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特表2024-542181電動タッピング運動を制御するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電動タッピング運動を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/34 20060101AFI20241106BHJP
   A61C 17/26 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A61C17/34 J
A61C17/26 A
A61C17/34 C
A61C17/34 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529155
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022081604
(87)【国際公開番号】W WO2023088800
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,653
(32)【優先日】2021-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アールマン デイヴ
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー ジャスパー シー.
(72)【発明者】
【氏名】シュトルヒ デヴィッド ロバート
(72)【発明者】
【氏名】アバクス レネ レオナルドゥス ヤコブス マリエ
(72)【発明者】
【氏名】バリンク マルコ
(72)【発明者】
【氏名】イ スンス
(72)【発明者】
【氏名】アドリアンセン グイド アントニウス テオドルス
(72)【発明者】
【氏名】ベニング ウォルター エフ.
(72)【発明者】
【氏名】オルブライト イーサン
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアムズ ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクスラー ウォルター ジュリアス
(72)【発明者】
【氏名】フォスター リーガン スターキー
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202BA02
3B202BC04
3B202BC06
3B202BD02
3B202BE09
(57)【要約】
ユーザの口の全ての目標エリアにおいて最適に実施する電動歯ブラシデバイスなどの口腔洗浄デバイスにおけるスイープ運動及び/又はタッピング運動を生成するためのシステム及び方法である。システム及び方法は、デバイスの中央軸の周りで、又はデバイスの洗浄ユニットの接線方向の線に沿って、第1の方向に駆動トレインシャフトを周期的に移動させ、第1の方向とは異なる第2の方向に駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、その結果、洗浄ユニットに取り付けられた洗浄要素のセットが垂直上下運動で移動するように構成される。システム及び方法は更に、ユーザの口の異なるエリアを目標とするように駆動トレインアセンブリの出力を動的に修正するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄要素のセットを有する洗浄ユニットと、
前記洗浄ユニットに結合された本体部分と、
前記本体部分内に配置された駆動トレインアセンブリと
を備える口腔洗浄デバイスであって、
前記駆動トレインアセンブリは、
少なくとも部分的に前記本体部分内に収容され、前記洗浄ユニットに係合する駆動トレインシャフトと、
(i)前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記口腔洗浄デバイスの第1の軸の周りで又は第1の軸に沿って第1の方向に周期的に駆動し、(ii)前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記口腔洗浄デバイスの第2の軸の周りで又は第2の軸に沿って第2の方向に周期的に駆動する電磁アセンブリであって、前記第2の方向は前記第1の方向とは異なり、前記第2の軸は前記第1の軸に垂直である、電磁アセンブリと
を備える、口腔洗浄デバイス。
【請求項2】
前記洗浄要素のセットは、0.5mmよりも大きく3mmよりも小さな振幅及び0.25Hzよりも大きく520Hzよりも小さな周波数で前記第1の方向又は前記第2の方向に移動する、請求項1に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項3】
前記第1の軸は、前記口腔洗浄デバイスの中央軸である、請求項1に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項4】
前記電磁アセンブリは、前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するか、又は、
前記電磁アセンブリは、前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止する、請求項1に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項5】
前記本体部分は、動作のモードを選択するためにユーザによって操作可能な入力部を更に含み、
前記動作のモードを選択することによって、前記電磁アセンブリは、(i)前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止し、前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続するか、又は(ii)前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止し、前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続する、請求項4に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項6】
ユーザの口の1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に対して前記洗浄要素のセットが位置付けられた角度情報を検知するセンサと、プロセッサとを更に備え、
前記プロセッサは、
検知された前記角度情報を前記センサから受信し、
受信された検知された前記角度情報に基づいて、前記洗浄要素のセットが前記ユーザの前記口の洗浄エリアに近接していることを判定し、
前記第1の方向だけ又は前記第2の方向にだけ前記駆動トレインシャフトが周期的に駆動される前記電磁アセンブリの動作のモードを選択する、請求項4に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項7】
前記洗浄エリアは、歯肉線エリア又は歯間エリアである、請求項6に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項8】
前記駆動トレインシャフトに接続された共振器であって、前記共振器は前記第1の軸の周りで回転する、共振器と、
第1の端部と第2の端部とピボットポイントとを有する弾性部材であって、前記弾性部材は、前記第1の端部において前記共振器に接続される、弾性部材と、
前記弾性部材の前記第2の端部に接続された磁石と
を更に備え、
前記電磁アセンブリは、前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記第1の軸の周りで又は前記第1の軸に沿って前記第1の方向に周期的に駆動するように前記磁石と相互作用する第1及び第2の導体を更に備える、請求項1に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項9】
前記電磁アセンブリは、前記第1及び第2の導体と平行に配置された第3及び第4の導体を更に備え、前記第3及び第4の導体は、前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記第2の軸の周りで又は前記第2の軸に沿って前記第2の方向に周期的に駆動するように前記磁石と相互作用する、請求項8に記載の口腔洗浄デバイス。
【請求項10】
口腔洗浄デバイスのための駆動トレインアセンブリであって、前記口腔洗浄デバイスは本体部分を有し、前記駆動トレインアセンブリは、
少なくとも部分的に前記本体部分内に収容され、洗浄要素のセットを備える洗浄ユニットに係合する駆動トレインシャフトと、
前記駆動トレインシャフトに接続された共振器であって、前記共振器は前記口腔洗浄デバイスの第1の軸の周りで回転する、共振器と、
第1の端部と第2の端部とピボットポイントとを有する弾性部材であって、前記弾性部材は、前記第1の端部において前記共振器に接続される、弾性部材と、
前記弾性部材の前記第2の端部に接続された磁石と、
前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記口腔洗浄デバイスの前記第1の軸の周りで又は前記第1の軸に沿って第1の方向に周期的に駆動するように前記磁石と相互作用する第1及び第2の導体を備える電磁アセンブリであって、前記電磁アセンブリは、前記駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記洗浄ユニットを、前記口腔洗浄デバイスの第2の軸の周りで又は前記第2の軸に沿って第2の方向に周期的に駆動するように前記磁石と相互作用する第3及び第4の導体を更に備える、電磁アセンブリと
を備え、
前記第2の方向は前記第1の方向とは異なり、前記第2の軸は前記第1の軸に垂直である、駆動トレインアセンブリ。
【請求項11】
前記洗浄要素のセットは、0.5mmよりも大きく3mmよりも小さな振幅及び0.25Hzよりも大きく520Hzよりも小さな周波数で前記第2の方向に移動する、請求項10に記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項12】
前記電磁アセンブリは、前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するか、又は、前記電磁アセンブリは、前記第1の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止する、請求項10に記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項13】
前記電磁アセンブリは、前記口腔洗浄デバイスの前記本体部分における入力部において受信されたユーザ入力に応じて前記第1の方向又は前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止する、請求項10に記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項14】
前記電磁アセンブリは、センサから受信されたセンサ信号に応じて前記第1の方向又は前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止し、前記センサ信号は、1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に対して前記洗浄要素のセットが位置付けられた角度情報を示す、請求項10に記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項15】
前記電磁アセンブリは、洗浄ルーチン中に、特定の時間量の経過後に、前記第1の方向又は前記第2の方向への前記駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止する、請求項10に記載の駆動トレインアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、概して、高性能の洗浄結果を達成する制御可能なスイープ及び電動タッピング運動を生成するための口腔洗浄デバイス及びシステムに向けられる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 現在の最新の口腔洗浄デバイスは、ブラシヘッドの中央軸の周りの回転運動を使用する。この運動はスイープ運動として知られている。電動歯ブラシなどの最新の口腔洗浄デバイスの単純化された概略表現が図1において図示される。図1において図示されるように、電動歯ブラシ10は、ハンドル12とブラシヘッド14とを有する。剛毛16がブラシヘッド14から延在するように図示されている。使用時に、ブラシヘッド14は、ハンドル12内に収容された駆動システムによって駆動される。剛毛は、典型的には、駆動システムによって中央軸Aの周りをスイープ運動SMで回転される。スイープ運動は、典型的には、線状的な移動、回転的な移動、又は線状的な移動及び回転的な移動の両方が組み合わされた移動として具現化され、この移動は剛毛が面する方向に対して接線方向である。
【0003】
[0003] 残念なことに、スイープ運動だけを用いる歯ブラシデバイスは、口における全ての目標エリア(例えば、隣接歯間エリア、歯肉線エリア、門歯面、臼歯面、及び歯の全体的な面エリア)のために最適化されない。全ての目標エリアにおいて適切な洗浄性能を達成することは、歯ブラシのレイアウト、歯ブラシの運動、ユーザによる取り扱いなどの、いくつもの要因に依存する。製造者は歯ブラシのレイアウト又は設計を制御し得るが、異なるエリアに対する相反する要件のせいで、全ての目標エリアにおいて最適に動作する歯ブラシを設計することは困難である。結果として、歯ブラシは、特定の関心エリアにおいて最適でない性能を有し得る。理想的には消費者は全ての目標エリアにおいて最良の洗浄を達成するために異なるタイプの歯ブラシを使用できるが、日常的な口腔ケアルーチンのためには、消費者はただ1つの歯ブラシデバイスしか用いない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 故に、当技術分野において、汚れ及び/又は歯垢の除去並びに歯肉の健康という目標を達成する向上された口腔洗浄デバイス及びシステムに対する需要が存在する。当技術分野において、口の特定のエリアを目標とする異なる駆動トレイン運動を最適化する向上された口腔洗浄デバイス及びシステムに対する需要も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本開示は、概して、電気歯ブラシなどの電気又は電動口腔洗浄デバイスに適用され得る発明的な駆動トレインアセンブリに向けられる。発明的なシステムは、電動タッピング運動を単独で又はスイープ運動と組み合わせて正確に及び制御可能に生成することによって、向上された汚れ及び/又は歯垢の除去並びに歯肉の健康という目標を達成する。本明細書における様々な実施形態及び実施態様は、デバイスの中央軸の周りで第1の方向に駆動トレインシャフトを周期的に回転させ、第1の方向とは異なる第2の方向に駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、その結果、洗浄ユニットに取り付けられた洗浄要素のセットが垂直上下運動(すなわち、タッピング運動)で移動するように構成された複数の導体を有する電磁アセンブリを利用する向上された駆動トレインアセンブリに向けられる。出願者は、スイープ運動とタッピング運動との組み合わせが、口の特定のエリアのために有益であり、更に、例えば歯肉線エリアなどの特定の他のエリアために、スイープ運動を停止して、これをタッピング運動だけで代替させることが有利であることを認識し、理解した。
【0006】
[0006] 1つの態様において、口腔洗浄デバイスが提供される。口腔洗浄デバイスは、洗浄要素のセットを有する洗浄ユニットと;洗浄ユニットに結合された本体部分と;本体部分内に配置された駆動トレインアセンブリとを含み、駆動トレインアセンブリは、少なくとも部分的に本体部分内に収容され、洗浄ユニットに係合するように構成された駆動トレインシャフトと;(i)駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、口腔洗浄デバイスの第1の軸の周りで又は第1の軸に沿って第1の方向に周期的に駆動し、及び(ii)駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、口腔洗浄デバイスの第2の軸の周りで又は第2の軸に沿って第2の方向に周期的に駆動するように構成された電磁アセンブリであって、第2の方向は第1の方向とは異なり、第2の軸は第1の軸に垂直である、電磁アセンブリとを備える。
【0007】
[0007] 実施形態によると、洗浄要素のセットは、0.5mmよりも大きく3mmよりも小さな振幅及び0.25Hzよりも大きく520Hzよりも小さな周波数で第1の方向又は第2の方向に移動するように構成される。
【0008】
[0008] 実施形態によると、 第1の軸は、口腔洗浄デバイスの中央軸(A)である。
【0009】
[0009] 実施形態によると、電磁アセンブリは、第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成され;又は、電磁アセンブリは、第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成される。
【0010】
[0010] 実施形態によると、本体部分は、動作のモードを選択するためにユーザによって操作可能な入力部を更に含み、動作のモードを選択することによって、電磁アセンブリは、(i)第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止し、第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続し、又は(ii)第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止し、第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続する。
【0011】
[0011] 実施形態によると、口腔洗浄デバイスは、ユーザの口の1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に対して洗浄要素のセットが位置付けられた角度情報を検知するように構成されたセンサと;プロセッサとを更に含み、プロセッサは、検知された角度情報をセンサから受信することと;受信された検知された角度情報に基づいて、洗浄要素のセットがユーザの口の洗浄エリアに近接していることを判定することと;第1の方向だけ又は第2の方向だけに駆動トレインシャフトが周期的に駆動される電磁アセンブリの動作のモードを選択することとを行うように構成される。
【0012】
[0012] 実施形態によると、洗浄エリアは、歯肉線エリア又は歯間エリアである。
【0013】
[0013] 実施形態によると、口腔洗浄デバイスは、駆動トレインシャフトに接続された共振器であって、共振器は第1の軸の周りで回転するように構成される、共振器と;第1の端部と第2の端部とピボットポイントとを有する弾性部材であって、弾性部材は、その第1の端部において共振器に接続される、弾性部材と;弾性部材の第2の端部に接続された磁石とを更に含み、電磁アセンブリは、駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、第1の軸の周りで又は第1の軸に沿って第1の方向に周期的に駆動するように磁石と相互作用するように構成された第1及び第2の導体を更に備える。
【0014】
[0014] 実施形態によると、電磁アセンブリは、第1及び第2の導体と平行に配置された第3及び第4の導体を更に備え、第3及び第4の導体は、駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、第2の軸の周りで又は第2の軸に沿って第2の方向に周期的に駆動するように磁石と相互作用するように構成される。
【0015】
[0015] 別の態様において、口腔洗浄デバイスのための駆動トレインアセンブリが提供される。駆動トレインアセンブリは、少なくとも部分的に本体部分内に収容され、洗浄要素のセットを備える洗浄ユニットに係合するように構成された駆動トレインシャフトと;駆動トレインシャフトに接続された共振器であって、共振器は口腔洗浄デバイスの第1の軸の周りで回転するように構成される、共振器と;第1の端部と第2の端部とピボットポイントとを有する弾性部材であって、弾性部材は、その第1の端部において共振器に接続される、弾性部材と;弾性部材の第2の端部に接続された磁石と;駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、口腔洗浄デバイスの第1の軸の周りで又は第1の軸に沿って第1の方向に周期的に駆動するように磁石と相互作用するように構成された第1及び第2の導体を備える電磁アセンブリであって、電磁アセンブリは、駆動トレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、洗浄ユニットを、口腔洗浄デバイスの第2の軸の周りで又は第2の軸に沿って第2の方向に周期的に駆動するように磁石と相互作用するように構成された第3及び第4の導体を更に備える、電磁アセンブリとを含み、第2の方向は第1の方向とは異なり、第2の軸は第1の軸に垂直である。
【0016】
[0016] 実施形態によると、洗浄要素のセットは、0.5mmよりも大きく3mmよりも小さな振幅及び0.25Hzよりも大きく520Hzよりも小さな周波数で第2の方向に移動するように構成される。
【0017】
[0017] 実施形態によると、電磁アセンブリは、第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成され;又は、電磁アセンブリは、第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を継続しつつ第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成される。
【0018】
[0018] 実施形態によると、電磁アセンブリは、口腔洗浄デバイスの本体部分における入力部において受信されたユーザ入力に応じて第1の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成される。
【0019】
[0019] 実施形態によると、電磁アセンブリは、センサから受信されたセンサ信号に応じて第1の方向又は第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成され、センサ信号は、1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に対して洗浄要素のセットが位置付けられた角度情報を示す。
【0020】
[0020] 実施形態によると、電磁アセンブリは、洗浄ルーチン中に、特定の時間量の経過後に、第1の方向又は第2の方向への駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止するように構成される。
【0021】
[0021] 様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数の記憶媒体(本明細書においては、全体的に「メモリ」と称され、例えば、RAM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光学的ディスク、磁気テープなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリである)と関連付けられる。いくつかの実施態様において、記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されたときに本明細書において議論される機能のうちの少なくともいくつかを実施する1つ又は複数のプログラムによってエンコードされる。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定され、又は可搬式であり、本明細書において議論される様々な態様を実現するように、記憶媒体上に記憶された1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又はコントローラにロードされ得る。本明細書において、「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、1つ又は複数のプロセッサ若しくはコントローラをプログラムするために用いられ得る任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す一般的な意味で使用される。
【0022】
[0022] 前述の概念及び以下においてより詳細に議論される追加的な概念の全ての組み合わせは(このような概念が相互に矛盾しないという条件において)本明細書において開示される発明的主題の一部であるものと考えられることが理解されるべきである。特には、本開示の末尾に記載された特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書において開示される発明的主題の一部であると考えられる。参照によって組み込まれる任意の開示においても記載される本明細書において明示的に用いられる用語は、本明細書において開示される特定の概念と最も首尾一貫する意味と一致することも理解されるべきである。
【0023】
[0023] 様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下において説明される実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
【0024】
[0024] 図面において、類似の参照文字は、概して、異なる図を通じて同一の部分を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、様々な実施形態の原理を示すにあたり、強調がなされている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0025] スイープ運動を用いる最新の口腔洗浄デバイスの単純化された概略表現である。
図2】[0026] 本開示の態様によるタッピング運動を使用する口腔洗浄デバイスの一部分の単純化された概略表現である。
図3】[0027] 本開示の態様によるスイープ運動及びタッピング運動を用いるように構成された口腔洗浄デバイスの端面図の単純化された概略表現である。
図4】[0028] 本開示の態様による周期的パルス(すなわち、タッピング)運動を使用する口腔洗浄デバイスのための周波数及び振幅の重要パラメータの図表現である。
図5】[0029] 本開示の態様による例示的なスイープ及びタッピングの振幅のグラフ表現である。
図6】[0030] 本開示の態様による口腔洗浄デバイスの概略表現である。
図7】[0031] 本開示の態様によるスイープ運動を用いるように構成された口腔洗浄デバイスの駆動トレインアセンブリの一部分の概略表現である。
図8】[0032] 本開示の態様によるスイープ運動及びタッピング運動を一緒に及び個別に用いるように構成された口腔洗浄デバイスの駆動トレインアセンブリの一部分の概略表現である。
図9】[0033] 本開示の態様による図8において図示された駆動トレインアセンブリの一部分の磁石及び導体の概略表現である。
図10】[0034] 本開示の態様による電動歯ブラシデバイスなどの口腔洗浄デバイスを動作させる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0035] 本開示は、電気歯ブラシ又は髭剃りなどの電気又は電動口腔洗浄デバイスのブラシヘッドを駆動するための向上されたシステムの様々な実施形態を説明する。出願者は、口腔洗浄デバイスは、デバイスの駆動トレインアセンブリの出力を動的に修正することによって、ユーザの口の重要エリアにおいて向上された洗浄性能を提供し得ることを認識し、理解した。駆動トレインアセンブリは、デバイスの洗浄要素(すなわち、剛毛)を、洗浄要素の方向に平行な垂直周期運動で移動させるように駆動され得、垂直運動の振幅は、0.25mmに等しいかこれよりも大きい(本明細書において、「電動タッピング」と称される)。本明細書において使用されるとき、「垂直」という用語は、地面に対する絶対的方向を意味するものではなく、代わりに、図面において示された移動の相対的方向を示すために使用される。口の特定のエリアにおいて、駆動トレインアセンブリは、洗浄要素を、デバイスの中央軸の周りでの周期的回転スイープ運動と組み合わせて、垂直運動で移動させるようにも駆動され得る。本明細書において説明されるように、口腔洗浄デバイス内での発明的な電動タッピング運動は、(i)歯肉ポケットにいっそう深く到達して歯肉下の歯垢を除去することを達成し、(ii)歯垢及び/又は汚れの除去を向上させるより高いピーク力を表面で達成し、(iii)剛毛束のピンニングを防止して有益な束のスイープ動作を回復することによって歯垢除去を向上させ、(iv)歯ブラシの設置、歯ブラシの角度、歯ブラシの圧力などの使用における可変性についてより大きな弾力性を達成し、(v)消費者の体験モードの新たな選択肢を提供する。それ故、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において想定される向上されたシステムは、正確に制御されたスイープ移動と連動して又はそれとは分離して電動タッピング運動を正確に制御する駆動トレインアセンブリを有する口腔洗浄デバイスを提供する。向上された駆動トレインアセンブリは、(i)駆動トレインシャフトと洗浄要素を有する洗浄ユニットとをデバイスの中央軸の周りで第1の方向に駆動し、(ii)駆動トレインシャフトと洗浄ユニット及び洗浄要素とを第1の方向とは異なる第2の方向に駆動し、洗浄要素が垂直上下運動(すなわち、タッピング又はパルス運動)で移動するように構成された電磁アセンブリを備える。運動(すなわちスイープ運動及びタッピング運動)の組み合わせは、口のいくつかのエリアにおける歯垢除去のために有益であり、口の特定の他のエリア(すなわち、歯肉線エリア)においては、スイープ運動をタッピング運動だけによって代替させることが有利である。
【0027】
[0036] 本明細書における実施形態及び実施態様の利用の特定の目標は、(Koninklijke Philips N.V.によって製造された)Philips Sonicare(商標)電気歯ブラシのような口腔洗浄デバイスにおいて電動タッピング運動を提供する機構を提供することである。しかしながら、デバイスのコンポーネントは、口腔ケアデバイス、口腔洗浄デバイス、フロッサー、皮膚クリーナ、及び他の多くのデバイスなどの多くの他のパーソナルケアデバイスとともに利用される。本開示は、示され、説明された特定の実施形態によって制限されるべきではない。
【0028】
[0037] 図2において図示されるように、スイープ運動及び/又はタッピング運動を生成するように構成された口腔洗浄デバイス100、例えば電動歯ブラシデバイスの一部分の単純化された概略表現が提供される。口腔洗浄デバイス100は、洗浄ユニット104、例えばブラシヘッド114と、洗浄要素116、例えば剛毛とを備え、これらは、中央軸Aの周りで回転するように、及び方向RD2にパルス運動又はタッピング運動するように駆動され得る。図2において提供される方向は、本技術分野及び本出願において使用される空間的用語を示すために含まれている。本明細書において使用されるとき、「垂直」という用語は、示された方向を意味する。軸方向ADは、中央軸Aに平行で、デバイス100のy軸に沿って延在する。半径方向RD1は、中央軸A及び半径方向RD2に垂直で、デバイス100のx軸に沿って延在する。半径方向RD2は、軸方向AD及び半径方向RD1の両方に垂直で、示された洗浄要素116の軸に平行で、デバイス100のz軸に沿って延在する。本明細書において説明される電動タッピング運動は、半径方向RD2における洗浄ユニット及び/又は洗浄要素の制御可能な移動を指す。換言すれば、電動タッピング運動は、洗浄要素の整列の軸に平行な洗浄要素の運動を指す。スイープ運動は、洗浄要素の整列の軸に垂直な洗浄要素の回転及び/又は線状運動を指す。実施形態において、電動タッピング運動は、半径方向RD1に延在する軸の周り(すなわち、デバイスのx軸の周り)で駆動トレインシャフトを回転させることによる半径方向RD2における洗浄ユニット及び/又は洗浄要素の制御可能な移動を指す。
【0029】
[0038] 図3を参照すると、口腔洗浄デバイス100の端面図の概略表現が提供される。本明細書においてより詳細に議論されるように、口腔洗浄デバイス100は、特定の運動が最も有益であるような特定の領域への運動を最適化するためにスイープ運動及び/又はタッピング運動(SM及びTM)を開始及び停止するように構成され得る。いくつかの場合において、特定の運動は、スイープ運動だけ又はタッピング運動だけを含む。他の場合において、特定の運動は、スイープ運動とタッピング運動とのいくつかの組み合わせを含む。スイープ運動及びタッピング運動の組み合わせは、スイープ又はストロークとパルス又はタッピングとの加算(すなわち、累積的動作、運動、又は効果)を指す。スイープ又はストロークは、方向SMに向けられる(これは、剛毛の先端が歯の頬側に向くように歯ブラシが保持されたときの咬合面、すなわち咀嚼面と歯肉線との間の方向である)。パルス又はタッピングは、垂直方向TMに向けられる(これは、剛毛の先端が歯の頬側に向くように歯ブラシが保持されたときの舌から顔面への方向である)。実施形態において、剛毛の先端が45度の角度で歯に向くように歯ブラシが保持される。本明細書において使用されるとき、タッピング運動は、振幅が0.25mmに等しいかこれよりも大きい垂直的周期移動(すなわち、方向TM)として定義される。実施形態において、タッピング運動だけが、口の下側舌前領域のために使用されてもよい。小さな電動タッピング運動(すなわち、本明細書において説明される重要範囲のより小さな側の振幅を有するタッピング運動)がスイープ運動とともに口の頬前領域のために使用され得る。代替的に、スイープ運動だけが、口の頬前領域のために使用されてもよい。大きな電動タッピング運動(すなわち、本明細書において説明される重要範囲のより高い振幅を有するタッピング運動)は、スイープ運動があろうがなかろうが、歯の間の隣接歯間領域でのより良好な到達を達成し得る。本明細書において更に説明されるように、特定のパラメータを有する電動タッピング運動は、歯肉線エリアに対して単独で使用されたときに、特定の適用性を有し得る。
【0030】
[0039] 図4は、口腔洗浄デバイス又は電動歯ブラシデバイスなどのパーソナルケアデバイスとともに使用されたたときの電動タッピングパラメータの最適な動作領域を表すグラフによる「ゴールデントライアングル」を図示する。最適に動作するタッピングパラメータが最適なスイープパラメータと組み合わされると、「ゴールデントライアングル」は「ゴールデンピラミッド」になる。図4の横座標は、洗浄要素又は剛毛の先端部の移動を含み得るタッピング振幅を表し、縦座標は、洗浄要素又は剛毛の先端部の移動を含み得るタッピング周波数を表す。周波数という用語は、所与の時間間隔、例えば1秒におけるサイクルの回数を指す。本明細書において使用されるとき、振幅という用語は、(i)信号の最大絶対値を含み得るピーク振幅、又は(ii)最大振幅と最低振幅との間の絶対値を含み得るピーク間振幅を指す。電動タッピング運動のための振幅の望ましい範囲は0.25mm程度から3mm程度であるが、電動タッピング運動は、概して、0.5mmに等しいかこれよりも大きい周期的垂直運動を含む。
【0031】
[0040] 実施形態において、電動タッピング運動のための振幅の望ましい範囲は±0.25mm程度から±3mm程度であり、電動タッピング運動は、概して、0.5mmに等しいかこれよりも大きい周期的垂直運動を含む。±3mmよりも高い振幅(すなわち、領域400の最も右側のポイントを超える)は、歯のチャタリングのリスクがあるため望ましくなく、歯ブラシデバイスのプラテンが、対向する顎の咬合面に衝突することがある。加えて、±3mmよりも高い振幅は、口腔及び鼻の組織の不所望の振動及び治療面への不快な感覚を招くことがある。0.25Hzよりも低い周波数は、遅すぎて効果的でない。520Hzよりも高い周波数は、一次共鳴周波数の2倍を超えており、望ましくない。推奨される口腔ケアルーチンは2分間にわたって継続されものであり、平均して32本の歯があるものと想定すると、推奨される口腔ケアルーチン中に1本の歯ごとにおよそ3.75秒を費やすことができることが理解されるべきである。故に、もしも電動タッピング運動の発生頻度が4秒よりもゆっくりであったならば、口全体に(すなわち、全ての隣接歯間スポットに)均一に適用されるにはゆっくりすぎる。それ故、好ましい実施形態において、電動タッピング運動の発生頻度は3.75秒ごとである(すなわち、およそ0.27Hzの周波数)。実施形態において、最小周波数は、およそ2Hzである(すなわち、少なくとも0.5秒ごと)。更なる実施形態において、ユーザが電動タッピング運動を口全体にわたって(すなわち、全ての隣接歯間スポット及び/又は各歯において)均一に体験するために、電動タッピング運動は、1本の歯の上を通過するごとに複数回起こり得る。故に、必要な周波数は、およそ20Hzである(すなわち、少なくとも0.05秒ごと)。もちろん、もしも口腔ケアルーチンが2分よりも短いならば又は長いならば、それに従って、電動タッピング運動の発生頻度が口腔ケアルーチン全体にわたって均一になるように、電動タッピング運動の発生頻度が調整されることが理解されるべきである。他の実施形態において、例えば、タッピング運動が他のエリアよりも有益である特定のエリアの分析によると、電動タッピング運動の発生頻度を一貫性のないもの又は均一でないものにすることが望ましくなり得ることが理解されるべきである。
【0032】
[0041] 例示的な実施形態において、スイープ運動は、0.25mmの振幅を有するタッピング運動と組み合わされ、タッピング運動を追加することにより、洗浄性能において、歯肉線エリアにおける1%の向上、歯間エリアにおける3%の向上、及び洗浄されるべき全ての面をカバーすることを考慮したときには1%の全体的向上を生み出し得る。しかしながら、出願者は、タッピング運動がおよそ0.5mmのピーク間振幅及びおよそ250Hzの周波数に設定されたとき、タッピング運動だけで、歯肉線エリアの洗浄性能において、2.5度又は5度の回転振幅を有するスイープ運動とタッピング運動との組み合わせを上回る著しい向上を達成することを認識し、理解した。これは、洗浄要素又は剛毛が歯肉線エリア(すなわち、歯肉-歯合流空間又は歯肉が歯と合流する空間)に進入することを、スイープ運動が妨げるからである。実施形態において、前述のパラメータを有するタッピング運動だけで、歯肉線エリアにおける洗浄性能において、2.5度又は5度の回転振幅を有するスイープ運動とタッピング運動との組み合わせを上回る、18.5%の向上を達成し得る。重要なことには、およそ0.5mmのピーク間振幅は、タッピング運動の単一のサイクルの隣接する最大ピークと最小ピークとの間で測定される。故に、およそ0.5mmのピーク間振幅は、図5において図示されるように、基準値よりも0.25mm大きい値、及び基準値よりも0.25mm小さい値を含み得る。およそ0.5mmのピーク間振幅は、最大ピーク500Maxと最小ピーク500Minとの間に示される。最大及び最小ピークは、図5において示されたサイクル内で互いに隣接し、ピーク間振幅は、距離5において測定される。他の実施形態において、タッピング運動は、およそ1.0mmの振幅及びおよそ500Hzの周波数に設定される。このような実施形態も、歯肉線エリアにおける洗浄性能において、2.5度の回転振幅を有するスイープ運動とタッピング運動との組み合わせを上回る向上を提供する。
【0033】
[0042] タッピング運動は、剛毛束のトラッピング解除又はピンニング解除を行うことによって、スイープ運動の性能を向上させる。剛毛のトラッピング又はピンニングとは、スイープ運動だけによる大きな負荷の下で剛毛が拘束又はトラッピングされてしまい、駆動トレインによって送達されるスイープ運動に従って自由に移動することがもはやなくなってしまうという現象である。ブラッシングの際にユーザが与える負荷が大きすぎると、剛毛束の移動が歯の表面で部分的に拘束されることがある。拘束の結果、スイープ運動が減少され、洗浄性能が損なわれ得る。ユーザが更に大きな負荷を与えると、剛毛束は、トラッピング又はピンニングされ得、ブラッシング時に束が全く移動しない。剛毛のトラッピング又はピンニングの結果として、スイープ運動が生じなくなり、ユーザは駆動トレインアセンブリからのスイープ運動から恩恵を得ることがない。剛毛が拘束又はトラッピングされると、ユーザが製品を新たな向きに手動で移動させ、剛毛を重い負荷から解放したときにだけ、洗浄の恩恵が取り戻される。
【0034】
[0043] 剛毛が歯の表面に触れて、拘束されることなく大きな表面積に沿って自由に移動し得るときに、スイープ運動は最も良好に実施される。スイープ運動及びタッピング運動をともに使用してブラッシングするとき、剛毛束は、負荷が増すにつれて、又は駆動トレインアセンブリが垂直上下運動(すなわち、電動タッピング運動)を生成することに起因してブラシヘッドが方向DR1に移動するにつれて外に広がる。駆動トレインアセンブリから及ぼされる力に起因して、又はさもなければ、ユーザが適用する負荷に起因して負荷が増加するにつれて、束はますます拘束され得る。しかしながら、方向DR1におけるブラシヘッド移動の振幅が十分に大きければ、大きな振幅の移動は拘束又はトラッピングされた剛毛の座屈をもたらし得、効果的に剛毛を解放し又は剛毛の負荷を軽減し得る。故に、十分に大きな振幅のタッピング運動をスイープ運動に追加することで、剛毛がより自由に移動することを可能とし、それによって洗浄性能を向上することができる。
【0035】
[0044] 重要なことには、周期的タッピング運動中にブラシヘッドが方向DR2に移動したとき、動作が逆転し、負荷が更に減少するので、束はますます拘束されなくなる。タッピング運動は、スイープ運動中に束がより大きな表面積をカバーすることを可能とし得、有益なスイープ運動を回復することによって歯垢除去を向上させ得る。
【0036】
[0045] スイープ運動へのタッピング運動の追加は、歯肉ポケットにいっそう深く到達して歯肉下の歯垢を除去することも達成する。タッピング運動の追加は、歯肉ポケット内で、周辺エリア、隣接歯間エリア、近心エリア、及び頬側エリアにおける向上された洗浄性能、並びに向上された全体的洗浄性能を達成する。例示的な実施形態において、いっそう深い到達及び向上された洗浄性能は、30度のロール角、45度のロール角、60度のロール角、又は任意の適切なロール角の下で達成される。故に、タッピング運動の追加は、スイープ運動だけを使用したときよりも、ブラシの洗浄効率をユーザによる向きに対してより堅牢にし、ユーザの技術への依存を減らす。
【0037】
[0046] 向上された洗浄性能は、本明細書において議論されるタッピング運動のための重要動作パラメータを使用することによって達成され得る。タッピング運動を生成するために種々の駆動トレインアセンブリが実現され得るが、以下において、単に本発明がどのように実現及び実践され得るかを示すために、1つの例示的なアセンブリが議論される。
【0038】
[0047] 図6を参照すると、筐体を有する本体部分102と本体部分102に装着された洗浄ユニット104とを含む例示的な口腔洗浄デバイス100が提供される。デバイス100は、ユーザの口の全ての目標エリアについて最適な洗浄性能を達成するためにスイープ運動及び/又はタッピング運動を用いるシステムSの一部として表現されている。洗浄ユニット又は部材104は、本体部分102から離れたその端部にブラシヘッド114を含む。ブラシヘッド114は剛毛面115を含み、これは、複数の洗浄要素116又は剛毛を提供する。実施形態によると、洗浄要素又は剛毛は、ユニットの伸長方向軸に略垂直な軸に沿って延在するが、洗浄ユニット及び洗浄要素の多くの他の実施形態も可能である。
【0039】
[0048] 洗浄ユニット104、ブラシヘッド114、及び/又は剛毛面115は、本体部分筐体102に対して移動できるように装着される。この移動は、種々の異なる移動のうちの任意のものであり得、とりわけ、振動又は回転を含む。1つの実施形態によると、洗浄ユニット104が、本体部分筐体102に対して振動できるように本体部分筐体102に装着され、又は、別の実施例として、ブラシヘッド114が、本体部分筐体102に対して振動できるように洗浄ユニット104に装着され、又は、別の実施例として、剛毛面115が、本体部分筐体102に対して振動できるように洗浄ユニット104に装着される。洗浄ユニット104は、本体部分筐体102に固定的に装着され得、又は、代替的に、洗浄要素又は剛毛又はデバイスの別のコンポーネントが摩耗して交換が必要であるときに洗浄ユニット104が新しいものと交換され得るように、洗浄ユニット104は取り外し可能に装着される。
【0040】
[0049] 本体部分は、移動を生成するためのアクチュエータ又はモータを有する駆動トレインアセンブリ122と、生成された移動を洗浄ユニットに伝達するための伝達コンポーネント124又はシャフトとを含む。例えば、駆動トレインアセンブリ122は、駆動トレインシャフト124の移動を生成するモータ又は電磁石を備え、次いでこの移動は洗浄ユニット104に伝達される。駆動トレイン及びモータ122は、とりわけ、電源、オシレータ、及び1つ又は複数の電磁石などのコンポーネントを含み得る。この実施形態において、電源は、図示されていない1つ又は複数の再充電可能バッテリを備え、これは、例えば、口腔洗浄デバイス100が使用されていないときに置かれる充電ホルダにおいて電気的に充電され得る。
【0041】
[0050] 本体部分は、駆動トレインアセンブリ122を作動及び作動停止させるためのユーザ入力部126を更に具備する。ユーザ入力部126は、ユーザが歯ブラシ100を操作すること、例えば、歯ブラシ100の電源をオン及びオフにすることを可能とする。ユーザ入力部126は、例えば、ボタン、タッチスクリーン、ユーザインタフェース、又はスイッチである。本体部分は、ユーザによって選択可能な異なる動作モードを選択するためのモード入力部128を更に具備し得る。モード入力部128は、ユーザが歯ブラシ100を操作すること、例えば、駆動トレインアセンブリ122の異なるモード間で切り換えることを可能とする。モード入力部128は、例えば、ボタン、タッチスクリーン、ユーザインタフェース、又はスイッチである。発光ダイオード(LED)又は任意の適切な代替物などのインジケータ129も、例えば、デバイスの電源がオンであるかを示すため、及び異なる動作モードのうちのどれが選択されているかを示すために本体部分に含まれ得る。本明細書において説明されるように、インジケータ129は、ユーザの口の特定のエリアにフォーカスするようにユーザに指示するためにも使用され得る。
【0042】
[0051] デバイスの本体部分は、コントローラ130も備える。コントローラ130は、1つ又は複数のモジュールで形成され、ユーザ入力部126を介して得られた入力、又はデバイス内の1つ又は複数のセンサからの入力などの入力に応じて口腔洗浄デバイス100を操作するように構成される。コントローラ130は、例えば、プロセッサ132とメモリ134とを備え得、任意選択的に、接続モジュール138を含み得る。プロセッサ132は、1つのマイクロコントローラ、複数のマイクロコントローラ、回路、単一のプロセッサ、複数のプロセッサなどの任意の適切な形態をとるが、これらに限定されるものではない。メモリ134は、不揮発性メモリ及び/又はRAMなどの任意の適切な形態をとり得る。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)を含む。メモリは、とりわけ、オペレーティングシステムとセンサからのセンサデータとを記憶し得る。RAMは、データの一時的記憶のためにプロセッサによって使用される。実施形態によると、オペレーティングシステムは、コントローラ130によって実行されたときに口腔洗浄デバイス100のハードウェアコンポーネントの動作を制御するコードを含む。実施形態によると、接続モジュール138は、収集されたセンサデータを送信するものであり、Wi-Fi、Bluetooth、近距離通信及び又はセルラーモジュールなどの有線又は無線信号を送信可能な任意のモジュール、デバイス又は手段であってよいが、これらに限定されるものではない。
【0043】
[0052] 実施形態において、デバイスの本体部分は、1つ又は複数のセンサ140も備える。センサは本体部分102内に図示されているが、1つ又は複数のセンサは、例えば洗浄ユニット104内又はヘッド部材114内など、デバイス内のどこに位置してもよい。実施形態によると、センサはコントローラ130と一体化され得る。実施形態において、センサ140は、ユーザの歯に対するデバイス100の加速及び/又は角度方向を示す情報を生成するように構成される。センサ140は、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁気センサなどの慣性運動センサを備え得る。実施形態によると、センサ140は、例えば3軸ジャイロスコープ及び3軸加速度計を使用して、相対運動の6軸(3軸の並進及び3軸の回転)の読み取り値を提供するように構成される。別の実施例として、センサ140は、例えば3軸ジャイロスコープ、3軸加速度計及び3軸磁気計を使用して、相対運動の9軸の読み取り値を提供するように構成される。他のセンサが単独で、又はこれらのセンサと連動して使用されてもよく、他のセンサとしては、これらに限定されるものではないが、圧力センサ、並びに静電容量センサ、カメラ、フォトセル、時計、タイマ、及び他のタイプのセンサなどの他のタイプのセンサがある。本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において想定されるように、多くの異なるタイプのセンサが利用され得る。センサ140は、6軸又は9軸空間センサシステムとして一緒に機能する2つ以上のセンサを備え得る。
【0044】
[0053] 実施形態によると、コントローラ130は、洗浄ユニットの洗浄要素の運動がユーザの口の特定の部分に適合するように駆動トレインアセンブリ122の出力を動的に修正するようにプログラムされ得及び/又は構成され得る。口内で洗浄ユニットが位置する場所に基づいて異なる動作モードを使用することによって、ユーザの口内のその特定の空間についてデバイスの洗浄性能が向上される。
【0045】
[0054] システムSは、コンピューティングデバイス101Aを更に備え、これは、プロセッサと非一時的記憶媒体とを含み、非一時的記憶媒体は、本明細書において説明される様々な実施形態によるアルゴリズムをプロセッサに実行させるプログラムコードを含む。コンピューティングデバイス101Aは、汎用コンピュータ、モバイルデバイス、カスタマイズされた専用コンピューティングデバイス、又は本明細書において説明されるプログラムを記憶及び実行可能な任意の他のコンピューティングデバイスである。コンピューティングデバイス101Aによって動作されるプログラムは、モバイルアプリケーションでよく、ユーザの歯のモデルのグラフィカルインタフェース101Bを表示するようにも構成される。代替的な実施形態において、コンピューティングデバイス101Aは、ユーザの歯のモデルを表示するために、モバイルアプリケーション又は別のアプリケーションと協働する。
【0046】
[0055] 向上された洗浄性能は、本明細書において議論されるタッピング運動のための重要動作パラメータを使用することによって達成され得る。タッピング運動を生成するために種々の駆動トレインアセンブリが実現され得るが、以下において、単に本発明がどのように実現及び実践され得るかを示すために、例示的なアセンブリが議論される。
【0047】
[0056] 図7を参照すると、1つの実施形態において、口腔洗浄デバイスの概略的な駆動トレインアセンブリ700は、周期的回転移動(すなわち、スイープ運動)を生成するための電磁アセンブリを具備する。駆動トレインアセンブリ700は、概して、共振器又は負荷質量710と、弾性部材720と、磁石730と、電磁アセンブリ740とを備える。負荷質量又は共振器710(これは洗浄ユニット104であってよく、又は洗浄ユニット104に接続されてよい)は、洗浄ユニット(例えば、部材104)に振動を伝達するために駆動トレインシャフト724(例えばシャフト124)に接続され得る。共振器710は、弾性部材720の端部722にも接続され、弾性部材720は、引張ばね、ねじりばね、圧縮ばね、板ばね、V形状ばね、U形状ばね、又は種々の異なるばね形状、タイプ、及び大きさのうちの任意のものなど、任意の適切なばねであってよい。磁石730は、弾性部材720の端部724に装着され、電磁アセンブリ740を備えるアクチュエータが、磁石730と相互作用するように配置される。磁石730の端部724は、端部722の反対側である。電磁アセンブリ740は、電源及び導体によって生成された電磁界を制御するための回路基板アセンブリ780に接続される。磁石730は、ネオジム磁石及びシリコン磁石などの任意の適切な永久磁石であってよい。電磁アセンブリ740は、銅、アルミニウムなど又はこれらの任意の組み合わせなどの任意の適切な非磁気的材料で作られた任意の適切な導体を備え得る。図7は電磁アセンブリ740をコイルとして図示しているが、任意の適切な幾何学的形状又は代替的なコンポーネントが考えられることが理解されるべきである。
【0048】
[0057] 共振器710は、洗浄ユニット及びその洗浄要素をスイープ運動SMで周期的に移動させるように、中央軸Aの周りで回転するように構成される。回転スイープ運動SMを生成するために、電磁アセンブリ740の第1及び第2の導体740A及び740Bは、磁石730のN極及びS極と相互作用するように電磁界を生成するように構成される。換言すれば、駆動トレインアセンブリ700は、電磁界の方向を交互に切り換えて磁石730を軸Aの周りでスイープ運動SMで回転させるスイッチング電流を導体コイルに生成し得る。図9を参照すると、磁石930は磁石730を表し、導体940A及び940Bは、導体740A及び740Bを表す。磁石930のN極及びS極の向きに応じて、導体940A及び940Bの極性が、磁石930を中央軸Aの周りをスイープ運動SMで押し引きするように交互に切り換えられ得る。導体940A及び940Bの極性を反転させることで磁石930を中央軸Aの周りで動かし、導体940A及び940Bの極性を切り換えて図9において図示される向きに戻すと、磁石930をデフォルトの向きに引き戻す。図7におけるピボットポイント750はスイープ移動を反転し、それによって、固有周波数又は自己振動数を利用することによって移動又は反力の平衡を可能とする。磁石730、330が回転すると、弾性部材720及び共振器710も回転し、故に、接続された洗浄ユニット及び洗浄要素も中央軸Aの周りをスイープ運動SMで回転する。
【0049】
[0058] 図7において図示された電磁アセンブリは、図8における電磁アセンブリ840において図示されるように、第3及び第4の導体840C及び840Dを追加することによって修正され得る。第3及び第4の導体840C及び840Dも、磁石830のN極及びS極と相互作用して磁石830を移動させるように電磁界を生成するように構成される。更に、磁石830に対する第3及び第4の導体840C及び840Dの構成に応じて、追加的な導体はスイープ回転運動に代わって垂直上下運動(すなわち、タッピング運動TM)で磁石830を移動させる。第1及び第2の導体840A及び840Bが磁石830をスイープ運動SMで移動させている間に導体840C及び840Dが磁石830をタッピング運動TMで移動させるために使用され得ることが理解されるべきである。図9における導体940C及び940Dは導体840C及び840Dを表す。図9において図示された導体940C及び940Dの構成は、磁石930を図示された上向きの垂直方向に動かすことができる。導体940A及び940Bはそれぞれ、磁石930のS極及びN極の実質的に中程又は中央ポイントあたりに配置されている一方、導体940C及び940Dはそれぞれ、磁石930のS極及びN極の底面側に近接して、又はその下方に配置されている。図8におけるピボットポイント850も上向きの垂直方向の移動を反転し、それによって、固有周波数又は自己振動数を利用することによって移動又は反力の平衡を可能とする。加えて、図9において図示される構成から導体940C及び940Dの極性を反転させると、磁石930を下向きの垂直方向に吸着する。
【0050】
[0059] 示された実施形態において、ピボットポイント850は、弾性部材820内で軸Aに沿って位置する。ピボットポイント850は、スイープ運動SM及び/又はタッピング運動TMを反転させる、弾性部材820内の想像上のポイントとして示されている。ピボットポイント850は、駆動トレインアセンブリ800の自己振動数又は固有周波数を利用することによって移動又は反力の平衡を可能とする。図8及び図9においては、ピボットポイント850は想像上のポイントであるが、代替的な実施形態において、ピボットポイント850はスイープ移動及び/又はタッピング移動を反転させる構造的なピボットとして具現化され得ることが理解されるべきである。加えて、異なる実施形態において、ピボットポイント850は、軸Aに沿った異なるポイントに配置され得ることが理解されるべきである。
【0051】
[0060] 駆動トレインアセンブリ800の構成は、口腔洗浄デバイスのx軸及びy軸の周りでの洗浄ユニット及び洗浄要素の自由な回転運動を可能としつつ、z軸の周りでの回転及びy軸方向の並進を制限する。x軸の周りでの自由な回転とは、軸860の周りでの回転を指す。y軸の周りでの自由な回転とは、中央軸Aの周りでの回転を指す。z軸は、軸870又は半径方向RD2に延在する軸を指す。図8において、軸860は中央軸Aに垂直で、ピボットポイント850を通過しているが、軸860は軸Aの異なるポイントに沿って配置されてもよい。
【0052】
[0061] 本明細書において説明されるように、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において想定される様々な運動は、運動がどのように作動されるかに応じて口腔洗浄デバイスがユーザの口の全ての目標エリア(例えば、歯肉線、隣接歯間、及び全体的表面)において最適に動作し得るように、単一の口腔洗浄デバイス内で実現され得る。1つの実施形態において、デバイスは、歯の大きな表面を目標とするためにはスイープ運動とタッピング運動との加算又は組み合わせを使用し、歯肉線エリアを目標とするためにはタッピング運動だけを使用するように構成され得る。デバイスのコントローラ130は、工場において、異なる動作モード(例えば、大きな表面積のためのモード、歯肉線エリアのためのモード、隣接歯間エリアのためのモードなど)でプログラムされ得る。出願者は、歯肉線エリアのためには、スイープ運動を停止して、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において考えられる特定のパラメータを有するタッピング運動だけを使用することが有益であることを認識し、理解した。
【0053】
[0062] ユーザが単一のブラッシングルーチン中に2つ以上の動作モードを利用することを可能とするために、口腔洗浄デバイスは、ユーザによって選択可能なモード入力部(例えば、入力部128)を含み得る。例えば、ユーザがブラッシングルーチン中にデバイスを操作しているとき、ユーザは隣接歯間エリアのために第1の動作モードを選択し得、歯肉線エリアのために第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを選択し得る。第1の動作モードは、スイープ運動とともに大きな電動タッピング運動を含み得、第2の動作モードは、タッピング運動だけを含みスイープ運動を含まない。他の実施形態において、ブラッシングルーチンを開始するためにデバイスの電源をオンにすると、第1のデフォルト又は通常動作モードが自動的に作動し、ブラッシングルーチン中に、ユーザは、デフォルト又は通常の第1の動作モードから1つ又は複数の他の動作モードに切り換え得る。
【0054】
[0063] 例示的な実施形態において、ユーザがデバイスの電源を入れ、駆動トレインアセンブリ122が作動した後、第1のデフォルト又は通常動作モードを示すためにインジケータ129の中央LEDが点灯され得る。例えば、ブラッシングルーチン中に歯肉線エリアにフォーカスすることをユーザが欲するとき、ユーザは、入力部128を押してデバイスの1つ又は複数の異なる動作モードを選択し得る。入力部128が押されるたびに、どのモードが作動されたかを知らせるためにインジケータ129の異なるインジケータが点灯され得る。実施形態において、インジケータ129の左LEDは歯肉線モードに対応し、インジケータ129の右LEDは隣接歯間モードに対応する。もちろん、歯肉線及び隣接歯間モードを示すためのLEDインジケータが逆になってもよい。加えて、インジケータ129の構成及び場所は、本開示の精神から逸脱することなく修正され得ることが理解されるべきである。ブラッシングルーチン中に歯肉線エリアにフォーカスすることをユーザがもはや欲しないとき、ユーザは、入力部128を押してデバイスの1つ又は複数の他の動作モードを選択し得る。代替的な実施形態において、歯肉線モード、又はもっと詳しく言うなら任意の選択可能なモードは、所定の期間の後に自動的に停止し得、通常又はデフォルトモードが自動的に再始動され得る。
【0055】
[0064] 他の実施形態において、手動で動作モードを切り換えることをユーザに求める代わりに、デバイスは、ユーザが口の異なるエリアに対して洗浄ユニット及び/又は洗浄要素を口内のどこに保持しているかに基づいて、異なる動作モードの間を自動で切り換え得る。例えば、ユーザがデバイスの電源をオンにしたとき、駆動トレインアセンブリの第1の動作モードが作動され得る。口の洗浄エリア(すなわち、歯肉線エリアなどのブラッシングエリア)と洗浄ユニット及び/又は洗浄要素とが接触していること又は整列していることをデバイスが検知したとき、コントローラ130は、第1の動作モードが第2の動作モードで置き換えられるように、第1の動作モードを自動的に作動停止して第2の動作モードを作動し得る。
【0056】
[0065] これを成し遂げるために、コントローラ130は、デバイス100のセンサ140から入力(すなわち、センサデータ)を受信し得、センサ140は、歯又は歯肉面に対する洗浄ユニット及び/又は洗浄要素の傾き又は角度を直接的に又は間接的に測定し得る。コントローラ130は、センサデータをリアルタイムで又は周期的に受信し得る。実施形態において、センサ140は、記憶及び/又は分析のためにセンサデータの絶え間ないストリームをコントローラ130に送り、又は、コントローラ130に送る前にデータを一時的に記憶し、集約又は処理する。センサデータは、コントローラ130によって受信されると、プロセッサ132によって処理され得、プロセッサは、それに従ってデバイス100の動作モードの修正を指示し得る。実施形態において、ブラッシングルーチン中に洗浄ユニットの洗浄要素が歯肉線と接触又は整列している期間中に、コントローラ130は、このようなエリアに最も有益な特定の動作モードに自動的に切り換え得る。換言すれば、センサ140は、1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に対して洗浄要素が位置付けられた角度情報を検知するように構成され得、コントローラ130は、(i)検知された角度情報に基づいて、洗浄要素がユーザの口の洗浄エリアに近接していることを判定することと、(ii)この判定に基づいて電磁アセンブリの動作のモードを選択することとを行い得る。実施形態において、選択された動作のモードは、駆動トレインシャフトが、第1の方向にだけに又は第2の方向だけに周期的に駆動されることを伴い得る。更なる実施形態において、角度情報は1つのセンサによって検知され得、別のセンサ、すなわち圧力センサが、洗浄要素が1つ又は複数の歯若しくは歯肉面に少なくとも部分的に接触しているかを検知するために使用され得る。検知された角度情報及び圧力センサデータの両方は、一緒に、コントローラ130が、ユーザの口の特定のエリアのために有益な電磁アセンブリの動作のモードを選択することを可能とするために使用され得る。実施形態において、動作モードは、タッピング運動だけを含む。実施形態において、動作モードはスイープ運動だけを含む。洗浄ユニットの洗浄要素がもはや歯肉線と接触又は整列してないとき、コントローラ130は、歯肉線動作モードを自動的にオフに切り換え得、デフォルト動作モードに戻り得る。
【0057】
[0066] 更なる実施形態において、ユーザは、デバイス100を、グラフィカルインタフェース101Bなどのスクリーン上のアプリケーションと組み合わせて使用し得る。洗浄ルーチン全体にわたって、グラフィカルインタフェース101Bは、デバイスのプログラムされたオペレーティングシステムに従って、ユーザの歯のモデルと、フォーカスする口腔の特定の部分にユーザをガイドする指示とを表示し得る。この指示は、グラフィカルインタフェース上のテキストによるプロンプト、例えば、「歯肉線エリア」などとして具現化され得る。代替的に、この指示はグラフィカルインタフェース上のテキストでないプロンプト、例えば、フォーカスするエリアを指す矢印又はフォーカスする特定のエリアにユーザの注意を向ける色分けされた強調表示又は任意の他の代替的なやり方などとして具現化され得る。コントローラ130は、ユーザがグラフィカルインタフェースからの指示に従ったときにそのことを判定するためにセンサ140から入力(すなわち、センサデータ)を受信し得、それに従って動作モードの間での切り換えを行い得る。故に、例えば、もしもユーザが歯肉線エリアにフォーカスしたと思われ、洗浄要素が歯肉線エリアと接触又は整列していることを示す入力をコントローラが受信したならば、コントローラ130は、その特定のエリアのために口腔洗浄デバイスの洗浄性能を最適化するために、動作モードを修正し、又はさもなければ駆動トレインアセンブリ122の出力を修正する。修正は、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において考えられるように、歯肉線リアのために、タッピング運動を作動させて任意の既に作動されているスイープ運動から置き換えることを含み得る。実施例において、修正は、デバイスの中央軸の周りでの駆動トレインシャフトの周期的駆動を中止することを含む。
【0058】
[0067] 更なる実施形態において、コントローラ130は、洗浄ルーチンの開始から経過した時間量を求めるためにタイマ又は時計から入力を受信し得、特定の時間量が経過した後、それに従って洗浄デバイスの動作モードの間で切り換え得る。例えば、デバイスの電源をオンにて洗浄ルーチンを開始すると、第1のデフォルト又は通常動作モードが自動的に作動され得、洗浄ルーチン中に特定の時間量が経過した後、コントローラは、第1のデフォルト又は通常動作モードから第2の異なる動作モードに自動的に切り換え得る。第2の異なる動作モードは、例えば、グラフィカルインタフェース101Bに示されたユーザの口の部分に基づき得る。例えば、追加的に又は代替的に、第2の異なる動作モードは、センサ140からの入力に基づき得る。ユーザは、洗浄ルーチン中に特定の時間量が経過したことを、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において想定される駆動トレインアセンブリを使用した適切な振動によって警告され得る。ユーザは、洗浄ルーチン中に特定の時間量が経過したことを、振動に加えて又は振動に代わって光及び/又は音によって警告され得る。異なるモードは順番に切り換えられてもよい。特定の実施形態において、コントローラ130は、洗浄ルーチン中に第1の時間量が経過した後、第1の動作モードから第2の動作モードに切り換え得る。コントローラ130は、洗浄ルーチン中に第2の時間量が経過したあと、第2の動作モードから第3の動作モードに切り換え得る。第1及び第2の時間量は、同一であっても異なってもよい。更には、第1の動作モードは第2の動作モードとは異なるものであり得、第2の動作モードは第3の動作モードとは異なるものであり得るが、第1の動作モードは第3の動作モードと同一のものであっても異なるものであってもよいことが理解されるべきである。第1及び第2の時間量に関して、第1の時間量は洗浄ルーチンの開始から測定され得、第2の時間量は、第1の時間量の終了から、又は洗浄ルーチンの開始から測定され得る。
【0059】
[0068] 更なる実施形態において、デバイス100の本体部分の1つ又は複数のインジケータ129は、どのエリアにユーザがフォーカスすべきか示すために使用され得る。例えば、洗浄ルーチン全体にわたって、LEDの各々が、そのLEDと関連付けられた特定の目標エリアがブラッシングされるべきときに、点灯され得る。もしもインジケータ129の左LEDが歯肉線モードに対応するならば、ユーザがデバイス100で歯肉線エリアを目標とすると考えられる期間中に、左LEDは連続的に点灯し得、又は光の点滅をあるパターンで発するように構成され得る。この期間は、センサ140からの入力に基づき得る。光のオン-オフ動作又は点滅を使用する代わりに、LEDは、どのエリアにユーザがフォーカスすべきかを示すために特定の色で点灯してもよい。例えば、洗浄ルーチン中に歯肉線エリアにフォーカスするようにユーザに指示するために、他のエリア(例えば、隣接歯間など)に対応するLEDは赤色で点灯され得、歯肉線エリアに対応するLEDだけが緑色で点灯され得る。ユーザが歯肉線エリアの代わりに隣接歯間エリアにフォーカスすると考えられるとき、歯肉線エリアに対応するLEDは緑色から赤色に切り換えられ得、隣接歯間エリアに対応するLEDは赤色から緑色に切り換えられ得る。もちろん、異なる実施形態において、色が変えられてもよいことが理解されるべきである。
【0060】
[0069] 図10は、口の目標エリアのための洗浄性能を最適化するためにデバイスが制御可能にスイープ運動及びタッピング運動を生む例示的な実施形態による口腔洗浄デバイスを動作させる方法1000を示すフローチャートを表す。
【0061】
[0070] 方法は、ステップ1010において始まり、ここで口腔洗浄デバイスが準備される。本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において考えられるように、口腔洗浄デバイスは、本体部分と、洗浄ユニット、すなわちブラシヘッド部材と、コントローラと、駆動トレインアセンブリとを含む。洗浄ユニットは、洗浄ユニットから洗浄要素の方向又は剛毛の方向に延在する洗浄要素又は剛毛のセットを備える。駆動トレインアセンブリは、口腔洗浄デバイスの中央軸の周りでの周期的回転移動を生成するように構成されたアクチュエータと、周期的回転移動を洗浄ユニットに伝達するように構成された駆動トレインシャフトとを備える。駆動トレインアセンブリは、周期的線状移動を生成し、洗浄ユニットに伝達するようにも構成される。洗浄ユニットの洗浄要素は、伝達された周期的回転移動及び周期的線状移動に起因して、第1及び第2の異なる移動パターンで移動するように構成される。
【0062】
[0071] ステップ1020において、駆動トレインシャフトを口腔洗浄デバイスの中央軸Aの周りで駆動するために駆動トレインアセンブリが作動される。駆動トレインシャフトを駆動させることで、洗浄ユニットの洗浄要素が第1の移動パターンで移動され、第1の移動パターンは口腔洗浄デバイスの中央軸の周りでの第1の方向を含む。第1の移動パターンは、本明細書において説明され又はさもなければ本明細書において考えられるスイープ運動のうちの任意のものを具現化し得るが、これらの示されたものだけに限定されるべきではない。例えば本明細書において説明される電磁アセンブリなど任意の適切なアクチュエータが、スイープシャフトを中央軸Aの周りで振動させ得る。
【0063】
[0072] ステップ1030において、駆動トレインシャフトを口腔洗浄デバイスの別の軸の周りで駆動するために駆動トレインアセンブリが作動され、別の軸は中央軸Aとは異なり、中央軸Aに垂直である。実施形態において、別の軸は口腔洗浄デバイスのx軸である。駆動トレインシャフトをこのように駆動させることで、洗浄ユニットの洗浄要素が第2の移動パターンで移動され、第2の移動パターンはステップ1020で説明された第1の方向とは異なる第2の方向を含む。第2の方向は、口腔洗浄デバイスのz軸に沿った方向、又は洗浄要素の少なくともいくつかに平行な方向に沿った方向を指す。第2の移動パターンは、本明細書において説明されるタッピング運動のうちの任意のものを具現化し得るが、これらの説明されたもの又はさもなければ示されたものだけに限定されるべきではない。例えば本明細書において説明される電磁アセンブリなど任意の適切なアクチュエータが、スイープシャフトをx軸の周りで及びz軸に沿って並進させ得る。
【0064】
[0073] ステップ1040において、コントローラは、単一のブラッシングルーチン中に第1の動作モード(例えば、隣接歯間モード、又は全体モード)において第1及び第2の移動パターンを同時に生むように駆動トレインアセンブリを制御する。第1の移動パターンは、スイープ運動成分を指す。第2の移動パターンは、タッピング運動成分を指し、洗浄要素は、0.25mmに等しいかこれよりも大きい振幅及び0.25Hzに等しいかこれよりも大きい周波数で、デバイスのz軸に平行な方向に移動する。
【0065】
[0074] ステップ1050において、同一の単一のブラッシングルーチン中に、コントローラは、洗浄要素がユーザの口の特定の部分に適合するように、第1の動作モードから第2の動作モードに切り換えるように駆動トレインアセンブリを制御する。ユーザの口の特定のエリアを目標とするために第1及び第2の移動パターンの組み合わせを含む第1の動作モードと同様に、第2の動作モードも、第1及び第2の移動パターンのいずれか又は両方を含み、更に、第2の動作モードの1つ又は複数の移動パターンは、第2のモードが第1の動作モードとは異なるユーザの口のエリアを目標とするように、第1の動作モードのために使用される移動パターンの組み合わせとは異なり得る。故に、もしも第1の動作モードが全体モードであったならば、第2の動作モードは、例えば、歯肉線モードであり得る。例示的な実施形態において、第1の動作モードは、歯のより大きな表面積を目標とするように予め定められたスイープ運動とタッピング運動との加算を含み、第2の動作モードは、歯肉線エリアを目標とするように予め定められたタッピング運動だけを含む。
【0066】
[0075] 本明細書において説明される口腔洗浄デバイスの運用の効果は、それらが、デバイスの洗浄要素を、洗浄要素の方向に平行な垂直周期運動で駆動することによって口の重要エリアにおいて向上された洗浄性能を提供し得ることであり、垂直運動の振幅は0.25mmに等しいかこれよりも大きい(すなわち、電動タッピング)。口腔洗浄デバイスにおける発明的な電動タッピング運動は、(i)歯肉ポケットにいっそう深く到達して歯肉下の歯垢を除去することを達成し、(ii)歯垢及び/又は汚れの除去を向上させるより高いピーク力を表面で達成し、(iii)剛毛束のピンニングを防止して有益な束のスイープ動作を回復することによって歯垢除去を向上させ、(iv)歯ブラシの設置、歯ブラシの角度、歯ブラシの圧力などの使用における可変性についてより大きな弾力性を達成し、(v)消費者の体験モードの新たな選択肢を提供する。
【0067】
[0076] 本明細書において定義及び使用されるとき、全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味に対して優先されるものと理解されるべきである。
【0068】
[0077] 本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、単数形の要素は、そうでないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものとして理解されるべきである。
【0069】
[0078] 本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、「及び/又は」という語句は、それによって結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、いくつかの場合においては連言的に存在し、別の場合においては選言的に存在する要素を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」によって列記された複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、すなわち、それによって結合された要素のうちの「1つ又は複数」として解釈されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に特定されたこれらの要素に関連するものであろうが関連しないものであろうが、任意選択的に存在し得る。
【0070】
[0079] 本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、「又は」は、上に定義された「及び/又は」と同じ意味を有するものとして理解されるべきである。例えば、リストにおけるアイテムを分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるものとして、すなわち、いくつもの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、1つよりも多くの要素も含み、任意選択的に、追加的な列挙されていないアイテムを含むものとして解釈されるべきである。「~のうちの1つだけ」又は「~のうちのただ1つ」又は特許請求の範囲において使用されるときの「~から成る」などのそうでないことが明確に示される用語だけが、いくつもの要素又は要素のリストのうちのただ1つの要素を含むことを指す。概して、本明細書において使用されるとき、「又は」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つだけ」又は「~のうちのただ1つ」などの排他性の用語が先行するときだけ、排他的代替物(すなわち、「一方又は他方であるが両方ではない」)を示すものとして解釈されるべきである。
【0071】
[0080] 本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、1つ又は複数の要素のリストを参照するときの「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト中の要素の任意の1つ又は複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するものとして理解されるべきであるが、要素のリスト中に具体的に列挙されるありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義は、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に特定されたこれらの要素に関連するものであろうが関連しないものであろうが、任意選択的に存在し得ることを許容する。
【0072】
[0081] 特許請求の範囲及び上記の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「収容する」、「伴う」、「保持する」、「~構成される」などの全ての移行句は、オープンエンドであるものとして、すなわち、含むがそれらに限定されるものではないことを意味するものと理解されたい。「~成る」及び「本質的に~成る」という移行句だけが、それぞれ、クローズド又はセミクローズドな移行句であるべきである。
【0073】
[0082] そうでないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は動作を含む本明細書において特許請求される任意の方法において、方法のステップ又は動作の順序は、方法のステップ又は動作が記述されている順序に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【0074】
[0083] 本明細書において、いくつかの発明的な実施形態が説明され、示されたが、当業者は、本明細書において説明された機能を実施するための、及び/又は本明細書において説明された結果及び/又は利点のうちの1つ若しくは複数を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想到するであろう。このような変形及び/又は修正の各々は、本明細書において説明された発明的な実施形態の範囲内にあるものとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書において説明された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成は、例示的なものであると意味され、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の1つ又は複数の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、単なる一般的な実験を使用して、本明細書において説明された特定の発明的な実施形態に対する多くの同等物を認識し、又は確認することが可能であろう。従って、前述の実施形態は、単なる例として提示されたものであり、添付の請求項の範囲及びその等価物の範囲内において、発明的な実施形態は、具体的に説明されたやり方及び特許請求されるやり方とは異なるやり方によって実践され得ることを理解されたい。本開示の発明的な実施形態は、本明細書において説明された各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に向けられている。加えて、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しないならば、本開示の発明の範囲内に含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】