IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッドの特許一覧

特表2024-541954散乱X線放射を用いた時間的なデータ生成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】散乱X線放射を用いた時間的なデータ生成
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241106BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20241106BHJP
【FI】
A61B6/00 530A
A61B6/50 511E
A61B6/00 570
A61B6/00 550A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525157
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022047695
(87)【国際公開番号】W WO2023076244
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,524
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】ギャベイ,エーヤル
(72)【発明者】
【氏名】ガヴェンスキー,ヴィタリー
(72)【発明者】
【氏名】セゲフ,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】シェフチンスキー,ヤロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ワイズマン,ドフ・チャノック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァクニン,ユーヴァル
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA24
4C093DA02
4C093EC16
4C093FF37
4C093FH09
(57)【要約】
本開示の態様は、撮像処置中にターゲットから散乱された放射を検出し、ターゲットに向けて放出される放射パルスの発生時刻を示す時間的データを生成するX線検出デバイスを提供する。時間的データは、ホストデバイスに送信することができ、放射パルスから生成される画像にタイムスタンプをするのに使用することができる。X線検出デバイスは運搬可能であり、ビーム源を遮蔽することなく又は部分的に遮蔽することなくカテーテル検査室又は撮像環境に設置されて、放射の発生を検出することができる。本開示の態様は、X線検出デバイスによって生成された時間的データを受信し、この時間的データに基づいて、受信された画像フレームに正確にタグ付けするシステムも提供する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データをX線検出デバイスから受信することと、
前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を行うように構成されている1つ以上のプロセッサを備えるシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記タグ付けされた画像フレームを、前記1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を行うように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、同期又は前記ビデオレイテンシ値を求めることを開始するように更に構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のプロセッサが前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信するように更に構成されている、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データは、デジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは、前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは、前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記1つ以上のプロセッサは、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを行うように更に構成されている、請求項3~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記画像フレームのシーケンスが終了に達したか否かを判断するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと判断するように構成されている、請求項6~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、前記X線検出デバイスと無線で通信するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサは、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めるように更に構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記1つ以上のプロセッサは、前記画像フレームのシーケンスを受信するように構成されており、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けするために、前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを判断するように更に構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けするように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像フレームは、第1の画像フレームであり、
前記1つ以上のプロセッサは、第2の画像フレームを受信することと、少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを行うように更に構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データを、1つ以上のプロセッサがX線検出デバイスから受信することと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサが、前記タグ付けされた画像フレームを、該1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信することを更に含む、請求項18に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを、該1つ以上のプロセッサが前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサによる画像フレームを受信することと、前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を更に含む、請求項18又は19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項21】
前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、前記同期させること又は前記ビデオレイテンシ値を前記求めることを開始することを更に含む、請求項20に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項22】
前記1つ以上のプロセッサが、前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信することを更に含む、請求項20又は21に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項23】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データは、デジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは、前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは、前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記方法は、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、前記1つ以上のプロセッサが、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記1つ以上のプロセッサが、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを更に含む、請求項20~22のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項24】
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項23に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項25】
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項23又は24に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項26】
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項25に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項27】
前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項23~26のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項28】
前記1つ以上のプロセッサが、前記X線検出デバイスと無線で通信することを更に含む、請求項18~27のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項29】
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めることを更に含む、請求項18~28のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項30】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスを受信することを更に含み、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けすることは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項18~29のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項31】
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けすることを更に含む、請求項30に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項32】
前記画像フレームは、第1の画像フレームであり、
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが第2の画像フレームを受信することと、前記1つ以上のプロセッサが少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを更に含む、請求項18~31のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項33】
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項32に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項34】
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項32又は33に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項35】
命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データをX線検出デバイスから受信することと、
前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を含む動作を前記1つ以上のプロセッサに実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項36】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記タグ付けされた画像フレームを、該1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信することを更に含む、請求項35に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
前記動作は、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と、前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を更に含む、請求項35又は36に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項38】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、前記同期させること又は前記ビデオレイテンシ値を前記求めることを開始することを更に含む、請求項37に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項39】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信することを更に含む、請求項37又は38に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
前記画像フレームは画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データはデジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記動作は、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、前記1つ以上のプロセッサが、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記1つ以上のプロセッサが、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを更に含む、
請求項37~39のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項41】
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項40に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項40又は41に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項43】
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項42に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項44】
前記画像フレームのシーケンスが終了に達したか否かを判断することは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項40~43のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項45】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが前記X線検出デバイスと無線で通信することを更に含む、請求項35~44のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項46】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めることを更に含む、請求項35~45のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項47】
前記画像フレームは画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスを受信することを更に含み、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けすることは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項35~46のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項48】
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けすることを更に含む、請求項47に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項49】
前記画像フレームは第1の画像フレームであり、
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが第2の画像フレームを受信することと、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することと
を更に含む、
請求項35~48のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項50】
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項49に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項51】
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項49又は50に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項52】
シンチレータと、
フォトダイオードと、
1つ以上のプロセッサであって、以下のこと、すなわち、前記シンチレータによって検出される散乱放射であって、人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの放射を含む散乱放射の発生に対応する電気信号を前記フォトダイオードから受信することと、少なくとも前記電気信号を使用して、前記シンチレータによって検出される前記散乱放射の前記発生の時刻を明記した時間的データを生成することと、前記X線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに前記時間的データを送信することとを行うように構成されている1つ以上のプロセッサと
を備えるX線検出デバイス。
【請求項53】
前記デバイスは、前記放射パルスが前記人間又は動物の身体に向けて放出されるときに前記放射パルスを遮蔽しないように、又は、部分的に遮蔽しないように配置される、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記電気信号は第1の電気信号であり、
前記1つ以上のプロセッサは、1つ以上の第2の電気信号であって、各第2の電気信号が散乱放射のそれぞれの発生に対応する1つ以上の第2の電気信号を受信することと、前記1つ以上の第2の電気信号を受信している間に、前記X線検出デバイスと通信する前記コンピューティングデバイスに前記時間的データを送信することとを行うように更に構成されている、
請求項52又は53に記載のデバイス。
【請求項55】
前記X線検出デバイスは、ハウジングと、該ハウジングに取り付けられたクリップとを備え、前記クリップは、カテーテル検査室の診察台に接続するように形成される、請求項52~54のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項56】
前記放射パルスが前記人間又は動物の身体に向けて放出されるときに、前記放射パルスを遮蔽しないように、又は、前記放射パルスを部分的に遮蔽しないように配置されている間は、前記X線検出デバイスは前記散乱放射の前記発生を検出するように構成されている、請求項52~55のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項57】
前記1つ以上のプロセッサは、前記電気信号の受信に応答して、前記X線検出デバイスのクロックを前記コンピューティングデバイスに接続されたクロックと同期させる要求を前記コンピューティングデバイスに送信するように更に構成されている、請求項52~56のいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年10月25日に出願された米国仮特許出願第63/271,524号の出願日の利益を主張し、その開示内容は、引用することによって本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
カテーテル検査室(catheterization laboratory)は、血管造影撮像処置(angiographic imaging procedure)の一部として、患者の心臓又は血管等の患者の心血管系のX線写真を撮影する撮像機器を含む。放射パルスのシーケンスがビーム源から放出され、患者に向けて誘導される。このパルスのシーケンスを使用して画像フレームのシーケンスを生成することができる。画像シーケンスにおいて患者の心血管系の少なくとも或る部分をハイライト又は強調するのに使用することができるコントラスト染料(contrast dye)も患者に注入することができる。撮像機器に接続されたコンピューティングデバイスが、画像フレームをディスプレイ上に表示することができ、それらの画像フレームは、ループ再生で表示することができる。オペレータが、或る期間にわたっていくつかのパルスのシーケンスを撮像機器に放出させることができ、コンピューティングデバイスは、各シーケンスから生成された画像フレームをディスプレイ上に表示することができる。
【0003】
撮像機器のコンピューティングデバイスは、画像フレームが、受信されたビデオストリーム又は画像フレームのシーケンスの一部として出現(appear)すると、それらの画像フレームを取り込んで処理する。フレームグラバ(frame grabber)は、撮像デバイスによって提供される画像ストリームから画像フレームをキャプチャ(capture)する、すなわち取り込むデバイスである。
【0004】
光干渉断層撮影(OCT:optical coherence tomography)は、眼科学、心臓病学、胃腸病学、並びに医学及び科学的研究の他の分野において広範な用途を有する撮像技術である。OCTは、血管内超音波法(IVUS:intravascular ultrasound)、血管造影法、蛍光透視法、及びX線ベース撮像等の様々な他の撮像技術と併せて使用することができる。撮像を実施するために、撮像プローブは、カテーテル上に装着(mount)され、患者の血管等の関心点を通して操作されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の態様は、撮像処置中にターゲットから散乱された(scattered)放射を検出し、ターゲットに向けて放出される放射パルスの発生時刻を示す時間的データ(temporal data)を生成するX線検出デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この時間的データは、ホストデバイスに送信することができ、放射パルスから生成される画像をタイムスタンプするのに使用することができる。ホストデバイスは、患者を撮像する撮像機器に接続することもできるし、例えば、カテーテル検査室内のデバイスから画像を受信することもできる。X線検出デバイスは運搬可能(portable)であり、ビーム源を遮蔽することなくカテーテル検査室又は他の撮像環境に設置されて、放射の発生を検出することができる。
【0007】
本開示の態様は、X線検出デバイスによって生成された時間的なデータを受信し、この時間的データに基づいて受信画像フレームに正確にタグ付けするシステムも提供する。散乱放射の検出に基づく放射パルスの正確なリアルタイムの検出を用いて、血管造影画像フレームを正確にタグ付けすることができる。本開示の態様による正確なリアルタイムの検出は、OCT画像を含む他の画像フレームとの相互位置合わせ(co-registration)プロセスも改善することができるとともに、X線撮像と同時に行われるOCTプルバック(OCT pullback)のリアルタイムの動作確認も提供することができる。
【0008】
フレームが画像フィードからホストデバイスによって取り込まれた時刻に基づいて画像にタグ付けすることと比較して、画像により正確にタグ付けすることができる。カテーテル検査室内の撮像機器によって提供されるタイムスタンプに基づいて画像にタグ付けすることと比較しても、画像により正確にタグ付けすることができる。上記の撮像機器は、正確でない場合もあるし、画像を受信するホスト処理デバイスと同期されたクロックを有していない場合もある。血管造影又はX線撮像用の放射パルスのリアルタイムの検出は、撮像中の放射パルスのシーケンスの開始又は終了のユーザ確認の必要性を削減又は除去することによって、撮像処置のワークフローも改善することができる。
【0009】
本開示の態様は、人間又は動物の身体に向けて放出され、人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した又は記載した又は定めている又は特定(specify)する時間的データをX線検出デバイスから受信することと、人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、時間的データを使用して画像フレームにタグ付けすることとを行うように構成されている1つ以上のプロセッサを備えるシステムを提供する。
【0010】
本開示の態様は、コンピュータ実施方法、及び、1つ以上のプロセッサによって実行されると、本明細書に説明されるような動作を1つ以上のプロセッサに実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体も含む。加えて、本開示の態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの例では、本開示の態様は、これらの特徴の全てを組み合わせて提供する。
【0011】
1つ以上のプロセッサは、タグ付けされた画像フレームを、1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信するように更に構成されている。
【0012】
1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックをX線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、ビデオレイテンシ値(video latency value)であって、1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と、放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値とを求めることとを行うように更に構成されている。
【0013】
1つ以上のプロセッサは、時間的データ又は画像フレームの受信に応答して、同期又はビデオレイテンシ値の決定を開始するように更に構成されている。
【0014】
1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサがビデオレイテンシ値を計算した後に、人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信するように更に構成されている。
【0015】
画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、時間的データはデジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードはX線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは散乱放射の検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、ここで、初期画像フレームはデジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、1つ以上のプロセッサは、各画像フレームについて所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいてシーケンスにおける次の画像フレームを特定する(identify)ことと、デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを特定された画像フレームにタグ付けすることと、画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを行うように更に構成されている。
【0016】
所定の間隔は、画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている。
【0017】
1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている。
【0018】
ビデオレイテンシ値は、画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている。
【0019】
画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断するために、1つ以上のプロセッサは、所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降に経過したと判断するように構成されている。
【0020】
1つ以上のプロセッサは、X線検出デバイスと無線で通信するように構成されている。
【0021】
1つ以上のプロセッサは、少なくともX線検出デバイスから受信された時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めるように更に構成されている。
【0022】
画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、ここで、1つ以上のプロセッサは画像フレームのシーケンスを受信するように構成され、画像フレームのシーケンスの画像フレームに時間的データをタグ付けするために、1つ以上のプロセッサは、複数の画像フレームのうちの一画像フレームが画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを判断するように更に構成されている。
【0023】
1つ以上のプロセッサは、複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に画像フレームのシーケンスの画像フレームにタグ付けするように構成されている。
【0024】
画像フレームは第1の画像フレームであり、ここで、1つ以上のプロセッサは、第2の画像フレームを受信することと、少なくとも第1の画像フレームにタグ付けされた時間的データを使用して第2の画像フレームと第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを行うように更に構成されている。
【0025】
第2の画像フレームは、第1の画像フレームと異なるモダリティ(modality:様式)に従って生成されたものである。
【0026】
第1の画像フレームは撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、第2の画像フレームは光干渉断層撮影を使用して取得された撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の画像フレームである。
【0027】
本開示の態様は、シンチレータ(scintillator)と、フォトダイオードと、1つ以上のプロセッサであって、次のこと、すなわち、シンチレータによって検出される散乱放射であって、人間又は動物の身体に向けて放出され、人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの放射を含む、散乱放射の発生に対応する電気信号をフォトダイオードから受信することと、少なくとも電気信号を使用してシンチレータによって検出される散乱放射の発生の時刻を明記(specify)した時間的データを生成することと、X線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに時間的データを送信することとを行うように構成されている1つ以上のプロセッサとを備えるX線検出デバイスを提供する。
【0028】
本開示の態様は、複数の以下の特徴を単独で又は組み合わせて提供する。いくつかの例では、本明細書に説明されるようなX線検出デバイスは、以下の特徴の全てを組み合わせて含む。
【0029】
デバイスは、放射パルスが人間又は動物の身体に向けて放出されるときに放射パルスを遮蔽しないように、又は、部分的に遮蔽しないように位置決めされる。
【0030】
電気信号は第1の電気信号であり、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の第2の電気信号であって、次のこと、すなわち、各第2の電気信号が散乱放射のそれぞれの発生に対応する1つ以上の第2の電気信号を受信することと、1つ以上の第2の電気信号を受信している間にX線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに時間的データを送信することとを行うように更に構成されている。
【0031】
X線検出デバイスは、ハウジングとハウジングに取り付けられたクリップとを備え、クリップはカテーテル検査室の診察台(examination table)に接続するように形成される。
【0032】
X線検出デバイスは、放射パルスが人間又は動物の身体に向けて放出されるときに放射パルスを遮蔽しないように、又は、部分的に遮蔽しないように位置決めされている間に、散乱放射の発生を検出するように構成されている。
【0033】
1つ以上のプロセッサは、電気信号の受信に応答して、X線検出デバイスのクロックをコンピューティングデバイスに接続されたクロックと同期させる要求をコンピューティングデバイスに送信するように更に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】本開示の態様による、例示のX線検出デバイスに結合された撮像機器の側面図の図である。
図1B図1Aに示すような診察台に結合された例示のX線検出デバイスの上から見た図の図である。
図1C】診察台に装着された別の例のX線検出デバイスに結合された撮像機器の上から見た図の図である。
図1D】例示の台装着型ブラケットに収納された例示のX線検出デバイスの斜視図の図である。
図1E図1Dの例示の台装着型ブラケットに収納されていない例示のX線検出デバイスの斜視図の図である。
図1F】別の例示の台装着型ブラケットに収納された例示のX線検出デバイスの斜視図の図である。
図1G図1Fの例示の台装着型ブラケットに収納されていない例示のX線検出デバイスの斜視図の図である。
図1H】診察台に装着された台装着型ブラケットに収納された例示のX線検出デバイスの側面図の図である。
図2A】例示のX線検出デバイスの第1の分解組立図の図である。
図2B】例示のX線検出デバイスの第2の分解組立図の図である。
図3A】本開示の態様による、例示のX線検出デバイスのブロック図である。
図3B】X線検出デバイスと、ホストコンピューティングデバイス上に実装された時間的データ処理エンジンとを含む撮像環境のブロック図である。
図4】X線パルスと、例示のX線検出デバイスを使用して各パルスに関連付けられた時間的データとを示す図である。
図5】本開示の態様による、X線画像に時間的データをタグ付けする例示のプロセスのフローチャートである。
図6】本開示の態様による、X線検出デバイスによって時間的データを生成する例示のプロセスのフローチャートである。
図7】本開示の態様による、シネ収集(cine acquisition)を示すタイミング図である。
図8】例示のX線検出デバイスからの時間的データをタグ付けされた血管造影画像ファイルからの画像フレームのシーケンスである。
図9A】本開示の態様による、接続間隔内におけるデバイス送信の図である。
図9B】本開示の態様による、接続間隔内におけるデバイス送信の図である。
図10】本開示の態様による、デバイスクロックを同期させる例示のプロセスのフローチャートである。
図11A】本開示の態様による、クロックドリフトを示すデバイス送信の図である。
図11B】本開示の態様による、クロックドリフトを示すデバイス送信の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[概略]
本開示の態様は、医療撮像処置を受ける患者からの散乱X線放射(scattered x-ray radiation)を検出し、X線画像のタイムスタンプを他の医療画像データと同期させる時間的データ(temporal data)を提供するX線検出デバイスを提供する。本明細書に説明されるようなX線検出デバイスは、医療機器を制御するホストデバイスとインタラクトする(interact:相互作用する)ことができる。医療機器は、血管造影撮像等のX線放射を使用する様々な医療画像処置を実行するように構成することができる。いくつかの例では、ホストデバイスは、医療撮像機器を直接制御しないが、代わりに、医療撮像機器に結合されたカテーテル検査室内のコンピュータ等のデバイスから画像のシーケンスを受信する。X線検出デバイスは、検出された放射の1つ以上のパルスの発生を明記した時間的データをリアルタイムで正確に提供するように実施することができる。X線検出デバイスは、時間的データをホストデバイスに送信することができる。ホストデバイスは、時間的データを使用して血管造影画像にタグ付けする時間的データ処理エンジン等のコンパニオンソフトウェア(companion software)を少なくとも部分的に実施することができる。
【0036】
本明細書において、「シネ収集(cine acquisition)」は、所定の間隔で放出されるX線放射のパルスを使用する、「シネ(cine)」と呼ばれる画像フレームのシーケンスのキャプチャを指す。ホストデバイスは、シネにおける最初のすなわち第1の非プレースホルダ画像フレーム(non-placeholder image frame)、例えば、患者における関心領域を描写する画像フレームを特定する(identify)。ホストデバイスは、X線検出デバイスによって検出された初期X線放射パルスの発生に対応する時間的データをシーケンス内の初期画像フレームにタグ付けする。ホストデバイスは、2番目のX線放射パルスの発生に対応する時間的データを有する第2の非プレースホルダ画像フレームを特定する。3番目以降についても同様である。
【0037】
ホストデバイスは、X線検出デバイスとホストデバイスとを同期させて、デバイス間のクロックドリフト(clock drift)によって引き起こされるタイミングの不一致を削減することができる。ホストデバイスは、フレーム間の所定の間隔及び所定のビデオレイテンシ値に基づいてタグ付けする後続の画像フレームを特定することができる。所定の間隔は、例えば、撮像機器のフレームレートに基づくことができる。ビデオレイテンシ値は、放射パルス放出と対応する画像フレームがホストデバイスによって受信される時との間の時間量を表すことができる。
【0038】
ビーム源からの放射を直接測定する代わりに、X線検出デバイスは、患者等のターゲットから散乱された放射を検出するように構成されている。この方法で、X線検出デバイスは、対応するシネの画質を潜在的に妨げる撮像機器のビーム源の遮蔽又は部分的な遮蔽を行うことなく、リアルタイムでシネ収集の発生を検出することができる。
【0039】
X線検出デバイスは運搬可能であり、無線で実施することができ、様々な異なるタイプ、ブランド、及びバージョンの医療撮像機器とインタラクトするというその多用途性が改善される。同時に、本明細書に説明されるようなX線検出デバイスホストデバイス(つまり、X線検出デバイス又はホストデバイスあるいはそれらの両方)は、X線検出デバイスとホストデバイスとの間のクロックを自動的に同期させることができる。画像にタグ付けすることに加えて、X線検出デバイスによって生成される時間的データは、血管造影画像とプルバック処置中に撮影されたOCT画像との相互位置合わせ(co-registration)等の、医療撮像機器によって撮影された異なるモダリティの画像の相互位置合わせを改善するのに使用することができる。相互位置合わせは、血管又は組織を含む身体の一部分の異なる画像の特性を相関させるデータを生成する技法を含む。例えば、患者の血管の血管造影画像は、血管内で撮像プローブを通じて同時に又はほぼ同時に撮影されたOCT画像と相互位置合わせすることができる。他の例では、異なる時点において撮影された画像を相互位置合わせすることができる。
【0040】
X線検出デバイスは、撮像機器によってキャプチャされた各血管造影画像の時間的データのリアルタイムのフィードバックを提供する。このフィードバックは、本明細書に説明されるようなX線検出デバイスを用いてカテーテル検査室において行われる様々な撮像処置のワークフローを自動化するのに使用することができる。インストールされた時間的データ処理エンジンを有するホストデバイスは、例えば、正確な時間的データを用いて、シネ収集と同時に行われるOCTプルバックがいつ無効又は有効であるのかをユーザ又はオペレータに自動的に指示することができる。OCTプルバックの有効性の判断は、シネ収集内におけるプルバックの開始時刻及び停止時刻に基づくことができる。別の例として、ホストデバイスは、シネ収集中に患者にコントラスト染料の追加を開始するようにユーザ又はオペレータに指示することができる。
【0041】
時間的データを使用して画像フレームにタグ付けすることによって、本明細書において説明されるようなX線検出デバイス及び1つ以上のプロセッサを含むシステムは、シネにおいてタグ付けするフレームを逃すことを防止することができる。システムは、フレームグラバ技術に依拠する手法又は他の同様の手法において発生する同じフレームの2回の複製も防止することができる。この検出の一部として、システムは、画像フレームが進行中のシネ収集中に受信されるか否かを判断し、現在のシネ収集の一部として撮影されていない画像フレームに現在の時間的データをタグ付けすることを回避することができる。一方、画像フレームをタイムスタンプするフレームグラバに依拠するデバイスは、いくつかの画像フレームを複製又は省略することができる。フレームグラバに依拠するデバイスは、ビデオ再生ループ中に表示されるが現在のシネ収集の一部としてキャプチャされていない古い画像フレームのホストデバイスのディスプレイ上でのループ再生からの画像フレームを受信することができる。
【0042】
[例示のシステム]
図1Aは、本開示の態様による、撮像デバイス104及び例示のX線検出デバイス100の側面図100Aの図である。X線検出デバイス100は、カテーテル検査室又は撮像がX線を用いて少なくとも部分的に行われる任意の環境に設置することができる。例えば、この環境は、血管造影処置に使用することができ、OCT撮像処置及び様々な他の医療撮像処置のうちの任意のものを行うための設備も備えることができる。血管造影処置は、コントラスト染料注入を伴う及びコントラスト染料注入を伴わないターゲットを撮像することを含むことができる。撮像デバイス104は、ターゲット107、例えば人間又は動物の身体に対して角度付け及び合焦されたX線のビーム源105を含むことができる。X線画像は、OCT、IVUS、マイクロOCT、及び/又はNIRS(つまり、OCT、IVUS、マイクロOCT、又はNIRS、あるいはそれらの2つ以上)等の他のモダリティを使用して生成される画像フレームと組み合わせて撮影することができる。
【0043】
ビーム源105は、或る入力、例えば、撮像デバイス104のオペレータによるペダル押圧又は他の入力に応答して1つ以上の放射パルスを放出する。X線検出デバイス100は、図1Bを参照して本明細書に説明されるように、ターゲット107に近接してクリップ留め又は配置することができる。X線検出デバイス100は、放射がビーム源105から放出され、ターゲット107から散乱されたときに、この放射を検出するように構成することができる。X線検出デバイス100は、放射がターゲット107にパルス出力されるときにビーム源を遮蔽又は部分的に遮蔽しないように位置決めすることができる。図2A図3Bを参照して本明細書に説明されるように、X線検出デバイス100は、散乱放射がデバイス100によって検出された時を示すタイムスタンプ又はタイムタグ等の時間的データを生成するように構成されている。X線検出デバイス100は、放射パルスが検出された時刻を明記した時間的データを、図3Bを参照して本明細書に説明されるように撮像デバイス104及びX線検出デバイス100の双方に結合されたホストデバイスに送信することができる。
【0044】
本明細書に説明されるような時間的データ処理エンジンとともに構成されているホストデバイスは、時間的データを使用して撮影された画像フレームにタグ付けすることができる。X線検出デバイス100は、各パルスの時間的データをリアルタイムで検出及び生成するように構成することができる。X線検出デバイス100は、図3Bを参照して本明細書に説明されるように、ホストデバイス上にインストールされた時間的データ処理エンジンに無線接続又は接続することができる。
【0045】
X線検出デバイス100は、ビーム源105によって放出されたパルスのシーケンス内の最初の放射パルス及び終わりの放射パルスの発生時刻を求めるように構成することができる。X線検出デバイス100は、散乱放射の検出を通じてパルスのシーケンスの開始時刻を自動的に求めることができ、撮像デバイス104のオペレータからの個別のユーザ入力を必要としない。
【0046】
図1Bは、図1Aに示すような診察台(examination table)110に結合された例示のX線検出デバイス100の上から見た図100Bの図である。X線検出デバイス100は、ビーム源105によって放出される散乱放射を受信するためにターゲットに近接した任意の場所に配置することができる。例えば、図1Bに示すようなX線検出デバイス100は、診察台110の下に取り付けられる。他の例では、X線検出デバイス100は、診察台110の側部、例えばターゲット107の一方の側部に取り付けることができる。
【0047】
図1Bに示すように、診察台110は、端部110A、端部110B、端部110C、及び端部110Dの4つの端部を有する。異なる例では、X線検出デバイス100は、ターゲット107が診察台110上にいるときは、ターゲット107に対して異なる距離に配置することができる。例えば、X線検出デバイス100が診察台110に取り付けられている場合には、X線検出デバイス100は、ターゲット107の頭部に最も近い診察台110の端部、例えば、図1Cに示すように診察台110の端部110Aから約75センチメートルに配置することができる。別の例として、X線検出デバイス100は、診察台110の下であって診察台110の側部間の中央部に配置することができる。X線検出デバイス100は、ターゲット107の頭部に最も近い診察台110の端部、例えば図1Bに示すように端部110Aから約82センチメートルに配置することができる。
【0048】
図1Cは、診察台に装着された別の例のX線検出デバイスに結合された撮像機器の上から見た図100Cの図である。X線検出デバイス100は、オペレータが撮像デバイス104及び/又はホストデバイス(図示せず)(つまり、撮像デバイス104又はホストデバイスあるいはそれらの両方)とインタラクトすることができる診察台110の側部に配置することができる。
【0049】
X線検出デバイス100は、ビーム源105がターゲット107に対して様々な異なる方法で角度付け及び/又は配置(つまり、角度付け又は配置あるいはそれらの両方を)されている間に散乱放射を検出するように構成されている。例えば、X線検出デバイス100は、ビーム源105が、前後方向(AP:anterior-posterior)投影、左前斜位(LAO:left anterior oblique)アンギュレーション(angulation)、右前斜位(RAO:right anterior oblique)アンギュレーション、頭部(cranial)アンギュレーション、及び尾部(caudal)アンギュレーションを含む血管造影撮像の様々な異なる姿勢のうちの任意のものに従って角度付けされているときに、放射を検出するように構成されている。異なる姿勢のそれぞれの範囲内において、X線検出デバイス100は、ターゲット107の様々な異なる角度からの散乱X線を検出するように構成されている。これらの角度には、例えば、0度の尾部/頭部角を有する前後方向(AP)投影;30度頭側角を有するAP投影;30度の頭部角を有する10度右角度斜位(RAO:right angular oblique)投影;20度の尾部角を有する40度左角度斜位(LAO:left angular oblique)投影;30度の頭部角を有する50度LAO投影;20度の頭部角を有する30度LAO投影;20度の尾部角を有する20度RAO投影;30度の尾部角を有するAP投影;及び20度の頭部角を有する30度RAO投影が含まれる。
【0050】
X線検出デバイス100は、検査室又は環境が異なるごとに変化することができる全ての臨床的に定義されたcアーム幾何形状を含む、ビーム源105に結合された撮像デバイス104の様々な異なる形状及びサイズのうちの任意のものからの放射を検出することができる。図2A図3Aを参照して本明細書に説明されるように、X線検出デバイス100は、低電力用、低プロファイル用、無線動作用に構成することができ、デバイスを様々な異なる環境に設置することが可能になっている。X線検出デバイス100は、散乱放射を検出することができ、検査室又は環境の撮像機器と直接インタフェースすることを必要としない。その代わりに、X線検出デバイス100は、X線検出デバイス100からの時間的データを受信及び処理するように構成されている時間的データ処理エンジンを実装するホストデバイスと無線でインタフェースすることができる。
【0051】
X線検出デバイス100は、種々の強度レベルにあるパルスからの散乱放射を検出することができる。ビーム源105は、例えば、ターゲットが子供である場合には、例えば低線量、又はターゲットが大人である場合には、例えば臨床的に定義された標準線量に応じて、例えばパルス強度を調整するために、種々の放射線量レベル(dosage level)を有することができる。
【0052】
図1Dは、例示の台装着型ブラケットに収納された例示のX線検出デバイスの斜視図100Dの図である。台装着型ブラケット135は、例えば接着剤、ネジ等を通じて診察台110の下に装着することができる。台装着型ブラケット135は、X線検出デバイス100がブラケット135に収納されている間、X線検出デバイス100をしっかりと固定して位置決めするが、デバイス100を容易に取り外すこともできるように成形することができる。
【0053】
図1Eは、図1Dの例示の台装着型ブラケットに収納されていない例示のX線検出デバイスの斜視図100Eの図である。X線検出デバイス100は、台装着型ブラケット135から取り外すことができる。
【0054】
図1Fは、別の例示の台装着型ブラケット136に収納された例示のX線検出デバイス100の斜視図100Fの図である。図1Gは、図1Fの例示の台装着型ブラケット136に収納されていない例示のX線検出デバイス100の斜視図100Gの図である。
【0055】
図1Hは、診察台110に装着された台装着型ブラケット135に収納された例示のX線検出デバイス100の側面図100Hの図である。いくつかの例では、X線検出デバイス100は、台110の端部に装着されるのではなく、診察台110の下に直接装着される。この方法では、X線検出デバイス100を、台110の下の通常は使用されない空間に位置決めすることによって、オペレータが偶発的にぶつかることも混乱させることもないように配置することができる。
【0056】
図2Aは、例示のX線検出デバイス100の第1の分解組立図200Aの図である。X線検出デバイス100は、ハウジング205と、制御盤232と、電池室240と、フォトダイオード室230と、フォトダイオード234と、台装着型ブラケット135と、制御盤カバー212と、インジケータ299とを含む分解組立図に示されている。ハウジング205及び制御盤カバー212は、シンチレータ又はX線放射を伝達する他のデバイスを収容するのに寄与する任意の材料、例えばプラスチック又は炭素系材料から作製することができる。ハウジング205は、様々な表面、例えばカテーテル検査室又は他の撮像環境の診察台の端部にフィットするように成形することができる。いくつかの例では、ハウジング205は、X線検出デバイス100を表面に固定するとともに、必要に応じてX線検出デバイス100を容易に取り外して異なる位置に配置することもできるストラップ、ベルト、接着ストリップ、吸着カップ等を含むことができる。
【0057】
デバイス100は、制御パネル210を含むことができる。制御パネル210は、X線検出デバイス100の動作を制御するボタン、スイッチ、ノブ等を含む1つ以上のユーザインタラクト可能制御手段を含むことができる。例えば、制御パネル210は、X線検出デバイス100への電力供給をオン若しくはオフにする制御手段、及び/又はX線検出デバイス100に電力を供給する電池の電池充電レベルのステータスを提供する要素(つまり、X線検出デバイス100への電力供給をオン若しくはオフにする制御手段、又はX線検出デバイス100に電力を供給する電池の電池充電レベルのステータスを提供する要素、あるいはそれらの両方)を含むことができる。
【0058】
インジケータ299は、デバイス100が動作しているか否か及び/又は組み込み動作試験に合格しているか否か(つまり、動作しているか否か、又は組み込み動作試験に合格しているか否か、あるいはそれらの両方)を示すLED等の光インジケータを含むことができる。いくつかの例では、デバイス100は、デバイス100の残りの電池寿命のインジケータ等の追加のインジケータを含むことができる。電池自体は、充電式又は使い捨てのものとすることができ、電池を交換すべきか否か又は再充電すべきか否かを示す情報を伝えるインジケータ299に結合することができる。インジケータ299は、いくつかの例では、X線検出デバイス100が安定した外部電源に接続されているのか、それとも電池を通じて動作しているのかも示すことができる。
【0059】
図2Bは、例示のX線検出デバイス100の第2の分解組立図200Bの図である。制御盤232は、図5を参照して本明細書に説明されるように、デバイス100をホストデバイスに同期させるように構成することができる。X線検出デバイス100は、有線接続ポート235も含むことができ、この有線接続ポートは、様々な異なる仕様のうちの1つ、例えばUSB-Cを含むUSBに従ったケーブルを受け取るようにすることができる。
【0060】
電池室240は、デバイス100に電力を供給する1つ以上の電池を収容することができる。いくつかの例では、X線検出デバイス100は、ケーブルを通じて、又は、電池電力に加えて若しくは電池電力の代わりとして他の外部電源を通じて、電力を受け取るように構成されている。電池は、ポータブルデバイスに電力を供給する様々な異なるタイプの電池のうちの任意のもの、例えばリチウム電池等とすることができる。いくつかの例では、X線検出デバイス100は、2つの3.6ボルトリチウム電池によって電力供給される。電池は、使い捨て又は充電式のものとすることができる。ハウジング205は、デバイス100の内部構成要素にアクセスするための着脱可能パネルを含むことができる。この着脱可能パネルは、ハウジング205と同じ又は類似の材料、例えば、動作中にX線検出デバイス100による散乱放射の検出を妨げない炭素系材料から作製することができる。
【0061】
図3Aは、本開示の態様による、例示のX線検出デバイス100のブロック図である。このブロック図は、図2A及び図2Bを参照して本明細書に説明されるように、シンチレータ220と、フォトダイオード234を有するフォトダイオード室230と、制御パネル210と、制御盤232と、接続ポート235とを含む。電源350は、図2Bを参照して本明細書に説明されるように、電池又は有線電源とすることができる。
【0062】
シンチレータ220は、散乱放射を可視光に変換するように構成されている。フォトダイオード234は、シンチレータ220からの可視光を受信し、この光を電気信号に変換する。フォトダイオード室230は、シンチレータ220からの光を除いて、光がフォトダイオード234に到達するのを阻止する不透明材料から作製することができる。フォトダイオード室120は、シンチレータ220からの光をフォトダイオード234に向けて集光することができる。X線検出デバイス100は、電気信号をフィルタ310に通す。フィルタ310は、電気信号を入力として受信し、電気信号をフィルタリングしたものを出力として生成するように構成されている1つ以上の回路を使用して実装することができる。例えば、フィルタ310は、所定の周波数、例えば154MHzよりも高い信号を除去するように構成されているパッシブローパスフィルタとすることができる。この周波数は、可視光に変換された散乱放射の周波数の特定に基づいて事前に決定しておくことができる。
【0063】
X線検出デバイス100は、フィルタリングされた電気信号を計装用増幅器(instrumentation amplifier)320に通す。計装用増幅器320は、フィルタリングされた信号を、例えば805V/Vの利得で増幅するように構成されている1つ以上の回路を含むことができる。X線検出デバイス100は、増幅及びフィルタリングされた電気信号を通信サブシステム330に渡す。通信サブシステム330は、例えば、マイクロコントローラ又は他のタイプのプロセッサを含むシステムオンチップ(SoC:system-on-a-chip)とすることができ、図3Bを参照して本明細書に説明されるホストデバイスにデータを通信するように構成することができる。通信サブシステム330は、アナログ/デジタル変換器(ADC:analog-to-digital converter)340を含むことができ、このアナログ/デジタル変換器は、計装用増幅器320から増幅及びフィルタリングされた電気信号を受信し、この電気信号からデジタル信号を生成するように構成されている1つ以上の回路として実施することができる。このデジタル信号は、既定の長さのデジタルワードとすることができる。
【0064】
通信サブシステム330は、図3Bを参照して本明細書に説明されるようなホストデバイスに生成された時間的データを無線で通信するように構成されている。サブシステム330は、短距離接続又は長距離接続にわたる様々な異なる無線プロトコルのうちの任意のものを実装することができる。例として、2.402GHz~2.480GHz(一般にBluetooth(登録商標)規格に関連付けられている)、2.4GHz及び5GHz(一般にWi-Fi(登録商標)通信プロトコルに関連付けられている)、又は無線広帯域通信用のLTE(商標)規格等の様々な通信規格を伴う上記帯域幅が含まれる。様々な異なる無線プロトコルのうちの任意のものの実装の一部として、通信サブシステム330は、上記無線プロトコルに従ってデータを受信及び送信する送受信機345を含むことができる。通信サブシステム330は、例えばUSB又は様々なタイプのイーサネット接続を通じたX線検出デバイス100とホストデバイスとの間の有線通信用に構成することもできる。X線検出デバイス100は、有線インタフェース又は無線インタフェースを通じて、通信サブシステム330等の1つ以上の構成要素に対する更新を受信するように構成することができる。更新データは、ホストデバイス又はX線検出デバイス100に結合された別のデバイスによって提供することができる。
【0065】
X線検出デバイス100は、デバイス100への受信信号の信号対雑音比を改善する複数の特徴部を含むことができる。いくつかの例では、X線検出デバイスは、デバイス100によって受信された雑音を低減するのに役立つことができるパッシブローパスフィルタ及び単一の増幅器を含む。いくつかの例では、シンチレータ220の動作を改善するために、シンチレータ220は、フォトダイオード上に直接配置されるのではなく、フォトダイオード室230の上部に配置される。フォトダイオード室230は、いくつかの例では、シンチレータ220からの光をフォトダイオード234に向けて誘導することを援助するために、金属色の内面コーティングを用いて被覆することができる。
【0066】
通信サブシステム330は、X線検出デバイス100によって検出された有効なX線放射パルスを特定するように構成されている。例えば、サブシステム330は、デバイス100によって検出された散乱放射の強度に基づいてX線パルスを特定することができる。サブシステム330は、ターゲット107から散乱されたときの放射強度をキャプチャする所定の範囲の放射強度を用いて構成することができる。検出された強度の正確な範囲は、様々な要因に従って実施態様ごとに変化する可能性がある。いくつかの要因には、X線検出デバイス100の目的の位置と、ビーム源105の強度及び/又は角度(つまり、ビーム源105の強度又は角度あるいはそれらの両方)とが含まれる。
【0067】
通信サブシステム330は、散乱放射の検出時刻に対応する時間的データを生成するように構成されている。サブシステム330は、1つ以上のタグ付けされたデジタルワードとして時間的データを生成することができる。各デジタルワードは、X線検出デバイス100によって検出された散乱放射のインスタンスを示すことができ、このデジタルワードへのタグは、散乱放射の検出時刻を示す。X線検出デバイス100は、ビーム源105からの対応する放射パルスが実際に放出された時刻の1ミリ秒等の小さなタイムフレーム内に検出された散乱放射を表すデジタルワードにタグ付けすることができる。X線検出デバイス100の構成は、少なくとも部分的にその低電力デバイスとしての設計と、ビーム源自体を覆い隠すことなくデバイス100をビーム源に近接して位置決めすることを可能にするその設計の柔軟性とによって、パルスと時間的データ生成との間のこの削減されたレイテンシ(latency)を提供する。
【0068】
時間的データは、検出時刻を任意のフォーマットで表すことができ、例えば、時、分、及び秒による日時に対応するデータを用いて表すことができる。いくつかの例では、時間的データは、例えばミリ秒の範囲内の検出時刻を表すより高い時間精度も含むことができる。
【0069】
通信サブシステム330は、内部クロック332を維持する回路部を含むことができる。サブシステム330は、デジタルワードの受信時におけるサブシステム330のクロック332の時刻に基づいて時間的データを生成することができる。X線検出デバイス100及び/又はホストデバイス(つまり、X線検出デバイス100又はホストデバイスあるいはそれらの両方)は、図6を参照して本明細書に説明されるように、クロック332をホストデバイスのクロック375と同期させるように構成されている。この同期は、X線検出デバイス100のクロック及びホストデバイスのクロックの一方又は双方の間に発生しうるクロックドリフトの影響を低減するために、各シネ収集の前に行うことができる。
【0070】
ホストデバイスのクロックとX線検出デバイスのクロックとの間の同期は、ホストデバイス及びX線検出デバイス100から同期コマンドを送信するときの通信レイテンシ値(communication latency value)を計算することによって行うことができる。X線検出デバイスは、自由に配置することができ、撮像環境及び/又は撮像処置中の撮像環境(つまり、撮像環境、又は撮像処置中の撮像環境、あるいはそれらの両方)のオペレータの使用を潜在的に妨害する可能性があるワイヤもケーブルも必要としない。レイテンシを自動的に計算することは、デバイス間の無線インタフェースがシネ収集中に生成される画像フレームへのタグ付けの正確さを妨げることを防止するのに役立つことができる。計算されたレイテンシ値は、X線検出デバイスのクロックとホストデバイスのクロックとを同期させるのに使用することができる。
【0071】
図3Bは、X線検出デバイス100と、ホストコンピューティングデバイス301上に実装された時間的データ処理エンジン101とを含む撮像環境300Bのブロック図である。ホストコンピューティングデバイス(「ホストデバイス」)301は、様々なタイプの撮像デバイスから信号を受信するように構成されている1つ以上のプロセッサを含むことができる。ホストデバイス301は、これらの信号を処理して、受信信号に対応する1つ以上の画像フレーム又は他の視覚データを生成することができる。
【0072】
ホストデバイス301は、X線検出デバイス100に、又はX線検出デバイス100からデータを通信する無線送信機385を含むことができる。いくつかの例では、無線送信機385は、ホストデバイス301に接続される周辺デバイスの一部として、USB又は他のバスインタフェースを通じてホストデバイス301に接続することができる。他の例では、ホストデバイス301は、例えば、プロセッサ(複数の場合もある)313及びメモリ314等のホストデバイスの他の構成要素を接続する制御盤上に1つ以上の回路として実装される統合された無線送信機を含む。他の例では、ホストデバイスは、X線検出デバイス100とホストデバイス301との間でデータを通信するように構成されているUSBドライブ等の外部デバイスに接続することができる。
【0073】
ホストデバイス301は、ユーザ入力部370を含むことができる。ユーザ入力部370は、キーボード、マウス、機械アクチュエータ、ソフトアクチュエータ、タッチスクリーン、マイクロホン、及びセンサ等のユーザからの入力を受信する任意の適切なメカニズム又は技法を含むことができる。
【0074】
時間的データ処理エンジン101は、例えば図5を参照して本明細書に説明されるように、X線検出デバイス100から受信された時間的データを受信画像フレームにタグ付けするように構成されている。エンジン101は、X線検出デバイス100のクロック332とホストデバイス301のクロック375との間の同期も行うことができる。いくつかの例では、処理エンジン101は、X線検出デバイス100からの受信した時間的データを使用して、シネ収集の開始/停止時刻を決定するように構成することもできる。処理エンジン101は、シネ収集と並行して行われるOCTプルバックの正しい開始/停止時刻を確認することができる。
【0075】
ホストデバイス301は、撮像システム390から画像フレームを受信することができる。撮像システム390は、光受信機365と、放射受信機371と、ビーム源387と、撮像コンピューティングデバイス399とを含むことができる。撮像システム390は、カテーテル検査室の一部として実施することができ、画像フレームを生成する信号を受信及び処理するように構成することができる。例えば、撮像コンピューティングデバイス399は、放射受信機371から放射データを受信するように構成することができる。放射受信機371は、ビーム源387から放出されて患者の身体等のターゲットを通過した1つ以上の放射パルスを受信する。放射受信機371は、X線撮像デバイス、例えば図1Aの撮像デバイス104の一部とすることができる。撮像コンピューティングデバイス399は、受信放射データからX線画像データを生成し、X線画像を例えばディスプレイ318に表示するために提供するように構成することができる。
【0076】
撮像コンピューティングデバイス399は、撮像プローブ304を有する撮像デバイス305から画像を受信するように構成することができる。撮像プローブ304は、例として、OCTプローブ及び/又はIVUSカテーテル(つまり、OCTプローブ又はIVUSカテーテルあるいはそれらの両方)とすることができる。本明細書に提供される例はOCTプローブを指しているが、OCTプローブの使用は、限定を意図するものではない。OCTプローブとともに又はOCTプローブの代わりにIVUSカテーテルを使用することができる。図示されていないガイドワイヤを使用して、プローブ304を血管302内、例えばターゲット107の血管内に導入することができる。プローブ304は、データを例えば画像フレームのシーケンスとして収集しながら、血管302の管腔の長さに沿って導入及びプルバックすることができる。いくつかの例によれば、OCTデータセット及び/又はIVUSデータセット(つまり、OCTデータセット又はIVUSデータセットあるいはそれらの両方)の複数のスキャンを収集することができるように、プローブ304をプルバック中に静止して保持することができる。これらのデータセット、すなわち画像データのフレームを使用して、脂質プールの線維性被膜及び他の関心領域を特定することができる。
【0077】
プローブ304は、光ファイバ306を通じて撮像システム399に接続することができる。撮像システム390は、レーザ等の光源と、サンプルアーム及び基準アームを有する干渉計と、様々な光路と、クロックジェネレータと、フォトダイオードと、他のOCT構成要素及び/又はIVUS構成要素(つまり、他のOCT構成要素又はIVUS構成要素あるいはそれらの両方)とを含むことができる。プローブ304は、光受信機365に接続することができる。いくつかの例によれば、光受信機365は、バランスフォトダイオードベースのシステムとすることができる。光受信機365は、プローブ304によって収集された光を受信するように構成することができる。
【0078】
撮像コンピューティングデバイス399は、撮像システム390によって受信された信号データを受信し、1つ以上の画像フレームを生成することができる。ホストデバイス301は、撮像システム390から画像フレームを受信するように構成されている。いくつかの例では、ホストデバイス301は、1つ以上の画像フレームの受信の一部として、撮像システム390を使用し、例えば、光受信機365からの信号を受信して処理することによって、画像フレームを生成するように構成されている。
【0079】
時間的データ処理エンジン101は、ホストデバイス301等の1つ以上のロケーションに1つ以上のプロセッサを有する1つ以上のデバイス上に実装することができる。ホストデバイス301は、ネットワーク395を介して1つ以上の記憶デバイス399に通信可能に結合することができる。記憶デバイス(複数の場合もある)399は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを組み合わせたものとすることができ、ホストデバイス301及び/又はX線検出デバイス100(つまり、ホストデバイス301又はX線検出デバイス100あるいはそれらの両方)と同じ又は異なる物理ロケーションに配置することができる。例えば、記憶デバイス(複数の場合もある)399は、ハードドライブ、固体ドライブ、テープドライブ、光記憶装置、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、及び読み出し専用メモリ等であって、情報を記憶することが可能な任意のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0080】
ホストデバイス301は、1つ以上のプロセッサ313及びメモリ314を含むことができる。メモリ314は、プロセッサ(複数の場合もある)313が実行することができる命令315を含むものである、プロセッサ(複数の場合もある)313によってアクセス可能な情報を記憶することができる。メモリ314は、プロセッサ(複数の場合もある)313が取り出し、操作又は記憶することができるデータ316も含むことができる。メモリ314は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリ等であって、プロセッサ(複数の場合もある)313によってアクセス可能な情報を記憶することが可能なタイプの非一時的コンピュータ可読媒体とすることができる。プロセッサ(複数の場合もある)313は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、グラフィック処理ユニット(GPU:graphic processing unit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)(つまり、1つ以上の中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は特定用途向け集積回路、あるいはそれらの2つ以上)を含むことができる。
【0081】
命令315は、プロセッサ(複数の場合もある)313によって実行されると、命令によって定義される動作をこれらの1つ以上のプロセッサに実行させる1つ以上の命令を含むことができる。命令315は、プロセッサ(複数の場合もある)313によって直接処理されるオブジェクトコードフォーマットで記憶することもできるし、インタープリト可能な(interpretable)スクリプト又はオンデマンドでインタープリトされる(interpreted)か若しくは事前にコンパイルされた独立したソースコードモジュールの集合体を含む他のフォーマットで記憶することもできる。命令315は、本開示の態様と一致した時間的データ処理エンジン101を実施する命令を含むことができる。時間的データ処理エンジン101は、プロセッサ(複数の場合もある)313を使用して実行することもできるし、及び/又はホストデバイス301からリモート配置された他のプロセッサを使用して実行することもできる(つまり、プロセッサ(複数の場合もある)313を使用して実行することもできるし、又はホストデバイス301からリモート配置された他のプロセッサを使用して実行することもできるし、あるいはそれらの両方とすることもできる)。
【0082】
データ316は、プロセッサ(複数の場合もある)313が命令315に従って取り出し、記憶し、又は変更することができる。データ316は、コンピュータレジスタに記憶することもできるし、複数の異なるフィールド及びレコードを有するテーブルとして又はJSONドキュメント、YAMLドキュメント、protoドキュメント、若しくはXMLドキュメントとして、リレーショナルデータベース又は非リレーショナルデータベースに記憶することもできる。データ316は、これらに限定されるものではないがバイナリ値、ASCII又はUnicode等のコンピュータ可読フォーマットにフォーマットすることもできる。その上、データ316は、数字、記述テキスト、独自コード、ポインタ、他のネットワークロケーションを含む他のメモリに記憶されたデータへの参照(reference)、又は関連データを計算する関数によって使用される情報等の関連情報を特定するのに十分な情報を含むことができる。
【0083】
ホストデバイス301は、受信データの少なくとも一部分を、ユーザ出力部380の一部として実施されたディスプレイ上に表示するように構成することができる。ユーザ出力部380は、ホストデバイス301のインタフェースをディスプレイ318上に表示することにも使用することができる。ユーザ出力部380は、代替的に又は付加的に、1つ以上のスピーカ、トランスデューサ又は他のオーディオ出力、非視覚情報及び非可聴情報をホストデバイス301のユーザに提供する触覚インタフェース又は他の触知フィードバックを含むことができる。
【0084】
ディスプレイ318は、現在及び過去のシネを含むビデオシーケンスを表示することができる。例えば、ビデオシーケンスは、画像フレームをループしたものとすることができる。ループ内の画像フレームは、現在のシネの画像フレーム部分、例えば、進行中のシネ収集の一部としてキャプチャされた画像とすることができる。画像フレームは、シーケンス内の異なるシネのフレームを分離するプレースホルダフレーム(placeholder frame)、例えば、ブラックフレーム又は静的フレームとすることもできる。画像フレームは、事前に収集されたシネからのものである場合もある。
【0085】
図3Bは、プロセッサ(複数の場合もある)313及びメモリ314をホストデバイス301内にあるものとして示しているが、プロセッサ(複数の場合もある)313及びメモリ314を含めて本明細書に説明される構成要素は、同じコンピューティングデバイス内でない異なる物理ロケーションにおいて動作することができる複数のプロセッサ及びメモリを含むことができる。例えば、命令315及びデータ316のうちのいくつかは、着脱可能SDカード及び読み出し専用コンピュータチップ内の他のものに記憶することができる。命令及びデータの一部又は全ては、プロセッサ(複数の場合もある)313から物理的に遠隔であるがそれでもプロセッサ(複数の場合もある)313によってアクセス可能であるロケーションに記憶することができる。同様に、プロセッサ(複数の場合もある)313は、並行動作及び/又は逐次動作(つまり、並行動作又は逐次動作あるいはそれらの両方)を実行することができるプロセッサの集合体を含むことができる。ホストデバイス301は、タイミング情報を提供する1つ以上の内部クロックをそれぞれ含むことができ、このタイミング情報は、ホストデバイス301によって実行される動作及びプログラムの時間測定に使用することができる。いくつかの例では、ホストデバイス301は、画像データ又は画像フレームが受信される撮像機器から物理的に遠隔である。ホストデバイス301は、ネットワーク395を介して時間的データ、画像フレーム、及び/又は他のデータ(つまり、時間的データ、画像フレーム、又は他のデータ、あるいはそれらの2つ以上)を受信するように構成することができる。
【0086】
ホストデバイス301は、ネットワーク395を介して1つ以上の他のデバイスと直接通信及び間接通信が可能なものとすることができる。ホストデバイス301は、情報を送信及び受信する開始接続を受け取ることができるリスニングソケットをセットアップすることができる。ネットワーク395自体は、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、及び1つ以上の企業に独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワークを含む様々な構成及びプロトコルを含むことができる。ネットワーク395は、様々な短距離接続及び長距離接続をサポートすることができる。短距離接続及び長距離接続は、2.402GHz~2.480GHz(一般にBluetooth(登録商標)規格に関連付けられている)、2.4GHz及び5GHz(一般にWi-Fi(登録商標)通信プロトコルに関連付けられている)、又は無線広帯域通信用のLTE(商標)規格等の様々な通信規格を伴う上記帯域幅等の異なる帯域幅にわたって行うことができる。ネットワーク395は、付加的に又は代替的に、様々なタイプのイーサネット接続を介することを含めて、ホストデバイス301、X線検出デバイス100、及び/又は他のコンピューティングデバイス(つまり、ホストデバイス301、X線検出デバイス100、又は他のコンピューティングデバイス、あるいはそれらの2つ以上)の間の有線接続もサポートすることができる。
【0087】
図3Bには単一のホストデバイス301及びX線検出デバイス100が示されているが、本開示の態様は、逐次処理又は並列処理のパラダイムを含む様々な異なる構成及び数量のデバイスに従って実施することもできるし、複数のデバイスの分散ネットワークにわたって実施することもできることが分かる。いくつかの実施態様では、本開示の態様は、単一のデバイス、及びその任意の組み合わせにおいて実行することができる。
【0088】
図4は、X線パルスと、例示のX線検出デバイスを使用して各パルスに関連付けられた時間的データとを示すチャート400である。ライン401は、本明細書に説明されるようにX線検出デバイスによって散乱放射から検出された放射パルスを示している。ライン401は、時刻T、T、T、及びTにおけるピーク402A~402Dによって示される4つの検出放射の発生を示している。各時刻T~Tは、所定の間隔によって分離されており、この例では33ミリ秒の間隔によって分離されている。この間隔は、TとTとの間にビーム源によって放出されるパルスのシーケンスから生成されるシネのフレームレートに少なくとも基づいている。生成されるシネにおけるフレームレートが高いほど、ビーム源は、より多くのパルスを放出することができる。生成されるシネにおけるフレームレートが低いほど、ビーム源が放出することができるパルスはより少なくなる。
【0089】
ライン403は、時刻T~Tにおける散乱放射の発生の検出に応答してX線検出デバイスによって生成される対応するX線パルス検出イベントを示している。各イベントには、図4に示す対応するタイムスタンプがタグ404A~404Dとしてタグ付けされる。
【0090】
[例示の方法]
図5は、本開示の態様による、X線画像に時間的データをタグ付けする例示のプロセス500のフローチャートである。例えば、1つ以上のプロセッサを有するホストデバイスが、プロセス500を実行することができる。
【0091】
ホストデバイスは、ブロック510に従って、ビデオレイテンシ値を求める。ビデオレイテンシは、新たなシネ収集について放出される最初のX線放射パルスと、対応する画像フレームの生成との間の時間を指す。ビデオレイテンシ値は、例えば、低線量モード又は高線量モード等の、ビーム源が動作しているモードに基づいて変化する可能性がある。ビデオレイテンシ値に影響を与える可能性がある他の要因は、ホストデバイス及び/又は画像フレームを生成する撮像システム(つまり、ホストデバイス、画像フレームを生成する撮像システム、あるいはそれらの両方)のハードウェアと、ホストデバイスと撮像デバイスとの間の接続とを含むことができる。ホストデバイスは、各シネ収集前にビデオレイテンシを求めることができる。
【0092】
ホストデバイスは、ブロック520に従って、ホストデバイスのクロックをX線検出デバイスのクロックと同期させる。クロックは、クロック及びそれぞれのデバイス上でクロックを実施するハードウェア又はソフトウェアの精度を含む様々な理由から、時間とともに正しい時刻からドリフトする又はずれる場合がある。X線検出デバイスと同期するために、ホストデバイスは、データをX線検出デバイスに送信し、X線検出デバイスからの応答を受信する時間を測定することができる。X線検出デバイスに送信されるデータは、例えば、散乱放射の検出中にX線検出デバイスによって送信される時間的データと同じサイズのものとすることができる。この計算は1回行うことができるが、いくつかの例では、ホストデバイスは、通信レイテンシ値の計算を複数回繰り返し、計算されたレイテンシ値を平均して、最終平均通信レイテンシ値を生成することができる。
【0093】
いくつかの例では、X線検出デバイスは、例えば、X線検出デバイスの制御パネル上のボタンを通じたユーザ入力に応答してホストデバイスと同期される。他の例では、X線検出デバイスは、所定の期間後に、散乱放射の検出に応答して要求を送信する。例えば、X線検出デバイスは、デバイスによって検出される各シネ収集の要求を送信することができる。上記所定の期間は、シネ収集の一部として放出される放射パルスのシーケンス内の放射パルス間の最大遅延よりも長い時間の長さとすることができる。他の例では、ホストデバイスは、タグ付けのために画像フレームを受信した時にX線検出デバイスと同期する。いくつかの例では、X線検出デバイスが、ホストデバイスに加えて又はホストデバイスの代わりとして、ブロック520に従ってクロックを同期させることができる。
【0094】
ホストデバイスは、ブロック530に従って、X線検出デバイスから時間的データを受信する。例えば、X線検出デバイスは、タグ付けされたデジタルワードのシーケンスを時間的データとして生成することができる。各デジタルワードは、検出された散乱放射の発生に対応し、デジタルワードに対するタグは、散乱放射に対応する放射パルスが発生した時刻を表す。デジタルワードのシーケンスは、ホストデバイス内にストリーミングすることもできるし、いくつかの例では、シネ収集が完了した後に一度に受信することもできる。
【0095】
ホストデバイスは、ブロック540に従って、画像フレームのシーケンスを受信する。これらの画像フレームは、ホストデバイスに接続されたディスプレイ上に表示される。例えば、画像フレームは、撮像システムから収集されたシネの一部とすることができる。いくつかの例では、画像フレームは、撮像システム及び/又はホストデバイスに接続されたディスプレイ上に表示されるループビデオシーケンス(つまり、撮像システム又はホストデバイスあるいはそれらの両方)からのものとすることができる。画像フレームは、表示されるビデオストリームにおける他のシネ収集との間のプレースホルダ(placeholder)として機能する1つ以上のフレームを含む。
【0096】
ホストデバイスは、ブロック550に従って、プレースホルダフレームに続く初期画像フレームに、時間的データにおける初期デジタルワードのタイムスタンプをタグ付けする。ホストデバイスは、受信された画像フレームのシーケンスを処理して、プレースホルダフレーム(placeholder frame)後に現れる初期フレームを特定するように構成することができる。プレースホルダフレームは、フルブラック画像等のいくつかの特定の特徴を有するものとして事前に定めておくことができ、ホストデバイスは、それらの事前に定めた特徴を有する画像フレームに基づいて画像フレームがプレースホルダであることを特定するように構成することができる。初期画像フレームへのタグ付けの一部として、ホストデバイスは、ホストデバイスが初期画像フレームを受信した時刻が、初期放射パルスの時刻にビデオレイテンシ値を加えたものに対応すると判断することができる。
【0097】
ホストデバイスは、ブロック570に従って、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて次の画像フレームを特定する。受信シーケンスにおいて初期画像フレームに続く2番目の画像フレームから開始して、ホストデバイスは、初期画像フレーム後において、所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信された画像フレームを特定することができる。例えば、受信画像フレームのシーケンスが30フレーム毎秒で生成される場合に、画像間の所定の間隔は約33.33ミリ秒となる。別の例として、15フレーム毎秒で生成される画像フレームは、66.6ミリ秒の所定の間隔を有する。ホストデバイスは、撮像システムが画像を生成したフレームレートを示すデータを画像フレームのシーケンスとともに受信することができる。放射パルスと、ホストデバイスが放射パルスから生成された画像フレームを受信することとの間にビデオレイテンシが存在するので、ホストデバイスは、初期画像フレームの後に所定の間隔及びビデオレイテンシ値が経過した後に受信された画像フレームをチェックする。
【0098】
ホストデバイスは、ブロック580に従って、時間的データにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを特定された画像フレームにタグ付けする。例えば、初期画像フレームがタグ付けされた後、時間的データにおける次のデジタルワードは、その散乱放射がX線検出デバイスによって検出される2番目の放射パルスの発生に対応する。ホストデバイスは、2番目のデジタルワードを特定された画像フレームにタグ付けする。
【0099】
ホストデバイスは、菱形590に従って、現在のシネの終了に達したか否かを判断する。ホストデバイスは、ブロック570に従ってタグ付けされた画像フレームの後の次の画像フレームが所定の期間内に受信されていないか否かを判断することができる。この期間は、所定の間隔にデルタ値を加えたものとすることができる。デルタ値は、事前に決定しておくことができ、例えば2秒とすることができる。
【0100】
ホストデバイスが所定の期間内に画像フレームを受信していない場合には、現在のシネの停止時刻は、シーケンス内の最後のタグ付けされた画像フレームのタイムスタンプとして特定される。シネの開始時刻は、最初のX線放射パルスの時刻、すなわち、初期画像フレームのタイムスタンプである。
【0101】
ホストデバイスが、シネが終了していないと判断した場合には(「NO」)、ホストデバイスは、ブロック570及び580に従って、次のフレームの特定及びタグ付けを繰り返すことができる。ホストデバイスが、シネが終了したと判断した場合には(「YES」)、ホストデバイスはプロセス500を終了する。
【0102】
カテーテル検査室又は撮像環境は、放射を開始するためのユーザ操作入力、例えば、オペレータの足によるペダルの押圧を有する場合があるが、オペレータが入力を提供することと、放射がパルス出力を開始することとの間には遅延が存在する。この遅延への対処を試みるために一定のレイテンシが事前に定められているときであっても、シネ収集の初期放射パルスの発生をオペレータ入力に基づいて判断することは、X線検出デバイスによって提供されるようにパルスが放出されたときにパルスを測定することよりも正確性に劣る。
【0103】
画像フレームにタグ付けするための放射パルスの正確な検出及び時間的データの正確な生成は、例えば、相互位置合わせプロセスを改善するために、又は、OCTプルバック監視をより正確にするために、様々な異なる方法で使用することができる。少なくとも、フレームは、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に従って特定され、時間的データを使用して正確にタグ付けされるので、ホストデバイスは、フレームの欠落又はフレームの複製を回避する。
【0104】
画像フレームにタグ付けされた正確な時間的データは相互位置合わせプロセスを改善することができ、この相互位置合わせプロセスは、ホストデバイスによって実施され、この相互位置合わせプロセスは、血管造影画像フレームをOCTプルバックの一部としてカテーテルの撮像プローブによって撮影された画像フレーム等の他のタイプの画像フレームと相互位置合わせする正確な時間的データに依拠する。例えば、ホストデバイスは、異なるモダリティの画像、例えば、血管造影画像及びOCT画像を相互位置合わせするように構成することができる。
【0105】
現在のシネ収集の放射パルスの時間的データを使用してタグ付けされる現在のシネ収集の画像フレームのみが決定されるので、ホストデバイスは、現在のシネの一部でない画像フレームを不正確に処理することなく画像フレームに対して相互位置合わせを行うことができる。
【0106】
本明細書に説明されるような放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の正確な判断は、シネ収集及び/又はOCTプルバック等のシネ収集に加えて行われる他の撮像処置(つまり、シネ収集、又はOCTプルバック等のシネ収集に加えて行われる他の撮像処置、あるいはそれらの両方)の間の自動ワークフロー及び自動タイミングを改善することができる。
【0107】
例えば、ホストデバイスの時間的データ処理エンジンは、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻を示すデータをリアルタイムで受信することができ、シネ収集が進行中であることをユーザオペレータに示すプロンプトをホストデバイスのディスプレイを通じて提供することができる。加えて、時間的データ処理エンジンは、OCTプルバックをいつ開始するのか、又は血管造影撮像処置の一部としての染料コントラスト(dye contrast)注入をいつ開始するのかを示すプロンプトをユーザオペレータにリアルタイムで提供することができる。
【0108】
例えば、X線検出デバイスから時間的データを受信すると、ホストデバイスは、シネ収集の開始後の所定の時間に(すなわち、初期画像フレームのタイムスタンプに従って)染料コントラスト注入を開始するプロンプトを撮像システムのオペレータに送信することができる。このシネ収集の開始後の所定の時間は、例えば2秒とすることができる。別の所定の時間は、コントラスト(contrast)注入の後にOCTプルバックを開始するように設定することができる。OCTプルバックのタイミングを定めるために、時間的データ処理エンジンは、シネ収集が進行中であるとき、OCTプルバックタイミングが無効であるか又は有効であるかを提供することができる。OCTプルバックが有効であるという表示を、撮像処置が終了した後ではなくリアルタイムで提供することによって、有効なOCTプルバックに備えるために必要に応じて撮像のより高速な再調整が可能になる。加えて、時間的データ処理エンジンは、ヒューマンエラーを起こす傾向があるユーザオペレータによる入力を通じて提供される手動タイミングに依拠するのではなく、ホストデバイスのディスプレイを通じてユーザオペレータにOCTプルバックを開始するように自動的に指示することができる。
【0109】
図6は、本開示の態様による、X線検出デバイスによって時間的データを生成する例示のプロセス600のフローチャートである。
【0110】
X線検出デバイスは、ブロック610に従って、X線検出デバイスのシンチレータによって検出された散乱放射の発生に対応する電気信号を受信する。X線検出デバイスは、図3Aを参照して本明細書に説明されるように、シンチレータと、フォトダイオードと、電気信号を生成する他の構成要素とを含むことができる。
【0111】
X線検出デバイスは、ブロック620に従って、少なくともこの電気信号を使用して、散乱放射の発生時刻を明記した時間的データを生成する。時間的データは、それぞれのタイムスタンプをタグ付けされた1つ以上のデジタルワードを含むことができる。デジタルワードは、散乱放射の検出された発生を表すことができ、タイムスタンプは、散乱放射の各発生が検出された時刻を表すことができる。図3Aを参照して本明細書に説明されるように、通信サブシステム330は、電気信号に対応するデジタルワードが受信されるときのクロック332の時刻において時間的データを生成するクロック332を含むことができる。
【0112】
X線検出デバイスは、ブロック630に従って、X線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに時間的データを送信する。例えば、コンピューティングデバイスは、図3Bを参照して本明細書に説明されるように、ホストデバイスとすることができる。
【0113】
図7は、本開示の態様による、シネ収集を示すタイミング図700である。ライン710は、左から右への時間の経過を表す。ライン712において、OCT撮像がシネ収集と同時に使用されている場合には、OCTプルバックが有効にされる。ライン714において、シネ収集の放射パルスのシーケンスを開始するペダル押圧又は他のユーザ入力がカテーテル検査室のユーザオペレータによって行われる。ライン714におけるペダル押圧後の或る時点において、ビーム源が放射パルスの放出を開始する。X線検出デバイスは、ライン716において、散乱放射から初期放射パルスを検出することができ、ホストデバイスは、図5を参照して本明細書に説明されるように、ビデオレイテンシ値を計算することができる。
【0114】
最初の放射パルスの後、ホストデバイスは、ライン718において、コントラスト染料注入を開始するプロンプトを送信することができる。図5を参照して本明細書に説明されるように、時間的データを使用して画像フレームに正確にタグ付けすることによって、ホストデバイスは、OCTプルバック中に撮影された画像と相互位置合わせすることができるターゲットの撮像された心血管系にコントラストを追加するワークフローを容易にすることができる。
【0115】
ライン720において、OCTプルバックが開始する。図6を参照して本明細書に説明されるように、シネ収集の放射パルスの開始時の正確な検出に基づいて、ホストデバイスは、プルバックが有効であるか又は無効であるかを判断することができる。ライン722において、コントラスト注入が終了する。ライン724において、プルバックが終了する。ライン726において、シネ収集の放射パルスのシーケンスを終了するペダル押圧又は他のユーザ入力が、カテーテル検査室のユーザオペレータによって行われる。ライン728において、ビーム源がオフにされ、放射パルスのシーケンスは終了する。
【0116】
ビデオストリーム750は、ライン716とライン728との間におけるシネ収集の前、間、及び後にホストデバイスによって受信された画像フレームを含む。ビデオストリーム750は、セグメント750A~750Eを含む。ビデオストリーム750は、撮像システムによって生成することができ、ホストデバイスによって受信することができる。セグメント750Aは、以前のシネ収集、例えばライン712の前に行われたシネ収集の再生の一部としての静的フレーム及び/又は画像フレーム(つまり、静的フレーム又は画像フレームあるいはそれらの両方)を含むことができる。ホストデバイスは、新たなシネ収集が開始するまで、接続されたディスプレイ上で画像フレームをループして再生することができる。セグメント750Aは、放射パルスを放出するビーム源がオンにされると終了することができる。セグメント750Bは、再生/静的フレームをセグメント750Aにおける画像フレームから分離する1つ以上のブラックフレームを含むことができる。
【0117】
セグメント750Cは、現在のシネ収集からの画像フレーム、例えば、放射パルスのビーム源が放射を放出していた間のライン716とライン728との間に受信された画像フレームを含む。セグメント750Cにおける画像フレームは、ライン716とライン728との間の時間において散乱放射を検出するX線検出デバイスから受信された時間的データを使用してタグ付けされる。ホストデバイスは、セグメント750Bにおけるプレースホルダフレームに続く最初の非プレースホルダフレームを現在のシネ収集の初期画像フレームとして特定することができる。
【0118】
セグメント750Dは、1つ以上のフリーズ画像フレームを含む。セグメント750Dは、現在のシネ収集とセグメント750Eの再生/静的画像フレームとの間のストリーム750における移行期間とすることができる。例えば、1つ以上のフリーズ画像フレームは、セグメント750Cのリプレイビデオ、又は、現在のシネ収集においてタグ付けされた最後の画像フレームの静的表示とすることができる。
【0119】
セグメント750Eは、新たなシネ収集が開始するまで、ホストデバイスがディスプレイ上でループすることができる再生/静的画像フレームを含む。セグメント750Eにおける画像フレームは、セグメント750Cにおけるタグ付けされた画像フレームにおいて当初提供された再生用の画像フレームを含むことができる。
【0120】
図8は、例示のX線検出デバイスからの時間的データをタグ付けされた血管造影画像ファイルからの画像フレームのシーケンス8800である。この画像フレームシーケンスは、画像フレーム810A~810Zを含む。画像フレームのシーケンスの800は、例えば、図7を参照して本明細書に説明されるようなビデオストリーム750とすることができる。
【0121】
画像フレーム810Aは、ホストデバイスのディスプレイ上でビデオシーケンスのループの一部として再生される、以前に収集されたシネからの画像フレームである。画像フレーム810Bは、異なるシネの画像フレームを分離するブラックフレーム又は静的フレームである。1つのブラックフレーム又は静的フレームが示されているが、画像フレームのシーケンス800は、異なるシネの間に複数のブラックフレーム又は静的フレームを含むことができる。画像フレーム810C及び810X、並びに任意選択的に図示されていない1つ以上の他の画像フレームが、現在のシネ収集の一部を構成する。例えば、画像フレーム810C~810Xは、本明細書に説明されるように、X線検出デバイスによって生成された時間的データをタグ付けされる現在のシネ収集のシネフレーム760の一部とすることができる。
【0122】
画像フレーム810Y、810Zは、画像フレーム810C、810Xの再生の一部とすることができる。図8を参照して本明細書に説明されるように、直近にキャプチャされたシネの画像フレームは、シネ収集が終了した後に再生することができる。画像フレーム810Y、810Zは、例えば、画像フレーム810C、810Xと異なり、時間的データをタグ付けされない。その理由は、画像フレーム810C、810Xは、シネ収集中にホストデバイスによって受信される一方、画像フレーム810Y、810Zは、シネ収集が終了した後に受信されるからである。
【0123】
上述したように、X線検出デバイス100のクロック332及びホストデバイス301のクロック375は、X線検出デバイス100から収集される時間的データを血管造影画像に適切にタグ付けすることができるように同期させることができる。他の形態の同期を本明細書に提供される本開示の態様とともに使用することができるが、図9A図11Bは、X線検出デバイス100とホストデバイス301との間の接続のタイプが変化してもクロック332とクロック375との同期を可能にする同期技法の態様を示している。例えば、X線検出デバイス100及びホストデバイス301は、Bluetooth接続等を通じて無線で接続することができるが、USBコード付き接続等を介した有線接続を含む他の手段によって接続することもできる。
【0124】
加えて、図9A図11Bは、上述したX線検出デバイス及びホストデバイス以外の他のタイプのデバイスを含む互いに同期されるクロックを含む任意のデバイスとの接続において使用することができる同期技法を示している。例えば、モバイルデバイスのクロックをパーソナルコンピュータ(PC:personal computer)に又はその逆に同期させることができるように、本明細書に説明される同期プロセスは、PCと、ウォッチ又はモバイルフォン等のモバイルデバイスとの間で行うことができる。したがって、本明細書に開示される同期技法は、任意の数の用途とともに使用することができる。
【0125】
本明細書に説明される同期技法の態様によれば、2つのデバイスの間の接続を複数の接続間隔に分割することができ、各接続間隔は、2つのデバイス間の送信を当該2つのデバイス間で行うことができる期間を表す。図9Aは、複数の接続間隔マーカ902a~902fに分割されたタイムライン900を示している。タイムライン900内には、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の同期送信の送信中に起こる可能性があるイベントマーカ904a、904b、及び904cがある。イベントマーカ904aから904cまでのスパンは、同期メッセージを第1のデバイスと第2のデバイスとの間で送信するのに要する全体の往復時間を表す。特に、第1のデバイスは第1の同期メッセージを第2のデバイスに送信することができ、第2のデバイスは第2の同期メッセージを第1のデバイスに送信することができる。
【0126】
タイムライン900の接続間隔は、デバイスのタイプと、デバイス間の接続のタイプとに基づくことができる。例えば、タイムライン900のデバイスの接続間隔は200msとすることができ、これは、200msが、連続した間隔マーカ902の間で経過することを意味する。図9Aに示すように、往復送信時間は、レイテンシ期間を含むことができる。このレイテンシ期間は、送信に関連して発生する或る遅延を表すことができる。例えば、タイムライン900において、第1のデバイスは、時刻T1に起こるイベントマーカ904aにおいて、そのクロックを再設定し、同期メッセージをデバイス送信機(例えば、デバイスドングル)に書き込む。しかしながら、ドングル(dongle)は、間隔マーカ902bに対応するその後の時刻まで同期メッセージを第2のデバイスに送信しない。第2のデバイスは、第1のデバイスから同期メッセージを受信すると、受信メッセージに基づいてそのクロックを時刻T2に再設定し、返信メッセージを第1のデバイスに送信するように構成することができる。第2のデバイスは、第1のデバイスからクロック再設定メッセージを受信した時刻及びそのクロックが再設定された時刻から無視できる時間量しか経過しないように構成することができる。第2のデバイスは、クロック再設定メッセージを受信した後、そのクロックを再設定するのに必要とする時間量を考慮するように構成することもできる。第1のデバイスは、イベントマーカ904cに従って時刻T3に返信メッセージを受信する。
【0127】
図9Aの同期送信に存在するレイテンシは、第1のデバイスのクロックが第2のデバイスにおけるクロックと同期されるのを妨げる。これらの2つのクロックを同期させるために、第1のデバイスのクロックを再設定する時刻T1は、このレイテンシを考慮して調整することができる。特に、レイテンシ値(L)は、往復時間から接続間隔(C)を減算することによって求めることができ、往復時間は、T3からT1を引くことに対応する。これは、以下のように表すことができる。
L=(T3-T1)-C
【0128】
レイテンシ値Lが求められると、この値は、第1のデバイスのクロックを第2のデバイスのクロックと同期させるために、第1のデバイスのクロックの時刻に加算することができる。図9Aに示す例では、この計算は同期メッセージの全体の送信時間が2つの接続間隔よりも小さいことに基づいている。特に、図9Aに示すように、レイテンシは接続間隔よりも小さく、イベントマーカ904b及び904cは隣接する間隔マーカ902bと間隔マーカ902cとの間に起こる。したがって、タイムライン900に示す送信の場合、往復(T3-T1)は、2つの接続間隔(2*C)よりも小さい。その結果、タイムライン900の送信は、レイテンシを含む全体の送信時間が、往復時間が2つ以上の接続間隔に及ばないようにする理想的な送信を表す。
【0129】
図9Bは、同期送信の往復時間が3つ以上の接続間隔に及ぶタイムライン900’を示している。特に、イベントマーカ906aは、間隔マーカ902aと間隔マーカ902bとの間にある一方、イベントマーカ906cは、間隔マーカ902fと一致する。したがって、第1のデバイスのクロックは、間隔マーカ902aと一致する接続間隔と、間隔マーカ902bと一致する接続間隔との間の或る時刻である時刻T1において再設定され、同期返信メッセージの受信は、間隔マーカ902fと一致する時刻T3において行われる。第2のデバイスは、間隔マーカ902b~902eのうちの1つに対応する同期メッセージの受信に基づいてそのクロックを時刻T2に再設定していることになる。T2における第2のデバイスのクロック再設定と一致するイベントマーカ906bは、その結果、間隔マーカ902b~902eのうちのいずれか1つと関連して発生しうる。タイムライン900’に示す同期送信のレイテンシは、その結果、全体の往復時間(T3-T1)から接続間隔(C)の或る倍数を引いたものとなる。ここで、この倍数は1、2、3、又は4のいずれかである。これは、以下のように表すことができる。
L=(T3-T1)-i*C (ここで、i=1、2、3、又は4である)
【0130】
正しいレイテンシ値(L)が選ばれたものと判断するために、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の後続の送信が、更に短い接続間隔についてでさえも、T1<T2+L<T3が真となるようにイベント時刻を有することを、システムはチェックすることができる。したがって、後続のチェックメッセージに短い接続間隔を使用することによって、正しいレイテンシ値(L)を特定することができる。このレイテンシ値(L)が特定されると、第1のデバイスのクロックの再設定時刻(reset time)(Treset)を、T’reset=Treset+Lとなるように、調整された再設定時刻(T’reset)に調整することができる。この調整が行われると、時刻T1’<T2<T3’は、全ての後続のメッセージに当てはまることになる。
【0131】
図10は、本開示の態様による、第1のデバイスのクロックを第2のデバイスのクロックと同期させる例示のプロセス1000のフローチャートである。ステップ1002において、同期送信の接続間隔を例えば200ms等の所定の値に設定することができる。クロック再設定の同期メッセージは、ステップ1004において送信することができる。上述したように、この同期メッセージは、時刻T1に対応する第1のデバイスのクロック再設定と、時刻T2に対応する第2のデバイスのクロック再設定と、時刻T3と一致する第1のデバイスによる返信メッセージの受信とを含むことができる。ステップ1006において、同期送信の往復時間を求めることが行われ、ここで、往復時間は、T1とT3との間の差に対応し、そのため、T3-T1で表すことができる。ステップ1008において、往復時間(T3-T1)が接続間隔値の第1の倍数よりも大きいか否かを判断することができる。この第1の倍数は、1の値に設定することができるが、整数である必要はなく、1.5等の値に設定することができる。第1の倍数を約1.0又は約1.5とすることによって、間隔値を増加させたときの遅延の余地ができる。例えば、ステップ1002において、接続間隔値は、50msから200msに増加される場合がある。これまでの50ms接続間隔を使用した1つ以上の送信は、200ms送信が行われる前に行うことができる。より短い接続間隔を使用する送信は、ステップ1008において特定することができ、追加の送信は、往復時間が1.0又は1.5等の選択された第1の倍数よりも大きいと判断されるまでステップ1004において行うことができる。例えば、ステップ1008において、往復時間(T3-T1)が200msの接続間隔の1.5倍である300msよりも大きいか否かの判断を行うことができる。
【0132】
同期送信が、接続間隔の第1の倍数(例えば、1.5倍)よりも大きな往復時間を有していなかったとステップ1008において判断された場合には、プロセスは、別の同期送信を行うためにステップ1004に戻ることができる。その往復が接続間隔の第1の倍数よりも大きい場合には、その往復が接続間隔の第2の倍数よりも小さいか否かの判断をステップ1010において行うことができる。上述したように、この第2の倍数は、同期送信のその往復が接続間隔の2倍よりも小さいか否かが判断されるように、2の値に設定することができる。同期送信の往復が接続間隔の2倍よりも小さい場合には、同期送信に関連付けられたレイテンシは、同期送信の往復時間から接続間隔の所定の値を引いたものとして求めることができる(ステップ1012)。ステップ1012において求められたレイテンシ値をステップ1022において使用して、第1のデバイスのクロックの再設定時刻を更新することができる。レイテンシ値によって第1のデバイスのクロックを調整するときに、第1のデバイスのクロックを、送信のレイテンシによる影響を受けた時刻T2に対応するようにステップ1004において再設定された第2のデバイスのクロックに同期させることができる。
【0133】
ステップ1010に戻って、同期送信の往復が接続間隔の2倍よりも小さいと判断されない場合には、潜在レイテンシ値がステップ1014において特定される。上述したように、潜在レイテンシ値(L)は、往復(T3-T1)から接続間隔(C)の或る倍数(i)を引いたものに基づいており、したがって、L=(T3-T1)-(i*C)となる。ステップ1016において、短い接続間隔をチェックメッセージの送信用に設定することができる。この短い接続間隔は、ステップ1002において使用される接続間隔の所定の値よりも大幅により短くなるように選択することができる。例えば、短い接続間隔は、簡単なチェックメッセージを送信することができる最小の利用可能な値、又は、少なくとも、チェックメッセージのT1、T2、及びT3の値が、元のレイテンシ値の特定を可能にする期間に及ぶように十分小さな値に設定することができる。ステップ1018において、簡単なチェックメッセージのT1、T2、及びT3の値が求められ、ステップ1020において、1つのレイテンシ値が簡単なチェックメッセージに関するT1<T2+レイテンシ<T3の基準を満たすか否かについての判断が行われる。基準を満たさない場合には、T1、T2、及びT3の決定は、ステップ1018において新たなチェックメッセージについて行うことができる。1つのレイテンシ値しかT1<T2+レイテンシ<T3の基準を満たさないと判断された場合には、そのレイテンシ値を使用して、第1のデバイスのクロックをそのレイテンシ値だけ調整することによって第1のデバイスのクロックを更新することができる。このようにして、第1のデバイス及び第2のデバイスのクロックを同期させることができる。
【0134】
上述したように、第1のデバイス及び第2のデバイスは、同期されたクロックを有することが所望される任意のデバイスとすることができる。本開示の態様によれば、第1のデバイスはホストデバイス301とすることができ、第2のデバイスはX線検出デバイス100とすることができる。
【0135】
2つのデバイスのクロックが同期されると、2つのクロックは、互いにゆっくりとドリフトする場合がある。例えば、このドリフトは、約0.5ms毎分~約0.8ms毎分である場合がある。本開示の態様によれば、2つのクロックの間のドリフトは、長期間にわたるクロック同期の維持を可能にするために補正することができる。例えば、上述したクロック同期技法は、2つのデバイスが互いに最初に接続された時に行うことができ、その後、クロック同期を維持するためにドリフト補正を行うことができる。
【0136】
図11Aには、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の往復送信のタイムライン1100が示されている。往復時間は、第1のデバイスが第2のデバイスへの送信対象のメッセージを書き込む時のT1(イベントマーカ1102)と、第1のデバイスが第2のデバイスから返信メッセージを受信する時の時刻T3(イベントマーカ1104)との間の時間に対応する。上述したように、時刻T2は、第2のデバイスへの送信が行われる時刻に対応し、この時刻T2は、イベントマーカ1102とイベントマーカ1104との間にある接続間隔902b~902eのうちの1つに対応する。一方、ライン1110は、送信が第2のデバイスによって実際に受信された、第2のデバイスのクロックによる時刻T2を示している。このライン1110は、2のデバイスのクロックに発生したドリフトに起因して、接続間隔マーカ902dから僅かに離れている。したがって、第2のデバイスのクロックのドリフトは、ライン1110における実際の受信時刻T2と、ライン1110に最も近い間隔マーカ902dに位置するライン1112における予想受信時刻T2との間の差を求めることによって求めることができる。ライン1110とライン1112との間の時間差は、その後、第2のデバイスのクロックのドリフトを補正するのに使用することができる。このドリフト補正技法は、補正間の全体のドリフトが接続間隔の2分の1未満となるように十分頻繁に実行されるときは常に効果的であり続ける。したがって、定期的に送信されるメッセージを使用すると、本開示に従って第1のデバイス及び第2のデバイスのクロックの同期を維持することができる。
【0137】
図11Aは、例えば、Bluetooth送信等の複数の接続間隔にわたって行われる送信とともに使用することができるドリフト補正の形態を示している。図11Bは、Bluetooth送信と同じレイテンシ又は複数の接続間隔を有していないUSB接続を含む他の形態の送信に使用することができるドリフト補正を示している。図11Bのタイムライン1100’に示すUSB送信等の直接送信に関して、第2のデバイスが第1のデバイスからの送信を受信する予想時刻T2は、往復送信の中間点として特定することができる。ライン1122は、ライン1132(T1に対応する)とライン1134(T3に対応する)との間の中間であるこの予想時刻T2を表している。ライン1120は、第2のデバイスのクロックによって特定される実際の時刻T2を表している。このドリフトは、実際の位置合わせされた時刻(ライン1120)と予想時刻(ライン1122)との間の差に対応する量だけ第2のデバイスクロックを調整することによって補正することができる。このようにして、第1のデバイス及び第2のデバイスのクロックは同期を維持することができる。
【0138】
本開示の態様は、デジタル回路、コンピュータ可読記憶媒体において、1つ以上のコンピュータプログラムとして、又は上記のうちの1つ以上の組み合わせとして実施されうる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能であり、有形の記憶デバイス上に記憶される1つ以上の命令として、非一時的でありうる。
【0139】
本明細書では、「構成される、又は構成されている(configured to)」という句は、コンピュータシステム、ハードウェア、又はコンピュータプログラム、エンジン、若しくはモジュールの一部に関連する異なる文脈で使用される。或るシステムが1つ以上の動作を実施するように構成されていると言われる場合、これは、システムが、動作中にシステムに1つ以上の動作を実施させるものであるシステムにインストールされた適切なソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア(つまり、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェア、あるいはそれらの2つ以上)を有することを意味する。或るハードウェアが1つ以上の動作を実施するように構成されていると言われる場合、これは、ハードウェアが、動作中に、入力を受信し、入力に従って、1つ以上の動作に対応する出力を生成する1つ以上の回路を含むことを意味する。コンピュータプログラム、エンジン、又はモジュールが1つ以上の動作を実施するように構成されていると言われる場合、これは、コンピュータプログラムが、1つ以上のコンピュータによって実行されたときに1つ以上のコンピュータに1つ以上の動作を実施させる1つ以上のプログラム命令を含むことを意味する。
【0140】
図面に示され、特許請求の範囲に記載される動作は、特定の順序で示されるが、動作は、示されるものとは異なる順序で実施されてもよく、いくつかの動作は、省略され、2回以上実施され、及び/又は他の動作と並行して実施されうる(つまり、省略され、2回以上実施され、又は他の動作と並行して実施され、あるいはそれらの2つ以上が実施されうる)ことが理解される。さらに、異なる動作を実施するように構成された異なるシステム構成要素の分離は、構成要素が分離されることを必要とするものとして理解されるべきではない。説明される構成要素、モジュール、プログラム、及びエンジンは、単一のシステムとして一緒に統合することができ、又は複数のシステムの一部とすることができる。加えて、本明細書に説明されるように、ホストデバイス301及びX線検出デバイス100等のホストデバイス及びX線検出デバイスは、本明細書に説明されるプロセスを実行することができる。
【0141】
別段の指示がない限り、上述の代替的な例は、互いに排他的ではなく、固有の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述したこれらの機能及び他の変形形態並びに組み合わせを、特許請求の範囲によって規定される主題から逸脱することなく利用することができるため、上述の実施形態の記載は、特許請求の範囲によって規定される主題を限定するのではなく、例示するものとして解釈されるべきである。加えて、本明細書に記載した例の提供、及び「等」、「を含む」等という言い回しの節は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、こうした例は、多くのありえる実施形態のうちの1つのみを例示することが意図されている。さらに、様々な図における同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を識別することができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データをX線検出デバイスから受信することと、
前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を行うように構成されている1つ以上のプロセッサを備えるシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記タグ付けされた画像フレームを、前記1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を行うように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、同期又は前記ビデオレイテンシ値を求めることを開始するように更に構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のプロセッサが前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信するように更に構成されている、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データは、デジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは、前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは、前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記1つ以上のプロセッサは、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを行うように更に構成されている、請求項3~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記画像フレームのシーケンスが終了に達したか否かを判断するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと判断するように構成されている、請求項6~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めるように更に構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記1つ以上のプロセッサは、前記画像フレームのシーケンスを受信するように構成されており、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けするために、前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを判断するように更に構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像フレームは、第1の画像フレームであり、
前記1つ以上のプロセッサは、第2の画像フレームを受信することと、少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを行うように更に構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
シンチレータと、
フォトダイオードと、
1つ以上のプロセッサであって、以下のこと、すなわち、前記シンチレータによって検出される散乱放射であって、人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの放射を含む散乱放射の発生に対応する電気信号を前記フォトダイオードから受信することと、少なくとも前記電気信号を使用して、前記シンチレータによって検出される前記散乱放射の前記発生の時刻を明記した時間的データを生成することと、前記X線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに前記時間的データを送信することとを行うように構成されている1つ以上のプロセッサと
を備えるX線検出デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
別段の指示がない限り、上述の代替的な例は、互いに排他的ではなく、固有の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述したこれらの機能及び他の変形形態並びに組み合わせを、特許請求の範囲によって規定される主題から逸脱することなく利用することができるため、上述の実施形態の記載は、特許請求の範囲によって規定される主題を限定するのではなく、例示するものとして解釈されるべきである。加えて、本明細書に記載した例の提供、及び「等」、「を含む」等という言い回しの節は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、こうした例は、多くのあり得る実施形態のうちの1つのみを例示することが意図されている。さらに、様々な図における同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を識別することができる。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データをX線検出デバイスから受信することと、
前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を行うように構成されている1つ以上のプロセッサを備えるシステム。
請求項2:
前記1つ以上のプロセッサは、前記タグ付けされた画像フレームを、前記1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
請求項3:
前記1つ以上のプロセッサは、
前記1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を行うように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
請求項4:
前記1つ以上のプロセッサは、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、同期又は前記ビデオレイテンシ値を求めることを開始するように更に構成されている、請求項3に記載のシステム。
請求項5:
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のプロセッサが前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信するように更に構成されている、請求項3又は4に記載のシステム。
請求項6:
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データは、デジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは、前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは、前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記1つ以上のプロセッサは、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを行うように更に構成されている、請求項3~5のいずれか1項に記載のシステム。
請求項7:
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項6に記載のシステム。
請求項8:
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項6又は7に記載のシステム。
請求項9:
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項8に記載のシステム。
請求項10:
前記画像フレームのシーケンスが終了に達したか否かを判断するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと判断するように構成されている、請求項6~9のいずれか1項に記載のシステム。
請求項11:
前記1つ以上のプロセッサは、前記X線検出デバイスと無線で通信するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
請求項12:
前記1つ以上のプロセッサは、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めるように更に構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
請求項13:
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記1つ以上のプロセッサは、前記画像フレームのシーケンスを受信するように構成されており、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けするために、前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを判断するように更に構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
請求項14:
前記1つ以上のプロセッサは、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けするように構成されている、請求項13に記載のシステム。
請求項15:
前記画像フレームは、第1の画像フレームであり、
前記1つ以上のプロセッサは、第2の画像フレームを受信することと、少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを行うように更に構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
請求項16:
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項15に記載のシステム。
請求項17:
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項15又は16に記載のシステム。
請求項18:
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データを、1つ以上のプロセッサがX線検出デバイスから受信することと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を含むコンピュータ実施方法。
請求項19:
前記1つ以上のプロセッサが、前記タグ付けされた画像フレームを、該1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信することを更に含む、請求項18に記載のコンピュータ実施方法。
請求項20:
前記1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを、該1つ以上のプロセッサが前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサによる画像フレームを受信することと、前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を更に含む、請求項18又は19に記載のコンピュータ実施方法。
請求項21:
前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、前記同期させること又は前記ビデオレイテンシ値を前記求めることを開始することを更に含む、請求項20に記載のコンピュータ実施方法。
請求項22:
前記1つ以上のプロセッサが、前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信することを更に含む、請求項20又は21に記載のコンピュータ実施方法。
請求項23:
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データは、デジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは、前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは、前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記方法は、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、前記1つ以上のプロセッサが、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記1つ以上のプロセッサが、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを更に含む、請求項20~22のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項24:
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項23に記載のコンピュータ実施方法。
請求項25:
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項23又は24に記載のコンピュータ実施方法。
請求項26:
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項25に記載のコンピュータ実施方法。
請求項27:
前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が、前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項23~26のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項28:
前記1つ以上のプロセッサが、前記X線検出デバイスと無線で通信することを更に含む、請求項18~27のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項29:
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めることを更に含む、請求項18~28のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項30:
前記画像フレームは、画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスを受信することを更に含み、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けすることは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項18~29のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項31:
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けすることを更に含む、請求項30に記載のコンピュータ実施方法。
請求項32:
前記画像フレームは、第1の画像フレームであり、
前記方法は、前記1つ以上のプロセッサが第2の画像フレームを受信することと、前記1つ以上のプロセッサが少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することとを更に含む、請求項18~31のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
請求項33:
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項32に記載のコンピュータ実施方法。
請求項34:
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項32又は33に記載のコンピュータ実施方法。
請求項35:
命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、
人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの散乱放射の検出時刻を明記した時間的データをX線検出デバイスから受信することと、
前記人間又は動物の身体の一領域の画像フレームを受信することと、
前記時間的データを使用して前記画像フレームにタグ付けすることと
を含む動作を前記1つ以上のプロセッサに実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
請求項36:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記タグ付けされた画像フレームを、該1つ以上のプロセッサに結合されたディスプレイデバイス上に表示するために送信することを更に含む、請求項35に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項37:
前記動作は、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサに結合されたホストクロックを前記X線検出デバイスのデバイスクロックと同期させることと、
前記1つ以上のプロセッサが、該1つ以上のプロセッサによる画像フレームの受信と、前記放射パルスからの散乱放射の検出時刻との間の時間の長さに対応するビデオレイテンシ値を求めることと
を更に含む、請求項35又は36に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項38:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記時間的データ又は前記画像フレームの受信に応答して、前記同期させること又は前記ビデオレイテンシ値を前記求めることを開始することを更に含む、請求項37に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項39:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記ビデオレイテンシ値を計算した後に、前記人間又は動物の身体の血管の内部におけるコントラスト注入及び撮像プローブのプルバックの開始時刻を示す表示用のプロンプトを送信することを更に含む、請求項37又は38に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項40:
前記画像フレームは画像フレームのシーケンスにおける初期画像フレームであり、前記時間的データはデジタルワードのシーケンスを含み、各デジタルワードは前記X線検出デバイスによって検出される散乱放射のインスタンスを示し、各デジタルワードは前記散乱放射の前記検出時刻を示すそれぞれのタイムスタンプをタグ付けされ、
前記初期画像フレームは、前記デジタルワードのシーケンスにおける初期デジタルワードをタグ付けされ、
前記動作は、各画像フレームについて、以下のこと、すなわち、前記1つ以上のプロセッサが、所定の間隔及びビデオレイテンシ値に基づいて前記シーケンスにおける次の画像フレームを特定することと、前記1つ以上のプロセッサが、前記デジタルワードのシーケンスにおける次のデジタルワードのタイムスタンプを前記特定された画像フレームにタグ付けすることと、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスの終了に達したか否かを判断することとを更に含む、
請求項37~39のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項41:
前記所定の間隔は、前記画像フレームのシーケンスが生成されたフレームレートに少なくとも基づいている、請求項40に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項42:
前記1つ以上のプロセッサは、各受信された画像フレームのシーケンスのそれぞれのビデオレイテンシ値を受信するように更に構成されている、請求項40又は41に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項43:
前記ビデオレイテンシ値は、前記画像フレームのシーケンスが生成された撮像システムのそれぞれの動作モードに少なくとも基づいている、請求項42に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項44:
前記画像フレームのシーケンスが終了に達したか否かを判断することは、前記所定の間隔に所定のデルタ値を加えたものに等しい期間が前記画像フレームのシーケンスにおける最後のタグ付けされた画像フレーム以降経過したと、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項40~43のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項45:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが前記X線検出デバイスと無線で通信することを更に含む、請求項35~44のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項46:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記X線検出デバイスから受信された前記時間的データを使用して、放射パルスのシーケンスの開始時刻及び停止時刻の一方又は双方を求めることを更に含む、請求項35~45のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項47:
前記画像フレームは画像フレームのシーケンスの一部であり、
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記画像フレームのシーケンスを受信することを更に含み、
前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームに前記時間的データをタグ付けすることは、前記複数の画像フレームのうちの一画像フレームが、前記画像フレームのシーケンスにおける先行画像フレームを受信した後において、前記所定の間隔にビデオレイテンシ値を加えたものに等しい時刻に受信されたか否かを、前記1つ以上のプロセッサが判断することを含む、請求項35~46のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項48:
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが、前記複数の放射パルスのそれぞれについてのそれぞれの時間的データを受信している間に前記画像フレームのシーケンスの前記画像フレームにタグ付けすることを更に含む、請求項47に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項49:
前記画像フレームは第1の画像フレームであり、
前記動作は、前記1つ以上のプロセッサが第2の画像フレームを受信することと、前記1つ以上のプロセッサが、少なくとも前記第1の画像フレームにタグ付けされた前記時間的データを使用して、前記第2の画像フレームと前記第1の画像フレームとの間の相互位置合わせを規定するデータを生成することと
を更に含む、
請求項35~48のいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項50:
前記第2の画像フレームは、前記第1の画像フレームと異なるモダリティに従って生成されたものである、請求項49に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項51:
前記第1の画像フレームは、前記撮像された人間又は動物の身体の心血管系の一部分の血管造影画像であり、
前記第2の画像フレームは、光干渉断層撮影を使用して取得された前記撮像された人間又は動物の身体の前記心血管系の前記一部分の画像フレームである、請求項49又は50に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
請求項52:
シンチレータと、
フォトダイオードと、
1つ以上のプロセッサであって、以下のこと、すなわち、前記シンチレータによって検出される散乱放射であって、人間又は動物の身体に向けて放出され、該人間又は動物の身体によって少なくとも部分的に反射される放射パルスからの放射を含む散乱放射の発生に対応する電気信号を前記フォトダイオードから受信することと、少なくとも前記電気信号を使用して、前記シンチレータによって検出される前記散乱放射の前記発生の時刻を明記した時間的データを生成することと、前記X線検出デバイスと通信するコンピューティングデバイスに前記時間的データを送信することとを行うように構成されている1つ以上のプロセッサと
を備えるX線検出デバイス。
請求項53:
前記デバイスは、前記放射パルスが前記人間又は動物の身体に向けて放出されるときに前記放射パルスを遮蔽しないように、又は、部分的に遮蔽しないように配置される、請求項52に記載のデバイス。
請求項54:
前記電気信号は第1の電気信号であり、
前記1つ以上のプロセッサは、1つ以上の第2の電気信号であって、各第2の電気信号が散乱放射のそれぞれの発生に対応する1つ以上の第2の電気信号を受信することと、前記1つ以上の第2の電気信号を受信している間に、前記X線検出デバイスと通信する前記コンピューティングデバイスに前記時間的データを送信することとを行うように更に構成されている、
請求項52又は53に記載のデバイス。
請求項55:
前記X線検出デバイスは、ハウジングと、該ハウジングに取り付けられたクリップとを備え、前記クリップは、カテーテル検査室の診察台に接続するように形成される、請求項52~54のいずれか1項に記載のデバイス。
請求項56:
前記放射パルスが前記人間又は動物の身体に向けて放出されるときに、前記放射パルスを遮蔽しないように、又は、前記放射パルスを部分的に遮蔽しないように配置されている間は、前記X線検出デバイスは前記散乱放射の前記発生を検出するように構成されている、請求項52~55のいずれか1項に記載のデバイス。
請求項57:
前記1つ以上のプロセッサは、前記電気信号の受信に応答して、前記X線検出デバイスのクロックを前記コンピューティングデバイスに接続されたクロックと同期させる要求を前記コンピューティングデバイスに送信するように更に構成されている、請求項52~56のいずれか1項に記載のデバイス。
【国際調査報告】