(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】圧縮空気分配システムの遠隔管理のための方法及び手順
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
F04B49/06 341L
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024526828
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022079621
(87)【国際公開番号】W WO2023078717
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ペッセミエル ヴィム
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA16
3H145AA26
3H145BA02
3H145BA12
3H145BA28
3H145DA31
3H145DA47
3H145EA04
(57)【要約】
制御システム(102、208、308、408)により圧縮空気分配システム(107)を遠隔管理するためのコンピュータにより実行される方法であって、圧縮空気分配システム(107)は1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)を備え、コンピュータにより実行される方法は、反復的に繰り返され;1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)によるそれぞれのステータスを、共有通信バス(201、301)を介して制御システム(102、208、308、408)と共有するステップと;ステータス及び所要の圧力及び/又は流量に基づいて、共有通信バス(201、301)を介して、制御システム(102、208、308、408)によって、1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)を並列制御するステップと;第1の装置が圧縮空気分配システム(107)に接続されている場合に、第1の装置を検出するステップと;第1の装置を統合するステップであって、統合は、1又は2以上の圧縮機(209、309、409)の並列制御(310、410)と同時に行われる、ステップと;を含む、コンピュータにより実行される方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システム(102、208、308、408)により圧縮空気分配システム(107)を遠隔管理するためのコンピュータにより実行される方法であって、前記圧縮空気分配システム(107)は1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)を備え、前記コンピュータにより実行される方法は、反復的に繰り返され、
前記1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)によるそれぞれのステータスを、共有通信バス(201、301)を介して制御システム(102、208、308、408)と共有するステップと、
前記ステータス及び所要の圧力及び/又は流量に基づいて、前記共有通信バス(201、301)を介して、前記制御システム(102、208、308、408)によって、前記1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)を並列制御するステップと、
第1の装置が前記圧縮空気分配システム(107)に接続され、前記第1の装置がデータを交換することができる場合に、
前記共有通信バス(201、301)を介して前記第1の装置を検出するステップと、
前記データを交換するために、前記第1の装置を前記制御システム(102、208、308、408)に統合するステップであって、前記統合は、前記1又は2以上の圧縮機(209、309、409)の前記並列制御(310、410)と同時に行われる、ステップと、
を含む、コンピュータにより実行される方法。
【請求項2】
前記統合の後に、前記制御システム(102、208、308、408)を介して、前記第1の装置(207、307、407)を設定するステップであって、前記設定は、前記1又は2以上の圧縮機(209、309、409)の並列制御(310、410)と同時に実行される、ステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項3】
前記検出は、前記第1の装置(207、307、407)によって開始される、請求項1又は2に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項4】
前記統合するステップは、
前記第1の装置(207、307、407)の通信プロトコルを識別するステップと、
前記制御システムの通信プロトコルと異なる場合、
前記制御システム(102、208、308、408)が前記第1の装置(207、307、407)と通信できるように、プロトコル変換を割り当てるステップと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項5】
前記第1の装置(207、307、407)及び/又は前記制御システム(102、208、308、408)の前記通信プロトコルは、UDP、TCP、CAN、Modbus TCP、Modbus RTU、LonWorks、SocketCAN、Mk5UDP、OPCUA、Profinet、Profibus、Ethernet/IP、EtherCAT、BACnet、MQTT、AMQPの群のうちの1つを含む、請求項4に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項6】
前記第1の装置(207、307、407)は、圧縮機を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項7】
前記第1の装置(207、307、407)は、センサ、バルブ、乾燥器、エネルギー回収装置、圧力計、流量計、温度計の群のうちの1つを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項8】
データを交換可能である第2の装置が前記圧縮空気分配システム(107)から切り離された場合に、
前記第2の装置の切り離しを検出するステップと、
前記第2の装置を前記制御システム(102、208、308、408)から取り外すステップであって、前記取り外しは、前記1又は2以上の圧縮機の前記並列制御(310、410)と同時に実行される、ステップと、
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項9】
前記第2の装置は、前記1又は2以上の圧縮機のうちの所定の圧縮機を含む、請求項8に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法を実行するように適合されているプロセッサ(502)を備えるデータ処理システム(500)。
【請求項11】
コンピュータ上で実行される場合に、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラム製品を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
請求項10に記載のデータ処理システム(500)を備える圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムによる圧縮空気分配システムにおける圧縮機の管理及び制御の分野に関し、より詳細には、このような管理及び制御を遠隔で行うことに関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機を使用して1又は2以上の段でガスを圧縮することが知られている。この圧縮ガスは、空気圧ネットワークを介して1又は2以上の空気圧消費者に供給される。圧縮機、消費者、及びこれらを互いに接続する導管全体は、圧縮空気分配システムとも呼ばれている。
【0003】
従って、圧縮空気分配システムは、所要の圧力及び/又は流量のガスを空気圧消費者に供給するための1又は2以上の圧縮機を備える。この所要の圧力及び/又は流量は、時間と共に変化する可能性があり、意図される用途、1日、1週間、又は1年などの時間といった様々な要因によって決まる。
【0004】
圧縮機という用語は、圧縮空気並びに真空を生成するように構成された他のあらゆる機械をさらに含む。
【0005】
ガスを所要の圧力及び/又は流量で供給するために、圧縮機を制御及び管理する制御システムが使用される。従って、圧縮空気分配システムは、この制御システムをさらに備える。制御システムによって圧縮機を制御及び管理することは、圧縮機の能力に応じて圧縮機をオン又はオフにすること、及び圧縮機を全負荷又は部分負荷に切り替えることができることを意味する。この目的のために、制御システム及び圧縮機は、データを交換し、これにより制御システムは圧縮機のそれぞれのステータスを決定すること又は直接測定することができる。圧縮空気分配システムにおける所望の圧力及び/又は流量と組み合わせたこのステータスに基づいて、圧縮機は、結果として圧縮機の供給量が消費者の所望の需要と一致するように制御される。
【0006】
この制御のために、圧縮空気分配システムは、センサ及び/又は制御システムとデータを交換する他の測定装置をさらに含むことができる。
【0007】
経時的に、所望の需要及び/又は所望の流量は、圧縮空気分配システムの変更が必要となる程度まで変化する場合がある。この変更は、例えば、増加する需要及び/又は流量への対応を可能にするための追加の圧縮機の設置である。一方、過剰設備であるか又は交換が必要であることが分かった場合には、圧縮機の撤去を考えることもできる。
【0008】
圧縮空気分配システムの変更は、例えば、新しいセンサ及び/又は他の測定器具を設置することによって、及び/又は制御システムによって管理される設定を変更することによって、その制御を最適化することが望まれる場合にも起こる可能性がある。
【0009】
しかしながら、圧縮空気分配システムのこのような変更は、消費者の観点から最適な運転の中断を意味するという欠点がある。このような中断は、特定の重要な用途にとって望ましくないため、最小限に抑えるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのため、圧縮空気分配システムのユーザの不都合を最小限に抑えながら、圧縮空気分配システムへの装置の接続及び/又は切り離しを行う、及び/又は圧縮空気分配システムの設定の変更を行う方法及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、圧縮空気分配システムに既に存在する消費者を妨害することなく、又は少なくとも不都合を最小限に抑えながら、装置を接続及び/又は切り離すための、及び/又は圧縮空気分配システムの設定を変更するための方法を提供することである。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、制御システムによって圧縮空気分配システムを遠隔管理するためのコンピュータにより実行される方法を提供することによって達成され、圧縮空気分配システムは1又は2以上の圧縮機を備え、コンピュータにより実行される方法は、反復的に繰り返され、
1又は2以上の圧縮機によるそれぞれのステータスを、共有通信バスを介して制御システムと共有するステップと、
ステータス及び所要の圧力及び/又は流量に基づいて、共有通信バスを介して、制御システムによって、1又は2以上の圧縮機を並列制御するステップと、
第1の装置が圧縮空気分配システムに接続され、装置がデータを交換することができる場合に、
共有通信バスを介して第1の装置を検出するステップと、
データを交換するために、第1の装置を制御システムに統合するステップであって、統合は、1又は2以上の圧縮機の並列制御と同時に行われる、ステップと、
を含む。
【0013】
圧縮空気供給システムは、消費者に圧縮空気又は他のガスを供給する1又は2以上の圧縮機を備える。これは、異なる圧縮機を同時に運転することによって実施することができ、各圧縮機は、全負荷又は部分負荷で動作することができる。従って、圧縮機は、所望の圧力及び/又は流量に関して需要を満たすように制御できることをさらに理解されたい。
【0014】
適切な動作を保証するために、圧縮機は、それぞれのステータスを制御システムと共有する。ステータスは、例えば、「全負荷運転中」、「部分負荷運転中」、「運転停止中」、又はその時点でのそれぞれの圧縮機の現在の動作を示す他の指標である。
【0015】
ステータスはさらに、それぞれの圧縮機の瞬間的な設定を意味すると理解される。このステータス又はこれらの設定は、圧縮機を介して直接、及び/又はセンサ値、生成値、アラーム、又はそれぞれのステータスを示す他の関連データによって読み取ることができる。
【0016】
制御システムは、圧縮機を管理し、必要に応じて、圧縮機を制御することになる。従って、制御することは、1又は2以上の圧縮機をオン又はオフにすること、又は1又は2以上の圧縮機がこの目的に適している場合、1又は2以上の圧縮機を全負荷又は部分負荷で運転することを含む。
【0017】
さらに、制御システムは、需要側を確認又は監視し、その後、制御は、所望の需要に調整される。
【0018】
従って、ステータスを共有し、需要側を監視することによって、制御システムは、所望の圧力及び/又は所望の流量に関して、需要側を制御することができる。
【0019】
ステータスの制御、監視、共有は、共有通信バスを介して行われる。この通信バスを介して、圧縮機と制御システムとの間で、並びに、存在する場合、センサや他の計測機器などの他の装置との間でデータが交換される。このデータは、例えばUDP、TCP、CAN、Modbus TCP、Modbus RTU、LonWorks、SocketCAN、Mk5UDP、OPCUA、Profibus、Profinet、Ethernet/IP、EtherCAT、BACnet、MQTT、AMQP、又は他の有線又は無線通信規格などの通信プロトコルを介して交換される。
【0020】
さらに、制御システムは並列様式で制御される。これは、データグラム及び/又はデータパケットを、他のデータグラム及び/又はデータパケットと競合するリスクなしで、通信バスを介して制御システム及び/又は1又は2以上の圧縮機によって送ることができることを意味する。換言すれば、一方の制御システムと、他方に存在する1又は2以上の圧縮機及び他の随意的な装置との間の通信は、同時に行われる。
【0021】
さらに、異なる通信プロトコルが、異なる装置によって使用されることは排除されない。その場合、必要に応じてプロトコル変換を行うことができる。
【0022】
さらに、圧縮空気分配システムには、追加の装置を追加することができる。より高い消費量が予想されるため、この装置は、例えば、変更されたユーザプロフィールを満たすための追加の圧縮機とすることができる。従って、圧縮空気分配システムの観点から、これは新しい装置である。
【0023】
追加の又は新しい装置は、制御システム及び/又は圧縮空気分配システム自体をさらに最適化するためのセンサとすることもできる。追加の装置の他の例は、絞り弁、乾燥器、制御弁、エネルギー回収装置、圧力計、流量計、温度計、圧縮空気消費装置、又は圧縮空気分配システムの構成を変更する又は制御システムが圧縮空気分配システムを管理及び/又は制御することができる方法を変更する他のあらゆる装置である。
【0024】
本発明の革新的要素によれば、この装置は、既に存在する装置の作動を妨げることなく、圧縮空気分配システムに登録及び統合される。換言すれば、装置は、圧縮空気分配システム、あるいはその一部を運転停止することなく制御システムに追加することができる。制御システムは、データを交換できるように装置を統合し、同時に圧縮機を制御する。その結果、圧縮空気分配システムに既に存在する消費者の不都合は最小限に抑えられるか又は事実上ゼロになる。
【0025】
装置の統合により、装置を制御する、測定を要求する、又は装置が適切で構成可能な他の動作を行うために、制御システムと装置との間でデータを交換することができる。
【0026】
装置が圧縮空気分配システムに接続されると、このことは共有通信バスを介して制御システムによって検出される。従って、装置は、通信バスを介して制御システムとデータを交換するのに適していることを理解されたい。
【0027】
制御システムと新しい装置との間でデータを交換するために、必要であれば、通信プロトコルを特定し、それが制御システムの通信プロトコルと異なる場合には、プロトコル変換を適用することができる。これにより、制御システムはデバイスと通信することが可能になる。
【0028】
装置が制御システムに統合された後、本発明の一実施形態によれば、装置は、制御システムによって設定することができ、このステップは、1又は2以上の圧縮機の並列制御と同時に行われる。設定するとは、制御システム及び/又は圧縮空気分配システムの機能として所望の機能を有するように、装置をセットアップすることを意味する。換言すれば、装置の設定パラメータは、圧縮空気分配システムに組み込まれた後に調整及び/又は変更することができる。
【0029】
一方、一実施形態によれば、コンピュータにより実行される方法は、装置が圧縮空気分配システムから切り離された場合に、この切り離しを検出するステップと、その後に、第2の装置を制御システムから取り外すステップとをさらに含み、これらのステップは、1又は2以上の圧縮機の制御と並列に同時に実行される。
【0030】
切り離される装置は、圧縮機、センサ、又は圧縮空気分配システムに最初に接続され、制御システムとデータを交換した他のあらゆる装置とすることができる。
【0031】
また、切り離される場合、既に存在する消費者の不都合は最小限に抑えられるか又は事実上ゼロになる。
【0032】
一実施形態によれば、接続及び/又は切り離された装置の検出は、装置自体によって開始される。第1の場合、これは圧縮空気分配システムに接続された後に起こることになり、第2の場合、切り離される前に起こることになる。これにより、圧縮空気分配システムに変化があることが、装置によって制御システムに直接通知される。
【0033】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による方法を実行するようになっているプロセッサを含むデータ処理システムを備える。
【0034】
第3の態様によれば、本発明は、コンピュータ上で実行される場合に、第1の態様による方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品を備える。
【0035】
第4の態様によれば、本発明は、第3の態様によるコンピュータプログラム製品を含むコンピュータ可読記憶媒体を備える。
【0036】
第5の態様によれば、本発明は、第2の態様によるデータ処理システムを含む圧縮機を備える。
【0037】
次に、図面を参照して本発明をさらに説明する
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】圧縮空気分配システムを管理するための制御システムの概略図である。
【
図2】機械を再設定するための従来の介入の段階的計画(step-by-step plan)の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による介入の段階的計画の概略図である。
【
図4】インシデントが発生した場合の、本発明の実施形態による介入の段階的計画の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、圧縮空気分配システム107を管理するための制御システムの概略図を示す。この場合、1又は2以上の機械を管理することができ、機械は圧縮空気分配システム107に配置される。従って、機械は、圧縮機、乾燥器、制御弁、センサ、又は圧縮空気分配システム107に存在して管理することができる他のあらゆる機械である。
【0040】
中央制御システム102は、例えば公衆インターネット101などのネットワーク上でクラウドアプリケーション100に接続111を行うように構成されている。接続又は接続111の開始はオペレータ106によって実行され、命令はインターネット101上でクラウドアプリケーション100に送られ、制御システム102自体には直接送られない。これは、リンク又は接続110によって示されている。この理由は、ファイアウォールが着信通信よりも発信通信に対して寛容だからである。
【0041】
従って、オペレータ又は技術者106は、同様に同じクラウドアプリケーション100に接続110を行い、正しいセキュリティ情報が提示されていれば、2つのデータストリーム、すなわち接続110と接続111との間の接続111を確立することができる。これにより、技術者106は、制御システム102を管理及び/又は(再)設定することができる。
【0042】
管理及び/又は(再)設定とは、さらに、圧縮空気分配システム107内の機械103-105に命令を与えることができることを意味すると理解される。機械は、例えば、圧縮機103、乾燥器104、及びセンサ105のような他の機械であり、これは制御システム102によって管理することができる。
【0043】
技術者106及び圧縮空気分配システム107の各々は、互いに独立して、任意の場所に配置することができる。唯一の条件は、両者がインターネット101にアクセスできることである。
【0044】
図2は、圧縮空気分配システム107内の機械207を再設定するための、従来の介入の段階的計画を概略的に示す。この場合、技術者200は、従来の中央制御システム208を介して、機械207に対する介入を行うことになる。機械207は、例えば圧縮機を例示することができる。さらに、圧縮空気分配システム107は、209で示される他の機械を収容する。
【0045】
図2、3、及び4において、両端に矢印の付いた点線は、中央オペレーティングシステムからそれぞれの機械に与えられる命令、及び機械から中央オペレーティングシステムに戻るステータス更新及び/又は確認応答を表す。中央オペレーティングシステムによる管理、及びステータス更新及び/又は確認による機械からのフィードバックは、さらにフィードバックループと呼ばれる。
【0046】
中央制御システム208は、圧縮機207及び他の機械209を恒久的又は継続的なフィードバックループで制御する。これは制御バス201によってさらに示される。中央制御システム208によって又は機械207自体によって、例えば圧縮機207の設定を変更する技術的介入が必要になる場合、技術者200は、中央制御システム208によって機械207の動作を運転停止することになる。さらに、介入は、圧縮空気分配システム107への機械207の追加又は切り離しを含むこともあることが理解される。この操作は、圧縮空気分配システム107に存在する他の全ての機械209にも同様に適用される。全ての機械を停止させる命令は、命令202で示されている。その後、これらの機械はローカル制御に戻ることになる、換言すれば、これらは中央制御されないことになる。これは203で示されている。これらの機械はもはや中央制御されないので、圧縮空気分配システム107全体はもはや最適に動作しないことになる。ローカル制御に戻った後、設定はローカルで変更することができる、又は随意的に再設定を実行することができる。
【0047】
その後、技術者200は、モジュール204によって示された介入をローカルで実行し、そこから機械207に命令211を与え、ローカル212に中央制御システム208に与えることができる。
【0048】
機械207の設定が変更された後又は再設定が行われた後、中央制御システム208は、圧縮空気分配システム107の制御205を再び行うことができ、フィードバックループは再び動作可能になっている。圧縮空気分配システム107は、中央制御システム208によって再び管理される。
【0049】
しかしながら、この従来の介入の問題は、連続的に相互作用があるため、技術者200がその場で又は現場で介入を実行する必要があることである。加えて、介入の期間中、存在する他の機械は最適に動作しないことになる。
【0050】
この問題は、
図3及び4に示す本発明の方法によれば解決される。
図3は、本発明の実施形態による介入の段階的計画を概略的に示し、
図4は、インシデントの存在下での同様の図である。
【0051】
図3及び
図4の両方において、圧縮空気分配システム107には、技術者300、400、介入が行われる機械307、407、中央制御システム308、408、及び他の機械309、409が存在する。
【0052】
図3に示される段階的計画では、技術者300は、圧縮空気分配システム107とつながり、機械307への介入が行われる。
図2に示されるような従来の戦略とは対照的に、実行タスク及び中央制御システム308によって与えられる命令は並行して行われる。これは制御バス301によって示されている。換言すれば、さらに説明されるように、介入が機械307に対して行われている間、他の機械309は、中央制御システム308の管理下に置かれたままである。
【0053】
タスク及び命令はそれぞれ並列に実行されるため、技術者300は、機械307をフィードバックループから外すだけでよく、他の機械309は中央オペレーティングシステム308の管理下に置かれたままである。
【0054】
機械307をフィードバックループから外すための命令302は、公衆インターネットワーク311上で行うことができる。その後、機械307は、個別に修理、再設定、追加、及び/又は切り離すことができる。これは、ローカル制御バス303によって示されている。
【0055】
修理及び/又は再設定が完了した後、命令304は、中央制御システム308によって機械307を再び又は初めて管理できるように与えることができ、圧縮空気分配システム107全体が再び最適に動作するようになる(305)。
【0056】
それぞれ210及び310で示されるように、従来の段階的計画では、介入の間にフィードバックループが一時的に中断されるが、本発明の方法によれば、機械309とのフィードバックループは実行され続けることに留意されたい。換言すれば、他の機械309は、機械307に対する介入の影響を受けていない。
【0057】
最後に、本方法を
図4に基づいてさらに説明すると、介入の間にインシデント404が発生する。
【0058】
技術者400は、インターネット411を介して、機械407に対する介入を実行するよう再び命令する(402)。続いて、機械407の管理はローカルに引き継がれる(403)。続いて、インシデント404は、インターネット411とのつながりの喪失を含む。
【0059】
機械407は中央制御システム401のフィードバックループにもはや含まれないが、他の機械409が依然として中央制御システム408によって管理されているので、圧縮空気供給システム107は、最適に作動し続けることになる。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、機械407は、中央制御システム408によって安全な状態にすることができる。これは、中央制御システム408が機械407に与える命令405によって示されている。
【0061】
機械407をセキュア状態にするための命令405は、例えば、インターネット411への接続が失われた(404)後で、予め設定された期間の後に、中央オペレーティングシステム408によって自律的に開始することができる。この場合、技術者400からの相互作用は必要ない。
【0062】
インターネット411への接続が回復した後(406)、技術者400は、他の機械409の運転動作に影響を与えることなく、あるいは最小限に抑えながら、技術的介入を再開することができる。
【0063】
図5は、圧縮空気分配システム107を管理するためのコンピュータシステム500を示す。コンピュータシステム500は、一般的に適切な汎用コンピュータとして構成され、バス510、プロセッサ502、ローカルメモリ504、1又は2以上の任意の入力インターフェース514、1又は2以上の任意の出力インターフェース516、通信インターフェース512、記憶要素インターフェース506、及び1又は2以上の記憶要素508を備える。バス510は、コンピュータシステムの構成要素の間の通信を可能にする1又は2以上の導体を含むことができる。プロセッサ502は、プログラミング命令を解釈して実行する何らかのタイプの従来型のプロセッサ又はマイクロプロセッサを含むことができる。ローカルメモリ504は、プロセッサ502による実行のための情報及び命令を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)又は何らかの他のタイプの動的記憶デバイス、及び/又は、プロセッサ504による使用のための統計情報及び命令を記憶するリードオンリーメモリ(ROM)又は何らかの他のタイプの静的記憶デバイスを含むことができる。入力インターフェース514は、キーボード520、マウス530、ペン、音声認識、及び/又はバイオメトリック機構など、オペレータがコンピュータシステム500に情報を入力することを可能にする1又は2以上の従来型の機構を含むことができる。出力インターフェース516は、ディスプレイ540など、オペレータに情報を出力する1又は2以上の従来型の機構を含むことができる。通信インターフェース512は、コンピュータシステム500が他のデバイス及び/又はシステム、例えば1又は2以上の他のコンピュータシステムと通信するための機構と通信することを可能にする2つの1Gbイーサネットインターフェースなどの何らかの送受信機構を含むことができる。コンピュータシステム500の通信インターフェース512は、LAN(ローカルエリアネットワーク)又はインターネットなどのWAN(ワイドエリアネットワーク)によって、他のコンピュータシステム560に接続することができ、その場合、他のコンピュータシステムは、例えば、適切なウェブサーバを含むことができる。記憶要素インターフェース506は、バス510を1又は2以上の記憶要素508、例えば1TB SATAディスクドライブなどの1又は2以上のローカルドライブに接続し、これらの記憶要素508への及び/又は記憶要素508からのデータの読み書きを制御するための、SATAインターフェース(Serial Advanced Technology Attachment)又はSCSI(Small Computer System Interface)などの記憶インターフェースを含むことができる。上記では記憶要素508をローカルディスクとして記載されるが、一般に、リムーバブル磁気ディスク、CD-ROM又はDVD-ROMなどの光学的記憶媒体、SSD、フラッシュメモリカードなど、何らかの他のコンピュータ可読媒体を使用することができる。
【0064】
本発明は、記載され図示された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明による圧縮機、ユーザ機器、及びコンピュータにより実行される方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形例に従って実現することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システム(102、208、308、408)により圧縮空気分配システム(107)を遠隔管理するためのコンピュータにより実行される方法であって、前記圧縮空気分配システム(107)は2以上の圧縮機(103、207、307、407)を備え、前記コンピュータにより実行される方法は、反復的に繰り返され、
前記1又は2以上の圧縮機(103、207、307、407)によるそれぞれのステータスを、共有通信バス(201、301)を介して制御システム(102、208、308、408)と共有するステップと、
前記ステータス及び所要の圧力及び/又は流量に基づいて、前記共有通信バス(201、301)を介して、前記制御システム(102、208、308、408)によって、前記2以上の圧縮機(103、207、307、407)を並列制御するステップと、
第1の装置が前記圧縮空気分配システム(107)に接続され、前記第1の装置がデータを交換することができる場合に、
前記共有通信バス(201、301)を介して前記第1の装置を検出するステップと、
前記データを交換するために、前記第1の装置を前記制御システム(102、208、308、408)に統合するステップであって、前記統合は、前記1又は2以上の圧縮機(209、309、409)の前記並列制御(310、410)と同時に行われる、ステップと、
前記統合の後に、前記制御システム(102、208、308、408)を介して、前記第1の装置(207、307、407)を設定するステップであって、前記設定は、前記1又は2以上の圧縮機(209、309、409)の前記並列制御(310、410)と同時に実行される、ステップと、
を含む、コンピュータにより実行される方法。
【請求項2】
前記検出は、前記第1の装置(207、307、407)によって開始される、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項3】
前記統合するステップは、
前記第1の装置(207、307、407)の通信プロトコルを識別するステップと、
前記制御システムの通信プロトコルと異なる場合、
前記制御システム(102、208、308、408)が前記第1の装置(207、307、407)と通信できるように、プロトコル変換を割り当てるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項4】
前記第1の装置(207、307、407)及び/又は前記制御システム(102、208、308、408)の前記通信プロトコルは、UDP、TCP、CAN、Modbus TCP、Modbus RTU、LonWorks、SocketCAN、Mk5UDP、OPCUA、Profinet、Profibus、Ethernet/IP、EtherCAT、BACnet、MQTT、AMQPの群のうちの1つを含む、請求項3に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項5】
前記第1の装置(207、307、407)は、圧縮機を備える、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項6】
前記第1の装置(207、307、407)は、センサ、バルブ、乾燥器、エネルギー回収装置、圧力計、流量計、温度計の群のうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項7】
データを交換可能である第2の装置が前記圧縮空気分配システム(107)から切り離された場合に、
前記第2の装置の切り離しを検出するステップと、
前記第2の装置を前記制御システム(102、208、308、408)から取り外すステップであって、前記取り外しは、前記1又は2以上の圧縮機の前記並列制御(310、410)と同時に実行される、ステップと、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項8】
前記第2の装置は、前記1又は2以上の圧縮機のうちの所定の圧縮機を含む、請求項7に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法を実行するように適合されているプロセッサ(502)を備えるデータ処理システム(500)。
【請求項10】
請求項9に記載のデータ処理システム(500)を備える圧縮機。
【国際調査報告】