(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】調節可能な自動二輪車スロットルロッククルーズコントロールのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B62J 45/00 20200101AFI20241106BHJP
B60W 30/14 20060101ALI20241106BHJP
B60W 50/10 20120101ALI20241106BHJP
【FI】
B62J45/00
B60W30/14
B60W50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524490
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022042508
(87)【国際公開番号】W WO2023075931
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524150409
【氏名又は名称】ウィンターズ,デイビッド,ジェームズ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターズ,デイビッド,ジェームズ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241CA12
3D241DA05Z
3D241DD11Z
(57)【要約】
クルーズコントロール統合を強化または追加するために電子制御ユニットまたは車両を補足するために使用される電子クルーズコントロールのためのシステムおよび方法。電子クルーズコントロールは、自動二輪車などの車両の速度を調節するためにエンドユーザーまたはシステムによって容易に更新されるように設計されており、それによって、電子クルーズシステムは、既存のスロットルを回転させて自動二輪車の速度を維持するための制御信号を送信し、それによって、スロットルグリップ位置は常に自動二輪車の速度を参照する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なスロットルを有する車両に接続または一体化された電子クルーズシステムであって、
前記車両の速度を加速、減速、または維持するために前記スロットルを回転させるステップを実行するための1つ以上のコンピューティングシステムを有する、電子クルーズシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、操作者によって調節可能でありながら、前記操作者が前記スロットルに回転を与えないときに、スロットルロック機構によって前記スロットルを定位置に保持するステップをさらに実行する、請求項1に記載の電子クルーズシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、
第1の速度の基準点から第2の速度の基準点まで前記スロットルを回転させる前記操作者からの入力を受信するステップと、
前記スロットルが所定の時間量にわたって前記第2の速度の基準点に維持されるか否かを判定するステップと、
前記判定に応答して前記車両を較正するステップと、
前記スロットルロック機構によって前記スロットルを前記第2の速度の前記基準点に保持するステップと、をさらに実行する、請求項2に記載の電子クルーズシステム。
【請求項4】
1つ以上のセンサをさらに含む、請求項1に記載の電子クルーズシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の加速度計を含む、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の衝撃センサを含む、請求項5に記載の電子クルーズシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のセンサは、前記車両の1つ以上の車輪のRPMを決定する、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項8】
前記電子クルーズシステムの1つ以上のステータスを示すように構成された1つ以上のLEDライトをさらに含む、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項9】
前記車両の速度を決定するためのGPS追跡ユニットをさらに含む、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、
前記GPS追跡ユニットから前記車両の位置であると判定された現実世界の位置の地理および地形を用いて1つ以上の生成された仮想マップを分析するステップをさらに実行する、請求項9に記載の電子クルーズシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、
前記車両が事故中であるかあるいは側方に転倒したと前記1つ以上のセンサが判定したことに応答して、前記電子クルーズシステムの1つ以上のシステムを解除するステップであって、前記スロットルは、前記電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、ステップをさらに実行する、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、
フロントブレーキ、リアブレーキ、またはクラッチが係合されたことに応答して、前記電子クルーズシステムの1つ以上のシステムを解除するステップであって、前記スロットルは、前記電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、ステップをさらに実行する、請求項4に記載の電子クルーズシステム。
【請求項13】
速度を再開もしくは維持し、加速もしくは減速し、スロットルロックモードをオンもしくはオフにし、GPSシグナリングをオンもしくはオフにし、あるいは前記車両の速度を参照して前記スロットルをオンもしくはオフにするための1つ以上のアクチュエータをさらに含む、請求項1に記載の電子クルーズシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のコンピューティングシステムは、
環境条件に応じて、前記スロットルロック機構を用いて前記スロットルの位置を調節するステップをさらに実行する、請求項2に記載の電子クルーズシステム。
【請求項15】
車両上の回転スロットルに接続された電子クルーズシステムであって、スロットルロック機構を有し、前記スロットルロック機構は、操作者によって調節可能でありながら、操作者がスロットルを回転させないときに前記回転スロットルを定位置に保持する、電子クルーズシステム。
【請求項16】
前記電子クルーズシステムは、所定の秒数にわたって前記スロットルを回転させる際に前記操作者による受け取られたジェスチャに応答して、前記車両の速度を較正する、請求項15に記載の電子クルーズシステム。
【請求項17】
1つ以上の加速度計および1つ以上の衝撃センサを含む1つ以上のセンサをさらに含む、請求項16に記載の電子クルーズシステム。
【請求項18】
前記車両の速度を決定するためのGPS追跡ユニットをさらに含み、前記電子クルーズシステムは、現実世界の位置の地理および地形を用いて1つ以上の生成された仮想マップを分析する、請求項17に記載の電子クルーズシステム。
【請求項19】
前記電子クルーズシステムは、前記車両が事故中であるかあるいは側方に転倒したと前記1つ以上のセンサが判定したことに応答して、前記電子クルーズシステムを解除し、前記スロットルは、前記電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、請求項18に記載の電子クルーズシステム。
【請求項20】
前記電子クルーズシステムは、前記電子クルーズシステムが前記ブレーキを作動させ得るように、前記車両の1つ以上のブレーキと一体化されている、請求項18に記載の電子クルーズシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本PCT出願は、その全体が参照により組み込まれる2021年10月27日出願の米国非仮出願第17/512,516号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明の全体的な分野は、車両用の電子クルーズシステム修正のためのシステムおよび方法であり、より詳細には、電子クルーズシステムが起動されている間に、既存のクルーズコントロール装置または車両を追加の車両制御装置で補うために最初に統合されるかあるいは使用される電子制御ユニット修正のためのシステムおよび方法である。
【背景技術】
【0003】
操舵のためにハンドルバーを使用する自動二輪車などの現代の車両では、車両の速度は、通常、ゴム、金属、またはプラスチックグリップで包まれたハンドルバーの右端に固定された、装着式の回転可能なアクセルスリーブユニットによって制御されている。一般にスロットルと呼ばれるこの回転可能なアクセルスリーブは、車両のスロットルハウジングまたはスイッチハウジングに、あるいは単にハンドルバーに装着されたブラケットに直接結合され、それによって、スリーブの回転が1つ以上のスロットルケーブルまたは電子センサに伝達される。したがって、アクセルスリーブを回転させることによって、車両内のエンジンは、回転の方向に応じて、車両の速度を加速するか、維持するか、あるいは減速する。
【0004】
通常の乗車状況の間、利便性および安全性の目的のために、スロットルは、典型的には、付勢されたリターンスプリングを使用してスロットルを回転させてその静止位置に戻すように設計されており、それにより、車両のエンジンをアイドル状態に維持し、車両が加速するのを防止することができる。したがって、電子クルーズを使用して一定速度を維持するためのクルーズコントロール機能を備えた様々な車両が提案されている。しかしながら、現在の電子クルーズコントロール設定速度は、回転可能なアクセルスリーブを介した操作者の入力によって上下にリセットすることができず、典型的には、他の補助手段を介してリセットされる。したがって、クルーズコントロールが作動しているときはいつでも、制御システムおよび操作者に自動二輪車の設定速度を調節させ、したがって、電子クルーズコントロールが作動していない状態で運転しているときと全く同様に、電子クルーズコントロールを使用している間に、任意の所与の速度に関して必要なスロットル位置を操作者が触覚的に知ることができるデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、電子クルーズシステムが起動されている間に車両に追加の車両制御を提供するために回転可能な車両のスロットルに接続された電子クルーズシステムであって、車両の速度を加速、減速、または維持するためにスロットルを回転させるステップを実行するための1つ以上のコンピューティングシステムを有し、それによって当該1つ以上のコンピューティングシステムは、操作者がスロットルに回転を与えないときに、スロットルロック機構によってスロットルを定位置に保持するステップと、第1の位置から第2の位置までスロットルを回転させる操作者からの入力を受け取るステップと、スロットルが所定の時間量にわたって第2の位置に維持されるか否かを判定するステップと、当該判定に応答して車両を較正するステップと、スロットルロック機構によって、スロットルによって参照される速度を第2の位置において定位置に保持するステップと、車両が事故中であるかあるいは側方に転倒したと1つ以上のセンサが判定したことに応答して、電子クルーズシステムを解除するステップであって、スロットルは、電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、ステップと、フロントブレーキ、リアブレーキ、またはクラッチが係合されたことに応答して、電子クルーズシステムを解除するステップであって、スロットルは、電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、ステップと、環境条件に応じて、スロットルロック機構を用いてスロットルの位置を調節するステップと、を実行するための1つ以上のコンピューティングシステムを有し、電子クルーズシステムは、1つ以上のセンサをさらに含み、当該1つ以上のセンサは、1つ以上の加速度計を含み、当該1つ以上のセンサは、1つ以上の衝撃センサをさらに含み、当該1つ以上のセンサは、車両の1つ以上の車輪のRPMを決定し、電子クルーズシステムは、電子クルーズシステムの1つ以上のステータスを示すように構成された1つ以上のLEDライトと、車両の速度を決定するためのGPS追跡ユニットと、GPS追跡ユニットから車両の位置であると判定された現実世界の位置の地理および地形を用いて1つ以上の生成された仮想マップを分析するステップと、速度を再開もしくは維持し、加速もしくは減速し、スロットルロックモードをオンもしくはオフにし、GPSシグナリングをオンもしくはオフにし、あるいは車両の速度を参照してスロットルをオンもしくはオフにするための1つ以上のアクチュエータと、をさらに含む、電子クルーズシステムを対象とする。
【0006】
本発明の実施形態は、電子クルーズシステムが起動されている間に車両に追加の車両制御を提供するために車両の回転スロットルに接続された電子クルーズシステムであって、操作者がスロットルに回転を与えないときにスロットルを定位置に保持するスロットルロック機構を有し、それによって電子クルーズシステムは、所定の秒数にわたって操作者によるスロットルに対する受け取られたジェスチャに応答して車両の速度を較正する、電子クルーズシステムであって、1つ以上の加速度計および1つ以上の衝撃センサを含む1つ以上のセンサと、車両の速度を決定するためのGPS追跡ユニットと、をさらに含み、それによって電子クルーズシステムは、現実世界の位置の地理および地形を用いて1つ以上の生成された仮想マップを分析し、それによって電子クルーズシステムは、車両が事故中であるかあるいは側方に転倒したと1つ以上のセンサが判定したことに応答して、電子クルーズシステムを解除し、それによってスロットルは、電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成され、それによって電子クルーズシステムは、フロントブレーキ、リアブレーキ、またはクラッチが係合されたことに応答して、電子クルーズシステムを解除し、それによってスロットルは、電子クルーズシステムからの干渉なしに跳ね返るように構成されている、電子クルーズシステムを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面に示される、限定ではなく例示的な実施形態によって説明される。
【
図1】は、本発明による自動二輪車のブロック図を示す。
【
図2】は、クルーズコントロールシステムのコンピューティングデバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記の概要、この詳細な説明、以下の特許請求の範囲、および添付の図面において、本発明の特定の特徴が参照される。本明細書において、2つ以上の定義されたステップを含む方法に言及する場合、定義されたステップは、任意の順序であるいは同時に実行することができ(文脈がその可能性を除外する場合を除く)、方法は、定義されたステップのいずれかの前に、定義されたステップのうちの2つの間に、あるいはすべての定義されたステップの後に実行される1つ以上の他のステップを含むことができる(文脈がその可能性を除外する場合を除く)。
【0009】
「例示的」は、本明細書では、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明されるいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0010】
図面全体を通して、同様の参照文字は同様の要素を示すために使用される。本明細書で使用される場合、「結合された」または「結合している」という用語は、接続を示し得る。接続は、1つ以上のアイテム間の直接的な接続であっても、間接的な接続であってもよい。さらに、本明細書で使用される「セット」という用語は、任意のアイテムの1つ以上を示すことができ、したがって、「アイテムのセット」は、1つのアイテムのみの存在を示すことができ、あるいはより多くのアイテムを示すことができる。したがって、「セット」という用語は、本明細書で使用される「1つ以上」と同等であり得る。
【0011】
以下の詳細な説明では、本明細書に記載される1つ以上の実施形態のより完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、説明を不必要に複雑にすることを避けるために、周知の特徴は詳細に説明されていない。
【0012】
本開示は、既存の電子制御ユニットを補うために使用されるか、あるいは最初から統合されるか、あるいは既存のシステムなしで統合されるか、あるいはクルーズコントロール統合を強化するために電子制御ユニットを置き換える、電子クルーズシステムのための改善されたシステムおよび方法の未解決の必要性を認識したものである。電子クルーズシステムは、自動二輪車の現在の電子制御ユニットとともに、並列モジュールに加えて別個の独立型としても機能する能力を有する。電子クルーズシステムは、機能が開発されたときにそれを追加するためにエンドユーザーによって容易に更新されるように設計されており、したがって、電子制御ユニットまたは車両の存続性を引き延ばす。
【0013】
電子クルーズシステムは、自動二輪車の速度を維持するために既存のスロットルを回転させる制御信号を送信し、それによってスロットルグリップの位置が常に自動二輪車の速度を参照するように設計されていてもよい。電子クルーズシステムでは、スロットルが保持されている間、ユーザーとデバイスのいずれもが、常に自動二輪車の設定速度を調節することができる。これにより、操作者は、スロットルが静止位置にある状態で動作する他のクルーズコントロールで経験される速度を探るのではなく、単にスロットルを保持することによって、現在の速度に必要なスロットル位置を触覚的に知ることができる。自動二輪車が動いているとき、自動二輪車が電子クルーズコントロールを使用していないときに行うように、スロットル位置が常に自動二輪車の速度を参照すれば、操作者にとってより安全で便利である。
【0014】
図1に示すように、電子クルーズシステム120は、既存の電子制御ユニット110を補うために、自動二輪車100または他の車両とともに使用されてもよく、それによって、電子クルーズシステム120は、クルーズコントロール機能のために、既存の電子制御ユニット110と電子クルーズシステム120との間に追加の入出力を提供してもよい。1つ以上の非限定的な実施形態では、電子クルーズシステム120は、製造後に既存の自動二輪車100に調節可能なクルーズコントロール技術を組み込む能力を有していてもよいし、製造中に最初に電子制御ユニット110に組み込まれていてもよい。
【0015】
電子クルーズシステム120は、エンジンの様々なサブシステムと自動二輪車の他のシステムとの間のすべての電気的および電子的通信を提供することができる。電子クルーズシステム120は、限定はしないが、点火、エミッション、冷却、または電子燃料噴射セットアップなど、車両の電子システムの動作を監督し、調整し、変更する役割を果たすことができる。電子クルーズシステム120は、複数の入力および出力を有してもよい。入力は、電子制御ユニットに重要なエンジン情報を提供するエンジンのセンサ126の広範なアレイに接続されてもよい。
【0016】
センサ情報が受信され処理されると、電子クルーズシステム120は、1つ以上の制御信号または1つ以上のセンサから受信した情報に基づいて、1つ以上のコマンドを生成してもよい。次に、電子クルーズシステム120は、電子出力を介してコマンドおよび制御を送信することができる。電子クルーズシステム120は、当業者に一般的に知られている任意の異なる数およびタイプの電子制御ユニットであってもよい。1つ以上の非限定的な実施形態では、電子クルーズシステム120は、遠隔通信機に接続されてもよく、あるいは遠隔通信機と通信してもよい。遠隔通信機は、電子制御ユニット110からデータを受信し、さらなる分析のためにそのデータを遠隔位置に送信する。
【0017】
電子クルーズシステム120は、自動二輪車100に機械的に接続または装着されたハウジングを有してもよく、それによって、電子クルーズシステムは、ハンドルバー103上のスロットル104に電子的かつ機械的に接続される。本実施形態において、ハウジングは、モールドから形成されたシェル構造を採用してもよい。電子クルーズシステム120は、直角プリズム形状を有してもよいが、これは非限定的であり、電子クルーズシステム120は、正方形プリズム、球体、または角錐などの任意の適切な形状であってもよい。電子クルーズシステム120は、1つ以上のアダプタコネクタが一体化されるように製造されてもよい。
【0018】
電子クルーズシステム120は、輸送プロセス中に制御システム124、センサ126、およびスロットル調節機構128に電力供給するためのエネルギーを提供するための電力システム122を含んでもよい。電子クルーズシステム120は、当業者に知られている方法によって電力供給されてもよい。いくつかの実施形態では、電子クルーズシステム120は、電力供給するために電気コードを使用して電気コンセントに差し込むことができる。さらに、電子クルーズシステム120は、充電式バッテリパックを含んでもよく、それによって、充電式バッテリは、必要とされる設定時間の間、動作中に様々なシステムに十分な電力を提供するための充電、設計、および容量のものである。他の実施形態では、電力システム122は、自動二輪車100の既存の燃料システムに統合されてもよい。
【0019】
電力システム122は、センサ126から入力を受け取り、ハンドルバー103に装着されたスロットル104の固定点に接続されたスロットル調節機構128への出力信号を生成することができる回路および1つ以上のマイクロプロセッサまたはコントローラを制御する制御システム124に接続されてもよい。1つ以上のマイクロプロセッサは、操作者およびセンサ126からの入力信号に応答してスロットル調節機構128に加えられる電力を制御するためのオンボードメモリを有することができる。制御システム124は、種々の動作モードを実装するために、ハードワイヤリング、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組み合わせによって、任意の基準値を用いて事前プログラムされていてもよい。制御システム124は、電子制御パネルまたは機械制御パネルのためのスイッチおよびインジケータならびに付随する回路を含む、ユーザーが相互作用するための作動可能インターフェースを提供するための回路を含んでもよい。
【0020】
制御システム124内の1つ以上のマイクロプロセッサはまた、ユーザーによって選定された特定の動作モードを判定するために、制御システム124内の回路の現在の状態を監視してもよい。例えば、自動二輪車100がオンであるとき、1つ以上のマイクロプロセッサは、スロットル104およびセンサ126の様々なモードの識別を自律的に開始してもよい。
【0021】
制御システム124のコンピューティングデバイスは、典型的には、タスクのスケジューリングおよびシステムリソースへのアクセスを制御する1つ以上のオペレーティングシステムの制御下で動作する任意のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。コンピューティングデバイスは、Raspberry Pi(登録商標)、または電話、タブレット、テレビ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、もしくは制御システム124の動作を行うのに十分なプロセッサ能力およびメモリ容量で命令を実行することが可能な任意のコンピューティングデバイス等であるが、それらに限定されない他のコンピューティングデバイスであってもよい。
【0022】
図2を参照すると、
図2は、制御システム124に接続または統合され得るコンピューティングデバイス200の様々な構成要素を示すブロック図である。コンピューティングデバイス200は、編集およびクエリ制御システム124へのアクセスを可能にする1つ以上のハードウェア構成要素を収容するためのハウジングを含み得る。コンピューティングデバイス200は、ユーザーに関連するアクションの入力をCPU260などのCPU(プロセッサ)に提供する入力デバイス265などの1つ以上の入力デバイスを含むことができる。入力デバイス265は、キーボード、タッチスクリーン、マウス、音声起動、ウェアラブル入力デバイス、カメラ、トラックボール、マイクロフォン、指紋リーダ、赤外線ポート、コントローラ、リモートコントロール、スイッチハウジング、およびそれらの組み合わせとして実装され得る。
【0023】
アクションは、入力デバイス265から受信された信号を解釈し、通信プロトコルを使用して情報をCPU260に通信するハードウェアコントローラによって開始され得る。CPU260は、デバイス内の単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットであってもよく、あるいは複数のデバイスにわたって分散されていてもよい。CPU260は、PCIバスまたはSCSIバス等のバスを使用して、1つ以上のメモリデバイス等の他のハードウェアデバイスに結合されていてもよい。CPU260は、ディスプレイ270などのデバイス用のハードウェアコントローラと通信することができる。ディスプレイ270は、テキストおよびグラフィックスを表示するために使用され得る。いくつかの例では、ディスプレイ270は、グラフィックおよびテキストによる視覚フィードバックをユーザーに提供する。
【0024】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイ270は、入力デバイス265がタッチスクリーンであるか、あるいは視線監視システムを装備している場合など、ディスプレイ270の一部として入力デバイス265を含むことができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ270は入力デバイス265とは別個のものである。ディスプレイ270の例には、LCDディスプレイスクリーン、LEDディスプレイスクリーン、投影型、ホログラフィック、仮想現実ディスプレイ、または拡張現実ディスプレイ(ヘッドアップディスプレイデバイスまたはヘッドマウントデバイスなど)、ウェアラブルデバイス電子眼鏡、コンピュータ生成知覚入力およびデータ表示が可能なコンタクトレンズなどが挙げられるが、これらに限定されない。ディスプレイ270はまた、タップまたはスワイプジェスチャ等のタッチ入力を検出および受信するように動作可能なタッチスクリーンインターフェースを含んでもよい。ネットワークカード、ビデオカード、オーディオカード、USB、FireWireもしくは他の外部デバイス、カメラ、プリンタ、スピーカ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、ディスクドライブ、またはBlu-Rayデバイスなど、EOデバイス275などの他のEOデバイスも、プロセッサに結合され得る。さらなる非限定的な実施形態では、ディスプレイ270は、限定されないが、コンピュータモニタ、スピーカ、テレビ、スマートフォン、またはそれらの組み合わせなどの出力デバイスとして使用することができる。
【0025】
CPU260は、メモリ280などのメモリへアクセスすることができる。メモリ280は、揮発性および不揮発性ストレージのための様々なハードウェアデバイスのうちの1つ以上を含んでもよく、また読み取り専用メモリと書き込み可能メモリの両方を含んでもよい。例えば、メモリ280は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CPUレジスタ、読み出し専用メモリ(ROM)、および書き込み可能な不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD、DVD、磁気ストレージデバイス、テープドライブ、デバイスバッファ等を含み得る。メモリ280は非一時的メモリであってもよい。
【0026】
メモリ280は、オペレーティングシステム284などのオペレーティングシステムを含むプログラムおよびソフトウェアを記憶することができるプログラムメモリ282などのプログラムメモリを含むことができる。メモリ280は、API286などのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)、およびアプリケーションプログラム288などの他のコンピュータ化されたプログラムまたはアプリケーションプログラムをさらに含んでもよい。メモリ280はまた、データベースクエリ結果、構成データ、設定、ユーザーオプション、ユーザープリファレンス、またはプログラムメモリ282もしくはコンピューティングデバイス200の任意の要素に提供され得る他のタイプのデータを含み得るデータメモリ290などのデータメモリを含み得る。
【0027】
コンピューティングデバイス200は、車両性能データを送信するための送信機295などの送信機295を有し得る。送信機295は、有線接続または無線接続を有することができ、2G/3G/4Gセルラーネットワークを介してサーバに接続するためのマルチバンドセルラー送信機を含むことができる。他の実施形態はまた、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth、または情報を通信するための別の方法を利用し得る。
【0028】
電子クルーズシステム120は、様々なステータスを示すために、1つ以上のマイクロプロセッサに接続された1つ以上のLEDライト127または装置を有してもよい。電子クルーズシステム120は、モバイル位置決定システム(MLDS)または全地球測位システム(GPS)129を含んでもよく、それによって、制御システム124によって記憶された1つ以上の記憶済みまたは生成済みの地図と組み合わせて、自動二輪車100の地理的位置を決定することができる1つ以上の衛星無線機を含んでもよい。地図は、自動二輪車100が位置する地理的位置の地理空間環境として構築されてもよい。仮想マップは、高度および距離を決定するために、物理的な現実世界の地理および地形に対応する地理および地形を有することができる。
【0029】
センサ126は、フォトダイオードおよび関連する増幅および検出回路を有する標準的な赤外線(「IR」)検出器の形態で自動二輪車100のハウジングに装着された複数の検出器を含んでもよい。他の実施形態では、無線周波数、磁場、赤外線、コンピュータビジョン、電位差計、超音波センサ、およびトランスデューサが採用されてもよい。検出器は、任意の数の構成および配置で配置することができる。センサ126と組み合わせた制御システム124は、結果および効率のために、既存のまたは生成されたマップおよび衛星を使用することができる。いくつかの実施形態では、制御システム124は、制御システム124のデータベース上に記憶された1つ以上のマップと組み合わせて、高分解能深度マッピングのための改善された走査速度を有する任意の数のライダシステムを使用してもよい。センサ126は、RPM入力上のパルス間の時間の移動平均から10ミリ秒毎に計算され得る車輪rpmを計算するための1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0030】
センサ126は、自動二輪車100が壁、隆起した物体、または傾斜した表面もしくは地形に接近しているかどうかを判定するために、自動二輪車100の側面からのIR光を反射させ得る壁検出器の形態をなしてもよい。壁検出器は、制御システム124を介して、入力値を含む信号を1つ以上のマイクロプロセッサに送信することができる。次いで、1つ以上のマイクロプロセッサは、比較関数を使用して、受信された入力値を比較し、制御システム120のメモリ内に記憶された「起動」位置のためのある基準値の設定または期待値に対して、入力データを評価してもよい。
【0031】
電子クルーズシステム120は、自動二輪車100が降車地点または別の障壁に近づいているかどうかを判定するために、自動二輪車100の縁部付近の床から赤外(「IR」)光を反射させることが可能となり得る、崖検出器の形態をなすセンサ126をさらに含むことができる。動作中、自動二輪車100が、非限定的に崖の頂上などの降車地点に近づくと、崖検出器は、制御システム124を介して1つ以上のマイクロプロセッサに信号を送信することができる。次いで、1つ以上のマイクロプロセッサは、比較関数を使用して、受信された入力データを比較し、制御システム124のメモリ内に記憶されたある範囲の設定または期待値に対して、入力データを評価する。
【0032】
電子クルーズシステム120は、自動二輪車100が別の物体と衝突したときにトリガされて構成要素を保護し格納する衝撃センサの形態をなす検出器を有してもよい。例えば、検出器を有することは、自動二輪車100が外部物体と衝突しようとしている動作中に特に有用であり得る。衝撃検出器は、入力値を含む信号を制御システム124を介して1つ以上のマイクロプロセッサに送信する。次いで、マイクロプロセッサは、比較関数を使用して、受信された入力値を比較し、制御システム124のメモリ内に記憶されたある基準値の設定または期待値に対して入力データを評価する。
【0033】
電子クルーズシステム120は、収集されたデータに基づいて重み付けされたアルゴリズムを作成する1つ以上のデータベースに記憶された1つ以上の「学習」アルゴリズムを有してもよい。システムが成熟するにつれて、必要に応じて結果を提供するためのソフトウェアおよびアルゴリズムの複雑さが増大する。各セグメントの必要とされる伸長または収縮を決定するためのプロセスは、固定されてもよく(例えば、制御システム124内に事前プログラムされる)、あるいは可変であってもよく、センサ126等の感覚的および/または機械的機構等の種々の利用可能な入力デバイス265によってサポートされる。
【0034】
動作において、電子クルーズシステム120は、電子制御ユニット110がオフのとき、自動二輪車100またはスロットル104の機能が電子クルーズシステム120による影響を受けないように設計されてもよい。自動二輪車100がオンにされると、電子クルーズシステム120は、ボタンまたはレバーなどの1つ以上のアクチュエータによって手動で、あるいは自動二輪車100によって自動的にオンにされてもよい。アクチュエータはまた、速度を制御または再開し、加速し、あるいは減速し、さらにはスロットルロックモードをオンまたはオフにし、GPSシグナリングをオンまたはオフにし、あるいはバイクの速度を参照してスロットルをオンまたはオフにすることができる。
【0035】
電子クルーズシステム120がその速度センサ126との接続を失った場合、電子クルーズシステム120はスロットルロックのように機能することができる。スロットルロックモードにあるとき、電子クルーズシステム120は、操作者が設定した任意の位置にスロットル104を保持し、アクセルスリーブが回転してその静止位置に戻るのを防止するのに十分な付勢力をスロットルリターンスプリングに与える。
【0036】
これが行われている間、GPS129は信号を捕捉しようと試み、点滅する黄色光(または任意のタイプの通知)が、LED127上でこの機能の操作者に信号を送る。電子クルーズシステム120は、GPS信号(またはセンサ126からの任意の速度感知デバイス)が取得され、自動二輪車速度を読み取ることができるまで、スロットルロックモードで動作する。LED127は、GPS信号が電子クルーズシステム120に速度を提供する準備ができたときに緑色(または任意のタイプの通知)に変わる。使用中にGPS信号が中断された場合、電子クルーズシステム120は、速度の代わりのRPMを決定するために、車輪のRPMがセンサ126を介して測定される車輪センサモードに切り替わるか、あるいはスロットルロックモードに切り替わり、電子クルーズシステム120がGPS信号を取得しようと試みている間、点滅する黄色光または任意の他のタイプの通知を表示する。
【0037】
次に、操作者は、自動二輪車の速度を調節することができる。操作者は、単にスロットル104を回転させて、加速、減速、または速度を維持することができる。次いで、センサ126は、操作者がこれらの速度調節を行っていることを認識し、信号を制御システム124に送信することができる。
【0038】
操作者がスロットル104を回転させることによって速度を調節するとき、新しい速度は、スロットル調節機構128によってスロットル位置がどこに保持されるかを指示し、それによってスロットル104は新しい位置で定位置に保持される。制御システム124が較正している間、電子クルーズシステム120は、スロットルロックモードで動作することができ、それによって、新しい速度が、所望の新しい速度で安定した3~5秒間保持された後に保存され(しかしながら、これは非限定的であり、操作者によって決定される完全に調節可能なタイミングであってもよい)、次いで、較正されると、速度調節機能をGPS129に引き渡す。次に、電子クルーズシステム120は、電子制御ユニット110または自動二輪車100に信号を送信して、スロットル位置が常に自動二輪車の速度を参照するように、回転スロットル104の保持位置を調節することができる。所定の時間量に達していない場合、操作者が速度の調節を停止した後に以前の速度が維持されてもよく、あるいは、電子クルーズコントロールがオフになるか、もしくは、所定の時間量が定常速度に達した後に再較正するのを待ってもよい。これらの設定は、操作者によって予め設定されるか、操作者が自動二輪車に乗車している間に調節される。
【0039】
電子クルーズシステム120はまた、1つ以上のセンサ126またはGPS129によって決定され得る、丘および風のような自動二輪車に速度を変化させる環境の影響に従って、回転スロットルの位置を調節し得る。
【0040】
電子クルーズシステム120は解除または遮断され、それによってスロットルは干渉することなく跳ね返り、電子クルーズシステム120を形成する。これは、これらのパラメータのいずれかが満たされた場合に起こり得る。自動二輪車100は、オフにされるか、あるいは電力を失っている。電子クルーズシステム120は、操作者によってオフにされてもよく、それによってアクチュエータが押されるかあるいは押し下げられる。また、電子クルーズシステム120は、ブレーキ(フロントまたはリア)が係合されるか、あるいはクラッチが係合されたときにオフにされてもよく、それによって、RPMセンサのスパイクが発生し、操作者は、レッドラインもしくはRPM、操作者による調節可能なRPM設定、クラッチレバーセンサを選択するか、あるいは、加速度計が、自動二輪車100が転倒したかあるいは事故を引き起こす別の物体または任意の他のセンサと衝突したと判定する。さらなる実施形態において、電子クルーズシステム120は、信号が電子クルーズシステム120とブレーキとの間で送信されるときに、電子クルーズシステム120がブレーキを作動させて様々な程度のブレーキをかけることができるように、自動二輪車100の1つ以上のブレーキと一体化される。
【0041】
本発明の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であること、または本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正および変形が可能である。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最良に説明し、それによって当業者が本発明を様々な実施形態において、また企図される使用に適した様々な修正とともに最良に使用することを可能にするように選定および説明された。
【国際調査報告】