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  • 特表-CD73化合物 図1
  • 特表-CD73化合物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】CD73化合物
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6561 20060101AFI20241106BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C07F9/6561 Z CSP
A61K31/661
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525326
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022078822
(87)【国際公開番号】W WO2023077030
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/273,454
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バートレット, マーク ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】チン, グレゴリー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, マイケル オー.
(72)【発明者】
【氏名】コズマン エリス, ジェニファー エル.
(72)【発明者】
【氏名】エンサン, ディーバ
(72)【発明者】
【氏名】ゴヤル, ビンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ホ, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マックマン, リチャード エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミッシュ, マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル, ダスティン エス.
(72)【発明者】
【氏名】タムシェン, カイル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ハイ
【テーマコード(参考)】
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA34
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
4H050AB28
4H050AC80
4H050WA13
4H050WA23
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、式I:

の化合物又はその薬学的に許容される塩であり、様々な置換基は本明細書に記載されるとおりである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化58】

(式中
Xは、C又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
Zは、C又はNであり、
ただし、X、Y及びZのうちの1つはCH又はCであり、X、Y及びZのうちの2つはNであり、
が、H及びCHOP(O)(OH)から選択され、
が、C3~6シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルが、1つ以上のRにより置換され、
が、H又はハロであり、
は、独立して、H、ハロ、C1~4アルキル、-OR、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロアリールから選択され、C1~4アルキル、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロシクリルは、任意選択で、1つ以上のRにより置換され、
はC1~5アルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニルであり、前記C1~5アルキル、前記C1~5アルケニル、前記C1~5アルキニル、前記C6~10アリール、又は前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、1つ以上のR及びハロにより置換され、
はC1~5アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニル、又は4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキル、前記C3~6シクロアルキル、前記C1~5アルケニル、又は前記C1~5アルキニルは、任意選択で、ハロと置換され、前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、C1~4アルキル、又はC1~4ハロアルキルと置換される)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、CHOP(O)(OH)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は、1つ以上のRにより置換されたC3~6シクロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
は、1つ以上のRにより置換された3~8員ヘテロシクリルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
は、1つ以上のRにより置換されたシクロプロピルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、任意選択で1つ以上のRにより置換された4~10員ヘテロアリールである、請求項1~3又は請求項5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
は、1つ以上のRにより置換された4~10員ヘテロアリールである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、任意選択でハロにより置換されている、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のハロにより置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項10又は11に記載の化合物。
【請求項13】
は、1つのC1~5アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
は、トリフルオロエチルにより置換されたインダゾールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
は、Hである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
は、ハロである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
は、Fである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
以下:
【化59】

からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
は、3~8員ヘテロシクリルであり、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のRにより置換されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
は、1つ以上のRにより置換されたピロリジニルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
前記ピロリジニルは、2個のフルオロ基及び-ORにより置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
は、4~10員ヘテロアリールであり、任意選択で1つ以上のR及びハロにより置換されている、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記ピロリジニルは、独立して、4つのRにより置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
前記ピロリジニルは、2つのメチル基及び2つのフルオロ基により置換されている、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
前記ピロリジニルは、gemジメチルにより置換されている、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
以下:
【化60】

からなる群から選択される、請求項20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項28】
癌の治療を必要とする患者において、前記患者に、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物又は請求項27に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に出願され、「CD73化合物」と題された、米国特許仮出願第63/273,454号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型CD73抗原(分化クラスター73、エクト-5’-ヌクレオチダーゼ、エクト-5’-NT、5’-NT、及びNT5Eとしても公知)は、細胞外アデノシンの生成における律速酵素であると考えられている(Stagg J,Smyth MJ.Extracellular adenosine triphosphate and adenosine in cancer.Oncogene.2010;29:5346-58.doi:10.1038/onc.2010.292)。CD73は、通常、内皮細胞上及び造血細胞のサブセット上で発現される70kDaのグリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinositol、GPI)アンカー型タンパク質である。CD73は、CD39と共にアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate、ATP)代謝を調節する。CD39(NTPDアーゼ-1)は、ATPをAMPに変換し、極微量のADPが放出される一方で、CD73は、AMPのアデノシン(adenosine、Ado)への転換を触媒する。
【0003】
細胞外Adoは、癌組織に蓄積し、腫瘍免疫回避の重要なメカニズムとなる。他にも効果はあるが、腫瘍に由来するAdoは、浸潤性エフェクターT細胞を著しく阻害する。マウスTreg(調節性CD4+T細胞)上で共発現されるCD39及びCD73によるATPのAdoへの分解は、腫瘍免疫抑制の原因となることが示された。
CD73は、種々の種類の癌細胞上に高レベルで恒常的に発現されているのが見出され得る。CD73により生成されたアデノシンが抗腫瘍適応免疫応答を抑制し、これにより、腫瘍の成長及び転移が促進されると推定される。また動物モデルでの研究は、CD73活性の遮断が、抗腫瘍適応免疫を促進することにより腫瘍成長を抑制し、生存を延長することを示した(Forte et al.(2012)J Immunol.l89(5):2226-33)。癌処置の必要性を考慮すると、CD73活性を調節するための新規な組成物及び方法並びに関連する治療薬が必要とされる。本開示は、この必要性及び他の必要性を満たすものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Stagg J,Smyth MJ.Extracellular adenosine triphosphate and adenosine in cancer.Oncogene.2010;29:5346-58.doi:10.1038/onc.2010.292
【非特許文献2】Forte et al.(2012)J Immunol.l89(5):2226-33
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本開示は、式I:
【0006】
【化1】

又はその薬学的に許容される塩であって、
Xは、C又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
Zは、C又はNであり、
ただし、X、Y及びZのうちの1つはCH又はCであり、X、Y及びZのうちの2つはNであり、
が、H及びCHOP(O)(OH)から選択され、
が、C3~6シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルが、1つ以上のRにより置換され、
が、H又はハロであり、
は、独立して、H、ハロ、C1~4アルキル、-OR、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロアリールから選択され、C1~4アルキル、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、1つ以上のRにより置換され、
はC15アルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニルであり、C1~5アルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニル、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、1つ以上のR及びハロにより置換され、
はC1~5アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニル、又は4~10員ヘテロアリールであり、C1~5アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~5アルケニル、又はC1~5アルキニルは、任意選択で、ハロと置換され、4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、C1~4アルキル、又はC1~4ハロアルキルと置換される。
【0007】
いくつかの実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、CHOP(O)(OH)である。
【0008】
いくつかの実施形態では、Rは、1つ以上のRにより置換されたC3~6シクロアルキルである。
【0009】
他の実施形態において、Rは、1つ以上のRにより置換された3~8員ヘテロシクリルである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】化合物比較例B又は実施例1のいずれかを投与した後の24時間以内における比較例Bの血漿濃度(nM)を示す。
図2】比較例C又は実施例4のいずれかを投与した後の24時間以内における比較例Cの血漿濃度(nM)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.実施例
略語。特定の略語及び頭字語が、実験の詳細を説明する際に使用される。これらのほとんどは当業者により理解されるが、表1は、これらの略語及び頭字語のうちのいくつかのリストを含む。
【0012】
【表1-1】
【0013】
一般手順1:
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製。
【0014】
【化2】
【0015】
5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(500mg、1.38mmol、1当量)及びトリエチルアミン(0.67mL、4.83mmol、3.5当量)のDMF(16Ml)の溶液に、ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(1.07g、4.14mmol、3当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、16時間撹拌した。ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(1.07g、4.14mmol、3当量)及びトリエチルアミン(0.67mL、4.83mmol、3.5当量)の別のアリコートを添加し、反応物をさらに16時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAc/水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(100% EtOAc)により精製して、ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得た。
【0016】
(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0017】
【化3】
【0018】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート(671mg、1.15mmol、1当量)のDCM(15mL)中の溶液に、TFA(5mL)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した後、真空中で濃縮し、HPLC(TFAを含む10~80% MeCN/水)によって精製した。LC-MS m/z:473.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.79(s,1H),8.25(s,1H),8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.59(d,J=1.2Hz,1H),6.54(s,1H),5.53(d,J=10.7Hz,2H),4.41(s,2H),3.86(s,2H),1.21(s,6H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-115.33(m,2F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.24(t,J=10.6Hz,1P)。
【0019】
以下の化合物を、(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートと類似の様式で、以下に列挙される改変を使用して調製した。
【0020】
ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを、5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩を、5-(8-(3,3-ジフルオロ-4.4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに使用して、調製した。
【0021】
【化4】
【0022】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用して、5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを調製した。
【0023】
【化5】
【0024】
LC-MS m/z:578.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.90(s,1H),8.33(s,1H),8.28(d,J=1.3Hz,1H),8.16(d,J=0.9Hz,1H),7.77-7.66(m,3H),7.49(s,1H),7.13(dd,J=8.6,1.2Hz,1H),5.56(d,J=10.8Hz,2H),5.41(q,J=9.1Hz,2H),3.09-3.00(m,1H),2.81(dt,J=9.6,5.2Hz,1H),2.19(dt,J=9.4,5.1Hz,1H),1.89(dt,J=9.4,5.3Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.22(t,J=11.0Hz,1P)。
【0025】
5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを使用して、テトラ-tert-ブチル(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を調製した。
【0026】
【化6】
【0027】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりにテトラ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン)ビス(ホスファート)を使用して、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(二水素ホスファート)を調製した。
【0028】
【化7】
【0029】
LC-MS m/z:706.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.45(s,1H),8.15(d,J=0.8Hz,1H),7.73(d,J=8.2Hz,2H),7.60(d,J=7.1Hz,1H),7.43(s,1H),7.13(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),5.69(d,J=6.5Hz,2H),5.64(d,J=10.8Hz,2H),5.41(q,J=9.2Hz,2H),3.02(ddd,J=8.9,6.3,4.3Hz,1H),2.83(ddd,J=8.8,5.9,4.3Hz,1H),2.21-2.09(m,1H),1.91(dt,J=8.7,5.5Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.1Hz,3F),-155.02(d,J=7.2Hz,1F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.18(t,J=11.0Hz,1P),-3.44(t,J=6.5Hz,1P)。
【0030】
一般手順2:
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製
【0031】
【化8】
【0032】
5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩(100mg、0.192mmol、1当量)の、DMAc(1mL)中の溶液に、KHCO(48mg、0.479mmol、2.5当量)及びジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(59.5mg、0.23mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、16時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc/水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製して、ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得た。
【0033】
(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0034】
【化9】
【0035】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート(90mg、0.127mmol、1当量)のDCM(2.5mL)中の溶液に、TFA(0.25mL)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した後、真空中で濃縮し、HPLC(TFAを含む10~80%MeCN/水)によって精製した。LC-MS m/z:596.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.92(s,1H),8.36(s,1H),8.15(s,1H),7.78-7.68(m,2H),7.58(d,J=7.0Hz,1H),7.49(s,1H),7.12(d,J=8.5Hz,1H),5.57(d,J=10.8Hz,2H),5.40(q,J=9.1Hz,2H),3.04(ddd,J=9.3,6.3,4.4Hz,1H),2.79(dt,J=9.4,5.2Hz,1H),2.18(dt,J=8.8,5.2Hz,1H),1.90(dt,J=8.6,5.2Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.2Hz,3F),-155.18(d,J=7.0Hz,1F)。
【0036】
以下の化合物を、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートと類似の様式で、以下に列挙される改変を使用して調製した。
【0037】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩の代わりに、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを使用して、調製した。
【0038】
【化10】
【0039】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用し、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートを調製した。
【0040】
【化11】
【0041】
LC-MS m/z:597.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.93(s,1H),8.36(s,1H),8.25(s,1H),8.20(d,J=8.3Hz,1H),7.58(d,J=7.1Hz,1H),7.51(s,1H),7.38(d,J=8.3Hz,1H),5.57(d,J=10.8Hz,2H),5.34(tt,J=9.3,4.8Hz,2H),3.24(ddd,J=8.6,5.9,4.1Hz,2H),3.07(ddd,J=8.9,6.1,4.0Hz,1H),2.22(ddd,J=8.6,6.2,3.9Hz,1H),2.06(ddd,J=9.4,5.8,3.9Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-69.89(t,J=9.1Hz,3F),-155.18(d,J=7.1Hz,1F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.18(t,J=10.8Hz,1P)。
【0042】
ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート及びテトラ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を、5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;トリフルオロ酢酸を、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩の代わりに使用して調製した。
【0043】
【化12】
【0044】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用して、(2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートを調製した。
【0045】
【化13】
【0046】
LC-MS m/z:578.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.91(s,1H),8.68(s,1H),8.21(d,J=2.3Hz,1H),8.17(s,1H),7.78(s,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.68(s,1H),7.20(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),6.70(d,J=2.3Hz,1H),5.61(d,J=11.1Hz,2H),5.42(q,J=9.1Hz,2H),3.17(ddd,J=8.5,6.4,4.4Hz,1H),2.82(td,J=7.1,4.5Hz,1H),1.97(t,J=8.2Hz,2H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.06(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.17(t,J=11.1Hz,1P)。
【0047】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、テトラ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を使用して、(2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(二水素ホスファート)を調製した。
【0048】
【化14】
【0049】
LC-MS m/z:688.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.77(s,1H),8.23(d,J=2.4Hz,1H),8.17(s,1H),7.79(s,1H),7.76(d,J=8.3Hz,1H),7.63(s,1H),7.21(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),6.73(d,J=2.4Hz,1H),5.73(d,J=6.3Hz,2H),5.69(d,J=11.1Hz,2H),5.42(q,J=9.1Hz,2H),3.21(td,J=7.4,4.5Hz,3H),2.83(td,J=7.8,4.5Hz,1H),2.00(t,J=7.6Hz,2H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.06(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.15(t,J=11.1Hz),-3.45(t,J=6.5Hz)。
【0050】
II.定義
「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素である。例えば、アルキル基は、1~18個の炭素原子(すなわち、C1~18アルキル)又は1~8個の炭素原子(すなわち、C1~8アルキル)又は1~6個の炭素原子(すなわち、C1~6アルキル)又は1~4個の炭素原子(すなわち、C1~4アルキル)を有し得る。アルキル基の例としては、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、及び3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CHが挙げられるが、これらに限定されない。他のアルキル基としては、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルが挙げられる。
【0051】
「アルキレン」は、示される炭素原子数を有し、少なくとも2つの他の基を連結している、直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族ラジカル、すなわち、二価炭化水素ラジカルを指す。アルキレンに連結される2つの部分は、アルキレン基の同じ原子又は異なる原子に連結され得る。例えば、直鎖アルキレンは、-(CH-の二価ラジカルであり得、式中、nは1、2、3、4、5、又は6である。代表的なアルキレン基としては、限定されるものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン、ペンチレン、及びヘキシレンが挙げられる。アルキレン基は、置換又は非置換であり得る。
【0052】
「アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を指す。アルケニルは、例えば、C、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C2~7、C2~8、C2~9、C2~10、C、C3~4、C3~5、C3~6、C、C4~5、C4~6、C、C5~6、及びCなどのように、任意の数の炭素を含み得る。アルケニル基は、限定されるものではないが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上が含まれる、任意の好適な数の二重結合を有し得る。アルケニル基の例としては、限定されるものではないが、ビニル(エテニル)、プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、ブタジエニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、イソペンテニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,5-ヘキサジエニル、2,4-ヘキサジエニル、又は1,3,5-ヘキサトリエニルが挙げられる。アルケニル基は、置換又は非置換であり得る。
【0053】
「アルキニル」は、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1つの三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素のいずれかを指す。アルキニルは、C、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C2~7、C2~8、C2~9、C2~10、C、C3~4、C3~5、C3~6、C、C4~5、C4~6、C、C5~6、及びCなどの、任意の数の炭素を含み得る。アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、ブタジイニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、イソペンチニル、1,3-ペンタジイニル、1,4-ペンタジイニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、1,3-ヘキサジイニル、1,4-ヘキサジイニル、1,5-ヘキサジイニル、2,4-ヘキサジイニル、又は1,3,5-ヘキサトリイニルが挙げられる。アルキニル基は、置換又は非置換であり得る。
【0054】
「アルコキシ」は、アルキル基であって、当該アルキル基を結合点に連結する酸素原子を有する、当該アルキル基:アルキル-O-を指す。アルキル基に関して、アルコキシ基は、C1~6などの任意の好適な数の炭素原子を有し得る。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、2-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、記載される種々の置換基で更に置換され得る。アルコキシ基は、置換又は非置換であり得る。
【0055】
「アルコキシアルキル」は、化合物の残りに連結されているアルキル基に連結されたアルコキシ基を指し、その結果、当該アルキル基は二価である。アルコキシアルキルは、2~6個(C2~6アルコキシアルキル)、2~5個(C2~5アルコキシアルキル)、2~4個(C2~4アルコキシアルキル)、又は2~3個(C2~3アルコキシアルキル)などの任意の好適な数の炭素を有し得る。アルコキシ及びアルキルは、上記に定義されるとおりであり、ここで、当該アルキルは二価であり、限定されるものではないが、メトキシメチル(CHOCH-)、メトキシエチル(CHOCHCH-)等が挙げられ得る。
【0056】
「アルコキシ-アルコキシ」は、アルコキシ基であって、化合物の残りに連結されている第2のアルコキシ基に連結された、当該アルコキシ基を指す。アルコキシは、上記に定義されるとおりであり、限定されるものではないが、メトキシ-メトキシ(CHOCHO-)、メトキシ-エトキシ(CHOCHCHO-)等が挙げられ得る。
【0057】
本明細書で使用する場合、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ(-F)、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)、及びヨード(I)を指す。
【0058】
本明細書で使用する場合、「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるアルキルであって、当該アルキルの1個以上の水素原子が、独立して、同じであり得るか、又は異なり得るハロ置換基により置き換えられている、当該アルキルを指す。例えば、C1~4ハロアルキルは、C1~4アルキルであって、当該C1~4アルキルの水素原子のうちの1個以上がハロ置換基により置き換えられている、当該C1~4アルキルである。ハロアルキル基の例としては、限定されないが、フルオロメチル、フルオロクロロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1-トリフルオロエチル、及びペンタフルオロエチルが挙げられる。
【0059】
「ハロアルコキシ」は、一部又は全ての水素原子がハロゲン原子により置換されているアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基は、アルキル基に関して、C1~6などの任意の好適な数の炭素原子を有し得る。アルコキシ基は、1個、2個、3個、又はそれ以上のハロゲンにより置換されていてもよい。全ての水素がハロゲン、例えば、フッ素により置き換えられている場合、化合物は、過置換、例えば、過フッ素化されている。ハロアルコキシとしては、限定されるものではないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ペルフルオロエトキシなどが挙げられる。
【0060】
「シクロアルキル」は、3~20個の環状炭素原子(すなわち、C3~20シクロアルキル)、例えば、3~12個の環状原子、例えば、3~10個の環状原子、又は3~8個の環状原子、又は3~6個の環状原子、又は3~5個の環状原子、又は3~4個の環状原子を有する、飽和又は部分的に不飽和の全炭素単環を指す。用語「シクロアルキル」は、飽和及び部分的に不飽和の全炭素多重縮合環系(例えば、2、3、又は4個の炭素環を含む環系)も包含する。したがって、シクロアルキルとしては、多環式炭素環、例えば、二環式炭素環(例えば、6~12個の環状炭素原子を有する二環式炭素環、例えば、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン及びビシクロ[2.1.1]ヘキサン)及び多環式炭素環(例えば、20個までの環状炭素原子を有する三環式及び四環式炭素環)が挙げられる。多重縮合環系の環は、結合価要件により許される場合、縮合結合、スピロ結合、及び架橋結合により互いに連結されていてもよい。単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペント-1-エニル、1-シクロペント-2-エニル、1-シクロペント-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセ-1-エニル、1-シクロヘキセ-2-エニル、及び1-シクロヘキセ-3-エニルが挙げられる。
【0061】
「アルキル-シクロアルキル」は、アルキル成分及びシクロアルキル成分を有するラジカルを指し、ここで、当該アルキル成分は、当該シクロアルキル成分を結合点に連結している。アルキル成分は、アルキル成分がシクロアルキル成分及び結合点と連結するために、少なくとも二価のアルキレンであることを除いて、上記に定義されるとおりである。場合によっては、アルキル成分は、存在しなくてもよい。アルキル成分は、C1~6、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6、及びC5~6などの任意の数の炭素を含み得る。シクロアルキル成分は、ここで定義されるとおりである。例示的なアルキル-シクロアルキル基としては、限定されないが、メチル-シクロプロピル、メチル-シクロブチル、メチル-シクロペンチル、及びメチル-シクロヘキシルが挙げられる。
【0062】
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」又は「ヘテロシクロアルキル」は、環内に少なくとも1個のヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、及び硫黄から選択される少なくとも1個の環状ヘテロ原子)を有する、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族の単環又は多重環系を指し、ここで、多重環系は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する少なくとも非芳香族環を含む。多重環系は、他の芳香環及び非芳香族環も含み得る。特に明記しない限り、ヘテロシクリル基は、3~20個の環状原子、例えば、3~12個の環状原子、例えば、3~10個の環状原子、又は3~8個の環状原子、又は3~6個の環状原子、又は3~5個の環状原子、又は4~6個の環状原子、又は4~5個の環状原子を有する。したがって、この用語は、環内に1~6個の環状炭素原子と、酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択される1~3個の環状ヘテロ原子とを有する、飽和又は部分的に不飽和の単環(例えば、3、4、5、6、又は7員環)を包含する。ヘテロ原子は、場合により、酸化されて、-N(-OH)-、=N(-O))-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を形成していてもよい。多重縮合環(例えば、二環式ヘテロシクリル)系の環は、結合価要件により許される場合、縮合結合、スピロ結合、及び架橋結合により互いに連結されていてもよい。ヘテロ環としては、限定されるものではないが、アゼチジン、アジリジン、イミダゾリジン、モルホリン、オキシラン(エポキシド)、オキセタン、チエタン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロリジノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、キヌクリジン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、2-チア-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、4-アザスピロ[2.4]ヘプタニル、5-アザスピロ[2.4]ヘプタニル、ピラゾリジン-3-オン、ピペラジン-2-オン、オキサゾリジン-2-オン等が挙げられる。
【0063】
ヘテロシクロアルキル環としては、2個、3個、又はそれ以上の環を有する9~15員縮合環のヘテロシクロアルキルも挙げられ、ここで、少なくとも1個の環はアリール環であり、少なくとも1個の環は少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香環である。代表的な縮合二環式ヘテロシクロアルキルとしては、限定されるものではないが、下記の構造に示すように、インドリン(ジヒドロインドール)、イソインドリン(ジヒドロイソインドール)、インダゾリン(ジヒドロインダゾール)、ベンゾ[d]イミダゾール、ジヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾ[b]ジオキシン、ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール、ジヒドロベンゾ[b]チオフェン、ジヒドロイソベンゾ[c]チオフェン、ジヒドロベンゾ[d]チアゾール、ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール、スピロ[シクロブタン-1,3’-インドリン]-2’-オン、スピロ[シクロプロパン-1,3’-インドリン]-2’-オン、2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]ピロロ[1,2-a]イミダゾール、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、及びベンゾ[b][1,4]チアジンが挙げられる:
【0064】
【化15】
【0065】
縮合二環式ヘテロシクロアルキルは、以下の構造:
【0066】
【化16】

によっても表され得、式中、X、X、X、及びXは、それぞれ独立して、非存在、-CH-、-NH-、-O-、又は-S-であり、X、X、X、及びXのうちの少なくとも1つは、-NH-、-O-、又は-S-であり、破線の円は、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族環を表す。縮合二環式ヘテロシクロアルキルは、場合により置換されている。
【0067】
「アルキル-ヘテロシクロアルキル」は、アルキル構成要素及びヘテロシクロアルキル構成要素を有するラジカルを指し、ここで、当該アルキル成分は、当該ヘテロシクロアルキル成分を結合点に連結している。アルキル成分は、アルキル成分がヘテロシクロアルキル成分及び結合点と連結するために、少なくとも二価のアルキレンであることを除いて、上記に定義されるとおりである。アルキル成分は、C0~6、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6、及びC5~6などの任意の数の炭素を含み得る。場合によっては、アルキル成分は、存在しなくてもよい。ヘテロシクロアルキル成分は、上記に定義されるとおりである。アルキル-ヘテロシクロアルキル基は、置換又は非置換であり得る。
【0068】
本明細書で使用する場合、「アリール」は、全炭素芳香単環又は環のうちの少なくとも1つが芳香族である全炭素多重縮合環系を指す。例えば、いくつかの実施形態では、アリール基は、6~20個の炭素原子、6~14個の炭素原子、又は6~12個の炭素原子を有する。アリールとしては、フェニルラジカルが挙げられる。アリールとしては、少なくとも1つの環が芳香族であり、他の環が芳香族であってもよく、芳香族でなくてもよい(すなわち、炭素環)、9~20個の炭素原子を有する多重縮合環系(例えば、2、3、又は4個の環を含む環系)も挙げられる。かかる多重縮合環系は、多重縮合環系の任意の炭素環部分が1つ以上の(例えば、1、2、又は3個の)オキソ基で場合により置換されている。多重縮合環系の環は、結合価要件により許される場合、縮合結合、スピロ結合、及び架橋結合により互いに連結されていてもよい。特定の範囲の原子員数のアリール(例えば、6~10員アリール)について言及される場合、原子範囲は、アリールの総環原子についてのものであることも理解されたい。例えば、6員アリールとしては、フェニルが挙げられ、10員アリールとしては、ナフチル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の非限定的な例としては、限定されないが、フェニル、インデニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、アントラセニルなどが挙げられる。
【0069】
「アルキル-アリール」は、アルキル成分及びアリール成分を有するラジカルを指し、ここで、当該アルキル成分は、当該アリール成分を結合点に連結している。アルキル成分は、アルキル成分がアリール成分及び結合点と連結するために、少なくとも二価のアルキレンであることを除いて、上記に定義されるとおりである。アルキル成分は、C0~6、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6、及びC5~6などの任意の数の炭素を含み得る。場合によっては、アルキル成分は、存在しなくてもよい。アリール成分は、上記に定義されるとおりである。アルキル-アリール基の例としては、限定されるものではないが、ベンジル及びエチルベンゼンが挙げられる。アルキル-アリール基は、置換又は非置換であり得る。
【0070】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」は、環内に炭素以外の少なくとも1個の原子を有する芳香単環を指し、ここで、当該原子は、酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択され、「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのかかる芳香環を有する多重縮合環系も包含し、この多重縮合環系は下記で更に説明される。したがって、「ヘテロアリール」は、1~6個の炭素原子、並びに酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子の単芳香環を包含する。硫黄原子及び窒素原子は、酸化形態で存在してもよく、ただし、環は芳香族である。例示的なヘテロアリール環系としては、限定されるものではないが、ピリジル、ピリミジニル、オキサゾリル、又はフリルが挙げられる。「ヘテロアリール」は、多重縮合環系(例えば、2、3、又は4個の環を含む環系)も包含し、ここで、上記に定義されるようなヘテロアリール基は、ヘテロアリール(例えば、1,8-ナフチリジニルを形成する)、ヘテロ環(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジニルを形成する)、炭素環(例えば、5,6,7,8-テトラヒドロキノリルを形成する)、及びアリール(例えば、インダゾリルを形成する)から選択される1個以上の環と縮合して、多重縮合環系を形成する。したがって、ヘテロアリール(芳香族の単環又は多重縮合環系)は、ヘテロアリール環内に1~20個の炭素原子及び1~6個のヘテロ原子を有する。かかる縮合多環系は、縮合環の炭素環又はヘテロ環部分が1つ以上の(例えば、1、2、3、又は4つの)オキソ基で場合により置換されていてもよい。多重縮合環系の環は、結合価要件により許される場合、縮合結合、スピロ結合、及び架橋結合により互いに連結されていてもよい。多重縮合環系の個々の環は、互いに対して任意の順序で連結されていてもよいことを理解されたい。ヘテロアリール又はヘテロアリールの多重縮合環系への結合点は、炭素原子及びヘテロ原子(例えば、窒素)が含まれる、当該ヘテロアリール又はヘテロアリールの多重縮合環系の任意の好適な原子に存在し得ることを理解されたい。特定の範囲の原子員数のヘテロアリール(例えば、5~10員ヘテロアリール)について言及される場合、原子範囲は、ヘテロアリールの総環原子についてのものであり、炭素原子及びヘテロ原子を含むことも理解されたい。例えば、5員ヘテロアリールとしては、チアゾリルが挙げられ、10員ヘテロアリールとしては、キノリニルが挙げられる。例示的なヘテロアリールとしては、限定されるものではないが、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、チエニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、キノキサリル、キナゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニルベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、チアナフテニル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、キナゾリニル-4(3H)-オン、ピリジン-2(1H)-オン、イソキノリン-1(2H)-オン、及びトリアゾリルが挙げられる。
【0071】
「アルキル-ヘテロアリール」は、アルキル成分及びヘテロアリール成分を有するラジカルを指し、ここで、当該アルキル成分は、当該ヘテロアリール成分を結合点に連結している。アルキル成分は、アルキル成分がヘテロアリール成分及び結合点と連結するために、少なくとも二価のアルキレンであることを除いて、上記に定義されるとおりである。アルキル成分は、C0~6、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6、及びC5~6などの任意の数の炭素を含み得る。場合によっては、アルキル成分は、存在しなくてもよい。ヘテロアリール成分は、ここで定義されるとおりである。アルキル-ヘテロアリール基は、置換又は非置換であり得る。
【0072】
本明細書で使用する場合、「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、及び特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤、又は賦形剤が製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないものでなければならないことを意味する。
【0073】
「薬学的有効量」は、所望の治療結果又は薬学的結果をもたらす、製剤又はその組み合わせにおける本開示の化合物の量を指す。
【0074】
「薬学的に許容される賦形剤」としては、限定されるものではないが、ヒト又は家畜における使用が許容可能であるとアメリカ食料医薬品局により認められている、任意のアジュバント、担体、賦形剤、グリダント、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、又は乳化剤が挙げられる。
【0075】
本明細書で使用する場合、「治療」又は「治療する」又は「治療すること」は、有益な結果又は所望の結果を得るためのアプローチを指す。本開示の目的では、有益な結果又は所望の結果としては、限定されるものではないが、症状の緩和、及び/又は症状の程度の減少、及び/又は疾患若しくは状態に関連する症状の悪化の予防が挙げられる。一実施形態では、「治療」又は「治療する」は、以下のうちの1つ以上を含む:a)疾患又は状態を抑制すること(例えば、疾患若しくは状態により生じる1つ以上の症状を減少させること、及び/又は疾患若しくは状態の程度を減少させること)、b)疾患若しくは状態と関連する1つ以上の症状の発症を遅延させるか、又は抑制すること(例えば、疾患又は状態を安定化すること、疾患又は状態の悪化又は進行を遅延させること)、並びにc)疾患若しくは状態を緩和すること、例えば、臨床症状の退縮を引き起こすこと、病態を改善すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、及び/又は生存期間を延長すること、のうちの1つ以上を含む。
【0076】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」又は「有効量」は、疾患を治療するために対象に投与される場合に、当該疾患のかかる治療を達成するのに十分な化合物の量が含まれる、所望の生物学的反応又は医学的反応を誘発するのに有効である量を指す。有効量は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢、体重などに応じて異なり得る。有効量には、量の範囲が含まれ得る。当該技術分野において理解されるように、有効量は、1回以上の用量であり得、すなわち、所望の治療エンドポイントを達成するために単回用量又は複数回用量が必要とされ得る。1つ以上の治療薬の投与に関連して有効量が検討されてもよく、単一の薬剤が、1つ以上の他の薬剤と併用して、望ましいか、又は有益な結果が達成され得るか、又は達成される場合に、有効量で投与されることが検討され得る。任意の共投与される化合物の好適な用量は、場合により、化合物の複合作用(例えば、相加効果又は相乗効果)に起因して減少され得る。
【0077】
「投与すること」は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、鼻腔内投与、又は皮下投与、クモ膜下腔内投与、又は徐放デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの植え込みを指す。投与は、投与頻度を指定するスケジュール、投与用量、及び他の因子に従って実施され得る。
【0078】
本明細書で使用する場合、「共投与」は、1つ以上の追加の治療薬の単位投与量の投与前又は投与後の、本明細書において開示される化合物の単位投与量の投与、例えば、1つ以上の追加の治療薬の投与の数秒、数分、又は数時間以内の、本明細書において開示される化合物の投与を指す。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の化合物の単位用量が最初に投与され、続いて、数秒又は数分以内に、1つ以上の追加の治療薬の単位用量が投与される。代替的に、他の実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の単位用量が最初に投与され、続いて、数秒又は数分以内に、本開示の化合物の単位用量が投与される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物の単位用量が最初に投与され、続いて、数時間(例えば、1~12時間)後に、1つ以上の追加の治療薬の単位用量が投与される。他の実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の単位用量が最初に投与され、続いて、数時間(例えば、1~12時間)後に、本開示の化合物の単位用量が投与される。本明細書において開示される化合物と1つ以上の追加の治療薬との共投与は、概して、治療有効量の各薬剤が患者の身体内に存在するように、本明細書において開示される化合物及び1つ以上の追加の治療薬を同時的投与又は連続投与することを指す。
【0079】
「対象」は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどが含まれる、哺乳動物などの動物を指す。ある種の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0080】
「疾患」又は「状態」とは、本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で治療されることができる患者又は対象の身体の状態又は健康状態を指す。実施形態では、疾患は、癌(例えば、肺癌、卵巣癌、骨肉腫、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、皮膚癌(例えば、メルケル細胞癌)、精巣癌、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、黒色腫、乳癌、神経芽細胞腫)である。疾患は、自己免疫疾患、炎症性疾患、癌疾患、感染性疾患、代謝疾患、発育異常、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、内分泌疾患、神経系疾患、又は他の疾患であり得る。
【0081】
「癌」は、白血病、リンパ腫、黒色腫、神経内分泌腫瘍、癌腫、及び肉腫を含む、哺乳動物において見出される全ての種類の癌、新生物、又は悪性腫瘍を指す。本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で処置され得る例示的な癌としては、リンパ腫、肉腫、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、子宮頸癌、結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、骨髄腫、甲状腺癌、白血病、前立腺癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ、ER陽性、ER陰性、化学療法抵抗性、ハーセプチン抵抗性、HER2陽性、ドキソルビシン抵抗性、タモキシフェン抵抗性、腺管癌、小葉癌、原発性、転移性)、卵巣癌、膵臓癌、肝臓癌(例えば肝細胞癌)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、腺癌、大細胞肺癌、小細胞肺癌、カルチノイド、肉腫)、多形神経膠芽腫、神経膠腫、黒色腫、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、神経膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば、頭部、頸部、又は食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、又は多発性骨髄腫が挙げられる。
【0082】
追加の例としては、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頸部、大腸、頭頸部、食道、肝臓、腎臓、肺、非小細胞肺、黒色腫、中皮腫、卵巣、肉腫、胃、子宮の癌、あるいは髄芽腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、癌、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質性癌、膵内分泌部若しくは膵外分泌部の新生物、甲状腺髄様癌、甲状腺髄様癌腫、黒色腫、結腸直腸癌、乳頭状甲状腺癌、肝細胞癌、乳房パジェット病、葉状腫瘍、小葉癌、腺管癌、膵臓星細胞の癌、肝星細胞の癌、又は前立腺癌が挙げられる。
【0083】
「白血病」は、造血器官の進行性の悪性疾患を広義に指し、一般に、血液及び骨髄における白血球及びそれらの前駆体の異常な増殖及び発生を特徴とする。白血病は、一般に、(1)疾患の持続期間及び特徴:急性又は慢性;(2)関与する細胞の種類:骨髄(骨髄性)、リンパ球(リンパ性)、又は単球;及び(3)血液における異常細胞数の増加又は非増加:白血病性又は無白血病性(亜白血病性)に基づいて臨床的に分類される。本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で治療され得る例示的な白血病としては、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、無白血病性白血病、白血球血症性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞性白血病、血芽球性白血病、血芽球細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ性白血病(lymphogenous leukemia)、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、マスト細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ型白血病、形質細胞性白血病、多発性骨髄腫、プラズマ細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病、又は未分化細胞性白血病が挙げられる。
【0084】
「肉腫」は、一般に、胚生結合組織のような物質で構成され、一般に、線維性物質又は均質物質に埋め込まれた密に充填された細胞から構成される腫瘍を指す。本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で治療され得る肉腫としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫(Abemethy's sarcoma)、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状横紋筋肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎芽性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫(idiopathic multiple pigmented hemorrhagic sarcoma)、B細胞の免疫芽球肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー星細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨肉腫、細網肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、又は毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
【0085】
「黒色腫」は、皮膚及び他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味すると考えられる。本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で治療され得る黒色腫としては、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング-パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪下黒色腫、又は表在拡大型黒色腫が挙げられる。
【0086】
「癌腫」は、周囲組織に浸潤し、転移を起こす傾向がある上皮細胞から構成される悪性新生物を指す。本明細書において提供される化合物、医薬組成物、又は方法で治療され得る例示的な癌腫としては、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、腺房癌、小葉癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺様癌、副腎皮質の癌腫、胞巣状癌、肺胞上皮癌、基底細胞癌、基底細胞の癌腫、類基底細胞癌、基底扁平上皮癌腫、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原性肺癌、大脳様癌(cerebriform carcinoma)、胆管細胞癌、絨毛癌、粘液癌、面皰癌、子宮体部癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円柱状癌(cylindrical carcinoma)、円柱細胞癌、腺管癌、乳管癌、硬性癌(carcinoma durum)、胚性癌腫、髄様癌、類表皮癌、腺上皮癌、外向発育癌、潰瘍癌、線維性癌、膠様癌、コロイド腺癌、巨細胞癌、巨大細胞癌、腺性癌、顆粒膜細胞癌、毛母癌、血液様癌、肝細胞癌、ハースル細胞癌、硝子質癌、副腎様癌、小児性胚性癌腫、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌腫、クロムペッヘル癌、クルチツキー細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫性癌、小葉癌、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟性癌腫、粘液性癌(mucinous carcinoma)、粘液性癌腫、粘細胞性癌、粘表皮癌、粘液癌(carcinoma mucosum)、粘液性癌(mucous carcinoma)、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、骨様癌、乳頭癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、髄質様癌、腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌腫、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイド癌腫、回転楕円面細胞癌腫、紡錘細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、紐様癌、血管拡張性癌腫、毛細血管拡張性癌腫、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、管状癌、結節癌(tuberous carcinoma)、疣状癌、又は絨毛性癌腫が挙げられる。
【0087】
「転移」、「転移性」、及び「転移癌」は、互換的に使用され得、増殖性疾患又は障害、例えば、癌が1つの器官から別の非隣接器官又は身体部分に拡散することを指す。癌は、発生部位、例えば、乳房で発生し、その部位は、原発性腫瘍、例えば、原発性乳癌と称される。原発性腫瘍又は発生部位内の一部の癌細胞は、局所領域における周囲の正常組織に侵入及び浸潤する能力、及び/又はリンパ系若しくは血管系の壁に侵入し、その系を通って身体内の他の部位及び組織へと広がる能力を獲得する。原発性腫瘍の癌細胞から形成される第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性腫瘍又は続発性腫瘍と称される。癌細胞が転移する場合、転移性腫瘍及びその細胞は、元の腫瘍のものと同様であると推定される。したがって、肺癌が乳房に転移する場合、乳房部位の続発性腫瘍は異常な肺細胞からなり、異常な乳房細胞からなるものではない。乳房における続発性腫瘍は、転移性肺癌と称される。したがって、転移性癌という語句は、対象が原発腫瘍を有し、又は過去に有しており、かつ1つ以上の続発性腫瘍を有する疾患を指す。非転移性癌、又は転移性でない癌を有する対象という語句は、対象が原発性腫瘍を有するが、1つ以上の続発性腫瘍を有さない疾患を指す。例えば、転移性肺癌は、原発性肺腫瘍を有するか、又はその病歴を有し、第2の部位又は複数の部位、例えば、乳房に1つ以上の続発性腫瘍を有する対象における疾患を指す。
【0088】
疾患(例えば、糖尿病、癌(例えば、前立腺癌、腎癌、転移癌、黒色腫、去勢抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、神経膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば、頭部、頸部、又は食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、又は多発性骨髄腫))に関連する物質又は物質の活性若しくは機能の文脈において、「関連する」又は「に関連する」とは、当該物質又は当該物質の活性若しくは機能により、当該疾患(例えば、肺癌、卵巣癌、骨肉腫、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、皮膚癌(例えば、メルケル細胞癌)、精巣癌、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、黒色腫、乳癌、神経芽細胞腫)が(全体的又は部分的に)引き起こされるか、又は当該疾患の症状が(全体的又は部分的に)引き起こされることを意味する。
【0089】
本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性形態、多形体、及びプロドラッグも提供される。「医薬的に許容される」又は「生理学的に許容される」とは、獣医学的用途又はヒト用医薬品用途に好適な医薬組成物を調製するのに有用である化合物、塩、組成物、剤形、及び他の物質を指す。
【0090】
本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容される塩として、又は適切な場合には、遊離塩基として調製及び/又は製剤化され得る。薬学的に許容される塩は、遊離塩基の所望の薬理活性を有する化合物の遊離塩基形態の非毒性塩である。これらの塩は、無機若しくは有機酸又は無機若しくは有機塩基から誘導され得る。例えば、塩基性窒素を含有する化合物は、当該化合物を無機酸又は有機酸と接触させることによって、薬学的に許容される塩として調製され得る。薬学的に許容される塩の非限定的な例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、及びマンデル酸塩が挙げられる。他の好適な薬学的に許容される塩のリストは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Wiliams and Wilkins,Philadelphia,Pa.,2006に見出される。
【0091】
本明細書に開示される化合物の「薬学的に許容される塩」の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム、及びNX (Xは、C~Cアルキル)などの適切な塩基から誘導される塩も挙げられる。ナトリウム塩又はカリウム塩などの塩基付加塩も挙げられる。
【0092】
炭素原子に結合している1~n個の水素原子が重水素原子又はDにより置き換えられていてもよい、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、若しくは混合物も提供され、ここで、nは分子中の水素原子の数である。当該技術分野において既知であるように、重水素原子は、水素原子の非放射性同位体である。かかる化合物は、代謝に対する耐性が増強していてもよく、したがって、哺乳動物に投与される場合に、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、異性体、若しくは混合物の半減期を増加させるのに有用であり得る。例えば、Foster,「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」,Trends Pharmacol.Sci.,5(12):524-527(1984)を参照されたい。かかる化合物は、当該技術分野において周知の手段により、例えば、1個以上の水素原子が重水素で置き換えられた出発物質を用いることにより合成される。
【0093】
開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iも挙げられる。11C、18F、15O、及び13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(Positron Emission Topography、PET)研究において有用であり得る。式(I)の同位体標識された化合物は、一般に、当業者に公知の従来技術により、又は後述の実施例に記載されるものと類似のプロセスにより、従来用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して調製され得る。
【0094】
本明細書に開示される実施形態の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含み得、したがって、絶対立体化学に関して、(R)-若しくは(S)-として、又はアミノ酸については(D)-若しくは(L)-として定義され得る鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じさせ得る。本開示は、全てのそのような可能な異性体、並びにそれらのラセミ体形態及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性な(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、又は(D)-及び(L)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製されても、従来の技術、例えば、クロマトグラフィー及び分別結晶化を使用して分割されてもよい。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(high pressure liquid chromatography、HPLC)を使用したラセミ化合物(又は塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割を含む。本明細書に記載の化合物が、オレフィン性二重結合、又は他の幾何学的不斉中心を含有するとき、かつ別段特定されない限り、これらの化合物は、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性体形態もまた含まれることが意図される。化合物がそれらのキラル形態で表される場合、実施形態は、特定のジアステレオマー的又は鏡像異性的に濃縮された形態を包含するが、これらに限定されないことが理解される。キラリティが特定されていないが存在する場合、実施形態は、特定のジアステレオマー的若しくは鏡像異性的に濃縮された形態、又はそのような化合物のラセミ若しくはスカレミック混合物のうちのいずれかを対象とすることが理解される。本明細書で使用される場合、「スカレミック混合物」は、1:1以外の比での立体異性体の混合物である。
【0095】
「ラセミ体」は、鏡像異性体の混合物を指す。混合物は、等しい又は等しくない量の各鏡像異性体を含み得る。
【0096】
「立体異性体(stereoisomer及びstereoisomers)」は、1つ以上の立体中心のキラリティーが異なる化合物を指す。立体異性体としては、鏡像異性体及びジアステレオマーが挙げられる。化合物は、それらが1つ以上の不斉中心又は非対称置換を有する二重結合を有し、したがって、個々の立体異性体又は混合物として生成され得る場合、立体異性体形態で存在し得る。特に明記しない限り、説明は、個々の立体異性体及び混合物を含むことを意図する。立体化学の決定及び立体異性体の分離のための方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Advanced Organic Chemistry,4th ed.,J.March,John Wiley and Sons,New York,1992の第4章を参照のこと)。
【0097】
「互変異性体」は、エノール-ケト及びイミン-エナミン互変異性体などのプロトンの位置が異なる化合物の代替形態、又はピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、及びテトラゾールなどの環-NH-及び環=N-の両方に結合した環原子を含有するヘテロアリール基の互変異性形態を指す。
【0098】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。化学基の前又は後のダッシュは、便宜上のものであり、化学基は、それらの通常の意味を失うことなく、1つ以上のダッシュを伴うか又は伴わずに示され得る。構造内の線を横切って引かれた波線は、基の結合点を示す。破線は、任意選択の結合を示す。化学的又は構造的に必要とされない限り、化学基が書き込まれる順序又は分子の残部に結合している点は、方向性を示すものでも暗示するものでもない。例えば、基「-SOCH-」は、「-CHSO-」と同等であり、両方がいずれの方向にも連結され得る。同様に、例えば、「アリールアルキル」基は、当該基のアリール又はアルキル部分のいずれかで分子の残部に結合されていてもよい。「Cu-v」又は(C-C)などの接頭辞は、後に続く基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル」及び「C~Cアルキル」の両方は、アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。
【0099】
本明細書で使用する場合、「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用の結果を指す。本明細書に記載の化合物の塩の溶媒和物も提供される。本明細書に記載の化合物の水和物も提供される。
【0100】
本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」は、人体への投与の際に、いくつかの化学的経路又は酵素経路により親薬物に変換される、薬物の誘導体を指す。
【0101】
III.化合物
医薬製剤
いくつかの実施形態では、本開示は、薬学的有効量の本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬製剤を提供する。また本明細書には、薬学的有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬製剤が提供される。
【0102】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、癌の治療に使用するためのものである。
【0103】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の追加の治療薬を更に含む。任意の適切な追加の治療薬又は併用療法を、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば、本明細書に記載の薬剤及び療法と共に使用することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物及び追加の治療薬を含み、追加の治療薬は抗癌剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬が、独立して、抗腫瘍薬、化学療法、放射線治療、又は切除療法である医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬が、独立して、リツキサン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、又はイピリムマブである医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬がPD-1/PD-L1阻害剤である医薬組成物である。
【0105】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬が、ナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞、NK-T細胞、T細胞、サイトカイン誘導キラー(cytokine-induced killer、CIK)細胞、マクロファージ(macrophage、MAC)細胞、腫瘍浸潤リンパ球(tumor infiltrating lymphocyte、TIL)、及び樹状細胞(dendritic cell、DC)などの1つ以上の免疫細胞集団を含む医薬組成物である。
【0106】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬が1種以上のキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)を含む医薬組成物である。
【0107】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の治療薬が、免疫療法、免疫賦活療法、サイトカイン療法、ケモカイン療法、細胞療法、遺伝子療法、又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、免疫療法は、1種以上の抗体若しくはその抗原結合性抗体断片又はそれらの抗体薬物コンジュゲート、CD3標的多重特異性分子、CD16標的多重特異性分子、又は1種以上の標的若しくは腫瘍関連抗原(tumor associated antigen、TAA)に対して指向された非免疫グロブリン抗原結合ドメイン若しくは抗体ミメティックタンパク質を共投与することを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、通常の慣例に従って選択され得る従来の担体及び賦形剤と共に製剤化される。錠剤は、賦形剤、グリダント、充填剤、結合剤などを含有し得る。水性製剤は、滅菌形態で調製され得、例えば、経口投与以外による送達が意図される場合、等張であり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(1986)に記載されているものなどの賦形剤を場合により含有し得る。賦形剤としては、例えば、アスコルビン酸及び他の抗酸化剤、EDTAなどのキレート剤、デキストラン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などの炭水化物が挙げられ得る。製剤のpHは、約3~約11、例えば、約7~約10の範囲である。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、単独で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、医薬製剤で投与される。いくつかの実施形態では、獣医学的及び/又はヒトでの使用のための製剤は、式(I)の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を、1種以上の許容される担体及び場合により本明細書で論じられる追加の治療成分などの他の治療成分と一緒に含む。いくつかの実施形態では、担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合可能であり、かつそのレシピエントに生理学的に無害であるという意味で「許容可能」である。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、前述の投与経路に適したものを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、単位剤形で提供される。製剤は、薬剤学の分野において公知の方法により調製され得る。技術及び製剤は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)に見出され得る。かかる方法としては、例えば、活性成分を、1種以上の補助的成分を含む担体と会合させる工程を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、活性成分を、液体担体若しくは微粉化された固体担体又はその両方と会合させ、次いで、いくつかの実施形態では、生成物を成形することにより調製される。
【0111】
経口投与に適した製剤は、それぞれが所定量の活性成分、例えば式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有するカプセル、カシェ又は錠剤として、粉末若しくは顆粒として、水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンとして提示され得る。いくつかの実施形態では、活性成分は、巨丸剤、舐剤、又はペーストとして投与される。
【0112】
錠剤は、例えば、場合により1種以上の補助的成分と共に圧縮又は成形することにより作製され得る。圧縮錠剤は、例えば、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤、又は分散剤と場合により混合された、粉末又は顆粒などの易流動性形態の活性成分を適切な機械で圧縮することにより調製され得る。成形された錠剤は、例えば、不活性な液体希釈剤で湿潤された粉末状の活性成分の混合物を、適切な機械で成形することにより製造され得る。錠剤は、場合によりコーティングされ得るか、又は割線が入れられ得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、そこからの活性成分の徐放又は制御放出を提供するように製剤化される。
【0113】
眼又は他の外部組織、例えば、口及び皮膚の感染に対して、式(I)の化合物を、例えば、約0.075~約20%w/w(約0.1%w/w刻みで約0.1%~約20%の範囲、例えば、約0.6%w/w、約0.7%w/wなどの活性成分(複数可)が含まれる)、例えば、約0.2~約15%w/w、及び例えば、約0.5~約10%w/wの量で含有する局所軟膏又はクリームとして製剤が適用され得る。軟膏に製剤化される場合、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、パラフィン系又は水混和性軟膏基剤のいずれかと共に使用され得る。代替的に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、水中油型クリーム基剤を用いてクリーム状に製剤化することができる。
【0114】
必要に応じて、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも約30%w/wの多価アルコール、すなわち、2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、及びポリエチレングリコール(PEG400が含まれる)、並びにそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、局所製剤は、皮膚又は他の患部を通した活性成分の吸収又は浸透を増強する化合物を含み得る。かかる皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシド及び関連する類似体が挙げられる。
【0115】
エマルジョンの油性相は、既知の様式で既知の成分から構成され得る。相は、乳化剤(別名乳化剤(emulgent))のみを含み得るが、例えば、少なくとも1種の乳化剤と脂肪若しくは油との混合物、又は脂肪及び油の両方との混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、親水性乳化剤は、安定剤として機能する親油性乳化剤と共に含まれる。いくつかの実施形態では、エマルジョンは、油及び脂肪の両方を含む。一緒に、安定剤を含むか又は含まない乳化剤は、いわゆる乳化ワックスを構成し、ワックスは、油及び脂肪と共に、クリーム製剤の油性分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。
【0116】
製剤に使用するのに適した乳化剤(emulgent)及びエマルジョン安定剤としては、例えば、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0117】
製剤に適した油又は脂肪の選択は、所望の特性を達成することに基づく。クリームは、チューブ又は他の容器からの漏出を回避するために適度な稠度を有する、非油性、非染色性、かつ洗浄可能な生成物であり得る。直鎖又は分岐鎖、一又は二塩基性アルキルエステル、例えば、ジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、又はCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルのブレンドが使用され得る。これらは、必要な特性に応じて、単独で使用されても、組み合わせて使用されてもよい。あるいは、白色軟パラフィン及び/又は流動パラフィン又は他の鉱油などの高融点脂質が使用され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、本明細書における医薬製剤は、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤、及び場合により他の治療薬との組み合わせを含む。活性成分を含有する医薬製剤は、意図される投与方法に好適な任意の形態であり得る。経口使用に使用される場合、例えば、錠剤、トローチ、舐剤、水性若しくは油性懸濁剤、分散性の粉末若しくは顆粒、エマルジョン、硬カプセル若しくは軟カプセル、溶液、シロップ、又はエリキシルが調製され得る。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野で既知の任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤を含む1つ以上の薬剤を含有し得る。錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシデンプン、又はアルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤;デンプン、ゼラチン、又はアカシアなどの結合剤、並びにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの潤滑剤であり得る。錠剤は、コーティングされていない場合があるか、又は胃腸管内での崩壊及び吸着を遅延させ、それによって長期間にわたって持続的作用を提供するためのマイクロカプセル化を含む既知の技術によってコーティングされ得る。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質は、単独で、又はワックスと共に用いられ得る。
【0119】
経口使用のための製剤はまた、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、リン酸カルシウム又はカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が、水又はピーナッツ油、液体パラフィン若しくはオリーブ油などの油媒体と混合される軟質ゼラチンカプセルとして提示され得る。
【0120】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性物質を含有する。そのような賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガムなどの懸濁剤、並びに天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)などの分散剤又は湿潤剤、アルキレンオキシドと脂肪酸(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)との縮合生成物、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)との縮合生成物、エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとの縮合生成物、及びヘキシトール無水物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)を含む。水性懸濁液はまた、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシ-安息香酸塩などの1つ以上の防腐剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及びスクロース又はサッカリンなどの1つ以上の甘味剤を含有し得る。
【0121】
油懸濁液は、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツ油などの植物油中、又は液体パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁することによって製剤化され得る。経口懸濁液は、蜜蝋、硬質パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤を含有し得る。上記のような甘味剤、及び香味剤を添加して、口当たりのよい経口調製物を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存され得る。
【0122】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び1種以上の防腐剤との混合物中の活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記に開示されたものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、及び着色剤も存在し得る。
【0123】
医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、オリーブ油又はピーナッツ油などの植物油、液体パラフィンなどの鉱油、又はこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤としては、アカシアガム及びトラガカントガムなどの天然に存在するガム、ダイズレシチンなどの天然に存在するホスファチド、脂肪酸に由来するエステル又は部分エステル、及びモノオレイン酸ソルビタンなどのヘキシトール無水物、並びにモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。エマルジョンはまた、甘味剤及び香味剤を含有し得る。シロップ剤及びエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトール、又はスクロースなどの甘味剤と共に製剤化され得る。そのような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、香味剤、又は着色剤を含有し得る。
【0124】
医薬組成物は、無菌の注射用製剤又は静脈内投与製剤の形態、例えば、無菌の注射用水性懸濁液又は注射用油性懸濁液であり得る。かかる懸濁液は、前述した好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化され得る。無菌の注射用製剤又は静脈内投与製剤としては、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液などの、非毒性の非経口的に許容される希釈剤若しくは溶媒中の無菌注射用溶液若しくは懸濁液も挙げられ得るか、又は凍結乾燥粉末として調製され得る。用いられ得る許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油は、従来、溶媒又は懸濁媒体として用いられ得る。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドが含まれる、刺激の少ない固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も同様に注射剤の調製に使用され得る。
【0125】
単一剤形を生成するために担体物質と組み合わされ得る活性成分の量は、治療される対象及び特定の投与様式に応じて異なり得る。例えば、ヒトへの経口投与が意図される持効性製剤は、組成物全体の約5~約95%(重量:重量)の範囲で変化し得る適切かつ便利な量の担体物質と配合された約1~約1000mgの活性物質を含有し得る。医薬組成物は、投与のために容易に測定可能な量を提供するように調製することができる。例えば、静脈内注入が意図される水溶液は、約30mL/時間の速度で好適な容量の注入が起こり得るように、溶液1ミリリットル当たり約3~約500μgの活性成分を含有し得る。
【0126】
眼への局所投与に好適な製剤はまた、活性成分が好適な担体、特に活性成分の水性溶媒に溶解又は懸濁される点眼薬を含む。活性成分は、約0.5~約20%、例えば、約0.5~約10%、例えば、約1.5%w/wの濃度でかかる製剤中に存在し得る。
【0127】
口腔への局所投与に好適な製剤としては、例えば、スクロース及びアカシア又はトラガカントなどの風味付けされた基剤中に活性成分を含む舐剤;ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むトローチ;及び好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
【0128】
直腸投与用の製剤は、例えば、ココアバター又はサリチル酸塩を含む好適な基剤を含有する坐剤として提供され得る。
【0129】
肺内又は経鼻投与に好適な製剤は、例えば、約0.1~約500マイクロメートルの範囲、例えば、約0.5、約1、約30、又は約35などの粒径を有し、鼻腔を通した急速吸入により、又は肺胞嚢に到達するような口腔を通した吸入により投与される。好適な製剤としては、活性成分の水性又は油性溶液が挙げられる。エアロゾル又は乾燥粉末投与に好適な製剤は、従来の方法に従って調製され得、以下に記載されるような癌の治療にこれまで使用された化合物などの他の治療薬と共に送達され得る。
【0130】
別の実施形態は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む吸入可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態では、吸入可能な組成物は、癌を治療するのに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、又はリン酸塩が含まれる、無機酸塩である。例えば、かかる塩は、他の塩と比較して肺炎症を引き起こす可能性が低い場合がある。いくつかの実施形態では、吸入可能な組成物は、約1~約5μmの空気動力学的中央粒子径(mass median aerodynamic diameter、MMAD)を有する粒子を含むエアロゾルで気管支内空間に送達される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、噴霧器、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、又は乾燥粉末吸入器(DPI)を使用するエアロゾル送達用に製剤化される。
【0131】
噴霧器の非限定的な例としては、霧吹き式、ジェット式、超音波式、加圧式、振動多孔質プレート、又は適応可能なエアロゾル送達技術を利用する噴霧器が含まれる同等の噴霧器が挙げられる(Denyer,J.Aerosol medicine Pulmonary Drug Delivery 2010,23 Supp 1,S1-S10)。ジェット噴霧器は、空気圧を利用して液体溶液をエアロゾル液滴に破壊する。超音波噴霧器は、液体を小さなエアロゾル液滴に剪断する圧電結晶により機能する。加圧噴霧システムは、圧力をかけて強制的に溶液を小さい細孔に通すことによって、エアロゾルの液滴を生じさせる。振動多孔質プレートデバイスは、急速振動を利用して、液体の流れを適切な液滴サイズに剪断する。
【0132】
他の実施形態では、噴霧用の製剤は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の製剤を必要とされるMMADの粒子にエアロゾル化することができる噴霧器を使用して、主に約1μm~約5μmのMMADを有する粒子を含むエアロゾル中で気管支内空間に送達される。治療上有効性を最適化するために、及び上気道及び全身の副作用を回避するために、エアロゾル化粒子の大部分は、約5μmを超えるMMADを有するべきではない。エアロゾルが、約5μmより大きいMMADを有する多数の粒子を含有する場合、粒子は、上気道内に堆積され、下気道内の炎症及び気管支狭窄部位に送達される薬物の量を減少させる。エアロゾルのMMADが約1μmよりも小さい場合、粒子は、場合によっては吸入された空気中に懸濁されたままであり得、その後、呼気中に吐き出され得る。
【0133】
本明細書における方法により製剤化及び送達される場合、噴霧用のエアロゾル製剤は、治療上有効用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を治療標的、例えば、癌の部位に送達する。投与される薬物の量は、治療有効用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の送達の効率を反映するように調整することができる。一実施形態では、水性エアロゾル製剤と、噴霧、ジェット、加圧、振動多孔質プレート、又は超音波ネブライザーとの組み合わせは、そのネブライザーに応じて、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の投与用量のうち約20~約90%、例えば70%の気道内への送達を可能にする。一実施形態では、活性化合物の約30~約50%が送達される。例えば、活性化合物の約70~約90%が送達され得る。
【0134】
別の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、乾燥吸入可能な粉末として送達される。化合物は、乾燥粉末吸入器又は定量吸入器を使用して、化合物の微粒子を気管支内空間に有効に送達するために、乾燥粉末製剤として気管支内に投与される。DPIによる送達のために、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、粉砕スプレー乾燥、臨界流体加工、又は溶液からの沈殿によって、主に約1μm~約5μmのMMADを有する粒子に加工される。約1μm~約5μmのMMADで粒径をもたらすことができる媒体ミリング、ジェットミリング、及び噴霧乾燥のデバイス及び手順は、当該技術分野において周知である。一実施形態では、賦形剤は、必要なサイズの粒子に加工する前に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に添加される。別の実施形態では、賦形剤は、例えば、賦形剤としてラクトースを使用することによって、薬物粒子の分散を促進するために必要なサイズの粒子と混合される。
【0135】
粒径の決定は、当該技術分野において周知のデバイスを使用して行われる。例えば、定量吸入器及び乾燥粉末吸入器内のエアロゾル用の特徴付けデバイスとして、米国薬局方第601章に特に引用されるものなどの、多段階Andersonカスケードインパクター又はその他の好適な方法がある。
【0136】
他の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、乾燥粉末吸入器又は他の乾燥粉末分散デバイスなどのデバイスを使用して、乾燥粉末として送達され得る。乾燥粉末吸入器及びデバイスの非限定的な例としては、米国特許第5,458,135号、米国特許第5,740,794号、米国特許第5,775,320号、米国特許第5,785,049号、米国特許第3,906,950号、米国特許第4,013,075号、米国特許第4,069,819号、米国特許第4,995,385号、米国特許第5,522,385号、米国特許第4,668,218号、米国特許第4,667,668号、米国特許第4,805,811号、及び米国特許第5,388,572号に開示されるものが挙げられる。乾燥粉末吸入器には2つの主要な設計がある。1つの設計は、薬物のためのリザーバーがデバイス内に配置され、患者がある用量の薬物を吸入チャンバーに追加する計量デバイスである。第2の設計は、各個別の用量が別個の容器に製造された、工場で計量済みのデバイスである。両方のシステムは、約1μm~約5μmのMMADの小さな粒子への薬物の製剤化に依存し、多くの場合、限定されるものではないが、ラクトースなどのより大きな賦形剤粒子との共製剤化を必要とする。薬物粉末は、(デバイスでの計量又は工場で計量済みの投与量の分割のいずれかによって)吸入チャンバーに配置され、患者の吸気流が、デバイスから出て口腔内に入る粉末を加速させる。粉末経路の非層流特性は、賦形剤-薬物凝集物を分解させ、大きな賦形剤粒子の塊が、喉の背側に固着し、一方で、より小さな薬物粒子が肺の深部に沈着する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるいずれかのタイプの乾燥粉末吸入器を使用して乾燥粉末として送達され、この場合、任意の賦形剤を除く乾燥粉末のMMADは、主に1μm~約5μmの範囲である。
【0137】
他の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、計量用量吸入器を使用して乾燥粉末として送達される。定量吸入器及びデバイスの非限定的な例としては、米国特許第5,261,538号、米国特許第5,544,647号、米国特許第5,622,163号、米国特許第4,955,371号、米国特許第3,565,070号、米国特許第3,361306号、及び米国特許第6,116,234号に開示されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、定量吸入器を使用して乾燥粉末として送達され、任意の賦形剤を除いた乾燥粉末のMMADは、主に約1~約5μmの範囲である。
【0138】
膣内投与に好適な製剤は、活性成分に加えて、当該技術分野において適切であることが知られているような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体又はスプレー製剤として提示され得る。
【0139】
非経口投与に好適な製剤としては、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする抗酸化剤、緩衝液、バクテリオスタット、及び溶質を含有し得る水性及び非水性滅菌注入溶液、並びに懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。
【0140】
製剤は、単位用量又は多用量容器、例えば密封アンプル及びバイアルで提示され、使用直前に、滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管され得る。即時注射溶液及び懸濁液は、前述の種類の滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製される。単位用量製剤としては、活性成分の、本明細書で上記に列挙されたような1日用量若しくは単位1日サブ用量、又はそれらの適切な割合を含有するものが挙げられる。
【0141】
特に前述の成分に加えて、製剤は、該当の製剤の種類に関して当該技術分野において標準的な他の薬剤を含み得、例えば、経口投与に好適なものは、香味剤を含み得ることを理解すべきである。
【0142】
上記で定義される少なくとも1種の活性成分を、そのための獣医学用担体と共に含む獣医学用組成物が更に提供される。
【0143】
獣医学的担体は、組成物を投与する目的で有用な物質であり、そうでなければ、獣医技術において不活性であるか又は許容可能であり、活性成分と適合性がある、固体、液体、又はガス状の物質であり得る。これらの獣医学的組成物は、経口、非経口又は任意の他の所望の経路によって投与され得る。
【0144】
本明細書における化合物は、活性成分として1種以上の当該化合物を含有する制御放出医薬製剤(「制御放出製剤」)を提供するために使用され、ここで、当該活性成分の放出は、より低い頻度の投薬を可能にするか、又は所与の活性成分の薬物動態プロファイル若しくは毒性プロファイルを改善するように制御及び調節される。
【0145】
活性成分の有効用量は、治療される状態の性質、毒性、送達方法、及び医薬製剤に少なくとも依存し、従来の用量漸増試験を使用して臨床医により決定され得る。これは、1日当たり約0.0001~約100mg/kg体重、典型的には、1日当たり約0.01~約10mg/kg体重、より典型的には、1日当たり約0.01~約5mg/kg体重、最も典型的には、1日当たり約0.05~約0.5mg/kg体重であると予想され得る。例えば、体重約70kgのヒト成人の1日量候補は、約1mg~約1000mg、例えば、約5mg~約500mgの範囲であり得、単回用量又は複数回用量の形態をとり得る。
【0146】
いくつかの実施形態は、癌を処置する必要がある対象における癌を処置するために薬剤を製造するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌を治療するための薬剤を製造する方法は、式(I)の構造を有する化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を使用することを含む。いくつかの実施形態は、癌転移を阻害する必要がある対象における癌転移を阻害するための薬剤を製造するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌転移を阻害するための医薬を製造する方法は、式(I)の構造を有する化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を使用することを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示は、癌を処置する必要がある対象における癌の処置における、式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、癌転移の阻害を必要とする対象における癌転移の阻害における、式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を治療で使うために提供する。
【0148】
IV.投与経路
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のうちの1つ以上(本明細書では活性成分と称される)は、治療される状態に適切な任意の経路によって投与される。好適な経路としては、経口、直腸、経鼻、経肺、局所(口腔内及び舌下が含まれる)、膣内、及び非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、クモ膜下腔内、及び硬膜外が含まれる)などが挙げられる。経路は、例えば、レシピエントの状態によって異なり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、経口投与可能であり、経口投与され得る。
【0149】
本開示の化合物(本明細書では活性成分とも称される)は、治療される状態に適切な任意の経路によって投与することができる。好適な経路としては、経口、直腸、鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、経皮、膣及び非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内及び硬膜外を含む)などが挙げられる。経路は、例えば、レシピエントの状態によって異なり得ることが理解されよう。本明細書に開示されるある特定の化合物の利点は、それらが経口的に生物学的に利用可能であり、経口投与され得ることである。
【0150】
本開示の化合物は、有効な投与計画に従って、所望の一定時間又は期間、例えば、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、又は少なくとも約12ヶ月以上の間、個体に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、個体の寿命の期間にわたって毎日又は断続的なスケジュールで投与される。
【0151】
本開示の化合物の投与量又は投与頻度は、投与医師の判断に基づいて、治療の過程にわたって調整され得る。
【0152】
化合物は、有効量で個体(例えば、ヒト)に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、1日1回投与される。
【0153】
化合物は、経口又は非経口(例えば、静脈内)投与などの任意の有用な経路及び手段により投与され得る。化合物の治療有効量としては、1日当たり約0.00001mg/kg体重~1日当たり約10mg/kg体重、例えば、1日当たり約0.0001mg/kg体重~1日当たり約10mg/kg体重、又は例えば、1日当たり約0.001mg/kg体重~1日当たり約1mg/kg体重、又は例えば、1日当たり約0.01mg/kg体重~1日当たり約1mg/kg体重、又は例えば、1日当たり約0.05mg/kg体重~1日当たり約0.5mg/kg体重、又は例えば、1日当たり約0.3mg~約30mg、又は例えば、1日当たり約30mg~約300mgが挙げられ得る。
【0154】
本開示の化合物は、本開示の化合物の任意の投与量(例えば、約1mg~約1000mgの化合物)で、1つ以上の追加の治療薬と組み合わされ得る。治療有効量としては、1用量当たり約1mg~1用量当たり約1000mg、例えば、1用量当たり約50mg~1用量当たり約500mg、又は例えば、1用量当たり約100mg~1用量当たり約400mg、又は例えば、1用量当たり約150mg~1用量当たり約350mg、又は例えば、1用量当たり約200mg~1用量当たり約300mgが挙げられ得る。本開示の化合物の他の治療有効量は、1用量当たり約100、約125、約150、約175、約200、約225、約250、約275、約300、約325、約350、約375、約400、約425、約450、約475、又は約500mgである。本開示の化合物の他の治療有効量は、1用量当たり約100mg、又は1用量当たり約125、約150、約175、約200、約225、約250、約275、約300、約325、約350、約375、約400、約425、約450、又は約500mgである。1回量は、毎時間、毎日、又は毎週投与され得る。例えば、1回量は、約1、約2、約3、約4、約6、約8、約12、約16時間毎に1回、又は約24時間毎に1回投与され得る。また1回量は、約1、約2、約3、約4、約5、約6日毎に1回、又は約7日毎に1回投与されてもよい。また1回量は、約1、約2、約3週間毎に1回、又は約4週間毎に1回投与されてもよい。いくつかの実施形態では、1回量は、ほぼ毎週に1回投与され得る。また1回量は、ほぼ毎月に1回投与されてもよい。
【0155】
本開示の化合物の他の治療有効量は、1用量当たり約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100mgである。
【0156】
本開示の化合物の投与頻度は、個々の患者の必要性により決定され得、例えば、1日1回、又は1日に2回、又はそれ以上の回数であり得る。疾患又は状態を治療するために必要である限り、化合物の投与は継続する。例えば、化合物は、癌を有するヒトに、約20日~約180日の期間、又は例えば、約20日~約90日の期間、又は例えば、約30日~約60日間の期間の間、投与され得る。
【0157】
投与は、患者が、本開示の化合物の1日用量を受ける数日以上の期間、それに続く患者が化合物の1日用量を受けない数日以上の期間を伴って、断続的であり得る。例えば、患者は、ある用量の化合物を、1日置きに、又は1週間当たり3回受けることができる。更なる例として、患者は、約1~約14日間の期間の間、毎日ある用量の化合物を投与され、この後に当該患者がある用量の化合物を投与されない約7~約21日の期間が続き、この後に当該患者が再び化合物の1日用量を投与されるその後の期間(例えば、約1~約14日)が続くということも可能である。化合物の投与、続いて化合物の非投与の交互の期間は、患者を治療するために臨床的に必要とされるように繰り返され得る。
【0158】
一実施形態では、1種以上(例えば、1、2、3、4種、1種若しくは2種、又は1~3種、又は1~4種)の追加の治療薬との組み合わせでの本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0159】
一実施形態では、1種以上(例えば、1、2、3、4種、1種若しくは2種、又は1~3種、又は1~4種)の追加の治療薬との組み合わせでの本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を含むキットが提供される。
【0160】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の追加の治療剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、2つの追加の治療剤と組み合わされる。他の実施形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩は、3種の追加の治療薬と組み合わされる。更なる実施形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩は、4種の追加の治療薬と組み合わされる。1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の追加の治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってもよく、かつ/又は異なるクラスの治療剤から選択してもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を本明細書に記載の1つ以上の追加の治療薬と組み合わせる場合、組成物の成分は、同時又は連続レジメンとして投与される。順次投与される場合、組み合わせは、2回以上の投与で投与されてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、例えば経口投与のための固体剤形として、患者への同時投与のための単位剤形において1つ以上の追加の治療薬と組み合わされる。
【0163】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1つ以上の追加の治療薬と共投与される。
【0164】
本開示の化合物の効果を延長するために、多くの場合、皮下又は筋肉内注射による化合物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶質又は非晶質物質の液体懸濁液を使用することにより達成され得る。その場合、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、次に、この溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された化合物形態の吸収の遅延は、化合物を油性媒体中に溶解又は懸濁することにより達成される。注射可能なデポー形態は、ポリ乳酸-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中の化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する化合物の比率、及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、身体組織と適合可能なリポソーム又はマイクロエマルジョンに化合物を封入することによっても調製される。
【0165】
V.併用療法
本明細書で提供される式Iの化合物、その薬学的に許容される塩、及び/又は組成物は更に、癌の処置のための他の活性治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物又はその薬学的に許容される塩は、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の追加の治療薬と共に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、例えば、阻害性免疫チェックポイント遮断薬若しくは阻害剤、刺激性免疫チェックポイント刺激因子、アゴニスト、若しくは活性化因子、化学療法剤、抗癌剤、放射線療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫療法剤、治療用抗原結合分子(例えば、DART(登録商標)、Duobody(登録商標)、BiTE(登録商標)、BiKE、TriKE、XmAb(登録商標)、TandAb(登録商標)、scFv、Fab、Fab誘導体などの任意の形式の単一特異性及び多重特異性抗体並びにその断片)、二重特異性抗体、非免疫グロブリン抗体模倣物(例えば、アドネクチン、アフィボディ分子、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、ペプチドアプタマー、アルマジロ反復タンパク質(armadillo repeat protein、ARM)、アトリマー、アビマー、設計されたアンキリン反復タンパク質(designed ankyrin repeat protein、DARPin(登録商標))、フィノマー、ノッチン、クニッツドメインペプチド、モノボディ、及びナノCLAMPを含む)、抗体薬物コンジュゲート(antibody-drug conjugate、ADC)、抗体-ペプチドコンジュゲート)、腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子修飾剤若しくは編集剤、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)を含む細胞、例えば、T細胞免疫療法剤、NK細胞免疫療法剤、若しくはマクロファージ免疫療法剤を含む、操作されたT細胞受容体(TCR-T)、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0167】
例示的標的
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、例えば、以下に挙げるものなどの標的(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)の阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、調節剤、刺激因子、遮断剤、活性化因子又はサプレッサーが挙げられる:2’-5’-オリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS1;NCBI遺伝子ID:4938);5’-3’エキソリボヌクレアーゼ1(XRN1;NCBI遺伝子ID:54464);5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E、CD73;NCBI遺伝子ID:4907);ABL原癌遺伝子1、非受容体チロシンキナーゼ(ABL1、BCR-ABL、c-ABL、v-ABL;NCBI遺伝子ID:25);アブセントイン黒色腫2(AIM2;NCBI遺伝子ID:9447);アセチル-CoAアシルトランスフェラーゼ2(ACAA2;NCBI遺伝子ID:10499);酸ホスファターゼ3(ACP3;NCBI遺伝子ID:55);アデノシンデアミナーゼ(ADA、ADA1;NCBI遺伝子ID:100);アデノシン受容体(例えば、ADORA1(A1)、ADORA2A(A2a、A2AR)、ADORA2B(A2b、A2BR)、ADORA3(A3);NCBI遺伝子ID:134、135、136、137);AKTセリン/スレオニンキナーゼ1(AKT1、AKT、PKB;NCBI遺伝子ID:207);アラニルアミノペプチダーゼ、膜(ANPEP、CD13;NCBI遺伝子ID:290);ALK受容体型チロシンキナーゼ(ALK、CD242;NCBI遺伝子ID:238);アルファフェトタンパク質(AFP;NCBI遺伝子ID:174);アミンオキシダーゼ銅含有(例えば、AOC1(DAO1)、AOC2、AOC3(VAP1);NCBI遺伝子ID:26、314、8639);アンドロゲン受容体(AR;NCBI遺伝子ID:367);アンジオポエチン(ANGPT1、ANGPT2;NCBI遺伝子ID:284、285);アンジオテンシンII受容体1型(AGTR1、NCBI遺伝子ID:185);アンジオテンシノゲン(AGT;NCBI遺伝子ID:183);アポリポタンパク質A1(APOA1;NCBI遺伝子ID:335);アポトーシス誘導因子ミトコンドリア関連1(AIFM1、AIF;NCBI遺伝子ID:9131);アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5;NCBI遺伝子ID:240);アスパラギナーゼ(ASPG;NCBI遺伝子ID:374569);アスタレイドホモログ1(ASTE1;NCBI遺伝子ID:28990);ATMセリン/スレオニンキナーゼ(ATM;NCBI遺伝子ID:472);ATP結合カセットサブファミリーBメンバー1(ABCB1、CD243、GP170;NCBI遺伝子ID:5243);ATP依存性Clp-プロテアーゼ(CLPP;NCBI遺伝子ID:8192);ATRセリン/スレオニンキナーゼ(ATR;NCBI遺伝子ID:545);AXL受容体チロシンキナーゼ(AXL;NCBI遺伝子ID:558);B及びTリンパ球関連(BTLA、CD272;NCBI遺伝子ID:151888);バキュロウイルスIAP反復含有タンパク質(BIRC2(cIAP1)、BIRC3(cIAP2)、XIAP(BIRC4、IAP3)、BIRC5(サバイビン);NCBI遺伝子ID:329、330、331、332);バシジン(Ok血液群)(BSG、CD147;NCBI遺伝子ID:682);B細胞リンパ腫2(BCL2;NCBI遺伝子ID:596);BCL2結合タンパク質3(BBC3、PUMA;NCBI遺伝子ID:27113);Bcl2様(例えば、Bcl2L1(Bcl-x)、Bcl2L2(BIM);Bcl-x;NCBI遺伝子ID:598、10018);ベータ3-アドレナリン受容体(ADRB3;NCBI遺伝子ID:155);骨ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質(BGLAP;NCBI遺伝子ID:632);骨形態形成タンパク質-10リガンド(BMP10;NCBI遺伝子ID:27302);ブラジキニン受容体(例えば、BDKRB1、BDKRB2;NCBI遺伝子ID:623、624);B-RAF(BRAF;NCBI遺伝子ID:273);ブレークポイントクラスター領域(BCR;NCBI遺伝子ID:613);ブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質(例えば、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT;NCBI遺伝子ID:6046、8019、23476、676);ブルトンチロシンキナーゼ(BTK;NCBI遺伝子ID:695);カドヘリン(例えば、CDH3(p-カドヘリン)、CDH6(kカドヘリン);NCBI遺伝子ID:1001、1004);癌/精巣抗原(例えば、CTAG1A、CTAG1B、CTAG2;NCBI遺伝子ID:1485、30848、246100);カンナビノイド受容体(例えば、CNR1(CB1)、CNR2(CB2);NCBI遺伝子ID:1268、1269);炭水化物スルホトランスフェラーゼ15(CHST15;NCBI遺伝子ID:51363);炭酸脱水酵素(CA1、CA2、CA3、CA4、CA5A、CA5B、CA6、CA7、CA8、CA9、CA10、CA11、CA12、CA13、CA14;NCBI遺伝子ID:759、760、761、762、763、765、766、767、768、770、771、11238、23632、56934、377677);癌胎児性抗原関連細胞接着分子(例えば、CEACAM3(CD66d)、CEACAM5(CD66e)、CEACAM6(CD66c);NCBI遺伝子ID:1048、1084、4680);カゼインキナーゼ(例えば、CSNK1A1(CK1)、CSNK2A1(CK2);NCBI遺伝子ID:1452、1457);カスパーゼ(例えば、CASP3、CASP7、CASP8;NCBI遺伝子ID:836、840、841、864);カテニンβ1(CTNNB1;NCBI遺伝子ID:1499);カテプシンG(CTSG;NCBI遺伝子ID:1511);Cbl原癌遺伝子B(CBLB、Cbl-b;NCBI遺伝子ID:868);C-Cモチーフケモカインリガンド21(CCL21;NCBI遺伝子ID:6366);C-Cモチーフケモカイン受容体2(CCR2;NCBI遺伝子ID:729230);C-Cモチーフケモカイン受容体(例えば、CCR3(CD193)、CCR4(CD194)、CCR5(CD195)、CCR8(CDw198);NCBI遺伝子ID:1232、1233、1234、1237);CCAATエンハンサー結合タンパク質アルファ(CEBPA、CEBP;NCBI遺伝子ID:1050);細胞接着分子1(CADM1;NCBI遺伝子ID:23705);細胞分裂サイクル7(CDC7;NCBI遺伝子ID:8317);細胞通信ネットワーク因子2(CCN2;NCBI遺伝子ID:1490);セレブロン(CRBN;NCBI遺伝子ID:51185);チェックポイントキナーゼ(例えば、CHEK1(CHK1)、CHEK2(CHK2);NCBI遺伝子ID:1111、11200);コレシストキニンB受容体(CCKBR;NCBI遺伝子ID:887);絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1(CSH1;NCBI遺伝子ID:1442);クローディン(例えば、CLDN6、CLDN18、NCBI遺伝子ID:9074、51208);分化クラスターのマーカー(例えば、CD1A、CD1C、CD1D、CD1E、CD2、CD3アルファ(TRA)、CDベータ(TRB)、CDガンマ(TRG)、CDデルタ(TRD)、CD4、CD8A、CD8B、CD19、CD20(MS4A1)、CD22、CD24、CD25(IL2RA、TCGFR)、CD28、CD33(SIGLEC3)、CD37、CD38、CD39(ENTPD1)、CD40(TNFRSF5)、CD44(MIC4、PGP1)、CD47(IAP)、CD48(BLAST1)、CD52、CD55(DAF)、CD58(LFA3)、CD74、CD79a、CD79b、CD80(B7-1)、CD84、CD86(B7-2)、CD96(TACTILE)、CD99(MIC2)、CD115(CSF1R)、CD116(GMCSFR、CSF2RA)、CD122(IL2RB)、CD123(IL3RA)、CD128(IL8R1)、CD132(IL2RG)、CD135(FLT3)、CD137(TNFRSF9、4-1BB)、CD142(TF、TFA)、CD152(CTLA4)、CD160、CD182(IL8R2)、CD193(CCR3)、CD194(CCR4)、CD195(CCR5)、CD207、CD221(IGF1R)、CD222(IGF2R)、CD223(LAG3)、CD226(DNAM1)、CD244、CD247、CD248、CD276(B7-H3)、CD331(FGFR1)、CD332(FGFR2)、CD333(FGFR3)、CD334(FGFR4);NCBI遺伝子ID:909、911、912、913、914、919、920、923、925、926、930、931、933、940、941、942、945、951、952、953、958、960、961、962、965、972、973、974、1043、1232、1233、1234、1237、1436、1438、1493、1604、2152、2260、2261、2263、2322、3480、3482、3559、3560、3561、3563、3577、3579、3604、3902、4267、6955、6957、6964、6965、8832、10666、11126、50489、51744、80381、100133941);クラスタリン(CLU;NCBI遺伝子ID:1191);凝固因子(例えば、F7、FXA、;NCBI遺伝子IDs:2155、2159);コラーゲン型IVアルファ鎖(例えば、COL4A1、COL4A2、COL4A3、COL4A4、COL4A5;NCBI遺伝子ID:1282、1284、1285、1286、1287);コレクチンサブファミリーメンバー10(COLEC10;NCBI遺伝子ID:10584);コロニー刺激因子(例えば、CSF1(MCSF)、CSF2(GMCSF)、CSF3(GCSF);NCBI遺伝子ID:1435、1437、1440);補体因子(例えば、C3、C5;NCBI遺伝子ID:718、727);COP9シグナロソームサブユニット5(COPS5;NCBI遺伝子ID:10987);C型レクチンドメインファミリーメンバー(例えば、CLEC4C(CD303)、CLEC9A(CD370)、CLEC12A(CD371);CD371、NCBI遺伝子ID:160364、170482、283420);C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12;NCBI遺伝子ID:6387);C-X-Cモチーフケモカイン受容体(CXCR1(IL8R1、CD128)、CXCR2(IL8R2、CD182)、CXCR3(CD182、CD183、IP-10R)、CXCR4(CD184);NCBI遺伝子ID:2833、3577、3579、7852);サイクリンD1(CCND1、BCL1;NCBI遺伝子ID:595);サイクリン依存性キナーゼ(例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK12;NCBI遺伝子ID:983、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1024、1025、8558、51755);サイクリンG1(CCNG1;NCBI遺伝子ID:900);シトクロムP450ファミリーメンバー(例えば、CYP2D6、CYP3A4、CYP11A1、CYP11B2、CYP17A1、CYP19A1、CYP51A1;NCBI遺伝子ID:1565、1576、1583、1585、1586、1588、1595);シトクロムP450酸化

還元酵素(POR;NCBI遺伝子ID:5447);サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH;NCBI遺伝子ID:1154);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152;NCBI遺伝子ID:1493);DEAD-ボックスヘリカーゼ(例えば、DDX5、DDX6、DDX58;NCBI遺伝子ID:1655、1656、23586);デルタ様カノニカルノッチリガンド(例えば、DLL3、DLL4;NCBI遺伝子ID:10683、54567);糖尿病性IAP結合ミトコンドリアタンパク質(Diablo、SMAC;NCBI遺伝子ID:56616);ジアシルグリセロールキナーゼ(例えば、DGKA、DGKZ;NCBI遺伝子ID:1606、8525);dickkopfWNTシグナル伝達経路阻害剤(例えば、DKK1、DKK3;NCBI遺伝子ID:22943、27122);ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR;NCBI遺伝子ID:1719);ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPYD;NCBI遺伝子ID:1806);ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4;NCBI遺伝子ID:1803);ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ(例えば、DDR1(CD167)、DDR2;CD167、NCBI遺伝子ID:780、4921);DNA依存性タンパク質キナーゼ(PRKDC;NCBI遺伝子ID:5591);DNAトポイソメラーゼ(例えば、TOP1、TOP2A、TOP2B、TOP3A、TOP3B;NCBI遺伝子ID:7150、7153、7155、7156、8940);ドーパクローム互変異性体(DCT;NCBI遺伝子ID:1638);ドーパミン受容体D2(DRD2;NCBI遺伝子ID:1318);DOT1様ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ(DOT1L;NCBI遺伝子ID:84444);エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ3(ENPP3、CD203c;NCBI遺伝子ID:5169);EMAP様4(EML4;NCBI遺伝子ID:27436);エンドグリン(ENG;NCBI遺伝子ID:2022);小胞体アミノペプチダーゼ(例えば、ERAP1、ERAP2;NCBI遺伝子ID:51752、64167);zeste2ポリコーム抑制複合体2サブユニットの増強剤(EZH2;NCBI遺伝子ID:2146);エフリン受容体(例えば、EPHA1、EPHA2EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA7、EPHB4;NCBI遺伝子ID:1969、2041、2042、2043、2044、2045、2050);エフリン(例えば、EFNA1、EFNA4、EFNB2;NCBI遺伝子ID:1942、1945、1948);上皮成長因子受容体(例えば、ERBB1(HER1、EGFR)、ERBB1バリアントIII(EGFRvIII)、ERBB2(HER2、NEU、CD340)、ERBB3(HER3)、ERBB4(HER4);NCBI遺伝子ID:1956、2064、2065、2066);上皮細胞接着分子(EPCAM;NCBI遺伝子ID:4072);上皮分裂促進因子(EPGN;NCBI遺伝子ID:255324);真核生物翻訳伸長因子(例えば、EEF1A2、EEF2;NCBI遺伝子ID:1917、1938);真核生物翻訳開始因子(例えば、EIF4A1、EIF5A;NCBI遺伝子ID:1973、1984);エキソポリチン-1(XPO1;NCBI遺伝子ID:7514);ファルネソイドX受容体(NR1H4、FXR;NCBI遺伝子ID:9971);Faリガンド(FASLG、FASL、CD95L、CD178、TNFSF6;NCBI遺伝子ID:356);脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166);脂肪酸合成酵素(FASN;FAS;NCBI遺伝子ID:2194);Ig受容体のFc断片(例えば、FCER1A、FCGRT、FCGR3A(CD16);NCBI遺伝子ID:2205、2214、2217);Fc受容体様5(FCRL5、CD307;NCBI遺伝子ID:83416);線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP;NCBI遺伝子ID:2191);線維芽細胞成長因子受容体(例えば、FGFR1(CD331)、FGFR2(CD332)、FGFR3(CD333)、FGFR4(CD334);NCBI遺伝子ID:2260、2261、2263、2264);線維芽細胞成長因子(例えば、FGF1(FGFアルファ)、FGF2(FGFベータ)、FGF4、FGF5;NCBI遺伝子ID:2246、2247、2249、2250);フィブロネクチン1(FN1、MSF;NCBI遺伝子ID:2335);fms関連受容体チロシンキナーゼ(例えば、FLT1(VEGFR1)、FLT3(STK1、CD135)、FLT4(VEGFR2);NCBI遺伝子ID:2321、2322、2324);fms関連受容体チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3LG;NCBI遺伝子ID:2323);病巣接着キナーゼ2(PTK2、FAK1;NCBI遺伝子ID:5747);葉酸加水分解酵素1(FOLH1、PSMA;NCBI遺伝子ID:2346);葉酸受容体1(FOLR1;NCBI遺伝子ID:2348);フォークヘッドボックスタンパク質M1(FOXM1;NCBI遺伝子ID:2305);フルリン(フューリン、PACE;NCBI遺伝子ID:5045);FYNチロシンキナーゼ(FYN、SYN;NCBI遺伝子ID:2534);ガレクチン(例えば、LGALS3、LGALS8(PCTA1)、LGALS9;NCBI遺伝子ID:3958、3964、3965);グルココルチコイド受容体(NR3C1、GR;NCBI遺伝子ID:2908);グルクロニダーゼβ(GUSB;NCBI遺伝子ID:2990);グルタミン酸転移性受容体1(GRM1;NCBI遺伝子ID:2911);グルタミナーゼ(GLS;NCBI遺伝子ID:2744);グルタチオンS-トランスフェラーゼPi(GSTP1;NCBI遺伝子ID:2950);グリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3B;NCBI遺伝子ID:2932);グリピカン3(GPC3;NCBI遺伝子ID:2719);ゴナドトロピン放出ホルモン1(GNRH1;NCBI遺伝子ID:2796);ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GNRHR;NCBI遺伝子ID:2798);GPNMB糖タンパク質NMB(GPNMB、オステオアクチビン;NCBI遺伝子ID:10457);成長分化因子2(GDF2、BMP9;NCBI遺伝子ID:2658);成長因子受容体結合タンパク質2(GRB2、ASH;NCBI遺伝子ID:2885);グアニル酸シクラーゼ2C(GUCY2C、STAR、MECIL、MUCIL、NCBI遺伝子ID:2984);H19インプリントされた母由来発現転写物(H19;NCBI遺伝子ID:283120);HCK癌原遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(HCK;NCBI遺伝子ID:3055);熱ショックタンパク質(例えば、HSPA5(HSP70、BIP、GRP78)、HSPB1(HSP27)、HSP90B1(GP96);NCBI遺伝子ID:3309、3315、7184);ヘムオキシゲナーゼ(例えば、HMOX1(HO1)、HMOX2(HO1);NCBI遺伝子ID:3162、3163);ヘパラナーゼ(HPSE;NCBI遺伝子ID:10855);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIM3、CD366;NCBI遺伝子ID:84868);肝成長因子(HGF;NCBI遺伝子ID:3082);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7-H7;NCBI遺伝子ID:11148);ヒスタミン受容体H2(HRH2;NCBI遺伝子ID:3274);ヒストンデアセチラーゼ(例えば、HDAC1、HDAC7、HDAC9;NCBI遺伝子ID:3065、9734、51564);HRas癌原遺伝子、GTPアーゼ(HRAS;NCBI遺伝子ID:3265);低酸素誘導因子(例えば、HIF1A、HIF2A(EPAS1);NCBI遺伝子ID:2034、3091);I-Kappa-Bキナーゼ(IKKベータ;NCBI遺伝子ID:3551、3553);IKAROSファミリー亜鉛フィンガー(IKZF1(LYF1)、IKZF3;NCBI遺伝子ID:10320、22806);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11;NCBI遺伝子ID:152404);インドールアミン2、3-ジオキシゲナーゼ(例えば、IDO1、IDO2、NCBI遺伝子ID:3620、169355);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278;NCBI遺伝子ID:29851);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7-H2;NCBI遺伝子ID:23308);インスリン様成長因子受容体(例えば、IGF1R、IGF2R;NCBI遺伝子ID:3480、3482);インスリン様成長因子(例えば、IGF1、IGF2;NCBI遺伝子ID:3479、3481);インスリン受容体(INSR、CD220;NCBI遺伝子ID:3643);インテグリンサブユニット(例えば、ITGA5(CD49e)、ITGAV(CD51)、ITGB1(CD29)、ITGB2(CD18、LFA1、MAC1)、ITGB7;NCBI遺伝子ID:3678、3685、3688、3695、3698);細胞間接着分子1(ICAM1、CD54;NCBI遺伝子ID:3383);インターロイキン1受容体関連キナーゼ4(IRAK4;NCBI遺伝子ID:51135);インターロイキン受容体(例えば、IL2RA(TCGFR、CD25)、IL2RB(CD122)、IL2RG(CD132)、IL3RA、IL6R、IL13RA2(CD213A2)、IL22RA1;NCBI遺伝子ID:3598、3559、3560、3561、3563、3570、58985);インターロイキン(例えば、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL6(HGF)、IL7、IL8(CXCL8)、IL10(TGIF)、IL12A、IL12B、IL15、IL17A(CTLA8)、IL18、IL23A、IL24、IL-29(IFNL1);NCBI遺伝子ID:3552、3553、3558、3562、3565、3569、3574、3586、3592、3593、3600、3605、3606、11009、51561、282618);イソクエン酸脱水素酵素(NADP()1)(例えば、IDH1、IDH2;NCBI遺伝子ID:3417、3418);ヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1、JAK2、JAK3;NCBI遺伝子ID:3716、3717、3718);カリクレイン関連ペプチダーゼ3(KLK3;NCBI遺伝子ID:354);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、Igドメイン及び長い細胞質尾部(例えば、KIR2DL1(CD158A)、KIR2DL2(CD158B1)、KIR2DL3(CD158B)、KIR2DL4(CD158D)、KIR2DL5A(CD158F)、KIR2DL5B、KIR3DL1(CD158E1)、KIR3DL2(CD158K)、KIR3DP1(CD158c)、KIR2DS2(CD158J);NCBI遺伝子ID:3802、3803、3804、3805、3811、3812、57292、553128、548594、100132285);キラー細胞レクチン様受容体(例えば、KLRC1(CD159A)、KLRC2(CD159c)、KLRC3、KLRRC4、KLRD1(CD94)、KLRG1、KLRK1(NKG2D、CD314);NCBI遺伝子ID:3821、3822、3823、3824、8302、10219、22914);キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR、CD309、VEGFR2;NCBI遺伝子ID:3791);キネシンファミリーメンバー11(KIF11;NCBI遺伝子ID:3832);KiSS-1転移抑制因子(KiSS1;

NCBI遺伝子ID:3814);KIT癌原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT、C-KIT、CD117;NCBI遺伝子ID:3815);KRAS癌原遺伝子、GTPアーゼ(KRAS;NCBI遺伝子ID:3845);ラクトトランスフェリン(LTF;NCBI遺伝子ID:4057);LCK癌原遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(LCK;NCBI遺伝子ID:3932);LDL受容体関連タンパク質1(LRP1、CD91、IGFBP3R;NCBI遺伝子ID:4035);ロイシンリッチリピート含有15(LRRC15;NCBI遺伝子ID:131578);白血球免疫グロブリン様受容体(例えば、LILRB1(ILT2、CD85J)、LILRB2(ILT4、CD85D);NCBI遺伝子ID:10288、10859);ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H;NCBI遺伝子ID:4048);T細胞の活性化のためのリンカー(LAT;NCBI遺伝子ID:27040);黄体形成ホルモン/絨毛ゴナドトロピン受容体(LHCGR;NCBI遺伝子ID:3973);LY6/PLAURドメイン含有3(LYPD3;NCBI遺伝子ID:27076);リンパ球活性化3(LAG3;CD223、NCBI遺伝子ID:3902);リンパ球抗原(例えば、LY9(CD229)、LY75(CD205);NCBI遺伝子ID:4063、17076);LYN癌原遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(LYN;NCBI遺伝子ID:4067);リンパ球細胞質ゾルタンパク質2(LCP2;NCBI遺伝子ID:3937);リジンデメチラーゼ1A(KDM1A;NCBI遺伝子ID:23028);リゾホスファチジン酸受容体1(LPAR1、EDG2、LPA1、GPR26;NCBI遺伝子ID:1902);リシルオキシダーゼ(LOX;NCBI遺伝子ID:4015);リシルオキシダーゼ様2(LOXL2、NCBI遺伝子ID:4017);マクロファージ遊走阻害因子(MIF、GIF;NCBI遺伝子ID:4282);マクロファージ刺激1受容体(MST1R、CD136;NCBI遺伝子ID:4486);MAGEファミリーメンバー(例えば、MAGEA1、MAGEA2、MAGEA2B、MAGEA3、MAGEA4、MAGEA5、MAGEA6、MAGEA10、MAGEA11、MAGEC1、MAGEC2、MAGED1、MAGED2;NCBI遺伝子ID:4100、4101、4102、4103、4104、4105、4109、4110、9500、9947、10916、51438、266740);主要組織適合性複合体(例えば、HLA-A、HLA-E、HLA-F、HLA-G;NCBI遺伝子ID:3105、3133、3134、3135);主要ボールトタンパク質(MVP、VAULT1、NCBI遺伝子ID:9961);MALT1パラカスパーゼ(MALT1;NCBI遺伝子ID:10892);MAPK活性化タンパク質キナーゼ2(MAPKAPK2;NCBI遺伝子ID:9261);MAPK相互作用セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、MKNK1、MKNK2;NCBI遺伝子ID:2872、8569);マトリックスメタロペプチダーゼ(例えば、MMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、MMP15、MMP16、MMP17、MMP19、MMP20、MMP21、MMP24、MMP25、MMP26、MMP27、MMP28;NCBI遺伝子ID:4312、4313、4314、4316、4317、4318、4319、4320、4321、4322、4323、4324、4325、4326、4327、9313、10893、56547、64066、64386、79148、118856);MCL1アポトーシス制御因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1;NCBI遺伝子ID:4170);MDM2癌遺伝子(MDM2;NCBI遺伝子ID:4193);p53のMDM4制御因子(MDM4;BMFS6、NCBI遺伝子ID:4194);ラパマイシンキナーゼの機構的標的(MTOR、FRAP1;NCBI遺伝子ID:2475);メラン-A(MLANA;NCBI遺伝子ID:2315);メラノコルチン受容体(MC1R、MC2R;NCBI遺伝子ID:4157、4148);MER癌原遺伝子、チロシンキナーゼ(MERTK;NCBI遺伝子ID:10461);メソセリン(MSLN;NCBI遺伝子ID:10232);MET癌原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(MET、c-Met、HGFR;NCBI遺伝子ID:4233);メチオニルアミノペプチダーゼ2(METAP2、MAP2;NCBI遺伝子ID:10988);MHCクラスIポリペプチド関連配列(例えば、MICA、MICB;NCBI遺伝子ID:4277、100507436);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(例えば、MAPK1(ERK2)、MAPK3(ERK1)、MAPK8(JNK1)、MAPK9(JNK2)、MAPK10(JNK3)、MAPK11(p38ベータ)、MAPK12;NCBI遺伝子ID:5594、5595、5599、5600、5601、5602、819251);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ(例えば、MAP3K5(ASK1)、MAP3K8(TPL2、AURA2)、NCBI遺伝子ID:4217、1326);マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(HPK1;NCBI遺伝子ID:11184);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ(例えば、MAP2K1(MEK1)、MAP2K2(MEK2)、MAP2K7(MEK7);NCBI遺伝子ID:5604、5605、5609);MPL癌原遺伝子、トロンボポエチン受容体(thrombopoietin receptor、MPL;NCBI遺伝子ID:4352);ムチン(例えば、MUC1(そのスプライスバリアントを含む(例えば、MUC1/A、C、D、X、Y、Z及びREPを含む))、MUC5AC、MUC16(CA125);NCBI遺伝子ID:4582、4586、94025);MYC癌原遺伝子、bHLH転写因子(MYC;NCBI遺伝子ID:4609);ミオスタチン(MSTN、GDF8;NCBI遺伝子ID:2660);ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質(MARCKS;NCBI遺伝子ID:4082);ナトリウム利尿ペプチド受容体3(NPR3;NCBI遺伝子ID:4883);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7-H6;NCBI遺伝子ID:374383);ネクジン、MAGEファミリーメンバー(NDN;NCBI遺伝子ID:4692);ネクチン細胞接着分子(例えば、NECTIN2(CD112、PVRL2)、NECTIN4(PVRL4);NCBI遺伝子ID:5819、81607);神経細胞接着分子1(NCAM1、CD56;NCBI遺伝子ID:4684);ニューロピリン(例えば、NRP1(CD304、VEGF165R)、NRP2(VEGF165R2);NCBI遺伝子ID:8828、8829);神経栄養受容体チロシンキナーゼ(例えば、NTRK1(TRKA)、NTRK2(TRKB)、NTRK3(TRKC);NCBI遺伝子ID:4914、4915、4916);NFKB活性化タンパク質(NKAP;NCBI遺伝子ID:79576);NIMA関連キナーゼ9(NEK9;NCBI遺伝子ID:91754);NLRファミリーパイリンドメイン含有3(NLRP3、NALP3;NCBI遺伝子ID:114548);ノッチ受容体(例えば、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4;NCBI遺伝子ID:4851、4853、4854、4855);NRAS癌原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;NCBI遺伝子ID:4893);核因子カッパB(NFKB1、NFKB2;NCBI遺伝子ID:4790、4791);核因子、赤血球2様2(NFE2L2;NRF2、NCBI遺伝子ID:4780);核内受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1;NCBI遺伝子ID:3164);ヌクレオリン(NCL;NCBI遺伝子ID:4691);ヌクレオホスミン1(NPM1;NCBI遺伝子ID:4869);ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン含有2(NOD2;NCBI遺伝子ID:64127);ヌディックスヒドロラーゼ1(NUDT1;NCBI遺伝子ID:4521);O-6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT;NCBI遺伝子ID:4255);オピオイド受容体デルタ1(OPRD1;NCBI遺伝子ID:4985);オルニチンデカルボキシラーゼ1(ODC1;NCBI遺伝子ID:4953);オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ(OGDH;NCBI遺伝子ID:4967);副甲状腺ホルモン(PTH;NCBI遺伝子ID:5741);PD-L1(CD274;NCBI遺伝子ID:29126);ペリオスチン(POSTN;NCBI遺伝子ID:10631);ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(例えば、PPARA(PPARアルファ)、PPARD(PPARデルタ)、PPARG(PPARガンマ);NCBI遺伝子ID:5465、5467、5468);ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN;NCBI遺伝子ID:5728);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ(PIK3CA(PI3Kアルファ)、PIK3CB(PI3Kベータ)、PIK3CD(PI3Kデルタ)、PIK3CG(PI3Kガンマ);NCBI遺伝子ID:5290、5291、5293、5294);ホスホリパーゼ(例えば、PLA2G1B、PLA2G2A、PLA2G2D、PLA2G3、PLA2G4A、PLA2G5、PLA2G7、PLA2G10、PLA2G12A、PLA2G12B、PLA2G15;NCBI遺伝子ID:5319、5320、5321、5322、7941、8399、50487、23659、26279、81579、84647);Pim原癌遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、PIM1、PIM2、PIM3;NCBI遺伝子ID:5292、11040、415116);胎盤成長因子(PGF);NCBI遺伝子ID:5228);プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ(PLAU、u-PA、ATF;NCBI遺伝子ID:5328);血小板由来成長因子受容体(例えば、PDGFRA(CD140A、PDGFR2)、FDGFRB(CD140B、PDGFR1);NCBI遺伝子ID:5156、5159);プレキシンB1(PLXNB1;NCBI遺伝子ID:5364);ポリオウイルス受容体(poliovirus receptor、PVR)細胞接着分子(PVR、CD155;NCBI遺伝子ID:5817);ポロ様キナーゼ1(PLK1;NCBI遺伝子ID:5347);ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(例えば、PARP1、PARP2、PARP3;NCBI遺伝子ID:142、10038、10039);ポリコームタンパク質EED(EED;NCBI遺伝子ID:8726);ポルクピンO-アシルトランスフェラーゼ(PORCN;NCBI遺伝子ID:64840);PRAME核受容体転写調節物質(PRAME;NCBI遺伝子ID:23532);プレメラノソームタンパク質(PMEL;NCBI遺伝子ID:6490);プロゲステロン受容体(progesterone receptor、PGR;NCBI遺伝子ID:5241);プログラム細胞死1(PDCD1、PD-1、CD279;NCBI遺伝子ID:5133);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、CD273、PD-L2;NCBI遺伝子ID:80380);Prominin1(PROM1、CD133;NCBI遺伝子ID:8842);前骨髄球性白血病(PML;NCBI遺伝子ID:5371);プロピオシン(PSAP;NCBI遺伝子

ID:5660);プロスタグランジンE受容体4(PTGER4;NCBI遺伝子ID:5734);プロスタグランジンE合成酵素(PTGES;NCBI遺伝子ID:9536);プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素(PTGS1(COX1)、PTGS2(COX2);NCBI遺伝子ID:5742、5743);プロテアソーム20Sサブユニットベータ9(PSMB9;NCBI遺伝子ID:5698);タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(例えば、PRMT1、PRMT5;NCBI遺伝子ID:3276、10419);プロテインキナーゼN3(PKN3;NCBI遺伝子ID:29941);タンパク質ホスファターゼ2A(PPP2CA;NCBI遺伝子ID:5515);タンパク質チロシンキナーゼ7(不活性)(PTK7;NCBI遺伝子ID:5754);タンパク質チロシンホスファターゼ受容体(PTPRB(PTPB)、PTPRC(CD45R);NCBI遺伝子ID:5787、5788);プロチモシンα(PTMA;NCBI遺伝子ID:5757);プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP;NCBI遺伝子ID:4860);プリン作動性受容体P2X7(P2RX7;NCBI遺伝子ID:5027);PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R;NCBI遺伝子ID:79037);Raf-1癌原遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼ(Raf1、c-Raf;NCBI遺伝子ID:5894);RAR関連オルファン受容体ガンマ(RORC;NCBI遺伝子ID:6097);RasホモログファミリーメンバーC(RHOC);NCBI遺伝子ID:389);Rasホモログ、mTORC1結合(RHEB;NCBI遺伝子ID:6009);RB転写コリプレッサー1(RB1;NCBI遺伝子ID:5925);受容体相互作用セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ1(RIPK1;NCBI遺伝子ID:8737);レット癌原遺伝子(ret proto-oncogene、RET;NCBI遺伝子ID:5979);レチノイン酸初期転写物(例えば、RAET1e、RAET1g、RAET1L;NCBI遺伝子ID:135250、154064、353091);レチノイン酸受容体アルファ(例えば、RARA、RARG;NCBI遺伝子ID:5914、5916);レチノイドX受容体(例えば、RXRA、RXRB、RXRG;NCBI遺伝子ID:6256、6257、6258);Rho関連コイルドコイル含有タンパク質キナーゼ(例えば、ROCK1、ROCK2;NCBI遺伝子ID:6093、9475);リボソームタンパク質S6キナーゼB1(RPS6KB1、S6K-ベータ1;NCBI遺伝子ID:6198);リングフィンガータンパク質128(RNF128、GRAIL;NCBI遺伝子ID:79589);ROS癌原遺伝子1、受容体チロシンキナーゼ(ROS1;NCBI遺伝子ID:6098);ラウンドアバウトガイダンス受容体4(ROBO4;NCBI遺伝子ID:54538);RUNXファミリー転写因子3(RUNX3;NCBI遺伝子ID:864);S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9;NCBI遺伝子ID:6280);分泌型フリットル関連タンパク質2(SFRP2;NCBI遺伝子ID:6423);分泌型ホスホタンパク質1(SPP1;NCBI遺伝子ID:6696);セクレトグロビンファミリー1Aメンバー1(SCGB1A1;NCBI遺伝子ID:7356);セレクチン(例えば、SELE、SELL(CD62L)、SELP(CD62);NCBI遺伝子ID:6401、6402、6403);セマフォリン4D(semaphorin、SEMA4D;CD100、NCBI遺伝子ID:10507);シアル酸結合Ig様レクチン(SIGLEC7(CD328)、SIGLEC9(CD329)、SIGLEC10;NCBI遺伝子ID:27036、27180、89790);シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPA、CD172A;NCBI遺伝子ID:140885);シグナルトランスデューサ及び転写活性化因子(例えば、STAT1、STAT3、STAT5A、STAT5B;NCBI遺伝子ID:6772、6774、6776、6777);サーチュイン-3(SIRT3;NCBI遺伝子ID:23410);シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAM)ファミリーメンバー(例えば、SLAMF1(CD150)、SLAMF6(CD352)、SLAMF7(CD319)、SLAMF8(CD353)、SLAMF9;NCBI遺伝子ID:56833、57823、89886、114836);SLIT及びNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6;NCBI遺伝子ID:84189);滑らかな、フリッツルドクラス受容体(SMO;NCBI遺伝子ID:6608);可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2;NCBI遺伝子ID:2053);溶質キャリアファミリーメンバー(例えば、SLC3A2(CD98)、SLC5A5、SLC6A2、SLC10A3、SLC34A2、SLC39A6、SLC43A2(LAT4)、SLC44A4;NCBI遺伝子ID:6520、6528、6530、8273、10568、25800、80736、124935);ソマトスタチン受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、SSTR4、SSTR5;NCBI遺伝子ID:6751、6752、6753、6754、6755);音波ヘッジホッグシグナル伝達分子(SHH;NCBI遺伝子ID:6469);Sp1転写因子(SP1;NCBI遺伝子ID:6667);スフィンゴシンキナーゼ(例えば、SPHK1、SPHK2;NCBI遺伝子ID:8877、56848);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1アゴニスト(S1PR1、CD363;NCBI遺伝子ID:1901);脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK;NCBI遺伝子ID:6850);スプライシング因子3B因子1(SF3B1;NCBI遺伝子ID:23451);SRC癌原遺伝子、非受容体チロシンキナーゼ(SRC;NCBI遺伝子ID:6714);スタビリン1(STAB1、CLEVER-1;NCBI遺伝子ID:23166);STEAPファミリーメンバー1(STEAP1;NCBI遺伝子ID:26872);ステロイドスルファターゼ(STS;NCBI遺伝子ID:412);インターフェロン応答cGAMPインタラクター1の刺激因子1(STING1;NCBI遺伝子ID:340061);スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1、ALS1;NCBI遺伝子ID:6647);サイトカインシグナル伝達の抑制因子(SOCS1(CISH1)、SOCS3(CISH3);NCBI遺伝子ID:8651、9021);シナプシン3(SYN3;NCBI遺伝子ID:8224);シンデカン1(SDC1、CD138、シンデカン;NCBI遺伝子ID:6382);シヌクレインアルファ(SNCA、PARK1;NCBI遺伝子ID:6622);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4、SMUCKLER;NCBI遺伝子ID:91937);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);タキキニン受容体(例えば、TACR1、TACR3;NCBI遺伝子ID:6869、6870);タンク結合キナーゼ1(TBK1、NCBI遺伝子ID:29110);タンキラーゼ(TNKS、NCBI遺伝子ID:8658);TATAボックス結合タンパク質関連因子、RNAポリメラーゼIサブユニットB(TAF1B;NCBI遺伝子ID:9014);Tボックス転写因子T(TBXT;NCBI遺伝子ID:6862);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PAPR7;NCBI遺伝子ID:25976);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(TEC);NCBI遺伝子ID:7006);TEK受容体チロシンキナーゼ(TEK、CD202B、TIE2;NCBI遺伝子ID:7010);ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(TERT;NCBI遺伝子ID:7015);テネイシンC(TNC;NCBI遺伝子ID:3371);3プライム修復エキソヌクレアーゼ(例えば、TREX1、TREX2;NCBI遺伝子ID:11277、11219);トロンボモジュリン(THBD、CD141;NCBI遺伝子ID:7056);チミジンキナーゼ(例えば、TK1、TK2;NCBI遺伝子ID:7083、7084);チミジンホスホリラーゼ(TYMP;NCBI遺伝子ID:1890);チミジル酸シンターゼ(TYMS;NCBI遺伝子ID:7298);甲状腺ホルモン受容体(THRA、THRB;NCBI遺伝子ID:7606、7608);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR;NCBI遺伝子ID:7253);TNFスーパーファミリーメンバー(例えば、TNFSF4(OX40L、CD252),TNFSF5(CD40L)、TNFSF7(CD70)、TNFSF8(CD153、CD30L)、TNFSF9(4-1BB-L、CD137L)、TNFSF10(TRAIL、CD253、APO2L)、TNFSF11(CD254、RANKL2、TRANCE)、TNFSF13(APRIL、CD256、TRAIL2)、TNFSF13b(BAFF、BLYS、CD257)、TNFSF14(CD258、LIGHT)、TNFSF18(GITRL);NCBI遺伝子ID:944、959、970、7292、8600、8740、8741、8743、8744、8995);トール様受容体(例えば、TLR1(CD281)、TLR2(CD282)、TLR3(CD283)、TLR4(CD284)、TLR5、TLR6(CD286)、TLR7、TLR8(CD288)、TLR9(CD289)、TLR10(CD290);NCBI遺伝子ID:7096、7097、7098、7099、10333、51284、51311、54106、81793);トランスフェリン(TF;NCBI遺伝子ID:7018);トランスフェリン受容体(TFRC、CD71;NCBI遺伝子ID:7037);トランスフォーミング成長因子(例えば、TGFA、TGFB1;NCBI遺伝子ID:7039、7040);トランスフォーミング成長因子受容体(例えば、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3;NCBI遺伝子ID:7046、7048、7049);トランスフォーミングタンパク質E7(E7;NCBI遺伝子ID:1489079);トランスグルタミナーゼ5(TGM5;NCBI遺伝子ID:9333);一過性受容体潜在的カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1(TRPV1、VR1;NCBI遺伝子ID:7442);膜貫通及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H、IGPR1;NCBI遺伝子ID:126259);骨髄細胞で発現するトリガー受容体(例えば、TREM1(CD354)、TREM2;NCBI遺伝子ID:54209、54210);トロフィニン(TRO、MAGED3;NCBI遺伝子ID:7216);トロホブラスト糖タンパク質(TPBG;NCBI遺伝子ID:7162);トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO2;NCBI遺伝子ID:6999);トリプトファンヒドロキシラーゼ(例えば、TPH1、TPH2;NCBI遺伝子ID:7166、121278);腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子2(TACSTD2、TROP2、EGP1;NCBI遺伝子ID:4070);腫瘍壊死因子(TNF;NCBI遺伝子ID:7124);腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーメンバー(例えば、TNFRSF1A(CD120a)、TNFRSF1B(CD120b)、TNFRSF4(OX40)、TNFRSF5(CD40)、TNFRSF6(CD95、FAS受容体)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF9(CD137、4-1BB)、TNFRS

F10A(CD261)、TNFRSF10B(TRAIL、DR5、CD262)、TNFRSF10C、TNFRSF10D、TNFRSF11A、TNFRSF11B(OPG)、TNFRSF12A、TNFRSF13B、TNFR13C(、CD268、BAFFR)、TNFRSF14(CD270、LIGHTR)、TNFRSF16、TNFRSF17(CD269、BCMA)、TNFRSF18(GITR、CD357)、TNFRSF19、TNFRSF21、TNFRSF25;NCBI遺伝子ID:355、608、939、943、958、3604、4804、4982、7132、7133、7293、8718、8764、8784、8792、8793、8794、8795、8797、23495、27242、51330、55504);腫瘍タンパク質p53(TP53;NCBI遺伝子ID:7157);腫瘍抑制因子2、ミトコンドリアカルシウム制御因子(TUSC2;NCBI遺伝子ID:11334);TYRO3タンパク質チロシンキナーゼ(TYRO3;BYK;NCBI遺伝子ID:7301);チロシナーゼ(TYR;NCBI遺伝子ID:7299);チロシンヒドロキシラーゼ(TH;NCBI遺伝子ID:7054);免疫グロブリン様及びEGF様ドメイン1(例えば、TIE1、TIE1;NCBI遺伝子ID:7075);チロシンプロテインホスファターゼ、非受容体11型(PTPN11、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781);ユビキチン結合酵素E2I(UBE2I、UBC9;NCBI遺伝子ID:7329);ユビキチンC末端ヒドロラーゼL5(UCHL5;NCBI遺伝子ID:51377);ユビキチン特異的ペプチダーゼ7(USP7;NCBI遺伝子ID:7874);ユビキチン様修飾剤活性化酵素1(UBA1;NCBI遺伝子ID:7317);UL16結合タンパク質(例えば、ULBP1、ULBP2、ULBP3;NCBI遺伝子ID:79465、80328、80328);バロシン含有タンパク質(VCP、CDC48;NCBI遺伝子ID:7415);血管細胞接着分子1(VCAM1、CD106;NCBI遺伝子ID:7412);血管内皮成長因子(例えば、VEGFA、VEGFB;NCBI遺伝子ID:7422、7423);ビメンチン(VIM;NCBI遺伝子ID:7431);ビタミンD受容体(VDR;NCBI遺伝子ID:7421);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7-H4;NCBI遺伝子ID:79679);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、VISTA、B7-H5;NCBI遺伝子ID:64115);WEE1G2チェックポイントキナーゼ(WEE1;NCBI遺伝子ID:7465);WRNRecQ様ヘリカーゼ(WRN;RECQ3、NCBI遺伝子ID:7486);WT1転写因子(WT1;NCBI遺伝子ID:7490);WWドメイン含有転写制御因子1(WWTR1;TAZ;NCBI遺伝子ID:25937);X-Cモチーフケモカインリガンド1(XCL1、ATAC;NCBI遺伝子ID:6375);X-Cモチーフケモカイン受容体1(XCR1、GPR5、CCXCR1;NCBI遺伝子ID:2829);Yes1関連転写制御因子(YAP1;NCBI遺伝子ID:10413);ゼータ鎖関連タンパク質キナーゼ70(ZAP70;NCBI遺伝子ID:7535)。
【0168】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤としては、例えば、5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E又はCD73;NCBI遺伝子ID:4907);アデノシンA2A受容体(ADORA2A;NCBI遺伝子ID:135);アデノシンA2B受容体(ADORA2B;NCBI遺伝子ID:136);C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8、CDw198;NCBI遺伝子ID:1237);サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH;NCBI遺伝子ID:1154);ジアシルグリセロールキナーゼα(DGKA、DAGK、DAGK1、又はDGK-α;NCBI遺伝子ID:1606);Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3、CD135;NCBI遺伝子ID:2322);インテグリン関連タンパク質(IAP、CD47;NCBI遺伝子ID:961);インターロイキン-2(IL2;NCBI遺伝子ID:3558);インターロイキン2受容体(IL2RA、IL2RB、IL2RG;NCBI遺伝子ID:3559、3560、3561);Kirstenラット肉腫ウイルス(Kirsten rat sarcoma、KRAS;NCBI遺伝子ID:3845;KRAS G12C又はG12Dなどの変異を含む);マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1)(造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)とも呼ばれる、NCBI遺伝子ID:11184));骨髄細胞白血病配列1アポトーシス制御因子(MCL1;NCBI遺伝子ID:4170);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ、触媒サブユニットデルタ(PIK3CD;NCBI遺伝子ID:5293);プログラム死-リガンド1(PD-L1、CD274;NCBI遺伝子ID:29126);プログラム細胞死タンパク質1(PD-1、CD279;NCBI遺伝子ID:5133);癌原遺伝子c-KIT(KIT、CD117;NCBI遺伝子ID:3815);シグナル制御性タンパク質アルファ(SIRPA、CD172A;NCBI遺伝子ID:140885);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PARP7;NCBI遺伝子ID:25976);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);骨髄細胞1上に発現されるトリガー受容体(TREM1;NCBI遺伝子ID:54210);骨髄細胞2上に発現されるトリガー受容体(TREM2;NCBI遺伝子ID:54209);腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子2(TACSTD2、TROP2、EGP1;NCBI遺伝子ID:4070);腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー4(TNFRSF4、CD134、OX40;NCBI遺伝子ID:7293);腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー9(TNFRSF9、4-1BB、CD137;NCBI遺伝子ID:3604);腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー18(TNFRSF18、CD357、GITR;NCBI遺伝子ID:8784);WRNRecQ様ヘリカーゼ(WRN;NCBI遺伝子ID:7486);ジンクフィンガタンパク質Helios(IKZF2;NCBI遺伝子ID:22807)が挙げられる。
【0169】
例示的作用機序
免疫チェックポイントモジュレータ
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抑制性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の遮断剤若しくは阻害剤、及び/又は1つ以上の刺激性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の刺激因子、活性化因子、又はアゴニストと共に投与される。抑制性免疫チェックポイントの遮断又は阻害は、T細胞又はNK細胞活性化を正に調節し得、腫瘍環境内の癌細胞の免疫回避を防止し得る。刺激性免疫チェックポイントの活性化又は刺激は、癌治療における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強し得る。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、T細胞応答を調節する(例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110に概説されている)。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、NK細胞応答を調節する(例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688)。制御性T細胞(Treg)の阻害又はTreg枯渇は、それらの抗腫瘍免疫応答の抑制を緩和し、抗癌効果を有することができる(例えば、Platas and Rudensky,Annu.Rev.Cancer Biol.(2020)4:459-77;Tanaka and Sakaguchi,Eur.J.Immunol.(2019)49:1140-1146に概説されている)。
【0170】
免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の例としては、CD27(NCBI遺伝子ID:939)、CD70(NCBI遺伝子ID:970);CD40(NCBI遺伝子ID:958)、CD40LG(NCBI遺伝子ID:959);CD47(NCBI遺伝子ID:961)、SIRPA(NCBI遺伝子ID:140885);CD48(SLAMF2;NCBI遺伝子ID:962)膜貫通及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H;NCBI遺伝子ID:126259)、CD84(LY9B、SLAMF5;NCBI遺伝子ID:8832)、CD96(NCBI遺伝子ID:10225)、CD160(NCBI遺伝子ID:11126)、MS4A1(CD20;NCBI遺伝子ID;931)、CD244(SLAMF4;NCBI遺伝子ID:51744);CD276(B7H3;NCBI遺伝子ID:80381);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害因子1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫制御性受容体(VSIR、B7H5、VISTA;NCBI遺伝子ID:64115);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3;NCBI遺伝子ID:152404);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7H6;NCBI遺伝子ID:374383);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7H7;NCBI遺伝子ID:11148);誘導性T細胞共刺激因子(ICOS、CD278;NCBI遺伝子ID:29851);誘導性T細胞共刺激因子リガンド(ICOSLG、B7H2;NCBI遺伝子ID:23308);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40;NCBI遺伝子ID:7293);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L;NCBI遺伝子ID:7292);TNFRSF8(CD30;NCBI遺伝子ID;943)、TNFSF8(CD30L;NCBI遺伝子ID:944);TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1;NCBI遺伝子ID;8797)、TNFRSF9(CD137;NCBI遺伝子ID;3604)、TNFSF9(CD137L;NCBI遺伝子ID:8744);TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2;NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10(TRAIL;NCBI遺伝子ID:8743);TNFRSF14(HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764)、TNFSF14(HVEML;NCBI遺伝子ID:8740);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA)、NCBI遺伝子ID:151888);TNFRSF17(BCMA、CD269;NCBI遺伝子ID:608)、TNFSF13B(BAFF;NCBI遺伝子ID:10673);TNFRSF18(GITR;NCBI遺伝子ID:8784)、TNFSF18(GITRL;NCBI遺伝子ID:8995);MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA;NCBI遺伝子ID:100507436);MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB;NCBI遺伝子ID:4277);CD274(CD274、PDL1、PD-L1;NCBI遺伝子ID:29126);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1;NCBI遺伝子ID:5133);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152;NCBI遺伝子ID:1493);CD80(B7-1;NCBI遺伝子ID:941)、CD28(NCBI遺伝子ID:940);ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112;NCBI遺伝子ID:5819);CD226(DNAM-1;NCBI遺伝子ID:10666);ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155;NCBI遺伝子ID:5817);PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R;NCBI遺伝子ID:79037);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4;TIM4、NCBI遺伝子ID:91937);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3;NCBI遺伝子ID:84868);ガレクチン9(LGALS9;NCBI遺伝子ID:3965);リンパ球活性化3(LAG3、CD223;NCBI遺伝子ID:3902);シグナル伝達リンパ球活性化分子ファミリーメンバー1(SLAMF1、SLAM、CD150;NCBI遺伝子ID:6504);リンパ球抗原9(LY9、CD229、SLAMF3;NCBI遺伝子ID:4063);SLAMファミリーメンバー6(SLAMF6、CD352;NCBI遺伝子ID:114836);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7、CD319;NCBI遺伝子ID:57823);UL16結合タンパク質1(ULBP1;NCBI遺伝子ID:80329);UL16結合タンパク質2(ULBP2;NCBI遺伝子ID:80328);UL16結合タンパク質3(ULBP3;NCBI遺伝子ID:79465);レチノイン酸初期転写物1E(RAET1E;ULBP4;NCBI遺伝子ID:135250);レチノイン酸初期転写物1G(RAET1G;ULBP5;NCBI遺伝子ID:353091);レチノイン酸初期転写物1L(RAET1L;ULBP6;NCBI遺伝子ID:154064);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1;NCBI遺伝子ID:3811、例えば、リリルマブ(lirilumab)(IPH-2102、IPH-4102));キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A;NCBI遺伝子ID:3821);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314;NCBI遺伝子ID:22914);キラー細胞レクチン様受容体C2(KLRC2、CD159c、NKG2C;NCBI遺伝子ID:3822);キラー細胞レクチン様受容体C3(KLRC3、NKG2E;NCBI遺伝子ID:3823);キラー細胞レクチン様受容体C4(KLRC4、NKG2F;NCBI遺伝子ID:8302);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1;NCBI遺伝子ID:3802);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2;NCBI遺伝子ID:3803);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3;NCBI遺伝子ID:3804);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1;NCBI遺伝子ID:3824);キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1;CLEC15A、MAFA、2F1;NCBI遺伝子ID:10219);シアル酸結合Ig様レクチン7(SIGLEC7;NCBI遺伝子ID:27036);並びに、シアル酸結合Ig様レクチン9(SIGLEC9;NCBI遺伝子ID:27180)が挙げられる。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上のT細胞抑制性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と共に投与される。例示的なT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、CD274(CD274、PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、PD-L2、CD273);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害因子1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);リンパ球活性化3(LAG3、CD223);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3);ガレクチン9(LGALS9);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部3(KIR2DL3);並びにキラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR3DL1)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上のT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と共に投与される。例示的なT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:CD27、CD70;CD40、CD40LG;誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155)。例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110を参照されたい。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と共に投与される。例示的なNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質尾部1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1、CD94)、キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1;CLEC15A、MAFA、2F1);シアル酸結合Ig様レクチン7(SIGLEC7);並びに、シアル酸結合Ig様レクチン9(SIGLEC9)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と共に投与される。例示的なNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、CD16、CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)が挙げられる。例えば、Davis,et al.,Semin Immunol.(2017)31:64-75;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54;及びChiossone,et al.,Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688に記載されている。
【0173】
いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、CTLA4又はTIGITのタンパク質性(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、CTLA4又はTIGITの小有機分子阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、LAG3のタンパク質性阻害剤(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)を含む。
【0174】
共投与され得るCTLA4の阻害剤の例としては、イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、ザリフレリマブ(AGEN1884)、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、CS-1002(イピリムマブバイオシミラー)、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、AGEN-2041、HBM-4003、JHL-1155、KN-044、CG-0161、ATOR-1144、PBI-5D3H5、BPI-002、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、及びAK-104(CTLA4/PD-1)が挙げられる。
【0175】
共投与され得るPD-L1(CD274)又はPD-1(PDCD1)の阻害剤の例としては、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピディリズマブ、AMP-224、MEDI0680(AMP-514)、スパルタリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、コシベリマブ(CK-301)、ササンリマブ(PF-06801591)、ティスレリズマブ(BGB-A317)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、レティファンリマブ(MGA-012)、BI-754091、バルスチリマブ(AGEN-2034)、AMG-404、トリパリマブ(JS-001)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ゲノリムズマブ(CBT-501)、LZM-009、プロルゴリマブ(BCD-100)、ロダポリマブ(LY-3300054)、SHR-1201、カムレリズマブ(SHR-1210)、Sym-021、ブジガリマブ(ABBV-181)、PD1-PIK、BAT-1306、アベルマブ(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、ドスタルリマブ(TSR-042)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155)、エンバフォリマブ(KN-035)、シンチリマブ(IBI-308)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、GS-4224、GS-4416、INCB086550、MAX10181、ジムベレリマブ(AB122)、スパルタリズマブ(PDR-001)、及び国際公開第2018195321号、国際公開第2020014643号、国際公開第2019160882号、又は国際公開第2018195321号で開示された化合物、及び多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)RO-7247669(PD-1/CTLA3)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、RG7769(PD-1/TIM-3)、TAK-252(PD-1/OX40L)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、FS-118(LAG-3/PD-L1)、FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28),GEN-1046(PD-L1/4-1BB)、ビントラフスプアルファ(M7824;PD-L1/TGFβ-ECドメイン)、CA-170(PD-L1/VISTA)、CDX-527(CD27/PD-L1)、LY-3415244(TIM3/PDL1)、及びINBRX-105(4-1BB/PDL1)が挙げられる。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤は、CA-170、GS-4224、GS-4416及びラゼルチニブ(GNS-1480;PD-L1/EGFR)などの小分子阻害剤である。
【0176】
共投与され得るTIGITの阻害剤の例としては、チラゴルマブ(RG-6058)、ビボスタロブ、ドムバナリマブ、ドムバナリマブ(AB154)、AB308、BMS-986207、AGEN-1307、COM-902、又はエチギリマブが挙げられる。
【0177】
共投与され得るLAG3の阻害剤の例としては、レラミリマブ(LAG525)が挙げられる。
【0178】
制御性T細胞(Treg)活性の阻害又はTreg枯渇は、抗腫瘍免疫応答の抑制を緩和させることができ、抗癌効果を有し得る。例えば、Plitas and Rudensky,Annu.Rev.Cancer Biol.(2020)4:459-77;Tanaka and Sakaguchi,Eur.J.Immunol.(2019)49:1140-1146に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、Treg活性の1つ以上の阻害剤又はTreg枯渇剤と共に投与される。Treg阻害又は枯渇は、癌治療における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、1つ以上のTreg阻害剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、Treg阻害剤は、腫瘍微小環境へのTregの遊走を抑制することができる。いくつかの実施形態では、Treg阻害剤は、Tregの免疫抑制機能を低減することができる。いくつかの実施形態では、Treg阻害剤は、細胞表現型を調節し、炎症性サイトカインの生成を誘導することができる。例示的なTreg阻害剤としては、CCR4(NCBI遺伝子ID:1233)アンタゴニスト、並びにIkarosジンクフィンガタンパク質(例えば、Ikaros(IKZF1;NCBI遺伝子ID:10320)、Helios(IKZF2;NCBI遺伝子ID:22807)、Aiolos(IKZF3;NCBI遺伝子ID:22806)、及びEos(IKZF4;NCBI遺伝子ID:64375)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0180】
共投与され得るHelios分解剤の例としては、I-57(Novartis)、並びに国際公開第2019/038717号、国際公開第2020/012334号、国際公開第2020/0117759号、及び国際公開第2021/101919号に開示の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、1つ以上のTreg枯渇剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、Treg枯渇剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、Treg枯渇抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する。いくつかの実施形態では、Treg枯渇抗体は、増強されたADCC活性を有するようにFc修飾されている。いくつかの実施形態では、Treg枯渇抗体は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。Treg枯渇剤の例示的な標的としては、CD25(IL2RA;NCBI遺伝子ID;3559)、CTLA4(CD152;NCBI遺伝子ID:1493);GITR(TNFRSF18;NCBI遺伝子ID:8784);4-1BB(CD137;NCBI遺伝子ID;3604)、OX-40(CD134;NCBI遺伝子ID;7293)、LAG3(CD223;NCBI遺伝子ID:3902)、TIGIT(NCBI遺伝子ID:201633)、CCR4(NCBI遺伝子ID:1233)、及びCCR8(NCBI遺伝子ID:1237)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0182】
いくつかの実施形態では、共投与され得るTreg阻害剤又はTreg枯渇剤は、C-Cモチーフケモカイン受容体4(CCR4)、C-Cモチーフケモカイン受容体7(CCR7)、C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4;CD184)、TNFRSF4(OX40)、TNFRSF18(GITR、CD357)、TNFRSF9(4-1BB、CD137)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152)、プログラム細胞死1(PDCD1、PD-1)、シアリルルイスx(CD15s)、CD27、エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1(ENTPD1;CD39)、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC;CD45)、神経細胞接着分子1(NCAM1;CD56)、セレクチンL(SELL;CD62L)、インテグリンサブユニットαE(ITGAE;CD103)、インターロイキン7受容体(IL7R;CD127)、CD40リガンド(CD40LG;CD154)、葉酸受容体α(FOLR1)、葉酸受容体β(FOLR2)、ロイシンリッチ反復含有32(LRRC32;GARP)、IKAROSファミリージンクフィンガ2(IKZF2;HELIOS)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS;CD278)、リンパ球活性化3(LAG3;CD223)、形質転換成長因子β1(TGFB1)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2;CD366;TIM3)、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(CD120b;TNFR2)、IL2RA(CD25)、及びそれらの組み合わせから選択される細胞表面受容体に選択的に結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0183】
投与され得るTreg枯渇抗CCR8抗体の例としては、JTX-1811(GS-1811)(Jounce Therapeutics、Gilead Sciences)、BMS-986340(Bristol Meyers Squibb)、S-531011(Shionogi)、FPA157(Five Prime Therapeutics)、SRF-114(Surface Oncology)、HBM1022(Harbor Biomed)、IO-1(Oncurious)、並びに国際公開第2021/163064号、国際公開第2020/138489号、及び国際公開第2021/152186号に開示の抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0184】
投与され得るTreg枯渇抗CCR4抗体の例としては、モガムリズマブが挙げられる。
【0185】
腫瘍微小環境における非刺激性骨髄細胞の阻害、枯渇、又は再プログラミングは、抗癌免疫応答を増強することができる(例えば、Binnewies et al.,Nat.Med.(2018)24(5):541-550、2010);国際公開第2016/049641号を参照されたい)。非刺激性骨髄細胞を枯渇又は再プログラミングするための例示的な標的としては、骨髄細胞上で発現されるトリガー受容体、TREM-1(CD354、NCBI遺伝子ID:54210)及びTREM-2(NCBI遺伝子ID:54209)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抗TREM-1抗体(例えば、PY159;国際公開第2019/032624号に開示の抗体)又は抗TREM-2抗体(例えば、PY314;国際公開第2019/118513号に開示の抗体)などの1つ以上の骨髄細胞枯渇剤又は再プログラミング剤と共に投与される。
【0186】
分化クラスターのアゴニスト又は活性化因子
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、分化クラスター(CD)マーカーを標的とする薬剤と共に投与される。共投与され得る例示的なCDマーカーを標的とする薬剤としては、以下の:A6、AD-IL24、ネラチニブ、ツカチニブ(ONT 380)、モボセルチニブ(TAK-788)、テセバチニブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、トラスツズマブバイオシミマー(HLX-02)、マルゲツキシマブ、BATー8001、ペルツズマブ(Perjeta)、ペグフィルグラスチム、RG6264、ザニダタマブ(ZW25)、カバタク(cavatak)、AIC-100、タグラクソフスプ(SL-401)、HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチン、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、レンバチニブメシル酸塩、オフラネルジーンオバデノベック、リンゴ酸カボザンチニブ、AL-8326、ZLJ-33、KBP-7018、リンゴ酸スニチニブ、パゾパニブ誘導体、AGX-73、レバスチニブ、NMS-088、塩酸ルシタニブ、ミドスタウリン、セジラニブ、ドビチニブ、シトラバチニブ、チボザニブ、マシチニブ、レゴラフェニブ、オルベレンバチニブジメシレート(HQP-1351)、カボザンチニブ、ポナチニブ、及びファミチニブL-リンゴ酸、CX-2029(ABBV-2029)、SCB-313、CA-170、COM-701、CDX-301、GS-3583、アスネルセプト(APG-101)、APO-010、及び国際公開第2016/196388号、国際公開第2016/033570号、国際公開第2015/157386号、国際公開第1992/03459号、国際公開第1992/21766号、国際公開第2004/080462号、国際公開第2005/020921号、国際公開第2006/009755号、国際公開第2007/078034号、国際公開第2007/092403号、国際公開第2007/127317号、国際公開第2008/005877号、国際公開第2012/154480号、国際公開第2014/100620号、国際公開第2014/039714号、国際公開第2015/134536号、国際公開第2017/167182号、国際公開第2018/112136号、国際公開第2018/112140号、国際公開第2019/155067号、国際公開第2020/076105号、国際出願PCT/US2019/063091号、国際公開第1917/3692号、国際公開第2016/179517号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096182号、国際公開第2017/096281号、国際公開第2018/089628号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2018/089628号、国際公開第2018/195321号、国際公開第2020/014643号、国際公開第2019/160882号、国際公開第2018/195321号、国際公開第2001/40307号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2007/133811号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/083253号、国際公開第2011/076781号、国際公開第2013/056352号、国際公開第2015/138600号、国際公開第2016/179399号、国際公開第2016/205042号、国際公開第2017/178653号、国際公開第2018/026600号、国際公開第2018/057669号、国際公開第2018/107058号、国際公開第2018/190719号、国際公開第2018/210793号、国際公開第2019/023347号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/175218号、国際公開第2019/183266号、国際公開第2020/013170号、国際公開第2020/068752号、Cancer Discov.2019 Jan 9(1):8;及びGariepy J.,et al.106th Annu Meet Am Assoc Immunologists(AAI)(May 9-13,San Diego,2019,Abst 71.5)に開示されている化合物などのCDマーカーを標的とする薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0187】
いくつかの実施形態では、共投与され得るCDマーカーを標的とする薬剤には、以下の:PBF-1662、BLZ-945、ペミガチニブ(INCB-054828)、ロガラチニブ(BAY-1163877)、AZD4547、ロブリチニブ(FGF-401)、キザルチニブ二塩酸塩、SX-682、AZD-5069、PLX-9486、アバプリチニブ(BLU-285)、リプレチニブ(DCC-2618)、メシル酸イマチニブ、JSP-191、BLU-263、CD117-ADC、AZD3229、テラチニブ、ボロラニブ、GO-203-2C、AB-680、PSB-12379、PSB-12441、PSB-12425、CB-708、HM-30181A、モチキサフォルチド(BL-8040)、LY2510924、ブリキサフォル(TG-0054)、X4P-002、マボリキサフォル(X4P-001-IO)、Plerixafor、CTX-5861、又はREGN-5678(PSMA/CD28)などの、小分子阻害剤が挙げられる。
【0188】
いくつかの実施形態では、共投与され得るCDマーカーを標的とする薬剤には、以下の:インターロイキン2受容体サブユニットガンマ、エルトロンボパグ、リンタトリモド、ポリICLC(NSC-301463)、リボクソン、アポキシム、RIBOXXIM(登録商標)、MCT-465、MCT-475、G100、PEPA-10、エフトザネルミンアルファ(ABBV-621)、E-6887、モトリモド、レシキモド、セルガントリモド(GS-9688)、VTX-1463、NKTR-262、AST-008、CMP-001、コビトリモド、チルソトリモド、リテニモド、MGN-1601、BB-006、IMO-8400、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、レフィトリモド(MGN-1703)、CYT-003、及びPUL-042などの、小分子アゴニストが挙げられる。
【0189】
いくつかの実施形態では、共投与され得るCDマーカーを標的とする薬剤には、以下の:タファシタマブ(MOR208;MorphoSys AG)、イネビリズマブ(MEDI-551)、オビヌツズマブ、IGN-002、リツキシマブバイオシミラー(PF-05280586)、バルリルマブ(CDX-1127)、AFM-13(CD16/CD30)、AMG330、オトレルツズマブ(TRU-016)、イサツキシマブ、フェルザルタマブ(MOR-202)、TAK-079、TAK573、ダラツムマブ(DARZALEX(登録商標))、TTX-030、セリクレルマブ(RG7876)、APX-005M、ABBV-428、ABBV-927、ミタザリマブ(JNJ-64457107)、レンジルマ、アレムツズマ、エマクツズマブ、AMG-820、FPA-008(カビラリツマブ)、PRS-343(CD-137/Her2)、AFM-13(CD16/CD30)、ベランタマブマフォドチン(GSK-2857916)、AFM26(BCMA/CD16A)、シムルカフスプアルファsimlukafusp alfa(RG7461)、ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、ADG-106、BT-7480、PRS-343(CD-137/HER2)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、ラムシルマブ、CDX-0158、CDX-0159及びFSI-174、レラトリマブ(ONO-4482)、LAG-525、MK-4280、フィアンリマブ(REGN-3767)、INCAGN2385、エンセリマブ(TSR-033)、アチポツズマブ、BrevaRex(Mab-AR-20.5)、MEDI-9447(オレクルマブ)、CPX-006、IPH-53、BMS-986179、NZV-930、CPI-006、PAT-SC1、リツキシマブ(IPH-2102)、ラクタマブ(IPH-4102)、モナリズマブ、BAY-1834942、NEO-201(CEACAM 5/6)、ヨウ素(131I)アパミスタマブ(131I-BC8(lomab-B))、MEDI0562(タボリキシズマブ)、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、デノスマブ、BION-1301、MK-4166、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、CTB-006、INBRX-109、GEN-1029、ペピネマブ(VX-15)、ボプラテリマブ(JTX-2011)、GSK3359609、コボリマブ(TSR-022)、MBG-453、INCAGN-2390、並びに国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、及び国際公開第2018/089628号で公開される化合物などの抗体が挙げられる。
【0190】
いくつかの実施形態では、共投与され得るCDマーカーを標的とする薬剤には、以下の:CD19-ARTEMIS、TBI-1501、CTL-119 huCART-19 T細胞、l iso-cel、リソカブタゲンマラルユーセル(JCAR-017)、アキシカブタジンシロロイセル(KTE-C19、Yescarta(登録商標))、アキシカブタジンシロロイセル(KTE-X19)、US7741465、US6319494、UCART-19、タベレクルセル(EBV-CTL)、Tチサゲンレクロイセル-T(CTL019)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現T細胞、CD19/4-1BBL装甲CART細胞療法、C-CAR-011、CIK-CAR.CD19、CD19CAR-28-ゼータT細胞、PCAR-019、MatchCART、DSCAR-01、IM19 CAR-T、TC-110、抗CD19 CAR T-細胞療法(B細胞急性リンパ芽球性白血病、Universiti Kebangsaan Malaysia)、抗CD19 CAR T細胞療法(急性リンパ芽球性白血病/非ホジキンリンパ腫、University Hospital Heidelberg)、抗CD19 CAR T細胞療法(サイレントIL-6発現、癌、Shanghai Unicar療法バイオ医薬療法技術)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、GC-197(CD19/CD7)、CLIC-1901、ET-019003、抗-CD19-STAR-T細胞、AVA-001、BCMA-CD19 cCAR(CD19/APRIL)、ICG-134、ICG-132(CD19/CD20)、CTA-101、WZTL-002、デュアル抗CD19/抗CD20CAR T細胞(慢性リンパ球性白血病/B細胞リンパ腫)、HY-001、ET-019002、YTB-323、GC-012(CD19/APRIL)、GC-022(CD19/CD22)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現Tn/mem、UCAR-011、ICTCAR-014、GC-007F、PTG-01、CC-97540、GC-007G、TC-310、GC-197、チサゲンレクロイセル-T、CART-19、チサゲンレクロイセル(CTL-019))、抗CD20 CAR T細胞療法(非ホジキンリンパ腫)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、WZTL-002デュアル抗CD19/抗CD20 CAR-T細胞、ICG-132(CD19/CD20)、ACTR707 ATTCK-20、PBCAR-20A、LB-1905、CIK-CAR.CD33、CD33CART、デュアル抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法、CART-ddBCMA、MB-102、IM-23、JEZ-567、UCART-123、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道癌/NSCLC)、ICTCAR-052、Tn MUC-1 CAR-T、ICTCAR-053、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道癌/NSCLC)、AUTO-2、抗BCMA CAR T細胞療法、Descartes-011、抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法、CART-ddBCMA、BCMA-CS1 cCAR、CYAD-01(NKG2D LIGAND MODULATOR)、KD-045、PD-L1 t-haNK、BCMA-CS1 cCAR、MEDI5083、抗CD276 CART、又は国際公開第2012/079000号若しくは国際公開第2017/049166号に開示されている治療法などの細胞療法が挙げられる。
【0191】
分化クラスター47(CD47)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、CD47の阻害剤(IAP、MER6、OA3;NCBI遺伝子ID:961)と共に投与される。CD47阻害剤の例としては、抗CD47 mAbs(Vx-1004)、抗ヒトCD47 mAbs(CNTO-7108)、CC-90002、CC-90002-ST-001、ヒト化抗CD47抗体又はCD47遮断薬、NI-1701、NI-1801、RCT-1938、ALX148、SG-404、SRF-231、及びTTI-621が挙げられる。追加の例示的な抗CD47抗体には、以下の:CC-90002、マグロリマブ(Hu5F9-G4)、AO-176(Vx-1004)、レタプリマブ(IBI-188)、レムゾパリマブ(TJC-4)、SHR-1603、HLX-24、LQ-001、IMC-002、ZL-1201、IMM-01、B6H12、GenSci-059、TAY-018、PT-240、1F8-GMCSF、SY-102、KD-015、ALX-148、AK-117、TTI-621、TTI-622、又は国際公開第1997/27873号、国際公開第1999/40940号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2005/044857号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/070047号、国際公開第2011/143624号、国際公開第2012/170250号、国際公開第2013/109752号、国際公開第2013/119714号、国際公開第2014/087248号、国際公開第2015/191861号、国際公開第2016/022971号、国際公開第2016/023040号、国際公開第2016/024021号、国際公開第2016/081423号、国際公開第2016/109415号、国際公開第2016/141328号、国際公開第2016/188449号、国際公開第2017/027422号、国際公開第2017/049251号、国際公開第2017053423号、国際公開第2017/121771号、国際公開第2017194634号、国際公開第2017/196793号、国際公開第2017/215585号、国際公開第2018/075857号、国際公開第2018/075960号、国際公開第2018/089508号、国際公開第2018/095428号、国際公開第2018/137705号、国際公開第2018/233575号、国際公開第2019/027903号、国際公開第2019/034895号、国際公開第2019/042119号、国際公開第2019/042285号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/086573号、国際公開第2019/108733号、国際公開第2019/138367号、国際公開第2019/144895号、国際公開第2019/157843号、国際公開第2019/179366号、国際公開第2019/184912号、国際公開第2019/185717号、国際公開第2019/201236号、国際公開第2019/238012号、国際公開第2019/241732号、国際公開第2020/019135号、国際公開第2020/036977号、国際公開第2020/043188号、及び国際公開第2020/009725号で開示される化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、CD47阻害剤は、RRx-001、DSP-107、VT-1021、IMM-02、SGN-CD47M、又はSIRPa-Fc-CD40L(SL-172154)である。いくつかの実施形態では、CD47阻害剤は、マグロリマブである。
【0192】
いくつかの実施形態では、CD47阻害剤は、IBI-322(CD47/PD-L1)、IMM-0306(CD47/CD20)、TJ-L1C4(CD47/PD-L1)、HX-009(CD47/PD-1)、PMC-122(CD47/PD-L1)、PT-217、(CD47/DLL3)、IMM-26011(CD47/FLT3)、IMM-0207(CD47/VEGF)、IMM-2902(CD47/HER2)、BH29xx(CD47/PD-L1)、IMM-03(CD47/CD20)、IMM-2502(CD47/PD-L1)、HMBD-004B(CD47/BCMA)、HMBD-004A(CD47/CD33)、TG-1801(NI-1701)、又はNI-1801などの、CD47を標的とする二重特異性抗体である。
【0193】
SIRPaを標的とする薬剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、SIRPaを標的とする薬剤(NCBI遺伝子ID:140885;UniProt P78324)と共に投与される。SIRPaを標的とする薬剤の例としては、SIRPa阻害剤(AL-008、RRx-001、及びCTX-5861など)、並びに抗SIRPa抗体(FSI-189(GS-0189)、ES-004、BI-765063、ADU1805、CC-95251、Q-1801(SIRPa/PD-L1)が挙げられる。使用される追加のSIRPα標的化剤は、例えば、国際公開第2001/40307号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2007/133811号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/083253号、国際公開第2011/076781号、国際公開第2013/056352号、国際公開第2015/138600号、国際公開第2016/179399号、国際公開第2016/205042号、国際公開第2017/178653号、国際公開第2018/026600号、国際公開第2018/057669号、国際公開第2018/107058号、国際公開第2018/190719号、国際公開第2018/210793号、国際公開第2019/023347号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/175218号、国際公開第2019/183266号、国際公開第2020/013170号及び国際公開第2020/068752号に記載されている。
【0194】
FLT3Rアゴニスト
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、FLT3Rアゴニストと共に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、FLT3リガンドと共に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、例えば、国際公開第2020/263830号に記載のFLT3L-Fc融合タンパク質と共に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、GS-3583又はCDX-301と共に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、GS-3583と共に投与される。
【0195】
TNF受容体スーパーファミリー(TNF Receptor Superfamily、TNFRSF)メンバーのアゴニスト又は活性化因子
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上のTNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト、例えば、TNFRSF1A(NCBI遺伝子ID:7132)、TNFRSF1B(NCBI遺伝子ID:7133)、TNFRSF4(OX40、CD134;NCBI遺伝子ID;7293)、TNFRSF5(CD40;NCBI遺伝子ID;958)、TNFRSF6(FAS、NCBI遺伝子ID;355)、TNFRSF7(CD27、NCBI遺伝子ID;939)、TNFRSF8(CD30、NCBI遺伝子ID;943)、TNFRSF9(4-1BB、CD137、NCBI遺伝子ID;3604)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1、NCBI遺伝子ID;8797)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2、NCBI遺伝子ID;8795)、TNFRSF10C(CD263、TRAILR3、NCBI遺伝子ID;8794)、TNFRSF10D(CD264、TRAILR4、NCBI遺伝子ID;8793)、TNFRSF11A(CD265、RANK、NCBI遺伝子ID;8792)、TNFRSF11B(NCBI遺伝子ID;4982)、TNFRSF12A(CD266、NCBI遺伝子ID;51330)、TNFRSF13B(CD267、NCBI遺伝子ID;23495)、TNFRSF13C(CD268、NCBI遺伝子ID;115650)、TNFRSF16(NGFR、CD271、NCBI遺伝子ID;4804)、TNFRSF17(BCMA、CD269、NCBI遺伝子ID;608)、TNFRSF18(GITR、CD357、NCBI遺伝子ID;8784)、TNFRSF19(NCBI遺伝子ID;55504)、TNFRSF21(CD358、DR6、NCBI遺伝子ID;27242)、及びTNFRSF25(DR3、NCBI遺伝子ID;8718)の1つ以上のアゴニストと共に投与される。
【0196】
共投与され得る例示的な抗TNFRSF4(OX40)抗体としては、MEDI6469、MEDI6383、タボリキシズマブ(MEDI0562)、MOXR0916、PF-04518600、RG-7888、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、並びに国際公開第2016/179517号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096182号、国際公開第2017/096281号、及び国際公開第2018/089628号に記載の抗体が挙げられる。
【0197】
共投与され得る例示的な抗TNFRSF5(CD40)抗体としては、RG7876、SEA-CD40、APX-005M、及びABBV-428が挙げられる。
【0198】
いくつかの実施形態では、抗TNFRSF7(CD27)抗体バルリルマブ(CDX-1127)は、共投与される。
【0199】
共投与され得る例示的な抗TNFRSF9(4-1BB、CD137)抗体としては、ウレルマブ、ウトミルマブ(utomilumab)(PF-05082566)、AGEN-2373、及びADG-106が挙げられる。
【0200】
いくつかの実施形態では、抗TNFRSF17(BCMA)抗体GSK-2857916は、共投与される。
【0201】
共投与され得る例示的な抗TNFRSF18(GITR)抗体としては、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、並びに国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、及び国際公開第2018/089628号に記載の抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、TNFRSF4(OX40)及びTNFRSF18(GITR)を同時に標的とする抗体又はその断片が共投与される。かかる抗体は、例えば、国際公開第2017096179号及び同第2018089628号に記載されている。
【0202】
共投与され得るTNFRSFファミリーメンバーを標的とする二重特異性抗体としては、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、AFM-13(CD16/CD30)、オドロネクツマブ(REGN-1979;CD20/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、プラモタマブ(XmAb-13676;CD3/CD20)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、及びIMM-0306(CD47/CD20)が挙げられる。
【0203】
二重特異性T細胞エンゲージャ
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、二重特異性T細胞エンゲージャ(bi-specific T-cell engager)(例えば、Fcを有しない)又は抗CD3二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)と共に投与される。共投与され得る例示的な抗CD3二重特異性抗体又はBiTEとしては、デュボルツキシズマブ(JNJ-64052781;CD19/CD3)、AMG-211(CEA/CD3)、AMG-160(PSMA/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、APVO436(CD123/CD3)、フロテツズマブ(CD123/CD3)、オドロネクスタマブ(REGN-1979;CD20/CD3),MCLA-117(CD3/CLEC12A),JNJ-0819(ヘム/CD3),JNJ-7564(CD3/heme),AMG-757(DLL3-CD3),AMG-330(CD33/CD3),AMG-420(BCMA/CD3),AMG-427(FLT3/CD3),AMG-562(CD19/CD3),AMG-596(EGFRvIII/CD3),AMG-673(CD33/CD3),AMG-701(BCMA/CD3),AMG-757(DLL3/CD3),AMG-211(CEA/CD3),ブリナツモマブ(CD19/CD3),huGD2-BsAb(CD3/GD2),ERY974(GPC3/CD3),GEMoab(CD3/PSCA),RG6026(CD20/CD3),RG6194(HER2/CD3),PF-06863135(BCMA/CD3),SAR440234(CD3/CDw123),JNJ-9383(MGD-015),AMG-424(CD38/CD3),tidutamab(XmAb-18087(SSTR2/CD3)),JNJ-63709178(CD123/CD3),MGD-007(CD3/gpA33),MGD-009(CD3/B7H3),IMCgp100(CD3/gp100),XmAb-14045(CD123/CD3),XmAb-13676(CD3/CD20),tidutamab(XmAb-18087;SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、REGN-4018(MUC16/CD3)、モスネツズマブ(RG-7828;CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、GRB-1342(CD38/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)が挙げられる。必要に応じて、抗CD3結合二重特異性分子は、Fcを有していても有していなくてもよい。共投与され得る例示的な二重特異性T細胞エンゲージャは、CD3及び本明細書に記載される腫瘍関連抗原を標的とするが、例えば、CD19(例えば、ブリナツモマブ);CD33(例えば、AMG330);CEA(例えば、MEDI-565);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)(Gohil,et al.,Oncoimmunology.(2017)May17;6(7):e1326437);PD-L1(Horn,et al.,Oncotarget.2017 Aug 3;8(35):57964-57980);及びEGFRvIII(Yang,et al.,Cancer Lett.2017 Sep 10;403:224-230)が挙げられる。
【0204】
二重特異性及び三重特異性ナチュラルキラー(Natural Killer、NK)細胞エンゲージャ
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、二重特異性NK細胞エンゲージャ(BiKE)若しくは三重特異性NK細胞エンゲージャ(tri-specific NK-cell engager:TriKE)(例えば、Fcを有しない)、又はNK細胞活性化受容体に対する二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)、例えば、CD16A、C型レクチン受容体(CD94/NKG2C、NKG2D、NKG2E/H、及びNKG2F)、自然細胞傷害性受容体(NKp30、NKp44、及びNKp46)、キラー細胞C型レクチン様受容体(NKp65、NKp80)、Fc受容体FcγR(抗体依存性細胞傷害性を媒介)、SLAMファミリー受容体(例えば、2B4、SLAM6、及びSLAM7)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)(KIR-2DS及びKIR-3DS)、DNAM-1、並びにCD137(41BB)と共に投与される。共投与され得る例示的な抗CD16二重特異性抗体、BiKE、又はTriKEとしては、AFM26(BCMA/CD16A)及びAFM-13(CD16/CD30)が挙げられる。必要に応じて、抗CD16結合二重特異性分子は、Fcを有していても有していなくてもよい。共投与され得る例示的な二重特異性NK細胞エンゲージャは、CD16及び本明細書に記載される1つ以上の腫瘍関連抗原(例えば、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD123、EGFR、EpCAM、ガングリオシドGD2、HER2/neu、HLAクラスII、及びFOLR1が挙げられる)を標的とする。BiKE及びTriKEは、例えば、Felices,et al.,Methods Mol Biol.(2016)1441:333-346;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54に記載されている。
【0205】
MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM;EAT;MCL1L;MCL1S;Mcl-1;BCL2L3;MCL1-ES;bcl2-L-3;mcl1/EAT;NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤と共に投与される。MCL1阻害剤の例としては、タポトクラックス(AMG-176)、AMG-397、S-64315、AZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、PRT-1419、GS-9716及び国際公開第2018/183418号、国際公開第2016/033486号、国際公開第2017/147410号に記載されたものが挙げられる。
【0206】
SHP2阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ非受容体11型(PTPN11;BPTP3、CFC、JMML、METCDS、NS1、PTP-1D、PTP2C、SH-PTP2、SH-PTP3、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781)の阻害剤と共に投与される。SHP2阻害剤の例としては、TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630、並びに国際公開第2018/172984号及び国際公開第2017/211303号に記載されているものが挙げられる。
【0207】
造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)阻害剤及び分解剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1、HPK1;NCBI遺伝子ID:11184)の阻害剤と共に投与される。造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)の阻害剤の例としては、国際公開第2020/092621号、国際公開2018/183956号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2018/167147号、国際公開第2018/049152号、国際公開第2020/092528号、国際公開第2016/205942号、国際公開第2016/090300号、国際公開第2018/049214号、国際公開第2018/049200号、国際公開第2018/049191号、国際公開第2018/102366号、国際公開第2018/049152号、及び国際公開第2016/090300号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ASK阻害剤、例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5;ASK1、MAPKKK5、MEKK5;NCBI遺伝子ID:4217)と共に投与される。ASK1阻害剤の例としては、国際公開第2011/008709号(Gilead Sciences)及び国際公開第2013/112741号(Gilead Sciences)に記載されているものが挙げられる。
【0209】
ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK、AGMX1、AT、ATK、BPK、IGHD3、IMD1、PSCTK1、XLA;NCBI遺伝子ID:695)の阻害剤と共に投与される。BTK阻害剤の例としては、(S)-6-アミノ-9-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-オン、アカラブルチニブ(ACP-196)、ザヌブルチニブ(BGB-3111)、CB988、HM71224、イブルチニブ、M-2951(エボブルチニブ)、M7583、チラブルチニブ(ONO-4059)、PRN-1008、スペブルチニブ(CC-292)、TAK-020、ベカブルチニブ、ARQ-531、SHR-1459、DTRMWXHS-12、PCI-32765、及びTAS-5315が挙げられる。
【0210】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1、CDC2;CDC28A;P34CDC2;NCBI遺伝子ID:983);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2、CDKN2;p33(CDK2);NCBI遺伝子ID:1017);サイクリン依存性キナーゼ3(CDK3;NCBI遺伝子ID:1018);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4、CMM3;PSK-J3;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6、MCPH12;PLSTIRE;NCBI遺伝子ID:1021);サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7、CAK;CAK1;HCAK;MO15;STK1;CDKN7;p39MO15;NCBI遺伝子ID:1022)、又はサイクリン依存性キナーゼ9(CDK9、TAK;C-2k;CTK1;CDC2L4;PITALRE;NCBI遺伝子ID:1025)の阻害剤と共に投与される。CDK1、2、3、4、6、7、及び/又は9の阻害剤としては、アベマシクリブ、アルボシジブ(HMR-1275、フラボピリドール)、AT-7519、ジナシクリブ、イブランス、FLX-925、LEE001、パルボシクリブ、サムラシクリブ、リボシクリブ、リゴセルチブ、セリネクソル、UCN-01、SY1365、CT-7001、SY-1365、G1T38、ミルシクリブ、トリラシクリブ、シムロセルチブ水和物(TAK931)、及びTG-02が挙げられる。
【0211】
ジスコイジンドメイン受容体(DDR)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ1(DDR1、CAK、CD167、DDR、EDDR1、HGK2、MCK10、NEP、NTRK4、PTK3、PTK3A、RTK6、TRKE;NCBI遺伝子ID:780);及び/又はジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ2(DDR2、MIG20a、NTRKR3、TKT、TYRO10、WRCN;NCBI遺伝子ID:4921)の阻害剤と組み合わされる。DDR阻害剤の例としては、ダサチニブ、並びに国際公開第2014/047624号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2009-0142345号(Takeda Pharmaceutical)、同第2011-0287011号(Oncomed Pharmaceuticals)、国際公開第2013/027802号(Chugai Pharmaceutical)、及び同第2013/034933号(Imperial Innovations)に開示されるものが挙げられる。
【0212】
標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲート
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートと共に投与される。そのようなコンジュゲートは、標的タンパク質結合部分及びE3リガーゼ結合部分(例えば、アポトーシスタンパク質阻害剤(inhibitor of apoptosis protein、IAP)(例えば、XIAP、c-IAP1、c-IAP2、NIL-IAP、Bruce、及び生存)E3ユビキチンリガーゼ結合部分、フォン・ヒッペル-リンダウE3ユビキチンリガーゼ(Von Hippel-Lindau E3 ubiquitin ligase、VHL)結合部分、セレブロンE3ユビキチンリガーゼ結合部分、マウス二重微小2ホモログ(mouse double minute 2 homolog、MDM2)E3ユビキチンリガーゼ結合部分)を有し、例えばユビキチン経路を介して、標的化タンパク質の分解を促進又は増加させるために使用することができる。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、本明細書に記載のタンパク質を標的化又は結合する標的化部分又は結合部分と、E3リガーゼリガンド又は結合部分と、を含む。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、Cbl癌原遺伝子B(Cbl proto-oncogene B、CBLB;Cbl-b、Nbla00127、RNF56;NCBI遺伝子ID:868)及び低酸素誘導因子1サブユニットα(HIF1A;NCBI遺伝子ID:3091)から選択されるタンパク質を標的化又は結合する標的化部分又は結合部分と、を含む。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、キナーゼ阻害剤(例えば、BTK及びE3リガーゼリガンド又は結合部分の、例えば、小分子キナーゼ阻害剤)を含む。例えば、国際公開第2018/098280号を参照されたい。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、インターロイキン-1(IL-1)受容体関連キナーゼ4(IRAK-4);急速に加速される線維肉腫(c-RAF、A-RAF、及び/又はB-RAFなどのRAF)、c-Met/p38、又はBRDタンパク質;及び、E3リガーゼリガンド又は結合部分を、標的化又は結合する結合部分を含む。例えば、国際公開第2019/099926号、国際公開第2018/226542号、国際公開第2018/119448号、国際公開第2018/223909号、国際公開第2019/079701号を参照されたい。共投与され得る追加の標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、例えば、国際公開第2018/237026号、国際公開第2019/084026号、国際公開第2019/084030号、国際公開第2019/067733号、国際公開第2019/043217号、国際公開第2019/043208号、及び国際公開第2018/144649号に記載されている。
【0213】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ヒストンデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9、HD7、HD7b、HD9、HDAC、HDAC7、HDAC7B、HDAC9B、HDAC9FL、HDRP、MITR;遺伝子ID:9734)の阻害剤と共に投与される。HDAC阻害剤の例としては、アベキシノスタット、ACY-241、AR-42、BEBT-908、ベリノスタット、CKD-581、CS-055(HBI-8000)、CUDC-907(フィメピノスタット)、エンチノスタット、モセチノスタット、パノビノスタット、プラシノスタット、キシノスタット(JNJ-26481585)、レスミノスタット、リコリノスタット、ロミデプシン、SHP-141、バルプロ酸(VAL-001)、ボリノスタット、チノスタムスチン、レメチノスタット、及びエンチノスタットが挙げられる。
【0214】
インドールアミン-ピロール-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1;NCBI遺伝子ID:3620)の阻害剤と共に投与される。IDO1阻害剤の例としては、BLV-0801、エパカドスタット、リンロドスタット(F-001287、BMS-986205)、GBV-1012、GBV-1028、GDC-0919、インドキシモッド、NKTR-218、NLG-919系ワクチン、PF-06840003、ピラノナフトキノン誘導体(SN-35837)、レスミノスタット、SBLK-200802、及びshIDO-ST、EOS-200271、KHK-2455、及びLY-3381916が挙げられる。
【0215】
Janusキナーゼ(JAK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1、JAK1A、JAK1B、JTK3;NCBI遺伝子ID:3716);ヤヌスキナーゼ2(JAK2、JTK10、THCYT3;NCBI遺伝子ID:3717);及び/又はヤヌスキナーゼ3(JAK3、JAK-3、JAK3_HUMAN、JAKL、L-JAK、LJAK;NCBI遺伝子ID:3718)の阻害剤と共に投与される。JAK阻害剤の例としては、AT9283、AZD1480、バリシチニブ、BMS-911543、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、INCB039110(イタシチニブ)、レストールチニブ、モメロチニブ(CYT0387)、イルギナチニブマレイン酸塩(NS-018)、パクリチニブ(SB1518)、ペフィシチニブ(ASP015K)、ルキソリチニブ、トファシチニブ(旧タソシチニブ)、INCB052793、及びXL019が挙げられる。
【0216】
リシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、LOXLタンパク質、例えば、LOXL1(NCBI遺伝子ID:4016)、LOXL2(NCBI遺伝子ID:4017)、LOXL3(NCBI遺伝子ID:84695)、LOXL4(NCBI遺伝子ID:84171)、及び/又はLOX(NCBI遺伝子ID:4015)の阻害剤と共に投与される。LOXL2阻害剤の例としては、国際公開第2009/017833号(Arresto Biosciences)、国際公開第2009/035791号(Arresto Biosciences)、及び国際公開第2011/097513号(Gilead Biologics)に記載の抗体が挙げられる。
【0217】
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、マトリックスメタロペプチダーゼ(MMP)の阻害剤、例えば、MMP1(NCBI遺伝子ID:4312)、MMP2(NCBI遺伝子ID:4313)、MMP3(NCBI遺伝子ID:4314)、MMP7(NCBI遺伝子ID:4316)、MMP8(NCBI遺伝子ID:4317)、MMP9(NCBI遺伝子ID:4318);MMP10(NCBI遺伝子ID:4319);MMP11(NCBI遺伝子ID:4320);MMP12(NCBI遺伝子ID:4321)、MMP13(NCBI遺伝子ID:4322)、MMP14(NCBI遺伝子ID:4323)、MMP15(NCBI遺伝子ID:4324)、MMP16(NCBI遺伝子ID:4325)、MMP17(NCBI遺伝子ID:4326)、MMP19(NCBI遺伝子ID:4327)、MMP20(NCBI遺伝子ID:9313)、MMP21(NCBI遺伝子ID:118856)、MMP24(NCBI遺伝子ID:10893)、MMP25(NCBI遺伝子ID:64386)、MMP26(NCBI遺伝子ID:56547)、MMP27(NCBI遺伝子ID:64066)、及び/又はMMP28(NCBI遺伝子ID:79148)の阻害剤と共に投与される。MMP9阻害剤の例としては、マリマスタット(BB-2516)、シペマスタット(Ro 32-3555)、GS-5745(アンデカリキシマブ)、及び国際公開第2012/027721号(Gilead Biologics)に記載のものが挙げられる。
【0218】
RAS及びRAS経路阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、KRAS癌原遺伝子、GTPase(KRAS;別名、NS;NS3;CFC2;RALD;K-Ras;KRAS1;KRAS2;RASK2;KI-RAS;C-K-RAS;K-RAS2A;K-RAS2B;K-RAS4A;K-RAS4B;c-Ki-ras2;NCBI遺伝子ID:3845);NRAS癌原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;別名、NS6;CMNS;NCMS;ALPS4;N-ras;NRAS1;NCBI遺伝子ID:4893)又はHRAS癌原遺伝子、GTPase(HRAS;別名、CTLO;KRAS;HAMSV;HRAS1;KRAS2;RASH1;RASK2;Ki-Ras;p21ras;C-H-RAS;c-K-ras;H-RASIDX;c-Ki-ras;C-BAS/HAS;C-HA-RAS1;NCBI遺伝子ID:3265)の阻害剤と共に投与される。Ras阻害剤は、ポリヌクレオチドレベル(例えば、転写阻害剤)又はポリペプチドレベル(例えば、GTPアーゼ酵素阻害剤)のいずれかでRasを阻害し得る。いくつかの実施形態では、阻害剤は、Ras経路における1つ以上のタンパク質を標的とし、例えば、EGFR、Ras、Raf(A-Raf、B-Raf、C-Raf)、MEK(MEK1、MEK2)、ERK、PI3K、AKT、及びmTORのうちの1つ以上を阻害する。共投与され得る例示的なK-Ras阻害剤としては、ソトラシブ(AMG-510)、COTI-219、ARS-3248、WDB-178、BI-3406、BI-1701963、SML-8-73-1(G12C)、アダグラシブ(MRTX-849)、ARS-1620(G12C)、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065/2602(Ras GTP)、RT11、MRTX-849(G12C)及びK-Ras(G12D)選択的阻害ペプチド(KRpep-2及びKRpep-2dを含む)が挙げられる。例示的なKRAS mRNA阻害剤としては、抗KRAS U1アダプタ-、AZD-4785、siG12D-LODER(商標)、及びsiG12Dエキソソームが挙げられる。共投与され得る例示的なMEK阻害剤には、ビニメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、RG-7304、セルメチニブ、トラメチニブ、並びに以下及び本明細書に記載されるものが含まれる。共投与され得る、例示的なRaf二量体阻害剤として、BGB-283、HM-95573、LXH-254、LY-3009120、RG7304、及びTAK-580が挙げられる。共投与され得る例示的なERK阻害剤としては、LTT-462、LY-3214996、MK-8353、ラボセルチニブ、及びウリキセルチニブが挙げられる。共投与され得る例示的なRas GTPアーゼ阻害剤としては、リジゴセルチブが挙げられる。共投与され得る例示的なPI3K阻害剤としては、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、アルペリシブ、ブパルリシブ、ピチリシブ、イナボリシブ(RG6114)、ASN-003が挙げられる。共投与され得る例示的なAKT阻害剤としては、カピバセルチブ及びGSK2141795が挙げられる。共投与され得る例示的なPI3K/mTOR阻害剤としては、ダプトリシブ、オミパリシブ、ボクサリシブ、ゲダトリシブ、GSK2141795、GSK-2126458、イナボリシブ(RG6114)、サパニセルチブ、ME-344、シロリムス(経口ナノアモルファス製剤、癌)、ラセメチロシン(TYME-88(mTOR/シトクロムP450 3A4))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、オナタセルチブ(CC-223)、SF-1126、及びPQR-309(ビミラリシブ)が挙げられる。いくつかの実施形態では、CDKN2A変異を有するRas駆動癌(例えば、NSCLC)は、MEK阻害剤セルメチニブとCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの共投与によって阻害され得る。例えば、Zhou,et al.,Cancer Lett.2017 Nov 1;408:130-137を参照されたい。また、K-RAS及び変異体N-RASは、ERBB1/2/4の不可逆的阻害剤ネラチニブにより低減され得る。例えば、Booth,et al.,Cancer Biol Ther.2018 Feb 1;19(2):132-137に記載されている。
【0219】
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(Mitogen-activated Protein Kinase、MEK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する化合物は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ7(MAP2K7、JNKK2、MAPKK7、MEK、MEK7、MKK7、PRKMK7、SAPKK-4、SAPKK4;NCBI遺伝子ID:5609)の阻害剤と共に投与される。MEK阻害剤の例としては、アントロキノノール、ビニメチニブ、コビメチニブ(GDC-0973、XL-518)、MT-144、セルメチニブ(AZD6244)、ソラフェニブ、トラメチニブ(GSK1120212)、ウプロセチブ+トラメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、LTT462、AS703988、CC-90003、及びレファメチニブが挙げられる。
【0220】
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニット、例えば、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットα(PIK3CA、CLAPO、CLOVE、CWS5、MCAP、MCM、MCMTC、PI3K、PI3K-α、p110-α;NCBI遺伝子ID:5290);ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットβ(PIK3CB、P110BETA、PI3K、PI3KBETA、PIK3C1;NCBI遺伝子ID:5291);ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットγ(PIK3CG、PI3CG、PI3K、PI3Kγ、PIK3、p110γ、p120-PI3K;遺伝子ID:5494);及び/又はホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットδ(PIK3CD、APDS、IMD14、P110δ、PI3K、p110D、NCBI遺伝子ID:5293)の阻害剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、pan-PI3K阻害剤である。PI3K阻害剤の例としては、ACP-319、AEZA-129、AMG-319、AS252424、AZD8186、BAY10824391、BEZ235、ブパリシブ(BKM120)、BYL719(アルペリシブ)、CH5132799、コパンリシブ(BAY 80-6946)、デュベリシブ、GDC-0032、GDC-0077、GDC-0941、GDC-0980、GSK2636771、GSK2269557、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、INCB50465、IPI-145、IPI-443、IPI-549、KAR4141、LY294002、LY3023414、MLN1117、OXY111A、PA799、PX-866、RG7604、リゴセルチブ、RP5090、RP6530、SRX3177、タセリシブ、TG100115、TGR-1202(ウムブラリシブ)、TGX221、WX-037、X-339、X-414、XL147(SAR245408)、XL499、XL756、ウォルトマンニン、ZSTK474、並びに国際公開第2005/113556号(ICOS)、国際公開第2013/052699号(Gilead Calistoga)、国際公開第2013/116562号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100765号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100767号(Gilead Calistoga)、及び国際公開第2014/201409号(Gilead Sciences)に記載の化合物が挙げられる。
【0221】
脾臓チロシンキナーゼ(Spleen Tyrosine Kinase、SYK)阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK、p72-Syk、NCBI遺伝子ID:6850)の阻害剤と共に投与される。SYK阻害剤の例としては、6-(1H-インダゾール-6-イル)-N-(4-モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-アミン、BAY-61-3606、セルドゥラチニブ(PRT-062607)、エンストプレチニブ、フォスタマチニブ(R788)、HMPL-523、NVP-QAB 205 AA、R112、R343、タマチニブ(R406)、グサシチニブ(ASN-002)及び米国特許第8450321号(Gilead Connecticut)に記載されているもの、及び米国特許出願公開第2015/0175616号に記載のものが挙げられる。
【0222】
Toll様受容体(TLR)アゴニスト
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、toll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1(NCBI遺伝子ID:7096)、TLR2(NCBI遺伝子ID:7097)、TLR3(NCBI遺伝子ID:7098)、TLR4(NCBI遺伝子ID:7099)、TLR5(NCBI遺伝子ID:7100)、TLR6(NCBI遺伝子ID:10333)、TLR7(NCBI遺伝子ID:51284)、TLR8(NCBI遺伝子ID:51311)、TLR9(NCBI遺伝子ID:54106)、及び/又はTLR10(NCBI遺伝子ID:81793)のアゴニストと共に投与される。共投与され得るTLR7アゴニストの例としては、DS-0509、GS-9620(ベサトリモド(vesatolimod))、ベサトリモド類似体、LHC-165、TMX-101(イミキモド)、GSK-2245035、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7795、BDB-001、DSP-0509並びに米国特許出願公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2009/0047249号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第20140088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられる。共投与され得るTLR7/TLR8アゴニストは、NKTR-262である。共投与され得るTLR8アゴニストの例としては、E-6887、IMO-4200、IMO-8400、IMO-9200、MCT-465、MEDI-9197、モトリモド、レシキモド、GS-9688、VTX-1463、VTX-763、3M-051、3M-052、並びに米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(VentirxPharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられる。共投与され得る例示的なTLR9アゴニストとしては、AST-008、CMP-001、IMO-2055、IMO-2125、リテニモド、MGN-1601、BB-001、BB-006、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフトリモド(leftolimod)(MGN-1703)、CYT-003、CYT-003-QbG10、及びPUL-042が挙げられる。TLR3アゴニストの例としては、リンタトリモド、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。
【0223】
チロシンキナーゼ阻害剤(Tyrosine-kinase Inhibitor、TKI)
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と共に投与される。TKIは、上皮増殖因子受容体(EGFR)、並びに線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、及び血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体を標的とし得る。TKIの例としては、アファチニブ、ARQ-087(デラザンチニブ)、asp5878、AZD3759、AZD4547、ブスチニブ、ブリガチニブ、カボザンチニブ、セジラニブ、クレノラニブ、ダコミチニブ、ダサチニブ、ドビチニブ、E-6201、エルダフィチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ(ASP-2215)、FP-1039、HM61713、イコチニブ、イマチニブ、KX2-391(Src)、ラパチニブ、レスタウルチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、ニンテダニブ、ODM-203、オシメルチニブ(AZD-9291)、ポナチニブ、ポジオチニブ、キザルチニブ、ラドチニブ、ロシレチニブ、スルファチニブ(HMPL-012)、スニチニブ、ファミチニブ、L-リンゴ酸、(MAC-4)、ティボアニブ、TH-4000、及びMEDI-575(抗PDGFR抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なEGFR標的化剤としては、ネラチニブ、ツカチニブ(ONT-380)、テセバチニブ、モボセルチニブ(TAK-788)、DZD-9008、バリチニブ、アビベルチニブ(ACEA-0010)、EGF816(ナザルチニブ)、オルムチニブ(BI-1482694)、オシメルチニブ(AZD-9291)、AMG-596(EGFRvIII/CD3)、リフィラフェニブ(BGB-283)、ベクチビックス、ラゼルチニブ(LECLAZA(登録商標)、及びBooth,et al.,Cancer Biol Ther.2018 Feb 1;19(2):132-137に記載されている。EGFRを標的とする抗体としては、モドツキシマブ、セツキシマブサロタロカン(RM-1929)、セリバンツマブ、ネシツムマブ、デパツキシズマブマフォドチン(ABT-414)、トムゾツキシマブ、デパツキシズマブ(ABT-806)、及びセツキシマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0224】
化学療法薬
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化学療法剤又は抗新生物剤と共に投与される。
【0225】
本明細書で使用する場合、用語「化学療法薬」又は「化学療法剤」(又は化学療法薬で治療する場合の「化学療法」)は、癌の治療に有用な任意の非タンパク質性(例えば、非ペプチド性)化合物を包含することを意味する。化学療法薬の例としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標));スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾデパ、カルボクオン、メチュレデパ、及びウレデパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミロロメラミンが含まれる、エチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン、例えば、ブラタシン及びブラタシノン;合成類似体トポテカンが含まれるカンプトテシン;ブリオスタチン、カリスタチン;アドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体が含まれるCC-1065;クリプトフィシン、特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8;ドラスタチン;合成類似体KW-2189及びCBI-TMIが含まれるデュオカルマイシン;エリュテロビン;5-アザシチジン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、グルホスファミド、エボホスファミド、ベンダムスチン、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロルエタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォレムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特に、カリケアミシンγII及びカリケアミシンφI1)、ジネマイシンAが含まれるジネマイシン、クロドロネートなどのビスホスホネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連するクロモタンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンが含まれる)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシン;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デモプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、及びトリメトレキサート;プリン類似体、例えば、クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストトラクトン;抗副腎薬、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、及びトリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フロリン酸;ラジウム-223などの放射線療法剤;トリコテセン、特にT-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン;パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、アブラキサン、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))、カバジタキセル、BIND-014、テセタキセルなどのタキソイド;サビザブリン(Veru-111);プラチナ類似体、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン、NC-6004ナノプラチン;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホルムチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;メイタンシノイド、例えば、メイタンシン及びアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;ポリサッカライドK(PSK);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トラベクテジン、トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエミルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;バンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;NUC-1031;FOLFOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン);FOLFIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン);FOLFOXIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカン)、FOLFIRINOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン)、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられる。かかる薬剤は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)又は標的化された薬物コンジュゲートを作製するために、抗体又は本明細書に記載される任意の標的化剤にコンジュゲートされ得る。
【0226】
抗ホルモン剤
「化学療法薬」の定義には、抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator、SERM)などの抗ホルモン剤、酵素アロマターゼの阻害剤、抗アンドロゲン剤、並びに腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体も含まれる。
【0227】
抗エストロゲン剤及びSERMの例としては、例えば、タモキシフェン(NOLVADEXTMを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン((FARESTON(登録商標))が挙げられる。
【0228】
酵素アロマターゼの阻害剤は、副腎におけるエストロゲン産生を調節する。例としては、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エクセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が挙げられる。
【0229】
抗アンドロゲン剤の例としては、アパルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、フルタミド、ガレテロン、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、ODM-201、APC-100、ODM-204、エノボサーム(GTX-024)、ダロルタミド、及びIONIS-AR-2.5Rx(アパトルセン)が挙げられる。
【0230】
プロゲステロン受容体アンタゴニストの例としては、オナプリストンが挙げられる。追加のプロゲステロン標的化剤としては、TRI-CYCLEN LO(ノルエチンドロン+エチニルエストラジオール)、ノルゲスチメート+エチニルエストラジオール(Tri-Cyclen)及びレボノルゲストレルが挙げられる。
【0231】
抗血管新生剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抗血管新生剤と共に投与される。共投与され得る抗血管新生剤としては、レチノイド酸及びその誘導体、2-メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、レゴラフェニブ、ネクパラニブ、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼ-1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ-2の組織阻害剤、プラスミノゲン活性化因子阻害剤-1、プラスミノゲン活性化因子阻害剤-2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル(nab-パクリタキセル)、血小板因子4、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイ蟹の殻から調製)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp-pg)、スタウロスポリン、l-アゼチジン-2-カルボン酸(LACA)などのプロリン類似体を含むマトリックス代謝の調節剤、シスヒドロキシプロリン、d,I-3,4-デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α’-ジピリジル、β-アミノプロピオニトリルフマル酸塩、4-プロピル-5-(4-ピリジニル)-2(3h)-オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン-血清、メタロプロテイナーゼ-3のニワトリ阻害剤(ChIMP-3)、キモスタチン、β-シクロデキストリンテトラデカ硫酸、エポネマイシン、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d-ペニシラミン、β-1~抗コラゲナーゼ血清、アルファ-2-抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリットジナトリウム、n-2-カルボキシフェニル-4-クロロアントニル酸二ナトリウム又は「CCA」、サリドマイド、血管新生抑制ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール、BB-94などのメタロプロテイナーゼ阻害剤、タスキニモドなどのS100A9阻害剤が挙げられる。他の抗血管新生剤としては、抗体、好ましくは、以下の血管新生増殖因子に対するモノクローナル抗体が挙げられる:β-FGF、α-FGF、FGF-5、VEGFアイソフォーム、VEGF-C、HGF/SF、及びAng-1/Ang-2。共投与され得る抗VEGFA抗体の例としては、ベバシズマブ、バヌシズマブ、ファリシマブ、ジルパシマブ(ABT-165;DLL4/VEGF)、又はナビシキズマブ(OMP-305B83;DLL4/VEGF)などが挙げられる。
【0232】
抗線維化剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抗線維化剤と共に投与される。共投与され得る抗線維化剤には、β-アミノプロピオニトリル(beta-aminoproprionitrile、BAPN)などの化合物だけでなく、リシルオキシダーゼの阻害剤及びコラーゲンの異常な沈着に関連する疾患及び状態の治療におけるそれらの使用に関する米国特許第4965288号、様々な病理学的線維性状態の治療のためにLOXを阻害する化合物に関する米国特許第4997854号に開示された化合物が含まれ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。更なる例示的な阻害剤は、2-イソブチル-3-フルオロ-、クロロ-、又はブロモ-アリルアミンなどの化合物に関する米国特許第4943593号、米国特許第5021456号、米国特許第5059714号、米国特許第5120764号、米国特許第5182297号、2-(1-ナフチルオキシメミル)-3-フルオロアリルアミンに関する米国特許第5252608号、及び米国特許出願第2004/0248871号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0233】
例示的な抗線維化剤としては、リシルオキシダーゼの活性部位のカルボニル基と反応する一級アミン、より具体的には、カルボニルと結合した後、共鳴によって安定化された生成物を生成するもの、例えば、以下の一級アミンが挙げられる:エミレンマミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びそれらの誘導体;セミカルバジド及び尿素誘導体;アミノニトリル、例えば、BAPN又は2-ニトロエチルアミン;不飽和又は飽和ハロアミン、例えば、2-ブロモ-エチルアミン、2-クロロエチルアミン、2-トリフルオロエチルアミン、3-ブロモプロピルアミン、及びp-ハロベンジルアミン;並びにセレノホモシステインラクトン。
【0234】
他の抗線維化剤は、細胞に浸透するか、又は浸透しない銅キレート剤である。例示的な化合物としては、リシルオキシダーゼによるリシル及びヒドロキシリシル残基の酸化的脱アミノ化に由来するアルデヒド誘導体を阻害する間接的阻害剤が挙げられる。例としては、チオラミン、特に、D-ペニシラミン及びその類似体、例えば、2-アミノ-5-メルカプト-5-メチルヘキサン酸、D-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム-4-(((p-1-ジメチル-2-アミノ-2-カルボキシエチル)ジチオ)ブタン硫酸塩、2-アセトアミドエチル-2-アセトアミドエタンチオールスルファネート、及びナトリウム-4-メルカプトブタンスルフィネート三水和物が挙げられる。
【0235】
抗炎症剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抗炎症剤と共に投与される。例示的な抗炎症剤としては、アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)、可溶性エポキシドヒドロラーゼ2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)、及び/又はマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8、TPL2;NCBI遺伝子ID:1326)の1つ以上の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、阻害剤は、二重阻害剤、例えば、COX-2/COX-1、COX-2/SEH、COX-2/CA、COX-2/5-LOXの二重阻害剤である。
【0236】
共投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)の阻害剤の例としては、モフェゾラック、GLY-230、及びTRK-700が挙げられる。
【0237】
共投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)の阻害剤の例としては、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、AP-101、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、DRGT-46、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾール、フィロコキシブ、マコキシブ、NS-398、パミコグレル、パレコキシブ、ロベナコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、及びザルトプロフェンが挙げられる。共投与され得る二重COX1/COX2阻害剤の例としては、HP-5000、ロルノキシカム、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、ATB-346、HP-5000が挙げられる。共投与され得る二重COX-2/炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase、CA)阻害剤の例としては、ポルマコキシブ及びイムレコキシブが挙げられる。
【0238】
共投与され得る分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)の阻害剤の例としては、LY3023703、GRC27864、並びに国際公開第2015/158204号、国際公開第2013/024898号、国際公開第2006/063466号、国際公開第2007/059610号、国際公開第2007/124589号、国際公開第2010/100249号、国際公開第2010/034796号、国際公開第2010/034797号、国際公開第2012/022793号、国際公開第2012/076673号、国際公開第2012/076672号、国際公開第2010/034798号、国際公開第2010/034799号、国際公開第2012/022792号、国際公開第2009/103778号、国際公開第2011/048004号、国際公開第2012/087771号、国際公開第2012/161965号、国際公開第2013/118071号、国際公開第2013/072825号、国際公開第2014/167444号、国際公開第2009/138376号、国際公開第2011/023812号、国際公開第2012/110860号、国際公開第2013/153535号、国際公開第2009/130242号、国際公開第2009/146696号、国際公開第2013/186692号、国際公開第2015/059618号、国際公開第2016/069376号、国際公開第2016/069374号、国際公開第2009/117985号、国際公開第2009/064250号、国際公開第2009/064251号、国際公開第2009/082347号、国際公開第2009/117987号、及び国際公開第2008/071173号に記載される化合物が挙げられる。更にメトホルミンは、COX2/PGE2/STAT3軸を抑制することが発見されており、共投与され得る。例えば、Tong,et al.,Cancer Lett.(2017)389:23-32;及びLiu,et al.,Oncotarget.(2016)7(19):28235-46に記載されている。
【0239】
共投与され得る炭酸脱水酵素(例えば、CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632)のうち1つ以上)の阻害剤の例としては、アセタゾラミド、メタゾラミド、ドルゾラミド、ゾニサミド、ブリンゾラミド、及びジクロフェナミドが挙げられる。共投与され得るCOX-2/CA1/CA2二重阻害剤としては、CG100649が挙げられる。
【0240】
共投与され得るアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)の阻害剤の例としては、メクロフェナム酸ナトリウム、ジロートンが挙げられる。
【0241】
共投与され得る可溶性エポキシドヒドロラーゼ2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)としては、国際公開第2015/148954号に記載されている化合物が挙げられる。共投与され得るCOX-2/SEHの二重阻害剤としては、国際公開第2012/082647号に記載される化合物が挙げられる。共投与され得るSEH及び脂肪酸アミドヒドロラーゼの二重阻害剤(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166)としては、国際公開第2017/160861号に記載される化合物が挙げられる。
【0242】
共投与され得るマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8、腫瘍進行遺伝子座2、TPL2;NCBI遺伝子ID:1326)としては、GS-4875、GS-5290、BHM-078、並びに例えば、国際公開第2006/124944号、国際公開第2006/124692号、国際公開第2014/064215号、国際公開第2018/005435号、Teli,et al.,J Enzyme Inhib Med Chem.(2012)27(4):558-70;Gangwall,et al.,Curr Top Med Chem.(2013)13(9):1015-35;Wu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2009)19(13):3485-8;Kaila,et al.,Bioorg Med Chem.(2007)15(19):6425-42;及びHu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2011)21(16):4758-61に記載されている。
【0243】
腫瘍酸素化剤
いくつかの実施形態では、本明細書にで提供される化合物は、腫瘍酸素化若しくは再酸素化を促進若しくは増加させるか、又は腫瘍低酸素を防止若しくは低減する薬剤と共に投与される。共投与され得る例示的な薬剤としては、例えば、低酸素誘導因子-1α(HIF-1α)阻害剤、例えば、PT-2977、PT-2385;ベバシズマブ、IMC-3C5、GNR-011、タニビルマブ、LYN-00101、ABT-165などのVEGF阻害剤;並びに/又は、例えば国際公開第2007/137767号、国際公開第2007/139791号、国際公開第2014/107171号、及び国際公開第2016/149562号に記載されているOMX-302及びHNOXタンパク質などの、酸素キャリアタンパク質(例えば、ヘム一酸化窒素及び/又は酸素結合タンパク質(HNOX))が挙げられる。
【0244】
免疫療法剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、免疫療法剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗体である。共投与され得る免疫療法剤の例としては、アバゴボマブ、AB308、ABP-980、アデカツムマブ、アフツムマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツノマブ、アテゾリズマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ、ブリナツマブ、ブレンツキシマブ、カミダンルマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、CC49、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、ダラツズマブ、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ドムバナリマブ、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エロツズマブ、エミベツズマブ、エンシツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イゴボマブ、イムガツズマブ、インダツキシマブ、イノツモマブ、インテツムマブ、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、MDX-010、BMS-734016、及びMDX-101)、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツズマブ、ミツモマブ、モガムリツマブ、モキセツモマブ、ナプツモマブ、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ、OBI-833、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パスドトクス、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、ソリトマブ、シムツズマブ、タカツズマブ、タプリツモマブ、テナツモマブ、テプロツムマブ、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ、ウビリツキシマブ、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、ジンベレリマブ、及び3F8が挙げられる。リツキシマブは、辺縁帯リンパ腫、WM、CLL、及び小リンパ球性リンパ腫を含む、緩慢性B細胞癌を治療するために使用することができる。リツキシマブ及び化学療法剤の組み合わせは、特に有効である。
【0245】
例示された治療用抗体は、インジウム-111、イットリウム-90(90Yクリバツズマブ)、又はヨウ素131などの放射性同位体粒子で更に標識されてもよく、又は組み合わされ得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。共投与され得る例示的なADCとしては、薬物コンジュゲート抗体、その断片、又は上記及び本明細書に列挙されるタンパク質若しくは抗原を標的とする抗体ミメティックが挙げられるが、これらに限定されない。共投与され得るADCの例としては、ゲムツズマブ、ブレンツキシマブ、ブレンツキシマブ(例えば、ベランタマブマホドチン)、カミダンルマブ(例えば、カミダンルマブテシリン)、トラスツズマブ(例えば、トラスツズマブデルクステカン;トラスツズマブエムタンシン)、イノツズマブ、グレムバツムマブ、アネツマブ、ミルベツキシズマブ(mirvetuximab)(例えば、ミルベツキシズマブソバタンシン)、デパツキシズマブ、バダソツキシマブ、ラベツズマブ、ラジラツズマブ(例えば、ラジラツズマブベドチン)、ロンカツキシマブ(例えば、ロンカツキシマブテスリン)、サシツズマブ(例えば、サシツズマブゴビテカン)、ダトポトマブ(例えば、ダトポトマブデルクステカン;DS-1062;Dato-DXd)、パトリツマブ(例えば、パトリツマブデルクステカン)、リファズツズマブ、インヅサツマブ、ポラツズマブ(例えば、ポラツズマブベドチン)、ピナツズマブ、コルツキシマ、ユピフィタマブ(例えば、ユピフィタマブリルソドチン)、インダツキシマブ、ミラツズマブ、ロバルピツズマブ(ロバルピツズマブ(例えば、ロバルピツズマブテシリン)、エンフォルツマブ(例えば、エンフォルツマブベドチン)、チソツマブ(例えば、チソツマブベドチン)、ツサミタマブ(例えば、ツサミタマブラブタンシン)、ジシタマブ(例えば、ジシタマブベドチン)、テリソツズマブベドチン(ABBV-399)、AGS-16C3F、ASG-22ME、AGS67E、AMG172、AMG575、BAY1129980、BAY1187982、BAY94-9343、GSK2857916、Humax-TF-ADC、IMGN289、IMGN151、IMGN529、IMGN632、IMGN853、IMGC936、LOP628、PCA062、MDX-1203(BMS936561)、MEDI-547、PF-06263507、PF-06647020、PF-06647263、PF-06664178、RG7450、RG7458、RG7598、SAR566658、SGN-CD19A、SGN-CD33A、SGN-CD70A、SGN-LIV1A、SYD985、DS-7300、XMT-1660、IMMU-130及びIMMU-140が挙げられる。共投与され得るADCは、例えば、Lambert,et al.,Adv Ther(2017)34:1015-1035及びde Goeij,Current Opinion in Immunology(2016)40:14-23に記載されている。
【0247】
薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲートされ得る例示的な治療薬(例えば、抗癌剤又は抗腫瘍剤)としては、限定されるものではないが、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、カリケアミシン、アンサミトシン、マイタンシン又はその類似体(例えば、メルタンシン/エムタンシン(DM1)、ラブタンシン/ソラブタンシン(DM4))、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)DNA架橋剤SC-DR002(D6.5)、デュオカルマイシン、微小管阻害剤(MTI)(例えば、タキサン、ビンカアルカロイド、エポチロン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)又はその二量体、デュオカルマイシン(A、B1、B2、C1、C2、D、SA、CC-1065)及び本明細書に記載される他の抗癌剤又は抗新生物剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬物コンジュゲート抗体にコンジュゲートされた治療剤は、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン又はその活性代謝産物SN38などのカンプトテシン類似体)である。いくつかの実施形態では、薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲート化することができる、治療薬(例えば、抗癌剤又は抗新生物剤)は、免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲート化された免疫チェックポイント阻害剤は、CD274(PDL1、PD-L1)、プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1)、又はCTLA4のコンジュゲート化された小分子阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD274又はPDCD1のコンジュゲート化された小分子阻害剤は、GS-4224、GS-4416、INCB086550、及びMAX10181からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CTLA4のコンジュゲート化された小分子阻害剤は、BPI-002を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、共投与することができるADCは、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子2(TROP-2;TACSTD2;EGP-1;NCBI遺伝子ID:4070)を標的とする抗体が挙げられる。例示的な抗TROP-2抗体としては、TROP-2-XPAT(Amunix)、BAT-8003(Bio-Thera Solutions)、TROP-2-IR700(Chiome Bioscience)、ダトポタマブデルクステカン(Daiichi Sankyo、AstraZeneca)、GQ-1003(Genequantum Healthcare、Samsung BioLogics)、DAC-002(Shanghai DAC Biotech、Shanghai Junshi Biosciences)、サシツズマブゴビテカン(Gilead Sciences)、E1-3s(Immunomedics/Gilead、IBC Pharmaceuticals)、TROP-2-TRACTr(Janux Therapeutics)、LIV-2008(LivTech/Chiome、Yakult Honsha、Shanghai Henlius BioTech)、LIV-2008b(Shanghai/Chiome)、抗TROP-2a(Oncoxx)、抗TROP-2b(Oncoxx)、OXG-64(Oncoxx)、OXS-55(Oncoxx)、ヒト化抗Trop2-SN38抗体コンジュゲート(Shanghai Escugen Biotechnology、TOT Biopharma)、抗Trop2抗体-CLB-SN-38コンジュゲート(Shanghai Fudan-Zhangjiang Bio-Pharmaceutical)、SKB-264(Sichuan Kelun Pharmaceutical/Klus Pharma)、TROP2-Ab8(Abmart)、Trop2-IgG(Nanjing Medical University(NMU))、90Y-DTPA-AF650(Peking University First Hospital)、hRS7-CM(SynAffix)、89Zr-DFO-AF650(University of Wisconsin-Madison)、抗Trop2抗体(Mediterranea Theranostic、LegoChem Biosciences)、KD-065(Nanjing KAEDI Biotech)、並びに国際公開第2020/016662(Abmart)号、国際公開第2020/249063号(Bio-Thera Solutions)、米国特許出願公開第2019/0048095号(Bio-Thera Solutions)、米国特許出願公開第2013/077458号(LivTech/Chiome)、欧州特許出願公開第2011/0783675号(Chiome)、国際公開第2015/098099号(Daiichi Sankyo)、国際公開第2017/002776号(Daiichi Sankyo)、国際公開第2020/130125号(Daiichi Sankyo)、国際公開第2020/240467号(Daiichi Sankyo)、米国特許出願公開第2021/093730号(Daiichi Sankyo)、米国特許出願公開第9850312号(Daiichi Sankyo)、中国特許第112321715号(Biosion)、米国特許出願公開第2006/193865号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2011/068845号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2016/296633号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2017/021017号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2017/209594号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2017/274093号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2018/110772号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2018/185351号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2018/271992号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2018/217227号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2019/248917号(Immunomedics/Gilead)、中国特許第111534585号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2021/093730号(Immunomedics/Gilead)、米国特許出願公開第2021/069343号(Immunomedics/Gilead)、米国特許第8435539号(Immunomedics/Gilead)、米国特許第8435529号(Immunomedics/Gilead)、米国特許第9492566号(Immunomedics/Gilead)、国際公開第2003/074566号(Gilead)、国際公開第2020/257648号(Gilead)、国際公開第2013/039861号(Gilead)、国際公開第2014/163684号(Gilead)、米国特許第9427464号(LivTech/Chiome)、米国特許第10501555号(Abruzzo Theranostic/Oncoxx)、国際公開第2018/036428号(Sichuan Kelun Pharma)、国際公開第2013/068946号(Pfizer)、国際公開第2007/095749号(Roche)、及び国際公開第2020/094670号(SynAffix)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗Trop-2抗体は、hRS7、Trop-2-XPAT、及びBAT-8003から選択される。いくつかの実施形態では、抗Trop-2抗体は、hRS7である。いくつかの実施形態では、hRS7は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,238,785号、同第7,517,964号、及び同第8,084,583に開示されているとおりである。いくつかの実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、リンカーによって結合された抗Trop-2抗体と抗癌剤とを含む。いくつかの実施形態では、リンカーとしては、米国特許第7,999,083号に開示されているリンカーが挙げられる。いくつかの実施形態では、リンカーは、CL2Aである。いくつかの実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートの薬物部分は、化学療法剤である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、ドキソルビシン(doxorubicin、DOX)、エピルビシン、モルホリノドキソルビシン(モルホリノ-DOX)、シアノモルホリノ-ドキソルビシン(シアノモルホリノ-DOX)、2-ピロリン-ドキソルビシン(2-pyrrolino-doxorubicin、2-PDOX)、CPT、10-ヒドロキシカンプトテシン、SN-38、トポテカン、ルートテカン、9-アミノカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、タキサン、ゲルダンマイシン、アンサマイシン、及びエポチロンから選択される。いくつかの実施形態では、化学療法部分は、SN-38である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、サシツズマブゴビテカンと共に投与される。
【0249】
いくつかの実施形態では、共投与され得るADCとしては、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1;CD66a;NCBI遺伝子ID:634)を標的とする抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、CEACAM1抗体は、(例えば、国際公開第1996011013号に記載の)hMN-14である。いくつかの実施形態では、CEACAM1-ADCは、国際公開第2010/093395号に記載されているとおりである(抗CEACAM-1-CL2A-SN38)。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、CEACAM1-ADC IMMU-130と共に投与される。
【0250】
いくつかの実施形態では、共投与され得るADCは、抗体標的化ヒト白血球抗原複合体によってコードされるMHCクラスII細胞表面受容体(HLA-DR)を含む。いくつかの実施形態では、HLA-DR抗体は、(例えば、国際公開第2006/094192に記載の)hL243である。いくつかの実施形態では、HLA-DR-ADCは、国際公開第2010093395に記載されているとおりである(抗HLA-DR-CL2A-SN38)。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、HLA-DR-ADC IMMU-140と共に投与される。
【0251】
癌遺伝子療法及び細胞療法
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、癌遺伝子療法及び細胞療法と共に投与される。癌遺伝子療法及び細胞療法としては、変異又は変化した遺伝子を置換するための正常遺伝子の癌細胞への挿入;変異した遺伝子をサイレンシングするための遺伝子修飾;癌細胞を直接死滅させるための遺伝的アプローチ;例えば、癌細胞に対する免疫応答を増強するために、又は患者自身の免疫系(T細胞又はナチュラルキラー細胞)を活性化して、癌細胞を死滅させるか、若しくは癌細胞を発見及び死滅させるために、患者自身の免疫系の大部分を置き換えるように設計された免疫細胞の注入;細胞活性を改変して、癌に対する内因的免疫応答性を更に変化させるための遺伝的アプローチが挙げられる。
【0252】
細胞療法
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上の細胞療法と共に投与される。例示的な細胞療法としては、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、T細胞、サイトカイン誘導キラー(cytokine-induced killer、CIK)細胞、マクロファージ(macrophage、MAC)細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、及び/又は樹状細胞(dendritic cell、DC)の集団の1つ以上の同時投与が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞療法は、T細胞療法、例えば、α/βTCR T細胞、γ/δTCR T細胞、制御性T(Treg)細胞及び/又はTRuC(商標)T細胞の集団を共投与することを伴う。いくつかの実施形態では、細胞療法は、NK細胞療法、例えば、NK-92細胞を共投与することを伴う。必要に応じて、細胞療法は、対象に対して自家、同系、又は同種異系である細胞の共投与を伴い得る。
【0253】
いくつかの実施形態では、細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む細胞を共投与することを伴う。かかる療法では、免疫エフェクター細胞の集団はCARを発現するように操作されており、ここで、当該CARは腫瘍抗原結合ドメインを含む。T細胞療法では、T細胞受容体(TCR)は、腫瘍細胞の表面に提示される腫瘍由来ペプチドを標的とするように操作される。
【0254】
CARの構造に関して、いくつかの実施形態では、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、共刺激ドメイン、又は一次シグナル伝達ドメイン及び共刺激ドメインの両方を含む。いくつかの実施形態では、一次シグナル伝達ドメインは、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、共通FcRγ(FCERIG)、FcRβ(FcεRlb)、CD79a、CD79b、FcγRIIa、DAP10、及びDAP12からなる群から選択される1つ以上のタンパク質のシグナル伝達機能ドメインを含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、共刺激ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83と特異的に結合するリガンド、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFI)、CD160、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1A(NCBI遺伝子ID:909)、CD1B(NCBI遺伝子ID:910)、CD1C(NCBI遺伝子ID:911)、CD1D(NCBI遺伝子ID:912)、CD1E(NCBI遺伝子ID:913)、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18、LFA-1)、ITGB7、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46及びNKG2Dからなる群から選択される、1つ以上のタンパク質の機能ドメインを含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα、β又はζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD160、CD19、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7R、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1A、CD1B、CD1C、CD1D、CD1E、ITGAE、CD103、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(LFA-1、CD18)、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(TACTILE)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、及びNKG2Cからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるTCR若しくはCAR抗原結合ドメイン又は免疫療法剤(例えば、単一特異性若しくは多重特異性抗体又はその抗原結合断片又は抗体ミメティック)は、腫瘍関連抗原(TAA)に結合する。いくつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、以下の:CD19;CD123;CD22;CD30;CD171;CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、及び19A24とも称される);C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECLI);CD33;上皮増殖因子受容体バリアントIII(EGFRvlll);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(αNeuSAc(2-8)αNeuSAc(2-3)βDGaip(1-4)bDGIcp(1-1)Cer);ガングリオシドGM3(αNeuSAc(2-3)βDGalp(1-4)βDGlcp(1-1)Cer);TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);Tn抗原((Tn Ag)又は(GaINAcu-Ser/Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(RORI);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;癌胎児性抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Ra2又はCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体α(IL-11Ra);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21);血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β);ステージ特異的胎児性抗原-4(SSEA-4);CD20;デルタ様3(DLL3);葉酸受容体α;受容体チロシンプロテインキナーゼ、ERBB2(Her2/neu);ムチン1、細胞表面結合(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異型(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP);インスリン様増殖因子1受容体(IGF-I受容体)、炭酸脱水酵素IX(CAIX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、β型、9(LMP2);糖タンパク質100(gp100);切断点クラスター領域(BCR)及びアベルソンマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1(abl)(bcr-abl)からなる癌遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体β;腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248);腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R);前立腺Iの6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRCSD);X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1);globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体β3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(ORS IE2);TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);癌/精巣抗原1(NY-ESO-1);癌/精巣抗原2(LAGE-la);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);染色体12pに位置するETS転座バリアント遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);黒色腫癌精巣抗原-1(MADCT-1);黒色腫癌精巣抗原-2(MAD-CT-2);fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53変異体;プロスタイン;スルビビン;テロメラーゼ;前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1又はガレクチン8)、T細胞により認識される黒色腫抗原1(MelanA又はMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座切断点;黒色腫アポトーシス阻害因子(ML-IAP);ERG(膜貫通型プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニル転移酵素V(NA17);ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンB1;v-myc鳥類骨髄腫ウイルス癌遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN);RasホモログファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450 1B1(CYP IBI);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はインプリント部位の調節物質の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮癌抗原3(SART3);ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES I);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、X切断点2(SSX2);終末糖化産物用受容体(RAGE-I);腎ユビキタス1(RUI);腎ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒト乳頭腫ウイルスE6(HPV E6);ヒト乳頭腫ウイルスE7(HPV E7);腸内カルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異型(mut hsp70-2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1);IgA受容体のFc断片(FCAR又はCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2);リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);及び免疫グロブリンλ様ポリペプチド1(IGLL1)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、標的は、MHCに提示される腫瘍関連抗原のエピトープである。
【0258】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は、CD150、5T4、ActRIIA、B7、TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA)、CA-125、CCNA1、CD123、CD126、CD138、CD14、CD148、CD15、CD19、CD20、CD200、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD261、CD262、CD30、CD33、CD362、CD37、CD38、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD46、CD5、CD52、CD53、CD54、CD56、CD66a-d、CD74、CD8、CD80、CD92、CE7、CS-1、CSPG4、ED-Bフィブロネクチン、EGFR、EGFRvIII、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、FBP、組み合わせたHER1-HER2、組み合わせたHER2-HER3、HERV-K、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp120、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp41、HLA-DR、HM1.24、HMW-MAA、Her2、Her2/neu、IGF-1R、IL-11Rα、IL-13R-α2、IL-2、IL-22R-α、IL-6、IL-6R、Ia、Ii、L1-CAM、L1細胞接着分子、ルイスY、Ll-CAM、MAGE A3、MAGE-A1、MART-1、MUC1、NKG2Cリガンド、NKG2Dリガンド、NYESO-1、OEPHa2、PIGF、PSCA、PSMA、ROR1、T101、TAC、TAG72、TIM-3、TRAIL-R1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、VEGF、VEGFR2、WT-I、Gタンパク質結合受容体、α-フェトプロテイン(AFP)、血管新生因子、外因性同種結合分子(ExoCBM)、癌遺伝子産物、抗葉酸受容体、c-Met、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン(D1)、エフリンB2、上皮腫瘍抗原、エストロゲン受容体、胎児アセチルコリンe受容体、葉酸結合タンパク質、gp100、B型肝炎表面抗原、κ鎖、κ軽鎖、kdr、λ鎖、リビン、黒色腫関連抗原、メソセリン、マウス二重微小染色体2ホモログ(MDM2)、ムチン16(MUC16)、変異型p53、変異型ras、壊死抗原、癌胎児抗原、ROR2、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、tEGFR、テナシン、P2-ミクログロブリン、Fc受容体様5(FcRL5)から選択される。
【0259】
いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインは、主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex、MHC)分子に提示される、標的抗原又は腫瘍関連抗原(TAA)のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、TAAは、癌精巣抗原である。いくつかの実施形態では、癌精巣抗原は、アクロシン結合タンパク質(ACRBP;CT23、OY-TES-1、SP32;NCBI遺伝子ID:84519)、αフェトプロテイン(AFP;AFPD、FETA、HPAFP;NCBI遺伝子ID:174);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP4;AKAP82、AKAP-4、AKAP82、CT99、FSC1、HI、PRKA4、hAKAP82、p82;NCBI遺伝子ID:8852)、ATPアーゼファミリーAAAドメイン含有2(ATAD2;ANCCA、CT137、PRO2000;NCBI遺伝子ID:29028)、キネトコア足場1(KNL1;AF15Q14、CASC5、CT29、D40、MCPH4、PPP1R55、Spc7、hKNL-1、hSpc105;NCBI遺伝子ID:57082)、中心体タンパク質55(CEP55;C10orf3、CT111、MARCH、URCC6;NCBI遺伝子ID:55165)、癌/精巣抗原1A(CTAG1A;ESO1;CT6.1;LAGE-2;LAGE2A;NY-ESO-1;NCBI遺伝子ID:246100)、癌/精巣抗原1B(CTAG1B;CT6.1、CTAG、CTAG1、ESO1、LAGE-2、LAGE2B、NY-ESO-1;NCBI遺伝子ID:1485)、癌/精巣抗原2(CTAG2;CAMEL、CT2、CT6.2、CT6.2a、CT6.2b、ESO2、LAGE-1、LAGE2B;NCBI遺伝子ID:30848)、CCCTC結合因子様(CTCFL;BORIS、CT27、CTCF-T、HMGB1L1、dJ579F20.2;NCBI遺伝子ID:140690)、カテニンα2(CTNNA2;CAP-R、CAPR、CDCBM9、CT114、CTNR;NCBI遺伝子ID:1496)、癌/精巣抗原83(CT83;CXorf61、KK-LC-1、KKLC1;NCBI遺伝子ID:203413)、サイクリンA1(CCNA1;CT146;NCBI遺伝子ID:8900)DEAD-box型ヘリカーゼ43(DDX43;CT13,HAGE;NCBI遺伝子ID:55510)、発生多能性関連2(DPPA2;CT100、ECAT15-2、PESCRG1;NCBI遺伝子ID:151871)、胎児及び成体精巣発現1(FATE1;CT43、FATE;NCBI遺伝子ID:89885)、FMR1隣接(FMR1NB;CT37、NY-SAR-35、NYSAR35;NCBI遺伝子ID:158521)、HORMAドメイン含有1(HORMAD1;CT46、NOHMA;NCBI遺伝子ID:84072)、インスリン様成長因子2 mRNA結合タンパク質3(IGF2BP3;CT98、IMP-3、IMP3、KOC、KOC1、VICKZ3;NCBI遺伝子ID:10643)、ロイシンジッパータンパク質4(LUZP4;CT-28、CT-8、CT28、HOM-TES-85;NCBI遺伝子ID:51213)、リンパ球抗原6ファミリーメンバーK(LY6K;CT97、HSJ001348、URLC10、ly-6K;NCBI遺伝子ID:54742)、maelstrom精子形成トランスポゾンサイレンサ(MAEL;CT128、SPATA35;NCBI遺伝子ID:84944)、MAGEファミリーメンバーA1(MAGEA1;CT1.1、MAGE1;NCBI遺伝子ID:4100);MAGEファミリーメンバーA3(MAGEA3;CT1.3、HIP8、HYPD、MAGE3、MAGEA6;NCBI遺伝子ID:4102);MAGEファミリーメンバーA4(MAGEA4;CT1.4、MAGE-41、MAGE-X2、MAGE4、MAGE4A、MAGE4B;NCBI遺伝子ID:4103);MAGEファミリーメンバーA11(MAGEA11;CT1.11、MAGE-11、MAGE11、MAGEA-11;NCBI遺伝子ID:4110);MAGEファミリーメンバーC1(MAGEC1;CT7、CT7.1;NCBI遺伝子ID:9947);MAGEファミリーメンバーC2(MAGEC2;CT10、HCA587、MAGEE1;NCBI遺伝子ID:51438);MAGEファミリーメンバーD1(MAGED1;DLXIN-1,NRAGE;NCBI遺伝子ID:9500);MAGEファミリーメンバーD2(MAGED2;11B6、BARTS5、BCG-1、BCG1、HCA10、MAGE-D2;NCBI遺伝子ID:10916)、キネシンファミリーメンバー20B(KIF20B;CT90、KRMP1、MPHOSPH1、MPP-1、MPP1;NCBI遺伝子ID:9585)、NDC80キネトコア複合体NUF2構成要素(NUF2;CDCA1、CT106、NUF2R;NCBI遺伝子ID:83540)、核外RNA輸送因子2(NXF2;CT39、TAPL-2、TCP11X2;NCBI遺伝子ID:56001)、PASドメイン含有リプレッサ1(PASD1;CT63、CT64、OXTES1;NCBI遺伝子ID:139135)、PDZ結合キナーゼ(PBK;CT84、HEL164、Nori-3、SPK、TOPK;NCBI遺伝子ID:55872)、piwi様RNA媒介遺伝子サイレンシング2(PIWIL2;CT80、HILI、PIWIL1L、mili;NCBI遺伝子ID:55124)、メラノーマ優先発現抗原(PRAME;CT130、MAPE、OIP-4、OIP4;NCBI遺伝子ID:23532)、精子関連抗原9(SPAG9;CT89、HLC-6、HLC4、HLC6、JIP-4、JIP4、JLP、PHET、PIG6;NCBI遺伝子ID:9043)、核X結合ファミリーメンバーA1関連精子タンパク質(SPANXA1;CT11.1、CT11.3、NAP-X、SPAN-X、SPAN-Xa、SPAN-Xb、SPANX、SPANX-A;NCBI遺伝子ID:30014)、SPANXファミリーメンバーA2(SPANXA2;CT11.1、CT11.3、SPANX、SPANX-A、SPANX-C、SPANXA、SPANXC;NCBI遺伝子ID:728712)、SPANXファミリーメンバーC(SPANXC;CT11.3、CTp11、SPANX-C、SPANX-E、SPANXE;NCBI遺伝子ID:64663)、SPANXファミリーメンバーD(SPANXD;CT11.3、CT11.4、SPANX-C、SPANX-D、SPANX-E、SPANXC、SPANXE、dJ171K16.1;NCBI遺伝子ID:64648)、SSXファミリーメンバー1(SSX1;CT5.1,SSRC;NCBI遺伝子ID:6756)、SSXファミリーメンバー2(SSX2;CT5.2、CT5.2A、HD21、HOM-MEL-40、SSX;NCBI遺伝子ID:6757)、シナプトネマ構造タンパク質3(SYCP3;COR1、RPRGL4、SCP3、SPGF4;NCBI遺伝子ID:50511)、精巣発現14細胞間橋形成因子(TEX14;CT113、SPGF23;NCBI遺伝子ID:56155)、転写因子Dpファミリーメンバー3(TFDP3;CT30、DP4、HCA661;NCBI遺伝子ID:51270)、セリンプロテアーゼ50(PRSS50;CT20、TSP50;NCBI遺伝子ID:29122)、TTKプロテインキナーゼ(TTK;CT96、ESK、MPH1、MPS1、MPS1L1、PYT;NCBI遺伝子ID:7272)及びジンクフィンガタンパク質165(ZNF165;CT53、LD65、ZSCAN7;NCBI遺伝子ID:7718)からなる群から選択される。T細胞受容体(TCR)、及び主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に提示される癌精巣抗原のエピトープに結合するTCR様抗体は、当技術分野で既知であり、本明細書に記載のヘテロ二量体で使用することができる。新生物と関連する癌精巣抗原が、例えば、Gibbs,et al.,Trends Cancer 2018 Oct;4(10):701-712、並びにcta.lncc.br/index.php.のCTデータベースウェブサイト中に要約されている。MHCに提示されるNY-ESO-1のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、Stewart-Jones,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2009 Apr 7;106(14):5784-8;国際公開第2005/113595号、国際公開第2006/031221号、国際公開第2010/106431号、国際公開第2016/177339号、国際公開第2016/210365号、国際公開第2017/044661号、国際公開第2017/076308号、国際公開第2017/109496号、国際公開第2018/132739号、国際公開第2019/084538号、国際公開第2019/162043号、国際公開第2020/086158号、及び国際公開第2020/086647号に記載されている。MHCに提示されるPRAMEのエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2011/062634号、国際公開第2016/142783号、国際公開第2016/191246号、国際公開第2018/172533号、国際公開第2018/234319号、及び国際公開第2019/109821号に記載されている。MHCに提示されるMAGEバリアントのエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2007/032255号、国際公開第2012/054825号、国際公開第2013/039889号、国際公開第2013/041865号、国際公開第2014/118236号、国際公開第2016/055785号、国際公開第2017/174822号、国際公開第2017/174823号、国際公開第2017/174824号、国際公開第2017/175006号、国際公開第2018/097951号、国際公開第2018/170338号、国際公開第2018/225732号、及び国際公開第2019/204683号に記載されている。MHCに提示されるαフェトプロテイン(AFP)のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2015/011450号に記載されている。MHCに提示されるSSX2のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2020/063488号に記載されている。MHCに提示されるKK-LC-1(CT83)のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2017189254号に記載されている。
【0260】
細胞療法の例としては、Algenpantucel-L、Sipuleucel-T、(BPX-501)リボゲンレクルセル米国特許第9089520号、国際公開第2016/100236号、AU-105、ACTR-087、活性化された同種異系ナチュラルキラー細胞CNDO-109-AANK、MG-4101、AU-101、BPX-601、FATE-NK100、LFU-835造血幹細胞、イミレクルーセル-T、バルタルーセル-T、PNK-007、UCARTCS1、ET-1504、ET-1501、ET-1502、ET-190、CD19-ARTEMIS、ProHema、FT-1050処理骨髄幹細胞療法、CD4CARNK-92細胞、CryoStim、AlloStim、レンチウイルス形質導入huCART-メソ細胞、CART-22細胞、EGFRt/19-28z/4-1BBL CAR T細胞、自家4H11-28z/fIL-12/EFGRt T細胞、CCR5-SBC-728-HSPC、CAR4-1BBZ、CH-296、dnTGFbRII-NY-ESOc259T、Ad-RTS-IL-12、IMA-101、IMA-201、CARMA-0508、TT-18、CMD-501、CMD-503、CMD-504、CMD-502、CMD-601、CMD-602、CSG-005が挙げられる。
【0261】
いくつかの実施形態において、1つ以上の追加の共投与される治療薬は、それらの作用機序によって、例えば、以下の群に分類され得る:
・ペントスタチン又はクラドリビンなどの、アデノシンデアミナーゼを標的とする薬剤;
・AZD1390などの、ATMを標的とする薬剤;
・サーボチニブ、カプマチニブ、テトポニチブ、ABT-700、AG213、JNJ-38877618(OMO-1)、メレスチニブ、HQP-8361、BMS-817378、又はTAS-115などの、METを標的とする薬剤;
・アントロキノノール、ビニメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、アップロセルチブ、ミルダメチニブ(PD-0325901)、ピマセルチブ、レファメチニブなどの、マイトジェン活性化プロテインキナーゼを標的とする薬剤、又は国際公開第2011/008709号、国際公開第2013/112741号、国際公開第2006/124944号、国際公開第2006/124692号、国際公開第2014/064215号、国際公開第2018/005435号、Zhou,et al.,Cancer Lett.2017 Nov 1,408:130-137、Teli,et al.,J Enzyme Inhib Med Chem.(2012)27(4):558-70;Gangwall,et al.,Curr Top Med Chem.(2013)13(9):1015-35;Wu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2009)19(13):3485-8;Kaila,et al.,Bioorg Med Chem.(2007)15(19):6425-42,若しくはHu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2011)21(16):4758-61;
・アグラチマジンベサデノベック(ProstAtak、PancAtak、GliAtak、GMCI、又はAdV-tk)などの、チミジンキナーゼを標的とする薬剤;
・ペギロデカキン(AM-0010)(PEG化IL10)、CA-4948(IRAK4阻害剤)などの、インターロイキン経路を標的とする標的とする薬剤;
・レトロゾール、アナストロゾール、アミノグルテチミド、酢酸メジストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、又はアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標)などの、シトクロムP450ファミリーメンバーを標的とする薬剤;
・CD73阻害剤などの、CD73を標的とする薬剤(例えば、クエムリクルスタット(AB680))又は抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ);
・MTG-201などの、DKK3を標的とする薬剤;
・プラチディシンなどの、EEF1A2を標的とする薬剤;
・ロヒニチブなどEIF4A1を標的とする薬剤;
・TRC105(インフロツキシマブ)などの、エンドグリンを標的とする薬剤;
・エルタネクサなどの、エキソポリチン-1を標的とする薬剤;
・国際公開第2017/160861号に開示されている化合物など脂肪酸アミドヒドロラーゼを標的とする薬剤;
・アンロチニブなどの、熱ショックタンパク質90ベータファミリーメンバー1を標的とする薬剤;
・ルキソテミチド(LTX-315)などの、ラクトフェリンを標的とする薬剤;
・米国特許第4965288号、米国特許第4997854号、米国特許第4943593号、米国特許第5021456号、米国特許第5059714号、米国特許第5120764号、米国特許第5182297号、米国特許第5252608号、又は米国特許出願公開第2004/0248871号に開示されている化合物などの、リシルオキシダーゼを標的とする薬剤;
・KITE-718、MAGE-A10C796T、又はMAGE-A10TCRなどの、MAGEファミリーメンバーを標的とする薬剤;
・ALRN-6924、CMG-097、ミラデメタンモノトシレート一水和物(DS-3032b)、又はAMG-232などの、MDM2を標的とする薬剤;
・ALRN-6924などの、MDM4を標的とする薬剤;
・MART-1 F5 TCR操作PBMCなどの、メラン-Aを標的とする薬剤;
・CSG-MESO又はTC-210などの、メソテリンを標的とする薬剤;
・M8891又はAPL-1202などの、METAP2を標的とする薬剤;
・BMS-986299などの、NLRP3を標的とする薬剤;
・デビミスタット(CPI-613)などの、オキソグルタレートデヒドロゲナーゼを標的とする薬剤;
・アフリベルセプトなどの、胎盤成長因子を標的とする薬剤;
・国際公開第2015/148954号、国際公開第2012/082647号、又は国際公開第2017/160861号に開示されている化合物などの、SLC10A3を標的とする薬剤;
・国際公開第2019/103203号に開示の化合物など形質転換成長因子アルファ(TGFa)を標的とする薬剤;
・ケベトリン(刺激因子)などの、腫瘍タンパク質p53を標的とする薬剤;
・アフリベルセプトなどの、血管内皮成長因子Aを標的とする薬剤;
・フルキノチニブ又はMP0250などの、血管内皮成長因子受容体を標的とする薬剤;
・CA-170、又はHMBD-002などの、VISTAを標的とする薬剤;
・アダボセルチブ(AZD-1775)などの、WEE1を標的とする薬剤;
・イマチニブ、レバスチニブ、アシミニブ、ポナチニブ(ICLUSIG(登録商標))などの、ABL1を標的とする小分子阻害剤;
・CPI-444、AZD-4635、プレラデナント、エトルマデナント(AB928)、又はPBF-509などの、アデノシン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・メクロフェナム酸ナトリウム又はジロートンなどの、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・BAY-937、セララセルチブ(AZD6738)、AZD6783、VX-803、又はVX-970(ベルゾセルチブ)などの、ATRセリン/スレオニンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ベンセンチニブ(BGB-324)、SLC-0211、又はギルテリチニブ(Axl/Flt3)などの、AXL受容体チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・(S)-6-アミノ-9-(1-(ブト-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-one、アカラブルチニブ(ACP-196)、ザヌブルチニブ(BGB-3111)、CB988、ポセルチニブ(HM71224)、イブルチニブ(イムブルビカ)、M-2951(エボブルチニブ)、チラブルチニブ(ONO-4059)、リルザブルチニブ(PRN-1008)、スペブルチニブ(CC-292)、ベカブルチニブ、ARQ-531(MK-1026)、SHR-1459、DTRMWXHS-12、又はTAS-5315などの、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)を標的とする小分子阻害剤;
・ラロトレクチニブ、エントレクチニブ、又はセリトレクチニブ(LOXO-195)などの、神経栄養受容体チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・エントレクチニブ、レポトレクチニブ(TPX-0005)、又はロルラチニブなどの、ROS癌原遺伝子1受容体型チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・VAL-201、チルバニブリン(KX2-391)、又はマレイン酸イルギナチニブ(NS-018)などの、SRC癌原遺伝子非受容体型チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ナビトクラックス(ABT-263)、ベネトクラクッス(ABT-199、RG-7601)、AT-101(ゴシポール)などの、B細胞リンパ腫2を標的とする小分子阻害剤;
・ABBV-744、INCB-054329、INCB057643、AZD-5153、ABT-767、BMS-986158、CC-90010、NHWD-870、ODM-207、ZBC246、ZEN3694、CC-95775(FT-1101)、ミベブレシブ、BI-894999、PLX-2853、PLX-51107、CPI-0610、又はGS-5829などの、ブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・STNM-01などの、炭水化物スルホトランスフェラーゼ15を標的とする小分子阻害剤;
・ポルマコキシブ、アセタゾラミド、又はメタゾラミドなどの、炭酸脱水酵素を標的とする小分子阻害剤;
・CWP-291又はPRI-724などの、カテニンベータ1を標的とする小分子阻害剤;
・CCX-872、BMS-813160(CCR2/CCR5)、又はMK-7690(ビクリビロク)などの、C-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・C-X-Cモチーフケモカイン受容体(例えば、CXCR4)を標的とする小分子アンタゴニスト、ビリキサホルチド;
・アバドマイド(CC-122)、CC-92480、CC-90009、又はイベルドマイドなどの、セレブロンを標的とする小分子阻害剤;
・SRA737などの、チェックポイントキナーゼ1を標的とする小分子阻害剤;
・Imprime PGG(Biothera Pharmaceuticals)などの、補体成分を標的とする小分子阻害剤;
・オラプテセドペゴル(NOX-A12)などの、C-X-Cモチーフケモカインリガンド(CXCL12など)を標的とする小分子阻害剤;
・ODM-209、LAE-201、セビテロネル(VT-464)、CFG920、アビラテロン、又は酢酸アビラテロンなどの、シトクロムP450ファミリーを標的とする小分子阻害剤;
・スピノキシン(RX-5902)などの、DEADボックスヘリカーゼ5を標的とする小分子阻害剤;
・例えば、国際公開第2021/130638号などに記載の、DGKaを標的とする小分子阻害剤;
・BI-891065などの、ディアブロIAP結合ミトコンドリアタンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・プララトレキセド又はペメトレキセド二ナトリウムなどの、ジヒドロ葉酸レダクターゼを標的とする小分子阻害剤;
・MSC2490484A(nedisertib)、VX-984、AsiDNA(DT-01)、LXS-196、又はソトラスタウリンなどの、DNA依存性プロテインキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・BIO-11006などの、MARCKSを標的とする小分子阻害剤;
・GSK-3145094などの、RIPK1を標的とする小分子阻害剤;
・AT13148又はKD025などの、Rho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・イリノテカン、フィルテカンペゴル、又はアムルビシンなどの、DNAトポイソメラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ONC-201などの、ドーパミン受容体D2を標的とする小分子阻害剤;
・ピノメトスタット(EPZ-5676)などの、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼのようなDOT1を標的とする小分子阻害剤;
・タゼメトスタット、CPI-1205、又はPF-06821497などの、EZH2を標的とする小分子阻害剤;
・TVB-2640(Sagimet Biosciences)などの、脂肪酸合成酵素を標的とする小分子阻害剤;
・ベマリツズマブ(FPA144)などの、線維芽細胞成長因子受容体2(FGFR2)を標的とする小分子阻害剤;
・VS-4718、デファクチニブ、又はGSK2256098などの、焦点接着キナーゼ(FAK、PTK2)を標的とする小分子阻害剤;
・プララトレキサートなどの、葉酸受容体1を標的とする小分子阻害剤;
・チオストレプトンなどの、FOXM1を標的とする小分子阻害剤;
・ベラペクチン(GR-MD-02)などの、ガレクチン3を標的とする小分子阻害剤;
・レラコリラント(CORT-125134)などの、糖質コルチコイド受容体を標的とする小分子拮抗薬;
・CB-839(テラグレナスタット)又はビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチルスルフィド(BPTES)が含まれるが、これらに限定されないグルタミナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・エラゴリックス、レルゴリクス、又はデガレリックスなどの、GNRHRを標的とする小分子阻害剤;
・ベルズチファン(PT-2977(Merck&Co.))などの、EPAS1を標的とする小分子阻害剤;
・制限イボシデニブ(AG-120)、ボラシデニブ(AG-881)(IDH1及びIDH2)、IDH-305、又はエナシデニブ(AG-221)などの、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(NADP(+))を標的とする小分子阻害剤;
・CC-90011などの、リジンデメチラーゼ1Aを標的とする小分子阻害剤;
・トミボセルチブ(eFT-508)などの、MAPK相互作用セリン/スレオニンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・AL-101(BMS-906024)などの、ノッチ受容体を標的とする小分子阻害剤;
・ボラセルチブ又はオンバンセルチブなどの、ポロ様キナーゼ1(PLK1)を標的とする小分子阻害剤;
・オラパリブ(MK7339)、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、ABT-767、パミパリブ(BGB-290)、フルアゾールパリ(SHR-3162)、ニラパリブ(JNJ-64091742)、ステノパリブ(2X-121(e-7499))、シミパリブ、IMP-4297、SC-10914、IDX-1197、HWH-340、CEP 9722、CEP-8983、E7016、3-アミノベンズアミド、又はCK-102などの、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を標的とする小分子阻害剤;
・MAK683などの、ポリコームタンパク質EEDを標的とする小分子阻害剤;
・WNT-974などの、ヤマアラシO-アシルトランスフェラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・HP-5000、ロフェコキシブ、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、オテナプロキシル(ATB-346)、モフェゾラック、GLY-230、TRK-700、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、再処方セレコキシブ(DRGT-46)、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾレ、フィロコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、ザルトプロフェン、又はイムレコキシブなどの、プロスタグランジン-エンドペルオキシド合成酵素を標的とする小分子阻害剤;
・MS203、PF-06939999、GSK3368715、又はGSK3326595などの、タンパク質アルギニンNメチルトランスフェラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630(SAR442720)、又は国際公開第2018/172984号、若しくは国際公開第2017/211303号に開示されている化合物などの、PTPN11を標的とする小分子阻害剤;
・タミバロテン(SY-1425)などの、レチノイン酸受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・MSC2363318Aなどの、リボソームタンパク質S6キナーゼB1を標的とする小分子阻害剤;
・タスキニモドなどの、S100カルシウム結合タンパク質A9を標的とする小分子阻害剤;
・アップロレセランナトリウム(GMI-1271)などセレクチンEを標的とする小分子阻害剤;
・H3B-8800などの、SF3B1を標的とする小分子阻害剤;
・YC802などの、サーチュイン-3を標的とする小分子阻害剤;
・ソニデギブ(Odomzo(登録商標)、以前はLDE-225)、ビスモデギブ(GDC-0449)、グラスデギブ(PF-04449913)、イトラコナゾール、又はパチデギブ、タラデギブなどの、SMOを標的とする小分子阻害剤;
・OPS-201などの、ソマトスタチン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・オパガニブ(Yeliva(登録商標)、ABC294640)などの、スフィンゴシンキナーゼ2を標的とする小分子阻害剤;
・ナパブカシン(BBI-608)などの、STAT3を標的とする小分子阻害剤;
・G007-LK又はステノパリブ(2X-121(e-7499))などの、タンキラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ガルニセルチブ、PF-06952229などの、TFGBR1を標的とする小分子阻害剤;
・イデトレキセド(ONX-0801)などの、チミジル酸合成酵素を標的とする小分子阻害剤;
・CMG-097などの、腫瘍タンパク質p53を標的とする小分子阻害剤;
・CB-5083などの、バロシン含有タンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・オムビペピムト-S(DSP-7888)などの、WT1を標的とする小分子阻害剤;
・ナモデノソン(CF102)などの、アデノシン受容体を標的とする小分子アゴニスト;
・クリサンタスパーゼ(Erwinase(登録商標))、GRASPA(ERY-001、ERY-ASP)、カラスパルガーゼペゴル、又はペグアスパラガーゼなどの、アスパラギナーゼを標的とする小分子アゴニスト;
・MTL-501などの、CCAAT増強剤結合タンパク質アルファを標的とする小分子アゴニスト;
・ミトタンなどの、シトクロムP450ファミリーを標的とする小分子アゴニスト;
・RGT-100などの、DExD/H-boxヘリカーゼ58を標的とする小分子アゴニスト;
・酢酸リュープロレリン、酢酸リュープロレリン徐放性デポー(ATRIGEL)、パモ酸トリプトレリン、又は酢酸ゴセレリンなどの、GNRHRを標的とする小分子アゴニスト;
・プレキシジェベルセン(BP1001)などの、GRB2を標的とする小分子アゴニスト;
・オマベロキソロン(RTA-408)などの、NFE2L2を標的とする小分子アゴニスト;
・ミファムルチド(リポソーム)などの、NOD2を標的とする小分子アゴニスト;
・シンチロルゴン(LYC-55716)などの、RAR関連オーファン受容体ガンマを標的とする小分子アゴニスト;
・トレチノインなどの、レチノイン酸受容体(retinoic acid receptor、RAR)を標的とする小分子アゴニスト;
・ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、サイクリックGAMP(cGAMP)、又はサイクリックジAMPなどの、STING1を標的とする小分子アゴニスト;
・レボチロキシンナトリウムなどの、甲状腺ホルモン受容体ベータを標的とする小分子アゴニスト;
・タソネルミンなどの、腫瘍壊死因子を標的とする小分子アゴニスト;
・EZN-3042などの、5を含むバキュロウイルスIAPリピートを標的とするアンチセンス剤;
・プレキシジェベルセンなどの、GRB2を標的とするアンチセンス剤;
・アパトルセンなどの、熱ショックタンパク質27を標的とするアンチセンス剤;
・ダンヴァチルセン(IONIS-STAT3-2.5Rx)などの、STAT3を標的とするアンチセンス剤;
・SB-728-Tなどの、C-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする遺伝子療法;
・EGENE-001、タヴォキノゲンテルセプラスミド、ノガペンデキンアルファ(ALT-803)、NKTR-255、NIZ-985(hetIL-15)、SAR441000、又はMDNA-55などの、インターロイキンを標的とする遺伝子療法;
・クローディキシマブなどの、クローディン18を標的とする抗体;
・AB-16B5などの、クラステリンを標的とする抗体;
・ラブリズマブ(ALXN-1210)などの、補体成分を標的とする抗体;
・BMS-986253(HuMax-Inflam)などの、C-X-Cモチーフケモカインリガンドを標的とする抗体;
・デムシズマブ、ナビシキシズマブなどの、デルタ様標準ノッチリガンド4(DLL4)を標的とする抗体(DLL4/VEGF);
・フィバツズマブ(KB-004)などの、EPH受容体A3を標的とする抗体;
・オポルツズマブモナトックス(VB4-845)などの、上皮細胞接着分子を標的とする抗体;
・GAL-F2、B-701(ボファタマブ)などの、線維芽細胞成長因子を標的とする抗体;
・MP-0250などの、肝細胞成長因子を標的とする抗体;
・カナキヌマブ(ACZ885)、ゲボキズマブ(VPM087)、CJM-112、グセルクマブ、タラコツズマブ(JNJ-56022473)、シルツキシマブ、又はトシリズマブなどの、インターロイキンを標的とする抗体;
・ABBV-085又はクサツズマブ(ARGX-110)などの、LRRC15を標的とする抗体;
・BMS-986148、SEL-403、又は抗MSLN-MMAEなどの、メソセリンを標的とする抗体;
・ランドグロズマブなどの、ミオスタチンを標的とする抗体;
・タレクツマブなどの、ノッチ受容体を標的とする抗体;
・SAR439459、ABBV-151、NIS793、SRK-181、XOMA 089、又は国際公開第2019/103203号に開示されている化合物などの、TGFB1(TGFb1)を標的とする抗体;
・HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチンなどの、fms関連受容体チロシンキナーゼを標的とするワクチン;
・PSV-AML(PhosphoSynVax)などの、熱ショックタンパク質27を標的とするワクチン;
・IO-120+IO-103(PD-L1/PD-L2ワクチン)又はIO-103などの、PD-L1を標的とするワクチン;
・MVA-p53などの、腫瘍タンパク質p53を標的とするワクチン;
・WT-1アナログペプチドワクチン(WT1-CTL)などの、WT1を標的とするワクチン;
・腫瘍溶解物/MUC1/サバイビンPepTivatorをロードした樹状細胞ワクチンなどの、バキュロウイルスIAPリピート含有5を標的とする細胞療法;
・DC-Ad-GMCAIXなどの、炭酸脱水酵素を標的とする細胞療法;
・CCR5-SBC-728-HSPCなどの、C-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする細胞療法;
・CIK-CAR.PSMA又はCART-PSMA-TGFβRDNなどの、葉酸ヒドロラーゼ1を標的とする細胞療法;
・CPG3-CAR(GLYCAR)などの、GSTP1を標的とする細胞療法;
・FH-MCVA2TCR又はNeoTCR-P1などの、HLA-Aを標的とする細胞療法;
・CST-101などの、インターロイキンを標的とする細胞療法;
・抗KRAS G12D mTCR PBLなどの、KRASを標的とする細胞療法;
・抗cMet RNA CAR Tなどの、METを標的とする細胞療法;
・JCAR-020などの、MUC16を標的とする細胞療法;
・PD-1ノックアウトT細胞療法(食道癌/NSCLC)などの、PD-1を標的とする細胞療法;
・BPX-701などの、PRAMEを標的とする細胞療法;
・KITE-439などの、形質転換タンパク質E7を標的とする細胞療法;
・WT1-CTL、ASP-7517、又はJTCR-016などの、WT1を標的とする細胞療法。
【0262】
例示的な併用療法
リンパ腫又は白血病併用療法
一部の化学療法剤は、リンパ腫又は白血病を治療するのに好適である。これらの薬剤としては、アルデスロイキン、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、チンエアンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、BMS-345541、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、PS-341)、ブリオスタチン1、ブルスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、クロラムブシル、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クルクミン、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シクロホスファミド、シクロポリン、シタラビン、デニロイキン・ディフティトックス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びエトポシド)、エンザスタウリン、エポエチン、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ)、フェンレチニド、フィルグラスチム、フラボピリドール、フルダラビン、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、ゲルダナマイシン(17-AAG)、hyperCVAD(超分画シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート、及びシタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、インターフェロンα-2b、イキサベピロン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、リンホカイン活性化キラー細胞、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、及びプレドニゾロン)、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オバトクラックス(GX15-070)、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、ω-3脂肪酸、Omr-IgG-am(WNIG、Omrix)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ(PD0332991)、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペリフォシン(perifosin)、プレドニゾロン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンα、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、R-CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R-CVP(リツキシマブ及びCVP)、R-FCM(リツキシマブ及びFCM)、R-ICE(リツキシマブ及びICE)、R-MCP(リツキシマブ及びMCP)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、サルグラモスチム、シルデナフィルシトレート、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl-779)、サリドマイド、治療用同種異系リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、ビンクリスチン、ビンクリスチン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、SAHA(スベラニリロヒドロキサム酸、又はスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、ベネトクラックス(ABT-199)が挙げられる。
【0263】
1つの改良型アプローチは、モノクローナル抗体が、インジウム-111、イットリウム-90、及びヨウ素-131などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。併用療法の例としては、限定されるものではないが、ヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPを併用するBEXXAR(登録商標)が挙げられる。
【0264】
上記の治療法は、幹細胞移植又は治療で補足され得るか、又はそれらと組み合わされ得る。治療手段としては、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、放射線全身照射、幹細胞の注入、幹細胞サポートを伴う骨髄切除、インビトロで処理された末梢血幹細胞の移植、臍帯血移植、免疫酵素技術、低LETコバルト-60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び非骨髄切除性同種異系造血幹細胞移植が挙げられる。
【0265】
非ホジキンリンパ腫の併用療法
非ホジキンリンパ腫(NHL)、特にB細胞起源のリンパ腫の治療としては、モノクローナル抗体の使用、標準的な化学療法アプローチ(例えば、全てが場合によりリツキシマブ(R)などを含む、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、プレドニゾロン))、放射免疫療法、及びそれらの組み合わせ、特に抗体療法の化学療法との一体化が挙げられる。
【0266】
NHL/B細胞癌の治療用の非コンジュゲート型モノクローナル抗体の例としては、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒト又はヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗TNF関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN-40、及び抗CD74が挙げられる。
【0267】
NHL/B細胞癌の治療に使用される実験的な抗体薬剤の例としては、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN-40、CHIR-12.12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが挙げられる。
【0268】
NHL/B細胞癌の化学療法の標準的レジメンの例としては、CHOP、FCM、CVP、MCP、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、R-FCM、R-CVP、及びR-MCPが挙げられる。
【0269】
NHL/B細胞癌の放射免疫療法の例としては、イットリウム90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が挙げられる。
【0270】
マントル細胞リンパ腫の併用療法
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療的治療としては、併用化学療法、例えば、CHOP、hyperCVAD、及びFCMが挙げられる。これらのレジメンは、併用療法のR-CHOP、hyperCVAD-R、及びR-FCMを形成するように、モノクローナル抗体のリツキシマブで補足され得る。上述の治療法のうちのいずれかは、MCLを治療するために、幹細胞移植又はICEと組み合わされ得る。
【0271】
MCLを治療する代替的アプローチは免疫療法である。1つの免疫療法は、リツキシマブなどのモノクローナル抗体を使用する。もう1つは、個々の患者の腫瘍の遺伝子構造に基づくGTOP-99などの癌ワクチンを使用する。
【0272】
MCLを治療するための改良型アプローチは、モノクローナル抗体がヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射免疫療法である。別の例では、BEXXAR(登録商標)がCHOPとの逐次的治療で使用される。
【0273】
MCLを治療する他のアプローチとしては、自家幹細胞移植と高用量化学療法の併用、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)又はPS-341)などのプロテアソーム阻害剤の投与、又は特にリツキシマブと組み合わせたサリドマイドなどの抗血管新生剤の投与が挙げられる。
【0274】
別の治療アプローチは、他の化学療法薬と組み合わせて、Bcl-2タンパク質の分解を引き起こし、オブリメルセンなどの化学療法に対する癌細胞の感受性を増加させる薬物を投与することである。
【0275】
更なる治療アプローチは、mTOR阻害剤の投与を含み、これは、細胞増殖の阻害及び更には細胞死を引き起こし得る。非限定的な例は、シロリムス、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、CC-223、SF-1126、PQR-309(ビミラリシブ)、ボクスタリシブ、GSK-2126458、及びテムシロリムスとRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)、又は他の化学療法薬との併用である。
【0276】
MCLの他の最近の治療法が開示されている。かかる例としては、フラボピリドール、パルボシクリブ(PD0332991)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15-070)、TRAIL、抗TRAIL死受容体DR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl-779)、エベロリムス(RAD001)、BMS-345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、及びゲルダナマイシン(17 AAG)が挙げられる。
【0277】
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症の併用療法
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(Waldenstrom's Macroglobulinemia、WM)を治療するために使用される治療薬としては、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルボシジブ、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、自家ヒト腫瘍由来HSPPC-96、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、シスプラチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE、エンザスタウリン、エポエチンα、エプラツズマブ(hLL2-抗CD22ヒト化抗体)、エトポシド、エベロリムス、フェンレチニド、フィルグラスチム、フルダラビン、イブルチニブ、イホスファミド、インジウム-111モノクローナル抗体MN-14、ヨウ素-131トシツモマブ、イリノテカン塩酸塩、イクサベピロン、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モノクローナル抗体CD19(例えば、チサゲンレクロイセル-T、CART-19、CTL-019)、モノクローナル抗体CD20、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、オメガ-3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペントスタチン、ペリホシン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンα、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル(VIAGRA(登録商標))、シンバスタチン、シロリムス、タクロリムス、タネスピマイシン、サリドマイド、治療用同種異系リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、トシツモマブ、ウロクプルマブ、ベルツズマブ、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、WT1 126-134ペプチドワクチン、WT-1アナログペプチドワクチン、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン、イットリウム-90ヒト化エプラツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0278】
WMを治療するために使用される治療手段の例としては、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、放射線全身照射、幹細胞の注入、幹細胞サポートを伴う骨髄切除、インビトロで処理された末梢血幹細胞の移植、臍帯血移植、免疫酵素技術、低LETコバルト-60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び非骨髄切除性同種異系造血幹細胞移植が挙げられる。
【0279】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の併用療法
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に使用される治療剤には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WMのために列挙された多くの薬剤、並びにICE及びRICEなどのそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、DLBCLを治療するために使用される治療剤としては、リキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド、ドキソルビシン塩酸塩(ヒドロキシダウノルビシン)、ビンクリスチン硫酸塩(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ベンダムスチン、イフォスファミド、カルボプラチン、エトポシド、イブルチニブ、ポラツズマブベドチンpiiq、ベンダムスチン、コパンリシブ、レナリドマイド(Revlimid(登録商標))、デキサメタゾン、シタラビン、シスプラチン、Yescarta(登録商標)、Kymriah(登録商標)、Polivy(登録商標)(ポラツズマブベドチン)、BR(ベンダムスチン(Treanda(登録商標))、ゲムシタビン、オキシプラチン、オキザリプラチン、タファシタマブ、ポラツズマブ、シクロホスファミド、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、DLBCLを治療するために使用される治療剤としては、R-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン塩酸塩(ヒドロキシダウノルビシン)+ビンクリスチン硫酸塩(Oncovin(登録商標))+プレドニゾン)、リツキシマブ+ベンダムスチン、R-ICE(リツキシマブ+イフォスファミド+カルボプラチン+エトポシド)、リツキシマブ+レナロミド(lenalomide)、R-DHAP(リツキシマブ+デキサメタゾン+高用量シタラビン(Ara C)+シスプラチン)、Polivy(登録商標)(ポラツズマブベドチン)+BR(ベンダムスチン(Treanda(登録商標))及びリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、R-GeMOx(ゲムシタビン+オキザリプラチン+リツキシマブ)、Tafa-Len(タファシタマブ+レナリドミド)、タファシタマブ+Revlimid(登録商標)、ポラツズマブ+ベンダムスチン、ゲムシタビン+オキザリプラチン、R-EPOCH(リツキシマブ+リン酸エトポシド+プレドニゾン+ビンクリスチン硫酸塩(Oncovin(登録商標))+シクロホスファミド+ドキソルビシン塩酸塩(ヒドロキシダウノルビシン))、又はCHOP(シクロホスファミド+ドキソルビシン塩酸塩(ヒドロキシダウノルビシン)+ビンクリスチン硫酸塩(Oncovin(登録商標))+プレドニゾン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、DLBCLを治療するために使用される治療剤としては、タファシタマブ、グロフィタマブ、エポコリタマブ、Lonca-T(ロンカツキシマブテシリン)、Debio-1562、ポラツズマブ、Yescarta、JCAR017、ADCT-402、ブレンツキシマブベドチン、MT-3724、オドロネクツマブ、Auto-03、Allo-501A、又はTAK-007が挙げられる。
【0280】
慢性リンパ球性白血病の併用療法
慢性リンパ球性白血病(CLL)を治療するために使用される治療薬としては、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WMについて列挙された多数の薬剤、並びにCVP、R-CVP、ICE、R-ICE、FCR、及びFRという一般的な併用レジメンが含まれる、併用化学療法及び化学免疫療法が挙げられる。
【0281】
高リスク骨髄異形成症候群(High Risk Myelodysplastic Syndrome、HR MDS)併用療法
HR MDSを治療するために使用される治療剤としては、アザシチジン(Vidaza(登録商標))、デシタビン(Dacogen(登録商標))、レナリドマイド(Revlimid(登録商標))、シタラビン、イダルビシン、ダウノルビシン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、組み合わせとしては、シタラビン+ダウノルビシン及びシタラビン+イダルビシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、HR MDSを治療するために使用される治療剤としては、ペボネディスタット、ベネトクラクス、サバトリマブ、グアデシタビン、リゴサチブ、イボシデニブ、エナジデニブ、セリネクソール、BGB324、DSP-7888、又はSNS-301が挙げられる。
【0282】
低リスク骨髄異形成症候群(Low Risk Myelodysplastic Syndrome、LR MDS)併用療法
LR MDSを治療するために使用される治療剤としては、レナリドマイド、アザシチジン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、LR MDSを治療するために使用される治療剤としては、ロキサデュスタット、ラスパテルセプト、イメテルスタット、LB-100、又はリゴサチブが挙げられる。
【0283】
急性骨髄性白血病(AML)併用療法
AMLを治療するために使用される治療剤としては、シタラビン、イダルビシン、ダウノルビシン、ミドスタウリン(Rydapt(登録商標))、ベネトクラクス、アザシチジン、イバシデニブ(ivasidenib)、ギルテリチニブ、エナジデニブ、低用量シタラビン(low-dose cytarabine、LoDAC)、ミトザントロン、フルダラビン、顆粒球コロニー刺激因子、イダルビシン、ギルテリチニブ(Xospata(登録商標))、エナジデニブ(Idhifa(登録商標))、イボシデニブ(Tibsovo(登録商標))、デシタビン(Dacogen(登録商標))、ミトザントロン、エトポシド、ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標))、グラスデジブ(Daurismo(登録商標))、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、AMLを治療するために使用される治療剤としては、FLAG-Ida(フルダラビン、シタラビン(Ara-C)、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor、G-CSF)、及びイダルビシン)、シタラビン+イダルビシン、シタラビン+ダウノルビシン+ミドスタウリン、ベネトクラクス+アザシチジン、シタラビン+ダウノルビシン、又はMEC(ミトザントロン、エトポシド、及びシタラビン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、AMLを治療するために使用される治療剤としては、ペボネディスタット、ベネトクラクス、サバトリマブ、エプレネタポプト、又はレンゾパルリマブが挙げられる。
【0284】
多発性骨髄腫(MM)併用療法
MMを治療するために使用される治療剤としては、レナリドマイド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標))、ポマリドマイド、シクロホスファミド、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、エロツズマブ(Empliciti)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、MMを治療するために使用される治療剤は、RVS(レナリドマイド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン)、RevDex(レナリドマイド+デキサメタゾン)、CYBORD(シクロホスファミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン)、Vel/Dex(ボルテゾミブ+デキサメタゾン)、又はPomDex(ポマリドマイド+低用量デキサメタゾン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、MMを治療するために使用される治療剤としては、JCARH125、TAK-573、ベランタマブ-m、ide-cel(CAR-T)が挙げられる。
【0285】
乳癌併用療法
乳癌の治療に使用される治療薬には、アルブミン結合パクリタキセル、アナストロゾール、アテゾリズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イキサベピロン、ラパチニブ、レトロゾール、メトトレキサート、ミトキサントロン、パクリタキセル、ペグ化リポソームドキソルビシン、ペルツズマブ、タモキシフェン、トレミフェン、トラスツズマブ、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、乳癌(例えば、HR+/-/HER2+/-)を治療するために使用される治療剤としては、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標))、ドセタキセル、カルボプラチン、パルボシクリブ(Ibrance(登録商標))、レトロゾール、トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、エリブリン、ツカチニブ、カペシタビン、ラパチニブ、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、エキセメスタン、メシル酸エリブリン(Halaven(登録商標))、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、乳癌を治療するために使用される治療剤としては、トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル、トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル+カルボプラチン、パルボシクリブ+レトロゾール、ツカチニブ+カペシタビン、ラパチニブ+カペシタビン、パルボシクリブ+フルベストラント、又はエベロリムス+エキセメスタンが挙げられる。いくつかの実施形態では、乳癌を治療するために使用される治療剤としては、トラスツズマブデルクステカン(Enhertu(登録商標))、ダトポタマブデルクステカン、DS-1062、エンフォルツムマブベドチン(Padcev(登録商標))、バリキサフォルチド、エラセストラント、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、乳癌を治療するために使用される治療剤としては、バリキサフォルチド+エリブリンが挙げられる。
【0286】
トリプルネガティブ乳癌(Triple Negative Breast Cancer、TNBC)併用療法
TNBCの治療に使用される治療薬には、アテゾリズマブ、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、フルオロウラシル、パクリタキセル、及びそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、TNBCを治療するために使用される治療剤としては、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、パクリタキセル(Abraxane(登録商標))、エリブリン、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、カルボプラチン、ゲムシタビン、メシル酸エリブリン(Halaven(登録商標))、サシツズマブゴビテカン(Trodelvy(登録商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、シスプラチン、ドキソルビシン、エピルビシン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、TNBCを治療するための治療剤としては、アテゾリズマブ+パクリタキセル、ベバシズマブ+パクリタキセル、カルボプラチン+パクリタキセル、カルボプラチン+ゲムシタビン、又はパクリタキセル+ゲムシタビンが挙げられる。いくつかの実施形態では、TNBCを治療するために使用される治療剤としては、エリヤスパーゼ、カピバセルチブ、アルペリシブ、ルカパリブ+ニボルマブ、アテゾルマブ(atezolumab)+パクリタキセル+ゲムシタビン+カペシタビン+カルボプラチン、イパタセルチブ+パクリタキセル、ラジラツズマブベドチン+ペンブロリマブ、デュルバルマブ+DS-8201a、トリラシクリブ+ゲムシタビン+カルボプラチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、TNBCを治療するために使用される治療剤としては、トラスツズマブデルクステカン(Enhertu(登録商標)、ダトポタマブデルクステカン(DS-1062)、エンホルツマブベドチン(Padcev(登録商標))、バリキサフォルチド、アダグロキサドシモレニン(adagloxad simolenin)、ネリペピムト(NeuVax(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、ルカパリブ、トリパリマブ(Tuoyi(登録商標))、カムレリズマブ、カピバセルチブ、デュルバルマブ(Imfinzi(登録商標))、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、TNBCを治療するために使用される治療剤としては、ニボルマブ+ルカパリブ、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))+化学療法、トリパリマブ+パクリタキセル、トリパリマブ+アルブミン結合パクリタキセル、カムレリズマブ+化学療法、ペンブロリズマブ+化学療法、バリキサフォルチド+エリブリン、デュルバルマブ+トラスツズマブデルクステカン、デュルバルマブ+パクリタキセル、又はカピバセルチブ+パクリタキセルが挙げられる。
【0287】
膀胱癌併用療法
膀胱癌を処置するために使用される治療剤としては、ダトポタマブデルクステカン(DS-1062)、トラスツズマブデルクステカン(Enhertu(登録商標))、エルダフィチニブ、エガネリシブ、レンバチニブ、ベムペガルデスロイキン(NKTR-214)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、膀胱癌を治療するために使用される治療剤としては、エガネリシブ+ニボルマブ、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))+エンフォルツムマブベドチン(Padcev(登録商標)、ニボルマブ+イピリムマブ、デュラバルマブ+トレメリムマブ、レンバチニブ+ペンブロリズマブ、エンフォルツムマブベドチン(Padcev(登録商標))+ペンブロリズマブ、及びベムペガルデスロイキン+ニボルマブが挙げられる。
【0288】
大腸癌(CRC)併用療法
CRCを治療するために使用される治療薬としては、ベバシズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、オキサリプラチン、パニツムマブ、ziv-アフリベルセプト、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、CRCを治療するために使用される治療剤としては、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、ロイコボリン、5-FU、オキサリプラチン(FOLFOX)、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、FOLFIRI、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、アフリベルセプト(Zaltrap(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、Lonsurf(Orcantas(登録商標))、XELOX、FOLFOXIRI、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、CRCを治療するために使用される治療剤としては、ベバシズマブ+ロイコボリン+5-FU+オキサリプラチン(FOLFOX)、ベバシズマブ+FOLFIRI、ベバシズマブ+FOLFOX、アフリベルセプト+FOLFIRI、セツキシマブ+FOLFIRI、ベバシズマブ+XELOX、及びベバシズマブ+FOLFOXIRIが挙げられる。いくつかの実施形態では、CRCを治療するために使用される治療剤は、ビニメチニブ+エンコラフェニブ+セツキシマブ、トラメチニブ+ダブラフェニブ+パニツムマブ、トラスツズマブ+ペルツズマブ、ナパブカシン+FOLFIRI+ベバシズマブ、ニボルマブ+イピリムマブが挙げられる。
【0289】
食道及び食道胃接合部癌併用療法
食道癌及び食道胃接合部癌を治療するために使用される治療薬としては、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、エピルビシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、食道胃接合部癌(gastroesophageal junction cancer、GEJ)を治療するために使用される治療剤としては、ハーセプチン、シスプラチン、5-FU、ラミクリマブ(ramicurimab)、又はパクリタキセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、GEJ癌を治療するために使用される治療剤としては、ALX-148、AO-176、又はIBI-188が挙げられる。
【0290】
胃癌併用療法
胃癌を治療するために使用される治療薬としては、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、エピルビシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0291】
頭頸部癌併用療法
頭頸部癌を治療するために使用される治療薬としては、アファチニブ、ブレオマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、シスプラチン、ドセタキセル、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、ニボルマブ、パクリタキセル、ペンブロリズマブ、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0292】
頭頸部扁平上皮癌(head and neck squamous cell carcinoma、HNSCC)を治療するために使用される治療剤としては、ペンブロリズマブ、カルボプラチン、5-FU、ドセタキセル、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、シスプラチン、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、HNSCCを治療するために使用される治療剤としては、ペンブロリズマブ+カルボプラチン+5-FU、セツキシマブ+シスプラチン+5-FU、セツキシマブ+カルボプラチン+5-FU、シスプラチン+5-FU、及びカルボプラチン+5-FUが挙げられる。いくつかの実施形態では、HNSCCを治療するために使用される治療剤としては、デュルバルマブ、デュルバルマブ+トレメリムマブ、ニボルマブ+イピリムマブ、ロバロイセル、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブ+エパカドスタット、GSK3359609+ペンブロリズマブ、レンバチニブ+ペンブロリズマブ、レチファンリマブ、レチファンリマブ+エノビツズマブ(enobituzumab)、ADU-S100+ペンブロリズマブ、エパカドスタット+ニボルマブ+イピリムマブ/リリルマブが挙げられる。
【0293】
非小細胞肺癌併用療法
非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用される治療薬には、アファチニブ、アルブミン結合パクリタキセル、アレクチニブ、アテゾリズマブ、ベバシズマブ、ベバシズマブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ドセタキセル、エルロチニブ、エトポシド、ゲムシタビン、ニボルマブ、パクリタキセル、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド、ラムシルマブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビノレルビン、及びこれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、NSCLCを治療するために使用される治療剤としては、アレクチニブ(Alecensa(登録商標))、ダブラフェニブ(Tafinlar(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、オシメルチニブ(Tagrisso(登録商標))、エントレクチニブ(Tarceva(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標)、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、カルボプラチン、ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、nab-パクリタキセル(Abraxane(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ドセタキセル、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、ブリガチニブ、ゲムシタビン、シスプラチン、アファチニブ(Gilotrif(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、NSCLCを治療するために使用される治療剤としては、ダブラフェニブ+トラメチニブ、ペンブロリズマブ+カルボプラチン+ペメトレキセド、ペンブロリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル、ラムシルマブ+ドセタキセル、ベバシズマブ+カルボプラチン+ペメトレキセド、ペンブロリズマブ+ペメトレキセド+カルボプラチン、シスプラチン+ペメトレキセド、ベバシズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル、シスプラチン+ジェムザール、ニボルマブ+ドセタキセル、カルボプラチン+ペメトレキセド、カルボプラチン+nab-パクリタキセル、又はペメトレキセド+シスプラチン+カルボプラチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、NSCLCに使用される治療剤としては、ダトポタマブデルクステカン(DS-1062)、トラスツズマブデルクステカン(Enhertu(登録商標))、エンホルツマブベドチン(Padcev(登録商標))、デュルバルマブ、カナキヌマブ、セミプリマブ、ノガペンデキンアルファ、アベルマブ、チラゴルマブ、ドンバナリマブ、ビボストリマブ、オシペルリマブ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、NSCLCを治療するために使用される治療剤としては、ダトポタマブデルクステカン+ペンブロリズマブ、ダトポタマブデルクステカン+デュルバルマブ、デュルバルマブ+トレメリムマブ、ペンブロリズマブ+レンバチニブ+ペメトレキセド、ペンブロリズマブ+オラパリブ、ノガペンデキンアルファ(N-803)+ペンブロリズマブ、チラゴルマブ+アテゾリズマブ、ビボストリマブ+ペンブロリズマブ、又はオシペルリマブ+チスレリズマブが挙げられる。
【0294】
小細胞肺癌併用療法
小細胞肺癌(SCLC)の治療に使用される治療薬には、アテゾリズマブ、ベンダムスタイム、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、ゲムシタビン、イピリムマブ、イリノテカン、ニボルマブ、パクリタキセル、テモゾロミド、トポテカン、ビンクリスチン、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、SCLCを治療するために使用される治療剤としては、アテゾリズマブ、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、パクリタキセル、トポテカン、ニボルマブ、デュルバルマブ、トリラシクリブ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、SCLCを治療するために使用される治療剤としては、アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド、アテゾリズマブ+カルボプラチン、アテゾリズマブ+エトポシド、又はカルボプラチン+パクリタキセルが挙げられる。
【0295】
卵巣癌併用療法
卵巣癌を治療するために使用される治療薬としては、5-フルオロウラシル、アルブミン結合パクリタキセル、アルトレタミン、アナストロゾール、ベバシズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エクセメスタン、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、リポソームドキソルビシン、酢酸メゲストロール、メルファラン、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パゾパニブ、ペメトレキセド、タモキシフェン、トポテカン、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0296】
膵臓癌併用療法
膵臓癌を処置するために使用される治療剤としては、5-FU、ロイコボリン、オキサリプラチン、イリノテカン、ゲムシタビン、nab-パクリタキセル(Abraxane(登録商標))、FOLFIRINOX、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、膵臓癌を治療するために使用される治療剤としては、5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン+イリノテカン、5-FU+ナノリポソーム型イリノテカン、ロイコボリン+ナノリポソーム型イリノテカン、及びゲムシタビン+nab-パクリタキセルが挙げられる。
【0297】
前立腺癌併用療法
前立腺癌を治療するために使用される治療剤としては、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))、ロイプロリド、トリフルリジン、チピラシル(Lonsurf)、カバジタキセル、プレドニゾン、アビラテロン(Zytiga(登録商標))、ドセタキセル、ミトザントロン、ビカルタミド、LHRH、フルタミド、ADT、サビザブリン(Veru-111)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、前立腺癌を治療するために使用される治療剤としては、エンザルタミド+ロイプロリド、トリフルリジン+チピラシル(Lonsurf)、カバジタキセル+プレドニゾン、アビラテロン+プレドニゾン、ドセタキセル+プレドニゾン、ミトキサントロン+プレドニゾン、ビカルタミド+LHRH、フルタミド+LHRH、ロイプロリド+フルタミド、及びアビラテロン+プレドニゾン+ADTが挙げられる。
【0298】
追加の例示された併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、PI3K阻害剤、Trop-2結合剤、CD47アンタゴニスト、SIRPαアンタゴニスト、FLT3Rアゴニスト、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、MCL1阻害剤、CCR8結合剤、HPK1アンタゴニスト、DGKa阻害剤、CISH阻害剤、PARP-7阻害剤、Cbl-b阻害剤、KRAS阻害剤(例えば、KRAS G12C又はG12D阻害剤)、KRAS分解剤、ベータ-カテニン分解剤、ヘリオス分解剤、CD73阻害剤、アデノシン受容体アンタゴニスト、TIGITアンタゴニスト、TREM1結合剤、TREM2結合剤、CD137アゴニスト、GITR結合剤、OX40結合剤、及びCAR-T細胞療法から選択される1つ以上の治療剤と共に投与される。
【0299】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、PI3Kd阻害剤(例えば、イデアリシブ、抗Trop-2抗体コンジュゲート(例えば、サシツズマブゴビテカン、ダトポタマブデルクステカン(DS-1062))、抗CD47抗体又はCD47遮断因子(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、レタプリマブ(IBI-188)、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ、アベルマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC;例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、クエムリクルスタット(AB680))、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、CD137アゴニスト(例えば、AGEN-2373)、GITR/OX40結合剤(例えば、AGEN-1223)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される1つ以上の治療剤と共に投与される。
【0300】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、イデアリシブ、サシツズマブゴビテカン、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、クエムリクルスタット(AB680)、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、AGEN-1223、AGEN-2373、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される1つ以上の治療薬と共に投与される。
【0301】
VI.実施例
略語
特定の略語及び頭字語が、実験の詳細を説明する際に使用される。これらのほとんどは当業者により理解されるが、表1は、これらの略語及び頭字語のうちのいくつかのリストを含む。
【0302】
【表1-2】
【0303】
【表2-1】
【0304】
【表2-2】
【0305】
一般手順1:
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製:
【0306】
【化17】
【0307】
5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(500mg、1.38mmol、1当量)及びトリエチルアミン(0.67mL、4.83mmol、3.5当量)のDMF(16mL)の溶液に、ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(1.07g、4.14mmol、3当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、16時間撹拌した。ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(1.07g、4.14mmol、3当量)及びトリエチルアミン(0.67mL、4.83mmol、3.5当量)の別のアリコートを添加し、反応物をさらに16時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAc/水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製して、ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得た。
【実施例
【0308】
実施例1
(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0309】
【化18】
【0310】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート(671mg、1.15mmol、1当量)のDCM(15mL)中の溶液に、TFA(5mL)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した後、真空中で濃縮し、HPLC(TFAを含む10~80%MeCN/水)によって精製した。LC-MS m/z:473.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.79(s,1H),8.25(s,1H),8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.59(d,J=1.2Hz,1H),6.54(s,1H),5.53(d,J=10.7Hz,2H),4.41(s,2H),3.86(s,2H),1.21(s,6H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-115.33(m,2F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.24(t,J=10.6Hz,1P)。
【0311】
以下の化合物を、(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートと類似の様式で、以下に列挙される改変を使用して調製した。
【0312】
実施例2
ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを、5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩を、5-(8-(3,3-ジフルオロ-4.4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに使用して調製した。
【0313】
【化19】
【0314】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用して、5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを調製した。
【0315】
【化20】
【0316】
LC-MS m/z:578.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.90(s,1H),8.33(s,1H),8.28(d,J=1.3Hz,1H),8.16(d,J=0.9Hz,1H),7.77-7.66(m,3H),7.49(s,1H),7.13(dd,J=8.6,1.2Hz,1H),5.56(d,J=10.8Hz,2H),5.41(q,J=9.1Hz,2H),3.09-3.00(m,1H),2.81(dt,J=9.6,5.2Hz,1H),2.19(dt,J=9.4,5.1Hz,1H),1.89(dt,J=9.4,5.3Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.22(t,J=11.0Hz,1P)。
【0317】
実施例3
5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを使用して、テトラ-tert-ブチル(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を調製した。
【0318】
【化21】
【0319】
ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりにテトラ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン)ビス(ホスファート)を使用して、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(二水素ホスファート)を調製した。
【0320】
【化22】
【0321】
LC-MS m/z:706.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.45(s,1H),8.15(d,J=0.8Hz,1H),7.73(d,J=8.2Hz,2H),7.60(d,J=7.1Hz,1H),7.43(s,1H),7.13(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),5.69(d,J=6.5Hz,2H),5.64(d,J=10.8Hz,2H),5.41(q,J=9.2Hz,2H),3.02(ddd,J=8.9,6.3,4.3Hz,1H),2.83(ddd,J=8.8,5.9,4.3Hz,1H),2.21-2.09(m,1H),1.91(dt,J=8.7,5.5Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.1Hz,3F),-155.02(d,J=7.2Hz,1F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.18(t,J=11.0Hz,1P),-3.44(t,J=6.5Hz,1P)。
【0322】
一般手順2:
5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製
【0323】
【化23】
【0324】
5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩(100mg、0.192mmol、1当量)の、DMAc(1mL)中の溶液に、KHCO(48mg、0.479mmol、2.5当量)及びジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(59.5mg、0.23mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、16時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc/水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製して、ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得た。
【0325】
実施例4
(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製。
【0326】
【化24】
【0327】
5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート
(90mg、0.127mmol、1当量)のDCM(2.5mL)中の溶液に、TFA(0.25mL)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した後、真空中で濃縮し、HPLC(TFAを含む10~80%MeCN/水)によって精製した。LC-MS m/z:596.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.92(s,1H),8.36(s,1H),8.15(s,1H),7.78-7.68(m,2H),7.58(d,J=7.0Hz,1H),7.49(s,1H),7.12(d,J=8.5Hz,1H),5.57(d,J=10.8Hz,2H),5.40(q,J=9.1Hz,2H),3.04(ddd,J=9.3,6.3,4.4Hz,1H),2.79(dt,J=9.4,5.2Hz,1H),2.18(dt,J=8.8,5.2Hz,1H),1.90(dt,J=8.6,5.2Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.2Hz,3F),-155.18(d,J=7.0Hz,1F)。
【0328】
以下の化合物を、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートと類似の様式で、以下に列挙される改変を使用して調製した。
【0329】
実施例5
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩を使用して、調製した。
【0330】
【化25】
【0331】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用し、(5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートを調製した。
【0332】
【化26】
【0333】
LC-MS m/z:597.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.93(s,1H),8.36(s,1H),8.25(s,1H),8.20(d,J=8.3Hz,1H),7.58(d,J=7.1Hz,1H),7.51(s,1H),7.38(d,J=8.3Hz,1H),5.57(d,J=10.8Hz,2H),5.34(tt,J=9.3,4.8Hz,2H),3.24(ddd,J=8.6,5.9,4.1Hz,2H),3.07(ddd,J=8.9,6.1,4.0Hz,1H),2.22(ddd,J=8.6,6.2,3.9Hz,1H),2.06(ddd,J=9.4,5.8,3.9Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-69.89(t,J=9.1Hz,3F),-155.18(d,J=7.1Hz,1F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.18(t,J=10.8Hz,1P)。
【0334】
実施例6及び実施例7
ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェート及びテトラ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を、5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;トリフルオロ酢酸を、5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;塩酸塩の代わりに使用して、調製した。
【0335】
【化27】
【0336】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、ジ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用して、(2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートを調製した。
【0337】
【化28】
【0338】
LC-MS m/z:578.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.91(s,1H),8.68(s,1H),8.21(d,J=2.3Hz,1H),8.17(s,1H),7.78(s,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.68(s,1H),7.20(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),6.70(d,J=2.3Hz,1H),5.61(d,J=11.1Hz,2H),5.42(q,J=9.1Hz,2H),3.17(ddd,J=8.5,6.4,4.4Hz,1H),2.82(td,J=7.1,4.5Hz,1H),1.97(t,J=8.2Hz,2H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.06(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.17(t,J=11.1Hz,1P)。
【0339】
ジ-tert-ブチル((5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、テトラ-tert-ブチル((2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(ホスファート)を使用して、(2,4-ジオキソ-5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-1,3(2H,4H)-ジイル)ビス(メチレン))ビス(二水素ホスファート)を調製した。
【0340】
【化29】
【0341】
LC-MS m/z:688.1(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.77(s,1H),8.23(d,J=2.4Hz,1H),8.17(s,1H),7.79(s,1H),7.76(d,J=8.3Hz,1H),7.63(s,1H),7.21(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),6.73(d,J=2.4Hz,1H),5.73(d,J=6.3Hz,2H),5.69(d,J=11.1Hz,2H),5.42(q,J=9.1Hz,2H),3.21(td,J=7.4,4.5Hz,3H),2.83(td,J=7.8,4.5Hz,1H),2.00(t,J=7.6Hz,2H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.06(t,J=9.1Hz,3F)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.15(t,J=11.1Hz),-3.45(t,J=6.5Hz)。
【0342】
実施例8
(S)-6-((1-(5-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-4,4-ジフルオロピロリジン-3-イル)オキシ)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンの調製
【0343】
【化30】
【0344】
密封容器中の(S)-1-(5-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-4,4-ジフルオロピロリジン-3-オール(99mg、0.26mmol)、6-ブロモ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(82mg、0.29mmol)、ヨウ化銅(I)(28mg、0.15mmol)、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン(13mg、0.06mmol)、及び炭酸セシウム(132mg、0.41mmol)に、トルエン(2.6mL)を添加した。混合物を110℃まで14時間にわたり加熱し、次いで135℃まで24時間にわたり加熱した。次いで、ヨウ化銅(I)(25mg、0.13mmol)、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン(12mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(131mg、0.4mmol)、及びトルエン(0.5mL)を混合物に添加し、135℃まで撹拌し続けた。24時間後、混合物を周囲温度に冷却し、セライトを通して濾過した。ケーキをEtOAcですすぎ、合わせた濾液を真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、(S)-6-((1-(5-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-4,4-ジフルオロピロリジン-3-イル)オキシ)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを得た。
【0345】
LC-MS m/z:578.1(M+1)。
【0346】
(S)-5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピロリジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製
【0347】
【化31】
【0348】
(S)-6-((1-(5-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-4,4-ジフルオロピロリジン-3-イル)オキシ)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(104mg、0.18mmol)に、MeOH(1mL)及び1MのHCl(水溶液)(1mL)を加えた。混合物を70℃まで5時間にわたり加熱した。分取HPLC(0.1%TFAを含む水/MeCN)により精製して、(S)-5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(92mg、77%)をTFA塩として得た。
【0349】
LC-MS m/z:550.0(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.75(d,J=3.7Hz,1H),11.59(s,1H),8.88(d,J=1.0Hz,1H),8.43(d,J=6.1Hz,1H),8.40(d,J=0.9Hz,1H),8.12(d,J=2.3Hz,1H),7.36(s,1H),7.04(s,1H),6.48(d,J=2.2Hz,1H),6.03(dq,J=9.3,4.7Hz,1H),5.41(qd,J=9.2,2.5Hz,2H),4.79-4.58(m,3H),4.29(d,J=12.5Hz,1H)。19F NMR(377MHz,DMSO-d6)δ-70.16(t,J=9.2Hz),-75.26,-108.37(d,J=238.3Hz),-119.70(d,J=237.7Hz)。
【0350】
実施例9
(S)-ジ-tert-ブチル((5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製
【0351】
【化32】
【0352】
EtOAc(30mL)中の(S)-5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(60mg、0.09mmol)を飽和NaHCO3(水溶液)(20mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮し、それ以上精製せずに用いた。粗物質に、KHCO(14mg、0.14mmol、1.5当量)及びDMAc(0.35mL)、続いてDMAc(0.2mL)中のジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(30mg、0.11mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、17時間にわたり撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、ブライン(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗(S)-ジ-tert-ブチル((5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得て、それ以上精製せずに用いた。
【0353】
LC-MS m/z:716.0(M-[t-Bu]+2)。
【0354】
(S)-(5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0355】
【化33】
【0356】
DCM(1mL)中の粗(S)-ジ-tert-ブチル((5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートに、TFA(0.1mL)を添加した。30分後、追加のTFA(0.4mL)を添加した。30分後、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLC(0.1%TFAを含む水/MeCN)により精製して、(S)-(5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェート(39mg、全体で56%)を、TFA塩として得た。
【0357】
LC-MS m/z:660.0(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.84(s,1H),8.87(s,1H),8.67(s,1H),8.40(s,1H),8.11(d,J=2.3Hz,1H),7.36(s,1H),7.10(s,1H),6.46(d,J=2.3Hz,1H),6.02(h,J=4.7Hz,1H),5.57(d,J=10.9Hz,2H),5.40(q,J=8.8Hz,2H),4.78-4.54(m,3H),4.23(d,J=12.2Hz,1H)。19F NMR(377MHz,DMSO-d6)δ-70.17(t,J=9.1Hz),-75.37,-108.21(d,J=237.8Hz),-119.50(d,J=237.6Hz)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.27(t,J=10.9Hz)。
【0358】
実施例10
(S)ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製
【0359】
【化34】
【0360】
EtOAc(60mL)中の(S)-5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;TFA塩(81mg、0.13mmol)を、飽和NaHCO3(水溶液)(20mL)で洗浄した。有機物を真空中で濃縮し、それ以上精製することなく使用した。粗物質に、KHCO(20mg、0.19mmol、1.5当量)及びDMAc(0.75mL)、続いてDMAc(0.25mL)中のジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(41mg、0.16mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、17時間にわたり撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、ブライン(2×20mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗(S)-ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを得て、それ以上精製せずに用いた。
【0361】
LC-MS m/z:736.08(M+1)。
【0362】
(S)(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0363】
【化35】
【0364】
DCM(1mL)中の粗(S)-ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートに、TFA(0.5mL)を加えた。1時間後、追加のTFA(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLC(0.1%TFAを含む水/MeCN)による精製によって、(S)-(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェート(42mg、全体で63%)をTFA塩として得た。
【0365】
LC-MS m/z:624.0(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.83(s,1H),8.66(d,J=5.7Hz,1H),8.28(s,1H),7.68(d,J=2.4Hz,1H),7.49(dd,J=5.8,2.4Hz,1H),7.46(d,J=7.2Hz,1H),6.62(s,1H),5.86-5.78(m,1H),5.55(d,J=10.8Hz,2H),4.70-4.53(m,1H),4.53-4.34(m,2H),4.34-4.15(m,1H)。19F NMR(377MHz,DMSO-d6)δ-67.17,-75.35,-106.97(d,J=242.2Hz),-120.71(d,J=240.3Hz),-154.97(d,J=7.1Hz)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.20(t,J=10.6Hz)。
【0366】
実施例11
(S)-ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの調製
【0367】
【化36】
【0368】
NMP(0.5mL)中の(S)-5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;TFA塩(52mg、0.078mmol)に、イミダゾール(14mg、0.206mmol)を加えた。混合物を3時間撹拌し、その後、追加の水(5mL)を添加した。得られた白色沈殿物を濾過により単離し、水で2回洗浄し、一晩乾燥させて、(S)-5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを得た。
【0369】
次いで、(S)-ジ-tert-ブチル((5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートについて記載した様式で、(S)-5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの代わりに、(S)-5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを使用して、(S)-ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを調製した。LC-MS m/z:771.6(M+1)。
【0370】
(S)-(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートの調製
【0371】
【化37】
【0372】
(S)-(5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートについて記載した様式で、(S)-ジ-tert-ブチル((5-(7-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートの代わりに、(S)-ジ-tert-ブチル((5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)ホスフェートを使用して、(S)-(5-(8-(3,3-ジフルオロ-4-((1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル二水素ホスフェートを調製した。
【0373】
LC-MS m/z:659.6(M+1)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.78(s,1H),8.88(d,J=1.1Hz,1H),8.40(d,J=1.0Hz,1H),8.25(s,1H),8.10(d,J=1.2Hz,1H),7.62-7.56(m,1H),7.35(s,1H),6.61(s,1H),6.00(s,1H),5.53(d,J=10.7Hz,2H),5.39(q,J=9.0Hz,2H),4.71-4.38(m,3H),4.20(s,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.15(t,J=9.1Hz),-108.33(d,J=242.5Hz),-119.76(d,J=237.7Hz)。31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ-2.25(t,J=10.9Hz)。
【0374】
生物学的データ
比較例
比較例は、2021年4月29日に出願された米国特許出願第17/243,911号に見出すことができ、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0375】
簡単に述べると、化合物は以下の方法で合成することができる。
【0376】
【化38】
【0377】
代表的な合成スキーム1は、本開示の化合物の一般的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能性と適合可能である。代表的な合成1では、適切に置換されたクロロイミダゾピリダジン(又は対応するブロモ化合物若しくはヨード化合物)が、好適な溶媒系(例えば、水+ジオキサン、THF、DME、トルエンなど)中で、パラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl、Pd(PPhなど)及び塩基(例えば、CsCO、KCO、KPOなど)の存在下で、高温度(例えば、約80~120℃の範囲)にて、(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸と組み合わされるが、これは例えば、マイクロ波反応器内で、又は通常の加熱により実行され得る。続いて、得られた適切に置換された2,4-ジメトキシピリミジンが、好適な溶媒系(例えば、水+メタノール、エタノールなど)中で、高温度(例えば、約50~80℃の範囲)にて酸(例えば、塩酸)で処理され得る。
【0378】
【化39】
【0379】
代表的な合成スキーム2は、実施形態の化合物の一般的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能性と適合可能である。代表的な合成スキーム2では、適切に置換されたブロモイミダゾピリダジン(又は対応するクロロ化合物若しくはヨード化合物)が、好適な溶媒系(例えば、水+ジオキサン、THF、DME、トルエンなど)中で、パラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl、cataCXium-A-Pd G3など)及び塩基(例えば、CsCO、KCO、KPOなど)の存在下で、高温度(例えば、約90~150℃の範囲)にて、アルキルボロン酸又はボロン酸誘導体(例えば、ボロン酸エステル又はトリフルオロボロン酸塩)と組み合わされるが、これは、マイクロ波反応器内で、又は通常の加熱により実行され得る。
【0380】
【化40】
【0381】
代表的な合成スキーム3は、実施形態の化合物の一般的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能性と適合可能である。代表的な合成スキーム3では、適切に置換されたブロモイミダゾピリダジン(又は対応するクロロ化合物若しくはフルオロ化合物)が、好適な溶媒系(例えば、アセトニトリル、EtOH、THF、NMPなど)中で、塩基(例えば、CsCO、KCO、トリエチルアミン、DIPEA、NaHなど)の存在下で、周囲温度又は高温度(例えば、約20~90℃の範囲)にて求核試薬(例えば、アミン、アルコール、ヘテロ環など)と組み合わされる。
【0382】
【化41】
【0383】
代表的な合成スキーム4は、実施形態の化合物の一般的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能性と適合可能である。代表的な合成スキーム4では、適切に置換されたクロロイミダゾピリダジンが、好適な溶媒系(例えば、DMSO/HO、DCE/HOなど)中で、酸化剤(例えば、TBHP)の存在下で、周囲温度又は高温度(例えば、約20~60℃の範囲)にて、ラジカル前駆体、例えば、アルキルスルフィン酸ナトリウム又はアルキルスルフィン酸亜鉛と組み合わされる。Minisci条件(すなわち、アルキルカルボン酸、(NH、AgNO、TFA)が含まれる、種々のラジカル前駆体及び反応条件が、適切なアルキルラジカル中間体を生成させるために使用され得る。
【0384】
【化42】
【0385】
代表的な合成スキーム5は、実施形態の化合物の一般的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能性と適合可能である。代表的な合成スキーム5では、適切に置換されたハロゲン化アリール又はハロゲン化ヘテロアリールが、好適な溶媒系(例えば、水+THF、ジオキサン、DME、トルエンなど)中で、パラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl、Pd(PPhなど)及び塩基(例えば、KCO、CsCO、KPOなど)の存在下で、高温度(例えば、約80~120℃の範囲、マイクロ波反応器内で、又は通常の加熱により実行され得る)にて、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(又は類似の-Bpin、-BMIDA、若しくは-B(OH)試薬)と組み合わされる。続いて、適切に置換されたアルケンが、好適な溶媒系(例えば、DCM)中で、低温(例えば、約-20℃~5℃の範囲)にて、テトラキス(アセトニトリル)[2-[(4R)-4,5-ジヒドロ-4-フェニル-2-オキサゾリル-N]フェニル]ルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート(又は別の好適な遷移金属触媒)及び2-ジアゾ酢酸1,3-ジオキソイソインドリン-2-イルで処理される。得られる適切に置換されたN-ヒドロキシフタルイミドエステルは、適切な溶媒(例えば、EtOAc、CFPh、イソニコチン酸t-ブチルエステルなど)中で、高温度(例えば、約60~100℃の範囲)にて、イソニコチン酸メチル(又は別の好適なイソニコチン酸誘導体、例えば、イソニコチン酸t-ブチルエステルなど)及びビス(ピナコラート)ジボロンと組み合わされる。あるいは、ホウ素化反応は、適切に置換されたN-ヒドロキシフタルイミドエステルを、好適な溶媒系(例えば、DMF)中で、青色LED光下にて、ビス(カテコラート)ジボロンと組み合わせることにより実行され得るが、得られるボロン酸エステルは、ピナコール及びトリエチルアミンと組み合わされ得る。
【0386】
あるいは、この反応系列は、適切に置換されたアルケンを、好適な溶媒系(すなわち、トルエン)中で、高温度(例えば、約80~120℃の範囲)にて、ジアゾ酢酸エチルと組み合わせることにより化合物のラセミ混合物をもたらし得る。続いて、エチルエステルは、塩基性水溶液(例えば、LiOH又はNaOMe)条件下で加水分解され得るが、得られる酸は、好適なカップリング試薬(例えば、DIC、EDC)と共にN-ヒドロキシフタルイミドと組み合わされ得る。最後のホウ素化工程は、上記のように実行され得る。
【0387】
比較例A:5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。
【0388】
中間体A:6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン。
【0389】
【化43】
【0390】
6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンは、以下のように調製した。8-シクロプロピル-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジンは、以下のように調製した。マイクロ波用バイアルに、(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(59.4mg、0.323mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl-CHCl(23.6mg、0.032mmol、10mol%)、CsCO(210mg、0.645mmol、2当量)及び6-クロロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(1当量)を投入した。反応混合物を3:1のジオキサン/HO(4mL)中に溶解し、アルゴンでパージし、80℃で5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィ(0~15%のMeOH/CHCl)により直接精製した。化合物をSiOクロマトグラフィ(0~100%のEtOAc/ヘキサン)により再精製して、8-シクロプロピル-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを得た。ES/MS m/z:496.05[M+H]。
【0391】
トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(1当量)。反応混合物を3:1のジオキサン/HO(4mL)中に溶解し、アルゴンでパージし、80℃で5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィ(0~15%のMeOH/CHCl)により直接精製した。化合物をSiOクロマトグラフィ(0~100%のEtOAc/ヘキサン)により再精製して、8-シクロプロピル-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを得た。ES/MS m/z:312.20[M+H]。
【0392】
【化44】
【0393】
5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを以下のように調製した。MeOH(1.5mL)中の6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンの溶液に、1.5MのHCl水溶液(1mL)を添加した。反応容器を80℃まで6時間加熱した。分離した固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、5-(8-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを得て、濾過によりHCl塩として単離した。ES/MS m/z:468.00[M+H]。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.62-11.48(m,2H),8.35(s,1H),8.14(s,1H),8.04(d,J=6.0Hz,1H),7.90(s,1H),7.75(d,J=8.7Hz,1H),7.68(s,1H),7.59(s,1H),7.39(dd,J=8.8,1.6Hz,1H),5.44(q,J=9.2Hz,2H),2.96-2.89(m,1H),2.81-2.74(m,1H),2.04(dt,J=10.0,5.3Hz,1H),1.85(dt,J=8.6,5.4Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.15(t,J=9.1Hz)。
【0394】
比較例B:5-[8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン
【0395】
【化45】
【0396】
中間体B:6-クロロ-8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン
【0397】
【化46】
【0398】
6-クロロ-8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを、6-クロロ-8-(3,3-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンについて記載されるように(ただし、3,3-ジメチルピロリジン塩酸塩を、3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン塩酸塩で置き換えることを除き)調製した。
【0399】
マイクロ波用バイアルに、8-ブロモ-6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン(250mg、1.08mmol、3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチルピロリジン塩酸塩、1.1当量)、DIPEA(0.481mL、2.69mmol、2.5当量)、及びMeCN(5mL)を投入した。反応混合物を85℃まで加熱した。24時間後、反応混合物を濃縮した。得られた残留物を水と共に粉砕し、得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、6-クロロ-8-(3,3-ジメチルピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを得た。ES/MS m/z:287.10[M+H]。
【0400】
【化47】
【0401】
5-[8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを以下のとおりに調製した:8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)-6-2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンのMeOH(2.5mL)中溶液に、1MのHCl(水溶液)(1.5mL)を添加した。反応容器を80℃まで6時間加熱した。分離された固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、5-[8-(3,3-ジフルオロ-4,4-ジメチル-ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンをHCl塩として得た。ES/MS:363.10[M+1]。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.58-11.46(m,2H),8.23-8.22(m,1H),8.01-7.97(m,1H),7.81-7.80(m,1H),6.81(s,1H),4.47-4.41(m,2H),3.83-3.82(m,2H),1.22-1.20(m,6H)。19F NMR(377MHz,DMSO-d6)δ-115.19(m,2F)。
【0402】
比較例C:
中間体709。トリフルオロ((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ホウ酸塩カリウム
【0403】
【化48】
【0404】
6-((1S,2S)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール(209mg、0.57mmol)及びKHF2(312g、4.0mmol)をバイアルに秤量し、MeOH(2.5mL)及び水(0.5mL)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物をMeCN中に入れ、濾過して、固体を除去し、MeCNで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、次いで、固体をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、トリフルオロ((1S,2S)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)シクロプロピル)ホウ酸カリウムを得た。H NMR(400MHz,アセトン-d6)δ 7.92(d,J=1.0Hz,1H),7.53(d,J=8.4Hz,1H),7.26(s,1H),6.87(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),5.21(q,J=9.0Hz,2H),1.80-1.72(m,1H),0.85(td,J=7.4,2.6Hz,1H),0.52(d,J=10.2Hz,1H),0.09- -0.02(m,1H)。19F NMR(376Mhz,アセトン-d6)δ-71.97(t,J=9.0Hz),-145.46(d,J=77.9Hz)。
【0405】
中間体710。5-ブロモ-7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
【0406】
【化49】
【0407】
5-ブロモ-7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンを以下のとおりに調製した:5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(0.500g、2.66mmol)のMeCN(13mL)中溶液に、ブロモトリメチルシラン(1.75mL、13.3mmol)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。懸濁液を濾過し、MeCNで洗浄し、固体を減圧下で乾燥して、5,7-ジブロモピラゾロ[1,5-a]ピリミジンを得た。ES/MS m/z:276.0[M+H]。
【0408】
マイクロ波用バイアルに、5,7-ジブロモピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(354mg、1.28mmol)、カリウムトリフルオロ((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ホウ酸カリウム(295mg、0.852mmol)、炭酸セシウム(833mg、2.56mmol)、及びPd(PPh(49mg、0.043mmol)を投入した。固体をトルエン(5mL)及びHO(1mL)中に溶解し、混合物をNで脱気した。バイアルを密閉し、100℃まで5時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、セライトを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(0~100%のEtOAc/ヘキサン)により精製して、5-ブロモ-7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンを得た。ES/MS m/z:436.1[M+H]。
【0409】
実施例456。5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0410】
【化50】
【0411】
5-(7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを以下のとおりに調製した:5-ブロモ-7-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-6-イル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(120mg、0.275mmol)、(2,4-ジ-tert-ブトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(88.5mg、0.330mmol)、炭酸セシウム(269mg、0.825mmol)、及びPd(dppf)Cl-CHCl(22.5mg、0.0275mmol)をマイクロ波用バイアル内に量り取り、ジオキサン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。混合物をNで脱気し、バイアルを密閉し、80℃まで16時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、TFA(1mL)をゆっくりと添加した。混合物を室温で更に20分間撹拌し、次いで、濃縮して、RP-HPLC(TFA調節剤を含有する10~90%のMeCN/HO、Geminiカラム)により精製した。ES/MS m/z:468.1[M+H]。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.62(dd,J=6.4,2.0Hz,1H),11.52(d,J=1.9Hz,1H),8.35(d,J=6.3Hz,1H),8.19-8.07(m,2H),7.80-7.65(m,3H),7.18(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),6.63(d,J=2.3Hz,1H),5.41(q,J=9.1Hz,2H),3.15(ddd,J=8.3,6.6,4.5Hz,1H),2.84-2.74(m,1H),1.95(ddd,J=8.3,6.6,1.5Hz,2H)。19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ-70.08(t,J=9.0Hz),-75.62。
【0412】
比較例D:
中間体798。6-((1S,2S)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0413】
【化51】
【0414】
ステップ1:1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(600mg、2.64mmol、1当量)のトルエン(6mL)中溶液に、ジアゾ酢酸エチル(0.42mL、3.96mmol、1当量)を添加した。反応混合物を80℃まで加熱した。24時間後、反応混合物をMeOH(5mL)で希釈し、約5mLに濃縮した。精製をSiOクロマトグラフィ(0~100%のEtOAc/ヘキサン)により達成して、ラセミ体のエチル(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸塩を得た。
【0415】
ステップ2:ラセミ体のエチル(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸塩(882mg、2.82mmol、1当量)の5:1のTHF:HO(5mL)中溶液に、LiOH-HO(591mg、14.1mmol、5当量)を添加した。反応物を45℃まで加熱し、20時間攪拌した。反応混合物を2MのHClで0℃にて中和し、次いで、EtOAcで完全に抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、ラセミ体の(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸を得た。ES/MS m/z:286.10[M+H]。
【0416】
ステップ3:ラセミ体の(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸(1000mg、3.51mmol、1当量)のCHCl(30mL)中溶液に、ジイソプロピルメタンジイミン(0.60mL、3.86mmol、1.1当量)、DMAP(42.8mg、10モル%)、及び2-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(629mg、3.86mmol、1.1当量)を添加した。5時間後、反応混合物を濾過し、CHClで洗浄し、濃縮した。残留物をSiOクロマトグラフィ(0~100%のEtOAc/ヘキサン)により精製して、ラセミ体の1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸塩を得た。
【0417】
ステップ4:ラセミ体の1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル(1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸塩(1071mg、2.49mmol、1当量)のEtOAc(12mL)中溶液に、BPin(1264mg、4.98mmol、2当量)及びイソニコチン酸メチル(0.147mL、1.24mmol、0.5当量)を添加した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下で80℃まで加熱した。12時間後、反応混合物を濾過し、濃縮し、SiOクロマトグラフィ(0~20%のEtOAc/ヘキサン)により精製して、6-((1S,2S)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンを得た。ES/MS m/z:368.20[M+H]。
【0418】
中間体838。6-((1S,2S)-2-(6-クロロ-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0419】
【化52】
【0420】
8-ブロモ-6-クロロ-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(426mg、0.1.7mmol)、6-((1S,2S)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(ラセミ混合物)(650mg、1.42mmol)、cataCXium A Pd G3(103mg、0.142mmol)、及び第三リン酸カリウム(902mg、4.25mmol)をマイクロ波用バイアル内に量り取り、次いで、排気及びNでの充填を3回行った。事前に脱気したジオキサン(6.7mL)及び水(1.3mL)を添加し、バイアルを密閉し、100℃まで10時間加熱した。次いで、混合物をセライトを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~100%のEtOAc)により精製して、4-((1S,2S)-2-(6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(ラセミ混合物)を得た。ES/MS m/z:411.10[M+H]。
【0421】
中間体839。6-((1S,2S)-2-(6-クロロ-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0422】
【化53】
【0423】
6-((1S,2S)-2-(6-クロロ-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンを、SFC用のOJ-Hカラム(15%のEtOH)によりラセミ体の中間体838からキラル分離した。
【0424】
中間体911。6-((1S,2S)-2-(6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0425】
【化54】
【0426】
6-((1S,2S)-2-(6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンを中間体Aに記載されるように(ただし、6-クロロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを、6-((1S,2S)-2-(6-クロロ-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンと置き換えることを除く)調製した。ES/MS m/z:515.10[M+H]。
【0427】
実施例610。5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0428】
【化55】
【0429】
5-(3-フルオロ-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを、5-(8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンについて記載されるように(ただし、6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-8-((1S,2S)-2-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)シクロプロピル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを、6-((1S,2S)-2-(6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)シクロプロピル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンと置き換えることを除いて)調製した。ES/MS m/z:487.10[M+H]。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 8.20(s,1H),8.12(s,1H),8.12(d,J=8.2Hz,1H),7.67(s,1H),7.43(d,J=6.7Hz,1H),7.33(d,J=8.2Hz,1H),5.35-5.07(m,2H),3.26-3.20(m,1H),3.11-3.04(m,1H),2.20-2.11(m,1H),2.07-1.98(m,1H)。
【0430】
生物学的データ
以下の生物学的活性データは、本発明のいくつかの実施形態の特性のいくつかを実証する。
【0431】
FASSIF及びFESSIFにおける熱力学的溶解度。
20時間の時間にわたる化合物の水中溶解度を評価した。溶解度は、BioRelevant Simulated Intestinal Fluid(SIF)粉末を用いて実験室で調製した絶食状態模倣緩衝腸液(FaSSIF、pH6.5)及び絶食状態模倣緩衝腸液(FeSSIF、pH5.0)中で周囲温度で決定した。固体を1.5mLのエッペンドルフチューブ内のFaSSIF又はFeSSIFに添加し、1分間ボルテックスし、次にEppendorfThermoMixerC内で20時間撹拌した。溶液中の濃度を決定するために、懸濁液を14,800rpmで10分間遠心分離し、上清を1mLの体積に、1:1v/vのアセトニトリル:水で希釈した。PDA UV検出器を備えたWaters Acquity UPLCを使用するUPLCによって、希釈した上清を全て分析した。結果を表3に示す。
【0432】
pH1及びpH7での速度論的溶解度
各化合物DMSOストックの100倍希釈液を、Hamilton社のSTARletリキッドハンドリングを用いて、0.45μMポリカーボネートフィルター膜を有するMilliporeの溶解性フィルタープレートで、DMSOストック3μLと適切な培地297μLを合わせて調製した。最終DMSO濃度は1.0%であり、最大理論化合物濃度は100μM(10mMのストック濃度を仮定する)である。フィルタープレートを密閉した。周囲温度(22.2~23.6℃)で24時間インキュベートした後、試料を真空濾過し、分析のために濾液を96ウェルのポリプロピレンプレートに回収した。分析のために収集プレートを密封した。濾過物を、定量化のために窒素検出器に注入した。検出器の等モル窒素応答は、装置のダイナミック範囲が0.08μg/ml~4500μg/mlの窒素に及ぶ標準を使用して較正した。濾液をこの較正曲線に関して定量化した。溶解度の計算値は、DMSOと試料調製に使用した培地中に存在するバックグラウンド窒素について補正した。
【0433】
【表3】
【0434】
アルカリホスファターゼ安定性アッセイ
アルカリホスファターゼ安定性アッセイは、精製ウシ腸アルカリホスファターゼを用いて実施した。TECAN液体ハンドラーを用いて二重のセットを行った。アッセイ基質濃度は2μMであった。精製ウシ腸アルカリホスファターゼは、Millipore Sigmaを通じて凍結乾燥粉末として入手した。100ng/mLの精製ウシ腸アルカリホスファターゼを含む及び含まない396μLのトリス緩衝液(100mM、pH7.8、1mMのMgCl及び1mMのZnCl)を含有する96ウェルプレートのウェルに、2μLの化合物(DMSO中400μMストック溶液)を添加することによって、反応混合物を調製した。試料を3分、30分、60分、120分、180分及び240分の時点で評価した。各時点で、25μLの反応混合物を、225μLのクエンチ溶液(内部標準として1%ギ酸及び100nMのラベタロールを含む99%アセトニトリル)を含有する96ウェルプレートに添加した。次いで、クエンチ試料を含有するプレートを1100RPMで10分間ボルテックスし、4500RPMで20分間遠心分離した。得られた上清150μLを、150μLの水を含有する96ウェルプレートに移し、1100RPMで3分間ボルテックスして混合した。
【0435】
試料を、正イオンエレクトロスプレーモードで動作する、Thermo Q-Exactive質量分析計にインターフェース接続されたLeap HTCオートサンプラー及びDionex UltiMate 3000 HPLCシステムを用いて分析した。Thermo Scientific Hypersil GOLD(1.9μMの粒径、50×2.1mm)HPLCカラムを使用し、移動相を0.5mL/分でポンプ輸送した。分析物の溶離は、0.1%(v/v)ギ酸を含有する水中のアセトニトリルの一連の線形勾配によって達成された。定量は、分析物/内部標準物質のピーク面積比(PAR)によるものとした。
【0436】
【表4】
【0437】
インビボでの、カニクイザルの薬物動態実験
化合物比較例B及び実施例1のインビボでの、カニクイザルの薬物動態実験を以下のように評価した。
【0438】
【化56】
【0439】
以下の製剤:0.5% Methocel E4M Premium、0.1% Tween(登録商標)-80、99.4%水を使用して、カニクイザル(N=3)に30mg/kg懸濁液として化合物比較例B塩酸塩を投与した。以下の製剤:0.5% Methocel E4M Premium、0.1% Tween(登録商標)-80、99.4%水を使用して、カニクイザル(N=3)に12.5mg/kg(50mg固定)懸濁液として化合物比較例B遊離塩基を別々に投与した。以下の製剤:0.5% Methocel E4M Premium、0.1% Tween(登録商標)-80、99.4%水を使用して、カニクイザル(N=3)に12.5mg/kg(50mg固定)懸濁液として化合物実施例1を投与した。試料を、実施例1及び比較例Bの存在について評価した。図2は、上述の懸濁製剤を使用して、比較例B又は実施例1のいずれかを投薬した後の24時間内の化合物比較例Bの血漿濃度(nM)を示す。表4に示されるように、血漿中の比較例Bについて測定したAUC 0~24時間は、実施例1を投薬した後、同等用量の比較例Bを投薬した後に測定した値よりも高かった。
【0440】
【表5】
【0441】
インビボでのラットの薬物動態実験
化合物比較例C及び実施例4のインビボでの、ウィスターハンラットの薬物動態実験を以下のように評価した。
【0442】
【化57】
【0443】
以下の製剤:30%カプチソール、5%ソルプラス、65% pH 2水を使用して、100mg/kg懸濁液として化合物比較例Cをウィスターハンラット(N=3)に投与した。以下の製剤:0.5% Methocel E4M Premium、0.1% Tween(登録商標)-80、99.4%水を使用して、100mg当量/kg(123mg/kg)溶液として化合物1170997をウィスターハンラット(N=3)に別々に投与した。試料を、比較例Cの存在について評価した。
【0444】
比較例C及び実施例4。図2は、前述の溶液製剤を使用して、比較例C又は実施例4のいずれかを投与した後の24時間以内の比較例Cの血漿濃度(nM)を示す。表4に示されるように、血漿中の比較例Cについて測定したAUC 0~24時間は、実施例4を投薬した後、同等用量の比較例Cを投薬した後に測定した値よりも高かった。
【0445】
【表6】
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化58】

(式中
Xは、C又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
Zは、C又はNであり、
ただし、X、Y及びZのうちの1つはCH又はCであり、X、Y及びZのうちの2つはNであり、
が、H及びCHOP(O)(OH)から選択され、
が、C3~6シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルが、1つ以上のRにより置換され、
が、H又はハロであり、
は、独立して、H、ハロ、C1~4アルキル、-OR、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロアリールから選択され、C1~4アルキル、C6~10アリール、又は4~10員ヘテロシクリルは、任意選択で、1つ以上のRにより置換され、
はC1~5アルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニルであり、前記C1~5アルキル、前記C1~5アルケニル、前記C1~5アルキニル、前記C6~10アリール、又は前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、1つ以上のR及びハロにより置換され、
はC1~5アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~5アルケニル、C1~5アルキニル、又は4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキル、前記C3~6シクロアルキル、前記C1~5アルケニル、又は前記C1~5アルキニルは、任意選択で、ハロと置換され、前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、C1~4アルキル、又はC1~4ハロアルキルと置換される)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、CHOP(O)(OH)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は、1つ以上のRにより置換されたC3~6シクロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
は、1つ以上のRにより置換された3~8員ヘテロシクリルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
は、1つ以上のRにより置換されたシクロプロピルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、任意選択で1つ以上のRにより置換された4~10員ヘテロアリールである、請求項1~3又は請求項5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
は、1つ以上のRにより置換された4~10員ヘテロアリールである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、任意選択でハロにより置換されている、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のハロにより置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
は、1つ以上のC1~5アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項10又は11に記載の化合物。
【請求項13】
は、1つのC1~5アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C1~5アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
は、トリフルオロエチルにより置換されたインダゾールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
は、Hである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
は、ハロである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
は、Fである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
以下:
【化59】

からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
は、3~8員ヘテロシクリルであり、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のRにより置換されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
は、1つ以上のRにより置換されたピロリジニルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
前記ピロリジニルは、2個のフルオロ基及び-ORにより置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
は、4~10員ヘテロアリールであり、任意選択で1つ以上のR及びハロにより置換されている、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記ピロリジニルは、独立して、4つのRにより置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
前記ピロリジニルは、2つのメチル基及び2つのフルオロ基により置換されている、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
前記ピロリジニルは、gemジメチルにより置換されている、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
以下:
【化60】

からなる群から選択される、請求項20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項28】
癌の治療を必要とする患者において癌を治療するための、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物又は請求項27に記載の組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0445
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0445】
【表6】

本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I:
【化58】

(式中
Xは、C又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
Zは、C又はNであり、
ただし、X、Y及びZのうちの1つはCH又はCであり、X、Y及びZのうちの2つはNであり、
が、H及びCH OP(O)(OH) から選択され、
が、C 3~6 シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルが、1つ以上のR により置換され、
が、H又はハロであり、
は、独立して、H、ハロ、C 1~4 アルキル、-OR 、C 6~10 アリール、又は4~10員ヘテロアリールから選択され、C 1~4 アルキル、C 6~10 アリール、又は4~10員ヘテロシクリルは、任意選択で、1つ以上のR により置換され、
はC 1~5 アルキル、C 1~5 アルケニル、C 1~5 アルキニルであり、前記C 1~5 アルキル、前記C 1~5 アルケニル、前記C 1~5 アルキニル、前記C 6~10 アリール、又は前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、1つ以上のR 及びハロにより置換され、
はC 1~5 アルキル、C 3~6 シクロアルキル、C 1~5 アルケニル、C 1~5 アルキニル、又は4~10員ヘテロアリールであり、前記C 1~5 アルキル、前記C 3~6 シクロアルキル、前記C 1~5 アルケニル、又は前記C 1~5 アルキニルは、任意選択で、ハロと置換され、前記4~10員ヘテロアリールは、任意選択で、C 1~4 アルキル、又はC 1~4 ハロアルキルと置換される)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(項目2)
はHである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
は、CH OP(O)(OH) である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
は、1つ以上のR により置換されたC 3~6 シクロアルキルである、項目1又は2に記載の化合物。
(項目5)
は、1つ以上のR により置換された3~8員ヘテロシクリルである、項目1又は2に記載の化合物。
(項目6)
は、1つ以上のR により置換されたシクロプロピルである、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
は、任意選択で1つ以上のR により置換された4~10員ヘテロアリールである、項目1~3又は項目5のいずれか一項に記載の化合物。
(項目8)
は、1つ以上のR により置換された4~10員ヘテロアリールである、項目7に記載の化合物。
(項目9)
は、1つ以上のC 1~5 アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C 1~5 アルキルは、任意選択でハロにより置換されている、項目8に記載の化合物。
(項目10)
は、1つ以上のC 1~5 アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C 1~5 アルキルは、1つ以上のハロにより置換されている、項目9に記載の化合物。
(項目11)
は、1つ以上のC 1~5 アルキルにより置換された4~10員ヘテロアリールであり、前記C 1~5 アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、項目10に記載の化合物。
(項目12)
は、1つ以上のC 1~5 アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C 1~5 アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、項目10又は11に記載の化合物。
(項目13)
は、1つのC 1~5 アルキルにより置換されたインダゾールであり、前記C 1~5 アルキルは、1つ以上のフルオロにより置換されている、項目12に記載の化合物。
(項目14)
は、トリフルオロエチルにより置換されたインダゾールである、項目13に記載の化合物。
(項目15)
は、Hである、項目14に記載の化合物。
(項目16)
は、ハロである、項目14に記載の化合物。
(項目17)
は、Fである、項目16に記載の化合物。
(項目18)
以下:
【化59】

からなる群から選択される、項目13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目19)
は、3~8員ヘテロシクリルであり、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のR により置換されている、項目1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目20)
は、1つ以上のRにより置換されたピロリジニルである、項目19に記載の化合物。
(項目21)
前記ピロリジニルは、2個のフルオロ基及び-OR により置換されている、項目20に記載の化合物。
(項目22)
は、4~10員ヘテロアリールであり、任意選択で1つ以上のR 及びハロにより置換されている、項目21に記載の化合物。
(項目23)
前記ピロリジニルは、独立して、4つのR により置換されている、項目20に記載の化合物。
(項目24)
前記ピロリジニルは、2つのメチル基及び2つのフルオロ基により置換されている、項目23に記載の化合物。
(項目25)
前記ピロリジニルは、gemジメチルにより置換されている、項目24に記載の化合物。
(項目26)
以下:
【化60】

からなる群から選択される、項目20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(項目27)
項目1~26のいずれか一項に記載の化合物と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
(項目28)
癌の治療を必要とする患者において、前記患者に、項目1~26のいずれか一項に記載の化合物又は項目27に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【国際調査報告】