(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】マルチパネルアップリンク送信のための設定済みグラント
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20241106BHJP
H04W 72/115 20230101ALI20241106BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241106BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20241106BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/115
H04W16/28
H04W72/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527056
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2022081317
(87)【国際公開番号】W WO2023083882
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ムルガナタン, シヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, シウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ティデスタフ, クラース
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067KK02
(57)【要約】
マルチパネルアップリンク(UL)送信のための設定済みグラントのためのシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態では、複数TRPにPUSCH設定済みグラントを送信するための、ユーザ機器(UE)によって実行される方法が、mTRP動作を指示する少なくとも1つの統合TCI状態の設定を受信することと、繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を受信することと、設定に従ってPUSCHを送信することとを含む。このようにして、統合TCI状態フレームワークが、設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信に拡張され得る。統合TCI状態フレームワークでは、UL送信のために別個の空間関係が設定される必要がない。したがって、統合TCI状態フレームワークは、いくつかの上位レイヤオーバーヘッド節約を提供することができる。設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信のための統合TCI状態フレームワークを拡張することによって、設定済みグラントベースPUSCHも、この利点を活用することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数送信受信ポイント(TRP)に物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)設定済みグラントを送信するための、ユーザ機器(UE)(900)によって実行される方法であって、前記方法が、
複数TRP(mTRP)動作を指示する少なくとも1つの統合送信設定インジケータ(TCI)状態の設定を受信することと、
繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラント(CG)の指示を受信することと、
統合TCI状態の前記設定および/または前記設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの統合TCI状態の前記受信された設定が、2つのTRPへのアップリンク(UL)送信を指示する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの統合TCI状態についての前記受信された設定が、2つのジョイント/アップリンク(UL)TCI状態を適用することによって2つのTRPへのUL送信を指示する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記指示が、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の前記指示が、無線リソース制御(RRC)シグナリングを通して伝達される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の前記指示が、ダウンリンク制御情報(DCI)を通して伝達される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記設定済みグラントの前記指示が、STxMPを使用する第1の共通ビームと第2の共通ビームとに関連付けられた単一CG PUSCH設定を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
coresetPoolIndexとCG-PUSCHとの間の関連付けがある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、前記UEによって無視される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記UE(900)が、ConfiguredGrantConfig情報エレメント(IE)において設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
明示的前記指示が、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいフィールドにおいて設定されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ConfiguredGrantConfig IEに、
第1の共通ビーム(すなわち、第1のアクティブ化されたジョイント/UL TCI状態)に従うこと(すなわち、第1のTRPのほうへのsTRP UL送信)と、
第2の共通ビーム(すなわち、第2のアクティブ化されたジョイント/UL TCI状態)に従うこと(すなわち、第2のTRPのほうへのsTRP UL送信)と、
第1の共通ビームと第2の共通ビームの両方(すなわち、第1のアクティブ化されたジョイント/UL TCI状態および第2のアクティブ化されたジョイント/UL TCI状態)に従うこと(すなわち、第1のTRPと第2のTRPとのほうへのマルチTRP UL送信)と
のうちの1つまたは複数を指示する新しいフィールドがRRC設定され得る、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
明示的前記指示が、UL DCI中のフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)設定済みグラント(CG)を受信するための、ネットワークノード(1000)によって実行される方法であって、前記方法が、
ユーザ機器(UE)に、複数送信受信ポイント(mTRP)動作を指示する少なくとも1つの統合送信設定インジケータ(TCI)状態の設定を送信することと、
前記UEに、繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を送信することと、
前記UEから、統合TCI状態の前記設定および/または前記設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを受信することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの統合TCI状態についての前記送信された設定が、2つのTRPへのアップリンク(UL)送信を指示する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの統合TCI状態についての前記送信された設定が、2つのジョイント/UL TCI状態を適用することによって2つのTRPへのUL送信を指示する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記指示が、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の前記指示が、無線リソース制御(RRC)を通して伝達される、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の前記指示が、ダウンリンク制御情報(DCI)を通して伝達される、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記設定済みグラントの前記指示が、STxMPを使用する第1の共通ビームと第2の共通ビームとに関連付けられた単一CG PUSCH設定を含む、請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
coresetPoolIndexとCG-PUSCHとの間の関連付けがある、請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、前記UEによって無視される、請求項14から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記UE(900)が、ConfiguredGrantConfig情報エレメント(IE)において設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する、請求項14から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
明示的前記指示が、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいフィールドにおいて設定されている、請求項14から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
明示的前記指示が、UL DCI中のフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する、請求項14から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
複数送信受信ポイント(TRP)に物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)設定済みグラント(CG)を送信するためのユーザ機器(UE)(900)であって、処理回路(902)を備え、前記処理回路(902)が、前記UE(900)に、
複数TRP(mTRP)動作を指示する少なくとも1つの統合送信設定インジケータ(TCI)状態の設定を受信することと、
繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を受信することと、
統合TCI状態の前記設定および/または前記設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することと
を行わせるように設定されている、ユーザ機器(UE)(900)。
【請求項27】
前記処理回路(902)が、前記UE(900)に、請求項2から13のいずれか一項に記載のいずれかのステップを実行させるようにさらに設定されている、請求項26に記載のUE(900)。
【請求項28】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)設定済みグラント(CG)を受信するためのネットワークノード(1000)であって、処理回路(1002)を備え、前記処理回路(1002)が、前記ネットワークノード(1000)に、
ユーザ機器(UE)に、複数送信受信ポイント(mTRP)動作を指示する少なくとも1つの統合送信設定インジケータ(TCI)状態の設定を送信することと、
前記UEに、繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を送信することと、
前記UEから、統合TCI状態の前記設定および/または前記設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを受信することと
を行わせるように設定されている、ネットワークノード(1000)。
【請求項29】
前記処理回路(1002)が、前記ネットワークノード(1000)に、請求項15から25のいずれか一項に記載のいずれかのステップを実行させるようにさらに設定されている、請求項28に記載のネットワークノード(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、複数送信受信ポイント(TRP)を用いて送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
NRでは、いくつかの信号が、同じ基地局の異なるアンテナポートから送信され得る。これらの信号は、ドップラーシフト/拡散、平均遅延拡散、または平均遅延など、同じラージスケール(large-scale)特性を有することができる。これらのアンテナポートは、その場合、擬似コロケートされる(QCL:quasi co-located)と言われる。
【0003】
あるパラメータ(たとえば、ドップラー拡散)に関して2つのアンテナポートがQCLされることをUEが知っている場合、UEは、それらのアンテナポートのうちの1つに基づいてそのパラメータを推定し、他のアンテナポート上で信号を受信するためにその推定値を適用することができる。
【0004】
たとえば、RSを追跡するためのCSI-RS(TRS)とPDSCH DMRSとの間のQCL関係があり得る。UEがPDSCH DMRSを受信するとき、UEは、DMRS受信を支援するために、TRS上ですでに行われた測定を使用することができる。
【0005】
QCLに関してどんな仮定が行われ得るかに関する情報が、ネットワークからUEにシグナリングされる。NRでは、送信されたソースRSと送信されたターゲットRSとの間の4つのタイプのQCL関係が規定された。
タイプA:{ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散}
タイプB:{ドップラーシフト、ドップラー拡散}
タイプC:{平均遅延、ドップラーシフト}
タイプD:{空間Rxパラメータ}
【0006】
QCLタイプDは、アナログビームフォーミングを用いたビーム管理を容易にするために導入されたものであり、空間QCLとして知られている。現在、NRにおける空間QCLの厳密な規定はないが、理解は、2つの送信されたアンテナポートが空間的にQCLされる場合、UEが、それらのアンテナポートを受信するために同じRxビームを使用することができることである。これは、信号を受信するためにアナログビームフォーミングを使用するUEにとって、そのUEが、ある信号を受信するより前に、ある方向においてそのRXビームを調節する必要があるので、役立つ。信号がUEが前に受信した何らかの他の信号と空間的にQCLされることをUEが知っている場合、UEは、この信号をも受信するために同じRXビームを安全に使用することができる。ビーム管理のために、説明は、大部分が、QCLタイプDを中心に展開するが、UEがすべての関連のあるラージスケールパラメータを推定することができるように、RSのためのタイプA QCL関係をUEに伝達することも必要であることに留意されたい。
【0007】
一般に、これは、UEに、時間/周波数オフセット推定について追跡するためのCSI-RS(TRS)を設定することによって達成される。任意のQCL参照を使用することが可能であるために、UEは、そのQCL参照を、十分に良好なSINRで受信しなければならないことになる。多くの場合、これは、TRSが、好適なビーム中で、あるUEに送信されなければならないことを意味する。
【0008】
ビームおよび送信受信ポイント(TRP)選択におけるダイナミクスを導入するために、UEに、RRCシグナリングを通して、最高128個の送信設定インジケータ(TCI)状態が設定され得る。TCI状態情報エレメントは、(3GPP TS38.331から抜粋された)以下に示されている。
【0009】
各TCI状態は、1つまたは2つのRSに関係するQCL情報を含んでいる。たとえば、TCI状態は、QCLタイプAに関連付けられたCSI-RS1とQCLタイプDに関連付けられたCSI-RS2とを含んでいることがある。第3のRS、たとえば、PDCCH DMRSが、このTCI状態をQCLソースとして有する場合、それは、UEが、PDCCH DMRSについてのチャネル推定を実施するとき、CSI-RS1からドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散を導出し、CSI-RS2から空間Rxパラメータ(すなわち、使用すべきRXビーム)を導出することができることを意味する。
【0010】
利用可能なTCI状態の第1のリストが、PDSCHのために設定され、TCI状態の第2のリストが、PDCCHのために設定される。各TCI状態は、TCI状態を指すTCI状態IDとして知られるポインタを含んでいる。ネットワークは、次いで、MAC CEを介して、PDCCHのための1つのTCI状態をアクティブ化し(すなわち、PDCCHのためのTCI状態を提供し)、PDSCHのための最高8つのTCI状態をアクティブ化する。UEがサポートするアクティブTCI状態の数は、UE能力であるが、最大値は8である。
【0011】
UEが、(全体として64個の設定されたTCI状態のリストからの)4つのアクティブ化されたTCI状態を有すると仮定する。したがって、60個のTCI状態が、この特定のUEのために非アクティブであり、UEは、それらの非アクティブTCI状態について推定されたラージスケールパラメータを有する準備ができている必要はない。しかし、UEは、4つのアクティブTCI状態にあるRSについてのラージスケールパラメータを連続的に追跡および更新する。UEにPDSCHをスケジュールするとき、DCIは、1つのアクティブ化されたTCI状態へのポインタを含んでいる。UEは、その場合、PDSCH DMRSチャネル推定、したがって、PDSCH復調を実施するとき、どのラージスケールパラメータ推定値を使用すべきかを知っている。
【0012】
UEが、現在アクティブ化されたTCI状態のうちのいずれかを使用することができる限り、DCIシグナリングを使用することが十分である。しかしながら、ある時間的ポイントにおいて、現在アクティブ化されたTCI状態にあるソースRSのいずれもUEによって受信され得ない、すなわち、UEが、アクティブ化されたTCI状態にあるソースRSが送信されるビームの外側に移動したとき。これが起こったとき(または実際にこれが起こる前に)、gNBが、新しいTCI状態をアクティブ化しなければならないことになる。一般に、アクティブ化されたTCI状態の最大数が固定されるので、gNBはまた、現在アクティブ化されたTCI状態のうちの1つまたは複数をアクティブ化解除しなければならないことになる。
【0013】
TCI状態更新に関係する2ステッププロシージャが、2段階TCI状態更新を示す
図1に示されている。選択されるTCI状態が、DCIを使用して、TCI状態のアクティブ化されたセットから選択され、アクティブ化されたTCI状態のセットが、MAC CEを使用して更新される。
【0014】
現在、(1つまたは複数の)ある課題が存在する。MAC CEを介した、UE固有PDSCHのためのTCI状態アクティブ化/アクティブ化解除
【0015】
次に、UE固有PDSCHのためのTCI状態をアクティブ化/アクティブ化解除するために使用されるMAC CEシグナリングの詳細が提供される。UE固有PDSCHのためのTCI状態をアクティブ化/アクティブ化解除するためのMAC CEの構造が、
図2において与えられる((3GPP TS38.321の
図6.1.3.14-1から抜粋された)UE固有PDSCH MAC CEのためのTCI状態アクティブ化/アクティブ化解除)。
【0016】
図2に示されているように、MAC CEは、以下のフィールドを含んでいる。
・ サービングセルID:このフィールドは、MAC CEが適用されるサービングセルの識別情報を指示する。フィールドの長さは5ビットである。
・ BWP ID:このフィールドは、MAC CEが適用されるダウンリンク帯域幅部分に対応するIDを含んでいる。BWP IDは、3GPP TS38.331において指定されている上位レイヤパラメータBWP-Idによって与えられる。BWP IDフィールドの長さは、UEに、DLのための最高4つのBWPが設定され得るので、2ビットである。
・ 可変数のフィールドT
i:UEに、TCI状態IDiを伴うTCI状態が設定された場合、フィールドT
iは、TCI状態IDiを伴うTCI状態のアクティブ化(activation)/アクティブ化解除(deactivation)ステータスを指示する。UEに、TCI状態IDiを伴うTCI状態が設定されない場合、MACエンティティは、T
iフィールドを無視するものとする。T
iフィールドは、3GPP TS38.214/38.321において指定されているように、TCI状態IDiを伴うTCI状態が、アクティブ化され、DCI送信設定指示フィールドのコードポイントにマッピングされるものとすることを指示するために、「1」にセットされる。T
iフィールドは、TCI状態IDiを伴うTCI状態が、アクティブ化解除されるものとし、DCI送信設定指示フィールドのコードポイントにマッピングされないことを指示するために、「0」にセットされる。TCI状態がマッピングされるコードポイントは、「1」にセットされたT
iフィールドを伴うすべてのTCI状態の間の順序位置によって決定されることに留意されたい。すなわち、「1」にセットされたT
iフィールドを伴う第1のTCI状態が、DCI送信設定指示フィールドのコードポイント値0にマッピングされるものとし、「1」にセットされたT
iフィールドを伴う第2のTCI状態が、DCI送信設定指示フィールドのコードポイント値1にマッピングされるものとし、以下同様である。NR Rel-15では、アクティブ化されたTCI状態の最大数は8である。
・ 予約済みビットR:このビットは、NR Rel-15において「0」にセットされる。
【0017】
UE固有PDSCH MAC CEのためのTCI状態アクティブ化/アクティブ化解除は、3GPP TS38.321の表6.2.1-1(この表は、以下で表1において再現される)において指定されている論理チャネルID(LCID)を伴うMAC PDUサブヘッダによって識別されることに留意されたい。UE固有PDSCHのためのTCI状態のアクティブ化/アクティブ化解除のためのMAC CEは、可変サイズを有する。
【0018】
DCIを介した、UE固有PDSCHのためのTCI状態指示
【0019】
gNBは、UEに、UEが、後続のPDSCH受信のために、アクティブ化されたTCI状態のうちの1つを使用するものとすることを指示するために、DCIフォーマット1_1または1_2を使用することができる。DCIにおいて使用されているフィールドは、送信設定指示であり、送信設定指示は、上位レイヤシグナリングによって、tci-PresentInDCIが「有効にされる」か、またはtci-PresentForDCI-Format1-2-r16が、DCIフォーマット1_1およびDCI1_2についてそれぞれ存在する場合、3ビットである。そのようなDCI指示の一例が
図3に示されている(TCI状態のDCI指示の例。DCIは、アクティブ化されたTCI状態の順序付きリストへのポインタを与える)。
【0020】
図3の例では、DCIコードポイント0が、TCI状態のリスト中の第1のTCI状態インデックス(たとええば、TCI3)を指示し、DCIコードポイント1が、リスト中の第2のTCI状態インデックス(たとえば、TCI7)を指示し、以下同様である。
【0021】
マルチTRP TCI状態動作
【0022】
リリース16では、マルチTRP(複数送信受信ポイント)動作が指定されており、その動作は、2つの動作モード、すなわち、単一DCIベースマルチTRPと複数DCIベースマルチTRPとを有する。
【0023】
NR Rel-16では、複数DCIスケジューリングは、UEが、PDSCH/PUSCHを各々スケジュールする2つのDCIを受信し得る、マルチTRPのためのものである。PDCCHと、PDCCHを介してスケジュールされるPDSCHとが、両方とも、同じTRPから送信される。
【0024】
マルチDCIマルチTRP動作の場合、UEに、TRPに各々関連付けられた2つのCORESETプールが設定される必要がある。各CORESETプールは、同じCORESETプールに属するCORESETの集合である。CORESETプールインデックスに、各CORESETにおいて、0または1の値が設定され得る。上記の例における2つのDCIについて、それらのDCIは、異なるCORESETプールに属する(すなわち、それぞれCORESETPoolIndex0および1を伴う)2つのCORESETにおいて送信される。各CORESETプールについて、2.2-2.3において説明されるものに関するアクティブ化/アクティブ化解除/指示に関する同じTCI状態動作方法が仮定される。
【0025】
他方のマルチTRPモード、単一DCIベースmTRPは、DCI中のTCIフィールド中の1つのDCIコードポイントに関連付けられるべき2つのDL TCI状態を必要とする。すなわち、DCI中のTCIフィールドコードポイントが2つのTCI状態を指示するとき、各TCI状態は、異なるビームまたは異なるTRPに対応する。DCIのTCIフィールド中のコードポイントについての2つのTCI状態のアクティブ化およびマッピングが、3GPP TS38.321からの以下のMAC CEを用いて行われる。
【0026】
UE固有PDSCH MAC CEのための強化されたTCI状態アクティブ化/アクティブ化解除
【0027】
UE固有PDSCH MAC CEのための強化されたTCI状態アクティブ化/アクティブ化解除は、表6.2.1-1bにおいて指定されているeLCIDを伴うMAC PDUサブヘッダによって識別される。これの一例が、
図4に示されている。それは、以下のフィールドからなる可変サイズを有する。
- サービングセルID:このフィールドは、MAC CEが適用されるサービングセルの識別情報を指示する。フィールドの長さは5ビットである。
- BWP ID:このフィールドは、MAC CEが、TS38.212[9]において指定されているDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとして適用される、DL BWPを指示する。BWP IDフィールドの長さは2ビットである。
- C
i:このフィールドは、TCI状態ID
i,2を含んでいるオクテットが存在するかどうかを指示する。このフィールドが「1」にセットされた場合、TCI状態ID
i,2を含んでいるオクテットは存在する。このフィールドが「0」にセットされた場合、TCI状態ID
i,2を含んでいるオクテットは存在しない。
- TCI状態ID
i,j:このフィールドは、TS38.331[5]において指定されているTCI-StateIdによって識別されるTCI状態を指示し、ここで、iは、TS38.212[9]において指定されているDCI送信設定指示フィールドのコードポイントのインデックスであり、TCI状態ID
i,jは、DCI送信設定指示フィールド中のi番目のコードポイントについて指示されるj番目のTCI状態を示す。TCI状態がマッピングされるTCIコードポイントは、TCI状態ID
i,jフィールドのセットを伴うすべてのTCIコードポイントの間のそのTCIコードポイントの順序位置によって決定され、すなわち、TCI状態ID
0,1とTCI状態ID
0,2とを伴う第1のTCIコードポイントがコードポイント値0にマッピングされるものとし、TCI状態ID
1,1とTCI状態ID
1,2とを伴う第2のTCIコードポイントがコードポイント値1にマッピングされるものとし、以下同様である。TCI状態ID
i,2は、C
iフィールドの指示に基づいて随意である。アクティブ化されたTCIコードポイントの最大数は8であり、TCIコードポイントにマッピングされるTCI状態の最大数は2である。
- R:「0」にセットされた予約済みビット。
【0028】
Rel-17 TCI状態フレームワーク
【0029】
3GPP Rel-17では、新しい統合TCI状態フレームワークが指定されることになり、これは、単一のTCI状態に、複数の異なるDLおよび/またはUL信号/チャネルについてのQCL特性を指示させることによって、UEへの、送信/受信空間フィルタ(および他のQCL特性)の指示を合理化することを目的とする。
【0030】
会議RAN1#103-eにおいて、新しい統合TCI状態フレームワークは、すべてのDLおよび/またはULチャネル/信号のすべてまたはサブセットについて、(PDSCHについて上記で説明されたのと同様のやり方で)3段階TCI状態指示を含むべきであることが合意された。第1の段階において、RRCが、TCI状態のプールを設定するために使用される。第2の段階において、RRC設定されたTCI状態のうちの1つまたは複数が、MAC-CEシグナリングを介してアクティブ化され、DCIフォーマット1_1および1_2中の異なるTCIフィールドコードポイントに関連付けられる。最終的に、第3の段階において、DCIシグナリングが、MAC-CEを介してアクティブ化されたTCI状態のうちの1つ(または、別個のTCI状態がDLチャネル/信号およびULチャネル/信号のために使用される場合は2つのTCI状態)を選択するために使用される。
【0031】
RAN1#103-e会議において、以下の合意に見られるように、ジョイントビーム指示(「ジョイントDL/UL TCI」)と別個のDL/ULビーム指示(「別個のDL/UL TCI」)の両方サポートすることが合意された。ジョイントDL/UL TCIの場合、(たとえば、DL TCI状態またはジョイントTCI状態であり得る)単一のTCI状態が、DL信号/チャネルとUL信号/チャネルの両方のための送信/受信空間フィルタを決定するために使用される。別個のDL/UL TCIの場合、あるTCI状態(たとえばDL TCI状態)が、DL信号/チャネルのための受信空間フィルタを指示するために使用され得、別個のTCI状態(たとえばUL TCI状態)が、UL信号/チャネルのための送信空間フィルタを指示するために使用され得る。
【0032】
合意
【0033】
Rel.17統合TCIフレームワークにおいてジョイントDL/ULビーム指示または別個のDL/ULビーム指示をサポートするためのビーム指示シグナリング媒体上で、
・ アクティブTCI状態からのジョイントDL/ULビーム指示または別個のDL/ULビーム指示を指示するために、少なくともUE固有(ユニキャスト)DCIを使用するL1ベースビーム指示をサポートする
〇 既存のDCIフォーマット1_1および1_2がビーム指示のために再使用される
・ Rel.15/16に類似する、MAC CEを介した、1つまたは複数のTCI状態のアクティブ化をサポートする
【0034】
合意
【0035】
Rel-17統合TCIフレームワーク上で、ULとDLとのための別個のビーム指示の場合に適応するために、
・ 2つの別個のTCI状態、DLのための1つのTCI状態とULのための1つのTCI状態とを利用する。
・ 別個のDL TCIの場合、
〇 M個のTCI中の(1つまたは複数の)ソース参照信号が、少なくとも、PDSCH上でのUE専用受信についての、およびCC中のCORESETのすべてまたはサブセット上でのUE専用受信についての、QCL情報を提供する
・ 別個のUL TCIの場合、
〇 N個のTCI中の(1つまたは複数の)ソース参照信号が、少なくとも、動的グラント/設定済みグラントベースPUSCH、CC中の専用PUCCHリソースのすべてまたはサブセットのための、(1つまたは複数の)共通UL TX空間フィルタを決定するための参照を提供する
〇 随意に、このUL TX空間フィルタはまた、アンテナ切替え/コードブックベース/非コードブックベースUL送信のために設定された(1つまたは複数の)リソースセット中のすべてのSRSリソースに適用され得る
・ FFS:UL TCI状態が、DL TCI状態からの、共通/同じTCI状態プールからとられるのか別個のTCI状態プールからとられるのか
【0036】
「ジョイントDL/UL TCI」の場合および「別個のDL/UL TCI」の場合、Rel-15/16 TCI状態フレームワークに類似するDLラージスケールQCL特性が、1つのRS(qcl-Type1)または2つのRS(qcl-Type1およびqcl-Type2)から推論されることが、さらに合意された。また、「ジョイントDL/UL TCI」の場合、UL空間フィルタがDL QCLタイプDのRSから導出される。
【0037】
mTRP動作についてのURLLC信頼性
【0038】
2つの異なるTRP上で、(TDM/FDMまたはSDMを使用する)PDSCH送信を繰り返すことによる、PDSCHについて指定された場合の、NR rel-16 mTRP(マルチTRP)信頼性強化では。NR Rel-17では、URLLC信頼性強化は、2つの異なるTRPからのTDM繰返しを使用することによって、PUSCHおよびPUCCHについても拡張されることになる。(一般に、eMBB適用例のために役立つ)sTRP(単一TRP)動作と、(一般に、URLLC適用例のために役立つ)mTRP動作との間で迅速に切り替えるために、これらの2つの動作モード間での動的切換えをサポートすることが合意された。RAN1#105eからの以下の合意参照。
【0039】
合意
【0040】
(新しいフィールドについての2ビットをサポートすることを伴う)作業仮定を確認する。
・ 非CB/CBベースMTRP PUSCH繰返しのためのSTRP/MTRP動的切換えを指示することについて、
〇 少なくともS-TRP動作またはM-TRP動作を指示するための、DCI中の新しいフィールドを導入する。
〇 新しいフィールドは2ビットである
【0041】
合意
【0042】
動的切換えのための、DCI中の新しいフィールドについて、代替形態1(修正)をサポートする。
【0043】
代替形態1は、以下の組合せを伴う2ビットをサポートする。
より低いIDを伴うSRSリソースセットが第1のSRSリソースセットであり、他方のSRSリソースセットが第2のSRSリソースセットである。
【0044】
上記の合意では、DCI中の2つのSRI(SRSリソースインジケータ)フィールドが、2つのTRPに対応するSRSリソースを指示するために使用される。SRSリソースは、2つのTRPに対応する空間関係を提供し、それらの空間関係は、2つのTRPに対応する(1つまたは複数の)空間送信フィルタを導出するために使用される。たとえば、第1のSRIフィールドは、第1のTRPに対応する第1の空間関係を提供し、第1の空間関係は、第1のTRPに対応する1つまたは複数のPUSCH送信機会(またはPUSCH繰返し)を送信するために使用される。同様に、第2のSRIフィールドは、第2のTRPに対応する第2の空間関係を提供し、第2の空間関係は、第2のTRPに対応する1つまたは複数のPUSCH送信機会(またはPUSCH繰返し)を送信するために使用される。TRPという用語は、3GPP仕様において指定されないことがあることに留意されたい。代わりに、SRIという用語が、3GPP仕様において使用され得、これは、TRPを表すことが理解される。
【0045】
複数送信ポイント(TRP)へのUL送信
【0046】
複数送信ポイントを用いたPDSCH送信が、NR Rel-16について3GPPにおいて導入されており、送信信頼性を改善するために複数TRP上でトランスポートブロックが送信され得る。
【0047】
NR Rel-17では、(異なるスロットにおいて、またはサブスロットまたはミニスロットと呼ばれることがあることも知られている、スロット内のシンボルの異なるセットにおいて、のいずれかで)異なる時間において、
図5に示されているように、異なるTRPのほうへのPUCCHまたはPUSCHを送信することによる、複数TRPを伴うUL強化を導入することが、提案された。
図5は、信頼性を増加させるための、複数TRPのほうへのPUCCH/PUSCH送信の一例を示す。
【0048】
1つのシナリオでは、各々、異なるTRPのほうへの、複数のPUCCH/PUSCH送信が、単一のDCIによってスケジュールされ得る。たとえば、複数の空間関係(すなわち、空間ビーム)がPUCCHリソースのためにアクティブ化され得、PUCCHリソースは、PDSCHをスケジュールするDCI中でシグナリングされ得る。次いで、PDSCHに関連付けられたHARQ A/Nが、PUCCHによって搬送され、これは、次いで、スロット内でまたは複数のスロットにわたってのいずれかで、複数回繰り返され、各繰返しは、異なるTRPのほうへのものである。一例が
図6に示されており、ここで、PDSCHはDCIによってスケジュールされ、対応するHARQ A/Nは、PUCCH中で送られ、これは、時間的に2回、TRP#1のほうへ1回、およびTRP#2のほうへもう1回、繰り返される。各TRPはPUCCH空間関係に関連付けられる。
図6は、各々、異なるTRPのほうへの、単一DCIトリガ型PUCCH繰返しの一例を示す。
【0049】
PUSCH繰返しの一例が
図7に示されており、ここで、同じTBのための2つのPUSCH繰返しが単一のDCIによってスケジュールされ、各PUSCH機会が、異なるTRPのほうへ送信される。
図7は、各々、異なるTRPのほうへの、例示的なPUSCH繰返しを示す。各TRPは、DCI中でシグナリングされたSRIまたはUL TCI状態に関連付けられる。所与のTRPのほうへPUSCH繰返しを送信するために使用される空間送信フィルタが、対応するSRIまたはUL TCI状態によって提供されることに留意されたい。
【0050】
新しい統合DL/UL TCIフレームワークのための電力制御
【0051】
Rel-17では、UL PCパラメータ(P0、alpha、閉ループインデックス)のセットが、ジョイント/UL TCI状態(ジョイント/UL TCI状態はセクション2.5において説明される)に関連付けられ得ることが合意された。ジョイント/UL TCI状態ごとのUL PCパラメータの2つの異なるセット、PUCCHのための1つのセットとPUSCHのための1つのセットとがあり得ることも合意された。PL-RS(パスロス参照信号)がジョイント/UL TCI状態に関連付けられ得ることも、前に合意された。その関連付けが厳密にどのように設定され、UEにシグナリングされるかは、依然として、3GPPにおいて議論中である。
【0052】
NRにおける設定済みグラント
【0053】
動的スケジューリングに加えて、設定済みグラント(CG)を使用する、PUSCHの半永続スケジューリングも、NRにおいてサポートされる。NRにおいてサポートされる2つのタイプのCGベースPUSCH、すなわち、CGタイプ1とCGタイプ2とがある。CGタイプ1 PUSCHでは、周期性および時間領域オフセット、リソース割り当て、MCS、電力制御パラメータ(すなわち、alpha、P0、閉ループインデックス、およびPL-RS)、SRSリソースインジケータ、プリコーディング行列、およびレイヤの数などを含む、すべてのパラメータが、RRCによって設定される。したがって、CGタイプ1 PUSCHは、RRC設定されたCGとも呼ばれる。
【0054】
CGタイプ2 PUSCHでは、CG PUSCH送信は、DCIによってアクティブ化またはアクティブ化解除される。周期性およびいくつかの電力制御パラメータ(すなわち、alpha、P0、閉ループインデックス)など、いくつかのパラメータが、RRCによって設定される。リソース割り当て、MCS、SRSリソースインジケータ、プリコーディング行列、およびレイヤの数、PL-RSなど、他のパラメータが、アクティブ化DCI中で指示される。
【0055】
RRCにおける情報エレメント(IE)ConfiguredGrantConfigが、CGタイプ1またはCGタイプ2に従う動的グラントなしのPUSCH送信を設定するために使用される。複数のCG設定が、サービングセルの1つのBWPにおいて設定され得る。ConfiguredGrantConfig IEの一部が以下に示されている。
ConfiguredGrantConfig情報エレメント
【0056】
本開示のいくつかの態様およびそれらの実施形態は、これらまたは他の課題のソリューションを提供し得る。統合TCI状態フレームワークのための設定済みグラント動作が、現在、主に、NRにおけるsTRP動作について指定されている。mTRP動作に対する統合TCI状態フレームワークのための設定済みグラント動作をどのようにサポートすべきかと、関連付けられたシグナリング詳細とは、依然として、解決される必要がある未解決の問題である。3GPPでは、FR2のためのUL送信に関するこれまでの議論は、主に、(各時間インスタンスにおける)単一パネル送信を用いるUEについてのものであった。複数パネルにわたる同時送信(STxMP)をどのように可能にすべきかは、依然として、未解決の問題点であり、新しい統合TCI状態フレームワークのためにその問題点を解決するためのいくつかの提案された方法が、「Framework for simultaneous multi-panel UL transmission」と題する前の出願において開示された。したがって、送信を可能にするための改善されたシステムおよび方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0057】
マルチパネルアップリンク(UL)送信のための設定済みグラントのためのシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態では、複数送信受信ポイント(TRP)に物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)設定済みグラントを送信するための、ユーザ機器(UE)によって実行される方法が、複数TRP(mTRP)動作を指示する少なくとも1つの統合送信設定インジケータ(TCI)状態の設定を受信することと、繰返しを使用するmTRP動作、または複数パネルにわたる同時送信(STxMP)を使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を受信することと、統合TCI状態の設定および/または設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することとを含む。このようにして、統合TCI状態フレームワークが、設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信に拡張され得る。統合TCI状態フレームワークでは、UL送信のために別個の空間関係が設定される必要がない。したがって、統合TCI状態フレームワークは、いくつかの上位レイヤオーバーヘッド節約を提供することができる。設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信のための統合TCI状態フレームワークを拡張することによって、設定済みグラントベースPUSCHも、この利点を活用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、PUSCH設定済みグラントを受信するための、ネットワークノードによって実行される方法が、UEに、mTRP動作を指示する少なくとも1つの統合TCI状態の設定を送信することと、UEに、繰返しを使用するmTRP動作、またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を送信することと、UEから、統合TCI状態の設定および/または設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを受信することとを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、受信された設定は、少なくとも2つの統合TCI状態を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの統合TCI状態の受信された設定は、2つのTRPへのUL送信を指示する。
【0061】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの統合TCI状態についての受信された設定は、2つのジョイント/UL TCI状態を適用することによって2つのTRPへのUL送信を指示する。
【0062】
いくつかの実施形態では、指示は、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する。いくつかの実施形態では、繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示は、RRCシグナリングとDCIとからなるグループのうちの1つを通して伝達される。
【0063】
いくつかの実施形態では、設定済みグラントの指示は、STxMPを使用する第1の共通ビームと第2の共通ビームとに関連付けられた単一CG PUSCH設定を含む。いくつかの実施形態では、coresetPoolIndexとCG-PUSCHとの間の関連付けがある。
【0064】
いくつかの実施形態では、設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、UEによって無視される。いくつかの実施形態では、UEは、ConfiguredGrantConfig IEにおいて設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する。
【0065】
いくつかの実施形態では、明示的指示は、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいフィールドにおいて設定される。
【0066】
いくつかの実施形態では、明示的指示は、UL DCI中のフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する。
【0067】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明とともに本開示の原理について解説するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】送信設定インジケータ(TCI)状態更新に関係する2ステッププロシージャを示す図である。
【
図2】ユーザ機器(UE)固有物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のためのTCI状態をアクティブ化/アクティブ化解除するための媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)の構造を示す図である。
【
図3】TCI状態のダウンリンク制御情報(DCI)指示の一例を示す図である。
【
図4】拡張された論理チャネルID(eLCID)を伴うMACプロトコルデータユニット(PDU)サブヘッダを示す図である。
【
図5】信頼性を増加させるための、複数送信受信ポイント(TRP)のほうへの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)/物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信の一例を示す図である。
【
図6】各々、異なるTRPのほうへの、単一DCIトリガ型PUCCH繰返しの一例を示す図である。
【
図7】各々、異なるTRPのほうへの、例示的なPUSCH繰返しを示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、通信システムの一例を示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、UEを示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、ネットワークノードを示す図である。
【
図11】本明細書で説明される様々な態様による、
図8のホストの一実施形態であり得る、ホストのブロック図である。
【
図12】いくつかの実施形態によって実装される機能が仮想化され得る、仮想化環境を示すブロック図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、部分的無線接続上でホストがネットワークノードを介してUEと通信することの通信図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下に記載される実施形態は、当業者が本実施形態を実践することができるようにするための情報を表し、本実施形態を実践する最良のモードを示す。添付の図面に照らして以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書では特に扱われないこれらの概念の適用例を認識されよう。これらの概念および適用例は、本開示の範囲内に入ることを理解されたい。
【0070】
添付の図面を参照しながら、次に、本明細書で企図される実施形態のうちのいくつかがより十分に説明される。実施形態は、例として、主題の範囲を当業者に伝えるように提供される。
【0071】
本明細書のいくつかの実施形態は、統合TCI状態フレームワークのための、(繰返しとSTxMPの両方のための)設定済みグラントmTRP動作をサポートするための、シグナリングフレームワークを含む。
【0072】
いくつかの実施形態は、(1つまたは複数の)以下の技術的利点のうちの1つまたは複数を提供し得る。いくつかの実施形態では、統合TCI状態フレームワークを使用して複数TRPにPUSCH設定済みグラントを送信するための、UEにおける方法が、mTRP動作を指示する統合TCI状態フレームワークの設定を受信することと、繰返しを使用するmTRP動作、またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を受信することと、統合TCI状態の設定および設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することとのうちの1つまたは複数を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、統合TCI状態フレームワークについての受信された設定は、(たとえば、2つのジョイント/UL TCI状態を適用することによって)2つのTRPへのUL送信を指示する。いくつかの実施形態では、指示は、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する。いくつかの実施形態では、繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示は、RRCシグナリングを通して伝達される。いくつかの実施形態では、繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示は、DCIを通して伝達される。
【0074】
いくつかの実施形態では、設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、UEによって無視される。いくつかの実施形態では、UEは、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfigIEにおいて設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する。いくつかの実施形態では、(繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示は、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいビットフィールドにおいて設定される。いくつかの実施形態では、(繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示は、UL DCI中のビットフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する。
【0075】
提案されるソリューションでは、統合TCI状態フレームワークは、設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信に拡張され得る。統合TCI状態フレームワークでは、UL送信のために別個の空間関係が設定される必要がない。したがって、統合TCI状態フレームワークは、いくつかの上位レイヤオーバーヘッド節約を提供することができる。設定済みグラントのためのmTRPおよびマルチパネル送信のための統合TCI状態フレームワークを拡張することによって、設定済みグラントベースPUSCHも、この利点を活用することができる。
【0076】
単一のCGが、sTRP送信とmTRP(STxMPおよび繰返し)送信の両方のために使用される。
【0077】
一実施形態では、タイプ1 CG PUSCHについて、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGranConfig IEにおいて新しいビットフィールドが導入され、その新しいビットフィールドは、UEがmTRP UL送信により指示された場合(たとえば、UEに、2つの適用されたジョイント/UL TCI状態が設定された場合)、UEが、CGベースmTRP PUSCH繰返しを実施するものとするのか、CGベースの、複数パネルにわたるmTRP PUSCH同時送信(STxMP)を実施するものとするのかを指示する。ジョイントTCI状態またはUL TCI状態がDCIを介して更新されたとき、ジョイントTCI状態またはUL TCI状態は、適用されたジョイントTCI状態またはUL TCI状態であることに留意されたい。2つのジョイントTCI状態またはUL TCI状態がDCIを介して更新されたとき、ジョイントTCI状態またはUL TCI状態は、適用されたジョイントTCI状態またはUL TCI状態である。これがどのように見え得るかの1つの概略例が、以下の表において見つけられ得る。ここで、(ここでは「mTRP-transmission-Type」と呼ばれる)新しいパラメータが導入される。パラメータ「mTRP-transmission-Type」がSTxMPに設定された場合、UEは、設定済みグラントのためのmTRP UL送信のために設定されたとき、mTRP STxMP PUSCH送信を適用するべきである。パラメータ「mTRP-transmission-Type」が、(スロット内でのまたは複数のスロットにわたるのいずれかの)mTRP PUSCH繰返しのために設定された場合、UEは、設定済みグラントのためのmTRP UL送信のために設定されたとき、(スロット内でまたは複数のスロットにわたってのいずれかで)mTRP PUSCH繰返しを実施するべきである。
ConfiguredGrantConfig情報エレメント
【0078】
別の実施形態では、上記の例で示された「mTRP-transmission-Type」パラメータは、随意に、UEに設定される。「mTRP-transmission-Type」パラメータの随意の設定に基づいて新しいUE挙動が規定される。随意のパラメータ「mTRP-transmission-Type」が設定された(たとえば、そのパラメータが「STxMP」にセットされた)場合、UEは、設定済みグラントのためのmTRP UL送信のために設定されたとき、mTRP STxMP PUSCH送信を適用する。随意のパラメータ「mTRP-transmission-Type」が設定されない場合、UEは、設定済みグラントのためのmTRP UL送信のために設定されたとき、(スロット内でまたは複数のスロットにわたってのいずれかで)mTRP PUSCH繰返しを実施する。
【0079】
上記の実施形態の別の変形態では、随意のパラメータ「mTRP-transmission-Type」が設定された(たとえば、そのパラメータが「STxMP」にセットされた)場合、UEは、設定済みグラントのためのmTRP UL送信のために設定されたとき、mTRP STxMP PUSCH送信を適用する。随意のパラメータ「mTRP-transmission-Type」が設定されない場合、UEは、設定済みグラントのための、単一TRPへのPUSCH送信を実施する。この単一TRP PUSCH送信は、3GPP TS38.331におけるConfiguredGrantConfig設定の一部として設定された繰返しの数に応じて、単一の繰返しまたは複数の繰返しのいずれかからなり得る。単一TRP PUSCH送信について、使用される空間送信フィルタが、設定済みグラントにおいて設定された単一のSRI(すなわち、3GPP TS38.331においてConfiguredGrantConfig情報エレメントの一部として設定されたsrs-ResourceIndicator)によって提供されることに留意されたい。
【0080】
一実施形態では、2つのジョイント/UL TCI状態が適用されたUE、およびUEにタイプ2 CGが設定された場合、UL DCI中の新しい(または古い再利用される)ビットフィールドが、UEが、CGベースmTRP PUSCH繰返しを実施するものとするのか、CGベースmTRP PUSCH STxMPを実施するものとするのかを指示するために使用される。この実施形態の一代替では、新しいビットフィールドは、CGベースsTRP PUSCH送信が実施されるべきであるかどうか(および実施されるべきである場合、どのTRPに対して実施されるべきであるか)を指示するためにも使用され得る。この実施形態の一代替は、sTRPまたはmTRP PUSCH繰返しを指示するための、Rel-17においてUL DCIについて導入された新しいビットフィールドは、このビットフィールド中の少なくとも1つのコードポイントが、CGベースmTRP PUSCH STxMPを指示するために使用されるように、拡張または再利用される。このビットフィールドがどのように見え得るかの2つの概略例が、以下で示される。
【0081】
複数TRPへのUEによる同時PUSCH送信について、マルチTRPへの送信は、ここでは空間分割多重化(SDM)と呼ぶ、同じ時間/周波数リソースを共有するか、または、ここでは周波数分割多重化(FDM)と呼ぶ、異なるTRPのための異なる周波数領域リソースを使用し得る。したがって、CG設定はまた、SDMが使用されるのか、FDMが使用されるのかを指示し得る。
【0082】
異なるデータが、異なるTRPに送られ得、単一のまたは複数のトランスポートブロック(TB)に関連付けられ得る。単一のTBの場合、TBは、単一のコードワード(CW)において符号化され、単一のMCSを割り当てられることになる。複数のTBの場合、それらのTBは、各TRPについて1つの、異なるCWにおいて符号化されることになる。CWの各々は、異なる数のレイヤと、異なるMCSとを有し得る。したがって、CG設定はまた、SDMが使用されるのか、FDMが使用されるのかと、さらに、単一のTBが使用されるのか、複数のTBが使用されるのかを指示し得る。代替的に、仕様によって単一のTBが事前決定されるのか、複数のTBが事前決定されるのか。複数のTBの場合、CWごとの別個のMCSがCG設定の一部として設定され得る。
【0083】
複数TRPへのPUSCH送信について、TRPは、統合TCI状態またはUL TCI状態によって表され得る。したがって、複数の統合TCI状態またはUL TCI状態が各CG PUSCHについて設定され得る。(コードブックベースPUSCHの場合の)レイヤの数を伴うプリコーディング行列と、電力制御パラメータのセットとが、各TRPについて設定され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、(コードブックベースPUSCHの場合の)レイヤの数を伴うプリコーディング行列、および/または電力制御パラメータのセットが、各統合TCI状態またはUL TCI状態の一部として設定され得る。複数の統合TCI状態またはUL TCI状態が各CG PUSCHについて設定されたとき、複数の統合TCI状態またはUL TCI状態において設定された、レイヤの数を伴うプリコーディング行列、および/または電力制御パラメータのセットが、CG PUSCH送信のために使用されることになる。
【0085】
SDMの場合、異なるDMRSポートが、異なるTRPへのPUSCH送信のために割り当てられることになる。DMRSポートは、一緒に割り当てられ、たとえば、DMRSポート{x,y,z}であり得、各TRPへのそれらのポートの関連付けが、各TRPに関連付けられたレイヤの数によって識別され得る。たとえば、1つのレイヤが第1のTRPに割り当てられ、2つのレイヤが第2のTRPに割り当てられた場合、DMRSポートxは、第1のTRPに関連付けられ、DMRSポート{y,z}は、第2のTRPに関連付けられる。
【0086】
FDMの場合、(1つまたは複数の)同じDMSポートが両方のTRPへのPUSCH送信のために使用され得る。単一の周波数領域リソースが割り当てられ得、複数TRPの間でリソースを区分するために暗黙的ルールが使用され得る。たとえば、2つのTRPの場合、およびN個のRBが割り当てられる場合、最初の
個のRBは第1のTRPに割り当てられ得、残りのPRBは第2のTRPに割り当てられる。別の例では、2つのTRPの場合、およびN個のRBが割り当てられる場合、奇数個のRBは第1のTRPに割り当てられ得、偶数個のRBは第2のTRPに割り当てられる。
【0087】
PUSCH送信について、UE TxアンテナまたはパネルがSRSリソースによって規定される。2つのパネルを用いて同時にPUSCHを送信するために、対応する2つのSRSリソースがUEに指示される必要がある。CG PUSCH送信のための複数のUL TCI状態またはジョイントTCI状態がUEに設定されたとき/それによりUEが指示されたとき、CG PUSCH送信のための送信空間フィルタがUL TCI状態またはジョイントTCI状態によって提供されることに留意されたい。SRSリソースに関連付けられた空間関係は、設定された場合、この実施形態では、CG PUSCH送信のための送信空間フィルタを提供しない。しかしながら、SRSリソースは、CG PUSCHが送信される、アンテナポートを決定するために、UEによって使用される。
【0088】
要約すれば、2つのTRPへのSTxMPを伴うCG PUSCHについて、以下の追加のフィールドのうちの1つまたは複数が、以下で示されるように、ConfiguredGrantConfigの下で設定され得る(CG PUSCHを設定するための追加のフィールド)。
ConfiguredGrantConfig情報エレメント
【0089】
複数のCGが、mTRP(STxMPおよび/または繰返し)送信のために使用される。
【0090】
一実施形態では、CGは、RRCシグナリングを通して1つまたは複数の共通ビームに関連付けられ得る。詳細な実施形態では、新しいRRCフィールドが、TS38.331において指定されているConfiguredGrantConfig IE中に含まれ、新しいフィールドは、CGが、どの(1つまたは複数の)共通ビームに関連付けられるべきであるかを指示することができる。新しいフィールドは、いくつかのコードポイントからなり、各コードポイントは、1つのオプションに関連付けられ、候補オプションは、たとえば、以下のうちの1つまたは複数であり得る。
・ CG PUSCHが第1の共通ビームに関連付けられる
・ CG PUSCHが第2の共通ビームに関連付けられる
・ CG PUSCHが、繰返しを使用する第1の共通ビームと第2の共通ビームとに関連付けられる
【0091】
上記の例では、CG PUSCHが、単一の共通ビーム(第1の共通ビームまたは第2の共通ビームのいずれか)に関連付けられたとき、CG PUSCHは、単一TRPのほうへ送信される。CG PUSCHが2つの共通ビームに関連付けられたとき、CG PUSCHは、2つのTRPのほうへ送信される。上記の例における共通ビームは、UL TCI状態またはジョイントTCI状態から導出され得、1つの共通ビームが単一のUL TCI状態またはジョイントTCI状態から導出されることに留意されたい。1つの共通ビームは、本質的に、単一のUL TCI状態またはジョイントTCI状態から導出された、CG PUSCHを送信するために使用される空間フィルタである。特定の一例では、CG PUSCHを単一の共通ビームに関連付けるために、単一のUL TCI状態またはジョイントTCI状態がRRCフィールドの1つのコードポイントにマッピングされる。同様に、CG PUSCHを2つの共通ビームに関連付けるために、2つのUL TCI状態またはジョイントTCI状態がRRCフィールドの1つのコードポイントにマッピングされる。
【0092】
一実施形態では、STxMPは、UEに2つの異なるCGを設定することによってそのUEのために設定され得、1つのCGが第1の共通ビームに関連付けられ、第2のCGが第2の共通ビームに関連付けられる(STxMPは、2つのCGのためのPUSCH時間割り当てが少なくとも部分的に重複している場合、行われることになる)。
【0093】
別の実施形態では、STxMPは、UEに単一CG PUSCH設定を設定することによって、そのUEのために設定され得る。この場合、CG PUSCHは、STxMPを使用する第1の共通ビームと第2の共通ビームとに関連付けられる。
【0094】
一実施形態では、統合TCI状態フレームワークのためのmDCIベースmTRP動作について、その動作は、coresetPoolIndexが、共通ビームインデックスに関連付けられる(または、適用されたジョイント/UL TCI状態に関連付けられる)ようなものであり得る。この場合、coresetPoolIndexとCGとの間の関連付けがあり得る。1つの詳細な実施形態では、coresetPoolIndexへの関連付けを指示するために使用される新しいフィールドがConfiguredGrantConfig IE中に含まれる。別の詳細な実施形態では、設定済みグラントとcoresetPoolIndexとの間の関連付けは、新しい情報エレメントを通して指示される。
【0095】
いくつかの実施形態では、UEに統合TCI状態フレームワークが設定されたとき、UEは、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfigIEにおいて設定された(1つまたは複数の)電力制御パラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」を無視するべきである。代わりに、UEは、設定済みグラントPUSCH送信のための統合TCI状態フレームワークに関連付けられた電力制御パラメータを使用するべきである。
【0096】
図8は、いくつかの実施形態による、通信システム800の一例を示す。
【0097】
本例では、通信システム800は、無線アクセスネットワーク(RAN)などのアクセスネットワーク804と、1つまたは複数のコアネットワークノード808を含むコアネットワーク806とを含む通信ネットワーク802を含む。アクセスネットワーク804は、ネットワークノード810Aおよび810Bなど、1つまたは複数のアクセスネットワークノード(それらのうちの1つまたは複数は、一般に、ネットワークノード810と呼ばれることがある)、あるいは任意の他の同様の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)アクセスノードまたは非3GPPアクセスポイント(AP)を含む。ネットワークノード810は、UE812A、812B、812C、および812D(それらのうちの1つまたは複数は、一般に、UE812と呼ばれることがある)を、1つまたは複数の無線接続上でコアネットワーク806に接続することなどによる、ユーザ機器(UE)の直接的接続または間接的接続を容易にする。
【0098】
無線接続上での例示的な無線通信は、ワイヤ、ケーブル、または他の材料導体を使用せずに、情報を伝達するのに好適な、電磁波、電波、赤外波、および/または他のタイプの信号を使用して無線信号を送信および/または受信することを含む。その上、異なる実施形態では、通信システム800は、任意の数の有線または無線ネットワーク、ネットワークノード、UE、ならびに/あるいは有線接続を介してかまたは無線接続を介してかにかかわらず、データおよび/または信号の通信を容易にするかまたはその通信に参加し得る、任意の他の構成要素またはシステムを含み得る。通信システム800は、任意のタイプの通信(communication)、通信(telecommunication)、データ、セルラ、無線ネットワーク、および/または他の同様のタイプのシステムを含み、および/またはそれらとインターフェースし得る。
【0099】
UE812は、ネットワークノード810および他の通信デバイスと無線で通信するように構成された、設定された、および/または動作可能な無線デバイスを含む、多種多様な通信デバイスのうちのいずれかであり得る。同様に、ネットワークノード810は、UE812と、ならびに/あるいは、無線ネットワークアクセスなどのネットワークアクセスを可能にし、および/または提供するための、ならびに/あるいは、通信ネットワーク802におけるアドミニストレーションなどの他の機能を実施するための、通信ネットワーク802中の他のネットワークノードまたは機器と、直接的にまたは間接的に通信するように構成され、そうすることが可能であり、そうするように設定され、および/または動作可能である。
【0100】
図示された例では、コアネットワーク806は、ネットワークノード810を、ホスト816などの1つまたは複数のホストに接続する。これらの接続は、直接的であるか、あるいは1つまたは複数の中間ネットワークまたはデバイスを介して間接的であり得る。他の例では、ネットワークノードは、ホストに直接的に結合され得る。コアネットワーク806は、ハードウェアおよびソフトウェア構成要素で構造化された、1つまたは複数のコアネットワークノード(たとえば、コアネットワークノード808)を含む。これらの構成要素の特徴は、UE、ネットワークノード、および/またはホストに関して説明されるものと実質的に同様であり得、したがって、それらの説明は、概して、コアネットワークノード808の対応する構成要素に適用可能である。例示的なコアネットワークノードは、モバイルスイッチングセンタ(MSC)、モビリティ管理エンティティ(MME)、ホーム加入者サーバ(HSS)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、認証サーバ機能(AUSF)、加入識別子秘匿化解除機能(SIDF:Subscription Identifier De-concealing Function)、統合データ管理(UDM)、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、ネットワーク公開機能(NEF)、および/またはユーザプレーン機能(UPF)のうちの1つまたは複数の機能を含む。
【0101】
ホスト816は、アクセスネットワーク804および/または通信ネットワーク802のオペレータまたはプロバイダ以外の、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得、サービスプロバイダによってまたはサービスプロバイダの代わりに動作され得る。ホスト816は、1つまたは複数のサービスを提供するために、様々なアプリケーションをホストし得る。そのようなアプリケーションの例は、ライブおよびあらかじめ記録されたオーディオ/ビデオコンテンツ、複数のUEによって検出された様々な周囲条件に関するデータを取り出し、コンパイルすることなど、データ収集サービス、分析機能、ソーシャルメディア、リモートデバイスを制御するかまたは場合によってはリモートデバイスと対話するための機能、アラームおよびサーベイランスセンタのための機能、あるいは、サーバによって実施される任意の他のそのような機能を含む。
【0102】
全体として、
図8の通信システム800は、UE、ネットワークノード、およびホストの間のコネクティビティを可能にする。その意味で、通信システム800は、限定はしないが、GSM(Global System for Mobile Communications)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Long Term Evolution(LTE)、ならびに/あるいは他の好適な第2、第3、第4、または第5世代(2G、3G、4G、または5G)規格、または任意の適用可能な将来世代規格(たとえば、第6世代(6G))、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格(WiFi)などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、ならびに/あるいは、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax)、Bluetooth、Z-Wave、ニアフィールド通信(NFC)ZigBee、LiFi、および/またはLoRaおよびSigfoxなど、任意の低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)規格など、任意の他の適切な無線通信規格を含む、特定の規格などのあらかじめ規定されたルールまたはプロシージャに従って動作するように設定され得る。
【0103】
いくつかの例では、通信ネットワーク802は、3GPP規格化された特徴を実装するセルラネットワークである。したがって、通信ネットワーク802は、通信ネットワーク802に接続された異なるデバイスに異なる論理ネットワークを提供するために、ネットワークスライシングをサポートし得る。たとえば、通信ネットワーク802は、いくつかのUEに超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)サービスを提供しながら、他のUEに拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスを提供し、および/または、またさらなるUEに大規模マシン型通信(mMTC)/大規模モノのインターネット(IoT)サービスを提供し得る。
【0104】
いくつかの例では、UE812は、直接的人間対話なしに情報を送信および/または受信するように設定される。たとえば、UEは、内部または外部イベントによってトリガされたとき、あるいはアクセスネットワーク804からの要求に応答して、所定のスケジュールでアクセスネットワーク804に情報を送信するように設計され得る。さらに、UEは、シングルまたはマルチ無線アクセス技術(RAT)あるいはマルチスタンダードモードで動作するために設定され得る。たとえば、UEは、Wi-Fi、新無線(New Radio:NR)、およびLTEのうちのいずれか1つまたはそれらの組合せで動作し、すなわち、拡張UMTS地上RAN(E-UTRAN)NR-デュアルコネクティビティ(EN-DC)など、マルチ無線デュアルコネクティビティ(MR-DC:Multi-Radio Dual Connectivity)のために設定され得る。
【0105】
本例では、ハブ814が、1つまたは複数のUE(たとえば、UE812Cおよび/または812D)と、ネットワークノード(たとえば、ネットワークノード810B)との間の間接的通信を容易にするために、アクセスネットワーク804と通信する。いくつかの例では、ハブ814は、コントローラ、ルータ、コンテンツソースおよびコンテンツ分析、またはUEに関して本明細書で説明される他の通信デバイスのいずれかであり得る。たとえば、ハブ814は、UEのためのコアネットワーク806へのアクセスを可能にするブロードバンドルータであり得る。別の例として、ハブ814は、UE中の1つまたは複数のアクチュエータにコマンドまたは命令を送るコントローラであり得る。コマンドまたは命令は、UE、ネットワークノード810から受信されるか、あるいは、ハブ814における実行可能コード、スクリプト、プロセス、または他の命令によるものであり得る。別の例として、ハブ814は、UEデータのための一時的ストレージとして働くデータコレクタであり得、いくつかの実施形態では、データの分析または他の処理を実施し得る。別の例として、ハブ814は、コンテンツソースであり得る。たとえば、仮想現実(VR)ヘッドセット、ディスプレイ、ラウドスピーカー、または他のメディア配信デバイスであるUEについて、ハブ814は、ネットワークノードを介して、VRアセット、ビデオ、オーディオ、あるいは感覚情報に関係する他のメディアまたはデータを取り出し得、これを、ハブ814は次いで、直接的に、ローカル処理を実施した後に、および/または追加のローカルコンテンツを追加した後に、のいずれかでUEに提供する。さらに別の例では、ハブ814は、特に、UEのうちの1つまたは複数が低エネルギーIoTデバイスである場合において、UEのためのプロキシサーバまたはオーケストレータとして働く。
【0106】
ハブ814は、ネットワークノード810Bへの常時/永続または間欠接続を有し得る。ハブ814はまた、ハブ814とUE(たとえば、UE812Cおよび/または812D)との間の、およびハブ814とコアネットワーク806との間の、異なる通信方式および/またはスケジュールを可能にし得る。他の例では、ハブ814は、有線接続を介して、コアネットワーク806および/または1つまたは複数のUEに接続される。その上、ハブ814は、アクセスネットワーク804上でマシンツーマシン(M2M)サービスプロバイダにおよび/または直接的接続上で別のUEに接続するように設定され得る。いくつかのシナリオでは、UEは、ネットワークノード810との無線接続を、ハブ814を介して有線接続または無線接続を介して依然として接続されながら、確立し得る。いくつかの実施形態では、ハブ814は、専用ハブ、すなわち、主な機能がUEからネットワークノード810Bに/ネットワークノード810BからUEに通信をルーティングすることである、ハブであり得る。他の実施形態では、ハブ814は、非専用ハブ、すなわち、UEとネットワークノード810Bとの間の通信をルーティングするように動作することが可能であるが、いくつかのデータチャネルについての通信開始ポイントおよび/または終了ポイントとして動作することがさらに可能であるデバイスであり得る。
【0107】
図9は、いくつかの実施形態による、UE900を示す。本明細書で使用されるUEは、ネットワークノードおよび/または他のUEと無線で通信することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能なデバイスを指す。UEの例は、限定はしないが、スマートフォン、モバイルフォン、セルフォン、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)フォン、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲーミングコンソールまたはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブル端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、車両搭載または車両組込み/統合無線デバイスなどを含む。他の例は、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)UE、マシン型通信(MTC)UE、および/または拡張MTC(eMTC)UEを含む、3GPPによって識別される任意のUEを含む。
【0108】
UEは、たとえば、サイドリンク通信、専用短距離通信(DSRC)、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、またはV2X(Vehicle-to-Everything)のための3GPP規格を実装することによって、D2D(device-to-device)通信をサポートし得る。他の例では、UEは必ずしも、関連のあるデバイスを所有し、および/または動作させる人間ユーザという意味におけるユーザを有するとは限らない。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売、または人間のユーザによる動作を意図されるが、特定の人間のユーザに関連付けられないことがあるか、または特定の人間のユーザに初めに関連付けられないことがある、デバイス(たとえば、スマートスプリンクラーコントローラ)を表し得る。代替的に、UEは、エンドユーザへの販売、またはエンドユーザによる動作を意図されないが、ユーザに関連付けられるか、またはユーザの利益のために動作され得る、デバイス(たとえば、スマート電力計)を表し得る。
【0109】
UE900は、バス904を介して、入出力インターフェース906、電源908、メモリ910、通信インターフェース912、および/または任意の他の構成要素、あるいはそれらの任意の組合せに動作可能に結合された、処理回路902を含む。いくつかのUEは、
図9に示されている構成要素のすべてまたはサブセットを利用し得る。構成要素間の統合のレベルは、UEごとに変動し得る。さらに、いくつかのUEは、複数のプロセッサ、メモリ、トランシーバ、送信機、受信機など、構成要素の複数のインスタンスを含んでいることがある。
【0110】
処理回路902は、命令およびデータを処理するように設定され、マシン可読コンピュータプログラムとしてメモリ910に記憶された命令を実行するように動作可能な任意の逐次状態マシンを実装するように設定され得る。処理回路902は、(たとえば、ディスクリート論理、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などにおける)1つまたは複数のハードウェア実装状態マシン、適切なファームウェアと一緒のプログラマブル論理、適切なソフトウェアと一緒のマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)など、1つまたは複数の記憶されたコンピュータプログラム、汎用プロセッサ、あるいは上記の任意の組合せとして実装され得る。たとえば、処理回路902は、複数の中央処理ユニット(CPU)を含み得る。
【0111】
本例では、入出力インターフェース906は、入力デバイス、出力デバイス、あるいは1つまたは複数の入力および/または出力デバイスに1つまたは複数のインターフェースを提供するように設定され得る。出力デバイスの例は、スピーカー、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力デバイス、またはそれらの任意の組合せを含む。入力デバイスは、ユーザが、情報をUE900にキャプチャすることを可能にし得る。入力デバイスの例は、タッチセンシティブまたはプレゼンスセンシティブディスプレイ、カメラ(たとえば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなど)、マイクロフォン、センサー、マウス、トラックボール、方向性パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカードなどを含む。プレゼンスセンシティブディスプレイは、ユーザからの入力を検知するための容量性または抵抗性タッチセンサーを含み得る。センサーは、たとえば、加速度計、ジャイロスコープ、チルトセンサー、力センサー、磁力計、光センサー、近接度センサー、生体センサーなど、またはそれらの任意の組合せであり得る。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのインターフェースポートを使用し得る。たとえば、入力デバイスおよび出力デバイスを提供するために、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートが使用され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、電源908は、バッテリーまたはバッテリーパックとして構造化される。外部電源(たとえば、電気コンセント)、光起電力デバイスまたは電池など、他のタイプの電源が使用され得る。電源908は、入力回路、または電力ケーブルなどのインターフェースを介して、電源908自体、および/または外部電源から、UE900の様々な部分に電力を配信するための、電力回路をさらに含み得る。電力を配信することは、たとえば、電源908を充電するためのものであり得る。電力回路は、電源908からの電力に対して、その電力を、電力が供給されるUE900のそれぞれの構成要素に好適であるようにするために、任意のフォーマッティング、変換、または他の修正を実施し得る。
【0113】
メモリ910は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的EPROM(EEPROM)、磁気ディスク、光ディスク、ハードディスク、リムーバブルカートリッジ、フラッシュドライブなど、メモリであるか、またはメモリを含むように設定され得る。一例では、メモリ910は、オペレーティングシステム、ウェブブラウザアプリケーション、ウィジェット、ガジェットエンジン、または他のアプリケーションなど、1つまたは複数のアプリケーションプログラム914と、対応するデータ916とを含む。メモリ910は、UE900による使用のために、多様な様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せのうちのいずれかを記憶し得る。
【0114】
メモリ910は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光ディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブ、Blu-Ray光ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータ記憶(HDDS)光ディスクドライブ、外部ミニデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、ユニバーサル加入者識別モジュール(SIM)(USIM)および/またはインターネットプロトコルマルチメディアサービス識別モジュール(ISIM)などの1つまたは複数のSIMを含むユニバーサル集積回路カード(UICC)の形態の改ざん防止モジュールなどのスマートカードメモリ、他のメモリ、あるいはそれらの任意の組合せなど、いくつかの物理ドライブユニットを含むように設定され得る。UICCは、たとえば、埋込みUICC(eUICC)、統合UICC(iUICC)、または通常「SIMカード」として知られているリムーバブルUICCであり得る。メモリ910は、UE900が、一時的または非一時的メモリ媒体に記憶された命令、アプリケーションプログラムなどにアクセスすること、データをオフロードすること、あるいはデータをアップロードすることを可能にし得る。通信システムを利用する製造品などの製造品は、メモリ910として、またはメモリ910中に有形に具現され得、メモリ910は、デバイス可読記憶媒体であるか、またはデバイス可読記憶媒体を備え得る。
【0115】
処理回路902は、通信インターフェース912を使用してアクセスネットワークまたは他のネットワークと通信するように設定され得る。通信インターフェース912は、1つまたは複数の通信サブシステムを備え得、アンテナ922を含むか、またはアンテナ922に通信可能に結合され得る。通信インターフェース912は、無線通信が可能な別のデバイス(たとえば、アクセスネットワークにおける別のUEまたはネットワークノード)の1つまたは複数のリモートトランシーバと通信することによってなど、通信するために使用される1つまたは複数のトランシーバを含み得る。各トランシーバは、ネットワーク通信(たとえば、光、電気、周波数割り当てなど)を提供するのに適した送信機918および/または受信機920を含み得る。その上、送信機918および受信機920は、1つまたは複数のアンテナ(たとえば、アンテナ922)に結合され得、回路構成要素、ソフトウェアまたはファームウェアを共有し得るか、あるいは、代替的に、別個に実装され得る。
【0116】
示されている実施形態では、通信インターフェース912の通信機能は、セルラ通信、WiFi通信、LPWAN通信、データ通信、ボイス通信、マルチメディア通信、Bluetoothなどの短距離通信、NFC、ロケーションを決定するための全地球測位システム(GPS)の使用などのロケーションベース通信、別の同様の通信機能、またはそれらの任意の組合せを含み得る。通信は、IEEE802.11、符号分割多重化アクセス(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA)、GSM、LTE、NR、UMTS、WiMax、イーサネット、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、同期光ネットワーキング(SONET)、非同期転送モード(ATM)、クイックユーザデータグラムプロトコルインターネット接続(QUIC)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など、1つまたは複数の通信プロトコルおよび/または規格に従って実装され得る。
【0117】
センサーのタイプにかかわらず、UEは、UEのセンサーによってキャプチャされたデータの出力を、UEの通信インターフェース912を通して、または無線接続を介してネットワークノードに提供し得る。UEのセンサーによってキャプチャされたデータは、無線接続を通して別のUEを介してネットワークノードに通信され得る。出力は、周期的(たとえば、検出された温度を報告する場合、15分ごとに1回)であるか、トリガリングイベント(たとえば、湿度が検出されたとき、警報が送られる)に応答して、要求(たとえば、ユーザ始動型要求)に応答して、(たとえば、いくつかのセンサーからの報告からの負荷を均一にするために)ランダムであるか、または連続ストリーム(たとえば、患者のライブビデオフィード)であり得る。
【0118】
別の例として、UEは、無線接続を介してネットワークノードから無線入力を受信するように設定された通信インターフェースに関係する、アクチュエータ、モーター、またはスイッチを備える。受信された無線入力に応答して、アクチュエータ、モーター、またはスイッチの状態が変化し得る。たとえば、UEは、受信された入力に従って飛行中のドローンの制御面またはローターを調節するモーター、あるいは受信された入力に従って医学的プロシージャを実施するロボットアームを備え得る。
【0119】
UEは、IoTデバイスの形態のとき、1つまたは複数のアプリケーション領域において使用するためのデバイスであり得、これらの領域は、限定はしないが、都市ウェアラブル技術、拡張産業用アプリケーションおよびヘルスケアを含む。そのようなIoTデバイスの非限定的な例は、接続された冷蔵庫または冷凍庫、テレビジョン、接続された照明デバイス、電力量計、ロボット電気掃除機、音声制御されたスマートスピーカー、家庭用防犯カメラ、動き検出器、サーモスタット、煙検出器、ドア/窓センサー、浸水/湿度センサー、電子ドアロック、接続されたドアベル、ヒートポンプのような空調システム、自律車両、サーベイランスシステム、気象監視デバイス、車両駐車監視デバイス、電気車両充電ステーション、スマートウォッチ、フィットネストラッカー、拡張現実(AR)またはVRのためのヘッドマウントディスプレイ、触覚増補または知覚拡張のためのウェアラブル、ウォータースプリンクラー、動物または商品トラッキングデバイス、植物または動物を監視するためのセンサー、産業用ロボット、無人航空機(UAV)、および心拍数モニタまたはリモート制御された外科的ロボットのような任意の種類の医療デバイスであるデバイスであるか、あるいはそれらに埋め込まれたデバイスである。IoTデバイスの形態のUEは、
図9に示されているUE900に関して説明される他の構成要素に加えて、IoTデバイスの意図されたアプリケーションに応じた回路および/またはソフトウェアを備える。
【0120】
また別の特定の例として、IoTシナリオでは、UEは、監視および/または測定を実施し、そのような監視および/または測定の結果を別のUEおよび/またはネットワークノードに送信する、マシンまたは他のデバイスを表し得る。UEは、この場合、M2Mデバイスであり得、M2Mデバイスは、3GPPコンテキストではMTCデバイスと呼ばれることがある。1つの特定の例として、UEは、3GPP NB-IoT規格を実装し得る。他のシナリオでは、UEは、車、バス、トラック、船、飛行機など、車両、または、その動作ステータスを監視することおよび/またはその動作ステータスに関して報告すること、あるいはその動作に関連付けられた他の機能が可能である他の機器を表し得る。
【0121】
実際には、単一の使用事例に関して、任意の数のUEが一緒に使用され得る。たとえば、第1のUEは、ドローンであるか、ドローン中で統合され、(速度センサーを通して取得された)ドローンの速度情報を、ドローンを動作させるリモートコントローラである第2のUEに提供し得る。ユーザがリモートコントローラから変更を行うとき、第1のUEはドローンの速度を増加または減少させるために、(たとえば、アクチュエータを制御することによって)ドローン上のスロットルを調節し得る。第1および/または第2のUEはまた、上記で説明された機能のうちの2つ以上を含むことができる。たとえば、UEは、センサーとアクチュエータとを備え、速度センサーとアクチュエータの両方についてのデータの通信をハンドリングし得る。
【0122】
図10は、いくつかの実施形態による、ネットワークノード1000を示す。本明細書で使用されるネットワークノードは、通信ネットワーク中のUEと、および/あるいは他のネットワークノードまたは機器と、直接的にまたは間接的に通信することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能な機器を指す。ネットワークノードの例は、限定はしないが、AP(たとえば、無線AP)、基地局(BS)(たとえば、無線BS、ノードB、エボルブドノードB(eNB)、およびNRノードB(gNB))を含む。
【0123】
BSは、BSが提供するカバレッジの量(または、言い方を変えれば、BSの送信電力レベル)に基づいてカテゴリー分類され得、したがって、カバレッジの提供される量に応じて、フェムトBS、ピコBS、マイクロBS、またはマクロBSと呼ばれることがある。BSは、リレーを制御する、リレーノードまたはリレードナーノードであり得る。ネットワークノードは、リモート無線ヘッド(RRH)と呼ばれることがある、集中型デジタルユニットおよび/またはリモートラジオユニット(RRU)など、分散無線BSの1つまたは複数(またはすべて)の部分をも含み得る。そのようなRRUは、アンテナ統合無線機としてアンテナと統合されることも統合されないこともある。分散無線BSの部分は、分散アンテナシステム(DAS)において、ノードと呼ばれることもある。
【0124】
ネットワークノードの他の例は、複数送信ポイント(マルチTRP)5Gアクセスノード、マルチ規格無線(MSR)BSなどのMSR機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)またはBSコントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、基地トランシーバ局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、運用保守(O&M)ノード、運用サポートシステム(OSS)ノード、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、測位ノード(たとえば、エボルブドサービングモバイルロケーションセンタ(E-SMLC))、および/あるいはドライブテスト最小化(MDT:minimization of drive test)を含む。
【0125】
ネットワークノード1000は、処理回路1002と、メモリ1004と、通信インターフェース1006と、電源1008とを含む。ネットワークノード1000は、複数の物理的に別個の構成要素(たとえば、ノードB構成要素およびRNC構成要素、またはBTS構成要素およびBSC構成要素など)から組み立てられ得、これらは各々、それら自体のそれぞれの構成要素を有し得る。ネットワークノード1000が複数の別個の構成要素(たとえば、BTS構成要素およびBSC構成要素)を備えるいくつかのシナリオでは、別個の構成要素のうちの1つまたは複数が、いくつかのネットワークノードの間で共有され得る。たとえば、単一のRNCが、複数のノードBを制御し得る。そのようなシナリオでは、各一意のノードBとRNCとのペアは、いくつかの事例では、単一の別個のネットワークノードと見なされ得る。いくつかの実施形態では、ネットワークノード1000は、複数のRATをサポートするように設定され得る。そのような実施形態では、いくつかの構成要素は複製され得(たとえば、異なるRATのための別個のメモリ1004)、いくつかの構成要素は再使用され得る(たとえば、アンテナ1010が異なるRATによって共有され得る)。ネットワークノード1000は、ネットワークノード1000に統合された、異なる無線技術、たとえばGSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、Zigbee、Z-wave、長距離ワイドエリアネットワーク(LoRaWAN)、無線周波数識別(RFID)、またはBluetooth無線技術のための様々な示されている構成要素の複数のセットをも含み得る。これらの無線技術は、同じまたは異なるチップまたはチップのセット、およびネットワークノード1000内の他の構成要素に統合され得る。
【0126】
処理回路1002は、単体で、またはメモリ1004などの他のネットワークノード1000構成要素と併せてのいずれかで、ネットワークノード1000機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、CPU、DSP、ASIC、FPGA、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェア、および/または符号化された論理の組合せを備え得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、処理回路1002は、システムオンチップ(SOC)を含む。いくつかの実施形態では、処理回路1002は、無線周波数(RF)トランシーバ回路1012とベースバンド処理回路1014とのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路1012とベースバンド処理回路1014とは、別個のチップ(またはチップのセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあり得る。代替実施形態では、RFトランシーバ回路1012とベースバンド処理回路1014との一部または全部は、同じチップまたはチップのセット、ボード、あるいはユニット上にあり得る。
【0128】
メモリ1004は、限定はしないが、永続ストレージ、固体メモリ、リモートマウントメモリ、磁気媒体、光媒体、RAM、ROM、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))を含む、任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリ、ならびに/あるいは、処理回路1002によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読、および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを備え得る。メモリ1004は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、論理、ルール、コード、表のうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路1002によって実行されることが可能であり、ネットワークノード1000によって利用される、他の命令を含む、任意の好適な命令、データまたは情報を記憶し得る。メモリ1004は、処理回路1002によって行われた計算および/または通信インターフェース1006を介して受信されたデータを記憶するために使用され得る。いくつかの実施形態では、処理回路1002およびメモリ1004は、統合される。
【0129】
通信インターフェース1006は、ネットワークノード、アクセスネットワーク、および/またはUEの間のシグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信において使用される。示されているように、通信インターフェース1006は、たとえば有線接続上でネットワークとの間でデータを送るおよび受信するための(1つまたは複数の)ポート/(1つまたは複数の)端末1016を備える。通信インターフェース1006は、アンテナ1010に結合されるか、またはいくつかの実施形態では、アンテナ1010の一部であり得る、無線フロントエンド回路1018をも含む。無線フロントエンド回路1018は、フィルタ1020と増幅器1022とを備える。無線フロントエンド回路1018は、アンテナ1010および処理回路1002に接続され得る。無線フロントエンド回路1018は、アンテナ1010と処理回路1002との間で通信される信号を調整するように設定され得る。無線フロントエンド回路1018は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはUEに送出されるべきであるデジタルデータを受信し得る。無線フロントエンド回路1018は、デジタルデータを、フィルタ1020および/または増幅器1022の組合せを使用して適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換し得る。無線信号は、次いで、アンテナ1010を介して送信され得る。同様に、データを受信するとき、アンテナ1010は無線信号を収集し得、次いで、無線信号は無線フロントエンド回路1018によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路1002に受け渡され得る。他の実施形態では、通信インターフェース1006は、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備え得る。
【0130】
いくつかの代替実施形態では、ネットワークノード1000は別個の無線フロントエンド回路1018を含まず、代わりに、処理回路1002は、無線フロントエンド回路を含み、アンテナ1010に接続される。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路1012の全部または一部が、通信インターフェース1006の一部である。さらに他の実施形態では、通信インターフェース1006は、無線ユニット(図示せず)の一部として、1つまたは複数のポートまたは端末1016と、無線フロントエンド回路1018と、RFトランシーバ回路1012とを含み、通信インターフェース1006は、デジタルユニット(図示せず)の一部であるベースバンド処理回路1014と通信する。
【0131】
アンテナ1010は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含み得る。アンテナ1010は、無線フロントエンド回路1018に結合され得、データおよび/または信号を無線で送信および受信することが可能な任意のタイプのアンテナであり得る。いくつかの実施形態では、アンテナ1010は、ネットワークノード1000とは別個であり、インターフェースまたはポートを通してネットワークノード1000に接続可能である。
【0132】
アンテナ1010、通信インターフェース1006、および/または処理回路1002は、ネットワークノード1000によって実施されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作および/またはいくつかの取得動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、UE、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器から受信され得る。同様に、アンテナ1010、通信インターフェース1006、および/または処理回路1002は、ネットワークノード1000によって実施されるものとして本明細書で説明される任意の送信動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、UE、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器に送信され得る。
【0133】
電源1008は、それぞれの構成要素に好適な形態で(たとえば、各それぞれの構成要素のために必要とされる電圧および電流レベルにおいて)、ネットワークノード1000の様々な構成要素に電力を提供する。電源1008は、本明細書で説明される機能を実施するための電力を、ネットワークノード1000の構成要素に供給するための、電力管理回路をさらに備えるか、または電力管理回路に結合され得る。たとえば、ネットワークノード1000は、電気ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して外部電源(たとえば、電力グリッドまたは電気コンセント)に接続可能であり得、それにより、外部電源は電源1008の電力回路に電力を供給する。さらなる例として、電源1008は、電力回路に接続された、または電力回路中で統合された、バッテリーまたはバッテリーパックの形態の電力源を備え得る。バッテリーは、外部電源が落ちた場合、バックアップ電力を提供し得る。
【0134】
ネットワークノード1000の実施形態は、本明細書で説明される機能、および/または本明細書で説明される主題をサポートするために必要な機能のうちのいずれかを含む、ネットワークノードの機能のいくつかの態様を提供するための、
図10に示されている構成要素以外の追加の構成要素を含み得る。たとえば、ネットワークノード1000は、ネットワークノード1000への情報の入力を可能にするための、およびネットワークノード1000からの情報の出力を可能にするための、ユーザインターフェース機器を含み得る。これは、ユーザが、ネットワークノード1000のための診断、メンテナンス、修復、および他のアドミニストレーティブ機能を実施することを可能にし得る。
【0135】
図11は、本明細書で説明される様々な態様による、
図8のホスト816の一実施形態であり得る、ホスト1100のブロック図である。本明細書で使用されるホスト1100は、スタンドアロンサーバ、ブレードサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバ、仮想マシン、コンテナ、またはサーバファーム中の処理リソースを含む、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの様々な組合せであるか、あるいはハードウェアおよび/またはソフトウェアの様々な組合せを備え得る。ホスト1100は、1つまたは複数のUEに1つまたは複数のサービスを提供し得る。
【0136】
ホスト1100は、バス1104を介して、入出力インターフェース1106と、ネットワークインターフェース1108と、電源1110と、メモリ1112とに動作可能に結合された処理回路1102を含む。他の実施形態では、他の構成要素が含まれ得る。これらの構成要素の特徴は、
図9および
図10など、前の図のデバイスに関して説明されたものと実質的に同様であり得、したがって、それらの説明は、概して、ホスト1100の対応する構成要素に適用可能である。
【0137】
メモリ1112は、1つまたは複数のホストアプリケーションプログラム1114とデータ1116とを含む1つまたは複数のコンピュータプログラムを含み得、データ1116は、ユーザデータ、たとえば、ホスト1100のためにUEによって生成されたデータ、またはUEのためにホスト1100によって生成されたデータを含み得る。ホスト1100の実施形態は、示されている構成要素のサブセットのみまたはすべてを利用し得る。ホストアプリケーションプログラム1114は、コンテナベースのアーキテクチャにおいて実装され得、UEの複数の異なるクラス、タイプ、または実装形態(たとえば、ハンドセット、デスクトップコンピュータ、ウェアラブルディスプレイシステム、およびヘッドアップディスプレイシステム)のためのトランスコーディングを含む、ビデオコーデック(たとえば、多用途ビデオコーディング(VVC)、高効率ビデオコーディング(HEVC)、アドバンストビデオコーディング(AVC)、ムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG)、VP9)、およびオーディオコーデック(たとえば、フリーロスレスオーディオコーデック(FLAC)、アドバンストオーディオコーディング(AAC)、MPEG、G.711)についてのサポートを提供し得る。ホストアプリケーションプログラム1114は、ユーザ認証およびライセンスチェックをも提供し得、健康、ルート、およびコンテンツ利用可能性を、コアネットワーク中のデバイス、またはコアネットワークのエッジ上のデバイスなど、中央ノードに周期的に報告し得る。したがって、ホスト1100は、UEのためのオーバーザトップ(OTT)サービスのために、異なるホストを選択および/または指示し得る。ホストアプリケーションプログラム1114は、HTTPライブストリーミング(HLS)プロトコル、リアルタイムメッセージングプロトコル(RTMP)、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)、動的適応ストリーミングオーバーHTTP(DASHまたはMPEG-DASH)など、様々なプロトコルをサポートし得る。
【0138】
図12は、いくつかの実施形態によって実装される機能が仮想化され得る、仮想化環境1200を示すブロック図である。本コンテキストでは、仮想化することは、ハードウェアプラットフォーム、記憶デバイスおよびネットワーキングリソースを仮想化することを含み得る、装置またはデバイスの仮想バージョンを作成することを意味する。本明細書で使用される仮想化は、本明細書で説明される任意のデバイス、またはそれらの構成要素に適用され得、機能の少なくとも一部分が1つまたは複数の仮想構成要素として実装される実装形態に関係する。本明細書で説明される機能の一部または全部は、ネットワークノード、UE、コアネットワークノード、またはホストとして動作するハードウェアコンピューティングデバイスなど、ハードウェアノードのうちの1つまたは複数によってホストされる1つまたは複数の仮想環境1200において実装される1つまたは複数の仮想マシン(VM)によって実行される、仮想構成要素として実装され得る。さらに、仮想ノードが無線コネクティビティ(たとえば、コアネットワークノードまたはホスト)を必要としない実施形態では、ノードは、完全に仮想化され得る。
【0139】
(代替的に、ソフトウェアインスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などと呼ばれることがある)アプリケーション1202は、本明細書で開示される実施形態のうちのいくつかの特徴、機能、および/または利益のうちのいくつかを実装するために、仮想化環境1200において稼働される。
【0140】
ハードウェア1204は、処理回路、ハードウェア処理回路によって実行可能なソフトウェアおよび/または命令を記憶するメモリ、ならびに/あるいはネットワークインターフェース、入出力インターフェースなど、本明細書で説明される他のハードウェアデバイスを含む。ソフトウェアが、(ハイパーバイザまたはVMモニタ(VMM)とも呼ばれる)1つまたは複数の仮想化レイヤ1206をインスタンス化するために、処理回路によって実行され、(それらのうちの1つまたは複数が一般にVM1208と呼ばれることがある)VM1208Aおよび1208Bを提供し、ならびに/あるいは、本明細書で説明されるいくつかの実施形態に関して説明される、機能、特徴、および/または利益のうちのいずれかを実施し得る。仮想化レイヤ1206は、VM1208に、ネットワーキングハードウェアのように見える仮想動作プラットフォームを提示し得る。
【0141】
VM1208は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワーキング、またはインターフェース、および仮想ストレージを備え、対応する仮想化レイヤ1206によって稼働され得る。仮想アプライアンス1202の事例の異なる実施形態が、VM1208のうちの1つまたは複数上で実装され得、実装は異なるやり方で行われ得る。ハードウェアの仮想化は、いくつかのコンテキストにおいて、ネットワーク機能仮想化(NFV)と呼ばれる。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、データセンタおよび顧客構内機器中に位置し得る、業界標準高ボリュームサーバハードウェア、物理スイッチ、および物理ストレージ上にコンソリデートするために使用され得る。
【0142】
NFVのコンテキストでは、VM1208は、プログラムを、それらのプログラムが、物理的な仮想化されていないマシン上で実行しているかのように稼働する、物理マシンのソフトウェア実装形態であり得る。VM1208の各々と、そのVMに専用のハードウェアであろうと、および/またはそのVMによってVM1208のうちの他のVMと共有されるハードウェアであろうと、そのVMを実行するハードウェア1204のその一部とは、別個の仮想ネットワークエレメントを形成する。さらにNFVのコンテキストでは、仮想ネットワーク機能は、ハードウェア1204の上の1つまたは複数のVM1208において稼働する特定のネットワーク機能をハンドリングすることを担当し、アプリケーション1202に対応する。
【0143】
ハードウェア1204は、一般的なまたは特定の構成要素をもつスタンドアロンネットワークノードにおいて実装され得る。ハードウェア1204は、仮想化を介していくつかの機能を実装し得る。代替的に、ハードウェア1204は、多くのハードウェアノードが協働し、特に、アプリケーション1202のライフサイクル管理を監督する、管理およびオーケストレーション1210を介して管理される、(たとえば、データセンタまたはCPEの場合のような)ハードウェアのより大きいクラスタの一部であり得る。いくつかの実施形態では、ハードウェア1204は、1つまたは複数のアンテナに結合され得る、1つまたは複数の送信機と1つまたは複数の受信機とを各々含む、1つまたは複数の無線ユニットに結合される。無線ユニットは、1つまたは複数の適切なネットワークインターフェースを介して他のハードウェアノードと直接的に通信し得、RANまたはBSなど、無線能力をもつ仮想ノードを提供するために仮想構成要素と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、何らかのシグナリングが、ハードウェアノードと無線ユニットとの間の通信のために代替的に使用され得る制御システム1212を使用して、提供され得る。
【0144】
図13は、いくつかの実施形態による、部分的無線接続上でホスト1302がネットワークノード1304を介してUE1306と通信することの通信図を示す。次に、前の段落において説明された(
図8のUE812Aおよび/または
図9のUE900などの)UE、(
図8のネットワークノード810Aおよび/または
図10のネットワークノード1000などの)ネットワークノード、および(
図8のホスト816および/または
図11のホスト1100などの)ホストの様々な実施形態による、例示的な実装形態が、
図13を参照しながら説明される。
【0145】
ホスト1100と同様に、ホスト1302の実施形態は、通信インターフェース、処理回路、およびメモリなど、ハードウェアを含む。ホスト1302は、ホスト1302に記憶されるかまたはホスト1302によってアクセス可能であり、処理回路によって実行可能であるソフトウェアをも含む。ソフトウェアは、UE1306とホスト1302との間に延びるOTT接続1350を介して接続するUE1306など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得るホストアプリケーションを含む。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーションは、OTT接続1350を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0146】
ネットワークノード1304は、ネットワークノード1304が接続1360を介してホスト1302およびUE1306と通信することを可能にするハードウェアを含む。接続1360は、直接的であるか、または、(
図8のコアネットワーク806と同様の)コアネットワーク、および/あるいは1つまたは複数のパブリックネットワーク、プライベートネットワーク、またはホストされたネットワークなど、1つまたは複数の他の中間ネットワークを通過し得る。たとえば、中間ネットワークは、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得る。
【0147】
UE1306は、ハードウェアと、UE1306に記憶されるかまたはUE1306によってアクセス可能であり、UEの処理回路によって実行可能であるソフトウェアとを含む。ソフトウェアは、ホスト1302のサポートを伴って、UE1306を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得るウェブブラウザまたはオペレータ固有の「アプリ」など、クライアントアプリケーションを含む。ホスト1302では、実行しているホストアプリケーションは、UE1306およびホスト1302において終端するOTT接続1350を介して、実行しているクライアントアプリケーションと通信し得る。ユーザにサービスを提供する際に、UEのクライアントアプリケーションは、ホストのホストアプリケーションから要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続1350は、要求データとユーザデータの両方を転送し得る。UEのクライアントアプリケーションは、UEのクライアントアプリケーションがOTT接続1350を通してホストアプリケーションに提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0148】
OTT接続1350は、ホスト1302とUE1306との間の接続を提供するために、ホスト1302とネットワークノード1304との間の接続1360を介して、およびネットワークノード1304とUE1306との間の無線接続1370を介して延び得る。OTT接続1350が提供され得る接続1360および無線接続1370は、仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、ネットワークノード1304を介したホスト1302とUE1306との間の通信を示すために抽象的に描かれている。
【0149】
OTT接続1350を介してデータを送信する一例として、ステップ1308において、ホスト1302はユーザデータを提供し、これは、ホストアプリケーションを実行することによって実施され得る。いくつかの実施形態では、ユーザデータは、UE1306と対話する特定の人間のユーザに関連付けられる。他の実施形態では、ユーザデータは、明示的人間対話なしの、ホスト1302とデータを共有するUE1306に関連付けられる。ステップ1310において、ホスト1302は、UE1306のほうへユーザデータを搬送する送信を始動する。ホスト1302は、UE1306によって送信された要求に応答して、送信を始動し得る。要求は、UE1306との人間対話によって、またはUE1306上で実行するクライアントアプリケーションの動作によって引き起こされ得る。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ネットワークノード1304を介して進み得る。したがって、ステップ1312において、ネットワークノード1304は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホスト1302が始動した送信において搬送されたユーザデータをUE1306に送信する。ステップ1314において、UE1306は、送信において搬送されたユーザデータを受信し、これは、ホスト1302によって実行されたホストアプリケーションに関連付けられたUE1306上で実行されるクライアントアプリケーションによって実施され得る。
【0150】
いくつかの例では、UE1306は、ホスト1302にユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータは、ホスト1302から受信されたデータに反応または応答して提供され得る。したがって、ステップ1316において、UE1306はユーザデータを提供し得、これは、クライアントアプリケーションを実行することによって実施され得る。ユーザデータを提供する際に、クライアントアプリケーションは、UE1306の入出力インターフェースを介してユーザから受信されたユーザ入力をさらに考慮し得る。ユーザデータが提供された特定の様式にかかわらず、UE1306は、ステップ1318において、ネットワークノード1304を介したホスト1302のほうへのユーザデータの送信を始動する。ステップ1320において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ネットワークノード1304は、UE1306からユーザデータを受信し、ホスト1302のほうへの受信されたユーザデータの送信を始動する。ステップ1322において、ホスト1302は、UE1306によって始動された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0151】
様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1370が最後のセグメントを形成するOTT接続1350を使用して、UE1306に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、たとえば、データレート、レイテンシ、電力消費などを改善し、それにより、たとえば、低減されたユーザ待ち時間、ファイルサイズに対する緩和された制限、改善されたコンテンツ解像度、より良好な応答性、延長されたバッテリー寿命などの利益を提供し得る。
【0152】
例示的なシナリオでは、ファクトリーステータス情報が、ホスト1302によって収集され、分析され得る。別の例として、ホスト1302は、マップを作成する際に使用するために、UEから取り出されていることがあるオーディオおよびビデオデータを処理し得る。別の例として、ホスト1302は、車両渋滞を制御する(たとえば、交通信号を制御する)のを支援するために、リアルタイムデータを収集し、分析し得る。別の例として、ホスト1302は、UEによってアップロードされたサーベイランスビデオを記憶し得る。別の例として、ホスト1302は、ホスト1302がUEにブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャストすることができる、ビデオ、オーディオ、VRまたはARなど、メディアコンテンツへのアクセスを記憶または制御し得る。他の例として、ホスト1302は、エネルギー価格設定、発電ニーズのバランスをとるための非時間制約型電気負荷のリモート制御、ロケーションサービス、(リモートデバイスから収集されたデータから図などをコンパイルすることなどの)プレゼンテーションサービス、あるいはデータを収集すること、取り出すこと、記憶すること、分析すること、および/または送信することの任意の他の機能のために使用され得る。
【0153】
いくつかの例では、1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視する目的での、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホスト1302とUE1306との間のOTT接続1350を再設定するための随意のネットワーク機能がさらにあり得る。測定プロシージャおよび/またはOTT接続1350を再設定するためのネットワーク機能は、ホスト1302および/またはUE1306のソフトウェアおよびハードウェアで実装され得る。いくつかの実施形態では、OTT接続1350が通過する他のデバイスにおいてまたは他のデバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を供給することによって、あるいはソフトウェアが監視された量を算出または推定し得る他の物理量の値を供給することによって、測定プロシージャに参加し得る。OTT接続1350の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、ネットワークノード1304の動作を直接的に変更する必要がない。そのようなプロシージャおよび機能は、当技術分野において知られ、実践され得る。いくつかの実施形態では、測定は、ホスト1302による、スループット、伝搬時間、レイテンシなどの測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴い得る。測定は、ソフトウェアが、伝搬時間、誤りなどを監視しながら、OTT接続1350を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されることを引き起こすことにおいて、実装され得る。
【0154】
本明細書で説明されるコンピューティングデバイス(たとえば、UE、ネットワークノード、ホスト)は、ハードウェア構成要素の示されている組合せを含み得るが、他の実施形態は、構成要素の異なる組合せをもつコンピューティングデバイスを備え得る。これらのコンピューティングデバイスが、本明細書で開示されるタスク、特徴、機能および方法を実行するために必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せを備え得ることを理解されたい。本明細書で説明される決定すること、計算すること、取得すること、または同様の動作は、処理回路によって実施され得、処理回路は、たとえば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報または変換された情報をネットワークノードに記憶された情報と比較すること、ならびに/あるいは、取得された情報または変換された情報に基づいて、および前記処理が決定を行ったことの結果として、1つまたは複数の動作を実施することによって情報を処理し得る。その上、構成要素が、より大きいボックス内に位置する単一のボックスとして、または複数のボックス内で入れ子にされている単一のボックスとして図示されているが、実際には、コンピューティングデバイスは、単一の示されている構成要素を組成する複数の異なる物理構成要素を備え得、機能が、別個の構成要素間で区分され得る。たとえば、通信インターフェースは、本明細書で説明される構成要素のうちのいずれかを含むように設定され得、および/または、それらの構成要素の機能は、処理回路と通信インターフェースとの間で区分され得る。別の例では、そのような構成要素のうちのいずれかの非計算集約的機能が、ソフトウェアまたはファームウェアで実装され得、計算集約的機能がハードウェアで実装され得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される機能の一部または全部は、メモリに記憶された命令を実行する処理回路によって提供され得、メモリは、いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体の形態のコンピュータプログラム製品であり得る。代替実施形態では、機能の一部または全部は、ハードワイヤード様式などで、別個のまたは個別のデバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行することなしに、処理回路によって提供され得る。それらの特定の実施形態のいずれでも、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路単独に、またはコンピューティングデバイスの他の構成要素に限定されないが、全体としてコンピューティングデバイスによって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0156】
実施形態
【0157】
グループAの実施形態
【0158】
実施形態1: 複数TRPにPUSCH設定済みグラントを送信するための、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、方法が、a.mTRP動作を指示する統合TCI状態フレームワークの設定を受信することと、b.繰返しを使用するmTRP動作、またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を受信することと、c.統合TCI状態の設定および/または設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することとのうちの1つまたは複数を含む、方法。
【0159】
実施形態2: 統合TCI状態フレームワークについての受信された設定が、2つのTRPへのUL送信を指示する、実施形態1に記載の方法。
【0160】
実施形態3: 統合TCI状態フレームワークについての受信された設定が、2つのジョイント/UL TCI状態を適用することによって2つのTRPへのUL送信を指示する、実施形態1または2に記載の方法。
【0161】
実施形態4: 指示が、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
実施形態5: 繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示が、RRCシグナリングを通して伝達される、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
実施形態6: 繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示が、DCIを通して伝達される、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
実施形態7: 設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、UEによって無視される、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
実施形態8: UEが、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfigIEにおいて設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
実施形態9: (繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示が、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいビットフィールドにおいて設定された、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0167】
実施形態10: (繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示が、UL DCI中のビットフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
実施形態11: ユーザデータを提供することと、ネットワークノードへの送信を介してホストにユーザデータをフォワーディングすることとをさらに含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
グループBの実施形態
【0170】
実施形態12: PUSCH設定済みグラントを受信するための、ネットワークノードによって実行される方法であって、方法が、a.mTRP動作を指示する統合TCI状態フレームワークの設定を送信することと、b.繰返しを使用するmTRP動作、またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかを指示する、設定済みグラントの指示を送信することと、c.統合TCI状態の設定および/または設定済みグラントの設定に従ってPUSCHを送信することとのうちの1つまたは複数を含む、方法。
【0171】
実施形態13: 統合TCI状態フレームワークについての送信された設定が、2つのTRPへのUL送信を指示する、実施形態12に記載の方法。
【0172】
実施形態14: 統合TCI状態フレームワークについての送信された設定が、2つのジョイント/UL TCI状態を適用することによって2つのTRPへのUL送信を指示する、実施形態12または13に記載の方法。
【0173】
実施形態15: 指示が、STxMPまたは繰返しのいずれかを使用するmTRP動作を明示的に指示する、実施形態12から14のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
実施形態16: 繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示が、RRCシグナリングを通して伝達される、実施形態12から15のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
実施形態17: 繰返しまたはSTxMPのいずれかを使用するmTRP動作の指示が、DCIを通して伝達される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
実施形態18: 設定済みグラントについての、繰返しを使用するmTRP動作の他の指示が、UEによって無視される、実施形態12から17のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
実施形態19: UEが、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfigIEにおいて設定されたパラメータ「p0-PUSCH-Alpha」および「powerControlLoopToUse」の一方または両方の設定を無視する、実施形態12から18のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
実施形態20: (繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示が、TS38.331において指定されているように、ConfiguredGrantConfig IE中の新しいビットフィールドにおいて設定された、実施形態12から19のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
実施形態21: (繰返しを使用するmTRP動作またはSTxMPを使用するmTRP動作のいずれかの)明示的指示が、UL DCI中のビットフィールドにおいて指示され、1つのコードポイントが、繰返しを使用するmTRP動作を指示し、1つのコードポイントが、STxMPを使用するmTRP動作を指示する、実施形態12から20のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
実施形態22: ユーザデータを取得することと、ユーザデータをホストまたはユーザ機器にフォワーディングすることとをさらに含む、実施形態12から21のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
グループCの実施形態
【0182】
実施形態23: 複数TRPにPUSCH設定済みグラントを送信するためのユーザ機器であって、グループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された処理回路と、処理回路に電力を供給するように設定された電力供給回路とを備える、ユーザ機器。
【0183】
実施形態24: PUSCH設定済みグラントを受信するためのネットワークノードであって、ネットワークノードが、グループBの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された処理回路と、処理回路に電力を供給するように設定された電力供給回路とを備える、ネットワークノード。
【0184】
実施形態25: 複数TRPにPUSCH設定済みグラントを送信するためのユーザ機器(UE)であって、UEは、無線信号を送り、受信するように設定されたアンテナと、アンテナと処理回路とに接続され、アンテナと処理回路との間で通信される信号を調整するように設定された、無線フロントエンド回路であって、処理回路が、グループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された、無線フロントエンド回路と、処理回路に接続され、UEへの情報の入力が処理回路によって処理されることを可能にするように設定された、入力インターフェースと、処理回路に接続され、処理回路によって処理されたUEからの情報を出力するように設定された、出力インターフェースと、処理回路に接続され、UEに電力を供給するように設定された、バッテリーとを備える、ユーザ機器(UE)。
【0185】
実施形態26: オーバーザトップ(OTT)サービスを提供するための通信システムにおいて動作するように設定されたホストであって、ホストは、ユーザデータを提供するように設定された処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにセルラネットワークへのユーザデータの送信を始動するように設定されたネットワークインターフェースであって、UEが、通信インターフェースと処理回路とを備え、UEの通信インターフェースおよび処理回路が、ホストからユーザデータを受信するためにグループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された、ネットワークインターフェースとを備える、ホスト。
【0186】
実施形態27: セルラネットワークが、ホストからUEにユーザデータを送信するために、UEと通信するように設定されたネットワークノードをさらに含む、実施形態26に記載のホスト。
【0187】
実施形態28: ホストの処理回路が、ホストアプリケーションを実行し、それによりユーザデータを提供するように設定され、ホストアプリケーションが、UE上で実行するクライアントアプリケーションと対話するように設定され、クライアントアプリケーションが、ホストアプリケーションに関連付けられる、実施形態26または27に記載のホスト。
【0188】
実施形態29: ネットワークノードとユーザ機器(UE)とをさらに含む通信システムにおいて動作するホストによって実装される方法であって、方法が、UEのためのユーザデータを提供することと、ネットワークノードを備えるセルラネットワークを介してUEにユーザデータを搬送する送信を始動することとを含み、UEが、ホストからユーザデータを受信するためにグループAの実施形態のいずれか1つに記載の動作のうちのいずれかを実施する、方法。
【0189】
実施形態30: ホストにおいて、UEからユーザデータを受信するために、UE上で実行するクライアントアプリケーションに関連付けられたホストアプリケーションを実行することをさらに含む、実施形態29に記載の方法。
【0190】
実施形態31: ホストにおいて、UE上で実行するクライアントアプリケーションに入力データを送信することであって、入力データが、ホストアプリケーションを実行することによって提供される、入力データを送信することをさらに含み、ユーザデータが、ホストアプリケーションからの入力データに応答してクライアントアプリケーションによって提供される、実施形態30に記載の方法。
【0191】
実施形態32: オーバーザトップ(OTT)サービスを提供するための通信システムにおいて動作するように設定されたホストであって、ホストは、ユーザデータを提供するように設定された処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにセルラネットワークへのユーザデータの送信を始動するように設定されたネットワークインターフェースであって、UEが、通信インターフェースと処理回路とを備え、UEの通信インターフェースおよび処理回路が、ホストにユーザデータを送信するためにグループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された、ネットワークインターフェースとを備える、ホスト。
【0192】
実施形態33: セルラネットワークが、UEからホストにユーザデータを送信するために、UEと通信するように設定されたネットワークノードをさらに含む、実施形態32に記載のホスト。
【0193】
実施形態34: ホストの処理回路が、ホストアプリケーションを実行し、それによりユーザデータを提供するように設定され、ホストアプリケーションが、UE上で実行するクライアントアプリケーションと対話するように設定され、クライアントアプリケーションが、ホストアプリケーションに関連付けられる、実施形態32または33に記載のホスト。
【0194】
実施形態35: ネットワークノードとユーザ機器(UE)とをさらに含む通信システムにおいて動作するように設定されたホストによって実装される方法であって、方法が、ホストにおいて、UEによってネットワークノードを介してホストに送信されたユーザデータを受信することを含み、UEが、ホストにユーザデータを送信するためにグループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施する、方法。
【0195】
実施形態36: ホストにおいて、UEからユーザデータを受信するために、UE上で実行するクライアントアプリケーションに関連付けられたホストアプリケーションを実行することをさらに含む、実施形態35に記載の方法。
【0196】
実施形態37: ホストにおいて、UE上で実行するクライアントアプリケーションに入力データを送信することであって、入力データが、ホストアプリケーションを実行することによって提供される、入力データを送信することをさらに含み、ユーザデータが、ホストアプリケーションからの入力データに応答してクライアントアプリケーションによって提供される、実施形態36に記載の方法。
【0197】
実施形態38: オーバーザトップ(OTT)サービスを提供するための通信システムにおいて動作するように設定されたホストであって、ホストは、ユーザデータを提供するように設定された処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにセルラネットワークにおけるネットワークノードへのユーザデータの送信を始動するように設定されたネットワークインターフェースであって、ネットワークノードが、通信インターフェースと処理回路とを有し、ネットワークノードの処理回路が、ホストからUEにユーザデータを送信するためにグループBの実施形態のいずれか1つに記載の動作のうちのいずれかを実施するように設定された、ホスト。
【0198】
実施形態39: ホストの処理回路が、ユーザデータを提供するホストアプリケーションを実行するように設定され、UEが、ホストからのユーザデータの送信を受信するために、ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行するように設定された処理回路を備える、実施形態38に記載のホスト。
【0199】
実施形態40: ネットワークノードとユーザ機器(UE)とをさらに含む通信システムにおいて動作するように設定されたホストにおいて実装される方法であって、方法が、UEのためのユーザデータを提供することと、ネットワークノードを備えるセルラネットワークを介してUEにユーザデータを搬送する送信を始動することとを含み、ネットワークノードが、ホストからUEにユーザデータを送信するためにグループBの実施形態のいずれか1つに記載の動作のうちのいずれかを実施する、方法。
【0200】
実施形態41: ネットワークノードにおいて、UEのためにホストによって提供されたユーザデータを送信することをさらに含む、実施形態40に記載の方法。
【0201】
実施形態42: ユーザデータが、ホストにおいて、UE上で実行するクライアントアプリケーションと対話するホストアプリケーションを実行することによって提供され、クライアントアプリケーションが、ホストアプリケーションに関連付けられる、実施形態40または41に記載の方法。
【0202】
実施形態43: オーバーザトップサービスを提供するように設定された通信システムであって、通信システムが、ホストを備え、ホストは、ユーザ機器(UE)のためのユーザデータを提供するように設定された処理回路であって、ユーザデータが、オーバーザトップサービスに関連付けられた、処理回路と、UEへの送信のためにセルラネットワークノードのほうへのユーザデータの送信を始動するように設定されたネットワークインターフェースであって、ネットワークノードが、通信インターフェースと処理回路とを有し、ネットワークノードの処理回路が、ホストからUEにユーザデータを送信するためにグループBの実施形態のいずれか1つに記載の動作のうちのいずれかを実施するように設定された、ネットワークインターフェースとを備える、通信システム。
【0203】
実施形態44: ネットワークノード、および/またはユーザ機器をさらに備える、実施形態43に記載の通信システム。
【0204】
実施形態45: オーバーザトップ(OTT)サービスを提供するための通信システムにおいて動作するように設定されたホストであって、ホストは、ユーザデータの受信を始動するように設定された処理回路と、セルラネットワークにおけるネットワークノードからのユーザデータを受信するように設定されたネットワークインターフェースであって、ネットワークノードが、通信インターフェースと処理回路とを有し、ネットワークノードの処理回路が、ホストのためにユーザ機器(UE)からユーザデータを受信するためにグループBの実施形態のいずれか1つに記載の動作のうちのいずれかを実施するように設定された、ネットワークインターフェースとを備える、ホスト。
【0205】
実施形態46: ホストの処理回路が、ホストアプリケーションを実行し、それによりユーザデータを提供するように設定され、ホストアプリケーションが、UE上で実行するクライアントアプリケーションと対話するように設定され、クライアントアプリケーションが、ホストアプリケーションに関連付けられる、実施形態45に記載のホスト。
【0206】
実施形態47: ユーザデータの受信を始動することが、ユーザデータを要求することを含む、実施形態45または46に記載のホスト。
【0207】
実施形態48: ネットワークノードとユーザ機器(UE)とをさらに含む通信システムにおいて動作するように設定されたホストによって実装される方法であって、方法が、ホストにおいて、UEからのユーザデータの受信を始動することを含み、ユーザデータは、ネットワークノードがUEから受信した送信から発生し、ネットワークノードが、ホストのためにUEからのユーザデータを受信するためにグループBの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施する、方法。
【0208】
実施形態49: ネットワークノードにおいて、ホストに、受信されたユーザデータを送信することをさらに含む、実施形態48に記載の方法。
【0209】
以下の略語のうちの少なくともいくつかが本開示で使用され得る。略語間の不整合がある場合、その略語が上記でどのように使用されるかが選好されるべきである。以下で複数回リストされる場合、第1のリスティングが(1つまたは複数の)後続のリスティングよりも選好されるべきである。
・ 3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
・ 5G 第5世代
・ 5GC 第5世代コア
・ 5GS 第5世代システム
・ AF アプリケーション機能
・ AMF アクセスおよびモビリティ機能
・ AN アクセスネットワーク
・ AP アクセスポイント
・ ASIC 特定用途向け集積回路
・ AUSF 認証サーバ機能
・ CG 設定済みグラント
・ CPU 中央処理ユニット
・ DCI ダウンリンク制御情報
・ ・DN データネットワーク
・ ・DSP デジタル信号プロセッサ
・ ・eNB 拡張またはエボルブドノードB
・ ・EPS エボルブドパケットシステム
・ ・E-UTRA 拡張ユニバーサル地上無線アクセス
・ ・FPGA フィールドプログラマブルゲートアレイ
・ ・gNB 新無線基地局
・ ・gNB-DU 新無線基地局分散ユニット
・ ・HSS ホーム加入者サーバ
・ IE 情報エレメント
・ IoT モノのインターネット
・ IP インターネットプロトコル
・ LTE Long Term Evolution
・ MME モビリティ管理エンティティ
・ MTC マシン型通信
・ mTRP 複数送信受信ポイント
・ NEF ネットワーク公開機能
・ NF ネットワーク機能
・ NR 新無線
・ NRF ネットワーク機能リポジトリ機能
・ NSSF ネットワークスライス選択機能
・ OTT オーバーザトップ
・ PC パーソナルコンピュータ
・ PCF ポリシ制御機能
・ P-GW パケットデータネットワークゲートウェイ
・ PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
・ QoS サービス品質
・ RAM ランダムアクセスメモリ
・ RAN 無線アクセスネットワーク
・ ROM 読取り専用メモリ
・ RRC 無線リソース制御
・ RRH リモート無線ヘッド
・ RTT ラウンドトリップタイム
・ SCEF サービス能力公開機能
・ SMF セッション管理機能
・ STxMP 複数パネルにわたる同時送信
・ TCI 送信設定インジケータ
・ TRP 送信受信ポイント
・ UDM 統合データ管理
・ UE ユーザ機器
・ UL アップリンク
・ UPF ユーザプレーン機能
【0210】
当業者は、本開示の実施形態に対する改善および修正を認識されよう。すべてのそのような改善および修正は、本明細書で開示される概念の範囲内で考慮される。
【国際調査報告】