(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】RFIDアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/44 20060101AFI20241106BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241106BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20241106BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20241106BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01Q1/44
G06K7/10 224
G06K19/077 292
H01Q7/00
H01Q21/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525264
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2021059849
(87)【国際公開番号】W WO2023073397
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ポン、タイ ワイ
(72)【発明者】
【氏名】ナゲンドラ、ガネーシュ
(72)【発明者】
【氏名】マードック、グラハム
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA03
5J021AA05
5J021AA12
5J021AB04
5J021CA04
5J021CA06
5J021FA13
5J021FA32
5J021JA08
5J046AA12
5J046AA19
5J046AB11
5J046SA00
(57)【要約】
【解決手段】導電性容器部品を有する容器用RFIDアンテナについて開示する。RFIDアンテナは、導電性容器部品の少なくとも一部を構成する表面を有するアンテナ本体を備える。アンテナ本体は、1つまたは複数のRFIDタグ付き物品を受信するためのアンテナ体積を定義する形状であり、アンテナ本体は、シングルターン・ソレノイドを形成する。RFIDアンテナは、少なくとも1つの電流供給点と少なくとも1つの電流戻り点をさらに備える。電流供給点および電流戻り点は、アンテナ本体を通って流れる電流がRFIDタグを読み取るための磁界をアンテナ体積内に発生させるように、アンテナ本体に電気的に接続される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性容器部品を有する容器のためのRFIDアンテナであって、
前記導電性容器部品の少なくとも一部を構成する表面を有するアンテナ本体を備えたことを特徴とするRFIDアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナ本体は、1つ以上のRFIDタグ付き物品を受信するためのアンテナ体積を定義する形状であることを特徴とする請求項1に記載のRFIDアンテナ。
【請求項3】
前記アンテナ本体は、中空プリズムを形成する形状であることを特徴とする請求項2に記載のRFIDアンテナ。
【請求項4】
前記中空プリズムは、中空立方体プリズム、中空円柱プリズム、中空多面体プリズムのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のRFIDアンテナ。
【請求項5】
前記アンテナ本体は、単回転ソレノイドを形成していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項6】
前記アンテナ本体は、容器内でシールドされていないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項7】
少なくとも1つの電流供給点と、少なくとも1つの電流戻り点と、をさらに備え、
前記電流供給点および前記電流戻り点は、前記アンテナ本体に電気的に接続され、
前記アンテナ本体を流れる電流が、RFIDタグを読み取るための磁界をアンテナ体積内に発生させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項8】
前記アンテナ本体は、電気断線を含み、
前記少なくとも1つの電流供給点が、前記電気断線の第1の側で前記アンテナ本体に電流を供給し、
前記少なくとも1つの電流戻り点が、前記電気断線の反対の第2の側で電流戻り経路を与えることを特徴とする請求項7に記載のRFIDアンテナ。
【請求項9】
前記電気断線は、前記アンテナ本体の誘電ギャップを構成することを特徴とする請求項8に記載のRFIDアンテナ。
【請求項10】
前記アンテナ本体は、第1のエッジと、第2のエッジと、を有し、
前記第1のエッジは、前記電気断線がオーバーラップ領域に形成されるように、第2のエッジにオーバーラップしていることを特徴とする請求項8または9に記載のRFIDアンテナ。
【請求項11】
前記アンテナ本体は、導電性容器コンパートメント仕切り部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項12】
前記導電性容器コンパートメント仕切り部材は、隣接する2つのRFIDアンテナを仕切る仕切り板を備えることを特徴とする請求項11に記載のRFIDアンテナ。
【請求項13】
前記仕切り板は、誘電体素子を介して前記導電性容器部品に固着され、前記RFIDアンテナの容量性部材を形成することを特徴とする請求項12に記載のRFIDアンテナ。
【請求項14】
隣接する2つのRFIDアンテナの各々は磁界を発生し、
それぞれの磁界は反対方向を向き、
2つの磁界の和は容器から10mの距離で+42dBμA/m未満であることを特徴とする請求項12または13に記載のRFIDアンテナ。
【請求項15】
RFIDアンテナシステムであって、
請求項1から14のいずれかに記載の複数のRFIDアンテナと、
隣接する2つのRFIDアンテナを一度に連続して作動させるように構成されたアンテナコントローラと、
を備えたことを特徴とするRFIDアンテナシステム。
【請求項16】
少なくとも3つの隣接する表面を有し各表面が異なる平面上にある物品に貼付される、三分割のRFIDラベルであって、
互いに相対的に構成された3つの隣接する領域を有する可撓性アンテナ基板と、
前記3つの隣接する領域のそれぞれに配置されたRFIDアンテナであって、各RFIDアンテナがRFIDチップに接続されている、RFIDアンテナと、
を備え、
前記3つの隣接する領域の各々は、前記3つの隣接する表面の頂点の周りに貼付されたとき、前記3つの隣接する表面の1つに関連付けられ、
前記RFIDアンテナの各々は、活性化されると、前記RFIDラベルが物品に貼付される使用時に、各アンテナの磁界がそれぞれの物品表面に対して垂直になるように、それぞれの基板領域に対して垂直な磁界を有することを特徴とするRFIDラベル。
【請求項17】
前記RFIDアンテナの各々は、それ自身のRFIDチップを有することを特徴とする請求項16に記載のRFIDラベル。
【請求項18】
前記RFIDアンテナの各々は、1つの共有RFIDチップに接続されていることを特徴とする請求項16に記載のRFIDラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、RFIDリーダ、アンテナおよびアンテナシステムに関し、より詳細には、金属壁のような導電性容器部品を有する容器用のRFIDアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
ワクチン用の冷蔵庫や冷凍庫は、特に第三世界や発展途上国では、断続的で信頼性の低い電力に依存していることがある。そのため、こうした冷蔵庫や冷凍庫は、効率的で、内容物にアクセスする際の温度変化を最小限に抑える必要がある。
【0003】
あるタイプのワクチン冷蔵庫100は、
図1に示すような「チェスト」タイプの設計にもとづく。ワクチン冷蔵庫100へは、冷蔵庫内の様々なコンパートメント106内の冷蔵庫の貯蔵内容物にアクセスするための上部開口蓋104を備えた上部102からアクセスされる。このような設計により、断熱性が高く、蓋104を開けたときの冷気の損失を最小限に抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワクチンのRFID(Radio-Frequency Identification)を追跡するには、冷蔵庫内のRFIDタグの読み取りが必要である。一般的に、冷蔵庫100の壁108の内張りは、ワクチンから熱を効率的に伝導するために金属製である。その結果、金属製の壁108が電波を遮蔽したり、打ち消したり、反射したりするため、どのようなタイプのRFIDシステムを設置するにも問題がある。冷蔵庫にRFIDアンテナ棚を取り付ける(例えば、アンテナシステムを組み込んだ棚を挿入する)ことは、比較的高価であり、利用可能な保管容積を減少させ、電力需要の高い複雑な電子機器を必要とする。
【0005】
チェストタイプの冷蔵庫や冷凍庫で使用することができ、冷蔵庫や冷凍庫内の物品のRFIDタグを読み取ることができる、シンプルで低コストかつ信頼性の高いRFIDアンテナシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品等に関するいかなる議論も、これらの事項のいずれかまたはすべてが、本出願の各請求項の優先日以前に存在した先行技術基盤の一部を形成し、または本開示に関連する分野における一般的な一般知識であったことを認めるものとして解釈されるものではない。
【0007】
一態様では、導電性容器部品を有する容器のためのRFIDアンテナであって、導電性容器部品の少なくとも一部を構成する表面を有するアンテナ本体を備えたRFIDアンテナが提供される。
【0008】
アンテナ本体は、1つ以上のRFIDタグ付き物品を受信するためのアンテナ体積を定義する形状であってもよい。アンテナ本体は、中空プリズムを形成する形状であってもよい。中空プリズムは、中空プリズムは、中空立方体プリズム、中空円柱プリズム、中空多面体プリズムのいずれかであってもよい。
【0009】
アンテナ本体は、単回転ソレノイドを形成していてもよい。アンテナ本体は、容器内でシールドされていなくてもよい。
【0010】
RFIDアンテナは、少なくとも1つの電流供給点と、少なくとも1つの電流戻り点と、をさらに備えてもよい。このとき、電流供給点および電流戻り点は、アンテナ本体に電気的に接続されている。アンテナ本体を流れる電流が、RFIDタグを読み取るための磁界をアンテナ体積内に発生させる。
【0011】
アンテナ本体は、電気断線を含んでもよい。このとき、少なくとも1つの電流供給点が、電気断線の第1の側でアンテナ本体に電流を供給し、少なくとも1つの電流戻り点が、電気断線の反対の第2の側で電流戻り経路を与える。電気断線は、アンテナ本体の誘電体ギャップを構成してもよい。アンテナ本体は、第1のエッジと第2のエッジとを有してもよい。このとき、第1のエッジは、電気断線がオーバーラップ領域に形成されるように、第2のエッジにオーバーラップしている。
【0012】
アンテナ本体は、導電性容器コンパートメント仕切り部材をさらに備えていてもよい。導電性容器コンパートメント仕切り部材は、隣接する2つのRFIDアンテナを仕切る仕切り板を備えてもよい。仕切り板は、誘電体素子を介して導電性容器部品に固着され、RFIDアンテナの容量性部材を形成してもよい。
【0013】
隣接する2つのRFIDアンテナの各々は磁界を発生し、それぞれの磁界は反対方向を向き、2つの磁界の和は容器から10mの距離で+42dBμA/m未満であってもよい。
【0014】
別の態様では、上述のような複数のRFIDアンテナと、隣接する2つのRFIDアンテナを一度に連続して作動させるように構成されたアンテナコントローラと、を備えたRFIDアンテナシステムが提供される。
【0015】
別の態様では、少なくとも3つの隣接する表面を有し各表面が異なる平面上にある物品に貼付される、三分割のRFIDラベルが提供される。このRFIDラベルは、互いに相対的に構成された3つの隣接する領域を有する可撓性アンテナ基板と、3つの隣接する領域のそれぞれに配置されたRFIDアンテナであって、各RFIDアンテナがRFIDチップに接続されている、RFIDアンテナと、を備える。3つの隣接する領域の各々は、3つの隣接する表面の頂点の周りに貼付されたとき、3つの隣接する表面の1つに関連付けられる。RFIDアンテナの各々は、活性化されると、RFIDラベルが物品に貼付される使用時に、各アンテナの磁界がそれぞれの物品表面に対して垂直になるように、それぞれの基板領域に対して垂直な磁界を有する。
【0016】
RFIDアンテナの各々は、それ自身のRFIDチップを有してもよい。RFIDアンテナの各々は、1つの共有RFIDチップに接続されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
次に、本開示の実施の形態について、添付図面を参照して例示的に説明する。
【0018】
【
図1】胸部型ワクチン冷蔵庫の一例を示す図である。
【0019】
【
図2A】容器と共に使用するように構成されたRFIDアンテナを有する容器の実施の形態を示す図である。
【0020】
【0021】
【
図3】RFIDアンテナの円筒形実施の形態の概略図である。
【0022】
【
図4A】RFIDアンテナの立方体実施の形態の概略図である。
【0023】
【0024】
【
図4C】RFIDアンテナの別の立方体実施の形態の概略図である。
【0025】
【
図5A】ワクチン冷蔵庫の金属製冷蔵庫ライナーの透視図である。
【0026】
【
図5B】
図5Aの金属製冷蔵庫ライナーからなるRFIDアンテナシステムの第1の実施の形態の概略図である。
【0027】
【
図6A】
図5BのRFIDアンテナシステムの一実施の形態の透視図である。
【0028】
【
図6B】
図5BのRFIDアンテナシステムの別の実施の形態の透視図である。
【0029】
【
図7】複数のRFIDアンテナを有するRFIDアンテナシステムの概略図である。
【0030】
【
図8A】
図5Aの金属製冷蔵庫ライナーを含むRFIDアンテナシステムの第2の実施の形態の概略図である。
【0031】
【
図8B】
図8AのRFIDアンテナ実施の形態の電気回路モデルである。
【0032】
【
図8C】
図8AのRFIDアンテナの実施の形態の簡略化された電気回路モデルである。
【0033】
【
図8D】
図8Aに示される実施の形態による例示的なRFIDアンテナシステムの透視図である。
【0034】
【
図9A】複数の給電点の実施の形態の電気回路モデルを示す図である。
【0035】
【
図9B】
図9Aの実施の形態に係る給電点平衡変圧器の回路モデルである。
【0036】
【
図10】複数の給電点を有する RFIDアンテナの実施の形態を示す図である。
【0037】
【
図11】RFIDアンテナと共に使用するRFIDリーダの概略図である。
【0038】
【
図12A】本明細書で説明するRFIDアンテナと共に使用するための三次元RFIDタグの平面図を示す図である。
【0039】
【
図12B】図 12A の三次元RFIDタグを物品の隅に適用する様子を示す図である。
【0040】
【
図12C】先行技術のRFIDタグを示す図である。
【0041】
図面において、同様の参照数字は同様の部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
アンテナシステム
【0043】
図2Aは、容器202(この例では、例えばワクチンを保管するために使用されるような冷蔵庫または冷凍庫)を示す。容器202は、導電性容器部品204を有する。
図2Bは、容器202用のRFIDアンテナ200を示す。RFIDアンテナ200は、導電性容器部品204の少なくとも一部を構成する連続導電面208を有するアンテナ本体206から構成されている。
【0044】
冷蔵庫の例では、導電性容器部品204は冷蔵庫コンパートメント212の金属ライナー210である。金属ライナー210は、コンパートメント212の側壁に並んでおり、この例では、4つの金属壁を有し、床も天井もない角筒の形状をしている。この例では、アンテナ本体206は、容器202内で遮蔽されていない。別の実施の形態では、容器は、金属製の側壁および/または金属製の棚を有するキャビネットである。キャビネットの金属製の壁および/または棚は、本明細書で説明するRFIDアンテナシステムに組み込まれる導電性容器部品である。
【0045】
アンテナ本体206は、1つまたは複数のRFIDタグ付き物品、例えば、容器202に入れられるワクチンバイアルまたはワクチンバイアルを保持する箱を受け取るためのアンテナ容積214を定義する形状である。
【0046】
アンテナ本体206は、例えば
図2Aおよび
図2Bに示すような中空立方体プリズム220のような中空プリズムを形成する形状である。中空プリズムは、内部容積が物品を保持するために使用される任意の中空断面形状を有することができる。中空プリズムは、表面積を有する1つまたは複数の壁を有する。従って中空プリズムは、例えば、図面の
図3に示されるような中空円柱プリズム320または中空多面体プリズムであってもよい。
【0047】
図3を参照すると、アンテナ本体は、空芯を有する単回転ソレノイド322を形成している。アンテナ本体306の金属表面308上を流れる電流は、シートの2つの表面から半径方向内側および外側に伝播する電磁波を発生させる電流シートを形成する。内側に伝播する波は、アンテナ体積314の内部に定在波を設定し、一様に分布する磁界Hを形成する。
【0048】
アンテナ本体306が
図3に示される中空円柱プリズム320の形態である実施形態では、ソレノイド322のインダクタンスLは、L=μ
0A/lで与えられる。ここで、μ
0は4π10
ー7に等しい自由空間の透磁率であり、Aはπr
2で与えられるループの面積であり、lは中空円柱プリズム320の長さ(すなわち、電流の一般的な流れ方向に垂直な長手方向の寸法)である。
【0049】
図4Aを参照すると、容器内の複数のRFIDタグを監視するためのRFIDアンテナシステム470は、RFIDアンテナ400を備えている。(本明細書の他の箇所で説明するように)いくつかの実施の形態は、複数のRFIDアンテナを含むことができ、各RFIDアンテナは、容器の導電性構成要素の少なくとも一部を構成する導電性表面によって形成されたアンテナ本体406を備える。RFIDアンテナ400は、導電性表面に設けられた電気ギャップ428と、電気ギャップ428の両側に設けられた少なくとも1つの電流供給点430および少なくとも1つの電流戻り点432と、を含む。アンテナ本体406は、RFIDタグ付き物品を保持するためのアンテナ体積414を定義する1回転ソレノイドを形成する形状である。導電性表面は、
図4Aに側壁として示される3次元のうちの2次元(本体の底部または頂部には床または天井がない)に形成され配置され、内部磁界がアンテナ本体406の内側から外側へ通過して磁気リターン経路を形成できるようになっている。さらに、管端部や壁面に導電性の床や天井を設けることは、電流シートを短絡させるので避けるべきである。
【0050】
アンテナ400のアンテナ本体406を形成する中空(直方体)立方体420の場合、
図5Aに示すように、面積Aは幅Wに奥行きDを掛けたものである。矩形ソレノイド422のインダクタンスは、L=μ
0DW/lで与えられる。
【0051】
内部磁界Hは、ソレノイド422の軸に沿ってlの方向(電流の一般的な流れ方向に垂直な長手方向の寸法である)に整列され、アンペールの法則によって与えられる。H=I/l。ここでIはソレノイドシートに流れる全電流である。
【0052】
冷蔵庫の実施の形態の例では、ライナーの上部にも下部にも金属構造がないため、ワクチン用冷蔵庫のライナーのインダクタンスと磁界の計算は非常に正確である。RFIDタグを作動させるのに必要な典型的な磁界は、タグのサイズにもよるが、0.5A/mから1.0A/mの範囲である。2A/mの電界強度は、向きの悪いタグのRFID照会には十分である。
【0053】
ワクチン用冷蔵庫の2つのモデルの寸法、インダクタンス、および電界強度を表1に示す。
【表1】
表1:冷蔵庫ライナーの機械的および電気的パラメータ
【0054】
RFIDアンテナは、RFIDリーダに接続する端子を持つ導電性構造体である。RFIDリーダは、(例えばアンテナコントローラを介して)RFIDアンテナの動作を制御し、RFIDアンテナからRFIDタグに関する情報を受信する。RFIDリーダは、RFIDアンテナに信号ソースを供給し、RFIDタグを照会するためにRFIDアンテナを作動させる。
【0055】
図4Aを再び参照すると、小型冷蔵庫の例は、断面が実質的に正方形の金属製ライナー410を備えている。RFIDアンテナ400の端子は、電流供給点430および電流戻り点432である。電流供給点430および電流戻り点432は、アンテナ本体406に電気的に接続されており、アンテナ本体406を流れる電流がRFIDタグを読み取るための磁界Hをアンテナ体積414内に発生させる。
【0056】
アンテナ本体406は、電気断線434を有する。これにより、電流供給点430が電気断線434の第1の側面436でアンテナ本体406に電流を供給し、電流戻り点432が電気断線434の反対の第2の側面438で電流戻り経路を供給する。電気断線は、アンテナ本体内の長手方向のギャップ428によって形成され、電流がアンテナ400に印加され得るように、空気または別の誘電体が両側面436、438を分離している。ギャップ428は、ギャップを横切って印加される信号ソースを短絡させる電気的接続がなければ、小さくてもよい(例えば1mm以下)。ギャップは大きくてもよいが(例えば5~20mm)、ギャップが大きすぎると(例えば、電気断線434の第1の側面436と反対の第2の側面438との間の離隔が20mmを超えると)、磁界Hがギャップを介して漏れ出すため、アンテナ体積414内部の磁界が損なわれる可能性がある。
【0057】
図4Bは、
図4Aに示された実施の形態の平面図である。見て分かるように、電気断線434は長手方向のギャップ428の形をしている。ギャップ428が小さいほど、磁界の漏れが少なくなる。
【0058】
図4Cに断面図を示すように、2つの側面436と438とのオーバーラップがあるように長手方向ギャップ428の形状を調整することにより、電気断線434を通る漏れをなくすことができる。十分なオーバーラップがある場合、磁界はライナー表面に平行に走ることを余儀なくされ、ギャップ428を通過することができない。ギャップ幅の5倍から20倍(例えば約10倍)のオーバーラップ幅が、磁力線の適切な封じ込めをもたらす。例えば、第1の側面436が第2の側面438に10mmオーバーラップしており、第1の側面436と第2の側面438との間に1mmのギャップ450がある場合、ギャップからの磁界の漏れはほとんどないか、実質的にない。磁界の漏れを防止するオーバーラップを実施する方法は、国際特許出願WO2016/038897に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
冷蔵庫例の実施の形態では、電流シートを作成する簡単な方法は、冷蔵庫のライナー壁を適合させることであり、例えば、ライナー410を切断し、切断点(
図4Aでは一方の側壁の中央に示されているが、2つの壁の間の角、または
図3に示されているように円筒の周囲の任意の場所でもよい)で電流をライナーに注入することである。同調キャパシタンスまたはコンデンサ440を信号ソース442と直列に接続して、ライナーループのインダクタンスを調整してもよい。
【0060】
複数のコンパートメント
【0061】
より大きなコンテナでは、RFIDタグが付けられた物品が保持され、RFIDタグを読み取るためにRFIDアンテナが実装される複数の領域、領域またはコンパートメントがコンテナ内に存在することがある。
図5Aは、大型冷蔵庫に使用される長方形の金属製ライナー510を示す。大きな長方形の形状は、ライナー510の中心546を横切って注入するのに適しており、2つの逆回転電流ループ544を持つ8の字型アンテナ500が形成される。
【0062】
注入された電流Iは、ライナーの2つの半分の間で分割され、図示されるように2つの逆回転電流ループ544を形成する。同調コンデンサまたは同調キャパシタ540を信号ソース542と直列に追加して、ライナーのインダクタンスを打ち消してもよい。
【0063】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、長方形の金属ライナー610を有する大型の冷蔵庫では、ライナー610内の2つの隣接するアンテナに
図8の逆循環電流を発生させるために、中心線注入を使用している。冷蔵庫の一部を形成する内部金属ライナー610は、導電性容器コンパートメント仕切り部材を含むように適合されている。導電性容器コンパートメント仕切り部材は、例えば、アンテナ体積614を形成する2つの等しい空洞を形成するライナーキャビティを2分する金属板650のような導電性仕切り壁(「中央仕切り板」または「仕切り板」ともいう)の形態で、2つの隣接するRFIDアンテナを分離する仕切り部材を含んでもよい。無線周波数(RF)信号の電流供給点630および電流戻り点632は、金属板650の長手方向のギャップ628の両側にある。ギャップ628は、金属板650の中央に配置されてもよいし、好都合であればプレートのいずれかの端部にオフセットされてもよい。電流供給点630および電流戻り点632は、隣接するアンテナ本体の共有部分に配置され、単一の電流注入手段が隣接するRFIDアンテナによって共有されるようになっている。注入された電流は、2つの実質的に等しい部分に分割され、2つの逆回転電流ループを形成する。
【0064】
図6Bを参照すると、金属板650とライナー610との間の接続は、直接ガルバニック接続652によって行うことができる。直接ガルバニック接続は、例えば取り付けねじ、リベット、はんだなどを介した金属同士の接触を用いて行うことができる。
【0065】
導電性ライナー壁に電流を供給するために金属製の仕切り板を使用するというアイデアは、2つの半分の仕切り板にとどまらず、複数の仕切り板に拡張することができる。1つの仕切り板の代わりに、複数の仕切り板を有するマルチコンパートメント実施の形態では、多数の等しいまたは類似の大きさのコンパートメントが形成される。
【0066】
図7のRFIDアンテナシステム770を参照すると、各金属板750は、電流Iを注入するソースまたはゼロボルトに設定された電圧ソース(この例示的な実施の形態では、それはセンター駆動信号ソースである)のいずれかであり得る信号ソース742を有する。ゼロボルト信号ソース746は、電気ギャップ728の両側で金属板750の両側を短絡する短絡回路として動作する。
【0067】
ソース742は、1度に1つのソースが活性ソース754として活性化され、その2つの隣接するコンパートメント712の内容物をスキャンするように、個々に(およびいくつかの実施の形態では順次および/または連続して)切り替えられる。一連のソース742を、任意の時間に1つずつアクティブにすることによって、RFIDシステムは、マルチコンパートメントコンテナのすべてのコンパートメント712を通してスキャンする。アンテナコントローラは、1度に2つの隣接するRFIDアンテナを連続して作動させるように構成されている。
【0068】
1つのソースだけをアクティブに設定し、他のすべてのソースをゼロボルトに設定することにより、アクティブなソース754に隣接する2つのコンパートメント712は、本明細書の他の箇所に記載されている2つのコンパートメントの実施の形態のように動作する。このとき、他のすべてのコンパートメントは短絡ループとなり、正味の磁界はゼロとなる。このようにして、低コストな1次元システムで、大型の複数コンパートメント金属構造をRFID対応にすることができる。
【0069】
図7は、3つの仕切り壁と3つのソースを持つ4つのコンパートメントを持つ実施の形態を示す。代替的な4コンパートメントの実施の形態では、中央の壁はソースを持たず、(壁番号1の)第1のソースが作動したときにコンパートメント1およびコンパートメント2内のRFIDタグの読み取りを可能にし、(壁番号3の)第2のソースが作動したときにコンパートメント3およびコンパートメント4内のRFIDタグの読み取りを可能にする。
【0070】
信号ソースおよびそのインピーダンスの制御は、国際特許出願WO2010/025516(その内容は参照により本書に組み込まれる)に記載されている原理を使用して、Vs=0のときに低い短絡インピーダンスを確保するように信号ソースインピーダンスを制御することによって実現できる。
【0071】
RFIDアンテナシステム770は、容器容積を定義する1つまたは複数の側壁を有する導電性本体706と、容器容積をコンパートメント712に分割する1つまたは複数の導電性仕切り壁750とから構成される。各仕切り壁750は、両側に電流供給点730および電流戻り点732を有する電気ギャップ728を備える。電流供給点730は1つ以上の電流供給点を備え、電流戻り点732は2つ以上の電流戻り点を備える。導電性本体706は、容器の金属ライナー710の少なくとも一部を構成する。各導電性仕切り壁750は、電気ギャップ728の両側にある2つの壁部分を備える。各導電性仕切り壁750は、導電性本体706に貼り付けられている。いくつかの実施の形態では、導電性隔壁は、本明細書の他の箇所に記載されているように、静電容量性プレートと、静電容量性プレートと導電性本体との間に配置された誘電体スペーサーと、を介して導電性本体に貼り付けられている。
【0072】
RFIDアンテナシステム770は、仕切り壁ごとに信号ソースを含む。これらの信号ソースは、RFIDリーダによって提供され、1つまたは複数のRFIDリーダアンテナ信号ソースから構成され得る。
【0073】
いくつかの実施の形態では、RFIDアンテナシステム770は、導電性本体の一部と、活性化された信号ソースを共有するコンパートメントを取り囲んで形成する仕切り壁とを電流が流れるように、一度に1つの信号ソースを活性化するように構成されたアンテナコントローラを含む。他の実施の形態では、アンテナコントローラは、RFIDアンテナシステム770とは別個であり、かつ/または外部である。
【0074】
容量性接続
【0075】
ライナーと仕切り板との間の直接的なガルバニック接続は不可能な場合がある。例えば、陽極酸化などの耐食性処理によりライナー壁面が導電性でない場合や、機械的固定具の使用が許容されない場合がある。このような場合、誘電体素子を介して仕切り部材を導電性容器部材に貼り付け、RFIDアンテナの容量性部材を形成することができる。金属板仕切板とライナーとの間の容量性接続は、
図8A~8Dに示されるように使用することができる。
【0076】
図8Aに、2つのアンテナ800を有し、容量性プレート872を組み込んだアンテナシステム870の回路モデルを示す。各プレート872は幅bおよび高さl(電流の一般的な流れ方向に垂直なアンテナ本体806の長手方向の寸法である)を有する。誘電体スペーサー874が使用される。スペーサー874は、陽極酸化によって形成された絶縁層であってもよいし、プレート872とライナー810との間に特定の静電容量を与えるように選択された予め規定された厚さtのスペーサー(例えばプラスチックスペーサー)であってもよい。
【0077】
プレートの静電容量Cpは、Cp=ε0εrbl/tで与えられる。ここでε0は自由空間の誘電率、εrは相対誘電率で無極性プラスチックでは通常2.2である。誘電体スペーサー874は厚みが小さいため、比較的大きな静電容量を持ち、RF短絡回路として機能する。この場合、ライナーループのインダクタンスを調整するために、別個の直列同調キャパシタンスを使用してもよい。あるいは、スペーサーの厚みと容量性プレートのサイズを選択することで、正しいチューニング・キャパシタンスを提供することができる。
【0078】
表2は、50μmの接着剤層付き金属プレート、または1mmのプラスチックスペーサーの静電容量を示している。接着剤層の場合、静電容量は許容可能なRF短絡回路として機能するほど大きいが、1mmのスペーサーの場合、静電容量は同調静電容量の一部として機能する。
【表2】
表2:異なる誘電体厚さの金属板の静電容量
【0079】
図8Aは、中央の金属分割体850をライナー壁に結合する容量性プレート872を備えた2コンパートメントアンテナシステムの平面図である。
図8Bはこの配置の電気回路モデル876を示し、
図8Cは簡略化した電気回路モデル878を示す。キャパシタンスCはプレートキャパシタンスであり、インダクタンスLは表1に示すようにライナー850のインダクタンスである。
【0080】
電流供給点830および電流戻り点832は、信号ソース842の両側にある。
【0081】
表3は、分圧板の両端に1mmのプラスチック製スペーサーを備えた108mmの板幅が、分圧板回路に適切なチューニング・キャパシタンスを提供することを示す回路モデル・パラメーターの例である。
【表3】
表3:分圧プレート回路のパラメータ値
【0082】
図8Dは、
図8Aに示した実施の形態による例示的なRFIDアンテナシステム870の透視図である。金属製の仕切り板850は両側に長手方向のフランジ871を有し、長手方向のフランジは容量性プレート872を形成する形状である。この例示的な実施の形態では、仕切り板850は、フランジとライナー810の対向する側壁の中央領域との間に塗布されたSelleys Kwik Grip Spray Contact Adhesiveのようなスプレー接点などの接着剤層を介してライナー810に貼り付けられている。
【0083】
電磁両立性(EMC)コンプライアンス
【0084】
電磁放射には2つのタイプがある。近視野放射の場合、発生ソースと受信機との間の距離は、放出された放射線の波長を2πで割った値よりも小さい。一方、遠視野放射の場合、発生ソースと受信機のと間の距離は、放出された放射線の波長を2πで割った値よりも大きい。
【0085】
ライナーによって形成された電流ループは、遠方界で放射される。遠視野放射は、ライナーループの面積およびループ内の電流に依存する。EMC適合のための最大許容遠方界強度があり、例えばオーストラリアでは、10mの距離で測定した最大遠方界放射は+42dBμA/m(126μA/m)である。遠方界強度を計算する式は、H=IπDW/rλ
2で与えられる。λはRFID周波数の波長である。高周波(HF)システムのRFID周波数は13.56MHzで、波長は22.124mである。表4に、ワクチン用冷蔵庫の2つのモデルの遠方界放射強度を示す。
【表4】
表4:EMC遠方界放射値
【0086】
小型モデルは、RFIDタグを照合質問するのに十分な内部電界(すなわち、表1を参照して本書の他の箇所に記載されているように、約0.5A/m~2A/mの電界強度)を維持しながら、EMCコンプライアンス目標を満たしている。
【0087】
大型モデルはEMCコンプライアンス目標を満たさないため、EMCコンプライアンスを満たすと同時に、RFIDタグを照合するのに十分な内部電界を維持するための修正が必要である。
【0088】
図5Bを再度参照すると、大型の矩形ライナー510が2つの隣接するアンテナ体積514に分割されており、2つの逆回転電流ループ544は、遠方界で互いに相殺する2つの等しいまたは実質的に類似した磁界を生成する。
【0089】
遠方界放射は、個々の逆回転電流からの放射の和である。各電流ループの磁気モーメントの中心は、アンテナ本体506の全幅の半分(W/2)だけ離れている。遠方電界は、電界が互いに減算されるにつれて減少する。一対の逆回転電流の遠方磁界強度を計算する式は以下で与えられる。
H=IπDW((r-W/4)-1-(r+W/4)-1))/2λ2。
【0090】
表5に、中心電流ソース542を有する大型ワクチン冷蔵庫アンテナ500の遠方界放射強度を示す。この実施の形態の例では、ライナー内を循環する電流シートの電流を同じに維持するために、給電電流を2倍にしている。
【表5】
表5:中心電流注入による遠距離放射
【0091】
隣接する2つのRFID アンテナはそれぞれ磁界を発生する。その磁界はコンテナから10m離れた位置で2つの磁界の合計が+42dBμA/m未満になるように反対方向にある。この例では、2つの磁界の和は+19dBμA/m未満である。このように、分割部品550を介した集中電流注入により、遠方界放射はEMC コンプライアンス目標を満たすことができる。
【0092】
RFIDアンテナ500は、冷蔵庫のような容器と共に使用され、少なくとも第1および第2のアンテナ体積514を定義するアンテナ本体506を有する。各アンテナ体積の対向する2つの側面はシールドされていない。第1のアンテナ体積は、第1のアンテナ体積内に第1の磁界を発生するように構成された少なくとも第1の導電性部品によって定義される。第1の磁界は第1の方向に向けられる。第2のアンテナ体積は、第2のアンテナ体積内に第2の磁界を発生するように構成された少なくとも第2の導電性部品によって定義される。第2の磁界は第2の方向に向けられる。第1の磁界と第2の磁界の和は、容器から10mの距離において+42dBμA/m未満である。いくつかの実施の形態では、和は容器の外側で実質的にゼロである。いくつかの実施の形態では、第1および第2の導電性構成要素は、同じ導電性本体の第1および第2の部分、例えば冷蔵庫の金属ライナーの第1の半分および第2の半分(または金属棚付きキャビネットの第1の棚および第2の棚)であってもよい。
【0093】
電流注入
【0094】
本明細書で言及する回路モデルの精度には、RFIDアンテナ本体を通る電流シートの均一性が必要である。中心一点に電流を注入すると、電流が「混雑」して不均一な電界分布が発生するおそれがある。
【0095】
電流バランシング回路980を使用して、仕切り板を横切る複数の点で電流を注入すると、より均一な電流分布が得られる。この配置は、
図9Aにパワースプリッタ982で示されている。複数の電流注入点を実装する方法の1つがWO2016/121130に記載されている。その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
例示の実施の形態では、各端子(フィード0、フィード1、フィード2、およびフィード3)は、(
図9Bに示されるように)変圧器984から供給され、仕切り板の各側面で平衡差動電流を供給する。電流供給点930および電流戻り点932である駆動点xとyは、
図8Aに示した電流供給点830および電流戻り点832に相当する。
【0097】
変圧器984は、駆動点インピーダンスおよび/または電流の大きさを調整するためのインピーダンス変換にも使用できる。
【0098】
図10に、RFIDアンテナ1000の例示的な実施の形態を示す。ここでは、RFIDアンテナは、コンテナ内で使用するように適合されている。RFIDアンテナ1000は、第1のエッジ1036および反対側の第2のエッジ1038を有する導電性表面1008によって形成されたアンテナ本体を有する。導電性表面1008は、第1のエッジ1036が第2のエッジ1038に実質的に隣接するように配置される。アンテナ本体1006が、1つ以上のRFIDタグ付きアイテムを受け取るための体積1014を定義するように形成されている。第2のエッジ1038は、電気ギャップ1028によって第1のエッジ1036から分離されている。RFIDアンテナ1000は、アンテナ本体1006に電流を供給するための2つ以上の電流供給点1030を第1のエッジ1036に有し、アンテナ本体1006からの戻り電流経路を提供するための2つ以上の電流戻り点1032を第2のエッジ1038に有する。導電性表面1008は、容器の導電性領域、例えば冷蔵庫の内側金属ライナー1010の少なくとも一部を構成する。
【0099】
一部の実施の形態では、電流供給点と電流戻り点が実質的に隣接するように、電流供給点の位置は電流戻り点の位置と整合している。これは、例えば
図4Aに示されている。他の実施の形態では、現在の電流供給点とその直近の現在の電流戻り点とを結ぶ直線が、第1のエッジ1036から第2のエッジ1038までの最短距離でないように、現在の電流戻り点の位置は、現在の電流供給点の位置からオフセットされる。これは
図10に示されており、機械的または構造的な便宜のために行われることがある。
【0100】
RFID監視システム
【0101】
いくつかの実施の形態では、本明細書に記載のRFIDアンテナは、容器に組み込むための別個のデバイスとして提供されるか、または既に容器に組み込まれ、容器の導電性コンポーネントを組み込む。例えば、冷蔵庫(箪笥型ワクチン冷蔵庫など)は、ライナーの電気的切れ目またはライナー内に配置された仕切り壁の電気的切れ目の両側に設けられた端子を有することにより、RFIDアンテナとして機能するように適合された内側金属ライナーを有してもよい。このような実施の形態では、容器は、アンテナの端子が、RFIDアンテナとリーダのアンテナ・インタフェースの間を接続する同軸ケーブルなどのRFケーブルを介して、別個の外部RFIDリーダとインタフェースできるように適合されている。
【0102】
いくつかの実施の形態では、RFIDアンテナシステムは、本明細書に記載されているような1つ以上のRFIDアンテナに加えて、アンテナコントローラも備えている。アンテナコントローラは、RFIDアンテナの動作を制御する。例えば、アンテナコントローラは、本明細書の他の箇所に記載されているように、一度に2つの隣接するRFIDアンテナを連続して起動するように構成されてもよい。
【0103】
いくつかの実施の形態では、RFIDリーダは、容器内、容器の隣、容器に接続される、または容器に関連する他の何らかの方法で提供され、RFIDリーダは、アンテナ端子を介してRFIDアンテナに電気的に接続される。
【0104】
これらの実施の形態では、(冷蔵庫などの容器内の複数のRFIDタグを監視するための)RFID監視システムは、RFIDリーダと、RFIDタグと通信するためのRF信号を送受信するための少なくとも1つのアンテナを有する。少なくとも1つのアンテナは、RFIDリーダと通信している。本明細書で説明するように、少なくとも1つのアンテナは、容器の導電性外周の少なくとも一部を構成する。導電性外周の一部は、第1のエッジと、対向する第2のエッジと、を有する。導電性外周の一部は、第1のエッジが第2のエッジに実質的に隣接し、第2のエッジから間隔を置かれるように形成される。第1のエッジは、第2のエッジから間隔をあけて配置され、第1のエッジと第2のエッジとの間に電気ギャップを形成する。電気ギャップは誘電体を含んでもよい。
【0105】
図11は、本明細書で説明するアンテナと共に使用されるRFIDリーダ1100の概略図である。RFIDリーダ1100は、プロセッサ1190と、アンテナコントローラ1192と、データインタフェース1194と、アンテナインタフェース1196と、信号ソース1198と、を含む。プロセッサ1190は、アンテナコントローラにRFIDアンテナの動作を制御させるように構成され、例えば、電力を供給し、1つまたは複数のRFIDアンテナを起動させる。プロセッサ1190は、アンテナインタフェース1196を介してRFIDアンテナからRFIDタグ情報を受信するように構成される。プロセッサ1190は、受信したRFIDタグ情報を処理し、データインタフェース1194を介して、処理されたRFIDタグ情報を送信するように構成される。プロセッサは、例えばAtmel AT91RM9200-CI(登録商標)などのマイクロコントローラの形態であってもよい。アンテナコントローラ1192は、プロセッサ1190の一部として、および/または同じマイクロコントローラを介して実装されてもよい。あるいは、アンテナコントローラは、プログラマブルゲートアレイを用いて実装されてもよい。アンテナインタフェース1196は、RFIDアンテナに接続するRFケーブルでRFIDアンテナへの電気的接続を行い、また、プロセッサ1190の制御下でアンテナコントローラ1192によって指示されるように、信号ソースからの信号を指示するためのPINダイオードまたはRFリレーなどのRFスイッチを使用して、信号供給点および信号戻り点への信号ソースを提供する。
【0106】
一実施の形態では、RFIDリーダは、冷蔵庫のコンプレッサとコントローラのコンパートメント内に取り付けることができる。別の実施の形態では、リーダは同軸ケーブルでアンテナに接続される。冷蔵庫はリーダを制御し、タグの読み取りをトリガするためのインターフェイス、例えばユーザインターフェイス(ボタンおよび/またはスクリーンなど)、または読み取りコマンドを受信するように構成されたデータインターフェイスを有する。一部の実施の形態では、冷蔵庫はGSMおよび/またはGPSモジュールを含み、冷蔵庫の位置、温度、RFIDタグ情報などのデータを毎日または1日に数回サーバーに送信するように構成されている場合がある。一部の実施の形態では、RFIDタグ情報は、RFIDリーダ1100のプロセッサ1190によってタグ付き品目に関連付けられる。他の実施の形態では、RFIDタグ情報は、冷蔵庫から情報を受信するサーバーによってタグ付き品目に関連付けられる。
【0107】
3次元RFIDタグ
【0108】
本明細書で説明するのは、容器部品の少なくとも一部を構成する表面を有するアンテナ本体を備えるRFIDアンテナである。容器部品は、例えば、容器の金属ライナーであるか、または、容器の金属ライナーを含む。アンテナ本体は、少なくとも1つの電流供給点および少なくとも1つの電流戻り点をアンテナ本体に提供するように構成されたアンテナ端子を有する。アンテナ本体の表面は、1つ以上のRFIDタグ付き物品を保持するための少なくとも1つの体積を定義するように形成されている。
【0109】
アンテナ本体の体積内の内部磁界Hは、ソレノイドの軸に沿って整列された1次元磁界である。従って1次元磁界で機能するRFIDタグ付きアイテムが必要である。これは、タグが磁界に正しく結合するようにタグ付きアイテムが正しく配置されることが望ましいことを意味する(例えば、定義された固定方向で箱またはキャリアに積み重ねられる)。
【0110】
本書で説明する実施の形態は、パッシブRFIDタグの使用に関するものである。しかし、本明細書で説明する技術は、アクティブRFIDタグにも同様に適用可能である。
【0111】
いくつかの実施の形態では、タグ付けされた品目の配置が保証されない場合、1つの解決策として、複数のRFIDタグを利用し、各タグが異なる向きを持つようにする。例えば、RFIDタグをボトルの蓋に配置し、別のRFIDタグをボトルの側壁に配置することで、少なくとも2つの軸にRFIDタグが含まれるようにすることができる。これにより、RFIDアンテナの本体内部の1次元磁界によって検出される確率を高めることができる。
【0112】
ワクチン用バイアルを保管するワクチン用冷蔵庫の例では、バイアルを箱の中に入れ、RFIDタグを箱の上に配置することができる。一実施の形態では、箱のX軸、Y軸およびZ軸の面にタグを配置するために、3つのRFIDタグが箱上に配置される。有利なことに、箱のタグ付けにかかる余分なコストは、2つのタグを追加するだけである。これとは対照的に、各バイアルにタグを付けると、かなり多くのタグが必要になり、バイアルが正しい向きになるようにボックス内に配置されていない場合、すべてのタグが磁界の単一次元内で読み取れない可能性が高くなる。箱のタグ付けにより、バイアルの箱が冷蔵庫内にあることを確認することができる。
【0113】
他の実施の形態では、3次元で動作するように構成されたRFIDラベルを、RFIDアンテナボリューム内に位置する品目に貼付することができる。図面の
図12Aに、このような三分割のRFIDラベル1200の第1の実施の形態が示されている。三分割のRFIDラベル1200は、少なくとも3つの隣接する表面1204を有する物品1202に貼付されるように適合されている。各表面は異なる平面内にある(例えば、典型的な正方形または長方形の箱の場合のように、表面が互いに直角である場合、X軸、Y軸およびZ軸に整列する)。RFIDラベルは、3つの平面において3つの隣接する表面1204の頂点1214の周りに貼付されたときに、3つの隣接する領域のそれぞれが3つの隣接する表面1204のうちの1つに関連付けられるように、互いに相対的に構成された3つの隣接する領域1208、1210、1212を有する可撓性アンテナ基板1206を有する。可撓性アンテナ基板1206は、可撓性を有し、物品に適用する目的に適合した任意の適切な誘電性材料または非導電性材料、例えば可撓性プラスチックであってよい。図示の実施の形態では、RFIDラベルは、ラベルを物品に接着するための接着下面1216を含む。
【0114】
三分割のRFIDラベル1200は、3つの隣接領域1208、1210、1212のそれぞれに配置されたRFIDアンテナ1218、1220、1222を有し、各RFIDアンテナはRFIDチップ1228、1230、1232に接続されている。
【0115】
三分割のRFIDラベル1200の形状および構成は、各RFIDアンテナ1218、1220、1222が、活性化されたときに、基板領域1208、1210、1212のそれぞれの1つに対して垂直な磁界を有するようになっており、RFIDラベル1200が物品1202に貼付された使用時に、各アンテナの磁界がそれぞれの物品表面に対して垂直になるようになっている。このようにして、(例えば)従来のホルダ、すなわち直交する側面を有する箱が、その角の1つの周囲にラベル1200を貼付した場合、各アンテナは、3つの直交する平面のうちの異なる1つの平面に位置することになる。その結果、ホルダが本明細書で説明する容器(例えば、ワクチンを保管するために使用されるような冷蔵庫や冷凍庫)内に配置される向きに関係なく、当該アンテナが動作するために容器のRFIDアンテナによって生成される磁界と十分に整列するような向きを有する少なくとも1つのアンテナが存在することになる。
【0116】
図12Aの三分割のRFIDラベル1200の実施の形態では、各RFIDアンテナ1218、1220、1222は、自身の各RFIDチップ1228、1230、1232を有している。RFIDラベルの製造時または初期化時に、3つのRFIDチップ1228、1230、1232は互いに関連付けられ、RFIDリーダによって読み取られたラベルがいずれかのチップをピックアップすると、その読み取りが1つの共有RFIDラベル1200と関連付けられるようになっている。
【0117】
同じL字型ラベルに3つのアンテナを配置することで、シンプルで信頼性の高いRFIDラベルが提供される。このため、3つの別々のRFIDタグを、同じ共有RFIDラベルと基材を介して簡単に貼付することができる。
【0118】
図12Bは、三分割のRFIDラベル1240の代替的な実施の形態を示す。この実施の形態では、各RFIDアンテナ1218、1220、1222は、例えば一対のアンテナリード線1248、1252を介して、1つの共有RFIDチップ1242に接続される。この実施の形態では、単一のチップが3つのアンテナすべてに関連付けられ、RFIDラベル1240に関連付けられた情報を管理する複雑さが低減される。
【0119】
図12Cは、箱の角の周囲に貼付される形状のラベルの先行技術の実施の形態を示す。しかしながら、ラベル6が単一のアンテナ8を含み、アンテナ導体が箱の3つの側面3、4、5全てにおいてラベルのエッジの周りをループしているため、コイル内の正味の磁界がゼロとなる磁界方向が存在するため、この構成は機能しない。
図12Cの配置は単純なコイルと何ら変わらず、3D動作には適さない。
【0120】
本明細書で説明するのは、RFIDアンテナがキャビネットの壁や冷蔵庫のライナーの金属内壁に悪影響を受けることなく、金属壁のキャビネットやチェスト冷蔵庫などの容器にシンプルで信頼性の高いRFIDアンテナを取り付ける費用効果の高い方法である。
【0121】
有利なことに、チェスト冷蔵庫の実施の形態では、冷蔵庫の金属ライナーがRFIDアンテナの一部として使用されるため、冷蔵庫の設計を変更することなくRFIDアンテナを設計することができる。
【0122】
チェスト型冷蔵庫の冷蔵キャビティを形成する内部金属ライナーは、内部キャビティから金属ライナー壁の後ろと外側に取り付けられた冷却システムへ熱を除去するための熱伝導層を形成する。本書で説明するアンテナシステムは、冷蔵庫/冷凍庫の内部金属ライナーを励磁ループ(すなわちアンテナコイル)の一部として使用し、冷蔵庫/冷凍庫に収納された物品に関連するRFIDタグを読み取るための磁界を発生させる。
【0123】
ライナーはアルミニウムシートでできており、電波を遮蔽する。マルチコンパートメントの冷蔵庫の場合、ライナーは電気的に短い大きな長方形の金属管を形成する。小型のバケツ型冷蔵庫も同様のライナー設計で、ライナーはより小さな正方形または長方形の管である。本書で説明するRFIDアンテナシステムは、ライナーの電気的特性によって妨げられるのではなく、冷蔵庫内のRFIDタグ付き物品を読み取るために使用されるRFID信号を伝導するために、ライナーの金属伝導性を有効に利用する。
【0124】
有利なことに、本明細書に記載された解決策は、最小のバケツサイズのユニットから大型のチェスト冷蔵庫や冷凍庫まで、あらゆるワクチン冷蔵庫のサイズにわたって機能する。
【0125】
本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、多くの変更がなされ得ることは、本発明の技術分野における当業者に理解されるであろう。
【0126】
特許請求の範囲および前述の説明において、文脈上、明示的な文言または必要な暗示により別様に必要とされる場合を除き、「comprise」という語または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、包括的な意味で、すなわち、記載された特徴の存在を特定するために使用されるが、本発明の様々な実施の形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するために使用されるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性容器部品を有する容器のためのRFIDアンテナであって、
前記導電性容器部品の少なくとも一部を構成する表面を有するアンテナ本体を備え
、
前記アンテナ本体は、1つ以上のRFIDタグ付き物品を受信するためのアンテナ体積を定義する形状であることを特徴とするRFIDアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナ本体は、中空プリズムを形成する形状であることを特徴とする請求項
1に記載のRFIDアンテナ。
【請求項3】
前記中空プリズムは、中空立方体プリズム、中空円柱プリズム、中空多面体プリズムのいずれかであることを特徴とする請求項
2に記載のRFIDアンテナ。
【請求項4】
前記アンテナ本体は、単回転ソレノイドを形成していることを特徴とする請求項
1から3のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項5】
前記アンテナ本体は、容器内でシールドされていないことを特徴とする請求項
1から4のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項6】
少なくとも1つの電流供給点と、少なくとも1つの電流戻り点と、をさらに備え、
前記電流供給点および前記電流戻り点は、前記アンテナ本体に電気的に接続され、
前記アンテナ本体を流れる電流が、RFIDタグを読み取るための磁界をアンテナ体積内に発生させることを特徴とする請求項
1から5のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項7】
前記アンテナ本体は、電気断線を含み、
前記少なくとも1つの電流供給点が、前記電気断線の第1の側で前記アンテナ本体に電流を供給し、
前記少なくとも1つの電流戻り点が、前記電気断線の反対の第2の側で電流戻り経路を与えることを特徴とする請求項
6に記載のRFIDアンテナ。
【請求項8】
前記電気断線は、前記アンテナ本体の誘電ギャップを構成することを特徴とする請求項
7に記載のRFIDアンテナ。
【請求項9】
前記アンテナ本体は、第1のエッジと、第2のエッジと、を有し、
前記第1のエッジは、前記電気断線がオーバーラップ領域に形成されるように、第2のエッジにオーバーラップしていることを特徴とする請求項
7または8に記載のRFIDアンテナ。
【請求項10】
前記アンテナ本体は、導電性容器コンパートメント仕切り部材をさらに備えることを特徴とする請求項
1から9のいずれかに記載のRFIDアンテナ。
【請求項11】
前記導電性容器コンパートメント仕切り部材は、隣接する2つのRFIDアンテナを仕切る仕切り板を備えることを特徴とする請求項
10に記載のRFIDアンテナ。
【請求項12】
前記仕切り板は、誘電体素子を介して前記導電性容器部品に固着され、前記RFIDアンテナの容量性部材を形成することを特徴とする請求項
11に記載のRFIDアンテナ。
【請求項13】
隣接する2つのRFIDアンテナの各々は磁界を発生し、
それぞれの磁界は反対方向を向き、
2つの磁界の和は容器から10mの距離で+42dBμA/m未満であることを特徴とする請求項
11または12に記載のRFIDアンテナ。
【請求項14】
RFIDアンテナシステムであって、
請求項
1から13のいずれかに記載の複数のRFIDアンテナと、
隣接する2つのRFIDアンテナを一度に連続して作動させるように構成されたアンテナコントローラと、
を備えたことを特徴とするRFIDアンテナシステム。
【請求項15】
少なくとも3つの隣接する表面を有し各表面が異なる平面上にある物品に貼付される、三分割のRFIDラベルであって、
互いに相対的に構成された3つの隣接する領域を有する可撓性アンテナ基板と、
前記3つの隣接する領域のそれぞれに配置されたRFIDアンテナであって、各RFIDアンテナがRFIDチップに接続されている、RFIDアンテナと、
を備え、
前記3つの隣接する領域の各々は、前記3つの隣接する表面の頂点の周りに貼付されたとき、前記3つの隣接する表面の1つに関連付けられ、
前記RFIDアンテナの各々は、活性化されると、前記RFIDラベルが物品に貼付される使用時に、各アンテナの磁界がそれぞれの物品表面に対して垂直になるように、それぞれの基板領域に対して垂直な磁界を有することを特徴とするRFIDラベル。
【請求項16】
前記RFIDアンテナの各々は、それ自身のRFIDチップを有することを特徴とする請求項
15に記載のRFIDラベル。
【請求項17】
前記RFIDアンテナの各々は、1つの共有RFIDチップに接続されていることを特徴とする請求項
15に記載のRFIDラベル。
【国際調査報告】