(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】外科手術中に組織及び異物を検出するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525648
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2022060482
(87)【国際公開番号】W WO2023073664
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リュー・ジジュン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイド・クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クリーマー・パトリック・エル
(72)【発明者】
【氏名】ハンター・モーガン・アール
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ネイサン・ピー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】フェルダー・ケビン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】マッケール・ジェームズ・エム
(72)【発明者】
【氏名】スウェイズ・ジェフリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】カルカット・サイモン・エル
(72)【発明者】
【氏名】バーバー・エリサ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】サドラー・マシュー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】リンターン・リチャード・ディー
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ステラ・リタ
(72)【発明者】
【氏名】バシュタノフ・ミハイル・イー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
本明細書では、外科用器具が開示される。外科用器具は、開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極と、制御回路と、制御回路に、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいてエンドエフェクタのジョー間に位置付けられた媒体を検出させ、受信した信号に基づいて検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、
制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【請求項2】
前記アラートは、前記エンドエフェクタ、前記検出された媒体、及び前記決定された位置のデジタル表現を含み、前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへの前記デジタル表現の送信を開始させるように更に構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記アラートが可聴アラートを含み、前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記手術する臨床医への可聴送信のために前記制御回路に通信可能に結合されたスピーカをもたらさせるように更に構成されている、請求項1又は2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記アルゴリズムが、前記制御回路に、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、
前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記アルゴリズムが、前記決定されたインピーダンス信号及び前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて前記媒体を前記第2の媒体から区別するように構成された線形サポートベクトルマシンを含む、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記アルゴリズムによって検出された媒体が組織試料を含み、前記検出された第2の媒体が異物を含む、請求項4又は5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記インピーダンス信号がインピーダンスの大きさを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記インピーダンス信号が位相を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記時間領域にわたる前記インピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記周波数領域にわたる前記インピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項12】
外科用システムであって、
外科用器具であって、
開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、を含む、外科用器具と、
前記外科用器具に通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、コンピュータシステムと、を含む、外科用システム。
【請求項13】
前記アルゴリズムは、前記制御回路に、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、
前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、請求項12に記載の外科用システム。
【請求項14】
前記アルゴリズムによって検出された媒体は組織試料を含み、前記検出された第2の媒体は異物を含む、請求項13に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、請求項12~14のいずれか一項に記載の外科用システム。
【請求項16】
外科用器具のエンドエフェクタのジョー間に位置付けられた媒体を特徴付ける方法であって、前記方法は、
前記外科用器具の制御回路を介して、前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極から信号を受信することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定することと、
前記制御回路を介して、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた前記媒体を検出することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定することと、
前記制御回路を介して、前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成することと、
前記制御回路を介して、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定することと、
前記制御回路を介して、前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定することと、を更に含み、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記制御回路を介して、線形サポートベクトルマシンに従って、前記決定されたインピーダンス信号及び前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記媒体を前記第2の媒体から区別することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アラートを生成することが、
前記制御回路を介して、前記エンドエフェクタ、前記検出された媒体、及び前記決定された位置のデジタル表現を生成することと、
前記制御回路を介して、前記デジタル表現の、手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへの送信を開始することと、を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記アラートが可聴アラートを含み、前記方法が、前記制御回路を介して、前記制御回路に通信可能に結合されたスピーカに前記可聴アラートを再生させることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、請求項12に記載の外科用システムの前記コンピュータシステムによって実行されるときに、前記コンピュータシステムを、
前記複数の電極から信号を受信し、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定し、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出し、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定し、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成するように作動させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
請求項21に記載のコンピュータプログラム製品を搬送する信号。
【請求項24】
外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成されている、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル導体を介して前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【請求項25】
前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定し、前記複数の電極は、前記チャネルに機械的に結合されている、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項26】
前記複数の信号が、外科手術に電力を供給するように構成された信号と、前記複数の電極のうちの第1の電極と前記複数の電極のうちの第2の電極との間で送信される信号とを含む、請求項24又は25に記載の外科用器具。
【請求項27】
前記外科用器具の外科手術中に使用するように構成された第1の消耗カートリッジを更に備える、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項28】
前記第1のジョーは、前記第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、前記複数の電極は、前記第1の消耗カートリッジに機械的に結合され、前記第1のジョーは、前記制御回路を前記複数の電極に通信可能に結合するように構成された第1の電気接点を備える、請求項27に記載の外科用器具。
【請求項29】
前記第1の電気接点は、複数の電気接点のうちの1つであり、前記複数のうちの各電気接点は、前記複数の電極のうちの1つの電極に対応する、請求項28に記載の外科用器具。
【請求項30】
前記第1のジョーに機械的に結合されるように構成された第2の消耗カートリッジを更に備え、前記複数の電極は、前記第2の消耗カートリッジに機械的に結合され、前記第1のジョーは、前記制御回路を前記複数の電極に通信可能に結合するように構成された電気接点を備える、請求項27に記載の外科用器具。
【請求項31】
前記第1のジョーは、前記第2の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、前記第2の消耗カートリッジは、前記第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成されている、請求項30に記載の外科用器具。
【請求項32】
前記第2の消耗カートリッジは、前記第1のジョーを機械的に収容するように構成されている、請求項30に記載の外科用器具。
【請求項33】
前記第1のジョーは、前記エンドエフェクタのアンビルである、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項34】
前記第1のジョーが前記エンドエフェクタのアンビルであり、前記複数の電極が前記エンドエフェクタの前記アンビルに統合されている、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項35】
前記複数の電極を前記制御回路に通信可能に結合するように構成された無線通信モジュールを更に備える、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項36】
外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成され、前記エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネルに機械的に結合された複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記長手方向軸の周りに配置されている、複数の電極と、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル導体を介して前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【請求項37】
外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成され、前記エンドエフェクタは、チャネルを画定する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第1の複数の電極を備える第1の消耗カートリッジであって、前記第1の消耗カートリッジは、外科手術を行うように構成された第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定する、第1の消耗カートリッジと、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【請求項38】
前記第1の消耗カートリッジが、前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネル内に挿入されるように構成されている、請求項37に記載の外科用器具。
【請求項39】
前記第1の消耗カートリッジは、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーの外面に機械的に結合されるように構成されている、請求項37又は38に記載の外科用器具。
【請求項40】
前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネル内に挿入されるように構成された第3の消耗カートリッジを更に備え、前記第3の消耗カートリッジは、前記第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定し、前記第3の消耗カートリッジは、前記エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第2の複数の電極を備え、前記第1の複数の電極は、前記第1の複数の電極とは異なる構成で配置され、前記第1の消耗カートリッジは、前記第3の消耗カートリッジと交換可能である、請求項37に記載の外科用器具。
【請求項41】
無線通信モジュールを更に備え、前記制御回路は、前記無線通信モジュールを介して前記複数の電極に通信可能に結合されている、請求項37に記載の外科用器具。
【請求項42】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、請求項24に記載の器具の前記制御回路によって実行されるときに、前記制御回路を、
前記複数の電極から信号を受信し、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定し、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出し、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定し、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成するように作動させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項43】
請求項42に記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
請求項42に記載のコンピュータプログラム製品を搬送する信号。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,207号、発明の名称「DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR DETECTING TISSUE AND FOREIGN OBJECTS DURING A SURGICAL OPERATION」、及び2022年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/330,502号、発明の名称「DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR DETECTING TISSUE AND FOREIGN OBJECTS DURING A SURGICAL OPERATION」に対する優先権の利益を主張し、これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、外科用器具に関し、かつ様々な配置において、組織をステープル留めして切断するよう設計されている、外科用ステープル留め器具及び外科用切断器具、並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、外科用器具が提供される。外科用器具は、開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極と、制御回路と、制御回路に、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、受信した信号に基づいて、検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含むことができる。
【0004】
一態様では、外科用システムが開示される。外科用システムは、外科用器具であって、開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に配置された複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極は、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、を含む、外科用器具と、外科用器具に通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、コンピュータシステムは、制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信された信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、コンピュータシステムと、を含み得る。
【0005】
一態様では、外科用器具のエンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を特徴付ける方法が開示される。本方法は、外科用器具の制御回路を介して、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極から信号を受信することと、制御回路を介して、複数の電極から受信された信号に基づいてインピーダンス信号を決定することと、制御回路を介して、決定されたインピーダンス信号に基づいてエンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出することと、制御回路を介して、複数の電極から受信された信号に基づいて、エンドエフェクタによって画定された長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定することと、制御回路を介して、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成することと、制御回路を介して、決定されたインピーダンス信号に基づいて検出された媒体を特徴付けることと、を含むことができる。
【0006】
前述のものに加えて、様々な他の方法、及び/又はシステム、及び/又はプログラム製品の態様が、本開示の文中(例えば、「請求項」及び/又は詳細な説明)及び/又は図面などの教示において記載されかつ説明される。
【0007】
先の記述は概要であり、したがって、詳細の単純化、一般化、包摂、及び/又は省略を含み得る。それゆえに、当業者であれば、本「発明の概要」が単に例示的なものに過ぎず、いかなる形であれ限定する意図はないことを、理解するであろう。本明細書に記載される装置及び/若しくはプロセス、並びに/又は他の主題の、他の態様、特徴、及び利点は、本明細書に記載される教示において明らかになるであろう。
【0008】
1つ以上の様々な態様では、関連するシステムは、限定されるものではないが、本明細書で参照する方法の態様に作用するための回路及び/又はプログラミングを含む。その回路及び/又はプログラミングは、本質的に、システム設計者の設計選択に応じて、本明細書で参照する方法の態様に影響するように構成されたハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせであり得る。前述のものに加えて、様々な他の方法及び/又はシステムの態様が、本開示の文中(例えば、請求項及び/又は詳細な説明)及び/又は図面などの教示に記載及び説明される。
【0009】
更に、以下で記述する形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下で記述する他の形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0010】
上記の「発明の概要」はあくまで例示的なものに過ぎず、いかなる意味においても限定を目的としたものではない。上記に述べた例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
記載される形態の新規の特徴を、添付の特許請求項で具体的に説明する。しかしながら、記載される形態は、構成及び操作の方法のいずれに関しても、以下の説明文を添付の図面と共に参照することにより最良に理解され得る。
【
図1】少なくとも1つの実施形態による外科用器具の斜視図を示す。
【
図2】ロボット外科用システムのコントローラの斜視図を示す。
【
図3】各々がその上に外科用器具を操作可能に支持する複数のロボット外科用アームを備える、
図2のロボット外科用システムの斜視図を示す。
【
図4】
図3に示すロボット外科用アームの側面図を示す。
【
図5】少なくとも1つの実施形態による、カートリッジジョーに位置付けられたステープルカートリッジの斜視図を示す。
【
図5A】
図5のステープルカートリッジの部分断面図を示す。
【
図5B】カートリッジジョーから取り外された
図5のステープルカートリッジの斜視図を示す。
【
図5C】
図5のステープルカートリッジの分解図を示す。
【
図5D】
図5のステープルカートリッジのスレッドの斜視図を示す。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイのセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図を示す。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの上面概略図を示す。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジと器具ハウジング内に位置する制御回路との間で電力及びデータを転送するために、コイルのセットを通じて制御回路に結合される複数のセンサを備えるカートリッジを示す図を示す。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するように構成又はプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
【
図10】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、外科手術中に組織及び異物を検出するためのシステムを示す。
【
図11】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステムのコンピューティング装置によって表示されるユーザインターフェースを示す。
【
図12】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステムによって経時的に測定されるパラメータを描写する、チャートを示す。
【
図13】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステムの外科用器具のエンドエフェクタのジョー内の媒体を検出及び位置特定する方法の論理フロー図を示す。
【
図14】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13の方法の一部として異常を検出する方法の論理フロー図を示す。
【
図15】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13及び
図14の方法の一部として、エンドエフェクタのジョー内の異物の存在を検出する方法の論理フロー図を示す。
【
図16】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~15の方法の実験結果を示すチャートを示す。
【
図17A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を描写する別のチャートを示す。
【
図17B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を描写する別のチャートを示す。
【
図17C】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を描写する別のチャートを示す。
【
図18】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステムのコンピューティング装置によって表示される別のユーザインターフェースを示す。
【
図19】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を示す別のチャートを示す。
【
図20】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を示す別のチャートを示す。
【
図21】少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョー内で検出された異物を検出された組織から区別するために複数のパターンを集合的に実装する方法の論理フロー図を示す。
【
図22】少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョー内の媒体の位置を知的に分類するようにアルゴリズムモデルを訓練する方法の論理フロー図を示す。
【
図23】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、アルゴリズムモデルが
図22の方法を介して訓練された後に、検出された媒体を分類する方法のブロック図を示す。
【
図24A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図23の方法を介して決定されるような、エンドエフェクタのジョー内で検出される種々の媒体間の区別を描写する、いくつかのチャートを示す。
【
図24B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図23の方法を介して決定されるような、エンドエフェクタのジョー内で検出される種々の媒体間の区別を描写する、いくつかのチャートを示す。
【
図25】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図23の方法を介して決定される、エンドエフェクタのジョー内で検出される種々の媒体間の区別を描写する、別のチャートを示す。
【
図26A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョー内の組織を特徴付けることを描写する、いくつかのチャートを示す。
【
図26B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョー内の組織を特徴付けることを描写する、いくつかのチャートを示す。
【
図27】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられている媒体を検出し、媒体を位置特定し、媒体を特徴付ける方法のフローチャートを示す。
【
図28】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられる媒体を検出し、位置付けし、及び特徴付けるように構成される、外科用システムを示す。
【
図29A】本開示の少なくとも1つの態様による、
図28のシステムと共に使用するために構成されたロボット外科用器具を示す。
【
図29B】本開示の少なくとも1つの態様による、
図28のシステムと共に使用するために構成されたロボット外科用器具を示す。
【
図29C】本開示の少なくとも1つの態様による、
図28のシステムと共に使用するために構成されたロボット外科用器具を示す。
【
図30】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図29A~
図29Cの外科用器具によって使用されるアルゴリズムエンジンのブロック図を示す。
【
図31】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図28のシステムと共に使用するために構成された手持ち式外科用器具を示す。
【
図32】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、例示的な電極アレイを示す。
【
図33A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具と共に使用するために構成される、別のエンドエフェクタを示す。
【
図33B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具と共に使用するために構成される、別のエンドエフェクタを示す。
【
図33C】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具と共に使用するために構成される、別のエンドエフェクタを示す。
【
図34A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び外科用器具と共に使用するために構成される、関節運動継手、シャフト、ノズル、及び制御回路を示す。
【
図34B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び外科用器具と共に使用するために構成される、関節運動継手、シャフト、ノズル、及び制御回路を示す。
【
図34C】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び外科用器具と共に使用するために構成される、関節運動継手、シャフト、ノズル、及び制御回路を示す。
【
図35】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による別のエンドエフェクタを示す。
【
図36A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図36B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図36C】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図36D】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図37A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、他のエンドエフェクタを示す。
【
図37B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、他のエンドエフェクタを示す。
【
図38】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図39A】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図39B】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図39C】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図39D】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のエンドエフェクタを示す。
【
図40】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示されるエンドエフェクタのうちのいずれかと共に使用するために構成される、フレキシブル回路を示す。
【
図41】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具及びエンドエフェクタを使用するように構成される、システムのシステム図を示す。
【
図42】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、外科用器具を示す。
【
図43】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、いくつかの非限定的な外科用システム構成を示す図を示す。
【
図44】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョーとエンドエフェクタのジョー内に位置付けられた媒体との間の特定の接触を識別する方法の論理フロー図を示す。
【
図45】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、第2の外科用器具によって行われる操作を通知するために本明細書に開示される感知技術を利用する方法の論理フロー図を示す。
【
図46】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図45の方法を実装する特定の手順の論理フロー図を示す。
【0012】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願の出願人は、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,207号、発明の名称「DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR DETECTING TISSUE AND FOREIGN OBJECTS DURING A SURGICAL OPERATION」を所有しており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
本出願の出願人は、2019年12月30日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、その各々の開示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国仮特許出願第62/955,294号、発明の名称「USER INTERFACE FOR SURGICAL INSTRUMENT WITH COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTOR」、米国仮特許出願第62/955,299号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENTS FOR COMBINATION ENERGY DELIVERY」、及び米国仮特許出願第62/955,306号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0015】
本出願の出願人は、2020年5月28日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、その各々は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願第16/887,499号、発明の名称「USER INTERFACE FOR SURGICAL INSTRUMENT WITH COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTR」、米国特許出願第16/887,493号、発明の名称「METHOD OF OPERATING A COMBINATION ULTRASONIC/BIPOLAR RF SURGICAL DEVICE WITH A COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTOR」、米国特許出願第16/887,506号、発明の名称「DEFLECTABLE SUPPORT OF RF ENERGY ELECTRODE WITH RESPECT TO OPPOSING ULTRASONIC BLADE」、米国特許出願第16/887,515号、発明の名称「NON-BIASED DEFLECTABLE ELECTRODE TO MINIMIZE CONTACT BETWEEN ULTRASONIC BLADE AND ELECTRODE」、米国特許出願第16/887,519号、発明の名称「DEFLECTABLE ELECTRODE WITH HIGHER DISTAL BIAS RELATIVE TO PROXIMAL BIAS」、米国特許出願第16/887,532号、発明の名称「DEFLECTABLE ELECTRODE WITH VARIABLE COMPRESSION BIAS ALONG THE LENGTH OF THE DEFLECTABLE ELECTRODE」、米国特許出願第16/887,554号、発明の名称「ASYMMETRIC SEGMENTED ULTRASONIC SUPPORT PAD FOR COOPERATIVE ENGAGEMENT WITH A MOVABLE RF ELECTRODE」、米国特許出願第16/887,561号、発明の名称「VARIATION IN ELECTRODE PARAMETERS AND DEFLECTABLE ELECTRODE TO MODIFY ENERGY DENSITY AND TISSUE INTERACTION」、米国特許出願第16/887,568号、発明の名称「TECHNIQUES FOR DETECTING ULTRASONIC BLADE TO ELECTRODE CONTACT AND REDUCING POWER TO ULTRASONIC BLADE」、米国特許出願第16/887,576号、発明の名称「CLAMP ARM JAW TO MINIMIZE TISSUE STICKING AND IMPROVE TISSUE CONTROL」、米国特許出願第16/887,579号、発明の名称「PARTIALLY CONDUCTIVE CLAMP ARM PAD TO ENABLE ELECTRODE WEAR THROUGH AND MINIMIZE SHORT CIRCUITING」、米国特許出願第10/289,787号、発明の名称「ULTRASONIC CLAMP COAGULATOR APPARATUS HAVING A IMPROVED CLAMPING END-EFFECTOR」、及び米国特許出願第11/243585号、発明の名称「ULTRASONIC CLAMP COAGULATOR APPARATUS HAVING A IMPROVED CLAMPING END-EFFECTOR」。
【0016】
本出願の出願人は、2020年5月28日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、その各々は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願第16/885,813号、発明の名称「METHOD FOR AN ELECTROSURGICAL PROCEDURE」、米国特許出願第16/885,820号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」、米国特許出願第16/885,823号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH JAW ALIGNMENT FEATURES」、米国特許出願第16/885,826号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTATABLE AND ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR」、米国特許出願第16/885,838号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ASYNCHRONOUS ENERGIZING ELECTRODES」、米国特許出願第16/885,851号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRODES BIASING SUPPORT」、米国特許出願第16/885,860号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH FLEXIBLE WIRING ASSEMBLIES」、米国特許出願第16/885,866号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH VARIABLE CONTROL MECHANISMS」、米国特許出願第16/885,870号、発明の名称「ELECTROSURGICAL SYSTEMS WITH INTEGRATED AND EXTERNAL POWER SOURCES」、米国特許出願第16/885,873号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENTS WITH ELECTRODES HAVING ENERGY FOCUSING FEATURES」、米国特許出願第16/885,879号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENTS WITH ELECTRODES HAVING VARIABLE ENERGY DENSITIES」、米国特許出願第16/885,881号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH MONOPOLAR AND BIPOLAR ENERGY CAPABILITIES」、米国特許出願第16/885,888号、発明の名称「ELECTROSURGICAL END EFFECTORS WITH THERMALLY INSULATIVE AND THERMALLY CONDUCTIVE PORTIONS」、米国特許出願第16/885,893号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRODES OPERABLE IN BIPOLAR AND MONOPOLAR MODES」、米国特許出願第16/885,900号、発明の名称「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT FOR DELIVERING BLENDED ENERGY MODALITIES TO TISSUE」、米国特許出願第16/885,917号、発明の名称「CONTROL PROGRAM ADAPTATION BASED ON DEVICE STATUS AND USER INPUT」、米国特許出願第16/885,923号、発明の名称「CONTROL PROGRAM FOR MODULAR COMBINATION ENERGY DEVICE」、及び米国特許出願第16/885,931号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMMUNICATION PATHWAYS」。
【0017】
本出願の出願人は、関連する米国特許出願第16/951,259号、出願日2020年11月18日、発明の名称「MULTI-LAYER CLAMP ARM PAD FOR ENHANCED VERSATILITY AND PERFORMANCE OF A SURGICAL DEVICE」を所有し、その開示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
本出願の出願人は、関連する米国特許出願第16/887,493号、出願日2020年5月29日、発明の名称「METHOD OF OPERATING A COMBINATION ULTRASONIC/BIPOLAR RF SURGICAL DEVICE WITH A COMBINATION ENERGY MODALITY END-EFFECTOR」とを所有し、その開示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
本出願の出願人は、関連する米国特許出願第16/453,343号、出願日2019年6月26日、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE RETAINER SYSTEM WITH AUTHENTICATION KEYS」を所有し、その開示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
外科用装置の様々な形態を詳細に説明する前に、例示的形態が、適用又は使用において、添付の図面及び説明で例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示的な形態は、他の形態、変形、及び修正で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、別途示さない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な形態を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。本明細書で使用される場合、「外科用装置」という用語は、「外科用器具」という用語と同義的に使用される。
【0021】
更に、以下で記述する形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下で記述する他の形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0022】
様々な形態は、外科手術中の組織の治療、切開、切断、及び/又は凝固をもたらすように構成されている、改善された超音波及び/又は電気外科用(RF)器具を対象とする。一形態では、超音波及び電気外科用の組み合わせ器具が、直視下外科手術における使用のために構成され得るが、手持ち式又はロボット支援手術のいずれかにおける他の種類の手術、例えば低侵襲腹腔鏡術、オルソスコープ術、又は胸腔鏡術、及び例えば非侵襲内視鏡術における用途も有する。多数のエネルギーモダリティを同時に、独立して、順次、又はそれらの組み合わせで選択的に適用することによって、汎用性が達成される。例えば、汎用性は、超音波及び電気外科エネルギー(例えば、単極又は双極RFエネルギー)を、同時的、独立的、順次、又はそれらを組み合わせた様態のいずれであれ、選択的に使用することによって達成され得る。
【0023】
外科用ステープラなどの手持ち式及びロボット外科用装置は、多くの外科的利益を提供することができるが、そのような装置が、ジョー内の組織位置、組織特性、及び外科用装置のジョー内の異物の存在に関する情報を生成することができる、感知及びフィードバック特徴を装備することができる場合、有益であろう。そのような特徴は、ステープル留めタスクなどの外科手術を行うことができる手持ち式外科手術装置及びロボット外科手術装置の両方に、患者にとってより効率的で、正確で、より安全な高い価値をもたらすことができる。電気インピーダンス分光法(「EIS」)は、物体のインピーダンス特性を調べるために特別に構成された信号を利用する強力な技術である。したがって、EIS技術は、組織試料のインピーダンススペクトルを生成するために、広範囲の周波数を有する信号を使用して外科用装置のジョー内の組織試料を走査するように実装することができる。したがって、組織の位置及び異物を検出するための改良された外科用装置、システム及び方法が必要である。そのような外科用装置、システム、及び方法は、EIS技術を使用して、組織試料を走査し、特徴付けることができ、したがって、外科手術の効率、精度、及び安全性を改善することができる。
【0024】
外科用器具10000が
図1に示されている。外科用器具10000は、ハンドルハウジング10120を含むハンドル10100と、ハンドル10100から延びるシャフト10200と、エンドエフェクタ10400と、を備える。エンドエフェクタ10400は、ステープルカートリッジを受容するように構成された第1のジョー10410と、第1のジョー10410に対して移動可能な第2のジョー10420と、を備える。第2のジョー10420は、内部に画定されたステープル形成ポケットを含むアンビルを備える。外科用器具10000は、外科用器具10000の閉鎖システムを駆動し、第2のジョー10420を非クランプ位置とクランプ位置との間で移動させるように構成されている、閉鎖アクチュエータ10140を更に備える。閉鎖アクチュエータ10140は、閉鎖アクチュエータ10140が閉鎖されるときに遠位側に前進される閉鎖管10240と操作可能に結合されている。そのような例において、閉鎖管10240は、第2のジョーと接触し、第2のジョー10420をそのクランプ位置へと下向きにカム駆動させる、かつ/又は押す。
【0025】
上記に加えて、第2のジョー10420は、枢動軸線を中心として第1のジョー10410に枢動可能に結合される。様々な実施形態では、第2のジョーは、そのクランプ位置へと移動される際に並進することも回転することもできる。様々な代替的な実施形態では、外科用器具は、アンビルジョーに対して非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能なステープルカートリッジジョーを備える。いずれにしても、ハンドル10100は、閉鎖アクチュエータ10140をそのクランプ位置に解放可能に保持するように構成されたロックを備える。ハンドル10100は、対向側に解放アクチュエータ10180bを更に備え、作動されると、エンドエフェクタ10400が再開放され得るように閉鎖アクチュエータ10140をロック解除する。様々な代替的な実施形態において、ハンドル10100は、臨床医によって作動されると、閉鎖管10240を近位側及び/又は遠位側に移動させるように構成された電気モータを備える。
【0026】
エンドエフェクタ10400は、関節運動継手10500の周りでシャフト10200に取り付けられ、また関節運動軸線を中心に平面内で回転可能である。シャフト10200は長手方向軸線を画定し、エンドエフェクタ10400は、エンドエフェクタ10400が長手方向軸線と整合される非関節運動位置と、エンドエフェクタ10400が長手方向軸線に対して横方向に角度をなして延びる関節運動位置との間で関節運動可能である。様々な実施形態では、外科用器具10000は、例えば、エンドエフェクタ10400が第1の平面内で関節運動することを可能にする第1の関節運動継手と、エンドエフェクタ10400が第1の平面に直交する第2の平面内で関節運動することを可能にする第2の関節運動継手とを備える。ハンドル10100は、少なくとも1つの電気モータと、関節運動アクチュエータ10160及び10170に応答して電気モータの操作を制御するように構成されている制御システムとを備える。電気モータはブラシレスDCモータを含むが、しかしながら、電気モータは、例えばブラシ付きDCモータなどの任意の好適なモータを含み得る。
【0027】
2018年12月11日に発行された米国特許第10,149,683号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2018年5月10日に公開された米国特許出願公開第2018/0125481号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。ハンドル10100は、外科用器具10000に給電するハンドルハウジングに取り付け可能な交換式及び/又は充電式電池10300を更に備える。2014年1月21日に発行された米国特許第8,632,525号、発明の名称「POWER CONTROL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS AND BATTERIES」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
上記に加えて、シャフト10200は、シャフト10200を通って延びる長手方向軸を中心に回転可能である。シャフト10200は、回転継手10220の周りでハンドル10100に回転可能に接続されており、シャフト10200は、ステープル留め器具10000を使用する臨床医がシャフト10200を回転させるのを容易にする、その中に画定された1つ以上の指溝を備える。様々な実施形態では、外科用器具10000は、電気モータと、臨床医によって作動されたときに電気モータに給電して、回転アクチュエータが作動される方向に応じてシャフト10200を第1の方向又は第2の方向に回転させる回転アクチュエータとを備える。
【0029】
上記に加えて、外科用器具10000は、ステープルカートリッジからステープルを射出するように構成されているステープル発射駆動部を備える。ステープル発射駆動部は、電気モータと、電気モータによってステープル発射ストロークを通じて遠位に駆動される発射部材とを備える。ステープル発射ストローク中、発射部材は、ステープルカートリッジ内のスレッドを遠位方向に押して、ステープルをステープルカートリッジから射出する。2017年4月25日発行の米国特許第9,629,629号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0030】
本明細書で説明する外科用器具システムは、電気モータにより動作するが、しかしながら、本明細書に説明された外科用器具システムは、任意の好適な様式で動作されることができる。ある種の例では、本明細書において開示されているモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えてもよい。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例を一層詳細に開示しており、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2017年5月18日公開の国際公開第2017/083125号、発明の名称「STAPLER WITH COMPOSITE CARDAN AND SCREW DRIVE」、2017年5月18日公開の国際公開第2017/083126号、発明の名称「STAPLE PUSHER WITH LOST MOTION BETWEEN RAMPS」、2015年10月8日公開の国際公開第2015/153642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SHIFTABLE TRANSMISSION」、2017年3月17日出願の米国特許出願公開第2017/0265954号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DUAL DISTAL PULLEYS」(現在は、米国特許第10,350,016号)、2017年2月15日出願の米国特許出願公開第2017/0265865号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DISTAL PULLEY」(現在は、米国特許第10,631,858号)、及び2017年3月29日出願の米国特許出願公開第2017/0290586号、発明の名称STAPLING CARTRIDGE」(現在は、米国特許第10,722,233号)の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
本明細書に開示される様々な実施形態は、例えば、
図1~
図3に示されるロボットシステム1000などのロボット外科用システムと関連して利用され得る。
図1は、
図2に示されるロボットアームカート5100と共に使用され得るマスタコントローラ5001を示す。マスタコントローラ5001及びロボットアームカート5100、並びにそれら個々の構成要素及び制御システムを、本明細書ではまとめてロボット外科用システム5000と呼ぶ。そのようなシステム及び装置の例は、米国特許第7,524,320号、発明の名称「MECHANICAL ACTUATOR INTERFACE SYSTEM FOR ROBOTIC SURGICAL TOOLS」、及び同第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。そのようなシステム及び装置の詳細は、簡潔さのためにここで繰り返すことはしない。マスタコントローラ5001は、外科医がディスプレイ1002を介して患者を見る間に外科医によって把持され操作される制御部5003を含む。制御部5003は、例えば、複数の自由度で動く手動入力装置を備えることができ、例えば、把持ジョーを閉鎖し、組織をステープル留めして切開し、及び/又は電極に電位を印加するために、外科用器具又はツールを作動させるための作動可能なトリガを更に備えることができる。
【0032】
図2及び3を参照すると、ロボットアームカート5100は、例えば、マスタコントローラ5001からの入力に応答して、外科用器具6000などの1つ以上の外科用器具を作動させるように構成されている。様々な形態では、ロボットアームカート5100は、基部5002と、セットアップ継手5104を含むアームリンク機構と、器具マニピュレータ5106とを含む。そのような構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,817,084号、発明の名称「REMOTE CENTER POSITIONING DEVICE WITH FLEXIBLE DRIVE」に記載されている、空間内の点の周りでの外科用器具6000の回転を容易にすることができる。この構成は、軸5112a又はピッチ軸を中心とした外科用器具6000の枢動回転を提供する。この配置はまた、軸5112b又はヨー軸を中心とした外科用器具6000の回転を提供する。ピッチ軸5112a及びヨー軸5112bは、外科用器具6000のシャフトに沿って整合される遠隔中心5114で交差する。外科用器具6000は、長手方向軸LT-LTに沿った摺動運動を含む、更なる駆動自由度を有し得る。外科用器具6000が長手方向軸LT-LTに沿って器具マニピュレータ5106に対してスライドするとき(矢印5112c)、遠隔中心5114は、器具マニピュレータ5106の基部5116に対して固定されたままである。遠隔中心5114を移動させるために、リンク機構5108は、マスタコントローラ5001からのコマンドに応答してリンク機構5108を移動させる1つ以上のモータ5120によって駆動されて、外科用器具6000を手術部位内に位置決め及び/又は操作する。様々な他の構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第5,878,193号、発明の名称「AUTOMATED ENDOSCOPE SYSTEM FOR OPTIMAL POSITIONING」に開示されている。
【0033】
追加的に、ロボット構成要素とロボット外科用システムのプロセッサとの間のデータ通信については、本明細書では、主として外科用器具又はツールとマスタコントローラ5001との間の通信に関連して説明するが、同様の通信はマニピュレータ、セットアップ継手、内視鏡又は他の画像撮影装置などの回路と、構成要素の適合性評価、構成要素の種類の識別、構成要素の較正(オフセットなど)の通信、構成要素のロボット外科用システムとの結合の確認などのためのロボット外科用システムのプロセッサとの間でも行われ得る点は理解されるはずである。少なくとも1つの態様によると、本明細書に開示される様々な外科用器具は、他のロボット制御又は自動外科用システムと関連して使用され得、必ずしも
図1~
図3に示される特定のロボットシステム構成要素と共に使用することに限定されるものではなく、前述の参考文献に記載されている。様々なロボット手術のシステム及び方法が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,132,368号、発明の名称「MULTI-COMPONENT TELEPRESENCE SYSTEM AND METHOD」に開示されている。
【0034】
次に
図5を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ14000のようなステープルカートリッジは、カートリッジ本体11100と、センサ11600を含む電子回路11500とを備える。ステープルカートリッジ14000は、多くの点で本明細書に開示される他のステープルカートリッジに類似しており、そのような点は、簡潔にするために本明細書では述べていない。上述したように、カートリッジ本体11100は、デッキ11130と、デッキ11130内に画定されたステープル空洞11140の長手方向列とを備える。各ステープル空洞11140は、ステープル発射ストローク中にステープル駆動部によってステープル空洞11140から上向きに駆動される、その中に格納されたステープルを含む。各ステープルは、基部と、基部から延びる2つの脚部とを備えるため、脚部は、概して上向きかつ外向きに延び、V字状構成を形成する。様々な事例では、ステープルの脚部は、ステープルがステープル空洞11140内に格納されるとき、ステープル空洞11140の近位端壁及び遠位端壁によって内側に弾性的に偏向される。ステープルがステープル空洞11140から上向きに駆動されるとき、ステープルの脚部は、ステープル空洞11140から出現し、デッキ11130の上方に延び、一方、ステープルの残りは、ステープル空洞11140から上向きに押し出される。カートリッジ本体11100は、デッキ11130から延びる突出部11132(
図5B)を備え、突出部は、ステープルがステープル空洞11140から射出される際に、ステープルの脚部を案内及び/又は制御するように構成されている。突出部11132は、各ステープル空洞11140の遠位端及び各ステープル空洞11140の近位端に位置付けられている。しかしながら、突出部11132が各ステープル空洞11140の一端のみに位置付けられている代替的な実施形態が企図される。更に、ステープル空洞11140のうちのいくつかが、その端部に突出部11132を含まない様々な実施形態が想定される。突出部11132は、デッキ11130に対して位置付けられた患者組織に係合し、デッキ11130に接する患者組織の流れ又は移動を制限するように更に構成されている。
【0035】
様々な実施形態では、電子回路11500は、突出部11132と係合する機構を含む基板を備える。少なくとも1つの実施形態では、基板は、その中に画定された開口を備え、その側壁は突出部11132と係合される。開口は、電子回路11500がカートリッジ本体11100に対して所定の位置に保持されるように、突出部11132とスナップ嵌め及び/又は圧入構成になっている。少なくとも1つの実施形態では、突出部11132は、カートリッジ本体11100に接してセンサ回路11500を保持する少なくとも部分的に環状又は周方向の肩部を含む。
【0036】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジのセンサ回路は、カートリッジ本体のデッキ上に印刷された導電性材料で構成される。少なくとも1つの実施形態では、導電性材料は、センサを接続する電気回路を形成するデッキに接合された金属粒子で構成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、プリント電気回路は、三次元プリンタを用いてカートリッジ本体上に印刷される。様々な実施形態では、センサ回路は、カートリッジ本体上に印刷された電極又は接点を含む。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、組織に接触するように構成されている多角形面を備える電極を備える。少なくとも1つの代替的な実施形態では、電極は、デッキ面上に湾曲した及び/又は蛇行した経路を含み、これにより、様々な事例では、電極と組織との間の接触面積を増加させることができる。少なくとも1つの実施形態では、電極は、組織を貫通するように構成されている、そこから延びる針を備える。少なくとも1つの実施形態では、針は、例えば、約1μmの直径を有する。様々な事例では、針は、センサ回路の感度を改善するために、組織と1つの電極内のセンサ回路との間に並列信号経路を提供する。少なくとも1つの実施形態では、導電性グリース又は導電性粘性剤がセンサ回路の組織接触点を覆って、電極と組織との間の接触を向上させる。様々な実施形態では、センサ回路の一部は、カートリッジ本体内に埋め込まれる。少なくとも1つのそのような実施形態では、センサ回路は、例えば、プラスチック材料が導体の部分上にオーバーモールドされるときにカートリッジ本体に埋め込まれる平坦な薄い導体を含む。しかしながら、導体の一部は露出されたままであり、センサをそこにはんだ付けするための組織係合パッド及び/又は導電性取付点を提供する。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジセンサ回路の一部は、カートリッジジョーの横側壁に画定することができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、センサ回路の近位部分及び遠位部分は、カートリッジ本体上に画定され、センサ回路の中間部分は、センサ回路の近位部分及び遠位部分を電気的に接続するカートリッジジョー上に画定される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジジョーに装着られたセンサ回路の部分は、側壁に装着された導電性ストリップを含む。ステープルカートリッジがカートリッジジョーに設置されると、カートリッジセンサ回路が導電性ストリップに係合して回路を完成する。
【0037】
上述したように、センサ回路は、導電性組織接触面を含むことができる。様々な実施形態では、センサ回路は、非導電性組織接触面を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、1つ以上の容量性電極を備える。様々な事例では、投影型静電容量測定技術は、容量性電極上の組織の存在及び/又は容量性電極上の組織の特性を測定するために使用される。少なくとも1つの実施形態では、各容量性電極は、その中に含まれる容量性パッドを被覆する絶縁被覆を含む。様々な事例では、上記に加えて、表面静電容量測定技術を使用することができる。様々な実施形態では、センサ回路は、1つ以上の誘導センサを備える。少なくとも1つの実施形態では、渦電流が誘導センサの各々に誘導され、渦電流は、組織がセンサに接触すると変化する。そのような実施形態では、センサ渦電流の変化は、ステープルカートリッジの制御システムによって検出される。様々な実施形態では、センサ回路は、温度センサ上の組織の存在を検出するために使用される温度センサを備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)を含むドープされた多結晶セラミックで構成される電極を含む。これらのセラミック材料の抵抗は、患者組織が電極に接して位置付けられているときなど、温度変化に応答して変化する。カートリッジプロセッサは、組織が電極に接して位置付けられたかどうかを評価するために、セラミック材料内の抵抗変動を監視するアルゴリズムを採用するように構成されている。様々な事例では、センサ回路の電極は、検出された抵抗、静電容量、電圧、及び/又は電流の変化がセンサの位置に直接関連付けられ得るように並列配置にある。この情報を用いて、プロセッサは、組織がステープルカートリッジの上に位置付けられているかどうか、及びどこに位置付けられているかを評価することができる。
【0038】
図5A及び
図5Dを参照すると、ステープルカートリッジ14000は、ステープルカートリッジ14000の1つ以上の構成要素に装着された積層材料14900を更に備え、ステープルカートリッジ14000から放射された電場及び/又は周囲の電場によってカートリッジ構成要素内に生成される電気的効果を制御する。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、少なくとも2つの層、すなわち、第1の層14910又は被覆と、第1の層14910に取り付けられた磁性材料の第2の層14920とを含む磁束場指向性材料を含む。第1の層14910は、例えば、第2の層14920を保護するポリエチレンテレフタレートから構成されるが、任意の好適な材料で構成することができる。第2の層14920は、例えば焼結フェライトシートから構成されるが、任意の適切な材料で構成することができる。少なくとも1つの事例では、例えば、感圧接着剤で構成される接着剤層14930は、第2の層14920に接合され、以下で更に論じられるように、積層材料14900をステープルカートリッジ14000の1つ以上の構成要素に取り付けるために使用される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、例えば、3Mによって製造されるFlux Field Directional Material EM15TFである。
【0039】
様々な実施形態では、上記に加えて、積層材料14900は、カートリッジ本体11100に接合され、カートリッジアンテナから延びる場の形状を変更及び/又は制御するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、積層材料14900は、ステープルカートリッジ14000が設置される外科用器具10000の金属カートリッジジョーから離れて場を集束させる。少なくとも1つの事例では、カートリッジ本体11100はプラスチックで構成され、積層材料14900は、積層材料14900がカートリッジアンテナを取り囲むか、又は少なくとも実質的に取り囲むように、カートリッジ本体11100に装着される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、カートリッジコイル11540’’及び11545’’が積層材料14900によって分離されるように、カートリッジデータコイル11540’’とカートリッジ電力コイル11545’’との中間の位置でカートリッジ本体11100に装着される。様々な実施形態では、積層材料14900は、カートリッジジョー10410の金属壁に接合される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、器具データコイル10540’’と送電コイル10545’’との中間の位置でカートリッジジョー10410の金属壁に装着される。様々な実施形態では、積層材料14900は、カートリッジデータアンテナ11530’’及び/又はカートリッジ電力アンテナ11535’’をカートリッジ本体11100に接合する。少なくとも1つの実施形態では、積層材料14900は、器具データアンテナ10530’’及び/又は器具電力アンテナ10535’’を金属カートリッジジョー10410に接合する。
【0040】
様々な実施形態では、上記に加えて、積層材料14900は、金属パン11700に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、金属パン11700とカートリッジデータアンテナ11530’’との中間に位置付けられており、また、金属パン11700とカートリッジ電力アンテナ11535’’との中間に位置付けられている。そのような構成は、アンテナ11530’’及び11535’’によって生成される場を金属パン11700から離して集束させて、場が金属パン11700に及ぼす電気的影響を最小限に抑えることができる。様々な実施形態では、積層材料14900は、ステープルカートリッジ14000の可動構成要素に装着される。少なくとも1つの事例では、
図5Dを参照すると、積層材料14900は、スレッド11400に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、例えば、スレッド11400の横方向側部11410に装着される。少なくとも1つの事例では、
図5Aを参照すると、積層材料14900は、例えば、ステープル駆動部11300のうちの1つ以上に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、ステープル駆動部11300の横方向側部11310に装着される。積層材料14900は、例えば、ステープル駆動部11300の全て、又はカートリッジアンテナ11530’’及び11535’’に隣接するステープル駆動部11300のみに装着することができる。
【0041】
上記に加えて、カートリッジアンテナ及び/又は器具アンテナによって生成される場は、センサ11600の出力に影響を及ぼす可能性がある。そのような影響は、例えば、積層材料14900によって低減又は緩和することができる。様々な事例では、ステープルカートリッジ14000のプロセッサは、アンテナ場がセンサ11600に及ぼす影響を電子的に考慮するように構成されている。少なくとも1つのそのような事例では、カートリッジプロセッサは、信号がアンテナ対の間で送信されているときを監視することができ、そのような事例では、センサ出力を外科用器具プロセッサに送信する前、及び/又はセンサ出力をステープルカートリッジ14000内のメモリ装置に記録する前に、センサ11600から受信されているセンサ出力を修正することができる。信号がアンテナ対間で送信されていないとき、センサ出力は、外科用器具プロセッサに送信される前、及び/又はステープルカートリッジ14000内のメモリ装置に記録される前に、プロセッサによって修正される必要がない場合がある。様々な事例では、プロセッサは、電力アンテナ対が信号を送信しているときに第1の補償係数をセンサ出力に適用し、信号アンテナ対が信号を送信しているときに第2の補償係数をセンサ出力に適用し、両方のアンテナが信号を送信しているときに第3の補償係数をセンサ出力に適用することができる。少なくとも1つのそのような事例では、例えば、第3の補償係数は第1の補償係数よりも大きく、第1の補償係数は第2の補償係数よりも大きい。
【0042】
上記に加えて、回路11500は、デッキ11130の上面と面一である、及び/又はデッキ11130の上面に対して凹んでいる。様々な事例では、ステープルカートリッジ11000は、回転可能に装着されたラッチを更に含み、ラッチは、回路スロット11160内に回路11500を保持するために、ラッチ解除位置からラッチ位置まで回転可能である。ラッチは、ラッチがラッチ位置にあるとき、圧入及び/又はスナップ嵌め方式でカートリッジ本体11100に係合する。ラッチがそれらのラッチ位置にあるとき、ラッチは、デッキ11130の上面と同一平面上にある、及び/又はデッキ11130の上面の下に凹んでいる。少なくとも1つの実施形態では、突出部11132は、ラッチ及び/又は任意の他の好適な拘束機構に装着される、及び/又はそれ一体的に形成される。いずれにしても、回路11500は、上記の結果としてカートリッジ本体11100に対して定位置に保持される1つ以上のセンサを備える。
【0043】
図6は、本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイ1036のセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1190の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1190は、ステープルカートリッジ1046の組織接触状態を検出すること1191を含む。アルゴリズム1190は、検出された組織接触状態に従って、センサアレイ1036の1つ以上のセンサのセンサパラメータを選択的に調節すること1182を更に含む。図示される実施例では、アルゴリズム1190は、制御回路1026によって実装されるか、又は少なくとも部分的に実装される。他の実施例では、アルゴリズム1190の様々な態様は、例えば、制御回路1049、又は任意の他の適切な制御回路などの他の制御回路によって実装することができる。簡潔にするために、以下の説明は、制御回路1026によってアルゴリズム1190の様々な態様を実行することに焦点を当てる。
【0044】
様々な態様では、ステープルカートリッジ1046の組織接触状態を検出すること(1191)は、複数の閉鎖状態のそれぞれで実施される。エンドエフェクタ1040の閉鎖が始まると、ステープルカートリッジ1046のセンサアレイ1036と接触している組織のサイズ及び/又は位置が変化し得る。センサデータ収集、送信、及び/又は処理を最適化するために、制御回路1026は、組織接触が異なる閉鎖状態で検出されるかどうかに基づいて、センサアレイ1036の1つ以上のセンサ又はセンサ群の1つ以上のセンサパラメータを調整するように構成することができる。
【0045】
特定の例示では、
図7に示されるように、センサアレイ1036は、ステープルカートリッジ1046の長さLに沿って配置される。しかしながら、エンドエフェクタ1040によって把持される組織は、長さLの一部のみに沿って延びる、例えば、長さL1に沿って延びる領域1193を被覆し得る。そのような事例では、領域1193を超えるセンサからのセンサデータは、領域1193内のセンサからのセンサデータよりも低い優先順位が割り当てられ得る。制御回路1026は、例えば、領域1193に対するセンサの位置に基づいて、センサアレイ1036のセンサの優先レベルを決定するように構成することができる。更に、制御回路1026は、例えば、領域1193内にあるセンサアレイ1036のセンサをアクティブモード1083に切り替える、及び/又は領域1193外にあるセンサアレイ1136のセンサをアイドラモード1084に切り替えるように構成することができる。
【0046】
様々な態様では、組織接触検出は、本開示の他の場所でより詳細に説明されるように、組織接触回路2830によって達成することができる。組織接触回路2830は、センサ2788a、2788bに接して位置する組織がない開回路モードにある。組織接触回路2830は、組織2820によって閉回路モードに移行される。センサ2788a、2788bは、電圧源Vによって給電され、センサ回路2790は、センサ2788a、2788bによって生成された信号を測定する。いくつかの態様では、センサ2788a、2788bは、組織2820と電気的に接触する一対の対向する電極板を含み得る。
【0047】
本明細書に開示されるセンサ2788a、2788bは、これに限定するものではないが、組織と接触していないときには開放している感知回路を、組織と接触しているときに閉鎖する、ジョーの内面に配置された電気接点を含み得る。接触センサはまた、クランプされている組織が最初に圧縮に抵抗するときを検出する敏感な力変換器を含んでもよい。力変換器は、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属膜又は半導体歪みゲージ、誘導圧力センサ、容量圧力センサ、及び抵抗センサを含み得るが、それらに限定されない。
【0048】
上記に加えて、制御回路1026は、例えば、センサ回路2790及び/又はセンサ2788a、2788bから、ステープルカートリッジ1046の長さLに沿った1つ以上の領域の組織接触状態を示す1つ以上の信号を受信し得る。これに応答して、1つ以上のセンサ又はセンサ群の1つ以上のセンサパラメータを調整するために、制御回路1026は、組織接触状態に基づいて1つ以上の領域におけるセンサアレイ1036の1つ以上のセンサのセンサパラメータを調整するように構成することができる。
【0049】
更なる詳細は、2020年3月24日発行の米国特許第10,595,887号、発明の名称「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」、2017年8月8日発行の米国特許第9,724,094号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」、及び2017年11月7日発行の米国特許第9,808,246号、発明の名称「METHOD OF OPERATING A POWERED SURGICAL INSTRUMENT」に開示されており、これらの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
一般的な一態様では、本開示は、エンドエフェクタのジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、複数のセンサを経時的に監視する方法を提供する。一態様では、エンドエフェクタは、カートリッジを備える。1つのセンサから隣接するセンサに向かう組織の運動を感知するために、1つ以上のセンサをカートリッジ上に配置することができる。ステープル留めカートリッジでは、複数のセンサがステープル留めカートリッジ上に配置されて、組織の特性を監視することによって組織の運動を感知し得る。一態様では、組織特性は、インピーダンス又は静電容量などの組織の電気特性であり得る。別の態様では、ある時点から次の時点までの組織のインピーダンスを監視することにより、システムは、あるセンサから次のセンサへの組織の運動を検出することができる。
【0051】
一態様では、組織の移動特性を検出するために複数のセンサを経時的に監視する方法は、少なくとも2つの感知された位置に対する組織移動を検出するために複数のセンサを経時的に監視することを含む。本方法は、感知された組織特性を経時的に監視することによるリアルタイム組織流感知を提供する。
【0052】
ここで
図8を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、器具ハウジング2800と、無線電力及びデータ通信システムを実装する一組のコイル2818を介して器具ハウジング2800に誘導結合されたエンドエフェクタ2752とを備える外科用器具2750の図が示されている。器具ハウジング2800は、エネルギー源2762と、エンドエフェクタ2752に誘導結合された制御回路2760とを備える。エネルギー源2762からの電力は、器具ハウジング2800内に位置する電力に用に調整された一次コイル2802から、エンドエフェクタ2752内に位置する電力用に調整された二次コイル2804へと、エンドエフェクタ2752に誘導結合される。データは、制御回路2760とエンドエフェクタセンサ回路2790との間で、器具ハウジング2800内に位置するデータ用に調整された一次コイル2816と、エンドエフェクタ2752内に位置するデータ用に調整された二次コイル2814との間で送信される。
【0053】
図8は、電力及びデータの無線送信のための送信システム1045の一実装形態を示す。
図8に示す実装形態では、電力及びデータは別々に送信される。他の実装形態では、上記で説明したように、電力及びデータは、順次又は同時に送信される。簡潔にするために、以下の説明は、電力及びデータを別々に送信するように構成されている送信システム1045の実装形態に焦点を当てる。しかしながら、送信システム1045の他の実装形態が等しく利用され得ることが理解される。
【0054】
様々な態様では、エンドエフェクタ2752は、カートリッジ2768と、カートリッジ2768に枢動可能に結合されたアンビル2766とを備える。複数のセンサ2788は、カートリッジ2768、アンビル2766、又は両方に配置され得る。上述したように、エンドエフェクタ2752は、器具ハウジング2800から電力を受け取り、エンドエフェクタ2752の回路と器具ハウジング2800の回路との間でそれぞれ通信する二次コイル2804、2814を備える。二次コイル2804からの電力は、整流器回路2806及びフィルタコンデンサ2808によって整流され、アナログマルチプレクサ2810又は他のアナログスイッチング回路を介して複数のセンサ2788に提供される。センサ2788からの信号は、アナログマルチプレクサ2810を通して送信され、近距離無線通信(NFC)タグ2812に結合され、エンドエフェクタ2752内に位置する二次コイル2814及び器具ハウジング2800内に位置する一次コイル2816から制御回路2760に結合される。NFCタグ2812は、カートリッジ2768からデータを送信するように構成されている。センサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも特に、組織インピーダンス、組織温度、組織静電容量、組織インダクタンス、経過時間を測定するように構成され得る。
【0055】
他の態様では、エンドエフェクタ2752のカートリッジ2768部分は、組織封止プロセスを支援又は強化するために電気外科エネルギーを受け取る電極を備え得る。そのような態様では、複数のセンサ2788のうちのいくつか又は全ては、アンビル2766とカートリッジ2768との間にクランプされた組織を通じて電気外科エネルギーを送達するための電極として機能し得る。そのような態様では、複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0056】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図8の例に示されるようなアンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間にクランプされた組織を切断及び封止するためのクランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを備え得る。クランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを含むそのような態様では、複数のセンサ2788は、クランプアームアセンブリ内に配置されてもよく、電気戻り経路は、導電性超音波ブレードを通して提供され得る。複数のセンサ788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0057】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図8の実施例に示されるように、アンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、電極を伴って構成されている一対のジョーを備え、電極は、電気外科エネルギーを送達し、ジョー間にクランプされた組織を封止し得る。ジョーのうちの1つは、封止後に組織を通じて切断するためのナイフスロットを伴って構成され得る。そのような態様では、複数のセンサ2788は、ジョーの一方又は両方に配置され得る。複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0058】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図8の例に示されるようなアンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、クランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを備え得る。そのような態様では、クランプアームアセンブリは、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間に位置する組織を封止するための電気外科エネルギーを受け取るための電極を備えて構成されている。電気外科エネルギーのための電気戻り経路は、導電性超音波ブレードを介して提供される。そのような態様では、超音波ブレードは、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間にクランプされた封止組織を切断するために利用される。複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0059】
特定の事例では、本開示の他の場所でより詳細に説明されるように、器具ハウジング2800とエンドエフェクタ2752との間の無線電力及び/又はデータ送信は、外科用器具2750とステープルカートリッジ2768との間の無線電力及び/又はデータ送信を包含する。例えば、一次コイル2802、2816は、エンドエフェクタ2752のカートリッジチャネル上に配置することができ、二次コイル2804、2814は、ステープルカートリッジ2768上に配置することができ、これにより、一次コイル2802、2816及び二次コイル2804、2814は、ステープルカートリッジ2768がカートリッジチャネルに設置されると、無線接続のために整合される。そのような事例では、器具ハウジング2800は、エネルギー源2762及び制御回路2760を含む近位ハウジングと、近位ハウジングから遠位に延びるシャフトと、カートリッジチャネルとを包含し得る。
【0060】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様による、器具ハウジング2800と、無線電力及びデータ通信システムを実装する一組のコイル2818を介して器具ハウジング2800に誘導結合されたエンドエフェクタ2752とを備える、
図8に示される外科用器具2750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具2750は、Iビーム2764などの変位部材の遠位並進を制御するように構成又はプログラムされる。外科用器具2750は、アンビル2766、Iビーム2764(鋭い切刃を含む)、及び着脱可能なカートリッジ2768を備えることができるエンドエフェクタ2752を備える。エンドエフェクタ2752は、センサ2788と、センサ2788に結合されたセンサ回路2790とを備える。電力は、近距離無線通信を介してコイル2802、2804を通してセンサ回路2790及びセンサ2788に誘導結合される。センサ2788からの信号(例えば、電圧、電流、抵抗、インピーダンス、静電容量、インダクタンス、周波数、位相など)は、センサ回路2790によって調整される。信号又は信号に対応するデータは、コイル2814、2816間の近距離無線通信誘導結合を介して、エンドエフェクタ2752内のセンサ回路2790と器具ハウジング2800内の制御回路2760との間で通信される。
【0061】
センサ2788は、エンドエフェクタ2752内の任意の好適な位置に位置してもよいことが理解されるであろう。一態様では、センサ2788は、カートリッジ2768内にアレイ状に配置される。別の態様では、センサ2788は、アンビル2766内にアレイ状に配置される。様々な態様では、センサ2788は、カートリッジ2768及びアンビル2766内にアレイ状に配置される。制御回路2760は、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、経時的にセンサ2788を監視するように構成され得る。一態様では、エンドエフェクタ2752のジョーは、例えば、アンビル2766及びカートリッジ2768で構成され得る。
【0062】
Iビーム2764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ配列、及び位置センサ2784によって測定することができる。制御回路2760は、Iビーム2764などの変位部材の並進を制御するように構成又はプログラムされ得る。いくつかの実施例では、制御回路2760は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は、プロセッサ若しくは複数のプロセッサに変位部材、例えばIビーム2764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備え得る。他の態様では、制御回路2760は、例えば、プログラマブル論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、又は他のハードウェア回路、ソフトウェア、及び/又はファームウェア、又は以下の説明で説明される機能を実施するための他の機械実行可能命令などのアナログ又はデジタル回路を備え得る。制御回路2760は、制御回路2760によって実行可能な命令を記憶するように構成されたメモリと信号通信することができる。メモリ内に記憶された命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに要求どおり実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を構成する。また、このような命令は、任意のコンピュータ可読媒体(光ディスク、SDカード、USBドライブなど、又は別個の装置のメモリなど)に記憶されてもよく、そこからメモリにコピーされるか、又は直接実行されてもよい。コピー又は直接実行のプロセスは、コンピュータプログラム製品を搬送するデータキャリア信号の作成を伴う。
【0063】
一態様では、制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内の複数の長手方向及び横方向の位置を独立して感知し、これらの異なる感知された位置を局所的な所定の戻り経路と共に使用して、アンビル2766とカートリッジ2768との間に把持された組織のインピーダンスの変化を横方向及び長手方向の両方で感知して、少なくとも2つの相互接続されたセッションの組み合わせを三角測量することによって任意の特定の組織の中間厚さ測定値を検出することができるように構成又はプログラムされ得る。例えば、センサ2788は、ステープラジョー、すなわち、カートリッジ2768及びアンビル2766の長さに沿って横方向及び長手方向に分散されたインピーダンスセンサのアレイを備え得る。ジョーが閉鎖しているとき、制御回路2760は、タイマ/カウンタ2781からの読み取り値に基づいて、又はソフトウェアタイミング技術を使用して、各センサに対するジョー閉鎖の過程の間、経時的に局所インピーダンスを追跡し得る。この時間履歴は、存在する場合、特定の位置をマークする明確な変化又は異常がある不均一なインピーダンス値の領域を推測するために使用することができる。これらのベースライン位置は、発射が開始されるときに記録され、追跡される。いったん開始されると、これらの位置の位置履歴が追跡され、発射プロセスのフィードバック制御のために使用される。別の実施例では、制御回路は、Iビーム2764の発射中の組織の流れを変更するために、他のパラメータの中でも特に、発射速度の変更、発射の一時停止(完全停止)、閉鎖力を含む、外科用器具2750の機能を修正するように構成又はプログラムされ得る。
【0064】
他の態様では、制御回路2760は、センサ2788を監視することによってエンドエフェクタ2752のジョー内で生じる組織の流れの量を予測するように構成又はプログラムされ得る。状況認識及び/又はその他の装置感知測定値、例えば、閉鎖中の閉鎖負荷の変化率、閉鎖が完了した後の閉鎖負荷の変化率などから組織タイプを知ることは、組織の流れを予測するために制御回路2760によって使用することができる。したがって、一態様では、制御回路2760は、ジョー閉鎖中の組織の流れをアンビル2766閉鎖システムの力フィードバックと組み合わせることによって、組織の種類又は状態を決定するように構成又はプログラムされる。
【0065】
別の実施例では、予測は、センサ2788を使用して、他のパラメータの中でもとりわけ組織インピーダンスを測定すること、ジョー内の剛性又は異物を検出すること、組織インピーダンスの大きさを測定すること、ジョー閉鎖中の組織の流れを測定することなどによって更に精緻化することができる。別の実施例では、制御回路2760は、ジョー閉鎖アルゴリズムを実行して、閉鎖中の組織の移動を、Iビーム2764の発射中の各変化の潜在的な影響の指標として感知することができる。例えば、第1の閉鎖速度では、制御回路2760は、組織の流れの大きさ/方向を推定し、ジョーの閉鎖速度を調整し、ジョー内の組織の流れの変化を観察又は記録する。別の実施例では、制御回路2760は、外科医にフィードバックを提供するために発射前に閉鎖力フィードバックと組み合わせて閉鎖流を利用することにより、エンドエフェクタ2752の位置を変更する機会を与えて、組織がエンドエフェクタ2752の切断線に完全に捕捉されることを保証することによって、発射後組織位置を予測するように構成又はプログラムされ得る。
【0066】
他の態様では、制御回路2760は、組織を監視及び調査するために、センサ2788の様々な構成のためのデータを受信するように構成又はプログラムされ得る。これは、組織インピーダンスを監視することと、カートリッジ2788の長さに沿って構成されている単一電極又はセグメント化された電極セットにわたる組織のインピーダンスを追跡することとを含み得る。制御回路2760は、異なる周波数の掃引を利用し、電力及び周波数に対する組織インピーダンスを監視して組織の生理学的組成を決定し、組織静電容量を監視し、ジョーの組織特性及び間隙関係を決定してジョー内に存在する組織の量を決定することによって、分光インピーダンスを監視するように構成又はプログラムされ得る。別の態様では、制御回路2760は、組織特性を決定するために、光透過率、屈折度、又はドップラー効果を測定するように構成又はプログラムされ得る。組織の表面状態を決定し、ジョーの間に捕捉された組織内の不規則性を監視するために、局所光屈折度の分析が採用され得る。制御回路2760は、光のドップラー効果周波数分析を使用して、組織の局所移動粒子を監視するように構成又はプログラムされ得る。
【0067】
一態様では、タイマ/カウンタ2781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路2760に提供して、位置センサ2784によって決定されたIビーム2764の位置をタイマ/カウンタ2781の出力と相関させ、その結果、制御回路2760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム2764の位置を決定することができる。タイマ/カウンタ2781は、経過時間を測定する、外部事象を計数する、又は外部事象の時間を測定するように構成され得る。他の態様では、タイマ/カウンタ2781は、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、経過時間を測定してセンサ2788を経時的に監視するために採用され得る。
【0068】
制御回路2760は、モータ設定点信号2772を生成し得る。モータ設定点信号2772は、モータコントローラ2758に提供され得る。モータコントローラ2758は、本明細書に記載されているとおり、モータ2754にモータ駆動信号2774を提供して、モータ2754を駆動するように構成されている1つ以上の回路を備え得る。いくつかの例では、モータ2754は、ブラシ付きDC電気モータであり得る。例えば、モータ2754の速度は、モータ駆動信号2774に比例し得る。いくつかの例では、モータ2754は、ブラシレスDC電気モータであってもよく、モータ駆動信号2774は、モータ2754の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含み得る。同様に、いくつかの例では、モータコントローラ2758は省略されてもよく、制御回路2760が、モータ駆動信号2774を直接、生成し得る。
【0069】
モータ2754は、エネルギー源2762から電力を受信し得る。エネルギー源2762は、電池、超コンデンサ若しくは任意の他の好適なエネルギー源であり得るか、又はこれらを含み得る。モータ2754は、送信2756を介してIビーム2764に機械的に結合され得る。送信2756は、モータ2754をIビーム2764に結合するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含み得る。位置センサ2784は、Iビーム2764の位置を感知し得る。位置センサ2784は、Iビーム2764の位置を示す位置データを生成することができる任意のタイプのセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ2784は、Iビーム2764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路2760に提供するように構成されたエンコーダを含み得る。制御回路2760は、パルスを追跡してIビーム2764の位置を決定し得る。例えば、近接センサを含めた、他の好適な位置センサが使用されてもよい。他のタイプの位置センサが、Iビーム2764の運動を示す他の信号を提供し得る。また、いくつかの実施例では、位置センサ2784は、省略されてもよい。モータ2754がステッパモータである場合、制御回路2760は、モータ2754が実行するように命令されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム2764の位置を追跡し得る。位置センサ2784は、エンドエフェクタ2752内、又は器具の任意の他の部分に位置し得る。
【0070】
制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内に位置する1つ以上のセンサ2788と通信し得る。センサ2788は、エンドエフェクタ2752内に位置付けられ、外科用器具2750と共に操作して、他のパラメータの中でもとりわけ、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、アンビル歪み対時間、組織移動対時間、組織インピーダンス、組織静電容量、分光インピーダンス、光透過率、屈折度、又はドップラー効果などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ2788は、磁気センサ、磁場センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又はエンドエフェクタ2752の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを含み得る。センサ2788は、1つ以上のセンサを含み得る。
【0071】
1つ以上のセンサ2788は、クランプされた状態の間のアンビル2766における歪みの大きさを測定するように構成されている、微小歪みゲージなどの歪みゲージを含み得る。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ2788は、アンビル2766とカートリッジ2768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成されている圧力センサを含み得る。センサ2788は、アンビル2766とカートリッジ2768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0072】
センサ2788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル2766上に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ2788は、閉鎖管によってアンビル2766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル2766との間の相互作用点に位置し得る。アンビル2766に対して及ぼされる力は、アンビル2766とカートリッジ2768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すことができる。1つ以上のセンサ2788を、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル2766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ2788は、クランプ操作中にリアルタイムで、制御回路2760のプロセッサによってサンプリングされ得る。制御回路2760は、リアルタイムの試料測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル2766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0073】
モータ2754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ2786を用いることができる。Iビーム2764を前進させるのに必要な力は、モータ2754によって引き込まれる電流に対応する。力は、デジタル信号に変換されて、制御回路2760に提供される。
【0074】
外科用器具2750の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム2764を駆動するように構成されている。別の実施例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば、変位部材及び関節運動駆動部を操作させる電気モータ2754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理システム上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ2754に反して作用する障害と称されることがある。障害などの外部影響は、物理システムの操作を物理システムの所望の操作から逸脱させることがある。
【0075】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ2752を含む外科用器具2750を対象とする。例えば、モータ2754は、エンドエフェクタ2752の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動し得る。エンドエフェクタ2752は、枢動可能なアンビル2766と、使用のために構成されている場合は、アンビル2766の反対側に位置付けられたカートリッジ2768と、を含み得る。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル2766とカートリッジ2768との間で組織を把持し得る。器具2750を使用する準備が整うと、臨床医は、例えば、器具2750のトリガを押すことによって発射信号を提供し得る。発射信号に応答して、モータ2754は、変位部材をエンドエフェクタ2752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置から、ストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで、遠位方向に駆動し得る。変位部材が遠位方向に並進するにつれて、遠位端に位置付けられた切断要素を有するIビーム2764は、カートリッジ2768とアンビル2766との間の組織を切断することができる。
【0076】
様々な実施例では、制御回路2760は、1つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム2764などの変位部材の遠位並進を制御するように構成されてもよく、又はプログラムされ得る。制御回路2760は、本明細書に記載されているとおり、直接的又は間接的のいずれかで、厚さ、流れ、インピーダンス、静電容量、光透過率などの組織状態を感知するように構成又はプログラムされ得る。制御回路2760は、組織状態に基づいて、発射制御プログラムを選択するように構成又はプログラムされ得る。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に治療するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路2760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるように構成又はプログラムされ得る。より薄い組織が存在するとき、制御回路2760は、変位部材をより高速で、及び/又はより高電力で並進させるように構成又はプログラムされ得る。
【0077】
米国特許第8,622,274号、発明の名称「MOTORIZED CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING CONTROL CIRCUIT FOR OPTIMIZING BATTERY USAGE」、米国特許第10,135,242号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」、米国特許第10,548,504号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」、米国特許第9,993,248号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」、米国特許出願公開第2016/0256071号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」(現在は、米国特許第10,548,504号)、米国特許出願公開第2018/0168625号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」、米国特許出願公開第2018/0250002号、発明の名称「POWERED SURGICAL DEVICES HAVING TISSUE SENSING FUNCTION」、及び国際公開第2018/049206号、発明の名称「STAPLER RELOAD DETECTION AND IDENTIFICATION」及び米国特許出願第16/354,470号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
1988年11月15日に発行された米国特許第4,785,180号、発明の名称「OPTOELECTRIC SYSTEM HOUSED IN A PLASTIC SPHERE」、2004年10月12日に発行された米国特許第6,804,012号、発明の名称「ARRANGEMENT FOR THE DETECTION OF RELATIVE MOVEMENTS OR RELATIVE POSITION OF TWO OBJECTS」、2007年10月31日に公開された欧州特許出願第1,850,210号、発明の名称「OPTOELECTRONIC DEVICE FOR DETERMINING RELATIVE MOVEMENTS OR RELATIVE POSITIONS OF TWO OBJECTS」、2008年1月3日に公開された米国特許出願公開第2008/0001919号、発明の名称「USER INTERFACE DEVICE」、及び2009年4月14日に発行された米国特許第7,516,675号、発明の名称「JOYSTICK SENSOR APPARATUS」の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。概して、これらの参考文献は、多次元入力装置及び/又はセンサ構成を説明している。
【0079】
2019年3月15日に出願された米国特許出願第16/354,470号、発明の名称「SEGMENTED CONTROL INPUTS FOR SURGICAL ROBOTIC SYSTEMS」、1988年11月15日に発行された米国特許第4,785,180号、発明の名称「OPTOELECTRIC SYSTEM HOUSED IN A PLASTIC SPHERE」、2004年10月12日に発行された米国特許第6,804,012号、発明の名称「ARRANGEMENT FOR THE DETECTION OF RELATIVE MOVEMENTS OR RELATIVE POSITION OF TWO OBJECTS」、2007年10月31日に公開された欧州特許出願第1,850,210号、発明の名称「OPTOELECTRONIC DEVICE FOR DETERMINING RELATIVE MOVEMENTS OR RELATIVE POSITIONS of TWO OBJECTS」、2008年1月3日に公開された米国特許出願公開第2008/0001919号、発明の名称「USER INTERFACE DEVICE」、2009年4月14日に発行された米国特許第7,516,675号、発明の名称「JOYSTICK SENSOR APPARATUS」、及び2018年3月29日に出願された米国特許出願第15/940,627号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。概して、これらの参考文献は、ロボット外科用システム並びに多次元入力装置及び/又はセンサ配列を説明する。
【0080】
ここで
図10を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、外科手術中に組織及び異物を検出するためのシステム3000が示されている。
図10の非限定的な態様によれば、システム3000は、
図1の外科用器具10000と同様に構成され得る外科用器具3002と、コンピューティング装置3004とを含むことができる。
図1の外科用器具3002は、ケーブルを介してコンピューティング装置3002に接続されるが、外科用器具3002は、コンピューティング装置3004との任意の形態の有線及び/又は無線通信のために構成され得る。本明細書で使用するとき、用語「コンピューティング装置」は、ディスプレイに通信可能に結合され、外科用器具3002の使用に関連付けられたユーザインターフェースを生成することができる他の装置の中でも、任意のサーバ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、及び/又は携帯電話を含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、コンピューティング装置3004は、外科手術中に外科用器具3002を制御するように更に構成され得る。
図1の非限定的な態様によれば、外科用器具3002は手持ち式外科用ステープラであるが、本開示は、外科用器具3002がロボットで構成される他の非限定的な態様を企図する。代替的に、外科用器具3002は、超音波及び/又はRFエネルギーを介して外科手術を行うように構成された電気外科用器具であり得る。
【0081】
特定の態様では、コンピューティング装置3004は、外科用器具3000と有線及び/又は無線通信する外科用ハブの構成要素である。様々な好適な外科用ハブが、2018年12月4日に出願された米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
図10を更に参照すると、外科用器具3002は、シャフト3010の遠位端に結合されたエンドエフェクタ3014内に位置付けられた1つ以上の電極3012などのセンサを含み得る。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、同様の効果を達成するために他のセンサを利用することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、電極3012のアレイは、エンドエフェクタ3014内に配置され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、アレイは16個の電極3012を含むことができる。他の非限定的な態様によれば、電極3012は、前述したように、セグメント化された構成で配置され得る。電極3012は、外科用器具3002のハンドル部分3008内に位置付けられた電子機器に接続され得るように、シャフト3010によって画定された中空の空洞の内側を通して電気的に結合され得る。例えば、ハンドル部分3008は、電極3012を通過した信号を処理するように構成された処理電子機器を含むことができる。そのような電子機器は、インピーダンス測定電子機器を含むことができ、インピーダンス測定電子機器は、電極3012によって渡された信号に基づいて、エンドエフェクタ3014のジョーの間に位置付けられた媒体の電気インピーダンスを決定することができる。代替的に及び/又は追加的に、ハンドル部分3008内の電子機器は、電極3012から受信した信号を、更なる処理のために接続されたコンピューティング装置3004に送信することができる。
【0083】
したがって、術中ステープル留め処置などの外科手術中に、外科用器具3002を使用して、電極3012から受信した信号に基づいてリアルタイム電気インピーダンス測定値を生成することができる。これらの信号は、エンドエフェクタ3014のジョー内の媒体を検出し、媒体の位置及び/又は状態などの当該媒体の特性を決定するために使用することができるモデル及び/又はアルゴリズムを使用して、選択された入力などの他の変数と共に処理することができる。したがって、
図10のシステム3000を使用して、エンドエフェクタ3014のジョー内の組織及び異物(例えば、NG管、ステープルなど)の両方を検出することができる。アルゴリズム結果は、通信可能に結合されたコンピューティング装置3004のディスプレイに通信することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、システム3000は、コンピューティング装置3004を必要とせず、ディスプレイ(例えば、LEDスクリーンなど)は、外科用器具3002のハンドル部分3008に統合され得る。他の非限定的な態様によれば、ディスプレイは、ロボット支援装置用のコンソールの構成要素であってもよい。更に他の非限定的な態様では、システム3000によってディスプレイが必要とされず、外科用器具3002又はコンピューティング装置3004のいずれかが、アルゴリズム結果に関連付けられた可聴通知を発するように構成され得る。更に、いくつかの非限定的な態様によれば、
図10のシステム3000の1つ以上の示された構成要素は、通過時間を測定するように構成されたクロック回路を含むことができる。したがって、
図3のシステム3000は、アルゴリズム結果、したがってエンドエフェクタ3014のジョー内の検出された媒体に関連付けられた情報を、手術する臨床医に通信するように構成され得る。
【0084】
したがって、本明細書で更に詳細に説明するアルゴリズムを、
図10の器具3000又は
図3のロボット制御式器具5100を含む様々な外科用器具と共に使用して、エンドエフェクタのジョー内に配置された様々な媒体(例えば、組織、異物等)をリアルタイムで検出及び/又は特徴付けることができる。ここで
図11を参照すると、
図10のシステム3000のコンピューティングデバイス3004によって表示されるユーザインターフェース3015は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って示されている。システム3000(
図10)の1つ以上の構成要素は、アルゴリズムを記憶するように構成されたメモリを含むことができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、アルゴリズムは、コンピューティング装置3004のメモリ内に記憶され得る。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、アルゴリズムは、外科用器具3002のメモリ内に記憶され得る。いずれにしても、アルゴリズムは、
図11のユーザインターフェース3015の1つ以上の構成要素を生成するように実装され得る。
【0085】
図11の非限定的な態様によれば、ユーザインターフェース3015は、患者内の組織試料3016を把持する外科用器具3002(
図10)のエンドエフェクタ3014の画像を含むことができる。例えば、画像は、システム3000(
図10)によって実装される1つ以上の画像センサを介して生成され得る。例えば、画像センサは、外科用器具3002(
図10)の上又は周囲に装着され得る。ユーザインターフェース3015は、エンドエフェクタ3020のデジタル表現で画像をオーバーレイするウィジェット3018を更に含むことができる。エンドエフェクタ3020のデジタル表現は、電極3012(
図10)によって検出される、エンドエフェクタ3014のジョー内の組織試料3016に対応する第1の部分3022を含むことができる。エンドエフェクタ3020のデジタル表現は、電極3012(
図10)によって検出される、エンドエフェクタ3014のジョー内の異物に対応する第2の部分3024を更に含むことができる。したがって、ウィジェット3018は、エンドエフェクタ3014のジョー内に配置された様々な媒体の特定の組成及び/又は位置を、手術する臨床医に視覚的に通信することができる。これは、手術する臨床医が、エンドエフェクタ3014内にどの物体が配置されているか、並びにエンドエフェクタ3014内のそれらの物体の特定の位置を正確に識別することができるので、外科手術を向上させることができる。換言すれば、
図10のシステム3000は、エンドエフェクタ14のジョー内の組織及び/又は異物の位置に関する操作中のリアルタイムフィードバックを提供することができる。このフィードバックは、外科手術(例えば、ステープル留め手順)の間に、周囲の構造に対する不注意な損傷及び/又は重大な誤差を防止するために実装され得る。検出アルゴリズムは、軽量かつ効率的であり得、したがって手持ち式及び/又はロボット手術プラットフォームの両方のためのオンボード電子機器の展開に適している。
【0086】
アルゴリズムは、エンドエフェクタ3020内に配置された電極3012(
図10)から受信した信号に基づいてアルゴリズム的に決定することができる媒体パラメータ(例えば、インピーダンス)に基づいて、第1及び第2の部分3022、3024を含むエンドエフェクタ3014のデジタル表現を生成することができる。例えば、電極3012(
図10)を利用して、エンドエフェクタ3014のジョー内に位置付けられた媒体の電気インピーダンスを検出することができ、この電気インピーダンスは、媒体の材料組成に基づいて著しく変化し得る。したがって、決定された電気インピーダンスは、他の形態の媒体の中でも特に、様々な種類の組織、様々な特性を有する他の生体物質(例えば、血液、血管、静脈など)、ツール及び/若しくは組織の間の相互作用、異物(例えば、ステープル、管など)、並びに/又はエンドエフェクタが配置される様々な臨床環境などの、エンドエフェクタ3014のジョー内に位置付けられた特定のタイプの媒体に対応し得る。
【0087】
しかしながら、特定の状況では、電気インピーダンスなどのパラメータ変動の境界を識別することが困難な場合がある。したがって、いくつかの非限定的な態様では、アルゴリズムは、電極3012(
図10)からの信号を使用して、エンドエフェクタ3014のジョー内の非組織媒体を最初に検出することができ、これは、ジョー内に位置付けられた生体媒体に対する異常パラメータ(例えば、インピーダンス)に対応し得る。換言すれば、エンドエフェクタ3014のジョーの間の非組織媒体は、少数の媒体カテゴリにのみ対応し得るので、より容易に分類され得る。エンドエフェクタ3014内に配置された空気、液体、及び/又は異物などの媒体は、エンドエフェクタ3014内に配置された生物学的媒体(例えば、組織)に対して異なるアルゴリズム的に決定されたパラメータ(例えば、インピーダンス)をもたらす信号をもたらすことができ、したがって、そのような媒体は、
図11のユーザインターフェース3015などのユーザインターフェースを介して検出及び区別することがより容易であり得る。
【0088】
ここで
図12を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステム3000によって時間内に測定されるパラメータ(例えば、インピーダンス)を示すチャート3100が示されている。
図12の非限定的な態様によれば、チャート3100は、インピーダンスの大きさが、x軸によって示されるように位置によって、及びy軸によって示されるように時間によってどのように変化し得るかを示すことを含み得る。位置は、エンドエフェクタ3014(
図10)内に設置された電極3012(
図10)の様々な群によって生成される電気パラメータ(例えば、電圧)に基づいて測定されるインピーダンスを介して決定することができる。時間は、任意の所望の持続時間を介して測定さことができるが、いくつかの態様によれば、時間は、システム3000(
図10)及びアルゴリズムのリアルタイム能力を促進するために秒単位で測定することができる。
【0089】
図12を更に参照すると、チャート3100は、エンドエフェクタ3014(
図10)内で検出された媒体の分類を含む検出結果を概念的に示し、これは、y軸に沿って表されるように、時間が経過するにつれてx軸に沿った視覚的区別を向上させるために異なる色及び/又はパターンを使用して示すことができる。換言すれば、
図12のチャート3000は、エンドエフェクタ3014(
図10)内に配置された電極3012(
図10)の様々な群によって経時的に検出されたインピーダンスを表すことができ、これは、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーが開閉し、当該媒体をクランプして圧縮する際に、エンドエフェクタ3014(
図10)内に配置された様々な媒体の組成及び位置を特徴付けるために使用することができる。
図12のチャート3100によって示されるように、アルゴリズムは、電極群番号0と5との間に位置付けられている第1の媒体3102、電極群番号5と10との間に位置付けられている第2の媒体3104、電極群番号10と20との間に位置付けられている第3の媒体3106、及び電極群番号20を越えて位置付けられている第4の媒体3108を検出するために使用されることができる。例えば、アルゴリズムは、電極から受信した信号に基づいて決定されたインピーダンスに基づいて、第1の媒体3102が流体(例えば、血)であり、第2の媒体3104が異物(例えば、ステープル、NG管など)であり、第3の媒体3106が組織試料であり、第4の媒体3108が空気であると決定することができ、これは、エンドエフェクタが開いていること、及び/又は電極群番号20を越えてジョーの間に何も位置付けられていないことを意味する。実際、第3の媒体3106は、電極群番号10と20との間で検出されるインピーダンス信号の階段状ピークによって示される圧縮に基づいて、組織試料として識別可能である。本明細書で使用されるように、インピーダンス信号は、とりわけ、大きさ及び/又は位相を含む、種々の信号パラメータを含むことができることを理解されたい。更に、インピーダンス信号及びそれらのそれぞれのパラメータは、とりわけ、時間領域及び/又は周波数領域において測定することができる。
【0090】
ここで
図13を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステム3000のエンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の媒体を検出して位置特定する方法3200の論理フロー図が示されている。いくつかの非限定的な態様によれば、システム3000(
図10)は、
図9の制御回路2760などの制御回路と、アルゴリズムを制御するように構成されたメモリとを含むことができ、アルゴリズムは、制御回路に
図13の方法3200を実行させるように構成される。いくつかの非限定的な態様によれば、制御回路及び/又はメモリは、外科用器具3002内に配置され得る(
図10)。他の非限定的な態様によれば、制御回路及び/又はメモリは、コンピューティング装置3004(
図10)内に配置することができる。更に他の非限定的な態様によれば、メモリは、様々な外科用器具3002(
図10)及びコンピューティング装置3004(
図10)と通信するように構成されたクラウドベースの分析システムなどの、遠隔に位置するサーバ(図示せず)内に配置され得る。
【0091】
具体的には、
図13は、記録3206、処理3214、並びに結果生成及び通信3219を含む、パラメータ(例えば、インピーダンスなど)の決定に関連するデータフローの主なステップを示す。アルゴリズム論理は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の組織位置及び異物(存在する場合)の検出及びフィードバックを可能にし、異常及び異物3216のアルゴリズム検出及び異物3218の検出のためのブロックレベルプレースホルダは、それぞれ
図14及び
図15を参照してより詳細に説明される。もちろん、
図13の方法3200は単なる例示であり、方法3200の図示されたプロセスは非排他的である。他の非限定的な態様によれば、方法3200は、
図13に示されるよりも多くのステップ又は少ないステップを含み得る。
【0092】
図13の非限定的な態様によれば、方法3200は、測定を行うためにセンサ(例えば、
図10の電極3012)を開始及び作動させること3204を含む検出プロセスを開始すること3202を含むことができる。センサ3012(
図10)が測定のために作動されない場合、センサ3012(
図10)が作動されるべきである。方法3200は、外科用器具3002(
図10)の電極3012(
図10)から受信した信号に基づいて、決定されたパラメータ(例えば、インピーダンスなど)に関連付けられたデータを記録すること3206と、信号品質をチェックすること3208とを更に含み得る。品質が所定の誤差限界を超える場合、システム3000(
図10)は、センサが故障しているか、又は不十分な品質のデータを生成しているという警告を発することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、警告は、コンピューティング装置3004(
図10)に結合されたディスプレイ、又は外科用器具3002(
図10)自体に埋め込まれたディスプレイなどのディスプレイを介して提供される視覚的アラートであり得る。他の非限定的な態様によれば、警告は、外科用器具3002(
図10)及び/又はコンピューティング装置3004(
図10)を介して提供される可聴アラートであり得る。
【0093】
依然として
図13を参照すると、方法3200は、外科用器具3002(
図10)に関連付けられたデータストリームをフィルタリング及び前処理すること3212と、アルゴリズムを使用してそれらを適宜処理すること3214とを更に含み得る。方法3200は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に異物3218及び/又は流体3220が存在するかどうかをアルゴリズム的に検出すること3216を更に含むことができる。いずれかの決定が肯定である場合、システム3000(
図10)は、手術する臨床医に警告を発することができる(3219)。この場合も、警告は、視覚的及び/又は聴覚的アラートを含むことができる。そうでない場合、方法3200は、その位置に開回路があるかどうかを決定すること3222、又はその位置に組織があるかどうかを決定すること3224を含むことができる。方法3200は、検出方法が後続の期間に繰り返されるべきかどうかを決定すること3226を更に含むことができ、決定が肯定である場合、方法3200は、フィルタリング及び前処理ステップ3212から繰り返すことができる。アルゴリズムが、検出方法を繰り返すべきではないと決定した場合、方法3200を終了することができる(3228)。
【0094】
換言すれば、方法3200は、外科用ステープル留め処置などの処置中にユーザ(例えば、外科医、手術を行っている臨床医など)によって自動的にトリガ/オンされる感知を含むことができる。方法3200は、エンドエフェクタ3014(
図10)内の各電極3012(
図10)などのセンサから受信した信号に基づいて、インピーダンス測定値などのリアルタイムパラメータを決定することを含むことができ、このリアルタイムパラメータは、エンドエフェクタ3014(
図10)内に配置された媒体のインピーダンス特性(又は「特徴」)を決定するためにアルゴリズム的に処理される。いくつかの非限定的な態様によれば、インピーダンス特徴は、予め予め決定された周波数におけるインピーダンスの大きさであり得る。いくつかの非限定的な態様によれば、1つ以上の周波数を選択することができる。例えば、約100kHzの周波数を用いることが好ましい場合がある。更に、方法3200は、経時的にインピーダンス特徴を記録及び追跡することができる。いったん決定されると、そのようなインピーダンス特徴は、媒体検出モデル及び/又はアルゴリズムへの入力として使用されることができる。
【0095】
アルゴリズム論理に組み込まれた検出モデルは、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に配置された組織媒体及び非-組織媒体などの様々な媒体の存在及び/又は位置を区別することができ、これについては
図14を参照して更に詳細に説明する。非組織媒体は、空気であり得、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーが開いていることを示す。代替的に及び/又は追加的に、非組織媒体は、液体(例えば、血)及び/又は異物(例えば、ステープル、NG管等)を含み得る。非組織媒体は、異常を介して検出することができる。次いで、非組織媒体の位置が効果的に識別された後に、組織などの媒体の位置を検出することができる。次いで、アルゴリズムは、結果を分類し、決定されたインピーダンスに基づいて、それを組織、空気、液体、及び/又は異物としてマーキングすることができ、分類された結果は、システム3000(
図10)を介して視覚的に表示され得る。更に、方法3200は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーに沿って検出された組織及び非組織媒体の位置情報を提供するために、電極3012(
図10)のアレイの電極3012(
図10)の対(例えば、駆動電極及び対応する戻り電極)からの検出結果を組み合わせることを含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、外科手術の特定のステップに応じて、いくつかの検出結果をリアルタイムで選択的に表示することができる。したがって、システム3000(
図10)は、重要かつタイムリーなフィードバックを手術する臨床医に提供することができる。
【0096】
ここで
図14を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13の方法3200の一部として異常を検出する方法3216の論理フロー図が示されている。
図14の非限定的な態様によれば、
図13の方法3200の処理3214ステップからのデータ出力を使用して、
図13の方法3200の異常検出3216ステップを実行することができ、これは、
図10のシステム3000のエンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に配置された電極群の各電極3012(
図10)について、選択された周波数におけるインピーダンス信号値を抽出するか、又はアルゴリズム的に決定すること3232によって開始する。この場合も、いくつかの非限定的な態様によれば、1つ以上の周波数を選択することができる。決定3232は、各電極3012(
図10)から受信された信号に基づくことができる。決定されたインピーダンス信号値は、
図12のチャート3100のy軸に沿って示される時間領域内の特定の時間と相関させることができる。他の非限定的な態様によれば、決定されたパラメータは、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に配置された媒体の別の特性であってもよく、電極3012(
図10)以外のセンサから受信した信号に基づいて決定されてもよい。
【0097】
図14の非限定的な態様によれば、インピーダンス値が決定されると、方法316は、決定されたインピーダンス値と1つ以上の所定の閾値との一連の比較3234、3236、3238を更に含むことができる。例えば、
図14の非限定的な態様によれば、方法3216は、決定されたインピーダンス値が開回路に関連付けられた所定の閾値未満であるかどうかの決定3234を含むことができる。決定されたインピーダンス値が、開回路に関連付けられた所定の閾値以上である場合、アルゴリズムは、開いたジョー(ジョー内の空気媒体)が検出されたと決定し、関連付けられた電極3012(
図10)群を「開」として分類することができる。決定されたインピーダンス値が開回路に関連付けられた所定の閾値未満である場合、方法3216は、決定されたインピーダンス値が流体に関連付けられた所定の閾値よりも大きいか否かの決定3236を更に含むことができる。決定されたインピーダンス値が、流体に関連付けられた所定の閾値よりも大きくない場合、アルゴリズムは、流体が検出されたと決定し、関連付けられた電極3012(
図10)群を「流体」として分類することができる。決定されたインピーダンス値が、流体に関連付けられた所定の閾値よりも大きい場合、方法3016は、
図13の方法3200に示されるように、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に異物が存在するかどうかの決定3218に進むことができる。アルゴリズムが、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に異物が存在しないと決定した場合、アルゴリズムは、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に組織が存在すると決定し、関連する電極3012(
図10)の群を「組織」として分類することができる。異物がエンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内で検出された場合、方法3016は、異物が所定の時間にわたって、かつ2つ以上の隣接する電極3012(
図10)群について検出されるかどうかの決定3240に進むことができる。アルゴリズムが、異物が所定の時間にわたって2つより多くの隣接する電極3012(
図10)群について検出されたと決定した場合、アルゴリズムは、異物がエンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に存在すると決定し、関連付けられた電極3012(
図10)群を「異物」として分類し、異物に関連付けられたエンドエフェクタ3014(
図10)内の位置を記録することができる。実際、アルゴリズム方法3216は、開分類、流体分類、及び/又は組織分類にも関連付けられたエンドエフェクタ3014(
図10)内の位置を更に記録することができる。アルゴリズムが、異物が所定の時間にわたって検出されない、及び/又は異物が2つより多くの隣接電極3012(
図10)群にわたって検出されないと決定した場合、アルゴリズムは、異物の初期検出3218につながったノイズ及び/又は迷惑があると決定することができる(3241)。
【0098】
図14の非限定的な態様を更に参照すると、インピーダンス信号値が特定の1つ以上の周波数で決定され得るように、電極3014を較正することが好ましい場合がある。いくつかの非限定的な態様によれば、1つ以上の周波数を選択することができる。例えば、5kHz~500kHzの範囲の周波数でインピーダンス信号値を決定することが好ましい場合がある。いくつかの非限定的な態様によれば、100kHzの周波数でインピーダンス信号値を決定することが好ましい場合があり、これにより、様々な比較ステップ3234、3236、3218、3240中に考慮される閾値を経験的に学習することができる。したがって、アルゴリズム及び/又はモデルは、より少ない入力を必要とするように特に構成することができ、これは、計算負荷を低減し、方法3200の単純さ及び堅牢性を維持することができ、したがって、方法3200をリアルタイムのオンボード電子機器経由で展開できるようになる。したがって、
図13及び
図14のアルゴリズム及び方法3200、3216は、エンドエフェクタのジョー内の媒体を検出する従来の方法に対する技術的な改善を表し、これは、オンボード展開に対して禁止的であり得る広範な処理要件を必要とし得る。
図18のユーザインターフェースを参照して説明される実験において生成されるもの等の実験結果は、
図13及び14のアルゴリズム方法3200、3216が、媒体検出の従来の手段よりも効率的かつ効果的であり得、手術転帰を改善し、従来の手段と比較して患者安全性を向上させ得ることを示す。
【0099】
ここで
図15を参照すると、
図13及び
図14の方法3200、3216の一部として、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の異物の存在を検出する方法3218の論理フロー図が、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って示されている。前述のように、
図14のアルゴリズム方法3216は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に位置付けられた空気及び/又は媒体を検出し(3244)、分類することができる。例えば、アルゴリズム方法3216(
図14)は、開回路、したがって、1つ以上の電極3012(
図10)群間で決定されたインピーダンス値の著しい低下を検出することができる(3244)。代替的に及び/又は追加的に、アルゴリズム方法3216(
図14)は、決定されたインピーダンス値の大きさに基づいて、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーに接触した媒体を検出することができる(3244)。前述のように、インピーダンス信号は、ユーザ選好及び/又は意図される用途に応じて、周波数及び/若しくは複数の周波数、電極3012(
図10)群、並びに/又は時間の関数として決定されることができる。
【0100】
図15の非限定的な態様によれば、方法3218は、決定されたインピーダンス信号を経時的に追跡し(3246)、特定の対象データ点を記録することを更に含むことができる。例えば、ある期間中に追跡された最小インピーダンス信号値を記録することが好ましい場合がある。方法3218は、ある期間中に追跡された最小インピーダンス信号値など、対象のデータ点に対する任意の決定されたインピーダンス信号値の比を計算すること3248を更に含むことができる。方法3218は、比が、所定の期間にわたる所定の閾値などの所定の閾値よりも大きいかどうかを決定すること3250を更に含むことができる。アルゴリズムが、比が所定の閾値よりも大きくないと決定した場合、アルゴリズムは、時間内に比を計算し続ける(3248)。しかしながら、アルゴリズムが、比が所定の閾値よりも大きいと決定した場合、アルゴリズムは、異物(例えば、ステープル、ブジー、NG管など)がエンドエフェクタ3014のジョー内に存在すると決定することができる3252(
図10)。
【0101】
依然として
図15を参照すると、いくつかの非限定的な態様によると、異物検出のアルゴリズム方法3218のための特徴付けられた入力は、ジョー組織接触瞬間においてマークされるその最小値に対する特定の周波数におけるインピーダンス信号の計算された比であることができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、100kHzの周波数でインピーダンス信号及び比を計算することが好ましい場合がある。追加的に及び/又は代替的に、閾値は経験的に学習され得る。
図15の非限定的な態様によれば、方法3218は、NG管及び/又は他の管状物体などの異物を検出するために展開することができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、同様の技術を使用して他の異物を検出することができる。
図15の方法3218の実験結果は、
図17を参照して更に説明され、エンドエフェクタ3012(
図10)のジョー内に位置付けられたNG管及び/又は組織試料に対するインピーダンス応答の別個のパターンを含む。異なる対象異物に関連付けられた異なるインピーダンス応答パターンを特徴付けることが可能であり得る。それに対応して、アルゴリズム論理は、
図15に示すように、実質的に同様の機能的手法を使用しながら、様々な異物を検出するように変更することができる。
【0102】
ここで
図16を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法3200、3216、3218の結果例を示すチャート3300が示されている。
図16のチャート3300によって示されるように、異なる媒体3304、3306、3308、3310、3312は、異なる周波数において異なる決定されたインピーダンス信号を有することができる。例えば、
図16のチャート3300は、血液3304、肺組織3306、腹水3308、食塩水3310、及び胃組織3312のインピーダンス信号を示す。更に、
図16のチャートは、対象の特定の周波数範囲3302にわたって取られたインピーダンス信号を示す。いくつかの非限定的な態様によれば、対象となる周波数範囲は、約10kHz~150kHzであり得る。更に、
図16のチャート3300は、流体3314の群が、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内で検出される他の媒体に対して、どのようにしてより低い決定されたインピーダンス信号を有し得るかを示す。換言すれば、血液3304、腹水3308、及び食塩水3310を含む非組織媒体は、前述したように、肺組織3306及び胃組織3312などの組織から容易に区別することができる。具体的には、
図16のチャート3300は、ブタ肺3306、ブタ胃組織3312、食塩水3310、血液3304、及び腹膜液3308を含む組織及び流体についての様々な実験から収集された全てのデータのインピーダンス信号変動を要約するボード(例えば周波数対大きさ)ボックスプロットである。しかしながら、流体3304、3308、3310に対して決定されたインピーダンス信号における識別可能な差を含む同様の結果が、人間指向の実装に対して存在することが予想される。
【0103】
ここで
図17A~
図17Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を示す別のチャート3400が示されている。具体的には、
図17B及び
図17Cは、チャート3400の対象部分をより詳細に示す。更に、チャート3400は、実験結果の注目すべき特徴を示すために注釈が付けられている。
図17A~
図17Cの非限定的な態様によると、チャート3400は、時間が経過するにつれて、異なる電極3012(
図10)群から受信される信号に基づいて決定される種々のインピーダンス信号を示すことができる。
図17Cは、特に、時間における決定されたインピーダンス応答のパターンが、特に、NG管が存在せず、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーの間に組織のみが存在する位置に関連付けられた極3012(
図10)群に関連付けられたインピーダンス応答と比較したときに、NG管が存在する位置に関連付けられた極3012(
図10)群に関して、どのようにかなり異なり得るかを示す。時間がドメインに沿って経過するにつれて、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーは、閉鎖しており、したがって、ジョーの間に位置付けられた媒体(例えば、NG管、組織)を圧縮している。特に時間領域に沿って30秒から40秒の間、ジョーが圧縮しているとき、インピーダンス信号は、NG管などの異物が存在する電極群6~10に対して、より劇的な速度で上昇している。このパターンは、組織のみが存在する電極群5及び11~13で決定された比較的安定なインピーダンス信号とは明らかに異なる。したがって、システム3000(
図10)、より具体的には、制御回路は、検出された異物の存在及び特定の位置を手術する臨床医に通信するアラートを生成することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、アラートは、
図11のユーザインターフェース3015などのユーザインターフェースを介して視覚的に表示され得る。他の非限定的な態様によれば、アラートは、外科用器具3002(
図10)又はコンピュータ装置3004(
図10)内に配置されたスピーカを介して可聴的に伝達され得る。
【0104】
ここで
図18を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図10のシステムのコンピューティングデバイス3004によって表示される別のユーザインターフェース3500が示されている。
図18の非限定的な態様によれば、
図18のユーザインターフェース3500は、
図13~
図15の方法3200、3216、3218を利用してシミュレートされた実験中に生成されたアルゴリズム結果の画像データ及び視覚表現を表示することができる。具体的には、ユーザインターフェース3500は、エンドエフェクタの画像部分3502及びデジタル表現3506を含むことができる。しかしながら、
図18の非限定的な態様によれば、試験機器は、エンドエフェクタのジョーをシミュレートしている。再び、画像は、システム3000(
図10)によって実装される1つ以上の画像センサを介して生成されることができる。ユーザインターフェース3500は、エンドエフェクタ3506のデジタル表現と共に、画像部分3502をオーバーレイするウィジェット3504を更に含むことができる。
【0105】
図18に示すように、シミュレートされたエンドエフェクタは、様々な媒体を圧縮している。例えば、シミュレートされたエンドエフェクタの先端部はその下に媒体を有さず、シミュレートされたエンドエフェクタの中央部はその下にNG管を有し、シミュレートされたエンドエフェクタの近位端はその下に組織を有する。前述したように、1つ以上の電極3012(
図10)は、エンドエフェクタ3014(
図10)内に、又は
図18の場合にはシミュレートされたエンドエフェクタ内に配置することができる。ウィジェット3504、より具体的には、エンドエフェクタ3506のデジタル表現は、カラーコード化することができ、各色は、シミュレートされたエンドエフェクタ内に位置付けられた1つ以上の電極によって渡された信号に基づいて計算されたインピーダンス信号に基づいて、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200、3216、3218によって検出された媒体に関連付けることができる。
図18の非限定的な態様によれば、空気3508、組織3510、及び異物、NG管3512を含む3つの媒体が検出されている。エンドエフェクタ3506のデジタル表現は、電極3012(
図10)がエンドエフェクタの遠位端からエンドエフェクタの近位端に及ぶ相対位置に対応する長手方向スケールを含む。したがって、エンドエフェクタ3506のデジタル表現は、4つの色付き部分にセグメント化され、各部分は、電極によって検出されるように、アルゴリズム方法によって決定される媒体に対応する。例えば、
図18の非限定的な態様によれば、ウィジェット3504は、空気3508、組織3510、NG管3512、及びより多くの組織3510が、シミュレートされたエンドエフェクタのジョー内に、その遠位端からその近位端まで順番に位置付けられていることを手術する臨床医に通信することができる。
【0106】
理解されるように、手術されている組織の下の異物の存在を一貫して識別する能力は、必須である。例えば、異物は、NG管、ブジー、以前のステープルライン、及び/又は外科手術を妨害する及び/又は外科手術に悪影響を及ぼす可能性がある追加の非組織物体を含み得る。例えば、手術を行う臨床医は、
図10の外科用器具3002などの外科用器具が、当該外科用器具の発射の前に、異物を誤ってクランプされたかどうかを知る必要がある。NG管などの異物が組織の下にある場合、それは組織の下にある可能性がある。手術を行う臨床医が、外科用器具が実際にNG管にクランプされたかどうかを知ることは困難であり得、これは理想的ではない。どの媒体がエンドエフェクタのジョーの間にあるかについての確実性及び可視性のこの欠如は、外科手術を複雑にし、あまり望ましくない外科手術結果をもたらし得る。したがって、これらの異物の存在を検出し、周囲の組織から区別するために、いくつかの重要なパターンが観察されており、異物の存在を検出するためのアルゴリズムが開発されている。本開示によって企図されるパターンのうちのいくつかは、以下で更に詳細に論じられる。
【0107】
ここで
図19を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を示す別のチャート3600が示されている。
図19の非限定的な態様によれば、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーの間の胃組織3602及びNG管などの異物3604を検出している。しかしながら、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーが時間内に閉じるにつれて、NG管3604に関連付けられた決定されたインピーダンス信号は増加するが、胃組織3602に関連付けられた決定されたインピーダンス信号は比較的均一なままである。したがって、このパターンは、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200、3216、3218及び
図10のシステム3000によって使用されて、ユーザインターフェースを生成することができ、例えば
図18のユーザインターフェース3500などであり、これにより、NG管3604などの異物がエンドエフェクタ3014のジョーの間に存在すること(
図10)、及びジョー内のNG管3604の正確な位置を手術中の臨床医に伝えることができる。
【0108】
ここで
図20を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図13~
図15の方法の実験結果を示す別のチャート3700が示されている。
図20のチャート3700は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーの間に配置された媒体を検出するために、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200、3216、3218によって使用することができる第2の識別パターンを示す。具体的には、
図20のチャート3700は、経時的なインピーダンス位相の変化を示し、これは、異物を組織から区別するために使用することができるパターンを生成する。例えば、
図20の非限定的な態様によれば、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョーの間の胃組織3702及び異物3704、すなわちNG管に関連するインピーダンス信号をもう一度決定している。しかしながら、
図20の非限定的な態様によれば、異物3704の位相は経時的に減少するが、胃組織の位相は比較的一定のままである。したがって、このパターンは、
図18のユーザインターフェース3500などのユーザインターフェースを生成するために、
図13~
図15のアルゴリズム方法3200、3216、3218及び
図10のシステム3000によって使用され得、これにより、NG管3704などの異物がエンドエフェクタ3014のジョーの間に存在すること(
図10)、及びジョー内のNG管3704の正確な位置を手術中の臨床医に伝えることができる。
【0109】
いくつかの非限定的な態様によれば、
図19及び
図20に示すパターンを含むパターン及び傾向の組合せを集合的に実装して、異物を組織から区別することができる。ここで
図21を参照すると、少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョー内で検出された異物を検出された組織から区別するために複数のパターンを集合的に実装する方法3800の論理フロー図が示されている。
図21の非限定的な態様によれば、方法3800は、インピーダンス入力データの収集3802、特徴抽出3804、及びモデル開発3806を含むことができる。前述のように、方法3800は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に位置付けられた電極3012(
図10)などのセンサからの信号の受信を介して開始することができる。そのような信号に基づいて、アルゴリズムは、
図21の方法3800の入力ステップ3802によって示されるように、インピーダンス信号及び時間におけるインピーダンス位相などのパラメータを決定するように構成され得る。これらの決定された測定値は、時間における位相シフト及び/又は時間におけるインピーダンス信号の変化などの特徴3804を特徴付けるか又は抽出するために使用され得る。これらの特徴及び他のデータは、特徴抽出3804の一部としてラベル付けすることもできる。最後に、モデルを開発することができる(3806)。モデル開発3806は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の様々な媒体を区別するために、決定された位相シフト又はインピーダンス信号の変化の使用を含むことができる。したがって、
図21の方法3800からの出力は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の異物などの様々な媒体を識別するために使用することができ、したがって、システム3000(
図10)によって使用して、手術する臨床医に警告を提供することができる。
【0110】
他の非限定的な態様によれば、本開示は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の組織位置の分類のためのサポートベクトルマシンモデルを企図する。組織位置フィードバックを外科医に提供するために、組織、流体、及び空気を区別することができる堅牢なアルゴリズムが開発されなければならない。このことが観察された。識別は、電気インピーダンス分光法(「EIS」)技術を使用するときに行うことができる。機械学習技術及び/又はサポートベクトルマシンを使用して、そのような分類を提供することができる。このような技術は、切断及び/又はステープル留めなどの外科手術を行う前に血管全体が完全にクランプされていることを確実にするために、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内のどこに組織が位置しているかを手術する臨床医が視覚化するのを更に支援することができる。これは、手術中の臨床医が体内深くで手術しており、装置の遠位先端における切断線を見ることができないときに、視覚化することが困難であり得る。例えば、血管又は動脈を横切ってステープラ等の外科用器具を発射するとき、装置のジョー内に血管を完全に捕捉することが重要であり得る。ジョー内に血管を完全に捕捉することは、血管の切断及び/又は封止等の外科手術が、血管全体にわたって行われ、それによって、失血を防止することを確実にすることができる。しかしながら、処置中に、組織がジョー内のどこに位置しているか、及び切断線を越えて延びているかを視覚的に識別することが困難な場合がある。
【0111】
ここで
図22を参照すると、少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の媒体の位置を知的に分類するようにアルゴリズムモデルを訓練する方法3900の論理フロー図が示されている。具体的には、方法3900は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に位置する組織を分類するサポートベクトルマシンモデルの使用を含むことができる。
図22の非限定的な態様によれば、方法3900は、インピーダンス入力データの収集3902、データスケーリング及び特徴抽出3904、モデル訓練3906、及びモデルの出力3908を含むことができる。前述のように、方法3900は、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内に位置付けられた電極3012(
図10)などのセンサからの信号の受信を介して開始することができる。そのような信号に基づいて、アルゴリズムは、
図22の方法3900の入力ステップ3902によって示されるように、インピーダンス信号及び時間におけるインピーダンス位相などのパラメータを決定するように構成され得る。これらの決定された測定値は、位相シフトをスケーリングすること(例えば、1/2radなどによる)、インピーダンス信号をスケーリングすること(例えば、1/100Kオームなどによる)、時間における位相シフトを決定すること、及び/又は時間におけるインピーダンス信号の変化を決定することなど、データスケーリング及び特徴抽出3904のために使用され得る。例えば、インピーダンス位相(「Zphase」)は、0.001π及び2πラジアンの範囲の間でスケーリングすることができ、インピーダンスの大きさ(「Zmag」)は、0.001~1Mohmの範囲でスケーリングすることができる。スケーリングは、カスタムスケーリング関数を使用して実行することができる。これらの特徴及び他のデータは、特徴抽出3904の一部としてラベル付けすることもできる。データに対して計算を実行して、経時的なZの大きさの変化などの新しい特徴を抽出することができる。しかしながら、スケーリング及び特徴抽出3904は、データが適切な組織タイプでラベル付けされ得、それらの組織タイプラベルを有する入力特徴がアルゴリズムモデルを訓練する(3906 a)ために使用されるという点で、
図21の方法3800の対応すること3804とは異なり得る。例えば、方法3900は、オープンソースScikit Learn Pythonライブラリを使用して、線形サポートベクトルマシンアルゴリズムを介してモデルを訓練すること3906を含むことができる。
【0112】
訓練されたモデルは、将来の試料の分類に使用される重み行列及びバイアスベクトルを生成する。
【0113】
例えば、サポートベクトルマシンモデルは、最も一般的な教師あり学習アルゴリズムの1つであり、これは、分類並びに回帰問題に使用することができる。具体的には、本開示は、機械学習の手段としてエンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の媒体の分類のためのサポートベクトルマシンモデリングを実装し、したがって、アルゴリズム性能を改善することを企図する。サポートベクトルマシンアルゴリズムの目標は、新しいデータ点(例えば、インピーダンス測定値)が将来適切かつ効率的に分類され得るように、n次元空間をクラスに分離することができる最良の線又は決定境界を作成することである。この最良の決定境界は超平面と呼ぶことができる。したがって、モデル訓練3906は、アルゴリズムモデルが超平面を作成するのを助ける極値点/ベクトルを時間的に選択することができる。これらの極端な場合はサポートベクトルと呼ばれ、したがって、アルゴリズムは「サポートベクトルマシン」アルゴリズムとして知られている。次に、線形サポートベクトルマシンは、各入力特徴が各クラスに対してどの程度重要であるかを決定するように構成された重みを含むことができる新規の重み行列を作成することができる。訓練3906は、分類スコアを計算するために使用され得るバイアスベクトルを更に作成することができる。最後に、モデルを出力することができる(3908)。出力モデル3908は、前述したように、重み行列及び/又はバイアスベクトルを含むことができる。最終的に、訓練3906は、訓練データセットを使用して実行することができ、訓練されると、アルゴリズムは、単純なドット積及び加算のみを使用して将来の試料を分類することができる。
【0114】
次に
図23を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図22の方法3900を介してアルゴリズムモデルが訓練された後に検出された媒体を分類する方法4000のブロック図が示されている。
図23の非限定的な態様によれば、モデルが訓練された後に新しい試料を分類するためにアルゴリズム的に実行することができる数学的演算が示されている。具体的には、重み行列は、「m」掛ける「n」行列であり、ここで、「m」(#行)は、モデルが訓練されるクラスの数を表し、「n」(#列)は、
図22の方法3900を介して抽出される(3902)ような、モデルの入力特徴の数を表す。重み行列は、必要に応じて任意の数の行及び/又は列を含むことができることを理解されたい。モデルは、複数のクラス及び複数の入力を使用して訓練することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、4つのクラス(例えば、組織、流体、空気、及び/又は異物に対応する)及び4つの入力特徴(例えば、Z mag、Z phase、dZ/dt、及び/又はdPhase/dtに対応する)が存在し得る。例えば、
図23の非限定的な態様によれば、モデルは、3つの入力特徴を有する2つの別個のクラスに対して訓練することができる。
図23の試料Xは、分類される必要がある、新しい試料から抽出された特徴データ(例えば、電極3012(
図12)から受信された信号に基づいて決定されたインピーダンス測定値)を示す。モデルは、対象の周波数における試料について、決定されたインピーダンス信号と時間におけるインピーダンス位相シフトとの間の関係などの履歴パターンを調べる。いったん分類されると、分類における決定された区別は、本明細書に開示される方法及び/又は手段のいずれかに従って、手術する臨床医に容易に通信されることができる。
【0115】
ここで
図24A及び24Bを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図23の方法4000を介して決定された、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内で検出された様々な媒体間の区別を示すいくつかのチャート4100A、4100Bが示されている。
図24Aの非限定的な態様によれば、第1のチャート4100Aは、インピーダンス信号がインピーダンス位相に対して考慮されるときの、検出された組織と流体との間の決定された区別を示す。具体的には、モデルは、胃組織4106及び肺組織4108などの組織と、それぞれ食塩水4102及び血液4104などの流体との間に線形境界線4101を生成している。換言すれば、モデルは、組織4106、4108と流体4102、4104との間の明確な区別を確立している。
【0116】
図24Bの非限定的な態様によれば、チャート4100Bは、インピーダンス信号がインピーダンス位相に対して考慮されるときの、検出された組織と流体との間の決定された区別を再び示す。具体的には、モデルは、胃組織4116及び肺組織4118などの組織と、それぞれ食塩水4110、血液周囲4112、血液4114、及び腹膜液4120などの流体との間に線形境界線4103を生成している。換言すれば、モデルは、組織4116、4118と流体4110、4112、4114、4120との間の明確な区別を確立している。いくつかの非限定的な態様によれば、アルゴリズムは、この分類を実行し、カスタム線形サポートベクトルマシンであるデータセット間の境界線を作成することができる。
【0117】
ここで
図25を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図23の方法4000を介して決定される、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内で検出された様々な媒体間の区別を示す別のチャート4200が示されている。
図25の非限定的な態様によれば、位相シフト及びインピーダンス信号は、
図23のスケーリングプロセス3904を介してスケーリングすることができる。例えば、
図25の非限定的な態様によれば、位相シフトは1/2radだけスケーリングすることができ、インピーダンス信号は1/100キロオームだけスケーリングすることができる。ここでも、モデルは、胃組織4204などの組織をNG管4202などの異物から区別する境界ライン4201を生成している。しかしながら、
図25の非限定的な態様によれば、モデルは、境界線4201を更に決定及び精緻化するためにモデルによって使用することができるサポートベクトル4203、4205も生成している。
【0118】
本開示の他の非限定的な態様によれば、電気インピーダンス分光法を介して組織を特徴付けるためのデータ分析の装置、システム、及び方法が開示される。外科処置中、外科医は、ステープラジョー内の組織特性及び位置に関する情報が有利になる様々な状況に遭遇する場合がある。発射される組織のタイプ並びにジョー内の標本の位置を知る能力は、ステープル留め装置を効果的に発射する外科医の能力を支持する。アルゴリズム開発は、最小限の計算能力を使用して電気インピーダンスデータから意味のある組織洞察を形成するために、データからの特徴入力を必要とし、これは、処理効率を促進し、インテリジェント外科用器具の計算能力を改善することができる。電気インピーダンス分光法感知技術から組織洞察を抽出するためのアルゴリズム及びモデル開発プロセスの一部として、データ内のキーパターンを識別するために特徴入力が確立される必要がある。電気インピーダンス測定値は、インピーダンス信号及びインピーダンス位相から構成される。これら2つの値は、時間又は周波数のレンズを通して研究することができる。時間領域にわたって感知された電気インピーダンスプロファイルを研究することによって、異なる標本は、液体及び組織の両方を特徴付けるために使用されることができる、別個かつ区別可能なパターンを呈し得る。このような特徴は、連続的なリアルタイムの組織特徴付けを提供することによる技術的な向上を表し、これは、手術する臨床医によって手動で実行され得ず、他の外科用器具及びシステムは不可能である。したがって、本明細書で開示される技術は、従来の装置に対する著しい技術的改善を表す。
【0119】
ここで
図26A及び
図2Bを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタ3014(
図10)のジョー内の組織を特徴付ける手段の区別を示すいくつかのチャート4300A、4300Bが示されている。チャート4300A、4300Bは、革新的な組織洞察を提供するために、本明細書に開示される方法及び手段を介して時間領域において決定されるような、電気インピーダンス信号及び位相シフトの使用を示す。
図26A及び
図26Bの非限定的な態様によれば、チャート4300A、4300Bは、肺葉4302及び気管支4304に関連するものとして、時間的に決定された測定パラメータを示す。具体的には、
図26Aのチャート4300Aは、肺葉4302及び気管支4304組織の時間領域におけるインピーダンスプロファイルを示す。
図26Bのチャート4300Bは、肺葉4302及び気管支4304組織の時間領域におけるインピーダンスシフトを示す。両方のチャート4300A、4300Bを検討すると、気管支4304間の値の範囲は、各標本によって一意に示される位相値の異なる範囲に起因して、肺葉4302から容易に区別可能であることが明らかになる。チャート4300A、4300Bは、測定値が時間の関数としてどのように変化し得るか、及び時間領域が組織特徴付けへの洞察もどのように提供し得るかを更に示す。例えば、測定値は、手術中の臨床医がエンドエフェクタ3104(
図10)のジョーを閉じるにつれて変化してもよく、それによって組織を圧縮し、媒体に応じて測定パラメータを潜在的に変化させる。更に、時間領域を使用することによって、組織タイプ間の明確な区別が、対象の1つの周波数のみを使用することによって可能である。必要なモデル入力ストリームラインを得るためにより少ない周波数を使用する能力は、したがって、組織を特徴付けるために感知モダリティによって必要とされる計算能力を低減する。更に、周波数範囲を制限することはまた、外科用器具上で必要とされるセンサハードウェアの複雑さを低減し得る。
【0120】
次に
図27を参照すると、少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタ3104(
図10)のジョーの間に位置付けされた媒体を検出し、媒体を位置特定し、媒体を特徴付ける方法4400のフローチャートが示されている。特に、
図27の方法4400は、上記で説明したシステム及び装置によって実行される方法及び機能を要約し、包括的な方法で実装されたときにシステム3000(
図10)がどれだけ強力であり得るかを示す。
【0121】
前述の態様は、前述の外科用器具を介して実装されたときに、様々な信号及び信号パラメータを利用して組織洞察(例えば、組織位置、異物通知、重要構造通知、組織特徴付け等)を生成することができる装置、システム、及び方法を示すことが理解されるべきである。したがって、前述の態様は、手術中の器具と組織との相互作用を可能にすることができる装置、システム、及び方法を示しており、これは、手術を行う臨床医が「見えない部分を見る」ことを可能にし、それによって外科的意思決定を強化することができ、これは、より安全で、より効率的な、及び/又はより正確な外科手術をもたらすことができる。しかしながら、改良された外科用器具を介して実装されるとき、前述の装置、システム、及び方法は、本明細書で更に詳細に論じられるように、更に多くの利益をもたらすことができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、電気インピーダンス分光法(「EIS」)を含むがこれに限定されない様々な方法を使用して外科用器具が強化された洞察を生成することができるように、1つ以上の電極をエンドエフェクタのジョーに電気機械的に統合することができる。しかしながら、いくつかの非限定的な態様によれば、電極は、電気的感知の代替手段(例えば、電圧、電流、電力、インピーダンス、又はそれらの任意の組み合わせの監視)のために実装され得る。したがって、本明細書に開示される外科用器具は、組織応答を生成するプログラマブル条件(例えば、エンドエフェクタの開放、エンドエフェクタの閉鎖、組織圧縮など)に基づいて、モータ負荷応答を処理するように特に構成され得る。本明細書に開示される外科用器具は、電極アレイと、様々な電極を様々な方法で作動させるように構成されたマルチプレクサとの様々な組み合わせを含むことができ、それによって、電極、したがって外科用器具が、以前に開示された洞察を生成することを可能にする。以下の態様は、
図1の外科用器具10000などの手持ち式外科用器具を介して、又は
図3の外科用器具5100などのロボット外科用器具を介して実装することができることを理解されたい。
【0122】
これらの洞察を生成するために、本明細書に開示される外科用器具は、エンドエフェクタの様々な部分に組み込まれ、特定の送り構成を介してエンドエフェクタ及び電極アレイの近位に位置するシステムインターフェースに結合される、特別に構成された電極アレイを含むことができる。例えば、本明細書に開示される外科用器具は、様々な数(例えば、2つ、4つ、6つ、8つ等)、幾何学的構成(例えば、円形、長方形、三角形、非対称等)、材料(例えば、金、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼等)、及び位置(例えば、チャネル、カートリッジ、アンビル)の様々な電極を有する電極アレイを含むことができる。したがって、電極のアレイは、EIS測定のために使用することができ、EIS測定は、外科用器具を通って接続インターフェースまで延びる電気接続を介して伝達される。これにより、ステープラがEIS制御電子機器に接続される。ステープラの外部境界内での信号の送りは、フレキシブルプリント回路基板を使用して、又は無線接続を介して達成され得る。本明細書に開示されるように、電極は、他の位置の中でも、エンドエフェクタのチャネル、別個の消耗品、カートリッジ、又はアンビル内に統合され得る。
【0123】
同様に、信号が洞察生成のために電極へ及び電極から送られる方法は、外科用器具の性能を更に改善することができる。例えば、マルチプレクサ又はスイッチング集積回路の使用及び/又は位置は、外科用器具がアレイの各電極を作動及び利用する方法を向上させることができる。更に、マルチプレクサの位置は性能を向上させることができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、マルチプレクサを、エンドエフェクタによって画定されるチャネル内に、エンドエフェクタのジョー内の他の場所に、外科用器具のシャフトに、外科用器具のハンドルに、エンドエフェクタ内に配置されるように構成された消耗品又はカートリッジ内に、又は資本設備(例えば、電気外科用発生器)の独立部品内に配置することは理にかなっている場合がある。加えて、電極が外科用器具とインターフェースする(例えば、有線又は無線)手段は、性能を更に向上させることができる。加えて、電極アレイからの信号を処理し、洞察を生成するように構成される制御回路は、外科用器具内、又は外科用器具の外部に位置付けられることができ、同様に、有線又は無線インターフェースのために構成されることができる。したがって、ケーブルの一部分は、電力及びデータ通信に関連付けられる信号専用とすることができ、必要に応じて感知を可能にするために外科用器具の近位端に差し込むことができる(例えば、プラグアンドプレイ機能)。ケーブルの第2の部分は、電力、信号生成、及び/又は計算信号処理能力を提供することができる、システム資本モジュール(例えば、手術用ハブ)に接続されることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、制御回路は、制御回路が外科用器具に搭載されているか外部にあるかに関わらず、有線又は無線インターフェースを介して電極アレイから信号を受信するように構成され得る。したがって、様々な外科用器具は、本明細書で更に詳細に論じられるように、前述の洞察を生成するために様々な程度のシステム統合を含むことができる。
【0124】
例えば、
図28を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様に外科用システム6000が示されている。
図28の非限定的な態様によれば、外科用システム6000は、ハブ6001に交換可能に接続され得る1つ以上のモジュール式外科用器具6008、6010に通信可能に結合されるように構成されたハブ6001を含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、ハブ6001は、2019年9月5日に出願され、2020年3月12日に米国特許出願公開第2020/0078113号として公開された、米国特許出願第16/562,172号、発明の名称「PORT PRESENCE DETECTION SYSTEM FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」に開示されているものと同様であってもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図28の外科用器具6008、6010はハブ6001に有線接続されているが、いくつかの非限定的な態様によれば、外科用器具6008、6010はハブ6001に無線で結合され得る。いずれにしても、ハブ6001は、外科用器具6008、6010に信号及び/又はコマンドを通信することができ、外科用器具6008、6010から信号及び/又はフィードバックを受信することができる。
【0125】
図28を更に参照すると、外科用システム6000は、意図される用途に応じて、ロボット外科用器具6008を利用するロボットプラットフォーム6002、及び/又は手持ち式外科用器具6010を利用する手持ち式プラットフォーム6004と共に使用するために適合可能に構成され得る。例えば、
図28の非限定的な態様によれば、手持ち式外科用器具6010は、腹腔鏡装置であり得る。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、本開示は、他の手持ち式外科用器具を企図する。両方のプラットフォーム6002、6004において、ハブ6001は、通信可能に結合された外科用器具6008、6010を制御するように構成された様々な制御ユニット(例えば、プロセッサ、アクチュエータ、発生器など)を含むラック6016、6018内に位置付けられ得る。例えば、ロボットプラットフォーム6002は、特に、
図2のコントローラ5000等のロボット外科用システムのコントローラを更に含むことができる。
【0126】
特に、
図28のモジュール式外科用器具6008、6010はそれぞれ、先に開示したように、第2のジョーに対して移動可能な第1のジョーを備えて構成されたエンドエフェクタ6012、6014を含むことができる。実装する外科用器具6008、6010及び/又はプラットフォーム6002、6004に応じて、各エンドエフェクタ6012、6014は、意図された外科手術を実施するように特に構成され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012、6014は、外科用ステープル留め操作を実行するように構成され得る。他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012、6014は、ハブ6001から受信したコマンド及び/又はラック6016、6018内に位置付けられた発生器から受信したエネルギーに応答して、RF及び/又は超音波エネルギーを送達するように構成され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6002は、高度双極外科手術用に構成することができる。更に他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6002は、2つ以上の平面内で関節運動するように構成されたエンドエフェクタなど、高度関節運動ツール(「HAT」)用に構成することができる。いずれにしても、各エンドエフェクタ6012、6014は、本明細書で更に詳細に説明されるように、様々な方法を使用して強化された組織洞察の生成を容易にするように構成された電極6013、6015のアレイを含むことができる。
【0127】
ここで
図29A~
図29Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの態様に従って、
図28のシステム6000と共に使用するように構成されたロボット外科用器具6008が示されている。
図29Aの非限定的な態様によれば、外科用器具6008は、外科手術を実行するように構成されたエンドエフェクタ6012を含むことができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012は、外科用ステープル留め操作に使用するように構成され得る。他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012は、RF及び/又は超音波エネルギーを送達するように構成することができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012は、高度双極外科手術用に構成することができる。更に他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6012は、HAT用に構成することができる。
【0128】
図29B及び29Cを参照すると、
図29Aのロボット外科用器具6008に結合され得る特定のエンドエフェクタ6012
a、6012
b及び電極構成6013
a、6013
bが、本開示の少なくとも2つの非限定的な態様に従って示されている。例えば、
図29Bは、エンドエフェクタ6012
aによって画定される長手方向軸を横断し、エンドエフェクタ6012
aの外壁から突出する電極を含むことができるエンドエフェクタ6012
aを示す。
図29Cによれば、電極は、エンドエフェクタ6012
bによって画定される長手方向軸を同様に横断するが、エンドエフェクタ6012
aの外壁に対して同一平面上にあるパッドから画定することができる。更に詳細に論じられるように、電極6013
a、6013
bは、エンドエフェクタ6012
a、6012
b内に統合されてもよく、及び/又はエンドエフェクタ6012
a、6012
b内に挿入されるように構成されたカートリッジ内に統合されてもよい。
【0129】
図29A~
図29Cを更に参照すると、ロボット外科用器具6008は、ロボット外科用器具6008に関連付けられたデータを生成するように更に構成することができ、このデータは、
図1~
図27を参照して図示及び説明したように、外科用器具6008から受信したフィードバックを強化し、したがって、外科用器具6008に通信可能に結合された外科用ハブ及び/又は制御回路によって生成される洞察を改善することができる。例えば、
図29A~
図29Cの外科用器具6008は、そのハウジング内に位置付けられた1つ以上の内部センサ(例えば、エンコーダ、トルクセンサ、制御運動センサ等)を介して、その位置、負荷、及び/又はモータに関連付けられたデータを生成し得る。このデータは、エンドエフェクタ6012内に位置付けられた複数の電極6013によって生成された電気インピーダンス分光法(「EIS」)データと併せて、前述のアルゴリズムエンジンへの入力に使用することができ、アルゴリズムエンジンは、概して、手術されている組織、外科用器具6008自体、及び/又は手術に関する重要な出力及び/又は洞察を推定、検出、及び/又は評価することができる。そのような出力は、高い臨床値を提供することができる。例えば、
図29A~
図29Cの外科用器具6008によって生成される組織EISデータ、位置データ、負荷データ、及び/又はモータトルクデータの様々な組み合わせは、相対的な組織張力、ジョー内の組織の厚さ、組織特性、及び/又は重要な構造(例えば、血管)の位置を推定するために、前述のアルゴリズムエンジンによって使用することができる。
【0130】
ここで
図30を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図29A~
図29Cの外科用器具6008によって使用されるアルゴリズムエンジン7002のブロック
図7000が示されている。
図30のアルゴリズムエンジン7002は、
図29A~
図29Cの外科用器具6008を具体的に参照して説明されるが、
図3のアルゴリズムエンジン7002は、本明細書に開示される外科用器具及び/又は外科用ハブのいずれかによって同様に実装され得ることを理解されたい。
図30の非限定的な態様によれば、外科用器具6008は、処理及び/又は分析のためにアルゴリズムエンジン7002に提供され得るいくつかの信号7004、7006、7008を生成することができる。
【0131】
例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、
図29A~
図29Cの外科用器具6008は、外科用器具6008のエンドエフェクタ6012内に配置された様々なセンサ及び/又は電極6013によって検出された組織EISデータ7004、位置データ7006、及び/又はトルク/負荷データ7008に関連付けられた信号を生成することができる。アルゴリズムエンジン7002は、前述の方法及び技術を用いて、これらの入力を処理し、臨床医に組織、外科用器具6008、及び/又は実行されている操作に関する洞察を提供することができる1つ以上の出力7010、7012、7014、7016を生成することができる。
【0132】
ここで
図31を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図28のシステム6000と共に使用するように構成された手持ち式外科器具6010が示されている。
図31の手持ち式器具6010は、特に手動操作のために構成されているが、
図29A~
図29Cのロボット外科用器具6008を参照して説明した特徴のいずれかを含み、同様の利点を提供することができる。
図31の非限定的な態様によれば、外科用器具6010は、エンドエフェクタ6015及びハンドル6020を含むことができる。外科用器具6010は、近位部分6018及び遠位部分6019を有するシャフト6016を更に含むことができる。エンドエフェクタ6014は、関節運動継手を介してシャフト6016の遠位部分6019に結合することができ、シャフト6016は、ノズル6017を介してハンドル6020に結合することができる。前述したように、エンドエフェクタ6014は、第2のジョーに対して移動可能な第1のジョーを含むことができ、複数の電極6015を収容するように構成することができる。
【0133】
図29A~
図29Cのロボット外科用器具6008と同様に、
図31の外科用器具6010もまた、外科手術を行うように構成され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6014は、外科用ステープル留め操作に使用するように構成され得る。他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6014は、RF及び/又は超音波エネルギーを送達するように構成することができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6014は、高度双極外科手術用に構成することができる。更に他の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6014は、HAT用に構成することができる。
【0134】
ここで
図32を参照すると、例示的な電極アレイ6015が、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って示されている。
図32の電極アレイ6015は、
図31のエンドエフェクタ6014の構成要素として示されているが、
図32の電極アレイ6015は、本明細書に開示される外科用器具のいずれかによって使用されるエンドエフェクタのいずれかを介して実装することができることを理解されたい。例えば、
図31のエンドエフェクタ6014の第1のジョーは、エンドエフェクタ6014(
図31)の長手方向軸Lを横断する細長いチャネル6021を画定することができる。具体的には、チャネル6021は、長手方向軸Lの両側で長手方向軸Lに沿って延びる1つ以上の壁6025
a、6025
bによって画定され得る。例えば、
図32の電極アレイ6015は、8対の電極6022、6024を含み、各電極は、矩形形状を有し、チタンから構築される。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、アレイ6015は、意図される用途及び/又はユーザの好みに応じて、様々な数、形状、及び/又は材料の電極6022、6024を含むことができる。
図32に更に示すように、アレイ6015の特定の電極6024は、他の電極6022に対して異なる構成とすることができる。例えば、特定の電極6024は、切断線6026の周りに配置することができ、電極6024が切断線6026のいずれかの側で増大した解像度を提供するように構成することができる。
【0135】
図32の非限定的な態様によれば、電極アレイ6015は、エンドエフェクタ6014(
図31)のジョーのうちの1つによって画定されたチャネル6021の壁6025
a、6025
bに組み込まれた1つ以上の電極6022、6024を含むことができる。具体的には、各電極6022、6024は、チャネル6021の壁6025
a、6025
b上にオーバーマウント又はオーバーモールドすることができる。もちろん、他の統合手段を用いて同様の効果を達成することができる。
図32の非限定的な態様によれば、特定の電極6024は、エンドエフェクタ6014(
図31)の切断線6026の周りに配置することができ、それにより、これらの電極6024は、(本明細書で更に詳細に説明するように)マルチプレクサを介して伝達される多重化信号によって作動されると、切断線6026の周りの組織を切断することができる。多重化信号及びマルチプレクサは、前述のように、他の電極6022を利用して、組織洞察を生成することができる。
【0136】
ここで
図33A~
図33Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具と共に使用するように構成された別のエンドエフェクタ6100が示されている。
図31及び
図32のエンドエフェクタ6014と同様に、
図33A~
図33Cのエンドエフェクタ6100は、ジョー6101の2つの壁6103
a、6103
bの間に散在するチャネル6102を画定する第1のジョー6101を含むことができる。加えて、電極6104、6106のアレイは、ジョー6101の各側壁6103
a、6103
b内に統合されることができる。ここで
図33Bを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図33Aのエンドエフェクタ6100の等角断面図が示されている。
図33Aの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6100は、多重化信号を搬送することができるフレキシブル導体6108を更に含むことができ、フレキシブル導体6108は、ジョー6101を通って横断する。
【0137】
図33Bを更に参照すると、フレキシブル導体6108は、電極6104、6106が、外科用器具及び/又は外科用ハブ内に位置付けられた制御回路によって及び/又は制御回路を通じて送信された信号を受信することができるように、多重化され、電極6104、6106に電気的に結合され得る。フレキシブル導体6108は、様々な電極6104、6106への電気接続を提供する複数の層を介してこれを達成することができる。したがって、フレキシブル導体6108は、以下で更に説明するように、マルチプレクサ及び/又は多出力発生器として構成することができる。したがって、各電極6104、6106がアレイ内の他の電極6104、6106に対して異なる目的を果たすことができ、かつ/又は別個の機能を提供することができるように、独立した信号を各電極6104、6106に送信することができ、それを通して送信することができる。例えば、各電極6104、6106の下の組織は、凝固の必要性に従って個別に治療することができる。しかしながら、外科的洞察の生成に関連して、前述のように、アレイの特定の電極6104は、フレキシブル導体6108を通して信号を受信し、外科的洞察を生成することができる。切断線6026(
図32)の周りに配置された電極6106などの他の電極は、フレキシブル導体6108を通して信号を受信して、切断線6026(
図32)の周りに位置付けられている組織を切断することができる。アレイ内の各電極6104、6106は、外科用ハブ及び/又は制御回路に通信可能に結合することができ、したがって、電極6104、6106がフレキシブル導体6108を介してエネルギーを受け取ることができるように、エネルギー源に通信可能に結合することができる。例えば、非限定的な一態様によれば、チャネル6102の両側の活性電極6104、6106の対は、エネルギー源によって同時に通電されてもよい。
【0138】
他の非限定的な態様によれば、セグメント化された電極6104、6106の異なる対は、フレキシブル導体6108を介して通電されるか、又は異なる信号を受信することができる。様々な電極対6104、6106は、特定の外科手術を実施するためにエネルギー源(又は発生器)によって通電されることができ、他の電極対6104、6106は、前述の技術を使用して、組織洞察を生成するために使用されることができる。フレキシブル導体6108は、制御回路の制御下で、必要に応じて、様々な多重化信号を伝達し、それらを対応する電極6104、6106に分配することができ、これについては更に詳細に説明する。いくつかの非限定的な態様によれば、エネルギー源、マルチプレクサ、及び制御回路は、ノズル6017、シャフト6016、ハンドル6020、ロボット外科用器具のハウジング、及び/又は外科用システムの通信可能に結合された外科用ハブ内に配置され得る。いくつかの非限定的な態様によれば、マルチプレクサは、2008年2月14日に出願され、2016年12月20日に米国特許第9,522,029号として発行された米国特許出願第13/795,205号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING HANDLE BASED POWER SOURCE」に記載されているものと同様であってもよく、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0139】
図33Cの非限定的な態様によれば、電極6104、6106をエンドエフェクタ6100に統合する手段が、本開示の少なくとも非限定的な態様に従って示されている。フレキシブル導体は、エンドエフェクタ3100の各側面を横断する導電性トラック3108
a、3108
bに結合され得る。フレキシブル導体3108と同様に、各導電性トラック3108
a、3108
bは、電極3104、3106との間で多重化信号を送信するように構成することができる。電極6104、6106を形成することができる電極材料6110は、6103
a、6103
b(
図33)の側壁を構成することができる材料でオーバーモールドすることができる。オーバーモールドは、例えば、2つ以上の構成要素が互いの上部にわたって成形され、それによって、単一の固体片をもたらし得る、多段階射出成形プロセスを含むことができる。もちろん、他の非限定的な態様によれば、電極6104、6106を導電性トラック6108
a、6108
b及びエンドエフェクタ6100の側壁に統合するために他の手段を使用することができる(例えば、機械加工、マスキング、インサート成形、空洞への挿入及び接着など)。
【0140】
図33A~
図33Cの非限定的な態様は、前述の統合技術のうちの1つを例証するに過ぎない。
図33A~
図33Cの非限定的な態様によれば、
電極6104、6106のアレイをチャネル6102に統合することができ、フレキシブル導体6108は、多重化がエンドエフェクタ6100内で行われるように構成することができ、データ信号及び電力信号を含む信号を、フレキシブル導体6108上のトラックを介してエンドエフェクタ6100を通して送ることができる。エンドエフェクタ6100によって採用される統合技術は、信号が、フレキシブル導体6108を通して、電極6104、6106のアレイへ、及びそこから、並びに
図34Aの関節運動継手6112等の外科用器具の関節運動継手を通して送信されることを可能にする。
図34Aの非限定的な態様によれば、関節運動継手6112は、
図33A~
図33Cのフレキシブル導体6108などのフレキシブル導体を通すことができる1つ以上の支持体6114を有することができ、それによって、フレキシブル導体を通ってエンドエフェクタに出入りする信号を中断することなく、
図33A~
図33Cのエンドエフェクタ6100などのエンドエフェクタの関節運動を容易にする。当然ながら、同様の関節運動継手6112は、本明細書に開示される外科用器具のいずれかに実装され得る。
図34Bは、フレキシブル導体6108が、関節運動継手6112の後に、外科用器具のシャフト6116を通ってノズル6117内へと、どのように更に近位に送られ得るかを示す。
図34Cは、外科用器具のノズル6117を更に詳細に示しており、フレキシブル導体6108は、ノズル6117のハウジングを横断し、ノズル6117内に配置された制御回路6119に電気的に結合されている。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、制御回路6119は、ノズル6117の近位に、又は通信可能に結合された外科用ハブ内に配置することができる。いくつかの非限定的な態様では、外科用ハブは、外科用器具自体に対して遠隔に位置付けられ得る。したがって、外科用器具のエンドエフェクタ、より具体的には、電極のアレイは、外科用器具内に近位に位置付けられた制御回路、又は通信可能に結合された外科用ハブに効果的に結合され得る。その後、制御回路は、前述のように、アルゴリズム実装を介して信号を使用して洞察(例えば、EIS測定値)を生成することができる。
【0141】
ここで
図35を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様により、別のエンドエフェクタ6200が示されている。
図35の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6200は、エンドエフェクタの側壁6203
a、6203
bによって画定されるチャネル6202内に挿入されるように構成された別個の消耗品6206上に装着された1つ以上の電極6204を含むことができる。したがって、チャネル6202及び側壁6203
a、6203
bは、別個の消耗品6206を収容するように構成することができる。例えば、側壁6203
a、6203
bは、別個の消耗品がチャネル6202に挿入されたときに導電性材料が電極6204と電気的に通信するように配置されるように、導電性材料から構成される内面を含むことができる。代替として、チャネルは、多重化信号を搬送することが可能なフレキシブル導体6108と電気的に通信するように電極6204を配置するように構成された1つ以上の電気接点を含むことができ、フレキシブル導体6208は、チャネル6202を横断する。
【0142】
言い換えれば、
図35の非限定的な態様によれば、電極3204のアレイは、別個の消耗品6206に取り付けることができ、したがって、チャネル6202内に選択的にクリップ留めすることができる。このようにして、単一のエンドエフェクタ6200は、多数の別個の消耗品6206を収容するように構成することができ、各別個の消耗品6206は、様々な構成の電極6204の異なるアレイを含むことができる。更に、別個の消耗品6206は、外科手術用カートリッジ(例えば、ステープルカートリッジ、電気外科用カートリッジなど)を収容するように構成された第2のチャネル6212を画定することができる。したがって、別個の消耗品6206及びカートリッジの様々な組み合わせが、同じエンドエフェクタ6200によって使用され得る。更に、電極6204は、フレキシブル導体6208を介して信号を受信及び送信することができ、これは、エンドエフェクタ6200内に装填されたカートリッジタイプにかかわらず、以前に開示された技術による洞察を生成するために使用することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、フレキシブル導体6208は、
図33A~
図33C及び
図34のエンドエフェクタ6200を参照して説明したものと同様の方法で、エンドエフェクタ6100及び外科用器具を通して送ることができる。
【0143】
ここで
図36A~Dを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様により、別のエンドエフェクタ6300が示されている。
図36の非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6300は、外科手術を行うように構成されたカートリッジ6306(例えば、ステープルカートリッジ、電気外科用カートリッジなど)を収容することができ、電極6304のアレイは、カートリッジ6306自体の上に配置することができる。特に
図36Bを参照すると、エンドエフェクタ6300の側壁6303
a、6303
bは、ここでもチャネル6302を画定することができ、チャネル6302は、カートリッジ6306を収容するように構成され得る。エンドエフェクタは、多重化信号を搬送することができる、
図33A~
図33C、
図34、及び
図35のフレキシブル導体6108、6208などのフレキシブル導体を更に含むことができ、フレキシブル導体6308は、チャネル6302を通って横断する。フレキシブル導体6308は、
図33A~
図33C及び
図34のエンドエフェクタ6100を参照して説明した方法と同様の方法で、エンドエフェクタ6300及び外科用器具を通して送ることができる。
【0144】
例えば、側壁6303
a、6303
bは、
図36Cに示すように、別個の消耗品がチャネル6302に挿入されたときに導電性材料が電極6304と電気的に通信するように配置されるように、導電性材料から構成される内面を含むことができる。代替として、チャネルは、多重化信号を搬送することが可能なフレキシブル導体6308と電気的に通信するように電極6304を配置するように構成された1つ以上の電気接点を含むことができ、フレキシブル導体6308は、チャネル6302を横断する。
【0145】
ここで
図36Dを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタ3600へのカートリッジ6306の挿入が示されている。
図36Dの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6300は、カートリッジ6300上の対応する導電性要素6310と電気的に接続するように構成された導電性要素6312を含むことができる。導電性要素6310、6312は、エンドエフェクタ6300のフレキシブル導体6308を通して送信される多重化信号が、カートリッジ6306上に位置付けられている、アレイの各電極6304に、及びそこから通信され得るように、多重化信号送信のために更に構成されることができる。
図36A~
図36Dの非限定的な態様によると、電極6304のアレイは、消耗品であり得る、カートリッジ3606上に統合されることができる。電極6304は、カートリッジ内部の多重化集積回路及び導電性要素6310、6312間の電気接続を介してカートリッジ3606内に電気的に統合され得る。カートリッジ6306は多重化電子機器を含むことができるので、エンドエフェクタ6300とカートリッジ6306との間のインターフェース6310、6312を単純化することができる。
【0146】
ここで
図37A~
図37Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、他のエンドエフェクタ6400
a、6400
bが示されている。
図37Aの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6400
aは、ハイブリッドカートリッジ6406
aを収容するように構成することができ、電極6404
aのアレイがカートリッジ6406
a上に位置付けられている。各電極6404
aは、カートリッジ6406
aがエンドエフェクタ6400
a内に設置されたときに、多重化信号を搬送することができるフレキシブル導体6408と電気通信するように構成され得る。フレキシブル導体6308は、エンドエフェクタ6400
aによって画定されたチャネルを通って横断し、
図33A~
図33C及び
図34のエンドエフェクタ6100を参照して説明したものと同様の方法でエンドエフェクタ6400及び外科用器具を通って送ることができる。
【0147】
ここで
図37Bを参照すると、微妙に異なるものの、同様のエンドエフェクタ6400
bが、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って示されている。特に、電極6404
bのアレイは、
図37Aの電極6404
aとは異なる。したがって、各電極6404
bに対応する複数の導電性要素6412は、エンドエフェクタ6400
bの各壁6403
a、6043
b内に配置される。したがって、アレイの各電極6404
bは、フレキシブル導体6408を横断する多重化信号から意図された信号を受信することができる。
【0148】
図37A及び
図37Bの非限定的な態様によれば、電極3404
a、3404
bのアレイは、カートリッジ3406
a、3406
b上に配置することができ、カートリッジは、各電極3404
a、3404
bのフレキシブル導体3408の適切な部分への意図された接続のために、1つ以上の電気表面(例えば、金属めっき、側面の周りに曲げられた金属片、カートリッジを通るビアなど)を用いて電気的に構成することができることを理解されたい。したがって、多重化はエンドエフェクタ3400内で行われるが、各電極3404
a、3404
bは依然として、電気接続を介して適切な信号を受信する。
【0149】
ここで
図38を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様により、別のエンドエフェクタ3500が示されている。
図37A及び
図37Bのエンドエフェクタ3400
a、3400
bと同様に、電極3504のアレイは、カートリッジ3506自体に統合され得る。しかしながら、多重化は、多重化された信号を搬送することができるフレキシブル導体6508を介して、カートリッジ3506又はエンドエフェクタ3500のいずれかの内部で行うことができる。いずれにせよ、
図38のエンドエフェクタ6500は、インフラストラクチャネットワーク(例えば、WiFi(登録商標)、セルラー等)又はアドホックネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、RFID等)を介して、制御回路及び/又は外科用ハブとの間で多重化信号を無線で送受信するように構成された無線通信モジュール6514を更に含むことができる。したがって、無線通信モジュール6514は、エンドエフェクタ6500と外科用ハブ及び/又は制御回路との間の通信インターフェースとして機能することができ、それによって、
図33A~
図33C及び
図34を参照して説明した送りの必要性を排除する。
図38の無線通信モジュール6514は、本明細書に開示される外科用器具及び/又はエンドエフェクタのうちのいずれかに同様に適用することができ、それによって、本明細書に開示されるフレキシブル導体の送りを簡略化し、いくつかの態様では排除することができることを理解されたい。
【0150】
ここで
図39A~
図39Dを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様により、別のエンドエフェクタ6600が示されている。
図39A~
図39Dの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタ6600は、第1及び第2のジョーを含むことができる。例えば、第2のジョーは、エンドエフェクタ6600のアンビルとして構成することができ、別個の消耗品6606は、第2のジョーに選択的に結合されるように構成することができる。別個の消耗品6206(
図35)は、
図35のエンドエフェクタ6200の下部ジョーに結合されるように示されたが、別個の消耗品6606は、
図39Aのエンドエフェクタ6600の第2の、又は上部ジョー6602に結合され得る。それにもかかわらず、電極6604のアレイは、
図39Aの別個の消耗品6606に結合され得、第2のジョー6602上の導電性要素に結合されるとき、フレキシブル導体6608に電気的に結合され得る。フレキシブル導体6608は、多重化信号を搬送することが可能であり得、フレキシブル導体6608は、
図33A~
図33C及び
図34のエンドエフェクタ6100を参照して説明されるものと同様の方法で、エンドエフェクタ6600及び外科用器具を通して横断する。代替として、
図38の無線実施形態は、電極6604のアレイへ、及びそこから信号を送信するために採用されることができる。
【0151】
図39Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別個の消耗品6606を
図39A及び
図39Bのエンドエフェクタ6600の第2のジョー6602に結合する方法が示されている。
図39Cの非限定的な態様によれば、接着剤層6610を第2のジョー6602の上面に堆積させることができ、別個の消耗品6606を接着剤層6610の上に堆積させることができる。したがって、電極6604を含む別個の消耗品6606は、
図39Dの断面図に示されるように、第2のジョー6602に結合され得る。したがって、電極6604は、別個の消耗品6606のプリント回路基板の下側に配置することができ、したがって、当然ながら、他の非限定的な態様によれば、別個の消耗品6606は、例えば、対応する幾何学的構成要素、クリップ、締結具、及び/又は圧力嵌めを介して、第2のジョー6602に交互に結合することができる。
【0152】
ここで
図40を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示されるエンドエフェクタのいずれかと共に使用するように構成されたフレキシブル回路6700が示されている。
図40の非限定的な態様によれば、フレキシブル回路6700は、エンドエフェクタへの及びエンドエフェクタからの信号スイッチング及び制御のためにフレキシブルプリント回路基板6704上に配置された1つ以上のスイッチ回路6702を含む多重スイッチング集積回路8(例えば、マルチプレクサ)であり得る。フレキシブル回路6700は、エンドエフェクタにおける電極の信号選択及び制御を提供するために、外科用器具のシャフトを通して送られ、エンドエフェクタに組み込まれ得る。フレキシブル回路6700は、関節運動継手を通って電極が接続されるエンドエフェクタまで延びる部分を含むことができる。フレキシブル回路6700の別の側は、シャフトを通ってツールの近位側まで延びることができ、そこに信号調整及び処理電子機器を配置することができる。スイッチ6702は、特定の電極をオン/オフするように構成することができ、それにより、インピーダンス測定中に異なる電極構成が作動される。
【0153】
ここで
図41を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、本明細書に開示される外科用器具及びエンドエフェクタを使用するように構成されたシステム6800のシステム図が示されている。
図41の非限定的な態様によれば、システム6800は、外科用器具6801内に配置された制御回路への及び制御回路からの信号を切り替えてバッファリングするための電子機器6802を含む外科用器具6801を利用することができる。外科用器具6801は、外科手術(例えば、ステープル留め、封止、切断など)のために構成されたエンドエフェクタ6804を更に含み得る。電極アレイ6806は、本明細書に開示される態様のいずれかに従って、エンドエフェクタ6804内に位置付けられ得る。例えば、電極アレイ6806は、具体的に構成された数及び配置の電極(例えば、8対の電極、合計16個の電極など)を含むことができる。外科用器具6801は、本明細書に開示されるフレキシブル導体及び構成のうちのいずれかを使用して、外科用器具6801の関節運動継手及びシャフトの通って送られる電気接続部6812を更に含むことができる。外科用器具6801のノズル6808は、制御回路を含むことができる。ノズル6808は静止していてもよいし、シャフトを回転させるように更に構成されていてもよい。外科用器具は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するように構成された実験室システム6814又は外科用ハブに更に接続することができ、グラフィカルユーザインターフェースは、前述のように、アルゴリズム的洞察を提示するように構成されたプロットウィンドウを含むことができる。システム6800は、本明細書に開示されるように、複数の別個の消耗品及び/又はカートリッジ6818と共に使用するためにそれぞれ構成された複数の外科用器具6816と互換性があり得る。したがって、システム6800は、多数のカスタマイズ可能な電極構成の使用を容易にすることができ、各々は、異なる外科手術を行い、異なる洞察を生成することができる。
【0154】
ここで
図42を参照すると、外科器具6900が、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って示されている。
図42の非限定的な態様によれば、外科用器具6900は、外科用器具6900のノズル6906に入る第1のケーブル入力6902及び第2のケーブル入力6904を含むことができる。したがって、ノズル6906内に配置された制御回路6908は、第1のケーブル6902及び第2のケーブル6904の両方からの入力を処理して、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して外科用器具6900を通って送られるフレキシブル導体を横断することができる多重化信号にすることができる。
【0155】
ここで
図43を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、いくつかの非限定的な外科用システム構成7002、7004、7006を示す図が示されている。
図43の非限定的な態様によれば、構成7002、7004、7006の各々は、本明細書で開示される洞察を生成及び表示するために、様々な電極構成、スイッチング回路、信号調整回路、信号発生器、信号処理回路、及び/又はグラフィカルユーザインターフェースを使用することができる。例えば、第1の構成7002は、エンドエフェクタ内の電極アレイと、ツールシャフト内のスイッチング回路と、ツールステージ内の信号調整とを採用する。信号発生器及びプロセッサは、外科手術用ハブ内に位置することができ、結果は、別個のユニット上のグラフィカルユーザインターフェースを介して表示されることができる。第2の構成7004によれば、電極アレイをエンドエフェクタ内に含めることができ、スイッチング回路並びに信号調整をツールシャフト内で行うことができる。この場合も、信号発生器及びプロセッサは手術用ハブ内に位置することができ、結果は、別個のユニット上のグラフィカルユーザインターフェースを介して表示されることができる。第2の構成7004によれば、電極アレイをエンドエフェクタ内に含めることができ、スイッチング回路並びに信号調整をツールシャフト内で行うことができる。この場合も、信号発生器及びプロセッサは手術用ハブ内に位置することができ、結果は、別個のユニット上のグラフィカルユーザインターフェースを介して表示されることができる。第3の構成7006によれば、電極アレイをエンドエフェクタ内に含めることができ、スイッチング回路をツールシャフト内に設けることができ、信号調整をツールステージ内で行うことができる。しかしながら、信号発生器及びプロセッサは、外科用器具内に位置することができ、結果は、別個のユニット上のグラフィカルユーザインターフェースを介して表示され、それによって、外科手術用ハブを完全にバイパスすることができる。
【0156】
前述したように、EISを含むがこれに限定されないものとする様々な方法を使用して強化された洞察(例えば、組織位置、異物通知、重要構造通知、組織特徴付けなど)を生成するための1つ以上の電極の使用。しかしながら、いくつかの非限定的な態様によれば、エンドエフェクタのジョーとこれらのジョー内に配置された特定の媒体との間の特定の接触及び/又は特定の接触タイミングの識別を含むように、これらの洞察を拡張するために、同様の装置、システム、及び方法を使用することができる。換言すれば、エンドエフェクタのジョーとエンドエフェクタのジョー内にジョーとエンドエフェクタのジョー内に配置された媒体との間の対象の特定の接触を識別することができ、これは、他の測定を行うことができる基準点として使用することができる。例えば、そのような態様は、組織との初期接触の検出を含むことができ、これは、本明細書で更に詳細に開示されるように、組織厚さ及び/又はジョー変位測定を行う他のセンサをトリガするためのタイミング機構として後に使用され得る。
【0157】
前述の装置、システム、及び方法のそのような用途は、感知技術が、外科用器具上の組織厚さ及び/又はジョー変位を測定するために開発されるので、特に有用であり得る。有用ではあるが、これらの強化は、最初の接触が組織の接触でいつ行われるかを視覚的に識別することが困難であり得るため、必要とされる測定がいつ行われるべきかを正確に識別することを困難にし得る。換言すれば、センサがいつ組織に接触し始めたかを決定することは困難であり得るが、同時に組織の厚さ及び/又はエンドエフェクタの変位を感知している。これらの問題は、本開示の以下の非限定的な態様による前述の装置、システム、及び方法を使用して対処することができる。
【0158】
ここで
図44を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、エンドエフェクタのジョーとエンドエフェクタのジョー内に配置された媒体との間の特定の接触を識別する方法4400の論理フロー図が示されている。概して、
図44の方法4400は、前述の感知技術(例えば、電気インピーダンス感知技術等)を利用して、組織厚さ検出センサ等のセンサが、外科用器具、又は外科用器具に通信可能に結合されたシステムが、いつ測定を開始するかを知るタイミング機構として使用されることを可能にする。前述の感知技術は、エンドエフェクタのジョー内の特定の媒体の位置を検出することに関連して説明された。しかしながら、
図44の非限定的な態様によれば、最初の組織接触がいつ行われるかの識別など、特定の接触時間を確立するために同様の技術が用いられる。したがって、
図44の方法4400は、1つ以上の感知されたパラメータの変化が初期接触点から経時的に追跡され得るように、組織接触が開始されるとすぐにベースライン測定が行われることを可能にすることができる。
【0159】
例えば、
図44の非限定的な態様によれば、方法4400は、特に、RFインピーダンスに基づく感知を実行して組織接触の初期点を識別するために使用することができる。識別された組織接触点は、他の測定が行われるべきタイミングのための基準点として使用されることができる。非限定的な態様によれば、方法4400は、前述の感知技術に基づいて、エンドエフェクタのジョーとエンドエフェクタのジョー内に配置された媒体との間の特定の接触を検出すること4402を含むことができる。例えば、
図44の非限定的な態様によれば、初期組織接触は、前述のRFインピーダンス感知技術を介して検出することができる(4402)。
図44の方法4400の検出ステップ4402は、
図6及び
図13~
図15を参照して説明した方法を含む前述の方法のいずれかを介して実行することができることを理解されたい。
【0160】
図44の非限定的な態様によれば、方法4400は、エンドエフェクタのジョーとエンドエフェクタのジョー内に配置された媒体との間の特定の接触の検出4402に基づいて、感知ベースの特徴付けプロセスを開始すること4404を更に含むことができる。例えば、
図44の非限定的な態様によれば、組織厚感知方法は、エンドエフェクタのジョーと組織との間の検出された(4402)初期接触に基づいて開始することができる(4404)。当然ながら、任意の数のセンサが、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた任意の数の媒体を任意の方法で特徴付けるように構成されることができ、したがって、他の非限定的な態様によると、開始される4404特徴付けは、任意の他のセンサの任意の他の感知機能を含むことができる。
【0161】
図44を更に参照すると、方法4400は、感知方法に基づいて組織特性を決定すること4406を更に含むことができる。例えば、
図44の非限定的な態様によれば、方法4400は、厚さ感知方法に基づいて組織厚さを決定すること4406を更に含むことができる。特性を決定することができない場合、方法4400は、連続的に測定値を取得し(4408)、結果を初期ベースラインと比較することを更に含むことができる。しかしながら、特性を決定することができる場合、方法4400は、決定された特性を出力すること4410を更に含むことができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、決定された特性は、外科用器具に接続された外科用ハブなどの通信可能に結合されたコンピューティング装置に出力され得る。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、決定された特性は、他の通信可能に結合されたコンピューティング装置の中でもとりわけ、外科用器具のオンボードディスプレイ、クラウドコンピューティング装置、及び/又は技術者のモバイルコンピューティング装置に出力され得る。
【0162】
同様に、第1の外科用器具によって実行される前述の感知技術から得られる情報は、第2の外科用器具に交互に適用することができ、接続された手術室環境の可能性を示す。言い換えれば、本開示は、第2の装置が前述の感知技術を実行するように構成されているかどうかにかかわらず、異なる装置の以前の発射からの情報を使用して第2の装置の発射を通知することができる非限定的な態様を企図する。完全に「スマート器具エコシステム」は、各器具内に設置されたセンサ及び通信モジュールを必要とする場合があるが、そのようなシステムは、非効率性をもたらす可能性があり、複数の外科用器具が単一の処置で使用される場合の受容性の点を超えてコストを押し上げる可能性がある。したがって、前述の感知技術が第1の外科用器具によって実行され、代替的に第2の外科用器具に適用され得る場合、非常に有益である。
【0163】
例えば、第1の外科用器具の感知能力から得られた情報を活用して、処置中に使用される1つ以上の別個の外科用器具の発射を知らせることができる。これは、第2の装置の発射シーケンスのアルゴリズム制御及び/又は外科医への情報の表示を介して達成されることができる。したがって、前述の感知技術は、先に開示されたように、少なくとも1つの器具が洞察を生成するように構成されている限り、手術する臨床医が外科用器具の全範囲の使用から利益を得ることを可能にすることができる。外科的処置におけるステップの知識と組み合わされるとき、ヘッドアップディスプレイを含むディスプレイシステムを介したオンスクリーンプロンプトは、第1の装置(例えば、スマート器具)からの感知されたパラメータが、予想される次のステップ及び処置において使用される追加の外科的器具に基づいて、それらの追加の器具が「スマート」であるか否かにかかわらず、オンスクリーン推奨を通知することを可能にし得る。
【0164】
ここで
図45を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、第2の外科用器具によって行われる操作を通知するために本明細書に開示される感知技術を利用した方法4500の論理フロー図が示されている。
図45の非限定的な態様によれば、方法4500は、第1の外科用器具を介して、前述の感知技術によって組織パラメータを感知すること4502を含むことができる。例えば、
図45の方法4500の感知ステップ4502は、
図6及び
図13~
図15を参照して説明した方法を含む前述の方法のいずれかによって実行することができることを理解されたい。方法4500は、感知されたパラメータを、第1の外科用器具に通信可能に結合された中央ハブなどのコンピューティング装置に通信すること4504を更に含むことができる。
【0165】
感知されたパラメータを通信する(4504)と、
図45の方法4500は、第2の外科用器具が外科的処置によって必要とされるかどうか、及び第2の外科用器具が「スマート」器具であるかどうか、すなわち第2の器具が接続されており、その操作を通知するための入力を受信することができるかどうかを決定すること(4506)を更に含むことができる。第2の外科用器具が「スマート」器具ではないと仮定すると、方法4500は、処置ステップに基づいて第2の器具の使用を予測すること4510と、第1の外科用器具によって感知されたパラメータに基づいて第2の器具の操作を通知すること4512と、プロセスを終了すること4518とを更に含むことができる。換言すれば、ハブ自体は、例えば、ヘッドアップディスプレイ等のディスプレイを介して、第1の外科用器具によって感知されるパラメータから導出される、第2の外科用器具の操作のための有用な情報を提供することができる。第1の外科用器具によって生成された洞察が、第2の外科用器具を介して直接的に実装されることができない場合であっても、それらは、手術を行う臨床医に提示され、操作を知らせることができる。
【0166】
しかしながら、第2の外科用器具が「スマート」器具であると決定されると仮定すると、
図45の方法4500は、第1の器具によって感知されたパラメータを第2の器具に送信すること4514と、第2の器具を介して前述の感知技術を実行すること4516とを含むことができる。第1の器具によって感知されたパラメータは、第2の外科用器具の操作を補完するか、又は別様に自律的に影響を与える(4516)ために使用され得る。例えば、送信4514は、第1の外科用器具によって生成された洞察の一部又は全てを含むことができ、第2の外科用器具によって実行される発射、感知、又は他の装置機能を通知することができる。換言すれば、第2の外科用器具が接続されているので、第2の外科用器具は、手術する臨床医からの介入なしに、第1の外科用器具によって提供されるアルゴリズム入力に基づいて、それ自体の操作に自律的に影響を及ぼすことができる。完了すると、方法4500は、プロセスを終了すること4518を含むことができる。言い換えれば、
図45の方法4500は、第1の器具から感知されたパラメータが、第2の器具上で感知するために使用されるアルゴリズムへの入力として使用され得る場合、方法4500は、第2の器具が、そうでなければ収集することができなかった可能性がある関連データを有することを可能にすることができるので、特に有益であり得る。換言すれば、第1の外科用器具のみが、前述のように、洞察を感知及び生成するように構成される必要があるが、他の装置(接続された装置及び切断された装置の両方を含む)も同様に、それらの洞察から利益を得ることができる。したがって、「スマート器具エコシステム」は、本明細書に開示される装置、システム、及び方法を介して、効果的かつ効率的に達成されることができる。
【0167】
ここで
図46を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、
図45の方法4500を実装する特定の手順4600の論理フロー図が示されている。
図4600の非限定的な態様によれば、手順4600は、結腸切除を含むことができ、第1の外科用器具は、例えばエンドカッターを含み、第2の外科用器具は、例えば円形ステープラを含む。当然ながら、
図46は、
図45の方法4500の単なる例示であり、他の非限定的な態様によれば、手順は、任意の数の外科用器具によって行われる任意の数の外科手術を含むことができる。
【0168】
それにもかかわらず、
図46の手順4600は、エンドカッターによって実施される前述の感知技術を介して、組織厚さ及び疾患状態を感知すること4602を含むことができる。例えば、感知ステップ4602は、
図6及び
図13~
図15を参照して説明した方法を含む前述の方法のいずれかによって実行することができる。手順は、感知された組織厚及び疾患状態を、中央ハブなどの通信可能に結合されたコンピューティング装置に通信すること4604を更に含むことができる。感知されたパラメータを通信する(4604)と、手順4600は、円形ステープラが結腸切除によって必要とされること、及び円形ステープラが「スマート」器具であるか否かを決定すること(4606)を更に含むことができる。円形ステープラが「スマート」器具ではないと仮定すると、手順4600は、手順4600のステップに基づいて円形ステープラの使用を予想すること4610と、第1の外科用器具によって感知されたパラメータに基づいて円形ステープラの操作を通知すること4612と、プロセスを終了すること4618とを更に含むことができる。この場合も、円形ステープラの操作を通知すること4612は、エンドカッターによって生成された洞察を手術する臨床医に表示して操作を通知することを含むことができる。
【0169】
しかしながら、円形ステープラが「スマート」器具であると決定されると仮定すると、
図46の手順4600は、組織厚さ及び疾患状態を実装のために円形ステープラに送信すること4614を含むことができ、これは、発射速度を遅くすること4616、及び/又は厚さ及び疾患状態に基づいて発射する力を制限することを含むことができる。例えば、円形ステープラは、アルゴリズム知能を使用して、罹患組織を切断するのに必要な発射速度及び/又は力がより小さくてもよいことを決定することができる。換言すれば、円形ステープラが接続されているので、円形ステープラは、手術する臨床医からの介入なしにその操作に影響を及ぼすことができる。完了すると、方法4500は、プロセスを終了すること4518を含むことができる。言い換えれば、
図45の方法4500は、第1の器具からの感知されたパラメータが、第2の器具を操作させるために使用されるアルゴリズムへの入力として使用され得る場合、方法4500は、第2の器具が、そうでなければ収集することができなかった可能性がある関連データを有することを可能にし得るからである。
【0170】
換言すれば、手順4600が大腸切除である非限定的な例では、エンドカッターを使用して大腸の一部を切り取ってもよく、その後、端々吻合のために円形ホッチキスを使用することができる。円形ステープラが「ダム」装置であるが、エンドカッターが「スマート」装置である場合、中央手術用ハブなどの通信可能に結合されたコンピューティング装置は、円形ステープラのステープルカートリッジ選択などの何かについての推奨を行うために、推測された外科的処置ステップと併せてエンドカッターによって生成された洞察を解釈することができる。円形ステープラが「スマート」装置である場合、前述したように、自律的に影響及び/又は円形ステープラの操作の改善に対するアルゴリズム入力としてエンドカッターによって生成された洞察を利用することができる。
【0171】
前述の方法、アルゴリズム、器具、及びシステムは、主にインピーダンスデータに基づいて外科用エンドエフェクタによって把持された媒体を区別する様々な例を提供したが、本開示の方法、アルゴリズム、器具、及びシステムは、例えば、電流、温度、及び圧力などの他の感知されたパラメータに等しく適用され得ることが理解される。少なくとも1つの事例では、例えば、方法、アルゴリズム、器具、及びシステムは、組織と異物との間の検出された差異に基づいて、組織を異物から区別するために利用されることができる。
【実施例】
【0172】
本開示のエンドエフェクタ及び外科用器具の様々な態様の例を以下に提供する。エンドエフェクタ又は外科用器具の態様は、以下に記載される実施例のうちのいずれか1つ以上、及び任意の組み合わせを含み得る。
【0173】
実施例1.外科用器具であって、開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極は、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に沿って位置付けられている、複数の電極と、制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【0174】
実施例2.アラートは、エンドエフェクタ、検出された媒体、及び決定された位置のデジタル表現を含み、アルゴリズムは、制御回路に、手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへのデジタル表現の送信を開始させるように更に構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0175】
実施例3.アラートが可聴アラートを含み、アルゴリズムが、制御回路に、手術する臨床医への可聴送信のために制御回路に通信可能に結合されたスピーカをもたらされるように更に構成されている、実施例1~2のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0176】
実施例4.アルゴリズムが、制御回路に、複数の電極から受信された信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、アラートは、検出された第2の媒体及び決定された第2の位置にも関連付けられる、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0177】
実施例5.アルゴリズムが、決定されたインピーダンス信号及び決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、媒体を第2の媒体から区別するように構成された線形サポートベクトルマシンを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0178】
実施例6.アルゴリズムによって検出された媒体が組織試料を含み、検出された第2の媒体が異物を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0179】
実施例7.アルゴリズムは、制御回路に、決定されたインピーダンス信号に基づいて検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0180】
実施例8.インピーダンス信号がインピーダンスの大きさを含む、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0181】
実施例9.インピーダンス信号が位相を含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0182】
実施例10.アルゴリズムが、制御回路に、時間領域にわたるインピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0183】
実施例11.アルゴリズムが、制御回路に、周波数領域にわたるインピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、実施例1~10のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0184】
実施例12.外科用システムであって、外科用器具であって、開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極は、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、を含む、外科用器具と、外科用器具に通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、コンピュータシステムは、制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、コンピュータシステムと、を含む、外科用システム。
【0185】
実施例13.アルゴリズムは、制御回路に、複数の電極から受信された信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて長手方向軸に沿った検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、アラートは、検出された第2の媒体及び決定された第2の位置にも関連付けられる、実施例12に記載の外科用システム。
【0186】
実施例14.アルゴリズムによって検出された媒体は組織試料を含み、検出された第2の媒体は異物を含む、実施例12又は13に記載の外科用システム。
【0187】
実施例15.アルゴリズムは、制御回路に、決定されたインピーダンス信号に基づいて検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、実施例12~14のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0188】
実施例16.外科用器具のエンドエフェクタのジョー間に位置付けられた媒体を特徴付ける方法であって、方法は、外科用器具の制御回路を介して、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極から信号を受信することと、制御回路を介して、複数の電極から受信された信号に基づいてインピーダンス信号を決定することと、制御回路を介して、決定されたインピーダンス信号に基づいてエンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出することと、制御回路を介して、複数の電極から受信した信号に基づいて、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定することと、制御回路を介して、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成することと、制御回路を介して、決定されたインピーダンス信号に基づいて検出された媒体を特徴付けることと、を含む、方法。
【0189】
実施例17.制御回路を介して、複数の電極から受信され信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定することと、制御回路を介して、決定された第2のインピーダンス信号に基づいてエンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出することと、制御回路を介して、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された第2の媒体の第2の位置を決定することと、を更に含み、アラートは、検出された第2の媒体及び決定された第2の位置にも関連付けられる、実施例16に記載の方法。
【0190】
実施例18.制御回路を介して、線形サポートベクトルマシンに従って、決定されたインピーダンス信号及び決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、媒体を第2の媒体から区別することを更に含む、実施例16又は17に記載の方法。
【0191】
実施例19.アラートを生成することが、制御回路を介して、エンドエフェクタ、検出された媒体、及び決定された位置のデジタル表現を生成することと、制御回路を介して、デジタル表現の、手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへの送信を開始することと、を含む、例16~18のいずれかに記載の方法、請求項16に記載の方法。
【0192】
実施例20.アラートが可聴アラートを含み、方法が、制御回路を介して、制御回路に通信可能に結合されたスピーカに可聴アラートを再生させることを更に含む、例16~19のいずれかに記載の方法、請求項16に記載の方法。
【0193】
実施例21.外科用器具であって、第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で第2のジョーに対して移動可能に構成されている、エンドエフェクタと、エンドエフェクタのジョー内に位置付けられた複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極は、エンドエフェクタによって画定されている長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、エンドエフェクタへの及びエンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、フレキシブル導体を介して複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【0194】
実施例22.エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定し、複数の電極は、チャネルに機械的に結合されている、実施例21に記載の外科用器具。
【0195】
実施例23.複数の信号が、外科手術に電力を供給するように構成された信号と、複数の電極のうちの第1の電極と複数の電極のうちの第2の電極との間で送信される信号とを含む、実施例21~22のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0196】
実施例24.外科用器具の外科手術中に使用するように構成された第1の消耗カートリッジを更に含む、実施例21~23のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0197】
実施例25.第1のジョーは、第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、複数の電極は、第1の消耗カートリッジに機械的に結合され、第1のジョーは、制御回路を複数の電極に通信可能に結合するように構成された第1の電気接点を含む、実施例21~24のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0198】
実施例26.第1の電気接点は、複数の電気接点のうちの1つであり、複数のうちの各電気接点は、複数の電極のうちの1つの電極に対応する、実施例21~25のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0199】
実施例27.第1のジョーに機械的に結合されるように構成された第2の消耗カートリッジを更に含み、複数の電極は、第2の消耗カートリッジに機械的に結合され、第1のジョーは、制御回路を複数の電極に通信可能に結合するように構成された電気接点を含む、実施例21~26のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0200】
実施例28.第1のジョーは、第2の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、第2の消耗カートリッジは、第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成されている、実施例21~27のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0201】
実施例29.第2の消耗カートリッジは、第1のジョーを機械的に収容するように構成されている、実施例21~28のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0202】
実施例30.第1のジョーは、エンドエフェクタのアンビルである、実施例21~29のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0203】
実施例31.第1のジョーがエンドエフェクタのアンビルであり、複数の電極がエンドエフェクタのアンビルに統合されている、実施例21~30のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0204】
実施例32.複数の電極を制御回路に通信可能に結合するように構成された無線通信モジュールを更に含む、実施例21~31のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0205】
実施例33.外科用器具であって、第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で第2のジョーに対して移動可能に構成され、エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定する、エンドエフェクタと、エンドエフェクタによって画定されたチャネルに機械的に結合された複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極は、長手方向軸の周りに配置されている、複数の電極と、エンドエフェクタへの及びエンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
フレキシブル導体を介して複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【0206】
実施例34.外科用器具であって、第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で第2のジョーに対して移動可能に構成され、エンドエフェクタは、チャネルを画定する、エンドエフェクタと、エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第1の複数の電極を含む第1の消耗カートリッジであって、第1の消耗カートリッジは、外科手術を行うように構成された第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定する、第1の消耗カートリッジと、エンドエフェクタへの及びエンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、制御回路に、複数の電極から信号を受信させ、複数の電極から受信した信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、決定されたインピーダンス信号に基づいて、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、複数の電極から受信した信号に基づいて、長手方向軸に沿った検出された媒体の位置を決定させ、検出された媒体及び決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
【0207】
実施例35.第1の消耗カートリッジが、エンドエフェクタによって画定されたチャネル内に挿入されるように構成されている、実施例34に記載の外科用器具。
【0208】
実施例36.第1の消耗カートリッジは、エンドエフェクタの第1のジョーの外面に機械的に結合されるように構成されている、実施例33又は34のいずれかに記載の外科用器具。
【0209】
実施例37.エンドエフェクタによって画定されたチャネル内に挿入されるように構成された第3の消耗カートリッジを更に含み、第3の消耗カートリッジは、第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定し、第3の消耗カートリッジは、エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第2の複数の電極を含み、第1の複数の電極は、第1の複数の電極とは異なる構成で配置され、第1の消耗カートリッジは、第3の消耗カートリッジと交換可能である、実施例34~36のいずれかに記載の外科用器具。
【0210】
実施例38.無線通信モジュールを更に含み、制御回路は、無線通信モジュールを介して複数の電極に通信可能に結合されている、実施例34~37のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0211】
実施例39.本明細書に開示されるシステム。
【0212】
実施例40.本明細書で開示される装置。
【0213】
実施例41.本明細書に開示される方法。
【0214】
いくつかの形態が示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組合せ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0215】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は操作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は操作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1つ以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0216】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0217】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0218】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の操作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0219】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0220】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながることの自己一貫シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0221】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、送信制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発された接続型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0222】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「決定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0223】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「操作可能である/ように操作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0224】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を手術する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0225】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0226】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、若しくは2つ又はそれ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又はそれ以上の選択的な用語を表す選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0227】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した操作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な操作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な操作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する(responsive to)」、「~に関連する(related to)」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0228】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0229】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載の他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0230】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0231】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、
制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
(2) 前記アラートは、前記エンドエフェクタ、前記検出された媒体、及び前記決定された位置のデジタル表現を含み、前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへの前記デジタル表現の送信を開始させるように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記アラートが可聴アラートを含み、前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記手術する臨床医への可聴送信のために前記制御回路に通信可能に結合されたスピーカをもたらさせるように更に構成されている、実施態様1又は2に記載の外科用器具。
(4) 前記アルゴリズムが、前記制御回路に、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、
前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記アルゴリズムが、前記決定されたインピーダンス信号及び前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて前記媒体を前記第2の媒体から区別するように構成された線形サポートベクトルマシンを含む、実施態様4に記載の外科用器具。
【0232】
(6) 前記アルゴリズムによって検出された媒体が組織試料を含み、前記検出された第2の媒体が異物を含む、実施態様4又は5に記載の外科用器具。
(7) 前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記インピーダンス信号がインピーダンスの大きさを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記インピーダンス信号が位相を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記時間領域にわたる前記インピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
【0233】
(11) 前記アルゴリズムが、前記制御回路に、前記周波数領域にわたる前記インピーダンス信号の変化を決定させるように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 外科用システムであって、
外科用器具であって、
開放状態と閉鎖状態との間で移行するように構成されたジョーを含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、を含む、外科用器具と、
前記外科用器具に通信可能に結合されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、コンピュータシステムと、を含む、外科用システム。
(13) 前記アルゴリズムは、前記制御回路に、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定させ、
前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定させるように更に構成され、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、実施態様12に記載の外科用システム。
(14) 前記アルゴリズムによって検出された媒体は組織試料を含み、前記検出された第2の媒体は異物を含む、実施態様13に記載の外科用システム。
(15) 前記アルゴリズムは、前記制御回路に、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けさせるように更に構成されている、実施態様12~14のいずれかに記載の外科用システム。
【0234】
(16) 外科用器具のエンドエフェクタのジョー間に位置付けられた媒体を特徴付ける方法であって、前記方法は、
前記外科用器具の制御回路を介して、前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極から信号を受信することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定することと、
前記制御回路を介して、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた前記媒体を検出することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定することと、
前記制御回路を介して、前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成することと、
前記制御回路を介して、前記決定されたインピーダンス信号に基づいて前記検出された媒体を特徴付けることと、を含む、方法。
(17) 前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信された前記信号に基づいて第2のインピーダンス信号を決定することと、
前記制御回路を介して、前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた第2の媒体を検出することと、
前記制御回路を介して、前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された第2の媒体の第2の位置を決定することと、を更に含み、
前記アラートは、前記検出された第2の媒体及び前記決定された第2の位置にも関連付けられる、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記制御回路を介して、線形サポートベクトルマシンに従って、前記決定されたインピーダンス信号及び前記決定された第2のインピーダンス信号に基づいて、前記媒体を前記第2の媒体から区別することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記アラートを生成することが、
前記制御回路を介して、前記エンドエフェクタ、前記検出された媒体、及び前記決定された位置のデジタル表現を生成することと、
前記制御回路を介して、前記デジタル表現の、手術する臨床医による視覚的レビューのためのディスプレイへの送信を開始することと、を含む、実施態様16~18のいずれかに記載の方法。
(20) 前記アラートが可聴アラートを含み、前記方法が、前記制御回路を介して、前記制御回路に通信可能に結合されたスピーカに前記可聴アラートを再生させることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
【0235】
(21) 命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、実施態様12に記載の外科用システムの前記コンピュータシステムによって実行されるときに、前記コンピュータシステムを、
前記複数の電極から信号を受信し、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定し、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出し、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定し、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成するように作動させる、コンピュータプログラム製品。
(22) 実施態様21に記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体。
(23) 実施態様21に記載のコンピュータプログラム製品を搬送する信号。
(24) 外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成されている、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの前記ジョー内に位置付けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記エンドエフェクタによって画定される長手方向軸の周りに位置付けられている、複数の電極と、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル導体を介して前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
(25) 前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定し、前記複数の電極は、前記チャネルに機械的に結合されている、実施態様24に記載の外科用器具。
【0236】
(26) 前記複数の信号が、外科手術に電力を供給するように構成された信号と、前記複数の電極のうちの第1の電極と前記複数の電極のうちの第2の電極との間で送信される信号とを含む、実施態様24又は25に記載の外科用器具。
(27) 前記外科用器具の外科手術中に使用するように構成された第1の消耗カートリッジを更に備える、実施態様24に記載の外科用器具。
(28) 前記第1のジョーは、前記第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、前記複数の電極は、前記第1の消耗カートリッジに機械的に結合され、前記第1のジョーは、前記制御回路を前記複数の電極に通信可能に結合するように構成された第1の電気接点を備える、実施態様27に記載の外科用器具。
(29) 前記第1の電気接点は、複数の電気接点のうちの1つであり、前記複数のうちの各電気接点は、前記複数の電極のうちの1つの電極に対応する、実施態様28に記載の外科用器具。
(30) 前記第1のジョーに機械的に結合されるように構成された第2の消耗カートリッジを更に備え、前記複数の電極は、前記第2の消耗カートリッジに機械的に結合され、前記第1のジョーは、前記制御回路を前記複数の電極に通信可能に結合するように構成された電気接点を備える、実施態様27に記載の外科用器具。
【0237】
(31) 前記第1のジョーは、前記第2の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成され、前記第2の消耗カートリッジは、前記第1の消耗カートリッジを機械的に収容するように構成されている、実施態様30に記載の外科用器具。
(32) 前記第2の消耗カートリッジは、前記第1のジョーを機械的に収容するように構成されている、実施態様30に記載の外科用器具。
(33) 前記第1のジョーは、前記エンドエフェクタのアンビルである、実施態様24に記載の外科用器具。
(34) 前記第1のジョーが前記エンドエフェクタのアンビルであり、前記複数の電極が前記エンドエフェクタの前記アンビルに統合されている、実施態様24に記載の外科用器具。
(35) 前記複数の電極を前記制御回路に通信可能に結合するように構成された無線通信モジュールを更に備える、実施態様24に記載の外科用器具。
【0238】
(36) 外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成され、前記エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びるチャネルを画定する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネルに機械的に結合された複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極は、前記長手方向軸の周りに配置されている、複数の電極と、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル導体を介して前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
(37) 外科用器具であって、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタであって、前記第1のジョーは、開放状態と閉鎖状態との間で前記第2のジョーに対して移動可能に構成され、前記エンドエフェクタは、チャネルを画定する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第1の複数の電極を備える第1の消耗カートリッジであって、前記第1の消耗カートリッジは、外科手術を行うように構成された第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定する、第1の消耗カートリッジと、
前記エンドエフェクタへの及び前記エンドエフェクタからの複数の信号の多重化送信のために構成された導電性トラックを含むフレキシブル回路と、
前記複数の電極に通信可能に結合された制御回路と、前記制御回路に、
前記複数の電極から信号を受信させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定させ、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出させ、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定させ、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成させるように構成されたアルゴリズムを記憶するように構成されたメモリと、を含む、外科用器具。
(38) 前記第1の消耗カートリッジが、前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネル内に挿入されるように構成されている、実施態様37に記載の外科用器具。
(39) 前記第1の消耗カートリッジは、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーの外面に機械的に結合されるように構成されている、実施態様37又は38に記載の外科用器具。
(40) 前記エンドエフェクタによって画定された前記チャネル内に挿入されるように構成された第3の消耗カートリッジを更に備え、前記第3の消耗カートリッジは、前記第2の消耗カートリッジを収容するように構成された空洞を画定し、前記第3の消耗カートリッジは、前記エンドエフェクタによって画定された長手方向軸の周りに位置付けられた第2の複数の電極を備え、前記第1の複数の電極は、前記第1の複数の電極とは異なる構成で配置され、前記第1の消耗カートリッジは、前記第3の消耗カートリッジと交換可能である、実施態様37に記載の外科用器具。
【0239】
(41) 無線通信モジュールを更に備え、前記制御回路は、前記無線通信モジュールを介して前記複数の電極に通信可能に結合されている、実施態様37に記載の外科用器具。
(42) 命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、実施態様24に記載の器具の前記制御回路によって実行されるときに、前記制御回路を、
前記複数の電極から信号を受信し、
前記複数の電極から受信された前記信号に基づいてインピーダンス信号を決定し、
前記決定されたインピーダンス信号に基づいて、前記エンドエフェクタの前記ジョーの間に位置付けられた媒体を検出し、
前記複数の電極から受信した前記信号に基づいて、前記長手方向軸に沿った前記検出された媒体の位置を決定し、
前記検出された媒体及び前記決定された位置に関連付けられたアラートを生成するように作動させる、コンピュータプログラム製品。
(43) 実施態様42に記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体。
(44) 実施態様42に記載のコンピュータプログラム製品を搬送する信号。
【国際調査報告】