(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】がん治療のためのベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 239/70 20060101AFI20241106BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20241106BHJP
C07D 498/04 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241106BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20241106BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20241106BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20241106BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20241106BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20241106BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20241106BHJP
C07D 417/04 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/527 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C07D239/70 CSP
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/517
A61K31/5383
C07D498/04 111
A61K31/5377
C07D403/04
C07D401/04
C07D405/12
A61K31/55
C07D413/12
C07D401/12
C07D403/12
C07D417/04
A61K31/527
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525084
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022079738
(87)【国際公開番号】W WO2023072913
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522349982
【氏名又は名称】レドナ・セラピューティクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】バイラー,スベン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシェ,ベランジェール
(72)【発明者】
【氏名】リシャレ,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ラディメルスキ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アロイア,アンドレア
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC45
4C086BC69
4C086BC71
4C086BC73
4C086BC79
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物
【化1】
及びその医薬的に許容される塩を提供し、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-もしくは-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、Aは、-CH2-または-C(=O)-であり、Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、R1、R2、R11、R12、R13及びR14は、特許請求の範囲で定義される通りであり、本発明は、腫瘍性疾患、例えば、がんの治療のための該化合物の使用方法も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】
またはその医薬的に許容される塩であって、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH
3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH
2-CH
2-CH
2-もしくは-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH
2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-、-N(R11)-S(O
2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)
2、-S-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、前記シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換され、
各R12は、R2と環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R12a、C1-C4ハロアルキレン-R12aまたはC3-C6シクロアルキルであり、前記シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR12bで置換され、
R14は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R14a、C1-C4ハロアルキレン-R14aまたはC3-C6シクロアルキルであり、前記シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR14bで置換され、
各R11a、R12a及びR14aは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
各R11b、R12b及びR14bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
R13は、水素、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルであり、
R2とR11、R2とR12、またはR2とR14は、一緒になって、さらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換され、
各R2aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
R1とR11もしくはR1とR14は一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11もしくはR1とR14は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキレン-R1c、C1-C4ハロアルキレン-R1c、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)、-C(=O)N(C1-C4アルキル)
2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキレン-R1c、C1-C4ハロアルキレン-R1c、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)または-N(C1-C4アルキル)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)または-C(=O)N(C1-C4アルキル)
2であり、
各R1cは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
R1は、R11またはR14と環を形成しない場合、水素または-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH
2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、前記アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されてもよく、該アルキレン部分は、3~5員の飽和または部分不飽和炭素環式環を前記部分の一部として含んでもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH
2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-O-環P、-O-環Q、-NH-S(O
2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O
2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O
2)-C1-C4アルキル-R4であるが、ただし、(i)Yが結合であり、(ii)Tが、-N(R11)-でも-C(R12)(R13)-でも-C=C(R12)
2でもない場合、Yに接続されるR3の原子は、ヘテロ原子ではなく、
R4は、水素、ハロゲン、-NH
2、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
環Pは、1~3個のR5で任意に置換される3~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5で任意に置換される、N及びOから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を含む3~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、ハロゲン、-NH
2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R5a、-O-C1-C4アルキレン-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH
2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1~3個のR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1~3個のR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、ハロゲン、-NH
2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R6aまたは-O-C1-C4アルキレン-R6aであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH
2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH
2)-、-N(R10a)-もしくは-CH(R10b)-であり、また、R2がハロゲンまたは-CNの場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-の場合、R2は水素ではないか、または、X-R2が水素であり、
R10aは、R2と環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R10bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R2及びR10aは、一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2及びR10bは、一緒になって、4~7員の飽和または部分不飽和炭素環式環を形成しても、-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8で任意に置換される4~7員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4~7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環であり、
各R7は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R7a)R7bまたは-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)であり、
各R7a及びR7bは、一緒になって環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R7cまたはC1-C4ハロアルキレン-R7cであり、
各R7cは、独立して、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R7aとR7bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR7dで置換され、
各R7dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
各R8は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R8a)R8b、-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルであり、
各R8a及びR8bは、一緒になって環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R8cまたはC1-C4ハロアルキレン-R8cであり、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R8aとR8bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR8dで置換され、
各R8dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)
2であり、
R9は、水素、C1-C4アルキレン-R9a、C1-C4ハロアルキレン-R9aまたは-C(=O)-C1-C4アルキルであり、
R9aは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである、前記化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Ra及びRbが、両方とも-CH
3であり、Aが-CH
2-である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Tが、-N(R11)-、-N(R11)-S(O
2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)
2、-S-または-C(=O)-N(R14)-である、請求項1もしくは請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
前記置換基R1は、Tが-N(R11)、-O-、-C(R12)(R13)-、-S-、-S(O)-または-S(O
2)-の場合は水素ではない、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
前記置換基R1が水素ではない、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
前記置換基R1が、少なくとも1つの水素以外の原子を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
Xが、-O-、-C(=O)-、-N(R10a)-または-CH(R10b)-であり、また、R2がハロゲンまたは-CNの場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-の場合、R2は水素ではないか、または、X-R2が水素である、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
R2とR11、R2とR12、R2とR14、R1とR11、及びR1とR14は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
Tが、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-または-N(R11)-S(O
2)-であり、R1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つもしくは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成し、前記ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11が一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換される、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
R1は、R11またはR14と環を形成しない場合、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、前記アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、前記アルキレン部分は、前記部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在するか、またはR1は、環Pもしくは環Qである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
R3が、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH
2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH
2、環Pまたは環Qである、請求項1~8及び10のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
Tが、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-または-N(R11)-S(O
2)-であり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であるか、
またはR1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つもしくは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
R11は、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、前記シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換される、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
Tが、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-または-N(R11)-S(O
2)-であり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であるか、
Yは、C1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH
2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、前記アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されてもよく、前記アルキレン部分は、3~5員の飽和または部分不飽和炭素環式環を前記部分の一部として含んでもよく、
またはR1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つもしくは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
R11は、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、前記シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換される、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
Tが、-N(R11)-または-N(R11)-S(O
2)-であり、
R11は、R1と環を形成しない場合、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R1とR11が一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5~6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1つのR1bで置換され、
R1aは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1bは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH
2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)もしくは-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH
2、環Pまたは環Qであり、
環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニルであり、
各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、環Pは、2つのオキソで置換されることはなく、
環Qは、1つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つのR6で任意に置換される、N及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、-NH
2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
R2は、R10a、R10b、R11、R12またはR14と環を形成しない場合、C1-C4アルキルであるか、もしくは1つのR8で任意に置換される4もしくは7員の飽和炭素環式環であるか、もしくは1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4もしくは7員の飽和ヘテロ環式環であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素である、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
R2が、C1-C4アルキルであるか、もしくはXに対して3位(「パラ」)で1つのR8で置換される6員の飽和炭素環式環であり、R8が-N(R8a)R8bであるか、またはX-R2が臭素である、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
Ra及びRbは、両方とも-CH
3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH
2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O
2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)
2、-S-、-S(O
2)-、-S(O
2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
各R12は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aであり、
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R13は、水素であり、
R14は、水素またはC1-C4アルキルであり、
R2とR11は、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、一緒になって、さらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6員ヘテロ環式環を形成してもよく、
R1とR11が一緒になって、N及びOから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1つもしくは2つのR1aで置換されるか、または、R1とR11が一緒になって、Nから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1つまたは2つのR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1c、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)NH
2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1cまたは-O-C1-C4ハロアルキルであり、
各R1cは、独立して、水素または-OHであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、前記アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、前記アルキレン部分は、前記部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在し、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH
2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-NH-S(O
2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O
2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O
2)-C1-C4アルキル-R4であり、
R4は、水素であり、
環Pは、1~2個のR5で任意に置換される3~6員の飽和炭素環式環であるか、またはN及びOから選択される1つのヘテロ原子を含み、1~2個のR5で任意に置換される5~6員の飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、-NH
2、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH
2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、-NH
2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNであり、
Xは、-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素であり、
R10aは、水素もしくは-CH
3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が任意に1つのR8で置換される4~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10aもしくはR11と環を形成しない場合、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つのR8で任意に置換される4もしくは7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む6もしくは7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素であり、
R7は、-N(R7a)R7bであり、
R7aは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R7bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8bは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R9は、水素またはC1-C4アルキルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
Ra及びRbは、両方とも-CH
3であり、
Aは、-CH
2-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O
2)-、-C=C(R12)
2、-S-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
各R12は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aであり、
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R14は、水素またはC1-C4アルキルであり、
R1とR11が一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5~6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、前記ヘテロ環式環は、任意に、1つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5員のヘテロアリール環を形成してもよく、前記ヘテロアリール環は、任意に、1つのR1bで置換され、
R1aは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1bは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、水素、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH
2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)もしくは-N(C1-C4アルキレン-R4)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH
2、環Pまたは環Qであり、
R4は、水素であり、
環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニルであり、
各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、環Pは、2つのオキソで置換されることはなく、
環Qは、1つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つのR6で任意に置換される、N及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
R6は、独立して、-NH
2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNであり、
Xは、-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンであり、
R10aは、水素もしくは-CH
3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に対して3位に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が、Xの窒素原子に対して3位で1つのR8で置換される6~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10aと環を形成しない場合、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位で1つのR8で置換される6~7員の飽和炭素環式環であるか、またはR2は、Xに対して3位に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む6~7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素であり、
R7は、-N(R7a)R7bであり、
R7aは、水素またはC1-C4アルキル-R7cであり、
R7bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R7cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキル-R8cであり、
R8bは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R9は、水素またはC1-C4アルキルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項19】
前記化合物が、以下の化合物のうちの1つから選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩:
8-メトキシ-5,5,7-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン、
4,6,6-トリメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アセトアミド、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7-ジエチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-モルホリノ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]エタノール、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体1、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体2、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7,5,5-テトラメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-9-イル)ピペリジン-4-オール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-プロピル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-オール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-N-メチル-アセトアミド、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]プロパン-1,2-ジオール、
[1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-イル]メタノール、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]アセトニトリル、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルファニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルホニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]アセトニトリル、
4,7-ジアミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]アセトニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-エトキシエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]アセトアミド、
N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]メタンスルホンアミド、
1-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2-メチル-プロパン-2-オール、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-N-メチル-アセトアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-エタンスルホンアミド、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
N-[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-アセトアミド、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体1、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体2、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-シクロプロピル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-[trans-4-(2-メトキシエチルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブタ-3-イニル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2H-ピロール-5-オン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
4-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]ブタンニトリル、
2-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]エタノール、
8-メトキシ-7-(3-メトキシプロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン-異性体1、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-メトキシ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
エチル2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]アセテート、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-スルファモイル]プロパン酸、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]エタノール、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]オキシ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7-メチル-スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン-異性体2、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-シアノ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7-メチル-スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボキサミド、
3-[[4-アミノ-8-(アゼパン-4-イルオキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]酢酸、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-アミノエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタンニトリル、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-シクロプロピル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパン酸、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-スルファモイル]プロパンアミド、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパンアミド、
(5R)-5-[2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]エチル]オキサゾリジン-2-オン、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミド、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパンニトリル、
3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタン-1-オール、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルオキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミド、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-trans-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ペンタンニトリル、
(E)-3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタ-2-エン-1-オール、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-[trans-4-(メチルアミノ)シクロヘキソキシ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(4-ピリジルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソプロピル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(1H-イミダゾール-4-イルメチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソペンチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(オキサゾール-4-イルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソブチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(3-ピリジルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルファニル]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパン-1-オール、
4-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2-メチル-ブタン-2-オール、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルホニル]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-4-フルオロ-N-メチル-ベンゼンスルホンアミド、
3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミド、
3-(7-アミノ-6,6-ジメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-4-イル)プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(1,1-ジオキソ-1,2-チアゾリジン-2-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
1-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリル、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
N7-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]アミノ]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-8-ピペラジン-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
(5S)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(cis-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、及び
3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メチル]アミノ]プロパンニトリル。
【請求項20】
前記化合物が、インビトロアッセイにおいて、最大100nMのIC50でCLK3を阻害する、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項21】
哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患、例えば、がんの治療に使用するための請求項1~20のいずれか1項に定義される式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項22】
哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患、例えば、がんの治療のための薬剤の製造における、請求項1~20のいずれか1項に定義される式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項23】
哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患、例えば、がんの治療方法であって、請求項1~20のいずれか1項に定義される式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、治療有効量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
請求項1~20のいずれか1項に定義される式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩及び任意に医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項25】
式(B)の化合物、
【化2】
もしくはその塩であって、式中、
A、Ra及びRbは、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
E1は、-OH、-ハロゲン、-O-C1-C4アルキル、ボロン酸、ボロン酸エステルもしくはO-L1であり、
L1は、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニルもしくはトリフルオロメタンスルホニルであり、
E2は、-OH、ハロゲン、-NO
2もしくは-SO
2Clである、前記化合物、もしくはその塩、または
式(C)の化合物、
【化3】
もしくはその塩であって、式中、
A、X、Ra及びRbは、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
E2は、-OH、ハロゲン、-NO
2もしくは-SO
2Clであり、
R2’は、式(I)の化合物についてR2に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R2に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護される、前記化合物もしくはその塩、または
式(D)の化合物、
【化4】
もしくはその塩であって、式中、
A、Ra及びRbは、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
T’は、-N(R11’)-、-N(R11’)-C(=O)-、-N(R11’)-S(O
2)-、-O-、-C(R12’)(R13)-、-C=C(R12’)
2、-S-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-N(R14’)-もしくは-C(=O)-N(R14’)-であり、
R11’は、式(I)の化合物におけるR11に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R11に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R12’は、式(I)の化合物におけるR12に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R12に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R13は、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
R14’は、式(I)の化合物におけるR14に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R14に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R1’は、式(I)の化合物におけるR1に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R1に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R2’は、式(I)の化合物におけるR2に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R2に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護される、前記化合物もしくはその塩、または
式(E)の化合物、
【化5】
もしくはその塩であって、式中、
A、Ra及びRbは、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
T’は、-N(R11’)-、-N(R11’)-C(=O)-、-N(R11’)-S(O
2)-、-O-、-C(R12’)(R13)-、-C=C(R12’)
2、-S-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-N(R14’)-もしくは-C(=O)-N(R14’)-であり、
R11’は、式(I)の化合物におけるR11に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R11に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R12’は、式(I)の化合物におけるR12に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R12に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R13は、式(I)の化合物について、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、
R14’は、式(I)の化合物におけるR14に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R14に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R1’は、式(I)の化合物におけるR1に対して、請求項1~20のいずれか1項で定義される通りであり、R1に含まれる任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
E1は、-OH、-ハロゲン、-O-C1-C4アルキル、ボロン酸、ボロン酸エステルもしくはO-L1であり、
L1は、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニルもしくはトリフルオロメタンスルホニルである、前記化合物もしくはその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDC2様キナーゼ(CLK)ファミリーを標的とする化合物、及び腫瘍性疾患、例えば、がんの治療におけるそれらの使用に関する。
【0002】
がんのような疾患では、そのスプライシング機構の構成要素における反復突然変異が報告されている。CLKは、CMGCグループのキナーゼに属し、CLK1、2、3及び4の4つのファミリーメンバーを含む。CLKは、セリン-アルギニンリッチ(SR)ファミリーのスプライシング因子をリン酸化することにより、選択的スプライシング(AS)を調節する重要な役割を果たすことが知られている。真核生物において、転写物の選択的スプライシングは、重要な調節機構であり、それにより、1つの遺伝子から異なる機能を有する複数のタンパク質アイソフォームを生成することが可能となる。CLKを介したSRタンパク質のリン酸化は、スペックルから拡散性核質分布パターンへの再分布に関与している(Colwill et al.,EMBO J.1996,15(2):265-75)。SRタンパク質のリン酸化は、核内移行、スプライソソームの組み立て、そして最終的には正しいスプライシングのために、特に、エクソンインクルージョンを促進するために、厳密に調節される必要がある。CLKの低分子阻害薬が前臨床がん動物モデルで有効であることが記載されている(Yoshida T et al.,Cancer Res.2015,75(7):1516-26、Iwai K et al.,EMBO Mol Med.2018 10(6):e8289、Zhu D et al.,Mol Cancer Ther.2018,17(8):1727-1738)。したがって、CLKの標的化は、例えば、スプライシング因子変異癌における抗がん治療の可能性を与えるものであり、異常なスプライシングを脆弱性及び治療機会として活かす説得力のある論拠がある。
【0003】
第一の態様では、本発明は、式(I)の化合物
【0004】
【0005】
及びその医薬的に許容される塩を提供し、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-もしくは-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換され、
各R12は、R2と環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R12a、C1-C4ハロアルキレン-R12aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR12bで置換され、
R14は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R14a、C1-C4ハロアルキレン-R14aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR14bで置換され、
各R11a、R12a及びR14aは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
各R11b、R12b及びR14bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
R13は、水素、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルであり、
R2とR11、R2とR12、またはR2とR14は、一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換され、
各R2aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
R1とR11もしくはR1とR14は一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11もしくはR1とR14は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキレン-R1b、C1-C4ハロアルキレン-R1b、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)、-C(=O)N(C1-C4アルキル)2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキレン-R1c、C1-C4ハロアルキレン-R1c、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)または-N(C1-C4アルキル)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)または-C(=O)N(C1-C4アルキル)2であり、
各R1cは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
R1は、R11またはR14と環を形成しない場合、水素または-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、該アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されてもよく、該アルキレン部分は、3~5員の飽和または部分不飽和炭素環式環を該部分の一部として含んでもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-O-環P、-O-環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4であるが、ただし、(i)Yが結合であり、(ii)Tが、-N(R11)-でも-C(R12)(R13)-でも-C=C(R12)2でもない場合、Yに接続されるR3の原子は、ヘテロ原子ではなく、
R4は、水素、ハロゲン、-NH2、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
環Pは、1~3個のR5で任意に置換される3~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5で任意に置換される、N及びOから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を含む3~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、ハロゲン、-NH2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R5a、-O-C1-C4アルキレン-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1~3個のR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1~3個のR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、ハロゲン、-NH2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R6aまたは-O-C1-C4アルキレン-R6aであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH2)-、-N(R10a)-もしくは-CH(R10b)-であり、また、R2がハロゲンまたは-CNの場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-の場合、R2は水素ではないか、または、X-R2が水素であり、
R10aは、R2と環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R10bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R2及びR10aは、一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2及びR10bは、一緒になって、4~7員の飽和または部分不飽和炭素環式環を形成しても、-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8で任意に置換される4~7員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4~7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環であり、
各R7は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R7a)R7bまたは-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)であり、
各R7a及びR7bは、一緒になって環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R7cまたはC1-C4ハロアルキレン-R7cであり、
各R7cは、独立して、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R7aとR7bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR7dで置換され、
各R7dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
各R8は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R8a)R8b、-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルであり、
各R8a及びR8bは、一緒になって環を形成しない場合、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R8cまたはC1-C4ハロアルキレン-R8cであり、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R8aとR8bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR8dで置換され、
各R8dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2であり、
R9は、水素、C1-C4アルキレン-R9a、C1-C4ハロアルキレン-R9aまたは-C(=O)-C1-C4アルキルであり、
R9aは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである。
【0006】
さらなる態様では、本発明は、哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患の治療に使用するための式(I)の化合物及びその医薬的に許容される塩を提供する。
【0007】
さらなる態様では、本発明は、哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物及びその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、哺乳類から選択される対象、特に、ヒトにおける腫瘍性疾患の治療方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、例えば、治療有効量で該対象に投与することを含む。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩及び任意に、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
各アルキル部分は、単独でまたはアルコキシ等のより大きな基の一部で、直鎖または分枝鎖である。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、プロパ-2-イル、n-ブチル、ブタ-2-イル、2-メチル-プロパ-1-イルまたは2-メチル-プロパ-2-イルが挙げられる。
【0011】
各アルキレン部分は、単独でまたはより大きな基の一部で直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(CH3)-CH2-、-CH(CH2CH3)-または-CH2CH(CH3)CH2-である。
【0012】
各アルケニル部分は、単独でまたはアルケニルオキシ等のより大きな基の一部で、直鎖または分枝鎖である。各部分は、(E)配置または(Z)配置のいずれかであり得る。例としては、ビニル及びアリルが挙げられる。
【0013】
各アルケニレン部分は、単独でまたはアルケニルオキシ等のより大きな基の一部で、直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH2-CH=CH-である。各部分は、(E)配置または(Z)配置のいずれかであり得る。
【0014】
各アルキニル部分は、単独でまたはアルキニルオキシ等のより大きな基の一部で、直鎖または分枝鎖であり、例えば、エチニルまたはプロパルギルである。
【0015】
各アルキニレン部分は、単独でまたはより大きな基の一部で、直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH2-C≡C-である。
【0016】
各ハロアルキル部分は、単独でまたはハロアルコキシ等のより大きな基の一部で、同じまたは異なるハロゲン原子の1つ以上で置換されたアルキル基である。例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロ-エチルが挙げられる。ハロアルキル部分は、例えば、1~5個のハロ置換基、または1~3個のハロ置換基を含む。
【0017】
各シクロアルキル部分(炭素環式環部分とも称される)は、飽和でも部分不飽和でもよく(特に指示のない限り)、単環型でも二環型でもよく、好ましくは、単環型である。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。二環式シクロアルキル基の例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルである。
【0018】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0019】
「ヘテロアリール環」という用語は、環員として、窒素、酸素及び硫黄から選択される指定された数のヘテロ原子を含む芳香環系を指す。ヘテロアリール環は、隣接した酸素原子、隣接した硫黄原子、または隣接した酸素及び硫黄原子を、当該環内にも、該環を当該分子の残りの部分に接続する環の外部の原子と一緒にも含まない。
【0020】
「ヘテロ環式環」という用語は、環員として、窒素、酸素及び硫黄から選択される指定された数のヘテロ原子をさらに含む飽和または部分不飽和炭素環式環(特に指示のない限り)を指す。環員としての窒素は、他に置換されない限り、-NH-部分として存在する。かかる環は、隣接した酸素原子、隣接した硫黄原子、または隣接した酸素及び硫黄原子を、当該環内にも、該環を当該分子の残りの部分に接続する環の外部の原子と一緒にも含まない。
【0021】
オキソは、=O基である。部分が「オキソで置換される」と言われる場合、1つの置換基による置換として数えるものとし、例えば、環Pが1~3個のR5で置換されてもよく、R5がオキソでもよい場合、環Pは、オキソ及びさらに2つのR5基で置換されてもよい。通常、環は、2つ以上のオキソ基で置換されることはない。
【0022】
基が任意に置換されると言われる場合、それは、非置換の場合もあれば、特定数の置換基で置換される場合もある。
【0023】
環の命名を特定の部分に与える場合、該環に(他の)置換基がないことを仮定して命名が適用される。例えば、ピペリジン-1-イルは、ピペリジン部分に存在し得る任意の置換基の固有性にかかわらず、窒素原子を結合点に配している。シクロヘキサ-4-イルアミンは、該シクロヘキシル部分に存在する可能性のある任意のさらなる置換基の固有性にかかわらず、結合点に対して、該シクロヘキシルの4位にアミノ置換基を配している。
【0024】
(E)及び(Z)異性体が可能な場合、例えば、R3がアルケニレンである場合、本発明の化合物は、すべての(E)及び(Z)異性体ならびにそれらの任意の比の混合物を含む。同様に、cis及びtrans異性体が可能な場合、例えば、R2がシクロヘキサ-4-イルアミンの場合、cis及びtransの両異性体が、式(I)の範囲に含まれる。式(I)の化合物が1つまたは2つ以上のキラル中心を含む場合は常に、例えば、Yが分岐アルキレンの場合、かかる化合物は、純粋なエナンチオマーまたは純粋なジアステレオマー、及び任意の比のそれらの混合物として提供されてもよく、すべてのかかる異性体が、式(I)の化合物の範囲内に含まれる。本発明の化合物はまた、式(I)の化合物のすべての互変異性型を、かかる可能性が存在する場合、例えば、飽和環がオキソで置換される場合に含む。重水素置換ならびに炭素13及び/または炭素14標識を含めた同位体標識化合物もまた、式(I)の化合物の範囲内に含まれる。
【0025】
式(I)の化合物はまた、溶媒和、特に、水和されてもよく、これらも式(I)の化合物の範囲に含まれる。溶媒和及び水和は、調製プロセス中に生じ得る。本発明の化合物への言及は、当該化合物の医薬的に許容される塩を含む。かかる塩もまた水和物及び溶媒和物として存在し得る。式(I)の化合物の薬理学的に許容される塩の例は、塩酸、硫酸及びリン酸等の生理学的に許容される鉱酸の塩、またはメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸及びサリチル酸等の有機酸の塩である。式(I)の化合物の薬理学的に許容される塩のさらなる例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウム塩等、アンモニウム塩または有機塩基の塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リシン、コリンヒドロキシド、メグルミン、モルホリンまたはアルギニン塩である。
【0026】
置換基の定義及び実施形態の以下の例は、可能な場合、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0027】
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-もしくは-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成する。
【0028】
好ましくは、Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、または一緒になって、例えば、実施例37に示される-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成する。
【0029】
Aは、-CH2-または-C(=O)-である。好ましくは、Aは-CH2-である。
【0030】
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-である。
【0031】
好ましくは、Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-である。
【0032】
より好ましくは、Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-または-C(=O)-N(R14)-である。
【0033】
さらにより好ましくは、Tは、-N(R11)-または-N(R11)-S(O2)-である。
【0034】
-C=C(R12)2の部分では、R1は、ここに示す第一の炭素原子に接続される:
【0035】
【0036】
Tの具体例(R1がR11またはR14と環を形成せず、R2がR11、R12またはR14と環を形成しない場合)としては、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)=CH-、-N(CH3)-C(=O)-、-N(CH3)-S(O2)-、-N-(シクロプロピル)-、-N(CH2CH2CN)-、-N(CH2CH2CH3)-、-N(CH2CH2OH)-、-N(CH2CH3)-、-N(CH3)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-NH-S(O2)-、-O-、-S-、-S(O2)-N(CH3)-、-S(O2)-NH-、-S(O2)-及び-C(=O)-NH-が挙げられる。
【0037】
R11は、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換される(R11がR1またはR2と環を形成しない場合)。
【0038】
好ましくは、R11(R11がR1またはR2と環を形成しない場合)は、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルである。
【0039】
より好ましくは、R11(R11がR1またはR2と環を形成しない場合)は、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルである。
【0040】
R11の具体例(R11がR1またはR2と環を形成しない場合)としては、-CH3、シクロプロピル、-CH2CH2CH3、-CH2CH2CN、-CH2CH2OH、-CH2CH3及び水素が挙げられる。
【0041】
R11aは、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0042】
好ましくは、R11aは水素、ハロゲン、-CNまたは-OHである。
【0043】
R11aの具体例としては、水素、-CN及び-OHが挙げられる。
【0044】
各R11bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0045】
各R12は、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R12a、C1-C4ハロアルキレン-R12aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR12bで置換される(R12がR2と環を形成しない場合)。
【0046】
好ましくは、各R12(R12がR2と環を形成しない場合)は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aである。
【0047】
R12の具体例としては、水素、-CH3及び-CH2OHが挙げられる。
【0048】
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0049】
好ましくは、各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHである。
【0050】
R12aの具体例としては、水素及び-OHが挙げられる。
【0051】
各R12bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0052】
R13は、水素、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルである。
【0053】
R13の具体例としては、水素が挙げられる。
【0054】
R14は、水素、C1-C4アルキレン-R14a、C1-C4ハロアルキレン-R14aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR14bで置換される(R14がR1またはR2と環を形成しない場合)。
【0055】
好ましくは、R14(R14がR1またはR2と環を形成しない場合)は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0056】
R14の具体例としては、水素及び-CH3が挙げられる。
【0057】
R14aは、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0058】
各R14bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0059】
R2とR11は、一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0060】
好ましくは、R2とR11は、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、一緒になって、さらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6員ヘテロ環式環を形成してもよく、それ以外はヘテロ環式環を形成しない。
【0061】
R2及びR11によって形成される架橋部分の具体例としては、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、-CH2CH2-、すなわち、T及びX置換基を含めて-N(R1)CH2CH2O-、例えば、-N(H)CH2CH2O-、-N(CH2CH2CN)CH2CH2O-及び-N(CH3)CH2CH2O-が挙げられる(示される通り、Tは架橋部分の左側であり、Xが右側である)。
【0062】
R2とR12は、一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0063】
R2とR14は、一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0064】
各R2aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0065】
R1とR11は一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換される。
【0066】
好ましくは、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、例えば、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、アゼチジニル、2,5-ジヒドロピロリル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択される環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つもしくは2つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、Nから選択される、例えば、ピロリルから選択される、1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つもしくは2つのR1bで置換される。
【0067】
より好ましくは、R1とR11は一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5~6員の飽和ヘテロ環式環、例えば、ピペリジニル、ピロリジニル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択される環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、例えば、ピロリルから選択される、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つのR1bで置換される。
【0068】
Tが-N(R11)-である場合にR1及びR11によって形成されるヘテロ環式環の具体例としては、ピペリジニル(例えば、4-ヒドロキシピペリジニルを含む)、モルホリニル、ピロリジニル(例えば、3-ヒドロキシ-ピロリジニル、3-メトキシ-ピロリジニル、3-シアノ-ピロリジニル、3-カルボキサミド-ピロリジニルを含む)、アゼチジニル(例えば、3-ヒドロキシ-アゼチジニル、3-ヒドロキシメチル-アゼチジニルを含む)、2,5-ジヒドロピロリル(例えば、2H-ピロリル-5-オンを含む)、及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジニルが挙げられる。
【0069】
Tが-N(R11)-である場合にR1及びR11によって形成されるヘテロアリール環の具体例としては、ピロリル(例えば、3,4-ジメトキシピロリル及び3-メトキシピロリルを含む)が挙げられる。
【0070】
R1とR14は一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR14は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換される。
【0071】
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキレン-R1c、C1-C4ハロアルキレン-R1c、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)、-C(=O)N(C1-C4アルキル)2またはオキソである。
【0072】
好ましくは、各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1c、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)NH2、またはオキソである。
【0073】
より好ましくは、各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CNまたは-C(=O)NH2である。
【0074】
R1aの具体例としては、-OH、-CN、-OCH3、-CH2OH、-C(=O)NH2及びオキソが挙げられる。
【0075】
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキレン-R1c、C1-C4ハロアルキレン-R1c、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH(C1-C4アルキル)または-N(C1-C4アルキル)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-C4アルキル)または-C(=O)N(C1-C4アルキル)2である。
【0076】
好ましくは、各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1cまたは-O-C1-C4ハロアルキルである。
【0077】
より好ましくは、各R1bは、ハロゲン、-OHまたは-CNである。
【0078】
R1bの具体例としては、-OH、-CN、-OCH3及び-CH2OHが挙げられる。
【0079】
各R1cは、独立して、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0080】
好ましくは、各R1cは、独立して、水素または-OHである。
【0081】
R1cの具体例としては、水素及び-OHが挙げられる。
【0082】
R1は、水素または-Y-R3である(R1がR11またはR14と環を形成しない場合)。
【0083】
好ましくは、R1(R1がR11もしくはR14と環を形成しない場合)は、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在するか、またはR1は、環Pもしくは環Qである。
【0084】
より好ましくは、R1(R1がR11またはR14と環を形成しない場合)は、水素、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qである。
【0085】
R1の具体例としては、R11またはR14と環を形成しない場合、水素、-CH2-テトラヒドロピラン-4-イル、-CH2C(-CH2CH2-)-CN、-CH2C(CH3)2-CN、-CH2C(CH3)2-OH、-CH2-C(=O)NHCH3、-CH2CH(OH)CH2-OH、-CH2CH2-CF3、-CH2CH2CH2-CN、-CH2CH2-CN、-CH2CH2-NHC(=O)CH3、-CH2CH2-NHS(O2)CH3、-CH2CH2-OCF3、-CH2CH2-OCH3、-CH2CH2-OH、-CH2CH2-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、-CH2CH2-S(O2)CH3、-CH2CH2-SCH3、-CH2CH3、-CH2-CN、-CH2-OH、-CH2-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、-CH3、-CH2CH2-OCH2CH3、-CH2CH2CH3、4-フルオロフェニル、-CH(CH3)2、-CH2-2-(1-フルオロエタ-1イル)-1,3,4-オキサジアゾール-4-イル、-CH2-C(=O)OCH2CH3、-CH2C(=O)OH、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2C(CH3)2OH、-CH2CH2C(=O)OH、-CH2CH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH2NH2、-CH2-イミダゾリル(例えば、-CH2-イミダゾール-4-イル)、-CH2-オキサゾリル(例えば、-CH2-オキサゾール-4-イル)、-CH2-ピリジン-3-イル(例えば、-CH2-ピリジン-3-イル及び-CH2-ピリジン-4-イル)、シクロプロピル、-CH2CH2C(=O)NH2、-CH2C(CH3)2C(=O)NH2ならびに-CH2C(CH3)2CH2OHが挙げられる。
【0086】
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、該アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されてもよく、該アルキレン部分は、3~5員の飽和または部分不飽和炭素環式環を該部分の一部として含んでもよい。「非末端-CH2-部分」への言及は、該アルキレン部分のいずれの末端でもない-CH2-部分を指す(すなわち、Tへの接続に対して近位にある末端-CH2-部分でもなく、Tへの接続に対して遠位にある末端-CH2-部分でもない)。
【0087】
好ましくは、Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在する。
【0088】
より好ましくは、Yは、C1-C6アルキレンであり、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在し、1つのCH2部分がC(-CH2CH2-)で置き換えられている。
【0089】
いくつかの実施形態では、Yは、C1-C3アルキレンである。
【0090】
Yの具体例としては、結合、-CH2-、-CH2C(-CH2CH2-)-、-CH2C(CH3)2-、-CH2CH(OH)CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-C(CH3)2-、-CH2CH2C(CH3)2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2-及び-CH2C(CH3)2CH2-が挙げられる。
【0091】
単位-C(-CH2CH2-)-は、以下の部分に対応する:
【0092】
【0093】
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-O-環P、-O-環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4であるが、ただし、(i)Yが結合であり、(ii)Tが、-N(R11)-でも-C(R12)(R13)-でも-C=C(R12)2でもない場合、Yに接続されるR3の原子は、ヘテロ原子ではない。
【0094】
好ましくは、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4である。
【0095】
より好ましくは、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH2、環Pまたは環Qである。
【0096】
R3の具体例としては、水素、テトラヒドロピラン-4-イル、-CN、-OH、-C(=O)NHCH3、-CF3、-NHC(=O)CH3、-NHS(O2)CH3、-OCF3、-OCH3、-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、-S(O2)CH3、-SCH3、-OCH2CH3、4-フルオロフェニル、1,3,4-オキサジアゾール-4-イル(例えば、2-(1-フルオロエタ-1イル)-1,3,4-オキサジアゾール-4-イル)、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OH、-NH2、イミダゾリル(例えば、イミダゾール-4-イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール-4-イル)、ピリジニル(例えば、ピリジン-3-イル及びピリジン-4-イル)、シクロプロピルならびに-C(=O)NH2が挙げられる。
【0097】
R4は、水素、ハロゲン、-NH2、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0098】
好ましくは、R4は、水素である。
【0099】
R4の具体例としては、水素が挙げられる。
【0100】
環Pは、1~3個のR5で任意に置換される3~6員(例えば、5~6員)の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5で任意に置換される、N及びOから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を含む3~6員(例えば、5~6員)の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環である。
【0101】
好ましくは、環Pは、1~2個のR5で任意に置換される3~6員(例えば、6員)の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5で任意に置換される、N及びOから選択される1つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和ヘテロ環式環である。
【0102】
より好ましくは、環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニル、特に、1つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニル-2-オンであり、この場合、R5はオキソではない。
【0103】
環Pの具体例としては、シクロプロピル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロピラン-4-イル)及びオキサゾリジニル(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)が挙げられる。
【0104】
各R5は、独立して、ハロゲン、-NH2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R5a、-O-C1-C4アルキレン-R5aまたはオキソである。
【0105】
好ましくは、各R5は、独立して、-NH2、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソである。
【0106】
より好ましくは、各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソである。好ましくは、部分がR5で置換される場合、1個以下のR5がオキソである。特に、好ましくは、オキサゾリジニル-2-オン部分は、オキソによってさらに置換されることはない。
【0107】
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルである。
【0108】
環Qは、1~3個のR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1~3個のR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環である。
【0109】
好ましくは、環Qは、1つもしくは2つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環である。
【0110】
より好ましくは、環Qは、1つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つのR6で任意に置換される、N及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環である。
【0111】
環Qの具体例としては、フェニル(例えば、4-フルオロフェニル)、1,3,4-オキサジアゾール(例えば、-1-フルオロエタ-1-イル)-(1,3,4-オキサジアゾール-4-イル)、イミダゾリル(例えば、イミダゾール-4-イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール-4-イル)ならびにピリジニル(例えば、ピリジン-3-イル及びピリジン-4-イル)が挙げられる。
【0112】
各R6は、独立して、ハロゲン、-NH2、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R6aまたは-O-C1-C4アルキレン-R6aである。
【0113】
好ましくは、各R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6a(例えば、-CH3)または-O-C1-C2アルキル(例えば、-O-CH3)である。
【0114】
R6の具体例としては、フルオロ及び1-フルオロ-エタ-1-イルが挙げられる。
【0115】
各R6aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルである。
【0116】
好ましくは、各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNである。
【0117】
R6aの具体例としては、水素及びフルオロが挙げられる。
【0118】
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH2)-、-N(R10a)-もしくは-CH(R10b)-であり、また、R2がハロゲンまたは-CNの場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-の場合、R2は水素ではないか、または、X-R2が水素である。
【0119】
好ましくは、Xが-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素である。
【0120】
より好ましくは、Xが-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンである。
【0121】
Xの具体例としては、-O-及び-N(R10a)-が挙げられ、R10aとR2が一緒になってピペラジン環、例えば、4-メチルピペラジニルを形成してもよく、X-R2として臭素及び水素でもよい。
【0122】
R10aは、水素もしくはC1-C4アルキルであるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。
【0123】
好ましくは、R10aは、水素もしくは-CH3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が任意に1つのR8で置換される4~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。より好ましくは、R10aは、水素もしくは-CH3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に対して3位(Xの窒素原子の位置は0位である)に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が、Xの窒素原子に対して3位で1つのR8で置換される6~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、R10aは、水素もしくは-CH3であるか、またはR2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に対して3位(「パラ」)に1つの-N(R9)-部分を環員として含むか、もしくはXの窒素原子に対して3位(「パラ」)で1つのR8で置換される6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。R2とR10aから形成される環の具体例としては、ピペラジニル、例えば、1-メチルピペラジン-4-イルが挙げられる。
【0125】
R10bは、水素もしくはC1-C4アルキルであるか、またはR2とR10bが一緒になって、4~7員の飽和または部分不飽和炭素環式環を形成しても、-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。
【0126】
好ましくは、R10bは、水素である。
【0127】
R2は、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8で任意に置換される4~7員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4~7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環である(R2がR10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合)。
【0128】
好ましくは、R2(R2がR10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合)は、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つのR8で任意に置換される4~7員の飽和炭素環式環(例えば、6~7員の飽和炭素環式環)であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4~7員の飽和ヘテロ環式環(例えば、6~7員の飽和ヘテロ環式環)であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素である。
【0129】
より好ましくは、R2(R2がR10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合)は、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位(Xに接続される炭素環式環の原子は0位である)で1つのR8で置換される6~7員の飽和炭素環式環であるか、またはR2は、Xに対して3位に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む6~7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素である。
【0130】
いくつかの実施形態では、R2(R2がR10a、R10b、R11、R12もしくはR14と環を形成しない場合)は、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位(「パラ」)で1つのR8で置換される6員の飽和炭素環式環であるか、またはR2は、Xに対して3位(「パラ」)に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む6員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2が臭素である。
【0131】
R10a、B10b、R11、R12またはR14と環を形成しない場合のR2の具体例としては、アゼパン-4-イル、-CH3、-CH2CH2N(CH3)2、4-アミノ-シクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-シクロヘキシル及びtrans-4-アミノ-シクロヘキシル)、4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル(例えば、trans-4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル)、4-NH(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル(例えば、trans-4-N(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル)、4-N(CH3)2-シクロヘキシル(例えば、trans-4-N(CH3)2-シクロヘキシル)、4-NH(CH3)-シクロヘキシル(例えば、trans-4-NH(CH3)-シクロヘキシル)ならびにピペリジン-4-イルが挙げられる。
【0132】
-X-R2(R2がR10a、R10b、R11、R12またはR14と環を形成しない場合)の具体例としては、水素、ブロモ、-O-CH3、-O-アゼパン-4-イル、-O-CH3、-O-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-O-(cis-4-アミノ-シクロヘキシル)、-O-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル))、-O-CH2CH2N(CH3)2、-O-(4-(モルホリン-4-イル)-シクロヘキシル)(例えば、-O-(trans-4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル))、-O-(4-NH(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル)(例えば、-O-(trans-4-NH(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル))、-O-(4-N(CH3)2-シクロヘキシル)(例えば、-O-(trans-4-N(CH3)2-シクロヘキシル))、-O-(4-NH(CH3)-シクロヘキシル)(例えば、-O-(trans-4-NH(CH3)-シクロヘキシル))及び-O-ピペリジン-4-イルが挙げられる。
【0133】
各R7は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R7a)R7bまたは-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)である。
【0134】
いくつかの実施形態では、R7は、-N(R7a)R7bである。
【0135】
R7の具体例としては、-N(CH3)2が挙げられる。
【0136】
各R7aは、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R7cまたはC1-C4ハロアルキレン-R7cである(R7aがR7bと環を形成しない場合)。
【0137】
いくつかの実施形態では、各R7aは、R7bと環を形成しない場合、独立して、水素またはC1-C4アルキル-R7cである。
【0138】
R7aの具体例としては、-CH3が挙げられる。
【0139】
各R7bは、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R7cまたはC1-C4ハロアルキレン-R7cである(R7bがR7aと環を形成しない場合)。
【0140】
いくつかの実施形態では、各R7bは、R7aと環を形成しない場合、独立して、水素またはC1-C4アルキルである。
【0141】
R7bの具体例としては、-CH3が挙げられる。
【0142】
各R7cは、独立して、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである。
【0143】
R7aとR7bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR7dで置換される。
【0144】
各R7dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0145】
各R8は、独立して、-CN、-OH、ハロゲン、-N(R8a)R8b、-NH(-C(=O)-C1-C4アルキル)、C1-C4アルキルまたはC1-C4ハロアルキルである。
【0146】
好ましくは、各R8は、-N(R8a)R8bである。
【0147】
R8の具体例としては、-NH2、-NH(CH3)、-N(CH3)2、NH(CH2CH2OCH3)及びモルホリン-4-イルが挙げられる。
【0148】
各R8aは、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R8cまたはC1-C4ハロアルキレン-R8cである(R8aがR8bと環を形成しない場合)。
【0149】
好ましくは、各R8aは、R8bと環を形成しない場合、独立して、水素またはC1-C4アルキル-R8cである。
【0150】
R8aの具体例としては、水素、-CH3及び-CH2CH2OCH3が挙げられる。
【0151】
各R8bは、独立して、水素、C1-C4アルキレン-R8cまたはC1-C4ハロアルキレン-R8cである(R8bがR8aと環を形成しない場合)。
【0152】
好ましくは、各R8bは、R8aと環を形成しない場合、独立して、水素またはC1-C4アルキルである。
【0153】
R8bの具体例としては、水素及び-CH3が挙げられる。
【0154】
各R8cは、独立して、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである。
【0155】
R8cの具体例としては、水素が挙げられる。
【0156】
R8aとR8bは、一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に1つまたは2つのR8dで置換される。
【0157】
好ましくは、R8aとR8bは、一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。
【0158】
R8aとR8bによって形成される環の具体例としては、モルホリン-4-イルが挙げられる。
【0159】
各R8dは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C2アルキル、C1-C2ハロアルキル、-O-C1-C2アルキル、-O-C1-C2ハロアルキル、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)2である。
【0160】
R9は、水素、C1-C4アルキレン-R9a、C1-C4ハロアルキレン-R9aまたは-C(=O)-C1-C4アルキルである。
【0161】
好ましくは、R9は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0162】
R9の具体例としては、-CH3が挙げられる。
【0163】
R9aは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである。
【0164】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3である。
【0165】
いくつかの実施形態では、RaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成する。
【0166】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-である。
【0167】
いくつかの実施形態では、Aは、-C(=O)-である。
【0168】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-である。
【0169】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-C(=O)-である。
【0170】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-S(O2)-である。
【0171】
いくつかの実施形態では、Tは、-O-である。
【0172】
いくつかの実施形態では、Tは、-C(R12)(R13)-である。
【0173】
いくつかの実施形態では、Tは、-C=C(R12)2である。
【0174】
いくつかの実施形態では、Tは、-C(=O)-N(R14)-である。
【0175】
いくつかの実施形態では、Tは、-S-である。
【0176】
いくつかの実施形態では、Tは、-S(O2)-である。
【0177】
いくつかの実施形態では、Tは、-S(O2)-N(R14)-である。
【0178】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。
【0179】
いくつかの実施形態では、Xは、-N(R10a)-である。
【0180】
いくつかの実施形態では、X-R2は、水素である。
【0181】
いくつかの実施形態では、X-R2は、ハロゲンである。
【0182】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-O-である。
【0183】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-C(=O)-であり、Xは、-O-である。
【0184】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-S(O2)-であり、Xは、-O-である。
【0185】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-NH(R10a)-である。
【0186】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、X-R2は、水素である。
【0187】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、X-R2は、ハロゲンである。
【0188】
いくつかの実施形態では、Tは、-O-であり、Xは、-O-である。
【0189】
いくつかの実施形態では、Tは、-C(R12)(R13)-であり、Xは、-O-である。
【0190】
いくつかの実施形態では、Tは、-C=C(R12)2であり、Xは、-O-である。
【0191】
いくつかの実施形態では、Tは、-C(=O)-N(R14)-であり、Xは、-O-である。
【0192】
いくつかの実施形態では、Tは、-O-であり、Xは、-O-である。
【0193】
いくつかの実施形態では、Tは、-S-であり、Xは、-O-である。
【0194】
いくつかの実施形態では、Tは、-S(O2)-であり、Xは、-O-である。
【0195】
いくつかの実施形態では、Tは、-S(O2)-N(R14)-であり、Xは、-O-である。
【0196】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-N(R10a)-である。
【0197】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-である。
【0198】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-C(=O)-である。
【0199】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-S(O2)-である。
【0200】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-O-である。
【0201】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(R12)(R13)-である。
【0202】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C=C(R12)2である。
【0203】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(=O)-N(R14)-である。
【0204】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S-である。
【0205】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-である。
【0206】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-N(R14)-である。
【0207】
いくつかの実施形態では、Aは、-C(=O)-であり、Tは、-N(R11)-である。
【0208】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Xは、-O-である。
【0209】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Xは、-N(R10a)-である。
【0210】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、X-R2は、水素である。
【0211】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、X-R2は、ハロゲンである。
【0212】
いくつかの実施形態では、Aは、-C(=O)-であり、Xは、-O-である。
【0213】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-O-である。
【0214】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-C(=O)-であり、Xは、-O-である。
【0215】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-S(O2)-であり、Xは、-O-である。
【0216】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-O-であり、Xは、-O-である。
【0217】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(R12)(R13)-であり、Xは、-O-である。
【0218】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-N(R10a)-である。
【0219】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C=C(R12)2であり、Xは、-O-である。
【0220】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(=O)-N(R14)-であり、Xは、-O-である。
【0221】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-O-であり、Xは、-O-である。
【0222】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S-であり、Xは、-O-である。
【0223】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-であり、Xは、-O-である。
【0224】
いくつかの実施形態では、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-N(R14)-であり、Xは、-O-である。
【0225】
いくつかの実施形態では、Aは、-C(=O)-であり、Tは、-N(R11)-であり、Xは、-NHR10a)-である。
【0226】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-である。
【0227】
いくつかの実施形態では、RaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、Aは、-CH2-である。
【0228】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-C(=O)-である。
【0229】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-N(R11)-である。
【0230】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-N(R11)-C(=O)-である。
【0231】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-N(R11)-S(O2)-である。
【0232】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-O-である。
【0233】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-C(R12)(R13)-である。
【0234】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-C=C(R12)2である。
【0235】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-C(=O)-N(R14)-である。
【0236】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-S-である。
【0237】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-S(O2)-である。
【0238】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Tは、-S(O2)-N(R14)-である。
【0239】
いくつかの実施形態では、RaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、Tは、-N(R11)-である。
【0240】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-である。
【0241】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-C(=O)-である。
【0242】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-S(O2)-である。
【0243】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-O-である。
【0244】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(R12)(R13)-である。
【0245】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-C=C(R12)2である。
【0246】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-C(=O)-N(R14)-である。
【0247】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-S-である。
【0248】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-である。
【0249】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-CH2-であり、Tは、-S(O2)-N(R14)-である。
【0250】
いくつかの実施形態では、RaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、Aは、-CH2-であり、Tは、-N(R11)-である。
【0251】
いくつかの実施形態では、Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、Aは、-C(=O)-であり、Tは、-N(R11)-である。
【0252】
いくつかの実施形態では、Tが-N(R11)、-O-、-C(R12)(R13)-、-S-、-S(O)-、または-S(O2)-である場合、置換基R1は水素ではない(すなわち、この場合、誤解を避けるために、これは、R1もY-R3部分も水素であることはできないことを意味する)。
【0253】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、水素ではない。
【0254】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、少なくとも1つの水素以外の原子を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、少なくとも2つの水素以外の原子を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、少なくとも3つの水素以外の原子を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、少なくとも4つの水素以外の原子を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、置換基R1は、少なくとも5つの水素以外の原子を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、R1は、R11またはR14と環を形成しない場合、-Y-R3であるが、ただし、Yは、R3が水素の場合は結合ではない。
【0260】
いくつかの実施形態では、R1は、R11もしくはR14と環を形成しない場合、-Y-R3であり、Yは、C1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、該アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの部分で置換されてもよく、該アルキレン部分は、3~5員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環を該部分の一部として含んでもよいか、またはR1は、環Pもしくは環Qである。
【0261】
いくつかの実施形態では、R1は、R11もしくはR14と環を形成しない場合、C1-C6アルキレン-R3であり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在するか、またはR1は、環Pもしくは環Qである。
【0262】
いくつかの実施形態では、R1は、R11もしくはR14と環を形成しない場合、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qである。
【0263】
いくつかの実施形態では、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)もしくは-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH2、環Pまたは環Qであり、
R11は、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルであり、
環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニルであり、
各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、環Pは、2つのオキソで置換されることはなく、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルである。
【0264】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-、-C(=O)-、-N(R10a)-もしくは-CH(R10b)-であり、また、R2がハロゲンまたは-CNの場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-の場合、R2は水素ではないか、または、X-R2が水素である。
【0265】
いくつかの実施形態では、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成する。
【0266】
いくつかの実施形態では、R2とR10aは、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0267】
いくつかの実施形態では、R2及びR10bは、一緒になって、4~7員の飽和または部分不飽和炭素環式環を形成しても、-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、任意に1つまたは2つのR8で置換される4~7員の飽和または部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよい。
【0268】
いくつかの実施形態では、R2とR10bは、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0269】
いくつかの実施形態では、R2とR11が一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0270】
いくつかの実施形態では、R2とR11は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0271】
いくつかの実施形態では、R2とR12が一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0272】
いくつかの実施形態では、R2とR12は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0273】
いくつかの実施形態では、R2とR14が一緒になって、環員としてさらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6~7員ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、任意に、1つまたは2つのR2aで置換される。
【0274】
いくつかの実施形態では、R2とR14は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0275】
いくつかの実施形態では、R2とR11、R2とR12、及びR2とR14は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0276】
いくつかの実施形態では、R1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成し、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換される。
【0277】
いくつかの実施形態では、R1とR11は、一緒になってヘテロ環式環もヘテロアリール環も形成しない。
【0278】
いくつかの実施形態では、R1とR14が一緒になって、N、O及びSから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR14は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成し、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換される。
【0279】
いくつかの実施形態では、R1とR14は、一緒になってヘテロ環式環もヘテロアリール環も形成しない。
【0280】
いくつかの実施形態では、R2とR10a、R2とR10b、R2とR11、R2とR12、R2とR14、R1とR11、及びR1とR14は、一緒になってヘテロ環式環もヘテロアリール環も形成しない。
【0281】
いくつかの実施形態では、R1とR11は、一緒になって、本明細書に定義されるヘテロ環式環またはヘテロアリール環(特に、Tが-N(R11)-である場合)を形成し得るが、R2とR10a、R2とR10b、R2とR11、R2とR12、R2とR14、及びR1とR14は、一緒になってヘテロ環式環を形成しない。
【0282】
いくつかの実施形態では、R2は、C1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位(「パラ」)で1つのR8で置換される6員の飽和炭素環式環であり、R8は、-N(R8a)R8bである。
【0283】
いくつかの実施形態では、
Xは、-O-もしくは-NH(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素であり、
R10aは、水素または-CH3であり、
R2は、C1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位(「パラ」)で1つのR8で置換される6員の飽和炭素環式環であり、
R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキル-R8cであり、
R8bは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルである。
【0284】
いくつかの実施形態では、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-または-N(R11)-S(O2)-であり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であるか、
またはR1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つもしくは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
R11は、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換される。
【0285】
いくつかの実施形態では、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-または-N(R11)-S(O2)-であり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であるか、
Yは、C1-C6アルキレンであり、その場合、1つの非末端-CH2-部分は、-O-で置き換えられてもよく、該アルキレン部分は、-OH、-O-C1-C4アルキル及び-O-C1-C4ハロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されてもよく、該アルキレン部分は、3~5員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環を該部分の一部として含んでもよく、
またはR1とR11が一緒になって、N、O及びSから選択される1つもしくは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む飽和もしくは部分不飽和4~7員ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1~3個のR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1~3個のさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5~6員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1~3個のR1bで置換され、
R11は、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、該シクロアルキルは、任意に、1つまたは2つのR11bで置換される。
【0286】
いくつかの実施形態では、
Tは、-N(R11)-または-N(R11)-S(O2)-であり、
R11は、R1と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R1とR11が一緒になって、N及びOから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つもしくは2つのR1aで置換されるか、または、R1とR11が一緒になって、Nから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つまたは2つのR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1c、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)NH2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1cまたは-O-C1-C4ハロアルキルであり、
各R1cは、独立して、水素または-OHであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であり、
Yは、C1-C6アルキレンであり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在し、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4であり、
R4は、水素であり、
環Pは、1~2個のR5で任意に置換される3~6員の飽和炭素環式環であるか、またはN及びOから選択される1つのヘテロ原子を含み、1~2個のR5で任意に置換される5~6員の飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、-NH2、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNである。
【0287】
いくつかの実施形態では、
Tは、-N(R11)-または-N(R11)-S(O2)-であり、
R11は、R1と環を形成しない場合、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R1とR11が一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5~6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つのR1bで置換され、
R1aは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1bは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)もしくは-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH2、環Pまたは環Qであり、
環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニルであり、
各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、環Pは、2つのオキソで置換されることはなく(例えば、環Pは、R5がオキソの場合、1つのR5でのみ任意に置換される)、
環Qは、1つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つのR6で任意に置換される、N及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNである。
【0288】
いくつかの実施形態では、Tは、-N(R11)-であり、R11は、R1と環を形成しない場合、C1-C4アルキル、例えば、メチルまたはエチルである。
【0289】
実施形態(実施形態A1)では、該化合物は、式(I)の化合物であり、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
各R12は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aであり、
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R13は、水素であり、
R14は、水素またはC1-C4アルキルであり、
R2とR11は、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、一緒になって、さらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6員ヘテロ環式環を形成してもよく、
R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、例えば、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、アゼチジニル、2,5-ジヒドロピロリル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択される環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つもしくは2つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、Nから選択される、例えば、ピロリルから選択される、1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つもしくは2つのR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1c、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)NH2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1cまたは-O-C1-C4ハロアルキルであり、
各R1cは、独立して、水素または-OHであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在し、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4であり、
R4は、水素であり、
環Pは、1~2個のR5で任意に置換される3~6員の飽和炭素環式環であるか、またはN及びOから選択される1つのヘテロ原子を含み、1~2個のR5で任意に置換される5~6員の飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、-NH2、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNであり、
Xは、-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素であり、
R10aは、水素もしくは-CH3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が任意に1つのR8で置換される4~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10aもしくはR11と環を形成しない場合、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つのR8で任意に置換される4もしくは7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4もしくは7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素であり、
R7は、-N(R7a)R7bであり、
R7aは、水素またはC1-C4アルキル-R7cであり、
R7bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R7cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキル-R8cであり、
R8bは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R9は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0290】
実施形態(実施形態A2)では、該化合物は、式(I)の化合物であり、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-、-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C6シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
各R12は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aであり、
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R13は、水素であり、
R14は、水素またはC1-C4アルキルであり、
R2とR11は、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、一緒になって、さらなるヘテロ原子を含まない部分不飽和6員ヘテロ環式環を形成してもよく、
R1とR11は一緒になって、N及びOから選択される1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む4~6員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、例えば、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、アゼチジニル、2,5-ジヒドロピロリル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択される環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つもしくは2つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、Nから選択される、例えば、ピロリルから選択される、1つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つもしくは2つのR1bで置換され、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1c、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)NH2またはオキソであり、
各R1bは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、C1-C4アルキレン-R1cまたは-O-C1-C4ハロアルキルであり、
各R1cは、独立して、水素または-OHであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、該アルキレン部分は、1つの-OHで置換されてもよく、該アルキレン部分は、該部分の一部として3員の飽和炭素環式環を含んでもよく、Tへの接続及びR3への接続の間に3つ以下の炭素原子のスペーサーが存在するか、またはR1は、環Pもしくは環Qであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-NH-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-C(=O)-C1-C4アルキレン-R4、環P、環Q、-NH-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-N(C1-C4アルキル)-S(O2)-C1-C4アルキレン-R4、-S-C1-C4アルキレン-R4または-S(O2)-C1-C4アルキル-R4であり、
R4は、水素であり、
環Pは、1~2個のR5で任意に置換される3~6員の飽和炭素環式環であるか、またはN及びOから選択される1つのヘテロ原子を含み、1~2個のR5で任意に置換される5~6員の飽和ヘテロ環式環であり、
各R5は、独立して、-NH2、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6で任意に置換される、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
各R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
各R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNであり、
Xは、-O-もしくは-NH(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンもしくは水素であり、
R10aは、水素もしくは-CH3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に加えて-N(R9)-部分を環員として任意に含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が任意に1つのR8で置換される4~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10aもしくはR11と環を形成しない場合、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、または1つのR8で任意に置換される4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む4~7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素であり、
R7は、-N(R7a)R7bであり、
R7aは、水素またはC1-C4アルキル-R7cであり、
R7bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R7cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキル-R8cであり、
R8bは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R9は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0291】
実施形態(実施形態B)では、該化合物は、式(I)の化合物であり、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であり、
Aは、-CH2-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-S(O2)-、-C=C(R12)2、-S-または-C(=O)-N(R14)-であり、
R11は、R1と環を形成しない場合、水素、C1-C4アルキレン-R11a、C1-C4ハロアルキレン-R11aまたはC3-C4シクロアルキルであり、
R11aは、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
各R12は、独立して、水素またはC1-C4アルキレン-R12aであり、
各R12aは、独立して、水素、ハロゲン、-CNまたは-OHであり、
R14は、水素またはC1-C4アルキルであり、
R1とR11は一緒になって、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5~6員の飽和ヘテロ環式環、例えば、ピペリジニル、ピロリジニル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択される環を形成してもよく、該ヘテロ環式環は、任意に、1つのR1aで置換されるか、または、R1とR11は一緒になって、例えば、ピロリルから選択される、さらなるヘテロ原子を環員として含まない5員のヘテロアリール環を形成してもよく、該ヘテロアリール環は、任意に、1つのR1bで置換され、
R1aは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1bは、ハロゲン、-OHまたは-CNであり、
R1は、R11と環を形成しない場合、水素、C1-C3アルキレン-R3、環Pまたは環Qであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキレン-R4)もしくは-N(C1-C4アルキレン-R4)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-NH2、環Pまたは環Qであり、
R4は、水素であり、
環Pは、1つまたは2つのR5で任意に置換されるオキサゾリジニルであり、
各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R5aまたはオキソであり、環Pは、2つのオキソで置換されることはなく(例えば、環Pは、R5がオキソの場合、1つのR5でのみ任意に置換される)、
各R5aは、独立して、水素、ハロゲン、-NH2、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つのR6で任意に置換されるフェニルであるか、または1つのR6で任意に置換される、N及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員のヘテロアリール環であり、
R6は、独立して、-NH2、-OH、-CN、C1-C2アルキレン-R6aまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R6aは、独立して、水素、ハロゲンまたは-CNであり、
Xは、-O-もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がハロゲンであり、
R10aは、水素もしくは-CH3であるか、または、R2とR10aが一緒になって、Xの窒素原子に対して3位に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含み、-N(R9)-部分を含まない場合には、ヘテロ環式環が、Xの窒素原子に対して3位で1つのR8で置換される6~7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R2は、R10aと環を形成しない場合、R7で任意に置換されるC1-C4アルキルであるか、またはXに対して3位で1つのR8で置換される6~7員の飽和炭素環式環であるか、またはR2は、Xに対して3位に1つの-N(R9)-部分を環員として含み、それ以外は炭素原子のみを環員として含む6~7員の飽和ヘテロ環式環であるか、あるいはX-R2がハロゲンまたは水素であり、
R7は、-N(R7a)R7bであり、
R7aは、水素またはC1-C4アルキル-R7cであり、
R7bは、水素またはC1-C4アルキルであり、
R7cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R8は、-N(R8a)R8bであり、
R8aは、R8bと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキル-R8cであり、
R8aは、R8aと環を形成しない場合、水素またはC1-C4アルキルであり、
R8aとR8bが一緒になって、N及びOから選択される1つまたは2つのさらなるヘテロ原子を環員として任意に含む6員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、
R8cは、水素、ハロゲン、-O-C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2ハロアルキルであり、
R9は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0292】
実施形態(実施形態C)では、該化合物は、式(I)の化合物であり、式中、
Ra及びRbは、両方とも-CH3であるか、またはRaとRbが一緒になって、-CH2-CH2-CH2-CH2-架橋部分を形成し、
Aは、-CH2-または-C(=O)-であり、
Tは、-N(R11)-、-N(R11)-C(=O)-、-N(R11)-S(O2)-、-O-または-C(R12)(R13)-、-C=C(R12)2、-S-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14)-または-C(=O)-N(R14)-であり、R11は、R1またはR2と環を形成しない場合、-CH3、シクロプロピル、-CH2CH2CH3、-CH2CH2CN、-CH2CH2OH、-CH2CH3または水素であり、
各R12は、独立して、水素、-CH3または-CH2OHであり、
R13は、水素であり、
R14は、水素または-CH3であり、
R2とR11は、Tが-N(R11)-であり、Xが-O-である場合、一緒になって、-CH2CH2-架橋部分を形成してもよく、
R1とR11は、Tが-N(R11)-である場合、一緒になって、各々が1~2個のR1aで任意に置換されるピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルアゼチジニル、2,5-ジヒドロピロリル及び1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イルから選択されるヘテロ環式環を形成してもよく、
各R1aは、独立して、-OH、-CN、-OCH3、-CH2OH、-C(=O)NH2、またはオキソであり、
R1とR11は、Tが-N(R11)-である場合、一緒になって、1つまたは2つのR1bで任意に置換されるピロリルから選択されるヘテロアリール環を形成してもよく、
各R1bは、独立して、-OH、-CN、-OCH3及び-CH2OHから選択され、
R1は、R11と環を形成しない場合、水素または-Y-R3であり、
Yは、結合、-CH2-、-CH2C(-CH2CH2-)-、-CH2C(CH3)2-、-CH2CH(OH)CH2-、-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-、-C(CH3)2-、-CH2CH2C(CH3)2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2-または-CH2C(CH3)2CH2-であり、
R3は、水素、1-テトラヒドロピラン-4-イル、-CN、-OH、-C(=O)NHCH3、-CF3、-NHC(=O)CH3、-NHS(O2)CH3、-OCF3、-OCH3、-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、-S(O2)CH3、-SCH3、-OCH2CH3、4-フルオロフェニル、1,3,4-オキサジアゾール-4-イル、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OH、-NH2、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、シクロプロピルまたは-C(=O)NH2であり、
Xは、-O-、もしくは-N(R10a)-であるか、またはX-R2がブロモもしくは水素であり、
R2とR10aは、一緒になってピペラジニル環を形成してもよく、
R2は、R10aもしくはR11と環を形成しない場合、アゼパン-4-イル、-CH3、-CH2CH2N(CH3)2、4-アミノ-シクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-シクロヘキシル及びtrans-4-アミノ-シクロヘキシル)、4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル(例えば、trans-4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル)、4-NH(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル(例えば、trans-4-N(CH2CH2OCH3)-シクロヘキシル)、4-N(CH3)2-シクロヘキシル(例えば、trans-4-N(CH3)2-シクロヘキシル)、4-NH(CH3)-シクロヘキシル(例えば、trans-4-NH(CH3)-シクロヘキシル)もしくはピペリジン-4-イルであるか、またはX-R2がブロモもしくは水素である。
【0293】
さらなる実施形態では、本発明は、以下の化合物及びその医薬的に許容される塩を提供する:
8-メトキシ-5,5,7-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン、
4,6,6-トリメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アセトアミド、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7-ジエチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-モルホリノ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]エタノール、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体1、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体2、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7,5,5-テトラメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-9-イル)ピペリジン-4-オール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-プロピル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-オール、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-N-メチル-アセトアミド、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]プロパン-1,2-ジオール、
[1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-イル]メタノール、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]アセトニトリル、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルファニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルホニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]アセトニトリル、
4,7-ジアミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン、
2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]アセトニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-エトキシエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]アセトアミド、
N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]メタンスルホンアミド、
1-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2-メチル-プロパン-2-オール、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-N-メチル-アセトアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-エタンスルホンアミド、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
N-[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-アセトアミド、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-[2-(トリフルオロメトキシ)エチル]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体1、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体2、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-シクロプロピル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-[trans-4-(2-メトキシエチルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブタ-3-イニル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2H-ピロール-5-オン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
4-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]ブタンニトリル、
2-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
2-[[4-アミノ-8-(4-trans-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]エタノール、
8-メトキシ-7-(3-メトキシプロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン-異性体1、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-メトキシ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
エチル2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]アセテート、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-スルファモイル]プロパン酸、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]エタノール、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]オキシ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7-メチル-スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン-異性体2、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-シアノ-N-メチル-エタンスルホンアミド、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)-N7-メチル-スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリル、
1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボキサミド、
3-[[4-アミノ-8-(アゼパン-4-イルオキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]アミノ]酢酸、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-アミノエチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタンニトリル、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-7-イル]-メチル-アミノ]エタノール、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-シクロプロピル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパン酸、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-スルファモイル]プロパンアミド、
8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(2-メトキシエチル)スピロ[6H-ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパンアミド、
(5R)-5-[2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]エチル]オキサゾリジン-2-オン、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミド、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパンニトリル、
3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタン-1-オール、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルオキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミド、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-trans-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ペンタンニトリル、
(E)-3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタ-2-エン-1-オール、
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-[trans-4-(メチルアミノ)シクロヘキソキシ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(4-ピリジルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソプロピル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-(1H-イミダゾール-4-イルメチル)-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソペンチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(オキサゾール-4-イルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-イソブチル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(3-ピリジルメチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルファニル]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2,2-ジメチル-プロパン-1-オール、
4-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-2-メチル-ブタン-2-オール、
3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルホニル]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミド、
N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-4-フルオロ-N-メチル-ベンゼンスルホンアミド、
3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミド、
3-(7-アミノ-6,6-ジメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-4-イル)プロパンニトリル;
3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(1,1-ジオキソ-1,2-チアゾリジン-2-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、
1-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリル、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
N7-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、
3-[[4-アミノ-8-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]アミノ]プロパンニトリル、
3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-8-ピペラジン-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリル、
(5S)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(cis-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、
(5R)-5-[[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オン、及び
3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メチル]アミノ]プロパンニトリル。
【0294】
式(I)の化合物の調製に有用ないくつかの中間体は、新規であり、本発明のさらなる態様を形成する。したがって、さらなる態様では、本発明は、式(B)の化合物
【0295】
【0296】
及びそれらの塩を提供し、式中、
A、Ra及びRbは、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
E1は、-OH、-ハロゲン、-O-C1-C4アルキル、ボロン酸、ボロン酸エステル(例えば、ジメチルボロン酸エステルもしくはピナコールボロン酸エステル)またはO-L1であり、
L1は、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルであり、
E2は、-OH、ハロゲン、-NO2または-SO2Clである。
【0297】
さらなる態様では、本発明は、式(C)の化合物
【0298】
【0299】
及びそれらの塩を提供し、式中、
A、X、Ra及びRbは、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
E2は、-OH、ハロゲン、-NO2または-SO2Clであり、
R2’は、式(I)の化合物についてR2に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R2内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護される。
【0300】
好ましくは、式(C)の化合物において、R2’置換基内のアミノ基は、任意に、適切なアミノ保護基、例えば、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルカルボニル、tert-ブトキシカルボニルもしくはベンジルで保護されてもよく、及び/またはヒドロキシル基は、任意に、適切なヒドロキシル保護基、例えば、メチル、ベンジルもしくはパラ-メトキシベンジルで保護されてもよい。
【0301】
さらなる態様では、本発明は、式(D)の化合物
【0302】
【0303】
及びそれらの塩を提供し、式中、
A、X、Ra及びRbは、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
T’は、-N(R11’)-、-N(R11’)-C(=O)-、-N(R11’)-S(O2)-、-O-、-C(R12’)(R13)-、-C=C(R12’)2、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14’)-または-C(=O)-N(R14’)-であり、
R11’は、式(I)の化合物におけるR11に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R11内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R12’は、式(I)の化合物におけるR12に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R12内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R13は、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
R14’は、式(I)の化合物におけるR14に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R14内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R1’は、式(I)の化合物におけるR1に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R1内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R2’は、式(I)の化合物におけるR2に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R2内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護される。
【0304】
好ましくは、式(D)の化合物は、少なくとも1つの保護基を含む。
【0305】
好ましくは、式(D)の化合物において、置換基R1’、R2’、R11’、R12’及びR14’のうちの1つ以上の中で、アミノ基は、任意に、適切なアミノ保護基、例えば、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルカルボニル、tert-ブトキシカルボニルもしくはベンジルで保護されてもよく、及び/またはヒドロキシル基は、任意に、適切なヒドロキシル保護基、例えば、メチル、ベンジルもしくはパラ-メトキシベンジルで保護されてもよい。
【0306】
さらなる態様では、本発明は、式(E)の化合物
【0307】
【0308】
及びそれらの塩を提供し、式中、
A、Ra及びRbは、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
T’は、-N(R11’)-、-N(R11’)-C(=O)-、-N(R11’)-S(O2)-、-O-、-C(R12’)(R13)-、-C=C(R12’)2、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-S(O2)-N(R14’)-または-C(=O)-N(R14’)-であり、
R11’は、式(I)の化合物におけるR11に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R11内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R12’は、式(I)の化合物におけるR12に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R12内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R13は、式(I)の化合物に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、
R14’は、式(I)の化合物におけるR14に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R14内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
R1’は、式(I)の化合物におけるR1に対して、その好ましい定義(実施形態A1、実施形態A2、実施形態Bまたは実施形態Cで定義されるものを含む)を含め、定義される通りであり、この場合、R1内の任意の官能基は、任意に、適切な保護基で保護され、
E1は、-OH、-ハロゲン、-O-C1-C4アルキル、ボロン酸、ボロン酸エステル(例えば、ジメチルボロン酸エステルもしくはピナコールボロン酸エステル)またはO-L1であり、
L1は、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルである。
【0309】
好ましくは、式(E)の化合物において、置換基R1’、R11’、R12’及びR14’のうちの1つ以上の中で、アミノ基は、任意に、適切なアミノ保護基、例えば、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルカルボニル、tert-ブトキシカルボニルもしくはベンジルで保護されてもよく、及び/またはヒドロキシル基は、任意に、適切なヒドロキシル保護基、例えば、メチル、ベンジルもしくはパラ-メトキシベンジルで保護されてもよい。
【0310】
本発明はまた、有効成分として式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物に関し、これは、本明細書に記載の通り、腫瘍性疾患、特に、がんの治療にとりわけ使用され得る。組成物は、非経口以外の投与用、例えば、鼻、頬側、直腸、肺、膣、舌下、局所、経皮、眼科用、または、特に、経口投与のために、例えば、経口固体剤形の形態、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質及び軟質ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤、必要に応じてコーティングされたもの、口腔内崩壊錠、経口液、脂質エマルジョンもしくは脂質懸濁液、または非経口投与用、例えば、静脈内、筋肉内、もしくは皮下、髄腔内、皮内もしくは硬膜外投与用に、哺乳類、特にヒトに対して、例えば、マイクロ粒子もしくはナノ粒子を含む溶液、脂質エマルジョンもしくは懸濁液の形態に製剤化され得る。該組成物は、該有効成分を単独で、または、好ましくは、医薬的に許容される担体とともに含み得る。
【0311】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、経口固体剤形、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質ゼラチンもしくはHPMCカプセル剤または口腔内崩壊錠の生産のために、医薬的に不活性な無機または有機賦形剤とともに加工され得る。充填剤、例えば、ラクトース、セルロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、デンプンまたはその誘導体、結合剤、例えば、セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、またはそれらの誘導体、流動促進剤、例えば、タルカム、ステアリン酸またはその塩、流動化剤、例えば、ヒュームドシリカは、経口固体剤形、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質ゼラチンもしくはHPMCカプセル剤、または口腔内崩壊錠を製剤化及び製造するための賦形剤として使用することができる。軟質ゼラチンカプセル剤に適した賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0312】
経口液剤、脂質エマルジョンまたは懸濁液の製造に適した賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。非経口製剤に適した賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油、レシチン、界面活性剤等である。さらに、該医薬品は、防腐剤、可溶化剤(例えば、シクロデキストリン)、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味料、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤、または抗酸化剤を含むことができる。該医薬品はまた、治療上価値のある他の物質を含むこともできる。
【0313】
注射剤用途に適した医薬組成物としては、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、及び、滅菌注射剤溶液または分散液を即時調製するための滅菌粉末が挙げられる。静脈内投与の場合、適切な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor(登録商標)ELまたはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。該担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、ならびにそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。強親油性分子の静脈内注射の場合、製剤に安定剤、例えば、界面活性剤、高分子界面活性剤、ポリマー、錯化剤及び/または共溶媒を含めることが有利である可能性があり、それにより、当該化合物の水溶性が大幅に向上し得る。可溶化剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、グリセロール及びシクロデキストリン(例えば、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)が挙げられる。
【0314】
投薬量は、広い範囲内で変更することができ、当然のことながら、各特定の場合における個々の要件に合わせることができる。一般に、経口投与の場合、一般式(I)の化合物の一人あたりの1日用量は、約1~1000mgを適切とするが、必要な場合には、該下限または上限を超えることもできる。
【0315】
式(I)の化合物はまた、同じ疾患に対して、好ましくは異なる作用機序を使用して、効果的であるか、または式(I)の化合物の起こり得る望ましくない副作用を低減もしくは防止する、1つ以上の他の医薬的に活性な化合物と組み合わせて使用することもできる。組み合わせパートナーは、かかる治療において、同時に、例えば、単一の医薬製剤に組み込むことによって、または組み合わせパートナーのうちの1つもしくは2つ以上を各々が含む2つ以上の異なる剤形の投与によって連続的に投与され得る。
【0316】
本発明による上記の式(I)の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩は、特に、腫瘍性疾患、例えば、がんの治療に、特に、治療有効量で、例えば、それを必要とする対象に投与された場合に有用である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物によって治療されるがんは、1つ以上のCLK酵素を阻害することによって治療可能であり得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物によって治療されるがんは、異常なスプライシングを阻害することによって治療可能であり得る。該がんは、異常なスプライシングによってドライブされる可能性があり、例えば、該がんは、スプライシング因子変異がんであり得る。該がんは、発がん性スプライスバリアントに依存し得る。
【0317】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、強力なCLKキナーゼ阻害剤であり、例えば、低い選択性スコアによって示される、高いキナーゼ選択性を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、抗増殖活性及び/または細胞死によって示される、強力な細胞活性を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、SRタンパク質のリン酸化を強力に抑制する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、標的エンゲージメントアッセイによって示される、長いCLK酵素滞留時間を示し、例えば、短期間の曝露後でもがん細胞に対する強力な抗増殖活性をもたらす。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、良好な代謝安定性を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、Caco-2透過性アッセイによって示される、良好な透過性を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、流出の良好な回避を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、高い経口バイオアベイラビリティを示す。
【0318】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、インビトロアッセイにおいて、最大100nMのIC50でCLK3を阻害するものである。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、インビトロアッセイにおいて、最大30nMのIC50でCLK3を阻害するものである。CLK3の阻害を測定するためのインビトロアッセイについては、以下の実施例(CLK3キナーゼアッセイ)に記載されている。
【0319】
本発明の化合物による治療に関する腫瘍性疾患の例としては、上皮性新生物、扁平上皮細胞新生物、基底細胞新生物、移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌、腺腫及び腺癌、付属器及び皮膚付属器癌新生物、粘液類表皮性新生物、嚢胞性新生物、粘液性及び漿液性新生物、導管、小葉及び髄様新生物、腺房細胞新生物、複合上皮性新生物、特殊な性器新生物、傍神経節腫及びグロムス腫瘍、母斑及び黒色腫、軟部組織腫瘍及び肉腫、線維腫性新生物、粘液腫性新生物、脂肪腫性新生物、筋腫性新生物、複合性混合新生物及び間質性新生物、線維上皮性新生物、滑膜様新生物、中皮性新生物、胚細胞性新生物、トロホブラスト新生物、中腎腫、血管性腫瘍、リンパ管性腫瘍、骨及び軟骨腫性新生物、巨細胞腫瘍、その他の骨腫瘍、歯原性腫瘍、グリオーマ、神経上皮腫性及び神経内分泌新生物、髄膜腫、神経鞘性腫瘍、顆粒細胞性腫瘍及び胞巣状軟部肉腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及び他のリンパ細網系新生物、血漿細胞腫瘍、肥満細胞腫瘍、免疫増殖性疾患、白血病、その他の骨髄増殖性障害、リンパ増殖障害及び骨髄異形成症候群が挙げられるがこれらに限定されない。
【0320】
罹患した身体の器官及び部位に関するがんの例としては、乳房、子宮頸部、卵巣、結腸、直腸(結腸及び直腸を含む、すなわち、結腸直腸癌)、肺(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、大細胞肺癌及び中皮腫を含む)、内分泌系、骨、副腎、胸腺、肝臓、胃(胃癌)、腸、膵臓、骨髄、血液悪性腫瘍(リンパ腫、白血病、骨髄腫またはリンパ系悪性腫瘍等)、膀胱、尿路、腎臓、皮膚、甲状腺、脳、頭部、頸部、前立腺及び精巣が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、該がんは、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝臓癌、脳癌、神経内分泌癌、肺癌、腎臓癌、膀胱癌、中皮腫、血液悪性腫瘍、黒色腫及び肉腫からなる群から選択される。
【0321】
本発明の化合物による治療に関する腫瘍性疾患のさらなる例は、血液悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、固形腫瘍、例えば、粘膜黒色腫、ブドウ膜黒色腫、髄芽腫、肝細胞癌、子宮内膜癌、膀胱癌、皮膚黒色腫、肺腺癌、膵癌、乳癌、スプライシング遺伝子変異を伴うがん、例えば、スプライシング因子の増幅または融合を伴うがん、発がん性転写因子のシグナル伝達によってドライブされるがん、発がん性スプライスバリアントによってドライブされるがん、スプライシング因子及び/またはスプライシング調節に関与する遺伝子が部分的または完全に欠失したがんである。
【0322】
疾患または障害の治療の文脈において本明細書で使用される「治療」または「治療すること」という用語は、一般的に、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的用途)にかかわらず、何らかの望ましい治療効果、例えば、疾患または障害の進行の阻害が達成される治療及び治療法に関し、進行速度の低下、進行速度の停止、疾患または障害の症状の緩和、疾患または障害の改善、及び疾患または障害の治癒を含む。予防対策としての治療(すなわち、予防)も含まれる。例えば、疾患または障害をまだ発症していないが、疾患または障害を発症するリスクのある患者での使用は、「治療」という用語に包含される。例えば、治療は、がんの予防、がんの発生率の減少、がんの症状の緩和等を含む。
【0323】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、所望の治療レジメンに従って投与された場合、妥当な利益/リスク比に見合った、何らかの望ましい治療効果をもたらすのに有効である、化合物、または化合物を含む材料、組成物もしくは剤形の量に関する。
【0324】
「医薬組成物」という用語は、本明細書では、対象、例えば、哺乳類またはヒトに投与される少なくとも1つの治療薬を任意に1つ以上の医薬的に許容される賦形剤とともに含み、該哺乳類を侵す特定の疾患または状態を予防または治療するための固体または液体製剤を指すように定義される。
【0325】
本明細書で使用される「医薬的に許容される」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性または他の合併症を伴うことなく、妥当な利益/リスク比に見合った、温血動物、例えば、哺乳類またはヒトの組織との接触に適した化合物及びその塩、材料、組成物及び/または剤形等の項目を指す。
【0326】
式(I)の化合物は、以下に示す方法によって、または類似の方法によって、例えば、スキームIに示す通りに合成することができるとともに、当業者には明らかなように、特許請求の範囲に記載の通り、中間体(E)を経由する合成経路を使用しても合成され得る。本明細書に記載のスキームは、式(I)の化合物を調製するための方法の網羅的なリストを提示することを意図するものではなく、むしろ、当業者の化学者が知るさらなる技術を該化合物の合成に使用してもよい。
【0327】
最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動し得るが、かかる条件は、日常的な最適化手順によって決定することができることが有機合成分野の当業者には理解される。場合によっては、以下の反応スキーム、及び/または反応ステップを行う順序は、反応を促進するため、または不要な副生成物の形成を回避するために変えてもよい。加えて、分子の様々な位置に存在する官能基は、提案される試薬及び反応に適合していなければならない。反応条件に適合する置換基に対するかかる制限は、当業者には容易に明白であり、代替方法を使用する必要がある。さらに、本明細書で言及される反応のいくつかにおいて、化合物中の反応しやすい任意の基を保護することが必要であるか、または望ましい場合があり、必要に応じて、かかる保護基(PG)が適宜置かれることが想定される。当技術分野において周知の標準的技法に従って、従来の保護基が使用され得る(例示として、Wuts P.G.M,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,5th Edition,Publisher:John Wiley & Sons,2014参照)。該保護基は、当技術分野において周知の従来技術を使用して合成の任意の都合の良い段階で除去される場合もあれば、後の反応ステップまたはワークアップの過程で除去される場合もある。
【0328】
以下に概説されるスキーム1における一般的な一連の反応において、略号A、T及びXならびに一般的な基Ra、Rb、R1及びR2は、特に指定のない限り、式(I)に対して定義される通りである。一般的な基であるE1は、特許請求の範囲で定義される通りであり、一般に、-OHもしくはメトキシ基またはハロゲン原子、ボロン酸、ボロン酸エステルまたは-O-L1であり、-O-L1は脱離基であり、L1は、パーフルオロアルキルスルホニル、例えば、トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)及びスルホニル、例えば、トシル(p-トルエンスルホニル)またはメシル(メタンスルホニル)から選択される。一般的な基であるE2は、ハロゲン原子、-OH、-NO2または-SO2Clである。一般的な基であるR1’、R2’、R11’、R12’、及びR14’は、それぞれ、R1、R2、R11、R12、及びR14に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、合成スキーム1のステップ4において、それぞれ、R1、R2、R11、R12及びR14の形成が可能である。本明細書で使用される他の略号は、明示的に定義されているか、または実験のセクションで定義される通りである。
【0329】
本発明による化合物、その医薬的に許容される塩、溶媒和物、及び水和物は、以下に概説されるスキーム1における反応の一般的な順序に従って調製され得るとともに、必要であれば、その後に以下が続く:
-新たな最終生成物を得るための置換基の操作。これらの操作としては、当業者に周知の還元、酸化、アルキル化、アシル化、置換、遷移金属触媒のカップリングを含めたカップリング、及び加水分解反応が挙げられるがこれらに限定されない、
-任意の保護基の除去、
-医薬的に許容される塩の形成、または
-医薬的に許容される溶媒和物もしくは水和物の形成。
【0330】
スキーム1
【0331】
【0332】
【0333】
本明細書に記載の合成方法に必要な出発材料は、市販されていない場合、科学文献に記載されている手順によって作製してもよいし、科学文献に報告されているプロセスを適用して市販化合物から作製してもよい。反応条件及び試薬に関する一般的なガイダンスについては、読者には、例えば、March J.,Smith M.,Advanced Organic Chemistry,7th Edition,Publisher:John Wiley & Sons,2013がさらに参照される。
【0334】
Aが-CH2-である式(A)の化合物は、文献に記載される手順(例えば、Fukuda et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2018,28(20),3333-3337参照)に従って、または当業者に知られている手順によって調製される。
【0335】
Aが-C(=O)-である式(A)の化合物は、Aが-CH2-である式(A)の化合物から、0℃~100℃の温度にて、過マンガン酸カリウムまたはtert-ブチルヒドロペルオキシド等の酸化剤を使用して、水、アセトンもしくはアセトニトリルのような極性溶媒またはそれらの溶媒の混合物中で行われる酸化を経て調製され得る。
【0336】
E1が-OHである式(A)の化合物は、E1がメトキシ基である式(A)の化合物から、0℃~100℃の温度にて、ルイス酸、例えば、塩化アルミニウム、三臭化ホウ素または三フッ化ホウ素の存在下、ジクロロメタンのような溶媒中で行われる脱メチル化を経て調製され得る。
【0337】
E1がハロゲン原子である式(A)の化合物は、E1が-O-L1基である式(A)の化合物から、遷移金属触媒のカップリング反応を経て調製され得る。典型的な触媒としては、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。該反応は、通常、0℃~150℃、さらに頻繁には、80℃~120℃の温度で行われる。通常、該反応は、リガンド、例えば、ジ-tert-ブチル-[3,6-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン、ジ-tert-ブチル-[2,3,4,5-テトラメチル-6-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、4,5-ビス(ジフェニルホスフェノ)-9,9-ジメチルキサンテン等、及び塩基、例えば、ナトリウムtert-ブチレート、炭酸セシウム、炭酸カリウム、さらに頻繁には、炭酸セシウムの存在下、各種不活性溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水及びアセトニトリル、または溶媒の混合物、さらに頻繁には、ジオキサン中で行われる。遷移金属触媒のカップリング反応では、特定のパラジウム触媒、リガンド、添加剤、溶媒、温度等の多くの要素が存在するため、多くのプロトコルが確認されている。当業者には、過度の実験をすることなく、十分なプロトコルを識別することが可能であろう。
【0338】
別の方法として、E1がハロゲン原子である式(A)の化合物は、E1がボロン酸またはボロン酸エステルである式(A)の化合物から、ハロゲノデボロネーション反応を経て調製され得る。該反応は通常、ハロゲン化銅(II)の存在下、メタノール中、0℃~100℃に及ぶ温度で、さらに頻繁には、90℃で行われる。
【0339】
ステップ1:
E2がハロゲン原子であり、E1が-OHまたはメトキシ基である式(B)の化合物は、E1が-OHまたはメトキシ基である式(A)の化合物から、求電子芳香族ハロゲン化反応を経て調製され得る。該反応は通常、酢酸とトリフルオロ酢酸の混合物中、塩素化の場合はNCS、臭素化の場合はNBS、及びヨウ素化の場合はNISを使用して行われる。
【0340】
E2が-OHである式(B)の化合物は、E2がハロゲン原子である式(B)の化合物から、先に記載の条件を使用して、遷移金属触媒のカップリング反応を経て調製され得る。
【0341】
E2が-NO2である式(B)の化合物は、芳香族ニトロ化反応を経て式(A)の化合物から調製され得る。通常、該ニトロ化反応は、発煙硝酸を使用して、酸性溶媒、例えば、酢酸または硫酸中で行われる。
【0342】
E2が-SO2Clである式(B)の化合物は、E1が-OHまたはメトキシ基である式(A)の化合物から、通常は、クロロスルホン酸を使用して-10℃~110℃で行われる芳香族スルホニル化反応を経て調製され得る。
【0343】
ステップ2:
Xが-O-である式(C)の化合物は、E1が-OHである式(B)の化合物から、式R2’-E3の化合物との置換反応を経て調製することができ、この場合、E3は、ハロゲン原子または脱離基-O-L1であり、L1は、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニル基である。この反応は、一般に、-20℃~100℃の温度で、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはテトラヒドロフランのような乾燥非プロトン性溶媒中、無機塩基、例えば、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウム、または有機塩基、例えば、トリエチルアミンもしくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いずに、または用いて行われる。メシレート、トシレートまたはトリフレート化合物の形成は、対応するアルコールを、メタンスルホニルクロリドまたはメタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリドまたはトリフルオロメタンスルホン酸無水物とそれぞれ、乾燥非プロトン性溶媒、例えば、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはジクロロメタン中で、塩基、例えば、トリエチルアミン等の存在下、-30℃~80℃で反応させることによって達成され得る。
【0344】
別の方法として、Xが-O-である式(C)の化合物は、E1が-OHである式(B)の化合物及びアルコールから、Mitsunobuカップリング(O.Mitsunobu,Synthesis,Vol.1,pages 1-28,1981に概説される)を経て調製され得る。この反応は、アゾジカルボン酸ジエチルまたはジイソプロピル及びトリフェニルホスフィンの存在下、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンまたはジクロロメタン等の広範な溶媒中、広範囲の温度、例えば、-20℃~60℃で行われる。この反応はまた、ポリマー担持トリフェニルホスフィンを使用して行われる場合もある。
【0345】
Xが-NH-または-N(C1-C4アルキル)-である式(C)の化合物は、E1がハロゲン原子または-O-L1である式(B)の化合物及びアミンから、先に記載の条件を使用して、置換反応を経て調製され得る。
【0346】
別の方法として、Xが-NH-または-N(C1-C4アルキル)-である式(C)の化合物は、E1がハロゲン原子または-O-L1である式(B)の化合物及びアミンから、先に記載の条件を使用して、遷移金属触媒のカップリング反応を経て調製され得る。
【0347】
別の方法として、Xがまたは-N(C1-C4アルキル)-である式(C)の化合物は、Xが-NH-である式(C)の化合物及びハロゲン化アルキルから、先に記載の条件を使用して、置換反応を経て調製され得る。
【0348】
別の方法として、Xがまたは-N(C1-C4アルキル)-である式(C)の化合物は、Xが-NH-である式(C)の化合物及びアルデヒドから、還元的アミノ化を経て調製され得る。この反応は、物理的または化学的手段(例えば、溶媒-水共沸混合物の蒸留または乾燥剤、例えば、モレキュラーシーブ、硫酸マグネシウムもしくは硫酸ナトリウムの存在)を介した生成水の除去を可能にする溶媒系において行われる。かかる溶媒は、典型的には、トルエン、n-ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、1,2-ジクロロエタンであるか、またはメタノール-1,2-ジクロロエタン等の溶媒の混合物である。この反応は、微量の酸(通常は酢酸)によって触媒され得る。この中間体イミンは、適切な還元剤(例えば、ナトリウムボロヒドリド、ナトリウムシアノボロヒドリド、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、R.O.and M.K.Hutchins,Comprehensive Organic Synthesis,B.M.Trost,I.Fleming,Eds;Pergamon Press:New York(1991),vol.8,p.25-78)を使用してその後にもしくは同時に、または貴金属触媒、例えば、パラジウム活性炭上での水素化を介して還元される。この反応は、通常、-10℃~110℃、好ましくは0℃~60℃で行われる。この反応は、ワンポットで行うこともできる。それはまた、ピコリン-ボラン錯体の存在下、プロトン性溶媒、例えば、メタノールまたは水中でも行われ得る(Tetrahedron,2004,60,7899)。
【0349】
Xが-CH2-または-C(=CH2)-である式(C)の化合物は、E1がハロゲン原子または-O-L1である式(B)の化合物及びボロン酸からSuzuki反応を経て調製され得る。このSuzuki反応は、有機ボロン酸とアリールまたはビニルハライドまたはトリフレートとの間のパラジウム触媒クロスカップリングである。典型的な触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド及び[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)が挙げられる。この反応は、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びアセトニトリルを含めた様々な有機溶媒、水性溶媒中、ならびに二相条件下で行われ得る。反応は、通常、室温~150℃で行われる。フッ化セシウム、フッ化カリウム、水酸化カリウムまたはナトリウムエチラート等の添加剤は、多くの場合カップリングを促進する。ボロン酸の代わりに、カリウムトリフルオロボレート及び有機ボランまたはボロン酸エステルを使用してもよい。このSuzuki反応では、特定のパラジウム触媒、リガンド、添加剤、溶媒、温度等の多くの要素が存在するが、多数のプロトコルが確認されている。当業者には、過度の実験をすることなく、十分なプロトコルを識別することが可能であろう。
【0350】
別の方法として、Xが-CH2-または-C(=CH2)-である式(C)の化合物は、E1がボロン酸である式(B)の化合物及びE3がハロゲンまたはトリフレートである式R2’-E3の化合物から、先に記載の条件を使用して、Suzuki反応を経て調製され得る。
【0351】
Xが-C(=O)-または-CNである式(C)の化合物は、E1がハロゲン原子である式(B)の化合物から、先に記載の条件を使用して、遷移金属触媒のカップリング反応を経て調製され得る。
【0352】
ステップ3a:
R12’及びR13が、R12及びR13に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、その合成において、後にR12の形成が可能である式(D-1)の化合物は、E2がハロゲン原子である式(C)の化合物から、先に記載の条件を使用して、Suzuki反応を経て調製され得る。
【0353】
ステップ3b:
R1’が-Hではない式(D-2)の化合物は、E2が-OHである式(C)の化合物から、先に記載の条件を使用して、置換反応を経て調製され得る。
【0354】
ステップ3c:
R1’及びR11’が-Hである式(D-3)の化合物は、E2が-NO2である式(C)の化合物から、該ニトロ基の還元を経て調製され得る。かかる反応に使用され得る典型的な還元剤は、塩化コバルト(II)または塩化ニッケル(II)の存在下でのアルカリ金属ヒドリド、例えば、水素化アルミニウムリチウムまたはナトリウムボロヒドリド、または塩酸もしくは酢酸等の酸性媒体中の鉄または亜鉛等の金属である。別の方法として、該ニトロ基は、貴金属触媒、例えば、パラジウム活性炭、ラネーニッケルまたは酸化白金上での水素化によって該アミンに還元され得る。この触媒水素化反応は、エタノール、メタノール、または酢酸エチル等の溶媒中、周囲温度で行われ得る。さらに、アルミニウムアマルガムまたは硫酸第一鉄等のさらなる試薬もまた、該ニトロ基の還元に使用され得る。
【0355】
R1’が、R1に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、その合成において、後にR1の形成が可能であり、R11’が-Hである式(D-3)の化合物は、R1’及びR11’が-Hである式(D-3)の化合物から、還元的アミノ化、置換またはカップリング反応を経て調製され得る。
【0356】
アミドカップリング反応の場合、該反応は、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩等の活性化剤の存在下、カルボン酸誘導体と、任意に1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを添加して生じる。他の適切なカップリング剤、例えば、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、カルボニルジイミダゾールまたはジエチルホスホリルシアニドを使用してもよい。任意に、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンのような塩基を加えてカップリングを行うこともできる。該アミドカップリングは、-20℃~100℃の温度で、不活性溶媒、好ましくは、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド及びクロロホルムのような乾燥非プロトン性溶媒中で行われる。別の方法として、該カルボン酸は、対応する酸塩化物(塩化オキサリルまたは塩化チオニルとの反応による)または対応する活性化エステル、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(Org.Process Res.& Dev.,2002,863)またはベンゾチアゾリルチオエステル(J.Antibiotics,2000,1071)に変換することによって活性化される場合もある。生成された活性化物質は、-20℃~100℃の温度で、R1’及びR11’が-Hである式(D-3)の化合物と、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒中で反応することができる。任意に、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基を加えてカップリングを行うこともできる。
【0357】
R1’及びR11’が、R1及びR11に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、その合成において、後にR1及びR11の形成が可能である式(D-3)の化合物は、R1’及びR11’が-Hである式(D-3)の化合物から、還元的アミノ化、置換またはカップリング反応を経て調製され得る。
【0358】
さらに、R1’が-Hであり、R11’がR11に関する請求項で定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、その合成において、後にR11の形成が可能である式(D-3)の化合物は、スルホニルクロリドと反応することができる。さらにいずれかのPGを除去することまたは官能基を修飾することにより、Tが-N(R11)-S(O)2-である式(I)の化合物の調製がもたらされ得る。
【0359】
ステップ3d:
式(D-4)の化合物は、E2がハロゲン原子である式(C)の化合物から、先に記載の条件を使用して、置換または遷移金属触媒のカップリング反応を経て調製され得る。
【0360】
R1’が-Hではない式(D-4)の化合物は、R1’が-Hである式(D-4)の化合物から、置換反応を経て調製され得る。
【0361】
ステップ3e:
式(D-5)の化合物では、R1’は、-Hではない。式(D-5)の化合物は、R1’が-Hではない式(D-4)の化合物から、0℃~100℃の温度で、酸化剤、例えば、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸水素カリウムを使用して、極性溶媒、例えば、水、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはエタノール中で行われる酸化反応を経て調製され得る。酸化条件に応じて、(D-5)及び(I-e)の対応するスルホキシドアナログも調製され得る。
【0362】
ステップ3f:
R1’及びR14’が、R1及びR14に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、R1及びR14の形成が可能である式(D-6)の化合物は、E2が-SO2Clである式(C)の化合物及びアミンから、カップリング反応を経て調製され得る。
【0363】
ステップ3g:
R1’及びR14’が、R1及びR14に関する特許請求の範囲によって定義される通りであり、任意の都合の良いPGまたは官能基を備えており、R1及びR14の形成が可能である式(D-7)の化合物は、E2がハロゲン原子である式(C)の化合物から、先に記載の条件を使用して、アリールカルボニル化反応に続いて、アミンとのカップリング反応を経て調製され得る。
【0364】
ステップ4a-g:
式(I-a-g)の化合物は、式(D-1-7)の化合物からそれぞれ、いずれかの保護基の除去または置換基R1’、R2’、R11’、R12’及びR14’のさらなる修飾後に調製され得る。
【0365】
本明細書に記載の本発明のすべての態様及び実施形態は、可能な場合、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。
【0366】
本明細書では、本発明及び本発明が属する技術分野の現状をより完全に記載及び開示するために、多くの刊行物が引用される。これらの参考文献の各々は、個々の参考文献が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているものと同程度に、参照により全体として本開示に組み込まれる。
【0367】
本発明の特定の実施形態が以下の実施例に記載されるが、これらは、本発明をより詳細に例示する上で役立つものであり、本発明をいかなる形においても限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0368】
【
図1】MDA-MB468細胞における本発明の化合物によるリン酸化SRSF6(P-SRSF6)の減少を示す代表的なウェスタンブロットを示す。GAPDHは、ウェスタンブロッティングによる等しいタンパク質ロードを調整するため、及びサンプルの正規化のためにプローブした。ブロットの下の番号は、DMSO対照と比較した100nM(A)または10nM(B)でのP-SRSF6シグナルの阻害パーセントを示す。
【
図2A】媒体または1~10日目に45mg/kgの実施例13のBID*BIW及び11~22日目に50mg/kgの実施例13のBID*BIWで処理したメスのNOD/SCIDマウスの腫瘍体積(Tvol)の変化を示す。体重約23gのNOD/SCIDマウスの脇腹から、1x10
7個のSW480ヒト結腸直腸癌細胞を含む50%Matrigel(商標)を皮下に接種した。腫瘍が平均体積100~150mm
3に達した時点で、ペアマッチを実施し、動物を処理群と媒体対照に区分した(n=8/群)。腫瘍体積(mm
3で表す)を、処理期間の1、4、8、11、15、18、22及び23日目にノギスを使用して週2回測定した。各処理群の平均TVol(±標準誤差(SEM))を示す。45mg/kgの実施例13のBID*BIWで処理した腫瘍の体積は、処理期間中、媒体処理群の腫瘍体積と比較して一貫して小さい。
【
図2B】媒体または1~10日目に45mg/kgの実施例13のBID*BIW及び11~22日目に50mg/kgの実施例13のBID*BIWで処理したメスのNOD/SCIDマウスの体重(BW)の変化を示す。体重約23gのNOD/SCIDマウスの脇腹から、1x10
7個のSW480ヒト結腸直腸癌細胞を含む50%Matrigel(商標)を皮下に接種した。腫瘍が平均体積100~150mm
3に達した時点で、ペアマッチを実施し、動物を処理群と媒体対照に区分した(n=8/群)。処理期間の1、4、8、11、15、18、22及び23日目におけるパーセンテージでのBWの変化(gで表示、±SEM)。
【
図2C】媒体または1~10日目に45mg/kgの実施例13のBID*BIW及び11~22日目に50mg/kgの実施例13のBID*BIWで処理したメスのNOD/SCIDマウスの腫瘍体積(Tvol)の変化を示す。体重約23gのNOD/SCIDマウスの脇腹から、1x10
7個のSW480ヒト結腸直腸癌細胞を含む50%Matrigel(商標)を皮下に接種した。腫瘍が平均体積100~150mm
3に達した時点で、ペアマッチを実施し、動物を処理群と媒体対照に区分した(n=8/群)。媒体処理及び実施例13処理TVolのmm
3で表される変化。実施例13処理対媒体対照のTVol比(T/C)が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0369】
実施例の調製
すべての試薬及び溶媒は、概して、商業的供給業者から入手したままの状態で使用し、
反応は、特に指定のない限り、よく乾燥したガラス器具にて、アルゴンまたは窒素雰囲気下、無水溶媒で常法的に行い、
蒸発は、減圧下回転蒸発によって行い、ワークアップ手順は、濾過により残留固体を除去した後に行い、
温度はすべて摂氏度(℃)で記載し、おおよその温度であり、特に記載のない限り、操作は、通常は18℃~25℃に及ぶ室温(rt)で行い、
カラムクロマトグラフィー(フラッシュ手順による)を使用して化合物を精製し、
従来のフラッシュクロマトグラフィーは、多くの場合、自動化システムで置き換える。これにより分離プロセス自体が変わるものではない。当業者には、従来のフラッシュクロマトグラフィープロセスを自動化されたプロセスに置き換えること、及び逆も同様に可能であろう。例えば、BuchiまたはIsco(combiflash)によって提供されているような典型的な自動化システムを使用することができ、
反応混合物は、特に指示のない限り、多くの場合、例えば、水及びアセトニトリルを溶離液の系として使用する分取HPLCによって分離され得る。当業者は、各分離に適した条件を見出し、化合物は、精製後、親化合物として、または対応するトリフルオロ酢酸(TFA)塩もしくはそれぞれのギ酸塩の形態で単離され、
高温を要する反応は、通常、従来の加熱機器を使用して実施されるが、特に記載のない限り、マイクロ波装置(CEM Explorer)を250Wの電力で使用して実施することもでき、
水素化反応または水素化分解反応は、バルーンの水素ガスを使用して、またはParr装置システムもしくは他の適切な水素化装置を使用して実施することができ、
溶液の濃縮及び固体の乾燥は、特に指示のない限り、減圧下で行い、
一般に、反応の経過は、TLC、HPLC、またはLC/MSによって追跡し、反応時間は、例示のためにのみ提供され、収率は、例示のためにのみ提供され、必ずしも達成可能な最大値ではなく、
本発明の最終生成物の構造及び純度は、一般に、NMR分光法、HPLC及び質量分析法によって確認される。
【0370】
プロトンNMRスペクトルは、Bruker 400MHz分光計で記録される。ケミカルシフト(δ)は、内部標準としてMe4Siまたは溶媒ピークに対するppmで報告し、NMR結合定数(J値)はHertz(Hz)単位である。各ピークは、ブロード一重項(br)、一重項(s)、二重項(d)、三重項(t)、四重項(q)、二重項の二重項(dd)、三重項の二重項(td)または多重項(m)として表記される。
【0371】
最終生成物のHPLCは、Dionex MSQ ESIモードに連結したDionex Ultimate 3000機器及び以下の条件を使用して生成される:
移動相A:0.1%ギ酸含有水
移動相B:0.1%ギ酸含有アセトニトリル
カラム:YMC triart C18 5μm 100mm x 4.6mm
カラム温度:25℃
検出:UV 250nm
注入:10mMのサンプルのDMSO溶液2μL
流速:1.6mL/分
勾配 時間(分) 移動相B%
0 5
8 95
10 95
10.1 5 平衡
13 5 平衡
【0372】
マススペクトルは、q-Tof Ultima(Waters AGまたはThermo Scientific MSQ Plus)質量分析計を使用し、ポジティブまたはネガティブESIモードで生成される。このシステムは、標準的なLocksprayインタフェースを備え、
各中間体は、後続の段階で必要な基準まで精製され、割り当てられた構造が正しいことを確認するために十分に詳細に特性評価され、
非キラル相での分析及び分取HPLCは、RP-C18ベースのカラムを使用して行われ、
以下の略語が使用され得る(標準的な略語及び頭字語の包括的な一覧については、The Journal of Organic Chemistry Guidelines for Authorsを参照することもできる):
Ac2O 無水酢酸
AcOH 酢酸
ACN アセトニトリル
Boc tert-ブトキシカルボニル基
t-BuBrettPhos ジ-tert-ブチル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン
t-BuOH tert-ブタノール
t-BuOK カリウムtert-ブトキシド
CAN 硝酸二アンモニウムセリウム(IV)
CAS Chemical Abstracts Servicesの登録番号を有する化合物
CDCl3 重水素化クロロホルム
Cu(OAc)2 酢酸第二銅
DABCO 1,4-ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン
DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
Diox 1,4-ジオキサン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d6 重水素化ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDCI 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
ELSD 蒸発光散乱検出
EtOH エタノール
Ex. 実施例
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS 液体クロマトグラフィー連結型質量分析
MeI ヨウ化メチル
MeOH メタノール
Me4Si テトラメチルシラン
MMNO 4-メチルモルホリンN-オキシド
MS 質量分析
Ms メタンスルホニル
MsCl メタンスルホニルクロリド
MW マイクロ波
NaBH3CN ナトリウムシアノボロヒドリド
NaBH(OAc)3 ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド
NaOAc 酢酸ナトリウム
NBS N-ブロモスクシンイミド
NCS N-クロロスクシンイミド
NIS N-ヨードスクシンイミド
NMM 4-メチルモルホリン
NMR 核磁気共鳴
Ns ノシル(4-ニトロベンゼンスルホニル)
NsCl 4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド
Pd/C パラジウム活性炭
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl2 [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド
PE 石油エーテル
PMB パラ-メトキシベンジル
PMB-Cl パラ-メトキシベンジルクロリド
Py ピリジン
rt 室温
SiHEt3 トリエチルシラン
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBAI テトラブチルアンモニウムヨージド
TBDPS tert-ブチルジフェニルシリル
TBDPSCl tert-ブチルジフェニルシリルクロリド
TBHP tert-ブチルヒドロペルオキシド
TBS tert-ブチルジメチルシリル
TBSCl tert-ブチルジメチルシリルクロリド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
Tf トリフレート
TfOH トリフルオロメタンスルホン酸
THF テトラヒドロフラン
TMS トリメチルシリル
Ts トシル(4-トルエンスルホニル)
TsCl 4-トルエンスルホニルクロリド
v/v 体積比
Xant-Phos 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【0373】
以下の実施例は、表1に示される式(I)の化合物を指す。
【0374】
以下の表に列挙される実施例は、上記の手順を使用して調製することができ、詳細な合成方法については以下に詳述される。左端の欄に使用されている実施例の番号は、それぞれの化合物を識別するために本出願書で使用されている。
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
【0380】
【0381】
【0382】
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
【0387】
【0388】
【0389】
【0390】
【0391】
【0392】
【0393】
【0394】
【0395】
【0396】
【0397】
【0398】
【0399】
【0400】
【0401】
【0402】
【0403】
【0404】
実施例1:8-メトキシ-5,5,7-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0405】
【0406】
ステップ1:2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンニトリルの調製:
3-メトキシベンジルマグネシウムクロリド(96mL、24mmol、0.25MのTHF溶液)を、イソプロピリデンマロノニトリル(2g、18.5mmol)の撹拌THF(50mL)溶液に0℃で滴下した。得られた溶液をrtで3時間撹拌した。次いで、1NのHCl水溶液を0℃で加え、得られた混合物を濃縮した。その残渣をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、5:1、v:v)によって精製して、2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリルを黄色油として得た(1.69g、収率38%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 7.27 (m, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.74 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.44 (s, 1H), 2.81 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]+.
【0407】
ステップ2:1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルの調製:
TfOH(1.04g、6.24mmol)を、2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリル(300mg、1.25mmol)の撹拌DCM(6mL)溶液に0℃で加え、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、その混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルを黄色固体として得(300mg、収率95%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (m, 1H), 6.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.51 (br, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.69 (s, 2H), 1.17 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]+.
【0408】
ステップ3:8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリル(1g、3.94mmol)及びホルムアミド(19mL、473mmol)の懸濁液を180℃で8時間撹拌した。rtまで冷却した後、その反応混合物をH2Oで希釈し、EAで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、1:1、v:v)によって精製して、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを淡黄色固体として得た(700mg、収率63%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.24 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.37 (br, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.75 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 256.1 [M+H]+.
【0409】
ステップ4:7-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h[キナゾリン-4-アミン及び9-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
NIS(1.21g、5.29mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(300mg、1.06mmol)を含むAcOH(5mL)及びTFA(0.3mL)の撹拌溶液に少しずつ加えた。20時間後、溶媒を除去し、その残渣をH2Oに溶解し、飽和K2CO3水溶液で中和した後、EAで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、7-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h[キナゾリン-4-アミンと9-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの混合物(1:4比)を淡黄色固体として得た(403mg、収率79%)。
MS m/z (+ESI): 276.1, 278.1 [M+H]+.
【0410】
ステップ5:8-メトキシ-5,5,7-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
CH3B(OH)2(22mg、0.35mmol)を、7-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h[キナゾリン-4-アミンと9-ヨード-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの混合物(1:4比)を含むDiox(5mL)及びH2O(1mL)の撹拌溶液に加え、続いてK3PO4(63mg、0.30mmol)及びPd(dppf)Cl2(219mg、0.30mmol)を加えた。90℃で20時間撹拌した後、その反応混合物をdecaliteを通して濾過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、8-メトキシ-5,5,7-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(79mg、収率6%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.28(s,1H),7.89(d,J= 8.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.75 (s, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 270.1 [M+H]+.
【0411】
実施例2:8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0412】
【0413】
ステップ1:8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
HNO3(14.6mL、228.2mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-アミンを白色固体として得た[h]キナゾリン-4-アミン(4.5g、17.55mmol)の撹拌H2SO4(29mL)溶液に0℃で滴下し、続いてH2O(14.5mL)を加えた。rtで2時間撹拌した後、その反応混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EAで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:EA、10:1~0:1、v:v)によって精製し、8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンをオフホワイト固体として得た(640mg、収率11%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.51(s,1H),8.11(d,J= 8.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.71 (s, 2H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 301.2 [M+H]+.
【0414】
ステップ2:8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
亜鉛(300mg、4.49mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(300mg、0.15mmol)を含むEtOH(10mL)及びAcOH(3mL)の撹拌溶液に加えた。4時間撹拌した後、その反応混合物を濾過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを淡黄色固体として得た(178mg、収率66%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm: 8.53 (s, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.72 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 271.1 [M+H]+.
【0415】
実施例3及び4:6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン及び4,6,6-トリメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミンの調製:
【0416】
【0417】
ステップ1:4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
BBr3(1MのDCM溶液、4.8mL、4.80mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(450mg、1.58mmol)の撹拌DCM(30mL)溶液に-40℃で滴下した。得られた溶液をrtで18時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、得られた緑色固体を濾過により収集し、H2Oで洗浄し、減圧下乾燥し、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを得た(350mg、収率82%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.21 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.67 (m, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.29 (br, 2H), 2.67 (s, 2H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 242.2 [M+H]+.
【0418】
ステップ2:4アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
NCS(1.07g、7.96mmol)を、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(2g、6.63mmol)を含むAcOH(40mL)及びTFA(10mL)の撹拌溶液に少しずつ加えた。3時間撹拌した後、溶媒を除去し、その残渣をcombiflashにより精製し、4アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを白色固体として得た(1.83g、収率15%)。
MS m/z (+ESI): 276.1, 278.1 [M+H]+.
【0419】
ステップ3:tert-ブチルN-[2-[(4-アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]エチル]カルバメートの調製:
tert-ブチルN-(2-ブロモエチル)カルバメート(226mg、0.98mmol)を、4アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(250mg、0.82mmol)の撹拌DMF(5mL)溶液に加え、続いてCs2CO3(543mg、1.63mmol)を加えた。20時間撹拌した後、溶媒を除去し、その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[2-[(4-アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]エチル]カルバメートを白色固体として得た(342mg、収率79%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.27 (s, 1H), 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.98 (br, 1H), 6.50 (br, 2H), 4.09 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.33 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.91 (s, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.30 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 419.2, 421.3 [M+H]+.
【0420】
ステップ4:8-(2-アミノエトキシ)-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
tert-ブチルN-[2-[(4-アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]エチル]カルバメート(300mg、0.64mmol)のTFA(3mL)溶液を、1時間撹拌した後、濃縮及び分取HPLCによって精製し、8-(2-アミノエトキシ)-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(300mg、収率98%)。
MS m/z (+ESI): 319.2, 321.2 [M+H]+.
【0421】
ステップ5:6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミンの調製:
t-BuOK(285mg、2.94mmol)を、8-(2-アミノエトキシ)-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(280mg、0.59mmol)の撹拌Diox(10mL)溶液に加え、続いてPd2(dba)3(55mg、0.06mmol)及びXant-Phos(70mg、0.12mmol)を加えた。120℃で18時間撹拌した後、その反応混合物をdecaliteを通して濾過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミンを淡黄色固体として得た(166mg、収率36%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6+D2O)δppm: 8.52 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.18 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.33 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 2.66 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 283.2 [M+H]+.
【0422】
ステップ6:4,6,6-トリメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミンの調製:
H2CO(11mg、0.13mmol)を、6,6-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミン(38mg、0.13mmol)の撹拌MeOH(5mL)溶液に加え、続いてNaBH3CN(9mg、0.13mmol)を加えた。1時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、4,6,6-トリメチル-3,5-ジヒドロ-2H-キナゾリノ[7,8-f][1,4]ベンゾオキサジン-7-アミンを白色固体として得た(29mg、収率72%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6+D2O)δppm: 8.54 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.20 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.09 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 2.84 (s, 2H), 2.63 (s, 3H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 297.2 [M+H]+.
【0423】
実施例5:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0424】
【0425】
ステップ1:[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネートの調製:
TsCl(139g、721mmol)を、tert-ブチルN-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(80g、360mmol)の撹拌DCM(300mL)溶液に少しずつ加え、続いてTEA(152mL、1081mmol)及びDMAP(4.5g、36mmol)を加えた。24時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、10:1、v:v)により精製し、[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネートを白色固体として得た(105g、収率71%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.78 (d, J =8.0Hz,2H),7.47(d,J = 8.0 Hz, 2H), 6.81 (d, J =7.2Hz,1H),4.58(m,1H),3.24(m,1H),2.41(s,3H),1.66(m,2H),1.51(m,4H),1.41(m,2H),1.36(s,9H).
MS m/z (+ESI): 370.1 [M+H]+.
【0426】
ステップ2:4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
表題化合物を、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(700mg、2.32mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例2(ステップ1)と同様に、淡黄色固体として調製した(260mg、収率35%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 12.76 (br, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.54 (br, 2H), 2.62 (s, 2H), 1.27(s, 6H).
MS m/z (+ESI): 287.2 [M+H]+.
【0427】
ステップ3:tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
Cs2CO3(820mg、2.45mmol)を、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(260mg、0.82mmol)及び[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネート(2.0g、4.90mmol)を含むDMF(8mL)及びACN(8mL)の撹拌溶液に加えた。80℃で40時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(400mg、収率91%)。
MS m/z (+ESI): 484.4 [M+H]+.
【0428】
ステップ4:tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
Pd(OH)2(20%担持炭素、52mg、0.07mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(400mg、0.74mmol)を含むMeOH(10mL)及びEA(10mL)の撹拌溶液に加えた。水素流下で20時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、この溶液を濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得(340mg、収率96%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 454.3 [M+H]+.
【0429】
ステップ5:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(340mg、0.71mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、淡黄色固体として調製した(246mg、収率97%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.54(s,1H),7.18(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.04 (d,J = 8.8 Hz, 1H), 4.39 (m, 1H), 3.09 (m, 1H), 2.72 (s, 2H), 2.12 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 354.3 [M+H]+.
【0430】
実施例6:N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アセトアミドの調製:
【0431】
【0432】
HATU(75mg、0.19mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(80mg、0.16mmol)の撹拌DMF(2mL)溶液に加え、続いてNaHCO3(26.9mg、0.32mmol)及びAcOH(19.3mg、0.32mmol)を加えた。1時間撹拌した後、この反応混合物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をDCM(1mL)及びTFA(1mL)に溶解した。1時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アセトアミドを白色固体として得た(29mg、収率44%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm: 8.52 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.39 (m, 1H), 3.09 (m, 1H), 2.62 (s, 2H), 2.07 (m, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (m, 2H), 1.48 (m, 4H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 396.2 [M+H]+.
【0433】
実施例7:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7-ジエチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0434】
【0435】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(ジエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
NaBH3CN(8mg、0.12mmol)を、アセトアルデヒド(27μL、0.48mmol)及びtert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(60mg、0.12mmol)の撹拌MeOH(5mL)溶液に加えた。2時間撹拌した後、溶媒を除去し、その粗生成物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(ジエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得(60mg、収率89%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 510.3 [M+H]+.
【0436】
ステップ2:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,N7-ジエチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(ジエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(60mg、0.11mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、淡黄色固体として調製した(44mg、収率99%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.54(s,1H),7.71(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J =8.8Hz,1H),4.49(m,1H),3.20(m,2H),3.11(m,1H),2.98(m,4H),2.14(m,2H),1.98(m,2H),1.50(m,4H),1.26(s,6H),0.84(t,J = 7.2 Hz, 6H).
MS m/z (+ESI): 410.3 [M+H]+.
【0437】
実施例8:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0438】
【0439】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(エチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
アセトアルデヒド(5mg、0.12mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(60mg、0.12mmol)の撹拌MeOH(5mL)溶液に加えた。2時間撹拌した後、NaBH3CN(8mg、0.12mmol)を加えた。1時間撹拌した後、溶媒を除去し、その粗生成物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(エチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得た(60mg、収率84%)。
MS m/z (+ESI): 482.2 [M+H]+.
【0440】
ステップ2:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-エチル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(エチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(60mg、0.10mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、オフホワイト固体として調製した(38mg、収率97%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.50(s,1H),7.68(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.49 (m, 1H), 3.12 (m, 3H), 2.86 (s, 2H), 2.13 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.52 (m, 4H), 1.28 (s, 6H), 1.10 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS m/z (+ESI): 382.2 [M+H]+.
【0441】
実施例9:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0442】
【0443】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
グルタルアルデヒド(90μL、0.16mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(80mg、0.16mmol)の撹拌MeOH(10mL)溶液に加え、続いて一滴のAcOH及びNaBH3CN(31mg、0.16mmol)を加えた。2時間撹拌した後、この反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:DCM、1:2~3:1、v:v)により精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを無色油として得た(73mg、収率79%)。
MS m/z (+ESI): 522.3 [M+H]+.
【0444】
ステップ2:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(85mg、0.15mmol)のHCO2H(2mL)溶液を、16時間撹拌した後、濃縮及び分取HPLCによって精製し、8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-(1-ピペリジル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンをオフホワイト固体として得た(33mg、収率52%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.20(s,1H),7.79(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.20 (m, 2H), 3.10 (m, 1H), 2.87 (s, 2H), 2.67 (m, 2H), 2.13 (m, 2H), 1.99 (m, 2H), 1.75 (m, 1H), 1.52 (m, 9H), 1.24 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 422.3 [M+H]+.
【0445】
実施例11:2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールの調製:
【0446】
【0447】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[ビス[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(70mg、0.14mmol)及び(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒドを出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例7(ステップ1)と同様に、無色油として調製した(120mg、収率90%)。
MS m/z (+ESI): 714.5 [M+H]+.
【0448】
ステップ2:2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールの調製:
TFA(234μL、3.12mmol)及び4MのHCl水溶液(1.56mL、6.23mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[ビス[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(150mg、0.16mmol)を含むTHF(6mL)及びMeOH(100μL)の撹拌溶液に加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールを白色固体として得た(49mg、収率72%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.55(s,1H),7.73(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.49 ( m, 1H), 3.32 (m, 4H), 3.09 (m, 5H), 3.02 (s, 2H), 2.16 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.53 (m, 4H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 442.4 [M+H]+.
【0449】
実施例15、16及び17:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体1、1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体2及び8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0450】
【0451】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート及びtert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
1,4-ジブロモ-2-ブタノール(727mg、2.98mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(150g、0.30mmol)の撹拌DMSO(6mL)溶液に加え、続いてKOH(136g、2.38mmol)を加えた。40℃で16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCで精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色油として(90mg、収率46%)、及びtert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色油として得た(50mg、収率30%)。
MS m/z (+ESI): 524.4 [M+H]+及び504.4 [M+H]+.
【0452】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1及びtert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2の調製:
tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(430g、0.66mmol)を、キラル分取HPLCにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1を黄色粘性油として(226mg、収率39%)、及びtert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2を黄色半固体として得た(91mg、収率21%)。
MS m/z (+ESI): 524.3 [M+H]+.
【0453】
ステップ3:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体1の調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1(210mg、0.24mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、白色固体として調製した(37mg、収率34%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.55(s,1H),7.72(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.48 (m, 1H), 4.40 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 3.09 (m, 2H), 2.96 (m, 3H), 2.12 (m, 3H), 1.99 (m, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.52 (m, 4H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 424.4 [M+H]+.
[α]D
26 =-6°(c = 0.1, MeOH).
【0454】
ステップ4:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-オール-異性体2の調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2(90mg、0.14mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、白色固体として調製した(27mg、収率44%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.56(s,1H),7.74(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.48 (m, 1H), 4.39 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 3.08 (m, 2H), 2.96 (m, 3H), 2.12 (m, 3H), 1.99 (m, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.53 (m, 4H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 424.4 [M+H]+.
[α]D
26 =+7.5°(c = 0.1, MeOH).
【0455】
ステップ5:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ピロール-1-イル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(130mg、0.23mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、白色固体として調製した(36mg、収率37%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.26(s,1H),8.07(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.68 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 6.19 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 4.22 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.34 (s, 2H), 1.90 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.16 (m, 10H).
MS m/z (+ESI): 404.3 [M+H]+.
【0456】
実施例19:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0457】
【0458】
ステップ1:7-クロロ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
PMB-Cl(492mg、3.05mmol)を、4-アミノ-7-クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(700mg、2.03mmol)の撹拌DMF(10mL)溶液に加え、続いてCs2CO3(1.35g、4.06mmol)を加えた。60℃で20時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、DCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、7-クロロ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(520mg、収率58%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.27 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.49 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.90 (s, 2H), 1.30 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 396.2 [M+H]+.
【0459】
ステップ2:4-アミノ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-オールの調製:
t-BuOK(410mg、3.55mmol)を、7-クロロ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(520mg、1.18mmol)を含むt-BuOH(10mL)及びH2O(0.5mL)の撹拌溶液に加え、続いてPd2(dba)3(110mg、0.12mmol)及びt-BuBrettPhos(118mg、0.24mmol)を加えた。110℃で2時間撹拌した後、その反応混合物をdecaliteを通して濾過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、4-アミノ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-オールを黄色固体として得た(184mg、収率37%)。
MS m/z (+ESI): 378.2 [M+H]+.
【0460】
ステップ3:8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、4-アミノ-8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-オール(184mg、0.44mmol)及びヨウ化n-プロピルを出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、淡黄色固体として調製した(150mg、収率73%)。
MS m/z (+ESI): 420.3 [M+H]+.
【0461】
ステップ4:4-アミノ-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
8-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(30mg、0.06mmol)を含むTFA(1mL)及びDCM(1mL)の溶液を、1時間撹拌した後、濃縮及び分取HPLCによって精製し、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを白色固体として得た(9mg、収率44%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.20(s,1H),7.57(d,J = 8.4 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.79 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.74 (s, 2H), 1.67 (qt, J1=7.2Hz,J2 = 6.8 Hz, 2H), 1.23 (s, 6H), 0.95 (t,J= 7.2 Hz, 3H).
MS m/z (+ESI): 300.2 [M+H]+.
【0462】
ステップ5:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-プロポキシ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール及びtert-ブチルN-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメートを出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例5(ステップ1及び3)ならびに実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.18(s,1H),7.15(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.32 (m, 1H), 3.82 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.06 (m, 1H), 2.73 (s, 2H), 2.11 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.66 (qt, J1=7.2Hz,J2 = 6.8 Hz, 2H), 1.46 (m, 4H), 1.24 (s, 6H), 0.96 (t, J = 7.2 Hz 3H).
MS m/z (+ESI): 397.3 [M+H]+.
【0463】
実施例21:1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-9-イル)ピペリジン-4-オールの調製:
【0464】
【0465】
ステップ1:3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシペンタンジアールの調製:
MMNO(3.2g、26.51mmol)を、tert-ブチルシクロペンタ-3-エン-1-イルオキシ-ジフェニル-シラン(3.8g、10.60mmol)を含むTHF(40mL)及びH2O(10mL)の撹拌溶液に加え、続いてオスミウム酸(VI)カリウム二水和物(40mg、0.11mmol)を加えた。20時間撹拌した後、NaIO4(2.74g、12.73mmol)を加え、得られた懸濁液を3時間撹拌した後、濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE、1:3、v:v)により精製し、3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシペンタンジアールをオフホワイトの粘性油として得た(2g、収率27%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 9.65 (t, J =1.6Hz,2H),7.66(m,4H),7.42(m,6H),4.72(m,1H),2.66(m,4H),1.05(s,9H).
【0466】
ステップ2:7-[4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-ピペリジル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシペンタンジアール(1.49g、2.11mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(200mg、0.70mmol)の撹拌MeOH(3mL)溶液に加え、続いてNaBH3CN(139mg、2.11mmol)及び一滴のAcOHを加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、7-[4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-ピペリジル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(350mg、収率76%)。
MS m/z (+ESI): 593.5 [M+H]+.
【0467】
ステップ3:1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-9-イル)ピペリジン-4-オールの調製:
TBAF(218mg、0.75mmol)を、7-[4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-ピペリジル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(330mg、0.50mmol)の撹拌THF(3mL)溶液に加えた。60℃で20時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-9-イル)ピペリジン-4-オールを白色固体として得た(80mg、収率45%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.84(d,J = 8.4 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.46 (m, 1H), 3.23 (m, 2H), 2.88 (s, 2H), 2.68 (m, 2H), 1.8 (m, 2H), 1.49 (m, 2H), 1.25 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 355.3 [M+H]+.
【0468】
実施例22:2-[[4-アミノ-8-(4-cis-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]エタノールの調製:
【0469】
【0470】
この出発物質は、実施例5(ステップ1~4)に記載の手順に従って、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン及びtert-ブチルN-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメートから調製した。
【0471】
ステップ1:エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]アセテートの調製:
エチル2-ブロモアセテート(504μL、4.41mmol)を、tert-ブチルN-[cis-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(500mg、0.88mmol)の撹拌DMF(5mL)溶液に加え、続いてCs2CO3(880mg、2.65mmol)及びKI(74mg、0.44mmol)を加えた。4時間撹拌した後、この反応混合物を濃縮し、EA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]アセテートを黄色固体として得た(390mg、収率70%)。
MS m/z (+ESI): 540.3 [M+H]+.
【0472】
ステップ2:エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]アセテートの調製:
アセトアルデヒド(31μL、5.51mmol)を、エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]アミノ]アセテート(350mg、0.55mmol)を含むDCE(6mL)及びEtOH(2mL)の撹拌溶液に加え、続いてNaBH3CN(182mg、2.75mmol)及び一滴のAcOHを加えた。3時間撹拌した後、その反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]アセテートを黄色固体として得た(2100mg、収率57%)。
MS m/z (+ESI): 563.8 [M+H]+.
【0473】
ステップ3:エチル2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]アセテートの調製:
表題化合物を、エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]アセテート(200mg、0.30mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、黄色固体として調製した(150mg、収率86%)。
MS m/z (+ESI): 468.3 [M+H]+.
【0474】
ステップ4:2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]エタノールの調製:
LiAlH4(28mg、0.72mmol)を、エチル2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]アセテート(140mg、0.24mmol)の撹拌THF(5mL)溶液に加えた。1時間撹拌した後、その反応混合物をH2Oでクエンチし、得られた懸濁液を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-エチル-アミノ]エタノールをオフホワイト固体として得た(52mg、収率50%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.19(s,1H),7.84(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.62 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.04 (m, 7H), 1.98 (m, 2H), 1.70 (m, 6H), 1.24 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS m/z (+ESI): 426.5 [M+H]+.
【0475】
実施例25:1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-オールの調製:
【0476】
【0477】
ステップ1:(2R)-1-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]-3-クロロ-プロパン-2-オールの調製:
(R)-(-)-エピクロロヒドリン(133μL、1.66mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(500mg、1.66mmol)の撹拌CHCl3(3mL)溶液に加え、続いてZn(ClO4)2(126mg、0.33mmol)を加えた。80℃で18時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、(2R)-1-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]-3-クロロ-プロパン-2-オールを淡黄色固体として得(490mg、収率32%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 363.2, 365.2 [M+H]+.
【0478】
ステップ2:8-メトキシ-5,5-ジメチル-N7-[(2R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-クロロ-プロピル]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
イミダゾール(74mg、1.08mmol)を、(2R)-1-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]-3-クロロ-プロパン-2-オール(490mg、0.54mmol)の撹拌DCM(3mL)溶液に加え、続いてTBSCl(168mg、1.08mmol)を加えた。8時間撹拌した後、この反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、8-メトキシ-5,5-ジメチル-N7-[(2R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-クロロ-プロピル]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを無色油として得た(170mg、収率59%)。
MS m/z (+ESI): 477.2, 479.2 [M+H]+.
【0479】
ステップ3:7-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアゼチジン-1-イル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
Cs2CO3(188mg、0.56mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-N7-[(2R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-クロロ-プロピル]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(150mg、0.28mmol)の撹拌DMF(2mL)溶液に加え、続いてKI(47mg、0.28mmol)を加えた。マイクロ波照射下、120℃で3時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、EA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、7-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアゼチジン-1-イル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色固体として得(140mg、収率78%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 441.2 [M+H]+.
【0480】
ステップ4:1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-オールの調製:
TBAF(95mg、0.31mmol)を、7-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアゼチジン-1-イル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(130mg、0.21mmol)の撹拌THF(1.5mL)溶液に加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-オールを黄色固体として得た(33mg、収率46%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.21(s,1H),7.55(d,J = 8.4 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.32 (m, 1H), 4.26 (m, 2H), 3.77 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.66 (s, 2H), 1.22 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 327.3 [M+H]+.
【0481】
実施例26:2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-N-メチル-アセトアミドの調製:
【0482】
【0483】
出発物質は、実施例23に記載の手順に従って、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール及びtert-ブチルN-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート、エチルブロモアセテート及びホルムアルデヒドから調製した。
【0484】
ステップ1:2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]酢酸の調製:
LiOH.H2O(11mg、0.46mmol)を、エチル2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]アセテート(150mg、0.23mmol)を含むTHF(6mL)、MeOH(2mL)及びH2O(2mL)の撹拌溶液に加えた。1時間撹拌した後、この反応混合物を濃縮した。その残渣をH2Oで希釈し、そのpHを3MのHCl水溶液で5に調整した。得られた懸濁液を濾過し、そのケーキを水で洗浄し、真空下乾燥し、2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]酢酸を黄色固体として得(120mg、収率84%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 526.3 [M+H]+.
【0485】
ステップ2:tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル-[2-(メチルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
メチルアミン(2MのTHF溶液、445μL、0.89mmol)を、2-[[4-アミノ-8-[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]酢酸(110mg、0.18mmol)を撹拌DMF(5mL)溶液に加え、続いてHATU(103mg、0.27mmol)及びNaHCO3(76mg、0.89mmol)を加えた。1時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、EA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル-[2-(メチルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得(95mg、収率84%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 539.3 [M+H]+.
【0486】
ステップ3:2-[[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]-N-メチル-アセトアミドの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル-[2-(メチルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(90mg、0.14mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、黄色固体として調製した(34mg、収率50%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.21(s,1H),7.86(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.66 (m, 1H), 3.64 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.09 (m, 1H), 2.94 (s, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.68 (s, 3H), 2.03 (m, 2H), 1.72 (m, 6H), 1.29 (s, 3H), 1.27 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 439.4 [M+H]+.
【0487】
実施例28:[1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-イル]メタノールの調製:
【0488】
【0489】
ステップ1:N7-[2-(クロロメチル)アリル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
3-クロロ-2-クロロメチル-1-プロペン(1.05mL、8.78mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(500mg、1.76mmol)の撹拌DMF(4mL)溶液に加え、続いてCs2CO3(1.17g、3.51mmol)及びKI(147mg、0.88mmol)を加えた。6時間撹拌した後、この反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、N7-[2-(クロロメチル)アリル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを黄色固体として得た(320mg、収率46%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.23 (s, 1H), 7.67 (d, J =8.8Hz,1H),6.89(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.34 (br, 2H), 5.22 (s, 1H), 5.14 (s, 1H), 4.28 (s, 2H), 4.25 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.68 (d, J =6.8Hz,2H),2.75(s,2H),1.26(s,6H).
MS m/z (+ESI): 359.2, 361.3 [M+H]+.
【0490】
ステップ2:2-[[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]-3-クロロ-プロパン-1-オールの調製:
1MのボランTHF錯体溶液(1.6mL、1.6mmol)を、N7-[2-(クロロメチル)アリル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(320mg、0.80mmol)の撹拌THF(1mL)溶液に0℃で加えた。rtで2時間撹拌した後、2.5MのNaOH水溶液(3.2mL、8.02mmol)をその反応混合物に滴下し、続いてH2O2(0.82mL、8.02mmol)を加えた。rtで2時間撹拌した後、得られた溶液をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、2-[[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]-3-クロロ-プロパン-1-オールを淡黄色固体として得た(180mg、収率53%)。
MS m/z (+ESI): 377.2, 379.3 [M+H]+.
【0491】
ステップ3:N7-[2-[[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]-3-クロロ-プロピル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
TBDPSCl(228μL、0.86mmol)を、2-[[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]-3-クロロ-プロパン-1-オール(180mg、0.43mmol)の撹拌DCM(2mL)溶液に加え、続いてイミダゾール(148mg、2.15mmol)を加えた。120℃で2時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、N7-[2-[[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]-3-クロロ-プロピル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを淡黄色油として得(600mg、収率34%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 質量信号なし。
【0492】
ステップ4:7-[3-[[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]アゼチジン-1-イル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、N7-[2-[[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]-3-クロロ-プロピル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(600mg、0.15mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例25(ステップ3)と同様に、黄色油として調製した(560mg、収率66%)。
MS m/z (+ESI): 質量信号なし。
【0493】
ステップ5:[1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-イル]メタノールの調製:
TBAF(63mg、0.19mmol)を、7-[3-[[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]アゼチジン-1-イル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(560mg、0.09mmol)の撹拌THF(1.5mL)溶液に加えた。2時間撹拌した後、この反応混合物を濃縮した。その残渣を分取HPLCにより精製して、[1-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アゼチジン-3-イル]メタノールを白色固体として得た(12mg、収率34%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.20(s,1H),7.53(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.08 (m, 2H), 3.78 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.55 (m, 2H), 2.69 (s, 2H), 2.57 (m, 1H), 1.21 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 341.2 [M+H]+.
【0494】
実施例32:8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルホニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製
【0495】
【0496】
この出発物質は、実施例5及び8に記載の手順に従って、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールから、及びtert-ブチルN-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート、(メチルチオ)アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを使用して調製した。
【0497】
ステップ1:tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル(2-メチルスルホニルエチル)アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
ペルオキソ一硫酸カリウム(4.5%の活性酸素、521mg、0.83mmol)を、tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル(2-メチルスルファニルエチル)アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(250mg、0.41mmol)を含むMeOH(8mL)及びH2O(2mL)の撹拌溶液に加えた。1時間撹拌した後、その反応懸濁液を濾過し、濾液を濃縮し、その粗生成物をcombiflashにより精製して、tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル(2-メチルスルホニルエチル)アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得た(230mg、収率87%)。
MS m/z (+ESI): 574.3 [M+H]+.
【0498】
ステップ2:8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(2-メチルスルホニルエチル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[cis-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[メチル(2-メチルスルホニルエチル)アミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(150mg、0.23mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、黄色固体として調製した(83mg、収率73%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.88(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.65 (m, 1H), 3.53 (m, 2H), 3.15 (m, 4H), 2.98 (s, 3H), 2.78 (s, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.01 (m, 2H), 1.72 (m, 6H), 1.28 (s, 3H), 1.25 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 474.3 [M+H]+.
【0499】
実施例34:4,7-ジアミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
【0500】
【0501】
ステップ1:4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
TBAI(7.4g、19.5mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(25g、97.8mmol)の撹拌ACN(150mL)懸濁液に加えた。得られた懸濁液を45℃に加熱した後、TBHP溶液(100g、782mmol)を3時間かけて滴下した。50℃で16時間撹拌した後、その反応混合物をrtまで冷却し、H2O(150mL)を30分かけて滴下した。0℃で16時間撹拌した後、生じた沈殿物を濾過により集め、ACN(25mL)とH2O(75mL)の混合物で洗浄し、真空下乾燥して、4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを淡灰色固体として得(26.3g、収率69%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.48 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 6.87 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 1.51 (s, 6H)
MS m/z (+ESI): 270.2 [M+H]+.
【0502】
ステップ2:4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
KHNO3(2.53g、24.5mmol)を、0℃で4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(5.1g、18.8mmol)の撹拌H2SO4(10mL)溶液に少しずつ加えた。rtで1時間撹拌した後、その反応混合物を氷水に注ぎ、2NのNaOH水溶液で塩基性化し、pH9にした。生じた沈殿物を濾過により集め、4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを淡黄色固体として得(5.9g、収率65%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 315.1 [M+H]+.
【0503】
ステップ3:4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
LiCl(1.61g、36.7mmol)を、4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(5.5g、12.25mmol)の撹拌DMF(30mL)懸濁液に加えた。170℃で2時間撹拌した後、溶媒を除去して、4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを黄色液体として得(5.2g、収率98%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 301.1 [M+H]+.
【0504】
ステップ4:tert-ブチルN-[trans-4-(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネート(14.9g、36.3mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例5(ステップ3)と同様に、黄色固体として調製した(6g、収率59%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.72 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.00 (s, 2H), 6.85 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.61 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 2.02 (m, 2H), 1.79 (m, 2H), 1.49 (s, 6H), 1.38 (m, 13H).
MS m/z (+ESI): 498.2 [M+H]+.
【0505】
ステップ5:tert-ブチルN-[trans-4-(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバメートの調製:
10%Pd/C(19mg、0.02mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバメート(100mg、0.18mmol)の撹拌EtOH(10mL)溶液に加えた。水素流下で20時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、溶液を濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得(90mg、収率95%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 468.3 [M+H]+.
【0506】
ステップ6:4,7-ジアミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバメート(90mg、0.17mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、黄色固体として調製した(42mg、収率62%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.30(s,1H),7.82(d,J = 8.4 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.11 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.48 (m, 10H).
MS m/z (+ESI): 368.3 [M+H]+.
【0507】
実施例38及び39:N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]アセトアミド及びN-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]メタンスルホンアミドの調製:
【0508】
【0509】
この出発物質は、実施例5及び8に記載の手順に従って、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール及びtert-ブチルN-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート、1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドから調製した。
【0510】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-アミノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
N2H4.H2O(47mg、0.93mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)エチル-メチル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(220mg、0.31mmol)の撹拌EtOH(2mL)溶液に加えた。70℃で2時間撹拌した後、溶媒を除去し、その粗生成物をcombiflashにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-アミノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得た(158mg、収率54%)。
MS m/z (+ESI): 511.4 [M+H]+.
【0511】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[7-[2-アセトアミドエチル(メチル)アミノ]-4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
Ac2O(15μL、0.16mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-アミノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(60mg、0.11mmol)の撹拌DCM(1mL)溶液に加え、続いてピリジン(13μL、0.16mmol)を加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[7-[2-アセトアミドエチル(メチル)アミノ]-4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得(60mg、収率92%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 553.3 [M+H]+.
【0512】
ステップ3:N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]アセトアミドの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[7-[2-アセトアミドエチル(メチル)アミノ]-4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(55mg、0.90mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(36mg、収率80%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.20(s,1H),7.84(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.02 (m, 5H), 2.86 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.14 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.77 (s, 3H), 1.48 (m, 4H), 1.25 (s, 3H), 1.23 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 453.5 [M+H]+.
【0513】
ステップ4:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-(メタンスルホンアミド)エチル-メチル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
MsCl(18μL、0.22mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-アミノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(85mg、0.15mmol)の撹拌DCM(1mL)溶液に加え、続いてTEA(42μL、0.30mmol)を加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-(メタンスルホンアミド)エチル-メチル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得(70mg、収率71%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 589.3 [M+H]+.
【0514】
ステップ5:N-[2-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]エチル]メタンスルホンアミドの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-(メタンスルホンアミド)エチル-メチル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(70mg、0.10mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(11mg、収率20%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.86(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.38 (m, 1H), 2.99 (m, 5H), 2.79 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 2.65 (s, 3H), 2.15 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.49 (m, 4H), 1.28 (s, 3H), 1.24 (s, 3H)
MS m/z (+ESI): 489.3 [M+H]+.
【0515】
実施例42:N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-エタンスルホンアミドの調製:
【0516】
【0517】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-メトキシエチルスルホニルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
2-メトキシエタンスルホニルクロリド(451mg、2.80mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(300mg、0.56mmol)の撹拌ACN(10mL)溶液に加え、続いてDMAP(69mg、0.56mmol)及びピリジン(458μL、5.60mmol)を加えた。80℃で16時間撹拌した後、溶媒を除去し、その残渣をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-メトキシエチルスルホニルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得(140mg、収率28%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 576.3 [M+H]+.
【0518】
ステップ2:N-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2-ヒドロキシ-エタンスルホンアミドの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-メトキシエチルスルホニルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(130mg、0.15mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ1)と同様に、白色固体として調製した(33mg、収率36%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.24(s,1H),8.00(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.11 (d, J =8.8Hz,1H),4.42(m,1H),3.82(t,J = 7.2 Hz, 2H), 3.26 (t, J =7.2Hz,2H),3.02(m,1H),2.85(s,2H),2.14(m,2H),2.00(m,2H),1.51(m,4H),1.25(s,6H).
MS m/z (+ESI): 462.3 [M+H]+.
【0519】
実施例48:1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリルの調製:
【0520】
【0521】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(2-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(2.72g、11.90mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(2g、3.97mmol)の撹拌DCM(200mL)溶液に加え、続いてDABCO(2.25g、19.84mmol)を加えた。16時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、combiflashにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(2-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得た(2.53g、収率53%)。
MS m/z (+ESI): 639.3 [M+H]+.
【0522】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(1-シアノシクロプロピル)メチル-(2-ニトロフェニル)スルホニル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(2-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(300mg、0.42mmol)及び1-(ブロモメチル)シクロプロパンカルボニトリル(150mg、0.85mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例4(ステップ3)と同様に、淡黄色固体として調製した(255mg、収率76%)。
MS m/z (+ESI): 718.3 [M+H]+.
【0523】
ステップ3:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(1-シアノシクロプロピル)メチルアミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
p-トルエンチオール(108mg、0.86mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(2-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(275mg、0.34mmol)の撹拌DMF(2mL)溶液に加え、続いてK2CO3(120mg、0.86mmol)を加えた。50℃で3時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、combiflashにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(1-シアノシクロプロピル)メチルアミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得た(184mg、収率66%)。
MS m/z (+ESI): 533.3 [M+H]+.
【0524】
ステップ4:1-[[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]メチル]シクロプロパンカルボニトリルの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(1-シアノシクロプロピル)メチルアミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(80mg、0.14mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例22(ステップ2)及び実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(34mg、収率58%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.87(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.35 (m, 1H), 3.24 (m, 2H), 3.06 (m, 1H), 2.86 (m, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.12 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 1.48 (m, 4H), 1.31 (s, 3H), 1.25 (m, 1H), 1.23 (s, 3H), 1.03 (m, 1H), 0.94 (m, 1H), 0.66 (m, 1H).
MS m/z (+ESI): 477.2 [M+H]+.
【0525】
実施例49及び50:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体1、及び1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体2の調製:
【0526】
【0527】
ステップ1:2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン-3-カルボニトリルの調製:
NH4OH(866μL、2.25mmol)を、2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン-3-カルバルデヒド(50mg、0.28mmol)の撹拌THF(0.4mL)溶液に加え、続いてハヌス溶液(109μL、0.42mmol)を加えた。16時間撹拌した後、その反応混合物を飽和Na2SO3水溶液でクエンチし、次いでEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、5:1、v:v)により精製して、2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン-3-カルボニトリルを黄色油として得た(44mg、収率36%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 5.27 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.21 (dd, J = 5.2 Hz, 2.4 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.41 (s, 3H), 3.24 (m, 1H), 2.39 (m, 2H).
【0528】
ステップ2:2-ホルミル-4-オキソブタンニトリルの調製:
2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン-3-カルボニトリル(500mg、2.54mmol)を含む1NのHCl水溶液(3mL)の溶液を80℃で1時間撹拌した後、次のステップに直接使用した。
【0529】
ステップ3:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-シアノピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(150mg、1.08mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例7(ステップ1)と同様に、黄色固体として調製した(575mg、収率51%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.23 (s, 1H), 7.87 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.34 (s, 2H), 4.36 (m, 1H), 3.42 (m, 2H), 3.19 (m, 4H), 2.85 (m, 2H), 2.32 (m, 1H), 2.12 (m, 3H), 1.80 (m, 2H), 1.43 (m, 13H), 1.27 (s, 3H), 1.23 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 533.4 [M+H]+.
【0530】
ステップ4:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
H2O2(132μL、1.67mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-シアノピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(100mg、0.17mmol)の撹拌DMSO溶液に加え、続いてK2CO3(119mg、0.84mmol)を加えた。50℃で16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、combiflashにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得た(74mg、収率72%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.22 (s, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.82 (m, 2H), 6.32 (s, 2H), 4.34 (m, 1H), 3.21 (m, 2H), 3.13 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 2.83 (m, 2H), 2.08 (m, 4H), 1.83 (m, 2H), 1.38 (m, 13H), 1.26 (s, 3H), 1.23 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 551.3 [M+H]+.
【0531】
ステップ5:tert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1及びtert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2の調製:
tert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1及びtert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2を、スキーム1に従って、実施例15(ステップ2)と同様に、黄色固体として調製した(137mg、各々収率43%)。
MS m/z (+ESI): 551.3 [M+H]+.
【0532】
ステップ6:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体1の調製:
tert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体1(135mg、0.22mmol)のPOCl3(8mL)懸濁液を60℃で2時間撹拌した後、濃縮した。その残渣を分取HPLCにより精製して、1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体1を白色固体として得た(49mg、収率51%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.27(s,1H),7.86(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.41 (m, 1H), 3.41 (水のピークと重複, 2H), 3.21 (m, 2H), 3.11 (m, 2H), 2.86 (m, 2H), 2.32 (m, 1H), 2.15 (m, 3H), 1.98 (m, 2H), 1.51 (m, 4H), 1.26 (s, 3H), 1.23 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 433.2 [M+H]+.
[α]D
25 =-20.0°(c = 0.07, MeOH).
【0533】
ステップ7:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ピロリジン-3-カルボニトリル-異性体2の調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[4-[[4-アミノ-7-(3-カルバモイルピロリジン-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート-異性体2(135mg、0.22mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例49(ステップ6)と同様に、オフホワイト固体として調製した(46mg、収率47%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.53(s,1H),7.77(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.48 (m, 1H), 3.41 (水のピークと重複, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.11 (m, 2H), 2.94 (m, 2H), 2.33 (m, 1H), 2.16 (m, 3H), 1.99 (m, 2H), 1.53 (m, 4H), 1.28 (s, 3H), 1.25 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 433.2 [M+H]+.
[α]D
25 =22.8°(c = 0.07, MeOH).
【0534】
実施例51:3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-シクロプロピル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
【0535】
【0536】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(シクロプロピルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
シクロプロピルボロン酸(444mg、4.96mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(500mg、0.99mmol)の撹拌DCM(10mL)溶液に加え、続いてCu(OAc)2(421mg、1.98mmol)、2,2’-ビピリジン(316mg、1.98mmol)及びTEA(419μL、2.98mmol)を加えた。60℃で3時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、combiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(シクロプロピルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(230mg、収率42%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.23 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.33 (br, 2H), 4.26 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 2.85 (s, 2H), 2.60 (m, 1H), 2.05 (m, 2H), 1.81 (m, 2H), 1.41 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.32 (m, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.54 (m, 2H), 0.40 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 494.4 [M+H]+.
【0537】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-クロロエチル(シクロプロピル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(シクロプロピルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(180mg、0.33mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例8(ステップ1)と同様に、白色固体として調製した(182mg、収率91%)。
MS m/z (+ESI): 556.3, 558.3 [M+H]+.
【0538】
ステップ3:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(シクロプロピル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
KCN(56mg、0.85mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-クロロエチル(シクロプロピル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(175mg、0.28mmol)を含むEtOH(1.5mL)及びH2O(0.3mL)の撹拌溶液に加え、続いてNaI(43mg、0.28mmol)を加えた。70℃で8時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、combiflashにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(シクロプロピル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得た(120mg、収率70%)。
MS m/z (+ESI): 547.4 [M+H]+.
【0539】
ステップ4:3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-シクロプロピル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(シクロプロピル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(110mg、0.18mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(39mg、収率48%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.91(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.29 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.01 (m, 1H), 2.88 (m, 2H), 2.66 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 2.16 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.48 (m, 4H), 1.23 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 0.56 (m, 2H), 0.26 (m, 1H), 0.14 (m, 1H).
MS m/z (+ESI): 447.3 [M+H]+.
【0540】
実施例52:3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
【0541】
【0542】
ステップ1:2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンニトリルの調製:
3-メトキシベンジルマグネシウムクロリド(96mL、24mmol、0.25MのTHF溶液)を、イソプロピリデンマロノニトリル(2g、18.5mmol)の撹拌THF(50mL)溶液に0℃で滴下した。得られた溶液をrtで3時間撹拌した。次いで、1NのHCl水溶液を0℃で加え、得られた混合物を濃縮した。その残渣をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、5:1、v:v)によって精製して、2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリルを黄色油として得た(1.69g、収率38%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 7.27 (m, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.74 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.44 (s, 1H), 2.81 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]+.
【0543】
ステップ2:1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルの調製:
TfOH(1.04g、6.24mmol)を、2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリル(300mg、1.25mmol)の撹拌DCM(6mL)溶液に0℃で加え、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、その混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルを黄色固体として得(300mg、収率95%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (m, 1H), 6.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.51 (br, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.69 (s, 2H), 1.17 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]+.
【0544】
ステップ3:8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリル(1g、3.94mmol)及びホルムアミド(19mL、473mmol)の懸濁液を180℃で8時間撹拌した。rtまで冷却した後、その反応混合物をH2Oで希釈し、EAで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、1:1、v:v)によって精製して、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを淡黄色固体として得た(700mg、収率63%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.24 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.37 (br, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.75 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 256.1 [M+H]+.
【0545】
ステップ4:4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
BBr3(1MのDCM溶液、4.8mL、4.80mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(450mg、1.58mmol)の撹拌DCM(30mL)溶液に-40℃で滴下した。得られた溶液をrtで18時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、得られた緑色固体を濾過により収集し、H2Oで洗浄し、減圧下乾燥し、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを得た(350mg、収率82%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.21 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.67 (m, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.29 (br, 2H), 2.67 (s, 2H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 242.2 [M+H]+.
【0546】
ステップ5:4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
HNO3(7.5mL、117.2mmol)を、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(700mg、2.32mmol)の撹拌H2SO4(7mL)溶液に0℃で滴下した。48時間撹拌した後、その反応混合物を200mLの氷水に注ぎ、NaHCO3で中和した。得られた混合物をEAで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを黄色固体として得た(260mg、収率35%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 12.76 (br, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.54 (br, 2H), 2.62 (s, 2H), 1.27(s, 6H).
MS m/z (+ESI): 287.2 [M+H]+.
【0547】
ステップ6:[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネートの調製:
TsCl(139g、721mmol)を、tert-ブチルN-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(80g、360mmol)の撹拌DCM(300mL)溶液に少しずつ加え、続いてTEA(152mL、1081mmol)及びDMAP(4.5g、36mmol)を加えた。24時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、10:1、v:v)により精製し、[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネートを白色固体として得た(105g、収率71%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.78 (d, J =8.0Hz,2H),7.47(d,J = 8.0 Hz, 2H), 6.81 (d, J =7.2Hz,1H),4.58(m,1H),3.24(m,1H),2.41(s,3H),1.66(m,2H),1.51(m,4H),1.41(m,2H),1.36(s,9H).
MS m/z (+ESI): 370.1 [M+H]+.
【0548】
ステップ7:tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
Cs2CO3(820mg、2.45mmol)を、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(260mg、0.82mmol)及び[cis-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]4-メチルベンゼンスルホネート(2.0g、4.90mmol)を含むDMF(8mL)及びACN(8mL)の撹拌溶液に加えた。80℃で40時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(400mg、収率91%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.29 (s, 1H), 8.19 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.57 (s, 2H), 4.52 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 2.62 (s, 2H), 2.03 (m, 2H), 1.79 (m, 2H), 1.38 (m, 13H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 484.4 [M+H]+.
【0549】
ステップ8:tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
Pd(OH)2(20%担持炭素、52mg、0.07mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(400mg、0.74mmol)を含むMeOH(10mL)及びEA(10mL)の撹拌溶液に加えた。水素流下で20時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、この溶液を濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得(340mg、収率96%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.21 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.28 (br, 2H), 4.51 (s, 2H), 4.22 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 2.61 (s, 2H), 2.06 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.46 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.36 (m, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 454.3 [M+H]+.
【0550】
ステップ9:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(4-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
NsCl(7.8g、34.13mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(4.3g、8.53mmol)の撹拌Py(40mL)溶液に加えた。30分間撹拌した後、その反応混合物をH2Oに注いだ。得られた懸濁液を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄し、高真空下で乾燥し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(4-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(6g、収率94%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 9.62 (s, 1H), 8.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.25 (s, 1H), 7.94 (m, 3H), 6.91 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.41 (s, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.03 (m, 1H), 2.87 (s, 2H), 1.63 (m, 4H), 1.37 (s, 9H), 1.27 (s, 6H), 1.13 (m, 4H).
MS m/z (+ESI): 639.0 [M+H]+.
【0551】
ステップ10:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル-(4-ニトロフェニル)スルホニル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
アクリロニトリル(18.97mL、285.2mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-7-[(4-ニトロフェニル)スルホニルアミノ]-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(5.5g、7.32mmol)を含むPy(33mL)及びH2O(6.6mL)の撹拌溶液に加え、続いてDMAP(452mg、3.66mmol)を加えた。100℃で3時間撹拌した後、その反応混合物をrtまで冷却し、その後H2O(500mL)を加えた。得られた懸濁液を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄し、高真空下で乾燥して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル-(4-ニトロフェニル)スルホニル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(5.5g、収率92%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.41 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.27 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.47 (s, 2H), 4.15 (m, 1H), 4.05 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.95 (m, 3H), 2.72 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 1.80 (m, 1H), 1.63 (m, 2H), 1.47 (m, 1H), 1.41 (s, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.25 (s, 3H), 1.15 (m, 2H), 0.86 (m, 1H), 0.58 (m, 1H).
MS m/z (+ESI): 692.0 [M+H]+.
【0552】
ステップ11:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
p-トルエンチオール(1.39g、11.06mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル-(4-ニトロフェニル)スルホニル-アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(5.5g、6.76mmol)の撹拌DMF(40mL)溶液に加え、続いてK2CO3(2.57g、18.43mmol)を加えた。55℃で1.5時間撹拌した後、溶媒を除去し、その粗生成物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを淡黄色固体として得た(2.95g、収率71%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.23 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.33 (s, 2H), 4.27 (m, 2H), 3.28 (m, 1H), 3.20 (m, 2H), 2.75 (s, 2H), 2.60 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.07 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.48 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.33 (m, 2H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 507.4 [M+H]+.
【0553】
ステップ12:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
H2CO(2.13g、26.20mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルアミノ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(2.95g、5.24mmol)を含むMeOH(25mL)及びTHF(5mL)の撹拌溶液に加え、続いてNaBH3CN(693mg、10.48mmol)及びAcOH(304μL、5.24mmol)を加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その粗生成物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートをオフホワイト固体として得(2.98g、収率98%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 521.4 [M+H]+.
【0554】
ステップ13:3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(2.98g、5.15mmol)のHCO2H(25mL)溶液を、2.5時間撹拌した。次いで溶媒を除去し、その残渣をcombiflashにより精製し、3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルを白色固体として得た(2.15g、収率97%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.21(s,1H),7.87(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.38 (m, 1H), 3.21 (m, 2H), 3.09 (m, 3H), 2.75 (m, 1H), 2.66 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.15 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.49 (m, 4H), 1.30 (s, 3H), 1.21 (s, 3H)
MS m/z (+ESI): 421.3 [M+H]+.
【0555】
ステップ14:3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
2-ブロモエチルエーテル(288mg、1.22mmol)を、3-[[4-アミノ-8-(トランス-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリル(265mg、0.57mmol)の撹拌ACN(5mL)溶液に加え、続いてK2CO3(340mg、2.43mmol)を加えた。70℃で18時間撹拌した後、その懸濁液をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(trans-4-モルホリノシクロヘキソキシ)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルを白色固体として得た(491g、収率60%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.88(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.56 (m, 4H), 3.23 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.97 (m, 2H), 2.65 (s, 3H), 2.46 (m, 6H), 2.26 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 1.42 (m, 4H), 1.31 (s, 3H), 1.23 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 491.3 [M+H]+.
【0556】
実施例54:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブタ-3-イニル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0557】
【0558】
ステップ1:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(4-トリメチルシリルブタ-3-イニル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート、4-トリメチルシリルブタ-3-イン-1-オール、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド及びホルムアルデヒドを出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例5、9、21、48と同様に、淡黄色固体として調製した。
MS m/z (+ESI): 492.1 [M+H]+.
【0559】
ステップ2:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブタ-3-イニル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
K2CO3(108mg、0.78mmol)を、8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7,5,5-トリメチル-N7-(4-トリメチルシリルブタ-3-イニル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(150mg、0.26mmol)の撹拌MeOH(0.5mL)溶液に加えた。2時間撹拌した後、この懸濁液を濾過した。その濾液を濃縮し、分取HPLCにより精製して、8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N7-ブタ-3-イニル-N7,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを白色固体として得た(90mg、収率80%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.21(s,1H),7.85(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 3.06 (m, 3H), 2.78 (m, 1H), 2.71 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.17 (m, 4H), 1.97 (m, 2H), 1.48 (m, 4H), 1.27 (s, 3H), 1.21 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 420.2 [M+H]+.
【0560】
実施例56:1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2H-ピロール-5-オンの調製:
【0561】
【0562】
2-ヒドロキシブタンジアール(126mg、1.11mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(200mg、0.37mmol)を含むMeOH(6mL)及び3NのHCl水溶液(3mL)の撹拌溶液に加えた。4時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、1-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-2H-ピロール-5-オンを淡黄色固体として得た(10mg、収率6%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.50(s,1H),7.92(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.27 (dt, J = 6.0 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.39 (m, 2H), 4.13 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 3.07 (m, 1H), 2.57 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.02 (m, 4H), 1.44 (m, 4H), 1.31 (s, 3H), 1.18 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 420.4 [M+H]+.
【0563】
実施例57:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0564】
【0565】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
NaOAc(87mg、1.03mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4,7-ジアミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(93mg、0.17mmol)及び2-メトキシブタンジアール(25mg、0.17mmol)の撹拌CHCl3(3mL)溶液に加え、続いてI2(0.4mg、0.02mmol)を加えた。70℃で8時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、1:1、v:v)により精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得た(50mg、収率49%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.27 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.48 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.43 (s, 2H,), 6.32 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 5.90 (dd, J = 2.8 Hz, 2.0 Hz 1H), 4.22 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.22 (m, 1H), 2.42 (s, 2H), 1.94 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.38 (m, 4H), 1.23 (m, 15H).
MS m/z (+ESI): 534.3 [M+H]+.
【0566】
ステップ2:8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-メトキシピロール-1-イル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(130mg、0.22mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、黒色固体として調製した(22mg、収率22%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.26(s,1H),8.06(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.48 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.31 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 5.90 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 4.23 (m, 1H), 3.62 (s, 3H), 2.96 (m, 1H), 2.41 (s, 2H), 1.99 (m, 2H), 1.87 (m, 2H), 1.38 (m, 4H), 1.18 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 434.3 [M+H]+.
【0567】
実施例61:8-メトキシ-7-(3-メトキシプロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
【0568】
【0569】
ステップ1:7,9-ジブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
NBS(4.26g、23.48mmol)を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(3g、11.74mmol)の撹拌TFA(30mL)溶液に加えた。16時間撹拌した後、この反応混合物を濃縮した。飽和NaHCO3水溶液(200mL)をその残渣に加え、得られた懸濁液を濾過した。そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥し、7,9-ジブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色固体として得た(5.2g、収率96%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.39 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.15 (br, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.91 (s, 2H), 1.31 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 412.0, 414.0 [M+H]+.
【0570】
ステップ2:7-ブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
10%Pd/C(300mg、0.28mmol)を、7,9-ジブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(1g、1.94mmol)を含むEtOH(60mL)及びEA(20mL)の撹拌溶液に加えた。水素流下で24時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、その溶液を濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH、8:1、v:v)により精製し、7-ブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(400mg、収率52%)。
MS m/z (+ESI): 334.1, 336.1 [M+H]+.
【0571】
ステップ3:8-メトキシ-7-[(E)-3-メトキシプロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
2-[(E)-3-メトキシプロパ-1-エニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(764mg、3.66mmol)を、7-ブロモ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(180mg、0.46mmol)を含むDiox(10mL)及びH2O(2mL)の撹拌溶液に加え、続いてPd(PPh3)4(54mg、0.04mmol)、Pd(dppf)Cl2(34mg、0.04mmol)及びKOH(131mg、2.29mmol)を加えた。110℃で2時間撹拌した後、その反応混合物をdecaliteを通して濾過し、濃縮し、combiflashにより精製して、8-メトキシ-7-[(E)-3-メトキシプロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(120mg、収率80%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.24(s,1H),8.00(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 5.93 (dt, J = 16.4 Hz, 5.6 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.84 (s, 2H), 1.24 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 326.3 [M+H]+.
【0572】
ステップ4:8-メトキシ-7-(3-メトキシプロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
10%Pd/C(130mg、0.13mmol)を、8-メトキシ-7-[(E)-3-メトキシプロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(80mg、0.24mmol)を含むEtOH(10mL)及びH2O(0.5mL)の撹拌溶液に、NH4HCO2(78mg、1.22mmol)に続いて加えた。水素流下、80℃で2時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、その溶液を濃縮した。その残渣を分取HPLCにより精製して、8-メトキシ-7-(3-メトキシプロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(65mg、収率81%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.23(s,1H),7.95(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.35 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.24 (s, 3H), 2.74 (s, 2H), 2.67 (m, 2H), 1.63 (m, 2H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 328.4 [M+H]+.
【0573】
実施例89:(5R)-5-[2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]エチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
【0574】
【0575】
ステップ1:(2R)-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-クロロ-ブタン-2-オールの調製:
表題化合物を、(3R)-4-クロロブタン-1,3-ジオール(1.5g、10.84mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例28(ステップ3)と同様に、無色油として調製した(3.3g、収率80%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.65 (m, 4H), 7.45 (m, 6H), 5.06 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.76 (m, 2H), 3.59 (dd, J = 10.8 Hz, 4.8 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.8 Hz, 5.6 Hz, 1H), 1.82 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 0.98 (s, 9H).
【0576】
ステップ2:(2R)-1-アジド-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オールの調製:
NaN3(87mg、1.31mmol)を、(2R)-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-クロロ-ブタン-2-オール(100mg、0.26mmol)の撹拌DMF(1mL)溶液に加えた。90℃で16時間撹拌した後、その反応混合物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、10:1、v:v)で精製して、(2R)-1-アジド-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オールを無色油として得た(86mg、収率80%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.63 (m, 4H), 7.45 (m, 6H), 5.04 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 3.23 (dd, J = 12.4 Hz, 4.0 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 12.8 Hz, 6.8 Hz, 1H), 1.64 (m, 2H), 0.98 (s, 9H).
【0577】
ステップ3:(2R)-1-アミノ-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オールの調製:
10%Pd/C(22mg、0.02mmol)を、(2R)-1-アジド-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オール(86mg、0.18mmol)の撹拌MeOH(1mL)溶液に加えた。水素流下で2時間撹拌した後、触媒を濾過により除去し、この溶液を濃縮して、(2R)-1-アミノ-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オールを無色油として得(75mg、収率94%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.62 (m, 4H), 7.44 (m, 6H), 4.43 (br, 1H), 3.74 (m, 2H), 3.50 (m, 1H), 2.52 (DMSOのピークと重複, 1H), 2.40 (dd, J = 12.4 Hz, 6.8 Hz, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.52 (m, 1H), 0.98 (s, 9H).
MS m/z (+ESI): 344.3 [M+H]+.
【0578】
ステップ4:(5R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
DIPEA(250μL、1.41mmol)を、(2R)-1-アミノ-4-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-ブタン-2-オール(90mg、0.23mmol)の撹拌DCM(2mL)溶液に加えた。次いで、この反応混合物を0℃まで冷却し、その後トリホスゲン(35mg、0.12mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、その反応混合物をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、2:1、v:v)で精製して、(5R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]オキサゾリジン-2-オンを無色油として得た(87mg、収率52%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.64 (m, 4H), 7.44 (m, 7H), 4.71 (m, 1H), 3.74 (m, 2H), 3.55 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 3.15 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 1.90 (m, 2H), 0.99 (s, 9H).
【0579】
ステップ5:(5R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
(5R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]オキサゾリジン-2-オン(820mg、2.00mmol)のDMF(10mL)溶液に、炭酸セシウム(1.99g、5.99mmol)及び1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(484mg、2.99mmol)を加えた。この反応物を15℃で16時間撹拌した。次いでその反応物をEA及び水で希釈した。分離後、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA、2:1、v:v)により精製して、(R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オンを無色油として得た(1.00g、収率92%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.57 (m, 4H), 7.43 (m, 6H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.64 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.71 (m, 2H), 3.48 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 8.8 Hz, 6.8 Hz, 1H), 1.86 (m, 2H), 0.95 (s, 9H).
【0580】
ステップ6:(5R)-5-(2-ヒドロキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オン:
(5R)-5-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オン(100g、1.84mmol)のTHF(15mL)溶液に、TBAF(1.70g、5.51mmol)を加えた。その後、この反応物を70℃で1時間加熱した。この反応物をEA及び水で希釈し、その有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下蒸発させ、粗製物質を得た。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EA)により精製し、(5R)-5-(2-ヒドロキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オンを無色油として得た(470mg、収率91%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+ D2O) δ ppm: 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.56 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.47 (H2Oのピークと重複, 3H), 3.05 (dd, J = 8.8 Hz, 7.2 Hz, 1H), 1.72 (m, 2H).
【0581】
ステップ7:2-[(5R)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イル]エチル4-メチルベンゼンスルホネートの調製:
表題化合物を、(5R)-5-(2-ヒドロキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]オキサゾリジン-2-オンを出発物質として使用し、スキーム1に従って、実施例5、19及び21と同様に、無色油として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.78 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.49 (m, 1H), 4.22 (m, 2H), 4.07 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.41 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.99 (dd, J = 8.8 Hz, 6.8 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.93 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 406.1 [M+H]+.
【0582】
ステップ8:N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミドの調製:
表題化合物を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(1.0g、3.33mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例48(ステップ1)と同様に、オフホワイト固体として調製した(1.2g、収率71%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 9.47 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.82 (m, 3H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.47 (br, 2H), 3.21 (s, 3H), 2.82 (s, 2H), 1.25 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 456.2 [M+H]+.
【0583】
ステップ9:N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-N-[2-[(5R)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イル]エチル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミドの調製:
標題化合物を、N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(700mg、1.38mmol)及び2-[(5R)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イル]エチル4-メチルベンゼンスルホネート(623mg、1.38mmol)を出発物質として使用し、スキーム1に従って、実施例5(ステップ3)と同様に、黄色固体として調製した(800mg、収率76%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.27 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 8.8 Hz, 3.6 Hz, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.76 (m, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.8 Hz, 5.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.47 (br, 2H), 4.55 (m, 1H), 4.24 (m, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.71 (d, J = 13.6 Hz, 3H), 3.50 (m, 2H), 3.19 (d, J = 3.2 Hz, 3H), 2.95 (m, 1H), 2.80 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.62 (m, 1H), 1.38 (d, J = 12.4 Hz, 3H), 1.13 (d, J = 11.2 Hz, 3H).
MS m/z (+ESI): 689.3 [M+H]+.
【0584】
ステップ10:N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-2-ニトロ-N-[2-[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]エチル]ベンゼンスルホンアミドの調製:
CAN(1.65g、2.98mmol)を、N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-N-[2-[(5R)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イル]エチル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(760mg、0.99mmol)を含むACN(10mL)及びH2O(3mL)の撹拌溶液に加えた。1時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、combiflashにより精製して、N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-2-ニトロ-N-[2-[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]エチル]ベンゼンスルホンアミドを黄色固体として得た(600mg、収率85%)。
MS m/z (+ESI): 569.2 [M+H]+.
【0585】
ステップ11:(5R)-5-[2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]エチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
標題化合物を、N-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-2-ニトロ-N-[2-[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]エチル]ベンゼンスルホンアミド(580mg、0.82mmol)を出発物質として使用し、スキーム1に従って、実施例48(ステップ3)と同様に、白色固体として調製した(61mg、収率19%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.67(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.67 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.54 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 3.10 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.00 (m, 2H), 2.72 (s, 2H), 1.78 (m, 2H), 1.26 (s, 3H), 1.25 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 384.1 [M+H]+.
【0586】
実施例90:4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミドの調製:
【0587】
【0588】
tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール及びCAS 167081-25-6を出発物質として使用し、スキーム1に従って、実施例5及び61と同様に、オフホワイトの固体として調製した。
【0589】
ステップ1:メチル4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキシレートの調製:
Pd(dppf)Cl2(110mg、0.15mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(300mg、0.49mmol)の撹拌MeOH(4mL)溶液に加え、続いてTEA(350μL、2.46mmol)を加えた。CO流(3.5MPa)下、120℃で8時間撹拌した後、触媒を濾過により除去した。その溶液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、メチル4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキシレートを白色固体として得た(190mg、収率70%)。
MS m/z (+ESI): 497.3 [M+H]+.
【0590】
ステップ2:4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボン酸の調製:
NaOH(39mg、0.98mm)を、メチル4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキシレート(180mg、0.33mmol)の撹拌MeOH(4mL)溶液に加えた。75℃で16時間撹拌した後、その反応混合物のpHを1MのHCl水溶液で3に調整した。得られた混合物をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボン酸を白色固体として得た(150mg、収率86%)。
MS m/z (+ESI): 483.3 [M+H]+.
【0591】
ステップ3:4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボキサミドの調製:
標題化合物を、4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-カルボン酸及びCAS 6011-14-9を出発物質として使用し、スキーム1に従って、実施例6、及び9と同様に、白色固体として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:9.03(t,J = 5.6 Hz, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.31 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.08 (m, 1H), 2.66 (s, 2H), 2.10 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.49 (m, 4H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 421.1 [M+H]+.
【0592】
実施例92:3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタン-1-オールの調製:
【0593】
【0594】
ステップ1:(E)-3-[4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタ-2-エン酸の調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(500mg、0.87mmol)及びCAS 448212-00-8(1.0g、3.96mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例61(ステップ3)と同様に、オフホワイト固体として調製した(360mg、収率71%)。
MS m/z (+ESI): 523.4 [M+H]+.
【0595】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(E)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
イソブチルクロロホルメート(113μL、0.83mmol)を、(E)-3-[4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタ-2-エン酸(240mg、0.41mmol)の撹拌THF(15mL)溶液に0℃で加え、続いてNMM(93μL、0.83mmol)を加えた。0℃で30分間撹拌した後、NaBH4(64mg、1.65mmol)のH2O(3mL)溶液を加え、得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EAで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(E)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートをオフホワイト固体として得た(180mg、収率77%)。
MS m/z (+ESI): 509.4 [M+H]+.
【0596】
ステップ3:3-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブタン-1-オールの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[(E)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9及び61と同様に、白色固体として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.90(d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.24 (m, 3H), 3.02 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 2.71 (m, 1H), 2.13 (m, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.76 (m, 1H), 1.45 (m, 4H), 1.25 (m, 9H).
MS m/z (+ESI): 411.2 [M+H]+.
【0597】
実施例97:4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ペンタンニトリルの調製:
【0598】
【0599】
ステップ1:3-[4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブチル4-メチルベンゼンスルホネートの調製:
TsCl(58mg、0.30mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(120mg、0.20mmol)の撹拌DCM(10mL)溶液に加え、続いてDABCO(68mg、0.60mmol)を加えた。2時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、3-[4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブチル4-メチルベンゼンスルホネートを白色固体として得た(140mg、収率90%)。
MS m/z (+ESI): 665.3 [M+H]+.
【0600】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-シアノ-1-メチル-プロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
KCN(37mg、0.54mmol)を、3-[4-アミノ-8-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキソキシ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ブチル4-メチルベンゼンスルホネート(140mg、0.18mmol)の撹拌DMF(4mL)溶液に加えた。80℃で1時間撹拌した後、その反応混合物をH2Oで希釈した。得られた懸濁液を濾過し、そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-シアノ-1-メチル-プロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを白色固体として得た(93mg、収率91%)。
MS m/z (+ESI): 520.3 [M+H]+.
【0601】
ステップ3:4-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]ペンタンニトリルの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(3-シアノ-1-メチル-プロピル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(50mg、0.08mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(52mg、収率50%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.22(s,1H),7.94(d,J= 8.8 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.39 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 3.04 (m, 1H), 2.79 (m, 2H), 2.28 (m, 3H), 2.15 (m, 2H), 1.96 (m, 3H), 1.48 (m, 4H), 1.26 (m, 9H).
MS m/z (+ESI): 420.2 [M+H]+.
【0602】
実施例108:3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルファニル]プロパンニトリルの調製:
【0603】
【0604】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ヨード-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(13mg、0.09mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(100mg、0.147mmol)の撹拌Diox(3mL)懸濁液に加え、続いてNaI(53mg、0.35mmol)及びCuI(17mg、0.09mmol)を加えた。110℃で24時間撹拌した後、その反応混合物を濾過し、その濾液を濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ヨード-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートをオフホワイト固体として得た(80mg、収率73%)。
MS m/z (+ESI): 564.9 [M+H]+.
【0605】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルスルファニル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
3-スルファニルプロパンニトリル(510μL、5.67mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ヨード-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(500mg、0.71mmol)の撹拌Diox(15mL)溶液に加え、続いてXant-Phos(167mg、0.28mmol)、Pd2(dba)3(132mg、0.14mmol)及びDIPEA(504μL、0.37mmol)を加えた。110℃で16時間撹拌した後、その反応混合物を濾過し、その濾液を濃縮した。その残渣をcombiflashにより精製し、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルスルファニル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色固体として得た(300mg、0.51mmol)。
MS m/z (+ESI): 524.1 [M+H]+.
【0606】
ステップ3:3-[[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]スルファニル]プロパンニトリルの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-(2-シアノエチルスルファニル)-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(100mg、0.17mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(47mg、収率63%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.24(s,1H),8.08(d,J = 8.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.46 (m, 1H), 3.09 (s, 2H), 3.06 (m, 1H), 3.02 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.15 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.49 (m, 4H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 424.2 [M+H]+.
【0607】
実施例109:3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
【0608】
【0609】
ステップ1:(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネートの調製:
N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(7.73g、21.22mmol)を4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(4.5g、14.15mmol)の撹拌THF(45mL)溶液に加え、続いてK2CO3(5.98g、42.44mmol)を加えた。50℃で2時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネートを淡黄色固体として得た(3g、収率46%)。
MS m/z (+ESI): 419.0 [M+H]+.
【0610】
ステップ2:5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
トリエチルシラン(1.25mL、7.74mmol)を、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネート(1.2g、2.58mmol)の撹拌DMF(30mL)溶液に加え、続いてPd(PPh3)4(304mg、0.26mmol)を加えた。50℃で2時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンを淡黄色固体として得た(600g、収率77%)。
MS m/z (+ESI): 271.1 [M+H]+.
【0611】
ステップ:3-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
表題化合物を、5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、CAS 98-74-8、CAS 2417-90-5及びCAS 50-00-0を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例2、22及び48(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.27(s,1H),7.81(d,J = 6.8 Hz, 1H), 7.26 (m, 2H), 3.12 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.88 (s, 2H), 2.66 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 308.2 [M+H]+.
【0612】
実施例113:4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミドの調製:
【0613】
【0614】
ステップ1:tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ベンジルスルファニル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ヨード-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(300mg、0.43mmol)及びCAS 100-53-8(252μL、2.12mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例108(ステップ2)と同様に、黄色固体として調製した(200mg、収率71%)。
MS m/z (+ESI): 561.1 [M+H]+.
【0615】
ステップ2:tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-クロロスルホニル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
NCS(170mg、1.21mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-ベンジルスルファニル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(200mg、0.30mmol)を含むDCM(4mL)及びH2O(0.1mL)の撹拌溶液に加え、続いてAcOH(280μL、4.80mmol)を加えた。16時間撹拌した後、その反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、NaHCO3(2g)を加えた。得られた懸濁液を濾過した。その濾液を濃縮し、DCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-クロロスルホニル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートを黄色液体として得(190mg、収率93%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 537.0 [M+H]+.
【0616】
ステップ3:tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[シアノメチル(メチル)スルファモイル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの調製:
2-(ジメチルアミノ)アセトニトリル(331μL、4.24mmol)を、tert-ブチルN-[trans-4-[(4-アミノ-7-クロロスルホニル-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(190mg、0.28mmol)を含むDCM(4mL)及びPy(2mL)の撹拌溶液に加えた。30分間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[シアノメチル(メチル)スルファモイル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメートをオフホワイト固体(160mg、0.25mmol)として得た。
MS m/z (+ESI): 571.0 [M+H]+.
【0617】
ステップ4:4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-N-(シアノメチル)-N,5,5-トリメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-スルホンアミドの調製:
表題化合物を、tert-ブチルN-[trans-4-[[4-アミノ-7-[シアノメチル(メチル)スルファモイル]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(160mg、0.25mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ2)と同様に、白色固体として調製した(105mg、収率88%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.31(d,J = 8.8 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.56 (m, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.30 (s, 2H), 3.00 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.12 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.47 (m, 2H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 471.1 [M+H]+.
【0618】
実施例115:3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
【0619】
【0620】
[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]トリフルオロメタンスルホネートを、4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール及びCAS 98-74-8、CAS 2417-90-5、及びCAS 50-00-0を出発物質として使用して、スキーム1に従い、実施例2、22及び48と同様に、白色固体として調製した。
MS m/z (+ESI): 456.2 [M+H]+.
【0621】
ステップ1:[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]ボロン酸の調製:
ビス(ピナコラト)ジボロン(2.05g、7.90mmol)を、[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]トリフルオロメタンスルホネート(300mg、0.53mmol)の撹拌DMF(15mL)溶液に加え、続いてPd(dppf)Cl2(78mg、0.10mmol)及びK2CO3(223mg、1.58mmol)を加えた。90℃で8時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]ボロン酸を白色固体として得た(80mg、収率39%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.27(s,1H),7.84(d,J = 8.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.28 (m, 2H), 2.88 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.67 (m, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 352.3 [M+H]+.
【0622】
ステップ2:3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
CuBr2(964mg、4.30mmol)を、[4-アミノ-7-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]ボロン酸(500mg、0.43mmol)を含むMeOH(10mL)及びH2O(10mL)の撹拌溶液に加えた。80℃で10時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をDCM及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を分取HPLCにより精製して、3-[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-メチル-アミノ]プロパンニトリルを白色固体として得た(44g、収率26%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.27(s,1H),7.82(d,J =8.4Hz,1H),7.55(d,J =8.4Hz,1H),3.41(m,1H),3.34(m,1H),2.96(m,2H),2.78(s,3H),2.70(m,1H),2.59(m,1H),1.30(s,3H),1.28(s,3H).
MS m/z (+ESI): 386.0, 388.1 [M+H]+.
【0623】
実施例118:3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
【0624】
【0625】
ステップ1:5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
1-メチルピペラジン(527mg、5.16mmol)を、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネート(400mg、0.86mmol)の撹拌ACN(40mL)溶液に加えた。50℃で16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色固体として得(317mg、収率99%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.30 (s, 1H), 8.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.59 (br, 2H), 2.97 (m, 4H), 2.59 (s, 2H), 2.40 (m, 4H), 2.21 (s, 3H), 1.27 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 369.0 [M+H]+.
【0626】
ステップ2:3-[[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル]-メチル-アミノ]プロパンニトリルの調製:
表題化合物を、5,5-ジメチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、CAS 98-74-8、CAS 2417-90-5及びCAS 50-00-0を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例2、22及び48と同様に、白色固体として調製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6+D2O) δ ppm: 8.24 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.61 (m, 1H), 3.31 (m, 1H), 2.97 (m, 4H), 2.80 (s, 3H), 2.66 (m, 8H), 2.25 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 1.17 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 406.2 [M+H]+.
【0627】
実施例120:1-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリルの調製:
【0628】
【0629】
ステップ1:8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
HBr(33%AcOH溶液、50mL)を、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネート(1.4g、3.01mmol)の撹拌AcOH(25mL)懸濁液に加えた。130℃で16時間撹拌した後、その反応混合物をH2O(150mL)で希釈した。得られた懸濁液を濾過し、そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥した。得られたオフホワイト固体をTHF(300mL)及び飽和NaHCO3水溶液(100mL)に注いだ。10分間撹拌した後、有機層を分離し、H2O及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色固体として得(950mg、収率72%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.33 (s, 1H), 8.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.73 (br, 2H), 2.71 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 348.9, 350.9 [M+H]+.
【0630】
ステップ2:8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
鉄(1.24g、21.77mmol)を、8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(950mg、2.18mmol)を含むEtOH(80mL)及びH2O(8mL)の撹拌懸濁液に加え、続いてNH4Cl(594mg、10.88mmol)を加えた。80℃で1時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をH2O(60mL)に注いだ。得られた懸濁液を超音波処理し、濾過し、そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥し、8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンをオフホワイト固体(700mg、収率91%)として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.61 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.21 (s, 2H), 1.30 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 319.0, 321.0 [M+H]+.
【0631】
ステップ3:1-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)ピロリジン-3-カルボニトリルの調製:
表題化合物を、8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(270mg、0.76mmol)及びCAS 1823050-70-9(282mg、2.28mmol)を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例9(ステップ1)と同様に、白色固体として調製した(50mg、収率15%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.28(s,1H),7.84(d,J =8.4Hz,1H),7.57(d,J =8.4Hz,1H),3.57(m,2H),3.32(m,3H),2.86(m,2H),2.41(m,1H),2.31(m,1H),1.29(s,3H),1.26(s,3H).
MS m/z (+ESI): 398.1, 400.1 [M+H]+.
【0632】
実施例121:(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
【0633】
【0634】
ステップ1:(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネートの調製:
N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(7.73g、21.22mmol)を4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(4.5g、14.15mmol)の撹拌THF(45mL)溶液に加え、続いてK2CO3(5.98g、42.44mmol)を加えた。50℃で2時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネートを淡黄色固体として得た(3g、収率46%)。
MS m/z (+ESI): 419.0 [M+H]+.
【0635】
ステップ2:8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
HBr(33%AcOH溶液、50mL)を、(4-アミノ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホネート(1.4g、3.01mmol)の撹拌AcOH(25mL)懸濁液に加えた。130℃で16時間撹拌した後、その反応混合物をH2O(150mL)で希釈した。得られた懸濁液を濾過し、そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥した。得られたオフホワイト固体をTHF(300mL)及び飽和NaHCO3水溶液(100mL)に注いだ。10分間撹拌した後、有機層を分離し、H2O及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色固体として得(950mg、収率72%)、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.33 (s, 1H), 8.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.73 (br, 2H), 2.71 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 348.9, 350.9 [M+H]+.
【0636】
ステップ3:8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
鉄(1.24g、21.77mmol)を、8-ブロモ-5,5-ジメチル-7-ニトロ-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(950mg、2.18mmol)を含むEtOH(80mL)及びH2O(8mL)の撹拌懸濁液に加え、続いてNH4Cl(594mg、10.88mmol)を加えた。80℃で1時間撹拌した後、この反応混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、その残渣をH2O(60mL)に注いだ。得られた懸濁液を超音波処理し、濾過し、そのケーキをH2Oで洗浄し、高真空下で乾燥し、8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンをオフホワイト固体(700mg、収率91%)として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δppm:8.61(s,1H),7.54(d,J= 8.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.21 (s, 2H), 1.30 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 319.0, 321.0 [M+H]+.
【0637】
ステップ4:N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-ベンゼンスルホンアミドの調製:
NsCl(1.06g、4.66mmol)を、8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン(700mg、1.86mmol)の撹拌Py(12mL)溶液に加えた。5時間撹拌した後、その反応混合物をH2Oに注いだ。得られた混合物を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製して、N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-ベンゼンスルホンアミドを黄色固体として得た(320mg、収率22%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δppm:10.36(s,1H),8.41(d,J= 8.8 Hz, 2H), 8.29 (s, 1H), 8.99 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.57 (br, 2H), 2.70 (s, 2H), 1.18 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 504.0, 506.0 [M+H]+.
【0638】
ステップ5:(5S)-5-(ヨードメチル)オキサゾリジン-2-オンの調製:
密封管中で、NaI(637mg、4.20mmol)を、(5S)-5-(クロロメチル)オキサゾリジン-2-オン(200mg、1.40mmol)の撹拌アセトン(2mL)溶液に加えた。80℃で16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製して、(5S)-5-(ヨードメチル)オキサゾリジン-2-オンをオフホワイト固体として得た(120mg、収率34%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 7.61 (s, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.57 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.46 (m, 2H), 3.09 (m, 1H).
MS m/z (+ESI): 228.0 [M+H]+.
【0639】
ステップ6:N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-N-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミドの調製:
(5S)-5-(ヨードメチル)オキサゾリジン-2-オン(4g、10.57mmol)を、N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(300mg、0.53mmol)の撹拌DMF(15mL)溶液に加え、続いてCs2CO3(1.78g、5.35mmol)を加えた。100℃で16時間撹拌した後、溶媒を除去し、その残渣をEA及びH2Oで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣をcombiflashにより精製し、N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-N-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミドを黄色固体として得た(290mg、収率81%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm: 8.40 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.32 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (m, 2H), 6.62 (s, 2H), 4.89 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.98 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 1.36 (s, 3H), 1.29 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 603.1, 605.1 [M+H]+.
【0640】
ステップ7:(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
p-トルエンチオール(157mg、1.25mmol)を、N-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)-4-ニトロ-N-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド(280mg、0.42mmol)の撹拌DMF(6mL)溶液に加え、続いてK2CO3(177mg、1.25mmol)を加えた。50℃で2時間撹拌した後、溶媒を除去し、その粗生成物を分取HPLCにより精製し、(5R)-5-[[(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-7-イル)アミノ]メチル]オキサゾリジン-2-オンを白色固体として得た(32mg、収率18%)。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.27(s,1H),7.62(d,J = 8.4 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.67 (m, 1H), 3.50 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 2.83 (s, 2H), 1.28 (s, 3H), 1.26 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 418.2, 420.2 [M+H]+.
【0641】
実施例122:N7-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
【0642】
【0643】
ステップ1:エチル2-[2-(2-フルオロプロパノイル)ヒドラジノ]-2-オキソ-アセテートの調製:
EDCI(10.44g、53.93mmol)を、2-フルオロプロパン酸(3.48g、35.95mmol)及びエチル2-ヒドラジノ-2-オキソ-アセテート(5g、35.95mmol)の撹拌DCM(50mL)溶液に加えた。16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH、10:0~10:1、v:v)により精製し、エチル2-[2-(2-フルオロプロパノイル)ヒドラジノ]-2-オキソ-アセテートを無色油として得た(6.5g、収率79%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 9.37 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 5.18 (dq, J = 6.8, 48.4 Hz, 1H), 4.41 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.66 (dd, J = 6.8, 25.2 Hz, 3H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0644】
ステップ2:エチル5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートの調製:
TsCl(6.56g、34.05mmol)を、エチル2-[2-(2-フルオロプロパノイル)ヒドラジノ]-2-オキソ-アセテート(6.5g、28.38mmol)の撹拌DCM(65mL)溶液に加え、続いてTEA(4.78mL、34.05mmol)を加えた。16時間撹拌した後、その反応混合物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH、10:0~10:1、v:v)により精製し、エチル5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを無色油として得た(3.5g、収率59%)。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ ppm: 5.84 (m, 1H), 4.55 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.88 (m, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0645】
ステップ3:N7-[[5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミンの調製:
表題化合物を、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン、エチル5-(1-フルオロエチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート及びCAS 98-74-8を出発物質として使用して、スキーム1に従って、実施例5、26及び48と同様に、オフホワイト固体として調製した。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6+D2O) δppm:8.21(s,1H),7.69(d,J = 8.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.90 (dq, J = 6.4, 47.2 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 2.72 (s, 2H), 1.63 (dd, J = 6.4, 24.0 Hz, 3H), 1.23 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 399.3 [M+H]+.
【0646】
生物学的実施例
CLK3キナーゼアッセイ
CLK3キナーゼ活性は、本質的に、LANCE(登録商標)Ultra技術(PerkinElmer)を供給業者が推奨する通りに使用して測定した。簡潔には、所望の最終濃度の4倍の4%DMSO中の試験サンプル2.5μLを白色の低容量丸底384ウェルプレート(Corning、カタログ番号4512)に分注した。1.33xキナーゼ緩衝液(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号PV3189)中に調製した組み換えヒトCLK3(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号PV3826)及び標識したペプチド基質であるULight(商標)-CREBtide(PerkinElmer、カタログ番号TRF0107)を含む5μLの混合物を加えた。最後に、キナーゼ緩衝液中の4倍ATP溶液2.5μLを加えることによって反応を開始した。プレートを粘着フォイルで密閉し、30℃の暗所で3時間インキュベートした。CLK3、ULight(商標)-CREBtide、及びATPの最終濃度は、それぞれ0.5nM、50nM、及び300μMであった。次いで、40mMのEDTA 5μLを加えて反応を終了させた。次いで、LANCE(登録商標)検出緩衝液(PerkinElmer、カタログ番号CR97)で希釈したEu-抗ホスホ-CREB抗体(PerkinElmer、カタログ番号TRF0200)を2nMの最終濃度になるように加え、反応物を室温の暗所で1時間インキュベートした。Synergy 4リーダー(BioTek)を使用し、励起に320/80nmフィルターと、ドナー及びアクセプターの発光にそれぞれ620/10nm及び665/8nmのフィルターとを用いてシグナルを測定した。溶媒対照ウェル(0%阻害)及びATPを含まないウェル(100%阻害)を使用して生データを正規化することにより、相対阻害値を算出した。濃度反応データをシグモイド4パラメーターロジスティックモデルに当てはめることにより、IC50値を算出した。結果を以下の表2に示す。CLK3のIC50値は、10種類の異なる濃度(連続1:3希釈)での繰り返し測定から特定する。
【0647】
MDA-MB-231及びCAL-51増殖アッセイ
細胞(MDA-MB-231(American Type Culture Collection(ATCC)、#HTB-26)またはCAL-51(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen(DSMZ)、#ACC302)、該当する場合)を、1%ピルビン酸Na(Sigma、カタログ番号S8636)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(BioConcept、カタログ番号4-01F00H)、及び10%FBS(Sigma、カタログ番号F9665)を添加したL-グルタミン(BioConcept、カタログ番号1-26F03-I)含有DMEM高グルコース(4,5g/L)中で標準的な技術を使用して培養した。細胞を20μLの培地を入れた組織培養用の黒色透明底384ウェルプレート(Greiner Bio-One、カタログ番号781091)に750細胞/ウェルの密度で播種し、処理前にプレートを5%CO2、37℃で終夜インキュベートした。実験化合物を所望の最終濃度の200倍になるようにDMSOで連続希釈した。次いで、溶液を培養培地で1:40に希釈し、5μLのアリコートを細胞を含むウェルに混合した。DMSOの最終濃度は、0.5%であった。プレートを72時間インキュベートし、次いで、細胞数を、本質的に、YO-PRO(商標)-1 Iodide(ThermoFisher Scientific、カタログ番号Y3603)を製造元が推奨する通りに使用して測定した。簡潔には、5x YO-PRO緩衝液(100mMのクエン酸Na、130mMのNaCl、pH4)中のYO-PRO(商標)-1 Iodideの12.5μM溶液を、等量の溶解緩衝液(0.6%NP-40、30mMのEDTA、30mMのEGTA、0.33x YO-PRO緩衝液)と混合し、12.5μLの混合物を各ウェルに分注した。これらのプレートを室温にて30分間暗所でインキュベートした。次いで、Synergy4リーダー(BioTek)で、励起及び発光のそれぞれに485/20nm及び530/25nmのフィルターを使用して蛍光強度シグナルを測定した。DMSO処理細胞(100%増殖)及び化合物の添加時に評価した細胞から得たシグナル(0%増殖)を使用して生データを正規化することによって、相対増殖値を算出した。濃度反応データをシグモイド4パラメーターロジスティックモデルに当てはめ、最大値は100%に拘束した。GI50値は、増幅を50%まで減少させる化合物濃度として、曲線から算出した。結果を以下の表2に示す:
【0648】
【0649】
【0650】
【0651】
【0652】
MDA-MB-468細胞におけるホスホ-SRSF6レベルの阻害評価
MDA-MB-468細胞(ATCC、HTB-132)を、10%FBS(Sigmaカタログ番号F9665)、1%ピルビン酸Na(Sigmaカタログ番号S8636)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(BioConceptカタログ番号4-01F00-H)を添加したDMEM(BioConceptカタログ番号1-26F03)中で培養した。細胞が6ウェルプレート(TPPカタログ番号92006)で70%の密度に達した時点で、試験化合物媒体DMSOまたは最終濃度10もしくは100nMの実験化合物のいずれかで2時間処理した。その後、培養培地を取り除き、細胞を、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halt(商標)Protease&Phosphatase阻害剤カクテル100x ThermoScientificカタログ番号1861281)ならびに1mMのPMSF(Flukaカタログ番号93482)を含む溶解緩衝液(20mMのTris HCl pH7.5、150mMのNaCl、1mMのEGTA、1mMのEDTA、1%Triton及び1%NP-40)中で剥離することにより回収した。清澄化したライセートを、使用するまで、エッペンドルフチューブに-80℃で保存し、ライセート中のタンパク質濃度をPierce 660nmタンパク質アッセイ試薬(ThermoScientificカタログ番号22660)を使用して決定した。タンパク質20μgを10%ベータ-メルカプトエタノールを含む4x Laemmli緩衝液(Bioradカタログ番号161-0747)で希釈し、10%ゲルを使用するSDS-PAGEによって分離し、次いで、Trans-Blot(登録商標)Turbo(商標)Systemセミドライブロッティング法(BioRad)によってPVDF膜(Trans Blot Turbo Transfer Pack BioRadカタログ番号1704156)に移した。一次抗体を、3%BSAウシアルブミンFr.V(Milliporeカタログ番号81-053-3)を含むTBS-0.1%Tween-20緩衝液中、4℃で終夜インキュベートした。次の一次抗体を使用した:1:5000に希釈したマウス抗ホスホエピトープSRタンパク質クローン1H4(Milliporeカタログ番号MABE50)、及び等しいタンパク質ロードを調整するため、1:2000に希釈したウサギ抗GAPDHクローン14C10(Cell Signalingカタログ番号2118S)。5%脱脂粉乳(Sigmaカタログ番号M7409)を含むTBS-0.1%Tween-20緩衝液で1:5000に希釈したHRP結合二次抗体を室温で1時間インキュベートした。次の二次抗体を使用した:ヤギ抗マウス-HRP(Jacksonカタログ番号115-035-146)及びヤギ抗ウサギ-HRP(Jacksonカタログ番号111-035-144)。膜をECL Primeウェスタンブロット検出試薬(Amershamカタログ番号RPN2236)と一緒にインキュベートし、Fusion SOLO S装置(Vilber Lourmat)を使用して、特定のシグナルを検出した。ウェスタンブロットにおけるホスホ-SRSF6(マーカー基準でMW 55kDa)及びGAPDH(MW 37kDa)シグナルのピクセル強度をEvolution-Capt画像解析ソフトウエア(v17.01、Vilber Lourmat)を使用して決定した。DMSO対照を使用してホスホ-SRSF6シグナルをベースラインに設定し、各サンプルのホスホ-SRSF6シグナルをそれぞれのGAPDHシグナルによって正規化し、DMSO対照と比較した化合物10及び100nMでのP-SRSF6シグナルの強度パーセントを算出した(
図1参照)。
【0653】
本発明のいくつかの実施例をMDA-MB-468細胞におけるホスホ-SRSF6レベルの阻害について試験したところ、100または10nMの濃度で試験した場合、DMSO対照と比較して50%を超える阻害レベルを示した。結果を以下の表3に示す。
【0654】
【0655】
マウス異種移植モデル
実施例13の有効性をマウス異種移植モデルで評価した。この目的で、免疫不全NOD/SCIDマウス(機能性/成熟T及びB細胞、機能性未熟マクロファージ及び残存NK細胞の機能を欠く)の脇腹に腫瘍細胞を皮下注射した、SW480結腸直腸癌異種移植モデルを使用した。SW480細胞(ATCC、#CCL-228)を、10%の加熱不活化ウシ胎仔血清を添加したRPMI高グルコース培地で37℃にて培養した。SW480細胞を、対数増殖期に採取した。
【0656】
本試験では、体重約23gの8~9週齢の雌のNOD/SCIDマウスを使用した(Jiangsu GemPharmatech Co.,Ltd)。マウスの脇腹領域に、1x107個のSW480細胞を含む、PBSとMatrigel(商標)の混合物(1:1)を、最終注入体積0.2mL/マウスにて皮下接種した。腫瘍が100~150mm3の平均サイズに達した後、マウスを異なる処理群に分けるためにペアマッチを行った。対照群のマウスには、媒体(20%プロピレングリコール、79.2%の10mMクエン酸、0.8%のTween(商標)80)を1日2回、週2回(BID*BIW)、10mL/kgの施用体積で3週間投与した。実施例13の溶液を、10mL/kgのBID*BIWの施用体積にて、1~10日目には45mg/kgにて、及び11~22日目には50mg/kgにて経口投与した(用量は遊離塩基当量を表す)。
【0657】
腫瘍体積(mm
3で表す)を、処理期間の1、4、8、11、15、18、22及び23日目にノギスを使用して二次元で測定した。
図2A及び2Bは、処理期間中の腫瘍成長及び体重変化を示す。結果は、平均±SEM(n=8)を表す。
図2Cは、試験終了時の腫瘍体積の変化を表す。媒体と実施例13処理群間の腫瘍体積の変化を、GraphPad(商標)Prismバージョン9を使用して両側t検定によって比較した。処理期間中、実施例13を45mg/kgで1日2回及び週2回(BID*BIW)投与したマウスの腫瘍体積は、媒体処理した動物の腫瘍体積と比較して一貫して小さかった(
図2A及び2B)。試験の終点(23日目)では、実施例13で処理した腫瘍体積は、媒体処理群の体積の61%であった(
図2C)、p=0.06。実施例13による処理は、耐容性であり、最大体重減少は、17日目の5%であった(
図2B)。
【国際調査報告】