(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】動物において健康上の効果を提供するための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
A23K 20/158 20160101AFI20241106BHJP
A23K 20/121 20160101ALI20241106BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20241106BHJP
【FI】
A23K20/158
A23K20/121
A23K50/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526660
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 IB2022061504
(87)【国際公開番号】W WO2023095098
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100167597
【氏名又は名称】福山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】パン, ユアンロン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フイ
(72)【発明者】
【氏名】バトナーガー, サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】スピアーズ, ジュリー クリスティン
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA06
2B150AA06
2B150AB03
2B150DA01
2B150DA37
2B150DB04
(57)【要約】
本開示は、動物において健康上の効果を提供するための組成物及び方法であって、食品組成物を動物に投与するステップを含み、食品組成物が、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含み、タンパク質対炭水化物の供給時の重量比が、3.5:1~2.5:1の範囲である、組成物及び方法を提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸及びイソフラボンを含むペットフード組成物であって、タンパク質対炭水化物の供給時重量比が、3.5:1~2.5:1の範囲である、組成物。
【請求項2】
前記オメガ-3脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α-リノレン酸(ALA)、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記オメガ-3脂肪酸が、前記ペットフード組成物の約0.1重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記オメガ-3脂肪酸が、前記ペットフード組成物の約0.5重量%~約2.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記イソフラボンが、ダイゼイン、6-O-マロニルダイゼイン、6-O-アセチルダイゼイン、ゲニステイン、6-O-マロニルゲニステイン、6-O-アセチルゲニステイン、グリシテイン、6-O-マロニルグリシテイン、6-O-アセチルグリシテイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記イソフラボンが、前記ペットフード組成物1キログラム当たり約100mg~1500mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記イソフラボンが、前記ペットフード組成物1キログラム当たり約300mg~1200mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記タンパク質が、前記ペットフード組成物の約25重量%~約60重量%の量で存在し、前記炭水化物が、前記ペットフード組成物の約5重量%~約25重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記タンパク質が前記ペットフード組成物の約40重量%~約60重量%の量で存在し、前記炭水化物が前記ペットフード組成物の約10重量%~約20重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記タンパク質対炭水化物比が、3.25:1~2.75:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ペットフード組成物がイヌ科動物用に配合されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
動物において健康上の効果を提供するための方法であって、食品組成物を前記動物に投与するステップを含み、前記食品組成物が、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含み、前記タンパク質対炭水化物の供給時重量比が、3.5:1~2.5:1の範囲である、方法。
【請求項13】
前記動物がコンパニオンアニマルであり、前記食品組成物が、前記コンパニオンアニマルに定期的に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記オメガ-3脂肪酸が約0.1重量%~約5重量%の量で食品組成物中に存在し、前記イソフラボンが前記食品組成物1キログラム当たり約100mg~1500mgの量で前記食品組成物中に存在し、前記タンパク質が約25重量%~約60重量%の量で前記食品組成物中に存在し、前記炭水化物が約5重量%~約25重量%の量で前記食品組成物中に存在する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記健康上の利益が、除脂肪体重の保持、体重減量中の除脂肪体重の最小化、体脂肪の低減、体重の低減、体重増加の低減、インスリン抵抗性の低減、糖尿病リスクの減少、前糖尿病リスクの減少、コレステロール値の低下、グルコース値の低下、トリグリセリド値の低下、インスリン値の低下、レプチン値の低下、インスリン感度の改善、前糖尿病の予防、前糖尿病の発症の遅延、前糖尿病の治療、糖尿病の予防、糖尿病の発症の遅延、糖尿病の治療、インスリン抵抗性の予防、インスリン抵抗性の発症の遅延、インスリン抵抗性の治療、過体重又は肥満の予防、過体重又は肥満の発症の遅延、過体重又は肥満の治療、健康な代謝の促進、より良好な血糖管理の促進、慢性炎症及び炎症性サイトカインの低下、日中の自発的活動の改善、日中及び夜間の落ち着きのなさの低減、満腹感の増加、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は2021年11月29日に出願された米国特許仮出願第63/283865号の権益及び優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[0002]肥満動物及び過体重動物では、心臓疾患、糖尿病、高血圧、脳卒中、脂質異常症、特定の種類のがん、無呼吸症、及び変形性関節症を含む多くの慢性疾患のリスクが高まる。したがって、ヒト及びペットを含む過体重動物及び肥満動物では、健康及び生活の質を維持するために、過剰な体脂肪を減らすことが重要である。残念なことに、過剰な体脂肪を減らすこと又は減量後に健康な体重を維持することは難しく、各種解決策は、例えば、除脂肪体重の減少又は減量後の体重のリバウンドなどといった悪影響を招く可能性がある。
【0003】
[0003]肥満は、ヒト及びペットにおいて最も深刻な健康問題の1つであり、死因のなかでも予防可能なものであると考えられている。健康な体重を維持することは、最適な代謝、正常な身体活動、及び良好な健康のために重要である。したがって、動物のより良好な健康及びウェルネスのために、満腹感を増加させ、体重減量を促進し、及び/又は健康な体重を維持するための、方法及び組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態において、ペットフード組成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含むことができ、タンパク質対炭水化物の供給時重量比は、3.5:1~2.5:1の範囲である。
【0005】
[0005]別の実施形態において、動物において健康上の効果を提供するための方法は、食品組成物を動物に投与するステップを含むことができ、食品組成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含み、タンパク質対炭水化物の供給時重量比は、3.5:1~2.5:1の範囲である。
【0006】
[0006]本発明の他の及び更なる目的、特徴、及び利点は、当業者には容易に明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[定義]
[0007]用語「動物」は、本明細書に記載の健康上の効果により利益を受けるであろう任意の動物を意味し、ヒト、鳥類(avian)、ウシ科(bovine)、イヌ科(canine)、ウマ科(equine)、ネコ科(feline)、ヤギ類(hircine)、オオカミ類(lupine)、ネズミ科(murine)、ヒツジ類(ovine)又はブタ類(porcine)の動物が挙げられる。一態様では、動物は哺乳類であり得る。
【0008】
[0008]用語「コンパニオンアニマル」は、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、スナネズミ、ウマ、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、及びブタなどの家畜を意味する。一態様では、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物であり得る。別の態様では、コンパニオンアニマルは、ネコ科動物であり得る。
【0009】
[0009]用語「カロリー寄与率(caloric contribution ratio)」は、それぞれの食品組成物からのカロリー寄与のパーセンテージとして測定される主要栄養素の比率を指す。例えば、タンパク質のカロリー寄与率対脂肪のカロリー寄与率は、食品組成物由来のタンパク質のカロリーパーセンテージを食品組成物由来の脂肪のカロリーパーセンテージで割ったものとして測定される。
【0010】
[0010]用語「治療有効量」とは、本明細書に開示される化合物の量であって、(i)特定の疾患、状態、若しくは障害を治療若しくは予防する量、(ii)特定の疾患、状態、若しくは障害のうち1つ以上の症状を和らげる、改善する、若しくは取り除く量、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、若しくは障害のうち1つ以上の症状の発現を予防若しくは遅延させる量、を意味する。
【0011】
[0011]用語「治療すること」、「治療する」、及び「治療」は、予防的なもの、すなわち予防的治療及び緩和的治療の両方を包含する。
【0012】
[0012]用語「動物の健康及び/又はウェルネス」は、単に病気又は虚弱を有しないというだけでなく、動物が肉体的、精神的、及び社会的に十分に満たされた状態にあることを意味する。
【0013】
[0013]「併せて」という用語は、本明細書に開示される食品組成物、その構成要素、又は他の組成物が、(1)単一食品組成物として一緒に、又は(2)ほぼ同時に又は周期的に、同一の又は異なる投与経路を使用して同一の又は異なる頻度で別々に、動物に投与されることを意味する。「周期的」とは、食品組成物、その構成要素、又は他の組成物が、特定の化合物又は組成物に許容されるスケジュールで投与されることを意味する。「ほぼ同時に」とは、一般的に、食品組成物、その構成要素、又は他の組成物が、同時に投与されること、又は互いに約72時間以内に投与されることを意味する。
【0014】
[0014]「食品」又は「食品製品」又は「食品組成物」という用語は、ヒトを含む動物による摂取を目的とし、かつ動物に栄養を提供する、製品又は組成物を意味する。
【0015】
[0015]用語「炭水化物」は、消化可能な炭水化物、例えば、糖及びデンプンを指し、繊維、例えばセルロース繊維又は発酵性繊維を含まない。
【0016】
[0016]用語「粗繊維」は、植物細胞壁の食用部分に見られる不溶性繊維の一部を指し、粗繊維は、食品中の難消化性セルロース、リグニン、及びこのタイプの他の成分の量の尺度である。
【0017】
[0017]用語「総食物繊維」は、動物の消化酵素によって完全に分解することができない植物由来の食品部分を指し、可溶性繊維及び不溶性繊維の両方を含む。可溶性繊維は水に溶解し、腸内微生物叢によって結腸内で発酵する。可溶性繊維の例は、β-グルカン、グアーガム、サイリウム(Psyllium)、イヌリン、小麦デキストリン、難消化性デンプンである。不溶性繊維は水に溶解しない。不溶性繊維の例は、セルロース及びリグニンである。
【0018】
[0018]用語「定期的に」とは、少なくとも月1回の投与を意味し、一態様では、少なくとも週1回の投与を意味する。特定の実施形態では、週2回又は3回など、より頻回な投与又は摂取を実施できる。一態様では、投与計画は、少なくとも1日1回の摂取を含み得る。
【0019】
[0019]用語「単一パッケージ」とは、キットの構成要素が、1つ以上の容器において又は1つ以上の容器と物理的に関連付けられており、製造、流通、販売、又は使用にあたって1つのユニットとしてみなされることを意味する。容器としては、袋、箱、カートン、ボトル、シュリンクラップパッケージなどのパッケージ、ステープル留めされた若しくは別の方法で取り付けられた構成要素、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。単一パッケージは、製造、流通、販売、又は使用のための1つのユニットとしてみなされるように物理的に関連付けられた、食品組成物又はその構成要素の容器であってもよい。
【0020】
[0020]用語「仮想パッケージ」とは、他の構成要素を得る方法をユーザーに対して指示する、1つ以上の物理的又は仮想的なキット構成要素に関する指示によって、キットの構成要素が関連付けられることを意味する(例えば、袋又は他の容器内に、1つの構成要素と、ユーザーに対して、ウェブサイトを見る、録音メッセージ若しくはFAX返信サービスにコンタクトする、視覚的メッセージを見る、又は介護者若しくはインストラクターに連絡をとり、キットの使用方法、又はキットの1つ以上の構成要素に関する安全情報若しくは技術的情報を取得するよう指示する説明書と、を含む)。
【0021】
[0021]用語「約」は、数値の±20%を意味し、一態様では±10%であり、別の態様では±5%であり、更に特定の一態様では±2%である。例えば、約が数値の±20%である一態様では、語句「約10%~約20%」は、8%~24%又は12%~16%の範囲を含むことができ、その任意の下位範囲を含む。
【0022】
[0022]本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という言葉又は他の非限定的な言葉を使用する実施形態、態様及び例は、「を本質的に含む(consisting essentially of)」及び「を含む(consisting of)」の実施形態に置き換えることができる。
【0023】
[0023]用語「完全かつバランスのとれた」は、食品組成物について言及する場合、動物栄養学の分野で認められた権威の推奨に基づき、既知の必要な栄養素の全てを、適切な量及び割合で含有しており、したがって、栄養補給源を追加せずとも、生命を維持し、又は生産(production)を促進するための食事摂取の唯一の供給源としての役割を果たすことができる食品組成物を意味する。例えば、米国飼料検査官協会(AAFCO)によって規定された基準に従って配合された完全かつバランスのとれた食品組成物などの、栄養バランスのとれたペットフード及び動物用食餌組成物は、当該技術分野において広く知られており、広く使用されている。一実施形態では、「完全かつバランスのとれた」は、2021年1月1日にAAFCOによって公開された現行の基準に従ってもよい。
【0024】
[0024]本明細書で表されている全ての百分率は、別段の記述がない限り、乾物ベースでの組成物の重量基準である。当業者であれば、「乾物ベース」という用語が、組成物中の全ての自由水分が除かれた後に組成物中の原材料の濃度又はパーセンテージが測定又は特定されること、を意味していることは理解されるであろう。
【0025】
[0025]本明細書で使用される場合、範囲は、その範囲内のありとあらゆる値を列挙及び記載する必要を回避するための省略表現として、本明細書において使用する。かかる範囲内の任意の適切な値を、適宜、その範囲の上限値、下限値、又は境界値として選択できる。
【0026】
[0026]本明細書で使用される場合、文脈により明確に記載のない限り、単語の単数形には複数形が包含され、逆も同様である。したがって、「a」、「an]、及び「the」への言及は、概して、それぞれの用語の複数形を包含する。例えば、単数の「栄養補助食品(a supplement)」、「方法(a method)」、又は「食品(a food)」への言及は、それらの複数の「栄養補助食品(supplements)」、「方法(methods)」、又は「食品(foods)」を包含する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」の語は、排他的な語ではなく、他を包含し得る語であると解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。同様に、用語「例(examples)」は、特に、後に用語の掲載が続く場合、単に例示的かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。
【0027】
[0027]本明細書に開示される方法及び組成物並びに他の発展は、本明細書に記載された特定の方法論、手順及び試薬に限定されないが、その理由は、当業者であれば理解されるように、それらは変更可能であるためである。更に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とするものであり、開示又は請求の範囲を制限することを意図するものではなく、また制限するものでもない。
【0028】
[0028]別段の定めがない限り、本明細書において使用する全ての技術用語及び科学用語、専門用語、並びに頭字語は、本発明の分野(複数可)、又はその用語が使用される分野(複数可)の当業者により一般的に理解される意味を有する。本明細書に記載のものと類似する又は同等の任意の組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料を本発明の実施に使用できるが、特定の組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料を本明細書において記載する。
【0029】
[0029]本明細書で引用又は参照される全ての特許、特許出願、刊行物、技術及び/又は学術論文、並びにその他の参照文献は、法律によって許される範囲でそれらの全体を本明細書に援用する。これらの参照文献についての論考は、その参照文献においてなされる主張を要約することを意図するにすぎない。そのような特許、特許出願、刊行物、若しくは参照文献の一切は、又は、それらのいずれの部分も、関連技術、必須技術、又は先行技術であると認めるものではない。そのような特許、特許出願、刊行物、及び他の参照文献が、関連技術、必須技術、又は先行技術であるというあらゆる主張に対し、正確性及び妥当性に異議を申し立てる権利を明確に留保するものである。
【0030】
[発明を実施するための形態]
[0030]本発明の方法及び組成物は、特定の食品成分が動物における健康上の効果を提供するために相乗的に働くという発見に基づいている。具体的には、本発明の食品組成物は、低カロリー食品組成物、食事療法、又は高価な添加物若しくは栄養補助食品の使用などの既知の治療措置と比較して、満腹感を高め、体重減量中に除脂肪体重を保持し、健康上の効果を提供する、タンパク質対炭水化物比、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを利用する。しかしながら、これらの従来の処置は、本発明の方法及び組成物と併せて使用できる。
【0031】
[0031]一実施形態において、ペットフード組成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含むことができ、タンパク質対炭水化物の供給時重量比は、3.5:1~2.5:1の範囲である。
【0032】
[0032]別の実施形態では、動物において健康上の効果を提供するための方法は、食品組成物を動物に投与するステップを含むことができ、食品組成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、オメガ-3脂肪酸、及びイソフラボンを含み、タンパク質対炭水化物比の供給時重量比は、3.5:1~2.5:1の範囲である。
【0033】
[0033]本発明の食事は一般に高タンパク質及び低炭水化物を有するが、本発明の主要栄養素プロファイルは独特であり、予想外の利益を提供する特定の比及び成分を有する。注目すべきことに、本発明の食事は、ケトン食(伝統的なもの又は改変されたもの)、すなわち高脂肪に依存する食事又は食事の主成分として脂肪を有する食事ではない。また、本発明の食事は、以下の実施例に示すように、一般的な高タンパク食とは区別される。単一の主要栄養素成分又は比率に依拠するのではなく、本発明の方法及び組成物は、当該技術分野においてこれまで理解されていなかった、主要栄養素の比率と、食品成分との独特の組み合わせに依拠する。
【0034】
[0034]概して、本発明の組成物はタンパク質を含む。タンパク質は、粗タンパク質物質であってもよく、大豆ミール、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテンミール、小麦グルテン、綿実、エンドウ豆タンパク質、キャノーラミール、及びピーナッツミールなどの植物性タンパク質、又はカゼイン、アルブミン、及び肉タンパク質などの動物性タンパク質を含み得る。本明細書で有用な肉タンパク質の例としては、牛肉、豚肉、子羊、ウマ、家禽、魚、及びこれらの混合物が挙げられる。組成物はまた、乾燥乳清及び他の乳製品副産物などの他の材料を任意に含み得る。一実施形態では、食品組成物は、約25%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、又は更に55重量%から、約35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、又は更に60重量%までの量であって、これらの量の範囲内の様々な部分範囲を含む量で、タンパク質を含み得る。一態様では、タンパク質は、食品組成物の約40重量%~約60重量%であり得る。別の態様では、タンパク質は、食品組成物の約45重量%~約55重量%であり得る。
【0035】
[0035]タンパク質について前述したが、本組成物はイソフラボンを含む。様々な実施形態において、イソフラボンは、ダイゼイン、6-O-マロニルダイゼイン、6-O-アセチルダイゼイン、ゲニステイン、6-O-マロニルゲニステイン、6-O-アセチルゲニステイン、グリシテイン、6-O-マロニルグリシテイン、6-O-アセチルグリシテイン、ビオカニンA、又はホルモノネチンのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、イソフラボン又はその代謝産物は、ダイズ(Glycine max)由来であり得る。存在する場合、1つ以上の代謝産物は、好ましくはエクオールを含む。一実施形態では、食品組成物は、食品組成物1kg当たり約300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は更に1000mgから、食品組成物1kg当たり約500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、又は更に1500mgまでの量であって、これらの量の範囲内の様々な部分範囲を含む量で、イソフラボンを含み得る。一態様において、イソフラボンは、ペットフード組成物1キログラム当たり約100mg~1500mgの量で存在することができる。別の態様において、イソフラボンは、ペットフード組成物1キログラム当たり約300mg~1200mgの量で存在することができる。
【0036】
[0036]概して、任意の種類の炭水化物を食品組成物に使用することができる。好適な炭水化物の例としては、米、トウモロコシ、キビ、ソルガム、アルファルファ、大麦、大豆、キャノーラ、オート麦、小麦、ライ麦、ライ小麦、及びこれらの混合物などの穀類又は禾穀類が挙げられる。一実施形態では、炭水化物は、食品組成物の約15重量%~約25重量%を構成する。別の実施形態では、炭水化物は、食品組成物の約10重量%~約20重量%を構成する。他の態様では、炭水化物は、約5重量%、10重量%、15重量%、又は更に20重量%から、約10重量%、15重量%、20重量%、又は更に25重量%までの量で存在することができる。
【0037】
[0037]概して、タンパク質対炭水化物は、動物に健康上の効果を提供する比にある。典型的には、タンパク質対炭水化物の重量比は、3.5:1~2.5:1の範囲である。いくつかの態様では、タンパク質対炭水化物の重量比は、3.25:1~2.75:1、又は更に3.15:1~3:1の範囲であり得る。
【0038】
[0038]概して、食品組成物は脂肪を含む。好適な脂肪の例としては、動物性脂肪及び植物性脂肪が挙げられる。一態様では、脂肪源は、獣脂、ラード又は家禽脂肪などの動物性脂肪源であり得る。植物油、例えば、コーン油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ブドウ種子油、大豆油、オリーブ油、魚油、並びに一価不飽和脂肪酸、並びにn-6及びn-3多価不飽和脂肪酸に富む他の油も使用され得る。一実施形態では、食品組成物は、約15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、又は更に40重量%から、約20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は更に45重量%までの量であって、これらの量の範囲内の様々な部分範囲を含む量で、脂肪を含み得る。一態様では、脂肪は、食品組成物の約20重量%~約40重量%を構成する。別の態様では、脂肪は、食品組成物の約25重量%~約35重量%を構成する。
【0039】
[0039]前述の脂肪にもかかわらず、本発明の組成物は、オメガ-3脂肪酸を含む。好適なオメガ-3脂肪酸の非限定的な例としては、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α-リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(SDA)、エイコサトリエン酸(ETE)、エイコサテトラエン酸(ETA)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約0.1重量%、0.2重量%、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、又は更に3重量%から、約1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、4.5重量%、又は更には5重量%までの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、オメガ-3脂肪酸は、約0.1重量%~約5重量%の量で食品組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、オメガ-3脂肪酸は、約0.5重量%~約2.5重量%の量で食品組成物中に存在する。
【0040】
[0040]本発明の組成物は、本明細書で考察される脂肪及び脂肪酸に加えてオメガ-6脂肪酸を含むことができる。好適なオメガ-6脂肪酸の非限定的な例としては、リノール酸(LA)、γ-リノレン酸(GLA)、アラキドン酸(AA、ARA)、エイコサジエン酸、カレンジン酸、ジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、オメガ-6脂肪酸は、組成物の約0.2重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、又は更に3重量%から、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、又は更に5重量%までの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、オメガ-6脂肪酸は、約1重量%~約5重量%の量で食品組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、オメガ-6脂肪酸は、約1重量%~約2重量%の量で食品組成物中に存在する。
【0041】
[0041]投与は、必要に応じて、所望に応じて、定期的に、又は断続的に、行うことができる。一態様において、食品組成物は、動物に定期的に投与することができる。一態様では、少なくとも週1回の投与を行うことができる。特定の実施形態では、週2回又は3回など、より頻回な投与又は摂取を実施できる。一態様では、投与計画は、少なくとも1日1回の摂取を含み得る。
【0042】
[0042]本開示の方法により、投与は、食事療法の一環としての投与を含めて、動物の分娩から成体期に至るまでの期間にわたるものとすることができる。様々な実施形態において、動物は、ヒト又はイヌ若しくはネコなどのコンパニオンアニマルであり得る。特定の実施形態では、動物は、幼若期又は成長期の動物であり得る。他の実施形態において、投与は、例えば、動物が推定寿命又は予想寿命の約10%、20%、30%、40%、又は50%超に達したときに開始され、定期的に又は長期にわたって定期的(extended regular basis)に行われ得る。いくつかの実施形態では、動物は予測寿命の40%、45%、又は50%に達していてもよい。更に他の実施形態では、動物は、見込み寿命の60%、66%、70%、75%、又は80%に達した、より老齢であってもよい。寿命の算出は、保険統計表、計算、又は推定などに基づいたものであってよく、過去、現在、及び未来の、寿命に正又は負の影響を及ぼすことが知られている影響又は要因を考慮してもよい。種、性別、体格、遺伝的要因、環境要因及びストレッサー、現在及び過去の健康状態、過去及び現在の栄養状態、並びにストレッサーなどの留意事項も影響を及ぼすことがあり、寿命を算出する際に考慮してもよい。
【0043】
[0043]このような投与は、本明細書に記載される1つ以上の目的を達成するために、例えば、体重減量中、動物において除脂肪体重を保持するために必要な期間にわたって実施できる。他の投与量が適切である場合があり、動物の初期体重、並びに種、性別、品種、年齢、所望の健康上の効果などの他の可変要素に基づいて決定することができる。
【0044】
[0044]このような食品組成物の含水率は、食品組成物の性質に応じて様々である。食品組成物は、乾燥組成物(例えば、キブル)、半湿潤組成物、湿潤組成物、又はこれらの任意の混合物であってもよい。一実施形態では、組成物はペットフード組成物であってよく、一態様では、完全かつ栄養バランスのとれたペットフードであり得る。この実施形態において、ペットフードは、「ウェットフード」、「ドライフード」、又は「中間含水率」の食品であってもよい。「ウェットフード」は、典型的には、缶又はホイルバッグに入れられて販売され、含水率が典型的には約70%~約90%の範囲であるペットフードのことを述べている。「ドライフード」は、ウェットフードと同様の組成であるが、典型的には約5%~約15%又は20%の範囲の限定された含水率を有するペットフード(典型的には小さなビスケットのようなキブルの形態)のことを述べている。一実施形態では、組成物は、約5%~約20%の含水率を有することができる。ドライフード製品は、比較的常温保存可能であり、微生物又は真菌による劣化又は汚染に対して耐性を有するような様々な含水率の様々な食品を含む。また、一態様では、ドライフード組成物は、ヒト又はコンパニオンアニマルのいずれかのための押出食品製品であり得る。一態様では、ペットフード組成物はイヌ用に配合することができる。別の態様では、ペットフード組成物はネコ用に配合することができる。
【0045】
[0045]食品組成物はまた、1種類以上の繊維源を含んでもよい。このような繊維源としては、可溶性、不溶性、発酵性、及び非発酵性の繊維が挙げられる。このような繊維は、海洋植物などの植物源由来であってもよいが、微生物繊維源も使用することができる。当業者に既知のように、様々な可溶性又は不溶性の繊維を使用することができる。繊維源は、ビートパルプ(サトウダイコン由来)、アラビアゴム、タルハゴム(gum talha)、サイリウム、米ぬか、トウモロコシのふすま、小麦のふすま、オート麦のふすま、イナゴマメゴム、柑橘系パルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、短鎖オリゴフルクトース、マンナンオリゴフルクトース、大豆繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン、セルロース、チコリ、又はこれらの混合物であってもよい。
【0046】
[0046]あるいは、繊維源は発酵性繊維であってもよい。発酵性繊維は、コンパニオンアニマルの免疫系に有益であることが以前から報告されている。プレバイオティクスを提供し、腸内でのプロバイオティクスの増殖を増進する、発酵性繊維又は当業者に既知の他の組成物もまた、本明細書に記載の効果を増進するのに役立てるため、又は動物の免疫系に対する効果の増進に役立てるために、組成物に組み込まれてもよい。
【0047】
[0047]一実施形態にでは、食品組成物は、約1重量%~約15重量%の総食物繊維を含むことができる。いくつかの態様では、総食物繊維は、約5重量%~約15重量%、又は更に約8重量%~約13重量%の量で含まれ得る。別の実施形態では、食品組成物は、約1重量%~約10重量%の粗繊維を含むことができる。いくつかの態様において、粗繊維は、約3重量%~約10重量%、又は更に約3重量%~約7重量%の量で含まれ得る。
【0048】
[0048]いくつかの実施形態では、食品組成物の灰分は、1%未満~約15%の範囲である。一態様では、灰分は、約5%~約10%であってもよい。
【0049】
[0049]概して、食品組成物は、ヒト並びにイヌ及びネコなどのコンパニオンアニマルを含む動物による、食事、食事の構成要素、スナック、又はトリートとしての摂取に好適であり得る。このような組成物としては、動物に必要な食事所要量を供給することを目的とした完全食品が挙げられ得る。このような食品組成物の例としては、限定するものではないが、ドライフード、ウェットフード、飲み物、バー、調理済みの冷凍食品、調理済の保存食品、調理済みの冷蔵食品などが挙げられる。
【0050】
[0050]食品組成物は、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、プロバイオティクス、プレバイオティクス、塩、並びに食味増強剤(palatants)、着色剤、乳化剤、及び抗菌剤又は他の保存料などの機能性添加物などの1種類以上の物質を更に含んでもよい。このような組成物において有用となり得るミネラルとしては、例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩化物、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、及びセレンなどが挙げられる。本明細書で有用な追加のビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKなどの脂溶性ビタミン、並びにビタミンB、及びビタミンCを含む水溶性ビタミンが挙げられる。様々な実施形態において、イヌリン、アミノ酸類、酵素類、及び補酵素類などを含めると有用な場合がある。
【0051】
[0051]満腹感を増加させるための本発明の方法は、動物に健康上の効果をもたらすことができる。一実施形態では、健康上の効果は、除脂肪体重の保持、体重減量中の除脂肪体重の最小化(minimization of lean body mass during weight loss)、体脂肪の減少、体重の低減、体重増加の低減、インスリン抵抗性の低減、糖尿病リスクの低下、前糖尿病リスクの減少、コレステロール値の低下、グルコース値の低下、トリグリセリド値の低下、インスリン値の低下、インスリン感受性の改善、レプチン値の低下、前糖尿病の予防、前糖尿病の発症の遅延、前糖尿病の治療、糖尿病の予防、糖尿病の発症の遅延、糖尿病の治療、インスリン抵抗性の予防、インスリン抵抗性の発症の遅延、インスリン抵抗性の治療、過体重又は肥満の予防、過体重又は肥満の発症の遅延、過体重又は肥満の治療、健康な代謝の促進、より良好な血糖管理の促進、慢性炎症及び炎症性サイトカインの低下、自発的日中活動の改善、日中及び夜間の落ち着きのなさの低減、満腹感の増加、及びこれらの組み合わせを含み得る。
【0052】
[0052]様々な実施形態において、食品組成物は、(1)1種類以上のプロバイオティクス;(2)1種類以上の不活化させたプロバイオティクス;(3)プロバイオティクスと同様又は同一の健康上の効果を促進する、不活化させたプロバイオティクスの1種類以上の構成要素、例えば、タンパク質、脂質、糖タンパク質など;(4)1種類以上のプレバイオティクス;及び(5)これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。プロバイオティクス又はその構成要素は、食品組成物中に組み込む(例えば、組成物中に均一又は不均一に分布させる)ことができ、又は食品組成物に適用する(例えば、担体を使用して又は使用せずに局所的に適用する)ことができる。このような方法は当業者には既知であり、例えば米国特許第5968569号及び関連する特許に記載されている。
【0053】
[0053]典型的なプロバイオティクスとしては、ラクトバチルス属(Lactobacilli)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteria)、又はエンテロコッカス属(Enterococci)、例えば、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteii)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、及びビフィドバクテリウム属の種、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、及びエンテロコッカス属の種から選択されるプロバイオティクス株が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プロバイオティクス株は、ラクトバチルス・ロイテリ(NCC2581;CNCM I-2448)、ラクトバチルス・ロイテリ(NCC2592;CNCM I-2450)、ラクトバチルス・ラムノーサス(NCC2583;CNCM I-2449)、ラクトバチルス・ロイテリ(NCC2603;CNCM I-2451)、ラクトバチルス・ロイテリ(NCC2613;CNCM I-2452)、ラクトバチルス・アシドフィルス(NCC2628;CNCM I-2453)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)(例えば、NCC2627)、ビフィドバクテリウム属の種NCC2657又はエンテロコッカス・フェシウムSF68(NCIMB 10415)からなる群から選択することができる。概して、食品組成物は、約104~約1012cfu/個体/日、一態様では、105~約1011cfu/個体/日、及び特定の一態様では、107~1010cfu/個体/日を供給するのに十分な量でプロバイオティクスを含有し得る。プロバイオティクスが殺菌又は不活化されている場合でも、前記量の、殺菌若しくは不活化されたプロバイオティクス又はその構成要素は、当該微生物の生菌と同様の有益な効果を生じるはずである。多くのこのようなプロバイオティクス及びそれらの効果は当業者に既知であり、例えば、欧州特許第1213970(B1)号、欧州特許第1143806(B1)号、米国特許第7189390号、欧州特許第1482811(B1)号、欧州特許第1296565(B1)号、及び米国特許第6929793号に既知である。一実施形態では、プロバイオティクスは、エンテロコッカス・フェシウムSF68(NCIMB 10415)であり得る。別の実施形態では、プロバイオティクスは、当業者にとって既知である方法及び材料を使用して担体内に封入することができる。
【0054】
[0054]上述のように、食品組成物は、1種類以上のプレバイオティクス、例えば、フラクトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラクトスクロース、ラクツロース、及びイソマルツロースを含有してもよい。一実施形態では、プレバイオティクスは、チコリ根、チコリ根抽出物、イヌリン、又はこれらの組み合わせであり得る。概して、プレバイオティクスは、腸内の健康な細菌叢を積極的に刺激し、これらの「善玉」菌を増殖させるのに十分な量で投与することができる。典型的な量は、1サービング当たり約1g~約10g、又は動物に対する1日の推奨食物繊維量の約5%~約40%の範囲である。プロバイオティクス及びプレバイオティクスは、任意の好適な手段によって組成物の一部とすることができる。概して、これらの作用物質は、組成物と混合すること、又は組成物の表面に、例えば散布又は噴霧によって適用することができる。当該作用物質がキットの一部である場合、作用物質は他の材料と混合されていてよく、又は作用物質のためのパッケージ内にあってもよい。典型的には、食品組成物は、乾物ベースで約0.1%~約10%のプレバイオティクス、一態様では約0.3%~約7%、特定の一態様では約0.5%~5%のプレバイオティクスを含有する。プレバイオティクスは、当業者にとって既知の方法、例えば米国特許第5952033号を使用して、組成物に組み込むことができる。
【0055】
[0055]当業者であれば、特定の動物に投与される特定の組成物の製造に使用する、食品原材料、ビタミン類、ミネラル類、プロバイオティクス、プレバイオティクス、抗酸化物質、又は他の原材料の適量を決定することができる。当業者は、このような原材料を含む特定の組成物の最適な配合方法を決定する際、動物の種、年齢、体格、体重、健康状態などを考慮することができる。考慮され得る他の因子としては、各成分に所望される用量、各種動物による特定の種類の組成物の平均摂取量(例えば、種、体重、活動/エネルギー要求量などに基づく)、及び組成物の製造要件が挙げられる。
【0056】
[0056]更なる態様では、本開示は、食品組成物を動物に投与するのに好適なキットを提供する。キットは、キットの構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器内に又は仮想パッケージ内の別々の容器内に、(1)動物による摂取に適した1種類以上の原材料;(2)本明細書に記載される健康上の効果をもたらすのに有用な組成物を製造するための、原材料と他のキット構成要素との組み合わせ方法に関する説明書;(3)そのような効果を得るための食品組成物の使用方法に関する説明書;(4)1種類以上のプロバイオティクス;(5)1種類以上の不活化させたプロバイオティクス;(6)プロバイオティクスと同様又は同一の健康上の効果を促進する、不活化させたプロバイオティクスの1種類以上の構成要素、例えば、タンパク質、脂質、糖タンパク質など;(7)1種類以上のプレバイオティクス;(8)キットの構成要素を調製又は組み合わせて、動物への投与に好適な組成物を製造するためのデバイス;及び(9)組み合わされた又は調製されたキット構成要素を動物に投与するためのデバイス、のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、キットは、動物による摂取に好適な1類種以上の原材料を含む。別の実施形態では、キットは、本明細書に記載の健康上の効果を得るのに有用な組成物を製造するための、原材料の組み合わせ方法に関する説明書を含む。
【0057】
[0057]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、1つ以上の物理的なキット構成要素と組み合わせた仮想環境における説明書に限定される。キットは、本明細書に記載の健康上の効果を得るのに十分な量で構成要素を含有する。典型的には、キットの構成要素は、動物による摂取の直前に混合することができる。キットは、キットの構成要素を、様々な組み合わせ及び/又は混合物のいずれかとして含んでもよい。一実施形態では、キットは、動物による摂取のための食品容器を含む。キットは、原材料を混合するためのデバイス又は混合物を入れるためのデバイス(例えば、食品用ボウル)などといった、追加の物品を含んでもよい。別の実施形態では、食品組成物は、動物において良好な健康を促進するビタミン類及びミネラル類などの追加の栄養補助食品と混合することができる。構成要素は、単一のパッケージに含まれる別々の容器に入れて、又は異なるパッケージに含まれる様々な構成要素の混合物として、それぞれ提供することができる。いくつかの実施形態では、キットは、動物による摂取に好適な1種類以上の他の原材料を含む。一態様では、このようなキットは、動物による摂取のための食品組成物を形成するための、原材料の組み合わせ方法を記述した説明書を含むことができ、この方法は、概して、原材料を混合すること、又は任意選択の添加物を他の原材料に適用すること、例えば、栄養補助食品を食品組成物上に散布することによるものである。
【0058】
[0058]更なる態様では、(1)本明細書に記載される健康上の効果のうちの1つを得るための食品組成物の使用、(2)本明細書に記載される方法及び組成物に関して質問がある場合に消費者が使用するための連絡先情報、及び(3)食品組成物に関する栄養情報、のうちの1つ以上に関する情報又は指示を伝達するための手段が提供され得る。伝達手段は、本発明の方法又は組成物を使用することによる効果を説明するため、及び食品組成物を動物に投与するための承認された方法を伝達するために有用となり得る。かかる手段は、かかる情報又は指示を含む、物理的若しくは電子的文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアルディスプレイ、又はビジュアルディスプレイのうちの1つ以上を含む。一態様では、手段は、表示されたウェブサイト、表示装置キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ビラ、公示、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD-ROM、コンピュータにより読み取り可能なチップ、コンピュータにより読み取り可能なカード、コンピュータにより読み取り可能なディスク、USBデバイス、FireWireデバイス、コンピューターメモリ、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択できる。
【0059】
[0059]別の態様では、動物による摂取に好適な1種類以上の別の原材料(例えば、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、ビタミン類、ミネラル類、プロバイオティクス、及びプレバイオティクスなどのうちの1種類以上)を含む、食品組成物を製造するための方法は、動物による摂取に好適な1種類以上の原材料を混合する工程を含み得る。組成物は、当該技術分野において適切な任意の方法に従って製造することができる。
【0060】
[0060]別の態様では、本明細書に記載の組成物を収容するのに有用なパッケージは、食品組成物の収容に好適な少なくとも1つの器具と、パッケージの内容に食品組成物を含むことを示す単語(1語又は複数の語)、画像、意匠、頭字語、標語、フレーズ、若しくは他の図案、又はこれらの組み合わせを含む、パッケージに貼付されたラベルと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージに貼付されたラベルは、パッケージの内容物が、本明細書に記載される健康上の効果に関する有益な特性を有する食品組成物を含むことを示す単語(1語又は複数の語)、画像、意匠、頭字語、標語、フレーズ、若しくは他の図案、又はこれらの組み合わせを含む。一態様では、このようなデバイスは、パッケージ上に印刷された、「満腹感を高める」という語、又は同等若しくは類似の表現を含み得る。組成物を収容するのに適した任意のパッケージ構成及びパッケージ材料、例えば紙、プラスチック、ホイル、及び金属などから製造された袋、箱、ボトル、缶、及びパウチなどを、本発明に使用できる。一実施形態では、パッケージは、ラベルに応じて適宜、ヒト、イヌ科動物又はネコ科動物などの特定の動物に合わせて調整した食品組成物を含み、一態様では、イヌ又はネコ用のコンパニオンアニマル食品組成物を含む。一実施形態では、パッケージは、本明細書に記載の食品組成物を含む、缶又はパウチとすることができる。様々な実施形態において、パッケージは、パッケージを開封せずともパッケージの内容物を見ることができる少なくとも1つの窓を更に含む。いくつかの実施形態では、窓は、パッケージ部材の透明な部分であり得る。他の実施形態では、窓は、パッケージ部材が存在しない部分であってもよい。
【実施例】
【0061】
[0061]本発明は、以下の例により更に例示することができるものの、この例は、例示目的でのみ含まれるものであり、別途記載のない限り、本発明の範囲を制限することを意図するものではないことは理解されたい。
【0062】
実施例1 ネコにおける試験I
[0062]ネコの満腹感及び自発的食物摂取に対する食餌の効果を評価するために、1パネル当たり20匹のネコを含む2パネルのネコで試験した。ネコには、対照食又は試験食のいずれかを2日間自由に摂取させ、2~5日間中断した後に、ネコを更に2日間、食餌を相互に切り替えて(switched to the opposite diets)、対応する食餌を自由に摂取させた。食事の回数、食間の時間、各食事(mean)に費やした時間及び総カロリー摂取量を記録した。使用した食餌の主要栄養素の内訳を表1に示す。
【0063】
【0064】
[0063]表2~表5に示されるように、ネコに試験食を与えた場合、ネコはより多くの試験食を摂取し、喫食率(g飼料/分)は増加したが、食間の時間は増加し、ネコが1日当たりにより少ない食事を摂取することで、自発的な1日のカロリー摂取量の有意な低減が生じた。これらのデータは、試験食が満腹感を有意に高め、自発的な食物摂取を減少させたことを裏付ける。さらに、試験食の摂取率の増加は、摂取における全体的な差(及び現在特許請求されている利益)が、試験食の嗜好性が劣っていることによるものではなかったことを証明する。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
[0064]表5に見られるように、試験食は、1日当たりの食事の回数を有意に減少させた。この減少は、ネコにおける自発的食物摂取の減少に関係する。さらに以下の表6に見られるように、試験食は食間の時間の増加をもたらし、それによって試験食を与えられたネコがより高いレベルの満腹感を有したことを実証する。
【0070】
【0071】
[0065]これらのデータは、試験食が満腹感を有意に高めて、ネコにおける自発的食物摂取の減少をもたらしたことを裏付ける。ネコにおける自発的食物摂取の減少は、体重増加を有意に低減し、ネコが健康な体重及び健康な代謝を維持するのを助ける。
【0072】
実施例2 ネコにおける試験II
[0066]45匹の成体ネコを、ネコのベースラインの維持エネルギー必要量(MER)、体重のパーセンテージ、BCS、及び体重に基づいて、1群当たり15匹のネコを含む3群に無作為化した。これらの群に、表7に示すように、タンパク質対脂肪対炭水化物(CHO)比が異なる3通りの食餌を与えた。
【0073】
【0074】
[0067]ネコは、12ヶ月間、ネコのベースラインのMERよりも25%多い量を与えられた。表8に示されるように、平均食物摂取量には群間で有意な差はなく、実際には、最も高タンパク質の食餌(群3)の摂取量が最も高かった。
【0075】
【0076】
[0068]上に示したように、表7の食餌は満腹効果をもたらさなかった。高タンパク質食でさえ満腹効果をもたらさないことから、実施例1の試験食の満腹効果が全く予想外であったことが更に示された。
【0077】
実施例3 ネコにおける試験III
[0069]この試験では、30匹の過体重ネコを、ネコのベースラインの維持エネルギー必要量(MER)、体重、体脂肪、年齢、及び性別に基づいて2つの群に無作為化した。試験中、全てのネコに、ネコのベースラインのMERよりも25%少ない量を与えた。食餌の組成を表9に掲載する。ネコに各食餌を6ヶ月間投与した。体重を毎週記録し、身体組成を定量的磁気共鳴(QMR)技術によって毎月測定した。
【0078】
【0079】
[0070]6ヶ月間の試験終了時、食餌Iを与えられたネコは、食餌IIを与えられたネコよりも体重が減少した(645.54g対513.50g)。しかしながら、表10に示すように、いずれの組のネコも除脂肪体重が減少した。
【0080】
【0081】
実施例4 イヌにおける試験I
[0071]この試験では、30匹の過体重のイヌを、イヌのベースライン維持エネルギー必要量(MER)、体重、体脂肪%及び性別に基づいて、1群当たり15匹のイヌを含む2群に無作為化した。対照群及び試験群の両方のイヌに、体重減量試験の最初の4ヶ月間にイヌのベースラインMERの75%を与え、次いで、体重減少試験の最後の2ヶ月間にイヌのベースラインMERの60%を与えた。身体組成をDEXA装置で測定した。食餌を表11に示す。
【0082】
【0083】
[0072]試験食を与えられたイヌにおいて、ベースラインと3つの時点(2ヶ月、4ヶ月、及び6ヶ月)のいずれかとの間で除脂肪体重に有意差はなかった。反対に、対照食を与えられたイヌは、表12に示されるように、ベースラインと比較して、3つの時点全てにおいて有意な量の除脂肪体重を失った。
【0084】
【0085】
[0073]両群のイヌは、ベースラインと比較して有意な量の体脂肪を減らした。しかしながら、表13に示されるように、試験食を与えられたイヌは、6ヶ月の体重減量試験終了時に対照のイヌよりも多くの体脂肪を減らしていた(5.93kg対4.98kg)。
【0086】
【0087】
[0074]いずれの群のイヌにもベースラインの維持エネルギー必要量(MER)より25%少ない量を与えたが、ベースラインにおける日中の自発的活動と比較したときに、対照食を与えたイヌの日中の自発的活動は、試験食を与えたイヌと比較して増加していた。より顕著なことに、対照食を与えられたイヌでは、ベースラインにおける夜間の自発的活動と比較して夜間の自発的活動が増加していた。すなわち、対照のイヌはより落ち着きのない素振りを夜間に示した。反対に、試験食を与えられたイヌは、ベースラインにおける夜間の自発的活動と比較して夜間の自発的活動が低下しており、このことは、試験食を与えられたイヌでは、いかなるカロリー欠乏も伴わずにMERの100%を与えられたベースラインよりも、体重減量中の落ち着きのなさが更に少ないことを示す。表14に示されるこれらのデータは、体重減量中に、試験食が対照食と比較してイヌの落ち着きのなさを低減させることを示す。
【0088】
【0089】
実施例5 イヌにおける試験II
[0075]この試験の目的は、大豆イソフラボン単独、又は大豆イソフラボンと共役リノール酸(CLA)とカルニチンとの組み合わせが、過体重のイヌにおいて脂肪減少を促進し、除脂肪体重を保持することができるかどうかを調査することであった。
【0090】
[0076]対照食は、低カロリー体重減量処方に基づいて配合した。イソフラボン食は、10%大豆胚芽ミールを添加した対照食とした。カクテル食は、10%大豆胚芽ミール、1.5%共役リノール酸(CLA)、及び100ppm L-カルニチンを添加した対照食とした。3種類の食餌は全て、同等の量のタンパク質、脂肪、繊維及び炭水化物を有していた。
【0091】
[0077]食餌を以下のように表15に示す。飼料1:従来の体重減量対照食(代謝可能エネルギー=1338.8kcal/lb)。飼料2:イソフラボン食(代謝可能エネルギー=1346.3kcal/lb):10%大豆胚芽ミールを含有する対照食(6500~8400mg/kgイソフラボンを含有するSGM)。飼料3:カクテル食(代謝可能エネルギー=1309.8kcal/lb):10%SGM、CLA(1.5%)、及びL-カルニチン(100ppm)を含有する対照食。
【0092】
【0093】
[0078]体脂肪が22%を超える過体重のイヌ(雄イヌ)及び体脂肪が26%を超える過体重のイヌ(雌イヌ)を無作為に3つの群に分け、体重減量の最初の3ヶ月間にMERの70%を与えた。試験開始3ヶ月後及び6ヶ月後に、Dexaスキャンを各イヌに対して行った。体重減量の最初の3ヶ月後に理想的な体脂肪レベルに達することができなかったイヌには、体重減量の次の3ヶ月間、MERの55%を与えた。
【0094】
[0079]3ヶ月及び6ヶ月の体重減量後の体脂肪及び除脂肪体重の変化を表16に要約する(平均)。3ヶ月後及び6ヶ月後の両方で、イソフラボン食は除脂肪体重の減少を防止しなかった。他の活性物質を添加した場合であっても、カクテル食は、試験終了時(6ヶ月後)に除脂肪体重を保持しなかった。
【0095】
【0096】
他の試験
[0080]上記に加えて、他の既報の試験は、オメガ-3脂肪酸単独では除脂肪体重を保持せず、タンパク質対炭水化物比単独では除脂肪体重を保持しないことを実証している。
【0097】
[0081]Diez et al.(Diez,M.,Nguyen,P.,Jeusette,I.,Devois,C.,Istasse,L.& Biourge,V.,「Weight loss in obese dogs:evaluation of a high-protein,low-carbohydrate diet」J.Nutr.132:1685S-1687S(2002))は、9:1のタンパク質対デンプン比を有する高タンパク質(47.5%)、低デンプン(5.3%)食を与えられた肥満イヌが、除脂肪体重に由来する20%の体重減量を有したことを報告した。さらに、2.4対1のタンパク質対炭水化物比を有する食餌を与えられたイヌは、16週間の体重減量後に除脂肪体重の有意な量を失っていた(A.Andre,I.Leriche,G.Chaix,C.Thorin,M.Burger,P.Nguyen,「Recovery of Insulin and optimal body composition after rapid weight loss in obese dogs fed a high-protein medium-carbohydrate diet」,J.of Animal Physiology and Animal Nutrition 2017,101:21-30)。Bender et al.(N Bender,M.Portmann,Z.Heg,K.Hofmann,M.Zwahlen,M.Egger,「Fish or n3-PUFA intake and body composition:a systematic review and meta-analysis」Obesity Reviews 2014,15:657-665)は、体重減量食に魚又は魚油を含めても、対照食と比較して、ヒトにおける体重減量後、脂肪量又は除脂肪体重のいずれにおいても有意差をもたらさないことを報告した。
【0098】
[0082]本発明の試験食のタンパク質レベル(48.7%)はDiezの試験食のタンパク質レベルと同様であったが、本発明の試験食はより多くのデンプン(14.2%)並びにイソフラボン及びオメガ-3脂肪酸を含有していた。本発明者らが驚いたことに、これらの栄養素は予想外に相乗的に作用して、イヌにおける体重減量試験中に脂肪の分解(fat mobilization)を促進し、除脂肪体重を保持し、6ヶ月の体重減量中にカロリー摂取を40%減少させた後であっても、除脂肪体重の減少を予想外に完全に防止した。
【0099】
[0083]本明細書において、本発明の特定の実施形態が開示されている。具体的な用語が使用されるが、これらは一般的に、かつ説明目的でのみ使用されるものであり、限定を意図するものではない。本発明の範囲は、「特許請求の範囲」において規定される。明らかなことではあるが、上記教示に照らして、本発明には多くの改変及び変形が可能である。したがって、具体的に記載のもの以外であっても、添付の特許請求の範囲内で、本発明が実施可能であると理解される。
【国際調査報告】