(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】呼吸補助装置のためのデータ取込み、処理、格納及びレンダリングシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241106BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529252
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2022060951
(87)【国際公開番号】W WO2023084491
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル クリストファー ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】エロソ ポーリーン ジョイ アルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィー ジェイムズ アレキサンダー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カートン ロバート スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】カッセ ベンジャミン ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】オドネル ケヴィン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ザファロニ アルベルト アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル デヴィッド マーティン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
呼吸補助装置と、データの取込み、処理、格納及びレンダリングのための関連システム。データは、呼吸補助装置のディスプレイ画面上で呼吸補助装置の患者に提示される個人健康問診に関連することができる。問診における質問のセットに対する応答は、回答データとして取り込むことができる。次いで、回答データは、1つ又は複数のデータ報告及び/又は時系列チャートとしてアクセス及びレンダリングするために、基準データに対して送信及び/又は処理することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、
前記ガスの流れを発生させる流れ発生器と、
前記ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、
前記流れ発生器及び前記加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、
前記コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースと、
を備える呼吸療法デバイスと、
前記呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、
前記データサーバとデータ通信する表示デバイスと、
を備え、
前記呼吸療法デバイスの前記コントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する前記ディスプレイに提示された質問のセットに対する前記ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく回答データを受け取り、前記回答データを前記データサーバに送信するように構成されており、
前記データサーバが、前記呼吸療法デバイスから前記回答データを受信し、前記ユーザに関連付けられた基準データに対して前記回答データを処理して、前記表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成するように構成されており、
前記データ報告が、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含み、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択された前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づき、
前記生成されたデータ報告が、前記表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システム。
【請求項2】
前記基準カラースペクトルが、前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルに対して視覚的に異なるか又は区別可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基準カラースペクトルが、前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルに対して高い視覚的コントラストを有する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記時系列プロットが、前記基準データに対する前記回答データによって表される前記健康パラメータの悪化又は増悪を表す悪化偏差カラースペクトルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記基準データに対応するか又は一致する任意の回答データが、前記基準カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表され、前記基準データからの悪化偏差を表す任意の回答データが、前記悪化偏差カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記時系列プロットが、前記基準データに対する前記回答データによって表される前記健康パラメータの好転を表す好転偏差カラースペクトルをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記基準データからの好転に対応する任意の回答データが、前記好転偏差カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
各健康パラメータ質問に対する前記回答データが、ある尺度でのスコア又はランク付けを含むか又は前記スコア又はランク付けに変換可能であり、前記尺度での各スコア又はランク付けが、前記基準カラースペクトル及び前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルの各々におけるそれぞれの離散的な色値に対応するか又は割り当てられて、前記回答データの各プロットされた回答に、そのスコアに関連付けられた前記選択されたカラースペクトルからの前記離散的な色値が割り当てられるようになっている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記スコアが数値であり、前記尺度が、前記尺度の一端の望ましいスコア又はランク付けから、前記尺度の他端の望ましくないスコア又はランク付けにわたっている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記基準カラースペクトル及び前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルの各々が、前記スペクトルの一端の明るい方の色値から前記スペクトルの他端の暗い方の色値にわたる範囲の離散的な色値の基調色又は主調色を含む、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
各それぞれの基準カラースペクトル及び前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルに関連付けられた前記基調色又は主調色が、色、色相、色合い、トーン又は濃淡を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記基準カラースペクトルに関連付けられた前記基調色又は主調色が、寒色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡であり、悪化偏差カラースペクトルの前記基調色又は主調色が、暖色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡である、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
各プロットされた回答が、回答データが前記基準データに対応するか又は前記基準データから逸脱するかに応じて選択されるカラースペクトルに従って色分けされるとともに、前記選択されたカラースペクトル内で、前記回答データに関連付けられたスコア又はランク付けの、尺度に対する望ましさ又は位置に対応するか又はその関数である割り当てられた色値に基づいて、色分けされる、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記基準カラースペクトル及び前記1つ又は複数の偏差カラースペクトルが、各々、前記回答データに関連付けられた尺度でのそれらの位置に関して、各カラースペクトルの前記離散的な色値を描くそれぞれのカラーキーによって、前記データ報告内で視覚的に表される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロットされた回答が、前記プロットの前記時間軸に沿った時間間隔頻度による列と、、前記回答が関連する前記1つ又は複数の健康パラメータによる行とでプロットされる、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記時間間隔頻度が、回答データの各列が何日間にも及ぶ期間内の特定の日に関連付けられるように、日ごとである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記回答データが、前記回答データが前記ユーザによって入力された時間間隔を表す関連付けられた時間間隔データを有し、前記回答が、それらのそれぞれの時間間隔に従って、前記時系列プロットの前記時間軸に沿って、配列、スタック又は列にプロットされ、時間間隔をまたがる前記回答が、それらの関連する健康パラメータに従って行に位置合わせされる、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
各プロットされた回答が、任意の形状又はサイズのプロット内の色分けされたデータマーカによって表される、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
生成され前記データ報告が、ともに提示又は表示される複数の異なるユーザに関連する複数の区別可能な色分けされた時系列プロットを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
データ報告を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサであって、前記GUIが、前記データ報告を前記GUIにおいてレンダリングするように前記プロセッサによって制御され、前記プロセッサが、
前記データ報告を表す報告データをメモリに取得するか又は受け取ることであって、前記報告データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す回答データと、前記ユーザに関連付けられた基準データとを含む、取得するか又は受け取ることと、
レンダリング命令に従って前記報告データを処理することと、
前記報告データに基づいて、且つ前記レンダリング命令に従って、前記GUIにおいて前記データ報告をレンダリングすることであって、前記レンダリング命令が、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含むデータ報告をレンダリングするように構成され、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づく、レンダリングすることと、
を行うように構成されている、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサ。
【請求項21】
システムであって、
呼吸療法のためにそれぞれの複数のユーザにガスの流れを送達するように構成された複数の呼吸療法デバイスであって、各呼吸療法デバイスが、
前記ガスの流れを発生させる流れ発生器と、
前記ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、
前記流れ発生器及び前記加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、
前記コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースと、
を備える、複数の呼吸療法デバイスと、
前記呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、
前記データサーバとデータ通信する表示デバイスと、
を備え、
前記呼吸療法デバイスの前記コントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する前記ディスプレイに提示された質問のセットに対する前記ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく、症状データ及び/又は投薬データを含む回答データを受け取り、前記回答データを前記データサーバに送信するように構成されており、
前記データサーバが、前記複数のユーザについて前記複数の呼吸療法デバイスから前記回答データを受信し、各それぞれのユーザに関連付けられた基準データに対して前記回答データを処理して、前記表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるグラフィカルダッシュボードを生成するように構成されており、
前記グラフィカルダッシュボードが、各ユーザについて、前記ユーザの基準データに対する前記ユーザの処理済みの回答データのサマリ時系列チャートをカテゴリごとに描き、各サマリ時系列チャートが、症状データ及び/又は投薬データの、ある期間にわたるそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を描くか又は表し、
前記生成されたグラフィカルダッシュボードが、前記表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システム。
【請求項22】
各ユーザに対する前記サマリ時系列チャートが、症状データ偏差及び投薬データ偏差の両方をプロットする時系列グラフを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
症状データ偏差及び投薬データ偏差の前記プロットが、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
症状データ偏差のプロット及び投薬データ偏差の前記プロットが、同じか又は異なるタイプのプロットで表される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
症状データ偏差及び投薬データ偏差の前記プロットが、同じ時系列グラフ内の独立したプロットとして、又は同じ時系列グラフ内の組み合わされたプロットとして表される、請求項23又は24に記載のシステム。
【請求項26】
前記症状データ偏差及び前記投薬データ偏差を表す前記プロットが、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される、請求項22~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
各ユーザに対する前記サマリ時系列グラフが、同じ時系列グラフ内で、時系列棒チャートとしてプロットされている前記症状データ偏差と、時系列折れ線チャートとしてプロットされている前記投薬データ偏差とを含むか、又はその逆を含む、請求項22~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記症状データ偏差及び前記投薬データ偏差を表す前記棒チャート及び前記折れ線チャートが、色、パターン又は濃淡によって互いに視覚的に識別される、請求項37に記載のシステム。
【請求項29】
前記データサーバが、前記回答データを処理して、ユーザに対する、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうちの、前記時系列グラフの前記時間軸に関連付けられた各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータの総数を表す、プロットするためのカテゴリ偏差パラメータの形式で、症状データ偏差及び投薬データ偏差を抽出又は生成するように構成されている、請求項22~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記データサーバが、
健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である症状カテゴリ偏差パラメータ、及び健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である投薬カテゴリ偏差パラメータであって、各偏差パラメータが前記時系列グラフにプロットされる、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータ、又は
各カテゴリに対する、前記カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの悪化偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である悪化偏差パラメータ、及び各カテゴリに対する、前記カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの好転偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である好転偏差パラメータであって、各偏差パラメータが前記時系列グラフにプロットされる、悪化偏差パラメータ及び好転偏差パラメータ
を生成するように構成されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記データサーバが、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータについての前記ユーザの回答データの関連する色分けされた時系列プロットを表すデータセットに基づいて、各時間間隔について前記症状カテゴリ偏差パラメータ及び前記投薬カテゴリ偏差パラメータを生成するように構成されており、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択される前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づく、請求項29又は30に記載のシステム。
【請求項32】
各時間間隔にわたる前記カテゴリ偏差パラメータが、前記偏差カラースペクトルのそれぞれに色分けされた、各それぞれのカテゴリ内の回答の数に基づくか又はその関数である、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
各ユーザに対する前記サマリ時系列チャートが、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータについての前記ユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含み、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択された前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づく、請求項21~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記プロットされた回答が、前記色分けされた時系列プロットの前記時間軸に対してプロットされるとき、行にグループ化されるか、又は他の方法でそれらの関連する健康パラメータと位置合わせされる、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記プロットされた回答が、前記プロットされた回答が関連する前記健康パラメータに関連付けられた前記カテゴリに基づいて、定義されたカテゴリグループで提示される、請求項33又は34に記載のシステム。
【請求項36】
前記データサーバが、前記複数のユーザの前記回答データを処理して、前記ユーザ間の優先順位を決定するようにさらに構成されており、生成された前記グラフィカルダッシュボードが、前記複数のユーザの前記サマリ時系列チャートを、前記ユーザの前記決定された優先順位に少なくとも部分的に基づいて表示又は提示するように構成されている、請求項21~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
各ユーザの前記優先順位が、前記回答データに基づく他のユーザに対する前記ユーザの全体的な健康状態を表し、前記グラフダッシュボードが、前記サマリ時系列グラフが、より悪い健康状態を有する前記ユーザを、前記ユーザの優先順位に従って優先する順序又は配置で提示されるように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
システムであって、
呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、
前記ガスの流れを発生させる流れ発生器と、
前記ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、
前記流れ発生器及び前記加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、
前記コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースと、
を備える呼吸療法デバイスと、
前記呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、
前記データサーバとデータ通信する表示デバイスと、
を備え、
前記呼吸療法デバイスの前記コントローラが、
症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する前記ディスプレイに提示された質問のセットを含む問診に対する、前記ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく回答データを受け取ることと、
前記提示された質問のセットに対する前記ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づいて、スキップされたデータを受け取ることであって、前記スキップされたデータが、前記ユーザによってスキップされる任意の特定の質問、前記又はユーザによってスキップされる問診全体を表す、受け取ることと、
前記回答データ及び前記スキップされたデータを前記データサーバに送信することと、
を行うように構成されており、
前記データサーバが、
ある期間にわたって一連の時間間隔について、前記呼吸療法デバイスから前記回答データ及び前記スキップされたデータを受信し格納することと、
前記ユーザに関連付けられた基準データに対する前記回答データを処理して、各健康パラメータについての前記基準データに対する前記回答データの偏差を決定することと、
前記表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、前記データ報告が、前記一連の時間間隔について、前記基準データに対する前記回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含み、前記時系列チャートのうちの少なくとも1つが、
前記スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む、前記時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別する、スキップされたデータのグラフィカル指標
をさらに含む、生成することと、
を行うように構成されており、
前記生成されたデータ報告が、前記表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システム。
【請求項39】
前記時系列チャートのうちの少なくとも1つが、回答データなし又はスキップされたデータがある任意の時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に前記呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示す、データなしのグラフィカル指標をさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記時系列チャートのうちの少なくとも1つが、前記ユーザが入院していたか又は病院での治療を受けていた任意の時間間隔を識別する1つ又は複数のグラフィカル指標をさらに含む、請求項38又は39に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの時系列チャートが、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータに対する前記ユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含み、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択された前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づく、請求項38~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記プロットされた回答が、前記色分けされた時系列プロットの前記時間軸に対してプロットされるとき、行にグループ化されるか、又は他の方法でそれらの関連する健康パラメータと位置合わせされる、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記プロットされた回答が、前記プロットされた回答が関連する前記健康パラメータに関連付けられた前記カテゴリに基づいて、定義されたカテゴリグループで提示される、請求項41又は42のシステム。
【請求項44】
前記回答データが、時間軸に沿って、前記回答に関連付けられた前記健康パラメータによる行と、前記取り込まれた回答の前記時間間隔による列とに配置された、色分けされたデータセルの配列にプロット又はポピュレートされる、請求項41~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記色分けされた時系列プロットが、データセル内に、スキップされたデータに対応するスキップされたデータのグラフィカル指標をさらにプロットする、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記スキップされたデータが、前記スキップされたデータのグラフィカル指標を定義する提示されたキーに対応するスキップされたデータのグラフィカル指標に従って、データセル内にプロットされる、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記スキップされたデータのグラフィカル指標が、前記回答データから差異化するために、以下の特性、すなわち、前記基準カラースペクトル及び前記偏差カラースペクトルとは異なる色への色分け、パターン、濃淡、指示テキスト又は指示記号のうちの任意の1つ又は複数を含む、請求項41~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記色分けされた時系列プロットが、回答なしデータ又はスキップされたデータが受け取られる時間間隔について、データセル内にデータなしのグラフィカル指標をさらにプロットする、請求項41~47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
データなしのグラフィカル指標が、前記基準カラースペクトル及び前記偏差カラースペクトルとは異なる色への色分け、パターン、濃淡、指示テキスト、指示記号、空白データセル、及びデータセルの空白列のうちの任意の1つ又は複数を含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記回答データが、前記それぞれの症状カテゴリ及び投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する症状データ及び投薬データを含み、少なくとも1つの時系列チャートが、前記期間にわたる前記一連の時間間隔についての前記症状データ及び前記投薬データの両方のそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を表すプロットを含む時系列グラフを含む、請求項38~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記時系列グラフが、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される、症状データ偏差及び投薬データ偏差のプロットを含む、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記症状データ偏差及び前記投薬データ偏差の前記プロットが、同じか又は異なるタイプ又はプロットで表される、請求項50又は51に記載のシステム。
【請求項53】
前記症状データ偏差及び前記投薬データ偏差を表す前記プロットが、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される、請求項50~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記時系列グラフが、同じ時系列グラフ内で、時系列棒チャートとしてプロットされている前記症状データ偏差と、時系列折れ線チャートとしてプロットされている前記投薬データ偏差とを含むか、又はその逆を含む、請求項50~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記時系列グラフが、スキップされたデータを含む時間間隔を示すスキップされたデータのグラフィカル指標をさらにプロットする、請求項50~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記時系列グラフが、回答なしデータ又はスキップされたデータが受け取られた時間間隔を示すデータなしのグラフィカル指標をさらにプロットする、請求項50~55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記ユーザインタフェースの前記ディスプレイが、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンディスプレイを含み、前記ユーザ入力が、前記タッチスクリーンディスプレイ及び/又は1つ又は複数の入力要素を介して提供される、請求項1~19、21~37又は38~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記ユーザインタフェースの前記ディスプレイがグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示し、前記ユーザインタフェースが、ユーザが前記GUIにユーザ入力を提供するために操作可能である1つ又は複数の入力要素を含む、請求項1~19、21~37又は38~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記ディスプレイ上の前記提示された質問が、症状カテゴリ又は投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータ、又は各カテゴリからの少なくとも1つの健康パラメータに関連する、請求項1~19、21~37又は38~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
システムであって、
呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、
前記ガスの流れを発生させる流れ発生器と、
前記ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、
前記流れ発生器及び前記加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、
前記コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースと、
を備える呼吸療法デバイスと、
前記呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、
を備え、
前記呼吸療法デバイスの前記コントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する個人健康問診の前記ディスプレイに提示された質問のセットに対する前記ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく問診データを受け取り、前記問診データを前記データサーバに送信するように構成されており、
前記データサーバが、
前記呼吸療法デバイスから前記問診データを受信することと、
前記ユーザにリンクされたか又は割り当てられた1つ又は複数の格納された通知プロファイルに対して前記問診データを処理することであって、前記1つ又は複数の通知プロファイルが、各々、トリガ基準を定義するデータを含む、処理することと、
前記1つ又は複数の通知プロファイルに対する前記それぞれのトリガ基準が前記処理済みの問診データによって満たされた場合、前記通知プロファイルによる1つ又は複数の通知が、前記呼吸療法デバイス、又は前記呼吸療法デバイス又はデータサーバとデータ通信する電子デバイスで生成されるようにトリガすることと、
を行うように構成されている、システム。
【請求項61】
症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する質問のセットを含む個人健康問診に対するユーザの回答を含む問診データを処理するシステムであって、
プロセッサとメモリとを備え、前記プロセッサが、
前記ユーザが操作する呼吸療法デバイス又は電子デバイスから前記問診データを受け取るか又は取得することと、
前記ユーザにリンクされたか又は割り当てられた1つ又は複数の格納された通知プロファイルに対して前記問診データを処理することであって、前記1つ又は複数の通知プロファイルが、各々、トリガ基準を定義するデータを含む、処理することと、
前記1つ又は複数の通知プロファイルに対する前記それぞれのトリガ基準が前記処理済みの問診データによって満たされた場合、前記通知プロファイルによる1つ又は複数の通知が、前記プロセッサとデータ通信する電子デバイスで生成されるようにトリガすることと、
を行うように構成されている、システム。
【請求項62】
前記通知プロファイルの各々が、前記通知において伝達すべきメッセージ、コンテンツ又は情報を定義する通知メッセージを定義するデータをさらに含む、請求項60又は61に記載のシステム。
【請求項63】
前記通知プロファイルの前記通知メッセージ及び/又は前記トリガ基準が、構成可能又は調整可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記1つ又は複数の通知プロファイルを作成、構成又は調整するように動作可能なユーザインタフェースを備える、請求項60~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記ユーザインタフェースが、ユーザが前記1つ又は複数の通知プロファイルに対する前記トリガ基準を構成又は調整するのを可能にするように構成されている、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記ユーザに割り当てられた前記1つ又は複数の通知プロファイルが、前記ユーザを定義する患者プロファイルに基づいて前記ユーザに割り当てられる1つ又は複数のデフォルト通知プロファイルを含む、請求項60~65のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
前記システムが、ユーザの患者プロファイルを1つ又は複数の患者グループに、前記ユーザの患者プロファイルが前記それぞれの患者グループ基準を満たす場合に、リンク又は割り当て、前記ユーザに割り当てられた前記1つ又は複数の通知プロファイルが、1つ又は複数の患者グループ通知プロファイルを含む、請求項60~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記患者グループ通知プロファイルが、前記関連する患者グループのメンバーであるすべてのユーザに前記ユーザの患者プロファイルに基づいて適用される、通知プロファイルである、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
患者グループ及びそれらの関連する患者グループ基準を作成又は構成するように動作可能なユーザインタフェースを備える、請求項67又は68に記載のシステム。
【請求項70】
前記システムで定義された前記患者グループに対する前記1つ又は複数の患者グループ通知プロファイルを作成、構成又は調整するように動作可能なユーザインタフェースを備える、請求項67~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記通知プロファイルのうちの1つ又は複数の前記トリガ基準が、前記システムの動作可能なユーザインタフェースを介して構成可能である、請求項60~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記通知プロファイルのうちの1つ又は複数の前記トリガ基準が、前記ユーザの前記問診データ及び関連する格納された基準データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む、請求項60~71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
前記通知プロファイルのうちの1つ又は複数の前記トリガ基準が、前記ユーザの前記基準データからの前記問診データの偏差を表す偏差データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む、請求項60~72のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項74】
前記通知プロファイルのうちの1つ又は複数の前記トリガ基準が、前記個人健康問診に関連付けられた1つ又は複数の指定された健康パラメータに関連する問診データ及び関連する格納された基準データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む、請求項60~73のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項75】
前記通知プロファイルのうちの1つ又は複数の前記トリガ基準が、前記個人健康問診に関連付けられた1つ又は複数の指定された健康パラメータに対する前記ユーザの前記基準データからの前記問診データの偏差を表す偏差データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む、請求項60~74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
前記トリガ基準の前記条件が、データを1つ又は複数の閾値及び/又は期間条件と比較することを含む、請求項72~75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
前記トリガされた通知が、視覚的通知、可聴通知及び/又は触覚的通知のうちの任意の1つ又は複数を含む、請求項60~76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
データ報告を生成するためのソフトウェアアプリケーションであって、
回答データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、前記回答データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す、ステップと、
基準データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、前記基準データが前記ユーザに関連付けられている、ステップと、
前記基準データに対して前記回答データを処理して、ある期間にわたる前記1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含むデータ報告を生成するステップであって、
前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択された前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づく、ステップと、
ディスプレイにおいてレンダリングするか、又は関連するディスプレイにおいて前記データ報告をレンダリングするために、前記データ報告をデータファイルとして出力するステップと、
を実施するように、電子デバイスのプロセッサ及び関連するメモリによって実行される命令のセットを含む、ソフトウェアアプリケーション。
【請求項79】
システムであって、
関連する1つ又は複数のプロセッサとメモリとを備えるデータサーバと、
前記データサーバとデータ通信する表示デバイスと、
を備え、
前記データサーバが、
症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザからの回答を表す回答データを受信し、
前記ユーザに関連付けられた基準データに対して前記回答データを処理して、前記表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成する
ように構成されており、
前記データ報告が、ある期間にわたる、前記1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの前記回答データの色分けされた時系列プロットを含み、前記回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択された前記カラースペクトルが、前記基準データに対する前記回答データの任意の偏差の関数であるか又は前記任意の偏差に基づき、
前記生成されたデータ報告が、前記表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼吸補助装置と、データの取込み、処理、格納及びレンダリングのための関連システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、ユーザ又は患者にガスの流れを送達するために、病院、医療施設、住宅介護又は家庭環境等、さまざまな環境で使用されている。呼吸補助又は呼吸療法装置は、ガスの流れとともに補助酸素又は他のガスを送達するために使用される場合があり、且つ/又は、加熱及び加湿されたガスを送達するための加湿装置を含む場合がある。呼吸補助装置は、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力等を含む、ガス流の特性に対する調整及び制御を可能にすることができるガス流の特性を測定するために、流量センサ及び/又は圧力センサ等のセンサが使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様において、本開示は、広義には、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連するディスプレイに提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく回答データを受け取り、回答データをデータサーバに送信するように構成されており、データサーバが、呼吸療法デバイスから回答データを受信し、ユーザに関連付けられた基準データに対して回答データを処理して、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成するように構成されており、データ報告が、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの回答データの色分け(カラーコード化)された時系列プロットを含み、回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づき、生成されたデータ報告が、表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システムを含む。
【0004】
一構成では、基準カラースペクトルは、1つ又は複数の偏差カラースペクトルに対して視覚的に異なるか又は区別可能である。
【0005】
一構成では、基準カラースペクトルは、1つ又は複数の偏差カラースペクトルに対して高い視覚的コントラストを有する。
【0006】
一構成では、時系列プロットは、基準データに対する回答データによって表される健康パラメータの悪化又は増悪を表す悪化偏差カラースペクトルを含む。
【0007】
一構成では、基準データに対応するか又は一致する任意の回答データが、基準カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表され、基準データからの悪化偏差を表す任意の回答データが、悪化偏差カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表される。
【0008】
一構成では、時系列プロットは、基準データに対する回答データによって表される健康パラメータの好転を表す好転偏差カラースペクトルをさらに含む。
【0009】
一構成では、基準データからの好転に対応する任意の回答データが、好転偏差カラースペクトルに従って色分けされたプロットされた回答として表される。
【0010】
一構成では、各健康パラメータ質問に対する回答データは、ある尺度でのスコア又はランク付けを含むか又はスコア又はランク付けに変換可能であり、その尺度での各スコア又はランク付けは、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルの各々におけるそれぞれの離散的な色値に対応するか又は割り当てられて、回答データの各プロットされた回答に、そのスコアに関連付けられた選択されたカラースペクトルからの離散的な色値が割り当てられるようになっている。
【0011】
一構成では、スコアは数値であり、尺度は、尺度の一端の望ましいスコア又はランク付けから、尺度の他端の望ましくないスコア又はランク付けにわたっている。
【0012】
一構成では、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルの各々は、スペクトルの一端の明るい方の色値からスペクトルの他端の暗い方の色値にわたる範囲の離散的な色値の基調色又は主調色を含む。
【0013】
一構成では、上記尺度での望ましいスコア又はランク付けは、望ましくないスコア又はランク付けと比較してより明るい、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルにおける離散的な色値に対応するか又はそうした色値が割り当てられるか、又はその逆であり、又は、1つ又は複数のカラースペクトルは、上記尺度での望ましいスコア又はランク付けが、望ましくないスコア又はランク付けと比較して明るい離散的な色値に対応するか又はそうした色値が割り当てられるように構成され、1つ又は複数の他のカラースペクトルは、上記尺度での望ましいスコア又はランク付けが、望ましくないスコアと比較して暗い離散的な色値に対応するか又はそうした色値が割り当てられるように構成される。
【0014】
一構成では、各それぞれの基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルに関連付けられた基調色又は主調色は、色、色相、色合い、トーン又は濃淡を含む。
【0015】
一構成では、基準カラースペクトルに関連付けられた基調色又は主調色は、寒色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡であり、悪化偏差カラースペクトルの基調色又は主調色は、暖色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡である。
【0016】
一構成では、各プロットされた回答は、回答データが基準データに対応するか又は基準データから逸脱するかに応じて選択されるカラースペクトルに従って色分けされるとともに、選択されたカラースペクトル内で、回答データに関連付けられたスコア又はランク付けの、尺度に対する望ましさ又は位置に対応するか又はその関数である割り当てられた色値に基づいて、色分けされる。
【0017】
一構成では、各健康パラメータ質問に対する回答データは、ある尺度でのスコア又はランク付けを含むか又はそれに変換可能であり、その尺度での各スコア又はランク付けは、回答データの各プロットされた回答に、そのスコアに関連付けられた選択されたカラースペクトルからの離散的な色値が割り当てられるように、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルの各々におけるそれぞれの離散的な色値に対応するか、又はそうした色値が割り当てられる。
【0018】
一構成では、各カラースペクトルの離散的な色値は、上記尺度での離散的なスコア又はランク付けを表し、尺度は、一端の望ましいスコア又はランク付けを表す明るい色値から望ましくないスコア又はランク付けを表す暗い色値、又はその逆によって定義され、又は、1つ又は複数のカラースペクトルの尺度は、一端の望ましいスコア又はランク付けを表す明るい色値から望ましくないスコア又はランク付けを表す暗い色値によって定義され、1つ又は複数の他のカラースペクトルの尺度は、一端の望ましいスコア又はランク付けを表す暗い色値から望ましくないスコア又はランク付けを表す明るい色値によって定義される。
【0019】
一構成では、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルは、各々、回答データに関連付けられた尺度でのそれらの位置に関して、各カラースペクトルの離散的な色値を描くそれぞれのカラーキーによって、データ報告内で視覚的に表わされる。
【0020】
一構成では、プロットされた回答は、プロットの時間軸に沿った時間間隔頻度による列と、回答が関連する1つ又は複数の健康パラメータによる行とでプロットされる。
【0021】
一構成では、時間間隔頻度は、回答データの各列が何日間にも及ぶ期間内の特定の日に関連付けられるように、日ごとである。別の構成では、時間間隔頻度は、回答データの各列が何週間にも及ぶ期間内の特定の週に関連付けられるように、週ごとである。
【0022】
一構成では、回答データは、回答データがユーザによって入力された時間間隔を表す関連付けられた時間間隔データを有し、回答は、それらのそれぞれの時間間隔に従って、時系列プロットの時間軸に沿って、配列、スタック又は列にプロットされ、時間間隔をまたがる回答は、それらの関連する健康パラメータに従って行に位置合わせされる。
【0023】
一構成では、各プロットされた回答は、任意の形状又はサイズのプロット内の色分けされたデータマーカによって表される。
【0024】
一構成では、生成されデータ報告は、ともに提示又は表示される複数の異なるユーザに関連する複数の区別可能な色分けされた時系列プロットを含む。
【0025】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンディスプレイを含み、ユーザ入力は、タッチスクリーンディスプレイ及び/又は1つ又は複数の入力要素を介して提供される。
【0026】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示し、ユーザインタフェースは、ユーザがGUIにユーザ入力を提供するために操作可能である1つ又は複数の入力要素を含む。
【0027】
一構成では、ディスプレイ上の提示された質問は、症状カテゴリ又は投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータ、又は各カテゴリからの少なくとも1つの健康パラメータに関連する。
【0028】
一態様において、本開示は、広義には、表示するためのデータ報告を生成する方法を含み、本方法は、関連するメモリを有するプロセッサを備える電子デバイスによって実施され、回答データをメモリに受け取るか又は取得することであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す、受け取るか又は取得することと、基準データをメモリに受け取るか又は取得することであって、基準データがユーザに関連付けられている、受け取るか又は取得することと、基準データに対して回答データを処理して、電子デバイスに関連付けられたか又は電子デバイスに接続された表示デバイスにおいて表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、ある期間にわたる、1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含み、回答データの各プロットされた回答は、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく、処理することと、生成されたデータ報告を表示デバイスにおいて表示することとを含む。
【0029】
一構成では、電子デバイスは、データサーバから且つ/又は呼吸療法デバイスから回答データを受信するように構成されたコンピューティングデバイスである。
【0030】
一構成では、電子デバイスは、データ通信ネットワークによって呼吸療法デバイスから直接的に、又はデータ通信ネットワークによって別の電子デバイスを介して間接的に回答データを受信するように構成されている、データサーバである。
【0031】
一構成では、電子デバイスは、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するタッチスクリーンGUIへのユーザ入力に基づいて回答データを受け取るように構成されている、呼吸療法デバイスである。
【0032】
一態様において、本開示は、広義には、データ報告を生成するためのソフトウェアアプリケーションを含み、本アプリケーションは、回答データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、回答データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す、ステップと、基準データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、基準データがユーザに関連付けられている、ステップと、基準データに対して回答データを処理して、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含むデータ報告を生成するステップであって、回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく、ステップと、ディスプレイにおいてレンダリングするためにデータ報告をデータファイルとして出力するか、又は関連するディスプレイにおいてデータ報告をレンダリングするステップとを実施するように、電子デバイスのプロセッサ及び関連するメモリによって実行される命令のセットを含む。
【0033】
一構成では、ソフトウェアアプリケーションは、1人又は複数のユーザに関連付けられたデータ報告を閲覧するデータ要求を受け取ることと、データ要求に応じて、ディスプレイにおいてデータ報告を生成及びレンダリングすることとをさらに含む。
【0034】
一態様において、本開示は、広義には、データ報告を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサを含み、GUIは、データ報告をGUIにおいてレンダリングするようにプロセッサによって制御され、プロセッサは、データ報告を表す報告データをメモリに取得するか又は受け取ることであって、報告データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す回答データと、ユーザに関連付けられた基準データとを含む、取得するか又は受け取ることと、レンダリング命令に従って報告データを処理することと、報告データに基づいて、且つレンダリング命令に従って、GUIにおいてデータ報告をレンダリングすることであって、レンダリング命令が、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含むデータ報告をレンダリングするように構成され、回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく、レンダリングすることとを行うように構成されている。
【0035】
一態様において、本開示は、呼吸療法のためにそれぞれの複数のユーザにガスの流れを送達するように構成された複数の呼吸療法デバイスであって、各呼吸療法デバイスが、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える、複数の呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連するディスプレイに提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく、症状データ及び/又は投薬データを含む回答データを受け取り、回答データをデータサーバに送信するように構成されており、データサーバが、複数のユーザについて複数の呼吸療法デバイスから回答データを受信し、各それぞれのユーザに関連付けられた基準データに対して回答データを処理して、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるグラフィカルダッシュボードを生成するように構成されており、グラフィカルダッシュボードが、各ユーザについて、ユーザの基準データに対するユーザの処理済みの回答データのサマリ時系列チャートをカテゴリごとに描き、各サマリ時系列チャートが、症状データ及び/又は投薬データの、ある期間にわたるそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を描くか又は表し、生成されたグラフィカルダッシュボードが、表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システムを含む。
【0036】
一構成では、各ユーザに対するサマリ時系列チャートは、症状データ偏差及び投薬データ偏差の両方をプロットする時系列グラフを含む。
【0037】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差のプロットは、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される。
【0038】
一構成では、症状データ偏差のプロット及び投薬データ偏差のプロットは、同じか又は異なるタイプのプロットで表される。
【0039】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差のプロットは、同じ時系列グラフ内の独立したプロットとして、又は同じ時系列グラフ内の組み合わされたプロットとして表される。
【0040】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差を表すプロットは、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される。
【0041】
一構成では、各ユーザに対するサマリ時系列グラフは、同じ時系列グラフ内で、時系列棒チャートとしてプロットされている症状データ偏差と、時系列折れ線チャートとしてプロットされている投薬データ偏差とを含むか、又はその逆を含む。
【0042】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差を表す棒チャート及び折れ線チャートは、互いに視覚的に重なり合うように、同じ偏差軸に対してプロットされる。
【0043】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差を表す棒チャート及び折れ線チャートは、色、パターン又は濃淡によって互いに視覚的に識別される。
【0044】
一構成では、データサーバは、回答データを処理して、ユーザに対する、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうちの、時系列グラフの時間軸に関連付けられた各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータの総数を表す、プロットするためのカテゴリ偏差パラメータの形式で、症状データ偏差及び投薬データ偏差を抽出又は生成するように構成されている。
【0045】
一構成では、データサーバは、健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である症状カテゴリ偏差パラメータ、及び健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である投薬カテゴリ偏差パラメータであって、各偏差パラメータが時系列グラフにプロットされる、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータ、又は、各カテゴリに対する、カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの悪化偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である悪化偏差パラメータ、及び各カテゴリに対する、カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの好転偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である好転偏差パラメータであって、各偏差パラメータが時系列グラフにプロットされる、悪化偏差パラメータ及び好転偏差パラメータを生成するように構成されている。
【0046】
一構成では、データサーバは、回答データの色分けに応じて又は色分けに基づいて、各時間間隔についてカテゴリ偏差パラメータを生成するように構成され、回答データは、回答がユーザの基準データから逸脱しているか否かに応じて、基準カラースペクトル又は偏差カラースペクトルのいずれかに従って色分けされる。
【0047】
一構成では、データサーバは、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの回答データの関連する色分けされた時系列プロットを表すデータセットに基づいて、各時間間隔について症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータを生成するように構成されており、回答データの各プロットされた回答は、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されるカラースペクトルは、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく。
【0048】
一構成では、各時間間隔にわたるカテゴリ偏差パラメータは、偏差カラースペクトルのそれぞれに色分けされた、各それぞれのカテゴリ内の回答の数に基づくか又はその関数である。
【0049】
一構成では、各ユーザに対するサマリ時系列チャートは、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含み、回答データの各プロットされた回答は、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルは、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく。
【0050】
一構成では、プロットされた回答は、色分けされた時系列プロットの時間軸に対してプロットされるとき、行にグループ化されるか、又は他の方法でそれらの関連する健康パラメータと位置合わせされる。
【0051】
一構成では、プロットされた回答は、プロットされた回答が関連する健康パラメータに関連付けられたカテゴリに基づいて、定義されたカテゴリグループで提示される。
【0052】
一構成では、データサーバは、複数のユーザの回答データを処理して、ユーザ間の優先順位を決定するようにさらに構成されており、生成されたグラフィカルダッシュボードは、複数のユーザのサマリ時系列チャートを、ユーザの決定された優先順位に少なくとも部分的に基づいて表示又は提示するように構成されている。
【0053】
一構成では、各ユーザの優先順位は、回答データに基づく他のユーザに対するユーザの全体的な健康状態を表し、グラフダッシュボードは、サマリ時系列グラフが、より悪い健康状態を有するユーザを、ユーザの優先順位に従って優先する順序又は配置で提示されるように構成されている。
【0054】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンディスプレイを含み、ユーザ入力は、タッチスクリーンディスプレイ及び/又は1つ又は複数の入力要素を介して提供される。
【0055】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示し、ユーザインタフェースは、ユーザがGUIにユーザ入力を提供するために操作可能である1つ又は複数の入力要素を含む。
【0056】
一構成では、ディスプレイ上の提示された質問は、症状カテゴリ又は投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータ、又は各カテゴリからの少なくとも1つの健康パラメータに関連する。
【0057】
一構成では、本開示は、広義には、表示するためのグラフィカルダッシュボードを生成する方法を含み、本方法は、関連するメモリを有するプロセッサを備える電子デバイスによって実施され、回答データをメモリに受け取るか又は取得することであって、回答データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す症状データ及び/又は投薬データを含み、回答データが、それぞれの呼吸療法デバイスの複数のユーザに関連する、受け取るか又は取得することと、基準データをメモリに受け取るか又は取得することであって、基準データが、複数のユーザのうちの各それぞれのユーザに関連付けられている、受け取るか又は取得することと、各ユーザに対して、基準データに対する回答データを処理して、電子デバイスに関連付けられたか又は電子デバイスに接続されたディスプレイデバイスにおいて表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるグラフィカルダッシュボードを生成することであって、グラフィカルダッシュボードが、各ユーザに対して、ユーザの基準データに対するユーザの処理済みの回答データのサマリ時系列チャートをカテゴリベースで描き、各サマリ時系列チャートが、ある期間にわたる症状データ及び/又は投薬データのそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を描くか又は表す、処理することと、生成されたグラフィカルダッシュボードを表示デバイスにおいて表示することとを含む。
【0058】
一構成では、電子デバイスは、データサーバから且つ/又は複数の呼吸療法デバイスから回答データを受信するように構成されたコンピューティングデバイスである。
【0059】
一構成では、電子デバイスは、データ通信ネットワークによって複数の呼吸療法デバイスから直接的に、又はデータ通信ネットワークによって別の電子デバイスを介して間接的に回答データを受信するように構成されている、データサーバである。
【0060】
一態様において、本開示は、広義には、グラフィカルダッシュボードを生成するためのソフトウェアアプリケーションを含み、本アプリケーションは、回答データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、回答データが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す症状データ及び/又は投薬データを含み、回答データが、それぞれの呼吸療法デバイスの複数のユーザに関連する、ステップと、基準データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、基準データが複数のユーザのうちの各それぞれのユーザに関連付けられている、ステップと、各ユーザに対して、基準データに対して回答データを処理して、関連する表示デバイスにおいて表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるグラフィカルダッシュボードを生成するステップであって、グラフィカルダッシュボードが、各ユーザについて、ユーザの基準データに対するユーザの処理済みの回答データのサマリ時系列チャートをカテゴリごとに描き、各サマリ時系列チャートが、症状データ及び/又は投薬データの、ある期間にわたるそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を描くか又は表す、ステップと、ディスプレイにおいてレンダリングするか、又は関連するディスプレイにおいてデータ報告をレンダリングするために、データ報告をデータファイルとして出力するステップとを実施するように、電子デバイスのプロセッサ及び関連するメモリによって実行される命令のセットを含む。
【0061】
一構成では、ソフトウェアアプリケーションは、1人又は複数のユーザに関連付けられたデータ報告を閲覧するデータ要求を受け取ることと、データ要求に応じて、ディスプレイにおいてデータ報告を生成及びレンダリングすることとをさらに含む。
【0062】
一態様において、本開示は、広義には、グラフィカルダッシュボードを表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサを含み、GUIは、グラフィカルダッシュボードをGUIにおいてレンダリングするようにプロセッサによって制御され、プロセッサは、グラフィカルダッシュボードを表すダッシュボードデータをメモリに取得するか又は受け取ることであって、ダッシュボードデータが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す症状データ及び/又は投薬データを含む回答データであって、それぞれの呼吸療法デバイスの複数のユーザに関連する回答データと、複数のユーザのうちの各それぞれのユーザに関連付けられた基準データとを含む、取得するか又は受け取ることと、レンダリング命令に従ってダッシュボードデータを処理することと、ダッシュボードデータに基づいて、且つレンダリング命令に従ってGUIにおいてグラフィカルダッシュボードをレンダリングすることであって、レンダリング命令が、各ユーザに対して、ユーザの基準データに対するユーザの処理済みの回答データのサマリ時系列チャートをカテゴリごとに描くグラフィカルダッシュボードをレンダリングするように構成され、各サマリ時系列チャートが、症状データ及び/又は投薬データの、ある期間にわたるそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を描くか又は表す、レンダリングすることとを行うように構成されている。
【0063】
一態様において、本開示は、広義には、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連するディスプレイに提示された質問のセットを含む問診に対する、ユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく回答データを受け取ることと、提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づいて、スキップされたデータを受け取ることであって、スキップされたデータが、ユーザによってスキップされる任意の特定の質問、又はユーザによってスキップされる問診全体を表す、受け取ることと、回答データ及びスキップされたデータをデータサーバに送信することとを行うように構成されており、データサーバが、ある期間にわたって一連の時間間隔について、呼吸療法デバイスから回答データ及びスキップされたデータを受信し格納することと、ユーザに関連付けられた基準データに対する回答データを処理して、各健康パラメータについての基準データに対する回答データの偏差を決定することと、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、一連の時間間隔について、基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含み、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む、時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別する、スキップされたデータのグラフィカル指標と、回答データなし又はスキップされたデータがある任意の時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示す、データなしのグラフィカル指標とをさらに含む、生成することとを行うように構成されており、生成されたデータ報告が、表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システムを含む。
【0064】
一態様において、本開示は、広義には、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連するディスプレイに提示された質問のセットを含む問診に対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づいて回答データを受け取ることと、提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づいて、スキップされたデータを受け取ることであって、スキップされたデータが、ユーザによってスキップされた任意の特定の質問、又はユーザによってスキップされている問診全体を表す、受け取ることと、回答データ及びスキップされたデータをデータサーバに送信することとを行うように構成されており、データサーバが、呼吸療法装置から、ある期間にわたる一連の時間間隔について回答データ及びスキップされたデータを受信及び格納することと、ユーザに関連付けられた基準データに対して回答データを処理して、各健康パラメータについて基準データに対する回答データの偏差を決定することと、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、一連の時間間隔にわたる基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含む、生成することとを行うように構成されており、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別するスキップされたデータのグラフィカル指標をさらに含み、生成されたデータ報告が表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システムを含む。
【0065】
一構成では、時系列チャートのうちの少なくとも1つは、回答データなし又はスキップされたデータがある任意の時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示す、データなしのグラフィカル指標をさらに含むことができる。
【0066】
一構成では、時系列チャートのうちの少なくとも1つは、ユーザが入院していたか又は病院での治療を受けていた任意の時間間隔を識別する1つ又は複数のグラフィカル指標をさらに含む。
【0067】
一構成では、少なくとも1つの時系列チャートは、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータに対するユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含み、回答データの各プロットされた回答は、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルは、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく。
【0068】
一構成では、プロットされた回答は、色分けされた時系列プロットの時間軸に対してプロットされるとき、行にグループ化されるか、又は他の方法でそれらの関連する健康パラメータと位置合わせされる。
【0069】
一構成では、プロットされた回答は、プロットされた回答が関連する健康パラメータに関連付けられたカテゴリに基づいて、定義されたカテゴリグループで提示される。
【0070】
一構成では、回答データは、時間軸に沿って、回答に関連付けられた健康パラメータによる行と、取り込まれた回答の時間間隔による列とに配置された、色分けされたデータセルの配列にプロット又はポピュレートされる。
【0071】
一構成では、色分けされた時系列プロットは、データセル内に、スキップされたデータに対応するスキップされたデータのグラフィカル指標をさらにプロットする。
【0072】
一構成では、スキップされたデータは、スキップされたデータのグラフィカル指標を定義する提示されたキーに対応するスキップされたデータのグラフィカル指標に従って、データセル内にプロットされる。
【0073】
一構成では、スキップされたデータのグラフィカル指標は、回答データから差異化するために、以下の特性、すなわち、基準カラースペクトル及び偏差カラースペクトルとは異なる色への色分け、パターン、濃淡、指示テキスト又は指示記号のうちの任意の1つ又は複数を含む。
【0074】
一構成では、色分けされた時系列プロットは、回答なしデータ又はスキップされたデータが受け取られる時間間隔について、データセル内にデータなしのグラフィカル指標をさらにプロットする。
【0075】
一構成では、データなしのグラフィカル指標は、基準カラースペクトル及び偏差カラースペクトルとは異なる色への色分け、パターン、濃淡、指示テキスト、指示記号、空白データセル、及びデータセルの空白列のうちの任意の1つ又は複数を含む。
【0076】
一構成では、回答データは、それぞれの症状カテゴリ及び投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する症状データ及び投薬データを含み、少なくとも1つの時系列チャートは、その期間にわたる一連の時間間隔についての症状データ及び投薬データの両方のそれらのそれぞれの基準データに対する偏差を表すプロットを含む時系列グラフを含む。
【0077】
一構成では、時系列グラフは、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される、症状データ偏差及び投薬データ偏差のプロットを含む。
【0078】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差のプロットは、同じか又は異なるタイプ又はプロットで表される。
【0079】
一構成では、症状データ偏差及び投薬データ偏差を表すプロットは、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される。
【0080】
一構成では、時系列グラフは、同じ時系列グラフ内で、時系列棒チャートとしてプロットされている症状データ偏差と、時系列折れ線チャートとしてプロットされている投薬データ偏差とを含むか、又はその逆を含む。
【0081】
一構成では、時系列グラフは、スキップされたデータを含む時間間隔を示すスキップされたデータのグラフィカル指標をさらにプロットする。
【0082】
一構成では、時系列グラフは、回答なしデータ又はスキップされたデータが受け取られた時間間隔を示すデータなしのグラフィカル指標をさらにプロットする。
【0083】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンディスプレイを含み、ユーザ入力は、タッチスクリーンディスプレイ及び/又は1つ又は複数の入力要素を介して提供される。
【0084】
一構成では、ユーザインタフェースのディスプレイはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示し、ユーザインタフェースは、ユーザがGUIにユーザ入力を提供するために操作可能である1つ又は複数の入力要素を含む。
【0085】
一構成では、ディスプレイ上の提示された質問は、症状カテゴリ又は投薬カテゴリからの1つ又は複数の健康パラメータ、又は各カテゴリからの少なくとも1つの健康パラメータに関連する。
【0086】
一態様において、本開示は、広義には、表示するためのデータ報告を生成する方法を含み、本方法は、関連するメモリを有するプロセッサを備える電子デバイスによって実施され、回答データをメモリに受け取るか又は取得することであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットを含む問診に対するユーザ入力を表す、受け取るか又は取得することと、スキップされたデータをメモリに受け取るか又は取得することであって、スキップされたデータが、ユーザによってスキップされた任意の特定の質問、又はユーザによってスキップされている問診全体を表す、受け取るか又は取得することと、基準データをメモリに受け取るか又は取得することであって、基準データがユーザに関連付けられている、受け取るか又は取得することと、基準データに対して回答データを処理して、ある期間にわたって一連の時間間隔について、各健康パラメータについて基準データに対する回答データの偏差を決定することと、電子デバイスに関連付けられたか又は接続された表示デバイスに表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、一連の時間間隔にわたる基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含み、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別するスキップされたデータのグラフィカル指標と、回答なしデータ又はスキップされたデータがある時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示すデータなしのグラフィカル指標とを含む、生成することと、生成されたデータ報告を表示デバイスに表示することとを含む。
【0087】
一態様において、本開示は、広義には、表示するためのデータ報告を生成する方法を含み、本方法は、関連するメモリを有するプロセッサを備える電子デバイスによって実施され、回答データをメモリに受け取るか又は取得することであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットを含む問診に対するユーザ入力を表す、受け取るか又は取得することと、スキップされたデータをメモリに受け取るか又は取得することであって、スキップされたデータが、ユーザによってスキップされた任意の特定の質問、又はユーザによってスキップされている問診全体を表す、受け取るか又は取得することと、基準データをメモリに受け取るか又は取得することであって、基準データがユーザに関連付けられている、受け取るか又は取得することと、基準データに対して回答データを処理して、ある期間にわたって一連の時間間隔について、各健康パラメータについて基準データに対する回答データの偏差を決定することと、電子デバイスに関連付けられたか又は接続された表示デバイスに表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、一連の時間間隔にわたる基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含み、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別するスキップされたデータのグラフィカル指標を含む、生成することと、生成されたデータ報告を表示デバイスに表示することとを含む。
【0088】
一構成では、時系列チャートのうちの少なくとも1つは、回答データなし又はスキップされたデータがある任意の時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示す、データなしのグラフィカル指標をさらに含む。
【0089】
一構成では、時系列チャートのうちの少なくとも1つは、ユーザが入院していたか又は病院での治療を受けていた任意の時間間隔を識別する1つ又は複数のグラフィカル指標をさらに含む。
【0090】
一構成では、電子デバイスは、データサーバから且つ/又は呼吸療法デバイスから回答データを受信するように構成されたコンピューティングデバイスである。
【0091】
一構成では、電子デバイスは、データ通信ネットワークによって呼吸療法デバイスから直接的に、又はデータ通信ネットワークによって別の電子デバイスを介して間接的に回答データを受信するように構成されている、データサーバである。
【0092】
一構成では、電子デバイスは、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するタッチスクリーンGUIへのユーザ入力に基づいて回答データ及びスキップされたデータを受け取るように構成されている、呼吸療法デバイスである。
【0093】
一態様では、本開示は、広義には、データ報告を生成するためのソフトウェアアプリケーション含み、本アプリケーションは、回答データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットを含む問診に対するユーザ入力を表す、ステップと、スキップされたデータをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、スキップされたデータが、ユーザによってスキップされた任意の特定の質問、又はユーザによってスキップされている問診全体を表す、ステップと、基準データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、基準データがユーザに関連付けられている、ステップと、基準データに対して回答データを処理して、ある期間にわたって一連の時間間隔について、各健康パラメータについて基準データに対する回答データの偏差を決定するステップと、関連する表示デバイスに表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成するステップであって、データ報告が、一連の時間間隔にわたる基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含み、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別するスキップされたデータのグラフィカル指標と、回答なしデータ又はスキップされたデータがある時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔中に呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示すデータなしのグラフィカル指標とを含む、ステップと、ディスプレイにおいてレンダリングするためにデータ報告をデータファイルとして出力するか、又は関連するディスプレイにおいてデータ報告をレンダリングするステップとを実施するように、電子デバイスのプロセッサ及び関連するメモリによって実行される命令のセットを含む。
【0094】
一構成では、ソフトウェアアプリケーションは、1人又は複数のユーザに関連付けられたデータ報告を閲覧するデータ要求を受け取ることと、データ要求に応じて、ディスプレイにおいてデータ報告を生成及びレンダリングすることとをさらに含むことができる。
【0095】
一態様において、本開示は、広義には、データ報告を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサを含み、GUIは、データ報告をGUIにおいてレンダリングするようにプロセッサによって制御され、プロセッサは、データ報告を表す報告データをメモリに受け取るか又は取得することであって、報告データが、ある期間にわたる一連の時間間隔を表し、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットを含む問診に対するユーザ入力を表す回答データと、ユーザによってスキップされた質問又はユーザによってスキップされている問診全体を表すスキップされたデータと、ユーザに関連付けられた基準データとを含む、受け取るか又は取得することと、レンダリング命令に従って報告データを処理することと、報告データに基づいて、且つレンダリング命令に従って、GUIにおいてデータ報告をレンダリングすることであって、レンダリング命令が、一連の時間間隔にわたる基準データに対する回答データの偏差を描くか又は表す1つ又は複数の時系列チャートを含むデータ報告をレンダリングするように構成され、時系列チャートのうちの少なくとも1つが、スキップされたデータに基づいてスキップされた質問を含む時間間隔のうちの任意のものにおける任意の質問を識別するスキップされたデータのグラフィカル指標と、回答なしデータ又はスキップされたデータのある任意の時間間隔を識別し、それにより、その時間間隔の間、呼吸療法デバイスとのユーザインタラクションがないことを示すデータなしのグラフィカル指標とをさらに含む、レンダリングすることとを行うように構成されている。
【0096】
一態様において、本開示は、広義には、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連するディスプレイに提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく、症状データ及び/又は投薬データを含む回答データを受け取り、回答データをデータサーバに送信するように構成されており、データサーバが、呼吸療法装置から、ある期間にわたる一連の時間間隔について回答データを受信し、ユーザに関連付けられた基準データに対する回答データを処理して、ユーザに対する、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうち、各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータを表す症状データ偏差及び/又は投薬データ偏差を、プロットするための1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータの形式で抽出又は生成することと、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、その期間にわたる時間間隔についての1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットする時系列グラフを含む、生成することとを行うように構成されている。
【0097】
一構成では、データサーバは、健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータを表すか又はその関数である1つ又は複数の症状カテゴリ偏差パラメータ、及び健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータを表すか又はその関数である1つ又は複数の投薬カテゴリ偏差パラメータであって、各偏差パラメータが時系列グラフにプロットされる、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータ、又は、各カテゴリに対する、カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの悪化偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である悪化偏差パラメータ、及び各カテゴリに対する、カテゴリ内の健康パラメータのうちの、各時間間隔についてそれらの基準値からの好転偏差を有する健康パラメータの総数を表すか又はその関数である好転偏差パラメータであって、各偏差パラメータが時系列グラフにプロットされる、悪化偏差パラメータ及び好転偏差パラメータを生成するように構成されている。
【0098】
一構成では、データサーバは、回答データの色分けに応じて又は色分けに基づいて、各時間間隔についてカテゴリ偏差パラメータを生成するように構成され、回答データは、回答がユーザの基準データから逸脱しているか否かに応じて、基準カラースペクトル又は偏差カラースペクトルのいずれかに従って色分けされる。
【0099】
一構成では、データサーバは、ある期間にわたる1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの回答データの関連する色分けされた時系列プロットを表すデータセットに基づいて、各時間間隔について症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータを生成するように構成されており、回答データの各プロットされた回答は、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されるカラースペクトルは、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づく。
【0100】
一構成では、各時間間隔にわたるカテゴリ偏差パラメータは、偏差カラースペクトルに色分けされた、各それぞれのカテゴリ内の回答の数に基づくか又はその関数である。
【0101】
一構成では、時系列グラフは、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータの両方をプロットする。
【0102】
一構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される。
【0103】
一構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、同じか又は異なるタイプ又はプロットで表される。
【0104】
一構成では、症状カテゴリ偏差及び投薬データ偏差パラメータのプロットは、同じ時系列グラフ内の独立したプロットによって、又は同じ時系列グラフ内の組み合わされたプロットとして表される。
【0105】
一構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される。
【0106】
一構成では、時系列グラフは、棒チャートとしてプロットされている症状カテゴリ偏差パラメータと、折れ線チャートとしてプロットされている投薬カテゴリ偏差パラメータとを含むか、又はその逆を含む。
【0107】
一構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータを表す棒チャート及び折れ線チャートは、互いに視覚的に重なり合うように、同じ偏差軸に対してプロットされる。
【0108】
一構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータ表す棒チャート及び折れ線チャートは、色、パターン又は濃淡によって互いに視覚的に識別される。
【0109】
一構成では、データサーバは、生成された1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータが偏差パラメータの悪化及び好転の両方を表すことができるように、基準データにして回答データを処理するように構成されている。
【0110】
一構成では、データサーバはさらに、ユーザに対する処方の変更又は更新が生じた時間間隔を示す処方データを受信し、時系列グラフにおいて関連する時間間隔における処方変更を示すグラフィカル標示又は表現をプロットするように構成されている。
【0111】
一態様において、本開示は、広義には、表示するためのデータ報告を生成する方法を含み、本方法は、関連するメモリを有するプロセッサを備える電子デバイスによって実施され、回答データをメモリに受け取るか又は取得することであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力に基づく症状データ及び/又は投薬データを含む、受け取るか又は取得することと、基準データをメモリに受け取るか又は取得することであって、基準データがユーザに関連付けられている、受け取るか又は取得することと、ある期間の一連の時間間隔について基準データに対して回答データを処理して、ユーザに対する、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうち、各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータを表す症状データ偏差及び/又は投薬データ偏差を、プロットするための1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータの形式で抽出又は生成することと、電子デバイスに関連付けられたか又は電子デバイスに接続された表示デバイスにおいて表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成することであって、データ報告が、ある期間にわたる複数の時間間隔についての1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットする時系列グラフを含む、生成することと、生成されたデータ報告を表示デバイスにおいて表示することとを含む。
【0112】
一構成では、電子デバイスは、データサーバから且つ/又は呼吸療法デバイスから回答データを受信するように構成されたコンピューティングデバイスである。
【0113】
一構成では、電子デバイスは、データ通信ネットワークによって呼吸療法デバイスから直接的に、又はデータ通信ネットワークによって別の電子デバイスを介して間接的に回答データを受信するように構成されている、データサーバである。
【0114】
一構成では、電子デバイスは、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するタッチスクリーンとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するタッチスクリーンGUIへのユーザ入力に基づいて回答データ及びスキップされたデータを受け取るように構成されている、呼吸療法デバイスである。
【0115】
一態様において、本開示は、広義には、データ報告を生成するためのソフトウェアアプリケーションを含み、本アプリケーションは、回答データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、回答データが、呼吸療法デバイスのユーザの症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力に基づく症状データ及び/又は投薬データを含む、ステップと、基準データをメモリに受け取るか又は取得するステップであって、基準データがユーザに関連付けられている、ステップと、ある期間の一連の時間間隔について基準データに対して回答データを処理して、ユーザに対する、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうち、各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータを表す症状データ偏差及び/又は投薬データ偏差を、プロットするための1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータの形式で抽出又は生成するステップと、関連する表示デバイスにおいて表示するためにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成するステップであって、データ報告が、ある期間にわたる複数の時間間隔についての1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットする時系列グラフを含む、ステップと、ディスプレイにおいてレンダリングするためのデータファイルとしてデータ報告を出力するか、又は関連するディスプレイにおいてデータ報告をレンダリングするステップとを実施するように、電子デバイスのプロセッサ及び関連するメモリによって実行される命令のセットを含む。
【0116】
一構成では、ソフトウェアアプリケーションは、1人又は複数のユーザに関連付けられたデータ報告を閲覧するデータ要求を受け取ることと、データ要求に応じて、ディスプレイにおいてデータ報告を生成及びレンダリングすることとをさらに含む。
【0117】
一態様において、本開示は、広義には、データ報告を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びプロセッサを含み、GUIは、データ報告をGUIにおいてレンダリングするようにプロセッサによって制御され、プロセッサは、データ報告を表す報告データをメモリに取得するか又は受け取ることであって、報告データが、呼吸療法デバイスのユーザに対する症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザ入力を表す回答データを含む、取得するか又は受け取ることと、レンダリング命令に従って報告データを処理することと、報告データに基づいて、且つレンダリング命令に従って、GUIにおいてデータ報告をレンダリングすることであって、レンダリング命令が、ユーザに対して、各カテゴリの健康パラメータうち、その期間における各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータを表す1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットする時系列グラフを含むデータ報告をレンダリングするように構成されている、レンダリングすることとを行うように構成されている。
【0118】
一態様において、本開示は、広義には、呼吸療法のためにユーザにガスの流れを送達するように構成された呼吸療法デバイスであって、ガスの流れを発生させる流れ発生器と、ガスの流れを加熱及び加湿する加湿器と、流れ発生器及び加湿器を制御するように動作可能なコントローラと、コントローラとのユーザインタラクションを可能にするディスプレイを含むユーザインタフェースとを備える呼吸療法デバイスと、呼吸療法デバイスとデータ通信するデータサーバとを備え、呼吸療法デバイスのコントローラが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する個人健康問診のディスプレイに提示された質問のセットに対するユーザインタフェースへのユーザ入力に基づく問診データを受け取り、問診データをデータサーバに送信するように構成されており、データサーバが、呼吸療法デバイスから問診データを受信することと、ユーザにリンクされたか又は割り当てられた1つ又は複数の格納された通知プロファイルに対して問診データを処理することであって、1つ又は複数の通知プロファイルが、各々、トリガ基準を定義するデータを含む、処理することと、1つ又は複数の通知プロファイルに対するそれぞれのトリガ基準が処理済みの問診データによって満たされた場合、通知プロファイルによる1つ又は複数の通知が、呼吸療法デバイス、又は呼吸療法デバイス又はデータサーバとデータ通信する電子デバイスで生成されるようにトリガすることとを行うように構成されている、システムを含む。
【0119】
一態様において、本開示は、広義には、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する質問のセットを含む個人健康問診に対するユーザの回答を含む問診データを処理するシステムを含み、本システムは、プロセッサとメモリとを備え、プロセッサは、ユーザが操作する呼吸療法デバイス又は電子デバイスから問診データを受け取るか又は取得することと、ユーザにリンクされたか又は割り当てられた1つ又は複数の格納された通知プロファイルに対して問診データを処理することであって、1つ又は複数の通知プロファイルが、各々、トリガ基準を定義するデータを含む、処理することと、1つ又は複数の通知プロファイルに対するそれぞれのトリガ基準が処理済みの問診データによって満たされた場合、通知プロファイルによる1つ又は複数の通知が、プロセッサとデータ通信する電子デバイスで生成されるようにトリガすることとを行うように構成されている。
【0120】
一構成では、通知プロファイルの各々は、通知において伝達すべきメッセージ、コンテンツ又は情報を定義する通知メッセージを定義するデータをさらに含む。
【0121】
一構成では、通知プロファイルの通知メッセージ及び/又はトリガ基準は、構成可能又は調整可能である。
【0122】
一構成では、本システムは、1つ又は複数の通知プロファイルを作成、構成又は調整するように動作可能なユーザインタフェースを備える。
【0123】
一構成では、ユーザインタフェースは、ユーザが1つ又は複数の通知プロファイルに対するトリガ基準を構成又は調整するのを可能にするように構成されている。
【0124】
一構成では、ユーザに割り当てられた1つ又は複数の通知プロファイルは、ユーザを定義する患者プロファイルに基づいてユーザに割り当てられる1つ又は複数のデフォルト通知プロファイルを含む。
【0125】
一構成では、本システムは、ユーザの患者プロファイルを1つ又は複数の患者グループに、ユーザの患者プロファイルがそれぞれの患者グループ基準を満たす場合に、リンク又は割り当て、ユーザに割り当てられた1つ又は複数の通知プロファイルは、1つ又は複数の患者グループ通知プロファイルを含む。
【0126】
一構成では、患者グループ通知プロファイルは、関連する患者グループのメンバーであるすべてのユーザにそれらユーザの患者プロファイルに基づいて適用される通知プロファイルである。
【0127】
一構成では、本システムは、患者グループ及びそれらの関連する患者グループ基準を作成又は構成するように動作可能なユーザインタフェースを備える。
【0128】
一構成では、本システムは、システムで定義された患者グループに対する1つ又は複数の患者グループ通知プロファイルを作成、構成又は調整するように動作可能なユーザインタフェースを備える。
【0129】
一構成では、通知プロファイルのうちの1つ又は複数のトリガ基準は、システムの動作可能なユーザインタフェースを介して構成可能である。
【0130】
一構成では、通知プロファイルのうちの1つ又は複数のトリガ基準は、ユーザの問診データ及び関連する格納された基準データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む。
【0131】
一構成では、通知プロファイルのうちの1つ又は複数のトリガ基準は、ユーザの基準データからの問診データの偏差を表す偏差データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む。
【0132】
一構成では、通知プロファイルのうちの1つ又は複数のトリガ基準は、個人健康問診に関連付けられた1つ又は複数の指定された健康パラメータに関連する問診データ及び関連する格納された基準データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む。
【0133】
一構成では、通知プロファイルのうちの1つ又は複数のトリガ基準は、個人健康問診に関連付けられた1つ又は複数の指定された健康パラメータに対するユーザの基準データからの問診データの偏差を表す偏差データに少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じた基準と、1つ又は複数の条件とを含む。
【0134】
一構成では、トリガ基準の条件は、データを1つ又は複数の閾値及び/又は期間条件と比較することを含む。
【0135】
一構成では、トリガされた通知は、視覚的通知、可聴通知及び/又は触覚的通知のうちの任意の1つ又は複数を含む。
【0136】
一態様において、本開示は、広義には、ユーザの1つ又は複数の健康パラメータに関連する質問のセットを含む個人健康問診に対するユーザの回答を含む問診データを処理するように構成されたデータサーバを含み、データサーバは、電子デバイス、データベース又は呼吸療法デバイスから問診データを受信又は取得することと、ユーザにリンクされたか又は割り当てられた1つ又は複数の格納された通知プロファイルに対して問診データを処理することであって、1つ又は複数の通知プロファイルが、各々、トリガ基準を定義するデータを含む、処理することと、1つ又は複数の通知プロファイルに対するそれぞれのトリガ基準が処理済みの問診データによって満たされた場合、通知プロファイルによる1つ又は複数の通知が、データサーバとデータ通信する電子デバイスで生成されるようにトリガすることとを行うように構成されたプロセッサを備える。
【0137】
一態様において、本開示は、広義には、関連する1つ又は複数のプロセッサとメモリとを備えるデータサーバと、データサーバとデータ通信する表示デバイスとを備え、データサーバが、症状カテゴリ及び投薬カテゴリのうちの少なくとも1つからの1つ又は複数の健康パラメータに関連する提示された質問のセットに対するユーザからの回答を表す回答データを受信し、ユーザに関連付けられた基準データに対して回答データを処理して、表示デバイスによって表示されるようにアクセス可能であるか又はレンダリングされるデータ報告を生成するように構成されており、データ報告が、ある期間にわたる、1つ又は複数の健康パラメータについてのユーザの回答データの色分けされた時系列プロットを含み、回答データの各プロットされた回答が、基準カラースペクトル又は1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って表示のために選択的に色分けされ、各回答に対して選択されたカラースペクトルが、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又は任意の偏差に基づき、生成されたデータ報告が、表示デバイスにおいて表示又はレンダリングされる、システムを含む。
【0138】
一態様において、本開示は、広義には、1つ又は複数の処理デバイスで実行されると、処理デバイスに上記の1つ又は複数の態様の任意の方法を実行させるコンピュータ実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0139】
一態様において、本開示は、広義には、上記の1つ又は複数の態様の任意の方法を実行するアプリケーションプログラムとともに処理デバイス上で実行するように、コンピュータ可読媒体上で具現化されたアプリケーションプログラムインターフェイスのセット又はアプリケーションプログラムインターフェイス(API)を含む。
【0140】
上記本開示の任意の態様は、他の態様のうちの任意の1つ又は複数に関して言及した任意の1つ又は複数の態様又は特徴をさらに含むことができ、又は、任意のデータ(例えば、問診データ、回答データ、症状データ、投薬データ、カテゴリ偏差パラメータ、基準データ及び/又は偏差データ)、データ報告、グラフィカルダッシュボード、サマリ時系列チャート、時系列チャート(例えば、色分けされた時系列プロット及び/又は時系列グラフ)、及び/又は関連システムアーキテクチャの任意の態様は、任意の組合せで、上述した他の任意の態様に関して言及した特徴のうちの任意の1つ又は複数を有することができる。
【0141】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点について、いくつかの実施形態の図面を参照して説明するが、これらの図面は、いくつかの実施形態を概略的に例示するように意図されており、本開示を限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【
図1】一実施形態による呼吸補助装置の概略図である。
【
図2】一実施形態による、呼吸補助装置の正面/右側俯瞰斜視図であり、呼吸補助装置ベースユニットの凹部内に加湿器液体チャンバが位置決めされている。
【
図3】一実施形態による、
図2の呼吸補助装置の正面/左側面であり、呼吸補助装置の凹部から加湿器液体チャンバが取り外されている。
【
図4】一実施形態による、呼吸補助装置ベースユニットの正面/右側面俯瞰斜視図であり、加湿器液体チャンバ及びヒータプレートは図示されていない。
【
図4A】一実施形態による、呼吸補助装置の正面/右側面底面斜視図であり、加湿器液体チャンバは図示されていない。
【
図4B】一実施形態による、電池モジュールが適所に配置されている呼吸補助装置ベースユニットの背面図である。
【
図5】一実施形態による呼吸補助装置の概略図である。
【
図6】一実施形態によるコントローラ動作のフローチャートである。
【
図6A】一実施形態によるコントローラ動作のフローチャートである。
【
図6B】一実施形態によるコントローラ動作のフローチャートである。
【
図7】一実施形態による、呼吸補助装置の患者に個人健康問診を条件付きで提示するプロセスのフローチャートである。
【
図8】事前設定された基準値に基づいて個人健康問診の回答に対する偏差を決定するプロセスのフローチャートである。
【
図9】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図10】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図11】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図12】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図13】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図13A】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図14】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図14A】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図15】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図16】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図17】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図18】一実施形態による、呼吸補助装置に個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。
【
図19】一実施形態による、呼吸補助装置、データサーバ及び表示デバイスを備えたデータシステムを示すシステムアーキテクチャ図である。
【
図20】一実施形態による、データサーバが複数の呼吸補助装置及び複数の表示デバイスにサービスを提供している、
図19のデータシステムを示すシステムアーキテクチャ図である。
【
図21】一実施形態による個人健康問診データのためのデータ処理フローを示すフローチャートである。
【
図22】一実施形態による、表示デバイスにおいてレンダリングされる、処理済み個人健康問診データを含むデジタル患者データ報告の図である。
【
図23】一実施形態による、表示デバイスにおいてレンダリングされる、処理済み個人健康問診データのデジタルの色分けされた時系列プロット又はヒートマップの図である。
【
図24】一実施形態による、
図23のデジタルの色分けされた時系列プロット又はヒートマップのキーの拡大図である。
【
図25A】一実施形態による、個人健康問診データから生成されたカテゴリ偏差パラメータの時系列グラフのさまざまな実施形態の図を示す。
【
図25B】一実施形態による、個人健康問診データから生成されたカテゴリ偏差パラメータの時系列グラフのさまざまな実施形態の図を示す。
【
図25C】一実施形態による、個人健康問診データから生成されたカテゴリ偏差パラメータの時系列グラフのさまざまな実施形態の図を示す。
【
図26】一実施形態による、複数の患者に関する複数のサマリ時系列チャートを描くデジタルグラフィカルダッシュボードの図を示す。
【
図27】一実施形態による、患者の生理学的パラメータデータに基づいて個人健康問診内の質問を変更するためのデータ処理フローのフローチャートである。
【
図28】一実施形態による、先行する質問に対する回答に基づいて、又はその回答に応じて、個人健康問診における追加後続質問をトリガするためのデータ処理フローのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0143】
1.概要
COPD、又は気管支拡張症、又は他の呼吸窮迫を患う患者は、病院で、例えばバイレベル(二相式)圧力療法及び/又はネーザルハイフロー(経鼻高流量)療法等のさまざまな療法で治療されることが多い。ネーザルハイフロー療法は、病院でCOPD又は気管支拡張症の患者を治療するために一般的に使用される1つの療法である。これらの患者が退院するとき、患者の主治医(すなわち、医師)は、リタイヤメントヴィレッジ若しくはホスピスを含む在宅、又は病院の外部の場所で、患者が定期的なハイフロー療法を続けることを望む場合がある。こうした場合、患者の主治医は、在宅ハイフロー療法を処方し、患者の医療提供者が、在宅使用に適したネーザルハイフローデバイスを患者に提供する。別法として、医療提供者は、在宅で使用される療法、例えば在宅でのネーザルハイフローを処方する場合がある。患者は、その処方に基づいて患者に医療デバイスを提供することができる機器提供業者に連絡する場合がある。
【0144】
処方は、所定の患者に対して臨床医が設定する流量である場合があり、又はそうした流量を含む場合がある。処方は、例えば、限定されないが、1日又は1週間当たりの治療時間、及び/又は1日又は1週間当たりの所定の治療セッションの数等の処方された治療時間である場合があり、又はそうした治療時間を含む場合がある。
【0145】
処方は、流量及び/又はO2濃度(すなわち、O2%)及び/又は湿度レベル(例えば、露点又はRH又は絶対湿度)の組合せである場合がある。処方は、装置のメモリにロード及び格納される場合がある。
【0146】
処方は、好ましくは、退院前に又は定期健診中に臨床医によって決定される。処方は、臨床医が更新することができる。
【0147】
在宅ネーザルハイフロー治療は、患者に呼吸支援を提供し、したがって患者が病院に留まることを不要とし、且つ/又は、増悪、したがって費用のかかる再入院の可能性を低減させることができるため、医療提供者は、退院したCOPD患者に在宅ネーザルハイフローデバイスを提供する費用を補償することが(例えば、財政的に且つ/又は臨床的に)賢明であると感じることが多い。
【0148】
不都合なことに、在宅療法、例えばネーザルハイフロー療法の治療を受けている患者によっては、依然として、COPD増悪(すなわち、COPDの症状の再発又は悪化)、又は入院につながる可能性がある他の健康状態の悪化が生じる可能性がある。したがって、患者の病状が入院する程度まで悪化している時期又は時点を(例えば、患者の状態をモニタリングすることにより)予測又は検知できることは、患者及び医療提供者の療法にとって有益である。すなわち、医師は、患者が入院を必要とするCOPDの著しい増悪(例えば、症状の悪化)を起こす前に、又はより一般的には、患者が費用のかかる入院を必要とする状態になる前に、介入して治療することができる。
【0149】
一定の期間、患者の状態をモニタリングすることができ、その後、モニタリングに基づき、患者の病状が入院する程度まで悪化しているか否か(例えば、増悪の前)に関して、予測することができる。
【0150】
入院を必要とする病状を予測するために、必要な情報を収集する1つの方法は、患者に、自身の現在の健康状態に関する質問に定期的に回答してもらうというものである。しかしながら、この場合、在宅治療を受けている患者は、紙で又は追加のデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デスクトップ、ラップトップ)を用いて問診票を定期的に記入することができないほど、体調が悪い場合性があり、又は高齢であるか若しくは弱っている場合があるため、問題がある。さらに、患者が身体的に十分に元気であっても、自己診断する可能性があり、又は、特に問診が使いやすくない(例えば、紙のフォーム、又はレイアウトの悪いデジタル問診である)場合、この作業が面倒になり、患者がやる気をなくして記入をやめる可能性がある。紙又は追加のユーザデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デスクトップ、ラップトップ)を用いて問診票を完成する(そのすべてを記入する)ことは、患者にとって、別のデバイスを使用しなければならないため面倒である可能性があり、このため、患者は、紙又は他のデバイスで提供される問診票を完成しないことが多い。
【0151】
本開示は、呼吸補助装置のユーザ又は患者からの個人健康問診データのデジタルデータを取り込み、リモート又はクラウドベースのデータサーバシステムによる生データをリモートで格納し処理する、システムを提供する。データサーバには医療提供者がアクセス可能であって、グラフィカルレンダリング用のコード化された時系列チャートを含む、処理済みデータに基づいて編集されたデジタル患者データ報告にアクセスすることができる。時系列チャートは、要求されたときに動的に又はリアルタイムで生成することができ、そのフォーマット及びコンテンツは、ユーザの嗜好設定に基づいて構成可能である。グラフィカルな時系列チャートは、インタラクティブであってもよい。いくつかの構成において、複数の患者を担当する医療提供者による効率的な確認及びモニタリングのために、複数の患者の複数のサマリグラフィカルデータ抽出物又は時系列チャートを描く、グラフィカルダッシュボードが生成される。グラフィカルチャートは、生データを処理して、医療提供者による容易な確認のために、偏差(例えば、健康パラメータ又は健康状態の悪化、及び/又は別法として健康パラメータ又は健康状態の好転)を提示又は特定することができる。グラフィカル表現のためのデータのコード化は、いくつかの構成において、生データと比較して、表示のための効率的な伝達及びレンダリングを提供することができる。
【0152】
本開示は、医療提供者が、複数の患者が自宅で呼吸療法用の呼吸補助装置を使用している間に、そうした複数の患者から健康状態情報をリモートで取り込み、取り込んだデータをデータ報告で検討し、且つ/又は取り込んだデータに基づいてデフォルト及び/又はカスタム通知を受け取ることを可能にする、システム及び方法を提供する。このリモートデジタルデータ取込み、処理及び報告により、医療提供者は、より効果的に且つ効率的に、自身が担当している患者を確認し、優先度の観点から患者をトリアージし、患者の処方された療法を修正若しくは調整し、又は他の方法で介入若しくは治療を変更し、且つ/又は概して、患者の状態、増悪のリスク、及び/又は患者の処方された療法の有効性をモニタリングすることができる可能性がある。
【0153】
以下では、患者又はユーザからの個人健康問診を取り込む呼吸補助装置の一例について説明する。個人健康問診は、客観的な問診及び/又は主観的な問診を含む、1つ又は複数の健康パラメータ(例えば、症状及び使用されている薬剤)に関連する一連の又は一組の質問を含むデジタル問診票であってもよい。これに続いて、個人健康問診データを処理するプロセス、パラメータ生成及びデータコード化、並びにデータ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードのレンダリングについて、例を挙げて説明する。
【0154】
2.呼吸補助装置例
図1に、ハイフロー療法のために患者にガス(1種又は複数種のガスを含む場合がある)の流れを送達するためのハイフロー装置としての呼吸補助装置を示す。本明細書では、呼吸補助装置を「呼吸療法デバイス」と呼ぶ場合もある。
【0155】
別法として又はさらに、本装置は、例えば、CPAP装置及び/又はバイレベル(二相式)デバイス及び/又は非侵襲的換気(NIV)装置(又はそれらの任意の組合せ)とすることができる。本装置は、例えば、CPAP療法及び/又はバイレベル圧力療法及び/又はNIV療法(又はそれらの任意の組合せ)を提供するか、又はそうしたものを提供するモードで選択的に動作することができる。
【0156】
療法の種類に応じて、異なる患者インタフェースを提供することができる。例えば、ハイフロー療法には、非密閉インタフェースを提供することができ、CPAP療法には密閉インタフェースを提供することができる。
【0157】
CPAP療法を提供する例示的な装置は、2010年10月8日に出願された国際公開第2011/056080号に記載されている。その明細書の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0158】
呼吸補助装置は、ガス供給部と任意選択的にガス加湿装置とを備える。呼吸補助装置は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、いびき又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の疾患の治療のために陽圧での(加湿された又はその他の)ガスの供給を必要とする患者又はユーザに呼吸補助を提供するように動作可能である。呼吸補助装置は、典型的には、組み合わされた補助呼吸ユニット及び加湿器を形成するように、加湿器液体チャンバとしての加湿器チャンバを含む。
【0159】
呼吸補助装置は、加湿器と使用される場合、典型的にはガスが補助呼吸ユニット又はブロワユニットからブロワの下流の液体チャンバまで送達される構造を有する。ガスは、液体チャンバを通過する際、液体蒸気(例えば、水蒸気)で飽和する。可撓性管状ガス導管が、加湿器チャンバから下流のユーザ又は患者にガスを送達する。
【0160】
ハイフロー装置は、呼吸を補助し、且つ/又は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は呼吸窮迫症候群若しくは呼吸困難、又は気管支拡張症を含む呼吸障害を治療するために、高流量ガス流又はハイフロー療法を患者に送達するために使用することができる。ハイフロー装置は、ガス供給部を含み、典型的には、加湿装置を含む。ハイフロー装置は、患者に呼吸支援を提供することができる。
【0161】
CPAP装置は、(より詳細に後述するように)患者に持続気道陽圧又は患者にCPAP療法を送達するために使用することができる。
【0162】
バイレベル装置は、(より詳細に後述するように)患者にバイレベル圧力、又は患者にバイレベル療法を送達するために使用することができる。
【0163】
呼吸補助装置は、典型的には、患者にガスを送達するための呼吸導管及びカニューレ又はマスク等の患者インタフェース等、1つ又は複数の付属品を有する。導管により、呼吸補助装置のハウジングから患者にガスを送達することができる。例えば、装置は、床又は他の支持面の上に配置される場合があり、患者はベッドにいる場合がある。
【0164】
呼吸補助装置は、加湿器液体チャンバを受ける凹部を有することができる。液体チャンバは、例えば、液体を1つ又は複数のチューブを介して加湿器液体チャンバに送達する可撓性液体バッグから、液体を受け取る。別法として、液体チャンバを取り外して、必要に応じて再充填することができる。凹部は、液体チャンバを加熱して、液体チャンバを通過するガスを加湿する、ヒータプレートを収容する。そして、加湿されたガスは患者に送達される。
【0165】
図1は、呼吸補助装置例10を示す。呼吸補助装置10は、ハイフロー療法を提供するとともに、ハイフロー装置として機能するように構成されている。
【0166】
呼吸補助装置10は、代替的に又は追加で、圧力療法を提供するように構成されており、圧力療法装置として機能することができる。
【0167】
呼吸補助装置10は、ハイフローモードにあるときに高流量のガスを提供するように構成することができる。呼吸補助装置10は、圧力療法を提供する、圧力療法モードで動作するように構成することができる。圧力療法は、バイレベル陽圧療法又は持続陽圧療法であり得る。例えば、バイレベル圧力療法では、装置10は、患者が吸気圧力及び呼気圧力を受け、両圧力が陽圧であるように、ガス流を提供するように構成されている。持続圧力療法では、装置10は、ユーザが設定することができる一定の圧力でガスを送達するように構成されている。レベル又は圧力は、医療提供者(例えば、医師)が設定することができる。ハイフロー療法を送達するために、非密閉患者インタフェース、例えば鼻カニューレが使用される。逆に、圧力療法を送達するために、密閉患者インタフェース(例えば、鼻マスク又はフルフェイスマスク又は鼻ピロー)が使用される。
【0168】
一般的に、装置10は、流れ発生器11、加湿器12、コントローラ13及びユーザI/Oインタフェース14を収容する主ハウジング100を備える。
【0169】
いくつかの実施形態では、ユーザI/Oインタフェースは、ディスプレイと、ユーザがユーザ入力を提供するために操作可能である1つ又は複数のユーザ入力デバイス又は要素とを備える。ユーザ入力デバイス又は要素は、例えば、1つ又は複数のボタン、スイッチ、若しくはダイヤル(例えば、機械式、タッチ式、静電容量式等)、及び/又はタッチスクリーンを含むことができる。ユーザインタフェースがタッチスクリーンディスプレイを含む実施形態では、ユーザ入力は、ディスプレイ上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)に提示される1つ又は複数のグラフィカル入力要素とのタッチインタラクションを介して提供することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、ユーザI/Oインタフェースは、補助デバイスの一部であり得る。補助デバイスは、例えば、電話、タブレット又はコンピュータであり得る。補助デバイスは、本装置と直接通信するように構成されてもよく、又は1つ若しくは複数のサーバ又はデータネットワークを介して本装置と通信するように構成されてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態では、補助デバイスのユーザI/Oインタフェースに、問診の質問を提示することができ、ユーザは、補助デバイスで質問に回答することができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、質問に対する回答は、補助デバイスに格納し、(例えば、問診の終了時に、又は各質問に回答される際に、又は後の時点で)本装置に送信することができる。いくつかの実施形態では、本装置は、その後、質問に対する回答を(他の情報、例えば患者パラメータとともに)患者及びデバイス管理プラットフォームにアップロードすることができる。
【0173】
補助デバイスは、質問に対する回答を(任意選択的に、本装置からの他の情報、例えば患者パラメータとともに)患者及びデバイス管理プラットフォームにアップロードすることができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、ユーザI/Oインタフェース14として又はその一部として、タッチスクリーンを提供することができる。上述したように、いくつかの構成では、タッチスクリーンは、主要な又は唯一のユーザ入力デバイスであってもよく、ユーザは、タッチスクリーンとのタッチインタラクティビティ(例えば、タッチ、プッシュ、フリック、スワイプ、シングルフィンガ若しくはマルチフィンガジェスチャ又はインタラクション、例えば、ピンチズーム等)を介してグラフィカルユーザインタフェースとインタラクトする。他の構成では、タッチスクリーンと組み合わせて、(機械式であってもタッチセンシティブであっても)ボタン、ダイヤル、スイッチ等の1つ又は複数の追加のユーザ入力要素又はデバイスを提供することができる。こうした追加のユーザ入力要素又はデバイスは、典型的には、タッチスクリーンに隣接若しくは近接して又はその周辺部の周りに設けられる等、タッチスクリーンと同じ場所に位置する場合があり、又は呼吸補助装置のハウジングの別のアクセス可能な部分又は表面においてタッチスクリーンから離れて配置される場合がある。1つ又は複数の追加のユーザ入力要素又はデバイスは、タッチスクリーンとのタッチインタラクティビティと組み合わせて又はタッチ対話性の代わりとして、タッチスクリーン上の表示されたGUIとインタラクトするために、例えば、メニュー、機能をナビゲートするため、情報又は応答を入力するため、設定及びユーザ嗜好を構成するため、且つ/又は他の任意の制御若しくは装置機能とインタラクトするために使用することができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、コントローラは、装置10の異なる構成要素を制御するために複数のコントローラから構成することができる。
【0176】
複数のコントローラは、ユーザI/Oインタフェース用のコントローラ、流れ発生器及び/又は加湿器を制御するコントローラ、センサ入力を受け取るコントローラのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、流れ発生器及び加湿器を制御するコントローラは、他のコントローラ(例えば、センサ入力を受け取るコントローラ、及びユーザI/Oインタフェース用のユーザコントローラ)から入力を受け取るように構成されている。
【0178】
複数のコントローラは、互いに(例えば、バスを介して)通信し、且つ/又はマスタコントローラと通信するように構成することができる。
【0179】
流れ発生器11は、モータ/インペラ配置、例えばブロワ又はポンプを含むことができ、又は、ガスの流れを生成するコンプレッサ又は他の好適な構成要素を含むことができる。
【0180】
コントローラ13は、患者に送達するガスの流れ(ガス流)を生成するように流れ発生器11を動作させること、発生したガス流を加湿及び/又は加熱するように加湿器12を動作させること、装置10の再構成及び/又はユーザが規定した動作のためにユーザインタフェース14からユーザ入力を受け取ること、及びユーザインタフェース14を介してユーザに情報を(例えば、ディスプレイで)出力すること等、装置の構成要素を制御するように構成又はプログラムされている。
【0181】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザインタフェースを介してスタートアップ入力/要求を受け取るように構成されている。スタートアップ入力/要求は、ユーザに対する問診を開始するように本装置を作動させる。
【0182】
ユーザは、患者、医療提供者、又は装置の使用に関心がある他の任意の人であり得る。本装置が病院環境外で、例えば、家庭で、又はホスピス若しくはリタイヤメントヴィレッジ又は他の非病院環境で使用される1つの例では、装置10のユーザは患者である。患者は、デバイスを使用して、医療提供者(例えば、医師)からの処方に従ってハイフロー療法又は圧力療法を受ける。
【0183】
質問に回答することに関連して(別の場所で記載するように)、質問は患者の健康パラメータに関連するため、ユーザは、好ましくは患者となることが理解されよう。
【0184】
呼吸補助装置10のハウジング100内のガス流出力又は患者出口ポート30(すなわち、出口ポート)に、患者呼吸導管16が接続されており、それは、マニホールド19及び鼻プロング18を備える鼻カニューレ等の患者インタフェース17に接続されている。いくつかの実施形態では、鼻カニューレは、密閉されている場合もあれば、又は(例えば、ハイフロー療法を提供するために使用される場合)密閉されていない場合もある。
【0185】
さらに又は別法として、患者呼吸導管16は、フェイスマスク(例えば、CPAP又はバイレベル圧力療法等の圧力療法が提供される場合、密閉マスク)に接続することができる。
【0186】
さらに又は別法として、患者呼吸導管は、鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インタフェース、又は他の任意の好適なタイプの患者インタフェースに接続することができる。
【0187】
呼吸補助装置10によって発生する、加湿される場合があるガス流は、患者呼吸導管16を介して(任意選択的に、加湿器を介して)患者インタフェース17を通して患者に送達される。患者呼吸導管16は、患者まで流れるガス流を加熱するヒータ線16aを有することができる。ヒータ線16aは、コントローラ13によって制御される。別法として、患者補助装置は、ヒータ線に対する出力(例えば、電力又は電流又は電圧)を制御する別個のヒータ線コントローラを備える。
【0188】
患者呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17は、呼吸補助装置10の一部、又は別法としてその周辺装置とみなすことができる。呼吸補助装置10、呼吸導管16及び患者インタフェース17は、呼吸補助システム、例えば、
図1に示すように、ハイフロー呼吸支援、すなわちハイフロー呼吸療法を患者に提供するフロー療法システムをともに形成することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生させるように流れ発生器11を制御する。
【0190】
いくつかの実施形態では、コントローラは、空気及び酸素又は他の代替ガスの混合を制御するように1つ又は複数の弁を制御する。
【0191】
いくつかの実施形態では、コントローラは、加湿器12を制御して、所望のレベルまで、且つ/又は提供されている療法の温度及び/又は湿度レベル設定に従って、ガス流を加湿し且つ/又は加熱する。例えば、コントローラは、患者へのガスの流れに対して所望の温度及び/又は湿度設定を達成するために、加湿器のヒータプレート及び/又は患者呼吸導管内のヒータ要素に印加される電力を制御することができ、制御は、装置によって生成されるガスの流れの温度及び/又は湿度を検知又は測定するように配置されている1つ又は複数の温度センサ及び/又は湿度センサに少なくとも部分的に基づく。
【0192】
ガス流は、患者呼吸導管16及び患者インタフェース17を通して患者に向けられる。上述の通り、コントローラ13は、所望のレベルの療法及び/又は患者にとっての快適さを達成する所望の温度までガスを加湿及び/又は加熱するように、加湿器12内の加熱素子及び患者呼吸導管16内の加熱素子16aも制御することができる。
【0193】
ガス流の好適な目標温度でコントローラ13をプログラムすることができ、又は、コントローラ13が、ガス流の好適な目標温度を決定することができる。
【0194】
コントローラ13は、ハイフロー療法モードにあるとき、流量センサからのフィードバックに基づいて所望の流量でガス流を発生させるように流れ発生器を制御する。別法として、コントローラ13は、圧力療法モードにあるときに圧力センサ、(例えば差圧センサ)からのフィードバックに基づいて、所望の圧力でガス流を発生させるように、流れ発生器を制御するように構成される。
【0195】
流量、温度、湿度及び/又は圧力センサ等の動作センサ3a、3b、3c、20及び25は、呼吸補助装置10及び/又は患者呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17内のさまざまな場所に配置することができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、動作センサ3a、3b、3c、20及び25のうちの少なくとも1つは、センサモジュール内に設けられ得る。センサモジュールは、ガス流路内に位置することができる。センサモジュールは、ガス流路において流れ発生器(例えば、ブロワ)と加湿器との間に位置することができる。
【0197】
動作センサ3a、3b、3c、20及び25のうちの少なくとも1つは、ガス流のパラメータを検知するようにガス流路内に設けることができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、装置は、1つ又は複数の患者パラメータを測定又は決定することができる。患者パラメータは、例えば、呼吸数、患者の酸素飽和度、及び/又は他の生理学的パラメータ若しくは指標(例えば、酸素化に対する呼吸数(ROX)指標)のうちの1つ又は複数であってもよい。患者パラメータは、患者の1つ又は複数の生理学的パラメータであるか、又はそれらに関連してもよい。1つの患者パラメータ又は複数のパラメータは、(後述するように)患者センサにより測定するか、又は装置からのセンサに基づいて決定することができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、呼吸数は、流量センサからの流量信号に基づいて決定することができる。呼吸数は、例えば、2018年11月22日に出願された国際公開第2019/102384号に開示されているように決定することができる。その明細書の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0200】
いくつかの実施形態では、装置のコントローラは、患者の呼吸数データを受信及び/又は決定するように構成することができる。1つの構成では、呼吸数は、コントローラによって、例えば、以下の検知又は測定されたガス流又は装置パラメータ、すなわち、ガス流の圧力、ガス流の流量及び/又は流れ発生器のモータ速度のうちの2つ以上の関数として決定することができる。別の構成では、コントローラは、限定されないがパルスオキシメータ又はウェアラブルセンサ等の外部デバイス又はセンサから患者の呼吸数データを受信してもよい。
【0201】
患者センサ26も含まれる。患者センサ26は、患者パラメータを測定するために患者に取り付けられるか又は患者に関連付けられるセンサであり得る。1つの例では、患者センサ26は、患者の酸素飽和度、すなわちSpO2値を測定するパルスオキシメータである。センサからの出力は、コントローラ13によって受信され、コントローラ13が最適な療法を提供するように呼吸補助装置10を動作させるのに役立つことができる。
【0202】
いくつかの構成では、最適な療法を提供することは、患者の吸気流量を満たすか又は超えることを含む。装置10は、コントローラ13が、センサから信号8を受信し、且つ/又は、限定されないが流れ発生器11、加湿器12及びヒータ線16aを含む呼吸補助装置10のさまざまな構成要素、又は呼吸補助装置10に関連する付属品若しくは周辺装置を制御するのを可能にする(例えば、より詳細に後述するネットワークインタフェースの一部として)、送信器及び/又は受信器15を有することができる。
【0203】
さらに又は別法として、送信器及び/又は受信器15は、外部又はリモートのサービス又はプラットフォーム又はデータサーバにデータを送出することができる。例えば、リモートの患者及びデバイス管理プラットフォーム。患者及びデバイス管理プラットフォームは、リモートデバイス、データサーバ、アプリケーション、クラウドサービス又はプラットフォーム(例えば、分散コンピュータシステム資源)又は他の任意の好適なハードウェア及びソフトウェアプラットフォームのうちの任意の1つ又は組合せであり得る。1つの実施形態では、送信器及び/又は受信器15により、装置10のリモート制御を可能にすることができる。
【0204】
1つの実施形態では、送信器及び/又は受信器15は、GSMモジュール若しくはチップ、又は他の任意の好適なデータ、モバイル若しくはセルラ通信モジュールを含むことができる。本装置の送信器及び/又は受信器15は、1つ又は複数の通信モジュールを含むことができる。1つの構成例では、本装置は、GSMモジュールと、さらに、限定されないが、Bluetoothモジュール、Wifiモジュール、ZigBeeモジュール、Z-waveモジュール、NFCモジュール、RFIDモジュール、衛星モジュール、LAN若しくはWLANモジュール、赤外線モジュール、無線モジュール、モデムモジュール又は他の任意の通信モジュール等の1つ又は複数の他の追加の通信モジュールとを備えることができる。他の構成では、本装置は、GSMモジュールの有無にかかわらず、前述の通信モジュールのうちの1つ又は複数の任意の組合せを含むことができる。
【0205】
呼吸補助装置10は、任意の好適なタイプの装置であり得るが、いくつかの構成では、呼吸を補助し且つ/又は呼吸障害を治療するために患者に(例えば、空気、酸素、他のガス混合物、又はそれらの何らかの組合せの)高流量ガス流又はハイフロー療法を送達することができる。いくつかの構成では、ガスは、酸素であるか又は酸素を含む。いくつかの構成では、ガスは、酸素及び周囲空気のブレンドを含む。本明細書で考察するようなハイフロー療法は、概して、概して患者の吸気流量を満たすか又は超えるように意図された流量で、意図的に密閉されていない患者インタフェースを介して呼吸ガス(好ましくは加湿されたガス)の目標流量を送達する呼吸補助システムを指す、当業者によって理解されるようなその通常の意味が与えられるように意図されている。典型的な患者インタフェースは、限定されないが、鼻又は気管患者インタフェースを含む。成人に対する典型的な流量は、限定されないが、約15リットル/分(LPM)~約70リットル/分、又はそれよりも多い範囲であることが多い。小児患者(新生児、幼児、小児等)に対する典型的な流量は、限定されないが、患者の体重の1キログラム当たり約1リットル/分~患者の体重の1キログラム当たり約3リットル/分、又はそれよりも多い範囲であることが多い。ハイフロー療法は、任意選択的に、補助酸素を含むガス混合組成物及び/又は治療薬の投与も含むことができる。ハイフロー療法は、他の一般的な名称もあるがとりわけ、ネーザルハイフロー(NHF)、加湿ハイフローネーザルカニューレ(HHFNC)(humidified high flow nasal cannula)、高流量経鼻酸素(HFNO)、ハイフロー療法(HFT)又は気管切開用ハイフロー(THF)(tracheal high flow)と称されることが多い。
【0206】
例えば、いくつかの構成では、成人患者の場合、「ハイフロー療法」は、約10リットル/分(10LPM)~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPM等、約10LPM以上の流量での患者へのガスの送達を指すことができる。いくつかの構成では、新生児、幼児又は小児患者の場合、「ハイフロー療法」は、約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPM等、1LPMより高い流量での患者へのガスの送達を指すことができる。成人患者、新生児、幼児又は小児患者でのハイフロー療法装置は、いくつかの構成では、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上記で概説した部分範囲のうちの任意の範囲の流量で、患者にガスを送達することができる。送達されるガスは、ある割合の酸素を含むことができる。いくつかの構成では、送達されるガス中の酸素の割合は、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%であり得る。
【0207】
ハイフロー療法は、患者の吸気流量を満たすか又は超え、患者の酸素化を増大させ、且つ/又は患者の仕事量を低減させるのに有効であることが分かっている。さらに、ハイフロー療法は、上気道の解剖学的死腔が入ってくる高流量のガス流によってフラッシングされるように、鼻咽喉においてフラッシング効果を発生させることができる。これにより、二酸化炭素、窒素等の再呼吸を低減させながら、毎回の呼吸に利用可能な新鮮なガスの貯蔵所がもたらされる。
【0208】
ハイフロー療法に対する1つの例では、非密閉又は非密閉式のユーザインタフェース、例えば鼻カニューレが使用される。CPAP又は他の圧力療法の場合、典型的には密閉インタフェース、例えば、鼻マスク、フルフェイスマスク又は鼻ピローが使用される。
【0209】
患者インタフェース17は、装置がハイフロー療法を提供しているとき、圧外傷(例えば、大気に対する圧力差に起因する肺又は呼吸器系の他の臓器に対する組織損傷)を防止するように非密閉式インタフェースであり得る。患者インタフェースは、マニホールド及び鼻プロングを備える鼻カニューレ、及び/又はフェイスマスク、及び/又は鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インタフェース、又は他の任意の好適なタイプの患者インタフェースであり得る。患者インタフェースは、ユーザの顔面でインタフェースを維持するように構成されたヘッドギアを含むことができる。
【0210】
後述するように、呼吸補助装置10は、呼吸補助装置10の機能、使用及び/又は構成を補助するさまざまな特徴を有する。
【0211】
図2~4Bに示すように、第1構成の呼吸補助装置10は、主ハウジング100を有する呼吸補助装置ベースユニット50を備える。主ハウジング100は、主ハウジング上部シャシ102及び主ハウジング下部シャシ104を有する。
【0212】
ベースユニット50の主ハウジングは、周壁配置構成を有する。周壁配置構成は、取外し可能な液体チャンバ151を受ける加湿器液体チャンバベイを提供する凹部108を画定している。取外し可能な液体チャンバ151は、患者に送達されるガスを加湿する水等の好適な液体を収容する。
【0213】
装置10のベースユニット50は、可動指ガード141を有することができ、可動指ガード140は、液体チャンバが凹部108の適所にあるとき、且つ指ガードのバリア141aが
図2に示すようにカバー位置にあるとき、ユーザが液体チャンバのベースフランジ155に触れないように保護する。バリア141aは、カバー位置と、凹部108がバリア141aによってそれほど覆われないか又は覆われない下降したアクセス位置との間で移動可能である。
【0214】
図示する形態では、主ハウジング下部シャシ104の周壁配置構成は、主ハウジング100の前後方向に向けられている実質的に垂直な左側外壁109と、実質的に垂直な右側外壁111と、壁109、111の間に延在するとともにそれらを接続する実質的に垂直な後部外壁とを含む。底壁115が、壁109、111、113の下端部の間に延在するとともにそれらを接続し、装置のベースと液体チャンバベイの実質的に水平な床部分とを形成している。
【0215】
凹部108の床部分は、加湿プロセス中に使用される液体チャンバ151内の液体を加熱するヒータプレート140又は他の好適な加熱素子等、ヒータ配置構成を受ける受容部分108aを有する。ヒータプレートは、典型的には、例えば円形の形状等、液体チャンバ151のベース154の形状に実質的に対応する形状を有する。ヒータプレート140は、例えば、ばね等の付勢デバイスに、弾性的に取り付けられている。弾性取付により、ヒータプレートは、液体チャンバが凹部108に挿入されるとヒータプレート140と液体チャンバのベースとの良好な接触を維持しながら、下方に移動して凹部108内に液体チャンバ151を収容することができる。
【0216】
主ハウジング下部シャシ104は、例えばクリップ等、好適な締結具又は内蔵の取付機能のいずれかにより、上部シャシ102に取付可能である。主ハウジング下部シャシ104が主ハウジング上部シャシ102に取り付けられると、上部及び下部シャシの壁は互いに係合する。
【0217】
下部シャシ104は、モータモジュールを受けるモータ凹部を有し、モータモジュールは、その凹部内に永久的に挿入され得るか、又は凹部から取外し可能であり得る。取外し可能なモータモジュールを受けるために、底壁115のその後縁部に隣接して、凹部開口部が設けられている。モータモジュールのベース123が、モータ凹部内への開口部を覆う。ベースは、ベースの組立後に固定されて、モータ凹部内にモータモジュールをロックし、モータに手が加えられるのを防止することができる。モータモジュールは、ガス流をもたらすようにブロワを形成するモータを含み、モータモジュールを通過するガスの特性を検知する1つ又は複数のセンサを含むことができる。モータモジュールは、モータモジュールを通過するガスのパラメータを検知するセンサを含むことができる。1つの例では、モータモジュールは、複数のセンサ、例えば、流量センサ、差圧センサ、ガス組成センサ、湿度センサ及び/又は他の任意のセンサをサポートする検知モジュールを含むことができる。センサは、コントローラが、装置及びその構成要素の制御中にコントローラが使用するセンサ出力を受信することができるように、コントローラと電子通信するように配置されている。
【0218】
装置10のベースユニット50のモータモジュール及びハウジングに、装置のベースユニット50の1つ又は複数のガス入口から液体チャンバ151のガス入口ポート157までガスを送達してガスを加湿するために、好適なチューブ及び/又はガス流通路が設けられている。ガスは、液体チャンバ151のガス出口ポート159から(加湿ガス入口ポート163を介して)患者出口ポート30まで、それにより、患者呼吸導管16及び患者インタフェース17を介して患者まで送達される。
【0219】
ハウジングは、2つのガス入口27、28を備えることができる。第1入口は、周囲空気入口である場合があり、第2入口は、補助ガス、例えば、酸素若しくはヘリオックス又は別の補助ガス用である場合がある。図示する例では、補助ガスは酸素である。補助ガス源は、コントローラ13により、装置10内に導入される補助ガスの量を調節するために制御される弁を備えることができる。空気及び補助ガスは、流れ発生器、すなわちブロワによって混合される。
【0220】
モータ凹部は、ハウジングの底壁115の凹部開口部を含む。別法として、凹部開口部は、ハウジングの側部、前部又は頂部等、ハウジングの異なる部分にあり得る。
【0221】
装置10のベースユニット50は、停電のとき、又は持ち運んで使用するために、装置に電力を提供するバッテリモジュール125を有することができる。バッテリモジュールは、バッテリを収容するバッテリカバー126を備える。バッテリモジュール125のバッテリは、交換可能であり得る。
【0222】
バッテリモジュール125は、商用電源が切断された場合に電力を提供することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、商用電源の切断を検出し、呼吸補助装置の機能を提供するためにバッテリモジュール125から電力を引き出すように自動的に切り替わるように構成されている。
【0223】
装置に電力を供給するためにバッテリモジュール125が利用されるとき、装置は、所定量の時間、例えば、30分間~1時間、動作することができる。
【0224】
図示する形態では、バッテリモジュール125のバッテリカバー126は、装置ハウジング100の後壁113の外部に結合されている。これにより、バッテリを冷却するための広い表面積が提供されるとともに、バッテリから装置に入る熱の量が低減する。さらに、この構成により、特にバッテリが充電されているとき、装置の構成要素によって発生する熱のバッテリに対する影響が低減する。代替構成では、バッテリは、主ハウジングの内部に取り付けられてもよい。
【0225】
ハウジングに、設置されたバッテリを覆うバッテリカバー126を設けることができる。別法として、バッテリは、カバーなしにハウジング100に直接取り付けられてもよい。バッテリ、したがってバッテリカバー126は、ハウジングの底壁115を越えて延在しないようなサイズであり得る。別法として、バッテリカバー126は、より長く、より大きいバッテリを収容するようにハウジングの底壁115を越えて延在してもよい。
【0226】
図3に示すように、装置10のベースユニット50は、装置を支持装置に取り付けるための取付機構127を有する。
【0227】
取付機構127は、装置10のベースユニット50の主ハウジングの一部と一体的に形成され得る。図示する形態では、取付機構127は、ハウジングの左側壁109の下部シャシ104に一体的に形成されている。取付機構127は、代わりに、後壁、右側壁又は他の壁等、ハウジングの他の壁のうちの任意のものと一体的に形成することができる。
【0228】
装置の主ハウジングは、取付機構127が一体的に形成されるのを可能にする任意の好適な材料から形成され得る。例えば、ハウジングは、ポリカーボネートから形成され得る。
【0229】
図3は、呼吸補助装置10と使用される加湿器液体チャンバ151(すなわち、リザーバ)を示す。チャンバ151は、呼吸ガスの加湿のために水等の液体で充填される取外し可能な液体チャンバである。液体チャンバ151は、より容易に再充填又は廃棄されるように呼吸補助装置10のベースユニット50から取外し可能である。
【0230】
液体チャンバ151は、周壁153及び屋根156を有する本体152を有する。本体は、液体を受け入れる内部チャンバを画定している。周壁の下端部にベース154が設けられ、ベース154は、周壁153の下端部から外側に突出するベースフランジ155を備える。液体チャンバガス入口ポート157及び液体チャンバガス出口ポート159を備える第1及び第2ベースユニット接続ポートは、液体チャンバ151の内部チャンバと連通している。呼吸補助装置ベースユニット50は、ガス出口ポート161及び加湿ガス入口ポート163を備える相補的なチャンバ接続ポートを備える。液体チャンバが凹部108内に受けられてハウジング100と係合すると、液体チャンバガス入口ポート157は、ガス流通路を介してモータモジュールからガスを受け取るガス出口ポート161に接続し、液体チャンバガス出口ポート157は、加湿されたガスを液体チャンバから患者出口ポート30まで送達するために加湿ガス入口ポート163に接続する。
【0231】
液体チャンバは、概して円形の周囲形状を有することができ、又は、凹部108の形状が必要に応じて変更される、他の任意の好適な形状であり得る。
【0232】
図示する形態では、液体チャンバ151は、実質的に円筒状の形状を有する。
【0233】
液体チャンバのベース154は熱伝導性である。特に、液体チャンバ151のベース154は、高熱伝導性材料から作製され、それにより、使用中に呼吸補助装置10のベースユニット50のヒータプレート140と接触したとき、チャンバ内の液体の加熱が可能になる。
【0234】
液体チャンバ151は、液体チャンバ151の凹部108内への後方挿入方向において、ハウジング100の前部の位置からハウジング100の後部に向かう方向で装置10のベースユニット50に流体結合することができる。ガス出口ポート161は、固定されたL字形エルボを介して、モータ/インペラユニットからガス流路と流体連通している。
【0235】
加湿ガス入口ポート163は、ハウジングに取外し可能に接続することができる取外し可能なエルボ171を備える取外し可能な構成要素に具現化される。取外し可能なエルボ171は、L字形であり、患者インタフェース17にガスを送達するために患者呼吸導管16に結合する直立している患者出口ポート30をさらに備える。異なる構成では、取外し可能な構成要素は、エルボ形状を有していなくてもよく、代わりに、例えば、位置合せされた入口ポート及び出口ポートを有することができる。
【0236】
液体チャンバのガス入口ポート157は、呼吸補助装置ベースユニット50のガス出口ポート161と相補的であり、液体チャンバのガス出口ポート159は、呼吸補助装置ベースユニット50の加湿ガス入口ポート163と相補的である。それらのポートの軸は、平行及び/又は水平であり、液体チャンバ151が実質的に線形運動で凹部108内に挿入されてポートの間にガス接続を形成することを可能にする。
【0237】
チャンバ接続ポート161、163は、呼吸補助装置ベースユニット50のハウジングから延在する平行な円筒状機構である。
【0238】
いくつかの実施形態では、加湿チャンバ(例えば、液体チャンバ)のベースユニット接続ポート157、159は、(例えば、より詳細に上述したように)加湿チャンバが液体チャンバベイに提供されたときに装置50のチャンバ接続ポート161、163に空気圧式に接続される。
【0239】
呼吸補助装置ベースユニット50の(図示する形態ではオス接続部材である)チャンバ接続ポート161、163は、液体チャンバの(図示する形態ではメス接続部材である)ベースユニット接続ポート157、159内に、同心状に挿入される。凹部108は、凹部108内の適所に液体チャンバを保持するのに役立つ1つ又は複数のレールを備えることができる。
【0240】
呼吸補助装置10は、2016年6月24日出願のPCT特許出願公開、国際公開第2016/207838号パンフレットに記載され且つ示されている呼吸補助装置の特徴及び/又は機能のうちの任意の1つ又は複数を有することができる。その明細書の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0241】
2つの接続部(ポート157からポート161及びポート159からポート163)のうちのいずれかからガスが漏れるのを防止するために、各接続部に1つ又は複数の封止要素が設けられる。1つ又は複数の封止要素は、オスポートの外面にあって、メスポートの内面に接して封止することができる。1つの構成では、液体チャンバのガス入口ポート157と液体チャンバのガス出口ポート159とはメスポートであり、ハウジングポート、すなわち、ガス出口ポート161及び加湿ガス入口ポート163はオスポートである。別法として、液体チャンバのポート157、159がオスポートであってもよく、呼吸補助装置ベースユニット50のポート161、163がメスポートであってもよい。
【0242】
画面212(
図2及び
図3を参照)は、ハウジング(例えば、上面、側面)に位置し、位置が固定されている。しかしながら、画面212は、位置が(例えば、ヒンジ式に)調整可能であってもよい。スクリーンは「ディスプレイ」とも称する場合もある。
【0243】
図2及び
図3に示すような画面212は、矩形であるが、異なる形状(例えば、正方形、円形)とすることができる。画面212は、商用電源式であるか又はバッテリ式である。画面212は、ハウジングの上面に位置し、また、患者に対して画面の視認性が向上するように角度が付けられている。さらに、画面212がハウジングの上面に位置することにより、画面及び画面のコンテンツが(例えば在宅環境内で)患者によってより見やすくなる。
【0244】
いくつかの実施形態では、画面212は、カラー画面、好ましくはカラータッチスクリーン(例えば、抵抗膜方式、静電容量方式)である。画面212は、患者に対して画面に提示されるコンテンツがより見やすくなるように、サイズが大きい。これらの患者は、極めて体調が悪い、例えばCOPD患者である可能性があり、多くの場合、高齢者である可能性がある。大きく高解像度の画面212であることは、患者に問診及び問診の内容を容易に伝えるのに役立つ。それにより、より見やすくなるため、問診がより興味をそそるものとなる。大きいタッチ画面212により、提示されるコンテンツの読みやすさも向上し、それは、コンテンツをより興味をそそるものとするのにさらに役立つ。
【0245】
高解像度のカラータッチ画面212により、色又は色の濃淡(例えば、喀痰の色)の提示を必要とする可能性があるさまざまな質問の提示が可能になる。タッチスクリーンでは、ユーザが、情報を入力するために、画面212にタッチして画面上でジェスチャを行うように要求されるため、使用がより単純であるとともに使用がより直感的であることから、画面212がタッチスクリーンであることにより、患者とのより容易なインタラクションも可能になる。タッチスクリーンにより、データを入力する、例えば問診の内容に応答するために複雑なシーケンスを押す必要がある可能性があるボタン又はダイヤルの使用が不要になる。
【0246】
画面212の解像度は、提示されるコンテンツを読みやすく且つインタラクトしやすいものとするために十分大きい。これは、大きい画面が小さい画面と比較してより明確に質問及び回答を提示する場合、高齢患者、及び/又は併存症のある患者にとって、特に重要である可能性がある。
【0247】
1つの例では、タッチスクリーンは、少なくとも300×150ピクセルの解像度を有する。1つの例では、タッチスクリーンは、400×250ピクセルの解像度を有する。より好ましくは、スクリーンは、480×272ピクセルの解像度を有する。
【0248】
タッチスクリーンは、少なくとも600×400ピクセルの解像度を有することができる。
【0249】
タッチスクリーンは、対角寸法で少なくとも3.5インチであり得る。
【0250】
タッチスクリーンは、対角寸法で少なくとも4インチであり得る。
【0251】
タッチスクリーンは、対角寸法で4.2インチであり得る。
【0252】
タッチスクリーンは、対角寸法で最大7インチであり得る。
【0253】
タッチスクリーンは、OLED又はTFT LCD画面であり得る。
【0254】
代替形態では、ユーザインタフェースは、ボタン、ダイヤル又はスイッチ等の複数の操作可能な入力要素とともに、カラータッチスクリーン又はディスプレイを含むことができる。入力要素は、機械的要素及び/又はタッチセンシティブ要素であってもよい。タッチスクリーンを操作可能な入力要素と組み合わせることにより、患者は、ボタン又はスイッチ又はダイヤルとタッチスクリーンとの組合せを使用して情報を入力することができる。
【0255】
取外し可能なエルボ171は、シュラウド190がハウジングに取り付けられたときに、ハウジング100から取外し可能である。呼吸補助装置10は、2019年11月5日に出願された国際公開第2020/095186号に記載されているような呼吸補助器具、特にハイフロー装置の特徴を備えることができ、この明細書の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0256】
本装置は、補助ガスがブロワに導入されるのを可能にする弁を備えることができる。
【0257】
図5は、呼吸補助装置5700の概略図である。特に、呼吸補助装置(呼吸補助装置は、上述したような呼吸補助装置10であり得る)は、上述した他の呼吸装置と同様であり得る。呼吸補助装置は、コントローラ5704(例えば、コントローラ13)、スイッチ5706、スピーカ5708、流れ発生器5710(例えば、流れ発生器11)、ディスプレイ5712(例えば、タッチ対応画面212)、ネットワークインタフェース5714(例えば、送信器及び/又は受信器15)及び加湿器5716(例えば、加湿器12)を含む、ハウジング5702(例えば、ハウジング100)を含む。
【0258】
図1~
図4Bに関連して上述したように、ハウジング5702は、流体入口及び流体出口を有する。同様に、流れ発生器5710は、商用電源式かバッテリ式かに関わらず、ハウジング5702内で、流体入口の下流に流体入口と流体連通して位置している。同様に、加湿器5716は、商用電源式かバッテリ式かに関わらず、ハウジング5702内で流れ発生器5710の下流に流れ発生器5710と流体連通して、且つ流体出口の上流に流体出口と流体連通して、位置している。さらに、商用電源式かバッテリ式かに関わらず、加湿器5716はヒータ(例えば、加熱プレート、加熱素子)を含む。
【0259】
コントローラは、流れ発生器、ディスプレイ、ネットワークインタフェース及びヒータプレートと電子通信する。電子プロセッサ(例えば、ロジックコントローラ、マルチコアプロセッサ)と、電子プロセッサと通信する非一時的メモリ(例えば、フラッシュメモリ)とを備える、コントローラ。コントローラは、流れ発生器5710、加湿器5716のヒータプレート及び画面212の作動/停止及び動作を制御する。
【0260】
スイッチ5706(例えば、アナログ、デジタル)は、ハウジング5702上に位置するが、ハウジング5702上に位置しない(例えば、電源コード上に位置する)場合があり、又は、(例えば、画面212上の)ソフトウェア実装スイッチとして組み込むことができる。スイッチ5706は、電気的に且つ/又は機械的にコントローラ5704に結合された、手動入力(例えば、ユーザ入力、患者入力)に基づくことができる、オンモードとオフモードとで切り替わる電源スイッチである。呼吸補助装置5700は、スイッチ5706がオフモードからオンモードに切り替わることに基づいて作動させ、スイッチ5706がオンモードからオフモードに切り替わることに基づいて停止させることができる。スイッチ5706は、多くの物理的、電子的又は視覚的方法で具現化することができる。例えば、スイッチ5706は、物理的又は視覚的なボタン、つまみ、ダイヤル、ロッカ、トグル又はレバーとして具現化することができる。スイッチ5706は、省略することができる。
【0261】
スピーカ5708は、ハウジング5702上に位置し、音声コンテンツ(例えば、音、発話、音楽)を出力するように構成されている。スピーカ5708は、モノラル又はステレオであり得る。スピーカ5708は、商用電源式又はバッテリ式であり得る。いくつかの実施形態では、スピーカ5708は存在しない。
【0262】
ディスプレイ5712(例えば、画面212)は、ハウジング5702(例えば、上面、側面)に位置し、位置が固定されている。しかしながら、ディスプレイ5712は、位置が(例えば、ヒンジ式に)調整可能であってもよい。画面212は、グレースケール又はカラーであり得る。画面212は、タッチスクリーン(例えば、抵抗膜方式、静電容量方式)であり得る。画面212は矩形であるが、異なる形状(例えば、正方形、円形)とすることができる。画面212は、商用電源式であるか又はバッテリ式である。
【0263】
いくつかの実施形態では、本装置は、USB又はメモリ記憶デバイスの挿入を可能にする。これにより、データ(例えば、質問に対する応答)をダウンロードし、その後、PC又はラップトップ等のコンピュータにプラグインすることができる。そして、PC又はラップトップを使用して、応答を患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えば患者及びデバイス管理用のサーバに送信することができる。
【0264】
いくつかの実施形態では、本装置は、ネットワークインタフェース5714を備える。説明するように、ネットワークインタフェースは、1つ又は複数の外部デバイス、システム又はサーバとのデータ通信又はデータリンクを可能にする1つ又は複数の通信モジュールを含む。ネットワークインタフェースは、ハウジング内に位置しているが、ハウジングの外部に位置することもできる。ネットワークインタフェースは、ワイヤレス信号受信器、ワイヤレス信号送信器及びワイヤレス信号送受信器の一つ以上を含み得、それらは各々、信号モダリティ(例えば、無線、光)に応じてワイヤレス信号無線アンテナ又は光信号モジュレータを有するが、有線通信(例えば、有線ネットワークカード)も可能である。ネットワークインタフェースは、ローカルエリア、広域、パーソナルエリア又は他のエリアのネットワークのいずれを介するかに関わらず、Wi-Fi、Li-Fi、Bluetooth、ZigBee、Z-Wave、セルラ又は衛星ネットワークで通信するように構成されている。例えば、ネットワークインタフェースは、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えばサーバ)、又はネットワークインタフェースに対してローカル又はリモートであるコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、医療モニタ)と通信することができる。ネットワークインタフェースは、第1モダリティ(例えば、Wi-Fi)の第1送受信器と第2モダリティ(例えば、Bluetooth)の第2送受信器とを含むことができることに留意されたい。例えば、ネットワークインタフェースは、セルラモデム(3G、4G、5G、6G)、Wi-Fiカード及びBluetoothチップを含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェースは存在しない。
【0265】
コントローラのメモリは、電子プロセッサによって実行可能な命令を含み、そうした命令は、電子プロセッサによって実行されると、コントローラに、さらに後述するようにさまざまな動作を実行させる。
【0266】
例えば、命令は、コントローラに、(a)呼吸補助装置の作動時にヒータプレートを作動させるようにさせ、(b)(例えば、患者の疾患進行又は患者の健康状態に関する)複数のユーザ健康質問とユーザ入力が受け取られる複数のユーザ入力要素とを提示するユーザインタフェースを表示するように画面212に要求させ、(c)所定の複数のユーザ入力が受け取られるまで、流れ発生を作動させないようにさせるか又はその作動を阻止させ、(d)所定の複数のユーザ入力を、ネットワークインタフェースを介して患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば、サーバ、ウェブアプリケーション、データベース、仮想サーバ、クラウドサービス)に送信させることができる。コントローラは、加湿器のヒータプレートが所定の温度(例えば、約37度のガスの温度)に達する前に、所定の複数のユーザ入力を受け取ることができる。ユーザ健康質問及びユーザ入力要素は、コントローラの起動時に表示することができる。
【0267】
例えば、命令は、コントローラに、(a)ユーザ健康情報に対する複数の要求と、ユーザ健康情報がユーザ入力としてコントローラによって受け取られる複数のユーザ入力要素とを提示するユーザインタフェースを表示するように、画面212に要求させることができる。ユーザ健康情報対する要求及びユーザ入力要素は、コントローラの起動時に表示することができる。所定の複数のユーザ入力は、ユーザ入力のすべてであり得る。
【0268】
コントローラは、2つ以上の質問を画面212に逐次通信し、画面212は、2つ以上の質問を逐次ユーザに提示するように構成することができる。画面212において各提示された質問に対する応答が受け取られた後、画面212は、各応答をコントローラに通信するように構成されている。
【0269】
コントローラは、各質問に対する応答を受け取るまで、他の任意のモード、機能へのアクセスをロックするようにも構成することができる。別法として、コントローラは、各質問に対する応答を受け取るまで、動作モードへのアクセスを制限することができる。別法として、コントローラは、各質問に対する回答が受け取られるまで、流れ発生器及びヒータプレートの動作を不能にするように構成することができる。しかしながら、コントローラは、問診に応答するユーザバイパスを可能にすることができ、又は、ユーザ(例えば患者)が少なくとも1日に1回問診に応答した場合、問診の提示を自動的にバイパスすることができる。
【0270】
3.データシステム及び方法の例
3.1 呼吸補助装置によるデータ取込みの概要
呼吸補助装置は、患者又はユーザに個人健康問診を提供するように構成されている。個人健康問診は、呼吸補助装置の表示画面上でユーザに提示される質問のセットを含むデジタル問診票であり、患者に回答選択肢を提供する。質問は、患者の一連の健康パラメータに関連する。患者によって(ユーザインタフェース、例えば、タッチスクリーンGUI又は他のユーザ入力要素とのインタラクションを介して)入力された応答は、個人健康問診に対する回答データとして取り込まれる。典型的には、この個人健康問診は、時間間隔頻度、例えば、毎日、毎週又は他の構成可能な時間間隔に従って、定期的に取り込まれるか又は提示される。
【0271】
1つの構成では、質問は、グループに分類することができる。1つの構成では、患者の呼吸又は関連する症状に関する症状カテゴリの質問と、患者がどれくらいの量の薬剤を使用しているかに関する投薬カテゴリの質問とがある。回答データは、症状質問に対する回答を表す症状データと、投薬質問に対する回答を表す投薬データとを含むことができる。取り込まれた回答データは、その後、後にさらに詳細に説明するように、処理のためにデータサーバに送信又は伝送される。
【0272】
いくつかの実施形態では、患者が呼吸補助装置を作動させるたびに、装置は1つ又は複数のタッチスクリーンにおいて一連の質問を提示することができる。
【0273】
質問は、問診の一部(問診フォーム)を形成する。呼吸補助装置は、質問に対する患者の回答を記録する。1つの実施形態では、質問は「健康パラメータ」に関する。いくつかの実施形態では、質問は非健康関連パラメータに関する。
【0274】
いくつかの実施形態では、健康パラメータは、患者の自身の健康についての認識に関連する主観的因子であり得る。例えば、これは患者の全体的な感覚であってもよい。
【0275】
いくつかの実施形態では、健康パラメータは、患者パラメータ(例えば、後により詳細に記載するように、装置によって測定される患者のパラメータ、すなわち、呼吸数、酸素飽和度等のパラメータ)に基づいてもよい。
【0276】
健康パラメータは、喉の痛み、呼吸困難の程度、並びに咳の重症度及び/又は種類及び/又は頻度等、患者の自身の健康についての認識に基づく主観的な定性的因子であってもよい。健康パラメータは、(カラーチャートに基づく)喀痰の色、薬の使用(例えば、抗生物質、ステロイド、吸入器等の薬の頻度及び量)等、直接測定可能な客観的な定量的因子であってもよい。
【0277】
健康パラメータは、単一の質問に対する回答に基づいて決定してもよく、又は少なくとも2つの質問に対する回答に基づいて決定してもよい。
【0278】
健康パラメータのうちの少なくともいくつかは、COPD患者に起こることが多い可能性があるCOPD症状を示す。COPDは慢性閉塞性肺疾患である。COPDは、気道の炎症を特徴とする呼吸疾患である。健康パラメータのうちの少なくともいくつかは、他の閉塞性肺疾患を示す可能性がある。健康パラメータのうちの少なくともいくつかは、呼吸困難及び/又は呼吸窮迫、及び/又は気管支拡張症を示す可能性もある。
【0279】
呼吸補助装置は、装置の電源が投入された(例えば起動)後に表示する1つ又は複数のタッチスクリーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、そのタッチスクリーン又は各タッチスクリーンは、質問を表示する。別法として、質問は、スクロールすることができる複数のページとして実装してもよい。別法として、質問は、質問に応答するためにスクロールされる単一の文書として提示してもよい。別法として、各画面が別個の質問を表示し、患者が質問に回答するたびに、次の質問が画面に提示される。
【0280】
いくつかの実施形態では、質問は、(後により詳細に記載するように)ユーザI/Oインタフェースに表示される。
【0281】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置は、内部クロックを備えることができ、内部クロックは、現在の日付及び時刻を維持することができる。内部クロックは、呼吸補助装置のコントローラの一部、及び/又は患者及びデバイス管理プラットフォームの一部であってもよい。
【0282】
問診は、現在の日付及び時刻に基づいて提示することができる。例えば、問診は、内部クロックからの情報に基づいて毎日若しくは毎週1回、又は、例えば医療提供者によって設定された他の任意の構成可能な頻度に基づいて、問診を提示してもよい。
【0283】
1つの実施態様例では、問診は、デバイスのスイッチがオンになったときに一度、提示される。
【0284】
問診は、日ごと(例えば曜日ごと)、又は所定の期間ごとに、最初の使用時に提示してもよい。
【0285】
いくつかの実施形態では、内部クロックはリアルタイムクロック(RTC)である。
【0286】
いくつかの実施形態では、患者が問診の最後の質問に回答した後、呼吸補助装置は治療制御画面を表示し、患者はこれを使用して治療を開始することができる。
【0287】
いくつかの実施形態では、例えば、患者は、問診を完成することができないほど体調が悪い場合、問診をスキップすることができる。患者が問診をスキップした場合、デバイスは、患者が問診に答える必要なしに治療を開始することができるようにする。例えば、タッチスクリーンは治療制御画面を表示し、患者はそれを使って治療を開始することができる。
【0288】
治療制御画面は、呼吸補助装置の複数の選択可能な操作パラメータ、例えば、患者に供給されるガスの流量又は温度(すなわち、患者端温度)、O2濃度又は他のそうした操作パラメータを提示することができる。
【0289】
患者は、(例えば、多数の質問を含む)問診を完成し、呼吸補助装置の画面において提示された問診の各質問に応答することが要求される場合がある。患者は、1日に少なくとも1回問診を完成した場合、問診をスキップすることができてもよい。
【0290】
いくつかの実施形態では、コントローラは、患者からの質問に対する回答を追跡することができる。問診のすべての質問が回答された後、コントローラは、問診が完成したと判断することができる。
【0291】
上述したように、患者が問診の最後の質問に回答した後、コントローラは、問診が完成したと判断することができる。
【0292】
いくつかの実施形態では、質問は、呼吸補助装置がセットアップしている間、タッチスクリーンにおいて提示される。
【0293】
3.2 健康問診を提示し回答データを取り込むコントローラの動作
図6は、コントローラ動作に対するフローチャートである。
図6のブロック5602に示すように、呼吸補助装置は、デバイスを始動するスタートアップ/起動コマンドを受け取ることができる。スタートアップ/起動コマンドは、画面212のユーザインタフェースを介して装置により受け取ることができる。いくつかの実施形態では、装置に電力が提供されると、画面は、ユーザが画面とインタラクトすることができるように作動するように構成される。さらに又は別法として、スタートアップ/起動コマンドは、スイッチ(例えば、ボタン)を介して装置によって受け取ることができる。
【0294】
スタートアップは、呼吸補助装置の起動又は呼吸補助装置の作動を含むことができる。ブロック5604によって示すように、スタートアップ/起動は、装置を作動させて、ユーザに対する問診を開始し、それにより、1つ又は複数の質問が画面212に出力されて、患者に対してタッチスクリーンに1つ又は複数の質問が提示されるようになる(ブロック5606を参照)。
【0295】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置がウォームアップモード及び/又は乾燥モードに入ることにより、装置が作動してユーザへの問診を開始する。
【0296】
いくつかの実施形態では、より詳細に以下に記述するように、スタートアップは、患者が治療を開始するために使用することができる治療制御画面の提示を含むことができる。
【0297】
質問は、第1質問及び第2質問を有することができ、第1質問は第2質問に先行する。これに対応して、潜在的回答は、第1潜在的回答入力及び第2潜在的回答を含み、第1潜在的回答は第2潜在的回答に先行し、第1潜在的回答は第1質問に対応し、第2潜在的回答は第2質問に対応する。したがって、第1潜在的質問及び第2潜在的質問が同じユーザセッションからであるか否かに関わらず、第2質問は第1質問の内容に依存する可能性がある(例えば、第1潜在的回答は第1ユーザセッションからであり、第2潜在的回答は第2ユーザセッションからであり、第1ユーザセッションは第2ユーザセッションに先行する)。例えば、この内容依存性は、第2質問が呼吸補助装置5700(呼吸補助装置5700は、上述したような呼吸補助装置10であり得る)から取得又は生成されるか、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば呼吸補助装置5700と通信するサーバ)から取得又は生成されるかに関わらず、forループ、whileループ、カウンタ、if-then論理木又は他の論理式に基づくことができる。
【0298】
いくつかの実施形態では、以前の質問(例えば、第1質問)に対する回答により、後続する質問(例えば、第2質問)の内容が決まる可能性がある。例えば、以前の質問に対する回答により、健康問診における特定の質問、及び/又は健康問診における質問における質問の更新順序が更新される可能性がある。
【0299】
いくつかの実施形態では、質問(例えば、第1質問)が回答された後、健康パラメータを更新することができ、後続する質問(例えば、第2質問)の内容の決定は、健康パラメータ(例えば、更新された健康パラメータ)に基づくことができる。
【0300】
医療提供者(例えば、医師)は、質問のデータベースから1つ又は複数の所定の質問を選択することにより、患者に対する健康問診を生成することができる可能性がある。
【0301】
質問のデータベースは、リスト(例えば、チェックボックス(tick box)インタフェース)として医療提供者に提示することができ、医療提供者は、質問のデータベースから複数の質問を選択して問診を形成することができる。
【0302】
質問のデータベースは、患者及びデバイス管理プラットフォーム及び/又は装置に位置することができる。
【0303】
いくつかの実施形態では、質問のデータベースは、1つ又は複数の症状の悪化に基づいてカスタマイズすることができる。例えば、患者が喀痰の色に関連する症状の悪化を示している場合、質問のデータベースは、上気道の健康に関連する質問を含むようにカスタマイズすることができる。
【0304】
医療提供者(例えば、医師)が、質問のデータベースからリモートに(すなわち、本装置においてではなく)1つ又は複数の所定の質問を選択している場合、医療提供者が質問を選択すると、選択された質問は、装置に送信し、デバイスに格納することができる。
【0305】
いくつかの実施形態では、本装置は、患者及びデバイス管理プラットフォームと定期的に通信して、問診及び/又は任意の質問に対する任意の更新を得ることができる。さらに又は別法として、患者及びデバイス管理プラットフォームは、本装置と通信して、問診及び/又は任意の質問に対する更新が利用可能であることを装置に通知し、更新された問診及び/又は質問を送信することができる。
【0306】
いくつかの実施形態では、(健康問診の一部としての)質問は、患者の状態(例えば、COPD、気管支拡張症等)に基づくことができる。患者の状態に基づいて、健康問診に質問を追加するか又は健康問診から質問を削除することができる。例えば、患者が気管支拡張症である場合、健康問診は、喀痰の色と、患者が抗生物質を服用しているか否かとに関連する問診を含むことができる。
【0307】
医療提供者(例えば、医師)は、健康問診に追加すべき患者の状態に関連する質問をリストから選択することができる。別法として又はさらに、医療提供者(例えば、医師)は、患者の状態を選択することができ、健康問診は、その選択に基づいて自動的に更新することができる。いくつかの実施形態では、質問のデータベースは、患者の状態(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は呼吸窮迫症候群若しくは呼吸困難、又は気管支拡張症等)に基づいてカスタマイズすることができる。例えば、患者がCOPDを有する場合、質問のデータベースは、COPDに関連する質問を含むようにカスタマイズすることができる。
【0308】
いくつかの実施形態では、健康問診の質問は、COPDの状態に関連する質問が最初に表示され、それに続き、気管支拡張症の状態に関連する質問が表示されるように、順序付けられる。
【0309】
いくつかの実施形態では、COPDの状態に関連する質問と気管支拡張症の状態に関連する質問の前に、全般的な健康問診が提示される。
【0310】
例えば、COPDに関連する質問は、毎日の喀痰の量、喀痰の色及び/又は咳に関する質問を含む可能性がある。
【0311】
例えば、気管支拡張症に関連する質問は、ステロイドの使用、及び/又は吸入器の使用に関する質問を含む可能性がある。
【0312】
いくつかの実施形態では、患者の所定の状態(例えば、COPD又は気管支拡張症)は、その所定の状態に関連する質問に対する回答に基づいて決定することができる。例えば、気管支拡張症に関連する質問に対する回答が基準値を下回り且つ/又は悪化している場合、これは、患者が気管支拡張症を有することを示す可能性がある。
【0313】
医療提供者(例えば、医師)は、健康問診にカスタム質問を追加することができる場合がある。カスタム問診は、医師が追跡したい可能性がある情報に関連するカスタム質問と関連した回答とを含むことができる。
【0314】
医療提供者(例えば、医師)は、質問のデータベースにカスタム質問を追加することができる場合がある。
【0315】
医療提供者は、装置において直接、又は補助デバイス(患者及びデバイス管理プラットフォームに接続されたモバイルデバイス等)から、健康問診を生成することができる。
【0316】
そして、患者は、タッチスクリーンを介して各質問に対して自身の応答を入力する(ブロック5608を参照)。そして、患者の応答(回答データ)は処理される(5910)。この処理は、後ほど説明されるように、応答のセットをプロットすること又はグラフ化すること、又は応答のデータセット(回答データ)を、患者及びデバイス管理プラットフォーム、外部記憶装置、モバイルデバイス、又は保険会社、機器提供業者若しくは医療提供者に送信することを含むことができる。データセット(回答データ)の分析又は処理は、任意の段階で、例えば、患者及びデバイス管理プラットフォームによって実行することができる。いくつかの実施形態では、患者が問診の最後の質問に回答した後、呼吸補助装置は、患者が治療を開始するために使用することができる治療制御画面を表示する。
【0317】
いくつかの実施形態では、患者及びデバイス管理プラットフォームは、患者の詳細、患者の健康パラメータの基準値データ、患者の呼吸補助装置の通し番号及び/又は処方設定のうちの1つ又は複数を含む患者プロフィールを格納することができる。
【0318】
3.3 ウォームアッププロセス中の健康問診
いくつかの実施形態では、例えば
図6Aに示すように、問診は、ウォームアッププロセス5611中に、例えばタッチスクリーンにおいてユーザに提示される。
【0319】
ウォームアッププロセスは、呼吸補助装置のヒータプレートを作動させて加湿チャンバの内容物を加温することを含む。
【0320】
ウォームアッププロセスは、呼吸補助装置のヒータプレートを特定の温度まで加温することを含むことができる。例えば、特定の温度は、所定の温度(例えば、スタンバイ温度)であり得る。所定の温度は、加湿器が加湿を提供しているときのヒータプレートの動作温度未満であり得る。特定温度は、約35℃であり得る。
【0321】
ヒータプレートの制御は、ヒータプレートに供給される電力を制御することを含む。
【0322】
装置ヒータプレートは、ヒータプレート温度センサを備えることができ、コントローラは、例えば閉ループ制御を介して、ヒータプレート温度をウォームアッププロセスの特定の温度に制御することができる。
【0323】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、呼吸補助装置のヒータプレートを特定の温度に達するように加温することを含むことができる。
【0324】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、呼吸補助装置のヒータプレートを加温して、チャンバ出口温度を特定の温度に制御することを含むことができる。
【0325】
他の場所で説明するようなチャンバ出口は、加湿チャンバの出口であり、任意選択的に、加湿チャンバのチャンバ出口の後に位置するエルボで測定される。
【0326】
特定の温度は、装置の(治療のための装置の1つ又は複数の動作パラメータとしての)1つ又は複数の温度設定値に基づくことができる。設定値、例えば、所望のチャンバ出口温度、(チャンバ出口又は呼吸導管の端部における)所望の露点温度、又は(呼吸導管の端部における)所望の患者端温度は、他の場所で記載するように治療制御画面を介してユーザが入力することができる。
【0327】
1つ又は複数の温度設定値は、必要な相対湿度又は必要な絶対湿度に対応することができ、任意選択的に、相対湿度は約90%~約100%、又は約100%である。
【0328】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、(例えば、チャンバ出口において又は呼吸導管の端部において)ガスの湿度を達成するように呼吸補助装置のヒータプレートを加温することを含むことができる。
【0329】
本装置は、ウォームアッププロセスが完了すると、可聴又は視覚的指標、例えば視覚的しるしを提供することができる。
【0330】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、流れ発生器(例えば、ブロワ)を、所定の流量又は所定の流れ発生器出力(例えば、所定のモータ速度)で運転することを含むことができる。ウォームアッププロセス中、患者には治療ガス流は供給されていない。
【0331】
問診及び問診を構成する質問は、(例えば
図6Aに示すように)ウォームアッププロセス中に呼吸補助装置のタッチスクリーン(又は他のユーザ入出力インタフェース)において提示される。これは、ウォームアッププロセスが完了するまで患者が待機していることが多いため、有利である。
【0332】
ウォームアッププロセスは、数分間、例えば、5分間~25分間である可能性がある。これにより、患者によってフロー療法が使用されていない好適な時間が提供され、それにより、質問に応答する(すなわち、タッチスクリーンに提示される質問に応答する)患者の自由時間が可能になる。
【0333】
ウォームアッププロセス中にユーザに質問を提示することにより、患者が、通常は機械のウォームアップを待っている時間を使用して、質問に回答することができる。ウォームアッププロセスを利用して質問を提示することにより、患者が質問に回答する可能性を向上させることができる。
【0334】
いくつかの実施形態では、治療制御画面は、デバイスのスタートアップ時に提示することができる。
【0335】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、デバイスのスタートアップ時に作動させることができる。
【0336】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、ユーザが手動で作動させることができる。
【0337】
いくつかの実施形態では、ウォームアッププロセスは、(例えば、治療制御画面を介して)ユーザが治療を開始すると作動する。
【0338】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置は、スタートアップ時に治療制御画面を表示し、患者はこれを使用して、(上述したように)治療を開始することができる。ユーザが、治療制御画面上で呼吸補助装置の1つ又は複数の動作パラメータ(例えば、患者に提供されるガスの流量又は温度(すなわち、患者端温度)、O2濃度、又は他のこうした動作パラメータ)を入力すると、装置は、ウォームアッププロセスに入り、任意選択的に(例えば、上述したように)問診を表示することができる。
【0339】
3.4 乾燥プロセス中の健康問診
いくつかの実施形態では、例えば
図6Bに示すように、問診は、乾燥プロセス5612の間に例えばタッチスクリーンにおいてユーザに提示される。
【0340】
乾燥プロセスは、本装置及び/又は患者呼吸導管及び/又は患者インタフェースにおいて残っている凝縮水を蒸発させるように構成することができる。
【0341】
乾燥プロセスは、2006年5月26日に出願された国際公開第2006/126900号に記載されているものであり得る。その明細書の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0342】
1つの実施形態では、乾燥モードの前及び/又は乾燥モード中に、呼吸補助装置の表示画面において安全メッセージ又は通知が提示される。安全メッセージは、乾燥モード中にユーザインタフェース(例えば、鼻カニューレ)を装着しないこと、すなわち、乾燥モード中に呼吸療法のために装置を使用しないことを、患者又はユーザに示すことができる。1つの構成では、安全メッセージ又は通知は、メッセージ又は通知を確認するためにユーザに提示されるか又は利用可能な確認ボタン又はタブ又はアイコン又はGUI要素を含むことができる。応答でメッセージを確認することにより、ユーザは、カニューレがオフ、すなわち使用されていないことを確証している。安全メッセージがユーザによって確認されると、個人健康問診を、例えばディスプレイにおいてユーザに提示することができる。
【0343】
乾燥プロセスは、流れ発生器が設定された流量又は所定のモータ速度としてガスを提供する間に、患者呼吸導管16内のヒータ線16aを作動させることを含むことができる。設定された流量は、患者に提供されている治療ガス流よりも低い可能性がある。所定のモータ速度は、約1000RPM~約3000RPM又は約2000RPM未満であり得る。
【0344】
さらに又は別法として、乾燥プロセスは、加湿器のヒータプレートを所定の値に制御することを含むことができる。所定の値は、加湿器による湿度の発生を防止するのに十分低い可能性がある。別法として、乾燥プロセス中、ヒータプレートを停止させてもよい。
【0345】
ヒータ線16aは、例えば患者呼吸導管の端部において所定の温度に制御してもよく、又は、所定のデューティサイクルに若しくは所定の電力に制御してもよい。
【0346】
所定のデューティサイクルは100%であり得る。
【0347】
所定の温度は、45℃を超える可能性がある。
【0348】
乾燥プロセスは、約20分間~約40分間、又は約15分間動作するように構成することができる。
【0349】
乾燥プロセスは、治療セッションの終了時に行うことができる。患者(又は、他の医療従事者)は、治療セッションが終了したときを示すことができ、又は、いくつかの実施形態では、治療セッションは、治療セッションの終了を知らせるために満たされる1つ又は複数の条件(例えば、経過時間)を有することができる。
【0350】
乾燥プロセスは、患者又は医療提供者が手動で作動させてもよく、又は治療セッションの終了時に自動的に作動させてもよい。
【0351】
いくつかの実施形態では、治療の終了は、ユーザが患者インタフェースを外したことを検出することによって決定することができる。本装置は、流量センサから測定された流量信号に基づき、ユーザが患者インタフェースを外したことを検出することができる。任意選択的に、治療の終了は、ユーザが患者インタフェースを外し、所定の期間が経過したことを検出することによって決定することができる。
【0352】
いくつかの実施形態では、本装置は、呼吸が検出されないときにユーザが患者インタフェースを外したことを検出することができる。呼吸は、流量センサから測定される流量信号に基づいて検出することができる。
【0353】
3.5 健康問診の条件付き提示
図7は、個人健康問診を呼吸補助装置の患者に条件付きで提示するプロセスのフローチャートである。特に、プロセス5800は、上述したように、呼吸補助装置5700と患者及びデバイス管理プラットフォームとを介して実行される。呼吸補助装置5700は、上述したような呼吸補助装置10であり得る。
【0354】
本明細書における「ブロック」という用語は、装置5700によって(例えば、コントローラによって)実施される1つ又は複数のステップを指す可能性がある。
【0355】
ブロック5802において、呼吸補助装置5700(呼吸補助装置5700は、上述したような呼吸補助装置10であり得る)は、呼吸補助装置5700のスタートアップ時、
図9~13、13A、14、14A、及び15~18に示すように、複数の健康質問を、ディスプレイ5712(ディスプレイ212と同じ)にコントローラ5704(コントローラ13と同じ)を介して患者に(又は、患者が不可能である場合、介護者又は医師)に表示する。このスタートアップは、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)の起動、又は、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)がすでに起動され実行している場合は、使用前の呼吸補助装置5700(例えば、流れ発生器5710、加湿器5716)の作動を含むことができる。いくつかの実施形態では、スタートアップは、(上述したような)ウォームアッププロセスを含むことができる。
【0356】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置5700は、治療セッション中、すなわち装置が患者にハイフロー療法又は圧力療法を提供しているときに、個人健康問診を提示するように構成することができる。
【0357】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置5700は、治療セッション中に1つ又は複数のセンサによって測定され、且つ/又は装置のコントローラによって決定されるような1つ又は複数の患者パラメータに少なくとも部分的に基づいて、個人健康問診を提示するか、又は患者に問診を完成するように促すように構成することができる。こうした患者パラメータとしては、限定されないが、治療セッション中に患者について測定又は決定される呼吸数、ROX指数及びSpO2データを挙げることができる。1つの構成では、呼吸補助装置は、測定又は決定された患者パラメータのうちの1つ又は複数の悪化に基づいて、個人健康問診を提示又は開始するように構成することができる。例えば、患者パラメータのうちの1つ又は複数が1つ又は複数の所定の閾値を超えた場合、及び/又は悪化傾向が検出された場合、装置は個人健康問診を提示するようにトリガすることができる。閾値は、一般的な閾値であっても、構成可能な患者固有の閾値であってもよい。いくつかの実施形態では、さらに又は別法として、1つ又は複数の測定又は決定された患者パラメータの(例えば、閾値又は傾向分析に対する)悪化が、患者に健康問診が提示されるか又は健康問診を完成するように促される頻度の変更を引き起こすか又はトリガしてもよい。いくつかの実施形態では、さらに又は別法として、測定又は決定された患者パラメータのうちの1つ又は複数の(例えば、閾値又は傾向分析に対する)悪化が、個人健康問診において提示される質問のタイプ、数及び/又は性質の変更を引き起こすか又はトリガしてもよい。
【0358】
ネットワークインタフェース5714が存在せず、又はネットワークインタフェース5714が、ネットワーク接続を確立することができない状況では、コントローラ5704は、依然として個人健康問診を提示することができ、回答は、後にリムーバブルメモリ(例えば、フラッシュカード、フラッシュドライブ)にダウンロードし、又は呼吸補助装置5700自体のメモリから取り出す(例えば、保守)ことができる。加湿器5716は、上述したような加湿器12と同じであり得る。流れ発生器5710は、上述した流れ発生器11と同じであり得る。
【0359】
ブロック5804において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、ディスプレイ5712においてコントローラ5704を介して問診スキップユーザインタフェース要素(例えば、グラフィック、テキスト、アイコン)を表示する。別法として、コントローラ5704は、作動が、所定間隔、例えば、1日以内の2回目以上の作動であるか否かを判断し、その後、問診の提示のバイパスを行うことができる。さらに、コントローラ5704は、質問のうちの少なくとも1つ又は潜在的回答のうちの少なくとも1つが、所定期間(例えば、少なくとも2日間)にわたって作動している流れ発生器5710の少なくとも2つの場合の間で異なるように、質問及び潜在的回答を提示するようにディスプレイ5712(例えば、画面212のようなタッチスクリーン)に要求するようにプログラムすることができる。
【0360】
ブロック5806において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、問診スキップユーザ入力要素が(例えば、タッチ選択を介して)有効化されたか否かを判断する(例えば、コントローラ5704)。有効化された場合、ブロック5808が実行される。有効化されていない場合、ブロック5812が実行される。このスキップ機能は、問診ごとに採用する(例えば、患者が問診を記入することができないほど体調が悪い場合、問診全体をスキップする)か、又は質問ごとに(例えば、特定の又は任意の質問をスキップする)採用することができることに留意されたい。
【0361】
スキップ情報を追跡することができ、それ自体が、後に患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバによって特定されるデータ点であり得る。例えば、スキップされた問診(すなわち、問診内のすべての質問)又はスキップされた質問は、スキップされたデータとして取り込むことができる。スキップされたデータは、問診内のいずれの質問がスキップされたか、又はある時間間隔(例えば、特定の日)の問診全体がスキップされたか否かを特定することができる。このスキップされたデータは、処理のためにデータサーバに送信されるある時間間隔の問診データの一部を形成する。例えば、毎日又は毎週の問診の問診データは、個人健康問診に対する回答データとあらゆるスキップされたデータとを含むことができる。
【0362】
さらに、状況によっては、スキップは許可されないか、又は阻止される。例えば、問診が、呼吸補助装置5700が暦日の間に最初に始動したか又は起動された時点で問診が完成した場合、コントローラ5704は、呼吸補助装置5700がその暦日において2回目にオフにされ、始動する場合、質問又は問診のスキップを可能にする。いくつかの実施形態では。問診は、コントローラ5704によって制御されるように、暦日に1回、完成させる必要がある場合がある。
【0363】
状況によっては、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバは、サーバが少なくとも1日に1回質問に対する回答を受け取った場合、コントローラ5704がスキップすることができるようにする信号を送信することができる。状況によっては、質問は、所定の時間間隔で(例えば、2日ごと又は3日ごとに)完成させることが要求される場合があり、又は医師が設定することができ、又は臨床診療によって定義される場合がある。
【0364】
ブロック5808において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、コントローラ5704を介して個人健康問診をスキップし、呼吸補助装置5700(例えば、流れ発生器5710、加湿器5716)の(例えば、タッチ選択を介する)制御のために、ディスプレイ5712を介してメニューを提示する。例えば、これにより、流れ発生器5710を作動させる前に問診をスキップすることができる。しかしながら、コントローラ5704は、流れ発生器5710を作動させる前の問診のスキップを阻止するか又は妨げるようにプログラムすることができる。
【0365】
ブロック5810において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、患者に呼吸補助装置を提供するために流れ発生器5710又は加湿器5716が使用されるのを可能にする。例えば、患者は、ディスプレイ5712を介してメニューを操作して、呼吸補助装置5700(例えば、流れ発生器5710、加湿器5716)を(例えば、タッチ選択を介して)制御することができる。
【0366】
ブロック5812において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、個人健康問診に対する応答又は回答(回答データ)のセットを患者から受け取る。こうした受取りは、患者が、コントローラ5704を介してディスプレイ5712に表示されるさまざまなユーザ入力要素(例えば、グラフィクス、テキスト、アイコン)をタッチ選択することを介して、実行することができる。
【0367】
ブロック5814において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、回答(回答データ)のセットを、ネットワークインタフェース5714を介して患者及びデバイス管理プラットフォームに(例えば、有線、無線、導波管、暗号化、復号化、非暗号化)送信する。患者及びデバイス管理プラットフォームは、任意の好適なプラットフォーム、例えば、データサーバ、サーバウェブアプリケーション、データベース、クラウドサービス、仮想サーバであり得、又はそれらによってホストされ得る。
【0368】
患者及びデバイス管理プラットフォームは、後述するように、回答のセットを受け取るとともに回答のセットを処理することができるように、呼吸補助装置5700からリモートである。コントローラ5704は、回答のセット(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)を患者及びデバイス管理プラットフォームに、回答のセットのうちの各回答がコントローラ5704を介して受け取られた後に1つずつ送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、回答送信の後に、別の回答送信が続く)。コントローラ5704は、回答のセット(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)を患者及びデバイス管理プラットフォームに、回答(例えば、ユーザタッチ入力)のすべてがコントローラ5714を介して受け取られた後に送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、単一の送信動作、単一のパケット)。コントローラ5704は、回答のセット(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)を、回答群がコントローラを介して受け取られた後に群単位でサーバに送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回等の各回答後に送信する)。コントローラ5704は、回答のセットの有効な識別とそれに続く処理とを可能にするために、患者又は機械識別子とともに回答のセットを送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができることに留意されたい。
【0369】
いくつかの実施形態では、回答のセットは、装置のメモリに格納される。任意選択的に、回答のセットは、格納のために患者及びデバイス管理プラットフォームに提供することができる。
【0370】
いくつかの実施形態では、本装置は、回答を格納し、所定時間ごとに1回(例えば、1日に1回)患者及びデバイス管理プラットフォームに回答を送信するように構成することができる。これにより、より高頻度での送信に対して、装置と患者及びデバイス管理プラットフォームとの間の接続を発生させるために必要なデータ転送をより低頻度で実施すればよいため、データ伝送コストが低くなる可能性がある。
【0371】
いくつかの実施形態では、本装置は、回答を格納し、乾燥プロセスが(自動的に又はユーザにより)作動したときに患者及びデバイス管理プラットフォームに回答を送信するように構成することができる。
【0372】
ブロック5816において、患者及びデバイス管理プラットフォームは、処理されている回答のセットに基づいて対応をとる。例えば、こうした対応としては、さらに後述するように、患者の回答に関連付けられた患者又は機械識別子(例えば、英数字、バーコード)を識別すること、患者の回答に関連付けられた患者又は機械識別子を、患者及びデバイスプラットフォームを介して格納された又は患者及びデバイス管理プラットフォームがアクセス可能な患者又は機械識別子(例えば、英数字、バーコード又は通し番号)と照合すること、患者又は機械識別子に基づいて患者又は機械プロフィール(例えば、データ構造、データベースレコード)の位置を特定すること、患者又は機械プロフィールに患者の回答を書き込むこと、患者の回答を含む患者又は機械プロフィールを読み出すこと、及び患者又は機械プロフィールに対して1つ又は複数の分析機能(例えば、時間に対して患者の回答をプロットすること、患者の回答に基づいて患者の健康状態に対する変化なし又はプラス若しくはマイナスの変化を予測すること)を実行することを挙げることができる。例えば、患者及びデバイス管理プラットフォームは、問診データ(例えば、問診に対する回答から提供される回答データ)と(例えば、呼吸補助装置5700から供給される)センサデータとを併合、すなわち融合することができ、こうした融合はすぐに実施可能であり得る。例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバは、経時的な問診に対する回答の変化を検出し、それをデータ点とするようにプログラムすることができ、これはすぐに実施可能であり得る。
【0373】
いくつかの実施形態では、センサデータは、1つ又は複数の患者パラメータであり得る。例えば、(本明細書の別の場所でより詳細に記載するような)患者の呼吸数、又は酸素飽和度であり得る。
【0374】
ブロック5818において、対応は、
図22~
図26に示すように、サーバが、1つ又は複数の時系列チャート、グラフ又はプロットにおいて、基準データに対する回答又は処理済み回答のセットをプロット又はグラフ化することを含むことができる。チャート、グラフ及び/又はプロットは、患者の健康パラメータ及び患者の健康パラメータの変化のグラフィカル表示を提供することができる。チャート、グラフ及び/又はプロットは、患者の健康状態を示すこともできる。
【0375】
チャート、グラフ及び/又はプロットは、ユーザ(例えば、患者、介護者又は医療提供者)に提示される報告(例えば、データ報告)の一部であり得る。
【0376】
いくつかの実施形態では、(例えば、本装置及び/又は患者及びデバイス管理プラットフォームのメモリに格納することができる過去の健康問診を含む)個人健康問診の複数の質問に対する回答のセット、任意選択的に複数の回答又は回答のセットをプロットし、又はグラフ化し、且つ/又はそれらが報告の一部を形成することができる。
【0377】
いくつかの実施形態では、本装置は、報告を生成し且つ/又は画面上に表示するように構成されている。
【0378】
いくつかの実施形態では、患者及びデバイス管理プラットフォームは、報告を生成するように構成され、本装置は、その装置の画面上に報告を表示するように構成されている。
【0379】
いくつかの実施形態では、患者及びデバイス管理プラットフォームは、報告を生成するように構成され、本装置は、医療提供者にその報告を提供するように構成されている。
【0380】
ブロック5820において、対応は、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばデータサーバが、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバと(有線、無線、導波管)信号通信するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)を介して、非患者(例えば、家族、医師、介護者)に通知することを含むことができる。こうした通知は、テキスト、グラフィック、音声、映像又は他の形態のコンテンツを含むことができる。例えば、こうした通知は、モバイルアプリ、専用のソフトウェアアプリケーション、ブラウザでナビゲーション可能なポータル、又は他の形態のソフトウェアを介して明示することができる。さらに後述するように、通知は、所定の閾値を満たすか又は満たさない回答のセットに基づいて、促すか又は生成することができる。例えば、患者の医師によって設定された基準値からの所定の偏差に基づいて、閾値を満たすことができる。
【0381】
いくつかの実施形態では、基準値は、患者の検査の初期セットに基づいて医師(又は他の医療提供者)が設定することができる。
【0382】
ブロック5822において、対応は、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばデータサーバが、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばデータサーバと(例えば、有線、無線、導波管)信号通信するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)、又は、ネットワークインタフェース5714を介してデータサーバと信号通信する呼吸補助装置5700を介して、患者(又は、患者に近くで介護する介護者)に通知することを含むことができる。こうした通知は、回答のセットに基づいて生成することができ、テキスト、グラフィック、音声、映像又は他の形態のコンテンツを含むことができる。例えば、こうした通知は、モバイルアプリ、専用のソフトウェアアプリケーション、ブラウザでナビゲーション可能なポータル、又は他の形態のソフトウェアを介して明示することができる。例えば、こうした通知は、スピーカ5708又はディスプレイ5712を介して出力することができる。通知は、さらに後述するように、所定の閾値を満たすか又は満たさない回答のセットに基づいて、促すか又は生成することができる。例えば、患者の医師によって設定された基準値からの所定の偏差に基づいて、閾値を満たすことができる。いくつかの実施形態では、通知は、装置上に又は医療提供者に提供することができるとき。
【0383】
問診が完成した後、コントローラ5704は、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばデータサーバに送信する前、送信中、送信した後のいずれであっても、コントローラ5704が回答のセットを受信した後に画面(例えば、ページ)を提示するようにディスプレイ5712を制御することができる。画面は、流れ発生器5710又は加湿器5716を制御するか若しくは作動させ、又は流れ発生器5710又は加湿器5716の動作パラメータを入力する、メニューを提示する。プロセス5800は、呼吸補助装置5700と患者及びデバイス管理プラットフォームとを介して実行されるが、状況によっては、プロセス5800をローカルに実行することができることに留意されたい。例えば、患者及びデバイス管理プラットフォームに回答のセットを送信する代わりに、呼吸補助装置5700(すなわち、呼吸補助装置10)は、同様の処理をローカルで実行し、その後、本明細書に記載するように対応をとるようにプログラムすることができる。例えば、呼吸補助装置5700は、ブロック5820又は5822を実行することができる。
【0384】
3.6 事前設定された基準値に基づく回答の偏差を決定する
図8は、事前設定された基準値に基づいて個人健康問診の回答に対する偏差を決定するプロセスのフローチャートである。特に、プロセス5900は、上述したように、呼吸補助装置5700及びサーバを介して実行される。
【0385】
ブロック5902において、ユーザ(医師、看護師)が、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば、サーバウェブ、アプリケーション、データベース、クラウドサービス)と(例えば、有線、無線、導波管)信号通信するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)を操作する。したがって、ユーザは、サーバを介して患者又は機械プロフィールにアクセスし(例えば、ブラウザセッション、専用ソフトウェアアプリケーションセッション)、患者又は機械識別子に関連付けられた個人健康問診の複数の質問に対して複数の基準値を設定する。例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばデータサーバは、ユーザによって操作されるコンピューティングデバイスにブラウザベースのユーザインタフェースを提示することができ、そこでは、ユーザインタフェースは、質問に対する回答を、ユーザによって設定されるように、基準値に対して後に測定することができるように、基準値が質問に一対一で対応するように基準値に対応する複数のユーザ入力(例えば、テキストボックス、チェックボックス、ドロップダウンメニュー、ラジオボタン、スライダ、ダイヤルを介して入力又は選択された英数字、二値又はブール値)を受け取るようにプログラムされている。
【0386】
ブロック5904において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、
図9~
図18に示すように、呼吸補助装置5700のスタートアップ時にディスプレイ5712上でコントローラ5704を介して、個人健康問診を患者(又は介護者若しくは医師)に表示する。このスタートアップは、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)の起動、又は、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)がすでに起動され且つ実行している場合は使用の前に、呼吸補助装置5700(例えば、流れ発生器5710、加湿器5716)の作動を含むことができる。問診は、画面212、すなわちディスプレイ5712に提示される1つ又は複数の質問を含む。
【0387】
ブロック5906において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、個人健康問診に対する複数の回答を患者から受け取る。こうした受取りは、患者が、コントローラ5704を介してディスプレイ5712に表示されるさまざまなユーザ入力要素(例えば、グラフィック、テキスト、アイコン)をタッチ選択することを介して、実行することができる。患者は、ジェスチャを実施するか又はディスプレイの一部をタッチするか又はディスプレイの一部を押すことによってもまた、質問に応答することができる。
【0388】
ブロック5908において、呼吸補助装置5700(例えば、コントローラ5704)は、ネットワークインタフェース5714を介して、呼吸補助装置5700からリモートの患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば、サーバ)に、後述するように、患者及びデバイス管理プラットフォームが回答を受け取るとともに回答を処理することができるように、回答(例えば回答データ)を(例えば、有線、無線、導波管、暗号化、復号化、非暗号化)送信する。コントローラ5704は、回答(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)をサーバに、回答の各々がコントローラ5704を介して受け取られた後に1つずつ送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、回答送信の後に、別の回答送信が続く)。コントローラ5704は、回答(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)を患者及びデバイス管理プラットフォームに、回答(例えば、ユーザタッチ入力)のすべてがコントローラ5714を介して受け取られた後に送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、単一の送信動作、単一のパケット)。コントローラ5704は、回答(例えば、所定の複数のユーザタッチ入力)を、回答群がコントローラを介して受け取られた後に群単位で患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバに送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができる(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回等の回答ごとに送信する)。コントローラ5704は、回答の有効なサーバベースの識別とそれに続く処理とを可能にするために、患者又は機械識別子とともに回答を送信するように、ネットワークインタフェース5714に要求することができることに留意されたい。
【0389】
ブロック5910において、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバは、ネットワークインタフェース5714から回答を受信し、患者の回答に関連付けられた患者又は機械識別子(例えば、英数字、バーコード)を識別し、患者の回答に関連付けられた患者又は機械識別子を、サーバを介して格納された又はサーバがアクセス可能な患者又は機械識別子(例えば、英数字、バーコード)と照合し、患者又は機械識別子に基づいて患者又は機械プロフィール(例えば、データ構造、データベースレコード)の位置を特定し、患者又は機械プロフィールに患者の回答を書き込み、以前設定された基準値を取り出し、患者の回答を含む患者又は機械プロフィールを読み出し、基準値と回答との比較(例えば、回答に対する基準値、又は基準値に対する回答)を実行し、基準値に対する回答の複数の偏差(例えば、二値、ブール値、英数字値)(こうした偏差が存在する場合)を決定する。偏差のうちのいくつかは、偏差の程度(例えば、基準値に対して5ポイント上昇、又は基準値に対して10%下降)を含むことができる。
【0390】
別法として、基準値に対する偏差を決定するプロセスは、患者及びデバイス管理プラットフォームの代わりに、呼吸補助装置のコントローラが実施及び実行してもよい。
【0391】
いくつかの実施形態では、ブロック5910において、患者及びデバイス管理プラットフォーム及び/又は本装置は、患者の健康の悪化を決定することができる。
【0392】
患者の健康パラメータが安定していない場合、患者は不安定であるとみなすことができる。
【0393】
患者の健康の悪化は、患者に増悪の発症のリスクがあるか又は増悪のリスクがあることを示す可能性がある。
【0394】
増悪は、COPDの増悪である可能性がある。
【0395】
患者の健康の悪化は、もう1つの健康問題、例えば、風邪、花粉症、アレルギー反応等を示す可能性がある。
【0396】
患者の健康の増悪を示すことにより、医療提供者は、さらなる増悪を緩和するように行動することができる。こうした対応は、望ましくない転帰(例えば、入院)を回避するのに役立つ可能性がある。
【0397】
患者及びデバイス管理プラットフォーム及び/又は本装置は、ユーザ質問に対する回答と、ユーザ質問に対する1つ又は複数の過去の回答とに基づき、患者の健康の不安定性を決定することができる。
【0398】
(任意選択的に基準値に対する)少なくとも1つの健康パラメータの悪化がある場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0399】
少なくとも2日間、(任意選択的に基準値に対する)2つ以上の健康パラメータの悪化がある場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0400】
さらに又は別法として、1つ又は複数の患者パラメータ(例えば、血中酸素濃度又は呼吸数)に悪化があり、且つ/又は、1つ又は複数の患者パラメータが閾値未満に低下し、且つ/又は、1つ又は複数のパラメータが閾値を超えて変化した場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0401】
1つ又は複数の患者パラメータ(例えば、血中酸素濃度又は呼吸数)に基準値からの悪化がある場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0402】
例えば、SpO2が例えば85%の閾値未満に悪化又は低下した場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0403】
例えば、呼吸数が例えば25%の閾値だけ上昇した場合、患者は悪化していると判断される可能性がある。
【0404】
いくつかの実施形態では、少なくとも2日間、以下の両方がある場合、患者は悪化していると判断される可能性がある:
1つ又は複数の健康パラメータの(任意選択的に基準値からの)悪化、及び1つ又は複数の患者パラメータの(任意選択的に基準値からの)悪化、且つ/又は1つ又は複数の患者パラメータが閾値未満に低下する、且つ/又は1つ又は複数の患者パラメータが閾値を超えて変化する。
【0405】
例えば、上記SpO2及び呼吸数例では、患者が悪化していると判断されるために、少なくとも1つの健康パラメータの悪化がさらに必要である場合がある。
【0406】
ブロック5912において、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば、サーバ)は、処理されている偏差(又は偏差がないこと)に基づいて対応をとる。例えば、患者及びデバイス管理プラットフォームは、さらに後述するように、1つ又は複数の分析機能(例えば、時間に対して患者の回答をプロットすること)を実行することができる。
【0407】
ブロック5914において、対応は、サーバが、
図22~
図26に示すように、偏差が視覚的に特定可能であるか又は視覚的に明確であるように、回答のセット又は処理済み回答データを基準データに対してプロットするか又はグラフ化することを含むことができる。
【0408】
ブロック5916において、対応は、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えばサーバ)が、サーバと(有線、無線、導波管)信号通信するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)を介して、非患者(例えば、家族、医師、介護者)に通知することを含むことができる。こうした通知は、偏差(又は偏差がないこと)に基づいて生成することができ、テキスト、グラフィック、音声、映像又は他の形態のコンテンツを含むことができる。例えば、こうした通知は、モバイルアプリ、専用のソフトウェアアプリケーション、ブラウザでナビゲーション可能なポータル、又は他の形態のソフトウェアを介して明示することができる。
【0409】
ブロック5918において、対応は、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えばサーバ)が、サーバと(例えば、有線、無線、導波管)信号通信するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)、又は、ネットワークインタフェース5714を介してサーバと信号通信する呼吸補助装置5700を介して、患者(又は、患者に近くで介護する介護者)に通知することを含むことができる。こうした通知は、偏差(又は偏差がないこと)に基づいて生成することができ、テキスト、グラフィック、音声、映像又は他の形態のコンテンツを含むことができる。
【0410】
いくつかの実施形態では、対応は、患者が悪化しているという判断に基づき、患者に通知すること及び/又は非患者(例えば、家族、医師、介護者)に通知することを含むことができる。
【0411】
患者又は介護者通知が望まれる状況では、ネットワークインタフェース5714は、サーバからメッセージ(患者又は介護者通知)を受信することができ、メッセージは、ネットワークインタフェース5714を介してサーバに事前に送信された所定の複数のユーザ入力(患者問診回答)に基づく。例えば、こうした通知は、モバイルアプリ、専用のソフトウェアアプリケーション、ブラウザがナビゲーション可能なポータル、又は他の形態のソフトウェアを介して明示することができる。メッセージは、ディスプレイ5712を介して出力される映像コンテンツを含むことができる。ハウジング100がスピーカ5708を収容している場合、メッセージは、スピーカ5708を介して出力される音声コンテンツを含むことができる。
【0412】
呼吸補助装置5700が複数のネットワークインタフェース5714(例えば、Wi-Fi、Bluetooth)を有する状況では、呼吸補助装置5700は、第1メッセージ(患者問診回答に応答するサーバからの患者又は介護者通知)に応答して、コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、医療付属品)に第2メッセージ(例えば、患者又は介護者通知)を送信することができる。第2メッセージは、第2ネットワークインタフェース(例えば、Bluetooth)によって送信し、依然として、第1ネットワークインタフェース(例えば、Wi-Fi)を介してサーバに送信された所定の複数のユーザ入力に関連付けることができる。第2ネットワークインタフェース(例えば、Bluetooth)は、コンピューティングデバイスにローカルとすることができ、そこでは、コンピューティングデバイスはサーバ以外である。
【0413】
患者及びデバイス管理プラットフォームからのメッセージは、所定の複数のユーザ入力のうちの少なくとも1つに基づいて決定されるように、所定の期間(例えば、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間)にわたり患者の健康パラメータが悪化しているという情報を与えることができる。例えば、メッセージは、工場で設定される場合もあれば、又はされない場合もある基準値に対して、患者の健康パラメータが悪化しているという情報を与えることができる。例えば、本明細書で説明するように、医師は、基準値を設定するようにコンピューティングデバイス(例えば、電話、タブレット、ワークステーション)を操作することができ、コンピューティングデバイスは、サーバと通信するが、患者及びデバイス管理プラットフォーム、例えばサーバからリモートである。
【0414】
患者及びデバイス管理プラットフォームからのメッセージは、患者が悪化しているという通知であり得る。
【0415】
図8のステップについて、呼吸補助装置と患者及びデバイス管理プラットフォームとの相互作用に関連して説明した。しかしながら、代替実施態様では、ブロック5902、5904、5906、5910、5912に記載するステップは、呼吸補助装置5700(すなわち、呼吸補助装置10)によってのみ実行されてもよい。例えば、ブロック5910における処理は、呼吸補助装置のコントローラが実行してもよく、ブロック5912における選択肢は、呼吸補助装置のコントローラが実行してもよい。例えば、ブロック5918は、呼吸補助装置のディスプレイ上に患者への通知を提示することを含むことができる。
【0416】
さらなる代替実施態様では、質問に対する応答は、デバイスのコントローラにおいて受信することができる(5906)。質問は、ユーザデバイス(例えば、タブレット又は携帯電話)に送信することができ、又は、質問は、USBにダウンロードし、その後、さらに処理されるようにPCのラップトップに転送することができる。ブロック5910は、ユーザデバイスにより、又はPCのラップトップにより、実行することができる。さらに、ブロック5914及び5918に記載する機能は、ユーザデバイス又はラップトップ若しくはPCによって実行することができる。ユーザデバイス又はPCのラップトップは、非患者デバイス、例えば、医師のサーバ又は医師のコンピューティングデバイスと信号通信することができる。ブロック5916における通知は、非患者に患者の健康状態に関して通知するために、ユーザデバイス又はラップトップ若しくはPCによって非患者デバイスに提供することができる。
【0417】
3.7 個人健康問診の質問を提示するユーザインタフェース
図9~
図18は、呼吸補助装置において個人健康問診を提示するユーザインタフェースを示す。ユーザインタフェースは、複数の質問及び複数の潜在回答が配置される複数の画面(例えば、ページ)を含む。しかしながら、ユーザインタフェースは、質問及び潜在的回答を提示する単一の画面を含む。
図9~
図18は、
図9~
図18に示すように、順に提示される複数の画面(例えば、ページ)を含むユーザインタフェースを示すが、この順序は、例示的であり、変更することができる。例えば、
図15(又は、他の任意の
図11~
図18)に示す画面は、
図16(又は他の任意の
図11~
図18)の画面の前に、又は
図18(又は他の任意の
図11~
図18)の画面の後に提示することができる。ディスプレイ5712は、本明細書に記載するように、個人健康問診に含まれる
図9~
図18の画面を含むユーザインタフェースを表示する。さらに、
図9~
図18は、垂直に又は水平にタッチスクロール可能である単一画面として具現化することができる。別法として、各質問を別個のスクロール可能なページとして提示してもよい。
【0418】
図9は、起動画面を示す。起動画面は、本明細書に記載するように、患者が、呼吸補助装置の電源を投入したときに見る最初の画面とすることができる。起動画面は、製造業者及びデバイス識別情報(例えば、テキスト、グラフィック)のセットも示す。
【0419】
図10は、起動画面の後の導入画面を示す。導入画面は、挨拶メッセージ(又は他の導入若しくは歓迎メッセージ)を表示する。挨拶メッセージは、問診が開始したことを示す。挨拶メッセージは、視認しやすくするためにディスプレイ5712の左垂直面の中間部で開始されるが、この位置決めは変更することができる(例えば、非中間部、右垂直面、左垂直面と右垂直面との間にわたる、上水平面、ディスプレイ中央)。
【0420】
図11は、所定の時刻で患者の全般的な体調に関して尋ねる質問(例えば、ユーザ健康情報に対する要求、健康質問)を提示する全般的体調画面を示す。質問は、英数字であるが、追加的であっても別法としてであっても、絵のコンテンツを含むことができる。質問は、質問終了マークを含むが、これは省略することができる(例えば、続く選択候補から1つを選択する)。所定の日又は時間は動的であり、この質問が表示されるときに基づいて変化する。この変化は、コントローラ5704(例えば、内部クロック)を介して追跡される時刻/日付に基づいて発生する可能性がある。例えば、第1設定期間は、朝に対応することができ、第2設定期間は、午後に対応することができ、第3設定期間は、夜に対応することができる。この時刻動的変化機能は、省略することができる(例えば、今の体調はいかがですか(how are you feeling now)。それにも関わらず、この質問は、本明細書に記載するように、全般的体調パラメータに関連し、「悪い」という回答は、この質問が基準値に関連するか否かに関わらず、患者の健康状態の悪化を示唆する。
【0421】
全般的体調画面は、質問に関連付けられるとともに質問に対する潜在的回答群を表す、ユーザ入力要素群(例えば、埋め込まれた又は上に重ねられたテキストを含む矩形のグラフィック)を提示し、それらのうちの1つは、他のものに対して排他的に選択することができる(ただし、これは、複数の回答を非排他的に入力することができる状況によっては変化する可能性がある)。図示するように、健康パラメータの現在の位置又は非変化状態(例えば、普通)を示す第1入力要素、健康パラメータの好転(例えば、良い)を示す第2入力要素、及び健康パラメータの悪化(例えば、悪い)を示す第3ユーザ入力要素。ユーザ入力要素群は、2個~9個であるが、より少数又はより多数のユーザ入力要素が可能である。ユーザ入力要素群は、単一のコンテンツ群(例えば、グラフィック内に一体的に埋め込まれたテキスト)を画定するか、複数のコンテンツ群を画定するかに関わらず、テキスト列群及びグラフィック群である。それにも関わらず、これらのユーザ入力要素は、視覚的に互いに同一であるが、潜在的回答の内容については、ユーザ入力要素群における少なくとも2つのユーザ入力要素は、視覚的に互いに区別することができる。たとえが、こうした視覚的区別は、グラフィック背景又は前景の色、グラフィック背景又は前景の色の濃淡、グラフィック形状、グラフィックサイズ、フォントタイプ、フォントサイズ、フォント色、フォント色の濃淡、フォント配置、又は他のグラフィック若しくはフォントの特徴に基づいて存在することができる。
【0422】
1つの実施形態では、患者健康問診は、患者が前日又は前回問診を完成したときと同じ体調であることを示す場合、問診データを自動入力又は完成するように構成することができる。例えば、1つのそうした実施形態では、問診の最初の質問画面は、患者によって実施された直近の履歴的問診に基づく比較的な体調の質問であってもよい。例えば、毎日の健康問診票が患者に提示される場合、最初の質問画面は、単に、「昨日と体調の違いはありますか」又は「昨日と体調は同じですか」と質問してもよく、患者に、「はい」及び「いいえ」の二者択一の回答選択肢を提示してもよい。患者の回答が、体調が前日と同じか又は変わらないことを示す場合、健康問診データを、前日又は他の関連する比較的な期間からの格納された回答データで自動的に埋めるか又は完成してもよい(すなわち、以前の回答データが、現在の問診票回答データとして上書きコピーされる)。
【0423】
ユーザインタフェースは、タッチスクリーンを介するユーザのスクロールと、問診が完成したときの回答の提出とに基づき、質問と潜在的回答とを提示することができる。
【0424】
図12は、
図15と同様の質問を提示する咽頭痛画面を示す。しかしながら、
図15の質問及び潜在的回答とは異なり、
図12の質問及び潜在的回答は、患者の咽頭痛パラメータに関連する。
図12の質問は、複数のあり得る質問を含み、各々に関連するアイコンがある。アイコンは、回答に関連する患者の状態に関して色分けされ、(より詳細に後述するように)回答に関連する患者の状態に関連する表情の顔を有する。患者の医師が、例えば中央(薄緑色)の回答という基準値を設定した場合、患者がその回答の左側の任意もの(黄色又はオレンジ色の回答)を選択することは、患者の健康状態の悪化を示唆する。基準値は、他の潜在的回答に対して視覚的に区別可能(例えば、緑色)であり得ることに留意されたい。
【0425】
グラフィック群の少なくとも1つのユーザ入力要素(例えば、最左又は最右)は、質問以外の英数字テキストコンテンツに対応し(例えば、極度に及びまったくない)、その英数字コンテンツは、少なくとも1つのユーザ入力要素の外部(例えば、グラフィックツールチップ、グラフィックラベル)に(例えば、垂直又は水平の向きで)位置決めされる。
【0426】
図12に示すような顔は、快適さの異なる表示に対応する広範囲の表情を有することができる。例えば、顔の表情は、(質問に対するマイナス方向の応答に対応する)悲しい顔又は不幸な顔から、(質問に対するプラス方向の応答に対応する)笑顔又は幸せな顔までの範囲であり得る。顔の表情は、(質問に対する中立的な応答に対応する)無表情の顔を有する場合がある。
【0427】
図13は、
図11及び
図12と同様の質問を提示する呼吸画面を示す。しかしながら、
図11及び
図12の質問及び潜在的回答とは異なり、
図13の質問及び潜在的回答は、患者の呼吸パラメータに関する。
【0428】
図13Aは、
図11~
図13と同様の質問を提示する疲労感画面を示す。しかしながら、
図11~
図13の質問及び潜在的回答とは異なり、
図13Aの質問及び潜在的回答は、患者がどの程度疲労を感じているかに関連する。
【0429】
【0430】
【0431】
図15は、
図11~
図14Aと同様の質問を提示する喀痰色画面を示す。しかしながら、
図11~
図14Aの質問及び潜在的回答とは異なり、
図15の質問及び潜在的回答は、患者の喀痰色パラメータに関連する質問に関連する。
【0432】
図16は、
図11~
図15と同様の質問を提示する抗生物質画面を示す。しかしながら、
図11~
図15の質問及び潜在的回答とは異なり、
図16の質問及び潜在的回答は、患者の抗生物質使用パラメータに関連する質問に関連する。患者が抗生物質を服用していなかった場合、服用しているという回答の選択は、患者の健康状態の悪化を示唆する。さらに、潜在的回答は二値であるが、これは必要に応じて変更することができることに留意されたい。例えば、
図16は、患者の抗生物質使用パラメータに関連する質問に対応する一対のユーザ入力要素を示す。これらのユーザ入力要素からの入力は、互いに相互に排他的である一対のデータ点(例えば、服用している又は服用していない)に関連付けられる。
【0433】
図17は、
図11~
図16と同様の質問を提示するステロイド画面を示す。しかしながら、
図11~
図16の質問及び潜在的回答とは異なり、
図17の質問及び潜在的回答は、患者のステロイド使用パラメータに関連する質問に関連する。患者がステロイドを服用していなかった場合、服用しているという回答の選択は、患者の健康状態の悪化を示唆する。
【0434】
図18は、
図11~
図17と同様の質問を提示する吸入器使用画面を示す。しかしながら、
図11~
図17の質問及び潜在的回答とは異なり、
図18の質問及び潜在的回答は、患者の吸入器使用パラメータに関連する質問に関連する。患者の医師が、例えば1日に1~3回という基準値を設定した場合、その回答の左側のいずれもが患者の健康状態の悪化を示唆する。
【0435】
個人健康問診の一部として、患者にさまざまな質問を提示することができることが理解されよう。質問は、例えば、症状カテゴリ及び投薬カテゴリを含む任意の1つ又は複数のカテゴリからのさまざまな健康パラメータに関連することができる。質問は、患者の呼吸、患者の疲労感、患者の喉及び筋肉、患者の発熱及び/又は震えのある場所、患者の感染、並びに症状若しくは投薬カテゴリ又は他の関連する任意の健康問診カテゴリ又はサブカテゴリにおける他の任意の主観的又は客観的健康パラメータのうちの任意の1つ又は複数に関連することができる。個人健康問診において又は個人健康問診の一部としてユーザに提示することができるあり得る質問のさらなる例を、以下の段落で提供する。
【0436】
入院に関する質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、最近の呼吸関連の入院、又は入院若しくは入院治療について尋ねる質問、例えば「入院していましたか?」又は同様のそうした質問を含むことができる。患者には、選択のために「はい」又は「いいえ」を示す二者択一の回答選択肢を提示することができる。患者が「いいえ」と回答した場合、問診は、シリーズにおける次の健康パラメータ質問に移る。患者が「はい」と回答し、入院しているか、又は最近入院治療を受けたことを示す場合、問診は、次に、患者の最近の入院に関連する1つ又は複数の追加の後続質問を提示することができる。この1つ又は複数の後続質問は、例えば、限定されないが、「入院期間はどのくらいでしたか」、「入院していたのはいつですか」、「日常生活を送ることができますか」、「動きはどうですか」等の質問を含むことができる、質問は、患者が選択するためのさまざまな応答選択肢を提供する。いくつかの構成では、患者が最近の入院を認めた後にトリガされるこれらの後続質問の1つ又は複数は、構成可能な期間(例えば、入院後2週間又は1ヶ月間)、個人健康問診で再度提示されるように構成することができる。これらの後続質問を提示するための構成可能な期間は、デフォルトの期間であってもよく、又は患者の医療提供者が調整又は設定してもよい。
【0437】
環境に関する質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、患者の環境及び/又は周囲に関連する1つ又は複数の質問を含むことができる。そうした質問の例としては、限定されないが、以下を挙げることができる。
・「天気はどうですか?」-回答選択肢例:「寒い」、「暑い」、「雨が降っている」、「湿度が高い」等
・「どのような物理的環境にいますか?」-回答選択肢例:「一軒家」、「集合住宅」、「病院」、「湿気のある部屋」、「乾燥した部屋」等
・「あなたの地域、家族、職場及び/又は家庭でインフルエンザにかかった人はいますか?」-回答選択肢例:「はい」又は「いいえ」
【0438】
さまざまな1つ又は複数の環境に関する質問には、広範な選択可能な回答選択肢が付随することができる。上述したように、いくつかの質問は、「はい」又は「いいえ」を示す二者択一の応答選択肢を有することができ、他の質問は、絶対的な回答、ランク付け若しくはスコア回答、又は他の任意の適切な応答選択肢を含む、広範な選択可能な応答選択肢を提供することができる。
【0439】
いくつかの実施形態では、問診は、1つ又は複数の一次的な環境に関する質問を有する場合があり、そうした質問は、一次的な環境に関する質問に対する患者の回答に応じて又はそれを条件として、患者に提示するようにトリガされる可能性がある、1つ又は複数の関連する後続の又は二次的な質問を有する場合がある。1つの例では、上記のように、患者に「天気はどうですか?」と尋ねる一次的な環境に関する質問が提示される場合がある。患者が「寒い」又は「雨が降っている」と回答した場合、これにより、限定されないが「この天候のために気分が悪くなったと思いますか?」等、1つ又は複数の後続の又は二次的な質問が提示されるようにトリガすることができる。別の例では、上記のように、患者に「あなたの地域、家族、職場及び/又は家庭でインフルエンザにかかった人はいますか?」と尋ねる一次的な環境に関する質問が提示される場合がある。患者が、自身の職場又は家庭でインフルエンザにかかった人がいることを示すように回答した場合、これにより、限定されないが「あなたはインフルエンザの症状が出ていると思いますか?」等、1つ又は複数の後続する又は二次的な質問が提示されるようにトリガすることができる。
【0440】
投薬関連の質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、現在及び/又は以前の問診からの問診データの処理及び/又は分析に応じて又はそれを条件として、問診を自動的に調整又は変更又は増強するように構成することができる。
【0441】
1つの構成例では、個人健康問診は、薬剤の使用に関連する患者の以前の回答によって示されるような薬剤使用の増加の検出に応じて、患者が使用している1種又は複数種の薬剤の効力又は有効性についての患者の認識に関する1つ又は複数の追加の質問を提示するように調整することができる。
【0442】
例えば、患者が抗生物質を使用しているか又は使用を開始した場合、この情報は、抗生物質の使用に関して提示された質問に対する患者の応答又は回答によって取り込まれる。抗生物質使用データに関連する回答データは、1つ又は複数の所定の又は設定可能な条件、基準、傾向分析及び/又は閾値(例えば、基準は、抗生物質使用の増加又は開始を示す場合がある)に関連して又はこれらに基づいて、処理される場合がある。基準が満たされた場合、個人健康問診は、抗生物質が患者の状態を好転させていると患者が感じているか否かに関する1つ又は複数の追加の後続質問を含むように、自動的に調整することができる。
【0443】
上記は、他の任意の投薬関連の質問にも適用される。例えば、特定の薬剤に関連する質問に対する回答データが、使用の著しい変化(例えば、所定の又は構成可能な基準又は条件に基づいて増加又は減少)を示す場合、これにより、患者の状態に対する投薬の有効性又は効力に関する患者の見解、又は患者が概してどのように感じるかに関連する、1つ又は複数の追加の後続質問の提示をトリガすることができる。特に、投薬の有効性又は効力に関連する追加の後続質問は、条件付きで、又は患者による薬剤の使用に関連する患者の回答データの分析又は処理に基づいて、トリガされる。
【0444】
意図された使用に関する質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、呼吸補助装置の患者の意図された使用に関する質問を患者に提示するように構成することができる。そうした問診に対する意図された使用の応答は、問診データに記録することができる。次いで、問診データにおける意図された使用の応答を処理することができる。1つの構成では、意図された使用の応答、及び任意選択的に他の問診データ、又は患者若しくは患者の療法に関連する他のデータ(例えば、処方データ、コンプライアンスデータ及び/又は実際の使用データ)に基づいて、1つ又は複数のプロンプト、アラート、通知及び/又はメッセージを、患者及び/又は患者の医療提供者のためにトリガすることができる。さらに又は別法として、意図された使用の応答及び任意選択的に他の問診データ又は他の患者データに基づいて、問診において、患者の装置の使用に関連する1つ又は複数の後続質問を患者に提示することができる。
【0445】
例えば、呼吸補助装置を用いる(例えば、医療提供者からの処方による)治療の過程の開始時、個人健康問診は、患者が呼吸補助装置をどのくらいの頻度で使用するように意図しているかに関連する1つ又は複数の質問を含むことができる。質問は、意図された使用頻度(例えば、毎日、1日2回、3日ごと等)、各治療セッションにおける意図された使用時間の長さ(例えば、1セッション当たり3時間、1セッション当たり8時間等)、組合せ(例えば、1回又は複数回の治療セッションにわたって累積的に1日当たり8時間)、及び/又は他の任意の好適な意図された使用の測定基準に関連することができる。1つ又は複数の質問には、患者が自身の回答データを入力するために、広範な選択可能な回答選択肢又は自由形式のテキスト及び/又は数値フィールドを提供することができる。患者の意図された使用の応答は、例えば患者に対する処方よりも多くても少なくてもよい。
【0446】
1つの構成では、意図された使用法の回答データは、呼吸補助装置及び/又はデータサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)によって、呼吸補助装置及び/又はデータサーバに記録又は格納された実際の使用データ等の他のデータとともに処理することができ、データがある所定の且つ/又は構成可能なトリガ基準又は条件を満たす場合に、1つ又は複数の通知、プロンプト、メッセージ又はアラートをトリガすることができる。例えば、患者が、呼吸補助装置を1日当たり8時間使用するように意図していることを示すように、意図された使用の質問に応答したが、呼吸補助装置が、格納された実際の使用データによって示されるように、1日当たり3時間の使用しか検出しなかった場合、これにより、患者及び/又は患者の医療提供者に対する、患者の実際の使用が、意図された使用及び/又は処方された使用を下回るか又は著しく下回るというメッセージ、アラート、通知又はプロンプトをトリガすることができる。
【0447】
さらに又は別法として、呼吸補助装置は、患者の意図された使用データ及び実際の使用データがある所定の且つ/又は構成可能なトリガ基準又は条件を満たす場合、個人健康問診において1つ又は複数の追加の意図された使用の問診が患者に提示されるのをトリガすることができる。例えば、患者の実際の使用が、トリガ基準又は条件に従って、患者の意図された使用を下回るか又は著しく下回ると特定又は判断された場合、システムは、患者が意図したほど呼吸補助装置を使用していない理由に関する情報又はデータを決定する1つ又は複数の追加の質問を、個人健康問診において患者に提示するように構成することができる。
【0448】
問診票のフィードバック質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、質問の有用性に関する患者のフィードバックを決定する1つ又は複数の質問を患者に提示するように構成することができる。例として、1つ又は複数のフィードバック質問は、限定されないが、以下のような質問を含むことができる。
・「他に質問すべきだと思うことはありますか?」
・「問診票で把握できなかった症状がありましたか?」
・「問診票で把握できなかった習慣(例えば、運動又は飲食物の摂取)の変化はありましたか?」
【0449】
上記のフィードバック質問は、フィードバック質問の性質に応じて、患者が自身のフィードバックを入力するための自由形式テキスト応答フィールド、及び/又は所定の回答選択肢とともに提示することができる。
【0450】
患者の快適性に関する質問
いくつかの実施形態では、個人健康問診は、呼吸補助装置による呼吸療法中の患者の快適性に関連する1つ又は複数の質問を提示するように構成することができる。例えば、患者に、限定されないが「治療が快適であると感じていますか?」等の1つ又は複数の質問を提示することができる。患者に、広範な異なる選択可能な回答選択肢を提示することができる。いくつかの構成では、回答選択肢は、「はい」及び「いいえ」等の二者択一回答であってもよく、他の構成では、患者は、自身の快適性レベルの回答を尺度で、又は広範な快適性レベルから選択することができてもよい。この患者の快適性回答データは、問診データに含まれ、後に、他の問診データと同様に、1つ又は複数の報告又はグラフに表示又はレンダリングするために処理することができる。
【0451】
他の質問例
患者健康問診において、広範な異なる質問を提示することができることが理解されよう。いくつかの質問は、すべての問診において提示される場合があるが、他の質問は、時間又は問診の数に基づいて指定された低い頻度で問診に提示されるか又は含まれるように構成される場合がある(例えば、質問は、2週間ごと若しくは毎月、又は5回の問診ごとに提示される場合がある)。
【0452】
以下は、ユーザに提示することができる質問と、選択のために提示することができるあり得る回答選択肢のいくつかのさらなる例である。
【0453】
・前回の[隔週/月1回]の健康診断以降、COPDに関連した予定外の診察は必要でしたか?該当する選択肢をすべて選択してください。回答選択肢:答えたくない、いいえ、家庭医、救急外来受診、入院。
・自分の健康状態をどう評価しますか?回答選択肢:答えたくない、悪い、普通、良い、かなり良い、きわめて良い。
・前回の[隔週/月1回]の健康診断以降、自分の健康状態が身体的な仕事をこなす能力に影響を与えていますか?回答選択肢:答えたくない、まったく影響はない、少し影響がある、ほどほどに影響がある、かなり影響がある、きわめて影響がある。
・前回の[隔週/月1回]の健康診断以降、自分の状態は精神的な健康にどの程度影響を与えていますか?回答選択肢:答えたくない、まったく影響はない、少し影響がある、ほどほどに影響がある、かなり影響がある、きわめて影響がある。
・前回の[隔週/月1回]の健康診断以降、自分の健康状態は自分の社会活動に影響を与えていますか?回答選択肢:答えたくない、まったく影響はない、少し影響がある、ほどほどに影響がある、かなり影響がある、きわめて影響がある。
・治療の体験を評価してください。回答選択肢:答えたくない、悪い、普通、良い、非常に良い、きわめて良い。
【0454】
先行する回答に基づいて提示される質問
上記で考察したように、質問に対する回答が、その後、患者健康問診における1つ又は複数の追加の又は後続の質問の提示をトリガすることができるさまざまな例がある。例えば、いくつかの質問の提示は、問診票における1つ又は複数の先行する質問に対する患者の回答に応じるか又はそれを条件とする場合がある。
【0455】
上記プロセスの1つの構成例を、
図28を参照して説明する。
図28のプロセス例650は、ステップ652に示すように、プロセッサ(例えば、データサーバ及び/又は呼吸補助装置のプロセス)が、提示された質問に対する患者の回答を含む入ってくる問診データを受け取るか又は取得することで開始する。次に、ステップ654に示すように、受け取られた問診データは、1つ又は複数のトリガ基準に関して処理される。問診データ中の患者の回答がいずれかの1つ又は複数のトリガ基準を満たす場合、コントローラは、ステップ656に示すように、トリガ基準に関連付けられた格納されたそれぞれの変更規則に従って、患者に提示された患者健康問診を変更するように構成される。例えば、問診における特定の主要な又は一次的な質問が、最初の一次的な質問に対する患者の回答に応じて、1つ又は複数の追加の後続の二次的な質問が患者に提示されるのをトリガするトリガ基準を有する場合がある。この例では、トリガ基準は、後続の又は追加質問が提示されるのをトリガする1つの回答又は複数の回答タイプを指定し、関連する変更ルールは、基準が満たされた場合に提示のために問診に挿入される特定の後続の又は追加の質問を定義する。任意の変更ルールが実施されると、ステップ658に示すように、変更された患者健康問診が患者に提示される。この最後のステップは、問診が、先行する1つ又は複数の質問に対する回答に基づいて又は回答に応じて、提示される次の1つの質問又は複数の質問を動的に変更することを含む場合があり、すなわち、問診の内容(提示される質問の性質及びタイプ)は、患者の回答に応じて、進行するに従って動的に変化する場合がある。
【0456】
バッテリモード
呼吸補助装置がバッテリモードにおいてバッテリ電力で動作している場合、個人健康問診は、依然として呼吸補助装置のディスプレイに提示することができ、患者応答は、取り込んで回答データとして格納することができる。
【0457】
3.8 患者基準データ
上述したように、呼吸補助装置のユーザに、呼吸補助装置の一体化したタッチスクリーン上で1つ又は複数の質問から形成された問診が提供される。問診は、1つ又は複数のタッチスクリーンで受け取られ、タッチスクリーンを通して、ユーザもまた自身の応答を提供する。その後、応答(回答データ)は処理され、患者によって記録された健康パラメータを視覚的に示すように、データのチャート、グラフ、プロット又は他のグラフ形式を含む1つ又は複数の報告が表示するために生成される。
【0458】
図8に示すように、いくつかの実施形態では、患者の健康状況の基準値5902が最初に確立される。例えば、患者の健康パラメータのこの基準状況は、医療提供者によって独立して確立されるか、又は患者が装置からの問診の1つ又は複数の質問に回答することによって確立され得る。患者健康パラメータの基準状況が確立されるこうした実施形態では、医療提供者(及び/又は患者)は、基準値からの変化を、それが1つ又は複数の健康パラメータの好転であるか、1つ又は複数の健康パラメータの悪化であるかに関わらず、決定することができる場合がある。1つの実施形態では、特定の患者に対する所定の基準値は、呼吸補助装置にローカルに格納することができ、又はリモートデバイス(例えば、サーバ)からアクセスすることができる。1つの構成では、基準値は、患者及びデバイス管理プラットフォーム内の患者のプロファイルに対して格納された基準データによって表される場合がある。この基準データは、その後、呼吸補助装置がアクセスし且つ/又は患者及びデバイス管理プラットフォームから取得することができる。
【0459】
各健康パラメータは、関連する基準値を含むことができる。
【0460】
健康パラメータに対する基準値は、(例えば、本装置及び/又は患者及びデバイス管理システムにより)動的及び/又は自動的に調整又は更新できる。
【0461】
基準値は、ある期間にわたる健康問診の一部としての1つ又は複数の質問に対する回答に基づいて更新することができる。
【0462】
いくつかの実施形態では、健康パラメータの基準値は、患者による質問又は問診への一貫した回答の期間に基づいて更新することができる。一つの構成例では、健康パラメータの基準値は、その健康パラメータに関連する1つ又は複数の質問に対する回答が、すべて同じであるか、又は基準値の所定の偏差閾値の範囲内にある場合、更新することができる。別の構成例では、1つの健康パラメータ又は複数の健康パラメータの基準値は、それらのそれぞれの回答(例えば、健康パラメータに関連する質問に対する回答データ)が、所定の且つ/又は構成可能な期間及び/又は所定の且つ/又は構成可能な回数の完成した問診にわたって、一貫した新たな値を示す場合に、自動的に更新することができる(例えば、健康パラメータに対する基準値は、その回答が、所定の回数の連続して完成した問診票にわたり、且つ/又は所定の数の日、週及び/又は所定の時間間隔にわたって、一貫していた場合に、最新の回答値に更新することができる)。
【0463】
基準値は、1つ又は複数の質問に対する回答が、健康パラメータに関連し、異なる基準値を示す場合、更新することができる。基準値は、健康パラメータに関連する1つ又は複数の質問に対する回答が、所定の時間又は健康問診に対する所定の応答の回数にわたって異なる基準値を示す場合、異なる基準値に更新することができる。
【0464】
いくつかの実施形態では、基準値は、異なる基準値に向かって反復させることができる。
【0465】
例えば、患者が時々咳が出る(すなわち、
図14)と連続して10回回答した場合、この患者パラメータに関連する基準は、時々の咳に更新することができる。
【0466】
いくつかの実施形態では、基準値が自動的に更新される前に、患者に対して、基準値が更新されることを希望するか否かに関して入力を促すことができる。例えば、いくつかの構成では、基準データに対する提案されたいかなる自動調整又は更新も、患者からの承認を必要としてもよい。
【0467】
いくつかの実施形態では、基準値が自動的に更新される前に、医療提供者(例えば医師)に対して、基準値が更新されることを希望するか否かについて入力を促すことができる。例えば、いくつかの構成では、基準データに対する提案されたいかなる自動調整又は更新も、更新される前に医療提供者の承認を必要としてもよい。
【0468】
いくつかの実施形態では、基準データは定期的に(例えば6ヶ月に1回)更新してもよい。例えば、患者に対する新たな又は新規の基準データは、医療提供者が取得してもよく、且つ/又は患者が患者健康問診を完成することから確立してもよく、且つ/又は以前に完成した患者健康問診に関連する以前の履歴的な問診データの分析に基づいて決定してもよい。
【0469】
いくつかの実施形態では、医療提供者は、新たな患者基準データとして使用される、特定の完成した患者健康問診に関連する問診データの特定のセットを選択することができる場合がある。1つの構成では、医療提供者は、1つ又は複数の患者データ報告又はグラフィカルデータ抽出物(例えば、時系列チャート、時系列グラフ、ヒートマップ等、これらの例についてはさらに後述する)とのインタラクションを介して、所望の問診データセットを選択することができる場合がある。1つの例では、医療提供者は、患者のヒートマップ(後で説明する
図22~
図24参照)の特定の列を患者の新たな基準データとして選択又は指定することができる。医療提供者は、ヒートマップを表示するGUIとインタラクトし、1つ又は複数のGUI要素とインタラクトして、患者のヒートマップから所望のデータの列を新たな患者基準データとして指定又は選択することができる。ヒートマップの選択された列からの問診データは、特定の日、週又は時間間隔にわたる患者の問診票回答に関連する。医療提供者は、患者の現在の基準値を表すものとして、特定の時間間隔の問診データを選択又は指定することができる。次に、ヒートマップの選択された列又は時間間隔(例えば、時間軸に沿った特定の日又は週)から、完成した問診票に関連付けられた問診データが、患者の新たな基準データとしてロードされ、すなわち、各健康パラメータ質問に関連付けられた基準値が、ヒートマップの選択された列におけるそのそれぞれの回答に等しくなるようにリセットされる。医療提供者はまた、他の入力コマンド、又は患者及びデバイス管理プラットフォームの制御又は構成インタフェースとのインタラクションを介して、特定の日、週又は他の時間間隔からの特定の問診データのセットに対応するように患者の基準データをリセットするように、システムを操作するか又はシステムに指示することもできることが理解されよう。
【0470】
医療提供者が、呼吸補助装置とのインタラクションを介して、且つ/又は患者及びデバイス管理プラットフォームとのインタラクションを介して、基準データを更新又は調整することができる。
【0471】
いくつかの実施形態では、特定の事象を条件として、患者に対して一時的な事象に基づく基準値を使用することができ、そうした基準値は、患者の通常の又は典型的な基準データに戻る前に、構成可能な期間又は所定の期間にわたって、基準値を維持することができる。例えば、医療提供者は、患者が増悪事象に続いて病院から出る、すなわち退院した後、特定の期間(例えば、特定の数の日又は週)にわたって適用される、患者に対する「退院後」基準値を、ロード又は指定するようにシステムを構成することができてもよい。特定の期間が経過すると、その患者の基準データは、その患者の通常の又は正常な基準データに戻るか、又は戻るように変更してもよい。
【0472】
いくつかの実施形態では、システム(例えば、呼吸補助装置及び/又は患者及びデバイス管理プラットフォーム)は、問診データを処理し、患者健康問診における1つ又は複数の質問に対する患者の回答(例えば、回答データ)が、所定の又は構成可能な基準又は条件に従って安定化したことを検出又は特定することができる。1つの例では、移動平均に対する回答データの偏差の分析に基づいて、回答データが安定している、又は安定化したと見なしてもよい。移動平均からの偏差が閾値未満であると検出された場合、例えば、回答データは、安定していると判断することができる。1つの構成では、システムは、ある数(例えば、1つ、いくつか又はすべて)の回答が安定しているものとして検出又は特定された場合、患者の基準データ(又は基準データの一部)を最新の問診データに更新することを希望するか否かについて医療提供者に入力を促すか又は尋ねる、アラート、通知又はメッセージが、医療提供者に送信又はプッシュされるようにトリガするように構成することができる。アラート、通知又はメッセージは、医療提供者の電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、コンピュータ等)に送信又はプッシュし、且つ/又は患者及びデバイス管理プラットフォームのユーザインタフェース、ポータル又はダッシュボードに提供することができる。次いで、通知に応じて、医療提供者は、基準データの一部又はすべてを特定された安定化した問診データに更新するようにシステムに指示することができる。
【0473】
いくつかの実施形態では、システムによって生成されるデータ報告は、基準データを経時的に表示する時系列チャート又はグラフをプロットすることができる。例えば、患者の健康状態の長期の変化又は傾向を示すように、1つ又は複数の健康パラメータに対する基準データの変化を経時的にプロットする1つ又は複数のグラフを生成することができる。これらの基準時系列チャートは、それら自体のグラフとして別々にプロットしてもよく、又は他の問診データ時系列チャート(例えば、
図22~
図26に関して後述する時系列グラフ及び/又はヒートマップ)に統合してもよい。
【0474】
3.9 システムアーキテクチャ
図19及び
図20を参照して、上述した個人健康問診に関連するデータの取込み、伝送、処理、格納、取得及び/又は表示を実装するシステム500全体の構成及び/又はアーキテクチャ例についてさらに詳細に説明する。上述したシステム及びプロセスの特徴、態様及び代替例のうちの任意の1つ又は複数を、この構成例に適用してもよいことが理解されよう。
【0475】
この実施形態では、システム500は、1つ又は複数の呼吸補助装置502(本明細書では「呼吸療法デバイス」とも称する)を備える。呼吸補助装置502は、例えば上述した呼吸補助装置10又は5700であり得る。呼吸補助装置502は、前述したように、患者又はユーザ504に呼吸療法を提供するように動作可能である。
【0476】
呼吸補助装置502は、上述したように、患者504に個人健康問診を提示するように動作可能である。個人健康問診は、前述したような一連の質問を含むことができる。呼吸補助装置502のユーザインタフェースを介する、質問に対するユーザ入力は、装置において回答データとして取り込まれる。さらに、問診全体又は問診内の特定の質問がユーザによってスキップされた場合、そうしたデータはスキップされたデータとして取り込まれる。
【0477】
呼吸補助装置502は、前述したように、データネットワーク508又はデータリンクを介してデータサーバ506とデータ通信している。呼吸補助装置502は、各個人健康問診について取り込まれた回答データ及び/又はスキップされたデータを、格納及び処理するためにデータサーバ506に伝送又は送信するように構成されている。回答データ及び/又はスキップされたデータは、まとめて問診データと称することもできる。文脈において別段の示唆がない限り、「データサーバ」及び「患者及びデバイス管理プラットフォーム」という文言は、本開示において同義に使用する場合がある。
【0478】
データサーバ506は、例えば、クラウドサービス若しくはプラットフォーム、又は他の任意の好適なデータ処理サーバ、サービス若しくはプラットフォームであってもよい。データサーバ506は、サブスクリプションベースのサードパーティプラットフォームであってもよく、又はプロプラエタリシステム、又はその組合せであってもよい。データサーバ506は、前述した患者及びデバイス管理プラットフォームの機能を実行し、提供し、又はホストすることができる。いくつかの構成では、データサーバは、少なくとも1つのプロセッサ又はプロセッサデバイス、及びメモリを備える。
【0479】
データサーバ506は、患者健康問診における質問に対応する1つ又は複数の健康パラメータに関して、患者の基準健康状態を表す基準データを取得し、そうした基準データにアクセスし、且つ/又はそうした基準データを格納するように構成されている。先に考察したように、最初の基準データは、呼吸補助装置を介して患者から、若しくは医療提供者から提供してもよく、又は事前設定若しくは事前構成された基準データであってもよい。データサーバは、更新された基準データを動的に又は定期的に取得又は受信してもよく、又は、定期的に、オンデマンドで、又は要求に応じて、自動更新規則又はアルゴリズムに基づいて、入ってくる問診データの処理中に、基準データ自体を経時的に更新及び/又は調整するように構成してもよい。
【0480】
この実施形態では、データサーバ506は、実施された各個人健康問診、又は対象の構成可能な時間間隔(例えば、毎日又は3日ごと、毎週、又は他の任意の好適な時間間隔頻度)にわたる問診データの代表的なセットについて、取り込まれた生の問診データを受け取るか又は取得する。問診データは、呼吸補助装置及び/又は患者のいずれかに関連する識別情報又はデータを含むことができ、これにより、データサーバは、データベース507、又はデータサーバの若しくはデータサーバにリンクされた他の電子記憶装置内の、関連する患者のプロファイルに、生の問診データを格納又はリンクすることができる。問診データは、問診データが取り込まれた時間間隔(例えば、日付及び/又は時刻)を表すか又は示すタイムスタンプ又は時刻データも含むことができる。
【0481】
この実施形態では、データサーバ506は、患者に対する問診データ及び関連する基準データを処理して、問診データによって表されるような患者の個人的な健康状態を表す1つ又は複数のデータ報告を生成するように構成されている。1つの構成では、1つ又は複数のデータ報告は、患者に対する問診データの特定の期間又は移動窓にわたる一連の時間間隔にわたる問診データの1つ又は複数の時系列チャート、例えばグラフ又はプロットを含む。
【0482】
データサーバ506は、問診データをリアルタイムで処理して、要求に応じて1つ又は複数のデータ報告を動的に生成するように構成することができる。さらに又は別法として、データサーバ506は、問診データが到着すると、それを、表示するために1つ又は複数のデータ報告に、又は取得及び表示の用意ができている静的な若しくは更新された予め編集されたデータ報告に、レンダリングする用意ができている処理済み形式に、前処理することができる。
【0483】
この実施形態では、患者に関連する1つ又は複数のデータ報告は、データサーバ506に提供される患者及びデバイス管理プラットフォームとデータ通信している表示デバイス512を介して、医療提供者510がアクセスするか又は取得することができる。医療提供者510は、そのデータ報告に、表示画面を有し、データサーバ506にデータアクセスすることができる任意の電子デバイス(例えば、PC、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル等)を介して、アクセスすることができる。例として、表示デバイス512は、ウェブブラウザ又はウェブサイトインタフェースを介して、又は表示デバイス上で実行しているソフトウェアアプリケーションプログラム、ユーザアクセスポータル若しくはインタフェースを介して、又は任意の好適なホスト-クライアントアーキテクチャ構成を介して、患者及びデバイス管理プラットフォームにアクセスすることができる。いくつかの構成では、患者504は、呼吸補助装置のGUI、及び/又は表示画面及びデータサーバ506とのデータ通信を有する他の任意の好適な電子デバイスを介して、自身のデータ報告を表示するためにアクセスすることもできることが理解されよう。
【0484】
医療提供者の表示デバイス512は、表示のために、患者504に対して患者及びデバイス管理プラットフォーム506によって生成された(予め編集された又はリアルタイムで生成された)データ報告を取得するか又はそれにアクセスすることができ、又は、表示するためにデータ報告をさらにローカル処理するために、データ報告を表す生データ又は前処理されたデータを取得するか又はそれにアクセスすることができる。
【0485】
図20を参照して、システム500全体について、複数の異なる患者に対する個人健康問診データを管理するシステムの文脈でさらに説明する。同様の数字は同様の構成要素を表す。図示するように、いくつかの実施形態では、患者及びデバイス管理プラットフォーム506は、各々が自身の呼吸補助装置504a~504dを操作する複数の患者502a~502dに対するデータサーバとして構成されている。患者及びデバイス管理プラットフォーム506は、任意の数の個々の患者にサービスを提供するように構成することができる。同様に、患者及びデバイス管理プラットフォーム506は、複数の異なる医療提供者510a、510bが自身のそれぞれの表示デバイス512a、512bを介してアクセスすることができる。患者及びデバイス管理プラットフォームにアクセスする異なる医療提供者の数は、所望に応じて変化する可能性があることが理解されよう。
【0486】
例として、各異なる医療提供者512a、512bは、自身がモニタリング及び/又は治療している1人又は複数の患者のグループを有することができ、患者及びデバイス管理プラットフォーム506を介して自身の各々に関連付けられた記録及び/又はデータ報告にアクセスするか又はそれを要求するアクセス権又は許可を有することができる。1つの構成では、データ報告は、医療提供者によって操作される表示デバイス512からのデータ要求に応じて、患者及びデバイス管理プラットフォーム506によってリアルタイムに又は動的に生成することができる。
【0487】
いくつかの構成では、患者の呼吸補助装置502は、携帯型であるか非携帯型であるかに関わらず、1つ又は複数の他のローカル電子デバイスとデータ通信することができる。例えば、呼吸補助装置502は、患者のスマートフォン、タブレット、ウェアラブル及び/又はパーソナルコンピュータ(PC)とデータリンクされるか、又は(例えば、Bluetooth、又はWifi、又は他の任意の好適なデータ通信プロトコルを介して)データ通信することができる。リンクされた電子デバイス自体もまた、データネットワーク508を介してデータサーバ506とデータ通信することができる。いくつかの実施形態では、患者のリンクされた電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット及び/又はPC)は、呼吸補助装置によって取り込まれた問診データを受け取るか又は取得するように構成することができる。リンクされた電子デバイスは、問診データを(格納又は取得された基準データとともに)部分的に又は全体的に(データサーバに記載された処理に従って)処理するように構成することができ、次いで、処理済みデータ(例えば、データ報告及び/又は時系列チャート)を電子デバイスの表示画面において患者に提示することができる。さらに又は別法として、リンクされた電子デバイスにける処理済みデータ(例えば、データ報告及び/又は時系列チャート)は、ユーザインタフェース(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)において表示するために呼吸補助装置502に戻すように送信してもよい。
【0488】
さらに又は別法として、リンクされた電子デバイスは、生の問診データ及び/又は部分的に処理されたデータ及び/又は完全に処理されたデータを、データネットワークを介してデータサーバ506に中継又は送信するように構成することができ、これにより、データサーバ506は、データをさらに処理し、データを格納し、且つ/又は(例えば、医療提供者が自身の表示デバイス512上で)確認するために、データ又は処理済みデータ(例えば、データ報告及び/又は時系列グラフ)へのアクセスを可能にすることができる。
【0489】
さらに又は別法として、リンクされた電子デバイスは、データサーバ506から処理済みデータ(データ報告及び/又は時系列チャート)を受信するように構成することができる。処理済みデータは、リンクされた電子デバイスが要求しても、又は自動的に、定期的に、若しくはアドホック若しくは手動トリガに基づいて電子デバイスにプッシュしてもよい。リンクされた電子デバイスによって受信された処理済みデータは、リンクされた電子デバイスのディスプレイにおいて閲覧するか又はインタラクションのために提示又は表示してもよく、且つ/又は、呼吸補助装置502に、装置のタッチスクリーンディスプレイにおける表示及び/又はインタラクションのために中継又は送信してもよい。
【0490】
いくつかの構成では、患者のリンクされた電子デバイスは、直接又はデータネットワーク508を介して、呼吸補助装置502、データサーバ506、及び医療提供者の表示デバイス512とデータ通信することができる。
【0491】
いくつかの構成では、患者のリンクされた電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、コンピュータ等)は、呼吸補助装置と同様の方法で患者健康問診を患者又はユーザに提示するように構成するか又は動作可能とすることができる。この構成では、患者は、自身のリンクされた電子デバイスを介して患者健康問診を完成することができ、この電子デバイスは、さらなる処理のために、問診データを受信し、格納し、処理し、且つ/又は呼吸補助装置及び/又はデータサーバに伝送することができる。デジタル患者健康問診は、専用のソフトウェアアプリケーションプログラムを介して、又はウェブサイト若しくはブラウザインタフェース等のインタフェースを介して、リンクされた電子デバイスのディスプレイにおいて提示することができる。いくつかの構成では、リンクされた電子デバイス上で実行しているソフトウェアアプリケーション(例えば、スマートフォンアプリケーション)は、患者の問診データを呼吸補助装置に伝送することができ、呼吸補助装置は次に、次いで、処理のために問診データをデータサーバに中継する。他の構成では、リンクされた電子デバイスは、処理のために患者の問診データをデータサーバに直接送信してもよい。
【0492】
3.10 問診データのデータ報告への処理
図21を参照して、1つ又は複数の時系列チャートを含む患者データ報告を生成するためにシステム500によって実行されるデータ処理フロー520の実施形態について説明する。この実施形態例では、データ処理フロー520は、患者及びデバイス管理プラットフォーム(例えば、データサーバ506)において実装されるが、代替的な構成では、データ処理フロー又はその1つ又は複数の段階は、呼吸補助装置502又は表示デバイス512においてローカルに実施してもよいことが理解されよう。代替的な構成では、データプロセスフローのステップ又は段階のうちの1つ又は複数は、異なる順序で又は並行して行ってもよいことが理解されよう。
【0493】
データ処理フロー520は、データ要求に応じて、且つ/又は新たな入ってくる問診データに応じて自動的に、開始することができる。例えば、1つのモードでは、データ処理フロー520は、医療提供者510によって操作される表示デバイス512によるデータ報告又はデータアクセスの要求に応じて、リアルタイムで動的に実行する。別のモードでは、データ処理フロー520は、新規の入ってくる問診データを受け取ったときに自動的に実行し、それにより、更新されたデータ報告又はそうした報告のための処理済みデータが、最新の入ってくる問診データに更新及び同期され、後の時点で取得及び表示される状態になる。
【0494】
実行されたとき、データプロセスフロー520は、ステップ522において、患者に対する問診データを受け取り且つ/又は取得することによって開始する。問診データは、ある期間にわたる一連の時間間隔に関連付けられた問診データを含む。1つの構成では、期間は、最新の又は直近の問診時間間隔から、構成可能な又は事前設定された以前の時間間隔まで戻るように広がることができる。他の構成では、期間は、構成可能な開始時間間隔及び終了時間間隔(例えば、開始日及び終了日)を介して構成可能であってもよい。
【0495】
この説明の目的で、時間間隔は毎日となり、期間は暦月のデータに及ぶ。しかしながら、データプロセスフローは、任意の構成可能な時間間隔頻度及び期間(例えば、数週間又は数ヶ月にわたって毎週)に適用することができることが理解されよう。例えば、時間間隔頻度及び期間の設定は、医療提供者により、閲覧するデータの期間、並びに/又は、閲覧するデータの粒度及び/若しくは分解能に関する医療提供者の所望の閲覧嗜好に応じて、構成又は選択することができる。
【0496】
データサーバ506は、データベース507、又はデータサーバの若しくはデータサーバに関連付けられた電子データ記憶装置から、患者に対する問診データを受け取るか又は取得することができる。この例では、時系列における時間間隔(例えば、1日)にわたる問診データの各セットは、問診における質問の各々に対する回答を含む回答データ、及び/又は患者によってスキップされた任意の1つ又は複数の質問を特定するスキップされたデータを含むことができる。場合により、スキップされたデータは、問診全体を示すことがある(すなわち、すべての質問が患者によってスキップされた)。上述したように、問診データの各日は、それが取り込まれた時間間隔を識別するタイムスタンプも含む。この例では、タイムスタンプは、問診データが取り込まれた日付及び/又は時刻であってもよい。問診データは、データを患者と直接又は間接的にリンクするか又は関連付けるのに十分なID情報(例えば、患者ID、又は呼吸補助装置ID若しくはシリアル番号)も含む。
【0497】
この実施形態では、個人健康問診は、健康パラメータの1つ又は複数のカテゴリに分類又はグループ化される一連の質問を含む。1つの構成では、質問は、患者の症状に関連する症状カテゴリと、患者が服用している薬剤に関連する投薬カテゴリとにグループ化される。この構成では、回答データは、症状カテゴリの質問に関連する回答データである症状データと、投薬カテゴリの質問に関連する回答データである投薬データとに線引きすることができる。
【0498】
例として、1つの実施形態では、症状カテゴリの質問は、限定されないが、以下の健康パラメータ、すなわち、呼吸困難、喀痰産生、喀痰粘稠度、喀痰色、咳、疲労感、喘鳴重症度、胸部絞扼感、鼻詰まり及び発熱のうちの任意の1つ又は複数に関連することができる。
【0499】
例として、1つの実施形態では、投薬カテゴリの質問は、限定されないが、以下の健康パラメータ、すなわち、抗生物質、ステロイド、及び吸入器又はネブライザの使用のうちの任意の1つ又は複数に関連することができる。
【0500】
患者に対する問診データが受け取られると、データプロセスフロー520は次に進み、ステップ524に示すように、患者に対する基準データを受け取り又は取得する。患者に対する基準データは、データベース507、又はデータサーバ506の若しくはデータサーバ506がアクセス可能な他の電子データ記憶装置に格納することができる。各患者に対する基準データは、個人健康問診における各質問に対する基準値又はスコア又は回答を含むことができる。上記に考察したように、各患者に対する基準データは、患者の基準健康状態にカスタマイズすることができる。基準データは、先に考察したように、入ってくる問診データに基づいて定期的に又は継続的に更新又はリフレッシュしてもよい。
【0501】
次に、データプロセスフロー520は、ステップ526に示すように、基準データに対して問診データを処理して偏差データを決定する。偏差データは、各時間間隔について、基準データからの問診データの任意の偏差を示すことができる。偏差データは、質問ごと及び/又はカテゴリごとであり得る。偏差データは、質問及び/又はカテゴリレベルでの基準データに対する回答データの比較に基づいて、患者の健康パラメータ及び/又は全体的な健康状態の悪化、変化なし、又は好転を示すことができる。
【0502】
この実施形態例では、患者に提示される各質問は、前述したように、選択することができる多数の又は広範な回答を提供する。各質問に対する回答データは、それぞれの尺度又は回答尺度でのスコア又はランク付けを直接表すか若しくはそれに対応するか、又はある尺度での対応するスコア又はランク付けにマッピングされるか若しくは変換されるように構成されている。尺度は、一端の(例えば、「良い」健康状態を示す)望ましいスコアから他端の(「悪い」健康状態を示す)望ましくないスコアまでの範囲の一連のスコア又はランク付けを含む。スコア又はランク付け尺度は、質問の性質及び評価のための測定基準に応じて、数値若しくは絶対的であってもよく、又はリッカートタイプの尺度であってもよい。尺度は、線形、累進、対数、又は任意であってもよい。基準データは、各質問について対応する尺度に対して提供される。この実施形態では、データプロセスフロー520は、各質問の尺度を参照して、基準データに対して回答データを比較することに基づいて、偏差データを決定するように構成されている。1つの構成では、偏差データは、各患者の基準データに対する問診データの圧縮されたバージョン又は表現を表すことができる。
【0503】
偏差データを決定するか又は計算した後、データプロセスフローは次に進み、ステップ528に示すように、問診データ、基準データ及び/又は偏差データに基づいて時系列チャートデータを生成する。データプロセスフローは、表示のために生成すべき時系列チャートの性質及びタイプに応じて、1つ又は複数の異なるフォーマットの時系列チャートデータを生成することができる。1つの構成では、時系列チャートデータは、問診データ、基準データ及び/又は偏差データのコード化された又は処理済みのデータセットを含む。1つの構成では、時系列チャートデータは、問診データ、基準データ及び/又は偏差データに関連付けられ、タグ付けされ、又はコード化されたメタデータの形式である。
【0504】
1つの構成では、データプロセスフロー528は、偏差データに基づいて問診データを色分けするように構成されている。色分けデータは、時系列チャートデータを表すか、又は時系列チャートデータの一部を形成することができる。色分けは、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルに従って選択される。1つの構成では、基準に対する健康パラメータの悪化を示す「悪化」偏差カラースペクトルと、基準に対する健康パラメータの好転を示す「好転」偏差カラースペクトルとがある。問診データの色分けは、後にさらに詳細に説明するように、色分けされた時系列プロットにおいて回答データに適用するための明確なカラースペクトルを選択する。
【0505】
別の構成では、データプロセスフロー528は、各カテゴリにおける逸脱(悪化又は好転)した健康パラメータの総数を表すか又はその関数であるカテゴリ偏差パラメータを生成するように構成されている。1つの形態では、カテゴリにおける、基準値と比較して好転した健康パラメータの総数を表す「好転」カテゴリ偏差パラメータと、カテゴリにおける、基準値と比較して悪化した健康パラメータの総数を表す「悪化」カテゴリ偏差パラメータとがある。カテゴリ偏差パラメータは、問診データの時間間隔ごとのデータセットを表すことができる。カテゴリ偏差パラメータは、時系列チャートデータを表すか又は時系列チャートデータの一部を形成することができる。
【0506】
時系列チャートデータは、別個のデータセットとして、又は問診データ、基準データ及び/又は偏差データに対するメタデータ若しくは関連データとして、データベースに患者プロファイルに対して格納することができる。時系列チャートデータは、時系列チャートデータに少なくとも部分的に基づく1つ又は複数の時系列チャートの生成又はレンダリングを含む、1つ又は複数のデータ報告の生成又はレンダリングのために、任意の時点で取得又はアクセスすることができる。
【0507】
データ処理フロー520は、530に示すように、時系列チャートデータに少なくとも部分的に基づいて、問診データの1つ又は複数のデータ報告及び/又は1つ又は複数の時系列チャートを生成することを含む。これらのデータ報告及び/又は時系列チャートは、取得に先立って予め編集してもよく、又は、例えば、要求に応じてリアルタイムで動的に生成してもよい。データ報告及び/又は時系列チャートの例については、後にさらに詳細に説明する。
【0508】
3.11 複数の時系列チャートを含むデータ報告
図22は、処理済み問診データ、基準データ及び/又は偏差データに少なくとも部分的に基づいて生成又はレンダリングすることができるデータ報告540の1つの形式又はフォーマット又はレイアウトの一例を示す。この例では、データ報告は複数の時系列チャートを含むが、代替構成ではデータ報告は単一の時系列チャートを含んでもよいことが理解されよう。
【0509】
このデータ報告例540では、542で示す点線領域に示すように、患者情報セクションが提供されている。この患者情報は、氏名、生年月日、連絡先の詳細、患者IDデータ、又は他の任意の所望の患者情報等の患者データを含む。
【0510】
546で示す点線領域に示すセクションに、色分けされた時系列プロットの形式の第1時系列チャートが提供されるか又はレンダリングされている。この実施形態では、色分けされた時系列プロットは、期間(例えば、1ヶ月)にわたって毎日の問診データを描くように構成されており、各回答は、決定された基準値からの任意の偏差によって決まるか若しくはその関数であるカラースペクトルに従って、又は先に説明した色分けデータに従って、表示される。色分けスペクトルは、その尺度での回答の全体的な望ましさと、基準値に対する任意の偏差との両方を表すか又は伝える。
【0511】
前述したように、新たな問診データを取り込むために患者健康問診が提示される時間間隔は、医療提供者が構成することができる。後述する実施形態では、時間間隔は、毎日取り込まれる問診データを表す毎日の問診票であるが、別法として、時間間隔は、毎週の問診データを表す毎週の問診票であっても、又は他の任意の好適な構成可能な時間間隔若しくは頻度であってもよい。問診票を提示する時間間隔又は頻度は、限定されないが、日(例えば、1日に1回又は3日に1回等)、週(例えば、1週間に1回又は2週間に1回等)、又は月(例えば、1ヶ月に1回)等の任意の時間単位の関数であってもよい。
【0512】
544で示す点線領域に示すセクションに、時系列プロットの形式の第2時系列チャートが提供されるか又はレンダリングされている。この実施形態では、時系列グラフは、各時間間隔における各カテゴリの回答の全体的な偏差を表す1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットしている。
【0513】
各時系列チャートのさらなる説明は以下の通りである。
【0514】
3.12 色分けされた時系列プロット(カラーヒートマップ)
図23及び
図24を参照して、
図22のデータ報告の領域546に示すタイプの色分け時系列プロット例550をより詳細に説明する。
【0515】
回答データ
この例では、色分けされた時系列プロット550は、1つ又は複数の健康パラメータに関する患者の回答データを、ある期間にわたってプロットするように構成されている。この実施形態では、色分けされた時系列プロット550は、ヒートマップ、例えばカラーヒートマップの形式である。ヒートマップは、例えばクラスタヒートマップであり得る。
【0516】
ヒートマップ550における回答データのプロットされた各回答は、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために選択的に色分けされている。各回答に対して選択されるカラースペクトルは、基準データに対する回答データの任意の偏差の関数であるか又はそうした偏差に基づいている。説明したように、色分けデータは、各回答に対して選択されるカラースペクトルを定義している。
【0517】
この例では、回答データは、ヒートマップ550のキーセクションの点線セクションに示すように、3つのカラースペクトル、すなわち、基準カラースペクトル552、悪化偏差カラースペクトル554及び好転偏差カラースペクトル556のうちの1つに従って、選択的に色分けされている。他の例又は構成では、選択的色分けは、基準カラースペクトルと、(悪化偏差、好転偏差、又はその両方を表すことができる)1つのみの全体的な偏差カラースペクトルとに従ってもよい。
【0518】
基準カラースペクトル552は、関連する健康パラメータに対する患者の基準データに対応する回答データを表す。悪化偏差カラースペクトル554は、基準データに対する回答データによって表される健康パラメータの悪化又は増悪を表す。好転偏差カラースペクトル556は、基準データに対する回答データによって表される健康パラメータの好転を表す。
【0519】
基準カラースペクトル552により、医療提供者は、患者の症状及び薬剤使用量の基準がどの程度深刻であるかを迅速に見ることができる。悪化偏差カラースペクトル554及び好転偏差カラースペクトル556により、医療提供者は、患者の基準超の又は基準未満の症状及び薬剤使用量がそれぞれどの程度深刻であり又は好転しているかを迅速に見ることができる。
【0520】
この例では、基準カラースペクトル552は、1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556に対して視覚的に異なっているか又は区別可能である。基準カラースペクトル552は、1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556に対して高い視覚的コントラストを有する。偏差カラースペクトル554、556はまた、互いにも視覚的に異なっているか又は区別可能である。
【0521】
この例では、基準データに対応するか又は一致する健康パラメータに関する回答データは、基準カラースペクトル552に従って色分けされたプロットされた回答として表されている。基準データからの健康パラメータの悪化偏差を表す回答データは、悪化偏差カラースペクトル554に従って色分けされたプロットされた回答として表される。基準データからの健康パラメータの好転偏差を表す回答データは、好転偏差カラースペクトル556に従って色分けされたプロットされた回答として表される。
【0522】
例として、
図23を参照して、症状健康パラメータ「鼻詰まり」に対する回答データの色分けについてさらに詳細に説明する。「鼻詰まり」健康パラメータに関連する回答データは、ヒートマップ550の時間軸560に沿って、概して566で示すデータ行にプロットされている。点線ボックス552a内に示すデータセル内の回答データは、基準カラースペクトル552に色分けされたものである。点線ボックス554aによって示すデータセル内の回答データは、悪化偏差カラースペクトル554に色分けされたものである。点線ボックス556aで示されたデータセル内の回答データは、好転偏差カラースペクトル556に色分けされたものである。
【0523】
考察したように、各健康パラメータ質問に対する回答データは、ある尺度でのスコア又はランク付け又は段階を含むか、又はそれに変換可能である。理解されるように、各質問に対する(質問の性質に応じた)回答データは、リッカート尺度タイプの回答を含む、数値又は非数値であってもよく、各々、ある尺度でのスコア又はランク付けを直接表すか、又はそれにマッピングし、変換し、若しくは変換可能とすることができる。
【0524】
1つの構成では、尺度は離散的な値の多段階の数値尺度であってもよい。例えば、尺度は、0~4(例えば、0、1、2、3又は4から選択されるスコア又はランク付け)若しくは1~5(例えば、1、2、3、4又は5から選択されるスコア又はランク付け)の5段階の数値尺度であってもよく、又は、数値であっても又は非数値であっても、他の任意の好適な又は望ましい多段階の離散的な尺度であってもよい。
【0525】
その尺度での各スコア又はランク付けは、基準カラースペクトル552及び1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556の各々におけるそれぞれの離散的な色値に対応するか、又はそうした離散的な色値が割り当てられる。例えば、尺度が1から5までの5段階の尺度である場合、各それぞれのスコア1、2、3、4及び5は、カラースペクトルの各々における対応する離散的な色値に対応するか、又はそうした離散的な色値に割り当てられるか若しくはマッピングされる。非数値の回答選択肢又はリッカート尺度タイプの回答を含む質問もまた、ある尺度でのスコア又はランク付けに変換される。
【0526】
この実施形態では、カラースペクトルの各々のサイズは、少なくとも、質問のうちの任意のものに関連付けられた最大尺度と同じ程度に大きい。例えば、最大尺度が5段階を含む場合、各カラースペクトルも5段階の色値を有する。より小さい尺度又は二値にマッピングされる回答を有する質問は、依然として、より大きいカラースペクトル内の割り当てられた離散的な色値にマッピングされる。1つの構成では、より小さい尺度(例えば、3段階の尺度)は、カラースペクトルの中央にマッピングされる場合があり、又は尺度の下端又は上端にマッピングされる場合があり、又は尺度にわたって等間隔にマッピングされる場合がある。別の構成では、二者択一の回答又は二値(例えば、「はい」又は「いいえ」)を有する質問は、各カラースペクトルのそれぞれの極値である色値にマッピングされる場合がある。
【0527】
この実施形態では、カラースペクトル552、554、556の各々は同じサイズであり、すなわち同じ数の離散的な色値又は段階を含む。
【0528】
1つの構成では、尺度は、一方の端(例えば、尺度の開始点)にある第1の望ましいスコア又はランク付け又は段階から、尺度の他方の端(例えば、尺度の終了点)にある望ましくないスコア又はランク付け又は段階にわたるか、又はその間に定義される。望ましいスコア又はランク付け又は段階は、質問に関連付けられた健康パラメータに対する良い又はより良い健康状態を表すことができる。望ましくないスコア又はランク付け又は段階は、質問に関連付けられた健康パラメータの悪い又はより悪い健康状態を表すことができる。尺度のサイズに応じて、各端部のスコア又はランク付け又は段階の間で進行する1つ又は複数の中間のスコア又はランク付け又は段階もある。
【0529】
この実施形態では、基準カラースペクトル552及び1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556の各々は、スペクトルの一端における明るい方の色値からスペクトルの他端における暗い方の色値にわたる基調色又は主調色の離散的な色値の範囲を含む。
【0530】
1つの構成では、この尺度での望ましいスコア又はランク付け又は段階は、基準カラースペクトル552、及び望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより明るい1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556における、離散的な色値に対応するか、割り当てられるか若しくはマッピングされる。
【0531】
別の構成では、この尺度での望ましいスコア又はランク付け又は段階は、基準カラースペクトル552、及び望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより暗い1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556における、離散的な色値に対応するか、割り当てられるか若しくはマッピングされる。
【0532】
別の構成では、1つ又は複数のカラースペクトルは、望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより明るい離散的な色値に、望ましいスコア又はランク付け又は段階をマッピングするか又は割り当てることができ、1つ又は複数の他のカラースペクトルは、望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより暗い離散的な色値に、望ましいスコア又はランク付け又は段階をマッピングするか又は割り当てることができる。例えば、基準カラースペクトル552及び悪化偏差カラースペクトル554は、望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより明るい離散的な色値に、望ましいスコア又はランク付け又は段階をマッピングするか又は割り当てるように構成され、好転偏差カラースペクトル556は、望ましくないスコア又はランク付け又は段階と比較してより暗い離散的な色値に、望ましいスコア又はランク付け又は段階をマッピングするか又は割り当てるように構成されている。
【0533】
この実施形態では、各それぞれの基準カラースペクトル552及び1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556に関連付けられた基調色又は主調色は、構成可能な又は所定の色、色相、色合い、トーン又は濃淡を含む。例として、基調色又は主調色は、以下又は以下の組合せ、すなわち、原色の混合から定義又は形成される任意の色、黒色及び白色のうちの任意のもの又は組合せから選択することができる。添付図面では、(カラー図面として見た場合)青色、オレンジ色及び緑色の基調色又は主調色から形成されるカラースペクトル例を示す。添付図面を白黒図面として、又はグレースケールで見た(変換又はレンダリングした)場合、カラースペクトルは視覚的に区別可能でなくなり、黒色、白色及び/又は灰色のさまざまな濃淡として現れ、すなわち、例えば本開示では「濃淡スペクトル」として見られるか又は認識される場合がある。
【0534】
いくつかの構成では、カラースペクトルは、関連する尺度での位置、段階、スコア又はランク付けを表す、関連するしるし又はテキスト又は数字又はマーカを有することができる。いくつかの構成では、各回答データにコード化されたしるしは、その尺度での回答の好転又は悪化を示してもよい。1つの例では、しるし又はテスト又は数字又はマーカは、好転又は悪化している回答を表すか否かに応じてサイズを変えてもよい。別の例では、十字の形態のしるしが悪化を表すように提示されてもよく、目盛りが好転を表してもよい。いくつかの構成では、十字又は目盛りの数は、好転又は悪化の程度を表してもよい。別の例では、濃淡の明るさが、回答の好転又は悪化を示してもよい。例えば、カラースペクトルに応じて、濃淡が暗くなることが悪化を示してもよく、濃淡が明るくなることが好転を示してもよく、その逆も可能である。
【0535】
1つの構成では、基準カラースペクトル552に関連付けられた基調色又は主調色は、寒色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡であり、悪化偏差カラースペクトル554の基調色又は主調色は、暖色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡であり、好転偏差カラースペクトル556に関連付けられた基調色又は主調色は、寒色系の色、色相、色合い、トーン又は濃淡である。
【0536】
1つの構成では、カラースペクトル552、554、556は、すべてが互いに視覚的に区別可能か又は異なるという条件で、暖色系か又は寒色系の基調色又は主調色によって定義することができる。
【0537】
1つの構成では、カラースペクトル552、554、556は、スペクトル自体の象徴であるか又はそれを代表する基調色又は主調色によって定義することができる。例えば、基準カラースペクトル552は、青色又は別の無彩色等の基調色又は主調色によって定義することができ、悪化カラー偏差スペクトル554は、赤色等の基調色又は主調色によって定義することができ、好転偏差カラースペクトル556は、緑色等の基調色又は主調色によって定義することができる。
【0538】
上記で考察したように、ヒートマップ550における各プロットされた回答は、回答データが基準データに対応しているか又は基準データから逸脱しているかに応じて選択されるカラースペクトルに従って、色分けされる。回答は、選択されたカラースペクトル内で、尺度に対する回答データに関連付けられたスコア、ランク付け又は段階の望ましさ又は位置に対応するか又はその関数である割り当てられた色値に基づいて、色分けされる。考察したように、各健康パラメータ質問に対する回答データは、ある尺度でのスコア又はランク付け又は段階を含むか又はそれに変換可能であり、その尺度での各スコア又はランク付け又は段階は、基準カラースペクトル552及び1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556の各々におけるそれぞれの離散的な色値に対応するか、又は割り当てられるか若しくはマッピングされる。各カラースペクトルの離散的な色値は、その尺度での離散的なスコア又はランク付け又は段階を表す。
【0539】
いくつかの実施形態では、
図22及び
図23のヒートマップ例550に示すように、各回答を表すテキスト若しくは数字、又はこの尺度での回答のスコア、ランク付け若しくは段階の形式の任意選択的なしるしを、各プロットされた色分けされたデータセル内に表示することができる。他の実施形態では、プロットされたデータセルは、単に、それらが表す回答の色分けに従って色付けされた色付きデータセルであってもよい。
【0540】
1つの構成では、尺度は、一端における望ましいスコア又はランク付け又は段階を表す明るい色値から、望ましくないスコア又はランク付け又は段階を表す暗い色値まで、又はその逆によって、定義することができる。いくつかの構成では、各カラースペクトル内の色値は、フォーマット、すなわち、明るい色値ほど良いか又はより望ましい回答を表し、暗い色値ほど悪いか又は望ましくない回答を表すか、又はその逆のフォーマットに対応するか、又はそうしたフォーマットで一貫している。他の構成では、カラースペクトルフォーマットの混合があってもよく、いくつかのカラースペクトルは、明るい色値から暗い色値に進行して回答の悪化を表し、他のカラースペクトルは、明るい値から暗い値へと進行して回転の好転を表す。いくつかの構成では、カラースペクトルの性質が、カラースペクトルフォーマットの性質を決定してもよい。例えば、基準カラースペクトル552及び悪化偏差カラースペクトル552、554は、明るい色値から暗い色値に進行して回答の悪化を表してもよく、一方、好転偏差カラースペクトルは、明るい色値から暗い色値に進行して回答の好転を表してもよい。
【0541】
1つの構成では、各それぞれのカラースペクトル内の各離散的な色値は、基調色又は主調色の1つ又は複数の色特性の分散によって定義される。例えば、色特性は、強度、色合い、濃淡、明度等であり得る。こうした構成では、カラースペクトル内の各別個の色値は、基調色又は主調色の1つ又は複数の色特性のそれぞれの分散の関数であるか又は分散によって定義される。1つの例では、カラースペクトルは、各々が回答尺度での5つの別個のランク付け、スコア又は段階のそれぞれの1つに対応する、5つの別個の色値を含むことができる。例として、色値が明度の色特性に基づいて定義される場合、例えば、回答尺度での段階1に対応する色値1は、カラースペクトルを定義する基調色又は主調色の20%の明度に対応することができ、段階2に対応する色値2は40%の明度であり、段階3に対応する色値3は60%の明度であり、段階4に対応する色値4は80%の明度であり、段階5に対応する色値5は100%の明度である。
【0542】
図23及び
図24の拡大図に示すように、この実施形態では、基準カラースペクトル552及び1つ又は複数の偏差カラースペクトル554、556の各々は、データ報告内でそれぞれの色キーによって各々視覚的に表されており、色キーは、各カラースペクトルの離散的な色値を、回答データに関連付けられた尺度でのそれらの位置に関して描いている。キーは、各それぞれのカラースペクトル内の各離散的な色値の順序又は進行を示す。
【0543】
図23に戻ると、この実施形態では、カラーヒートマップ550は、プロットの時間軸560に沿った時間間隔頻度による列と、回答が関連する1つ又は複数の健康パラメータによる健康パラメータ軸562に沿った行とでプロットされている、回答を含む。カラーヒートマップ550は、データセルの2次元(2D)配列又は行列であるとみなすことができる。
【0544】
1つの構成では、回答データは、回答データがユーザによって入力された時間間隔を表す関連する時間間隔データを有し、回答は、それらのそれぞれの時間間隔に従って、時系列プロットの時間軸560に沿って、配列、スタック又は列でデータセルとしてプロットされ、時間間隔をまたがる回答は、健康パラメータ軸562上のそれらの関連する健康パラメータに従って行に位置合わせされる。
【0545】
この例では、横時間軸560は、1ヶ月の期間にわたって延びているが、軸の長さ又は持続時間は、(開始日及び終了日、又は例えば特定の日数又は時間窓によって指定される)異なる範囲の個人健康問診データを取り込むために、エンドユーザによって構成可能であってもよいことが理解されよう。図示するように、時間軸は、データのそれぞれの列が取り込まれた時間間隔を表す目盛りラベルを含む。この例では、目盛りラベルはデータが取り込まれた日付又は暦日を表す。
【0546】
この例では、縦方向の健康パラメータ軸562は、回答データが関連するそれぞれの健康パラメータ質問を定義する。図示するように、データの各行の軸の目盛りラベルは、回答データの各行に関連付けられた健康パラメータを定義する。任意選択的に、各健康パラメータ質問についてユーザが利用可能な回答尺度又は回答選択肢の範囲を示すテキスト又は情報もまた、健康パラメータラベルの隣に表示してもよい。
【0547】
この例では、縦方向の健康パラメータ軸562は、健康パラメータラベル又は回答データの行をカテゴリによってグループ化するように構成されている。図示するように、症状に関連する健康パラメータ質問は、合わせてグループ化され、カテゴリの見出しでラベル付けされ、投薬に関連する健康パラメータ質問は、合わせてグループ化され、カテゴリの見出しでラベル付けされる。
【0548】
この例では、ヒートマップは、わずかに離隔した個々のプロットされたデータセルを含む。代替的な構成では、データセルは、行及び/又は列のデータセル間に間隔を空けずに連続していてもよい。
【0549】
この例では、回答データは、その関連する時間間隔及び健康パラメータの座標に基づいて、ヒートマップ550のその対応するデータセルにプロットされる。各回答のデータセルは、基準データからのその偏差(ある場合)に基づいて、その選択されたカラースペクトルに従って色分けされる。この例では、回答は、基準と一致する場合は基準カラースペクトル552に、基準よりも悪い場合は悪化偏差カラースペクトル554に、基準よりも好転である場合は好転偏差カラースペクトル556に色分けされる。次いで、選択されたカラースペクトルから回答に割り当てられる特定の色値は、回答が回答尺度で表すスコア、ランク付け又は段階に割り当てられた色値によって決まる。先に考察したように、カラースペクトルの選択と、選択されたカラースペクトル内の色値の割当てとは、回答データと、基準データ及び/又は基準データからの任意の偏差を表す偏差データとに基づく。先に考察したように、データセルに対するこの色の割当ては、処理済み回答データに割り当てられた色分けによって表すことができる。
【0550】
この例では、各データセルは、その選択されたカラースペクトルの色値を表示するように色分けされ、また任意選択的に、データセル内の回答の表現(たとえば、テキスト、数字、スコア、段階又はランク付け)も表示する。しかしながら、色分け自体が、回答尺度に対する公称回答、及び基準値に対する任意の偏差(例えば、悪化又は好転)の両方を表すことができるため、代替的な構成では、データセル内にいかなる追加の表現もなしに、データセルを単に色分けしてもよいことが理解されよう。
【0551】
ヒートマップ550において回答を表す色分けされたデータセルは、任意の好適な形状又はサイズであってよい。
図23では、個々のデータセル又はデータマーカは、小さいボックスとしてプロットされているが、別法として、他の形状、サイズ又は形式であってもよい。
【0552】
スキップされたデータ及びデータなし
この実施形態では、ヒートマップ550は、任意選択的に、スキップされたデータ、すなわち、ユーザによってスキップされた質問又は問診全体を示す、表現又は標示をデータセルに表示するようにも構成されている。この例では、
図23及び
図24を参照すると、スキップされたデータ表現は、564のキーに描かれている。ヒートマップ例に示すように、7月18日及び22日は、スキップされた問診(すなわち、スキップされたすべての質問)を含み、これは、これらの日のデータセルの各々における十字及び色分けなしによって表されている。他のシナリオでは、1日の質問のうちの1つ又は数個のみがスキップされ、各日を表すデータセルの列で十字によって表してもよい。任意の好適な記号、テキスト、アイコン及び/又は色分けを使用して、スキップされたデータを描くか又は表すことができることが理解されよう。
【0553】
ヒートマップにおけるスキップされたデータの標示により、医療提供者(例えば、医師)は、患者が所与の日に問診票をスキップしたがその日の治療のために自身の装置を依然として使用したか否かを、迅速に確認することができる可能性がある。通常問診票を完成させる患者が、一連の連続した日にわたって問診票をスキップするように選択した場合、患者の状態が急速に増悪したことを示す可能性があり、これは、医療提供者が介入するトリガとなる可能性がある。
【0554】
いくつかの構成では、患者による問診票の増加又は患者健康問診のコンプライアンスの上昇は、回答データ及び任意のスキップされたデータ(すなわち、スキップされた問診及び/又は問診内のスキップされた質問)を含む問診データに基づいて、検出又は特定することができる。例えば、患者は、問診票の完成に対する低いコンプライアンス又はインタラクションから、問診票の完成に対する高いコンプライアンス又はインタラクションに変化する可能性があり、この変化を検出又は特定することができる。1つの構成では、問診票の完成に対するより低いコンプライアンスは、例えば、特定の期間(例えば、特定の数の連続した日若しくは週、又は他の関連する時間間隔)にわたって、スキップされた問診の高いレベル若しくは頻度、及び/又は連続した一連のスキップされた問診によって、表される可能性がある。問診票の完成に対する高いコンプライアンスは、例えば、特定の期間(例えば、特定の数の連続した日若しくは週、又は他の関連する時間間隔)にわたって、スキップされた問診の低いレベル若しくは頻度、及び/又は連続した一連の完成した若しくは少なくとも部分的に完成した問診によって、表される可能性がある。
【0555】
いくつかの実施形態では、データサーバ506は、問診データ(例えば、回答データ及び任意のスキップされたデータ)を処理して、問診完成コンプライアンスにおける任意の著しい変化を特定又は検出することができる。例えば、データサーバ506は、1つ又は複数の閾値に基づいて、且つ/又は、患者が、客観的基準に基づいて、若しくは問診完成コンプライアンスに関する自身の基準データ又は履歴データに対して、低コンプライアンスの状況又はカテゴリから高コンプライアンスの状況又はカテゴリに移行した場合に、問診完成コンプライアンスの著しい上昇を特定するように構成することができる。問診完成コンプライアンスにおける著しい変化を特定するためのこれらの閾値及び/又はカテゴリ及び/又は基準は、例えば、医療提供者が予めプログラムするか又は構成可能とすることができる。問診完成の挙動の任意のこうした検出された変化に関連付けられた日付及び/又は時刻データは、その後の医療提供者への報告、アラート及び/又は通知のために記録又はマークすることができる。例えば、問診コンプライアンスの上昇は、患者の状態の悪化を示す場合がある。患者は、通常よりも気分が悪いときに、患者健康問診に関与する可能性が高くなる可能性がある。
【0556】
1つの構成例では、データサーバ506は、患者の問診完成コンプライアンスの変化(例えば、上昇)の検出を示すデータを生成することができ、生成されたデータ報告、時系列プロット(例えば、ヒートマップ)及び/又は時系列グラフのうちの任意のものにおいて、視覚的に、患者のコンプライアンス又は関与挙動におけるこの変化にフラグを立て、こうした変化をマークし、且つ/若しくは通知することができ、又は、その変化を示すメッセージ、アラート又は通知を医療提供者に送信することができる。1つの例では、問診完成挙動の検出された増加に関連付けられた日又は時間間隔のヒートマップ550における回答データ又はデータセルの列は、医療提供者に変化をアラート通知するために、記号、オーバーレイ要素、背景要素又はグラフ標示で、強調表示し、陰影付けし、又は他の方法で視覚的に識別又はマークすることができる。別の例では、医療提供者がデータサーバ506(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)の医療提供者ポータルにログインしたか又は他の方法でアクセスしたとき、医療提供者のダッシュボード又はホームページに挙動の変化(したがって、患者の状態の悪化の可能性)に関するメッセージ又は通知を表示することができる。
【0557】
この実施形態では、ヒートマップ550は、任意選択的に、データセルに「データなし」又は「デバイスインタラクションなし」を示す表現又は標示を表示するようにも構成される。
図23を参照すると、7月30日から8月1日の日付は、それらの日にデータが関連付けられていないことを示すテキスト表現を描いている。この「データなし」標示は、スキップされたデータとは別個である。スキップされたデータは、ユーザ又は患者がその日に自身の呼吸補助装置とインタラクトしたが、問診又は問診内の特定の質問をスキップすることを選択したことを表す。対照的に、「データなし」は、ユーザ又は患者がその日の間に呼吸補助装置とまったくインタラクト(例えば、呼吸補助装置を開始又は使用)しなかったことを示す。ヒートマップは、テキスト、記号、アイコン、マーカ、色分け等、任意の形式の好適なデータなしのグラフィカル指標を用いて、このインタラクションなしを表すことができる。
図23に示す例では、データなしのグラフィカル指標は、関連する日又は時間間隔にわたるデータセルの空白列とテキスト指標「データなし」とによって描かれている。
【0558】
データなし指標により、医療提供者は、所与の日に患者が自身の呼吸補助装置をまったく操作していないか否かを迅速に確認することができる。これは、患者が入院している可能性を示唆しており、これにより、患者が自宅に戻り、再び自身の装置の使用を開始したときに、装置の設定を調整する必要があることを医療提供者に示すことができる。データなし指標により、医療提供者は、患者の呼吸補助装置への関与を評価することができる。医療提供者は、チャートにおける表示されたデータなし指標に基づいて、1日又は複数の連続した日にわたって装置の使用がなかったことを迅速に判断することができる可能性があり、この獲得した知識に基づいて適切な対応をとることができる。
【0559】
いくつかの構成では、データサーバ506は、いずれの時間間隔にユーザインタラクションなし、すなわちデータなしがあったかを示すデータを呼吸補助装置から受信するように構成されている。これは、呼吸補助装置が次に「オンライン」になり、データサーバとデータ通信するときに送信される別個のデータセットであってもよい。別法として、特定の1つ又は複数の時間間隔にわたって問診データが受信されない場合に、データサーバがデータなし情報を推論又は決定してもよい。1つの構成では、各時間間隔(例えば1日)は、後に、データサーバで受信された問診データのセットで更新されるまで、デフォルトの「データなし」ステータスを有していてもよい。
【0560】
いくつかの実施形態では、基準データ及び/又は偏差データに基づく回答データの色分けは、回答データ及び基準データの圧縮データセットを表す。各回答に関連付けられた色分けデータは、回答と基準に対する任意の偏差との両方をコード化する。例えば、回答にコード化された色値は、(基準値からの任意の偏差を示す)選択されたカラースペクトルと、(各色値が回答尺度でのランク付け、スコア又は段階にマッピングされるため)回答尺度での実際の回答との両方を表すことができる。
【0561】
患者の生理学的パラメータデータ、治療設定データ及び/又はガス流データ
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する時系列チャート(例えば、550等の色分けされた時系列プロット若しくはカラーヒートマップ、及び/又は570等の時系列プロット若しくはグラフ)のうちの任意のものは、1つ又は複数の測定された、検知された、若しくは決定された患者パラメータ、及び/又は治療設定、及び/又はガス流特性に関連するか又はそれらを示す、データ又はデータタイプをさらにプロットするように構成することができる。
【0562】
例として、先に説明したように、装置のコントローラは、呼吸数、酸素飽和度、1回換気量、スパイロメトリデータ及び/又は他の関連パラメータ若しくは指数(例えば、ROX指数)、及び/又は治療設定データ及び/又はガス流データ(例えば、圧力、流量、吸入酸素分画FiO2データ、及び/又は送達酸素分画FdO2データ)等、患者の1つ又は複数の生理学的パラメータを示すデータを経時的に検知、受信又は判断するように構成することができる。
【0563】
1つの構成では、550等のカラーヒートマップは、さらに、カラーヒートマップにおいて、患者健康問診からの回答データと並んで、患者パラメータデータ及び/又は装置治療設定データ及び/又はガス流データのうちの任意の1つ又は複数をプロットすることができる。
【0564】
1つの構成では、ヒートマップにおける患者パラメータデータ、治療設定データ及び/又はガス流データのための1つ又は複数の追加のデータ行は、ヒートマップの症状及び投薬データ行及び見出しに使用されるフォーマットと同様に、カラーヒートマップ内の「患者パラメータ」、「治療設定」、「ガス流パラメータ」等の独自のカテゴリ見出しの下にグループ化及びプロットすることができる。他の構成では、患者パラメータデータ、治療設定データ、及び/又はガス流データは、カラーヒートマップ550の縦軸562に沿った他の任意の好適な又は所望の位置又はデータ行で、時間軸560に対してプロットしてもよい。
【0565】
1つの構成では、570等の時系列グラフ又はプロット(例えば、折れ線及び/又は棒プロット又はグラフ)は、さらに、患者パラメータデータ及び/又は装置治療設定データ又はガス流データのうちの任意の1つ又は複数を、患者健康問診からの回答データと並べて、追加の折れ線グラフ及び/又は棒グラフとしてプロットすることができる。
【0566】
この追加のデータをカラーヒートマップ550のそれら自体のそれぞれの行に、患者健康問診に対する回答データと並べてプロット又はレンダリングするいくつかの具体例について、後述するが、それらの例は、記載した追加のデータタイプのうちの任意のものに適用又は使用することができることが理解されよう。上述した又は後の例で述べる追加のデータタイプ(例えば、患者パラメータ、治療設定及び/又はガス流パラメータ)のうちの任意のものもまた、他の時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものにプロットすることができることも理解されよう。
【0567】
1つの実施形態では、システム(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム又はダッシュボード)に、医療提供者等のユーザが、いずれのパラメータを時系列チャート(例えば、550等のカラーヒートマップ及び/又は570等の時系列グラフ)に表示又はプロットすべきかを選択又は設定することができるようにする、ユーザインタフェースが提供されている。例えば、医療提供者は、症状及び投薬カテゴリからいずれの健康パラメータを表示すべきかを構成することができる。医療提供者はまた、測定又は決定された患者パラメータデータ及び/又は装置治療設定データ及び/又はガス流データから、追加のデータタイプ又はパラメータのうちのいずれの1つ又は複数を、時系列チャートにプロット又は表示すべきかを構成することもでき、それらの例については上述しておりさらに後述する。
【0568】
呼吸数データ
1つの構成例では、カラーヒートマップ550は、さらに、ヒートマップのデータ行に患者の呼吸数を表すデータをプロットするように構成することができる。1つの例では、生の呼吸数データを、ヒートマップの行のデータセルにプロットするのに好適なフォーマットに、処理し、変化させ、マッピングし、又は変換することができる。1つの構成では、ヒートマップの時間軸に対応する治療セッション又は離散的な時間間隔にわたる患者の呼吸数データを、その治療セッション又は時間間隔を表す離散的な呼吸数値に変換することができる。1つの例では、離散的な呼吸数値は、カラーヒートマップのデータセルに対応する治療セッション又は他の離散的な時間間隔にわたる患者の平均呼吸数を表すことができる。
【0569】
離散的な呼吸数値は、生フォーマット(例えば、数値の平均呼吸数値)でヒートマップの関連するデータセルにプロットしてもよく、又は、前述した回答データ尺度と同様の尺度でのスコア又はランク付けに変換するか又は変化させてもよい。例として、平均呼吸数値は、前述したタイプの多段階ランク付け尺度での離散的な呼吸数スコア又はランク付けに分類又はマッピングしてもよい。1つの構成では、尺度の一端にある呼吸ランク付けは、良い又は健康な呼吸数を表すことができ、尺度の他端にあるランク付けは、不健康な呼吸数を表すことができる。例えば、治療セッション又は時間間隔にわたる平均呼吸数値は、5段階尺度(例えば、0、1、2、3、4)又は患者の健康問診の回答データに関連して前述したタイプの他の任意の好適なランク付け尺度にマッピング又は変換してもよい。
【0570】
いくつかの構成では、呼吸数スコア又はランク付けデータは、カラーヒートマップ550の呼吸数データ行のそのそれぞれのデータセルにプロットすることができる。いくつかの構成では、各呼吸数スコア又はランク付けもまた、患者健康問診の回答データと同様の方法で、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために色分けすることができる。例えば、患者についての格納された基準データは、基準呼吸数データ(例えば、治療セッション又は関連する時間間隔にわたる患者の平均呼吸数)を含むことができる。各呼吸数スコアは、カラーヒートマップ550に表示するために、患者の基準呼吸数スコアデータに対する呼吸数スコアの任意の偏差の関数として又はそうした偏差に基づいて色分けすることができる。
【0571】
さらに又は別法として、呼吸数データは、時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものに、そのそれぞれの棒又は折れ線又は他のプロットされた指標又はマーカとともにプロット又は表示してもよい。
【0572】
酸素飽和度データ(例えば、SpO2データ)、FiO2データ、ROXデータ
1つの構成例では、カラーヒートマップ550は、さらに、患者の酸素飽和度を表すデータ(例えば、SpO2データ)をヒートマップのデータ行にプロットするように構成することができる。上記で前述したように、SpO2データは、限定されないがパルスオキシメータ又はウェアラブルセンサ等の外部センサによって、コントローラに提供される場合がある。呼吸数データ例と同様に、生のSpO2データを、ヒートマップの行のデータセルにプロットするのに好適なフォーマットに処理し、変化させ、マッピングし、又は変換することができる。1つの構成では、ヒートマップの時間軸に対応する治療セッション又は離散的な時間間隔にわたる患者のSpO2データを、その治療セッション又は時間間隔を表す離散的なSpO2値に変換することができる。1つの例では、離散的なSpO2値は、カラーヒートマップのデータセルに対応する治療セッション又は他の離散的な時間間隔にわたる患者の平均SpO2を表すことができる。
【0573】
呼吸数データ例と同様に、離散的なSpO2値は、生フォーマット(例えば、数値平均SpO2値)でヒートマップにおけるその関連するデータセルにプロットしてもよく、又は、ある尺度でのスコア又はランク付けに変換するか、変化させるか、又はマッピングしてもよい。尺度は、尺度の一端が良い又は健康なSpO2を表し、尺度の他端が不健康なSpO2を表す、多段階ランク付け尺度(例えば、0、1、2、3、4の5段階尺度)であってもよい。
【0574】
いくつかの構成では、SpO2スコア又はランク付けデータは、カラーヒートマップ550のSpO2データ行のそのそれぞれのデータセルにプロットすることができる。他の構成では、各SpO2スコア又はランク付けもまた、患者健康問診の回答データと同様の方法で、基準カラースペクトル及び1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために色分けすることができる。例えば、患者についての基準データは、基準SpO2データ(例えば、治療セッション又は関連する時間間隔にわたる患者の平均SpO2)を含むことができる。各SpO2スコアは、カラーヒートマップ550に表示するために、患者の基準SpO2スコアデータに対するSpO2スコアの任意の偏差の関数として又はそうした偏差に基づいて色分けすることができる。
【0575】
別の構成例では、カラーヒートマップ550は、さらに、ヒートマップのそれぞれの1つ又は複数のデータ行に、吸入酸素分画FiO
2及び/又はROX指数を表すデータをプロットするように構成することができる。こうした構成では、ヒートマップにおけるプロットされたFiO
2及び/又はROX指数のデータは、装置のコントローラがSpO
2を一定に維持又は保持するように構成されているか、又はSpO
2設定値を目標としているシナリオにおいて、より有益である可能性がある。例として、ヒートマップにFiO
2データを表示することにより、目標SpO
2設定値を維持するために、閉ループフロー療法中に装置がどれくらいの酸素を供給しなければならないかを示すことができる。同様に、FiO
2の関数としてROX指数値として、ROX指数データをプロットするために。特に、ROX指数データは以下の式で計算される。
【数1】
式中、RRは呼吸数である。
【0576】
FiO2データ又はROX指数データは、上述した呼吸数データ及びSpO2データに関して記載したものと同じ方法又はフォーマットで、ヒートマップのそれぞれのデータ行にプロットすることができる。例えば、FiO2データ又はROX指数データを、治療セッション又は関連する時間間隔にわたって平均して、離散的なFiO2データ値及び/又は離散的なROX指数データ値を生成することができる。離散的なFiO2値又はROX指数値は、生フォーマットでヒートマップにプロットしてもよいが、前述したタイプの関連する多段階ランク付け尺度に従って、それぞれのFiO2スコア若しくはランク付け又はROX指数スコア若しくはランク付けに分類し、マッピングし、又は変換してもよい。FiO2スコア及び/又はROX指数スコアは、その後、ヒートマップのそれぞれのFiO2データ行及び/又はROX指数データ行のそれぞれのデータセルにプロットすることができる。いくつかの構成では、FiO2スコア及び/又はROX指数スコアは、基準カラースペクトル、及び患者についての格納されたそれぞれのFiO2及び/又はROX指数基準データに対するスコアの任意の偏差に基づく1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために色分けすることができる。
【0577】
さらに又は別法として、SpO2データ、FiO2データ及び/又はROX指数データは、時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものに、それぞれの棒又は折れ線又は他のプロットされた指標又はマーカとともにプロット又は表示してもよい。
【0578】
1回換気量データ
いくつかの構成では、呼吸補助装置はまた、NIV療法のためのガスの流れを提供するために、NIVモードで選択的に動作可能であり得る。こうした構成では、装置のコントローラは、治療セッション中の患者の1回換気量を表すか又は示す1回換気量データを検知し、測定し、又は決定するように構成することができる。
【0579】
別の構成例では、カラーヒートマップ550は、さらに、ヒートマップのデータ行に患者の1回換気量を表すデータをプロットするように構成することができる。上記の例のうちの任意のものと同様に、1回換気量データを、各治療セッション又は関連する時間間隔にわたる離散的な1回換気量値に変換することができる(例えば、治療セッション又は関連する時間間隔ごとの平均1回換気量を決定することができる)。1つの構成では、離散的な1回換気量値は、次いで、ヒートマップの1回換気量データ行のそれらのそれぞれのデータセルに生の数値としてプロットすることができる。別の構成では、離散的な1回換気量値は、前述したタイプの関連する多段階ランク付け尺度に従って、対応する1回換気量スコア又はランク付けに分類し、変換し、又はマッピングしてもよい。次いで、1回換気量スコア又はランク付けを、ヒートマップの1回換気量データ行のそれぞれのデータセルにプロットすることができる。いくつかの構成では、1回換気量スコアは、他の表示データと同様の方法で、基準カラースペクトル、及び患者について格納された1回換気量基準データに対するスコアの偏差に基づく1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために色分けすることができる。
【0580】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置がNIV療法を提供するためにNIVモードで動作している場合、装置のコントローラは、患者の呼吸周期の検出された吸気相及び呼気相に基づいて患者に対する呼吸数データを決定するように構成することができ、このコントローラが導出する呼吸数データは、上記の先の呼吸数データ例で記載したものと同様の方法で、カラーヒートマップの呼吸数データ行に、又は時系列グラフの棒又は線として、プロットすることができる。
【0581】
さらに又は別法として、患者の1回換気量データは、時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものに、それぞれの棒又は折れ線又は他のプロットされた指標又はマーカとともにプロット又は表示してもよい。
【0582】
スパイロメトリ及び/又は肺性能データ
1つの構成例では、カラーヒートマップ550は、さらに、患者の肺性能測定値又は肺機能診断値を表すスパイロメトリ又はスパイロメトリタイプのデータをさらにプロットするように構成することができる。
【0583】
1つの実施形態では、呼吸補助装置及び/又はデータサーバは、既製の又は外部のスパイロメータデバイス又はシステムに作動的に接続し、スパイロメータデバイス又はシステムによって決定又は検知されたスパイロメータデータ又は他の肺機能測定データを受け取るように構成することができる。呼吸補助装置及び/又はデータサーバは、例えば有線又は無線のデータ接続を介してスパイロメータデバイス又はシステムに作動的に接続することができる。
【0584】
別の実施形態では、呼吸補助装置は、診断又はスパイロメトリモードで、又はスパイロメトリデバイスとして動作可能であってもよい。1つの例では、呼吸補助装置は、呼吸導管の端部に取付け可能である取外し可能な測定デバイス又は付属構成要素の使用により、スパイロメトリモードで動作するように構成してもよい。患者は、測定デバイス内でガスの流れに逆らって呼気行動を行うことができる。スパイロメトリ及び/又は肺性能測定データは、呼気行動中のガスの流れの1つ又は複数の特性を測定する装置センサによって生成されたセンサデータから抽出することができる。
【0585】
上記構成のいずれかからの肺性能測定又はスパイロメトリデータは、他のヒートマップデータと並べてヒートマップ550内に表示するために受信し、格納し、処理することができる。任意の1つ又は複数の有用な肺性能測定又はスパイロメトリデータ、値又は特徴を、処理して表示することができる。こうした特徴又はデータとしては、限定されないが、例えば最大流量及び1回換気量を挙げることができる。
【0586】
いくつかの実施形態では、肺性能測定又はスパイロメトリ測定は、患者健康問診又は問診票の前、間若しくは後に、又は問診票プロセスの一部として、実施することができる。いくつかの実施形態では、問診票のための問診データの各セットは、関連する肺性能測定又はスパイロメトリデータのセットを含むことができ、すなわち、肺性能測定又はスパイロメトリデータは、問診票データと同じ頻度で取り込むことができる。他の実施形態では、肺性能測定又はスパイロメトリデータは、問診票データよりも低い頻度で取り込んで、いくつかの問診票のみが関連する肺性能測定又はスパイロメトリデータを有し、そうしたデータが、問診データよりも低い頻度で更新されるようにしてもよい。
【0587】
一実施形態では、1つ又は複数の肺性能測定又はスパイロメトリデータの特徴は、ヒートマップ550のそれぞれの肺性能又はスパイロメトリデータ行にプロットし且つ/又は表すことができる。上記の例のうちの任意のものと同様に、肺性能測定又はスパイロメトリデータを、各関連する時間間隔にわたる離散的な肺性能測定又はスパイロメトリ値(例えば、特別の時間間隔、例えば、ヒートマップで表される特定の日又は週にわたるか又はそれを表す、離散的な最大流量値又は1回換気量値)に変換することができる。
【0588】
1つの構成では、離散的な肺性能測定又はスパイロメトリデータ値は、その後、ヒートマップの肺性能測定又はスパイロメトリデータ行のそれらのそれぞれのデータセルに生の数値としてプロットすることができる。別の構成では、離散的な肺性能測定又はスパイロメトリデータ値は、前述したタイプの関連する多段階ランク付け尺度に従って、対応する肺性能測定又はスパイロメトリスコア又はランク付け(例えば、最大流量スコア及び/又は1回換気量スコア)に分類し、変換し、又はマッピングしてもよい。次いで、1つ又は複数の肺性能測定又はスパイロメトリスコア又はランク付けを、ヒートマップのそれらのそれぞれの肺性能測定又はスパイロメトリデータ行のそれぞれのデータセルに(それらが取り込まれた期間又は間隔に従って)プロットすることができる。いくつかの構成では、1つ又は複数の肺性能測定又はスパイロメトリスコアは、他の表示データと同様の方法で、基準カラースペクトル、及び患者について格納された肺性能測定値又はスパイロメトリ基準データに対するスコアの偏差に基づく1つ又は複数の偏差カラースペクトルに基づいて、表示のために色分けすることができる。
【0589】
さらに又は別法として、肺性能測定又はスパイロメトリデータのうちの1つ又は複数は、時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものに、それぞれの棒又は折れ線又は他のプロットされた指標又はマーカとともにプロット又は表示することができる。
【0590】
投薬プロンプト
患者は、退院するか若しくは病院から家に帰されるとき、又は医療機関を受診した後に、抗生物質又は他の薬剤が与えられるか又は処方されることが多い。しかしながら、患者が、気分が悪くなり始めた場合にのみ、それらを使用することを選択する場合があり、又は使用するように指示される場合がある。
【0591】
いくつかの構成では、呼吸補助装置及び/又はデータサーバが問診データを処理して、患者の健康状態が悪化しているか否かを(1つ又は複数の閾値、基準及び/又は傾向分析に基づいて)判断することができる。問診データに基づいて状態の悪化が検出又は決定された場合、呼吸補助装置のコントローラは、装置のディスプレイにおける通知若しくはメッセージ、又は患者のスマートフォン、タブレット、ウェアラブル、コンピュータ又は他の電子デバイスに送信されるか又はプッシュされるメッセージ若しくは通知を介して、患者に対して自身の処方された薬剤の使用を開始するよう促すようにトリガすることができる。
【0592】
さらに又は別法として、状態悪化の検出により、患者の医療提供者に対して、薬剤の服用を開始するように患者に勧めるか、又は患者に必要な若しくは提案される薬剤を処方するために、患者に連絡することを考慮するように、メッセージ、通知又はアラートをトリガすることができる。医療提供者へのアラート又は通知は、患者及びデバイス管理プラットフォームへの自身のインタフェースのダッシュボード又は通知パネルに表示するか、又は他の方法で、医療提供者の電子デバイス(例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル等)に直接プッシュするか若しくは送信することができる。
【0593】
トリガされた患者及び/又は医療提供者の投薬プロンプトに関連付けられたタイムスタンプ(例えば、時間間隔、時刻及び/又は日)もまた、550等のヒートマップのデータセル内の特徴若しくはグラフィカル要素として、又は570等の時系列グラフにおける指標又はマーカとして、マークし又は表示し又は強調表示するか、又はヒートマップ及び/又は時系列グラフの時間軸に対するデータ点又はマーカ又は標示として、他の方法でプロットすることができる。
【0594】
医療機関への連絡を促す
いくつかの構成では、呼吸補助装置は、問診データ及び/又は時系列チャート(例えば、550等のヒートマップ及び/又は570等の時系列グラフ)の特定の変化に応じて、患者に医療提供者に連絡するよう促すことができる。例えば、プロンプトは、視覚的且つ/又は可聴であってもよい。プロンプトは、通知、アラート若しくはメッセージ、及び/又は可聴通知、アラート若しくはメッセージの形式で、呼吸補助装置に表示し、且つ/又は患者の個人用電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、コンピュータ)にプッシュすることができる。
【0595】
1つの実施形態例では、問診データ及び/又は時系列チャート(例えば、ヒートマップ及び/又は時系列グラフ)は、呼吸補助装置及び/又はデータサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)によって処理され、データが1つ又は複数の所定の又は構成可能なトリガ基準又は閾値を満たす場合に、自身の医療提供者に連絡するプロンプトをトリガすることができる。いくつかのシナリオでは、トリガ基準は、患者の状態の全体的な悪化(例えば、3つ以上の健康パラメータの悪化)を指定してもよく、又はトリガ基準は、選択された1つ又は複数の健康パラメータの指定された程度の悪化に関連してもよい。トリガ基準は、一般的であっても患者固有であってもよい。トリガ基準は、各患者、又は同様の患者のカテゴリ、グループ又はクラスに対して、カスタマイズするか又は構成することができる。
【0596】
入院データ
前述したように、いくつかの構成では、個人健康問診は、入院又は通院に関する1つの質問又は複数の質問を患者に提示することができる。患者によって入力された応答又は回答データは、患者が呼吸関連の治療を受けて入院していた日付及び/又は期間を示すか又は表す入院日データを含むことができる。
【0597】
いくつかの構成では、この入院日データは、カラーヒートマップ550において提示、表示、及び/又は表現することができる。1つの例では、入院日データに従って患者が入院していた日、週、又は他の関連する時間間隔に関連する、ヒートマップにおけるデータ又はデータセルの1つ又は複数の列を、強調表示し、陰影付けし、又は他の方法で視覚的に識別するか、若しくは記号、オーバーレイ要素、背景要素又は他のグラフィカル標示若しくはマーカでマークすることができる。これにより、患者が自宅(又は他の任意の病院以外の場所)にいるときと入院しているときとで、ヒートマップにおける患者の色分けされた回答データを視覚的に識別することができるため、医療提供者に、ヒートマップ問診データに対する追加のコンテキストを提供することができる。
【0598】
さらに又は別法として、入院日データは、時系列グラフ(例えば、570等の棒及び/又は折れ線プロット)のうちの任意のものに、それ自体のそれぞれの棒又は折れ線又は他のプロットされた指標又はマーカとともにプロット又は表示することができる。
【0599】
患者パラメータデータに基づく問診で提示される質問
いくつかの構成では、個人健康問診において提示するために選択される質問は、少なくとも部分的に、限定されないが上記で考察したもの等、検知、測定又は決定された患者の生理学的パラメータデータのうちの任意の1つ又は複数の態様に基づくか又はそれらに応じたものであり得る。例えば、個人健康問診において提示される質問のうちのいくつかは、呼吸数データ、SpO2データ、FiO2データ、ROXデータ、1回換気量データ、スパイロメトリ若しくは肺性能データ、又は他の任意の測定若しくは検知された患者パラメータデータのうちの任意の1つ又は複数に少なくとも部分的に基づくか又はそれらに応じたものであってもよい。1つの例では、質問のうちのいくつかは、これらの患者パラメータ例のうちの1つ又は複数が関連するトリガ閾値、基準又は条件を満たすことに基づいて又はそれに応じて、個人健康問診に提示するか又は含めるためにトリガしてもよい。例えば、質問のうちのいくつかは、患者パラメータデータの1つ又は複数の態様が、予めプログラムされた又は構成可能なトリガ基準又は条件を満たすことを条件として、個人健康問診に提示することができる。こうした構成では、個人健康問診における質問の内容又はセットは、少なくとも部分的に、測定又は決定された患者パラメータデータの例の1つ又は複数の態様によって決まるか又はそうした態様に応じたものであり得る。
【0600】
図27を参照して、上記プロセスの1つの構成例について説明する。
図27のプロセス例600は、ステップ602に示すように、プロセッサ(例えば、データサーバ及び/又は呼吸補助装置のプロセッサ)が、限定されないが、呼吸数データ、SpO
2データ、FiO
2データ、ROXデータ、1回換気量データ、スパイロメトリ若しくは肺性能データ、又は任他の意の測定又は検知された患者の生理学的パラメータデータのうちの任意の1つ又は複数等の患者の生理学的パラメータデータの1つ又は複数の態様を受け取るか又は取得することで開始する。次いで、ステップ604に示すように、受け取られるか又は取得された患者の生理学的パラメータデータは、1つ又は複数のそれぞれのトリガ基準に対して処理される。トリガ基準のうちのいずれかが患者の生理学的パラメータデータによって満足された場合、ステップ606に示すように、コントローラは、トリガ基準に関連付けられた格納されたそれぞれの変更規則に従って、患者に提示すべき患者健康問診を変更するように構成される。例えば、ある特定のパラメータに関連付けられたトリガ基準は、そのトリガ基準が満たされた場合に、問診に挿入すべき1つ又は複数の追加の質問、及び/又はいくつかの質問の削除を指示する、変更規則を含むことができる。患者健康問診に対する任意の必要な変更がなされると、ステップ608に示すように、変更された健康問診は、直ちに、次に予定された問診時刻に、又は何らかの他の構成可能な時刻に、患者に提示することができる。
【0601】
データ処理
患者パラメータデータ、治療設定データ、ガス流データ及び/又は時系列グラフ(例えば、550等のヒートマップ及び570等の時系列グラフ)に表示又はレンダリングされ、且つ/又はアラート若しくは通知若しくはプロンプトをトリガするための他の任意のデータの処理は、上記の例で説明したように、呼吸補助装置のコントローラ及び/又はデータサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)によって実施することができる。
【0602】
3.13 時系列グラフ
図25A~
図25Cを参照して、
図22のデータ報告の領域544に示すタイプの時系列グラフ570の例をより詳細に説明する。
【0603】
この例では、時系列グラフ570は、偏差データに基づいて計算されたか又は偏差データによって表された、1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータ又は値をプロットするように構成されている。考察したように、偏差データは、各健康パラメータ質問に対する基準値からの回答データの任意の偏差を表す。
【0604】
この例では、横軸は、ヒートマップ550に関して記載したものと同様の性質及び構成を有する時間軸572である。特に、時間軸は、期間(例えば、月)にわたる時系列を、取り込まれた問診データに関連付けられた期間内の個々の時間間隔(例えば、日又は日付)を表す目盛りラベルとともに表している。縦軸は、カテゴリ偏差パラメータを表す偏差軸570である。
【0605】
この例では、偏差データは、各それぞれのカテゴリ内の健康パラメータのうち、各時間間隔についてそれらのそれぞれの基準データから逸脱した健康パラメータを表す、プロットするための1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータの形式の症状データ偏差及び/又は投薬データ偏差を表す。時系列グラフ570は、その期間にわたる時間間隔について、1つ又は複数のカテゴリ偏差パラメータをプロットしている。
【0606】
この例では、データサーバ506は、健康パラメータのうち、各時間間隔にわたってそれらの基準値から逸脱する健康パラメータを表すか又はその関数である1つ又は複数の症状カテゴリ偏差パラメータと、健康パラメータのうち、各時間間隔についてそれらの基準値から逸脱する健康パラメータを表すか又はその関数である1つ又は複数の投薬カテゴリ偏差パラメータとを生成するように構成されている。
【0607】
1つの構成では、各カテゴリは、カテゴリ好転偏差パラメータ及びカテゴリ悪化偏差パラメータを有する。カテゴリ好転偏差パラメータは、基準値に対して好転した偏差を有する健康パラメータの数を表すか又はその関数である。カテゴリ悪化偏差パラメータは、基準値に対して悪化した偏差を有する健康パラメータの数を表す。例えば、1つの構成では、症状カテゴリが基準値に対して好転した偏差を有する2つの回答を有していた場合、症状カテゴリ好転偏差パラメータは2となる。同様に、症状カテゴリが基準値に対して悪化した偏差を有する3つの回答を有していた場合、症状カテゴリ悪化偏差パラメータは3となる。
【0608】
1つの構成では、カテゴリ好転偏差パラメータ及びカテゴリ悪化偏差パラメータには、グラフ570にパラメータをプロットするときにそれらを識別するために、反対の極性を割り当てることができる。例えば、1つの構成では、カテゴリ好転偏差パラメータにはプラスの極性を割り当てることができ、カテゴリ悪化偏差パラメータにはマイナスの極性を割り当てることができる。別の構成では、カテゴリ好転偏差パラメータにマイナスの極性を割り当ててもよく、カテゴリ悪化偏差パラメータにプラスの極性を割り当ててもよい。
【0609】
1つの構成では、データサーバ506は、ヒートマップ550に関連する回答データの色分けに応じて又は色分けに基づいて、各時間間隔についてカテゴリ偏差パラメータを計算又は決定するように構成されている。例えば、各時間間隔についてのカテゴリ偏差パラメータは、悪化偏差カラースペクトル及び/又は好転偏差カラースペクトルに色分けされた各それぞれのカテゴリにおける回答の数に基づくか又はその関数として決定される。例えば、
図23のヒートマップを参照すると、7月28日の症状カテゴリ悪化偏差パラメータは6であり、7月28日の悪化偏差カラースペクトル554に色分けされた6個のデータセルによって表され、7月14日~17日の症状カテゴリ好転偏差パラメータは1であり、それらの日にわたる好転偏差カラースペクトル556に色分けされた1個のデータセルによって表される。
【0610】
別の構成では、カテゴリ偏差パラメータは、色分けデータを参照することなく、回答データ、基準データ及び/又は偏差データから、各時間間隔について独立したデータセットとして独立して計算又は決定してもよい。
【0611】
図25A~
図25Cに示すように、データサーバは、症状カテゴリ偏差パラメータ(好転及び悪化)と投薬カテゴリ偏差パラメータ(好転及び悪化)との両方をプロットする時系列グラフ570を、生成又はレンダリングするように構成されている。症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、同じ時系列グラフ内で、互いに視覚的に識別可能であるか、又は別個のデータセットとして視覚的に表される(すなわち、同じ縦軸572及び横軸574に関してプロットされる)。
【0612】
1つの構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、同じか又は異なるタイプのプロットで表される。
【0613】
1つの構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータは、同じ時系列グラフ内の独立したプロット、又は同じ時系列グラフ内の結合されたプロットとして表される。
【0614】
症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータのプロットは、以下のタイプのプロット、すなわち、ドットプロット、折れ線チャート又は折れ線グラフ、棒チャート、ロリポップチャート、積み上げ棒チャート及びグループ化棒チャートのうちの任意の1つ又は複数から選択される。
【0615】
1つの構成では、(
図25A~
図25Cに示すように)時系列グラフは、棒チャートとしてプロットされている症状カテゴリ偏差パラメータを含み、投薬カテゴリ偏差パラメータは折れ線チャートとしてプロットされており、又はその逆である。
【0616】
図25A~
図25Cのサンプルデータに示すように、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータを表す棒チャート及び折れ線チャートは、視覚的に重なり合う場合があるように、同じ偏差軸574に対してプロットされている。
【0617】
1つの構成では、症状カテゴリ偏差パラメータ及び投薬カテゴリ偏差パラメータを表す棒チャート及び折れ線チャートは、さらに、色、パターン又は濃淡によって互いに視覚的に識別される。
【0618】
図25Aの578に示すキーは、それぞれのカテゴリ偏差パラメータの各々のプロットについて、チャートのタイプ、及び他の任意の識別する特徴又は特性(例えば、色、パターン又は濃淡)を定義することができる。例として、
図25Aでは、キーにおける「症状悪化」に対するキー項目580aは、棒580bのように色付けされた棒チャートにリンクされているか又は対応している。キーにおける「投薬増加」に対するキー項目582aは、折れ線582bのように色付けされた折れ線チャートにリンクされているか又は対応している。キーにおける「症状好転」に対するキー項目584aは、棒584bのように色付けされた棒チャートにリンクされているか又は対応している。キーにおける「投薬減少」に対するキー項目586aは、折れ線586bのように色付けされた線グラフにリンクされているか又は対応している。
【0619】
図25Aの例では、症状カテゴリ及び投薬カテゴリの各々に対するカテゴリ悪化偏差パラメータは、横軸572よりも上方にプロットされるように、偏差軸574に対してプラスの極性が割り当てられている。症状カテゴリ及び投薬カテゴリの各々に対するカテゴリ好転偏差パラメータは、横軸572よりも下方にプロットされるように、偏差軸574に対してマイナスの極性が割り当てられている。
図25B及び
図25Cは、好転パラメータが横軸よりも上方にプロットされ、悪化パラメータが横軸572よりも下方にプロットされるように、
図25Aとは反対の極性が割り当てられた例を示す。例として、
図25B及び
図25Cでは、キーにおける「症状好転」に対するキー項目590aは、棒590bのように色付けされた棒チャートにリンクされているか又は対応している。キーにおける「投薬減少」に対するキー項目592aは、折れ線592bのように色付けされた折れ線チャートにリンクされているか又は対応している。キーにおける「症状悪化」に対するキー項目594aは、棒594bのように色付けされた棒グラフにリンクされているか又は対応している。キーにおける「投薬増加」に対するキー項目596aは、折れ線596bのように色付けされた折れ線グラフにリンクしされているか又は対応している。
【0620】
図25Cは、同じ日に各カテゴリで1つ又は複数の健康パラメータの好転と悪化との混在がある時間間隔(7月19日及び20日)があるサンプルデータの一例を示す。
【0621】
時系列グラフ570は、任意選択的に、ヒートマップに関して記載したものと同様の方法で、スキップされたデータ及び/又はデータなしを含む、時間間隔の表現及び/又は指標を表示するように構成することもできる。例として、
図22は、領域544に、点付きの棒の形式のグラフ指標を有するスキップされたデータを有する時間間隔(7月19日及び22日を参照)と、縞のある棒の形式のグラフ指標を有するデータなし(すなわち、ユーザ又は患者が呼吸補助装置とインタラクトしなかった)日(7月30日~8月1日を参照)とを描く、カテゴリ偏差パラメータの時系列グラフのバージョンを示す。プロットでは、任意の好適な形式のグラフ標示又は表現を使用することができ、これは棒であることが必須ではないことが理解されよう。
【0622】
1つの構成では、時系列グラフ570は、さらに、更新された患者治療処方が発生したか、又は処方が変更された時間間隔又は日を示す、グラフ指標又は表現を描くか又はプロットするように構成してもよい。例えば、データサーバは、処方データを受け取るか又は取得するように構成してもよく、又は処方がいつ変更されたかを他の方法で決定してもよく、グラフの時間軸上の関連する時間間隔(例えば、日)に対してこれをプロット又はマークしてもよい。
【0623】
3.14 複数の患者に対するデータのグラフィカルダッシュボード
図20を参照して記載したように、データサーバ506によってホストされる患者及びデバイス管理プラットフォームは、複数の患者に対するデータを受け取って処理するように構成されている。先に考察したように、医療提供者は、患者及びデバイス管理プラットフォームにアクセスして、自身の患者又は自身の患者の一部に関連付けられた個人健康問診データにアクセスすることができる。データサーバ506は、例えば認証データに基づいて、医療提供者が自身の患者に関連付けられたデータのみにアクセスすることを可能にする又は許可するアクセス権を有するように構成されている。
【0624】
図26を参照すると、1つの構成では、医療提供者は、自身の患者の各々についてサマリ時系列チャートを描くグラフィカルダッシュボードにアクセスするように構成することができる。例として、
図26は、医療提供者によってモニタリングされている4人の患者のグループの各患者について、
図25A~
図25Cに関して記載したタイプの時系列グラフを示すグラフィカルダッシュボードを示す。代替構成では、サマリ時系列グラフは、
図23及び
図24に関連して記載した各患者に対するカラーヒートマップであってもよい。さらに代替的な構成では、各患者に対するサマリは、患者の時系列グラフ及びカラーヒートマップの両方を表示してもよい。
【0625】
1つの構成では、グラフィカルダッシュボードは、1つ又は複数の構成可能なソート又は順序付け設定を含むことができる。例えば、医療提供者は、少なくとも部分的に、決定された優先度ステータス又は他のソート基準に基づいて、患者サマリグラフの提示をレイアウトするか又は順序付けるようにグラフィカルダッシュボードを構成することができる。
【0626】
いくつかの実施形態では、患者データは、単一のソート基準に従ってソート又は順序付けしてもよい。いくつかの実施形態では、多数の又は複数のカスケードソート基準があってもよい。例えば、患者は、最初に第1ソートパラメータ又は設定に関して順序付け、次に第2ソートパラメータに関して順序付け、以下同様に行ってもよい。
【0627】
1つの例では、データサーバは、(回答データ、スキップされたデータ及びデータなしを含む)問診データ及び基準データを処理して、健康状態又は増悪の可能性又は他の何らかの優先規則に関して順位付け又は優先順位を決定するように、患者のグループ間の優先順位を決定するように構成されている。高い優先度データ(例えば、悪い健康状態)を有する患者は、グラフィカルダッシュボードにおいて最初に又はより目立つ位置に提示される(例えば、最上部に、又は特別なフレーム若しくはウィンドウ内に提示され、又は他の方法、例えば、オーバーレイ等によって強調表示される場合がある)。
【0628】
例として、
図26では、患者の基準値に対する回答データの直近の悪化に基づき、患者に優先度で順位が付けられている。
【0629】
いくつかの構成では、医療提供者は、1人又は複数の患者のサマリグラフの位置をダッシュボード内の適所に又は特別の所望の位置にピン留め又はロックするように、ダッシュボードを構成することができる。例えば、医療提供者は、増悪しがちな患者に関するデータを、他の患者のデータに対して、グラフダッシュボード内の目立つか又は優先度の高い位置にピン留めすることができる。
【0630】
いくつかの構成では、医療提供者は、1つ又は複数の患者サマリ時系列チャートに表示するために、問診データの1つ又は複数の異なるセクション、グループ又は要素を選択するようにダッシュボードを構成することができる。例えば、医療提供者は、サマリ時系列チャート(例えば、時系列グラフ及び/又はカラーヒートマップ)に表示するために、1つ又は複数の所望の健康パラメータ(例えば、特定の症状、特定の投薬、又は他の回答データ)に関連する問診データのサブセットをカスタマイズ又は選択することができる。1つの実施形態では、データサーバのダッシュボードは、医療提供者が、患者サマリ時系列チャートに表示するためのヒートマップの1つ又は複数のセクション(例えば、データ行)を選択するように操作可能である。複数の患者に対してカスタマイズされたサマリ時系列チャートは、医療提供者のダッシュボードのメインページ又はホームページに提示することができる。1つの実施形態では、ダッシュボードは、医療提供者が各患者に対するサマリ時系列チャートに表示するデータのセクション又はサブセットをカスタマイズ又は選択することができるように動作可能であり、すなわち、表示されるサマリ時系列チャートは、医療提供者の嗜好又は構成に応じて、各患者に対して異なる可能性がある。
【0631】
グラフィカルダッシュボードにより、医療提供者がモニタリングしている各患者に対する「低分解能」又はサマリデータセットが提供され、医療提供者が、各患者に必要とされる可能性のある任意の所望の対応を感覚的につかむため、且つ/又は優先順位に関して各患者をトリアージするために、第一に完全なデータ報告をダウンロードすることも取得することも必要なしに、サマリデータを容易にスクロールし、検索し、トラバースし、且つ/又は迅速に確認することができ、それにより、最初に必要とされるデータ帯域幅、メモリ及び/又は処理が低減する。
【0632】
1つの構成では、各患者に対するサマリデータセットは、医療提供者が、例えば、患者サマリ抽出物におけるマウスクリック又はタッチスクリーン入力で選択することにより、ダッシュボードを提示するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)とインタラクトすることができるという点でインタラクティブであり得る。上記抽出物は、その患者に関するより詳細な又は完全なデータ報告、すなわち、より多くの情報を有する「より高分解能の」データセットを描く新たな画面にプルアップ又はリンクするものであり、そのため、医療提供者は、患者の治療についてさらなる判断を行うために、より詳細なデータにジャンプするか又は飛び込むことができる。例えば、ダッシュボードは、
図26に示すように、各患者に対する時系列グラフのみを表示してもよいが、さらなるインタラクションのためにそのグラフをクリック又は選択すると、
図22に示すデータ報告のように、カラーヒートマップと並んで提示される時系列グラフを含む完全なデータ報告を有する新たな表示画面にプルアップするか又は切り替わることができる。
【0633】
3.15 GUI又は表示デバイス用のグラフィカルレンダリングエンジン
いくつかの実施形態では、データ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードは、グラフィカルレンダリングエンジンによってユーザの表示デバイス512においてレンダリング又は表示することができる。このレンダリングエンジンは、データサーバ506において、表示デバイス512及び/又は呼吸補助装置502においてローカルに実施又は実装してもよく、又はレンダリングエンジンの機能がデバイス全体に広がってもよい。
【0634】
表示デバイス512は、表示画面と、データ通信と、患者デバイス及び管理プラットフォーム506へのアクセスとを有する任意の電子デバイスであり得る。グラフィカルレンダリングエンジンは、単一のプロセッサ又はデバイスによって完全に実施しても、又はデータ通信する複数のデバイスにわたって分散させてもよい。上記で考察したように、1つの構成では、グラフィックレンダリングエンジンは、データサーバ506上で動作し、ウェブプラットフォーム上のウェブブラウザを介して、又は別のソフトウェアアプリケーションを介してアクセスするために、データ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードを出力することができる。別の構成では、表示デバイス512又は呼吸補助装置502は、生データ、前処理されコード化されたデータ、並びに/又は予め編集されたデータ報告、時系列チャート及び/若しくはグラフィカルダッシュボードに対する、処理及びレンダリング機能を実行するように構成された、ローカルグラフィカルレンダリングエンジンを含むことができる。こうした構成では、データは、例えば、表示デバイス512又は呼吸補助装置502上でローカルにキャッシュし、処理することができる。
【0635】
レンダリングエンジンは、データサーバから生データ及び/又は処理済みデータを受け取り、レンダリング命令に従って、データ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードを生成する。レンダリング命令は、処理済みデータが解釈及び/又はデコードされる方法、及び、フォーマット及び位置決めを含む、その後の表示画面において提示及び/又はレイアウトされる方法を決定する。
【0636】
いくつかの構成では、レンダリングエンジンは、レンダリング命令に従って、生データを処理してデータ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードにすることができる。
【0637】
いくつかの構成では、レンダリングエンジンは、レンダリング命令に従って、前処理された且つ/又はコード化されたデータを、データ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードにレンダリングすることができる。
【0638】
いくつかの構成では、レンダリングエンジンは、レンダリング命令に従って、予め編集されたデータ報告、時系列チャート及び/又はグラフィカルダッシュボードをレンダリングすることができる。
【0639】
3.16 臨床医によるデータ報告とのインタラクティビティ及び/又は報告を考慮する対応
上述したように、表示するためにデータ報告、時系列チャート及び/又はグラフダッシュボードにアクセスする医療提供者又は他のユーザは、表示されたデータとさまざまな方法でインタラクトすることができる。
【0640】
1つの操作では、ユーザは、ズーム機能を使用してデータを拡大縮小することができる。
【0641】
別の操作では、ユーザは、クリックスルーインタラクションを提供するクリックスルー又はリンク機能を使用することができ、そこでは、ユーザは、提示されたデータの要素又は項目をクリック又は選択することができ、それらの要素又は項目は、その後、関連するか又は関連付けられたデータに自動的にリンク又はジャンプし、これには、高レベルデータと低レベルデータとの間のカスケード、又はグラフとプロットとの間の切替えが含まれる。
【0642】
図22~26に示すように、回答データは、患者によって記録された健康パラメータを視覚的に示すグラフィカル形式でプロットすることができる。1つの実施形態では、プロットされた健康パラメータにより、医療提供者は、ユーザ(患者)の健康状況をより容易に検討することができる。したがって、プロットされたデータ(すなわち、ベースラインデータに関する問診に対する処理済み応答の視覚的提示)により、医療提供者は、健康パラメータの変化を追跡し、患者の健康状態又は健康状態の変化を決定することができる。
【0643】
問診に対して患者が与えた回答及び/又は生成されたデータ報告を、医療提供者が使用して、患者の健康パラメータの変化(例えば、悪化、不変、改善)を判断することができる。
【0644】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の問診に対して患者が与えた回答及び/又は生成されたデータ報告に基づいて、サーバは、医療提供者が操作するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル、ワークステーション)にアラートを通知することができる。
【0645】
いくつかの実施形態では、医療提供者は、患者の回答又は生成されたデータ報告にアクセスすることができ、問診に対する回答の単一セッションからであるか複数のセッションからであるかに関わらず、それらの回答及び/又はデータ報告を使用して、以下のうちの任意の1つ又は複数を行う決定を下すことができる。
・呼吸補助装置によって提供される患者の治療処方を変更する。
・その患者に提示された質問をカスタマイズする。
・薬理学的介入を処方する。
・呼吸補助装置及び/又は患者のリンクされた電子デバイス(例えば、スマートフォン)にメッセージ又は通知を提供するか又はプッシュする。
・医療介入、例えば救急車を患者のところに派遣する。
・例えば、電話、電子メール、デジタルメッセージ及び/又は直接訪問によって、チェックインするように患者に連絡する。
【0646】
いくつかの実施形態では、単一セッション又は複数のセッションからの、問診に対する患者の回答及び/又は生成されたデータ報告に基づき、本装置及び/又は患者及びデバイス管理プラットフォームは、医療提供者(例えば、医師)に連絡するか、又は救急サービス(例えば、救急車サービス)に警報を出すように構成される。
【0647】
いくつかの実施形態では、患者の症状が悪化しているという決定に基づき、本装置及び/又は患者及びデバイス管理プラットフォームは、医療提供者(例えば、医師)に連絡するか、又は救急サービス(例えば、救急車サービス)に警報を出すように構成される。
【0648】
医療提供者は、患者の健康状態のプロットされた結果及び/又は生成されたデータ報告に基づいて行動を起こし得る。
【0649】
医療提供者は、患者によって提供される質問に対する回答及び/又は生成されたデータ報告を受け取り、それらの回答及び/又はデータ報告を検討することにより、呼吸補助装置の1つ又は複数の治療設定(処方)をリモートで変更することができる。流量、O2の割合、治療圧力及び/又は治療の持続時間等。
【0650】
医療提供者は、患者に提供される質問をカスタマイズすることができる。例えば、質問は、患者の健康上の必要性に目標を絞った医療パラメータをより有効に提供するようにカスタマイズすることができ、又は、質問は、患者の関心を維持するように変更することができる。
【0651】
質問に対して患者によって提供される回答及び/又は生成されたデータ報告に基づき、医療提供者は、抗生物質、ステロイド及び/又は吸入器使用を処方する等、薬理学的介入を処方することができる。
【0652】
いくつかの実施形態では、問われた質問が(同じセッションで又は以前のセッションで)以前に与えられた回答によって決まる可能性があるため、質問が変化する場合がある。例えば、コントローラは、患者の以前の応答に基づき、又は経時的な1つ又は複数の健康パラメータの変化若しくは経時的な患者の健康状態の変化に基づき、特定の質問を選択的に提示するように構成することができる。
【0653】
医療提供者は、患者の健康状態が、患者の病状のプロットされた結果及び/又は生成されたデータ報告に基づいて悪化しているか否かを判断することができる。別法として、患者の健康状態の変化をデバイスの画面に提示することができ、又は、患者が医師又は病院を受診する必要があることをユーザに示すために、呼吸補助装置によって警報を発生させることができる。
【0654】
問診に対する高いか又は望ましくないスコアによって示されるように、又は処理済み回答データ又は生成されたデータ報告に基づいて、患者が特に具合が悪い場合、そのデータをアラートとともに送信し、且つ/又は緊急処置のために医療提供者のモバイルデバイスに送信することができる。
【0655】
本開示は、呼吸補助装置のタッチスクリーンにおいて表示される、魅力のある使いやすい問診とともに、医療提供者が閲覧するために表示画面においてレンダリングするためのデータ報告への後続するデータ処理も可能にする。
【0656】
問診に対する応答を、時を得て且つ十分に情報が与えられて使用することができるために、応答は、呼吸補助装置においてローカルに又はリモートに処理され、その後、使用可能な形式で利用可能とすることが有用である。例えば、問診は、呼吸補助装置のスタートアップ時に、他の任意の選択可能な選択肢がユーザに提示される前に、一体化したタッチスクリーン上に提示することができる。
【0657】
提示された問診は、使用者を引き付けるとともに使用者の注意を引くために直感的であり得る。患者は、治療を受けるために呼吸補助装置を使用することにすでに慣れているため、問診の質問に対する回答を完成させる可能性が高くなる。さらに、問診を直感的で魅力のあるものとすることにより、患者が問診と定期的にインタラクトすることが促進されるとともに、問診が完成するのに過度に退屈なものではないことが確実になる。
【0658】
質問が、装置の一体化したタッチスクリーン上に提示されることにより、ユーザは第2デバイス(例えば、電話)を始動させるか又は取り扱う必要がないため、問診のアクセスもより容易になる。これにより、使用が容易になる(すなわち、治療及び問診を回答するのに単一のデバイスである)ため、ユーザが問診を完成する可能性が高くなる。
【0659】
3.17 患者によるデータ報告及び/又は時系列チャートのアクセス及び確認
いくつかの実施形態では、考察したしたように、患者は、患者ポータル等を通じてデータサーバ(例えば、患者デバイス及び管理プラットフォーム)にアクセスして、上記で説明した自身の処理済み回答データ、データ報告及び/若しくは時系列チャート、又はあるバージョンのそうしたデータ、報告若しくはチャートにアクセスすることができる可能性がある。
【0660】
いくつかの実施形態では、患者又はユーザは、さらに又は別法として、上記で説明した自身の処理済み回答データ、データ報告及び/又は時系列チャートを閲覧することができる。例えば、個人健康問診の終了時に、呼吸補助装置は、回答データ、又は(データサーバにおけるデータ処理と同様に)格納された又は取得された基準データに対する回答データの態様をローカルに処理することができ、呼吸補助装置のディスプレイにおいて、上記で考察したデータ報告及び/又は時系列チャートのうちの1つ又は複数(例えば、カテゴリ偏差パラメータのカラーヒートマップ及び/又は時系列グラフ)を提示することができる可能性がある。
【0661】
患者又はユーザは、ディスプレイ上のメニュー画面若しくはドロップダウンメニュー、又はタッチスクリーンのGUIにおいて提示されたデータ報告グラフィカル要素若しくはタッチボタンを介して、又はタッチスクリーンディスプレイの近くに又はそれに隣接して設けられた他の物理的ボタン又はユーザ入力要素を介して、そうしたデータ報告及び/又はチャートにナビゲートすることができる可能性がある。1つの構成では、更新された患者データ報告及び/又は時系列チャートは、各個人健康問診の完成時にタッチスクリーンディスプレイにおいて自動的にポップアップしてもよい。
【0662】
代替的な構成では、呼吸補助装置は、データ報告及び/又は時系列チャートを生成するために回答データをローカルに処理するのではなく、装置のタッチスクリーンに表示するためにデータサーバからデータ報告及び/又は時系列グラフを取得してもよい。
【0663】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置及び/又はデータサーバは、患者データ報告及び/又は時系列チャートを、患者の電子メールアドレス及び/又は任意の数の指定された電子メールアドレスに送信するように構成することができる。システムは、受信したデータ要求に応答して、定期的に自動的に且つ/又はアドホックに、電子メールを送信するように構成することができ、例えば、医療提供者は、処理済みデータが患者又は他の指定された電子メールアドレスに電子メールで送信されるように手動でトリガしてもよい。
【0664】
いくつかの実施形態では、呼吸補助装置及び/又はデータサーバは、患者データ報告及び/又は時系列チャートを、表示するために、患者(又は任意の1人若しくは複数の指定された人)のスマートフォン又はタブレット又はウェアラブルデバイス及び/又は他の携帯型電子デバイスに直接送信するか又はプッシュするように構成することができる。例えば、患者のスマートフォン又は携帯型電子デバイスは、呼吸補助装置及び/又はデータサーバから更新されたデータ報告及び/又は時系列チャートを受信又は取得するように構成されたソフトウェアアプリケーションを実行することができる。システムは、ソフトウェアアプリケーションからの受信されたデータ要求に応答して、定期的に自動的に且つ/又はアドホックに、処理済みデータを送信するように構成することができ、例えば、医療提供者は、処理済みデータが患者及び/又は他の指定された人のデバイスにプッシュされるように手動でトリガしてもよい。
【0665】
3.18 カスタム且つ構成可能な通知
いくつかの実施形態では、開示するシステムは、患者健康問診から受け取られた問診データの処理と、構成可能なトリガ基準及び/又は条件とに少なくとも部分的に基づいてトリガされる、カスタム且つ/又は構成可能な通知を医療提供者及び/又は患者に提供するように構成することができる。例えば、1つ又は複数の通知は、それぞれの構成可能なトリガ基準が満たされた場合に医療提供者に送信されるように構成することができる。
【0666】
医療提供者は、通常、多くの患者をモニタリングしており、個々の患者、及び/又は同様のプロファイルを有する患者のグループ若しくはクラスに対して、特定の通知をカスタマイズ及び構成することができることにより、アプリケーションによっては、患者モニタリング及び患者の評価の効率を向上させることができる。
【0667】
通知
「通知」という用語は、任意の電子的通知、アラート、メッセージ又は警報を包含するように意図されている。通知は、視覚的、可聴及び/又は触覚的であり得る。視覚的通知は、所望の通知情報を伝達するためのテキスト、像、記号、アイコン、グラフィック、アニメーション、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。可聴通知は、所望の通知情報を伝達するための音、音声、又は他の任意の適切な可聴音を含むことができる。
【0668】
通知は、呼吸補助装置、データサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)のユーザインタフェースに表示又は提示し、且つ/又は医療提供者及び/又は患者の電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、PC、ウェアラブル等)に送信するか若しくは又はプッシュすることができる。
【0669】
それぞれのトリガ基準に基づいて通知をトリガするための問診データの処理は、呼吸補助装置、データサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)、及び/又は呼吸補助装置及び/又はデータサーバのいずれかとデータ通信している別の接続又はリンクされた電子デバイスで実施することができる。
【0670】
通知の構成
患者及び/又は患者グループに対する1つ又は複数の通知を構成するプロセスは、以下でさらに説明するように、自動、半自動及び/又は手動であり得る。
【0671】
一実施形態では、各トリガ可能な通知は、通知プロファイルによって定義することができる。通知プロファイルは、通知メッセージデータ及びトリガ基準データを含むか又は定義する、関連する通知構成データを含むか又は有することができる。通知メッセージ及びトリガ基準のうちのいずれか又は両方は、構成可能又はカスタマイズ可能であり得る。
【0672】
通知メッセージデータは、通知で伝達されるメッセージ、コンテンツ又は情報を定義する。トリガ基準データは、通知をトリガするために、問診データを処理するときに満たされなければならないトリガ基準又は条件を定義する。
【0673】
一実施形態では、通知のうちの1つ又は複数は、自動的に設定することができる。例えば、各患者に対して、患者のプロファイル及び/又は患者が特定の患者グループに属するか否かに基づいて、1つ又は複数のデフォルト通知プロファイルを自動的にロードするか又は割り当ててもよい。これらのデフォルト通知プロファイルにより、患者の問診データ及び/又は他のデータがデフォルトトリガ基準を満たす場合に、デフォルト通知がトリガされることになる。
【0674】
一実施形態では、通知のうちの1つ又は複数は、半自動的に構成することができる。例えば、上記のように各患者に対して、患者のプロファイル及び/又は患者が特定の患者グループに属するか否かに基づいて、1つ又は複数のデフォルト通知プロファイルを自動的にロードするか又は割り当ててもよい。その後、医療提供者は、要求に応じて、ロードされたデフォルト通知プロファイルのうちの任意の1つ又は複数を変更、調整又は再構成することができる。例えば、医療提供者は、デフォルト通知のうちの1つ又は複数を削除するか又は無効にすることができ、又は、デフォルト通知のうちの1つ又は複数の通知メッセージデータ及び/又はトリガ基準データの1つ又は複数の態様を変更、調整又は再構成することができる。
【0675】
一実施形態では、通知のうちの1つ又は複数は、医療提供者が患者のために手動で構成することができる。例えば、医療提供者に、選択するために広範なデフォルト通知又はデフォルト通知のセットを提示することができ、医療提供者は、患者に適用するためにこれらのデフォルト通知のうちの1つ又は複数を選択することができる。1つの構成では、システムは、患者の患者プロファイル及び/又は患者が属する可能性がある任意の患者グループに基づいて、患者に適用可能であるか又は推奨することができる1つ又は複数の通知を提案することができる。医療提供者はまた、特定の患者に対する通知をさらにカスタマイズするために、選択されたデフォルト通知のうちの任意のものを変更、改変又は調整することができる。特に、医療提供者は、各選択されたデフォルト通知について通知メッセージデータ及び/又はトリガ基準データの任意の1つ又は複数の態様を変更することができる。さらに又は別法として、システムは、医療提供者がカスタム通知メッセージデータ及びトリガ基準を有する新たな通知を生成及び構成するためのインタフェースを提供することができる。
【0676】
1つの構成では、システムは、医療提供者に、上述したすべての通知構成選択肢又はモードを提供することができ、すなわち、通知に対する自動、半自動及び手動の構成選択肢が、ユーザインタフェース(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォームのGUI又はダッシュボードインタフェース)を介して提供される。別の構成では、システムは、通知構成選択肢を、自動、半自動及び/又は手動の選択肢又はモードのうちの任意の1つ又は複数に制限してもよい。
【0677】
個別患者通知
一実施形態では、システムは、医療提供者によって、ユーザインタフェースを介して、任意の特定の患者に対する個々の患者通知を作成、変更、構成、削除及び/又は追加するように動作可能である。例えば、医療提供者は、患者に関連付けられた既存の通知のうちの任意の1つ又は複数に関連付けられた設定(例えば、通知メッセージ及び/又はトリガ基準)を微調整又は変更することができ、患者のための新たな個別通知を作成又は生成することができる。
【0678】
患者グループ及び患者グループ通知
先に考察したように、患者及びデバイス管理プラットフォームは、各患者に対する患者プロファイルを格納することができる。患者プロファイルは、限定されないが、患者の詳細(例えば、氏名、住所)、人口統計学的詳細(年齢、生年月日、性別)、健康状態又は病歴、治療履歴、患者健康問診用の基準データ、処方データ又は治療設定、患者固有の識別子又はID、患者の呼吸補助装置のシリアル番号又はデバイスID等を含む、患者に関するさまざまなデータを格納することができる。
【0679】
一実施形態では、システムに、各々が患者グループプロファイルによって定義される1つ又は複数のデフォルト患者グループを提供し、又はシステムを、そうしたものを有するように構成することができる。各患者グループプロファイルは、いずれの患者が患者グループに入るかを定義又は分類する1つ又は複数のグループ基準を定義する。例えば、患者は、自身の患者プロファイルからのデータが患者グループに対するグループ基準に一致するか又はそれを満たす場合に、患者グループにリンクされるか又は割り当てられる。患者は、1つ又は複数の定義された患者グループとリンク又は関連付けられる場合があり、すなわち1つ又は複数の患者グループのメンバーである場合がある。
【0680】
一実施形態では、システムは、医療提供者が、新たな患者グループを生成又は作成するか、又は既存の患者グループのグループ基準を変更するのを可能にするように構成されている。例えば、医療提供者は、患者プロファイル内に含まれるデータ要素又はカテゴリのうちの任意の1つ又は複数に基づいて、新たなグループ及び関連するグループ基準を定義することができる。これにより、医療提供者は、同様の患者のプロファイルデータの特定の組合せを有する患者を取り込むカスタム患者グループを生成することができる。
【0681】
一実施形態では、各患者グループは、1つ又は複数の患者グループ通知を有するように構成することができる。これらの患者グループ通知は、各々、通知メッセージ及び通知のためのトリガ基準を定義する、前述したような通知構成データを有する通知プロファイルを有する。個別患者通知と同様に、システムのユーザインタフェースは、医療提供者が、任意の1つ又は複数の患者グループに対して患者グループ通知を作成、変更、削除、構成及び/又は追加することを可能にすることができる。
【0682】
システムに、任意の1つ又は複数のデフォルト患者グループに対する1つ又は複数のデフォルト患者グループ通知を提供することができる。医療提供者は、デフォルト患者グループ通知の任意の態様(例えば、通知メッセージ及び/又はトリガ基準)を変更又は調整することができる可能性がある。システムはまた、医療提供者が、任意の既存のデフォルト患者グループ及び/又は新たに作成された患者グループに対する新たな患者グループ通知を生成することを可能にするようにも、動作可能であり得る。ここでは、医療提供者は、通知メッセージ及びトリガ基準を構成及びカスタマイズすることができる。
【0683】
上記で考察したように、1つ又は複数の通知又は通知プロファイルは、患者がいずれの1つ又は複数の患者グループ(あるとすれば)に属するかに応じて、患者にリンクするか又は割り当てることができる。各患者は、自身が属する任意の患者グループに対して、個別患者通知及び/又は患者グループ通知を含むリンクされた通知を有することができる。この実施形態例では、システムは、医療提供者が新たなカスタム患者グループを作成し、且つ/又は、新たな関連する患者グループ通知を変更及び作成することができるようにする。これは、医療提供者が患者グループ通知の構成を変更することができ、この変更が、関連する患者グループ内のすべての患者のためにロールアウトされるか又はグローバルに更新されることを意味し、これは、医療提供者の患者の通知設定を更新及びカスタマイズするための効率的な機構である。
【0684】
例として、医療提供者は、以下のグループ基準、すなわち、年齢(例えば、80~84歳)、性別(例えば、男性)、喫煙者によって定義される患者グループを作成することができる。医療提供者は、このプロファイルに適合する患者は、3つの特定の健康パラメータ(例えば、咳、喀痰産生及び疲労感)がある一定の程度悪化した場合に増悪しやすいという知識を有することができる。そして、医療提供者は、この患者のグループのために、指定された程度まで言及された健康パラメータの悪化を指定するトリガ基準に基づいてトリガする、特定の患者グループ通知を構成することができる。次に、システムは、患者グループプロファイルに適合する患者の各々について入ってくる問診データをトリガ基準と比較するように構成され、グループ内の患者のうちのいずれかが、自身の問診データがトリガ基準を満たし、増悪しやすいように見える場合、医療提供者への通知をトリガする。
【0685】
通知に対するトリガ基準
(個別及び/又は患者グループに関わらず)各通知は、デフォルト及び/又は構成可能なトリガ基準を有する。これらのトリガ基準が患者に対する問診データ及び/又は他のデータによって満たされる場合、通知はトリガされる。いくつかの例では、トリガ基準は患者の基準データにも基づく。
【0686】
各通知のトリガ基準は、患者の問診データ及び/又は他の関連する患者データ(例えば基準データ)が1つ又は複数の基準又は条件を満たすことを必要とする場合がある。基準又は条件は、(患者の基準データに対する)問診データ及び/又は偏差データの1つ又は複数の健康パラメータ又は要素又はデータセットを、1つ又は複数の閾値、最大閾値、最小閾値、範囲閾値、傾向パラメータ又は閾値等と比較することができる。基準又は条件は、関連する期間の閾値又はパラメータも含むことができる。トリガ基準は、問診データを絶対閾値と比較することができ、且つ/又は問診データを患者の基準データと比較することができる。
【0687】
トリガ基準についてさらに例示するために、トリガ基準のいくつかの例を以下に示す。
・患者について健康パラメータx及びyが悪化した場合、通知をトリガする。ここで、x及びyは、問診データに取り込まれた症状健康パラメータ及び/又は投薬健康パラメータのうちの任意のものから選択することができ、その例については、
図22及び
図23に表示し記載している。
・患者についてすべての健康パラメータが悪化した場合、通知をトリガする。
・患者について健康パラメータzが悪化し、指定された期間(例えば、連続4日間)悪化したままである場合、通知をトリガする。zは、問診データに取り込まれた症状健康パラメータ及び/又は投薬健康パラメータのうちの任意のものから選択することができ、その例については、
図22及び
図23に表示し記載している。
・患者について5つ以上の健康パラメータが悪化した場合、通知をトリガする。
・患者について健康パラメータxがその基準値から3段階逸脱した場合、通知をトリガする。
・健康パラメータxが4に等しく、健康パラメータyがその基準値からマイナス方向に/悪い方向に逸脱した場合、通知をトリガする。
【0688】
トリガ基準は、何が「悪化」として適格であるかをさらに指定することができる。1つの例では、これは単に、患者の基準値から任意の段階だけ、又は一定数の段階だけマイナス方向に逸脱することを意味する場合がある。別の例では、これは単に、ランク付け又はスコアが前回の問診票と比較して任意の段階だけ、又はランク付け若しくは尺度において一定数の段階だけ悪化することを意味する場合がある。
【0689】
上記で考察したように、いくつかのトリガ基準は、1つ又は複数の選択された健康パラメータに対する問診データを、患者の基準データにとらわれずに、1つ又は複数の絶対閾値と比較することに基づいてもよい。他のトリガ基準は、問診データを基準データに基づく閾値と比較することに基づいてもよい。例えば、トリガ基準は、健康パラメータに対する偏差データ(例えば、健康パラメータのスコア、ランク付け又は回答が患者の基準からどれくらい逸脱しているか)を1つ又は複数の閾値と比較することに基づいてもよい。
【0690】
いくつかの例では、1つ又は複数の通知プロファイルに対するトリガ基準は、さらに又は別法として、少なくとも部分的に、前述した患者の生理学的パラメータデータ、治療設定データ及び/又はガス流データに基づくか又はそれに応じてもよい。例えば、こうしたデータは、トリガ基準の一部として、1つ又は複数の閾値又は条件と比較することができる。
【0691】
追加の通知設定-提示及び受取手
いくつかの実施形態では、通知プロファイルは、通知の提示の性質及び/又は通知の意図された受取手又は受取側デバイスを定義するデータ又は構成データ又は設定をさらに含むことができる。医療提供者は、通知メッセージ及びトリガ基準を構成するのと同様の方法で、ユーザインタフェースを介して、各通知プロファイルについてこれらの追加の設定を作成又は調整することができる。
【0692】
1つの例では、各通知の提示又はフォーマットは、通知プロファイルに関連付けられた提示データによって構成又は定義することができる。例えば、通知のうちのいくつか又はすべては、(例えば、ディスプレイ上のメッセージ又はアラートとしての)視覚的提示、(例えば、デバイスのスピーカを介する)可聴提示、及び/又は(例えば、デバイスの振動コンポーネントを介する)触覚的提示等、通知のための1つ又は複数の選択可能な提示選択肢を提供することができる。提示の性質は、通知を提示する意図された受取手又は受取側デバイスによって決まるか又はそれに応じるようにカスタマイズ又は構成することもできる。
【0693】
別の例では、各通知の受取手データを構成又は定義することができる。受取手データは、トリガされた通知が送信又はプッシュされる意図された受取手又は受取デバイスを定義することができる。例えば、受取手データは、通知を、患者、医療提供者、及び/又は1人(1つ)又は複数の他の第三者の受取手のうちの任意の1人(1つ)又は複数に送信又はプッシュすべきであることを定義することができる。さらに又は別法として、受取手データは、通知を送信又はプッシュすべき1つ又は複数の特定の受取デバイス又はシステムを定義してもよい。例えば、受取手データは、呼吸補助装置、データサーバ、及び/又は呼吸補助装置及び/又はデータサーバと関連付けられるか又はデータ通信する任意の電子デバイス(例えば、患者及び/又は医療提供者のスマートフォン、タブレット、PC、ウェアラブル又は他の電子デバイス)のうちの任意の1つ又は複数に、トリガされた通知を選択的に送信又はプッシュするように構成することができる。
【0694】
医療提供者がアラート通知されたことが患者に通知される
いくつかの構成では、通知は、患者に対して、自身の医療提供者に通知が送信されたときに関してアラートを通知するように構成することができる。例えば、上記で考察したように、通知は、関連するトリガ基準が満たされた場合に医療提供者に通知するように構成することができる。これらの医療提供者通知は、任意選択的に、患者に、自身の医療提供者が通知又はアラート通知されたことをアラート通知又は通知するように構成することもできる。例えば、トリガされた通知が患者の医療提供者に送信又は提示されると、これを示す通知、メッセージ又はアラートを、呼吸補助装置に(例えば、そのディスプレイに、且つ/又は装置のスピーカを介して可聴で)表示又は提示することができる。こうした構成は、例えば、患者に、自身の医師又は医療提供者が患者の状態の悪化についてアラート通知されたことを再確認させるのに有用であり得る。
【0695】
3.19 予めプログラムされた又はカスタマイズ可能なトリガ閾値又は条件
任意の態様又は対応に関連して上述したトリガ閾値又はトリガ基準のうちの任意のものは、予めプログラムされているか又はカスタマイズ可能であってもよい。例えば、トリガ閾値又はトリガ基準は、通知、メッセージ、プロンプト、個人健康問診の提示、指定された質問又は後続質問又は条件付き質問の提示、個人健康問診の提示の頻度、処理するためのデータの伝送のうちの任意の1つ又は複数をトリガすること、変更すること、及び/又は引き起こすことに関連付けることができる。これらの態様例に関連付けられたトリガ閾値、基準又は条件のうちの任意ものは、例えば、呼吸補助装置及び/又はデータサーバ(例えば、患者及びデバイス管理プラットフォーム)のユーザインタフェース、又は呼吸補助装置又はデータサーバとデータ通信している電子デバイスに関連付けられたユーザインタフェースを介して、患者及び/又は医療提供者によって予めプログラムするか又は構成可能であり得る。単に例として、トリガ閾値、基準又は条件のうちの任意のものは、少なくとも部分的に、問診データ、回答データ、スキップされたデータ、基準データ、偏差データ、入院データ、患者の生理学的パラメータデータ、治療設定データ、ガス流データ、センサデータ、及び/又は考察した他の任意のデータ若しくはパラメータのうちの任意の1つ又は複数に基づくか、又はそれらに応じてたものであってもよい。
【0696】
4.用語及び定義
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「カラースペクトル」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、色又は濃淡のスペクトル、帯域、尺度又は連続体であって、典型的には、関連する基調色又は主調色を有し、スペクトルが、限定されないが、濃淡、明度、トーン、色合い、波長及び/又は周波数等の1つ又は複数の色又はスペクトル特性においてスペクトルにわたって変化する基調色又は主調色の複数の又は広範な色値を含むものを意味するように意図されており、基調色又は主調色は、原色、原色の任意の混合、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、シアン、青色及び紫等の伝統色、黒色、白色及び/又は灰色のうちの任意の1つ又は組合せであってよく、いくつかの実施形態では、カラースペクトルは、「濃淡スペクトル」とみなされるか又はそのように知覚される場合があり、いくつかの実施形態では、カラースペクトルは、変化するしるし(例えば、テキスト、数字、アイコン、記号等)のスペクトル、帯域、尺度又は連続体であって、しるしが、回答の好転又は悪化によって決まるサイズ、形状又は態様が変化する場合がある、スペクトル、帯域、尺度又は連続体、又は上記の任意のこうしたスペクトルの組合せを表すか又はそれらを含む場合がある。
【0697】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「ヒートマップ」という用語は、文脈において別段の示唆がない限り、値又はデータが少なくとも部分的に色又は色値によって表される図又はチャート又はグラフィックの形式でのデータの表現を意味するように意図されている。例えば
図23に示す1つ例示する例では、ヒートマップは、時間尺度又は時系列にわたって色又は色が付けられたデータセルとして表されたデータを含む。
【0698】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「患者及びデバイス管理プラットフォーム」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、患者、医療提供者、デバイス製造業者、保険会社及び/又は他の権限がある当事者が、限定されないが、例えば、使用データ、コンプライアンスデータ、健康問診データ及び/又はデータ報告を含む患者データ又は情報を確認しそれらとインタラクトすること、呼吸補助デバイスの治療設定及び/又は構成、及び/又は故障及び診断情報を確認しそれらとインタラクトすること、及び/又は他の一般的な又は特定のデータ処理、フィルタリング、分析、格納、報告、ダウンロード、アップロード、伝送のうちの任意の1つ又は複数等のタスク又は機能を実行するためにアクセスすることができる、電子又はソフトウェアプラットフォーム、システム、ポータル又はインタフェースを意味するように意図されており、必ずしもではないが典型的には、こうした電子又はソフトウェアプラットフォーム、システム、ポータル又はインタフェースは、データサーバ(例えば、クラウドサーバ及び/又はウェブサイトサーバ)によってホストされ、ウェブサイトブラウザアプリケーション上のウェブサイトインタフェース等のソフトウェアアプリケーションを介して、且つ/又はホスト-クライアント型システムアーキテクチャのソフトウェアアプリケーションを介してアクセス可能である。
【0699】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「医療提供者」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、病院システム、内科医、臨床医、医師、医療コンサルタント、又は他の任意の医療専門家等、医療を提供するあらゆる関係者を含むように意図されている。
【0700】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「健康パラメータ」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、患者の精神的且つ/又は身体的状態に関連する測定可能な(客観的又は主観的)因子を意味するように意図されている。いくつかの実施形態では、健康パラメータは、患者の自身の健康についての認識に関連する主観的因子とすることができる。例えば、これは患者の全体的な感覚であってもよい。
【0701】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「健康状態」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、患者の健康パラメータに基づく患者の健康の総体的判断を意味するように意図されている。
【0702】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「データサーバ」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、プロプラエタリシステム、サードパーティシステム及びサービス、又はそれらの組合せのいずれであっても、典型的にはデータ処理、通信、ホスティング、サービス若しくはサーバアーキテクチャ、並びに/又はデータストレージサービス及び機能を提供するもの等、リモート又はクラウドベースのプラットフォーム、システム及びサーバを含む、任意のタイプ又は形式のサーバ、サーバシステム、データサービス、サーバのネットワーク、サーバプラットフォーム又はサーバサービスを意味するように意図されている。
【0703】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「コンピュータ可読媒体」又は「機械可読媒体」という語句は、文脈において別段の示唆がない限り、単一の媒体又は複数の媒体を含むものと解釈されるべきである。複数の媒体の例としては、集中型又は分散型のデータベース及び/又は関連するキャッシュが挙げられる。これらの複数の媒体は、コンピュータ実行可能命令の1つ又は複数のセットを格納する。「コンピュータ可読媒体」又は「機械可読媒体」という語句は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行され、プロセッサに本明細書に記載する方法のうちの任意の1つ又は複数を実行させる、命令のセットを格納し、符号化し、又は搬送することができる任意の媒体を含むようにも解釈されるべきである。コンピュータ可読媒体は、これらの命令のセットによって使用されるか又はそれらに関連付けられたデータ構造を格納し、符号化し、又は搬送することもできる。「コンピュータ可読媒体」及び「機械可読媒体」という語句には、限定されないが、携帯型から固定型の記憶デバイス、ソリッドステートメモリ、光媒体若しくは光記憶デバイス、磁気媒体、及び/又は命令及び/又はデータを格納し、収容し、又は搬送することができる他のさまざまな媒体が含まれる。「コンピュータ可読媒体」又は「機械可読媒体」は、非一時的であってもよい。
【0704】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合の「備える、含む(comprising)」という用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対に包含的な意味で解釈されるように、「少なくとも一部~からなる」又は「限定されないが~を含む」を意味する。本明細書及び特許請求の範囲における「備えている、含んでいる(comprising)」という用語を含む各記述を解釈する場合、その用語の前にある特徴以外の特徴も存在する可能性がある。「備える、含む(comprise)」及び「備える、含む(comprises)」等の関連用語も同様に解釈されるべきである。
【0705】
本明細書に開示する数の範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)、及びその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5及び3.1~4.7)への言及をも組み込んでいることが意図されており、したがって、本明細書に明示的に開示すすべての範囲のすべての部分範囲は、本明細書において明示的に開示されている。これらは、単に、具体的に意図されたものの例であり、列挙された最低値と最高値との間の数値のすべてのあり得る組合せは、本出願において同様に明示的に述べられているものとみなされるべきである。
【0706】
「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」、又はその両方を意味する。
【0707】
名詞に続く「(s)」の使用は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0708】
「できる」、「可能性がある」、「あってもよい」又は「あり得る」、等の条件付きの言い回しは、特に別段の定めのない限り、又は使用される文脈内で別段の理解がない限り、概して、いくつかの実施形態が、いくつかの特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝えるように意図されている。したがって、こうした条件付きの言い回しは、概して、特徴、要素及び/又はステップが、1つ又は複数の実施形態に何らかの形で必須であること、又は1つ又は複数の実施形態が、これらの特徴、要素及び/又はステップが、任意の特定の実施形態に含まれるか又はそこで実行されるべきであるかどうかを、ユーザ入力又は入力の促しの有無にかかわらず、判断するためのロジックを必ず含むことを、意味するようには意図されていない。
【0709】
本明細書で用いる場合の「ほぼ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語等、本明細書で用いる程度の言い回しは、依然として所望の機能を果たすか又は所望の結果を達成する、述べられている値、量又は特性に近い値、量又は特性を表す。例えば、「ほぼ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語は、述べられている量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内にある量を指す場合がある。
【0710】
5.全般
本明細書において、特許明細書、他の外部文献又は他の情報源を参照した場合、これは、概して、本発明の特徴を考察するための背景を提供することを目的とするものである。別段の断りのない限り、こうした外部文献への参照は、いかなる法域においても、こうした文献又はこうした情報源が先行技術であるか又は本技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0711】
上記の説明では、実施形態が徹底的に理解を提供されるように具体的な詳細を示している。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしに実施形態を実施することができることが理解されよう。例えば、ソフトウェアモジュール、機能、回路等は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図で示している場合がある。他の例では、実施形態を不明瞭にしないために、周知のモジュール、構造及び技法を詳細に示していない場合がある。
【0712】
また、実施形態について、フローチャート、フロー図、データフロー図又はブロック図として描かれるプロセスとして説明している場合があることに留意されたい。フローチャートは、動作を逐次的なプロセスとして説明している場合があるが、動作の多くは並列に又は同時に実行することができる。加えて、動作の順序を再配置してもよい。プロセスは、その動作が完了したときに終了する。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応することができる。プロセスが関数に対応する場合、その終了は、呼び出し元の関数又はメイン関数へのその関数の戻りに対応する。
【0713】
上述したシステム及び方法の態様は、限定されないが、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、スマートテレビ、ゲーム機又はモバイルデバイスを含む、任意のタイプの汎用コンピュータシステム又はコンピューティングデバイス上で動作可能であり得る。「モバイルデバイス」という用語は、ワイヤレスデバイス、携帯電話、スマートフォン、モバイル通信デバイス、ユーザ通信デバイス、携帯情報端末、モバイルハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ及びヘッドマウントデバイス等のウェアラブル電子デバイス、電子ブックリーダ及び電子コンテンツを読むことができる電子書籍デバイス、並びに/又は、通常個人が携帯し、且つ/又は何らかの形態の通信器能(例えば、無線、赤外線、近距離無線、セルラ等)を有する他のタイプのモバイルデバイスを含む。
【0714】
上述したシステム及び方法の態様は、任意のタイプの特定目的の又は特別なコンピュータ、又はマイクロプロセッサ、プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルコントローラ等を有する、任意の機械若しくはコンピュータ若しくはサーバ若しくは電子デバイス、又はクラウドベースのプラットフォーム、若しくはローカルであるかリモートであるかに関わらず、プロセッサ及び/又はサーバの他のネットワーク、又はそうしたデバイスの任意の組合せで動作可能であり、又は実装することができる。
【0715】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの任意の組合せによって実装することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実施するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体又は他の記憶装置等の機械可読媒体に格納することができる。プロセッサは、必要なタスクを実行することができる。コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構造若しくはプログラムステートメントの任意の組合せを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ又はメモリコンテンツを受け渡しによって、別のコードセグメント又はハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送等を含む任意の好適な手段を介して、渡し、転送し、又は伝送することができる。
【0716】
上記の説明において、記憶媒体は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及び/又は情報を格納する他の機械若しくはコンピュータ可読媒体を含む、データを格納する1つ又は複数のデバイスを表すことができる。
【0717】
本明細書で開示した例に関連して記載したさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、要素及び/又はコンポーネントは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックコンポーネント、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替形態では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、回路及び/又は状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングコンポーネントの組合せ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組合せ、多数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそうした構成として実装することもできる。
【0718】
本明細書に開示した例に関連して記載した方法又はアルゴリズムは、ハードウェアで直接、プロセッサによって実行可能なソフトウェアモジュールで、又はその両方の組合せで、処理ユニット、プログラミング命令又は他の指示の形式で具現化することができ、単一のデバイスに含めても、複数のデバイスにわたって分散させてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は本技術分野で既知の他の任意の形態の記憶媒体に存在することができる。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに連結することができる。代替形態では、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。
【0719】
図に例示した構成要素及び機能のうちの1つ又は複数を、本開示の範囲から逸脱することなく、単一の構成要素に再配置及び/若しくは組み合わせるか、又は複数の構成要素に具体化することができる。本開示の範囲から逸脱することなく、追加の要素又は構成要素を追加することもできる。さらに、本明細書に記載する特徴は、ソフトウェアで、ハードウェアで、ビジネスモデルとして、且つ/又はそれらの組合せで実装することができる。
【0720】
本開示の実施形態は、そのさまざまな態様において、コンピュータ実装プロセス、機械(電子デバイス、又はコンピュータプログラムを実行することができるプラットフォームを提供する汎用コンピュータ若しくは他のデバイス等)、これらの機械によって実行されるプロセス、又は製造物品において具現化することができる。こうした物品は、コンピュータプログラム命令又はコンピュータ可読データが格納されているコンピュータ可読記憶媒体を収容するコンピュータプログラム製品又はデジタル情報製品、及びこれらの製造物品を生成し使用するプロセス及び機械を含むことができる。
【0721】
本開示について、いくつかの実施形態及び例に関連して記載したが、本開示は、当業者であれば、具体的に開示した実施形態を越えて他の代替実施形態及び/又は使用、並びにそれらの明らかな変更形態及び均等物まで広がることが理解されよう。加えて、本開示の実施形態のいくつかの変形例を示し、詳細に記載したが、当業者には、本開示の範囲内にある他の変更形態が容易に明らかとなろう。また、実施形態の特定の特徴及び態様のさまざまなコンビネーション又はサブコンビネーションが作成され、依然として本開示の範囲内にあり得ることも企図されている。例えば、1つの実施形態に関連して上述した特徴を、本明細書に記載する異なる実施形態で使用することができ、そのコンビネーションは依然として本開示の範囲内にある。本開示の実施形態のさまざまなモードを形成するために、開示した実施形態のさまざまな特徴及び態様を互いに組み合わせるか又は置き換えることができることが理解されるべきである。したがって、本明細書における開示の範囲は、上述した特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。したがって、別段の定めのない限り、又は明確に矛盾しない限り、本発明の各実施形態は、本明細書に記載したその本質的な特徴に加えて、本明細書に開示した本発明の各他の実施形態からの本明細書に記載した1つ又は複数の特徴を含むことができる。
【0722】
本開示はまた、個々に又はまとめて、本開示において言及又は示した部分、要素及び特徴、並びに任意の2つ以上の前記部分、要素又は特徴の任意の又はすべての組合せにあると、広義に言うことができ、本明細書において、本開示が関連する技術分野において既知の均等物を有する特定の完全体について言及する場合、そうした既知の均等物は、個々に示されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。
【0723】
特定の態様、実施形態又は例に関連して記載した特徴、材料、特性又は群は、本セクション又は本明細書の他の部分に記載したいかなる他の態様、実施形態又は例にも、矛盾しない限り適用可能であると理解されるべきである。(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のすべて、及び/又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのすべては、そうした特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。保護は、いかなる上述した実施形態の詳細にも制限されない。保護は、(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せ、又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0724】
さらに、別個の実施態様に関連して本開示に記載したいくつかの特徴は、単一の実施態様で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施態様に関連して記載したさまざまな特徴は、複数の実施態様で個別に又は任意の好適なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴について、いくつかコンビネーションで機能するものとして上述している場合があるが、請求項に係るコンビネーションからの1つ又は複数の特徴は、場合によりそのコンビネーションから削除することができ、そのコンビネーションは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形形態として特許請求することができる。
【0725】
さらに、動作は、特定の順序で図面に示すか又は明細書に記載している場合があるが、所望の結果を達成するために、こうした動作は、示されている特定の順序で又は連続した順序で実施されること、又はすべての動作が実施されることは必須ではない。図示も記載もされていない他の動作を、方法及びプロセス例に組み込むことができる。たとえば、記載した動作のうちの任意のものの前に、後に、それと同時に、又はそれらの間に、1つ又は複数の追加の動作を実施することができる。さらに、他の実施態様において、動作を配置し直すか又は順序を設定し直すことができる。当業者であれば、いくつかの実施形態において、例示及び/又は開示したプロセスにおいて行われる実際のステップが、図に示したものとは異なる場合があることが理解されよう。実施形態に応じて、上述したステップのうちのいくつかを除去することができ、他のものを追加することができる。さらに、上記に開示した具体的な実施形態の特徴及び属性を異なる方法で組み合わせて、追加の実施形態を形成することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にある。また、上述した実施態様におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてこうした分離が必要であるものと理解されるべきではなく、記載した構成要素及びシステムは、概して、単一製品に併せて組み込むか又は複数の製品にパッケージ化することができることが理解されるべきである。
【0726】
本開示の目的で、本明細書において、いくつかの態様、利点及び新規な特徴を記載している。こうした利点の必ずしもすべてが、任意の特定の実施形態に従って達成され得るとは限らない。したがって、例えば、当業者であれば、本開示を、本明細書において教示又は示唆されている可能性がある他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示する1つの利点又は利点群を達成するように、具現化又は実施することができることが理解されよう。
【0727】
本開示の範囲は、このセクションにおける又は本明細書の別の部分における実施形態の具体的な開示によって限定されるようには意図されておらず、このセクションで若しくは本明細書の別の部分で提示するような、又は今後提示するような、特許請求の範囲によって規定され得る。特許請求の範囲の言い回しは、特許請求の範囲で採用されている言い回しに基づいて広く解釈され、本明細書において又は本出願の手続き中に記載される例に限定されるべきではなく、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
【国際調査報告】