(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】バーナー容器及び流体ヒータ
(51)【国際特許分類】
F24H 1/12 20220101AFI20241106BHJP
F24H 9/1818 20220101ALI20241106BHJP
【FI】
F24H1/12 B
F24H1/12 A
F24H9/1818
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525948
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 GB2022052713
(87)【国際公開番号】W WO2023073358
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524161771
【氏名又は名称】ディジタル ヒート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL HEAT LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ホワイト
【テーマコード(参考)】
3L034
【Fターム(参考)】
3L034BA14
3L034BA22
(57)【要約】
1つ以上の流体回路内の流体を加熱するように構成されたハイブリッド電気-可燃性燃料流体ヒータ用のバーナー容器(5400)が開示される。容器は、可燃性燃料を燃焼させるように構成される可燃性燃料バーナー(5405)と、及び熱を発生し、またこの熱を1つ以上の流体回路内の流体に伝達するように構成される1つ以上の電気加熱素子(5410)と、を収納する容器ハウジング(5401)を備える。容器は、さらに、相対的に低温の流体を容器に入力するように構成される第1低温流体入口(5404)と、相対的に高温の流体を容器から出力するように構成される第1高温流体出口と、第1低温流体入口と第1高温流体出口との間に延在し、また容器を通じて流体を搬送するように構成される第1流体ダクト(5403)と、及び容器から燃焼排ガスを搬送するように構成される煙道(5407)と、をさらに備える。可燃性燃料バーナー及び1つ以上の電気加熱素子は両方とも、第1流体ダクト内の流体を加熱するように構成される。
【選択図】
図54
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の流体回路内の流体を加熱するように構成されるハイブリッド電気-可燃性燃料流体ヒータ用のバーナー容器であって、
可燃性燃料を燃焼させるように構成される可燃性燃料バーナーと、
熱を発生し、前記1つ以上の流体回路内の流体に熱を伝達するように構成される1つ以上の電気加熱素子と、
相対的に低温の流体を前記容器に入力するように構成される第1低温流体入口と、
相対的に高温の流体を前記容器から出力するように構成される第1高温流体出口と、
前記第1低温流体入口と前記第1高温流体出口との間に延在し、前記容器を通じて流体を運ぶように構成される第1流体ダクトと、
前記容器から燃焼排ガスを運ぶように構成される煙道と、
を収納するように構成される容器ハウジングを備え、
前記可燃性燃料バーナー及び前記1つ以上の電気加熱素子は両方とも、前記第1流体ダクト内の流体を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項2】
請求項1に記載のバーナー容器において、前記1つ以上の電気加熱素子は、高出力加熱素子である、バーナー容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバーナー容器において、前記可燃性燃料バーナー及び前記1つ以上の電気加熱素子は両方とも、前記第1流体ダクト内の同一の位置で流体を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記ハウジングは、燃焼燃料から前記1つ以上の流体回路内の流体に熱を伝達するように構成される燃焼燃料熱交換器をさらに収納する、バーナー容器。
【請求項5】
請求項4に記載のバーナー容器において、前記可燃性燃料バーナー及び前記1つ以上の電気加熱素子が両方とも、随意的には同一の場所で、同一の燃焼燃料熱交換器を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記第1流体ダクトは、少なくとも1つのダクト壁を備え、前記ダクト壁を通じて、前記燃焼燃料から前記1つ以上の流体回路内の流体に、熱が伝達される、バーナー容器。
【請求項7】
請求項6に記載のバーナー容器において、前記可燃性燃料バーナー及び前記1つ以上の電気加熱素子は両方とも、随意的には同一の場所で、同一の少なくとも1つのダクト壁を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のバーナー容器であって、さらに、
相対的に低温の流体を前記容器に入力するように構成される第2低温流体入口と、
相対的に高温の流体を前記容器から出力するように構成される第2高温流体出口と、
前記第2低温流体入口と前記第2高温流体出口との間に延在し、前記容器を通じて流体を運ぶように構成される第2流体ダクトと、
を備え、
前記可燃性燃料バーナー及び前記1つ以上の電気加熱素子のいずれか又は両方は、随意的には同一の場所で、前記第2流体ダクト内の流体を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項9】
請求項4~8のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、前記燃焼燃料熱交換器に部分的に又は完全に埋め込まれている、バーナー容器。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、前記少なくとも1つのダクト壁に部分的に又は完全に埋め込まれている、バーナー容器。
【請求項11】
請求項4~10のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記熱交換器は、前記熱交換器の中に形成された1つ以上の溝を有し、前記熱交換器の1つ以上の溝は、前記1つ以上の電気加熱素子を位置決めするように構成される、バーナー容器。
【請求項12】
請求項6~11のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記少なくとも1つのダクト壁は、前記ダクト壁の中に形成された1つ以上の溝を有し、前記ダクト壁の1つ以上の溝は、前記1つ以上の電気加熱素子を位置決めするように構成される、バーナー容器。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、前記ダクト、任意のダクト又は各ダクトの中に、完全に又は部分的に位置する、バーナー容器。
【請求項14】
請求項4~12のいずれか一項に従属する場合の請求項13に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、前記燃焼燃料熱交換器から離間している、バーナー容器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のバーナー容器であって、前記第1流体ダクトの別個の区間内の流体を加熱するように構成される複数の別個の電気加熱素子を備える、バーナー容器。
【請求項16】
請求項6~15のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、少なくとも1つのダクト壁の内面及び前記少なくとも1つのダクト壁の外面のうちのいずれか1つ以上に、導電性加熱素子コーティングを備える、バーナー容器。
【請求項17】
請求項4~16のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子のうちの1つ以上が、前記燃焼燃料熱交換器の表面上に、導電性加熱素子コーティングを備える、バーナー容器。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記1つ以上の電気加熱素子は、前記容器ハウジング内に収納される代わりに、前記容器ハウジングの外側で、前記第1高温流体出口の近くに配置される、バーナー容器。
【請求項19】
請求項4~18のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記可燃性燃料バーナーは、燃焼ゾーン内の燃料を燃焼させるように構成され、前記燃焼燃料熱交換器は、鋳造熱交換器本体などの熱交換器本体を備え、また随意的には、
前記熱交換器本体は、
a) 前記燃焼ゾーンをほぼ取り囲む、
b) 随意的には前記燃焼ゾーンの上部付近にある、前記燃焼ゾーン内又は前記燃焼ゾーンに隣接するブロックを有する、又は
c) a)とb)の両方の組み合わせである、
バーナー容器。
【請求項20】
請求項4~19のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記燃焼燃料熱交換器は、前記燃焼燃料から効率的に熱を伝達するように構成される、熱交換器フィン等の少なくとも1つの熱交換器用突出部を備え、随意的には、前記少なくとも1つの突出部は、前記熱交換器本体から前記燃焼ゾーンに向かって延在し、前記熱交換器本体と熱交換する、バーナー容器。
【請求項21】
請求項4~20のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記ハウジングは、前記燃焼燃料熱交換器をほぼ取り囲むように配置されるカバーを、随意的には多層カバーをさらに備え、随意的には、前記第1流体ダクトは、前記カバーと前記燃焼燃料熱交換器との間に画定される、バーナー容器。
【請求項22】
請求項21に記載のバーナー容器において、前記多層カバーは、少なくとも1つのスキン層及び少なくとも1つの断熱層を含む、バーナー容器。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記ダクト、任意のダクト又は各ダクトは、
前記熱交換器の壁と前記カバーとの間、随意的には、前記熱交換器本体の外壁と前記カバーの内面との間に画定されるチャネル、又は
前記熱交換器の壁と前記カバーとの間の空間又はチャネルを通過するように構成される密閉パイプ、又は
前記熱交換器内に完全に画定されるチャネル、又は
前記熱交換器内全体の空間又はチャネルを通過するように構成される密閉パイプ、又は
前記ハウジングを、随意的には前記燃焼ゾーンを通過し、また前記熱交換器から離間された密閉パイプ
を備える、バーナー容器。
【請求項24】
請求項23に記載のバーナー容器において、前記熱交換器の外壁は、前記外壁の外面に、連続的な開口凹部、随意的には、U字状又はC字状凹部を備え、前記チャネルは前記凹部の表面と前記カバーとの間に画定され、また随意的には、前記チャネルは、前記熱交換器の外壁の周りに、前記第1低温流体入口から前記第1高温流体出口まで、随意的には使用中の構成において下方に向かって、螺旋構成で延在する、バーナー容器。
【請求項25】
請求項23又は24に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子、任意の電気加熱素子又は各電気加熱素子は、
前記チャネル内に配置される若しくは前記チャネル上にコーティングされる若しくは前記チャネル内にコーティングされるものとし、随意的には、前記開口凹部の基部の近くに配置し、またさらに随意的には、前記熱交換器から離間させる、又は
前記開口凹部の基部の近傍で部分的に又は完全に熱交換器内に埋め込まれる若しくは前記熱交換器上にコーティングされる若しくは前記熱交換器内にコーティングされるものとする、又は
前記チャネル内に配置される若しくは前記チャネル上にコーティングされる若しくは前記チャネル内にコーティングされるものとし、随意的には、前記カバーと接触するように若しくは前記カバーの近傍に配置し、また前記開口凹部の基部から離間させる、又は
少なくとも1つの熱交換器フィン内に部分的にあるいは完全に埋め込まれる、若しくは前記熱交換器フィンに巻き付けられる、若しくは前記フィン上あるいは前記フィン内にコーティングされるものとする、又は
前記熱交換器内に一体的に鋳込まれる、若しくは前記熱交換器上にコーティングされる、若しくは前記熱交換器内でコーティングされ、例えば、前記熱交換器内全体に画定される、螺旋チャネル等のチャネル内でコーティングされるものとする、又は
前記ダクト、任意のダクト又は各ダクトに巻き付けられる若しくはその上でコーティングされる若しくはその中にコーティングされるものとする、又は
それらの形態の組み合わせである
ものとする、バーナー容器。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子、任意の電気加熱素子又は各電気加熱素子のいずれか又はそれぞれが、
ニクロム素子を有する金属被覆セラミック粉末絶縁ケーブル、
螺旋状の電線素子、
シリコーンで封入され、金属エッチングされた素子などの、封入金属エッチング素子、
所望の形状プロファイルを有する予め形成された素子、
エナメルコーティングされた素子、及び
導電性コーティング
のうちの1つ以上を備える、バーナー容器。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記容器ハウジングは、さらに、燃料バーナーによって加熱された空気を迂曲させるように構成され、かつ、前記加熱された空気と、少なくとも1つのダクト壁若しくは前記熱交換器又はその両方との間の熱交換を増加させるように構成される、少なくとも1つのバッフルを収納し、また随意的には、前記電気素子、任意の電気素子又は各加熱素子は、前記少なくとも1つのバッフルに部分的にあるいは完全に埋め込まれる、又はその上にコーティングされる若しくはその中にコーティングされる、若しくは前記少なくとも1つのバッフルに巻き付けられるものとする、バーナー容器。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか一項に記載のバーナー容器であって、別個の第1水回路及び第2水回路内の水を加熱するように構成され、前記第1回路は、ラジエータ回路用に加熱水を供給するように構成され、前記第2回路は、飲料水を供給するように構成され、前記バーナー容器は、両方の回路用の水を加熱するように構成される、バーナー容器。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載のバーナー容器において、前記電気加熱素子又は各電気加熱素子は、DC電源及びAC電源のうちのいずれか一方又はその組合せによって給電されるように構成される、バーナー容器。
【請求項30】
1つ以上の流体回路内の流体を加熱するように構成される流体ヒータであって、前記ヒータは、
請求項1~29のいずれか一項に記載のバーナー容器と、
前記可燃性燃料バーナー及び第1加熱素子によって、前記1つ以上の流体回路内の流体に供給される加熱の量を制御するように構成されるコントローラと、
を備える、流体ヒータ。
【請求項31】
請求項30に記載の流体ヒータであって、さらに、
前記加熱素子、任意の加熱素子又は各加熱素子に給電する、バッテリパック等のDC電源であり、随意的には、前記DC電源は、少なくとも0.5kWh、さらに随意的には少なくとも1kWh、またさらに随意的には少なくとも5kWh又は少なくとも20kWhの容量を有する、DC電源と、
前記加熱素子、任意の加熱素子又は各加熱素子に給電するように構成されるAC電源と、
を備える、流体ヒータ。
【請求項32】
請求項31に記載の流体ヒータにおいて、前記コントローラは、前記DC電源、前記AC電源、又はその両方から前記電気加熱素子への電力の供給を制御するように構成される、流体ヒータ。
【請求項33】
請求項30~32のいずれか一項に記載の流体ヒータにおいて、前記コントローラは、いずれか1つ以上の制御因子に基づいて又はそれに応答して、前記流体に供給される加熱の量を制御するように構成され、前記制御因子は、
必要とされる加熱の量、
前記1つ以上の流体回路内の入力地点における流体入力温度、
前記1つ以上の流体回路内の出力地点における流体出力温度、
前記1つ以上の流体回路内の任意の所定地点における流体温度、
前記第1加熱素子から利用可能な熱容量の量、
前記可燃性燃料バーナーから利用可能な熱容量の量、
加熱流体又は飲料水の瞬間需要、
加熱流体又は飲料水の予測需要、及び
被加熱流体の流量
を含み、
随意的には、前記流体ヒータは、さらに、前記1つ以上の制御因子に関する情報を感知し、また前記制御因子の情報を前記コントローラに提供するように構成される、1つ以上のセンサを備え、またさらに随意的には、前記コントローラは、高温流体の需要が最初に検出されたときに、前記1つ以上の電気加熱素子を主に使用して、例えば主に前記DC電源を介して、流体を加熱するように構成される、流体ヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体加熱システム用のヒータに関する。特に、しかし限定するものではないが、本発明は、湿式加熱システム用のボイラ又は空気加熱システム用の炉に関し、これらはどちらも、加熱空間用の被加熱流体(例えば、ラジエータを介する)若しくは被加熱水道水、又はその両方を供給することができる。
【背景技術】
【0002】
ガスボイラは、熱水及び暖房ニーズのための湿式暖房溶液を提供することができる。例えば、家庭用ガスボイラは、多くの場合、加熱システム内の暖房用ラジエータに熱水を供給し、また、蛇口に(例えば、飲用、清掃用、洗濯用である)オンデマンドの熱水も供給する。加熱水はラジエータ回路を通過する際に汚れる可能性がある一方で、水道水はきれいでなければならないので、この2つの供給(加熱及び蛇口)は別々のまま保たれる。コンビネーション(「コンビ」)ボイラは、物理的な設置面積(footprint)が比較的小さい単一のボイラハウジング内の密封された高圧環境内でこの機能性の全てを提供するので、評判が良い。別々のタンク又はシリンダを有する他のタイプのボイラも使用される。
【0003】
ガスボイラは化石燃料を燃焼する。その結果、電気ボイラは、現在、環境に優しい代替品として登場している。電気ボイラは、電気加熱素子に水を流す。
【0004】
電気コンビボイラは、電気ケトルと同様の技術を使用する。電気ボイラは、商用電源に接続され、本管(mains)から冷水を供給される。熱水が要求される(例えば、給湯栓が開かれ、又は加熱のスイッチがオンにされる)と、電気ボイラ内の加熱素子が発熱し、この熱を冷水に渡す。次いで、加熱された水は、この水が必要とされる蛇口又はラジエータに、ポンプで送られる。
【0005】
貯蔵式電気ボイラは、熱水タンク(ユニット内の内部タンク又は外部タンクのいずれか)を含む。これにより、エネルギーコストがより低い時(例えば、夜間)に水を加熱及び貯蔵し、エネルギーコストがより高い時(例えば、翌日)にその後の使用を行うことができる。このようなシステムは、多くの空間を占有する。
【0006】
同じテーマに沿って、しかしコンビボイラの利点のいくつかを提供するが、複合主貯蔵ユニット(Combined Primary Storage Unit:CPSU)は、1つの大きなハウジング内に組み合わされた中央加熱ボイラ及び熱水シリンダを有し、これは、必要なときにはいつでも大量の熱水を供給する。しかし、このシステムを収容するには、多くのスペースが必要である。
【0007】
これらの電気ボイラシステムの全ては、AC(交流)商用電源によって給電される加熱素子を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、より良好な流体ヒータ及びヒータ容器を製造することができることに気づき、特許請求の範囲に記載の解決策を創り上げた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載のバーナー容器を提供する。本発明の別の態様によれば、請求項21に記載の流体ヒータを提供する。
【0010】
有利には、複数のエネルギー源のいずれか又は両方に基づいて流体を効率的に加熱可能な1つ以上の流体回路内の流体を加熱するように構成される、ハイブリッドの電気-可燃性燃料バーナー容器/流体ヒータが提供される。このタイプのヒータは、純ガス燃焼(又は他の可燃性化石燃料燃焼)ボイラに比べて、環境に優しい。(電源又は可燃性燃料源からの)流体加熱資源は、いくつかの所望の供給及び需要因子に基づいて、インテリジェントに供給することができる。
【0011】
本発明の随意的な特徴は、従属請求項で主張されている通りであり、それにより、詳細な説明で説明されているように、様々な利点が提供される。これらの随意的な特徴は、本発明のヒータ設定に効率及び知能を付加する。これらの随意的な特徴のいずれも、当業者であれば理解するように、任意の他の随意的な特徴と組み合わせることができる。
【0012】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図7】第1の実施形態の容器のコンポーネントを示す分解図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態のバーナー容器のコンポーネントを示す分解図である。
【
図17】
図16のバーナー容器の一部切除した断面を有する概略図である。
【
図21】
図16のバーナー容器を通る断面図の一部の拡大図である。
【
図22】本発明の第5の実施形態によるバーナー容器を通る断面図の一部の拡大図である。
【
図23】
図24~28の容器の一部を形成する加熱素子又はその一部の概略図である。
【
図24】本発明の第6の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図であり、
図27の拡大図である。
【
図25】本発明の第6の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図26】本発明の第6の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図28】本発明の第6の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図29】
図24~28の容器の一部を形成する加熱素子又はその一部の概略図である。
【
図30】
図24~28の容器の一部を形成する加熱素子又はその一部の概略図である。
【
図31】
図32~34の容器の一部を形成する加熱素子の概略図である。
【
図32】本発明の第7の実施形態のバーナー容器の概略図であり、
図33及び34のバーナー容器を通る断面図の一部の拡大図である。
【
図33】本発明の第7の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図34】本発明の第7の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図35】
図36~38の容器の一部を形成する加熱素子の概略図である。
【
図36】本発明の第8の実施形態のバーナー容器の概略図であり、
図37及び38のバーナー容器を通る断面図の一部の拡大図である。
【
図37】本発明の第8の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図38】本発明の第8の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図39】本発明の第9の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図であり、バーナー容器を通る断面図である。
【
図40】本発明の第9の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図41】本発明の第9の実施形態のバーナー容器の取り出した一部のコンポーネントの概略図である。
【
図42】本発明の第9の実施形態のバーナー容器の一部切除した概略図である。
【
図43】
図1~9のバーナー容器を含む、本発明の別の態様による流体ヒータの概略図を示す。
【
図44】本発明の更なる実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図45】本発明の更なる実施形態のバーナー容器の一部取り出したコンポーネントの一部切除した概略図である。
【
図46】本発明の更なる実施形態のバーナー容器の概略図である。
【
図50】本発明の他の実施形態の拡大断面図(
図49と同等)である。
【
図51】本発明の他の実施形態の拡大断面図(
図49と同等)である。
【
図52】本発明の他の実施形態の拡大断面図(
図49と同等)である。
【
図53】本発明の他の実施形態の拡大断面図(
図49と同等)である。
【
図54】本発明の別の実施形態の概略図であり、一部切除又はコンポーネントを一部取り除いている。
【
図55】本発明の別の実施形態の概略図であり、一部切除又はコンポーネントを一部取り除いている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
分かりやすさのために、いくつかの図面ではいくつかのコンポーネントを省略して、他のコンポーネント又は特徴を見やすくする。
【0015】
発明の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を行うことができる。様々な実施形態が記載されている。特定の実施形態は、網羅的な説明として、又はより広く論じられ、特許請求の範囲に記載されている態様に対する限定としては、意図されない。特定の実施形態と共に説明される特徴は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の(1つ以上の)他の実施形態に組み込むことができる。適用可能な均等論によって与えられる保護は、その最大限の範囲で保持される。
【0016】
上方、下方、上部、底部、左、右、内側、外側、垂直、直立などの用語は、本発明を簡単にかつ明確に説明するために使用される。これらの用語は、限定するように解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の範囲内で、他の適切な実施形態を想定するであろう。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による本発明のバーナー容器100が示されており、バーナー容器100は、ラジエータ加熱水回路などの標準的な流体回路内で使用するための水を加熱するために使用される流体ヒータの一部である。バーナー容器及び流体ヒータの様々な態様が、非限定的な例を参照して詳細に説明される。その他の詳細は、当業者に明らかであろう。特に、既知のボイラは、燃料を燃焼させるように構成され、且つ、(熱交換器を介して)水等の流体に熱を効率的に伝達する、バーナー容器を有する。当業者であれば、既知のバーナー容器及び流体ヒータシステムの態様(記載されていない態様を含む)を、本発明に組み込み、且つ使用することができる。
【0018】
一般に、流体ヒータは、タンク型ボイラ(システムボイラとしても知られる)、若しくはコンビボイラ、若しくは任意の他の既知のボイラタイプ、又は炉型空気ヒータなどの炉型ヒータであってもよい。当業者は、記載されている実施形態を、記載されているタイプ以外のボイラタイプに適合させることができる。周知のように、これらのボイラタイプは、(例えば、ラジエータ回路に)加熱水、若しくは(例えば、回路の蛇口に)飲料水、又はその両方を供給するために使用することができる。他の実施例では、ラジエータ水を加熱する代わりに、加熱システムを通って流れる別のタイプの加熱流体、例えば、別の液体、別の気体(例えば、空気)若しくは油、又はそれらの任意の組合せが存在してもよい。
【0019】
このような流体回路は、当該分野において周知である。前記流体回路、任意の流体回路又は各流体回路は、使用時にほぼ密封された流体回路であってもよく、随意的に加圧されてもよい。飲料水回路では、飲み口/蛇口が開かれると通常の使用時に水が蛇口から流れ出るように、本管又は重力送給式供給源による圧力が水を駆動する。典型的には、ラジエータ回路は、通常の使用時には、ほぼ密閉される。保守及び修理のために検査又は圧力解放若しくは流体解放を可能にするために、抽気ポイント又は圧力放出ポイントが好都合な場所に設けられてもよい。膨張タンク又は膨張容器(これらは、密閉された(すなわち、大気圧に開放されていない)流体加熱システム及び家庭用熱水システムを、過度な圧力から保護するために使用される小さなタンクである)を使用することが知られている。典型的には、膨張タンクは、部分的に空気で充填され、膨張タンクの圧縮性は、ウォーターハンマーによって引き起こされる衝撃を減衰させ、熱膨張によって引き起こされる余剰水圧を吸収する。空気ヒータにおいて、通常、流体回路は、加熱された空気が加熱対象の空間に出るための少なくとも1つの通気口を備える。このような回路では、回路内の空気が環境、典型的には、大気圧又は周囲圧力から密閉されない。いくつかのこのようなシステムでは、通常の動作中、空気が炉内に引き込まれ、加熱され、次いで、加熱ネットワークの周りに吹き付けられる。
【0020】
この実施例(
図1~9及び
図18参照)では、バーナー容器100は、システムボイラである熱水ヒータの一部である。バーナー容器100は、そのコンポーネントを収容するための容器ハウジング102を備える。このバーナー容器100の特徴は、コンパクトであり、小さな空間に収めることができることである。多くの実施例では、本発明のバーナー容器が(以下でより詳細に説明されるような)新しいコンポーネントを備える場合でも、本発明は、バーナー容器100をコンパクトにして、バーナー容器を典型的な既知のバーナー容器と同一のハウジング又は空間占有面積内の中に収めることを可能にする特徴を含む。
【0021】
バーナー容器100は、加熱水回路である第1回路内の水を加熱するように構成される。加熱水回路は、バーナー容器100の他に、標準的な家庭用ラジエータ(図示せず)を含む複数のコンポーネントを備える。この実施例では、第1回路内の加熱流体として水が使用され、他の実施例では、その他の既知の加熱流体を使用することができる。
【0022】
バーナー容器100は、ハイブリッドの電気-可燃性燃料容器を備える、すなわち、従来の燃焼技術を使用して加熱を提供し、容器もまた、電源を介して加熱を提供する。同一の密閉されたボイラ容器室内に、複数の加熱機構が設けられる。一方は電気加熱機構であり、他方は、この実施例ではガスバーナー機構である。ガスバーナー機構は、ほぼ既知のタイプのものである。他の実施例は、他の燃料を使用してもよく、例えば、適切な可燃性燃料は、天然ガス、水素ガス、又はプロパンガス若しくはメタンガス、又はエタンガス、又はブタンガス等の可燃性流体、又は適切な可燃性オイル若しくは可燃性固体、又は木材チップ若しくは木材ペレット等のマルチ、又はそれらの任意の組合せであってもよい。このように、加熱電力は、電気コンポーネントによって供給されるものもあれば、より伝統的な燃焼燃料によって供給されるものもある。
【0023】
電気加熱機構は、適切な形態であってよい。この実施例では、その形態は、DC電源によって給電される電気加熱素子の形態であり、これは、必要とされる加熱流体/水の全て又は大部分を供給するのに十分な電力を電気加熱素子に提供するのに、十分大きい(他の実施例では、そこまで大きくなくてもよい)。これはシステム内に冗長性を追加するのに役立てることができ、又は、一方若しくは他方の電源が不足している環境において効率的に稼働させるために使用することができる。
【0024】
第1回路からの相対的に低温の水が、冷水入力パイプ104を通じてバーナー容器100に入り、加熱され、次いで、相対的に高温の水が、バーナー容器100から熱水出力パイプ106を通じて第1回路に出る。冷水入力パイプ104と熱水出力パイプ106との間には、第1水ダクト105が延在する。バーナー容器100は、密閉容器であり、内部に燃焼ゾーン112を有し、このゾーン内では、第1水ダクト105内を流れる水に熱を供給するために、燃料が燃焼される。また、ハウジングは、燃焼ゾーン内で燃焼される燃料から水回路内の水への熱の伝達を助けるように構成される燃焼燃料熱交換器120を収納する。
【0025】
容器100は、そのハウジング102内に、既知のタイプの可燃性燃料バーナー110を収納する。容器100は、燃料バーナー110と連通し、また既知の方法で空気-燃料混合物をバーナーに安全且つ効率的に運ぶように構成される燃料入口パイプ108をさらに備える。また、容器100は、燃焼ゾーン及び容器から燃焼排ガスを運び去るように構成される煙道114を備える。この実施例では、容器100は基礎フレーム116を備え、基礎フレーム116と共に、煙道及び熱水出力パイプ106が一体的に形成される。
【0026】
この実施例では、バーナー110は、燃焼ゾーンの周りを均一に燃焼することさえ可能な噴流孔を有する有孔バーナーバー(perforated burner bar)1101を備える。シールリング1102はバーナーバー1101の底部を密閉するように配置されて、例えば、煙道以外の燃焼アセンブリからの高温空気及び未燃焼ガスの漏れを防止することによって、制御されていない燃料の燃焼を最小限に押さえる。一対の点火器1103は、要求に応じて空気-燃料の混合物に点火するように構成される。アクセスを便利にするために、点火器1103は、使用時のハウジングの上端から突出するように配置される。いくつかの実施例では、複数のバーナーを設けてもよい。
【0027】
バーナー110は、燃焼ゾーン内に効率的な加熱をもたらし、それにより、第1水ダクト105内の流体に、燃焼燃料熱交換器120を介して熱を伝達するように構成される。燃焼燃料熱交換器は、燃焼燃料からの熱伝達の効率を、既知の方法で高める。特に、この実施例では、熱交換器は、燃焼ガス(又は他の実施例では他の燃料)からの熱を流体ダクトに集中させるように構成される。
【0028】
他の実施形態では、水ダクトの代わりに、異なる流体のダクトが設けられてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、加熱される流体は液体でなくてもよく、例えば、空気加熱炉内の空気であってもよく、典型的な空気加熱パイプが設けられてもよく、他の実施例では、水は、飲料水回路で使用するための飲料水であってもよく、他の実施例では、流体は、オイルヒータ回路内のオイルであってもよい。
【0029】
この実施例(
図7参照)では、燃焼燃料熱交換器は、既知のタイプの略円筒形の金属鋳造熱交換器本体121を備える。熱交換器本体は、燃焼ゾーンをほぼ取り囲み、燃焼ゾーンから効率的に熱を捕捉する。熱交換器本体の円筒壁は、この実施例では約6mm厚である。他の同様の実施例では、構造に使用される材料に応じて、約3mm~約15mmの厚さであってもよい。上限は、熱質量(thermal mass)の問題を、また潜在的には鋳造の問題を回避するように選択され、これらの限界を超えて熱交換器を構成することは可能であるが、理想的ではない可能性がある。この実施例では、熱交換器本体は、ダクトとほぼ同一の厚さである、すなわち、熱交換器本体の壁の厚さは、ダクトの奥行とほぼ同一である。異なる構成は、当業者には明らかであろう。一般に、本体からダクト内の流体への速度での効率的な熱伝達がもたらされる。基礎フレーム116は、本体出口内から煙道114を通って排出される排気ガス、及び第1水ダクト105から出る被加熱水が、熱水出口パイプ106を通って出るように、円筒形熱交換器本体を着座させるように構成される。
【0030】
この実施例(
図7参照)では、ハウジングは、燃焼燃料熱交換器をほぼ取り囲むように構成される多層カバー130を備える。多層カバーは、内側スキン層132と外側スキン層133とに挟まれた、(セラミックウール又はれんが等の適切な材料から作製される)断熱層131を備える。多層カバーは略円筒形であり、略円筒形の燃焼燃料熱交換器本体121を効率的に覆う。別の実施例では、ハウジングは、合成スキンである断熱層を含む単一層カバーを備える。
【0031】
図7に見られるように、容器のコンポーネントは、それらを所望の順序で熱交換器本体121の周りに互いに配置することによって(この実施例では摺動させることによって)、容易に組み立てられるように設計されている。
【0032】
この実施例では、第1水ダクト105は、熱交換器本体121の外壁と、内側スキン層132の内面との間に画定されたチャネル1050を備える。内側スキン層132は、内側スキン層132と共に形成され、また第1水ダクト105に相対的に低温の水を供給するように構成される、冷水入力パイプ104の区間を有する。
【0033】
他の実施例では、ダクト及び冷水供給口の他の構成が以下に記載されており、さらに別の実施例は、当業者には明らかであろう。例えば、いくつかの他の実施形態では、ダクトは、熱交換器の壁とカバーとの間にある空間若しくはチャネルを通過するように配置される密閉パイプ、又は熱交換器の本体内部などの熱交換器内全体で画定されるチャネル、又は熱交換器内の空間若しくはチャネル全体を通るように配置される密閉パイプ、又は、ハウジングを通過し、随意的には燃焼ゾーンを通過し、随意的には熱交換器から離間された密閉パイプを備えてもよい。
【0034】
この実施例では、熱交換器本体121の外壁は、その外面に、連続的な開口C字状凹部を備え、またチャネル1050は、凹部の表面とカバーとの間に画定される(
図3、6、8、及び9参照)。チャネルは、熱交換器の外壁の周りに、第1低温流体入口から第1高温流体出口まで、使用中の構成では下方に向かって、螺旋構成で延在する。チャネルを通る水の流れは、ポンプ(図示せず)、又は他の方法で加圧された流体供給源(例えば、商用水道)、又は重力供給型供給源によって促進されてもよい。水は、使用時に、頂部から底部に流れ、螺旋に沿って流れるにつれて加熱される。
【0035】
内側スキンの表面は、水が所望の迂曲経路に沿ってのみ流れるように、チャネルの開口部分(
図6、8、及び9を参照)に当接し、これを密封する。これにより、熱を吸収するための水流時間及び距離が増加/最大化するにつれて、効率的な熱伝達が促される。
【0036】
この実施例では、熱交換器は、燃焼燃料と熱交換器材料との間の相互作用に利用可能な面積及び時間を増加させることによって、燃焼燃料からの熱を効率的に伝達するように構成される、熱交換器フィン122の形態の複数の熱交換器用突出部をさらに備える。フィン122は、熱交換器本体から燃焼ゾーンに向かって延在し、熱交換器本体121と熱交換する。フィンは、本体121と一体に形成されてもよく、又は別個に形成されてもよい。この実施例では、垂直フィン1221が、(ハウジング102の周囲付近の熱交換器本体121から延びる)燃焼ゾーンの周りに等間隔で同心状に配置され、また横フィン1222が、燃焼ゾーンの基部に(熱交換器本体121の底部に向かうように)配置される。この実施例では、フィンは、約16mmの深さ(すなわち、先端から基部まで)である。他の実施例では、フィンは、任意の適切な深さ、例えば、他の実施例では1cm~4cmであってもよく、フィンの深さは、容器サイズ、材料、電力等の要因に応じて異なってもよい。それにより、熱交換器本体の壁と組み合わせて、管内の流体への効率的な熱伝達がもたらされる。
【0037】
これにより、燃焼燃料から流体(この場合、加熱水)に熱を伝達するためのコンパクトで効率的なバーナーアセンブリが提供される。当業者であれば、他のバーナーアセンブリを異なる態様で構成することができ、また本発明をそのような他のアセンブリと共に稼働するように適合させることができることを理解するであろう。
【0038】
本発明は、第1水ダクト105内の水を加熱するように構成される1つ以上の電気加熱素子140をさらに提供する。この実施例では、1つ又は複数の電気加熱素子140は、ハウジング102内に収容される。
【0039】
この実施例では、電気加熱素子140は、スパイラル水チャネル1050内に収まるように構成された連続的な螺旋状素子1401を備える。電気加熱素子1401は、チャネル1050内に、チャネル1050の開口凹部の基部の近くに配置され、また(この実施例では)熱交換器の壁に接触しないように熱交換器本体121から離間されている。このことの利点として、熱交換器を介さずに被加熱流体に全ての熱を直接渡すこと、組み立て/修理/点検等の容易さ、加熱によって膨張/収縮が生じた場合に移動用の空間が可能となることが挙げられる。この実施例では、加熱素子140は、高出力ニクロム素子を有する金属被覆セラミック粉末絶縁ケーブルである。他の実施例では、粉末の代わりにセラミックプリフォームビーズ(ceramic preform beads)を使用してもよい。このようなプリフォームビーズは、多くの場合、ケーブル上での圧延/金型延伸操作中に粉砕されて粉末になる。電気コネクタ1402は、素子1401から延び、便利なアクセスのために、使用時にはハウジングの上端から突出する。電気コネクタ1402は、素子1401を適切な電源に接続するのに適している。
【0040】
この実施例では、電源はDC電源であり、この実施例ではバーナー容器100の外側に形成されるバッテリパック(図示せず)の形態のDC電源である。
【0041】
この実施例では、DC電源の容量は0.5kWhである。小型ガス-電気ハイブリッドボイラシステムの設定に対する別の実施例では、バッテリ容量は約1kWhであってもよい(この容量は、小型集合住宅区画などの小型居住施設において有用な可能性があり、又は大型居住施設において、通常の給湯源に対するブースト用としてより有用な場合がある)。より大型のガス電気ハイブリッドボイラシステムの設定に対する別の実施例では、バッテリ容量は約3~5kWhであってもよい(この容量は、大型居住施設において有用な場合がある)。大型又は工業ハイブリッドシステムの設定にたいする別の実施例では、バッテリ容量は約5kWh以上であってもよい。いくつかの実施例では、バッテリ容量は、例えば、加熱流体及び被加熱飲料水を大型建築物に供給するために、約90kWhであってもよい。当業者は、異なる用途には、異なるバッテリ容量が適切となる場合がある(必要とされる/有用である可能性のある電池容量に上限はない)ことを理解するであろう。
【0042】
この実施例において、DC電源のピーク電力出力は、いくつかの実施例では10kW~20kWであり、いくつかの実施例では最大200kWである。低ピーク需要回路では、ピーク電力出力は1kW又は2kWであってもよい。適切なピーク電力出力の供給は、特定の回路要件に従って行うことができ、当業者には明らかであろう。例えば、1つの例示的な状況において、90kWhのバッテリは、10分間にわたり350kWを供給することができる。
【0043】
他の実施例では、電源はAC電源(例えば、商用AC)である。さらに別の実施例では、電源は、AC電源及びDC電源の組み合わせであってもよい。
【0044】
コンピュータ実装コントローラ(図示せず)は、可燃性燃料バーナー及び第1加熱素子によって流体に供給される加熱の量を制御するように構成される。制御は、1つ以上の制御因子に基づいてもよい。制御因子は、必要とされる加熱の量、1つ以上の流体回路内の入力地点における流体入力温度、1つ以上の流体回路内の出力地点における流体出力温度、1つ以上の流体回路内の任意の所定地点における流体温度、第1加熱素子から利用可能な熱容量の量、可燃性燃料バーナーから利用可能な熱容量の量、加熱流体又は飲料水の瞬間需要、加熱流体又は飲料水の予測需要、及び被加熱流体の流量を含む。
【0045】
1つ以上の制御因子に関する情報を感知し、制御因子の情報をコントローラに提供するために、1つ以上のセンサ(図示せず)を設けてもよい。一実施例では、効率のために、コントローラは、高温流体の要求が最初に検出されたときに、例えば、主にDC電源を介して、(1つ又は複数の)電気加熱素子を主に使用して流体を加熱するように構成されてもよい。
【0046】
一般に、本発明の電気加熱素子は、容器内の第1流体回路のパイプ又はコンポーネントの周りに巻き付けることができる。その利点として、(加熱素子がパイプ/コンポーネントの外部に配置されるため(また湿潤側に触れる必要がないため)、)製造の容易さ、必要に応じた再構成/交換/アップグレード/修理の容易さが挙げられる。加熱素子は容易に目視可能であり、したがって、加熱素子が劣化しているかどうかを(例えば、定期的な点検中に)検査するのに好都合である。また、このような加熱素子は、洗浄が容易である。そのような加熱素子は、水回路内におけるスラッジ(sludge)及び/又は石灰化(この問題は、ラジエータ水回路において一般的である)の影響を受けない。空気炉回路では、同様の問題は、汚れ、埃、その他の破片の蓄積によって生じる。
【0047】
他の実施形態では、電気加熱素子を、第1回路導管/パイプの内部に配置することができる。この利点として、コンパクト性、環境への熱損失が少ない(熱は、通常の加熱動作中、所望の水回路内にほぼ完全に保持される)ことが挙げられる。
【0048】
他の実施形態では、電気加熱素子を、第1回路の水回路導管の壁に組み込むことができる。この利点として、これらの素子が堅牢であり、汚水による損傷を受けにくく、(同等の巻き付けられた加熱素子よりも)熱損失が少ないことが挙げられる。
【0049】
他の実施形態では、加熱が(パイプ内ではなく)チャンバ内で行われてもよい。このような実施形態では、第1回路のパイプが、チャンバに出入りしてもよく、1つ以上の電気加熱素子が、チャンバ内の任意の場所に設けられてもよく、チャンバの壁内に埋め込まれてもよく、チャンバの壁の周りに巻き付けられてもよく、又はそれらの任意の組合せであってもよい。水/加熱流体が回路の流体パイプを通過するときに水/加熱流体を単に加熱するのではなく、このようなチャンバを使用する利点は、より長い又はより多くの迂曲経路を設けることができることと、この迂曲回路により、(直線状のパイプ区間を通る直通路に比べて)より多くの熱を伝達できる長時間の間、加熱流体を(1つ又は複数の)加熱素子の近くに留めることが可能なことである。
【0050】
さらに別の実施例では、特定の用途に応じて、使用される電気加熱素子のタイプ及び配置を組み合わせてもよい。
【0051】
前記電気加熱素子、任意の電気加熱素子又は各電気加熱素子は、ガス及び電気加熱機構のいずれか又は両方によって水を加熱できるように、バーナー容器内又はその周囲の任意の場所に配置することができる。
【0052】
加熱素子は、電流を流すことによって加熱可能な電線であってもよく、必要な場所に熱を送るように適切に配置されてもよい(例えば、水パイプ、又はバッフル(又はバーナー容器内の任意の他のコンポーネント)に巻き付けられてもよい)。
【0053】
この具体例(
図6及び18を参照)では、連続的な螺旋状素子1401は、熱交換器の壁に接触せずに、螺旋状水チャネル1050内に収まるように構成される。チャネル内に素子が配置されたときに、チャネル1050の各ポケットが、使用時における素子の2本のストランド(strand)を収納するように、素子1401は、螺旋状水チャネル1050のプロファイルに対応する使用時において、頂部から底部に向かって、素子1401自体上で折り返されて二重になる二重螺旋プロファイルとして、連続的に形成される。図から分かるように、素子は、この実施例ではチャネル1050の内側付近に位置する。熱交換器の壁に触れないことは、組み立てが容易な構成をもたらし、またケーブル素子1401がそのすべての表面上の水に対して容易に熱を伝達することを確実にする。他の実施例では、ケーブル素子は、チャネルの他の場所、例えば、チャネルの中央に配置されてもよい。ケーブル素子は、所望の位置に保持するために、スペーサ(金属スペーサなど)と共に構成されてもよい。この実施例では、素子1401の剛性により、その所望の位置を維持する。さらに、いくつかの実施例では、熱伝達のための表面積を増加させる機構が存在してもよい。例えば、加熱素子は、非円形の断面を有してもよく、例えば、フィン状の断面であってもよい。
【0054】
この実施例(及び多くの他の説明された実施例)では、電気熱源及び可燃性燃料の熱源は、流体ダクト内の流体を、ダクト内の同一の位置(又はいくつかの実施例では重なり合う位置)で加熱するように構成される。言い換えれば、単一の位置にある流体は、電気加熱素子若しくは可燃性燃料熱源のいずれか、又はその両方によって同時に加熱することができる。この実施例では、電気加熱素子及びガスバーナーは、容器を通過する流体ダクトの長さのほぼすべて/大部分に沿って加熱するように構成される。この特徴の効果は、(いくつかの実施例では、)必要に応じて、典型的な家庭用熱水ヒータの暖房需要全体を電源によって供給することを可能にすることである(また、同一の場所で同一の流体を加熱するために、ガス源を使用する選択肢を依然として有することでもある)。別の効果は、(例えば、最初に飲料水が冷たい状態から要求され、迅速/瞬間応答が望ましい場合に、)より強力な瞬間応答を効率的に提供することである。さらに、可燃性燃料若しくは電気、又はその両方を介して、同一の場所で同時に流体を加熱するように構成される結果、いくつかの実施形態の別の効果は、電気加熱素子が、最初に電気加熱素子自体を使用して、水流なしに、ダクト内の水を予熱できることである。次いで、可燃性燃料による加熱を、流体の流れと共に通常の方法で作動させることができる。その結果、最初に蛇口をオンにしたときの初期の冷水期間を、(水及び/又は燃焼燃料を無駄にすることを回避する効率的な方法で)完全に低減/回避することができる。前述のように、この実施例では、可燃性燃料の加熱は熱交換器を介して行われ、電気素子はダクト内の水を直接加熱する。他の同様の実施形態では、電気素子は、代替的に/付加的に、(例えば、素子が流体内に完全に配置されていない場合(例えば、素子がダクトの近く、例えば、その表面上に配置されている場合)、)熱交換器を介して、又は(例えば、素子が熱交換器を加熱するように配置されている場合、)管壁を介して加熱してもよい。
【0055】
本発明の別の実施形態(
図10~
図12及び
図19参照)によるバーナー容器200は、記載された第1の実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「2xx」/「2xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0056】
バーナー容器200は、冷水入力部204、熱水出力部206、及びそれらの間の第1水ダクト205と、を含む。容器は、燃料バーナー210と、燃焼燃料熱交換器220と、多層カバー230とを収納するハウジング202を有する。
【0057】
熱交換器本体221の外壁が、その外面に、連続的な開口C字状凹部を備え、またチャネル2050が、凹部の表面とカバーとの間に画定されるが、チャネル2050は滑らかな基部を有さないという点で、熱交換器の本体221は、第1の実施形態の本体121とは異なる。代わりに(
図11、12、及び19を参照)、チャネル2050の基部は、その内部に形成された一対の溝2051を有する。一対の溝は、チャネルの形状及び方向に対応する螺旋構成で形成される。一対の溝は、加熱素子2401の2つのストランドを受け入れて保持するように構成される。通常の使用中に流体を流すことによって素子が外れることがないように、溝は、加熱素子ケーブル2401を締まり嵌めとして受け入れるようにサイズ設定及び形成される。しかしながら、この実施例では、点検、修理、又は交換のために素子を強制的に取り外すことができる。
【0058】
この実施例では、素子は、熱交換器本体221内において、チャネルの基部で支持される。他の実施例では、溝は、他の場所、例えば、チャネルの側面に形成されてもよい。
【0059】
加熱素子が熱交換器に部分的に埋め込まれた結果、第1の実施形態と比較して、電気加熱素子から熱交換器本体への熱伝達がより良好になる(流体への熱伝達を、より緩やかにすることができる)。加熱素子は、依然として部分的に流体に直接さらされる。
【0060】
本発明の別の実施形態(
図13~15及び20参照)によるバーナー容器300は、説明された第1の実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「3xx」/「3xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0061】
バーナー容器300は、冷水入力部304、熱水出力部306、及びそれらの間の第1水ダクト305を含む。容器は、燃料バーナー310と、燃焼燃料熱交換器320と、多層カバー330と、を収納するハウジング302を有する。
【0062】
この実施形態では、チャネル3050内における螺旋状ケーブル素子3401の位置決めは、第1の実施形態のチャネル1050内における螺旋状ケーブル素子1401の位置決めとは異なる。ケーブル素子3401は、断熱カバー330に対して嵌まるように巻かれる(
図15及び20参照)。その結果、加熱効果は、チャネルの幅にわたって広がり、第1の実施形態よりも大きくなる。
【0063】
この実施例では、カバー330は多層カバーであるので、素子は内側皮膜層333に当接する。ケーブル素子3401は、完全に流体チャネル内に配置される、すなわち、この実施例では、ケーブル素子3401は、熱交換器又はカバー内に全く埋め込まれない。他の実施例では、ケーブル素子は、カバー内に部分的に又は完全に埋め込まれてもよい。
【0064】
本発明の別の実施形態(
図16、
図17、及び
図21参照)によるバーナー容器400は、説明された第1の実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「4xx」/「4xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0065】
バーナー容器400は、冷水入力部404、熱水出力部406、及びそれらの間の第1水ダクト405と、を含む。容器は、燃料バーナー410と、燃焼燃料熱交換器420と、多層カバー430と、を収納するハウジング402を有する。
【0066】
この実施形態では、電気加熱素子440は、電気加熱素子140とは異なる形態となっている。ケーブル加熱素子1401の代わりに、電気加熱素子440は、(
図16、17、及び21に明確に見られるように)螺旋状電線素子4401を備える。螺旋状素子4401は、電気絶縁用のエナメルコーティングを備える。螺旋状素子4401は、チャネル4050内に緩く嵌まる。その結果、この構成は、組み立て、修理、及び交換が容易である。いくつかの実施例では、素子4401をチャネル内の所望の位置に配置するために、1つ以上のスペーサが提供されてもよい。
【0067】
本発明の別の実施形態(
図22参照)によるバーナー容器500は、前述の実施形態の要素と同様の要素を含む。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「4xx」/「4xxx」の代わりに「5xx」/「5xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0068】
バーナー容器500は、冷水入力部504、熱水出力部506、及びそれらの間の第1水ダクト505と、を含む。容器は、燃料バーナー510と、燃焼燃料熱交換器520と、多層カバー530と、を収納するハウジング502を有する。
【0069】
この実施形態では、電気加熱素子540は、一対の溝5051に部分的に埋め込まれた螺旋状電線素子5401を備える。チャネル5050の基部には、一対の溝5051が形成されている。一対の溝は、チャネルの形状及び方向に対応する螺旋構成で形成されている。一対の溝は、螺旋状ワイヤ加熱素子5401の2つのストランドを受け入れて保持するように構成される。通常の使用中に流体を流すことによって素子が外れることがないように、溝は、加熱素子ケーブル5401を保持するようにサイズ設定及び形成される。しかしながら、この実施例では、点検、修理、又は交換のために素子を強制的に取り外すことができる。
【0070】
この実施例では、素子は、熱交換器本体521内において、チャネルの基部で支持される。他の実施例では、溝は、他の場所、例えば、チャネルの側面に形成されてもよい。
【0071】
加熱素子が熱交換器に部分的に埋め込まれた結果、第1の実施形態と比較して、電気加熱素子から熱交換器本体への熱伝達がより良好になり得る(流体への熱伝達をより緩やかにすることができる)。加熱素子は、依然として部分的に直接流体にさらされる。
【0072】
本発明の別の実施形態(
図23~
図30参照)によるバーナー容器600は、記載された第1の実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「6xx」/「6xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0073】
バーナー容器600は、冷水入力部604、熱水出力部606、及びそれらの間の第1水ダクト605を含む。容器は、燃料バーナー610と、燃焼燃料熱交換器620と、多層カバー630と、を収納するハウジング602を有する。燃焼燃料熱交換器620は、垂直フィン6221を有する。
【0074】
この実施形態では、電気加熱素子640は、(
図24~26に明確に見られるように)熱交換器フィン6221の周りに巻き付くように、予め形成され、また構成される。予め形成された素子6401は、電気絶縁用のエナメルコーティングを有する。予め形成された素子6401は、予め構成された平坦パターン(平坦な又はピラミッド型螺旋状になるように予め巻かれた/形成された)に構成され、また、組み立て中にフィン上の定位置に(入れ子式に)押し込むこと及び定位置に固定することが容易になるように構成されることにより、加熱素子によってフィンの所望のカバー範囲(coverage)を達成する、連続的な細いワイヤ素子を備える。
【0075】
他の実施例では、異なるタイプの加熱素子が、熱交換器フィン6221の周りに巻き付けられてもよく、又は部分的に若しくは完全に埋め込まれてもよい。同様の加熱素子構成が、横方向フィン6222(図示せず)に設けられてもよい。
【0076】
本発明の別の実施形態(
図31~
図34参照)によるバーナー容器700は、第1の記載された実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「7xx」/「7xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0077】
バーナー容器700は、冷水入力部704、熱水出力部706、及びそれらの間の第1水ダクト705を含む。容器は、燃料バーナー710と、燃焼燃料熱交換器720と、多層カバー730と、を収納する収容702を有する。
【0078】
この実施形態では、電気加熱素子740は、厚膜加熱素子7401を備える。
図32に見られるように、加熱素子7401は、封入フィルム7404によって封入された平型導体7403を含む。封入フィルム7404は高温用フィルムである(すなわち、高温に耐えるように配置される)。厚膜加熱素子7401は、この実施例では熱交換器又はカバーに全く埋め込まれない(しかし、他の実施例ではそうされてもよい)。被加熱流体と熱交換器との直接接触が減少すると、加熱素子の平均寿命が長くなる。さらに、導体7403を加熱することによってもたらされる熱は、比較的大きな面積(封入フィルム7404の表面積)にわたって効率的且つ一貫して分散される。
【0079】
本発明の別の実施形態(
図35~38参照)によるバーナー容器800は、第1の記載された実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「8xx」/「8xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0080】
バーナー容器800は、冷水入力部804、熱水出力部806、及びそれらの間の第1水ダクト805を含む。容器は、燃料バーナー810と、燃焼燃料熱交換器820と、多層カバー830と、を収納するハウジング802を有する。
【0081】
この実施形態では、電気加熱素子840は、円筒スリーブ状厚膜加熱素子8401を備える。スリーブ状加熱素子8401は、(例えば、厚紙管のように)螺旋状に巻き、又は平坦なシートと共に転がして接合することによって、作製することができる。加熱素子8401は、スリーブの形態の封入フィルム8404によって封入された平型導体8403を備える。封入フィルム7404は高温用フィルムである(すなわち、高温に耐えるように配置される)。円筒スリーブ状厚膜加熱素子8401は、略円筒状の熱交換器本体821の周囲に配置される。この実施例では、スリーブ状素子8401は、カバー830と熱交換器本体821とに挟まれている。
【0082】
本発明の別の実施形態(
図39~
図42参照)によるバーナー容器900は、第1の記載された実施形態のものと同様の要素を収納する。簡潔性のために、第1の実施形態におけるそれらの対応物と同一/類似の要素は、再度詳細に説明されず、「1xx」/「1xxx」の代わりに「9xx」/「9xxx」というフォーマットの参照番号でラベリングされる。
【0083】
バーナー容器900は、冷水入力部904、熱水出力部906、及びそれらの間の第1水ダクト905を含む。容器は、燃料バーナー910と、燃焼燃料熱交換器920と、多層カバー930と、を収納するハウジング902を有する。
【0084】
この実施形態では、熱交換器本体921及び加熱素子940は、単一の分離不可能なユニットとして一体に形成される。加熱素子940は、高出力ニクロム素子(例えば、Kanthal(RTM))を有する金属被覆セラミック粉末絶縁ケーブルを備える。ケーブルは、製造中に熱交換器の金属の中に鋳込まれる。シースの材料は、製造中の鋳物の溶融金属に耐えることができる。ケーブルは、被加熱流体から離れているので、石灰化しにくい。別の同様の実施例では、電気加熱アセンブリは、例えば、ダイカストアルミニウムを用いてオーバーモールド(overmould)することができる。この実施例では、熱交換器本体の円筒壁は、内部に鋳込まれた加熱素子を有さない同様の実施例よりも厚く(場合によっては約140%~200%厚く)、この実施例では、熱交換器本体の円筒壁が約10mm厚である。
【0085】
記載された実施形態の任意の特徴は、記載された実施形態の任意の他の特徴と共に使用することができ、開示は、任意のそのような組み合わせから構成され、任意のそのような組み合わせに対する保護が求められる。特に、異なるタイプの要素(例えば、ケーブル又は螺旋状ワイヤ、又は平坦な封入化若しくはスリーブ化要素)を共に使用することができる。特に、電気加熱素子は、熱交換器若しくはカバー又はその両方に、部分的に若しくは完全に埋め込まれてもよく、又は全く埋め込まれずともよく、あるいは同一の実施形態における任意の組み合わせで埋め込まれてもよい。特に、(1つ又は複数の)加熱素子は、(1つ又は複数の)熱交換器フィン若しくは熱交換器本体との任意の組み合わせで、又は流体チャネル内で、又はそれらの任意の組み合わせで、前述のように相互作用することができる。
【0086】
本発明の別の実施形態によれば、
図43を参照すると、流体回路内の流体を加熱するように構成される流体ヒータ4300が示されている。流体回路は、少なくとも1つのラジエータ4310を含むラジエータ回路を備える。この実施例では、流体ヒータは、ボイラハウジング4301を有するシステムボイラ4300を備える。ボイラハウジング4301内に、ボイラは、第1の実施形態のバーナー容器100と、容器100と通信し、可燃性燃料バーナー110及び加熱素子140によって流体回路内の水に供給される加熱量を制御するように構成されるコントローラ4302と、を備える。コントローラは既知の方法で適切な制御回路を介してバーナーの動作を制御し、また加熱素子140を流れる電流を適切な制御回路を用いて制御することによって加熱素子140の動作を制御する。
【0087】
流体ヒータは、加熱素子140に電力を供給するように構成されるバッテリパック4303の形態の(前述のタイプの)DC電源を備える。
【0088】
また、流体ヒータは、スイッチング回路、ボイラディスプレイスクリーン、ボイラユーザインターフェース、センサ、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、サブ1GHz通信等、LED照明、及び他の標準的なボイラコンポーネントなどの小型電子コンポーネント(これらの電力需要は、通常のボイラの稼働中に水を加熱するのに必要とされる電力に比べて、相対的に低い)に給電するために、AC用接続部を利用する。その他のこのようなコンポーネントとして、点火器又は火花発生器、点火電極/イオン化電極、圧力センサ/送信器(水)、水圧スイッチ、(点火可能になる前にガス/空気の混合物が正しく流れていることを確認する)流量センサ/スイッチ、燃焼センサ(熱スイッチ。製造業者によって、温度センサとは別々に記載される場合もある)、サーモスタット、熱電対/PRT、制御用PCB、マルチメディアインターフェース、パワーパック用のパワー電子機器、水及びガス用のポンプ(単純な電気ポンプ、場合によっては、駆動用の電子機器を有するより複雑なポンプ)が挙げられる。いくつかの実施例では、この電力も、太陽光若しくは風力等の再生可能熱源、又はヒートポンプ、又は任意の他の適切な電源によって供給されてもよい。いくつかの実施例では、これらの小型電子コンポーネントがDC電源から直接給電される。この場合、ボイラへのAC接続部はない。
【0089】
他の実施例では、流体ヒータ(及びその電気加熱素子)は、代わりに又はそれに加えて、商用AC電源等のAC電源によって給電されるように構成される。
【0090】
この実施例では、ボイラは、加熱、バッテリ充電、バッテリ放電、システム要件、DC又はAC電源のスイッチングのうちの任意の1つ以上を制御するように構成される電気制御ユニット(図示せず)も備える。この実施例では、ボイラは、DC電源と容器との間に配置される断熱層又は熱シールド(図示せず)も備える。断熱層又は熱シールドは、空隙、断熱材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間、赤外線反射材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間、断熱材又は低熱伝導性材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間のうちのいずれか1つ又は任意の組合せを含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、熱シールドは、熱シールド領域から、熱を放散することがより安全となる別の領域に向かって熱を伝達するように配置される、関連する熱シールド冷却機構を含んでもよく、この冷却機構は、
・領域(例えば、熱シールド領域)から放熱領域(すなわち、熱シールド領域よりも放熱することがより安全である別の領域)に熱を奪い去る流体材料、
・(熱を一方から他方に、例えば、熱シールド領域よりも熱を放散することが安全となる別の領域に向けて、能動的に移動させる)ペルチェ素子などの能動的冷却機構、
・ボイラハウジング内に配置され、DC電源をほぼ囲むように配置される、(典型的な冷蔵庫と同様の)冷却キャビネット、
・必要な冷却効果を与えるために、ハウジングの外部又はハウジングの内部から空気を引き込むように配置される、送風機などの空気流機構、
のうちの任意の1つ以上を備える。
【0092】
また、この実施形態のボイラは、冷却システム(図示せず)も備える。余分なスイッチングをするため、またDC-v-ACをインテリジェントに使用することを望むことに起因するコントローラの動作及びその関連回路のために、電子機器は通常のボイラよりも高温になる可能性がある。
【0093】
いくつかの実施例では、ヒータが同じ抵抗電気加熱素子において電力を変化させ、且つ、流体温度を滑らかに変化させることができるように、高電流を効率的に切り替えるように構成される高出力スイッチングモジュールを備える。これは、飲料水回路において、特に重要である。この特徴により、制御回路内でパルス幅変調が可能になる。高出力スイッチングモジュールは、30アンペア又はそれ以上のものをスイッチングするように構成されてもよい。
【0094】
バッテリ充電機構を収納する実施例において、本発明者は、バッテリ充電システム内の発熱、具体的には、電圧によってDCバッテリパック/セルを充電することが可なAC-DCコンバータバッテリ充電システム内の発熱が、問題となる可能性があることをさらに見出した。このタイプのバッテリ充電システムは、ボイラシステム又はボイラハウジング内にはまだ存在せず、熱を発生する。したがって、本発明のいくつかの実施例の更なる利点は、バッテリ充電機構も冷却するためのヒートシンクとしての冷却システムを使用すること(又は更なる別個の冷却システムを提供すること)である。システムが、建物を暖めていない時又は暖かい飲料水を提供していない時、(例えば、夜中)にも、充電を行うことができる(また行うべきである)ので、このバッテリ充電機構の冷却システムは、特に有用となる可能性がある。本発明の冷却システムにより、充電中に熱を奪い去る加熱システムを稼働させることができる。コントローラは、被加熱流体が必要とされないときでさえもバッテリ充電機構を冷却するために、流体ヒータシステムを通るように流体を流すよう構成されてもよく、例えば、コントローラは、バッテリ充電システムが冷却されるべきであることを、(例えば、バッテリ充電器の付近に位置する温度センサからのフィードバックを介して、又はバッテリが閾値最小時間期間にわたって連続的に充電された後に)予測し又は通知され又は感知したことに応答して稼働してもよい。このバッテリ充電機構の冷却機能は、本発明の新しい実施形態を作り出すためのバッテリ充電器を包含する、説明されている実施形態のいずれかを用いて実装することができる。
【0095】
いくつかの(例えば、加熱流体/飲料水の流れが冷却に関与している)実施例では、加熱システムが稼働している時(例えば、飲料水又は被加熱ラジエータ流体が要求されている時)に、コントローラ/バッテリ/バッテリ充電器を通過する加熱流体/飲料水の流れを介して冷却が行われる。しかしながら、加熱システムが稼働していない時は、本発明により、特にバッテリ充電器を冷却する目的で、(加熱流体/飲料水の流れを介するか、それとも冷却システム自体の専用冷媒回路内にある冷却システム自体の専用冷媒を介するかにかかわらず)充電器冷却システムを稼働させることができる。
【0096】
いくつかの実施例では、冷却システムは、ラジエータから出力される水の一部を使用し、この水は、電子コンポーネントを冷却するための冷却用入口パイプに(典型的には約35~40℃で)到達するが、電子部品ははるかに高温である(理想的には、電子コンポーネントを100℃未満に十分に保つことが意図される)。いくつかの実施例では、冷却システムの要素は、ボイラ内の入口からの第1回路配管を、冷却を必要とするコンポーネントに隣接して又はその付近に配置することを含む。その結果、スイッチング電力での完全な電子的効率に対する必要性が低減されるため、流体ヒータの全体的な効率が高められ、また流体ヒータの電子機器は、よりコンパクトに/より単純にすることができる。
【0097】
また、この実施例の冷却システムは、密閉冷媒パイプシステム(図示せず)を有する冷媒回路も含み、この密閉冷媒パイプシステムを通じて冷媒が送られる。密閉冷媒パイプシステムは、冷媒と、ボイラの冷水入力との間の熱伝達を促進して、冷媒に熱を逃がすように、また、冷媒と、(任意の特定の実施形態においてもしあれば)DCバッテリセル又は他のコンポーネントとの間の熱伝達を促進して、熱をこれらのコンポーネントから熱を逃がすように、構成される。これは、適切な場所で、ボイラコンポーネント、バッテリセル、及び冷水入力のうちの任意の1つ以上の付近に配管システムを配設することによって達成される。
【0098】
いくつかのそのような実施例、例えば、燃焼処理を補助するために(例えば、ガス又はその他の可燃性燃料を燃焼させるときに)吸気口が使用される実施例では、冷却システムは、吸気口を使用してバッテリパック及び/又は電子コンポーネントを冷却することを含むことができる。なぜなら、取り込まれた空気が相対的に冷たくなると同時に、空気が加熱され、燃焼処理をより効率的にするからである。これは、冷却を必要とするバッテリパック又はコンポーネントの付近に吸気経路を配置することによって達成することができる。
【0099】
この実施例では、ボイラ4300は、コンパクトになるように構成されている。ボイラハウジング4301は、幅400cm×奥行300cm×高さ700cmの寸法を有し、容器100及び任意の必要な制御回路を収容する。他の実施形態では、ハウジングは、例えば、幅390mm、奥行270mm、高さ600mm、若しくは幅400mm、奥行300mm、高さ724mm、若しくは幅400mm、奥行310mm、高さ724mm、若しくは幅440mm、奥行365mm、高さ780mm、若しくは幅440mm、奥行364mm、高さ825mm、若しくは幅440mm、奥行365mm、高さ780mmの異なる寸法、又は、当業者に明らかな任意の他の適切な寸法を有してもよい。
【0100】
さらにコンパクトな場合、DC電源は、使用時に、ボイラハウジングの前側面に位置し、ハウジングの前端部と後端部との間の空間をほぼ充填し、また、ハウジングの左側面と右側面との間の空間をほぼ充填する。ボイラは、使用時に相対的にアクセスしにくい壁を、左側面及び右側面に有する。前側面は相対的にアクセスしやすく、通常、保守点検の際に内部コンポーネントにアクセスするために使用される。
【0101】
いくつかの実施例では、流体ヒータハウジングは、ヒータの内部コンポーネントに対して(例えば、整備又は修理のために)アクセスできるように配置されるアクセスドアを備え、DC電源は、アクセスドア内に、又はアクセスドアと一体に配置される。これにより、全体的なコンパクト性も増し、また、(例えば、修理/サービスのために)内部ボイラコンポーネントにアクセスするために、DCバッテリをさらに取り外し又は操作する必要がないことも確実になる。
【0102】
1つ以上の加熱素子を、容器100の外部に、またボイラハウジング4301の内部にある、第1回路のパイプ又はコンポーネントの周りに巻き付けることができる。この利点として、製造の容易さ、(加熱素子がパイプ/コンポーネントの外部に配置され、また湿潤している側に触れる必要がないので、)必要な場合の再構成/交換/アップグレード/修理の容易さが挙げられる。加熱素子は、容易に目視可能であり、したがって、劣化しているか否かを(例えば、定期的な保守点検中に)検査するのに好都合である。また、このような加熱素子はまた、洗浄もより容易である。このような加熱素子は、水回路内のスラッジ(この問題は、ラジエータ水回路において一般的である)の影響を受けない。
【0103】
いくつかの実施例では、容器は、燃料バーナーによって加熱された空気を迂曲させるように構成され、且つ加熱された空気と熱交換器との間の熱交換を増加させるように構成される、少なくとも1つのバッフルを収納する。前記電気素子、任意の電気素子又は各電気素子は、少なくとも1つのバッフル内に部分的に若しくは完全に埋め込まれてもよく、又は少なくとも1つのバッフルの周りに巻き付けられてもよい。
【0104】
他の実施形態では、電気加熱素子は、第1回路導管/パイプの内側(容器100の外部であり、ボイラハウジング4301の内部)に配置することができ、この利点として、コンパクト性、環境への熱損失が少ないこと(熱は、通常の加熱動作中、所望の水回路内にほぼ完全に保持される)が挙げられる。
【0105】
他の実施形態では、電気加熱素子を、第1回路の水回路導管の壁(容器100の外部であり、ボイラハウジング4301の内部)に組み込むことができる。この利点として、これらの壁が堅牢であること、汚水による損傷を受けにくいこと、(同等の巻き付けられた加熱素子よりも)熱損失が少ないことが挙げられる。
【0106】
コントローラ4302は、任意の1つ以上の制御因子に基づいて又は応答して、流体に供給される加熱量を制御するようにコンピュータ制御及び構成され、制御因子は、必要とされる加熱量、1つ又は複数の流体回路内の入力地点における流体入力温度、1つ又は複数の流体回路内の出力地点における流体出力温度、1つ又は複数の流体回路内の任意の所定地点における流体温度、第1加熱素子から利用可能な容量、可燃性燃料バーナーから利用可能な加熱能力の量、加熱流体又は飲料水の瞬間需要、加熱流体又は飲料水の予測需要、及び加熱対象の流体の流量を含む。
【0107】
さらに、流体ヒータは、1つ又は複数の制御因子に関する情報を感知し、且つ、前記制御因子情報をコントローラ4302に提供するように構成される、1つ又は複数のセンサを備える。センサのうちのいくつか4305は、(例えば、ボイラ内の水温又は流量を測定するために)ボイラハウジング4301の内部に配置される。センサのうちのいくつか4306は、(例えば、建物の部屋の中などの、ボイラの外部であり第1回路内である所望の位置における水温又は流量を測定するために)ボイラハウジング4301の外部に配置される。コントローラは、そのようなセンサからの情報に応答して、燃料バーナー及び電気加熱素子による流体の加熱を指示するように稼働する。
【0108】
コントローラは、コントローラと(一体的に又は別個に)関連付けられたメモリ(図示せず)を有してもよく、メモリは、システムの任意の1つ以上の態様に関する情報、例えば、制御因子のいずれかに関連する履歴情報又は感知情報、制御因子情報、センサのいずれかからの感知情報、所望の出力情報(例えば、所望の室温)などの情報を記憶するように構成される。コントローラは、既知の方法で、メモリからの情報にアクセスすることができる。コントローラ及びメモリは、コンピュータで制御可能な標準的なネットワーク及びシステムに実装されてもよい。
【0109】
図44~
図49は、別の実施形態によるバーナー容器4400を示す。この実施例では、バーナー容器4400は、被加熱流体を2つの流体回路に供給するコンビボイラである水ヒータの一部であり、第1回路は放熱流体を収納し、第2回路は飲料水を収納する。バーナー容器4400は、そのコンポーネントを収容するための容器ハウジング4402を備える。このバーナー容器4400の特徴は、コンパクトであり、小さな空間に収めることが可能なことである。多くの実施例では、本発明は、本発明のバーナー容器が新しい構成要素を含む場合でも、バーナー容器4400をコンパクトにして、バーナー容器を典型的な既知のバーナー容器と同一のハウジング又は空間の設置面積内に収めることを可能にする特徴を含む。
【0110】
第1回路は加熱流体回路であり、バーナー容器4400の他に、標準的な家庭用ラジエータ(図示せず)を含む複数のコンポーネントを備える。この実施例では、第1回路内の加熱流体として水が使用され、他の実施例では、その他の既知の加熱流体を使用することができる。第2回路(飲料水回路)は、バーナー容器4400の他に、標準的な給湯栓(図示せず)を含む複数のコンポーネントを備える。
【0111】
バーナー容器は、ハイブリッド電気-可燃性燃料容器、すなわち、従来の燃焼技術を使用して加熱をもたらす容器を備え、また容器は、電源を介した加熱も提供する。同一の密閉ボイラ容器チャンバ内には、複数の加熱機構が設けられている。一方は電気加熱機構であり、他方は、この実施例ではガスバーナー機構である。ガスバーナー機構は、ほぼ既知のタイプのものである。他の例は、例えば、他の実施形態に関連して先に明記されたように、他の燃料を使用してもよい。このように、加熱電力は電気コンポーネントによって供給されるものもあれば、より伝統的な燃焼燃料によって供給されるものもある。
【0112】
電気加熱機構は、適切な形態であってもよい。この実施例では、その形態は、DC電源によって給電される電気加熱素子の形態であり、DC電源は、必要な被加熱流体/水の全て又は大部分を供給するために十分な電力を電気加熱素子に提供するのに十分な大きさである(他の実施例では、それほど大きくなくてもよい)。これはシステム内に冗長性を追加するのに役立てることができ、又は、一方若しくは他方の電源(ガス/電気)が不足している環境において効率的に動作するために使用されることができる。
【0113】
第1回路からの相対的に低温の水が、第1低温ラジエータ水入力パイプ4404aを通じてバーナー容器4400に入り、加熱され、次いで、相対的に高温の水が、バーナー容器4400aから第1暖房ラジエータ水出力パイプ4406aを通じて第1回路に出る。第1水ダクト4405aは、冷水入力パイプ4404aと熱水出力パイプ4406aとの間に延在する。
【0114】
第2回路からの相対的に低温の水は、第2低温ラジエータ水入力パイプ4404bを通じて(この実施例では商用給水器を通じて)バーナー容器に入り、加熱され、次いで、相対的に高温の水は、バーナー容器4400から第2飲料水出力パイプ4406bを通じて第2回路に出る。第2の水ダクト4405bは、第2冷水入力パイプ4404bと第2熱水出力パイプ4406bとの間に延在する。
【0115】
バーナー容器4400は密閉容器であり、内部に燃焼ゾーン4412を有し、燃焼ゾーン4412で燃料が燃焼されて、水ダクト4405a、4405b内を流れる水に熱を供給する。
【0116】
容器4400のハウジング4402内に、容器4400は、既知のタイプの可燃性燃料バーナーを収納する。容器は、燃料バーナーと連通し、且つ、既知の方法でバーナーに安全かつ効率的に空気-燃料の混合物を運ぶように構成される、燃料入口パイプをさらに備える。また、容器は、燃焼ゾーン及び容器から燃焼排ガスを運び去るように構成される煙道4414も備える。この実施例では、燃料バーナーは、使用時に水平に配置される。
【0117】
この実施例では、バーナーは、燃焼ゾーンの周りを均一に燃焼することさえ可能な噴流孔を有する有孔バーナーバー4408(先の実施例に関連して説明したものと同様)を備える。シールリングは、バーナーバー4408の底部を密閉するように配置されて、例えば、煙道以外の燃焼アセンブリからの高温空気及び未燃焼ガスの漏れを防止することによって、制御されていない燃料の燃焼を最小限に抑える。1対の点火器は、要求に応じて空気-燃料の混合物に点火するように構成される。
【0118】
バーナーは燃焼ゾーン内に効率的な加熱をもたらし、それにより、第1水ダクト4405a及び第2水ダクト4405b内の流体に熱を伝達するように構成される。この実施例では、熱は、既知の方法で熱を効率的に伝達するように構成される管壁を介して、燃焼ゾーン内の高温ガスから管内の流体に伝達される。
【0119】
すべての実施例ではないが、この実施例では、容器ハウジングは、燃焼ゾーン内に配置され、且つ、燃焼ゾーン内で加熱されたガスを所望の経路に沿って迂曲させて、加熱された空気とダクト壁との間の熱交換を増加させるように構成される、バッフル4407をさらに収納する。特に、バッフルは、略円筒状の燃焼ゾーンの径方向外側領域に向かう高温ガスの移動を促進し、この外側領域には、ダクトが配置される。
【0120】
他の実施形態では水ダクトの代わりに、異なる流体のダクトが設けられてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、被加熱流体は液体でなくてもよく、例えば、空気加熱炉内の空気であってもよく、典型的な空気加熱パイプが設けられてもよく、他の実施例では、水は、飲料水回路で使用するための飲料水であってもよく、他の実施例では、流体は、オイルヒータ回路内のオイルであってもよい。
【0121】
この実施例では、燃焼ゾーン、ハウジング及びダクトは、既知のタイプの略円筒形状を有する。ダクト4405a、4405bは、燃焼ゾーンを螺旋構成でほぼ取り囲み、燃焼ゾーンから効率的に熱を捕捉する。ダクトパイプは、発生した熱を効率的に捕捉するために、ハウジングの周囲付近で螺旋状に形成されている。ダクトの隣接部分間には、高温ガスが通って流れることができ、それにより、ダクト内の流体に熱を伝達し、その後、煙道に効率的に移動させるための間隙が存在する。
【0122】
燃焼ゾーン内からの排気ガスは、煙道4414を通って出て行き、またダクト4405a、4405bからの被加熱水は、熱水出口パイプ4406a、4406bを通って出て行く。バッフルは、所望の経路に沿って高温ガスの移動を誘導する。
【0123】
この実施例では、第1水ダクトパイプ4405aは、燃焼チャンバの口部付近に、且つ、バーナーバーに隣接するように、螺旋状に配置される。第2水ダクトパイプ4405bは、バーナーバーから離れた燃焼チャンバの遠位端に、螺旋状に配置される。高温空気は依然として、バッフル4407によって促進される第2水ダクトパイプ4405bに到達し、その上及びその周りを効果的に流れる。他の具体的な構成は、当業者には明らかであろう。
【0124】
この実施例では各ダクト4405a、4405bは、燃焼ゾーンの中心から径方向に離れる方向に延びる細長い楕円状の断面プロファイルを有し、これは
図48及び
図49~53に概略的に見ることができる。この特徴により、高温ガスとダクトとの間の接触時間をより長くすることができる。
【0125】
ダクトは、
図47に見られるように、使用時に、ハウジングの外壁の周りに、それぞれの低温流体入口からそれらの高温流体出口まで、右から左に螺旋構成で延在する。各ダクトを通る水の流れは、ポンプ(図示せず)、又は他の方法で加圧された流体供給源(例えば、商用水道)、又は重力送給式供給源によって促進されてもよい。
【0126】
これにより、燃焼燃料から流体(この場合、異なる回路内のラジエータ流体及び飲料水)に熱を伝達するためのコンパクトで効率的なバーナーアセンブリが提供される。当業者であれば、他のバーナーアセンブリを異なる態様で構成することができ、また本発明をそのような他のアセンブリと共に稼働するように適合させることができることを理解するであろう。例えば、本発明は、例えばシステムボイラ構成において、単一の流体回路のみで動作するように容易に適合させることができる。
【0127】
本発明は、第1ダクト4405a及び第2ダクト4405b内の水を加熱するように構成される1つ以上の電気加熱素子4440をさらに提供する。この実施例では、1つ以上の電気加熱素子4440は、ハウジング4402内に収容される。
【0128】
この実施例では、電気加熱素子4440は、ダクト4405a、4405bの螺旋経路の周りに収まり、且つこの螺旋経路に密接して追従するように構成される連続螺旋状素子を備える。素子4440は、この実施例ではスポット溶接によって、ダクトに対して所定の位置で保持される。
【0129】
電気加熱素子4440は、ダクトの外部に位置し、また燃焼ゾーンの中心から径方向に、ダクトよりも離間している。
【0130】
この実施例では、加熱素子4440は、複数の高出力ニクロム素子を内部に有する金属被覆セラミック粉末絶縁ケーブルである(2つの素子が図に示されており、示された実施例では、最大7つの素子が存在し得る)。アクセスを便利にするために、電気コネクタ4502は、素子から延在し、また使用時のハウジングの上端から突出する。電気コネクタ4502は、素子を適切な電源に接続するのに適している。
【0131】
この実施例では、電源はDC電源であり、この実施例では、バーナー容器の外側に位置するバッテリーパック(図示せず)の形態のDC電源である。
【0132】
この実施例では、DC電源の容量は0.5kWhである。別の実施例では、容量じゃ。他の実施例について前述した容量と同様であってもよい。
【0133】
この実施例では、DC電源のピーク電力出力は、10kWの間である。別の実施例では、ピーク電力出力は、他の実施例について前述したものと同様であってもよい。例えば、1つの例示的な状況において、90kWhのバッテリが、10分間にわたり350kWを供給することができる。
【0134】
他の実施例では、電源はAC電源(例えば、商用AC電源)である。さらに別の実施例では、電源は、AC電源及びDC電源の組み合わせであってもよい。
【0135】
コンピュータ実装コントローラ(図示せず)は、可燃性燃料バーナー及び第1加熱素子によって流体に供給される加熱の量を制御するように構成される。制御は、1つ以上の制御因子に基づいてもよい。制御因子としては、必要とされる加熱の量、1つ以上の流体回路内の入力地点における流体入力温度、1つ以上の流体回路内の出力地点における流体出力温度、1つ以上の流体回路内の任意の所定地点における流体温度、第1加熱素子から利用可能な熱容量の量、可燃性燃料バーナーから利用可能な熱容量の量、加熱流体又は飲料水の瞬間需要、加熱流体又は飲料水の予測需要、及び被加熱流体の流量が挙げられる。
【0136】
いくつかの複数の流体回路(例えば、コンビボイラ)の実施例では、コントローラは、加熱目的(例えば、ラジエータ流体の加熱)で可燃性燃料のみを使用し、飲料水の加熱には専ら電気を使用することを指示するように構成される。
【0137】
1つ以上の制御因子に関する情報を感知し、制御因子の情報をコントローラに提供するために、1つ以上のセンサ(図示せず)を設けてもよい。一実施例では、効率のために、コントローラは、高温流体の要求が最初に検出されたときに、例えば、主にDC電源を介して、(1つ又は複数の)電気加熱素子を主に使用して流体を加熱するように構成されてもよい。
【0138】
一般に、本発明の電気加熱素子は、容器内の第1及び/又は流体回路のパイプ又はコンポーネントの周りに巻き付けることができる。その利点として、(加熱素子がパイプ/コンポーネントの外部に配置されるため(また湿潤側に触れる必要がないため)、)製造の容易さ、必要に応じた再構成/交換/アップグレード/修理の容易さが挙げられる。加熱素子は容易に目視可能であり、したがって、加熱素子が劣化しているかどうかを(例えば、定期的な点検中に)検査するのに好都合である。また、このような加熱素子は、洗浄が容易である。そのような加熱素子は、水回路内におけるスラッジ(この問題は、ラジエータ水回路において一般的である)の影響を受けない。
【0139】
図49~
図53は、異なる実施形態からの一対の加熱素子及びダクト構成の拡大図を示す。これらの実施形態の特徴は、特に明記しない限り、前述の実施形態の特徴と同様である。
【0140】
図50の実施例では、加熱素子は、複数の高出力ニクロム素子を内部に有する金属被覆セラミック粉末絶縁ケーブルの形態となっている。ケーブルは、
図44~
図49の実施形態のものと同様の方法でダクトに溶接されるが、燃焼ゾーンの中心に径方向に、ダクトよりも近い、すなわち、ダクトの内側又は火炎側にある。他の実施例では、溶接する代わりに、ケーブルをダクトに(真空)ろう付けすることができる。
【0141】
図51の実施例では、電熱素子は、ダクトパイプの内部に配置される。この利点として、コンパクト性、環境への熱損失が少ないこと(熱は、通常の加熱動作中、所望の水回路内にほぼ完全に保持される)が挙げられる。
【0142】
図52の実施例では、電気加熱素子は、各ダクトの外面の周りの導電性コーティング5201の形態となっている。導電性コーティングは、電流が流れたときに発熱し、それにより、ダクト内の流体に熱を効率的に伝達するように構成される。導電性コーティングは、噴霧によって塗布することができる。絶縁層は、導電性コーティングの内側及び外側に設けられ、導電性コーティングは、これらの絶縁層に挟まれる。この実施例では、絶縁層は、プラズマ溶射され、又は浸漬によって塗布される。これらの層を塗布するための他の技術は、当業者には明らかであろう。加熱素子が(ダクトの全長に沿って連続的ではない)別個のゾーンに設けられるいくつかの実施例では、別個のゾーン間の間隙を、コーティング/スプレー処理中に(例えば、スプレーマスクを用いて)管の間隙部分をマスキングすることによって形成することができる。
【0143】
図53の実施例では、電気加熱素子は、各ダクトの内側の導電性コーティング5301の形態となっている。導電性コーティングは、電流が流れたときに発熱し、それにより、ダクト内の流体に熱を効率的に伝達するように構成される。導電性コーティングは、噴霧によって塗布することができる。絶縁層は、導電性コーティングの内側及び外側に設けられ、導電性コーティングはこれらの絶縁層に挟まれる。この実施例では、絶縁層は、プラズマ溶射され、又は浸漬によって塗布される。これらの層を塗布するための他の技術は、当業者には明らかであろう。
【0144】
他の実施形態では、電気加熱素子を第1回路及び第2回路のダクトの壁に組み込むことができる。この利点として、これらの素子が堅牢であり、汚水による損傷を受けにくく、(同等の巻き付けられた加熱素子よりも)熱損失が少ないことが挙げられる。
【0145】
さらに別の実施例では、特定の用途に応じた、使用される電気加熱素子のタイプ及び配置の組み合わせが存在してもよい。
【0146】
前記電気加熱素子、任意の電気加熱素子又は各電気加熱素子は、ガス及び電気加熱機構のいずれか又は両方によって水を加熱できるように、バーナー容器内又はその周囲の任意の場所に配置することができる。
【0147】
加熱素子は、電流を流すことによって加熱可能な電線であってもよく、必要な場所に熱を送るように適切に配置されてもよい(例えば、水パイプ、又はバッフル(又はバーナー容器内の任意の他のコンポーネント)に巻き付けられてもよい)。
【0148】
別の実施形態(
図54参照)では、バーナー容器5400が、略長方形の箱状ハウジング5401と、ハウジングの(使用時における)上端に向かう長方形のブロック状熱交換器5402と、を備える。この例の多くの特徴は、最初に説明した例の特徴と機能的に類似しているので、簡潔性のために再度説明しない。この実施例では、水ダクト5403は、熱交換器(
図54に切り取って示す)に完全に埋め込まれている。水ダクトは、冷水入口5404から送り出され、(熱伝達を強化するために、)交換器内においてそれ自体上で折り返されて二重になる。加熱された水は、(ハウジングの反対側にあるので、
図54では見えない)熱水出口から出る。バーナー5405は、ハウジング内の燃焼ゾーン5406内のガスを加熱して、熱交換器を加熱し、それにより、埋め込まれているダクト、及びダクト内で運ばれる流体を加熱する。ハウジングの頂部には、排気ガス用の煙道5407が設けられている。
【0149】
さらに別の実施形態(
図55参照)では、バーナー容器5500は、略長方形の箱状ハウジング5501と、ハウジングの(使用時における)上端に向かう長方形のブロック状熱交換器5502と、を備える。この例の多くの特徴は、前述の実施例の特徴と機能的に類似しているので、簡潔性のために再び説明しない。この実施例では、水ダクト5503は、熱交換器(
図55に切り取って示す)に完全に埋め込まれる。水ダクトは、冷水入口(図示せず)から送り出され、交換器内においてそれ自体上で折り返されて二重になる(熱伝達を強化するため)。加熱された水は、熱水出口5504から容器ハウジング5501を出る。バーナー5505は、ハウジング内の燃焼ゾーン5506内のガスを燃焼して、熱交換器を加熱し、それにより、埋め込まれているダクト5503、及びダクト内で運ばれる流体を加熱する。ハウジングの頂部には、排気ガス用の煙道5507が設けられている。
【0150】
バーナー容器ハウジング5501は大型ボイラハウジング(図示せず)内に収容され、大型ボイラハウジングは、容器5501を、他のボイラコンポーネント(電気ボイラコンポーネント、スイッチを備えるコンピュータ制御システム、及び標準的な方法でガス及び電気加熱電力の動作を制御するためのバルブ)と共に収容する。
【0151】
出口5504は、近くの更なるダクト部5508に通じる。更なるダクト部5508は、ボイラハウジング内に配置される。電気加熱素子5410は、更なるダクト部5508内を運ばれる流体を加熱するように構成される。この実施例では、電熱素子5510は、更なるダクト部5408内に配置される。この実施例では、更なるダクト部5508は、小さな空間内の流体への熱伝達の効率を高めるためのコンパクトな構成を提供するために、それ自体上で折り返されて二重になるダクト部を備える。この実施例では、加熱素子5510は、更なるダクト部5508の3つの枝のそれぞれに位置し、他の実施例では、加熱素子は、いくつかの枝にのみ位置する。
【0152】
図54及び55の実施例では、熱は電気加熱によって、若しくはガスを燃焼することによって、又はその両方によって、バーナー容器を通じて運ばれる流体に供給されてもよい。ハードウェア又はソフトウェア(又はそれらの組み合わせ)によるコンピュータ制御を使用して、燃料源のいずれか又は両方をいつ使用するかをインテリジェントに決定することができる。
【0153】
さらに別の実施例(図示せず)では、加熱素子は、バーナー容器内のダクト部と、容器の外部の更なるダクト部との両方に関連付けられてもよい。
【0154】
これらの実施例は、当業者が本発明の範囲内の複数の例示的な構成を見出すことができることを示すのに役立つ。
【0155】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えることができる。
【0156】
熱交換器は、被加熱流体を収納する流体ダクトに、燃焼燃料からの熱だけでなく、前記電気加熱素子、任意の電気加熱素子又は各電気加熱素子からの熱も集中させるように構成されてもよい。
【0157】
熱交換器は、任意の適切な材料、例えば、金属又はセラミックから作製することができる。いくつかの実施例では、一実施例では、熱交換器は、水道パイプの周りに部分的に又は完全に配置された1つ以上のプレート(例えば、金属プレート)の形態であってもよい。電気加熱素子は、板同士の間に配置することができる。別の実施例では、水道パイプの周りに配置された適切な材料のブロック(例えば、セラミックブロック)が存在してもよい。
【0158】
例えば、本発明の実施例は、水ボイラに関して説明されているが、同一の発明概念は、他の(部分的に又は全体的に)電気式の流体ヒータに適用することができ、例えば、北米では空気ヒータ(炉としても知られる)が一般的である。通常、このようなシステムは、加熱された空気を吹き出すためのファンを含むが、分かりやすさのために、いずれの図面にもファンは示されていない。他の流体を加熱するシステムは、当業者には明らかであろう。
【0159】
いくつかの実施形態では、加熱素子は、DC電源及びAC電源の両方によって給電されてもよい。このような実施形態では、DC電源は、加熱素子に少なくとも部分的に給電するように構成される。いくつかのこのような実施形態では、DC電源は、(時刻、又は再生可能エネルギー源からの電力の利用可能性などの因子に応じて、)いくつかの時間では完全に、また他の時間では部分的に、加熱素子に給電してもよい。
【0160】
いくつかの実施例では、複数の独立した流体回路内の流体が加熱され、例えば、ラジエータ水用の第1回路と、コンビボイラ内のような飲料水用の第2回路が加熱される。このような実施例では、第2回路は、異なる導管構成、すなわち、2つの回路内の流体が合流しないように(例えば、飲料水がラジエータ水によって汚染されないように)、第1回路への異なるダクト/配管を有する。当業者は、個別の流体回路を収容するには、適切な容器をどのように構築するかについての知識を有するのであろう。例えば、適切な容器は、第2流体入口及び第2流体出口を、それらの間の第2流体パイプと共に含んでもよく、燃焼ゾーンにおける燃料の燃焼、若しくは電気素子の加熱、又はその両方は、第2流体パイプ内の流体を加熱するように構成される。
【0161】
加熱素子のうちの1つ以上又は全ては、バーナー容器の外部(ただし、大型ボイラ(又は他の流体ヒータ、例えば、空気炉)のハウジングの内側)に配置されてもよい。このような実施例は、既存のガスボイラに電気加熱能力を追加導入するのに特に適している。例えば、電気加熱素子は、バーナー容器にある又はその付近の、すなわち、バーナー容器からの出口、バーナー容器への入口又はその両方にあるダクト部に、コーティングされ、その内部にコーティングされ、噴霧され、収納され、その周りに巻き付けられ、部分的に若しくは全体的に埋め込まれ、あるいは関連付けられてもよい。加熱素子は、DC、AC、又はそれらの組み合わせによって給電されてもよい。いくつかの実施例では、前述のタイプの大型バッテリ等のバッテリを、制御機構(例えば、制御電子機器及び/又はソフトウェア)と共にバーナー容器に取り付けることにより、可燃性燃料源に対して、(1つ又は複数の)電気加熱素子によって供給される加熱の量を制御することができる。また、制御機構は、DC、AC、又はそれらの組み合わせによって提供される加熱の量も制御してもよい。
【0162】
上述の例のほとんどにおいて、加熱素子は、流体ダクトのほぼ全体に沿って延在する。他の実施例では、1つ以上の加熱素子が、流体ダクトのいくつかの部分にのみ設けられ、他の部分では、(1つ又は複数の)加熱素子によって引き起こされる著しい加熱はない。その結果、組み立てがより容易で、資源効率により優れたシステムを提供することができる。
【0163】
記載されている実施例では、(1つ又は複数の)加熱素子は、電流を流すことによって給電される。他の実施例では、加熱素子は、例えば、(直接接触することなく)誘導によって給電することが可能なような、異なる構成を有してもよい。
【0164】
いくつかの実施例では、加熱素子の複数の別個の区間が、流体ダクト内に設けられ、各区間は、例えば、異なる区間箇所で異なるレベルの加熱を提供するように、共に又は別個に制御されてもよい。このことは、バーナー容器の異なる場所で燃焼加熱レベルが異なる場合には効率的であり、(1つ以上の)電気加熱素子は、バーナーの供給できる加熱がより多い区間では、供給する加熱をより少なくしてもよく、バーナーの供給できる加熱がより少ない区間では、供給する加熱をより多くしてもよい。別の使用事例では、流体が最初に低温から加熱されたときの初期加熱開始時など、例えば、蛇口(元栓)が最初にオンにされたときなどに、流体経路の異なる区間に異なる加熱レベルを与えることが望ましい場合があり、開始入力流体が特に低温であるため、流体経路の終了地点よりも開始地点に強い加熱が提供される場合がある。
【0165】
これらの実施例のいくつかでは、素子の一部がダクトからはみ出る又は突出することがない(例えば、外部電気接続点が存在しない)ように、素子が流体ダクト内に完全に埋め込まれてもよい。
【0166】
複数の流体回路、例えば、コンビボイラの実施例を有する実施例では、(DC電源又はAC電源又はそれらの組み合わせによって給電される)第1加熱素子は、第1回路及び第2回路のうちの一方の中の流体のみを加熱するように構成されてもよく、燃焼ヒータは、第1回路及び第2回路のうちの他方の中の流体のみを加熱するように構成されてもよい。例えば、水道水は電源によってのみ加熱され、加熱水は可燃性燃料源によって加熱される。いくつかの実施例では、コントローラは、ガス(又は他の可燃性燃料)及び電気ハイブリッド加熱が、第1流体回路内の流体(例えば、ラジエータ水)を加熱するためにのみ使用され、電気加熱のみが、第2流体回路内の飲料水を加熱するために使用されるように、ヒータを制御するように構成される。
【0167】
1つの容器につき2つ以上の加熱素子が設けられてもよい。
【0168】
いずれの実施例も、DC電源を受け入れるように構成されるDC電源インターフェースを含んでもよく、DC電源インターフェースは、Ni-MHバッテリーセルパック、Ni-Cdバッテリーセルパック、及びリチウムバッテリーセルパック、又はこれらのタイプのセルのうちのいずれかの混成体を収納する混成パックの任意の組合せ等の、2つ以上のタイプのDC電源を受け入れるように構成される。
【0169】
DC電源セルを含む実施例のいずれも、電気加熱素子への給電からセルを解離するように構成される安全遮断機構を含んでもよい。安全遮断機構は、マスタースイッチ又は自動マスタースイッチを備えてもよく、いくつかの実施例では、安全遮断機構は接触器を備える。有利なことに、これにより、安全で簡単なDCスイッチング機構が提供される。
【0170】
回路がラジエータ回路等の加熱水回路を備える実施例では、ボイラ/ヒータは、当技術分野で知られているような、水ポンプ等のポンプ(分かりやすさのために、いずれの図面にも図示せず)を備える。
【0171】
回路が飲料水回路を備える実施例では、通常、入口は、水道本管入口からの入口であり、水道本管入口は加圧されているので、ポンプは必要ない。いくつかの実施例では、入力が、加圧されていない清浄な水源からの入口である場合、ポンプが設けられてもよい。
【0172】
いくつかの実施例では、DC電源は、ボイラハウジングの頂部の中に配置される。このような実施例では、(流体を収納するパイプ又はチャンバ等の)湿潤コンポーネントが、DC電源の下にのみ配置される。DC電源は、いくつかの実施例では、ハウジング内の空間の頂部の約80%を占有してもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、加熱素子は、専ら第1流体回路内を加熱するように構成され、第2加熱素子は、専ら第2流体回路内を加熱するように構成される、又はその逆である。例えば、一方の加熱素子は、ラジエータ回路の加熱専用であってもよいとともに、他方の加熱素子は、飲料水回路の加熱専用であってもよい。これにより、異なるニーズを有する異なる回路に対して、適切な特注の専用素子を使用することができる。
【0174】
説明されたいずれの実施例においても、前記加熱素子、任意の加熱素子又は各加熱素子は、電流が流れたときに熱を放出する任意の素子、例えば抵抗ワイヤ、又は電流が流れたときに熱を放出する任意の配線、例えば(これらに限定されるわけではないが)、
薄膜(導電性金属上のポリイミド)、
セラミックワイヤ(ニッケルクロムアルミニウム等が埋め込まれたセラミックシース)、
裸線(ニッケル、ニクロム、カンタル、ステライト等、タングステン)、
封入されたワイヤ(例えば、シリコーン外皮付きニクロム)、
無機絶縁ワイヤ、例えば、銅シース/ニクロム、キュプロニッケル/インコネル、鋼シース/ニッケル、インコネルシース/ニッケルワイヤ、及びこれらのあらゆる種類の混成体(素子は、サイズ通りに描かれてもよく、又は仕上がりサイズで製造されてもよい。絶縁体は、一般に、Al2O3又はMgOである。)、
ワイヤ間に素子が巻き付けられる単純ワイヤ、スパイラル(螺旋)ワイヤ、バスバーワイヤ、
であってもよい。
【0175】
単一の加熱素子が記載される任意の実施例では、当業者には明らかであるように、その加熱素子が、1つ以上の異なる加熱素子によって置き換えられてもよい。
【0176】
本発明の実施形態は、熱交換器本体とカバーとの間に画定される螺旋状流体チャネルを有する容器に関して説明されている。他の構成、例えば、このようなチャネルのない構成は、本発明の範囲内である。例えば、他の実施形態では、このような流体チャネルの代わりに(又はそれに加えて)、(例えば、飲料水回路内に飲料水を運ぶ)密閉流体パイプが容器を通り抜け、また、燃焼ゾーン内の燃料燃焼によって加熱されてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態では、流体ヒータは、DC接続部若しくはAC接続部、又はその両方(AC及びDCの組み合わせ)を有してもよく、これらの接続部を通じて、(1つ又は複数の)電気加熱素子に電力が伝達される。バッテリパックを有する任意の実施形態では、バッテリパックは、流体ヒータの内部にあってもよく、又は流体ヒータの外部にあってもよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、熱交換器及びダクトは、別々のコンポーネントではない。熱交換器及びダクトは、共通の要素によって形成される。例えば、ダクトは、パイプの(1つ又は複数の)壁が、パイプの周囲(例えば、燃焼ゾーンから)から、加熱対象であるパイプ内の流体に熱を伝達するような、適切な構造のパイプを備えてもよい。パイプは、パイプの壁に巻き付けられる、又は(部分的に又は完全に)埋め込まれる、又はパイプ内に位置する(例えば、流動流体と直接接触する)加熱素子を有してもよい。
【0179】
他の実施形態では、熱交換器及びダクトは、別々のコンポーネントである。
【0180】
多くの実施形態では、1つ以上の電気加熱素子は、飲料水を含む加熱要件のすべてを満たすのに十分な熱を、(燃料を燃焼させることなしに)単独で供給することができる。この点に関して、本明細書の目的のために、加熱素子は、例えば、大型バッテリ(例えば、少なくとも0.5kWh、又は少なくとも1kWh、又は少なくとも5kWh、又は少なくとも20kWhの容量を有するDC電源)によって、又は、同様の強力なAC電源、例えば、国内送電網を介して給電される、高出力加熱素子であってもよい。このような実施例では、DC電源のピーク電力出力は、いくつかの実施例では10kW~20kWであり、いくつかの実施例では最大200kWである。
【0181】
可燃性燃料は、加熱要件の全てを供給するのに十分な熱を単独で提供することができる。
【0182】
可燃性燃料及び電気加熱素子は、少なくともいくつかの領域における単一チャンバ内の同一の位置で流体を加熱する(すなわち、可燃性燃料及び電気加熱素子は、流体ダクトの範囲に沿った熱供給に関して、完全に又は部分的にオーバーラップする)。可燃性燃料及び電気加熱素子は、必要に応じて、加熱要件を提供するために、組み合わせて使用することもできる。
【0183】
前述のように、いくつかの実施例では、可燃性燃料の加熱は、熱交換器を介して行われ、1つ以上の電気素子は、ダクト内で水を直接加熱する。他の実施形態では、1つ以上の電気素子は、代替的に/付加的に、(例えば、素子が流体内に完全に配置されていない場合(例えば、素子がダクトの近くに、例えばダクトの表面上に配置されている場合)、又は熱交換器を介している場合(例えば、素子が熱交換器を加熱するように構成されている場合、)管壁を介して、又は本明細書の教示から明らかであるような適切な構成で、加熱を行うことができる。
【0184】
いくつかの実施例(上記の実施例のほとんどを含む)では、電気熱源及び可燃性燃料熱源は、流体ダクト内の流体を同一の位置(又は、いくつかの実施例では重なり合う位置)で加熱するように配置される。言い換えれば、単一の場所にある流体を、電気加熱素子若しくは可燃性燃料熱源のいずれか、又はその両方によって、同時に加熱することができる。いくつかのこのような実施例では、電気加熱素子及びガスバーナーは、容器を通り抜ける流体ダクトの長さのほぼすべて/大部分に沿って加熱するように構成される。この特徴の効果は、(いくつかの実施例では)典型的な家庭用熱水ヒータの加熱需要全体を、必要に応じて、電源によって給電可能なこと(また、同一の場所で同一の流体を加熱するためにガス源を使用する選択肢を依然として有すること)である。別の効果は、(例えば、最初に飲料水が冷たい状態から要求され、迅速/瞬間応答が望ましい場合に、)より強力な瞬間要求を効率的に提供することである。さらに、可燃性燃料若しくは電気、又はその両方を介して、同一の場所で同時に流体を加熱するように構成される結果、いくつかの実施形態の別の効果は、管内の水を予熱するために、電気加熱素子が、最初に電気加熱素子自体を使用して、水流なしに、ダクト内の水を予熱できることである。次いで、可燃性燃料による加熱を、流体の流れと共に通常の方法で作動させることができる。その結果、最初に蛇口をオンにしたときの初期の冷水期間を、(水及び/又は燃焼燃料を無駄にすることを回避する効率的な方法で)完全に低減/回避することができる。
【0185】
説明されている実施形態の多くでは、可燃性燃料及び電気加熱素子は、単一の密閉された流体加熱容器チャンバを用いて流体ダクト内の流体を加熱するように構成される。有利な効果は、メインバーナーチャンバ及び(電気的に加熱可能なバッファタンク等の)補助加熱チャンバの必要がないことである。これは、特に空気炉に当てはまる。
【0186】
いくつかの実施例では、冷却システムは、(前述の冷却システムの代わりに、又はそれに加えて、)冷却対象のコンポーネント(ボイラ電子機器、又はDC電源、又はバッテリ充電器、又はそれらの任意の組合せ等)から熱を伝達するように構成される、受動冷却システムであってもよい。受動冷却システムは、流動流体を備えなくてもよい。受動冷却システムは、環境への熱放散のための自然対流フィンを有する熱ヒートシンク(例えば、20mm×40mm×80mmのアルミニウムブロック等のアルミニウムブロック)を備えることができる。受動冷却システムは、ヒータハウジング等の大型の熱質量を備えてもよい。
【国際調査報告】