(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】貯液器および空調システム
(51)【国際特許分類】
F25B 43/00 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
F25B43/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525216
(86)(22)【出願日】2022-11-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2022133043
(87)【国際公開番号】W WO2023093653
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202122959311.9
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】王 芳
(72)【発明者】
【氏名】金 海竜
(72)【発明者】
【氏名】宇 汝巣
(57)【要約】
貯液器(100)および空調システム(300)であって、該貯液器(100)は、筒口(11)が開設された筒体(10)と複数本の排気管(30)とを含み、貯液器(100)は、固定座(20)をさらに含み、固定座(20)は、少なくとも部分的に筒口(11)内に挿嵌されて筒口(11)の内壁に固定接続されており、固定座(20)には複数の貫通孔(21)が開設されており、複数本の排気管(30)はそれぞれ貫通孔(21)を1つ備え、排気管(30)は、一端が対応する貫通孔(21)から筒体(10)内に延びて筒体(10)内部に連通し、排気管(30)の外壁と貫通孔(21)の内壁とが固定接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒口が開設されている筒体と複数本の排気管とを含む貯液器であって、
前記貯液器は固定座をさらに含み、前記固定座は、少なくとも部分的に前記筒口内に挿嵌されて前記筒口の内壁に固定接続されて、前記固定座には、複数の貫通孔が開設されており、複数本の前記排気管中の各排気管はそれぞれ前記貫通孔を1つずつ備え、前記排気管は、一端が対応する前記貫通孔から前記筒体内に延びて前記筒体内部に連通し、前記排気管の外壁と前記貫通孔の内壁とが固定接続されている、ことを特徴とする貯液器。
【請求項2】
前記固定座が前記筒口の内壁に溶接接続されている、請求項1に記載の貯液器。
【請求項3】
前記固定座と前記筒体とは、抵抗溶接、ガスシールドアーク溶接およびろう付けのいずれか1つまたは複数の溶接方法により溶接接続される、請求項2に記載の貯液器。
【請求項4】
前記排気管は、鋼管セグメントと銅管セグメントとを含み、前記鋼管セグメントは前記筒体内に位置し、前記鋼管セグメントは前記銅管セグメントに部分的に嵌合され、前記鋼管セグメントから離れた前記銅管セグメントの端部は前記筒体の外側に延びている、請求項1に記載の貯液器。
【請求項5】
前記鋼管セグメントは拡径部を含み、前記拡径部の内径は前記銅管セグメントの外径よりも大きく、前記拡径部は前記銅管セグメントの外側に外嵌されている、請求項4に記載の貯液器。
【請求項6】
前記鋼管セグメントと前記銅管セグメントとの嵌合部は前記固定座内に位置する、請求項4に記載の貯液器。
【請求項7】
前記鋼管セグメントは、圧入プロセスにより前記貫通孔内に挿嵌され、かつ、前記鋼管セグメントと前記貫通孔とがしまりばめされている、請求項4に記載の貯液器。
【請求項8】
前記銅管セグメントの外壁と前記鋼管セグメントの内壁とがすきまばめされている、請求項4に記載の貯液器。
【請求項9】
前記鋼管セグメントと前記固定座とは、多点一括炉内ろう接プロセスによって溶接され、および/または、前記銅管セグメントと前記固定座とは、火炎ろう付けプロセスにより溶接されている、請求項4に記載の貯液器。
【請求項10】
前記固定座には、係止部が設けられ、前記係止部は前記筒体の外側に位置し、前記筒体との係止協働に用いられている、請求項1に記載の貯液器。
【請求項11】
前記筒体内に延びる前記固定座の端部の外径は、前記筒口の内径よりも小さく、かつ、前記筒体内に延びる前記固定座の端部の外壁と前記筒体の内壁との間に間隙が設けられている、請求項1に記載の貯液器。
【請求項12】
前記貯液器は吸気管とフィルタアセンブリとをさらに含み、前記吸気管は一端が前記筒体内に延び、かつ、前記排気管に対向して配置されており、前記フィルタアセンブリは、前記筒体の内部に配置され、かつ前記吸気管と前記排気管との間に位置する、請求項1に記載の貯液器。
【請求項13】
圧縮機と請求項1から12のいずれか一項に記載の貯液器とを含み、前記圧縮機が前記貯液器と接続される、ことを特徴とする、空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年11月25日に中国専利局に出願した、出願番号が202122959311.9、発明の名称が「貯液器」の中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本願は冷却設備の技術分野に関し、特に貯液器および空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、スピニング加工により成形される双管貯液器では、貯液器は、排気管を組み付けるための蓋部材がプレスプロセスにより形成され、蓋部材の中央部には排気管を溶接するための口部が2つ設けられる。しかし、組付時には、排気管の組付けが困難となり、排気管の組付けが不安定になる問題が生じやすく、かつ、使用中の貯液器の耐震性が悪く、シール性の保障が難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の様々な実施例により、貯液器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、筒口が開設された筒体と複数本の排気管とを含む貯液器を提供し、前記貯液器は、固定座をさらに含み、前記固定座は、少なくとも部分的に前記筒口内に挿嵌されて前記筒口の内壁に固定接続され、前記固定座には、複数の貫通孔が開設されており、複数本の前記排気管中の各排気管はそれぞれ前記貫通孔を1つ備え、前記排気管は、一端が対応する前記貫通孔から前記筒体内に延びて前記筒体内部に連通し、前記排気管の外壁と前記貫通孔の内壁とが固定接続されている。
【0006】
1つの実施例において、前記固定座が前記筒口の内壁に溶接接続されている。
【0007】
1つの実施例において、前記固定座と前記筒体とは、抵抗溶接、ガスシールドアーク溶接およびろう付けのいずれか1つまたは複数の溶接方法により溶接接続される。
【0008】
1つの実施例において、前記排気管は、鋼管セグメントと銅管セグメントとを含み、前記鋼管セグメントは前記筒体内に位置し、前記鋼管セグメントは前記銅管セグメントに部分的に嵌合され、前記鋼管セグメントから離れた前記銅管セグメントの端部は前記筒体の外側に延びている。
【0009】
1つの実施例において、前記鋼管セグメントは拡径部を含み、前記拡径部の内径は前記銅管セグメントの外径よりも大きく、前記拡径部は前記銅管セグメントの外側に外嵌されている。
【0010】
1つの実施例において、前記鋼管セグメントと前記銅管セグメントとの嵌合部は前記固定座内に位置する。
【0011】
1つの実施例において、前記鋼管セグメントは、圧入プロセスにより前記貫通孔内に挿嵌され、かつ、前記鋼管セグメントと前記貫通孔とがしまりばめされている。
【0012】
1つの実施例において、前記銅管セグメントの外壁と前記鋼管セグメントの内壁とがすきまばめされている。
【0013】
1つの実施例において、前記鋼管セグメントと前記固定座とは、多点一括炉内ろう接プロセスによって溶接され、および/または、前記銅管セグメントと前記固定座とは、火炎ろう付けプロセスにより溶接されている。
【0014】
1つの実施例において、前記固定座には、係止部が設けられ、前記係止部は前記筒体の外側に位置し、前記筒体との係止協働に用いられている。
【0015】
1つの実施例において、前記筒体内に延びる前記固定座の端部の外径は、前記筒口の内径よりも小さく、かつ、前記筒体内に延びる前記固定座の端部の外壁と前記筒体の内壁との間に間隙が設けられている。
【0016】
1つの実施例において、前記貯液器は吸気管とフィルタアセンブリとをさらに含み、前記吸気管は一端が前記筒体内に延び、かつ、前記排気管に対向して配置されており、前記フィルタアセンブリは、前記筒体の内部に配置され、かつ前記吸気管と前記排気管との間に位置する。
【0017】
本願は、圧縮機と前記貯液器とを含み、前記圧縮機が前記貯液器と接続される空調システムを提供する。
【0018】
本願の1つまたは複数の実施例の詳細は、以下の添付図面および説明において示される。本願の他の特徴、目的、および利点は、明細書、添付図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0019】
本明細書で開示される発明のこれらの実施例および/または例をより良く記載し、説明するために、添付図面の1つまたは複数が参照され得る。添付図面を説明するために使用される追加の詳細または例は、開示される発明、現在記載されている実施例および/または例ならびに現在理解されているこれらの発明の最良態様のいずれかの範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】1つまたは複数の実施例による貯液器の構成模式図である。
【
図4】1つまたは複数の実施例による空調システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願の実施形態における技術的解決手段を本出願の実施形態における添付図面と併せて明確かつ完全に説明するが、説明される実施形態は本願の実施形態の一部に過ぎず、実施形態の全てではないことは明らかである。本願の実施形態に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた他の全ての実施形態はいずれも本願の保護範囲に属する。
【0022】
なお、アセンブリが他のアセンブリに「装設される」とされる場合、他のアセンブリに直接装設されてもよく、または介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「配置される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接配置されてもよく、または介在するアセンブリが同時に存在する可能性もある。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、または介在するアセンブリが同時に存在する可能性もある。
【0023】
特に定義しない限り、本願に使用される技術用語および科学用語の全ては、当業者が通常理解している意味と同じである。本願の明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、本願を限定することを意図するものではない。本願に使用される「または/および」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0024】
冷却空調の分野では、貯液器は、圧縮機の補助エレメントであり、液相冷媒の貯蔵に用いられ、圧縮機が非定常状態で作動した時に、圧縮機内への液相冷媒の流入による液撃を回避し、圧縮機ポンプへの損傷を効果的に防止する。
【0025】
本願は貯液器100を提供し、
図1~
図3を参照すると、該貯液器100は筒口11が開設された筒体10と、複数本の排気管30とを含む。貯液器100は固定座20をさらに含み、固定座20は、少なくとも部分的に筒口11内に挿嵌されて筒口11の内壁に固定接続され、固定座20には、複数の貫通孔21が開設されており、複数本の排気管30中の各排気管30はそれぞれ貫通孔21を1つ備える。排気管30は、一端が対応する貫通孔21から筒体10内に延びて筒体10内部に連通し、排気管30の外壁と貫通孔21の内壁とが固定接続されている。
【0026】
本願では、固定座20に貫通孔21が開設され、排気管30が貫通孔21を通って筒体10内に延びることで、貫通孔21の孔壁が複数本の排気管30を位置規制し、排気管30と筒体10との安定した接続を確保し、これにより排気管30のずれ、ブレ、または筒体10の内壁への衝突等を回避する。また、固定座20は筒口11を密閉することもでき、筒体10内部の液体の漏れを回避し、貯液器100のシール性を向上させることができる。
【0027】
1つの実施例において、筒体10をスピニング加工することにより筒口11が形成され、固定座20が筒口11の内壁に溶接接続され、溶接により側壁の筒口11の内壁への固定座20の密封接続が確保される。固定座20は一定の厚さを有するため、固定座20と筒口11との間の溶接強度が保障されることにより、貯液器100のシール性が向上し、冷媒の漏れを防ぐことができる。もちろん、他の実施例においては、固定座20と筒体10との固定接続は上記の方法に限定されるものではなく、例えば、固定座20と筒体10とを接着して接続してもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、固定座20と筒体10とは、抵抗溶接、ガスシールドアーク溶接およびろう付けのいずれか1つまたは複数の溶接方法により溶接接続される。抵抗溶接は、熱量が集中し、加熱時間が短いため、溶接効率が比較的高く、ろう付けは、固定座20と筒口11の内壁との間隙に液相の半田を十分に充填することができ、固定座20と筒体10の間の良好な密封を確保することができ、ガスシールドアーク溶接は、適用範囲が広く、あらゆる金属を溶接することができ、かつ、ガスシールドアーク溶接はスラグがなく、溶融池の視認性が良好であるため、作業が容易である。上記3種類の溶接方法は、いずれも溶接変形が小さいという特徴を有しており、固定座20および筒体10の溶接変形を効果的に防止する。もちろん、他の実施例においては、他の溶接手段を採用してもよく、ここでは限定しない。
【0029】
図1と
図2を参照すると、固定座20には係止部22が設けられ、係止部22は筒体10の外側に位置し、筒体10との係止協働に用いられ、これにより、筒体10の内部の構成物の脱落を回避でき、貯液器100の作動安定性を高め、また、固定座20が筒体10内に陥ることも防止でき、さらに、係止部22が筒体10と協働して溶接液が筒体10内部に浸入することも防止でき、ひいては溶接液が筒体10内部のコンポーネントに影響を及ぼすことを回避することができる。
【0030】
ここで、係止部22は筒体10の外側に位置し、すなわち、係止部22は筒口11の縁から突出するため、貯液器100の取付過程中に筒口11に衝突するのを回避でき、筒口11を良好に保護する役割がある。
【0031】
図2を参照すると、筒体10内に延びる固定座20の端部の外径は、筒口11の内径よりも小さく、かつ、筒体10内に延びる固定座20の端部の外壁と筒体10の内壁との間に間隙が設けられているため、固定座20を筒体10内に挿入させて取り付けることに有利であり、取付効率を向上させる。筒体10内に延びる固定座20の端部の外径は比較的小さく、異なる型番の筒口11に対応した異なる大きさの内径に適応することができ、適用範囲が広い。
【0032】
いくつかの実施例において、筒体10内に延びる固定座20の端部と係止部22との間の固定座20の部分は、取付斜面23が形成されるように徐々に大きくなる。すなわち、固定座20の外径は、固定座20が筒口11から離れる方向に沿って、徐々に大きくなる。組付時に、固定座20は、取付斜面23が筒口11に密着するまで筒口11に圧入され、貯液器100のシール性を向上させ、冷媒の漏れを防止する。同時に、取付斜面23により固定座20の位置決めが可能となり、固定座20が筒体10内に過度的に圧入されるのを防止する。
【0033】
図2を参照すると、排気管30は、鋼管セグメント31と銅管セグメント32とを含み、鋼管セグメント31は筒体10内に位置し、鋼管セグメント31は銅管セグメント32に部分的に嵌合され、鋼管セグメント31から離れた銅管セグメント32の端部は筒体10の外側に延びている。銅材の価格が比較的高いため、生産コストを低減するために、鋼管セグメント31を用いて貯液器100のコストダウンを図っている。冷却の技術分野では、空調管路は一般的に銅管であるため、このように設置することで、銅管セグメント32によって空調管路と溶接することとなり、同じ材料であるので、溶接難度がより低くなり、組付効率が高められる。引き続き
図2を参照すると、鋼管セグメント31は拡径部311を含み、拡径部311の内径は銅管セグメントの外径よりも大きく、拡径部311は銅管セグメント32の外側に外嵌されている。拡径部311を設けることにより、組付時に、銅管セグメント32の一端が拡径部311内に延びて鋼管セグメント31と接続され、銅管セグメント32の組付難度が低減される。また、銅管セグメント32の一端が拡径部311の斜面312に当接することで、銅管セグメント32の位置決めがなされ、銅管セグメント32が過度に鋼管セグメント31内に延びるのを防止し、さらに、銅管セグメント32が斜面312に密着し、銅管セグメント32と鋼管セグメント31との接続部のシール性を高めて、冷媒の漏れを防止することができるとともに、外部溶液が鋼管セグメント31の拡径部311を介して排気管30内に浸入するのを防止することができる。
【0034】
いくつかの実施例において、
図2を参照すると、鋼管セグメント31と銅管セグメント32との嵌合部は固定座20内に位置する。このようにして、鋼管セグメント31および銅管セグメント32に対する固定座20の固定および位置規制作用を利用して、鋼管セグメント31と銅管セグメント32との間の接続の安定性を高める。もちろん、他の実施例においては、鋼管セグメント31と銅管セグメント32との嵌合部は筒体10の外側または筒体10の内側に位置してもよい。
【0035】
1つの実施例において、鋼管セグメント31は、圧入プロセスにより固定座20の貫通孔21内に挿嵌され、かつ、鋼管セグメント31と貫通孔21とがしまりばめされている。組付時に、まず鋼管セグメント31が固定座20内に圧入され、鋼管セグメント31と固定座20との接続が実現され、かつ、両者がしまりばめされて、鋼管セグメント31の緩みを防止し、後の銅管セグメント32の組付および接続を容易にする。もちろん、他の実施例においては、鋼管セグメント31を溶接によって固定座20に直接接続することもできる。
【0036】
図2を参照すると、銅管セグメント32の外壁と鋼管セグメント31の内壁とがすきまばめされている。具体的には、銅管セグメント32の外壁と鋼管セグメント31の拡径部311の内壁とがすきまばめされていることで、溶接時に銅管セグメント32と鋼管セグメント31の間まで半田が十分に流れることを確保し、銅管セグメント32と鋼管セグメント31との強固な溶接を確保し、冷媒の漏れを防止している。
【0037】
任意選択により、1つの実施例において、鋼管セグメント31と固定座20とは、多点一括炉内ろう接プロセスによって溶接され、すなわち、溶接は、他の溶接すべき位置とともに実現され、これにより溶接工程を減らすことができる。また、銅管セグメント32と固定座20とは、火炎ろう付けプロセスにより溶接してもよい。もちろん、他の実施例においては、鋼管セグメント31、銅管セグメント32と固定座20の間の溶接方法は限定されない。
【0038】
図1および
図3を参照すると、貯液器100は吸気管40とフィルタアセンブリ50とをさらに含み、吸気管40は一端が筒体10内に延び、かつ、排気管30に対向して配置されている。フィルタアセンブリ50は、筒体10の内部に配置され、かつ、吸気管40と排気管30との間に位置し、液相冷媒および不純物が吸気管40に直接進入し、貯液器100の性能に影響を及ぼすのを防止するために用いられている。
【0039】
ここで、フィルタアセンブリ50は筒体10の内部に溶接接続されている。
【0040】
図4を参照すると、本願は、圧縮機200と、上記いずれか1つの実施例に記載の前記貯液器100とを含み、前記圧縮機200が前記貯液器100と接続され、気液混合流体が貯液器100内において気液分離され、分離されたガスが圧縮機200内に入って圧縮される空調システム300をさらに提供する。貯液器100を適用することによって、液相冷媒が圧縮機200内に流入して液撃を起こし、圧縮機200のポンプが損傷するのを効果的に回避でき、圧縮機200の安定した作動を保障することができる。
【0041】
なお、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本願の保護範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0042】
以上の実施形態の各技術的特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために上記の実施形態における各技術的特徴の可能な組み合わせの全てについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書の記載範囲内であるとみなすべきである。
【0043】
当業者であれば、以上の実施形態は本願を説明するために使用されているに過ぎず、本願を限定するためのものとして使用されることを意図していないことと、本願の実質的な精神範囲内である限り、以上の実施形態の適切な変更および変形は、いずれも本願の保護を請求する範囲に属することを認識すべきである。
【符号の説明】
【0044】
100 貯液器
10 筒体
11 筒口
20 固定座
21 貫通孔
22 係止部
23 取付斜面
30 排気管
31 鋼管セグメント
311 拡径部
312 斜面
32 銅管セグメント
40 吸気管
50 フィルタアセンブリ
200 圧縮機
300 空調システム
【国際調査報告】