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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】シールテープを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20241106BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20241106BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20241106BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M50/474
H01M50/489
H01M50/486
H01M50/477
H01M4/13
H01M4/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526704
(86)(22)【出願日】2023-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2023010382
(87)【国際公開番号】W WO2024019513
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0088822
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・オン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ルン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウク・ヒ・ジャン
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H021AA02
5H021CC04
5H021CC17
5H021EE06
5H021HH00
5H028AA05
5H028CC12
5H028EE06
5H028HH00
5H028HH05
5H029AJ06
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029DJ06
5H029EJ12
5H029HJ00
5H029HJ02
5H050AA12
5H050BA08
5H050BA15
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050CB12
5H050DA19
5H050FA05
5H050HA12
(57)【要約】
本明細書は、シールテープを含む二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、および分離膜が巻き取られた構造を有する電極組立体;電解液;および前記電極組立体と前記電解液が収納された缶を含む、二次電池であって、
前記負極は前記電極組立体の外周面に位置し、
前記電極組立体の外周面上にはシールテープが設けられ、
前記シールテープは、基材および前記基材の一面に設けられた粘着層を含み、
前記粘着層は、前記電解液に対する膨張性を有する、二次電池。
【請求項2】
前記粘着層は、前記電解液を吸収して膨張した形態である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面上から脱離している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記缶の内部と前記電極組立体の外周面とが接触している領域を含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部を含んで前記外周面を囲むように設けられた、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の上部および下部にそれぞれ設けられた、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記シールテープは、前記電極組立体の高さを基準としたとき、外周面の中心部を含まない領域に設けられている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極無地部が位置している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極コーティング部が位置している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項10】
前記粘着層は、電解液と接触した時点から24時間経過後に測定した中心線平均粗さ値が100μm~250μmである、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、下記化学式1で表される単量体および架橋性官能基を含有する架橋性単量体から誘導された重合単位を有する重合体を含む粘着剤組成物の硬化物を含むものである、請求項1に記載の二次電池:
【化1】
前記化学式1において、
は水素;または炭素数1~12のアルキル基であり、
は炭素数1~6のアルキレン基であり、
は水素;炭素数1~12のアルキル基;炭素数6~24のアリール基;または炭素数6~48のアリールアルキル基であり、
nは0以上である。
【請求項12】
前記粘着層は、前記基材の一面にパターンを含む形態で設けられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記基材は、前記電解液に対する膨張性を有する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記基材は、下記式2による長さ方向への歪率が10%以上である、請求項1に記載の二次電池:
[式2]
基材の長さ方向への歪率=(L2-L1)/L1×100
前記式2において、
L1は前記基材が流体と接触する前の初期長さであり、L2は常温または60℃で前記基材を流体と24時間接触させた後に測定した前記基材の長さである。
【請求項15】
前記基材は、熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む、請求項1~14の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記基材は、多孔性構造を含むフィルムを含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項17】
前記電極組立体には、1つの負極タブが備えられた、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールテープを含む二次電池に関する。
【0002】
本出願は、2022年07月19日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0088822号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯用電話機などの携帯用電子製品の需要が急激に増大し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、その駆動電源として使用される二次電池について多くの研究が行われている。
【0004】
このような二次電池には、例えば、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。これらの中で、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、作動電圧が高く、単位重量当たりのエネルギー密度が高いという利点から、先端電子機器分野で広く使用されている。
【0005】
一般に、リチウム二次電池は、正極、負極および前記正極と負極との間に介在する分離膜から構成された電極組立体が積層または巻取された構造で金属缶またはラミネートシートのケースに内蔵され、その内部に電解液が注入または含浸されることで構成される。
【0006】
二次電池を構成する正極/分離膜/負極構造の電極組立体は、その構造に応じて、大きく、ゼリーロール型(巻取型)とスタック型(積層型)とに区分される。ゼリーロール型は、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介して巻き取った構造であり、スタック型は、所定のサイズの多数の正極と負極を分離膜が介在した状態で順次積層した構造である。その中で、ゼリーロール型電極組立体は、製造が容易であり、重量当たりのエネルギー密度が高く構造的に安定しているという利点を有している。
【0007】
このようなゼリーロール型電極組立体を含む円筒形電池は規格化されているため、限られた空間内で性能を最大化することが求められている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書では、負極が外周面に設けられたゼリーロール型電極組立体を含む二次電池において、電極組立体の外周面に電解液を吸収した後、膨張するシールテープを貼り付けることにより、缶に電解液注入後のシールテープから電極組立体の解れを誘導し、電極組立体の外周面に位置する負極と缶の内部の接触面積を高めて電池の抵抗が低くなった二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様は、正極、負極、および分離膜が巻き取られた構造を有する電極組立体;電解液;および前記電極組立体と前記電解液が収納された缶とを含む二次電池であって、前記負極は前記電極組立体の外周面に位置し、前記電極組立体の外周面上にはシールテープが備えられ、前記シールテープは基材および前記基材の一面に設けられた粘着層を含み、前記粘着層は、前記電解液に対する膨張性を有する二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、電解液に対する膨張性を有するシールテープを電極組立体の外周面に位置した負極に付着することにより、電池缶に電解液注液時のシールテープの粘着層が電解液を吸収および膨張して、シールテープが電極組立体から脱離するようにし、これにより、巻き取られていた電極組立体が一部解れることにより、電極組立体外周面の負極と電池缶内部の接触面積を大きくして電池の低抵抗特性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施態様による二次電池を模式的に示す図である。
図2】本発明の一実施態様による二次電池を模式的に示す図である。
図3】実施例1と比較例1で作製した電池のCTイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本明細書についてさらに詳細に説明する。
【0013】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0014】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上」に位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材の間に別の部材が存在する場合も含む。
【0015】
本明細書において、ある部分が他の部分と連結されているという場合、これは直接連結されている場合だけでなく、その間に他の素子を挟んで、間接的に連結されている場合も含む。
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施態様を詳細に説明する。しかし、本発明の実施態様は様々な形態に変更することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施態様に限定されるのではない。ただし、本発明の好ましい実施態様に対する動作原理を詳細に説明するにおいて、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。なお、図面全体に亘って類似な機能および作用をする部分に対しては同一の符号を付する。
【0017】
本発明の一実施態様は、正極、負極、および分離膜が巻き取られた構造を有する電極組立体;電解液;および前記電極組立体と前記電解液が収納された缶を含む二次電池であって、前記負極は前記電極組立体の外周面に位置し、前記電極組立体の外周面上にはシールテープが備えられ、前記シールテープは基材および前記基材の一面に設けられた粘着層を含み、前記粘着層は、前記電解液に対する膨張性を有する二次電池を提供する。
【0018】
一般に、ゼリーロール型電極組立体を含む円筒形電池は、電極組立体の外周面に分離膜が位置する。前記電極組立体は規格化されているため、限られた空間内で性能を最大化することが求められている実情であり、通常、容量を最大化して抵抗を下げることで二次電池の性能向上を図っている。この際、電池の容量を最大化するために投入される電極の含量を高めなければならず、抵抗を下げるために負極タブの数を増やさなければならないが、電池の内部空間上の負極タブの数を無限に増加させることは難しく、タブが多くなることで電池缶との溶接性が低下する問題点がある。また、電池の容量を最大化するために電極の含量を高める場合、電池の内部空間が小さくなり、電極タブを追加することが容易ではないという問題がある。
【0019】
そこで、前記の問題を補うために、電極組立体の外周面に負極を位置させ、負極と缶内部の接触面積を増加させて抵抗を下げる方法が開発された。この際、負極と缶内部の接触を安定して維持するためには、負極と缶内部の内部隙間を最小化しなければならない。
【0020】
しかしながら、ゼリーロール型電極組立体が缶に挿入される前に、電極組立体の解れを防止するために、電極組立体の外周面にシールテープ(seal tape)が取り付けられなければならず、円滑な挿入のために缶と電極組立体との間に内部隙間がある程度存在しなければならない。隙間が不足する場合には、挿入時に電極組立体の外観が損傷し、挿入不良などの問題が発生する。
【0021】
この際、既存のシールテープを使用する場合、電極組立体がしっかりと固定されることにより、二次電池の充/放電による電極の収縮/膨張によるストレスを解消できず、電極断線、クラック、金属溶出などの問題を引き起こすことがある。
【0022】
本発明では、負極が電極組立体の外周面に位置し、前記電極組立体の外周面上に電解液に対する膨張性を有し、電解液を吸収および膨張するシールテープを用いることを特徴とし、缶に電極組立体を挿入し、電解液を注液する時、シールテープの粘着層が電解液を吸収して粘着力が消えて膨張することにより、電極組立体の解れを誘導することができる。
【0023】
したがって、シールテープの脱離および電極の収縮/膨張にて巻かれていた電極組立体が解れることにより、電極組立体外周面に位置した負極と缶の接触面積が大きくなり、電池の抵抗が低くなる効果がある。
【0024】
また、缶に電極組立体を挿入する前に、シールテープがゼリーロールを安定して固定することにより、電極組立体の解れを防止することができ、電極組立体の挿入を容易にする。
【0025】
本発明の一実施態様において、前記シールテープは、基材;および前記基材の一面に設けられた粘着層を含む。
【0026】
以下、シールテープに含まれた粘着層について具体的に説明する。
【0027】
本発明の一実施態様において、前記粘着層は、前記電解液による膨張性を有する。電解液による膨張性を有するとは、粘着層が電解液によって構造が変形すること、例えば電解液と接触後に電解液を吸収して膨張することを意味する。すなわち、前記粘着層は、前記電解液を吸収して膨張した形態であってもよい。
【0028】
前記シールテープは、電解液を吸収して膨張させ、三次元立体構造を形成することができる。具体的には、前記粘着層は、電解液を吸収して膨張して三次元立体構造を形成することができる。例えば、前記粘着層は、電解液と接触する際に、前記粘着層の厚さ方向および/または長さ方向に膨張することができ、これにより立体構造を形成することができる。前記において、シールテープの「立体構造」は、電解液と接触したシールテープの粘着層の膨張力と基材との剥離力の作用によって形成されるものであり、前記粘着層が電極組立体から脱着するようにすることができる、全ての構造を含む概念であり得る。
【0029】
一例によれば、前記立体構造は、前記粘着層の長さ方向と垂直な方向に突出した形状を複数個含んでもよい。前記において「長さ方向」とは、前記粘着層を平らに保持したときに前記粘着層の厚さ方向と垂直な方向を意味することができる。また、前記「垂直」または「水平」とは、目的とする効果を損なわない範囲での実質的な垂直または水平を意味し、例えば、±10度、±5度、または±3度程度の誤差を含んでもよい。
【0030】
本発明の一実施態様において、前記粘着層は、電解液と接触した時点から24時間経過後に測定した中心線平均粗さ値が100μm~250μmであってもよい。
【0031】
具体的には、電解液と接触した後の中心線平均粗さ(Ra)は、150μm~240μm、または155μm~230μmであり得る。前記中心線平均粗さ(Ra)は、前記電解液と接触した時点から24時間経過後に粘着層表面で測定された値であり得る。
【0032】
本発明において、粘着層が形成する立体構造の中心線平均粗さが前述の範囲内で調節される場合、電極組立体の外周面から前記シールテープが効率よく脱離することができる。
【0033】
前記「中心線平均粗さ」は、例えば、立体構造を形成する粘着層の断面を撮影し、前記撮影された写真を介して三次元構造の断面を数学的にリモデリングして粗度曲線を得た後、前記粗度曲線から平均線の方向に基準長さLだけ抽出し、平均線方向をx軸に、高さ方向をy軸にして、粗度曲線をy=f(x)で表したとき、下記式1から求められる値をマイクロメーターで表したものを意味する。
【0034】
【数1】
【0035】
前記中心線平均粗さはASTM D4417の規格下で測定されるか、またはJIS B0031またはJIS B0601に定義されたとおりに求めることができる。
【0036】
本発明の一実施態様において、前記粘着層は粘着剤組成物の硬化物を含んでもよく、前記粘着剤組成物に含まれる重合体を架橋された形態で含んでもよい。
【0037】
本発明の一実施態様において、前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、極性官能基を有する単量体、および架橋性官能基を含有する架橋性単量体から誘導された重合単位を含む重合体を含んでもよい。
【0038】
一例において、前記粘着剤組成物によって形成された粘着層を含むシールテープが前記粘着層を媒介として電極組立体に貼り付けられ、前記電極組立体が電池缶の内部に挿入されて製造された二次電池の場合、前記粘着層は、二次電池の内部に注入される電解液と接触して前記粘着層内に存在する前記極性官能基の存在によって、変形、例えば膨潤または膨張(swelling)する。この際、前記シールテープは三次元立体構造を形成し、前記粘着層の表面が特定範囲の表面粗さ値を有することになり、これにより前記電極組立体と粘着層との間の接着力または剥離力が減少するため、前記接着層が電極組立体から脱離することができる。
【0039】
前記粘着剤組成物は、重合単位を有する重合体を含む。一例によれば、前記重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体、極性官能基を有する単量体、および架橋性官能基を有する架橋性単量体を重合された形態で含むものであってもよい。
【0040】
前記重合体に重合単位で含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを用いることができ、粘着剤の凝集力や、ガラス転移温度または粘着性などを考慮して、炭素数が1~14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、およびテトラデシル(メタ)アクリレートなどの1種または2種以上が例示できるが、これらに制限されるものではない。
【0041】
前記において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)」が使用された他の用語も同様である。
【0042】
前記極性官能基を有する単量体は、電解液と親和性に優れた単量体であって、前記粘着剤組成物によって製造された粘着層が電解液と接触時に変形、例えば膨潤または膨張(swelling)され、電極組立体と粘着層との間の接着力または剥離力を低減させるために、前記粘着剤組成物の重合体に重合単位で含まれる。また、本出願では、前記極性官能基を有する単量体として、特定の構造を有する単量体を適用することにより、前記シールテープが電解液と接触するとき、特定表面粗さを有する立体構造を形成するようにすることができ、これにより、前記シールテープが電極組立体から優れた効率で脱離することにより、電極組立体の等方性体積膨張と収縮を誘導し、電極の断線現象を効率的に防止することができる。
【0043】
本発明の一実施態様において、前記極性官能基を有する単量体は、下記化学式1で表される。
【0044】
【化1】
【0045】
前記化学式1において、Rは水素;または炭素数1~12のアルキル基を表し、
は炭素数1~6のアルキレン基を表し、
は水素、炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~24のアリール基または炭素数6~48のアリールアルキル基を表し、
nは0以上である。
【0046】
前記化学式1において炭素数1~12のアルキル基は、直鎖または分岐鎖のアルキル基であってもよい。
【0047】
前記化学式1において、Rは、水素、炭素数1~12、炭素数1~8または炭素数1~4のアルキル基であり、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを例示することができ、好ましくは水素またはメチル基であり得るが、これらに制限されない。
【0048】
また、前記化学式1において、Rは炭素数1~6、1~4、または1~2のアルキレン基であり、例えば、エチレンまたはプロピレンであってもよいが、これらに制限されない。
【0049】
前記Rは、水素、炭素数1~12、1~8、1~6または1~4のアルキル基;炭素数6~24、炭素数6~20、炭素数6~18または炭素数6~12のアリール基;または炭素数6~48、炭素数6~30、炭素数6~24または炭素数6~18のアリールアルキル基を表し、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ナフタル基、ブチルフェノール基、ペンチルフェノール基、ヘキシルフェノール基、ヘプチルフェノール基、オクチルフェノール基またはノニルフェノール基などが例示され得るが、これらに制限されない。
【0050】
また、前記nは0以上、例えば1以上、好ましくは2以上であってもよい。
【0051】
本発明の一実施態様において、前記化学式1で表される単量体は、下記化学式2の単量体であってもよい。
【0052】
【化2】
【0053】
前記化学式2において、RおよびRは前記で定義したとおりであり、
p+qは1以上であり、
pは0~100であり、qは0~100である。
【0054】
前記化学式1または化学式2で表される単量体としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェノール(メタ)アクリレート、およびポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートを使用することができ、好ましくは、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレートが例示され得るが、特にこれに制限されるものではない。
【0055】
前記化学式1または化学式2で表される単量体は、少なくとも1つ以上の酸素原子を含み、前記酸素原子の高い電気陰性度により、前記単量体は非常に高い極性を帯びることになるため、前記単量体を含む粘着層は、極性の電解液と高い親和性を有し、前記電解液と接触するときに膨張することができる。一方、前記において「電解液」という用語は、例えば、二次電池などで使用されるイオン伝導の媒体を意味することができる。一例として、前記電解液は液体状態の媒体である電解液であり得るが、これらに制限されない。本明細書において、電解液は電解質と表されることもある。
【0056】
前記重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体100重量部に対して、前記化学式1で表される単量体30重量部~300重量部、例えば、40重量部~280重量部または44重量部~250重量部を重合された形態で含んでもよいが、これに制限されるものではない。また、前記化学式1で表される単量体は、前記重合体に重合単位で含まれる全単量体100重量部に対して、25重量部~80重量部、例えば、25重量部~75重量部または30重量部~70重量部で含まれてもよい。前記化学式1で表される単量体が余りに少なく含まれる場合、粘着層が電解液と接触する際に電極組立体から脱離するに十分なほど膨張することが難しく、余りに多く含まれる場合、前記重合体の重合反応でゲル化(gelation)が過度に起こり、粘着剤の粘着性を具現することが困難であり得るため、この点を考慮して、前述した範囲内に極性官能基を有する単量体の含量を調節することができる。本明細書において、特に断りのない限り、「重量部」は相対的な「重量比率」を意味する。
【0057】
前記架橋性官能基を有する架橋性単量体は、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体または重合体に含まれる他の単量体と共重合されることができ、共重合された後に重合体の主鎖に多官能性架橋剤と反応できる架橋点を提供することができる単量体である。前記において架橋性官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基またはアミド基などであってもよく、場合によっては、アクリロイル基、またはメタクリロイル基などの光架橋性官能基であってもよい。光架橋性官能基の場合、前記共重合性単量体によって提供された架橋性官能基に光架橋性官能基を有する化合物を反応させて導入することができる。前記ヒドロキシ基を含む架橋性単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートまたはヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのようなヒドロキシ基を含む単量体を用いることができ、また、これらのうち1種以上が混合された単量体を用いることができるが、これに制限されるものではない。前記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などを用いることができるが、これらに制限されるものではない。また、前記グリシジル基を含む架橋性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシアルキル(メタ)アクリレートまたはエポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのようなエポキシシクロアルキルアルキル(メタ)アクリレートなどを用いることができるが、これに制限されない。前記イソシアネート基を含む架橋性単量体としては、例えば、2-イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α、α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネートまたはアリルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物を(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルと反応させて得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物および(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルを反応させて得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物などを用いることができるが、これに制限されるものではない。前記アミド基含有単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどを用いることができるが、これに制限されるものではない。また、アミノ基含有単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどを用いることができるが、これに制限されない。前記アルコキシシリル基含有単量体としては、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートまたはアリルオキシエチル(メタ)アクリレートなどを用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0058】
前記重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体100重量部に対して、架橋性単量体0.1重量部~10重量部、例えば、2.5~10重量部、2.9~9重量部、または2.9~8重量部を重合された形態で含んでもよいが、これに制限されない。また、前記架橋性単量体は、前記重合体に重合単位で含まれる全単量体100重量部に対して、0.1~5重量部、例えば、0.5~3重量部または1~2重量部で含まれてもよい。前記架橋性単量体が余りに多く含まれる場合は、剥離力が低すぎて粘着層が電極組立体を固定しにくい問題が発生することがあり、余りに少なく含まれる場合、粘着層が電解液と接触する際に電極組立体から脱離するに十分なほどに膨張しにくいため、このような点を考慮して、前述した範囲内で架橋性単量体の含量を調節することができる。
【0059】
本発明の一実施態様において、前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、前記化学式1で表される単量体、および架橋性官能基を含有する架橋性単量体から誘導された重合単位を有する重合体を含む粘着剤組成物の硬化物を含んでもよい。
【0060】
前記重合体は、必要に応じて他の機能性共単量体を重合された形態でさらに含んでもよいが、その例としては、下記化学式3で表される単量体が挙げられる。
【0061】
【化3】
【0062】
前記化学式3において、R~Rはそれぞれ独立して、水素またはアルキル基を表し、Rはシアノ基;アルキル基で置換または非置換のフェニル基;アセチルオキシ基;またはCOR10を表し、ここでR10はアルキル基またはアルコキシアルキル基で置換または非置換のアミノ基またはグリシジルオキシ基を表す。
【0063】
前記化学式3のR~R10の定義におけいてアルキル基またはアルコキシ基は、炭素数1~8のアルキル基またはアルコキシ基を意味し、好ましくはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基である。
【0064】
前記化学式3の単量体の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、またはN-ビニルカプロラクタムなどの窒素含有単量体、スチレン、またはメチルスチレンなどのスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート;カプロラクトン、またはビニルアセテートなどのようなカルボン酸のビニルエステルなどを例示することができるが、これらに制限されない。
【0065】
前記重合体は、多官能性架橋剤によって架橋された形態で組成物に含まれてもよい。前記重合体が架橋された形態で含まれる場合、前記組成物から製造された粘着層は、電解液と接触する際に膨張または膨潤する特性を有することができ、それによって電極の断線を防止することができる。また、前記重合体が架橋された形態で含まれることにより、前記粘着剤組成物から製造された粘着層は適切な凝集力を確保することができる。
【0066】
前記重合体を架橋させている多官能性架橋剤の種類は特に制限されず、例えば、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、金属キレート架橋剤または光架橋剤などの公知の架橋剤の中から、重合体に存在する架橋性官能基の種類に応じて適切な架橋剤を選択することができる。前記においてイソシアネート架橋剤の例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソボロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、またはナフタレンジイソシアネートなどのようなジイソシアネートや、前記ジイソシアネートとポリオールとの反応物などが挙げられ、前記においてポリオールとしては、トリメチロールプロパンなどが使用され得る。エポキシ架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’-テトラグリシジルエチレンジアミンまたはグリセリンジグリシジルエーテルなどを用いることができ、アジリジン架橋剤としては、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル-1-(2-メチルアジリジン)またはトリ-1-アジリジニルホスフィンオキシドなどが挙げられ、金属キレート架橋剤としては、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルなどの化合物に多価金属が配位された化合物が挙げられ、前記において多価金属としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ、チタン、アンチモン、マグネシウムまたはバナジウムなどが挙げられ、光架橋剤としては多官能性アクリレートなどを用いることができる。前記において重合体に含まれている架橋性官能基の種類を考慮して、1種または2種以上の架橋剤が用いられてもよい。
【0067】
粘着剤組成物における前記多官能性架橋剤の重量比率は、例えば、目的とする剥離力または後述するゲル分率が確保できる範囲に調節されることができる。例えば、前記架橋剤は、全体組成物100重量部に対して0.001重量部~10重量部、例えば0.1重量部~5重量部または0.5重量部~4重量部の含量で含まれ得るが、これらに制限されない。多官能性架橋剤の割合が少なすぎると、粘着層の凝集力が適切に確保されず、高すぎると粘着物性が低下する可能性があるため、これを考慮して適切な範囲が選択されることができる。
【0068】
前記粘着剤組成物に含まれる重合体は、前記のような単量体の混合物を溶液重合(solution polymerization)、光重合(photo polymerization)、塊状重合(bulk polymerization)、懸濁重合(suspension polymerization)または乳化重合(emulsion polymerization)などのような重合工程に適用して製造することができる。
【0069】
前記重合体は、重量平均分子量(Mw、Weight Average Molecular Weight)が30万~250万、40万~200万、50万~200万、80万~180万、60万~120万、70万~140万あるいは60万~80万程度であってもよい。本明細書において重量平均分子量とは、GPC(Gel Premeation Chromatograph)で測定した標準ポリスチレンに対する換算数値を意味することができ、特に別途の規定がない限り、分子量は重量平均分子量を意味することができる。前記重合体の分子量が低すぎると、粘着層の凝集力が低下することがあり、高すぎると粘着物性が低下する可能性があるため、このような点を考慮して適切な分子量が選択されることができる。
【0070】
粘着剤組成物は、前記成分に加えて、必要に応じてこの分野で公知の様々な添加剤をさらに含んでもよい。例えば、前記粘着剤組成物は、粘着付与剤をさらに含んでもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル系またはスチレン系粘着付与剤を用いることができるが、これに制限されるものではなく、必要に応じて適切な種類を選択、使用することができる。前記粘着付与剤の含量も特に制限されず、電極組立体との剥離力などを考慮して調節することができる。一例として、前記粘着付与剤は、前記重合体100重量部に対して1重量部~25重量部の割合で使用されてもよい。
【0071】
前記粘着剤組成物はまた、目的とする効果に影響を与えない範囲で、熱開始剤または光開始剤などのような開始剤;エポキシ樹脂;硬化剤;紫外線安定剤;酸化防止剤;調色剤;補強剤;充填剤;消泡剤;界面活性剤;多官能性アクリレートなどのような光重合性化合物;あるいは可塑剤などのような添加剤をさらに含んでもよい。
【0072】
一例として、前記粘着剤組成物に含まれる重合体は、一般に周知の適切な光開始剤の選定によって光重合法を介して製造されてもよい。前記光開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキシド、1,1-ビス(ターシャリー-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリエチルシクロヘキサン、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-3-メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジ-ターシャリー-ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、メチルエーテルケトンパーオキシドなどの有機過酸化物;ブチルヒドロパーオキシド、クミルヒドロパーオキシドなどのヒドロ過酸化物;過酸化水素、過酸化二硫酸アンモニウム、硝酸およびその塩、過塩素酸およびその塩、硫酸およびその塩、ハイポ塩素酸およびその塩、過マンガン酸およびその塩、クロム酸およびその塩、二酸化鉛、二酸化マンガン、酸化銅、塩化鉄、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの酸化剤;ソジウムボロハイドライド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アミン、ヒドラジンなどの還元剤;アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronnitrile、以下AIBN)などのようなアゾ化合物;熱、光、紫外線または高エネルギーの波長を照射する手段;電解液内での電子移動;などにより前記光重合法に適用することができるが、これに制限されるものではない。
【0073】
前記光開始剤の含量は、特に制限されないが、全単量体混合物100重量部に対して0.01~5重量部、例えば0.01~1重量部、0.01重量部~0.5重量部の量で含まれてもよい。
【0074】
前記のような粘着層は、例えば、前記のような重合体と多官能性架橋剤とを配合したコーティング液を前記基材上にコーティングし、適正な条件で前記重合体と多官能性架橋剤との架橋反応を誘導して形成することができる。
【0075】
前記粘着層の厚さは、適用される用途、例えば、目的とする剥離力などに応じて適宜選択され得るものであり、特に制限されるものではない。前記粘着層は、例えば、2μm~100μm、3μm~50μm、4μm~25μm、4μm~15μm、4μm~10μm、4μm~9μm、4μm~7μmあるいは5μm~7μm程度の厚さを有するように形成することができるが、これは目的に応じて変更することができる。
【0076】
前記粘着層は、前記基材の一面にパターンを含む形態で設けられることができる。具体的には、前記パターンは、閉鎖図形パターン、線状パターン、または閉鎖図形パターンと線状パターンとの混合パターンであってもよい。一例において、前記パターンは格子パターンまたはS字パターンなどであってもよく、これに制限されず、当業界で知られている適切な形態のパターンを採用して適用することができる。
【0077】
また、前記パターンは、波状パターン、格子パターンまたは陽刻形状のエンボスパターンを含んでもよく、これに制限されず、当業界で公知の適切な形態のパターンを採用して適用することができる。
【0078】
前記波状パターンは、波状の曲線がなすパターンを意味することができる。この際、波状の曲線は凸部または凹部をなすことができ、接着層に含まれた凹凸面が前記のようなパターンを含むことで粘着層の付着力を改善させることができる。
【0079】
前記格子パターンは、直線状の凹部が交差して形成された凸部がなすパターンを意味することができる。あるいは、直線状の凸部が交差して形成された凹部がなすパターンを意味することができる。この際、形成された凸部または凹部は1つの格子をなし、各格子の形状は正方形、長方形、平行四辺形および菱形のいずれであってもよい。接着層に含まれた凹凸面が前記のようなパターンを含むことにより、接着層の付着力を改善させることができる。
【0080】
前記陽刻形状のエンボスパターンは、例えば球状の凹凸が陽刻形状に突出しているパターンであってもよい。
【0081】
前記のように、粘着層がパターンを含む形態で設けられる(コーティングされる)場合、電解液との接触面積が大きくなり、粘着層への電解液の拡散速度を高めることができる。電解液の拡散速度が高まる場合、粘着層が電解液を吸収および膨張する速度も高くなるため、シールテープが電極組立体からより早く脱離する。したがって、電池缶に電解液を注液した直後にシールテープが脱離することにより電極組立体の解れが誘導され、より安定して負極と缶内部の接触面積を広げることができる。また、脱離時間が短縮することにより、電池生産後の量産品質の確保が可能な利点がある。一方、脱離時間が遅れてシールテープの付着が持続する場合、量産品質確認の時に電池の抵抗偏差が大きくなるという問題点がある。
【0082】
前記シールテープは、二次電池内で電極組立体の外周面上に取り付けられて設けられたシールテープであってもよい。また、本発明の一実施態様によるシールテープは、前記粘着層の初期剥離力が高すぎず、前述した極性官能基を有する単量体を含む粘着層を含むことにより、二次電池内で前記シールテープが電解液と接触したときに前記粘着層が電解液を吸収して膨張することにより、前記粘着層の剥離力が電極組立体から脱離される程度に低く調節されることができる。
【0083】
本発明の一実施態様において、前記シールテープは、前記電極組立体を固定すると同時に電解液と接触したときに、前記電極組立体から脱離するのに十分な初期剥離力を有することができる。前記電極組立体の初期剥離力が高すぎると、前記粘着層が電解液と接触した後にも、電極組立体から脱離しにくくなることがある。例えば、前記粘着層はガラスに対して、5mm/secの剥離速度および180度の剥離角度で測定した常温での剥離力が370gf/25mm以下、例えば、350gf/25mm以下、315gf/25mm以下または312gf/25mm以下であってもよい。前記粘着層のガラスに対する剥離力の下限値は、特に制限されるものではなく、例えば、非常に低い初期剥離力を有する場合、前記粘着層は、電解液と接触するとき粘着力を失うことになり、これにより前記シールテープが電極組立体から脱離することにより、電極の断線を防止することができる。ただし、前記粘着層の初期剥離力が低すぎると、前記電極組立体が缶に収納される前に電解液と接触しない状態で解れてしまうことがあり、このような点を考慮すると、前記粘着層のガラスに対する剥離力の下限値は5gf/25mm以上、例えば、10gf/25mm以上、20gf/25mm以上、30gf/25mm以上、40gf/25mm以上、50gf/25mm以上、60gf/25mm以上、70gf/25mm以上、80gf/25mm以上、85gf/25mm以上、または88gf/25mm以上に調節されることができる。前記粘着層が、ガラスに対して前記のような範囲の剥離力を有する場合、前記粘着層が電極組立体の外周面に付着した場合でも、電解液と接触時に脱離するための適切な初期剥離力を示すことができ、前記シールテープが電解液と接触した場合、特定の表面粗さを有する立体構造を形成することができる。
【0084】
本発明の一実施態様において、シールテープは電極組立体の外周面上から脱離していてもよい。すなわち、外周面に付着しておらず、粘着力を失った状態であってもよい。
【0085】
電解液注入後の前記シールテープの粘着力は、電解液注液前のシールテープの粘着力を基準にして80%以上低下する。具体的には、90%以上、95%以上、または99%以上低下され得る。
【0086】
本発明の一実施態様において、シールテープは、前記粘着層が電解液を吸収して膨張することにより立体構造を形成し、前記粘着層の剥離力が電極組立体から脱離される程度に低く調節されることができ、これにより、前記接着層は電極組立体の外周面から脱離することができる。一例によれば、前記シールテープは、電解液と接触した後に、前記電極組立体の外周面から脱離することができ、好ましくは、電極組立体の外周面に前記シールテープが付着した面積の50%以上、例えば、例えば、60%以上、70%以上、または80%以上が脱離することができる。
【0087】
前記シールテープの厚さは、目的とする剥離力などに応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではない。前記シールテープは、例えば、10μm~100μm、15μm~75μm、20μm~45μm、15μm~40μm、20μm~40μm、20μm~30μm程度の厚さを有するように形成することができるが、これは目的に応じて変更されてもよい。前記シールテープの厚さが薄すぎると、シールテープの粘着層の膨張に伴う効果が発揮されにくいことがあり、逆に厚さが厚すぎると、その分、電極組立体の厚さが増加して電池ケースに挿入する際の工程性の低下による電極組立体の損傷が大きいか、同じ規格のサイズで容量の低下を引き起こすことがあり得る。
【0088】
前記シールテープは、前記シールテープが使用される前までに粘着層を保護するために粘着層に貼り付けられている離型シートをさらに含んでもよい。
【0089】
以下、シールテープに含まれた基材について具体的に説明する。
【0090】
本発明の一実施態様において、前記基材は、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、アクリルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、セルロースアセテートフィルムおよびポリエステルフィルムからなる群から選択された1種以上のフィルムを含んでもよいが、これに制限されない。
【0091】
前記基材がポリエステルフィルムを含む場合には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナルタレートフィルムおよびポリブチレンテレフタレートフィルムからなる群から選択された少なくとも1種を含んでもよい。前記基材がセルロース系基材を含む場合には、セルロースアセテート樹脂およびセルロースアルキレート樹脂からなる群から選択された1種以上を含み、前記樹脂を含む混合物を押出またはキャスティング工程に適用して製造された基材を使うことができる。例えば、セルロースアルキレートとしては、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)またはセルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butylate)などを用いることができる。
【0092】
また、脱離時間を短縮するために、シールテープの基材として下記の基材を導入することができる。
【0093】
本発明の一実施態様において、前記基材は電解液に対する膨張性を有することができる。具体的には、前記基材は、電解液と接触した後に前記電解液を吸収することができる。具体的には、前記基材は電解液を吸収して構造が変形することができる。例えば、前記基材は電解液と接触した後に長さ方向に変形することができる。
【0094】
前記のように電解液と接触後に電解液を吸収する基材を用いる場合、基材を介した電解液の移動がより自由であるため、粘着層の電解液吸収速度がさらに速くなる。したがって、一般基材を使用する場合よりも速くシールテープが脱離するため、電池缶に電解液を注液した直後にシールテープが脱離することにより電極組立体の解れが誘導され、より安定して負極と缶内部の接触面積を広げることができる。また、脱離時間が短縮することにより、電池生産後の量産品質の確保が可能な利点がある。一方、脱離時間が遅れてシールテープの付着が続く場合、量産品質確認時に電池の抵抗偏差が大きくなるという問題点がある。
【0095】
本明細書において「長さ方向」という用語は、前記基材を平らに保持したときに前記基材の厚さ方向と垂直な方向を意味することができる。また、本明細書において「垂直」または「水平」という用語は、目的とする効果を損なわない範囲で実質的な垂直または水平を意味し、例えば、±10度以内、±5度以内または±3度以内の程度の誤差を含んでもよい。
【0096】
前記基材は、長さ方向に変形、例えば、膨張する特性を有する限り、基材の平面において横または縦、または斜め方向を含む任意の方向に変形、例えば、膨張可能なものを用いることができる。
【0097】
本発明の一実施態様において、前記基材は、下記式2による長さ方向の歪率が10%以上であってもよい。
【0098】
[式2]
基材の長さ方向への歪率=(L2-L1)/L1×100
前記式2において、
L1は前記基材が流体と接触する前の初期長さであり、L2は常温または60℃で前記基材を流体と24時間接触させた後に測定した前記基材の長さである。
【0099】
前記式2を計算する際に、基材が接触する流体の具体的な種類は特に制限されない。一例によれば、前記流体は、前記缶の内部に注入される液体状態の電解液であってもよい。前記用語「電解液」は、例えば、電池などで用いられるイオン伝導の媒体を意味することができる。さらに、用語「常温」は、加熱または冷却されない自然のままの温度であり、例えば、約10℃~約30℃、約20℃~約30℃、または約25℃の温度を意味することができる。
【0100】
前記基材の長さ方向の歪率は、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよい。前記基材の長さ方向の歪率の上限は特に制限されない。すなわち、前記歪率値が大きいほどシールテープの脱離を容易に誘導することができる。例えば、前記基材の歪率の上限は500%であってもよい。
【0101】
前記式2において、L1およびL2は、流体と接触する前後の基材の長さである。前記長さは基材に対して所定の方向に測定され、L1およびL2の測定時に前記方向を同様に適用する限り、前記長さを測定する具体的な方向は特に制限されない。
【0102】
例えば、前記基材が長方形のシート状である場合、前記基材の長さは、前記シートの横、縦、対角線の長さであるか、または平面上の任意の方向への長さであってもよい。ただし、L1およびL2の測定時に前記長さを測定する方向が同様に適用されるため、例えば、L1として基材の横長さが採用される場合、L2としても基材の横長さを採用する。
【0103】
基材の形状は特に制限されず、例えばフィルムまたはシート状であってもよい。また、前記フィルムまたはシート状の基材は、四角形、円形、三角形、または無定形などの形状を有してもよい。
【0104】
前記基材は、ASTM D2240によるショアA硬度が70A以上であってもよい。前記基材は、JIS K-7311によるショアD硬度が40D以上であってもよい。前記基材の硬度の上限は特に制限されないが、例えば、前記ショアA硬度の上限は100Aまたは95Aであり、前記ショアD硬度の上限は例えば、100Dまたは85Dであってもよい。
【0105】
前記基材は熱可塑性ポリウレタンフィルム(TPUフィルム;thermoplastic polyurethane)を含んでもよい。前記基材は、熱可塑性ポリウレタンフィルムの単一層構造であるか、または少なくとも1層のポリウレタンフィルムを含む多層構造、例えば2層構造であってもよい。また、前記熱可塑性ポリウレタンフィルムとしては、一軸または二軸延伸されたフィルムでああるか、あるいは無延伸フィルムを用いてもよい。
【0106】
前記熱可塑性ポリウレタンフィルムとしては、ポリエステルTPUフィルム、ポリエーテルTPUフィルムまたはポリカプロラクトンTPUフィルムなどが知られており、このようなフィルムの中から適切な種類が選択され得るが、ポリエステルTPUフィルムの使用が適切であり得る。また、熱可塑性ポリウレタンフィルムとしては、芳香族(aromatic)系または脂肪族(aliphatic)系の熱可塑性ポリウレタンフィルムを用いることができる。前記熱可塑性ポリウレタンフィルムを用いる場合、接着力調節による剥離力確保のために離型層をさらに含んでもよい。
【0107】
熱可塑性ポリウレタンフィルムとしては、ポリオール化合物、例えば、ポリエステルポリオール化合物、鎖延長剤(chain extender)およびイソシアネート化合物、例えば、芳香族または脂肪族ジイソシアネート化合物を含む混合物の反応物を用いることができ、前記においてソフトチェーンを形成するポリオール化合物とハードチェーンを形成する鎖延長剤およびイソシアネート化合物の割合や種類などを調節して目的とする物性の熱可塑性ポリウレタンフィルムを提供することができる。一例として、前記基材はポリエステル系熱可塑性ポリウレタンフィルムを含んでもよく、必要な場合、前記ポリウレタンにおいてポリエステルポリオールに由来する単位、およびイソシアネート化合物および/または鎖延長剤に由来する単位の重量比率が適正範囲に調節されたフィルムを用いることができる。
【0108】
前記のように熱可塑性ポリウレタンフィルムを基材として用いる場合、基材を介した電解液の移動がより自由であるため、粘着層の電解液吸収速度がさらに速くなる。
【0109】
前記基材が熱可塑性ポリウレタンフィルムの以外に、他のフィルムを含む場合には、前記他のフィルムは、高分子フィルムまたはシートとして、製造過程における延伸または収縮処理条件によって流体と接触すると、前記のような変形、例えば、膨張特性を示すように製造されたフィルムまたはシートであってもよい。
【0110】
一例によれば、前記他のフィルムは、エステル結合またはエーテル結合を含むか、またはセルロースエステル化合物を含むフィルムであってもよい。例えば、アクリレート系フィルム、エポキシ系フィルム、またはセルロース系フィルムなどを例示することができる。
【0111】
また他の一実施態様において、前記基材は多孔質構造を含むフィルムを含んでもよい。具体的には、分離膜、不織布、繊維または紙などを多孔質構造のフィルムとして用いることができ、これに限定されず、当業界で公知の構成を適宜採用することができる。
【0112】
前記のように多孔性構造を含むフィルムを基材として用いる場合、基材を介した電解液の移動がより自由であるため、粘着層の電解液吸収速度がさらに速くなる。したがって、一般基材を使用する場合よりも早くシールテープが脱離するため、電池缶に電解液を注液した直後にシールテープが脱離することにより電極組立体の解れが誘導され、より安定して負極と缶内部の接触面積を広げることができる。また、脱離時間が短縮することにより、電池生産後の量産品質の確保が可能という利点がある。一方、脱離時間が遅れてシールテープの付着が持続する場合、量産品質確認時に電池の抵抗偏差が大きくなるという問題点がある。
【0113】
前記基材を製造する方式は特に制限されず、例えば、前記樹脂を含む原料を押出したりキャスティングしたりする方式のような通常のフィルムまたはシート成形方法を使用することができる。この際、必要に応じて樹脂を含む原料に公知の添加剤を含んで使用することができる。
【0114】
前記のような基材がシートまたはフィルム状の場合、基材の厚さは、特に制限されず、例えば、10μm~200μm、10μm~100μm、10μm~50μm、15μm~30μm、または15μm~20μm程度であってもよい。
【0115】
本発明の一実施態様による二次電池は、正極、負極、および分離膜が巻き取られた構造を有する電極組立体;電解液;および前記電極組立体と前記電解液が収納された缶を含む二次電池であって、前記負極は前記電極組立体の外周面に位置し、前記外周面上にはシールテープが設けられる。この際、前記シールテープは、基材;および前記基材の一面に設けられた粘着層を含み、前記粘着層は、前記電解液に対する膨張性を有して電解液と接触後に前記電解液を吸収して膨張することができる。
【0116】
前記電極組立体は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に設けられた分離膜が巻き取られた構造であり、電極組立体の外周面に負極が位置することができる。
【0117】
前記シールテープは、前記粘着層を媒介として前記電極組立体の外周面に貼り付けられることができる。前記電極組立体はゼリーロール状に巻かれていてもよい。
【0118】
本発明の一実施態様において、前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極無地部が位置してもよい。すなわち、前記電極組立体の外周面に負極無地部が位置し、前記負極無地部上にシールテープが設けられてもよい。
【0119】
本発明の一実施態様において、前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極被覆部が位置してもよい。すなわち、前記電極組立体の外周面に負極コーティング部が位置し、前記負極コーティング部上にシールテープが設けられてもよい。
【0120】
本発明の一実施態様において、前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には、前記負極コーティング部および前記負極無地部が共に位置してもよい。すなわち、前記電極組立体の外周面に負極活物質が塗布された負極コーティング部および負極活物質が塗布されていない負極無地部が同時に位置し、前記負極コーティング部および前記負極無地部上にシールテープが設けられてもよい。
【0121】
正極は、正極集電体および正極集電体に塗布された正極活物質を含んで構成されてもよい。具体的には、前記正極は正極集電体を含み、前記正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極コーティング部;および前記正極集電体上に正極活物質層が設けられていない正極無地部を含む。具体的には、前記正極コーティング部は、前記正極集電体の一面または両面上に正極活物質を塗布して形成されることができ、正極活物質が塗布されていない正極無地部には前記正極集電体が露出していてもよい。ここで、正極集電体は、例えばアルミニウム(Al)材質の箔(foil)からなってもよい。この際、正極活物質は、例えば、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、またはこれらのうち1種以上が含まれた化合物および混合物などからなってもよい。
【0122】
負極は、負極集電体と、負極集電体に塗布された負極活物質を含んで構成されることができる。具体的には、前記負極は負極集電体を含み、前記負極集電体上に負極活物質層を備えられた負極コーティング部;および前記負極集電体上に負極活物質層が設けられていない負極無地部を含む。具体的には、前記負極コーティング部は、前記負極集電体の一面または両面上に負極活物質を塗布して形成されることができ、負極活物質が塗布されていない負極無地部には前記負極集電体が露出していてもよい。ここで、負極集電体は、例えば銅(Cu)またはニッケル(Ni)材質からなる箔(foil)からなってもよい。この際、負極活物質は、一例として人造黒鉛を含む材質からなってもよい。また、負極活物質は、他の例として、リチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コーク、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、チタニウム化合物またはそれらの合金からなってもよい。
【0123】
分離膜は、正極と負極を分離して電気的に絶縁させる。ここで、正極と負極は、分離膜と共に巻き取られ、ゼリーロール(Jelly roll)型の電極組立体で形成されてもよいし、スタック型またはスタックアンドフォールディング型などで形成されてもよい。
【0124】
分離膜は絶縁材質からなり、正極および負極と交互に積層されてもよい。ここで、分離膜は、正極および負極の間と、正極および負極の外側面に位置することができる。
【0125】
分離膜としては、通常、二次電池で分離膜として使用されるものであれば特に制限なく使用可能であり、特に電解液のイオン移動に対して低抵抗でありながら電解液含湿能力に優れるものが好ましい。
【0126】
また、分離膜は延性のある材質からなってもよい。この際、分離膜は、例えば、微多孔性を有するポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂膜で形成されてもよい。他の例として、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造された多孔性高分子フィルムまたはそれらの2層以上の積層構造体が使用されてもよい。また、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が使用されてもよい。また、耐熱性または機械的強度を確保するために、セラミック成分または高分子物質が含まれた、コーティングされた分離膜が用いられてもよく、選択的に単層または多層構造で使用されてもよい。
【0127】
前記において、シールテープの粘着層を変形、例えば膨張させる流体である電解液の種類は特に制限されず、電池の種類に応じて、この分野の公知の電解液が用いられる。
【0128】
一例において、前記電解液としては、二次電池製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに制限されるものではない。
【0129】
具体的には、前記電解液は、非水系有機溶媒と金属塩を含んでもよい。
【0130】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、ピロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用されてもよい。
【0131】
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち環状カーボネートであるエチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として誘電率が高くリチウム塩を良好に解離させるため好ましく用いられ、このような環状カーボネートにジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率線状カーボネートを適当な割合で混合して使用すると、高い電気伝導率を有する電解液を作ることができ、より好ましく用いることができる。
【0132】
前記金属塩は、リチウム塩を用いることができ、前記リチウム塩は、前記非水電解液に溶解しやすい物質であり、例えば、前記リチウム塩のアニオンとしては、F、Cl、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCNおよび(CFCFSOからなる群から選択される1種以上を用いることができる。電解質においてリチウム塩の濃度は、用途に応じて変わることができ、通常は0.1M~2.0Mの範囲内で使用することができる。
【0133】
前記電解液には、前記電解液構成成分の他に、電池の寿命特性向上、電池容量減少抑制、電池の放電容量向上などを目的として、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのようなハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グライム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノール、または三塩化アルミニウムなどの添加剤がさらに1種以上含まれてもよい。
【0134】
前記電極組立体および電解液が収納される缶は、円筒状の缶であってもよく、これに制限されない。
【0135】
前記二次電池は、電極組立体に前記シールテープを貼り付けた後、缶の内部に収納し、前記缶の内部に電解液を注入した後に缶を封止する方式によって製造することができる。
【0136】
前記シールテープが電極組立体に固定された状態で缶に挿入され、その後、缶に注入された電解液を吸収して膨張することにより、前記粘着層と電極組立体との間の剥離力が低くなることにより、シールテープの粘着層が電極組立体から脱離することができる。したがって、本発明の一実施態様による二次電池は、電極組立体がある程度解れて、電極組立体の外周面が缶の内部に接触した領域を含む構造であってもよい。
【0137】
図1は、本発明の一実施態様による二次電池を模式的に示す図である。
【0138】
図1を参照すると、前記二次電池は、電極組立体11および前記電極組立体11の外周面にシールテープ12が取り付けられている。
【0139】
図1-1は、電極組立体11に前記シールテープ12を貼り付けた後、缶内部に収納する過程までの二次電池の模式図であり、電極組立体11の外周面にシールテープ12が取り付けられていて電極組立体11が固定され、缶10の内部と電極組立体11との間の隙間がある程度形成されている。
【0140】
図1-2は、缶10の内部に電解液を注入した後の二次電池の模式図であり、シールテープ12が電解液を吸収して剥離力が低くなることにより、電極組立体11から脱離することになるため、巻き取られていた電極組立体11がある程度解れて、缶10の内部と電極組立体11との間の隙間が減少する。この際、図1-2には明確に示されていないが、電極組立体の外周面が缶の内部と接触することができる。
【0141】
すなわち、本発明の一実施態様による二次電池は、前記缶の内部と前記電極組立体の外周面とが接触している領域を含む。この際、缶の内部と電極組立体の外周面の接触面積は、電極組立体の外周面の総面積を基準に5%以上であってもよい。あるいは、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、または50%以上であってもよく、100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、または60%以下であってもよい。
【0142】
図2は、本発明の一実施態様による二次電池を模式的に示す図である。図2を参照すると、前記シールテープ12は、前記電極組立体11の外周面を囲むように取り付けられてもよい。
【0143】
具体的には、前記シールテープ12は、前記電極組立体11の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部21を含み、前記外周面を囲むように設けられてもよい。すなわち、前記シールテープ12は、電極組立体11の幅方向(高さ方向に垂直な方向)に外周面を囲んで設けられることができる。このとき、シールテープが前記外周面を囲むように設けられるとは、シールテープが電極組立体の外周面に沿って切れずに連続して設けられていることを意味する。
【0144】
具体的には、前記シールテープ12は、前記電極組立体11の外周面の上部31および下部33にそれぞれ設けられてもよい。すなわち、前記電極組立体の外周面には、シールテープが計2列に貼り付けて設けられてもよい。この際、上部31および下部33は、外周面の中心部32を基準にそれぞれ上領域および下領域を意味する。また、前記電極組立体の外周面の上端部41および下端部42は、前記電極組立体がそのまま露出するように設けられていてもよい。ただし、これに限定されるものではなく、脱離時間を適切に調節できるように、電池の大きさおよび種類などに応じて適正な位置にシールテープが貼り付けられて設けられてもよい。
【0145】
前記シールテープ12は、前記電極組立体11の高さを基準としたとき、外周面の中央部32を含まない領域に設けられてもよい。この際、中心部32は、外周面の中心から上下に±1%(高さ基準)までの領域を意味することができる。
【0146】
シールテープが外周面の中心部を含んで付着する場合、シールテープが電解液を吸収して変形しても電極組立体の解れを誘導することが難しく、負極と缶内部との接触面積を確保できない問題がある。一方、本発明のようにシールテープが外周面の中心部を含まず、外周面の上部および下部に貼り付けられる場合、電極組立体の解れを誘導しやすいため、負極と缶内部の接触面積を高めて低抵抗特性を容易に具現することができる。
【0147】
前記電極組立体の外周面にシールテープが付着した面積は、脱離時間を適切に調節できるように、電池の大きさおよび種類などに応じて調節されることができる。一例において、シールテープの付着面積は、前記電極組立体の外周面の総面積の80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、または30%未満であってもよく、5%以上、10%以上または20%以上であってもよいが、これに限定されない。
【0148】
また他の一実施態様において、前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部上に設けられてもよい。具体的には、図面には示していないが、前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部上に高さ方向に貼り付けられることができる。すなわち、前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部を覆う形で一列に取り付けられて設けられてもよい。ただし、これに限定されるものではなく、電極組立体の解れを適切に調節できるように、電池の大きさおよび種類などに応じて適正な位置にシールテープが貼り付けられてもよい。
【0149】
シールテープが前記電極組立体の仕上げ部上に高さ方向に付着されて備えられる場合、電極仕上げ部を連続的に覆う形態で取り付けることができるため、電極組立体の損傷を防止することができ、負極と円筒状の缶内部の接触面積を高めて低抵抗特性を容易に具現することができる。
【0150】
本発明の一実施態様において、前記シールテープの脱離前に前記缶の内部と前記電極組立体の外周面との間の平均隙間、すなわち前記缶の平均内径と前記電極組立体の平均外径との差は、前記缶の内径を基準に0.9%超2%以下であってもよい。具体的には、1.5%以下、1.3%以下、1.2%以下、1.1%以下、または1%以下であってもよい。
【0151】
本発明の一実施態様において、前記シールテープの脱離後、前記缶の内部と前記電極組立体の外周面との間の平均隙間、すなわち前記缶の平均内径と前記電極組立体の平均外径との差は、前記缶の内径を基準に0.9%以下であってもよい。具体的には、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下または0.2%以下であってもよく、0%以上、0%超または0.1%以上であってもよい。
【0152】
本発明の一実施態様において、前記電極組立体には1つの負極タブが設けられてもよい。一般に、分離膜が外周面に位置する電極組立体は、低抵抗を具現するために複数の負極タブを備えているが、この場合、負極タブの溶接性が容易ではなく、缶の内部空間の確保に困難である。一方、本発明では、電極組立体の外周面に負極を位置させ、負極と缶内部の接触面積を増加させて低抵抗を具現するため、1つの負極タブを含んでも高い低抵抗特性を具現することができ、これと同時にコストを低減し、缶の内部空間を確保するとともに、負極タブの溶接性を確保することができる。
【0153】
[実施例]
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、本明細書に係る実施例は様々な他の形態に変更することができ、本出願の範囲は以下で詳述する実施例に限定されるものと解釈されない。本出願の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0154】
<実施例1>
(1)シールテープの製造
窒素ガスが還流され、温度調節が容易であるように冷却装置を設置した1000cc反応器にn-ブチルアクリレート(n-Butyl Acrylate、n-BA)68重量部、メトキシエチルアクリレート(Methoxy Ethyl Acrylate、MEA)30重量部およびヒドロキシブチルアクリレート(HydroxyButyl Acrylate、HBA)2重量部から構成される単量体混合物と連鎖移動剤であるn-ドデカンチオール(n-dodecanethiol)0.02重量部を投入し、溶媒としてエチルアセテート(Ethyl Acetate、EAc)150重量部を投入した。次いで、酸素を除去するために60℃で、窒素ガスを60分間パージした後、60℃に維持した。混合物を均一にした後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)0.04重量部を投入した。混合物を8時間反応させて重量平均分子量が780,000の重合体を製造した。前記において、重量部はwt%を意味する。
【0155】
前記のように製造した重合体100重量部に対して多官能性イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物0.3重量部をエチルアセテート溶液に投入した後、コーティング性を考慮して適正の濃度に希釈して均一に混合した。
【0156】
前記のようにして製造された粘着剤組成物を、PET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(厚さ:12μm)の一面にコーティングおよび乾燥して、厚さ5μmの均一な粘着層を形成した。次いで、コーティング層上に離型フィルムを合板し、続いて恒温(25℃)恒湿条件で3日間熟成させてシールテープを製造した。
【0157】
(2)二次電池の製造
負極、正極および分離膜が巻き取られ、外周面に負極が設けられたゼリーロール状の電極組立体(断面径:20.5mm)において、外周面の約30%の面積を覆うようにシールテープを貼り付け、前記組立体を円筒形の缶(断面径:21.05mm)に挿入した。次いで、前記缶の内部にカーボネート系電解液を注入し、封止して二次電池を作製した。
【0158】
<実施例2>
実施例1のPETフィルムの代わりに熱可塑性ポリウレタン(TPU)で製造された無延伸PUフィルム(厚さ:40μm)を基材として用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で二次電池を製造した。
【0159】
<比較例1>
実施例1の単量体混合物の代わりにn-ブチルアクリレート98重量部およびヒドロキシブチルアクリレート2重量部から構成される単量体混合物を投入したことを除いては、実施例1と同様の方法で二次電池を製造した。
【0160】
<実験例>
実施例および比較例で製造した二次電池において、充放電測定装置(ピーアンドイーソリューション社)を用いて常温で測定装置のプローブを正極と負極に当たるようにしてACIRを測定した。また、シールテープの粘着層の膨張の可否およびシールテープが電極組立体から脱離した時間を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0161】
図3は、実施例1と比較例1で作製した電池のCTイメージであり、比較例1の場合はシールテープが脱離せず、負極と缶の内部の間に隙間が発生し、実施例1の場合はシールテープが電解液を吸収して膨張することにより電極組立体の解れが誘導され、負極と缶の内部との間に隙間がほとんどないことが確認できた。
【0162】
【表1】
【0163】
前記表1において、実施例1および2は、粘着層が電解液に対する膨張性を有するシールテープを含んでおり、缶に電解液注入後、電極組立体の解れが誘導されるため、負極と缶の接触面積が高くなり内部抵抗が低いことが確認できた。
【0164】
また、実施例2は、基材を介した電解液の拡散が行われ、高い電解液拡散速度を有するため、シールテープの脱離時間がより速くなることが確認できた。
【0165】
一方、比較例1の場合、粘着層が電解液に対する膨張性を有しないため、電極組立体の解れを誘導することが難しく、負極と缶内部の接触面積を確保することができず、内部抵抗が高いことが確認できた。
【0166】
前記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および領域から逸脱しない範囲内で本発明を種々修正および変更させることができることが理解できる。
【符号の説明】
【0167】
10 ・・・円筒形缶
11 ・・・電極組立体
12 ・・・シールテープ
21 ・・・仕上げ部
31 ・・・外周面の上部
32 ・・・外周面の中心部
33 ・・・外周面の下部
41 ・・・外周面の上端部
42 ・・・外周面の下端部
図1-1】
図1-2】
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、および分離膜が巻き取られた構造を有する電極組立体;電解液;および前記電極組立体と前記電解液が収納された缶を含む、二次電池であって、
前記負極は前記電極組立体の外周面に位置し、
前記電極組立体の外周面上にはシールテープが設けられ、
前記シールテープは、基材および前記基材の一面に設けられた粘着層を含み、
前記粘着層は、前記電解液に対する膨張性を有する、二次電池。
【請求項2】
前記粘着層は、前記電解液を吸収して膨張した形態である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面上から脱離している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記缶の内部と前記電極組立体の外周面とが接触している領域を含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の最外側端部が位置する仕上げ部を含んで前記外周面を囲むように設けられた、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記シールテープは、前記電極組立体の外周面の上部および下部にそれぞれ設けられた、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記シールテープは、前記電極組立体の高さを基準としたとき、外周面の中心部を含まない領域に設けられている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極無地部が位置している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記負極は、負極コーティング部;および負極無地部を含み、前記電極組立体の外周面には前記負極コーティング部が位置している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項10】
前記粘着層は、電解液と接触した時点から24時間経過後に測定した中心線平均粗さ値が100μm~250μmである、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記粘着層は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、下記化学式1で表される単量体および架橋性官能基を含有する架橋性単量体から誘導された重合単位を有する重合体を含む粘着剤組成物の硬化物を含むものである、請求項1に記載の二次電池:
【化1】
前記化学式1において、
は水素;または炭素数1~12のアルキル基であり、
は炭素数1~6のアルキレン基であり、
は水素;炭素数1~12のアルキル基;炭素数6~24のアリール基;または炭素数6~48のアリールアルキル基であり、
nは0以上である。
【請求項12】
前記粘着層は、前記基材の一面にパターンを含む形態で設けられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記基材は、前記電解液に対する膨張性を有する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記基材は、下記式2による長さ方向への歪率が10%以上である、請求項1に記載の二次電池:
[式2]
基材の長さ方向への歪率=(L2-L1)/L1×100
前記式2において、
L1は前記基材が流体と接触する前の初期長さであり、L2は常温または60℃で前記基材を流体と24時間接触させた後に測定した前記基材の長さである。
【請求項15】
前記基材は、熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む、請求項1~14の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記基材は、ポリエステル熱可塑性ポリウレタンフィルム(ポリエステルTPUフィルム)を含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項17】
前記基材は、多孔性構造を含むフィルムを含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項18】
前記電極組立体には、1つの負極タブが備えられた、請求項1に記載の二次電池。
【国際調査報告】