(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】センサ共有および集合的知覚を用いた誤挙動検出
(51)【国際特許分類】
H04W 4/02 20180101AFI20241106BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20241106BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20241106BHJP
【FI】
H04W4/02
H04W4/38
H04W4/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527212
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022078392
(87)【国際公開番号】W WO2023091835
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ソウミヤ・ダス
(72)【発明者】
【氏名】モハマド・ネコウイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・プティ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・ヴァシロフスキー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067JJ51
(57)【要約】
オブジェクト検出を検証するためのシステムおよび技法が説明される。たとえば、装置は、ビークルの視野に対応するセンサデータを取得することができる。装置は、ワイヤレスデバイスからメッセージを受信することができる。メッセージは、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含む。装置は、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかをさらに判定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト検出を検証するための装置であって、
少なくとも1つのトランシーバと、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのトランシーバおよび前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
ビークルの視野に対応するセンサデータを取得し、
前記少なくとも1つのトランシーバを介して、ワイヤレスデバイスから、前記ビークルの前記視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、前記少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信し、
前記センサデータと前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージとに基づいて、前記ワイヤレスデバイスが、前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記ビークルによって取得された前記センサデータにおいて表されていないと判定し、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないことに基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記ビークルによって取得された前記センサデータにおいて表されていると判定し、
前記センサデータを使用して前記少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記センサデータを使用して決定された前記少なくとも1つのオブジェクトの前記ロケーションと、前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージによって示されている前記少なくとも1つのオブジェクトの前記報告されたロケーションとの間の差を決定し、
前記ロケーションと前記報告されたロケーションとの間の前記差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、前記少なくとも1つのトランシーバを介して、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、前記少なくとも1つのトランシーバを介して、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つのセンサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せにおける1つまたは複数の拡張フィールドを介して、前記誤挙動報告を送信するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記メッセージが、センサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記センサデータが、光検出および測距(LiDAR)センサ、レーダセンサ、カメラセンサ、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つから収集されたデータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
オブジェクト検出を検証するための方法であって、
ビークルの視野に対応するセンサデータを取得することと、
ワイヤレスデバイスから、前記ビークルの前記視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、前記少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信することと、
前記センサデータと前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージとに基づいて、前記ワイヤレスデバイスが、前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することとを含む、方法。
【請求項12】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することが、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないと判定することと、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないことに基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することが、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていると判定することと、
前記センサデータを使用して前記少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記センサデータを使用して決定された前記少なくとも1つのオブジェクトの前記ロケーションと、前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージによって示されている前記少なくとも1つのオブジェクトの前記報告されたロケーションとの間の差を決定することと、
前記ロケーションと前記報告されたロケーションとの間の前記差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類することとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記誤挙動報告が、少なくとも1つのセンサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せにおける1つまたは複数の拡張フィールドを介して送信される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記メッセージが、センサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記センサデータが、光検出および測距(LiDAR)センサ、レーダセンサ、カメラセンサ、またはこれらの組合せのうちの少なくとも1つから収集されたデータを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータまたはプロセッサに、
ビークルの視野に対応するセンサデータを取得させ、
ワイヤレスデバイスから、前記ビークルの前記視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、前記少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信させ、
前記センサデータと前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージとに基づいて、前記ワイヤレスデバイスが、前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定させるための少なくとも1つの命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、前記少なくとも1つの命令が、前記コンピュータまたはプロセッサに、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記ビークルによって取得された前記センサデータにおいて表されていないと判定させ、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないことに基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類させるように構成されている、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、前記少なくとも1つの命令が、前記コンピュータまたはプロセッサに、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記ビークルによって取得された前記センサデータにおいて表されていると判定させ、
前記センサデータを使用して前記少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定させるように構成されている、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記プロセッサまたはコンピュータに、
前記センサデータを使用して決定された前記少なくとも1つのオブジェクトの前記ロケーションと、前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージによって示されている前記少なくとも1つのオブジェクトの前記報告されたロケーションとの間の差を決定させ、
前記ロケーションと前記報告されたロケーションとの間の前記差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類させるための少なくとも1つの命令をさらに含む、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
前記コンピュータまたはプロセッサに、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信させるための少なくとも1つの命令をさらに含む、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記コンピュータまたはプロセッサに、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信させるための少なくとも1つの命令をさらに含む、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記プロセッサまたはコンピュータに、
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させるための少なくとも1つの命令をさらに含む、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
オブジェクト検出を検証するための装置であって、
ビークルの視野に対応するセンサデータを取得する手段と、
ワイヤレスデバイスから、前記ビークルの前記視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、前記少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信する手段と、
前記センサデータと前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージとに基づいて、前記ワイヤレスデバイスが、前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定する手段とを備える、装置。
【請求項29】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定する前記手段が、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないと判定する手段と、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていないことに基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類する手段とをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定する前記手段が、
前記少なくとも1つのオブジェクトが前記センサデータにおいて表されていると判定する手段と、
前記センサデータを使用して前記少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定する手段とをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記センサデータを使用して決定された前記少なくとも1つのオブジェクトの前記ロケーションと、前記ワイヤレスデバイスからの前記メッセージによって示されている前記少なくとも1つのオブジェクトの前記報告されたロケーションとの間の差を決定する手段と、
前記ロケーションと前記報告されたロケーションとの間の前記差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、前記ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類する手段とをさらに備える、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信する手段をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信する手段をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記ワイヤレスデバイスが前記少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させる手段をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、通信システムに関する。たとえば、本開示の態様は、センサ共有および集合的知覚を使用して、誤挙動ワイヤレスデバイスを検出するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、電話、動画、データ、メッセージング、およびブロードキャストなどの、様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソースを共有することによって、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な、多元接続技術を採用することができる。このような多元接続技術の例としては、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)システム、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)システム、周波数分割多元接続(frequency division multiple access、FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access、OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(single-carrier frequency division multiple access、SC-FDMA)システム、および時分割同期符号分割多元接続(time division synchronous code division multiple access、TD-SCDMA)システムが挙げられる。
【0003】
これらの多元接続技術は、都市レベル、国レベル、地域レベル、またさらには世界レベルで種々のワイヤレスデバイスが通信することを可能にする、共通のプロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されてきた。例示的な電気通信規格は、5G新無線(New Radio、NR)である。5G NRは、レイテンシ、信頼性、セキュリティ、スケーラビリティ(たとえば、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)に対するもの)に関連する新たな要件、および他の要件を満たすために、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project、3GPP(登録商標))によって公表された、継続的なモバイルブロードバンド進化の一部である。5G NRは、拡張モバイルブロードバンド(enhanced mobile broadband、eMBB)、大規模マシンタイプ通信(massive machine type communications、mMTC)、および超高信頼低遅延通信(ultra-reliable low latency communications、URLLC)に関連するサービスを含む。5G NRのいくつかの態様は、4Gロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)規格に基づき得る。ワイヤレス通信の態様は、V2X、V2V、および/またはD2D通信などのデバイス間の直接通信を含み得る。V2X、V2V、および/またはD2D技術にはさらなる改善が必要である。これらの改善はまた、他の多元接続技術、および、これらの技術を採用する電気通信規格にも適用可能であり得る。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本明細書で開示する1つまたは複数の態様に関する簡略化された概要を提示する。したがって、以下の概要は、全ての企図される態様に関する広範な概観と見なされるべきではなく、また、以下の概要は、全ての企図される態様に関する主要なもしくは重要な要素を特定するものとして、または任意の特定の態様に関する範囲を定めるものとして見なされるべきでない。よって、以下の概要の唯一の目的は、以下で提示される詳細な説明に先立って、本明細書で開示する機構に関する1つまたは複数の態様に関するある特定の概念を、簡略化された形態で提示することである。
【0005】
誤挙動ワイヤレスデバイスを識別するためのシステム、装置、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。少なくとも1つの例によれば、オブジェクト検出を検証するための装置が提供され、装置は、少なくとも1つのトランシーバと、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのトランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサはビークルの視野に対応するセンサデータを取得し、少なくとも1つのトランシーバを介して、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信し、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するように構成されている。
【0006】
別の例では、オブジェクト検出を検証するための方法が提供される。方法は、ビークルの視野に対応するセンサデータを取得することと、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信することと、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することとを含む。
【0007】
別の例では、コンピュータまたはプロセッサに、ビークルの視野に対応するセンサデータを取得させ、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信させ、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定させるための少なくとも1つの命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0008】
別の例では、ロケーション予測を実行するための装置が提供される。装置は、ビークルの視野に対応するセンサデータを取得する手段と、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信する手段と、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定する手段とを含む。
【0009】
いくつかの態様では、装置は、モバイルデバイス(たとえば、携帯電話もしくはいわゆる「スマートフォン」または他のモバイルデバイス)、ウェアラブルデバイス、エクステンデッドリアリティデバイス(たとえば、仮想現実(virtual reality、VR)デバイス、拡張現実(augmented reality、AR)デバイス、または混合現実(mixed reality、MR)デバイス)、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ビークル、サーバコンピュータ、ロボットデバイス、または他のデバイスであるか、またはその一部分である。いくつかの態様では、装置は、1つまたは複数の画像を捕捉するための1つのカメラまたは複数のカメラを含む。いくつかの態様では、装置は、1つまたは複数の画像、通知、および/または他の表示可能なデータを表示するためのディスプレイをさらに含む。いくつかの態様では、上で説明した装置は1つまたは複数のセンサを含むことができ、これらは、装置のロケーション、装置の状態(たとえば、温度、湿度レベル、および/または他の状態)を判定するために、および/または他の目的に使用され得る。
【0010】
本概要は、特許請求される主題の主要なまたは必須の特徴を特定することは意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図するものでもない。本主題は、この特許の明細書全体、いずれかまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるはずである。
【0011】
本明細書で開示する態様に関連する他の目的および利点は、添付の図面および詳細な説明に基づいて、当業者には明らかであろう。
【0012】
添付の図面は、本開示の様々な態様の説明の助けとなるように提示され、態様の限定ではなく、態様の例示のためにのみ提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ワイヤレス通信システムおよびアクセスネットワークの一例を示すダイアグラムである。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、サイドリンクスロット構成の例示的な態様を示す。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信(たとえば、V2V通信、V2X通信、および/またはデバイスツーデバイス通信)に関与する第1のデバイスと第2のデバイスの一例を示すダイアグラムである。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信(たとえば、サイドリンク通信)に関与するデバイスの一例を示すダイアグラムである。
【
図5A】本開示のいくつかの態様による、協調的かつ自動化された運転システムのためのセンサ共有の例を示すダイアグラムである。
【
図5B】本開示のいくつかの態様による、協調的かつ自動化された運転システムのためのセンサ共有の例を示すダイアグラムである。
【
図5C】本開示のいくつかの態様による、協調的かつ自動化された運転システムのためのセンサ共有の例を示すダイアグラムである。
【
図5D】本開示のいくつかの態様による、協調的かつ自動化された運転システムのためのセンサ共有の例を示すダイアグラムである。
【
図6】本開示のいくつかの態様による、協調的かつ自動化された運転システムのためのセンサ共有の一例を示すダイアグラムである。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、誤挙動エンティティを識別するためのセンサ共有の一例を示すダイアグラムである。
【
図8】本開示のいくつかの態様による、誤挙動エンティティを識別するための例示的なプロセスを示すコールフローダイアグラムである。
【
図9】本開示のいくつかの態様による、検出された誤挙動エンティティをリモートビークルに報告するための例示的なプロセスを示すコールフローダイアグラムである。
【
図10】本開示のいくつかの態様による、誤挙動エンティティの検出に基づいて冗長報告レジームを修正するための例示的なプロセスを示すコールフローダイアグラムである。
【
図11】本開示のいくつかの態様による、誤挙動エンティティの存在をリモートビークルに通知するための例示的なプロセスを示すフローダイアグラムである。
【
図12】本開示のいくつかの態様による、センサデータ共有メッセージ構造の一例を示すダイアグラムである。
【
図13】本開示のいくつかの態様による、センサデータ共有メッセージ構造の一例を示すダイアグラムである。
【
図14】本開示のいくつかの態様による、センサデータ共有メッセージにおける検出されたオブジェクトについての情報要素の一例を示すダイアグラムである。
【
図15】本開示のいくつかの態様による、センサデータ共有メッセージにおける検出されたオブジェクトについてのパラメータの一例を示すダイアグラムである。
【
図16】本開示のいくつかの態様による、検出されたオブジェクトを検証するための例示的なプロセスのフローダイアグラムである。
【
図17】本開示のいくつかの態様による、検出されたオブジェクトを検証するための例示的なプロセスのフローダイアグラムである。
【
図18】本開示のいくつかの態様による、例示的な装置のハードウェア実装形態の一例を示すダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいくつかの態様および実施形態が、例示を目的として以下で提供される。本開示の範囲を逸脱することなく、代替の態様が考案され得る。加えて、本開示のよく知られている要素は、本開示の関連する詳細を不明瞭にしないように、詳細には説明されない、または省略される。当業者には明らかなように、本明細書で説明する態様および実施形態のうちのいくつかは独立して適用されてもよく、それらのうちのいくつかは組み合わせて適用されてもよい。以下の説明では、説明の目的のために、本出願の実施形態の完全な理解を提供するために具体的な詳細が記載される。しかしながら、様々な実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることが明らかであろう。図および説明は限定を意図するものではない。
【0015】
以下の説明は、例示的な実施形態を提供するにすぎず、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、例示的な実施形態を実装することを可能にする説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載の本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成において様々な変更が加えられてよいことを理解されたい。
【0016】
「例示的」および/または「例」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示としての役割を果たす」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」および/または「例」として説明するいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましかったりまたは有利であったりすると解釈されるべきではない。同様に、「本開示の態様」という用語は、本開示の全ての態様が、論じる特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするとは限らない。
【0017】
本開示の態様は、協調的かつ自動化された運転決定を改善するための特徴に関する。たとえば、本明細書でより詳細に説明するように、ビークル(または他のワイヤレスデバイス)は、検出されたオブジェクトの存在に関する不正確な情報を報告し得る。たとえば、ビークルまたは他のワイヤレスデバイスは、存在しないオブジェクトの存在を間違って報告することがあり、または存在するオブジェクトについての間違った属性を報告することがある。いくつかのこのような誤報告事例は、悪意のあるエンティティによって実行され得るが、他のものは、報告エンティティに関連する知覚エラーに起因し得る。たとえば、悪意のあるエンティティは、このような攻撃を実行して、チャネルリソースを使い果たし、および/またはサービス拒否(Denial-of-Service、DoS)タイプの攻撃を効果的に開始し、および/または周囲のビークルに誤った入力を提供して、それらのセンサフュージョンエンジン(単数または複数)を狂わせ得る。このような攻撃は、センサ共有および集合的知覚システムの主要な目標である協調的かつ自動化された運転決定を潜在的に危険にさらす可能性がある。
【0018】
様々なワイヤレスエンティティ/デバイス(たとえば、ビークルまたは他のワイヤレスデバイス)によるオブジェクトの誤報告を識別するための、およびいくつかの事例では、誤挙動エンティティ/デバイスを識別し、報告するための、システム、装置、プロセス(方法とも称される)、およびコンピュータ可読媒体(本明細書では集合的にシステムおよび技法と称される)について本明細書で説明する。誤ったオブジェクト報告は、他のビークルなどの他のエンティティ、および/またはサービス制御管理スイート(Service Control Management Suite、SCMS)などのクラウドインフラストラクチャ、および/またはSDSM/CPM誤挙動を管理する役割を担う他のネットワークエンティティに通信され得る。開示される技術の態様は、協調的かつ自動化された運転決定の精度および安全性を改善することができる、誤挙動/不正V2Xエンティティを直接的および間接的に識別するための協働的ソリューションを提供する。
【0019】
本開示の追加の特徴が、以下でより詳しく説明される。
【0020】
本明細書で使用する「ユーザ機器」(user equipment、UE)および「基地局」という用語は、別段に記載されていない限り、任意の特定の無線アクセス技術(radio access technology、RAT)に固有のものであること、あるいはそれに限定されることを意図するものではない。一般に、UEは、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するためにユーザによって使用される、任意のワイヤレス通信デバイス(たとえば、携帯電話、ルータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、および/またはトラッキングデバイスなど)、ウェアラブル(たとえば、スマートウォッチ、スマートグラス、ウェアラブルリング、仮想現実(VR)ヘッドセット、拡張現実(AR)ヘッドセットなどのエクステンデッドリアリティ(extended reality、XR)デバイス)、ビークル(たとえば、自動車、オートバイ、自転車など)、および/またはモノのインターネット(IoT)デバイスなどであり得る。UEは可動であってもよく、または(たとえば、ある特定の時間に)静止していてもよく、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)と通信してもよい。本明細書で使用する「UE」という用語は、「アクセス端末」もしくは「AT」、「クライアントデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「加入者デバイス」、「加入者端末」、「加入者局」、「ユーザ端末」もしくは「UT」、「モバイルデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、またはそれらの変形として互換的に称されることがある。概して、UEは、RANを介してコアネットワークと通信することができ、コアネットワークを通して、UEはインターネットなどの外部ネットワークと、かつ他のUEと接続され得る。当然、ワイヤードアクセスネットワーク、(たとえば、IEEE802.11通信規格などに基づく)ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)ネットワークなどを介するような、コアネットワークおよび/またはインターネットに接続する他の機構もUEにとって可能である。
【0021】
基地局は、展開されているネットワークに応じて、UE、路側機(road side units、RSUs)、および/またはその他のデバイスと通信する複数のRATのうちの1つに従って動作し得、代わりに、アクセスポイント(access point、AP)、ネットワークノード、ノードB(NodeB、NB)、進化型ノードB(evolved NodeB、eNB)、次世代eNB(next generation eNB、ng-eNB)、新無線(NR)ノードB(gNBまたはgノードBとも称される)などと称されることがある。基地局は、サポートされるUEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートすることを含め、UEによるワイヤレスアクセスをサポートするために主に使用され得る。いくつかのシステムでは、基地局はエッジノードシグナリング機能を提供し得るが、他のシステムでは、追加の制御および/またはネットワーク管理機能を提供し得る。UEが信号を基地局へ送る際に経由することができる通信リンクは、アップリンク(uplink、UL)チャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、逆方向制御チャネル、アクセスチャネルなど)と称される。基地局が信号をUEへ送る際に経由することができる通信リンクは、ダウンリンク(downlink、DL)または順方向リンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、または順方向トラフィックチャネルなど)と称される。トラフィックチャネル(traffic channel、TCH)という用語は、本明細書で使用する場合、アップリンク、逆方向もしくはダウンリンク、および/または順方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0022】
「基地局」という用語は、単一の物理送受信ポイント(transmission-reception point、TRP)またはコロケートされてもされなくてもよい複数の物理TRPを指すことがある。たとえば、「基地局」という用語が単一の物理TRPを指す場合、その物理TRPは、基地局のセル(または、いくつかのセルセクタ)に対応する、基地局のアンテナであってもよい。「基地局」という用語が複数のコロケートされた物理TRPを指す場合、物理TRPは、基地局の(たとえば、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)システムの場合のような、または基地局がビームフォーミングを採用する場合の)アンテナのアレイであり得る。「基地局」という用語が複数のコロケートされていない物理TRPを指す場合、物理TRPは、分散アンテナシステム(distributed antenna system、DAS)(トランスポート媒体を介して共通のソースに接続された、空間的に分離されているアンテナのネットワーク)、またはリモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)(サービング基地局に接続されたリモート基地局)であり得る。代わりに、コロケートされていない物理TRPは、UEおよびUEがその参照RF信号(または単に「基準信号」)を測定している隣接基地局から測定報告を受信するサービング基地局であってもよい。TRPは基地局がそこからワイヤレス信号を送信および受信するポイントであるので、本明細書で使用する場合、基地局からの送信または基地局における受信への言及は、基地局の特定のTRPを指すものとして理解されるべきである。
【0023】
UEの測位をサポートするいくつかの実装形態では、基地局は、UEによるワイヤレスアクセスをサポートしないことがあるが(たとえば、UEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートしないことがあるが)、代わりに、UEによって測定されることになる基準信号をUEに送信し得、かつ/またはUEによって送信されてきた信号を受信して測定し得る。このような基地局は、(たとえば、信号をUEに送信するとき)測位ビーコン、および/または(たとえば、UEからの信号を受信および測定するとき)ロケーション測定ユニットと称されることがある。
【0024】
路側機(RSU)は、通信リンクまたはインターフェース(たとえば、セルラーベースのサイドリンクもしくはPC5インターフェース、802.11もしくはWiFi(商標)ベースの専用短距離通信(Dedicated Short Range Communication、DSRC)インターフェース、および/または他のインターフェース)を介して、1つまたは複数のUE、他のRSU、および/または基地局との間でメッセージを送受信できるデバイスである。RSUによって送受信され得るメッセージの例には、ビークルツーエブリシング(vehicle-to-everything、V2X)メッセージがあり、これは以下でより詳しく説明される。RSUは、道路、橋、駐車場、料金所、および/または他のインフラストラクチャシステムを含む、様々な交通インフラストラクチャシステムに位置し得る。いくつかの例では、RSUは、UE(たとえば、ビークル、歩行者ユーザデバイス、および/または他のUE)と交通インフラストラクチャシステムとの間の通信を容易にすることができる。いくつかの実装形態では、RSUは、集中型の管理機能を実行できる、サーバ、基地局、および/または他のシステムと通信することができる。
【0025】
RSUは、UEの通信システムと通信することができる。たとえば、RSUへの送信のためにメッセージを生成してそれに署名するために、およびRSUから受信したメッセージを検証するために、UE(たとえば、ビークルおよび/または他のUE)の高度道路交通システム(intelligent transport system、ITS)が使用され得る。RSUは、交通関係のデータ(たとえば、ビークルの時間、速さ、ロケーションなど)を取得するために、道路、橋、または他のインフラストラクチャシステムに沿って走行するビークルと(たとえば、PC5インターフェース、DSRCインターフェースなどを介して)通信することができる。いくつかの場合、交通関係のデータを取得したことに応答して、RSUは、交通混雑情報(たとえば、交通混雑の開始、交通混雑の終了など)、走行時間、および/または特定のロケーションについての他の情報を、決定または推定することができる。いくつかの例では、RSUは、交通関係のデータを決定するために、他のRSUと(たとえば、PC5インターフェース、DSRCインターフェースなどを介して)通信することができる。RSUは、情報(たとえば、交通混雑情報、走行時間情報、および/または他の情報)を、他のビークル、歩行者UE、および/または他のUEに送信することができる。たとえば、RSUは、RSUのカバレッジ範囲内にあるあらゆるUE(たとえば、ビークル、歩行者UEなど)に情報をブロードキャストし、あるいは送信することができる。
【0026】
無線周波数信号または「RF信号」は、送信機と受信機との間の空間を通って情報を移送する所与の周波数の電磁波を備える。本明細書で使用する送信機は、単一の「RF信号」または複数の「RF信号」を受信機に送信し得る。しかしながら、受信機は、マルチパスチャネルを通るRF信号の伝播特性に起因して、送信される各RF信号に対応する複数の「RF信号」を受信することがある。送信機と受信機との間の異なる経路で送信される同じRF信号は、「マルチパス」RF信号と称されることがある。本明細書で使用するRF信号は、「信号」という用語がワイヤレス信号またはRF信号を指すことが文脈から明確である場合、「ワイヤレス信号」または単に「信号」と称されることもある。
【0027】
図1は、様々な態様によるワイヤレス通信システムおよびアクセスネットワーク100の一例を示すダイアグラムである。ワイヤレス通信システム(ワイヤレスワイドエリアネットワーク(wireless wide area network、WWAN)とも称される)は、基地局102、UE104、進化型パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)160、およびコアネットワーク(たとえば、5GC)190を含む。基地局102は、マクロセル(大電力セルラー基地局)および/またはスモールセル(小電力セルラー基地局)を含み得る。マクロセルは基地局を含む。スモールセルは、フェムトセル、ピコセル、およびマイクロセルを含む。
【0028】
4G LTE(進化型ユニバーサルモバイル電気通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Mobile Telecommunications System (UMTS)Terrestrial Radio Access Network、E-UTRAN)と総称される)用に構成された基地局102は、バックホールリンク132(たとえば、S1インターフェース)を通じてEPC160とインターフェースし得る。NR(次世代RAN(Next Generation RAN、NG-RAN)と総称される)用に構成された基地局102は、バックホールリンク184を介してコアネットワーク190とインターフェースし得る。他の機能に加えて、基地局102は、以下の機能、すなわち、ユーザデータの転送、無線チャネルの暗号化および解読、整合性保護、ヘッダ圧縮、モビリティ制御機能(たとえば、ハンドオーバ、デュアル接続性)、セル間干渉協調、接続のセットアップおよび解放、負荷分散、非アクセス層(non-access stratum、NAS)メッセージの配信、NASノード選択、同期、無線アクセスネットワーク(RAN)共有、マルチ媒体ブロードキャストマルチキャストサービス(multimedia broadcast multicast service、MBMS)、加入者および機器の追跡、RAN情報管理(RAN information management、RIM)、ページング、測位、ならびに警告メッセージの配信のうちの1つまたは複数を実行し得る。基地局102は、バックホールリンク134(たとえば、X2インターフェース)を介して互いに直接または間接的に(たとえば、EPC160またはコアネットワーク190を通じて)通信し得る。バックホールリンク134は、ワイヤードであってもワイヤレスであってよい。
【0029】
基地局102は、UE104とワイヤレス通信し得る。基地局102の各々は、それぞれの地理的カバレッジエリア110に関する通信カバレッジを提供し得る。重複する地理的カバレッジエリア110が存在し得る。たとえば、スモールセル102’は、1つまたは複数のマクロ基地局102のカバレッジエリア110と重複する、カバレッジエリア110’を有し得る。スモールセルとマクロセルの両方を含むネットワークは、異種ネットワークと称されることがある。異種ネットワークはまた、非公開加入者グループ(closed subscriber group、CSG)として知られる制限付きグループにサービスを提供することが可能な、ホーム進化型ノードB(Evolved Node Bs、eNBs)(Home Evolved Node Bs、HeNBs)も含み得る。基地局102とUE104との間の通信リンク120は、UE104から基地局102へのアップリンク(UL)(逆方向リンクとも称される)送信、および/または、基地局102からUE104へのダウンリンク(DL)(順方向リンクとも称される)送信を含み得る。通信リンク120は、空間多重化、ビームフォーミング、および/または送信ダイバーシティを含めた、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術を使用することができる。通信リンクは、1つまたは複数のキャリアを通じたものとすることができる。基地局102/UE104は、各方向における送信に使用される、合計で最大YxMHz(x個のコンポーネントキャリア)のキャリアアグリゲーションにおいて割り当てられる、1つのキャリア当たり最大YMHz(たとえば、5、10、15、20、100、400MHzなど)のバンド幅のスペクトルを使用することができる。それらのキャリアは、互いに隣接している場合もあれば、または隣接していない場合もある。キャリアの割振りは、DLおよびULに対して非対称であってよい(たとえば、UL用よりも多数または少数のキャリアがDL用に割り当てられてよい)。コンポーネントキャリアは、プライマリコンポーネントキャリアと、1つまたは複数のセカンダリコンポーネントキャリアとを含み得る。プライマリコンポーネントキャリアは、プライマリセル(primary cell、PCell)と称される場合があり、セカンダリコンポーネントキャリアは、セカンダリセル(secondary cell、SCell)と称されることがある。
【0030】
特定のUE104は、デバイスツーデバイス(device-to-device、D2D)通信リンク158を使用して、互いに通信することができる。D2D通信リンク158は、DL/UL WWANスペクトルを使用することができる。D2D通信リンク158は、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(physical sidelink broadcast channel、PSBCH)、物理サイドリンク発見チャネル(physical sidelink discovery channel、PSDCH)、物理サイドリンク共有チャネル(physical sidelink shared channel、PSSCH)、および物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel、PSCCH)などの、1つまたは複数のサイドリンクチャネルを使用することができる。D2D通信は、たとえば、FlashLinQ、WiMedia、Bluetooth、ZigBee、IEEE802.11規格に基づくWi-Fi、LTE、またはNRなどの、様々なワイヤレスD2D通信システムを通じたものとすることができる。
【0031】
ワイヤレス通信システムは、5GHzアンライセンス周波数スペクトル内で通信リンク154を介してWi-Fi局(stations、STAs)152と通信しているWi-Fiアクセスポイント(AP)150をさらに含み得る。アンライセンス周波数スペクトルにおいて通信するとき、STA152/AP150は、チャネルが利用可能であるかどうかを判定するために、通信の前にクリアチャネル評価(clear channel assessment、CCA)を実行し得る。
【0032】
スモールセル102’は、ライセンス周波数スペクトルおよび/またはアンライセンス周波数スペクトルにおいて動作することができる。アンライセンス周波数スペクトルの中で動作するとき、スモールセル102’’は、NRを採用し、Wi-Fi AP150によって使用されるのと同じ5GHzアンライセンス周波数スペクトルを使用し得る。スモールセル102’は、アンライセンス周波数スペクトルにおいてNRを採用することにより、アクセスネットワークへのカバレッジを増強し、かつ/または、アクセスネットワークの容量を増大させることができる。
【0033】
基地局102は、スモールセル102’であってもラージセル(たとえば、マクロ基地局)であっても、eNB、gノードB(gNodeB、gNB)、または他のタイプの基地局を含み得る。gNB180などのいくつかの基地局は、UE104との通信において、従来のサブ6GHzスペクトル、ミリメートル波(millimeter wave、mmW)周波数、および/または準mmW周波数で動作し得る。gNB180が、mmW周波数または準mmW周波数において動作するとき、gNB180は、mmW基地局と称されることがある。極高周波(Extremely high frequency、EHF)は、電磁スペクトルにおけるRFの一部である。EHFは、30GHz~300GHzの範囲、および1ミリメートル~10ミリメートルの波長を有する。このバンド内の電波はミリメートル波と称されることがある。準mmWは、100ミリメートルの波長を有する3GHzの周波数に至るまで低下し得る。超高周波(super high frequency、SHF)バンドは、3GHz~30GHzにおよび、センチメートル波とも称される。mmW/準mmW無線周波数バンドを使用する通信は、経路損失が極めて大きく、距離が短い。mmW基地局180は、極めて高い経路損失、および短い距離を補償するために、UE104とともにビームフォーミング182を利用することができる。
【0034】
デバイスは、通信を送受信するためにビームフォーミングを使用し得る。たとえば、
図1は、基地局180が、1つまたは複数の送信方向182’においてUE104にビームフォーミングされた信号を送信し得ることを示す。UE104は、そのビームフォーミングされた信号を、1つまたは複数の受信方向182’’において基地局180から受信し得る。UE104もまた、ビームフォーミングされた信号を、1つまたは複数の送信方向において基地局180に送信し得る。基地局180は、そのビームフォーミングされた信号を、1つまたは複数の受信方向においてUE104から受信することができる。基地局180/UE104は、基地局180/UE104のそれぞれに関する、最良の受信方向および送信方向を決定するために、ビームトレーニングを実行することができる。基地局180に関する送信方向と受信方向とは、同じ場合もあれば、同じではない場合もある。UE104に関する送信方向と受信方向とは、同じ場合もあれば、同じではない場合もある。UE104と基地局102/180との間にビームフォーミングされた信号が示されているが、ビームフォーミングの態様は、同様に、たとえば、V2XまたはD2D通信などのサイドリンク通信に基づいて、別のUE104またはRSU107と通信するために、UE104またはRSU107によって適用され得る。
【0035】
EPC160は、モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)162、他のMME164、サービングゲートウェイ166、マルチ媒体ブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ゲートウェイ168、ブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(Broadcast Multicast Service Center、BM-SC)170、およびパケットデータネットワーク(Packet Data Network、PDN)ゲートウェイ172を含み得る。MME162は、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server、HSS)174と通信することができる。MME162は、UE104とEPC160との間のシグナリングを処理する制御ノードである。一般に、MME162は、ベアラおよび接続管理を提供する。全てのユーザインターネットプロトコル(Internet protocol、IP)パケットは、サービングゲートウェイ166を通じて転送され、サービングゲートウェイ166自体は、PDNゲートウェイ172に接続されている。PDNゲートウェイ172は、UEのIPアドレスの割り当て、ならびに他の機能を提供する。PDNゲートウェイ172およびBM-SC170は、IPサービス176に接続されている。IPサービス176は、インターネット、イントラネット、IPマルチ媒体サブシステム(IP Multimedia Subsystem、IMS)、PSストリーミングサービス、および/または他のIPサービスを含み得る。BM-SC170は、MBMSユーザサービスのプロビジョニングおよび配信に関する機能を提供し得る。BM-SC170は、コンテンツプロバイダのMBMS送信に関するエントリポイントとしての役割を果たし得、公衆陸上移動通信網(public land mobile network、PLMN)内でのMBMSベアラサービスを認可および開始するために使用され得、MBMS送信をスケジューリングするために使用され得る。MBMSゲートウェイ168は、特定のサービスをブロードキャストしているマルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(Multicast Broadcast Single Frequency Network、MBSFN)エリアに属している基地局102に、MBMSトラフィックを分配するために使用することができ、セッション管理(開始/停止)、およびeMBMS関連の課金情報を収集する役割を担い得る。
【0036】
コアネットワーク190は、アクセスおよびモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)192、他のAMF193、セッション管理機能(Session Management Function、SMF)194、ならびにユーザプレーン機能(User Plane Function、UPF)195を含み得る。AMF192は、統合データ管理(Unified Data Management、UDM)196と通信することができる。AMF192は、UE104とコアネットワーク190との間のシグナリングを処理する制御ノードである。一般に、AMF192は、QoSフローおよびセッション管理を提供する。全てのユーザインターネットプロトコル(IP)パケットは、UPF195を通じて転送される。UPF195は、UEのIPアドレスの割り当て、並びに他の機能を提供する。UPF195は、IPサービス197に接続されている。IPサービス197は、インターネット、イントラネット、IPマルチ媒体サブシステム(IMS)、PSストリーミングサービス、および/または他のIPサービスを含み得る。
【0037】
基地局102は、gNB、ノードB、進化型ノードB(eNB)、アクセスポイント、基地トランシーバ局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(basic service set、BSS)、拡張サービスセット(extended service set、ESS)、送受信ポイント(TRP)、または他の何らかの好適な用語で称されることもある。基地局102は、EPC160またはコアネットワーク190へのアクセスポイントをUE104に提供する。UE104の例としては、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)フォン、ラップトップ、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、衛星無線機、全地球測位システム、マルチ媒体デバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲームコンソール、タブレット、スマートデバイス、ウェアラブルデバイス、ビークル、電気メータ、ガスポンプ、大型もしくは小型の調理家電、ヘルスケアデバイス、インプラント、センサ/アクチュエータ、ディスプレイ、または任意の他の同様の機能デバイスが挙げられる。UE104のうちのいくつかは、IoTデバイス(たとえば、パーキングメータ、ガスポンプ、トースタ、ビークル、心臓モニタなど)と称されることがある。UE104はまた、局、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の好適な用語で称される場合もある。
【0038】
いくつかのワイヤレス通信ネットワークは、ビークルツービークル(vehicle-to-vehicle、V2V)、(たとえば、ビークルベースの通信デバイスから、路側機(RSU)などの道路インフラストラクチャノードへの)ビークルツーインフラストラクチャ(vehicle-to-infrastructure、V2I)、(たとえば、ビークルベース通信デバイスから、基地局などの1つまたは複数のネットワークノードへの)ビークルツーネットワーク(vehicle-to-network、V2N)、セルラービークルツーエブリシング(cellular-vehicle-to everything、C-V2X)、拡張V2X(enhanced V2X、e-V2X)、ならびに/または、これらの組合せから通信することが可能な、および/もしくは他のデバイスと通信することが可能な、ビークルツーエニシング(V2X)通信と総称することができるビークルベースの通信デバイスを含み得る。
【0039】
再び
図1を参照すると、いくつかの態様では、UE104、たとえば、送信ビークルユーザ機器(Vehicle User Equipment、VUE)または他のUEは、メッセージを別のUE104に直接送信するように構成され得る。通信は、V2Xまたは近接サービス(Proximity Services、ProSe)などの他のD2D通信に基づき得る。V2Xおよび/またはD2D通信に基づく通信は、路側機(RSU)107などの他の送受信デバイスによって送受信され得る。通信の態様は、たとえば
図2の例に関連して説明したように、PC5またはサイドリンク通信に基づき得る。
【0040】
以下の説明は、5G NRに関連するV2X/D2D通信の例を提供し得るが、本明細書で説明する概念は、LTE、LTE-A、CDMA、GSM、および他のワイヤレス技術など、他の同様の領域に適用可能であり得る。
【0041】
図2は、たとえば、UE104間、UEとインフラストラクチャとの間、UEとRSUとの間などのサイドリンク通信に使用され得るフレーム構造内のサイドリンクサブフレームを示す例示的なダイアグラム200を示す。フレーム構造は、LTEフレーム構造の内部である場合がある。以下の説明では、LTEに焦点を当てる場合があるが、本明細書で説明する概念は、5G NR、LTE-A、CDMA、GSM、および他のワイヤレス技術など、他の同様の分野に適用可能であり得る。これは一例にすぎず、他のワイヤレス通信技術は、異なるフレーム構成および/または異なるチャネルを有することがある。フレーム(10ms)は、等しいサイズの10個のサブフレーム(1ms)に分割することができる。各サブフレームは、2つのスロットを含み得る。各スロットは7個のSC-FDMAシンボルを含み得る。スロット構成0では、各スロットは14個のシンボルを含み得、スロット構成1では、各スロットは7個のシンボルを含み得る。ダイアグラム200は単一のRBサブフレームを示しているが、サイドリンク通信は複数のRBを含み得る。
【0042】
リソースグリッドを使用して、フレーム構成を表すことができる。各時間スロットは、12個の連続するサブキャリアにわたるリソースブロック(resource block、RB)(物理RB(physical RBs、PRBs)とも称される)を含み得る。リソースグリッドは、複数のリソース要素(resource elements、REs)に分割される。各REによって搬送されるビット数は、変調方式に依存する。
図2に示すように、REのいくつかは、たとえば、復調RS(demodulation RS、DMRS)などの基準信号を含み得る。本明細書で説明するように、フィードバックのために少なくとも1つのシンボルが使用され得る。フィードバックの前および/または後のシンボルは、データの受信とフィードバックの送信との間のターンアラウンドに使用され得る。別のシンボル、たとえば、サブフレームの末尾にあるシンボルは、送受信されないガードシンボルとして使用され得る。ガードは、デバイスが、たとえば、次のサブフレームにおいて、受信デバイスとして動作する準備をするために、送信デバイスとして動作することから切り替わることを可能にする。図示のように、残りのREにおいてデータまたは制御が送信され得る。データはPSSCHにおいて搬送され得、制御情報はPSCCHにおいて搬送され得る。制御情報は、サイドリンク制御情報(Sidelink Control Information、SCI)を含み得る。基準信号、制御、およびデータのいずれかの位置は、
図2に示す例とは異なってもよい。
【0043】
図2は、単に、使用され得るフレーム構造の1つの非限定的な例を示す。本明細書で説明する態様は、他の異なるフレームフォーマットを使用する通信に適用され得る。
【0044】
図3は、たとえば、V2V/V2X/または他の通信を介して、第2のワイヤレス通信デバイス350と通信する第1のワイヤレス通信デバイス310のブロックダイアグラム300である。デバイス310は、受信デバイス、たとえば、デバイス350と通信する送信デバイスを備え得る。通信は、たとえば、サイドリンクに基づき得る。送信デバイス310は、UE、RSUなどを備え得る。受信デバイスは、UE、RSUなどを備え得る。パケットは、レイヤ3およびレイヤ2機能性を実装するコントローラ/プロセッサ375に提供され得る。レイヤ3は無線リソース制御(radio resource control、RRC)レイヤを含み、レイヤ2は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol、PDCP)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、および媒体アクセス制御(medium access control、MAC)レイヤを含む。
【0045】
送信(transmit、TX)プロセッサ316および受信(receive、RX)プロセッサ370は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1の機能性を実装している。物理(physical、PHY)レイヤを含むレイヤ1は、トランスポートチャネル上での誤り検出、トランスポートチャネルの前方誤り訂正(forward error correction、FEC)符号化/復号、インタリーブ化、レートマッチング、物理チャネル上へのマッピング、物理チャネルの変調/復調、およびMIMOアンテナ処理を含み得る。TXプロセッサ316は、様々な変調方式(たとえば、2位相偏移変調(binary phase-shift keying、BPSK)、4位相偏移変調(quadrature phase-shift keying、QPSK)、M位相偏移変調(M-phase-shift keying、M-PSK)、M直交振幅変調(M-quadrature amplitude modulation、M-QAM))に基づく、信号コンスタレーションへのマッピングを処理する。次いで、符号化および変調されたシンボルは、並列ストリームに分割され得る。次いで、各ストリームを、OFDMサブキャリアにマッピングし、時間領域および/または周波数領域において基準信号(たとえば、パイロット)と多重化し、次いで、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)を使用して一体に結合することにより、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成することができる。このOFDMストリームは、複数の空間ストリームを生成するように、空間的にプリコーディングされている。チャネル推定器374からのチャネル推定値は、符号化および変調方式を決定するために、ならびに、空間処理に使用され得る。チャネル推定値は、デバイス350によって送信される基準信号および/またはチャネル状態フィードバックから導出され得る。次いで、各空間ストリームを、別個の送信機318TXを介して異なるアンテナ320に提供することができる。各送信機318TXは、送信のために、対応の空間ストリームでRFキャリアを変調することができる。
【0046】
デバイス350において、各受信機354RXは、受信機のそれぞれのアンテナ352を通じて信号を受信する。各受信機354RXは、RFキャリア上に変調されている情報を復元し、その情報を受信(RX)プロセッサ356に提供する。TXプロセッサ368およびRXプロセッサ356は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1の機能性を実装している。RXプロセッサ356は、デバイス350に宛てられたあらゆる空間ストリームを復元するために、情報に対して空間処理を実行し得る。複数の空間ストリームは、デバイス350に宛てられている場合、RXプロセッサ356によって単一のOFDMシンボルストリームに結合され得る。次いで、RXプロセッサ356は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)を使用して、そのOFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号のサブキャリアごとに別個のOFDMシンボルストリームを含む。各サブキャリア上のシンボル、および基準信号は、デバイス310によって送信されてきた最も可能性の高い信号コンスタレーションポイントを決定することによって復元および復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器358によって計算されたチャネル推定値に基づき得る。軟判定は、次いで、物理チャネル上でデバイス310によって最初に送信されたデータおよび制御信号を復元するために、復号およびデインターリーブされる。次いで、それらのデータおよび制御信号は、レイヤ3およびレイヤ2の機能性を実装している、コントローラ/プロセッサ359に提供される。
【0047】
コントローラ/プロセッサ359は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ360に関連付けることができる。メモリ360は、コンピュータ可読媒体と称されることがある。コントローラ/プロセッサ359は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化、パケット再組立て、解読、ヘッダ解凍、および制御信号処理を提供し得る。コントローラ/プロセッサ359はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用して、誤り検出の役割も担う。
【0048】
デバイス310による送信に関連して説明した機能性と同様に、コントローラ/プロセッサ359は、システム情報(たとえば、MIB、SIB)取得、RRC接続、および測定報告に関連するRRCレイヤ機能性と、ヘッダ圧縮/解凍、およびセキュリティ(暗号化、解読、整合性保護、整合性検証)に関連するPDCPレイヤ機能性と、上位レイヤのPDUの転送、ARQを通じた誤り訂正、RLC SDUの連結、セグメント化、および再組み立て、RLCデータPDUの再セグメント化、ならびに、RLCデータPDUの並べ替えに関連するRLCレイヤ機能性と、論理チャネルとトランスポートチャネルとのマッピング、TB上へのMAC SDUの多重化、TBからのMAC SDUの逆多重化、スケジューリング情報報告、HARQを通じた誤り訂正、優先度処理、および論理チャネル優先順位付けに関連するMACレイヤ機能性とを提供し得る。
【0049】
デバイス310によって送信されてきた基準信号またはフィードバックからチャネル推定器358によって導出されたチャネル推定値は、適切なコーディングおよび変調方式を選択するために、かつ空間処理を容易にするために、TXプロセッサ368によって使用され得る。TXプロセッサ368によって生成された空間ストリームは、別個の送信機354TXを介して、異なるアンテナ352に提供することができる。各送信機354TXは、送信のために、対応の空間ストリームでRFキャリアを変調することができる。
【0050】
送信は、デバイス350における受信機機能に関連して説明したものと同様の方式で、デバイス310において処理される。各受信機318RXが、その対応のアンテナ320を通じて信号を受信する。各受信機318RXは、RFキャリア上に変調されている情報を復元し、その情報をRXプロセッサ370に提供する。
【0051】
コントローラ/プロセッサ375は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ376に関連付けることができる。メモリ376は、コンピュータ可読媒体と称されることがある。コントローラ/プロセッサ375は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化、パケット再組立て、解読、ヘッダ解凍、制御信号処理を提供する。コントローラ/プロセッサ375はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用した誤り検出の役割も担う。
【0052】
デバイス350のTXプロセッサ368、RXプロセッサ356、もしくはコントローラ/プロセッサ359、またはTXプロセッサ316、RXプロセッサ370、もしくはコントローラ/プロセッサ375のうちの少なくとも1つは、
図1の198または199に関連して説明した態様を実行するように構成され得る。
【0053】
図4は、V2Xまたは他のD2D通信などのサイドリンク通信に基づくデバイス間のワイヤレス通信の一例400を示す。通信は、
図2に関連して説明した態様を含むスロット構成に基づき得る。たとえば、送信UE402は、受信UE404、406、408によって受信され得る、たとえば、制御チャネルおよび/または対応するデータチャネルを含む送信414を送信し得る。少なくとも1つのUEは、自律ビークルまたは無人航空機を備え得る。制御チャネルは、データチャネルを復号するための情報を含み得、データ送信中に占有されたリソース上での送信を控えることによって干渉を回避するために、受信デバイスによって使用され得る。TTIの数、ならびにデータ送信によって占有されるRBは、送信デバイスからの制御メッセージで示され得る。UE402、404、406、408は各々、受信デバイスとして動作することに加えて、送信デバイスとして動作することが可能であり得る。したがって、UE406、408は、送信416、420を送信しているものとして示されている。送信414、416、420(およびRSU407による418)は、近くのデバイスにブロードキャストまたはマルチキャストされ得る。たとえば、UE414は、UE414の範囲401内の他のUEによる受信を意図する通信を送信し得る。加えて/代わりに、RSU407は、UE402、404、406、408から通信を受信し、および/またはそれらに通信418を送信し得る。
【0054】
UE402、404、406、408、またはRSU407は、
図1に関連して説明した198と同様の検出構成要素を備え得る。UE402、404、406、408、またはRSU407は、
図1に関連して説明した199と同様のBSMまたは緩和構成要素を備え得る。
【0055】
V2X通信などのワイヤレス通信では、V2Xエンティティは、協調的かつ自動化された運転のために、他のV2Xエンティティとセンサ共有を実行し得る。たとえば、
図5Aのダイアグラム500を参照すると、ホストビークル(host vehicle、HV)502は、その環境内のいくつかのアイテムを検出し得る。たとえば、HV502は、ブロック532において、非V2Xエンティティ(non-V2X entity、NV)506の存在を検出し得る。HV502は、第1のリモートビークル(first remote vehicle、RV1)504または路側機(RSU)508などの他のエンティティに、RV1 504および/またはRSU508が単独でNV506を検出することができない場合、NV506の存在について通知し得る。HV502がRV1 504および/またはRSU508にNV506について通知することは、センサ情報の共有である。
図5Bのダイアグラム510を参照すると、HV502は、RV1 504および/またはRSU508によってまだ検出されていない、HV502および/またはRV1 504の経路内の障害物であり得るくぼみ、デブリ、またはオブジェクトなどの物理的障害512を検出し得る。HV502は、障害512を回避できるように、障害512をRV1および/またはRSU508に通知し得る。
図5Cのダイアグラム520を参照すると、HV502は、脆弱道路ユーザ(vulnerable road user、VRU)522の存在を検出し得、RSU508および/またはRV1 504がVRU522を検出することができない事例では、VRU522の検出をRV1 504およびRSU508と共有し得る。
図5Dのダイアグラム530を参照すると、HVは、近くのエンティティ(たとえば、NV、VRU、障害)を検出すると、エンティティの検出を共有するために、センサデータ共有メッセージ(sensor data sharing message、SDSM)534をRVおよび/またはRSUに送信し得る。SDSM534は、HVの近傍内のどの受信デバイスもメッセージを受信することができるようなブロードキャストメッセージであり得る。いくつかの事例では、共有される情報は、RVなどの他のエンティティに中継され得る。たとえば、
図6のダイアグラム600を参照すると、HV602は、NV606および/またはVRU622の存在を検出し得る。HV602は、SDSM610をRSU608にブロードキャストして、NV606および/またはVRU622の検出を報告し得る。RSU608は、リモートビークルがNV606および/またはVRU622の存在を認識するように、HV602から受信したSDSM610をリモートビークルに中継し得る。たとえば、RSU608は、SDSM612をRV1 604に送信し得、SDSM612は、NV606および/またはVRU622の検出に関する情報を含む。
【0056】
場合によっては、ビークル(または他のワイヤレスデバイス)は、検出されたオブジェクトの存在に関する不正確な情報をSDSM612において報告することがある。たとえば、SDSM612は、存在しないオブジェクトの存在を間違って報告する可能性があり、または存在するオブジェクトに関する属性を間違って報告する可能性がある。いくつかのこのような誤報告事例は、悪意のあるエンティティによって実行され得るが、他のものは、報告エンティティに関連する知覚エラーに起因し得る。たとえば、誤作動しているおよび/または誤較正されたセンサを有するビークルは、悪意がなくても、環境内のオブジェクトに関する誤った情報を報告する場合がある。
【0057】
上述のように、本明細書では、様々なワイヤレスエンティティ/デバイスによるオブジェクトの誤報告を識別するための、いくつかの事例では、誤挙動エンティティ/デバイスを識別および報告するためのシステムおよび技法について説明する。誤ったオブジェクト報告は、他のビークルなどの他のエンティティ、および/またはサービス制御管理スイート(Service Control Management Suite、SCMS)などのクラウドインフラストラクチャ、および/またはSDSM/CPM誤挙動を管理する役割を担う他のネットワークエンティティに通信され得る。開示される技術の態様は、協調的かつ自動化された運転決定の精度および安全性を改善することができる、誤挙動/不正V2Xエンティティを直接的および間接的に識別するための協働的ソリューションを提供する。
【0058】
図7は、誤挙動エンティティを識別するためにセンサ共有を使用することができる例示的な環境700を示すダイアグラムである。環境700の例では、リモートビークル(remote vehicle、RV)702が、複数のホストビークル(host vehicles、HVs)、たとえば、HV1 704、HV2 706、HV3 708、およびHV4 710から送信されてきた様々なメッセージ(たとえば、SDSM/CPM)を受信するように示されている。図示の例では、RV702は、HV704、706、708、および710の視野(field-of-view、FOV)に対応する環境714を直接検知/測定するには遠すぎる(たとえば、カバレッジエリアまたは通信範囲外の)位置にある。このような事例では、RV702は、対応するビークルの1つまたは複数のセンサによって検出されたオブジェクトを識別するために、HV(704、706、708、および710)によって送信されてきたSDSMを利用することができる。例として、HV704、706、708、および710から受信したSDSMは、RV702によって使用されて、RV702のセンサ(たとえば、1つまたは複数の光検出および測距(Light Detection and Ranging、LiDAR)、レーダ、および/またはカメラセンサなど)によって直接知覚できない環境700内の様々なオブジェクトを検出し、そして推論することができる。しかしながら、RV702による環境714の理解は、受信されたSDSMに依存するので、不正/誤挙動エンティティによって送られてきた(たとえば、存在しないオブジェクトまたは不正確なオブジェクト情報を報告する)メッセージは、RV702が環境714について正確に推論する能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0059】
いくつかの態様では、様々なHVが、受信されたメッセージ、たとえば、SDSM/CPMメッセージに基づいて、誤報告されたオブジェクトを識別するように装備され得る。たとえば、受信されたSDSM内に示される検出されたオブジェクトは、検証ビークル、たとえば受信側自ビークルによって収集されたセンサデータを使用して検証または確証することができる。例として、報告されたオブジェクトデータをそれ自体のビークルセンサ(たとえば、LiDAR、レーダ、カメラなど)によって収集されたセンサデータと比較することによって、HV1 704は、他のビークルによって報告されたオブジェクトが実際に存在するオブジェクトであることを検証することができる。別の例示的な例では、報告されたオブジェクトが存在する事例では、報告されたオブジェクトデータをそれ自体のビークルセンサによって収集されたセンサデータと比較することによって、HV1 704は、報告されたオブジェクト属性(たとえば、オブジェクトロケーション、オブジェクトタイプ、および/または運動学的特徴など)が正確に運ばれたことを検証することができる。
【0060】
いくつかの例では、報告されたオブジェクトの有効性についての判定を使用して、報告エンティティを(たとえば、不正なまたは誤挙動デバイスとして)分類し、誤挙動を他のV2Xビークルなどの他のエンティティに(たとえば、1つまたは複数のSDSM/CPM送信を介して)報告することができる。いくつかの例では、報告されたオブジェクトの有効性についての判定は、冗長緩和レジームを修正するために、たとえば、他のエンティティ/ビークルに送信される検出されたオブジェクトデータの頻度を増加させるために使用され得る。たとえば、誤挙動ワイヤレスデバイス(たとえば、ビークル)の報告は、直接報告を介して実行されてもよく、環境内の他のオブジェクトについての報告の頻度の修正を通して間接的に実行されてもよい。
【0061】
図7に示す例ではさらに、HV3 708は、たとえば、RV702、HV1 704、HV3 708、およびHV4 710にブロードキャストされる1つまたは複数のメッセージ(SDSM/CPM)を介して、存在しないオブジェクト712を報告する誤挙動/悪意のあるエンティティであり得る。図示の構成では、たとえば、存在しないオブジェクト712がRV702の視野外にあるため、RV702はHV3 708から受信したメッセージを直接検証することができないが、HV1 704、HV2 706、およびHV4 710によって受信されたメッセージは、それらのそれぞれの収集されたセンサデータを使用して検証することができる。したがって、HV1 704、HV2 706、およびHV4 710のうちの1つまたは複数は、HV3 708から受信した報告されたオブジェクトデータにおける不正確さを識別し、HV3 708を誤挙動エンティティとして分類し、この分類をRV702などの他のビークルに直接報告し得る。いくつかの事例では、HV3 708を誤挙動エンティティとして分類することに基づいて、HV3からRV702によって受信される後続のメッセージは、フィルタリングおよび/または無視してもよい。
【0062】
いくつかの例では、オブジェクト検証は、オブジェクトごとに実行され得、たとえば、HV3によって報告されるいくつかのオブジェクトは正確に報告され得るが、他のオブジェクトは不正確に報告され得る。したがって、他のHV(たとえば、HV1 704、HV2 706、およびHV4 710)によって生成されたメッセージは、HV3についてHV1 704、HV2 706、および/またはHV4 710によってブロードキャストされたメッセージが、報告された不正確さ(ロケーション、オブジェクトタイプなどにおける不正確さなど)、ならびに検証HVによって直接観測されたオブジェクト情報を示し得るように、HV3 708によって報告されたオブジェクトおよび/またはオブジェクト属性についてのさらなる詳細を示し得る。誤挙動デバイス(たとえば、HV3 708)による不正確なオブジェクト報告についての情報は、以下で
図12~
図14に関してさらに詳細に説明するように、1つまたは複数のSDSM拡張フィールドに含められ得る。
【0063】
いくつかの態様では、誤挙動エンティティの識別は、たとえば、他のビークルによる不正確なオブジェクト報告の検出に応答して実装される冗長報告方式への修正を通して、間接的に報告され得る。このような実装形態では、RV702など、報告される視野外のエンティティ/ビークルが、他のエンティティによって報告されたオブジェクトデータの精度に関してそれら自体の推論を行うことができるように、環境オブジェクトの報告の頻度を増加させることができる。冗長報告レジームの軽減に関するさらなる説明は、以下で
図10および
図11に関して説明する。
【0064】
図8は、誤挙動エンティティを識別するための例示的なプロセスのコールフローダイアグラム800である。
図8の例では、複数のワイヤレスデバイス、たとえば、HV1 802、HV2 804、HV3 806、およびHV4 808が、
図7に関して上記で説明した環境714などの周囲環境に関するデータをワイヤレスにやり取りするように構成される。
図7の例ではさらに、いくつかまたは全てのデバイス(たとえば、HV1 802、HV2 804、HV3 806、およびHV4 808)は、それらのそれぞれのセンサが共通のロケーション内のオブジェクトの特性を知覚/測定することができるように、共通の視野を共有することができる。ブロック810において、HV3 806は、HV1 802、HV2 804、および/またはHV4 808のうちの1つまたは複数によって共有される視野内の第1のオブジェクトの存在を示すメッセージ(たとえば、SDSM/CPM)を送る。HV3 806によってブロードキャストされるメッセージは、オブジェクトの存在と、場合によっては、報告されるオブジェクトのロケーション、オブジェクトタイプ、オブジェクトの運動学的属性、それらの任意の組合せ、および/または他の属性など、1つまたは複数の他のオブジェクト属性とを示すことができる。
【0065】
ブロック812において、HV1 802は、HV3 806から受信したメッセージを、報告されるオブジェクトを含むとされる視野について収集されたセンサデータと比較する。
図8の例に示すように、HV2 804およびHV4 808などのHV3 806からメッセージを受信する各エンティティによって、同様の比較を行うことができる。ブロック814において、HV1 802は、HV3 806が第1のオブジェクトを誤報告しているかどうかを判定することができる。たとえば、HV1 802は、第1のオブジェクトがHV1 802によって直接収集/受信されたセンサデータ内に示されているかどうかを判定することができる。報告されたオブジェクトが存在する事例では、HV1 802はまた、HV3 806によって報告されたオブジェクト属性の正確さを確証することができる。いくつかの事例では、HV3 806によるオブジェクト報告における不正確さは、HV3 806が誤挙動しているというHV1 802による判定を自動的にもたらし得る。たとえば、HV3 806が存在しないオブジェクトを報告する事例では、HV1 802は、HV3 806が不正または誤挙動ワイヤレスデバイスであると自動的に判定することができる。このような事例では、他のエンティティによって受信されたメッセージを使用して、このような判定を容易にすることができる。たとえば、HV2 804および/またはHV4 808からHV1 802によって受信されたメッセージが、報告されたオブジェクトの存在を示す場合、HV1 802は、HV3 806が誤挙動デバイスではないと判定することができる。このようなシナリオでは、HV1 802は、代わりに、それ自体のセンサまたは知覚能力のうちの1つまたは複数の欠陥を診断/識別し得る。別の例では、HV3 806は、HV2 804および/またはHV4 808からのメッセージに基づいて、オブジェクトが、HV1 802による存在するオブジェクトであるという指示により、そのセンサが故障していると判定することができる。たとえば、HV3 806のセンサが故障している場合、誤報告されたオブジェクトは存在するが、HV3 806のセンサ(単数または複数)によって検出された報告されたロケーション/特性は正確ではない可能性が高い。冗長緩和の修正(たとえば、より多くのメッセージを送信するための冗長緩和の軽減)、報告されたオブジェクト詳細は、デバイス(たとえば、HV3 806)の故障したオンボードセンサを識別するのに役立つことができる。いくつかの態様では、HV3 806が、そのセンサのうちの1つまたは複数が故障していると判定した場合、HV3 806は、1つまたは複数の故障センサを(可能であれば)再較正することができ、および/またはメッセージングサービス(たとえば、SDSMサービス)を無効にするように、HV3 806の運転者に警報することなどによって、メッセージングサービスを無効にする(たとえば、SDSMサービスを一時的に無効にする)ことができる。
【0066】
いくつかの態様では、HV3 806は、隣接ビークル(たとえば、HV2 804、HV4 808、もしくは他のビークル)または他のデバイスが、検出されたオブジェクトの特性に関してそれと「一致しない」ことの発生回数を追跡することができる。他のビークルまたはデバイスがオブジェクトに関してHV3 806によって報告された情報と一致しないことを示すメッセージを受信した回数が多いほど、HV3 806は、それ自体のセンサが故障していると判定する可能性が高くなる。隣接デバイスの異なるセットが経時的にその判定と一致しないとき、HV3 806は、そのセンサの障害に関する信頼スコアを構築することができる。このような解決策は、敵対的な誤挙動ビークルのグループが、HV3 806に、そのセンサが故障していると判定させようと試みるケースを回避するのに役立つことができる。
【0067】
他の例では、HV3 806によるオブジェクト報告における不正確さは、HV3 806による誤挙動を構成すると判定されないことがある。たとえば、HV3 806がオブジェクトの存在を正しく報告するが、不正確なオブジェクトロケーションなど、間違ったまたは不正確な属性を報告する場合、報告されたエラーの量は、HV3 806が誤挙動しているかどうかを判定する際に考慮に入れられ得る。例として、報告されたオブジェクトロケーションにおける不正確さは、許容可能なセンサ誤差に起因し得、HV3 806が誤挙動しているという判定をもたらさないことがある。このような事例では、許容可能な誤差の限界を決定するために閾値が使用され得る。たとえば、報告されたオブジェクトロケーションにおける誤差が所定の閾値を超える(たとえば、センサノイズまたは標準センサ測定誤差の大きさを超える)場合、HV1 802は、HV3 806が誤報告ワイヤレスデバイスであると判定し得る。
図8の例に示すように、同様の判定が、他のワイヤレスデバイス、たとえば、HV2 804および/またはHV4 808のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0068】
ブロック816において、HV3 806が誤挙動していると判定された場合、HV1 802は、たとえば、同じ地理的近傍にある他のビークルなどの他のエンティティに送る1つまたは複数のSDSM/CPMにおいて、誤挙動デバイスを報告することができる。いくつかの事例では、検出された誤挙動は、たとえば、HV3 806から受信したオブジェクト報告の精度を直接確証するには遠すぎる1つまたは複数のリモートビークル(remote vehicles、RVs)に報告され得る。リモートビークルが関与するシナリオに関するさらなる詳細は、以下で
図9、10、および11に関して説明する。
【0069】
図9は、検出された誤挙動エンティティをリモートビークル(RV)に報告するための例示的なプロセスのコールフローダイアグラム900である。
図9の例では、リモートビークル(RV)902は、HV1 802、HV2 804、および/またはHV3 806など、近傍の他のデバイスにアクセス可能な視野を観測することができないワイヤレスデバイス/ビークルを表すことができる。
図7および
図8に関して上記で説明した例と同様に、RV902は、その視野外のオブジェクトを識別するために、他のデバイスからメッセージ(SDSM/CPM)を受信するように構成される。
図9の例では、HV1 802は、HV3が第2のオブジェクトの検出を誤報告していると判定した(ブロック904)。いくつかの事例では、同様の判定は、HV2 804などの他の同様の状況に置かれているデバイスによって行うことができる。いくつかの例では、検出されたHV3 806による誤報告は、HV1 802によって他のデバイス、たとえば、RV902、HV2 804、およびHV3 806にブロードキャストすることができる(ブロック906)。いくつかの例では、報告されるHV3 806の誤挙動は、不正/誤挙動デバイスを識別する情報、ならびに誤報告された情報に関係する情報を含み得る。たとえば、HV3 806の誤挙動を報告するとき、HV1 802は、オブジェクトタイプ、オブジェクトロケーション、および/または他の誤報告された属性を含む報告エラーを識別するデータを含め得る。以下でさらに詳細に説明するように、誤報告されたオブジェクトの性質を詳述する情報は、送信されるSDSM/CPMの1つまたは複数の拡張フィールドに含めることができる。
【0070】
HV1 802および/またはHV2 804によるHV3 806の記述された誤挙動に基づいて、RV902は、HV3 806から受信したSDSM/CPM報告にフィルタを実装することができる(ブロック908)。いくつかの態様では、RV902は、HV3 806から発信される全てのメッセージを無視し得る。他の態様では、RV902は、特定のオブジェクトについての報告を選択的にフィルタ処理/無視し得る。
【0071】
図10は、誤挙動エンティティの検出に基づいて冗長報告緩和レジームを修正する(たとえば、軽減する)ための例示的なプロセス1000のコールフローダイアグラムである。たとえば、道路状況および道路ユーザに関する正確な知識は、V2Xエンティティ(たとえば、RSU、ビークル、VRUなど)が安全かつ効率的な運転決定を下すための前提条件である。SAE J3224規格は、協調的かつ自動化された運転決定を改善するために、検出されたオブジェクトおよび/または道路障害についての情報を交換するためのアプリケーション層メッセージ構造および情報要素(information elements、IEs)を定義することによって、V2Xエンティティの状況認識を強化する。検出された同じオブジェクトに関する情報を冗長に共有することは、リソース利用およびネットワークチャネル負荷を増加させ、したがって、全体的なシステム性能を低下させることがある。冗長報告緩和(センサ共有冗長緩和とも称される)は、一般に、同じオブジェクトに関する冗長情報を送信しているV2Xエンティティ(たとえば、ビークル、RSU、VRUなど)の数を低減または制限するために使用される。
【0072】
冗長報告緩和のための様々な方式が利用可能である。一例では、自己宣言(self-announcement、SA)および頻度ベースのルールが、冗長報告緩和に使用され得る。自己宣言および頻度ベースのルールによれば、V2Xエンティティ(たとえば、V2X対応ビークル)の範囲内の全てのオブジェクトについて、V2Xエンティティは、各オブジェクトが非V2Xオブジェクトであるかどうかを判定することができる。たとえば、V2Xエンティティは、非V2Xオブジェクトについてのみ、SAと称されるメッセージ(たとえば、SDSM)に情報を含めることができる。V2X対応エンティティが(たとえば、SDSMではなく基本安全メッセージ(Basic Safety Message、BSM)を介して)それら自体の情報を共有することが想定され得るので、SAは、V2X対応エンティティまたはオブジェクトに関する情報を除外するために使用され得る。次いで、V2Xエンティティは、所与の長さ(たとえば、長さYミリ秒(milliseconds、ms))のウィンドウにわたって、所与の非V2XオブジェクトについてのT個を超える報告を隣接V2Xエンティティから、それらの報告メッセージ(たとえば、SDSM)において受信しているかどうかを判定するために、頻度ベースのルールを適用することができる。V2Xエンティティが、隣接V2Xエンティティの報告メッセージ(たとえば、SDSM)において時間ウィンドウにわたって非V2XオブジェクトについてのT個を超える報告を受信していると判定した場合、V2Xエンティティは、所与の非V2Xオブジェクトについての情報をその報告メッセージ(たとえば、SDSM)に含めない。そうでない場合、V2Xエンティティは、所与の非V2Xオブジェクトについての情報をそのSDSMに含める。
【0073】
別の例示的な冗長報告緩和方式は、SAおよび距離ベースのルールを含む。(たとえば、非V2Xオブジェクトのみに関する情報を報告する)SAに加えて、V2Xエンティティは、距離ベースのルールを適用して、その報告メッセージ(たとえば、SDSM)から除外する情報を決定することができる。V2Xエンティティは、距離ベースのルールを適用して、時間ウィンドウ(たとえば、Yミリ秒)にわたって、閾値距離(たとえば、ユークリッド距離)よりもV2Xエンティティに近い隣接V2Xエンティティから報告を受信しているかどうかを判定することができ、受信している場合、V2Xエンティティは、その情報をそれ自体の報告メッセージ(たとえば、SDSM)に含めない。たとえば、V2Xエンティティは、(同じ非V2Xオブジェクトについての情報をすでに報告している)隣接V2Xエンティティが閾値距離よりもV2Xエンティティから遠く離れている場合にのみ、非V2Xオブジェクトについての情報をその報告メッセージに含めることができる。
【0074】
別の例示的な冗長報告緩和方式は、SAおよびダイナミクスベースのルールを含む。(たとえば、非V2Xオブジェクトについてのみ情報を報告する)SAに加えて、V2Xエンティティは、(たとえば、隣接V2Xエンティティから以前に受信したSDSMにおいて報告されていたような)非V2Xエンティティの位置が特定の距離(たとえば、4メートルまたは他の距離)を超えて変化した場合、または非V2Xエンティティの速度が特定の速度閾値を超えて(たとえば、毎秒45メートルまたは他の速度閾値を超えて)変化した場合にのみ、ダイナミクスベースのルールを適用して、非V2Xエンティティについての情報をその報告メッセージ(たとえば、SDSM)に含めることを判定することができる。
【0075】
(たとえば、
図10に関して)本明細書で説明する態様によれば、冗長報告緩和レジームを修正すること(たとえば、軽減すること)は、冗長報告緩和レジームの下で送信されるよりも頻繁にメッセージを送ることを含むことができる。
図10の例では、HV1は、HV3がRV1002の視野(FOV)内にない第3のオブジェクトを誤報告したと判定する(ブロック1004)。いくつかの例では、誤報告は、HV3 806による、存在しないオブジェクトの指示に対応し得る。他の例では、誤報告は、存在するオブジェクトについての間違ったまたは不正確な情報(ロケーション情報など)に対応し得る。いくつかの手法では、検出されたHV3 806による誤報告に応答して、他のワイヤレスデバイス(たとえば、HV1 802および/またはHV2 804)は、実施されている冗長緩和方式を軽減し得る。たとえば、潜在的な誤挙動ワイヤレスデバイスとしてのHV3 806の識別に応答して、HV1 802および/またはHV2 804は、さもなければ冗長緩和のためにあまり頻繁ではなかったであろうオブジェクト報告の頻度を増加させ得る(1006)。HV1 802および/またはHV2 804のFOV内のオブジェクトの報告を増加させることによって、RV1002は、FOV内のオブジェクトについてのより頻繁な更新を受信することができ、環境内の様々なワイヤレスデバイス(たとえば、HV3 806)の誤挙動について推論できるようになる。たとえば、HV1 802およびHV2 804が、それぞれの視野内のオブジェクトに関する通常のSDSM/CPMメッセージを送る場合、同じFOV内に存在しないオブジェクトの報告は、全ての受信されたSDSM/CPMオブジェクトデータの比較を通して、RV1002によって推測され得る。いくつかの態様では、このような推論は、複数の受信されたSDSM/CPMからのオブジェクトデータの比較に基づき得、この場合、RV1002は、多数決アルゴリズムを使用してオブジェクト情報の正しさを推論することができる。たとえば、RV1002は、より頻繁に報告されるオブジェクトデータを、あまり頻繁に報告されないオブジェクトデータよりも信頼性が高いものとして評価し得る。
【0076】
いくつかの態様では、所与のワイヤレスデバイスによるSDSM/CPMを介したオブジェクト報告の頻度に対する修正(たとえば、冗長緩和方式を軽減すること)は、所与のオブジェクトが他のデバイスによって報告されることが観測される頻度に基づき得る。例として、HV1 802が、たとえば、所与の持続時間の間、より低い報告頻度でオブジェクトの報告を受信する場合、HV1 802は、そのオブジェクトについてのデータをSDSM候補リストに追加し、その結果、それ自体のSDSM/CPMにおいてそのオブジェクトをより頻繁に報告することができる。他の態様では、オブジェクト報告の頻度に対する修正は、距離ルールに基づき得る。たとえば、オブジェクト報告の頻度は、自ビークル/デバイスからより遠い発信デバイス/エンティティによって観測されたオブジェクトに対して増加され得る。
【0077】
場合によっては、HV1 802および/またはHV2 804が、HV3 806が誤挙動ビークルであると識別した場合、HV1 802、HV2 804、および/またはRV1002は、デバイスの誤挙動検出構成などに従って、適切なアクションを取り得る。たとえば、アクションは、識別されたビークルからのメッセージを、(たとえば、MAC層またはその他の下位層などのスタックの下位層において)無視および/またはフィルタリングすることと、誤報告デバイス(たとえば、SDSM、CPM、または他のメッセージにおいて間違った情報を報告するビークルまたは他のデバイス)を管理する役割を担うネットワークベースのエンティティ(たとえば、サーバベースまたはクラウドエンティティ、SCMS、または他のネットワークベースのエンティティ)に、誤挙動ビークルを報告することとを含むことができる。1つの例示的な例では、RV1002は、ブロック1008において、HV3からのメッセージまたは特定のオブジェクト報告を無視することができる。
【0078】
場合によっては、ブロック1010において、HV3 806は、そのセンサが故障している、または故障している可能性があると判定することによって、潜在的なセンサ誤作動および/または較正問題を検出する。たとえば、上記で説明したように、HV2 804および/またはHV4 808からHV3 807によって受信されたメッセージが、報告されたオブジェクトが実際に存在すること、またはHV3 806によって報告されたロケーションが正確であることを示す場合、HV3 806は、それ自体のセンサまたは知覚能力のうちの1つまたは複数の故障を診断/識別し得る。HV3 806が、そのセンサが故障していると判定した場合、HV3 806は、1つまたは複数の故障センサを再較正することができ、および/またはメッセージングサービスを無効にする(たとえば、SDSMサービスを一時的に無効にする)ことができる。一例では、HV3 806は、メッセージングサービス(たとえば、SDSMサービス)を無効にするように、HV3 806の運転者に、警報を(たとえば、警報を表示すること、警報を伴う音声を出力すること、座席、ハンドル、もしくはビークルの他の構成要素、それらの任意の組合せを振動させること、および/または他の警報を出力することによって)送ることができる。
【0079】
図11は、誤挙動エンティティの存在をリモートビークルに通知するための例示的なプロセス1100のフローダイアグラムである。ブロック1104において、ホストビークル(または他のワイヤレスデバイス)は、誤報告されたオブジェクトを観測したかどうかを判定する。誤報告されたオブジェクトが検出されない場合、プロセス1100はブロック1106に進み、HVは、(たとえば、起こり得るチャネル輻輳を低減するために)通常の冗長緩和を続行する。代わりに、HVが誤報告されたオブジェクトを観測した場合、プロセス1100はブロック1112に進む。ブロック1112において、HVは、検出された誤挙動を直接報告すべきかどうかを判定することができる。HVが、検出された誤挙動をリモートビークル(RV)に直接通知すると判定した場合、プロセス1100はブロック1108に進む。
【0080】
ブロック1108において、HVは、誤挙動エンティティおよび検出されたオブジェクト、ならびに/あるいは誤挙動エンティティおよび/または検出されたオブジェクトのオブジェクト属性を識別する。たとえば、HVは、誤挙動エンティティの属性および/または1つもしくは複数の検出されたオブジェクトの属性を含むメッセージを(たとえば、ブロック1110においてSDSM、CPM、または他のメッセージをRVに直接)送ることができる。いくつかの態様では、上記で説明したように、誤報告された挙動は、(以下で説明する)
図12および
図13に関して示すように、HVによって送られるSDSM/CPMメッセージの1つまたは複数の拡張フィールド中で示され得る。いくつかの事例では、誤報告の(たとえば、誤った報告の性質を示す)属性は、単独で、または訂正されたもしくは正確なオブジェクトデータと併せて、SDSM/CPMメッセージに含めることができる。いくつかの例では、属性は、ビークルが誤挙動しているとして分類される結果をもたらした、誤挙動ビークル(または他のV2Xエンティティ)によって検出されたオブジェクトの特性を含むことができる。たとえば、属性は、オブジェクトを識別するオブジェクト識別子(identifier、ID)、オブジェクトのタイプを示すオブジェクトタイプ、オブジェクトに関する1つまたは複数のロケーション、オブジェクトのサイズ、オブジェクトの色、および/または存在しない、または間違って報告された実際のオブジェクト(単数または複数)の他の属性を含むことができる。場合によっては、オブジェクトに関する1つまたは複数のロケーションは、誤挙動ビークルによって主張されるオブジェクトの「主張される」位置、オブジェクトの真のまたは実際の位置、および/または他のロケーションを含むことができる。たとえば、存在しないオブジェクトの場合、メッセージに含められる属性は、(誤挙動V2Xエンティティによって報告された)「主張される」オブジェクトロケーションまたは位置を含むことができる。存在するオブジェクトについての間違った情報の場合、(誤挙動V2Xエンティティによって報告された)主張されるロケーションまたは位置と(たとえば、HV1 802、HV2 804、および/またはHV3 806など、メッセージの送信者または発信者によって推定される)推定された真のオブジェクト位置の両方が、属性としてメッセージ中に含めることができる。場合によっては、誤挙動V2Xエンティティを誤挙動として示し、またはマークするには、誤挙動エンティティが、それ自体の位置、および場合によってはその隣接または近傍の他のオブジェクトのサブセットを正しく報告していることが必要とされることがある。
【0081】
このような手法では、誤挙動エンティティについて、RVは直接通知される。このような事例では、RVは、誤挙動エンティティから受信した後続のメッセージをフィルタリング/無視し始めることができる。
【0082】
代わりに、ブロック1112において、HVが、誤挙動エンティティについてRVに直接通知しないと判定した場合、プロセス1100は、冗長緩和レジームが軽減されるブロック1114に進む。冗長緩和の軽減は、(たとえば、1つまたは複数の冗長緩和方式の下で報告されるオブジェクトの数と比較して)HVによるオブジェクト報告の頻度の増加をトリガすることができる。上記で説明したように、報告頻度は、所与の時間枠内にオブジェクト観測値が報告される回数に関する頻度ルールに基づくことができる。加えて、HVによる報告頻度は、HVのロケーションからのメッセージ発信者の距離などの他の属性に基づくことができ、この場合、報告頻度は、メッセージ発信者がより短い距離ではなく、より長い距離に位置するときに増加され得る。
【0083】
報告頻度を増加させることによって(たとえば、冗長緩和を軽減することによって)、RVは、より頻繁なSDSM/CPM送信を受信することが可能であり、受信されたオブジェクト報告の精度、ならびにその環境内の他のデバイスによる任意の不正についてより良好な推論を行うことができる。ブロック1116において、RVは、誤挙動RVについて間接的に知ることができる。
【0084】
図12および
図13は、センサデータ共有メッセージ(Sensor Data Sharing Messages、SDSMs)の例を示す。
図12に示す例示的なSDSM1200では、ソースデータ1202は、ホストビークル(HV)806などの報告デバイスに関連する情報を含み得、検出されたオブジェクトデータ1204は、誤報告されたオブジェクトおよび/または誤挙動デバイスによって報告されたオブジェクト属性に関連する情報など、誤挙動デバイスによって報告されたオブジェクトに関連する情報(たとえば、
図12で「DetectedMisbehavingVehicleData」とラベル付けされた情報要素またはフィールド)を含むことができる。たとえば、オブジェクトデータ1204は、存在しないオブジェクト、または誤挙動ビークルによって報告された、間違って報告されたオブジェクト(たとえば、間違ったロケーション情報で報告されたオブジェクト)の属性に関連する情報を含むことができる。一例では、誤挙動ビークルが存在しないオブジェクトに関連する情報を報告する事例では、オブジェクトデータ1204は、間違って主張されるオブジェクトロケーション、オブジェクトタイプ、および/または他の情報など、存在しないオブジェクトの属性を示す情報を含むことができる。誤挙動ビークルが存在するオブジェクトに関連する情報(たとえば、間違ったロケーションなど)を間違って報告する事例では、オブジェクトデータ1204は、正しい属性を識別する情報、誤挙動デバイスによって誤って報告された間違った属性を示す情報、および/または他の情報を含むことができる。たとえば、このような事例では、オブジェクトデータ1204は、オブジェクトデータ1204を報告する特定のHV(たとえば、HV806)によって決定された実際の(正しい)オブジェクトロケーションを識別する情報、誤挙動ビークルまたはデバイスによって報告された間違ったまたは主張されるオブジェクトロケーション、および/または他の情報を含むことができる。いくつかの例では、オブジェクトデータ1204は、他のオブジェクト属性に関する真の/正しい情報、ならびに誤挙動デバイスによって間違って報告された1つまたは複数の対応する(主張される)属性を含み得る。たとえば、オブジェクトデータ1204は、オブジェクトを識別するオブジェクトID、オブジェクトのタイプを示すオブジェクトタイプ、オブジェクトのサイズ、オブジェクトの色、および/または存在しないもしくは間違って報告された実際のオブジェクト(単数または複数)の他の属性のうちの1つまたは複数に関する実際の(正しい)および/または主張される(間違った)属性情報を含み得る。
【0085】
図13のダイアグラム1300を参照すると、検出されたオブジェクトデータ1302は、物理的障害1304(たとえば、くぼみ、VRU、非V2Xビークル)に関するデータを含み得、存在しないオブジェクトまたは誤挙動ビークルによって報告された、間違って報告されたオブジェクト(たとえば、間違ったタイミングおよび/またはロケーション情報で報告されたオブジェクト)の属性に関するデータ1306も含み得る。
【0086】
図14は、
図12および
図13のセンサデータ共有メッセージなどのセンサデータ共有メッセージ内の検出されたオブジェクトについての情報要素の一例を示すダイアグラムである。
図14のダイアグラム1400を参照すると、検出されたオブジェクトについてのトップレベル情報要素(IE)1402は、検出されたオブジェクトの特定の検出された特性を含み得る。たとえば、データ要素1404は、非V2Xビークルデータ、VRUデータ、物理的障害データを含み得、一方、データ要素1406は、誤挙動ビークルデータを含み得る。
【0087】
図15は、
図12および
図13のセンサデータ共有メッセージなどのセンサデータ共有メッセージ内の検出されたオブジェクトについてのパラメータの一例を示すダイアグラムである。たとえば、
図15のダイアグラム1500は、検出されたオブジェクトのパラメータ1502の一例を提供する。たとえば、パラメータ1502は、検出されたオブジェクトの位置、速度、および進行方向を含み得る。DoS攻撃の場合、パラメータ1502は、位置、速度、または進行方向を含み得る。
【0088】
図16は、検出されたオブジェクトを検証するための例示的なプロセス1600を示すフローダイアグラムである。ブロック1602において、プロセス1600は、ビークルの視野(FOV)に対応するセンサデータを取得することを含む。上記で説明したように、センサデータは、LiDARセンサ、レーダセンサ、カメラ、および/または加速度計のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されないいくつかのセンサから受信したデータを含むことができる。いくつかの態様では、センサデータは、ビークルに近接するオブジェクトなど、収集装置(ビークル)の周囲の環境に対応するデータを含むことができる。
【0089】
ブロック1604において、プロセス1600は、ワイヤレスデバイスからメッセージを受信することを含み、メッセージは、ビークルのFOV内に位置する少なくとも1つのオブジェクト(たとえば、報告されたオブジェクト)の指示を含む。いくつかの態様では、メッセージは、V2X通信プロトコルを使用して受信することができる。いくつかの態様では、メッセージは、1つまたは複数のSDSM/CPM送信であり得る(またはそれを含み得る)。
【0090】
ブロック1606において、プロセス1600は、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することを含む。いくつかの態様では、オブジェクトの存在または正確さ(たとえば、ロケーションおよび/または記述)を検証することは、報告されたオブジェクトに対応するセンサデータを、受信されたメッセージに含まれているオブジェクトデータと比較することを含む。例として、オブジェクトがビークルによって取得されたセンサデータに表されていないと判定され得る。このような事例では、ワイヤレスデバイスは、誤挙動デバイスとして分類され得る。別の例では、オブジェクトがセンサデータにおいて表されていると判定され得、その場合、報告されたオブジェクトの様々な属性(ロケーションなど)が、センサデータから知られた属性と比較され得る。いくつかの態様では、ワイヤレスデバイスは、報告されたオブジェクト属性がセンサデータによって示されたものと有意に異なっている場合、誤挙動オブジェクトとして分類され得る。たとえば、ワイヤレスデバイスは、オブジェクトの報告されたロケーションが、所定の閾値を超える量だけセンサデータによって示されるロケーションと異なる場合、誤挙動デバイスとして分類され得る。
【0091】
いくつかの例では、ワイヤレスデバイスが誤挙動デバイスとして分類されていると、それは、たとえば、1つまたは複数のRSUまたは他のビークルなど、1つまたは複数の他のデバイスに直接報告される。例として、ワイヤレスデバイスの不正を示すデータは、センサデータ共有メッセージ(SDSM)/集合的知覚メッセージ(Collective Perception Message、CPM)、および/または基本安全メッセージ(BSM)などの拡張フィールド中に含められ得る。
【0092】
いくつかの例では、誤挙動ワイヤレスデバイスの検出は、ビークルによって実行されるオブジェクト報告の頻度に対する変更をトリガし得る。たとえば、ビークルは、SDSMを介して、たとえば冗長緩和レジームを軽減することによって、オブジェクト報告の頻度を増加させ得る。
【0093】
図17は、検出されたオブジェクトを検証するための例示的なプロセス1700を示すフローダイアグラムである。ブロック1702において、プロセス1700は、ワイヤレスデバイスから、装置の視野内にあるとワイヤレスデバイスによって報告された1つまたは複数のオブジェクトに対応するオブジェクトデータを含む第1のメッセージを受信することを含む。
【0094】
ブロック1704において、プロセス1700は、検出されたデータに基づいて、ワイヤレスデバイスが1つまたは複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを誤報告したかどうかを判定することを含む。上記で説明したように、ワイヤレスデバイスから受信したメッセージ(たとえば、第1のメッセージ)は、センサデータ共有メッセージ(SDSM)とすることができ、またはSDSMを含むことができる。いくつかの態様では、装置(たとえば、ビークル)は、ワイヤレスデバイスが1つまたは複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを誤報告したことを示す第2の(SDSM)メッセージを送信することができる。いくつかの態様では、第2のメッセージは、
図7および
図9に関して上記で説明したRV702およびRV902などのリモートビークル(RV)に送ることができる。いくつかの態様では、ワイヤレスデバイスによる誤報告を示すデータは、第2のメッセージの少なくとも1つのSDSM拡張フィールド中に含めることができる。例として、データは、上記で説明した
図13、
図14、および
図15に関して上記で説明したように、ワイヤレスデバイスの識別情報、ワイヤレスデバイスのロケーション、および/またはワイヤレスデバイスの誤った報告についての情報を示す情報を含み得る。いくつかの例では、第2のメッセージに含められるオブジェクトデータは、脆弱道路ユーザ(VRU)、物理的障害、ワイヤレス障害、検出されたビークル、またはそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を識別するデータを含むことができる。
【0095】
図18は、装置1802のハードウェア実装形態の一例を示すダイアグラム1800である。装置1802は、UEであり、セルラーRFトランシーバ1822および1つまたは複数の加入者識別情報モジュール(subscriber identity modules、SIM)カード1820に結合されたセルラーベースバンドプロセッサ1804(モデムとも称される)と、セキュアデジタル(secure digital、SD)カード1808およびスクリーン1810に結合されたアプリケーションプロセッサ1806と、Bluetoothモジュール1812と、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュール1814と、GNSSモジュール1816と、電源1818とを含む。GNSSモジュール1816は、様々な衛星測位システムを備え得る。たとえば、GNSSモジュールは、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GLONASS)、ガリレオ、北斗ナビゲーション衛星システム(BeiDou Navigation Satellite System、BDS)、広域増強システム(Wide Area Augmentation System、WAAS)、欧州静止衛星ナビゲーションオーバーレイサービス(European Geostationary Navigation Overlay Service、EGNOS)、GPS支援GEO 拡張ナビゲーション(GPS Aided GEO Augmented Navigation、GAGAN)、運輸多目的衛星(Multifunctional Transport Satellite、MTSAT)用衛星航法補強システム(Multifunctional Transport Satellites (MTSAT)Satellite Augmentation System、MSAS)、準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System、QZSS)、またはインド地域航法衛星システム(Navigation with Indian Constellation、NavIC)に対応し得る。セルラーベースバンドプロセッサ1804は、セルラーRFトランシーバ1822を通じて、UE104および/またはBS102/180と通信する。セルラーベースバンドプロセッサ1804は、コンピュータ可読媒体/メモリを含み得る。コンピュータ可読媒体/メモリは非一時的なものであり得る。セルラーベースバンドプロセッサ1804は、コンピュータ可読媒体/メモリ上に記憶されているソフトウェアの実行を含む、全般的な処理の役割を担う。ソフトウェアは、セルラーベースバンドプロセッサ1804によって実行されると、セルラーベースバンドプロセッサ1804に上記で説明した様々な機能を実行させる。コンピュータ可読媒体/メモリはまた、ソフトウェアを実行するとき、セルラーベースバンドプロセッサ1804によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。セルラーベースバンドプロセッサ1804は、受信構成要素1830、通信マネージャ1832、および送信構成要素1834をさらに含む。通信マネージャ1832は、1つまたは複数のオブジェクトを検出するように構成された検出構成要素1840と、1つまたは複数のメッセージ(たとえば、SDSM、CPM、BSMなど)を生成するように構成されたメッセージ構成要素1842とを含む、1つまたは複数の図示の構成要素を含む。通信マネージャ1832内の構成要素は、コンピュータ可読媒体/メモリに記憶され、および/またはセルラーベースバンドプロセッサ1804内のハードウェアとして構成され得る。セルラーベースバンドプロセッサ1804は、UE350の構成要素であってもよく、メモリ360ならびに/またはTXプロセッサ368、RXプロセッサ356、およびコントローラ/プロセッサ359のうちの少なくとも1つを含み得る。一構成では、装置1802は、モデムチップであり、ベースバンドプロセッサ1804だけを含み得、別の構成では、装置1802は、UE全体(たとえば、
図3の350参照)であり、装置1802の前述の追加のモジュールを含み得る。
【0096】
装置は、
図16または
図17の上述のフローチャート内のアルゴリズムのブロックの各々を実行する追加の構成要素を含み得る。したがって、
図16および/または
図17の上述のフローチャート内の各ブロックは、いずれかの構成要素によって実行され得、装置は、それらの構成要素のうちの1つまたは複数を含み得る。それらの構成要素は、記載のプロセス/アルゴリズムを遂行するように具体的に構成されている1つまたは複数のハードウェア構成要素、記載のプロセス/アルゴリズムを実行するように構成されているプロセッサによって実装されたもの、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されているもの、またはそれらの何らかの組合せとすることができる。
【0097】
一構成では、装置1802、特にセルラーベースバンドプロセッサ1804は、第1のワイヤレスデバイスから、脅威ゾーン内の脅威エンティティを示すメッセージを受信する手段を含む。脅威エンティティは、BSMの送信に干渉するデータを送信する。装置は、第1のワイヤレスデバイスからの脅威エンティティに関する情報を示すメッセージに少なくとも部分的に基づいて、候補リソースのセットのうちの、BSMの送信に使用すべき候補リソースを決定する手段を含む。装置は、少なくとも第3のワイヤレスデバイスに、決定された候補リソース上でBSMを送信する手段を含む。装置は、候補リソースの第1のサブセットを決定するために、候補リソースのセットのうちの各候補リソースについての予測RSRPがRSRP閾値を超えることに基づいて、候補リソースのセットのうちの1つまたは複数の候補リソースを除外する手段をさらに含む。装置は、最も低い重み付けされたRSSIをもつ候補リソースの第2のサブセットを取得するために、重み付けされたRSSIランキングに基づいて候補リソースの第1のサブセットをランク付けする手段をさらに含む。候補リソースの第2のサブセットは、候補リソースの第1のサブセットの一部分である。装置は、候補リソースの第2のサブセットから候補リソースを選択する手段をさらに含む。装置は、プレフィルタ閾値を超えない候補リソースのフィルタ処理されたサブセットを取得するために、プレフィルタ閾値を超えるRSSIをもつ候補リソースのセットのうちの1つまたは複数の実質的に検知された候補リソースを除外する手段をさらに含む。装置は、RSRP閾値を超えない候補リソースの第2のサブセットを取得するために、RSRP閾値を超えるがプレフィルタ閾値を超えない、候補リソースのフィルタ処理されたサブセット内の候補リソースを除外する手段をさらに含む。装置は、候補リソースの第2のサブセットから候補リソースを選択する手段をさらに含む。上述の手段は、上述の手段によって列挙された機能を実行するように構成された、装置1802の上述の構成要素のうちの1つまたは複数であり得る。
【0098】
本明細書において提供される実施形態および例の完全な理解をもたらすために、具体的な詳細が上の説明において与えられているが、当業者は、本出願がそれに限定されないことを理解するであろう。したがって、本出願の例示的な実施形態が本明細書で詳細に説明されているが、本発明の概念が別のやり方で様々に具現および採用され得ること、ならびに従来技術によって限定される場合を除き、添付の特許請求の範囲がこのような変形を含むものと解釈されることが意図されることを理解されたい。上記で説明した本出願の様々な特徴および態様は、個別にまたは共同で使用され得る。さらに、実施形態は、本明細書のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明するもの以外の任意の数の環境および適用例において利用することができる。よって、本明細書および図面は限定的ではなく例示的と見なされるべきである。例示の目的のために、方法は特定の順序で説明された。代替実施形態では、方法は説明された順序とは異なる順序で実行され得ることを理解されたい。
【0099】
説明を明確にするために、いくつかの事例では、本技術は、デバイスと、デバイス構成要素と、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せにおいて具現化された方法におけるステップまたはルーチンと、を備える個々の機能ブロックを含むものとして提示されることがある。図の中に示されおよび/または本明細書で説明するもの以外の、追加の構成要素が使用されてよい。たとえば、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないように、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素がブロックダイアグラムの形態で構成要素として示されることがある。他の事例では、実施形態を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、不必要な詳細なしに示すことがある。
【0100】
さらに、当業者は、本明細書で開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得ることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、それらの機能性の観点から上記で概略的に説明した。このような機能性がハードウェアとして実装されるのか、それともソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例およびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。当業者は、説明する機能性を特定の用途ごとに様々な方法で実装し得るが、このような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0101】
個々の実施形態が、フローチャート、フローダイアグラム、データフローダイアグラム、構造ダイアグラム、またはブロックダイアグラムとして示されるプロセスまたは方法として上記で説明されることがある。フローチャートは、動作を逐次プロセスとして説明することがあるが、動作の多くは並列にまたは同時に実行することができる。加えて、動作の順番は並べ替えられてもよい。プロセスは、その動作が完了するときに終了するが、図に含まれていない追加のステップを有することがある。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、その関数が呼出し関数またはメイン関数に戻ることに対応することができる。
【0102】
上記で説明した例によるプロセスおよび方法は、コンピュータ可読媒体に記憶されているか、あるいはそこから入手可能なコンピュータ実行可能命令を使用して実装され得る。このような命令は、たとえば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または処理デバイスに、特定の機能または機能のグループを実行させるか、あるいは実行するように構成する、命令およびデータを含むことができる。使用されるコンピュータリソースの部分は、ネットワークを介してアクセス可能とすることができる。コンピュータ実行可能命令は、たとえば、アセンブリ言語、ファームウェア、ソースコードなどのバイナリ、中間フォーマット命令であってもよい。命令、使用される情報、および/または記載の例による方法中に作成される情報を記憶するのに使用され得るコンピュータ可読媒体の例は、磁気または光ディスク、フラッシュメモリ、不揮発性メモリが設けられたUSBデバイス、ネットワーク接続された記憶デバイスなどを含む。
【0103】
非一時的媒体の例は、磁気ディスクもしくはテープ、コンパクトディスク(compact disk、CD)もしくはデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリ、またはメモリデバイスを含み得るがこれらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造、もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを表し得る、その上に記憶されているコードおよび/または機械実行可能命令を有し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容を受け渡すことおよび/または受け取ることによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン受け渡し、ネットワーク送信などを含む、任意の好適な手段を介して受け渡され、転送され、または送信され得る。いくつかの例では、コンピュータ可読記憶デバイス、媒体、およびメモリは、ビットストリームなどを含むケーブル信号またはワイヤレス信号を含むことができる。しかしながら、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に言及するとき、エネルギー、キャリア信号、電磁波、および信号自体などの媒体は明確に除外される。
【0104】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。たとえば、上の説明全体にわたって言及されたことがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、場合によっては、具体的な適用例、所望の設計、対応する技術などに部分的に応じて、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0105】
本明細書で開示する態様に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはこれらの任意の組合せで実装または実行されてもよく、種々のフォームファクタのいずれかを取ることができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードにおいて実装されるとき、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメント(たとえば、コンピュータプログラム製品)は、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体に記憶され得る。プロセッサ(単数または複数)は必要なタスクを実行し得る。フォームファクタの例は、ラップトップ、スマートフォン、携帯電話、タブレットデバイスまたは他の小型フォームファクタのパーソナルコンピュータ、携帯情報端末、ラックマウントデバイス、スタンドアロンデバイスなどを含む。本明細書で説明する機能性はまた、周辺装置またはアドインカードの中で具現され得る。このような機能性はまた、さらなる例として、単一デバイス上の異なるチップ間で、またはそれにおいて実行される異なるプロセス間で、回路基板上において実装され得る。
【0106】
命令、このような命令を運ぶための媒体、それらを実行するためのコンピューティングリソース、およびこのようなコンピューティングリソースをサポートするための他の構造は、本開示で説明した機能を提供するための例示的な手段である。
【0107】
本明細書で説明する技法はまた、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。このような技法は、汎用コンピュータ、ワイヤレス通信デバイスハンドセット、またはワイヤレス通信デバイスハンドセットおよび他のデバイスにおける適用例を含む複数の用途を有する集積回路デバイスなどの、様々なデバイスのうちのいずれかにおいて実装され得る。モジュールまたは構成要素として説明する特徴はいずれも、集積化論理デバイスとして一体に、または個別であるが相互動作可能な論理デバイスとして別々に実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、技法は、実行されると、上記で説明した方法、アルゴリズム、および/または動作のうちの1つまたは複数を実行する命令を含むプログラムコードを含むコンピュータ可読データ記憶媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読データ記憶媒体は、梱包材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory、SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(non-volatile random access memory、NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、FLASHメモリ、磁気または光データ記憶媒体などの、メモリまたはデータ記憶媒体を備え得る。技法は加えて、または代わりに、伝搬される信号または波などの、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ、および/または実行され得る命令またはデータ構造の形態でのプログラムコードを搬送または通信するコンピュータ可読通信媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。
【0108】
プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(digital signal processors、DSPs)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits、ASICs)、フィールドプログラマブル論理アレイ(field programmable logic arrays、FPGAs)、または他の等価な集積化もしくは個別の論理回路構成などの1つまたは複数のプロセッサを含み得る、プロセッサによって実行され得る。このようなプロセッサは、本開示に記載の技法のいずれかを実施するように構成され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代わりとして、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもあってもよい。プロセッサはまた、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成として実装されてよい。よって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、上記の構造、上記の構造の任意の組合せ、または本明細書で説明する技法の実装に適した任意の他の構造もしくは装置のうちのいずれかを指すことがある。
【0109】
当業者は、本明細書で使用するよりも小さい(「<」)およびよりも大きい(「>」)という記号または用語は、本説明の範囲から逸脱することなく、それぞれ、以下(「≦」)および以上(「≧」)という記号で置き換えられ得ることを理解するであろう。
【0110】
構成要素が特定の動作を実行する「ように構成される」ものとして説明される場合、このような構成は、たとえば、動作を実行するように電子回路もしくは他のハードウェアを設計することによって、動作を実行するようにプログラマブル電子回路(たとえば、マイクロプロセッサ、または他の適切な電子回路)をプログラムすることによって、またはそれらの任意の組合せで達成され得る。
【0111】
「~に結合される」という句は、直接もしくは間接的のいずれかで別の構成要素に物理的に接続される任意の構成要素、および/または直接もしくは間接的のいずれかで別の構成要素と通信している(たとえば、ワイヤード接続もしくはワイヤレス接続および/または他の好適な通信インターフェースを介して他の構成要素に接続される)任意の構成要素を指す。
【0112】
集合のうちの「少なくとも1つ」および/または集合のうちの「1つまたは複数」と記載する請求項の文言または他の文言は、集合の1つのメンバーまたは集合の(任意の組合せの)複数のメンバーが請求項を満たすことを示す。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「AまたはBのうちの少なくとも1つ」を記載する請求項の文言は、A、B、またはAおよびBを意味する。別の例では、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」を記載する請求項の文言は、A、B、C、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはAおよびBおよびCを意味する。集合のうちの「少なくとも1つ」および/または集合のうちの「1つまたは複数」という文言は、集合の中で列挙されるアイテムにその集合を限定するものではない。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「AまたはBのうちの少なくとも1つ」と記載する請求項の文言は、A、B、またはAおよびBを意味することができ、加えて、AおよびBの集合の中で列挙されていないアイテムを含むことができる。
【0113】
本開示の例示的な態様は以下を含む。
【0114】
態様1:オブジェクト検出を検証するための装置であって、少なくとも1つのトランシーバと、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのトランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサはビークルの視野に対応するセンサデータを取得し、少なくとも1つのトランシーバを介して、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信し、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するように構成されている、装置。
【0115】
態様2:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つのオブジェクトがビークルによって取得されたセンサデータにおいて表されていないと判定し、少なくとも1つのオブジェクトがセンサデータにおいて表されていないことに基づいて、ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類するように構成される、態様1に記載の装置。
【0116】
態様3:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定するために、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つのオブジェクトがビークルによって取得されたセンサデータにおいて表されていると判定し、センサデータを使用して少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定するように構成される、態様1または2のいずれか1つに記載の装置。
【0117】
態様4:少なくとも1つのプロセッサが、センサデータを使用して決定された少なくとも1つのオブジェクトのロケーションと、ワイヤレスデバイスからのメッセージによって示されている少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとの間の差を決定し、ロケーションと報告されたロケーションとの間の差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類するように構成される、態様3に記載の装置。
【0118】
態様5:少なくとも1つのプロセッサが、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、少なくとも1つのトランシーバを介して、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信するように構成される、態様1から4のいずれか1つに記載の装置。
【0119】
態様6:少なくとも1つのプロセッサが、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、少なくとも1つのトランシーバを介して、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信するように構成される、態様1から5のいずれか1つに記載の装置。
【0120】
態様7:少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つのセンサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せにおける1つまたは複数の拡張フィールドを介して誤挙動報告を送信するように構成される、態様6に記載の装置。
【0121】
態様8:少なくとも1つのプロセッサが、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させるように構成される、態様1から7のいずれか1つに記載の装置。
【0122】
態様9:メッセージが、センサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せを含む、態様1から8のいずれか1つに記載の装置。
【0123】
態様10:センサデータが、光検出および測距(LiDAR)センサ、レーダセンサ、カメラセンサ、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つから収集されたデータを含む、態様1から9のいずれか1つに記載の装置。
【0124】
態様11:オブジェクト検出を検証するための方法であって、ビークルの視野に対応するセンサデータを取得することと、ワイヤレスデバイスから、ビークルの視野内の少なくとも1つのオブジェクトの指示と、少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとを含むメッセージを受信することと、センサデータとワイヤレスデバイスからのメッセージとに基づいて、ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することとを含む、方法。
【0125】
態様12:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することが、少なくとも1つのオブジェクトがセンサデータにおいて表されていないと判定することと、少なくとも1つのオブジェクトがセンサデータにおいて表されていないことに基づいてワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類することとをさらに含む、態様11に記載の方法。
【0126】
態様13:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したかどうかを判定することが、少なくとも1つのオブジェクトがセンサデータにおいて表されていると判定することと、センサデータを使用して少なくとも1つのオブジェクトのロケーションを決定することとをさらに含む、態様11からは12のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
態様14:センサデータを使用して決定された少なくとも1つのオブジェクトのロケーションと、ワイヤレスデバイスからのメッセージによって示されている少なくとも1つのオブジェクトの報告されたロケーションとの間の差を決定することと、ロケーションと報告されたロケーションとの間の差が所定の閾値を超えるという判定に基づいて、ワイヤレスデバイスを誤挙動デバイスとして分類することとをさらに含む、態様13に記載の方法。
【0128】
態様15:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、リモート管理エンティティに誤挙動報告を送信することをさらに含む、態様11から14のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
態様16:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、1つまたは複数のリモートビークルに誤挙動報告を送信することをさらに含む、態様11から15のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
態様17:誤挙動報告が、少なくとも1つのセンサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せにおける1つまたは複数の拡張フィールドを介して送信される、態様16に記載の方法。
【0131】
態様18:ワイヤレスデバイスが少なくとも1つのオブジェクトを誤報告したという判定に基づいて、センサデータ共有メッセージ(SDSM)送信の頻度を増加させることをさらに含む、態様11から17のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
態様19:メッセージが、センサデータ共有メッセージ(SDSM)、集合的知覚メッセージ(CPM)、基本安全メッセージ(BSM)、またはそれらの任意の組合せを含む、態様11から18のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
態様20:センサデータが、光検出および測距(LiDAR)センサ、レーダセンサ、カメラセンサ、またはこれらの組合せのうちの少なくとも1つから収集されたデータを含む、態様11から19のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
態様21:態様1から20のいずれか1つによる動作をコンピュータまたはプロセッサに実行させるための少なくとも1つの命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0135】
態様22:態様1から20のいずれか1つによる動作を実行する手段を備える、オブジェクト検出を検証するための装置。
【0136】
前述の説明は、本明細書で説明する様々な態様を当業者が実践できるようにするために提供されるものである。これらの態様に対する様々な修正は当業者には簡単明瞭であり、本明細書で定義されている一般的原理は、他の態様に適用することもできる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言に矛盾しない最大の範囲を与えられるべきものとし、要素への単数形での言及は、特に明記されていない限り、「唯一無二」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味するものとする。
【国際調査報告】