(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】脂質ナノ粒子を調製するためのハイスループット方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 9/51 20060101AFI20241106BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20241106BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20241106BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20241106BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20241106BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20241106BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20241106BHJP
【FI】
A61K9/51
A61K45/00
A61K31/7088
A61K31/713
A61K31/7105
A61K38/02
A61K47/44
A61K47/24
A61K9/127
A61K47/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524370
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022078710
(87)【国際公開番号】W WO2023076945
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ユイチェン
(72)【発明者】
【氏名】イェン, チュン-ワン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, コー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA19
4C076AA65
4C076DD63
4C076EE41
4C076EE51
4C076FF36
4C076FF70
4C084AA03
4C084AA17
4C084BA03
4C084MA05
4C084MA24
4C084MA38
4C084NA03
4C084NA10
4C086AA01
4C086AA10
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA24
4C086MA38
4C086NA03
4C086NA10
(57)【要約】
様々な脂質ナノ粒子(LNP)組成物を最適化及び製造するためのハイスループット方法及びその使用が本明細書で提供される。いくつかの実施態様では、本開示は、LNP組成物を製造するためのハイスループットスクリーニング方法であって、ペイロード及び自己集合可能な複数の分子を含む少なくとも2つの混合可能な溶液を得ることと、制御条件のセット下で前記少なくとも2つの溶液を混合することであって、それにより、注入の順序、速度、体積、相比及び混合持続時間が変化する、前記少なくとも2つの溶液を混合することとを含む、方法を提供する。様々な実施態様において、本開示は、最適な封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性を決定することを可能にする。本明細書に開示される方法は、LNPベースの治療薬の調製のための製造条件の効率的な最適化を可能にする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための最適化されたハイスループットスクリーニング方法であって、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含む方法。
【請求項2】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ペイロードがmRNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
mRNAのサイズが約500から約3000ヌクレオチド長である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ペイロードがポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ペイロードが小分子である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、イオン化可能な脂質種、非カチオン性脂質種、リン脂質種、及び非リン脂質種からなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
脂質の総濃度が変動する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
LNPがリポソームである、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための方法を最適化するためのハイスループット方法であって、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含む方法。
【請求項37】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項37から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
ペイロードがmRNAである、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
mRNAのサイズが約1kbから約2kbである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
ペイロードがポリペプチドである、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項45に記載の方法。
【請求項46】
ペイロードが小分子である、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項52】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
脂質の総濃度が変動する、請求項36に記載の方法。
【請求項58】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項54又は55に記載の方法。
【請求項60】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項37から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項36から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
LNPがリポソームである、請求項36から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項36から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項36に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項36に記載の方法。
【請求項68】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項36から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項36から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項36から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物にペイロードを封入するための最適化されたハイスループット方法であって、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含む方法。
【請求項72】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項72から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
ペイロードがmRNAである、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
mRNAのサイズが約1kbから約2kbである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ペイロードがポリペプチドである、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ペイロードが小分子である、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項71に記載の方法。
【請求項84】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項71に記載の方法。
【請求項85】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項71に記載の方法。
【請求項86】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項87】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項88】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項89】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項90】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項89又は90に記載の方法。
【請求項92】
脂質の総濃度が変動する、請求項89又は90に記載の方法。
【請求項93】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項89又は90に記載の方法。
【請求項95】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項72から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項71から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
LNPがリポソームである、請求項71から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項71から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項71に記載の方法。
【請求項102】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項71に記載の方法。
【請求項103】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項71から102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項71から102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項71から102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
LNP調製物を、それを必要とする患者に投与する方法であって、前記LNP調製物が、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
によって製造される、方法。
【請求項107】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項107から110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
ペイロードがmRNAである、請求項106に記載の方法。
【請求項113】
mRNAのサイズが約1kbから約2kbである、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
ペイロードがポリペプチドである、請求項106に記載の方法。
【請求項115】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
ペイロードが小分子である、請求項106に記載の方法。
【請求項117】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項106に記載の方法。
【請求項119】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項106に記載の方法。
【請求項120】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項106に記載の方法。
【請求項121】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項106に記載の方法。
【請求項122】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項123】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項124】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項106に記載の方法。
【請求項125】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項127】
脂質の総濃度が変動する、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項128】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項130】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項107から113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項106から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
LNPがリポソームである、請求項106から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項106から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項106に記載の方法。
【請求項137】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項106に記載の方法。
【請求項138】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項106から137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項106から137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項106から137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための最適化されたハイスループットスクリーニング方法であって、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含む方法。
【請求項142】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項142から145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
ペイロードがmRNAである、請求項141に記載の方法。
【請求項148】
mRNAのサイズが約1kbから約2kbである、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
ペイロードがポリペプチドである、請求項141に記載の方法。
【請求項150】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
ペイロードが小分子である、請求項141に記載の方法。
【請求項152】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項141に記載の方法。
【請求項154】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項141に記載の方法。
【請求項155】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項141に記載の方法。
【請求項156】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項157】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項141に記載の方法。
【請求項158】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項141に記載の方法。
【請求項159】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項160】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項159又は160に記載の方法。
【請求項162】
脂質の総濃度が変動する、請求項159又は160に記載の方法。
【請求項163】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項159又は160に記載の方法。
【請求項165】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項141から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
LNPがリポソームである、請求項141から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項141から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項141に記載の方法。
【請求項172】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項141に記載の方法。
【請求項173】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項141から172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項174】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項141から172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項141から172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
以下の工程:
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含む方法によって製造される、最適化された脂質ナノ粒子(LNP)。
【請求項177】
ペイロードがオリゴヌクレオチドである、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項178に記載の方法。
【請求項181】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項177から180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
ペイロードがmRNAである、請求項176に記載の方法。
【請求項183】
mRNAのサイズが約1kbから約2kbである、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
ペイロードがポリペプチドである、請求項176に記載の方法。
【請求項185】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
ペイロードが小分子である、請求項176に記載の方法。
【請求項187】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項176に記載の方法。
【請求項189】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項176に記載の方法。
【請求項190】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項176に記載の方法。
【請求項191】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項192】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項193】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項194】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項195】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項194又は195に記載の方法。
【請求項197】
脂質の総濃度が変動する、請求項194又は195に記載の方法。
【請求項198】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
PEG化されている脂質のパーセンテージが変動する、請求項194又は195に記載の方法。
【請求項200】
PEG化されている脂質のパーセンテージが、全脂質組成の約0.5%から約5%の間で変動する、請求項199に記載の方法。
【請求項201】
ペイロードのN:P比が変動する、請求項177から183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
N:P比が約0.5から約5の間で変動する、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
LNPがポリマー脂質ナノ粒子である、請求項176から202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
LNPがリポソームである、請求項176から202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
LNPがリポタンパク質ナノ粒子である、請求項176から202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記第1の溶液が、前記第2の溶液に注入される、請求項176に記載の方法。
【請求項207】
前記第2の溶液が、前記第1の溶液に注入される、請求項176に記載の方法。
【請求項208】
最適なパラメータが、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである、請求項176から207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
最適なパラメータが、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである、請求項176から207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
LNPが、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する、請求項176から207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
LNP形成のための複数のパラメータのHTSスクリーニングのためのワークフローであって、
(i)ロボット液体ハンドラー;
(ii)所望のLNP特性を測定することができる少なくとも1つの機器;及び
(iii)複数のマイクロウェルを含む少なくとも1つのマイクロプレート
を含み、
前記ロボット液体ハンドラーが、前記マイクロウェルのそれぞれに複数の溶液を注入することができ;
前記パラメータが、マイクロウェル間で系統的に変動し;
前記所望のLNP特性が、各マイクロウェルについて測定され得る、
ワークフロー。
【請求項212】
複数のパラメータが、総脂質含有量、自己集合分子のタイプ;前記自己集合分子の組成比;前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度;相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、体積及び速度、並びに混合持続時間から選択される、請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記所望のLNP特性が、平均粒径、粒径分布、封入効率及び粒子安定性からなる群より選択される、請求項211に記載の方法。
【請求項214】
前記機器が、動的光散乱(DLS)、紫外可視(UV-Vis)分光法又は蛍光分光法のいずれかが可能である、請求項211に記載のワークフロー。
【請求項215】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための最適化されたハイスループットスクリーニング方法であって、
a.水相を含む第1の溶液を得ること;
b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;
c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;
d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;
e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;
f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;
g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及び
h.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造すること
を含み、
封入効率が、イオン化可能な脂質/オリゴヌクレオチドの電荷比を測定することによって最適化される、方法。
【請求項216】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項215に記載の方法。
【請求項217】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス分子である、請求項215に記載の方法。
【請求項219】
オリゴヌクレオチドがsiRNAである、請求項218に記載の方法。
【請求項220】
オリゴヌクレオチドがshRNAである、請求項219に記載の方法。
【請求項221】
オリゴヌクレオチドが約10から約30の間のヌクレオチド長である、請求項215に記載の方法。
【請求項222】
ペイロードがmRNAである、請求項215に記載の方法。
【請求項223】
mRNAのサイズが約500から約3000ヌクレオチド長である、請求項222に記載の方法。
【請求項224】
ペイロードがポリペプチドである、請求項215に記載の方法。
【請求項225】
前記ポリペプチドが約1,000Daと約10,000Daの間である、請求項224に記載の方法。
【請求項226】
ペイロードが小分子である、請求項215に記載の方法。
【請求項227】
小分子が約100Daと1000Daの間である、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
ペイロードが第1の溶液に溶解される、請求項226に記載の方法。
【請求項229】
ペイロードが第2の溶液に溶解される、請求項215に記載の方法。
【請求項230】
第1の溶液が水性緩衝液である、請求項215に記載の方法。
【請求項231】
第1の溶液が、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む、請求項215に記載の方法。
【請求項232】
第2の溶液の有機相がメタノールを含む、請求項215に記載の方法。
【請求項233】
第2の溶液の有機相がエタノールを含む、請求項215に記載の方法。
【請求項234】
自己集合性分子が、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む、請求項215に記載の方法。
【請求項235】
少なくとも1種の脂質分子が、カチオン性脂質種、イオン化可能な脂質種、非カチオン性脂質種、リン脂質種、及び非リン脂質種からなる群より選択される、請求項234に記載の方法。
【請求項236】
前記第2の溶液が、2種類以上の脂質を含む、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
脂質の総濃度が変動する、請求項215に記載の方法。
【請求項238】
脂質の総濃度が約0.4mMと約4mMの間で変動する、請求項237に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年10月26日に出願された米国特許仮出願第63/272,136号に対する利益を主張するものであり、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[0002]脂質ナノ粒子(LNP)は、生体適合性で安定な薬学的送達プラットフォームとして広く開発されてきた。脂質ナノ粒子を調製するために使用される脂質は、通常、低毒性の生理学的脂質(生体適合性及び生分解性)である。脂質の物理化学的多様性及び生体適合性、並びに薬物の経口バイオアベイラビリティを高めるそれらの能力は、脂質ナノ粒子を薬物送達にとって非常に魅力的な担体にしている。さらに、脂質ベースの製剤は、可溶化能力の増加、腸希釈に対する薬物沈殿の防止、膜透過性の増強、排出輸送体の阻害、CYP酵素の減少、カイロミクロン産生及びリンパ輸送の増強を含むいくつかの方法で薬物吸収にプラスの影響を及ぼすことができる。LNPは、siRNA送達のための主要な非ウイルス担体であり、2019年の時点でナノ医薬臨床試験の70%で使用されている。Anselmo S et al.,2019,Bioeng.Transl.Med.4(3):e10143。
【0003】
[0003]脂質ベースのナノキャリアは、その複雑な物理化学的特性に部分的に起因して、薬物製品の品質管理においてさらなる課題をもたらす。米国FDAによって最近公表されたリポソーム薬物製品に関するガイダンスによれば、これらの製剤は、粒子構造及びサイズ分布、粒子表面の物理化学的特性、脂質含有量、遊離APIの量及び封入効率、並びに物理的及び化学的安定性を含む品質属性について指定されるべきである。異なる調製条件及びパラメータは、LNP製剤の品質属性に影響を及ぼし得る。例えば、脂質組成、特に異なる量及び/又は分子量のPEG化脂質の組み込みは、リポソームのコロイド安定性、細胞取り込み、及び薬物動態に有意に影響を及ぼしたが(例えば、Allen et al.,1991,Biochem Biophys Acta,1066(1):29-36;Garbuzenko et al.,2005,Chem Phys Lipids,135(2):117-29;Immordino et al.,Int J Nanomedicine 1(3)(2006)297-315を参照)、siRNA又はASO負荷は、カチオン性脂質との電荷媒介性相互作用によって制御され得る。Schroeder et al.,2010,J Intern Med 267(1):9-21;Cullis et al.,2017,Mol Ther 25(7):1467-1475. LNPの下流性能もまた、それらの品質属性によって高度に左右される。したがって、様々なレベルのこれらのパラメータのスクリーニングは、容易な手順及び複数の分析出力を有するハイスループットアプローチを非常に必要とする。
【0004】
[0004]LNPの構造及びカーゴの送達は、4つの主要な成分、すなわちイオン化可能な脂質、ヘルパーリン脂質、コレステロール、及びポリエチレングリコール脂質(PEG-脂質)によって調節される。カチオン性イオン化可能脂質は、LNP製剤化時に負電荷を帯びた核酸の封入を促進し、エンドソームのpH範囲5.5~6.5でカーゴの細胞質送達を助ける。ヘルパー脂質及びコレステロールは構造安定性を高め、膜融合を促進し、LNPのエンドソーム脱出を促進する。PEG-脂質添加の効果は多面的で、「PEG-ジレンマ」と呼ばれるものの一因となっている。PEG-脂質は、自己組織化中に粒径を制御するとともに粒子の凝集を防ぐために必要である。しかし、親水性のPEGコロナが粒子表面と親油性の細胞膜との相互作用を妨げ、その結果、細胞の内在化が悪化する可能性がある。PEGの存在はまた、受容体媒介エンドサイトーシスを介したLNP細胞内在化に必要な輸送タンパク質の表面結合を妨げ得る。さらに、PEG-脂質は、オプソニンを含む血漿タンパク質の吸着に対する立体障壁として作用することにより、in vivoでの LNP循環時間を延長する。半減期を延長することは治療への曝露を増加させるが、LNP循環を増加させることは、有害なアレルギー反応につながる抗PEG抗体の生成を誘発する可能性がある。
【0005】
[0005]このように、効果的な細胞内送達の達成は、PEGのジレンマを克服するための多価PEG-脂質の効果を理解することに大きく依存する。これまでの研究では、PEGのサイズ、構造、含有量、炭素テールのタイプ、及び長さを調整することで、LNPの有効性を調節することが示されている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]脂質ベースのナノ医薬のスクリーニング及び最適化の必要性に対処するために、本開示は、様々な治療ペイロードを封入するそのような脂質ベースのナノ粒子を調製するためのハイスループットスクリーニング(HTS)ワークフローを提供する。様々な実施態様において、本発明は、ロボット液体ハンドラーを使用してLNPの容易な自己集合のための最適化された溶媒注入方法を提供する。様々な実施態様において、最適な脂質組成、総脂質濃度、及びペイロードの負荷量が記載される。
【0007】
[0007]様々な実施態様では、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための最適化されたハイスループットスクリーニング方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0008】
[0008]本明細書で述べるように、脂質ナノ粒子(LNP)は、核酸の送達効率及び治療効果を改善するためにますます利用されている。様々な製剤パラメータが、これらのナノ粒子製剤の品質属性に影響を与え得ることが判明している。しかし、現在のところ、これらの課題に対処するための効果的な体系的スクリーニングアプローチは欠如している。本発明によると、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を担持したLNPの合理化された調製及び分析的特性評価のために、自動化されたハイスループットスクリーニング(HTS)ワークフローが開発された。本発明によれば、この特性評価は96ウェルプレート全体でわずか3時間以内に行うことができる。
【0009】
[0009]本発明によれば、ASOを担持したLNPは、ロボット液体ハンドラーを使用した自動溶媒注入法により製剤化され、粒径分布、カプセル化効率、及びさまざまな製剤組成物とASO担持量による安定性について評価された。本明細書に記載された結果は、PEG化脂質含量が粒径分布に大きく影響し、イオン化可能脂質/ASO電荷比がASOのカプセル化効率に影響することを示している。さらに、われわれのHTSアプローチの結果は、マイクロ流体フォーミュレーターを用いた最先端のスケールアップ法の結果と相関しており、ロバストな製剤開発及び実験方法設計のための新規の方法を提供するものである。この方法は、材料の使用量を約10倍削減することができ、それによって分析結果及び情報蓄積を約100倍改善することができる。
【0010】
[0010]ASO-LNPを調製し、そのPEG-脂質含量及び粒径分布の関係を分析するために、新規HTSワークフローが開発された。ハイスループットの液体ハンドラーを使用して、ホスホグリセリド、ジグリセリド、及びセラミドのファミリーにまたがる複数のPEG-脂質を含有する様々なASO-LNPのライブラリーが作製され、様々なPEG-脂質モル比(1~5mol%)で製剤化された。本明細書では、分子量(mw)、炭素テール長、及びモル比を含むPEG-脂質パラメータの影響について記載する。さらに、本明細書では、PEG構造、脂質テール飽和度、PEG-脂質電荷、及びリンカー化学を含む、多数の追加のPEG-脂質の変数が記載されている。
【0011】
[0011]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは、約500~3000ヌクレオチドである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0012】
[0012]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0013】
[0013]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性又はイオン化可能な脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0014】
[0014]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0015】
[0015]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための方法を最適化するためのハイスループット方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成物を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0016】
[0016]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0017】
[0017]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0018】
[0018]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0019】
[0019]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0020】
[0020]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物中にペイロードを封入するための最適化されたハイスループット方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0021】
[0021]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0022】
[0022]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0023】
[0023]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0024】
[0024]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0025】
[0025]様々な実施態様において、本開示は、LNP調製物を、それを必要とする患者に投与する方法に関し、前記LNP調製物は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することによって製造される。
【0026】
[0026]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0027】
[0027]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0028】
[0028]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0029】
[0029]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0030】
[0030]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物中にペイロードを封入するための最適化されたハイスループット方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0031】
[0031]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0032】
[0032]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0033】
[0033]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0034】
[0034]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0035】
[0035]様々な実施態様では、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物を製造するための最適化されたハイスループットスクリーニング方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0036】
[0036]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0037】
[0037]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0038】
[0038]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0039】
[0039]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0040】
[0040]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物中にペイロードを封入するための最適化されたハイスループット方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0041】
[0041]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0042】
[0042]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0043】
[0043]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0044】
[0044]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0045】
[0045]様々な実施態様において、本開示は、以下の工程:a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む方法によって製造された、最適化された脂質ナノ粒子(LNP)に関する。
【0046】
[0046]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0047】
[0047]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0048】
[0048]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0049】
[0049]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0050】
[0050]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)調製物中にペイロードを封入するための最適化されたハイスループット方法に関し、本方法は、a.水相を含む第1の溶液を得ること;b.有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;c.少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;d.ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;e.前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボット液体ハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;f.前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;g.前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;及びh.前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む。
【0051】
[0051]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、mRNAのサイズは約1kb~約2kbである。様々な実施態様では、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、前記ポリペプチドは、約1,000Daと約10,000Daの間である。様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。
【0052】
[0052]様々な実施態様において、ペイロードは第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、第1の溶液は水性緩衝液である。様々な実施態様において、第1の溶液は、pH調整済み緩衝液及び重量オスモル濃度調整済み緩衝液を含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はメタノールを含む。様々な実施態様において、第2の溶液の有機相はエタノールを含む。
【0053】
[0053]様々な実施態様において、自己集合性分子は、少なくとも1種の脂質分子から構成される少なくとも1つの脂質成分を含む。様々な実施態様において、少なくとも1種の脂質分子は、カチオン性脂質種、非カチオン性脂質種、及びリン脂質種から選択される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、脂質の総濃度は変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは変動する。様々な実施態様において、PEG化されている脂質のパーセンテージは、全脂質組成の約0.5%~約5%の間で変動する。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。
【0054】
[0054]様々な実施態様において、LNPはポリマー脂質ナノ粒子である。様々な実施態様において、LNPはリポソームである。様々な実施態様において、LNPはリポタンパク質ナノ粒子である。様々な実施態様において、前記第1の溶液は、前記第2の溶液に注入される。様々な実施態様において、前記第2の溶液は、前記第1の溶液に注入される。様々な実施態様において、最適なパラメータは、80%を超えるペイロードの封入効率をもたらすパラメータである。様々な実施態様において、最適なパラメータは、単峰性サイズ分布及び約30%未満の多分散性を有し、80~200nmの平均直径を有するLNPをもたらすパラメータである。様々な実施態様において、LNPは、4℃の溶液中での保存下で少なくとも1ヶ月間、同様のサイズ分布及びペイロード封入を維持する。
【0055】
[0055]様々な実施態様において、本開示は、LNP形成についての複数のパラメータのHTSスクリーニングのためのワークフローであって、(i)ロボット液体ハンドラー;(ii)所望のLNP特性を測定することができる少なくとも1つの機器;及び;(iii)複数のマイクロウェルを含む少なくとも1つのマイクロプレート、を含み、前記ロボット液体ハンドラーは、前記マイクロウェルの各々に複数の溶液を注入することができ;前記パラメータは、マイクロウェル間で系統的に変動し;前記所望のLNP特性は、各マイクロウェルについて測定され得る、ワークフローに関する。
【0056】
[0056]様々な実施態様において、複数のパラメータは、総脂質含有量、自己集合分子のタイプ;前記自己集合分子の組成比;前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度;相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、体積及び速度、並びに混合持続期間から選択される。様々な実施態様において、所望のLNP特性は、平均粒径、粒径分布、封入効率及び粒子安定性からなる群より選択される。様々な実施態様において、機器は、動的光散乱(DLS)、紫外可視(UV-Vis)分光法又は蛍光分光法のいずれかが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1A-F】[0057]高速のエタノール-緩衝液注入とそれに続く複数回の混合により生成された、ASO負荷が高い均一なLNPのデータを示す。0.4μmolの総脂質及び1.5mol%のDSPE-PEG2000で構成されるLNPを、異なる混合条件を使用して1のN/P比の下でASO-1と混合した。TECAN(登録商標)ロボットを使用して、0.1、0.5、又は0.9ml/sの速度での逆の注入順序(エタノールから緩衝液又は緩衝液からエタノール)とそれに続く10回の混合反復(
図1A~1C)、又は0.5又は0.9ml/sの速度でのエタノールから緩衝液の注入とそれに続く10又は20回の混合反復(
図1D~1F)を調査した。粒径(
図1A及び1D)及び多分散性(
図1B及び1E)を動的光散乱(DLS)によって測定した。遊離ASO-1をOD260によって測定し、封入効率について計算した(
図1C及び1F)。結果は平均±SD、n=3であり;ns、有意ではない、****P<0.0001、(
図1A~1C)二元配置又は一元配置(
図1D~1F)ANOVA、続いてTukeyの多重比較によって分析した。
【
図2】[0058]ASO負荷LNP製剤のHTSワークフローを示す。TECAN(登録商標)液体ハンドラーを使用する自動溶媒注入法によって、4レベルの脂質組成、2レベルの総脂質濃度、及び4レベルのASO負荷量で変動する96個のサンプル(32条件、n=3)を調製し、続いて、260nmでの吸光度によるDLS及びASO封入による粒径分布の特性評価を行った。代表的なLEA(Laboratory Execution and Analysis)Library Studio設計レイアウトをサンプルプレートについて示した。
【
図3A-E】[0059]ASO-1負荷LNP製剤のHTS分析である。
図3Aは、スクリーニング設計を示す画像である。全脂質濃度(2レベル)脂質組成に組み込まれたPEG化脂質含有量(4レベル)、及びASOの負荷比(4レベル)を含む製剤パラメータを、各条件について3回反復して96ウェルプレートでスクリーニングした。
図3B~3Dは、サンプルをPBSで希釈し、DLSによって粒径分布について特性評価したことを示す。
図3Bは、代表的なサイズ分布を示すグラフであり、脂質組成中に添加されたPEG化脂質の量が増加した小粒子集団を示した。
図3C~3Dは、「範囲外」の黒い点によって示されるように、DSPE-PEG2000が脂質組成に組み込まれなかった場合の多峰性サイズ分布を有する大きな凝集体(500~1500nmの直径)を除いて、LNPが45~145nmの平均直径及び10~50%の%PDを有したことを示すヒートマップである。2mMの総脂質濃度を有するサンプルについても定量分析を示した。
図3Eは、封入効率を計算するためにOD260によって非封入量のASOについて測定されたサンプルアリコート(2mMの総脂質濃度)を示す棒グラフである。結果は平均±SD、n=3であり;ns、有意ではない、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、及び****P<0.0001(二元配置ANOVA、続いてTukeyの多重比較によって分析)。このデータはLCによって確認された。
【
図4】[0060]PEG化脂質なしで調製したLNPが大きな凝集体を生成したことを示す棒グラフである。DSPE-PEG2000なしで調製したASO-1負荷LNP(スクリーニングされた条件を
図3C~3Dの列A及びEに示す)の平均粒径を平均±SDとして示す、n=3;ns、有意でない、*P<0.05、及び***P<0.001(二元配置ANOVA、続いてSidakの多重比較によって分析)。
【
図5A-C】[0061]ASO-1負荷、カチオン性LNP製剤のHTS分析である。スクリーニングしたカチオン性LNPは、60~120nmの平均直径(
図5A)、10~50%の多分散性(
図5B)、及びPEG化脂質の量の増加に関してMC3 LNPと同様の傾向を示した。DSPE-PEG2000が存在しない場合、「範囲外」の黒い点によって示されるように、又は白い点によって示される不完全な測定(大きな凝集体のため)によって示されるように、多峰性のサイズ分布を有する大きな凝集体が生成された。2mMの総脂質濃度を有するサンプルについても定量分析を示した。(
図5C)OD260によって非封入ASOの量についてサンプルを測定して、封入効率を計算した。結果は平均±SD、n=3であり;ns、有意ではない、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、及び****P<0.0001(二元配置ANOVA、続いてTukey(
図5A~5B)又はSidak(
図5C)の多重比較によって分析)。
【
図6A-C】[0062]2mMの総脂質濃度、異なる量のDSPE-PEG2000、及び異なるオリゴヌクレオチド負荷下でイオン化可能な脂質と製剤化されたASO-2負荷LNPのHTS分析である。結果は、ASOの粒径(
図6A)、多分散性(
図6B)、及び封入効率(
図6C)に関して、ASO-1負荷LNP(
図3A~3E)と同様の傾向を示した。結果は平均±SD、n=3であり;ns、有意ではない、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、及び****P<0.0001(二元配置ANOVA、続いてTukeyの多重比較によって分析)。
【
図7A-E】[0063]NanoAssemblr(登録商標)を使用したマイクロ流体調製からの結果と相関するHTS分析結果である。
図7Aは、PEG化脂質の量の増加に伴う粒径の減少及び多分散性の増加の相関を示すグラフである。LNPは、異なるモル比のDSPE-PEG2000及び固定N/P比2で調製した。
図7Bは、高い総脂質濃度下で粒径が安定であったことを示すグラフである。LNPは、0.4、0.7、1、又は2mMの総脂質濃度、1.5mol%の固定DSPE-PEG2000、及びN/P比2の下で調製した。
図7C~
図7Dは、粒径(
図7C)が安定していた一方で、ASO(
図7D)の%EEが高いASO負荷及び過剰のASO負荷下で減少したことを示す。LNPは、N/P比=5、2、1、又は0.5、及び1.5mol%のDSPE-PEG2000下で調製した。
図7Eは、nanoassemblr(登録商標)又は異なる製剤パラメータを用いたハイスループット溶媒注入によって調製されたASO-1負荷LNPの代表的なcryo-TEM画像である。拡大画像は、2つのアプローチを使用して同じ製剤パラメータで調製された代表的なLNP(青色矢印で示す)の同様の構造パターンを示した。パネル(
図7A、7C、及び7D)におけるHTSの結果は、
図3に示される同じスクリーニング実験からのものである。結果は平均±SD、
図7Dのマイクロ流体結果についてのn=1を除いてn=3である。
【
図8A-B】[0064]ハイスループット溶媒注入法又はNanoAssemblr(登録商標)によって調製されたASO-1負荷MC3 LNPの4℃で2週間の安定性を示す。
図8Aは、平均粒径を示し、
図8Bは、2週間にわたる多分散性を示すグラフである。総脂質濃度は2mMであり、N/P比は1(HTSサンプル)又は0.5(NanoAssemblr(登録商標)サンプル)であり、PEG量は1.5から5mol%まで変動した。結果は平均±SD、n=3であり;各群内の0日目の結果に対して*P<0.05及び**P<0.01、一元配置ANOVA、続いてDunnettの多重比較によって分析。その後の研究(図示せず)は、4℃で1ヶ月貯蔵した後に同様の結果を示した。
【
図9】[0065]40℃で2週間にわたる、
図8A-8Bに示したHTS LNPの安定性を示すグラフである。結果は平均±SD、n=3であり;*各群内の0日目の結果に対してP<0.05、一元配置ANOVA、続いてDunnettの多重比較によって分析。
【
図10】[0066]40℃でのLNPからのASO漏出を示すグラフである。2週間以内にLNPから放出されたASO-1をOD260により測定した。結果は平均±SD、n=3であり;1.5mol%DSPE-PEG2000群に対して、*P<0.05及びns、有意ではない、二元配置ANOVA、続いてTurkeyの多重比較によって分析。
【
図11】[0067]HTSアプローチが、ASO負荷LNPのマイクロ流体調製と比較して、原材料を有意に節約し、分析出力を改善したことを示す。1.5モル%のDSPE-PEG 2000及びN/P比(MC3及びASO-1に基づく)1を含有する2mMの総脂質を有する典型的なサンプルについて、必要とされる材料を計算した。
【
図12A-B】[0068]ASO封入の定量化の代替方法を示す。
図12Aは、ワークフローの概略図である。ASO負荷LNPをハイスループット溶媒注入法によって調製し、蛍光プローブSybr-金と混合し、続いて蛍光プレートリーダー(Ex/Em=495/550nm)を使用して定量した。
図12Bは、異なるN/P比の下で調製された2つの異なるLNP製剤の同等の封入効率%を示すグラフである。結果は平均±SD、n=2であり;ns、有意ではない。
【
図13A】[0069]HiBiTペプチド負荷リポソーム製剤のHTSワークフローを示す。96ウェルプレート形式でのハイスループットゲル濾過及び透析を含む2つの精製方法を比較した。LNPをハイスループット溶媒注入法によって合成し、続いてDLSによる粒径分布及びUV-Vis、発光及び蛍光による遊離カーゴ量の特性評価を行った。次いで、ハイスループットゲル濾過又は透析のいずれかを使用してLNPを精製し、続いてUV-Vis、蛍光及びDLSをそれぞれ使用して、精製効率、粒子回収及び粒径安定性の分析を行った。
【
図13B】[0070]スクリーニング設計を示す画像である。MC3を含まないDPPC LNP、MC3を含むDPPC LNP、MC3を含まないDSPC LNP、及びアジドとコンジュゲートした遮蔽ペグ化脂質及びペグ化脂質の両方を含むMC3を含むDSPC LNPを含む製剤パラメータを、各条件について3連で96ウェルプレートでスクリーニングした。
【
図13C】[0071]「範囲外」の黒い点によって示されるように、DSPE-PEG2000が脂質組成に組み込まれなかった場合の多峰性サイズ分布を有する大きな凝集体を除いて、LNPが50~200nmの平均直径を有したことを示すヒートマップである。
【
図13D-F】[0072]精製前(
図13D)及び精製後の遊離ペプチド濃度の定量を示す表である。ゲル濾過及び透析は、それぞれ約98%(
図13E)及び約61%(
図13F)の平均精製効率をもたらした。40kDのMWCOを有する96の小さいカラムプレートをゲル濾過及びPBSによる溶出のために使用した。10kDのMWCOを有する96ウェル透析プレートを、3LのPBSにおける透析のために一晩使用し、3回の培地交換を行った。透析後のデータ点の喪失は、サンプル回収が低いためであった。
【
図13G-H】[0073]ゲル濾過による精製後の粒子回収率及びサイズの定量化を示すデータである。
図13Gでは、回収率は、ペグ化脂質なしで調製された凝集サンプルによる低い値を除いて、一般に80~120%の間であった。
図13Hでは、粒径分布は、ゲル濾過による精製後も一定のままであった。
【
図14】[0074]ロボット液体ハンドラーを用いた自動溶媒注入によるLNP調製(左上)及びハイスループットスクリーニング(左下)、続いて品質属性、例えば粒径分布(右上)、ASOカプセル化(中央下)及びLNP安定性(右下)の分析を含む、本明細書に記載される一般的手順を示す。
【
図15A-F】[0075]ASO-LNP製剤ライブラリーの概略図である。ASOを含む水相と、さまざまなPEG-脂質組成の溶解脂質混合物を含むエタノール相とを迅速に混合することによってASO-LNPを形成するために、液体処理ロボットを使用した(
図15A)。各脂質混合物は、ホスホグリセリド、ジグリセリド、又はセラミド(
図15B)ファミリーから選択された別個のPEG-脂質を、イオン化可能な脂質MC3(
図15C)、コレステロール(
図15D)、及びヘルパー脂質DSPC(
図15E)と組み合わせて含み、54の異なる配合を有するASO-LNPライブラリーを生成した。
【
図16A-F】[0076]ASO-LNPの粒径分布を示す。ASO-LNPは、液体処理ロボットを用いて、PEG化脂質の種類及び量を変えて調製した。それぞれのASO-LNP製剤に使用されているPEG-脂質アナログは、X軸ラベルの下に#で示されており、表1から参照することができる。粒子ライブラリーを96ウェルプレートセットアップで動的光散乱を使用して特性評価して、アニオン性(直鎖状、分岐状)及び中性のPEG-脂質の異なるサブセットにわたる粒径(
図16A~16C)及び多分散性の傾向(
図16D~16F)を、X軸値で示されるPEGサイズ(Da)、異なる色の背景で示されるCテールタイプ、及びそれぞれの棒の色で示されるASO-LNP中のPEG-脂質含有量(mol%)に応じて同定した。
【
図17】[0077]ASO-LNP HTSライブラリー全体の挙動傾向を示す。
図16A~16Cの平均粒子直径は、色分けされたヒートマップを用いて表されている。
【
図18】[0078]ヒットしたASO-LNPのスケールアップ製剤への変換を示す。ASO-LNP製剤は、われわれのHTSライブラリーの1、3、及び5mol%のデータから同定され、マイクロ流体ミキサーを用いてスケールアップされた。この2つの製剤のスケールと技法は、その粒径分布を比較することによって、スムーズな変換が可能であることが検証された。
【発明を実施するための形態】
【0058】
[0079]薬物送達のための脂質ナノ粒子(LNP)製造は、様々な製剤パラメータの影響を受ける複雑な物理化学的特性のために困難である。LNP製造における粒子構造及びサイズ分布、粒子表面の物理化学的特性、脂質含有量、遊離APIの量及び封入効率、並びに物理的及び化学的安定性の制御は困難かつ複雑である。従来のバッチ法による、脂質種、パーセンテージ、濃度及び薬物負荷を含むLNP製剤パラメータのスクリーニングは、かなりの時間及び原材料を必要とする。したがって、最小の材料入力並びに効率的な調製及び分析出力を有するハイスループットスクリーニングアプローチが、最適な品質属性を有するリード製剤候補を決定するために好ましいであろう。ロボット液体ハンドラーは、主に液体の添加及び移送に使用されており、精密に調整された機器パラメータを有するLNPフォーミュレーターとしては使用されていない。さらに、LNP調製及び分析の両方を統合した合理化されたハイスループットワークフローが不足している。本明細書では、注入ベースのLNP形成のためのロボット液体ハンドラーを使用して、所望の特性に基づいてLNP製造を最適化するためのハイスループット方法が提供される。最適化されたLNP粒子及びそれらの製造方法を、本明細書中にさらに提供する。
【0059】
[0080]本明細書の説明は例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解されよう。本出願では、特に明記しない限り、単数形の使用は複数形を含む。
【0060】
[0081]本明細書で使用される項目の見出しは、構成上の目的のみのためであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、及び論文を含む本出願で引用された全ての文書、又は文書の一部は、任意の目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に援用される。以下の用語は、本開示に従って利用される場合、別途指示がない限り、以下の意味を有するものと理解すべきである。
【0061】
[0082]本出願において、「又は」の使用は、別途記載されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、並びに「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は限定的ではない。また、「要素」又は「構成要素」等の用語は、別途明記されない限り、1つの単位及び要素を含む、要素及び構成成分と、1つよりも多いサブユニットを含む構成成分との両方を包含する。
【0062】
[0083]本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、特定の治療のレシピエントとなるヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを含むがこれらに限定されない任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。典型的には、「対象」及び「患者」という用語は、ヒト対象に関して本明細書では互換的に使用される。
【0063】
[0084]「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、又は「核酸」という用語は、一本鎖及び二本鎖の両方のヌクレオチドポリマーを含む。ポリヌクレオチドを含むヌクレオチドは、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又はいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態であり得る。前記修飾としては、ブロモウリジン及びイノシン誘導体などの塩基修飾、2’,3’-ジデオキシリボースなどのリボース修飾、並びにホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニラデート及びホスホロアミデートなどのヌクレオチド間結合修飾が挙げられる。
【0064】
[0085]「オリゴヌクレオチド」という用語は、200個以下のヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチドは、例えば突然変異遺伝子の構築に使用するために、一本鎖又は二本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドは、検出アッセイのために、放射性標識、蛍光標識、ハプテン又は抗原標識を含む標識を含むことができる。オリゴヌクレオチドは、例えば、PCRプライマー、クローニングプライマー又はハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。
【0065】
[0086]「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、天然配列の1つ又は複数のアミノ酸の欠失、付加、及び/又は置換を含む、タンパク質のアミノ酸配列を有する高分子を指す。「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、抗原結合タンパク質の1つ又は複数のアミノ酸の欠失、付加、及び/又は置換を有する抗原結合分子、抗体、又は配列を特に包含する。「ポリペプチド断片」という用語は、全長天然タンパク質と比較して、アミノ末端欠失、カルボキシル末端欠失、及び/又は内部欠失を有するポリペプチドを指す。そのような断片はまた、天然タンパク質と比較して修飾アミノ酸を含むことができる。有用なポリペプチド断片には、抗原結合分子の免疫学的に機能的な断片が含まれる。
【0066】
[0087]「単離された」という用語は、(i)通常見られる少なくともいくつかの他のタンパク質を含まない;(ii)同じ供給源、例えば同じ種からの他のタンパク質を本質的に含まない;(iii)自然界で会合しているポリヌクレオチド、脂質、炭水化物、又は他の材料の少なくとも約50%から分離されている;(iv)自然界で会合していないポリペプチドと(共有結合又は非共有結合相互作用によって)作用可能に会合している;又は(v)自然界では存在しないことを意味する。
【0067】
[0088]ポリペプチド(例えば、抗原結合分子)の「バリアント」は、1つ又は複数のアミノ酸残基が別のポリペプチド配列と比較してアミノ酸配列に挿入、欠失及び/又は置換されているアミノ酸配列を含む。バリアントには、例えば、融合タンパク質が含まれる。
【0068】
[0089]「同一性」という用語は、配列をアライメントして比較することによって決定される、2つ以上のポリペプチド分子又は2つ以上の核酸分子の配列間の関係を指す。「同一性パーセント」は、比較される分子中のアミノ酸又はヌクレオチド間の同一の残基のパーセントを意味し、比較される分子の最小のサイズに基づいて計算される。これらの計算のために、アライメントにおけるギャップ(存在する場合)は、好ましくは、特定の数学的モデル又はコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって対処される。
【0069】
[0090]同一性パーセントを計算するために、比較される配列は、典型的には、配列間の最大一致を得るようにアライメントされる。同一性パーセントを決定するために使用され得るコンピュータプログラムの一例は、GAPを含むGCGプログラムパッケージである(Devereux et al.,Nucl.Acid Res.,1984,12,387;Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,Wis.)。コンピュータアルゴリズムGAPは、パーセント配列同一性が決定される2つのポリペプチド又はポリヌクレオチドをアラインメントするために使用される。配列は、それらのそれぞれのアミノ酸又はヌクレオチドの最適なマッチングのためにアライメントされる(アルゴリズムによって決定される「一致スパン」)。特定の実施態様では、標準的な比較マトリックスもアルゴリズムによって使用される(例えば、PAM 250比較マトリックスについては、Dayhoff et al.,1978,Atlas of Protein Sequence and Structure,5:345-352を参照し;BLO-SUM 62比較マトリックスについてはHenikoff et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,89,10915-10919を参照のこと)。
【0070】
[0091]「誘導体」という用語は、アミノ酸(又は核酸)の挿入、欠失、又は置換以外の化学修飾を含む分子を指す。特定の実施態様において、誘導体は、限定されないが、ポリマー、脂質、又は他の有機若しくは無機部分との化学結合を含む共有結合修飾を含む。特定の実施態様において、化学的に修飾された抗原結合分子は、化学的に修飾されていない抗原結合分子よりも大きい循環半減期を有することができる。いくつかの実施態様において、誘導体抗原結合分子は、限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールを含む1つ又は複数の水溶性ポリマー付着を含むように共有結合的に修飾される。
【0071】
[0092]ペプチド類似体は、テンプレートペプチドの特性と類似の特性を有する非ペプチド薬物として製薬業界で一般的に使用されている。これらのタイプの非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物」又は「ペプチド模倣薬」と呼ばれる。Fauchere,J. L.,1986,Adv. Drug Res.,1986,15,29;Veber,D. F. & Freidinger,R. M.,1985,Trends in Neuroscience,8,392-396;及びEvans,B. E.,et al.,1987,J. Med. Chem.,30,1229-1239。これらは任意の目的のために参照により本明細書に援用される。
【0072】
[0093]「治療的有効量」という用語は、哺乳動物において治療応答を生じるように決定された免疫細胞又は他の治療剤の量を指す。そのような治療的有効量は、当業者によって容易に確認される。
【0073】
[0094]「患者」及び「対象」という用語は互換的に使用され、ヒト及び非ヒト動物対象、並びに正式に診断された障害を有する対象、正式に認識された障害を有しない対象、医学的注意を受けている対象、障害を発症するリスクがある対象などを含む。
【0074】
[0095]「治療する(treat)」及び「治療(treatment)」という用語は、治療的処置、予防的処置、及び対象が障害又は他の危険因子を発症するリスクを低下させる適用を含む。治療は、障害の完全な治癒を必要とせず、症候又は根底にある危険因子を軽減する実施態様を包含する。「防止する」という用語は、事象の可能性を100%排除することを必要としない。むしろ、これは、化合物又は方法の存在下で事象の発生の可能性が低下したことを示す。
【0075】
[0096]組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、並びに組織培養及び形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)には、標準的な技術を使用することができる。酵素反応及び精製技術は、製造業者の仕様に従って、又は当技術分野で一般的に達成されるように、又は本明細書に記載されるように実施することができる。前述の技術及び手順は、一般に、当技術分野で周知の従来の方法に従って、本明細書を通して引用及び議論される様々な一般的及びより具体的な参考文献に記載されているように実行することができる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))を参照のこと。この文献は任意の目的のために参照により本明細書に援用される。
【0076】
[0097]本明細書で使用される場合、「実質的に」又は「本質的に」という用語は、基準量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量又は長さと比較して約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%高い量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量又は長さを指す。一実施態様において、「本質的に同じ」又は「実質的に同じ」という用語は、基準量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さとほぼ同じ量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さの範囲を指す。
【0077】
[0098]本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」及び「本質的に含まない」という用語は互換的に使用され、細胞集団又は培養培地等の組成物を説明するために使用される場合、特定の物質を含まない、例えば95%含まない、96%含まない、97%含まない、98%含まない、99%含まない、又は従来の手段で測定して検出不能な組成物を指す。同様の意味は、組成物の特定の物質又は成分の非存在を指す「非存在」という用語にも適用することができる。
【0078】
[0099]本明細書で使用される場合、「認識できる」という用語は、量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量若しくは長さの範囲、又は1つ若しくは複数の標準的な方法によって容易に検出可能な事象を指す。「認識不可能」及び「認識できない」という用語及び等価物は、量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量若しくは長さの範囲、又は標準的な方法では容易に検出できない若しくは検出不可能な事象を指す。一実施態様において、ある事象が、5%、4%、3%、2%、1%、0.1%、0.001%、又はそれ未満の頻度で発生する場合、認識できない。
【0079】
[0100]本明細書を通して、文脈上別途要求されない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という語は、記載された工程若しくは要素又は工程若しくは要素の群を含むが、任意の他の工程若しくは要素又は工程若しくは要素の群を除外しないことを意味すると理解される。特定の実施態様では、「含む(include)」、「有する(has)」、「含有する(contains)」、及び「含む(comprise)」という用語は同義的に使用される。
【0080】
[0101]本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」は、「からなる(consisting of)」という語句に続くものを含み、それに限定されることを意味する。したがって、「からなる」という語句は、列挙された要素が必要又は必須であり、他の要素が存在し得ないことを示す。
【0081】
[0102]「から本質的になる(consisting essentially of)」とは、語句の後に列挙された任意の要素を含むことを意味し、列挙された要素について本開示で指定された活性又は作用に干渉又は寄与しない他の要素に限定される。したがって、「から本質的になる」という語句は、列挙された要素が必要又は必須であるが、他の要素は任意ではなく、列挙された要素の活性又は作用に影響を及ぼすか否かに応じて存在してもしなくてもよいことを示す。
【0082】
[0103]本明細書を通して、「一実施態様」、「実施態様」、「特定の実施態様」、「関連する実施態様」、「ある特定の実施態様」、「追加の実施態様」、又は「さらなる実施態様」、又はそれらの組み合わせへの言及は、実施態様に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における前述の語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施態様を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施態様において、任意の適切な様式で組み合わされ得る。
【0083】
[0104]本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、基準の量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さに対して30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%変動する量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さを指す。特定の実施態様では、数値に先行する場合の「約」又は「およそ」という用語は、15%、10%、5%若しくは1%の範囲、又はそれらの任意の介在範囲をプラス又はマイナスした値を示す。
【0084】
脂質ナノ粒子の製造を最適化するためのハイスループットスクリーニング方法
[0105]脂質ベースのナノ医薬のスクリーニング及び最適化の必要性に対処するために、本明細書の開示は、脂質ナノ粒子の調製のための、並びにそれらの粒径分布及びペイロード封入の特性評価のためのハイスループットスクリーニング(HTS)ワークフローを提供する。
【0085】
[0106]様々な実施態様において、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)の製造を最適化するためのハイスループットスクリーニング方法に関する。様々な実施態様において、本明細書に開示される方法は、(i)ロボット液体ハンドラーと、(ii)所望のLNP特性を測定することができる少なくとも1つの機器と、(iii)複数のマイクロウェルを含む、少なくとも1つのマイクロプレートとを含むハイスループットスクリーニング(HTS)スクリーニングワークフローを利用する。様々な実施態様では、LNPは、溶媒注入法を使用して上記のHTSスクリーニングワークフローによって形成される。例えば、Gentine et al.,2012,J Liposome Res.22,18-30;Schubert and Muller-Goymann,2003,Eur.J.Pharm.Biopharm.55,125-131を参照のこと。
【0086】
[0107]様々な実施態様において、HTSワークフローは、所望のLNP特性を測定することができる機器を含む。そのような特性には、封入効率、平均粒径、及び粒径分布が含まれる。物理的安定性はまた、貯蔵後の異なる時点で粒径及びペイロード放出を測定することによって決定することができる。そのような分析技術は当技術分野で公知であり、走査/透過型電子顕微鏡法(SEM/TEM)、原子間力顕微鏡法(AFM)分析超遠心分離(AUC)、動的光散乱(DLS)、紫外線(UV)分光法、及び流れ場分画(FFF)を含む。様々な実施態様において、HTSワークフローは、DLS、UV-Vis又は蛍光分光法が可能な機器を含む。様々な実施態様において、本明細書に開示される方法は、(i)ロボット液体ハンドラーと、(ii)DLSを実行することができる機器と、(iii)サンプルに対するUV-Vis又は蛍光分光法が可能な機器と、(iv)複数のマイクロウェルを含む少なくとも1つのマイクロプレートとを含むハイスループットスクリーニング(HTS)スクリーニングワークフローを利用する。
【0087】
[0108]様々な実施態様において、HTSワークフローは、溶媒注入システムを使用してLNP製造を最適化する方法を提供する。本明細書で使用される場合、「溶媒注入システム」は、脂質含有自己集合性分子を含む第1の溶液を第2の溶液に迅速に注入することを意味する。様々な実施態様において、溶液は混合可能又は混和性である。様々な実施態様において、第1の溶液は水混和性溶媒である。様々な実施態様において、少なくとも1つの溶液は有機相溶媒である。アセトン、エタノール、イソプロパノール及びメタノールは全て、LNP調製に適した溶媒である。様々な実施態様において、第1の溶液はアルコールである。様々な実施態様において、第1の溶液はエタノールである。様々な実施態様において、第1の溶液はメタノールである。
【0088】
[0109]様々な実施態様において、LNPによって封入されるペイロードは、前記第2の溶液に溶解される。様々な実施態様において、LNPによって封入されるペイロードは、前記第1の溶液に溶解される。様々な実施態様において、ペイロードは、第3の水混和性溶媒によって封入される。
【0089】
[0110]様々な実施態様において、溶液の少なくとも2つは異なる相である。様々な実施態様において、互いに注入される3つのも溶液が存在する。様々な実施態様において、互いに注入される少なくとも4つの溶液が存在する。様々な実施態様において、少なくとも1つの有機相及び少なくとも1つの水相が存在する。
様々な実施態様において、溶液の1つは水性溶媒を含む。様々な実施態様において、水性溶媒は水性緩衝液である。
【0090】
[0111]一方の溶液の他方の溶液への注入は、ロボット液体ハンドラーによって制御される。本明細書で使用される場合、「ロボット液体ハンドラー」という用語は、液体を複数のウェル、マイクロウェル、又は他の液体リザーバに並行して自動的にピペッティング、移送、及び混合することができる装置を意味する。様々な実施態様において、ロボット液体ハンドラーは、異なる組成又は異なる量の液体を異なるウェル、マイクロウェル又は液体リザーバに並行して送達することができる。様々な実施態様において、ロボット液体ハンドラーは、液体を異なるウェル、マイクロウェル又は液体リザーバに、様々な速度又は持続時間で並行してピペッティング、移送及び混合することができる。
【0091】
[0112]様々な実施態様において、前記一方の溶液を前記第2の溶液に注入した後、ロボット液体ハンドラーは前記溶液を繰り返し取り上げて再注入し、それによって少なくとも2つの溶液を混合する。様々な実施態様において、この注入及び/又は混合の速度及び持続時間を変化させて、LNP形成の最適なパラメータを決定する。様々な実施態様において、注入及び/又は混合の速度は、0.1ml/s~0.9ml/sで変動する。様々な実施態様において、初期注入速度(すなわち、液体の第1の注入)は、0.1ml/s~0.9ml/sの速度で行われる。
図1を参照のこと。様々な実施態様において、その後の注入/混合は、1~10秒間にわたって行われる(0.1ml/秒~0.9ml/秒で10×混合)。
【0092】
[0113]様々な実施態様において、LNP形成は、少なくとも1つのマイクロプレートで完了する。様々な実施態様では、マイクロプレートは複数のマイクロウェルで構成され、形成条件(例えば、脂質種、脂質組成、総脂質濃度、ペイロード、ペイロード負荷比、相種)はマイクロウェル間で変動する。マイクロプレートは、任意のサイズであり得、任意の数のマイクロウェルを含み得る。様々な実施態様において、マイクロプレートは、4、6、8、12、24、48、96、384、1536個のマイクロウェルを含む。
【0093】
[0114]本明細書で提供されるHTS方法の1つの利点は、LNP形成が少量の溶液中で迅速に起こり得ることである。本明細書に開示される方法は、材料消費を10倍減少させ、処理出力を100倍改善する(
図11参照)。マイクロウェルにおけるLNP形成は、例えばマイクロ流体ベースの調製物を使用して形成されたLNPよりもかなり少ない材料を使用する。様々な実施態様において、マイクロウェルは、体積が約10μL、約20μL、約30μL、約40μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約125μL、約150μL、約175μL、約200μL、約250μL、約350μL、約360μL、約400μL、約500μL、約1000μL、約2000μL、約3000μL、約4000μLである。
【0094】
脂質ナノ粒子(LNP)
[0115]本明細書では、最適化された脂質ナノ粒子及びこれらの脂質ナノ粒子「LNP」の製造を最適化する方法が提供される。本明細書で使用される場合、「脂質ナノ粒子」又は「LNP」という用語は、(i)複数の自己集合性分子(前記自己集合性分子は脂質成分を含む)及び(ii)ペイロードを含む組成物を指す。本発明を使用して製造が最適化されたLNPは、任意の目的に使用することができる。様々な実施態様において、最適化されたLNPは、ワクチンを送達するために使用され得る。様々な実施態様において、最適化されたLNPは、薬物を、それを必要とする患者に送達するために使用され得る。LNPは、核酸、ペプチド、タンパク質及び小分子を含むがこれらに限定されない任意のペイロードを担持し得る。さらに、LNPは、脂質(例えば、リポソーム)のみからなっていてもよく、又は自己集合が可能なポリマー若しくはタンパク質などの他の成分を含んでいてもよい。
【0095】
[0116]様々な実施態様において、LNPは、上記の技術を使用して製造された最適化されたLNPである。様々な実施態様において、最適化されたLNPは、以下の工程:(i)水相を含む第1の溶液を得ること、(ii)有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;(iii)少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;(iv)ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;(v)前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボットハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることであって、以下の条件:自己集合分子のタイプ、前記自己集合分子の組成比、前記自己集合分子の前記ペイロードに対する比及び/又は濃度、相、緩衝液タイプ及びpHの選択、注入順序、注入速度、混合速度、体積、相比、注入持続時間、並びに混合持続時間のうちの少なくとも1つが、異なるウェル間で変動する、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、脂質ナノ粒子を得ること;(vi)前記LNPの封入効率、粒径分布、精製及び粒子回収率、並びに製剤安定性のうちの少なくとも1つを測定すること;(vii)前記LNP調製物を製造するための最適なパラメータを決定すること;並びに(viii)前記最適なパラメータに基づいて前記LNP調製物を製造することを含む方法によって製造される。
【0096】
[0117]様々な実施態様において、本発明は、ハイスループット方法を使用してLNPを製造する方法に関し、その方法は以下の工程:(i)水相を含む第1の溶液を得ること、(ii)有機相と、自己集合することができる複数の分子とを含む第2の溶液を得ることであって、前記第1の溶液及び前記第2の溶液が混合可能である、第2の溶液を得ること;(iii)少なくとも1つのペイロード分子を第1の溶液又は第2の溶液のいずれかに溶解させること;(iv)ロボット液体ハンドラーを使用して、様々な組成を有する前記相を調製し、複数のウェルに分注すること;(v)前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合して、LNP形成に適した条件下で前記ロボットハンドラーを使用して前記ペイロードを封入する脂質ナノ粒子を得ることを含む。
【0097】
自己集合性分子
[0118]本明細書で使用される場合、「自己集合性分子」という用語は、外部供給源からの案内又は管理なしに定義された配置が可能な任意の分子を指す。最適化されたLNPは、単一種の自己集合性分子から構成されてもよく、又は複数種の自己集合性分子から構成されてもよい。様々な実施態様において、最適化されたLNPは、少なくとも1種の脂質分子を有する脂質成分を含む。様々な実施態様において、LNPは、ポリマー分子及び/又はタンパク質/ペプチド分子を含み得る。様々な実施態様において、LNPの自己集合性分子は、脂質分子のみを含み得る。
【0098】
[0119]脂質成分は、単一の脂質種を含んでもよく、又は2種類以上の脂質を含んでもよい。本発明の様々な実施態様において、LNP調製物中の脂質の相対組成は変動する。様々な実施態様において、所与のLNP製剤の製造のための最適パラメータを考慮する場合、異なる脂質種又は異なる脂質種の組み合わせが評価される。様々な実施態様において、少なくとも1つの脂質分子がペグ化される。様々な実施態様において、脂質成分は、リン脂質を含み得る。
【0099】
[0120]様々な実施態様において、LNP製剤は、1つ又は複数のカチオン性又はイオン化可能な脂質を含み得る。いくつかの実施態様において、1つ又は複数のカチオン性脂質は、cKK-E12、OF-02、C12-200、MC3、DLinDMA、DLinkC2DMA、ICE(イミダゾール系)、HGT5000、HGT5001、HGT4003、DODAC、DDAB、DMRIE、DOSPA、DOGS、DODAP、DODMA及びDMDMA、DODAC、DLenDMA、DMRIE、CLinDMA、CpLinDMA、DMOBA、DOcarbDAP、DLinDAP、DLincarbDAP、DLinCDAP、KLin-K-DMA、DLin-K-XTC2-DMA、3-(4-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)ブチル)-6-(4-((2-ヒドロキシドデシル)(2-ヒドロキシウンデシル)アミノ)ブチル)ブチル)-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン(標的23)、3-(5-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)ペンタン-2-イル)-6-(5-((2-ヒドロキシドデシル)(2-ヒドロキシウンデシル)アミノ)ペンタン-2-イル)-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン(標的24)、N1GL、N2GL、V1GL並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0100】
[0121]いくつかの実施態様において、1つ又は複数のカチオン性又はイオン化可能な脂質はアミノ脂質である。様々な実施態様において、アミノ脂質は、第一級、第二級、第三級、第四級アミン、ピロリジン又はピペリジンである。本発明での使用に適したアミノ脂質には、参照により本明細書に援用される国際公開第2017180917号に記載されているものが含まれる。国際公開第2017180917号における例示的なアミノ脂質には、段落[0744]に記載されるもの、例えば、DLin-MC3-DMA(MC3)、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(L608)及び化合物18が含まれる。他のアミノ脂質としては、化合物2、化合物23、化合物27、化合物10及び化合物20が挙げられる。本発明での使用に適したさらなるアミノ脂質には、参照により本明細書に援用される国際公開第2017112865号に記載されているものが含まれる。国際公開第2017112865号の例示的なアミノ脂質には、式(I)、(Ial)-(Ia6)、(lb)、(II)、(Ila)、(III)、(Ilia)、(IV)、(17-1)、(19-1)、(19-11)、及び(20-1)の1つによる化合物、並びに段落[00185]、[00201]、[0276]の化合物が含まれる。いくつかの実施態様において、本発明での使用に適したカチオン性脂質には、参照により本明細書に援用される国際公開第2016118725号に記載されているものが含まれる。国際公開第2016118725号の例示的なカチオン性脂質には、KL22及びKL25などが含まれる。いくつかの実施態様において、本発明での使用に適したカチオン性脂質には、参照により本明細書に援用される国際公開第2016118724号に記載されているものが含まれる。国際公開第2016118725号における例示的なカチオン性脂質には、KL10、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)及びKL25などが含まれる。
【0101】
[0122]いくつかの実施態様において、LNP製剤は、1つ又は複数の非カチオン性脂質を含む。いくつかの実施態様において、1つ又は複数の非カチオン性脂質は、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DPPC(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DOPE(1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DOPC(1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスホチジルコリン)DPPE(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DMPE(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DOPG(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール))から選択される。
【0102】
[0123]いくつかの実施態様において、LNP製剤は、1つ又は複数のPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施態様において、1つ又は複数のPEG修飾脂質は、C6-C20 長のアルキル鎖を有する脂質に共有結合した5kDaまでの長さのポリ(エチレン)グリコール鎖を含む。PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、nad PEG修飾ジアルキルグリセロールからなる非限定的な群から選択され得る。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC又はPEG-DSPE脂質であり得る。
【0103】
[0124]様々な実施態様において、LNP中のPEG化されている脂質のパーセンテージ(すなわち、PEG密度)は変動する。LNP中のポリエチレングリコール(PEG)密度は、粒径、表面電荷及び安定性に影響を及ぼすことが分かっている。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.1%と約10%の間で変動する。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.2%と約9%の間で変動する。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.3%と約8%の間で変動する。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.4%と約7%の間で変動する。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.5%と約6%の間で変動する。様々な実施態様において、PEG密度は、約0.5%と約5%の間で変動する。
【0104】
[0125]様々な実施態様において、LNP調製のための溶液中に存在する脂質成分の総濃度は、任意の所与のLNPの最適な特性を達成するために変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.1mMと約8mMの間で変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.2mMと約7mMの間で変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.3mMと約6mMの間で変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.4mMと約4mMの間で変動する。様々な実施態様において、脂質の総濃度は、約0.5mMと約3mMの間で変動する。
【0105】
[0126]様々な実施態様において、LNPは、2種類以上の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも2種類の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも3種類の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも4種類の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも5種類の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも6種類の脂質を含む。様々な実施態様において、LNPは、少なくとも7種類の脂質を含む。
【0106】
[0127]ナノ粒子組成物の脂質成分は、1つ又は複数の構造脂質を含み得る。本発明のナノ粒子組成物は、構造脂質(例えば、コレステロールフェコステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸又はアルファ-トコフェロール)を含み得る。
【0107】
[0128]ナノ粒子組成物の脂質成分は、1つ又は複数のリン脂質、例えば1つ又は複数の(ポリ)不飽和脂質を含み得る。一般に、そのような脂質は、リン脂質部分及び1つ又は複数の脂肪酸部分を含み得る。
【0108】
[0129]リン脂質部分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。脂肪酸部分は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択され得る。分岐、酸化、環化、及びアルキンを含む修飾及び置換を有する天然種を含む非天然種も企図される。
【0109】
[0130]いくつかの実施態様では、ナノ粒子組成物は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、又はDSPCとDOPEの両方を含み得る。本発明の組成物及び方法において有用なリン脂質は、DSPC、DOPE、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジウンデカノイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DUPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0ジエーテルPC)、1-オレオイル-2-コレステリルヘミスクシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、1-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(ME 16.0 PE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)ナトリウム塩(DOPG)及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。
【0110】
[0131]LNP組成物は、前のセクションで説明したものに加えて、1つ又は複数の成分を含んでもよい。例えば、ナノ粒子組成物は、ビタミン(例えば、ビタミンA又はビタミンE)又はステロールなどの1つ又は複数の疎水性小分子を含み得る。
【0111】
[0132]LNP組成物はまた、1つ又は複数の透過性増強分子、炭水化物、ポリマー、治療薬、表面改質剤、又は他の成分を含み得る。透過性亢進分子は、例えば、米国特許出願公開第2005/0222064号に記載されている分子であり得る。炭水化物は、単糖(例えば、グルコース)及び多糖(例えば、グリコーゲン及びその誘導体及び類似体)を含み得る。
【0112】
[0133]ポリマーは、LNP組成物に含まれてもよく、及び/又はLNP組成物を封入若しくは部分的に封入するために使用されてもよい。ポリマーは、生分解性及び/又は生体適合性であり得る。ポリマーは、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、及びポリアリレートから選択され得るが、これらに限定されない。例えば、ポリマーとしては、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレンビニルアセテートポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L-乳酸-コ-グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン-コ-グリコリド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-PEO-コ-D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)、ポリアルキルシアノクララレート、ポリウレタン、ポリ-L-リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)(EVA)などのポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリ(酢酸ビニル)などのポリビニルエステル、ポリ(塩化ビニル)(PVC)などのポリハロゲン化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、アルキルセルロースなどの誘導体化セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えばポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリジオキサノン及びそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリオキサミン、ポリ(オルソ)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン)及びトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンが挙げられ得る。
【0113】
[0134]治療剤には、細胞傷害剤、化学療法剤、及び他の治療剤が含まれ得るが、これらに限定されない。細胞傷害性薬剤としては、例えば、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド、ラケマイシン及びそれらの類似体が挙げられ得る。放射性イオンも治療薬として使用することができ、例えば、放射性ヨウ素、ストロンチウム、リン、パラジウム、セシウム、イリジウム、コバルト、イットリウム、サマリウム、及びプラセオジウムを含んでもよい。他の治療薬としては、例えば、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン及び5-フルオロウラシル、並びにデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ、クロラムブシル、ラケマイシン、メルファラン、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びシス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)、及びシスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトラマイシン及びアントラマイシン)、及び抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール及びメイタンシノイド)が挙げられ得る。
【0114】
[0135]表面改質剤には、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミドなどのカチオン性界面活性剤)、糖又は糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール及びポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クレロデンドラム、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミドール、レトスチン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシン134、ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン及びエルドステイン)及びDNase(例えば、rhDNアーゼ)が含まれ得るが、これらに限定されない。表面改質剤は、LNP内及び/又はLNP組成物の表面上に(例えば、コーティング、吸着、共有結合、又は他のプロセスによって)配置され得る。
【0115】
[0136]これらの成分に加えて、本発明のLNP組成物は、薬学的組成物に有用な任意の物質を含み得る。例えば、LNP組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される添加物又は補助成分、例えば限定されないが、1つ又は複数の溶媒、分散媒、希釈剤、分散助剤、懸濁助剤、造粒助剤、崩壊剤、充填剤、流動促進剤、液体ビヒクル、結合剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、緩衝剤、潤滑剤、油、保存剤及び他の種を含み得る。ワックス、バター、着色剤、コーティング剤、香味料、及び芳香剤などの添加物も含まれ得る。薬学的に許容され得る添加物は、当技術分野で周知である(例えば、Remington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro;Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,Md.,2006)。
【0116】
[0137]希釈剤の例としては、限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖及び/又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。造粒剤及び分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ、寒天、ベントナイト、セルロース及び木材製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、及び/又はそれらの組み合わせからなる非限定的なリストから選択され得る。
【0117】
[0138]界面活性剤及び/又は乳化剤としては、限定されないが、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス及びレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びVEEGUM(登録商標)[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル及びモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[TWEEN(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[TWEEN(登録商標)80]、ソルビタンモノパルミテート[SPAN(登録商標)40]、ソルビタンモノステアレート[SPAN(登録商標)60]、ソルビタントリステアレート[SPAN(登録商標)65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[SPAN(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[MYRJ(登録商標)45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート及びSOLUTOL(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30])、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLURONIC(登録商標)F 68、POLOXAMER(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム及び/又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0118】
[0139]結合剤はデンプン(例えばコーンスターチ及びデンプンペースト);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然及び合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワールガム、ガティガム、イサポールハスクの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(VEEGUM(登録商標))、及びカラスムギのアラビアガム);アルギネート;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコール;及びそれらの組み合わせ、又は任意の他の適切な結合剤であり得る。
【0119】
[0140]防腐剤としては、限定されないが、酸化防止剤、キレート剤、抗菌性防腐剤、抗真菌性防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、及び/又は他の防腐剤が挙げられる。酸化防止剤としては、限定されないが、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び/又は亜硫酸ナトリウムが挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、及び/又はエデト酸三ナトリウムが挙げられる。抗菌防腐剤としては、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミドウレア、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、及び/又はチメロサールが挙げられる。抗真菌性防腐剤としては、限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム及び/又はソルビン酸が挙げられる。アルコール保存剤の例としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、ベンジルアルコール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート及び/又はフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。酸性保存剤の例としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸及び/又はフィチン酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の防腐剤としては、限定されないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デスルホキシムメシラート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、GLYDANT PLUS(登録商標)、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(商標)、KATHON(商標)及び/又はEUXYL(登録商標)が挙げられる。
【0120】
[0141]緩衝剤の例としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、d-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトビオン酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、アミノ-スルホン酸緩衝剤(例えばHEPES)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、及び/又はそれらの組み合わせが挙げられる。潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる非限定的な群から選択され得る。
【0121】
[0142]油の例としては、限定されないが、アーモンド、アプリコット穀粒、アボガド、ババス、ベルガモット、クロフサスグリの種子(black current seed)、ボリジ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラの肝臓、コーヒー、コーン、綿実種、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ひょうたん、グレープ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイの実、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカデミアナッツ、アオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、ヤシ、ヤシ核、トウニン、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、ナタネ、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サスカナ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ、及び小麦胚芽油、並びにステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、シメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、及び/又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0122】
[0143]様々な実施態様において、LNPはリポソームであり得る。様々な実施態様では、LNPはポリマー-脂質ナノ粒子であり得る。様々な実施態様において、LNPは、追加のタンパク質又はペプチド分子を含み得る。
【0123】
ペイロード
[0144]本発明のLNPは、ペイロードを封入するために製造される。「ペイロード」という用語は、本開示に記載される脂質ナノ粒子製剤と複合体を形成する任意の化学的実体、医薬、薬物(そのような薬物は、小分子、無機固体、ポリマー、又はバイオポリマーであり得るが、これらに限定されない)、小分子、核酸(例えば、DNA、RNA、siRNAなど)、タンパク質、ペプチドなどを指す。ペイロードはまた、身体機能の疾患、病気、疾病、又は障害を治療又は予防するための候補(例えば、未知の構造及び/又は機能の候補)を包含し、公知の治療化合物及び潜在的な治療化合物の両方である試験化合物を含むが、これらに限定されない。試験化合物は、本開示のスクリーニング方法を用いたスクリーニングによって治療的であると決定することができる。
【0124】
[0145]様々な実施態様において、ペイロードは1つ又は複数のヌクレオチドからなる。例えば、様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、そのようなペイロード封入LNPは、N:P比によって特性評価され得る。本明細書で使用される場合、「N/P比」は、正に帯電したポリマーアミン(N=窒素)基対負に帯電した核酸リン酸(P)基の比を指す。N/P比は、細胞内ペイロード送達において重要な役割を果たす。様々な実施態様において、ペイロードのN:P比は変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.5~約5の間で変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.25と約10の間で変動する。様々な実施態様において、N:P比は、約0.1、約0.2、約0.25、約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10である。
【0125】
[0146]様々な実施態様において、ペイロードはオリゴヌクレオチドである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンス分子である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはsiRNAである。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドはshRNAである。オリゴヌクレオチドは、様々な長さのものであり得る。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39又は約40ヌクレオチド長である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約2と約40の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約4と約35の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約10と約30の間のヌクレオチド長である。様々な実施態様において、オリゴヌクレオチドは、約12と約17の間のヌクレオチド長である。
【0126】
[0147]様々な実施態様において、ペイロードはmRNAである。様々な実施態様において、そのmRNAは、約500~3000ヌクレオチド長である。様々な実施態様において、mRNAは、500ヌクレオチド、1000ヌクレオチド、1500ヌクレオチド、2000ヌクレオチド、2500ヌクレオチド、3000ヌクレオチド長である。様々な実施態様において、mRNAは抗原ペプチドをコードする。様々な実施態様において、mRNAはワクチンの一部である。
【0127】
[0148]様々な実施態様において、ペイロードはポリペプチドである。様々な実施態様において、ポリペプチドは、約1,000Daと10,000Daの間である。様々な実施態様において、ポリペプチドは、約500Da、約600Da、約700Da、約800Da、約900Da、約1,000Da、約1,500Da、約2,000Da、約2,500Da、約3,000Da、約3,500Da、約4,000Da、約4,500Da、約5,000Da、約5,500Da、約6,000Da、約6,500Da、約7,000Da、約7,500Da、約8,000Da、約8,500Da、約9,000Da、約9,500Da、約10,000Da、約15,000Da又は約20,000Daである。
【0128】
[0149]様々な実施態様において、ペイロードは小分子である。様々な実施態様において、小分子は、約100Daと1000Daの間である。様々な実施態様において、小分子は、約50Da、約60Da、約70Da、約80Da、約90Da、約100Da、約150Da、約200Da、約250Da、約300Da、約350Da、約400Da、約450Da、約500Da、約550Da、約600Da、約650Da、約700Da、約750Da、約800Da、約850Da、約900Da、約950Da、約1,000Da、約1,500Da又は約2,000Daである。
【0129】
薬学的調製物
[0150]様々な実施態様において、最適化された脂質ナノ粒子は、薬学的調製物として全体的又は部分的に製剤化され得る。本発明の薬学的調製物は、1つ又は複数のナノ粒子組成物を含み得る。例えば、薬学的組成物は、1つ又は複数の異なるペイロードを含む1つ又は複数のナノ粒子組成物を含み得る。本発明の薬学的組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容され得る添加物又は本明細書に記載されるものなどの補助成分をさらに含み得る。薬学的組成物及び薬剤の製剤化及び製造のための一般的なガイドラインは、例えば、Remington’’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro;Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,Md.,2006で利用可能である。従来の添加物及び補助成分は、任意の従来の添加物又は補助成分が本発明のナノ粒子組成物の1つ又は複数の成分と不適合であり得る限りを除いて、本発明の任意の薬学的組成物に使用され得る。添加物又は補助成分は、その成分との組み合わせが任意の望ましくない生物学的効果又は他の有害な効果をもたらし得る場合、ナノ粒子組成物の成分と不適合であり得る。
【0130】
[0151]いくつかの実施態様において、1つ又は複数の添加物又は補助成分は、本発明のナノ粒子組成物を含む薬学的組成物の総質量又は体積の50%超を構成し得る。例えば、1つ又は複数の添加物又は補助成分は、薬学的慣例の50%、60%、70%、80%、90%又はそれよりも多くを構成し得る。いくつかの実施態様において、薬学的に許容される添加物は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%純粋である。いくつかの実施態様において、添加物は、ヒトにおける使用及び獣医学的使用のために承認されている。いくつかの実施態様において、添加物は米国食品医薬品局によって承認されている。いくつかの実施態様において、添加物は医薬品グレードである。いくつかの実施態様において、添加物は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方及び/又は国際薬局方の基準を満たす。
【0131】
[0152]本開示による薬学的組成物中の1つ又は複数のナノ粒子組成物、1つ又は複数の薬学的に許容される添加物、及び/又は任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の同一性、サイズ、及び/又は症状に応じて、さらに組成物が投与される経路に応じて、変動する。例として、薬学的組成物は、0.1%と100%の間(wt/wt)の1つ又は複数のナノ粒子組成物を含み得る。
【0132】
[0153]1つ又は複数のナノ粒子組成物を含むナノ粒子組成物及び/又は薬学的組成物は、mRNAを1つ又は複数の特定の細胞、組織、器官、又はその系若しくは群、例えば腎臓系に送達することによって提供される治療効果から利益を得ることができる患者又は対象を含む任意の患者又は対象に投与され得る。本明細書で提供されるナノ粒子組成物及びナノ粒子組成物を含む薬学的組成物の説明は、主にヒトへの投与に適した組成物に関するものであるが、そのような組成物は一般に任意の他の哺乳動物への投与に適していることが当業者によって理解されるであろう。組成物を様々な動物への投与に適したものにするためのヒトへの投与に適した組成物の改変は十分に理解されており、当業者の獣医学薬理学者は、仮にあるとしても単なる通常の実験でそのような改変を設計及び/又は実施することができる。組成物の投与が企図される対象には、ヒト、他の霊長類、並びにウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス及び/又はラットなどの商業的に関連する哺乳動物を含む他の哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
[0154]1つ又は複数のナノ粒子組成物を含む薬学的組成物は、薬理学の分野で公知の又は今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般に、そのような調製方法は、活性成分を添加物及び/又は1つ若しくは複数の他の補助成分と会合させ、次いで、所望又は必要に応じて、製品を所望の単回又は複数回投与単位に分割、成形及び/又は包装することを含む。
【0134】
[0155]本開示による薬学的組成物は、バルクで、単一単位用量として、及び/又は複数の単一単位用量として調製、包装、及び/又は販売され得る。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む薬学的組成物(例えば、ナノ粒子組成物)の離散的な量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投与量及び/又はそのような投与量の好都合な割合、例えばそのような投与量の半分又は1/3に等しい。
【0135】
[0156]本発明の薬学的組成物は、様々な投与経路及び投与方法に適した様々な形態で調製され得る。例えば、本発明の薬学的組成物は、液体剤形(例えば、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル)、注射剤形、固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末及び顆粒)、局所及び/又は経皮投与用の剤形(例えば、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤及びパッチ)、懸濁液、粉末、及び他の形態で調製され得る。
【0136】
[0157]経口及び非経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及び/又はエリキシルが挙げられるが、これらに限定されない。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば水、又はエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル等のその他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤並びにこれらの混合物等の、当技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤及び/又は芳香剤などのアジュバントを含むことができる。非経口投与のための特定の実施態様では、組成物は、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、及び/又はそれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
【0137】
[0158]注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、適切な分散剤、湿潤剤、及び/又は懸濁化剤を使用する既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用製剤は、無毒の非経口的に許容される希釈剤及び/又は溶媒中の、滅菌注射用溶液、懸濁液、及び/又はエマルジョンであってもよく、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液である。利用され得る許容される添加物及び溶媒には、水、リンゲル液、USP、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。滅菌不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒として慣習的に用いられる。この目的のために、合成モノグリセリド又は合成ジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油が利用され得る。オレイン酸といった脂肪酸を、注射物の調製に使用することができる。
【0138】
[0159]注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通した濾過により、及び/又は使用前に滅菌水又は他の滅菌注射用媒体に溶解又は分散させることのできる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、滅菌することができる。
【0139】
[0160]活性成分の効果を延長するために、皮下注射又は筋肉内注射からの活性成分の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶度の低い結晶性又は非晶性の材料の液体懸濁液を使用することにより、達成可能である。次いで、薬物の吸収速度は、薬物の溶解速度に依存し、次いで、溶解速度は、結晶の大きさ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、油ビヒクル中に薬物を溶解又は懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物の微量封入マトリックスを形成することによって生成される。薬物とポリマーとの比及び使用される具体的なポリマーの性質に応じて、薬物放出速度は制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルソエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。デポー注射用製剤は、身体組織と適合性のリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによって調製される。
【0140】
[0161]直腸投与又は膣内投与のための組成物は、典型的には、組成物を、ココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤用ワックス等の適切な非刺激性添加物であって、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、それゆえ直腸又は膣内で融解し、活性成分を放出する添加物と混合することによって調製することができる、剤である。
【0141】
[0162]経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、フィルム剤、散剤及び顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形において、活性成分は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される添加物、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム及び/又は充填剤若しくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース及びアカシア)、保湿剤(例えばグリセロール)、崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム)、溶液遅延剤(例えば、パラフィン)、吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート)、吸収剤(例えば、カオリン及びベントナイト粘土、ケイ酸塩)及び潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、並びにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0142】
[0163]同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールなどのような添加物を使用して、ソフトゼラチンカプセル及びハードゼラチンカプセル中の充填剤として利用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、及び顆粒の固体投薬形態は、腸溶性コーティング及び製剤技術分野において既知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより調製することができる。それらは、任意に乳白剤を含んでもよく、それらが1つ又は複数の活性成分を、腸管の特定の部分にのみ又は優先的に、任意選択的に遅延させて、放出する組成物のものとすることもできる。使用可能な埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質及び蝋が挙げられる。同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールなどのような添加物を使用して、ソフトゼラチンカプセル及びハードゼラチンカプセル中の充填剤として利用され得る。
【0143】
[0164]組成物の局所投与及び/又は経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤及び/又はパッチ剤が含まれ得る。一般に、活性成分は、滅菌条件下で薬学的に許容される添加物及び/又は必要に応じて任意の必要な保存剤及び/又は緩衝剤と混合される。さらに、本開示は、身体への化合物の制御された送達を提供するというさらなる利点を有することが多い経皮パッチの使用を企図する。そのような剤形は、例えば、化合物を適切な媒体に溶解及び/又は分注することによって調製され得る。代替的又は追加的に、速度制御膜を提供することによって、及び/又は化合物をポリマーマトリックス及び/又はゲルに分散させることによって、速度を制御することができる。
【0144】
[0165]本明細書中に記載される皮内医薬組成物を送達する際に使用するための好適な装置としては、短針装置、例えば、米国特許第4,886,499号;米国特許第5,190,521号;米国特許第5,328,483号;米国特許第5,527,288号;米国特許第4,270,537号;米国特許第5,015,235号;米国特許第5,141,496号;及び米国特許第5,417,662号に記載されるものが挙げられる。皮内組成物は、皮膚への針の有効な貫通長さを制限する装置、例えば、国際公開第99/34850号に記載されているもの及びその機能的等価物によって投与され得る。液体ジェット注射器を介して、及び/又は角質層を穿刺し、真皮に到達するジェットを生成する針を介して、真皮に液体組成物を送達するジェット注射装置が適している。ジェット噴射装置は、例えば、米国特許第5,480,381号;米国特許第5,599,302号;米国特許第5,334,144号;米国特許第5,993,412号;米国特許第5,649,912号;米国特許第5,569,189号;米国特許第5,704,911号;米国特許第5,383,851号;米国特許第5,893,397号;米国特許第5,466,220号;米国特許第5,339,163号;米国特許第5,312,335号;米国特許第5,503,627号;米国特許第5,064,413号;米国特許第5,520,639号;米国特許第4,596,556号;米国特許第4,790,824号;米国特許第4,941,880号;米国特許第4,940,460号;並びに国際公開第97/37705号及び国際公開第97/13537号に記載されている。圧縮ガスを使用して粉末形態のワクチンを皮膚の外層を通して真皮まで加速する弾道粉末/粒子送達装置が適している。代替的又は追加的に、従来のシリンジは、皮内投与の古典的なマントー法で使用されてもよい。
【0145】
[0166]局所投与に適した製剤には、液体及び/又は半液体製剤、例えば、リニメント剤、ローション、水中油及び/又は油中水エマルジョン、例えば、クリーム、軟膏及び/又はペースト、並びに/あるいは溶液及び/又は懸濁液が含まれるが、これらに限定されない。局所投与可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(wt/wt)の活性成分を含み得るが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限界と同じくらい高くてもよい。局所投与のための製剤は、本明細書中に記載される1つ又は複数の追加の成分をさらに含み得る。
【0146】
[0167]薬学的組成物は、口腔を介した肺投与に適した製剤で調製、包装、及び/又は販売され得る。そのような製剤は、活性成分を含んでおり約0.5nm~約7nm又は約1nm~約6nmの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。そのような組成物は、粉末を分散させるために噴射剤の流れが導かれ得る乾燥粉末リザーバを含む装置を使用して、及び/又は密封容器内の低沸点噴射剤に溶解及び/又は懸濁された活性成分を含む装置などの自己推進溶媒/粉末分配容器を使用して投与するための乾燥粉末の形態であることが好都合である。このような粉末は、粒子の少なくとも98%(重量基準)が0.5nmを超える直径を有し、粒子の少なくとも95%(数基準)が7nm未満の直径を有する粒子を含む。あるいは、粒子の少なくとも95%(重量基準)が1nmを超える直径を有し、粒子の少なくとも90%(数基準)が6nm未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で好都合に提供される。
【0147】
[0168]低沸点噴射剤は、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般に、噴射剤は、組成物の50%~99.9%(wt/wt)を構成し得、活性成分は、組成物の0.1%~20%(wt/wt)を構成し得る。噴射剤は、液体非イオン性及び/又は固体アニオン性界面活性剤及び/又は固体希釈剤(活性成分を含む粒子と同じ程度の粒径を有し得る)などの追加の成分をさらに含み得る。
【0148】
[0169]肺送達用に製剤化された薬学的組成物は、溶液及び/又は懸濁液の液滴の形態の活性成分を提供し得る。そのような製剤は、活性成分を含む水性及び/又は希釈アルコール溶液及び/又は懸濁液(任意に滅菌)として調製、包装及び/又は販売され得、任意の噴霧化及び/又は霧化装置を使用して好都合に投与され得る。そのような製剤は、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、及び/又はヒドロキシ安息香酸メチルなどの防腐剤を含むがこれらに限定されない1つ又は複数の追加の成分をさらに含み得る。この投与経路によって提供される液滴は、約1nm~約200nmの範囲の平均直径を有し得る。
【0149】
[0170]肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、薬学的組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含むとともに約0.2μm~500μmの平均粒子を有する粗粉末である。そのような製剤は、スナッフの服用方法で、すなわち、鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻通路を介した迅速な吸入によって投与される。
【0150】
[0171]経鼻投与に適した製剤は、例えば、約0.1%(wt/wt)程度の少量から100%(wt/wt)もの活性成分を含み得、本明細書中に記載される1つ又は複数の追加の成分を含み得る。薬学的組成物は、頬側投与に適した製剤で調製、包装及び/又は販売され得る。そのような製剤は、例えば、従来の方法を使用して製造された錠剤及び/又はロゼンジの形態であってもよく、例えば、0.1%~20%(wt/wt)の活性成分であってもよく、残部は、経口溶解性及び/又は分解性組成物、並びに任意に、本明細書に記載の1つ又は複数の追加の成分を含む。あるいは、口腔投与に適した製剤は、活性成分を含む粉末並びに/又はエアロゾル化及び/若しくは噴霧化溶液及び/若しくは懸濁液を含み得る。そのような粉末化、エアロゾル化、及び/又はエアロゾル化製剤は、分散されると、約0.1nm~約200nmの範囲の平均粒子及び/又は液滴サイズを有し得、本明細書に記載される任意の追加の成分のうちの1つ又は複数をさらに含み得る。
【0151】
[0172]薬学的組成物は、眼科投与に適した製剤で調製、包装、及び/又は販売され得る。そのような製剤は、例えば、水性又は油性液体添加物中の活性成分の0.1/1.0%(wt/wt)溶液及び/又は懸濁液を含む点眼剤の形態であり得る。そのような滴剤は、緩衝剤、塩、及び/又は本明細書に記載の任意の追加の成分のうちの1つ又は複数をさらに含み得る。有用な他の眼投与可能な製剤には、微結晶形態及び/又はリポソーム調製物中に活性成分を含むものが含まれる。点耳剤及び/又は点眼剤は、本開示の範囲内であると考えられる。
【0152】
[0173]1つ又は複数のペイロードを含むナノ粒子組成物は、任意の経路によって投与され得る。いくつかの実施態様において、本発明の1つ又は複数のナノ粒子組成物を含む予防組成物、診断組成物、又はイメージング組成物を含む本発明の組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮又は真皮内、真皮間、直腸、膣内、腹腔内、局所(例えば、粉末、軟膏、クリーム、ゲル、ローション及び/又は滴剤)、粘膜、鼻、頬側、経腸、硝子体内、腫瘍内、舌下、鼻腔内を含む様々な経路の1つ又は複数によって;気管内注入、気管支注入、及び/又は吸入によって;経口スプレー及び/又は粉末、経鼻スプレー及び/又はエアロゾルとして、及び/又は門脈カテーテルを介して投与される。いくつかの実施態様では、組成物は、静脈内、筋肉内、皮内、又は皮下投与され得る。しかしながら、本開示は、薬物送達の科学における可能性のある進歩を考慮した任意の適切な経路による本発明の組成物の送達を包含する。一般に、最も適切な投与経路は、1つ又は複数のmRNAを含むナノ粒子組成物の性質(例えば、血流及び消化管などの様々な身体環境におけるその安定性)、患者の症状(例えば、患者が特定の投与経路に耐えることができるかどうか)などを含む様々な因子に依存する。
【0153】
[0174]特定の実施態様において、本開示による組成物は、所与の用量において、約0.0001mg/kg~約10mg/kg、約0.001mg/kg~約10mg/kg、約0.005mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約0.0001mg/kg~約5mg/kg、約0.001mg/kg~約5mg/kg、約0.005mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約2mg/kg~約5mg/kg、約0.0001mg/kg~約1mg/kg、約0.001mg/kg~約1mg/kg、約0.005mg/kg~約1mg/kg、約0.01mg/kg~約1mg/kg、又は約0.1mg/kg~約1mg/kgを送達するに十分な用量レベルで投与され得、1mg/kgの用量は、対象体重1kgあたり1mgの組成物を提供する。特定の実施態様では、約0.005mg/kg~約5mg/kgの用量の本発明のナノ粒子組成物を投与することができる。用量は、所望のレベルのmRNA発現及び/又は治療、診断、予防、若しくはイメージング効果を得るために、同じ量又は異なる量で1日に1回又は複数回投与され得る。所望の投与量は、例えば、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日ごと、毎週、2週間ごと、3週間ごと、又は4週間ごとに送達され得る。ある特定の実施態様において、所望の投与量は、複数回投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、又はそれよりも多くの投与)を使用して送達され得る。いくつかの実施態様において、単回用量は、例えば、外科手術の前若しくは後に、又は急性の疾患、障害、若しくは症状の場合に投与され得る。
【0154】
[0175]1つ又は複数のペイロードを含むナノ粒子組成物は、1つ又は複数の他の治療剤、予防剤、診断剤、又はイメージング剤と組み合わせて使用され得る。「と組み合わせて」とは、薬剤を同時に投与しなければならないこと、及び/又は一緒に送達するために製剤化しなければならないことを意味するものではないが、これらの送達方法は本開示の範囲内である。例えば、1つ又は複数の異なるmRNAを含む1つ又は複数のナノ粒子組成物を組み合わせて投与することができる。組成物は、1つ又は複数の他の所望の治療薬又は医療処置と同時に、その前に、又はその後に投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量及び/又は時間スケジュールで投与される。いくつかの実施態様において、本開示は、バイオアベイラビリティを改善し、代謝を減少及び/若しくは改変し、排泄を阻害し、及び/又は体内での分布を改変する薬剤と組み合わせた本発明の組成物又はそのイメージング、診断若しくは予防組成物の送達を包含する。
【0155】
[0176]組み合わせて利用される治療的、予防的、診断的、又はイメージング活性剤は、単一の組成物中で一緒に投与されてもよく、又は異なる組成物中で別々に投与されてもよいことがさらに理解されるであろう。一般に、組み合わせて利用される薬剤は、それらが個別に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが予想される。いくつかの実施態様において、組み合わせて利用されるレベルは、個別に利用されるレベルよりも低くてもよい。
【0156】
[0177]併用レジメンで使用する治療(治療薬又は手順)の特定の組み合わせは、所望の治療薬及び/又は手順の適合性並びに達成される所望の治療効果を考慮に入れる。使用される治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成し得るか(例えば、がんを治療するために有用である組成物は、化学療法剤と同時に投与され得る)、又は異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達成し得ることも理解されよう。
【実施例】
【0157】
[0178]以下の実施例は、限定することを意図するものではなく、本発明のさらなる情報及び支持を提供するために提示される。以下の実施例は、最適なペイロード負荷及び粒径分布のためにLNP形成を最適化するHTS方法が、マイクロ流体ベースのアプローチなどのスケールアップされた製造方法に直接変換され得ることを実証する。このHTSアプローチは、材料消費を約10倍減少させ、処理出力を約100倍改善した。これらの結果は、LNP製造を最適化するためのHTS方法のロバスト性及び有用性を示し、したがって、それらの臨床移行を促進する。
【0158】
材料及び方法
材料
[0179]1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG2000)、及びカチオン性1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)を含む脂質を、Avanti Polar Lipids(AL,USA)から購入した。イオン化可能な脂質ジリノレイルメチル-4-ジメチルアミノ酪酸(DLin-MC3-DMA、MC3)はMCE(NJ,USA)から、コレステロールはSigma(MO,USA)から入手した。2つのモデルASO、ASO-1(13mer、Na塩形態)及びASO-2(16mer、Na塩形態)を社内で合成した。他の全ての試薬は、少なくとも試薬グレードであり、DNase/RNAseを含まなかった。
【0159】
ASO負荷LNPのハイスループット調製
[0180]LEA Library Studioソフトウェア(Unchained Labs,CA,USA)を使用して、96ウェルプレートマトリックスで設計された様々な脂質組成、総脂質濃度、及びASO負荷量について、LNP製剤をスクリーニングした。ASO-1負荷MC3 LNPの典型的なスクリーニングでは、ASOをクエン酸緩衝液(25mM、pH4)に5、2、1、及び0.5のN/P比に相当する濃度で溶解させ、ロボット液体ハンドラー(TECAN(登録商標)Freedom EVO,NC,USA)を使用して150μl/ウェルで96ウェルプレート(Greiner Bio One 655101,NC,USA)に分注した。様々な総脂質量(0.2又は0.4μmol/ウェル)及びDSPE-PEG2000含有量(全脂質の0、1.5、3、又は5mol%)を有する脂質混合物を、個々の脂質ストック(エタノール中20mg/ml)を混合し、TECAN(登録商標)ロボットを用いてエタノールで希釈することによって調製した。次いで、50μlの脂質を0.5ml/sでASOプレートに迅速に分注し、続いてTECAN(登録商標)ロボットを使用して10回のピペッティング(毎回100μl)によって相混合して、ASO負荷LNPの自己集合を促進した。得られたプレートは、並行して32の条件で変動した96個のLNPサンプル(200μl/ウェル)を含有していた(4レベルのASO負荷、2レベルの総脂質濃度、及び4レベルの脂質組成、n=3)。他の実験では、イオン化可能な脂質MC3を永久カチオン性脂質DOTAPで置き換え、又は13merのASO-1を16merのASO-2で置き換え、同様の製剤パラメータについてスクリーニングした。逆の分注順序(ASO溶液の脂質混合物への注入)並びに異なる混合速度及び回数も、相混合プロセスを最適化するために調査した。
【0160】
ASO負荷LNPの特性評価
[0181]ASO負荷LNPの構造を、低温透過型電子顕微鏡(cyro-TEM)によって決定した。DLSを使用して粒径分布を測定した。簡潔に記載すると、ASO負荷LNPを、TECAN(登録商標)ロボットを使用して96ウェルのガラス底マイクロプレート(Greiner Bio One 655892,NC,USA)中のリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)で40倍希釈し、DynaPro(登録商標)プレートリーダーIII(Wyatt Technology,CA,USA)を使用して平均粒径及び粒径分布(多分散性%、PD%で表される)について分析した。60μlのアリコートを、15μlの0.5Mリン酸緩衝液(pH7.4)を添加することによって中性pHに調整し、次いで、フィルタープレート(MWCO 100kD;AcroPrep,PALL,NY,USA)に移し、遠心分離(2,000×g、10分)して濾過した。次いで、50μlの濾液中の未封入ASOを、UVプレートリーダー(TECAN(登録商標)Spark,NC,USA)を使用してOD
260によって定量化し、ASOの封入効率パーセント(%EE)について計算した:
【0161】
[0182]ASO標準を同じ緩衝液中で調製し、LNPサンプルと同じ濾過プロセスに供した。安定性実験のために、N/P比1の下で調製した60μlのLNPをPBSで10倍に直接希釈し、4又は40℃で保存し、2週間にわたって粒径及びASO放出について分析した。
【0162】
ASO負荷LNPのマイクロ流体調製
[0183]マイクロ流体アプローチを、上記のハイスループットアプローチによってスクリーニングされたASO負荷LNPのスケールアップ調製に使用した。簡単に記載すると、種々の濃度のASO-1(クエン酸緩衝液に溶解)と、総脂質濃度及びDSPE-PEG2000含有量が変動する脂質(エタノールに溶解)とを、マイクロ流体装置(NanoAssemblr(登録商標)、Precision NanoSystems,BC,Canada)によって、水性緩衝液/エタノール相比3/1及び一定の総流量12ml/分で混合した。収集したLNPを遠心分離ベース(2,000×g、30分)限外濾過(MWCO 10kD;Amicon,MilliporeSigma,MA,USA)によって精製して遊離ASO及び脂質を除去し、続いてPBSと緩衝液交換した。LNPを、親水性相互作用液体クロマトグラフィ(HILIC)によるDLS及びASO封入によって粒径分布について分析した。簡単に記載すると、0.75% Triton溶液に溶解させることによって、精製LNPから封入ASOを抽出した。HILICカラム(Waters ACQUITY UPLC BEH Amide,130Å,1.7μm,3mmx50mm)、移動相A(80/20(v/v)のアセトニトリル/水中25mM酢酸アンモニウム)、及び移動相B(40/60(v/v)のアセトニトリル/水中25mM酢酸アンモニウム)を、10分以内に、0.8ml/分の流量、40℃のカラム温度、及び260nmの検出波長で、相Bの0~100%からの勾配溶出に使用した。
【0163】
統計分析
[0184]全ての結果を平均±SDとして示す(n=3)。データを、一元配置分散分析又は二元配置分散分析(ANOVA)の後、Prism 8.0(GraphPad Software)を使用して複数の群を比較するためのTurkey、Sidak又はDunnettの事後検定によって分析した。0.05未満のP値を統計学的に有意とみなした。
【0164】
実施例1
ロボット液体ハンドラーによる相混合プロセスの最適化
[0185]LNP調製のためのハイスループット溶媒注入方法を開発するために、粒径及びASO封入に対する相混合の効果を最初に調べた。ASO-1を、0.4μmolの総脂質及び1.5mol%のDSPE-PEG
2000から構成されるLNPに、N/P比1の下で電荷媒介錯化によって負荷した。脂質を含有するエタノール相を分注し、TECAN(登録商標)液体ハンドラーを使用して、機器の設定に従って最小0.1ml/sから最大0.9ml/sの範囲の異なるピペット操作速度で水性ASO相と混合し、逆も同様に行った。エタノール-緩衝液注入は、注入とそれに続く10回の混合のための低速、中速、又は高速下で、平均直径約145nm(
図1A)、%PD約18%(
図1B)、及びASOの%EE約83%(
図1C)を有する同様のLNPを生成した。対照的に、低速(0.1ml/s)での緩衝液-エタノール注入は、より低い%EE(約43%)で、より大きく(平均直径約220nm)、より多分散性(%PD約41%)の粒子を生成した(
図1A~1C)。しかしながら、注入速度を増加させると、エタノール-緩衝液注入と同様のLNPが生成され、ASO負荷LNPの形成には水性緩衝液中の濃縮脂質の迅速な消散が必要であることが示唆された。次に、LNPをエタノール-緩衝液注入下で調製し、続いて異なるピペッティング回数及び速度で相混合した。中速(0.5ml/s)及び10回の混合は、高いASO負荷で均一なLNPを生成するのに十分であったが、混合速度又は回数のさらなる増加は、粒径及び%EEに影響しなかった(
図1D~1F)。したがって、以下の研究のために、エタノール-緩衝液注入とそれに続く0.5ml/sでの10回の混合の条件を選択した。
【0165】
実施例2
ASO負荷LNP製剤のHTS
[0186]LNPの主要な品質属性に対する製剤パラメータの影響を調査するために、これらの製剤の合理化された調製及び特性評価を可能にするHTSワークフローを設計した(
図2)。脂質が正電荷を帯びて電荷媒介錯化を促進するように、MC3のpKa(6.4)より低いpH4.0のクエン酸緩衝液に最初にASOを最初に溶解させた。次いで、溶液のpHをリン酸緩衝液によって中性に調整した後、分析を行った。
【0166】
[0187]典型的なスクリーニングのために、2つのレベルの総脂質濃度、N/P比によって調整される4つのレベルのASO負荷、及び4つのレベルのPEG化脂質含有量で変動する32の異なるサンプル(それぞれ3つの反復)を、96ウェルプレートで並行してスクリーニングした(
図3A)。調査した3つの製剤パラメータの中で、PEG化脂質は、脂質組成にPEGが組み込まれていない場合に多峰性の大きな凝集体が生成されたため、LNP形成に不可欠であった(
図3C~3D、
図4)。PEG化脂質含有量を有意に増加させると(P<0.0001)、平均粒径が減少した、すなわち、1.5、3、及び5mol%のDSPE-PEG
2000を含有する脂質は、それぞれ約120、約80、及び約60nmのLNP直径となった(
図3C~3D)。しかし、多分散性も増加し、5mol%のDSPE-PEG
2000は、おそらく小さなDSPE-PEG
2000ミセルの形成に起因して、亜集団を生成しさえした(
図3C)。例えば、Johnsson et al.,2003,Biophys J 85(6):3839-47;Gill et al.,2015,J Drug Target 23(3):222-31を参照のこと。
【0167】
[0188]一方、ASOの%EEは、主にN/P比によって決定された。MC3中の過剰な錯化部位を有する1より高いN/P比は、80%超の%EEをもたらした。一方、荷電平衡点を超える2倍過剰量のASO-1は、%EEを約50%まで有意に減少させた(
図3E)。MC3を別のカチオン性脂質DOTAP(
図5A~5C)で置き換えた場合、又はASO-1をASO-2(
図6A~6C)で置き換えた場合にも同様の結果が見られ、HTS結果のロバスト性が実証された。
【0168】
実施例3
スケールアップLNP調製によるHTS結果の検証
[0189]次いで、スクリーニングされた製剤パラメータのLNP品質属性への影響を、HTSアプローチからの結果をマイクロ流体フォーミュレーターからの結果と比較することによって検証した。2つの方法は同様の結果を示した:(1)PEG含有量が増加すると、LNPサイズは減少したが、多分散性は増加した(
図7A);(2)LNPサイズは、2mMまでの全脂質濃度の増加に伴って安定していた(
図7B);(3)N/P比<2の場合、LNPサイズは安定したままであった(
図7C);(4)過剰なASO負荷(N/P比<1)は、%EEの有意な減少をもたらした(
図7D);及び(5)LNPは、同じN/P比及びPEG化脂質含有量で調製された同様の構造を示した(
図7E)。さらに、HTSアプローチは、線形回帰R
2>0.9(
図7A)との強い相関によって示される、PEG化脂質含有量に対する粒径及び多分散性の依存性を首尾よく予測した。
【0169】
実施例4
ASO負荷LNPの安定性スクリーニング
[0190]製剤安定性に対する異なる粒径の影響をさらに調査するために、様々なPEG含有量で調製したASO-1負荷LNPをPBSで10倍希釈し、4℃又は40℃でインキュベートし、2週間にわたる粒径分布をモニタリングした。N/P比は1以上に保たれ、ASOの%EEは約90%であったため、安定性試験中のLNPからのASO漏出を定量化することができた。
図8A~8Bに示すように、ハイスループット溶媒注入法又はNanoAssemblr(登録商標)で調製した、1.5mol%又は3mol%のDSPE-PEG
2000を含むLNPは、4℃でのインキュベーション中も同様に初期の平均粒径(
図8A)及び多分散性(
図8B)を維持した。40℃では、1.5mol%のDSPE-PEG
2000を含有するLNPは、1週間後に粒径の増加を示したが、多分散性は一定のままであった(
図9)。1.5mol%のDSPE-PEG
2000を含むLNPもまた、最初の3日以内に最小のASO漏出を示したが、2週間後には3及び5mol%のDSPE-PEG
2000を含むLNPと同様のレベルのASO漏出を示した(
図10)。4℃でのASO漏出は1ヶ月にわたって検出されなかった。
【0170】
[0191]相混合プロセスがロボット液体ハンドラーによって実行できるため、LNP製剤のハイスループット調製には溶媒注入法が選択された。手動ピペッティングと比較して、マルチチャネル液体ハンドラーは、96個のサンプルのハイスループット並列処理を可能にし、ウェル全体で均一な液体分注及び混合を達成した。重要なプロセスは、球状脂質層及びナノ粒子構造への脂質の自己集合を促進するために、相互混和相、例えば脂質を溶解するエタノールと核酸を溶解する水性緩衝液との迅速かつ徹底的な混合を伴った。この方法は、リポソームを調製するために広く使用されており、エタノール相を50体積%未満に調整すると均一なナノ粒子を生成した。エタノール相比及び/又は脂質濃度を増加させると、低速の緩衝液-エタノール注入(
図1A~1B)の結果によっても示されるように、おそらく非効率的な相混合のために、大きな粒子又は凝集体が生成された。液体ハンドラーによる自動混合プロセスからの知見は、マイクロ流体法によって調製されたLNPの結果と高度に相関していた。流量比(FRR、水性対有機流量)は、マイクロ流体調製中の重要な製剤パラメータの1つであり、低いFRRはより大きな粒子を生成する。低速での緩衝液-エタノール注入は、低いFRRの状態を示した。したがって、自動化された混合条件を最適化し、エタノール-緩衝液注入を1/3のエタノール/水性体積比(25体積%のエタノール)の下で0.5ml/sに設定し、続いて10回ピペッティングして効率的な相混合を達成し、高い封入効率で均一な粒子を生成した。
【0171】
[0192]次に、ASO負荷LNPの最適な品質属性について、総脂質濃度、脂質組成、及びASO負荷量を含む製剤変数をスクリーニングするための合理化されたワークフローを開発した。この目的のために、ASOの粒径分布及び%EEをそれぞれハイスループットDLS及びOD
260によって測定して、高いASO負荷量で均一なナノ粒子を生成することができる条件を決定した。スクリーニング結果は、PEG化脂質含有量が粒径分布に有意に影響を及ぼすことを示した(
図3B~3D、5A~5B、6A~6B)。総脂質の1.5mol%で組み込まれたDSPE-PEG
2000は、約120nmの平均直径を有する単峰性ナノ粒子を産生したが、より多くのPEGは多分散性を増加させた。第三級アミン構造からなるイオン化可能な脂質は、ヌクレオチドのための脂質ベースの送達システムにますます使用されており、永続的に荷電したカチオン性脂質よりも良好な細胞内送達効率及び低い細胞傷害性を示す。例えば、Cullis&Hope,2017,Mol.Ther.25(7):1467-1475,Sabnis et al.2018,Mol Ther.26(6):1509-1519;Semple et al.,2010,Nature Biotechnology,28(2):172-176を参照のこと。電荷媒介錯化の負荷機構と一致して、スクリーニング結果はN/P比によって決定されるASO封入を示し、N/P比=1で約90%の%EEを示し(
図3E、5C、6C)、0.29mgのRTR3833/mg脂質の負荷能力に対応した(1.5mol%のDSPE-PEG
2000を含む2mMの総脂質)。
【0172】
[0193]重要なことに、HTSアプローチからの結果は、スケーラブルな生成を伴うナノ粒子製剤を調製するためにますます利用されているマイクロ流体フォーミュレーターからの結果を首尾よく予測した。例えば、Belliveau et al.,2012,Mol.Ther.Nucleic Acids,1,e37;van Swaay&deMellow,2013,Lab Chip 13(5):752-67を参照のこと。どちらの方法も、PEG化脂質含有量(
図7A)、総脂質濃度(
図7B)、及びN/P比(
図7C)に対するLNPサイズの同様の依存性を示し、ASOの%EEは、N/P比によって同様に制御された(
図7D)。2つの方法はまた、同じ製剤パラメータ(
図7E)下で類似の構造を有するLNPを生成した。さらに、これらのASO負荷LNPは、安定した粒径分布(
図8A~8B)及び40℃で2週間の貯蔵にわたる封入ASOの約20%の漏出を示した(
図10)。しかしながら、マイクロ流体調製と比較して、HTSアプローチは、調製及び分析出力を約100倍増加させながら、原料を約10倍節約することにおいて有意な利点を示した(単一のマイクロ流体実行と比較して、マイクロプレート内の96個のサンプルを並列処理する)ことから、初期段階の製剤スクリーニングの大きな可能性が示された(
図11)。スクリーニング結果に基づいて、1.5mol%のDSPE-PEG2000及びN/P比≧1は、均一で安定した粒径及び高いASO負荷を有する最適なLNP製剤を生成することが決定された。HTSシステムに異なる脂質及び他のASOを導入した後も、同じ意見が依然として有効であり、このスクリーニングプラットフォームがsiRNA及び単一ガイドRNAなどの様々な種類の担体及びカーゴへの適用を拡大できることを示唆した。
【0173】
[0194]HTSスクリーニングアプローチは、LNPを調製するための再現性のある製剤プラットフォームを実証した。自動注入プラットフォームからマイクロ流体調製物への変換可能な結果は、スクリーニング及びスケールアップ製剤をサポートするためのシームレスなワークフローを作り出し、製剤の不整合から生じるブリッジ研究を回避した。次なるステップは、現在のワークフローを下流のin vitroスクリーニングと統合して、ASO負荷LNPの物理化学的属性を治療有効性と相関させることである。さらに、ゼータ電位及び液体クロマトグラフィー戦略によるAPIと添加物との両方の同時定量化などの、より多くの製剤属性に対処するために、ワークフローをさらに改善することができる。Yamamoto et al.,2011 J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 879(20),3620-5,Li et al.,2019,J Chromator A 1601:145-154。
【0174】
[0195]この実施例では、製剤パラメータをスクリーニングし、ASO負荷LNPの品質属性に対処するためのハイスループットアプローチが開発された。自動化された液体の分注及び混合から始まり、続いてハイスループットの粒径及びASO封入の分析の合理化されたワークフローは、PEG化脂質含有量及びN/P比がそれぞれ粒径分布及び封入効率の主要な決定因子であることを同定した。さらに、HTSの結果は、マイクロ流体を用いたスケールアップ調製からの結果を首尾よく予測した。ロバストなスクリーニング結果、並びに材料の大幅な節約及び分析出力の改善は、脂質ベースのナノ粒子製剤の開発を進めるためのこのアプローチの大きな将来性を示唆している。
【0175】
実施例5
ASO封入の定量化の代替方法
[0196]ASO封入の定量化を、蛍光プレートリーダーを使用して決定した。簡潔に記載すると、ハイスループット溶媒注入法によってASO負荷LNPを調製し、次いで、TE緩衝液で50倍希釈し、等体積の5000倍希釈蛍光プローブSybr-goldと混合し、蛍光プレートリーダー(Ex/Em=495/550nm)を使用して非封入ASOを定量した。次いで、LNPを、1体積%Triton TE中の等体積の10000倍希釈Sybr-gold(すなわち、最終プローブ希釈を10000倍に保ち、Triton濃度を0.5体積%にした)の直接添加によって破壊した(
図12A)。次いで、蛍光測定を行い、総ASOを定量した。封入効率(%EE)を以下のように計算した:
【0176】
[0197]計算は、蛍光法及びUV-Vis法を使用して異なるN/P比で調製された2つの異なるLNP製剤について同等の%EE結果を示した(
図12B)。結果は平均±SD、n=2として表され;ns、有意ではない(二元配置ANOVA、続いてSidakの多重比較によって分析)。
【0177】
実施例6
HiBiTペプチド負荷LNP製剤のHTS
[0198]リポソームの主要な品質属性に対する製剤パラメータの影響を調査するために、これらの製剤の合理化された調製及び特性評価を可能にするHTSワークフローを設計した。HiBiTを最初に、150mM NaCl(pH5.5)を補充した20mMヒスチジン-酢酸緩衝液に溶解させ、ロボット液体ハンドラーを使用してマイクロウェルプレートに分注した。実施例2と同様に脂質混合物を調製した(
図13A)。
【0178】
[0199]典型的なスクリーニングのために、4種類のLNP製剤並びにPEG化脂質、遮蔽PEG化脂質及びアジドとコンジュゲートしたPEG化脂質の8つの組み合わせで変動する32個の異なるサンプル(それぞれ3つの反復)を、96ウェルプレートで並行してスクリーニングした(
図13B)。調査した8つの製剤パラメータの中で、PEG化脂質は、脂質組成にPEGが組み込まれていない場合に多峰性の大きな凝集体が生成されたため、LNP形成に必要であった(
図13C)。精製前後の遊離ペプチド濃度の定量により、ゲル濾過及び透析についてそれぞれ約98%及び約61%の平均精製効率が得られた(
図13D~13F)。粒子回収率は、ペグ化脂質なしで調製された凝集サンプルによる低い値を除いて、一般に80~120%の間であった(
図13G)。さらに、粒径分布は、ゲル濾過による精製後も一定のままであった(
図13H)。
【0179】
実施例7
HTSは、ASO-LNPのサイズ分布に対する多様なPEG-脂質の属性の影響を同定した。
【0180】
ASO負荷LNPのHTS調製及び特性評価
[0200]コレステロール、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、及びLNP製剤用のすべての直鎖状PEG化脂質を、Avanti Polar Lipids(AL,USA)から購入した。分岐状PEG化脂質N-[2’,3’-ビス(メチルポリオキシエチレンオキシ)プロパン-1’-オキシカルボニル]-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE-2arm-PEG-2k)を、NOF America Corporation(NY,USA)から商業的に入手した。PEG化脂質の全リストは、以下の表1に列挙される。
[0201]LNP製剤用のイオン化可能脂質ジリノレイルメチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA;MC3)を、MedChemExpress(米国ニュージャージー州)から購入した。ホスホロチオエート骨格を有する17-merのASO(MW 5635Da、Na塩型)は、固相合成を用いてBioSpring GmbH(フランクフルト、ドイツ)によりカスタム合成された。その他の試薬はすべて、DNase/RNaseを含まず、さらに精製することなく市販のものを使用した。
【0181】
[0202]様々なPEG化脂質を有するLNPを、以前に報告されたハイスループットアプローチを用いて調製した。簡潔に記載すると、ASOをクエン酸緩衝液(25mM、pH4.0)に93.9μg/mLで溶解させ、TECAN Freedom EVO(登録商標)ロボットリキッドハンドラー(Tecan Life Sciences,NC,USA)を用いて96ウェルプレート(Greiner Bio One 655101,NC,USA)に150μL/ウェルで分注した。自動化されたセットアップを用いて、MC3、DSPC、コレステロール、及びそれぞれのPEG-脂質アナログで構成される異なる脂質混合物を、エタノール中で、モル比40:10:(50-X):Xで調製した。ここでX=1、3、又は5であり、得られるASO-LNPのN:P=2を維持するための総脂質濃度は4mMであった。N:Pは、イオン化可能な脂質中の正電荷を帯びたアミン(N)基と、核酸骨格上の負電荷を帯びたリン酸(P)基のモル比として定義される。脂質混合物を12チャンネルリザーバープレート(Axygen RES-MW12-LP又は-HP,NC,USA)に移し、ロボット(速度=0.5mL/s、続いて0.1mL/サイクルの混合を10サイクル)を用いて96ウェルプレート中のASO溶液に50μLの脂質相を注入し、エタノール:水相体積比1:3で1ウェル当たり総脂質1mMを得た。各LNP製剤を3連で調製した。ASO負荷LNPをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)で希釈し、最終濃度が1ウェルあたり合計1mMのASOとなるようにした。各サンプルの小アリコートをガラス底96ウェルプレート(Greiner Bio One 655892,NC,USA)に移し、DynaPro(登録商標)プレートリーダーIII(Wyatt Technology,CA,USA)を用いた動的光散乱(DLS)による粒径分布の特性評価のために、PBSでさらに50倍に希釈した。
【0182】
ASO負荷LNPのマイクロ流体調製及び特性評価
[0203]HTSアプローチによって同定された、選択されたポジティブ及びネガティブヒットASO-LNP製剤のスケールアップ調製に、マイクロ流体混合法を使用した。MC3、DSPC、コレステロール、及び選択的なPEG-脂質アナログで構成される異なる脂質混合物を、エタノール中にモル比40:10:(50-X):Xで溶解させた。ここでX=1、3、又は5であり、総脂質濃度は4mMであった。エタノール流を、マイクロ流体層流混合デバイス(NanoAssemblrTMBenchtop,Precision NanoSystems,BC,Canada)を用いて、クエン酸緩衝液(25mM、pH4.0)に溶解した93.9μg/mLのASOを含有する水流と1:3の容量比及び総流量12 mL/分で急速に混合した。製剤化したLNPを、30分間2,000gで遠心分離限外濾過(MWCO 10kD;Amicon,MilliporeSigma,MA,USA)によって精製して、遊離ASO及び脂質を除去し、続いてRNase非含有のPBSと緩衝液交換した。精製した製剤は、DLSを用いて粒径分布を分析した。
【0183】
統計分析
[0204]データのプロット及び統計解析は、Prism 9.2.0(GraphPad Software,San Diego,CA)を用いて行った。すべての結果を平均±SEMとして表す。n=3には3つの平均内部反復が含まれる。
【0184】
ASO-LNP製剤ライブラリーに使用される多様なPEG-脂質
[0205]本HTS脂質ライブラリー設計では、すべてのASO-LNP製剤の構成脂質として、DLin-MC3-DMA(MC3)、DSPC、及びコレステロールを選択したが、PEG-脂質含量は変化させた(
図15A及び15B)。MC3、DSPC、及びコレステロールの組み合わせは、FDAが承認した最初のsiRNA-LNP製剤であるONPATTRO(登録商標)に使用されており、多くの前臨床LNPモデル系でオリゴヌクレオチド送達のベンチマークとして使用されている。LNPカーゴ送達におけるPEG-脂質の影響を系統的に理解するために、ASO-LNP形成の際に、いくつかのPEG-脂質アナログをMC3、DSPC、及びコレステロールと組み合わせて使用した(表1)。薬物送達用途で一般的に使用されるPEG-脂質は、アニオン性ホスホグリセリド、中性荷電ジグリセリド及びセラミドを含む生物学的に関連性のある脂質ファミリーから選ばれた。各PEG-脂質タイプについて、Cテールの長さ又はPEG鎖のサイズを変えた複数のアナログを含めた(
図15B)。この研究では、構造(直鎖状又は分岐状)及びPEG-脂質Cテール飽和度の影響も評価した。
【0185】
[0206]個々のPEG-脂質の特徴を試験することに加えて、製剤特性及びカーゴ送達に対する影響を評価するために、PEG-脂質濃度を変化させることもした。脂質混合物中のコレステロールのモル比を調整することによって、LNP中のPEG-脂質のモル比を1、3、及び5mol%に調節した。これらのPEG-脂質パラメータを使用して、ASO送達の物理化学的特性評価及びin vitro評価のために、54の異なるASO-LNP製剤のライブラリーを96ウェルプレートベースのHTSワークフローで調製した。
【0186】
PEG含有量がASO-LNPの粒径分布に影響を与える
[0207]54の異なるASO-LNP製剤の平均流体力学的直径は、DLSによって測定される場合52と212nmの間の範囲であり、PEG化脂質のモル比が1%から5%に増加するにつれて粒径が減少する一般的傾向を示した(
図16A~16C)。短いPEG-脂質(M.W.<1000Da)を1mol%配合したLNP、例えば#6と#10は、212nmという最大の粒子直径を有していた。対照的に、5mol%の長いPEG脂質(#9)は最も小さな粒子(52nm)を生成したが、これはおそらくPEG鎖による立体障害が増大し、粒子の成長を妨げたためであろう。具体的には、アニオン性PEG脂質は、LNP組成物中のPEGモル比と同様に、PEGサイズが大きくなるにつれて、粒径の明確な減少を示した(
図16A)。対照的に、中性ジグリセリド及びセラミドPEG脂質を用いて調製したLNPは、粒径とPEG含有量の間に相関を示さず、特に製剤#13及び#16では非相関が見られた(
図16B)。これらの知見は、PEG鎖の立体障壁と並んで、アニオン性PEG化LNPの粒径を決定する上で、荷電した頭部基間の反発力が大きな役割を果たしていることを示唆している。さらに、直鎖状及び分岐状のDSPE-PEG2kのバリアント(#8及び#9)の比較では、流体力学的直径に対するPEG構造の有意な影響は示されなかった(
図16C)。また、平均粒子直径を色分けしたヒートマップで示し、粒径の傾向を示した(
図17参照)。
【0187】
[0208]PEG-脂質モル比の増加は、粒子直径に電荷依存的な影響を有するが、PEG-脂質含有量は、LNP多分散度(%PD)と全体的に正の相関を有する(
図16D~16F)。この傾向の顕著な例外は、#6、#15、#16である。PEG-脂質#15及び#16は、中性荷電セラミド-C8 PEG-脂質ファミリーのもので、これもPEG-脂質含有量と粒径の間に相関関係は見られなかった。我々の以前のデータと一致して、長いPEGアーム(2000Da)を用いて5mol%で配合されたPEG-脂質は、おそらくミセルPEG-脂質亜集団の存在により、高度に多分散のサイズ分布を有していた。
【0188】
[0209]また、異なるCテール長(DMPE/DPPE/DSPE、DSG/DMG、及びCer-C8/Cer-C16)、飽和レベル(DSPE/DOPE)、及びPEG-リンカー化学的性質(DMPE/DMG、及びDSPE/DSG)を有する脂質アンカー基の効果を比較した。PEG-脂質の疎水性のテールは、LNPのサイズ又は多分散性指数に大きな影響を与えなかった。これは、PEG-脂質の親水性PEG成分の重要性とは対照的である。同様の観察は、14、16、18の炭素鎖を含有するPEG脂質を用いて調製されたsiRNA-LNPについても以前に報告されたことがある。
【0189】
LNP粒径の回帰分析
[0210]線形回帰モデルは、異なるCテール属性の有意でない影響と比較して、LNP粒径分布におけるPEG-脂質電荷、モル比、及びPEGサイズの有意性(p<0.05)を裏付けた(表2及び表3)。
【0190】
[0211] アニオン性PEG-脂質の線形回帰モデル:
ASO-LNPの流体力学的直径(nm)=225.71-0.44*炭素テール長(#C)-0.05*PEGサイズ(Da)-14.12*PEG-脂質mol%。
【0191】
[0212]モデル概要:
R平方=0.869、調整後R平方=0.857、標準誤差=15.37、観察数=36。ANOVA:有意性F=3.16×10-14
【0192】
[0213]中性PEG-脂質の線形回帰モデル:
ASO-LNPの流体力学的直径(nm)=172.68+1.29*炭素テール長(#C)-0.03*PEGサイズ(Da)-6.21*PEG-脂質mol%。
【0193】
[0214]モデル概要:
R平方=0.700、調整後R平方=0.636、標準誤差=15.74、観察数=18。ANOVA:有意性F=5.9×10-4
【0194】
[0215]これらのデータを総合すると、LNPのサイズ分布は、脂質テールの属性よりも、むしろ表面安定化PEG含有量に主に依存し、このPEG依存性は、アニオン性PEG-脂質足場において特に支配的であることが示唆される。
【0195】
実施例8
ASO-LNP挙動傾向の同定のためのHTS
[0216]本発明のHTSアプローチは、96ウェルプレートフォーマットでの多様なASO-LNP製剤の迅速な調製及び特性評価を可能にする。このハイスループットワークフローは、標的細胞株におけるLNP送達を評価するためにシームレスに拡張することができる。このHTSアプローチは、材料及び時間の大幅な節約につながる。さらに、ASO-LNP製剤を同一の環境で直接比較することにより、ロバストなデータセットを生成し、処理のばらつきを最小限に抑える。
【0196】
[0217]HTSアプローチは、データ解析及び解釈にも有利である。第一に、多数の製剤を含む特性評価を短時間で行うことができる(
図16A-16F)。第二に、包括的なスクリーニングにより、狭いサンプルサイズでは隠蔽される可能性のある相関関係を同定することができる。例えば、我々のHTSデータセットは、PEG-脂質の親水性PEG成分がLNPの粒径分布に影響を及ぼすことを示している(
図16A-16F)。このような挙動傾向は、回帰分析を用いた予測相関によって定量的に定義することができる。線形回帰モデルは、LNPのサイズ分布におけるPEG-脂質濃度及びPEGサイズ(p<0.05)の電荷依存性が、Cテール属性と比較して有意であることを立証した。これらの相関の精度は、高度な機械学習アルゴリズムと組み合わせて、より広範なサンプルセットを繰り返しスクリーニングすることによって、さらに向上させることができる。
【0197】
HTSがスケールアップ製剤のASO-LNP性能を予測する
[0218]すべてのスクリーニングアッセイと同様、HTSアプローチの価値は、スケールアップした系での挙動を予測する能力にある。したがって、我々は、自己組織化ナノ粒子製剤を製造するための、HTSアプローチからスケーラブルなマイクロ流体法へのLNP属性の変換可能性を検証した。特定のPEG種及びモル比(#13-1%、#16-3%、#1-5%、#10-1%、#8-3%、#9-5%)で製剤化した6つのヒットASO-LNPをHTSライブラリーから選んだ。代表的な製剤は、異なる脂質テール飽和レベル(#10、#8)、PEG構造(#9)、及びPEG-脂質含有量(1、3、5mol%)を有する、ジグリセリド(#13)PEG-脂質、セラミド(#16)PEG-脂質、及びホスホグリセリド(#1)PEG-脂質を含む多様なPEG-脂質アレイを含むことを根拠として選択され、LNP中の広範なPEG含有量にわたるHTSの予測可能性のロバストな検証を確実にする。選択したASO-LNPを、対応するHTSと同様の配合条件下でマイクロ流体ミキサー(NanoAssemblrTMBenchtop)を使用して、10倍にスケールアップした。
【0198】
[0219]マイクロ流体工学を用いて調製した6つの異なるLNPのDLS特性は、流体力学的直径がHTS法を用いて製剤化したそれぞれのLNPと類似していることを示した。(
図18)。HTSのアプローチは、物理化学的特性を確実に予測し、これら属性をマイクロ流体ベースの製剤にスムーズに反映させた。現在、マイクロ流体技術は、LNPベースの薬物送達ビヒクルの前臨床及び臨床応用に適したスケーラビリティ(<mLからLまで)により、広く適応されてきた。このように、予測的HTSアプローチは、スケーラブルなマイクロ流体工学プラットフォーム上で製剤を最適化するために通常必要とされるリソースを大幅に節約しながら、製剤のスケールアップに利用することができる。
【0199】
[0220]本発明に従って、PEGサイズ、LNP中のPEG-脂質含有量、炭素-テール長などのような様々なPEG-脂質パラメータに応じてLNPサイズ分布傾向を特性評価するためのハイスループットスクリーニングアプローチが記載される。本明細書に記載された発明は、さらに機械学習アルゴリズムと組み合わせて、HTSで得られた膨大なデータセットにわたる定量的相関を同定及び定義することができる。
【0200】
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