチファクトの減少の結果として)ことを示す。これらの結果は、マルチシンク媒体400の1.5mm(例えば、+/-0.25mm)の厚さが、低い中心周波数における任意のスキャン条件から全ての多重反射アーチファクトを減衰させるまたはなくすのに十分であることを示唆する。
トランスジューサ
[052]幾つかの場合、本明細書で説明するシステム、デバイス、または方法は、1つまたは複数の圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT)を備えることができる。幾つかの場合、本明細書で説明するシステム、デバイス、または方法は、1つまたは複数の容量性微細加工超音波トランスジューサ(cMUT)を備えることができる。圧電型微細加工超音波トランスジューサ(pMUT)は、半導体ウェハ(例えば、プリント回路版、PCB)などの基板260上に形成され得る。半導体基板260上に構築されるpMUT素子は、よりかさばる圧電材料を有するかさばる従来のトランスジューサより小さいサイズプロファイルを提供することができる。幾つかの場合、pMUTは、製造するのに費用がかからない可能性もある、および/または、トランスジューサと超音波デバイスまたはシステムのさらなる電子部品との間により複雑でなくかつ高性能の相互接続を可能にする場合がある。
【0038】
[053]pMUTおよび/またはcMUTを含むことができる微細加工超音波トランスジューサ(MUT)は、ダイヤフラム(例えば、撮像デバイス(例えば、超音波プローブ)の内部の1つまたは複数の部分に対して、例えば、膜縁部に取り付けられる薄膜)を含むことができる。対照的に、伝統的なバルク圧電(PZT)素子は、典型的に、単一固体材料片からなる。そのような伝統的なPZT超音波システムおよびデバイスは、例えば、適切な間隔を有するPZT超音波システムおよびデバイスを構成するPZTまたはセラミック材料をカットし搭載するために、高い精度が必要とされるため、作製するのに費用がかかる可能性がある。さらに、伝統的なPZT超音波システムおよびデバイスは、PZTシステムおよびデバイスの送信/受信電子部品のインピーダンスと比較して著しく高いトランスジューサインピーダンスを有する可能性があり、それは、性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0039】
[054]幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ素子104は、特定の周波数または帯域幅(例えば、帯域幅は中心周波数に関連する)で信号を送信および/または受信するように構成され得る。幾つかの場合、1つまたは複数のトランスジューサ素子は、さらなる中心周波数および帯域幅で信号を送信および/または受信するようにさらに構成され得る。そのような複数周波数トランスジューサ素子104は、マルチモーダル素子104と呼ばれ得、幾つかの実施形態において、撮像システムまたはデバイス100の帯域幅を拡張するために使用され得る。トランスジューサ素子またはピクセル104は、例えば、0.1メガヘルツ(MHz)~100MHzの適切な中心周波数で超音波エネルギー(例えば、超音波波形、パターン、または圧力波)を放出(例えば、送信)および/または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、0.1MHz~1MHz、0.1MHz~1.8MHz、0.1MHz~3.5MHz、0.1MHz~5.1MHz、0.1MHz~10MHz、0.1MHz~25MHz、0.1MHz~50MHz、0.1MHz~100MHz、1MHz~1.8MHz、1MHz~3.5MHz、1MHz~5.1MHz、1MHz~10MHz、1MHz~25MHz、1MHz~50MHz、1MHz~100MHz、1.8MHz~3.5MHz、1.8MHz~5.1MHz、1.8MHz~10MHz、1.8MHz~25MHz、1.8MHz~50MHz、1.8MHz~100MHz、3.5MHz~5.1MHz、3.5MHz~10MHz、3.5MHz~25MHz、3.5MHz~50MHz、3.5MHz~100MHz、5.1MHz~10MHz、5.1MHz~25MHz、5.1MHz~50MHz、5.1MHz~100MHz、10MHz~25MHz、10MHz~50MHz、10MHz~100MHz、25MHz~50MHz、25MHz~100MHz、または50MHz~100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、少なくとも0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。幾つかの場合、トランスジューサまたはピクセル104は、せいぜい0.1MHz、1MHz、1.8MHz、3.5MHz、5.1MHz、10MHz、25MHz、50MHz、または100MHzの中心周波数で超音波エネルギーを送信または受信するように構成され得る。
マルチシンク媒体400
[055]本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステム(例えば、超音波撮像デバイスまたはシステム)は、マルチシンク媒体400を備えることができる。マルチシンク媒体400は、音響非伝導性(例えば、超音波エネルギーについて非伝導性)であることができる。マルチシンク媒体400は、音響非反射性(例えば、超音波エネルギーについて非反射性)であることができる。例えば、マルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)の伝導および/または反射を部分的にまたは完全に阻止することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)を部分的にまたは完全に吸収するまたはその他の方法で消散させることができる。マルチシンク媒体400は熱伝導性であることができる。マルチシンク媒体400は、熱伝導性であると共に音響非伝導性である物質を含むことができる。
【0040】
[056]多くの場合、マルチシンク媒体400は、入射超音波波形またはパターンの一部または全てのエネルギーを吸収することができる(例えば、音響非伝導性)。例えば、マルチシンク媒体400は、入射超音波波形またはパターンのエネルギーを低減することが可能な物質を含むことができる。多くの場合、マルチシンク媒体400は、本明細書で説明する撮像デバイスまたはシステムの超音波トランスジューサによって生成される入射音響エネルギーの一部または全てを吸収することが可能な物質を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、例えば、ターゲット物質またはその所定の部分以外の物質から撮像デバイスまたはシステムのトランスジューサに向かって反射される音響エネルギー(撮像デバイスまたはシステムの一部分を構成する音響反射材料から反射される音響エネルギー)の送信を減少させるために、超音波トランスジューサと、撮像デバイスまたはシステムのハウジング231、ヒートシンク268、および/または基板260などの音響反射材料との間に配設される。幾つかの場合、金属を含む物質は、音響反射性であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、金属がない可能性がある。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、金属酸化物がない可能性がある。例えば、マルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、金属粒子(例えば、アルミニウム粒子)を含まない場合がある。
【0041】
[057]マルチシンク媒体400は、ペーストまたはパティを含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、充填剤を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、テープ、シート、またはフィルムを備えることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、パッドを備えることができる。
【0042】
[058]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、エラストマーを含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、シリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーを含むことができる。幾つかの場合、シリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーは、所望の変形能特性(例えば、室温で流動するおよび/または注入または押し出しされる能力)を高熱伝導率の高い特性(例えば、シリコーンの熱伝導率から生じる場合がある)と組み合わせることができる。マルチシンク媒体400は、超音波エネルギーの伝搬を少なくとも部分的に阻止することが可能な材料を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、超音波エネルギーを少なくとも部分的に吸収することが可能な材料を含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、セラミック材料を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、セラミック充填シリコーンエラストマー(または、セラミック充填シリコーンベースエラストマー)を含むことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、マルチシンク媒体400のバルク内に分散した粒子を含むことができる。例えば、マルチシンク媒体400は、セラミック粒子を含むシリコーンエラストマーを含むことができる。幾つかの場合、セラミック粒子を含むシリコーンベースエラストマーは、ペーストまたはパティであることができる。
【0043】
[059]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、(例えば、室温で)変形または流動することが可能である。室温で変形可能であるかまたは流動することが可能である(例えば、室温で注入可能である)マルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス100、200、250内の(例えば、撮像デバイスまたはシステムのヒートシンクを完全にまたは部分的に囲むキャビティなどの、撮像デバイスまたはシステムのプローブ内のキャビティ内の)不規則形状の幾何学的構造を充填するときに有用であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像システムまたはデバイス100、200、250またはその所定の部分のキャビティ、ギャップ、または空間270に注入され得る(例えば、マルチシンク媒体400は、ヒートシンクおよび/またはプリント回路板に接触する)。幾つかの実施形態において、マルチシンク媒体400は、撮像デバイスまたはシステムまたはその所定の部分に(例えば、撮像デバイスまたはシステムプローブのヒートシンクおよび/またはプリント回路板と接触状態で)付加され得る。例えば、マルチシンク媒体400は、(例えば、室温で)注入可能または成形可能であることができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25グラム/分(g/min)~45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25g/min~30g/min、25g/min~35g/min、25g/min~40g/min、25g/min~45g/min、30g/min~35g/min、30g/min~40g/min、30g/min~45g/min、35g/min~40g/min、35g/min~45g/min、または40g/min~45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、25g/min、30g/min、35g/min、40g/min、または45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、少なくとも25g/min、少なくとも30g/min、少なくとも35g/min、少なくとも40g/min、または少なくとも45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、せいぜい30g/min、せいぜい35g/min、せいぜい40g/min、またはせいぜい45g/minの流量を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、非ニュートン速度を有する(例えば、シアシニング特性を有する)。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、時間依存速度を有する(例えば、チキソトロピック特性を有する)。幾つかの場合、エラストマーであるかまたはエラストマーを含むマルチシンク媒体400は、変形可能であるかまたは流動することが可能であることができる。例えば、エラストマーであるマルチシンク媒体400は、幾つかの実施形態において、注入可能または成形可能であることができる。
【0044】
[060]幾つかの場合、変形可能であるかまたは流動することが可能である(例えば、注入可能または成形可能である)マルチシンク媒体400は、熱伝達を改善することが、普通なら容易でないかまたはおそらくは可能でないことになる撮像システムまたは撮像デバイスの所定の部分において熱伝達が改善されることを可能にすることができる。例えば、撮像システムおよび撮像デバイスまたはその所定の部分(例えば、超音波トランスジューサプローブ)、特に、(例えば、手持ち式超音波トランスジューサプローブヘッドにおいて)総合寸法の減少または最小化から利益を得る部分における熱伝達は、伝統的なヒートシンク(例えば、アルミニウムヒートシンクブロックなどの金属ヒートシンク)によってしばしば促進され、伝統的なヒートシンクは、撮像システムまたはデバイスのおそらくは熱感応性の他のコンポーネントによって支持される、それに取り付けられる、それと接触状態にある、または、それと接触状態にないがそれに近接する場合があり、別々に作製される必要がある場合があり、撮像システムまたはデバイスあるいはその所定の部分内の(例えば、空気充填式)キャビティ、ギャップ、または空間をおそらくは必要にする。そのようなキャビティ、ギャップ、または空間は、(例えば、ガス、例えば空気などの熱絶縁体で充填されると)撮像システムまたは撮像デバイス内の熱伝達を低減することができる。伝統的なヒートシンク(例えば、アルミニウムヒートシンクブロックなどの金属ヒートシンク)は、そのようなキャビティ、ギャップ、または空間を充填するために容易に作製されない場合がある。そのため、成形される、プレス加工される、注入される、変形される、またはその他の方法で撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間の全てまたは一部分に嵌ることを許容されることが可能なマルチシンク媒体400の包含は、伝統的な熱伝達コンポーネントが占有することができない場合がある撮像システムおよびデバイスの領域における熱伝達を改善することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にあるいはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5(ミリメートル)mm~2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5ミリメートル(mm)~0.8mm、0.5mm~1.0mm、0.5mm~1.3mm、0.5mm~1.5mm、0.5mm~1.7mm、0.5mm~2mm、0.8mm~1.0mm、0.8mm~1.3mm、0.8mm~1.5mm、0.8mm~1.7mm、0.8mm~2mm、1.0mm~1.3mm、1.0mm~1.5mm、1.0mm~1.7mm、1.0mm~2.0mm、1.3mm~1.5mm、1.3mm~1.7mm、1.3mm~2mm、1.5mm~1.7mm、1.5mm~2.0mm、または1.7mm~2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.3mm、1.5mm、1.7mm、または2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンクは、少なくとも0.5mm、少なくとも0.8mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.3mm、少なくとも1.5mm、少なくとも1.7mm、または少なくとも2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、(例えば、撮像システムまたはデバイス内にまたはそのキャビティ、ギャップ、または空間270内に配設された)マルチシンク媒体は、せいぜい0.8mm、せいぜい1.0mm、せいぜい1.3mm、せいぜい1.5mm、せいぜい1.7mm、またはせいぜい2.0mmの厚さを有することができる。幾つかの場合、多重反射アーチファクトは、撮像システムまたはデバイス100、200、250のマルチシンク媒体が、幾つかの場合、+/-0.25mmの許容範囲を有する少なくとも1.0mmまたは少なくとも1.5mmの厚さを有するとき、超音波スキャンから完全になくされ得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250を製造する方法は、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270を部分的にまたは完全に充填するために、マルチシンク媒体400を注入することまたは成形することを含むことができる。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、完全に捕捉された縁部を備えることができる(例えば、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270の縁部は、例えば、注入されるときにマルチシンク媒体400の漏出を防止するために、結合されると共にシールされる)。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100、200、250は、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のキャビティ、ギャップ、または空間270内へのマルチシンク媒体400の注入を促進するために1つまたは複数の注入ポート(例えば、撮像システムまたはデバイスの1つまたは複数のヒートシンクを通る)を備えることができる。幾つかの場合、注入ポートは、(例えば、基板260とヒートシンクとの間のボンディングとの干渉を回避するために、例えば、ヒートシンクの外側から、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間に開放するヒートシンクの内側まで)ハウジングまたはヒートシンクの側面を通して設けられる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、例えば、ヒートシンクが基板にボンディングされると、マルチシンク媒体400をキャビティ、ギャップ、または空間内に捕捉するために、ヒートシンクおよび基板またはハウジングおよび基板が結合/ボンディングされる前に、撮像デバイスまたはシステムに付加され得る。
【0045】
[061]幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、熱伝導性であることができる。例えば、マルチシンク媒体400は、2ワット/メートル-ケルビン(W/mK)~7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、2W/mK~2.3W/mK、2W/mK~2.5W/mK、2W/mK~3W/mK、2W/mK~3.7W/mK、2W/mK~4W/mK、2W/mK~5W/mK、2W/mK~5.5W/mK、2W/mK~6W/mK、2W/mK~6.4W/mK、2W/mK~7W/mK、2.3W/mK~2.5W/mK、2.3W/mK~3W/mK、2.3W/mK~3.7W/mK、2.3W/mK~4W/mK、2.3W/mK~5W/mK、2.3W/mK~5.5W/mK、2.3W/mK~6W/mK、2.3W/mK~6.4W/mK、2.3W/mK~7W/mK、2.5W/mK~3W/mK、2.5W/mK~3.7W/mK、2.5W/mK~4W/mK、2.5W/mK~5W/mK、2.5W/mK~5.5W/mK、2.5W/mK~6W/mK、2.5W/mK~6.4W/mK、2.5W/mK~7W/mK、3W/mK~3.7W/mK、3W/mK~4W/mK、3W/mK~5W/mK、3W/mK~5.5W/mK、3W/mK~6W/mK、3W/mK~6.4W/mK、3W/mK~7W/mK、3.7W/mK~4W/mK、3.7W/mK~5W/mK、3.7W/mK~5.5W/mK、3.7W/mK~6W/mK、3.7W/mK~6.4W/mK、3.7W/mK~7W/mK、4W/mK~5W/mK、4W/mK~5.5W/mK、4W/mK~6W/mK、4W/mK~6.4W/mK、4W/mK~7W/mK、5W/mK~5.5W/mK、5W/mK~6W/mK、5W/mK~6.4W/mK、5W/mK~7W/mK、5.5W/mK~6W/mK、5.5W/mK~6.4W/mK、5.5W/mK~7W/mK、6W/mK~6.4W/mK、6W/mK~7W/mK、または6.4W/mK~7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、2W/mK、2.3W/mK、2.5W/mK、3W/mK、3.7W/mK、4W/mK、5W/mK、5.5W/mK、6W/mK、6.4W/mK、または7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、少なくとも2W/mK、少なくとも2.3W/mK、少なくとも2.5W/mK、少なくとも3W/mK、少なくとも3.7W/mK、少なくとも4W/mK、少なくとも5W/mK、少なくとも5.5W/mK、少なくとも6W/mK、少なくとも6.4W/mK、または少なくとも7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、せいぜい2.3W/mK、せいぜい2.5W/mK、せいぜい3W/mK、せいぜい3.7W/mK、せいぜい4W/mK、せいぜい5W/mK、せいぜい5.5W/mK、せいぜい6W/mK、せいぜい6.4W/mK、またはせいぜい7W/mKの熱伝導率を有することができる。幾つかの場合、マトリクス材料の選択は、マルチシンク媒体400が熱伝導性であるか否かを判定することができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、マルチシンク媒体400がシリコーンエラストマーまたはシリコーンベースエラストマーを含むとき熱伝導性であることができる。熱伝導性であるマルチシンク媒体400は、撮像デバイスまたは撮像システムにおける熱伝達を改善することができる。例えば、マルチシンク媒体400(例えば、集積回路(例えば、ASIC)、プロセッサ、および/またはトランスジューサ素子などの撮像デバイスまたは撮像システムのコンポーネントと接触状態にある)は、1つまたは複数のコンポーネントであって、(例えば、動作中に)熱を生成する場合がある、および/または、過剰の熱に敏感である場合がある(例えば、過剰の熱の存在下で、過熱する、性能の低下を経験する、および/または機能することを停止する場合がある)、1つまたは複数のコンポーネントから外方に熱を伝達するのに役立つことができる。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、撮像システムまたは撮像デバイスのヒートシンクおよび/またはハウジングまたはケーシングなどの撮像システムまたは撮像デバイスの別の熱伝導コンポーネントに接触することによって熱伝達を促進することができる。幾つかの場合、熱伝導性であるヒートシンクは、例えば、熱伝達(例えば、撮像システムまたは撮像デバイスの1つまたは複数の熱感応性コンポーネントから外方への)を改善するために、撮像システムまたは撮像デバイスまたはその一部分のキャビティ、ギャップ、または空間内に、位置付けられ得る、位置決めされ得る、注入され得る、または堆積され得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間は、撮像システムまたはデバイスを作製するために使用される方法に起因する場合がある、または、システムまたはデバイスの第1のコンポーネントをシステムまたはデバイスの第2のコンポーネントから電気的にまたは機械的に分離するのを助けるために、システムまたはデバイスの設計に含まれる場合がある。幾つかの場合、撮像システムまたは撮像デバイスまたはその所定の部分のキャビティ、ギャップ、または空間内に、位置付けられる、位置決めされる、注入される、または堆積されるマルチシンクは、キャビティ、ギャップ、または空間内に普通なら位置付けられるコンポーネントまたは材料(例えば、空気などのガス)を置換することができ、例えば、置換されるコンポーネントまたは材料は、マルチシンク媒体400より低い熱伝導率を有する。例えば、撮像システムまたはデバイスのキャビティ、ギャップ、または空間をマルチシンク媒体400で充填することは、より低い熱伝導性のコンポーネントまたは材料(例えば、空気)を置換することができ、システムまたはデバイス内の熱伝達を増加させることができ、それは、撮像システムまたは撮像デバイスの過熱のまたは熱関連の性能の低下のリスクを低減する場合がある。幾つかの場合、マルチシンク媒体400は、熱伝導性である(例えば、本明細書で説明するように)と共に音響非伝導性(例えば、音響絶縁性)である。なぜなら、例えば、超音波を反射するという熱伝導材料の傾向の存在から生じる音響多重反射の結果として、多くの熱伝導材料(例えば、アルミニウムヒートシンク)が、超音波走査中にアーチファクトを引き起こす可能性があるからである。
バッキング層
[062]本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100(例えば、超音波撮像システムまたはデバイス100)は、バッキング層232(例えば、バッキングラミネート)を備えることができる。幾つかの場合、例えば、吸収体層230および/またはマルチシンク媒体400を備えるバッキング層232(例えば、バッキングラミネート)は、例えば、撮像システムまたはデバイス100内の超音波エネルギーの多重反射に起因する場合がある多重反射アーチファクトを減少させるために、撮像システムまたはデバイス100に付加され(例えば、撮像システムまたはデバイス100のプローブの内側に位置決めされ)得る。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、マルチシンク媒体400およびバッキング層232を備えることができる。バッキング層232(例えば、バッキングラミネート)は、金属を含むことができる。例えば、バッキングラミネート232は、タングステン反射体を備えることができる。幾つかの場合、バッキング層232の一部分を、幾つかの場合、備えることができる吸収体層230は、金属フォーム(例えば、銅フォーム)を含むことができる。幾つかの場合、バッキング層(例えば、バッキングラミネート)は、アルミニウムバッキングを備えることができる。幾つかの場合、バッキング層は、(例えば、バッキング層のコンポーネントを共に、および/またはバッキング層のコンポーネントを、基板260および/またはヒートシンク268などの撮像システムまたはデバイス100、200、250の1つまたは複数のコンポーネントに結合するために)1つまたは複数の接着剤層262を備えることができる。
コンピューティグシステム
[063]
図10を参照すると、コンピュータシステム1000(例えば、処理またはコンピューティングシステム)を含む例示的な機械を示すブロック図が示され、コンピュータシステム1000内で、本開示の静的コードスケジューリングのための態様および/または方法論の任意の1つまたは複数をデバイスに実施または実行させるための命令のセットが実行され得る。
図10のコンポーネントは、例に過ぎず、任意のハードウェア、ソフトウェア、組み込み式(embedded)ロジックコンポーネント、または、特定の実施形態を実装する2つ以上のそのようなコンポーネントの組み合わせの使用または機能の範囲を制限しない。
【0046】
[064]コンピュータシステム1000は、バス1040を介して、互いにおよび他のコンポーネントと通信する1つまたは複数のプロセッサ1001、メモリ1003、およびストレージ1008を含む場合がある。バス1040は、ディスプレイ1032、1つまたは複数の入力デバイス1033(例えば、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラスなどを含む場合がある)、1つまたは複数の出力デバイス1034、1つまたは複数の記憶デバイス1035、および種々の有形記憶媒体1036にリンクする場合もある。これらの要素の全ては、直接あるいは1つまたは複数のインターフェースまたはアダプターを介してバス1040にインターフェースする場合がある。例えば、種々の有形記憶媒体1036は、記憶媒体インターフェース1026を介してバス1040とインターフェースすることができる。コンピュータシステム1000は、1つまたは複数の集積回路(IC)、プリント回路板(PCB)、モバイル手持ち式デバイス(モバイルテレフォンまたはPDAなど)、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、分散型コンピュータシステム、コンピューティンググリッド、またはサーバを含むがそれに限定しない任意の適切な物理的形態を有する場合がある。
【0047】
[065]コンピュータシステム1000は、機能を実行する1つまたは複数のプロセッサ(複数可)1001(例えば、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、汎用グラフィクス処理ユニット(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、または量子処理ユニット(QPU:quantum processing unit))を含む。プロセッサ(複数可)1001は、命令、データ、またはコンピュータアドレスの一時的ローカル記憶のためにキャッシュメモリユニット1002を、任意選択で含む。プロセッサ(複数可)1001は、コンピュータ可読命令の実行を支援するように構成される。コンピュータシステム1000は、メモリ1003、ストレージ1008、記憶デバイス1035、および/または記憶媒体1036などの1つまたは複数の有形コンピュータ可読記憶媒体において具現化される非一時的プロセッサ実行可能命令をプロセッサ(複数可)1001が実行する結果として
図10に示すコンポーネントのための機能を提供する場合がある。コンピュータ可読媒体は、特定の実施形態を実装するソフトウェアを記憶する場合があり、プロセッサ(複数可)1001は、ソフトウェアを実行する場合がある。メモリ1003は、1つまたは複数の他のコンピュータ可読媒体(大容量記憶デバイス(複数可)1035、1036など)から、または、ネットワークインターフェース1020などの適切なインターフェースを通した1つまたは複数の他の供給源からソフトウェアを読み取る場合がある。ソフトウェアは、本明細書で説明するかまたは示す、1つまたは複数のプロセスあるいは1つまたは複数のプロセスの1つまたは複数のステップをプロセッサ(複数可)1001に実行させる場合がある。そのようなプロセスまたはステップを実行することは、メモリ1003に記憶されるデータ構造を規定すること、および、ソフトウェアによって指示されるようにデータ構造を修正することを含む場合がある。
【0048】
[066]メモリ1003は、ランダムアクセスメモリコンポーネント(例えば、RAM1004)(例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM:ferroelectric random access memory)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM:phase-change random access memory)など)、読み出し専用メモリコンポーネント(例えば、ROM1005)、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない種々のコンポーネント(例えば、機械可読媒体)を含む場合がある。ROM1005は、プロセッサ(複数可)1001に対してデータおよび命令を一方向に通信するために働く場合があり、RAM1004は、プロセッサ(複数可)1001とデータおよび命令を双方向に通信するために働く場合がある。ROM1005およびRAM1004は、以下で説明する任意の適切な有形コンピュータ可読媒体を含む場合がある。一例において、スタートアップ中などで、コンピュータシステム1000内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む基本入力/出力システム1006(BIOS:basic input/output system)は、メモリ1003に記憶される場合がある。
【0049】
[067]固定ストレージ1008は、任意選択で、ストレージ制御ユニット1007を通して、プロセッサ(複数可)1001に双方向に接続される。固定ストレージ1008は、さらなるデータストレージ容量を提供し、本明細書で説明する任意の適切な有形コンピュータ可読媒体を含む場合もある。ストレージ1008は、オペレーティングシステム1009、実行ファイル(複数可)1010、データ1011、アプリケーション1012(アプリケーションプログラム)、および同様のものを記憶するために使用される場合がある。ストレージ1008は、光ディスクドライブ、固体メモリデバイス(例えば、フラッシュベースシステム)、または上記の任意のものの組み合わせを含むこともできる。ストレージ1008内の情報は、適切な場合、メモリ1003内の仮想メモリとして組み込まれる場合がある。
【0050】
[068]一例において、記憶デバイス(複数可)1035は、記憶デバイスインターフェース1025を介してコンピュータシステム1000と(例えば、外部ポートコネクタ(示さず)を介して)取り外し可能にインターフェースされる場合がある。特に、記憶デバイス(複数可)1035および関連する機械可読媒体は、機械可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/またはコンピュータシステム1000用の他のデータの不揮発性および/または揮発性記憶を提供する場合がある。一例において、ソフトウェアは、記憶デバイス(複数可)1035上の機械可読媒体内に完全にまたは部分的に存在する場合がある。別の例において、ソフトウェアは、プロセッサ(複数可)1001内に完全にまたは部分的に存在する場合がある。
【0051】
[069]バス1040は、多種多様なサブシステムを接続する。本明細書で、バスに対する参照は、適切である場合、共通機能を提供する1つまたは複数のデジタル信号線を包含する場合がある。バス1040は、種々のバスアーキテクチャの任意のアーキテクチャを使用する、メモリバス、メモリコントローラ、ペリフェラルバス、ローカルバス、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない幾つかのタイプのバス構造の任意のバス構造である場合がある。制限としてではなく例として、そのようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、エンハンスドISA(EISA:Enhanced ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA:Micro Channel Architecture)バス、ビデオエレクトロニクススタンダードアソシエーションローカルバス(VLB:Video Electronics Standards Association local bus)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI:Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-エクスプレス(PCI-X:PCI-Express)バス、アクセラレーテッドグラフィクスポート(AGP:Accelerated Graphics Port)バス、ハイパートランスポート(HTX:HyperTransport)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA:serial advanced technology attachment)バス、およびその任意の組み合わせを含む。
【0052】
[070]コンピュータシステム1000は、入力デバイス1033を含む場合もある。一例において、コンピュータシステム1000のユーザは、コマンドおよび/または他の情報を入力デバイス(複数可)1033を介してコンピュータシステム1000に入力する場合がある。入力デバイス(複数可)1033の例は、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、ポインティングデバイス(例えば、マウスまたはタッチパッド)、タッチパッド、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ジョイスティック、スタイラス、ゲームパッド、オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン、音声応答システムなど)、光学スキャナ、ビデオまたはスチル画像取り込みデバイス(例えば、カメラ)、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。幾つかの実施形態において、入力デバイスは、Kinect、Leap Motion、または同様のものである。入力デバイス(複数可)1033は、シリアル、パラレル、ゲームポート、USB、FIREWIRE、THUNDERBOLT、または上記の任意の組み合わせを含むがそれに限定されない種々の入力インターフェース1023(例えば、入力インターフェース1023)の任意のインターフェースを介してバス1040にインターフェースされる場合がある。
【0053】
[071]特定の実施形態において、コンピュータシステム1000は、ネットワーク1030に接続されると、ネットワーク1030に接続された、他のデバイス、特にモバイルデバイスおよびエンタープライズシステム、分散型コンピューティングシステム、クラウドストレージシステム、クラウドコンピューティングシステム、および同様のものと通信する場合がある。コンピュータシステム1000へおよびからの通信は、ネットワークインターフェース1020を通して送信される場合がある。例えば、ネットワークインターフェース1020は、ネットワーク1030から1つまたは複数のパケット(インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)パケットなど)の形態で到来する通信(要求または他のデバイスからの要求など)を受信する場合があり、コンピュータシステム1000は、処理のために、到来する通信をメモリ1003に記憶する場合がある。コンピュータシステム1000は、1つまたは複数のパケットの形態で出て行く通信(要求または他のデバイスへの要求など)をメモリ1003に同様に記憶し、ネットワークインターフェース1020からネットワーク1030に通信する場合がある。プロセッサ(複数可)1001は、処理のために、メモリ1003に記憶されたこれらの通信パケットにアクセスする場合がある。
【0054】
[072]ネットワークインターフェース1020の例は、ネットワークインターフェースカード、モデム、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ネットワーク1030またはネットワークセグメント1030の例は、分散型コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングシステム、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)(例えば、インターネット、エンタープライズネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)(例えば、オフィス、建物、キャンパス、または他の比較的小さい地理空間に関連するネットワーク)、電話ネットワーク、2つのコンピューティングデバイス間の直接接続、ピア-ツー-ピアネットワーク、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ネットワーク1030などのネットワークは、有線および/または無線通信モードを使用する場合がある。一般に、任意のネットワークトポロジーが使用される場合がある。
【0055】
[073]情報およびデータは、ディスプレイ1032を通して表示され得る。ディスプレイ1032の例は、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD:thin film transistor liquid crystal display)、パッシブマトリクスOLED(PMOLED:passive-matrix OLED)またはアクティブマトリクスOLED(AMOLED:active-matrix OLED)ディスプレイなどの有機液晶ディスプレイ(OLED:organic liquid crystal display)、プラズマディスプレイ、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。ディスプレイ1032は、バス1040を介して、プロセッサ(複数可)1001、メモリ1003、および固定ストレージ1008、ならびに、入力デバイス(複数可)1033などの他のデバイスにインターフェースすることができる。ディスプレイ1032は、ビデオインターフェース1022を介してバス1040にリンクされ、ディスプレイ1032とバス1040との間のデータの伝送は、グラフィクスコントロール1021によって制御され得る。幾つかの実施形態において、ディスプレイはビデオプロジェクタである。幾つかの実施形態において、ディスプレイは、VRヘッドセットなどの頭部搭載型ディスプレイ(HMD:head-mounted display)である。さらなる実施形態において、適切なVRヘッドセットは、非制限的な例によれば、HTC Vive、Oculus Rift、Samsung Gear VR、Microsoft HoloLens、Razer OSVR、FOVE VR、Zeiss VR One、Avegant Glyph、Freefly VRヘッドセット、および同様のものを含む。なおさらなる実施形態において、ディスプレイは、本明細書で開示するデバイスなどのデバイスの組み合わせである。
【0056】
[074]ディスプレイ1032に加えて、コンピュータシステム1000は、オーディオスピーカ、プリンター、記憶デバイス、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない1つまたは複数の他のペリフェラル出力デバイス1034を含む場合がある。そのようなペリフェラル出力デバイスは、出力インターフェース1024を介してバス1040に接続される場合がある。出力インターフェース1024の例は、シリアルポート、パラレル接続、USBポート、FIREWIREポート、THUNDERBOLTポート、およびその任意の組み合わせを含むがそれに限定されない。
【0057】
[075]さらにまたは代替として、コンピュータシステム1000は、本明細書で説明するかまたは示す1つまたは複数のプロセスあるいは1つまたは複数のプロセスの1つまたは複数のステップを実行するためにソフトウェアの代わりにまたはソフトウェアと共に動作する場合がある、回路において配線で接続されたまたはその他の方法で具現化されたロジックの結果として機能を提供する場合がある。本開示におけるソフトウェアに対する参照は、ロジックを包含し、ロジックに対する参照は、ソフトウェアを包含する場合がある。さらに、コンピュータ可読媒体に対する参照は、適切である場合、実行のためのソフトウェアを記憶する回路(ICなど)、実行のためのロジックを具現化する回路、または両方を包含する場合がある。本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の任意の適切な組み合わせを包含する。
【0058】
[076]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装される場合があることを当業者は理解するであろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、種々の例証的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能の観点から全体的に上記で説明された。
【0059】
[077]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書で説明する機能を実施するために設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはその任意の組み合わせによって実装または実施される場合がある。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサである場合があるが、代替において、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械である場合がある。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装される場合もある。
【0060】
[078]本明細書で開示する実施形態に関連して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接、1つまたは複数のプロセッサ(複数可)によって実行されるソフトウェアモジュールで、または両者の組み合わせで具現化される場合がある。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在する場合がある。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み取り、情報を記憶媒体に書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替において、記憶媒体は、プロセッサと一体をなす場合がある。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在する場合がある。ASICは、ユーザ端末内に存在する場合がある。代替において、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内でディスクリートコンポーネントとして存在する場合がある。
【0061】
[079]本明細書の説明によれば、適切なコンピューティングデバイスは、非制限的な例として、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、手持ち式コンピュータ、インターネットアプライアンス、モバイルスマートフォン、およびタブレットコンピュータを含む。オプションのコンピュータネットワーク接続性を有するセレクトテレビジョン、ビデオプレーヤ、およびデジタルミュージックプレーヤが、本明細書で説明するシステムで使用するのに適することを当業者は同様に認識するであろう。適切なタブレットコンピュータは、種々の実施形態において、当業者に知られている、ブックレット、スレート、および変換可能な構成を有するコンピュータを含む。
【0062】
[080]幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、実行可能命令を実施するように構成されるオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、例えば、デバイスのハードウェアを管理し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含むソフトウェアである。適切なサーバオペレーティングシステムが、非制限的な例として、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD(登録商標)、Linux(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標)Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標)NetWare(登録商標)を含むことを当業者は認識するであろう。適切なパーソナルコンピュータオペレーティングシステムが、非制限的な例として、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標) Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などのUNIXに似たオペレーティングシステムを含むことを当業者は認識するであろう。幾つかの実施形態において、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングによって提供される。適切なモバイルスマートフォンオペレーティングシステムが、非制限的な例として、Nokia(登録商標)Symbian(登録商標)OS、Apple(登録商標)iOS(登録商標)、Research In Motion(登録商標)BlackBerry OS(登録商標)、Google(登録商標)Android(登録商標)、Microsoft(登録商標) Windows Phone(登録商標)OS、Microsoft(登録商標)Windows Mobile(登録商標)OS、Linux(登録商標)、およびPalm(登録商標)WebOS(登録商標)を含むことを当業者は同様に認識するであろう。
アプリケーション
[081]幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、(例えば、非侵襲的)医療撮像、砕石術、治療介入のための局在化組織加熱、高密度焦点式超音波(HIFU:highly intensive focused ultrasound)手術、および/またはパイプ(またはスピーカおよびマイクロフォンアレイ)内の非医療使用流量測定において使用され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイスは、例えば、ドプラーモード撮像を使用して、動脈および/または静脈内の流体流(例えば、血液流)の方向および/または速度を決定するために使用され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイスは、組織剛性を測定するために使用され得る。
【0063】
[082]幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、1次元撮像(例えば、A-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、2次元撮像(例えば、B-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、3次元撮像(例えば、C-スキャン撮像)を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、ドプラー撮像を実施するように構成され得る。幾つかの場合、本明細書で説明する撮像システムまたはデバイス100は、リニアモードまたはセクターモードを含む異なるモードに(例えば、モード間で)切り換えられる場合がある。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、(例えば、ユーザによって)プログラム制御下で電子的に構成され得る。
【0064】
[083]多くの場合、撮像システムまたはデバイス100(例えば、撮像システムまたはデバイス100のプローブ)はポータブルであることができる。例えば、撮像システムまたはデバイス100は、1つまたは複数のトランスジューサ素子、ピクセル、またはアレイ、ASIC、制御回路部、および/またはコンピューティングデバイスを収容することができる手持ち式ケーシングを備えることができる(例えば、ハウジング内に収容することができる)。幾つかの場合、撮像システムまたはデバイス100は、電池を備えることができる。
特定の定義
[084]別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語は、本主題が属する技術分野の専門家によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0065】
[085]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段に文脈が明確に指示しない限り、複数参照を含む。本明細書の「または(or)」に対するいずれの参照も、別段に述べない限り、「および/または(and/or)」を包含することを意図される。
【0066】
[086]本明細書全体を通して、「幾つかの実施形態(some embodiments)」、「さらなる実施形態(further embodiments)」、または「特定の実施形態(a particular embodiment)」に対する参照は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書全体を通しての種々の場所におけるフレーズ「幾つかの実施形態において(in some embodiments)」または「さらなる実施形態において(in further embodiments)」または「特定の実施形態において(in a particular embodiment)」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされる場合がある。
【0067】
[087]本主題の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されたが、そのような実施形態が単に例として提供されることが当業者に明らかになるであろう。多数の変形、変更、および置換を、ここで、本主題から逸脱することなく当業者が思い付くことになる。本明細書で説明する本主題の実施形態に対する種々の代替が本主題を実施するときに使用される場合があることが理解されるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路基板と、
前記集積回路基板と接触状態のマルチシンク媒体と、
前記集積回路基板に結合された1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサとを備える撮像デバイス。
【請求項2】
ヒートシンクをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ヒートシンクは金属を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記金属はアルミニウムである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記マルチシンク媒体は、前記ヒートシンクと接触状態にある、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ヒートシンクとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記集積回路基板に結合されたハウジングをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記マルチシンク媒体は、前記ハウジングと接触状態にある、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ハウジングとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記マルチシンク媒体は注入可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも0.5mmの厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.0mmの厚さを有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5mmの厚さを有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
バッキング材料をさらに備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記バッキング材料はバッキングラミネートを含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
撮像デバイスを作製する方法であって、
前記撮像デバイスの第1のコンポーネントを集積回路基板に結合することによって内部キャビティを形成するステップと、
1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサを前記集積回路基板に結合するステップと、
マルチシンク媒体を前記内部キャビティに注入するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1のコンポーネントは音響反射材料を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のコンポーネントは、集積回路基板に直接結合される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のコンポーネントはヒートシンクである、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ヒートシンクは金属を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マルチシンク媒体は、前記ヒートシンクと接触状態にある、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のコンポーネントはハウジングを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記マルチシンク媒体は、前記ハウジングと接触状態にある、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記第1のコンポーネントとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記マルチシンク媒体は注入可能である、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する、請求項21~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも40g/minの流量を有する、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項21~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも3.7ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも6.4ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも0.5mmの厚さを有する、請求項21~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.0mmの厚さを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記マルチシンク媒体は、注入後に少なくとも1.5mmの厚さを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
バッキング材料を前記集積回路基板に結合するステップをさらに含む、請求項21~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記バッキング材料はバッキングラミネートを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記バッキング材料は、前記第1のコンポーネントと前記1つまたは複数のMEM超音波トランスジューサとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項39または40に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路基板と、
前記集積回路基板と接触状態のマルチシンク媒体と、
前記集積回路基板に結合された1つまたは複数の微小電気機械(MEM)超音波トランスジューサとを備える撮像デバイス。
【請求項2】
ヒートシンクをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ヒートシンクは金属を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記金属はアルミニウムである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記マルチシンク媒体は、前記ヒートシンクと接触状態にある、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ヒートシンクとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記集積回路基板に結合されたハウジングをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記マルチシンク媒体は、前記ハウジングと接触状態にある、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マルチシンク媒体は、前記1つまたは複数のMEMトランスジューサと前記ハウジングとの間に少なくとも部分的に配設される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記マルチシンク媒体は注入可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも29g/minの流量を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも1.5ワット/メートル-ケルビン(W/mK)の熱伝導率を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マルチシンク媒体は、少なくとも0.5mmの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
バッキング材料をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記バッキング材料はバッキングラミネートを含む、請求項14に記載のデバイス。
【国際調査報告】