(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】CD47に関連する疾患を処置するための多特異性抗体
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20241106BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20241106BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241106BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20241106BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241106BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20241106BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241106BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20241106BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P1/18
A61P15/00
A61P1/04
A61P11/00
A61P13/08
A61P13/12
A61P43/00 105
A61P5/14
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525203
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2022127745
(87)【国際公開番号】W WO2023072159
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/126743
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522444069
【氏名又は名称】ヴィルトゥオーソ ビンコ,インク.
【住所又は居所原語表記】1500 Fashion Island Blvd., Suite 102 San Mateo, CA 94404, USA
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シンホワ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シャオチェン
(72)【発明者】
【氏名】シー,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,オイ クワン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,チー
(72)【発明者】
【氏名】ポスト,レオナルド
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB36
4C085BB41
4C085BB42
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、CD47に特異的に結合する第1の標的化部分と、第2の標的化部分とを含む多特異性抗体を記載する。第2の標的化部分は、EpCAMまたはEGFRに特異的に結合することができる。さらに、本明細書には、多特異性抗体を含む医薬組成物、ならびにCD47+細胞、例えば、CD47+EpCAM+細胞またはCD47+EGFR+細胞を死滅させるための、および増殖性疾患を治療するための使用方法も記載されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む、多特異性抗体。
【請求項2】
前記多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項3】
前記多特異性抗体は二重特異性である、請求項2に記載の多特異性抗体。
【請求項4】
前記多特異性抗体は二価、三価、または四価である、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項5】
前記多特異性抗体は二価である、請求項4に記載の多特異性抗体。
【請求項6】
前記多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、B細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47に対するよりも高い親和性を有する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項7】
前記腫瘍細胞はEpCAMを発現する、請求項6に記載の多特異性抗体。
【請求項8】
(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な前記多特異性抗体の濃度は、約200ナノモル(nM)超である、請求項1~7のいずれかに記載の多特異性抗体。
【請求項9】
前記多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項10】
前記多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、請求項9に記載の多特異性抗体。
【請求項11】
前記多特異性抗体は、約500ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEpCAMに結合する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項12】
前記多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約500nM、約1nM~約300nM、約5nM~約200nM、または約10nM~約150nMの解離定数(KD)でEpCAMに結合する、請求項11に記載の多特異性抗体。
【請求項13】
前記解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項14】
前記EpCAM結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトEpCAM結合ドメインである、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項15】
前記EpCAM結合ドメインは、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項16】
EpCAMに特異的に結合する前記抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗EpCAM重鎖および抗EpCAM軽鎖を含む、請求項15に記載の多特異性抗体。
【請求項17】
前記抗EpCAM重鎖は、抗EpCAM重鎖可変ドメインを含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項18】
前記抗EpCAM重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項19】
前記抗EpCAM軽鎖は、抗EpCAM軽鎖可変ドメインを含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項20】
前記抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む、請求項19に記載の多特異性抗体。
【請求項21】
前記EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項22】
前記EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項23】
前記EpCAM結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、請求項16に記載の多特異性抗体。
【請求項24】
前記EpCAM結合ドメインの前記TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、請求項23に記載の多特異性抗体。
【請求項25】
前記EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、前記VH-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、前記VL-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、請求項23に記載の多特異性抗体。
【請求項26】
前記EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、前記VH-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、前記VL-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、請求項23に記載の多特異性抗体。
【請求項27】
前記EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、前記VH-EpCAMドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、前記VL-EpCAMドメインは、CL IgGドメインに融合している、請求項23に記載の多特異性抗体。
【請求項28】
前記CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項29】
前記CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項30】
前記CD47結合ドメインは、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む、請求項29に記載の多特異性抗体。
【請求項31】
前記抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項32】
前記抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む、請求項31に記載の多特異性抗体。
【請求項33】
前記抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項34】
前記抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖の可変ドメインを含む、請求項33に記載の多特異性抗体。
【請求項35】
前記抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、前記抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項36】
前記抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項37】
前記CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項38】
前記CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項39】
前記CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、請求項30に記載の多特異性抗体。
【請求項40】
前記CD47結合ドメインの前記TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、請求項39に記載の多特異性抗体。
【請求項41】
前記CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、前記VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、前記VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、請求項39に記載の多特異性抗体。
【請求項42】
前記CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、前記VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、前記VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、請求項39に記載の多特異性抗体。
【請求項43】
前記CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、前記VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、前記VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している、請求項39に記載の多特異性抗体。
【請求項44】
Fcドメインをさらに含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項45】
前記FcドメインはヒトFcドメインである、請求項44に記載の多特異性抗体。
【請求項46】
前記Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である、請求項44に記載の多特異性抗体。
【請求項47】
前記Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項48】
前記ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、請求項47に記載の多特異性抗体。
【請求項49】
前記ノブ鎖は変異T366Wを含み、前記ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスによるものである、請求項47に記載の多特異性抗体。
【請求項50】
前記ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、請求項47に記載の多特異性抗体。
【請求項51】
前記多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項52】
前記EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表9に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項53】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1は、配列番号222、225、231、234、243、および246から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項54】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号223、226、232、235、244、および247から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項55】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR3は、配列番号224、227、233、236、245、および248から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項56】
前記EpCAM結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表10に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項57】
前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1は、配列番号276、279、285、288、297、および300から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項58】
前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR2は、配列番号277、280、286、289、298、および301から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項59】
前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR3は、配列番号278、281、287、290、299、および302から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項60】
前記EpCAM結合ドメインは、表11に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項61】
前記EpCAM結合ドメインは、配列番号331~334、335~338、343~346、347~350、355~358、および359~362から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項62】
前記EpCAM結合ドメインのHFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、請求項60に記載の多特異性抗体。
【請求項63】
前記EpCAM結合ドメインのHFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、請求項60に記載の多特異性抗体。
【請求項64】
前記EpCAM結合ドメインは、表12に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、LFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項65】
前記EpCAM結合ドメインは、配列番号367~370、371~374、379~382、383~386、391~394、および395~398から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項66】
前記EpCAM結合ドメインのLFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、請求項64に記載の多特異性抗体。
【請求項67】
前記EpCAM結合ドメインのLFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、請求項64に記載の多特異性抗体。
【請求項68】
前記EpCAM結合ドメインは、表13に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項69】
前記EpCAM結合ドメインは、表14に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項70】
前記EpCAM結合ドメインは、表15に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項71】
前記EpCAM結合ドメインは、表16に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項72】
前記EpCAM結合ドメインは、表17に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項73】
前記EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項74】
前記EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項75】
前記EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項76】
前記CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項77】
前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、請求項76に記載の多特異性抗体。
【請求項78】
前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、請求項76に記載の多特異性抗体。
【請求項79】
前記CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項80】
前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、請求項79に記載の多特異性抗体。
【請求項81】
前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、請求項79に記載の多特異性抗体。
【請求項82】
前記CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項83】
前記CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項84】
前記CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項85】
前記CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項86】
前記CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項87】
前記CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項88】
前記CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項89】
前記CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項90】
前記多特異性抗体は、表26に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項91】
前記多特異性抗体は、表27に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項92】
前記多特異性抗体は、表28に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項93】
前記多特異性抗体は、表29に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項94】
前記多特異性抗体は、表30に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項95】
前記多特異性抗体は、表31に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項96】
前記多特異性抗体は、表32に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項97】
前記EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3、ならびに、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、前記CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、前記CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項98】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号235に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項99】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項100】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項101】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項102】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項103】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項104】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および484に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項105】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および484に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項106】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および507に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項107】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および507に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項108】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項109】
前記多特異性抗体は、配列番号503、504、および505に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項110】
前記多特異性抗体は、配列番号503、504、および505に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項111】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号244に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項112】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項113】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項114】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項115】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項116】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項117】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項118】
前記多特異性抗体は、配列番号485、486、および487に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項119】
前記多特異性抗体は、配列番号485、486、および487に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項120】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項121】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項122】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項123】
前記EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、前記EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、前記CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項124】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項125】
前記多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、前記CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、前記EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項126】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および506に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項127】
前記多特異性抗体は、配列番号482、483、および506に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項128】
約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるHCT-15細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して、少なくとも4倍増加させる、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項129】
マクロファージによるEpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するために必要な抗体の濃度は、約0.001ナノモル(nM)~約3nMである、請求項94に記載の多特異性抗体。
【請求項130】
前記EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、HCT-15細胞である、請求項129に記載の多特異性抗体。
【請求項131】
前記EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞から選択される、請求項129に記載の多特異性抗体。
【請求項132】
約100ナノモル(nM)の前記多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項133】
前記細胞はCD47+EpCAM+腫瘍細胞である、請求項132に記載の多特異性抗体。
【請求項134】
前記細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、請求項133に記載の多特異性抗体。
【請求項135】
前記細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、請求項133に記載の多特異性抗体。
【請求項136】
約1000ナノモル(nM)の前記多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項137】
請求項1に記載の多特異性抗体、およびCD47+EpCAM+標的細胞を含む、複合体。
【請求項138】
前記標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、請求項137に記載の複合体。
【請求項139】
前記標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、請求項137に記載の複合体。
【請求項140】
前記CD47+EpCAM+標的細胞は癌細胞である、請求項137に記載の複合体。
【請求項141】
前記癌細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、請求項140に記載の複合体。
【請求項142】
請求項1に記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞の食作用を誘導する方法。
【請求項143】
前記多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される、請求項142または143に記載の方法。
【請求項145】
前記CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
請求項1に記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、前記多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する、方法。
【請求項147】
請求項1に記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、前記多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する、方法。
【請求項148】
前記多特異性抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、請求項147に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年10月27日に出願されたPCT出願番号PCT/CN2021/126743号の優先権を主張するものであり、この全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は配列表を包含しており、これは、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、その全体を参照することで本明細書に組み込まれる。2022年10月24日に作成された上記ASCIIのコピーは、txt_55429-739_602_SL.txtのファイル名であり、16キロバイトのサイズである。
【0003】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体を提供する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価、三価、または四価である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価である。
【0005】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47よりも高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞はEpCAMを発現する。いくつかの実施形態において、(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約500ナノモル(nM)超である。
【0006】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約500ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEpCAMに結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約500nM、約1nM~約300nM、約5nM~約200nM、または約10nM~約150nMの解離定数(KD)でEpCAMに結合する。いくつかの実施形態において、解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される。
【0007】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトEpCAM結合ドメインである。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む。いくつかの実施形態において、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗EpCAM重鎖および抗EpCAM軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM重鎖は、抗EpCAM重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖は、抗EpCAM軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、カッパ(Kappa)またはラムダ(Lambda)軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0008】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、CL IgGドメインに融合している。
【0009】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表9に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR1は、配列番号222、225、231、234、243、および246から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号223、226、232、235、244、および247から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR3は、配列番号224、227、233、236、245、および248から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0010】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表10に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1は、配列番号276、279、285、288、297、および300から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR2は、配列番号277、280、286、289、298、および301から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR3は、配列番号278、281、287、290、299、および302から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0011】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表11に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号331~334、335~338、343~346、347~350、355~358、および359~362から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号331~334のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号335~338のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号343~346のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号347~350のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号355~358のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号359~362のアミノ酸配列のセットを含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0012】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表12に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、LFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号367~370、371~374、379~382、383~386、391~394、および395~398から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号367~370のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号371~374のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号379~382のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号383~386のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号391~394のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号395~398のアミノ酸配列のセットを含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、アミノ酸配列の少なくとも1つのセットは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0013】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表13に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表14に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表15に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表16に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表17に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0014】
CD47ドメインおよびEpCAMドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0015】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む。いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0016】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している。
【0017】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0018】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0019】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0020】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0021】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体はFcドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、FcドメインはヒトFcドメインである。いくつかの実施形態において、Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。いくつかの実施形態において、Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ここで、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスに従う。いくつかの実施形態において、ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する。
【0022】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表26に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0023】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表27に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0024】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表28に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0025】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表29に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0026】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表30に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0027】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表31に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0028】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表32に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0029】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、約1ナノモル(nM)未満または約0.001nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるHCT-15細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して少なくとも4倍増加させる。いくつかの実施形態において、マクロファージによるEpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するために必要な抗体の濃度は、約0.001ナノモル(nM)~約3nMである。いくつかの実施形態において、EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、OVISE細胞またはHCT15細胞である。いくつかの実施形態において、EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺小細胞癌細胞、肝細胞癌細胞、胃腺癌細胞、胆管癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、前立腺癌細胞、子宮内膜癌細胞、食道癌細胞、卵巣腺癌細胞、外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0030】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する。いくつかの実施形態において、細胞はCD47+EpCAM+腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、約1000ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない。
【0031】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体と、CD47+EpCAM標的細胞とを含む複合体を提供する。いくつかの実施形態において、標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態において、癌細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0032】
本開示は、CD47+EpCAM+標的細胞の食作用を誘導する方法であって、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される。
【0033】
本開示は、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含み、多特異性抗体が、CD47+EpCAM+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0034】
本開示は、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含み、多特異性抗体が、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0035】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を含む医薬組成物を提供する。
【0036】
本開示は、癌を有する対象を処置する方法であって、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、癌は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頸癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である。
【0037】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体を提供する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価、三価、または四価である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価である。
【0038】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、B細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47に対するよりも高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞はEGFRを発現する。いくつかの実施形態において、(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約200ナノモル(nM)超である。
【0039】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約25ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEGFRに結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約25nM、約0.2nM~約10nM、約0.2nM~約2nM、または約2nM~約10nMの解離定数(KD)でEGFRに結合する。いくつかの実施形態において、解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される。
【0040】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む。いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0041】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している。
【0042】
CD47ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0043】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0044】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0045】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0046】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインはCH1 IgGドメインに融合しており、VL-EGFRドメインはCL IgGドメインに融合している。
【0047】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表19に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0048】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表20に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0049】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表21に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表22に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表23に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表24に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0050】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表25に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むFabドメインを含む。
【0051】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体はFcドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、FcドメインはヒトFcドメインである。いくつかの実施形態において、Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。いくつかの実施形態において、Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ここで、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスに従う。いくつかの実施形態において、ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する。
【0052】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表33に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0053】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表34に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0054】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表35に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む。
【0055】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるA431細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して少なくとも4倍増加させる。いくつかの実施形態において、マクロファージによるEGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するために必要な抗体の濃度は、約0.01ナノモル(nM)~約3nMである。いくつかの実施形態において、EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、OVISE細胞またはA431細胞である。いくつかの実施形態において、EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺小細胞癌細胞、肝細胞癌細胞、胃腺癌細胞、胆管癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、前立腺癌細胞、子宮内膜癌細胞、卵巣腺癌細胞、外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0056】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体のいくつかの実施形態において、約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する。いくつかの実施形態において、細胞はCD47+EGFR+腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、約400ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない。
【0057】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体と、CD47+EGFR+標的細胞とを含む複合体を提供する。いくつかの実施形態において、標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態において、癌細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱腺癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頚癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である。
【0058】
本開示は、CD47+EGFR+標的細胞の食作用を誘導する方法であって、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される。
【0059】
本開示は、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法であって、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含み、多特異性抗体が、CD47+EGFR+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0060】
本開示は、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法であって、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を投与する工程を含み、多特異性抗体が、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0061】
本開示は、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を含む医薬組成物を提供する。
【0062】
本開示は、癌を有する対象を処置する方法であって、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメイン(本明細書に記載される)を含む多特異性抗体を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、癌は、類表皮癌、大腸腺癌、頭頸部扁平上皮癌、膀胱癌、膵臓腺癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、胃癌、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞癌、卵巣腺癌、結腸腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頚癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である。
【0063】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する範囲において、本明細書は、そのような矛盾する資料に取って代わり、および/または優先されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明、および添付の図面(本明細書では「図面(Figure)および(FIG.)」とも称される)を参照することによって得られるであろう。
【
図1A】例示的な3鎖、ノブイントゥホール、CD47xEpCAMまたはCD47xEGFR二重特異性抗体を示す。
【
図1B】TCR-キメラ抗体フォーマットにおける例示的な4鎖、ノブイントゥホール、CD47×EpCAMまたはCD47×EGFR二重特異性抗体を示す。
【
図2A】ヒトCD47(
図2A)およびヒトEpCAM組換えタンパク質(
図2B)に対する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体のELISA結合を示す。抗体の両アームは、それぞれの標的抗原に強く結合することが示された。
【
図2B】ヒトCD47(
図2A)およびヒトEpCAM組換えタンパク質(
図2B)に対する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体のELISA結合を示す。抗体の両アームは、それぞれの標的抗原に強く結合することが示された。
【
図3A】CD47+のみのRaji腫瘍細胞に対する非常に弱いSIRPα遮断活性(
図3A)を有するが、EpCAM+/CD47+HCT15腫瘍細胞に対する強力な遮断活性(
図3B)を有する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)を示す。
【
図3B】CD47+のみのRaji腫瘍細胞に対する非常に弱いSIRPα遮断活性(
図3A)を有するが、EpCAM+/CD47+HCT15腫瘍細胞に対する強力な遮断活性(
図3B)を有する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)を示す。
【
図4】EpCAM+/CD47+腫瘍細胞に対する強力な抗体依存性細胞食作用(ADCP)活性を有する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)を示す。
【
図5】EpCAM+/CD47+腫瘍細胞に対する強力な抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)を示す。
【
図6A】平均蛍光強度MFI(
図6A)および選択的結合の%(
図6B)によって測定される参照抗体「BMK-1」(本明細書に記載されるものなど)の結合と比較した、例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(CD47xEpCAM_v5)の赤血球(RBC)結合の減少を示す。
図6Cに示すように、「CD47xEpCAM_v5」二重特異性抗体の処理では赤血球凝集は観察されなかった。
【
図6B】平均蛍光強度MFI(
図6A)および選択的結合の%(
図6B)によって測定される参照抗体「BMK-1」(本明細書に記載されるものなど)の結合と比較した、例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(CD47xEpCAM_v5)の赤血球(RBC)結合の減少を示す。
図6Cに示すように、「CD47xEpCAM_v5」二重特異性抗体の処理では赤血球凝集は観察されなかった。
【
図6C】平均蛍光強度MFI(
図6A)および選択的結合の%(
図6B)によって測定される参照抗体「BMK-1」(本明細書に記載されるものなど)の結合と比較した、例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(CD47xEpCAM_v5)の赤血球(RBC)結合の減少を示す。
図6Cに示すように、「CD47xEpCAM_v5」二重特異性抗体の処理では赤血球凝集は観察されなかった。
【
図7】参照「BMK-1」(本明細書に記載されるものなど)および「VIR47.V8」と比較して、例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)のT細胞結合が少ないことを示す。
【
図8A】より低用量でさえ、参照抗体「BMK-1」および「BMK-2」(本明細書に記載されるものなど)よりも優れた、例示的なCD47xEpCAM二重特異性抗体(「CD47xEpCAM_v5」)によるOE-19モデルにおける完全な腫瘍阻害を示す。
【
図8B】「CD47xEpCAM_v5」二重特異性抗体がKATOIIIモデルにおいて完全な腫瘍退縮を誘導し、参照抗体:単一特異性EpCAM mAb(mAb002-11)、CD47 mAb(「VIR47.V8」)、「BMK-1」および「BMK-2」(本明細書に記載されるものなど)よりも優れた有効性を示したことを示す。二重特異性抗体群のすべてのマウスには、最後の投与の10日後でさえ腫瘍がなかった。
【
図9A】ヒトEGFR(
図9A)およびヒトCD47(
図9B)組換えタンパク質での例示的なCD47×EGFR二重特異性抗体「パニツムマブ×VIR47.V8」のELISA結合を示す。
【
図9B】ヒトEGFR(
図9A)およびヒトCD47(
図9B)組換えタンパク質での例示的なCD47×EGFR二重特異性抗体「パニツムマブ×VIR47.V8」のELISA結合を示す。
【
図10A】大腸癌異種移植片モデルDLD-1における、単剤としての、および、オキサリプラチン(
図10A)、5-フルオロウラシル(5-FU、
図10B)、またはイリノテカン(
図10C)と組み合わせた、CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体の抗腫瘍活性を示す。
【
図10B】大腸癌異種移植片モデルDLD-1における、単剤としての、および、オキサリプラチン(
図10A)、5-フルオロウラシル(5-FU、
図10B)、またはイリノテカン(
図10C)と組み合わせた、CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体の抗腫瘍活性を示す。
【
図10C】単剤としての、および、大腸癌異種移植片モデルDLD-1においてオキサリプラチン(
図10A)、5-フルオロウラシル(5-FU、
図10B)、またはイリノテカン(
図10C)と組み合わせた、CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体の抗腫瘍活性を示す。
【
図11A】大腸癌異種移植モデルDLD-1において、イリノテカンと、ベンチマークCD47抗体(BMK-1)、抗CD47二価抗体(VIR47.V8)、ならびに2つのCD47xEpCAM二重特異性抗体CD47xEpCAM_v5およびCD47xEpCAM_v6とを組み合わせた抗腫瘍活性を示す。
【
図11B】大腸癌異種移植モデルDLD-1において、イリノテカンと、ベンチマークCD47抗体(BMK-1)、抗CD47二価抗体(VIR47.V8)、ならびに2つのCD47xEpCAM二重特異性抗体CD47xEpCAM_v5およびCD47xEpCAM_v6とを組み合わせた抗腫瘍活性を示す。
【
図12】肝細胞癌異種移植片モデルHep3B2.1-7における、単剤としての、または組み合わせでのイリノテカンおよびCD47xEpCAM二重特異性抗体CD47xEpCAM_v5の抗腫瘍活性を示す。
【
図13A】ヒトEpCAM(
図13A)およびヒトCD47組換えタンパク質(
図13B)でのCD47xEpCAM二重特異性抗体v9、v10、v11のELISA結合を示す。抗体の両方のアームは、それらのそれぞれの標的抗原に強く結合することが示された。
【
図13B】ヒトEpCAM(
図13A)およびヒトCD47組換えタンパク質(
図13B)でのCD47xEpCAM二重特異性抗体v9、v10、v11のELISA結合を示す。抗体の両方のアームは、それらのそれぞれの標的抗原に強く結合することが示された。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の様々な実施形態が本明細書中で示され、記載されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多くの変更、変化、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者に理解され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0066】
インテグリン関連タンパク質(IAP)としても知られる分化クラスター47(CD47)は、多数の血液癌および固形腫瘍において過剰発現される約50kDaの免疫グロブリンスーパーファミリー膜糖タンパク質である。高いCD47発現はしばしば、より侵襲性の疾患およびより不良な臨床転帰と相関する。
【0067】
CD47+細胞の表面上のCD47は、マクロファージおよび樹状細胞などの自然免疫系および適応免疫系の細胞上に発現されるシグナル調節タンパク質α(SIRPα)と相互作用する。この相互作用は、食作用を阻害し、それによってCD47+細胞が免疫監視を回避することを可能にする「don’t eat me」シグナルを送る。
【0068】
これらのデータは、CD47が免疫チェックポイントとして役立ち得ること、およびCD47-SIRPα相互作用の遮断が、「don’t eat me」シグナルのスイッチを切ることによって治療的価値を有し得ることを示唆する。したがって、CD47を遮断することは、CD47-SIRPαシグナル伝達経路を中断することがin vitroおよびin vivoでヒト癌に対する抗腫瘍活性を促進することを示す多くの研究とともに、有望な治療戦略として出現した。
【0069】
いくつかの抗CD47モノクローナル抗体(mAb)は、急性骨髄性白血病細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、乳癌細胞、および卵巣癌細胞の食作用を増加させることが示されている。臨床試験において、CD47 mAbは、他の治療用抗体の抗腫瘍活性を増強した。少なくとも6つの抗CD47 mAbおよび3つのSIRPα融合タンパク質が、ヒト血液悪性腫瘍および固形腫瘍の処置のための第I相または第II相の臨床試験で進行中である。
【0070】
抗CD47 mAbの有効性は、CD47も発現する赤血球(RBC)との相互作用によって制限される。RBCは、抗CD47抗体を隔離するシンクとして作用し、それによって、それらが悪性のCD47発現(CD47+)細胞に結合するのを防ぐ。さらに、RBCへの抗CD47 mAb結合は、赤血球凝集およびRBCの溶解をもたらし、貧血を生じさせる。したがって、腫瘍外(off-tumor)効果を低減させつつ、CD47+細胞によって媒介される悪性疾患を処置する改善された方法が必要とされている。
【0071】
CD236としても知られている上皮細胞接着分子(EpCAM)は、同種親和性のCa2+非依存性細胞間接着分子として機能する約35kDaのI型膜貫通糖タンパク質である。EpCAMはさらに、細胞シグナル伝達、増殖、分化、臓器形態の形成および維持にも関与する。その過剰発現は、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌、腎臓癌、および胃癌などの多くの転移性上皮癌において見られ、免疫療法のための理想的な標的としてのその可能性に光を当てている(Spizzo et.al,Breast Cancer Res Treat 86:207-213)。
【0072】
ErbB-1またはHER1としても知られている上皮成長因子受容体(EGFR)は、細胞外タンパク質リガンドの上皮成長因子ファミリーのメンバーの受容体である膜貫通タンパク質である。EGFRは、4つの密接に関連する受容体チロシンキナーゼ:EGFR、Her2/neu、Her3、およびHer4のサブファミリーである、受容体のErbBファミリーのメンバーである。EGFRの過剰発現は、肺の腺癌、大腸癌、神経膠芽腫、および頭頸部の上皮腫瘍を含む多くの癌と関連している。
【0073】
いくつかの実施形態において、CD47に対する標的化部分およびEpCAMに対する標的化部分、またはそれらの組み合わせを含む、抗CD47抗体、抗EpCAM抗体、および多特異性抗体が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、CD47に対する第1の標的化部分と、EpCAMに対する第2の標的化部分とを含む多特異性(例えば、二重特異性)抗体も本明細書に記載される。さらなる実施形態において、抗CD47抗体、抗EpCAM抗体、および多特異性抗体(例えば、二重特異性CD47/EpCAM抗体)を用いて癌を治療する方法が本明細書にさらに記載される。
【0074】
いくつかの実施形態において、CD47に対する標的化部分およびEGFRに対する標的化部分、またはそれらの組み合わせを含む、抗CD47抗体、抗EGFR抗体、および多特異性抗体が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、CD47に対する第1の標的化部分と、EGFRに対する第2の標的化部分とを含む多特異性(例えば、二重特異性)抗体も本明細書に記載される。さらなる実施形態において、抗CD47抗体、抗EGFR抗体、および多特異性抗体(例えば、二重特異性CD47/EGFR抗体)を用いて癌を処置する方法が本明細書にさらに記載される。
【0075】
定義
他に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的な用語は、主張された主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。前述の一般的な記載および以下の詳細な記載は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、任意の主題に限定されるものではないことが理解されよう。本明細書に使用される段落の見出しは、組織化するためのものに過ぎず、記載される主題を制限するものと解釈されてはならない。本出願では、単数形の使用は、特に明記されない限り、複数形を含む。本明細書と添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、他にその内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むということに留意されたい。本出願では、「または」の使用は、特に明記されない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含むこと(including)」という用語の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含まれる(included)」などの他の形態と同様、限定的なものではない。
【0076】
本明細書で使用されるように、範囲と量は、「約」特定の値または範囲として表現可能である。「約」は正確な量も含んでいる。したがって、「約5μL」は、「約5μL」と「5μL」も意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差内であると予想されることになる量を含んでいる。他に示されない限り、本明細書および請求項で使用される成分の量、反応条件などを表現する数はすべて、「約」という用語によってすべての例において修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本出願によって得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値である。概して、重量、時間、用量などの量などの測定可能な値に言及する場合に本明細書で使用される「約」という用語は、特定された量から、一例では±20%または±10%、別の例では±5%、別の例では±1%、さらに別の例では±0.1%の変動を包含することを意味し、したがって、開示される方法を実施するには、変形形態が適切である。
【0077】
本明細書で使用される章の見出しは、構成上の目的のためにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0078】
「抗体」および「免疫グロブリン」(Ig)は、同じ構造特徴を有する糖タンパク質である。これらの用語は同義的に使用される。いくつかの例では、免疫グロブリンの抗原特異性は既知である。
【0079】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、完全に組み立てられた抗体、抗原を結合することができる抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体など)、および前述のものを含む組換えペプチドを包含する。
【0080】
本明細書で使用されるように、「モノクローナル抗体」および「mAb」という用語は、抗体の実質的に均質な集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在することもある起こりうる自然発生変異を除いて、同一である。
【0081】
「天然の(Native)抗体」および「天然の免疫グロブリン」は通常、2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖で構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は1つの共有結合のジスルフィド結合により重鎖に結合するが、その一方で、ジスフィルド結合の数は、異なる免疫グロブリンのアイソタイプの重鎖の中で変動する。重鎖と軽鎖はそれぞれ規則的に距離をおいた鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は一方の端部に可変ドメイン(VH)を有し、その後に多くの定常ドメインを有する。各軽鎖は一方の端部に可変ドメイン(VL)を有し、もう一方の端部に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインとアラインメントされ、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインとアラインメントされる。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖の可変ドメインの間に界面を形成すると考えられている。
【0082】
本明細書で使用されるように、「可変」という用語は、可変ドメインの特定の部分が抗体中の配列で大きく異なるという事実を指す。可変領域は抗原結合特異性を付与する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイン全体に均一に分布していない。可変性は、双方とも軽鎖および重鎖の可変ドメインにある、相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域と呼ばれる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、4つのFR領域を含み、その大部分がβ-プリーツシート構成を採用し、ループ接続を形成する3つのCDRによって接続され、場合によっては、β-プリーツシート構成の一部を形成する。各鎖におけるCDRは、FR領域によって近接してともに保持され、他の鎖のCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.(1991) NIH PubL.No.91-3242,Vol.I,pages 647-669を参照)。定常ドメインは、抗体を抗原に結合することに直接関与しないが、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性細胞傷害への抗体の関与、補体依存性細胞傷害の導入、および肥満細胞脱顆粒などの様々なエフェクター機能を呈する。
【0083】
本明細書で使用されるように、「超可変領域」という用語は、本明細書で使用される際、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基24-34(L1)、50-56(L2)、および89-97(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の31-35(H1)、50-65(H2)、および95-102(H3);Kabat et al.(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,Md.)、ならびに/または、「超可変ループ」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基26-32(L1)、50-52(L2)、および91-96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の(H1)、53-55(H2)、および96-101(13);Clothia and Lesk,(1987)J.Mol.Biol.,196:901-917)を含む。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書でみなされるように、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0084】
「抗体フラグメント」は、無傷の抗体の一部、好ましくは、無傷の抗体の抗原結合または可変領域を含む。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab、F(ab’)2、およびFvフラグメント、ダイアボディ、線状の抗体(Zapata et al.(1995) Protein Eng.10:1057-1062)、単鎖抗体分子、ならびに、抗体フラグメントから形成された多特異性抗体を含む。抗体のパパイン消化により、それぞれが単一の抗原結合部位を有する「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、その名前が容易に結晶化する能力を反映している残基「Fc」フラグメントとが生成される。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有するとともに依然として抗原を架橋結合することができるF(ab’)2フラグメントが生成される。
【0085】
「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最小限の抗体フラグメントである。この領域は、緊密な非共有結合的会合における、1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH-VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するのは、この構成においてである。まとめて、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、結合部位全体よりも親和性は低いが、1つの可変ドメイン(または、抗原に特異的なわずか3つのCDRしか含まないFvの半分)でも、抗原を認識して結合する能力を有している。
【0086】
Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域の1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端での少数の残基の添加により、Fab’フラグメントとは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有しているFab’に関する本明細書での名称である。Fab’フラグメントは、F(ab’)2フラグメントの重鎖ジスルフィド架橋の還元により生成される。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られている。
【0087】
任意の脊椎動物種の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、定常領域のアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる、2つの明らかに異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
【0088】
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てることができる。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、IgM、およびIgYがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分けてもよい。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。様々なクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元構造は周知である。異なるアイソタイプは異なるエフェクター機能を有する。例えば、ヒトIgG1とIgG3のアイソタイプは、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)活性を有している。
【0089】
本明細書に開示される抗体のCDR配列、または本明細書に開示される抗CD47もしくは抗ICAM1結合ドメイン配列は、(i)Kabat numberingシステム(Kabat et al.(197 ) Ann.NY Acad.Sci.190:382-391 and,Kabat et al.(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242)、または、(ii)本明細書では「Chothia CRD」とも呼ばれる、Chothiaナンバリングスキーム(例えば、Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.,196:901-917;Al-Lazikani et al.,1997,J.Mol.Biol.,273:927-948;Chothia et al.,1992,J.Mol.Biol.,227:799-817;Tramontano A et al.,1990,J.Mol.Biol.215(1):175-82;および、U.S.Patent No.7,709,226を参照);または、(iii)例えば、Lefranc,M.-P.,1999,The Immunologist,7:132-136、およびLefranc,M.-P.et al,1999,Nucleic Acids Res.,27:209-212に記載されるようなImMunoGeneTics(IMGT)ナンバリングシステム(「IMGT CDR」);または、(iv)MacCallum et al,1996,J.Mol.Biol.,262:732-745に従って、定義または決定されてもよい。例えば、Martin,A.,“Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,”in Antibody Engineering,Kontermann and Diibel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer- Verlag,Berlin (2001)をさらに参照。
【0090】
Kabat numberingシステムに関して、抗体重鎖分子内のCDRは、典型的には、35(Kabat numberingスキームでは、35Aおよび35Bと呼ばれる)後に1つまたは2つの追加のアミノ酸を任意選択で含むことができるアミノ酸位31~35(CDR1)、アミノ酸位50~65(CDR2)、およびアミノ酸位95~102(CDR3)に存在する。Kabat numberingシステムを使用すると、抗体軽鎖分子内のCDRは典型的には、アミノ酸位24~34(CDR1)、アミノ酸位50~56(CDR2)、およびアミノ酸位89~97(CDR3)に存在する。当業者に周知であるように、Kabat numberingシステムを使用すると、抗体可変ドメインの実際の線形アミノ酸配列は、FRおよび/またはCDRの短縮または延長に起因して、より少ないアミノ酸または追加のアミノ酸を含むことができ、そのため、アミノ酸のKabatナンバーは、その線形アミノ酸番号と必ずしも同じわけではない。
【0091】
「キメラ」抗体という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の供給源または種に由来し、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
【0092】
本明細書で使用されるような「ヒト抗体」または「ヒト化抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むように意図している。ヒト抗体は当技術分野において周知である(van Dijk,M.A.,and van de Winkel,J.G.,Curr.Opin.Chem.Biol.5(2001)368-374)。いくつかの例では、ヒト抗体はさらに、免疫化時に、内因性免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体の全レパートリーまたは選択をもたらすことができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)において産生される。このような生殖系列変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす(例えば、Jakobovits,A.et al、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(1993)2551-2555;Jakobovits,A.,et al,Nature 362(1993)255-258;,et al,Year Immunol.7(1993)33-40を参照)。さらなる例において、ヒト抗体はさらに、ファージディスプレイライブラリーにおいて産生される(Hoogenboom,H.R.,and Winter,G.,J.Mol.Biol.227(1992)381-388;,et al,J.Mol.Biol.222(1991)581-597)。ColeらおよびBoernerらの技術は、ヒトモノクローナル抗体(Cole,et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);およびBoerner,P.,et al,J.Immunol.147(1991)86-95)の調製にも利用可能である。
【0093】
本明細書で使用されるような「組換えヒト抗体」という用語は、NSOもしくはCHO細胞などの宿主細胞から、またはヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックな動物(例えば、マウス)から単離された抗体、あるいは宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体などの、組換え手段によって調製、発現、作製、または単離されたすべてのヒト抗体を含むことを意図している。このような組換えヒト抗体は、再構成された形態の可変領域および定常領域を有する。場合によっては、組換えヒト抗体は、インビボ体細胞超変異に晒されている。したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、関連しているが、in vivoでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然には存在し得ない配列である。
【0094】
本明細書で使用される「価」という用語は、抗原結合分子中の特定の数の結合部位の存在を意味する。したがって、「二価」、「四価」、および「六価」という用語は、抗原結合分子においてそれぞれ2つの結合部位、4つの結合部位、および6つの結合部位の存在を意味する。本発明による二重特異性抗体は、少なくとも「二価」であり、「三価「または「多価」(例えば、「四価」または「六価」)であり得る。特定の態様では、本発明の抗体は、2つ以上の結合部位を有し、二重特異性である。すなわち、抗体は、2つを超える結合部位(すなわち、抗体は三価または多価である)が存在する場合でさえ、二重特異性であり得る。特に、本発明は、特異的に結合する各抗原に対して1つの結合部位を有する二重特異性の二価抗体に関する。
【0095】
「二重特異性」という用語は、抗体が、2つの異なる抗原決定基、例えば、異なる抗原に結合する抗体重鎖可変ドメイン(VH)と抗体軽鎖可変ドメイン(VL)のペアによってそれぞれ形成される2つの結合部位に特異的に結合することができることを意味する。このような二重特異性抗体は、1+1フォーマットである。他の二重特異性抗体フォーマットは、2+1フォーマット(第1の抗原またはエピトープに対する2つの結合部位、および第2の抗原またはエピトープに対する1つの結合部位を含む)、または2+2フォーマット(第1の抗原またはエピトープに対する2つの結合部位、および第2の抗原またはエピトープに対する2つの結合部位を含む)である。典型的には、二重特異性抗体は、それぞれが異なる抗原決定基に特異的である2つの抗原結合部位を含む。「多特異性」という用語は、抗体が、2つ以上の異なる抗原決定基、例えば、異なる抗原に対して抗体重鎖可変ドメイン(VH)と抗体軽鎖可変ドメイン(VL)のペアによってそれぞれ形成される少なくとも2つの結合部位に特異的に結合することができることを意味する。
【0096】
「個体」、「対象」、および「患者」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、任意の哺乳動物を指す。いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態において、哺乳動物は非ヒトである。いかなる用語も、保健従事者(例えば、医師、正看護師、臨床看護師、医師助手、看護助手、またはホスピスの職員)の監督(例えば、常時または断続的)を特徴とする状況を必要とするものでなければ、こうした状況に限定されるものでもない。
【0097】
本明細書で使用されるように、配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」という用語は、最大のパーセント配列同一性を達成するために、必要に応じて配列をアラインメントしてギャップを導入した後に、かつ、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮することなく、特定の配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当技術分野内の様々な方法で、例えば、EMBOSS MATCHER、EMBOSS WATER、EMBOSS STRETCHER、EMBOSS NEEDLE、EMBOSS LALIGN、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて達成可能である。当業者は、比較されている配列の完全長での最大のアラインメントを達成するために必要とされるあらゆるアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0098】
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に使用される状況では、所与のアミノ酸配列Bに対する所与のアミノ酸配列Aの%アミノ酸配列同一性(所与のアミノ酸配列Bに対して特定の%アミノ酸配列同一性を有するか、または含む所与のアミノ酸配列Aとして代替的に表現され得る)は、以下のように、100×分数X/Yで計算され、ここで、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2によって、そのプログラムのAとBのアラインメントにおいて同一のマッチとしてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、ここで、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、A対Bの%アミノ酸配列同一性は、B対Aの%アミノ酸配列同一性と等しくないことを理解されたい。特段の定めのない限り、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して、直前のパラグラフに記載されているように、本明細書で使用される%アミノ酸配列同一性の値がすべて得られる。
【0099】
「癌」および「腫瘍」という用語は本明細書では交換可能に使用され、すべてのタイプの発癌プロセスおよび/または癌性増殖を包含する。実施形態において、癌には、原発腫瘍、および転移組織または悪性形質転換細胞、組織、または器官が含まれる。実施形態において、癌は、癌のすべての病理組織診断およびステージ、例えば、侵襲性/重症度のステージを包含する。実施形態において、癌は、再発癌および/または耐性癌を含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「処置」(およびその文法的変形、例えば「処置する(treat)」または「処置すること(treating)」)は、処置される個体の自然経過を変更する試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の経過中に実施することができる。処置の望ましい効果としては、限定されないが、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減少、転移の予防、疾患進行速度の減少、疾患状態の改善または緩和、および寛解または予後の改善が挙げられる。いくつかの実施形態において、本発明の分子は、疾患の発症を遅らせるため、または疾患の進行を遅らせるために使用される。
【0101】
本明細書で使用する場合、「抗体依存性細胞傷害」および「ADCC」という用語は、非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が標的細胞上の結合抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を指す。
【0102】
抗CD47結合ドメイン
特定の実施形態において、抗CD47結合ドメインが本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む。いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号1~3のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号4~6のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号7~9のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号10~12のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号13~15のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号16~18のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号19~21のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号22~24のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号25~27のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号28~30のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号31~33のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号34~36のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号37~39のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号40~42のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号43~45のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号46~48のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号49~51のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号52~54のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号55~57のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号58~60のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0124】
【0125】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号61~63のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号64~66のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号67~69のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号70~72のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号73~75のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号76~78のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号79~81のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号82~84のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号85~87のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号88~90のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号91~93のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号94~96のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号97~99のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号100~102のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号103~105のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号106~108のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号109~111のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号112~114のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0144】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号115~117のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0145】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号118~120のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0146】
【0147】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号1~3のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号61~63のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号4~6のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号64~66のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号7~9のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号67~69のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号10~12のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号70~72のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号13~15のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号73~75のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0152】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号16~18のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号76~78のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号19~21のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号79~81のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号22~24のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号82~84のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号25~27のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号85~87のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号28~30のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号88~90のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号31~33のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号91~93のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号34~36のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号94~96のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0159】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号37~39のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号97~99のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号40~42のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号100~102のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号43~45のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号103~105のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号46~48のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号106~108のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号49~51のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号109~111のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号52~54のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号112~114のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0165】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号55~57のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号115~117のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号58~60のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号118~120のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0168】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号121~143から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号144~164から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号121~143から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号144~164から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号165~188から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号189~212から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0178】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号165~188から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、配列番号189~212から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0179】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号213に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
本明細書に記載される抗CD47結合ドメインのいくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)は、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合しており、抗CD47結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)は、第2のTCR定常領域に融合しており、ここで、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。
【0195】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0196】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0197】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号214~218から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号214に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号215に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0198】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインと、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインとを含む。
【0199】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号214に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインと、配列番号215に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインとを含む。
【0200】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号216に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号217に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。
【0202】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号218に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインは、配列番号217に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインと、配列番号218に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインとを含む。
【0204】
いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは完全長の抗体を含む。他の実施形態において、抗CD47結合ドメインは、結合フラグメントを含む。いくつかの例では、抗CD47結合ドメインは、抗体もしくはその結合フラグメント、モノクローナル抗体もしくはその結合フラグメント、キメラ抗体もしくはその結合フラグメント、ヒト化抗体もしくはその結合フラグメント、または操作された抗体もしくはその結合フラグメントを含む。場合によっては、抗CD47結合ドメインは、一価Fab、二価Fab’2、単鎖可変フラグメント(scFv)、またはその結合フラグメントを含む。
【0205】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、約0.02nM~約2.27nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、少なくとも約0.02nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、最大で約2.27nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、例えば、マクロファージを使用して、および大腸癌からの転移性癌細胞、例えば、HCT-15細胞、または、食道由来の転移性癌細胞、例えば、KYSE-150細胞などの癌細胞を標的として、ADCP活性を決定するために、食作用アッセイまたはin vitro食作用アッセイにおいて、約0.02nM~約0.16nM、約0.02nM~約0.21nM、約0.02nM~約1.03nM、約0.02nM~約1.2nM、約0.02nM~約2.27nM、約0.16nM~約0.21nM、約0.16nM~約1.03nM、約0.16nM~約1.2nM、約0.16nM~約2.27nM、約0.21nM~約1.03nM、約0.21nM~約1.2nM、約0.21nM~約2.27nM、約1.03nM~約1.2nM、約1.03nM~約2.27nM、または約1.2nM~約2.27nMのEC50を有する。
【0206】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、約0.002nM~約0.138nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、少なくとも約0.002nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、最大で約0.138nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47の結合ドメインは、例えば、NK92/CD16a176VまたはPBMCエフェクター細胞を使用して、および大腸癌からの転移性癌細胞、例えば、HCT-15細胞、または、食道由来の転移性癌細胞、例えば、KYSE-150細胞などの癌細胞を標的として、ADCC活性を決定するために、細胞毒性アッセイまたはin vitro細胞毒性アッセイにおいて、約0.002nM~約0.012nM、約0.002nM~約0.053nM、約0.002nM~約0.108nM、約0.002nM~約0.138nM、約0.012nM~約0.053nM、約0.012nM~約0.108nM、約0.012nM~約0.138nM、約0.053nM~約0.108nM、約0.053nM~約0.138nM、または約0.108nM~約0.138nMのEC50を有する。
【0207】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインは、CD47 BMK-1(本明細書に記載されるなど)と比較して、赤血球(RBC)結合を減少させた。場合によっては、RBC結合の減少は、参照抗体CD47 BMK-1と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の減少である。
【0208】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47抗体は、参照抗体CD47 BMK-2またはCD47 BMK-1(本明細書に記載されるものなど)と比較して改善された血清半減期を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗CD47抗体は、参照抗体CD47 BMK-2またはCD47 BMK-1と比較して改善された血清半減期を有する。いくつかの例では、改善された血清半減期は、参照抗体CD47BMK-2またはCD47BMK-1よりも、少なくとも30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、14日間、30日間、またはそれ以上長い。いくつかの例では、改善された血清半減期は、参照抗体CD47BMK-2またはCD47BMK-1よりも、少なくとも30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、14日間、30日間、またはそれ以上長い。
【0209】
場合によっては、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインの血清半減期は、少なくとも30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、14日間、30日間、またはそれ以上である。場合によっては、本明細書に記載される抗CD47結合ドメインの血清半減期は、約30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、14日間、30日間、またはそれ以上である。
【0210】
抗EpCAM結合ドメイン
特定の実施形態において、抗EpCAM結合ドメインが本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトEpCAM結合ドメインである。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む。いくつかの実施形態において、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗EpCAM重鎖および抗EpCAM軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM重鎖は、抗EpCAM重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖は、抗EpCAM軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、カッパ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、ラムダ軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0211】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表9に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR1は、配列番号222、225、231、234、243、および246から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号223、226、232、235、244、および247から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHC-CDR3は、配列番号224、227、233、236、245、および248から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0212】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号219~221のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0213】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号222~224のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0214】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号225~227のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0215】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号228~230のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0216】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号231~233のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0217】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号234~236のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号237~239のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0219】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号240~242のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0220】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号243~245のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号246~248のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号249~251のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号252~254のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0224】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号255~257のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0225】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号258~260のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0226】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号261~263のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0227】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号264~266のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0228】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号267~269のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0229】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号270~272のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0230】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表10に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1は、配列番号276、279、285、288、297、および300から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR2は、配列番号277、280、286、289、298、および301から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLC-CDR3は、配列番号278、281、287、290、299、および302から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0231】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号273~275のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0232】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号276~278のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0233】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号279~281のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0234】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号282~284のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0235】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号285~287のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0236】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号288~290のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号291~293のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0238】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号294~296のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0239】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号297~299のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0240】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号300~302のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号303~305のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号306~308のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0243】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号309~311のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0244】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号312~314のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0245】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号315~317のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0246】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号318~320のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0247】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号321~323のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0248】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号324~326のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号219~221のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号273~275のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0250】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号222~224のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号276~278のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0251】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号225~227のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号279~281のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0252】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号228~230のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号282~284のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0253】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号231~233のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号285~287のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0254】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号234~236のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号288~290のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0255】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号237~239のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号291~293のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0256】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号240~242のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号294~296のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0257】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号243~245のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号297~299のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0258】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号246~248のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号300~302のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0259】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号249~251のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号300~305のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0260】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号252~254のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号306~308のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0261】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号255~257のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号309~311のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0262】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号258~260のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号312~314のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0263】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号261~263のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号315~317のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0264】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号264~266のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号318~320のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0265】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号267~269のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号321~323のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0266】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号270~272のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号324~326のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0267】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表11に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号331~334、335~338、343~346、347~350、355~358、および359~362から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのHFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0268】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号327~330のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0269】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号331~334のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号335~338のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号339~342のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0272】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号343~346のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0273】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号347~350のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0274】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号351~354のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0275】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号355~358のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0276】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号359~362のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0277】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表12に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、LFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号367~370、371~374、379~382、383~386、391~394、および395~398から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインのLFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0278】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号363~366のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0279】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号367~370のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0280】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号371~374のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0281】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号375~378のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0282】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号379~382のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0283】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号383~386のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0284】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号387~390のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0285】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号391~394のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0286】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)は、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号395~398のアミノ酸配列を含み、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~4個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、pre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0287】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号327~330のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号363~366のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0288】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号331~334のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号367~370のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0289】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号335~338のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号371~374のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0290】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号339~342のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号375~378のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0291】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号343~346のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号379~382のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0292】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号347~350のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号383~386のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0293】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号351~354のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号387~390のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0294】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号355~358のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号391~394のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0295】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号359~362のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域は、配列番号395~398のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインの重鎖フレームワーク領域(HFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、EpCAM結合ドメインの軽鎖フレームワーク領域(LFR)のpre-CDR1領域、inter-CDR1/2領域、inter-CDR2/3領域、およびpost-CDR3領域の少なくとも1つは、0~5(例えば、0~4、0~3、0~2、または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0296】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表13に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0297】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号399~416から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0298】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表14に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0299】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号417~434から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0300】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表13に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、表14に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0301】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号399~416から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号417~434または配列番号513~514から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0302】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表15に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0303】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号435~443または配列番号515~516から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0304】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表16に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0305】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号444~452または配列番号517~518から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0306】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表15に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、表16に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0307】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号435~443から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、配列番号444~452から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0308】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表17に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0309】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号453~457から選択される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。
【0310】
本明細書に記載される抗EpCAM結合ドメインのいくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)は、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合しており、抗EpCAM結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)は、第2のTCR定常領域に融合しており、ここで、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。
【0311】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EpCAM結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、VH-EpCAMドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0312】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EpCAM結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、VH-EpCAMドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0313】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0314】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインと、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインとを含む。
【0315】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号458に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む。
【0316】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号459に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む。
【0317】
いくつかの実施形態において、EpCAM結合ドメインは、配列番号458に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインと、配列番号459に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインとを含む。
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
抗EGFR結合ドメイン
特定の実施形態において、抗EGFR結合ドメインが本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む。
【0331】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表19に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0332】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号460~462のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0333】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号463~465のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0334】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、ここで、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表20に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む。
【0335】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号466~468のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0336】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号469~471のアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0337】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号460~462のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号466~468のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0338】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、配列番号463~465のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、配列番号469~471のアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3(例えば、0~2または0~1)個のアミノ酸修飾を含む。
【0339】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表21に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0340】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号472または473に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0341】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表22に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0342】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号474または475に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0343】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表21に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、表22に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0344】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号472または473に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号474または475に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
【0345】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表23に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0346】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号476または477に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む。
【0347】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表24に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0348】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号478または479に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む。
【0349】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表23に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、表24に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0350】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号476または477に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖と、配列番号478または479に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖とを含む。
【0351】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、表25に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む。
【0352】
いくつかの実施形態において、EGFR結合ドメインは、配列番号480または481に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む。
【0353】
本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインのいくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)は、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合しており、抗EGFR結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)は、第2のTCR定常領域に融合しており、ここで、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。
【0354】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、VH-EGFRドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0355】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、VH-EGFRドメインは、重鎖(CH1)IgGドメインの第1の定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、軽鎖(CL)IgGドメインの定常ドメインに融合している。
【0356】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、参照抗体と比較して、ヒトEGFRタンパク質への結合を増強した。場合によっては、結合の増強は、参照抗体と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%のKDの減少である。
【0357】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、約0.023nM~約3.07nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、少なくとも約0.023nMのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、最大で約3.07nMからのEC50を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される抗EGFR結合ドメインは、例えば、NK92/CD16a176Vエフェクター細胞を使用して、および外陰扁平上皮癌からの転移性癌細胞、例えば、A431細胞を標的として、ADCC活性を決定するために、細胞毒性アッセイまたはin vitro細胞毒性アッセイにおいて、約0.023nM~約0.024nM、約0.023nM~約0.036nM、約0.023nM~約0.038nM、約0.023nM~約0.04nM、約0.023nM~約0.059nM、約0.023nM~約0.069nM、約0.023nM~約0.086nM、約0.023nM~約3.07nM、約0.024nM~約0.036nM、約0.024nM~約0.038nM、約0.024nM~約0.04nM、約0.024nM~約0.059nM、約0.024nM~約0.069nM、約0.024nM~約0.086nM、約0.024nM~約3.07nM、約0.036nM~約0.038nM、約0.036nM~約0.04nM、約0.036nM~約0.059nM、約0.036nM~約0.069nM、約0.036nM~約0.086nM、約0.036nM~約3.07nM、約0.038nM~約0.04nM、約0.038nM~約0.059nM、約0.038nM~約0.069nM、約0.038nM~約0.086nM、約0.038nM~約3.07nM、約0.04nM~約0.059nM、約0.04nM~約0.069nM、約0.04nM~約0.086nM、約0.04nM~約3.07nM、約0.059nM~約0.069nM、約0.059nM~約0.086nM、約0.059nM~約3.07nM、約0.069nM~約0.086nM、約0.069nM~約3.07nM、または約0.086nM~約3.07nMのEC50を有する。
【0358】
【0359】
【0360】
【0361】
【0362】
【0363】
【0364】
【0365】
多特異性抗体
特定の実施形態において、多特異性抗CD47および抗EpCAM抗体、またはその結合フラグメントが本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗CD47および抗EpCAM抗体は、CD47に特異的に結合する少なくとも1つの標的化部分、およびEpCAMに特異的に結合する少なくとも1つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるEpCAM結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるCD47結合ドメイン、および本明細書に記載されるEpCAM結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価、三価、または四価である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47に結合する1つを超える結合部位を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、EpCAMに結合する1つを超える結合部位を有する。いくつかの例では、多特異性抗体またはその結合フラグメントは、多特異性抗体コンジュゲート、ハイブリッド多特異性IgG、可変ドメインのみの多特異性抗体、CH1/CL融合タンパク質、Fab融合タンパク質、非免疫グロブリン融合タンパク質、Fc修飾IgG、付加およびFc修飾IgG、修飾FcおよびCH3融合タンパク質、付加IgG-HC融合体、Fc融合体、CH3融合体、IgE/IgM CH2融合体、またはF(ab’)2融合体である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体はFcドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、FcドメインはヒトFcドメインである。いくつかの実施形態において、Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。いくつかの実施形態において、Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ここで、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスに従う。いくつかの実施形態において、ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する。
【0366】
特定の実施形態において、多特異性抗CD47および抗EGFR抗体、またはその結合フラグメントが本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗CD47および抗EGFR抗体は、CD47に特異的に結合する少なくとも1つの標的化部分、およびEGFRに特異的に結合する少なくとも1つの標的化部分を含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるEGFR結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、本明細書に記載されるCD47結合ドメイン、および本明細書に記載されるEGFR結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二重特異性である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価、三価、または四価である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は二価である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47に結合する1つを超える結合部位を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、EGFRに結合する1つを超える結合部位を有する。いくつかの例では、多特異性抗体またはその結合フラグメントは、多特異性抗体コンジュゲート、ハイブリッド多特異性IgG、可変ドメインのみの多特異性抗体、CH1/CL融合タンパク質、Fab融合タンパク質、非免疫グロブリン融合タンパク質、Fc修飾IgG、付加およびFc修飾IgG、修飾FcおよびCH3融合タンパク質、付加IgG-HC融合体、Fc融合体、CH3融合体、IgE/IgM CH2融合体、またはF(ab’)2融合体である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体はFcドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、FcドメインはヒトFcドメインである。いくつかの実施形態において、Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。いくつかの実施形態において、Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ここで、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスに従う。いくつかの実施形態において、ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する。
【0367】
場合によっては、多特異性抗体は、フレームワーク領域において、例えば、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジ領域、またはその組み合わせにおいて、1つ以上の変異を含む。いくつかの例では、1つ以上の変異は、抗体を安定させるための、および/または半減期を増大させるためのものである。いくつかの例では、1つ以上の変異は、ADCCまたは抗体依存性細胞食作用(ADCP)を増大させるために、Fc受容体相互作用を調節することである。他の例では、1つ以上の変異は、Fcエフェクター機能、例えば、FcγR結合、ADCC、またはADCPを減少させるか、除去することである。さらなる例では、1つ以上の変異はグリコシル化を修飾するためのものである。場合によっては、1つ以上の変異は、安定性を増強し、半減期を増加させ、グリコシル化を減少させ、ならびに/または、例えば、ADCCおよび/もしくはADCPを増加もしくは減少させるために、Fc受容体相互作用を調節する。
【0368】
場合によっては、多特異性抗体は、IgG1フレームワークを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47または抗EpCAMまたはEGFR抗体の定常領域は、Fc受容体相互作用を変化させるために1つ以上のアミノ酸位置で修飾される。Fc受容体相互作用を調節するまたは変化させる例示的な残基としては、限定されないが、G236、S239、T250、M252、S254、T256、K326、A330、I332、E333A、M428、H433、またはN434(Kabat numbering;Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological InterestのEUインデックス)が挙げられる。いくつかの例では、変異は、G236A、S239D、T250Q、M252Y、S254T、T256E、K326W、A330L、I332E、E333A、E333S、M428L、H433K、またはN434Fを含む。
【0369】
いくつかの実施形態において、Fc受容体相互作用を変化させるためのIgG1定常領域中の1つ以上のアミノ酸位置での修飾は、半減期の増加をもたらす。いくつかの例では、1つ以上のアミノ酸位における修飾は、T250、M252、S254、T256、M428、H433、N434、またはそれらの組み合わせを含み、例えば、T250Q/M428L、またはM252Y/S254T/T256E、およびH433K/N434Fを含む。
【0370】
いくつかの実施形態において、上に記載された多特異性抗体はホールの中へのノブ(KIH)フォーマットを含む。場合によっては、KIHはFc領域に位置し、上記Fc領域では、CH3ドメイン内の残基は、WO96/027011;Ridgway,et.al.,Protein Eng.9 (1996) 617-621、または、Merchant,et.al.,Nat.Biotechnol.16 (1998) 677-681の開示に基づいて、任意選択で修飾される。場合によっては、CH3ドメイン対の一方は「ノブ」鎖であり、他方は「ホール」鎖であり、さらなるジスルフィド架橋が、抗体をさらに安定化させるために、および/または収率を増加させるために、任意選択で導入される。
【0371】
いくつかの例では、多特異性抗体はIgG1であり、「knob」鎖のCH3ドメインはT366W変異を含み、「hole」鎖のCH3ドメインは変異T366S、L368A、およびY407Vを含む。場合によっては、「ノブ」鎖のCH3ドメインは、「ホール」鎖のCH3ドメイン中のE356CまたはS354Cのいずれかと鎖間ジスルフィド架橋を形成するY349C変異をさらに含む。
【0372】
いくつかの例では、「ノブ」鎖のCH3ドメインはR409DおよびK370E変異を含み、「ホール」鎖のCH3ドメインはD399KおよびE357Kを含む。場合によっては、「knob」鎖のCH3ドメインは、T366W変異をさらに含み、「hole」鎖のCH3ドメインは、変異T366S、L368A、およびY407Vをさらに含む。
【0373】
いくつかの実施形態において、Fc受容体相互作用を変化させるためのIgG1定常領域中の1つ以上のアミノ酸位置での修飾は、ADCCおよび/またはADCPの増加をもたらす。いくつかの例では、1つ以上のアミノ酸位における修飾は、S239、K326、A330、I332、E333、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、ADCCおよび/またはADCPの増加のための1つ以上のアミノ酸位置での修飾は、例えば、E333A、S239D/A330L/I332E、またはK326W/E333Sを含む。場合によっては、ADCCの増加のための1つ以上のアミノ酸位置における修飾は、S239D/A330L/I332Eを含む。場合によっては、ADCPの増加のための1つ以上のアミノ酸位置における修飾は、K326W/E333Sを含む。
【0374】
いくつかの実施形態において、IgG1定常領域は、脱フコシル化(afucosylated)される。他の実施形態において、IgG1は、フコシル化ができない細胞において発現される。いくつかの実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞株などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)を発現することができない。
【0375】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、IgG2フレームワークを含む。いくつかの例では、IgG2フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、Fc受容体相互作用を変化させ、例えば、ADCCおよび/またはCDCを増加させるために修飾される。場合によっては、IgG2フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、抗体を安定化させ、および/または半減期を増加させるために修飾される。いくつかの例では、IgG2フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、グリコシル化を調節するために修飾される。場合によっては、IgG2定常領域は、脱フコシル化される。いくつかの実施形態において、IgG2定常領域は、フコシル化ができない細胞において発現される。いくつかの実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞株などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)を発現することができない。
【0376】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、IgG3フレームワークを含む。いくつかの例では、IgG3フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、Fc受容体相互作用を変化させ、例えば、ADCCおよび/またはADCPを増加させるために修飾される。場合によっては、IgG3フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、抗体を安定化させ、および/または半減期を増加させるために修飾される。いくつかの例では、IgG3フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、グリコシル化を調節するために修飾される。場合によっては、抗体の定常領域は、半減期(例えば、R435H)(Kabat numbering)を延長するためにアミノ酸R435で修飾される。いくつかの例では、定常領域は残基N297で脱グリコシル化される。いくつかの例では、IgG3定常領域は、フコシル化ができない細胞において発現される。いくつかの実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞株などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)を発現することができない。
【0377】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、IgG4フレームワークを含む。いくつかの例では、IgG4フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、Fc受容体相互作用を変化させ、例えば、ADCCおよび/またはADCPを増加させるために修飾される。例えば、ADCCを増加させる変異は、いくつかの実施形態において、米国特許第8,093,359号に記載されているものなどの、S239D、I332E、およびA330L(アミノ酸ナンバリングはKabatらのEUインデックスによるものである)を含む。場合によっては、IgG4フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、抗体を安定化させ、および/または半減期を増加させるために修飾される。いくつかの例では、IgG4フレームワーク中の1つ以上のアミノ酸位置は、グリコシル化を調節するために修飾される。場合によっては、定常領域は、鎖交換を防ぐか減少させるためにヒンジ領域で修飾される。いくつかの例では、修飾されたアミノ酸は、S228(例えば、S228P)である。いくつかの例では、IgG4定常領域は、フコシル化ができない細胞において発現される。いくつかの実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞株などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)を発現することができない。
【0378】
いくつかの実施形態において、ヒトIgG定常領域は、例えば、Natsume et al.,2008 Cancer Res,68(10):3863-72;Idusogie et al.,2001 J Immunol,166(4):2571-5;Moore et al.,2010 mAbs,2(2):181-189;Lazar et al.,2006 PNAS,103(11):4005-4010,Shields et al.,2001 JBC,276(9):6591-6604;Stavenhagen et al.,2007 Cancer Res,67(18):8882-8890;Stavenhagen et al.,2008 Advan.Enzyme Regul.,48:152-164;Alegre et al,1992 J Immunol,148:3461-3468;Reviewed in Kaneko and Niwa,2011 Biodrugs,25(1):1-11に記載されるアミノ酸修飾で、そのADCCおよび/またはADCP活性を変化させるために修飾される。
【0379】
いくつかの実施形態において、ヒトIgG定常領域は、ヘテロ二量体化を誘導するために修飾される。例えば、より大きな(more bulky)アミノ酸、例えば、Trp(T366W)で置換される場合、Thr366においてCH3ドメイン内にアミノ酸修飾を有することは、位置Thr366、Leu368、およびTyr407におけるより小さな(less bulky)アミノ酸、例えば、それぞれSer、Ala、およびValへのアミノ酸修飾(T366S/L368A/Y407V)を有する第2のCH3ドメインと優先的に対合することができる。場合によっては、CH3修飾を介したヘテロ二量体化は、ジスルフィド結合の導入によって、例えば、反対のCH3ドメイン上でSer354をCys(S354C)に、およびY349をCys(Y349C)に変化させることによって、さらに安定化される(Carter,2001 Journal of Immunological Methods,248:7-15に概説されている)。
【0380】
いくつかの例では、本明細書に記載される多特異性抗体は、グリコシル化が減少しているか、またはグリコシル化を欠いているが、アミノ酸Asn297(Kabat numbering)で修飾されていない。これらの例において、グリコシル化は、例えば、翻訳後グリコシル化能力を欠く宿主細胞、例えば、細菌もしくは酵母由来の系、または改変された哺乳動物細胞発現系における抗体の産生によって排除される。いくつかの実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞株などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)を発現することができない。特定の態様では、このような系は無細胞発現系である。
【0381】
いくつかの実施形態において、CD47に結合する第1の成分とEpCAMに結合する第2の成分を含む多特異性タンパク質は、表面プラズモン共鳴によって測定されるようなそれぞれの標的抗原に対する様々な親和性(KD)を有する。
【0382】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47よりも高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞はEpCAMを発現する。いくつかの実施形態において、(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約500ナノモル(nM)超である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約500ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEpCAMに結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約500nM、約1nM~約300nM、約5nM~約200nM、または約10nM~約150nMの解離定数(KD)でEpCAMに結合する。いくつかの実施形態において、解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される。いくつかの実施形態において、約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるA431細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して、少なくとも4倍増加させる。
【0383】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも20:1、または少なくとも100:1のCD47結合ドメインのKD対EpCAM結合ドメインのKDの比を特徴とする。
【0384】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、マクロファージによるEpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するのに必要な抗体の濃度は、約0.01ナノモル(nM)~約3nMである。いくつかの実施形態において、EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、OVISE細胞またはA431細胞である。いくつかの実施形態において、EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺小細胞癌細胞、肝細胞癌細胞、胃腺癌細胞、胆管癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、前立腺癌細胞、子宮内膜癌細胞、食道癌細胞、卵巣腺癌細胞、外陰扁平上皮癌細胞から選択される。いくつかの実施形態において、約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する。いくつかの実施形態において、細胞はCD47+EpCAM+腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、約400ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない。
【0385】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表26に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0386】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号482に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号483に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号484に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0387】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表27に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0388】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号485に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号486に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号487に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0389】
【0390】
【0391】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体、およびその結合フラグメントは、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合された抗CD47結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)と、第2のTCR定常領域に融合された抗CD47結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)とを含み、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、抗CD47VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0392】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0393】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体、およびその結合フラグメントは、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合された抗EpCAM結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)と、第2のTCR定常領域に融合された抗EpCAM結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)とを含み、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、抗EpCAM VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0394】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、抗EpCAM結合ドメインのTCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、抗EpCAM結合ドメインのTCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、抗EpCAM結合ドメインのCH1 IgGドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、抗EpCAM結合ドメインのCL IgGドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0395】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表28に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0396】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号488に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号489に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号490に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号491に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0397】
【0398】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表29に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0399】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号492に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号493に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号494に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号495に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0400】
【0401】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表30に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0402】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号503に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号504に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号505に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0403】
【0404】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表31に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0405】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号482に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号483に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号506に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0406】
【0407】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表32に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列(例えば、2つ以上、または3)を含む。
【0408】
CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号482に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号483に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号507に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0409】
【0410】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、B細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47に対するよりも高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞はEGFRを発現する。いくつかの実施形態において、(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約500ナノモル(nM)超である。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する。いくつかの実施形態において、解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約25ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEGFRに結合する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約25nM、約0.2nM~約10nM、約0.2nM~約2nM、または約2nM~約10nMの解離定数(KD)でEGFRに結合する。いくつかの実施形態において、解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される。いくつかの実施形態において、約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるA431細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して、少なくとも4倍増加させる。
【0411】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、マクロファージによるEGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するのに必要な抗体の濃度は、約0.01ナノモル(nM)~約3nMである。いくつかの実施形態において、EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、OVISE細胞またはA431細胞である。いくつかの実施形態において、EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、腎細胞癌細胞、食道癌細胞、または胃癌細胞から選択される。いくつかの実施形態において、約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する。いくつかの実施形態において、細胞はCD47+EGFR+腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、約400ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない。
【0412】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表33に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上(例えば、2つ以上、または3)の配列を含む。
【0413】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号496に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号497に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号498に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0414】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体、およびその結合フラグメントは、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合された抗CD47結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)と、第2のTCR定常領域に融合された抗CD47結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)とを含み、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、抗CD47VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0415】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、ここで、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0416】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体、およびその結合フラグメントは、第1のT細胞受容体(TCR)定常領域に融合された抗EGFR結合ドメインの重鎖可変フラグメント(VH)と、第2のTCR定常領域に融合された抗EGFR結合ドメインの軽鎖可変ドメイン(VL)とを含み、第1および第2のTCR定常領域は二量体を形成することができる。いくつかの実施形態において、TCR定常領域は、TCRαおよびTCRβ定常領域である。いくつかの実施形態において、抗EGFR VH-TCR融合ポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、IgG1)Fcドメインに融合される。WO2019/057122を参照。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0417】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、抗EGFR結合ドメインのTCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、抗EGFR結合ドメインのTCRα定常ドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、ここで、VH-EGFRドメインは、抗EGFR結合ドメインのCH1 IgGドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、抗EGFR結合ドメインのCL IgGドメインに融合している。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD47結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)ドメインを含む。
【0418】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表34に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上、または4)の配列を含む。
【0419】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号499に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号500に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号501に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号502に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0420】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、表35に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上、または4)の配列を含む。
【0421】
CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体に関するいくつかの実施形態において、多特異性抗体は、配列番号508に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号509に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列と、配列番号510に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列とを含む。
【0422】
【0423】
【0424】
【0425】
いくつかの実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体、およびその結合フラグメントは、非ヒト(例えば、ウサギまたはマウス)抗体に由来する。いくつかの例では、非ヒト抗体のヒト化形態は、元の抗原特異性を維持するために最小限の非ヒト配列を含有する。場合によっては、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(アクセプター抗体)であり、アクセプター抗体のCDRは、所望の特異性、親和性、結合活性、結合動態、および/または能力を有するラット、ウサギ、またはマウスドナーなどの非ヒト免疫グロブリン(ドナー抗体)のCDRの残基によって置き換えられる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンの1つ以上のフレームワーク領域(FR)残基は、ドナー抗体の対応する非ヒト残基によって置き換えられる。
【0426】
標的細胞に結合する多特異性抗体
いくつかの実施形態において、CD47に結合する第1の成分と、EpCAMに結合する第2の成分とを含む本開示の多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質の標的抗原をその表面上に発現する細胞に、CD47またはEpCAMの一方にのみ二価である抗体の細胞に対する結合親和性と比較して、少なくとも2~50倍、10~100倍、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、もしくは100倍、または20~50%、50~100%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%もしくはそれ以上の高い親和性で結合する(例えば、優先的に結合する)。
【0427】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、CD47よりもEpCAMを高レベルで発現している標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのEpCAM対CD47のタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約1、1.5、2.0、2.5、5、10、15、20、25、50、100であるか、または200よりも大きい。
【0428】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、EpCAMよりもCD47を高レベルで発現している標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのCD47対EpCAMのタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーで測定されるように、約1、1.5、2.0、2.5、5、10、15、20、50、100であるか、または200よりも大きい。
【0429】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、CD47およびEpCAMを等しいレベルで発現する標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのCD47対EpCAMのタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーによって測定すると約1である。
【0430】
場合によっては、細胞は、約35,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、少なくとも約35,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、最大で約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、約35,000個のCD47タンパク質~約40,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約45,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約100,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約45,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約120,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約120,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、または約150,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、CD47タンパク質は細胞の表面上で発現される。場合によっては、細胞は腫瘍細胞である。場合によっては、細胞は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、肺小細胞癌、肝細胞癌、胃腺癌、食道癌、胆管癌、頭頸部扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣腺癌、または、外陰扁平上皮癌に由来する。場合によっては、細胞上で発現されるCD47タンパク質の数は、フローサイトメトリーによって測定される。場合によっては、細胞上で発現されるCD47タンパク質の数は、定量的フローサイトメトリーによって測定される。
【0431】
場合によっては、細胞は、約35,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、少なくとも約35,000個のEpCAMタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、最大で約2x107個のEpCAMタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、約35,000個のEpCAMタンパク質~約85,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約170,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約300,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約400,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約650,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約35,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約170,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約300,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約400,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約650,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約85,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約85,000EpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約300,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約400,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約650,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約170,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約400,000個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約650,000個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約300,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約650,000個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約400,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約750,000個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約650,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約1,500,000個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約750,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約1,900,000個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約1,500,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約1,900,000個のEpCAMタンパク質~約4x106個のEpCAMタンパク質、約1,900,000個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約1,900,000個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約1,900,000個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約1,900,000個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約4x106個のEpCAMタンパク質~約6x106個のEpCAMタンパク質、約4x106個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約4x106個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約4x106個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、約6x106個のEpCAMタンパク質~約7x106個のEpCAMタンパク質、約6x106個のEpCAMタンパク質~約15x106個のEpCAMタンパク質、約6x106個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質、または約15x106個のEpCAMタンパク質~約2x107個のEpCAMタンパク質を発現する。場合によっては、EpCAMタンパク質は細胞の表面上で発現される。場合によっては、細胞は腫瘍細胞である。場合によっては、細胞は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、肺小細胞癌、肝細胞癌、胃腺癌、胆管癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣腺癌、または、外陰扁平上皮癌に由来する。場合によっては、細胞上で発現されるEpCAMタンパク質の数は、フローサイトメトリーによって測定される。場合によっては、細胞上で発現されるEpCAMタンパク質の数は、定量的フローサイトメトリーによって測定される。
【0432】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、1つ以上のCD47結合ドメインを有する二価タンパク質、および/または1つ以上のEpCAM結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、CD47およびEpCAMを発現する細胞に対して増強された親和性を有する。いくつかの例では、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47に結合する二価タンパク質またはEpCAMに結合する二価タンパク質よりもCD47発現細胞に対して1.5、2、3、4、5、または10倍高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、EpCAMよりも高いレベルのCD47を発現する細胞に対して増強された親和性を有する。いくつかの例では、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47に結合する二価タンパク質と比較して、CD47発現よりも高いEpCAM発現を有する細胞に対して1.5、2、3、4、5、または10倍高い親和性を有する。
【0433】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、CD47 BMK-1またはCD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)と比較して、減少した赤血球(RBC)結合を有する。場合によっては、RBC結合の減少は、CD47 BMK-1と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の減少である。場合によっては、RBC結合の減少は、CD47 BMK-2と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の減少である。
【0434】
いくつかの実施形態において、CD47に結合する第1の成分と、EGFRに結合する第2の成分とを含む本開示の多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質の標的抗原をその表面上に発現する細胞に、CD47またはEGFRの一方にのみ二価である抗体の細胞に対する結合親和性と比較して、少なくとも2~50倍、10~100倍、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、もしくは100倍、または20~50%、50~100%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%もしくはそれ以上の高い親和性で結合する(例えば、優先的に結合する)。
【0435】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、CD47よりもEGFRを高レベルで発現している標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのEGFR対CD47のタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約1、1.5、2.0、2.5、5、10、15、20、25、50、100、または200よりも大きい。
【0436】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、EGFRよりもCD47を高レベルで発現している標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのCD47対EGFRのタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーで測定されるように、約1、1.5、2.0、2.5、5、10、15、20、50、100であるか、または200よりも大きい。
【0437】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、その表面上で、CD47およびEGFRを等しいレベルで発現する標的細胞に結合する。例えば、標的細胞表面上でのCD47対EGFRのタンパク質発現の比は、フローサイトメトリーによって測定すると約1である。
【0438】
場合によっては、細胞は、約35,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、少なくとも約35,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、最大で約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、約35,000個のCD47タンパク質~約40,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約45,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約100,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約35,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約45,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約40,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約60,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約45,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約120,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約60,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、約120,000個のCD47タンパク質~約150,000個のCD47タンパク質、約120,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質、または約150,000個のCD47タンパク質~約250,000個のCD47タンパク質を発現する。場合によっては、CD47タンパク質は細胞の表面上で発現される。場合によっては、細胞は腫瘍細胞である。場合によっては、細胞は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、肺小細胞癌、肝細胞癌、胃腺癌、食道癌、胆管癌、頭頸部扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣腺癌、または、外陰扁平上皮癌に由来する。場合によっては、細胞上で発現されるCD47タンパク質の数は、フローサイトメトリーによって測定される。場合によっては、細胞上で発現されるCD47タンパク質の数は、定量的フローサイトメトリーによって測定される。
【0439】
場合によっては、細胞は、約35,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、少なくとも約35,000個のEGFRタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、最大で約2x107個のEGFRタンパク質を発現する。場合によっては、細胞は、約35,000個のEGFRタンパク質~約85,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約170,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約300,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約400,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約650,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約35,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約170,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約300,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約400,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約650,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約85,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約85,000EGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約300,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約400,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約650,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約170,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約400,000個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約650,000個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約300,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約650,000個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約400,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約750,000個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約650,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約1,500,000個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約750,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約1,900,000個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約1,500,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約1,900,000個のEGFRタンパク質~約4x106個のEGFRタンパク質、約1,900,000個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約1,900,000個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約1,900,000個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約1,900,000個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約4x106個のEGFRタンパク質~約6x106個のEGFRタンパク質、約4x106個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約4x106個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約4x106個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、約6x106個のEGFRタンパク質~約7x106個のEGFRタンパク質、約6x106個のEGFRタンパク質~約15x106個のEGFRタンパク質、約6x106個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質、または約15x106個のEGFRタンパク質~約2x107個のEGFRタンパク質を発現する。場合によっては、EGFRタンパク質は細胞の表面上で発現される。場合によっては、細胞は腫瘍細胞である。場合によっては、細胞は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、肺小細胞癌、肝細胞癌、胃腺癌、食道癌、胆管癌、頭頸部扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣腺癌、または、外陰扁平上皮癌に由来する。場合によっては、細胞上で発現されるEGFRタンパク質の数は、フローサイトメトリーによって測定される。場合によっては、細胞上で発現されるEGFRタンパク質の数は、定量的フローサイトメトリーによって測定される。
【0440】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、1つ以上のCD47結合ドメインを有する二価タンパク質、および/または1つ以上のEGFR結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、CD47およびEGFRを発現する細胞に対して増強された親和性を有する。いくつかの例では、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47に結合する二価タンパク質またはEGFRに結合する二価タンパク質よりもCD47発現細胞に対して1.5、2、3、4、5、または10倍高い親和性を有する。いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、EGFRよりも高いレベルのCD47を発現する細胞に対して増強された親和性を有する。いくつかの例では、多特異性(例えば、二重特異性)タンパク質は、CD47に結合する二価タンパク質と比較して、CD47発現よりも高いEGFR発現を有する細胞に対して1.5、2、3、4、5、または10倍高い親和性を有する。
【0441】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、CD47 BMK-1またはCD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)と比較して、減少した赤血球(RBC)結合を有する。場合によっては、RBC結合の減少は、CD47 BMK-1と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の減少である。場合によっては、RBC結合の減少は、CD47 BMK-2と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の減少である。
【0442】
標的細胞上での多特異性抗体の免疫学的活性
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体と比較して、CD47発現細胞に対して高い免疫活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高い免疫活性を有する。多特異性抗体の様々な免疫活性は、ADCCアッセイおよびADCPアッセイなどのin vitroアッセイで測定可能である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高いADCC活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高いADCP活性を有する。
【0443】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体と比較して、CD47発現細胞に対して高い免疫活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高い免疫活性を有する。多特異性抗体の様々な免疫活性は、ADCCアッセイおよびADCPアッセイなどのin vitroアッセイで測定可能である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高いADCC活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高いADCP活性を有する。
【0444】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の標的化部分と、EpCAMに特異的に結合する第2の標的化部分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-1(本明細書に記載されるものなど)によるADCP効果と比較して、増強されたADCP効果をさらに含む。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-2によるADCC効果と比較して、増強されたADCC効果をさらに含む。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-1のADCP効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-1のCD47 BMK-1効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。
【0445】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の標的化部分と、EpCAMに特異的に結合する第2の標的化部分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-1(本明細書に記載されるものなど)によるADCP効果と比較して、増強されたADCP効果をさらに含む。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-2によるADCC効果と比較して、増強されたADCC効果をさらに含む。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-2のADCP効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-2のCD47 BMK-2効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。
【0446】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の成分と、EpCAMに特異的に結合する第2の成分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載され、多特異性抗体は、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも効率的にADCCを媒介し、ADCC活性は、in vitro細胞毒性アッセイを用いて決定される。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCCアッセイおよびin vitroADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%高い最大細胞傷害性を媒介する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCCアッセイおよびin vitroADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍高い最大細胞傷害性を媒介する。
【0447】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の成分と、EpCAMに特異的に結合する第2の成分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載され、多特異性抗体は、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、効率的に抗体依存性細胞食作用(ADCP)を媒介し、ADCP活性は、in vitroFACSベースの食作用アッセイを使用して決定される。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCPアッセイおよびin vitro ADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%高い最大食作用を媒介する。
【0448】
いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-1(本明細書に記載されるものなど)の免疫細胞による死滅と比較して、免疫細胞による改善された癌細胞の死滅をさらに含む。場合によっては、癌細胞の死滅は、参照抗体CD47 BMK-1の存在下で死滅した癌細胞と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上改善される。場合によっては、免疫細胞はナチュラルキラー細胞である。場合によっては、免疫細胞は食細胞である。場合によっては、免疫細胞はマクロファージである。
【0449】
いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)の免疫細胞による死滅と比較して、免疫細胞による改善された癌細胞の死滅をさらに含む。場合によっては、癌細胞の死滅は、参照抗体CD47 BMK-2の存在下で死滅した癌細胞と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上改善される。場合によっては、免疫細胞はナチュラルキラー細胞である。場合によっては、免疫細胞は食細胞である。場合によっては、免疫細胞はマクロファージである。
【0450】
免疫活性は細胞株由来の異種移植片アッセイでも測定可能であり、ここで、形質転換細胞はマウスに注入され、腫瘍を形成する。いくつかの例では、CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを有する多特異性タンパク質は、同じCD47結合ドメインを有する二価タンパク質および/または同じEpCAM結合ドメインを有する二価タンパク質よりも、CD47発現細胞を含む腫瘍の成長を大幅に阻害する。いくつかの例では、多特異性タンパク質は、CD47結合ドメインを有する二価タンパク質および/またはEpCAM結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、1.5、2、3、4、5、または10倍高い異種移植片腫瘍の成長の阻害を示す。
【0451】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体と比較して、CD47発現細胞に対して高い免疫活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高い免疫活性を有する。多特異性抗体の様々な免疫活性は、ADCCアッセイおよびADCPアッセイなどのin vitroアッセイで測定可能である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高いADCC活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、1.5、2、3、4、5、または10倍高いADCP活性を有する。
【0452】
いくつかの実施形態において、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体と比較して、CD47発現細胞に対して高い免疫活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高い免疫活性を有する。多特異性抗体の様々な免疫活性は、ADCCアッセイおよびADCPアッセイなどのin vitroアッセイで測定可能である。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高いADCC活性を有する。いくつかの例では、多特異性抗体は、CD47結合ドメインを有する二価抗体および/またはEGFR結合ドメインを有する二価抗体よりも、10~20%、21~30%、31~40%、41~50%、または少なくとも51%高いADCP活性を有する。
【0453】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の標的化部分と、EGFRに特異的に結合する第2の標的化部分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-1(本明細書に記載されるものなど)によるADCP効果と比較して、増強されたADCP効果をさらに含む。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-1によるADCC効果と比較して、増強されたADCC効果をさらに含む。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-1のADCP効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-1のADCP効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-1のADCC効果よりも、少なくとも1倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-1のADCC効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。
【0454】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の標的化部分と、EGFRに特異的に結合する第2の標的化部分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載される。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)によるADCP効果と比較して、増強されたADCP効果をさらに含む。いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47BMK-2によるADCC効果と比較して、増強されたADCC効果をさらに含む。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-2のADCP効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCPは、参照抗体CD47 BMK-2のADCP効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上高い。場合によっては、増強されたADCCは、参照抗体CD47 BMK-2のADCC効果よりも、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上高い。
【0455】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の成分と、EGFRに特異的に結合する第2の成分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載され、多特異性抗体は、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも効率的にADCCを媒介し、ADCC活性は、in vitro細胞毒性アッセイを用いて決定される。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCCアッセイおよびin vitroADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%高い最大細胞傷害性を媒介する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCCアッセイおよびin vitroADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍高い最大細胞傷害性を媒介する。
【0456】
いくつかの実施形態において、CD47に特異的に結合する第1の成分と、EGFRに特異的に結合する第2の成分とを含む多特異性抗体が本明細書に記載され、多特異性抗体は、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、効率的に抗体依存性細胞食作用(ADCP)を媒介し、ADCP活性は、in vitroFACSベースの食作用アッセイを使用して決定される。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、ADCPアッセイおよびin vitro ADCCアッセイにおいて、第1の成分または第2の成分のいずれかを含む二価抗体よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%高い最大食作用を媒介する。
【0457】
いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-1(本明細書に記載されるものなど)の免疫細胞による死滅と比較して、免疫細胞による改善された癌細胞の死滅をさらに含む。場合によっては、癌細胞の死滅は、参照抗体CD47 BMK-1の存在下で死滅した癌細胞と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上改善される。場合によっては、免疫細胞はナチュラルキラー細胞である。場合によっては、免疫細胞は食細胞である。場合によっては、免疫細胞はマクロファージである。
【0458】
いくつかの例では、多特異性抗体は、参照抗体CD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)の免疫細胞による死滅と比較して、免疫細胞による改善された癌細胞の死滅をさらに含む。場合によっては、癌細胞の死滅は、参照抗体CD47 BMK-2の存在下で死滅した癌細胞と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上改善される。場合によっては、免疫細胞はナチュラルキラー細胞である。場合によっては、免疫細胞は食細胞である。場合によっては、免疫細胞はマクロファージである。
【0459】
免疫活性は細胞株由来の異種移植片アッセイでも測定可能であり、ここで、形質転換細胞はマウスに注入され、腫瘍を形成する。いくつかの例では、CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを有する多特異性タンパク質は、同じCD47結合ドメインを有する二価タンパク質および/または同じEGFR結合ドメインを有する二価タンパク質よりも、CD47発現細胞を含む腫瘍の成長を大幅に阻害する。いくつかの例では、多特異性タンパク質は、CD47結合ドメインを有する二価タンパク質および/またはEGFR結合ドメインを有する二価タンパク質と比較して、1.5、2、3、4、5、または10倍高い異種移植片腫瘍の成長の阻害を示す。
【0460】
本明細書で使用される場合、「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」および「ADCC」とは、非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が標的細胞上の結合した抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を指す。1つの実施形態において、標的細胞は、腫瘍(または癌)細胞(例えば、骨髄腫細胞)などのヒト細胞である。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、食道癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞は腺癌、リンパ腫、癌腫に由来する。場合によっては、腺癌は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、胃腺癌細胞、または卵巣腺癌である。その他の場合において、癌腫は、肺扁平上皮癌細胞、肺小細胞癌細胞、肝細胞癌細胞、前立腺癌細胞、子宮内膜癌細胞、胆管癌細胞、または外陰扁平上皮癌である。任意の特定の作用機序に拘束されることを望むものではないが、ADCCを媒介する細胞傷害性細胞は一般にFc受容体(FcR)を発現する。ADCCを媒介する細胞であるNK細胞は、FcγRIIIを発現し、一方で、単球はFcγRI、FcγRII、FcγRIII、および/またはFcγRIVを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.,9:457-92(1991)に要約されている。
【0461】
本明細書に記載される多特異性タンパク質のADCC活性を評価するために、癌細胞株を使用する細胞傷害性アッセイなどのin vitro ADCCアッセイが、いくつかの実施形態において実施される。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞は、限定されないが、辺縁の血中単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む。代替的にまたはさらに、関心対象の多特異性タンパク質のADCC活性は、いくつかの実施形態において、in vivoで、例えば、動物において評価される。
【0462】
「抗体依存性細胞食作用」または「ADCP」とは、食細胞(例えば、マクロファージ)が抗体被覆標的細胞を排除する能力を指す。いくつかの実施形態において、ADCP効果を測定するために食作用アッセイが使用される。
【0463】
いくつかの実施形態において、CD47およびEpCAMに結合する本明細書に記載される多特異性タンパク質は、CD47/EpCAM+癌細胞の指数関数的に増殖する集団における細胞の少なくとも50%の抗体依存性細胞食作用を媒介する。いくつかの実施形態において、腫瘍(または癌)細胞は、腺癌、リンパ腫、癌腫に由来する。場合によっては、腺癌は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、胃腺癌細胞、または卵巣腺癌である。
【0464】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される多特異性タンパク質はCD47に結合し、EpCAMはCD47-SIRPα相互作用の阻害を媒介する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、SIRPαのCD47への結合を少なくとも50%阻害する。いくつかの実施形態において、結合阻害はELISAによって測定される。いくつかの実施形態において、結合阻害はCD47+細胞で測定される。いくつかの実施形態において、CD47+細胞はCD47+EpCAM+腫瘍(または癌)細胞である。
【0465】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、赤血球および血小板などのCD47+非腫瘍細胞に対する結合が減少している。場合によっては、CD47+非腫瘍細胞への結合は、参照抗体CD47 BMK-1(本明細書に記載されるものなど)と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%減少する。場合によっては、CD47+非腫瘍細胞への多特異性抗体の結合は、赤血球(RBC)結合アッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって測定される。
【0466】
いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、赤血球および血小板などのCD47+非腫瘍細胞に対する結合が減少している。場合によっては、CD47+非腫瘍細胞への結合は、参照抗体CD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%減少する。場合によっては、CD47+非腫瘍細胞への多特異性抗体の結合は、赤血球(RBC)結合アッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって測定される。
【0467】
いくつかの実施形態において、RBC溶解を誘導するために必要な多特異性抗体の濃度は、参照抗体CD47 BMK-1(本明細書に記載されるものなど)の溶血効果の少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上に高い。
【0468】
いくつかの実施形態において、RBC溶解を誘導するために必要な多特異性抗体の濃度は、参照抗体CD47 BMK-2(本明細書に記載されるものなど)の溶血効果の少なくとも2倍、3倍、4倍、またはそれ以上に高い。
【0469】
抗体またはその結合フラグメントの産生
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、抗体とその結合フラグメント)は、とりわけ、化学合成によって、または組換え発現によって、ポリペプチド(例えば、抗体)の合成に役立つように当該技術分野で知られている任意の方法を使用して生成され、および、好ましくは組換え発現技術によって生成される。
【0470】
いくつかの例では、抗体またはその結合フラグメントは組換え発現され、抗体またはその結合フラグメントをコードする核酸は、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから(例えば、Kutmeier et al.,1994,BioTechniques 17:242に記載されるように)組み立てられ、これは、抗体をコードする配列の一部を含有する重複オリゴヌクレオチドの合成、それらのオリゴヌクレオチドのアニーリングとライゲーション、および、その後のPCRによるライゲートされたオリゴヌクレオチドの増幅を含む。
【0471】
代替的に、抗体をコードする核酸分子は、配列の3’末端と5’末端へハイブリダイズすることができる合成プライマーを使用するPCR増幅によって、または特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用してクローンを作ることによって、適切なソース(例えば、抗体cDNAライブラリー、または免疫グロブリンを発現する任意の組織もしくは細胞から生成されたcDNAライブラリー)から任意選択的に生成される。
【0472】
いくつかの例では、抗体またはその結合は、ポリクローナル抗体を産生するためにマウスなどの動物を免疫化することにより、または、より好ましくは、例えば、KohlerおよびMilstein(1975,Nature 256:495-497)によって記載されるように、もしくは、Kozborら(1983,Immunology Today 4:72)、もしくはColeら(1985 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77-96)によって記載されるように、モノクローナル抗体を産生することによって、任意選択的に生成される。代替的に、抗体の少なくともFab部分をコードするクローンは、特異的抗原に結合するFAbフラグメントのクローンについてFab発現ライブラリーをスクリーニングすることにより(例えば、Huse et al.,1989,Science 246:1275-1281に記載される)、または抗体ライブラリーをスクリーニングすることにより(Clackson et al.,1991,Nature 352:624;Hane et al.,1997 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4937を参照)、任意選択的に得られる。
【0473】
いくつかの実施形態において、適切な生物学的活性のヒト抗体分子からの遺伝子と一緒に、適切な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子をスプライシングすることにより、「キメラ抗体」の産生のために開発された技術(Morrison et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.81:851-855;Neuberger et al.,1984,Nature 312:604-608;Takeda et al.,1985,Nature 314:452-454)が使用される。キメラ抗体は、異なる部分が、マウスモノクローナル抗体に由来する可変領域、およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する動物種などの様々な動物種に由来する分子である。
【0474】
いくつかの実施形態において、一本鎖抗体の産生について記載された技術(U.S.Pat.No.4,694,778;Bird,1988,Science 242:423-42;Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883、および、Ward et al.,1989,Nature 334:544-54)は、一本鎖抗体を産生するために適合される。一本鎖抗体は、アミノ酸架橋によってFv領域の重鎖および軽鎖のフラグメントを結合することによって形成され、結果として一本鎖ポリペプチドを生じさせる。大腸菌中の機能的なFvフラグメントの組み立てのための技術も任意選択で使用される(Skerra et al.,1988,Science 242:1038-1041)。
【0475】
いくつかの実施形態において、抗体のヌクレオチド配列を含む発現ベクターまたは抗体のヌクレオチド配列は、従来の技術(例えば、エレクトロポレーション、リポソームトランスフェクション、および、リン酸カルシウム沈澱反応)によって宿主細胞に導入され、トランスフェクトされた細胞はその後、従来の技術によって培養されて、抗体を産生する。特定の実施形態において、抗体の発現は、構成的な、誘導可能な、または組織特異的なプロモーターによって調節される。
【0476】
いくつかの実施形態において、様々な宿主発現ベクター系が、本明細書に記載される抗体またはその結合フラグメントを発現するために利用される。そのような宿主発現系は、抗体のコード配列が生成され、その後精製されるビヒクルを表すだけでなく、適切なヌクレオチドコード配列で形質転換されるか、またはトランスフェクトされるときに、抗体またはその結合フラグメントをin situで発現する細胞も表す。これらは、限定されないが、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、または抗体もしくはその結合フラグメントコード配列を含むコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌と枯草菌)などの微生物、抗体またはその結合フラグメントコード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミケス・ピキア)、抗体またはその結合フラグメントコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系、組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV))に感染した、あるいは、抗体またはその結合フラグメントコード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系、あるいは、哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)、または、哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む、組換え発現構築物を有する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BH、293、293T、3T3細胞)を含む。
【0477】
組換えタンパク質の長期的かつ高収率の生成のためには、安定した発現が好ましい。いくつかの例では、安定して抗体を発現する細胞株が任意選択的に操作される。ウイルスの複製開始点を含む発現ベクターを使用するのではなく、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)および選択可能なマーカーによって制御されたDNAで形質転換される。外来性DNAの導入後に、操作した細胞を富化培地で1~2日間成長させ、その後、選択培地に切り替える。組換えプラスミドにおける選択可能なマーカーは、選択に対する耐性を与え、細胞がプラスミドをその染色体に安定的に組み込み、成長させてフォーカスを形成することをできるようにし、フォーカスはクローン化されて細胞株へと拡大する。この方法は、抗体またはその結合フラグメントを発現する細胞株を操作するために有利に使用することができる。
【0478】
いくつかの例では、限定されないが、それぞれtk細胞、hgprt細胞、またはaprt細胞で利用される、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al.,1977,Cell 11:223)、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski,192,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:202)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,1980,Cell 22:817)遺伝子を含む多くの選択系が使用される。同様に、代謝拮抗薬の耐性は、以下の遺伝子の選定基準として使用される:メトトレキサートに対する耐性を与えるdhfr(Wigler et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:357;O’Hare et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1527);ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mulligan & Berg,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072);アミノグリコシドG-418に対する耐性を与えるneo(Clinical Pharmacy 12:488-505;Wu and Wu,1991,Biotherapy 3:87-95;Tolstoshev,1993,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573-596;Mulligan,1993,Science 260:926-932、およびMorgan and Anderson,1993,Ann.Rev.Biochem.62:191-217;May,1993,TIB TECH 11(5):155-215)、ならびに、ヒグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(Santerre et al.,1984,Gene 30:147)。使用可能な組換えDNA技術の技術分野で一般的に知られている方法は、Ausubel et al.(eds.,1993,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY;Kriegler,1990,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY;および Chapters 12 and 13,Dracopoli et al.(eds),1994,Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons,NY.;Colberre-Garapin et al.,1981,J.Mol.Biol.150:1)に記載される。
【0479】
いくつかの例では、抗体の発現レベルは、ベクター増幅によって増加する(検討のために、Bebbington and Hentschel,The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning,Vol.3.(Academic Press,New York,1987を参照))。抗体を発現するベクター系におけるマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養物中に存在する阻害剤のレベルが増加すると、マーカー遺伝子のコピーの数が増加する。増幅領域が抗体のヌクレオチド配列に関連しているため、抗体の産生も増加する(Crouse et al.,1983,Mol.Cell Biol.3:257)。
【0480】
いくつかの例では、当該技術分野で知られている抗体の精製のための任意の方法は、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、とりわけ、プロテインAの後の特異的な抗原への親和性、および、サイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、差次的溶解性によって、またはタンパク質の精製のための他の標準的な技術によって使用される。
【0481】
発現ベクター
いくつかの実施形態において、ベクターは、真核生物または原核生物の供給源に由来するあらゆる適切なベクターを含む。場合によっては、ベクターは、細菌(例えば、大腸菌(E.coli))、昆虫、酵母(例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris))、藻類、または哺乳動物の供給源から得られる。例示的な細菌ベクターは、pACYC177、pASK75、pBADベクター系、pBADMベクター系、pETベクター系、pETMベクター系、pGEXベクター系、pHAT、pHAT2、pMal-c2、pMal-p2、pQEベクター系、pRSET A、pRSET B、pRSET C、pTrcHis2系、pZA31-Luc、pZE21-MCS-1、pFLAG ATS、pFLAG CTS、pFLAG MAC、pFLAG Shift-12c、pTAC-MAT-1、pFLAG CTC、またはpTAC-MAT-2を含む。
【0482】
例示的な昆虫ベクターは、pFastBac1、pFastBac DUAL、pFastBac ET、pFastBac HTa、pFastBac HTb、pFastBac HTc、pFastBac M30a、pFastBact M30b、pFastBac、M30c、pVL1392、pVL1393、pVL1393 M10、pVL1393 M11、pVL1393 M12、FLAGベクター、例えば、pPolh-FLAG1もしくはpPolh-MAT 2、またはMATベクター、例えば、pPolh-MAT1もしくはpPolh-MAT2を含む。
【0483】
場合によっては、酵母ベクターは、Gateway(登録商標)pDEST(商標)14ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)15ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)17ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)24ベクター、Gateway(登録商標)pYES-DEST52ベクター、pBAD-DEST49 Gateway(登録商標)デスティネーションベクター、pAO815 Pichiaベクター、pFLD1 Pichi pastorisベクター、pGAPZA、B、およびCのPichia pastorisベクター、pPIC3.5K Pichiaベクター、pPIC6 A、B、およびCのPichiaベクター、pPIC9K Pichiaベクター、pTEF1/Zeo、pYES2酵母ベクター、pYES2/CT酵母ベクター、pYES2/NT A、B、およびCの酵母ベクター、またはpYES3/CT酵母ベクターを含む。
【0484】
例示的な藻類ベクターはpChlamy-4ベクターまたはMCSベクターを含む。
【0485】
哺乳動物ベクターの例は、一過性発現ベクターまたは安定した発現ベクターを含む。哺乳動物の一過性発現ベクターは、pRK5、p3xFLAG-CMV 8、pFLAG-Myc-CMV 19、pFLAG-Myc-CMV 23、pFLAG-CMV 2、pFLAG-CMV 6a,b,c、pFLAG-CMV 5.1、pFLAG-CMV 5a,b,c、p3xFLAG-CMV 7.1、pFLAG-CMV 20、p3xFLAG-Myc-CMV 24、pCMV-FLAG-MAT1、pCMV-FLAG-MAT2、pBICEP-CMV 3、または、pBICEP-CMV 4を含み得る。哺乳動物の安定した発現ベクターは、pFLAG-CMV 3、p3xFLAG-CMV 9、p3xFLAG-CMV 13、pFLAG-Myc-CMV 21、p3xFLAG-Myc-CMV 25、pFLAG-CMV 4、p3xFLAG-CMV 10、p3xFLAG-CMV 14、pFLAG-Myc-CMV 22、p3xFLAG-Myc-CMV 26、pBICEP-CMV 1、またはpBICEP-CMV 2を含み得る。
【0486】
いくつかの例では、無細胞系は、細胞からの細胞質成分および/または核成分の混合物であり、in vitroでの核酸合成に使用される。場合によっては、無細胞系は原核細胞成分または真核細胞成分のいずれかを利用する。しばしば、核酸合成は、例えば、ショウジョウバエ細胞(Drosophila cell)、ツメガエル卵子(Xenopus egg)、またはHeLa細胞に基づいた無細胞系において得られる。例示的な無細胞系は、限定されないが、大腸菌S30抽出物系、大腸菌T7 S30系、またはPURExpress(登録商標)を含む。
【0487】
宿主細胞
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、任意の適切な細胞、例えば、天然由来の細胞または遺伝子組換えされた細胞を含む。いくつかの例では、宿主細胞は産生宿主細胞である。いくつかの例では、宿主細胞は真核細胞である。他の例では、宿主細胞は原核細胞である。場合によっては、真核細胞は真菌(例えば、酵母細胞)、動物細胞、または植物細胞を含む。場合によっては、原核細胞は細菌細胞である。細菌細胞の例はグラム陽性菌またはグラム陰性菌を含む。グラム陰性菌はしばしば、嫌気性、桿状、またはその両方である。
【0488】
いくつかの例では、グラム陽性菌は放線菌門(Actinobacteria)、ファーミキューテス門(Firmicutes)、またはテネリクテス門(Tenericutes)を含む。場合によっては、グラム陰性菌は、アクウィフェクス門(Aquificae)、デイノコッカス-サーマス門(Deinococcus-Thermus)、フィブロバクター門(Fibrobacteres)-クロロビウム門(Chlorobi)/バクテロイデス門(Bacteroidetes)(FCB群)、フソバクテリウム門(Fusobacteria)、ゲンマティモナス門(Gemmatimonadetes)、ニトロスピラ門(Nitrospirae)、プランクトミケス門(Planctomycetes)-ベルコミクロビウム門(Verrucomicrobia)/クラミジア属(Chlamydiae)(PVC群)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、スピロヘータ門(Spirochaetes)、またはシネルギステス門(Synergistetes)を含む。他の細菌は、アシドバクテリウム門(Acidobacteria)、緑色非硫黄細菌門(Chloroflexi)、クリシオゲネス門(Chrysiogenetes)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、デフェリバクター門(Deferribacteres)、ディクチオグロムス門(Dictyoglomi)、サーモデスルフォバクテリア門(Thermodesulfobacteria)、またはテルモトガ門(Thermotogae)であり得る。細菌細胞は大腸菌、ボツリヌス菌、または大腸菌であり得る。
【0489】
例示的な原核生物宿主細胞は、限定されないが、BL21、Mach1(商標)、DH10B(商標)、TOP10、DH5α、DH10Bac(商標)、OmniMax(商標)、MegaX(商標)、DH12S(商標)、INV110、TOP10F’、INVαF、TOP10/P3、ccdB Survival、PIR1、PIR2、Stbl2(商標)、Stbl3(商標)、またはStbl4(商標)を含む。
【0490】
いくつかの例では、動物細胞は脊椎動物または無脊椎動物に由来する細胞を含む。場合によっては、動物細胞は、海洋無脊椎動物、魚、昆虫、両生類、爬虫類、または哺乳動物に由来する細胞を含む。場合によっては、真菌細胞は、ビール酵母、パン酵母、またはワイン酵母などの酵母菌を含む。
【0491】
真菌は子嚢菌、例えば、酵母菌、カビ、糸状菌、担子菌、または接合菌を含む。いくつかの例では、酵母菌は子嚢菌または担子菌を含む。場合によっては、子嚢菌は、サッカロミケス亜門(Saccharomycotina)(真正酵母菌、例えば、ビール酵母菌)(パン酵母))またはタフリナ菌亜門(Taphrinomycotina)(例えば、シゾサッカロミセス綱(Schizosaccharomycetes)(分裂酵母))を含む。場合によっては、担子菌はハラタケ亜門(Agaricomycotina)(例えば、シロキクラゲ綱(Tremellomycetes))またはサビキン亜門(Pucciniomycotina)(例えば、ミクロボトリウム菌綱(Microbotryomycetes))を含む。
【0492】
例示的な酵母菌または糸状菌としては、例えば、属:サッカロミケス、分裂酵母、カンジダ属、ピキア、ハンゼヌラ、クリベロマイセス(Kluyveromyces)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ヤロウイア属(Yarrowia)、トリコスポロン属(Trichosporon)、ロドスポリデウム属(Rhodosporidi)、アスペルギルス(Aspergillus)、フザリウム属(Fusarium)、またはトリコデルマ属(Trichoderma)が挙げられる。例示的な酵母菌または糸状菌は、例えば、種:ビール酵母菌、分裂酵母、カンジダ・ユチリス(Candida utilis)、カンジダ・ボイジニ(Candida boidini)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・ステラトイデア(Candida stellatoidea)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・ギリエルモンジイ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ビスワナチイ(Candida viswanathii)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、ロドトルラ・ムチラギノーザ(Rhodotorula mucilaginosa)、ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、チゴサッカロミセス・ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pullulans)、ロスポリジウム・トル-アスペルギルス・ニガー(Rhodosporidium toru-Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニードランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、ヤロウイア・リポティカ(Yarrowia lipolytica)、ブレタノミセス・ブルセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)、カンジダ・ステラータ(Candida stellata)、分裂酵母、Torulaspora delbrueckii、Zygosaccharomyces bailii、クリプトコッカス-ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gattii)、またはサッカロマイセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)を含む。
【0493】
例示的な酵母宿主細胞は、限定されないが、GS115、KM71H、SMD1168、SMD1168H、およびX-33などのピキア・パストリス酵母菌株、INVSc1などのサッカロミセス・セレビシエ酵母菌株を含む。
【0494】
いくつかの実施形態において、さらなる動物細胞は、軟体動物、節足動物、環形動物、または海綿動物から得られる細胞を含む。いくつかの実施形態において、さらなる動物細胞は、例えば、霊長類、類人猿、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、またはげっ歯類に由来する哺乳動物細胞である。場合によっては、げっ歯類は、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、ファンシーラット、またはモルモットを含む。
【0495】
例示的な哺乳動物宿主細胞としては、限定されないが、293A細胞株、293FT細胞株、293F細胞、293H細胞、CHO DG44細胞、CHO-S細胞、CHO-K1細胞、Expi293F(商標)細胞、Flp-In(商標)T-REx(商標)293細胞株、Flp-In(商標)-293細胞株、Flp-In(商標)-3T3細胞株、Flp-In(商標)-BHK細胞株、Flp-In(商標)-CHO細胞株、Flp-In(商標)-CV-1細胞株、Flp-In(商標)-Jurkat細胞株、FreeStyle(商標)293-F細胞、FreeStyle(商標)CHO-S細胞、GripTite(商標)293 MSR細胞株、GS-CHO細胞株、HepaRG(商標)細胞、T-REx(商標)Jurkat細胞株、Per.C6細胞、T-REx(商標)-293細胞株、T-REx(商標)CHO細胞株、およびT-REx(商標)-HeLa細胞株が挙げられる。
【0496】
いくつかの例では、哺乳動物宿主細胞は、安定した細胞株であるか、または関心対象の遺伝物質をそれ自体のゲノムに組み込み、多くの世代の細胞分裂の後に遺伝物質の生成物を発現する能力を有する細胞株である。場合によっては、哺乳動物宿主細胞は、一過性の細胞株であるか、または対象の遺伝物質をそれ自体のゲノムに組み込んでおらず、多くの世代の細胞分裂の後に遺伝物質の生成物を発現する能力を有していない細胞株である。
【0497】
例示的な昆虫宿主細胞としては、限定されないが、ショウジョウバエS2細胞、Sf9細胞、Sf21細胞、High Five(商標)細胞、およびexpresSF+(登録商標)細胞が挙げられる。
【0498】
いくつかの例では、植物細胞は藻類からの細胞を含む。例示的な昆虫細胞株としては、限定されないが、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)137cまたはシネココッカス(Synechococcus elongatus)PPC 7942からの株が挙げられる。
【0499】
複合体
特定の実施形態において、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体と、CD47+EpCAM+標的細胞とを含む複合体が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態において、癌細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。いくつかの実施形態において、癌細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0500】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体と、CD47+EGFR+標的細胞とを含む複合体が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態において、癌細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0501】
医薬組成物
特定の実施形態において、本明細書に開示されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性(例えば、二重特異性)抗体を含む医薬組成物が本明細書に開示される。
【0502】
特定の実施形態において、本明細書に開示されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性(例えば、二重特異性)抗体を含む医薬組成物が本明細書に開示される。
【0503】
方法または使用
特定の実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞の食作用を誘導する方法が本明細書に開示され、上記方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される。
【0504】
特定の実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞の食作用を誘導する方法が本明細書に開示され、上記方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される。
【0505】
特定の実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法が本明細書に開示され、上記方法は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞から選択される。いくつかの実施形態において、標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0506】
特定の実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法が本明細書に開示され、上記方法は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、多特異性抗体は、CD47+EGFR+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0507】
特定の実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法が本明細書に開示され、上記方法は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞から選択される。いくつかの実施形態において、標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である。
【0508】
特定の実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法が本明細書に開示され、上記方法は、それを必要としている対象に、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む多特異性抗体、または本明細書に記載されるその医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、多特異性抗体は、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導する。いくつかの実施形態において、多特異性抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される。いくつかの実施形態において、CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される。
【0509】
特定の実施形態において、癌を有する対象を処置する方法が本明細書に開示され、上記方法は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む(例えば、有効量の)多特異性抗体、または本明細書に記載される(例えば、有効量の)その医薬組成物を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、癌は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頸癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である。
【0510】
特定の実施形態において、癌を有する対象を処置する方法が本明細書に開示され、上記方法は、本明細書に記載されるCD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む(例えば、有効量の)多特異性抗体、または本明細書に記載される(例えば、有効量の)その医薬組成物を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、癌は、類表皮癌、大腸腺癌、頭頸部扁平上皮癌、膀胱癌、膵臓腺癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、胃癌、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣腺癌、結腸腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頚癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である。
【0511】
実施形態
実施形態1.CD47結合ドメインおよびEpCAM結合ドメインを含む、多特異性抗体。
【0512】
実施形態2.多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である、実施形態1に記載の多特異性抗体。
【0513】
実施形態3.多特異性抗体は二重特異性である、実施形態2に記載の多特異性抗体。
【0514】
実施形態4.多特異性抗体は二価、三価、または四価である、実施形態1に記載の多特異性抗体。
【0515】
実施形態5.多特異性抗体は二価である、実施形態4に記載の多特異性抗体。
【0516】
実施形態6.多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、B細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47に対するよりも高い親和性を有する、実施形態1~5のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0517】
実施形態7.腫瘍細胞はEpCAMを発現する、実施形態6に記載の多特異性抗体。
【0518】
実施形態8.(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約200ナノモル(nM)超である、実施形態1~7のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0519】
実施形態9.多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、実施形態1~8のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0520】
実施形態10.多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、実施形態9に記載の多特異性抗体。
【0521】
実施形態11.多特異性抗体は、約500ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEpCAMに結合する、実施形態1~10のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0522】
実施形態12.多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約500nM、約1nM~約300nM、約5nM~約200nM、または約10nM~約150nMの解離定数(KD)でEpCAMに結合する、実施形態11に記載の多特異性抗体。
【0523】
実施形態13.解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される、実施形態9~12のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0524】
実施形態14.EpCAM結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトEpCAM結合ドメインである、実施形態1~13のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0525】
実施形態15.EpCAM結合ドメインは、EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む、実施形態1~14のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0526】
実施形態16.EpCAMに特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体は、抗EpCAM重鎖および抗EpCAM軽鎖を含む、実施形態15に記載の多特異性抗体。
【0527】
実施形態17.抗EpCAM重鎖は、抗EpCAM重鎖可変ドメインを含む、実施形態16に記載の多特異性抗体。
【0528】
実施形態18.抗EpCAM重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む、実施形態16に記載の多特異性抗体。
【0529】
実施形態19.抗EpCAM軽鎖は、抗EpCAM軽鎖可変ドメインを含む、実施形態16~18のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0530】
実施形態20.抗EpCAM軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む、実施形態19に記載の多特異性抗体。
【0531】
実施形態21.EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態16~20のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0532】
実施形態22.EpCAM結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態16~20のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0533】
実施形態23.EpCAM結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、実施形態16に記載の多特異性抗体。
【0534】
実施形態24.EpCAM結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、実施形態23に記載の多特異性抗体。
【0535】
実施形態25.EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、VH-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、実施形態23に記載の多特異性抗体。
【0536】
実施形態26.EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、VH-EpCAMドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、実施形態23に記載の多特異性抗体。
【0537】
実施形態27.EpCAM結合ドメインは、VH-EpCAMドメインおよびVL-EpCAMドメインを含み、ここで、VH-EpCAMドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-EpCAMドメインは、CL IgGドメインに融合している、実施形態23~26のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0538】
実施形態28.CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである、実施形態1~27のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0539】
実施形態29.CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む、実施形態1~28のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0540】
実施形態30.CD47結合ドメインは、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む、実施形態29に記載の多特異性抗体。
【0541】
実施形態31.抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0542】
実施形態32.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む、実施形態31に記載の多特異性抗体。
【0543】
実施形態33.抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む、実施形態30~32のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0544】
実施形態34.抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖の可変ドメインを含む、実施形態33に記載の多特異性抗体。
【0545】
実施形態35.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0546】
実施形態36.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0547】
実施形態37.CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0548】
実施形態38.CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0549】
実施形態39.CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、実施形態30に記載の多特異性抗体。
【0550】
実施形態40.CD47結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、実施形態39に記載の多特異性抗体。
【0551】
実施形態41.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、実施形態39に記載の多特異性抗体。
【0552】
実施形態42.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、実施形態39に記載の多特異性抗体。
【0553】
実施形態43.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している、実施形態39~42のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0554】
実施形態44.Fcドメインをさらに含む、実施形態1~43のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0555】
実施形態45.FcドメインはヒトFcドメインである、実施形態44に記載の多特異性抗体。
【0556】
実施形態46.Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である、実施形態44または45に記載の多特異性抗体。
【0557】
実施形態47.Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する、実施形態1~46のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0558】
実施形態48.ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、実施形態47に記載の多特異性抗体。
【0559】
実施形態49.ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスによるものである、実施形態47または48に記載の多特異性抗体。
【0560】
実施形態50.ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、実施形態47~49のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0561】
実施形態51.多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する、実施形態1~50のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0562】
実施形態52.EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、ここで、EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表9に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~51のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0563】
実施形態53.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1は、配列番号222、225、231、234、243、および246から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~52のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0564】
実施形態54.EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号223、226、232、235、244、および247から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~53のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0565】
実施形態55.EpCAM結合ドメインのHC-CDR3は、配列番号224、227、233、236、245、および248から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~54のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0566】
実施形態56.EpCAM結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表10に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~55のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0567】
実施形態57.EpCAM結合ドメインのLC-CDR1は、配列番号276、279、285、288、297、および300から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~56のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0568】
実施形態58.EpCAM結合ドメインのLC-CDR2は、配列番号277、280、286、289、298、および301から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~57のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0569】
実施形態59.EpCAM結合ドメインのLC-CDR3は、配列番号278、281、287、290、299、および302から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~58のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0570】
実施形態60.EpCAM結合ドメインは、表11に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~59のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0571】
実施形態61.EpCAM結合ドメインは、配列番号331~334、335~338、343~346、347~350、355~358、および359~362から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖フレームワーク領域(HFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~59のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0572】
実施形態62.EpCAM結合ドメインのHFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態60または61に記載の多特異性抗体。
【0573】
実施形態63.EpCAM結合ドメインのHFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態60または61に記載の多特異性抗体。
【0574】
実施形態64.EpCAM結合ドメインは、表12に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、LFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~63のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0575】
実施形態65.EpCAM結合ドメインは、配列番号367~370、371~374、379~382、383~386、391~394、および395~398から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖フレームワーク領域(LFR)を含み、HFRは0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~63のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0576】
実施形態66.EpCAM結合ドメインのLFRは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態64または65に記載の多特異性抗体。
【0577】
実施形態67.EpCAM結合ドメインのLFRは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態64または65に記載の多特異性抗体。
【0578】
実施形態68.EpCAM結合ドメインは、表13に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、実施形態1~67のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0579】
実施形態69.EpCAM結合ドメインは、表14に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、実施形態1~68のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0580】
実施形態70.EpCAM結合ドメインは、表15に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、実施形態1~69のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0581】
実施形態71.EpCAM結合ドメインは、表16に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、実施形態1~70のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0582】
実施形態72.EpCAM結合ドメインは、表17に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態1~71のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0583】
実施形態73.EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む、実施形態1~71のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0584】
実施形態74.EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む、実施形態1~71のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0585】
実施形態75.EpCAM結合ドメインは、表18に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む、実施形態1~71のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0586】
実施形態76.CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~75のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0587】
実施形態77.CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態76に記載の多特異性抗体。
【0588】
実施形態78.CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態76に記載の多特異性抗体。
【0589】
実施形態79.CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態1~78のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0590】
実施形態80.CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態79に記載の多特異性抗体。
【0591】
実施形態81.CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態79に記載の多特異性抗体。
【0592】
実施形態82.CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、実施形態1~81のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0593】
実施形態83.CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、実施形態1~82のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0594】
実施形態84.CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、実施形態1~83のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0595】
実施形態85.CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、実施形態1~84のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0596】
実施形態86.CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態1~84のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0597】
実施形態87.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む、実施形態1~84のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0598】
実施形態88.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む、実施形態1~84のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0599】
実施形態89.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む、実施形態1~84のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0600】
実施形態90.多特異性抗体は、表26に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0601】
実施形態91.多特異性抗体は、表27に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0602】
実施形態92.多特異性抗体は、表28に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0603】
実施形態93.多特異性抗体は、表29に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0604】
実施形態94.多特異性抗体は、表30に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0605】
実施形態95.多特異性抗体は、表31に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0606】
実施形態96.多特異性抗体は、表32に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態1~86のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0607】
実施形態97.EpCAM結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3、ならびに、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含む、実施形態1~96のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0608】
実施形態98.EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号235に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0609】
実施形態99.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~98のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0610】
実施形態100.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~99のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0611】
実施形態101.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~100のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0612】
実施形態102.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号234、HC-CDR2:配列番号235、およびHC-CDR3:配列番号236に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号288、LC-CDR2:配列番号289、およびLC-CDR3:配列番号290に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~101のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0613】
実施形態103.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~102のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0614】
実施形態104.多特異性抗体は、配列番号482、483、および484に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~97のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0615】
実施形態105.多特異性抗体は、配列番号482、483、および484に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または104のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0616】
実施形態106.多特異性抗体は、配列番号482、483、および507に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または104~105のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0617】
実施形態107.多特異性抗体は、配列番号482、483、および507に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または104~106のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0618】
実施形態108.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~97または104~107のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0619】
実施形態109.多特異性抗体は、配列番号503、504、および505に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または104~108のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0620】
実施形態110.多特異性抗体は、配列番号503、504、および505に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または104~109のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0621】
実施形態111.EpCAM結合ドメインのHC-CDR2は、配列番号244に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0622】
実施形態112.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0623】
実施形態113.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111~112のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0624】
実施形態114.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111~113のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0625】
実施形態115.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号243、HC-CDR2:配列番号244、およびHC-CDR3:配列番号245に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号297、LC-CDR2:配列番号298、およびLC-CDR3:配列番号299に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111~114のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0626】
実施形態116.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~97または111~115のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0627】
実施形態117.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~97または111~116のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0628】
実施形態118.多特異性抗体は、配列番号485、486、および487に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111~117のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0629】
実施形態119.多特異性抗体は、配列番号485、486、および487に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または111~118のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0630】
実施形態120.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0631】
実施形態121.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または120のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0632】
実施形態122.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または120~121のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0633】
実施形態123.EpCAM結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号222、HC-CDR2:配列番号223、およびHC-CDR3:配列番号224に記載のアミノ酸配列を含み、EpCAM結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号276、LC-CDR2:配列番号277、およびLC-CDR3:配列番号275に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または120~122のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0634】
実施形態124.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、EpCAM結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~97または120~123のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0635】
実施形態125.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、EpCAM結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態1~97または120~124のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0636】
実施形態126.多特異性抗体は、配列番号482、483、および506に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または120~125のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0637】
実施形態127.多特異性抗体は、配列番号482、483、および506に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態1~97または120~127のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0638】
実施形態128.約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるHCT-15細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して、少なくとも4倍増加させる、実施形態1~93のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0639】
実施形態129.マクロファージによるEpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するために必要な抗体の濃度は、約0.001ナノモル(nM)~約3nMである、実施形態94に記載の多特異性抗体。
【0640】
実施形態130.EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、HCT-15細胞である、実施形態129に記載の多特異性抗体。
【0641】
実施形態131.EpCAM陽性CD47陽性腫瘍細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、実施形態129に記載の多特異性抗体。
【0642】
実施形態132.約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する、実施形態1~131のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0643】
実施形態133.細胞はCD47+EpCAM+腫瘍細胞である、実施形態132に記載の多特異性抗体。
【0644】
実施形態134.細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、実施形態133に記載の多特異性抗体。
【0645】
実施形態135.細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、実施形態133に記載の多特異性抗体。
【0646】
実施形態136.約1000ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない、実施形態1~133のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0647】
実施形態137.実施形態1~136のいずれかに記載の多特異性抗体、およびCD47+EpCAM+標的細胞を含む、複合体。
【0648】
実施形態138.標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、実施形態137に記載の複合体。
【0649】
実施形態139.標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEpCAMタンパク質をその表面に発現する、実施形態137に記載の複合体。
【0650】
実施形態140.CD47+EpCAM+標的細胞は癌細胞である、実施形態137~139のいずれかに記載の複合体。
【0651】
実施形態141.癌細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頸癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、実施形態140に記載の複合体。
【0652】
実施形態142.実施形態1~136のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞の食作用を誘導する方法。
【0653】
実施形態143.多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される、実施形態142に記載の方法。
【0654】
実施形態144.CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される、実施形態142または143に記載の方法。
【0655】
実施形態145.CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、実施形態142または143に記載の方法。
【0656】
実施形態146.実施形態1~136のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、ここで、多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する、方法。
【0657】
実施形態147.実施形態1~136のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる方法であって、多特異性抗体は、CD47+EpCAM+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する、方法。
【0658】
実施形態148.抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される、実施形態147に記載の方法。
【0659】
実施形態149.CD47+EpCAM+標的細胞は、HCT-15細胞、A431細胞、HCC-44細胞、SKOV-3細胞、OVISE細胞、またはCFPAC-1細胞から選択される、実施形態147または148に記載の方法。
【0660】
実施形態150.CD47+EpCAM+標的細胞は、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、または外陰扁平上皮癌細胞である、実施形態147または148に記載の方法。
【0661】
実施形態151.実施形態1~136のいずれかに記載の多特異性抗体を含む、医薬組成物。
【0662】
実施形態152.抗癌剤をさらに含む、実施形態151に記載の医薬組成物。
【0663】
実施形態153.抗癌剤は化学療法剤または生物学的製剤である、実施形態152に記載の医薬組成物。
【0664】
実施形態154.化学療法剤はトポイソメラーゼ阻害剤を含む、実施形態153に記載の医薬組成物。
【0665】
実施形態155.トポイソメラーゼ阻害剤は、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体を含む、実施形態154に記載の医薬組成物。
【0666】
実施形態156.カンプトテシン誘導体はイリノテカンを含む、実施形態155に記載の医薬組成物。
【0667】
実施形態157.化学療法剤はオキサリプラチンを含む、実施形態156に記載の医薬組成物。
【0668】
実施形態158.化学療法剤は5-フルオロウラシル(5-FU)を含む、実施形態157に記載の医薬組成物。
【0669】
実施形態159.化学療法剤はイリノテカン、オキサリプラチン、または5-FUを含む、実施形態158に記載の医薬組成物。
【0670】
実施形態160.癌を有する対象を処置する方法であって、実施形態151の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
【0671】
実施形態161.癌は、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣腺癌、結腸腺癌、肺腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、胆管癌、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頸癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である、実施形態160に記載の方法。
【0672】
実施形態162.抗癌剤を対象に投与する工程をさらに含む、実施形態161に記載の方法。
【0673】
実施形態163.抗癌剤は化学療法剤または生物学的製剤である、実施形態162に記載の方法。
【0674】
実施形態164.多特異性抗体が対象に投与される前に、抗癌剤は対象に投与される、実施形態162~163のいずれか1つに記載の方法。
【0675】
実施形態165.多特異性抗体が対象に投与された後に、抗癌剤は対象に投与される、実施形態162~163のいずれか1つに記載の方法。
【0676】
実施形態166.多特異性抗体が対象に投与されると同時に、抗癌剤は対象に投与される、実施形態162~163のいずれか1つに記載の方法。
【0677】
実施形態167.化学療法剤はトポイソメラーゼ阻害剤を含む、実施形態162~166のいずれか1つに記載の方法。
【0678】
実施形態168.トポイソメラーゼ阻害剤は、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体を含む、実施形態167に記載の方法。
【0679】
実施形態169.カンプトテシン誘導体はイリノテカンを含む、実施形態168に記載の方法。
【0680】
実施形態170.化学療法剤はオキサリプラチンを含む、実施形態162~166のいずれか1つに記載の方法。
【0681】
実施形態171.化学療法剤は5-フルオロウラシル(5-FU)を含む、実施形態162~166のいずれか1つに記載の方法。
【0682】
実施形態172.化学療法剤はイリノテカン、オキサリプラチン、または5-FUを含む、実施形態162~166のいずれか1つに記載の方法。
【0683】
実施形態173.CD47結合ドメインおよびEGFR結合ドメインを含む、多特異性抗体。
【0684】
実施形態174.多特異性抗体は二重特異性、三重特異性、または四重特異性である、実施形態173に記載の多特異性抗体。
【0685】
実施形態175.多特異性抗体は二重特異性である、実施形態174に記載の多特異性抗体。
【0686】
実施形態176.多特異性抗体は二価、三価、または四価である、実施形態173に記載の多特異性抗体。
【0687】
実施形態177.多特異性抗体は二価である、実施形態176に記載の多特異性抗体。
【0688】
実施形態178.多特異性抗体は、腫瘍細胞の表面上に発現されるCD47に対して、正常細胞、例えば、赤血球、血小板、T細胞、またはNK細胞の表面上に発現されるCD47よりも高い親和性を有する、実施形態176または177に記載の多特異性抗体。
【0689】
実施形態179.腫瘍細胞はEGFRを発現する、実施形態178に記載の多特異性抗体。
【0690】
実施形態180.(例えば、ヒト)赤血球への最大半量結合に必要な多特異性抗体の濃度は、約200ナノモル(nM)超である、実施形態176~179のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0691】
実施形態181.多特異性抗体は、約100ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、実施形態176~180のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0692】
実施形態182.多特異性抗体は、約1ナノモル(nM)~約100nM、約1nM~約50nM、または約5nM~約50nMの解離定数(KD)で(例えば、ヒト)CD47に結合する、実施形態181に記載の多特異性抗体。
【0693】
実施形態183.多特異性抗体は、約25ナノモル(nM)未満の解離定数(KD)でEGFRに結合する、実施形態176~182のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0694】
実施形態184.多特異性抗体は、約0.2ナノモル(nM)~約25nM、約0.2nM~約10nM、約0.2nM~約2nM、または約2nM~約10nMの解離定数(KD)でEGFRに結合する、実施形態183に記載の多特異性抗体。
【0695】
実施形態185.解離定数(KD)は、表面プラズモン共鳴によって決定される、実施形態181~184のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0696】
実施形態186.CD47結合ドメインは、ヒトまたは操作されたヒトCD47結合ドメインである、実施形態176~185のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0697】
実施形態187.CD47結合ドメインは、CD47に特異的に結合する抗体、またはその機能的フラグメントもしくは機能的変異体を含む、実施形態176~186のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0698】
実施形態188.CD47結合ドメインは、抗CD47重鎖および抗CD47軽鎖を含む、実施形態187に記載の多特異性抗体。
【0699】
実施形態189.抗CD47重鎖は、抗CD47重鎖可変ドメインを含む、実施形態188に記載の多特異性抗体。
【0700】
実施形態190.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖の可変ドメインを含む、実施形態189に記載の多特異性抗体。
【0701】
実施形態191.抗CD47軽鎖は、抗CD47軽鎖可変ドメインを含む、実施形態187~190のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0702】
実施形態192.抗CD47軽鎖可変ドメインは、カッパまたはラムダ軽鎖を含む、実施形態191に記載の多特異性抗体。
【0703】
実施形態193.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはカッパ軽鎖を含む、実施形態188に記載の多特異性抗体。
【0704】
実施形態194.抗CD47重鎖可変ドメインは、IgG1重鎖の可変ドメインを含み、抗CD47軽鎖可変ドメインはラムダ軽鎖を含む、実施形態188に記載の多特異性抗体。
【0705】
実施形態195.CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態187に記載の多特異性抗体。
【0706】
実施形態196.CD47結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態187に記載の多特異性抗体。
【0707】
実施形態197.CD47結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、実施形態187に記載の多特異性抗体。
【0708】
実施形態198.CD47結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、実施形態197に記載の多特異性抗体。
【0709】
実施形態199.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、実施形態197に記載の多特異性抗体。
【0710】
実施形態200.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、実施形態197に記載の多特異性抗体。
【0711】
実施形態201.CD47結合ドメインは、VH-CD47ドメインおよびVL-CD47ドメインを含み、VH-CD47ドメインは、CH1 IgGドメインに融合しており、VL-CD47ドメインは、CL IgGドメインに融合している、実施形態197~200のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0712】
実施形態202.EGFR結合ドメインは、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む、実施形態176~201のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0713】
実施形態203.EGFR結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態202に記載の多特異性抗体。
【0714】
実施形態204.EGFR結合ドメインは、抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態202に記載の多特異性抗体。
【0715】
実施形態205.EGFR結合ドメインは、T細胞受容体(TCR)定常領域を含む、実施形態202に記載の多特異性抗体。
【0716】
実施形態206.EGFR結合ドメインのTCR定常領域は、TCRα定常ドメインおよびTCRβ定常ドメインを含む、実施形態205に記載の多特異性抗体。
【0717】
実施形態207.EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、VH-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合している、実施形態205に記載の多特異性抗体。
【0718】
実施形態208.EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、VH-EGFRドメインは、TCRβ定常ドメインに融合しており、VL-EGFRドメインは、TCRα定常ドメインに融合している、実施形態205に記載の多特異性抗体。
【0719】
実施形態209.EGFR結合ドメインは、VH-EGFRドメインおよびVL-EGFRドメインを含み、VH-EGFRドメインはCH1 IgGドメインに融合しており、VL-EGFRドメインはCL IgGドメインに融合している、実施形態205~208のいずれか1つに記載の多特異性抗体。
【0720】
実施形態210.Fcドメインをさらに含む、実施形態176~209のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0721】
実施形態211.FcドメインはヒトFcドメインである、実施形態203に記載の多特異性抗体。
【0722】
実施形態212.Fcドメインのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である、実施形態203または211に記載の多特異性抗体。
【0723】
実施形態213.Fcドメインはヘテロ二量体Fcドメインであり、ヘテロ二量体Fc領域は、ノブ鎖(knob chain)とホール鎖(hole chain)とを含み、ノブイントゥホール(knob-into-hole)(KiH)構造を形成する、実施形態176~212のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0724】
実施形態214.ノブ鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、実施形態213に記載の多特異性抗体。
【0725】
実施形態215.ノブ鎖は変異T366Wを含み、ホール鎖は変異T366S、L368A、およびY407Vを含み、アミノ酸位置の番号付けはKabatらのEUインデックスによるものである、実施形態213または214に記載の多特異性抗体。
【0726】
実施形態216.ホール鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ドメインを含む、実施形態213~215のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0727】
実施形態217.多特異性抗体は、非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を有する、実施形態176~216のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0728】
実施形態218.CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表1に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態176~217のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0729】
実施形態219.CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態218に記載の多特異性抗体。
【0730】
実施形態220.CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態218に記載の多特異性抗体。
【0731】
実施形態221.CD47結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表2に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態176~220のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0732】
実施形態222.CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態221に記載の多特異性抗体。
【0733】
実施形態223.CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態221に記載の多特異性抗体。
【0734】
実施形態224.CD47結合ドメインは、表3に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、実施形態176~223のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0735】
実施形態225.CD47結合ドメインは、表4に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、実施形態176~224のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0736】
実施形態226.CD47結合ドメインは、表5に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、実施形態176~225のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0737】
実施形態227.CD47結合ドメインは、表6に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、実施形態176~226のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0738】
実施形態228.CD47結合ドメインは、表7に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態176~227のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0739】
実施形態229.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCR定常ドメインを含む、実施形態176~228のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0740】
実施形態230.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRα定常ドメインを含む、実施形態176~229のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0741】
実施形態231.CD47結合ドメインは、表8に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含むTCRβ定常ドメインを含む、実施形態176~229のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0742】
実施形態232.EGFR結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、表19に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態176~231のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0743】
実施形態233.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態232に記載の多特異性抗体。
【0744】
実施形態234.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態232に記載の多特異性抗体。
【0745】
実施形態235.EGFR結合ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、表20に記載されるものから選択されるアミノ酸配列を含み、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~3個のアミノ酸修飾を含む、実施形態176~233のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0746】
実施形態236.EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~2個のアミノ酸修飾を含む、実施形態235に記載の多特異性抗体。
【0747】
実施形態237.EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3の少なくとも1つは、0~1個のアミノ酸修飾を含む、実施形態235に記載の多特異性抗体。
【0748】
実施形態238.EGFR結合ドメインは、表21に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変ドメインを含む、実施形態176~237のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0749】
実施形態239.EGFR結合ドメインは、表22に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、実施形態176~238のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0750】
実施形態240.EGFR結合ドメインは、表23に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の重鎖を含む、実施形態176~239のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0751】
実施形態241.EGFR結合ドメインは、表24に記載される配列に対して、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する配列を含む完全長の軽鎖を含む、実施形態176~240のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0752】
実施形態242.多特異性抗体は、表33に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態176~241のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0753】
実施形態243.多特異性抗体は、表34に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態176~241のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0754】
実施形態244.多特異性抗体は、表35に記載される対応する配列に対して、それぞれが少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む、実施形態176~241のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0755】
実施形態245.EGFR結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR):HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3、ならびに、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR):LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含み、CD47結合ドメインは、3つの重鎖(HC)相補性決定領域(CDR)である、HC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3を含み、CD47ドメインは、3つの軽鎖(LC)相補性決定領域(CDR)である、LC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3を含む、実施形態173~244のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0756】
実施形態246.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号460、HC-CDR2:配列番号461、およびHC-CDR3:配列番号462に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態245に記載の多特異性抗体。
【0757】
実施形態247.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号460、HC-CDR2:配列番号461、およびHC-CDR3:配列番号462に記載のアミノ酸配列を含み、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号466、LC-CDR2:配列番号467、およびLC-CDR3:配列番号468に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態245~246のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0758】
実施形態248.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号460、HC-CDR2:配列番号461、およびHC-CDR3:配列番号462に記載のアミノ酸配列を含み、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号466、LC-CDR2:配列番号467、およびLC-CDR3:配列番号468に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態245~247のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0759】
実施形態249.EGFR結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号460、HC-CDR2:配列番号461、およびHC-CDR3:配列番号462に記載のアミノ酸配列を含み、EGFR結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号466、LC-CDR2:配列番号467、およびLC-CDR3:配列番号468に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのHC-CDR1、HC-CDR2、およびHC-CDR3は、HC-CDR1:配列番号1、HC-CDR2:配列番号2、およびHC-CDR3:配列番号3に記載のアミノ酸配列を含み、CD47結合ドメインのLC-CDR1、LC-CDR2、およびLC-CDR3は、LC-CDR1:配列番号61、LC-CDR2:配列番号62、およびLC-CDR3:配列番号63に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態245~248のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0760】
実施形態250.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、EGFR結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、CD47結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態245~249のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0761】
実施形態251.多特異性抗体は非対称の3鎖ノブイントゥホール構造を含み、CD47結合ドメインは単鎖可変フラグメント(scFv)を含み、EGFR結合ドメインは抗原結合フラグメント(Fab)を含む、実施形態245~250のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0762】
実施形態252.多特異性抗体は、配列番号508、509、および510に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態245~251のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0763】
実施形態253.多特異性抗体は、配列番号508、509、および510に記載のアミノ酸配列を含む、実施形態245~252のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0764】
実施形態254.約1ナノモル(nM)未満または約0.01nM未満の多特異性抗体は、マクロファージによって貪食されるA431細胞の割合を、非特異性IgG1抗体対照と比較して、少なくとも4倍増加させる、実施形態176~243のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0765】
実施形態255.マクロファージによるEGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞の抗体依存性細胞食作用を媒介するために必要な抗体の濃度は、約0.01ナノモル(nM)~約3nMである、実施形態244に記載の多特異性抗体。
【0766】
実施形態256.EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、OVISE細胞またはA431細胞である、実施形態255に記載の多特異性抗体。
【0767】
実施形態257.EGFR陽性CD47陽性腫瘍細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される、実施形態255に記載の多特異性抗体。
【0768】
実施形態258.約100ナノモル(nM)の多特異性抗体は、細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を少なくとも約30%阻害する、実施形態176~243のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0769】
実施形態259.細胞はCD47+EGFR+腫瘍細胞である、実施形態258に記載の多特異性抗体。
【0770】
実施形態260.細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する、実施形態259に記載の多特異性抗体。
【0771】
実施形態261.細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する、実施形態259に記載の多特異性抗体。
【0772】
実施形態262.約400ナノモル(nM)の多特異性抗体は、赤血球凝集アッセイにおいて赤血球の溶血を誘導しない、実施形態176~259のいずれかに記載の多特異性抗体。
【0773】
実施形態263.実施形態176~262のいずれかに記載の多特異性抗体、およびCD47+EGFR+標的細胞を含む、複合体。
【0774】
実施形態264.標的細胞はHCC-44細胞と少なくとも同じ数のEGFRタンパク質をその表面に発現する、実施形態263に記載の複合体。
【0775】
実施形態265.標的細胞は、少なくとも50,000個、少なくとも100,000個、少なくとも300,000個、少なくとも600,000個、または少なくとも1,500,000個のEGFRタンパク質をその表面に発現する、実施形態263に記載の複合体。
【0776】
実施形態266.CD47+EGFR+標的細胞は癌細胞である、実施形態263~265のいずれかに記載の複合体。
【0777】
実施形態267.癌細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱腺癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、肺腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、胆管癌、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頚癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である、実施形態266に記載の複合体。
【0778】
実施形態268.実施形態176~262のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EGFR+標的細胞の食作用を誘導する方法。
【0779】
実施形態269.多特異性抗体は、約5ナノモル(nM)未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.2nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の濃度で投与される、実施形態268に記載の方法。
【0780】
実施形態270.実施形態176~262のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法であって、多特異性抗体は、CD47+EGFR+標的細胞の表面上でのCD47へのSIRPαの結合を阻害する、方法。
【0781】
実施形態271.抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される、実施形態270に記載の方法。
【0782】
実施形態272.CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される、実施形態270または271に記載の方法。
【0783】
実施形態273.CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される、実施形態270または271に記載の方法。
【0784】
実施形態274.実施形態176~262のいずれかに記載の多特異性抗体を投与する工程を含む、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる方法であって、多特異性抗体は、CD47+EGFR+標的細胞を死滅させる抗体依存性細胞傷害を誘導する、方法。
【0785】
実施形態275.抗体は、約0.01ナノモル(nM)~約1nM、約0.01nM~約0.5nM、約0.01nM~約0.25nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.01nM~約0.05nM、または約0.01nM未満の濃度で投与される、実施形態274に記載の方法。
【0786】
実施形態276.CD47+EGFR+標的細胞は、A431細胞、NCI-H747細胞、ASPC-1細胞、EBC-1細胞、またはSNU-5細胞から選択される、実施形態274または275に記載の方法。
【0787】
実施形態277.CD47+EGFR+標的細胞は、類表皮癌細胞、大腸腺癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓腺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、肺腺癌細胞、胃癌細胞、腺管膵臓腺癌細胞、卵巣明細胞腺癌細胞、卵巣腺癌細胞、結腸腺癌細胞、直腸腺癌細胞、食道癌細胞、胃癌細胞、非小細胞肺癌細胞、小細胞肺癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝細胞癌細胞、胆管癌細胞、前立腺腺癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞、子宮頚癌細胞、腎細胞癌細胞、精巣癌細胞、および外陰扁平上皮癌細胞から選択される、実施形態274または275に記載の方法。
【0788】
実施形態278.実施形態176~262のいずれかに記載の多特異性抗体を含む、医薬組成物。
【0789】
実施形態279.癌を有する対象を処置する方法であって、実施形態278に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
【0790】
実施形態280.癌は、類表皮癌、大腸腺癌、頭頸部扁平上皮癌、膀胱癌、膵臓腺癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、胃癌、腺管膵臓腺癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣腺癌、結腸腺癌、直腸腺癌、食道癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、胆管癌、前立腺腺癌、甲状腺癌、乳癌、子宮頚癌、腎細胞癌、精巣癌、または外陰扁平上皮癌である、実施形態279に記載の方法。
【実施例】
【0791】
実施例1:ベンチマーク抗体および試薬
本試験で使用したベンチマーク抗体および試薬の配列を特許文献から解析し、表36に示すようにヒトIgG骨格にクローン化した。
【0792】
【0793】
実施例2.抗EpCAM結合ドメインのヒト化
マウスハイブリドーマ由来の抗EpCAM抗体、Mab-001、Mab-002、およびMab-008を、それらのCDR配列をヒトフレームワークに移植することによってヒト化した。CDR移植片変異体は、キメラ抗体と比較して、それらの抗原に対する親和性が低下しており、安定性を低下させ得る配列を含有していた。したがって、それらは、結合に寄与する位置でヒトフレームワーク残基を対応するマウスフレームワーク残基で置換し、潜在的な化学的ホットスポットを、化学的傾向を有していない残基で置換することによって、さらに操作された。
【0794】
Mab-001可変ドメインの配列を、international ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT(登録商標))ライブラリーからの配列にアラインメントすることで、Mab-001のHV鎖およびVL鎖との相同性を有するヒト生殖系列VHおよびVL-κ配列を同定した。IGKV1-39*01をVLヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。IGHV1-46*01をVHヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。
【0795】
Mab-002可変ドメインの配列を、international ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT(登録商標))ライブラリーからの配列にアラインメントすることで、Mab-002のHV鎖およびVL鎖との相同性を有するヒト生殖系列VHおよびVL-κ配列を同定した。IGKV1-39*01をVLヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。IGHV3-23*04をVHヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。
【0796】
Mab-008可変ドメインの配列を、international ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT(登録商標))ライブラリーからの配列にアラインメントすることで、Mab-008のHV鎖およびVL鎖との相同性を有するヒト生殖系列VHおよびVL-κ配列を同定した。IGKV1-39*01をVLヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。IGHV1-69*04をVHヒト生殖系列アクセプター配列として選択した。
【0797】
実施例3:ELISAによって測定された抗原に結合する抗体
96ウェルプレートを4℃で一晩、1μg/mlの組換えヒトCD47またはヒトEpCAMでコーティングした。3回洗浄した後、プレートをPBST中1%BSA 300μlで37℃で1時間ブロッキングした。段階希釈した抗体を添加し、37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートをPBSTで4回洗浄し、1:5000希釈ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG(Fab特異的)二次抗体(Sigma、カタログ番号A0293)とともに37℃で1時間インキュベートした。プレートを再度PBSTで4回洗浄し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質とともに室温で15分間インキュベートし、1NのHClで終結させ、その後、450nmで読み取った。Mab-001、Mab-002、およびMab-008のヒト化バージョンのEpCAMへの結合は、ELISAによって確認されており、すべてのヒト化抗EpCAM変異体はヒトEpCAM組換えタンパク質への強固な結合を示した。
【0798】
実施例4.抗CD47/抗EpCAM二重特異性抗体の生成
抗CD47抗体VIR47.V8および抗EpCAM抗体配列由来のVHおよびVL配列を使用して、異なる結合化学量論および幾何学的形状を有するCD47xEpCAM二重特異性抗体を設計および作製した。対応する重鎖(HC)および軽鎖(LC)DNAを合成し、pRK5哺乳動物発現ベクター(ATCC)にクローン化した。その後、各HCおよびLC対をCHO細胞に同時形質導入した。条件培地を遠心分離(4℃、4000rpmで40分間)によって回収し、その後、濾過して細胞片を除去した。浄化した培地を、緩衝液A(25mMのTris、150mMのNaCl、pH8.0)であらかじめ平衡化したMabSelect SuReカラム(GE、17-5438)にロードした。カラムを5カラム体積の緩衝液A、その後、30カラム体積の緩衝液B(緩衝液A+0.1%Triton X100+0.1%Triton X114)、その後、15カラム体積の緩衝液Aで順次洗浄した。抗体を緩衝液C(100mMのクエン酸ナトリウム、150mMのNaCl、pH3.0)で溶出し、緩衝液D(200mMのアルギニン、137mMのコハク酸、pH5.0)ですぐに中和した。最終生成物を緩衝液PBS、pH7.4に対して透析し、濃縮し、MILLEX-MP 0.22um(MILLIPORE)で濾過した。
【0799】
図2A~
図2Bは、それぞれヒトCD47およびヒトEpCAMに対する抗CD47xEpCAM二重特異性抗体CD47xEpCAM_v5のELISA結合結果を示した。
【0800】
実施例5:CD47+細胞に結合するSIRPαの阻害
腫瘍細胞を回収し、遠心分離し、その後、2×106細胞/mLの濃度でFACS緩衝液(PBSに加えて2%FBS)に再懸濁した。細胞懸濁液100μLを96ウェルプレートの各ウェルに分注した。プレートを300×gで5分間遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、FACS緩衝液中の段階希釈した二重特異性抗CD47抗体または二価抗CD47抗体を各ウェルあたり50μL、および一定量のSIRPα-mIgG2a融合タンパク質(fusion protein)(Raji細胞に0.2μg/mL;HCT-15細胞に1μg/mL)ととともに4℃で1時間インキュベートした。その後、プレートをFACS緩衝液で2回洗浄し、Alexa Fluor 488ロバ抗マウスIgG(H+L)二次抗体(Invitrogen、カタログ番号A21202、1:1000)100μLとともに暗所で4℃で1時間インキュベートした。FACS緩衝液で2回洗浄した後、プレートを300μLのFACS緩衝液で再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。
【0801】
図3Aにおいて、CD47xEpCAM_v5は、100nMを超えるIC
50でEpCAM陰性Raji細胞に対して弱いSIRPa遮断活性を示した。
図3Bにおいて、EpCAM高HCT-15細胞において、CD47xEpCAM_v5は、Raji細胞のものよりほぼ500倍低いナノモル以下のIC
50で強力なSIRPa遮断活性を示した。他方で、BMK-1および親VIR47.V8は、区別なしに、これらの2つの腫瘍細胞株に対して同様のSIRPa遮断活性を示した。したがって、CD47xEpCAM_v5は、CD47+のみの細胞よりもEpCAM+/CD47+腫瘍細胞に対して強い選択性を示すが、抗CD47二価抗体は選択性を有していない。
【0802】
実施例6.二重特異性CD47×EpCAM抗体は、CD47+EpCAM+細胞の食作用を誘導する
二重特異性抗体および二価抗体を、抗体依存性細胞食作用(ADCP)アッセイにおいて試験した。末梢血単核細胞(PBMC)をヒトドナーから単離した。CD16枯渇を伴わないヒト単球濃縮キット(Human Monocyte Enrichment Kit)(STEMCELL、カタログ番号19058)を使用して、単球を濃縮した。単離された単球を、20ng/mLのヒトマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF、Peprotech、カタログ番号:3-25-10)を含む完全培養培地(RPMI1640+10%FBS)中で単球を培養することによって、マクロファージに分化させた。培地を3日毎に交換した。M-CSF含有培養培地中で7日間培養した後、マクロファージを回収し、計数した。標的腫瘍細胞を回収し、D-PBSで2回洗浄することで、残りのFBSを除去した。洗浄した腫瘍細胞を、5-10×106/mLの細胞濃度でPBSに再懸濁した。癌細胞を3μMの最終濃度のCFSE(ebiosciences、カタログ番号:65-0580-84)で染色し、すぐに混合した。細胞を暗所にて室温で10分間染色した。4~5容量の冷たい完全培地を添加し、氷上で5分間インキュベートすることによって、染色を終了させた。染色した細胞をRPMI 1640+10%FBSで3回洗浄した。細胞を1mLのRPMI 1640+10%FBSに再懸濁し、計数し、その後、細胞数を3×105細胞/mLに調整した。50μLの細胞を96ウェルのディープUプレート(Axygen、カタログ番号:P-DW-20-C)に播種し、各ウェルは1.5×104の細胞を含有した。50μLの希釈抗体を各ウェルに添加した。100μLのマクロファージ(1.5×104細胞)を各ウェルに添加し、37℃、5%CO2で1.5時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をD-PBS中の2%FBS2mLで1回洗浄した。100μLの希釈Fcブロッカー(Human TruStain FcX(Fc受容体遮断溶液)、Biolegendカタログ番号:422302))を添加し、細胞を室温で10分間インキュベートした。20μLの希釈した抗ヒトCD11b抗体を各ウェルに添加し、暗所にて4℃で30分間インキュベートした。細胞を2%FBS-D-PBSで1回洗浄した。腫瘍細胞を貪食したマクロファージを示すCFSE/CD11bダブルポジティブ細胞の出現により、フローサイトメーターで食作用を検出した。
【0803】
図4において、CD47xEpCAM_v5は、その親CD47抗体VIR47.V8およびBMK-1よりも強力な、CD47+/EpCAM+HCT-15細胞に対する強いADCPを示した。
【0804】
実施例7.抗体依存性細胞傷害
抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する抗CD47抗体の能力を、高レベルのCD47およびEpCAMを発現するKYSE-150食道癌細胞で試験した。細胞を平衡塩類溶液または培養培地で1回洗浄し、細胞数を1×106細胞/mLに調整した。その後、2μLのBATDA蛍光増強リガンド(Perkin Elmer、カタログ番号C136-100)を各mLの細胞に添加し、細胞インキュベーター中で37℃で20分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を遠心分離し、培養培地を吸引した。標識細胞をPBSで4回洗浄した。最終洗浄後、細胞を培養培地に再懸濁し、5×104細胞/mLに調整した。その後、200μLの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加して、ウェルあたりの細胞数を1×104にした。標識標的細胞のアリコートを取り出すこと、つまり、遠心分離によってバックグラウンド放出(background release)を決定し、上清を空のウェルに移した。読み取り値はバックグラウンド放出であった。1x104標識標的細胞を滅菌した96ウェルアッセイプレートに移した。抗体を、10%FBSを含有するRPMI-1640で段階希釈した。50μLの段階希釈抗体を、標的細胞を含むアッセイプレートに添加し、37℃、5%CO2で5~10分間インキュベートした。エフェクター細胞PBMCを回収し、10%FBSを含有するRPMI-1640に懸濁した。50μL/ウェルのエフェクター細胞を、異なるエフェクター対標的比でアッセイプレートの各ウェルに添加した。対照の設定:標的自発的(標的細胞+100μL培地)、標的最大値(標的細胞+100μL培地+10μL溶解緩衝液)、バックグラウンド(100μLの標識標的細胞上清および100μLの希釈培地)。プレートを加湿した5%CO2雰囲気中で37℃で2時間インキュベートした。インキュベーションの最後に、10μLの溶解緩衝液(Perkin Elmer、カタログ番号4005-0010)を最大放出ウェルに添加した。プレートを500×gで5分間遠心分離した。各ウェルからの上清20μLを平底検出プレートに移した。その後、200μLのユーロピウム溶液(Perkin Elmer、カタログ番号C135-100)を、検出プレートの各ウェルに添加した。プレートを室温で15分間250rpmで振盪し、その後、蛍光を時間分解蛍光光度計で5時間以内に測定した。
【0805】
図5において、CD47xEpCAM_v5は、BMK-2およびその二価CD47親抗体VIR47.V8よりも強力な、CD47+/EpCAM+腫瘍細胞KYSE-150に対する強いADCC活性を示した。
【0806】
実施例8:赤血球への結合および血球凝集
赤血球または血小板に発現されるCD47の形態と比較して、腫瘍細胞に発現されるCD47の形態に優先的に結合するCD47結合ドメインは、治療剤の安全性プロファイルを増強するために望ましい。
【0807】
RBC上での抗体の結合
【0808】
RBC結合アッセイは、新鮮なヒト全血を200×gで10分間遠心沈殿させることによって行った。回収したRBCをPBSで2回洗浄し、フローサイトメトリーを用いて計数した。1×106細胞を96ウェル培養プレートの各ウェルに分注した。段階希釈した抗CD47抗体を添加し、4℃で1時間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液(PBS+2%FBS)で2回洗浄した。二次抗体(Alexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ヒトIgG(H+L)を添加し、4℃で1時間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、200μLのFACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。
【0809】
図6Aでは、CD47xEpCAM_v5は、BMK-1およびVIR47.V8と比較して、はるかに弱いRBC結合を示した。
【0810】
混合腫瘍細胞およびRBC上での抗体の結合
【0811】
混合腫瘍細胞およびRBC上での抗体の結合はFACSによって行った。手短に言えば、抗体をHCT-15腫瘍細胞およびRBC(20倍過剰の腫瘍中)の混合物とともに4℃で1時間インキュベートした。HCT-15細胞およびRBC上での抗体の結合を、異なるFACSマーカーを使用することによって同定し、フローサイトメトリーによって検出した。
図6Bでは、CD47xEpCAM_v5およびBMK-1の両方が、同様の結合EC
50で、HCT-15腫瘍細胞に対して強い結合を示した。RBC上では、BMK-1結合は強いままであったが、CD47xEpCAM_v5の結合は、試験した最高濃度でもかろうじて検出できる程度であった。腫瘍細胞でのCD47xEpCAM_v5の結合EC
50は、RBCでのその結合EC
50よりも>200倍高い。
【0812】
血球凝集アッセイ
【0813】
血球凝集アッセイは、ヒト赤血球(RBC)を希釈し、丸底96ウェルプレート中でCD47抗体(100μg/mLから)の滴定とともに37℃で2時間RBCをインキュベートすることによって行った。血球凝集は、架橋RBCの存在によって実証され、これは、非血球凝集RBCとは対照的に、ウェルの底に沈降しないため、濁りとして現れる。
【0814】
CD47xEpCAM_v5は、
図6Cに示すように、1μMの処理でも血球凝集を引き起こさなかった。
【0815】
実施例9.PBMC単離からのヒトT細胞への結合
ヒトPBMCを96ウェルディープウェルプレートにウェル当たり1×106で播種した。室温で15分間インキュベートすることによって細胞を生死色素(live-dead dye)で染色し、その後、1回洗浄した。Fcブロッカー(5μL/試験)をすべての試料に添加し、室温で10分間インキュベートした。その後、試料を、100nMの最高濃度で段階希釈した試験抗体とともに4℃で30分間インキュベートした。その後、抗CD3抗体を各試料に添加し、さらに4℃で30分間インキュベートした後、4℃で30分間二次抗体とともにインキュベートした。試料を2回洗浄した後、フローサイトメトリーによって分析した。
【0816】
図7において、CD47xEpCAM_v5は、BMK-1およびその親抗CD47二価抗体VIR47.V8と比較して、ヒトT細胞に対して弱い結合を示した。
【0817】
実施例10.CD47xEpCAM二重特異性抗体およびCD47またはEpCAM二価抗体のin vivo抗腫瘍活性を、KATOIII胃癌異種移植片モデルおよびOE-19食道癌モデルにおいて調査した。
KATOIII腫瘍細胞またはOE-19腫瘍細胞を培養し、腫瘍接種のために回収した。6~7週齢の雌NCGまたはCB17/SCIDマウス(Shanghai Lingchang Biotechnology)に、腫瘍を発生させるために、Matrigelを補充した(1:1)0.2mLのPBS中の107細胞を皮下接種した。腫瘍接種後6~8日目に、平均腫瘍体積が約175mm3に達した時点で、動物を腫瘍体積によって無作為化して、1群当たり6匹の動物にした。試験抗体を、グラフに記載した用量で、ボーラス尾静脈注射により投与した。腫瘍体積を週2回測定した。動物の腫瘍体積が3000mm3を超える場合、または動物が20%を超える体重減少を経験した場合、動物を人道的に安楽死させた。黒い矢印は投与日を示す。αCD47およびαEpCAM抗体は、CD47xEpCAM_v5に対する親の二価抗CD47および抗EpCAM抗体を表す。
【0818】
図8Aにおいて、CD47xEpCAM_v5は、食道癌モデルであるOE-19において、BMK-1およびBMK-2よりも優れて、腫瘍増殖を完全に阻害した。
図8Bにおいて、CD47xEpCAM_v5は、KATOIIIにおいて完全な腫瘍退縮をもたらし、すべての動物は、処置が終了した10日後でさえ腫瘍のないままであった。比較すると、CD47xEPCAM_v5は、その親の二価抗体BMK-1およびBMK-2よりも優れている。
【0819】
本発明者らの知見は、新規のCD47×EpCAM二重特異性抗体であるCD47×EpCAM_v5がCD47に選択的に結合し、EpCAM過剰発現腫瘍細胞上でのCD47/SIRPα結合を遮断することを示唆している。そのヒトIgG1骨格は、強力な単剤抗腫瘍活性のためにADCPおよびADCCの両方の関与を可能にする。CD47xEpCAM_v5は、二価CD47単一特異性抗体と比較して減少したRBC結合を有し、したがって、より少ない血液学的毒性を誘導すると予想される。結論として、CD47xEpCAM_v5は、EpCAM陽性腫瘍細胞に対する特異性、ならびに強固な単剤のin vitroおよびin vivo活性を示す。CD47×EpCAM二重特異性抗体は、EpCAM陽性腫瘍を処置するための新規のアプローチを表す。
【0820】
実施例11.抗CD47/抗EGFR二重特異性抗体の生成
抗CD47抗体VIR47.V8および抗EGFR抗体パニツムマブ(panitumumab)またはセツキシマブ(cetuximab)配列由来のVHおよびVL配列を使用して、異なる結合化学量論および幾何学的形状を有する抗CD47/EGFR二重特異性抗体を設計および作製した。対応する重鎖(HC)および軽鎖(LC)DNAを合成し、pRK5哺乳動物発現ベクター(ATCC)にクローン化した。その後、各HCおよびLC対をCHO細胞に同時形質導入した。条件培地を遠心分離(4℃、4000rpmで40分間)によって回収し、その後、濾過して細胞片を除去した。浄化した培地を、緩衝液A(25mMのTris、150mMのNaCl、pH8.0)であらかじめ平衡化したMabSelect SuReカラム(GE、17-5438)に充填した。カラムを5カラム体積の緩衝液A、その後、30カラム体積の緩衝液B(緩衝液A+0.1%Triton X100+0.1%Triton X114)、その後、15カラム体積の緩衝液Aで順次洗浄した。抗体を緩衝液C(100mMのクエン酸ナトリウム、150mMのNaCl、pH3.0)で溶出し、緩衝液D(200mMのアルギニン、137mMのコハク酸、pH5.0)ですぐに中和した。最終生成物を緩衝液PBS、pH7.4に対して透析し、濃縮し、MILLEX-MP 0.22um(MILLIPORE)で濾過した。
【0821】
実施例12:ELISAによって測定された抗原に結合する抗体
96ウェルプレートを4℃で一晩、1μg/mlの組換えヒトCD47またはヒトEGFRでコーティングした。3回洗浄した後、プレートをPBST中1%BSA300μlで37℃で1時間ブロッキングした。段階希釈した抗体を添加し、37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートをPBSTで4回洗浄し、1:5000希釈ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG(Fab特異的)二次抗体(Sigma、カタログ番号A0293)と共に37℃で1時間インキュベートした。プレートを再度PBSTで4回洗浄し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質と共に室温で15分間インキュベートし、1NのHClで終結させ、その後、450nmで読み取った。
図9A~9Bは、それぞれヒトCD47およびヒトEGFR上での抗CD47/EGFR二重特異性抗体パニツムマブxVIR47.V8についてのELISA結合結果を示した。
【0822】
実施例13:DLD-1大腸癌異種移植片モデルにおけるCD47xEpCAM二重特異性抗体と標準治療化学療法剤との組み合わせ
DLD-1腫瘍細胞を、10%FBSを補充したRPMI 1640培地中で37℃、空気中5%CO2の雰囲気下で培養した。6~8週齢の雌Balb/cヌードマウス(Shanghai Lingchang Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.)に、腫瘍を発生させるために、0.1mLのPBS中の5×106細胞を皮下接種した。平均腫瘍体積が約150~200mm3に達すると、動物を1群あたり6匹に無作為化し、処置を開始した。オキサリプラチンおよび5-フルオロウラシル(5-FU)を、それぞれ8mg/kgおよび35mg/kgの用量で週3回腹腔内注射により投与した。合計4用量のオキサリプラチンおよび5用量の5-FUを与えた。イリノテカンを、週2回、30mg/kgの用量で、腹腔内注射により合計6回投与した。CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体を、毎週20mg/kgでボーラス尾静脈注射により合計5回投与した。併用群については、経路および投与スケジュールは単剤処置群と同じであった。腫瘍体積を週2回測定した。
【0823】
図10Aおよび10Bに示すように、CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体単独での処置は、腫瘍増殖をわずかに遅くしただけであった。CD47xEpCAM_v5をオキサリプラチンまたは5-FUの処置のいずれかと組み合わせることは、抗腫瘍有効性を改善しなかった。驚くべきことに、イリノテカンおよびCD47xEpCAM_v5を組み合わせることは、相乗的かつ効果的に腫瘍進行を阻害したが、イリノテカンまたはCD47xEpCAM単独では、あまり有効ではなかった(
図10C)。
【0824】
実施例14:DLD-1大腸癌異種移植片モデルにおける、CD47xEpCAM二重特異性抗体、ベンチマーク、または二価単一特異性抗体とイリノテカンとの組み合わせ
DLD-1異種移植片モデルを、実施例13に記載されるように確立した。平均腫瘍体積が約150~200mm3に達すると、処置を開始した。イリノテカンを、週2回、30mg/kgの用量で、腹腔内注射により合計5回投与した。試験した抗体をすべて、毎週20mg/kgでボーラス尾静脈注射により合計5回投与した。併用群は、それらの対応する単独療法群と同じ投与スケジュールおよび投与経路に従った。
【0825】
図11Aに示すように、イリノテカン、BMK-1、CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体、またはその親の二価抗CD47抗体VIR47.V8による単剤処置は、部分的な腫瘍増殖阻害をもたらすだけであった。イリノテカン処置をBMK-1または抗CD47二価抗体VIR47.V8と組み合わせることは、単剤処置よりも抗腫瘍活性をわずかに改善しただけであった。対照的に、イリノテカンとCD47xEpCAM_v5二重特異性抗体との組み合わせは、再度、最大の抗腫瘍効果をもたらした。
図11Bは、イリノテカンとCD47xEPCAM_v6との組み合わせが、CD47xEPCAM_v5との組み合わせと同様の抗腫瘍有効性をもたらしたことを示す。まとめると、これらの結果は、イリノテカンおよびCD47xEpCAM二重特異性抗体を組み合わせることの相乗効果は、ベンチマーク(BMK-1)または親CD47(VIR47.V8)二価抗体と組み合わせることによって再現することができなかったことを実証する。イリノテカンの組み合わせは、CD47xEpCAM_v5またはCD47xEpCAM_6などのCD47xEpCAM二重特異性抗体を必要とする。
【0826】
実施例15:Hep3B2.1-7肝細胞癌異種移植片モデルにおける、CD47xEpCAM二重特異性抗体とイリノテカンとの組み合わせ
Hep3B2.1-7腫瘍細胞を、10%FBSを補充したEMEM培地中で37℃、空気中5%CO2を含有する雰囲気下で培養した。6~8週齢の雌Balb/cヌードマウス(Shanghai Lingchang Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.)に、腫瘍を発生させるために、0.1mLのPBS中の8×106細胞を皮下接種した。平均腫瘍体積が約150~200mm3に達すると、動物を1群あたり6匹に無作為化し、処置を開始した。イリノテカンを、週2回、15mg/kgの用量で、腹腔内注射により合計4回投与した。CD47xEpCAM_v5二重特異性抗体を、毎週20mg/kgでボーラス尾静脈注射により合計4回投与した。併用群は、それらの対応する単独療法群と同じ投与スケジュールおよび投与経路に従った。腫瘍体積を週2回測定した。
【0827】
図12に示すように、イリノテカンまたはCD47xEpCAM_v5二重特異性抗体のいずれかによる単剤処置は、腫瘍増殖を遅らせたが、阻害しなかった。興味深いことに、イリノテカンおよびCD47xEpCAM_v5処置の組み合わせは、有効な腫瘍退縮をもたらした。
【0828】
実施例16:ELISAによって測定された抗原に結合する抗体
ELISAアッセイを実施例3に記載されるように行った。ヒトEpCAMおよびヒトCD47でのCD47xEpCAM_v9、v10、およびv11の結合を試験した。
【0829】
図13A~
図13Bは、それぞれヒトEpCAMおよびヒトCD47での抗CD47xEpCAM二重特異性抗体CD47xEpCAM_v9、v10、およびv11のELISA結合結果を示した。
【0830】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者には明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、多くの変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、いかなるそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、この特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにその均等物がそれによって包含されることが意図されている。
【配列表】
【国際調査報告】