(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】難燃性が向上したコネクタを適用したバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241106BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/211
H01M50/284
H01M50/296
H01M50/342 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525667
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 KR2022015316
(87)【国際公開番号】W WO2023075211
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148272
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン-ソプ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ボム-ヒョン・イ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012FF01
5H040AA33
5H040AA37
5H040AT04
5H040AY05
5H040DD03
5H040DD10
5H040NN01
(57)【要約】
本発明によるバッテリーモジュールは、バッテリーセルを備えたセルアセンブリと、前記セルアセンブリを収容し、一側にコネクタ装着口を備えるモジュールケースと、前記モジュールケースの内部に備えられる回路基板に接続され、前記コネクタ装着口を介して少なくとも一部分が前記モジュールケースの外側に露出するコネクタ組立体と、を含み、前記コネクタ組立体は、内側にコネクタピンを備え、前記コネクタ装着口の外に少なくとも一部分が露出するコネクタハウジングと、金属材料から形成され、前記モジュールケースの内部で前記コネクタハウジングの周囲を取り囲む難燃ブロックと、を含み、前記難燃ブロックは、前記モジュールケースの内部に向かう面に不燃素材のコーティング層を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルを備えたセルアセンブリと、
前記セルアセンブリを収容し、一側にコネクタ装着口を備えるモジュールケースと、
前記モジュールケースの内部に備えられる回路基板に接続され、前記コネクタ装着口を介して少なくとも一部分が前記モジュールケースの外側に露出するコネクタ組立体と、を含み、
前記コネクタ組立体は、
内側にコネクタピンを備え、前記コネクタ装着口の外に少なくとも一部分が露出するコネクタハウジングと、
金属材料から形成され、前記モジュールケースの内部で前記コネクタハウジングの周囲を取り囲む難燃ブロックと、を含み、
前記難燃ブロックは、前記モジュールケースの内部に向かう面に不燃素材のコーティング層を備える、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記難燃ブロックはアルミニウムからなり、前記コーティング層はセラミック微粒子を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記難燃ブロックは、前記アルミニウムからなる層の厚さが3mm~10mmの範囲内にありかつ前記コーティング層の厚さが0.1mm~1mmの範囲内にあるように、設けられる、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記コネクタハウジングは、
前記コネクタ装着口の外側に少なくとも一部が露出する第1ハウジングと、前記第1ハウジングの内部に少なくとも一部が介在される第2ハウジングと、を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記難燃ブロックの下面とは反対の難燃ブロックの上面に配置され、前記第1ハウジングの外周を取り囲むように設けられたシールガスケットと、
前記第1ハウジングを通過して前記シールガスケットの上部に配置される固定板と、を含み、
前記固定板、前記シールガスケット及び前記難燃ブロックは、締結部材によって一体に固定結合される、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記モジュールケースは、
前記セルアセンブリを内部に収容できる四角管状に設けられたメインハウジングと、
前記メインハウジングの前方及び後方をカバーするように設けられた前方カバー及び後方カバーと、を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記コネクタ装着口は前記前方カバーに備えられ、
前記メインハウジングは、前記セルアセンブリの上部をカバーするトッププレートと、前記セルアセンブリの下部をカバーするボトムプレートと、前記セルアセンブリの両側面部をカバーする左側サイドプレート及び右側サイドプレートと、を含み、
前記トッププレートは、前記バッテリーセルの発火時にガスを排出するためのベント孔を備える、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
電気絶縁性の材料からなり、前記セルアセンブリの上部と前記トッププレートとの間に備えられる絶縁カバープレートを含み、
前記絶縁カバープレートは、1つ以上の切断線を備え、前記切断線に沿って所定の形状に切断するか又は切り込まれており、
前記切断線は、前記ベント孔と対応する位置に設けられる、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記切断線は、アーク(arc)状又はC字状である、請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より詳しくは、難燃性が向上したコネクタを適用したバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2021年11月01日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0148272号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。特に、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0004】
二次電池は、単独で使用されることもあるが、一般に、複数の二次電池が互いに電気的に直列及び/又は並列に接続されるように構成された場合が多い。特に、複数の二次電池が互いに電気的に接続された状態で1つのモジュールケースの内部に収納され、1つのバッテリーモジュールを構成することができる。また、バッテリーモジュールは、単独で使用されるか又は2つ以上が互いに電気的に直列及び/又は並列に接続され、バッテリーパックなどのより上位レベルの装置を構成することができる。
【0005】
ところで、このように複数のバッテリーモジュールが狭い空間に密集している状態で存在する場合、火災に弱い。例えば、あるバッテリーモジュールのバッテリーセルが熱暴走(thirmal runaway)し、これが悪化すると、前記バッテリーセルから高温のガスやスパークが噴出される可能性がある。ここで、前記スパークは、バッテリーセル内部の電極から脱離した活物質や溶融したアルミニウム粒子などを意味する。このとき、場合によっては、バッテリーセルで火炎(flame)などが発生する可能性もある。このようなガスや火炎が前記バッテリーモジュールの外に無差別に排出されると、周囲のバッテリーモジュールに熱損傷を与え、火災が急速に拡散する可能性がある。
【0006】
例えば、従来のバッテリーモジュール1は、
図1のように、コネクタ2がモジュールケースの外部に露出しており、通常のコネクタは、プラスチック材料から射出成形して製作されるため、熱や火炎に非常に脆弱である。このために、バッテリーモジュールの内部に高温のガスや火炎が発生すると、前記コネクタが溶け、消失したコネクタ部分を介して前記ガスと火炎が外部に放出される可能性がある。このように放出されたガスと火炎は、周囲の他のバッテリーモジュールの発火を引き起こす可能性がある。
【0007】
したがって、バッテリーモジュールの内部発火時に、コネクタの難燃性を強化することによって、ガスなどが前記コネクタ側から外部に排出されることは防ぎ、予め意図した安全経路を介して排出されるようにすることで、周囲の他のバッテリーモジュールへの拡散を最小化する方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、コネクタの難燃性を強化することによって、バッテリーモジュールの内部発火時に、高温のガスによるコネクタの消失を抑制及び遅延させることを一目的とする。
【0009】
また、コネクタの難燃性を強化することによって、コネクタを介するガスの流出を防ぎ、予め意図した安全経路を介して高温のガスが排出されるようにすることで、周囲の他のバッテリーモジュールへの拡散を最小化することを一目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するための本発明によるバッテリーモジュールは、バッテリーセルを備えたセルアセンブリと、前記セルアセンブリを収容し、一側にコネクタ装着口を備えるモジュールケースと、前記モジュールケースの内部に備えられる回路基板に接続され、前記コネクタ装着口を介して少なくとも一部分が前記モジュールケースの外側に露出するコネクタ組立体と、を含み、前記コネクタ組立体は、内側にコネクタピンを備え、前記コネクタ装着口の外に少なくとも一部分が露出するコネクタハウジングと、金属材料から形成され、前記モジュールケースの内部で前記コネクタハウジングの周囲を取り囲む難燃ブロックと、を含み、前記難燃ブロックは、前記モジュールケースの内部に向かう面に不燃素材のコーティング層を備えることができる。
【0012】
前記難燃ブロックはアルミニウムからなり、前記コーティング層はセラミック微粒子を含むことができる。
【0013】
前記難燃ブロックは、前記アルミニウムからなる層の厚さが3mm~10mmの範囲内にありかつ前記コーティング層の厚さが0.1mm~1mmの範囲内にあるように、設けられ得る。
【0014】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタ装着口の外側に少なくとも一部が露出する第1ハウジングと、前記第1ハウジングの内部に少なくとも一部が介在される第2ハウジングと、を含むことができる。
【0015】
前記難燃ブロックの下面とは反対の難燃ブロックの上面に配置され、前記第1ハウジングの外周を取り囲むように設けられたシールガスケットと、前記第1ハウジングを通過して前記シールガスケットの上部に配置される固定板と、を含み、前記固定板、前記シールガスケット及び前記難燃ブロックは、締結部材によって一体に固定結合するように構成され得る。
【0016】
前記モジュールケースは、前記セルアセンブリを内部に収容できる四角管状に設けられたメインハウジングと、前記メインハウジングの前方及び後方をカバーするように設けられた前方カバー及び後方カバーと、を含むことができる。
【0017】
前記コネクタ装着口は前記前方カバーに備えられ、前記メインハウジングは、前記セルアセンブリの上部をカバーするトッププレートと、前記セルアセンブリの下部をカバーするボトムプレートと、前記セルアセンブリの両側面部をカバーする左側サイドプレート及び右側サイドプレートと、を含み、前記トッププレートは、前記バッテリーセルの発火時にガスを排出するためのベント孔を備えることができる。
【0018】
電気絶縁性の材料からなり、前記セルアセンブリの上部と前記トッププレートとの間に備えられる絶縁カバープレートを含み、前記絶縁カバープレートは、切断線を備え、前記切断線に沿って所定の形状に切断するか又は切り込まれており、前記切断線は、前記ベント孔と対応する位置に設けられ得る。
【0019】
前記切断線は、アーク(arc)又はC字状であり得る。
【0020】
本発明の他の態様によると、上述したバッテリーモジュールを含むバッテリーパックを提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によると、コネクタの難燃性を強化することによって、バッテリーモジュールの内部発火時に、高温のガスによるコネクタの消失を抑制及び遅延させることができる。
【0022】
また、本発明の他の態様によると、コネクタの難燃性を強化することによって、コネクタを介するガスの流出を防ぎ、予め意図した安全経路を介して高温のガスが排出されるようにすることで、周囲の他のバッテリーモジュールへの拡散を最小化することができる。
【0023】
本発明の効果は以上で言及した効果に限定されず、言及されていない効果は、本明細書及び添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来技術によるバッテリーモジュールの内部で発生したガスと火炎がコネクタを介して放出される例を図式化して示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの概略的な斜視図である。
【
図3】
図1のバッテリーモジュールの部分分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るセルアセンブリ、バスバーフレーム、絶縁カバープレートの分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るコネクタ組立体の構成を示す斜視図である。
【
図8】
図6のA-A’による難燃ブロックの断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの内部発火時にモジュールケースの上部にガスベントが誘導される例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0026】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの概略的な斜視図であり、
図3は、
図1のバッテリーモジュールの部分分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係るセルアセンブリ、バスバーフレーム、絶縁カバープレートの分解斜視図であり、
図5は、
図2の主要部分の拡大図である。
【0028】
これらの図面を参照すると、本発明に一実施形態に係るバッテリーモジュール10は、セルアセンブリ100、モジュールケース200及びコネクタ組立体300を含む。
【0029】
前記セルアセンブリ100は、複数のバッテリーセル110を積層して形成したバッテリーセル110の集合体であると言える。例えば、前記セルアセンブリ100は、バッテリーセル110をそれぞれ上下方向に立てて左右方向に積層した形態で設けられ得る。ここで、前記バッテリーセル110は、パウチ型の二次電池であり、バッテリーセル110の長手方向に沿って正極リードと負極リードが互いに反対方向に延びる両方向タイプのパウチ型二次電池である。
【0030】
前記セルアセンブリ100は、積層方向に沿う両側の最外郭に配置される緩衝パッド120をさらに含むことができる。前記緩衝パッド120は、バッテリーセル110のスウェリング時に圧力を吸収するか、又はモジュールケース200との電気的絶縁を維持する役割が可能なフォーム素材から構成され得る。
【0031】
前記パウチ型二次電池は、電極組立体、電解液及びパウチ外装材から構成され得る。前記パウチ外装材は、2つのパウチで構成され、その少なくとも一方には凹状の内部空間が形成され得る。電極組立体と電解液は、前記パウチ外装材の内部空間に収納され得る。2つのパウチの外周面にはシール部が備えられ、シール部が互いに融着することにより、電極組立体が収容された内部空間を密閉することができる。電極リードは、一部分がパウチ外装材のシール部の間に介在され、一端は前記電極組立体に付着し、他端はパウチ外装材の外部に露出することで、二次電池の電極端子として機能することができる。
【0032】
モジュールケース200は、
図3に示すように、メインハウジング210と前方カバー220及び後方カバー230を含むことができる。
【0033】
前記メインハウジング210は、略セルアセンブリ100の長さに対応する長さを有する四角管の形状を有し、前記セルアセンブリ100を後述する絶縁カバープレート600とともに内部空間に締りばめで挿入できるように構成され得る。このようなメインハウジング210は、バッテリーモジュール10の重量と体積の低減に有利である。また、メインハウジング210は、機械的剛性に優れ、融点の高い金属材料であり、四面が密閉された構造でなっているため、セルアセンブリ100でガスや火炎などが発生した際に、特に火炎が前記四面を介して外部に容易に排出されないことになる。また、メインハウジング210は、内側面に不燃素材でコーティングされることで、高い難燃機能を有することができる。
【0034】
前記メインハウジング210は、四面に該当するトッププレート211、ボトムプレート212、左側サイドプレート213及び右側サイドプレート214を含み、これらのうち、前記トッププレート211には、少なくとも1つのベント孔211aを備えるように構成され得る。
【0035】
前記ベント孔211aは、バッテリーモジュール10の内部発火時に多量のガスが発生する状況において、前記ガスがバッテリーモジュール10の外側に排出される出口となり得る。図示してはいないが、本発明のバッテリーモジュール10を用いてバッテリーパックを構成する場合、前記バッテリーモジュール10のベント孔211aから排出されたガスをまた予め指定された経路を介してバッテリーパックの外部に排出するために、前記ベント孔211aと連通できるダクト構造物を前記バッテリーモジュールの上部に配置することもできる。
【0036】
上記のように、メインハウジング210のトッププレート211にベント孔211aを適用することによって、バッテリーモジュール10の内部発火時に、特定経路を介してガスが排出されるようにすることで、バッテリーモジュール10の内圧上昇によるバッテリーモジュール10の外的崩壊を防ぎ、意図しない方向にガスが排出されて周囲の他のバッテリーモジュール10に熱損傷を加えることを最小化することができる。
【0037】
一方、本実施形態のメインハウジング210は、トッププレート211、ボトムプレート212、左側サイドプレート213、右側サイドプレート214がすべて一体化したタイプで設けられているが、これに本発明の権利範囲が制限されるわけではない。例えば、前記メインハウジング210は、U字状のフレームと板状のプレートを溶接などの方式で結合したタイプに製作することもできる。ここで、前記U字状のフレームは、ボトムプレート212、左側サイドプレート213及び右側サイドプレート214を一体型に製作したものであり、前記板状のプレートは、トッププレート211を個別に製作したものに該当する。
【0038】
前方カバー220と後方カバー230は、前記メインハウジング210の開放部に結合され、セルアセンブリ100の前方及び後方をカバーできるように設けられた構造物である。前記前方カバー220と後方カバー230は、内側面が絶縁性と難燃性を有する素材からなるか、又は不燃素材でコーティングされた構造で設けられることによって、セルアセンブリ100の電気的接続部品を遮蔽し、ガスや火炎の流出を抑制するか、又はできるだけ遅延させるように構成される。
【0039】
また、前記前方カバー220は、一側を貫通させて形成したコネクタ装着口221を備えることができる。前記コネクタ装着口221は、例えば所定のケーブルコネクタ(図示せず)を、本発明によるバッテリーモジュール10のコネクタ組立体300に接続するために構成されたものである。
【0040】
前記コネクタ組立体300は、前記モジュールケース200の内部に備えられている回路基板上に接続され、
図5のように一部分が前記コネクタ装着口221を介してモジュールケース200の外側に露出するように構成され得る。ここで、前記回路基板は、後述する電圧センシング部材500を形成するフレキシブル印刷回路基板を意味する。
【0041】
より具体的に、
図6及び
図7を参照すると、前記コネクタ組立体300は、コネクタハウジング310、難燃ブロック320、シールガスケット330、固定板340を含むことができる。
【0042】
前記コネクタハウジング310は、第1ハウジング311と第2ハウジング312を含む。
【0043】
前記第1ハウジング311は、プラスチック材料からなり、入口が上部方向に向かい、前記コネクタ装着口221を介して前方カバー220の外側に露出するように構成され得る。前記第2ハウジング312は、前記第1ハウジング311の内部に封止性を提供するための構成要素であり、少なくとも一部が前記第1ハウジング311内に介在し得る。また、前記第2ハウジング312は、エポキシやシリコーン樹脂素材であり、各コネクタピン313の一部を取り囲んだ形態に硬化され、前記コネクタピン313の振動及び移動を防止する作用をするように構成され得る。
【0044】
前記難燃ブロック320は、融点の高い金属材料から形成され、モジュールケースの内部で前記コネクタハウジング310の周囲を取り囲む四角形の枠状に設けられ得る。
【0045】
前記難燃ブロック320は、厚さ約5.4mmのアルミニウム(Al)層と、前記アルミニウム層321の下面にセラミック微粒子を塗布して形成した不燃素材のコーティング層322からなり得る。前記コーティング層322は、0.1mm程度が適合し得る。ここで、前記アルミニウム層321の下面は、モジュールケース200の内部に向かう面を意味する。もちろん、前記アルミニウム層321と前記コーティング層322の厚さは、本実施形態とは異なるように設計することもできる。例えば、前記難燃ブロック320は、前記アルミニウムからなる層の厚さが3mm~10mmの範囲内にありかつ前記コーティング層の厚さが0.05mm~1mmの範囲内にあるように、設計することもできる。
【0046】
前記難燃ブロック320は、モジュールケース200の内部でコネクタハウジング310の周囲に高温のガスや火炎が移動してくる際に、これを防ぐファイアウォールのような作用をし、コネクタハウジング310の急速な溶融を防止する役割をする。また、前記難燃ブロック320は、モジュールケース200の内部で前記コネクタ装着口221を覆っており、ガスや火炎の前記コネクタ装着口221への移動を効果的に防止する役割をする。
【0047】
一方、本出願人は、研究段階において、アルミニウム(Al)とステンレススチール(SUS)を二重接合した難燃ブロックをコネクタ組立体に適用しようとした。ステンレススチールは、アルミニウムより融点の高いため、単にアルミニウムからなる難燃ブロックよりもステンレススチールを二重接合した難燃ブロックの方が難燃性に優れる。しかし、前記アルミニウムとステンレススチールの二重接合によるコスト上昇と、特に2種の金属を二重接合した場合、難燃ブロックの厚さが増加し、難燃ブロックを所望の厚さに設計することが困難であった。しかし、上述のような、アルミニウム層321に不燃素材のコーティングを適用した難燃ブロック320の構成によると、難燃性を高めるとともに難燃ブロック320の厚さをより自由に設計することができる。
【0048】
シールガスケット330は、コネクタハウジング310の周りと枠状の難燃ブロック320の内径の公差による隙間をなくすための構成であると言える。前記シールガスケット330は、伸縮性を有するゴム又はシリコーン素材で設けられ、前記コネクタハウジング310の外周を取り囲むように設けられ得る。本実施形態のように、前記シールガスケット330は、第1ハウジング311の外周を取り囲んで難燃ブロック320の上面に配置されるように構成され得る。
【0049】
前記固定板340は、前記シールガスケット330を難燃ブロック320に固定する手段として使用される構成である。例えば、
図7のように、前記固定板340は、第1ハウジング311の入口で前記第1ハウジング311の本体を通過して前記シールガスケット330の上部に配置され、前記シールガスケット330とともに前記難燃ブロック320に一体に固定結合され得る。このために、前記固定板340、前記シールガスケット330、前記難燃ブロック320は、上下に重ねられると一致するボルト締結孔を備え、ボルトB締結によって互いに一体に固定結合するように構成され得る。
【0050】
一方、また
図2から
図4を参照してみると、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール10は、バスバーフレーム400、電圧センシング部材500及び絶縁カバープレート600をさらに含むことができる。
【0051】
前記バスバーフレーム400は、複数のバスバー410を含むその他電装品を設置及び支持するための手段である。ここで、前記バスバー410は、バッテリーセル110を直列及び/又は並列に接続するために使用する銅、アルミニウムなどで製作された導電性の棒状の部品を意味する。所定数のバッテリーセル110は、1つのバスバー410に正極リードと負極リードが溶接されることで、互いに直列及び/又は並列に接続するように構成され得る。
【0052】
前記バスバーフレーム400は、セルアセンブリ100の前方部に垂直配置されるフロントフレームと、セルアセンブリ100の後方部に垂直配置されるリアフレームとを含む。
【0053】
前記フロントフレームと前記リアフレームは、それぞれセルアセンブリ100の前方部と後方部に対応するサイズで当該部位をカバーできる板状体の形状に設けられ、複数のバスバー410を一面に装着できるように構成され得る。また、前記フロントフレームと前記リアフレームは、バッテリーセル110の電極リードを前後方向(±X軸方向)に通過させることができるスリットを備えることができる。バッテリーセル110は、電極リードが前記スリットを通過してバスバーフレーム400の前方に引き出され、引き出された部分は、溶接などの方式によって対応するバスバー410に付着するように構成され得る。このような前記バッテリーセル110の電極リードとバスバー410は、前方カバー220と後方カバー230によって遮蔽することができる。
【0054】
前記電圧センシング部材500は、バッテリーセル110の電圧をセンシングするための手段であり、フレキシブル印刷回路基板で具現することができる。前記電圧センシング部材500は、セルアセンブリ100の上部に長手方向に沿って配置され、両端部にバスバー410の数だけ溶接プレートを備えることができる。前記溶接プレートは、各バスバー410に溶接などの方式によって付着することができる。上述したコネクタ組立体300は、前記フレキシブル印刷回路基板上に固定されるように装着され、前記前方カバー220のコネクタ装着口221を介して外部に露出し得る。このようなコネクタ組立体300に、例えばケーブルコネクタを接続することで、バッテリーセル110の電圧情報をBMSなどの外部装置に伝送することができる。
【0055】
前記絶縁カバープレート600は、例えば、プラスチック材料のように電気絶縁性を有する材料からなり、セルアセンブリ100の上部に配置され、セルアセンブリ100とメインハウジング210のトッププレート211との間の絶縁のための手段として使用される。
【0056】
具体的に、本実施形態に係る絶縁カバープレート600は、セルアセンブリ100の上部面積と対応する薄板状体であり、両端部がバスバーフレーム400の上端部にヒンジ結合するように構成され得る。
【0057】
上記構成によると、メインハウジング210の中にセルアセンブリ100を挿入する際に、セルアセンブリ100の上部とメインハウジング210のトッププレート211との間は、絶縁カバープレート600によって絶縁性が確保され、セルアセンブリ100の両側の最外郭とメインハウジング210の両サイドプレート213,214との間は、緩衝パッド120によって絶縁が確保され、セルアセンブリ100の下部とメインハウジング210のボトムプレート212との間は、熱伝導性樹脂(図示せず)が充填されることで絶縁が確保され得る。
【0058】
また、前記絶縁カバープレート600がセルアセンブリ100の上部に配置され、その両端部に2つのバスバーフレーム400の上端部とヒンジ結合された構成によると、2つの前記バスバーフレーム400をセルアセンブリ100の前方及び後方に垂直な状態で配置することが容易であり、さらにはバスバーフレーム400にバッテリーセル110の電極リードを挿入する際に、2つの前記バスバーフレーム400をそれぞれ所定角度回転できるため、電極リード挿入作業が便利になる。
【0059】
また、前記絶縁カバープレート600は、
図2及び
図3を参照すると、前記メインハウジング210のベント孔211aと上下に対応する位置に備えられ、その本体を所定の形状に切断するか又は切って断つ形成した切断線610を含む。例えば、前記切断線610は、略アーク(arc)又はC字状であり得る。もちろん、本実施形態とは異なり、U字、Y字状などに切断線610を置き換えることもできる。
【0060】
このような切断線610は、バッテリーモジュール10の内部発火時にガスが多量発生した場合、前記ガスが前記絶縁カバープレート600を貫通して外部に円滑に排出されるようにするための目的で採用されたものである。例えば、バッテリーモジュール10の内部発火時にバッテリーモジュール10の内部が多量のガスで満たされ、内部圧力が上昇すると、
図9のように、切断線610のある部分が脱落して絶縁カバープレート600が部分的に開放されることで、ガスが絶縁カバープレート600とトッププレート211を通過してモジュールケース200の外に排出され得る。
【0061】
このようにガスを外部に排出させることで、内圧の急激な上昇によるバッテリーモジュール10の外的崩壊及び爆発の危険を低減でき、例えば前記ベント孔211aの外で、またガスを予め指定された経路に沿ってバッテリーパックの外部に排出させることで、周囲の他のバッテリーモジュール10へ高温のガスが拡散されることを最小化することができる。
【0062】
一方、本発明の一実施形態に係るバッテリーパック(図示せず)は、上述したバッテリーモジュールを1つ以上含む。前記バッテリーパックには、バッテリーモジュール以外に、バッテリーモジュールを収納するためのパックケース(図示せず)、バッテリーモジュールの充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、BMS(Battery Management System)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含むことができる。
【0063】
一方、本明細書では、上、下、左、右、前、後などの方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
【0064】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的な思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0065】
1 バッテリーモジュール
2 コネクタ
10 バッテリーモジュール
100 セルアセンブリ
110 バッテリーセル
120 緩衝パッド
200 モジュールケース
210 メインハウジング
211 トッププレート
211a ベント孔
212 ボトムプレート
213 左側サイドプレート
214 右側サイドプレート
220 前方カバー
221 コネクタ装着口
230 後方カバー
300 コネクタ組立体
310 コネクタハウジング
311 第1ハウジング
312 第2ハウジング
313 コネクタピン
320 難燃ブロック
321 アルミニウム層
322 コーティング層
330 シールガスケット
340 固定板
400 バスバーフレーム
410 バスバー
500 電圧センシング部材
600 絶縁カバープレート
610 切断線
【国際調査報告】