(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/383 20210101AFI20241106BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M50/383
H01M50/367
H01M50/204 401F
H01M50/35 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525911
(86)(22)【出願日】2023-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 KR2023007894
(87)【国際公開番号】W WO2023243939
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0071456
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キョンウ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ス・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンモ・カン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC10
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY10
(57)【要約】
本発明の一実施例による電池パックは、少なくとも1つ以上の電池モジュールと、前記電池モジュールを収容するパックフレームと、前記パックフレームに形成されるベントホールと、前記ベントホールをカバーするメッシュ構造体とを含み、前記メッシュ構造体と前記パックフレームとの間にはダクト部材が形成され、前記ダクト部材には吸着部材が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容するパックフレームと、
前記パックフレームに形成されるベントホールと、
前記ベントホールをカバーするメッシュ構造体と、
を含む電池パックであって、
前記メッシュ構造体と前記パックフレームとの間にはダクト部材が形成され、
前記ダクト部材には吸着部材が形成される、電池パック。
【請求項2】
前記ダクト部材は、
ボディ部と、
前記ボディ部に形成されるホール部と、
前記ボディ部の下端部から前記ボディ部の垂直方向に突出するように延びる延長部と、
を含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記吸着部材は、前記延長部に形成される、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記延長部は、
前記ボディ部から延びて形成される底部と、
前記底部から延びる前部および側部と、
を含む、請求項2または3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記吸着部材は、前記底部の外面に形成される、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記吸着部材は、前記前部の外面に形成される、請求項4に記載の電池パック。
【請求項7】
前記吸着部材は、前記側部の外面に形成される、請求項4に記載の電池パック。
【請求項8】
前記ボディ部は、前記パックフレームの外部に固定され、
前記延長部は、前記パックフレームの内部に位置する、請求項2に記載の電池パック。
【請求項9】
前記パックフレームは、上部パックハウジングおよび下部パックハウジングを含み、
前記ベントホールおよび前記メッシュ構造体は、前記下部パックハウジングに形成される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記ダクト部材は、前記下部パックハウジングに位置するように形成される、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記吸着部材は、前記下部パックハウジングの内部に位置する、請求項9に記載の電池パック。
【請求項12】
前記電池パックは、固定部材をさらに含み、
前記固定部材は、前記メッシュ構造体、前記ダクト部材および前記パックフレームを互いに結合する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
請求項1に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年6月13日付の韓国特許出願第10-2022-0071456号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的には、安全性が向上した電池パックおよびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多く注目されている。
【0004】
一方、近年、エネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列および/または並列に連結された多数の電池モジュールおよび前記電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
また、複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも1つの電池セルからなる電池モジュールを先に構成し、このような少なくとも1つの電池モジュールを用いてその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0006】
一般に、二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合、爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合わされて温度がさらに迅速で激しく上昇することがある。言い換えれば、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱がうまく行われない場合、電池セルの劣化が速くなるにつれて寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0007】
この時、電池セル、電池モジュールおよび電池パックでの発火時に火炎が発生し、電池セルから発生するベントガスおよび火炎などによって火災発生の可能性が高い。特に、電池パック内部の発火時、電池パックに形成されたベントホールによってベントガスが排出され、火炎の暴露を防止する過程で内部粉塵および発火源などによってベントホールが詰まり、ベント圧力によって電池パックのシーリングが破壊されて外部への火炎の暴露の可能性がある。
【0008】
そのため、電池パック内部の発火時、ベントガスは排出し、外部への火炎の暴露は防止する構造であって、特に、内部粉塵および発火源がベントホールによるベント経路を遮断することを防止できる構造による電池パックの安全性確保の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、安全性が向上した電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することである。
【0010】
しかし、本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されるわけではなく、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例による電池パックは、少なくとも1つ以上の電池モジュールと、前記電池モジュールを収容するパックフレームと、前記パックフレームに形成されるベントホールと、前記ベントホールをカバーするメッシュ構造体とを含み、前記メッシュ構造体と前記パックフレームとの間にはダクト部材が形成され、前記ダクト部材には吸着部材が形成される。
【0012】
前記ダクト部材は、ボディ部と、前記ボディ部に形成されるホール部と、前記ボディ部の下端部から前記ボディ部の垂直方向に突出するように延びる延長部とを含むことができる。
【0013】
前記吸着部材は、前記延長部に形成される。
【0014】
前記延長部は、前記ボディ部から延びて形成される底部と、前記底部から延びる前部および側部とを含むことができる。
【0015】
前記吸着部材は、前記底部の外面に形成される。
【0016】
前記吸着部材は、前記前部の外面に形成される。
【0017】
前記吸着部材は、前記側部の外面に形成される。
【0018】
前記ボディ部は、前記パックフレームの外部に固定され、前記延長部は、前記パックフレームの内部に位置することができる。
【0019】
前記パックフレームは、上部パックハウジングおよび下部パックハウジングを含み、前記ベントホールおよび前記メッシュ構造体は、前記下部パックハウジングに形成される。
【0020】
前記ダクト部材は、前記下部パックハウジングに位置するように形成される。
【0021】
前記吸着部材は、前記下部パックハウジングの内部に位置することができる。
【0022】
前記電池パックは、固定部材をさらに含み、前記固定部材は、前記メッシュ構造体、前記ダクト部材および前記パックフレームを互いに結合することができる。
【0023】
本発明の他の実施例によるデバイスは、前述した電池パックを含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施例による電池パックは、ダクト部材を含み、前記ダクト部材は、吸着部材を含むことで発火源および電池パックの内部粒子を捕集することによって、メッシュ構造体の性能低下を防止することができる。
【0025】
また、本実施例による電池パックは、ベントホールおよびメッシュ構造体によるベント経路が形成され、ベント経路によってベントガスは排出され、火炎を抑制することによって、外部への火炎の暴露が防止できる。
【0026】
また、本発明の電池パックは、前記構成によって安全性が向上し、使用者を保護することができる。
【0027】
本発明の効果が上述した効果に制限されるわけではなく、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例による電池パックを示す斜視図である。
【
図2】
図1の電池パックおよび前記電池パックに収容される電池モジュールを示す斜視図である。
【
図3】
図1の電池パックに含まれる電池モジュールの斜視図である。
【
図5】
図4の切断線B-B’に沿った断面を示す図である。
【
図6】
図1の電池パックに含まれるダクト部材を示す斜視図である。
【
図7】
図1の電池パックに含まれるダクト部材を示す他の斜視図である。
【
図9】
図8の切断線C-C’に沿った断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0031】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとする時、これは他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上」に位置することを意味するわけではない。
【0033】
さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0034】
また、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0035】
本出願で使用される第1、第2の用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0036】
以下、本発明の一実施例による電池パックを説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による電池パックを示す斜視図である。
図2は、
図1の電池パックおよび前記電池パックに収容される電池モジュールを示す斜視図である。
図3は、
図1の電池パックに含まれる電池モジュールの斜視図である。
図4は、
図1のA部分を拡大して示す図である。
図5は、
図4の切断線B-B’に沿った断面を示す図である。
【0038】
図1~
図3を参照すれば、本発明の一実施例による電池パック1000は、少なくとも1つ以上の電池モジュール100と、電池モジュール100を収容するパックフレーム1100とを含む。
【0039】
図3を参照すれば、電池モジュール100は、複数の電池セル110が予め設定された方向に沿って積層されて形成された電池セル積層体120と、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200とを含むことができる。また、モジュールフレーム200は、電池セル積層体120の上下部と左右面に対応する4面を覆う構造であってもよく、電池セル積層体の前後面は開放されている構造であってもよい。モジュールフレーム200によって開放された電池セル積層体120の前後面は、エンドプレート150によってカバーされる。ここで、複数の電池セル110は、その種類に特別な制限がないので、パウチ型二次電池または角型二次電池であってもよい。
【0040】
この時、
図1および
図2を参照すれば、パックフレーム1100は、下部パックハウジング1110と、下部パックハウジング1110を覆う上部パックハウジング1120とを含むことができ、下部パックハウジング1110の底部に複数の電池モジュール100が位置することができる。つまり、下部パックハウジング1110上に複数の電池モジュール100が配置され、下部パックハウジング1110および複数の電池モジュール100は、上部パックハウジング1110によって覆われる。
【0041】
一方、本実施例による電池パック1000は、パックフレーム1100に形成されるベントホール1115をさらに含むことができる。具体的には、ベントホール1115は、パックフレーム1100の下部パックハウジング1110および上部パックハウジング1120のいずれの位置にも形成可能であり、一例として、下部パックハウジング1110上にベントホール1115が形成される。下部パックハウジング1110上にベントホール1115が形成されることによって、電池パック1000の内部で発生するベントガスが効果的に電池パック1000の外部に排出できる。
【0042】
この時、本実施例による電池パック1000は、ベントホール1115をカバーするメッシュ(mesh)構造体1200をさらに含むことができる。電池パック1000の内部で火炎が発生した時、ベントガスだけでなく、電池パックの内部構成部品が一部破裂して生成される発火源および粒子などが発生することがある。この時、ベントガスに沿ってベント経路へ排出される発火源および粒子は、外部火炎発生の原因として作用しうる。したがって、発火源および粒子はメッシュ構造体1200によってフィルタリングされて、外部への火炎流出を防止することができる。
【0043】
また、メッシュ構造体1200は、ベントホール1115をカバーするので、パックフレーム1100の下部パックハウジング1110および上部パックハウジング1120のいずれの位置にも形成可能であり、一例として、下部パックハウジング1110上にベントホール1115をカバーするように形成される。
【0044】
この時、
図4を参照すれば、メッシュ構造体1200は、ベントホール1115をカバーするようにパックフレーム1200上に形成されて、固定部材1300を介して固定される。したがって、メッシュ構造体1100は、固定部材1300が結合するホールを含むことができ、前記ホールを介して固定部材1300の構成要素が結合して、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100とが結合するものである。
【0045】
図5を参照すれば、固定部材1300は、ボルト部材1310およびナット部材1320を含むことができ、ボルト部材1310とナット部材1320は、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100を挟んで互いに結合可能である。また、後述する内容のように、本実施例による電池パック1000は、ダクト部材500をさらに含むことができるので、ボルト部材1310およびナット部材1320は、メッシュ構造体1200、ダクト部材500およびパックフレーム1100を順次に挟んで互いに結合可能である。このため、メッシュ構造体1200は、ベントホール1115をカバーしながらパックフレーム1100上に形成されるだけでなく、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100との間にダクト部材500が固定されることによって、安定したベント構造を形成することができる。
【0046】
ただし、ベントホールをカバーするメッシュ構造体は、発火源および粒子によって詰まることがある。つまり、電池パック内部の発火時、火炎およびベントガスに沿って発火源および粒子が移動し、発火源および粒子はメッシュ構造体によってフィルタリングされる。この時、累積された発火源および粒子は、メッシュ構造体の多数の気孔を遮蔽し、これによってベントホールも遮蔽する。この時、ベントホールおよびメッシュ構造体が遮蔽されるにつれて電池パック内部の圧力が増加すれば、電池パックのシーリングが破損し、電池パック内部の火炎が外部に暴露され、危険性がより増加しうる。
【0047】
そこで、本実施例による電池パック1000は、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100との間に形成されるダクト部材500を含む。以下、本実施例による電池パック1000に含まれるダクト部材500についてより詳しく説明する。
【0048】
図6および
図7は、
図1の電池パックに含まれるダクト部材を示す斜視図である。
【0049】
図6および
図7を参照すれば、本実施例によるダクト部材500は、ボディ部520と、ボディ部520に形成されるホール部530と、ボディ部520の下端部からボディ部520の垂直方向に突出するように延びる延長部540とを含むことができる。
【0050】
また、ダクト部材500には吸着部材510が形成される。より具体的には、吸着部材510は、ダクト部材500の延長部540に形成される。
【0051】
まず、本実施例によるダクト部材500は、ボディ部520を含むことができる。この時、ボディ部520は、パックフレーム1100と結合する部分であって、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100との間に形成されて、ダクト部材500を電池パック1000上に固定させる部分であってもよい。
【0052】
特に、ボディ部520上には結合ホール525が形成される。この時、結合ホール525は、ボディ部520上に複数形成され、結合ホール525を介して固定部材1300の構成要素が互いに結合して、ボディ部520をパックフレーム1100上に固定させることができる。
【0053】
本実施例によるダクト部材500のボディ部520上にはホール部530がさらに形成される。具体的には、ボディ部520の中心にはホール部530が形成され、より具体的には、ホール部530は、ベントホール1115およびメッシュ構造体1200に対応する位置に形成される。したがって、ホール部530の形状も、ベントホール1115の形状に対応するように形成されるが、これに制限されるわけではない。
【0054】
ダクト部材500は、ホール部530を含むように形成されることによって、メッシュ構造体1200が発火源および粒子によって詰まることを防止しながらも、ベントホール1115およびメッシュ構造体1200につながるベント経路を妨げず、電池パック1000内部のベントガスが電池パック1000の外部へ円滑に排出されるようにする。
【0055】
一方、本実施例による電池パック1000のダクト部材500は、ボディ部520の下端部からボディ部の垂直方向(-y方向)に突出するように延びる延長部540をさらに含むことができる。
【0056】
この時、延長部540は、ボディ部520から延びて形成される底部549と、底部549から垂直方向(z方向)に延びる前部541および側部545とを含むことができる。
【0057】
また、上述のように、ダクト部材500には吸着部材510が形成され、一例として、吸着部材510は、延長部540に形成される。
【0058】
この時、本実施例によるダクト部材500は、ベントガスに含まれている発火源および電池パックの内部構成部品の粒子によってメッシュ構造体1200の一部または全部が詰まること、特に、メッシュ構造体1200の下端部が詰まることを防止するために形成されるものである。つまり、ダクト部材500は、メッシュ構造体1200の下端部へ向かう発火源および粒子を最小化するための追加的な構成が形成可能であり、吸着部材510によって前記発火源および粒子の最小化効果を達成することができる。
【0059】
したがって、吸着部材510は、延長部540の底部549、前部541および側部545に形成される。一例として、吸着部材510は、底部549の外面に形成される。吸着部材510は、前部541の外面に形成される。吸着部材510は、側部545の外面に形成される。これは、メッシュ構造体1200の下端部へ向かうベント経路を考慮する時、パックフレーム1100の内部からメッシュ構造体1200へ向かうベント経路(y方向)を考慮したものである。つまり、吸着部材510は、前部541および側部545の外面に形成されることによって、ベントガスに含まれている発火源および粒子を捕集することができる。ただし、本実施例による吸着部材510は、上述した位置に限定されるものではなく、
図5に示されているように、ベント経路上に位置する前部541の内面、側部545の内面、および底部549の内面に形成されてもよい。
【0060】
また、吸着部材510は、底部549、前部541および側部545の一部または全部を覆うように形成される。一例として、吸着部材510は、底部549の外面の一部または全部を覆うように形成される。吸着部材510は、前部541の外面の一部または全部を覆うように形成される。吸着部材510は、側部545の外面の一部または全部を覆うように形成される。
【0061】
この時、吸着部材510の形状は特に制限されるわけではないが、一例として、シート形状を有するように形成される。しかし、延長部540に形成されて発火源および粒子を捕集可能である限り、いかなる形状であっても吸着部材510の形状とすることができる。
【0062】
一方、
図4および
図5を参照すれば、本実施例による電池パック1000のダクト部材500は、パックフレーム1100の外部に固定され、延長部540は、パックフレーム1100の内部に位置することができる。つまり、ダクト部材500のボディ部520は、パックフレーム1100の外部に固定され、延長部540は、パックフレーム1100の内部に位置するものである。また、ダクト部材500のボディ部520は、パックフレーム1100の外部に固定されて、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100との間に位置するように形成される。
【0063】
また、ダクト部材500は、固定部材1300を介してパックフレーム1100の外部に固定され、一例として、固定部材1300は、ボルト部材1310とナット部材1320とを含み、ボルト部材1310とナット部材1320とが締結されることによって、パックフレーム1100の外部に固定されるものである。したがって、固定部材1300は、メッシュ構造体1200、ダクト部材500およびパックフレーム1100を互いに結合するものである。
【0064】
ダクト部材500は、パックフレーム1100のうち下部パックハウジング1110に位置するように形成される。先に説明したように、ベントホール1115およびメッシュ構造体1200は、下部パックハウジング1110に形成されることから、メッシュ構造体1200と下部パックハウジング1110との間にダクト部材500のボディ部520が位置して固定されるものである。
【0065】
また、ダクト部材500の延長部540は、パックフレーム1100の内部に位置するので、延長部540に形成される吸着部材510は、パックフレーム1100の内部に位置することができる。一例として、吸着部材510は、下部パックハウジング1110の内部に位置することができる。
【0066】
この時、吸着部材510は、下部パックハウジング1110の内部に位置しつつベントホール1115の下部に形成されることから、ベントガスの経路に位置することができる。
【0067】
したがって、上記のような本実施例による電池パック1000は、ベントホール1115およびメッシュ構造体1200によるベント経路を形成し、当該経路に形成されるダクト部材500を含むことができる。この時、メッシュ構造体1200は、多数の発火源とガスをフィルタリングすることによって、前記発火源およびガスによって遮蔽およびブロック(block)される可能性があり、当該の場合には、ベントガスが排出できず、電池パック内部の圧力が上昇して内部の火炎が外部に暴露される可能性が大きくなる。したがって、ダクト部材500およびダクト部材500に形成された吸着部材510によって一次的に発火源および粒子を吸着および捕集することによって、メッシュ構造体1200の性能低下を防止することはもちろん、電池パック1000の安全性が向上し、使用者を保護することができる。
【0068】
図8は、比較例による電池パックを示す図である。
図9は、
図8の切断線C-C’に沿った断面を示す図である。
【0069】
図8および
図9を参照すれば、比較例による電池パック10は、ベントホールおよびメッシュ構造体12を含み、ベント経路に沿ってベントガスがメッシュ構造体12に直に伝達される。したがって、発火源または粒子がメッシュ構造体12によってフィルタリングされ、メッシュ構造体12の内面上に積層される。
【0070】
特に、前記フィルタリングされた発火源および粒子は、メッシュ構造体12の最下端部から積層され始めてメッシュ構造体12の下端部を遮蔽し、これによってメッシュ構造体12のフィルタリング性能が低下する。また、メッシュ構造体12が遮蔽され、電池パック10内部のベント圧力が増加することによって、電池パック10のシーリング部位が損傷して火炎が外部に暴露される危険性が高まるので、電池パック10の安全性が低下しうる。
【0071】
これに対し、
図1~
図7を参照すれば、本実施例による電池パック1000は、メッシュ構造体1200とパックフレーム1100との間に形成されるダクト部材500を含み、ダクト部材500には吸着部材510が形成されて発火源および粒子を一次的に捕集することによって、メッシュ構造体1200の性能低下を防止し、電池パック1000内部の火炎が外部へ暴露されることを防止して、電池パック1000の安全性がより向上できる。また、安全性が向上した電池パック1000により使用者を保護することができる。
【0072】
これとともに、本発明の電池パック1000は、上述した構成とともに、電池モジュールを1つ以上まとめて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であってもよい。
【0073】
また、本発明の電池パック1000は、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施例について図示および説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろんであり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0075】
100:電池モジュール
110:電池セル
120:電池セル積層体
150:エンドプレート
200:モジュールフレーム
500:ダクト部材
510:吸着部材
520:ボディ部
525:結合ホール
530:ホール部
540:延長部
1000:電池パック
1100:パックフレーム
1110:下部パックハウジング
1115:ベントホール
1120:上部パックハウジング
1200:メッシュ構造体
1300:固定部材
【国際調査報告】