(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】実験室用水を生成し、実験室用水を異なる温度で分配するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20241106BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20241106BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20241106BHJP
B01D 61/08 20060101ALI20241106BHJP
B01D 61/12 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B01J4/00 104
A61L2/10
C02F1/44 A
B01D61/08
B01D61/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525130
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2022047822
(87)【国際公開番号】W WO2023076340
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ラフォンド、 ミシェル
【テーマコード(参考)】
4C058
4D006
4G068
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058BB06
4C058CC02
4C058DD13
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4C058KK46
4D006GA03
4D006JA51Z
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4D006KE28R
4D006PC80
4G068AA04
4G068AB00
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4G068AC13
4G068AC17
4G068AD41
4G068AF02
4G068AF13
4G068AF32
4G068AF36
(57)【要約】
実験室用水を異なる温度で分配することができる実験室用水生成及び分配システムが開示されている。実験室用水生成セクションは、飲料水を受け取り、実験室用水を生成するために、飲料水を処理するように構成されている。実験室用水分配セクションは、実験室用水貯蔵タンクと、実験室用水貯蔵タンクから実験室用水を受け取るために実験室用水貯蔵タンクと流体的に連通している主分配ループと、を備える。実験室用水分配セクションは、主分配ループから実験室用水を受け取るために、バルブを介して主分配ループに動作可能に接続された副分配ループを更に備える。副分配ループは主分配ループに戻り、実験室用水を主分配ループに吐出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室用水を異なる温度で分配することができる実験室用水生成及び分配システムであって、前記システムが、
(A)実験室用水を生成するために、飲料水を処理するように構成された実験室用水生成セクションと、
(B)実験室用水分配セクションであって、
(1)実験室用水貯蔵タンクと、
(2)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通しており、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第1の温度範囲で分配するために前記実験室用水貯蔵タンクから前記実験室用水を受け取るように構成された主分配ループと、
(3)バルブを介して前記主分配ループに動作可能に接続されており、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第2の温度範囲で分配するために、前記主分配ループから前記実験室用水を受け取るように構成された副分配ループであって、前記副分配ループがまた、前記実験室用水を前記主分配ループに戻すことができる、副分配ループと、を備える、実験室用水分配セクションと、
(C)オペレータインターフェース端末(OIT)と、
(D)1つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記実験室用水生成セクションが、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記副分配ループ内の実験室用水が、OITによって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を更に備え、前記命令が、実行されるときに、前記プロセッサに、前記システムに
OITを通して、水の設定点温度に関係する加熱入力を受信し、
前記副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から前記設定点温度に加熱し、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記設定点温度に維持し、
前記主分配ループ内の第2の量の水を、前記一定期間にわたって、前記ベースライン温度に保持し、
トリガに応答して、前記第1の量の水を、前記設定点温度から前記ベースライン温度に冷却するように命令させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記加熱入力が、前記設定点温度における加熱された水に対する要求を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記加熱入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記トリガが、前記OITからの終了入力を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記命令が、実行されるときに、更に、前記プロセッサに、
前記加熱入力に応答して前記バルブを閉鎖させ、
前記一定期間の後に、前記第1の量の水の温度を監視させ、
前記温度が前記ベースライン温度と等しいときに、前記バルブを開放させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を更に備え、前記命令が、実行されるときに、前記プロセッサに、前記システムに
オペレータインターフェース端末(OIT)を通して、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信し、
前記主分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却し、
前記第1の量の水を、一定期間、前記ベースライン温度に維持し、
トリガに応答して、前記第1の量の水の維持を停止するように命令させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記冷却入力が、前記ベースライン温度における冷却された水に対する要求を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記冷却入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記トリガが、前記OITからの終了入力を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記主分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約25℃の温度に維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記主分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約22℃の温度に維持される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記副分配ループが、前記副分配ループ内の前記実験室用水を約53℃~約57℃の温度に加熱及び維持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記副分配ループが、前記実験室用水を前記主分配ループに吐出する前に、前記副分配ループ内の前記実験室用水を約18℃~約25℃の温度に冷却するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記副分配ループが、約53℃~約57℃で前記実験室用水を加熱及び維持するために、熱交換器に動作可能に接続される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記主分配ループに接続された1つ以上の主分配出口と、前記副分配ループに接続された1つ以上の副分配出口と、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記主分配出口が、1つ以上の実験室用水栓を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記副分配出口が、緩衝液及び媒体を混合するための1つ以上の水栓を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記主分配ループが、前記実験室用水を前記実験室用水貯蔵タンクに戻す、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
実験室用水を生成し、実験室用水を異なる温度で分配する方法であって、
(A)実験室用水を生成するために、実験室用水生成セクションを使用して、飲料水を処理するステップと、
(B)実験室用水分配セクションを使用して、実験室用水を分配するステップと、を含み、前記実験室用水分配セクションが、
(1)実験室用水貯蔵タンクと、
(2)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通しており、前記実験室用水貯蔵タンクから前記実験室用水を受け取り、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第1の温度範囲で分配する、主分配ループと、
(3)バルブを介して前記主分配ループに動作可能に接続されており、前記主分配ループから前記実験室用水を受け取り、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第2の温度範囲で分配する、副分配ループであって、前記副分配ループがまた、実験室用水を前記主分配ループに戻すことができる、副分配ループと、を備え、
前記分配が、少なくとも1つのプロセッサによって制御される、方法。
【請求項25】
前記副分配ループが、オペレータインターフェース端末(OIT)を通して制御される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
プロセッサによって制御されるステップであって、
水についての設定点温度に関係する加熱入力を受信するステップと、
前記副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から前記設定点温度に加熱するステップと、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記設定点温度に維持するステップと、
前記主分配ループ内の第2の量の水を、前記一定期間にわたって、前記ベースライン温度に保持するステップと、
トリガに応答して、前記第1の量の水を、前記設定点温度から前記ベースライン温度に冷却するステップと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記加熱入力が、前記設定点温度における加熱された水に対する要求を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記加熱入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記命令が、実行されるときに、更に、前記プロセッサに、システムに、
前記加熱入力に応答して前記バルブを閉鎖し、
前記一定期間の後に、前記第1の量の水の温度を監視し、
前記温度が前記ベースライン温度と等しいときに、前記バルブを開放するように命令させる、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
プロセッサによって制御されるステップであって、
ベースライン温度に関係する冷却入力を受信するステップと、
前記主分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却するステップと、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって前記ベースライン温度に維持するステップと、
トリガに応答して、前記第1の量の水の維持を停止するステップと、を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記冷却入力が、前記ベースライン温度における冷却された水に対する要求を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記冷却入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記実験室用水生成セクションが、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記主分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約25℃の温度に維持される、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記主分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約22℃の温度に維持される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記副分配ループ内の実験室用水が、約53℃~約57℃の温度に加熱及び維持される、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
前記副分配ループ内の前記実験室用水が、前記実験室用水を前記主分配ループに吐出する前に、約18℃~約25℃の温度に再冷却される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記副分配ループが、前記実験室用水を約53℃~約57℃に維持するために熱交換器に動作可能に接続されている、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記主分配ループに接続された1つ以上の主分配出口と、前記副分配ループに接続された1つ以上の副分配出口と、を更に備える、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
前記主分配ループが、実験室用水を前記1つ以上の主分配出口に吐出し、前記1つ以上の主分配出口が、1つ以上の実験室用水栓を備える、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記副分配ループが、実験室用水を前記1つ以上の副分配出口に吐出し、前記1つ以上の副分配出口が、緩衝液及び媒体を混合するための1つ以上の水栓を備える、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記主分配ループが、前記実験室用水を前記実験室用水貯蔵タンクに戻す、請求項24に記載の方法。
【請求項45】
分配システム内の水温を調節するコンピュータ実装方法であって、
入力デバイスによって、水についての設定点温度に関係する開始入力を受信することと、
前記分配システムの副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から前記設定点温度に加熱することと、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって前記設定点温度に維持することと、
前記分配システムの主分配ループ内の第2の量の水を、前記一定期間の間、前記ベースライン温度に保持することと、
トリガに応答して、前記第1の量の水を、前記設定点温度から前記ベースライン温度に冷却することと、を含む、方法。
【請求項46】
前記入力が、加熱された水に対する要求を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記入力が、前記設定点温度を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記入力デバイスが、ディスプレイ及び1つ以上のボタンを含む、オペレータインターフェースを備える、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記副分配ループが、前記一定期間の間、前記主分配ループから分離される、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記副分配ループが、前記一定期間の後に、前記主分配ループと流体連通する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記トリガが、時間制限を含み、前記一定期間が前記時間制限に達するときに、前記第1の量の水が冷却される、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記トリガが、前記加熱された水に対する要求に関係する前記入力デバイスから受信された終了入力を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項53】
前記トリガが、システムエラー、環境条件、及び水条件のうちの1つ以上の指標を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記入力に応答して、前記主分配ループと前記副分配ループとの間のバルブを閉鎖することと、
前記一定期間の後に、前記第1の量の水の温度を監視することと、
前記温度が前記ベースライン温度と等しいときに、前記バルブを開放することと、を更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項55】
実験室用水を異なる温度で分配することができる実験室用水生成及び分配システムであって、前記システムが、
(A)実験室用水を生成するために、飲料水を処理するように構成された実験室用水生成セクションと、
(B)前記実験室用水生成セクションと流体連通しており、前記実験室用水生成セクションから前記実験室用水を受け取るように構成されている実験室用水貯蔵タンクを備える、実験室用水貯蔵セクションと、
(C)実験室用水分配セクションであって、
(1)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの冷却された水の分配ループであって、前記冷却された水の分配ループが、前記貯蔵タンクから前記実験室用水を受け取り、前記実験室用水を1つ以上の出口を通して第1の温度範囲で分配するように構成されている、少なくとも1つの冷却された水の分配ループと、
(2)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの加熱された水の分配ループであって、前記加熱された水の分配ループが、前記貯蔵タンクから前記実験室用水を受け取り、前記実験室用水を1つ以上の出口を通して第2の温度範囲で分配するように構成されており、前記第2の温度範囲が、前記第1の温度範囲を超える、少なくとも1つの加熱された水の分配ループと、を備える、実験室用水分配セクションと、
(D)オペレータインターフェース端末(OIT)と、
(E)前記実験室用水生成セクション、前記実験室用水貯蔵セクション、前記実験室用水分配セクション、及び前記OITのうちの1つ以上に動作可能に結合されたプロセッサと、を備え、
前記加熱された水の分配ループが、前記加熱された水の分配ループ内の一定量の前記実験室用水を前記貯蔵タンクに戻すことによって、前記一定量の実験室用水をリサイクルするように構成されている、システム。
【請求項56】
前記実験室用水分配セクションが、前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している第1の冷却された水の分配ループ及び第2の冷却された水の分配ループを備える、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記実験室用水生成セクションが、逆浸透脱イオン(RODI)水を生成するように構成されている、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
前記冷却された水の分配ループが、冷却された逆浸透脱イオン(CRODI)水を分配するように構成されている、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記加熱された水の分配ループが、加熱された逆浸透脱イオン化(HRODI)水を分配するように構成されている、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記冷却された水の分配ループが、1つ以上のバルブを介して前記貯蔵タンクに動作可能に結合されている、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記加熱された水の分配ループが、1つ以上のバルブを介して前記貯蔵タンクに動作可能に結合されている、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記実験室用水生成セクションが、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を備える、請求項55に記載のシステム。
【請求項63】
前記冷却された水の分配ループ内の実験室用水の分配が、前記OITによって制御される、請求項55に記載のシステム。
【請求項64】
前記加熱された水の分配ループ内の実験室用水の分配が、前記OITによって制御される、請求項55に記載のシステム。
【請求項65】
前記プロセッサが、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的記憶媒体と通信しており、前記プロセッサが、前記命令を実行し、前記システムに、
OITを通して、前記水の設定点温度に関係する加熱入力を受信させ、
前記加熱された水の分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から前記設定点温度に加熱させ、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記設定点温度に維持させ、
前記冷却された水の分配ループ内の第2の量の水を、前記一定期間にわたって、前記ベースライン温度に保持させ、
トリガに応答して、前記第1の量の水を、前記設定点温度から前記ベースライン温度に冷却させる、請求項55に記載のシステム。
【請求項66】
前記加熱入力が、前記設定点温度における加熱された水に対する要求を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
前記加熱入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項69】
前記トリガが、前記OITからの終了入力を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項70】
前記プロセッサが、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的記憶媒体と通信しており、前記プロセッサが、前記命令を実行して、前記システムに、
オペレータインターフェース端末(OIT)を通して、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信させ、
前記冷却された水の分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却させ、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記ベースライン温度に維持させ、
トリガに応答して、前記第1の量の水の維持を停止させるように構成されている、請求項55に記載のシステム。
【請求項71】
前記冷却入力が、前記ベースライン温度における冷却された水に対する要求を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項72】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項73】
前記冷却入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項74】
前記トリガが、前記OITからの終了入力を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項75】
前記冷却された水の分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約25℃の温度に維持される、請求項55に記載のシステム。
【請求項76】
前記冷却された水の分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約22℃の温度に維持される、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記加熱された水の分配ループが、前記加熱された水の分配ループ内の前記実験室用水を、約53℃~約57℃の温度に加熱及び維持するように構成されている、請求項55に記載のシステム。
【請求項78】
前記加熱された水の分配ループが、前記加熱された水の分配ループ内の前記実験室用水を前記貯蔵タンクに戻す前に、前記実験室用水を約18℃~約25℃の温度に冷却するように構成されている、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記加熱された水の分配ループが、熱交換器に動作可能に接続されており、前記実験室用水を約53℃~約57℃に加熱及び維持する、請求項77に記載のシステム。
【請求項80】
前記冷却された水の分配ループに接続された1つ以上の冷却された水の分配出口と、前記加熱された水の分配ループに接続された1つ以上の加熱された水の分配出口とを更に備える、請求項55に記載のシステム。
【請求項81】
前記冷却された水の分配出口が、1つ以上の実験室用水栓を備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記加熱された水の分配出口が、緩衝液又は媒体を混合するための1つ以上の水栓を備える、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記冷却された水の分配ループが、前記実験室用水を前記実験室用水貯蔵タンクに戻す、請求項55に記載のシステム。
【請求項84】
前記システムが、2つの冷却された水の分配ループを備える、請求項55に記載のシステム。
【請求項85】
実験室用水を生成し、実験室用水を異なる温度で分配する方法であって、
(A)実験室用水を生成するように実験室用水生成セクションにおいて飲料水を処理するステップと、
(B)前記実験室用水を前記水生成セクションから実験室用水貯蔵セクションの実験室用水貯蔵タンクに移送するステップと、
(C)実験室用水分配セクションを使用して前記実験室用水を分配するステップであって、前記実験室用水分配セクションが、
(1)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの冷却された水の分配ループであって、前記冷却された水の分配ループが、前記貯蔵タンクから前記実験室用水を受け取り、前記実験室用水を、1つ以上の出口を通して、第1の温度範囲で分配するように構成されている、少なくとも1つの冷却された水の分配ループと、
(2)前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの加熱された水の分配ループであって、前記加熱された水の分配ループが、前記実験室用水を前記貯蔵タンクから受け取り、前記実験室用水を、1つ以上の出口を介して、第2の温度範囲で分配するように構成されており、前記第2の温度範囲が、前記第1の温度範囲を超える、少なくとも1つの加熱された水の分配ループと、を備える、ステップと、
(D)加熱された水の分配ループ内の一定量の水を前記貯蔵タンクに戻すことによって、前記一定量の水をリサイクルするステップと、を含み、
前記分配ステップが、前記実験室用水生成セクション、前記実験室用水貯蔵セクション、及び前記実験室用水分配セクションのうちの1つ以上に動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサによって制御される、方法。
【請求項86】
前記実験室用水分配セクションが、前記実験室用水貯蔵タンクと流体連通している、第1の冷却された水の分配ループ及び第2の冷却された水の分配ループを備える、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記実験室用水生成セクションが、逆浸透脱イオン(RODI)水を生成するように構成されている、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記冷却された水の分配ループが、冷却された逆浸透脱イオン(CRODI)水を分配するように構成されている、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記加熱された水の分配ループが、加熱された逆浸透脱イオン化(HRODI)水を分配するように構成されている、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記冷却された水の分配ループが、1つ以上のバルブを介して前記貯蔵タンクに動作可能に結合されている、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記加熱された水の分配ループが、1つ以上のバルブを介して前記貯蔵タンクに動作可能に結合されている、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記加熱された水の分配ループが、オペレータインターフェース端末(OIT)を通して制御される、請求項85に記載の方法。
【請求項93】
前記プロセッサによって制御されるステップであって、
水の設定点温度に関係する加熱入力を受信するステップと、
前記加熱された水の分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から前記設定点温度に加熱するステップと、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記設定点温度に維持するステップと、
前記冷却された水の分配ループ内の第2の量の水を、前記一定期間にわたって、前記ベースライン温度に保持するステップと、
トリガに応答して、前記第1の量の水を、前記設定点温度から前記ベースライン温度に冷却するステップと、
前記第1の量の水が前記ベースライン温度に冷却されるときに、前記第1の量の水を前記貯蔵タンクに移送することによって、前記第1の量の水をリサイクルするステップと、を更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項94】
前記加熱入力が、前記設定点温度における加熱された水に対する要求を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記加熱入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記プロセッサによって、非一時的記憶媒体に記憶されたコンピュータ可読命令を実行することを更に含み、前記命令が、前記システムに、
ベースライン温度に関係する冷却入力を受信するステップと、
前記冷却された水の分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却するステップと、
前記第1の量の水を、一定期間にわたって、前記ベースライン温度に維持するステップと、
トリガに応答して、前記第1の量の水の維持を停止するステップと、を実行させる、請求項85に記載の方法。
【請求項98】
前記冷却入力が、前記ベースライン温度における冷却された水に対する要求を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記トリガが、前記一定期間が所定の時間制限に達したという通知を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記冷却入力が、時間制限を含み、前記トリガが、前記一定期間が、前記時間制限に達したという通知を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記実験室用水生成セクションが、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を備える、請求項85に記載の方法。
【請求項102】
前記冷却された水の分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約25℃の温度に維持される、請求項85に記載の方法。
【請求項103】
前記冷却された水の分配ループ内の前記実験室用水が、約18℃~約22℃の温度に維持される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記加熱された水の分配ループ内の実験室用水が、約53℃~約57℃の温度に加熱及び維持される、請求項85に記載の方法。
【請求項105】
前記加熱された水の分配ループ内の前記実験室用水が、前記実験室用水をリサイクルする前に、約18℃~約25℃の温度に冷却される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記加熱された水の分配ループが、前記実験室用水を約53℃~約57℃に維持するために、熱交換器に動作可能に接続されている、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記冷却された水の分配ループに接続された1つ以上の冷却された水の分配出口と、前記加熱された水の分配ループに接続された1つ以上の加熱された水の分配出口と、を更に備える、請求項85に記載の方法。
【請求項108】
前記冷却された水の分配ループが、実験室用水を前記1つ以上の冷却された水の分配出口に吐出し、前記1つ以上の冷却された水の分配出口が、1つ以上の実験室用水栓を備える、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記加熱された水の分配ループが、実験室用水を前記1つ以上の加熱された水の分配出口に吐出し、前記1つ以上の加熱された水の分配出口が、緩衝液又は媒体を混合するための1つ以上の水栓を備える、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記冷却された水の分配ループ内の一定量の水を前記貯蔵タンクに戻すことによって、前記一定量の水をリサイクルするステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2021年10月26日に出願された米国出願第63/271,826号の優先権を主張する。
本開示は、実験室及び生物学的/医薬品産生施設における様々な目的のために、実験室用水を生成し、異なる温度、典型的には室温及び室温超で実験室用水を分配するための発明を提供する。
【背景技術】
【0002】
近代的な実験室及び生物学的/医薬品産生施設は、様々な目的のために信頼性の高い精製水源を必要とする。目的は、ガラス器具及び発酵タンクの洗浄、水溶液の生成、分析の実施、細胞のための成長培地の調製、並びに材料の滅菌のためのオートクレーブでの使用を含む。多くの場合、特定の作業は、細胞の伝播のための細胞増殖培地の可溶化などにおいて、水が室温超であることを必要とする。
【0003】
水の純度に加えて、水の正確な温度制御が、様々な用途にしばしば必要とされる。多くの用途では、実験室及び生物学的/医薬品産生施設の季節及び場所に応じて、水を冷却温度~周囲温度(例えば、約60°F~約80°F)で利用することがあるが、いくつかの用途では、正確な温度におけるより温かい水を必要とする場合がある。更に、様々なプロセスの時間依存の特性に起因して、正確に加熱された水が即時に利用可能になることが望ましい。
【0004】
典型的には、高度に精製された水の生成は、必要な機器、消耗品、及び精度に起因して、高価で時間がかかり、大量のエネルギーを消費する。したがって、精製水の無駄を低減することに価値がある。しかしながら、水の効率的な使用は、しばしば、即時の利用可能性を重視することとバランスをとることが困難である。従来、周囲温度における水が、容器に引き込まれ、別個に加熱され得る。しかしながら、このプロセスは追加の時間を必要とし、追加の監視なしに水を指定された温度に正確に加熱する可能性は低い。更に、分配システムから取り出された実験室用水を、汚染の恐れなしに分配システムに容易に戻すことはできないので、そのようなプロセスは一般に無駄をもたらす。
【0005】
したがって、無駄を最小限に抑えながら、要求に応じて周囲温度及び設定点温度の両方における水を提供することができる水分配システムを有すると有利であると思われる。水分配システムが、複雑な用途に必要な正確な条件を提供するために、水の注意深い監視を行うと、更に有利であると思われる。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、実験室用水を異なる温度で分配することができる実験室用水生成及び分配システムが提供され、このシステムは、(A)実験室用水を生成するために、飲料水を処理するように構成された実験室用水生成セクションと、(B)実験室用水分配セクションであって、(1)実験室用水貯蔵タンクと、(2)実験室用水貯蔵タンクと流体連通しており、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第1の温度範囲で分配するために実験室用水貯蔵タンクから実験室用水を受け取るように構成された主分配ループと、(3)バルブを介して主分配ループに動作可能に接続されており、実験室用水を少なくとも1つの出口を通して第2の温度範囲で分配するために、主分配ループから実験室用水を受け取るように構成された副分配ループであって、副分配ループがまた、吐出された実験室用水を主分配ループに戻すか、又はシステムから完全に戻すことができる、廃水排水管などの副分配ループと、を備える、実験室用水分配セクションと、(C)オペレータインターフェース端末(OIT)と、(D)1つ以上のプロセッサと、を備える。いくつかの実施形態では、主分配ループ及び副分配ループは、実験室用水を連続的に循環させる。いくつかの実施形態では、副分配ループは、実験室用水を第2の温度から冷却することを可能にするために、好ましくは一定期間後に、実験室用水を主分配ループに戻すことができる。いくつかの実施形態によれば、副分配ループ内の加熱された実験室用水がもはや必要とされないとき、排水バルブが開放されて、副分配ループ内の実験室用水を(例えば、ベースライン温度に)冷却することが可能になり、その後、排水バルブが閉鎖され、冷却された実験室用水が副分配ループから主分配ループに通過することが可能になる。説明された機能は、オペレータ、ユーザ、又はプログラマにより制御され得る。
【0007】
実験室用水生成セクションは、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を含むことができる。主分配ループ及び副分配ループの実験室用水は、オペレータインターフェース端末(OIT)によって制御され得る。
【0008】
システムはまた、オペレータインターフェース端末(OIT)を通して、水の設定点温度に関係する加熱入力を受信し、副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱し、第1の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持し、主分配ループ内の第2の量の水を、一定期間にわたってベースライン温度に維持し、トリガに応答して、第1の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却するように構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。加熱入力は、設定点温度における加熱された水及び/又は時間制限に対する要求を含み得る。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したという通知であり得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。プロセッサはまた、加熱入力に応答してバルブを閉鎖し、第1の量の水の温度を監視し、温度がベースライン温度と等しいときにバルブを開放するように構成され得る。
【0009】
プロセッサはまた、OITを通して、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信し、主分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却し、第1の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に維持し、トリガに応答して第1の量の水の維持を停止するように構成され得る。冷却入力は、ベースライン温度における冷却された水及び/又は時間制限に対する要求を含む。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したことを通知することを含み得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。
【0010】
主分配ループ内の実験室用水は、約15.5℃(60°F)~約30℃(86°F)、いくつかの実施形態では約18℃(64.4°F)~約25℃(77°F)、更にいくつかの実施形態では18℃(64.4°F)~約22℃(71.6°F)など、ほぼ周囲温度に維持され得る。副分配ループは、副分配ループ内の実験室用水を、約50℃(122°F)~約60℃(140°F)、いくつかの実施形態では約53℃(127.4°F)~約57℃(134.6°F)、いくつかの実施形態では約55℃(131°F)などの、周囲温度より高い温度に加熱し、維持し、その後、実験室用水を主分配ループに戻し、タンクに貯蔵し、又は実験室用水を廃棄物排水管に吐出する前に、副分配ループ内の加熱された実験室用水をほぼ周囲温度に冷却するように構成され得る。これらの温度範囲は、本発明の全ての実施形態に適用することができる。
【0011】
副分配ループは、実験室用水を加熱及び維持するために、熱交換器に動作可能に接続され得る。システムは、実験室用水栓を含む主分配ループ及び副分配ループに接続された排水口、並びに緩衝液及び媒体を混合するための水栓を備え得る。主分配ループは、実験室用水を実験室用水貯蔵タンクに戻す。
【0012】
更に、実験室用水を生成し、実験室用水を異なる温度で分配する方法が提供され、この方法は、(A)実験室用水を生成するために、実験室用水生成セクションを使用して飲料水を処理するステップと、(B)実験室用水分配セクションを使用して実験室用水を分配するステップとを含み、実験室用水分配セクションは、(1)実験室用水貯蔵タンクと、(2)実験室用水貯蔵タンクと流体連通しており、実験室用水貯蔵タンクから実験室用水を受け取り、実験室用水を、少なくとも1つの出口を通して、第1の温度範囲で分配する主分配ループと、(3)バルブを介して主分配ループに動作可能に接続されており、主分配ループから実験室用水を受け取り、実験室用水を、少なくとも1つの出口を介して、第2の温度範囲で分配する副分配ループであって、副分配ループがまた、実験室用水を主分配ループに戻すことができ、分配が、少なくとも1つのプロセッサによって制御される、副分配ループと、を備える。説明された機能は、オペレータ、ユーザ、又はプログラマにより制御され得る。
【0013】
実験室用水生成セクションは、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を含むことができる。副分配ループ内の実験室用水は、オペレータインターフェース端末(OIT)によって制御され得る。
【0014】
システムはまた、オペレータインターフェース端末(OIT)を通して、水の設定点温度に関係する加熱入力を受信し、副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱し、第1の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持し、主分配ループ内の第2の量の水を、一定期間にわたってベースライン温度に維持し、トリガに応答して、第1の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却するように構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。加熱入力は、設定点温度における加熱された水及び/又は時間制限に対する要求を含み得る。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したという通知であり得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。プロセッサはまた、加熱入力に応答してバルブを閉鎖し、第1の量の水の温度を監視し、温度がベースライン温度と等しいときにバルブを開放するように構成され得る。
【0015】
プロセッサはまた、OITなどを通して、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信し、主分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却し、第1の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に維持し、トリガに応答して、第1の量の水の維持を停止するように構成され得る。冷却入力は、ベースライン温度における冷却された水及び/又は時間制限に対する要求を含む。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したことを通知することを含み得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。
【0016】
主分配ループ内の実験室用水は、上記に開示された温度範囲に、必要に応じて冷却装置を使用して維持され得る。副分配ループは、副分配ループ内の実験室用水を上記に開示された温度範囲に加熱及び維持し、後で副分配ループ内の実験室用水をほぼ周囲温度に冷却するように構成され得る。副分配ループは、実験室用水を加熱及び維持するために、熱交換器に動作可能に接続され得る。システムは、実験室用水栓などの出口を介して主分配ループ及び副分配ループに接続された分配出口と、緩衝液及び媒体を混合するための水栓と、を含み得る。主分配ループは、実験室用水を実験室用水貯蔵タンクに戻す。
【0017】
分配システム内の水温を調節するコンピュータ実装方法もまた提供される。方法は、入力デバイスによって、水についての設定点温度に関係する開始入力を受信することと、分配システムの副分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱することと、第1の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持することと、分配システムの主分配ループ内の第2の量の水を、一定期間の間、ベースライン温度に保持することと、トリガに応答して、第1の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却することと、を含む。
【0018】
入力は、加熱された水及び/又は設定点温度に対する要求であり得る。入力デバイスは、ディスプレイと、1つ以上のボタンと、を含むオペレータインターフェースを備える。副分配ループは、一定期間の間主分配ループから分離され得、一定期間後に主分配ループと流体連通し得る。トリガは時間制限であり得、第1の量の水は、一定期間が時間制限に達したときに冷却され得る。トリガはまた、入力デバイスからのユーザによる終了であり得る。トリガはまた、システムエラー、環境条件、及び水条件のうちの1つ以上の指標であり得る。この方法は、入力に応答して、主分配ループと副分配ループとの間のバルブを閉鎖することと、一定期間後に、第1の量の水の温度を監視することと、温度がベースライン温度と等しいときにバルブを開放することと、を更に含み得る。
【0019】
また、本明細書において、実験室用水を異なる温度で分配することができる実験室用水生成及び分配システムが提供され、このシステムは、(A)実験室用水を生成するために、飲料水を処理するように構成された実験室用水生成セクションと、(B)実験室用水生成セクションと流体連通しており、実験室用水を実験室用水生成セクションから受け取るように構成された実験室用水貯蔵タンクを備える、実験室用水貯蔵セクションと、(C)実験室用水分配セクションであって、(1)実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの冷却された水の分配ループであって、冷却された水の分配ループが、貯蔵タンクから実験室用水を受け取り、実験室用水を、1つ以上の出口を通して、第1の温度範囲で分配するように構成されている、冷却された水の分配ループと、(2)実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの加熱された水の分配ループであって、加熱された水の分配ループが、貯蔵タンクから実験室用水を受け取り、実験室用水を、1つ以上の出口を通して、第2の温度範囲で分配するように構成されており、第2の温度範囲が、第1の温度範囲を超える、加熱された水の分配ループと、を備える、実験室用水分配セクションと、(D)オペレータインターフェース端末(OIT)と、(E)実験室用水生成セクション、実験室用水貯蔵セクション、実験室用水分配セクション、及びOITのうちの1つ以上に動作可能に結合されたプロセッサと、を備え、加熱された水の分配ループは、実験室用水を貯蔵タンクに戻すことによって、一定量の実験室用水を加熱された水の分配ループ内でリサイクルするように構成されている。システムは、2つ以上の冷却された水の分配ループ及び2つ以上の加熱分配ループを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、実験室用水生成セクションは、実験室用水貯蔵タンクと流体連通している第1の冷却された水の分配ループ及び第2の冷却された水の分配ループを含むことができる。いくつかの実施形態では、実験室用水生成セクションは、逆浸透脱イオン(RODI)水を生成するように構成されており、冷却された水の分配ループは、冷却された逆浸透脱イオン(CRODI)水を分配するように構成されており、加熱された水の分配ループは、加熱された逆浸透脱イオン(HRODI)水を分配するように構成されている。いくつかの実施形態において、冷却された水の分配ループ及び/又は加熱された水の分配ループは、1つ以上のバルブを介して貯蔵タンクに動作可能に結合されている。実験室用水生成セクションは、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を含むことができる。冷却分配ループ及び加熱分配ループ内の実験室用水は、オペレータインターフェース端末(OIT)によって制御され得る。
【0021】
プロセッサは、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的記憶媒体と通信し得、プロセッサは、命令を実行し、システムに、オペレータインターフェース端末(OIT)を通して、水の設定点温度に関係する加熱入力を受信させ、加熱された水の分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱させ、第1の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持させ、冷却された水の分配ループ内の第2の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に保持させ、トリガに応じて、第1の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却させるように構成され得る。加熱入力は、設定点温度における加熱された水及び/又は時間制限に対する要求を含み得る。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したという通知であり得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。
【0022】
プロセッサはまた、OITを通して、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信し、冷却された水の分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却し、第1の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に維持し、トリガに応答して、第1の量の水の維持を停止するように構成され得る。冷却入力は、ベースライン温度における冷却された水及び/又は時間制限に対する要求を含み得る。トリガは、一定期間が、所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したことを通知することを含み得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。
【0023】
冷却された水の分配ループ内の実験室用水は、約15.5℃(60°F)~約27℃(80.6°F)、いくつかの実施形態では約18℃(64.4°F)~約25℃(77°F)、更にいくつかの実施形態では18℃(64.4°F)~約22℃(71.6°F)などのほぼ周囲温度に維持され得る。加熱された水の分配ループは、加熱された水の分配ループ内の実験室用水を、約50℃(122°F)~約60℃(140°F)、いくつかの実施形態では約53℃(127.4°F)~約57℃(134.6°F)などの、周囲より高い温度に加熱し、維持し、その後、実験室用水を貯蔵タンクに戻すか、又は実験室用水を廃棄物排水管に吐出する前に、加熱された水の分配ループ内の加熱された実験室用水をほぼ周囲温度に冷却するように構成され得る。これらの温度範囲は、本発明の全ての実施形態に適用することができる。
【0024】
加熱された水の分配ループは、加熱された水の分配ループ内の実験室用水を加熱及び維持するために、熱交換器に動作可能に接続され得る。システムは、冷却された水の分配ループ及び加熱された水の分配ループに接続された出口を含み得、これらの出口は、実験室用水栓、並びに緩衝液及び媒体を混合するための水栓を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却された水の分配ループは、実験室用水を実験室用水貯蔵タンクに戻す。更に、実験室用水を生成し、実験室用水を異なる温度で分配する方法が提供され、この方法は、(A)実験室用水を生成するために実験室用水生成セクション内の飲料水を処理するステップと、(B)実験室用水を水生成セクションから実験室用水貯蔵セクションの実験室用水貯蔵タンクに移送するステップと、(C)実験室用水分配セクションを使用して実験室用水を分配するステップであって、実験室用水分配セクションが、(1)実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの冷却された水の分配ループであって、冷却された水の分配ループが、貯蔵タンクから実験室用水を受け取り、実験室用水を、1つ以上の出口を通して、第1の温度範囲で分配するように構成されている、冷却された水の分配ループと、(2)実験室用水貯蔵タンクと流体連通している少なくとも1つの加熱された水の分配ループであって、加熱された水の分配ループが、貯蔵タンクから実験室用水を受け取り、実験室用水を、1つ以上の出口を通して、第2の温度範囲で分配するように構成されており、第2の温度範囲が、第1の温度範囲を超える、加熱された水の分配ループと、を備える、ステップと、(D)加熱された水の分配ループ内の一定量の水を貯蔵タンクに戻すことによってリサイクルするステップと、を含み、少なくとも1つのプロセッサは、実験室用水生成セクション、実験室用水貯蔵セクション、及び実験室用水分配セクションのうちの1つ以上に動作可能に結合されている。説明された機能は、オペレータ、ユーザ、又はプログラマによって制御され得る。方法において使用されるシステムは、2つ以上の冷却された水の分配ループと、2つ以上の加熱分配ループと、を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、実験室用水生成セクションは、実験室用水貯蔵タンクと流体連通している第1の冷却された水の分配ループ及び第2の冷却された水の分配ループを含むことができる。実験室用水生成セクションは、多媒体フィルタと、カートリッジフィルタと、水軟化媒体と、活性炭床と、逆浸透ユニットと、UV光灯と、イオン交換床容器と、混床式イオン交換容器と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、実験室用水生成セクションは、逆浸透脱イオン(RODI)水を生成するように構成されており、冷却された水の分配ループは、冷却された逆浸透脱イオン(CRODI)水を分配するように構成されており、加熱された水の分配ループは、加熱された逆浸透脱イオン(HRODI)水を分配するように構成されている。いくつかの実施形態において、冷却された水の分配ループ及び/又は加熱された水の分配ループは、1つ以上のバルブを介して貯蔵タンクに動作可能に結合されている。冷却分配ループ及び加熱分配ループ内の実験室用水は、オペレータインターフェース端末(OIT)によって制御され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、ベースライン温度に関係する冷却入力を受信するステップと、冷却された水の分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却するステップと、第1の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に維持するステップと、トリガに応答して、第1の量の水の維持を停止するステップと、を実行するように構成され得る。冷却入力は、ベースライン温度における冷却された水及び/又は時間制限に対する要求を含み得る。トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又はユーザが選択した時間制限に達したという通知であり得る。トリガはまた、OITを介したユーザによる終了であり得る。
【0027】
冷却された水の分配ループ内の実験室用水は、約15.5℃(60°F)~約27℃(80.6°F)、いくつかの実施形態では約18℃(64.4°F)~約25℃(77°F)、更にいくつかの実施形態では18℃(64.4°F)~約22℃(71.6°F)などのほぼ周囲温度に維持され得る。加熱された水の分配ループは、加熱された水の分配ループ内の実験室用水を、約50℃(122°F)~約60℃(140°F)、いくつかの実施形態では約53℃(127.4°F)~約57℃(134.6°F)などの、周囲より高い温度に加熱し、維持し、その後、実験室用水を貯蔵タンクに戻すか、又は実験室用水を廃棄物排水管に吐出する前に、加熱された水の分配ループ内の加熱された実験室用水をほぼ周囲温度に冷却するように構成され得る。これらの温度範囲は、本発明の全ての実施形態に適用することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却された水の分配出口は、冷却された水の分配ループに接続され得、冷却された水の分配ループは、実験室用水栓を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の加熱された水の分配出口は、加熱された水の分配ループに接続され得、加熱された水の分配ループは、緩衝液又は媒体を混合するための実験室水栓を含み得る。いくつかの実施形態では、加熱された水の分配ループ及び/又は冷却された水の分配ループからの実験室用水は、実験室用水貯蔵タンクに戻すことによってリサイクルされる。
【0028】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する各添付図面は、本発明の実施形態を例解し、説明とともに本発明の原理、特性、及び特徴を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】1つ以上の実施形態による、例示的な実験室用水分配ループシステムを描示する。
【0030】
【
図1B】1つ以上の実施形態による、主水分配ループシステムの冷却装置の詳細図を描示する。
【0031】
【
図1C】1つ以上の実施形態による、水分配ループシステムの熱交換器の詳細図を描示する。
【0032】
【
図2】1つ以上の実施形態による、水分配システムの副分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図を描示する。
【0033】
【
図3】1つ以上の実施形態による、水分配システムの主分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図を描示する。
【0034】
【
図4】1つ以上の実施形態による、水分配システムの主分配ループ及び副分配ループ内の流れを調節するための例解的なコンピュータ実装方法のフロー図を描示する。
【0035】
【
図5】1つ以上の実施形態による、CRODI水分配ループ及びHRODI水分配ループを有する例示的な実験室用水分配ループシステムを描示する。
【0036】
【
図6】1つ以上の実施形態による、第1のCRODI水分配ループ及び第2のCRODI水分配ループ、並びにHRODI水分配ループを有する例示的な実験室用水分配ループシステムを描示する。
【0037】
【
図7】1つ以上の実施形態による、水分配システムのHRODI水分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図を描示する。
【0038】
【
図8】1つ以上の実施形態による、水分配システムの1つ以上のCRODI水分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図を描示する。
【0039】
【
図9】1つ以上の実施形態が実装されている例示的なデータ処理システムのブロック図を描示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、説明される特定のシステム、デバイス、及び方法に限定されず、これらは変化し得る。説明に使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態を説明することのみを目的としたものであり、範囲を限定することは意図されない。本開示のそのような態様は、多くの異なる形態で具現化され得、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、綿密で完全なものになり、その範囲を当業者に十分に伝達するように提供される。
【0041】
当業者によって理解されるように、書面による説明を提供することなどに関するあらゆる目的のために、本明細書に開示される全ての範囲は、その範囲の上限と下限との間の介在する各値、及びその述べられた範囲内の任意の他の述べられた値又は介在する値を包含することが意図される。本明細書に開示される全ての範囲はまた、あらゆる考えられる部分的範囲、並びにその部分的範囲の組み合わせを包含する。本明細書に示される全ての数値限界及び範囲は、当該範囲又は限界の数値の全ての数値又はその間の値を含む。本明細書に開示される範囲及び限界は、範囲又は限界によって定義される全ての整数、小数、及び分数値を明示的に表明し、明記する。いずれの列挙された範囲も、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明し、それを可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解することができる。また当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」などの全ての言語は、列挙された数を含み、上記で考察されるように部分範囲にその後分解することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうように、範囲は、各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の細胞を有する群は、1個、2個、又は3個の細胞を有する群、並びに1個以上及び3個以下の細胞を有する値の範囲を指す。同様に、1~5個の細胞を有するグループとは、1個の細胞、2個の細胞、3個の細胞、4個の細胞、又は5個の細胞を有するグループ、並びに1個以上及び5個以下の細胞の値の範囲などを指す。
【0042】
加えて、特定の数が明示的に記述されている場合であっても、当業者は、そのような記述が、少なくともその記述された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、「2つの記述」の、他の修飾語を有しない裸の記述は、少なくとも2つの記述、又は2つ以上の記述を意味する)。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つなど」に似た慣例が使用される例では、概して、そのような構造は、当業者がその慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともになどを有するシステムを含むが、それらに限定されない)。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つなど」に似た慣例が使用される例では、概して、そのような構造は、当業者がその慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともになどを有するシステムを含むが、それらに限定されない)。
【0043】
加えて、本開示の特徴がマーカッシュ群の観点から説明される場合、当業者は、本開示が、それによってマーカッシュ群のいずれかの個々のメンバー又はメンバーの副グループの観点からも説明されることを認識するであろう。
【0044】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、現実世界での測定又は処理手順、これらの手順での偶発的なエラー、組成物又は試薬の製造、供給源、又は純度の違いなどによって生じ得る数値の変動を指す。数値及び範囲の文脈における「約」という用語は、本明細書に含まれる教示から明らかであるように、本発明が所望の速度、量、程度、増加、減少、又は範囲を有するように、意図された通りに実施することができるように、列挙された値又は範囲を近似するか、又はその値又は範囲に近い値又は範囲を指す。したがって、この用語は、単に系統エラーから生じる値以外の値を包含する。
【0045】
一般に、本明細書で使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図される(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきであるなど)ことが当業者によって理解されるであろう。
【0046】
本明細書によって、任意の上記のようなグループ内の任意の部分的範囲又は部分的範囲の組み合わせを含む、グループの任意の個々のメンバーであって、ある範囲に従うか又は任意の同様の方法で請求することができるメンバーを例外とするか又は除外する権利を留保することによって、任意の理由で完全な本開示未満を請求することができる。更に、本明細書によって、任意の個々の置換要素、構造、若しくはそれらのグループ、又は請求されたグループの任意のメンバーを例外とするか、又は除外する権利を留保することによって、任意の理由で完全な本開示未満を請求することができる。
【0047】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、科学者、エンジニア、研究者、工業デザイナー、検査技師及び産生技術者、助手、並びにシステム及び方法の計画された目的についてのユーザを含む、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0048】
本発明は、実験室用水を生成し、実験室用水を所与の目的に好適な様々な温度で分配するシステム及び方法を提供する。「実験室用水」とは、実験規模及び工業規模の両方における、実験室用途及び細胞発酵などの生物製剤産生用途についての許容可能な純度、品質、及び一貫性の水を指す。逆浸透脱イオン水、又は「RODI」水は、実験室用水と互換的に使用され得る。
【0049】
タンパク質ベースの治療薬としては、生物学的製剤及び医薬品の産生が挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質ベースの治療薬は、任意のアミノ酸配列を有し、製造されることが望まれる任意のタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドを含むことができる。ウイルスタンパク質、細菌タンパク質、真菌タンパク質、植物タンパク質、及び動物(ヒトを含む)タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。タンパク質タイプとしては、抗体、受容体、Fc含有タンパク質、トラップタンパク質、酵素、因子、抑制因子、アクティブ化因子、リガンド、レポータータンパク質、選択タンパク質、タンパク質ホルモン、タンパク質毒素、構造タンパク質、貯蔵タンパク質、輸送タンパク質、神経伝達物質、及び収縮タンパク質が挙げられ得るが、これらに限定されない。上記の誘導体、成分、鎖、及び断片もまた含まれる。配列は、天然配列、半合成配列、又は合成配列であり得る。
【0050】
RNAi、siRNA、及びCRISPER/Cas9などの核酸及びヌクレアーゼ治療薬もまた、生物学的治療薬である。C5 siRNA治療薬であるCemdisiran、早期発症アルツハイマー病のためのRNAiであるALN-APP、非アルコール性脂肪性肝炎のためのRNAi、及びトランスチレチンアミロイドーシスのためのCRISPR/Cas9が含まれる。
【0051】
例えば、抗体産生について、本発明は、全ての主要な抗体クラス、すなわちIgG、IgA、IgM、IgD、及びIgEに基づいた診断及び治療のための研究及び産生用途について修正可能である。IgGは、IgG1(IgG1λ及びIgG1κを含む)、IgG2、IgG3、IgG4などの好ましいクラスである。更なる抗体実施形態としては、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、抗原結合抗体断片、一本鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディ若しくはテトラボディ、Fab断片若しくはF(ab’)2断片、IgD抗体、IgE抗体、IgM抗体、IgG抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、又はIgG4抗体が挙げられる。一実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG2抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1/IgG4抗体である。上記の誘導体、成分、ドメイン、鎖、及び断片もまた含まれる。更なる抗体実施形態としては、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、抗原結合抗体断片、一本鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディ若しくはテトラボディ、Fab断片若しくはF(ab’)2断片、IgD抗体、IgE抗体、IgM抗体、IgG抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、又はIgG4抗体が挙げられる。一実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG2抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1/IgG4抗体である。
【0052】
追加の実施形態では、抗体は、抗プログラム細胞死1抗体(例えば、米国特許出願第2015/0203579(A1)号に記載された抗PD1抗体)、抗プログラム細胞死リガンド-1(例えば、米国特許出願第2015/0203580(A1)号に記載された抗PD-L1抗体)、抗Dll4抗体、抗アンジオポエチン-2抗体(例えば、米国特許第9,402,898号に記載の抗ANG2抗体)、抗アンジオポエチン様3抗体(例えば、米国特許第9,018,356号に記載の抗AngPtl3抗体)、抗血小板由来増殖因子受容体抗体(例えば、米国特許第9,265,827号に記載の抗PDGFR抗体)、抗Erb3抗体、抗プロラクチン受容体抗体(例えば、米国特許第9,302,015号に記載の抗PRLR抗体)、抗補体5抗体(例えば、米国特許出願第2015/0313194(A1)号に記載された25抗C5抗体)、抗TNF抗体、抗上皮増殖因子受容体抗体(例えば、米国特許第9,132,192号に記載された抗EGFR抗体、又は米国特許出願第2015/0259423(A1)号に記載された抗EGFRvIII抗体)、抗前駆体タンパク質転換酵素副チリシンケキシン-9抗体(例えば、米国特許第8,062,640号又は米国特許出願第2014/0044730(A1)号に記載された抗PCSK9抗体)、抗増殖及び分化因子-8抗体(例えば、米国特許第8,871,209号又は米国特許第9,260,515号に記載された、抗ミオスタチン抗体としても既知である抗GDF8抗体)、抗グルカゴン受容体(例えば、米国特許出願第2015/0337045(A1)号又は米国特許出願第2016/0075778(A1)号に記載された抗GCGR抗体)、抗VEGF抗体、抗IL1R抗体、インターロイキン4受容体抗体(例えば、米国特許出願第2014/0271681(A1)号又は米国特許第8,735,095号若しくは米国特許第8,945,559号に記載された抗IL4R抗体)、抗インターロイキン6受容体抗体(例えば、米国特許第7,582,298号、米国特許第8,043,617号、又は米国特許第9,173,880号に記載された抗IL6R抗体)、抗IL1抗体、抗IL2抗体、抗IL3抗体、抗IL4抗体、抗IL5抗体、抗IL6抗体、抗IL7抗体、抗インターロイキン33(例えば、米国特許出願第2014/0271658(A1)号又は米国特許出願第2014/0271642(A1)号に記載された抗IL33抗体)、抗呼吸器合胞体ウイルス抗体(例えば、米国特許出願第2014/0271653(A1)号に記載された抗RSV抗体)、抗分化抗原群3(例えば、米国特許出願第2014/0088295(A1)号及び米国特許出願第20150266966(A1)号、並びに米国特許出願第62/222,605号に記載された抗CD3抗体)、抗分化抗原群20(例えば、米国特許出願第2014/0088295(A1)号及び米国特許出願第20150266966(A1)号、並びに米国特許第7,879,984号に記載された抗CD20抗体)、抗CD19抗体、抗CD28抗体、抗分化抗原群48(例えば、米国特許第9,228,014号に記載された抗CD48抗体)、抗Feld1抗体(例えば、米国特許第9,079,948号に記載された)、抗中東呼吸器症候群ウイルス(例えば、米国特許出願第2015/0337029(A1)号に記載された抗MERS抗体)、抗エボラウイルス抗体(例えば、米国特許出願第2016/0215040号に記載)、抗ジカウイルス抗体、抗リンパ球アクティブ化遺伝子3抗体(例えば、抗LAG3抗体、又は抗CD223抗体)、抗神経増殖因子抗体(例えば、米国特許出願第2016/0017029号、並びに米国特許第8,309,088号及び米国特許第9,353,176号に記載された抗NGF抗体)、並びに抗アクチビンA抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、抗CD3×抗CD20二重特異性抗体(米国特許出願第2014/0088295(A1)号及び米国特許出願第20150266966(A1)号に記載)、抗CD3×抗ムチン16二重特異性抗体(例えば、抗CD3×抗Muc16二重特異性抗体)、及び抗CD3×抗前立腺特異性膜抗原二重特異性抗体(例えば、抗CD3×抗PSMA二重特異性抗体)からなる群から選択される。米国特許出願第2019/0285580(A1)号も参照されたい。また、Met×Met抗体、NPR1に対するアゴニスト抗体、LEPRアゴニスト抗体、BCMA×CD3抗体、MUC16×CD28抗体、GITR抗体、IL-2Rg抗体、EGFR×CD28抗体、第XI因子抗体、SARS-CoC-2変異体に対する抗体、Feld1多抗体療法、Betv1多抗体療法も含まれる。上記の誘導体、成分、ドメイン、鎖、及び断片もまた含まれる。
【0053】
本発明に従って産生される例示的な抗体としては、アリロクマブ、アトルチビマブ、マフチビマブ、オデシビマブ、オデシビブマブ-ebgn、カシリビマブ、イムデビマブ、セミプリマブ、セムプリマブ-rwlc、デュピルマブ、エビナクマブ、エビナクマブ-dgnb、ファシヌマブ、フィアンリマブ、ガレトマブ、イテペキマブ、ネスバクマブ、オドロノネクスタマブ、ポゼリマブ、サリルマブ、トレボグルマブ、及びリヌクマブが挙げられる。
【0054】
追加の例示的な抗体としては、ラブリズマブーcwvz、アブシキシマブ、アダリムマブ、アダリムマブ-atto、アドトトラスツズマブ、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベバシズマブ、ベズロトキスマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カプロマブペンデチド、セントリズマブペゴル、セツキシマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ、エロツズマブ、エミシズマブ-kxwh、エンタンシンアリロクマブ、エボロクマブ、ゴリムマブ、グセルクマブ、イズリツモマブチウキセタン、イダルシズマブ、インフリキシマブ、インフリキシマブ-abda、インフリキシマブ-dyyb、イピリムマブ、イキセキズマブ、メポリズマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、オビルトキサキシマブ、オビヌツズマブ、オクレリズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オマリズマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レスリズマブ、リヌクマブ、リツキシマブ、セクキヌマブ、シルトキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、及びヴェドリズマブが挙げられる。
【0055】
本発明はまた、融合タンパク質を含む他の分子の産生にも適している。好ましい融合タンパク質としては、特定のトラップタンパク質などの受容体-Fc融合タンパク質が挙げられる。目的のタンパク質は、Fc部分及び別のドメインを含有する組換えタンパク質(例えば、Fc融合タンパク質)であり得る。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質は、受容体Fc融合タンパク質であり、このタンパク質は、Fc部分に連結された受容体の1つ以上の細胞外ドメインを含有する。いくつかの実施形態では、Fc部分は、ヒンジ領域と、それに続くIgGのCH2及びCH3ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、受容体Fc融合タンパク質は、単一のリガンド又は複数のリガンドのいずれかに結合する2つ以上の異なる受容体鎖を含有する。例えば、Fc融合タンパク質は、トラップタンパク質、例えば、IL-1トラップ(例えば、hIgG1のFcに融合されたIl-1R1細胞外領域に融合されたIL-1RAcPリガンド結合領域を含有するリロナセプト、米国特許第6,927,044号を参照されたい)、又はVEGFトラップ(例えば、hIgG1のFcに融合されたVEGF受容体Flk1のIgドメイン3に融合されたVEGF受容体Flt1のIgドメイン2を含有するアフリベルセプト若しくはziv-アフリベルセプト、米国特許第7,087,411号及び米国特許第7,279,159号を参照されたい)である。他の実施形態では、Fc融合タンパク質は、Fc部分に結合された抗体の可変重鎖断片及び可変軽鎖断片などの1つ以上の抗原結合ドメインのうちの1つ以上を含有する、ScFv-Fc融合タンパク質である。上記の誘導体、成分、ドメイン、鎖、及び断片もまた含まれる。
【0056】
組換え的に産生される酵素及びミニトラップなどのFc部分を欠く他のタンパク質も、本発明に従って作製され得る。ミニトラップは、Fc部分の代わりに多量体化成分(MC)を使用するトラップタンパク質であり、米国特許第7,279,159号及び米国特許第7,087,411号に開示されている。上記の誘導体、成分、ドメイン、鎖、及び断片もまた含まれる。
【0057】
本発明はまた、バイオシミラー製剤の製造にも適用可能である。多くの場合、後続品と呼ばれるバイオシミラー製剤は、管轄区域に応じて様々な方法で定義されているが、通常、「参照製剤」と呼ばれる、その管轄区域で以前に承認された生物学的製剤と比較して共通の特徴を共有している。世界保健機関(WHO)によると、バイオシミラー製剤(「バイオシミラー」)は現在、品質、安全性、有効性の点ですでに認可されている参照バイオセラピー製剤と同様のバイオセラピー製剤であり、現在フィリピンなどの多くの国で使用されている。
【0058】
米国におけるバイオシミラーは、現在、(A)生物学的製剤は、臨床的に不活性な成分のわずかな差異にもかかわらず、参照製剤と非常に類似しており、(B)生物学的製剤と参照製剤との間には、製品の安全性、純度、及び有効性の点で臨床的に意義のある差異はない、と説明されている。米国では、以前の製剤を処方した医療従事者の介入なしに、以前の製剤と置き換えられ得る、示されている、交換可能なバイオシミラー又は製品。欧州連合では、バイオシミラーは現在、構造、生物学的活性及び有効性、安全性及び免疫原性プロファイル(免疫応答を引き起こすタンパク質及び他の生物学的医薬品の固有の能力)の点で、EUですでに承認されている別の生物学的医薬品(「参照医薬品」と呼ばれる)と非常に類似した生物学的医薬品であり、ロシアはこれらのガイドラインに従っている。中国では、バイオシミラーは現在、元の生物学的薬物と同様の活性物質を含有し、品質、安全性、及び有効性の点で元の生物学的薬物と同様であり、臨床的に有意な違いはない生物学的製剤を指す。日本では、バイオシミラーは現在、日本ですでに承認されている基準製剤と生物学的に同等/品質同等の品質、安全性、及び有効性を有する製品である。インドでは、バイオシミラーは現在「類似の生物学的製剤」と称されており、類似の生物学的製剤とは、比較可能性に基づいて承認された参照生物学的製剤と品質、安全性、及び有効性の点で類似しているものを指す。オーストラリアでは、バイオシミラー医薬品は現在、参照生物学的医薬品の非常に類似したバージョンである。メキシコ、コロンビア、及びブラジルでは、バイオシミラーは、現在、品質、安全性、及び有効性の点で、すでに認可された参照製剤と同様のバイオセラピー製剤である。アルゼンチンでは、バイオシミラーは現在、共通の特徴を持つオリジナル製剤(コンパレータ)に由来している。シンガポールでは、バイオシミラーは現在、物理化学的特性、生物学的活性、安全性及び有効性の点で、シンガポールで登録されている既存の生物学的製剤に類似した生物学的治療製剤である。マレーシアでは、バイオシミラーは現在、すでに登録されている確立された医薬品と品質、安全性、有効性の点で類似しているように開発された新しい生物学的医薬品である。カナダでは、バイオシミラーは現在、すでに販売が承認されている生物学的薬物と非常に類似した生物学的薬物である。南アフリカでは、バイオシミラーは現在、人間の使用がすでに承認されている生物学的医薬品に類似するように開発された生物学的医薬品である。これら及び任意の改訂された定義の下のバイオシミラー及びその同義語は、本発明の範囲内にある。
【0059】
本発明はまた、ウイルスタンパク質(例えば、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス(AAV)タンパク質)、細菌タンパク質及び真核生物タンパク質などの組換え産生されたタンパク質の産生に採用され得る。更に、本発明は、ウイルス及びウイルスベクター、例えば、パルボウイルス、ディペンドウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、AAV、及びポックスウイルスの産生において採用され得る。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は、本発明による実施形態の動作パラメータを説明し、いかなる点でも本発明の範囲を限定しない。
【0061】
実験室用水生成及び分配システムは、実験室及び産生用途及び洗浄用の水を連続的かつ一貫して生成することができる。システムの機能は、PLCを通して制御され得る。典型的には、使用時点(POU)バルブは、手動又は空気圧で動作される。PLC付き自動POUバルブは、オートクレーブ及びガラスウォッシャーに使用され得、RODIループのPLCと通信することができる。PLCは、新しい制御システムを可能にするための接続性を備えており、仕様外の水が分配されるのを阻止することができる。
【0062】
ループは、約68°Fの実験室用水を用いた再循環モードで動作することができる。温度は、PID制御ループを利用して、実験室用水が選択された温度にあることを保証することができる。温度が選択された温度[例えば、77°F]を超える場合、アラートをオフにされ得る。更に、主ループ内の実験室用水は、導電率[例えば、<1.0μS/cm]及び総有機炭素(TOC)[例えば、<50ppb]について監視され得る。例えば、ASTMタイプII品質要件の80%でのアラート値は、RODIが事前設定された伝導率又はTOCを超えるときにオフにされ得る。
【0063】
戻り配管圧力伝送器を備えたPIDループ上の背圧制御バルブにより、分配圧力が制御され得る。背圧制御バルブは、圧力を制御し、ループ圧力が事前設定された圧力を超えるか、又は事前設定された圧力よりも低下した場合にアラートを提供することができる。
【0064】
特に生物製剤の産生プロセスでは、材料を調製する際に高度の特異性が必要であることが理解されるべきである。様々な産生プロセスは、利用される水及び他の材料の温度に非常に依存性があり得、プロセスは、更に、時間依存性を有し得る。したがって、従来の慣習は、共通の源から水を引き出し、必要に応じて加熱又は冷却することを伴い得るが、典型的な装置は、必要な方法で温度を微細に制御することを可能にするためにセンサ及び/又はフィードバックシステムを備えていない場合がある。更に、いくつかのステップを含む時間依存性の産生プロセスは、温度特有の実験室用水を調製する従来の方法に関連付けられた遅延を許容しない場合がある。したがって、本明細書に開示されるシステムは、有利には、事前設定され、維持され、要求に応じて利用可能にされ得る正確な温度制御された水源を提供することによって、従来のシステム及び方法の問題を解消する。更に、未使用の温度制御された水は、本明細書のシステム及び方法によって精製された水の無駄が最小限に抑えられるように、冷却され、リサイクルされる。
【0065】
実験室用水分配ループシステム100
ここで
図1A~1Cを参照すると、実施形態による例示的な実験室用水分配ループシステムが描示されている。
図1Aに示されるように、実験室用水分配ループシステム100は、実験室用水生成スキッド105と、実験室用水生成スキッド105と流体連通している貯蔵タンク110と、貯蔵タンク110と流体連通している主分配ループ115と、主分配ループ115から延在し、チェイスザテール構成で主分配ループ115と流体連通している副分配ループ120とを備え、副分配ループ120は、主分配ループ115に戻るか、又は代替として、貯蔵タンクに直接戻る。システムは、1つ以上の出口125を更に備え、各出口125は、主分配ループ115及び副分配ループ120の一方から水を吐出するためにそれらの分配ループの一方に接続されている。主分配ループ115及び副分配ループ120は、1つ以上のバルブ130(例えば、130A)によって選択的に連通され得る。いくつかの実施形態では、主分配ループ115は、実験室用水をベースライン温度に維持するように構成された熱交換器又は冷却装置135を含む。いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、主分配ループ115から受け取られた実験室用水の温度を設定点温度に上昇させ、水を設定点温度に維持するように構成された熱交換器150を備える。システム100は、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること及び/又はシステムの制御のための入力を提供することを含む、システム100とのインターフェースをとるための1つ以上のインターフェースユニット、又はオペレータインターフェース端末(OIT)165を更に備える。
【0066】
水生成スキッド
水生成スキッド105は、飲料水又は実験室用水に処理され得る他の水を受け取るための水源を含み得る。好ましくはASTMタイプIIの基準を満たす実験室用水を生成するために、様々な処理ステップが使用され得る。例えば、飲料水は、様々な媒体によって濾過され、水生成スキッド105によって軟化され、脱塩素化され、脱イオン化され、蒸留され、かつ/又は滅菌され得る。したがって、水生成スキッド105は、様々な処理構成要素を含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、水から粒子状物質を除去するための多媒体フィルタ段を備える。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、10μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、5μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。多媒体フィルタは、徐々に小さいサイズの粒子を徐々に除去するために、複数の段又は層を含み得る。例えば、多媒体フィルタは、1つ以上の砂利層、1つ以上のガーネット層、1つ以上の無煙炭層、1つ以上の粗砂層、1つ以上の細砂層、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、媒体層は、事前逆洗浄され、排水され得る。いくつかの実施形態では、各媒体層は、逆洗浄後の自己完結型再層化を可能にする様式で、比重について配置及び選択され得る。例えば、媒体層は、上から下へ昇順に比重によって配置され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、水から硬度イオンを除去するように構成された水軟化剤段を備える。いくつかの実施形態では、水軟化剤は、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、及び/又は他の金属イオンを水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態において、水軟化剤は、イオン交換を通じてカルシウム及びマグネシウムイオンを除去するように構成されている。例えば、水は、樹脂ビーズ(例えば、NaCO2粒子を含むビーズ)を含むフィルタベッドを通過させられ得、それによって、Ca2+カチオン及びMg2+カチオンがビーズ(例えば、COO-アニオン)に結合し、ナトリウムカチオン(Na+)を水中に放出する。いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、例えば、給水からCa2+カチオン及びMg2+カチオンを連続的に除去するために、NaCO2粒子のレベルを維持するために、水軟化剤と連通しており、水軟化剤を再生するように構成されている、ブラインタンク及びエダクターを更に含み得る。追加の実施形態では、水軟化剤は、カルシウムをCaCO3として沈殿させ、マグネシウムをMg(OH)2として沈殿させるために、消石灰、例えば、Ca(OH)2、及びソーダ灰、例えば、Na2CO3を用いて水を処理するように構成され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、カーボンベッドフィルタ段を含む。いくつかの実施形態において、カーボンベッドフィルタは、塩素及び他の微量有機化合物を水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、カーボンベッドフィルタは、水中のクロラミン(例えば、NH2Cl、NHCl2、NCl3)を塩素、アンモニア、及び/又はアンモニウムに分解するように構成されている。
【0070】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、溶解されたアンモニア、CO2、及び/又は微量の荷電化合物及び元素を除去するように構成された1つ以上の混合脱イオン(DI)ベッドを備える。
【0071】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、通常の技術レベルを有する当業者に明らかであろうように、有機化合物を除去するための追加のタイプのイオン交換ベッドを備える。イオン交換ベッドは、異なるタイプの粒子を除去するために、様々なサイズ及び特性の樹脂ビーズを含み得る。例えば、イオン交換ベッドは、強酸カチオン交換樹脂、弱酸カチオン交換樹脂、強塩基アニオン交換樹脂、弱塩基アニオン交換樹脂、及び/又はキレート化樹脂を含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、微量化合物、アンモニウム、炭素微粒子及び/又は他の粒子状物質、微生物、及び/又はエンドトキシンを水から除去するように構成された逆浸透濾過段を含む。例えば、逆浸透段は、半透過性膜と、水中に浸透圧よりも大きい圧力を印加して膜を通過する水の拡散を引き起こすように構成されたポンプとを含み得る。逆浸透の有効性は、圧力、溶質濃度、及び他の条件に依存するため、逆浸透濾過段は、逆浸透ユニット内の条件を監視するように構成された1つ以上のセンサを含み得る。例えば、逆浸透濾過段は、入口導電率モニタ、透過物導電率モニタ、濃縮物流量計、透過物流量計、吸引圧力インジケータ、高圧キルスイッチ、及び/又は計器空気圧スイッチを含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、水中の微生物を非アクティブ化するように構成された紫外線(UV)光段を含む。例えば、水生成スキッド105は、185nm、254nm、265nmの波長、及び/又は微生物を非アクティブ化するように構成された追加の波長でUV光を放射するように構成された1つ以上のUV光源を含み得る。いくつかの実施形態では、UV光源は、UV光源を温度変化から絶縁するために、UV光源上に石英ランプスリーブを含み得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段内の水の全体積にわたって微生物を非アクティブ化することができるマイクロワット秒/平方センチメートル(μW-s/cm2)のドーズ量で光を放出するように構成されている。UV光段内で放出される光のドーズ量は、内部容積、1つ以上のUV光源の光強度、及びUV光段を通る水の流量に基づき得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段を通して水の完全な混合を容易にし、それによって水のUV光への更なる曝露を引き起こすために、内部バッフル(例えば、ヘリカルバッフル又は静的ブレンダ)を含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、飲料水から汚染物質を除去するための1つ以上のフィルタカートリッジを備える。例えば、本明細書で説明される水生成スキッド105の様々な段のうちの1つ以上は、カートリッジの形態で提供され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105は、様々な段を通る水の流れを制御、維持、及び調節し、本明細書で説明される様式で水を処理するための技術分野における通常のレベルを有する当業者に明らかであろう追加の構成要素を含む。例えば、水生成スキッド105は、水を処理し、水生成スキッド105の様々な段において適切な条件を維持するために必要とされる、分配ポンプ、ブースターポンプ、遠心ポンプ、トランスミッタ、バルブ、電源、センサ、及び電気回路を含み得る。
【0076】
水貯蔵タンク
再び
図1Aを参照すると、水生成スキッド105は、水生成スキッド105から実験室用水を受け取り、中に水を貯蔵するように構成された貯蔵タンク110と流体連通している。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク110は、水生成スキッド105による処理の後で、実験室用水の品質を維持するように構成されている。更に、貯蔵タンク110は、本明細書で更に説明されるように、水を分配ループに分配するように構成され得る。貯蔵タンクはまた、主分配ループ及び副分配ループの一部ではない配管及び出口と流体連通し得る。いくつかの実施形態において、貯蔵タンクは、流体が貯蔵タンク110から主分配ループ及び副分配ループに通過することを選択的に可能にするための1つ以上のバルブを備え得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド105から貯蔵タンク110によって受け取られた実験室用水は、その温度を上昇させ得る。例えば、本明細書で説明される様々な濾過及び処理ステップは、上昇された温度を有する実験室用水をもたらし得る。したがって、貯蔵タンク110内の水は、本明細書で更に説明されるように、主分配ループ115に入ったときに、時間の経過とともに周囲温度に受動的に冷却され得、かつ/又は冷却装置を使用して能動的に冷却され得る。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク110は、実験室用水を能動的に冷却するための冷却装置を含み得る。
【0078】
主分配ループ及び副分配ループ
再び
図1Aを参照すると、主分配ループ115は、第1の端部において貯蔵タンク110と流体連通している。主分配ループ115は、第1の端部において貯蔵タンク110から実験室用水を受け取り、主分配ループ115を通して水を循環させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、主分配ループ115は、第2の端部において貯蔵タンク110と更に流体連通している。主分配ループ115は、主分配ループ115を通る水の循環後に、第2の端部において貯蔵タンク110に実験室用水を戻すように構成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、主分配ループ115は、分配ループ内の実験室用水をベースライン温度に維持するように構成されている。例えば、ベースライン温度は、ほぼ室温であり得る。別の実施例では、ベースライン温度は、約18℃~約25℃であり得る。更なる実施例では、ベースライン温度は、室温未満であり、例えば、約18℃~約22℃であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、主分配ループ115は、実験室用水をベースライン温度に維持するように構成された熱交換器又は冷却装置135を含む。例えば、冷却装置135は、ベースライン温度を維持するための必要に応じて実験室用水を冷却するために、主分配ループ115に近接して、冷却装置135を通して流体を循環させ得る。冷却装置135内の流体は、冷却グリコール(例えば、プロピレングリコール)、冷水、又は実験室用水から熱を伝達することができる別の流体であり得る。冷却装置135と主分配ループ115との間で流体が交換されないことを理解されたい。むしろ、冷却装置135及び主分配ループ115の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、冷却装置135と主分配ループ115との間の1つ以上のインターフェースを通して熱を交換する。
【0081】
いくつかの実施形態では、貯蔵タンク110に貯蔵された実験室用水は、ベースライン温度、例えば、25℃又はそれに近い温度に受動的に冷却され、維持され得る。したがって、冷却装置135は、常に動作していない場合がある。いくつかの実施形態では、冷却装置135は、新鮮な実験室用水をベースライン温度に冷却するために、大量の実験室用水が生成されるときにアクティブ化される。いくつかの実施形態では、主分配ループ115は、実験室用水を貯蔵タンク110内の水の温度とは異なる温度に維持するように構成されている。
【0082】
ここで
図1Bを参照すると、一実施形態による冷却装置135の詳細図が描示される。示されるように、冷却装置135は、冷却流体、例えば、冷却グリコール、冷水、又は当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろう別の冷却剤の供給源145と流体連通して延在する1つ以上の導管140を含み得る。主分配ループ115の一部は、導管140を通って循環する冷却流体との熱伝達によって主分配ループ115内の水が冷却されるように、導管140に近接して、冷却装置135を通過し得る。いくつかの実施形態では、主分配ループ115及び導管140は、熱伝達のために主分配ループ115と導管140との間のインターフェースを共有し得る。いくつかの実施形態では、導管140は、冷却流体を再充填するための空気セパレータ及び/又は再充填ユニットに冷却流体を通過させることができる。その後、冷却流体は、再利用されるために供給源145に戻り得る。いくつかの実施形態では、導管140は、冷却流体を処分部位に通過させ得る。いくつかの実施形態では、冷却装置135は、閉鎖再循環システムとして構成され得る。いくつかの実施形態では、冷却装置135は、開放再循環システムとして構成され得る。
【0083】
冷却装置135は、移動を制御し、かつ/又は流体を監視するための追加の構成要素を含み得る。例えば、冷却装置135は、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、複数の冷却装置135は、より一貫しており、かつ/又はより正確な温度制御を提供するために、主分配ループ115に動作可能に接続され得る。更に、冷却装置135が主分配ループ115の開始部分に近接して描示されているが、冷却装置135がループに沿った任意の点で主分配ループ115と接合し得ることを理解されたい。
【0085】
いくつかの実施形態では、冷却装置135は、圧縮機、蒸発器、及び/又は凝縮器を含み得る。分配ループ内の温度を維持する追加の様式が、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。
【0086】
いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、副分配ループの第1の端部において主分配ループ115と流体連通している。副分配ループ120は、主分配ループ115から実験室用水を受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、分配ループ内の実験室用水を、貯蔵タンク110及び/又は主分配ループ115のベースライン温度とは異なる設定点温度に維持するように構成されている。例えば、実験室用水が貯蔵タンク110及び主分配ループ115によって約18℃~約25℃で維持される場合、副分配ループ120は、実験室用水を約53℃~約57℃の間に維持し得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120の設定点温度は可変であり、ユーザからの入力及び/又は特定の手順に関連付けられたパラメータに基づいて調整され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、主分配ループ115から受け取られた実験室用水の温度を設定点温度に上昇させ、水を設定点温度に維持するように構成された熱交換器150を備える。例えば、熱交換器150は、加熱された流体(例えば、蒸気又は温水)を、副分配ループ120に近接して、熱交換器150を通して循環させて、実験室用水を連続的に加熱し、設定点温度、例えば、約57℃を維持し得る。いくつかの実施形態では、熱交換器150は、加熱された流体、例えば、蒸気を受け取るためのボイラを含み得るか、又はボイラと流体連通し得る。流体は、熱交換器150と副分配ループ120との間では交換されないことが理解されるべきである。むしろ、熱交換器150及び副分配ループ120の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、熱交換器150と副分配ループ120との間の1つ以上のインターフェースを通して熱を交換する。
【0088】
ここで
図1Cを参照すると、一実施形態による熱交換器150の詳細図が描示されている。示されるように、熱交換器150は、それを通って延びており、加熱流体、例えば、蒸気、温水、又は当技術分野における通常のレベルを有する当業者に明らかであろう別の加熱流体の供給源160と流体連通している、1つ以上の導管155を含み得る。副分配ループ120の一部は、導管155に近接して、熱交換器150を通過し得、その結果、副分配ループ120内の水は、導管155を通って循環する加熱流体との熱伝達によって加熱され、実験室用水を連続的に加熱し、設定点温度、例えば、約57℃を維持する。いくつかの実施形態では、副分配ループ120及び導管155は、熱伝達のために副分配ループ120と導管155との間のインターフェースを共有し得る。いくつかの実施形態では、導管155は、加熱流体を再充填するために、加熱流体を再充填ユニットに通過させ得る。その後、加熱流体は、再利用されるために供給源160に戻り得る。いくつかの実施形態では、導管155は、加熱流体を処分部位に通過させ得る。いくつかの実施形態では、熱交換器150は、閉鎖再循環システムとして構成され得る。いくつかの実施形態では、熱交換器150は、開放再循環システムとして構成され得る。様々なタイプの加熱ユニット及びその構成は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に既知であろうように、本明細書で実装され得る。
【0089】
熱交換器150は、加熱流体を制御及び/又は監視するための追加の構成要素を含み得る。例えば、熱交換器150は、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、複数の熱交換器150は、より一貫しており、かつ/又はより正確な温度制御を提供するために、副分配ループ120に動作可能に接続され得る。更に、熱交換器150が副分配ループ120の端部部分に近接して描示されているが、熱交換器150は、ループに沿った任意の点で副分配ループ120と接合し得ることを理解されたい。
【0091】
副分配ループ120内の上昇された温度は、アクティブ化及び非アクティブ化され得る選択的な特徴であることを理解されたい。したがって、特定の期間の間、副分配ループ内の実験室用水は上昇しない場合がある。いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、主分配ループ115及び/又は貯蔵タンク110に実質的に一致するベースライン温度を有し得る。例えば、副分配ループ120内の実験室用水の温度は、本明細書で説明されるように周囲温度及び/又は冷却温度とし得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、設定点温度で使用されない実験室用水をリサイクルするために、実験室用水を循環させて貯蔵タンク110に戻し得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120からの水は、副分配ループ120の第2の端部において主分配ループ115と流体連通し得る。例えば、副分配ループ120の第2の端部は、本明細書で更に説明されるように、主分配ループ115と接合するチャネルに戻って接続し得る。別の実施例では、副分配ループ120の第2の端部は、主分配ループ115に別個に接続し得る。したがって、副分配ループ120からの水は、主分配ループ15に戻り、最終的には主分配ループ15を通って貯蔵タンク110に戻り得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、貯蔵タンク110と直接流体連通し得、貯蔵タンク110に直接水を戻し得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120の熱交換器及び/又は追加の熱交換器は、副分配ループ120内の実験室用水を、主分配ループ115及び/又は貯蔵タンク110に吐出する前に、冷却してベースライン温度に戻し得る。いくつかの実施形態では、主分配ループ115の熱交換器は、副分配ループ120から受け取った加熱された水をベースライン温度に戻し得る。分配ループ内の温度を維持する追加の様式が、当技術分野の通常のレベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。
【0093】
加熱された実験室用水を副分配ループ120から主分配ループ115及び/又は貯蔵タンク110にリサイクルすることによって、実験室用水は保存され、無駄が最小限に抑えられる。一般に、高度に精製された実験室用水の生産は、必要な機器、消耗品、及び精度に起因して、高価で時間がかかり、エネルギー集約的である。任意選択的に、コストは、本明細書で説明されるように、副分配ループ120から加熱された実験室用水をリサイクルすることによって大幅に低減され得る。説明されるようなシステム及び方法によって、水の即時の利用可能性及び水の効率的な使用が同時に達成され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、主分配ループ115及び副分配ループ120は、1つ以上のバルブ130を介して選択的に連通している。例えば、
図1Aに示されるように、バルブ130Aは、副分配ループ120を主分配ループ115に接続するチャネル内に位置決めされ得る。したがって、実験室用水が主分配ループ115から副分配ループ120に移送された後、副分配ループ120内の実験室用水は、バルブ130Aを閉鎖して主分配ループ115内の水を別個の設定点温度に維持することによって、主分配ループ115から分離され得る。示されるように、副分配ループ120内の水は、バルブ130Aが閉鎖されている間に、副分配ループ120内を循環し得る。水が消費されると、バルブ130Aは、副分配ループ内の給水を補充するために開放され得る。更に、第2のバルブ130Bは、副分配ループ120を通る流れを許可又は禁止するように、副分配ループ120の端部の近くに位置し得る。設定点温度における水の使用が所与の例で完了するときに、バルブ130A/130Bは、水を主分配ループ115に戻すために開放され得る。
【0095】
主ループシステム及び副ループシステムは、手動で、手動及び自動で、かつ完全に自動で動作させることができる。自動動作については、コンピュータプロセッサ及び電気的に制御されたバルブ及び熱交換器を採用することができる。本明細書において、コンピュータ技術を使用した自動制御のための例示的なアプローチが提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、バルブ130は、本明細書で更に説明されるように、プロセッサと電気的に通信しており、電気信号を介してプロセッサによって制御され得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、バルブを開放及び閉鎖するためにアクチュエータに動作可能に接続されている。いくつかの実施形態では、バルブ130は、双方向バルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、ゼロスタティックティーバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、ソレノイドバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、バルブを開放及び閉鎖するために動作可能に接続されたサーボモータであり得る。追加のタイプのバルブが、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように本明細書において企図される。
【0097】
図1Aに示されるように、副分配ループ120は、副分配ループ120内の循環を可能にするために、「チェイスザテール」構成における完全なループを形成し得る。追加の実施形態では、副分配ループ120への流入及び副分配ループ120からの流出は、別個の接続チャネルを介して発生し得る。したがって、各接続チャネルは、バルブ130を備え得る。追加の実施形態では、接続チャネルは、副分配ループ120と貯蔵タンク110との間で直接接合し得る。したがって、接続チャネルは、水を貯蔵タンク110に選択的に戻すためにバルブ130を含み得る。
【0098】
主分配ループ115及び副分配ループ120は、実験室用水を吐出するための1つ以上の出口125を更に備え得る。出口125は、施設内の様々な専用空間にわたって提供され得る。いくつかの実施形態では、各分配ループ115/120の出口125には、一意の目的が意図されている。例えば、主分配ループ115内の冷水又は周囲水は、洗浄、すすぎ、及び化学的プロセス及び/又はバイオテクノロジープロセスに十分であり得る。しかしながら、媒体の調製、緩衝液の調製などには、正確に制御された温度における加熱された水が必要とされ得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、出口125のうちの少なくともいくつかは、ユーザによって手動で動作可能な手動出口、例えば、水栓、シンク、壁に取り付けられた排水口、媒体/緩衝液排出口などであり得る。いくつかの実施形態では、出口125のうちの少なくともいくつかは、実験室用水の供給を、冷蔵庫、ガラス製品及び他の実験室用品のための洗浄器具、インキュベータ、及び/又はオートクレーブ機械などの器具に接続する自動出口であり得る。任意のタイプの出口125は、機能又は好みに従って手動又は自動として構成され得ることを理解されたい。
【0100】
いくつかの実施形態では、主分配ループ115は、主分配ループ115内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120は、副分配ループ120内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。例えば、
図1Aに示されるように、水は、バルブ130Aが閉鎖され、バルブ130Bが開放されている間、副分配ループ120内を循環し得る。したがって、副分配ループ120は、主分配ループから分離された場合でも水が循環され得るように、専用ポンプを有し得る。いくつかの実施形態では、副分配ループ120の1つ以上のポンプは、遠心ポンプである。しかしながら、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者には明らかであろうように、本明細書では追加のタイプのポンプが利用され得る。
【0101】
システム100内の主分配ループ115、副分配120、出口125、及び/又は追加の配管を形成する配管は、炭素鋼配管及び継手を備え得る。いくつかの実施形態では、配管は、例えば、配管内の水の温度を効率的に維持するために、ガラス繊維絶縁体及び/又はジャケットを用いて絶縁され得る。いくつかの実施形態では、ジャケットは、PVCジャケット(例えば、屋内配管用)又はアルミニウムジャケット(例えば、屋外配管用)であり得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、分配ループ115/120は、分配システムからエネルギーを排出するように構成された1つ以上の排気ファンに動作可能に接続され得る。例えば、2つの排気ファンは、熱を排出し、分配システムの状態を維持するために同時に動作し得る。いくつかの実施形態では、排気ファンは、施設内の空気を加熱すること、及び他の目的のために、分配システムから排出されたエネルギー(例えば、熱)をリサイクルし得る、1つ以上のコイル及び1つ以上のストロボファンを含む、エネルギー回収ユニットを形成し得る。
【0103】
分配ループ115/120の各々は、実験室用水における1つ以上のパラメータを監視するように構成されたセンサ及び/又はアラームのアレイを含み得る。例えば、センサのアレイは、温度、導電率、総有機炭素、分配圧力、及び/又はループ圧力を監視するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のパラメータが所望の範囲に近づいているか、又は所望の範囲外にある、通知又はアラームが鳴動し得る。
【0104】
分配ループ115/120の各々は、比例積分微分(PID)制御ループ内の実験室用水を調節するように構成されたセンサ及び電気制御構成要素を有して構成され得る。PIDループでは、センサは、設定されたパラメータからの偏差を連続的に評価するために使用され得、制御デバイスは、設定されたパラメータを最小の遅延で回復するための補正を実装し得る。例えば、温度センサは、実質的に連続的な方式で温度を監視するために使用され得、熱交換器は、各分配ループのベースライン温度及び/又は設定点温度を維持するために必要に応じて補正を実装するために使用され得る。
【0105】
システム100の構成要素に関して本明細書で説明される様々なバルブのいずれも、当業者に既知であろう任意のタイプのバルブを備え得ることを理解されたい。例えば、バルブは、双方向バルブ、ゼロスタティックティーバルブ、ソレノイドバルブ、サーボモータ制御バルブなどを備え得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、開示される特徴又は構成要素のいずれも、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために冗長的に提供され得、より一貫した条件を達成し、及び/又は故障の確率を低減させるために利用され得る。例えば、熱交換器、ファン、分配ポンプ、センサなどは、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために二重又は三重に提供され得る。
【0107】
特にウイルス産生プロセスでは、材料を調製する際に高度の特異性が必要であることが理解されるべきである。様々な産生プロセスは、利用される水及び他の材料の温度に非常に依存性があり得、プロセスは、更に、時間依存性を有し得る。したがって、従来の慣習は、共通の源から水を引き出し、必要に応じて加熱又は冷却することを伴い得るが、典型的な装置は、必要な方法で温度を微細に制御することを可能にするためにセンサ及び/又はフィードバックシステムを備えていない場合がある。更に、いくつかのステップを含む時間依存性の産生プロセスは、温度特有の実験室用水を調製する従来の方法に関連付けられた遅延を許容しない場合がある。したがって、本明細書に開示されるシステムは、有利には、事前設定され、維持され、要求に応じて利用可能にされ得る正確な温度制御された水源を提供することによって、従来のシステム及び方法の問題を解消する。更に、未使用の温度制御された水は、本明細書のシステム及び方法によって精製された水の無駄が最小限に抑えられるように、冷却され、リサイクルされる。
【0108】
制御システム及び方法
本明細書で説明される実験室用水分配ループシステム100は、プロセス制御システムを介して制御され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を備える。
【0109】
プロセス制御システムは、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること及び/又は入力を提供することを含む、システム100とのインターフェースのための、1つ以上のインターフェースユニット、又はオペレータインターフェース端末(OIT)165を更に備え得る。いくつかの実施形態では、OIT165は、機器スキッドに局所的に接続され得、例えば、機器スキッド上のNEMA4制御パネルに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、例えば、
図1Aに示されるように、OIT165は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に容易に既知であろうように、有線又は無線接続を介して遠隔地に位置し、実験室用水分配ループシステム100に接続され得る。いくつかの実施形態では、OIT165は、タブレット又は携帯電話などの携帯デバイス上のソフトウェアアプリケーションとして具現化され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、OIT165は、ディスプレイ及び入力デバイス、例えば、タッチスクリーン、キーボード、及び/又はキーパッドを含む。いくつかの実施形態では、OIT165は、機器のオペレータ監視及び制御を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OIT165は、実験室用水分配ループシステム100のセクション内の温度を設定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OIT165は、システム状態、アラート、通知、アラームなどを視認するために使用され得る。
【0111】
OIT165は、限定されないが、トランスミッタ、ソレノイド、分析器、電源、センサ、及び電気回路、並びに緊急制御を含む、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように、本明細書で説明される様々な機能を実行するために、様々な構成要素を追加的に含み得る。
【0112】
ここで
図2を参照すると、一実施形態による、水分配システムの副分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図が描示されている。方法200は、分配システムの主実験室用水分配ループ内のベースライン温度で第1の量の水を維持するステップ210と、入力デバイスを通して、実験室用水の設定点温度に関係する入力を受信するステップ220と、任意選択的に、第2の量の水を、分配システムの主分配ループから副分配ループに移送するステップ225と、分配システムの副分配ループ内の第2の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱するステップ230と、第2の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持するステップ240と、分配システムの主分配ループ内の第1の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に保持するステップ250と、トリガに応答して、第2の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却するステップ260と、任意選択的に、副分配ループ内の第2の量の水を、主分配ループ又は貯蔵タンクのうちの1つ以上に移送することによって、第2の量の水をリサイクルするステップ265と、を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、分配システムは、貯蔵タンクと、貯蔵タンクと流体連通している主分配ループと、主分配ループから延在し、主分配ループに戻る副分配ループとを含み得る。例えば、水分配システムは、
図1Aに示されるように、実験室用水分配ループシステム100であり得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、主分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度に維持するステップ210は、例えば、
図1A及び1Bに関連して本明細書で説明されるように、まず、第1の量の水を貯蔵タンクから主分配ループに移送すること、又は貯蔵タンクから主分配ループ内の第1の量の水を補充すること、及び冷却装置を用いて第1の量の水をベースライン温度に冷却することを更に含むことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、設定点温度に関係する入力を受信すること220は、加熱サイクルをアクティブ化するためにOITを介してユーザからの入力を受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、入力は、設定点温度における加熱されたRODI(すなわち、「HRODI」)の産生をアクティブ化するためのボタンを押すことを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザによって選択されるコマンドは、汎用(例えば、「HEAT」)であり、設定点温度を指定しない。むしろ、設定点温度は、固定され、プロセス制御システムに既知である。いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の設定点温度を設定又は入力することができ得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2の量の水を、主分配ループから副分配ループに移送する任意選択的なステップ225は、まず、1つ以上のバルブを(例えば、プロセッサによって)閉鎖位置から開放位置に作動させて、主分配ループと副分配ループとの間の水の移送を可能にし、その後、1つ以上のバルブを開放位置から閉鎖位置に移動させて、主分配ループと副分配ループを分離させることを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の量の水を主分配ループから副分配ループに移送するステップ225は、主分配ループから副分配ループ内の水を補充することを含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、主分配ループ及び副分配ループは、維持ステップ210、加熱ステップ230、維持ステップ240、保持ステップ250、及び冷却ステップ260の間分離される。例えば、方法200は、主分配ループ及び副分配ループを分離するために1つ以上のバルブを(例えば、プロセッサによって)作動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、分配ループは、両方の分配ループ内の水がベースライン温度又はその付近で正規化されるまで、分離されたままである。
【0118】
いくつかの実施形態では、加熱ステップ230、維持ステップ240、保持ステップ250、及び冷却ステップ260は、分配システムの1つ以上の熱交換器によって容易にされる。例えば、分配システムは、
図1A、1B、及び1Cの実験室用水分配ループシステム100に関して詳細に説明されるように、熱交換器を含み得る。
【0119】
冷却ステップ260は、様々な様式でトリガされ得る。いくつかの実施形態では、トリガは、所定の時間制限の完了を含む。例えば、システムは、事前プログラムされた時間制限、例えば、15分、30分、60分、60分を超える時間、又はそれらの間の個々の値又はレンジャーを有し得る。別の実施例では、ユーザは、特定のインスタンスで時間制限を入力し得る。したがって、トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又は入力された時間制限に達したというタイマーからの通知であり得る。いくつかの実施形態では、トリガは、HRODI要求の終了に関係するユーザからの追加の入力を含む。例えば、ユーザは、ボタンを押してHRODIを非アクティブ化し得る(例えば、「COOL」ボタン)。いくつかの実施形態では、トリガは、エラー又はアラーム、例えば、水中の異常又は危険な状態のアラームアラートを含む。例えば、エラー又はアラームは、分配システム、分配システム内の水、及び/又は分配システムを収容する施設(例えば、環境条件)に関連付けられたコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、インターフェースユニットは、追加の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、HRODI要求は、将来の特定の時間のために計画又はスケジュールされ得る。例えば、HRODI要求は、計画された活動に基づいて、将来の時間のために手動でスケジュールされ得る。いくつかの実施形態では、個別の要求を入力するのではなく、HRODI要求は、特定の産生プロセスに基づいて計画又は開始され得る。例えば、特定の組成物を産生するための形式化されたプロセスが計画されているか、又は進行中である場合、プロセス制御システムは、形式的な産生プロセスに従ってHRODI要求をアクティブ化するために、形式的な産生プロセスのデータベースに基づいてプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、産生プロセスは、離散的な時間間隔における複数のHRODI要求を必要とし得る。したがって、HRODI要求は、時間に基づいてアクティブ化され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、追加のコンピューティング構成要素と通信し得、それらのコンピューティング構成要素から受信された情報に基づいて、HRODI要求をスケジュール又は開始し得る。したがって、HRODI要求は、産生プロセスの示された段階及び/又は追加情報に基づいて開始され得る。
【0121】
ここで
図3を参照すると、一実施形態による、水分配システムの主分配ループ内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図が描示されている。方法300はまた、
図2に関連して考察される方法200のステップ210の副プロセス、すなわち、主分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度に維持することを例解し得ることが理解されるべきである。方法300は、入力デバイスを通して、水のベースライン温度に関係する入力を受信すること310と、分配システムの主分配ループ内の第1の量の水を、初期温度からベースライン温度に冷却すること320と、第1の量の水を、一定期間にわたって、連続的にベースライン温度に維持すること330と、トリガに応答して、温度制御を終了すること340と、を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、分配システムは、貯蔵タンクと、貯蔵タンクと流体連通している主分配ループと、主分配ループから延在し、主分配ループに戻る副分配ループとを含み得る。例えば、水分配システムは、
図1Aに示されるように、実験室用水分配ループシステム100であり得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、ベースライン温度に関係する入力を受信すること310は、冷却サイクルをアクティブ化するためにOITを介してユーザからの入力を受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、入力は、ベースライン温度における冷却されたRODI(すなわち、「CRODI」)の産生をアクティブ化するためのボタンを押すことを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザによって選択されるコマンドは、汎用(例えば、「COOL」)であり、ベースライン温度を指定しない。むしろ、ベースライン温度は、選択され、プロセス制御システムに既知である。いくつかの実施形態では、ユーザは、所望のベースライン温度を設定又は入力することができ得る。いくつかの実施形態では、システムは、システムが動作している間、水をベースライン温度に連続的に維持するように構成されている。選択されるベースライン温度は、典型的には室温であり、約68°F~76°Fである。したがって、入力は、システムをアクティブ化すること、例えば、初期アクティブ化、毎日のアクティブ化、又はスリープモード又はハイバネーションモードからのアクティブ化を含み得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、主分配ループ及び副分配ループは、冷却ステップ320及び維持ステップ330の間分離される。例えば、方法200は、主分配ループのベースライン温度を維持するためのプロセス300に影響を与えることなく、副分配ループ内の水の温度を制御するために同時に実行され得る。1つ以上のバルブは、主分配ループ及び副分配ループを分離するように(例えば、プロセッサによって)作動され得る。いくつかの実施形態では、分配ループは、両方の分配ループ内の水がベースライン温度又はその付近で正規化されるまで、分離されたままである。追加の実施形態では、両方の分配ループ内の水は、例えば、アクティブなHRODI要求がないときに、プロセス300によって冷却され、ベースライン温度に維持され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、冷却ステップ320及び維持ステップ330は、分配システムの1つ以上の冷却装置又は熱交換器によって容易にされる。例えば、分配システムは、
図1A~1Bの実験室用水分配ループシステム100に関して詳細に説明されているように、冷却装置を含み得る。
【0126】
終了ステップ340は、様々な様式でトリガされ得る。いくつかの実施形態では、トリガは、所定の時間制限の完了を含む。例えば、システムは、事前プログラムされた時間制限、例えば、15分、30分、1時間、6時間、12時間、24時間、24時間を超える時間、又はそれらの間の個々の値又はレンジャーを有し得る。別の実施例では、ユーザは、特定のインスタンスで時間制限を入力し得る。したがって、トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又は入力された時間制限に達したというタイマーからの通知であり得る。いくつかの実施形態では、トリガは、CRODI要求の終了に関係するユーザからの追加の入力を含む。例えば、ユーザは、ボタンを押してCRODIを非アクティブ化し得る(例えば、「END」ボタン)。いくつかの実施形態では、トリガは、エラー又はアラーム、例えば、水中の異常又は危険な状態のアラームアラートを含む。例えば、エラー又はアラームは、分配システム、分配システム内の水、及び/又は分配システムを収容する施設(例えば、環境条件)に関連付けられたコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、インターフェースユニットは、追加の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、CRODI要求は、将来の特定の時間のために計画又はスケジュールされ得る。例えば、CRODI要求は、計画された活動に基づいて、将来の時間のために手動でスケジュールされ得る。いくつかの実施形態では、個別の要求を入力するのではなく、CRODI要求は、特定の産生プロセスに基づいて計画又は開始され得る。例えば、特定の組成物を産生するための形式化されたプロセスが計画されているか、又は進行中である場合、プロセス制御システムは、形式的な産生プロセスに従ってCRODI要求をアクティブ化するために、形式的な産生プロセスのデータベースに基づいてプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、産生プロセスは、離散的な時間間隔における複数のCRODI要求を必要とし得る。したがって、CRODI要求は、時間に基づいてアクティブ化され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、追加のコンピューティング構成要素と通信し得、それらのコンピューティング構成要素から受信された情報に基づいて、CRODI要求をスケジュール又は開始し得る。したがって、CRODI要求は、産生プロセスの示された段階及び/又は追加情報に基づいて開始され得る。
【0128】
本明細書で考察されるように、主分配ループと副分配ループとの間のバルブは、分配ループの分離を可能にし、分配ループの各々において別々の水温を維持するために、プロセッサによって選択的に開放及び閉鎖され得る。ここで
図4を参照すると、一実施形態による、主分配ループ及び副分配ループ内の流れを調節するための例解的なコンピュータ実装方法400のフロー図が描示されている。プロセッサは、アクティブなHRODI要求を示す信号を受信410し、HRODI要求に基づいて主分配ループと副分配ループとの間の1つ以上のバルブを閉鎖420し得る。したがって、副分配ループ内の水の温度は、主分配ループ内の水の温度に影響を与えることなく、ベースライン温度から設定点温度に増加され得、主分配ループ内の水の温度は、ベースライン温度のままである。プロセッサは、HRODI要求の完了を示す信号を受信430し得、副分配ループ内の水の温度を判定440し得る。ステップ450では、プロセッサは、副分配ループ内の水の温度がベースライン温度と等しくないかどうかを判定する。否定的な判定がなされる場合、プロセッサは、遅延期間、例えば1分後にステップ440に戻り得る。しかしながら、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者には明らかであろうように、様々な遅延期間が利用され得る。肯定的な判定がなされ、副分配ループ内の水の温度がベースライン温度と実質的に等しい場合、プロセッサはステップ460に進み、バルブを開放し得る。したがって、副分配ループ内の水は、主分配ループ及び/又は貯蔵タンクに戻り得る。副分配ループが貯蔵タンクに直接戻る実施形態では、プロセス400は、主分配ループと副分配ループとの間の第1のバルブ、及び副分配ループと貯蔵タンクとの間の第2のバルブを制御するために、わずかな修正を伴って実装され得る。
【0129】
実験室用水分配ループシステム500
ここで
図5を参照すると、実施形態に従って、例示的な実験室用水分配ループシステム500が描示されている。
図5に示されるように、実験室用水分配ループシステム500は、実験室用水生成スキッド505と、実験室用水生成スキッド505と流体連通している貯蔵タンク510と、貯蔵タンク510と流体連通しているCRODI水分配ループ515と、貯蔵タンク510と流体連通しているHRODI水分配ループ520と、を備える。本開示のいくつかの実施形態によれば、システム500はまた、貯蔵タンク510と流体連通している1つ以上の追加のHRODI水分配ループ520を含むことができる。システムは、1つ以上の出口525を更に含み、各出口525は、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520のうちの一方から水を吐出するために、その分配ループに接続されている。CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は、1つ以上のバルブ530(例えば、バルブ530a~530d)を介して貯蔵タンク510と選択的に連通し得る。示されるように、CRODI水分配ループ515は、実験室用水を第1の(例えば、ベースライン)設定点温度に維持するように構成された冷却装置535aを備える。同様に、HRODI水分配ループ520は、貯蔵タンク510から受け取った実験室用水の温度を第2の(例えば、上昇された)設定点温度に上昇させ、水を第2の設定点温度に維持するように構成された熱交換器550を備え得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、HRODI水分配ループ520は、破線で示される任意選択的な冷却装置535bを備え得、冷却装置535bは、実験室用水を貯蔵タンク510に戻す前に、HRODI水分配ループ520内の実験室用水の温度を別の設定点温度(例えば、ベースライン温度)に低下させるように構成されている。システム500は、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること、及び/又はシステムの制御のための入力を提供することを含む、システム500とのインターフェースをとるための1つ以上のインターフェースユニット565、又はオペレータインターフェース端末(OIT)を更に備える。
【0130】
水生成スキッド
水生成スキッド505は、飲料水又は実験室用水に処理され得る他の水を受け取るための水源を含み得る。好ましくはASTMタイプIIの基準を満たす実験室用水を生成するために、様々な処理ステップが使用され得る。例えば、飲料水は、様々な媒体によって濾過され、水生成スキッド505によって軟化され、脱塩素化され、脱イオン化され、蒸留され、かつ/又は滅菌され得る。したがって、水生成スキッド505は、様々な処理構成要素を含み得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、水から粒子状物質を除去するための多媒体フィルタ段を備える。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、10μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、5μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。多媒体フィルタは、徐々に小さいサイズの粒子を徐々に除去するために、複数の段又は層を含み得る。例えば、多媒体フィルタは、1つ以上の砂利層、1つ以上のガーネット層、1つ以上の無煙炭層、1つ以上の粗砂層、1つ以上の細砂層、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、媒体層は、事前逆洗浄され、排水され得る。いくつかの実施形態では、各媒体層は、逆洗浄後の自己完結型再層化を可能にする様式で、比重について配置及び選択され得る。例えば、媒体層は、上から下へ昇順に比重によって配置され得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、水から硬度イオンを除去するように構成された水軟化剤段を備える。いくつかの実施形態では、水軟化剤は、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、及び/又は他の金属イオンを水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態において、水軟化剤は、イオン交換を通じてカルシウム及びマグネシウムイオンを除去するように構成されている。例えば、水は、樹脂ビーズ(例えば、NaCO2粒子を含むビーズ)を含むフィルタベッドを通過させ得、それによって、Ca2+カチオン及びMg2+カチオンがビーズ(例えば、COO-アニオン)に結合し、ナトリウムカチオン(Na+)を水中に放出する。いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、例えば、給水からCa2+カチオン及びMg2+カチオンを連続的に除去するためにNaCO2粒子のレベルを維持するために、水軟化剤と連通し、水軟化剤を再生するように構成されたブラインタンク及びエダクターを更に備え得る。追加の実施形態では、水軟化剤は、CaCO3としてのカルシウム及びMg(OH)2としてのマグネシウムを沈殿させるために、消石灰、例えば、Ca(OH)2、及びソーダ灰、例えば、Na2CO3を用いて水を処理するように構成され得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、カーボンベッドフィルタ段を含む。いくつかの実施形態において、カーボンベッドフィルタは、塩素及び他の微量有機化合物を水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、カーボンベッドフィルタは、水中のクロラミン(例えば、NH2Cl、NHCl2、NCl3)を塩素、アンモニア、及び/又はアンモニウムに分解するように構成されている。
【0134】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、溶解されたアンモニア、CO2、及び/又は微量の荷電化合物及び元素を除去するように構成された1つ以上の混合脱イオン(DI)ベッドを備える。
【0135】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、通常の技術レベルを有する当業者に明らかであろうように、有機化合物を除去するための追加のタイプのイオン交換ベッドを備える。イオン交換ベッドは、異なるタイプの粒子を除去するために、様々なサイズ及び特性の樹脂ビーズを含み得る。例えば、イオン交換ベッドは、強酸カチオン交換樹脂、弱酸カチオン交換樹脂、強塩基アニオン交換樹脂、弱塩基アニオン交換樹脂、及び/又はキレート化樹脂を含み得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、微量化合物、アンモニウム、炭素微粒子及び/又は他の粒子状物質、微生物、及び/又はエンドトキシンを水から除去するように構成された逆浸透濾過段を含む。例えば、逆浸透段は、半透過性膜と、水中に浸透圧よりも大きい圧力を印加して膜を通過する水の拡散を引き起こすように構成されたポンプとを含み得る。逆浸透の有効性は、圧力、溶質濃度、及び他の条件に依存するため、逆浸透濾過段は、逆浸透ユニット内の条件を監視するように構成された1つ以上のセンサを含み得る。例えば、逆浸透濾過段は、入口導電率モニタ、透過物導電率モニタ、濃縮物流量計、透過物流量計、吸引圧力インジケータ、高圧キルスイッチ、及び/又は計器空気圧スイッチを含み得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、水中の微生物を非アクティブ化するように構成された紫外線(UV)光段を含む。例えば、水生成スキッド505は、185nm、254nm、265nmの波長、及び/又は微生物を非アクティブ化するように構成された追加の波長でUV光を放射するように構成された1つ以上のUV光源を含み得る。いくつかの実施形態では、UV光源は、UV光源を温度変化から絶縁するために、UV光源上に石英ランプスリーブを含み得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段内の水の全体積にわたって微生物を非アクティブ化することができるマイクロワット秒/平方センチメートル(μW-s/cm2)のドーズ量で光を放出するように構成されている。UV光段内で放出される光のドーズ量は、内部容積、1つ以上のUV光源の光強度、及びUV光段を通る水の流量に基づき得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段を通して水の完全な混合を容易にし、それによって水のUV光への更なる曝露を引き起こすために、内部バッフル(例えば、ヘリカルバッフル又は静的ブレンダ)を含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、飲料水から汚染物質を除去するための1つ以上のフィルタカートリッジを備える。例えば、本明細書で説明される水生成スキッド505の様々な段のうちの1つ以上は、カートリッジの形態で提供され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505は、様々な段を通る水の流れを制御、維持、及び調節し、本明細書で説明される様式で水を処理するための技術分野における通常のレベルを有する当業者に明らかであろう追加の構成要素を含む。例えば、水生成スキッド505は、水を処理し、水生成スキッド505の様々な段において適切な条件を維持するために必要とされる、分配ポンプ、ブースターポンプ、遠心ポンプ、トランスミッタ、バルブ、電源、センサ、及び電気回路を含み得る。
【0140】
水貯蔵タンク
再び
図5を参照すると、水生成スキッド505は、水生成スキッド505から実験室用水を受け取り、中に水を貯蔵するように構成された貯蔵タンク510と流体連通している。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク510は、水生成スキッド505による処理の後で、実験室用水の品質を維持するように構成されている。更に、貯蔵タンク510は、本明細書で更に説明されるように、水を分配ループに分配するように構成され得る。また、貯蔵タンクは、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520の一部ではない配管及び出口と流体連通し得る。示されるように、貯蔵タンク510は、貯蔵タンク510と、CRODI水分配ループ515(例えば、バルブ530a及び530b)及びHRODI水分配ループ520(例えば、バルブ530c及び530d)のうちの1つ以上との間の水の流れを選択的に可能にするための1つ以上のバルブ530を備え得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド505から貯蔵タンク510によって受け取られる実験室用水は、温度を上昇させ得る。例えば、本明細書で説明される様々な濾過及び処理ステップは、上昇された温度を有する実験室用水をもたらし得る。したがって、貯蔵タンク510内の水は、時間の経過とともに周囲温度に受動的に冷却され得るか、CRODI水分配ループ515に入るときに冷却装置を使用して能動的に冷却され得るか、又は本明細書で更に説明されるように、HRODI水分配ループ520に入るときに熱交換器を使用して水の温度を維持するか、若しくは更に上昇させるために能動的に加熱され得る。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク510は、実験室用水を能動的に冷却及び/又は加熱するための冷却装置及び熱交換器のうちの1つ以上を含み得る。
【0142】
CRODI水分配ループ及びHRODI水分配ループ
図5を引き続き参照すると、CRODI水分配ループ515は、貯蔵タンク510と流体連通している。CRODI水分配ループ515は、第1の端部で実験室用水を貯蔵タンク510から受け取り、CRODI水分配ループ515を通して、水を循環させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515は、更に、第2の端部において貯蔵タンク510と流体連通している。CRODI水分配ループ515は、CRODI水分配ループ515を通して水を循環させた後、第2の端部において実験室用水を貯蔵タンク510に戻すように構成され得る。
【0143】
いくつかの実施形態において、CRODI水分配ループ515は、分配ループ内の実験室用水をベースライン温度に維持するように構成される。例えば、ベースライン温度は、ほぼ室温であり得る。別の実施例では、ベースライン温度は、約18℃~約25℃であり得る。更なる実施例では、ベースライン温度は、室温未満であり、例えば、約18℃~約22℃であり得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515は、実験室用水をベースライン温度に維持するように構成された冷却装置535aを備える。冷却装置535aは、
図1A及び1Bに関連して説明された冷却装置135と構造的及び/又は機能的に同様であり得る。したがって、冷却装置535aは、ベースライン温度を維持するために必要に応じて実験室用水を冷却するために、流体を、CRODI水分配ループ515に近接して、冷却装置535aを通して循環させ得る。冷却装置535a内の流体は、冷却グリコール(例えば、プロピレングリコール)、冷水、又は実験室用水から熱を伝達することができる別の流体であり得る。冷却装置535aとCRODI水分配ループ515との間では流体が交換されないことを理解されたい。むしろ、冷却装置535a及びCRODI水分配ループ515の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、冷却装置535aとCRODI水分配ループ515との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。
【0145】
いくつかの実施形態では、貯蔵タンク510に貯蔵された実験室用水は、ベースライン温度、例えば、25℃又はそれに近い温度に受動的に冷却され、維持され得る。したがって、冷却装置535aは、常に動作していない場合がある。いくつかの実施形態では、冷却装置535aは、新鮮な実験室用水をベースライン温度に冷却するために、大量の実験室用水が生成されるときに作動させられる。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515は、実験室用水を、貯蔵タンク510内の水の温度とは異なる温度に維持するように構成されている。
【0146】
冷却装置535aは、移動を制御し、かつ/又は流体を監視するための構成要素を含み得る。例えば、冷却装置535aは、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却装置535aは、圧縮機、蒸発器、及び/又は凝縮器を含み得る。分配ループ内の温度を維持する追加の様式が、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。
【0147】
いくつかの実施形態では、複数の冷却装置535は、より一貫しており、及び/又はより正確な温度制御を提供するために、CRODI水分配ループ515に動作可能に接続され得る。更に、冷却装置535aがCRODI水分配ループ515の開始部分に近接して描示されているが、冷却装置535aがループに沿った任意の点でCRODI水分配ループ515と接合し得ることを理解されたい。
【0148】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、HRODI水分配ループ520の第1の端部において貯蔵タンク510と流体連通しており、貯蔵タンク510から実験室用水を受け取るように構成され得る。更なる実施形態によれば、HRODI水分配ループ520はまた、貯蔵タンク510及び1つ以上のバルブを介してCRODI水分配ループ515と流体連通し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、分配ループ内の実験室用水を、貯蔵タンク510及び/又はCRODI水分配ループ515のベースライン温度とは異なる設定点温度に維持するように構成される。例えば、実験室用水が貯蔵タンク510及びCRODI水分配ループ515によって約18℃~約25℃で維持される場合、HRODI水分配ループ520は、実験室用水を約53℃~約57℃の間に維持し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520の設定点温度は可変であり、ユーザからの入力及び/又は特定の手順に関連付けられたパラメータに基づいて調整され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、CRODI水分配ループ515から受け取られた実験室用水の温度を設定点温度に上昇させ、水を設定点温度に維持するように構成された熱交換器550を備える。熱交換器550は、
図1A及び1Cに関連して説明された熱交換器150と構造的及び/又は機能的に類似することができる。したがって、熱交換器550は、加熱された流体(例えば、蒸気又は加熱された水)を、HRODI水分配ループ520に近接して、熱交換器550を通して循環させて、実験室用水を連続的に加熱し、設定点温度、例えば、約57℃を維持し得る。いくつかの実施形態では、熱交換器550は、加熱された流体、例えば、蒸気を受け取るためのボイラを含み得るか、又はボイラと流体連通し得る。流体は、熱交換器550とHRODI水分配ループ520との間で交換されないことが理解されるべきである。むしろ、熱交換器550及びHRODI水分配ループ520の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、熱交換器550とHRODI水分配ループ520との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。いくつかの実施形態では、熱交換器550は、閉鎖再循環システムとして構成され得る。いくつかの実施形態では、熱交換器550は、開放再循環システムとして構成され得る。様々なタイプの加熱ユニット及びその構成は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に既知であろうように、本明細書で実装され得る。
【0150】
熱交換器550は、加熱流体を制御及び/又は監視するための追加の構成要素を含み得る。例えば、熱交換器550は、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、複数の熱交換器550は、より一貫しており、かつ/又はより正確な温度制御を提供するために、HRODI水分配ループ520に動作可能に接続され得る。更に、熱交換器550がHRODI水分配ループ520の端部部分に近接して描示されているが、熱交換器550がループに沿った任意の点でHRODI水分配ループ520と接合し得ることを理解されたい。
【0152】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、実験室用水を貯蔵タンク510に戻す前に、HRODI水分配ループ520内の実験室用水の温度を別の設定点温度(例えば、ベースライン温度)に低下させるように構成された任意選択的な冷却装置535bを備え得る。冷却装置535bは、CRODI水分配ループ515に関連して説明された冷却装置535a、及び
図1A及び1Bに関連して説明された冷却装置135と構造的及び/又は機能的に類似し得る。したがって、冷却装置535bは、必要に応じて、実験室用水を冷却し、実験室用水の温度を低減させるために、流体を、HRODI水分配ループ520に近接して、冷却装置535bを通して循環させ得る。冷却装置535b内の流体は、冷却グリコール(例えば、プロピレングリコール)、冷水、又は実験室用水から熱を伝達することができる別の流体であり得る。冷却装置535bとHRODI水分配ループ520との間で流体が交換されないことを理解されたい。むしろ、冷却装置535b及びHRODI水分配ループ520の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、冷却装置535bとHRODI水分配ループ520との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。
【0153】
冷却装置535bは、移動を制御し、かつ/又は流体を監視するための構成要素を含み得る。例えば、冷却装置535bは、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却装置535bは、圧縮機、蒸発器、及び/又は凝縮器を含み得る。HRODI水分配ループ620内の実験室用水の温度を低減させる追加の様式が、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。更に、冷却装置535bがHRODI水分配ループ520の端部部分に近接して描示されているが、冷却装置535bがループに沿った任意の点でHRODI水分配ループ520と接合し得ることを理解されたい。
【0154】
HRODI水分配ループ520内の上昇された温度は、アクティブ化及び非アクティブ化され得る選択的な特徴であることを理解されたい。したがって、特定の期間の間、HRODI水分配ループ520内の実験室用水は、上昇しない場合がある。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、CRODI水分配ループ515及び/又は貯蔵タンク510に実質的に一致するベースライン温度を有し得る。例えば、HRODI水分配ループ520内の実験室用水の温度は、本明細書で説明されるように周囲温度であり得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、設定点温度では使用されない実験室用水をリサイクルするために、実験室用水を貯蔵タンク510に戻し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、貯蔵タンク510を介してCRODI水分配ループ515と流体連通し得る。いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、HRODI水分配ループ520は、貯蔵タンク510と直接流体連通し得、貯蔵タンク510に直接水を戻し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520の熱交換器550及び/又は追加の熱交換器又は冷却装置(例えば、冷却装置535b)は、貯蔵タンク510に吐出する前に、HRODI水分配ループ520内の実験室用水を冷却してベースライン温度に戻し得る。更なる実施形態では、HRODI水分配ループ520は、水を貯蔵タンク510に移送する前に、実験室用水をHRODI水分配ループ520内のベースライン温度に受動的に冷却することを可能にし得る。HRODI水分配ループ520内の実験室用水の温度を低減させる追加の様式が、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。
【0156】
加熱された実験室用水をHRODI水分配ループ520から貯蔵タンク510に戻すことによって、実験室用水が保存され、無駄が最小限に抑えられる。一般に、高度に精製された実験室用水の生成は、必要な機器、消耗品、及び精度に起因して、高価で時間がかかり、エネルギー集約的である。任意選択的に、コストは、本明細書で説明されるように、HRODI水分配ループ520から加熱された実験室用水をリサイクルすることによって大幅に低減され得る。説明されるようなシステム及び方法によって、水の即時の利用可能性及び水の効率的な使用が同時に達成され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は、貯蔵タンク510及び1つ以上の全方向性又は双方向性バルブ(図示せず)を介して選択的に連通し得る。したがって、実験室用水がCRODI水分配ループ515と、HRODI水分配ループ520と、貯蔵タンク510との間で移送された後、HRODI水分配ループ520及びCRODI水分配ループ515の各分配ループ内の実験室用水は、それぞれの水分配ループ内の水をそれぞれの別個の設定点温度に維持するために、1つ以上のバルブを閉鎖することによって分離され得る。例えば、HRODI水分配ループ520内の水は、1つ以上のバルブが閉鎖されている間、HRODI水分配ループ520内を循環し得る。水がHRODI水分配ループ520から消費されると、(例えば、バルブ530dを介して)貯蔵タンク510からの給水を補充するために1つ以上のバルブが開放され得る。所与の例において設定点温度における水の使用が完了すると、(例えば、バルブ530cを介して)水を貯蔵タンク510に戻すために、バルブが開放され得る。
【0158】
CRODI水及びHRODI水分配ループシステムは、手動で、手動及び自動で、かつ完全に自動で動作させることができる。自動動作については、コンピュータプロセッサ及び電気的に制御されたバルブ及び熱交換器を採用することができる。本明細書において、コンピュータ技術を使用した自動制御のための例示的なアプローチが提供される。
【0159】
いくつかの実施形態では、バルブ130は、本明細書で更に説明されるように、プロセッサと電気的に通信しており、電気信号を介してプロセッサによって制御され得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、バルブを開放及び閉鎖するためにアクチュエータに動作可能に接続されている。いくつかの実施形態では、バルブ130は、双方向バルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、ゼロスタティックティーバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、ソレノイドバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ130は、バルブを開放及び閉鎖するために動作可能に接続されたサーボモータであり得る。追加のタイプのバルブが、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように本明細書において企図される。
【0160】
CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は各々、それぞれのループ内の循環を可能にするために、「チェイスザテール」構成において完全なループを形成し得る。追加の実施形態では、
図5に示されるように、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520の各分配ループへの流入及び各分配ループからの流出は、別個の接続チャネルを介して生じ得る。例えば、貯蔵タンク510からCRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520への流入は、それぞれのバルブ530a及び530dを通って発生し得、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520から貯蔵タンク510への流出は、それぞれのバルブ530b及び530cを通って発生し得る。
【0161】
CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は、実験室用水を吐出するための1つ以上の出口525を更に備え得る。出口525は、施設内の様々な専用空間にわたって提供され得る。いくつかの実施形態では、分配ループ515及び520の各々のための出口525には、一意の目的が意図されている。例えば、CRODI水分配ループ515内の冷水又は周囲水は、洗浄、すすぎ、並びに化学プロセス及び/又はバイオテクノロジープロセスに十分であり得る。しかしながら、正確に制御された温度における加熱された水が、媒体の調製、緩衝液の調製などのために必要とされ得、HRODI水分配ループ520と連通する出口525によって提供され得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、出口525のうちの少なくともいくつかは、ユーザによって手動で動作可能な手動出口、例えば、水栓、シンク、壁に取り付けられた排水口、媒体/緩衝液排出口などであり得る。いくつかの実施形態では、出口525のうちの少なくともいくつかは、実験室用水の供給を、冷蔵庫、ガラス製品及び他の実験室用品のための洗浄器具、インキュベータ、及び/又はオートクレーブ機械などの器具に接続する自動出口であり得る。任意のタイプの出口525は、機能又は好みに従って手動又は自動として構成され得ることを理解されたい。
【0163】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515は、CRODI水分配ループ515内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ520は、HRODI水分配ループ520内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。例えば、
図5に示されるように、水は、CRODI水分配ループ515とHRODI水分配ループ520との間の1つ以上のバルブ(例えば、バルブ530a~530d)が閉鎖されている間、各分配ループ内で独立して循環し得る。したがって、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520の各々は、互いに分離されているときでも、水が配分ループ内を循環し得るように、1つ以上の専用ポンプを有し得る。別の実施例によれば、水は、CRODI水分配ループ515とHRODI水分配ループ520との間の1つ以上のバルブ(例えば、バルブ530a~530d)が開放されている間、例えば、貯蔵タンク510を介して、両方の分配ループを通って循環し得る。したがって、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は、互いに分離されていないときに、水がCRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520を通って循環し得るように、1つ以上のポンプを共有し得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520の1つ以上のポンプは、遠心ポンプである。しかしながら、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者には明らかであろうように、本明細書では追加のタイプのポンプが利用され得る。
【0164】
CRODI水分配ループ515、HRODI水分配ループ520、出口525を形成する配管、及び/又はシステム500内の追加の配管は、炭素鋼配管及び継手を備え得る。いくつかの実施形態では、配管は、例えば、配管内の水の温度を効率的に維持するために、ガラス繊維絶縁体及び/又はジャケットを用いて絶縁され得る。いくつかの実施形態では、ジャケットは、PVCジャケット(例えば、屋内配管用)又はアルミニウムジャケット(例えば、屋外配管用)であり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ515及びHRODI水分配ループ520は、分配システムからエネルギーを排出するように構成された1つ以上の排気ファンに動作可能に接続され得る。例えば、水分配ループの各々の排気ファンは、熱を排出し、分配システムの状態を維持するために同時に動作し得る。いくつかの実施形態では、排気ファンは、施設内の空気を加熱すること、及び他の目的のために、分配システムから排出されたエネルギー(例えば、熱)をリサイクルし得る、1つ以上のコイル及び1つ以上のストロボファンを含む、エネルギー回収ユニットを形成し得る。
【0166】
実験室用水分配ループ515及び520の各々は、実験室用水における1つ以上のパラメータを監視するように構成されたセンサ及び/又はアラームのアレイを含み得る。例えば、センサのアレイは、温度、導電率、総有機炭素、分配圧力、及び/又はループ圧力を監視するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のパラメータが所望の範囲に近づいているか、又は所望の範囲外にある、通知又はアラームが鳴動し得る。
【0167】
分配ループ515及び520の各々は、比例積分微分(PID)制御ループ内の実験室用水を調節するように構成されたセンサ及び電気制御構成要素を有して構成され得る。PIDループでは、センサは、設定されたパラメータからの偏差を連続的に評価するために使用され得、制御デバイスは、設定されたパラメータを最小の遅延で回復するための補正を実装し得る。例えば、温度センサは、実質的に連続的な方式で温度を監視するために使用され得、熱交換器は、各分配ループのベースライン温度及び/又は設定点温度を維持するために必要に応じて補正を実装するために使用され得る。
【0168】
システム500の構成要素に関して本明細書で説明される様々なバルブのいずれも、当業者に既知であろう任意のタイプのバルブを備え得ることを理解されたい。例えば、バルブは、双方向バルブ、ゼロスタティックティーバルブ、ソレノイドバルブ、サーボモータ制御バルブなどを備え得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、開示される特徴又は構成要素のいずれも、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために冗長的に提供され得、より一貫した条件を達成し、及び/又は故障の確率を低減させるために利用され得る。例えば、熱交換器、ファン、分配ポンプ、センサなどは、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために二重又は三重に提供され得る。
【0170】
制御システム及び制御方法
本明細書で説明される実験室用水分配ループシステム500は、プロセス制御システムを介して制御され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を備える。
【0171】
プロセス制御システムは、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること及び/又は入力を提供することを含む、システム500とのインターフェースをとるための、1つ以上のインターフェースユニット、又はオペレータインターフェース端末(OIT)565を更に備え得る。いくつかの実施形態では、OIT565は、機器スキッドに局所的に接続され得、例えば、機器スキッド上のNEMA4制御パネルに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、OIT565は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に容易に既知であろうように、有線又は無線接続を介して遠隔地に位置し、実験室用水分配ループシステム500に接続され得る。いくつかの実施形態では、OIT565は、タブレット又は携帯電話などの携帯デバイス上のソフトウェアアプリケーションとして具現化され得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、OIT565は、ディスプレイ及び入力デバイス、例えば、タッチスクリーン、キーボード、及び/又はキーパッドを含む。いくつかの実施形態では、OIT565は、機器のオペレータ監視及び制御を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OIT565は、実験室用水分配ループシステム500のセクション内の温度を設定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OITは、システム状態、アラート、通知、アラームなどを視認するために使用され得る。
【0173】
OIT565は、限定されないが、トランスミッタ、ソレノイド、分析器、電源、センサ、及び電気回路、並びに緊急制御を含む、当業者に明らかであろうように、本明細書で説明される様々な機能を実行するために、様々な構成要素を追加的に含み得る。
【0174】
実験室用水分配ループシステム600
ここで
図6を参照すると、実施形態に従って、例示的な実験室用水分配ループシステム600が描示されている。
図6に示されるように、実験室用水分配ループシステム600は、実験室用水生成スキッド605と、実験室用水生成スキッド605と流体連通している貯蔵タンク610と、貯蔵タンク610と流体連通している第1のCRODI水分配ループ615a及び第2のCRODI水分配ループ615b(まとめて、CRODI水分配ループ615)と、貯蔵タンク610と流体連通しているHRODI水分配ループ620と、を備える。本開示のいくつかの実施形態によれば、システム600はまた、貯蔵タンク610と流体連通している1つ以上の追加のHRODI水分配ループ620を含むことができる。第1のCRODI水分配ループ615a及び第2のCRODI水分配ループ615bは、構造的及び機能的に互いに類似し得ることを理解されたい。したがって、特に明記されない限り、第1のCRODI水分配ループ615a及び第2のCRODI水分配ループ615bは、本明細書では一緒に参照される。システムは、1つ以上の出口625を更に含み、各出口625は、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620のうちの一方から実験室用水を吐出するためにその分配ループに接続されている。CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620は、1つ以上のバルブ630(例えば、バルブ630a~630f)を介して貯蔵タンク610と選択的に通信し得る。示されるように、CRODI水分配ループ615の各々は、実験室用水を第1の(例えば、ベースライン)設定点温度に維持するように構成された冷却装置635(例えば、冷却装置635a及び635b)を備え得る。同様に、HRODI水分配ループ620は、貯蔵タンク610から受け取った実験室用水の温度を第2の(例えば、上昇された)設定点温度に上昇させ、水を第2の設定点温度に維持するように構成された熱交換器650を備え得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、HRODI水分配ループ620は、破線で示される任意選択的な冷却装置635cを備え得、冷却装置635cは、実験室用水を貯蔵タンク610に戻す前に、HRODI水分配ループ620内の実験室用水の温度を別の設定点温度(例えば、ベースライン温度)に低下させるように構成されている。システム600は、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること及び/又はシステムの制御のための入力を提供することを含む、システム600とのインターフェースをとるための1つ以上のインターフェースユニット、又はオペレータインターフェース端末(OIT)665を更に備える。
【0175】
水生成スキッド
水生成スキッド605は、飲料水又は実験室用水に処理され得る他の水を受け取るための水源を含み得る。好ましくはASTMタイプIIの基準を満たす実験室用水を生成するために、様々な処理ステップが使用され得る。例えば、飲料水は、様々な媒体によって濾過され、水生成スキッド605によって軟化され、脱塩素化され、脱イオン化され、蒸留され、かつ/又は滅菌され得る。したがって、水生成スキッド605は、様々な処理構成要素を含み得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、水から粒子状物質を除去するための多媒体フィルタ段を備える。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、10μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、多媒体フィルタは、5μm以上のサイズ又は直径を有する粒子を除去するように構成され得る。多媒体フィルタは、徐々に小さいサイズの粒子を徐々に除去するために、複数の段又は層を含み得る。例えば、多媒体フィルタは、1つ以上の砂利層、1つ以上のガーネット層、1つ以上の無煙炭層、1つ以上の粗砂層、1つ以上の細砂層、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、媒体層は、事前逆洗浄され、排水され得る。いくつかの実施形態では、各媒体層は、逆洗浄後の自己完結型再層化を可能にする様式で、比重について配置及び選択され得る。例えば、媒体層は、上から下へ昇順に比重によって配置され得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、水から硬度イオンを除去するように構成された水軟化剤段を備える。いくつかの実施形態では、水軟化剤は、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、及び/又は他の金属イオンを水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態において、水軟化剤は、イオン交換を通じてカルシウム及びマグネシウムイオンを除去するように構成されている。例えば、水は、樹脂ビーズ(例えば、NaCO2粒子を含むビーズ)を含むフィルタベッドを通過させられ得、それによって、Ca2+カチオン及びMg2+カチオンがビーズ(例えば、COO-アニオン)に結合し、ナトリウムカチオン(Na+)を水中に放出する。いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、例えば、給水からCa2+カチオン及びMg2+カチオンを連続的に除去するためにNaCO2粒子のレベルを維持するために、水軟化剤と連通し、水軟化剤を再生するように構成されたブラインタンク及びエダクターを更に備え得る。追加の実施形態では、水軟化剤は、CaCO3としてのカルシウム及びMg(OH)2としてのマグネシウムを沈殿させるために、消石灰、例えば、Ca(OH)2、及びソーダ灰、例えば、Na2CO3を用いて水を処理するように構成され得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、カーボンベッドフィルタ段を含む。いくつかの実施形態において、カーボンベッドフィルタは、塩素及び他の微量有機化合物を水から除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、カーボンベッドフィルタは、水中のクロラミン(例えば、NH2Cl、NHCl2、NCl3)を塩素、アンモニア、及び/又はアンモニウムに分解するように構成されている。
【0179】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、溶解されたアンモニア、CO2、及び/又は微量の荷電化合物及び元素を除去するように構成された1つ以上の混合脱イオン(DI)ベッドを備える。
【0180】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、通常の技術レベルを有する当業者に明らかであろうように、有機化合物を除去するための追加のタイプのイオン交換ベッドを備える。イオン交換ベッドは、異なるタイプの粒子を除去するために、様々なサイズ及び特性の樹脂ビーズを含み得る。例えば、イオン交換ベッドは、強酸カチオン交換樹脂、弱酸カチオン交換樹脂、強塩基アニオン交換樹脂、弱塩基アニオン交換樹脂、及び/又はキレート化樹脂を含み得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、微量化合物、アンモニウム、炭素微粒子及び/又は他の粒子状物質、微生物、及び/又はエンドトキシンを水から除去するように構成された逆浸透濾過段を含む。例えば、逆浸透段は、半透過性膜と、水中に浸透圧よりも大きい圧力を印加して膜を通過する水の拡散を引き起こすように構成されたポンプとを含み得る。逆浸透の有効性は、圧力、溶質濃度、及び他の条件に依存するため、逆浸透濾過段は、逆浸透ユニット内の条件を監視するように構成された1つ以上のセンサを含み得る。例えば、逆浸透濾過段は、入口導電率モニタ、透過物導電率モニタ、濃縮物流量計、透過物流量計、吸引圧力インジケータ、高圧キルスイッチ、及び/又は計器空気圧スイッチを含み得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、水中の微生物を非アクティブ化するように構成された紫外線(UV)光段を含む。例えば、水生成スキッド605は、185nm、254nm、265nmの波長、及び/又は微生物を非アクティブ化するように構成された追加の波長でUV光を放射するように構成された1つ以上のUV光源を含み得る。いくつかの実施形態では、UV光源は、UV光源を温度変化から絶縁するために、UV光源上に石英ランプスリーブを含み得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段内の水の全体積にわたって微生物を非アクティブ化することができるマイクロワット秒/平方センチメートル(μW-s/cm2)のドーズ量で光を放出するように構成されている。UV光段内で放出される光のドーズ量は、内部容積、1つ以上のUV光源の光強度、及びUV光段を通る水の流量に基づき得る。いくつかの実施形態では、UV光段は、UV光段を通して水の完全な混合を容易にし、それによって水のUV光への更なる曝露を引き起こすために、内部バッフル(例えば、ヘリカルバッフル又は静的ブレンダ)を含み得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、飲料水から汚染物質を除去するための1つ以上のフィルタカートリッジを備える。例えば、本明細書で説明される水生成スキッド605の様々な段のうちの1つ以上は、カートリッジの形態で提供され得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605は、様々な段を通る水の流れを制御、維持、及び調節し、本明細書で説明される様式で水を処理するための技術分野における通常のレベルを有する当業者に明らかであろう追加の構成要素を含む。例えば、水生成スキッド605は、水を処理し、水生成スキッド605の様々な段において適切な条件を維持するために必要とされる、分配ポンプ、ブースターポンプ、遠心ポンプ、トランスミッタ、バルブ、電源、センサ、及び電気回路を含み得る。
【0185】
水貯蔵タンク
再び
図6を参照すると、水生成スキッド605は、水生成スキッド605から実験室用水を受け取り、中に水を貯蔵するように構成された貯蔵タンク610と流体連通している。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク610は、水生成スキッド605による処理の後で、実験室用水の品質を維持するように構成されている。更に、貯蔵タンク610は、本明細書で更に説明されるように、水を分配ループに分配するように構成され得る。貯蔵タンク610はまた、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620の一部ではない配管及び出口と流体連通し得る。示されるように、貯蔵タンク610は、貯蔵タンク610と、CRODI水分配ループ615(例えば、バルブ630a~630d)及びHRODI水分配ループ620(例えば、バルブ630e及び630f)のうちの1つ以上との間の水の流れを選択的に可能にするための1つ以上のバルブ630を備え得る。
【0186】
いくつかの実施形態では、水生成スキッド605から貯蔵タンク610によって受け取られた実験室用水は、その温度を上昇させ得る。例えば、本明細書で説明される様々な濾過及び処理ステップは、上昇された温度を有する実験室用水をもたらし得る。したがって、貯蔵タンク610内の水は、時間の経過とともに周囲温度に受動的に冷却され得るか、CRODI水分配ループ615に入るときに冷却装置を使用して能動的に冷却され得るか、又は本明細書で更に説明されるように、HRODI水分配ループ620に入るときに熱交換器を使用して水の温度を維持するか、若しくは更に上昇させるために能動的に加熱され得る。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク610は、実験室用水を能動的に冷却及び/又は加熱するための冷却装置及び熱交換器のうちの1つ以上を含み得る。
【0187】
CRODI水分配ループ及びHRODI水分配ループ
図6を引き続き参照すると、CRODI水分配ループ615は、貯蔵タンク610と流体連通している。CRODI水分配ループ615の各々は、第1の端部において貯蔵タンク610から実験室用水を受け取り、CRODI水分配ループ615を通して水を循環させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615の各々は、更に、第2の端部において貯蔵タンク610と流体連通し得る。CRODI水分配ループ615は、CRODI水分配ループ615を通して実験室用水を循環させ、かつ/又は分配した後に、実験室用水を貯蔵タンク610に戻すように構成され得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615は、分配ループ内の実験室用水をベースライン温度に維持するように構成されている。例えば、ベースライン温度は、ほぼ室温であり得る。別の実施例では、ベースライン温度は、約18℃~約25℃であり得る。更なる実施例では、ベースライン温度は、室温未満であり、例えば、約18℃~約22℃であり得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615の各々は、実験室用水をベースライン温度に維持するように構成された冷却装置635を備える。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615は、実験室用水をベースライン温度に維持するように構成された1つ以上の共有冷却装置635と連通し得る。CRODI水分配ループ615の冷却装置635は、
図1A及び1Bに関連して説明された冷却装置135と構造的及び/又は機能的に類似し得る。したがって、冷却装置635は、ベースライン温度を維持するための必要に応じて、実験室用水を冷却するために、流体を、それぞれのCRODI水分配ループ615に近接して、冷却装置635を通して循環させ得る。冷却装置635内の流体は、冷却グリコール(例えば、プロピレングリコール)、冷水、又は実験室用水から熱を伝達することができる別の流体であり得る。冷却装置635とCRODI水分配ループ615との間で流体が交換されないことを理解されたい。むしろ、冷却装置635及びCRODI水分配ループ615の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、冷却装置635とCRODI水分配ループ615との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。
【0190】
いくつかの実施形態では、貯蔵タンク610に貯蔵された実験室用水は、受動的に冷却され、ベースライン温度、例えば、25℃に維持され得る。したがって、CRODI水分配ループ615の冷却装置635は、常に動作していない場合がある。いくつかの実施形態では、冷却装置635は、新鮮な実験室用水をベースライン温度に冷却するために、大量の実験室用水が生成され、CRODI水分配ループ615の一方又は両方に移送されるときにアクティブ化される。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615は、実験室用水を、貯蔵タンク610内の水の温度とは異なる温度に維持するように構成されている。
【0191】
CRODI水分配ループ615の冷却装置635は、移動を制御し、かつ/又は流体を監視するための構成要素を含み得る。例えば、冷却装置635は、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却装置635は、圧縮器、蒸発器、及び/又は凝縮器を含み得る。分配ループ内の温度を維持する追加の様式が、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように企図される。
【0192】
いくつかの実施形態では、複数の冷却装置635は、より一貫しており、かつ/又はより正確な温度制御を提供するために、CRODI水分配ループ615の各々に動作可能に接続され得る。更に、冷却装置635は、それぞれのCRODI水分配ループ615の開始部分に近接して描示されているが、冷却装置635は、ループに沿った任意の点でCRODI水分配ループ615と接合し得ることを理解されたい。
【0193】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、HRODI水分配ループ620の第1の端部において貯蔵タンク610と流体連通しており、貯蔵タンク610から実験室用水を受け取るように構成され得る。更なる実施形態によれば、HRODI水分配ループ620はまた、貯蔵タンク610及び1つ以上のバルブを介して、CRODI水分配ループ615のうちの1つ以上と流体連通し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、HRODI水分配ループ620内の実験室用水を、貯蔵タンク610及び/又はCRODI水分配ループ615のベースライン温度とは異なる設定点温度に維持するように構成されている。例えば、実験室用水が貯蔵タンク610及びCRODI水分配ループ615によって約18℃~約25℃に維持される場合、HRODI水分配ループ620は、実験室用水を約53℃~約57℃に維持し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620の設定点温度は可変であり、ユーザからの入力及び/又は特定の手順に関連付けられたパラメータに基づいて調整され得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、貯蔵タンク610から受け取られた実験室用水の温度を設定点温度に上昇させ、水を設定点温度に維持するように構成された熱交換器650を備える。熱交換器650は、
図1A及び1Cに関連して説明された熱交換器150と構造的及び/又は機能的に類似することができる。したがって、熱交換器650は、加熱された流体(例えば、蒸気又は加熱された水)を、HRODI水分配ループ620に近接して、熱交換器650を通して循環させて、実験室用水を連続的に加熱し、設定点温度、例えば、約57℃を維持し得る。いくつかの実施形態では、熱交換器650は、加熱された流体、例えば、蒸気を受け取るためのボイラを含み得るか、又はボイラと流体連通し得る。流体は、熱交換器650とHRODI水分配ループ620との間で交換されないことが理解されるべきである。むしろ、熱交換器650及びHRODI水分配ループ620の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、熱交換器650とHRODI水分配ループ620との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。いくつかの実施形態では、熱交換器650は、閉鎖再循環システムとして構成され得る。いくつかの実施形態では、熱交換器650は、開放再循環システムとして構成され得る。様々なタイプの加熱ユニット及びその構成は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に既知であろうように、本明細書で実装され得る。
【0195】
熱交換器650は、加熱流体を制御及び/又は監視するための追加の構成要素を含み得る。例えば、熱交換器650は、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、複数の熱交換器650は、より一貫しており、かつ/又はより正確な温度制御を提供するために、HRODI水分配ループ620に動作可能に接続され得る。更に、熱交換器650がHRODI水分配ループ620の端部部分に近接して描示されているが、熱交換器650がループに沿った任意の点でHRODI水分配ループ620と接合し得ることを理解されたい。
【0197】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、実験室用水を貯蔵タンク610に戻す前に、HRODI水分配ループ620内の実験室用水の温度を別の設定点温度(例えば、ベースライン温度)に低下させるように構成された任意選択的な冷却装置635cを備え得る。冷却装置635cは、CRODI水分配ループ615に関連して説明された冷却装置635a及び635b、並びに
図1A及び1Bに関連して説明された冷却装置135と構造的及び/又は機能的に類似し得る。したがって、冷却装置635cは、必要に応じて、実験室用水を冷却し、実験室用水の温度を低減させるために、流体を、HRODI水分配ループ620に近接して、冷却装置635cを通して循環させ得る。冷却装置635c内の流体は、冷却グリコール(例えば、プロピレングリコール)、冷水、又は実験室用水から熱を伝達することができる別の流体であり得る。冷却装置635cとHRODI水分配ループ620との間で流体が交換されないことを理解されたい。むしろ、冷却装置635c及びHRODI水分配ループ620の流体は、直接的な接触及び/又は移送なしに、冷却装置635cとHRODI水分配ループ620との間の1つ以上のインターフェースを介して熱を交換する。
【0198】
冷却装置635cは、移動を制御し、かつ/又は流体を監視するための構成要素を含み得る。例えば、冷却装置635cは、1つ以上のポンプ、バルブ(例えば、双方向バルブ)、電源、センサ、及び/又は電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却装置635cは、圧縮機、蒸発器、及び/又は凝縮器を含み得る。分配ループ内の実験室用水の温度を低減させる追加の方法が、当業者に明らかであろうように企図される。更に、冷却装置635cがHRODI水分配ループ620の端部部分に近接して描示されているが、冷却装置635cがループに沿った任意の点でHRODI水分配ループ620と接合し得ることを理解されたい。
【0199】
HRODI水分配ループ620内の上昇された温度は、アクティブ化及び非アクティブ化され得る選択的な特徴であることを理解されたい。したがって、特定の期間の間、HRODI水分配ループ620内の実験室用水は、上昇しない場合がある。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、CRODI水分配ループ615及び/又は貯蔵タンク610に実質的に一致するベースライン温度を有し得る。例えば、HRODI水分配ループ620内の実験室用水の温度は、本明細書で説明されるように周囲温度であり得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、上昇された設定点温度では使用されない実験室用水をリサイクルするために、実験室用水を貯蔵タンク610に戻し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、貯蔵タンク610を介してCRODI水分配ループ615のうちの1つ以上と流体連通し得る。いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、HRODI水分配ループ620は、貯蔵タンク610と直接流体連通し得、貯蔵タンク610に直接水を戻し得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620の熱交換器650及び/又は追加の熱交換器又は冷却装置は、水を貯蔵タンク610に移送する前に、HRODI水分配ループ620内の実験室用水を冷却してベースライン温度に戻し得る。更なる実施形態では、HRODI水分配ループ620は、水を貯蔵タンク610に移送する前に、実験室用水をHRODI水分配ループ620内のベースライン温度に受動的に冷却することを可能にし得る。HRODI水分配ループ620内の温度を低減させる追加の様式が、当業者に明らかであろうように企図される。
【0201】
加熱された実験室用水をHRODI水分配ループ620から貯蔵タンク610に戻すことによって、実験室用水が保存され、無駄が最小限に抑えられる。一般に、高度に精製された実験室用水の生成は、必要な機器、消耗品、及び精度に起因して、高価で時間がかかり、エネルギー集約的である。任意選択的に、コストは、本明細書で説明されるように、HRODI水分配ループ620から加熱された実験室用水をリサイクルすることによって大幅に低減され得る。説明されるようなシステム及び方法によって、水の即時の利用可能性及び水の効率的な使用が同時に達成され得る。
【0202】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620のうちの1つ以上は、貯蔵タンク610及び1つ以上の全方向性又は双方向性バルブを介して選択的に連通し得る。例えば、1つ以上のバルブは、HRODI水分配ループ620を1つ以上のCRODI水分配ループ615に接続するチャネル内に位置決めされ得る。したがって、実験室用水が貯蔵タンク610と、CRODI水分配ループ615と、HRODI水分配ループ620との間で移送された後、HRODI水分配ループ620及びCRODI水分配ループ615の各分配ループ内の実験室用水は、それぞれの水分配ループ内の水をそれぞれの別個の設定点温度に維持するために、1つ以上のバルブを閉鎖することによって分離され得る。例えば、HRODI水分配ループ620内の水は、1つ以上のバルブが閉鎖されている間、HRODI水分配ループ620内を循環し得る。水がHRODI水分配ループ620から消費されると、(例えば、バルブ630fを介して)貯蔵タンク610からの給水を補充するために1つ以上のバルブが開放され得る。所与の例において設定点温度における水の使用が完了すると、(例えば、バルブ630eを介して)水を貯蔵タンク610に戻すために、バルブが開放され得る。
【0203】
CRODI水及びHRODI水分配ループシステムは、手動で、手動及び自動で、かつ完全自動で動作させることができる。自動動作については、コンピュータプロセッサ及び電気的に制御されたバルブ及び熱交換器を採用することができる。本明細書において、コンピュータ技術を使用した自動制御のための例示的なアプローチが提供される。
【0204】
いくつかの実施形態では、バルブ630は、本明細書で更に説明されるように、プロセッサと電気的に通信しており、電気信号を介してプロセッサによって制御され得る。いくつかの実施形態では、バルブ630は、バルブを開放及び閉鎖するためにアクチュエータに動作可能に接続されている。いくつかの実施形態では、バルブ630は、双方向バルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ630は、ゼロスタティックティーバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ630は、ソレノイドバルブであり得る。いくつかの実施形態では、バルブ630は、バルブを開放及び閉鎖するために動作可能に接続されたサーボモータであり得る。追加のタイプのバルブが、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に明らかであろうように本明細書において企図される。
【0205】
CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620は各々、それぞれのループ内の循環を可能にするために、「チェイスザテール」構成において完全なループを形成し得る。
図6に示されるように、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620の各分配ループへの流入及び各分配ループからの流出は、別個の接続チャネルを介して生じ得る。例えば、貯蔵タンク610からCRODI水分配ループ615a、CRODI水分配ループ615b、及びHRODI水分配ループ620への流入は、それぞれのバルブ630a、630c、及び630fを介して発生し得、CRODI水分配ループ615a、CRODI水分配ループ615b、及びHRODI水分配ループ620から貯蔵タンク610への流出は、それぞれのバルブ630b、630d、及び630eを介して発生し得る。
【0206】
CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620は、実験室用水を吐出するための1つ以上の出口625を更に含み得る。出口625は、施設内の様々な専用空間にわたって提供され得る。いくつかの実施形態では、分配ループ615及び620の各々のための出口625には、一意の目的が意図されている。例えば、CRODI水分配ループ615内の冷水又は周囲水は、洗浄、すすぎ、並びに化学プロセス及び/又はバイオテクノロジープロセスに十分であり得る。しかしながら、正確に制御された温度における加熱された水が、媒体の調製、緩衝液の調製などのために必要とされ得、HRODI水分配ループ620と連通する出口625によって提供され得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、出口625のうちの少なくともいくつかは、ユーザによって手動で動作可能な手動出口、例えば、水栓、シンク、壁に取り付けられた排水口、媒体/緩衝液排出口などであり得る。いくつかの実施形態では、出口625のうちの少なくともいくつかは、実験室用水の供給を、冷蔵庫、ガラス製品及び他の実験室用品のための洗浄器具、インキュベータ、及び/又はオートクレーブ機械などの器具に接続する自動出口であり得る。任意のタイプの出口625は、機能又は好みに従って手動又は自動として構成され得ることを理解されたい。
【0208】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615は、CRODI水分配ループ615内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ620は、HRODI水分配ループ620内の循環水に専用の1つ以上のポンプを備え得る。例えば、
図6に示されるように、水は、CRODI水分配ループ615とHRODI水分配ループ620との間の1つ以上数のバルブ(例えば、バルブ630a~630f)が閉鎖されている間、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620の各々内で独立して循環し得る。したがって、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620の各々は、他の水分配ループから分離された場合でも、水がその分配ループ内で循環され得るように、1つ以上の専用ポンプを有し得る。別の実施例によれば、水は、CRODI水分配ループ615と、HRODI水分配ループ620と、例えば、貯蔵タンク610との間の1つ以上のバルブ(例えば、バルブ630a~630f)が開放されている間、貯蔵タンク610を介して、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620のうちの1つ以上を通って循環し得る。したがって、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620のうちの1つ以上は、互いに分離されていないときに、水がその分配ループを通って循環され得るように、1つ以上のポンプを共有し得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620のうちの1つ以上のポンプは、遠心ポンプである。しかしながら、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者には明らかであろうように、本明細書では追加のタイプのポンプが利用され得る。
【0209】
CRODI水分配ループ615を形成する配管、HRODI水分配ループ620、出口625、及び/又はシステム600内の追加の配管は、炭素鋼配管及び継手を含み得る。いくつかの実施形態では、配管は、例えば、配管内の水の温度を効率的に維持するために、ガラス繊維絶縁体及び/又はジャケットを用いて絶縁され得る。いくつかの実施形態では、ジャケットは、PVCジャケット(例えば、屋内配管用)又はアルミニウムジャケット(例えば、屋外配管用)であり得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ615及びHRODI水分配ループ620は、分配システムからエネルギーを排出するように構成された1つ以上の排気ファンに動作可能に接続され得る。例えば、水分配ループの各々の排気ファンは、熱を排出し、分配システムの状態を維持するために同時に動作し得る。いくつかの実施形態では、排気ファンは、施設内の空気を加熱すること、及び他の目的のために、分配システムから排出されたエネルギー(例えば、熱)をリサイクルし得る、1つ以上のコイル及び1つ以上のストロボファンを含む、エネルギー回収ユニットを形成し得る。
【0211】
実験室用水分配ループ615及び620の各々は、実験室用水における1つ以上のパラメータを監視するように構成されたセンサ及び/又はアラームのアレイを含み得る。例えば、センサのアレイは、温度、導電率、総有機炭素、分配圧力、及び/又はループ圧力を監視するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のパラメータが所望の範囲に近づいているか、又は所望の範囲外にある、通知又はアラームが鳴動し得る。
【0212】
分配ループ615及び620の各々は、比例積分微分(PID)制御ループ内の実験室用水を調節するように構成されたセンサ及び電気制御構成要素を有して構成され得る。PIDループでは、センサは、設定されたパラメータからの偏差を連続的に評価するために使用され得、制御デバイスは、設定されたパラメータを最小の遅延で回復するための補正を実装し得る。例えば、温度センサは、実質的に連続的な方式で温度を監視するために使用され得、熱交換器は、各分配ループのベースライン温度及び/又は設定点温度を維持するために必要に応じて補正を実装するために使用され得る。
【0213】
システム600の構成要素に関して本明細書で説明される様々なバルブのいずれも、当業者に既知であろう任意のタイプのバルブを備え得ることを理解されたい。例えば、バルブは、双方向バルブ、ゼロスタティックティーバルブ、ソレノイドバルブ、サーボモータ制御バルブなどを備え得る。
【0214】
いくつかの実施形態では、開示される特徴又は構成要素のいずれも、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために冗長的に提供され得、より一貫した条件を達成し、及び/又は故障の確率を低減させるために利用され得る。例えば、熱交換器、ファン、分配ポンプ、センサなどは、本明細書で説明される目的のうちのいずれかのために二重又は三重に提供され得る。温度設定点を変更することを不要にしつつ、異なる温度が望まれる場合に、ループ間の流体連通を提供するためのマニホールド/ミキサーなどの更なる構成要素を追加することもできる。
【0215】
特にウイルス産生プロセスでは、材料を調製する際に高度の特異性が必要であることが理解されるべきである。様々な産生プロセスは、利用される水及び他の材料の温度に非常に依存性があり得、プロセスは、更に、時間依存性を有し得る。したがって、従来の慣習は、共通の源から水を引き出し、必要に応じて加熱又は冷却することを伴い得るが、典型的な装置は、必要な方法で温度を微細に制御することを可能にするためにセンサ及び/又はフィードバックシステムを備えていない場合がある。更に、いくつかのステップを含む時間依存性の産生プロセスは、温度特有の実験室用水を調製する従来の方法に関連付けられた遅延を許容しない場合がある。したがって、本明細書に開示されるシステムは、有利には、事前設定され、維持され、要求に応じて利用可能にされ得る正確な温度制御された水源を提供することによって、従来のシステム及び方法の問題を解消する。更に、未使用の温度制御された水は、本明細書のシステム及び方法によって精製された水の無駄が最小限に抑えられるように、冷却され、リサイクルされる。
【0216】
制御システム及び制御方法
本明細書で説明される実験室用水分配ループシステム600は、プロセス制御システムを介して制御され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、1つ以上のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を備える。
【0217】
プロセス制御システムは、ユーザ又はオペレータが、情報を受信すること及び/又は入力を提供することを含む、システム600とのインターフェースをとるための、1つ以上のインターフェースユニット、又はオペレータインターフェース端末(OIT)665を更に備え得る。いくつかの実施形態では、OIT665は、機器スキッドに局所的に接続され得、例えば、機器スキッド上のNEMA4制御パネルに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、OIT665は、当技術分野における通常の技能レベルを有する当業者に容易に既知であろうように、有線又は無線接続を介して遠隔地に位置し、実験室用水分配ループシステム600に接続され得る。いくつかの実施形態では、OIT665は、タブレット又は携帯電話などの携帯デバイス上のソフトウェアアプリケーションとして具現化され得る。
【0218】
いくつかの実施形態では、OIT665は、ディスプレイ及び入力デバイス、例えば、タッチスクリーン、キーボード、及び/又はキーパッドを含む。いくつかの実施形態では、OIT665は、機器のオペレータ監視及び制御を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OIT665は、実験室用水分配ループシステム600のセクション内の温度を設定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、OITは、システム状態、アラート、通知、アラームなどを視認するために使用され得る。
【0219】
OIT665は、限定されないが、トランスミッタ、ソレノイド、分析器、電源、センサ、及び電気回路、並びに緊急制御を含む、当業者に明らかであろうように、本明細書で説明される様々な機能を実行するために、様々な構成要素を追加的に含み得る。
【0220】
図7及び8は、それぞれ
図5及び6に関連して説明された水分配システム500及び600の実験室用水分配ループのうちの1つ以上内の水温を調節するコンピュータ実装方法を例解するフロー図である。具体的には、
図7は、実験室用水分配システム500及び600のHRODI水分配ループ520及び620のうちの1つ以上内の水温を調節するための、全体的に700で示されるコンピュータ実装方法を例解し、
図8は、実験室用水分配システム500及び600のCRODI水分配ループ515、615a、及び615bのうちの1つ以上内の水温を調節するための、全体的に800で示されるコンピュータ実装方法を例解する。
【0221】
ここで
図7を参照すると、水分配システムのHRODI水分配ループ(例えば、それぞれの
図5及び6に関連して説明された水分配ループ520及び620)内の水温を調節する例解的なコンピュータ実装方法のフロー図が、本開示の実施形態に従って描示されている。方法700は、入力デバイスを介して、実験室用水の設定点温度に関係する入力を受信するステップ710と、任意選択的に、第1の量の水を、貯蔵タンクから分配システムのHRODI水分配ループに移送するステップ715と、分配システムのHRODI水分配ループ内の第1の量の水を、ベースライン温度から設定点温度に加熱するステップ720と、第1の量の水を、一定期間にわたって、設定点温度に維持するステップ730と、第2の量の水を、一定期間にわたって、ベースライン温度に保持するステップ740と、トリガに応答して、第1の量の水を、設定点温度からベースライン温度に冷却するステップ750と、任意選択的に、HRODI水分配ループ内の第2の量の水を、貯蔵タンク及びCRODI水分配ループのうちの1つ以上に移送することによって、リサイクルするステップ755と、を含み得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、分配システムは、貯蔵タンクと、貯蔵タンクと流体連通している1つ以上のCRODI水分配ループと、貯蔵タンクと流体連通しているHRODI水分配ループと、を含み得る。例えば、
図5に示されるように、分配システムは、単一のCRODI水分配ループを含み得るか、又は
図6に示されるように、分配システムは、複数のCRODI水分配ループを含み得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループは、HRODI水分配ループから隔離され得るが、HRODI水分配ループとともに、貯蔵タンクと流体連通し得る。例えば、水分配システムは、
図5及び6に示されるように、実験室用水分配ループシステム500又は600であり得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループは、CRODI水分配ループとHRODI水分配ループとの間の実験室用水の移送を容易にするために、CRODI水分配ループとHRODI水分配ループとの間に延びる1つ以上のチャネル及び/又は制御可能なバルブを介して、HRODI水分配ループと選択的に流体連通し得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、設定点温度に関係する入力を受信すること710は、加熱サイクルをアクティブ化するために、OIT(例えば、OIT565又は665)を介してユーザからの入力を受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、入力は、設定点温度における加熱されたRODI(すなわち、「HRODI」)の産生をアクティブ化するためのボタンを押すことを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザによって選択されるコマンドは、汎用(例えば、「HEAT」)であり、設定点温度を指定しない。むしろ、設定点温度は、固定され、プロセス制御システムに既知である。いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の設定点温度を設定又は入力することができ得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、第1の量の水を、貯蔵タンクからHRODI水分配ループに移送する任意選択的なステップ715は、まず、貯蔵タンクとHRODI水分配ループとの間の水の移送を可能にするために、1つ以上のバルブを(例えば、プロセッサによって)閉鎖位置から開放位置に作動させることと、その後、貯蔵タンクをHRODI水分配ループから分離させるために、1つ以上のバルブを開放位置から閉鎖位置に移動させることと、を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の量の水を、貯蔵タンクからHRODI水分配ループに移送するステップ715は、消費された水を、貯蔵タンクから補充することを含み得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ及び貯蔵タンクは、加熱ステップ720、維持ステップ730、保持ステップ740、及び冷却ステップ750の間分離される。例えば、方法700は、HRODI水分配ループ及び貯蔵タンクを分離するために、1つ以上のバルブを(例えば、プロセッサによって)作動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、HRODI水分配ループ内の水は、ベースライン温度又はその付近で正規化されるまで、分離されたままである。
【0226】
いくつかの実施形態では、加熱ステップ720、維持ステップ730、保持ステップ740、及び冷却ステップ750は、分配システムの1つ以上の熱交換器によって容易にされる。例えば、分配システムは、本開示の実験室用水分配ループシステム100、500、及び600に関して詳細に説明されたように、熱交換器を含み得る。
【0227】
冷却ステップ750は、様々な様式でトリガされ得る。いくつかの実施形態では、トリガは、所定の時間制限の完了を含む。例えば、システムは、事前プログラムされた時間制限、例えば、15分、30分、60分、60分を超える時間、又はそれらの間の個々の値又はレンジャーを有し得る。別の実施例では、ユーザは、特定のインスタンスで時間制限を入力し得る。したがって、トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又は入力された時間制限に達したというタイマーからの通知であり得る。いくつかの実施形態では、トリガは、HRODI要求の終了に関係するユーザからの追加の入力を含む。例えば、ユーザはボタンを押してHRODIを非アクティブ化し得る(例えば、「COOL」ボタン)。いくつかの実施形態では、トリガは、エラー又はアラーム、例えば、水中の異常又は危険な状態のアラームアラートを含む。例えば、エラー又はアラームは、分配システム、分配システム内の水、及び/又は分配システムを収容する施設(例えば、環境条件)に関連付けられたコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0228】
いくつかの実施形態では、インターフェースユニットは(例えば、オペレータインターフェース端末565及び665)、追加の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、HRODI要求は、将来の特定の時間のために計画又はスケジュールされ得る。例えば、HRODI要求は、計画された活動に基づいて、将来の時間のために手動でスケジュールされ得る。いくつかの実施形態では、個別の要求を入力するのではなく、HRODI要求は、特定の産生プロセスに基づいて計画又は開始され得る。例えば、特定の組成物を産生するための形式化されたプロセスが計画されているか、又は進行中である場合、プロセス制御システムは、形式的な産生プロセスに従ってHRODI要求をアクティブ化するために、形式的な産生プロセスのデータベースに基づいてプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、産生プロセスは、離散的な時間間隔における複数のHRODI要求を必要とし得る。したがって、HRODI要求は、時間に基づいてアクティブ化され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、追加のコンピューティング構成要素と通信し得、それらのコンピューティング構成要素から受信された情報に基づいて、HRODI要求をスケジュール又は開始し得る。したがって、HRODI要求は、産生プロセスの示された段階及び/又は追加情報に基づいて開始され得る。
【0229】
ここで
図8を参照すると、水分配システムの1つ以上のCRODI水分配ループ(例えば、
図5及び6に関連して考察される水分配ループ515、615a、及び/又は615b)内の水温を調節する、全体的に800で示される例解的なコンピュータ実装方法のフロー図が、本開示の実施形態に従って描示されている。方法800は、入力デバイスを介して、水のベースライン温度に関係する入力を受信すること810と、任意選択的に、第1の量の水を貯蔵タンクから分配システムの1つ以上のCRODI水分配ループに移送すること815と、分配システムの1つ以上のCRODI水分配ループ内の第1の量の水を初期温度からベースライン温度に冷却すること820と、第1の量の水を一定期間にわたって連続的にベースライン温度に維持すること830と、トリガに応答して温度制御を終了すること840と、を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、分配システムは、貯蔵タンクと、貯蔵タンクと流体連通している1つ以上のCRODI水分配ループと、及び貯蔵タンクと流体連通しているHRODI水分配ループと、を含み得る。例えば、
図5に示されるように、分配システムは、単一のCRODI水分配ループを含み得るか、又は
図6に示されるように、分配システムは、複数のCRODI水分配ループを含み得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループは、HRODI水分配ループから隔離され得るが、HRODI水分配ループとともに、貯蔵タンクと流体連通し得る。例えば、水分配システムは、
図5及び6に示されるように、実験室用水分配ループシステム500又は600であり得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループは、CRODI水分配ループとHRODI水分配ループとの間の実験室用水の移送を容易にするために、CRODI水分配ループとHRODI水分配ループとの間に延びる1つ以上のチャネル及び/又は制御可能なバルブを介して、HRODI水分配ループと選択的に流体連通し得る。
【0231】
いくつかの実施形態では、ベースライン温度に関係する入力を受信する810は、冷却サイクルをアクティブにするためにOITを介してユーザからの入力を受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、入力は、ベースライン温度における冷却されたRODI(すなわち、「CRODI」)の産生をアクティブ化するためのボタンを押すことを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザによって選択されるコマンドは、汎用(例えば、「COOL」)であり、ベースライン温度を指定しない。むしろ、ベースライン温度は、選択され、プロセス制御システムに既知である。いくつかの実施形態では、ユーザは、所望のベースライン温度を設定又は入力することができ得る。いくつかの実施形態では、システムは、システムが動作している間、水をベースライン温度に連続的に維持するように構成されている。選択されるベースライン温度は、典型的には室温であり、約68°F~76°Fである。したがって、入力は、システムをアクティブ化すること、例えば、初期アクティブ化、毎日のアクティブ化、又はスリープモード若しくはハイバネーションモードからのアクティブ化を含み得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、貯蔵タンクからCRODI水分配ループに第1の量の水を移送する815の任意選択的なステップは、まず、1つ以上のバルブを(例えば、プロセッサによって)閉鎖位置から開放位置に作動させて、貯蔵タンクとCRODI水分配ループとの間の水の移送を可能にし、その後、1つ以上のバルブを開放位置から閉鎖位置に移動させて、貯蔵タンクをCRODI水分配ループから分離させることを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の量の水を、貯蔵タンクからCRODI水分配ループに移送するステップ815は、消費された水を、貯蔵タンクから補充することを含み得る。
【0233】
いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループ及び貯蔵タンクは、冷却ステップ820及び維持ステップ830の間分離される。例えば、方法800は、CRODI水分配ループのベースライン温度を維持するためのプロセス800に影響を与えることなく、HRODI水分配ループ内の水の温度を制御するために、方法700と同時に実行され得る。1つ以上のバルブは、CRODI水分配ループのうちの1つ以上を貯蔵タンクから分離するために(例えば、プロセッサによって)作動され得る。いくつかの実施形態では、CRODI水分配ループは、水分配ループ及び貯蔵タンクの両方における水がベースライン温度又はその付近で正規化されるまで分離されたままである。追加の実施形態では、CRODI水分配ループ及び/又はHRODI水分配ループの両方における水は、例えば、アクティブなHRODI要求がないときに、プロセス800によって冷却され、ベースライン温度に維持され得る。
【0234】
いくつかの実施形態では、冷却ステップ820及び維持ステップ830は、分配システムの1つ以上の冷却装置又は熱交換器によって容易にされる。例えば、分配システムは、本開示の実験室用水分配ループシステム100、500、及び600に関して詳細に説明された冷却装置を含み得る。
【0235】
終了ステップ840は、様々な様式でトリガされ得る。いくつかの実施形態では、トリガは、所定の時間制限の完了を含む。例えば、システムは、事前プログラムされた時間制限、例えば、15分、30分、1時間、6時間、12時間、24時間、24時間を超える時間、又はそれらの間の個々の値又はレンジャーを有し得る。別の実施例では、ユーザは、特定のインスタンスで時間制限を入力し得る。したがって、トリガは、一定期間が所定の時間制限及び/又は入力された時間制限に達したというタイマーからの通知であり得る。いくつかの実施形態では、トリガは、CRODI要求の終了に関係するユーザからの追加の入力を含む。例えば、ユーザは、ボタンを押してCRODIを非アクティブ化し得る(例えば、「END」ボタン)。いくつかの実施形態では、トリガは、エラー又はアラーム、例えば、水中の異常又は危険な状態のアラームアラートを含む。例えば、エラー又はアラームは、分配システム、分配システム内の水、及び/又は分配システムを収容する施設(例えば、環境条件)に関連付けられたコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0236】
いくつかの実施形態では、インターフェースユニットは、追加の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、CRODI要求は、将来の特定の時間のために計画又はスケジュールされ得る。例えば、CRODI要求は、計画された活動に基づいて、将来の時間のために手動でスケジュールされ得る。いくつかの実施形態では、個別の要求を入力するのではなく、CRODI要求は、特定の産生プロセスに基づいて計画又は開始され得る。例えば、特定の組成物を産生するための形式化されたプロセスが計画されているか、又は進行中である場合、プロセス制御システムは、形式的な産生プロセスに従ってCRODI要求をアクティブ化するために、形式的な産生プロセスのデータベースに基づいてプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、産生プロセスは、離散的な時間間隔における複数のCRODI要求を必要とし得る。したがって、CRODI要求は、時間に基づいてアクティブ化され得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、追加のコンピューティング構成要素と通信し得、それらのコンピューティング構成要素から受信された情報に基づいて、CRODI要求をスケジュール又は開始し得る。したがって、CRODI要求は、産生プロセスの示された段階及び/又は追加情報に基づいて開始され得る。
図9は、実施形態が実装されている例示的なデータ処理システム900のブロック図を例解する。データ処理システム900は、本発明の例解的な実施形態のためのプロセス(例えば、方法200、300、400、700、及び/又は800)を実装するコンピュータ使用可能なコード又は命令が位置する、サーバ又はクライアントなどのコンピュータの例である。いくつかの実施形態では、データ処理システム900は、サーバコンピューティングデバイスであり得る。例えば、データ処理システム900は、上記で説明されたように、実験室用水分配ループシステム、例えば、分配システム100、500、及び600に動作可能に接続されたサーバ又は別の同様のコンピューティングデバイスに実装され得る。データ処理システム900は、例えば、実験室用水の状態に関係する情報及び/又はユーザからの入力を送信及び受信するように構成され得る。
【0237】
描示された例では、データ処理システム900は、ノースブリッジ及びメモリコントローラハブ(NB/MCH)901、並びにサウスブリッジ及び入出力(I/O)コントローラハブ(SB/ICH)902を含むハブアーキテクチャを採用することができる。処理ユニット903、主メモリ904、及びグラフィックスプロセッサ905は、NB/MCH901に接続され得る。グラフィックスプロセッサ905は、例えば、加速グラフィックスポート(AGP)を通してNB/MCH901に接続され得る。
【0238】
描示された例では、ネットワークアダプタ906は、SB/ICH902に接続している。オーディオアダプタ907、キーボード及びマウスアダプタ908、モデム909、読み取り専用メモリ(ROM)910、ハードディスクドライブ(HDD)及び/又はソリッドステートドライブ(SSD)911、光学ドライブ(例えば、CD又はDVD)912、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート及び他の通信ポート913、並びにPCI/PCIeデバイス914は、バスシステム916を介してSB/ICH902に接続し得る。PCI/PCIeデバイス914は、ノートブックコンピュータ用のイーサネットアダプタと、アドインカードと、PCカードと、を含み得る。ROM910は、例えば、フラッシュ基本入出力システム(BIOS)であり得る。HDD/SSD911及び光学ドライブ912は、統合されたドライブエレクトロニクス(IDE)又はシリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェースを使用することができる。スーパーI/O(SIO)デバイス915は、SB/ICH902に接続され得る。
【0239】
オペレーティングシステムは、処理ユニット903上で動作することができる。オペレーティングシステムは、データ処理システム900内の様々な構成要素を調整し、それらの構成要素の制御を提供することができる。クライアントとして、オペレーティングシステムは、市販のオペレーティングシステムであり得る。JavaTMプログラミングシステムなどのオブジェクト指向プログラミングシステムは、オペレーティングシステムと連動し得、データ処理システム900上で実行されるオブジェクト指向プログラム又はアプリケーションからオペレーティングシステムへの呼び出しを提供し得る。サーバとして、データ処理システム900は、例えば、Advanced Interactive Executiveオペレーティングシステム又はLinuxオペレーティングシステムを実行するIBM(登録商標)eServerTM System(登録商標)であり得る。データ処理システム900は、処理ユニット903内の複数のプロセッサを含むことができる対称マルチプロセッサ(SMP)システムであり得る。代替的に、単一のプロセッサシステムが採用され得る。
【0240】
オペレーティングシステム、オブジェクト指向プログラミングシステム、及びアプリケーション又はプログラムについての命令は、HDD/SSD911などの記憶デバイス上に位置し、処理ユニット903による実行のために主メモリ904にロードされる。本明細書で説明される実施形態のためのプロセスは、例えば、主メモリ904、ROM910などのメモリ内、又は1つ以上の周辺デバイス内に位置し得るコンピュータ使用可能プログラムコードを使用して、処理ユニット903によって実行され得る。バスシステム916は、1つ以上のバスから構成され得る。バスシステム916は、任意のタイプの通信ファブリック又はアーキテクチャを使用して実装され得、このファブリック又はアーキテクチャは、それに接続された異なる構成要素又はデバイス間のデータ転送を提供することができる。モデム909又はネットワークアダプタ906などの通信ユニットは、データを送受信するために使用することができる1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0241】
当業者は、
図9に描示されるハードウェアが実装形態に応じて異なり得ることが理解されよう。描示されたハードウェアに加えて、又はその代わりに、フラッシュメモリ、同等の不揮発性メモリ、又は光ディスクドライブなどの他の内部ハードウェア又は周辺デバイスが使用され得る。更に、データ処理システム900は、クライアントコンピューティングデバイス、サーバコンピューティングデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電話又は他の通信デバイス、パーソナルデジタルアシスタントなどを含むがこれらに限定されない、いくつかの異なるデータ処理システムのうちのいずれかの形態をとることができる。本質的に、データ処理システム900は、アーキテクチャ上の制限なしに、任意の既知のデータ処理システム又は後に開発されるデータ処理システムであり得る。
【0242】
本教示の原理を組み込んだ様々な例解的な実施形態が開示されているが、本教示は、開示された実施形態に限定されない。代わりに、本出願は、本教示の任意の変形、使用、又は適応を網羅し、本出願の一般原理を使用することを意図する。更に、本出願は、これらの教示が属する技術分野における既知又は通例の慣習の範囲内にある本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図する。
【0243】
上記の詳細な説明では、添付図面が参照され、添付図面は、本明細書の一部を形成する。図面において、同様の記号は、別段の文脈で指示されない限り、典型的には、同様の構成要素を識別する。本開示で説明される例解的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用され得、及び/又は他の変更が加えられ得る。本明細書で概略的に説明され、かつ図に例解される本開示の様々な特徴は、多種多様な異なる構成で配置され得、置換され得、組み合わされ得、分離され得、かつ設計され得、本明細書では、これらの構成の全てが明示的に企図されることが容易に理解されよう。
【0244】
本開示は、本出願で説明される特定の実施形態の観点で限定されるものではなく、特定の実施形態は、様々な特徴の例解として意図される。代わりに、本出願は、本教示の任意の変形、使用、又は適応を網羅し、本出願の一般原理を使用することを意図する。更に、本出願は、これらの教示が属する技術分野における既知又は通例の慣習の範囲内にある本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図する。当業者には明らかなように、特定の実施形態には、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び変形が加えられ得る。本明細書に列挙されるものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び装置は、前述の説明から当業者には明白であろう。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物学的システムに限定されず、これらは、当然ながら、変更され得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することが意図されないことも理解されるべきである。
【0245】
様々な上記に開示された特徴及び機能並びに他の特徴及び機能、又はそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされ得る。続いて、上記のシステム又はアプリケーションの様々な代替、修正、変形、又は改良が、当業者によって行われ得、このような代替、修正、変形、又は改良の各々はまた、開示された実施形態によって包含されることが意図される。
【国際調査報告】