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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】眼科デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
A61F9/007 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525519
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 IL2022051137
(87)【国際公開番号】W WO2023073706
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,315
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】522411832
【氏名又は名称】アヴィシ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】aVISI Ltd.
【住所又は居所原語表記】11 HaBarzel Street, 7th Floor, Suite A13, Tel-Aviv, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベトサー ニル
(57)【要約】
本体を備える眼科デバイスであって、本体が、眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、眼表面上の本体の高さを規定する前面と、瞼と眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、保持部が、前面の一部分で区切られ、かつ最大1mmの距離にわたって少なくとも1mmの高低差を有する、保持部と、を有する、眼科デバイス。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
前記眼表面上の前記本体の高さを規定する前面と、
瞼と前記眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、前記保持部が、前記前面の一部分で区切られ、かつ最大1mmの距離にわたって少なくとも1mmの高低差を有する、前記保持部と、を有する、前記眼科デバイス。
【請求項2】
前記本体は中空ではない、請求項1に記載の眼科デバイス。
【請求項3】
前記保持部は連続物質で作られている、請求項1または請求項2に記載の眼科デバイス。
【請求項4】
前記本体は楕円形または円形である、請求項1~3のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項5】
前記本体は、その縦軸及び横軸に対称である、請求項1~4のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項6】
前記保持部は、少なくとも1mm2の面積に対して少なくとも1mmの高さを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項7】
前記高低差は、前記本体の縁から離れる方向にある、請求項1~6のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項8】
前記距離は、前記前面の前記一部分の表面に沿って測定される、請求項1~7のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項9】
前記高低差は、前記保持部と前記本体の縁との間で測定される、請求項1~8のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項10】
前記高低差は、前記保持部の第1の部分と前記保持部の第2の部分との間で測定される、請求項1~9のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項11】
前記保持部は、前記デバイスが瞼と眼表面との間に完全に存在することを可能にする、請求項1~10のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項12】
前記本体の前記縁は、前記眼科デバイスが前記瞼の下に装着されたときに、瞼の開口部に隣接して配置される前記本体の前縁である、請求項7または請求項9に記載の眼科デバイス。
【請求項13】
前記本体は、前記眼表面から3mmの最大高さを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項14】
前記保持部は、前記前面に沿って少なくとも1mmの長さにわたって少なくとも45°の傾斜を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項15】
前記本体は、第1の部分と第2の部分とを備え、前記本体が前記眼表面上に存在しているとき、前記第1の部分は前記第2の部分よりも急速に分解する、請求項1~14のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項16】
前記第2の部分は、前記保持部の一部または全部を形成する、請求項15に記載の眼科デバイス。
【請求項17】
前記本体は、少なくとも400ミクロンの平均厚さを有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項18】
前記本体は、少なくとも400ミクロンの最大厚さを有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項19】
前記高低差が、少なくとも1.5mmである、請求項1~18のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項20】
前記眼表面上に存在しているとき、前記前面は前記瞼の内面に隣接し、前記保持部は瞼板によって所定の位置に保持される、請求項1~19のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項21】
前記本体は、治療用物質を含み、前記眼表面上に存在しているときに、前記治療用物質を前記眼内に溶出するように構成されている、請求項1~20のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項22】
前記本体の及ぶ範囲が2~8mmである、請求項1~21のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項23】
前記本体は細長い、請求項1~22のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項24】
前記本体は、前記前面と前記後面とを結ぶ軸を中心に回転対称である、請求項1~23のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項25】
前記保持部は、前記本体の最大高さ部分を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項26】
前記本体の高さは、前記保持部から前記デバイスの縁へと移るにつれて減少する、請求項1~25のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項27】
前記後面が凹面である、請求項1~26のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項28】
前記デバイスの柔らかさが0.3~1.5Mpaである、請求項1~27のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項29】
前記前面が凸面である、請求項1~28のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項30】
前記デバイスは、装着中に、前記眼表面に対して移動するように構成されている、請求項1~29のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項31】
前記後面は、前記移動を可能にするために、前記眼表面に対して十分に低い吸引力を有する、請求項30に記載の眼科デバイス。
【請求項32】
前記後面は低曲率を有する、請求項1~31のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項33】
前記後面が凸面である、請求項1~32のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項34】
前記前面の曲率半径が、前記後面の曲率半径よりも小さい、請求項1~33のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項35】
前記デバイスは、前記眼表面上に少なくとも15分間存在するように構成されている、請求項1~34のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項36】
前記本体の縁領域が、前記本体の縁から0.5mm未満で、50ミクロン未満の厚さを有する、請求項1~35のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項37】
前記本体は眼内で分解する材料を含む、請求項1~36のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項38】
前記本体は、生分解性材料及び生体侵食性材料の一方または両方を含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項39】
前記後面は1つ以上の空洞を含む、請求項1~38のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項40】
前記後面は1つ以上の突起を含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項41】
前記本体は、異なる材料特性を有する複数の層を含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項42】
前記本体が、
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロースアセテート(CA)、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマー(Kollicoat)、ポリアクリル酸(例えばCarbopolまたはCarbomer)、ヒアルロン酸、エチルセルロース、プロピレングリコール、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、デキストラン、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項43】
前記デバイスは、前記眼表面上に前記デバイスを保持するように構成された1つ以上のアンカーを備え、前記アンカーは、前記本体の鋭い縁を含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項44】
前記本体の1つ以上の縁の曲率半径が100ミクロン未満である、請求項1~43のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項45】
前記保持部は、少なくとも1mmの長さにわたって少なくとも45°の傾斜を有する前面を有する、請求項1~44のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項46】
前記デバイスは、前記前面と前記後面との間の高さが一定である、少なくとも1mmの長さを有するセクションを含む、請求項1~45のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項47】
前記保持部は、前記デバイスが瞼と眼表面との間に留まることを可能にする、請求項1~46のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項48】
前記保持部は、前記デバイスが上瞼の下に滑り込むのを防止する、請求項1~47のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【請求項49】
本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
a.前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
b.前記眼科デバイスを装着したときに瞼に隣接する前面と、
c.前記後面と前記前面との間の高さによって画定される保持部と、を備え、
前記後面上の第1の点から前記前面上の対応する点まで測定された前記高さのうちの第1の高さが、前記後面上の第2の点から前記前面上の対応する点まで測定された前記高さのうちの第2の高さと少なくとも1mm異なり、前記第2の点が前記第1の点から最大1mm離れている、前記眼科デバイス。
【請求項50】
本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
a.前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
b.前記眼科デバイスを装着したときに瞼に隣接する前面と、
c.前記後面と前記前面との間の高さによって画定される保持部と、を備え、
前記後面と前記前面との間の前記高さの少なくとも一部が、前記後面上の互いに最大1mm離れた2点から測定した場合に、少なくとも1mmだけ互いに異なる、前記眼科デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年10月27日に出願された米国仮特許出願第63/272,315号の優先権の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願の内容を参照により全体として本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、眼科デバイスに関し、より詳細には、薬剤溶出眼科デバイスに関するが、これに限定されない。
【0003】
米国特許第US9724230号は、「本明細書には、一般に、上瞼及び/または下瞼の皮膚に貼り付けられて、下の皮膚内に含まれる1つ以上のマイボーム腺に、熱または他の形態のエネルギー、圧力、薬物、水分などを(単独でまたは組み合わせて)送達するパッチまたはストリップを含むドライアイ治療装置及び方法が記載されている。治療ストリップ(複数可)は、対象者の片目または両目の近くの皮膚の下の領域に付着するように構成された1つ以上のストリップを含むことにより、1つ以上のストリップによって、対象者は1つ以上のストリップから制限を受けることなく自然に瞬きすることが可能になる。さらに、1つ以上のストリップは、皮膚の下の領域にエネルギーを放出するように構成され得、1つ以上のストリップは、皮膚の下の領域内に含まれる1つ以上のマイボーム腺の位置に従うように形作られる。」を開示する。
【0004】
米国特許第US5137728号は、「瞼の裏に使用する眼用インサートであって、凹状の後面と凸状の前面とを有する実質的に円形のディスクを含み、前記後面の曲率半径が眼球の強膜の曲率半径よりも小さく、前記インサートの中心厚が約1.5mm未満であり、前記後面の曲率半径と強膜の曲率半径との比が約0.8mm未満であり、前記眼用インサートに組み込まれ、その中に医薬が組み込まれている、眼用インサート。」を開示する。
【0005】
追加の背景技術としては、米国特許第US6217896号、米国特許第US8679078号、米国特許第US3416530号、米国特許第US3828777号、米国特許第US4014335号、米国特許第US5773021号、及び米国特許第US10010502号が挙げられる。
【発明の概要】
【0006】
以下は、本発明の実施形態のいくつかの例を含む非排他的なリストである。本発明はまた、以下に明示的に列挙されない場合でも、一例の全てよりも少ない特徴を含む実施形態、及び複数の例からの特徴を使用する実施形態も含む。
【0007】
実施例1.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
前記眼表面上の前記本体の高さを規定する前面と、
瞼と前記眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、前記保持部が、前記前面の一部分で区切られ、かつ最大1mmの距離にわたって少なくとも1mmの高低差を有する、前記保持部と、を有する、前記眼科デバイス。
【0008】
実施例2.前記本体は中空ではない、実施例1に記載の眼科デバイス。
【0009】
実施例3.前記保持部は連続物質で作られている、実施例1または実施例2に記載の眼科デバイス。
【0010】
実施例4.前記本体は楕円形または円形である、実施例1~3のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0011】
実施例5.前記本体は、その縦軸及び横軸に対称である、実施例1~4のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0012】
実施例6.前記保持部は、少なくとも1mm2の面積に対して少なくとも1mmの高さを有する、実施例1~5のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0013】
実施例7.前記高低差は、前記本体の縁から離れる方向にある、実施例1~6のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0014】
実施例8.前記距離は、前記前面の前記一部分の表面に沿って測定される、実施例1~7のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0015】
実施例9.前記高低差は、前記保持部と前記本体の縁との間で測定される、実施例1~8のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0016】
実施例10.前記高低差は、前記保持部の第1の部分と前記保持部の第2の部分との間で測定される、実施例1~9のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0017】
実施例11.前記保持部は、前記デバイスが瞼と眼表面との間に完全に存在することを可能にする、実施例1~10のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0018】
実施例12.前記本体の前記縁は、前記眼科デバイスが前記瞼の下に装着されたときに、瞼の開口部に隣接して配置される前記本体の前縁である、実施例7または実施例9に記載の眼科デバイス。
【0019】
実施例13.前記本体は、前記眼表面から3mmの最大高さを有する、実施例1~12のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0020】
実施例14.前記保持部は、前記前面に沿って少なくとも1mmの長さにわたって少なくとも45°の傾斜を有する、実施例1~13のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0021】
実施例15.前記本体は、第1の部分と第2の部分とを備え、前記本体が前記眼表面上に存在しているとき、前記第1の部分は前記第2の部分よりも急速に分解する、実施例1~14のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0022】
実施例16.前記第2の部分は、前記保持部の一部または全部を形成する、実施例15に記載の眼科デバイス。
【0023】
実施例17.前記本体は、少なくとも400ミクロンの平均厚さを有する、実施例1~16のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0024】
実施例18.前記本体は、少なくとも400ミクロンの最大厚さを有する、実施例1~17のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0025】
実施例19.前記高低差が、少なくとも1.5mmである、実施例1~18のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0026】
実施例20.前記眼表面上に存在しているとき、前記前面は前記瞼の内面に隣接し、前記保持部は瞼板によって所定の位置に保持される、実施例1~19のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0027】
実施例21.前記本体は、治療用物質を含み、前記眼表面上に存在しているときに、前記治療用物質を前記眼内に溶出するように構成されている、実施例1~20のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0028】
実施例22.前記本体の及ぶ範囲が2~8mmである、実施例1~21のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0029】
実施例23.前記本体は細長い、実施例1~22のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0030】
実施例24.前記本体は、前記前面と前記後面とを結ぶ軸を中心に回転対称である、実施例1~23のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0031】
実施例25.前記保持部は、前記本体の最大高さ部分を含む、実施例1~24のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0032】
実施例26.前記本体の高さは、前記保持部から前記デバイスの縁へと移るにつれて減少する、実施例1~25のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0033】
実施例27.前記後面が凹面である、実施例1~26のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0034】
実施例28.前記デバイスの柔らかさが0.3~1.5Mpaである、実施例1~27のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0035】
実施例29.前記前面が凸面である、実施例1~28のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0036】
実施例30.前記デバイスは、装着中に、前記眼表面に対して移動するように構成されている、実施例1~29のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0037】
実施例31.前記後面は、前記移動を可能にするために、前記眼表面に対して十分に低い吸引力を有する、実施例30に記載の眼科デバイス。
【0038】
実施例32.前記後面は低曲率を有する、実施例1~31のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0039】
実施例33.前記後面が凸面である、実施例1~32のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0040】
実施例34.前記前面の曲率半径が、前記後面の曲率半径よりも小さい、実施例1~33のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0041】
実施例35.前記デバイスは、前記眼表面上に少なくとも15分間存在するように構成されている、実施例1~34のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0042】
実施例36.前記本体の縁領域が、前記本体の縁から0.5mm未満で、50ミクロン未満の厚さを有する、実施例1~35のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0043】
実施例37.前記後面が粘膜付着性材料を含む、実施例1~36のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0044】
実施例38.前記前面は、滑らかであり、及び/または潤滑性材料を含む、実施例1~37のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0045】
実施例39.前記本体は眼内で分解する材料を含む、実施例1~38のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0046】
実施例40.前記本体は、生分解性材料及び生体侵食性材料の一方または両方を含む、実施例1~39のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0047】
実施例41.前記後面は1つ以上の空洞を含む、実施例1~40のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0048】
実施例42.前記後面は1つ以上の突起を含む、実施例1~41のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0049】
実施例43.前記デバイスは1つ以上の電子的要素を備える、実施例1~42のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0050】
実施例44.前記デバイスは、乾燥形態または半水和形態で供給される、実施例1~43のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0051】
実施例45. 前記本体は、異なる材料特性を有する複数の層を含む、実施例1~44のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0052】
実施例46.前記本体が、
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロースアセテート(CA)、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマー(Kollicoat)、ポリアクリル酸(例えばCarbopolまたはCarbomer)、ヒアルロン酸、エチルセルロース、プロピレングリコール、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、デキストラン、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、実施例1~45のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0053】
実施例47.前記デバイスは、前記眼表面上に前記デバイスを保持するように構成された1つ以上のアンカーを備える、実施例1~46のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0054】
実施例48.前記アンカーは、前記本体の鋭い縁を含む、実施例47に記載の眼科デバイス。
【0055】
実施例49.前記本体の1つ以上の縁の曲率半径が100ミクロン未満である、実施例1~48のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0056】
実施例50.前記保持部は、少なくとも1mmの長さにわたって少なくとも45°の傾斜を有する前面を有する、実施例1~49のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0057】
実施例51.前記デバイスは、前記前面と前記後面との間の高さが一定である、少なくとも1mmの長さを有するセクションを含む、実施例1~50のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0058】
実施例52.前記保持部は、前記デバイスが瞼と眼表面との間に留まることを可能にする、実施例1~51のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0059】
実施例53.前記保持部は、前記デバイスが上瞼の下に滑り込むのを防止する、実施例1~52のいずれか1項に記載の眼科デバイス。
【0060】
実施例54.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
a.前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
b.前記眼科デバイスを装着したときに瞼に隣接する前面と、
c.前記後面と前記前面との間の高さによって画定される保持部と、を備え、
前記後面上の第1の点から前記前面上の対応する点まで測定された前記高さのうちの第1の高さが、前記後面上の第2の点から前記前面上の対応する点まで測定された前記高さのうちの第2の高さと少なくとも1mm異なり、前記第2の点が前記第1の点から最大1mm離れている、前記眼科デバイス。
【0061】
実施例55.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
a.前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
b.前記眼科デバイスを装着したときに瞼に隣接する前面と、
c.前記後面と前記前面との間の高さによって画定される保持部と、を備え、
前記後面と前記前面との間の前記高さの少なくとも一部が、前記後面上の互いに最大1mm離れた2点から測定した場合に、少なくとも1mmだけ互いに異なる、前記眼科デバイス。
【0062】
実施例56.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
後面と、
前記眼科デバイスが弛緩した構成で配置される平面の上の前記本体の高さを規定する前面であって、前記後面が前記平面に隣接する、前記前面と、
瞼と眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、前記保持部が、前記前面の一部分で区切られ、かつ最大1mmの距離にわたって少なくとも1mmの高低差を有する、前記保持部と、を有する、前記眼科デバイス。
【0063】
実施例57.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
前記眼表面上の前記本体の高さを規定する前面と、
瞼と前記眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、前記保持部が、前記前面の一部分で区切られ、前記前面の前記一部分が、前記前面に沿って少なくとも1mmの長さにわたって、前記眼表面に対して少なくとも45°の傾斜を有する、前記保持部と、を備える、前記眼科デバイス。
【0064】
実施例58.本体を備える眼科デバイスであって、
前記本体が、
前記眼科デバイスを装着したときに眼表面に隣接する後面と、
前記眼科デバイスが弛緩した構成で配置される平面の上の前記本体の高さを規定する前面であって、前記後面が前記平面に隣接する、前記前面と、
瞼と前記眼表面との間に存在するように構成された保持部であって、前記保持部が、前記前面の一部分で区切られ、前記前面の前記一部分が、前記前面に沿って少なくとも1mmの長さにわたって、前記平面に対して少なくとも45°の傾斜を有する、前記保持部と、を備える、前記眼科デバイス。
【0065】
実施例59.第1の部分と第2の部分とを有する本体であって、前記本体が眼表面上に存在しているとき、前記第1の部分は前記第2の部分よりも急速に分解する、前記本体、を備える、眼科デバイス。
【0066】
実施例60.眼を治療する方法であって、
a.実施例1、54、55、56、57、58または59に記載の眼科デバイスを瞼と前記眼の表面との間に挿入することと、
b.少なくとも1つの薬剤を前記眼内に放出することと、を含む、前記方法。
【0067】
実施例61.前記挿入することは、下眼瞼の下に挿入することを含む、実施例60に記載の方法。
【0068】
実施例62.前記挿入することは、上眼瞼の下に挿入することを含む、実施例60または実施例61に記載の方法。
【0069】
実施例63.前記挿入することは、前記眼の瞼板の裏に挿入することを含む、実施例60~62のいずれか1項に記載の方法。
【0070】
実施例64.前記挿入することは、前記デバイスを、眼球結膜上と、少なくとも部分的に前記瞼の下とに配置することを含む、実施例60~63のいずれか1項に記載の方法。
【0071】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るものの、例示的な方法及び/または材料は以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、及び例は例示的にすぎず、必ずしも限定することは意図されていない。
【0072】
本発明の実施形態の方法及び/またはシステムの実施には、選択されたタスクを手動で、自動で、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含めることができる。さらに、本発明の方法及び/またはシステムの実施形態の実際の計装及び機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、もしくはファームウェアによって、またはそれらの組み合わせによって、オペレーティングシステムを使用して実施することができる。
【0073】
例えば、本発明の実施形態に従って選択されたタスクを行うためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の好適なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施することができる。本発明の典型的な実施形態において、本明細書に記載する方法及び/またはシステムの典型的な実施形態による1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するための計算プラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサには、命令及び/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、及び/または命令及び/またはデータを記憶するための不揮発性記憶装置、たとえば、磁気ハードディスク及び/またはリムーバブルメディアが含まれる。任意選択で、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ、及び/またはユーザ入力装置、例えばキーボードまたはマウスも、任意選択で提供される。
【0074】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るものの、例示的な方法及び/または材料は以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0075】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るものの、例示的な方法及び/または材料は以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0076】
当業者には理解されるように、本発明のいくつかの実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本明細書では一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれ得る、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)に具現化されているコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。本発明のいくつかの実施形態の方法及び/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行及び/または完了することを含む場合がある。さらに、本開示の方法及び/またはシステムのいくつかの実施形態の実際の計装及び設備によれば、いくつかの選択されたタスクは、例えばオペレーティングシステムを使用して、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、及び/またはそれらの組み合わせによって実施することができるであろう。
【0077】
例えば、本発明のいくつかの実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本発明のいくつかの実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施することができる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法及び/またはシステムの例示的な実施形態による1つまたは複数のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令及び/またはデータを格納するための揮発性メモリ、及び/または命令及び/またはデータを格納するための不揮発性ストレージ、例えば、磁気ハードディスク及び/またはリムーバブルメディアを含む。任意選択で、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ、及び/またはキーボードまたはマウスなどのユーザ入力デバイスも任意選択で提供される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態には、1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定ではないが、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または任意の前述の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより多くの具体例は、1つ以上の通信回線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせを含むであろう。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のために、またはそれらと接続してプログラムを含むまたは記憶することができる任意の有形媒体であり得る。
【0079】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドでまたは搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含み得る。このような伝搬信号は、電磁、光学、またはその任意の組み合わせを含むが、これに限定されるものではない様々な形のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のために、またはそれらと接続してプログラムを通信、伝搬、またはトランスポートできる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0080】
コンピュータ可読記憶媒体上に具現化されるプログラムコード及び/またはそれによって使用されるデータは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これに限定されるものではない任意の適切な媒体を使用し、伝達され得る。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、例えばJava、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び例えば「C」プログラミング言語または類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含んだ1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成されてよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアローンのソフトウェアパッケージとして実行すること、部分的にユーザのコンピュータ上で実行し、部分的にリモートコンピュータ上で実行すること、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することが可能である。後者のシナリオでは、リモーユーザュータは、ローカルエリアネットユーザLAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いるインターネット経由で)接続することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/またはブロック図を参照して以下に説明される。フローチャート図及び/またはブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラム可能データ処理装置に提供され得、これにより、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、ブロックまたは複数のブロックのフローチャート及び/またはブロック図に指定される機能/行為を実施するための手段を作成する。
【0083】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するように命令できるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、これによりコンピュータ可読媒体に記憶される命令は、ブロックまたは複数のブロックのフローチャート及び/またはブロック図に指定される機能/行為を実施する命令を含んだ、製造品を製造する。
【0084】
コンピュータプログラム命令は、一連の操作ステップを、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイスで実行させて、コンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行する命令が、ブロックまたは複数のブロックのフローチャート及び/またはブロック図で指定される機能/行為を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを作り出すためにコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスの上にロードされてもよい。
【0085】
本明細書に記載の方法のいくつかは、一般に、コンピュータによる使用のみを目的として設計されており、人間の専門家が完全に手動で実行するには適していない、または実用的ではない場合がある。物体の検査など、同様のタスクを手動で実行したい人間の専門家は、全く異なる方法、例えば、専門知識を利用する方法、及び/または人間の脳のパターン認識能力を利用する方法を用いることが予想され得、それにより本明細書に記載の方法のステップを手動で行うよりもはるかに効率が良くなるはずである。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。ここで図面を詳細にわたって具体的に参照するが、図示されている細部は例示として本発明の実施形態を説明的に考察することを目的としたものであることを強調しておく。これに関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにする。
【0087】
図面では、いくつかの実施形態において、同様の数字は同様の要素を指す。例えば、図6Aの要素616は、いくつかの実施形態では、図13Aの要素1316に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスを用いた治療方法である。
図3A】眼の簡略断面図である。
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、閉眼時の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略断面図である。
図3C】本発明のいくつかの実施形態による、開眼時の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略断面図である。
図3D】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略上面図である。
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略上面図である。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、閉眼時の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略断面図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、瞼の下の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイス600の簡略上面図である。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの一部分の断面を示す簡略図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図10】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図13A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略図である。
図13B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図13C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略上面図である。
図14】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図15A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略上面図である。
図15B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略図である。
図15C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図15D】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図17】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図18】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図19】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図20】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略上面図である。
図21】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図22】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図23】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図24】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図25A】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上に配置されたデバイスの簡略断面図である。
図25B】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図26】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図27A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略上面図である。
図27B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図27C】本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2700の簡略断面図である。
図28】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの分解プロセスである。
図29】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図30】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図31A】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の眼科デバイスの簡略断面図である。
図31B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略図である。
図31C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略上面図である。
図32】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図33】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図34】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図35】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図36】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図37】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
図38】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図39】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図40】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図41】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図42】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図43】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図44】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図45】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図46】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図47】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図48】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図49】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図50】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略断面図である。
図51】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図52】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図53】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図54】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図55】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図56】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図57】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図58】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図59A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図59B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図60】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図61】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
図62A】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面の一部分の簡略断面図である。
図62B】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の眼科デバイスの簡略断面図である。
図62C】本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の眼科デバイスの簡略断面図である。
図63】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上のデバイスの一部分の簡略断面図である。
図64】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図65】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図66】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略断面図である。
図67】A~Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイスの一部分の簡略断面図である。
図68】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの崩壊進行のフローチャートである。
図69】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイスの簡略断面図である。
図70】A~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイスの簡略断面図である。
図71】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図72】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
図73】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面7304上のデバイスの簡略断面図である。
図74】A~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルムの簡略断面図である。
図75】本発明のいくつかの実施形態による、製造方法である。
図76】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、眼科デバイスに関し、より詳細には、薬剤溶出眼科デバイスに関するが、これに限定されない。
【0090】
概要
いくつかの実施形態の広範な態様は、眼に配置されたときに眼中に留まる、眼の治療及び/または保護のための眼科デバイスに関する。例えば、治療期間中に、眼科デバイスは、配置された眼の領域から移動することがなく、及び/または眼から排出されることがない。いくつかの実施形態では、デバイスは、瞼の下及び/または眼球の一部分及び/または虹彩に達しない眼球の一部分に配置される。一方、いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザにとって快適な装着感を保つ。
【0091】
いくつかの実施形態では、デバイスは、対象者の通常の活動、例えば、まばたき、涙を流す、泣く、発汗、洗浄(例えば、シャワー)、歩行、運動、睡眠のうちの1つ以上を行う間、眼の上にあり、及び/または所定の位置(例えば、瞼の下)に留まる。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば睡眠中及び/または半意識状態または無意識状態の患者の場合など、眼が主に閉じている間、眼の上に存在し、及び/または所定の位置に留まる。
【0092】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、デバイスが眼の中にある間に放出される(例えば、デバイスから溶出する)1つ以上の治療薬及び/または他の化合物(複数可)を含む。
【0093】
いくつかの実施形態の態様は、眼瞼の下の所定の位置に留まるように構成された眼科デバイスに関する。いくつかの実施形態では、任意選択で、眼科デバイスの一部分は眼の瞼の下の位置に留まり、一方、眼科デバイスの別の部分は、任意選択で虹彩に到達せずに、瞼の外側に延びる。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の表面と瞼との間に完全に存在して留まるように構成される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、瞼の外側に延びる部分を一切含まない。いくつかの実施形態では、デバイスは眼球結膜上及び瞼の下に配置されるように構成される。例えば、眼を開いたり閉じたりするとき(例えばまばたき)である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、デバイスを瞼の下に維持するサイズ及び/または形状の保持部を含む。いくつかの実施形態では、保持部は眼科デバイス全体である。いくつかの実施形態では、保持部は、デバイスが瞼の下の所定の位置に留まるように、眼組織に対して十分に厚く、及び/または十分な高さ及び/または十分に高い傾斜を呈する。例えば、デバイスの前面は、眼組織、例えば瞼の縁及び/または瞼板に対して十分な高さ及び/または傾斜を呈する。いくつかの実施形態では、厚さ及び/または高さは、1つ以上の方向に十分に延びている。いくつかの実施形態では、保持部は、眼組織に対して十分な傾斜を呈する前面を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、保持部の特性は、保持部における前面の形状、デバイスの厚さ(例えば、前面と後面との間で規定される)、後面の形状のうちの1つ以上に依存する。いくつかの実施形態では、眼表面上にある場合、保持部の特性は、デバイスの材料特性(例えば、柔軟性)と、デバイスが眼表面上及び/または瞼の下の所定の位置にあるときに受ける力とに、さらに依存する。
【0095】
前面が平面である場合、いくつかの実施形態では、保持部の高さは、その部分におけるデバイスの厚さと同じである。
【0096】
いくつかの実施形態では、保持部の高さ及び/または傾斜は、乾燥構成及び/または水和構成にある場合、例えば、この文書で定量化されているように、弛緩構成にあるデバイスに関して、かつデバイスが置かれている平面、及び/またはデバイスの縁外周の大部分を接続する平面との関連で、規定される。
【0097】
いくつかの実施形態では、保持部の高さ及び/または傾斜は、乾燥構成及び/または水和構成にある場合、例えば、この文書で定量化されているように、デバイスが配置される眼球の予想される曲率半径、を(例えば、曲率半径を有する球体のような1つ以上の方向に)有する表面上、例えば、成人のヒト眼球の曲率半径、例えば、両方向において、例えば、約12mmの曲率半径を有する表面上の弛緩構成にあるときの装置について規定される。
【0098】
いくつかの実施形態では、保持部の高さ及び/または傾斜は、乾燥構成及び/または水和構成にある場合、例えば、この文書で定量化されているように、いくつかの実施形態において、デバイスと眼表面との間の吸引及び/またはデバイスへの(例えば、瞼による)圧力によってデバイスが変形(例えば、平坦化)される眼表面上にあるときのデバイスについて規定される。
【0099】
いくつかの実施形態では、デバイスの一部分(複数可)の高さは、後面の曲率によって影響を受け、同じ厚さのデバイスの場合、曲率が高いほど高さが高くなる。しかし、いくつかの実施形態では、後面の曲率が高いほど、眼表面に装着されたときにデバイスの平坦度が増す(高さ(複数可)が低くなる可能性がある)関係がある。
【0100】
いくつかの実施形態では、保持部は、十分に高い傾斜を有する部分と、それに続く十分な長さ及び/または面積を有する十分な厚さを有する部分とを有する。
【0101】
ここで、例えば、保持部は、本明細書で説明されるように、前縁(または保持部の縁)からの距離に応じた高さを有し、また、保持高さを超える高さを有する部分も含み、その部分は十分な範囲を有する。例えば、面積は、少なくとも1mm2、または0.5~3mm2、または0.5~2mm2、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の面積もしくは範囲である。ここで、保持高さは、0.5~5mm、または1~3mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の高さもしくは範囲である。ここで、いくつかの実施形態では、十分な傾斜及び/または高さの後に、例えばすぐに、例えば先行する凹部なしに、保持高さ以上を有する部分が続く。いくつかの実施形態では、デバイスの最大高さは、保持高さの3倍未満、または2倍未満、または1.5倍未満、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。いくつかの実施形態では、デバイス及び/または保持部は、0.5~4mmの保持部の傾斜要件を満たした後、保持部の傾斜よりも低い傾斜を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、デバイス保持部は、デバイスの縁(例えば、前縁)から及び/または保持部の縁から1mm内側で少なくとも1mmの高さを有する。いくつかの実施形態では、デバイス保持部は、デバイスの前縁から(及び/または保持部の縁から)0.5mm、または1mm、または2mmでの高さが、少なくとも50~2500ミクロン、または少なくとも500~1000ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さもしくは範囲である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、少なくとも1mmの長さを有し、前記前面と前記後面との間の高さが一定であるセクションを含む。
【0103】
前縁からの距離及び/または保持部の縁からの距離は、いくつかの実施形態では、高さの測定に関して、前面に沿って及び/または前述の表面に沿って測定される。
【0104】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、上記の眼科デバイスが装着されたときに眼の表面に隣接する後面と、上記の眼科デバイスが装着されたときに瞼に隣接する前面と、後面と前面との間の高さによって画定される保持部とを含む本体を含む。いくつかの実施形態では、後面上の第1の点から前面上の対応する点まで測定された高さのうちの第1の高さが、後面上の第2の点から前面上の対応する点まで測定された高さのうちの第2の高さと少なくとも1mm異なり、第2の点が第1の点から最大1mm離れている。
【0105】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼科デバイスが装着されたときに眼の表面に隣接する後面と、眼科デバイスが装着されたときに瞼に隣接する前面と、後面と前面との間の高さによって画定される保持部とを含む本体を含む。いくつかの実施形態では、後面と前面との間の高さの少なくとも一部が、後面上の互いに最大1mm離れた2点から測定した場合に、少なくとも1mmだけ互いに異なる。
【0106】
いくつかの実施形態では、デバイスが眼の中に入った後、少なくとも部分的にデバイス保持部が形成される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、しわくちゃになり、及び/または押しつぶされ、及び/または折り畳まれて、保持部を提供する。いくつかの実施形態では、瞼の動きの下で形成される。
【0107】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの保持部により、眼科デバイスが瞼と眼表面との間に留まることが可能になる。いくつかの実施形態では、眼科デバイスが下瞼の下に配置されると、保持部は眼科デバイスが下瞼から出るのを防止する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスが上瞼の下に配置されると、保持部は眼科デバイスが上瞼から出るのを防止する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼の表面上に配置されているが、下瞼または上瞼の下には配置されていないとき(例えば、眼の表面上の目に見える場所に配置されているとき)、眼科デバイスの保持部は、眼科デバイスが上瞼の下に滑り込むのを防ぐ一方で、任意選択的に、ユーザが眼を閉じたときに眼科デバイスが下瞼の下に滑り込むことを可能にする。
【0108】
いくつかの実施形態では、デバイスは厚く、例えば、前面と後面との間の最大及び/または平均の厚さが少なくとも400~2500ミクロン、または少なくとも約1mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さもしくは範囲である。このような厚さ(任意選択で、保持部及び/またはデバイスの範囲と組み合わせた厚さ)の潜在的な利点は、デバイスの対応する容積であり、いくつかの実施形態では、この容積が、治療用物質をデバイスに装填することを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスの容積は、1~500マイクロリットル、または1~100マイクロリットル、または1~50マイクロリットル、または10~50マイクロリットル、または20~100マイクロリットル、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の容積もしくは範囲である。
【0109】
いくつかの実施形態では、デバイスの質量は、1~500mg、または1~100mg、または1~50mg、または10~50mg、または10~30mg、または15~20mg、または20~100mg、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の質量もしくは範囲である。
【0110】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1~500mg、または20~500mg、または20~150mg、または20~120mg、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の重量もしくは範囲の治療薬(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1%~50%、または1~20%、またはそれより低いもしくは中間のもしくはそれより高いパーセンテージもしくは範囲の治療薬(複数可)から形成される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの全体または大部分は治療薬(複数可)であり、例えば、デバイスは、重量及び/または体積で、少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の治療薬(複数可)、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージである。
【0111】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、多量の治療成分(複数可)(例えば、約1mg~約20mg、または1mgより多い、または20mgより多い、または0.2~1mg、または1~4mg、または4~10mg、または10~20mg、または20~50mg、またはより低いもしくはより高いもしくは中間の用量もしくは範囲)を含み、及び/またはそのような成分(複数可)を眼の表面に溶出することができる。
【0112】
眼科デバイスの潜在的な利点は、治療成分(例えば、局所的に塗布される製剤(複数可)よりも多量)を眼の表面及び/または眼球内に投与する能力である(眼球注射に代わる可能性がある)。例えば、最大1%の濃度の治療成分を含む局所適用製剤を点眼薬として適用する場合、例えば30マイクロリットルは0.3mgであり、治療成分の大部分は数分以内に眼から自然に洗い流されると予想される。
【0113】
眼表面にある間に大量の薬剤を溶出する眼科デバイスの潜在的な利点は、鼻腔内領域及び/または脳及び/または頭部及び/または別の標的器官に薬物の適切な濃度を提供及び/または維持する能力であり、及び/または全身的な薬物送達を提供する能力(例えば、カンナビノイド及び/またはオピオイドの「マイクロ投与」などの投与)である。いくつかの実施形態では、デバイスは娯楽目的の薬物使用のために使用される。
【0114】
いくつかの実施形態では、デバイスの保持部は、デバイスの前縁に隣接するデバイスの部分であり、いくつかの実施形態では、デバイスの前縁を含むデバイスの部分である。ここで、いくつかの実施形態では、デバイスの前縁は、デバイスが瞼の下にあるときに、瞼の縁及び/または開口部に最も近いデバイスの周縁の一部分として定義される。
【0115】
理論に縛られるつもりはないが、いくつかの実施形態では、瞼の瞼板とデバイスの傾斜(及び/またはデバイスの保持部)との間の相互作用が、デバイスを瞼板の裏の瞼内に保持するように作用すると理論付けられている。いくつかの実施形態では、瞼板とデバイスとの間の相互作用は、デバイスの周囲の瞼の組織の変形に関連する。いくつかの実施形態では、瞼板の力に代えて、または加えて、瞼の変形による組織の反作用力がデバイスに作用して、例えば、デバイスが瞼から外れる、及び/または眼の結膜嚢の奥深くに移動するのを防ぐ。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、眼球とデバイスの後面との間の力がデバイスの移動を防止するように作用し、いくつかの実施形態では、力には、デバイス上、次いで眼球に対する瞼の圧力の反力、及び/またはデバイスと眼球との間の吸引力が含まれる。
【0116】
いくつかの実施形態では、保持部は、眼科デバイスの周囲、例えば眼科デバイスの周囲の20~100%にわたって延在する。デバイスの周囲(例えば、デバイスの50%を超える大きな部分)に延在する保持部を持つデバイスの潜在的な利点は、デバイス(例えば、瞼板)に対する保持力が増加すること、及び/またはデバイスが回転した場合に、瞼の縁が保持部と相互作用し続ける可能性が増加することである。
【0117】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは対称的であり、例えば、軸を中心に回転対称性を有する。例えば、デバイスが配置されている眼表面に垂直な軸、及び/または中心軸、例えば、前面と後面の中心を結ぶ軸として定義される中心軸を中心とする。回転対称性の潜在的な利点は、眼科デバイスが眼内に装着されている間に回転した場合に、保持部と瞼の縁及び/または瞼板との相互作用が維持されることである。
【0118】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、複数の保持部を含む。潜在的な利点としては、デバイスを所定の位置に保持するための保持部と瞼との相互作用の領域が拡大することが挙げられる。潜在的な利点としては、第1の保持部が機能しなくなってデバイスが瞼の下から抜け出した場合、及び/または第1の保持部が瞼板の下から抜け出した場合、眼科デバイスは、第2の保持部によって少なくとも部分的に瞼の下に保持される可能性があることである。デバイスの隆起部分を複数持つこと(例えば、保持部によって提供される)の潜在的な利点は、隆起した表面によって挟み込み除去が容易になることである。挟み込み除去とは、いくつかの実施形態では、デバイスの異なる部分に2つの対向する力が加えられて、デバイスと眼表面との間の吸引力が解除され、及び/またはデバイスの一部分(複数可)(例えば、力が加えられた部分の間)が眼表面から遠ざけられることである。いくつかの実施形態では、対向する力は、例えば親指と他の指、例えば人差し指によってユーザによって手動で加えられる。例えば、デバイスの伸長軸に沿った外側領域(複数可)に提供される。いくつかの実施形態では、複数の保持部を含む眼科デバイスは、デバイスの後面に1つ以上の空洞、例えば各突起用の空洞を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、例えば、デバイスが対称である場合、保持部は、デバイスの縁全体、またはデバイスの周囲の大部分、例えば少なくとも50%、または少なくとも80%、または少なくとも90%によって形成される。デバイスの縁の全てまたは大部分の利点は、デバイスを回転させた場合でも、デバイスが瞼の下に保持される可能性が高くなることである。
【0120】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、それが配置される眼の表面に付着するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスが瞼の下から部分的にまたは完全に抜け出した場合に、デバイスの眼表面(例えば、強膜)への付着力は、例えば少なくとも短時間、例えばまばたきの間(いくつかの実施形態では、数回、例えば1~10回のまばたきの間)、デバイスを眼の上に維持するのに十分である。いくつかの実施形態では、デバイスが瞼の下から脱出及び/または出現すると、デバイスは(例えば手動で)瞼の下に戻される。
【0121】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスを眼表面に付着させるだけで、デバイスの回転を防ぐのに十分である。例えば、回転対称でないデバイス、及び/または局所的な保持部を有するデバイス、及び/またはデバイス上に非対称に配置された保持部を有するデバイスの場合である。
【0122】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの眼表面(例えば、強膜)への付着は、デバイスと眼表面との間の吸引力と関連している。
【0123】
例えば、いくつかの実施形態では、眼表面に隣接する眼科デバイスの後面は、1つ以上の方向に湾曲しており、例えば凹面となっている。この曲線により、デバイスと眼表面との間の吸引力が増加する可能性がある。
【0124】
いくつかの実施形態では、後面の曲率は、1つ以上の方向において強膜の曲率の0.1~1である。いくつかの実施形態では、後面の曲率半径は、1つ以上の方向において、1~15mm、または1~10mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の半径もしくは範囲であり、及び/または強膜の曲率半径に対する比率は、0.1~2、または0.5~1、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の比率もしくは範囲である。いくつかの実施形態では、後面の曲率が低くなることは、眼表面との間の吸引力が低下することと関連しており、再配置が可能になり、及び/またはユーザの快適性が向上する可能性がある。
【0125】
いくつかの実施形態では、1つ以上の方向における後面の曲率は、強膜の曲率よりも低く、例えば、後面の曲率半径の、強膜の曲率半径に対する比は、0.8より大きい。いくつかの実施形態では、後面の異なる部分は異なる曲率半径を有するが、いくつかの実施形態では、これらの各部分は強膜の曲率よりも低い曲率を有する。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される寸法及び/またはその比率(例えば、曲率)は、平均的な成人のヒトの眼の曲率に関連する。例えば、いくつかの実施形態では、強膜の曲率半径RSは約12mmである。いくつかの実施形態では、寸法及び/または曲率は、異なる解剖学的構造、例えば子供の眼、例えば動物の眼、例えば異なる表面(例えば粘膜表面)に合わせて選択される。
【0127】
例えば、デバイスが異なる寸法及び/または曲率を持つ眼(例えば動物の眼、子供の眼)に使用される場合、デバイスのサイズ(複数可)及び/または曲率(複数可)は、眼のタイプ及び/または特定の眼での使用に合わせて調整される(例えば個人に合わせて調整されたデバイス)。例えば、デバイスの1つ以上の寸法、例えば、デバイスのフットプリントの長さ及び/または幅、及び/または保持領域の(例えば、本文書内で説明されている)高さ及び/または傾斜が、例えば、問題になっている眼の1つ以上の測定パラメータ、例えば、眼の半径及び/または直径及び/または最大範囲を使用してスケーリングされる場合である。
【0128】
いくつかの実施形態では、例えば、表面に空洞(複数可)及び/または突起(複数可)が含まれ、及び/または表面テクスチャがある場合、表面(及び/または縁及び/または角)の曲率半径は、表面(及び/または縁及び/または角)の少なくとも60%、または80%、または90%の曲率に一致する円の半径として定義される。
【0129】
いくつかの実施形態では、デバイスは、引き続き低い曲率半径の後面を有する。いくつかの実施形態では、デバイスは、後部の曲率半径が低いにもかかわらず、所定の位置に留まる。例えば、後面の曲率半径と眼の曲率半径との比が、0.1~0.8、または0.1~0.5、または0.6~0.95、または0.8~0.95、または0.8~1、または約0.8より大きい、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは比である場合である。例えば、後面の曲率半径が、デバイスが付着される眼の部分(例えば強膜)の曲率半径と同じか、またはそれより大きい場合である。例えば、いくつかの実施形態では、後面が平坦または凸状であるにもかかわらずである。例えば、1つ以上の粘膜付着特性(複数可)及び/または固着機能(複数可)により、デバイスが眼表面に付着することが可能になる場合である。
【0130】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、異なる材料特性を有する複数の層及び/または部分を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、潤滑性層、粘膜付着性層、及び追加層のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の層が、治療用物質を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は、凹状の後面を有する。いくつかの実施形態では、眼表面(例えば、強膜)と接触した後面の凹面により、眼表面へのデバイスの付着性が高まる。例えば、凹面は、デバイスと眼表面との間に吸引力を提供して、デバイスを眼表面に付着させる。任意選択的に、いくつかの実施形態では、デバイスの後面の1つ以上の部分の曲率半径は、デバイスが付着する眼の部分の曲率半径よりも小さい。例えば、強膜である。
【0132】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は中空ではない。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は連続物質で作られており、これは、その中に巨視的な隙間及び/または空領域を含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、隙間または空領域は、0.2mmより大きい場合にマクロ的であると定義される。
【0133】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は楕円形または円形である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は、その縦軸及び横軸の両方に対して対称である。例えば、眼科デバイスを前面から見ると、デバイスは縦軸に対しても横軸に対しても対称である。いくつかの実施形態では、デバイスは、楕円形及び/または長円形の断面形状を備える。
【0134】
いくつかの実施形態では、後面は例えば滑らかであり、眼表面とデバイスとの接触に関連する刺激を軽減できる可能性がある。いくつかの実施形態では、後面には、後面と眼表面との間の摩擦によって付着力を高める可能性のある粗い部分(複数可)及び/またはアンカー(複数可)が含まれる。いくつかの実施形態では、後面の縁領域(及び任意選択で、例えば、いくつかの実施形態では、滑らかな中央領域ではない領域)は粗く、及び/またはアンカー(複数可)及び/または突起及び/または空洞を含む。いくつかの実施形態では、後面は前面よりも滑らかである。いくつかの実施形態では、後面及び前面の両方が同様に滑らかである。
【0135】
いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスと強膜との間の付着性を高めるための1つ以上の特徴を含む。例えば、デバイスの後面及び/または縁に位置する粗さ及び/またはアンカー(例えば、空洞(複数可)、突起(複数可)、及び/またはフック(複数可))である。
【0136】
いくつかの実施形態の態様は、瞼の下に留まるように構成される(例えば、保持部を有する)が、可動性を有し、及び/またはデバイスと眼表面との間の流体の流れを可能にする眼科デバイスに関する。デバイスと眼球との間の可動性または流体の流れの潜在的な利点は、ユーザの快適性の向上、及び/またはデバイスの下での細菌増殖のリスクの低減(例えば涙液交換に関連する)である。
【0137】
いくつかの実施形態では、眼表面上のデバイスの可動性は、デバイスの後面と眼球表面との間の吸引が少ないこと、及び/または吸引シールが破れやすいことと関連している。例えば、いくつかの実施形態では、後面は、凹面度が低い(例えば、上述のような曲率半径を有する)、または凹面ではない、または凸面である1つ以上の部分を含み、これにより、デバイスが眼球表面と密閉する能力が低下する可能性がある。いくつかの実施形態では、デバイスは眼球表面とのシールを形成することができ、例えば、凸状の後面及び/またはシールが破れやすい柔軟な縁を有していて、例えば、デバイスが眼表面上で(例えば周期的に)移動できるようにする。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの一部分にのみシールエッジ(例えば、フレキシブル)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは細長く、デバイスと眼表面との間の吸引力の遮断を容易にする可能性がある。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、保管時及び使用時の両方でサイズ及び/または形状を維持する眼科デバイスに関するものであり、いくつかの実施形態では、デバイスは乾燥形態で提供され、眼表面上に存在している間に任意選択で水和する。潜在的な利点としては、水和中及び/または使用中のデバイスの歪みが低減され、使用中にデバイスの形状及び/または機械的特性が維持されることが挙げられる。例えば、治療薬(複数可)が分解する可能性が低くなり、及び/または分解が遅くなる乾燥形態でデバイスを保管できるため、例えば、デバイスの保存期間が長くなる可能性がある。
【0139】
いくつかの実施形態では、デバイスが(例えば、眼表面上で)水和されると、デバイスの容積は20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージだけ増加する。いくつかの実施形態では、デバイスが水和するにつれて、1つ以上の最大断面寸法が、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージだけ増加する。
【0140】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、乾燥時及び水和時に柔らかい眼科デバイスに関する。いくつかの実施形態では、デバイスは乾燥形態で提供され、眼表面上に存在する間に任意選択で水和する。乾燥形態で柔らかいデバイスの潜在的な利点は、事前に水和及び/または軟化を行わずにデバイスを眼に適用できることである。
【0141】
柔らかい眼科デバイスの潜在的な利点は、眼への刺激が軽減されることであり、例えば、場合によっては治療用物質及び/または栄養物を洗い流してしまう、デバイスの存在に伴う涙液が減少することが挙げられる。
【0142】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの少なくとも一部分は、眼内で分解及び/または崩壊する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、部分的または完全に生分解性及び/または生体内分解性となるように設計された生体適合性デバイスである。
【0143】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイスが眼表面に付着されると、デバイスの一部分が分解する。例えば、1つ以上の粘膜付着性部分及び/または1つ以上の潤滑性部分である。
【0144】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、眼内で、約1分~30分、または15分~1時間、または約0.5時間~8時間、または4~24時間、または12時間~3日、または1日~7日、または3日~2週間、または1週間~1か月、またはそれより短いもしくは長いもしくは中間の期間もしくは範囲で分解するように選択される。
【0145】
いくつかの実施形態では、1つ以上の部分が分解して、治療用物質の溶出を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、治療用物質を含む部分が分解すると、治療用物質が眼組織及び/または眼液に溶出する。例えば、いくつかの実施形態では、一部分が分解して、治療用物質を含む一部分が現れる。ここで、いくつかの実施形態では、分解部分は、最初は治療用物質を含む部分の少なくとも一部分を覆う。
【0146】
いくつかの実施形態では、デバイスの少なくとも一部分は、生物学的環境、例えば、生物系、例えば、眼、及び/または生物系の条件をシミュレートする同様のインビトロ環境に曝露されると、分解され、及び/またはその特性が劣化する。いくつかの実施形態では、デバイスの分解及び/または劣化は、デバイスの物理的特性の1つ以上、例えば、デバイスの完全性、デバイス本体(例えば、デバイス本体のフィルム)の引張強度及び弾性の1つ以上における変化(例えば、低下)という形で現れる。
【0147】
いくつかの実施形態では、分解は後面から前面に向かって起こり、例えば、デバイスが分解する時間の一部の間、デバイスは前面の形状を維持する。いくつかの実施形態では、後面からの分解は前面からの分解よりも速い。いくつかの実施形態では、デバイスには、異なる速度で分解する異なる部分が含まれる。いくつかの実施形態では、低速で分解する部分及び/または非分解部分が、一定期間にわたって形状(例えば、保持部の形状)を維持するように作用する。
【0148】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば手動で圧力を加えると部分に分割されるように設計される。いくつかの実施形態では、この特徴を提供するために、デバイスのサイズ及び/または形状及び/または脆さが選択される。
【0149】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、1つ以上の保持部を有し、薄い及び/または適合する縁部分を含む眼科デバイスに関する。
【0150】
いくつかの実施形態では、例えば、デバイスが薄い縁部分及び/またはデバイスの本体から延びる部分を含む場合、保持部は、例えば上記のような高さ及び/または傾斜の要件を満たすデバイスの領域として画定される。
【0151】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えばデバイスを所定の位置に保持するのに十分な吸引力を生成するための、例えばデバイスの1つ以上の部分の湾曲)は、眼に適合する。例えば、いくつかの実施形態では、縁部分は、眼の表面に適合するのに十分なほど薄く、及び/または柔軟である。
【0152】
いくつかの実施形態では、デバイスは、薄い縁及び/または眼の表面にくぼんだデバイスの縁を有する。いくつかの実施形態では、デバイスの前縁から移行して、デバイスは、薄い縁と、それに続く保持部とを含む。いくつかの実施形態では、例えば保持部に隣接する薄い縁によってデバイスの縁と眼表面との間に形成される段差は、1~100ミクロン、または10~50ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは段差である。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される縁特性(例えば、形状及び/または厚さ)は、デバイスの縁領域の全体または一部分に関するものである。例えば、デバイスの周縁の一部分である。例えば、デバイスの周囲の20~99%、または80~90%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはパーセンテージである。いくつかの実施形態では、デバイスの周縁部の異なる部分は、異なる特性、例えば形状及び/または厚さを有する。
【0154】
いくつかの実施形態では、強膜への付着は、デバイスの縁の強膜への付着と関連しており、例えば、デバイスの強膜への適合の程度及び/または強膜のデバイスへの適合の程度によって影響を受ける。
【0155】
いくつかの実施形態では、デバイスの柔軟性及び/または弾性により、デバイスの縁と眼表面との間の密閉性が高まる。いくつかの実施形態では、デバイスは、柔軟性及び/または弾性のある、例えば、柔軟であるのに十分に薄い、1つ以上の縁部分を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザの快適性及び/または眼球への付着性を高めるために設計された縁を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは薄い縁を有する。いくつかの実施形態では、デバイスの縁(例えば、周縁)の平均厚さは、約15ミクロン、または約20ミクロン、または約30ミクロン、または約50ミクロンである。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、約15ミクロン、または約20ミクロンの薄い縁を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの縁の厚さは、約5~200ミクロン、または5~200ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さもしくは範囲である。
【0157】
いくつかの実施形態では、例えば、選択的に薄い縁を有する。または、いくつかの実施形態では、デバイスの縁の周の一部分のみが薄くなっており、いくつかの実施形態では、デバイスの縁は、例えば、薄くなく、及び/または湾曲し、及び/または丸みを帯びており、ユーザの装着感が向上している。
【0158】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁は鋭利であり、例えば、ノミの形及び/またはナイフの刃の形をしている。
【0159】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの縁は、デバイスの0.1~1mmの縁領域、または0.1~0.5mmの縁領域、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の距離もしくは範囲として画定される。いくつかの実施形態では、縁の厚さは、デバイスの周囲から0.1mmまたは0.5mmで測定される。
【0160】
いくつかの実施形態では、薄い縁が付いたデバイスにより、デバイスの縁と眼表面との間の密閉性が向上する。デバイスの縁と眼表面との間を密閉することの潜在的な利点は、デバイスと眼表面との間の吸引力が増加することである。デバイスの縁と眼表面との間を密閉することの潜在的な利点は、デバイスと眼表面との間に堆積するデブリ(例えば1つ以上のタンパク質、粘液、油、及び皮膚細胞)が減り、眼科デバイスの使用に関連する感染のリスクを最小限に抑えられる可能性があることである。
【0161】
いくつかの実施形態では、薄い縁が付いたデバイスは、デバイスの縁で眼表面の形状に適合する。
【0162】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁は、デバイスを眼表面、例えば結膜の軟組織、例えば、外見上約25~40ミクロンの厚さで、円蓋内ではさらに厚くなる、柔らかく厚い強膜結膜にデバイスを固定する。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの縁で眼表面に凹み、及び/または眼表面にくぼみを形成し、例えば、デバイスの縁の間の圧力及び/または眼表面の柔らかさの1つ以上と関連する凹みが形成される。
【0163】
いくつかの実施形態では、眼の一部分(複数可)は、例えばデバイスの縁(及び/またはデバイスの突起及び/または空洞に隣接する領域(複数可))で深さ方向に(例えばデバイスによって)変形され、例えば50ミクロン~500ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の寸法もしくは範囲だけ変形される。いくつかの実施形態では、デバイスの縁の局所的な組織が、例えば、デバイスの縁で最大0.5mm、または1mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の幅の組織領域を変形させる。
【0164】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁(及び/または縁領域(複数可))は、眼表面の形状に適合する。例えば、いくつかの実施形態では、縁領域(複数可)は、眼表面に適合するのに十分なほど柔軟性及び/または弾性があり、及び/または十分に薄い。いくつかの実施形態では、デバイス本体は、柔軟性及び/または弾性を有し、例えば、少なくとも部分的に眼表面に適合するのに十分な柔軟性及び/または弾性を有する。潜在的に、デバイス本体及び/または縁が眼表面に適合することで、ユーザの快適性が向上し、及び/またはデバイスが外れるリスクが軽減される。
【0165】
いくつかの実施形態では、後面は、例えばデバイスの後面上に、1つ以上の空洞または突起を含む。
【0166】
理論に限定されるつもりはないが、いくつかの実施形態では、空洞によってデバイスと眼表面との間の吸引力が増大し、例えば空洞における局所的な吸引力が増大すると仮定される。いくつかの実施形態では、眼組織が(例えば、空洞の吸引力により)空洞内に進入して、デバイスと眼との間の付着性を高める可能性がある。後面の空洞(複数可)の潜在的な利点は、眼におけるデバイスの滞留時間が長くなることである。
【0167】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の空洞を有し、いくつかの実施形態では、2つ以上の空洞はほぼ同じサイズ及び/または形状である。いくつかの実施形態では、2つ以上の空洞は、例えば、サイズ及び/または形状が互いに異なる。
【0168】
いくつかの実施形態では、空洞の開口サイズは、0.005mm~20mm、または0.005~2mm、または0.005~1mm、または0.005~0.5mm、または1~2mm、1~4mm、または2~6mm、3~8mm、または4~10mm、または5~20mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは寸法である。いくつかの実施形態では、空洞は、例えば、表面(例えば、後面)の面積の少なくとも半分にわたって延在する、及び/または1~10mm、または1~8mm、または1~5mm、または5~20mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の広さもしくは範囲を有する、大きな開口部を有する。いくつかの実施形態では、空洞の開口部は、巨視的または微視的サイズである。いくつかの実施形態では、空洞の深さは、5ミクロン~2mm、または5ミクロン~1mm、または5~400ミクロン、または5~200ミクロン、200~600ミクロン、400~800ミクロン、600~1500ミクロン、800~2000ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の深さもしくは範囲である。例示的な実施形態では、空洞の深さは、400~1200ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の深さ及び範囲である。いくつかの実施形態では、空洞は、デバイスの厚さの一定割合にわたって延在しており、例えば、空洞の領域内のデバイスの厚さの10~20%、20~30%、30~50%、50~90%、または80~99%、または90~99%、50~70%、60~90%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはパーセンテージにわたって延在している。
【0169】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、デバイスの一方または両方の表面からの1つ以上の突起を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、突起は、丸い形状及び/または鈍い形状を有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の突起を有し、いくつかの実施形態では、2つ以上の突起はほぼ同じサイズ及び/または形状である。いくつかの実施形態では、2つ以上の突起は、例えば、サイズ及び/または形状が互いに異なる。
【0172】
いくつかの実施形態では、デバイスの表面(例えば、後部及び/または前部)上の突起のサイズは、5~400ミクロン、または20~200ミクロン、または200~800ミクロン、または400~1200ミクロン、または600~1500ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはサイズである。いくつかの実施形態では、デバイスの表面上の突起のフットプリントの範囲は、5ミクロン~3mm、または5ミクロン~1mm、または5~700ミクロン、または5~400ミクロン、または3~6mm、または4~8mm、または4~10mm、または6~12mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の広さもしくは範囲である。
【0173】
突起(複数可)の潜在的な利点は、眼科デバイスの眼表面への付着性が向上することである。いくつかの実施形態では、突起(複数可)は、眼表面と眼表面との間の摩擦を増加させる。いくつかの実施形態では、突起(例えば、突起間)の増加により、デバイスと眼表面との間の吸引力が増加する。
【0174】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えばデバイスの後面に粘膜付着性材料を含み、これにより、デバイスとデバイスが配置される眼表面との間の付着性が潜在的に向上する。
【0175】
任意選択で、いくつかの実施形態では、後面は1つ以上の粘膜付着性部分を含む。いくつかの実施形態では、粘膜付着性材料(複数可)が、眼表面へのデバイスの付着性を高める。いくつかの実施形態では、後面には粘膜付着性層が含まれる。いくつかの実施形態では、層は後面を覆う。あるいは、いくつかの実施形態では、粘膜付着性層は非連続的な表面であり、例えば、穴(複数可)によって、例えば粘膜付着性層の下の層への水の浸透及び/または薬物の輸送が可能になる。いくつかの実施形態では、粘膜付着性層は、例えば水の浸透及び/または薬物の輸送を可能にする開口部を中央に含むリング形状を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、デバイス内の粘膜付着性層は、乾燥状態及び/または半水和状態で提供される。いくつかの実施形態では、デバイスを眼球に適用すると、粘膜付着性層は、例えば、10秒未満、または30秒未満、または1分未満で水和して粘着性になる。
【0177】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性層中の材料/化合物/ポリマーは、80~200%の、または100~200%の、または100%を超える付着力を有する。例えば、ペクチンは、付着力が100%であると規定されている。
【0178】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性部分は、少なくとも1つの粘膜付着性化合物を含み、いくつかの実施形態では、この粘膜付着性化合物は、ゼラチン、アルギン酸塩、キトサン、アミロース、コラーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、加工デンプン、エラスチン、ポリアクリル酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0179】
いくつかの実施形態では、デバイスは瞼に対して低摩擦表面を提供する(例えば、滑らかである)。潜在的な利点としては、デバイスが外れる可能性が低くなることである。いくつかの実施形態では、デバイスは眼表面に対して低摩擦表面を提供する(例えば、滑らかである)。その潜在的な利点は、ユーザの不快感を軽減できることである。いくつかの実施形態では、デバイスは、瞼及び眼表面に対して同じ低レベルの摩擦を呈示する。
【0180】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、デバイスの前面の1つ以上の部分は滑らかであり、及び/または潤滑性材料を含む。デバイスの前面は、少なくとも一部の時間、瞼の内面と接触する表面である。いくつかの実施形態では、滑らかな及び/または潤滑性のある材料が瞼と表面との間の摩擦を低減する可能性がある。潜在的に、いくつかの実施形態では、滑らかな及び/または潤滑性の材料は、例えば眼科デバイスに関連する眼、例えば瞼の刺激を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、後面は前面よりも滑らかである。いくつかの実施形態では、後面及び前面の両方が滑らかである。
【0181】
いくつかの実施形態では、潤滑性材料層が前面を覆い、いくつかの実施形態では、層は連続している。いくつかの実施形態では、潤滑性層は、例えば水の浸透及び/または薬物の輸送を可能にするために、非連続的な表面(例えば、1つ以上の穴を含む)である。例えば、いくつかの実施形態では、潤滑性材料層は穴を含む。いくつかの実施形態では、前面には1つ以上の潤滑性材料部分があり、いくつかの実施形態では、1つ以上の部分は他の部分(複数可)に接続され、及び/または1つ以上の部分は他の部分に接続されていない。任意選択的に、いくつかの実施形態では、潤滑性表面は一時的であり、いくつかの実施形態では、例えばデバイスの他の部分(複数可)が分解する前に、潤滑性材料の1つ以上の部分が分解及び/または消失する(例えば、眼に吸収及び/または排出される)。
【0182】
いくつかの実施形態では、材料層は、例えば潤滑性層及び/または粘膜付着性層など、調節可能な厚さ及び/または調節可能な材料特性を有する。例えば、眼に付着すると、材料は眼に一定期間留まった後よりも前面に広く広がり、いくつかの実施形態では、層のより急速に分解される部分(複数可)(例えば、より薄い部分及び/またはより急速に分解される組成を有する部分)が他の部分(複数可)より先に溶解して、例えば、いくつかの実施形態では治療薬(複数可)を含む下層が現れる。
【0183】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、眼科デバイス(例えば、本明細書に記載されているもの)とその使用説明書を含むキットに関する。いくつかの実施形態では、キットは、デバイスを患者の眼内に送達するための手段を含む。例えば、アプリケータである。いくつかの実施形態では、眼科デバイスはアプリケータと合わせてパッケージ化される。
【0184】
任意選択で、いくつかの実施形態では、キットは、デバイスが患者の眼表面上にあるときにデバイスと接触すると、デバイスを構造的に分解させ、及び/またはデバイスの分解を加速させる分解配合物を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、デバイスはマルチデバイスパックで提供されます。いくつかの実施形態では、2つ以上のデバイスが相互に接続されるか、または分離される。
【0186】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば眼球の形状に適合するように、柔軟性、弾力性、及びしなやかさの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの弾性及び/または柔らかさは、ソフトコンタクトレンズの弾性及び/または柔らかさと同様である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上の方向において、0.01~1.5MPa、または0.05~0.15~1.5MPa、または0.25~0.35MPa、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の弾性/柔らかさもしくは範囲のヤング率で弾性または柔らかさを有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上の方向に、0.01~200MPaのヤング率で弾性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、乾燥形態で、1つ以上の方向において、弾性(例えば、ヤング率0.01~200MPa、または0.05~0.15MPa、または0.15~0.35MPa、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の弾性または範囲)を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼内にある間、湿潤形態で、1つ以上の方向において、弾性(例えば、ヤング率0.01~200MPa、または0.05~0.15MPa、または0.01~0.35MPa、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の弾性または範囲)を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、(乾燥形態及び/または湿潤形態で)10%~800%以上の伸長を可能にする弾性を有する。
【0187】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上が硬く成形され、例えば眼球の形状に適合するように成形される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの弾性及び/または硬度は、1つ以上の方向において、ハードまたはリジッドコンタクトレンズの弾性及び/または硬度と同様である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上の方向において、0.1~200MPaのヤング率、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは弾性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、乾燥形態のときに、1つ以上の方向において、この弾性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば眼内にある間、湿潤形態で、この弾性を有する。
【0188】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、異なる材料特性、例えば弾性及び/または柔軟性を有する層を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、異なる材料特性、例えば弾性及び/または柔軟性を有する領域を有する。
【0189】
いくつかの実施形態では、デバイスは柔軟性があり、デバイスを眼の表面に合わせて形作ることができる可能性があり、例えば、ユーザの快適性が向上する可能性があり(例えば、瞼がデバイス上で干渉及び/または不快感をほとんどまたは全く感じることなくスムーズに動くことを可能にする)、及び/またはデバイスが受ける取り外し力を軽減する可能性がある。いくつかの実施形態では、柔軟なデバイスは、凹状の後面を有し、デバイスと眼表面との間の吸引(例えば、後面の凹面と眼表面との間の相互作用に関連する)によって、デバイスが眼表面上で平らになる。
【0190】
いくつかの実施形態では、デバイスの弾性により、デバイスと眼表面との間の吸引力が増大して、デバイスが眼に付着する。例えば、いくつかの実施形態では、弾性によってデバイスの後面の低い凹面曲率が補償される。
【0191】
いくつかの実施形態では、デバイスの柔軟性及び/または弾性により、デバイスの縁と眼表面との間の密閉性が高まる。
【0192】
いくつかの実施形態では、1つ以上の部分が、眼表面及び/または眼表面の一部分及び/または開口部に適合するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは、下結膜嚢または上結膜嚢のサイズに適合するように選択され、デバイスは嚢をわずかに、例えば最大で2mmだけ変形させ、例えば、ユーザにとって快適であり、及び/または眼表面及び/または瞼及び/または他の組織(複数可)に害を及ぼさない量だけ変形させる。例えば、いくつかの実施形態では、保持部のみが嚢を変形させる。高さ2mmのデバイスは快適であり、実施形態によっては高さ4~6mmまでが快適であり得ることがわかっている。いくつかの実施形態では、デバイスの幅が5~10mmであれば快適であることがわかっている。
【0193】
いくつかの実施形態では、解剖学的サイズは、本明細書にその全体が参照により組み込まれる以下の参照文献の1つ以上を使用して定義される。
・www(ドット)pubmed(ドット)ncbi(ドット)nlm(ドット)nih(ドット)gov/9019385/
・www(ドット)onlinelibrary(ドット)wiley(ドット)com/doi/abs/10(ドット)1111/j(ドット)1755-3768(ドット)1965(ドット)tb06387(ドット)x
・www(ドット)pubmed(ドット)ncbi(ドット)nlm(ドット)nih(ドット)gov/15167728/
【0194】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さは、3mm未満、または2.5mm未満、または2mm未満、または1.5mm未満、または1mm未満、または0.8mm未満、または0.6mm未満、または0.5mm未満、または0.4mm未満、または0.3mm未満、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さである。
【0195】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さは、3mmを超える、または2.5mmを超える、または2mmを超える、または1.5mmを超える、または1mmを超える、または0.8mmを超える、または0.6mmを超える、または0.5mmを超える、または0.4mmを超える、または0.3mmを超える、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さもしくは範囲である。
【0196】
いくつかの実施形態では、デバイスの厚さ及び/またはデバイスの縁領域の厚さを増加させることによって、眼とデバイスとの間の圧力が増加する。ここで、いくつかの実施形態では、圧力の増加(及び/または眼とデバイスとの間の密閉性、例えば、眼からデバイスまたはデバイスから目への圧力及び/または輪郭形成に関連する)により、デバイスと眼表面との間の涙液の浸透が減少する。
【0197】
いくつかの実施形態では、デバイスは小さく、例えば、瞼の下の空間内に(例えば、完全に)収まるほど十分に小さい。いくつかの実施形態では、デバイスの最大及び/または平均範囲は、約4~12mm、または4~10mm、または4~8mm、または3~8mm、1~8mm、または4~6mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはサイズである。いくつかの実施形態では、眼科デバイスのサイズ(例えば、最大及び/または平均範囲)は約4mmである。他の実施形態では、デバイスの寸法は、最大で約0.5~約20mmである。小型デバイスの潜在的な利点は、ユーザの快適性が向上すること、及び/またはデバイスの上で瞼が動いたときにデバイスが外れる可能性が低くなることである。
【0198】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは細長い形状である。例えば、いくつかの実施形態では、伸長軸に沿って測定されたデバイスの寸法は約0.5~20mmである。
【0199】
ここで、いくつかの実施形態では、デバイスの範囲は、デバイスが収まる最小の直方体形状の最大寸法として測定される。いくつかの実施形態では、例えば、デバイス表面の曲率が低いことと関連して、直方体の境界形状は、他の2つの次元よりも1つの次元(例えば、デバイスが眼の上にあるときの眼の方向と関連)で薄くなる。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は中空ではない。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は連続物質で作られており、これは、その中に巨視的な隙間及び/または空領域を含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、隙間または空領域は、0.2mmより大きい場合にマクロ的であると定義される。
【0200】
いくつかの実施形態では、例えば図6Aに示すように、眼科デバイスの本体は、その縦軸(線AAで概略的に示す)及び横軸(線BBで概略的に示す)に対して対称である。例えば、眼科デバイス600を前面から見ると、デバイスは縦軸(AA)に対しても横軸(BB)に対しても対称である。いくつかの実施形態では、例えば、図6Aに概略的に示す実施形態では、両軸に対する対称性は鏡映対称性である。いくつかの実施形態では、デバイスは、楕円形及び/または長円形の断面形状を備える。
【0201】
眼科デバイスの潜在的な利点は、使用の利便性であり、いくつかの実施形態では、デバイスは、局所的に適用される製剤よりも長い期間、例えば、約1分、または1分以上、または10分以上、または1時間以上、または1日以上の期間をカバーするために、ユーザによって一度適用される。いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の治療成分の制御放出媒体として機能する。
【0202】
眼表面上に存在するように構成された眼科デバイスの潜在的な利点は、眼内での処置薬の滞留時間が長くなる可能性があることである。例えば、定期的に塗布される局所薬(例えば点眼薬、軟膏)と比較した場合である。
【0203】
眼表面にある間に薬剤を溶出する眼科デバイスの潜在的な利点は、例えば長期間にわたって角膜前/強膜前涙液膜に適切な薬物濃度を提供及び/または維持できることである。
【0204】
眼表面上にありながら(例えば、眼表面上の位置を維持しながら)薬剤を溶出する眼科デバイスの潜在的な利点は、薬剤が眼組織を通じて拡散する潜在的な能力にある。例えば、強膜及び/または角膜及び/または眼球に浸透し、及び/または眼のより内部の部分(複数可)に到達する。いくつかの実施形態では、通常は、例えば眼球への注射によって治療される領域への局所投薬を潜在的に可能にする。
【0205】
眼科デバイス(例えば、滞留時間及び/または溶出時間が長いもの)の潜在的な利点は、鼻腔内領域(複数可)(例えば、涙液によって送達される)及び/または脳及び/または頭部及び/または別の標的器官及び/または全身的な薬物送達に対して、適切な濃度の薬物を提供及び/または維持する能力である。
【0206】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスが一定期間留置されることで、治療用物質が眼内へ安定して溶出されて、例えば、一時的な全身及び/または局所的な過剰投与(潜在的に高い副作用リスクを伴う)の期間に続いて、例えば次の投与まで治療レベル以下の長期間が続くなどの定期的投与の影響を低減させる可能性がある。投与後の初期段階では組織への薬物の取り込み率が高いが、急速に低下する。例えば、眼(眼球の表面)に点眼した場合と比較して、点眼薬の滞留時間が長くなる。点眼薬では、まばたきと自然な涙の流れとによって、液状薬剤の効果が持続する時間が、例えば数分間に制限される。例えば、治療成分が効果を発揮する前に洗い流される可能性があり、より多量の治療成分が必要とされ、及び/または外用剤では、塗布の頻度が高いため、患者のコンプライアンスが低くなる可能性が高く、その結果、未使用の治療成分がより多く廃棄される可能性がある局所製剤とは対照的に、眼科デバイスを使用する対象者の治療では、治療1回あたりに使用される治療成分が少なくなる可能性がある。
【0207】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは眼の一部分を保護する。例えば、外部からの影響及び/または化学変化などからである。例えば、オルビスキュレーション(orbisculation)(柑橘類の果汁が眼内に入ること)による眼球損傷を改善及び/または軽減する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の一部分を保護し、その部分の治癒を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、眼科デバイスを切開部上に置くことによって、眼の切開部及び/または創傷が閉じられ、及び/または覆われる。吸引力により、眼の表面とデバイスとの間で切開部及び/または創傷の閉鎖及び/または閉鎖の維持が促進され、治癒が早まる可能性がある。
【0208】
いくつかの実施形態では、デバイスは個々の対象者に合わせて調整され、例えば、いくつかの実施形態では、サイズ、形状、表面(複数可)の曲率、治療薬の種類、放出時間、滞留時間のうちの1つ以上が、個人に対して、及び/または個々の治療計画に従って選択される。
【0209】
この文書全体を通じて、デバイスの眼科での使用について説明されているが、この文書内に記載されているデバイスの1つ以上の実施形態及び/または実施形態の組み合わせは、いくつかの実施形態では、ヒトまたは動物の体の他の部分の治療に使用されることを理解されたい。例えば、眼の強膜以外の部分、例えば眼の角膜、結膜嚢である。例えば、他の粘膜性表面(複数可)、例えば口の内側、例えば鼻腔内表面である。例えば、他の組織タイプ及び/または器官である。
【0210】
この文書全体を通じて、デバイスの眼科での使用について説明されているが、この文書内に記載されているデバイスの1つ以上の実施形態及び/または実施形態の組み合わせは、いくつかの実施形態では、例えば、眼上に1つ以上の種類の電子機器を収容し(例えば、含む)、取り付け、及び/またはサポートするなどの他の用途に使用されることを理解する必要がある。例えば、1つ以上のアクティブ電子的要素及び/またはパッシブモジュール及び/またはコンポーネント、例えばアンテナ、RFIDである。例えば、1つ以上のコンデンサ及び/または抵抗器及び/または形状記憶要素、または眼球領域内の他の要素または要素群のサポートとして機能するものなどであり得る。)例えば、いくつかの実施形態では、電子機器には、1つ以上のセンサ(複数可)(例えば、温度感知素子、圧力感知素子、湿度感知素子)、イメージャ(複数可)(例えば、カメラ)、ユーザインターフェース、プロセッサ、送信機、受信機、照明要素、LEDスクリーン、電源が含まれる。いくつかの実施形態では、電子機器(例えば、センサ(複数可)を使用)が治療(例えば、電気けいれん療法(ECT)治療)及び/または診断のために使用される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電子部品が娯楽(例えば、VR)及び/または美観の向上のために使用される。いくつかの実施形態では、デバイスは娯楽及び/または美観の向上のために使用される。
【0211】
いくつかの実施形態では、この文書に記載されている複数のデバイスが対象者を治療するために使用される。例えば、複数のデバイスが同時に眼表面に配置され、例えば、各デバイスが特定の用量を提供する。いくつかの実施形態では、より高い線量を提供するために、複数のデバイスが適用される。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されている複数のデバイスが共にパッケージ化されて提供され、及び/または複数のデバイスが接続されて提供される。
【0212】
いくつかの実施形態では、デバイスは、非毒性及び/または生体適合性の材料を含み、及び/または非毒性及び/または生体適合性の材料から構成される。いくつかの実施形態では、治療用物質が高濃度で有毒である場合、いくつかの実施形態では、デバイス全体が毒性用量未満の治療用物質を含み、及び/またはデバイスが毒性レベル以下の治療用物質を溶出する。
【0213】
いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分に染料及び/または顔料が含まれており、例えば、眼の中にある間、及び/または挿入中及び/または抽出中、及び/または製造中の識別を容易にする。いくつかの実施形態では、染料及び/または色が、1つ以上の識別形状及び/または文字及び/または数字及び/またはバーコードに印刷される。いくつかの実施形態では、1つ以上の識別子がデバイス上にエンボス加工または刻印される。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの本体上または本体内に、1つ以上の電子識別子、例えばRFIDを含む。いくつかの実施形態では、デバイスの染料及び/または顔料には、青、赤、蛍光黄色、及び/またはその他の色の1つ以上が含まれる。
【0214】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、フィルム、例えば多層フィルムから製造される。いくつかの実施形態では、フィルムは個々のデバイスを形成する形状に切断される。いくつかの実施形態では、フィルム及び/または個々のデバイスは、例えば、表面の所望の曲率を形成するように成形される。ここで、いくつかの実施形態では、成形は、溶液を成形された支持表面、例えば型の上に流し込むことによって行われる。いくつかの実施形態では、成形は、機械的及び/または化学的処理、例えば圧力及び/または熱の適用によって行われる。いくつかの実施形態では、治療成分が1つ以上の溶液に組み込まれ、各溶液が支持表面上に連続的にキャストされて多層フィルムが形成される。いくつかの実施形態では、別々に鋳造された層は、1つ以上の異なる特性(例えば、厚さ、粘膜付着性、潤滑性、治療薬(複数可)の含有)を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の表面が処理されて、異なる特性が付与され、例えば、表面は、より付着性及び/またはより潤滑性が高くなるように処理される。
【0215】
本発明の少なくとも1つの実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明で記載されならびに/または図面及び/もしくは例に例示される構築の詳細ならびにコンポーネント及び/または方法の配列に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0216】
例示的な方法
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【0217】
100において、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼内に配置される。例えば、眼の表面、例えば強膜の一部分に置かれる。
【0218】
102では、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼中に薬剤を溶出する。
【0219】
104では、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼から出る。いくつかの実施形態では、デバイスは眼から出る。いくつかの実施形態では、出すことは手動で行われ、及び/またはデバイスは眼によって排出される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスから排出される前に、デバイスは少なくとも部分的に崩壊する。例えば、デバイスが眼から出る場合、いくつかの実施形態では、図5のステップ514~524の1つ以上の、1つ以上の特徴を含む。
【0220】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスを用いた治療方法である。
【0221】
200では、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは眼球結膜上に、少なくとも部分的に眼瞼の下に、例えば完全に瞼の下に配置される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの保持部は、例えば瞼が開いているとき及び閉じているときに、瞼の開口部に隣接し、瞼の瞼板よりも結膜嚢の奥深くに配置される。
【0222】
202では、いくつかの実施形態では、保持部、瞼、及び/または眼球の間の相互作用により、眼科デバイスが瞼の下から逃げることが防止される。いくつかの実施形態では、瞼の瞼板とデバイスの傾斜及び/または高さとの相互作用により、デバイスが瞼板の後ろの眼瞼内に保持されるように作用される。いくつかの実施形態では、瞼板とデバイスとの間の相互作用は、デバイスの周囲の瞼の組織の変形に関連する。いくつかの実施形態では、瞼板の力に代えて、または加えて、瞼の変形による組織の反作用力がデバイスに作用して、例えば、デバイスが瞼から外れる、及び/または眼の結膜嚢の奥深くに移動するのを防ぐ。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、眼球とデバイスの後面との間の力がデバイスの移動を防止するように作用し、いくつかの実施形態では、力には、デバイス上、次いで眼球に対する瞼の圧力の反力、及び/またはデバイスと眼球との間の吸引力が含まれる。
【0223】
図3Aは、眼の簡略断面図である。
【0224】
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態による、閉眼時の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイス300の簡略断面図である。
【0225】
図3Cは、本発明のいくつかの実施形態による、開眼時の眼表面上の所定の位置にある眼科デバイス300の簡略断面図である。
【0226】
いくつかの実施形態では、図3A図3Cの断面は、上下方向に取られた断面であり、例えば、眼の矢状断面である。
【0227】
いくつかの実施形態では、デバイス300は、眼が閉じているとき(図3B)及び眼が自然に開いているとき(図3C)に、下瞼346によって覆われる。いくつかの実施形態では、デバイス300は、瞼を(例えば、ユーザに不快感を与えずに)手動で動かすことが、少なくとも部分的にデバイスを露出させるのに十分である、瞼の開口部、例えば眼球結膜上に十分に近く、結膜嚢方向の奥深くではない位置に配置される。
【0228】
いくつかの実施形態では、デバイス300は、眼球308の周囲の結膜の表面の一部分である眼表面上に配置される。いくつかの実施形態では、眼科デバイス300は、角膜に隣接し、結膜円蓋340と角膜302との間にある結膜の領域である強膜の眼球結膜部分に存在する。
【0229】
いくつかの実施形態では、デバイス300は、後面316と前面318とを含む本体を有する。いくつかの実施形態では、デバイス300は保持部336を有し、これは、いくつかの実施形態では、瞼346の開口部350に隣接するデバイス300の一部分である。いくつかの実施形態では、保持部336は、デバイス300の前縁366から近い所で十分に厚く、及び/または、デバイス300が瞼346の下に、例えば瞼板348によって保持されるように、瞼346に対して十分に急な傾斜を呈する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は中空ではない。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は連続物質で作られており、これは、その中に巨視的な隙間及び/または空領域を含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、隙間または空領域は、0.2mmより大きい場合にマクロ的であると定義される。
【0230】
いくつかの実施形態では、保持部336には、図6A図6Bの保持部636、図7の保持部736、図13A図13Cの保持部1336、図14の保持部1436、図15A図15Dの保持部1536、及び/またはこの文書の他の箇所で説明されているその他の保持部のうちの1つ以上の特徴が含まれる。
【0231】
いくつかの実施形態では、デバイス300の周囲の瞼346及び/または結膜308の変形、及び/または瞼板348と保持部336との間の相互作用に関連する反力は、デバイス300を眼の表面上及び/または瞼346の下の所定の位置に保持するように作用する。
【0232】
図3Dは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の所定の位置にある眼科デバイス300の簡略上面図である。
【0233】
図3Dは、いくつかの実施形態において、眼の表面(例えば、強膜)、例えば、下眼瞼346の下の眼球結膜の下部、例えば、下眼瞼346の完全に下に配置された眼科デバイス300を示す。
【0234】
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面404上の所定の位置にある眼科デバイス400の簡略上面図である。
【0235】
図4Aは、いくつかの実施形態において、眼科デバイス400が、例えば、上眼瞼444の下の眼球結膜の上部部分、例えば、上眼瞼444の完全に下の眼表面404(例えば、強膜)に配置されている様子を示している。いくつかの実施形態では、デバイス400が眼の上部に配置される場合、位置は(例えば、デバイスが眼の下部、例えば下瞼の下に配置される位置と比較して)円蓋内のより深い位置になる。
【0236】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、閉眼時の眼表面404上の所定の位置にある眼科デバイス400の簡略断面図である。
【0237】
ここで、いくつかの実施形態では、眼表面404は強膜の上部部分である。いくつかの実施形態では、例えば、開眼時及び閉眼時に、デバイスは上瞼344の下に保持される。
【0238】
いくつかの実施形態では、デバイス400が挿入される深さ及び/または上瞼の下に延びるデバイスの長さは、下眼瞼の下に使用するデバイスよりも深くなる。いくつかの実施形態では、一般的に瞼及び瞼板の範囲が広い上眼瞼の下にデバイスが留まる可能性が高くなる。
【0239】
いくつかの実施形態では、デバイス400の周囲の瞼444及び/または結膜408の変形、及び/または上瞼板462と保持部436との間の相互作用に関連する反力は、デバイス400を眼の表面上及び/または上瞼444の下の所定の位置に保持するように作用する。
【0240】
ここで、図3D図4Aとの両方を参照すると、矢印360、460は、いくつかの実施形態において、例えば眼の可視部分に対するデバイス300、400の例示的な位置の範囲を示している。
【0241】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス300は、下瞼346の中央部分の下に配置される。いくつかの実施形態では、眼科デバイス400は、上瞼444の中央部分の下に配置される。
【0242】
例えば、中央の2~10mm、または2~7mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは値、例えば瞼と眼表面(例えば強膜304、404)との接合部の輪郭に沿って測定される範囲もしくは値である。
【0243】
例えば、瞼と眼表面(強膜304、404及び/または角膜302、402)との接合部の輪郭に沿って測定して、眼の内側及び/または外側の角から少なくとも1mm、または2mm、または5mm離れている。
【0244】
例えば、中央の30~80%、または40~70%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはパーセンテージである。ここで、いくつかの実施形態では、その部分は、眼が閉じているとき及び/または開いているときに、眼の角の間の瞼の輪郭に沿って測定された全長に対して、瞼の輪郭に沿った長さ(例えば、瞼と眼表面との間の接合部)として測定される。
【0245】
いくつかの実施形態では、デバイス300、400は、例えば1つ以上の次元で形状が対称である。いくつかの実施形態では、デバイス300、400は、例えば眼の表面(例えば強膜304、404)上に存在する場合、円形のフットプリントを有する。
【0246】
例示的な詳細な方法
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【0247】
500では、いくつかの実施形態では、任意選択で、物質が眼及び/または眼科デバイスに適用される。
【0248】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは乾燥した形態または部分的に水和した形態で保管され、使用(例えば、眼への挿入)前に水和される。例えば、デバイスを眼表面上に配置する前に、デバイスに水及び/または水和溶液を塗布する。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼に適用する前に、例えば5秒~20分間、水和溶液に浸される。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼に適用する前に、例えば1分~2時間、湿った空気及び/またはガスにさらすことによって加湿される。
【0249】
いくつかの実施形態では、1つ以上の治療用物質がデバイスに適用される。いくつかの実施形態では、粘膜付着性材料及び/または潤滑性材料が、デバイス、例えばデバイスの1つ以上の部分に適用される。
【0250】
502では、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼の表面に適用される。いくつかの実施形態では、適用には、デバイスを眼表面、例えば強膜、例えば眼球結膜に接触させることが含まれる。
【0251】
いくつかの実施形態では、適用には、デバイスを配置する瞼を引き込み、通常は瞼の下の眼表面上にデバイスを配置することが含まれる。
【0252】
いくつかの実施形態では、デバイスは眼表面に直接及び/または手動で適用される。例えば、患者自身によってである。いくつかの実施形態では、介護者がデバイスを適用する。任意選択的に、いくつかの実施形態では、デバイスはアプリケータを使用して適用される。
【0253】
いくつかの実施形態では、例えば、デバイスが回転対称でない場合、デバイスは、眼の表面上に配置される前及び/または配置される間に方向付けられる。いくつかの実施形態では、アプリケータは、眼内で所望の方向にデバイスを配置するのに役立つサイズ及び/または形状にされ、及び/または1つ以上のインジケータを有する。例えば、この文書の他の箇所で説明されているような方向、例えばデバイスの前縁及び/または形状(例えば、伸長)に対する方向である。
【0254】
504では、任意選択で、いくつかの実施形態では、眼表面に適用した後、眼科デバイスの位置が変更される。例えば、眼及び/または眼科デバイス及び/または瞼の操作によって行われる。例えば、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、瞼の下から少なくとも部分的に突出して配置され、いくつかの実施形態では、眼科デバイスを直接動かすことによって、及び/または眼(例えば、瞼)を操作して眼科デバイスを動かすことによって、眼科デバイスが(例えば、完全に瞼の下になるように)再配置される。例えば、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、瞼の上の強膜上に配置され、次いで、例えば、瞼によって覆われるまで、及び/または瞼板によって所定の位置に保持されるまで、下方向に操作される。いくつかの実施形態では、デバイスと眼表面(例えば、デバイスの後面)との間の吸引力は、少なくとも最初は、デバイスの再配置を可能にするのに十分に低い。
【0255】
506では、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼の解剖学的構造によって所定の位置に保持される。例えば、デバイス300、瞼板348(図3B図3C)及び/またはデバイス400、瞼板462(図4B)に関して図示及び/または記載されている1つ以上の特徴を含む、瞼板とデバイスの保持部との間の相互作用によって、例えば、瞼板の下に保持される。
【0256】
508では、いくつかの実施形態では、任意選択で、デバイスは、例えば涙液を吸収して、眼内で水和する。
【0257】
510では、任意選択で、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼表面に付着する。
【0258】
いくつかの実施形態では、付着は眼科デバイスと眼表面(例えば、デバイスの後面)との間の圧力と関連している。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの後面の曲率が、デバイスが眼表面に固定されるのを助ける。いくつかの実施形態では、この付着は、デバイスに対する瞼の圧力によって増幅される。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の鋭い縁が、デバイスを眼の表面に付着させるのを助ける。いくつかの実施形態では、例えばデバイスの後面にある1つ以上の凹部及び/または突起が付着を助ける。
【0259】
いくつかの実施形態では、デバイスが眼表面に適用される場合(すなわち、原位置にある場合)、適用時及び/または粘膜付着性層の特性が原位置で変化した後(例えば、水和する)、デバイスの粘膜付着性層の材料特性が、デバイスを眼表面に付着させる。
【0260】
例示的な実施形態では、眼科デバイスの眼表面への付着力は、デバイスが瞼の下から逃げる場合に、デバイスを眼表面(例えば、強膜)上に維持するのに十分である。例えば、短い時間、例えば10分未満、例えば1分~1時間、例えばまばたき中、例えば数回のまばたき中、例えば1~10回のまばたき、または1~100回のまばたきである。その間、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えばステップ504に関して説明した1つ以上の特徴に従って、デバイスを瞼の下に戻す。
【0261】
512では、いくつかの実施形態では、デバイスが一定期間眼球上に留まる。例えば、瞼の下に留まる。
【0262】
いくつかの実施形態では、デバイスは、少なくとも1分間、または1~10分間、または少なくとも0.5時間、または0.1~2時間、または2~8時間、または8時間を超える、または8~24時間、または1~7日間、または7日間~1か月間、または1~3か月間、または3か月間~1年間、または1~30日間、または1か月間~1年間、またはそれより短いもしくは長いもしくは中間の期間もしくは範囲にわたって、その場(眼内)に維持される。
【0263】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その場に留まり、及び/または維持され(滞留時間)、投与後約24時間以内に眼から排出され、及び/または除去される。いくつかの実施形態では、排出及び/または除去によって、眼がデバイスから清浄な状態になり(例えば、残骸が残らない)、例えば、眼は追加のデバイスなどの追加の投与の準備が整う。
【0264】
514では、任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分が分解及び/または崩壊する。
【0265】
いくつかの実施形態では、デバイスの分解は、機械的分解(眼球または瞼の動きなど)、化学的分解(涙液など)、または生物学的分解(酵素活性など)のうちの1つ以上によって行われる。
【0266】
いくつかの実施形態では、分解の速度はユーザによって増加され、例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに圧力が加えられて(例えば手動で)、デバイスが複数の部分に分割され、及び/またはそのような破損が早められる。いくつかの実施形態では、複数の部分に分割されると、1つ以上の部分が瞼の下に留まるようなサイズ及び/または形状(例えば、保持部を有する)にされる。
【0267】
いくつかの実施形態では、デバイスには、異なる速度で分解する部分が含まれる。例えば、図28及び/または図29及び/または図30A図30Bに示され、及び/または図28及び/または図29及び/または図30A図30Bに関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0268】
516では、いくつかの実施形態では、デバイスは、治療、例えば眼に薬剤を溶出することを行う。いくつかの実施形態では、溶出はデバイスの溶出部分(複数可)の分解に関連する。
【0269】
518では、任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分が崩壊する。例えば、デバイスの一部分が崩壊して治療用物質が露出し、及び/または追加の治療用物質が露出する。いくつかの実施形態では、デバイスの付着に関連する部分(複数可)が崩壊する。例えば、粘膜付着性層である。例えば、機械的付着に寄与する部分、例えばデバイスの縁の一部分(複数可)、及び/またはデバイスの1つ以上の表面の曲率を変更する部分(複数可)である。
【0270】
520では、任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスが崩壊する。例えば、デバイスの崩壊により、デバイスの眼への付着力が機械的に低下し、及び/またはデバイスのサイズが小さくなり、及び/またはデバイスが割れて破片になる場合がある。いくつかの実施形態では、デバイス全体は、眼の表面上に約0.1時間~1年間、または0.1時間未満(例えば、眼上に配置した後すぐに、例えば1分以内)の期間留まった後に分解する。
【0271】
522では、いくつかの実施形態では、眼科デバイス及び/または眼科デバイスの一部分(複数可)が、瞼及び/または眼球の動き、及び/または瞬き及び/または涙によって自然に眼から排出される。いくつかの実施形態では、デバイスは瞼の操作を使用して排出される。いくつかの実施形態では、デバイスの一部分が排出される(例えば、ステップ520が発生したとき)。いくつかの実施形態では、例えばデバイスが1つの部分に残っている場合、デバイスは自然に排出される。例えば、デバイスの付着性関連部分(複数可)が分解した場合などである。
【0272】
524では、任意選択で、いくつかの実施形態では、眼科デバイス及び/またはデバイスの一部分(複数可)が、例えば手動で除去される。例えば、つまむ、及び/または吸引するなどの機械的な力を加えること、及び/または除去器具(吸引カップ、ピンセットなど)の使用中、及び/または眼を洗い流すことなどによって行われる。
【0273】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、手動プロセスと自然プロセスとの組み合わせによって除去される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに圧力を加えて、デバイスを複数の部分に分割する、またはそのような分割を早める。その後、いくつかの実施形態では、1つ以上の破片が自然に排出され、及び/または溶解される。
【0274】
いくつかの実施形態では、ステップ500~524で説明した方法の1つ以上のステップと同時に、及び/またはステップ間に、1つ以上の追加の治療方法が付随して、順次に、または同時に施される。例えば、いくつかの実施形態では、例えばデバイスが眼表面上に留まっている間に局所薬剤が投与される。
【0275】
例示的な眼科デバイス
図6Aは、本発明のいくつかの実施形態による、瞼646の下の眼表面604上の所定の位置にある眼科デバイスの簡略上面図である。
【0276】
いくつかの実施形態では、デバイス600は、デバイスが眼表面上の所定の位置にあるときに、瞼646(いくつかの実施形態では、瞼646は下瞼である)の開口部に隣接するデバイス600の一部分によって形成される保持部636を含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、保持部636は、デバイスの前縁666から内側に(例えば、デバイス600の中心に向かって)延在するデバイス600の一部分である。
【0278】
いくつかの実施形態では、保持部636は、デバイス600の奥行き620の少なくとも一部分630だけ、前縁666から内側に延在する。いくつかの実施形態では、保持部636は、例えば、デバイス600の横長622の少なくとも一部分だけ、前縁666に沿って横方向に延在する。
【0279】
図6Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス600の簡略断面図である。
【0280】
いくつかの実施形態では、図6Bは、図6AのBB線に沿って切断された図6Aのデバイス600の断面を示す。いくつかの実施形態では、図6Bは、図6Aの線BBに平行なデバイス600の断面の範囲、例えば保持部636の横方向範囲628全体を示す。いくつかの実施形態では、図6Bは、図6Aのデバイス600の様々な断面のそれぞれを示しており、断面は、図6Aの線BBに沿ったもの、または図6Aの線BBに平行なものである。
【0281】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス600の本体は、その縦軸(線AAで概略的に示す)及び横軸(線BBで概略的に示す)に対して対称である。例えば、眼科デバイス600(または他の眼科デバイス、例えば300、400、800、900、1300、1400、1500、1600、1700、1900、2000、2500、2600、2700、2900、3000、3100)を前面から見ると、デバイスは縦軸(AA)に対しても横軸(BB)に対しても対称である。いくつかの実施形態では、デバイス600は前面618と後面616とを有する。いくつかの実施形態では、デバイス600は、表面616、618間の体積であり、例えば、表面の一方または両方が湾曲して他方の表面と接する。例えば、図6Bに示すように、前面618は湾曲して後面616と接する。いくつかの実施形態では、眼表面上に存在する場合、後面616は眼表面(例えば、強膜)に隣接している。いくつかの実施形態では、眼表面上に存在する場合、前面618は瞼(例えば下眼瞼)の結膜に隣接している。いくつかの実施形態では、前面618は凸状であり、及び/または凸状部分を有する。いくつかの実施形態では、後面616は凸状であり、及び/または図6Bの点線616aで概略的に示すように凸状部分を有する。
【0282】
いくつかの実施形態では、保持部636は、前縁666から保持距離664の位置に保持高さ662を有する。ここで、いくつかの実施形態では、保持高さ662は、前縁から後縁634に向かって延びる長さ632にわたって維持される(または超過する)。
【0283】
いくつかの実施形態では、保持部636は、前縁666から保持高さ662に向かって凹状及び/または十分に急な傾斜614(例えば、前面618の傾斜によって規定される)を有する。いくつかの実施形態では、前縁666からの第1の距離652において、デバイス600は第1の高さ654を有し、及び/または前縁666からの第2の距離656において、デバイス600は第2の高さ658を有する。いくつかの実施形態では、第2の距離656は最大1mmであり、第1の距離652は少なくとも1mmである。
【0284】
前縁666からの距離は、高さの測定に関して説明されているように(例えば、この文書の他の部分)、前面に沿って、及び/または前縁から表面に沿って測定される。
【0285】
いくつかの実施形態では、前縁666における前面618の傾斜の角度θ(例えば、前縁における表面の接線の角度)または保持部の縁は、少なくとも35°、または少なくとも46°、または46~90°、または46~86°、または46~70°、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の角度もしくは範囲である。ここで、いくつかの実施形態では、角度は、デバイスが弛緩した構成で置かれている平面に対して測定される。ここで、いくつかの実施形態では、角度は眼表面に対して測定され、例えば、前縁666及び/または保持部の縁における眼表面の角度が測定される。
【0286】
いくつかの実施形態では、前面618は、前縁666から保持高さ662まで延びる曲率半径624を有する。ここで、いくつかの実施形態では、曲率半径624は、例えばデバイス600の後面616と前面618との間で測定されたデバイスのピーク高さに等しい。
【0287】
いくつかの実施形態では、例えば図6Bに示すように、デバイスの断面(1つ以上の断面)は対称であり、例えば鏡面対称である。いくつかの実施形態では、デバイスは、図6Aに示すように、例えば線BB及び/または線AAを中心に少なくとも1つの方向に対称である。
【0288】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス600は細長い。ここで、いくつかの実施形態では、デバイス600の長さ622は、デバイス600の幅620よりも大きい。いくつかの実施形態では、長さ622は、幅620の1.5~10倍、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。
【0289】
細長いデバイスの潜在的な利点は、デバイスの長辺666、634が、例えばデバイスを瞼内に保持するため、及び/またはピンチ除去を使用してデバイスを取り外すときに、瞼との相互作用のための表面が増えることである。
【0290】
いくつかの実施形態では、デバイス600は瞼646の下に配置され、デバイス600の伸長方向は、瞼の輪郭の方向、例えば瞼646の開口部の輪郭の方向、及び/または瞼646の瞼板648の輪郭に沿っている。デバイス600を長くすることの潜在的な利点は、デバイスと瞼、例えば瞼板との相互作用の長さが(例えば、同じ体積及び/またはフットプリントサイズであるが、伸長していないデバイスの相互作用の長さと比較して)長くなることである。いくつかの実施形態では、デバイスを長くすることの潜在的な利点は、デバイスが所定の位置に固定されているときに回転する可能性が低くなることである。いくつかの実施形態では、長さ622は、眼の結膜嚢の深さよりも大きく、例えば、デバイス600が回転して、伸長方向が瞼の開口部から結膜嚢の底まで延びる方向に揃うのを妨げる可能性がある。
【0291】
いくつかの実施形態では、デバイス600の幅620及び/または長さ622は、2~10mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の寸法もしくは範囲である。例えば、いくつかの実施形態では、長さ622は5~10mmであり、及び/または幅620は3~5mmであり、及び/または高さ662及び/または高さ624は2~2.5mmである。いくつかの実施形態では、保持高さ662は、前縁666から2mmの距離664で、少なくとも2mmである。代替的にまたは追加的に、いくつかのそのような実施形態では、距離652が0.5mmの場合、高さ654は少なくとも1.3mmである。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、距離656が1mmの場合、高さ658は少なくとも1.7mmである。
【0292】
いくつかの実施形態では、距離664が2mmの場合、高さ662は、0.5~5mm、または0.5~2mm、または1~2mm、またはそれより低いもしくは中間のもしくは高い高さもしくは範囲よりも大きい。
【0293】
いくつかの実施形態では、保持高さ662は、例えば長さ632が少なくとも1mmである断面の領域に対して維持される。
【0294】
いくつかの実施形態では、ピーク高さ624は、最大で5mm、または4mm、または約3mm、または約2mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の高さである。
【0295】
いくつかの実施形態では、例えば、この文書の他の箇所で説明されているように、前面616は湾曲しており、例えば凹面になっている。例えば、図13A図13Cのデバイス1300、図14のデバイス1400、及び/またはこの文書の他の箇所にある他のデバイス(複数可)の1つ以上の特徴が含まれる。
【0296】
いくつかの実施形態では、デバイス600は、眼の上にあるときに十分な剛性及び/または力(吸引力など)に対する抵抗力があり、眼の中にあるときにデバイスが大きく変形しないので、いくつかの実施形態では、上記の高さは、次の1つ以上の高さよりも高い高さになる。すなわち、
弛緩した状態でデバイスが置かれている平面、
デバイスの周縁部またはデバイスの周囲の大部分(例えば、少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%)を接続する平面、
弛緩したデバイスが載る曲面、例えば眼球の1つ以上の方向に曲率を持つ表面、例えば眼球の曲率半径を持つ球体、である。
【0297】
いくつかの実施形態では、前縁666から測定される距離は、高さの測定に使用される平面に沿って、及び/または後面に沿って、及び/または前面に沿って、及び/または表面間の等距離の平面に沿って測定される。
【0298】
いくつかの実施形態では、例えば654、658、662、624の1つ以上に関して説明される高さは、眼表面上のデバイスの原位置での高さである。いくつかの実施形態では、前面616は湾曲している(例えば、凹面または凸面)。いくつかの実施形態では、デバイスが眼表面上の原位置に配置されている場合、デバイスにかかる力(例えば、デバイスと眼球との間の吸引力、及び/または前面を介してデバイスにかかる瞼の圧力)が、デバイスを平らにするように作用する。
【0299】
あるいは、記載されている高さは、弛緩したデバイスの高さであり、いくつかの実施形態では、デバイスを平坦化することにより、デバイスの1つ以上の高さが、元の高さから最大30%、または最大5~50%、または最大5~30%、または最大5~20%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージもしくは範囲だけ減少する。例えば、高さが最大30%減少することは、いくつかの実施形態では、平坦化の際に最大高さが元の(平坦化前の)最大高さの少なくとも70%であることに相当する。
【0300】
図7Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの一部分の断面を示す簡略図である。
【0301】
図7は、いくつかの実施形態における、例示的なデバイスの例示的な前面714、714b、714cを示す。ここで、各デバイスの前面輪郭は、デバイスの前縁766から保持距離764の位置に保持厚さ762を有する。凸状の前面714(例えば、図6Bのデバイス600の前面618に関して説明したもの)は、例えば、前縁766から保持厚さ762まで延びる輪郭714cが一定の傾斜(例えば、一定の10%以内)を有する実施形態、及び輪郭714bが凹状である実施形態との比較のために図示されている。
【0302】
図8図12は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス800、900、1000、1100、1200の簡略上面図である。
【0303】
いくつかの実施形態では、破線はデバイスの前面の輪郭線であり、前面については、図8図12に実線で示されているように、デバイスのフットプリントの平面によって規定される高さより上の同じ距離を示している。
【0304】
ここで図8を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス800は、デバイスの周囲に延びる(またはデバイスの少なくとも50%、または70%、または90%の周囲に延びる)同じ傾斜及び/または縁輪郭(例えば、輪郭線で示される)を有する。
【0305】
例えば、前縁866に隣接する前面の傾斜814と後縁834に隣接する傾斜874とは同じである。いくつかの実施形態では、デバイスの側面の傾斜876、878は同じであり、例えば、互いに同じであり、及び/または傾斜814、874と同じである。潜在的な利点としては、デバイスの回転時(例えば、デバイスが瞼の下などの所定の位置にある間)に、デバイスにかかる保持力(例えば、デバイス上の瞼)が維持される(または変化が少なくなる)ことが挙げられる。いくつかの実施形態では、デバイス800の側面の傾斜876、878は異なり、例えば、瞼の輪郭に沿った方向など、眼の解剖学的構造が変化するようにデバイス800を構成する。
【0306】
ここで図9(及び図11)を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイスの異なる縁は異なる傾斜を持っている。例えば、いくつかの実施形態では、保持部の傾斜914、1114は、デバイス900、1100の前縁966、1166の中央領域に配置され、いくつかの実施形態では、デバイスの側縁の一方または両方が、より低い勾配の傾斜976、978、1176、1178を有する。
【0307】
ここで図10を参照すると、いくつかの実施形態では、後縁1034まで延びるデバイスの前面の傾斜1074は、デバイス1000の前縁1066に隣接する保持部の傾斜1014の傾斜よりも高い。
【0308】
ここで図11及び図12を参照すると、いくつかの実施形態では、前縁1166、1266に隣接するデバイスの領域に保持部があり、後縁に向かって延びるデバイス1174、1274の傾斜は、より低い勾配傾斜を有する。潜在的な利点としては、デバイスが瞼の下から結膜円蓋の頂点に向かって伸びるにつれて厚さが細くなるため、快適性が向上することが挙げられる。いくつかの実施形態では、デバイスの一方または両方の側面は、保持部の傾斜1114よりも低い勾配傾斜1176、1178も有する。
【0309】
図13Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1300の簡略図である。
【0310】
いくつかの実施形態では、図13Aは眼科デバイス1300の等角図を示す。
【0311】
図13Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1300の簡略断面図である。
【0312】
図13Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1300の簡略上面図である。
【0313】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス1300は前面1316と後面1318とを有する。いくつかの実施形態では、前面1318は湾曲して、デバイス1300の縁1366で後面1316と接する。
【0314】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス1300は、例えば1つ以上の対称軸を中心に対称である。図13Cを参照すると、いくつかの実施形態では、眼科デバイス1300は、線AA及び/または線BBを中心に対称である。
【0315】
いくつかの実施形態では、デバイス1300は、例えば、デバイスの上面図の中心1372を通って延びる中心軸1370を中心に回転対称性を有する。軸1370は、前面1318及び後面1316の一方または両方に垂直である。
【0316】
いくつかの実施形態では、デバイス1300のフットプリント(例えば、図13Cに示す)の直径は、2~10mm、または3~8mm、または4~7mm、または5~6mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の直径もしくは範囲である。ここで、いくつかの実施形態では、デバイス1300の高さは、2~2.5mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の寸法もしくは範囲である。
【0317】
いくつかの実施形態では、後面1316は、例えば1つ以上の方向に湾曲している。例えば、いくつかの実施形態では、図13Bは、図13Cの線AA及び/または線BBに沿ったデバイスの断面を示す。
【0318】
対称型(例えば、回転対称型デバイス)の潜在的な利点は、デバイスがその場で回転しても、例えば眼の解剖学的構造に関するデバイス特性が維持されることである。
【0319】
いくつかの実施形態では、図13A図13B、または図13Cには示されていないが、前面1318の曲率半径(RA-前方半径)は、後面1316の曲率半径(RP-後方半径)よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、RAはRPの1.2~10倍または1.2~5倍、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。
【0320】
例示的な実施形態では、前面1318の曲率半径は、デバイス1300の最大厚さ1324に等しい(またはほぼ等しい、例えば、20%以内、または10%以内、または5%以内、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージ以内)。例えば、デバイス1300の前面1318は半球形をしている。
【0321】
例示的な実施形態では、デバイスフットプリント(図13C)及び/または縁1366の半径(例えば、幅1320の半分)は、0.5~10mm、または1~10mm、または1~5mm、または2~4mm、または2.5~3mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の距離もしくは範囲である。
【0322】
例えば図13A図13Cに関して説明したような、直径1320が5.5mm、後面1316が凹状で高さ1324a(装置が平面上で弛緩した構成にあるときに測定)が2mmである半球形のデバイスを、ヒトのボランティアの眼の下瞼の下の強膜上に配置し、数時間快適にそこに留まらせた。
【0323】
図15A図15Dに関して説明したような、後面が凹状で、長さ1522が6mm、幅1520が4mm、高さ1524が2mmである細長い半球形のデバイスを、ヒトのボランティアの眼の下瞼の下の強膜上に配置し、数時間快適にそこに留まらせた。
【0324】
図14は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1400の簡略断面図である。
【0325】
いくつかの実施形態では、デバイス1400の表面1418の曲率及び/または傾斜は、デバイスの断面に沿って変化する。例えば、いくつかの実施形態では、前面1418の曲率は、前縁1466から後縁1434に向かって変化する。前縁1466及び/または後縁1434には、それぞれ図6A図6Bの前縁666及び/または後縁634に関して説明した1つ以上の特徴が含まれる。例えば、デバイス1400は、傾斜1414を備えた保持部1436を有し、及び/または保持厚さ1424を有し、前面1418の曲率は、(例えば、デバイスの最大厚さ部分から)後縁に向かって減少する。いくつかの実施形態では、傾斜1414及び/または保持厚さ1424は、傾斜614及び/または厚さ624(図6A及び/または図6B)の1つ以上の特徴を有する。いくつかの実施形態では、このような断面は、保持部を、デバイスの上面図及び/またはフットプリントに対して中心から外れた位置に配置し、例えば、デバイスが原位置にあるときに、中心から外れ、瞼の開口部に近いデバイスの側面に向かって配置する。
【0326】
いくつかの実施形態では、(例えば、前面1418の曲率が変化する場合)後面1416の曲率1416は一定である。あるいは、いくつかの実施形態では、後面の曲率1416も、デバイスの1つ以上の断面を横切って移ることによって変化する。例えば、いくつかの実施形態では、前縁から離れる方向へのデバイスの薄化は、前面の曲率の減少と後面の曲率の増加との組み合わせによるものである。いくつかの実施形態では(例えば、前面1418の曲率が一定である場合)、デバイスの前縁から離れる方向への薄化は、後面の曲率が増加することに起因する。
【0327】
図15Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1500の簡略上面図である。
【0328】
図15Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1500の簡略図である。
【0329】
いくつかの実施形態では、図15Bは眼科デバイス1500の等角図を示す。
【0330】
図15Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1500の簡略断面図である。
【0331】
図15Dは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1500の簡略断面図である。
【0332】
いくつかの実施形態では、デバイス1500は細長い。ここで、いくつかの実施形態では、デバイス1500の伸長には、図6Aのデバイス600に関して説明した1つ以上の特徴が含まれる。例示的な実施形態では、デバイス幅1520は、デバイス長さ1522の1.1~10倍、または1.1~5倍、または1.2~3倍、または1.2~2.5倍、または約1.5~2倍、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。
【0333】
いくつかの実施形態では、デバイス1500の前縁1566は直線であり、及び/または後縁1534は直線である。いくつかの実施形態では、前縁1566と後縁1534とは平行である(または平行から1度、または3度、または5度、または10度以内、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の角度)。いくつかの実施形態では、前縁1566及び/または後縁1534は、例えば、側縁1580及び1582と比較すると直線である。言い換えれば、前縁1566及び/または後縁1534は直線部分を含むことができるが、側縁1580及び1582は湾曲しており、したがって直線部分を含まない。
【0334】
いくつかの実施形態では、側縁1580及び1582の一方または両方が湾曲している。潜在的な利点としては、デバイスを装着するユーザの快適性が向上することが挙げられる。いくつかの実施形態では、縁1580の一方または両方に曲率半径1584がある。例示的な実施形態では、曲率半径1584は、デバイスのフットプリント幅1520の半分(または約半分)である。
【0335】
いくつかの実施形態では、図15Cは、例えば伸長方向に沿って、例えば線CC(図15A)に沿って、デバイスを横切って切断したデバイス1500の断面を示す。いくつかの実施形態では、デバイスの断面は、第1の側縁1580から延びる前面1518の曲率半径1588を有する。いくつかの実施形態では、断面は、第2の側縁1582から中央領域及び/または断面の最大厚さ1524まで延びる前面1518に対して同じ曲率半径1588を有する。いくつかの実施形態では、後面の曲率半径1518は、1つ以上の方向において、1~15mm、または1~10mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の半径もしくは範囲であり、及び/または強膜の曲率半径に対する比率は、0.1~2、または0.5~1、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の比率もしくは範囲である。
【0336】
いくつかの実施形態では、図15Dは、例えば線DD(図15A)に沿って、前縁1566から後縁1534に向かう方向でとられたデバイス1500の断面を示す。いくつかの実施形態では、図15Dは、例えば矢印1586で示されるように、デバイス1500の中央領域1590に沿って延びるデバイス1500の断面を示す。いくつかの実施形態では、図15Dの断面には、図6Bの断面の1つ以上の特徴が含まれる。いくつかの実施形態では、前面1518の曲率半径1590は、断面の最大厚さ1590と同じである。
【0337】
いくつかの実施形態では、曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が関連している。いくつかの実施形態では、曲率半径1584、1588、1590の1つ以上は、互いの1つ以上に対して同じであるか、またはほぼ同じであるか、あるいは互いの5%、または10%、または20%、または30%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間のパーセンテージ以内である。
【0338】
いくつかの実施形態では、デバイス1500の側部は、デバイス1500の中央領域1590から延びる方向で、側縁1580、1582に向かって同じ曲率を持ち、いくつかの実施形態では、デバイスの前面の側縁部分は四分の一半球形を持つ。
【0339】
いくつかの実施形態では、図15Cは、(例えば、図15Dの代わりに)線DD(図15A)に沿って取られたデバイス1500の断面も示しており、いくつかの実施形態では、デバイスは、図15Cの前面1518のベース領域1502によって画定される前面の平面中央領域を有する。
【0340】
いくつかの実施形態では、デバイス1500は、デバイス1500フットプリントの横方向中心線CCに沿って延びる最大の厚さを有する(図15A)。いくつかの実施形態では、最大厚さは、例えば矢印1586で示されるように、中央の輪郭に沿って延びている。
【0341】
例示的な実施形態では、幅1520は4.5mmであり、長さ1522は10mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2.25mmである。
【0342】
例示的な実施形態では、幅1520は約5mmであり、長さ1522は約6.5mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2.25mmである。
【0343】
例示的な実施形態では、幅1520は約4.5mmであり、長さ1522は約8.5mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2.25mmである。
【0344】
例示的な実施形態では、幅1520は約5.5mmであり、長さ1522は約10mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2.75mmである。
【0345】
例示的な実施形態では、幅1520は約4mmであり、長さ1522は約6mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2mmである。
【0346】
例示的な実施形態では、幅1520は約5.5mmであり、長さ1522は約8.5mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2.25mmである。
【0347】
例示的な実施形態では、幅1520は約4.5mmであり、長さ1522は約6.5mmである。ここで、いくつかの実施形態では、厚さ1524及び/または曲率半径1584、1588、1590の1つ以上が約2mmである。いくつかの実施形態では、デバイスの重量は18mgである。
【0348】
ここで、図15C図15Dの両方を参照すると、いくつかの実施形態では、後面1516は、後面1516の少なくとも一部分において、少なくとも1つの方向に湾曲している。例えば、図15C及び図15Dの破線で示されるように、代替の後面が図示されている。いくつかの実施形態では、デバイス1500の後面は、少なくとも1つの方向に凹状になっている。
【0349】
凹状の後面の潜在的な利点は、デバイスが置かれる眼表面へのデバイスの付着性が向上することである。いくつかの実施形態では、図15A図15Dには示されていないが、前面1518の一部分は、後面RPよりも高い曲率半径RAを有する。例えば、いくつかの実施形態では、RAはRPの1.2~10倍、またはRPの1.2~5倍、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。
【0350】
ここで、線DDに沿った断面を参照する。例示的な実施形態では、前縁1566から0.5mmの距離では、デバイスの高さ(及び/または厚さ)は1.32mmであり、前縁1566から1mmの距離では、デバイスの高さ(及び/または厚さ)は1.73mmであり、前縁1566から2mmの距離では、デバイスの高さ(及び/または厚さ)は2mmである。例えば、いくつかの実施形態では、曲率半径1588及び/または1590は2mmである。
【0351】
図16図20は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス1600、1700、1800、1900、2000の簡略上面図である。
【0352】
ここで図16を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス1600は1つ以上の側面で切り詰められている。いくつかの実施形態では、デバイス1600は、湾曲した縁1666と低曲率縁1634とを有する(例えば、いくつかの実施形態では、低曲率縁1634は直線である)。いくつかの実施形態では、低曲率縁1634の領域は、フットプリントの平面(及び/または図16の平面)に垂直な方向に高い曲率を有する。例えば、いくつかの実施形態では、縁1634は、例えば、この文書の他の箇所で保持部に関して説明されているような特徴(複数可)を有する保持部を収容する(例えば、図6Bの保持部636)。
【0353】
図17を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス1700は、1つ以上の方向に先細りになる上面図の形状を有する。例えば、デバイスの最大幅1730は、デバイスの1つ以上の縁1766、1734に向かって先細りになり、例えば、第2の縁1766に向かうよりも第1の縁1734に向かう方が先細りになる。いくつかの実施形態では、最大幅1730は、最大幅1730と縁1766との間で、例えばデバイスのテーパーが小さい側に向かって、一方の縁に他方の縁よりも近く配置される。いくつかの実施形態では、第2の縁1766はデバイスの前縁であり、第1の縁1734は後縁であり、前縁と後縁には、この文書の他の箇所で説明されている特徴(複数可)が含まれる。
【0354】
ここで図18を参照すると、いくつかの実施形態では、眼科デバイス1800は、外形に狭い部分1848及び/またはくぼみを有する形状を有する。
【0355】
いくつかの実施形態では、デバイス1800の形状により、例えばつまむこと(例えば、手動及び/または除去用具の使用)による除去が容易になる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの中央領域(1つ以上の次元)に任意選択で存在する折り畳み可能に構成された部分(例えば、折り畳み領域、図18の1848)は、より薄く、及び/またはより小さなフットプリント範囲を有し、例えば、より小さなフットプリント部分の両側にあるより広い範囲の領域の一方または両方に挟む力を加えた後に折り畳みを容易にする。いくつかの実施形態では、デバイス1800は、例えば折り畳み領域1848の両側に1つずつ、2つの保持部を含む。
【0356】
ここで図19を参照すると、いくつかの実施形態では、解剖学的適合性を考慮してデバイスの形状1900、例えばデバイスのフットプリントが選択される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス1900は、患者の解剖学的構造の一部分と接触するようにデバイスを配置するように形作られる。例えば、いくつかの実施形態では、細長いデバイスは湾曲しており、及び/または湾曲した形状を描いている。いくつかの実施形態では、眼科デバイス1900には、湾曲した形状の上面図及び/またはフットプリントが含まれる。いくつかの実施形態では、湾曲形状の中心縦軸1930の長さは、1~40mm、または5~20mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは長さである。いくつかの実施形態では、デバイス1900の曲率半径は、デバイスが瞼の曲率及び/または瞼の結膜嚢の一部分に沿うように選択される。ここで、いくつかの実施形態では、1928の曲率半径は、20~100mm、または20~50mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の曲率もしくは範囲である。
【0357】
いくつかの実施形態では、デバイス1900の曲線は、例えば瞼の下の眼球の曲線など、眼にフィットするようなサイズ及び/または形状にされる。いくつかの実施形態では、保持部は縁1966に隣接して配置される。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、保持部は縁1934に隣接して配置される。
【0358】
ここで図20を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス2000は、例えば、側面によって接続された1つ以上の角、例えば、デバイス2000の3つの角を有する。いくつかの実施形態では、デバイス2000の角は、つまむことによってデバイスを取り外すことを容易にし、例えば、つまむ力を(例えば、円形のフットプリントのデバイスとして)適用するのに同じ潜在的な距離(例えば、範囲に関連付けられている)を提供するが、デバイスのフットプリント領域を減少させる。いくつかの実施形態では、保持部はデバイス2000のフットプリントの中央領域に設けられる。いくつかの実施形態では、保持部(複数可)は、多縁デバイスの1つ以上の縁に隣接して配置される。
【0359】
図21図24は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2100、2200、2300、2400の簡略断面図である。
【0360】
図21を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス1300の後面2118には、1つ以上の凹部2138が含まれる。
【0361】
ここで図22を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス2200は、湾曲した後面2216の表面と、後面2218上の1つ以上の凹部2238との両方を含む。
【0362】
図23を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス2300は、後面2316に位置する凹部2338を含む。いくつかの実施形態では、凹部2338は、保持部2336の領域に配置される。例えば、凹部は、デバイスの前縁2366に隣接しており、例えば、前縁2366から1~5mm以内にある。例えば、保持部2336と同じ部分(例えば半分)に配置される。任意選択で、いくつかの実施形態では、前面2318の曲率は、デバイス2300の最大厚さ2330からデバイスの後縁2334に向かう方向に減少する。
【0363】
ここで図24を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス2400は、例えば図23に示すデバイス2300と比較すると、非常に凹んだ後面2416を有する。いくつかの実施形態では、後面2416の曲率は、表面の長さに沿って、例えば、第1の縁2466(いくつかの実施形態では前縁)から第2の縁2434(いくつかの実施形態では後縁)まで変化する。いくつかの実施形態では、後面2416は、第1の縁2466に隣接する領域でより高い曲率を有する。いくつかの実施形態では、高さ(または保持部の厚さ、例えば概要セクション内及び/または図6A図6Bに関して定義されるもの)は、図24に示される破線と前面2418との間で測定される。ここで、いくつかの実施形態では、破線は平面を示す。
【0364】
図25Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上に配置されたデバイス2500の簡略断面図である。
【0365】
図25Bは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2500の簡略断面図である。
【0366】
いくつかの実施形態では、図25A図25Bとは同じデバイスを示しており、いくつかの実施形態では、同じデバイス2500の同じ断面図を示している。
【0367】
いくつかの実施形態では、デバイス2500には、例えば図25Aに示すように、眼が開いているときに瞼2546によって覆われない延長部分2598が含まれる。いくつかの実施形態では、デバイス2500の本体2501は(例えば、図25Aに示すように、眼が開いているときなど)瞼2546の下に配置される。
【0368】
いくつかの実施形態では、延長部分2598は、保持部2536を含むデバイス2500の本体2501から延びている。
【0369】
いくつかの実施形態では、延長部分2598は薄く、及び/または薄い縁を有する。いくつかの実施形態では、デバイス2500の前縁2566と眼の表面(またはデバイスの縁に接触する平面)との間に形成される段差は、1~500ミクロン、または1~100ミクロン、または10~50ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくは段差である。薄さ及び/または小さな段差により、例えばまばたき及び/または眼球の動きの間中に、延長部分の領域上を移動する際の瞼と相互作用する表面積が小さくなる可能性がある。
【0370】
いくつかの実施形態では、延長部分2598の長さ2596は0.5~6mm、またはそれより短いもしくは長いもしくは中間の長さもしくは範囲である。いくつかの実施形態では、本体2501は、例えばこの文書の他の箇所で説明されているようなデバイスの1つ以上の特徴を有する。例えば、この文書の他の箇所で説明されているように、デバイスの前縁から延びる延長部分2598を備えた1つ以上のデバイスである。
【0371】
いくつかの実施形態では、デバイスの本体2501は瞼の下の位置に保持される。例えば、いくつかの実施形態では、本体2501は、図6A図6B及び/またはこの文書の他の箇所で保持部636に関して説明及び/または図示されている1つ以上の特徴を含む保持部2536を有する。
【0372】
いくつかの実施形態では、保持部2536の傾斜及び/または厚さは、延長部分2598に対する保持部の縁2594を基準として測定され、例えば、デバイスの前縁2566によって測定されるわけではない。
【0373】
いくつかの実施形態では、延長部分2598は、メニスカス(瞼の縁と眼球の間の谷で、涙液が蓄積して液体の貯蔵庫を形成する部分)に1つ以上の材料及び/または治療薬を充填するために使用される。
【0374】
図26は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2600の簡略断面図である。
【0375】
いくつかの実施形態では、デバイス2600は、デバイス本体2601から複数の方向に延びる延長部分2698、2699を備えている。いくつかの実施形態では、単一の延長部分がデバイス本体2601のフットプリントを囲む。デバイス本体2601には、図25A図25Bに図示及び/またはデバイス本体2501に関して説明されている1つ以上の特徴が含まれる。延長部分2698、2699の一方または両方には、図25A図25Bに図示されている、及び/または延長部分2598に関して説明されている1つ以上の特徴がある。
【0376】
図27Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス2700の簡略上面図である。
【0377】
図27Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス2700の簡略断面図である。
【0378】
いくつかの実施形態では、図27Bは、例えば図27Aの線EEに沿って取られた図27Aのデバイス2700の断面図を示す。
【0379】
図27Aでは、いくつかの実施形態において、点線はデバイスの前面2716の等高線であり、前面については、図27Aに実線で示されるデバイスフットプリントの平面によって規定される高さより上の同じ距離を示す。
【0380】
いくつかの実施形態では、デバイス2700には、複数の保持部2736、2737が含まれる。いくつかの実施形態では、保持部2736、2737は、接続部分2706によって接続され、いくつかの実施形態では、接続部分2706の厚さは、保持部に必要な厚さよりも小さい。
【0381】
複数の保持部の潜在的な利点は、保持部が瞼の下から抜けた場合でも、デバイスが瞼の下に保持される可能性があることである。デバイスの隆起部分(例えば、保持部によって提供される)を複数持つことの潜在的な利点は、この文書の他の箇所で説明されているように、つまんで取り外すのを容易にする突出面があることである。例えば、単一の大きな保持部の代わりに接続部分2706を備えることの潜在的な利点は、デバイスの体積を減らして長いデバイスを使用できることである。
【0382】
ここで、図27Aに戻って参照すると、この図は、いくつかの実施形態では、縁2766の代わりに破線で示される縁2766aを有する別の実施形態を示しており、いくつかの実施形態では、縁2766aには、例えば、中央領域2706に向かって延びる入口があり、中央領域2706の範囲及び/またはフットプリントは、中央領域2706よりも小さい。いくつかの実施形態では、デバイスは、(縁2734aの代わりに)破線で示される反対側の縁2734a上に対応する形状を有する。
【0383】
いくつかの実施形態では、縁入口(複数可)を含む図27Aのデバイス2700の断面は、入口のない図27Aのデバイス2700について説明したものと同じ断面を有する。
【0384】
図27Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2700の簡略断面図である。
【0385】
図27Cは、図27Aに示したデバイスの一方または両方の実施形態を示しており、実施形態によっては、各保持部は、後面2718aに、対応する凹状曲線2718a、2718bを有する。凹面には、この文書の他の箇所で説明されているように、単一の保持部を備えたデバイスに関して説明されている1つ以上の特徴が含まれる。例えば、図6Bの後面616及び/または図15C図15Dの後面1516及び/または図13B及び/または図14の後面1316の1つ以上の特徴を含む。いくつかの実施形態では、表面は複数の方向に凹状であり、例えば、線FF及び/または線GGに沿った断面は凹状の後面を有し、例えば、図13B及び/または図14の断面に関して説明及び/または図示されているような1つ以上の特徴を有する断面である。
【0386】
例示的な分解
図28は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの分解プロセスである。
【0387】
2800では、いくつかの実施形態では、眼内(例えば、眼の瞼の下)に配置されたデバイスが、保持部の構造的特徴(複数可)を維持しながら分解される。保持部は、デバイスを瞼の下に保持する役割を果たす。ここで、いくつかの実施形態では、分解中に、デバイスは1つ以上の治療薬を溶出する。
【0388】
2802では、いくつかの実施形態では、例えば、デバイスの他の部分(複数可)の分解及び/または崩壊後に、保持部が分解する。
【0389】
2804では、いくつかの実施形態では、保持部が分解すると、デバイスは、例えば瞼の下から出て、眼から出る。
【0390】
図29は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス2900の簡略断面図である。
【0391】
いくつかの実施形態では、輪郭2910、2912、2916、2926は、例えばデバイス2900が眼にある間に分解するなど、時間の経過に伴うデバイス2900の前面を示す。いくつかの実施形態では、保持部の傾斜及び/または厚さは、例えば、デバイスの前面が2910から2912及び2916に移行することによって維持され、その後にのみ、いくつかの実施形態では、保持部の厚さ(例えば、図示のように)及び/または傾斜が減少する。
【0392】
いくつかの実施形態では、デバイス2900には、異なる分解速度を持つ異なる部分が含まれる。ここで、いくつかの実施形態では、部分2971には、デバイスの他の部分よりも分解が遅い(または眼内で分解されない)材料が含まれる。いくつかの実施形態では、デバイスの分解がそれほど速くない部分(例えば、部分2971)は、デバイスの他の部分に対してサイズ及び/または形状及び/または配置が決定され、例えばデバイスの他の部分(複数可)の分解中に保持部が維持される。
【0393】
図30のA~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス3000の簡略断面図である。
【0394】
いくつかの実施形態では、デバイス3000には、異なる分解時間を持つ異なる部分3032、3030が含まれる。いくつかの実施形態では、デバイス3000の後面3016に隣接する後部3030は、デバイス3000の前面3018に隣接する前部3032よりも急速に分解する。例えば、図30Aから図30Bの間の遷移で示されるデバイス断面の遷移で示されるように、である。いくつかの実施形態では、例えば、デバイス3000の前面の分解は、いくつかの実施形態では、デバイスの眼表面上での崩壊に対する抵抗と組み合わされ、眼表面上のデバイスの傾斜及び/または高さを維持し、例えば、保持部の特性(複数可)を維持する。
【0395】
例示的な眼科デバイス
図31Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面3104上の眼科デバイス3100の簡略断面図である。
【0396】
図31Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス3100の簡略図である。
【0397】
図31Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス3100の簡略上面図である。
【0398】
いくつかの実施形態では、デバイス3100は後面3116と前面3118とを含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、デバイス3100は複数の層3110、3112を含む。いくつかの実施形態では、層は一般にデバイスの表面に沿って配置される。
【0400】
いくつかの実施形態では、第1の層3110は、眼表面3104に隣接し、及び/または眼表面3104と接触し、及び/または後面3116の少なくとも一部分を形成する。いくつかの実施形態では、第1の層3110は粘膜付着性材料を含む。
【0401】
いくつかの実施形態では、第2の層3112は、少なくとも周期的に瞼の内面と接触し、及び/または前面3114の少なくとも一部分を形成する。いくつかの実施形態では、第2の層は滑らかな外面を有し、及び/または潤滑性材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の層及び第2の層3110、3112の一方または両方は、治療用物質(複数可)を含み、及び/または治療用物質(複数可)を溶出する。
【0402】
図31Bは、いくつかの実施形態において、デバイス3100の範囲の決定を示す。ここで、範囲とは、デバイス3100が収まる最小の直方体形状である境界ボックス3164の1つ以上の次元及び/または2つ以上の次元の平均である。
【0403】
いくつかの実施形態では、デバイス3100には、1つ以上の追加層(例えば、この文書の他の箇所で説明されているもの)が含まれる。
【0404】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さ3128(例えば、デバイスの中央50%の最大厚さ及び/または平均厚さ)は100ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さは、約1~約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、デバイスの厚さは、約1、または約2、または約3、または約4、または約5、または約6、または約7、または約8、または約9、または約10、または約15、または約20、または約25、または約30、または約35、または約40、または約45、または約50、または約55、または約60、または約70、または約80、または約90、または約100、または約110、または約120、または約130、または約140、または約150、または約160、または約170、または約180、または約190、または約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、デバイスの厚さは、約10~約100ミクロンである。
【0405】
いくつかの実施形態では、第1の層(例えば粘膜付着性層)3166及び/または第2の層(例えば潤滑性層)3164及び/または任意選択の追加の中間層(例えば、この文書の他の箇所で説明されているもの)の厚さ(例えば、デバイスの中央50%における最大厚さ及び/または平均厚さ)は100ミクロン未満である。さらなる実施形態では、1つ以上の層の厚さは、約1~約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、潤滑性層及び/または粘膜付着性層及び/または中間層の厚さは、約1ミクロン、2ミクロン、3ミクロン、4ミクロン、5ミクロン、6ミクロン、7ミクロン、8ミクロン、9ミクロン、10ミクロン、15ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、30ミクロン、35ミクロン、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、70ミクロン、80ミクロン、90ミクロン、100ミクロン、110ミクロン、120ミクロン、130ミクロン、140ミクロン、150ミクロン、160ミクロン、170ミクロン、180ミクロン、190ミクロン、200ミクロンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の層の厚さは、約1~約10ミクロンである。
【0406】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、1つ以上の他の層とほぼ同じ厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、1つ以上の他の層とは異なる厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層の厚さは不均一である。例えば、デバイスの中央領域からデバイスの縁の領域(複数可)に向かって外側に薄くなるなどである。例えば、空洞及び/または穴及び/または突起(複数可)を有する層である。
【0407】
図32図37は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの一部分の簡略断面図である。
【0408】
いくつかの実施形態では、図32図37において、網掛け部分は治療成分(複数可)の存在を示す。
【0409】
ここで図32及び図35を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の層3212、3512(例えば、図31A図31Cの第2の層3112に関して説明した1つ以上の特徴を含む)は、治療成分(複数可)を含む。例えば、第2の層3112内に分散され、及び/または第2の層3512の1つ以上の領域3514内に配置される。
【0410】
ここで図33及び図36を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層3310、3610(例えば、図31A図31Cの第1の層3110に関して説明した1つ以上の特徴を含む)は、治療成分(複数可)を含む。例えば、第2の層3110内に分散され、及び/または第2の層3610の1つ以上の領域3614内に配置される。
【0411】
ここで図34及び図37を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層3410、3710(例えば、図31A図31Cの第1の層3110に関して説明した1つ以上の特徴を含む)及び第2の層3412、3712(例えば、図31A図31Cの第2の層3112に関して説明した1つ以上の特徴を含む)の両方が治療成分(複数可)を含む。例えば、第1の層3410及び/または第2の層3412内に分散され、及び/または第2の層3712及び/または第1の層3710の1つ以上の領域3714内に配置される。いくつかの実施形態では(図示せず)、層の1つに治療用物質を含む部分があり、他の層にはその中に治療用物質が分散されている。いくつかの実施形態では、治療用物質を含む離散領域(複数可)は、その中に治療用物質が分散されているそれらの層とは異なる治療用物質を含む。いくつかの実施形態では、離散領域(複数可)は他の材料によってカプセル化されており、例えば、いくつかの実施形態では、その材料は、治療用物質が眼内に溶出する前に侵食される。
【0412】
図38図44は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400の簡略断面図である。
【0413】
いくつかの実施形態では、デバイスは、平坦または高い曲率半径の後面を有し、例えば、図38のデバイス3800の後面3816、図39のデバイス39の後面3916、図40のデバイス4000の後面3406、図41のデバイス4100の後面4116などである。ここで、いくつかの実施形態では、高曲率半径は、5mmを超える、または10mmを超える、または9.6mmを超える、または8~12mm、または9~11mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の曲率半径もしくは範囲である。
【0414】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えばデバイス4200の後面4216、例えばデバイス4300の後面4316、例えばデバイス4400の後面4416などのように、凹状の後面を有する。ここで、いくつかの実施形態では、凹状の後面4216、4316、4416は、この文書の他の箇所で凹状及び/または湾曲した後部(複数可)に関して図示及び/または説明されている1つ以上の特徴を含む。
【0415】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面には単一の空洞が含まれ、例えば、いくつかの実施形態では、図38図40の要素3830、3930、4030はそれぞれ空洞である。いくつかの実施形態では、空洞3830、3930、4030は、デバイスの後面3816、3916、4016上に配置される。
【0416】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面には、異なる材料、例えば粘膜付着性材料を含む単一の部分が含まれており、いくつかの実施形態では、図38図40の要素3830、3930、4030はそれぞれ空洞である。いくつかの実施形態では、粘膜付着性部分3830、3930、4030は、それぞれデバイスの後面3816、3916、4016に配置される。
【0417】
ここで図41図42とを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面は、異なる材料4130、4230、例えば粘膜付着性材料を含む単一の部分を有し、単一の空洞4132、4232を有する。ここで、いくつかの実施形態では、空洞4130、4230及び異なる材料部分4132、4232は、それぞれデバイス4100、4200の後面4116、4216上に配置される。
【0418】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面には、異なる材料(複数可)の2つの部分があり、デバイス4100の部分4130、4132及び/またはデバイス4200の部分4230、4232は、同じ材料または異なる材料を有する。
【0419】
いくつかの実施形態では、デバイス4100、4200及び/またはデバイスの断面には、それぞれ2つの空洞4130、4132、及び4230、4232がある。
【0420】
ここで図43及び図44を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス4300、4400は、複数の凹部4330、4432と、複数の異なる材料部分4332、4432の両方を備えており、いくつかの実施形態では、これらは全て、それぞれデバイス4300、4400の後面4316、4416上に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の空洞及び/または1つ以上の異なる材料部分が、デバイスの本体内及び/または異なるデバイス表面、例えばデバイスの前面4318、4418上に配置される。
【0421】
ここで図43を参照すると、いくつかの実施形態では、空洞(複数可)4330は、異なる材料(例えば粘膜付着性)部分(複数可)4332よりも、表面4316及び/またはデバイス本体4300に対してより中央で、後面4316上に配置されている。
【0422】
ここで図44を参照すると、いくつかの実施形態では、異なる材料(例えば粘膜付着性)部分(複数可)4430は、空洞(複数可)4432よりも、表面4416及び/またはデバイス本体4400に対してより中央で、後面4416上に配置されている。
【0423】
図45図50は、本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000の簡略断面図である。
【0424】
いくつかの実施形態では、デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000は、それぞれ後面4516、4616、4716、4816、4916、5016と、それぞれ前面4518、4618、4718、4818、4918、5018とを備える。
【0425】
いくつかの実施形態では、デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000には、第1の層4510、4610、4710、4810、4910、5010と、第2の層4512、4612、4712、4812、4912、5012とが含まれる。ここで、いくつかの実施形態では、第1の層は、図31A図31Cの第1の層3110に関して説明され、及び/または図31A図37の第1の層3210、3210、3310、3410、3510、3610、3710のそれぞれ1つ以上に関して図示されている1つ以上の特徴を有する。ここで、いくつかの実施形態では、第2の層は、図31A図31Cの第2の層3112に関して説明され、及び/または図31A図37の第2の層3212、3212、3312、3412、3512、3612、3712のそれぞれ1つ以上に関して図示されている1つ以上の特徴を有する。
【0426】
いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥形態及び/または水和形態で平坦であるか、または曲率が低い(例えば、この文書の他の箇所で規定されるような)後面を有する。例えば、図45の後面4516、図46の後面4616、図47の後面4716、図49の後面4916である。
【0427】
ここで図45及び図47を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の層4512、4712(例えば、潤滑性材料を含む)がデバイスの本体の周囲に延び、例えば、デバイスの縁(複数可)4568を覆い、及び/またはデバイス4516、4716の近位表面の一部分(複数可)(例えば、縁(複数可))を形成する。
【0428】
ここで図45図47を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層及び/または第2の層は、デバイスの領域全体にわたって、及び/またはデバイスの1つ以上の断面に沿って、ほぼ均一な厚さを有する。例えば、図45の層4510、4512、図47の層4610、4612、層4712である。
【0429】
ここで図47図50を参照する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、デバイスの中心及び/または中央領域で最大厚さを有し、中央領域からデバイスの縁(複数可)に向かって厚さが減少する。例えば、図47の層4710、図48の層4810、4812、図49の層4910、4912、図50の層5012である。
【0430】
図45は、いくつかの実施形態において、平坦及び/または低曲率の後面4516及び前面4518を備えたデバイス4500を示しており、第2の層4512はデバイス4500の縁の周囲に延びて前面4518の一部分を形成する。各層の厚さがほぼ均一である。
【0431】
図46は、いくつかの実施形態において、平坦及び/または低曲率の後面4616及び前面4618を備え、層が個別にほぼ均一の厚さであるデバイスを示す。
【0432】
図47は、いくつかの実施形態において、平坦及び/または低曲率の後面4716と凸状の前面4718とを備え、第2の層4712がデバイス4700の縁の周囲に延びて前面4718の一部分を形成するデバイス4700を示す。いくつかの実施形態では、第2の層4712は、ほぼ均一な厚さである。いくつかの実施形態では、第1の層4710は、デバイスの中心及び/または中央領域で最大厚さを有し、中央領域からデバイス4700の縁(複数可)に向かって厚さが減少する。
【0433】
図48は、いくつかの実施形態において、凹状の後面4816と凸状の前面4818との両方を備えたデバイス4800を示す。いくつかの実施形態では、第1の層4810及び第2の層4812の両方は、デバイスの中心及び/または中央領域で最大厚さを有し、中央領域からデバイス4800の縁(複数可)に向かって厚さが減少する。
【0434】
図49は、いくつかの実施形態において、後面4916が平坦であるか、または曲率が低く、前面4918が凸状であるデバイス4900を示す。いくつかの実施形態では、第1の層4910及び第2の層4912の両方は、デバイスの中心及び/または中央領域で最大厚さを有し、中央領域からデバイス4900の縁(複数可)に向かって厚さが減少する。
【0435】
図50は、いくつかの実施形態において、後面が凸状の境界面を有するデバイス5000を示す。いくつかの実施形態では、後部には、1つ以上の突起5034及び/または1つ以上の空洞5030がある。例えば、2つの突起5034があり、それらの間に空洞5030が画定されている断面である。いくつかの実施形態では、一方または両方の層の厚さは不規則である。いくつかの実施形態では、後面5016は、不規則な形状、凸形状、または複数の凹部を有する形状を有する。
【0436】
図51図58は、本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800の簡略断面図である。
【0437】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800は、それぞれ後面5116、5216、5316、5416、5516、5616、5716、5816と、それぞれ前面5118、5218、5318、5418、5518、5618、5718、5818とを備える。
【0438】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800には、第1の層(例えば粘膜付着性)5110、5210、5310、5410、5510、5610、5710、5810と第2の層(例えば潤滑性)5112、5212、5312、5412、5512、5612、5712、5812とが含まれる。ここで、いくつかの実施形態では、第1の層は、図31A図31Cの第1の層3110に関して説明され、及び/または図31A図37の第1の層3210、3210、3310、3410、3510、3610、3710のそれぞれ1つ以上に関して図示されている1つ以上の特徴を有する。ここで、いくつかの実施形態では、第2の層は、図31A図31Cの第2の層3112に関して説明され、及び/または図31A図37の第2の層3212、3212、3312、3412、3512、3612、3712のそれぞれ1つ以上に関して図示されている1つ以上の特徴を有する。
【0439】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800には、それぞれ中間層5136、5236、5336、5436、5536、5636、5736、5836が含まれる。いくつかの実施形態では、中間層は、第1の層と第2の層との間に配置される。いくつかの実施形態では、中間層は、例えば図51図55及び図57図58に示されるように、他の層によって覆われる。いくつかの実施形態では、中間層には治療用物質(例えば、層内及び/または層の一部分(複数可)に分散されている)が含まれる。
【0440】
図51は、いくつかの実施形態において、平坦及び/または低曲率の後面5116及び前面5118を有するデバイス5100を示す。ここで、いくつかの実施形態では、第2の表面は、例えば中間表面5136の側面を囲むように、デバイス5100の縁を覆うように延びる。いくつかの実施形態では、第1の層5110、第2の層5112、及び第3の層5136のうちの1つ以上(例えば、全て)は、ほぼ均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5136の厚さは、他の層の1つ以上よりも厚く、例えば、1.5~10倍の厚さ、またはそれより薄いもしくは厚いもしくは中間の倍数もしくは範囲である。
【0441】
図52は、いくつかの実施形態において、後面5216が凸状であるデバイス5200を示す。
【0442】
いくつかの実施形態では、第1の層5210及び第2の層5212の厚さはほぼ同じであり、いくつかの実施形態ではほぼ均一である。いくつかの実施形態では、中間層5236は中央領域がより厚く、デバイス5200の縁に向かって厚さが薄くなる。いくつかの実施形態では、中間層5236の平均及び/または最大の厚さは、第1の層5210及び第2の層5212の一方または両方の厚さの1.5~10倍である。
【0443】
いくつかの実施形態では、凸状の後面により、眼球とデバイスとの間の吸引力が低減され、デバイスのユーザに対する快適性が向上し、デバイスの取り外しが容易になる可能性がある。いくつかの実施形態では、デバイスは、図52のデバイス5200の前面5216及び後面5218の形状を含むが、前の段落で説明したように、異なる層構造及び/または内部構成を有する。
【0444】
図53は、いくつかの実施形態において、第1の層5310、中間層5336、及び第2の層5312のそれぞれが厚い中央領域を有し、層の厚さがデバイス5300の縁に向かって減少するデバイス5300を示す。いくつかの実施形態では、第2の層5312は、デバイス5300の周囲に配置され、後面5316の一部分を形成する。いくつかの実施形態では、後面5316は、前面5318よりも高い曲率半径を有する(例えば、この文書の他の箇所、例えば概要セクションで説明されている1つ以上の特徴を含む曲率半径)。
【0445】
図54は、いくつかの実施形態において、第1の層5410、中間層5436、及び第2の層5412のそれぞれが厚い中央領域を有し、層の厚さがデバイス5400の縁に向かって減少するデバイス5400を示す。いくつかの実施形態では、層の厚さは、デバイスの中央領域及び/またはデバイスの1つ以上の断面全体にわたってほぼ同じである。
【0446】
いくつかの実施形態では、図55のデバイス5500は、中間層5536が、いくつかの実施形態では、第1の層5510及び第2の層5512の一方または両方とほぼ同じ厚さであることを除いて、図51のデバイス5100と同じ特徴を有する。
【0447】
図56は、いくつかの実施形態において、各層5610、5612、5636が、図示された断面に沿って一定の厚さを有するデバイス5600を示す。いくつかの実施形態では、中間層5636には治療用物質が含まれている。いくつかの実施形態では、中間層5636は、他の層5612、5610の一方または両方よりも厚くなっている。例えば、粘膜付着性層5610及び/または潤滑性層5612の1.5~10倍の厚さである。いくつかの実施形態では、中間層5636は複数の層を含む。
【0448】
図57は、いくつかの実施形態において、凸状の前面5718と、平坦または低曲率の後面5716とを有するデバイス5700を示す。いくつかの実施形態では、粘膜付着性層5716は、デバイスの1つ以上の断面にわたって均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、潤滑性層5712は、中間層5736の周囲の周りの経路上で均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5736は、デバイス5700の1つ以上の断面の中央領域で厚くなり、いくつかの実施形態では、デバイスの縁(複数可)に向かって厚さが薄くなる。いくつかの実施形態では、潤滑性層5712は、後面5716の一部分を形成しない。
【0449】
図58は、いくつかの実施形態において、凸状の前面5818と凹状の後面5816とを有するデバイス5800を示す。いくつかの実施形態では、粘膜付着性層5816は、デバイスの1つ以上の断面にわたって均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、潤滑性層5812は、中間層5836の周囲の周りの経路上で均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5836は、デバイス5800の1つ以上の断面の中央領域で厚くなり、いくつかの実施形態では、デバイスの縁(複数可)に向かって厚さが薄くなる。いくつかの実施形態では、潤滑性層5812は、後面5816の一部分を形成しない。
【0450】
図59Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス5900の簡略断面図である。
【0451】
いくつかの実施形態では、デバイス5900には、保持部5936(例えば、この文書の他の箇所で保持部に関して説明されている1つ以上の機能を含む)と薄い縁5971との両方が含まれる。
【0452】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁(例えば、周縁)は、デバイスの後面5916と前面5918との間の最短距離として定義される距離5967での平均厚さ5969が、約15ミクロン、または約20ミクロン、または約30ミクロン、または約50ミクロンである。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、約15ミクロン、または約20ミクロンの薄い縁を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの縁の厚さは、約5~200ミクロン、または5~200ミクロン、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の厚さもしくは範囲である。
【0453】
いくつかの実施形態では、距離5967は、デバイスの0.1~1mm、または0.1~0.5mm、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の距離もしくは範囲である。いくつかの実施形態では、距離5967は約0.1mm、または約0.5mmである。
【0454】
いくつかの実施形態では、薄い縁5971はデバイス5900の領域にわたって延びている。例えば、デバイスの周縁の一部分である。例えば、デバイスの周囲の20~99%、または80~90%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはパーセンテージである。例えば、デバイスの側面に対して、後縁のみ、または前縁のみなどである。例えば、デバイスの複数の側面、例えば前縁及び後縁、例えば反対側の2つの側面などである。
【0455】
いくつかの実施形態では、図59Aは、デバイス5900が弛緩した状態にあることを示す。
【0456】
図59Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス5900の簡略断面図である。
【0457】
いくつかの実施形態では、図59Bは、図59Aのデバイスが眼表面(例えば、瞼の下)の位置にあるときの様子を示す。いくつかの実施形態では、薄い縁5971は柔軟であり、デバイス5900が眼表面上にあるときに眼表面5904に適合する。
【0458】
図60は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略断面図である。
【0459】
いくつかの実施形態では、図60は、図59Aのデバイスが眼表面に配置された状態を示しており、このデバイスでは、例えば、この文書の概要セクションで説明したように、薄い縁が眼の表面に凹んでいる。
【0460】
図61は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス6100の簡略断面図である。
【0461】
いくつかの実施形態では、デバイス6100は凸状の後面6116を有する。いくつかの実施形態では、デバイス6100は、この文書の他の箇所で説明されている保持部の1つ以上の特徴(例えば、図6Bの保持部636)を含む保持部6136を有し、いくつかの実施形態では、高さは、例えば図61内の垂直矢印で示されているように、眼表面6104から測定される。
【0462】
あるいは、いくつかの実施形態では、高さは、デバイスが置かれている平面から測定される。あるいは、いくつかの実施形態では、高さは、デバイスの縁(または周縁の大部分)を接続する平面6199から、またはデバイスの最大面積の断面積を区切る平面(前面6118と後面6116との間に位置する平面)から測定される。
【0463】
図62Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面の一部分の簡略断面図である。
【0464】
図62Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の眼科デバイス6200の簡略断面図である。
【0465】
図62Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面上の眼科デバイス6200の簡略断面図である。
【0466】
いくつかの実施形態では、支質6260の上に眼上皮層6258があり、その上に水性涙液層6256があり、その上に脂質層6254がある。
【0467】
いくつかの実施形態では、図62Aは、例えばデバイス6200を眼に取り付ける前の、眼の解剖学的構造の断面を示す。
【0468】
いくつかの実施形態では、図62Bは、デバイス6200の適用後すぐ及び/または適用直後のデバイス6200及び眼の解剖学的構造を示す。
【0469】
いくつかの実施形態では、図62Cは、デバイス6200及びデバイスの適用後の一定期間の眼の解剖学的構造を示しており、いくつかの実施形態では、その一定期間は適用後約1分から1時間である。
【0470】
次に、図62Bを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス本体6200は後面6216と前面6218とを含む。いくつかの実施形態では、本体6200の厚さは、本体の縁に向かって細くなる。
【0471】
いくつかの実施形態では、デバイス6200は、いくつかの実施形態では後面6216上に配置される空洞6230、6232を含む。
【0472】
いくつかの実施形態では、デバイスの適用後、涙液がデバイスの適用前と同様に空洞6232、6234上皮6258を満たす。いくつかの実施形態では、涙液、例えば水性及び/または脂質がデバイスを覆う(図示せず)。
【0473】
ここで図62Cを参照すると、いくつかの実施形態では、一定期間後、眼組織はデバイス6200の形状に適合する。例えば、上皮組織6258は、例えば空洞入口での吸引により、空洞6230/6232に向かって局所的に突出する(6260)。潜在的に上皮突起(複数可)6260はデバイス6200を所定の位置に固着し、例えばデバイスの移動及び/または排出の可能性を低減させる。
【0474】
図63のA~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面6358上のデバイス6300の一部分の簡略断面図である。
【0475】
いくつかの実施形態では、図63Aは、デバイス6300の適用後すぐ及び/または適用直後のデバイス6300及び眼の解剖学的構造6358を示す。
【0476】
いくつかの実施形態では、図63Bは、デバイスの適用後の最初の期間におけるデバイス6300及び眼の解剖学的構造6358を示す。ここで、いくつかの実施形態では、第1の時間期間は1分から1時間である。
【0477】
いくつかの実施形態では、図63Cは、図63Bに示された断面の後の第2の期間、例えば、図63Bのデバイス6300及び眼の解剖学的構造6358の図示からさらに1分から1時間後のデバイス6300及び眼の解剖学的構造6358を示す。
【0478】
ここで、図63Aを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス本体6300には、空洞6330と突起3034とを含む後面6316が含まれる。
【0479】
いくつかの実施形態では、デバイスの適用後、涙液が空洞6332、6334を満たし、上皮6358はデバイスの適用前と同様である。
【0480】
ここで図63Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の期間後、眼組織はデバイス6300の形状に適合する。例えば、上皮組織2058は、局所的に空洞6330に向かって突出6360し、及び/または凹部を形成して、突起6334に隣接する領域で柔軟な上皮組織に凹部6362を形成する。いくつかの実施形態では、凹んだ材料がデバイス6300を固定する可能性があり、デバイス6300の移動及び/または排出の可能性が低減される可能性がある。
【0481】
ここで図63Cを参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス6300の生分解及び/または生体侵食及び/または機械的侵食が発生する。いくつかの実施形態では、突起6334のサイズが縮小され(例えば、1つ以上の次元で)、及び/または突起6334の角(複数可)が丸くなっている。いくつかの実施形態では、空洞6330の角が丸くなっている。いくつかの実施形態では(図示せず)、空洞は1つ以上の次元で広くなり、及び/または深さが変化し、例えば浅くなり、または深くなる。
【0482】
いくつかの実施形態では、図63Cの近位表面6316は、例えば、突起(複数可)6334及び/または空洞(複数可)6330を含む例示的な近位表面形状を示す。
【0483】
図64図66は、本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイス6400、6500、6600の簡略断面図である。
【0484】
図64~66は、いくつかの実施形態において、図に矢印で示されるように治療成分の溶出を示す。
【0485】
ここで図64を参照すると、いくつかの実施形態では、中間層6436には治療用物質が含まれており、デバイス6400の縁では他の層(複数可)によって覆われていない。いくつかの実施形態では、層は、例えば矢印で示されるように、縁を通して治療成分(複数可)を溶出する。
【0486】
ここで図65を参照すると、いくつかの実施形態では(例えば、デバイスの縁から溶出する代わりに、またはそれに加えて)、中間層6536には治療用物質が含まれており、第2の潤滑性層6512によって完全には覆われておらず、治療用成分(複数可)は第2の層から溶出される。例えば、図65の矢印で示されるように、層6512内のチャネル(複数可)及び/または穴6530を介してである。いくつかの実施形態では、チャネル(複数可)及び/または穴を有する代わりに、またはそれに加えて、第2の層6512には、治療成分(複数可)の材料を介した拡散を可能にする材料が含まれる。
【0487】
ここで図66を参照すると、いくつかの実施形態では(例えば、デバイスの縁を通って及び/または第2の潤滑性表面6612を通って溶出することに代えてまたは追加して)、中間層6636には治療用物質が含まれており、第1の粘膜付着性層6510によって完全には覆われておらず、治療用成分(複数可)は第1の層から溶出される。例えば、図66の矢印で示されるように、層6610内のチャネル(複数可)及び/または穴6630を介してである。いくつかの実施形態では、チャネル(複数可)及び/または穴を有する代わりに、またはそれに加えて、第1の層6610には、治療成分(複数可)の材料を介した拡散を可能にする材料が含まれる。
【0488】
図67のA~Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイスの一部分の簡略断面図である。
【0489】
図68は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの崩壊進行のフローチャートである。
【0490】
図67Aは、いくつかの実施形態において、デバイスが眼表面上に配置される前のデバイス層構造を示す。このデバイスは、第1の粘膜付着性層6710、中間層6736、及び第2の潤滑性層6712を含む。
【0491】
6800では、いくつかの実施形態では、デバイス6700が眼表面6758上に配置される。
【0492】
6802では、いくつかの実施形態では、粘膜付着性層6710が分解及び/または溶解及び/または侵食され、例えば、デバイス6700が図67Bに示す構成から図67Cに示す構成に移行する。
【0493】
6804では、いくつかの実施形態では、中間層6736が部分的に分解及び/または溶解及び/または侵食され、例えば、デバイス6700が図67Cに示す構成から図67Dに示す構成に移行し、次に図67Eに示す構成に移行する。
【0494】
6806では、いくつかの実施形態では、潤滑性層6712が溶解し、及び/または分解し、及び/または侵食され、例えば、眼が図67Eに示す構成から図67Fに示す構成に移行する。
【0495】
図69のA~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイス6900の簡略断面図である。
【0496】
いくつかの実施形態では、図69A図69Cは、デバイスの一部分(例えば、縁が示されていない中央部分)を示す。
【0497】
図69A図69Cでは、いくつかの実施形態において、同様の陰影は同じ材料特性(例えば、潤滑性、粘膜付着性、治療用物質を含む)を有する部分を示す。
【0498】
いくつかの実施形態では、デバイス6900には後面6916と前面6918とが含まれ、表面6916、6918の一方または両方には、この文書の他の箇所で図示及び/または説明されているように、1つ以上の特徴(曲率、厚さなど)がある。
【0499】
いくつかの実施形態では、デバイス6900は、第1の粘膜付着性層6910と第2の潤滑性層6912とを含む。
【0500】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性層6910は、後面6916の大部分(例えば、55~99%を超える、または60~90%、またはそれより低いもしくは高いもしくは中間の範囲もしくはパーセンテージ)または全てを覆う。大きな表面積を持つ粘膜付着性層の潜在的な利点としては、例えば眼表面への付着力の向上に伴う安定性の向上が挙げられる。
【0501】
いくつかの実施形態では、潤滑性層6912は前面6918の一部分、例えば縁領域を覆う。
【0502】
いくつかの実施形態では、デバイス6900には第3の層6970が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層6970には、急速に溶解及び/または分解及び/または研磨する材料が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス6900の他の層(複数可)よりも急速に分解する。例えば、図69A図69Bとの間の移行に示すように、第3の層6970の厚さが減少している。
【0503】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性層6910は、デバイスの他の1つ以上の層よりも容易に侵食され(例えば、図示されていない眼表面への近接性及び/または層の材料特性に関連)、及び/または溶解及び/または分解されやすい(例えば、材料特性に関連)。例えば、図69A図69Bとの間の移行に示すように、粘膜付着性層6910の厚さが減少している。
【0504】
いくつかの実施形態では、中間層6936には治療用物質が含まれており、第3の層6970が消失して露出すると、中間層6936は溶解及び/または分解及び/または侵食され始め、例えば薬剤が溶出する。いくつかの実施形態では、中間層は、例えば中間層6936に形成された空洞6930によって示されるように、他の1つの層、例えば潤滑性層6912及び/または粘膜付着性層6916よりも容易に溶解及び/または分解及び/または侵食される。
【0505】
図70のA~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間が経過する際のデバイスの簡略断面図である。
【0506】
いくつかの実施形態では、図70A図70Cは、デバイスの一部分(例えば、縁が示されていない中央部分)を示す。
【0507】
図70A図70Cでは、いくつかの実施形態において、同様の陰影は同じ材料特性(例えば、潤滑性、粘膜付着性、治療用物質を含む)を有する部分を示す。
【0508】
いくつかの実施形態では、デバイス7000には後面7016と前面7018とが含まれ、表面7016、7018の一方または両方には、この文書の他の箇所で図示及び/または説明されているように、1つ以上の特徴(曲率、厚さなど)がある。
【0509】
いくつかの実施形態では、デバイス7000は、第1の粘膜付着性層7010と第2の潤滑性層7012とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス7000には中間治療用物質7036層が含まれる。
【0510】
いくつかの実施形態では、潤滑性層7012、粘膜付着性層7016の1つ以上(例えば全て)がデバイス7000の縁領域(複数可)に配置され、例えばデバイス7000の中央領域には存在しない。
【0511】
いくつかの実施形態では、デバイス7000には第3の層7070が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層7070には、急速に溶解及び/または分解及び/または研磨する材料が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス7000の他の層(複数可)よりも急速に分解する。例えば、図70Aから図70B図70Cへと進むにつれて、第3の層7070の厚さが減少し、その後、図70Cから図70Dへと移行して第3の層7070が消える様子が図示されている。いくつかの実施形態では、例えば図70Aから図70Bへの移行に示すように、粘膜付着性層7010が最初に消失し、例えば中間治療用物質層7036が露出する。いくつかの実施形態では、第3の層7070は消失し、例えば図70Dに示すように、デバイスの縁に1つ以上の残りの層(複数可)が残る。いくつかの実施形態では、デバイス7000は、例えば角膜を覆う眼の領域の上に配置され、第3の層7070が消失すると、デバイスに穴が開き、例えば角膜を囲む強膜上にデバイス7000が配置される。
【0512】
図71は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス7100の簡略断面図である。
【0513】
いくつかの実施形態では、図71は、デバイスの一部分(例えば、縁が示されていない中央部分)を示す。
【0514】
図71では、いくつかの実施形態において、同様の陰影は同じ材料特性(例えば、潤滑性、粘膜付着性、治療用物質を含む)を有する部分を示す。
【0515】
いくつかの実施形態では、デバイス7100には後面7116と前面7118とが含まれ、表面7116、7118の一方または両方には、この文書の他の箇所で図示及び/または説明されているように、1つ以上の特徴(曲率、厚さなど)がある。
【0516】
いくつかの実施形態では、デバイス7100は、第1の粘膜付着性層7110と第2の潤滑性層7112とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス7100には中間治療用物質7136層が含まれる。いくつかの実施形態では、粘膜付着性層7110は、デバイスの後面7116の大部分または全てを覆う。
【0517】
いくつかの実施形態では、潤滑性層7112及び中間治療用物質層7136のうちの1つ以上が、デバイス7100の中央領域には存在せず、デバイス7100の縁領域(複数可)に配置される。
【0518】
いくつかの実施形態では、デバイス7100には第3の層7170が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層7170には、急速に溶解及び/または分解及び/または研磨する材料が含まれる。いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス7100の他の層(複数可)よりも急速に分解する。
【0519】
いくつかの実施形態では、デバイス7100には分解性層7172が含まれ、いくつかの実施形態では、この分解性層7172は、粘膜付着性層7110、潤滑性層7112、及び治療層7136の1つ以上よりも急速に分解する。ここで、いくつかの実施形態では、分解性層7172は、第3の層7170よりも遅く分解及び/または溶解及び/または侵食される。
【0520】
ここで、いくつかの実施形態では、第3の層7170が最初に消失し、例えば、治療層7136の一部分(複数可)が露出して、治療用物質の溶出を開始及び/または増加させる。ここで、いくつかの実施形態では、分解性層7172はその後侵食され、例えば治療用物質層がさらに露出され、及び/またはデバイスが崩壊する。
【0521】
図72は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス7200の簡略断面図である。
【0522】
いくつかの実施形態では、デバイス7200には後面7216と前面7218とが含まれ、表面7216、7218の一方または両方には、この文書の他の箇所で図示及び/または説明されているように、1つ以上の特徴(曲率、厚さなど)がある。
【0523】
いくつかの実施形態では、前面7218には、デバイス7200の中央領域に配置された低曲率(または平坦)領域が含まれる。いくつかの実施形態では、後面7216に向かって湾曲する。
【0524】
いくつかの実施形態では、デバイス7200は、第1の粘膜付着性層7210と第2の潤滑性層7212とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス7200には中間治療用物質7236層が含まれる。いくつかの実施形態では、第2の表面7212は、デバイス7200の縁(複数可)の周囲に湾曲し、例えば、いくつかの実施形態では、後面7216の縁部分を形成する。
【0525】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性層7210は、デバイス7200の縁領域及び/または後面7216を占める。
【0526】
粘膜付着性材が、例えば中間治療用物質層7236の凹部としてデバイス7200の縁に局所的に配置されることの潜在的な利点は、治療用物質のためにデバイスの容積をより多く維持しながら粘膜付着性材の付着の利点が得られることである。いくつかの実施形態では、中間治療用物質層7236は、後面7216の少なくとも一部分を形成する。潜在的な利点としては、デバイス7200を眼表面に取り付けた後、成分が急速に溶出することが挙げられる。
【0527】
図73のA~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼表面7304上のデバイス7300の簡略断面図である。
【0528】
簡潔にするために、デバイス7300は長方形の断面を有するように図示されているが、デバイス7300は、いくつかの実施形態では、この文書内の他の箇所で説明されているデバイス(複数可)の1つ以上の特徴を有する形状(例えば、デバイスの後面及び/または前面の曲率を含む形状)を有する。
【0529】
いくつかの実施形態では、デバイス7300には、治療用物質粒子7336を含む層7312が含まれる。物質粒子7336は、いくつかの実施形態では、例えばこの文書の他の箇所で説明されているように、マイクロ粒子及び/またはナノ粒子の1つ以上の特徴を含む。
【0530】
いくつかの実施形態では、材料粒子7336は、例えば、この文書の他の箇所で説明されているような保持部を有するデバイスである。ここで、いくつかの実施形態では、デバイス7300には、例えばそれぞれが保持部を有する1~10個の粒子7336が含まれる。
【0531】
いくつかの実施形態では、層7312の他の材料は急速に溶解可能及び/または分解可能及び/または侵食可能である。いくつかの実施形態では、侵食により、例えば図73Aから図73Bの間の移行に示すように、粒子7336が露出し、分散できるようになる。いくつかの実施形態では、例えば図73Bに示されているものとは別に、粒子は瞼内に分散され、瞼の下に残り、例えば保持部は、眼組織が瞼の下に粒子7336を保持することを意味する。
【0532】
いくつかの実施形態では、粒子7336には治療用物質が含まれている。任意選択で、いくつかの実施形態では、粒子7336には粘膜付着性物質が含まれている。粒子が層7312から放出された後、それが眼表面7304に接触すると(例えば、瞼、眼球、及び涙液の1つ以上の動きにより)、粒子は眼表面に付着する可能性がある。いくつかの実施形態では、粒子は、例えば眼球及び/または瞼を含む1つ以上の粘膜表面に付着する。いくつかの実施形態では、粒子はその後分解し(例えば、約10分、または約1時間、または約12時間、または約1日、または約3日、またはそれより短いもしくは長いもしくは中間の期間にわたって)、眼組織に治療用物質を放出する。
【0533】
任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の追加層(例えば、層7312以外)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス7300には粘膜付着性層7310が含まれる。
【0534】
いくつかの実施形態では、粒子を含む治療用物質層7312は、この文書に記載されているデバイスの実施形態の1つ以上に組み込まれる。例えば、治療用物質層7312をカバーする機能及び/または治療用物質層7312にアクセスする機能が含まれる。
【0535】
図74のA~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルムの簡略断面図である。
【0536】
いくつかの実施形態では、図74A図74Dは、デバイスの一部分の断面図を示す。
【0537】
いくつかの実施形態では、図74A図74Dは、本発明のいくつかの実施形態による製造プロセスの異なる部分、例えば連続した部分を示す。
【0538】
図75は、本発明のいくつかの実施形態による、製造方法である。
【0539】
ここで図74Aを参照すると、いくつかの実施形態では、基板7474は、例えば、この文書の他の箇所で説明されているフィルムの1つ以上の特徴を含むフィルムである。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは単一の層を含む。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは複数の層を含み、例えば、各層は異なる組成及び/または材料特性を有する。
【0540】
ステップ300では、例えば図74Bを参照すると、いくつかの実施形態では、基板7474に空洞(複数可)が作成される。例えば、治具、プレス、パンチ、レーザ彫刻、穴あけ、分子インプリントポリマー(MIP)、3D印刷のうち1つ以上を使用する。
【0541】
ステップ302では、例えば図74Cを参照すると、いくつかの実施形態では、空洞(複数可)は、例えば基板7474とは異なる材料7478で満たされる。
【0542】
ステップ304では、例えば図74Dを参照すると、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層7480が基板層7474の上に塗布される。いくつかの実施形態では、追加層7480は、他の部分(複数可)7474、7478とは異なる特性(例えば、異なる材料特性)を持つ。
【0543】
いくつかの実施形態では、基板7474には粘膜付着性材料が含まれ、充填材料7478には治療用物質が含まれ、追加層7480には潤滑性材料が含まれる。
【0544】
図76のA~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス7600の簡略断面図である。
【0545】
いくつかの実施形態では、デバイス7600には、第1の層7610と第2の層7612とが含まれる。いくつかの実施形態では、デバイスの後面7616は凹面である。いくつかの実施形態では、凹部は追加の材料7636で満たされる。例えば、製造中、及び/または使用直前などのユーザによる操作などである。いくつかの実施形態では、追加材料7636には治療成分(複数可)が含まれる。いくつかの実施形態では、追加の材料7636には粘膜付着性材が含まれる。いくつかの実施形態では、デバイス7600は、眼に接触する局所塗布の滞留時間を延長するために使用される。例えば、デバイス7600が眼表面7604に密着し、追加の材料7637を眼表面と接触させたまま保持するが、その時間は、いくつかの実施形態では、例えば点眼薬及び/または軟膏の滞留時間よりも長い。ここで、いくつかの実施形態では、期間は10分から12時間、または10分から2時間、またはそれより短いもしくは長いもしくは中間の時間期間もしくは範囲である。
【0546】
いくつかの実施形態では、デバイス7600には、潤滑性材料7612及び/または粘膜付着性材料7610が含まれる。
【0547】
例示的な治療方法
いくつかの実施形態では、眼を治療する例示的な方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに従った眼科デバイスを瞼と前記眼の表面との間に挿入すること、及び少なくとも1つの薬剤を前記眼に放出することを可能にすること、または放出することを含む。いくつかの実施形態では、挿入は下眼瞼の下に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、挿入は上眼瞼の下に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、挿入は、前記眼の瞼板の後ろに挿入することを含む。いくつかの実施形態では、挿入は、前記デバイスを眼球結膜上、かつ少なくとも部分的に前記眼瞼の下に配置することを含む。
【0548】
例示的な材料
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの1つ以上の部分には、フィルム形成剤、可塑剤、結合剤、及び賦形剤のうちの1つ以上が含まれる。
【0549】
いくつかの実施形態では、デバイスには、抗感染性及び抗炎症性の薬物療法(グルココルチコイド、NTHE、生物学的因子、またはそれらの組み合わせを含む)の1つ以上と、銀、金、酸化亜鉛、二酸化チタン、セレン、銅、ポリアンモニウム塩、シグナル伝達阻害ペプチド、抗菌ペプチド、サイトカイン、酵素などの他の技術及び手段が含まれている。
【0550】
いくつかの実施形態では、デバイスは、熱感受性及び/またはPH感受性及び/またはイオン感受性化合物を含む。
【0551】
理論に縛られることなく、化合物の分子量及び/またはデバイスの材料内の架橋度は、デバイスの一貫性(例えば、硬度及び/または剛性)に寄与し、及び/またはデバイスのレオロジー特性(例えば、粘度)に寄与する。いくつかの実施形態では、分子量及び/または架橋及び/または粘稠度及び/またはレオロジー特性によって、デバイスの滞留時間及び/または治療薬の放出速度が規定される。
【0552】
いくつかの実施形態では、デバイス組成物は少なくとも1つの荷電化合物を含む。いくつかの実施形態では、デバイス組成物は、少なくとも1つの荷電化合物と、反対の電荷を有する少なくとも1つの化合物とを含み、液体吸着時にPEC(高分子電解質複合体)形成を構成する。
【0553】
非限定的な例示的な材料(複数可):
非分解部分としては、
例えば以下を含む、1つ以上の分解可能な部分、
1つ以上の急速に分解する部分
1つ以上の分解が遅い部分
潤滑性部分(例えば、潤滑性層及び/またはフィルム)、及び/または、
粘膜付着性部分(例えば、粘膜付着性層及び/またはフィルム)、及び/または、
眼科デバイスの他の部分(複数可)としては、
本明細書に列挙するもののうちの1つ以上(及び/または類似の化合物及び/または材料及び/またはポリマー及び/またはそれらの組み合わせ)は以下のとおりである。
【0554】
ポリエチレンフタレートポリマーフィルム;例えばフィルムとして購入(MYLAR-A(登録商標)、DuPont、USA)。
【0555】
ポリビニルアルコール4-88;例えば粉末として購入(Merck,Germany)。
【0556】
Methocel LV-50;例えば粉末として購入(DOW,USA)。
【0557】
ポリビニルアルコール;例えば粉末として購入(Merck,Germany)。
【0558】
ポリビニルアルコール[PVA]:ポリエチレングリコール[PEG]グラフト共重合体;例えば粉末として購入(Kollicoat-IR(登録商標);BASF、ドイツ)。
【0559】
ヒドロキシプロピルセルロースポリマー;例えば粉末として購入(Klucel-LF(登録商標);Ashland,USA)ポビドン(Kollidone25;BASF,Germany)。
【0560】
Carbomer、Carbopol、Carbopol971、Carbopol974、Carbopol934、Carbopol2020。
【0561】
架橋ポリアクリル酸;例えば粉末として購入(Carbopol974、Lubrizol、USA)。
【0562】
架橋ポリアクリル酸ナトリウム;例えば、粉末として購入(FavorPac(登録商標)、Evonik、Germany)。
【0563】
架橋ポリアクリル酸ナトリウム;例えば、粉末として購入(Luquasorb(登録商標)、BASF、USA)。
【0564】
CMCナトリウム、ポリカルボフィル、トラガカント、ポリアクリル酸ポリマー、アルギン酸ナトリウム、(ポリ)ヒドロキシエチルセルロース、HPMC、カラヤガム、ゼラチン、グアーガム、デンプン、加工デンプン、ペクチン、サイリウム、アンバーライト樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース。
【0565】
キトサン;例えば、粉末として購入(KiOnutrime-CsG;kitozyme,Belgium)。
【0566】
キトサン;例えば、粉末として購入(Chitoclear;Premix,Iceland、または90/200/A1、Kraeber,Germany、またはProtasan UP CL114、113、213、214、Novamatrix,Norway)。
【0567】
アルギン酸塩、ジェランガム、オイドラギット。
【0568】
ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(メチルビニルエーテル)コ無水マレイン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルエチルセルロース、ポリヒドロキシエチルメタクリレート。
【0569】
メチルセルロースまたはヒプロメロースまたはポビドン(コリドン25、BASF、ドイツ)、またはポリビニルピロリドン(PVP)。
【0570】
架橋ポリグルタミン酸;例えば、粉末として購入(PGA;hayashibira,Japan)。
【0571】
架橋デキストランゲル;例えば、粉末として購入(SephadexG-100,GE Medical)。
【0572】
ラクトース一水和物;例えば、粉末として購入(Pharmatose200、Fonterra,New Zealand)。
【0573】
セルロースアセテート、エチルセルロース、メチルセルロース、変性セルロース。
【0574】
シリコン、アクリレート、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリエステル。
【0575】
ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン。
【0576】
生体適合性金属合金。
【0577】
ポリマーフォーム。
【0578】
ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)。
【0579】
セルロースアセテートブチレート、シロキサンアクリレート、t-ブチルスチレン、フルオロシロキサンアクリレート、パーフルオロエーテル。
【0580】
シリコーンハイドロゲル、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ガリフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンC、シフィルコンA、コンフィルコンA、エンフィルコンA、バラフィルコンA、デレフィルコンA、ナラフィルコンB、ナラフィルコンA、ステンフィルコンA、ソモフィルコンA、ファンフィルコンA、サムフィルコンA、エラストフィルコン。
【0581】
テフィルコン、テトラフィルコンA、クロフィルコン、ヘルフィルコンA/B、マフィルコン、ポリマコン、ヒオキシフィルコンB。
【0582】
サーフィルコンA、リドフィルコンA、リドフィルコンB、ネトラフィルコンA、ヘフィルコンB、アルファフィルコンA、マフィルコンA、オマフィルコンB、ヴァサーフィルコンA、ヒオキシフィルコンA、ヒオキシフィルコンD、ネルフィルコンA、ヒラフィルコンA、ヒラフィルコンB、アコフィルコンA、ネソフィルコンA。
【0583】
ブフィルコンA、デルタフィルコンA、フェムフィルコン。
【0584】
ブフィルコンA、パーフィルコンA、エタフィルコンA、フォコフィルコンA、オクフィルコンB、オクフィルコンC、オクフィルコンD、オクフィルコンE、オクフィルコンF、フェムフィルコンA、メタフィルコンA、メタフィルコンB、ビルフィルコンA。
【0585】
ロトラフィルコンA、バラフィルコンA、セノフィルコンA、ガリフィルコンA、サムフィルコンA、コンフィルコンA、エンフィルコンA及び類似品。
【0586】
PHEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、MA(メタクリル酸)、MMA(メチルメタクリレート)、GMA(グリセリルメタクリレート)、DAA(ジアセトンアクリルアミド)、PVOH(ポリビニルアルコール)、PVA(ポリビニルアセテート)。
【0587】
シリコーンゴム、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートウレタン、ポリイミド。
【0588】
ポリグリコリド、ポリ乳酸、ポリヒドロキソ酪酸、ヒアルロン酸、及びハイドロゲル、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)。
【0589】
ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA)、及びポリ(カプロラクトン)。
【0590】
ポリグリコリド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-D-ラクチド、ポリ(アミノ酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグルコネート、ポリ乳酸-ポリエチレンオキシド共重合体、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(α-ヒドロキシ酸)。
【0591】
ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステルアミド(PEA)。
【0592】
タンパク質、脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、コラーゲン。
【0593】
ポロキサマー、シンペロニクス、プルロニクス、コリフォー、プルロニックF127(BASF)、シンペロニックPE/F127(Croda)、ポロキサマー188(プルロニック(登録商標)F-68)、ポロキサマー407(プルロニック(登録商標)F-127)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリ(プロピレンオキシド)、カルボキシル化ポリスチレン、PEG化ポリスチレン、デンドリマー、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)。
【0594】
ポリエチレングリコール(Sigma,USA)。
【0595】
トリエチルクエン酸[TEC]及びアセチルトリブチルクエン酸[ATBC];例えば液体として購入(Merck,Germany)。
【0596】
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
【0597】
DEP[ジエチルフタル酸エステル];例えば液体として購入(Spectrum,USA)。
【0598】
グリセロールモノステアレート[GMS];例えば液体として購入(Cognis,Germany)。
【0599】
エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール[IPA]、エチルアセテート、酢酸、アセトン(BioLab,Israel)は、ポリマーを溶解するために使用される有機溶媒である。
【0600】
ヒプロメロースフタレート[HP-55]及びヒプロメロースアセテートコハク酸塩[AQOAT AS-LF];例えば、粉末として購入(Shin-Etsu、Korea)。CAP[セルロースアセテートフタレート]及びCA[セルロースアセテート];例えば、粉末として購入(Eastman,USA)。
【0601】
多糖類(β-シクロデキストリン、デキストラン、イヌリン等)、糖類(グルコース、ラクトース、ロイクロース、マルトース、ラフィノース、スクロース、トレハロース等)、ポリオール(マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等)、オリゴ糖、炭水化物。
【0602】
熱感応性、PH感応性、イオン感応性、圧力感応性、たわみ感応性化合物。
【0603】
賦形剤には、抗付着剤、結合剤及び付着剤(粘膜付着剤を含む)、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、保存料、吸着剤、甘味料、賦形剤が含まれる。
【0604】
1種以上の溶媒、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、エチルアセテート、アセトン、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)のうちの1種以上。
【0605】
例示的な潤滑性物質
いくつかの実施形態では、潤滑剤部分(例えば、潤滑性層)には、セルロースアセテート、エチルセルロース、PVA(ポリビニルアルコール)ポリビニルアルコール[PVA]:ポリエチレングリコール[PEG]グラフト共重合体またはPVA(ポリビニルアセテート)またはPVA(ポリビニルアセテート)またはメチルセルロースのうちの1つ以上が含まれる。
【0606】
例示的な粘膜付着性材料
いくつかの実施形態では、「粘膜付着性」という用語は、生物組織に付着することができる任意の化合物を包含する。いくつかの実施形態では、粘膜付着性剤はポリマーである。いくつかの実施形態では、粘膜付着性剤は、いくつかの実施形態では、帯電しているか、または中性である。
【0607】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性部分(例えば、粘膜付着性層)には、粘膜付着特性を提供するように構成された1つ以上の成分が含まれる。
【0608】
いくつかの実施形態では、粘膜付着性部分(例えば、粘膜付着性層)には、ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOHとも呼ばれる)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel)、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Kollicoat-IR)、メチルセルロース、ヒプロメロースメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel)、ポビドン(ポリビニルピロリドン)のうちの1つ以上が含まれる。
【0609】
例示的な治療薬
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された実施形態によるデバイスの治療用物質部分または層には、1つ以上の治療薬、例えば、1つ以上の薬物及び/または天然化合物または合成化合物が含まれる。
【0610】
いくつかの実施形態では、1つ以上の治療薬は、固体、粉末、軟膏、液体、ビッド(例えばポリマービッド)、分散液、溶液、ペレット、微粒子、ミクロスフェア、及びマイクロカプセルのうちの1つ以上の形態である。
【0611】
いくつかの実施形態では、治療用物質には、1~1000μmのサイズ範囲の微粒子として1つ以上の治療剤が含まれている。
【0612】
いくつかの実施形態では、治療用物質には、有効医薬成分(API)及び/または賦形剤及び/またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0613】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス(例えば、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による)には、約1μg~約10,000μg、または10,000μg超、または0~1μg、または1μg~5μg、または5μg~10μg、または10μg~50μg、または50μg~100μg、または100μg~500μg、または500μg~1000μg、または1000μg~5000μg、または5000μg~10000μg、または10000μg~30000μgの範囲内の1つ以上の治療薬の投与量が含まれる。
【0614】
他のいくつかの実施形態では、眼科デバイス(例えば、本明細書に記載されている1つ以上の実施形態によるもの)には、約1マイクログラム~約20ミリグラムの範囲の治療薬の質量が含まれる。
【0615】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば薬学的に許容される担体材料(複数可)と組み合わせた、約0.1%~約99.5%、または約0.5%~約90%の薬物放出材料である。
【0616】
いくつかの実施形態では、デバイスは、0.01%未満、または0.01%~0.1%、または0.1%~1%、または1%~5%、または5%~10%、または10%~30%、または30%~60%、または60%~90%、または90%~100%の濃度の治療薬を有する。
【0617】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス(例えば、治療用物質層及び/または領域)には、以下の治療薬(本明細書では「治療成分」とも呼ばれる)の1つ以上が含まれる。
【0618】
アフリベルセプト、アトロピン、ベバシズマブ、ブリモニジン/チモロール、シクロスポリン、シプロフロキサシン、シクロペントレート、ジイソプロピルフルオロホスフェート、ジクアホソル、ドルゾラミド/チモロール、コチオフェート、ラタノプロスト/チモロール、ラタノプロステンブノド、リフィテグラスト、
ロテプレドノール、フルオシノロン、フルオロメトロン、ジフルプレドナート、プレドニゾロン、トリアムシノロン、リメキソロン、
散瞳薬及び調節麻痺薬、硫酸ナンドロロン、ナファゾリン/フェニラミン、ネドクロミル、ネタルスジル、オフロキサシン、ペガプタニブ、ピロカルピン、ピレノキシン、ラニビズマブ、リパスジル、タウロウルソデオキシコール酸、タビレルミド、トロピカミド/ヒドロキシアンフェタミン、ベルテポルフィン、
アクタール、ベバシズマブ、セファゾリン、セフタジジム、コカイン、EDTA、ガチフロキサシン、ゲンタマイシン、イドクスウリジン、イルビエン(登録商標)、インドシアニングリーン、インフリキシマブ、インターフェロン、硝子体内注射、イオヘキソール、イオパミドール、イオパミドール-M、リサミングリーン、メンブレンブルー、マイトマイシン、モキシフロキサシン、リツキシマブ、血清点眼薬、使い捨てポビドン、結膜下注射、テトラカインPF、トブラマイシン、TPA、バンコマイシン、
シクロペントレート、フェニレフリン、プロパラカイン、ステロイド、トロピカミド
アミカシン、アムホテリシンB、デキサメタゾン、マイトマイシン、
小分子、生物学的医薬品、自己免疫薬、抗がん剤及び/または抗がん剤、抗炎症剤、抗感染剤、抗生物質、カンナビノイド、
合成化合物、
天然化合物、
薬物は、いくつかの実施形態では親水性または疎水性である、
薬物製剤は、いくつかの実施形態では親水性または疎水性である、
賦形剤には、抗付着剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、保存料、吸着剤、甘味料、賦形剤が含まれる、
いくつかの実施形態では、治療用物質には、例えば浸透増強及び/または膜孔開口のための増強材料が含まれる。
【0619】
いくつかの実施形態では、治療用物質には、ヒトの体液(血清及び/または血液を含む)における溶解性を向上させる材料が含まれる。
【0620】
いくつかの実施形態では、治療用物質には別の薬物のプロドラッグ形態が含まれる。
【0621】
いくつかの実施形態では、治療用物質には別の薬物のバイオシミラー形態が含まれる。
【0622】
いくつかの実施形態では、治療剤は、即時放出投薬、遅延放出投薬、徐放投薬、持続放出投薬、刺激誘導放出及び/または標的放出投薬などの改変放出投薬形態を含む任意の投薬形態である。
【0623】
放出調節剤の技術は、いくつかの実施形態では、拡散、溶解、浸透圧、イオン交換樹脂、浮遊、生体付着、マトリックスなどの放出アプローチのいずれかを使用する。
【0624】
放出制御製剤のプロセスには、マイクロカプセル化、分子インプリントポリマー(MIP)、3D薬物印刷などがある。
いくつかの実施形態では、治療薬は、任意の製剤で、任意の賦形剤及び利用可能な他の化合物を含む。
【0625】
例示的なナノ粒子及び/またはマイクロ粒子治療薬(複数可)
いくつかの実施形態では、デバイスの治療用物質部分または層(例えば、本明細書に記載された1つ以上の実施形態による)には、ナノ粒子及び/またはマイクロ粒子の形態の1つ以上の治療薬が含まれる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子及び/またはマイクロ粒子治療剤は、粘膜付着性化合物及び/またはポリマーで覆われ、及び/または粘膜付着性化合物及び/またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、粒子を覆うことにより、粒子の滞留時間及び/または薬剤の溶出の持続時間が長くなる。
【0626】
例えば、アトロピン微粒子。
【0627】
例えば、アルブミン-キトサン微粒子中の硫酸アトロピンは、例えば、Richard T Addo et al, J Pharm Sci. 2015 May;104(5):1677-90著「Formulation and characterization of atropine sulfate in albumin-chitosan microparticles for in vivo ocular drug delivery」, J Pharm Sci. 2015 May;104(5):1677-90に記載される1つ以上の特徴を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0628】
いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約2ミクロン、アトロピン濃度は10%、放出時間は約50時間である。このような粒子は、いくつかの実施形態では、1つ以上の異なる特性を有する追加のポリマーでコーティングされ、いくつかの実施形態では、7日間以上にわたる蓄積された延長放出パターンを達成する。
【0629】
例えば、Yahui He et al著「Development of Water-Compatible Molecularly Imprinted Polymers Based on Functionalized β-Cyclodextrin for Controlled Release of Atropine」, Polymers 2020, 12(1), 130に記載されているような1つ以上の特徴を含む微粒子であり、その全文は本明細書に参照により組み込まれる。
【0630】
例えば、チモロールナノ粒子である。
【0631】
例えば、Sunil A Agnihotri 1著「Chitosan nanoparticles for prolonged delivery of timolol maleate」, Tejraj M Aminabhavi, Drug Dev Ind Pharm. 2007 Nov;33(11):1254-62に記載されている1つ以上の特徴を含む粒子であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0632】
いくつかの実施形態では、粒子の平均粒子サイズは118~203nmの範囲であり、一方、いくつかの実施形態では、ゼータ電位は+17~+22mVの範囲である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の捕捉効率は47.6~63.0%の範囲である。いくつかの実施形態では、例えば、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水中で実施されたインビトロ放出研究の結果に基づくと、マレイン酸チモロールの放出は、例えば最大24時間遅くなる。いくつかの実施形態では、粒子は、例えば異なる特性を有する追加のポリマーでコーティングされ、7日間以上にわたる蓄積された延長放出パターンを実現する。
【0633】
例えば、James P Bertram 1著「Sustained delivery of timolol maleate from poly(lactic-co-glycolic acid)/poly(lactic acid) microspheres for over 3 months」, Sandeep S Saluja, Jodi McKain, Erin B Lavik, J Microencapsul. 2009 Feb;26(1):26に記載されている1つ以上の特徴を含むチモロールマイクロ粒子が挙げられ、これは本明細書にその全体が参照により組み込まれる。
【0634】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、PLGA502HとPLAとの50:50ブレンドを使用して製造される。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、チモロールマレイン酸塩を50~200日間、または50~150日間、または90~120日間、または約107日間にわたって送達する。
【0635】
概説
本出願から満期を迎えるまでの特許の存続期間中に、多くの関連する眼科治療及び/または眼科デバイス及び/または治療成分が開発されることが予想され、眼科治療及び/または眼科デバイス及び/または治療成分という用語の範囲には、そのような全ての新しい技術が先験的に含まれることが意図されている。
【0636】
本明細書で使用する場合、用語「約」は±20%を意味する。
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」及びそれらの同根語は、「限定することなく、含む」を意味する。
【0637】
用語「~からなる」語は、「を含み、それに限定される」を意味する。
【0638】
用語「本質的に、からなる」は、組成物、方法、または構造が、さらなる成分、ステップ及び/または部品を含むことができることを意味するが、さらなる成分、ステップ及び/または部品が、特許請求された組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限る。
【0639】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別の意味が示される場合を除き、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形への言及を含む。たとえば、用語「化合物」または「少なくとも1種の化合物」は、それらの混合物を含む複数種の化合物を含み得る。
【0640】
本出願の全体を通して、本発明の種々の実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡略のためであり、本発明の範囲に対する変更できない限定として解釈してはならないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、すべての可能な部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると、考えるべきである。たとえば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、たとえば、1、2、3、4、5、及び6を、具体的に開示していると考えるべきである。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。
【0641】
本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、示された範囲内の任意の引用された数字(分数または整数)を含むことが意図されている。第1の表示数と第2の表示数「に及ぶ/の範囲に及ぶ」、及び第1の表示数「から」第2の表示数「まで」「に及ぶ/の範囲に及ぶ」の語句は、本明細書では交換可能に使用され、第1及び第2の表示数と、それらの間のすべての分数及び整数の数字とを含むことが意図されている。
【0642】
本明細書で使用する場合、用語「方法」は、所与のタスクを達成するための方法、手段、技術、及び手順を指す。たとえば、限定することなく、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の技術の実践者によって知られているか、または実践者によって既知のマナー、手段、技術及び手順から容易に開発される方法、手段、技術、及び手順を含む。
【0643】
本明細書で使用する場合、用語「処置する」は、状態の進行を無効にする、実質的に阻害する、遅らせる、または逆転させること、状態の臨床的または審美的症状を実質的に改善すること、または状態の臨床的または審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0644】
明瞭にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせて設けてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴は、また、別々に、もしくは任意の適切な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において適切なものとしても提供され得る。種々の実施形態の文脈において説明されるある特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作不能である場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と考えてはならない。
【0645】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替案、修正及び変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのようなすべての代替案、修正及び変形を包含することが意図されている。
【0646】
本明細書に記述されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが明確かつ個別に注記されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人(出願人ら)の意図である。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類(複数可)は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図27C
図28
図29
図30
図31A
図31B
図31C
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59A
図59B
図60
図61
図62A
図62B
図62C
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
【国際調査報告】