(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】モノリシックに集積されたマイクロLED、ミニLEDおよびLEDアレイ用の複合カソードコンタクト
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20241106BHJP
H01L 33/08 20100101ALN20241106BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525848
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022049345
(87)【国際公開番号】W WO2023086345
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
(72)【発明者】
【氏名】ロトフィ,ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニー
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA25
5F241CA40
5F241CA74
5F241CA86
5F241CA87
5F241CA88
5F241CA92
5F241CA93
5F241CA98
5F241CB15
5F241CB25
(57)【要約】
LED装置は、半導体層を含むメサを含み、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する。透明導電層は、少なくとも1つの側壁上およびトレンチ内にある。カソード層は、透明導電層上のトレンチ内にある。p型コンタクトは、前記メサの上部表面にある。いくつかの実施形態では、前記透明導電層と前記カソード層との間に、スペーサ層が形成される。他の実施形態では、前記透明導電層と前記カソード層の間に、分布ブラッグ反射器が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を有するメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面と、少なくとも1つの側壁とを有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上の前記トレンチ内のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のp型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【請求項2】
さらに、前記透明導電層上にスペーサ層を有し、
前記スペーサ層は、酸化ケイ素を含み、前記スペーサ層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項3】
さらに、前記透明導電層上に分布ブラッグ反射器(DBR)を有し、
前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、酸化ケイ素を含み、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項4】
前記透明導電層は、酸化亜鉛を含み、
前記透明導電層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項5】
さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を有し、
前記誘電体層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO
x)、酸化ニオブ(NbO
x)、酸化アルミニウム(AlO
x)、酸化ハフニウム(HfO
x)、酸化タンタル(TaO
x)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiO
x)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO
x)からなる群から選択された低屈折率材料を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項6】
前記透明導電層は、CVD透明導電層、またはスパッタされた透明導電層である、請求項1に記載のLED装置。
【請求項7】
前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項8】
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
基板上にN型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する、少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に透明導電層を成膜するステップと、
前記トレンチ内および前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項9】
さらに、前記透明導電層上にスペーサ層を成膜するステップを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スペーサ層は、酸化ケイ素を含み、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記透明導電層上に分布ブラッグ反射器(DBR)を成膜するステップを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、酸化ケイ素を含み、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記メサの一部に誘電体層を成膜するステップを有し、
前記誘電体層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO
x)、酸化ニオブ(NbO
x)、酸化アルミニウム(AlO
x)、酸化ハフニウム(HfO
x)、酸化タンタル(TaO
x)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiO
x)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO
x)からなる群から選択された低屈折率材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの前記少なくとも1つの側壁の一部分および前記メサの前記上部表面の誘電体層と、
前記誘電体上、前記メサの前記少なくとも1つの側壁上、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する、LED装置。
【請求項15】
さらに、前記酸化亜鉛層上に、スペーサ層または分布ブラッグ反射器(DBR)の1つ以上を有する、請求項14に記載のLED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全般に、発光ダイオード(LED)装置のアレイおよびその製造方法に関する。より具体的には、本実施形態は、複合カソードコンタクトを有する発光ダイオード装置のアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れた際に可視光を放射する半導体光源である。LEDでは、P型半導体とN型半導体とが組み合わされる。LEDは、一般にIII-V族化合物半導体を使用する。III-V族化合物半導体では、他の半導体を用いた装置に比べて、高温でより安定した動作が提供される。III-V族化合物は、通常、サファイア、シリコン(Si)、または炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無機発光ダイオード(i-LED)は、自動車の適応ヘッドライト、拡張現実、仮想現実、複合現実(AR/VR/MR)ヘッドセット、スマートグラス、ならびに携帯電話、スマートウォッチ、モニタ、およびテレビ用のディスプレイを含む、異なる種類のディスプレイ、LEDマトリックス、および光エンジンを構築する際に広く使用されている。これらのアーキテクチャにおける個々のLED画素は、マトリックスまたはディスプレイのサイズおよび単位インチ当たりの画素の要求に応じて、数平方ミリメートルから数平方マイクロメートルまでの面積を有し得る。1つの一般的なアプローチは、EPIウェハ上にLED画素のモノリシックアレイを形成し、後に、これらのLEDアレイをバックプレーンに転写しハイブリッド化し、個々の画素を制御することである。
【0004】
モノリシックアレイは、金属サイドコンタクトを必要とし、これは、各画素の電気的カソードとして機能するとともに、画素間に反射性側壁を提供し、横方向の光散乱および伝播が低減される。これらのアーキテクチャでは、基板(例えば、サファイア、シリコン)は、LEDアレイがバックプレーンコントローラに一体化された後に除去され、光抽出およびビームプロファイリングが高められる必要がある。サファイア基板を除去する標準的な手法は、レーザリフトオフプロセスによるものであり、この場合、レーザビーム(サファイア基板の場合、UVレーザ)を使用して、エピタキシャル層(この場合、基板上に成長したLEDアレイ)から基板が分離される。カソードは、基板の表面まで掘り下げられているため、これらは、レーザリフトオフプロセスからのレーザビームと相互作用し、金属リッチな液滴または他の金属含有副生成物を生成し、これらは一般に吸収性であり、光出力を低下させる。また、側壁コンタクトの損傷は、画素の電気的特性に影響を及ぼす可能性があり、その結果、不安定なVfまたは電気的なリークの発生に繋がり得る。そのような影響は、長期的信頼性の懸念も引き起こし得る。
【0005】
従って、基板のレーザリフトオフの間、レーザと金属層との相互作用が排除される、モノリシックLEDアレイおよび製造プロセスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、発光ダイオード(LED)装置およびLED装置を製造する方法に関する。一実施形態では、発光ダイオード(LED)装置は、半導体層を含むメサであって、半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、少なくとも1つの側壁上およびトレンチ内の透明導電層と、透明導電層上のトレンチ内のカソード層と、前記メサの上部表面のp型コンタクトと、を有する。
【0007】
本開示の別の実施形態は、LED装置を製造する方法に関する。一実施形態では、発光ダイオード(LED)装置を製造する方法は、
N型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
少なくとも1つの側壁、少なくとも1つのメサの上部表面、およびトレンチ内に透明導電層を成膜するステップと、
前記トレンチ内および前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
少なくとも1つの前記上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0008】
別の実施形態は、発光ダイオード(LED)装置に関し、これは、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの少なくとも1つの側壁および上部表面の前記メサの一部の上部の誘電体層と、
前記誘電体上、前記メサの少なくとも1つの側壁上、およびトレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上のカソード層と、
前記メサの上部表面のpコンタクトと、
を有する。
【0009】
別の実施形態では、発光ダイオード(LED)装置は、
半導体層を含むメサであって、半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上のスペーサ層と、
前記誘電体スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの上部表面のp型コンタクトと、
を有する。
【0010】
本開示の別の実施形態は、LED装置を製造する方法に関する。一実施形態では、発光ダイオード(LED)装置を製造する方法は、
N型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に透明導電層を成膜するステップと、
前記透明導電層上にスペーサ層を成膜するステップと、
前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0011】
別の実施形態は、発光ダイオード(LED)装置に関し、当該LED装置は、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの少なくとも前記1つの側壁および前記上部表面の前記メサの一部の上部の誘電体層と、
前記誘電体層上、前記メサの前記少なくとも1つの側壁上、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上のスペーサ層と、
前記スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する。
【0012】
別の実施形態では、発光ダイオード(LED)装置は、
半導体層を含むメサであって、半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上の分布ブラッグ反射器(DBR)と、
前記誘電体スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のp型コンタクトと、
を有する。
【0013】
本開示の別の実施形態は、LED装置を製造する方法に関する。一実施形態では、発光ダイオード(LED)装置を製造する方法は、
N型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に透明導電層を成膜するステップと、
前記透明導電層上に分布ブラッグ反射器(DBR)を成膜するステップと、
前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0014】
別の実施形態は、発光ダイオード(LED)装置に関する。当該LED装置は、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの前記少なくとも1つの側壁および前記上部表面の前記メサの一部の上部の誘電体層と、
前記誘電体層、前記メサの前記少なくとも1つの側壁、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上の分布ブラッグ反射器(DBR)と、
前記スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する。
【0015】
本開示の前述の特徴が詳細に理解できるよう、実施形態を参照することにより、前述の簡単に要約した本開示のより具体的な記載が得られ、その一部は、添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、従って、本開示は、本開示の範囲を限定するものではなく、他の等しく有効な実施形態を許容することが留意される。本願に記載の実施形態は、添付図面の図において、限定ではなく一例として示されており、同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1B】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1C】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1D】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1E】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1F】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1G】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1H】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図1I】1または2以上の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図2】1または2以上の別の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図3】1または2以上の別の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図4】1または2以上の別の実施形態によるLED装置の断面を示した図である。
【
図5】1または2以上の実施形態によるLED装置を製造する方法のプロセスフロー図を示した図である。
【
図6】1または2以上の別の実施形態によるLED装置を製造する方法のプロセスフロー図を示した図である。
【
図7】1または2以上の別の実施形態によるLED装置を製造する方法のプロセスフロー図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載された構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことが理解される。本開示において、他の実施形態が可能であり、各種方法で実施または実現することができる。
【0018】
1つ以上の実施形態による本願で使用される「基板」と言う用語は、プロセスが作用する表面もしくは表面の一部を有する構造、中間体、または最終物を表す。また、いくつかの実施形態における基板という言及は、文脈が明らかに他を示さない限り、基板の一部のみを表す。さらに、いくつかの実施形態による基板への成膜という言及は、裸の基板への成膜、または1つもしくは複数の層、膜、特徴物、もしくは材料が上に成膜もしくは形成された基板への成膜を含む。
【0019】
1つ以上の実施形態において、「基板」は、製造プロセス中に膜処理が行われる任意の基板、または基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が行われる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪みシリコン、アモルファスシリコン、ドープシリコン、炭素ドープ酸化シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアのような材料、ならびに金属、金属窒化物、III族-窒化物(例えば、GaN、AlN、InN、および他の合金)、金属合金、および他の導電性材料のような、任意の他の好適な材料を含む。基板は、これに限られるものではないが、発光ダイオード(LED)装置を有する。いくつかの実施形態において、基板は、予備処理プロセスに暴露され、基板表面が研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/または焼成される。基板自体の表面での直接的な膜処理に加えて、いくつかの実施形態では、開示された任意の膜処理ステップが、基板上に形成された下地層で実施され、「基板表面」という用語は、文脈が示す場合、そのような下層を含むことが意図される。従って、例えば、膜/層または部分的な膜/層が基板表面に成膜された場合、新たに成膜された膜/層の露出表面が基板表面となる。
【0020】
本開示において「ウェハ」および「基板」という用語は、相互交換可能に使用される。従って、本願で使用される場合、ウェハは、本願に記載のLED装置を形成する基板として機能する。
【0021】
本願に記載の実施形態では、LED装置および該LED装置を形成する方法が記載される。特に、本開示では、金属層とのレーザリフトオフレーザの相互作用を除去することにより、基板除去にレーザリフトオフを必要とするモノリシックLEDアレイの、改善された、より均一で、再現可能な製造プロセスが記載される。1つ以上の実施形態のLED装置では、有意に光出力が向上し、電気的特性が改善され、信頼性が向上する。1つ以上の実施形態では、側壁カソードコンタクトの改善された均一性/被覆率、ならびにより良好な光学的および電気的特性が記載される。
【0022】
1つ以上の実施形態では、エピタキシャル層のバンドギャップに近いバンドギャップを有する光学的に透明な導電層が、エピタキシャル構造の底部に組み込まれる。いくつかの実施形態では、光学的に透明な層は、金属コンタクト層の保護層として機能し、レーザの金属層との相互作用が妨げられてもよい。1つ以上の実施形態では、光学的に透明な層は、酸化亜鉛(ZnO)を含む。酸化亜鉛は、可視波長で高い光透過率を有し、3.37eVのバンドギャップを有し、これは、窒化ガリウム(GaN、3.4eV)のバンドギャップに近い。GaNに近いバンドギャップを有することにより、ZnOは、GaNと同様にレーザビームを吸収することができ、従ってレーザリフトオフステップ中にサファイア基板から分離され、金属層をレーザビームから保護することができる。1つ以上の実施形態では、透明層の厚さは、数十ナノメートルから数百ナノメートルの範囲であってもよく、これは、レーザビームがこの層の底部区画によって完全に吸収され、金属層に到達しないことが確実となる十分な厚さである。
【0023】
本開示の実施形態は、図によって説明される。図には、本開示の1つ以上の実施形態による装置(例えば、LED)および装置を形成するためのプロセスを示す。示されたプロセスは、開示されたプロセスの想定される単なる例示的な使用であり、当業者には、開示されたプロセスが示された用途に限定されないことが認識される。
【0024】
図面を参照して本開示の1つ以上の実施形態が記載される。
図1 A乃至
図1Iには、1つ以上の実施形態による装置100の断面図を示す。本開示の一態様は、LEDアレイを製造する方法に関する。
図5には、LED装置を製造する方法500のプロセスフロー図を示す。
図1A乃至
図1Iおよび
図5を参照すると、エピタキシャル層のバンドギャップに近いバンドギャップを有する光学的に透明な導電層を含むLED装置100が製造される。
【0025】
図1Aおよび
図5を参照すると、1つ以上の実施形態では、エピタキシーの第1の部分(動作502)は、n型層106の成長を含み、これは、サファイアまたは他の適用可能な成長基板102を使用する、従来のLED成長ランと同じであってもよい。基板102は、LED装置の形成に用いるように構成された、当業者に知られている任意の基板であってもよい。1つ以上の実施形態では、基板102は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル等の1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、基板102は透明基板である。特定の実施形態では、基板102はサファイアを含む。1つ以上の実施形態では、基板102は、LEDの形成前にパターン化されていない。従って、いくつかの実施形態では、基板102は、パターン化されておらず、平坦または実質的に平坦であると見なされ得る。他の実施形態では、基板102はパターン化基板である。
【0026】
1つ以上の実施形態では、n型層106は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、および窒素(N)の二元、三元、および四元系の合金を含む、任意のIII-V族半導体を含んでもよく、これは、III族-窒化物材料とも称される。従って、いくつかの実施形態では、n型層106は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウムアルミニウム(GaAlN)、窒化ガリウムインジウム(GaInN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウムインジウム(AlInN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)等の1つ以上を含む。特定の実施形態では、n型層106は、窒化ガリウム(GaN)を含む。1つ以上の実施形態では、n型層106は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)のようなn型ドーパントでドープされる。n型層106は、層を通して横方向に電流が搬送される上で十分なドーパント濃度を有してもよい。
【0027】
1つ以上の実施形態では、n型層106は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、有機金属化学気相成膜(MOCVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ増強原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ増強化学気相成膜(PECVD)の1つ以上により成膜される。
【0028】
本願で使用される「スパッタ成膜」は、スパッタリングによる薄膜成膜の物理気相成膜(PVD)法を表す。スパッタ成膜では、材料、例えばIII族-窒化物が、ソースであるターゲットから基板に放出される。本技術は、ソース材料、ターゲットのイオン衝撃に基づく。イオン衝撃の結果、純粋に物理的なプロセス、すなわちターゲット材料のスパッタリングにより、蒸気が生じる。
【0029】
本願のいくつかの実施形態により使用される「原子層成膜」(ALD)または「周期的成膜」は、基板表面に薄膜を成膜させるために使用される気相技術を表す。ALDのプロセスは、基板表面または基板の一部を、交互の前駆体、すなわち2つ以上の反応化合物に曝露して、基板表面に材料の層を成膜させることを含む。基板が交互前駆体に曝露されると、前駆体は、逐次的にまたは同時に導入される。前駆体は、処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板または基板の一部は、別々に前駆体に暴露される。
【0030】
いくつかの実施形態では、本願で使用される「化学気相成膜」は、基板表面での化学物質の分解により、材料の膜が気相から成膜されるプロセスを表す。CVDでは、基板表面は、同時にまたは実質的に同時に、前駆体および/または共リガンドに曝露される。LEDの製造において一般的に使用されているCVDプロセスの特定のサブセットは、有機金属前駆体化学物質を使用し、MOCVDまたは有機金属気相エピタキシー(MOVPE)と称される。本願で使用される「実質的に同時に」とは、コフロー、または前駆体の曝露の大部分に対して重複がある場合のいずれかを表す。
【0031】
いくつかの実施形態では、本願で使用される「プラズマ増強原子層成膜(PEALD)」は、基板上に薄膜を成膜する技術を表す。熱ALDプロセスと比較して、PEALDプロセスのいくつかの例では、材料は、同じ化学前駆体から形成され得るが、より高い成膜速度およびより低い温度である。PEALDプロセスでは、一般に、チャンバ内に基板を含むプロセスチャンバ内に、反応ガスおよび反応プラズマが順次導入される。第1の反応ガスは、処理チャンバ内でパルス化され、基板表面上に吸着される。その後、反応プラズマは、処理チャンバ内にパルスされ、第1の反応ガスと反応して、成膜材料、例えば、薄膜が基板上に形成される。熱ALDプロセスと同様、反応体の各々の供給の間、パージステップが行われてもよい。
【0032】
1つ以上の実施形態では、本願で使用される「プラズマ化学気相成長(PECVD)」は、基板上に薄膜を成膜する技術を表す。PECVDプロセスでは、キャリアガスと共搬送される、気相のIII族-窒化物材料または液相のIII族-窒化物材料の蒸気のような、気相または液相のソース材料が、PECVDチャンバに導入される。またプラズマ開始ガスも、チャンバ内に導入される。チャンバ内でのプラズマの生成により、励起されたラジカルが生成される。励起されたラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面に化学的に結合され、その上に所望の膜が形成される。
【0033】
1つ以上の実施形態では、LED装置100は、LED装置層がエピタキシャル成長するように、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)反応器に基板102を配置することにより、製造される。
【0034】
1つ以上の実施形態では、n型層106の成長後、当業者に知られた成膜技術を用いて、活性領域116およびp型層104が成長される。1つ以上の実施形態では、p型層104は、窒化ガリウム(GaN)を含む。
【0035】
図1B乃至
図1Dおよび
図5を参照すると、動作504において、第1のメサ122aおよび第2のメサ122bをウェハにエッチングすることにより、複数のメサが形成される。1つ以上の実施形態では、第1のメサ122aおよび第2のメサ122bは、トレンチ120により分離される。いくつかの実施形態では、トレンチ120は、ドライエッチングのような従来の方向性エッチングプロセスを使用して形成されてもよい。トレンチ120は、任意の好適な深さであってもよく、誘電体層108の上部表面からn型層106を貫通して基板102まで延在してもよい。トレンチ120は、少なくとも1つの側壁121および底部表面123を有してもよい。
【0036】
1つ以上の実施形態では、第1のメサ122aは、第2のメサ122bの高さ(厚さ)とほぼ同じ高さ(厚さ)を有してもよい。他の実施形態では、第1のメサ122aは、第2のメサ122bの高さ(厚さ)とは異なる高さ(厚さ)を有してもよい。
【0037】
1つ以上の実施形態では、エッチング表面(トレンチ120)は、最大45の傾斜角を有してもよい。いくつかの実施形態では、エッチング表面(トレンチ120)は、完全に垂直であってもよい。
【0038】
図1Cおよび
図5には、動作506において、複数のメサ122a、122b上およびトレンチ120内に誘電体層108が形成されることを示す。誘電体層108は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0039】
本願で使用される「誘電体」と言う用語は、印加電界によって分極され得る電気絶縁体材料を表す。1つ以上の実施形態では、誘電体層108は、当業者に知られている任意の好適な誘電体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層108は、低屈折率材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、ハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)の1つ以上を含む。「酸化ケイ素」という用語は、誘電体層108を説明するために使用され得るが、当業者には、本開示が特定の化学量論に限定されないことが認識される。例えば、「酸化ケイ素」および「二酸化ケイ素」と言う用語は、いずれも、任意の好適な化学量論比でケイ素原子および酸素原子を有する材料を表すために使用されてもよい。1つ以上の実施形態では、誘電体層108は、約300 nmより大きい厚さ、または約500 nmより大きい厚さ、または約1000 nmより大きい厚さを有する。
【0040】
1つ以上の実施形態では、誘電体層108は実質的に共形である。本願で使用される「実質的に共形」である層は、厚さが全体にわたって(例えば、各メサの上部表面上、少なくとも1つの側壁121上、およびトレンチ120の底部表面123上で)ほぼ同じである層を表す。実質的に共形な層は、厚さが約5%、2%、1%、または0.5%、またはそれ以下だけ変化する。
【0041】
1つ以上の実施形態では、誘電体層108は、少なくとも1つの側壁121の全体、およびトレンチ120の底部表面123に形成される。
図1Cおよび
図5を参照すると、動作508において、誘電体層108の一部は、トレンチ120の底部表面123および少なくとも1つの側壁121から除去されてもよい。誘電体層108の一部は、ドライエッチングのような従来の方向性エッチングプロセスを使用して除去されてもよい。1つ以上の実施形態では、トレンチ120の底部表面123および少なくとも1つの側壁121から誘電体層108の一部が除去されると、側壁の露出部分125が形成される。露出部分125は、n型層106の部分を含んでもよく、基板102は、トレンチ120内で露出されてもよい。
【0042】
図1Dを参照すると、誘電体層108が成膜された後、装置100がエッチングされ、複数のメサ122 a、122bの形成が完了し、基板102の上部表面が露出される。いくつかの実施形態では、基板102の上部表面は、トレンチ120の底部を形成する。
【0043】
図1Eおよび
図5を参照すると、、1つ以上の実施形態では、動作510において、誘電体層108上の複数のメサ122a、122b、および複数のメサ122a、122bの側壁の露出部分125に、透明導電層114が成膜される。1つ以上の実施形態では、透明導電層114は、トレンチ120の底部表面123上に形成される。いくつかの実施形態では、透明導電層114は、共形層である。
【0044】
透明導電層114は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を用いて形成されてもよい。
【0045】
1つ以上の実施形態では、透明導電層114は、当業者に知られている任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透明導電層114は、酸化亜鉛(ZnO)を含む。ZnOは、可視光波長で高い光透過率を有し、3.37eVのバンドギャップを有し、これはGaNのバンドギャップ(3.4eV)に近い。GaNに近いバンドギャップを有することは、GaNと同様の方法で、基板の後続のレーザリフトオフ中にZnOがレーザビームを吸収し、従って、GaN層106、104の分離に使用される同じレーザリフトオフステップ中にサファイア基板102から分離されることを意味し、レーザリフトオフレーザビームから金属コンタクト層110が保護される。ZnO層の厚さは、数十ナノメートルから数百ナノメートルの範囲であり、十分に厚く、レーザビームは、この層の底部区画により完全に吸収され、金属コンタクト層110には確実に到達しなくなる。
【0046】
透明導電層114を説明するために「酸化亜鉛」という用語が使用され得るが、当業者には、本開示が特定の化学量論に限定されないことが理解される。1つ以上の実施形態では、透明導電層114は、約10nmよりも大きい厚さ、または約20nmよりも大きい厚さ、または約100nmよりも大きい厚さを有する。他の実施形態では、透明導電層114は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する。理論に束縛されることを意図するものではないが、透明導電層114の最適な厚さは、レーザ波長およびエネルギーのような、レーザリフトオフパラメータに依存すると考えられる。
【0047】
図1Fおよび
図5を参照すると、1つ以上の実施形態では、動作512において、トレンチ120内の露出部分125に、カソード層110またはn型コンタクトが成膜される。1つ以上の実施形態では、カソード層110は、当業者に知られた任意の好適な材料を有してもよい。1つ以上の実施形態では、カソード層110は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上から選択されるnコンタクト材料を含む。
【0048】
図1Gは、
図5の動作514において、誘電体層108内にコンタクトホール124が形成され、n型層104の上部表面が露出されることを示す。いくつかの実施形態では、第1のメサ122aの誘電体層108に第1のコンタクトホール124aが形成され、n型層104の上部表面が露出される。第2のメサ122bの誘電体層108には第2のコンタクトホール124bが形成され、n型層104の上部表面が露出される。コンタクトホール124a、124bは、乾式エッチングのような通常の方向性エッチングプロセスを用いて形成される。
【0049】
図1Hおよび
図5を参照すると、動作516において、アノードコンタクト金属112(またはp型コンタクト)がコンタクトホール124内に成膜される。1つ以上の実施形態では、p型コンタクト金属112は、当業者に知られている任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、p型コンタクト金属112は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、およびパラジウム(Pd)の1つ以上から選択されるp型コンタクト材料を含む。特定の実施形態では、p型コンタクト金属112は、銀(Ag)を含む。いくつかの実施形態では、アノードコンタクト金属112に、接着促進剤として追加の金属が少量添加されてもよい。そのような接着促進剤は、これに限られるものではないが、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上を含む。
【0050】
1つ以上の実施形態では、アノードコンタクト金属112およびカソードコンタクト110は、同じ成膜およびリフトオフステップにおいて、同じ金属で構成されてもよい。
【0051】
図1Iおよび
図5を参照すると、動作518では、処理の後の段階において、メサ122a、122bの間の空間が導電性材料146で充填されてもよく、これは、例えば、電気めっき銅(Cu)であってもよく、ウェハ100全体またはウェハ100の一部は、ディスプレイバックプレーンのような、システム基板に接合され、システムが形成される。ランディングパッドのアレイは、LEDウェハ100上の結合パッドと整列される寸法で、システム基板に配置されてもよい。ランディングパッドは、システム基板においてディスプレイドライバ回路に接続されてもよい。
【0052】
1つ以上の実施形態では、基板がサファイアなどのUV透過性材料である場合、接合後、レーザリフトオフのようなプロセスを用いて、成長基板102が除去される。1つ以上の実施形態では、光学的に透明な導電層114を組み込むことにより、レーザリフトオフプロセスからのレーザビームとの相互作用の問題が解決される。透明導電層114は、金属コンタクト層110の保護層として機能し、金属コンタクト層110とのレーザの相互作用を防止する。1つ以上の実施形態では、レーザリフトオフレーザパワーは、コンタクト層110に到達する前に、透明導電層114内に吸収される。理論に束縛されるものではないが、透明導電層114は、トレンチの底部でサファイアを被覆するレーザリフトオフ分離可能層の薄くて共形のコーティングを可能にし、これは、金属コンタクト層110を保護するものの、依然として画素間の良好な光コントラストを提供できると考えられる。また、この薄い透明導電層114にクラックが生じ、画素活性領域に伝播するというリスクも低減される。
【0053】
図2には、LED装置の代替的な実施形態を示す。
図6には、LED装置を形成する方法600のプロセスフロー図を示す。動作602において
図2に示されるエピタキシャル成長は、
図1A乃至
図1Hのエピタキシャル成長とはわずかに異なる。
図2を参照すると、1つ以上の実施形態では、透明導電性酸化物層230(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))が、p型層204の前に成長される。動作604では、
図1Bに関して示したように、その後、半導体層は、エッチングされ、複数のメサが形成される。次に、動作606では、誘電体層208が、複数のメサ上に成膜され、動作608では、前述の
図1Cに関して示したように、誘電体層の一部が除去され得る。動作610では、誘電体層208の複数のメサ222a、222b上、およびトレンチの側壁の露出部分に、透明導電層214が成膜される。1つ以上の実施形態では、透明導電層214は、トレンチの底部表面に形成される。いくつかの実施形態では、透明導電層214は、共形層である。
【0054】
透明導電層214は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を用いて形成されてもよい。
【0055】
1つ以上の実施形態では、透明導電層214は、当業者に知られている任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透明導電層214は、酸化亜鉛(ZnO)を含む。ZnOは、可視光波長で高い光透過率を有し、3.37eVのバンドギャップを有し、これはGaNのバンドギャップ(3.4eV)に近い。GaNに近いバンドギャップを有することは、GaNと同様の方法で、基板の後続のレーザリフトオフ中にZnOがレーザビームを吸収することを意味し、従って、GaN層206、204を分離するために使用される場合と同じレーザリフトオフステップ中に、サファイア基板から分離することができ、レーザリフトオフレーザビームから金属コンタクト層210が保護される。ZnO層の厚さは、数十ナノメートルから数百ナノメートルの範囲であり、十分に厚く、レーザビームは、この層の底部区画により完全に吸収され、金属コンタクト層210には到達しないことが確実となる。
【0056】
透明導電層114を説明するために「酸化亜鉛」という用語が使用され得るが、当業者には、本開示が特定の化学量論に限定されないことが理解される。1つ以上の実施形態では、透明導電層214は、約10nmよりも大きい厚さ、または約20nmよりも大きい厚さ、または約100nmよりも大きい厚さを有する。他の実施形態では、透明導電層214は、10nm乃至500nmの範囲の厚さを有する。理論に束縛されることを意図するものではないが、透明導電層214の最適な厚さは、レーザ波長およびエネルギーのような、レーザリフトオフのパラメータに依存すると考えられる。
【0057】
図2および
図6を参照すると、1つ以上の実施形態では、動作612において、透明導電層214に隣接して、スペーサ層218がトレンチ内に形成される。スペーサ層218は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0058】
1つ以上の実施形態では、スペーサ層218は、当業者に知られている任意の好適な誘電体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ層218は、誘電体材料を含む。1つ以上の実施形態では、スペーサ層218は、酸化ケイ素を含む。1つ以上の実施形態では、スペーサ層218は、約10nmよりも大きい厚さ、または約20nmよりも大きい厚さ、または約100nmより大きい厚さを有する。他の実施形態では、スペーサ層218は、10nm乃至500nmの範囲の厚さを有する。これにより、スペーサ層281は、全内部反射(TIR)手段を提供し、側壁反射率が高められる。
【0059】
1つ以上の実施形態では、動作614において、トレンチ内にカソード層210、またはn型コンタクトが、スペーサ層218と直接隣接して/スペーサ層310の直上に成膜される。1つ以上の実施形態では、カソード層210は、当業者に知られる任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、カソード層210は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上から選択されるnコンタクト材料を含む。
【0060】
カソード層210と透明導電層214の間のトレンチの底部に、必要な電気的金属-ZnO(210-214)コンタクトが形成される。透明導電層214を通る横方向の電流拡散により、半導体への電流注入が確保される。
【0061】
図3には、LED装置の代替的な実施形態を示す。
図6には、LED装置を形成する方法600のプロセスフロー図を示す。動作602において、
図3に示されるエピタキシャル成長は、
図1A乃至
図1Hのエピタキシャル成長とはわずかに異なる。
図3を参照すると、1つ以上の実施形態では、透明導電性酸化物層330(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))が、p型層304の前に成長される。次に、動作604では、前述の
図1Bに関して示したように、半導体層がエッチングされ、複数のメサが形成される。次に、動作606では、誘電体層308が複数のメサ上に成膜され、動作608では、前述の
図1Cに関して示したように、誘電体層の一部が除去され得る。動作610では、誘電体層308上の複数のメサ322a、322b、およびトレンチの側壁の露出部分に、透明導電層314が成膜される。1つ以上の実施形態では、透明導電層314は、トレンチの底部表面、およびトレンチの上部表面314tにある。いくつかの実施形態では、透明導電層314、314tは、共形層である。
【0062】
透明導電層314は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0063】
1つ以上の実施形態では、透明導電層314は、当業者に知られている任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透明導電層314は、酸化亜鉛(ZnO)を含む。ZnOは、可視光波長で高い光透過率を有し、3.37eVのバンドギャップを有し、これは、GaNのバンドギャップ(3.4eV)に近い。GaNに近いバンドギャップを有することは、ZnOが、GaNと同様の方法で基板の後続のレーザリフトオフ中にレーザビームを吸収することを意味し、従って、ZnOは、GaN層306、304を分離するために使用される同じレーザリフトオフステップ中にサファイア基板から分離することができ、レーザリフトオフレーザビームから金属コンタクト層310が保護される。ZnO層の厚さは、数十ナノメートルから数百ナノメートルの範囲であり、十分に厚く、レーザビームは、この層の底部区画によって完全に吸収され、金属コンタクト層310には到達しない。
【0064】
1つ以上の実施形態では、透明導電層314は、約10nmより大きい厚さ、または約20nmより大きい厚さ、または約100nmより大きい厚さを有する。他の実施形態では、透明導電層314は、10 nmから500 nmの範囲の厚さを有する。理論に束縛されることを意図するものではないが、透明導電層314の最適な厚さは、レーザ波長およびエネルギーのようなレーザリフトオフのパラメータに依存すると考えられる。
【0065】
図3および
図6を参照すると、1つ以上の実施形態では、動作612において、透明導電層314に隣接して、スペーサ層318がトレンチ内に形成される。スペーサ層318は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0066】
1つ以上の実施形態では、スペーサ層318は、当業者に知られている任意の好適な誘電体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ層318は、誘電体材料を含む。1つ以上の実施形態では、スペーサ層318は、酸化ケイ素を含む。1つ以上の実施形態では、スペーサ層318は、約10nmより大きい厚さ、または約20nmより大きい厚さ、または約100nmより大きい厚さを有する。他の実施形態では、スペーサ層318は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する。これにより、スペーサ層318は、側壁反射率を増加させる全内部反射(TIR)手段を提供する。
【0067】
1つ以上の実施形態では、動作614において、カソード層310またはn型コンタクトが、スペーサ層318に直接隣接して/スペーサ層310上でトレンチ内に成膜される。1つ以上の実施形態では、カソード層310は、当業者に公知の任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、カソード層310は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上から選択されるnコンタクト材料を含む。
【0068】
必要な電気的金属-ZnO(310-314)コンタクトが、トレンチの底部に形成されるとともに、カソード層310と透明導電層314の間のトレンチの上部(310t-314t)に形成される。透明導電層314を通る横方向の電流拡散により、半導体への電流注入が確保される。
【0069】
図4には、LED装置の別の実施形態を示す。
図7には、LED装置を形成する方法700のプロセスフロー図を示す。
図4の動作702に示されるエピタキシャル成長は、
図1A乃至1Hのエピタキシャル成長とはわずかに異なる。
図4を参照すると、1つ以上の実施形態では、透明導電性酸化物層430(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))が、p型層404の前に成膜される。動作704では、
図1Bに関して示したように、その後、半導体層がエッチングされ、複数のメサが形成される。次に、動作706では、誘電体層408が複数のメサ上に成膜され、動作708では、
図1Cに関して示したように、誘電体層408の一部が除去され得る。動作710では、誘電体層408上の複数のメサ422a、422b、およびトレンチの側壁の露出部分に、透明導電層414が成膜される。1つ以上の実施形態では、透明導電層414は、トレンチの底部表面およびトレンチの上部表面414tにある。いくつかの実施形態では、透明導電層414、414tは、共形層である。
【0070】
透明導電層414は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0071】
1つ以上の実施形態では、透明導電層414は、当業者に知られている任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透明導電層414は、酸化亜鉛(ZnO)を含む。ZnOは、可視光波長で高い光透過率を有し、3.37eVのバンドギャップを有し、これはGaNのバンドギャップ(3.4eV)に近い。GaNに近いバンドギャップを有することは、ZnOが、GaNと同様の方法で基板の後続のレーザリフトオフ中にレーザビームを吸収することを意味し、従って、ZnOは、GaN層406、404を分離するために使用される同じレーザリフトオフステップ中にサファイア基板から分離することができ、レーザリフトオフレーザビームから金属コンタクト層410が保護される。ZnO層の厚さは、数十ナノメートルから数百ナノメートルの範囲であり、十分に厚く、レーザビームは、この層の底部区画によって完全に吸収され、金属コンタクト層410には到達しない。
【0072】
1つ以上の実施形態では、透明導電層414は、約10nmより大きい厚さ、または約20nmより大きい厚さ、または約100nmより大きい厚さを有する。他の実施形態では、透明導電層414は、10 nmから500 nmの範囲の厚さを有する。理論に束縛されることを意図するものではないが、透明導電層414の最適な厚さは、レーザ波長およびエネルギーのようなレーザリフトオフパラメータに依存すると考えられる。
【0073】
1つ以上の実施形態では、
図4および
図7を参照すると、動作712において、透明導電層414に隣接して、分布ブラッグ反射器(DBR)436がトレンチ内に形成される。分布ブラッグ反射器(DBR)436は、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスのような、従来の成膜技術を使用して形成されてもよい。
【0074】
分布ブラッグ反射器は、通常、異なる屈折率の交互の薄膜材料のマルチレイヤで構成され、高反射率が重要な属性の1つである。分布ブラッグ反射器またはミラーは、屈折率が変化する交互の薄膜材料、例えば高屈折率膜と低屈折率膜との交互層の多層スタックから形成された構造である。ブラッグ反射器は、高い反射率を有する必要がある。いくつかの実施形態では、分布ブラッグ反射器436は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する。
【0075】
1つ以上の実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)436は、当業者に知られている任意の好適な誘電体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)436は、これに限られるものではないが、窒化ガリウム(GaN)および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、または窒化アルミニウムインジウム(AlInN)、またはそれらの混合物のような、異なる屈折率を有するIII族-窒化物材料の一連の交互層を有する。1つ以上の実施形態では、DBR 436は、酸化ケイ素を含む。
【0076】
1つ以上の実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)436は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する。他の実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)436は、0.2ミクロンから5ミクロンの範囲の厚さを有する。他の実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)436は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する。分布ブラッグ反射器(DBR)436は、これにより、側壁反射率を増加させるための全内部反射(TIR)手段を提供する。
【0077】
1つ以上の実施形態では、動作714において、分布ブラッグ反射器(DBR)436に直接隣接して/分布ブラッグ反射器(DBR)436の上部に、カソード層410またはn型コンタクトがトレンチ内に成膜される。1つ以上の実施形態では、カソード層410は、当業者に公知の任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、カソード層410は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上から選択されたnコンタクト材料を含む。
【0078】
必要な電気的金属-ZnO(410-414)コンタクトが、トレンチの底部に形成されるとともに、カソード層410と透明導電層414の間のトレンチの上部(410t-414t)に形成される。透明導電層314を通る横方向の電流拡散により、半導体への電流注入が確保される。
【0079】
(実施形態)
以下、各種実施形態を列挙する。以下に記載の実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様および他の実施形態と組み合わされてもよいことが理解される。
【0080】
(実施形態a)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を有するメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面と、少なくとも1つの側壁とを有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上の前記トレンチ内のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のp型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【0081】
(実施形態b)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態aに記載のLED装置。
【0082】
(実施形態c)前記透明導電層の厚さは、10nmから500nmの範囲である、実施形態(a)または(b)に記載のLED素子。
【0083】
(実施形態d)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を有する、実施形態(a)乃至実施形態(c)に記載のLED装置。
【0084】
(実施形態e)前記誘電体層は、低屈折率材料を含む、実施形態(a)乃至実施形態(d)に記載のLED装置。
【0085】
(実施形態f)前記低屈折率材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)からなる群から選択された材料を含む、実施形態(a)乃至実施形態(e)に記載のLED装置。
【0086】
(実施形態g)前記透明導電層は、CVD透明導電層またはスパッタリング透明導電層である、実施形態(a)乃至実施形態(f)に記載のLED装置。
【0087】
(実施形態h)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つまたは複数を含む、実施形態(a)乃至実施形態(g)に記載のLED装置。
【0088】
(実施形態i)前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(a)乃至実施形態(h)に記載のLED装置。
【0089】
(実施形態j)発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
基板上にN型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を含有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に、透明導電層を成膜するステップと、
前記トレンチ内および前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0090】
(実施形態k)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態(j)に記載の方法。
【0091】
(実施形態l)前記透明導電層の厚さは、10nmから500nmの範囲である、実施形態(j)乃至実施形態(k)に記載の方法。
【0092】
(実施形態m)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を成膜するステップを有する、実施形態(j)乃至実施形態(l)に記載の方法。
【0093】
(実施形態n)前記誘電体層は、低屈折率材料を含む、実施形態(j)乃至実施形態(m)に記載の方法。
【0094】
(実施形態o)前記低屈折率材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)からなる群から選択される材料を含む、実施形態(j)乃至実施形態(n)に記載の方法。
【0095】
(実施形態p)前記透明導電層は、CVD透明導電層またはスパッタリング透明導電層である、実施形態(j)乃至実施形態(o)に記載の方法。
【0096】
(実施形態q)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(j)乃至実施形態(p)に記載の方法。
【0097】
(実施形態r)前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(j)乃至実施形態(q)に記載の方法。
【0098】
(実施形態s)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの前記少なくとも1つの側壁および前記上部表面の前記メサの一部の誘電体層と、
前記誘電体層上、前記メサの前記少なくとも1つの側壁、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する、LED装置。
【0099】
(実施形態t)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(s)に記載のLED装置。
【0100】
(実施形態u)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上のスペーサ層と、
前記誘電体スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のp型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【0101】
(実施形態v)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態(u)に記載のLED装置。
【0102】
(実施形態w)前記透明導電層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(u)乃至実施形態(v)に記載のLED装置。
【0103】
(実施形態x)前記スペーサ層は、酸化ケイ素を含む、実施形態(u)乃至実施形態(w)に記載のLED装置。
【0104】
(実施形態y)前記スペーサ層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(u)乃至実施形態(x)に記載のLED装置。
【0105】
(実施形態z)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を有する、実施形態(u)乃至実施形態(y)に記載のLED装置。
【0106】
(実施形態aa)さらに、前記誘電体層の上部表面に前記透明導電層を有し、前記透明導電層の上部表面に前記カソード層を有する、実施形態(u)乃至実施形態(z)に記載のLED装置。
【0107】
(実施形態bb)前記透明導電層は、CVD透明導電層またはスパッタリングされた透明導電層である、実施形態(u)乃至実施形態(aa)に記載のLED装置。
【0108】
(実施形態cc)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(u)乃至実施形態(bb)に記載のLED装置。
【0109】
(実施形態dd)前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(u)乃至実施形態(cc)に記載のLED装置。
【0110】
(実施形態ee)発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
基板上にN型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に、透明導電層を成膜するステップと、
前記透明導電層上にスペーサ層を成膜するステップと、
前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面上にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0111】
(実施形態ff)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態(ee)に記載の方法。
【0112】
(実施形態gg)前記透明導電層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(ee)乃至実施形態(ff)に記載の方法。
【0113】
(実施形態hh)前記スペーサ層は、酸化ケイ素を含む、実施形態(ee)乃至実施形態(gg)に記載の方法。
【0114】
(実施形態ii)前記スペーサ層は、10nm乃至500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(ee)乃至実施形態(hh)に記載の方法。
【0115】
(実施形態jj)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を成膜するステップを有する、実施形態(ee)乃至実施形態(ii)に記載の方法。
【0116】
(実施形態kk)さらに、
前記誘電体層の上部表面に透明導電層を形成するステップと、
前記透明導電層の上部表面に前記カソード層を形成するステップと、
を有する、実施形態(ee)乃至実施形態(jj)に記載の方法。
【0117】
(実施形態ll)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1以上を含む、実施形態(ee)乃至実施形態(kk)に記載方法。
【0118】
(実施形態mm)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの前記少なくとも1つの側壁および前記上部表面の前記メサの一部の上の誘電体層と、
前記誘電体層上、前記メサの前記少なくとも1つの側壁上、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上のスペーサ層と、
前記スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する、LED装置。
【0119】
(実施形態nn)前記スペーサ層は、酸化ケイ素を含む、実施形態(mm)に記載のLED装置。
【0120】
(実施形態oo)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記トレンチ内の透明導電層と、
前記透明導電層上の分布ブラッグ反射器(DBR)と、
前記誘電体スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面上のp型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【0121】
(実施形態pp)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態(oo)に記載のLED装置。
【0122】
(実施形態qq)前記透明導電層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(oo)乃至実施形態(pp)に記載のLED装置。
【0123】
(実施形態rr)前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、酸化ケイ素を含む、実施形態(oo)乃至実施形態(qq)に記載のLED装置。
【0124】
(実施形態ss)前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する、実施形態(oo)乃至実施形態(rr)に記載のLED装置。
【0125】
(実施形態tt)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を有する、実施形態(oo)乃至実施形態(ss)に記載のLED装置。
【0126】
(実施形態uu)
前記誘電体層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)からなる群から選択される材料を含む、実施形態(oo)乃至実施形態(tt)に記載のLED装置。
【0127】
(実施形態vv)前記透明導電層は、CVD透明導電層またはスパッタリングされた透明導電層である、実施形態(oo)乃至実施形態(uu)に記載LED装置。
【0128】
(実施形態ww)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(oo)乃至実施形態(vv)に記載のLED装置。
【0129】
(実施形態xx)前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(oo)乃至実施形態(ww)に記載のLED装置。
【0130】
(実施形態yy)発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
基板上にN型層、活性層、およびP型層を含む複数の半導体層を成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングして、画素を画定する少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁、前記少なくとも1つのメサの前記上部表面、および前記トレンチ内に透明導電層を成膜するステップと、
前記透明導電層上に分布ブラッグ反射器(DBR)を成膜するステップと、
前記透明導電層上にカソード層を成膜するステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面にp型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0131】
(実施形態zz)前記透明導電層は、酸化亜鉛を含む、実施形態(yy)に記載の方法。
【0132】
(実施形態aaa)前記透明導電層は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(yy)乃至実施形態(zz)に記載の方法。
【0133】
(実施形態bbb)前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、酸化ケイ素を含む、実施形態(yy)乃至実施形態(aaa)に記載の方法。
【0134】
(実施形態ccc)前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、10nmから500nmの範囲の厚さを有する、実施形態(yy)から実施形態(bbb)に記載の方法。
【0135】
(実施形態ddd)さらに、前記メサの一部の上に誘電体層を成膜させるステップを有する、実施形態(yy)乃至実施形態(ccc)に記載の方法。
【0136】
(実施形態eee)前記誘電体層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)からなる群から選択される材料を含む、実施形態(yy)乃至実施形態(ddd)に記載の方法。
【0137】
(実施形態fff)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(yy)乃至実施形態(eee)に記載の方法。
【0138】
(実施形態ggg)発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N型層、活性層、およびP型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを画定する、メサと、
前記メサの前記少なくとも1つの側壁および前記上部表面の前記メサの一部の上の誘電体層と、
前記誘電体層上、前記メサの前記少なくとも1つの側壁上、および前記トレンチ内の酸化亜鉛層と、
前記酸化亜鉛層上の分布ブラッグ反射器(DBR)と、
前記スペーサ層上のカソード層と、
前記メサの前記上部表面のpコンタクトと、
を有する、LED装置。
【0139】
(実施形態hhh)前記カソード層は、銀(Ag)およびアルミニウム(Al)の1つ以上を含む、実施形態(ggg)に記載のLED装置。
【0140】
本願に記載の材料および方法を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における「a」および「an」および「the」と言う用語ならびに同様の言及は、本願で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解する必要がある。本願における値の範囲の記載は、本願に別段の指示がない限り、その範囲内に含まれる各々の別個の値を個々に表す省略法としての役割を果たすことを単に意図するにすぎず、各別個の値は、本願に個々に記載されているものとして本願に組み込まれる。本願に記載の全ての方法は、本願に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本願に記載の任意のおよび全ての例、または例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、単に材料および方法をより明確にすることを意図するものであり、別段の主張がない限り、範囲を限定するものではない。本願におけるいかなる用語も、開示された材料および方法の実施に必須であるとして、任意のクレームされていない要素を示すものと解されてはならない。
【0141】
本願全体を通して、第1、第2、第3のような用語の言及は、各種要素を説明するために使用されており、これらの要素は、これらの用語により限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するために使用され得る。
【0142】
本願全体を通して、別の要素の「上に」ある、または「上に」延在する層、領域、または基板に対する言及は、それが、直接、他の要素の上にあってもよく、または直接、他の要素の上に延在してもよく、あるいは介在要素が存在してもよいことを意味する。ある要素が別の要素の「直上に」ある、または「直上に」延在すると称される場合、介在要素は存在しなくてもよい。さらに、ある要素が他の要素に「接続される」または「結合される」と言及される場合、その要素は、他の要素に直接接続もしくは結合されてもよく、ならびに/または1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続もしくは結合されてもよい。ある要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と言及される場合、その要素と別の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示された任意の配向に加えて、要素の異なる配向を包含することが意図されることが理解される。
【0143】
本願で使用される「下」、「上」、「上部」、「下部」、「水平」、または「垂直」のような相対的な用語は、図に示されるような1つの要素、層、または領域の、別の要素、層、または領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に示された配向に加えて、装置の異なる配向を包含することが意図されることが理解される。
【0144】
本願全体を通して、「一実施形態」、「ある実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本願を通して各種箇所で「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、または「実施形態では」のような語句が出現しても、必ずしも本開示の同じ実施形態を表すとは限らない。1つ以上の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の好適な方法で組み合わされる。
【0145】
本願の開示では、特定の実施形態を参照して説明がされているが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる一例であることが理解される。本開示の思想および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に対して各種修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかである。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正および変形を含むことが意図される。
【国際調査報告】