(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】大領域全体にわたって実質的均一性を有する無線電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20241106BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20241106BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/12
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525981
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022048871
(87)【国際公開番号】W WO2023081310
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
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(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513058068
【氏名又は名称】ニューカレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NuCurrent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】アンディ ユン
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ペラルタ
(72)【発明者】
【氏名】アンナ オレクシェヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】アリレザ デイェリザディ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル カッツ
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド ナズムル アラム
(72)【発明者】
【氏名】プラティク ハルヤル
(72)【発明者】
【氏名】デニス カポルネク
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB13
5G503GB08
(57)【要約】
無線電力伝送用のシステムが、無線送信システム及び無線受信システムを含む。無線送信システムは、無線電力信号及び無線データ信号を大きな充電領域内で送信するように構成された送信アンテナを含む、無線受信システムは受信アンテナを含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、大きな充電領域内で無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を受信するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力伝送用のシステムであって、
無線送信システムと、
無線受信システムとを具えたシステムにおいて、
前記無線送信システムは、
1つ以上の送信用電気部品と、
送信アンテナとを含み、
前記1つ以上の送信用電気部品は、送信制御システム、送信同調システム、送信電力調整システム、送信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含み、
前記送信アンテナは、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を、大きな充電領域内で送信するように構成され、
前記無線受信システムは、
1つ以上の受信用電気部品と、
受信アンテナとを含み、
前記1つ以上の受信用電気部品は、受信制御システム、受信同調システム、受信電力調整システム、受信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含み、
前記受信アンテナは複数の受信コイルを含み、該複数の受信コイルの各々は、前記無線電力信号及び前記無線データ信号の一方または両方を、前記大きな充電領域内で受信するように構成されている
システム。
【請求項2】
前記無線送信アンテナが複数のアンテナ分子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アンテナ分子の各々が、直線状に構成されたアンテナ分子である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンテナ分子の各々が、パズル形アンテナ分子である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のアンテナ分子が、互いに、及び前記1つ以上の送信用電気部品に、直列に電気接続されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信アンテナがソースコイルを更に含み、
前記アンテナ分子が互いに直列に電気接続され、
前記アンテナ分子が、前記ソースコイルから受信した前記無線電力信号または前記無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記アンテナ分子が、ソースアンテナ分子及び1つ以上のレピータアンテナ分子を含み、前記ソースアンテナ分子は、前記1つ以上の送信用電気部品に直接接続され、前記レピータアンテナ分子は、前記ソースアンテナ分子から受信した前記無線電力信号または前記無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のアンテナ分子が、第1数のアンテナ分子及び第2数のアンテナ分子を含み、
前記第1数のアンテナ分子と前記第2数のアンテナ分子との間の絶縁体を用いて、前記第1数のアンテナ分子が前記第2数のアンテナ分子から絶縁されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記送信アンテナがソースコイル及び内部レピータコイルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内部にレピータ調整システムを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ソースコイルが第1ターン間コンデンサを含み、
前記内部レピータコイルが第2ターン間コンデンサを含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内側ターンと外側ターンとの間に配置されたレピータフィルタを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記無線送信システムが、少なくとも1つのセンサ、及び復調回路を更に含み、該少なくとも1つのセンサは、前記ソースコイルにおける前記無線電力信号及び前記無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記無線送信システムが、少なくとも1つのセンサ、及び復調回路を更に含み、該少なくとも1つのセンサは、前記内部レピータコイルにおける前記無線電力信号及び前記無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記無線送信システムが、
第1センサと、
前記第1センサに関連する第1復調回路と、
第2センサと、
前記第2センサに関連する第2復調回路と、
前記第1復調回路の出力と前記第2復調回路の出力とを合計する加算増幅器とを更に含み、
前記第1センサは、前記ソースコイルにおける前記無線電力信号及び前記無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成され、
前記第2センサは、前記内部レピータコイルにおける前記無線電力信号または前記無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成されている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記無線送信システムが、前記送信アンテナの真下に配置された金属メッシュ構造を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の受信コイルが内部レピータコイルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の受信コイルが複数の多角形受信コイルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記無線受信システムが、複数の整流器を更に含み、該複数の整流器の各々が、前記複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記無線受信システムが、複数の変調回路を更に含み、該複数の変調回路の各々が、前記複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記大きな充電領域が、50ミリメートル(mm)~300mmの範囲内の長さ、及び150~500mmの範囲内の幅を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
無線電力伝送用のシステムであって、
コンピュータマウスに動作的に関連する無線送信システムと、
前記コンピュータマウスの負荷に給電するように構成された無線受信システムとを具えたシステムにおいて、
前記無線送信システムは、
1つ以上の送信用電気部品と、
送信アンテナとを含み、
前記1つ以上の送信用電気部品は、送信制御システム、送信同調システム、送信電力調整システム、送信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含み、
前記送信アンテナは、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を、大きな充電領域内で送信するように構成され、該大きな充電領域は、50ミリメートル(mm)~300mmの範囲内の長さ、及び150~500mmの範囲内の幅を有し、
前記無線受信システムは、
1つ以上の受信用電気部品と、
受信アンテナとを含み、
前記1つ以上の受信用電気部品は、受信制御システム、受信同調システム、受信電力調整システム、受信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含み、
前記受信アンテナは複数の受信コイルを含み、該複数の受信コイルの各々は、前記無線電力信号及び前記無線データ信号の一方または両方を、前記大きな充電領域内で受信するように構成されている
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、(1)米国特許非仮出願第17/518324号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSFER SYSTEMS WITH SUBSTANTIAL UNIFORMITY OVER A LARGE AREA”、(2)米国特許非仮出願第17/518326号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELWSS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH ANTENNA MOLECULES”、(3)米国特許非仮出願第17/518330号、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH PUZZLED ANTENNA MOLECILES”、(4)米国特許非仮出願第17/518335号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH SERIES COIL MOLECULE CONFIGURATION”、(5)米国特許非仮出願第17/518340号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION SYSTEM WITH SOURCE-REPEATER ARCHITECTURE”、(6)米国特許非仮出願第17/518341号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH PARALLEL COIL MOLECULE CONFIGURATION”、(7)米国特許非仮出願第17/518352号、2021年11月3日出願、発明の名称”METHOD OF MANUFACTURING LARGE AREA WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNAS”、(8)米国特許非仮出願第17/518354号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMITTER WITH INTERNAL REPEATER AND ENHANCED UNIFORMITY”、(9)米国特許非仮出願第17/518358号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMITTER ANTENNA WITH INTERNAL REPEATER AND IN-COIL TUNING”、(10)米国特許非仮出願第17/518361号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH INTERNAL REPEATER AND INTER-TURN EMISSIONS MITIGATION”、(11)米国特許非仮出願第17/518364号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMITTER WITH METAL MESH FOR RESILIENCY”、(12)米国特許非仮出願第17/518366号、2021年11月3日出願、発明の名称”COMMUNICATIONS DEMODULATION IN WIRELESS POWER TRANSMISSION SYSTEM HAVING AN INTERNAL REPEATER”、(13)米国特許非仮出願第17/518369号、2021年11月3日出願、発明の名称”DUAL COMMUNICATIONS DEMODULATION OF A WIRELESS POWER TRANSMISSION SYSTEM HAVING AN INTERNAL REPEATER”、(14)米国特許非仮出願第17/518371号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH INTERNAL REPEATER AND REPEATER FILTER”、(15)米国特許非仮出願第17/518374号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSMISSION ANTENNA WITH INTERNAL REPEATER AND REPEATER FILTER”、(16)米国特許非仮出願第17/518377号、2021年11月3日出願、発明の名称”MULTI-COIL POLYGONAL WIRELESS POWER RECEIVER ANTENNA”、(17)米国特許非仮出願第17/518381号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER RECEIVER WITH RECTIFIER FOR MULT-COIL RECEIVER ANTENNA”、(18)米国特許非仮出願第17/518383号、2021年11月3日出願、発明の名称”COMMUNICATIONS MODULATION IN WIRELESS POWER RECEIVER WITH MULTI-COIL RECEIVER ANTENNA”、及び(19)米国特許非仮出願第17/518384号、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSFER FROM MOUSE PAD TO MOUSE”、2021年11月3日出願、発明の名称”WIRELESS POWER TRANSFER FROM MOUSE PAD TO MOUSE”により優先権を主張し、これらの特許出願の各々は、その全文を参照することによって本明細書に含める。
【0002】
本発明は、一般に、電力及び/または電気データ信号の無線伝送用のシステム及び方法に関するものであり、より具体的には、大きな充電領域全体にわたる電磁界の実質的均一性用に構成された無線電力伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
無線接続システムは、既知の無線伝送可能な信号の中で特に、電気エネルギー、電力、電磁エネルギー、電気データ信号の無線伝送用の多様な用途において用いられている。こうしたシステムは、誘導及び/または共鳴誘導無線電力伝送を用いることが多く、誘導及び/または共鳴誘導無線電力伝送は、送信素子によって生成される磁界が電界、従って電流を受信素子内に誘起する際に発生する。これらの送信及び受信素子は、コイル型の導線(ワイヤ)及び/またはアンテナの形態をとることが多い。
【0004】
電気エネルギー、電力、電磁エネルギー、及び/または電気データ信号のうちの1つ以上の、こうしたコイル型アンテナの一方から他方への伝送は、一般に、ある動作周波数及び/またはある動作周波数範囲で動作する。動作周波数は、とりわけ、電力伝送特性、電力レベル特性、自己共鳴周波数の拘束、設計上の要求、規格の順守、構造体に要求される特性(例えば、とりわけ電磁妨害(EMI:electromagnetic interference)の要件、比吸収率(SAR:specific absorption rate)の要件)、部品表(BOM:bill of materials)、及び/または形状因子の制約(但しこれらに限定されない)といった様々な理由で選択することができる。なお、当業者にとって既知の「自己共振周波数」は、一般に、受動部品(例えば、インダクタ)の寄生特性に起因する受動部品の共振周波数を参照する。
【0005】
こうしたシステムが、送信システムから受信システムへ、コイル及び/またはアンテナを介して電力を無線伝送する際に、一方のシステムから他方のシステムへ電子データを同時に、または間欠的に通信することが望まれることが多い。この目的で、多様な通信システム、方法、及び/または装置が、無線電力伝送と無線データ伝送との組合せに利用されてきた。システムの一部の例では、無線電力伝送関係の通信(例えば、考えられるデータ通信の中で特に、検証手順、電子特性データ通信、電圧データ、電流データ、装置タイプデータ)が、既知の通信回路及び/またはアンテナの中で特に、データ通信用の任意のブルートゥース(Bluetooth:登録商標)チップセット及び/またはアンテナのような他の回路を用いて実行されている。
【0006】
更に、無線電力及びデータ伝送が、大きな充電または給電領域全体にわたって望まれる際には、送信装置による放射電磁界の強度の変動が、こうした充電または給電領域における動作を制限することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第16/735342号
【特許文献2】米国特許第9941743号明細書
【特許文献3】米国特許第9960628号明細書
【特許文献4】米国特許第9948129号明細書
【特許文献5】米国特許第10063100号明細書
【特許文献6】米国特許第9941590号明細書
【特許文献7】米国特許第9960629号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2017/0040107号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2017/0040105号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2017/0040688号明細書
【特許文献11】米国特許第8610530号明細書
【特許文献12】米国特許第8653927号明細書
【特許文献13】米国特許第8680960号明細書
【特許文献14】米国特許第8692641号明細書
【特許文献15】米国特許第8692642号明細書
【特許文献16】米国特許第8698590号明細書
【特許文献17】米国特許第8698591号明細書
【特許文献18】米国特許第8707546号明細書
【特許文献19】米国特許第8710948号明細書
【特許文献20】米国特許第8803649号明細書
【特許文献21】米国特許第8823481号明細書
【特許文献22】米国特許第8823482号明細書
【特許文献23】米国特許第8855786号明細書
【特許文献24】米国特許第8898885号明細書
【特許文献25】米国特許第9208942号明細書
【特許文献26】米国特許第9232893号明細書
【特許文献27】米国特許第9300046号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、大きな充電領域全体にわたって、ほぼ均一であることができる、あるいは向上した均一性を有する無線電力伝送システムが望まれる。こうしたシステムは、受信装置、または受信装置に関連する装置が、充電サイクル中に規則的に移動または運動する充電シナリオにおいて、特に有利であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一部の例では、無線電力伝送システムを、大きな充電領域全体にわたって電力を伝送するように構成することができ、この充電領域内で、無線受信システムがこの電力を受信することができる。「大きな領域」は、無線電力伝送システム及び/または送信アンテナに関連し、かつこれらに近接した領域とすることができ、この領域内で、無線受信装置が、送信システムまたは送信アンテナと、充電領域内の複数の点で結合することができる。この目的で、大きな領域内で結合するための複数の点が、できる限り多数の点を含み、かつ、所定の充電領域内で受信システムと結合する一貫した能力を相応に有することが、機能性及びユーザ体験にとって共に有利である。大領域電力伝送装置が、電力伝送の最大の均一性を念頭において設計されることが有利である。従って、こうした送信アンテナを、均一度を有することを念頭に置いて設計することが有利であり得る。本明細書中に定義する「均一度」とは、無線送信システムと無線受信システムとの間の最小の結合に対する、こうしたシステム間の最大の結合の比率を参照し、これらの結合の値は、これらのシステム間の結合を、無線受信システムまたは受信アンテナが、送信アンテナの充電領域内に配置される複数の点で、これらのシステム間の結合を測定または決定することによって決定される。
【0010】
更に、均一度は、より多いターン数(巻数)、コイル、及び/または他の共振体をアンテナ内に用いることによって高めることができるが、このように、より多数の導電性金属の使用量を増加させて均一度を最大にすることは、より多数の導電性材料を含めることによる既知の欠点の中で特に、コストの懸念、部品表の懸念、環境の懸念、及び/または持続可能性の懸念を生じさせ得る。この目的で、以下の送信アンテナは、均一度の考慮と、コスト、環境、及び/または持続可能性の考慮とのバランスをとることによって設計することができる。換言すれば、以下の送信アンテナは、導線または導電性トレースの使用量または長さを低減(例えば、最小に)しつつ、均一度の増加(例えば、最大化)を実現するように構成することができる。
【0011】
大領域電力伝送システムは、更に、最大の金属弾性を有するように構成することができる。本明細書中に定義する「金属弾性」とは、無線送信システムが動作する環境内に金属または金属材料が存在する際に、送信アンテナ及び/または無線送信システム自体が、無線電力伝送性能の低下を回避する能力を参照する。例えば、金属体が送信アンテナに近接して存在する際に、金属弾性は、無線送信システムがそのインダクタンスを電力伝送用に維持する能力を参照することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、無線送信システムに近接した金属体の存在によって発生する渦電流が、無線電力伝送の性能を低下させることがあり、従って、こうした電流の誘導を回避するべきである。
【0012】
以下に開示するもののような、分子ベースの大充電領域用送信アンテナは、製造の複雑性を低下させるに当たり特に有益である、というのは、ケーブルの交差(クロスオーバー)の数が大幅に限定されるからである。更に、所定サイズ向けの設計のモジュール方式がもたらされる、というのは、アンテナ分子の数を設計プロセス中に容易に変更することができるからである。更に、アンテナ分子をパズル形アンテナ分子として具体的に形成することによって、各分子の導線の交差が大幅に限定される。交差点を解消及び/または低減することは、アンテナ分子の生産または製造を加速することに役立ち、交差点部分の導線間に配置する絶縁体に必要なコストを低減し、従って、アンテナの生産のコストを低減することができる。
【0013】
ソース(信号源)-レピータ(中継器)構成を大充電領域用アンテナ内で利用することは、製造上の利点をもたらすことができる、というのは、より大型のアンテナを、システム全体及び/またはソースコイルとは異なる場所で、あるいは異なる手段により製造することができるからである。アンテナ分子の直列接続構成は、直列接続構成の利点の中で特に、アンテナ全体にわたるより大きな相互インダクタンスの大きさ、アンテナの金属弾性の増加、のうちの1つ以上をもたらすことができる。
【0014】
本明細書中に開示する、分子ベースのアンテナを製造する方法は、オーバーラップ(重複)して連続するアンテナ分子及び/またはそのコイル原子間に小型の絶縁体を配置する複雑性を回避することができる。小型の絶縁体ではなく絶縁体のシートを利用することによって、製造時間を大幅に減少させることができ、製造の複雑性を抜本的に低減することができる。こうした方法は、高速で効率的なアンテナの大量生産を可能にする。
【0015】
大充電領域用アンテナは、内部レピータを利用して充電領域を拡大することができる。本明細書中に定義する「内部レピータ」とは、システム用の一般的なアンテナの一部として利用されるレピータコイルまたはアンテナであり、こうしたアンテナの境界外のレピータ(例えば、送信アンテナの充電領域の境界外へ信号を広げるための周辺アンテナ)として利用されるものではない。例えば、無線電力伝送システムのユーザは、内部レピータを有するシステムと、全部のコイルが送信装置の電気部品に結線されたシステムとの相違を、両システムが不透明な機械的ハウジング(筐体)内に収容されている限り知らないであろう。内部レピータは、単一無線送信アンテナ内での使用にとって有益であり得る、というのは、これらは、共通の有線信号源に接続されるより長い導線に関連する電磁妨害(EMI)を導入せずに、コイル用のより長い導線を可能にするからである。それに加えて、あるいはその代わりに、内部レピータの使用は、金属弾性及び/または均一度を無線送信アンテナ向けに改良するに当たり有益であり得る。
【0016】
内部レピータを有する一部のアンテナは、内側ターンと外側ターンとで電流の向きが交互するように構成することができる。従って、アンテナを左側から右側へ見る際に、及び上側から下側へ見る際に、共に、電流の向きはターン毎に逆になる。電流の向きを、横方向(左右方向)及び上下方向の両方において、ターン毎に逆にすることによって、最適な電磁界の均一性を維持することができる。電流の向きを、内側のターンと外側のターンとで逆にすることによって、横方向及び上下方向の両方において、上記アンテナの充電領域の全域を進行する受信アンテナは、上記アンテナから発する磁界により垂直に近く配置されることが、より多くなるであろう。従って、磁界に垂直な点で、受信アンテナが送信アンテナに最良に結合されるので、アンテナによって生成される充電領域は、全部のターンが共通の向きに電流を搬送する場合よりも、より大きな均一性を有するであろう。
【0017】
1つの大型のソースコイルではなく内部レピータコイルを利用することによって、EMIについての利点を理解することができる、というのは、ソースに接続された導線が短いほど、EMIの問題を軽減することができるからである。それに加えて、内部レピータコイルを利用することによって、前述した電流の向きの反転をより良好に実現することができ、このことは送信アンテナにおける均一性及び金属弾性を高める。
【0018】
一部の例では、回路基板へ延びる長い導線を経路設定することによるのではなく、レピータ調整システムを内部レピータコイル内に、あるいは内部レピータコイルに近接して配置する。こうした長い導線を省略することによって、製造の複雑性を低減することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、調整システムを内部レピータコイルの近くに保持することにより調整システムへの接続を短縮することによって、長い接続導線に関係するEMIの懸念を軽減することができる。
【0019】
一部の内部レピータベースのアンテナは、ターン間コンデンサを利用することができる。アンテナ内でのターン間コンデンサの使用は、寄生容量、または無線電力伝送の範囲外の静電容量(例えば、人間の手足または身体の生まれつきの静電容量)に対して、アンテナの感度を低下させることができる。従って、アンテナが発生する電磁界に導入された際に、ターン間コンデンサを含まないアンテナに比べると、アンテナがこうした寄生容量の影響をより受けにくくすることができる。ターン間コンデンサは、更に、それぞれのコイルの全体にわたってAC(alternating current:交流)信号の位相を維持するように調整することができ、従って、ターン間コンデンサの値は、システムの動作周波数、コイルの各ターンのインダクタンス、及び/またはそれぞれのコイルの連続導線の長さ、のうちの1つ以上に基づくことができる。ターン間コンデンサでコイル全体にわたって位相を維持することによって、過度または不所望な電界放射を軽減することができる、というのは、コイルの両端間で電圧の変動がより小さいからである。
【0020】
ターン間コンデンサは、電界放射を防止するように調整することができ、これにより、無線電力伝送システムは、法定の、または標準化団体ベースのガイドライン内で適切に動作することができる。例えば、ターン間コンデンサは、電界放射を低減するように調整することができ、これにより、無線伝送システムは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP:International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)が定める放射限界内での適切な動作が可能になる。
【0021】
内部レピータに関連するフィルタ回路を含めることにより、追加的なインピーダンスをシステムに導入することができ、このことは、アンテナの充電領域内の寄生容量に対する感度を更に低減することができる。
【0022】
従来から、無線電力伝送システムは、フェライトまたは他の磁気シールド材料を用いて、アンテナに近接した範囲内の金属構造によって生じる性能への悪影響からアンテナを遮蔽(シールド)してきた。しかし、フェライト材料は高価であり得るし、及び/または、無線電力伝送システム用の材料表に含まれると環境に大きな影響を与え得る。従って、金属メッシュ構造を、より費用効率が高い、よりスペース効率が高い、及び/またはより環境を意識した、フェライトまたは磁気シールド材料の代案として利用することができる。
【0023】
電力伝送範囲内の送信装置と受信装置との相対位置にかかわらず、高速かつ正確な帯域内通信を可能にする高感度の復調回路が望まれる。本明細書中に開示する無線電力送信装置の復調回路は、少なくとも部分的に、ASK(amplitude shift keying:振幅偏移変調)信号を、データ信号の立上り及び立下りエッジの警報に復号化または復調するために利用される回路である。送信コントローラが、ASK変調の符号化スキーマを適切に処理するようにプログラムされている限り、送信コントローラは、センシングシステムからの電流または電圧センス信号から直接、立上り及び立下りエッジを復号化するために必要であるよりも少ない計算リソースを展開するであろう。この目的で、送信コントローラが無線データ信号を復号化するために必要な計算リソースは、復調回路を含めることにより大幅に減少する。
【0024】
このことは、より安価で、より計算能力の低いプロセッサを、送信コントローラ用に、あるいは送信コントローラと共に使用することを可能にすることによって、復調回路用のBOM、及び無線伝送システム全体を大幅に縮小することができる。
【0025】
しかし、エッジ検出コーディングスキーム(符号化方式)の性能及び精度は、その大部分を、システムが信号勾配(スロープ)の変化を迅速かつ正確に検出する能力に依存する。更に、送信装置と受信装置との間の距離、及びこれらの装置の向きが動的に変化し得る環境では、受信した電力信号及び埋め込まれたデータ信号の大きさも動的に変化し得る。こうした状況は、以前は可読な信号を、識別するには不明瞭なものにすることがあり、あるいは以前は可読な信号を飽和させることがある。
【0026】
本発明の1つの態様による、無線電力伝送用のシステムを開示する。このシステムは、無線送信システム及び無線受信システムを含む。無線送信システムは、1つ以上の送信用電気部品を含み、1つ以上の送信用電気部品は、送信制御システム、送信同調システム、送信電力調整システム、送信センシングシステム、またはその構成要素のうちの1つ以上を含む。送信システムは送信アンテナを更に含み、送信アンテナは、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を、大きな充電領域内で送信するように構成され、大きな充電領域は、50ミリメートル(mm)~300mmの範囲内の長さ、及び150~500mmの範囲内の幅を有する。無線受信システムは、1つ以上の受信用電気部品を含み、1つ以上の受信用電気部品は、受信制御システム、受信同調システム、受信電力調整システム、受信センシングシステム、またはその構成要素のうちの1つ以上を含む。無線受信システムは受信アンテナを更に含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を、大きな充電領域内で受信するように構成されている。
【0027】
1つの改良では、送信アンテナが複数のアンテナ分子を含む。
【0028】
他の改良では、アンテナ分子の各々が、直線状に構成されたアンテナ分子である。
【0029】
更に他の改良では、アンテナ分子の各々がパズル形アンテナ分子である。
【0030】
更に他の改良では、複数のアンテナ分子が、互いに、及び1つ以上の送信用電気部品に、直列に電気接続されている。
【0031】
更に他の改良では、送信アンテナがソースコイルを更に含み、アンテナ分子が互いに直列に接続され、アンテナ分子は、ソースコイルから受信した無線電力信号及び無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている。
【0032】
更に他の改良では、アンテナ分子が、ソースアンテナ分子及び1つ以上のレピータアンテナ分子を含み、ソースアンテナ分子は1つ以上の送信用電気部品に直接接続され、レピータアンテナ分子は、ソースアンテナ分子から受信した無線電力信号または無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている。
【0033】
更に他の改良では、複数のアンテナ分子が、第1数のアンテナ分子及び第2数のアンテナ分子を含み、第1数のアンテナ分子と第2数のアンテナ分子との間の絶縁体を用いて、第1数のアンテナ分子が第2数のアンテナ分子から絶縁されている。
【0034】
1つの改良では、送信アンテナがソースコイル及び内部レピータコイルを含む。
【0035】
他の改良では、内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内部にレピータ調整システムを含む。
【0036】
更に他の改良では、ソースコイルが第1ターン間コンデンサを含み、内部レピータコイルが第2ターン間コンデンサを含む。
【0037】
更に他の改良では、内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内側ターンと外側ターンとの間に配置されたレピータフィルタを含む。
【0038】
更に他の改良では、送信システムが、少なくとも1つのセンサ、及び復調回路を含み、少なくとも1つのセンサは、内部レピータコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成されている。
【0039】
更に他の改良では、送信システムが、第1センサと、第1センサに関連する第1復調回路と、第2センサと、第2センサに関連する第2復調回路と、加算増幅器とを更に含み、第1センサは、ソースコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成され、第2センサは、内部レピータコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成され、加算増幅器は、第1復調回路の出力と第2復調回路の出力とを合計する。
【0040】
1つの改良では、送信システムが、送信アンテナの真下に配置された金属メッシュ構造を更に含む。
【0041】
1つの改良では、複数の受信コイルが内部レピータコイルを含む。
【0042】
1つの改良では、複数の受信コイルが複数の多角形受信コイルである。
【0043】
1つの改良では、受信システムが複数の整流器を含み、複数の整流器の各々は、複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する。
【0044】
1つの改良では、受信システムが複数の変調回路を更に含み、複数の変調回路の各々は、複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する。
【0045】
本発明の他の態様による、無線電力伝送用に構成されたアンテナを開示する。このアンテナは第1アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子は第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0046】
1つの改良では、上記アンテナが第2アンテナ分子を更に含み、第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0047】
他の改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが部分的にオーバーラップする。
【0048】
更に他の改良では、第1ソースコイル原子と第2ソースコイル原子とが部分的にオーバーラップし、1つ以上の第1接続コイル原子の各々が、1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つと部分的にオーバーラップする。
【0049】
更に他の改良では、上記アンテナが第3アンテナ分子を更に含み、第3アンテナ分子は第3連続導線で形成され、第3連続導線は第3始点分子端子から第3終点分子端子まで延び、第3連続導線は第3数のコイル原子を規定するように構成されている。第3数のコイル原子は、第3ソースコイル原子、及び第3ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第3接続コイル原子を含み、1つ以上の第3接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第3ソースコイル原子及び1つ以上の第3接続コイル原子の各々は、第3ソースコイル原子、または1つ以上の第3接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0050】
更に他の改良では、第2アンテナ分子と第3アンテナ分子とが部分的にオーバーラップする。
【0051】
更に他の改良では、第2ソースコイル原子と第3ソースコイル原子とが部分的にオーバーラップし、1つ以上の第2接続コイル原子の各々が、1つ以上の第3接続コイル原子のうちの1つと部分的にオーバーラップする。
【0052】
更に他の改良では、第1アンテナ分子と第3アンテナ分子とがオーバーラップしない。
【0053】
1つの改良では、第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々が、最内周ターン及び最外周ターンを有する。
【0054】
他の改良では、1つ以上の第1接続コイル原子の各々が旋回軸を含み、この旋回軸は、1つ以上の接続コイル原子のうちの1つの最内周ターンを、第1コイル原子、または1つ以上の接続コイル原子のうちの他の1つ、の一方の最外周ターンに接続する。
【0055】
1つの改良では、導線が、ほぼ連続した直線部分を、第1コイル原子及び1つ以上の接続コイル原子の各々の第1外側部分上に含む。
【0056】
本発明の更に他の態様による、無線電力送信システムを開示する。このシステムは、送信コントローラと、電力調整システムと、送信同調システムと、送信アンテナとを含む。送信アンテナは、送信コントローラ、電力調整システム、及び送信同調システムと動作的に関連し、複数のアンテナ分子を含み、各アンテナ分子は連続導線で形成され、連続導線は始点分子端子から終点分子端子まで延び、連続導線は複数のコイル原子を規定するように形成されている。複数のコイル原子は、ソースコイル原子、及びソースコイル原子に電気接続された1つ以上の接続コイル原子を含み、ソースコイル原子は、始点分子端子及び終点分子端子に電気接続され、1つ以上の接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。ソースコイル原子及び1つ以上の接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0057】
1つの改良では、複数のコイル分子の各々が、複数のコイル分子の少なくとも1つの他のものと部分的にオーバーラップする。
【0058】
1つの改良では、各ソースコイル原子、及び1つ以上の接続コイル原子の各々が、最内周ターン及び最外周ターンを含む。
【0059】
他の改良では、1つ以上の接続コイル原子の各々が旋回軸を含み、この旋回軸は、1つ以上の接続コイル原子のうちの1つの最内周ターンを、ソースコイル原子、または1つ以上の接続コイル原子のうちの他の1つ、の一方の最外周ターンに接続する。
【0060】
1つの改良では、導線が、ほぼ連続した直線部分を、ソースコイル原子及び1つ以上の接続コイル原子の各々の第1外側部分上に含む。
【0061】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用に構成されたアンテナを開示する。このアンテナは、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含む。第1アンテナ分子は第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子、及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子、及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。1つ以上の第1接続コイル原子の各々、及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも、最内周ターン、最外周ターン、及び旋回軸を含み、この旋回軸は、1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つの最内周ターンを、他のコイル原子の最外周ターンに接続する。
【0062】
1つの改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが部分的にオーバーラップする。
【0063】
1つの改良では、アンテナが約150mm~約500mmの範囲内の幅を有する。
【0064】
他の改良では、アンテナが約50mm~約350mmの範囲内の長さを有する。
【0065】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用に構成されたアンテナを開示する。このアンテナは、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含む。第1アンテナ分子は第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成する。第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含む。第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含む。第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含む。第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0066】
1つの改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0067】
1つの改良では、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0068】
1つの改良では、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0069】
1つの改良では、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0070】
1つの改良では、第1コイル原子が第1最内周ターン及び第1最外周ターンを含み、第2コイル原子が第2最内周ターン及び第2最外周ターンを含み、第1導線が、第1端子を始点として、第1及び第2最外周ターンに沿って延び、次に第1及び第2最内周ターンを形成するように延びる。
【0071】
他の改良では、第3コイル原子が第3最内周ターン及び第3最外周ターンを含み、第4コイル原子が第4最内周ターン及び第4最外周ターンを含み、第2導線が、第1端子を始点として、第3及び第4最外周ターンに沿って延び、次に第3及び第4最内周ターンを形成するように延びる。
【0072】
更に他の改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0073】
本発明の更に他の態様による、無線電力送信システムを開示する。この無線電力送信システムは、送信コントローラと、電力調整システムと、送信同調システムと、送信アンテナとを含む。送信アンテナは、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含む。第1アンテナ分子は第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成する。第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含む。第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含む。第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含む。第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0074】
1つの改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0075】
1つの改良では、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0076】
1つの改良では、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0077】
1つの改良では、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0078】
1つの改良では、第1コイル原子が第1最内周ターン及び第1最外周ターンを含み、第2コイル原子が第2最内周ターン及び第2最外周ターンを含み、第1導線が、第1端子を始点として、第1及び第2最外周ターンに沿って延び、次に第1及び第2最内周ターンを形成するように延びる。
【0079】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用に構成されたアンテナを開示する。このアンテナは、複数の第1アンテナ分子及び複数の第2アンテナ分子を含む。複数の第1アンテナ分子の各々は、第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。複数の第2アンテナ分子の各々は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。1つ以上の第1接続コイル原子の各々、及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも、最内周ターン、最外周ターン、及び旋回軸を含み、この旋回軸は、1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つの最内周ターンを、他のコイル原子の最外周ターンに接続する。
【0080】
1つの改良では、複数の第1アンテナ分子の各々、及び複数の第2アンテナ分子の各々が、パズル形の分子である。
【0081】
1つの改良では、複数の第1アンテナ分子がX個の第1アンテナ分子を含み、複数の第2アンテナ分子がY個の第2アンテナ分子を含み、XとYとは等しい整数である。
【0082】
1つの改良では、各第1原子が第1最内周ターン及び第1最外周ターンを含み、各第2原子が第2最内周ターン及び第2最外周ターンを含み、第1導線の各々が、第1端子を始点とし、第1及び第2最外周ターンに沿って延び、次に第1及び第2最内周ターンを形成するように延びる。
【0083】
1つの改良では、上記アンテナが、約150mm~約500mmの範囲内の幅を有する。
【0084】
他の改良では、上記アンテナが、約50mm~約350mmの範囲内の長さを有する。
【0085】
本発明の更に他の改良による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナはソースアンテナ分子を含み、ソースアンテナ分子は、無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品への有線電気接続用に構成されている。このアンテナは、1つ以上の接続アンテナ分子を更に含み、これらの接続アンテナ分子は、有線の直列電気接続により、ソースアンテナ分子に、及び互いに接続され、ソースアンテナ分子及び1つ以上の接続アンテナ分子の各々は、ソースアンテナ分子及び1つ以上の接続アンテナ分子のうちの他のものと、少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0086】
1つの改良では、上記アンテナが少なくとも1つのコンデンサを更に含み、これらのコンデンサは、ソースアンテナ分子と1つ以上の接続アンテナ分子との間に直列に接続され、少なくとも1つのコンデンサは、ソースアンテナ分子と1つ以上の接続アンテナ分子とのバランスを維持するように構成されている。
【0087】
他の改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが複数のコンデンサを含み、複数のコンデンサの各々は、ソースアンテナ分子、及び1つ以上の接続アンテナ分子のうちの1つ、のうちの2つの間に、電気的に直列に配置されている。
【0088】
1つの改良では、ソースアンテナ分子が第1アンテナ分子であり、1つ以上の接続アンテナ分子が第2アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とは直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0089】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0090】
更に他の改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが、第1始点分子端子、第1終点分子端子、第2始点分子端子、及び第2終点分子端子を介して直列に電気接続されている。
【0091】
1つの改良では、ソースアンテナ分子が第1アンテナ分子であり、1つ以上の接続アンテナ分子が第2アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子は、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0092】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子及び第2アンテナ分子の対角線のほぼ延長線上に配置され、第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0093】
他の改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0094】
本発明の更に他の態様では、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムはソースアンテナ分子を更に含み、ソースアンテナ分子は、無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品への有線電気接続用に構成されている。このシステムは1つ以上の接続アンテナ分子を更に含み、これらの接続アンテナ分子は、有線の直列電気接続により、ソースアンテナ分子に、及び互いに接続され、ソースアンテナ分子及び1つ以上の接続アンテナ分子の各々は、ソースアンテナ分子及び1つ以上の接続アンテナ分子の他のものと、少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0095】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が送信制御システムを含む。
【0096】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が電力調整システムを含む。
【0097】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が送信同調システムを含む。
【0098】
1つの改良では、上記システムが、ソースアンテナ分子と1つ以上の接続アンテナ分子との間に直列に接続された少なくとも1つのコンデンサを更に含み、少なくとも1つのコンデンサは、ソースアンテナ分子と1つ以上の接続アンテナ分子との位相バランスを維持するように構成されている。
【0099】
他の改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが複数のコンデンサを含み、複数のコンデンサの各々は、ソースアンテナ分子と、1つ以上の接続アンテナ分子のうちの1つとの間に電気的に直列に配置されている。
【0100】
1つの改良では、ソースアンテナ分子が第1アンテナ分子であり、1つ以上の接続アンテナ分子が第2アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子は直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0101】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子、及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子、及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0102】
1つの改良では、ソースアンテナ分子が第1アンテナ分子であり、1つ以上の接続アンテナ分子が第2アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子は、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0103】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は、第1コイル原子及び第2アンテナ分子の対角線のほぼ延長線上に配置され、第2分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は、第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0104】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナはソースアンテナコイルを含み、ソースアンテナコイルは、無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品に電気接続されるように構成されている。このアンテナは少なくとも1つのアンテナ分子を更に含み、これらのアンテナ分子は、ソースアンテナコイル、及び無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品から独立し、少なくとも1つのアンテナ分子は、無線電力伝送用のレピータとして構成され、少なくとも1つのアンテナ分子は、無線電力信号をソースコイルから受信して、中継無線電力信号を送信するように構成されている。
【0105】
1つの改良では、少なくとも1つのアンテナ分子が、無線電力を、中継無線電力信号により無線受信システムへ送信するように構成されている。
【0106】
1つの改良では、少なくとも1つのアンテナ分子が第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含み、第1アンテナ分子は有線接続により第2アンテナ分子に接続され、この有線接続は並列電気接続である。
【0107】
他の改良では、第1及び第2アンテナ分子が直線状に配置されたアンテナ分子である。
【0108】
更に他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを含む。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0109】
更に他の改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが、第1始点分子端子、第1終点分子端子、第2始点分子端子、及び第2終点分子端子を通して並列に電気接続されている。
【0110】
更に他の改良では、第1及び第2アンテナ分子が、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0111】
更に他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は、第1コイル原子及び第2アンテナ分子の対角線のほぼ延長線上に配置され、第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0112】
更に他の改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0113】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは1つ以上の電気部品を含み、これらの電気部品は、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムはソースアンテナコイルをさらに含み、ソースアンテナコイルは、1つ以上の電気部品のうちの少なくとも1つに有線電気接続されている。このシステムは少なくとも1つのアンテナ分子を更に含み、これらのアンテナ分子は、ソースアンテナコイル、及び無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品から独立し、少なくとも1つのアンテナ分子は無線電力伝送用のレピータとして構成され、少なくとも1つのアンテナ分子は、無線電力信号をソースコイルから受信して、中継された無線電力信号を送信するように構成されている。
【0114】
1つの改良では、このシステムが基板を更に含み、この基板上に1つ以上の電気部品及びソースアンテナコイルが配置されている。
【0115】
1つの改良では、1つ以上の電気部品が送信制御システムを含む。
【0116】
1つの改良では、1つ以上の電気部品が電力調整システムを含む。
【0117】
1つの改良では、1つ以上の電気部品が送信同調システムを含む。
【0118】
本発明の更に他の態様では、無線電力伝送システムを製造する方法を開示する。この方法は、無線電力伝送システムの複数の電気部品を基板上に製造し、これらの電気部品にソースアンテナコイルを接続することによって、これら複数の電気部品を接続するステップを含む。この方法は、ソースアンテナコイルを少なくとも1つのアンテナ分子に近接して配置して、ソースアンテナコイルと少なくとも1つのアンテナ分子とを近接場磁気誘導により無線電気接続することができるようにするステップを更に含み、少なくとも1つのアンテナ分子は、ソースアンテナコイル、及び無線電力伝送システムの電気部品から独立し、少なくとも1つのアンテナ分子は、無線電力伝送用のレピータとして構成され、少なくとも1つのアンテナ分子は、無線電力信号をソースコイルから受信して、中継無線電力信号を送信するように構成されている。
【0119】
1つの改良では、この方法が、ソースアンテナコイルを基板上に配置するステップを更に含み、ソースアンテナコイルを電気部品に接続するステップを、基板上の電気接続により実現する。
【0120】
1つの改良では、この方法が、複数の電気部品及びソースアンテナコイルを収容するための第1の機械的ハウジングを形成し、少なくとも1つのアンテナ分子を収容するための第2の機械的ハウジングを形成するステップを更に含む。
【0121】
他の改良では、ソースアンテナコイルを少なくとも1つのアンテナ分子に近接して配置するステップが、第1の機械的ハウジングと第2の機械的ハウジングとを機械的に接続して、少なくとも1つのアンテナ分子を近接場磁気誘導により無線電気接続することができるようにするステップを含む。
【0122】
1つの改良では、上記方法が、少なくとも1つのアンテナ分子を形成するステップを含む。
【0123】
他の態様では、複数の電気部品を接続するステップ、及びソースアンテナコイルを電気部品に接続するステップを第1の場所で実行し、少なくとも1つのアンテナ分子を形成するステップを第2の場所で実行し、ソースアンテナコイルを少なくとも1つのアンテナ分子に近接して配置するステップを第3の場所で実行する。
【0124】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、無線電力伝送システムの1つ以上の電気部品への有線電気接続用に構成されたソースアンテナ分子を含む。このアンテナは、ソースアンテナ分子から独立した2つ以上のレピータアンテナ分子を更に含み、これら2つ以上のアンテナ分子は、有線の並列電気接続により互いに接続され、これら2つ以上のアンテナ分子は、無線電力伝送用のレピータとして構成され、無線電力信号をソースコイルから受信して、中継無線電力信号を送信するように構成されている。
【0125】
1つの改良では、少なくとも1つのアンテナ分子が、上記中継無線電力信号により、無線電力を無線受信システムへ送信するように構成されている。
【0126】
1つの改良では、上記2つ以上のアンテナ分子が第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含み、第1及び第2アンテナ分子は直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0127】
1つの改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、及び1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。更に他の改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが、第1始点分子端子、第1終点分子端子、第2始点分子端子、及び第2終点分子端子を通して、直列に電気接続されている。
【0128】
1つの改良では、2つ以上のアンテナ分子が第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含み、第1及び第2アンテナ分子は、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0129】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子及び第2アンテナ分子の対角線のほぼ延長線上に配置され、第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0130】
更に他の改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0131】
1つの改良では、ソースアンテナ分子と2つ以上のレピータアンテナ分子との組合せが、約50mm~約350mmの長さ、及び約150mm~約500mmの幅を有するように組み合わさっている。
【0132】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは1つ以上の電気部品を含み、これらの電気部品は、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成されている。このシステムは、ソースアンテナ分子から独立した2つ以上のレピータアンテナ分子を含み、2つ以上のレピータアンテナ分子は、有線の並列電気接続により互いに接続され、2つ以上のレピータアンテナ分子は、無線電力伝送用のレピータとして構成され、無線電力信号をソースコイルから受信して、中継無線電力信号を送信するように構成されている。
【0133】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が送信制御システムを含む。
【0134】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が電力調整システムを含む。
【0135】
1つの改良では、上記1つ以上の電気部品が送信同調システムを含む。
【0136】
1つの改良では、少なくとも1つのアンテナ分子が、無線電力を、中継無線電力信号により無線受信システムへ送信するように構成されている。
【0137】
1つの改良では、2つ以上のアンテナ分子が第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含み、第1及び第2アンテナ分子は直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0138】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は、第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は。第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成されている。第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有する。第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0139】
他の改良では、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが、第1始点分子端子、第1終点分子端子、第2始点分子端子、及び第2終点分子端子を通して直列に電気接続されている。
【0140】
1つの改良では、2つ以上のアンテナ分子が第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子を含み、第1及び第2アンテナ分子は、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0141】
1つの改良では、第1アンテナ分子が第1連続導線で形成され、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成されている。第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は、第1コイル原子及び第2アンテナ分子の対角線のほぼ延長線上に配置され、第2アンテナ分子は第2連続導線で形成され、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0142】
他の改良では、第1コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第3コイル原子と第2コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第1コイル原子と第3コイル原子とが部分的にオーバーラップし、第2コイル原子と第4コイル原子とが部分的にオーバーラップする。
【0143】
本発明の更に他の態様による、無線電力の送信または受信用のアンテナを製造する方法を開示する。この方法は、第1アンテナ分子を第1面上に配置するステップであって、第1面は誘電材料を具えるステップと、第2アンテナ分子を第2面上に配置するステップとを含む。この方法は、誘電材料が第1アンテナ分子と第2アンテナ分子との間に配置され、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが部分的にオーバーラップするように、第1面及び第2面を配置するステップを更に含む。
【0144】
1つの改良では、誘電材料がポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)シートである。
【0145】
1つの改良では、第2面が第2誘電材料を具えている。
【0146】
他の改良では、第1アンテナ分子が第1誘電材料内に配置され、第2アンテナ分子が第2誘電材料内に配置されている。
【0147】
1つの改良では、第1アンテナ分子を配置するステップが、第1連続導線を第1面に近接して巻回することによって第1連続導線を配置するステップと、第2連続導線を第2面に近接して巻回することによって第2連続導線を配置するステップとを含む。
【0148】
他の改良では、第1連続導線を第1面に近接して配置するように構成された材料配置機によって第1連続導線の巻回を実行し、第2連続導線を第2面に近接して配置するように構成された材料配置機によって第2連続導線の巻回を実行する。
【0149】
1つの改良では、第1アンテナ分子及び第2アンテナ分子が直線状に配列されている。
【0150】
他の改良では、第1アンテナ分子を配置するステップが第1連続導線を配置するステップを含み、第1連続導線は第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成され、第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1連続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有し、第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2アンテナ分子を配置するステップは第2連続導線を配置するステップを含み、第2連続導線は第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は、第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有し、第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0151】
1つの改良では、第1及び第2アンテナ分子が、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0152】
他の改良では、第1アンテナ分子を配置するステップが第1連続導線を配置するステップを含み、第1連続導線は第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線は第1数のコイル原子を規定するように形成され、第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第2アンテナ分子を配置するステップは第2連続導線を配置するステップを含み、第2連続導線は第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線は第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1面及び第2面を配置するステップは、第1アンテナ分子と第2アンテナ分子とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成するように実行し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0153】
本発明の更に他の態様による、無線電力の送信及び受信用のアンテナを製造する方法を開示する。この方法は、第1数のアンテナ分子を第1面上に配置するステップと、第2数のアンテナ分子を第2面上に配置するステップとを含み、第1面は誘電材料を具えている。この方法は、誘電材料が第1数のアンテナ分子と第2数のアンテナ分子との間に配置され、第1数のアンテナ分子の各々が、第2数のアンテナ分子のうちの少なくとも1つとオーバーラップするように、第1面及び第2面を配置するステップを更に含む。
【0154】
1つの改良では、誘電材料がポリエチレンテレフタレート(PET)シートである。
【0155】
1つの改良では、第2面が第2誘電体材料を具えている。
【0156】
他の改良では、第1数のアンテナ分子が第1誘電体材料内に配置され、第2数のアンテナ分子が第2誘電体材料内に配置されている。
【0157】
1つの改良では、第1数のアンテナ分子を配置するステップが、第1数の連続導線を第1面に近接して巻回することによって第1数の連続導線を配置するステップを含み、第2数のアンテナ分子を配置するステップが、第2数の連続導線を第2面に近接して配置することによって第2数の連続導線を配置するステップを含む。
【0158】
他の改良では、第1数の連続導線を第1面に近接して配置するように構成された材料配置機によって第1数の連続導線の巻回を実行し、第2数の連続導線を第2面に近接して配置するように構成された材料配置機によって第2数の連続導線の巻回を実行する。
【0159】
1つの改良では、第1数のアンテナ分子及び第2数のアンテナ分子が直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0160】
他の改良では、第1数のアンテナ分子を配置するステップが、第1数の連続導線を配置するステップを含み、第1数の連続導線の各々が、第1始点分子端子から第1終点分子端子まで延び、第1連続導線の各々が第1数のコイル原子を規定するように形成され、第1数のコイル原子は、第1ソースコイル原子、及び第1ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第1接続コイル原子を含み、第1ソースコイル原子は第1始点分子端子及び第1終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有し、第1ソースコイル原子及び1つ以上の第1接続コイル原子の各々は、第1ソースコイル原子、または1つ以上の第1接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。第2数のアンテナ分子を配置するステップは、第2数の連続導線を配置するステップを含み、第2数の連続導線の各々が、第2始点分子端子から第2終点分子端子まで延び、第2連続導線の各々が第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は、第2ソースコイル原子、及び第2ソースコイル原子に電気接続された1つ以上の第2接続コイル原子を含み、第2ソースコイル原子は第3始点分子端子及び第2終点分子端子に電気接続され、1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、少なくとも最外周ターンを有し、第2ソースコイル原子及び1つ以上の第2接続コイル原子の各々は、第2ソースコイル原子、または1つ以上の第2接続コイル原子のうちの1つ、の一方と部分的にオーバーラップする。
【0161】
1つの改良では、第1数のアンテナ分子及び第2数のアンテナ分子が、互いに対してパズル形の配置を有する。
【0162】
他の改良では、第1数のアンテナ分子を配置するステップが、第1数の連続導線を配置するステップを含み、第1数の連続導線の各々が第1分子端子から第2分子端子まで延び、第1連続導線の各々が第1数のコイル原子を規定するように形成され、第1数のコイル原子は第1コイル原子及び第2コイル原子を含み、第2コイル原子は第1コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第2数のアンテナ分子を配置するステップは、第2数の連続導線を配置するステップを含み、第2数の連続導線の各々が第3分子端子から第4分子端子まで延び、第2連続導線の各々が第2数のコイル原子を規定するように形成され、第2数のコイル原子は第3コイル原子及び第4コイル原子を含み、第4コイル原子は第3コイル原子の対角線のほぼ延長線上に配置されている。第1面及び第2面を配置するステップは、第1数のアンテナ分子の各々と第2数のアンテナ分子の各々とが重なり合って、第1原子行及び第2原子行を形成し、第1原子列及び第2原子列を形成するように実行し、第1原子行は第1コイル原子及び第4コイル原子を含み、第2原子行は第3コイル原子及び第2コイル原子を含み、第1原子列は第1コイル原子及び第3コイル原子を含み、第2原子列は第4コイル原子及び第2コイル原子を含む。
【0163】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。
【0164】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向の各々が、時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0165】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0166】
他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成されている。
【0167】
1つの改良では、上記アンテナがレピータ調整システムを更に含み、レピータ調整システムはレピータ調整コンデンサを含む。
【0168】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、略長方形の形状を形成する。
【0169】
他の改良では、略長方形の形状が、丸みを帯びたエッジを含む。
【0170】
更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが行方向に配向されている。
【0171】
更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが列方向に配向されている。
【0172】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムは、第1導線で構成されるソースコイルを更に含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、第1導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このシステムは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。ソースコイルは、1つ以上の電気部品が発生する無線電力信号を内部レピータコイル及び無線受信システムへ無線送信するように構成され、内部レピータコイルは、無線電力信号を受信して、中継無線電力信号を無線受信システムへ送信するように構成され、中継無線電力信号は、受信した無線電力信号に基づく。
【0173】
1つの改良では、1つ以上の電気部品が送信制御システムを含む。
【0174】
1つの改良では、1つ以上の電気部品が電力調整システムを含む。
【0175】
1つの改良では、第1ソース方向及び第2ソース方向が、時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0176】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0177】
他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成されている。
【0178】
他の改良では、上記システムがレピータ調整システムを更に含み、レピータ調整システムはレピータ調整コンデンサを含む。
【0179】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1数の外側ターン及び第1数の内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1数の外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1数の内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1数の外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1数の内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン及び第2数の内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン内及び第2数の内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2数の外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2数の内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。
【0180】
1つの改良では、第1数の外側ターンが2つのターンを含み、第2数の内側ターンが2つのターンを含む。
【0181】
他の改良では、第1数の内側ターンが3つのターンを含み、第2数の内側ターンが3つのターンを含む。
【0182】
更に他の改良では、第1数のターンが、第1ターン、第2ターン、及び第3ターンを含み、第1ターンと第2ターンとの間には第1ギャップ幅があり、第2ターンと第3ターンとの間には第2ギャップ幅があり、第2ギャップ幅は第1ギャップ幅よりも大きく、第2数のターンが、第4ターン、第5ターン、及び第6ターンを含み、第4ターンと第5ターンとの間には第3ギャップ幅があり、第5ターンと第6ターンとの間には第4ギャップ幅があり、第4ギャップ幅は第3ギャップ幅よりも大きい。
【0183】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このアンテナはレピータ調整システムを更に含み、レピータ調整システムは、第2外側ターンの始点及び第2内側ターンの終点に電気接続され、レピータ調整システムは第2外側ターンの内側に配置されている。
【0184】
1つの改良では、レピータ調整システムが、内部レピータコイルを調整するための少なくとも1つのコンデンサを含む。
【0185】
他の改良では、少なくとも1つのコンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置され、この基板は第2外側ターンの内側に配置されている。
【0186】
更に他の改良では、少なくとも1つのコンデンサがインターディジテイテッド(インターディジテッド、インターディジット)形(互い違いに入り込んだ形の)コンデンサである。
【0187】
更に他の改良では、インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置され、この基板は第2外側ターンの内側に配置されている。
【0188】
更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成され、インターディジテイテッド形コンデンサが、第2外側ターンによって規定される周囲内に存在する機械的ハウジングの誘電体表面上に配置されている。
【0189】
他の改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが、第2外側ターンの内側に半径方向に、かつ第2内側ターンの外側に半径方向に配置されている。
【0190】
更に他の改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが、第2内側ターンの内側に半径方向に配置されている。
【0191】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向が、時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0192】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0193】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムは、第1導線で構成されるソースコイルを更に含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンに関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通り第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このシステムは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このシステムは、第2外側ターンの始点及び第2内側ターンの終点に電気接続されたレピータ調整システムを更に含み、レピータ調整システムは第2外側ターンの内側に配置されている。ソースコイルは、上記1つ以上の電気部品が発生する無線電力信号を、内部レピータコイル及び無線受信システムへ無線送信するように構成され、内部レピータコイルは、無線電力信号を受信し、中継無線電力信号を無線受信システムへ送信するように構成され、中継無線電力信号は、受信した無線電力信号に基づく。
【0194】
1つの改良では、レピータ調整システムが、内部レピータコイルを調整するための少なくとも1つのコンデンサを含む。
【0195】
他の改良では、少なくとも1つのコンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置され、この基板は第2外側ターンの内側に配置されている。
【0196】
他の改良では、少なくとも1つのコンデンサがインターディジテイテッド形コンデンサである。
【0197】
更に他の改良では、インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置され、この基板は第2外側ターンの内側に配置されている。
【0198】
また更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成され、インターディジテイテッド形コンデンサが、第2外側ターンによって定められる周囲内に存在する機械的ハウジングの誘電体表面上に配置されている。
【0199】
1つの改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが、第2外側ターンの内側に半径方向に、かつ第2内側ターンの外側に半径方向に配置されている。
【0200】
1つの改良では、上記少なくとも1つのコンデンサが、第2内側ターンの内側に半径方向に配置されている。
【0201】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1数の外側ターン及び第1数の内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1数の外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1数の内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1数の外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1数の内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン及び第2数の内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン内及び第2数の内側ターン内に電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2数の外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2数の内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このアンテナは、第2数の外側ターンの始点及び第2数の内側ターンの終点に電気接続されたレピータ調整システムを含み、レピータ調整システムは第2数の外側ターンの内側に配置されている。
【0202】
1つの改良では、第1数の外側ターンが2つのターンを含み、第2数の外側ターンが2つのターンを含み、第1数の内側ターンが3つのターンを含み、第2数の内側ターンが3つのターンを含む。
【0203】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンにレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このアンテナは、第1外側ターンと第1内側ターンとの間に電気接続されたソース・ターン間コンデンサ、及び第2外側ターンと第2内側ターンとの間に電気接続されたレピータ・ターン間コンデンサを更に含む。
【0204】
1つの改良では、ソース・ターン間コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置されている。
【0205】
他の改良では、基板が第1外側ターンの内側に配置されている。
【0206】
1つの改良では、レピータ・ターン間コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した基板上に配置されている。
【0207】
他の改良では、基板が第2外側ターンの内側に配置されている。
【0208】
1つの改良では、ソース・ターン間コンデンサが第1インターディジテイテッド形コンデンサであり、レピータ・ターン間コンデンサが第2インターディジテイテッド形コンデンサである。
【0209】
他の改良では、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第1基板上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第2基板上に配置されている。
【0210】
更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成され、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、第1外側ターンによって定められる周囲内に存在する機械的ハウジングの第1誘電体表面上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、第2外側ターンによって定められる周囲内に存在する機械的ハウジングの第2誘電体表面上に配置されている。
【0211】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向が、時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0212】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0213】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムは、第1導線で構成されるソースコイルを更に含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置されている。このシステムは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このシステムは、第1外側ターンと第1内側ターンとの間に電気接続されたソース・ターン間コンデンサ、及び第2外側ターンと第2内側ターンとの間に電気接続されたレピータ・ターン間コンデンサを更に含む。ソースコイルは、1つ以上の電気部品が発生する無線電力信号を内部レピータコイル及び無線受信システムへ送信するように構成され、内部レピータコイルは、無線電力信号を受信して、中継無線電力信号を無線受信システムへ送信するように構成され、中継無線電力信号は受信した無線電力信号に基づく。
【0214】
1つの改良では、ソース・ターン間コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第1基板上に配置され、レピータ・ターン間コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第2基板上に配置されている。
【0215】
他の改良では、第1基板が第1外側ターンの内側に配置され、第2基板が第2外側ターンの内側に配置されている。
【0216】
1つの改良では、ソース・ターン間コンデンサが第1インターディジテイテッド形コンデンサであり、レピータ・ターン間コンデンサが第2インターディジテイテッド形コンデンサである。
【0217】
他の改良では、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第1基板上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第2基板上に配置されている。
【0218】
更に他の改良では、ソースコイル及び内部レピータコイルが、共通の機械的ハウジング内に収容されるように構成され、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、第1外側ターンによって定められる周囲内に存在する機械的ハウジングの第1誘電体表面上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、第2外側ターンによって定められる周囲内に存在する機械的ハウジングの第2誘電体表面上に配置されている。
【0219】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向が時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0220】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0221】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1数の外側ターン及び第1数の内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1数の内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1数の外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1数の内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン及び第2数の内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2数の外側ターン内及び第2数の内側ターン内にレピータ連流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2数の外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2数の内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このアンテナは、第1数の外側ターンと第1数の内側ターンとの間に電気接続されたソース・ターン間コンデンサ、及び第2数の外側ターンと第2数の内側ターンとの間に電気接続されたレピータ・ターン間コンデンサを更に含む。
【0222】
1つの改良では、第1数の外側ターンが2つのターンを含み、第2数の外側ターンが2つのターンを含み、第1数の内側ターンが3つのターンを含み、第2数の内側ターンが3つのターンを含む。
【0223】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送用のアンテナを開示する。このアンテナは、第1導線で構成されるソースコイルを含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このアンテナは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このアンテナは、第2外側ターンの始点と第2内側ターンの終点との間に接続されたレピータフィルタ回路を更に含み、レピータフィルタ回路は、LCフィルタを具えてフィルタ・インピーダンスを内部レピータコイルに導入する。
【0224】
1つの改良では、レピータフィルタ回路がインダクタ及びコンデンサを含む。
【0225】
他の改良では、レピータフィルタ回路が、電磁妨害(EMI)をフィルタ処理で除去するように構成されている。
【0226】
1つの改良では、このアンテナがレピータ調整システムを更に含み、レピータフィルタ回路は、レピータ調整システムと直列に、第2外側ターンの始点と第2内側ターンの終点との間に接続されている。
【0227】
1つの改良では、レピータフィルタ回路のフィルタ・インピーダンスが、寄生容量に対する内部レピータコイルの感度を低減するように設定されている。
【0228】
1つの改良では、このアンテナが、第1外側ターンと第1内側ターンとの間に電気接続されたソース・ターン間コンデンサ、及び第2外側ターンと第2内側ターンとの間に電気接続されたレピータ・ターン間コンデンサを更に含む。
【0229】
更に他の改良では、ソース・ターン間コンデンサが第1インターディジテイテッド形コンデンサであり、レピータ・ターン間コンデンサが第2インターディジテイテッド形コンデンサである。
【0230】
更に他の改良では、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第1基板上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第2基板上に配置されている。
【0231】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向が、時計回り及び反時計回りの一方である。
【0232】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0233】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の1つ以上の電気部品を含む。このシステムは、第1導線で構成されるソースコイルを更に含み、ソースコイルは、第1外側ターン及び第1内側ターンを含み、ソースコイルは、無線電力伝送用の1つ以上の電子部品に接続されるように構成され、第1導線は、第1外側ターンの始点に関連する第1ソース端子から始まり、この導線は、第1内側ターンの終点に関連する第2ソース端子で終わり、第1導線は、ソース電流が、第1外側ターンを通る第1ソース方向、及び第1内側ターンを通る第2ソース方向に流れるように配置され、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。このシステムは、第2導線で構成される内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン及び第2内側ターンを含み、内部レピータコイルは、第2外側ターン内及び第2内側ターン内にレピータ電流を誘導するように構成され、第2導線は、レピータ電流が、第2外側ターンを通る第1レピータ方向、及び第2内側ターンを通る第2レピータ方向に流れるように配置され、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。このシステムは、第2外側ターンの始点と第2内側ターンの終点との間に接続されたレピータフィルタ回路を更に含み、レピータフィルタ回路は、LCフィルタを具えてフィルタ・インピーダンスを内部レピータコイルに導入する。
【0234】
1つの改良では、レピータフィルタ回路がインダクタ及びコンデンサを含む。
【0235】
他の改良では、レピータフィルタ回路が、電磁妨害(EMI)をフィルタ処理で除去するように構成されている。
【0236】
1つの改良では、このシステムがレピータ調整システムを更に含み、レピータフィルタ回路は、レピータ調整システムと直列に、第2外側ターンの始点と第2内側ターンの終点との間に接続されている。
【0237】
1つの改良では、レピータフィルタ回路のフィルタ・インピーダンスが、寄生容量に対する内部レピータコイルの感度を低減するように設定されている。
【0238】
1つの改良では、このシステムが、第1外側ターンと第1内側ターンとの間に電気接続されたソース・ターン間コンデンサ、及び第2外側ターンと第2内側ターンとの間に電気接続されたレピータ・ターン間コンデンサを更に含む。
【0239】
1つの改良では、ソース・ターン間コンデンサが第1インターディジテイテッド形コンデンサであり、レピータ・ターン間コンデンサが第2インターディジテイテッド形コンデンサである。
【0240】
他の改良では、第1インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第1基板上に配置され、第2インターディジテイテッド形コンデンサが、上記1つ以上の電子部品から独立した第2基板上に配置されている。
【0241】
1つの改良では、第1ソース方向及び第1レピータ方向が、時計回りまたは反時計回りの一方である。
【0242】
1つの改良では、ソースコイルと内部レピータコイルとが組み合わさって、単一の送信アンテナを形成する。
【0243】
本発明の更に他の態様による、無線電力伝送システムを開示する。このシステムは、無線電力伝送及び無線データ伝送の一方または両方用の信号を発生するように構成された1つ以上の電気部品を含む。このシステムは無線電力送信アンテナを更に含み、無線電力送信アンテナは1つ以上の導線を含み、1つ以上の導線の各々は、無線電力送信アンテナの1つ以上のコイルを具えるように形成されている。このシステムは金属メッシュ構造を更に含み、この金属メッシュ構造は、無線電力送信アンテナの真下に配置され、メッシュギャップによって無線電力送信アンテナから分離され、メッシュギャップは5mm以下の幅を有する。このシステムはハウジングを更に含み、ハウジングは、誘電体材料を具え、少なくとも無線電力送信アンテナを収容する。
【0244】
1つの改良では、ハウジングが上面及び下面を含み、無線電力送信アンテナが上面に近接して配置され、金属メッシュ構造が下面に近接して配置されている。
【0245】
他の改良では、ハウジングが、上面と下面との間に配置された内部誘電材料を含む。
【0246】
更に他の改良では、ハウジングが下面と上面との間に空間を規定する。
【0247】
他の改良では、金属メッシュ構造が下面の外側に配置されている。
【0248】
更に他の改良では、金属メッシュ構造が下面の外側にプリントされた金属材料として配置されている。
【0249】
また更に他の改良では、金属メッシュ構造が定型化された設計を含む。
【0250】
1つの改良では、金属メッシュ構造が、略長方形のハッチング(網状)設計を有し、金属メッシュの各部分が接続されている。
【0251】
1つの改良では、無線電力送信アンテナが分子ベースの送信アンテナであり、上記1つ以上の導線の各々がアンテナ分子の形に形成されている。
【0252】
他の改良では、アンテナ分子が直線状に配列されたアンテナ分子である。
【0253】
更に他の改良では、アンテナ分子がパズル形に配置されたアンテナ分子である。
【0254】
1つの改良では、無線電力送信アンテナがソース-レピータ形式のものであり、上記1つ以上の導線が、ソースコイルの形に形成された第1導線及び内部レピータコイルの形に形成された第2導線を含む。
【0255】
本発明の更に他の態様による、無線電力送信用のアンテナを開示する。このアンテナは、1つ以上の導線、金属メッシュ構造、及びハウジングを含み、1つ以上の導線の各々が、1つ以上のコイルを具えるように形成され、金属メッシュ構造は、1つ以上の導線の真下に配置され、メッシュギャップによって無線電力送信アンテナから分離され、メッシュギャップは5mm以下の幅を有し、ハウジングは、誘電体材料を具え、少なくとも上記1つ以上の導線を収容するように構成されている。
【0256】
1つの改良では、ハウジングが上面及び下面を有し、上記1つ以上の導線が上面に近接して配置され、金属メッシュ構造が下面に近接して配置されている。
【0257】
1つの改良では、ハウジングが、上面と下面との間に配置された内部誘電材料を含む。
【0258】
1つの改良では、ハウジングが、上面と下面との間に空間を規定する。
【0259】
1つの改良では、金属メッシュ構造が下面の外側に配置されている。
【0260】
他の改良では、金属メッシュ構造が、下面の外側に印刷された金属材料として配置されている。
【0261】
更に他の改良では、金属メッシュ構造が定型化された設計を有する。
【0262】
1つの改良では、金属メッシュ構造が、略長方形のハッチング設計を有し、金属メッシュの各部分が接続されている。
【0263】
本発明の更に他の態様による、無線送信システムを開示する。このシステムは送信アンテナを含み、送信アンテナは、少なくとも1つの他のシステムの少なくとも1つの他のアンテナと結合して、これらの少なくとも1つのアンテナへ交流(AC)無線信号を送信するように構成され、これらのAC無線信号は無線電力信号及び無線データ信号を含み、無線データ信号は、上記少なくとも1つの他のシステムにおいてAC無線信号の電気特性を変化させることによって発生され、送信アンテナはソースコイル及び内部レピータコイルを含む。このシステムは少なくとも1つのセンサを更に含み、これらのセンサは、内部レピータコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する電気的情報を検出するように構成され、電気的情報は、AC無線信号の電流、AC無線信号の電圧、AC無線信号の電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは復調回路を更に含み、復調回路は、(i)内部レピータコイルにある少なくとも1つのセンサから電気的情報を受信し、(ii)電気的情報の変化を検出し、(iii)電気的情報の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(iv)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(v)複数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは送信コントローラを更に含み、送信コントローラは、(i)複数のデータ警報を復調回路から受信し、(ii)複数のデータ警報を無線データ信号に復号化するように構成されている。
【0264】
1つの改良では、上記少なくとも1つの他のシステムが、無線データ信号を、AC無線信号の高閾値電圧及び低閾値電圧として符号化する。
【0265】
他の改良では、上昇の閾値が高閾値電圧に関連し、下降の閾値が低閾値電圧に関連する。
【0266】
更に他の改良では、無線データ信号を、パルス幅符号化された無線データ信号として符号化する。
【0267】
1つの改良では、無線データ信号を、パルス幅符号化された無線データ信号として符号化し、復調回路が勾配検出回路を含み、勾配検出回路は、無線電力信号の電圧の電圧変化率を測定するように構成されている。
【0268】
他の改良では、復調回路が比較(コンパレータ)回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を上昇の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が上昇の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が上昇の閾値を満足または超過するものと判定し、(iv)電圧変化率を下降の変化率と比較し、(v)電圧変化率が下降の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が下降の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0269】
更に他の改良では、復調回路が、比較回路と動作が通じるセット/リセット(SR:set/reset)ラッチを含む。
【0270】
1つの改良では、送信アンテナが、約6.78MHzの動作周波数に基づいて動作するように構成されている。
【0271】
本発明の更に他の態様による、無線送信システムを開示する。このシステムは送信アンテナを含み、送信アンテナは、少なくとも1つの他のシステムの少なくとも1つの他のアンテナと結合して、これらの少なくとも1つのアンテナへ交流(AC)無線信号を送信するように構成され、これらのAC無線信号は無線電力信号及び無線データ信号を含み、無線データ信号は、上記少なくとも1つの他のシステムにおいてAC無線信号の電気特性を変化させることによって発生され、送信アンテナはソースコイル及び内部レピータコイルを含む。このシステムは少なくとも1つのセンサを更に含み、これらのセンサは、ソースコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する電気的情報を検出するように構成され、電気的情報は、AC無線信号の電流、AC無線信号の電圧、AC無線信号の電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは復調回路を更に含み、復調回路は、(i)ソースコイルにある少なくとも1つのセンサから電気的情報を受信し、(ii)電気的情報の変化を検出し、(iii)電気的情報の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(iv)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(v)複数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは送信コントローラを更に含み、送信コントローラは、(i)複数のデータ警報を復調回路から受信し、(ii)複数のデータ警報を無線データ信号に復号化するように構成されている。
【0272】
1つの改良では、上記少なくとも1つの他のシステムが、無線データ信号を、AC無線信号の高閾値電圧及び低閾値電圧として符号化する。
【0273】
他の改良では、上昇の閾値が高閾値電圧に関連し、下降の閾値が低閾値電圧に関連する。
【0274】
更に他の改良では、無線データ信号を、パルス幅符号化された無線データ信号として符号化する。
【0275】
1つの改良では、無線データ信号を、パルス幅符号化された無線データ信号として符号化し、復調回路が勾配検出回路を含み、勾配検出回路は、無線電力信号の電圧の電圧変化率を測定する。
【0276】
他の改良では、復調回路が比較回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を上昇の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が上昇の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が上昇の閾値を満足または超過するものと判定し、(iv)電圧変化率を下降の変化率と比較し、(v)電圧変化率が下降の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が下降の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0277】
更に他の改良では、復調回路が、比較回路と動作が通じるセット/リセット(SR)ラッチを含む。
【0278】
1つの改良では、送信アンテナが、約6.78MHzの動作周波数に基づいて動作するように構成されている。
【0279】
本発明の他の態様による、無線送信システムを開示する。このシステムは送信アンテナを含み、送信アンテナは、少なくとも1つの他のシステムの少なくとも1つの他のアンテナと結合して、これらの少なくとも1つのアンテナへ交流(AC)無線信号を送信するように構成され、これらのAC無線信号は無線電力信号及び無線データ信号を含み、無線データ信号は、上記少なくとも1つの他のシステムにおいてAC無線信号の電気特性を変化させることによって発生され、送信アンテナはソースコイル及び内部レピータコイルを含む。このシステムは、少なくとも1つのセンサを更に含み、これらのセンサは、AC無線信号の電気特性に関連する電気的情報を検出するように構成され、電気的情報は、AC無線信号の電流、AC無線信号の電圧、及びAC無線信号の電力レベル、のうちの1つ以上を含む。このシステムは復調回路を更に含み、復調回路は、(i)少なくとも1つのセンサから電気的情報を受信し、(ii)自動バイアス制御及びゲイン(利得)制御を電気的情報に適用して、修正した電気的情報信号を発生し、(iii)修正した電気的情報信号の変化を検出し、(iv)修正した電気的情報信号の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(v)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(vi)複数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは送信コントローラを更に含み、送信コントローラは、(i)複数のデータ警報を復調回路から受信し、(ii)複数のデータ警報を無線データ信号に復号化するように構成されている。
【0280】
1つの改良では、少なくとも1つのセンサが、送信アンテナのソースコイルにおける電気的情報を検出するように構成されている。
【0281】
1つの改良では、少なくとも1つのセンサが、送信アンテナの内部レピータコイルにおける電気的情報を検出するように構成されている。
【0282】
1つの改良では、送信アンテナが、約6.78MHzの動作周波数に基づいて動作するように構成されている。
【0283】
本発明の更に他の態様による、無線送信システムを開示する。このシステムは送信アンテナを含み、送信アンテナは、少なくとも1つの他のシステムの少なくとも1つの他のアンテナと結合して、これらの少なくとも1つのアンテナへ交流(AC)無線信号を送信するように構成され、これらのAC無線信号は無線電力信号及び無線データ信号を含み、無線データ信号は、上記少なくとも1つの他のシステムにおいてAC無線信号の電気特性を変化させることによって発生され、送信アンテナはソースコイル及び内部レピータコイルを含む。このシステムは第1センサを更に含み、第1センサは、ソースコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する第1の電気的情報を検出するように構成され、この電気的情報は、AC無線信号の第1電流、AC無線信号の第1電圧、AC無線信号の第1電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは第2センサを更に含み、第2センサは、内部レピータコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する第2の電気的情報を検出するように構成され、この電気的情報は、AC無線信号の第2電流、AC無線信号の第2電圧、AC無線信号の第2電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは第1復調回路を更に含み、第1復調回路は、(i)第1の電気的情報を第1センサから受信し、(ii)第1の電気的情報の変化を検出し、(iii)第1の電気的情報の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(iv)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(v)複数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは第2復調回路を更に含み、第2復調回路は、(i)第2の電気的情報を第2センサから受信し、(ii)第2の電気的情報の変化を検出し、(iii)第2の電気的情報の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(iv)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(v)複数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは加算増幅器を更に含み、加算増幅器は、(i)第1数のデータ警報及び第2数のデータ警報を受信し、(ii)第1数のデータ警報と第2数のデータ警報とを合計して、複数の合計データ警報を生成し、(iii)複数の合計データ警報を出力するように構成されている。このシステムは送信コントローラを更に含み、送信コントローラは、(i)複数の合計データ警報を加算増幅器から受信し、(ii)複数のデータ警報を無線データ信号に復号化するように構成されている。
【0284】
1つの改良では、上記少なくとも1つの他のシステムが、無線データ信号を、AC無線信号の高閾値電圧及び低閾値電圧として符号化する。
【0285】
他の改良では、上昇の閾値が高閾値電圧に関連し、下降の閾値が低閾値電圧に関連する。
【0286】
更に他の改良では、無線データ信号を、パルス幅符号化された無線データ信号として符号化する。
【0287】
1つの改良では、上記電気特性が無線電力信号の電圧を含み、第1及び第2復調回路の各々が勾配検出回路を含み、勾配検出回路は、無線電力信号の電圧の電圧変化率を測定するように構成されている。
【0288】
他の改良では、第1及び第2復調回路の各々が比較回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を上昇の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が上昇の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が上昇の閾値を満足または超過するものと判定し、(iv)電圧変化率を下降の変化率と比較し、(v)電圧変化率が下降の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が下降の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0289】
更に他の改良では、第1及び第2復調回路が、比較回路と動作が通じるセット/リセット(SR)ラッチを含む。
【0290】
1つの改良では、送信アンテナが、約6.78MHzの動作周波数に基づいて動作するように構成されている。
【0291】
1つの改良では、上記システムが位相検出器を更に含み、位相検出器は、第1数のデータ警報及び第2数のデータ警報を受信して、第1数のデータ警報及び第2数のデータ警報の一方または両方が位相ずれしているか否かを判定するように構成されている。
【0292】
本発明の更に他の態様による、無線電力送信システムを開示する。このシステムは送信アンテナを含み、送信アンテナは、少なくとも1つの他のシステムの少なくとも1つの他のアンテナと結合して、これらの少なくとも1つのアンテナへ交流(AC)無線信号を送信するように構成され、これらのAC無線信号は無線電力信号及び無線データ信号を含み、無線データ信号は、上記少なくとも1つの他のシステムにおいてAC無線信号の電気特性を変化させることによって発生される。このシステムは第1センサを更に含み、第1センサは、ソースコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する第1の電気的情報を検出するように構成され、この電気的情報は、AC無線信号の第1電流、AC無線信号の第1電圧、AC無線信号の第1電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは第2センサを更に含み、第2センサは、内部レピータコイルにおけるAC無線信号の電気特性に関連する第2の電気的情報を検出するように構成され、この電気的情報は、AC無線信号の第2電流、AC無線信号の第2電圧、AC無線信号の第2電力レベル、またはその組合せ、のうちの1つ以上を含む。このシステムは第1復調回路を更に含み、第1復調回路は、(i)第1の電気的情報を第1センサから受信し、(ii)自動バイアス制御及びゲイン制御を第1の電気的情報に適用して、第1の修正した電気的情報信号を発生し、(iii)第1の修正した電気的情報の第1変化を検出し、(iv)第1の修正した電気的情報信号の変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(v)変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(vi)第1数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは第2復調回路を更に含み、第2復調回路は、(i)第2の電気的情報を第2センサから受信し、(ii)自動バイアス制御及びゲイン制御を第2の電気的情報に適用して、第2の修正した電気的情報信号を発生し、(iii)第2の修正した電気的情報信号の第2変化を検出し、(iv)第2の修正した電気的情報信号の第2変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定し、(v)第2変化が、上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足する場合に、警報を発生し、(vi)第2数のデータ警報を出力するように構成されている。このシステムは加算増幅器を更に含み、加算増幅器は、(i)第1数のデータ警報及び第2数のデータ警報を受信し、(ii)第1数のデータ警報と第2数のデータ警報とを合計して、複数の合計データ警報を生成し、(iii)複数の合計データ警報を出力するように構成されている。このシステムは送信コントローラを更に含み、送信コントローラは、(i)複数の合計データ警報を加算増幅器から受信し、(ii)複数のデータ警報を無線データ信号に復号化するように構成されている。
【0293】
1つの改良では、第1及び第2復調回路の各々が勾配検出回路を含み、勾配検出回路は、勾配検出用の第1オペアンプ(演算増幅器)を具えて、勾配検出信号を生成し、勾配検出信号の増幅用の第2オペアンプを具えて、増幅した勾配検出信号を発生する。
【0294】
他の改良では、オフセット電圧信号が第1オペアンプに供給され、オフセット電圧信号は、第1分圧器内の第1デジタル・ポテンショメータによって制御され、増幅制御信号が第2オペアンプに供給され、増幅制御信号は、第2分圧器内の第2デジタル・ポテンショメータによって制御される。
【0295】
更に他の改良では、第1デジタル・ポテンショメータ及び第2デジタル・ポテンショメータのそれぞれの抵抗値が上記送信コントローラによって設定される。
【0296】
また更に他の改良では、送信コントローラが、第1デジタル・ポテンショメータ及び第2デジタル・ポテンショメータのそれぞれの抵抗値を、検出した、無線データ信号に関連する電流、及び検出した、送信アンテナと上記少なくとも1つの他のアンテナとの結合強度に基づいて設定する。
【0297】
また更に他の改良では、上記電気特性が無線電力信号の電圧を含み、第1及び第2復調回路の各々が、上記修正した電気的情報の電圧の電圧変化率を測定することによって、上記修正した電気的情報信号の変化を検出するように構成されている。
【0298】
また更に他の改良では、第1及び第2復調回路の各々が比較回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を上昇の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が上昇の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が上昇の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0299】
また更に他の改良では、第1及び第2復調回路が比較回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を下降の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が下降の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が下降の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0300】
また更に他の改良では、第1及び第2復調回路の各々が比較回路を含み、比較回路は、(i)電圧変化率を受信し、(ii)電圧変化率を上昇の変化率と比較し、(iii)電圧変化率が上昇の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が上昇の閾値を満足または超過するものと判定し、(iv)電圧変化率を下降の変化率と比較し、(v)電圧変化率が下降の変化率を満足または超過する場合に、電気特性の変化が下降の閾値を満足または超過するものと判定するように構成されている。
【0301】
また更に他の改良では、第1及び第2復調回路の各々が、比較回路の出力と動作が通じるセット/リセット(SR)ラッチを含む。
【0302】
1つの改良では、送信アンテナが、約6.78MHzの動作周波数に基づいて動作するように構成されている。
【0303】
本発明の更に他の態様による、無線電力受信システム用のアンテナを開示する。このアンテナは受信コイルを含み、受信コイルは、無線電力信号または中継無線電力信号の一方または両方を受信して、無線電力信号を、無線電力受信システムの整流器に供給するように構成されている。このアンテナは内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、無線電力信号を受信して、無線電力信号を中継無線電力信号として受信コイルへ送信するように構成されている。
【0304】
1つの改良では、受信コイルと内部レピータコイルとが、レピータ分離ギャップによって分離されている。
【0305】
他の改良では、レピータ分離ギャップが、約0.5ミリメートル(mm)~約3mmの範囲内のギャップ幅を有する。
【0306】
1つの改良では、内部レピータコイルが1ターンを含む。
【0307】
1つの改良では、受信コイルが多層マルチ(複数)ターン受信コイルである。
【0308】
他の改良では、受信コイルが第1層及び第2層を含み、第1層は複数のターンを含み、第2層は複数のターンを含む。
【0309】
更に他の改良では、第1層と第2層とが並列に電気接続されている。
【0310】
更に他の改良では、第1層、第2層、及び内部レピータコイルが基板上に配置され、この基板は内部レピータコイルと第1層との間に第1絶縁層を含み、第1層と第2層との間に第2絶縁層を含む。
【0311】
更に他の改良では、受信コイルがビアを更に含み、このビアは第1層と第2層とを並列に電気接続する。
【0312】
本発明の他の態様による、無線電力受信システムを開示する。このシステムは整流器及び受信アンテナを含む。受信アンテナは受信コイルを含み、受信コイルは、無線電力信号及び中継無線電力信号の一方または両方を受信して、無線電力信号を無線電力受信システムの整流器に供給するように構成されている。受信アンテナは内部レピータコイルを更に含み、内部レピータコイルは、無線電力信号を受信して、無線電力信号を中継無線電力信号として受信コイルへ送信するように構成されている。
【0313】
1つの改良では、受信コイルと内部レピータコイルとが、レピータ分離ギャップによって分離されている。
【0314】
他の改良では、レピータ分離ギャップが、約0.5ミリメートル(mm)~約3mmの範囲内のギャップ幅を有する。
【0315】
1つの改良では、内部レピータコイルが1ターンを含む。
【0316】
1つの改良では、受信コイルが多層マルチターン受信コイルである。
【0317】
他の改良では、受信コイルが第1層及び第2層を含み、第1層は複数のターンを含み、第2層は複数のターンを含む。
【0318】
更に他の改良では、第1層と第2層とが並列に電気接続されている。
【0319】
更に他の改良では、第1層、第2層、及び内部レピータコイルが基板上に配置され、この基板は内部レピータコイルと第1層との間に第1絶縁層を含み、第1層と第2層との間に第2絶縁層を含む。
【0320】
更に他の改良では、受信コイルがビアを更に含み、このビアは第1層と第2層とを並列に電気接続する。
【0321】
1つの改良では、このシステムが受信制御システムを更に含む。
【0322】
1つの改良では、このシステムが受信同調システムを更に含み、受信同調システムは受信アンテナに動作的に関連する。
【0323】
本発明の更に他の態様による、無線電力受信システム用のアンテナを開示する。このアンテナは第1多角形受信コイルを含み、第1多角形受信コイルは、3つ以上の第1辺、及び3つ以上の第1辺の各々に沿って配置された少なくとも1つの第1ターンを含む。このアンテナは第2多角形受信コイルを更に含み、第2多角形受信コイルは、3つ以上の第2辺、及び3つ以上の第2辺の各々に沿って配置された少なくとも1つの第2ターンを含む。このアンテナは第3多角形受信コイルを更に含み、第3多角形受信コイルは、3つ以上の第3辺、及び3つ以上の第3辺の各々に沿って配置された少なくとも1つの第3ターンを含む。第1、第2、及び第3多角形受信コイルは、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0324】
1つの改良では、第1多角形受信コイルが、第2多角形受信コイル及び第3多角形受信コイルの一方または両方と部分的にオーバーラップする。
【0325】
1つの改良では、第2多角形受信コイルが、第1多角形受信コイル及び第3多角形受信コイルの一方または両方と部分的にオーバーラップする。
【0326】
1つの改良では、第3多角形受信コイルが、第1多角形受信コイル及び第2多角形受信コイルの一方または両方と部分的にオーバーラップする。
【0327】
1つの改良では、第1多角形受信コイルが第1多層マルチターン多角形受信コイルであり、第2多角形受信コイルが第2多層マルチターン多角形受信コイルであり、第3多角形受信コイルが第3多層マルチターン多角形受信コイルである。
【0328】
他の改良では、第1受信コイルが第1層及び第2層を含み、第1層は第1数のターンを含み、第2層は第2数のターンを含み、第2受信コイルが第3層及び第4層を含み、第3層は第3数のターンを含み、第4層は第4数のターンを含み、第3受信コイルが第5層及び第6層を含み、第5層は第5数のターンを含み、第6層は第6数のターンを含む。
【0329】
更に他の改良では、第1層と第2層とが並列に電気接続され、第3層と第4層とが並列に電気接続され、第5層と第6層とが並列に電気接続されている。
【0330】
1つの改良では、上記結合多角形が略長方形の形状である。
【0331】
他の改良では、略長方形の形状が幅及び高さを有し、幅と高さとはほぼ同様の値である。
【0332】
更に他の改良では、幅及び高さが、約15ミリメートル(mm)~約40mmの範囲内である。
【0333】
本発明の他の態様による、無線電力受信用のアンテナを開示する。このアンテナは、複数の多角形受信コイルを含み、複数の多角形受信コイルの各々は、3つ以上の辺、及び3つ以上の辺の各々に沿って配置された少なくとも1つのターンを含む。複数の多角形受信コイルの各々は、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0334】
1つの改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、複数の受信コイルのうちの他の1つ以上のものと部分的にオーバーラップする。
【0335】
1つの改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、多層マルチターン受信コイルである。
【0336】
他の改良では、複数の受信コイルの各々が第1層及び第2層を含み、第1層は第1数のターンを含み、第2層は第2数のターンを含む。
【0337】
更に他の改良では、第1層の各々が、第2層のうちの1つに並列に電気接続されている。
【0338】
1つの改良では、結合多角形が略長方形の形状である。
【0339】
他の改良では、略長方形の形状が幅及び高さを有し、幅と高さとはほぼ同様の値である。
【0340】
更に他の改良では、幅及び高さが、約15ミリメートル(mm)~約40mmの範囲内である。
【0341】
本発明の更に他の態様による、無線電力受信システムを開示する。このシステムは整流器及び受信アンテナを含む。受信アンテナは複数の多角形受信コイルを含み、複数の多角形受信コイルの各々は、3つ以上の辺、及び3つ以上の辺の各々に沿って配置された少なくとも1つのターンを含む。複数の多角形コイルの各々は、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0342】
1つの改良では、結合多角形が略長方形の形状であり、幅及び高さを有し、幅と高さとはほぼ同様の値である。
【0343】
本発明の更に他の態様による、無線電力受信システムを開示する。このシステムは受信アンテナを含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、交流(AC)無線電力信号を無線電力送信システムから受信するように構成されている。このシステムは複数の整流器を含み、複数の整流器の各々は、AC無線電力信号を、複数の受信コイルのうちの1つから受信し、このAC無線電力信号を部分的DC(direct current:直流)電力信号に変換するように構成されている。このシステムは電圧レギュレータ(調整器)を更に含み、電圧レギュレータは、部分的DC電力信号の各々を受信し、DC電力信号を発生して、無線電力受信システムに関連する負荷に供給する。
【0344】
1つの改良では、整流器の各々が全波整流器である。
【0345】
他の改良では、整流器の各々がブリッジ整流器である。
【0346】
1つの改良では、複数の受信コイルが複数の多角形受信コイルであり、複数の多角形受信コイルの各々が、3つ以上の辺、及び3つ以上の辺の各々に沿って配置された少なくとも1つのターンを含む。複数の多角形受信コイルの各々は、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0347】
他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、複数の受信コイルのうちの他の1つ以上のものと部分的にオーバーラップする。
【0348】
更に他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、多層マルチターン受信コイルである。
【0349】
更に他の改良では、複数の受信コイルの各々が第1層及び第2層を含み、第1層は第1数のターンを含み、第2層は第2数のターンを含む。
【0350】
更に他の改良では、第1層の各々が、第2層のうちの1つに並列に電気接続されている。
【0351】
他の改良では、結合多角形が略長方形の形状である。
【0352】
他の改良では、略長方形の形状が幅及び高さを有し、幅と高さとはほぼ同様の値である。
【0353】
更に他の改良では、幅及び高さが、約15ミリメートル(mm)~約40mmの範囲内である。
【0354】
本発明の更に他の態様による、電子機器を開示する。この電子機器は、負荷及び無線電力受信システムを含む。このシステムは受信アンテナを含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、交流(AC)無線電力信号を無線電力送信システムから受信するように構成されている。このシステムは複数の整流器を更に含み、複数の整流器の各々は、AC無線電力信号を、複数の受信コイルのうちの1つから受信し、このAC無線電力信号を部分的DC電力信号に変換するように構成されている。このシステムは電圧レギュレータを更に含み、電圧レギュレータは、部分的DC電力信号の各々を受信し、DC電力信号を発生して、無線電力受信システムに関連する負荷に供給する。
【0355】
1つの改良では、整流器の各々が全波整流器である。
【0356】
他の改良では、整流器の各々がブリッジ整流器である。
【0357】
1つの改良では、複数の受信コイルが複数の多角形受信コイルであり、複数の多角形受信コイルの各々が、3つ以上の辺、及び3つ以上の辺の各々に沿って配置された少なくとも1つのターンを含む。複数の多角形受信コイルの各々は、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0358】
他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、複数の受信コイルのうちの他の1つ以上のものと部分的にオーバーラップする。
【0359】
更に他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、多層マルチターン受信コイルである。
【0360】
更に他の改良では、複数の受信コイルの各々が第1層及び第2層を含み、第1層は第1数のターンを含み、第2層は第2数のターンを含む。
【0361】
更に他の改良では、第1層の各々が、第2層のうちの1つに並列に電気接続されている。
【0362】
他の改良では、結合多角形が略長方形の形状である。
【0363】
本発明の更に他の態様による、無線電力受信システムを開示する。このシステムは受信アンテナを含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、交流(AC)無線電力信号を無線電力送信システムから受信するように構成されている。このシステムは受信コントローラを更に含み、受信コントローラは通信信号を発生するように構成されている。このシステムは複数の変調回路を更に含み、複数の変調回路の各々は、複数の受信コイル及び受信コントローラのうちの1つに動作的に関連し、複数の変調回路の各々は、受信コントローラによって複数の変調回路の各々に供給される通信信号に基づいて、磁界を部分的に弱めて、無線電力受信システムを無線電力送信システムに結合させるように構成されている。
【0364】
1つの改良では、通信信号が、パルス幅符号化方式を用いて符号化される。
【0365】
他の改良では、受信コントローラによって通信信号を発生することが、メッセージ信号を決定することを含み、メッセージ信号は1つ以上のメッセージ語を含み、符号化フォーマットに基づいて、1つ以上のメッセージ語を、符号化メッセージ信号の1つ以上の符号化メッセージ語に符号化する。
【0366】
更に他の改良では、符号化フォーマットが、複数の相関比の各々を、複数のフォーマット語のそれぞれと相互に関連付け、複数の相関比の各々は、複数のフォーマット語のうちの1つに対応する。
【0367】
更に他の改良では、複数の相関比の各々が、デューティサイクル及びパルスの一方または両方に関連するそれぞれの周期に対する、当該パルスの当該デューティサイクルの比率である。
【0368】
更に他の改良では、1つ以上の符号化メッセージ語の各々が、複数の相関比のうちの1つとして符号化される。
【0369】
更に他の改良では、通信信号を発生することが、複数の符号化メッセージ語に基づいて符号化メッセージ信号を決定することを更に含む。
【0370】
更に他の改良では、複数のフォーマット語が開始語を含み、複数の相関比が開始相関比を含み、開始相関比は開始語に対応し、符号化メッセージ信号は符号化開始語を含み、符号化開始語は符号化メッセージ信号の先頭を示し、符号化開始語は開始%比率として符号化される。
【0371】
更に他の改良では、上記期間が未定義の非同期期間である。
【0372】
他の改良では、メッセージ信号が、少なくとも部分的に、無線受信システム、上記コントローラ、及びその任意の組合せの一方または両方に関連する入力データ源に基づく。
【0373】
更に他の改良では、上記システムが整流回路を更に含み、この整流回路は、電気エネルギー信号をアンテナから受信して、この電気エネルギー信号を負荷への出力用に調整するように構成され、上記電気特性の情報が、整流器の出力端子における出力電圧を含む。
【0374】
1つの改良では、複数の受信コイルが複数の多角形受信コイルであり、複数の多角形受信コイルの各々が3つ以上の辺、及び3つ以上の辺の各々に沿って配置された少なくとも1つのターンを含み、複数の多角形コイルの各々が、互いに対して、結合多角形を形成するように配置され、結合多角形は少なくとも3つの結合辺を有する。
【0375】
他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、複数の受信コイルのうちの他の1つ以上のものと部分的にオーバーラップする。
【0376】
更に他の改良では、複数の多角形受信コイルの各々が、多層マルチターン受信コイルである。
【0377】
更に他の改良では、複数の受信コイルの各々が第1層及び第2層を含み、第1層は第1数のターンを含み、第2層は第2数のターンを含む。
【0378】
更に他の改良では、第1層の各々が、第2層のうちの1つに並列に電気接続されている。
【0379】
他の改良では、結合多角形が略長方形の形状である。
【0380】
更に他の改良では、略長方形の形状が幅及び高さを有し、幅と高さとはほぼ同様の値である。
【0381】
更に他の改良では、幅及び高さが、約15ミリメートル(mm)~約40mmの範囲内である。
【0382】
1つの改良では、上記変調回路がトランジスタ及び抵抗器を含む。
【0383】
本発明の1つの態様による、無線電力伝送用のシステムを開示する。このシステムは、無線送信システム及び無線受信システムを含む。無線送信システムは、マウスパッドに動作的に関連し、1つ以上の送信用電気部品を含み、1つ以上の送信用電気部品は、送信制御システム、送信同調システム、送信電力調整システム、送信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含む。送信システムは送信アンテナを更に含み、送信アンテナは、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を、大きな充電領域内で送信するように構成され、大きな充電領域は、50ミリメートル(mm)~300mmの範囲内の長さ、及び150~500mmの範囲内の幅を有する。無線受信システムは、コンピュータマウスに関連する負荷へ電気エネルギーを供給するように構成され、1つ以上の受信用電気部品を含み、1つ以上の受信用電気部品は、受信制御システム、受信同調システム、受信電力調整システム、受信センシングシステム、またはその構成要素、のうちの1つ以上を含む。無線受信システムは受信アンテナを更に含み、受信アンテナは複数の受信コイルを含み、複数の受信コイルの各々は、無線電力信号及び無線データ信号の一方または両方を大きな充電領域内で受信するように構成されている。
【0384】
1つの改良では、送信アンテナが複数のアンテナ分子を含む。
【0385】
他の改良では、アンテナ分子の各々が直線状の形状のアンテナ分子である。
【0386】
更に他の改良では、アンテナ分子の各々がパズル形アンテナ分子である。
【0387】
更に他の改良では、複数のアンテナ分子が互いに電気接続され、1つ以上の送信用電気部品が電気的に直列である。
【0388】
更に他の改良では、送信アンテナがソースコイルを更に含み、アンテナ分子が互いに直列に電気接続され、アンテナ分子は、ソースコイルから受信した無線電力信号または無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている。
【0389】
更に他の改良では、アンテナ分子がソースアンテナ分子及び1つ以上のレピータアンテナ分子を含み、ソースアンテナ分子は、1つ以上の送信用電気部品に直接接続され、レピータアンテナ分子は、ソースアンテナ分子から受信した無線電力信号または無線データ信号を中継するためのレピータとして構成されている。
【0390】
更に他の改良では、複数のアンテナ分子が第1数のアンテナ分子及び第2数のアンテナ分子を含み、第1数のアンテナ分子は、第1数のアンテナ分子と第2数のアンテナ分子との間の絶縁体を用いて、第2数のアンテナ分子から絶縁されている。
【0391】
1つの改良では、送信アンテナがソースコイル及び内部レピータコイルを含む。
【0392】
他の改良では、内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内部にレピータ調整システムを含む。
【0393】
更に他の改良では、ソースコイルが第1内部ターン・コンデンサを含み、内部レピータコイルが第2内部ターン・コンデンサを含む。
【0394】
他の改良では、内部レピータコイルが、当該内部レピータコイルの内側ターンと外側ターンとの間に配置されたレピータフィルタを含む。
【0395】
更に他の改良では、上記送信システムが、少なくとも1つのセンサ及び復調回路を更に含み、少なくとも1つのセンサは、内部レピータコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成されている。
【0396】
更に他の改良では、上記送信システムが、第1センサ、第1センサに関連する第1復調回路、第2センサ、第2センサに関連する第2復調回路、及び加算増幅器を更に含み、第1センサは、ソースコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成され、第2センサは、レピータコイルにおける無線電力信号または無線データ信号の一方または両方に関連する電気的情報を測定するように構成され、加算増幅器は第1及び第2復調回路の出力を合計する。
【0397】
1つの改良では、上記送信システムが、送信アンテナの真下に配置された金属メッシュ構造を更に含む。
【0398】
1つの改良では、上記複数の受信コイルが内部レピータコイルを含む。
【0399】
1つの改良では、上記複数の受信コイルが、複数の多角形受信コイルを含む。
【0400】
1つの改良では、上記受信システムが複数の整流器を更に含み、複数の整流器の各々が、上記複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する。
【0401】
1つの改良では、上記受信システムが複数の変調回路を更に含み、複数の変調回路の各々が、上記複数の受信コイルのうちの1つに動作的に関連する。
【0402】
本発明のこれら及び他の態様及び特徴は、添付した図面と共に読むと、より良く理解される。
【0403】
本発明は、この背景の節に記載した、あるいはこの背景の節より明らかである特定の短所を解消することができるシステムに指向しているが、こうした利点は、特許請求の範囲に明示的に記載した場合を除いて、開示する原理の範囲に対する限定でもなく、添付した特許請求の範囲に対する限定でもないことを理解するべきである。それに加えて、この背景の節における技術の説明は、発明者自身の観察、考察、及び思想を反映し、現在公有財産である技術を正確に目録にすることも、包括的に要約することも全く意図していない。このため、発明者は、本節を、認められた、あるいは想定された従来技術としては明示的に否定する。更に、本明細書中の望ましい活動の識別は、発明者自身の観察及び着想を反映し、当該技術分野において承認されている願望を示すものと見なすべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0404】
【
図1】本発明による、電気エネルギー、電力信号、電力、電磁エネルギー、電子データ、及びその組合せのうちの1つ以上を無線伝送するシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図2】
図1及び本発明による、
図1の無線送信システム及び
図1の無線受信システムの構成要素を示すブロック図である。
【
図3】
図1、
図2、及び本発明による、
図2の無線送信システムの送信制御システムの構成要素を示すブロック図である。
【
図4】
図1~3及び本発明による、
図3の送信制御システムのセンシングシステムの構成要素を示すブロック図である。
【
図5】
図1~4及び本発明による、
図4のセンシングシステムのローパスフィルタの一例のブロック図である。
【
図6】
図1~5及び本発明による、
図2の無線送信システム用の復調回路の構成要素を示すブロック図である。
【
図7】
図7Aは、一実施形態による、
図6の復調回路についての概略回路図の第1部分を示す図である。
図7Bは、本発明の一実施形態による、
図6及び7Aの復調回路についての概略回路図の第2部分である。
【
図8】
図1~7及び本発明による、電気信号が復調回路を通って進む際の、電気信号の電圧についてのタイミング図である。
【
図9】
図1~2及び本発明による、
図2の無線送信システムの電力調整システムの構成要素を示すブロック図である。
【
図10】
図1~2及び本発明による、
図2の無線受信システムの受信制御システム及び受信電力調整システムの構成要素を示すブロック図である。
【
図11】
図11Aは、
図1~9及び本発明による、複数のアンテナ分子を含む例示的送信アンテナの上面図である。
図11Bは、
図1~9、11A、及び本発明による、
図11Aのアンテナの例示的アンテナ分子の上面図である。
図11Cは、
図1~9、11A~B、及び本発明による、
図11A、11Bのアンテナ分子の例示的ソースコイル原子の上面図である。
図11Dは、
図1~9、11A~C、及び本発明による、
図11A~Cのアンテナ分子の例示的接続コイル原子の上面図である。
【
図12】
図12Aは、
図1~9、11A~D、及び本発明による、複数のアンテナ分子を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
図12Bは、
図1~9、11~12A、及び本発明による、
図12Aのアンテナの例示的アンテナ分子の上面図である。
図12Cは、
図1~9、11~12B、及び本発明による、
図12A、12Bのアンテナ分子の例示的ソースコイル原子の上面図である。
図12Dは、
図1~9、11~12C、及び本発明による、
図12A~Cのアンテナ分子の例示的接続コイル原子の上面図である。
【
図13】
図13Aは、
図1~9、11~12D、及び本発明による、複数のアンテナ分子を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
図13Bは、
図1~9、11~13A、及び本発明による、
図13Aのアンテナの第1パズル形アンテナ分子の上面図である。
図13Cは、
図1~9、11~13B、及び本発明による、
図13Aのアンテナの例示的第2パズル形アンテナ分子の上面図である。
【
図14】
図14Aは、
図1~9、11~13D、及び本発明による、複数のアンテナ分子を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
図14Bは、
図1~9、11~14A、及び本発明による、
図14Aのアンテナの第1パズル形アンテナ分子の上面図である。
図14Cは、
図1~9、11~14B、及び本発明による、
図14Aのアンテナの例示的第2パズル形アンテナ分子の上面図である。
【
図15】
図15Aは、
図1~9、11~14C、及び本発明による、
図11~14のもののような分子ベースの無線電力送信アンテナの例示的ソース並列電気接続の概略ブロック図である。
図15Bは、
図1~9、11~15A、及び本発明による、複数のアンテナ分子、ソースコイル、及び
図15Aのソース並列電気接続を含む例示的送信アンテナの上面図である。
図15Cは、
図1~9、11~15B、及び本発明による、複数のアンテナ分子、ソースコイル、及び
図15Aのソース並列電気接続を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
【
図16】
図1~9、11~15C、及び本発明による、
図15A~Cの無線電力送信アンテナのうちの1つ以上を製造する例示的方法のブロック図である。
【
図17】
図17Aは、
図1~9、11~16、及び本発明による、少なくとも1つのハウジングを含む、
図15A~16の無線電力送信アンテナのうちの1つ以上の例示的上面図である。
図17Bは、
図1~9、11~16、及び本発明による、分離して示す2つのハウジングを含む、
図15A~16の無線電力送信アンテナのうちの1つ以上の例示的上面図である。
【
図18】
図18Aは、
図1~9、11~17B、及び本発明による、
図11~17Bのもののような分子ベースの無線電力送信アンテナの例示的ソース並列電気接続の概略ブロック図である。
図18Bは、
図1~9、11~18A、及び本発明による、複数のアンテナ分子、ソースコイル、及び
図18Aのソース並列電気接続を含む例示的送信アンテナの上面図である。
図18Cは、
図1~9、11~18B、及び本発明による、複数のアンテナ分子、ソースコイル、及び
図18Aのソース並列電気接続を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
【
図19】
図19Aは、
図1~9、11~18C、及び本発明による、
図11~18Cのもののような分子ベースの無線電力送信アンテナの例示的直列接続の概略ブロック図である。
図19Bは、
図1~9、11~18B、及び本発明による、複数のアンテナ分子、及び
図18Bのソース並列電気接続を含む例示的送信アンテナの上面図である。
図19Cは、
図1~9、11~18B、及び本発明による、複数のアンテナ分子、ソースコイル、及び
図18Aのソース並列電気接続を含む他の例示的送信アンテナの上面図である。
【
図20】
図1~9、11~19C、及び本発明による、分子ベースの無線電力送信アンテナを製造する方法のブロック図である。
【
図21】
図21Aは、
図1~9、11~20、及び本発明による、
図20の方法により製造した無線電力送信アンテナ用の第1数のアンテナ分子の上面図である。
図21Bは、
図1~9、11~20、及び本発明による、
図20の方法により製造した無線電力送信アンテナ用の第2数のアンテナ分子の上面図である。
図21Cは、
図1~9、11~21B、及び本発明による、
図21A~Bの第1及び第2数のアンテナ分子の透視図である。
図21Dは、
図1~9、11~21D、及び本発明による、
図20の方法により製造した無線電力送信アンテナの透視図である。
【
図22】
図22Aは、
図1から9及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する無線電力送信アンテナの上面図である。
図22Bは、
図1~9、22、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する他の無線電力送信アンテナの上面図である。
図22Cは、
図1~9、22A~B、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する無線電力送信アンテナの上面図であり、内部レピータコイルの内部に調整コンデンサを有する。
図22Dは、
図1~9、22A~C、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する他の無線電力送信アンテナの上面図であり、内部レピータコイルの内部に調整コンデンサを有する。
図22Eは、
図1~9、22A~D、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する無線電力送信アンテナの上面図であり、内部レピータコイルはターン間コンデンサを有する。
図22Fは、
図1~9、22A~E、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する他の無線電力送信アンテナの上面図であり、内部レピータコイルはターン間コンデンサを有する。
図22Gは、
図1~9、22A~F、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する他の無線電力送信アンテナの上面図であり、内部レピータコイルはレピータフィルタを有する。
図22Hは、
図1~9、22A~G、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する他の無線電力送信アンテナの上面図であり、各コイルは複数のターンを有する。
【
図23】
図23Aは、
図1~9、22A~H、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する無線送信アンテナに、
図1から9の通信回路を接続するための第1構成を示す図である。
図23Bは、
図1~9、22~23A、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有する無線送信アンテナに、
図1から9の通信回路を接続するための第2構成を示す図である。
【
図24】
図1~9、22~23B、及び本発明による、ソースコイル及び内部レピータコイルを有し加算増幅器を含む無線送信アンテナに、
図1~9の通信回路を接続するための他の構成を示す図である。
【
図25】
図25Aは、
図1~9、11~24、及び本発明による、無線送信アンテナにおける金属弾性を改善するための金属メッシュ構造の上面図である。
図25Bは、
図1~9、11~25B、及び本発明による、無線電力送信アンテナの一例に対して配置された
図25Aの金属メッシュ構造の上面図である。
図25Cは、
図1~9、11~25B、及び本発明による、無線電力送信アンテナの一例及びハウジング構造に対して配置された
図25A~Bの金属メッシュ構造の上面図である。
図25Dは、
図1~9、11~25C、及び本発明による、無線電力送信アンテナ、
図25A~Cの金属メッシュ構造、及びハウジングの一例の側断面図である。
図25Eは、
図1~9、11~25D、及び本発明による、無線電力送信アンテナ、
図25A~Dの金属メッシュ構造、及びハウジングの他の例の側断面図である。
図25Fは、
図1~9、11~25E、及び本発明による、無線電力送信アンテナ、
図25A~Eの金属メッシュ構造、及びハウジングの更に他の例の側断面図である。
図25Gは、
図1~9、11~25F、及び本発明による、ハウジングの一例及び
図25A~Fの金属メッシュ構造の下面図であり、金属メッシュ構造はハウジングの外側に配置されている。
図25Hは、
図1~9、11~25G、及び本発明による、ハウジングの一例及び
図28の金属メッシュ構造の下面図であり、金属メッシュ構造はハウジングの外面に配置されている。
【
図26】本発明による、
図1~10のシステム、及び/または本明細書中に開示する他のあらゆるシステム、方法、または装置の受信アンテナとして用いられる非限定的な例示的アンテナの上面図である。
【
図27】
図27Aは、
図1~2、10、26、及び本発明による、
図10の無線受信システム用の受信アンテナの一実施形態の側断面図である。
図27Bは、
図1~2、10、26~27A、及び本発明による、
図10の無線受信システム用の受信アンテナの他の実施形態の側断面図である。
図27Cは、
図1~2、10、26~27B、及び本発明による、
図27A~Bのアンテナの受信コイルの上面図である。
図27Dは、
図1~2、10、26~27C、及び本発明による、
図27A~Cのアンテナのレピータコイルの上面図である。
図27Eは、
図1~2、10、26~27Cによる、
図27A~Cのアンテナのレピータコイルの上面図である。
【
図28】
図28Aは、
図1~2、10、及び本発明による、
図10の無線受信システム用の多角形受信アンテナの上面図である。
図28Bは、
図1~2、10、28A、及び本発明による、
図10の無線受信システム用の他の多角形受信アンテナの上面図である。
図28Cは、
図1~2、10、28A~B、及び本発明による、
図14Bの多角形受信アンテナの多角形コイルのうちの1つの上面図である。
図28Dは、
図1~2、10、28A~C、及び本発明による、他の多角形受信アンテナの第1層の上面図である。
図28Eは、
図1~2、10、28A~D、及び本発明による、
図28Dの多角形受信アンテナの第2層の上面図である。
【
図29】
図1~2、10、28A~E、及び本発明による、
図10の無線受信システムの構成についてのブロック図であり、システムの受信アンテナは複数の受信コイルを含む。
【
図30】
図1~2、10、28A~E、及び本発明による、
図10の無線受信システムの他の構成についてのブロック図であり、システムの受信アンテナは複数の受信コイルを含む。
【
図31】
図1~30及び本発明による、マウス及びマウスパッドの一例の側面斜視図であり、これらの内部に本明細書中に開示するシステムを統合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0405】
以下の詳細な説明は、特定の例示的実施形態に関して与えるが、図面は必ずしも原寸に比例しておらず、開示する実施形態は時として図式的かつ部分図として図示することを理解するべきである。それに加えて、特定例では、必ずしも開示する主題を理解するためのものではない細部、あるいは他の細部を知覚することを過度に困難にする細部は省略していることがある。従って、本開示は、本明細書中に開示及び図示する特定実施形態に限定されないことを理解するべきである。追加的な、異なる、あるいはより少数の構成要素及び方法を、これらのシステム及び方法に含めることができる。
【0406】
詳細な説明
以下の説明では、関連する教示の完全な理解をもたらすために、多数の具体的細部を例として説明する。しかし、本教示をこうした細部なしに実施することができることは、当業者にとって明らかである。他の例では、本教示の態様を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の方法、手順、構成要素、及び/または回路を、比較的高レベルで細部なしに説明している。
【0407】
ここで図面を参照し、特に
図1を参照すれば、無線電力伝送システム10が図示されている。無線電力伝送システム10は、電気エネルギー、電力、電力信号、電磁エネルギー、及び電子的に伝送可能なデータ(電子データ)のような(但しこれらに限定されない)電気信号の無線伝送を提供する。本明細書中に用いる「電力信号」とは、特に、負荷を充電するための、及び/または負荷に直接給電するための有意味な電気エネルギーを供給するために伝送される電気信号を参照するのに対し、「電子データ信号」とは、媒体を介してデータを伝えるために利用される電気信号を参照する。
【0408】
無線電力伝送システム10は、近接場磁気結合による電気信号の無線伝送を提供する。
図1の実施形態に示すように、無線電力伝送システム10は、1つ以上の無線送信システム20及び1つ以上の無線受信システム30を含む。無線受信システム30は、電気信号を、少なくとも、無線送信システム20から受信するように構成されている。
【0409】
図示するように、無線送信システム20及び無線受信システム30は、電気信号を、少なくとも、分離距離またはギャップ17越しに伝送するように構成されている。ギャップ17のような分離距離またはギャップは、システム10のような無線電力伝送システムとの関連では、有線接続のような物理的接続を含まない。とりわけ、空気、カウンター甲板、電子機器用のケーシング、プラスチック・フィラメント、絶縁体、機械的な壁(但しこれらに限定されない)のような、分離距離またはギャップ内に位置する中間物が存在し得る;しかし、物理的、電気的接続は、こうした分離距離またはギャップには存在しない。
【0410】
従って、2つ以上の無線送信システム20と、無線受信システム30との組合せは、物理的接続を必要とせずに電気接続を生成する。本明細書中に用いる「電気接続」とは、電流、電圧、及び/または電力の、第1の場所、装置、構成要素、及び/または発生源から、第2の場所、装置、構成要素、及び/または行き先への、あらゆる伝送の促進を参照する。「電気接続」は、物理的電気接続の中で特に、導線(ワイヤ)、トレース、ビア(但しこれらに限定されない)のような、第1の場所、装置、構成要素、及び/または発生源を、第2の場所、装置、構成要素、及び/または行き先に接続する物理的接続とすることができる。それに加えて、あるいはその代わりに、「電気接続」は、無線電力及び/またはデータ伝送の中で特に、磁界、電磁界、共鳴場、及び/または誘導電磁界のような(但しこれらに限定されない)第1の場所、装置、構成要素、及び/または発生源を、第2の場所、装置、構成要素、及び/または行き先に接続する無線電力及び/またはデータ伝送とすることができる。
【0411】
更に、
図1~2は1つのアンテナ(例えば、送信アンテナ21)のみから他の1つのアンテナ(例えば、受信アンテナ31及び/または送信アンテナ21)のみへ伝送される無線電力信号及び無線データ信号を示し得るが、送信アンテナ21が、1つ以上の他のアンテナへ電気信号を伝送すること、及びまたは1つ以上の他のアンテナと結合すること、及び、送信アンテナ21の出力信号または磁界の成分を、少なくとも部分的に伝送することは、確実に可能である。こうした伝送は、システム10の複数のアンテナへの、二次的結合及び/または結合、あるいは信号伝送を含むことができる。
【0412】
一部の場合には、ギャップ17を「Z距離」と称することもある、というのは、アンテナ21、31を共通のX-Y平面のそれぞれにほぼ沿って配置する場合、アンテナ21、31を分離する距離は「Z」または「深さ」方向のギャップであるからである。しかし、本発明の実施形態は、フレキシブル及び/または非平面のコイルを確実に目論み、従って、ギャップ17は、アンテナ21、31間の接続距離のエンベロープ全体にわたって均一でないことがあることを目論む。種々の調整、設定、及び/または他のパラメータが、ギャップ17の可能な最大距離を変化させて、無線送信システム20から無線受信システム30への電気伝送を可能なままにすることができることを目論む。更に、一実施形態では、ギャップ17の特性を、例えば距離の増加または減少、及び/または相対的な装置の向きの変更によって、使用中に変化させることができる。
【0413】
無線電力伝送システム10は、無線送信システム20と無線受信システム30とが結合されると動作する。本明細書中に用いる、「結合する」、「結合される」及び「結合している」とは、一般に磁界結合を参照し、磁界結合は、送信機及び/またはそのあらゆる構成要素と、受信機及び/またはそのあらゆる構成要素とが、磁界を通して互いに結合される際に発生する。こうした結合は、結合係数(k)によって表される結合を含むことができ、この結合係数は、少なくとも、送信機から誘導された電力信号を受信機が利用するのに十分な値である。システム10における、無線送信システム20と無線受信システム30との結合は、システム10の共振結合係数によって表すことができ、無線電力伝送の目的で、システム10の結合係数は、約0.01~0.9の範囲内にすることができる。
【0414】
図示するように、少なくとも1つの無線送信システム20が入力電力源12に関連する。入力電源12は、ホスト装置に動作的に関連することができ、ホスト装置は、あらゆる電気的に動作する装置、回路基板、電子アセンブリ、専用充電装置、または他のあらゆる考えられる電子機器とすることができる。無線送信システム20が関連することができるホスト装置の例は、考えられる電子機器の中で特に、集積回路を含む装置、携帯コンピュータ装置、電子機器用の蓄電媒体、1つまたは複数の電子機器用の充電装置を含むことができ、但し含むことに限定されない。
【0415】
入力電源12は、蓄電装置の中で特に、電気化学セル(化学電池)、バッテリパック、及び/またはキャパシタとすることができ、あるいはこれらを含むことができる。それに加えて、あるいはその代わりに、入力電源12は、あらゆる電気入力源(例えば、あらゆる交流(AC)または直流(DC)配電ポート)とすることができ、この電気入力源から無線送信システム20までの接続装置(例えば、考えられる電気的構成要素の中で特に、変圧器、レギュレータ(調整器)、電線管、トレース、導線、または機器、物品、コンピュータ、カメラ、携帯電話、及び/または、USB(universal serial bus:ユニバーサル・シリアルバス)ポート及び/またはアダプタ(但しこれに限定されない)のような他の電気機器接続ポート及び/またはアダプタ)を含むことができる。
【0416】
従って、無線送信システム20が受け取る電気エネルギーは、少なくとも2つの目的、即ち:無線送信システム20の内部構成要素に電力を供給するため、及び送信アンテナ21に電力を供給するために用いられる。送信アンテナ21は、無線送信システム20による近接場磁気結合(NFMC:near-field magnetic coupling)を介した無線送信用に調整され修正された電気信号を無線送信するように構成されている。近接場磁気結合は、送信アンテナ21と、無線受信システム30の、またはこれに関連する受信アンテナ31、他の送信アンテナ21、またはこれらの組合せ、のうちの1つ以上との間の、磁気誘導による無線での信号の伝送を可能にする。近接場磁気結合は、「誘導結合」とすること、及び/または「誘導結合」と称することができ、本明細書中に用いる、交流電磁界を利用して電気エネルギーを2つのアンテナ間で伝送する無線電力伝送技術である。こうした誘導結合は、同様の周波数で共振するように調整された2つの磁気結合されたコイル間での磁気エネルギーの近接場無線伝送である。従って、こうした近接場磁気結合は、閉じ込められた磁場の共鳴透過による効率的な無線電力伝送を可能にすることができる。更に、こうした近接場磁気結合は、「相互インダクタンス」による接続を提供することができ、こうした接続は、本明細書中の定義では、第1回路に磁気結合された第2回路内の電流の変化による、第1回路内の起電力の発生である。
【0417】
1つ以上の実施形態では、送信アンテナ21または受信アンテナ31のいずれかの誘導コイルが、近接場磁気誘導により無線送信される電気信号の受信及び/または送信を促進するように戦略的に配置されている。アンテナの動作周波数は、比較的高い動作周波数範囲を含むことができ、その例は、6.78MHz(例えば、レゼンス(Rezence)及び/またはエアフューエル(Airfuel)インタフェース規格、及び/または6.78MHzで動作する他の独自のインタフェース規格による)、13.56MHz(例えば、ISO/IEC(International Organization for Standardization:国際標準化機構/International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格18092によって規定されたNFC(near-field communication:近接場通信)規格による)、27MHz、及び/または他の独自の動作モードを含むことができる。アンテナ21、31の動作周波数は、国際電気通信連合(ITU:International Telecommunications Union)によって産業、科学、医療(ISM:Industrial, Scientific, and Medical)周波数帯域内に指定された動作周波数とすることができ、6.78MHz、13.56MHz、及び27MHzを含み、但しこれらに限定されず、これらは無線電力伝送における使用向けに指定されている。
【0418】
本発明の送信アンテナ及び受信アンテナは、約10ミリワット(mW)から約500ワット(W)までの範囲内の大きさを有する電力を送信及び/または受信するように構成することができる。1つ以上の実施形態では、送信アンテナ21の誘導コイルが、送信アンテナの共振周波数で、または送信アンテナの共振周波数帯域内で共振するように構成されている。無線電力アンテナ(例えば、送信アンテナ21、受信アンテナ31)の「コイル」は、本明細書中の定義では、無線電力伝送及び任意の無線データ伝送の目的で共振するように構成された、あらゆる導体、導線、または他の通電材料である。
【0419】
当業者にとって既知であるように、「共振周波数」または「共振周波数帯域」は、アンテナの振幅応答が相対的に最大になる1つまたは複数の周波数を参照し、それに加えて、あるいはその代わりに、容量性リアクタンスが誘導性リアクタンスとほぼ同様の大きさを有する周波数または周波数帯域を参照する。1つ以上の実施形態では、無線電力伝送の当業者にとって既知であるように、送信アンテナの共振周波数が高周波である。
【0420】
無線受信システム30は、少なくとも1つの電子機器14に関連することができ、電子機器14は、あらゆる機能用に、及び/または(電池及び/またはキャパシタによる)電力貯蔵用に電力を必要とするあらゆる装置とすることができる。それに加えて、電子機器14は、電子的に送信可能なデータの受信が可能なあらゆる装置とすることができる。例えば、この機器は、とりわけ、ハンドヘルドコンピュータ装置、モバイル機器、携帯電気製品、コンピュータ周辺機器、集積回路、識別タグ、調理器具、電子ツール、電気自動車、ゲーム機、ロボット装置、ウェアラブル電子機器(例えば、とりわけ、電子ウォッチ、電子調整メガネ、拡張現実感(AR:augmented reality)グラス、仮想現実感(VR:virtual reality)グラス、携帯スキャン装置、携帯識別装置、スポーツ用品、埋め込みセンサ、物のインターネット(IoT:Internet of Things)センサ、IoT対応衣類、IoT対応レクリエーション用品、工業設備、医療機器、医療装置、タブレットコンピュータ装置、携帯制御装置、電子機器用のリモートコントローラ、ゲームコントローラとすることができ、但しこれらであることに限定されない。
【0421】
図1~10に開示する実施形態の特徴及び特性を図示する目的で、先端が矢印の線を利用して、伝送可能及び/または通信可能な信号を示し、種々のパターンを用いて、電力伝送用を意図した電気信号、及びデータ及び/または制御命令の伝送用を意図した電気信号を示す。実線は、物理的及び/または無線電力伝送による、電力信号の形態での電気エネルギーの信号伝送を示し、これらの電力信号は、最終的に、無線送信システム20から無線受信システム30への無線電力伝送において利用される。更に、点線を利用して、電子的に伝送可能なデータ信号を示し、これらのデータ信号は、最終的に、無線送信システム20から無線受信システム30へ無線送信することができる。
【0422】
本明細書中のシステム及び方法は、無線伝送されるエネルギー、無線電力信号、無線伝送される電力、無線伝送される電磁エネルギー、及び/または電子的に伝送可能なデータの伝送を示すが、本明細書中に開示するシステム、方法、及び装置は、1つの信号のみ、2つの信号の種々の組合せ、または3つ以上の信号の伝送において利用することができることは、確実に目論まれ、更に、本明細書中に開示するシステム、方法、及び装置は、上記の信号に加えて、あるいは上記の信号のうちの1つ以上との独自の組合せで、他の電気信号の無線伝送用に利用することができることが目論まれる。一部の例では、実線または点線の信号経路が、機能的な信号経路を表すことがあるのに対し、実際の用途では、実際の信号を、その指示された行き先に至る途上の追加的構成要素を通るように経路設定する。例えば、データ信号は通信装置から他の通信装置への経路を辿ることを示すことができる;しかし、実際の用途では、データ信号は、増幅器を通り、次に送信アンテナを通って受信アンテナに至るように経路設定することができ、受信機の末端では、受信機のそれぞれの通信装置によってデータ信号を復号化する。
【0423】
ここで
図2~3を参照すれば、無線電力伝送システム10がブロック図として図示され、このブロック図は、無線送信システム20及び無線受信システム30の両方のサブシステムの例を含む。無線送信システム20は、少なくとも、電力調整システム40、送信制御システム26、復調回路70、送信同調システム24、及び送信アンテナ21を含むことができる。入力電源12からの電気エネルギー入力の第1部分は、送信制御システム26(但しこれに限定されない)のような無線送信システム20の構成要素に給電するように構成することができる。
【0424】
入力電源12からの電気エネルギー入力の第2部分は、送信アンテナ21を通した無線受信システム30への無線電力伝送用に調整及び/または修正される。従って、入力エネルギーの第2部分は、電力調整システム40によって修正及び/または調整される。図示していないが、入力電気エネルギーの第1及び第2部分の一方または両方を、電力調整システム40及び/または電力制御システム26が受け取る前に、更に考えられるサブシステム(例えば、とりわけ電圧レギュレータ、電流レギュレータ、スイッチングシステム、故障システム、安全レギュレータ)によって修正し、調整し、変更し、及び/または、さもなければ変化させることができることは、確実に目論まれる。
【0425】
ここで、引き続き
図1及び2を参照しながら、
図3をより具体的に参照すれば、送信制御システム26の副次的構成要素及び/またはシステムが図示されている。送信制御システム26は、センシングシステム50、送信コントローラ28、ドライバ(駆動回路)48、メモリ27、及び復調回路70を含むことができる。
【0426】
送信コントローラ28は、少なくとも、プロセッサを含むあらゆる電子コントローラまたはコンピュータシステムとすることができ、このプロセッサは、演算を実行し、制御アルゴリズムを実行し、データを記憶し、データを読み出し、データを収集し、無線送信システム20に関連する他の構成要素及び/またはサブシステムとの通信を行い、及び/または、所望される他のあらゆる計算または制御タスクを実行する。送信コントローラ28は、単一のコントローラとすることができ、あるいは、無線送信システム20の種々の機能及び/または特徴を制御するように配置された2つ以上のコントローラを含むことができる。送信コントローラ28の機能は、ハードウェア及び/またはソフトウェアで実現することができ、無線送信システム20の動作に関係する1つ以上のデータマップに頼ることができる。この目的で、送信コントローラ28はメモリ27に動作的に関連することができる。
【0427】
このメモリは、内部メモリ、外部メモリ、及び/またはリモートメモリ(例えば、インターネット(但しこれに限定されない)のようなネットワーク経由で送信コントローラ28に動作的に接続されたデータベース及び/またはサーバー)のうちの1つ以上を含むことができる。内部メモリ及び/または外部メモリは、読出し専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、フラッシュメモリ、携帯メモリ、等のうちの1つ以上を含むことができ、但し含むことに限定されず、ROMは、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM:programmable ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM:erasable PROM、時として、但し稀にEROM)、電気的消去可能読出し専用メモリ(EEPROM:electrically erasable PROM)を含み、RAMは、ダイナミックRAM(DRAM:dynamic RAM)、スタティックRAM(SRAM:static RAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM:synchronous DRAM)、シングルデータレート同期ダイナミックRAM(SDR SDRAM:single data rate SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM:double data rate SDRAM、DDR2、DDR3、DDR4)、及びグラフィックス・ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(GDDR SDRAM:graphics DDR SDRAM、GDDR2、GDDR3、GDDR4、GDDR5)を含む。こうしたメモリ媒体は、非一時的な機械可読及び/またはコンピュータ可読メモリ媒体の例である。
【0428】
送信制御システム26の特定要素を、送信制御システム26の独立した構成要素及び/または回路(例えば、考えられる要素の中で特にドライバ48、メモリ27、センシングシステム50)として図示しているが、こうした構成要素は送信コントローラ28と統合することができる。一部の例では、送信コントローラ28を集積回路にすることができ、この集積回路は、一般に、送信コントローラ28及び無線送信システム20の一方または両方の機能要素を含むように構成されている。
【0429】
図示するように、送信コントローラ28は、データ送信、受信、及び/または通信の目的で、少なくとも、メモリ27、電力調整システム40、ドライバ48、及びセンシングシステム50に動作的に関連する。ドライバ48は、電力調整システム40の動作を、少なくとも部分的に制御するように実現することができる。一部の例では、ドライバ48が、送信コントローラ28から命令を受信して、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)信号を発生すること、及び/または発生したPWM信号を電力調整システム40に対して出力することができる。一部のこうした例では、電力調整システム40を駆動して、PWM信号によって規定される動作周波数を有する交流信号として電力を出力するように、PWM信号を設定することができる。一部の例では、電力調整システム40が出力するAC電力信号用のデューティサイクルを生成するように、PWM信号を設定することができる。一部のこうした例では、デューティサイクルを、AC電力信号の所与の周期の約50%であるように設定することができる。
【0430】
上記センシングシステムは1つ以上のセンサを含むことができ、各センサは、無線送信システム20の1つ以上の構成要素に動作的に関連することができ、情報及び/またはデータを提供するように構成することができる。「センサ」とは、その広義の解釈で用い、無線送信システム20に動作的に関連し、他のあらゆる構成要素及び/または副次的構成要素と共に、無線送信システム20、無線受信システム30、入力電源12、ホスト装置11、送信アンテナ21、受信アンテナ31、のうちの1つ以上の機能、状態、電気特性、及び/または動作特性を感知するように動作する1つ以上の構成要素を定義する。
【0431】
図4の実施形態中に図示するように、センシングシステム50は、温度センシング(温感)システム52、物体センシングシステム54、受信センシングシステム56、電流センサ57、及び/または他のあらゆるセンサ58を含むことができ、但し含むことに限定されない。これらのシステム内に、とりわけ、状態ベースの保守センシングシステム、性能最適化センシングシステム、充電状態センシングシステム、温度管理センシングシステム、構成要素加熱センシングシステム、IoTセンシングシステム、エネルギー及び/または電力管理センシングシステム、衝撃検出センシングシステム、速度検出センシングシステム、装置健康状態センシングシステム(但しこれらに限定されない)のような、ある用途が必要とする特定のセンシング態様に応える更に特有の任意の追加的または代案のセンシングシステムが存在することができる。物体センシングシステム54は異物検出(FOD:foreign object detection)システムとすることができる。
【0432】
温度センシングシステム52、物体センシングシステム54、受信センシングシステム56、電流センサ57、及び/または他のセンサ58は、任意の追加的または代案のシステムを含めて、送信コントローラ28に動作的に接続され、及び/または通信接続されている。温度センシングシステム52は、周囲温度、及び/または、無線送信システム20内の構成要素または無線送信システム20付近の他の要素の温度を監視するように構成されている。温度センシングシステム52は、無線送信システム20内の温度を検出するように構成することができ、検出した温度が閾値温度を超える場合に、送信コントローラ28は無線送信システム20が動作することを防止する。こうした閾値温度は、安全性、動作、効率、及び/またはその任意の組合せを考慮して設定することができる。1つの非限定的な例では、温度センシングシステム52からの入力により、無線送信システム20内の温度が許容可能な動作温度から不所望な動作温度に増加した(例えば、1つの非限定的な例では、内部温度が約20度(℃)から約50℃に増加した)ものと送信コントローラ28が判定した場合に、送信コントローラ28は、無線送信システム20の動作を防止し、及び/または無線送信システム20からの電力出力のレベルを低減する。一部の非限定的な例では、温度センシングシステム52が、熱電対、サーミスタ、負温度係数(NTC:negative temperature coefficient)抵抗器、抵抗温度検出器(RTD:resistance temperature detector)、及び/またはその任意の組合せを含むことができる。
【0433】
図4に示すように、送信センシングシステム50は、物体センシングシステム54を含むことができる。物体センシングシステム54は、無線受信システム30及び/または受信アンテナ31のうちの1つ以上を検出するように構成することができ、これにより、受信システム30が無線送信システム20に近接していることを送信コントローラ28に示す。それに加えて、あるいはその代わりに、物体センシングシステム54は、無線送信システム20に接触または近接している不所望な物体の存在を検出するように構成することができる。一部の例では、物体センシングシステム54が、不所望な物体の存在を検出するように構成されている。一部のこうした例では、送信コントローラ28が、物体センシングシステム54によって提供される情報により、不所望な物体の存在を検出した場合に、送信コントローラ28は、無線送信システム20の動作を防止するか、さもなければ修正する。一部の例では、物体センシングシステム54がインピーダンス変化検出方式を利用し、この方式では、送信コントローラ28が、送信アンテナ21によって観測された電気インピーダンスの、既知の、許容可能な電気インピーダンス値または電気インピーダンス値の範囲に対する変化を分析する。
【0434】
それに加えて、あるいはその代わりに、物体センシングシステム54は、品質係数(Q)変化検出方式を利用し、この方式では、送信コントローラ28が、受信アンテナ31のような検出される物体の既知の品質係数値または品質係数値の範囲からの変化を分析する。インダクタの「品質係数」または「Q」は、(周波数(Hz)×インダクタンス(H))/抵抗(オーム)として定義することができ、周波数は回路の動作周波数であり、インダクタンスはインダクタのインダクタンス出力であり、抵抗は、インダクタの内部の放射抵抗と反応抵抗との組合せである。本明細書中に定義する「品質係数」は、アンテナ、回路、または抵抗器のような装置の効率を測定する指標(性能係数)として一般に受け入れられている。一部の例では、物体センシングシステムが、光センサ、電気光学センサ、ホール効果センサ、近接センサ、及び/またはその任意の組合せを含むことができる。一部の例では、無線電力伝送システム10が帯域内通信を実行している際に、上述した品質係数の測定を実行することができる。
【0435】
受信センシングシステム56は、無線送信システム20と結合可能にすることができるあらゆる無線受信システムの存在を検出するように構成されたあらゆるセンサ、回路、及び/またはその組合せである。一部の例では、受信センシングシステム56と物体センシングシステムとを組み合わせることができ、これらが構成要素を共有することができ、及び/または、1つ以上の共通な構成要素によってこれらを具体化することができる。一部の例では、あらゆるこうした無線受信システムの存在を検出した場合に、無線送信システム20による、電気エネルギー、電力、電磁エネルギー、及び/またはデータの無線伝送を有効にする。一部の例では、無線受信システムの存在を検出しない場合に、電気エネルギー、電力、電磁エネルギー、及び/またはデータの継続した無線伝送が発生することを防止する。従って、受信センシングシステム56は、1つ以上のセンサを含むことができ、及び/または、1つ以上のセンサと動作的に関連することができ、これらのセンサは、無線送信システム20の環境内、または無線送信システム20に近接した電気特性を分析し、これらの電気特性に基づいて無線受信システム30の存在を判定するように構成されている。
【0436】
電流センサ57は、当該電流センサ57における電流読取り値に基づいて、電圧または電流のような電気信号からの電気的情報を決定するように構成されたあらゆるセンサとすることができる。電流センサ57の一例の構成要素を更に
図5に示し、
図5は電流センサ57のブロック図である。電流センサ57は、変圧器51、整流器53、及び/またはローパス(低域通過)フィルタ55を含んで、無線送信システム20と無線受信システム30との結合により伝送されたAC無線信号を処理して、送信システム21における電流(I
Tx)または電圧(V
Tx)を導出するための情報を決定または提供することができる。変圧器51は、AC無線信号を受信して、AC無線信号の電圧を、電流センサによって適切に処理することができるように増圧すること、または降圧することのいずれかを行うことができる。整流器53は、変圧されたAC無線信号を受信して、この信号を整流することができ、これにより、変圧されたAC無線信号中に残るあらゆる負電圧は、除去されるか、あるいは極性を逆にした正電圧に変換されるか、のいずれかである。ローパスフィルタ55は、整流されたAC無線信号を受信して、整流されたAC無線信号のAC成分(例えば、AC無線信号の動作周波数またはキャリア(搬送波)周波数)をフィルタ処理により除去するように構成され、これにより、送信アンテナ21における電流(I
Tx)または電圧(V
Tx)用にDC電圧が出力される。
【0437】
図6は、無線送信システム20用の復調回路70のブロック図であり、無線送信システム20は、復調回路70を用いて、交流(AC)無線信号の無線データ信号の成分を、当該無線データ信号を送信コントローラ28へ送信する前に簡略化または復号化する。この復調回路は、少なくとも、勾配検出器72及び比較器(コンパレータ)74を含む。一部の例では、復調回路70がセット/リセット(SR)ラッチ76を含む。
【0438】
一部の例では、復調回路70をアナログ回路とすることができ、このアナログ回路は、1つ以上の受動部品(例えば、受動部品の中で特に、抵抗器、コンデンサ)及び/または1つ以上の能動構成部品(例えば、能動構成部品の中で特に、演算増幅器、論理ゲート)で構成されている。その代わりに、復調回路70、及びその構成部品の一部または全部を、集積回路(IC:integrated circuit)として実現することができることが考えられる。アナログ回路でもICでも、復調回路は、送信コントローラ28の外部にすることができ、無線受信システム30から無線送信システム20へ送信される無線データ信号に関連する情報を提供するように構成されることが目論まれる。
【0439】
復調回路70は、電気的情報(例えば、ITx、VTx)を少なくとも1つのセンサ(例えば、センシングシステム50のセンサ)から受信し、電気的情報の変化が上昇の閾値または下降の閾値の一方を満足または超過するか否かを判定するように構成されている。この変化が上昇の閾値または下降の閾値の一方を超過する場合、復調回路70は、出力信号を発生し、1つ以上のデータ警報も発生して出力する。送信コントローラ28は、こうしたデータ警報を受信して、無線データ信号を決定する。
【0440】
換言すれば、一実施形態では、復調回路70が、電気信号の勾配(例えば、無線受信システム30の電力調整システム32における電圧信号の勾配)を監視し、この勾配が最大勾配閾値を超えると、あるいは最小勾配閾値に達しないと、表示を出力するように構成されている。通信システム70によるこうした勾配監視及び/または勾配検出は、(動作周波数で振動している)無線電力信号の帯域内で無線データ信号を符号化する振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)信号を復号化する際に特に有用である。
【0441】
ASK信号では、上述したように、無線送信システム20と無線受信システム30との間の磁界の電圧を減衰させることによって無線データ信号を符号化する。磁界中の電圧のこうした減衰及びその後の再上昇は、基になる無線データ信号の符号化方式(例えば、既知の、あるいは新規な符号化システム及び方法の中で特に、バイナリ符号化、マンチェスター符号化、パルス幅変調符号化)に基づいて実行する。次に、無線データ信号の受信機(例えば、本例では無線送信システム20)は、磁界の電圧の立上り及び立下りエッジを検出し、これらの立上り及び立下りエッジを復号化して無線データ信号を復調する。
【0442】
ASK信号が瞬時に立ち上がり瞬時に立ち下がり、ASK変調のハイ電圧とロー電圧との間に識別可能な勾配がないことが理想的である;しかし、現実には、ASK信号が「ハイ」電圧から「ロー」電圧まで遷移する際及びその逆の際に経過する有限量の時間が存在する。従って、復調回路70によって感知する電圧または電流は、遷移する際に、いくらかの電圧の勾配または変化率を有する。動作周波数のキャリア信号の既知の最大/最小勾配に基づいて確立した、こうした上昇及び下降の閾値を、上記勾配が満足する、超過する、及び/または未達である時点を特定するように、復調回路70を構成することによって、復調回路はASK信号の立上り及び立下りエッジを正確に検出することができる。
【0443】
従って、比較的安価な及び/または簡略化した回路を利用して、少なくとも部分的に、ASK信号を復号化して、上昇または下降勾配の瞬時の通知または警報にすることができる。送信コントローラ28がASK変調の符号化方式を理解するようにプログラムされている限り、送信コントローラ28は、センシングシステム50からの電流または電圧センス信号から直接立上り及び立下りエッジを復号化するために必要であったよりもずっと少ない計算リソースを費やす。この目的で、送信コントローラ28が無線データ信号を復号化するために要する計算リソースが、復調回路70を含めることにより大幅に減少しているので、復調回路70は、より安価で計算能力の低いプロセッサを送信コントローラ28用に、あるいは送信コントローラ28と共に使用することを可能にすることによって、無線送信システム20のBOMを大幅に低減することができる。
【0444】
パルス幅符号化されたASK信号を利用して、ASK無線データ信号を無線電力信号の帯域内で符号化/復号化する際に、送信コントローラ28においてデータ信号を復号化するための計算負荷を低減するに当たり、復調回路70は特に有用であり得る。パルス幅符号化されたASK信号は、信号の周期の%比率としてデータを符号化した信号である。例えば、2ビットのパルス幅符号化信号は、信号のハイのエッジ間の期間の20%としてスタートビットを符号化し、「1」を信号のハイのエッジ間の期間の40%として符号化し、「0」を信号のハイのエッジ間の60%として符号化して、パルス幅符号化方式におけるバイナリ符号化フォーマットを生成することができる。
【0445】
従って、パルス幅符号化は専らASK信号の立上り及び立下りエッジを監視することに頼るので、立上り時刻間の期間は一定である必要がなく、データ信号は非同期または「非クロック」にすることができる。こうしたパルス幅符号化を実行するためのパルス幅符号化及びシステム及び方法の例は、Michael Katzに特許付与された米国特許出願第16/735342号(特許文献1)、発明の名称”Systems and Methods for Wireless Power transfer including pulse Width Encoded Data Communications”にずっと詳細に説明され、この特許出願は本願の特許権者が共通の特許権者であり、その全文を参照することによって、教示することにかかわらず、そのあらゆる部分を除外することなしに、本願に含める。
【0446】
上述したように、勾配検出、従ってデータの帯域内伝送は、設計中に頼るパラメータにより信号強度が変化する際に、無効または非効率になり得る。例えば、データ送信者とデータ受信者との相対位置がシステムの使用中に大幅に変化する際には、送信コイルまたはアンテナと受信コイルまたはアンテナとの電磁結合も変化する。特定の結合について最適化されるデータ検出及び復号化は、他の結合では機能しないか性能が低下する。このため、結合が動的に変化する環境内でシステムが動作することを可能にするためには、高感度で非飽和の検出システムが必要である。
【0447】
例えば、
図7を参照すれば、勾配検出器72のハイパス(高域通過)フィルタ71によって生成される信号は、OP
SDによって増幅される前に、結合が変化する結果として変動する(電力信号のように、但し、帯域内データを説明する目的で、今回は、こうした変動は、この時点で、フィルタ処理で除去されている)。従って、増幅された信号の振幅の差は、更に大きく変化する。上端では、大幅に改善された結合は、システムが小信号検出用に調整されている場合に、この上端でOP
SDの飽和を生じさせ得る。同様に、大幅に劣化した結合は、システムが高度な、良好な、及び/または適度な結合向けに調整されている場合に、検出不能な信号を生じさせ得る。更に、正のオフセットを有するプリアンプ(増幅前)信号は、ゲインを低下させない限り、クリップした(頭打ちの、例えば飽和した)正の信号を増幅後に生じさせ得る;しかし、低下したゲインは、負の信号を検出不能にすることがある。それに加えて、受信機における負荷を変化させることは、信号に悪盈虚を与えて、勾配検出器72におけるデータ信号の増幅を余儀なくさせる。
【0448】
このため、結合の不安定は、一般に、誘導式充電システムが十分に許容しない、というのは、フィルタ処理して増幅した信号を非常に過度に変動させるからである。例えば、適合するドック内に置かれた電話機は、ドックに対して特定位置に留まり、これらの間のあらゆる結合は比較的一定のままである。しかし、誘導式充電ステーションをデスクトップ(机上)の下に有するデスクトップ上に置かれた電話機は、固定された相対位置を維持しないことがあり、固定された相対的な向きも維持しないことがあり、従って、送信機と電話機の受信機との結合の範囲は、充電プロセス中に変化し得る。更に、医療機器が人間の体内に存在する間に、医療機器に直接給電する、及び/または医療機器を直接充電するように構成されたシステムを考える。人体の臓器要素の自然な変位及び/または内部の動きにより、体及び/または体外に配置された関連する充電器に対して医療機器が一定の位置を維持しないことがあり、従って、送信機と受信機は、高度な、良好な、適度な、低度な、及び/または不十分なレベルにわたる広い範囲で結合し得る。また更に、ユーザの机上の充電マットによって充電されるコンピュータ周辺機器を考える。マウスまたは他の入力装置のような、こうした周辺機器は、装置の使用中に充電することが望ましいことがあり、送信側の充電マットの配置に対して周辺機器が規則的に移動するので、こうした周辺機器の使用法は、必然的に、使用中に結合を変化させる。
【0449】
結合係数kの差によって生じる影響は、少数の非限定的な例によって説明することができる。相当強度な結合を表すk=0.041の場合を考える。この場合、誘導電圧デルタ(Vdelta)は約160mVであり得る。対応する増幅された信号は、3.15Vのピークと0.45Vの最低値との間で、1.86VのDCオフセットを中心とした約2.70Vのスウィング(振れ幅)で(即ち、DCオフセット値の上下1.35Vで)変動する。
【0450】
ここで、同じシステムにおいて、相当弱い結合を表す0.01の結合値を呈する場合を考える。こうした弱まりは、相対移動、介在する物質、または他の状況により発生し得る。今度は、Vdeltaは約15mVであり得る。対応する増幅された信号は、1.94Vのピークと1.77Vの最低値との間で、1.86VのDCオフセットを中心とした約140mVのスウィングで(即ち、DCオフセット値の上下約70mVで)変動する。
【0451】
本例からわかるように、強度に結合した場合はロバスト(頑健)な信号を生じさせ、弱く結合した場合は、相当大きなオフセット上に非常に小さい信号を生じさせる。恐らくは概ね検出可能であるが、これらの信号レベルは、データ誤り及び結果的に低下した性能の大きなリスクを生じさせる。更に、増幅を増加させる余地は存在するが、増幅のレベルは、特にDCオフセットが与えられると、利用可能な経済的な演算増幅回路の飽和レベルによって制約され、この飽和レベルは、一部の例では約4.0Vであり得る。
【0452】
しかし、一実施形態では、増幅における自動ゲイン(利得)制御を、勾配検出における電圧オフセットと組み合わせて、変化する結合の度合いにシステムが適応することを可能にする。このことは、結合される装置の物理的位置が結合中に厳しく制約されない状況において特に役立つ。
【0453】
続いて
図7Aの例に図示する回路72では、勾配検出用のバイアス電圧V’
Biasを(リンクされた抵抗器R
B1、R
B2、R
B3を含む)分圧器77によって供給し、分圧器77は、制御電圧V
HBに基づいてV
inと接地との間の電圧を供給する。この接続では、抵抗器の1つ、例えばR
B3がデジタル調整可能なポテンショメータのような可変抵抗器であり、以下に説明する適応バイアス及びゲインプロトコルにより特定の抵抗、例えばR
biasを発生する。
【0454】
同様に、図示する回路72では、制御電圧VHAに基づいて、次段、比較器74に供給される出力電圧VSDを、まず、(リンクされた抵抗器RA1、RA2、RA3を含む)分圧器80によって設定されたレベルで増幅して、V’SD(増幅された勾配検出信号)を発生する。V’SDを発生するためのVSDの増幅は、同様に、分圧器における可変ポテンショメータ、例えばRA1により設定し、後に以下に説明する適応バイアス及びゲインプロトコルにより生成される特定値、例えばRgainに設定する。
【0455】
上述した非限定的な例に関しては、勾配検出における自動的なゲイン及びバイアスにより、上記回路は、400mV~2.2VのVamp slope delta、及び1.8V~2.2VのオフセットVamp DCを受け入れるように構成されている。適切なオフセット及びゲインを決定するために、システムは、ビーコン・シーケンス状態を用いることができる。ビーコン・シーケンスは、あり得る全ての結合の位置及び向きにある受信機を送信機が検出することを概ね可能にすることを保証する。
【0456】
引き続き
図7A~Bを参照すれば、勾配検出器72は、ハイパスフィルタ71及び任意の安定化回路73を含む。ハイパスフィルタ71は、AC無線信号の比較的高い周波数成分を監視するように構成され、少なくとも、フィルタコンデンサ(C
HF)及びフィルタ抵抗器(R
HF)を含む。C
HF及びR
HFの値は、ハイパスフィルタ71にとって望ましいカットオフ周波数向けに選択及び/または調整する。一部の例では、システム10の動作周波数がMHzのオーダー(例えば、約6.78MHzの動作周波数)である際に、ハイパスフィルタ71用のカットオフ周波数を、約1~2kHz以上の値として選択して、勾配検出器72による適切で高速な勾配検出を保証することができる。一部の例では、ハイパスフィルタ71が、検出した勾配の高調波成分がフィルタ処理されないように構成されている。
図5の電流センサを考慮すれば、ハイパスフィルタ71及びローパスフィルタ55が、組合せで、復調回路70用のバンドパス(帯域通過)フィルタとして機能することができる。
【0457】
OP
SDは、V
Txの勾配を出力するための適切な信号応答に適した、但し、動作周波数及び/または動作周波数の高調波に基づく信号の成分を減衰させるのに十分なほど低い帯域幅を有する、あらゆる演算増幅器である。それに加えて、あるいはその代わりに、OP
SDは、V
Tx用の小さい入力電圧範囲を有するように選択することができ、これにより、OP
SDは、V
Txにおける電圧の大きな変化中に無用な誤差またはクリッピングを回避することができる。更に、OP
SD用の入力バイアス電圧(V
Bias)は、境界条件(例えば、最急勾配、V
Txの最大変化)下でOP
SDが飽和しないことを保証する値に基づいて選択することができる。なお、
図8のプロットBに示すように、勾配を検出しない際に、勾配検出器72の出力はV
Biasである。
【0458】
勾配検出器72の受動部品が、勾配検出器72の伝達関数の端点及びゼロ点を設定するので、こうした受動部品は、安定性を保証するように選択しなければならない。この目的で、CHF及びRHF用に選択する所望の、及び/または入手可能な構成部品が、伝達関数の端点及びゼロ点を適切に設定しない場合、追加的な、任意の安定コンデンサCSTをRHFと並列に配置することができ、安定抵抗器RSTをOPSDの入力経路内に配置することができる。
【0459】
勾配検出器72の出力(V
SDを表すプロットB)は、次式で近似することができる:
【数1】
【0460】
従って、電圧の変化(勾配)が検出されない際には、VSDはVBiasで近似され、勾配検出器72の出力VSDはプロットBで表される。図に示すように、電圧の変化(勾配)が検出されない際には、VSDの値はVBiasで近似されるのに対し、VTxがASK変調のハイの電圧とローの電圧との間で上昇及び下降する際には、VSDは、電圧の変化(dV/dt)を、ハイパスフィルタ71によってスケーリングして出力する。勾配検出器72の出力は、プロットBで示すように、パルスとすることができ、VTxの上昇及び下降の勾配を示す。
【0461】
VSDは比較回路74へ出力され、比較回路74は、VSDを受信し、VSDを、電圧(VSUp)の上昇変化率及び電圧(VSLo)の下降変化率と比較するように構成されている。VSDがVSupを超えるか満足する場合、比較回路は、VTxの変化が上昇の閾値を満足するものと判定して、ASK変調における立上りエッジを示す。VSDがVSLowを下回るか満足する場合、比較回路は、VTxの変化が下降の閾値を満足するものと判定して、ASK変調の立下りエッジを示す。なお、VSup及びVSLoは、対称なトリガ発生を保証するように選択することができる。
【0462】
図8は例示的なタイミング図であり、復調回路70の種々の段または副回路における信号形状または波形を示す。復調回路70への入力信号を
図8にプロットAとして示し、送信アンテナ21上の「ハイ」電圧(V
High)の摂動から「ロー」電圧(VLow)の摂動までの立上り及び立下りエッジを示す。プロットAの電圧信号は、例えば、センシングシステム50の1つ以上のセンサによって送信アンテナ21において感知した電流(I
Tx)から導出することができる。こうしたV
HighからV
Lowまでの上昇及び下降は、無線受信システム30において実行される、ASK変調により無線データ信号を含めるように無線電力信号を変調する負荷変調によって生じ得る。図示するように、プロットAの電圧は、ASK変調を実行する際に明らかに上昇及び下降せず;むしろ、変化率を示す勾配が、V
HighからV
Lowまでの遷移中に発生し、その逆も成り立つ。
【0463】
図7Aに示すように、勾配検出器72は、ハイパスフィルタ71、演算増幅器(OpAmp:operational amplifier)OP
SD、及び任意の安定回路73を含む。ハイパスフィルタ71は、AC無線信号の高周波成分を監視するように構成され、少なくとも、フィルタコンデンサ(C
HF)及びフィルタ抵抗器(R
HF)を含むことができる。C
HF及びR
HFの値は、ハイパスフィルタ71用の所望のカットオフ周波数向けに選択及び/または調整することができる。一部の例では、システム10の動作周波数がMHzのオーダーである(例えば、約6.78MHzの動作周波数である)際に、ハイパスフィルタ71用のカットオフ周波数を、約1~2kHz以上の値として選択して、勾配検出器72による高速な勾配検出を保証することができる。一部の例では、ハイパスフィルタ71が、検出した勾配の高調波成分がフィルタ処理されないように構成されている。
図5の電流センサ57を考慮すれば、ハイパスフィルタ71及びローパスフィルタ55が、組合せで、復調回路70用のバンドパス(帯域通過)フィルタとして機能することができる。
【0464】
OP
SDは、V
Txの勾配を出力するための適切な信号応答に適した、但し、動作周波数及び/または動作周波数の高調波に基づく信号の成分を減衰させるのに十分なほど低い帯域幅を有するあらゆる演算増幅器である。それに加えて、あるいはその代わりに、OP
SDは、V
Tx用の小さい入力電圧範囲を有するように選択することができ、これにより、OP
SDは、V
Txにおける電圧の大きな変化中に無用な誤差またはクリッピングを回避することができる。更に、OP
SD用の入力バイアス電圧(V
Bias)は、境界条件(例えば、最急勾配、V
Txの最大変化)下でOP
SDが飽和しないことを保証する値に基づいて選択することができる。なお、
図8のプロットBに示すように、勾配を検出しない際に、勾配検出器72の出力はV
Biasである。
【0465】
勾配検出器72の受動部品が、勾配検出器72の伝達関数の端点及びゼロ点を設定するので、こうした受動部品は、安定性を保証するように選択しなければならない。この目的で、CHF及びRHF用に選択する所望の、及び/または入手可能な構成部品が、伝達関数の端点及びゼロ点を適切に設定しない場合、追加的な、任意の安定コンデンサCSTをRHFと並列に配置することができ、安定抵抗器RSTをOPSDの入力経路内に配置することができる。
【0466】
勾配検出器72の出力(V
SDを表すプロットB)は、次式で近似することができる:
【数2】
【0467】
従って、電圧の変化(勾配)が検出されない際には、VSDはVBiasで近似され、勾配検出器72の出力VSDはプロットBで表される。図に示すように、電圧の変化(勾配)が検出されない際には、VSDの値はVBiasで近似されるのに対し、VTxがASK変調のハイの電圧とローの電圧との間で上昇及び下降する際には、VSDは、電圧の変化(dV/dt)を、ハイパスフィルタ71によってスケーリングして出力する。勾配検出器72の出力は、プロットBで示すように、パルスとすることができ、VTxの上昇及び下降の勾配を示す。
【0468】
VSDは比較回路74へ出力され、比較回路74は、VSDを受信し、VSDを、電圧(VSUp)の上昇変化率及び電圧(VSLo)の下降変化率と比較するように構成されている。VSDがVSupを超えるか満足する場合、比較回路は、VTxの変化が上昇の閾値を満足するものと判定して、ASK変調における立上りエッジを示す。VSDがVSLowを下回るか満足する場合、比較回路は、VTxの変化が下降の閾値を満足するものと判定して、ASK変調の立下りエッジを示す。なお、VSup及びVSLoは、対称なトリガ発生を保証するように選択することができる。
【0469】
図6に示す比較回路74のような一部の例では、比較回路74がウィンドウ比較回路を具えることができる。こうした例では、V
Sup及びV
SLoを、比較回路74の抵抗値によって決まる電源の一部として設定することができる。一部のこうした例では、比較回路内の抵抗値を次式のように設定することができる:
【数3】
ここに、Vinは比較回路74によって決まる電源である。V
SDがV
SupまたはV
SLoの設定限界を超えると、比較回路74はトリガを発生して出力(V
Cout)をローにプルする。
【0470】
更に、比較回路74の出力信号を送信コントローラ28へ出力し、この信号を利用して、ASK変調の立上り及び立下りエッジを信号通知することによって無線データ信号を復号化することができるのに対し、一部の例では、SRラッチ76を含めて、ノイズ低減及び/またはフィルタ・メカニズムを勾配検出器72用に追加することができる。SRラッチ76は、定常状態における信号(プロットC)を、送信コントローラ28が読み込むためにリセットが実行されるまでラッチするように構成することができる。一部の例では、SRラッチ76が、比較器の信号をラッチする機能を実行して、能動的にハイの警報出力信号を生成するためのインバータとして機能することができる。従って、SRラッチ76は、システムが勾配または他の変調の励起を検出した際に、連続して励起するように構成された、現在技術において既知のあらゆるSRラッチとすることができる。図示するように、SRラッチ76はNOR(ノア、否定論理和)ゲートを含むことができ、こうしたNORゲートは、信号に適した伝搬遅延を有するように構成することができる。例えば、SRラッチ76は2つのNORゲート(NORUp、NORLo)を含むことができ、各NORゲートは、比較器74の上側電圧出力及び比較器74の下側電圧出力に動作的に関連する。
【0471】
プロットCに示すもののような一部の例では、比較回路74がVSupの検出を出力すると(プロットC上の実線)、SRラッチ76のリセットがトリガされ、比較回路74がVSLoを出力すると(プロットC上の破線)、SRラッチ76のセットがトリガされる。従って、SRラッチ76のリセットはASK変調の立下りエッジを示し、SRラッチ76のセットはASK変調の立上りエッジを示す。従って、プロットDに示すように、変調回路70が示す立上り及び立下りエッジは、送信コントローラ28に警報として入力され、送信コントローラ28は、これらの警報を復号化して、無線受信システム30からASK変調により送信されて受信した無線データ信号を復号化する。
【0472】
図8のプロット中に例示する着信信号V
Txは、過度なバイアスまたは飽和に至らない、というのは、V
Bias及びV
Gの値の値が適切なレベルであるからであり、但し結合環境は(例えば、強い結合から弱い結合に)変化し得る。このため、V
Bias及びV
Gは、もはや適切ではなく、もはや正確な信号検出を可能にしない。しかし、本明細書中に説明する自動ゲイン及びバイアスを適用して、システムの挙動を連続的に評価してV
Bias及びV
Gを設定し、これにより、許容可能な結合強度の範囲全体にわたって正確な信号検出を提供する。
【0473】
図9を参照し、引き続き
図1~4を参照すれば、電力調整システム40の一実施形態を示すブロック図が図示されている。電力調整システム40では、入力電源12自体によるDC電源として、あるいは、介在してAC電源をDC電源(図示せず)に変換する電力変換器を通したDC電源として、電力を受ける。電圧レギュレータ46は、入力電源12から電力を受け、アンテナ21による無線送信用の電力を供給するように構成されている。従って、電圧レギュレータ46は、受けた電力を少なくとも2つの電力信号、即ち:無線送信システム20のあらゆる構成要素に給電するための第1電力信号、及び無線受信システム30への無線送信用に調整され修正される第2部分に変換し、各電力信号は、下流の構成要素のそれぞれの動作に適した電圧である。
図3に示すように、こうした第1部分は、少なくとも、センシングシステム50、送信コントローラ28、及び通信システム29へ送られる;しかし、第1部分は、これらの構成要素のみへ送ることに限定されず、無線送信システムのあらゆる電気的構成要素へ送ることができる。
【0474】
電力の第2部分は電力調整システム40の増幅器42に供給され、増幅器42は、アンテナ21による無線送信用に電力を調整するように構成されている。増幅器はインバータ(逆変換器)として機能することができ、このインバータは、入力DC電力信号を電圧レギュレータ46から受けて、少なくとも部分的に、送信制御システム26からのPWM入力に基づいて、ACを出力として発生する。増幅器42は、例えば、単一電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)のような一電力段インバータ、二電界効果トランジスタ電力段インバータ、または四電界効果トランジスタ電力段インバータとすることができ、あるいはこれらを含むことができる。電力調整システム40内、同様に無線送信システム20内での増幅器42の使用は、こうした増幅器なしで送信する場合よりもずっと大きな振幅を有する電気信号の無線送信を可能にする。例えば、増幅器42の追加は、無線送信システム20が、電気エネルギーを、約10mVから約500Wまでの電力を有する電力信号として送信することを可能にする。一部の例では、増幅器42を1つ以上のE級電力増幅器とすることができ、あるいは増幅器42が1つ以上のE級電力増幅器を含むことができる。E級電力増幅器は、高周波(例えば、約1MHzから約1GHzまでの周波数)における使用向けに設計された、効率的に調整されたスイッチング電力増幅器である。一般に、シングルエンドE級増幅器は、単一端子のスイッチング素子、及びスイッチと出力負荷(例えば、アンテナ21)との間の調整されたリアクタンス性回路網を用いる。E級増幅器は、ゼロ電流の時点(例えば、オンからオフへのスイッチング(切り換え))またはゼロ電圧の時点(オフからオンへのスイッチング)のみでスイッチング素子を動作させることによって、高周波での高効率を実現する。こうしたスイッチング特性は、デバイスのスイッチング時間が動作の周波数に比べて長い際でも、スイッチにおける電力損失を最小にすることができる。しかし、増幅器42は必ずE級増幅器であることに限定されず、増幅器42の一部として含めることができる増幅器の中で特に、D級増幅器、EF級増幅器、Hインバータ増幅器、及び/またはプッシュプル・インバータのうちの1つ以上とすることができ、あるいはこれらのうちの1つ以上を含むことができる。
【0475】
ここで
図10を参照し、少なくとも、
図1及び2を引き続き参照すれば、無線受信システム30がより詳細に示されている。無線受信システム30は、少なくとも、電気エネルギー、電力、電磁エネルギー、及び/または電気的に伝送可能なデータを、近接場磁気結合により、無線送信システム20から送信アンテナ21を介して受信するように構成されている。
図9に示すように、無線受信システム30は、少なくとも、受信アンテナ31、受信同調兼フィルタ処理システム34、電力調整システム32、受信制御システム36,及び電圧絶縁回路70を含む。受信同調兼フィルタ処理システム34は、無線送信システム20の電気インピーダンスにほぼ整合するように構成することができる。一部の例では、受信アンテナ31の電気インピーダンスを動的に調整して、送信アンテナ21の駆動周波数における電力発生器または負荷の特性インピーダンスにほぼ整合するように、受信同調兼フィルタ処理システム34を構成することができる。
【0476】
図示するように、電力調整システム32は整流器33及び電圧レギュレータ35を含む。一部の例では、整流器33が受信同調兼フィルタ処理システム34に電気接続されている。整流器33は、受信した電気エネルギーを、交流電気エネルギー信号から直流電気エネルギー信号に変更するように構成されている。一部の例では、請求器33が少なくとも1つのダイオードで構成されている。整流器33の一部の非限定的な構成例は、全波整流器、半波整流器、ブリッジ整流器、分離整流器、単相整流器、三相整流器、電圧ダブラ、同期電圧整流器、制御付き整流器、非制御整流器、及び半制御整流器を含み、但し含むことに限定されず、全波整流器は中心タップ全波整流器及びフィルタ付き全波整流器を含み、半端整流器はフィルタ付き半波整流器を含み、ブリッジ整流器はフィルタ付きブリッジ整流器を含む。電子デバイスは電圧に敏感なことがあるので、電子デバイスの追加的保護を、クリッパ回路または装置によって提供することができる。この点で、整流器33はクリッパ回路またはクリッパ装置を更に含むことができ、クリッパ回路またはクリッパ装置は、入力AC信号の正の部分(上半分)または負の部分(下半分)のいずれか、あるいは正の部分及び負の部分を共に除去する回路または装置である。換言すれば、クリッパは、入力AC信号の正の振幅、負の振幅、または正及び負の両方の振幅を制限する回路または装置である。
【0477】
電圧レギュレータ35の非限定的な例は、シリーズリニア(直列線形)電圧レギュレータ、バックコンバータ、ロードロップアウト(LDO:low dropout:低損失型)レギュレータ、シャントリニア(分路線形)電圧レギュレータ、ステップアップ・スイッチング電圧レギュレータ、ステップダウン・スイッチング電圧レギュレータ、インバータ電圧レギュレータ、ツェナー制御トランジスタ・シリーズ電圧レギュレータ、チャージポンプ・レギュレータ、及びエミッタフォロワ電圧レギュレータを含み、但し含むことに限定されない。電圧レギュレータ35は、電圧増倍器を更に含むことができ、電圧増倍器は、入力電圧の振幅(ピーク値)よりも2倍、3倍、またはより大きな倍数だけ大きい振幅(ピーク値)を有する出力電圧を供給する電子回路または電子機器である。電圧レギュレータ35は、整流器33に電気接続され、無線で受信した電気エネルギー信号の電圧の振幅を、整流器33によるACへの変換後に調整するように構成されている。一部の例では、電圧レギュレータ35をLDOリニア電圧レギュレータとすることができる;しかし、他の電圧調整回路及び/またはシステムも考えられる。図示するように、電圧レギュレータ35が出力する直流エネルギー信号は、電子機器14の負荷16で受信される。一部の例では、直流電力信号の一部分を利用して、受信制御システム36及びその構成要素に給電することができる;しかし、受信制御システム36、及びそのあらゆる構成要素は、(例えば、負荷16が電池及び/または他の電源である際に)負荷16から、及び/または電子機器14の他の構成要素から、給電されること、及び/または信号を受信することが、確実に可能である。
【0478】
受信制御システム36は、受信コントローラ38、通信システム39、及びメモリ37を含むことができ、但し含むことに限定されない。受信コントローラ38は、少なくとも、プロセッサを含むあらゆる電子コントローラまたはコンピュータシステムとすることができ、このプロセッサは、演算を実行し、制御アルゴリズムを実行し、データを記憶し、データを読み出し、データを収集し、無線受信システム30に関連する他の構成要素またはサブシステムを制御し、及び/またはこれらの構成要素またはサブシステムとの通信を行う。受信コントローラ38は、単一のコントローラとすることができ、あるいは、無線受信システム30の種々の機能及び/または特徴を制御するように配置された2つ以上のコントローラを含むことができる。受信コントローラ38の機能は、ハードウェア及び/またはソフトウェアで実現することができ、無線受信システム30の動作に関係する1つ以上のデータマップに頼ることができる。この目的で、受信コントローラ38はメモリ37に動作的に関連することができる。メモリは、内部メモリ、外部メモリの一方または両方、及び/またはリモートメモリ(例えば、インターネット(但しこれに限定されない)のようなネットワーク経由で受信コントローラ38に動作的に接続されたデータベース及び/またはサーバー)を含むことができる。内部メモリ及び/または外部メモリは、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、携帯メモリ、等のうちの1つ以上を含むことができ、但し含むことに限定されず、ROMは、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM、時として、但し稀にEROM)、電気的消去可能読出し専用メモリ(EEPROM)を含み、RAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、シングルデータレート同期ダイナミックRAM(SDR SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM、DDR2、DDR3、DDR4)、及びグラフィックス・ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(GDDR SDRAM、GDDR2、GDDR3、GDDR4、GDDR5)を含む。こうしたメモリ媒体は、非一時的なコンピュータ可読メモリ媒体の例である。
【0479】
更に、受信制御システム36の特定要素を、受信制御システム36の副次的構成要素及び/または回路(例えば、考えられる要素の中で特に、メモリ37、通信システム39)として図示しているが、こうした構成要素は受信コントローラ38の外部にすることができる。一部の例では、受信コントローラ38を、受信コントローラ38及び無線受信システム30全体の一方または両方の機能要素を含むように構成された1つ以上の集積回路とすることができ、及び/または、受信コントローラ38がこうした集積回路を含むことができる。本明細書中に用いる「集積回路」とは、一般に、回路素子の全部または一部が密接に関連し電気的に相互接続され、このため、製造及び市販の目的で不可分であるものと考えられる回路を参照する。こうした集積回路は、薄膜トランジスタ、圧膜技術、及び/またはハイブリッド集積回路を含み、但し含むことに限定されない。
【0480】
一部の例では、無線電力送信システム20を、大きな充電領域全体にわたって電力を送るように構成することができ、この充電領域内で無線電力受信システム30がこの電力を受けることができる。「充電領域」は、無線電力送信システム20及び/または送信アンテナ21に関連し、且つ近接した領域とすることができ、この領域内で、無線電力受信機30が、送信システム20または送信アンテナ21と、当該充電領域内の複数の点で結合することができる。この目的で、充電領域内で結合するための複数の点が、所与の充電領域内で、可能な限り多数の点を含み、受信システム30と結合する一貫した能力と同程度を有することが、機能及びユーザ体験の両方にとって有利である。一部の例では、「大きな充電領域」を、X-Y軸の空間的自由度が、約150mm~約500mmの幅(領域を横切る幅、または「X」軸方向の幅)を境界とし、かつ、約50mm~約350mmの長さ(領域の高さ、または「Y」軸方向の長さ)を境界とする領域内である充電領域とすることができる。以下に開示するアンテナ21は、「大面積」または「大きな充電領域」用の無線電力送信アンテナに応用可能であるが、本明細書中に開示する教示は、以上で説明したものよりも小さな、または大きな充電領域を有する送信または受信アンテナにも適用可能にすることができる。
【0481】
大面積の電力伝送を、電力伝送の最大の均一性を念頭に置いて設計することが有利である。従って、こうした送信アンテナ21は、均一度を念頭に置いて設計することが有利であり得る。本明細書中に定義する「均一度」とは、無線送信システム20と無線受信システム30との最小の結合に対する、システム20、30間の最大の結合の比率を参照し、この結合値は、無線受信システム30及び/またはアンテナ31が送信アンテナ21の充電領域内に配置される複数の点において、システム20、30間の結合を測定または特定することによって決定される。換言すれば、均一度は、受信アンテナ31が、送信アンテナ21の充電領域に対して、最低の結合(CMIN)を提供する点に配置された際の結合に対する、受信アンテナ31が、送信アンテナ21の領域に対して、最高の結合(CMAX)を提供する点に配置された際の結合の比率である。従って、充電領域の均一度(UAREA)は次式のように定義することができる:
UAREA=CMAX/CMIN
この目的で、完全に均一な充電領域は1の均一度を有する、というのは、完全に均一な充電領域についてはCMAX=CMINであるからである。
【0482】
更に、均一度は、より多いターン数、コイル、及び/または他の共振体をアンテナ内に用いることによって高めることができるが、このように、より多数の導電性金属の使用量を増加させて均一度を最大にすることは、より多数の導電性材料を含めることによる既知の欠点の中で特に、コストの懸念、部品表の懸念、環境の懸念、及び/または持続可能性の懸念を生じさせ得る。この目的で、以下の送信アンテナ21は、均一度の考慮と、コスト、環境、及び/または持続可能性の考慮とのバランスをとることによって設計することができる。換言すれば、以下の送信アンテナ21は、導線または導電性トレースの使用量または長さを低減(例えば、最小に)しつつ、均一度の増加(例えば、最大化)を実現するように構成することができる。
【0483】
更に、以下のアンテナ21はPCB(printed circuit board:プリント回路基板)またはフレキシブルPCBによって具体化することができるが、一部の例では、以下のアンテナ21は、あらゆる標準的なPCB基板の使用を控えた巻線アンテナとすることができる。PCB基板の使用を低減するか、恐らくは解消することによって、PCB基板に関連するコスト及び/または環境の懸念を低減及び/または解消することができる。
【0484】
ここで
図11Aを参照すれば、無線電力送信アンテナ121の実施形態が図示され、無線電力送信アンテナ121は無線送信システム20用の送信アンテナ21として利用することができる。アンテナ121はアンテナ分子123で形成することができ、アンテナ分子123の各々は、複数のコイル原子を規定すること、または含むことができる。本明細書中に定義する「アンテナ分子」とは、連続導線で形成され、かつ複数のコイル原子を含むように形成(例えば、巻回)されたアンテナコイルを参照する。本明細書中に定義する「コイル原子」とは、アンテナ分子における、ループ状のフットプリント(設置面積)を有する形状を実質的に形成する部分を参照し、このループ構造が(例えば、
図11Dに示すような)閉じたループであるか、(例えば、
図11Cに示すような)1つ以上の開口部を有するループであるかにはよらない。従って、有機的構造に基づく比喩として、複数の「コイル原子」が組み合わさって「アンテナ分子」を形成し、次に複数の「アンテナ分子」が組み合わさって「有機体」を形成し、「有機体」が送信アンテナ121である。
【0485】
本明細書中に定義する「連続導線」とは、1つの点から始まって、信号経路の遮断なしに、第2の点まで連続する導線または導電性材料の堆積を参照する。連続導線は、導線として配置された既知の導体の中で特に、巻回された導電性の配線または導線、プリント回路基板上の導線または導線性トレース、基板上に堆積した導電性材料、付加的な製法によりパターンの形に配置された導電性材料を含むことができる。
【0486】
図11Bに示すように、アンテナ分子の一例123は、連続導線124で形成され、始点分子端子126から始まり、終点分子端子128で終わることができる。始点及び終点端子126、128は、無線送信システム20の電子部品に直接接続することができ、あるいは、分子123を駆動するための信号を受信する他のアンテナ分子123に接続することができる。集合的に、アンテナ121の分子123の各々の駆動が、アンテナ121の駆動を生じさせる。
【0487】
図11Bでは、円形の端点を有し導線124上の点を示す英字の引き出し線を利用して、分子123の導線124を通る電流経路(電流フローとも称する)の一例を示す。点Aは、導線124の始点に近接し、導線124における電流の入力点を示す。次に、電流は点Bまで、次に点Cまで、そして点Dまで流れる;しかし、電流が点Cから点Dまで流れる間に、電流は再度点Bを通って流れない、というのは、導線124は点Bの下方または上方のいずれかに経路設定されているからであり、一部の例では、絶縁体が、点Bの所で交差する導線との間に配置されている。点Dから、電流は点Eまで流れ、点Fに向かってループを流れ、次に上向き、そして右向きに、点Gに向かって流れ;点B、D間の関係と同様に、電流は、点Eを再度通って流れない、というのは、導線124は点Eの下方または上方のいずれかに経路設定されているからであり、一部の例では、絶縁体が、点Eの所で交差する導線124との間に配置されている。次に、電流は点Gから点Hまで流れ、点Iを通って上向きに戻って点Jまで流れ;電流は点Hを再度通って流れない、というのは、導線124は点Hの下方または上方のいずれかに経路設定されているからであり、一部の例では、絶縁体が点Hの所で交差する導線との間に配置されている。次に、点Jから、電流は点Kまで流れ、次に、図示するようにアンテナ分子123の最下部に配置されたほぼ直線状の部分を通って、点Kから、点Lまで、点Mまで、点Nまで流れ、そして最終的に、点Nから点Oまで流れ、点Oは終点分子端子128に近接して位置する。一部の例では、ほぼ直線状の部分129上の点を、点C、F、及びIの下方または上方に経路設定することができ、点C、F、及びIとほぼ直線状の部分129との間に絶縁体を配置することができる。一部の代案の例では、ほぼ直線状の部分129を、この部分と点C、F、及びIとの間にギャップをおいて配置することができる。こうしたギャップは、点C、F、及びIとほぼ直線状の部分129との間に十分な間隔を与えるように構成されている。
【0488】
上述した
図11Bの分子123の構造に基づけば、分子123は閉じたコイル原子125または閉じていないコイル原子125にセグメント分けすることができる。(
図11Cに別個に示す)第1コイル原子125Aはソースコイル原子であり、始点及び終点端子126、128を含み、電流がアンテナ分子125に出入りする箇所である。(
図11Dに別個に示す)1つ以上の接続されたコイル原子125B~Nは、コイル原子125の任意の数「N」について、ソースコイル原子125A及び/または1つ以上の他のコイル原子125B~Nに共に電気接続されている、というのは、これらは全部が連続導線124の一部であるからである。
【0489】
ここで
図11Aに戻れば、図示するように、アンテナ分子123A~Nの各々は、少なくとも1つの他のアンテナ分子123A~Nと部分的にオーバーラップする。更に、導線124の構造中に構成されるように、コイル原子125の各々は他の1つのコイル原子125と部分的にオーバーラップする。それぞれのアンテナ分子123間のオーバーラップの各々、及びそれぞれのコイル原子125間のオーバーラップの各々は、導線124の導線性材料の量を所与として、改善された均一度を実現するために、導線124の各部分を適切に配置するように設定することができる。例えば、分子のオーバーラップ141A及び141Bは、縦方向の均一度を維持または改善するように設定することができる(例えば、送信アンテナ121に対して縦方向に移動する受信アンテナ31について均一度を最適化する)。それに加えて、あるいはその代わりに、原子のオーバーラップ143A、143B、143Nは、横方向の均一度を維持または改善するように設定することができる(例えば、送信アンテナ121に対して横方向に移動する受信アンテナ31について均一度を最適化する)。
【0490】
図示するように、
図11A~Dのアンテナ分子123は「直線状に配列された」アンテナ分子123であり、本明細書中に定義するように、アンテナ分子123のコイル原子125がコイル原子125A~コイル原子125Nまで、ほぼ直線状に配列されていることを意味する。一部の直線状に配列されたアンテナ分子123では、連続導線124のほぼ直線状の部分129が、ほぼ直線状に配列されたソースコイル原子125Aから最後に接続されたコイル原子125Nまでに及ぶ。
【0491】
送信アンテナの他の例221を
図12Aに示し、送信アンテナ221もアンテナ分子223を有し、各アンテナ分子223は、ほぼ直線状に配列されたコイル原子225を有する。送信アンテナ221は、無線送信システム20と共に、送信アンテナ21として利用することができる。
【0492】
図12Bに示すように、アンテナ分子の一例223は、連続導線224で形成され、始点分子端子226から始まり、終点分子端子228で終わることができる。始点及び終点端子226、228は、無線送信システム20の電子部品に直接接続することができ、あるいは、分子223を駆動するための信号を受信する他のアンテナ分子223に接続することができる。集合的に、分子223の各々の駆動が、アンテナ221の駆動を生じさせる。
【0493】
アンテナ分子223のコイル原子225の各々は、少なくとも、内側ターン及び外側ターンを含む;しかし、コイル原子225は、追加的なターン(図示せず)を含むことができる。
図12Bでは、円形の端点を有し導線224上の点を示す英字の引き出し線を利用して、分子223の導線224を通る電流経路(電流フローとも称する)の一例を示す。点Aは、導線224の始点に近接し、導線224における電流の入力点を示す。次に、電流はソースコイル原子225Aの内側ターン251Aを時計回り方向に周回するように通って流れ、次に、ソースコイル原子225Aの外側ターン内へ流れる。次に、電流は点Bから外側ターン253Aを通って点Cまで流れ、次に、点Dまで下方へ流れ、点Dは旋回軸252Bに近接して存在し、旋回軸252Bは導線224内の旋回軸点を表し、この旋回軸点で、電流フローは、ソースコイル原子225Aの外側ターンの一部分から第2コイル原子225Bの内側コイルへ旋回する。次に、電流は、第2コイル原子225Bの内側ターン251Bの全体を通って時計回り方向に流れ、そして点Eまで流れ、次に、電流は、第2コイル原子225Bの外側ターン253Bの一部分まで流れる。電流は、外側ターン253Bを通って点Fまで流れ続ける;しかし、電流が点Eから点Fまで流れる間に、電流は再度点Cを通って流れない、というのは、導線124は点Cの下方または上方のいずれかに経路設定されているからであり、一部の例では、絶縁体が、点Cの所で交差する導線との間に配置されている。次に、電流は点Fから点Gまで流れ、次に、点Gから点Hまで流れ、電流は外側ターン253Bから第3コイル原子225Cの内側ターン251Cへ旋回する。次に、電流は、点Hから点Lまで、点Dから点Hまでの電流フローと同様の経路内を流れ、但し、第3コイル原子225Cの内側ターン251C(点H)から第4コイル原子225Dの内側ターン251D(点L)まで流れるためである。同様に、電流は、次に、点Lから点Pまで、点Dから点Hまでの電流フローと同様の経路内を流れ、但し第4コイル原子225Dの内側ターン251D(点L)から第5コイル原子225Eの内側ターン251E(点P)まで流れるためである。次に、電流は、点Pから点Tまで、点Dから点Hまでの電流フローと同様の経路内を流れ、但し第5コイル原子225Eの内側ターン251E(点P)からn番目のコイル原子225Nの内側ターン251N(点T)まで流れるためである。
【0494】
点Tで、電流は、次に、内側ターン251Nを通って時計回り方向に流れ、次に点Uから点Vまで流れ、次に点Wまで流れ、点Wは外側ターン253Nの大部分に続く。次に、電流は、点Wから点Xまで、図示するようにアンテナ分子223の最下部に配置されたほぼ直線状の部分を通って流れる。次に、電流は点Yまで流れ、点Yは終点分子端子228に近接して位置する。
【0495】
ほぼ直線状の部分は、コイル原子225A~Nの各々の各外側ターン253A~Nの一部分を形成するものと考えることができる。図示するように、ほぼ直線状の部分229は、当該部分と、導線224の外側ターン253の他の部分との間にギャップを有して配置することができる。こうしたギャップは、ほぼ直線状の部分229と、外側ターン253の他の部分との間に十分な間隔を与えるように構成されている。ほぼ直線状の部分229のこうした構成は、連続導線224の部分間に絶縁体を配置する必要性を低減または解消することができ、このことはアンテナ221の製造可能性に役立つ。
【0496】
(
図12Cに別個に示す)第1コイル原子225Aはソースコイル原子であり、始点及び終点端子226、228を含み、電流がアンテナ分子223に出入りする箇所である。(
図12Dに別個に示す)1つ以上の接続されたコイル原子225B~Nは、コイル原子225の任意の数「N」について、ソースコイル原子225A及び/または1つ以上の他のコイル原子225B~Nに共に電気接続されている、というのは、これらは全部が連続導線124の一部であるからである。
【0497】
図11~12及び以下の
図13~14のもののような分子ベースの大充電領域用送信アンテナは、製造の複雑性を低下させるために特に有用である、というのは、ケーブルが交差する数が大幅に限定されるからである。更に、所与のサイズ向けの設計のモジュール方式がもたらされる、というのは、アンテナ分子の数を設計プロセス中に容易に変更することができるからである。
【0498】
ここで
図13A~13Cを参照すれば、アンテナ分子323を利用したアンテナ321が図示されている。アンテナ121、221の直線状に配列されたアンテナ分子とは対照的に、アンテナ321のアンテナ分子323の各々は「パズル形の配置」を有する。本明細書中に定義する、アンテナ分子の「パズル形の配置」とは、複数のコイル原子を有し、かつ、各コイル原子が、同じアンテナ分子の少なくとも1つの他のコイル原子に、当該コイル原子の対角線の延長線上で対向して配置されているアンテナ分子を参照する。
図13A~Cに示すように、第1パズル形アンテナ分子232Aは実線で示すのに対し、第2パズル形アンテナ分子323Bは破線で示す。
図13B及び13Cに見られるように、所与のパズル形アンテナ分子323のコイル原子325は、これらのコイル原子の対角線を連続させた直線上で互いに対向して配置され、このことは、例えば、第2コイル原子325Bが、上記直線上で第1コイル原子325Aの下側かつ右側に配置されていることを意味する。一部の例では、異なるアンテナ分子323Bの他のコイル原子325(例えば、コイル原子325D)が、コイル原子325Aの右側の空間に「適合する」か、この空間を「満たし」、かつアンテナ分子323Aの他のコイル原子325Bの上方にあるように配置され、同様に、異なるアンテナ分子323Bの他のコイル原子325(例えば、コイル原子325C)が、第2コイル原子325Bの左側の空間に「適合する」か、この空間を「満たし」、かつアンテナ分子323Aのコイル原子325Aの下方にあるように配置されている。このようにして、アンテナ分子323を「パズル形」にし、これにより、これらのアンテナ分子が重なり合うと、これらのアンテナ分子が組み合わさって完全な送信アンテナ321を形成する。
【0499】
ここで
図13Bを参照すれば、第1アンテナ分子323Aを通り電流フローが英字の点A~Dにより図示されている。連続導線324Aで構成されるパズル形アンテナ分子323Aを通る電流フローは、点Aから始まり、点Aでは、電流がアンテナ分子3232Aのソース端子326Aでアンテナ分子323Aに入り、第1コイル原子325Aの一部分を通って点Bまで流れ、次に、第2コイル原子325Bの全体を通って点Cまで流れ、次に、第1コイル原子325Aの残りの部分を通って、点Dにある終点端子328Aまで流れる。第2連続導線324Bで構成される第2アンテナ分子323Bを通る電流フローを
図13Cに示し、この電流フローは(2つのコイル原子325の反転された配置を説明するにもかかわらず)第1アンテナ分子323Aの電流フローとほぼ同様の経路に従い、電流フローは点Aから始まり、点Aで、電流がアンテナ分子323Bのソース端子326Bでアンテナ分子323Bに入り、電流は第3コイル原子325Cの一部分を通って点Bまで流れ、次に、第4コイル原子325Dの全体を通って点Cまで流れ、次に、第3コイル原子325Cの残りの部分を通って点Dにある終点端子328Bまで流れる。
【0500】
図14Aに、送信アンテナとして用いることができるアンテナの他の例421を示し、アンテナ421は第1数及び第2数のパズル形アンテナ分子423を含む。
図13のアンテナ321と同様に、第1数のパズル形アンテナ分子423(例えば、アンテナ分子423A、423C、423E)の各々は実線で示すのに対し、第2数のパズル形アンテナ分子423(例えば、アンテナ分子423B、423D、423N)は破線で示す。6つのアンテナ分子を図示しているが、アンテナ421は任意数「N」個のアンテナ分子423を含むことができる。それに加えて、2ターンのアンテナ分子423を示し、各アンテナ分子423は内側ターン及び外側ターンを有するが、アンテナ421用のアンテナ分子は任意数のターンを含むことができ、これらのターンの電流経路は、以下に説明する2つのターンを通る経路と同様の電流経路に従う。
【0501】
図14B、14Cに示すように、各アンテナ分子423の各コイル原子425は、少なくとも、最内周ターン451及び最外周ターン453を含む。更に、アンテナ分子423の各々は連続導線424で構成される。
【0502】
図14Bを参照すれば、連続導線424Aを有する第1例のアンテナ分子423Aを通る電流フローが、一連の英字の点A~Iにより例示されている。電流は、ソース端子426(点A)でアンテナ分子423Aに入り、コイル原子453A~Eの最外周ターン453A~Eの一部分を通って点Bまで流れ、次に、コイル原子425Fの最外周ターンの全体を通って点Cまで流れ、次に、コイル原子425Eの最外周ターン453Eの残り部分を通って、コイル原子425Dの最外周ターン453Dの残り部分まで流れ、コイル原子425Cの最外周ターン453Cの残り部分まで流れ、コイル原子425Bの最外周ターン453Cの残り部分まで流れ、そしてコイル原子425Aの最外周ターン453Aの残り部分(点D)まで流れる。次に、点Dから点Eまでは、連続導線424Aが引き続きコイル原子425の最内周ターン451を形成し、電流は、次に、点Eから、コイル原子425A~Eの各々の最内周ターン451A~Eの各々の一部分を通って点Fまで流れる。次に、電流は、点Fからコイル原子425Fの最内周ターン451Fの全体を通って点Gまで流れる。次に、点Gから点Hまで、電流は、コイル原子451A~Eの各々の残り部分を通って流れ、即ち、最内周ターン451Eから最内周ターン451Dまで行き、最内周ターン451Cまで行き、最内周ターン451Bまで行き、最内周ターン451Aまで行き、そして点Iにある終点端子で終わる。
【0503】
連続導線424Bを有する第2例のアンテナ分子423Bを通る電流フローを
図14Cに示し、この電流フローは、上述した
図14Bの電流フローとほぼ同様の電流経路に従い;アンテナ分子423Bは、第1アンテナ分子423Aに対する反転に過ぎず、このため、重ね合わせると、これらのアンテナ分子は2行のコイル原子425及び6列のコイル原子425を形成する。
【0504】
アンテナ分子をパズル形アンテナ分子423として形成することによって、各分子の導線424の交差が大幅に限定され;例えば、
図14Bに示すように、導線424Aは、アンテナ分子423A内の点HとIとの間の1点のみで この導線自体が交差する。交差点を解消及び/または低減することは、アンテナ分子423の生産または製造を加速することに役立ち、導線の交差点の部分間に絶縁体を配置するために必要なコストを低減し、従ってアンテナ421の生産のコストを低減することができる。
【0505】
図14Aに戻れば、パズル形アンテナ分子423の各々を生産した後に、第1数のもの(実線)と第2数のもの(破線)とを重ね合わせて、図示するようなコイル原子425の行及びコイル原子425の列を形成する。パズル形アンテナ分子423どうしが部分的にオーバーラップすることができるので、アンテナ分子423が他のものと交差する点どうしの間に絶縁体(図示せず)を配置することができ、あるいは、全体的な絶縁層を複数のアンテナ分子間に配置することができる。図示するように、2つのアンテナ分子423がオーバーラップギャップ441分だけオーバーラップすることができ、オーバーラップギャップ441はアンテナ421における均一度を増加させる(恐らくは最大にする)ように構成することができる。
【0506】
ここで
図15Aを参照すれば、アンテナ521用の電気接続を例示するためのブロック図が図示され、アンテナ521は送信アンテナ21として利用することができ、複数のアンテナ分子(例えば、アンテナ分子123、223、323、及び/または423のいずれをも)を含む。
図15Aのブロック図は、無線送信システム20の1つ以上の電気部品120からアンテナ521、21への電気接続を示し、及びアンテナ521のアンテナ分子123、223、323、及び/または423の相互間の電気接続を示し、これらのアンテナ分子の各々は、上述したアンテナ分子123、223、323、423のような本明細書中に開示するアンテナ分子のいずれの形態をとることもできる。
【0507】
アンテナ521は、アンテナ分子123、223、323、423、及びソースアンテナコイル529を含む。ソースアンテナコイル529は、PCB上に配置された、あるいは導線から巻回されたあらゆるコイルとすることができ、無線送信システム20の1つ以上の構成部品120への物理的な(または有線の)電気接続を介して電気信号を直接受信する。図示するように、アンテナ分子の各々は、互いに並列に電気接続されている。しかし、アンテナ分子は、1つ以上の構成部品120ともソースコイル529とも物理的に(または有線で)電気接続されず;むしろ、アンテナ分子は無線電力伝送用のレピータとして構成され、アンテナ分子は無線電力信号をソースコイルから受信し、この無線電力信号に基づく中継無線電力信号を送信する。
【0508】
本明細書中に定義する「レピータ(中継器)」とは、送信アンテナ(例えば、ソースコイル529)と、受信アンテナ31及び1つ以上の他のアンテナまたはコイル(例えば、
図15Aのアンテナ分子)の一方または両方との間に発生する磁界を中継するように構成されたアンテナまたはコイルであり、但しこうした後続するコイルまたはアンテナがレピータとして構成されている際に中継する。従って、1つ以上のレピータアンテナ(例えば、
図15Aのアンテナ分子)は、電気エネルギーまたはデータを、最初の送信アンテナ(例えば、ソースコイル529)から、受信アンテナ31、あるいは他の中継アンテナまたはコイルまで、NMFCにより中継する。1つ以上の実施形態では、こうした中継コイルまたはアンテナ(例えば、
図15Aのアンテナ分子)が、最初の送信アンテナ(ソースコイル529)と受信アンテナ31との共振周波数とおよそ同じ周波数で共振することができるインダクタコイルを具えている。更に、最初の送信アンテナが、電気信号を伝送することができること、及び/または1つ以上の他のアンテナ(レピータまたは受信機)と結合して、送信アンテナの出力信号または磁界の成分を、少なくとも部分的に伝送することができることが、確実に可能である。こうした伝送は、システム10、20、30の複数のアンテナとの二次的結合及び/または浮遊結合、あるいはこれらのアンテナへの信号伝送を含むことができる。
【0509】
一部の例では、
図15Aのアンテナ分子を、送信アンテナ521、21及び/または無線送信システム20のいずれかへの内部レピータと考えることができる。本明細書中に定義する「内部レピータ」とは、システムにとって共通のアンテナの一部として利用されるレピータコイルまたはアンテナであり、こうしたアンテナの境界外のレピータ(例えば、送信アンテナ21の充電領域の境界外へ信号を広げるための周辺アンテナ)として利用されるものではない。例えば、無線電力送信システム20のユーザは、内部レピータコイルを有するシステム20と、全部のコイルが電気部品120に結線されたものとの相違を、両システムが不透明な機械的ハウジング内に収容されている限り知らないであろう。内部レピータは、単一無線送信アンテナ内での使用にとって有益であり得る、というのは、これらは、共通の有線信号源に接続されるより長い導線に関連する電磁妨害(EMI)を導入せずに、コイル用のより長い導線を可能にするからである。それに加えて、あるいはその代わりに、内部レピータの使用は、金属弾性及び/または均一度を無線送信アンテナ向けに改良するに当たり有益であり得る。
【0510】
図15Bに、送信アンテナ521の一例を示し、ここではアンテナ分子が直線状に配列されたアンテナ分子223であり、
図11A~12Dのものと類似または同様の構成要素及び/または形態を有する。
図15Cに、送信アンテナ521の一例を示し、ここではアンテナ分子がパズル形アンテナ分子423であり、
図14A~14Cのものと類似または同様の構成要素及び/または形態を有する。図示するように、ソースコイル529は絶縁体(図示せず)付きで配置することができ、絶縁体は、ソースコイル529とアンテナ分子223、423との間の有線の導通を防止し、これにより、ソースコイルは、アンテナ分子223、423に信号を送信して、無線受信システム30へ中継することができる。
【0511】
アンテナ521のソース-レピータ構成を利用することは、製造上の利益をもたらすことができる、というのは、より大きなアンテナ(例えば、分子123、223、323、423)を、システム20全体及び/またはソースコイル529とは異なる場所で、あるいは異なる手段により製造することができるからである。この目的で、
図16は、アンテナ521のソース-レピータ構成を利用することにより無線送信システム20を製造する方法570のフローチャートの一例である。
【0512】
方法570はブロック572から始まり、ブロック572では無線送信システム20の電気部品を、例えばPCBのような基板上で互いに接続する。次に、ブロック574では、ソースコイル529を製造する。一部の例では、ソースアンテナコイル529を、電気部品120と同じ基板上に、電気部品120に関連する基板上に、及び/または電気部品120に接続可能なPCB上に製造する。従って、一部の例では、ブロック574におけるソースコイルの製造が、ソースコイル529を1つ以上の電気部品120上に配置するステップを含むことができる。ソースコイル529の形成後または形成中に、ソースコイル529を1つ以上の電気部品120に接続する(ブロック576)。次に、ブロック578に示すように、電気部品120及びソースコイル529を収容するための第1の機械的ハウジング560(
図17)を形成することができる。第1の機械的ハウジングは、少なくとも部分的に、不所望な電気接続、または無線送信システム20の外部の物体または環境による環境の悪化を防止するための誘電体付きで構成することができる。
【0513】
ブロック580では、上記方法が、アンテナ分子を形成または製造するステップを含む(例えば、分子はアンテナ分子123、223、323、及び/または423のいずれかの形態をとる)。次に、方法570は、アンテナ分子を収容するための第2の機械的ハウジングを形成するステップを含む。第2の機械的ハウジング565は、少なくとも部分的に、不所望な電気接続、またはアンテナ分子の外部の物体または環境による環境の悪化を防止するための誘電体付きで構成することができる。
【0514】
一部の例では、ステップ572、574、576、578は第1の場所591で実行することができ、ステップ580、582は第2の場所592で実行することができる。こうした例では、電気部品120及び/またはソースコイル529を製造する方法は、アンテナ分子を製造する方法とは非常に異なり得る。例えば、1つ以上の電気部品120及びソースコイル529はPCB製造により形成することができ、アンテナ分子は手作業または機械ベースの導線巻回により形成することができ;コストまたは利用可能性の制限が、PCBの製造と巻線の製造とを異なる場所または設備で実行することを要求することがある。従って、レピータ構成及び機械的ハウジング560、565により、異なる場所で製造し、容易に製造可能な電気接続及び機械的接続を有することによって、製造における一見複雑な計画実行を改善または簡略化することができる。
【0515】
一部の例では、方法570が、次に、第1のハウジング560と第2のハウジング565とを機械的に接続するステップを含み、これにより、ソース-レピータ構成において、ソースコイル529とアンテナ分子とを無線電気接続することができる。こうした接続は第3の場所で生じることができる。一部の例では、第3の場所を、第1の場所591または第2の場所592の一方と共通の場所とすることができる。
【0516】
図17Aに、ハウジング560、565が無線送信システムのハウジング520として組み合わされた様子を示し、
図17Bに、無線送信システムのハウジング520を構成する前の分離されたハウジング560、565を示す。一部の例では、第1のハウジング560が第1の機械的特徴部分562を含み、第1の機械的特徴部分562は、ソースコイル529を収容するように構成され、ソースコイル529からアンテナ分子123、223、323、423への無線電力伝送を可能にするように構成されている。一部のこうした例では、第2のハウジング565が第2の機械的特徴部分567を含み、第2の機械的特徴部分567は、ソースコイル529からアンテナ分子123、223、323、423への無線電力伝送を可能にするように構成されている。第1の機械的特徴部分562と第2の機械的特徴部分567とは、嵌まり合うように構成することができ、これにより、機械的特徴部分562、567を介した接続が、ソースコイル529からアンテナ分子123、223、323、423への電力の伝送用に、ソースコイル529をアンテナ分子123、223、323、423と位置合わせする。
【0517】
ここで
図18を参照すれば、アンテナ621用の電気接続を示すブロック図が図示され、アンテナ621は、送信アンテナ21として利用することができ、複数のアンテナ分子を含む(複数のアンテナ分子の各々は、アンテナ分子123、223、323、及び/または423のいずれの形態をとることもできる)。
図18Aのブロック図は、無線送信システム20の1つ以上の電気部品120からアンテナ621、21への電気接続を示し、及びアンテナ521のアンテナ分子の相互間の電気接続を示し、これらのアンテナ分子の各々は、上述したアンテナ分子123、223、323、423のような本明細書中に開示するアンテナ分子のいずれの形態をとることもできる。
【0518】
アンテナ621は、第1アンテナ分子123A、223A、323A、423Aをソースアンテナ分子123A、223A、323A、423Aとして含み、2つ以上(「N」個)の他のアンテナ分子を、並列なレピータアンテナ分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~Nとして含む(「N」はアンテナ分子の数)。ソースアンテナ分子123A、223A、323A、423Aは、無線送信システム20の1つ以上の電気部品120への物理的(または有線)電気接続を介して電気信号を直接受信するアンテナ分子123、223、323、423である。図示するように、レピータアンテナ分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~Nの各々は、互いに並列に電気接続されている。しかし、アンテナ分子123B~N、223B~N、323B~Nは、1つ以上の構成部品120ともソースアンテナコイル123A、223A、323A、423Aとも物理的に(または有線で)電気接続されず;むしろ、レピータアンテナ分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~Nは、無線電力伝送用のレピータとして構成され、レピータアンテナ分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~Nは、無線電力信号をソースアンテナ分子123A、223A、323A、423Aから受信し、この無線電力信号に基づく中継無線電力信号を送信する。
【0519】
図18Bに、送信アンテナの一例621Aを示し、アンテナ分子223は、直線状に配列されたアンテナ分子であり、
図11A~12Dのものと類似または同様の構成要素及び/または形態を有する。
図18Cに、送信アンテナの一例621Bを示し、アンテナ分子423は、パズル形アンテナ分子であり、
図13A~14Cのものと類似または同様の構成要素を有する。図示するように、ソースアンテナ分子223A、423Aは、絶縁体(図示せず)付きで配置することができ、絶縁体は、ソースアンテナ分子223A、423Aとレピータアンテナ分子223B~N、423B~Nとの有線の導通を防止し、これにより、ソースアンテナ分子223A、423Aは、レピータアンテナ分子223B~N、423B~Nに信号を送信して、無線受信システム30へ中継することができる。
【0520】
アンテナ621のソース-レピータ構成を利用することは、製造上の利益をもたらすことができる、というのは、より大きなアンテナ(例えば、分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~N)を、システム20全体及び/またはソースコイル529とは異なる場所で、あるいは異なる手段により製造することができるからである。
【0521】
図19Aに、アンテナ721用の電気接続を示すブロック図を図示し、アンテナ721は、送信アンテナ21として利用することができ、複数のアンテナ分子を含む。
図19Aのブロック図は、無線送信システム20の1つ以上の電気部品からアンテナ721、21への電気接続を示し、及びアンテナ721のアンテナ分子の相互間の電気接続を示し、これらのアンテナ分子の各々は、上述したアンテナ分子123、223、323、423のような本明細書中に開示するアンテナ分子のいずれの形態をとることもできる。
【0522】
ソースアンテナ分子123A、223A、323A、423Aは、1つ以上の電気部品120に直接電気接続され、他の接続されたアンテナ分子123B~N、223B~N、323B~N、423B~Nは直列に電気接続されている。一部の例では、
図19Aに示すように、1つ以上の調整コンデンサ723Aが、アンテナ分子123A~N、223A~N、323A~N、423A~Nの対の間に直列に接続されている。調整コンデンサ723は、分子123、223、323、423間の位相バランスを維持するような(但しこのことに限定されない)、アンテナ721のあらゆる調整用途向けに利用することができる。
【0523】
図19Bに示すように、
図19Aの直列接続は、直線状に配列された複数のアンテナ分子223を接続するに当たり利用することができる。更に、
図19Cに示すように、
図19Aの直接接続構成は、複数のパズル形アンテナ分子423を接続するに当たり利用することができる。
図19の直列接続構成は、直列接続構成の利点の中で特に、アンテナ721の全体にわたる、より大きな相互インダクタンスの大きさ、アンテナ721の金属弾性の増加、のうちの1つ以上をもたらすことができる。
【0524】
図20は、アンテナ121、221、321、421、521、621、721のいずれをも製造する方法800のフローチャートであり、これらのアンテナは2つ以上のアンテナ分子を含む(これらのアンテナ分子の各々は、アンテナ分子123、223、323、423のいずれの形態をとることもできる)。この方法はブロック802から始まり、ブロック802では、第1数のアンテナ分子123、223、323、423を第1面上に配置し、第1面は、少なくとも、第1誘電材料を含む。誘電材料は、第1数のアンテナ分子123、223、323、423を、第1面に近接して配置された導体との電気接続から絶縁する。第1誘電材料は、例えば、導体の電気絶縁用に一般に用いられるポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)シートとすることができる。一部の例では、第1数のアンテナ分子123、223、323、423を、第1誘電材料内または第1誘電材料の部分間に、第1誘電材料がアンテナ分子123、223、323、423の全部の側面を覆うように配置することができる。一部の例では、第1数のアンテナ分子の各アンテナ分子123、223、323、423の連続導線124、224、324、424を、第1面に近接して、第1面上で、または第1面内で巻回することによって、第1数のアンテナ分子を配置する。連続導線124、224、324、424のこうした巻回は、材料堆積機によって、技術者による手作業での導線巻回によって、化学エッチングにより、積層プロセスにより、またはその任意の組合せによって実行することができる。
【0525】
ブロック804では、上記方法が、第2数のアンテナ分子123、223、323、423を第2面上に配置するステップを含み、第2面は、少なくとも、第2誘電材料を含む。この誘電材料は、例えば、導体の電気絶縁用に一般に用いられるポリエチレンテレフタレート(PET)シートとすることができる。一部の例では、第2数のアンテナ分子123、223、323、423を、第1誘電材料内または第1誘電材料の部分間に、第1誘電材料がアンテナ分子123、223、323、423の全部の側面を覆うように配置することができる。一部の例では、第2数のアンテナ分子123、223、323、423を、第2誘電材料内または第2誘電材料の部分間に、第2誘電材料がアンテナ分子123、223、323、423の全部の側面を覆うように配置することができる。一部の例では、第2数のアンテナ分子の各アンテナ分子123、223、323、423の連続導線124、224、324、424を、第2面に近接して、第2面上で、または第2面内で巻回することによって、第2数のアンテナ分子を配置する。連続導線124、224、324、424のこうした巻回は、材料堆積機によって、技術者による手作業での導線巻回によって、化学エッチングにより、積層プロセスにより、またはその任意の組合せによって実行することができる。
【0526】
第1数及び第2数のアンテナ分子123、223、323、423を第1面及び第2面上に形成して、上記方法はブロック806に進み、ブロック806では、第1及び/または第2誘電材料の少なくとも一部が第1数のアンテナ分子123、223、323、423と第2数のアンテナ分子123、223、323、423との間に配置されるように、第1面及び第2面を配置する。こうした配置は、第1数のアンテナ分子123、223、323、423の各部材を、第2数のアンテナ分子123、223、323、423のうちの少なくとも1つと部分的にオーバーラップさせることができ、その逆も成り立つ。次に、第1面と第2面とを互いに取り付けるか貼り付けることによって、ブロック806のこうした配置を固定して、最終的にアンテナ121、221、321、421、521、621、721を形成することができる。
【0527】
ここで
図21A~Dを参照すれば、アンテナ821の各部分が図示され、これらの部分は、方法800の種々の段階で、いずれのアンテナ121、221、321、421、521、621、721の特徴部分を構成することもでき、いずれのアンテナ分子123、223、323、423を有することもできる。
図21A~Dの図示は、
図12A~Dのもののように、ほぼ直線状に配列されたアンテナ分子を含むが、方法800は、確実に、直線状に構成された分子を有するアンテナの製造に限定されず、直線状に構成された分子及び/またはパズル形アンテナ分子の他の形態を有するアンテナの製造を含むことができる。
【0528】
図21Aから参照を始めれば、第1数811のアンテナ分子123、223、323、423が、第1面815上に配置されているように図示され、第1面815は上述したように誘電材料を含み、従って、
図21Aは方法802のブロック802の結果の一例を示す。
図21Bに、第2面816上に配置された第2数812のアンテナ分子123、223、323、423を示し、第2面816は上述したように誘電材料を含み;これにより、方法800のブロック804の結果の一例を示す。
図21Cに、第2面816に対する第1面815の位置決めの分解図を示し、815、816が近接すると、第1数811のアンテナ分子123、223、323、423と第2数812のアンテナ分子123、223、323、423とが、少なくとも部分的にオーバーラップするようにする(ブロック806)。
図21Dに、互いに貼り付けられた第1面及び第2面815、816を示し、オーバーラップし、こうしてアンテナ821の形成を生じさせる第1数811及び第2数812のアンテナ分子を示す(ブロック808)。
【0529】
方法800は、分子ベースの送信アンテナを製造するに当たり有益であり得る、というのは、製造業者が、オーバーラップし連続するアンテナ分子及び/またはそのコイル原子間に小型の絶縁体を配置する複雑さを回避することができるからである。小型の絶縁体ではなく絶縁体のシートを利用することによって、製造時間を大幅に減少させることができ、製造の複雑性を抜本的に低減することができる。こうした方法は、高速で効率的なアンテナの大量生産を可能にする。
【0530】
ここで
図22Aを参照すれば、無線電力送信アンテナ921Aの他の例が図示され、無線電力送信アンテナ921Aは、無線電力を大きな充電領域全体にわたって受信システム30へ送信する。アンテナ921Aは、前述したいずれの無線送信システム20における送信アンテナ21として利用することもできる。送信アンテナ921Aは複数の送信コイル925を含み、少なくとも1つの送信コイルはソースコイル925Aであり、少なくとも1つの送信コイル925は内部レピータコイル925Bである。ソースコイル925Aは、第1連続導線924Aで構成され、第1外側ターン953A及び第1内側ターン951Aを含む。1つの外側ターン953A及び1つの内側ターン951Aのみを図示しているが、アンテナ921Aが複数の外側ターン953A及び内側ターン951Aを含むことができることが、確実に目論まれる。ソースコイル925Aは、無線送信システム20の1つ以上の電子部品120に接続するように構成されている。第1導線は第1ソース端子926から始まり、第2ソース端子で終わり、第1ソース端子926は第1外側ターン953Aの始点に至り、あるいは第1外側ターン953Aの始点の一部であり、第2ソース端子は第1内側ターン951Aに関連し、あるいは第1内側ターン951Aの終点928の一部である。
【0531】
内部レピータコイル925Bは、ソースコイル925Aの形状と同様の形状をとることができ、但し直接ではなく、無線送信システム20の1つ以上の電気部品に電気接続されている。むしろ、内部レピータコイル925Bは、ソースコイル925Aによってレピータ電流が当該レピータコイル内に誘導されるように構成されたレピータである。
【0532】
コイル925の内側ターン951と外側ターン953との互いに対する配置は、コイル925の各々を通る電流フローの向きを制御するように設計する。電流フローの向きを
図22A中に点線で示す。図示するように、電流は、1つ以上の電気部品10から、第1外側ターン953Aの始点にある第1ソース端子でソースコイル925Aに入ることができ、次に、第1外側ターンを通って第1ソースコイル方向に流れる。このソースコイル方向は、例えば図示するように時計回り方向とすることができる。次に、第1外側ターン953Aが第1内側ターン951Aに変わる第1外側ターン953Aの終点で、電流は第2ソース方向に向きを変え、第2ソース方向は実質的に第1ソース方向の逆である。一部の例では、図示するように、第2ソース方向を反時計回り方向とすることができ、この方向は、実質的に、第1外側ターン953Aを通る電流フローの時計回り方向の逆である。
【0533】
内部レピータコイル925Bは、ソースコイル925Aによって電流が当該レピータコイル内に誘導されるように構成され、内部レピータコイル925B内に誘導される電流の向きを、
図22A中に点線で示す。内部レピータコイル925Bの誘導電流は、第1レピータ方向を有することができ、内部レピータコイル925Bの第2外側ターン953Bを通って流れる。第1レピータ方向は、例えば、図示するように反時計回り方向とすることができる。次に、第2外側ターン953Bが第2内側ターン951Bに変わる第2外側ターン953Bの終端で、電流は第2レピータ方向に向きを変え、第2レピータ方向は実質的に第1レピータ方向の逆である。一部の例では、図示するように、第2レピータ方向を時計回り方向とすることができ、この方向は、実質的に、第2外側ターン953Bを通る電流フローの反時計回り方向の逆である。
【0534】
図示し説明するように、第1レピータ方向(反時計回り)は、実質的に第1ソース方向(時計回り)の逆である。従って、アンテナ921を左から右に見る際に、及び右から左に見る際に、共に、電流の向きはターン毎に反転する。横方向に(側面から側面まで)、及び最上部から最下部まで、の両方において、電流の向きをターン毎に反転させることによって、最適な場の均一性を維持することができる。内側ターン951と外側ターン953との間で、電流の向きを反転させることによって、横方向、及び最上部-最下部の両方において、アンテナ21の充電領域の全域を進む受信アンテナ31は、アンテナ921から発する磁界と、より直交に近く位置することが、より多くなる。従って、受信アンテナ31は、磁界に直交する点で送信アンテナ921と最良に結合するので、アンテナ921によって生成される充電領域は、ターン951、953の全部が電流を共通の向きに搬送した場合よりも大きな均一性を有する。
【0535】
図示するように、ソースコイル925A及び内部レピータコイル925Bは、共通で単一のハウジング960内に収容されるように構成することができる。1つのより大型のソースコイルではなく内部レピータコイル925Bを利用することによって、EMIについての利点を理解することができる、というのは、ソースに接続された導線が短いほど、EMIの問題を軽減することができるからである。それに加えて、内部レピータコイル925Bを利用することによって、前述した電流の向きの反転をより良好に実現することができ、このことは送信アンテナ921における均一性及び金属弾性を高める。
【0536】
一部の例では、内部レピータコイル925Bが(例えば、導線を用いて電源に直接接続されない)「受動」インダクタであるが、それでも、レピータ調整システム923Aの1つ以上の構成要素に接続することができる。レピータ調整システム923Aは、内部レピータコイル925Bを調整するように構成された調整コンデンサのような1つ以上の構成要素を含むことができ、内部レピータコイル925Bは、レピータコイルが無線電力を伝達しようとするソースコイル925A及び/またはあらゆる受信アンテナ31の動作周波数と同様の動作周波数で動作するように調整される。レピータ調整システム923Aは、図示するように、内部レピータコイル925Bの信号経路内に配置して 第2外側ターン953Bの始点と第2内側ターン951Bの終点とを接続することができる。
【0537】
ソースコイル925A、内部レピータコイル925B、及びその組合せのうちの1つ以上は、図示するように、略長方形の形状を形成することができ、あるいはこれらを組み合わせて略長方形の形状を形成することができる。一部の例では、ソースコイル925A、内部レピータコイル925B、及びその組合せのうちの1つ以上のこうした略長方形の形状が、
図22Aに示すように円形のエッジを追加的に有することができる。一部のこうした例では、コイル925A、925Bの形状を共に「列」型の長方形構造の形に配向させることができ、ここでは、上面図の視点から見ると、コイル925A、Bは最上部から最下部まで単一の行内に配列されている。その代わりに、
図22Bに示すように、同様の参照番号で示すように
図22Aの要素と類似及び/または同様の要素を含んで、
図22Bのコイル925C、Dは「行」型の構造に配列され、ここではコイル925C、Dが互いに隣りあって「側面-側面」の横方向の様式に配列されている。後に説明する、ソース-内部レピータ構造を有するアンテナ921のいずれも、「行構造」または「列構造」のいずれをも有することができる。
【0538】
図22Cは、送信アンテナの他の例921Cであり、送信アンテナ921Cは、
図22A、22Bのものと同様のソース-内部レピータ構成を有し、従って
図22A、22Bのものと類似または同様の要素を含み、これらの要素は本明細書中の共通の参照番号及び説明を共有する。アンテナ921Cはレピータ調整システム923Bを含み、レピータ調整システム923Bは、
図22A、22Bのレピータ調整システム923Aと機能的に等価であり、但し内部レピータコイル925Bの境界内に配置されている。例えば、レピータ調整システム923Bは、無線送信システム20の1つ以上の電気部品120から独立した基板962上に配置されている。こうした例では、基板962及び/または基板のない調整システム923Bを、
図22Cに示すように第2外側ターン953Bの半径方向内側に配置することができる。その代わりに、
図22Dのアンテナ921D内に示すように、調整システム923Bを外側及び内側ターン953B、951Bに同様に接続することができ、但し調整システム923B及び/または関連する基板962は、第2内側ターン951Bの半径方向内側に配置することができ、アンテナ921Dは
図22A~Cと類似または同様の要素を含み、これらの要素は本明細書中の共通の参照番号及び説明を共有する。
【0539】
レピータ調整システム923Bが第2外側ターン953Bの半径方向内側に配置されている一部の例では、レピータ調整システム923Bの1つ以上のコンデンサをインターディジテイテッド形コンデンサとすることができる。インターディジテイテッド形コンデンサは、マイクロストリップ線を用いることによってコンデンサのような特性を生成する素子であり、基板または他の面上に導線性材料として配置することができる。この目的で、レピータ調整システム923Bのコンデンサは、基板962上に配置されたインターディジテイテッド形コンデンサとすることができる。それに加えて、あるいはその代わりに、レピータ調整システム923Bのインターディジテイテッド形コンデンサは、ハウジング960の誘電体表面のような他の面上に配置することができる。
【0540】
レピータ調整システムを内部レピータコイル925B内または内部レピータコイル925Bに非常に近接して配置することによって、1つ以上の部品120に関連するもののような回路基板まで延びる長い配線を省略することができる。こうした長い配線を省略することによって、製造の複雑性を低減することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、調整システム923Bを内部レピータコイル925Bのすぐ近くに保持することにより調整システム923Bへの接続線を短くすることによって、長い接続線に関係するEMIの懸念を軽減することができる。
【0541】
ここで
図22Eを参照すれば、アンテナの他の例921Eが図示され、アンテナ921Eは、
図22A~Dのものと同様のソース-内部レピータ構成を有し、従って、
図22A~Dのものと類似または同様の要素を含み、これらの要素は本明細書中の参照番号及び説明を共有する。
図22A~Dのアンテナ921とは対照的に、
図22Eのソースコイル925A及び内部レピータコイル925Bは、それぞれ、ターン間コンデンサ957A、957Bを含む。ターン間コンデンサは、ソースコイル925Aまたは内部レピータコイル925Bのいずれかの、内側ターン951と外側ターン953との間に配置されたあらゆるコンデンサとすることができる。ターン間コンデンサ957は、アンテナ921及び1つ以上の電気部品120の一方または両方が発生する電界(またはEフィールド)放射を軽減するように構成することができる。
【0542】
アンテナ921Eにおけるターン間コンデンサ957の使用は、寄生容量または無線電力伝送の範囲外の静電容量(例えば人間の上下肢または体の自然静電容量)に対するアンテナ921Eの感度を減少させることができる。従って、アンテナ921Eは、アンテナ921Eが発生する電磁界に導入された際に、ターン間コンデンサ957を含まないアンテナ21に比べて、こうした寄生容量の影響をより受けにくい。ターン間コンデンサ957は、更に、それぞれのコイル925の全体を通してAC信号の位相を維持するように調整することができ、従って、ターン間コンデンサ957の値は、システム10、20、30の動作周波数、コイル925の各ターンのインピーダンス、及び/またはそれぞれのコイル925の連続導線924の長さ、のうちの1つ以上に基づくことができる。ターン間コンデンサ957でコイル925の全体を通して位相を維持することによって、過度の、あるいは不所望な放射を軽減することができる、というのは、コイル925の両端間の電圧の分散がより小さいからである。
【0543】
ターン間コンデンサ957は電界放射を防止するように調整することができ、これにより、無線送信システム20は、法定または標準化団体に基づくガイドライン(指針)の範囲内で適切に動作することができる。例えば、ターン間コンデンサは、電界放射を低減するように調整することができ、これにより、無線送信システム20は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP:International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)が規定する放射制限内で適切に動作することができる。
【0544】
また更に、ターン間コンデンサ957は、
図22Fのアンテナ921F内に最良に示すように、コイル925の外側ターン953の境界内に配置することができ、アンテナ921Eは、
図22A~Dのものと同様のソース-内部レピータ構成を有し、従って、
図22A~Eとものと同様の要素を含み、これらの要素は本明細書中の共通の参照番号及び説明を共有する。一部のこうした例では、ターン間コンデンサ957が基板959上に配置され、基板959は外側ターン9595の半径方向内側に配置されている。一部のこうした例では、ターン間コンデンサ957をインターディジテイテッド形コンデンサとすることができる。また更に、一部のこうした例では、インターディジテイテッド形ターン間コンデンサ957を、ハウジング960の誘電体表面上に配置することができる。
【0545】
図22Gはアンテナの他の例921Gであり、アンテナ921Gはソースコイル925A及び内部レピータコイル925Bを有し、ソースコイル925Aは第1連続導線924Aで形成され、内部レピータコイル925Bは第2連続導線924Bで形成される。アンテナ21Gは、他のアンテナ921A~Fと比べると、レピータフィルタ回路929を追加的に含む。レピータフィルタ回路929は、レピータ調整システム923Aと直列にすることができ、第2連続導線の信号経路内の、第2外側ターン953Bの始点と第2内側ターン951Bの終点との間に配置することができる。レピータフィルタコイル929は、任意の複雑性のLCフィルタ回路とすることができ、少なくとも1つのインダクタ(「L」)及び少なくとも1つのコンデンサ(「C」)を含む。一部の例では、レピータフィルタ回路929をEMIフィルタ回路929として構成することができ、EMIフィルタ回路929は、レピータコイル925Bから発するEMIを低減または解消するように構成されている。それに加えて、あるいはその代わりに、フィルタ回路929は、内部レピータコイル925B及び/または送信アンテナ921G自体の感度を低減するに当たり用いることができ、あるいは役立つことができる。従って、フィルタ回路929を含めることにより、追加的なインピーダンスをシステム10、20、30に導入することができ、このことは、アンテナ921Gの充電領域内の寄生容量に対する感度を更に低減することができる。図示していないが、レピータフィルタ929の回路部品が、無線送信システム20の1つ以上の部品120のように、第2外側ターン953Bの境界内、第2内側ターン951Bの境界内、あるいは共通の基板または回路基板上に配置されることは、確実に可能である。
【0546】
ここで
図22Hを参照すれば、他のアンテナ921Gが図示され、アンテナ921Gはソースコイル925E及びレピータコイル925Fの構成を有し、従って
図22A~Dのものと類似または同様の要素を含み、これらの要素は本明細書中の共通の参照番号及び説明を共有する。アンテナ921Gは、第1数の外側ターン953E、第1数の内側ターン951E、第2数の外側ターン953F、及び第2数の内側ターン951Fを含む。ソースコイル925Eは、第1数の外側ターン953Eの始点に近接した第1ソース端子、及び第1数の内側ターン951Eの終点に近接した第2ソース端子を介して、上記1つ以上の電気部品に接続されている。内部レピータコイル925Fは、第2数の外側ターン953Fの始点に近接した第1レピータ端子、及び第2数の内側ターン951Fの終点に近接した第2レピータ端子を介して、レピータ調整システム923に接続することができる。ターン間コンデンサ957を、第1数の外側ターン953Eと第1数の内側ターン951Eとの間、及び第2数の外側ターン953Fと第2数の内側ターン951Fとの間に接続することができる。一部の例では、第1数及び第2数の外側ターン953E、953Fが約2ターンを含むことができ、第1数及び第2数の内側ターン951E、951Fが約3ターンを含むことができる。
【0547】
ここで
図23Aを参照すれば、
図22A~Hのソース-内部レピータ構成の送信アンテナ921のうちの1つにおいて通信を復調する第1構成が図示されている。
図23Aの構成は、ソースコイル925Aへの電流センサ57の接続を示し、この接続は、
図5~8に関してより詳細に上述したように、電流センサの電気的情報を復調回路70に提供する。こうした例では、電流センサ57が、内部レピータコイル925Bではなくソースコイル925AにおけるAC無線信号に関連する電気的情報を検出する。その代わりに、
図23Bは、
図22A~Hのソース-内部レピータ構成の送信アンテナ921のうちの1つにおける通信を復調する第2構成を示し、但し、電流センサ57は内部レピータコイル925Bに接続され、内部レピータコイル925BにおけるAC無線信号の電気特性を検出する。
【0548】
図23A及び23Bの構成は、複数の復調回路70及び/またはセンサ57を含むのではなく、システム20内の部分管理を簡略化するために利用することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、実験結果は、ソースコイル925Aまたは内部レピータコイル925Bの一方において通信が最適に検出されることを明らかにし、従って、こうした実験結果に基づいて、送信システム20の設計者または製造業者は、
図23Aの構成及び
図23Bの構成のいずれかを、どちらが自分の特定のシステム用に最良に機能するかに基づいて選択することができる。
【0549】
ここで
図24を参照すれば、
図22A~Hのソース-レピータ構成の送信アンテナ921のうちの1つにおいて通信を復調する第3構成が図示されている。
図24の構成では、無線送信システム20が、少なくとも2つの電流センサ57A、57B、及び少なくとも2つの復調回路70A、70Bを含み、これらの各々が、
図5~8に関して上述した電流センサ57及び復調回路70と類似または同様の構成要素及び/または機能を有する。第1電流センサ57Aは、ソースコイル925AにおけるAC無線信号の電気特性に関連する電気的情報を検出して、これらの電気的情報を第1復調回路70Aに提供する。第2電流センサ57Bは、内部レピータコイル925Bにおける電気的情報を検出して、これらの電気的情報を第2復調回路70Bに提供する。復調回路70A、70Bの各々の出力は、
図5~8に関して上述した信号とすることができ、これらの信号は加算増幅器90において合計することができる。加算増幅器90は、復調回路70A、70Bから信号を受信し、これらの信号を合計して、復調回路70A、70Bのいずれか単独の出力以上のピーク振幅を有する通信信号を出力するあらゆる増幅器とすることができる。
【0550】
ソースコイル925A及び内部レピータコイル925Bにおいて共に復調を利用することによって、システム20は、いずれかのコイルに内で欠落した通信を捉えること、及び/または増強または増幅された通信信号を提供することができ、従って、より明瞭かつ正確な通信を提供することができる。
【0551】
一部の例では、復調回路70A、70Bのそれぞれが出力する通信信号(例えば、上述した第1数及び第2数のデータ警報)の一方の位相を、他方に対してずらすことができる。この場合には、加算増幅器90におけるこれらの位相ずれした信号を合計することは、不正確な、あるいは劣化した通信信号を生成し得る。従って、一部の例では、加算増幅器90の前に位相検出器92を含めて、復調回路70A、70Bの出力の位相を比較して、復調回路70A、70Bの出力が同相になるように、復調回路70A、70Bの出力の一方の位相を変化させることができる。
【0552】
図25A~Hに、金属メッシュ構造の具体例及び構成要素を示し、この金属メッシュ構造を送信アンテナ21の真下に配置して、無線送信システム20の金属弾性を高めることができる。本明細書中に定義する「金属弾性」とは、無線送信システム20が動作する環境内に金属または金属材料が存在する際に、送信アンテナ21及び/または無線送信システム20自体が無線電力伝送性能の低下を回避する能力を参照する。例えば、金属体が送信アンテナから約50mm~約150mm以内に存在する際に、金属弾性は、無線送信システム20がそのインダクタンスを電力伝送用に維持する能力を参照することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、無線送信システム20に近接した金属体の存在によって発生する渦電流が、無線電力伝送の性能を低下させることがあり、従って、こうした電流の誘導を回避するべきである。
【0553】
従来から、無線電力伝送システムは、フェライトまたは他の磁気シールド(遮蔽)材料を用いて、近接した範囲内の金属構造によって生じる性能への悪影響からアンテナをシールド(遮蔽)してきた。しかし、フェライトは、無線電力伝送用の部品表に含める際に、高価であり得るし、及び/または環境に大きな影響を与え得る。従って、
図25A~Hに示す金属メッシュ構造100を、より費用効率が高く、空間効率が高く、及び/または環境に配慮した、フェライトまたは磁気シールド材料の代替として利用することができる。
【0554】
まず
図25Aに示すように、金属メッシュ構造は、少なくとも部分的に、一般的なメッシュまたは分離された構造を形成するように切り取られ、但し、金属メッシュ構造の全部分が接続されたあらゆる金属構造とすることができ、これにより、電流または電磁界が金属メッシュ構造1000内に誘導された場合に、電流が中断なしに構造全体を通して流れる。
図25Aのもののような一部の例では、金属メッシュ構造が長方形または略正方形のハッチング(網状)設計を有し、金属メッシュの各部分が接続されている。
【0555】
図25Bに、送信アンテナ21の一例の上面図を示し、金属メッシュ構造1000が送信アンテナ21の真下に配置されている。以下でより詳細に説明するように、送信アンテナ21は、金属メッシュ構造1000上に直接配置されず、あるいは金属メッシュ構造1000に物理的に接触せず、むしろ、送信アンテナ21と金属メッシュ構造1000との間に、間隔がおかれるか絶縁体が配置される。送信アンテナ21は、前述した送信アンテナ21、121、221、321、421、521、621、721、821、921のいずれにすることもできる。
【0556】
ここで
図25Cを参照すれば、金属メッシュ構造1000及び送信アンテナ21がハウジングに対して図示され、ハウジングは送信アンテナ21及び金属メッシュ構造1000の一方または両方を箱詰めまたは包囲することができる。
図25Dに、送信アンテナ21、金属メッシュ構造1000、及びハウジング1010の第1構成を示し、ここでは送信アンテナ21及び金属メッシュ構造1000がハウジング1010内に存在し、メッシュギャップによって互いに分離されている。一部の例では、メッシュギャップが幅1005を有することができ、この幅は5ミリメートル(mm)未満とすることができる。しかし、メッシュギャップ幅は5ミリメートル未満であることに限定されず、一部の例では、約5mm~約10mmの範囲内の幅を有することができる。
図25Dの例では、材料の空間1007を送信アンテナ21と金属メッシュ構造1000との間に配置する。
【0557】
ハウジング1010は、全体的または部分的に誘電材料で構成して、ハウジング1010における送信アンテナ21及び/または金属メッシュ構造1000に接触し得る部分が通電しないようにすることができる。この目的で、
図25Eは、金属メッシュ構造1000、ハウジング1010、及び送信アンテナ21の他の構成であり、ここではハウジング1010の誘電材料が送信アンテナ21と金属メッシュ構造1000との間に配置されている。従って、金属メッシュ構造1000及び/または送信アンテナ21は、ハウジング1010内に形成することができる。
【0558】
金属メッシュ構造1000、ハウジング1010、及び送信アンテナ21の構成の第3例では、
図25Fに、金属メッシュ構造1000がハウジング1010の底面1009上に配置され、ハウジング1010の誘電材料が、送信アンテナ21と金属メッシュ構造1000との間に配置された一例を示す。金属メッシュ構造1000をハウジング1010の外側に配置することにより、送信アンテナ21の製造の複雑性を低減することができる、というのは、金属メッシュ構造1000をハウジング1010の構造体内に層状化する必要がないからである。
【0559】
図25Gはハウジング1010の第1の底面図であり、ここでは金属メッシュ構造がハウジング1010の底面1009上に配置されている。
図25Hはハウジング1010の第2の底面図であり、ここでは金属メッシュ構造がハウジング1010の底面1009上に配置され、金属メッシュ構造は定型化された設計1015を当該金属メッシュ構造1000内に含むように構成されている。定型化された設計1015は、送信アンテナ21または送信システム20の製造業者が製品上に含めたいロゴまたはブランド名のような、あらゆる設計または装飾画像またはパターンとすることができる。この目的で、定型化された設計1015を製造において利用し、金属メッシュ構造をハウジング1010の外側に配置することによって、金属メッシュ構造1000がシステム20またはアンテナ21の機能的特徴であることを目立たなくしつつ、製造の複雑性を低減することができる、というのは、ユーザにとって、定型化された設計1015を有する金属メッシュ構造1000が送信システム20の美的特徴またはブランド名の特徴であるように見えるからである。
【0560】
図26に、受信アンテナ31の非限定的な実施形態の一例を示し、受信アンテナ31は、本明細書中に開示するシステム、方法、及び/または装置のいずれとも、共に用いることができる。図示する実施形態では、アンテナ21、31が平坦な螺旋コイル構成である。非限定的な例は、全てPeralta等を発明者とする米国特許第9941743号明細書(特許文献2)、米国特許第9960628号明細書(特許文献3);Singh等を発明者とする米国特許第9948129号明細書(特許文献4)、米国特許第10063100号明細書(特許文献5);Luzinskiを発明者とする米国特許第9941590号明細書(特許文献6);Rajagopalan等を発明者とする米国特許第9960629号明細書(特許文献7);及びPeralta等を発明者とする米国特許出願公開第2017/0040107号明細書(特許文献8)、米国特許出願公開第2017/0040105号明細書(特許文献9)、米国特許出願公開第2017/0040688号明細書(特許文献10)に見出すことができ;これらの米国特許の全部が本願の譲受人に権利譲渡され、その全文を参照することによって本明細書に含める。
【0561】
それに加えて、アンテナ31は、多層マルチターン(MLMT:multi-layer-multi-turn)構造を有するように構成することができ、MLMT構造では、少なくとも1つの絶縁体が複数の導体間に配置されている。無線送信システム20及び/または無線受信システム30に内蔵することができるMLMT構造を有するアンテナの非限定的な例は、Singh他を発明者とする米国特許第8610530号明細書(特許文献11)、米国特許第8653927号明細書(特許文献12)、米国特許第8680960号明細書(特許文献13)、米国特許第8692641号明細書(特許文献14)、米国特許第8692642号明細書(特許文献15)、米国特許第8698590号明細書(特許文献16)、米国特許第8698591号明細書(特許文献17)、米国特許第8707546号明細書(特許文献18)、米国特許第8710948号明細書(特許文献19)、米国特許第8803649号明細書(特許文献20)、米国特許第8823481号明細書(特許文献21)、米国特許第8823482号明細書(特許文献22)、米国特許第8855786号明細書(特許文献23)、米国特許第8898885号明細書(特許文献24)、米国特許第9208942号明細書(特許文献25)、米国特許第9232893号明細書(特許文献26)、及び米国特許第9300046号明細書(特許文献27)に見出すことができ、これらの米国特許の全部が本願の譲受人に権利譲渡され、その全文を参照することによって本明細書に含める。これらは例示的なアンテナの例に過ぎない;しかし、アンテナ31は、前述した高電力、高周波の無線電力伝送が可能なあらゆるアンテナとすることができることが目論まれる。
【0562】
ここで
図27Aを参照すれば、無線電力受信アンテナ131の一例が側断面図で図示され、無線電力受信アンテナ131は受信アンテナ31として利用することができる。図示するように、受信アンテナ131は受信コイル133A及び内部レピータコイル135を含む。受信コイル133の一例の上面図を
図27Cに示し、内部レピータコイル135の上面図を
図27D、27Eに示す。
【0563】
内部レピータコイル135は、受信コイル133の電力ハーベスティング(採取)能力を増強または強化するための受動メカニズムとして設ける。受信コイル133は、無線受信システム30の1つ以上の電気部品130に直接電気接続され、無線受信システム30は、電気部品の中で特に、受信同調システム34、電力調整システム32、整流器33、電圧レギュレータ35、受信制御システム36、受信コントローラ38を含むことができ、但し含むことに限定されない。内部レピータコイル135は1つ以上の電気部品130に直接接続されず、むしろ、無線電力信号を無線送信システムから受信して、この信号を中継無線電力信号として受信コイルへ送信または中継する。一部の例では、受信コイル133が、無線送信システム20からの無線電力信号、及び内部レピータコイル135からの中継無線電力信号を共に受信することができ;従って、中継無線電力信号は、受信コイル133による受信に比べると、電力ハーベスティングを増強すること、あるいは無線電力信号を強化することができる。
【0564】
図27Aに示すように、絶縁体132Aを受信コイル133Aと内部レピータコイル135との間に配置することができ;従って、コイル133、135は、多層PCBまたはフレキシブルPCBのような多層構造として製造することができる。内部レピータコイル135と受信コイル133とは、レピータ分離ギャップ138によって分離することができる。一部の例では、レピータ分離ギャップを、約0.5ミリメートル(mm)~約3mmの範囲内にすることができる。
【0565】
一部の例では、
図27D、27Eのこうしたレピータの例のように、レピータは単純な1ターンのコイルとすることができ、これにより1ターンのコイルを製造するためのコストを低減して、レピータの恩恵が得られる。更に、図示するように、内部レピータコイル135はレピータ調整システム134を含むことができ、レピータ調整システム134は、無線送信システム20及び/または無線受信システム30の動作周波数と類似または同様の動作周波数で共振するように、レピータコイル135を調整するように構成されている。
図27Eに示す例のような一部の例では、送信同調システム134を内部レピータコイル135内に配置することができる。
【0566】
図27Bのアンテナ131Bの例に示すように、レピータコイル133Bは、
図26に関して上述したもののような多層マルチターン(MLMT)コイルとすることができる。こうしたMLMTレピータコイル133Bは、少なくとも、第1層136及び第2層137を含むことができる。層136と137とは、絶縁体132Bによって分離することができ、ビア138により並列に電気接続することができる。
【0567】
ここで
図28Aを参照すれば、略多角形の受信アンテナ231が図示され、受信アンテナ231はシステム30内の受信アンテナ31として利用することができる。受信アンテナ231は複数の多角形受信コイル235A~Cを含み、複数の多角形受信コイルの各々は、受信システム30の1つ以上の構成部品130に個別に接続されている。互いに対して配置されると、多角形受信コイル235の各々は、結合多角形238を形成するように位置決めまたは配置され、結合多角形238は少なくとも3辺を有する。本明細書中に定義する「多角形」とは、コイルまたはアンテナの形状を参照し、このコイルまたはアンテナは有限数の直線セグメントを有し、これらのセグメントが接続されて境界のある領域を形成する。
【0568】
複数の多角形コイル235の使用は、大きな充電領域の電力伝送によって有益であり得る、というのは、受信する電力の総量をより大きくすることができるからであり、及び/または、特定の多角形コイルを他のコイルよりも大きい結合にすることができ、こうしてより大きな、あるいは最適化された電力伝送を提供することができるからである。明確に多角形の形状238に配列された多角形コイル235を利用することが、より従来的な円形または曲線状のアンテナに比べると、独特の、あるいはより小さい空間に適合するアンテナを提供することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、材料堆積機によるにせよ、エッチング機/装置によるにせよ、ターンまたはトレースの形成において、曲線または弓(アーチ)形のトレースまたはターンではなく、直線及び角を使用することによって、アンテナの形成を簡略化することができる。
【0569】
多角形受信コイル235は3辺を有する三角形として図示しているが、多角形受信コイル235がアンテナ231を形成するように配置された際に、コイルの各々が組み合わさって結合多角形を形成する限り、多角形受信コイルが3よりも多い任意数の辺を有することができることは、確実に目論まれる。換言すれば、各多角形コイル及び結合多角形は「n」個のターンを有し、これにより「n角形」を形成することができる。それに加えて、各々が単一のターンを有する多角形コイル235を図示しているが、アンテナ231のコイル235が任意数の追加的ターンを有することは、確実に可能である。
【0570】
図28Bに、多角形受信アンテナの他の例331を示し、多角形受信アンテナ331は、受信システム30の受信アンテナ31として利用することができる。
図28Cに最良に示すように、多角形受信アンテナ331の多角形受信コイル335は、例示的に5辺を含んで多角形を形成し、各々が無線受信システム30の1つ以上の電気部品130に個別に接続されている。
図28Bに最良に示すように、多角形受信コイル335A~Cの3つの組合せが結合多角形コイル338を形成し、本例では六角形である。
【0571】
ここで
図28D、28Eを参照すれば、多角形受信アンテナの他の例431が図示され、多角形受信アンテナ431は、受信システム30の受信アンテナ31として利用することができる。受信アンテナ431はMLMTアンテナであり、第1層433(
図28D)及び第2層434(
図28E)を含み、層434、435は、1つ以上の電気部品130に接続された端子の所で互いに並列に接続されている。図示するように、各多層多角形受信コイル435A~Cは不規則な八角形である。配置されると、図示するように組み合わされてアンテナ431を形成し、コイル435が組み合わされて実質的に15角形438を形成する。
【0572】
一部の例では、実質的な15角形438を正多角形または正15角形とすることができる。本明細書中に定義する「正多角形」とは、誤差について所与の許容範囲を有するほぼ等辺であり、かつ等角である、従って、ほぼ同様の長さの辺を有し、かつ辺間にほぼ同様の度数の角度を有する多角形を参照する。この正15角形は、高さ438及び幅437を有し、こうした例では、高さ438と幅437とをほぼ同様の大きさにすることができる。
【0573】
ここで
図29を参照すれば、システム30の一例530が図示され、システム530はシステム30の特に整流器33用の構成である。構成530は整流システム533を代表し、整流システム533は、受信アンテナ31がマルチ(多)コイル型受信アンテナ231、331、431のうちの1つである際に、受信システム30の整流器33として利用することができ;従って、
図29のアンテナ31は、図示するように複数のアンテナコイル35A~Cを含む。
【0574】
整流システム533は複数の整流器534A~Cを含み、これらの各々が、複数のアンテナコイル35A~Cのそれぞれの部材に電気接続されている。整流器534の各々は、
図10の整流器33に関して上述した整流器のいずれとも同等にすることができる。一部の例では、整流器534を全波整流器とすることができる。他の一部の例では、整流器をブリッジ整流器とすることができる。
【0575】
複数のコイル35を複数の整流器534と共に利用することによって、強化された電力ハーベスティングが可能になる、というのは、複数のコイル/整流器の対が電力を電圧レギュレータ35へ出力しており、電圧レギュレータ35は到来する電力信号を合計して負荷16への入力用にすることができるからである。
【0576】
図30は、システム30用の他の構成630、特に通信または復調回路639用の構成のブロック図である。構成630は複数の復調回路639を代表し、復調回路639を利用して、システム20、30を結合する磁界を選択的に弱めることができ、これにより受信システム30は帯域内通信により送信システム20と通信することができる。例えば、こうした帯域内通信は、上述したパルス幅符号化通信とすることができる。
【0577】
受信アンテナ31が複数のコイル35A~Cを有する際に、各コイルは特定の変調回路639A~Cのそれぞれに結合することができる。変調回路639の各々は、同じ信号をコイル35の各々の信号経路内で同時に変調するように構成することができる。従って、コイル35のうちの1つが現在送信アンテナ21に結合されているか、コイル35の全部が現在送信アンテナ21に結合されているかにかかわらず、同じ通信信号が最適な忠実性で送信される。
【0578】
一部の例では、変調回路をトランジスタ及び抵抗器とすることができ、受信コントローラ38はトランジスタを選択的にオン状態及びオフ状態にするように構成され、これにより信号経路を抵抗器に向けて開いて、システム20と30の間の信号または電磁界を選択的に弱める。
【0579】
ここで
図31を参照すれば、マウス及びマウスパッドの一例が図示され、これらはシステム10、20、30を統合することができる。
図31の実施形態では、無線送信システム20がマウスパッド1020に動作的に関連し、無線受信システム30がコンピュータマウス1030に動作的に関連する、というのは、コンピュータマウス1030は無線受信システム30のホスト装置であるからである。無線受信システム30は、コンピュータマウス1030の負荷16へ電力を供給するように構成することができる。大領域送信アンテナ21は、マウスパッド1020の動作面1022の大部分または全体にわたる充電領域を生成するように構成することができ、マウス1030が使用中であり動いている際に、システム10はマウス1030のマウス負荷16を充電するように構成することができる。
【0580】
本明細書中に説明する自動ゲイン及びバイアス制御は、より安価で計算能力の低いプロセッサを、送信コントローラ用に、または送信コントローラと共に使用することを可能にすることによって、復調回路、及び無線送信システム全体用のBOMを大幅に低減することができる。エッジ検出符号化方式の性能及び精度は、大部分はシステムが信号勾配の変化を迅速かつ正確に検出する能力に依存する。これらの制約は、送信者と受信者との間の距離、及び送信者と受信者の向きが動的に変化する、あるいは受信電力信号及び埋め込まれたデータ信号の大きさが動的に変化し得る環境において、開示する自動ゲイン及びバイアス制御により、より良好に満足することができる。このことは、より大きな信号に対する飽和も回避しつつ、例えば、適切なゲインにより微弱な信号を読み取ることを可能にする。
【0581】
本明細書中に開示するシステム、方法、及び装置は、高効率で安定した高信頼性の様式で動作して、種々の動作及び環境条件を満足するように設計されている。本明細書中に開示するシステム、方法、及び装置は、広範囲の熱的及び機械的ストレスの環境内で動作するように設計され、これにより、データ及び/または電気エネルギーが効率的に、最小の損失で送信される。それに加えて、システム10は、スケーラビリティ(規模対応力)を可能にする製造技術を用いて、開発者及び採用者に受け入れられるコストで、小さい形状因子を有するように設計することができる。それに加えて、本明細書中に開示するシステム、方法、及び装置は、広範囲の周波数にわたって動作して、広範囲の用途の要件を満足するように設計することができる。
【0582】
無線送信システム20の個別のブロック及び/または構成要素として図示しているが、無線送信システム20の構成要素のうちの1つ以上は、考えられる集積構成部品の中で特に、集積回路(IC)、システム・オン・チップ(SoC:system-on-a-chip)として、互いに結合及び/または集積することができる。この目的で、送信制御システム26、電力調整システム40、センシングシステム50、送信コイル21、及び/またはその任意の組合せは、無線送信システム20用、無線電力伝送システム10用、及びその構成要素用、のうちの1つ以上の集積構成部品として組み合わせることができる。更に、無線送信システム20及び/またはその構成要素に関して説明したあらゆる動作、構成要素、及び/または機能は、無線送信システム20のハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェアによって機能的に具体化することができる。
【0583】
同様に、無線受信システム30の個別のブロック及び/または構成要素として図示しているが、無線受信システム30の構成要素のうちの1つ以上は、考えられる集積構成部品の中で特に、集積回路(IC)、システム・オン・チップ(SoC)として、互いに結合及び/または集積することができる。この目的で、無線受信システム30の1つ以上の構成要素及び/またはその任意の組合せは、無線受信システム30用、無線電力伝送システム10用、及びその構成要素用、のうちの1つ以上の集積構成部品として組み合わせることができる。更に、無線受信システム30及び/またはその構成要素に関して説明したあらゆる動作、構成要素、及び/または機能は、無線受信システム30のハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェアによって機能的に具体化することができる。
【0584】
一実施形態では、フェライトシールドをアンテナ構造内に内蔵させて、アンテナ性能を改善することができる。フェライトシールド材料の選択は動作周波数に依存することができる、というのは、複素透磁率(μ=μ’-j×μ”)が周波数依存性であるからである。この材料は、ポリマー、焼結フレキシブルフェライトシート、剛体シールド、またはハイブリッドシールドとすることができ、ハイブリッドシールドは剛体部分及びフレキシブル部分を具えている。それに加えて、磁気シールドは可変の材料組成で構成することができる。材料の例は、マンガン亜鉛、ニッケル亜鉛、銅亜鉛、マグネシウム亜鉛、及びその組合せのようなフェライト材料を具えた亜鉛を含むことができ、但しこれらに限定されない。
【0585】
本明細書中に用いる、一連のアイテムに先行する「...のうちの少なくとも1つ」は、これらのアイテムのうちの任意のものを分離する「及び」または「または」と共に、リスト中の各メンバー(即ち、各アイテム)ではなく、リスト全体を修飾する。「...のうちの少なくとも1つ」とは、リストアップされた各アイテムのうちの1つの選択を要求せず、むしろ、この語句は、これらのアイテムの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/またはこれらのアイテムの任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/またはこれらのアイテムの各々のうちの少なくとも1つを意味することを可能にする。一例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の各々は、Aのみ、Bのみ、またはCのみ、A、B、及びCの任意の組合せ;及び/またはA、B、及びCの各々のうちの少なくとも1つを参照する。
【0586】
「...するように構成されている」、「...するように動作可能である」、及び「...するようにプログラムされている」という述語は、主体の有形または無形の修正を暗に意味せず、むしろ、互換的に用いられることを意図している。1つ以上の実施形態では、ある動作または構成要素を監視し制御するように構成されたプロセッサは、その動作を監視し制御するように構成されたプロセッサ、あるいはその動作を監視し制御するように動作可能なプロセッサも意味することができる。同様に、あるコードを実行するように構成されたプロセッサは、そのコードを実行するようにプログラムされたプロセッサ、あるいはそのコードを実行するように動作可能なプロセッサとして解釈することができる。
【0587】
「態様」のような語句は、こうした態様が主題の技術にとって不可欠であること、あるいはこうした態様が主題の技術の全構成に当てはまることを暗に意味しない。ある態様に関する開示は、全部の構成、あるいは1つ以上の構成に適用することができる。1つの態様は、本発明の1つ以上の例を提供することができる。「ある態様」のような語句は、1つ以上の態様を参照することができ、その逆も成り立つ。「実施形態」のような語句は、こうした実施形態が主題の技術にとって不可欠であること、あるいはこうした実施形態が主題の技術の全構成に適用されることを暗に意味しない。ある実施形態に関する開示は、全部の実施形態、あるいは1つ以上の実施形態に適用することができる。1つの実施形態は、本発明の1つ以上の例を提供することができる。「ある実施形態」のような語句は、1つ以上の実施形態を参照することができ、その逆も成り立つ。「構成」のような語句は、こうした構成が主題の技術にとって不可欠であること、あるいは、こうした構成が主題の技術の全部の構成に適用されることを暗に意味しない。ある構成に関する開示は、全部の構成、あるいは1つ以上の構成に適用することができる。1つの構成は、本発明の1つ以上の例を提供することができる。「ある構成」のような語句は、1つ以上の構成を参照することができ、その逆も成り立つ。
【0588】
「例示的な」とは、本明細書中では、「例、事例、または例示として機能する」ことを意味すべく用いる。「例示的」として、あるいは「例」として本明細書中に説明する実施形態は、必ずしも、他の実施形態に対して好適な、あるいは有利なものとして解釈するべきでない。更に、「含む」、「有する」等は、説明または特許請求の範囲中に用いる範囲内では、こうした語は、「具える」と同様な様式で包含的であることを意図している、というのは、「具える」は、特許請求の範囲中に暫定的な語として用いられる際に解釈されるからである。更に、「含む」、「有する」等は、説明または特許請求の範囲中に用いる範囲内では、こうした語は、「具える」と同様な様式で包含的であることを意図している、というのは、「具える」は、特許請求の範囲中に暫定的な語として用いられる際に解釈されるからである。
【0589】
本開示全体を通して、通常の当業者にとって既知である、あるいは後に既知になる種々の態様の要素の構造的及び機能的な等価物は、参照することによって本明細書中に明確に含まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図している。更に、本明細書中に開示する何物も、こうした開示が特許請求の範囲中に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項のどの要素も、当該要素が「...する手段」を用いて明確に記載されていない限り、あるいは、方法の請求項の場合には、当該要素が「..するステップ」を用いて記載されていない限り、35U.S.C.§112の第6段落の条文の下で解釈するべきでない。
【0590】
ある要素を単数で参照することは、特に具体的断りのない限り、「1つかつ唯一の」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つ以上の」を意味することを意図している。特に具体的断りのない限り、「一部の」は1つ以上を参照する。男性の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性(例えば、彼女の、及びその)を含み、その逆も成り立つ。表題及び副表題があれば、これらは利便性のために用いるに過ぎず、主題の開示を限定しない。
【0591】
本明細書は多数の詳細事項を含むが、これらは特許請求し得る範囲の限定として解釈するべきでなく、むしろ、主題の特定の実現の説明として解釈するべきである。別個の複数の実施形態に関連して本明細書中に記載する特定の特徴は、単一の実施形態中で組み合わせて実現することもできる。逆に、単一の実施形態に関連して記載する種々の特徴は、複数の実施形態で別個に、あるいはあらゆる適切な副次的組合せの形で実現することもできる。更に、特徴は、特定の組合せにおいて機能するものとして上述していることがあり、更にはそのようなものとして最初に特許請求していることがあるが、一部の場合には、特許請求する組合せにおける1つ以上の特徴をこの組合せから除外することができ、特許請求する組合せが、副次的組合せ、あるいは副次的組合せの変形例に指向することができる。
【国際調査報告】