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特表2024-542119手工具及び手工具のグリップ領域とのディテント接続のための機能部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】手工具及び手工具のグリップ領域とのディテント接続のための機能部品
(51)【国際特許分類】
   B25G 1/08 20060101AFI20241106BHJP
   B25B 7/22 20060101ALI20241106BHJP
   B26B 13/12 20060101ALI20241106BHJP
   B26B 1/10 20060101ALI20241106BHJP
   B25B 15/00 20060101ALI20241106BHJP
   B25G 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B25G1/08 C
B25B7/22
B26B13/12
B26B1/10
B25B15/00 630Z
B25G1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024526741
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022081121
(87)【国際公開番号】W WO2023079171
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021129001.5
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501084215
【氏名又は名称】クニペックス-ウエルク・ツエ・グスタフ・プッチュ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100224269
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 佑太
(72)【発明者】
【氏名】マロヴィック、フィリップ
【テーマコード(参考)】
3C020
3C061
3C065
【Fターム(参考)】
3C020NN06
3C061AA13
3C065AA07
(57)【要約】
本発明は、プライヤやハサミといった、連結領域(10)で相互に交差する2つの工具部品(2,3)を含む手工具(1)に関する。各工具部品(2,3)は、連結領域(10)の一方側で作業領域(6,7)を、他方側でグリップ領域(4,5)を形成する。各グリップ領域(4,5)は第1又は第2グリップカバー(8,9)内に配置される。各グリップカバー(8,9)は連結領域(10)に配置された端部(11)と反対側の自由端(12)とを備え、かつ第1及び/又は第2グリップカバー(8,9)は機能部品(F)が設けられる。第1及び/又は第2グリップカバー(8,9)は、第1及び/又は第2グリップカバー(8,9)の長手方向(L)に延在しかつ未使用状態においても自由開口断面を具備する第1及び又は第2開口(18,19)を形成する、通路孔(17)を備える。機能部品(F)は、第1及び/又は第2グリップカバー(8,9)に装着されるように前記通路孔に挿入することができる。当該タイプの手工具のさらなる改良のために、例えば高さ(b)の4倍から8倍に相当する幅(a)を具備する通路孔(17)の通路方向を横断する断面において実質的に細長い矩形のデザインとなる第1及び/又は第2開口(18,19)が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域(6、7)及びグリップ領域(4、5)を有する手工具(1)であって、
前記グリップ領域(4、5)がグリップカバー(8、9)に配置され、前記グリップカバー(8、9)が前記作業領域(6、7)に配置された端部(11)と反対側の自由端(12)とを備えかつ機能部品(F)を設けられ、前記グリップカバー(8、9)はさらに前記グリップカバー(8、9)の長手方向(L)に延在しかつ未使用状態において自由開口断面を具備する第1開口及び第2開口を形成する通路孔(17)を備え、かつ、前記機能部品(F)が前記グリップカバー(8、9)に装着するために前記通路孔に挿入可能である、前記手工具(1)において、
前記第1開口(18)及び第2開口(19)が前記通路孔(17)の通路方向を横断する断面に関して基本的に細長い矩形のデザインを具備すること、及び、
前記自由端に配置された前記第1開口(18)が前記機能部品(F)の挿入方向において前記第2開口(19)の反対側に位置することを特徴とする手工具。
【請求項2】
2つの工具部品(2、3)が設けられかつ連結領域(10)で相互に交差するように配置され、各前記工具部品(2、3)が前記連結領域(2、3)の一方側に前記作業領域(6、7)を、他方側に前記グリップ領域(4、5)を形成していること、及び、
各前記グリップ領域(4、5)が第1及び第2グリップカバー(8、9)にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項3】
プライヤ又はハサミの形態で実現されていることを特徴とする請求項2に記載の手工具。
【請求項4】
ナイフ又はスクリュードライバの形態で実現されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項5】
前記通路孔(17)が、破壊なしに分離不可能な前記グリップカバー(8、9)の一部として、前記グリップカバー(8、9)自体に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の手工具。
【請求項6】
前記通路孔(17)が、それぞれ他方のグリップカバー(8,9)を向いた第1及び/又は第2グリップカバー(8、9)に、形成されることを特徴とする請求項2、3、又は5のいずれかであって、請求項5に関しては請求項2を引用する限りにおいて、記載の手工具。
【請求項7】
前記グリップカバー(8、9)が、側面視において自由端を形成するテーパーを備え、かつ、
前記第1開口(18)が前記テーパーに形成されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の手工具。
【請求項8】
機能部品(F)が前記通路孔(17)に収容されるための係合部(31)と、機能部(25)とを備えることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の手工具。
【請求項9】
前記係合部(31)が挿入部材(28)の形態で実現されていることを特徴とする請求項8に記載の手工具。
【請求項10】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が前記第1開口(18)又は前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項9に記載の手工具。
【請求項11】
前記機能部品(F)の挿入状態において、前記機能部品(25)が前記グリップカバー(8、9)の前記自由端(12)の端面(16)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の手工具。
【請求項12】
前記機能部品が、識別面(26)を備えることを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項13】
前記識別面(26)が、前記機能部品(F)の挿入部材(28)に対して垂直な断面において又は鈍角(β)に延在することを特徴とする請求項12に記載の手工具。
【請求項14】
前記識別面(26)が、機能部品(F)の挿入状態において、外側に露出していることを特徴とする請求項12又は13に記載の手工具。
【請求項15】
前記挿入部材(28)が、挿入方向(r)に対して横方向に相互に離れて位置した2つの脚部(29)を備えることを特徴とする請求項9~14のいずれかに記載の手工具。
【請求項16】
一方の前記脚部(29)がディテント構造(30)備えることを特徴とする請求項15に記載の手工具。
【請求項17】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が、前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項9~16のいずれかに記載の手工具。
【請求項18】
前記第2開口(19)を始点として挿入される機能部品(F)が、前記第1開口(18)を越えて外側に突出することを特徴とする請求項1~17のいずれかに記載の手工具。
【請求項19】
前記第2開口(19)を始点として挿入される機能部品(F)が、前記第1開口(18)を越えて外側に突出することを特徴とする請求項1~18のいずれかに記載の手工具。
【請求項20】
前記機能部品(F)が断面においてU形状に設計され、挿入状態において第1脚部(32)が前記通路孔(17)を貫通しかつ第2脚部(33)が、前記グリップカバー(8、9)の外側に載ることを特徴とする請求項18又は19に記載の手工具。
【請求項21】
前記脚部(32、33)が異なった幅(a’’、a’’’)を備えることを特徴とする請求項20に記載の手工具。
【請求項22】
より小さい幅(a’’)を具備する一方の前記脚部(32)のみが前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項18~21のいずれかに記載の手工具。
【請求項23】
外側の第2脚部(33)が機能部(25)を形成することを特徴とする請求項18~22のいずれかに記載の手工具。
【請求項24】
前記機能部品(F)が2つの部品又は多数の部品から構成され、かつ、好ましくはその2つ以上の前記部品の間の分離可能な連結部を含むことを特徴とする請求項1~23のいずれかに記載の手工具。
【請求項25】
前記連結部が挿入状態において前記通路孔(17)内に位置していることを特徴とする請求項24に記載の手工具。
【請求項26】
手工具(1)のグリップ領域(4、5)とのディテント接続のための機能部品(F)であって、
前記機能部品(F)が、前記グリップ領域(4、5)の装着凹部(H)に係合するための係合部(31)と、機能部(25)とを備えた、前記機能部品(F)において、
前記係合部(31)が、基本的に矩形の開口断面を具備する通路孔(17)に適合する平坦領域(60)の形態において実現されることを特徴とする機能部品。
【請求項27】
前記平坦領域(60)が矩形断面を具備することを特徴とする請求項26に記載の機能部品。
【請求項28】
前記平坦領域(60)が相互に略平行に延在する2つの脚部(29)を備えることを特徴とする請求項26に記載の機能部品。
【請求項29】
一方又は両方の脚部(29)がディテント構造(30)を備えることを特徴とする請求項28に記載の機能部品。
【請求項30】
前記機能部(25)がループ(61)の形態で実現されることを特徴とする請求項26~29のいずれかに記載の機能部品。
【請求項31】
前記機能部(25)が識別子担体の形態で実現されることを特徴とする請求項26~30のいずれかに記載の機能部品。
【請求項32】
前記機能部(25)が電子素子を含むことを特徴とする請求項26~31のいずれかに記載の機能部品。
【請求項33】
前記機能部(25)が平坦領域(60)よりも大きい断面を備えることを特徴とする請求項26~32のいずれかに記載の機能部品。
【請求項34】
前記機能部(25)が基本的にプラスチック部の形態で実現されることを特徴とする請求項26~33のいずれかに記載の機能部品。
【請求項35】
前記係合部(31)が金属製で実現されていることを特徴とする請求項26~34のいずれかに記載の機能部品。
【請求項36】
2つの機能部(25)が形成されることを特徴とする請求項26~35のいずれかに記載の機能部品。
【請求項37】
前記機能部(25)が前記機能部品(F)の長手方向(L’)において前記係合部(31)によって相互に分離されていることを特徴とする請求項36に記載の機能部品。
【請求項38】
機能部品(F)が開きバネ(38)の形態で実現されることを特徴とする請求項26~37のいずれかに記載の機能部品。
【請求項39】
請求項26~38のいずれかに記載の機能部品(F)を有する請求項1~25のいずれかに記載の手工具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業領域及びグリップ領域を有する手工具に関する。そのグリップ領域はグリップカバー内に配置され、グリップカバーは作業領域に配置された端部及び反対側の自由端部を備え、かつ機能部品を備えることができる。グリップカバーはさらに、グリップカバーの長手方向に延在し、かつ、未使用状態においても自由開口断面を具備する第1開口と、第2開口とを形成する通路孔を備える。グリップカバーに装着するために機能部品を上記通路孔に挿入することができる
【0002】
本発明は、さらに、手工具のグリップ領域とのディテント接続のための機能部品に関する。機能部品は、グリップ領域の装着用凹部に係合させるための係合部と、機能部とを有する。
【背景技術】
【0003】
本タイプの手工具は、例えば家庭用ハサミや剪定鋏のようなハサミの形態のみならず、ユニバーサルプライヤ、サイドカッティングプライヤ、又はウォーターポンププライヤのようなプライヤの形態としても、公知である。
グリップ領域は、グリップカバーを備える。これらのグリップカバーは典型的にはプラスチック射出成形加工で製造され得るプラスチックグリップカバーの形態で実現される。この点で、公知である手工具は、グリップカバーが特に射出成型されて別個に製造されそしてグリップ領域上に押し込まれる。
その他の公知の解決手法では、グリップ領域のダイレクトオーバーモールディングが実施される。さらに、二成分射出成型加工で製造されたグリップカバーが知られ、それによるとこれらのグリップカバーは把持しやすくなる軟性と硬性のプラスチック領域を備える。
【0004】
グリップカバー上の機能部品の可能な配置はさらに公知であり、上記機能部品が、例えば、バネ部材又は固定ストラップなどの形態で、手工具の機能を促進するため又は防止するためにも設計され得る。このような機能部品は、例えば、機能部品がLEDライトの形態又は非接触の歪ゲージの形態で設計されている場合に、機能部品を支持するこのグリップカバーを備えた手工具の機能から、完全に独立した機能を備えていてもよい。
【0005】
先行技術として知られるプライヤに関して、特に、特許文献1(特許文献2)、特許文献3~7、特許文献8(特許文献9)、特許文献10(特許文献11)も参照する。
【0006】
特許文献12はグリップカバー及びグリップカバーに配置される機能部品を有する手工具を開示する。上記機能部品は、とりわけ、例えば手工具を吊り下げるための、回転可能なワイヤハンガーを備える。この目的のために、機能部品がグリップカバーに接着又は溶接される。
【0007】
特許文献13は、グリップカバーを有する手工具を開示し、グリップカバーに押し当てられるアタッチメント部品が設けられる。そのアタッチメント部品は2つの対応する開口、すなわち、グリップカバーのための1つの開口と機能部品のための別の1つの開口が備わる。
特許文献14は、手工具における金属のグリップ領域がループ部品によって囲まれており、第2ループ部品が機能部品を固定するために取り付けられる、手工具を開示する。
【0008】
特許文献15は、通路孔がグリップカバーの一方に形成され、かつバネ部材がその通路孔に収容される、手工具を開示する。第1開口部は、プライヤのような工具の反対側のグリップカバーの方に向いた開口断面を備え、かつ、グリップ領域の自由端からグリップ領域のおおよそ半分の長さ分離れて形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願第528252号明細書
【特許文献2】米国登録特許第5845551号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0421107号明細書
【特許文献4】独国特許発明第3929323号明細書
【特許文献5】国際公開第2021/160598号
【特許文献6】独国公開特許第102020103467号明細書
【特許文献7】独国公開特許第102018123705号明細書
【特許文献8】国際公開第2019/207054号明細書
【特許文献9】米国出願公開特許第2021/0167586号明細書
【特許文献10】国際公開第2018/146191号
【特許文献11】米国出願公開特許第2020/0009750号明細書
【特許文献12】独国公開特許第102017101197号明細書
【特許文献13】米国登録特許第7468674号明細書
【特許文献14】米国出願公開特許第2014/0013544号明細書
【特許文献15】欧州特許出願第2489480号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の先行文献に基づき、本発明は、グリップカバー内の機能部品の収容に関して、本タイプの手工具を有利に設計すること、並びにそのような機能部品と有利に設計された前述のタイプの機能部品とを備える手工具を開示することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明のアイデアによると、この目的の可能な解決手段は、手工具を備えることで実現され、この手工具において、第1及び第2開口が基本的に、通路孔の通路方向の横断面において細長い矩形のデザインを有し、かつ、自由端に配置された第1開口が、機能部品の挿入方向において第2開口の反対側に位置するように設けられる。
【0012】
機能部品に関して、上述した目的は、係合部が、基本的に矩形の開口断面を備える通路孔に適合する平坦領域の形状に設計される点で、実現可能である。
【0013】
挿入される機能部品の所与の配置に加え、通路孔の細長い矩形断面が、挿入位置において、機能部品の回転防止ロックも実現可能である。これは特に通路孔の断面に適合する平坦領域を備える機能部品を設計することで達成される。
【0014】
通路孔の幅、及び好ましくは機能部品の平坦領域の対応する幅は、通路孔の断面高さ又は平坦領域を横断する方向に視た平坦領域の高さの約4倍から8倍、さらには約5倍から7倍、又は約6倍に一致し得る。
【0015】
自由端の領域及びグリップカバー上又はグリップカバー内にそれぞれ設けられ、装着領域を形成する通路孔は、有利には、グリップカバー上の機能部品の任意な配置の選択肢を提供する。例えばそのような通路孔を備えたグリップカバーは、異なる機能部品を設けることができる。その場合に、通路孔内の機能部品のプラグ型装着は、好ましくは、機能部品がプラグ型装着を取り外すことによって必要に応じて交換可能であるように選択することができる。
【0016】
手工具は、本来は、単一のグリップ領域のみを有する手工具であってもよい。これは例えばナイフやスクリュードライバに関する。
【0017】
しかしながら、手工具は、連結領域において相互に交差するように配置された2つの工具部品を備えて設計されてもよい。その各工具部品は、連結領域の一方側における作業領域と他方側におけるグリップ領域とを形成する。この場合に、各グリップ領域は第1及び第2グリップカバー内に配置され得る。そのような手工具は典型的にはプライヤ又はハサミの形態で実現される。
【0018】
2つのグリップ領域と2つの対応するグリップカバーを有する手工具において、手工具の2つのグリップカバーの一方のみが機能部品のプラグ型装着を実現するために上述のタイプの通路孔を備えることが選択的に可能である。
可能である同一のグリップカバーの製造に関しては、この場合、両方のグリップカバーが機能部品を備えることができるようにそして選択的に異なる機能部品をも備えることができるように、両方のグリップカバーがそのような通路孔を有することが好ましい。
グリップカバーの一方の通路孔が機能部品の装着のために機能し、他方のグリップカバーの通路孔も未使用のままであるか又は単に通路孔を塞ぐ部品を収容してもよい。
【0019】
そのような機能部品は通路孔に直接又は単独で挿入されないことがさらに好ましい。実際、機能部品は、好ましくは挿入状態においても通路孔の外側に位置する機能部と、作用状態において通路孔に全体的に又はかなりの程度挿入される挿入部材とを有することが好ましい。
【0020】
本発明のその他の特徴は、図の説明と同様に、請求項1の対象及び/又はその他の独立項との、又はその他の請求項の特徴との好ましい関連において、しばしば後述のように記述される。しかしながらそれらは請求項1の及び/又はその他の独立項又はそれぞれのその他の請求項との連携において、又は独立して、重要であることもある。
【0021】
発明の対象の可能な拡張により、通路孔は、破壊なしに分離できないグリップカバーの一部の形態として、グリップカバーそれ自体に、選択的に第1及び/又は第2グリップカバーそれ自体に、形成され得る。
それに応じて、グリップカバーの通路孔が、グリップカバーの製造の過程において、とりわけ、プラスチック射出成型加工の過程において、すでに考慮されかつ形成され得ることがさらに好ましい。
【0022】
そのようなグリップカバーを備えた手工具が、機能部品を通路孔に装着することなく安全に使用可能であるように、通路孔が選択されかつ配置されることがさらに好ましい。
【0023】
グリップカバーが、その全長にわたって示す側面視において、自由端を形成するテーパーを備えていることがさらに好ましい。第1開口が既にそのテーパーに形成されているか、又はいずれにしてもテーパーへの移行部を形成していてもよい。また第1開口がグリップカバーの自由端からの視点において、見えていることが特に好ましい。この視点においてそれがグリップカバーの所定の輪郭内に位置している。
【0024】
2つのグリップカバーすなわち第1及び第2グリップカバーを備える手工具の場合に、通路孔が他方のグリップカバーに向いた第1及び/又は第2グリップカバーの一方に形成されていることもまた好ましい。これは、好ましくはグリップカバーそれ自体内であって、トンネル状の通路孔の空間的な配置に関する。平面図において、両方のグリップカバーがそれらの全体の長手方向の範囲にわたって見えており、それに応じて通路孔がグリップ領域の横方向に配置され、かつ他方のグリップカバーに割り当てられる。従って、プライヤやハサミのような当該タイプの手工具において、通路孔は、好ましくは使用者の手によって包囲されない又は完全に包囲されないグリップカバーの領域に特に配置される。
【0025】
グリップカバーの自由端に割り当てられる第1開口と、反対方向を向いた第2開口とを備えた通路孔は連続的に設計される。これによりグリップカバーの自由端の領域における通路孔は、機能部品のプラグ型保持のために形成される。この場合に通路孔は両側で開口し、第1及び第2開口の間でトンネル状のデザインを備える。
その結果として生じる通路孔の通路方向は、機能部品の挿入方向にも一致し、好ましくは通常の使用時にグリップカバーの範囲又はグリップカバーを支持する手工具のグリップ領域の範囲と基本的に同じ方向に向けられ得る。
さらには第1及び第2開口の開口断面が通路方向における仮想線上の変位によって相互に移動可能であることが好ましい。この仮想的な移動は、第1開口と第2開口との間に形成される対応する断面に突出する通路孔の開口壁の領域の貫通の有無を問わず実現され得る。このような内部へ突出した領域は、特に、通路孔に機能部品を装着するために排他的に又は追加的に機能し得る。
【0026】
好ましい実施形態によれば、挿入方向から視た通路孔の長さは、上述の高さの倍数、例えば、高さの約5倍から20倍、さらには約8倍から12倍に相当し得る。
【0027】
可能な実施形態によれば、通路孔の高さの範囲を画定する開口面は、好ましくはグリップカバーの隣接する表面部分に連続的に変形していくことができる。
【0028】
既に上述したように、通路孔は好ましくは、グリップカバーの内側の領域に形成され得、グリップカバーはそれぞれ手工具の反対側のグリップ領域又は反対側グリップカバーに面し、それにより、装着された機能部品は基本的に内側及び/又は前側に位置する。
【0029】
通路孔は、その長さにわたり開口壁によって範囲が画定される自由断面を備えていてもよい。その場合に前記自由断面が、第1又は第2開口の開口断面に一致するか又はより大きい。第1又は第2開口の開口断面に一致するこの自由断面は、通路孔の長さにわたり制限されない方法で実現され得る。通路孔の長さ方向の直線投影において、第1開口の開口断面が第2開口の開口断面に完全に収容されていてもよく、又は、全長にわたり通路孔の壁がこの断面に突出するような領域を備えることなく、第2開口の通路断面が第1開口の通路断面に、完全に収容されていてもよい。
しかしながら、断面の縮小、とりわけ上述したタイプの内側に突出した領域の形態においては、好ましくは、例えば挿入状態において通路孔内に位置した機能部品の一部に維持された作用を働かせるために、通路孔の長さにおける一定の位置に、形成することもできる。
逆に、機能部品、すなわち挿入状態における通路孔に位置する機能部品の一部は、挿入状態においてこの一部の弾性変形をもたらす拡幅、又は、内側に突出せずかつ所望の保持を引き起こす若しくは寄与する開口壁の領域を備えていてもよい。
【0030】
機能部品は、通路孔に収容されるための係合部と、機能部とを備えていてもよい。その係合部は、好ましくは、通路孔の断面に適合する平坦領域の形態で設計することができる。平坦領域は、好ましくは、長手方向の範囲の一部にわたる通路孔の開口断面に相当するものよりも小さな包囲面を備えることもできる。可能な実施形態において、機能部はこの係合部又は平坦領域よりも大きい幅及び/又は高さを備えていてもよい。
【0031】
可能な実施形態によると、係合部は挿入部材の形態において実現され得る。さらには機能部品の挿入部材は第1開口を始点として通路孔に挿入可能であってもよい。従って機能部の一部は、好ましくは、グリップカバーの長手方向においてグリップカバーの自由端から延在する。
【0032】
機能部品は、機能部品の挿入状態において、特にグリップカバーの自由端を始点とした挿入方向と関連して、グリップカバーの自由端の端面を少なくとも部分的に覆っていてもよい。機能部は、機能部品の挿入位置において完全に又は部分的にグリップカバーの自由端の端面を任意に形成していてもよい。例えばそのような機能部は選択的に、挿入位置におけるグリップカバーの自由端の領域において、寸法において適合した凹部に位置してもよい。
【0033】
機能部は、さらに識別面を備えていてもよい。その識別面は、好ましくは、機能部の外側に形成することができる。識別面は記号や英数字の形態での直接的な識別、又はそのような記号又は文字用の担体であってもよい。例えば、手工具のタイプは、グリップカバーに装着された機能部品に、例えばピクトグラムやカラーマーキングの形態で示された識別子に基づき認識され得る。さらにそのような識別面は部署の名称や呼称等を記載されていてもよい。
【0034】
挿入方向が直線の形態で示された断面図において、識別面は、機能部品の挿入部材に対して直角又は鈍角に延在する。この点に関して、約90度から150度の角度で、好ましくは約135度の鈍角で形成され、さらにそのような鈍角は、とりわけ、挿入部材と識別面の反対側に面した機能部の内面との間で、形成され得る。
【0035】
識別面は機能部品の挿入状態において外側に露出していてもよい。従って外部に視認可能な識別面は機能部品の装着状態においてグリップカバーの自由端上に形成され得、それにより識別面は、例えば、手工具がポケット等に収容されることで作業領域が直接見えないような場合に、手工具のタイプに関してレファレンスを提供することもできる。
【0036】
挿入部材は一体型脚又は一体型取手のような形状の形態において実現され得る。しかしながら挿入部材は代替的に挿入方向に対して横方向に相互に間隔を開けて位置した2つの脚部を備えていてもよい。挿入部材の両方の脚部はそれぞれ、挿入プロセスの過程において貫通孔に差し込まれ又は係合する。
【0037】
機能部品のプラグ型装着は、挿入部材の自由端が挿入開口の反対側に位置する開口を越えて突出することなく、挿入部材を通路孔に挿入することによって達成される。挿入部材は、例えば通路孔の開口縁の領域においてディテント保持を可能にするために、反対側の開口を確実に越えて突出するように設計することもできる。
【0038】
さらには、挿入部材の脚部、好ましくは挿入部材の2部品設計における2つの脚部は、好ましくはディテント構造を備えることができる。このようなディテント構造は好ましくは、挿入位置において通路孔の領域にて延在する挿入部材の一部に対して端部側の厚みを付ける形態において実現されてもよい。そのディテント構造は選択的に、挿入過程において脚部又は挿入部材を超過位置に偏向させるために制御勾配を設ける。挿入位置に達すると、ディテント構造は好ましくは、挿入部材用に選択された材料に起因したバネの復元力によって自動的に開口縁後方の係合位置にはじき戻り、それによって機能部品をロックする。
【0039】
機能部品の挿入部材は第2開口を始点として通路孔へと挿入可能であってもよい。これに関連して、それがまた連携の実現を可能にし、機能部品の一部が第1開口から通路孔へと挿入され、機能部品の一部が第2開口から通路孔へと挿入される。
【0040】
可能な実施形態によると、第2開口が始点となり挿入される機能部品は、第1開口を越えて外側に突出してもよい。この結果、機能部品の対応する端部領域がグリップカバーの自由端領域の端面を越えて突出した位置になり得る。この端部領域は、上述した機能部であってもよい。例えば、そのような自由に突出した領域(機能部)はさらに、例えばフック又はベルトに手工具を吊り下げるための孔を備えていてもよい。またさらにそのように突出した機能部品の一部は、例えば測定器又はランプとして機能し得る。
【0041】
通路方向に視た断面において、機能部品は、通路方向に垂直な範囲において基本的にU形状に設計されてもよく、第1脚部が通路孔を貫通し、第2脚部が挿入位置におけるグリップカバーの外側に載置される。この場合、2つの脚部を連結する機能部品のU形クロスピースは、好ましくは、部分的に第2開口の範囲を画定するグリップカバーの一部を構成する。第1脚部は、好ましくは、自由端の領域におけるグリップカバーの端面を越えた第1脚部の突出を許容する長さを備えることができる。
【0042】
機能部品は、U形断面のデザインを備える場合に、機能部品の脚部は、好ましくは、挿入方向を横断する方向から視て異なる幅を備えていてもよい。この場合において、一方の脚部が、例えば他方の脚部の幅の1.1倍から1.5倍、さらには約1.2倍から1.3倍に相当する幅を備えていてもよい。
【0043】
好ましくは、より小さな幅を備える脚部のみが通路孔に挿入されてもよい。そのより小さな幅の脚部が、グリップカバーから視て、機能部品の内側の脚部となり得る。外側の、第2脚部はこの場合に機能部を形成し得る。
【0044】
その他の実施形態において、機能部品は2つの部品又は多数の部品から構成され、そして2つ又はそれ以上の部品の間に分離可能な連結部を含んでいてもよい。この連結部は例えば、機能部品がグリップカバーに配置されたとき、好ましくは自動的に係合するディテント機構の形態において、実現されてもよい。この連結は、挿入状態において通路孔に位置し、それゆえに隠された領域において、少なくとも非破壊的な方法で、使用者がアクセスできないことがさらに好ましい。
【0045】
例示的な機能部品の2部品設計において、機能部品の一方の部分が第1開口から通路孔へと挿入され、機能部品の第2の部分が第2開口から通路孔へと挿入され得る。
【0046】
その他の実施形態において、機能部品の平坦領域は矩形断面を備えていてもよい。この平坦領域は、好ましくは、平坦領域を横断する方向から視た平坦領域の断面の高さの約4倍から8倍、さらには約5倍から7倍、又は約6倍に相当する幅を備える細長い矩形断面を備える。
【0047】
平坦領域は、相互に略平行に延在した2つの脚部を備えていてもよい。この脚部は長手方向に対する横断面において平坦領域の好ましい矩形断面の範囲を画定する。
【0048】
好適な実施形態において、脚部は平坦領域の長手方向に延在するか、又は棒形状において挿入方向又は通路方向に延在する。
【0049】
一方又は両方の脚部は、例えば挿入位置において機能部品のロックを可能にするために、ディテント構造を備え得る。この場合、ディテント構造は、例えば、自由脚端部の領域に配置され得る。
【0050】
可能な実施形態において、機能部はループ形状で実現されてもよい。この方法において、機能部品は、例えば、手工具を吊り下げるための手段として機能することができる。さらに、例えば、保持バンド又はそれに類するものをそのループに通すことも可能といえる。
【0051】
機能部は識別担体の形態で実現されていてもよい。識別担体は、銘刻可能であってもよく、又は、製造者によって例えば銘刻や符号が既に付与されていてもよい。
【0052】
さらに、機能部はランプや歪ゲージのような電子素子であってもよい。
【0053】
その他の実施形態において機能部は平坦領域よりも大きい断面を備えていてもよい。この場合において、機能部は平坦領域の幅の、例えば、約1.2倍から2.5倍、又はそれ以上であって5倍までに相当する幅を備えていてもよい。さらに、幅に垂直な方向から視た機能部の高さは、例えば平坦部の高さの約2倍から10倍又はそれ以上であって20倍までに相当していてもよい。
【0054】
機能部は基本的にプラスチック部の形態で実現され得る。この場合に使用されるプラスチックは、硬質プラスチックであってよい。
【0055】
これに対し、可能な実施形態において、係合部は、例えばワイヤハンガー部品又はシート金属部品の形態で、金属製で実現されてもよい。
【0056】
金属の係合部の端部は、機能部を形成するために例えば、プラスチックを用いたオーバーモルディングがなされていてもよい。
【0057】
2つの機能部を形成することが可能にもなる。例えば、そのような機能部が係合部の端部の両側に設けられてもよく、その場合に機能部が機能部材の長手方向における係合部によって相互に離れている。
【0058】
さらには、機能部品は、例えば、開きバネの形態により実現されてもよい。
【0059】
機能部品の追加の又は代替の特徴に関して、手工具の特徴に関する前述の記載が、特許請求の範囲におけるそれらの配置についても類推的に適用される。
本開示に関して、前述及び後述で示した範囲、又は値の範囲、多数の範囲は、特に、各次元の1/10刻みで、ただし任意的に無次元で、全ての中間値をも含む。例えば90度~150度の開示は、90.1度から150度、90度から149.9度、90.1度から149.9度などの開示をも含み、そして3倍から10倍の開示は、3.1倍から10倍、3倍から9.9倍、3.1倍から9.9倍などの開示をも含む。
各開示は一方で引用された範囲の下限及び/又は上限を定義するために資するが、代替的に又は追加的に、それぞれ示された範囲から1つ又はそれ以上の特異値を開示するためにも資する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
単に1つ又は複数の例示的実施形態を示したに過ぎない添付の図面を参照して本発明を以下により詳細に説明する。例示的実施形態の1つを参照して記述されかつ他の例示的実施形態において異なる構成要素に置き換えられない構成要素は、それゆえに、当該他の例示的実施形態において存在し得る構成要素としても記述される。
図1図1は、手工具のグリップカバーに設けられた機能部品のための通路孔を備えたプライヤの形態における手工具の斜視図を示す。
図2図2は、図1において矢印II方向から視た手工具の図を示す。
図3図3は、図2の矢印IIIの方向から視た手工具の側面図を示す。
図4図4は、図1における領域IVの拡大された詳細図を示す。
図5図5は、図2における矢印Vの方向から視た詳細図を示す。
図6図6は、図2におけるラインVI-VIに沿った断面を示す。
図7図7は、図3におけるラインVII-VIIに沿った断面を示す。
図8図8は、第1実施形態における機能部品の斜視図を示す。
図9図9は、第1実施形態における機能部品の図を示す。
図10図10は、機能部品の背面図を示す。
図11図11は、機能部品の側面図を示す。
図12図12は、グリップカバーの通路孔に図8における機能部品をプラグ型装着した後の図4に対応する斜視詳細図を示す。
図13図13は、図8における挿入された機能部品を備えた図6における断面図を示す。
図14図14は、図7における断面図を示し、すなわち第1実施形態における挿入された機能部品をも備える。
図15図15は、第2実施形態における機能部品の斜視図を示す。
図16図16は、第2実施形態における機能部品の図を示す。
図17図17は、機能部品の側面図を示す。
図18図18は、機能部品の正面図を示す。
図19図19は、図15における機能部品をプラグ型装着した後の図4に対応する別の斜視詳細図を示す。
図20図20は、図15における挿入された機能部品を備えた図6に沿った断面図を示す。
図21図21は、図15における挿入された機能部品を備えた図7における断面図を示す。
図22図22は、第3実施形態における挿入された機能部品を備える図7に沿った断面図を示す。
図23図23は、図22における機能部品を備えた手工具に関して図2に沿った図を示す。
図24図24は、第4実施形態における機能部品をプラグ型装着した後の図4に対応する別の斜視詳細図を示す。
図25図25は、第5実施形態における機能部品をプラグ型装着した後の図7に対応する別の断面図を示す。
図26図26は、第6実施形態における2部品の機能部品に関する概略図及び部分的な断面図を示す。
図27図27は、図26における機能部品をプラグ型装着した後の図7に沿った断面図を示す。
図28図28は、その他の実施形態における機能部品の配置を備え、本質的に図4に沿った斜視詳細図を示す。
図29図29は、図28におけるラインXXIX-XXIXに沿った縦断面を示す。
図30図30は、機能部品の挿入前における図29のラインXXX-XXXに沿った断面を示す。
図31図31は、機能部品の挿入後における図30に沿った断面図を示す。
図32図32は、個別の斜視図の形態として図28における実施形態に沿った機能部品を示す。
図33図33は、機能部品のその他の実施形態に関して図4に沿ったその他の図を示す。
図34図34は、図33におけるラインXXXIV-XXXIVに沿った縦断面を示す。
図35図35は、個別の斜視図の形態として図33における実施形態に沿った機能部品を示す。
図36図36は、その他の実施形態における機能部品の配置を備え、本質的に図4に対応したその他の斜視詳細図を示す。
図37図37は、図36におけるラインXXXVII-XXXVIIに沿った縦断面を示す。
図38図38は、個別の斜視図の形態として図36における実施形態に沿った機能部品を示す。
図39図39は、機能部品が設けられたケーブル剥ぎ取りナイフの形態における手工具の側面図を示す。
図40図40は、機能部品を備えたスクリュードライバの形態における手工具の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
特にサイドカッティングプライヤの形態である、プライヤの形態における手工具について、まず図1を参照して説明する。しかしながら、以下の仕様は本タイプの手工具のみに適用されるものではなく、とりわけ、フラットノーズプライヤ、ウォーターポンププライヤ、ユニバーサルプライヤ、レンチグリッパー、又はこれらに類するものにも適用され、また例えば家庭用ハサミや剪定鋏といったハサミにも適用される。グリップカバー及び/又は機能部品の設計に関する仕様は、ナイフ又はスクリュードライバのような単一のグリップ領域のみを備える手工具にも同様に適用される。
【0062】
手工具1は、連結領域10において相互に交差するように配置された2つの工具部品2、3を有する。この場合、各工具部品2、3は、交差及び連結領域の反対側で作業領域6、7となるグリップ領域4、5を備える。図1に示した手工具1の例示的実施形態において、作業領域6及び7は、切断刃を形成する。
【0063】
前述の工具部品2、3は、ツールハーフと呼ばれることもある。この場合に、各ツールハーフが工具のちょうど半分を構成しているか否かは問題ではなく、むしろ、完全な工具を構成するように、特にグリップ領域に関して、他方の部品を補う部品である。また工具部品は連続的に設計されていなくともよく、むしろ、特にいわゆるレンチグリッパー(例えば特許文献3参照)の場合に、例えばレバー伝達を介した変位可能な顎部に作用してもよい。
【0064】
グリップ領域4と作業領域6は工具部品2を形成し、作業領域7とグリップ領域5は工具部品3を形成する。
【0065】
それぞれのグリップ領域4、5は、好ましくは、グリップカバー8、9によって取り囲まれる。これは、好ましくは、プラスチック素材で製造されかつ任意に射出成型加工における工具部品2、3に直接形成されたそれぞれのカバーに関する。
公知の解決方法は、プラスチック射出成型加工において、任意に2成分又は多成分のプラスチック射出成型加工において、グリップカバー8、9の分離した製造を提案する。
これらのグリップカバー8、9は、長手方向Lにグリップ領域4、5上で押し込まれ得る。全体が又は少なくともグリップ領域の範囲がプラスチック素材で構成される工具部品において、グリップカバー8、9はグリップ領域と一体的に実現されてもよい。
【0066】
さらに、グリップカバー8及び9は、好ましくは、同一に設計され、かつ、作業領域6、7に面した端部11と、場合によっては連結領域10と、連結領域と反対方向を向いた自由端12とを備える。
【0067】
それらが割り当てられた2つの工具部品を有する手工具1上に位置において、手工具1のグリップ領域4及び5上のグリップカバー8は、相互に向かい合う内面13と相互に反対方向に面する外面14とを備え、それぞれの内面13と対応する外面14とをつなげる側面15をも備える(特に図6の断面を参照)。
【0068】
連結領域10の回転軸xを通り延在する手工具1の中心面Mを横切り整列した平面Eは、図2における手工具の閉じた位置で参照されるグリップカバー8の自由端12の領域において観察される(図2参照)。同一の観察は、図39又は図40における手工具のグリップカバーに関しても可能であり、この場合、平面Eが対応する手工具の中心面Mに垂直に形成される。
【0069】
グリップカバー8、9の端面16は、基本的に、上方に、好ましくは、例えば約30度から60度、さらには約45度である鋭角αで、この平面Eから連結領域の方向に向かって、延在する。
【0070】
好ましくは通路孔17の形態で実現されかつ機能部品Fのプラグ型装着のために機能する装着用凹部Hは、内面13の領域におけるグリップカバー8のテーパー65によって形成された自由端12上に配置され、又は図39及び図40における手工具では側面の領域に配置される。図6の断面図によれば、特に、通路孔17は、通路孔17及び配置されたグリップ領域4、5の例えば中心面Mなどの共通の平面への投影において、グリップ領域4、5と完全に重なって位置し得る。
【0071】
自由端12から視た場合に、挿入方向rにおいて好適には基本的に直線的に延在する通路孔17全体が、視わたせることができることが好ましい。
【0072】
通路孔17は好ましくはスロット状に設計され、さらに図6における図示によると、グリップカバー8、9の長手方向Lを横切る断面において、好ましくは幅aとそれに垂直に延びる高さbを具備する細長い矩形断面を備える。
通路孔17の幅は、同一視点で視た2つの側面15の間のグリップカバー8の最大幅cに対して、約0.3倍から0.7倍、さらには、約0.5倍に相当し得る。またその場合に好適には当該幅は通路孔17の約4倍から8倍、さらには約6倍に相当し、かつ、その他の好適な実施形態によると、当該高さbは、通路孔17の長さdに対して約0.05倍から0.2倍、さらには約0.1倍に相当する。従って幅cは好適には幅aより大きい。
【0073】
通路孔17は、自由端12に配置された第1開口18と連結領域10の方向を向く第2開口とを備える。この第1開口18はグリップカバー8のテーパー65の領域に配置される。
【0074】
第1開口18は、端面16又は端面16によって画定されたから面平面をそれぞれ始点とする凹部20への通路孔17の移行部を形成してもよい。
【0075】
その他の実施形態において、通路孔17の底面としても参照され得る所定の開口面21を備える通路孔17の高さbは、好ましくは、グリップカバーの外面、特に内面13(又は側面)の関連した領域から、連続的に、例えば好適には通路孔17の高さ方向におけるオフセットなしに、変形するように実現される。この表面は内面13によって又は代替的に図示された内面13を始点とする凹部23の底面22によって直接形成されてもよい。
【0076】
さらに、スロット形の通路孔17はそれぞれ、好ましくはグリップカバー8、9と素材において一体的に均一に実現される橋部24によって、開口面21に対して横方向にかつ向かい側に範囲が画定され、当該橋部は全体として、外輪郭に関してグリップ領域4、5を取り囲むグリップカバー8、9の領域の輪郭へと滑らかに変形する(図6参照)。
【0077】
第1開口18は、各グリップカバー8、9の端面16の記述した鋭角の整列により、自由端12から相当に離れて位置してもよい。それにもかかわらず、第1開口18は中心面Mの方向における自由端の視点において、グリップカバー8、9の端面の部分領域を形成する。
【0078】
異なる機能部品Fは好ましくは、通路孔17に装着され得る。図8から図14はグリップカバーへのプラグ型の配置のみならず、機能部品Fの第1実施形態を示す。この機能部品Fは好適には射出成型されたプラスチック部品の形態で実現される。
【0079】
第1実施形態における機能部品Fは先ず、基本的にプレート形の機能部25を備え、その形状は好適には、周辺のデザイン及び厚みのみならず表面領域に関してグリップカバーの端面16の領域における凹部20に適合する。
この機能部25は外側の識別面26を形成し、図8及び12に概略的にのみ示され、かつ例えばピクトグラムの形態において実現される識別子27が当該識別面に印刷され又は機能部品Fの製造過程においてそこに銘刻される。
【0080】
係合部31は、識別面26と反対方向を向いた側の機能部25に、一体的に形成される。この例示的実施形態において、この係合部31は挿入部材28を形成しかつ好適には挿入方向rに対して横方向に相互に離れて位置する2つの脚部29を備えている。
長手方向に対して横方向に視た挿入部材28全体の幅a’は、好ましくは、基本的に通路孔17の幅と一致させることができる。脚部29は、通路孔17の断面設計に適合した機能部品Fの平坦領域60を形成する。
【0081】
脚部29又はこれらの脚部によって形成される挿入部材28は、好ましくは、機能部25(図11参照)との間に、約120度から150度、さらには約135度、の鈍角βを含む。
【0082】
各脚部29は先ず、脚部29の長さに対する垂直方向の視点で、好適には一定の厚みb’を備える部材を有する。当該部材は、機能部品25を始点としかつ長さd’にわたり延在する。そして当該厚みは通路孔17の高さbよりもわずかに小さく設けられる。上述の脚部の幅d’は好ましくは通路孔17の長さdに適合する。
【0083】
ディテント構造30は、機能部25の反対側に面する脚部29の端部に、好適には一定の厚みの領域に隣接して形成される。当該ディテント構造の厚みb’’は、上述の部材のそれよりも大きく、かつ基本的に通路孔17の高さbに相当し得る。
【0084】
第1実施形態における機能部品Fは、挿入部材28又はその脚部29を第1開口18から、さらには基本的にグリップカバー8、9の自由端12から、通路孔17へと挿入される。挿入部材28は、挿入方向rにおける機能部品Fの挿入の過程で、端部側のディテント構造30とともに、スロット形の通路孔17内を移動する。脚部29のディテント構造30は、挿入位置に到達すると、ロック方式により、その後、第2開口19の開口縁の後方に係合する(図14参照)。
【0085】
機能部25は、識別面26が好適には端面16の周面内に滑らかに収容されるように、この挿入位置において好ましくは端面の凹部20内に完全に位置する(図12参照)。
【0086】
図15から図21は、グリップカバー8、9の配置のみならず、機能部品Fの第2実施形態を示す。第2実施形態における機能部品Fも同様に、射出成型されたプラスチック部品の形態において実現され得る。しかし変形例においては、屈曲したシート金属部品の形態で実現されてもよい。
【0087】
挿入方向rに向けられた断面に関して、又は図17に従って対応して整列された側面図に関して、機能部品Fは、通路孔17に適合する平坦領域60の形状において挿入部材28を形成する第1脚部32と、第1脚部32と平行にかつ離間して延在する第2脚部33とを備え、基本的にU形状に設計される。2つの脚部32及び33は、クロスピース34によって連結される。
【0088】
脚部32及び33は、クロスピース34を始点とする異なった長さd’’及びd’’’を有する。例えば挿入部材28を形成する第1脚部32は、第2脚部33の長さd’’’の約1.5倍から2.5倍、さらには約2倍に相当する長さd’’を有していてもよい。その場合に第1脚部32の長さd’’は好ましくは通路孔17の長さdよりも大きく設計され、かつ通路孔の長さに対して例えば約1.5倍から3倍、さらには約2倍から2.5倍に相当する。
【0089】
上述の断面又は図7における側面図に関して、一定の厚みb’’’は好ましくは第1脚部32、クロスピース34、及び第2脚部33にわたり実現され、当該厚みは基本的に通路孔17の高さbに一致する。
【0090】
その他の実施形態において、挿入部材28を形成する第1脚部32の幅a’’が第2脚部33の幅a’’’よりも小さく設計されることが好ましく、さらには、第1脚部32の幅a’’が、全体としての機能部品Fが挿入部材28によってクランプ方式で通路孔17内に装着されるように、通路孔17の幅に基本的に一致していることが好ましい。
【0091】
第2脚部33の幅a’’’は第1脚部32の幅a’’の約1.05倍から1.2倍、さらには約1.1倍に相当し得る。
【0092】
より長い第1脚部32は、クロスピース34と反対側を向いた自由端の領域において窓のような孔35が設けられる。例示的実施形態で示すように、第2脚部33もまた同様の孔36を備えて設計され得る。孔35及び36を備える機能部25はループ61を形成する。
【0093】
上述の例示的実施形態と対照的に、前述のように設計された機能部品Fは、好ましくは、第2開口19を始点とした挿入方向rにおいて通路孔17へと挿入される。従ってその挿入は、内面13又は凹部23の底面12に沿った自由端12の方向において行われる。脚部32及び33の異なった幅により、第1脚部32は、通路孔17に挿入される挿入部材28として設定される。
【0094】
機能部品Fは好ましくは、脚部34が停止制限的な方法で対向する橋部24に接するまで、通路孔17に挿入される。作動位置において、より短い第2脚部33は、好ましくは、橋部24の外側に、従ってグリップカバー8、9上に載り、好ましくは凹部20のおおよそ底まで橋部24の全長にわたって挿入方向rに延びる。
【0095】
第1脚部32は第2開口19を越えてかつ好ましくは凹部20をも越えて通路孔17を通り延在するが、好ましくは上述の平面Eに到達する前に終わる。端面16又は凹部20は、角度βによって第1脚部32に対して傾斜しているため、ループ61を形成する孔35は、前述のように設計された機能部品Fが、例えば孔35又はループ61をそれぞれ活用して手工具1を吊り下げるために使用できるように、利用できる。
【0096】
その他の例示的実施形態において、情報担体37が、前述のように設計された機能部品Fに、例えば第2脚部33の外側に、配置されてもよい。
例えばRFIDチップの形態、EANコードの形態、又はトラッキングチップの形態であるような情報担体37の配置は、図21の幅の一点鎖線で概略的に示される。
【0097】
さらに、図22及び23に示される実施形態における機能部品Fは、例えば開きバネとして機能するリーフスプリングの形態などのバネ部材38を備えるか、それ自体であってもよい。この目的のために、機能部品Fは、基本的に、例えば図8から図11に示された上述の例示的実施形態を基礎としていてもよく、さらに挿入部材28の脚部29の1つは、バネ部材38を備えるこの脚部29が挿入位置において第2開口19を越えて自由に突出するように、かつ好ましくは反対側のグリップ領域又はその上に設けられたグリップカバーの対向する内面13で支持されるように、伸長する。第2開口19を越えて自由に突出するバネ部材は機能部25を形成する。
【0098】
図24において、好ましくは上述の第1実施形態を基礎とする機能部品Fは、固定ストラップ39の形態で実現される機能部25を備えていてもよく、ループ40はこの目的のために、機能部25に、例えばその外側に、固定される。この固定は、例えば、幾何学的な回転軸周りに回転可能なように設計され得る。
【0099】
その他の例において、機能部品Fは、非接触の歪ゲージ41であってもよい(図25参照)。この目的のために、とりわけセンサユニット46のみならず電子装置44及びバッテリ45が含まれるハウジング42が、通路孔17を通過するために脚部32の形態で設計されたカンチレバーアームを備えていてもよい。そしてそのカンチレバーアームはその端部にディテント構造30を備えていてもよい。橋部24は、橋部24で支持された状態で、第2実施形態における機能部品Fの配置同様にハウジング部43とともに取り囲まれ、そしてグリップカバー8、9に歪ゲージ41を固定するための挿入方向rは、第2開口19から第1開口18の方向に向いていてもよい。歪ゲージ41の機能はハウジング42から突出した押しボタン47によって初期化または点検される。
【0100】
図26及び27は2部品の機能部品Fを示す。これは図示するようにグリップカバー8、9に固定可能なLED48に関係する場合もある。この例において機能部品Fの一部49は、例えば第1の機能部25を形成する発光体50に接続され、かつその他の一部51は第2の機能部25を形成するハウジング42に接続されていてもよい。電子装置44やバッテリ45が例えば前述のハウジング42に収納される。さらに、発光体50のスイッチを入れる押しボタン47は一部51に設けられてもよい。
【0101】
一部49及び50の両方又は機能部25は、脚部52及び53が設けられ、一方の脚部52はプラグイン突出部54を備えてもよく、他方の脚部53は対応して適合するプラグイン受容部55を備えていてもよい(図26の拡大詳細図を参照)。
【0102】
発光体50を備える一部49は脚部52とともに第1開口18を通り通路孔17に挿入され、一方で、ハウジング42を備える第2の一部51は第2開口19から脚部53とともに挿入される。その際、脚部52及び53の連結が、プラグイン受容部55へのプラグイン突出部54の挿入により、通路孔17内で実現される。前述のように設計された機能部品Fは実質的にグリップカバー8、9に固定される。この場合、脚部52及び53は、挿入部材28又は係合部31を連帯して形成する。
【0103】
脚部52及び53を貫通する撚線56は、一部49と51との間の電気的接続を実現するように、この連結された位置において、プラグイン突出部54とプライグイン受容部55とを経由して電気的に接続される。
【0104】
通路孔17に機能部品を固定するため又はグリップカバー8、9の通路孔を利用することによる、その他の代替的な選択肢は、例えば、回転式連結又は差し込み式連結の形態で実現され得る。図28から32は、とりわけ通路孔17の第2開口19から挿入方向rに通路孔17へと挿入される機能部品Fを備えるその他の実施形態を示す。
【0105】
この場合、挿入部材28は、基本的に挿入方向rにおいて相互に平行に延在する2つの脚部29と、脚部29を相互に連結しかつ例えば本実施形態で示すようにループ61として使用され得る端側の機能部25と、を備えたワイヤハンガー部58の形態で実現される。
【0106】
脚部29は、プラグ型方式により通路孔17との相互作用のために平坦領域60を形成する。
【0107】
基本的にU形の機能部25は、好ましくは、平坦領域60において相互に反対方向に向く脚部29の外面の間の幅e’よりも大きくなるよう設計された幅eを備える。例えば幅eは幅e’の約1.2倍から1.8倍、さらには約1.5倍に相当してもよい(図30も参照)。
【0108】
脚部29は、機能部25と反対方向に向く自由端の領域おいて、阻止部材56に収容されかつ装着される。その阻止部材は挿入位置において、第1開口19を囲む縁領域上で支持され、それにより機能部品Fの挿入深さを制限する。
【0109】
阻止部材56はプラスチック部品であってもよい。例えば、脚部29の自由端は、阻止部材56を実現するためにこのプラスチックを用いてオーバーモールドされてもよい。
【0110】
図29における縦断面において、阻止部材56はさらに、自由端を始点として上方向に延在するくさび形面を備えるくさび形状に設計され得、かつ例えばくぼみ状のサムレスト57の形態で実現される。機能部品Fは、親指を掛けて前述のサムレストを利用することによって、通路孔17へと移動させることができる。
【0111】
阻止部材56は機能部品Fの機能部25であってもよく、例えば識別面を含む。
【0112】
挿入過程において、ループ61の形態における端側の機能部25は、先ず通路孔17に押し込まれ、この機能部25は、この機能部が通路孔17よりも大きなその幅である事実に関わらず通路孔17へと押し込み可能なように、ワイヤー形設計の結果として一緒に押し込まれる。
【0113】
通路孔17の幅e’’は、同時に又は代替的に、平坦領域60における幅e’ 又はループ61の方向において隣接したより大きな幅よりも小さく、好ましくはわずかに小さく設計されるが、好ましくはこの部品Fの幅eよりも小さく設計される。
弾性のプラスチックの変形は、機能部品Fの挿入過程において、場合によっては、機能部品Fの脚部の変形に加えて又はその代替として、通路孔17の壁の領域において生じ得る。こうした結果、機能部品が通路孔17にクランプされることになる。
【0114】
第1の-外側の-開口18の貫通後、機能部25は弾性復元力により再度復元し、ロック方式において開口18の後方で係合する。グリップカバーの弾性変形可能なプラスチック素材の復元は、代替的に、追加的に第1開口18の領域において生じ得る。その後、機能部品Fは、選択的に開口18及び19のそれぞれの開口縁上で支持される機能部25(阻止部材56及びループ61)の間で、捕らえられる。
【0115】
図33から図35は、一つの実施形態を示しており、上述の実施形態に従い、ワイヤハンガー部58を含むループ61を形成する特に平坦領域60及び機能部25の設計が、第1開口18から第2開口19に向かう挿入方向rとなり、これにより当該挿入方向はグリップカバーの端面16を始点とする。
【0116】
この場合に、ループ61を形成する領域も、平坦領域60又は脚部29よって範囲が画定される領域それぞれとの比較において拡張される。ループ領域はその幅に関して縮小され、及び/又は、通路孔17は、通路孔17を通り、この拡大された機能部25の挿入過程において弾性的に拡張される。ループ61又は対応する機能部25又は弾性変形したプラスチックは、ループ61が第2開口19を抜けるときに自動的に復元する。
【0117】
好ましくは射出成型プラスチック部品の形態で実現されかつこの場合にループ61の反対側に設けられた阻止部材56は、機能部品Fの挿入位置におけるグリップカバーの表面の凹部に隣接するように形作られる(図34参照)。第2の機能部25を形成する阻止部材56の外側に向けられた表面は、例えば図8から図14において示された実施形態に関して、例えば上述のタイプの識別面26が設けられていてもよい。
【0118】
図36から図38に示された実施形態の機能部品38は、基本的に図28から図32に示された上述の実施形態に基づくが、この場合脚部29及びかつループ状の機能部25を形成するワイヤハンガー部58の代わりにシート金属部59が設けられてもよい。
【0119】
このシート金属部59は、幅e’を有しかつ挿入位置において通路孔17において延在する平坦領域60も設けられる。孔35を備え相対的に拡張されたループ状の機能部25は、前述の平坦領域の端部に隣接して配置される。図28から図31に示された実施形態に関する先の記述は、それぞれ同一方向に視た幅e’又は通路孔17の幅に対する機能部25の幅eに関しても同様に当てはまる。
【0120】
機能部25と反対方向に面した側においてシート金属部59は本実施形態において、任意に他方の機能部25を形成する阻止部材56に取り付けられる。
【0121】
同様に挿入は第2開口19を始点として行われ、通路孔17の開口幅よりも大きい幅eを持つ機能部25は、この場合、弾性的に縮小され得もする。
【0122】
図28~38に示された実施形態の機能部品Fは2つの機能部25を備え、それらは好ましくは相互に離れて位置しかつ係合部31を形成しワイヤハンガー又はシート金属部の形態で実現される平坦領域60によって相互に連結される。図1から図38は2つの工具部品2及び3を有するプライヤ62の形態における手工具の例示的実施形態を示し、他方で図39及び40に示す追加の実施形態は1つのみの工具部品2を有する手工具1に関する。図39において示された例はケーブル剥ぎ取りナイフ63を示す。図40はスクリュードライバを示す。
【0123】
ナイフ又はスクリュードライバのハンドルはそれぞれ、工具部品2のグリップ領域4を取り囲むグリップカバー8によって形成される。作業領域6はそれぞれ、ナイフの刃又はスクリュードライバのシャフトのみによって形成される。
【0124】
この場合、機能部品Fはグリップ領域4の端部に配置することもできる。上述の実施形態における機能部品Fが挿入され得る通路孔17は、自由端12のグリップカバー8に形成される。
【0125】
図39及び40は、図31に示した実施形態における機能部品Fを示すが、例えば図15、24、25、26又は34における機能部品Fに関する配置も考えられる。
【符号の説明】
【0126】
1 手工具
2 工具部品
3 工具部品
4 グリップ領域
5 グリップ領域
6 作業領域
7 作業領域
8 グリップカバー
9 グリップカバー
10 連結領域
11 端部
12 自由端
13 内面
14 外面
15 側面
16 端面
17 通路孔
18 第1開口
19 第2開口
20 凹部
21 開口面
22 底面
23 凹部
24 橋部
25 機能部
26 識別面
27 識別子
28 挿入部材
29 脚部
30 ディテント構造
31 係合部
32 第1脚部
33 第2脚部
34 クロスピース
35 孔
36 孔
37 情報担体
38 バネ部材
39 固定ストラップ
40 ループ
41 歪ゲージ
42 ハウジング
43 ハウジング部
44 電子装置
45 バッテリ
46 センサユニット
47 押しボタン
48 LED
49 一部
50 発光体
51 一部
52 脚部
53 脚部
54 プライグイン突出部
55 プラグイン受容部
56 阻止部材
57 サムレスト
58 ワイヤハンガー部
59 シート金属部
60 平坦領域
61 ループ

a 幅
a’ 幅
a’’ 幅
a’’’ 幅
b 高さ
b’ 厚み
b’’ 厚み
b’’’ 厚み
c 幅
d 長さ
d’ 長さ
d’’ 長さ
d’’’ 長さ
e 幅
e’ 幅
r 挿入方向
x 回転軸
E 平面
F 機能部品
H 装着用凹部
L 長手方向
L’ 長手方向
M 中心面
α 角度
β 角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域(6、7)及びグリップ領域(4、5)を有する手工具(1)であって、
前記グリップ領域(4、5)がグリップカバー(8、9)に配置され、前記グリップカバー(8、9)が前記作業領域(6、7)に配置された端部(11)と反対側の自由端(12)とを備えかつ機能部品(F)を設けられ、前記グリップカバー(8、9)はさらに前記グリップカバー(8、9)の長手方向(L)に延在しかつ未使用状態において自由開口断面を具備する第1開口と第2開口とを形成する通路孔(17)を備え、かつ、前記機能部品(F)が前記グリップカバー(8、9)に装着するために前記通路孔に挿入可能である、前記手工具(1)において、
前記第1開口(18)及び第2開口(19)が前記通路孔(17)の通路方向を横断する断面に関して基本的に細長い矩形のデザインを具備すること、及び、
前記自由端に配置された前記第1開口(18)が前記機能部品(F)の挿入方向において前記第2開口(19)の反対側に位置することを特徴とする手工具。
【請求項2】
2つの工具部品(2、3)が設けられかつ連結領域(10)で相互に交差するように配置され、各前記工具部品(2、3)が前記連結領域(2、3)の一方側に前記作業領域(6、7)を、他方側に前記グリップ領域(4、5)を形成していること、及び、
各前記グリップ領域(4、5)が第1及び第2グリップカバー(8、9)にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項3】
プライヤ又はハサミの形態で実現されていることを特徴とする請求項2に記載の手工具。
【請求項4】
ナイフ又はスクリュードライバの形態で実現されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項5】
前記通路孔(17)が、破壊なしに分離不可能な前記グリップカバー(8、9)の一部として、前記グリップカバー(8、9)自体に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の手工具。
【請求項6】
前記通路孔(17)が、それぞれ他方のグリップカバー(8,9)を向いた第1及び/又は第2グリップカバー(8、9)に、形成されることを特徴とする請求項2、3、又は5のいずれかであって、請求項5に関しては請求項2を引用する限りにおいて、記載の手工具。
【請求項7】
前記グリップカバー(8、9)が、側面視において自由端を形成するテーパーを備え、かつ、
前記第1開口(18)が前記テーパーに形成されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の手工具。
【請求項8】
前記手工具(1)が機能部品(F)を有すること、及び、
前記機能部品(F)が前記通路孔(17)に収容されるための係合部(31)と、機能部(25)とを備えることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の手工具。
【請求項9】
前記係合部(31)が挿入部材(28)の形態で実現されていることを特徴とする請求項8に記載の手工具。
【請求項10】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が前記第1開口(18)又は前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項9に記載の手工具。
【請求項11】
前記機能部品(F)の挿入状態において、前記機能部品(25)が前記グリップカバー(8、9)の前記自由端(12)の端面(16)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の手工具。
【請求項12】
前記機能部品が、識別面(26)を備える又はループの形態で設計されていることを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項13】
前記識別面(26)が、前記機能部品(F)の挿入部材(28)に対して垂直な断面において又は鈍角(β)に延在することを特徴とする請求項12に記載の手工具。
【請求項14】
前記識別面(26)が、機能部品(F)の挿入状態において、外側に露出していることを特徴とする請求項12又は13に記載の手工具。
【請求項15】
前記挿入部材(28)が、挿入方向(r)に対して横方向に相互に離れて位置した2つの脚部(29)を備えることを特徴とする請求項9~14のいずれかに記載の手工具。
【請求項16】
一方の前記脚部(29)がディテント構造(30)備えることを特徴とする請求項15に記載の手工具。
【請求項17】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が、前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項9~16のいずれかに記載の手工具。
【請求項18】
前記第2開口(19)を始点として挿入される機能部品(F)が、前記第1開口(18)を越えて外側に突出することを特徴とする請求項1~17のいずれかに記載の手工具。
【請求項19】
前記第2開口(19)を始点として挿入される機能部品(F)が、前記第1開口(18)を越えて外側に突出することを特徴とする請求項1~18のいずれかに記載の手工具。
【請求項20】
前記機能部品(F)が断面においてU形状に設計され、挿入状態において第1脚部(32)が前記通路孔(17)を貫通しかつ第2脚部(33)が前記グリップカバー(8、9)の外側に載ることを特徴とする請求項18又は19に記載の手工具。
【請求項21】
前記脚部(32、33)が異なった幅(a’’、a’’’)を備えることを特徴とする請求項20に記載の手工具。
【請求項22】
より小さい幅(a’’)を具備する一方の前記脚部(32)のみが前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項18~21のいずれかに記載の手工具。
【請求項23】
外側の第2脚部(33)が機能部(25)を形成することを特徴とする請求項18~22のいずれかに記載の手工具。
【請求項24】
前記機能部品(F)がバネ部材(38)を備えることを特徴とする請求項8~23のいずれかに記載の手工具。
【請求項25】
前記機能部品(F)が2つの部品又は多数の部品から構成され、かつ、好ましくはその2つ以上の前記部品の間の分離可能な連結部を含むことを特徴とする請求項8~23のいずれかに記載の手工具。
【請求項26】
前記連結部が挿入状態において前記通路孔(17)内に位置していることを特徴とする請求項25に記載の手工具。
【請求項27】
手工具(1)のグリップ領域(4、5)とのディテント接続のための機能部品(F)であって、
前記機能部品(F)が、前記グリップ領域(4、5)の装着凹部(H)に係合するための係合部(31)と、機能部(25)とを備え、
前記係合部(31)が、基本的に矩形の開口断面を具備する通路孔(17)に適合する平坦領域(60)の形態において実現された、前記機能部品(F)において、
前記平坦領域(60)が相互に略平行に延在する2つの脚部(29)を備えること、及び/又は、
前記機能部(25)が前記係合部(31)の両側で形成されること、及び/又は、
前記機能部(25)が情報担体の形態で設計されていること、及び/又は、
挿入部材(28)が前記機能部(25)との間に約120度から150度の鈍角を含むこと、及び又は、
前記機能部(25)が電子素子を備えることを特徴とする機能部品。
【請求項28】
前記平坦領域(60)が矩形断面を具備することを特徴とする請求項27に記載の機能部品。
【請求項29】
一方又は両方の前記脚部(29)がディテント構造(30)を備えることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項30】
前記機能部(25)が前記平坦領域(60)よりも大きい断面を備えることを特徴とする請求項27~29のいずれかに記載の機能部品。
【請求項31】
前記機能部(25)が基本的にプラスチック部の形態で実現されることを特徴とする請求項27~30のいずれかに記載の機能部品。
【請求項32】
前記係合部(31)が金属製で実現されていることを特徴とする請求項27~31のいずれかに記載の機能部品。
【請求項33】
2つの機能部(25)が形成されることを特徴とする請求項27~32のいずれかに記載の機能部品。
【請求項34】
前記機能部(25)が前記機能部品(F)の長手方向(L’)において前記係合部(31)によって相互に分離されていることを特徴とする請求項33に記載の機能部品。
【請求項35】
請求項27~34のいずれかに記載の機能部品(F)を有する請求項1~26のいずれかに記載の手工具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本発明は、さらに、手工具のグリップ領域を備えるディテント接続のための機能部品に関する。機能部品は、グリップ領域の装着用凹部に係合させるための係合部と、機能部とを有し、係合部がさらに、基本的に矩形開口断面を具備する通路孔に適合する平坦領域の形態で設計される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
特許文献15は、通路孔がグリップカバーの一方に形成され、かつバネ部材がその通路孔に収容される、手工具を開示する。第1開口部は、プライヤのような工具の反対側のグリップカバーの方に向いた開口断面を備え、かつ、グリップ領域の自由端からグリップ領域のおおよそ半分の長さ分離れて形成される。
特許文献16は、2つのスロットがグリップ領域に形成され、前記スロットがグリップカバーの長手方向の広がりに対して垂直な通路孔を形成する、手工具を開示する。手工具に接続された設置ケーブルが第1スロットから挿入され、第2スロットへと戻って挿入される。
特許文献17は、連結部付近のプライヤのグリップにおける金属の端部領域を取り囲むためにクランプ状のデザインを備える機能部品を開示する。その端部領域は基本的にU形状に曲がっている。機能部が平坦なデザインを具備する。その係合部が均一の脚部を備える。挿入部と機能部との間が直角を形成する。この機能部品がプライヤの閉位置を固定するために機能する。
メモリワイヤを収容するためのブラインド穴の形態で挿入孔が形成される、手工具のグリップカバーは、特許文献18により公知である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願第528252号明細書
【特許文献2】米国登録特許第5845551号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0421107号明細書
【特許文献4】独国特許発明第3929323号明細書
【特許文献5】国際公開第2021/160598号
【特許文献6】独国公開特許第102020103467号明細書
【特許文献7】独国公開特許第102018123705号明細書
【特許文献8】国際公開第2019/207054号明細書
【特許文献9】米国出願公開特許第2021/0167586号明細書
【特許文献10】国際公開第2018/146191号
【特許文献11】米国出願公開特許第2020/0009750号明細書
【特許文献12】独国公開特許第102017101197号明細書
【特許文献13】米国登録特許第7468674号明細書
【特許文献14】米国出願公開特許第2014/0013544号明細書
【特許文献15】欧州特許出願第2489480号明細書
【特許文献16】米国登録特許第5680697号明細書
【特許文献17】仏国公告特許第1111365号明細書
【特許文献18】独国実用新案第9005272号明細書
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項1において、手工具に関する上述の目的は、第1及び第2開口が基本的に、通路孔の通路方向の横断面において細長い矩形のデザインを有し、かつ、自由端に配置された第1開口が、機能部品の挿入方向において第2開口の反対側に位置するように設けられることで実現される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項27において、機能部品に関する上述の目的は、平坦領域が相互に略平行に延在する2つの脚部を備えること、及び/又は、機能部が係合部の両側で形成されること、及び又は、機能部が情報担体の形態で設計されていること、及び/又は、機能部が挿入部材との間で鈍角を含むように設計されていること、及び/又は、機能部が電子素子を備えることで、実現される。
機能部品を有する手工具に関する上述した目的は、請求項34の目的によって実現され、請求項1~25のいずれかに記載された手工具は、請求項26~33のいずれかに記載された機能部品が設けられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
路孔は、破壊なしに分離できないグリップカバーの一部の形態として、グリップカバーそれ自体に、選択的に第1及び/又は第2グリップカバーそれ自体に、形成され得る。
それに応じて、グリップカバーの通路孔が、グリップカバーの製造の過程において、とりわけ、プラスチック射出成型加工の過程において、すでに考慮されかつ形成され得ることがさらに好ましい。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域(6、7)及びグリップ領域(4、5)を有する手工具(1)であって、
前記グリップ領域(4、5)がグリップカバー(8、9)に配置され、前記グリップカバー(8、9)が前記作業領域(6、7)に配置された端部(11)と反対側の自由端(12)とを備えかつ機能部品(F)を設けられ、前記グリップカバー(8、9)はさらに前記グリップカバー(8、9)の長手方向(L)に延在しかつ未使用状態において自由開口断面を具備する第1開口と第2開口とを形成する通路孔(17)を備え、かつ、前記機能部品(F)が前記グリップカバー(8、9)に装着するために前記通路孔に挿入可能である、前記手工具(1)において、
前記第1開口(18)及び第2開口(19)が前記通路孔(17)の通路方向を横断する断面に関して基本的に細長い矩形のデザインを具備すること、及び、
前記自由端に配置された前記第1開口(18)が前記機能部品(F)の挿入方向において前記第2開口(19)の反対側に位置することを特徴とする手工具。
【請求項2】
2つの工具部品(2、3)が設けられかつ連結領域(10)で相互に交差するように配置され、各前記工具部品(2、3)が前記連結領域(2、3)の一方側に前記作業領域(6、7)を、他方側に前記グリップ領域(4、5)を形成していること、及び、
各前記グリップ領域(4、5)が第1及び第2グリップカバー(8、9)にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項3】
プライヤ又はハサミの形態で実現されていることを特徴とする請求項2に記載の手工具。
【請求項4】
ナイフ又はスクリュードライバの形態で実現されていることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項5】
前記通路孔(17)が、破壊なしに分離不可能な前記グリップカバー(8、9)の一部として、前記グリップカバー(8、9)自体に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の手工具。
【請求項6】
前記通路孔(17)が、それぞれ他方のグリップカバー(8,9)を向いた第1及び/又は第2グリップカバー(8、9)に、形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の手工具。
【請求項7】
前記通路孔(17)が、破壊なしに分離不可能な前記グリップカバー(8、9)の一部として、前記グリップカバー(8、9)自体に形成されていること、及び、
前記通路孔(17)が、それぞれ他方のグリップカバー(8,9)を向いた第1及び/又は第2グリップカバー(8、9)に、形成されることを特徴とする請求項2に記載の手工具。
【請求項8】
前記グリップカバー(8、9)が、側面視において自由端を形成するテーパーを備え、かつ、
前記第1開口(18)が前記テーパーに形成されることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の手工具。
【請求項9】
前記手工具(1)が機能部品(F)を有すること、及び、
前記機能部品(F)が前記通路孔(17)に収容されるための係合部(31)と、機能部(25)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項10】
前記係合部(31)が挿入部材(28)の形態で実現されていることを特徴とする請求項に記載の手工具。
【請求項11】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が前記第1開口(18)又は前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項10に記載の手工具。
【請求項12】
前記機能部品(F)の挿入状態において、前記機能部品(25)が前記グリップカバー(8、9)の前記自由端(12)の端面(16)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項13】
前記機能部品が、識別面(26)を備える又はループの形態で設計されていることを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項14】
前記識別面(26)が、前記機能部品(F)の挿入部材(28)に対して垂直な断面において又は鈍角(β)に延在することを特徴とする請求項13に記載の手工具。
【請求項15】
前記識別面(26)が、前記機能部品(F)の挿入状態において、外側に露出していることを特徴とする請求項13に記載の手工具。
【請求項16】
前記挿入部材(28)が、挿入方向(r)に対して横方向に相互に離れて位置した2つの脚部(29)を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の手工具。
【請求項17】
一方の前記脚部(29)がディテント構造(30)備えることを特徴とする請求項16に記載の手工具。
【請求項18】
前記機能部品(F)の前記挿入部材(28)が、前記第2開口(19)を始点として前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項10又は11に記載の手工具。
【請求項19】
前記第2開口(19)を始点として挿入される機能部品(F)が、前記第1開口(18)を越えて外側に突出することを特徴とする請求項1~4、9~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項20】
前記機能部品(F)が断面においてU形状に設計され、挿入状態において第1脚部(32)が前記通路孔(17)を貫通しかつ第2脚部(33)が前記グリップカバー(8、9)の外側に載ることを特徴とする請求項19に記載の手工具。
【請求項21】
前記脚部(32、33)が異なった幅(a’’、a’’’)を備えることを特徴とする請求項20に記載の手工具。
【請求項22】
より小さい幅(a’’)を具備する一方の前記脚部(32)のみが前記通路孔(17)に挿入可能であることを特徴とする請求項19に記載の手工具。
【請求項23】
外側の第2脚部(33)が機能部(25)を形成することを特徴とする請求項19に記載の手工具。
【請求項24】
前記機能部品(F)がバネ部材(38)を備えることを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項25】
前記機能部品(F)が2つの部品又は多数の部品から構成され、かつ、好ましくはその2つ以上の前記部品の間の分離可能な連結部を含むことを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の手工具。
【請求項26】
前記連結部が挿入状態において前記通路孔(17)内に位置していることを特徴とする請求項25に記載の手工具。
【請求項27】
手工具(1)のグリップ領域(4、5)とのディテント接続のための機能部品(F)であって、
前記機能部品(F)が、前記グリップ領域(4、5)の装着凹部(H)に係合するための係合部(31)と、機能部(25)とを備え、
前記係合部(31)が、基本的に矩形の開口断面を具備する通路孔(17)に適合する平坦領域(60)の形態において実現された、前記機能部品(F)において、
前記平坦領域(60)が相互に略平行に延在する2つの脚部(29)を備えること、及び/又は、
前記機能部(25)が前記係合部(31)の両側で形成されること、及び/又は、
前記機能部(25)が情報担体の形態で設計されていること、及び/又は、
挿入部材(28)が前記機能部(25)との間に約120度から150度の鈍角を含むこと、及び又は、
前記機能部(25)が電子素子を備えることを特徴とする機能部品。
【請求項28】
前記平坦領域(60)が矩形断面を具備することを特徴とする請求項27に記載の機能部品。
【請求項29】
一方又は両方の前記脚部(29)がディテント構造(30)を備えることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項30】
前記機能部(25)が前記平坦領域(60)よりも大きい断面を備えることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項31】
前記機能部(25)が基本的にプラスチック部の形態で実現されることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項32】
前記係合部(31)が金属製で実現されていることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項33】
2つの機能部(25)が形成されることを特徴とする請求項27又は28に記載の機能部品。
【請求項34】
前記機能部(25)が前記機能部品(F)の長手方向(L’)において前記係合部(31)によって相互に分離されていることを特徴とする請求項33に記載の機能部品。
【請求項35】
請求項27又は28に記載の機能部品(F)を有する請求項1~4、9~11のいずれかに記載の手工具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
上述の例示的実施形態と対照的に、前述のように設計された機能部品Fは、好ましくは、第2開口19を始点とした挿入方向rにおいて通路孔17へと挿入される。従ってその挿入は、内面13又は凹部23の底面22に沿った自由端12の方向において行われる。脚部32及び33の異なった幅により、第1脚部32は、通路孔17に挿入される挿入部材28として設定される。
【国際調査報告】