IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンティル フォトニクスの特許一覧

特表2024-541960レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス
<>
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図1
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図2A
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図2B
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図3
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図4
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図5
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図6
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図7
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図8
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図9
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図10
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図11
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図12
  • 特表-レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】レーザ源と熱の放散を管理するための手段を備えたフォトニックデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/024 20060101AFI20241106BHJP
   H01S 5/02251 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01S5/024
H01S5/02251
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525202
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022078525
(87)【国際公開番号】W WO2023072610
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】2111534
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2113081
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522392508
【氏名又は名称】シンティル フォトニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィ メネゾ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック マズール
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AH30
5F173MC12
5F173MD16
5F173MD37
5F173ME23
5F173ME56
5F173MF22
(57)【要約】
本発明は、フォトニックデバイスに関し、より詳細には、異種レーザ源と、レーザ源によって放出されやすい熱を放散するように構成された放熱手段とを備えるフォトニックデバイスに関する。より具体的には、放熱手段は、フォトニックデバイスの前面上でアクセス可能なコンタクトパッドと相互作用するように配置された熱伝達層及び熱伝達要素を実装し、このことを念頭に置いて、熱伝達層は、電気絶縁材料で作られ、コンタクトパッドのいずれか又は両方と接触し、一方、熱伝達要素は、熱伝達層と排他的に接触して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニックチップ(101)と支持基板(210)とを備えるフォトニックデバイス(100)であって、前記支持基板(210)には、支持面(210A)が設けられ、前記フォトニックチップ(101)は、支持層(200)と、前記支持層(200)の主面(200A)上に下面(300A)と称されるその面によって載置されているフォトニック層(300)と、を備え、少なくとも1つの誘電体材料を含む前記フォトニック層(300)は、互いに光学的に結合された導波路(400)及びフォトニックスタック(500)によって形成された少なくとも1つのレーザ源を封入し、前記フォトニックスタックは、III-V族半導体材料で作られ、前記フォトニックチップはまた、前記下面(300A)の反対側の前記フォトニック層(300)の上面(300B)によってアクセス可能であり、前記フォトニック層(300)内に延在する接続ビア(603、604)によって前記フォトニックスタック(500)に電気的に接続された第1の表面(601A)及び第2の表面(602A)をそれぞれ有する第1の金属パッド(601)及び第2の金属パッド(602)を備え、前記第1のパッド(601)及び前記第2のパッド(602)は、前記レーザ源によるレーザ放射の放出を制御するために前記フォトニックスタック(500)内の電流の循環を可能にするように構成され、前記フォトニックデバイスは、
-前記レーザ源によって放出されることが可能な熱を放散するように構成された第1の放熱手段(700)であって、前記第1の手段(700)は、熱伝達層(701)と、前記熱伝達層(701)と熱的に接触する熱伝達要素(702)と、を備え、前記熱伝達層(701)は、前記第1の表面(601A)及び第2の表面(602A)のうちの少なくとも1つと少なくとも部分的に重なる電気絶縁材料を含む、第1の放熱手段と、
-前記第1のパッド(601)及び前記第2のパッド(602)を、前記支持基板(210)又は前記熱伝達層(701)のいずれかの上に配置された第1の端子(211)及び第2の端子(212)と電気的に接続するように構成された接続手段と、を更に備える、フォトニックデバイス(100)。
【請求項2】
前記熱伝達層(701)は、前記第1のパッド(601)及び前記第2のパッド(602)と接触している、請求項1に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項3】
前記熱伝達層(701)は、20W/m/K以上の熱伝導率を有する、熱伝達材料と称される材料で作られ、前記熱伝達層(701)は、有利には、ポリマー材料、AlN又はケイ素から選択される前記材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項4】
前記導波路(400)は、ケイ素、又は窒化ケイ素、又は窒化ケイ素とケイ素とのハイブリッド形態で作られる、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項5】
前記フォトニックデバイスはまた、前記レーザ源によって放出されることが可能な熱を前記支持層(200)に放散するように構成された第2の手段(720)を備え、前記第2の手段(720)は、前記主面(200A)の方向に、前記導波路(400)から延在する第2のビア(721)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項6】
前記第2の手段(720)はまた、前記第2のビア(721)と前記主面(200A)との間に挿入されたほぼ平面形状の金属インサート(722)を備え、前記第2の手段は、前記金属インサート(722)から前記主面(200A)に向かって延在する第2の端子ビア(723)を更に備え、有利には、前記主面と前記第2の端子ビアとの間に追加のインサートが挿入される、請求項5に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項7】
前記フォトニックデバイスはまた、前記レーザ源によって放出される可能性が高い熱を放散するように構成された第3の手段(740)を備え、前記第3の手段(740)は、前記主面(200A)の方向に、前記第1のパッド(601)及び前記第2のパッド(602)からそれぞれ延在する第3のビア(741、742)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項8】
前記第3の手段(740)はまた、2つの金属インサート、それぞれほぼ平面形状の第1のインサート(743)及び第2のインサート(744)を備え、前記第1のインサート(743)は、前記主面(200A)と、前記第1のパッド(601)から延在する前記第3のビア(741)との間に介在し、前記第2のインサート(744)は、前記主面(200A)と、前記第2のパッド(602)から延在する前記第3のビア(742)との間に介在し、前記第3の手段(740)は、前記第1のインサート(743)から前記主面(200A)まで延在する少なくとも第3の端子ビア(745)と、前記第2のインサート(744)から前記主面(200A)まで延在する少なくとも別の第3の端子ビア(746)と、を更に備える、請求項7に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項9】
前記支持面(210A)は、前記支持層の前記主面(200A)の反対側の、副面(200B)と称される前記支持層(200)の面に組み付けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項10】
前記第1の表面(601A)及び前記第2の表面(602A)のうちの一方の前記熱伝達層(701)による被覆は、部分的であり、前記第1の表面(601A)及び前記第2の表面(602A)のそれぞれ第1のセクション(601B)及び第2のセクション(602B)へのアクセスを自由にし、第1のワイヤ(605)は、前記第1の端子(211)と前記第1のパッド(601)とを直接接続し、第2のワイヤ(606)は、前記第2の端子(212)と前記第2のパッド(602)とを直接接続し、前記第1の端子(211)及び前記第2の端子(212)は、前記支持基板(210)上に配置される、請求項9に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項11】
前記熱伝達層(701)は、前記上面(300B)の反対側の前記熱伝達層(701)の接触面(701A)によってアクセス可能な第1の二次パッド(703)及び第2の二次パッド(704)とそれぞれ称される2つの二次金属パッドと、前記第1の二次パッド(703)と前記第1のパッド(601)とを接続する第1の金属ボール(705)と、前記第2の二次パッド(704)と前記第2のパッド(602)とを接続する第2の金属ボール(706)と、を備え、前記第1の端子(211)及び前記第2の端子(212)は、前記接触面(701A)上に配置され、前記第1の端子(211)及び前記第1の二次パッド(703)は、第1の再配線を介して接続され、前記第2の端子(212)及び前記第2の二次パッド(704)は、第2の再配線を介して接続される、請求項9に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項12】
前記支持面は、前記第1及び第2のパッドと前記第1の端子及び前記第2の端子とのそれぞれの電気的接続も確実にする金属ボール(607、608)によって前記上面によって前記フォトニック層に組み付けられ、前記支持基板は、前記支持面の前記支持基板を前記支持面の反対側の前記支持基板の面に向かって貫通する貫通開口部(213)を備え、前記貫通開口部は、前記第1の手段の位置決めを可能にするように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項13】
前記フォトニックデバイス(100)は、前記レーザ源によって放出されたレーザ放射を光ファイバ又は光ファイバのネットワークに注入するように構成された結合手段を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項14】
前記結合手段は、前記主面(200A)に垂直な前記デバイスの結合縁部(200C)と称される縁部による結合を可能にするように構成され、有利には、前記結合手段は、前記結合縁部に関連付けられたレンズ(800)を備える、請求項13に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項15】
前記結合手段は、前記フォトニック層(300)内に配置され、前記レーザ源によって放出された前記レーザ放射の前記上面と光ファイバ又は光ファイバのネットワークとによる光結合を可能にするように構成された回折グレーティング(803)を備える、請求項13に記載のフォトニックデバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロニクス、光学、電気光学及びフォトニクスの分野に関する。本発明は、特に、ケイ素基板に集積された少なくとも1つのIII-V族半導体レーザ源が設けられ、放熱手段が設けられたフォトニックデバイスに関し、その構成は、当業者に知られている構成よりも効率的な放熱を可能にする。
【0002】
本発明は、例えばケイ素で作られた支持体上に集積された1つ以上のレーザに電力を供給するとともに、放熱板に向かうレーザの放熱を改善するデバイスを提案する。
【背景技術】
【0003】
本明細書の最後に引用した文献1は、異種レーザデバイス1を開示している。このデバイス1は、図1に示すように、後面1Bから前面1Aまで、特にケイ素製の支持基板2を備え、その主面3上にフォトニック層4が載置されている。
【0004】
特に、フォトニック層4は、誘電体材料の少なくとも1つの層を含み、導波路5と、第2の導波路内に構造化されたIII-V族半導体材料の複数の層から形成されたフォトニックスタック6とが封入されている。より具体的には、フォトニックスタック6及び導波路5は、異種レーザ源を形成するように光学的に結合されている。
【0005】
より具体的には、フォトニック層4は、図1に示されるように、主面3から、それぞれ第1の層7、第2の層8及び第3の層9と称される3つの層のスタックを含む。この点に関して、導波路5は、第1の層7と第2の層8との間に形成された界面と面一に、第1の層7内に配置することができ、一方、フォトニックスタック6は、導波路5と一致して、第2の層8と第3の層9との間に形成された界面と面一に、第3の層9内に配置することができる。
【0006】
更に、図1に示されるデバイス1は、前面1Aからアクセス可能なコンタクトパッド10A及び10Bが設けられ、フォトニック層4内、より具体的には第3の層9内に延在する接続ビア10A及び10Bによってフォトニックスタック6に電気的に接続された相互接続手段も備える。
【0007】
したがって、コンタクトパッドの各々に電圧が印加されるとすぐに、フォトニックスタックはレーザ放射を放出することができる。このレーザ放射は、導波路5及びフォトニックスタック6内で誘導され、デバイス1の構成に応じて、デバイス1内に形成された結合手段を介して光ファイバ又は別のフォトニックデバイスに注入することができる。
【0008】
また、導波路内のレーザ放射の最適な閉じ込めを確実にし、その結果、光損失を制限するために、フォトニック層は、概して、比較的大きな厚さ、例えば、800nm程度、又はそれ以上の誘電体層7、9から形成される。
【0009】
しかしながら、動作中、フォトニックスタック6は加熱を受け、これは、制御されない場合、デバイス1の性能、より具体的にはレーザ源の性能に影響を及ぼす可能性がある。この点において、フォトニック層を形成する誘電体層は、放熱に対する障害を構成し、その結果、この加熱を増大させている。
【0010】
本明細書の最後に引用した文献2もまた、異種レーザデバイスを提案している。特に、このレーザデバイスは、(文献2の図9に従って)ケイ素基板を備え、このケイ素基板の一方の面上に、二酸化ケイ素の層、ケイ素の層、及びフォトニックスタックが順に位置している。文献1で提案されているようなフォトニックスタックは、レーザガイドと称される導波路内に構造化されたIII-V族半導体材料の複数の層で形成される。この点において、レーザガイドは、ケイ素層に形成された導波路と結合される。このデバイスはまた、フォトニックスタックによって生成され得る熱を放散するように構成された放熱手段を備える。より具体的には、当該手段は、フォトニックスタックに沿って形成され、フォトニックスタックによって生成された熱をケイ素基板に向かって放散するように構成された多結晶ケイ素のブリッジを備える。
【0011】
本明細書の最後に引用した文献3は、放熱を制御するための別のアーキテクチャを提案している。より具体的には、文献3の図4(j)に示されるように、異種レーザデバイスは、金属で作られ、ケイ素基板をフォトニックスタックのコンタクトパッドと熱的に接続する熱ブリッジを備える。
【0012】
最後に、本明細書の最後に引用された文献4も、フォトニックスタックによって生成された熱を放散するように構成された放熱手段が設けられたフォトニックデバイスを開示している。特に、フォトニックスタックは、レーザガイドと称される導波路内に構造化されたIII-V族半導体材料の複数の層から形成されている。これに関して、レーザガイドは、当該レーザガイドに沿って形成された導波路と結合されている。提案されているアーキテクチャでは、放熱手段は、支持基板の1つの面上にある誘電体層内に封入された金属レベルを備え、フォトニックスタックによって生成された熱を支持基板に向かって放散することを可能にしている。
【0013】
それにもかかわらず、これらの文献で提案されている解決策の効率は限られたままである。
【0014】
したがって、本発明の1つの目的は、従来技術から知られている解決策に対して効率が改善された放熱手段を備えた異種レーザデバイスを提案することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0376857号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】S.Menezo et al.,「Back-Side-On-BOX heterogeneous laser integration for fully integrated photonic circuits on Silicon」45th European Conference on Optical Communication(ECOC 2019),2019,pp.1-3
【非特許文献2】M.N.Sysak et al.,「Hybrid Silicon Laser Technology:A Thermal Perspective」in IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol.17,no.6,pp. 1490-1498,Nov.-Dec.2011
【非特許文献3】C.Zhang et al.,「Thermal Management of Hybrid Silicon Ring Lasers for High Temperature Operation」in IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol.21,no.6,pp.385-391,Nov.-Dec.2015
【発明の概要】
【0017】
本発明は、フォトニックチップと支持基板とを含むフォトニックデバイスに関し、フォトニックチップは、支持層と、下面と称されるその面によって支持層の主面上に載置されているフォトニック層とを含み、少なくとも1つの誘電体材料を含む当該フォトニック層は、導波路と、互いに光学的に結合されたフォトニックスタックとによって形成された少なくとも1つのレーザ源を封入し、フォトニックスタックはIII-V族半導体材料からなり、フォトニックチップはまた、それぞれ第1及び第2の表面を有する第1及び第2の金属パッドを含み、第1及び第2の表面は、下面の反対側のフォトニック層の上面によってアクセス可能であり、フォトニック層内に延在する接続ビアによってフォトニックスタックに電気的に接続され、第1のパッド及び第2のパッドは、レーザ源によるレーザ放射の放出を制御するために、フォトニックスタック内の電流の循環を可能にするように構成され、フォトニックデバイスは、
-レーザ源によって放出されることができる熱を放散するように構成された第1の放熱手段であって、第1の手段は、熱伝達層と、熱伝達層と熱的に接触する熱伝達要素とを備え、熱伝達層は、第1及び第2の表面のうちの少なくとも1つと少なくとも部分的に重なる電気絶縁材料を備える、第1の放熱手段と、
-第1のパッド及び第2のパッドを、支持基板又は熱伝達層のいずれかの上に配置された第1の端子及び第2の端子と電気的に接続するように構成された接続手段と、を更に備える。
【0018】
一実施形態によれば、熱伝達層は、第1のパッド及び第2のパッドと接触している。
【0019】
一実施形態によれば、熱伝達層は、20W/m/K以上の熱伝導率を有する、熱伝達材料と称される材料で作られ、熱伝達層は、有利には、ポリマー材料、AlN又はケイ素から選択される材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
一実施形態によれば、導波路は、ケイ素、又は窒化ケイ素、又は窒化ケイ素とケイ素とのハイブリッド形態で作られる。
【0021】
一実施形態によれば、当該フォトニックデバイスは、レーザ源によって放出されることが可能な熱を支持体に放散させるように構成された第2の手段も備え、第2の手段は、主面の方向に導波路から延在する第2のビアを備える。
【0022】
一実施形態によれば、第2の手段はまた、第2のビアと主面との間に挿入されたほぼ平面形状の金属インサートを備え、第2の手段は、金属インサートから主面まで延在する第2の端子ビアを更に備え、追加のインサートが、有利には、主面と第2の端子ビアとの間に挿入される。
【0023】
一実施形態によれば、当該フォトニックデバイスはまた、レーザ源によって放出され得る熱を放散するように構成された第3の手段を備え、第3の手段は、第1のパッド及び第2のパッドからそれぞれ主面の方向に延在する第3のビアを備える。
【0024】
一実施形態によれば、第3の手段はまた、それぞれ第1のインサート及び第2のインサートと称されるほぼ平面形状の2つの金属インサートを備え、第1のインサートは、主面と、第1のパッドから延在する第3のビアとの間に挿入され、第2のインサートは、主面と、第2のパッドから延在する第3のビアとの間に挿入され、第3の手段は、第1のインサートから主面まで延在する少なくとも第3の端子ビアと、第2のインサートから主面まで延在する少なくとも他の第3の端子ビアと、を更に備える。
【0025】
一実施形態によれば、支持面は、当該支持層の主面の反対側の、副面と称される支持層の面に組み付けられる。
【0026】
一実施形態によれば、第1及び第2の表面のうちの一方の熱伝達層による重なりは部分的であり、第1の表面及び第2の表面のそれぞれ第1のセクション及び第2のセクションへの自由なアクセスを残し、第1のワイヤは第1の端子と第1のパッドとを直接接続し、第2のワイヤは第2の端子と第2のパッドとを直接接続し、第1の端子及び第2の端子は支持基板上に配置される。
【0027】
一実施形態によれば、熱伝達層は、上面とは反対側の熱伝達層の接触面によってアクセス可能な、それぞれ第1の二次パッド及び第2の二次パッドと称される2つの二次金属パッドと、第1の二次パッドと第1のパッドとを接続する第1の金属ボールと、第2の二次パッドと第2のパッドとを接続する第2の金属ボールとを備え、第1の端子及び第2の端子は接触面上に配置され、第1の端子及び第1の二次パッドは第1の再配線を介して接続され、第2の端子及び第2の二次パッドは第2の再配線を介して接続される。
【0028】
一実施形態によれば、支持面は、第1及び第2のパッドと第1の端子及び第2の端子とのそれぞれの電気的接続も確実にする金属ボールによって上面によってフォトニック層に組み付けられ、支持基板は、支持面の支持基板を支持面の反対側の支持基板の面に向かって貫通する貫通開口部を備え、当該貫通開口部は、第1の手段の位置決めを可能にするように構成される。
【0029】
一実施形態によれば、当該フォトニックデバイスは、レーザ源によって放出されたレーザ放射を光ファイバの光ファイバ又はネットワークに注入するように構成された結合手段を備える。
【0030】
一実施形態によれば、結合手段は、主面に垂直な当該デバイスの結合縁部と称される縁部による結合を可能にするように構成され、有利には、結合手段は、結合縁部に関連付けられたレンズを備える。
【0031】
一実施形態によれば、結合手段は、フォトニック層内に配置され、レーザ源によって放出されたレーザ放射の上面と光ファイバ又は光ファイバのネットワークとによる光結合を可能にするように構成された回折グレーティングを備える。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0033】
図1】従来技術から知られているIII-V族半導体材料で作られた光源が設けられたフォトニックデバイスの概略図である。
図2A】本発明の第1の実施形態によるフォトニックデバイスの概略図であり、第1の手段のみが示されており、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図2B】本発明の第1の実施形態によるフォトニックデバイスの概略図であり、第1の、第2の、及び第3の手段が表されており、フォトニックデバイスは、特に、主面に対して垂直な切断面に沿って表されている。
図3図1に示される実施形態によるフォトニックデバイスの一例の概略図であり、図3は、明確にするために特に簡略化されており、特にこの例では、フォトニック層は、第1の層、第2の層、及び第3の層のスタックによって形成され、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って表されている。
図4】本発明によるフォトニックデバイスに実装することができるフォトニックスタックの概略図であり、明確にするために、フォトニックスタックは、当該フォトニックデバイスから分離され、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図5】本発明によるフォトニックデバイスに実装することができる導波路の概略図であり、明確にするために、導波路は、当該フォトニックデバイスから分離されて、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図6】第2の手段の配置を詳細に示す図1のデバイスの簡略図である。
図7】第3の手段の配置を詳細に示す図1のデバイスの簡略図である。
図8】第2の例による結合手段が設けられたフォトニックデバイスの簡略化された概略図であり、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図9】第1の例による結合手段が設けられたフォトニックデバイスの簡略化された図であり、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図10】複数のレーザ源と、全てのレーザ源に共通の第1の手段とを備えたフォトニックデバイスの正面図である。
図11】本発明によるフォトニックデバイスであって、制御チップを備えるフォトニックデバイスを示す図である。
図12】本発明の第2の実施形態によるフォトニックデバイスの概略図であり、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って示されている。
図13】本発明の第3の実施形態によるフォトニックデバイスの概略図であり、フォトニックデバイスは、特に、主面に垂直な切断面に沿って表されている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、フォトニックデバイスに関し、より詳細には、異種レーザ源と、レーザ源によって放出される可能性が高い熱を放散するように構成された放熱手段とが設けられたフォトニックチップを備えるフォトニックデバイスに関する。
【0035】
より具体的には、本発明は、フォトニックチップ及び支持基板を含むフォトニックデバイスに関し、フォトニックチップは、支持層及びフォトニック層を含む。特に、フォトニック層は、その下面によって、支持層の主面上に載置されている。更に、少なくとも1つの誘電体材料を含むフォトニック層は、互いに光学的に結合された導波路及びフォトニックスタックによって形成されたレーザ源を封入する。
【0036】
フォトニックチップはまた、下層の反対側のフォトニック層の上面によってアクセス可能な第1の表面及び第2の表面をそれぞれ有する第1のパッド及び第2のパッドを備える。この点に関して、第1のパッド及び第2のパッドは、フォトニック層内に延在する接続ビアによってフォトニックスタックに電気的に接続される。
【0037】
更に、放熱手段は、レーザ源によって放出され得る熱を放散するように構成された第1の手段を備える。
【0038】
より具体的には、第1の手段は、熱伝達層と、熱伝達層と排他的に接触する熱伝達要素とを備える。熱伝達層は、特に、第1の表面及び第2の表面のそれぞれの第1のセクション及び第2のセクションへの自由なアクセスを残して、第1の表面及び第2の表面の少なくとも一方に部分的に重なる電気絶縁材料を含む。
【0039】
したがって、熱伝達層のこの特定の配置は、接続手段を用いて、第1及び第2のセクションを支持基板の金属トラックと、当該基板の支持面において電気的に接続することを可能にする。
【0040】
放熱手段はまた、レーザ源によって放出され得る熱を放散するように構成された第2の及び第3の手段を備えてもよい。
【0041】
第2の及び第3の手段は、それぞれ、第1のパッド及び第2のパッドの一方及び/又は他方から、それぞれ導波路から主面の方向に延在する第2の及び第3のビアを備える。
【0042】
図2Aでは、本発明の一実施形態による結合デバイス100を見ることができる。フォトニックデバイス100は、後面100Bから前面100Aに向かって、支持層200及びフォトニック層300を含むフォトニックチップ101を含む。フォトニックデバイス100はまた、それぞれ支持面210A及び自由面210Bと称される2つの平行な面が設けられた支持基板210を備える。より具体的には、支持基板210は、その支持面210A上に、第1の端子211及び第2の端子212を備える。より具体的には、第1の端子211及び第2の端子212は、フォトニックデバイス100の制御及び/又は制御手段との界面を可能にするように構成される。この点において、支持面によってアクセス可能な第1の端子211及び第2の端子212は、それぞれ第1のビア211A及び第2のビア212Aによって支持基板210の厚さに応じて延在する。第1のビア211A及び第2のビア212Bは、自由面210Bを介した電気的接続を可能にするように配置される。例えば、パッド211B及びパッド212Bは、それぞれ、第1のビア211B及び第2のビア212Bの延長部において、自由面210B上に配置することができる。
【0043】
支持層200は、互いに平行な2つの面、それぞれ主面200A及び副面200Bを含み、フォトニック層300も、主面200Aと平行な2つの面、いわゆるそれぞれ下面300A及び上面300Bを含む。この点に関して、図2Aに示すように、フォトニック層300は、その下面300Aによって主面200A上に載置され、支持層は、その副面200Bによって支持面210A上に載置される。
【0044】
支持層200は、半導体材料、より具体的には単結晶半導体材料を含むことができる。この点において、支持層200は、有利には、単結晶ケイ素を含むことができる。この材料は、マイクロエレクトロニクス部品及び/又はフォトニック部品の製造ラインに適合することが知られており、高い放熱係数を有し、その利点は、本発明の開示の下で言及される。
【0045】
フォトニック層300は、誘電体材料の少なくとも1つの層を含み、導波路400及びフォトニックスタック500が封入される。より具体的には、フォトニックスタック500は、半導体材料111-Vの複数の層を含み、導波路400と光学的に結合されて、それとともに異種レーザ源を形成する。より具体的には、フォトニックスタック500は、導波路400に光学的に結合された第2の導波路内に構造化されたIII-V族半導体材料の複数の層を含むことができる。
【0046】
換言すれば、フォトニックスタック500によって放出されることが可能なレーザ放射は、導波路400に結合され、導波路400によって誘導される。
【0047】
したがって、一例として、図4図4は、フォトニックデバイスの残りの部分から分離されたフォトニックスタックを表す)に示すように、フォトニックスタック500は、前面100Aから後面100Bまで、上層501、1つ以上の量子井戸層502、及び下層503を含むことができる。特に、上層501は、PドープIII-V族半導体材料を含むことができ、下層503は、NドープIII-V族半導体材料を含むことができる。より具体的には、上層501及び下層503は、それぞれ、PドープInP及びNドープInPを含むことができる。量子井戸層502は、1つ以上のIII-V族半導体材料、例えばInP系材料を含むことができる。
【0048】
更に、フォトニックスタック500は、有利には、導波路400と一致して配置される。導波路400に関して、図5図5は、フォトニックデバイスの残りの部分から分離された導波路を表す)に示されるように、それは、第1の面に垂直な切断面に沿ってT字形の外形を有するように、中央リブ401と、当該中央リブ401上に載置されている基部402とを備えることができる。この後者の態様の目的は、本発明の範囲をこの幾何学的形状のみに限定することではなく、当業者は、異なるプロファイルを有する導波路を設計することができるであろう。例えば、正方形又は長方形の断面を有するガイドも考慮される。
【0049】
導波路400を形成する材料は、フォトニック層300を形成する誘電体材料の屈折率よりも大きい屈折率を有することも理解されたい。
【0050】
フォトニックチップ101はまた、第1のパッド601及び第2のパッド602と称される2つのコンタクトパッドを備える。より具体的には、第1のパッド601及び第2のパッド602は、それぞれ、フォトニック層300の上面300Bによってアクセス可能な第1の表面601A及び第2の表面602Aを有する。特に、第1のパッド601及び第2のパッド602は、フォトニック層300内に延在する接続ビア603、604によってフォトニックスタック500に電気的に接続される。
【0051】
一例として、コンタクトパッドは、アルミニウムを含むことができ、3μm程度の厚さを有することができる。
【0052】
「上面によってアクセス可能」という用語は、上面に対して面一であるか又は突出している表面(第1の表面及び第2の表面)を有するコンタクトパッドを意味するものと理解される。また、第1の表面及び第2の表面は、主面200Aに対して平行であるか、又は少なくとも実質的に平行であることを特定する必要はないことを理解されたい。その結果、第1の表面及び第2の表面は互いに平行である。
【0053】
第1のパッド601は、第1のビア603と称される接続ビアによってフォトニックスタック500の上層501に接続することができ、第2のパッド602は、第2のコンタクトビア604と称される別の接続ビアによってフォトニックスタック500の下層503に接続することができる。
【0054】
コンタクトパッド601、602及び接続ビア603、604は、導電性材料、より具体的には金属、例えばアルミニウム及び/又は銅を含むことが理解される。
【0055】
コンタクトパッド601、602及び接続ビア603、604は、上述したように、フォトニックスタック500内に電流を循環させることを可能にし、その結果、フォトニックスタック500によるレーザ放射の放出を可能にする。次いで、放出されたレーザ放射は、導波路400によって結合され、続いて誘導される。
【0056】
導波路400及びフォトニックスタック500によって形成されるレーザ源は、動作中に加熱する可能性が高いことが知られている。この加熱は、レーザ源の動作を変化させ、最終的に性能を低下させる可能性がある。
【0057】
したがって、本発明はまた、レーザ源によって放出され得る熱を放散するように構成された第1の放熱手段700を実装する(図2A)。
【0058】
有利なことに、本発明はまた、レーザ源によって放出され得る熱を放散するように構成された第2の手段720及び第3の放熱手段740を実装することができる(図2B)。
【0059】
この点に関して、第1の手段700は、熱伝達層701及び熱伝達要素702を有する。
【0060】
この第1の実施形態によれば、熱伝達層701は、第1の表面601A及び第2の表面602Aの少なくとも一方と部分的に重なり、第1の表面601A及び第2の表面602Aからそれぞれ第1のセクション601B及び第2のセクション602Bへの自由なアクセスを残す電気絶縁材料を含む。
【0061】
したがって、熱伝達層701がコンタクトパッドと接触しているとき、それは、検討中のパッドの第1及び/又は第2の表面に重なり、この被覆は、例えば溶接ワイヤによって、第1のセクション601B及び第2のセクション602Bにおいて接触が取られることを可能にするように、部分的にすぎないことが理解される。
【0062】
特に、フォトニックデバイス100は、第1のワイヤ605及び第2のワイヤ606のそれぞれの接続ワイヤも備える。より具体的には、第1のワイヤ605は、第1のセクション601Bを第1の端子211と直接接続し、第2のワイヤ606は、第2のセクション602Bを第2の端子212と直接接続する。
【0063】
有利には、熱伝達層は、20W/m/K以上の熱伝導率を有する、熱伝達材料と称される材料で作られ、例えば、130W/m/Kに等しい熱伝導率の150μmの厚さの熱伝達が考慮され得る。
【0064】
特に、熱伝達材料は、T-global(商標)社によってThermal Tapeという参照名で販売されている誘電体材料を含むことができる。
【0065】
熱伝達材料の選択は、当業者がアクセス可能である。
【0066】
熱伝達材料はまた、1012オーム・cmよりも大きい電気抵抗率を有する。
【0067】
一例として、熱伝達層の厚さは0.15μmであってもよい。しかしながら、当業者は、検討中の材料の抵抗率の関数として熱伝達層の厚さを調整することができるであろう。
【0068】
熱伝達要素702は、有利には、排他的に熱伝達層701と接触している。換言すれば、熱伝達要素702は、第1のパッド601及び第2のパッド602の両方から電気的に絶縁される。
【0069】
熱伝達要素は、金属プレート、熱電冷却プレート、空冷ラジエータ、冷却ダクト(例えば、流体、特に水の循環を可能にするダクト)が設けられたプレートから選択される要素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0070】
しかしながら、本発明は、これらの要素のみに限定されず、当業者は、好適であり得る任意の他のタイプの冷却要素を実装してもよい。
【0071】
有利には、熱伝達要素702は、熱化可能(thermalizable)に構成することができる。
【0072】
「熱化可能」という用語は、所与の温度を課すことができる熱伝達要素を意味すると理解される。
【0073】
図3に示す一例によれば、フォトニック層300は、主面200Aから、第1の層301、第2の層302、及び第3の層303を含む。より具体的には、更にこの例によれば、導波路400は、第1の層に配置され、第1の層301と第2の層302との間に形成された第1の界面301Aと称される界面と面一であり、フォトニックスタック500は、第3の層303に配置され、第2の層302と第3の層303との間に形成された第2の界面303Aと称される界面と面一である。
【0074】
第2の層302は任意であることにも留意されたい。
【0075】
したがって、レーザ源が動作中になるとすぐに、レーザ源が放出する熱は、接続ビア603、604及びコンタクトパッドを通って第1の放熱手段700、特に放熱板702に排出される。電気絶縁材料で作られた熱伝達層を考慮することにより、第1のパッド及び第2のパッドの両方との協働による放熱を考慮することが可能になる。
【0076】
したがって、本発明で考慮される第1の手段は、レーザ源が動作している間にレーザ源の加熱を制限することを可能にする。より具体的には、第1の手段のみの実装中に、本発明者らは、10℃未満のレーザ源と放熱板との間の温度差を観察することができたが、第1の手段を実装しなければ、20℃~30℃の支持基板200とレーザ源との間の温度差が観察されるであろう。本発明の原理によるレーザ源の加熱の制限及び/又は制御は、当該レーザ源の安定性を改善することを可能にする。
【0077】
図2Bに示されるように、フォトニックデバイス100はまた、レーザ源によって放出され得る熱を支持層200に放散するように構成された第2の手段720を備えてもよい。
【0078】
第2の手段720は、導波路400から主面200Aまで延在する第2のビア721を備える。より具体的には、第2のビア721は、考慮される場合、第1の層301内に延在する(図6)。
【0079】
相補的に、第2の手段721は、ほぼ平面形状であり、第2のビア721と主面200Aとの間に挿入された金属インサート722を備えることもできる。第2の手段720はまた、金属インサート722から主面200Aに向かって延在する第2の端子ビア723を備えることができる。
【0080】
第2の放熱手段を形成する要素の全ては、導電性材料、特に金属、例えば銅を含むことができることが理解される。第2のビア、金属インサート、及び第2の端子ビアが互いに接続されることを特定する必要はないことが理解される。
【0081】
したがって、熱がレーザ源によって放出されるとき、その熱は、第1の手段700及び第2の手段720によって放散される。この点において、第2の手段720は、支持層200内の熱を放散することを可能にする。第1の手段及び第2の手段の実装は、8℃未満のレーザ源と放熱板との間の温度差を観察することを可能にする。第2の手段のみを実装することは、13℃~17℃の基板200とレーザ源との間の温度差を観察することを可能にする。
【0082】
図2Bに示されるように、フォトニックデバイス100はまた、レーザ源によって放出され得る熱を支持層200に放散するように構成された第2の手段740を備える。第3の手段740は、それぞれ第1のパッド601及び第2のパッド602から主面200A(図7)に向かって延在する第3のビア741、742を備える。
【0083】
第3の手段740はまた、それぞれ第1のインサート743及び第2のインサート744と称される、ほぼ平面形状の2つの金属インサートを備える。第1のインサート743は、第1のパッド601から延在する第3のビア741と接触しており、主面200Aと当該第3のビア741との間に介在している。第2のインサート744は、第2のパッド602から延在する第3のビア742と接触しており、主面200Aと当該第3のビア742との間に挿入されている。
【0084】
有利には、金属インサート722、第1のインサート743、及び第2のインサート744は、単一の金属レベルから形成される。換言すれば、インサートを主面から分離する距離は、インサートの各々について同じである。
【0085】
第3の手段740は、第1のインサート743から主面200Aまで延在する1つ以上の第3の端子ビア745と、第2のインサート744から主面200Aに向かって延在する1つ以上の他の端子ビア746とを更に備えることができる。
【0086】
第3の手段740を形成する要素の全ては、導電性材料、特に金属、例えば銅を含むことができることが理解される。
【0087】
第1の手段及び第2の手段と組み合わされたこれらの第3の手段740は、7℃未満のレーザ源と放熱板との間の温度差を観察することを可能にする。
【0088】
フォトニックデバイス100はまた、レーザ源によって放出されたレーザ放射を光ファイバ又は光ファイバのアレイに注入するように構成された結合手段を備えることができる。
【0089】
第1の例によれば、結合手段は、主面200Aに対して垂直な当該デバイスの結合縁部200Cと称される縁部による結合を可能にするように構成される。この様子を図8に示す。有利には、結合手段は、導波路804と、結合縁面200Cに関連付けられたレンズ800とを備える。したがって、これらの結合手段は、レーザ源によって放出された光放射を外部デバイス、例えば光ファイバアレイ801に結合することを可能にする。
【0090】
第2の例によれば、結合手段は、フォトニック層内に配置され、レーザ源によって放出されたレーザ放射の前面と光ファイバ又は光ファイバのネットワークとによる光結合を可能にするように構成された回折グレーティング803を備える。この様子を図9に示す。
【0091】
もちろん、本発明は単一のレーザ源に限定されない。この点に関して、当業者は、図10に示されるように、複数のフォトニックチップ101と、第1のパッド601及び第2のパッド602と接触する熱伝達層とを備えるフォトニックデバイス100を考慮することができる。この構成によれば、フォトニックチップ101の各々の結合ウェハを同一平面上にすることができる。更に、支持面210A上に配置された第1の端子211及び第2の端子212は、結合縁面200Cの反対側のフォトニックチップの面の反対側にある。
【0092】
図11に示すように、フォトニックデバイス100はまた、制御チップ420及び変調器450を備えることができる(後者は特に、フォトニック層内に封入された導波路を備える)。制御チップ420は、特に、前面100Aによってアクセス可能な2つのコネクタパッド421及び422上に載置される。金属ボール423、424は、コネクタパッドと前面との間に介在させることができる。フォトニックデバイス100は、駆動チップと放熱板702とを熱的に結合させる補助放熱層703を含むことができる。補助放熱層703は、放熱層701と同じ材料で形成される。
【0093】
フォトニックデバイス100はまた、制御チップ420及び変調器450で発生する可能性のある熱を放散するために、第2の及び第3の放散手段と本質的に同じ特徴を有する他の放熱手段430及び440を備える。
【0094】
図12では、第1の実施形態に関連する要素を本質的に取り入れた、本発明の第2の実施形態によるフォトニックデバイス100を見ることができる。
【0095】
この第2の実施形態によれば、支持面は、金属ボール607、608によって上面によってフォトニック層に組み付けられ、第1のパッド601及び第2のパッド602と第1の端子211及び第2の端子212との電気的接続も確実にする。この第2の実施形態によれば、支持基板210は、支持面から自由面まで支持基板を貫通する貫通開口部213を備え、当該貫通開口部は、第1の手段700の位置決めを可能にするように構成される。
【0096】
この第2の実施形態によるフォトニックデバイス100は、支持層200の副面200Bがその面上に組み付けられる追加の基板220と、レンズ800と、光ファイバ801のネットワークとを備えることもできる。
【0097】
図13では、第1の実施形態に関連する要素を本質的に取り入れた本発明の第3の実施形態によるフォトニックデバイス100を見ることができる。
【0098】
この第3の実施形態によれば、熱伝達層701は、上面300Bの反対側の熱伝達層701の接触面701Aによってアクセス可能な、それぞれ第1の二次パッド703及び第2の二次パッド704と称される2つの二次金属パッドを備える。
【0099】
例えばAuSnからなる第1の金属ボール705は、第1の二次パッド703と第1のパッド601とを接続し、第2の金属ボール706は、第2の二次パッド704と第2のパッド602とを接続する。
【0100】
第1の端子211及び第2の端子212(明確にするために図13には図示せず)は、それぞれ、再配線を介して第1の二次パッド703及び第2の二次パッド704に電気的にリンクされる。
【0101】
この第3の実施形態によれば、熱伝達層701は、有利には、ケイ素又はAlNを含む。これら2つの材料は、接続手段、再配線の形成に特に適している。
【0102】
したがって、本発明は、動作中にレーザによって放出され得る熱を放散するための効果的な解決策を提案し、したがって安定性を保証する。特に、本発明は、当該レーザ源を接続するための手段と協働する、レーザ源によって生成される可能性が高い熱を放散することを可能にする第1の手段を実装することを提案する。
【0103】
フォトニックデバイスを製造するための方法は、マイクロエレクトロニクスの分野で周知の製造ステップを含むことができる。
【0104】
当然ながら、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変形実施形態をそれに追加することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニックチップ(101)と支持基板(210)とを備えるフォトニックデバイス(100)であって、前記支持基板(210)には、支持面(210A)が設けられ、前記フォトニックチップ(101)は、支持層(200)と、前記支持層(200)の主面(200A)上に下面(300A)と称されるその面によって載置されているフォトニック層(300)と、を備え、少なくとも1つの誘電体材料を含む前記フォトニック層(300)は、互いに光学的に結合された導波路(400)及びフォトニックスタック(500)によって形成された少なくとも1つのレーザ源を封入し、前記フォトニックスタックは、III-V族半導体材料で作られ、前記フォトニックチップはまた、前記下面(300A)の反対側の前記フォトニック層(300)の上面(300B)によってアクセス可能であり、前記フォトニック層(300)内に延在する接続ビア(603、604)によって前記フォトニックスタック(500)に電気的に接続された第1の表面(601A)及び第2の表面(602A)をそれぞれ有する第1の金属パッド(601)及び第2の金属パッド(602)を備え、前記第1の金属パッド(601)及び前記第2の金属パッド(602)は、前記レーザ源によるレーザ放射の放出を制御するために前記フォトニックスタック(500)内の電流の循環を可能にするように構成され、前記フォトニックデバイスは、
-前記レーザ源によって放出されることが可能な熱を放散するように構成された第1の放熱手段(700)であって、前記第1の放熱手段(700)は、熱伝達層(701)と、前記熱伝達層(701)と熱的に接触する熱伝達要素(702)と、を備え、前記熱伝達層(701)は、前記第1の表面(601A)及び第2の表面(602A)のうちの少なくとも1つと少なくとも部分的に重なる電気絶縁材料を含む、第1の放熱手段と、
-前記第1の金属パッド(601)及び前記第2の金属パッド(602)を、前記支持基板(210)又は前記熱伝達層(701)のいずれかの上に配置された第1の端子(211)及び第2の端子(212)と電気的に接続するように構成された接続手段と、を更に備える、フォトニックデバイス(100)。
【請求項2】
前記熱伝達層(701)は、前記第1の金属パッド(601)及び前記第2の金属パッド(602)と接触している、請求項1に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項3】
前記熱伝達層(701)は、20W/m/K以上の熱伝導率を有する、熱伝達材料と称される材料で作られ、前記熱伝達層(701)は、有利には、ポリマー材料、AlN又はケイ素から選択される前記材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項4】
前記導波路(400)は、ケイ素、又は窒化ケイ素、又は窒化ケイ素とケイ素とのハイブリッド形態で作られる、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項5】
前記フォトニックデバイスはまた、前記レーザ源によって放出されることが可能な熱を前記支持層(200)に放散するように構成された第2の手段(720)を備え、前記第2の手段(720)は、前記主面(200A)の方向に、前記導波路(400)から延在する第2のビア(721)を備える、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項6】
前記第2の手段(720)はまた、前記第2のビア(721)と前記主面(200A)との間に挿入されたほぼ平面形状の金属インサート(722)を備え、前記第2の手段は、前記金属インサート(722)から前記主面(200A)に向かって延在する第2の端子ビア(723)を更に備え、有利には、前記主面と前記第2の端子ビアとの間に追加のインサートが挿入される、請求項5に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項7】
前記フォトニックデバイスはまた、前記レーザ源によって放出される可能性が高い熱を放散するように構成された第3の手段(740)を備え、前記第3の手段(740)は、前記主面(200A)の方向に、前記第1の金属パッド(601)及び前記第2の金属パッド(602)からそれぞれ延在する第3のビア(741、742)を備える、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項8】
前記第3の手段(740)はまた、2つの金属インサート、それぞれほぼ平面形状の第1のインサート(743)及び第2のインサート(744)を備え、前記第1のインサート(743)は、前記主面(200A)と、前記第1の金属パッド(601)から延在する前記第3のビア(741)との間に介在し、前記第2のインサート(744)は、前記主面(200A)と、前記第2の金属パッド(602)から延在する前記第3のビア(742)との間に介在し、前記第3の手段(740)は、前記第1のインサート(743)から前記主面(200A)まで延在する少なくとも第3の端子ビア(745)と、前記第2のインサート(744)から前記主面(200A)まで延在する少なくとも別の第3の端子ビア(746)と、を更に備える、請求項7に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項9】
前記支持面(210A)は、前記支持層の前記主面(200A)の反対側の、副面(200B)と称される前記支持層(200)の面に組み付けられる、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項10】
前記第1の表面(601A)及び前記第2の表面(602A)のうちの一方の前記熱伝達層(701)による被覆は、部分的であり、前記第1の表面(601A)及び前記第2の表面(602A)のそれぞれ第1のセクション(601B)及び第2のセクション(602B)へのアクセスを自由にし、第1のワイヤ(605)は、前記第1の端子(211)と前記第1の金属パッド(601)とを直接接続し、第2のワイヤ(606)は、前記第2の端子(212)と前記第2の金属パッド(602)とを直接接続し、前記第1の端子(211)及び前記第2の端子(212)は、前記支持基板(210)上に配置される、請求項9に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項11】
前記熱伝達層(701)は、前記上面(300B)の反対側の前記熱伝達層(701)の接触面(701A)によってアクセス可能な第1の二次パッド(703)及び第2の二次パッド(704)とそれぞれ称される2つの二次金属パッドと、前記第1の二次パッド(703)と前記第1の金属パッド(601)とを接続する第1の金属ボール(705)と、前記第2の二次パッド(704)と前記第2の金属パッド(602)とを接続する第2の金属ボール(706)と、を備え、前記第1の端子(211)及び前記第2の端子(212)は、前記接触面(701A)上に配置され、前記第1の端子(211)及び前記第1の二次パッド(703)は、第1の再配線を介して接続され、前記第2の端子(212)及び前記第2の二次パッド(704)は、第2の再配線を介して接続される、請求項9に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項12】
前記支持面は、前記第1及び第2の金属パッドと前記第1の端子及び前記第2の端子とのそれぞれの電気的接続も確実にする金属ボール(607、608)によって前記上面によって前記フォトニック層に組み付けられ、前記支持基板は、前記支持面の前記支持基板を前記支持面の反対側の前記支持基板の面に向かって貫通する貫通開口部(213)を備え、前記貫通開口部は、前記第1の放熱手段の位置決めを可能にするように構成される、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項13】
前記フォトニックデバイス(100)は、前記レーザ源によって放出されたレーザ放射を光ファイバ又は光ファイバのネットワークに注入するように構成された結合手段を備える、請求項1又は2に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項14】
前記結合手段は、前記主面(200A)に垂直な前記フォトニックデバイスの結合縁部(200C)と称される縁部による結合を可能にするように構成され、有利には、前記結合手段は、前記結合縁部に関連付けられたレンズ(800)を備える、請求項13に記載のフォトニックデバイス(100)。
【請求項15】
前記結合手段は、前記フォトニック層(300)内に配置され、前記レーザ源によって放出された前記レーザ放射の前記上面と光ファイバ又は光ファイバのネットワークとによる光結合を可能にするように構成された回折グレーティング(803)を備える、請求項13に記載のフォトニックデバイス(100)。
【国際調査報告】