(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ゲーム関連デジタル資産用の分割非代替トークン
(51)【国際特許分類】
A63F 13/70 20140101AFI20241106BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20241106BHJP
【FI】
A63F13/70
A63F13/79
A63F13/86
A63F13/79 520
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524695
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022045942
(87)【国際公開番号】W WO2023076015
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、イーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】トムゼック、マット
(72)【発明者】
【氏名】ウェッブ、ジョン
(57)【要約】
【解決手段】デジタルゲーム資産の非代替トークン(NFT)シェアを分割するための方法及びシステムが提供される。本方法は、ゲームに関連付けられたゲームイベントを描写するデジタル資産を生成することを含む。本方法は、デジタル資産の非代替トークン(NFT)を取得することを含む。NFTは、上記デジタル資産の格納先への参照とともに、ブロックチェーンに格納される。NFTの取得することは、上記NFTを分割するための命令またはパラメータを含む。NFTの分割することは、NFTのシェアセットを作成する。本方法は、NFTのシェアをオンラインゲームシステムのユーザに割り当てることを含む。シェアは、ユーザコミュニティの中で交換可能である。本方法は、NFTのシェアセットのそれぞれの使用を追跡することと、オンラインゲームシステムによって、各シェアに価値インジケータを付与することとを含む。価値インジケータは、オンラインゲームシステム内でのシェアの使用レベルを表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインゲームシステムでデジタルゲーム資産をシェアする方法であって、
ゲームに関連付けられたゲームイベントを描写するデジタル資産を生成することと、
前記デジタル資産の非代替トークン(NFT)を取得することであって、前記NFTが、前記デジタル資産の格納先への参照とともに、ブロックチェーンに格納される、前記取得することと、
前記NFTを分割することであって、前記分割することが、前記NFTのシェアセットを作成する、前記分割することと、
前記NFTのシェアを前記オンラインゲームシステムのユーザに割り当てることであって、前記シェアが、前記オンラインゲームシステムのユーザコミュニティの中で交換可能である、前記割り当てることと、
前記NFTの前記シェアセットのそれぞれの使用を追跡することと、
前記オンラインゲームシステムによって、各シェアに価値インジケータを付与することであって、前記価値インジケータが、前記オンラインゲームシステム内での前記シェアの使用レベルを表示する、前記付与することと、
を含む方法。
【請求項2】
各シェアの使用レベルは、前記オンラインゲームの前記ユーザコミュニティの中での前記NFTの前記シェアの取引を識別する取引メトリックに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記価値インジケータは、それぞれの前記ユーザのプロフィールのうちのプロフィールに関連付けられ、前記価値インジケータは、他のユーザに前記シェアの所有を視覚的に通知する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記NFTの前記シェアを割り当てられた前記ユーザは、前記ゲームイベントの観客であったことが識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ゲームイベントの観客のみに前記シェアセットのシェアを割り当てることであって、前記NFTの前記シェアが、各ユーザのプロフィールにリンクされ、前記シェアが、重要性識別子を用いて、前記ユーザの前記プロフィール内で識別される、前記割り当てることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲーム中に1つ以上の追加のデジタル資産が生成され、各追加のデジタル資産が、重要性を有する追加のゲームイベントを表現する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デジタル資産の前記生成すること、及び前記デジタル資産の前記NFTの前記取得することは、前記ゲームのプレイ中に、前記ゲームイベントの重要性の識別に基づいて自動的に処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記NFTの前記シェアセットへの前記分割することは、自動的に処理され、前記シェアセットのそれぞれは、前記ゲームイベントが発生したときに観戦していた1人以上の観客に割り当てられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
デジタルゲーム資産の非代替トークン(NFT)シェアを分割する方法であって、
ゲームに関連付けられたゲームイベントを描写するデジタル資産を生成することと、
前記デジタル資産の非代替トークン(NFT)を取得することであって、前記NFTが、前記デジタル資産の格納先への参照とともに、ブロックチェーンに格納され、前記NFTの前記取得することが、前記NFTを分割するための命令を含み、前記分割することが、前記NFTのシェアセットを作成する、前記取得することと、
前記NFTのシェアをオンラインゲームシステムのユーザに割り当てることであって、前記シェアが、ユーザコミュニティの中で交換可能である、前記割り当てることと、
前記NFTの前記シェアセットのそれぞれの使用を追跡することと、
前記オンラインゲームシステムによって、各シェアに価値インジケータを付与することであって、前記価値インジケータが、前記オンラインゲームシステム内での前記シェアの使用レベルを表示する、前記付与することと、
を含む方法。
【請求項10】
各シェアの前記使用レベルは、前記NFTの各シェアの独立した使用を識別するインタラクションメトリックに関連付けられている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記価値インジケータは、それぞれの前記ユーザのプロフィールのうちのプロフィールに関連付けられ、前記価値インジケータは、他のユーザに前記シェアの所有を視覚的に通知する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記NFTの前記シェアを割り当てられた前記ユーザは、前記ゲームイベントのプレイヤまたは観客であったことが識別される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲームイベントの観客のみに前記シェアセットのシェアを割り当てることであって、前記NFTの前記シェアが、各ユーザのプロフィールにリンクされ、前記シェアが、重要性識別子を用いて、前記ユーザの前記プロフィール内で識別される、前記割り当てることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ゲーム中に1つ以上の追加のデジタル資産が生成され、各追加のデジタル資産が、重要性を有する追加のゲームイベントを表現する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタル資産の前記生成すること、及び前記デジタル資産の前記NFTの前記取得することは、機械学習モデルを使用して、前記ゲームのプレイ中に、前記ゲームイベントからのコンテキストデータの識別に基づいて自動的に処理される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記NFTの前記シェアセットへの前記分割することは、自動的に処理され、前記シェアセットのそれぞれは、前記ゲームイベントが発生したときに観戦していた1人以上の観客に割り当てられる、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記NFTの前記シェアセットへの前記分割することは、自動的に処理され、前記シェアセットのそれぞれは、前記ゲームイベント中に居合わせたプレイヤ及び観客のうちの1人以上に割り当てられる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ゲーム関連のデジタル資産の生成及び使用、ならびに上記デジタル資産用非代替トークンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ビデオゲーム業界は、長年にわたり多くの変化を遂げてきた。近年、ソーシャルメディアによってゲームの人気が高まり、一部のゲーマーの知名度も高まっている。多くの場合、人気ゲーマーは、ユニークなゲームの動きやプレイのテクニックを見たいという観客、または単にゲーマーが特定のゲームをプレイしているビデオを視聴したいだけという観客を引き付ける。往々にして、ゲーマーは、いつプレイするかをフォロワーに宣伝するようになり、1人以上のフォロワーが、セッションにログインして、閲覧して学び、あるいは他のフォロワーまたはプレイヤと交流することができる。ゲームの文脈では、ゲーマー及び/またはフォロワーがデジタルメディアを作成する場合がある。このデジタルメディアは、ゲームのプレイ中に、またはゲームに関連して他のユーザと交流しているときに、作成され得る。時には、生成されるデジタルメディアは、ゲームプレイの一部、またはゲーム中に発生した興味を引くイベントもしくはアクションの記録であり得る。デジタルメディアがどのように作成されたかに関係なく、デジタルメディアの閲覧者は、メディアの重要性を理解していない場合があり、及び/またはデジタルメディアを作成した作成者の許可または承認を得ずに、デジタルメディアを使用しようとする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような文脈で、本開示の実施態様が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施態様には、作成者によって生成されたデジタルメディアを管理するための方法及びシステムが含まれる。デジタルメディアには、コンピューティングデバイスによってレンダリングされたときに閲覧可能または聴取可能な、あらゆるコンテンツが含まれ得る。一例では、ビデオゲームのプレイヤがゲームをプレイすることがあり、プレイヤがいくつかのアクションまたは目標を達成するためにゲームをプレイするやり方が、ゲームアクションを提示するゲームのビデオクリップによって表現され得る。したがって、プレイヤがゲームを作成したわけではないが、プレイヤのゲームプレイには、例えば、移動、アクション、獲得ポイント、コンテンツまたは操作とのインタラクション、観客の視点、ゲームのシェア、チャット対話などが含まれる。ある構成では、ゲームプレイが、ビデオクリップ、またはゲームコンテンツのシェア可能な部分に記録された場合、ゲームプレイは、プレイヤによって作成されたデジタルメディアに相当し得る。
【0005】
状況によっては、プレイヤが重要な目標を達成したり、ユニークなチャレンジを実行したりするなどのイベントが発生する場合があり、そのイベントの記録(例えば、ビデオクリップ)が生成され得る。この例では、ビデオクリップは、プレイヤがゲームプレイの一部からビデオクリップを作成することを選択することに応答して、またはプレイヤもしくは別の閲覧者による発生したイベントの一部からクリップを作成するという他の何らかの要求に応答して作成されるデジタルメディアである。場合によっては、イベントに複数のプレイヤが参加することがあり、2人以上のプレイヤが、チームまたはグループとして一緒にプレイすること、あるいは他のプレイヤと対戦することによって達成した、いくばくかの成果がイベントに提示されることがある。
【0006】
一実施形態では、イベントに参加し、イベントの生成されたビデオクリップ(例えば、デジタルメディア)に関連付けられたプレイヤが、他のユーザとのイベントのシェアを希望する場合がある。ただし、イベントが独自のコンテンツを提示する場合、デジタルメディアは、イベントとは関係のない人々によってシェアされることがあり、オンラインまたは他の何らかの形式でイベントを提示することから利益を得ることさえもある。デジタルメディアのプレイヤ作成者を保護するために、プレイヤはデジタルメディアの非代替トークン(NFT)を生成することを決定する場合がある。デジタルメディアのNFTは、NFTに関連付けられたデジタルメディアの暗号化されたまたは保護されたトークン化である。NFTは、NFTの所有者にデジタルメディアの信頼性を検証する方法を提供し、さらにNFT用に確立されたルールに従ってNFTを販売または取引できるようにする。
【0007】
一実施形態では、プレイヤによって作成されたデジタルメディアのNFTを分割することが可能になる方法が提供される。一実施形態では、NFTが作成されると、NFTの作成者はNFTに関連付けられた分割シェア数を設定する。一実施形態では、分割シェアを任意のシェア数に設定することができ、各シェアは異なる割合を持つことができる。別の実施形態では、シェア数は、デジタルメディアを制作したイベントの参加者に関係している。例えば、3人のプレイヤの組が、目標を達成したチームの一員であった場合、それらのプレイヤのそれぞれには、イベントに関連付けられたNFTの分割シェアが割り当てられることになる。いくつかの実施形態では、イベントをライブで、またはイベントが発生したときに視聴したフォロワーまたは閲覧者には、イベントが発生したときに居合わせたことに対する報酬として、分割NFTが割り当てられ得る。
【0008】
場合によっては、これらの分割NFTは、保有者や、保有者が分割物を保有していることに気付いた他の人にとって、本質的価値を持つことがある。例えば、NFTの分割シェアを保有する者が、NFTの分割所有権を識別する固有の画像を受け取る場合がある。固有の画像またはシンボルは、ユーザ/プレイヤのプロフィールに表示され、あるいはプレイヤがライブゲームをプレイしているとき、またはフォロワー/観客が視聴しているときに、提示されてもよい。NFTを象徴する画像は、ある実施形態では、ゲームの世界におけるトロフィーのように機能することができる。いくつかの実施形態では、NFTの分割シェアを売却または取引することができ、各取引または売却を追跡することができる。このように、NFTのシェアが頻繁に取引されると、ゲームコミュニティ、ユーザ、人々、またはプレイヤによる人気または望ましさのため、その価値が本質的に上昇する可能性がある。例えば、各取引を追跡し、NFTシェアの人気または望ましさを表す取引値を割り当てることができる。NFT画像はまた、カウンタを有してもよく、カウンタは、他のユーザによる取引数及び/または「いいね」の数による人気スコアを提示する。
【0009】
一実施形態では、オンラインゲームシステムでデジタルゲーム資産をシェアする方法が提供される。本方法は、ゲームに関連付けられたゲームイベントを描写するデジタル資産を生成することを含む。デジタル資産の非代替トークン(NFT)を取得する。NFTは、上記デジタル資産の格納先への参照とともに、ブロックチェーンに格納される。本方法は、上記NFTを分割することであって、分割することが、NFTのシェアセットを作成する、分割することを含む。次に、NFTのシェアをオンラインゲームシステムのユーザに割り当てる。シェアは、オンラインゲームシステムのユーザコミュニティの中で交換可能である。本方法は、さらに、NFTのシェアセットのそれぞれの使用を追跡することと、オンラインゲームシステムによって、各シェアに価値インジケータを付与することとを含む。価値インジケータは、オンラインゲームシステム内でのシェアの使用レベルを表示する。
【0010】
いくつかの実施形態では、各シェアの使用レベルは、オンラインゲームのユーザコミュニティの中でのNFTのシェアの取引を識別する取引メトリックに関連付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態では、価値インジケータは、それぞれのユーザのプロフィールのうちのプロフィールに関連付けられ、価値インジケータは、他のユーザに上記シェアの所有を視覚的に通知する。
【0012】
別の実施形態では、デジタルゲーム資産の非代替トークン(NFT)シェアを分割する方法が提供される。本方法は、ゲームに関連付けられたゲームイベントを描写するデジタル資産を生成することを含む。本方法は、デジタル資産の非代替トークン(NFT)を取得することを含む。NFTは、上記デジタル資産の格納先への参照とともに、ブロックチェーンに格納される。NFTの取得することは、上記NFTを分割するための命令またはパラメータを含む。NFTの分割することは、NFTのシェアセットを作成する。本方法は、NFTのシェアをオンラインゲームシステムのユーザに割り当てることを含む。シェアは、ユーザコミュニティの中で交換可能である。本方法は、NFTのシェアセットのそれぞれの使用を追跡することと、オンラインゲームシステムによって、各シェアに価値インジケータを付与することとを含む。価値インジケータは、オンラインゲームシステム内でのシェアの使用レベルを表示する。いくつかの実施形態では、NFTシェアは、オンラインゲームシステムまたはコミュニティの外部で取引することができ、例えば、任意の通信方法、プログラム、ソーシャルメディア、またはプライベートメッセージを介して任意のユーザとシェアすることができる。
【0013】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態による、ユーザがデジタルメディアからNFTを作成することを決定し、NFTが分割される実施形態を例示する。
【
図2】一実施形態による、1人以上のユーザによって選択されたゲームイベント102の例を例示する。
【
図3】一実施形態による、個別に価値インジケータに関連付けられる分割されたNFTシェアの例を例示する。
【
図4】一実施形態による、ユーザAがゲーム202をプレイしている間に画面上に何らかの形式で表示されるNFTシェア206の例を例示する。
【
図5】一実施形態による、NFTシェアの詳細を識別するために、第三者、例えば観客またはソーシャルメディア閲覧者によってNFTシェアが選択され得る実施形態を例示する。
【
図6】本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイスの構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の以下の実施態様は、デジタルメディア用の分割された非代替トークン(NFT)の生成を可能にする方法、システム、及びデバイスを提供する。一実施形態では、デジタルメディアは、ゲーム関連のコンテンツ、例えば、ゲームの一部の記録、またはゲームもしくはゲーム内に描かれたイベントに関連する画像、またはゲームの記録である。
【0017】
一実施形態では、プレイヤによって作成されたデジタルメディアのNFTを分割することが可能になる方法が提供される。一実施形態では、NFTが作成されると、NFTの作成者はNFTに関連付けられた分割シェア数を設定する。他の実施形態では、分割シェア数は、NFTの作成に使用されるデジタルメディアのコンテキストに応じて、システムによって自動的に設定される。一実施形態では、分割シェアを任意のシェア数に設定することができ、各シェアは異なる割合を持つことができる。別の実施形態では、シェア数は、デジタルメディアを制作したイベントの参加者に関係している。例えば、3人のプレイヤの組が、目標を達成したチームの一員であった場合、それらのプレイヤのそれぞれには、イベントに関連付けられたNFTの分割シェアが自動的に割り当てられることになる。いくつかの実施形態では、イベントをライブで、またはイベントが発生したときに視聴したフォロワーまたは閲覧者には、イベントが発生したときに居合わせたことに対する報酬として、分割NFTが割り当てられ得る。
【0018】
場合によっては、これらの分割NFTは、保有者や、保有者が分割物を保有していることに気付いた他の人にとって、本質的価値を持つことがある。例えば、NFTの分割シェアを保有する者が、NFTの分割所有権を識別する固有の画像を受け取る場合がある。固有の画像またはシンボルは、ユーザ/プレイヤのプロフィールに表示され、あるいはプレイヤがライブゲームをプレイしているとき、またはフォロワー/観客が視聴しているときに、提示されてもよい。NFTを象徴する画像は、ある実施形態では、ゲームの世界におけるトロフィーのように機能することができる。いくつかの実施形態では、NFTの分割シェアを売却または取引することができ、各取引または売却を追跡することができる。このように、NFTのシェアが頻繁に取引されると、ゲームコミュニティ、ユーザ、人々、またはプレイヤによる人気または望ましさのため、その価値が本質的に上昇する可能性がある。例えば、各取引を追跡し、NFTシェアの人気または望ましさを表す取引値を割り当てることができる。NFT画像はまた、カウンタを有してもよく、カウンタは、他のユーザによる取引数及び/または「いいね」の数による人気スコアを提示する。
【0019】
図1は、一実施形態による、ユーザがデジタルメディアからNFTを作成することを決定し、NFTが分割される実施形態を例示する。この例では、ユーザAは、ゲームをプレイしており、特定のレベルのゲームの楽しさ、達成感、レベル、またはゲーム内の興味のあるポイントを体験する場合がある。ユーザが興味を持った瞬間を含むゲーム部分のビデオクリップなど、ゲームの一部をキャプチャすることができる。一実施形態では、ユーザによって選択されたゲーム内の関心ポイントは、ゲームイベント102に関連している場合がある。ゲームイベント102がキャプチャまたは作成されると、そのコンテンツの一部はゲームイベントのデジタルメディア(DM)104として識別される。デジタルメディアは、ファイル形式または他の何らかのデジタル形式にすることができ、ユーザのデバイスにローカルに格納すること、またはインターネット経由でアクセス可能なストレージ(例えば、クラウドストレージ)にリモートで保存することができる。ユーザによってデジタルメディア104が選択されると、ユーザは、操作106で、デジタルメディアのNFTを生成することを決定することができる。
【0020】
デジタルメディア用のNFTの生成は、NFTのミントを可能にするためにデジタルウォレットを利用するプロセスを含む場合がある。デジタルウォレットは、暗号通貨を入れることができ、ユーザが、NFTをミントするために使用すべきデジタルウォレットを見つけるために、暗号通貨を購入できるようにするように、多数のウェブサイト上またはカスタムウェブサイト上にデジタルウォレットを作成することができる。一般的に言えば、NFTをミントすることは、デジタルメディアが公開台帳、つまりブロックチェーンの一部となる方法である。そのような公開台帳の1つがイーサリアムブロックチェーンであり、これは変更不可能で改ざん不可能な公開台帳である。一実施形態では、NFTをブロックチェーンにミントすると、ルールまたはプログラミングの生成をミントプロセスに割り当てることも可能になる。一実施形態では、NFT向けにシェアの割り当てを作成することが可能になるカスタムプログラミングが提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、ゲームシステムによって提供されるものなどのプライベートブロックチェーンを利用することができる。プライベートブロックチェーンは、NFTのミントと各NFTの関連シェアとを追跡できるようにするプライベート台帳を利用することができる。このように、NFTは単一のNFTではなく、1つのオリジナルNFTのシェアである。シェアはNFTの分割を定義し、それらの分割シェアを特定のユーザに割り当てた。前述のように、ユーザは、デジタルメディアの作成時にデジタルメディアに関連付けられたユーザ、例えばゲーム内のプレイヤまたはゲーム内の観客である場合があり、あるいはデジタルメディアのコンテンツの一部ではなかった第三者のユーザに割り当てられる場合がある。いくつかの実施形態では、NFTシェアの各受領者は、友人間でNFTシェアを取引すること、またはそれらのNFTシェアを販売することができる。
【0022】
一実施形態では、NFTシェアまたは使用レベルに対してトランザクションがいつ発生したかを識別し、取引されているシェアに関連付けられた値を提供するための追跡機構が提供される。例えば、NFTは他よりも多くの取引がシェアされて、より価値があると見なされ得る。いくつかの実施形態では、他の人々がそれらのNFTシェアの価値を確認することができるように、NFTシェアのグラフィカル表現に一意の識別子を提供することができる。いくつかの実施形態では、一意の識別子は、グラフィカルユーザインターフェースのアイコンまたは画像の形式であり得る。価値インジケータは、その使用、取引、「いいね」、関心コメントなどに関連付けられた集計を識別する数値の形式で提供され得る。
【0023】
NFTの分割108が発生すると、それらの分割NFTシェア110は、NFTを作成したユーザに関連付けられる。一例として、分割されたNFTの作成者は、たとえそれらのシェアがオリジナルの作成者によって他のユーザに配布された(112)としても、各シェアで識別することができる。いくつかの実施形態では、後述するように、分割されたNFTが作成されると、NFTシェアの権利を持つ者を識別するシステムによって、そのNFTシェアの配布が自動的に行われ得る。
【0024】
図2は、1人以上のユーザによって選択されたゲームイベント102の例を例示する。ユーザは、オンラインゲーム、またはオンラインでないコンソールゲーム、または複数の観客が閲覧可能なストリーミングゲームから、NFTイベントを選択できる。発生する可能性のあるゲームイベントの種類は多数あり、それらの重要なゲームイベントの識別は、重要なゲームイベントを識別するためのロジックを含むことができる。例として、特定のゲームで予想よりも高いスコア、またはコミュニティメンバーが達成したスコアよりも高いスコアが達成された場合、その達成されたことが自動的に識別され得る。他の実施形態では、重要なイベントの識別は、1人以上のゲームプレイヤによって行われ得る。デジタルメディア(DM)104が1人以上のユーザによって識別され、選択されると、そのDM104はNFT106の生成に利用することができるようになる。
【0025】
前述のように、DMのNFTの生成は、そのNFTが分割される(108)ものとして識別するプログラミング命令を含むことができる。一実施形態では、デジタルメディア104で発生するゲームイベントのコンテキストに応じて、コンテキストデータ126が自動的に生成される。一実施形態では、デジタルメディア104に具体化されたゲームイベント102で発生したゲームデータを検査するために、機械学習が利用される。機械学習は、重要なイベント、キャラクタ、ゲームレベル、インタラクション、チャット、過去のパフォーマンスなどのメトリックを識別することができる。そして、コンテキストデータ126は、シェア割り当てパラメータ128を生成するために使用され得る。シェア割り当てパラメータ128は、分割NFT108プロセスで使用可能なコード、命令、またはルールの形式であってもよい。例えば、コンテキストデータ126が、プレイヤが注目すべき目標を達成した非常に重要なゲームイベント102を識別した場合、シェア割り当てパラメータ128は、そのイベントに居合わせたプレイヤ及び観客を識別できる。一実施形態では、分割NFT108プロセスは、分割NFTシェア120を自動的に生成することができ、その重要なイベントに参加している各プレイヤ及び各観客にNFTシェア124が割り当てられる。
【0026】
NFTシェア124が、ゲームイベントをプレイしていたか、または観客としてゲームイベントを閲覧していた特定のユーザに割り当てられると、個々のNFTシェア124のインタラクションを識別するために、シェアインタラクション追跡130が利用される。例えば、NFTシェア124を友人と交換することを決定するユーザもいれば、NFTシェア124を保持し、プレイヤまたはユーザがその重要なイベントの際に、どのように居合わせたかを提示するのを表示させることができるトロフィーのように利用することを決定できるユーザもいる。いくつかの実施形態では、プロフィールに関連付けられたアイコンまたはグラフィック(例えばトロフィーと似ている)を利用してNFTシェア124の所有権を提示できるユーザまたはプレイヤは、それぞれのシェアに対して生成された価値を識別する情報を、さらに提示することもできる。
【0027】
例えば、シェアが頻繁に「いいね」されている、または頻繁に取引されている、または頻繁に販売されている、または高値で販売されている場合、その情報を使用して、操作132で特定のNFTシェア124に生成された価値を評価し、割り当てることができる。したがって、各NFTシェア124は、そのNFTシェアが他のNFTシェアとは独立して存在すると同時に、デジタルメディア104を生み出し、分割されたNFTにレンダリングされた単一のゲームイベント102の一部であるため、独自の歴史的価値とインタラクションメトリックとを維持する。
【0028】
図3は、一実施形態による、個別に価値インジケータに関連付けられる分割されたNFTシェアの例を例示する。まずデジタルメディア104が選択され、次にミントされる(150)。前述のように、ミントプロセスは、公開されている台帳/ブロックチェーンまたはプライベート台帳/ブロックチェーンを使用して行われ得る。一実施形態では、ミントプロセスは、操作152で分割データを設定するためのコーディングを可能にする。分割データは、シェア割り当てパラメータを設定するコードである。シェア割り当てパラメータは、さまざまなユーザ、またはプレイヤ、または観客に割り当てることになっているシェアの数を識別する。いくつかの実施形態では、このコードは、NFTシェアのそれぞれに異なる値を割り当てることができる。
【0029】
したがって、すべてのNFTシェアが同じ価値を持つ必要はない。例えば、デジタルメディアのプレイヤは、NFTシェアに対してより高い価値を受け取る可能性があるが、それに応じて観客は、より低い価値のNFTシェアをシェアすることになる。一例として、コンテキストデータ126によって識別されるデジタルメディアに2人のプレイヤがいる場合、2人のプレイヤがそれぞれNFTの25パーセントを受け取り、10人の観客がそれぞれNFTの5パーセントのシェアを受け取る場合がある。合計すると、分割108中に12個のNFTシェアが生成され得る。理解していただきたいのは、これは分割が行われ得る方法の一例に過ぎず、各NFTシェアに割り当てられる実際の価値と生成されるシェアの数とは、コンテキストデータ126で何をすべきかを識別するために利用するコードに依存するか、または作成者ユーザがNFTを分割すると決定したものに基づくということである。例えば、デジタルメディア104を作成することを決定した単一の主要プレイヤがいる場合、その単一の主要プレイヤは、NFTの制御を維持するために、NFTを51パーセント以上の作成者シェアに分割することを決定することができ、その場にいる、または作成者を応援している任意の数の観客にシェアの49パーセントを分配することを許可してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、多数の観客が存在する可能性があり、観客用に生成されるNFTシェアの数が多くなる可能性があるが、各NFTシェアの価値を識別するために個別に追跡することは依然として可能である。
図3の例では、プレイヤ1とプレイヤ2がNFTシェアを受け取り、観客もまたNFTシェアを受け取る。プレイヤ1はゲームコミュニティで非常にアクティブなプレイヤであり、一方プレイヤ2はそれほどアクティブではない。この例では、観客1もまた非常にアクティブな観客である。NFTシェア180のアクティビティ追跡は、各プレイヤ、またはユーザ、または観客が、ゲーム環境、ソーシャルメディア、またはプライベートシェアもしくは販売でNFTシェアを利用するときに、経時的に行われる。NFTシェアは、ユーザまたはプレイヤ間のシェア、取引、販売、表示またはインプレッションの数、「いいね」の数、NFTシェアに関連付けられたコメントの数、閲覧数などを追跡できる。図に示すように、NFTシェア180のアクティビティ追跡には、シェアまたは取引の追跡182、販売の追跡184、表示の追跡186が含まれ得る。これらは、NFTシェアのユーザが、ゲーム環境内またはゲーム環境外でNFTシェアと関わり合うときに可能な追跡の種類のほんの一例に過ぎない。
【0031】
説明のために、グラフィカルアイコン156はNFTシェア1の価値が1277であることを例示し、グラフィカルアイコン156はNFTシェア2の価値が3であることを例示し、グラフィカルアイコン158はNFTシェア3の価値が5173であることを例示する。これらの価値インジケータは、NFTの使用に関連するメトリックの組み合わせになり得る。前述のように、メトリックには、ユーザがゲームをプレイしている間の表示数またはインプレッション数(トロフィーと同様)、NFTシェアの「いいね」の数、デジタルメディアの下線付きNFTシェアの閲覧数、デジタルメディアの下線付きNFTシェアに関連付けられたコメント数、NFTシェアのクリック、NFTシェアの「いいね」、またはNFTシェアの基盤となるメディアコンテンツとの何らかのインタラクションが含まれ得る。この例は、一度作成されたNFTシェアが他のNFTシェアから独立して存続できるものの、元のデジタルメディア104に依然として結び付けられており、デジタルメディア104を作成するために利用されるゲームイベント102に関連する閲覧、コメントなどのために、デジタルメディアへの独立したアクセスを提供する方法を示している。
【0032】
図4は、一実施形態による、ユーザAがゲーム202をプレイしている間に画面上に何らかの形式で表示されるNFTシェア206の例を例示する。この図では、ユーザAがビデオゲームでプレイヤ204を制御しており、そのゲームプレイはNFT206に関連付けられたゲームイベントまたはデジタルメディアとは独立している可能性がある。他の実施形態では、プレイ中の同じゲームに関連してNFTシェアが獲得または取得された場合、NFT206はゲーム中に自動的に表示される。このように、ユーザAがゲーム202に関連するNFTシェア206を持っている場合、システムは自動的にユーザのプロフィールからNFTシェアアイコンまたはグラフィックにアクセスし、観客として視聴している他のユーザがユーザAのゲームでのパフォーマンスを確認できるように表示する。
【0033】
いくつかの実施形態では、ゲームプレイ中に複数のNFTシェアを表示して、プレイヤの強さ、人気、またはスキルレベルを例示することができる。ディスプレイ上へのNFTシェアの表示は、前述のように自動的に実行することも、ユーザがゲームプレイ中にNFTシェアを提示するように決定することもできる。いくつかの実施形態では、NFTシェア206は、プレイヤがNFTシェアを取得したコンテンツに関連するゲーム内のポイントに到達したときに、シェアがゲームをプレイすることによって取得されたのか、ゲームを観戦することによって取得されたのか、及びそのシナリオがゲーム内で発生したのかに関係なく、アイコンとして表示することができる。
【0034】
図5は、NFTシェアの詳細を識別するために、第三者、例えば観客またはソーシャルメディア閲覧者によってNFTシェアが選択され得る実施形態を例示する。例えば、プレイヤがゲームをプレイしている間に観客がNFTシェアが表示されるのを見て、観客はNFTシェアの重要性を理解したいと考える場合がある。詳細情報250を選択すると、ゲームイベント、ゲームイベントの詳細、ゲームイベントの閲覧などの詳細252が提供され、ユーザがゲームイベントを再生してNFTシェアの重要性を理解できるようにする。いくつかの実施形態では、ユーザがNFTシェア1を閲覧することを選択した場合、ユーザはそのシェアの重要性と、そのイベントに対して生成された他のシェアの数とを理解したい場合がある。操作254では、第三者または閲覧者がNFTシェアについてさらに理解したい場合、及び/またはその重要性を理解したい場合に、分割されたNFTの他のすべてのシェアを表示することができる。
【0035】
一実施形態では、すべてのシェアが選択可能であり、その価値に関する関連情報を表示することができる。この例では、各シェアは、表示データ256、258、及び260を有する。この表示データにより、あるNFTが他のNFTと比べてどれだけ価値があるか、またはそのNFTがシェア、コメント、閲覧、表示された頻度などを識別することができる。一実施形態では、NFTシェアの価値が変化すると、この情報をバッチ処理してNFTシェアにミントし戻し、NFTシェアの価値の永続的な記録を提供することができる。いくつかの実施形態では、NFTシェアの新しい価値データが生成されたときに、追加のミントを即座に実行できる。いくつかの実施形態では、効率化のためにNFTシェアの追加またはバッチ化された価値のデータが収集されたときに、追加のミントが定期的に実行される。
【0036】
図6は、本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイス600の構成要素を示す。このブロック図は、本開示の実施形態を実施するのに好適なパーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、または他のデジタルデバイスを組み込むことができる、またはこれらであり得る、デバイス600を示す。デバイス600は、ソフトウェアアプリケーション及び任意選択でオペレーティングシステムを実行するための中央処理装置(CPU)602を含む。CPU602は、1つ以上の同種または異種の処理コアで構成されてもよい。例えば、CPU602は、1つ以上の処理コアを有する1つ以上の汎用マイクロプロセッサである。さらなる実施形態は、クエリの解釈、文脈的に関連するリソースの識別、及び文脈的に関連するリソースのビデオゲーム内での即時実施及びレンダリングなど、高並列及び計算集約的なアプリケーションに特に適合したマイクロプロセッサアーキテクチャを有する1つ以上のCPUを使用して、実施することができる。デバイス600は、ゲームセグメント(例えば、ゲームコンソール)をプレイするプレイヤにローカライズされたもの、またはプレイヤからリモートであるもの(例えば、バックエンドサーバプロセッサ)、またはクライアントへのゲームプレイのリモートストリーミングのためにゲームクラウドシステムで仮想化を使用する多くのサーバの1つであってもよい。
【0037】
メモリ604は、CPU602が使用するアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ606は、アプリケーション及びデータのための不揮発性ストレージ及びその他のコンピュータ可読媒体を提供し、固定ディスクドライブ、リムーバブルディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD-ROM(登録商標)、DVD-ROM(登録商標)、Blu-ray(登録商標)、HD-DVD(登録商標)、またはその他の光学ストレージデバイス、ならびに信号伝送及びストレージメディアを含んでもよい。ユーザ入力デバイス608は、1人以上のユーザからのユーザ入力をデバイス600へ通信し、ユーザ入力デバイス608の例には、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スチルレコーダ/カメラもしくはビデオレコーダ/カメラ、ジェスチャを認識する追跡デバイス、及び/またはマイクロフォンが挙げられ得る。ネットワークインタフェース614は、電子通信ネットワークを介してデバイス600が他のコンピュータシステムと通信することを可能にするものであり、ローカルエリアネットワークやインターネットなどのワイドエリアネットワークを介した有線または無線の通信を含み得る。オーディオプロセッサ612は、CPU602、メモリ604、及び/またはストレージ606によって提供される命令及び/またはデータから、アナログまたはデジタルのオーディオ出力を生成するように適合されている。CPU602、メモリ604、データストレージ606、ユーザ入力デバイス608、ネットワークインタフェース610、及びオーディオプロセッサ612を含むデバイス600の構成要素は、1つ以上のデータバス622を介して接続されている。
【0038】
グラフィックスサブシステム620が、データバス622及びデバイス600の構成要素とさらに接続されている。グラフィックスサブシステム620は、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)616とグラフィックスメモリ618とを含む。グラフィックスメモリ618は、出力画像の各画素の画素データを格納するために使用される表示メモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックスメモリ618は、GPU608と同じデバイスに統合されてもよく、GPU616と別個のデバイスとして接続されてもよく、及び/またはメモリ604内に組み込まれてもよい。画素データは、CPU602から直接グラフィックスメモリ618に提供することができる。あるいは、CPU602は、所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令をGPU616に提供し、そこからGPU616が1つ以上の出力画像の画素データを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ604及び/またはグラフィックスメモリ618に格納することができる。実施形態では、GPU616は、シーンのジオメトリ、ライティング、シェーディング、テクスチャリング、モーション、及び/またはカメラパラメータを定義する命令及びデータから、出力画像用の画素データを生成するための3Dレンダリング機能を含む。GPU616は、シェーダプログラムを実行することができる1つ以上のプログラマブル実行ユニットをさらに含むことができる。
【0039】
グラフィックスサブシステム614は、グラフィックスメモリ618から画像の画素データを定期的に出力して、ディスプレイデバイス610に表示させる。ディスプレイデバイス610は、CRT、LCD、プラズマ、及びOLEDディスプレイを含む、デバイス600からの信号に応答して視覚情報を表示することができる任意のデバイスであり得る。デバイス600は、例えば、アナログ信号またはデジタル信号をディスプレイデバイス610に提供することができる。
【0040】
現在の実施形態のゲームへのアクセス提供など、広範囲な地域にわたり配信されるアクセスサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用することに留意されたい。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで多くの場合仮想化されたリソースがインターネット経由のサービスとして提供される、コンピューティング様式である。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」の技術的インフラストラクチャのエキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などの異なるサービスに分けることができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ビデオゲームなどの共通のアプリケーションを、ウェブブラウザからアクセスするオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータは、クラウド内のサーバに記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるインターネットの描かれ方に基づいたインターネットの隠喩として使用され、それが隠し持つ複雑なインフラストラクチャの抽象的概念である。
【0041】
一部の実施形態では、ゲームサーバを使用して、ビデオゲームプレイヤのための持続時間情報プラットフォームの動作を実行してよい。インターネット経由でプレイされる大抵のビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、プレイヤからデータを収集し、収集したデータを他のプレイヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。他の実施形態では、ビデオゲームは、分散型ゲームエンジンによって実行されてよい。これらの実施形態では、分散型ゲームエンジンは、複数の処理エンティティ(PE)上で実行されてよく、各PEは、ビデオゲームが実行される所与のゲームエンジンの機能セグメントを実行する。各処理エンティティは、ゲームエンジンからは単なる計算ノードと見なされる。ゲームエンジンは通常、機能的に多様な一連の動作を行って、ユーザが体験する追加のサービスと共にビデオゲームアプリケーションを実行する。例えば、ゲームエンジンは、ゲームロジックを実装し、ゲーム計算、物理特性、ジオメトリ変換、レンダリング、照明、シェーディング、オーディオ、ならびに追加のゲーム内もしくはゲーム関連サービスを実行する。追加のサービスには、例えば、メッセージング、ソーシャルユーティリティ、オーディオ通信、ゲームプレイ再生機能、ヘルプ機能などが含まれてよい。ゲームエンジンは、特定のサーバのハイパーバイザによって仮想化されたオペレーティングシステム上で実行されてよいが、他の実施形態では、ゲームエンジン自体が複数の処理エンティティに分散され、各エンティティはデータセンタの異なるサーバユニットに常駐してよい。
【0042】
この実施形態によると、動作の実行のために各処理エンティティは、各ゲームエンジンセグメントのニーズに応じて、サーバユニット、仮想マシン、またはコンテナであってよい。例えば、ゲームエンジンセグメントがカメラの変換を担当する場合、その特定のゲームエンジンセグメントは、比較的単純な数学演算(例えば、行列変換)を多数行うことになるので、グラフィックス処理ユニット(GPU)に関連する仮想マシンと共にプロビジョニングされてよい。より少ないがより複雑な動作を必要とする他のゲームエンジンセグメントは、1つまたは複数のより高出力の中央処理装置(CPU)に関連する処理エンティティと共にプロビジョニングされてよい。
【0043】
ゲームエンジンを分散することにより、ゲームエンジンは、物理サーバユニットの能力に拘束されない弾力性のある計算特性を備える。代わりに、ゲームエンジンは、必要に応じて、ビデオゲームの要求を満たすためにより多いまたは少ない計算ノードと共にプロビジョニングされる。ビデオゲーム及びビデオゲームプレイヤの観点からは、複数の計算ノードに分散されているゲームエンジンは、ゲームエンジンマネージャまたはスーパーバイザがワークロードを分散し、結果をシームレスに統合して、エンドユーザにビデオゲーム出力構成要素を提供するので、単一の処理エンティティで実行される非分散ゲームエンジンと区別できない。
【0044】
ユーザは、少なくともCPU、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイスにより、リモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、PDAなどであってよい。一実施形態では、ゲームサーバ上で実行されるネットワークは、クライアントが使用するデバイスの種類を認識し、採用する通信方法を調整する。別の事例では、クライアントデバイスは、HTMLなどの標準的な通信方法を使用して、インターネット経由でゲームサーバ上のアプリケーションにアクセスする。
【0045】
当然ながら、所与のビデオゲームまたはゲームアプリケーションは、特定のプラットフォーム及び特定の関連するコントローラデバイス用に開発されてよい。しかし、このようなゲームが、本明細書に記載されるようなゲームクラウドシステムを介して利用可能となる場合、ユーザは、異なるコントローラデバイスを用いてビデオゲームにアクセスすることができる。例えば、ゲームは、ゲームコンソール及びその関連コントローラ用に開発された場合があるが、ユーザは、キーボード及びマウスを利用して、パーソナルコンピュータからクラウドベースバージョンのゲームにアクセスすることができる。このようなシナリオでは、入力パラメータ設定により、ユーザが利用可能なコントローラデバイス(この事例ではキーボード及びマウス)により生成され得る入力から、ビデオゲームの実行で受け入れ可能な入力へ、マッピングを定義することができる。
【0046】
別の例では、ユーザは、タブレットコンピューティングデバイス、タッチスクリーンスマートフォン、または他のタッチスクリーン駆動デバイスを介して、クラウドゲームシステムにアクセスしてよい。この場合、クライアントデバイス及びコントローラデバイスは、同じデバイス内に一緒に統合され、検出されたタッチスクリーン入力/ジェスチャにより入力が提供される。このようなデバイスでは、入力パラメータ設定により、ビデオゲームのゲーム入力に対応する特定のタッチスクリーン入力を定義してよい。例えば、ボタン、指向性パッド、または他の種類の入力素子は、ビデオゲームの実行中に表示されて、またはオーバーレイされて、ユーザがゲーム入力を生成するためにタッチすることができるタッチスクリーン上の位置を示してよい。特定の向きにおけるスワイプなどのジェスチャ、または特定のタッチモーションもゲーム入力として検出され得る。一実施形態では、タッチスクリーン上での制御操作にユーザを慣れさせるために、例えばビデオゲームのゲームプレイを始める前に、タッチスクリーンを介してゲームプレイに入力する方法を示すチュートリアルが、ユーザに提供できる。
【0047】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイスは、コントローラデバイスについての接続ポイントとして機能する。すなわち、コントローラデバイスは、無線接続または有線接続を介してクライアントデバイスと通信し、コントローラデバイスからクライアントデバイスへ入力を送信する。次に、クライアントデバイスは、これらの入力を処理して、その後入力データを、ネットワーク(例えばルータなどのローカルネットワークデバイスを介してアクセスされるネットワーク)を介して、クラウドゲームサーバへ送信し得る。しかしながら、他の実施形態において、コントローラ自体は、ネットワークを介してクラウドゲームサーバへ直接に入力を通信する能力を有し、これらのような入力を最初にクライアントデバイスを通して通信する必要がなく、ネットワーク化されたデバイスであることが可能である。例えば、コントローラは、ローカルネットワークデバイス(前述のルータなど)に接続して、クラウドゲームサーバとデータを送受信し得る。したがって、クライアントデバイスは、クラウドベースのビデオゲームからビデオ出力を受信し、それをローカルディスプレイにレンダリングすることを依然として必要とされるが、コントローラがクライアントデバイスを迂回してクラウドゲームサーバへネットワーク経由で直接に入力を送信することを可能にすることにより、入力レイテンシを低減することができる。
【0048】
一実施形態において、ネットワーク化されたコントローラ及びクライアントデバイスは、特定の種類の入力をコントローラからクラウドゲームサーバへ直接に、また他の種類の入力をクライアントデバイスを介して送信するように構成することができる。例えば、コントローラ自体は別として、任意の追加のハードウェアまたは処理に依存しない検出による入力は、クライアントデバイスを迂回して、ネットワークを介して直接コントローラからクラウドゲームサーバへ送信することができる。このような入力は、ボタン入力、ジョイスティック入力、埋め込み型動き検出入力(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)などを含み得る。しかしながら、追加のハードウェアを利用する、またはクライアントデバイスによる処理を必要とする入力は、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ送信できる。これらは、クラウドゲームサーバへ送信する前に、クライアントデバイスにより処理されることができるゲーム環境からキャプチャされたビデオまたは音声を含むことができる。加えて、コントローラの動き検出ハードウェアからの入力は、キャプチャされたビデオと併せてクライアントデバイスにより処理され、コントローラの位置及び動きを検出することができ、その後、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ通信される。様々な実施形態によるコントローラデバイスはまた、クライアントデバイスから、または直接クラウドゲームサーバから、データ(例えばフィードバックデータ)を受信し得ることを理解されたい。
【0049】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施態様に組み合わされてもよい、または組み立てられ得ることを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせて、より多くの実施態様を規定することによって可能である様々な実施態様に制限を加えるものではない。一部の例では、一部の実施態様は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0050】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能家庭用電化製品、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践されてよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0051】
方法動作を特定の順序で説明したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、動作間に他のハウスキーピング動作が実行されてもよく、または動作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に動作を分散することで、様々な処理関連間隔で処理動作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0052】
1つまたは複数の実施形態はまた、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータストレージデバイスであり、データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM(登録商標)、CD-R(登録商標)、CD-RW(登録商標)、磁気テープ、ならびに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体が含まれ得る。
【0053】
一実施形態では、ビデオゲームは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、またはサーバ上でローカルに実行される。いくつかの場合、ビデオゲームは、データセンタの1つ以上のサーバによって実行される。ビデオゲームが実行されるとき、ビデオゲームのいくつかのインスタンスは、ビデオゲームのシミュレーションであり得る。例えば、ビデオゲームは、ビデオゲームのシミュレーションを生成する環境またはサーバによって実行され得る。シミュレーションは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームのインスタンスである。他の実施形態では、シミュレーションはエミュレータによって生成されてもよい。いずれの場合でも、ビデオゲームがシミュレーションとして表現されている場合、そのシミュレーションは、ユーザ入力によってインタラクティブにストリーミング、実行、及び/または制御できるインタラクティブコンテンツをレンダリングするために実行することができる。
【0054】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正されてもよい。
【国際調査報告】