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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】脳内でのTCF7L2媒介性髄鞘再生
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/17 20060101AFI20241106BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 5/079 20100101ALI20241106BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 15/861 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 15/863 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241106BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241106BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20241106BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20241106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241106BHJP
   C12N 7/01 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
A61K38/17
C12N15/12 ZNA
C12N5/079
C12N5/10
C12N15/861 Z
C12N15/867 Z
C12N15/864 100Z
C12N15/863 Z
A61P3/00
A61P25/00
A61P25/02
A61P9/10
A61P25/28
A61P25/14
A61P25/18
A61K48/00
A61K35/76
A61K35/761
A61P43/00 105
C12N7/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525582
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 US2022079028
(87)【国際公開番号】W WO2023081633
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/274,763
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/378,092
(32)【優先日】2022-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508144129
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ロチェスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ベンライス, アブデラティフ
(72)【発明者】
【氏名】マリアーニ, ジョン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA44
4C084CA53
4C084DC50
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA021
4C084ZA151
4C084ZA181
4C084ZA211
4C084ZA221
4C084ZB211
4C084ZC211
4C084ZC511
4C084ZC521
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZA01
4C087ZA02
4C087ZA15
4C087ZA18
4C087ZA21
4C087ZA22
4C087ZB21
4C087ZC21
4C087ZC51
4C087ZC52
(57)【要約】
本出願は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を治療する方法に関する。この方法は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を選択することと、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象において転写因子7様2(TCF7L2)タンパク質を発現させることと、を伴う。また、グリア前駆細胞からの乏突起膠細胞産生を増加させる方法が開示される。この方法は、グリア前駆細胞集団を提供することと、提供されたグリア前駆細胞集団において、投与しない場合の乏突起膠細胞産生と比較して乏突起膠細胞産生を増加させるのに有効な条件下で、TCF7L2タンパク質を発現させることと、を伴う。また、とりわけ、これらの方法を実施するのに好適な遺伝子構築物が開示される。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を治療する方法であって、
その治療を必要とする前記対象に転写因子7様2(TCF7L2)を導入することと、
前記対象の1つ以上の細胞において転写因子7様2タンパク質を発現させること、又は前記転写因子7様2タンパク質をコードする遺伝子構築物又は発現ベクターを含む宿主細胞を前記対象に投与することと、を含む、方法。
【請求項2】
グリア前駆細胞からの乏突起膠細胞産生を増加させる方法であって、
グリア前駆細胞集団において転写因子7様2タンパク質を発現させることと、
前記グリア前駆細胞集団を、その発達及び分化を可能にする条件下で維持することと、を含む、方法。
【請求項3】
前記発現させることが、前記対象又は前記グリア前駆細胞集団に、遺伝子構築物であって、
前記転写因子7-様2タンパク質をコードする核酸分子と、
グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含む、遺伝子構築物を投与することによって実施され、前記核酸分子が、前記プロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に連結されており、かつ前記プロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
グリア前駆細胞によって選択的又は特異的に発現される前記遺伝子が、PDGFRA、ZNF488、GPR17、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記遺伝子構築物が、発現ベクター内に投与される、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記発現ベクターが、ウイルスベクター、プラスミドベクター、又は細菌ベクターである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアベクターからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記遺伝子構築物が、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連して投与される、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記遺伝子構築物が、前記前駆細胞標的化フソゲン又は前記グリア前駆細胞選択的表面結合部分を含む粒子内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子が、ウイルス、ウイルス様粒子、及び脂質粒子からなる群から選択される1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分が、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド又はCD133を対象とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記状態が、小児白質ジストロフィー、リソソーム蓄積疾患、先天性髄鞘形成不全、脳性麻痺、炎症性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、放射線又は化学療法誘発性脱髄、及び血管脱髄からなる群から選択される、請求項1及び3~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が、髄鞘形成の欠陥を伴う状態を有する、請求項1及び3~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、髄鞘再生の欠陥を伴う状態を有する、請求項1及び3~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記状態が、多発性硬化症、視神経脊髄炎、横断骨髄炎、視神経炎、皮質下脳卒中、糖尿病性白質脳症、高血圧性白質脳症、加齢性白質疾患、白質認知症、ビンスワンガー病、脊髄損傷、放射線又は化学療法誘発性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、脳室周囲白質軟化症、及び脳性麻痺からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記状態が、神経変性疾患である、請求項1及び3~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記状態が、ハンチントン病である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記状態が、神経精神疾患である、請求項1及び3~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記状態が、統合失調症である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記投与することが、脳内送達、髄腔内送達、鼻腔内送達を使用して、又は脳室への直接注入を介して実施される、請求項3~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記対象が、哺乳動物である、請求項1及び3~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記対象が、ヒトである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記状態が、Myrf、Bcas1、Plp1、Mbp、及びMobpからなる群から選択される1つ以上の遺伝子の下方調節を特徴とする、請求項1及び3~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
遺伝子構築物であって、
転写因子7様2タンパク質をコードする核酸分子と、
グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含み、前記核酸分子が、前記プロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に連結されており、かつ前記プロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある、遺伝子構築物。
【請求項25】
グリア前駆細胞によって選択的又は特異的に発現される前記遺伝子が、PDGFRA、ZNF488、GPR17、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択される、請求項24に記載の遺伝子構築物。
【請求項26】
請求項24又は25に記載の遺伝子構築物を含む、発現ベクター。
【請求項27】
前記発現ベクターが、ウイルスベクター、プラスミドベクター、又は細菌ベクターである、請求項26に記載の発現ベクター。
【請求項28】
前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアベクターからなる群から選択される、請求項27に記載の発現ベクター。
【請求項29】
前記遺伝子構築物が、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連している、請求項24又は25に記載の遺伝子構築物。
【請求項30】
前記グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分が、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド又はCD133を対象とする、請求項29に記載の遺伝子構築物。
【請求項31】
請求項24~30のいずれか一項に記載の遺伝子構築物若しくは発現ベクターを含む、宿主細胞、又は前記宿主細胞の子孫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月2日に出願された米国仮特許第63/274,763号、及び2022年10月3日に出願された米国仮特許第63/378,092号の優先権を主張する。これらの出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の利益
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与されたNS110776の政府支援を受けてなされたものである。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本出願は、脳内でのTCF7L2媒介性髄鞘再生に関する。
【背景技術】
【0004】
中枢神経系(CNS)は、一般に、ニューロンの細胞体及び樹状突起ネットワークを含有する「灰白質」、並びに、乏突起膠細胞によって産生されるミエリンによって包まれる軸索束からなる「白質」に編成される。ミエリン鞘は脂質脂肪含有量が高く、白みがかった外観となっている。ミエリンは、神経伝達において重要な役割を果たしている。乏突起膠細胞の障害は、白質の完全性を破壊し、白質変性(脱髄)並びに脳及び脊髄内の神経伝達の喪失をもたらす。遺伝性又は後天性のミエリン関連障害は、何百万人もの人々に影響を及ぼし、罹患者及びその家族に重い負担を課す。これらの障害の多くの根底にある病理学的過程は、依然としてほとんど理解されておらず、疾患修飾療法はほとんど存在しない。
【0005】
例えば、ハンチントン病(HD)は、ハンチンチン(Htt)遺伝子におけるCAG三重反復の伸長によって引き起こされる致命的な常染色体優性進行性神経変性疾患である。Httタンパク質のN末端領域で生じるポリグルタミン伸長は、変異体Htt凝集塊の形成を引き起こし、最初は新線条体で発生するが、最終的には脳の多くに影響を与える神経変性と関連している(de la Monte et al.,“Morphometric Demonstration Of Atrophic Changes In The Cerebral Cortex,White Matter,And Neostriatum In Huntington’s Disease,”Journal of Neuropath.and Exper Neurol 47:516-525(1988)を参照されたい)。伝統的に、HD研究は、疾患プロセスに対する線条体及び皮質ニューロンの選択的脆弱性に焦点を当てている。しかしながら最近では、いくつかの研究において、HDにおける早期の白質喪失も指摘されており、この過程がHDにおける疾患進行に因果的に関連している。特に、TRACK HD研究により、任意の臨床症状が発症するかなり前に、不顕性期のHD患者における離散的であるが進行性の白質萎縮が同定された(Paulsen et al.,“Striatal And White Matter Predictors Of Estimated Diagnosis For Huntington Disease,”Brain Res Bull 82:201-207(2010)、Phillips et al.,“Deep White Matter In Huntington’s Disease,”PloS one 9:e109676(2014)、Faria et al.,“Linking White Matter And Deep Gray Matter Alterations In Premanifest Huntington Disease,”Neuroimage Clin 11:450-460(2016)、Phillips et al.,“Major Superficial White Matter Abnormalities in Huntington’s Disease,”Front Neurosci 10:197(2016)、Bourbon-Teles et al.,“Myelin Breakdown in Human Huntington’s Disease:Multi-Modal Evidence from Diffusion MRI and Quantitative Magnetization Transfer,”Neuroscience 403:79-92(2019)を参照されたい)。このMRIで定義された疾患進行における前脳白質の退縮の役割、並びにこれらの変化が神経機能障害に対してどの程度一次的又は二次的であるかは依然として不明である。
【0006】
以前、ヒト胚性幹細胞(hESC)から産生されるHD患者由来のグリア前駆細胞(hGPC)が、インビトロで髄鞘形成遺伝子の深刻かつ系統的な転写下方調節を示したことが示された(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019))。ミエリン合成は、重要な髄鞘形成ドライバーSOX10及びMYRFの誘導発現によって救済することができ、これは、ミエリン生合成機構がこれらの細胞において無傷であることことを示している。むしろ、HD GPCにおいて欠損しているようであるのは、これらの後者の遺伝子の上流調節因子であり、乏突起膠細胞の分化障害をもたらす。HD hGPCはまた、髄鞘形成不全(hypomyelinated)マウス宿主に移植されると、乏突起膠細胞の成熟及び髄鞘形成における障害を示し、これは、それらの分化欠損の細胞自律性を示唆している。
【0007】
更に、発達性であるか、又はミエリンの維持若しくは再生の失敗としてであるかにかかわらず、ミエリン喪失を特徴とする特定の神経変性障害において、髄鞘形成能の欠如は、TCF7L2依存性転写の減少に由来する。TCF7L2は、Wnt経路のシグナルエフェクターとして機能する転写因子であるが、カノニカルなWntシグナル伝達とは独立した経路を介して駆動されてもよく、Wnt依存性転写は、TCF7L2以外の中間体を介して作用することができる。実際、髄鞘形成欠損が成体及びインビボで発生するかどうか、及びそれがTCF7L2などの髄鞘形成転写因子の下方調節に由来するかどうかは明らかではない。
【0008】
ミエリンの欠乏によって媒介されるか、又はそれを特徴とする障害及び状態を治療するための治療法が必要である。本開示は、当該技術分野におけるこれら及び他の欠陥を克服することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
本出願の第1の態様は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を治療する方法に関する。
【0010】
一実施形態では、本方法は、その治療を必要とする対象に転写因子7様2(TCF7L2)を導入することと、選択された対象の1つ以上の細胞において転写因子7様2(TCF7L2)タンパク質を発現させることと、を含む。本方法は、対象に、TCF7L2タンパク質をコードする遺伝子構築物又は発現ベクターを投与することによって実施され得る。1つ以上の細胞の例としては、グリア前駆細胞、乏突起膠細胞前駆細胞、グリア細胞、又は乏突起膠細胞が挙げられる。
【0011】
別の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に、TCF7L2タンパク質をコードする遺伝子構築物又は発現ベクターを含む宿主細胞を投与することを含む。宿主細胞の例としては、グリア前駆細胞、乏突起膠細胞前駆細胞、グリア細胞、又は乏突起膠細胞が挙げられる。
【0012】
本出願の別の態様は、グリア前駆細胞からの乏突起膠細胞産生を増加させる方法に関する。本方法は、グリア前駆細胞集団においてTCF7L2タンパク質を発現させることと、グリア前駆細胞集団を、その発達及び分化を可能にする条件下で維持することと、を含む。本方法は、グリア前駆細胞集団に、TCF7L2タンパク質をコードする遺伝子構築物又は発現ベクターを投与することによって実施することができる。
【0013】
上記の遺伝子構築物は、(i)TCF7L2タンパク質をコードする核酸分子、並びに(ii)プロモーター及び/又はエンハンサーを含み得る。核酸分子は、プロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に連結されており、かつプロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある。プロモーター及び/又はエンハンサーは、グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のためのものであり得る。グリア前駆細胞によって選択的又は特異的に発現される遺伝子は、PDGFRA、ZNF488、GPR17、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択される1つであり得る。
【0014】
遺伝子構築物は、ウイルスベクター、プラスミドベクター、又は細菌ベクターなどの発現ベクター内に投与され得る。ウイルスベクターは、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアベクターからなる群から選択される1つであり得る。
【0015】
上記の方法では、遺伝子構築物は、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連して投与することができる。例えば、遺伝子構築物は、前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分を含む粒子内にあり得る。粒子は、ウイルス、ウイルス様粒子、及び脂質粒子からなる群から選択される1つであり得る。グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分は、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド、又はCD133を対象とし得る。
【0016】
上記の方法では、対象のミエリンの欠乏によって媒介される状態は、小児白質ジストロフィー、リソソーム蓄積疾患、先天性髄鞘形成不全(dysmyelination)、脳性麻痺、炎症性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、放射線又は化学療法誘発性脱髄、及び血管脱髄からなる群から選択される1つであり得る。一例では、対象は、髄鞘形成又は髄鞘再生に欠陥を伴う状態を有する。状態の例としては、多発性硬化症、視神経脊髄炎、横断骨髄炎、視神経炎、皮質下脳卒中、糖尿病性白質脳症、高血圧性白質脳症、加齢性白質疾患、白質認知症、ビンスワンガー病、脊髄損傷、放射線又は化学療法誘発性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、脳室周囲白質軟化症、及び脳性麻痺が挙げられる。一実施形態では、状態は、ハンチントン病などの神経変性疾患である。別の実施形態では、状態は、統合失調症などの神経精神疾患である。いくつかの実施形態では、この状態は、Myrf、Bcas1、Plp1、Mbp、及びMobpからなる群から選択される1つ以上の遺伝子の下方調節を特徴とする。上記の方法の各々について、投与することは、脳内送達、髄腔内送達、鼻腔内送達を含む任意の好適な手段を使用して、又は脳室への直接注入を介して実施することができる。対象は、ヒトなどの哺乳動物であり得る。
【0017】
本出願の別の態様は、遺伝子構築物に関する。この遺伝子構築物は、TCF7L2タンパク質をコードする核酸分子と、グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含む。核酸分子は、プロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に連結されており、かつプロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある。グリア前駆細胞によって選択的又は特異的に発現される遺伝子は、PDGFRA、ZNF488、GPR17、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択され得る。遺伝子構築物は、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連することができる。グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分は、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド、又はCD133を対象とし得る。
【0018】
また、上記の遺伝子構築物を含む発現ベクターも提供される。発現ベクターは、ウイルスベクター、プラスミドベクター、又は細菌ベクターであり得る。ウイルスベクターの例としては、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアベクターが挙げられる。
【0019】
また、上記に記載される遺伝子構築物若しくは発現ベクター、又は宿主細胞の子孫を含む、宿主細胞も、本開示の範囲内にある。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、幹細胞又は前駆細胞である。幹細胞の例としては、胚性幹細胞、ES様幹細胞、胎児幹細胞、成体幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、多能性幹細胞、寡能性幹細胞、単能性幹細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。宿主細胞は、TCF7L2タンパク質を発現させるために使用することができるか、又は本明細書に記載される障害又は状態を治療するための治療細胞/薬剤として使用することができる。
【0020】
本出願は、発達性であるか、又はミエリンの維持若しくは再生の失敗としてであるかにかかわらず、ミエリン喪失を特徴とする特定の神経変性障害において、髄鞘形成能の欠如が、TCF7L2依存性転写の減少に由来するという発見に関する。TCF7L2は、Wnt経路のシグナルエフェクターとして機能する転写因子であるが、カノニカルなWntシグナル伝達とは独立した経路を介して駆動されてもよく、Wnt依存性転写は、TCF7L2以外の中間体を介して作用することができる。
【0021】
本出願の上記の態様の結果として、ミエリン喪失を伴うハンチントン病又は任意の神経変性疾患、並びに進行性多発性硬化症及び脳性麻痺並びに選択的神経精神障害などの常駐GPCの分化ブロックを特徴とするミエリン障害を治療することが可能である。顕著なミエリン喪失及び発達性髄鞘形成不全(hypomyelination)も特徴とする、小児期に発症する統合失調症を有する対象に由来するGPCに欠陥のある転写因子ネットワーク及び予測されるシグナル伝達経路は、同様に、TCF7L2依存性転写の抑制を示すため、GPC標的化TCF7L2も、その障害における髄鞘形成不全を救済することが期待され得る。
【0022】
ここに提示されるデータは、2匹の異なるトランスジェニックマウス疾患モデルにおいて示されるように、HDが、WTマウスと比較して、前脳ミエリンの進行性加齢関連喪失、並びに成体脱髄後の髄鞘再生の障害に関連することを示す。まとめると、これらの知見は、恒常的な白質維持の喪失を示唆している。これは、上流のTCF7L2シグナル伝達によって駆動されると予測される希突起神経膠細胞(oligodendroglial)系統関連遺伝子発現の深刻な調節不全によって強調された。重要なことに、TCF7L2の強制的なグリア過剰発現は、重要な髄鞘形成及び脂質生合成遺伝子の機能的転写を回復させ、ミエリン構造及び存在量のインビボ回復に十分であることが判明した。このように、本研究は、グリア機能障害、ひいてはHDのシナプス及び白質病理の両方の治療的救済のための新規かつ効果的な戦略を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本特許又は出願書類には、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開の複写は、請求時及び必要な手数料の支払い時に、特許庁によって提供されるであろう。
【0024】
図1A-1G】発症前及び罹患R6/2マウスにおける髄鞘形成を示す。図1Aは、6週及び12週のWT及びR6/2マウスの脳梁の代表的な透過型電子顕微鏡顕微鏡写真を示す。図1B~1Cは、g比の直線回帰分析を示す。図1D~1Eは、それらの直径の関数としての髄鞘形成軸索の頻度分布を示す。図1F~1Gは、遺伝子型の関数としての処理されたマウスの脳梁中の髄鞘形成軸索の相対数を示す。ns:有意でない、不対ウェルチt検定。スケールバー=0.5μm。
図2A-2N】R6/2マウスにおけるクプリゾン処理後の髄鞘再生を示す。図2Aは、タイムライン及び実験設計を示す。図2Bは、クプリゾン処理の間、又はその後の、脳梁の代表的な透過型電子顕微鏡顕微鏡写真を示す。図2C~2Fは、g比の直線回帰分析を示す。図2G~2Jは、直径の関数としての髄鞘形成軸索の頻度分布を示す。図2K~2Nは、遺伝子型の関数としての処理されたマウスの脳梁中の髄鞘形成軸索の相対数を示す。ns:有意でない、**p<0.01、***p<0.001、不対ウェルチt検定による。スケールバー=0.5μm。
図3A-3E】HD GPCのRNA-Seqが希突起神経膠細胞分化の停滞を明らかにすることを示す。線条体マウスGPCを、Q175若しくはR6/2HDマウス、又はそれらのそれぞれの同腹仔対照のいずれかに繁殖させたPDGFRa-EGFPから単離し、RNA-Seqにより転写分析した。図3Aは、バルクGPC RNA-Seq試料の主成分分析を示し、これは、時間依存的な様式でのHDグリア集団の分離を例示する。図3Bは、モデル及び時点にわたる遺伝子の保存性及び独立性を示す、4つの比較全ての交差のアップセットプロットを示す。図3Cは、早期の時点と後期の時点との間のDEの重症度の増加を例示するために、同じ時点で対照に対して各HDモデル内の分散安定化カウントの平均発現をプロットしたことを示す。図3Dは、対象となるDE遺伝子のヒートマップ図を示し、どの比較遺伝子が有意にDEであるかを示す。図3Eは、各比較内のキュレーションされたタームの遺伝子オントロジー濃縮の意義を示す。
図4A-4C】TCF7L2及び髄鞘形成濃縮モジュールのHD GPC同定のネットワーク分析を示す。モジュールをWGCNAを介して決定し、HD対WT GPCとして差次的に発現された遺伝子についてフィルタリングした後、GO濃縮のためにIPAで分析した。図4Aは、3つのモジュールが、髄鞘形成及び乏突起膠細胞分化を行うターム(terms)に有意に豊富であることが見出されたことを示し、黒色が最も顕著である。図4Bは、黒色モジュールがまた、差次的に発現された遺伝子について非常に濃縮されていると決定されたことを示す。図4Cは、黒色モジュールの遺伝子オントロジーネットワーク表現が、TCF7L2シグナル伝達及びミエリン関連タームの表現(representation)を伴う5つの近傍(neighborhood)を生成したことを示す。
図5】インビボでのTCF7L2の過剰発現後の選択遺伝子の発現分析を示す。LV-TetOn-TCF7L2を注射した10週齢のR6/2マウスを、ドキシサイクリンで処理した対照又は未処理の対照の2つの群に分けた。対照及びドキシサイクリン処理したマウスの両方を、選択した髄鞘形成及び代謝遺伝子についてアッセイし、発現値を18S RNAの発現値に対して正規化した。ドキシサイクリンで処理されたLV-TetOn-TCF7L2注射動物は、髄鞘形成及び脂質生合成遺伝子のレベルの増加を示したが、TCF7L2シグナル伝達のより多くの上流成分が受けた影響は、最小限であった。*p<0.05、**p<0.01、ウェルチt検定による。
図6A-6E】TCF7L2の過剰発現が、R6/2マウスにおける髄鞘再生不全(remyelination deficit)を救済したことを示す。図6Aは、クプリゾン(CZN)及びTCF7L2(LV-TCF7L2)のレンチウイルス過剰発現による処理のタイムラインを示す。図6Bは、クプリゾン処理されたWT、R6/2及びLV-TCF7L2で処理されたR6/2の脳梁の透過型電子顕微鏡顕微鏡顕微鏡写真を示す。図6Cは、g比の線形回帰分析を示す。図6Dは、それらの直径及び処理の関数としての髄鞘形成軸索のパーセンテージを示す。図6Eは、遺伝子型の関数としての髄鞘再生された軸索のパーセンテージを示す。ns:有意でない、*p<0.05、****p<0.001、二元配置分散分析(図6D)、又はテューキーマルチテストを伴う一元配置分散分析(図6E)による。スケールバー=0.5μm。
図7A-7D】R6/2と比較して、野生型マウスにおいて、大径軸索繊維が優先的に髄鞘再生されることを示す。髄鞘再生された軸索繊維の分布は、6週~12週にわたってクプリゾンで処理されたマウスにおけるそれらの直径の関数として示される。マウスのコホートをサンプリングし、マウスには10週目にクプリゾン食餌を与えた(食餌開始4週目、図7A)、6週間の処理の終了時(図7B)、2週間の回復後(図7C)、又は4週間の回復(図7D)。*p>0.05、*p>0.01、二元配置分散分析による。
図8】クプリゾン脱髄後のR6/2HD白質の髄鞘再生の遅延を示す。クプリゾン処理されたR6/2及びWTマウスを比較した、回復時間の関数としてのいくつかの髄鞘再生された脳梁軸索の線形回帰分析。*p<0.0001、(F(2,116)=16.15)。
図9A-9D】R6/2及びzQ175マウスから、FACSによって、乏突起膠細胞前駆細胞を単離することを示す。4~8匹のR6/2-PDGFRa-EGFP又はzQ175-PDGFRa-EGFPマウスからの線条体を解離させ、GPCを、EGFP発現に基づいてFACSによって選別した。R6/2(図9A)及びzQ175(図9B)について早期及び後期時点でのEGFPのサイトメトリープロット。R6/2(図9C)及びzQ175(図9D)試料についてのGPCの細胞選別後に収集された相対分布及び総細胞。****p>0.0001;ns:有意でない;多重比較のための二元配置分散分析、テューキー検定。
図10A-10G】EGFP発現が、老齢マウスの線条体において減少していることを示す。12週齢(図10A)及び1歳(図10B)のzQ175マウスの線条体のEGFP及びNG2免疫染色を、それぞれ色分けしている。図10Cは、EGFP細胞密度が1歳マウスの線条体において有意に減少したことを示す(年齢効果についてp<0.0001、二元配置分散分析)。R6/2(図10D)又はzQ175(図10E)マウスにおけるOlig2細胞密度の立体カウント。R6/2(図10F)又はzQ175(図10G)マウスの線条体体積。*p>0.05、***p>0.0001、ns:有意でない、テューキーマルチテストを伴う二元配置分散分析による)。スケール(図10A~10B):50μm。
図11】線条体PDGFRA-EGFP選別GPCによるグリア前駆体及び他のCNSマーカーの発現を示す。FACS単離PDGFRA-EGFP線条体細胞は、分析した全てのマウスにおいて、オフターゲットCNS細胞型マーカーの低発現を伴うGPCマーカーの高い発現を示した。カウントをバッチ補正し、分散安定化変換を介して正規化した。
図12】R6/2及びzQ175マウスにおいて著しく調節不全であるTCF7L2シグナル伝達関連遺伝子を示す。R6/2及びzQ175 GPCの両方で有意であることが見出された(FDR<0.01)、Ingenuity pathway analysis(IPA)によってキュレーションされたTCF7L2シグナル伝達関連遺伝子は、ここでは、補正された分散安定化形質転換カウントの遺伝子Zスコアとして表示される。それらが微分的に表現された時点及びモデルは、右側のヒートマップに示される。
図13】ヒトGPCのTCF7L2アイソフォームを示す。局所的な過剰発現のための最適なTcf7l2スプライスアイソフォームを同定するために、インビトロで生成されたhGPCで評価されるように、ヒトHD及び対照ESC由来GPCのより広範な遺伝子発現分析で得られた以前に公開されていないアイソフォームデータについて言及した(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。アンサンブル転写産物識別子は、全ての発現されたアイソフォームに対して提供される。
図14A-14D】クプリゾン処理マウスの脳梁におけるLV-TCF7L2-EGFPの導入遺伝子発現パターンを示す。図14Aは、ドキシサイクリン調節レンチウイルスベクターが、TCF7L2のDOX発現を可能にしたことを示す。6週齢のマウスに、LV-TCF7L2-EGFPの脳梁内注射を受ける前に、4週間クプリゾンを給餌した。マウスに、なおクプリゾン食を摂取させ続け、1週間後に屠殺した。EGFPレポーターは、クプリゾン誘発性病変において、乏突起膠細胞系統細胞(図14B)、GPC(図14C)及び星状細胞(図14D)中で発現された。スケール:25μm。
図15A-15F】HD脳梁白質が調節不全のプロテオームを示すことを示す。12週齢のR6/2及び1歳のzQ175(並びにそれぞれのWT同腹仔対照)マウスの脳梁を解剖し、質量分析のために処理した。図15Aは、HD及びWTの脳梁白質の主成分分析を示す。図15Bは、共有ペプチドのベン図を示す。図15C及び15Dは、差次的に発現したペプチドの火山プロットを示す(p<0.05)。図15Eは、選択されたミエリンタンパク質HDマウス及びそれぞれのWT対照のヒートマップを示す。図15Fは、差次的に発現したペプチドのingenuity pathway analysisを示す。重要な目的のタームは、表示のためにキュレーションされた(p<0.01)。
図16A-16C】線条体GPCが、遺伝子発現のそれと一致するタンパク質発現のHD依存性調節不全を示したことを示す。12週齢のHD及びWT同腹仔対照マウスを殺し、それらの線条体を解剖して、解離し、それらのGPCを、質量分析のためにA2B5ベースのFACSにより単離した。図16Aは、R6/2及びWTの線条体GPCの主成分分析を示す。図16Bは、R6/2対WTの線条体GPCにおいて差次的に発現したペプチドの火山プロットを示す(p<0.05)。図16Cは、バルクRNA-Seq及び質量分析の両方において著しく差次的に発現した遺伝子及びタンパク質のlog2倍の変化の散布図を示す。
図17A-17B】HDマウス脳梁におけるTCF7L2のタンパク質レベル及び移動度が、WTと差異がなかったことを示す。図17Aは、TCF7L2及びB-アクチンについての12週齢の脳梁のウエスタンブロットを示す。図17Bは、R6/2及び同腹仔WT対照の脳梁におけるベータ-アクチン正規化TCF7L2の棒グラフを示す。ns:有意でない、不対ウェルチt検定による。
図18】ハンチントン病マウスモデルにおける髄鞘形成欠損及びTcf7l2発現によるそれらの救済の概略図を示す。上:R6/2ハンチントン病マウスは、脳梁髄鞘形成における発達障害を示し、脱髄後の髄鞘再生がより遅く、より不完全であることを示す。中央:ハンチントン病グリア前駆細胞の髄鞘形成欠損は、モデルマウス(R6/2又はzQ175)におけるTcf7l2発現の欠損を反映する。下:Tcf7l2発現は、インビボでR6/2マウスのミエリン遺伝子発現及び髄鞘形成を救済する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願の第1の態様は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を治療する方法に関する。この方法は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する対象を選択することと、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象において転写因子7様2(TCF7L2)タンパク質を発現させることと、を含む。
【0026】
本出願の別の態様は、グリア前駆細胞からの乏突起膠細胞産生を増加させる方法に関する。この方法は、グリア前駆細胞集団を提供することと、提供されたグリア前駆細胞集団において、投与しない場合の乏突起膠細胞産生と比較して乏突起膠細胞産生を増加させるのに有効な条件下で、TCF7L2タンパク質を発現させることと、を伴う。
【0027】
本出願の別の態様は、遺伝子構築物に関する。この遺伝子構築物は、TCF7L2タンパク質をコードする核酸分子と、グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含む。核酸分子は、プロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある。
【0028】
本出願は、TCF7L2タンパク質をコードする核酸分子と、グリア前駆細胞によって選択的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含む遺伝子構築物であって、当該核酸分子が、プロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある、遺伝子構築物を記載する。
【0029】
一実施形態では、転写因子7様2(TCF7L2)タンパク質を発現させることは、遺伝子構築物を投与することによって実施する。いくつかの実施形態では、遺伝子構築物は、TCF7L2タンパク質をコードする核酸分子と、グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーと、を含み、当該核酸分子は、プロモーター及び/又はエンハンサーの調節制御下にある。
【0030】
本明細書で使用される場合、「TCF7L2」という用語は、転写因子7様2タンパク質を指す。
【0031】
別の実施形態では、グリア前駆細胞によって選択的又は特異的に発現される遺伝子は、CNP1、GPR17、PDGFRA、ZNF488、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択される。別の実施形態では、遺伝子選択性又はグリア細胞によって特異的に発現される遺伝子選択性は、CNP1、GPR17、PDGFRA、ZNF488、OLIG2、CSPG4、及びSOX10からなる群から選択される。以下に列挙されるのは、例示的なプロモーターである。
CNP1遺伝子ヒトプロモーター2(P2)のプロモーター領域(配列番号41)
cccgcccgcccccagcccgcccgggtgcccgctccgccccccgggctatgtaaagcggccgggctcgggttgtgccaccgctggactcccgtgtccctccgcgcaggcgggcggccccggagcgctggtgccggcagaggcggcgacggtggcgcccctcctcatcatggtgagaggccgggcggggccgggcacggggtagcaccagggcgggaaacgagtgtcggggcccctcgggaggaagcgtcttgcaaacgaggacccggggctccgggttcgacttccagttttcttggtactcagggcggccctgaggtctgggagaagcggaggggttttggggtgccggagaggccgctgtaaagggaaacggtggtgtttctcaggagggaactcgggaccgcagaagctgctgcgcctctgggagcctgggtgggcctgggccgggagcccgggagctgctcccgaccccacgcaggcccgcgctggggcagccgcttcggcgccccctccccgggcccagtctcatcacgcggaaccgctgccccgcgcccgggtgcgggcgggaggtggagccagttcagaggaggggaccctttacggtaaaagctgccgtcccttgtggcttctagaagataggaaaacaagtggctccgagaggcgcttctgacacacagcacagcggcgggtagagctggatcctaattgcaggtgccctgtgctgccctgttctggacaggcacaaagaccacgactttgtgggggccgggagagggtagaggaggaggtggcaggcttggtgaaagagggcctttgtccagtgctctcctgccctgccccccaccagcccttctgtgggaccattgtacccgcatgccagacaagagagtattatctgttgcggccattgttgggggaagggaggcagtcttggggtaacccttctccactcccccccttctctgtgcactcagccgtggcagctgtggcttggcccagacacagagacccccacctccaaagaggacgtccttagtaggtgccaagcatataagagtgaggccagtcccagaaccgcaggctcctggcgcgccccgcatgcctccagcacgtttacctttccgaagtggcaggaatggggaaagcgcacgcttaggagagcttcagacaagcttccctcttcctcctccacgaccagaagcggaaaggtgctcccggaccgaaagggaaagaaggtccagcactgccccgcttgggaaggcacccacaaccagtctagggactaggggtaaggccggcggggagcccgcgaatgacctgggctgacatctcttcccctccttacacagaacagaggcttctcccgaaaaagccacacattcctgccca
GPR17(ヒトプロモーター)(配列番号42)
GgatacggaagagatccaatcgcagacccaagatccccacccaggttatggtgggcagaccccagatgccagggccacccattcagcatccctccctggaccccaggacctgctactgctgggtgtctggactccatcctGcacagcactgtgctccatctgccctggggtgtctcatcatcagctgtgtgcagggcaaggggcccaaacaaaggcccagcagtcactggctaagctgccgactggctctctgtgcctccccaagaccctatgtgcccagcAgggggcaacagctcagggtcagctgaccgaatgcctcggtgaatgaatgactctacaagagaggaagggagcctcggtgggcatcatctcccctcgactactggccagagccctggctcttacaccccagcgacgggaAgcagttgtggcctgtggcttcagtcttcatcaccacaatccctgaagcccacccttgcccagacacctgtgccccagccccaaccccaggccacctcctcagcaggtctggggctgagctgccccacctggcgcctatggcGgccagcccatgccccctgcggtgcctctgtcccagactcagcatgtaggccccatgaccccactccacattctggtgactcctcctgagcgtcaggacaacactcaacccacgaggaattatttctgtctcaaagatgcaggAatcagctcaacgcctcaaaactccatcaccacggtcaatgcccttgaagccatcgacagtgatcaccccaataacagaaggtctgtgagcccagaaatgccctgctcagggtggttagcttcaagccaccacctttccaacCagcctgggccagttcttccagacagccgcctgcgggcacaacaggaaagagacctgcgccccggctcagacacctcacacccagctggctctcaggccagacaaactgggaagcccatctctcttgaaggaagtccagaTgggaaacagcttctcaacagaccagatcacagcatcagatctaaaggtggccttcagaattctttttcaggttgaattaggatcaaatctaagaattctaaattcaaaatgcagcagaaaaacaaaacacacacacacacgGagcctaagttctggagtgacatgtgcttgggttcaaatcctggctctgttgcttcctactgtttgttgatgggtgagtttcttcatttgcctgagcctcagtttccttgtctgtaaaatggggcaataatcccagctgcacagggtgaTgtgaagagacaaatttaagacactgccccttaaatgctagccacatacatacagttttcaatgtttaaacaacaaaatgtaaagtcttttgaaaccaggaagggtgatttggtttcccatgttgctggatgtatcattttcagaaaGacagagagaaatgaactttgttcactcagtctcagaggcggccgccggcagcattcaaaggcaccccagcccggagccaccccagggaggagccccaggccagcggtcagattcatgggcttccgtgcagaaggggagctgCaccggcgagcacccggcctctgagctgagccgcatcctcacggacaggacagcgccccattatgaggctcctgcagctgttcctcgctccagataaaggccatgatttattctgtgtgcccaaatggggcctcattatacaggGcaggacacaaggaccctacagcaagtgtcctcaaagagtcgcctctcactccgtgagcaagactcctcggcctcccaccctccgttcacaggccccctccgccgtctgcgggcgcaggcctgggagcgccgcctgttgccatGacagccggcccctccctgccccccatcagtaggaaatcatccccttctgaaacgtcctgttgtgtccctcagctccagcccaagccccccacccagcccccgcctgctctgagtctctgagacagtcacacactcagactatgtGgccaagctgggggcggggggcatgggctagggacacactagaatattcacgctccggtggcagcagcagcagcagccagaggagcagcccgacacaacaagggacccctcaggaatgaagcagcctttcagggccagaggggctgtggtctcccttcctctccttaaatagcCAGCGTTCCACCCACAGCGGCAAGGG
PDGFRA(Genbank:X80389)(配列番号43):
CSPG4(GenBank:DQ241507.1)(配列番号44):
【0032】
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「治療」とは、傷害、病理、又は状態の改善の成功を示す任意の兆候を指し、これには、症状の軽減、寛解、減少、又は患者に対して傷害、病理、若しくは状態をより許容可能にすること、変性若しくは減少の速度を遅らせること、変性の最終点を衰弱しにくくすること、又は対象の身体的若しくは精神的幸福を改善することなどの任意の客観的又は主観的パラメータが含まれる。症状の治療又は改善は、身体検査、神経学的検査、及び/又は精神医学的評価の結果を含む、客観的又は主観的パラメータに基づき得る。「治療すること」は、疾患、状態若しくは障害に関連する症状若しくは状態の発症を予防するか、若しくは遅延させるか、緩和させるか、又は阻止するか、若しくは阻害するための、グリア前駆細胞の投与を含む。
【0033】
「治療効果」は、対象における疾患、疾患の症状、又は疾患、状態、又は障害の副作用の低減、排除、又は予防を指す。治療は、予防的(疾患、状態若しくは障害の発症若しくは悪化を予防するか、若しくは遅延させるため、又はその臨床的若しくは亜臨床的症状の発現を予防するため)、又は疾患、状態若しくは障害の発現後の症状の治療的抑制若しくは緩和であり得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「対象」は、本出願で治療され得る任意の生物を指す。したがって、「対象」という用語には、任意の非ヒト哺乳動物、霊長類、又はヒトが含まれ得るが、これらに限定されない。一実施形態では、対象は、哺乳動物である。別の実施形態では、対象は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、霊長類、又はヒトなどの哺乳動物である。更なる実施形態では、対象は、ヒトである。
【0035】
1.ミエリンの欠乏によって媒介される状態及びミエリン関連障害
本開示の一態様は、ミエリンの欠乏によって媒介される状態又はミエリン関連障害を治療するための組成物及び方法に関する。そのような状態又は障害としては、対象における脱髄、不十分な髄鞘形成及び髄鞘再生、又は髄鞘形成不全に関連する任意の疾患又は状態が挙げられる。そのような障害は、遺伝性であるか、後天性であるか、又はその両方であり得る。CNSにおける脱髄は、遺伝子変異(白質ジストロフィー)、自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症)、又は外傷(例えば、外傷性脳損傷、脊髄損傷、又は虚血性脳卒中)に応答して生じ得る。ミエリン機能の摂動は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アルツハイマー病、ハンチントン病、多系統萎縮症、パーキンソン病、脆性X症候群、統合失調症、及び様々な白血球ジストロフィーなどの神経障害及び精神障害において重要な役割を果たし得る。
【0036】
白質ジストロフィーは、ミエリンの異常な産生、処理、又は発達に起因し、遺伝子欠損(突然変異)の結果である、まれな、主に遺伝性の神経学的障害のグループである。いくつかの形態は出生時に存在するが、他の形態は子供が幼児になるまで症状を生じない場合がある。いくつかは主に成人に影響を与える。白質ジストロフィーには、カナバン病、Pelizaeus-Merzbacher病、基底神経節及び小脳の萎縮を伴う髄鞘形成不全、Krabbe病(Globoid細胞白質ジストロフィー)、X連鎖性副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、Pelizaeus-Merzbacher様疾患(又は髄鞘形成不全性白質ジストロフィー-2)、Niemann-Pick病C型(NPC)、自律神経疾患を伴う常染色体優性白質ジストロフィー(ADLD)、4H白質ジストロフィー(Pol III関連白質ジストロフィー)、Zellwegerスペクトラム障害(ZSD)、中枢神経系髄鞘形成不全又はキャッシュを伴う小児失調症(喪失性白質疾患又はVWMDとも呼ばれる)、Cerebrotendinous xanthomatosis(CTX)、Alexander病(AXD)、SOX10関連末梢脱髄性神経障害、中枢脱髄性白質ジストロフィー(central dysmyelinating leukodystrophy)、Waardenburg症候群、Hirschsprung病(PCWH)、成人ポリグルコサン小体病(APBD)、神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症(HDLS)、Aicardi-Goutieres症候群(AGS)、及び成人レフサム病が含まれる。
【0037】
本明細書に記載の方法に従って治療するのに好適な対象には、ミエリンの欠乏によって媒介される状態を有する任意のヒト対象が含まれる。
【0038】
別の実施形態では、ミエリンの欠乏によって媒介される状態は、小児白質ジストロフィー、リソソーム蓄積疾患、先天性髄鞘形成不全、脳性麻痺、炎症性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、放射線又は化学療法誘発性脱髄、及び血管脱髄からなる群から選択される。
【0039】
更なる実施形態では、ミエリンの欠乏によって媒介される状態は、髄鞘形成を必要とする。
【0040】
別の実施形態では、ミエリンの欠乏によって媒介される状態は、髄鞘再生を必要とする。いくつかの実施形態では、髄鞘再生を必要とする状態は、多発性硬化症、視神経脊髄炎、横断骨髄炎、視神経炎、皮質下脳卒中、糖尿病性白質脳症、高血圧性白質脳症、加齢性白質疾患、白質認知症、ビンスワンガー病、脊髄損傷、放射線又は化学療法誘発性脱髄、感染後及びワクチン接種後白質脳炎、脳室周囲白質軟化症、及び脳性麻痺からなる群から選択される
【0041】
更なる実施形態では、ミエリンの欠乏によって媒介される病態は、神経変性疾患である。いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、ハンチントン病である。
【0042】
ハンチントン病は、壊滅的な精神医学的及び認知的悪化を伴う容赦なく進行する運動障害を特徴とする常染色体優性神経変性疾患である。ハンチントン病は、線条体の主要な出力ニューロンであるGABA作動性中型棘突起ニューロンの顕著な喪失に関連する一貫した重度の新線条体萎縮に関連する。ハンチントン病は、ハンチンチン遺伝子の第1エキソンにおける異常に長いCAG反復伸長を特徴とする。変異体ハンチンチンタンパク質のコードされたポリグルタミン伸長は、その正常な機能及びタンパク質-タンパク質相互作用を破壊し、最終的には、新線条体において最も急速に明らかになる広範な神経病理を生じる。
【0043】
本出願に従って治療可能な他の神経変性疾患としては、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多系統萎縮症、及び筋萎縮性側索硬化症が挙げられる。
【0044】
一実施形態では、ミエリンの欠乏によって媒介される状態は、神経精神疾患である。いくつかの実施形態では、神経精神疾患は、統合失調症である。
【0045】
統合失調症は、人の思考、感情、及び行動に影響を及ぼす重度の精神疾患である。統合失調症の症状は、概して以下の3つのカテゴリーに分類される:1)知覚の変化を含む精神病症状、2)やる気の喪失、無関心、喜びの欠如を含む陰性症状、並びに3)注意力、集中力、及び記憶力の問題を含む認知症状。
【0046】
本出願に従って治療可能な他の神経精神疾患としては、自閉症スペクトラム障害及び双極性障害が挙げられる。
【0047】
別の実施形態では、遺伝子構築物は、発現ベクターに投与される。好適な発現ベクターとしては、ウイルスベクター、プラスミドベクター、又は細菌ベクターが挙げられる。別の実施形態では、発現ベクターは、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、及びワクシニアベクターからなる群から選択されるウイルスベクターである。
【0048】
別の実施形態では、遺伝子構築物は、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連して投与される。グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分は、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド、又はCD133を対象とし得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、「C140a」という用語はまた、血小板由来の成長因子受容体アルファ又はPDGFRa又はPDGFRαを指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「NG2/CSPG4」という用語は、ニューロングリア抗原2又はコンドロイチン硫酸プロテオグリカン4を指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、「CD133」という用語は、プロミニン-1も指す。
【0052】
投与された調製物のグリア前駆細胞は、TCF7l2以外の目的のタンパク質を発現するように任意選択的に遺伝子改変することができる。例えば、グリア前駆細胞は、治療用生物学的分子、外因性標的部分、外因性マーカー(例えば、画像化目的)などを発現するように修飾されてもよい。調製物のグリア前駆細胞は、任意選択的に、内因性生体分子、標的化部分、及び/又はマーカーを過剰発現するように修飾することができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「グリア前駆細胞」は、乏突起膠細胞及び星状細胞などのグリア系統の細胞に分化する可能性を有する細胞を指す。グリア前駆細胞は、星状細胞バイアスであってもよい。グリア前駆細胞は、乏突起膠細胞バイアスであってもよい。本明細書で使用される場合、「グリア細胞」という用語は、サポート及び栄養を提供し、恒常性を維持し、ミエリンを形成するか、又は髄鞘形成を促進し、神経系におけるシグナル伝達に関与する非神経細胞集団を指す。本明細書で使用される場合、「グリア細胞」は、グリア系統の完全に分化した細胞、例えば、乏突起膠細胞又は星状細胞、並びにグリア前駆細胞を包含し、これらの各々は、大グリア細胞と称され得る。いくつかの実施形態では、グリア前駆細胞は、乏突起膠細胞前駆細胞又はNG2細胞としても知られている。
【0054】
投与される調製物のグリア前駆細胞は、星状細胞バイアスグリア前駆細胞、乏突起膠細胞バイアスグリア前駆細胞、バイアスがかかっていないグリア前駆細胞、又はそれらの組み合わせであり得る。投与された調製物のグリア前駆細胞は、グリア細胞系統の1つ以上のマーカーを発現する。例えば、一実施形態では、投与された調製物のグリア前駆細胞は、A2B5+を発現し得る。別の実施形態では、投与された調製物のグリア前駆細胞は、PDGFαRマーカーに対して陽性である。PDGFαRマーカーは、任意選択的に、CD140aなどのPDGFαRエクトドメインである。PDGFαR及びCD140aは、乏突起膠細胞バイアスグリア前駆細胞のマーカーである。別の実施形態では、投与される調製物のグリア前駆細胞は、CD44+である。CD44は、星状細胞バイアスグリア前駆細胞のマーカーである。別の実施形態では、投与された調製物のグリア前駆細胞は、CD9マーカーに対して陽性である。CD9マーカーは、任意選択的に、CD9エクトドメインである。一実施形態では、調製物のグリア前駆細胞は、A2B5+、CD140a+、及び/又はCD44+である。前述のグリア前駆細胞表面マーカーを使用して、投与前のグリア前駆細胞のための調製物を同定、分離、及び/又は濃縮することができる。
【0055】
投与されるグリア前駆細胞調製物は、任意選択的に、PSA-NCAMマーカー及び/若しくは他の神経系統マーカーに対して陰性であり、かつ/又は1つ以上の炎症性細胞マーカーに対して陰性であり、例えば、CD11マーカーに対して陰性であり、CD32マーカーに対して陰性であり、かつ/又はCD36マーカー(ミクログリアのマーカーである)に対して陰性である。任意選択的に、グリア前駆細胞の調製物は、これらの追加のマーカーの任意の組み合わせ又はサブセットに対して陰性である。したがって、例えば、グリア前駆細胞の調製物は、これらの追加のマーカーのうちのいずれか1つ、2つ、3つ、又は4つに対して陰性である。
【0056】
本出願に従って投与されるヒトグリア前駆細胞は、以下でより詳細に説明されるように、例えば、限定されないが、ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)、胚性幹細胞、胎児組織、及び/又は星状細胞などのグリア細胞の任意の好適な供給源に由来し得る。
【0057】
iPSCは、体細胞などの非多能性細胞に由来する多能性細胞である。例えば、限定されないが、iPSCは、組織、末梢血、臍帯血、及び骨髄に由来し得る(例えば、Cai et al.,“Generation of Human Induced Pluripotent Stem Cells from Umbilical Cord Matrix and Amniotic Membrane Mesenchymal Cells,”J.Biol.Chem.285(15):112227-11234(2110)、Giorgetti et al.,“Generation of Induced Pluripotent Stem Cells from Human Cord Blood Cells with only Two Factors:Oct4 and Sox2,”Nat.Protocol.5(4):811-820(2010)、Streckfuss-Bomeke et al.,“Comparative Study of Human-Induced Pluripotent Stem Cells Derived from Bone Marrow Cells,Hair Keratinocytes,and Skin Fibroblasts,”Eur.Heart J.doi:10.1093/eurheartj/ehs203(July 12,2012)、Hu et al.,“Efficient Generation of Transgene-Free Induced Pluripotent Stem Cells from Normal and Neoplastic Bone Marrow and Cord Blood Mononuclear Cells,”Blood doi:10.1182/blood-2010-07-298331(Feb.4,2011)、Sommer et al.,“Generation of Human Induced Pluripotent Stem Cells from Peripheral Blood using the STEMCCA Lentiviral Vector,”J.Vis.Exp.68:e4327 doi:10.3791/4327(2012)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。体細胞は、遺伝子操作を使用して、胚性幹細胞様状態に再プログラミングされる。iPSCの形成に好適な例示的な体細胞としては、線維芽細胞(例えば、Streckfuss-Bomeke et al.,“Comparative Study of Human-Induced Pluripotent Stem Cells Derived from Bone Marrow Cells,Hair Keratinocytes,and Skin Fibroblasts,”Eur.Heart J.doi:10.1093/eurheartj/ehs203(2012)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、例えば、皮膚試料又は生検によって得られた真皮線維芽細胞、滑膜組織からの滑膜細胞、ケラチノサイト、成熟B細胞、成熟T細胞、膵臓β細胞、メラニン細胞、肝細胞、包皮細胞(foreskin cell)、頬細胞、又は肺線維芽細胞などが挙げられる。
【0058】
人工多能性幹細胞を産生する方法は、当該技術分野で既知であり、典型的には、体細胞において再プログラミング因子の組み合わせを発現させることを伴う。iPSCの生成を促進及び誘導する好適な再プログラミング因子としては、Oct4、Klf4、Sox2、c-Myc、Nanog、C/EBPα、Esrrb、Lin28、及びNr5a2のうちの1つ以上が挙げられる。特定の実施形態では、少なくとも2つの再プログラミング因子は、体細胞において発現されて、体細胞を成功裏に再プログラミングする。他の実施形態では、少なくとも3つの再プログラミング因子が体細胞で発現されて、体細胞を成功裏に再プログラミングする。
【0059】
iPSCは、細胞再プログラミングを促進する遺伝子を送達するためのウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター、誘導性レンチウイルスベクター、及びレトロウイルスベクター)、切除可能なベクター(例えば、トランスポゾン及びフロキシドレンチウイルスベクター)、並びに非組み込みベクター(例えば、アデノウイルス及びプラスミドベクター)を組み込む使用を含む、当該技術分野で既知の方法によって誘導され得る(例えば、Takahashi and Yamanaka,“Induction of Pluripotent Stem Cells from Mouse Embryonic and Adult Fibroblast Cultures by Defined Factors,”Cell 126:663-676(2006)、Okita.et al.,“Generation of Germline-Competent Induced Pluripotent Stem Cells,”Nature 448:313-317(2007)、Nakagawa et al.,“Generation of Induced Pluripotent Stem Cells without Myc from Mouse and Human Fibroblasts,”Nat.Biotechnol.26:101-106(2008)、Takahashi et al.,Cell 131:1-12(2007)、Meissner et al.,“Direct Reprogramming of Genetically Unmodified Fibroblasts into Pluripotent Stem Cells,”Nat.Biotech.25:1177-1181(2007)、Yu et al.,“Induced Pluripotent Stem Cell Lines Derived from Human Somatic Cells,”Science 318:1917-1920(2007)、Park et al.,“Reprogramming of Human Somatic Cells to Pluripotency with Defined Factors,”Nature 451:141-146(2008)、及び米国特許出願公開第2008/0233610号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。IPS細胞を生成するための他の方法は、WO2007/069666、WO2009/006930、WO2009/006997、WO2009/007852、WO2008/118820、Ikedaらへの米国特許出願公開第2011/0200568号、Egusaらへの米国特許出願公開第2010/0156778号、Musickへの米国特許出願公開第2012/0276070号、及びNakagawaへの米国特許出願公開第2012/0276636号、Shi et al.,Cell Stem Cell 3(5):568-574(2008)、Kim et al.,Nature 454:646-650(2008)、Kim et al.,Cell 136(3):411-419(2009)、Huangfu et al.,Nat.Biotechnol.26:1269-1275(2008)、Zhao et al.,Cell Stem Cell 3:475-479(2008)、Feng et al.,Nat.Cell Biol.11:197-203(2009)、及びHanna et al.,Cell 133(2):250-264(2008)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されているものを含む。
【0060】
上述のiPSC生成方法は、再プログラミング効率を高めるか、又は更には再プログラミング因子に置き換わる小分子を含むように修飾され得る。これらの小分子としては、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤5’-アザシチジン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤VPA、及びL型カルシウムチャネルアゴニストであるBayK8644と併用するG9aヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤BIX-01294などのエピジェネティックモジュレーターが含まれるが、これらに限定されない。他の低分子再プログラミング因子としては、TGF-β阻害剤及びキナーゼ阻害剤(例えば、kenpaullone)などのシグナル伝達経路を標的とするものが挙げられる(Sommer and Mostoslavsky,“Experimental Approaches for the Generation of Induced Pluripotent Stem Cells,”Stem Cell Res.Ther.1:26 doi:10.1186/scrt26(August 10,2010)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によるレビューを参照されたい)。
【0061】
本明細書に記載の方法に好適なiPSCからグリア前駆細胞の高濃縮調製物を得る方法は、Goldman及びWangに対するWO2014/124087、並びにWang et al.,“Human iPSC-Derived Oligodendrocyte Progenitors Can Myelinate and Rescue a Mouse Model of Congenital Hypomyelination,”Cell Stem Cell 12(2):252-264(2013)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0062】
別の実施形態では、ヒトグリア前駆細胞は、胚性幹細胞に由来する。ヒト胚性幹細胞は、組織置換療法に潜在的に有用なクローン/遺伝子改変細胞の実質的に無制限の供給源を提供する。本開示の方法での使用に好適な、胚細胞からのグリア前駆細胞の高濃縮調製物を得る方法は、Wang et al.,“Human iPSC-derived Oligodendrocyte Progenitor Cells Can Myelinate and Rescue a Mouse Model of Congenital Hypomyelination,”Cell Stem Cell 12:252-264(2013)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0063】
別の実施形態では、ヒトグリア前駆細胞は、ヒト胎児組織に由来する。グリア前駆細胞は、ゴールドマンへの米国特許出願公開第2004/0029269号及び第2003/0223972号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーター特異的分離技術を使用することによって、混合細胞集団を含有する胎児脳組織から直接抽出することができる。本方法は、グリア前駆細胞において特異的に機能するプロモーターを選択し、当該プロモーターの制御下にあるマーカータンパク質をコードする核酸を混合集団細胞に導入することを伴う。混合細胞集団は、マーカータンパク質を発現させることができ、マーカータンパク質を発現する細胞は、細胞集団から分離され、分離された細胞は、グリア前駆細胞である。ヒトグリア前駆細胞は、脳の心室又は心室下領域から、又は皮質下白質から単離され得る。
【0064】
混合された細胞集団からグリア前駆細胞を単離するために使用することができるグリア特異的プロモーターとしては、CNPプロモーター(Scherer et al.,Neuron 12:1363-75(1994)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、NCAMプロモーター(Holst et al.,J.Biol.Chem.269:22245-52(1994)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、ミエリン塩基性タンパク質プロモーター(Wrabetz et al.,J.Neurosci.Res.36:455-71(1993)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、JCウイルス最小コアプロモーター(Krebs et al.,J.Virol.69:2434-42(1995)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、ミエリン関連糖タンパク質プロモーター(Laszkiewicz et al.,“Structural Characterization of Myelin-associated Glycoprotein Gene Core Promoter,”J.Neurosci.Res.50(6):928-36(1997)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、又はタンパク質脂質プロモーター(Cook et al.,“Regulation of Rodent Myelin Proteolipid Protein Gene Expression,”Neurosci.Lett.137(1):56-60(1992)、Wight et al.,“Regulation of Murine Myelin Proteolipid Protein Gene Expression,”J.Neurosci.Res.50(6):917-27(1997)、及びCambi et al.,Neurochem.Res.19:1055-60(1994)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))が挙げられる。Goldmanらへの米国特許第6,245,564号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)も参照されたい。
【0065】
胎児組織に由来するグリア前駆細胞集団は、最初に混合細胞集団からニューロン又は神経前駆細胞を除去することによって濃縮することができる。ニューロン前駆細胞を混合した細胞集団から分離する場合、NCAM、PSA-NCAM、又はニューロン若しくは神経前駆細胞に特異的な任意の他の表面部分の表面発現に基づいて、それらを除去することができる。ニューロン又は神経前駆細胞は、プロモーターベースの分離技術を使用して、混合細胞集団から分離されてもよい。神経細胞を混合した細胞集団から分離するために使用され得るニューロン又は神経前駆体特異的プロモーターとしては、Tα1チューブリンプロモーターが挙げられる(Gloster et al.,J.Neurosci.14:7319-30(1994)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、Huプロモーター(Park et al.,“Analysis of Upstream Elements in the HuC Promoter Leads to the Establishment of Transgenic Zebrafish with Fluorescent Neurons,”Dev.Biol.227(2):279-93(2000)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、ELAVプロモーター(Yao et al.,“Neural Specificity of ELAV Expression:Defining a Drosophila Promoter for Directing Expression to the Nervous System,”J.Neurochem.63(1):41-51(1994)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、MAP-1Bプロモーター(Liu et al.,Gene 171:307-08(1996)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、又はGAP-43プロモーターが挙げられる。構築物の核酸分子を複数の細胞に導入し、次いで細胞を選別するための技術は、Goldmanらへの米国特許第6,245,564号及びGoldmanらへの米国特許出願公開第2004/0029269号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される。
【0066】
プロモーターベースの細胞選別を使用してグリア前駆細胞を混合細胞集団から回収する代替として、免疫分離手順を利用することができる。陽性免疫分離技術では、所望の細胞(すなわち、グリア前駆細胞)は、前駆細胞上に天然に存在するタンパク質表面マーカーに基づいて単離される。例えば、表面マーカーA2B5は、グリア前駆細胞の初期発現マーカーである(Nunes et al.,“Identification and Isolation of Multipotential Neural Progenitor Cells from the Adult Human White Matter,”Soc.Neurosci.Abstr.(2001)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。A2B5に特異的な抗体を使用して、グリア前駆細胞を細胞型の混合集団から分離することができる。同様に、表面マーカーCD44は、星状細胞バイアスグリア前駆細胞を同定する(Liu et al.,“CD44 Expression Identifies Astrocyte-Restricted Precursor Cells,”Dev.Biol.276:31-46(2004)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。CD44コンジュゲートマイクロビーズ技術を使用して、星状細胞バイアスグリア前駆細胞は、細胞型の混合集団から分離することができる。乏突起膠細胞バイアスグリア前駆細胞は、PDGFαR、PDGFαRエクトドメインCD140a、又はCD9の発現に基づいて、細胞型の混合集団から分離することができる。非グリア細胞型(例えば、ニューロン、炎症性細胞など)のマーカーを発現する細胞を、グリア細胞の調製物から除去して、免疫分離技術を使用して、所望のグリア細胞型に対する調製物を更に濃縮することができる。例えば、グリア前駆細胞集団は、好ましくは、PSA-NCAMマーカー及び/又は神経系統の細胞の他のマーカーに対して陰性であり、1つ以上の炎症性細胞マーカーに対して陰性であり、例えば、CD11マーカーに対して陰性であり、CD32マーカーに対して陰性であり、かつ/又はミクログリアのマーカーであるCD36マーカーに対して陰性である。例示的なマイクロビーズ技術としては、MACS(登録商標)マイクロビーズ、MACS(登録商標)カラム、及びMACS(登録商標)セパレータが挙げられる。追加の免疫分離例は、Wang et al.,“Prospective Identification,Direct Isolation,and Expression Profiling of a Telomerase Expressing Subpopulation of Human Neural Stem Cells,Using Sox2 Enhancer-Directed FACS,”J.Neurosci.30:14635-14648(2010)、Keyoung et al.,“High-Yield Selection and Extraction of Two Promoter-Defined Phenotypes of Neural Stem Cells from the Fetal Human Brain,”Nat.Biotechnol.19:843-850(2001)、及びWindrem et al.,“Neonatal Chimerization with Human Glial Progenitor Cells can both Remyelinate and Rescue the Otherwise Lethally Hypomyelinated Shiverer Mouse,”Cell Stem Cell 2:553-565(2008)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される。
【0067】
本明細書に記載の方法に従って、投与されるヒトグリア前駆細胞の選択された調製物は、例えば、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のグリア前駆細胞を含む、少なくとも約80%のグリア前駆細胞を含む。グリア前駆細胞の選択された調製物は、ニューロン又はニューロン系統の細胞、線維性星状細胞及び線維性星状細胞系統の細胞、並びに多能性幹細胞(ES細胞のような)などの他の細胞型を比較的含まない(例えば、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%未満含有する)可能性がある。任意選択的に、例示的な細胞集団は、グリア前駆細胞の実質的に純粋な集団である。
【0068】
2.転写因子7様2タンパク質
転写因子7様2、別名、TCF7L2又はTCF4は、ヒトにおいて、TCF7L2遺伝子によってコードされる、転写因子として機能するタンパク質である。ヒトTCF7L2遺伝子は、10q25.2-q25.3染色体上に位置し、17個のエキソンを含有する。TCFファミリーのメンバーとして、TCF7L2は、二部転写因子を形成し、Wntシグナル伝達経路を含むいくつかの生物学的経路に影響を与えることができる。
【0069】
完全長ヒトTCF7L2タンパク質は、N末端に、βカテニン結合ドメイン、Groucho結合配列、HMGボックス-DNA結合ドメイン(HGM-DBD)、システインクランプ(Cクランプ)、及びC末端を含有する。例えば、Li et al.,Front Cardiovasc Med.2021 Sep 9;8:701279.doi:10.3389/fcvm.2021.701279. eCollection 2021を参照されたい。HGM-DBDの助けを借りて、TCF7L2は、二重らせんディンプル内の特定のDNA部分配列(5’-xCTTTGATx-3’)を認識し、転写因子活性を誘発することができる。Cクランプは、転写調節活性なしの代替DNA結合ドメイン(5’-xTGCCGCx-3’)を含有するが、Cクランプは、HGM-DBDと特定のDNA配列との結合を補助すると考えられている。TCF7L2は、転写共活性化因子β-カテニン又は転写共抑制因子トランスデューサ様エンハンサーのスプリット(TLE)/Grouchoによって影響される標的遺伝子に二重の転写調節効果を発揮する。Wntシグナル伝達刺激では、増加した量のb-カテニンが核に取り込まれ、その後、β-カテニン/TCF7L2複合体に組み立てられる。更に、β-カテニンは、β-カテニン/TCF7L2複合体の標的遺伝子のプロモーターへの結合を補助し、したがってプロモーター活性を高める足場として機能する。Wnt/β-カテニンシグナル伝達が存在しない場合、共抑制TLEは、グルタミンリッチ(Q)ドメインによってTCF7L2を優先的に占有し、ヒストンメチルトランスフェラーゼ又はヒストンデアセチラーゼを動員して下流遺伝子をサイレンシングする。総合すると、TCF7L2は2つのDNA結合ドメイン(HGM-DBD及びCクランプ)を含有するが、HGM-DBDのみが転写を活性化させることができる。更に、TCF7L2は、転写共活性化因子β-カテニン又は転写共抑制因子TLE/Grouchoによる二重調節を受ける。Li et al.,Front Cardiovasc Med.2021 Sep 9;8:701279.doi:10.3389/fcvm.2021.701279. eCollection 2021。
【0070】
ヒト又はマウスTCF7L2は、異なる発現パターンを示すか、又は発達中に異なる役割を果たす複数のスプライスバリアント又はアイソフォームを有する(Helgason et al.,Nature Genetics 39:218-225(2007))。以下に、ヒトTCF7L2バリアント/アイソフォームの一部を示す。これらのヒトスプライスバリアント/アイソフォームの全ては、本明細書に開示される発現カセット、遺伝子構築物、ベクター、組成物、又は方法において使用され得る。いくつかの例示的なTcf7l2ヒトアイソフォーム、関連する核酸配列、及び関連するアミノ酸配列を以下に列挙する。
【表1】
>NM_001146274.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント1、(配列番号45)
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCCTCCATTTTCAGTCCGGCA
GCACACATTACTCTGCGTACAAAACGATTGAACACCAGATTGCAGTTCAGTATCTCCAGATGAAATGGCC
ACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACCG
GCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTTA
TCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCAA
AACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGTA
GGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAG
GAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATAT
GGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAA
CAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAG
AAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAA
GGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGCA
CTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTGT
ACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGA
GACCAATGATGCAAATACTCCAAAGAAGTGTCGGGCACTGTTCGGGCTTGACCGACAGACTTTATGGTGC
AAACCGTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCT
CTTCAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGC
CAAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCC
ATGATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACG
GGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGAC
TTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCT
TTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCC
CCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGA
TGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATG
AGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAA
ATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAA
AGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGA
GCTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTT
TTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAAC
AAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCA
ACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTG
TATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCAT
AAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATT
TTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTT
GCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGA
GTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAG
TGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTC
AGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACA
TAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAG
CATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAA
ACCAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCT
AGGCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACAT
GAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGA
ATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTT
TAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCT
GGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号46):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTLHFQSGSTHYSAYKTIEHQIAVQYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNDANTPKKCRALFGLDRQTLWCKPCRRKKKCVRYIQGEGSCLSPPSSDGSLLDSPPPSPNLLGSPPRDAKSQTEQTQPLSLSLKPDPLAHLSMMPPPPALLLAEATHKASALCPNGALDLPPAALQPA
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>NM_030756.5 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント2(配列番号47)、
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AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACA
GGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATA
TGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAA
ACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAA
GAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAA
AGGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGC
ACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTG
TACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAG
AGACCAATGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGACCTGAGCGC
TCCTAAGAAATGCCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTGGTGCGGCCCTTGCAGGAGAAAA
AAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTTCAGATGGAAGCTTAC
TAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGTCACAGACTGAGCA
GACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCATGATGCCTCCGCCACCC
GCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCC
CAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCA
CAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGT
CGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAA
AGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTTATCGAGTTCATTG
GTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGAT
TCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATATATATATATACATAA
CTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAAAAAAAAGCAATTT
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TGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGGGTAAAAATGTGTT
AATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACTTAATAGAATCACA
ACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAA
ATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAAC
AACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGA
CTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGC
ATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGA
CACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGC
GCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTC
CCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTA
GTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGT
ATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAACCAGCTGCCGCTTTTAT
GTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTAGGCATGTTGATGTTGCA
AAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTG
TCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCT
AACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCAT
TTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACT
TAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号48):
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AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCAGCCCCCTCCCTTGCTGCACTCAGGGACATGACTGTCAGCACTTCTACCCCCCCTCA
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CCTGGTGTATTGAGTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCT
TATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCC
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TAGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGAC
AGGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCAT
ATGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCA
AACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGA
AGAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCA
AAGGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATG
CACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACT
GTACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGA
GAGACCAATGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTC
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AAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCA
TGATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGG
GGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACT
TCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTT
TAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCC
CCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGAT
GTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGA
GAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAA
TATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAA
GAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAG
CTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTT
TTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACA
AAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAA
CACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGT
ATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATA
AGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTT
TTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTG
CATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAG
TGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGT
GGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCA
GTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACAT
AGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGC
ATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAA
CCAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTA
GGCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATG
AAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAA
TACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTT
AATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTG
GATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001146284.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント4(配列番号51)、
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TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
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CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAGGAGGATTCAGA
CACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATATGGTCCCACCAC
ATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAACAGGAATCGTC
CCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAGAAAAGAAGAAG
CCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAAGGTCGTAGCTG
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AGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTGTACCCCGGCTGG
TCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGAGACCAATGAAC
ACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGC
TACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTTCAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCC
CCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTC
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GAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGC
CTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGG
GACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGC
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CTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCC
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GATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCA
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AAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTAT
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TAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTT
TCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAA
GGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGT
ATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGC
TTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGC
AGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGG
ACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCT
GTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCT
ATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGG
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CTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTC
TGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTT
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ATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATA
AA
タンパク質配列(配列番号52):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNEHSECFLNPCLSLPPITGEKKSAFATYKVKAAASAHPLQMEAY
>NM_001146285.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント5(配列番号53)、
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
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TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
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ACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTG
TACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAG
AGACCAATGACCTGAGCGCTCCTAAGAAATGCCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTGGTG
CGGCCCTTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCC
TCTTCAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACG
CCAAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTC
CATGATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAAC
GGGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGA
CGGCCCTTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCC
TTTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGC
CCCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTG
ATGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGAT
GAGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAA
AATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAA
AAGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACG
AGCTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACT
TTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAA
CAAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTC
AACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCT
GTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCA
TAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATAT
TTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGT
TGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATG
AGTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCA
GTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCT
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ATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAA
GCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAA
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AATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTT
TTAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTC
TGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号54):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNDLSAPKKCRARFGLDQQNNWCGPCRRKKKCVRYIQGEGSCLSPPSSDGSLLDSPPPSPNLLGSPPRDAKSQTEQTQPLSLSLKPDPLAHLSMMPPPPALLLAEATHKASALCPNGALDLPPAALQPAAPSSSIAQPSTSSLHSHSSLAGT
QPQPLSLVTKSLE
>NM_001146286.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント6(配列番号55)、
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AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
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TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
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CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
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GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACA
GGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATA
TGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAA
ACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAA
GAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAA
AGGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGC
ACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTG
TACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAG
AGACCAATGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCT
TCAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCA
AGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCAT
GATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGG
GCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTT
CTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTT
AGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCC
CCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATG
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AGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAAT
ATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAG
AAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGC
TTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTT
TTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAA
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TGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAA
GCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTT
TGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGC
ATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGT
GAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTG
GGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAG
TGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATA
GGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGCA
TTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAAC
CAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTAG
GCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGA
AGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAAT
ACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTA
ATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGG
ATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001198525.2 ホモサピエンス転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント7(配列番号57)、
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TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACA
GGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGCTTTCTGTCTTCTA
GGTTCCCTCCCCATATGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGT
CACACCAACAGTCAAACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGAC
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GCGGAGGTGGCATGCACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAG
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ACAAGCAGCCGGGAGAGACCAATGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGAT
TACAGACCTGAGCGCTCCTAAGAAATGCCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTGGTGCGGC
CCTTGCAGATGCAAATACTCCAAAGAAGTGTCGGGCACTGTTCGGGCTTGACCGACAGACTTTATGGTGC
AAACCGTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCT
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ATGATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACG
GGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGAC
TTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCT
TTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCC
CCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGA
TGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATG
AGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAA
ATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAA
AGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGA
GCTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTT
TTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAAC
AAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCA
ACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTG
TATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCAT
AAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATT
TTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTT
GCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGA
GTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAG
TGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTC
AGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACA
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CATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAA
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GAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGA
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TAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCT
GGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001198526.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント8(配列番号59)、
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TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACA
GGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATA
TGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAA
ACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAA
GAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAA
AGGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGC
ACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTG
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AGACCAATGATGCAAATACTCCAAAGAAGTGTCGGGCACTGTTCGGGCTTGACCGACAGACTTTATGGTG
CAAACCGTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCC
TCTTCAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACG
CCAAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTC
CATGATGCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAAC
GGGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGA
CTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTC
TTTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGC
CCCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTG
ATGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGAT
GAGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAA
AATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAA
AAGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACG
AGCTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACT
TTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAA
CAAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTC
AACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCT
GTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCA
TAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATAT
TTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGT
TGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATG
AGTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCA
GTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCT
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ATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAA
GCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAA
AACCAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACC
TAGGCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACA
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AATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTT
TTAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTC
TGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001198527.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント9(配列番号61)、
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
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ATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCA
AAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGT
AGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAGGAGGATTCAGA
CACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATATGGTCCCACCAC
ATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAACAGGAATCGTC
CCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAGAAAAGAAGAAG
CCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAAGGTCGTAGCTG
AGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGCACTGTCCAGAGA
AGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTGTACCCCGGCTGG
TCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGAGACCAATGAAC
ACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGACCTGAGCGCTCCTAAGAAATG
CCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTGGTGCGGCCCTTGCAGTCTTTGAATTTGGAATATT
ACAATGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTTCA
GATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGT
CACAGACTGAGCAGACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCATGAT
GCCTCCGCCACCCGCCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCC
CTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTT
CCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGA
ATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCA
CCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTT
ATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGA
AGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATATA
TATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAA
AAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGCTTG
CGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTTTT
TTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGG
GTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACT
TAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGT
CGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCA
TCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGT
TTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATT
AAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAG
GGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGA
TGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGA
ATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGT
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TAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAACCAG
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TGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGC
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GTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATT
AATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001198528.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント10(配列番号63)、
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AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
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CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
CACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACC
GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
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TGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAA
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GAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAA
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CGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCAC
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GTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTA
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GTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCC
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ATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATT
AATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTG
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CTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAA
AATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGA
TGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTC
CAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAA
ACGAAAAACCAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAA
AAAACCTAGGCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAG
TTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTT
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TCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATG
CCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
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>NM_001198529.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント11(配列番号65)、
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
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CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTATCTCCAGATGAAATGGC
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GGCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTT
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TGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAA
ACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAA
GAAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAA
AGGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGC
ACTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTG
TACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAG
AGACCAATGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGGAGAAAAAAA
AAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTTCAGATGGAAGCTTACTAG
ATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGTCACAGACTGAGCAGAC
CCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCATGATGCCTCCGCCACCCGCC
CTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCCCAG
CCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAG
CTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGTCGT
GAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAAAGG
TTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTTATCGAGTTCATTGGTC
AATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGATTCT
ACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATATATATATATACATAACTG
TTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAAAAAAAAGCAATTTTGA
AGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGCTTGCGAACCAATCATTTTA
CATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGA
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ATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACTTAATAGAATCACAACG
CTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAATA
TGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACAAC
TCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTT
TTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATT
AACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGACAC
TGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCC
CTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCT
CTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTT
TTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGTATA
AACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAACCAGCTGCCGCTTTTATGTA
CACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTAGGCATGTTGATGTTGCAAAA
TGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCT
CCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTAAC
AGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATTTT
TGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAG
TATGTGCAGATAAA
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>NM_001198530.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント12(配列番号67)、
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
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TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
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CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCTCTAACAAAGTGCCAGTGG
TGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTTATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGG
AAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCAAAACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCA
GATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGTAGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAG
TACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAGGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCT
GACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATATGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACG
GGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCAC
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AGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCC
TGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGG
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TTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTAC
TCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCA
TTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTA
TCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGG
ATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAG
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AACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATT
GTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCA
TGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGT
AGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTT
CTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAG
GTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTA
TGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCT
TTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCA
GTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGA
CTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTG
TAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTA
TAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGATTGTCCAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGC
CAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAACCAGCTGCCGCTTTTATGTACACATATTACATA
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TGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCT
GGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTA
CTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAA
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ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
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CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
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AAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAA
GGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGCA
CTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTGT
ACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGA
GACCAATGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTT
CAGATGGAAGCTTACTAGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAA
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CCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTC
TTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTA
GAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCC
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TTATCGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGA
GAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATA
TATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGA
AAAAAAAAGCAATTTTGAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGCT
TGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTT
TTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAA
GGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACA
CTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTAT
GTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAG
CATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTT
GTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCA
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AGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGG
GATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGT
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GCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATA
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TGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGA
TTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号70):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTLHFQSGSTHYSAYKTIEHQIAVQYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNGEKKSAFATYKVKAAASAHPLQMEAY
>NM_001349870.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント14(配列番号71)、
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TCTTAGCGGCAGCTCTGTCCCTGCTGCCCAAGGTAACGGGTGAGGGAGGGGACTTTGCTGAGGTGCCCTG
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CAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCG
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CTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAAAGGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCT
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GCGTTTAAAAAATATATATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATT
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ATTAAATACGAGCTTGCGAACCAATCATTTTACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAG
TGCCGTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGTGAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAA
TGTACAGAAACAAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGG
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CATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGA
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CCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCTCTTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCT
GTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGAT
TGTCCAGAAAGCATTTTAAATGAAGAGGTATAAACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTC
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CATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号72):MYPRDTILVGMEDLSGKGGAVASGVSLFQQLGGWHLNLNCWSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNEHSECFLNPCLSLPPITDLSAPKKCRARFGLDQQNNWCGPCS
>NM_001349871.1 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント15(配列番号73)、
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GCTGCTGGTGTGTGCTGCTCCCCTGTGCCGCGGGTGCGCGGCGGCGGCGCGGGCTGCAGGGCGGGTGCTG
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ACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTTATCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCC
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TATTACCCACTATCGCCTGGCACCGTAGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAG
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TTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATATGGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCAT
CCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAACAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAA
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CCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCCCAGCCGCTTTGCAGCCTGC
CGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCACAGCTCCCTGGCCGGGACC
CAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGTCGTGAACCCCGCTGCTTTG
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TTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCA
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ATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGGGTAAAAATGTGTTAATATACCTTGTTCCATGG
TGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACTTAATAGAATCACAACGCTGTTGGGCCAGTAGT
ATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAATATGTTTTCCTTTTTCTT
GAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTACAAGGTT
TTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTTTTTTTTTCTGTATGA
AACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAAGTTGCTTTA
AAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGACACTGTCTGAGCAGCAGTG
GGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCCCTTAGGACCCGGACTG
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TTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAA
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GTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTAGGCATGTTGATGTTGCAAAATGCTGTATAAAGCTGA
AACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGATTTTTCTCTGGT
TTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTAACAGTTGTGATGTTACTG
TTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATTTTTGTAATGAATAAATGT
TCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号74):MSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNEHSECFLNPCLSLPPITDLSAPKKCRARFGLDQQNNWCGPCSL
>NM_001363501.2 Homo sapiens転写因子7様2(TCF7L2)、転写産物バリアント16(配列番号75)、
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
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TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
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CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCCTCCATTTTCAGTCCGGCA
GCACACATTACTCTGCGTACAAAACGATTGAACACCAGATTGCAGTTCAGTATCTCCAGATGAAATGGCC
ACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACCG
GCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTTA
TCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCAA
AACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGTA
GGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAG
GAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATAT
GGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAA
CAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAG
AAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAA
GGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGCA
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ACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGA
GACCAATGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGGAGAAAAAAAA
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TTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGTCACAGACTGAGCAGACC
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TCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGTCGTG
AACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAAAGGT
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ATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGATTCTA
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GCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGCTTGCGAACCAATCATTTTAC
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GTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACAACT
CATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGACTTT
TTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCATTA
ACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGACACT
GTCTGAGCAGCAGTGGGAACCATCTTCGTTTCCCCTTTGAACTCCCAGTGGGATGCCCTACCCTGCGCCC
TTAGGACCCGGACTGACCGTGTACAAAACTTTACGTGCCAAAATTCTCAGTGAATTTAGCTTTCTCCCTC
TTTTTGATGCTGTAATTTTTGTTCATCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGGTAGATTTGTATGTAGTTT
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ACCCTTAAGGGCCAAAATTCTGTATATTAGATTACTCTTAAACGAAAAACCAGCTGCCGCTTTTATGTAC
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GCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTC
CGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTAACA
GTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATTTTT
GTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGT
ATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号76):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTLHFQSGSTHYSAYKTIEHQIAVQYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNEHSECFLNPCLSLPPITGEKKSAFATYKVKAAASAHPLQMEAY
>NM_001367943.1 Homo sapiens転写因子7様 2(TCF7L2)、転写産物バリアント17、mRNA((配列番号77))
GTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATCTGTCAATC
AGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACGAGCACC
TCCTGTATCTTCGGCTTCCCCCCCCCTTTGCTCTTTATATCTGACTTCTTGTTGTTGTTGGTGTTTTTTT
TTTTTTTACCCCCCTTTTTTATTTATTATTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGAGAGAAAAA
AGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTTCCCCTCC
CCAGGAGAAAAAGACCCCCAAGCAGAAAAAAGTTCACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTGCAATATTTTTTG
GGGGGGCAAAACTTTTTGGGGGTGATTTTTTTTGGCTTTTCTTCCTCCTTCATTTTTCTTCCAAAATTGC
TGCTGGTGGGTGAAAAAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGGGATGACCTAGGCGCCAACGACGA
ACTGATTTCCTTCAAAGACGAGGGCGAACAGGAGGAGAAGAGCTCCGAAAACTCCTCGGCAGAGAGGGAT
TTAGCTGATGTCAAATCGTCTCTAGTCAATGAATCAGAAACGAATCAAAACAGCTCCTCCGATTCCGAGG
CGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGACAAATCCCGGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGC
CAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTACCCCTTCATCATGATCCCCGAC
CTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGAACCCTCCATTTTCAGTCCGGCA
GCACACATTACTCTGCGTACAAAACGATTGAACACCAGATTGCAGTTCAGTATCTCCAGATGAAATGGCC
ACTGCTTGATGTCCAGGCAGGGAGCCTCCAGAGTAGACAAGCCCTCAAGGATGCCCGGTCCCCATCACCG
GCACACATTGTCTCTAACAAAGTGCCAGTGGTGCAGCACCCTCACCATGTCCACCCCCTCACGCCTCTTA
TCACGTACAGCAATGAACACTTCACGCCGGGAAACCCACCTCCACACTTACCAGCCGACGTAGACCCCAA
AACAGGAATCCCACGGCCTCCGCACCCTCCAGATATATCCCCGTATTACCCACTATCGCCTGGCACCGTA
GGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCAACCAGTGTACCCAATCACGACAG
GAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCTCTGACCGTCAATGCTTCCATGTCCAGGTTCCCTCCCCATAT
GGTCCCACCACATCATACGCTACACACGACGGGCATTCCGCATCCGGCCATAGTCACACCAACAGTCAAA
CAGGAATCGTCCCAGAGTGATGTCGGCTCACTCCATAGTTCAAAGCATCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAG
AAAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAACCTCTTAATGCATTCATGTTGTATATGAAGGAAATGAGAGCAAA
GGTCGTAGCTGAGTGCACGTTGAAAGAAAGCGCGGCCATCAACCAGATCCTTGGGCGGAGGTGGCATGCA
CTGTCCAGAGAAGAGCAAGCGAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGAGCGACAGCTTCATATGCAACTGT
ACCCCGGCTGGTCCGCGCGGGATAACTATGGAAAGAAGAAGAAGAGGAAAAGGGACAAGCAGCCGGGAGA
GACCAATGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCACTTCCTCCGATTACAGACCTGAGCGCT
CCTAAGAAATGCCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTGGTGCGGCCCTTGCAGGAGAAAAA
AAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCACCCTCTTCAGATGGAAGCTTACT
AGATTCGCCTCCCCCCTCCCCGAACCTGCTAGGCTCCCCTCCCCGAGACGCCAAGTCACAGACTGAGCAG
ACCCAGCCTCTGTCGCTGTCCCTGAAGCCCGACCCCCTGGCCCACCTGTCCATGATGCCTCCGCCACCCG
CCCTCCTGCTCGCTGAGGCCACCCACAAGGCCTCCGCCCTCTGTCCCAACGGGGCCCTGGACCTGCCCCC
AGCCGCTTTGCAGCCTGCCGCCCCCTCCTCATCAATTGCACAGCCGTCGACTTCTTCCTTACATTCCCAC
AGCTCCCTGGCCGGGACCCAGCCCCAGCCGCTGTCGCTCGTCACCAAGTCTTTAGAATAGCTTTAGCGTC
GTGAACCCCGCTGCTTTGTTTATGGTTTTGTTTCACTTTTCTTAATTTGCCCCCCACCCCCACCTTGAAA
GGTTTTGTTTTGTACTCTCTTAATTTTGTGCCATGTGGCTACATTAGTTGATGTTTATCGAGTTCATTGG
TCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAAATATGTAGATGAGAGAAGAACCTCATGATT
CTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGCGTTTAAAAAATATATATATATACATAAC
TGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTAAAAAACAAAAAGAAAAAAAAAGCAATTTT
GAAGCAGCCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTATTATTTGTATTAAATACGAGCTTGCGAACCAATCATTT
TACATCTGGTTTTTAAACCGTAAGGGCACCATGAATGCAGTGCCGTTACTTTTTTTTTTTTTTTCTGTGT
GAAACAACTCTTATTGTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGGGTAAAAATGTGTTA
ATATACCTTGTTCCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGAGGGGACGCTACTCAACACTTAATAGAATCACAA
CGCTGTTGGGCCAGTAGTATTTATTGCTTTAGAGATTGCTTGTCGTACCTGTATGTCGTCCCTTTTTAAA
TATGTTTTCCTTTTTCTTGAAACTGTATAAAGTTTTTTTCCCCCTTAGCATAAGCATCTTATATATAACA
ACTCATTTGTACAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATATTTTTGTTTCCCCTTTTTGAC
TTTTTTTTTTCTGTATGAAACCCAGATGTCACCAAATGGACATTAATAGTTGCATTAAGGATCAGTAGCA
TTAACAAAAGTTGCTTTAAAAGCCATTATGTAAAACAAGACTTGAAAATGAGTGAGGGAATTTTAGCGAC
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TACACATATTACATACGAGTAGGCAGCAGACTTTAAAAATAAAAAAAACCTAGGCATGTTGATGTTGCAA
AATGCTGTATAAAGCTGAAACCTGTTCATTCAGTGCCATTGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGT
CTCCGATTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTATAACATTTTTTGTGAATACTTTGAATGTTTCCTA
ACAGTTGTGATGTTACTGTTCCGTTTTATGCTCTTATTCCAAGTTCATTTTTAATGGTTTGGAAGCCATT
TTTGTAATGAATAAATGTTCATGCTGTACAGTATCTGTAGCATGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTT
AGTATGTGCAGATAAA
タンパク質配列(配列番号78):MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTLHFQSGSTHYSAYKTIEHQIAVQYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNEHSECFLNPCLSLPPITDLSAPKKCRARFGLDQQNNWCGPCRRKKKCVRYIQGEGSCLSPPSSDGSLLDSPPPSPNLLGSPPRDAKSQTEQTQPLSLSLKPDPLAHLSMMPPPPALLLAEATHKASA
LCPNGALDLPPAALQPAAPSSSIAQPSTSSLHSHSSLAGTQPQPLSLVTKSLE
【0071】
一例では、以下のヒトTCF7L2-210配列が使用される。これは、下線/太字残基を除いて、上記のバリアント2の配列と同一である。
【0072】
いくつかの例示的なTcf7l2マウスアイソフォーム、関連する核酸配列情報、及び関連するアミノ酸配列情報を以下に列挙する。これらのバリアント/アイソフォームの全ては、本明細書に開示される発現カセット、遺伝子構築物、ベクター、組成物、又は方法において使用され得る。
【表2】
Tcf7l2アイソフォーム6[Mus musculus](タンパク質)(配列番号80)
MPQLNGGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEKSSENSSAERDLADVKSSLVNESETNQNSSSDSEAERRPPPRSESFRDKSRESLEEAAKRQDGGLFKGPPYPGYPFIMIPDLTSPYLPNGSLSPTARTYLQMKWPLLDVQAGSLQSRQALKDARSPSPAHIVSNKVPVVQHPHHVHPLTPLITYSNEHFTPGNPPPHLPADVDPKTGIPRPPHPPDISPYYPLSPGTVGQIPHPLGWLVPQQGQPVYPITTGGFRHPYPTALTVNASMSRFPPHMVPPHHTLHTTGIPHPAIVTPTVKQESSQSDVGSLHSSKHQDSKKEEEKKKPHIKKPLNAFMLYMKEMRAKVVAECTLKESAAINQILGRRWHALSREEQAKYYELARKERQLHMQLYPGWSARDNYGKKKKRKRDKQPGETNGEKKSAFATYKVKAAASAHPLQMEAY
Tcf7l2アイソフォーム6[Mus musculus](核酸)(配列番号81)
CTCGCCCTGTCAATAATCTCCGCTCCCAGACTACTCCGTTCCTCCGGATTTCGATCCCCCTTTTTCTATC
TGTCAATCAGCGCCGCCTTTGAACTGAAAAGCTCAGTCTAACTTCAACTCACTCAAATCCGAGCGGCACG
AGATCCTTCGGTGTCTTCGGCTTCCCCCCCCTTTGCTCTTATATCTGACTTCTTCTTGTTGTTGTTGTTG
TTTTTTTTACCCCCTTTTTTATTTATTATTATTTTTTTTTTTTGCACATTGATCGGATCCTTGGGAACGA
GAGAAAAAAAGAAACCCAAACTCACGCGTGCAGAAGATCTCCCCCCTTCCCCTCCCCTCCTCCCTCTTTT
CCCCTCCCCAGGAGAGAAAGACCCCAAAGCAGGAAAAAAAAAAGTTAACCTTGGACTCGTCTTTTTCTTG
CAGTATTTTTTTGGGGGGGACTCGCAAAACTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGCTTTTTTTCCTC
CTTCATTTTTCTTCCAAAATTGCTGCTGCTGGTGGGTGAAAAATGCCGCAGCTGAACGGCGGTGGAGGAG
ATGACCTAGGCGCTAACGACGAGCTGATCTCCTTCAAAGACGAAGGCGAGCAGGAGGAGAAGAACTCGGA
AAACTCCTCGGCGGAAAGGGATTTAGCCGATGTCAAGTCCTCGCTGGTCAATGAATCAGAGACGAATCAA
AACAGCTCCTCCGATTCCGAGGCGGAAAGACGGCCTCCGCCTCGCTCCGAAAGTTTCCGAGATAAATCCC
GGGAAAGTTTGGAAGAAGCGGCCAAGAGGCAAGATGGAGGGCTCTTTAAGGGGCCACCGTATCCCGGCTA
CCCCTTCATCATGATCCCCGACCTGACGAGCCCCTACCTCCCCAACGGATCGCTCTCGCCCACCGCCCGA
ACCTATCTTCAGATGAAATGGCCACTGCTTGATGTCCAAGCAGGAAGCCTCCAGAGCAGACAAACCCTCA
AGGATGCTCGTTCGCCGTCGCCAGCACACATCGTTTCGAACAAAGTACCGGTGGTGCAACACCCCCACCA
TGTCCACCCACTCACGCCTCTCATCACGTACAGCAATGAACACTTCACCCCGGGAAATCCACCTCCGCAC
TTACCAGCTGACGTAGACCCCAAAACAGGAATCCCAAGGCCTCCGCACCCTCCAGATATCTCTCCATATT
ACCCGCTGTCGCCCGGCACCGTAGGACAAATCCCCCATCCGCTAGGATGGTTAGTACCACAGCAAGGTCA
GCCTGTGTACCCAATCACGACAGGAGGATTCAGACACCCCTACCCCACAGCGCTGACAGTCAACGCATCT
ATGTCTAGGTTCCCTCCCCATATGGTCCCTCCCCATCACACTCTGCACACGACCGGCATCCCTCACCCGG
CCATCGTCACACCGACAGTCAAGCAGGAATCCTCCCAGAGTGACGTCGGCTCACTCCACAGCTCAAAGCA
TCAGGACTCCAAAAAGGAAGAAGAGAAGAAGAAGCCCCACATAAAGAAGCCCCTTAATGCATTCATGTTG
TATATGAAAGAGATGAGAGCGAAGGTGGTGGCCGAATGCACATTGAAAGAGAGTGCAGCCATCAACCAGA
TTCTCGGGCGCAGGTGGCACGCCCTGTCCAGGGAAGAACAGGCAAAATACTACGAGCTGGCCCGGAAGGA
ACGACAGCTTCACATGCAGCTGTACCCTGGCTGGTCTGCACGGGATAACTATGGGAAGAAGAAGAAGAGA
AAAAGAGACAAGCAGCCGGGGGAAACCAACGAACACAGCGAATGTTTCCTAAATCCTTGCCTTTCGCTTC
CTCCGATCACAGACCTGAGCGCTCCTAAGAAATGCCGAGCGCGCTTTGGCCTTGATCAACAGAATAACTG
GTGCGGCCCCTGCAGGAGAAAAAAAAAGTGCGTTCGCTACATACAAGGTGAAGGCAGCTGCCTCAGCCCA
CCCTCTTCAGATGGAAGCTTACTAGACTCGCCTCCCCCCTCACCGCATCTGCTAGGCTCCCCTCCCCAAG
ACGCCAAGTCACAGACTGAGCAGACCCAGCCGCTCTCGCTGTCCCTGAAGCCTGATCCTCTGGCCCACCT
GTCCATGATGCCTCCGCCACCCGCGCTCCTGTTGGCCGAAGCTGCCCACGGCAAGGCCTCTGCCCTCTGT
CCCAATGGGGCTCTGGACCTGCCACCTGCCGCTCTGCAGCCGTCCATGGTCCCTTCCTCATCGCTCGCAC
AACCATCAACTTCTTCCTTACATTCCCACAACTCGCTGGCTGGAACGCAACCCCAGCCTCTGTCTCTGGT
GACCAAGTCTTTAGAATAGCTCCGCCTCCTCGTCCTCCATGCCCCTGCTTGATTGAAGTGTTTCCTTCTG
GTTCTTGGTTCGCCCTTCCCCGCTTGGAAAGCTTTTGTTTTGTACTCTTTAATTTTGTGCCGCCGTGGCT
ACATGAGTTAATGTTTATGGAGTTCATTGGTCAATATTTGACCCATTCTTATTTCAATTTCTCCTTTTAA
ATATGTAGATGAGAAAAACCTCATGATTCTACCAAAATTTTTATCAACAGCTGTTTAAAGTCTTTGTAGC
GTTTAAAAAATATATTATATATACATAACTGTTATGTAGTTCGGATAGCTTAGTTTTAAAAGACTGATTT
AAAAAACAAAAAGAAAAAAAAGAGAGAGAAGCAATTTTGAAGCACCCTCCAGAAGGAGTTGGTTCTGTGT
TATTTGTATTAAATACGAGCTTGCGAACCAATCACTTTACACCTTGGTATTTAAACCACGAGGGCACAAG
GAATGCAGTGCCGTTTCTTTCTTTCTTTTTTTCTTTCTTTTTTTTTTCCTCCCAGTGTGAAACAACTTTT
ACCTTGATGTTACTTGTTATTGTTTAAATGTACAGAAACAAAGGGTTAAAATGTGTTAATATACCTTGTT
CCATGGTGTTGTTCTTTTGGGGGGGAGGGGACACCACTCAACAATGAATGGAATCAACACTGTTGGACCA
GTAGTATTTATTGCTTTAGAGGTTGCTTGCTGTACCTGTATGTCCGTCCAATTTTAAATATGTTTTCCCT
TTTTTTTGAAACTGTGTAAAGTCCCCCCCAACCTTAGCGTAAGCATCTTATATATAACAACTCATTTGTA
CAAGGTTTTTAAGTTTATATATAAAATGTGTATATATTTTTTTGTTTCCTTTTTTTTTTTTTTTTGGCGT
ACGTTCGTTCGTTCGTTTGTTTGTTTCTGTATAAAACCCAGATGCCACCAAATGGACATTGACATTCGCA
TTAAGGATCAGTAGCATTAACAAAACTTGCTTTAAAAGCCATTCTGTAAAACAAGACTTGAACATTAGCG
AGAGGGTCTGAGCAGCCGTCTGAGCAGCCGTGGGAACTGCCCCGTTTCCCCCTTGACCTCCTAGTCAACT
GCCCTGTGCTCTTAGAACATGGACTGACCGTGTGCAAAACTTTTATGTGCCAAAATTCTCAGTGACTTTA
GCTTTCTCCCTCCTTTTTGATGCTGTACTTTCTGTTCGCCATGTTTTGCTGTGATGTTACATAGATAGAT
TTGTATGTAGTTTTAATGTCACCTATAACAAAATGTGTTTGGTAGCAGACTGTCCAGAAAGCATTTTAAA
TGAAGAGGTCTAAACCCTTAAGGGCCAAAAAAAATCCTGTATATTAGATTACTCTTAAATGAAAAAGAAA
AAAAGAAAAAAAAAAACCCCAGCTGCCGCTTTTATGTATGCATATTACATACAAGTAGGTAGTGACCTTT
AAAAACAAGAAAACCTAGGCATGCCGATGTTGTAAAATGCTGTATAAAGCTGAGACCTGTTCCTTCAGTG
CCATCGTAGTTGACATGAAGCGATTGTAAAACTGTCTCCGGTTTTCTCTGGTTTATTAAAATGCTAACTA
TAACATTTTCTTTTCTTTTTTTTTTTTTGTGAATACTTTGAATGTCTCCCTAACAGTTGTGGTGTTGCTG
TTCTGTTCGATGCTTATTCCAAGTTCATTTTTTTGAATGGTTTTGAAGCCATTTTGTAATGAATTAAATG
TCCATGCTGTACAGTACCTGTAGCATGCCTGCCGTTCTGGATTAATAAAAGCAACTTAGTATGTGCA
【0073】
TCF7L2は、ヒト、マウス、ラット、ニワトリ、魚及びショウジョウバエを含むいくつかの種において保存される、高度に保存されたタンパク質ドメインを有する。例えば、ヒトTCF7L2は、マウス転写産物と90.5%の相同性を有する。したがって、非ヒト種のTCF7L2はまた、本明細書に開示される発現カセット、遺伝子構築物、ベクター、組成物、又は方法において使用され得る。
【0074】
「TCF7L2」及び「転写因子7様2」という用語は、本明細書に記載のTCF7L2の転写因子活性を実質的に保持する機能的断片又は誘導体も包含する。典型的には、機能的断片又は誘導体は、その転写因子活性の60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は100%の少なくとも50%を保持する。また、TCF7L2タンパク質は、その活性を実質的に変化させない保存的アミノ酸置換を含み得ることも企図される。アミノ酸の好適な保存的置換は、当業者に既知であり、得られる分子の生物学的活性を変化させることなく、一般的に作製されてもよい。当業者は、概して、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換が、生物学的活性を実質的に変化させないことを認識している。保存的及び非保存的アミノ酸置換は、本明細書に記載されている。
【0075】
本明細書で使用される場合、「保存的配列修飾」という用語は、TCF7L2の活性に有意な影響を及ぼさないか、又はそれを変更しないアミノ酸修飾を指す。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で既知である。本明細書に開示されるペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の保存的修飾又は機能的等価物は、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質のポリペプチド誘導体、例えば、1つ以上の置換、点変異、挿入、欠失、切断、融合タンパク質、又はそれらの組み合わせを有するタンパク質を指す。親ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質(本明細書に開示されるものなど)に対する活性を実質的に保持する。一般に、保存的修飾又は機能的等価物は、親(例えば、本明細書に開示されるヒト又は非ヒトTCF7L2配列のうちの1つ)と少なくとも60%(例えば、60%~100%の間の任意の数、例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、及び99%)同一である。
【0076】
アミノ酸置換は、場合によっては、(a)置換エリアにおけるペプチド骨格の構造、(b)標的位置における分子の電荷若しくは疎水性、又は(c)側鎖のかさ、を維持することに対するそれらの効果が脱髄鞘異なるものではない置換を選択することによって行うことができる。例えば、天然に存在する残基は、側鎖特性、(1)疎水性アミノ酸(ノルロイシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン)、(2)中性親水性アミノ酸(システイン、セリン、スレオニン、アスパラギン、及びグルタミン)、(3)酸性アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタミン酸)、(4)塩基性アミノ酸(ヒスチジン、リジン、及びアルギニン)、(5)鎖配向に影響を与えるアミノ酸(グリジン及びプロリン)、並びに(6)芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、及びフェニルアラニン)に基づいて群に分けることができる。これらの群内で行われる置換は、保存的置換とみなされ得る。置換の例としては、アラニンのバリンへの、アルギニンのリジンへの、アスパラギンのグルタミンへの、アスパラギン酸のグルタミン酸への、システインのセリンへの、グルタミンのアスパラギンへの、グルタミン酸のアスパラギン酸への、グリジンのプロリンへの、ヒスチジンのアルギニンへの、イソロイシンのロイシンへの、ロイシンのイソロイシンへの、リジンのアルギニンへの、メチオニンのロイシンへの、フェニルアラニンのロイシンへの、プロリンのグリジンへの、セリンのスレオニンへの、スレオニンのセリンへの、トリプトファンのチロシンへの、チロシンのフェニルアラニンへの、及び/又はバリンのロイシンへの置換が挙げられるが、これらに限定されない。以下の表に、例示的な置換を示す。アミノ酸置換は、ヒトTCF7L2に導入されてもよく、生成物は、ヒトTCF7L2の生物学的活性の保持についてスクリーニングされてもよい。
【表3】
【0077】
3.遺伝子構築物、発現カセット及び発現ベクター
本開示はまた、転写因子7様2タンパク質をコードする核酸を含むか、又はそれからなる、発現カセットなどの遺伝子構築物を提供する。そのような核酸は、プロモーターを元からから含んでいなくてもよいが、発現カセットは、プロモーター又はエンハンサーを更に含んでもよい。その場合、核酸は、グリア前駆細胞によって選択的若しくは特異的に発現される遺伝子のプロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に連結されており、それらの調節制御下にある。したがって、本発明による発現カセットは、5’から3’方向に、プロモーター、コード配列、及び任意選択的にターミネーター又は他の要素を含み得る。発現カセットは、目的の核酸配列の、生物、好ましくは細胞、好ましくは疾患細胞内への容易な移入を可能にする。
【0078】
本開示の発現カセットは、好ましくは、ベクターに含まれ得る。したがって、本開示のベクターは、目的の核酸配列を有する細胞を形質転換することを可能にする。対応して、本開示は、本開示による発現カセット又は本開示による組換え核酸を含む、宿主細胞を提供する。組換え核酸はまた、目的の核酸配列の発現を可能にするために、プロモーター又はエンハンサーを含み得る。
【0079】
外因性遺伝物質(例えば、核酸、発現カセット、又は1つ以上の治療剤をコードする発現ベクター)は、遺伝子改変細胞を提供するために、トランスフェクション又は形質導入などの遺伝子移入方法によって、インビボで目的の標的細胞に導入することができる。様々な発現ベクター(すなわち、標的細胞への外因性遺伝子物質の送達を容易にするためのビヒクル)は、当業者に既知である。本明細書で使用される場合、「外因性遺伝物質」は、天然の、若しくは細胞内に天然に見られない合成の核酸若しくはオリゴヌクレオチドを指すか、又は細胞内に天然に見られる場合、細胞によって生物学的に有意なレベルで転写若しくは発現されない。したがって、「外因性遺伝物質」は、例えば、RNAに転写され得る、天然に存在しない核酸を含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「細胞のトランスフェクション」は、ウイルス送達ビヒクルを使用せずに、追加された核酸(DNA、RNA、又はそのハイブリッド)を組み込むことによって、細胞による新しい遺伝物質の取得を指す。したがって、トランスフェクションは、物理的又は化学的方法を使用して核酸を細胞に導入することを指す。いくつかのトランスフェクション技術は、当業者に既知であり、リン酸カルシウム核酸共沈殿、リン酸ストロンチウム核酸共沈殿、DEAE-デキストラン、エレクトロポレーション、カチオン性リポソーム媒介性トランスフェクション、及びタングステン粒子促進性微粒子衝撃を含む。対照的に、「細胞の形質導入」とは、DNA又はRNAウイルスを使用して核酸を細胞に移すプロセスを指す。細胞への核酸の移入のためのRNAウイルス(例えば、レトロウイルス)は、形質導入キメラウイルスとして使用することができる。ウイルスに含有される外因性遺伝物質は、形質導入細胞のゲノムに組み込まれ得る。キメラDNAウイルス(例えば、治療剤をコードするDNAを保有するアデノウイルス)で形質導入された細胞は、そのゲノムに組み込まれた外因性遺伝物質を有し得ないが、細胞内に染色体外に保持された外因性遺伝物質を発現させることが可能であり得る。
【0081】
典型的には、外因性遺伝物質は、新しい遺伝子の転写を制御するためにプロモーターとともに異種遺伝子(治療用RNA又はタンパク質をコードする)を含み得る。プロモーターは、転写を開始するのに必要な特定のヌクレオチド配列を特徴的に有する。任意選択的に、外因性遺伝物質は、所望の遺伝子転写活性を得るために必要な追加の配列(すなわち、エンハンサー)を更に含む。外因性遺伝物質は、プロモーターとコード配列が作動可能に連結されてコード配列の転写が可能になるように、プロモーターのすぐ下流の細胞ゲノムに導入されてもよい。ウイルス発現ベクターは、挿入された外因性遺伝子の転写を制御するための外因性プロモーター要素を含み得る。そのような外因性プロモーターの例としては、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、及び組織又は細胞型特異的プロモーターが挙げられる。
【0082】
天然に存在する構成的プロモーターは、必須細胞機能の発現を制御する。その結果、構成的プロモーターの制御下にある遺伝子は、細胞増殖の全ての条件下で発現される。例示的な構成的プロモーターとしては、特定の構成的又は「ハウスキーピング」機能をコードする以下の遺伝子のプロモーターが挙げられる:ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、アデノシンデアミナーゼ、ホスホグリセロールキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ホスホグリセロールムターゼ、アクチンプロモーター、ユビキチン、伸長因子-1、及び当業者に既知の他の構成的プロモーター。加えて、多くのウイルスプロモーターは、真核細胞において構成的に機能する。これらには、とりわけ、SV40の初期及び後期プロモーター、モロニー白血病ウイルス及び他のレトロウイルスの長い末端反復(LTR)、並びに単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼプロモーターなどが含まれる。したがって、上記の構成的プロモーターのうちのいずれも、異種遺伝子挿入子の転写を制御するために使用することができる。
【0083】
誘導性プロモーターの制御下にある遺伝子は、誘導剤の存在下でのみ発現されるか、又はその大部分によって制御される(例えば、メタロチオネインプロモーターの制御下にある転写は、特定の金属イオンの存在下で大幅に増加する)。誘導性プロモーターには、それらの誘導因子が結合したときに転写を刺激する応答性エレメント(RE)が含まれる。例えば、血清因子、ステロイドホルモン、レチノイン酸、及び環状AMPについてのREが存在する。特定のREを含有するプロモーターは、誘導性応答を得るために選択することができ、場合によっては、RE自体を異なるプロモーターに結合させ、それによって組換え遺伝子に誘導性を付与し得る。したがって、適切なプロモーター(構成的プロモーター対誘導性プロモーター、強力なプロモーター対弱いプロモーター)を選択することによって、遺伝子改変細胞における治療剤の存在及び発現レベルの両方を制御することが可能である。治療剤をコードする遺伝子が誘導性プロモーターの制御下にある場合、遺伝子改変細胞を、例えば、薬剤の転写を制御する誘導性プロモーターの特異的誘導剤の注射によって、治療剤の転写を可能にするための条件にインサイチュで曝露することによって、インサイチュでの治療剤の送達を誘発することができる。例えば、メタロチオネインプロモーターの制御下で遺伝子によってコードされる治療剤の遺伝子改変細胞によるインサイチュ発現は、遺伝子改変細胞を適切な(すなわち、誘導する)金属イオンを含有する溶液とインサイチュで接触させることによって強化される。
【0084】
したがって、インサイチュで送達される治療剤の量は、以下のような要因を制御することによって調節される:(1)挿入された遺伝子の転写を指示するために使用されるプロモーターの性質(すなわち、プロモーターが構成的であるか、又は誘導性であるか、強力であるか、又は弱いか)、(2)細胞に挿入される外因性遺伝子のコピーの数、(3)患者に投与される(例えば、移植される)形質導入/トランスフェクトされた細胞の数、(4)インプラント(例えば、移植片又はカプセル化された発現系)のサイズ、(5)インプラントの数、(6)形質導入/トランスフェクトされた細胞又はインプラントが所定の位置に残される時間の長さ、及び(7)遺伝子改変細胞による治療剤の産生速度。特定の治療剤の治療有効用量の送達のためのこれらの因子の選択及び最適化は、上記開示された因子及び患者の臨床プロファイルを考慮に入れて、過度の実験なしに当業者の範囲内であるとみなされる。
【0085】
治療剤をコードする少なくとも1つのプロモーター及び少なくとも1つの異種核酸に加えて、発現ベクターは、発現ベクターがトランスフェクト又は形質導入された細胞の選択を促進するための選択遺伝子、例えば、ネオマイシン耐性遺伝子又は蛍光タンパク質遺伝子を含み得る。代替的に、細胞には、2つ以上の発現ベクターがトランスフェクトされ、少なくとも1つのベクターは、治療剤をコードする遺伝子を含有し、他のベクターは、選択遺伝子を含有する。好適なプロモーター、エンハンサー、選択遺伝子、及び/又はシグナル配列の選択は、過度の実験なしに当業者の範囲内であるとみなされる。
【0086】
本開示のコード配列は、任意のタイプの標的細胞又は宿主細胞に挿入することができる。発現ベクターの文脈では、ベクターは、当該技術分野の任意の方法によって、宿主細胞、例えば、哺乳動物、細菌、酵母、又は昆虫細胞に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、又は生物学的手段によって宿主細胞中に移入され得る。
【0087】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための物理的方法は、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、粒子衝撃、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどを含む。ベクター及び/又は外因性核酸を含む細胞を産生するための方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Sambrook et al.(2012,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)を参照されたい。
【0088】
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法は、DNA及びRNAベクターの使用を含む。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用されている方法となっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルスなどに由来し得る。例えば、米国特許第第5,350,674号及び第5,585,362号を参照されたい。
【0089】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段には、コロイド分散系、例えば、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、及び脂質ベースの系、例えば、水中油乳剤、ミセル、混合ミセル、及びリポソームが含まれる。インビトロ及びインビボで送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0090】
本明細書に開示されるように、上述の転写因子7様2タンパク質は、対象の障害を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、プラスミド又はウイルスベクターなどのベクターに挿入され得るか、又はそれらによってコードされ得る。好ましくは、ポリヌクレオチドは、ウイルスベクターに挿入されるか、又はウイルスベクターによってコードされる。様々なウイルス由来ベクターを、トランスフェクション及び哺乳動物細胞ゲノムへの組み込みに使用することができる。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、レンチウイルスベクターなどのレトロウイルスベクターによってコードされてもよい(例えば、米国特許第5,399,346号、第5,124,263号、第4,650,764号及び第4,980,289号(その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。いくつかの特定の実施形態では、ウイルスベクターは、AAVベクターである。
【0091】
レンチウイルスベクター
HIVなどのレンチウイルスは「遅発性ウイルス」である。レンチウイルスに由来するベクターは、患者に数回投与した後、例えば、エクスビボ形質導入幹細胞又は前駆細胞を介して、宿主細胞において長期間発現させることができる。遺伝性疾患、がん、及び神経学的疾患を含むほとんどの疾患及び障害について、長期的な発現は、治療を成功させるために不可欠である。レンチウイルスベクターの安全性に関して、レンチウイルスベクターの複製能力を排除するためのいくつかの戦略が当該技術分野で現在既知である。例えば、US2021/0401868及び2021/0403517(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。例えば、長い末端反復(LTR)のU3領域からプロモーター及びエンハンサー要素が欠失すると、LTR指向転写は行われないと考えられる。得られるベクトルは、「自己不活性化」(SIN)と呼ばれる。
【0092】
レンチウイルスベクターは、導入遺伝子の長期的で安定した組み込み及び娘細胞におけるその増殖を可能にするため、長期的な遺伝子移入を達成することに特に好適である。レンチウイルスベクターは、CNS細胞などの非増殖細胞を形質導入することができるという点で、マウス白血病ウイルスなどのオンコレトロウイルスに由来するベクターよりも追加の利点を有する。それらはまた、免疫原性が低いという追加の利点を有する。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能する複製起点、プロモーター配列、便利な制限ヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択マーカーを含有する(例えば、WO01/96584及びWO01/29058、並びに米国特許第6,326,193号)。いくつかのベクタープロモーター配列は、導入遺伝子の発現のために利用可能である。好適なプロモーターの一例は、前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それに作動可能に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することが可能な強力な構成的プロモーター配列である。好適なプロモーターの別の実施例は、EF1aである。しかしながら、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長い末端反復(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バーウイルス前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、並びにヒト遺伝子プロモーター(例えば、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、及びクレアチンキナーゼプロモーターなどであるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない他の構成的プロモーター配列も使用することができる。誘導性プロモーターとしては、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、及びテトラサイクリンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
本開示は、分裂細胞及び非分裂細胞、そのような乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞に感染することができる組換えレンチウイルスを提供する。ウイルスは、インビボ及びエクスビボでの核酸配列の移入及び発現に有用である。本開示のレンチウイルスベクターは、レンチウイルストランスファープラスミド又は感染性レンチウイルス粒子であり得る。レンチウイルス輸送系での使用のためのレンチウイルスベクター、ヘルパー構築物、エンベロープ構築物などの構築物は、例えば、US2021/0401868及び2021/0403517に記載されており、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
アデノウイルス
アデノウイルスは、インビボで核酸を様々な細胞型に効率的に送達するように修飾することができる真核DNAウイルスであり、遺伝子を神経細胞及びグリア細胞に標的とするためのものを含む、遺伝子療法プロトコルにおいて広く使用されている。核酸治療に関して、様々な複製欠陥アデノウイルス及び最小アデノウイルスベクターが記載されている(例えば、PCT特許公開第1994/26914号、第1995/02697号、第1994/28152号、第1994/12649号、第1995/02697号及び第1996/22378号(これらの各々の内容全体が参照により組み込まれる)を参照されたい)。そのようなアデノウイルスベクターはまた、本開示の治療用分子を細胞に送達するためにも使用され得る。
【0095】
アデノ随伴ウイルス
アデノ随伴ウイルスは、その臨床的安全性記録、非病原性、非分裂細胞(ニューロンなど)に感染する能力、及び単回投与後に長期的な遺伝子発現を提供する能力により、広く使用されている遺伝子療法ベクターである。現在、多くのヒト及び非ヒト霊長類AAV血清型が同定されている。AAVベクターは、世界中の何百もの臨床試験において安全性を実証しており、臨床有効性は、血友病B、脊髄性筋萎縮症、アルファ1抗トリプシン、及びLeber先天性黒内障の試験において示されている。
【0096】
それらの安全性、非病原性、及びニューロンに感染する能力のために、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、及びAAV9などのAAVは、CNS用途のために一般的に使用される遺伝子療法ベクターである。しかしながら、直接CNS注入後、これらの血清型は、優性ニューロン向性を示し、特に遺伝子発現が構成的プロモーターによって駆動される場合、乏突起膠細胞における発現は低く、白質疾患の治療における使用の可能性を制限する。AAV1/2、AAV2、及びAAV8は、形質導入性乏突起膠細胞であることが示されている。発現特異性のための細胞特異的プロモーターへの依存は、非選択的細胞取り込み及び非乏突起膠細胞系統細胞における潜在的なプロモーター活性(cryptic promoter activity)を介した漏出性導入遺伝子発現の可能性を可能にする。
【0097】
これらの問題を軽減するための本明細書に記載のアプローチは、乏突起膠細胞又はグリア前駆細胞、例えば、乏突起膠細胞前駆細胞などのグリア前駆細胞について、高い傾向性を有するAAV血清型を使用することを含む。最近、DNAシャッフリング及び指向性進化を使用して、乏突起膠細胞に対して強力な選択性を有するキメラAAVカプシド、AAV/Olig001が記載されている(Powell et al.,2016,Gene Ther 23:807-814)。その後、AAV/Olig001は、カナバン病のマウスモデルにおいて新生児乏突起膠細胞を形質導入することが示された(Francis et al.,2021.Mol Ther Methods Clin Dev 20:520-534)。ランダムな変異誘発及びペプチドライブラリ挿入などの他のアプローチを使用して、向性及び乏突起膠細胞又はグリア前駆細胞に対する選択性についてスクリーニングすることができるカプシドライブラリを生成することができる。
【0098】
上述のように、「アデノ随伴ウイルス」及び/又は「AAV」という用語は、直鎖一本鎖DNAゲノム及びそのバリアントを有するパルボウイルスを指す。この用語は、別様に必要とされる場合を除いて、全ての亜型、並びに天然に存在する形態及び組換え形態の両方を包含する。AAVを含むパルボウイルスは、細胞に侵入し、核酸(例えば、導入遺伝子)を核に導入することができるため、遺伝子治療ベクターとして有用である。いくつかの実施形態では、導入された核酸(例えば、rAAVベクターゲノム)は、形質導入細胞の核内にエピソームとして持続する環状コンカテマーを形成する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、宿主細胞ゲノム内の特定の部位に挿入される。部位特異的統合は、ランダム統合とは対照的に、予測可能な長期発現プロファイルをもたらす可能性が高いと考えられる。ヒトゲノムへのAAVの挿入部位は、AAVS1と称される。細胞に導入されると、核酸によってコードされるRNA又はポリペプチドは、細胞によって発現され得る。AAVは、ヒトにおけるいかなる病原性疾患とも関連しないため、AAVによって送達される核酸を使用して、ヒト対象における疾患、障害、及び/又は状態の治療のための治療用RNA又はポリペプチドを発現することができる。
【0099】
AAVの複数の血清型が自然界に存在し、少なくとも15の野生型血清型が、これまでにヒトから同定されている(すなわち、AAV1~AAV15)。天然に存在する及びバリアント血清型は、他のAAV血清型と血清学的に異なるタンパク質カプシドを有することによって区別される。例としては、とりわけ、AAV1、AAV2、AAV、AAV3(AAV3A及びAAV3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV12、AAVrh10、AAVrh74(WO2016/210170を参照されたい)、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、及びヒツジAAV、並びに組換えにより産生されたバリアント(例えば、挿入、欠失及び置換を伴うカプシドバリアントなど)、例えばAAV2i8、NP4、NP22、NP66、DJ、DJ/8、DJ/9、LK3、RHM4-1と称されるバリアントなどが挙げられる。例えば、「霊長類AAV」は、霊長類に感染するAAVを指し、「非霊長類AAV」は、非霊長類哺乳動物に感染するAAVを指し、「ウシAAV」は、ウシ哺乳動物に感染するAAVを指す。
【0100】
血清型独自性は、別のAAVと比較して、あるAAVに対する抗体間の交差反応性の欠如に基づいて決定される。そのような交差反応性の差は、通常、カプシドタンパク質配列及び抗原決定因子の差に起因する(例えば、AAV血清型のVP1、VP2、及び/又はVP3配列の差に起因する)。しかしながら、一部の天然に存在するAAV又は人工のAAV変異(例えば、組換えAAV)は、現在既知の血清型のいずれとも血清学的差異を示さない場合がある。次いで、これらのウイルスは、対応するタイプのサブグループ、又はより単純にバリアントAAVとみなされ得る。したがって、本明細書で使用される場合、「血清型」という用語は、血清学的に異なるウイルス、並びに血清学的には異ならないが、所与の血清型のサブグループ又はバリアント内にあり得るウイルスの両方を指す。
【0101】
既知のAAV血清型のカプシドのアミノ酸配列の包括的なリスト及びアラインメントは、Marsic et al.(2014)Molecular Therapy 22(11):1900-1909によって提供される。様々な血清型のAAVのゲノム配列、並びにネイティブITR、repタンパク質、及びカプシドサブユニットの配列が、当該技術分野で既知である。そのような配列は、文献中に、又はGenBankなどの公的データベース中に見出され得る。例えば、GenBank受託番号NC_002077(AAV1)、AF063497(AAV1)、NC_001401(AAV2)、AF043303(AAV2)、NC_001729(AAV3)、NC_001863(AAV3B)、NC_001829(AAV4)、U89790(AAV4)、NC_006152(AAV5)、NC_001862(AAV6)、AF513851(AAV7)、AF513852(AAV8)、及びNC_006261(AAV8)を参照されたく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Srivistava et al.(1983)J.Virology 45:555、Chiorini et al.(1998)J.Virology 71:6823、Chiorini et al.(1999)J.Virology 73:1309、Bantel-Schaal et al.(1999)J.Virology 73:939、Xiao et al.(1999)J.Virology 73:3994、Muramatsu et al.(1996)Virology 221:208、Shade et al.(1986)J.Virol.58:921、Gao et al.(2002)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 99:11854、Moris et al.(2004)Virology 33:375-383、国際特許公開第00/28061号、第99/61601号、第98/11244号、第2013/063379号、第2014/194132号、第2015/121501号、並びに米国特許第6,156,303号及び米国特許第7,906,111号も参照されたい。
【0102】
本明細書で検討されるように、「組換えアデノ関連ウイルス」又は「rAAV」は、内因性ウイルスゲノムの全て又は一部を非天然配列で置き換えることによって、野生型AAVから区別される。ウイルス内に非天然配列を組み込むことは、ウイルスベクターを「組換え」ベクター、したがって「rAAVベクター」として定義する。rAAVベクターは、所望のRNA又はタンパク質又はポリペプチド(例えば、本明細書に開示されるRNA分子)をコードする異種ポリヌクレオチドを含むことができる。組換えベクター配列は、AAVカプシドにカプシド化又はパッケージングされてもよく、「rAAVベクター」、「rAAVベクター粒子」、「rAAVウイルス粒子」、又は単に「rAAV」と称される。
【0103】
本開示は、AAV起源ではないポリヌクレオチド配列(例えば、AAVとは異種のポリヌクレオチド)を含むrAAVベクターを提供する。異種ポリヌクレオチドは、少なくとも1つ、場合によっては2つのAAV末端反復配列(例えば、逆方向末端反復)に隣接し得る。本明細書で「ベクターゲノム」とも称されるITRに隣接する異種ポリヌクレオチドは、典型的には、RNA若しくは目的のポリペプチド、又は治療的処理のための標的などの目的の遺伝子をコードする。rAAVベクターの対象(例えば、患者)への送達又は投与は、コードされたRNA/タンパク質/ペプチドを対象に提供する。したがって、rAAVベクターを使用して、例えば、様々な疾患、障害及び状態を治療するための発現のための異種ポリヌクレオチドを転写/送達することができる。
【0104】
rAAVベクターゲノムは概して、ウイルスrep及びcap遺伝子を置き換えた異種核酸配列に対してcisに145塩基のITRを保持する。そのようなITRは、組換えAAVベクターを産生するために有用であるが、修飾AAV ITR及び部分的又は完全に合成された配列を含む非AAV末端反復もまた、この目的に役立つことができる。ITRは、ヘアピン構造を形成し、例えば、感染後の相補的DNA鎖の宿主細胞媒介性合成のためのプライマーとして機能する。ITRはまた、ウイルスパッケージング、統合などにおいても役割を果たす。ITRは、AAVゲノム複製及びrAAVベクターへのパッケージングのためにcisで必要とされる唯一のAAVウイルスエレメントである。rAAVベクターゲノムは、任意選択的に、異種配列(例えば、関心のある遺伝子をコードする導入遺伝子、又はアンチセンス及びsiRNAを含むがこれらに限定されない関心のある核酸配列、並びに、とりわけ、CRISPR分子)を含むベクターゲノムの5’及び3’末端に一般的に存在する2つのITRを含む。5’及び3’ITRは、両方とも同じ配列を含んでもよく、又は各々が異なる配列を含んでもよい。AAV ITRは、血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、若しくは11、又は任意の他のAAVを含むがこれらに限定されない、任意のAAVに由来し得る。
【0105】
本開示のrAAVベクターは、カプシドの血清型(例えば、AAV8、Olig001)とは異なるAAV血清型(例えば、野生型AAV2、その断片又はバリアント)からのITRを含み得る。1つの血清型からの少なくとも1つのITRを含むが、異なる血清型からのカプシドを含むそのようなrAAVベクターは、ハイブリッドウイルスベクターと称され得る(米国特許第7,172,893号を参照されたい)。AAV ITRは、野生型ITR配列全体を含んでもよく、又はそのバリアント、断片、若しくは修飾であってもよいが、機能性を保持する。
【0106】
いくつかの実施形態では、rAAVベクターゲノムは、直鎖の一本鎖であり、AAV ITRに隣接している。異種遺伝子の転写及び翻訳の前に、自己プライミングITRのうちの1つの遊離3’-OHを使用して、DNAポリメラーゼ(例えば、形質導入細胞内のDNAポリメラーゼ)によって、およそ4700ヌクレオチドの一本鎖DNAゲノムを二本鎖形態に変換して、第2の鎖合成を開始しなければならない。いくつかの実施形態では、完全長一本鎖ベクターゲノム(すなわち、センス及びアンチセンス)はアニールして、完全長二本鎖ベクターゲノムを生成する。これは、反対の極性(すなわち、センス又はアンチセンス)のゲノムを担持する複数のrAAVベクターが同時に同じ細胞を形質導入する場合に生じ得る。それらがどのように産生されるかにかかわらず、二本鎖ベクターゲノムが形成されると、細胞は、二本鎖DNAを転写及び翻訳し、異種遺伝子を発現することができる。
【0107】
rAAVベクターからの導入遺伝子発現の効率は、発現前に一本鎖rAAVゲノム(ssAAV)を二本鎖DNAに変換する必要性によって妨げられ得る。このステップは、DNA合成又は複数のベクターゲノム間の塩基対合を必要とせずに、二本鎖DNAに折り畳むことができる反転反復ゲノムをパッケージングすることができる自己相補的AAVゲノム(scAAV)を使用することによって回避され得る。例えば、米国特許第8,784,799号、McCarty,(2008)Molec.Therapy 16(10):1648-1656、及びMcCarty et al.,(2001)Gene Therapy 8:1248-1254、McCarty et al.,(2003)Gene Therapy 10:2112-2118を参照されたい。
【0108】
rAAVベクターのウイルスカプシドは、野生型AAV又はバリアントAAV、例えばAAV1、AAV2、AAV3、AAV3A、AAV3B、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAVrh74(WO2016/210170を参照されたい)、AAV12、AAV2i8、AAV1.1、AAV2.5、AAV6.1、AAV6.3.1、AAV9.45、RHM4-1(WO2015/013313の配列番号5)、RHM15-1、RHM15-2、RHM15-3/RHM15-5、RHM15-4、RHM15-6、AAV hu.26、AAV1.1、AAV2.5、AAV6.1、AAV6.3.1、AAV9,45、AAV2i8、AAV29G、AAV2,8G9、AVV-LK03、AAV2-TT、AAV2-TT-S312N、AAV3B-S312N、AAVトリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、ヘビAAV、ヤギAAV、エビAAV、ヒツジAAV及びそれらのバリアントに由来してもよい(例えば、Fields et al.,VIROLOGY,volume 2,chapter 69(4th ed.,Lippincott-Raven Publishers)を参照されたい)。カプシドは、米国特許第7,906,111号、Gao et al.(2004)J.Virol.78:6381、Morris et al.(2004)Virolに開示されるいくつかのAAV血清型に由来し得る。33:375;WO2013/063379;WO2014/194132に開示されているAAV血清型のいくつかから得られてもよく、またWO2015/121501に開示されている真のタイプAAV(AAV-TT)バリアント、並びにWO2015/013313号に開示されているRHM4-1、RHM15-1~RHM15-6、及びそのバリアントを含む。AAV capタンパク質の完全な補体には、VP1、VP2、及びVP3が含まれる。AAV VPカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むORFは、完全な補体AAV Capタンパク質未満を含んでもよく、又はAAV capタンパク質の完全な補体が提供されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、2つ以上のAAV血清型(例えば、野生型AAV血清型、バリアントAAV血清型)に由来するヌクレオチド配列によってコードされるカプシドタンパク質を含むrAAVベクターは、「キメラベクター」又は「キメラカプシド」と称される(その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,491,907号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、キメラカプシドタンパク質は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれよりも多くのAAV血清型に由来する核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、組換えAAVベクターは、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV3A、AAV3B、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAVrh74、AAVrh10、AAV2i8、又はそれらのバリアントに由来するカプシド配列を含み、前述のAAV血清型のいずれかからのアミノ酸の組み合わせを含むキメラカプシドタンパク質をもたらす(Rabinowitz et al.(2002)J.Virology 76(2):791-801を参照されたい)。代替的に、キメラカプシドは、1つの血清型由来のVP1、異なる血清型由来のVP2、更に異なる血清型由来のVP3、及びそれらの組み合わせの混合物を含み得る。例えば、キメラウイルスカプシドは、AAV1capタンパク質又はサブユニット、並びに少なくとも1つのAAV2capタンパク質又はサブユニットを含み得る。キメラカプシドは、例えば、1つ以上のB19capサブユニットを有するAAVカプシドを含むことができ、例えば、AAV capタンパク質又はサブユニットは、B19キャップタンパク質又はサブユニットによって置き換えられ得る。例えば、一実施形態では、AAVカプシドのVP3サブユニットは、B19のVP2サブユニットによって置き換えられ得る。いくつかの実施形態では、キメラカプシドは、WO2021/221995及びWO2014/052789(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるようなOlig001カプシドである。
【0110】
いくつかの実施形態では、キメラベクターは、改変された指向性又は特定の組織若しくは細胞型に対する指向性を示すように操作されている。「指向性」という用語は、特定の細胞(例えば、乏突起膠細胞)若しくは組織型へのウイルスの優先的な進入、及び/又は特定の細胞若しくは組織型への進入を促進する細胞表面との優先的な相互作用を指す。AAV指向性は、一般に、異なるウイルスカプシドタンパク質とそれらの同族細胞受容体との間の特異的相互作用によって決定される(Lykken et al.(2018)J.Neurodev.Disord.10:16)。好ましくは、ウイルス又はウイルスベクターが細胞に入ると、ベクターゲノム(例えば、rAAVベクターゲノム)によって担持される配列(例えば、導入遺伝子などの異種配列)が発現する。
【0111】
「指向性プロファイル」は、様々な組織及び/又は器官における1つ以上の標的細胞の形質導入のパターンを指す。例えば、キメラAAVカプシドは、ニューロン、アストロサイト及び他のCNS細胞の低い形質導入のみを伴う乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞の効率的な形質導入によって特徴付けられる指向性プロファイルを有し得る。参照により本明細書に組み込まれる、WO2014/052789を参照されたい。そのようなキメラカプシドは、乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞に対する指向性を示す「乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞に特異的」とみなされ得、CNSに直接投与されたときにニューロン、アストロサイト、及び他のCNS細胞型よりも乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞を優先的に形質導入する場合、本明細書において「オリゴ指向性」と称される。いくつかの実施形態では、乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞に特異的なカプシドによって形質導入される細胞の少なくとも約80%が乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞であり、例えば、形質導入細胞の少なくとも約85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上が乏突起膠細胞又は乏突起膠細胞前駆細胞である。
【0112】
いくつかの実施形態では、rAAVベクターは、「乏突起膠細胞機能障害に関連する障害」を治療又は予防するために有用である。本明細書で使用される場合、「乏突起膠細胞機能障害に関連する」という用語は、それ以外の場合は同一の正常な乏突起膠細胞と比較して、乏突起膠細胞が損傷した、喪失した、又は不適切に機能する疾患、障害又は状態を指す。この用語には、乏突起膠細胞が直接影響を受ける疾患、障害及び状態、並びに乏突起膠細胞が他の細胞への損傷に対して二次的に機能不全になる疾患、障害又は状態が含まれる。いくつかの実施形態では、乏突起膠細胞機能不全に関連する障害は、脱髄である。
【0113】
4.使用及び治療方法
遺伝子療法
本明細書に記載の核酸、遺伝子構築物、発現カセット、及び発現ベクターは、遺伝子療法治療及び/又は疾患、障害若しくは状態の予防のために使用され得る。特に、それは、転写因子7様2タンパク質の発現を増加させることによって、乏突起膠細胞又はミエリンの欠乏又は機能不全に関連する疾患、障害又は状態、並びにタンパク質の発現を増加させることが治療上の利益又は改善をもたらし得る任意の他の状態及び/又は疾患、例えば、それ以外の場合には健康な個体におけるタンパク質のレベル又は機能と比較して、タンパク質のレベル又は機能の低下によって媒介されるか、又はそれに関連する疾患、障害又は状態を治療又は予防するために使用することができる。
【0114】
本明細書で使用される場合、ミエリンの障害、ミエリンの疾患、ミエリン関連障害、ミエリン関連疾患、ミエリン障害、ミエリンの欠乏によって媒介される障害、及びミエリン疾患は、互換的に使用される。これらは、対象における任意の疾患、状態(例えば、外傷性脊髄損傷及び脳梗塞から生じるもの)、又は脱髄、不十分な髄鞘及び髄鞘再生、又は髄鞘形成不全に関連する障害を含む。そのような障害は、遺伝性であるか、後天性であるか、又はその両方であり得る。これは、様々な神経毒性の侮辱に起因する髄鞘形成関連障害又は脱髄から生じる可能性がある。本明細書で使用される場合、「脱髄」は、脱髄行為、又は神経を絶縁するミエリン鞘の喪失を指し、多発性硬化症、横断骨髄炎、慢性炎症性脱髄性多発性神経障害、及びギランバレー症候群を含むいくつかの神経変性自己免疫疾患の特徴である。白質ジストロフィーは、遺伝性酵素欠乏症によって引き起こされ、これは、CNS白質内のミエリン鞘の異常な形成、破壊、及び/又は異常なターンオーバーを引き起こす。後天性ミエリン障害及び遺伝性ミエリン障害はいずれも、重度の障害につながる予後不良を有する。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、対象における神経変性自己免疫疾患の治療方法を含み得る。ニューロンの髄鞘再生は、乏突起膠細胞を必要とする。本明細書で使用される場合、「髄鞘再生」という用語は、ミエリン産生細胞を交換するか、又はそれらの機能を回復させることによる、神経のミエリン鞘の再生成を指す。
【0115】
本発明の方法によって治療又は改善され得るミエリン関連疾患又は障害には、対象の脳細胞、例えば、CNSニューロンにおける髄鞘形成不全又は脱髄に関連する疾患、障害又は傷害が含まれる。そのような疾患は、ニューロンを取り囲む髄鞘が欠如しているか、不完全であるか、適切に形成されていないか、又は劣化している疾患及び障害を含むが、これらに限定されない。そのような疾患としては、多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMO)、進行性多巣性白質脳症(PML)、脳脊髄炎(EPL)、橋中心髄鞘崩壊症(CPM)、副腎白質ジストロフィー、アレクサンダー病、Pelizaeus Merzbacher病(PMD)、ワーラー変性、視神経炎、横断骨髄炎、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄損傷、外傷性脳損傷、放射線後損傷、化学療法の神経合併症、脳卒中、急性虚血性視神経障害、ビタミンE欠乏症、単離ビタミンE欠乏症候群、Bassen-Kornzweig症候群、Marchiafava-Bignami症候群、異染性白質ジストロフィー、三叉神経痛、急性播種性脳炎、Guillian-Barre症候群、Marie-Charcot-Tooth病、及びベル麻痺が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
本発明の方法によって治療又は改善され得るミエリン関連疾患又は障害には、ミエリン欠乏を特徴とする疾患又は障害が含まれる。中枢神経系における不十分な髄鞘形成は、広範な神経障害に関与している。これらの中には、脳室周囲白質軟化症を有する小児における先天性の前脳髄鞘形成不全(congenital deficit in forebrain myelination)が、神経学的罹患率に寄与する脳性麻痺の形態がある(Goldman et al.,2008)Goldman,S.A.,Schanz,S.,and Windrem,M.S.(2008).Stem cell-based strategies for treating pediatric disorders of myelin.Hum Mol Genet.17,R76-83。年齢スペクトルの他方の端では、ミエリン喪失及び非効果的な修復は、老化に関連する認知機能の低下に寄与し得る(Kohama et al.,2011)Kohama,S.G.,Rosene,D.L.,and Sherman,L.S.(2011)Age(Dordr).Age-related changes in human and non-human primate white matter:from myelination disturbances to cognitive decline。したがって、髄鞘形成及び/又は髄鞘再生を強化する有効な組成物及び方法は、広範なミエリン関連障害における疾患進行を停止し、かつ機能を回復することにおいて実質的な治療上の利益を有し得ることが企図される。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ミエリン依存性プロセスを強化又は促進するために、ミエリン関連障害を有しない、及び/又は有する疑いのない対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、認知的に健康な対象におけるミエリン依存性プロセスであることが知られている認知を強化するためにCNSニューロンの髄鞘形成を促進するために対象に投与することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、認知強化(向知性)剤と組み合わせて投与することができる。例示的な薬剤としては、健康な個体における認知機能、特に実行機能、記憶、創造性、又はやる気を改善する任意の薬物、サプリメント、又は他の物質が挙げられる。非限定的な例としては、ラセタム(例えば、ピラセタム、オキシラセタム、及びアニラセタム)、栄養補助食品(例えば、bacopa monnieri、panax ginseng、ginko biloba、及びGABA)、刺激剤(例えば、アンフェタミン医薬品、メチルフェニデート、覚醒促進剤(eugeroics)、キサンチン、及びニコチン)、L-テアニン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、及びデシプラミンが挙げられる。
【0118】
治療剤(例えば、タンパク質、タンパク質をコードするポリヌクレオチド、又はrAAVベクター、若しくは細胞などのベクター)の全体的な投薬量は、対象の全体的な健康状態、対象の疾患状態、状態の重症度、改善の観察、並びに選択された薬剤の処方及び投与経路を含むいくつかの要因に応じて、治療有効量となるであろう。治療有効量の決定は当業者の能力の範囲内である。正確な処方、投与経路及び投薬量は、対象の状態を考慮して、個々の医師によって選択することができる。
【0119】
特定の実施形態では、本明細書に記載の細胞又はヌクレオチド組成物は、1つ以上のミエリンタンパク質(例えば、MBP、MAG、MOG、MOBP、PLP1、GPR37、ASPA、CNP、MYRF、BCAS1、PLP1、UGT8、TF、LPAR1、及びFA2H)の量を、未処理の対象のミエリンタンパク質のレベルと比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、又は1000%増加させることによって対象のCNSにおけるミエリン産生を強化するのに有効な量で投与されてもよい。
【0120】
他の実施形態では、細胞又はヌクレオチド組成物は、生存ニューロンの数を、未処理のCNSニューロン又は対象における生存ニューロンの数と比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、又は1000%増加させることによって対象におけるCNSニューロンの生存を促進するのに有効な量で投与されてもよい。
【0121】
ミエリン関連障害に罹患している対象を治療するための別の戦略は、治療有効量の乏突起膠細胞分化及び/又は増殖誘導剤及び/又は抗神経変性疾患剤とともに、治療有効量の本明細書に記載の細胞又はヌクレオチド組成物を投与することである。抗神経変性疾患剤の例としては、L-ドパ、コリンエステラーゼ阻害剤、抗コリン薬、ドーパミンアゴニスト、ステロイド、並びにインターフェロン、モノクローナル抗体、及び酢酸グラチラマーを含む免疫調節剤が挙げられる。したがって、本開示の更なる態様では、本明細書に記載の組成物は、神経変性及びミエリン関連障害を治療するための補助療法との組み合わせ療法の一部として投与することができる。
【0122】
「併用療法」という語句は、本明細書に記載される乏突起膠細胞前駆体分化誘導組成物の投与、及びこれらの治療剤の共作用からの有益な効果を提供することを意図した特定の治療レジメンの一部としての治療剤を包含する。併用投与される場合、乏突起膠細胞前駆体分化誘導化合物及び治療剤は、別個の組成物として製剤化することができる。併用されるこれらの治療剤の投与は、典型的には、定義された期間(通常、選択される併用に応じて、数分、数時間、数日、又は数週間)にわたって実施される。
【0123】
本出願の遺伝子核酸、遺伝子構築物、発現カセット、及び発現ベクターは、脳内送達、髄腔内送達、鼻腔内送達によって、又は脳室への直接注入を介して投与され得る。
【0124】
本出願の遺伝子構築物はまた、エアロゾルの形態で気道に直接投与され得る。エアロゾルとして使用するために、溶液又は懸濁液中の本出願の化合物は、好適な推進剤、例えば、プロパン、ブタン、又は従来のアジュバントを有するイソブタンなどの炭化水素推進剤とともに加圧エアロゾル容器に包装され得る。本出願の材料はまた、ネブライザー又はアトマイザーなどの非加圧形態で投与され得る。
【0125】
一実施形態では、1つ以上の遺伝子構築物は、CRISPR-Cas9誘導ヌクレアーゼを介して本明細書に記載される遺伝子のうちの1つ以上の転写を活性化させる(Gimenez et al.,“CRISPR-on System for the Activation of the Endogenous human INS gene,”Gene Therapy 23:543-547(2016)、Wiedenheft et al.,“RNA-Guided Genetic Silencing Systems in Bacteria and Archaea,”Nature 482:331-338(2012)、Zhang et al.,“Multiplex Genome Engineering Using CRISPR/Cas Systems,”Science 339(6121):819-23(2013)、及びGaj et al.,“ZFN,TALEN,and CRISPR/Cas-based Methods for Genome Engineering,”Cell 31(7):397-405(2013)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。CRISPR-Cas9は、誘導ヌクレアーゼ二本鎖DNA切断によって原核細胞及び真核細胞における遺伝子発現の配列特異的制御を可能にする遺伝子技術である。これは、細菌免疫系由来のCRISPR(クラスター化された規則的な間隔の回文反復)経路に基づいている。
【0126】
上記に記載される実施形態では、1つ以上の遺伝子構築物は、対象への送達のために好適な送達ビヒクル又は担体にパッケージ化することができる。好適な送達ビヒクルとしては、限定されないが、ウイルス、ウイルス様粒子、細菌、バクテリオファージ、生分解性ミクロスフェア、微粒子、ナノ粒子、エクソソーム、リポソーム、コラーゲンミニペレット、及びコクレート(cochleate)が挙げられる。これら及び他の生物学的遺伝子送達ビヒクルは、当業者に周知である(例えば、Seow and Wood,“Biological Gene Delivery Vehicles:Beyond Viral Vectors,”Mol.Therapy 17(5):767-777(2009)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0127】
一実施形態では、遺伝子構築物は、送達を容易にするために、治療用発現ベクターにパッケージ化される。好適な発現ベクターは、当該技術分野で周知であり、これには、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、又はヘルペスウイルスベクターなどのウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
ウイルスベクター又は他の好適な発現ベクターは、本出願の遺伝子構築物をコードする配列、及び遺伝子構築物を発現するための任意の好適なプロモーター及び/又はエンハンサーを含む。好適なプロモーターとしては、例えば、限定されないが、U6又はHI RNA pol IIIプロモーター配列及びサイトメガロウイルスプロモーターが挙げられる。他の好適なプロモーターの選択は、当該技術分野の技術の範囲内である。発現ベクターはまた、組織又は細胞特異的様式での阻害性核酸分子の発現のための誘導性又は調節可能なプロモーターを含み得る。
【0129】
治療用遺伝子構築物又は核酸分子を担持する遺伝子療法ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与により(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Nabelらへの米国特許第5,328,470号)、又は定位注射により(例えば、Chen et al.,“Gene Therapy for Brain Tumors:Regression of Experimental Gliomas by Adenovirus Mediated Gene Transfer In vivo,”Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 91:3054-3057(1994)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、対象に投与される。治療用ベクターの薬学的調製物は、許容される希釈剤中に治療用ベクターを含み得るか、又は治療用送達ビヒクルが埋め込まれる徐放性マトリックスを含み得る。代替的に、完全な治療的送達ベクターが組換え細胞からインタクトで産生され得る場合、例えば、レトロウイルスベクターの場合、薬学的調製物は、治療的送達系を産生する1つ以上の細胞を含み得る。遺伝子療法ベクターは、典型的には、内因性転写因子に応答性である構成的調節エレメントを利用する。
【0130】
本開示の遺伝子構築物の送達のための別の好適なアプローチは、リポソーム送達ビヒクル又はナノ粒子送達ビヒクルの使用を伴う。
【0131】
本出願の別の実施形態では、送達ビヒクルは、ナノ粒子である。様々なナノ粒子送達ビヒクルは、当該技術分野で既知であり、本出願の遺伝子構築物の送達に好適である(例えば、van Vlerken et al.,“Multi-functional Polymeric Nanoparticles for Tumour-Targeted Drug Delivery,”Expert Opin.Drug Deliv.3(2):205-216(2006)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。好適なナノ粒子としては、ポリ(ベータアミノエステル)(Sawicki et al.,“Nanoparticle Delivery of Suicide DNA for Epithelial Ovarian Cancer Cell Therapy,”Adv.Exp.Med.Biol.622:209-219(2008)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、ポリエチレンイミン-アルト-ポリ(エチレングリコール)コポリマー(Park et al.,“Degradable Polyethylenimine-alt-Poly(ethylene glycol) Copolymers As Novel Gene Carriers,”J.Control Release 105(3):367-80(2005) and Park et al.,“Intratumoral Administration of Anti-KITENIN shRNA-Loaded PEI-alt-PEG Nanoparticles Suppressed Colon Carcinoma Established Subcutaneously in Mice,”J Nanosci.Nanotechnology 10(5):3280-3(2010)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ポリ(d,l-ラクチド-コグリコリド)(Chan et al.,“Antisense Oligonucleotides:From Design to Therapeutic Application,”Clin.Exp.Pharm.Physiol.33:533-540(2006)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、及びリポソームが捕捉したsiRNAナノ粒子(Kenny et al.,“Novel Multifunctional Nanoparticle Mediates siRNA Tumor Delivery,Visualization and Therapeutic Tumor Reduction In vivo,”J.Control Release 149(2):111-116(2011)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))が挙げられるが、これらに限定されない。本出願での使用に好適な他のナノ粒子ビヒクルとしては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Prakashらへの米国特許公開第2010/0215724号に開示されるマイクロカプセルナノチューブデバイスが挙げられる。
【0132】
別の実施形態では、遺伝子構築物は、リポソーム送達ビヒクルに含有される。「リポソーム」という用語は、球状の二重層又は二重層に配置された両親媒性脂質からなる小胞を意味する。リポソームは、親油性材料及び水性内部から形成される膜を有する単層又は多層小胞である。水性部分は、送達される組成物を含有する。カチオン性リポソームは、細胞壁に融合できるという利点を有する。非カチオン性リポソームは、細胞壁と効率的に融合することができないが、インビボでマクロファージによって取り込まれる。
【0133】
リポソームのいくつかの利点としては、それらの生体適合性及び生分解性、広範囲の水及び脂溶性薬物の組み込み、並びにそれらがカプセル化された分子を代謝及び分解から保護することが挙げられる。リポソーム製剤の調製における重要な考慮事項は、脂質表面電荷、小胞サイズ、及びリポソームの水性体積である。
【0134】
リポソームは、活性成分の作用部位への移動及び送達に有用である。リポソーム膜は生体膜と構造的に類似しているため、リポソームを組織に適用すると、リポソームは細胞膜と合体し始め、リポソームと細胞の合体が進行するにつれて、リポソームの内容物は、活性剤が作用し得る細胞内に排出される。
【0135】
リポソームを調製するための方法としては、Bangham et al.,“Diffusion of Univalent Ions Across the Lamellae of Swollen Phospholipids,”J.Mol.Biol.13:238-52(1965)、Hsuへの米国特許第5,653,996号、Leeらへの米国特許第5,643,599号、Hollandらへの米国特許第5,885,613号、Dzauらへの米国特許第5,631,237号、及びLoughreyらへの米国特許第5,059,421号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されたものが挙げられる。
【0136】
本明細書に開示されるように、別の実施形態では、遺伝子構築物、発現カセット、又は発現ベクターは、グリア前駆細胞標的化フソゲン又はグリア前駆細胞選択的表面結合部分と関連して投与され得る。例えば、遺伝子構築物、発現カセット、又は発現ベクターは、フソソーム中に存在し得るか、又はそれと会合し得る。
【0137】
本明細書で使用される場合、「フソゲン」は、2つの膜で囲まれた内腔の間の相互作用を生成する薬剤又は分子を指す。実施形態では、フソゲンは、膜の融合を容易にする。他の実施形態では、フソゲンは、2つの管腔(例えば、標的細胞のリポソーム及び細胞質の管腔、又は標的細胞のウイルスベクター及び細胞質の管腔)の間に接続、例えば、細孔を生成する。いくつかの実施形態では、フソゲンは、標的化ドメイン又は結合部分を有するタンパク質又は2つ以上のタンパク質の複合体を含む。いくつかの例では、標的化ドメイン又は結合部分は、グリア前駆細胞又はグリア前駆細胞上の分子を特異的に標的とするか、又はそれに結合する。分子の例としては、CD140a、NG2/CSPG4、A2B5ガングリオシド、O4スルファチド、又はCD133が挙げられるが、これらに限定されない。標的化ドメイン又は結合部分は、グリア前駆細胞又はグリア前駆細胞上の分子又はマーカーに特異的に結合する受容体リガンド、ペプチド/ポリペプチド、抗体、又はその抗原結合部分であり得る。ヒト及び非ヒトフソゲンの非限定的な例は、例えば、US2021/0198698及びUS2021/0137839に記載されており、これらは、その全体が参照により組み込まれる。
【0138】
本明細書で使用される場合、「フソソーム」は、管腔又は空洞を囲む両親媒性脂質の二重層、及び両親媒性脂質二重層と相互作用するフソゲンを指す。いくつかの実施形態では、フソソームは、核酸を含む。いくつかの実施形態では、フソソームは、膜封入調製物である。いくつかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞に由来する。
【0139】
フソソームは、様々な形態をとることができる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のフソソームは、ソース細胞に由来する。フソソームは、例えば、細胞外小胞、微小胞、ナノ小胞、エクソソーム、微粒子、又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フソソームが、ソース細胞から自然に放出され、いくつかの実施形態では、ソース細胞が、フソソームの形成を強化するように処理される。いくつかの実施形態では、フソソームは、直径が約10~10,000nm、例えば、直径が約30~100nmである。いくつかの実施形態では、フソソームは1つ以上の合成脂質を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、フソソームは、ウイルス、例えば、レトロウイルス、例えば、レンチウイルスであるか、又はそれを含む。例えば、いくつかの実施形態では、両親媒性脂質のフソソームの二重層は、ウイルスエンベロープであるか、又はそれを含む。ウイルスエンベロープは、フソゲン、例えば、ウイルスに内因性であるフソゲン、又は偽型のフソゲンを含み得る。いくつかの実施形態では、フソソームの管腔又は空洞は、ウイルス核酸、例えば、レトロウイルス核酸、例えば、レンチウイルス核酸を含む。ウイルス核酸は、ウイルスゲノムであり得る。いくつかの実施形態では、フソソームは、1つ以上のウイルス非構造タンパク質を、例えば、その空洞又は管腔に更に含む。
【0141】
フソソームは、標的細胞へのペイロードの送達を促進する様々な構造又は特性を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、フソソーム及び源細胞は、標的細胞と融合することができる粒子を作製するのに十分な核酸を共に含む。実施形態では、これらの核酸は、以下の活性:gagポリタンパク質活性、ポリメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、プロテアーゼ活性、及びフソゲン活性のうちの1つ以上(例えば、全て)を有するタンパク質をコードする。
【0142】
細胞療法
また、上記に記載される遺伝子構築物、カセット若しくは発現ベクター、又は宿主細胞の子孫細胞を含む、宿主細胞も、本開示の範囲内にある。宿主細胞は、幹細胞又は前駆細胞であり得る。幹細胞の例としては、胚性幹細胞、ES様幹細胞、胎児幹細胞、成体幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、多能性幹細胞、寡能性幹細胞、単能性幹細胞などが挙げられる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、グリア前駆細胞、例えば、乏突起膠細胞前駆細胞である。宿主細胞又はその子孫は、本明細書に記載の障害又は状態を治療するための治療細胞又は薬剤として使用することができる。
【0143】
対象の線条体、前脳、脳幹、及び/又は小脳に細胞(上述の宿主細胞又はその子孫など)を導入する好適な方法は、当業者に周知であり、本明細書に記載の注射、沈着、及び移植が挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
一実施形態では、グリア前駆細胞は、Goldmanへの米国特許第7,524,491号、Windrem et al.,“Neonatal Chimerization With Human Glial Progenitor Cells Can Both Remyelinate and Rescue the Otherwise Lethally Hypomyelinated Shiverer Mouse,”Cell Stem Cell 2:553-565(2008)、Han et al.,“Forebrain Engraftment by Human Glial Progenitor Cells Enhances Synaptic Plasticity and Learning Adult Mice,”Cell Stem Cell 12:342-353(2013)、及びWang et al.,“Human iPSCs-Derived Oligodendrocyte Progenitor Cells Can Myelinate and Rescue a Mouse Model of Congenital Hypomyelination,”Cell Stem Cell 12:252-264(2013)記載されているように対象の複数の部位に両側に移植される。神経組織及び細胞を宿主脳に移植するための方法は、Neural Grafting in the Mammalian CNS,Ch.3-8(Bjorklund and Stenevi eds.,Elsevier,Amsterdam 1985)、Gageらへの米国特許第5,082,670号、及びWeissらへの米国特許第6,497,872号(はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって記載されている。典型的な手順には、実質内、脳梁内、くも膜下腔内、脳内、鼻腔内、及び静脈内移植、並びに脳室への直接注入が含まれる。
【0145】
実質内移植は、移植時に脳実質に付着するように、宿主脳内の組織の注射又は堆積によって達成される。実質内移植の2つの主要な手順は次のとおりである。1)宿主脳実質内にドナー細胞を注入すること、又は2)宿主脳実質を曝露するための外科的手段によって空洞を準備し、次いで、移植片を空洞に堆積させること(Neural Grafting in the Mammalian CNS,Ch.3(Bjorklund and Stenevi eds.,Elsevier,Amsterdam 1985)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。両方法は、移植時にドナー細胞と宿主脳組織との間に実質的な結合を提供し、両方とも移植片と宿主脳組織との間の解剖学的統合を促進する。これは、ドナー細胞が宿主の脳の不可欠な部分となり、宿主の生涯にわたって生存することが必要である場合に重要である。
【0146】
グリア前駆細胞はまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGoldmanへの米国特許出願公開第2003/0223972号に記載されるように、脳梁内に送達することができる。グリア前駆細胞はまた、前脳皮質下、具体的には、脳梁の前部及び後部原基に直接送達され得る。グリア前駆細胞はまた、小脳白質に送達されて、主要な小脳及び脳幹へのアクセスを得ることができる。グリア前駆細胞はまた、脊髄に送達され得る。
【0147】
代替的に、細胞は、心室、例えば、脳室に配置され得る。心室内の移植細胞は、ドナー細胞の注射によって、又は30%コラーゲンなどの基質中で細胞を成長させて固体組織のプラグを形成することによって達成され得、次いで、移植細胞の転位を防止するために心室に移植され得る。硬膜下移植の場合、細胞は、硬膜にスリットを作った後、脳の表面の周りに注入され得る。
【0148】
グリア細胞送達のための好適な技術については、上で記載されている。一実施形態では、グリア前駆細胞の当該調製物は、脳、脳幹、脊髄、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上の部位に投与される。
【0149】
対象への細胞の送達は、直接的な神経系への単一ステップ又は複数ステップのいずれかの注射を含むことができる。成体及び胎児の乏突起膠細胞前駆細胞は、移植レシピエントの脳内に広く分散するが、広範囲の障害については、治療を最適化するために複数の注射部位を実行することができる。注射は、任意選択的に、脳梁のような白質束(例えば、前部及び後部原基)、背柱、小脳脚、大脳脚などの中枢神経系の領域に向けられる。そのような注射は、任意選択的に、付随する画像化方法(例えば、高解像度MRI画像化)とともに、定位手術などの正確な定位方法を使用して、片側に又は両側に行うことができる。当業者は、脳領域が種によって異なることを認識するが、当業者はまた、哺乳動物種にわたって同等の脳領域を認識する。
【0150】
細胞移植は、任意選択的に解離細胞として注入されるが、非解離細胞の局所配置によって提供されてもよい。いずれの場合も、細胞移植は、任意選択的に、許容される溶液を含む。そのような許容される溶液としては、望ましくない生物学的活性及び汚染を回避する溶液が挙げられる。製剤を等張性にするための適切な量の薬学的に許容される塩を含む。薬学的に許容される溶液の例としては、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び培地が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは、約5~約8であり、より好ましくは、約7~約7.5である。
【0151】
解離細胞移植の注射は、注射デバイス(例えば、カニューレ、針、又はチューブ)の入口経路、出口経路、又は入口経路と出口経路の両方を横切って行われるストリーミング注射であり得る。自動化を使用して、均一な出入り速度と注射速度及び注射量を提供することができる。
【0152】
対象に投与されるグリア前駆細胞の数は、レシピエントのサイズ及び種、並びに細胞置換を必要とする組織の体積に応じて、各投与(例えば、注射部位)で約10~10の範囲であり得る。単回投与(例えば、注射)用量は、10~10細胞、10~10細胞及び10~10細胞の範囲、又は移植レシピエント患者のための任意の合計量に及ぶことができる。
【0153】
注射用途に好適な薬学的形態には、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は滅菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度に流動性でなければならない。製造及び保管の条件下で安定していなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒体であり得る。
【0154】
CNSは免疫学的に特権的な部位であるため、異種を含む投与された細胞は生存することができ、任意選択的に、免疫抑制剤又は免疫抑制剤の典型的なレジメンは、治療方法において使用されない。しかしながら、任意選択的に、免疫抑制剤も対象に投与され得る。免疫抑制剤及びそれらの投与レジメンは、当業者に既知であり、アザチオプリン、アザチオプリンナトリウム、シクロスポリン、ダルトロバン、グスペリムス・トリヒドロクロリド、シロリムス、及びタクロリムスなどの薬剤が挙げられる。レジメンの投薬量範囲及び期間は、治療される障害、拒絶の程度、使用される特定の免疫抑制剤の活性、対象の年齢、体重、全体的な健康、性別、及び食生活、投与時間、投与経路、使用される特定の免疫抑制剤の排泄速度、治療の期間及び頻度、並びに組み合わせて使用される薬物とともに変化させることができる。当業者は、免疫抑制の許容用量及び持続時間を判定することができる。投薬レジメンは、いかなる禁忌又は対象の状態の変化の場合にも、個々の医師によって調整することができる。
【0155】
5.医薬組成物
本開示は、ミエリンの遺伝性又は後天性障害を予防又は治療するための、医薬組成物又は薬剤を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、上記タンパク質分子、ポリヌクレオチド、発現カセット、発現ベクター(例えば、ウイルスベクターゲノム、発現ベクター、rAAVベクター)、及び宿主細胞のうちの1つ以上を含む。
【0156】
医薬組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤及び/又は他の薬剤を更に含む。薬学的に許容される担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤又は他の薬剤は、生物学的に又は別様に望ましくないものではなく、例えば、材料は、材料の有利な生物学的効果を上回る望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく対象に投与され得る。任意の好適な薬学的に許容される担体又は賦形剤を、本発明による医薬組成物の調製に使用することができる(例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy,Adeboye Adejare(Editor)Academic Press,November 2020を参照されたい)。
【0157】
医薬組成物は、典型的には、製造及び貯蔵条件下で無菌であり、発熱原を含まず、かつ安定である。医薬組成物は、溶液(例えば、水、食塩水、デキストロース溶液、緩衝溶液、又は他の薬学的に滅菌された流体)、マイクロエマルション、リポソーム、又は高い生成物(例えば、ウイルスベクター粒子、微粒子、又はナノ粒子)濃度に適合する他の秩序構造として製剤化され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、本開示の上記タンパク質、ポリヌクレオチド、発現カセット、発現ベクター、ベクターゲノム、宿主細胞、又はrAAVベクターを含む医薬組成物は、水又は緩衝生理食塩水中で製剤化される。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合は必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。いくつかの実施形態では、等張化剤、例えば、糖、多価アルコール、例えばマンニトール、ソルビトールなど、又は塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい場合がある。注射用組成物の持続的吸着は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含めることによってもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本開示の核酸、ベクター、及び/又は宿主細胞は、制御放出製剤、例えば、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む、生成物を急速放出から保護する徐放性ポリマー又は他の担体を含む組成物中で投与され得る。
【0159】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、静脈内、動脈内、皮下、皮内、腹腔内、筋肉内、関節内、実質内(IP)、髄腔内(IT)、脳室内(ICV)及び/又は大槽内(ICM)投与に好適な組成物を含む非経口医薬組成物である。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、ICV注射による投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、ベクター(例えば、AAVなどのウイルスベクター)は、PBS中350mMのNaCl及び5%D-ソルビトール中で製剤化され得る。
【0160】
6.投与方法
上記の分子、又はポリヌクレオチド、又はベクター(例えば、ベクターゲノム、rAAVベクター)は、対象を治療するために、対象(例えば、患者)又は標的細胞に投与され得る。それを必要とするヒト対象又は動物へのベクターの投与は、ベクターを投与するための当該技術分野で既知の任意の手段によって行うことができる。標的細胞の例としては、CNSの細胞、好ましくは乏突起膠細胞又はその前駆細胞が挙げられる。
【0161】
ベクターは、標準的なケア治療に加えて、及びその補助として投与することができる。すなわち、ベクターは、慣例的な方法を使用して当業者によって決定されるように、同時に、同時期に、又は所定の投薬間隔で、別の薬剤、化合物、薬物、治療又は治療レジメンと同時投与することができる。本明細書に開示される使用は、当該技術分野で既知の疾患の標準的治療に加えて、及び/又はそれと同時の投与スケジュールに基づいて、本開示のrAAVベクターを投与することを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、併用組成物は、1種以上の免疫抑制剤を含む。いくつかの実施形態では、併用組成物は、導入遺伝子(例えば、本明細書に開示されるRNA分子をコードするポリヌクレオチド)及び1つ以上の免疫抑制剤を含むrAAVベクターを含む。いくつかの実施形態では、方法は、導入遺伝子を含むrAAVベクターを対象に投与又は送達することと、ベクターの投与前に予防的に、又はベクターの投与後に(すなわち、ベクター及び/又はそれによって提供されるタンパク質に対する応答の症状が明らかになる前又は後に)、免疫抑制剤を対象に投与することと、を含む。
【0163】
一実施形態では、本開示のベクター(例えば、rAAVベクター)は、全身投与される。全身投与の例示的な方法には、静脈内(例えば、門脈)、動脈内(例えば、大腿動脈、肝動脈)、血管内、皮下、皮内、腹腔内、経粘膜、肺内、リンパ内、及び筋肉内投与など、並びに直接的な組織又は器官への注射が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、全身投与が核酸を全ての組織に送達できることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、直接的な組織又は器官への投与は、乏突起膠細胞欠乏の直接的な影響を受けるエリア(例えば、脳及び/又は中枢神経系)への投与を含む。いくつかの実施形態では、本開示のベクター及びその医薬組成物は、脳実質に(すなわち、実質内投与によって)、脳脊髄液(CSF)に到達するように脊柱管若しくはくも膜下腔に(すなわち、髄腔内投与によって)、脳の脳室に(すなわち、脳室内投与によって)、及び/又は脳の大槽に(すなわち、大槽内投与によって)投与される。
【0164】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示のベクターは、ミエリン障害を治療するために、脳に(例えば、実質、脳室、大槽などに)及び/又はCSFに(例えば、脊柱管又はくも膜下腔に)直接注射することによって投与される。本開示のベクターの標的細胞には、皮質、脳梁の皮質下白質、線条体及び/又は小脳に位置する細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、本開示のベクターの標的細胞は、乏突起膠細胞又はその前駆細胞である。追加の投与経路はまた、直接可視化下でのベクターの局所適用、例えば、表面皮質適用、又は他の定位適用を含み得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、本開示のベクターは、少なくとも2つの経路によって投与される。例えば、ベクターは全身投与され、脳にも直接投与される。少なくとも2つの経路を介して投与される場合、ベクターの投与は、同時又は同時期であることができるが、そうである必要はない。代わりに、異なる経路を介した投与は、各投与間にある時間間隔置いて別個に行うことができる。
【0166】
上述のタンパク質、又はタンパク質をコードするポリヌクレオチド、又はベクターゲノム、又はポリヌクレオチドを含むベクター(例えば、rAAVベクター)は、細胞のエクスビボの形質導入、又は対象への直接投与(例えば、疾患を有する患者のCNSへの直接投与)に使用され得る。いくつかの実施形態では、形質導入細胞(例えば、宿主細胞)は、疾患、障害、又は状態を治療又は予防するために対象に投与される(例えば、疾患の細胞療法)。例えば、治療用核酸(例えば、タンパク質をコードする)を含むrAAVベクターは、好ましくは、生物学的に有効な量で乏突起膠細胞又はその前駆細胞に投与され得る。
【0167】
ベクターの投薬量は、例えば、投与様式、治療される疾患若しくは状態、疾患の病期及び/若しくは侵襲性、個々の対象の状態(年齢、性別、体重など)、特定のウイルスベクター、発現されるタンパク質の安定性、ベクターに対する宿主免疫応答、並びに/又は送達される遺伝子に依存する。一般に、用量は、治療効果を達成するために、対象の体重(kg)当たり少なくとも1×10又はそれ以上、例えば、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015又はそれ以上のベクターゲノム(vg)の範囲である。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、標的細胞(例えば、乏突起膠細胞)における発現に適切な調節エレメント(例えば、プロモーター)を有するDNA分子(例えば、組換え核酸)の構成要素として投与され得る。ポリヌクレオチドは、プラスミド又はウイルスベクター、例えばrAAVベクターの構成要素として投与され得る。rAAVベクターは、ベクターを直接(例えば、CNSに直接)送達することによって、治療を必要とする患者にインビボで投与され得る。rAAVベクターは、治療を必要とするドナー患者からの細胞へのベクターのインビトロ投与、続いて形質導入された細胞のドナーへの再導入(例えば、細胞治療)によってエクスビボで患者に投与されてもよい。
【0169】
7.キット
本開示は、包装材料及び1つ以上の構成要素を含むキットを提供する。キットは、典型的には、構成要素の説明、又はその中の構成要素のインビトロ、インビボ、若しくはエクスビボでの使用説明を含むラベル又は添付文書を含む。キットは、そのような構成要素の集合体、例えば、上記のポリヌクレオチド、核酸、発現カセット、発現ベクター(例えば、ウイルスベクターゲノム、発現ベクター、rAAVベクター)、及び宿主細胞又はその子孫、並びに任意選択的に第2の活性剤、例えば、化合物、治療剤、薬物又は組成物を含有し得る。
【0170】
キットは、キットの1つ以上の構成要素を含有する物理的構造を指す。包装材料は、構成要素を無菌的に維持することができ、そのような目的に一般的に使用される材料(例えば、紙、ガラス、プラスチック、箔、アンプル、バイアル、チューブなど)で作製することができる。
【0171】
ラベル又は添付文書は、その中の1つ以上の構成要素の識別情報、用量、作用機序、薬物動態及び薬力学を含む活性成分の臨床薬理学を含み得る。ラベル又は添付文書は、製造、ロット番号、製造場所及び日付、有効期限を特定する情報を含み得る。ラベル又はインサートは、キット構成要素が使用され得る疾患(例えば、HDなどのミエリンの遺伝性又は後天性障害)に関する情報を含み得る。ラベル又は添付文書は、方法、使用、又は治療プロトコル若しくは治療レジメンにおけるキット構成要素のうちの1つ以上を使用するための臨床医又は対象に対する指示を含み得る。指示は、投薬量、持続時間の頻度、及び本明細書に記載される方法、使用、治療プロトコル、又は予防若しくは治療レジメンのいずれかを実践するための指示を含み得る。
【0172】
ラベル又は添付文書は、潜在的な副作用、合併症又は反応に関する情報、例えば、特定の組成物を使用することが適切でない状況に関する対象又は臨床医への警告を含み得る。
【0173】
8.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈により明らかにそうではないと指示されない限り、複数の形態も同様に含むことが意図される。以下の用語は以下のような意味を有する。
【0174】
本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の生物学的活性の量、相同性又は長さ、用量、時間、温度などの測定可能な値を指し、別段の記載がない限り、文脈から明らかでない限り、又はそのような数が可能な値の100%を超える場合を除いて、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、1%、0.5%、又は更には0.1%の変動を包含することを意味する。
【0175】
本明細書で使用される場合、「相同」又は「相同性」という用語は、所与の領域又は部分にわたって少なくとも部分的同一性を共有する2つ以上の参照エンティティ(例えば、核酸又はポリペプチド配列)を指す。例えば、2つのペプチドにおけるアミノ酸位置が同一のアミノ酸によって占められている場合、ペプチドはその位置で相同である。特に、相同ペプチドは、非修飾ペプチド又は参照ペプチドに関連する活性又は機能を保持し、修飾ペプチドは、一般に、非修飾配列のアミノ酸配列と「実質的に相同」であるアミノ酸配列を有する。ポリペプチド、核酸又はその断片を指す場合、「実質的な相同性」又は「実質的な類似性」とは、別のポリペプチド、核酸(又はその相補鎖)又はその断片と適切な挿入又は欠失に関して最適にアラインメントした場合、配列の少なくとも約70%~99%に配列同一性が存在することを意味する。2つの配列間の相同性(同一性)の程度は、当該技術分野で既知のコンピュータプログラム又は数学アルゴリズムを使用して確認することができる。パーセント配列相同性(又は同一性)を計算するそのようなアルゴリズムは、概して、比較領域又はエリアにわたる配列ギャップ及びミスマッチを説明する。
【0176】
核酸又はポリヌクレオチドは、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、又はDNA若しくはRNA類似体を指す。DNA又はRNA類似体は、ヌクレオチド類似体から合成することができる。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
【0177】
単離核酸又は組換え核酸は、その構造が、任意の天然に存在する核酸の構造又は天然に存在するゲノム核酸の任意の断片の構造と同一ではない核酸を指す。したがって、この用語は、例えば、(a)天然に存在するゲノムDNA分子の一部の配列を有するが、それが天然に存在する生物のゲノム内の分子のその部分に隣接する配列の両方に隣接していないDNA、(b)得られる分子が任意の天然に存在するベクター又はゲノムDNAと同一ではないような方法で、原核生物又は真核生物のベクター又はゲノムDNAに組み込まれる核酸、(c)cDNA、ゲノム断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成される断片、又は制限断片などの別個の分子、及び(d)ハイブリッド遺伝子、すなわち、融合タンパク質をコードする遺伝子の一部である組換えヌクレオチド配列を包含する。上述の核酸を使用して、本開示のタンパク質を発現させることができる。この目的のために、発現ベクターを生成すべく、核酸を好適な調節配列に作動可能に連結させることができる。
【0178】
「組換え核酸」は、組換え技術及び一緒に核酸配列を結合するために使用される手順を使用して一緒に接合される核酸配列の組み合わせである。
【0179】
「異種」DNA分子及び「異種」核酸という用語は、本明細書で使用される場合、各々、特定の宿主細胞に外来の源に由来するか、又は同じ源に由来する場合、その元の形態から修飾された分子を指す。したがって、宿主細胞中の異種遺伝子は、特定の宿主細胞に内因性であるが、例えば、シャッフル又は組換えの使用によって修飾された遺伝子を含む。2つの核酸セグメントを説明するために使用される場合、これらの用語は、2つの核酸セグメントが同じ遺伝子に由来しないこと、又は同じ遺伝子を形成する場合、それらの一方若しくは両方が元の形態から修飾されることを意味する。これらの用語には、天然に存在するDNA分子の非天然に存在する複数のコピーも含まれる。したがって、用語は、細胞にとって外来若しくは異種であるか、又は細胞と相同であるが、エレメントが通常見出されない宿主細胞核酸内の位置にある核酸セグメントを指す。外因性DNAセグメントが発現され、外因性RNA又はポリペプチドが得られる。「相同DNA分子」は、それが導入される宿主細胞と自然に会合するDNA分子である。
【0180】
「調節配列」には、プロモーター、エンハンサー、及び他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれる。調節配列には、ヌクレオチド配列の構成的発現を指示するもの、並びに組織特異的制御及び/又は誘導性配列が含まれる。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質又はRNAの発現レベルなどの因子に依存し得る。発現ベクターを宿主細胞に導入して、目的のRNA又はポリペプチドを産生することができる。プロモーターは、RNAポリメラーゼをDNAに結合させ、RNA合成を開始させるDNA配列として定義される。強力なプロモーターは、RNAを高頻度で開始させるものである。
【0181】
「プロモーター」は、ポリヌクレオチドの転写を開始及び調節するヌクレオチド配列である。プロモーターは、誘導性プロモーター(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって誘導される)、抑制性プロモーター(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって抑制される)、及び構成的プロモーターを含むことができる。「プロモーター」又は「制御要素」という用語は、完全長プロモーター領域及びこれらの領域の機能的(例えば、転写又は翻訳を制御する)セグメントを含むことが意図される。
【0182】
「作動可能に連結された」とは、そのように記載された構成要素が、それらの通常の機能を実行するように構成されるエレメントの配置を指す。したがって、核酸配列に作動可能に連結された所与のプロモーターは、適切な酵素が存在する場合、その配列の発現に影響を及ぼし得る。プロモーターは、配列の発現を誘導するように機能する限り、配列と隣接している必要はない。したがって、例えば、プロモーター配列と核酸配列との間に、未翻訳であるが転写された介在する配列が存在することができ、プロモーター配列は依然としてコード配列に「作動可能に連結されている」とみなされ得る。したがって、「作動可能に連結された」という用語は、転写複合体によるプロモーター要素の認識時に、目的のDNA配列の転写の開始を可能にする、目的のプロモーター要素及びDNA配列の任意の間隔又は方向を包含することが意図される。
【0183】
本明細書で使用される場合、「遺伝子構築物」又は「核酸構築物」という用語は、組換えDNA技術(例えば、組換え核酸)の使用から生じる非天然の核酸分子を指す。遺伝子又は核酸構築物は、一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸分子であり、自然界には見られない様式で結合及び配置される核酸配列のセグメントを含有するように修飾されている。核酸構築物は、「カセット」又は「ベクター」(例えば、プラスミド、rAAVベクターゲノム、発現ベクターなど)、すなわち、外因的に形成されたDNAを宿主細胞に送達するように設計された核酸分子であり得る。
【0184】
本明細書で使用される「発現カセット」は、適切な宿主細胞における特定のヌクレオチド配列の発現を指示することができる核酸配列を意味し、これは、終結シグナルに作動可能に連結され得る目的のヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含み得る。また、ヌクレオチド配列の適切な翻訳に必要な配列も含み得る。コード領域は、通常、目的のRNA又はタンパク質をコードする。目的のヌクレオチド配列を含む発現カセットは、キメラであり得る。発現カセットはまた、天然に存在するが、異種発現に有用な組換え形態で得られたものであり得る。発現カセットにおけるヌクレオチド配列の発現は、構成的プロモーター又は調節可能プロモーターの制御下であり得、これは、宿主細胞がいくつかの特定の刺激に曝露されたときにのみ転写を開始する。多細胞生物の場合、プロモーターはまた、特定の組織若しくは臓器又は発達段階に特異的であり得る。
【0185】
ベクターは、それが連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を指す。ベクターは、自律複製が可能であってもなくてもよく、又は宿主DNAに組み込むことができてもできなくてもよい。ベクターの例としては、プラスミド、コスミド、又はウイルスベクターが挙げられる。ベクターは、宿主細胞での目的の核酸の発現に好適な形態で核酸を含む。好ましくは、ベクターは、発現される核酸配列に作動可能に連結された1つ以上の調節配列を含む。
【0186】
本明細書で使用される場合、「過剰発現すること」、「過剰発現する」、「過剰発現された」、又は「過剰発現」という用語は、宿主細胞における核酸又はタンパク質の産生を指す場合、核酸又はタンパク質が、その天然に存在する環境で産生される量よりも多い量で産生されることを意味する。この用語は、内因性、並びに外因性又は異種の核酸及びタンパク質の過剰発現を包含することが意図される。したがって、これらの用語などは、細胞内の核酸又はタンパク質の発現を、細胞が天然に含有するレベルよりも高いレベルまで増加させることを包含することを意図している。特定の実施形態では、細胞内の核酸若しくはタンパク質の発現レベル又は量は、細胞が天然に含有するレベル又は量と比較して少なくとも5%、10%、20% 25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%,110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、又は1000%増加される。
【0187】
変異体又は罹患細胞の文脈において、「過剰発現すること」、「過剰発現する」、「過剰発現された」、及び「過剰発現」などの用語は、変異体細胞、罹患細胞、野生型細胞、又は非罹患細胞が含有するレベルよりも高いレベルまで核酸又はタンパク質の発現を増加させることを包含することを意図する。特定の実施形態では、変異体若しくは罹患細胞内の核酸若しくはタンパク質の発現レベル又は量は、変異体細胞、罹患細胞、野生型細胞、若しくは非罹患細胞が含有するレベル又は量と比較して少なくとも5%、10%、20% 25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%,110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、又は1000%増加される。
【0188】
本明細書で使用される場合、「予防する」又は「予防」という用語は、特定の疾患、障害又は状態の1つ以上の兆候又は症状の発症遅延、並びに/又は頻度及び/若しくは重症度の低減を指す。いくつかの実施形態では、疾患、障害又は状態に感受性のある集団において、疾患、障害又は状態の1つ以上の兆候又は症状の発症、頻度及び/又は強度の統計的に有意な減少が観察される場合、薬剤が特定の疾患、障害又は状態を「予防する」とみなされるように、予防が集団ベースで評価される。予防は、疾患、障害、又は状態の発症が所定の期間遅延している場合、完全であるとみなされ得る。
【0189】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、投与の目的となる所望の治療効果を生み出す量を指す。いくつかの実施形態では、この用語は、疾患、障害又は状態に罹患しているか、又はそれに感受性のある集団に治療的投与レジメンに従って投与される場合に、疾患、障害又は状態を治療するのに十分な量を指す。いくつかの実施形態では、治療有効量は、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状の発生率及び/若しくは重症度を低減する、並びに/又は発症を遅延させる量である。当業者は、「治療有効量」という用語が、実際には、特定の個体において治療の成功が達成されることを必要としないことを理解するであろう。むしろ、治療有効量は、そのような治療を必要とする患者に投与された場合、有意な数の対象において特定の所望の薬理学的応答を提供する量であり得る。
【0190】
本明細書で使用される場合、「幹細胞」という用語は、それ自体を置き換え、より特化した細胞に分化する両方の能力を有する細胞を指す。それらの自己再生能力は、概して、生物の生存期間、持続する。多能性幹細胞は、身体の様々な細胞型の全てを生じさせ得る。多分化能性幹細胞は、細胞型の限定されたサブセットを生じさせ得る。例えば、造血幹細胞は、血液中に見出される様々なタイプの細胞を生じさせることができるが、他のタイプの細胞を生じさせることはできない。多分化能性幹細胞はまた、体性幹細胞、組織幹細胞、系統特異的幹細胞、及び成体幹細胞とも称され得る。多分化能性幹細胞の非幹細胞子孫は、前駆細胞(制限された前駆細胞とも称される)である。前駆細胞は、完全に分化した細胞を生じさせるが、幹細胞よりも細胞型のより制限されたセットを生じさせる。前駆細胞はまた、比較的限定された自己再生能力を有し、それらは分裂及び分化するにつれて、最終的に消耗し、それらの上流多分化能性幹細胞に由来する新しい前駆細胞に置き換えられる。
【0191】
本明細書で使用される場合、「治療用細胞」は、患者の状態、疾患、及び/又は傷害を改善する細胞集団を指す。治療用細胞は、自家(すなわち、患者に由来する)、同種異系(すなわち、患者とは異なる同じ種の個体に由来する)、又は異種異系(すなわち、患者とは異なる種に由来する)であり得る。治療用細胞は、均質(すなわち、単一細胞型からなる)であっても、不均一(すなわち、複数の細胞型からなる)であってもよい。「治療用細胞」という用語は、治療用活性細胞及び治療用活性細胞に分化することができる前駆細胞の両方を含む。
【実施例
【0192】
以下の実施例は、本開示の実施形態の実施を例示することを意図したものであるが、決してその範囲を限定することを意図したものではない。
【0193】
実施例概論
ここで提示される実施例は、HDが恒常的なミエリンの維持及び成体の髄鞘再生の失敗に関連しているかどうかを探求し、HD hGPCの髄鞘形成の障害をHD患者の白質の退縮と関連付けるのに役立つであろう。HDのR6/2マウスモデルを使用して、成体R6/2と野生型脳梁白質の超構造を比較し、続いて、クプリゾン誘発性脱髄に対するそれらの応答の比較を行った。未処理のR6/2マウスでは、加齢性及び進行性の髄鞘形成不全が観察されたが、クプリゾン処理R6/2マウスは、クプリゾン処理によって更に脱髄した(図18、上部パネル)。次いで、R6/2及びzQ175マウス(後者は、遅発性HDの長寿命モデル)に由来する、脳梁白質及び単離GPCの両方のRNA配列決定により、両モデルにおいて、対照と比較して、乏突起膠細胞分化及び髄鞘形成に関連する遺伝子の系統的な下方調節が明らかになった。遺伝子共発現及びネットワーク分析は、この発現パターンの主な推進力として、抑制されたTcf7l2シグナル伝達を予測した。R6/2及びzQ175マウスの両方に由来する脳梁及び線条体白質のタンパク質学的分析は、次いで、TCF7L2調節されたミエリンタンパク質が野生型対照と比較して下方調節され、両HDモデルにおいてミエリンタンパク質発現の相対的抑制が年齢とともに増加したことを確認した(図18、中央パネル)。TCF7L2は、R6/2線条体においてレンチウイルスにより過剰発現し、これは、希突起神経膠細胞遺伝子発現を救済するのに十分であり、更に、星状細胞及び乏突起膠細胞分化の両方に必要な多くの代謝調節性及び髄鞘形成性遺伝子の上方制御を伴うことを見出した。R6/2及びzQ175マウスの両方に由来する脳梁及び線条体白質のタンパク質学的分析は、次いで、TCF7L2調節されたミエリンタンパク質が野生型対照と比較して下方調節され、両HDモデルにおいてミエリンタンパク質発現の相対的抑制が年齢とともに増加したことを確認した。それに基づいて、クプリゾン処理R6/2マウスの髄鞘再生を調節するレンチウイルスTcf7l2発現の能力を評価した。これらの研究は、TCF7L2過剰発現が、髄鞘再生の正常な時間経過及び有効性を回復するのに十分であることを証明した(図18、下部パネル)。まとめると、これらのデータは、Tcf7l2依存性遺伝子の発現障害が、HDのグリア分化障害及び白質障害の根本的な原因であり得、Tcf7l2の誘導過剰発現が、HDにおける白質障害の緩和のための実行可能な戦略であり得ることを示唆している。
【0194】
実施例の材料及び方法
動物。全ての実験は、University of RochesterのInstitutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。R6/2(120 CAG)ドナーマウスからの卵巣移植を受けた野生型雌は、Jackson Laboratories(Bar Harbor,ME)から購入した。zQ175(190Q)ブリーダーは、CHDI foundationを介してCharles Riverから入手した。これらのマウスを繁殖してPDGFRa-EGFPマウスとし、離乳後に遺伝子型決定し、二重ヘテロ接合マウスを更に分析して、前述のように、反復領域にまたがる生成物をコードするプライマーを用いて、PCRにより、それらのCAG反復数を決定した(Benraiss et al.,“Sustained Mobilization Of Endogenous Neural Progenitors Delays Disease Progression In A Transgenic Model Of Huntington’s Disease,”Cell Reports 36:109308,(2013)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。示されるように、全ての実験は、4~8匹のマウス/群を含んだ。髄鞘再生研究のために、マウスに、飼料(Bio-serv)中の0.2%(w/w)のクプリゾンを6週間、自由に与えた。全ての試料は、同数の雄及び雌を含んだ。
【0195】
透過型電子顕微鏡法及び画像処理。マウスに、0.2Mスクロースを含有する0.1Mカコジレートナトリウム緩衝液(pH7.4)中の2.0%パラホルムアルデヒド/2.5%グルタルアルデヒドを灌流した。24時間の一次固定後、組織を冠状切片化し、同じ緩衝液ですすぎ、同量の1.5%フェロシアン化カリウムと混合した1.5%四酸化オスミウムを緩衝したカコジレート中で90分間後固定した。切片を蒸留水中で2回すすぎ、段階系列のエタノール中で100%まで脱水し、プロピレンオキシドに移し、EPON/アラルダイト樹脂を浸透させ、埋め込み、60℃で48時間重合させた。エポキシ包埋組織ブロックをガラススライド上でガラスナイフを用いて1ミクロンで切断し、ホットプレート上でトルイジンブルーにより染色して、断面的に髄鞘形成した(cross-sectional myelinated)脳梁の所定の領域を特異的に同定した。ウルトラマイクロトーム内のダイヤモンドナイフを使用して、標的領域の薄い部分(70nm)を切断し、炭素コーティングされたニッケルグリッド上に収集した。グリッドを酢酸ウラニル水溶液及びクエン酸鉛で染色し、付属のGatan 11メガピクセルErlangshenデジタルカメラ及びデジタルマイクログラフソフトウェアを備えたHitachi 7650 TEMを使用して検査した。g比(軸索直径/繊維直径比)について、各試料について無作為に取得した20個の画像は、Image Jソフトウェアを使用して処理した。Image JプラグインであるG比計算機(Cellular Imaging Facility,Univ.of Lausanne)を使用して、画像をバイナリ画像に変換し、任意の所与の顕微鏡写真の全ての軸索をG比について測定した。要素の不規則な形状のために、およその直径は、各軸索について測定された2つの直径の平均として計算された(Madsen et al.,“Mitochondrial DNA Double-Strand Breaks in Oligodendrocytes Cause Demyelination,Axonal Injury,and CNS Inflammation,”J Neurosci 37:10185-10199(2017)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0196】
線条体組織の解剖。マウスを二酸化炭素で安楽死させ、滅菌されたHank’s Balanced Salt Solution(HBSS)を経心臓的に灌流し、脳を取り出した。脳を氷冷滅菌されたHBSSに約5分間浸漬して、微小解剖を容易にした。解剖顕微鏡下で、心室下領域を取り外して廃棄し、各マウスからの線条体を解剖し、氷上の滅菌HBSSに置いた。同腹仔の全てのマウス由来の線条体を、遺伝子型に従って一緒にプールした。線条体組織を、滅菌したHBSSを含有するペトリ皿に移し、滅菌した使い捨てメスを使用して小片に切断し、滅菌チューブに移し、次いで、パパイン/DNase解離溶液中で37℃で50分間インキュベートした。次に、5%の血清を含有する0.5%のBSA(MEM-BSA)を加えた最小必須培地を添加して、パパインを不活性化させた。単一の細胞懸濁液を達成するために、組織を繰り返しピペッティングによって粉砕した。次いで、細胞をペレット化し、MEM-BSAに再懸濁させ、最初に90%Percoll勾配上に重ね、続いて第2の30%Percoll勾配上に重ね、溶液を遠心分離した。髄鞘及びデブリをチューブから除去し、細胞ペレットを、20U/mlのDNaseを含有するMEMに再懸濁した。
【0197】
フローサイトメトリーと細胞選別。PDGFRa-EGFPグリア前駆細胞のフローサイトメトリーを、野生型、R6/2又はQ175マウス由来の新たに解離した線条体細胞で行った。FACS選別のために、マウス線条体を一緒にプールした(R6/2及び12週間のzQ175及びWT対照についてはn=3~4/群、1歳のzQ175及びWTについては4~8/群)。全ての試料を、20U/mlのDNaseを含有するMEM中で1~1.5×10細胞/mlの濃度に再懸濁し、次いで、フローサイトメトリーの前に、35μmのチューブトップセルストレーナーを通過させた。DAPIを1μg/mlで加えた。フローサイトメトリー分析及びFACSを、BD FACSAria IIIU(Becton Dickinson,San Jose,CA)で実行した。細胞を、530±30nmのバンドパスフィルタを通るEGFP蛍光、及び450±50nmのバンドパスを通るDAPI蛍光について、前方及び側方散乱によって分析した。非蛍光細胞を使用して背景蛍光を設定し、0.5%の偽陽性率が許容された。FACSによって単離されたEGFP及びEGFP線条体細胞をペレット化し、ドライアイス上で凍結し、RNA抽出時まで-80℃で貯蔵した。
【0198】
RNA調製、増幅、及び標識。Qiagen RNeasy Plus Miniキットを使用して、ペレット/凍結細胞からRNAを抽出した。RNA濃度を、Nanodropを使用して決定した。次いで、RNAの一部分をバイオアナリシスに使用して、RNAの完全性を確認した。EGFP細胞から単離されたRNAを使用して、TruSeq RNA v2キットを使用して配列決定ライブラリを生成し、Illumina HiSeq2500プラットフォーム上で、試料当たりおよそ4500万の2×125bpリードについて配列決定した。
【0199】
FACS単離GPCのRNA-Seq分析。リードを逆多重化し、Trimmomaticを使用して洗浄した(Bolger et al.,“Trimmomatic:A Flexible Trimmer For Illumina Sequence Data,”Bioinformatics 30:2114-2120(2014)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。リードをマウスゲノムGRCm38.p6にアラインメントし、STAR 2.5.2bを介してEnsembl reference 92にマッピングした(Dobin et al.,“STAR:Ultrafast Universal RNA-Seq Aligner,”Bioinformatics 29:15-21(2013)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。quantModeは、TranscriptomeSAMに設定した。次いで、RSEM 1.3.0を用いて、遺伝子の存在量と予想カウントを計算した(Li and Dewey,“RSEM:Accurate Transcript Quantification From RNA-Seq Data With Or Without A Reference Genome,”BMC Bioinformatics 12:323(2011)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。予想カウントを、差次的発現分析のためにtximportを介してRにインポートした(Soneson et al.,“Differential Analyses For RNA-Seq:Transcript-Level Estimates Improve Gene-Level Inferences,”F1000Research 4:1521(2015)、R Core Team,“R:A Language And Environment For Statistical Computing,”R Foundation for Statistical Computing Vienna,Austria(2017)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。一般化線形モデルからのひずみ効果の回帰に続いて、DESeq2を使用して、対照とHDモデルGliaとの間の差次的発現を各時点で行った(Risso et al.,“GC-Content Normalization For RNA-Seq Data,”BMC Bioinformatics 12:480(2011)、Love et al.,“Moderated Estimation Of Fold Change And Dispersion For RNA-Seq Data With Deseq2,”Genome biology 15:550(2014)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。0.01未満の調整p値を有する遺伝子を有意とみなした。生物学的に有意である可能性が高かったため、機能分析のために中程度に発現された遺伝子のみを保持した(いずれのグループでも、100万当たりの平均転写産物(TPM)>1)。両群間の差次的に発現された遺伝子を、機能的濃縮のためのIngenuity Pathway Analysis(IPA)(QIAGEN)で分析した。
【0200】
HDの全ての時点及びモデルにわたる遺伝子相互作用の機能分析及び推論のために、遺伝子オントロジーネットワークを、重み付け遺伝子発現相関ネットワーク分析(WGCNA)に従って構築した(Langfelder and Horvath,“WGCNA:An R Package For Weighted Correlation Network Analysis.”BMC Bioinformatics 9:559(2008)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。WGCNAから5つのモジュールが発見された。次いで、これらのモジュールを有意に差次的に発現された遺伝子でフィルタリングし、IPAに供給した。3つのモジュールを、黒色モジュールが最も顕著であるグリア成熟及び髄鞘形成に関連するタームについて濃縮した。有意なタームは、生物学的関連性によってフィルタリングされ、ターム及び遺伝子ノードが無向性エッジを介して接続される機能的IPAタームネットワークを構築するために使用された。ネットワークの可視化をCytoscapeで実施し(Shannon,“Cytoscape:A Software Environment for Integrated Models of Biomolecular Interaction Networks,”Genome Res 13:2498-2504(2003)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、Gephiにおいて生じる近傍の決定を行った(Bastian et al.,“Gephi:An Open Source Software for Exploring and Manipulating Networks,”Proc.Third Int’l ICWSM Conference 3(1):361-362(2009)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。ノードは、それぞれの近傍内にクラスター化され、審美的にわずかに再配置された。遺伝子発現データは、受入番号GSE181370のGEOを介して入手可能である。
【0201】
ウエスタン免疫ブロッティング12週齢R6/2マウス及びそれらの野生型同腹仔対照(各n=3)にHBSSを灌流し、それらの脳梁を均質化し、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halt(商標)プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤Cocktail Thermo Scientific)の存在下で、タンパク質を放射免疫沈降アッセイ緩衝液(RIPA buffer、Sigma)中で抽出した。10μgのタンパク質を電気泳動ゲル(4~12% SDS-PAGEゲル、NuPAGE(商標)4~12% Bis-Trisゲル、Invitrogen)上にロードし、Immobilon膜(Immobilon-FL Transfer Membrane PVDF、Millipore)上に移した。移した後、ブロットをPonceau(ブロック緩衝液(TBS中SuperBlock(商標)ブロック緩衝液、Thermo Scientific)中でインキュベートしたSigma)で染色し、次にTCF7L2抗体(Cell Signaling Technologies、Clone C48H11)又はβ-アクチン抗体(Cell Signaling Technologies)で染色した。次に、膜をHRPコンジュゲートされたヤギ抗ウサギ二次抗体(Cell Signaling Technologies)、続いてSuperSignal(商標)West Pico+Chemiluminescent Substrateで処理し、ChemiDoc Imaging System(BioRad)で画像化した。Image Jを使用してバンド強度を定量し、データをハウスキーピングタンパク質β-アクチンの発現に対して正規化した。
【0202】
定量質量分析(MS)Callosal組織を上記のように収集し(n=4)、試料を以前に記載されたように処理した(Hutti et al.,“Global Analysis of Protein Degradation in Prion Infected Cells,”Sci Rep 10:10800,2020(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。簡潔に述べると、脳梁又はA2B5 FACS免疫分類された線条体神経膠前駆細胞全体をペレット化し、50μLの5% SDS、100mM、超音波処理した後、短時間遠心分離して破片を除去した。次いで、試料(各試料からの15μg)を還元し、アルキル化し、S-Traps(Protifi)を使用してトリプシンで一晩消化した。次いで、試料を凍結し、Speed Vac(Labconco)中で乾燥させ、次いで、分析前に、0.1%トリフルオロ酢酸中で再懸濁した。次いで、ペプチド試料を、1.8μmのビーズ(Sepax)を含む自家製30cmのC18カラムに入れ、次いで、質量分析器(Fusion Lumos Tribrid、Thermo Fisher)に接続された、高性能液体クロマトグラフィーEasy nLC-1200 HPLC、Thermo Fisher)にロードした。生データ分析は、SwissProt mus musculusデータベースを使用して、Proteome Discovererソフトウェアプラットフォーム、バージョン2.4(Thermo Fisher)内のSEQUEST検索エンジンによって実行した。検索パラメータには、トリプシンによる最大2つの欠落切断、MS1質量に対する10ppmの許容値、及びMS2質量に対する0.6Daの許容値が含まれたが、メチオニンの酸化を可変修飾として設定し、カルバミドメチルを固定修飾として設定した。最後に、試料間の相対タンパク質存在量を、偽発見率のためにMinoraノード及びPercolatorを使用して実行し、0.01を超えるq値を有するペプチドを除外した。生データは、プロテオミクス同定データベース(https://www.ebi.ac.uk/pride/)で入手可能である。
【0203】
線条体GPCのFACS単離 線条体を、Percoll勾配を介してデブリを除去するまで、上記のように処理した。次いで、細胞を5分間ブロックし、APCコンジュゲートA2B5で20分間染色した。以前に報告されたように(Gard and Pfeiffer,“Two Proliferative Stages of the Oligodendrocyte Lineage(A2B5+O4- and O4+GalC-) Under Different Mitogenic Control,”Neuron 5:615-625(1990)、Roy et al.,“Identification,Isolation,and Promoter-defined Separation of Mitotic Oligodendrocyte Progenitor Cells from the Adult Human Subcortical White Matter,”J Neurosci 19:9986-9995(1999)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、これらのモデルではPDGFRa発現が年齢とともに減少することが判明したが、A2B5発現は維持され、白質ではGPCによって選択的に発現されたままであるため、A2B5を使用して線条体GPCを抽出した。細胞を洗浄し、次いで、A2B5陽性についてFACS単離してから、ペレット化、乾燥、及びフラッシュ凍結した。次いで、これらのペレットを定量質量分析のために提出した。
【0204】
ヒトTCF7L2アイソフォーム分布の評価。公開されたHD hGPCデータセットからのRaw Fastqファイル(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))をGSE105041から得て、全ての試料にわたる2パスモードでSTAR2.5.4bを介してアンサンブル95遺伝子注釈を使用してGRCh38にアラインメントし、RSEM 1.3.1で定量した。アイソフォーム存在量を、Tximport(1.8.0)を介してRにインポートした。
【0205】
ウイルス構築及び注射。テトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下で、ヒトTCF7L2(NM_030756.5)をpTANK-TRE-CAG-rtTA3G-WPREにクローニングした(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。水疱性口内炎ウイルスG糖タンパク質で擬似型化されたウイルス粒子を作製し、293HEK細胞(3.8 10cfu/ml)上で滴定限界希釈した。10週齢のR6/2マウスの線条体に、bregmaからの以下の座標で1マイクロリットルのウイルス懸濁液を注射した:座標:前部/後部+1.1mm、内側/外側±1.5mm、硬膜から背側/腹側-2.3mm。注射の直後に、マウスのコホートに、TCF7L2の発現を可能にするために、ドキシサイクリン(それらの水中に導入された)を投与したが、他のマウスには、ドキシサイクリンを投与せず、したがって、マッチドコントロールとして機能した。12週齢で、全てのマウスを屠殺し、それらの線条体を解剖し、RNA抽出のために処理した。
【0206】
組織学。ペントバルビタールナトリウムを使用して動物を殺し、生理食塩水を経心臓的に灌流し、次に4%のパラホルムアルデヒドを投与し、それらの脳を、以前に記載されたように免疫細胞化学のために処理した(Benraiss et al.,“Cell-Intrinsic Glial Pathology Is Conserved Across Human and Murine Models Of Huntington’s Disease,”Cell Reports 36:109308(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。骨髄にまたがる矢状切片(20μm)を、抗Olig2(ヤギ抗olig2、R&D Systems)、抗Ng2(ウサギ抗NG2、Millipore)、又は抗GFAP(マウスモノクローナル抗ヒトGFAP、Covance Research)と組み合わせて、抗EGFP(トリ抗EGFP、Rockland)で免疫染色するために処理した。
【0207】
QPCR。RNeasy Miniキット(Qiagen,Germany)を介して、製造業者の指示に従って、TRIZOLを使用してRNAを単離し、ナノドロップ分光光度計で定量した。TaqMan Reverse Transcription Reagent(Applied Biosystems,USA)を使用して、第一鎖cDNAを合成した。リアルタイムPCR試料を、FastStart Universal SybrGreen Mastermix(Roche Diagnostics,Germany)中の5ngのRNAを用いて三重に調製し、CFX Connect Real-Time System Thermocycler(Bio-Rad,USA)上で増幅した。プライマー配列を表1に列挙する。各PCRに続いて融解曲線解析を行い、反応特異性を確認した。結果は、試料内で18S遺伝子発現に対して正規化した。倍率変化は、ΔΔCt法を使用して計算した(Pfaffl,“A New Mathematical Model for Relative Quantification in Real-time RT-PCR,”Nucleic Acids Research 29:e45(2001)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
【表4】
【0208】
統計分析。GraphPad Prism V8(GraphPad Software Inc.,La Jolla,CA,USA)を使用してデータを分析した。GraphPad Prism 8.0(GraphPad,San Diego,CA)を使用してデータを分析した不対t検定を使用して2つの群を比較し、一方、二元配置分散分析(続いて、テューキーの事後比較検定)を使用して4つ以上の群を比較した。直径の関数としての髄鞘形成軸索の数の周波数分布プロットを、ローレンツ分布曲線適合モデルを用いて、非線形回帰を用いて分析した。定量結果は、平均値±S.E.M.として示され、統計的有意性は、p<0.05で許容された。
【0209】
実施例1-超微細構造画像分析は、HDマウスモデルにおける進行性髄鞘形成不全を明らかにした
ヒトESC由来のmHTT発現GPCは、髄鞘形成不全シバラーマウスへの新生児移植後に乏突起膠細胞分化の遅延を示す(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。この分化の遅延は、二電位hGPCからの末端グリア分化における細胞自律性mHTT依存性ブロックによるものである。この知見は、成熟したミエリンの恒常的維持、並びに成体の脱髄後の病変の髄鞘再生が、これらのプロセスの各々が実質GPCプールからの妨げられない乏突起膠細胞分化を必要とするため、インビボで損なわれる可能性があることを示唆した。次に、若年性HDのR6/2マウスモデルにおいて、ミエリンの維持及び修復を評価して、それがインビボで破壊されたかを判定した。これらのマウスは、120CAG反復伸長を有する、変異体ヒトハンチンチン(mHTT)の第1エキソンを有する。マウスは、早くも8週間で症状を示し、その後急速に悪化し、16~17週間で早期死亡する。
【0210】
R6/2脳内での髄鞘形成を評価するため、最初に、R6/2マウス及びそれらの野生型対照の両方において、2つの別個の時点:発症前(6週)及び罹患(12週、全ての群についてn=4匹のマウス)での、脳梁ミエリンの超微細構造を調べた。脳梁の電子顕微鏡(EM)画像の分析は、ImageJプラグインG比計算機を使用して実行し、ミエリン鞘の内径と外径のG比を測定した(Goebbels et al.,“Elevated Phosphatidylinositol 3,4,5-Trisphosphate In Glia Triggers Cell-Autonomous Membrane Wrapping And Myelination,”J Neurosci 30:8953-8964(2010)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。各研究分野内の髄鞘形成繊維のパーセンテージもスコアリングし(図1)、遺伝子型の関数としての有鞘軸索のサイズ分布も同様にスコアリングした(図7A~7D)。6週目で、R6/2マウスにおける髄鞘形成軸索のg比は、野生型マウスのg比と有意に異ならなかった(F[1,1219]=線形回帰による2.18p=0.14、図1A及び1B)。対照的に、12週までに、髄鞘形成R6/2脳梁軸索の平均g比は、WT対照のものよりも有意に高くなり、これは、R6/2軸索が、WTマウスよりも軸索当たりのミエリンラップが少ない及び/又は薄いことを示唆している(F[1,799]=5.09p=0.024、図1A及び1C)。直径の関数としての髄鞘形成繊維の頻度のローレンツ非線形回帰分析(Motulsky&Brown,“Detecting Outliers When Fitting Data With Nonlinear Regression-A New Method Based on Robust Nonlinear Regression and The False Discovery Rate,”BMC Bioinformatics 7:123(2006)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)により、WTマウスと比較して、R6/2において、より小さい軸索へとシフトしたことが明らかになった。この差は、6週齢ですでに有意であり、12週までに更に広がった(6週:F[3,66]=35.8、p<0.0021、12週:F[3,38]=8.83、p=0.0001;図1D及び1E、図7A~7Dも参照されたい)。しかしながら、髄線維の割合は、いずれの時点でも、R6/2とWTマウスとの間で差はなかった(6週:p=0.58、12週:p=0.09、t検定による)(図1F及び1G)。これらのデータは、WTマウスと比較して、R6/2HDマウスが進行性の加齢に伴う脳梁ミエリンの損失を獲得することを示し、これは、それらの脳梁軸索の口径及びミエリン厚さの両方の持続的な(tonic)低下に反映されている。
【0211】
実施例2-HDモデルR6/2マウスにおいて、髄鞘再生が著しく遅延する
HDマウスの発達性髄鞘形成不全につながる細胞病理は、髄鞘再生の障害として現れる可能性がある。十分に確立された経口脱髄性毒素である銅キレート剤クプリゾンを、6週齢で開始して、最大6週間、R6/2及びWTマウスの両方に投与した(Stidworthy et al.,“Quantifying The Early Stages of Remyelination Following Cuprizone-Induced Demyelination,”Brain Pathol 13:329-339(2003)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。マウスを、4つの時点(n=4匹のマウス/遺伝子型/時点)のうちの1つで屠殺した:食餌開始4週目、10週齢のいずれか;12週目、クプリゾン食餌の終了直後;又はそれらの2週間若しくは4週間後、すなわち14週目若しくは16週目のいずれか(図2A)。全ての脳を透過型電子顕微鏡検査のために処理し、軸索直径、g比、及び髄鞘形成繊維頻度の定量的評価を用いて、前述のように画像化した。クプリゾン食餌開始4週目に、R6/2及びWTマウスの両方の脳梁は、g比は異なる(図2C、F(1,315)=6.35、p=0.012、線形回帰による)が、直径の関数としてのそれらの分布(図2G、F(3,34)=0.26、p=0.50、非線形回帰による)も、総髄鞘形成軸索のそれらのパーセンテージ(図2K、p=0.63、t検定による)も異ならない髄鞘形成軸索がより少なくなったことを示した。クプリゾン処理マウスの間で、髄鞘再生は、全ての研究された時点で、WT対照と比較して、R6/2マウスにおいて相対的に欠乏し、時間的に遅延した。実際、12週齢までに、髄鞘再生の有効性は、WTマウスと比較して、R6/2では有意に異なった(図2D~2N)。クプリゾン処理R6/2HDマウスの髄鞘再生された脳梁軸索は、12週目でのクプリゾン食餌の停止直後、並びにそれらの2週間及び4週間後、回復後(12週:F(1,812)=2.412、p=0.016;14週:F(1,1603)=77.80、p<0.0001;16週:F(1,1398)=10.69、p<0.001、線形回帰による;図2D~2F)のいずれにおいても、WT同腹仔よりも高いg比を有していた-ミエリンがより薄いことを示す-。直径の関数としての髄鞘形成繊維の頻度の非線形回帰分析により、クプリゾン処理後、より大きな直径の繊維が、HDマウスにおいて、WTマウスにおけるよりも髄鞘形成される可能性が低いことが明らかになった(12週:F(3,24)=3.79、非線形回帰による、p=0.017;14週:F(3,20)=45.86、p<0.0001;16週:F(3,24)=14.66、p<0.0001)(図2H~2J及び図7)。
【0212】
髄鞘再生された軸索のパーセンテージは、マウスが依然としてクプリゾンを与えられていたときの、より早い10及び12週目の時点で、WTとR6/2マウスとの間に差はなかった(10週:p=0.62;12週:p=0.29、t検定による)。対照的に、髄鞘再生された軸索のパーセンテージは、クプリゾン停止後2及び4週間で、R6/2マウスよりもWTにおいて有意に高くなり、これは、WTマウスが有意により迅速に回復及び髄鞘再生することを更に示している(14週:p<0.001;16週:p<0.01、t検定による;図2L~2N)。回復時間の関数としての髄鞘再生された軸索の数の回帰分析は、回復とともに、R6/2における髄鞘形成された線維のパーセンテージが、WT同腹仔と比較して一貫してかつ有意に低かったことを示した(F(2,116)=16.15、p<0.0001、線形回帰による;図8)。したがって、髄鞘再生は、WT対照と比較して、著しく遅延し、最終的には、クプリゾン脱髄鞘R6/2マウスにおいて欠損していた。
【0213】
実施例3-HDマウス白質のタンパク質学的分析は、減少したミエリンタンパク質発現を明らかにする
HD及びWT脳の相対的な髄鞘形成の生化学的評価によって超微細構造分析を補完するために、HDマウス脳の髄鞘形成不全をより決定的に確立し、特徴付けるために、結腸白質の質量分析を行った。2つの異なるHDマウスモデルを使用して、任意の疾患関連相関が髄鞘形成不全にモデル特異的でないことを確実にした。特に、R6/2に加えて、概ね190のCAG反復を有する完全長変異体HTTを発現するzQ175マウスを使用した。zQ175マウスは、R6/2マウスよりも軽度の症状を発症し、正常な寿命を有しており、ほとんどの運動及び行動症状は、1歳から始まる。したがって、これらのマウスは、HDの後発発症形態を反映している(Menalled et al.,“Comprehensive Behavioral and Molecular Characterization of a New Knock-in Mouse Model of Huntington’s Disease:zQ175,”PLoS one,7:e49838(2012)、Carty et al.,“Characterization of HTT Inclusion Size,Location,and Timing in the zQ175 Mouse Model of Huntington’s Disease:an in vivo High-Content Imaging Study,”PloS one 10:e0123527(2015)(両方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。
【0214】
これらの2つの異なるトランスジェニックを使用して、12週齢のR6/2及び12ヶ月齢のzQ175マウスの脳梁を、それらのWT同腹仔対照に加えて、それらの白質プロテオームにおけるHDマウスとWTマウスとの間の保存された差異を同定するためにサンプリングした(n=4匹のマウス/群)。これらの試料の主成分分析(PCA)は、WTからの罹患R6/2脳梁白質の鋭い分離、及びWT対照白質からのzQ175白質のより小さいながらも明白な分離を明らかにした(図15A)。これらのプロテオーム間の差次的発現分析は、R6/2脳梁白質中の2,443個の独自の調節不全ペプチド(1,076個の下方調節及び1,367個の上方調節;FDR<0.05)、並びにzQ175白質中の722個の独自の調節不全ペプチド(304個の下方調節、418個の上方調節)を明らかにした(図15B、15C、及び15D)。これらの差次的に発現したコホートのうち、416個のペプチドが、両HDモデルにおいて調節不全であることが見出された(図15B)。Mbp、Mag、Mog、Mobp、Plp1、Gpr37、Aspa、及びCnp(図15C及び15E)を含む、多数のミエリンタンパク質がR6/2脳梁白質中で差次的に下方制御されていた。ミエリンタンパク質の下方調節は、12ヶ月齢のzQ175脳梁白質においても明らかであったが、R6/2マウスで見られるような急激な程度ではなく、下方調節されたものの中には、Ugt8、Tf、Aspa、Lpar1、及びFa2hが含まれていた(図15D及び15E)。
【0215】
R6/2脳梁白質中の差次的に発現したタンパク質のIngenuity pathway analysisにより、神経変性及び神経変性運動障害の両方と一致する署名と一致して、HTT、PTEN、CREB1、及びAMPKシグナル伝達の予測される活性化が明らかになった(図15F)。同時に、TCF7L2、BDNF、S1P、ニューレグリン、及びセラミドシグナル伝達は全て、R6/2白質中では抑制されると予測された。R6/2マウスにおいても、脂質合成及び代謝、金属イオン輸送、及びRNA翻訳の機能的抑制が予測された。同様に、1歳のzQ175脳梁白質は、R6/2よりも軽度の機能調節不全を示したが、AMPKシグナル伝達及び神経変性運動障害も、zQ175で活性化されることが予測され、一方、TCF7L2及びニューレグリンシグナル伝達、脂質合成及び代謝、並びに金属鉄輸送は全て、抑制されることが予測された(図15F)。まとめると、これらのプロテオミクスデータは、HDが髄鞘形成不全と関連しており、HD遺伝子型間で大部分に共通する分子署名を有するという発見と生化学的相関を提供する。
【0216】
実施例4-異なるHDモデルに由来するGPCは、共通の転写欠陥を共有した
髄鞘維持及び修復的髄鞘形成の両方におけるR6/2及びzQ175HDマウスの見かけの欠損の転写根拠を定義した。以前、インビトロでHD由来多能性幹細胞に由来するヒトGPCが、希突起神経膠細胞の障害を示し、OLIG2、NKX2.2、SOX10、及びMYRF(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))を含むグリア転写因子の重要なセットの下方制御に反映されていると同定された。R6/2マウスの欠陥のある発達性髄鞘形成及び髄鞘再生失敗が転写的に変化しているかどうかを理解するために、高スループットRNA配列決定を使用して、マウス及びヒトCNSの両方における乏突起膠細胞の主な供給源を含むCD140a/PDGFRA定義のGPCの転写プロファイルを調べた(Sim et al.,“Complementary Patterns Of Gene Expression By Human Oligodendrocyte Progenitors And Their Environment Predict Determinants Of Progenitor Maintenance And Differentiation,”Ann Neurol 59:763-779(2011)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。加えて、示される任意の差異遺伝子発現がモデル特異的でないことを確実にするために、第2のマウスモデル、190のCAG反復を有する完全長変異体HTTを発現するzQ175マウスを使用した。R6/2マウスとは異なり、zQ175マウスは、1歳からより軽度の症状を発症し、正常な寿命を有し、したがって、後発型のHDを表す(Menalled et al.,“Comprehensive Behavioral And Molecular Characterization Of A New Knock-In Mouse Model Of Huntington’s Disease:zQ175,”PloS one 7:e49838(2012)、Carty et al.,“Characterization of HTT Inclusion Size,Location,and Timing in the zQ175 Mouse Model Of Huntington’s Disease:an in vivo High-Content Imaging Study,”PloS one 10:e0123527(2015)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
【0217】
zQ175マウスからGPCを確実に同定及び単離するために、各マウス系統を繁殖させてPDGFRA-EGFPレポーターマウスにして(Hamilton et al.,“Evolutionary Divergence of Platelet-Derived Growth Factor Alpha Receptor Signaling Mechanisms,”Mol Cell Biol 23:4013-4025(2003)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、各HDラインについての増殖性GPCレポーターを得た。発症前マウス(R6/2では6週齢、zQ175では12週齢)及び発症(symptomatic)マウス(R6/2では12週齢、zQ175では1年齢)の両方を分析した。GPCを、各時点でHDトランスジェニックマウス及びそれらの同腹仔対照の線条体からFACSを介して急性に単離し、3~8匹のマウスを、群の年齢に応じて、各試料についてプールした(図9)。その点で、1歳のマウス(zQ175並びにそれらのWT同腹仔対照の両方)は、若いマウスよりも有意に少ないEGFP細胞を有していた(年齢効果:p<0.0001、F(1,20)=53.9、二元配置分散分析による;図9)。EGFPカウントにおけるこの加齢に関連する低下は、両方の時点でのzQ175の線条体における総EGFP細胞の立体学的推定によって確認された(年齢効果:p<0.0001、F(1,23)=155.0;図10)。しかし、WT又はzQ175マウスのいずれにおいても、12週齢のマウスと1歳齢のマウスとの間でOlig2の立体カウントに違いはなかった(遺伝子型効果:p=0.91、F(1,22)=0.01;年齢効果:p=0.29、F(1,22)=1.16;図10)。したがって、EGFP細胞の低下は、GPCの喪失ではなく、むしろ加齢マウスにおけるPDGFRa発現の加齢関連下方調節に起因して現れた。実際、12週齢のR6/2マウスは、Olig細胞密度の増加、すなわち、罹患マウスにおける減少した線条体体積の設定で保存された数に起因する可能性が高いことを示し、これは、1歳のマウスにおけるPDGFRA駆動EGFP発現の低下が、疾患ではなく年齢の反映であったことを再び示唆している(図10)。
【0218】
バッチ補正後、これらのRNA-Seq試料の主成分分析は、後の時点でより顕著であった、対照及び疾患マウスの緊密なクラスタリングを明らかにした(図3A)。全ての群は、GPC表現型と一致する転写署名を示した(図11)。R6/2では、6週目で598個の遺伝子が差次的に発現され(FDR調整p<0.01)、一方、12週目で2988個の遺伝子が調節不全であった。対照的に、zQ175は、12週目に13個の遺伝子のみが調節不全であり、1年目に1066個の遺伝子のみが調節不全であったため、より軽度の転写調節不全を示した。多くの調節不全遺伝子は、R6/2及びzQ175の両方の間で、発症前段階及び罹患段階の両方で共有されていた(図3B)。正規化され、分散安定化された形質転写産物の数の散布図は、zQ175マウスよりもR6/2においてより大きな発現倍率変化を示した(図3C)。
【0219】
差次的発現遺伝子のうち、いくつかの髄鞘形成遺伝子は、R6/2及びzQ175の両方で下方調節された。これらは、Myrf、Bcas1、Plp1、Mbp、及びMobp(図3D)を含んだ。早期前駆体及び星状細胞において顕著な遺伝子の発現は、両方の疾患モデルにおいて濃縮されることが見出され、これらには、Vim、Bmp4、S100b、Id3、Clu、及びLingo1が含まれた。R6/2及びzQ175の差次的に発現された遺伝子セットのIPAによる機能分析は、髄鞘形成、脂質の合成、及び乏突起膠細胞の分化を含む、髄鞘形成に関与する用語の有意な濃縮を示した(図3E)を含んだ。髄鞘形成に関連する上流シグナル伝達は、SOX10依存性転写及びTCF7L2依存性転写を含む両モデルにおいても阻害され、その各々は、HD GPCにおいて有意に抑制された。
【0220】
次に、転写及びプロテオミクスデータの相関を、質量分析を介して12週齢の線条体R6/2及びWT同腹仔対照GPCをアッセイすることによって実行した。このモデル及び時点が選択されたのは、その示差的遺伝子発現が相対的な髄鞘形成の最大の程度を予測したためである。線条体GPCを、GPC(n=3)上で濃縮されたガングリオシドエピトープを標的とするA2B5上で選別することによって解剖、解離、及び単離した(Gard and Pfeiffer,“Two Proliferative Stages of the Oligodendrocyte Lineage(A2B5+O4- and O4+GalC-)under Different Mitogenic Control,”Neuron 5:615-625(1990)、Roy et al.,“Identification,Isolation,and Promoter-defined Separation of Mitotic Oligodendrocyte Progenitor Cells from the Adult Human Subcortical White Matter,”J Neurosci 19:9986-9995(1999)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。PDGFRaとは異なり、A2B5は、この研究で組織の酵素解離に使用されたパパインによって切断されず、したがって、GPCの急性解離及び単離に理想的であった。検出されたペプチドのPCAは、R6/2線条体GPCのタイトなクラスタリング、及びWT GPCからのそれらの分離を明らかにした(図16A)。差次的発現分析は、WT GPCと比較して、R6/2線条体GPCで調節不全になった212個のタンパク質を明らかにした(図16B)。差次的に発現したタンパク質及び遺伝子の交差の検査により、遺伝子及び転写産物の69.6%が一貫した方向性を示したことが明らかになった(図16C)。これらの中で、R6/2線条体GPCは、とりわけ、HD GPCにおける髄鞘形成プログラムの疾患関連抑制と一致して、ミエリン及び乏突起膠細胞濃縮タンパク質Mobp、Fasn、及びNdrg1のレベルが急激に低下したことを示した。
【0221】
実施例5-髄鞘形成におけるmHTT長依存性欠損を明らかにしたネットワーク分析
R6/2及びzQ175GPCによる差異遺伝子発現の共通のパターンが、それらの共通の細胞病理の潜在的な上流調節因子を同定する可能性があるかどうかを理解するために。データを、重み付け遺伝子発現相関ネットワーク分析を使用して全ての条件にわたって分析した(WGCNA;(Langfelder and Horvath,“WGCNA:an R Package for Weighted Correlation Network Analysis,”BMC Bioinformatics 9:559(2008)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。この分析により、黒色、ターコイズ色、青色、マゼンタ色、及び緑色と呼ばれる5つの別個のモジュールが得られた(図4A)。各モジュール内の差次的発現遺伝子のIngenuity Pathway Analysis(IPA)は、黒色モジュール内のミエリン関連タームの選択的優位性を示した(図4B)。そのため、出願人は、機能的なIPAネットワークの構築を通じて、黒色モジュールを更に調査することに進んだ。
【0222】
黒色モジュール内のモジュール性分析(Bastian et al.,“Gephi:An Open Source Software for Exploring and Manipulating Networks,”Proc.Third Int’l ICWSM Conference 3(1):361-362(2009)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)により、密接に関連する遺伝子及びIPAタームの5つの近傍が生成された。「近傍1」は、Cnp、Mog、Mbp、Bcas1、Mobp及びPlp1を含む、いくつかの髄鞘形成関連遺伝子及びタームを有した(図4C)。「近傍2」には、Cyp51a1、Hmgcs1、Idi1、及びDhcr7の差次的発現によって濃縮されたコレステロール生合成経路を含む、TCF7L2シグナル伝達及び関連する下流標的が含まれた。「近傍3」は、自己食性及びリソソーム経路に関するタームを分離したが、一方で「近傍4」は、形態及び細胞骨格改造を扱う用語を含有していた。最後に、「近傍5」用語は、糖脂質代謝及び末梢髄鞘形成及び脱髄を指す用語からなる。
【0223】
したがって、黒色モジュールは、乏突起膠細胞分化及びその後の髄鞘形成に関連する遺伝子及び付随する用語において重く重み付けされた。これらの中で、IPA分析から最も有意に調節不全が生じたシグナル伝達経路はTCF7L2(図3E)であり、その活性化がHDモデルにおいて強く抑制されると予測された(活性化Zスコア:6週:R6/2=-7.99、12週:R6/2=-11.15、1年:zQ175=-6.57)。この予測された抑制は、38個のTCF7L2シグナル伝達経路遺伝子の調節不全に起因した(図12)。これらには、髄鞘形成及び乏突起膠細胞分化、細胞周期の進行、並びに脂質及びリン脂質合成に関与する転写産物が含まれる(図12)。まとめると、これらのデータは、TCF7L2シグナル伝達とHD GPCの髄鞘形成シスの欠損との間の因果関係を示唆し、TCF7L2依存性転写がmHTT発現GPCにおいて欠損し得ることを更に示唆し、したがって、HDにおけるミエリン形成及び維持の速度制限決定基を含む。とはいえ、Tcf7l2遺伝子発現も、タンパク質レベル又はアイソフォーム自体も、モデルにおいて調節不全であるようには見えず(図17A及び17B)、これは、Tcf7l2の有効な転写トーンを決定する際の追加の、まだ同定されていないパートナー又は相互作用者の関与を示唆している。
【0224】
実施例6-R6/2マウスにおけるインビボでのTCF7L2過剰発現による主要な髄鞘形成遺伝子の救済
TCF7L2シグナル伝達におけるmHTT依存性低下が、HDの髄鞘形成欠損において原因となり得る可能性を、TFC7L2の過剰発現が、R6/2マウス由来GPCにおける髄鞘形成遺伝子発現を救済するのに十分であるかどうかを決定することによって評価した。TCF7L2は、発達中に異なる役割を果たす複数のスプライスバリアントを有するため(Helgason et al.,“Refining the Impact of TCF7L2 Gene Variants On Type 2 Diabetes And Adaptive Evolution,”Nature Genetics 39:218-225(2007)、Young et al.,“Developmentally Regulated Tcf7l2 Splice Variants Mediate Transcriptional Repressor Functions During Eye Formation,”Elife 8(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。TCF7L2アイソフォーム発現を、公開されているHD及び対照hESC由来GPC RNA-Seqデータセットで調査した(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。TCF7L2-210アイソフォームは、最も顕著に濃縮されたGPCアイソフォームであると同定された(図13)。治療上の関連性が高いため、ヒト転写産物を使用し、Blastnでの分析により、マウス転写産物との90.5%の相同性が明らかになった。次いで、コード配列をTet-Onレンチウイルスシステムに挿入して、インビボでの強制発現を駆動した(図14A)。次いで、得られたレンチウイルスTCF7L2を10週齢のR6/2マウス(3.8×10cfu/1μlとして)に線条体内注入した。次いで、マウスを、ドキシサイクリンで処理した群と、他の未処理の対照群との2つの群に等しく分割した(群当たりn=5匹のマウス)。レンチウイルスTCF7L2注射の2週間後、解剖された線条体組織に対してRT-QPCRを行い、予測されるTCF7L2依存性標的の発現における治療関連変化を評価した。特に、Myrf、Mag、Plp1、Mbp及びTrfなどの髄鞘形成遺伝子の発現を評価した。脂質生合成遺伝子Srebf1、Srebf2、及びHmgcrを監視し、TCF7L2が骨髄新生及び脂質代謝を調節する役割を有することを認識した。
【0225】
これらのTCF7L2標的の発現レベルは大幅に増加したが、TCF7L2(例えば、Ctnnb1(Hammond et al.,“The Wnt Effector Transcription Factor 7-like 2 Positively Regulates Oligodendrocyte Differentiation In A Manner Independent Of Wnt/Beta-Catenin Signaling,”J Neurosci 35:5007-5022(2015)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、Dkk1、Lrp6(Su et al.,“Effects Of The Extracellular Matrix On Myelin Development And Regeneration In The Central Nervous System,”Tissue Cell 69:101444(2021)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、Fzd8、Kaiso/Zbtb33(Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions Of Tcf7l2/Tcf4 With Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature communications 7:10883(2016)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、Stk11(Nguyen-Tu et al.,“Transcription Factor-7-Like 2(TCF7L2)Gene Acts Downstream Of The Lkb1/Stk11 Kinase to Control mTOR Signaling,Beta Cell Growth,and Insulin Secretion,”J Biol Chem 293:14178-14189(2018)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、及びTle1(Dugas et al.,“Functional Genomic Analysis of Oligodendrocyte Differentiation,”J Neurosci 26:10967-10983(2006)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))の標的ではない他のWNTシグナル伝達関連遺伝子の発現レベルは大幅に増加した(図5)。これらのデータは、TCF7L2の過剰発現が、そうでなければR6/2HDマウスにおいて下方制御される重要なミエリン生合成及び代謝遺伝子の発現を救済するのに十分であったことを示している。
【0226】
実施例7-TCF7L2は、インビボでR6/2マウスの髄鞘再生不全を救済する。
TCF7L2(LV-TCF7L2)のレンチウイルス過剰発現が、R6/2マウスの髄鞘再生不全を救済するのに十分であるかどうかを決定するために、野生型マウス(n=3)のコホートを、6週齢で開始するクプリゾン脱髄に供した。次いで、10週齢で、マウスに、クプリゾンによって最も迅速かつ完全に脱髄された領域である脳弓のすぐ上の脳梁にLV-TCF7L2(図14)を定位注射した(Schmidt et al.,“Regional Heterogeneity of Cuprizone- Induced Demyelination:Topographical Aspects of The Midline of the Corpus Callosum,”J Mol Neurosci 49:80-88(2013)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。ウイルス注射直後、マウスに、TCF7L2の発現を活性化させるために、ドキシサイクリンを経口投与した。その後、2週間後、12週齢でマウスを殺し、脳を凍結切除し、免疫標識した。これらのWT対照マウスにおいて、EGFPレポーターによって容易に同定されたLV-TCF7L2形質導入した脳梁細胞は、大部分がOLIG2及びNG2を発現する希突起神経膠細胞系統細胞から構成され、一部は星状膠細胞GFAPを発現することが判明した(図14)。これにより、LV-TCF7L2ベクターが正常な脳梁GPC及びその子孫において効率的に形質導入及び発現する能力が確立された。
【0227】
次に、TCF7L2の強制発現が次いでHDマウスにおける乏突起膠細胞分化を増強し、髄鞘再生を改善するかどうかを評価するために、R6/2マウス群及びそれらの野生型同腹仔対照に、6週齢で開始するクプリゾンを給餌した(R6/2、n=8;野生型、n=4)(図6A)。年齢適合群のR6/2対照には、通常の食餌を与えた(n=4)。注目すべきは、ドキシサイクリン自体が髄鞘形成に影響を与えないことが示されている(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。次いで、R6/2マウスには、10週目にLV-TCF7L2-EGFPの脳梁内注射を行った。12週齢で、全てのマウスを通常の食餌に戻し、全てを2週間後に殺した(図6A)。
【0228】
上記のように実行された、髄鞘再生された脳梁軸索の電子顕微鏡画像解析(図1及び図2)は、クプリゾンに曝露し、LV-TCF7L2で処理したR6/2マウスのミエリン鞘が、未処理のR6/2マウスのミエリン鞘よりも有意に低いg比を有することを示した。重要なことに、LV-TCF7L2で処理されたR6/2の髄鞘再生された軸索は実質的に正規化されており、g比は野生型マウスのものと同様であった(WT対R6/2、p<0.0001;WT対R6/2+LV-TCF7L2、p=0.34;R6/2対R6/2+LV-TCF7L2、p=0.0001;全て線形回帰によって)(図6B~6C)。直径の関数としての髄鞘再生繊維の分布の分析は、LV-TCF7L2で処理したR6/2マウスの髄鞘形成軸索がより大きな軸索直径を有し、分布は野生型マウスのものと同様であることを示した(処理効果:F[4,27]=6.05;二元配置分散分析によるp=0.001)(図6D)。更に、LV-TCF7L2はまた、野生型マウスの髄様軸索サイズの相対的な分布を回復させた(F[2.57]=22.07;p<0.0001、一元配置分散分析;図6E)。まとめると、このデータは、TCF7L2の強制的な発現が、R6/2マウスの髄鞘形成欠損を救済するのに十分であることを示す。
実施例の検討
【0229】
ハンチントン病(HD)は、欠陥のある希突起神経膠細胞分化及び白質疾患を特徴とする。ここでは、出願人は、HDにおける成体ミエリン維持におけるGPC機能障害の役割を調査した。野生型対照と比較して、R6/2及びzQ175HDマウスの両方において、進行性の加齢に伴うミエリンの損失が最初に認められた。次いで、成体として、R6/2マウスは、クプリゾン脱髄後の髄鞘再生の有意な遅延を示した。R6/2及びzQ175マウスの両方から単離された脳梁白質及びGPCのRNA配列決定及びタンパク質学的分析は、対照と比較して、乏突起膠細胞分化及び髄鞘形成に関連する遺伝子の系統的な下方調節を明らかにした。遺伝子共発現及びネットワーク分析は、この発現パターンの主な推進力として、抑制されたTCF7L2シグナル伝達を予測した。インビボでのTCF7L2の過剰発現は、脱髄したR6/2マウスにおいて、ミエリン遺伝子発現及び正常な髄鞘再生の両方を回復するのに十分であることが判明した。これらのデータは、TCF7L2依存性転写の障害と、HDにおけるミエリンの発達不良及び恒常的保持との因果関係を示し、その治療的修復のメカニズムを提供する。
【0230】
ハンチントン病(HD)は、その関連する線条体及び皮質ニューロンの顕著な喪失のために、主に神経系疾患とみなされてきた。しかしながら、グリア及び白質病理が初期段階に存在するだけでなく、HDの病因に寄与する役割を果たすことを示唆する研究が増えている(Poudel et al.,“Longitudinal Change in White Matter Microstructure In Huntington’s Disease:The IMAGE-HD Study,”Neurobiol Dis 74:406-412(2015)、McColgan et al.,“Brain Regions Showing White Matter Loss in Huntington’s Disease Are Enriched for Synaptic and Metabolic Genes,”Biol Psychiatry 83:456-465(2018)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。出願人は、以前に、HD由来のヒトグリア前駆細胞及びそれら由来の星状細胞が、mHtt依存性様式で遺伝子発現の異常なパターンを示すことを示した(Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。髄鞘形成不全シバラーマウス宿主に移植すると、これらの細胞は、髄鞘形成の遅延、及び最終的にはその欠損を示し、これはインビボでのMYRF-SOX10発現によって救済することができる。シバラーへの移植後のこれらのHD hGPCによる乏突起膠細胞分化欠損の保持は、それらの成熟欠損の細胞固有の性質を示唆した。この概念は、HDのマウスモデルにおいて、常駐GPCにおける変異体Httの標的枯渇によって確認され、これにより、それらの髄鞘形成能力が救済され、HDマウスの運動欠陥が部分的に回復した(Ferrari Bardile et al.,“Intrinsic Mutant HTT-Mediated Defects in Oligodendroglia Cause Myelination Deficits and Behavioral Abnormalities in Huntington Disease,”PNAS 116:9622-9627(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
【0231】
しかしながら、そのような髄鞘形成欠損が成体においてもインビボにおいても発生するかどうか、及びそれが髄鞘形成転写因子の下方調節に由来するかどうかは不明である。この目的のために、出願人は、R6/2 HDマウスにおける髄鞘形成を調査し、12週齢のR6/2マウスでは、健康なWT対照と比較して、機能的及び構造的軸索髄鞘形成の信頼できる予測因子であるg比が有意に高いことを示した(ミエリン鞘が薄い及び/又は欠損していることを示す(Hildebrand and Hahn,“Relation Between Myelin Sheath Thickness and Axon Size in Spinal Cord White Matter of Some Vertebrate Species,”J Neurol Sci 38:421-434(1978)、Chomiak and Hu,“What is the Optimal Value of the g-ratio for Myelinated Fibers in the Rat CNS? A Theoretical Approach,”PloS one 4:e7754(2009)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。これは、ミエリン鞘の厚さ及び完全性の維持が、疾患が進行するにつれて成体における変異体Httによって影響される連続的なプロセスであることを示唆する。
【0232】
また、成体マウスにクプリゾン含有食を与えて髄鞘再生を調査した(Blakemore,“Demyelination of the Superior Cerebellar Peduncle in the Mouse Induced by Cuprizone,”Journal of the Neurological Sciences 20:63-72(1973)、Stidworthy et al.,“Quantifying the Early Stages of Remyelination Following Cuprizone-Induced Demyelination,”Brain Pathol 13:329-339(2003)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。食餌用クプリゾンによる6週間の処理からマウスが回復すると、R6/2マウスは、WT対照と比較して、より高い平均g比及びより低い骨髄性繊維密度の両方によって定量されるように、有意かつ進行性の髄鞘再生の遅延を示した。興味深いことに、脱髄に応答する遅延した髄鞘再生の類似したプロセスが、HDの別の完全長変異体HTTモデルであるYAC128マウスでも観察された(Teo et al.,“Impaired Remyelination in a Mouse Model of Huntington Disease,”Mol Neurobiol 56:6873-6882(2019)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
【0233】
この観察のメカニズム的基礎をより良く定義するために、GPCの遺伝子発現を、それぞれ若年及び成体発症HDのモデルであるHDの2つのモデル、R6/2及びzQ175マウスでプロファイリングした。両モデルからのGPCを、発症前及び疾患マニフェストマウスの両方から単離し、それによって、これらの動物の髄鞘再生の進行性欠損に関与するこれらの経路の特定及び単離を改善した。実際、遺伝子発現分析は、HD GPCが、罹患マウスにおいて、遺伝子発現の著しい変化を示し-zQ175よりもR6/2において有意に多くの調節不全が見られることが示され、これはおそらく前者のより重篤な表現型に起因するものと考えられる。総合すると、3つの非常に異なるモデル(R6/2、zQ175及びYAC128)におけるこれらのデータは全て、生体内で維持される希突起神経膠細胞の成熟及び髄鞘形成における細胞固有の欠陥を示唆した。
【0234】
その後、経路分析により、TCF7L2シグナル伝達がモデル全体でHD及びGPCにおいて最も調節不全の経路であり、この経路が強く抑制されると予測されたことが明らかになった。Tcf7l2は、Wnt活性化におけるWnt/β-カテニンシグナル伝達の重要な下流エフェクターである、TCF/LEFファミリーのメンバーである(Arce et al.,“Diversity of LEF/TCF Action in Development and Disease,”Oncogene 25:7492-7504(2006)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。Tcf7l2は、髄鞘形成並びにコレステロール生合成遺伝子を調節し(Saher et al.,“High Cholesterol Level Is Essential For Myelin Membrane Growth,”Nat Neurosci 8:468-475(2005)、Fancy et al.,“Dysregulation of the Wnt Pathway Inhibits Timely Myelination and Remyelination in The Mammalian CNS,”Genes Dev 23:1571-1585(2009)、Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions of Tcf7l2/Tcf4 with Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature Communications 7:10883(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、これらの両方はHDで破壊され(Valenza et al.,“Cholesterol Defect is Marked Across Multiple Rodent Models of Huntington’s Disease and is Manifest in Astrocytes,”J Neurosci 30:10844-10850(2010)、Benraiss et al.,“Cell-intrinsic Glial Pathology is Conserved Across Human and Murine Models Of Huntington’s Disease,”Cell Reports 36:109308 (2021)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))、これは、mHTT発現グリア及び乏突起神経膠細胞前駆細胞におけるTCF7Ll2依存性転写の重要性を示唆している(Huang et al.,“Mutant Huntingtin Downregulates Myelin Regulatory Factor-Mediated Myelin Gene Expression and Affects Mature Oligodendrocytes,”Neuron 85:1212-1226(2015)、Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions of Tcf7l2/Tcf4 with Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature Communications 7:10883(2016)、Osipovitch et al.,“Human ESC-Derived Chimeric Mouse Models of Huntington’s Disease Reveal Cell-Intrinsic Defects in Glial Progenitor Cell Differentiation,”Cell Stem Cell 24:107-122 e107(2019)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。TCF7L2は、複数のメカニズムを介して乏突起膠細胞の分化及び髄鞘再生を制御し、それ自体の発現は、乏突起膠細胞の発達中に厳密に調節される(Fu et al.,“Tcf7l2 is Tightly Controlled During Myelin Formation,”Cell Mol Neurobiol 32:345-352(2012)、Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions of Tcf7l2/Tcf4 with Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature communications 7:10883(2016)、Weng et al.,“Transcription Factor 7 like 2 Promotes Oligodendrocyte Differentiation and Remyelination,”Mol Med Rep 16:1864-1870(2017)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。以前の研究は、TCF7L2が骨形態形成タンパク質シグナル伝達経路を抑制することを実証しており、これは、星状細胞分化を促進しながら乏突起膠細胞分化を阻害することが示されている(Mabie et al.,“Bone Morphogenetic Proteins Induce Astroglial Differentiation of Oligodendroglial-Astroglial Progenitor Cells,”J Neurosci 17:4112-4120(1997)、Sim et al.,“Bone Morphogenetic Proteins Induce Astroglial Differentiation of Oligodendroglial Progenitor Cells,”J Neurosci 17:4112-4120(2006)、Morell et al.,“Inducible Expression of Noggin Selectively Expands Neural Progenitors in the Adult SVZ,”Stem Cell Res 14:79-94(2015)、Zhang et al.,“The Wnt Effector TCF7l2 Promotes Oligodendroglial Differentiation by Repressing Autocrine BMP 4-Mediated Signaling,”J Neurosci 41:1650-1664(2021)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。TCF7L2はまた、乏突起膠細胞形成(oligodendrogenesis)のための重要な経路であるWntシグナル伝達のエフェクターとして機能する(Fancy et al.,“Dysregulation of the Wnt Pathway Inhibits Timely Myelination and Remyelination in The Mammalian CNS,”Genes&Development 23:1571-1585(2009b)(参照によりその全体が組み込まれる))。重要なことに、希突起神経膠細胞の分化の開始時に、TCF7L2は転写共抑制因子Kaiso/Zbtb33と相互作用してβ-カテニンシグナル伝達をブロックし、希突起神経膠細胞の運命を強化し、次にSox10との相互作用を介して更に乏突起膠細胞の成熟を促進する(Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions of Tcf7l2/Tcf4 with Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature Communications 7:10883(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。しかしながら、希突起神経膠細胞の分化に対するその細胞自律的効果を超えて、Tcf7l2シグナル伝達は、パラクリン機構を介して希突起神経膠細胞の運命の駆動にも関与し得る。上述のように、Tcf2の効果には、mHtt発現GPCの分化ブロックの緩和だけでなく、星状細胞コレステロール合成及び脂質生成の救済も含まれ得、これは次いで、乏突起膠細胞髄鞘形成をサポートし得る。
【0235】
興味深いことに、TCF7L2遺伝子発現自体は、R6/2又はzQ175マウスのいずれにおいても有意に下方調節されなかったため、mHttがその転写を抑制するように作用している可能性は低いと思われる。むしろ、本明細書のデータは、寡新生及び髄鞘形成の誘導に重要であるTCF7L2の下流のWnt調節経路内の他のチェックポイントが、HDにおいて病理学的にレート制限され得るが、TCF7L2の過剰発現によって補償され得ることを示唆する。したがって、Tcf7l2依存性転写の追加のモジュレーターは、HD白質中の下流Tcf7l2シグナル伝達の抑制に因果的に関与してもよく、その結果、Tcf7l2過剰発現は、その抑制を克服して髄鞘形成を救済するのに十分なままである。実際、いくつかのパートナーが、Tcf7l2依存性転写活性化について特定されている(Zhao et al.,“Dual Regulatory Switch Through Interactions of Tcf7l2/Tcf4 with Stage-Specific Partners Propels Oligodendroglial Maturation,”Nature Communications 7:10883(2016)を参照、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、その相対的な発現レベルは、そのレベル及び活性がまだHDで検査されていないTcf7l2依存性遺伝子発現を調節し得る。これらの作動性転写モジュレーターの同一性にかかわらず、データは、TCF7L2の過剰発現が、HD GPCにおける髄鞘形成及び脂質生合成遺伝子の両方の正しい発現に必要かつ十分であり、クプリゾン処理R6/2マウスの髄鞘再生不全を救済することができることを強く主張する。
【0236】
一緒に、これらのデータは、疾患の2つの異なるトランスジェニックマウスモデルで示されるように、HDが、WTマウスと比較して、前脳ミエリンの進行性加齢関連喪失、並びに成体脱髄後の髄鞘再生の障害に関連していることを示す。まとめると、これらの知見は、恒常的な白質維持の喪失を示唆している。これは、上流のTCF7L2シグナル伝達によって駆動されると予測される希突起神経膠細胞系統関連遺伝子発現の深刻な調節不全によって強調された。重要なことに、TCF7L2の強制的なグリア過剰発現は、重要な髄鞘形成及び脂質生合成遺伝子の機能的転写を回復させ、ミエリン構造及び存在量のインビボ回復に十分であることが判明した。このように、本研究は、グリア機能障害、ひいてはHDのシナプス及び白質病理の両方の治療的救済のための新規かつ効果的な戦略を提供し得る。
【0237】
上記開示された及び他の特徴及び機能、又はそれらの代替物の変形は、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される、その中の様々な現在予期しない又は予期しない代替物、修正、変形、又は改善が、その後当業者によってなされてもよい。
図1A
図1B-1G】
図2A-2B】
図2C-2N】
図3A-3C】
図3D
図3E
図4A-4B】
図4C
図5
図6A-6E】
図7A-7D】
図8
図9A
図9B
図9C-9D】
図10A-10C】
図10D-10G】
図11
図12
図13
図14A-14D】
図15A-15D】
図15E-15F】
図16A-16C】
図17A-17B】
図18
【配列表】
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【国際調査報告】