(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】充電式バッテリーハウジングおよびそのための熱暴走防止ベントアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/383 20210101AFI20241106BHJP
H01M 50/325 20210101ALI20241106BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M50/383
H01M50/325
H01M50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529456
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022078238
(87)【国際公開番号】W WO2023091829
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519299717
【氏名又は名称】エーシーエス インダストリーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハンツマン、スティーブン、ディー.
【テーマコード(参考)】
5H012
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB08
5H012DD01
5H012DD02
5H012DD03
5H012DD07
5H012EE01
5H012EE04
5H012GG05
(57)【要約】
【要約】
バッテリーアセンブリ(10)は、バッテリーハウジング(14)と、過熱したバッテリーを冷却するためのヒートシンクとして機能する拡張金属フィルタカラー(24)を有するバッテリーベントアセンブリ(18)とを含むことができる。さらに、ベントアセンブリは、粒子フィルタおよび火炎防止器として機能し、バッテリーアセンブリ(10)内の個々のセルまたはセルバンクの外部に炎および粒子スラグの発射体が放出されるのを防止、または低減する。指向流拡張金属(DFEM)および可変拡張金属(VEM)は、重なり合う層にオフセットされた指向開口部(40)を利用して、フィルタを通過するガスまたは粒子に遠心分離またはサイクロン効果を生み出す。開口部は、カラーフィルタのラップ内で層ごとにオフセットされており、入力炎流の方向に対して炎および燃焼粒子の方向を変えるように設計されている。
【選択図】 図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーベントであって、
底壁、上壁および側壁によって囲まれた空洞を有し、前記側壁または前記上壁の少なくとも一方に1つ以上の排気口を有するハウジングであって、このハウジングはさらにその底壁にベント口を有する、ハウジングと、
前記空洞内に収容されたベントフィルタであって、前記ベントフィルタは、流路が通過できるように開口部を有する拡張金属シートを備える、ベントフィルタと、を有し、
前記ベント口から前記空洞内へ入り、前記排気口から出る流路は、前記ベントフィルタを通過するように導かれるものである、バッテリーベント。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリーベントであって、前記ベントフィルタが前記拡張金属シートの複数の重なり合った層から形成されるように前記拡張金属シートは円筒状に巻かれるものである、バッテリーベント。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリーベントであって、各後続層の開口部は、前の層の穴と揃わないように配置されるものである、バッテリーベント。
【請求項4】
請求項3に記載のバッテリーベントであって、前記開口部は、相互に異なるサイズおよび位置を有するものである、バッテリーベント。
【請求項5】
請求項2に記載のバッテリーベントであって、ベントフィルタが可変の拡張金属シートまたは指向流拡張金属シートを含むものである、バッテリーベント。
【請求項6】
請求項1に記載のバッテリーベントであって、
前記ベント口と前記ベントフィルタとの間に配置された圧力均等化膜をさらに有するものである、バッテリーベント。
【請求項7】
請求項6に記載のバッテリーベントであって、
前記圧力均等化膜と前記ベント口との間に配置されたエラストマー傘弁をさらに有するものである、バッテリーベント。
【請求項8】
請求項2に記載のバッテリーベントであって、
前記ベント口と前記ベントフィルタとの間に配置された圧力均等化膜をさらに有するものである、バッテリーベント。
【請求項9】
請求項8に記載のバッテリーベントであって、
前記圧力均等化膜と前記ベント口との間に配置されたエラストマー傘弁をさらに有するものである、バッテリーベント。
【請求項10】
バッテリーハウジングアセンブリであって、
ベント開口部を有するバッテリーハウジングと、
前記ベント開口部内に配置されたバッテリーベントであって、
底壁、上壁および側壁で囲まれた空洞を有し、前記側壁または前記上壁の少なくとも一方に1つ以上の排気口を有するベントハウジングであって、このハウジングはさらに、前記ベント開口部と連通するベント口を底壁に有する、ベントハウジングと、
前記空洞内に収容されたベントフィルタであって、前記ベントフィルタは、流路が通過できるように開口部を有する拡張金属シートを有する、ベントフィルタと、
を有するバッテリーベントを有し、
前記ベント口から前記空洞内に入り、前記排気口から出る流路は、前記ベントフィルタを通過するように導かれるものである、バッテリーハウジングアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のバッテリーハウジングであって、前記ベントフィルタが前記拡張金属シートの複数の重なり合った層から形成されるように前記拡張金属シートは円筒状に巻かれるものである、バッテリーベント。
【請求項12】
請求項11に記載のバッテリーハウジングであって、ベントフィルタが可変拡張金属シートまたは指向流拡張金属シートを有するものである、バッテリーハウジング。
【請求項13】
請求項12に記載のバッテリーベントであって、
前記ベント口と前記ベントフィルタとの間に配置された圧力均等化膜をさらに有するものである、バッテリーベント。
【請求項14】
請求項13に記載のバッテリーベントであって、
前記圧力均等化膜と前記ベント口との間に配置されたエラストマー傘弁をさらに有するものである、バッテリーベント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、バッテリーからの排熱の通気に関する。より具体的には、本開示は、充電式バッテリーパックまたはハウジングに関連して発生する可能性のある熱暴走イベントを軽減するためのバッテリーハウジングおよび一体型ベントアセンブリを提供する。
【背景技術】
【0002】
熱暴走は、リチウムイオン電池セルなどの充電式電池セル内で発生した熱が周囲に拡散されない場合に始まる連鎖故障である、壊滅的な電池故障イベントである。熱暴走は、過充電、寿命の終わり、フロート充電電圧、自動車事故などの外部電池損傷など、さまざまな動作要因によって発生可能である。発生した過剰な熱が熱緩和装置や通気口によって完全にまたは部分的に緩和されない場合、予期しない暴走状態が壊滅的な故障につながる可能性がある。
【0003】
バッテリー内部の温度が緩和策なしに高くなりすぎると(わずか4分間で最低華氏250度で)、ドミノ効果が発生し、バッテリーセルが壊滅的な故障を起こし始め、このような故障により、反応速度がさらに上昇する。疑わしいバッテリーでこのような事態が発生すると、突然のシステム障害、燃焼粒子を伴う爆発、および/または制御不能な火災にすぐにつながる可能性がある。
【0004】
充電式バッテリーパック用のベントアセンブリは業界で知られている。既知のベントアセンブリは、通常動作時と暴走イベント時の両方で、バッテリーパック内の圧力均等化とガス圧力上昇の緩和を提供する。ベントアセンブリには、汚染物質、汚れ、水などから保護する機能も含まれており、同時に周囲環境との圧力均等化も提供する。さらに、これらのベントアセンブリは、通常動作時の温度サイクルのための熱換気を提供する。既存のベントアセンブリは、暴走イベント時に大量のガスと圧力上昇の逃げ道を提供するが、このような既存のベントアセンブリは、爆発故障またはバッテリー火災の際にバッテリーハウジングから発生して放出される可能性のある熱、炎、または飛散物に対する保護を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ヒートシンクとして機能し、過熱したバッテリーを冷却する拡張金属フィルタ要素を含む、新規なバッテリーハウジングおよびバッテリーベントアセンブリを提供する。さらに、ベントアセンブリは、粒子フィルタおよび火炎防止装置として機能し、バッテリー内の個々のセルまたはセルバンクの外部に炎および粒子スラグの飛散物が放出されるのを防止および/または低減する。
【0006】
本開示は、指向流拡張金属(DFEM)および可変拡張金属(VEM)フィルタ技術をフェイルセーフデバイスとして使用し、リチウムイオンバッテリーシステム内の予期しない熱暴走イベントを軽減し、潜在的な爆発性粒子を捕捉して火炎を阻止し、バッテリー外部への火炎および破片の望ましくない伝達を防止する。
【0007】
いくつかの実施形態では、フィルタ要素は多層円筒形カラーとして形成される。他の実施形態では、フィルタ要素は平坦な多層フィルタ要素である。
【0008】
VEM/DFEMフィルタ要素は、方向性フィンと、重なり合った層でオフセットされた関連する多数の開口部を利用して、フィルタを通過するガスまたは粒子に対して軽量で低コストの曲がりくねった経路の遠心分離またはサイクロン効果を生み出す。フィンと穴は、カラーフィルタのラップ内で層ごとにオフセットされており、入力炎流方向に対して炎と燃焼粒子を90度の経路に即座に回転させるように設計されている。この炎の回転と層ごとのオフセットにより、冷却効果が生じ、熱力学的ヒートシンクとして機能し(亜音速または超音速の質量流、炎ガス速度の両方で)、さらに炎粒子を一方向に強制することで炎を止め、加熱バッテリー源によって生成された清浄で冷却された空気が、炎粒子とは異なる方向、または炎粒子と反対方向に簡単に移動できるようにする。その結果、空気は低温でより自由に流れ、炎や粒子がバッテリーの通気口の出口に到達する前に、わずか 5 ミリ秒で炎を鎮めることができる。
【0009】
熱暴走が点火して炎になると、その炎はバッテリー内で非常に速く燃え、爆発して燃焼粒子になる。カラーフィルターのベントは、わずか数ミリ秒という短い時間で燃焼粒子を分離する必要がある。そのため、フィルターのベントは、各層ごとに異なるサイズになっている。開口部は、スラグが充満した燃焼流体の流れを積極的に妨害しないように、段階的にサイズ設定されている。これにより、カラーがスラグで早期に詰まるのを防ぐ。カラーフィルターは、粒子が除去されると、フィルター層にさらに細かい穴を開けて、より小さな燃焼粒子をより速く濾過することでこれを実現し、同時に、バッテリー内部の逆圧を不当に高める可能性のある詰まりを回避する。
【0010】
炎の中の粒子や望ましくない外部バッテリー熱は、金属ヒートシンクフィルターの次の層の中に「捕捉された炎」粒子としてよりよく閉じ込められ、生成された空気は、1秒未満で燃焼炎温度の最大90%まで低下したはるかに低い温度で邪魔されずにバッテリーシステムから排出される。
【0011】
テストでは、燃焼ガス発生器(ラボモックアップ)の炎と粒子は、カラーフィルターベントとして機能するDFEMまたはVEMを使用すると、非可変層や非サイクロンタイプのカラーフィルターよりもはるかに軽量で、最大100%除去されることが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
例示的な実施形態は、以下の実施例および図を参照して、例としてさらに説明されるが、これらは例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定するものではない。
【
図1】
図1は、本開示のベントアセンブリを組み込んだ例示的な車両用バッテリーパックの斜視図である。
【
図2】
図2は、例示的なベントアセンブリの斜視図である。
【
図5】
図5は、拡張金属フィルタカラーの拡大図である。
【
図6】
図6は、フィルタカラーに巻かれる前の拡張金属のストリップの平面図である。
【
図7】
図7は、取り付けにフランジカラーを使用する別の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図8】
図8は、圧力均等化膜を含むさらなる例示的な実施形態の分解図である。
【
図9】
図9は、圧力均等化膜およびエラストマー傘弁を含むさらなる別の例示的な実施形態の分解図である。
【
図10】
図10は、平面多層フィルタおよびベントハウジングの上壁にベント開口部を備えた本開示の別の例示的なベントアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示された装置および方法の構造、機能、製造、および使用の原理を全体的に理解できるように、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に説明され、添付の図面に示されている装置および方法は、限定されない例示的な実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解できるであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示または説明された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正および変更は、本開示の範囲内に含まれるものとする。さらに、本開示では、実施形態の同じ番号の構成要素は一般に同様の特徴を有するため、特定の実施形態では、同じ番号の構成要素の各特徴が必ずしも完全に説明されるわけではない。さらに、開示されたシステム、装置、および方法の説明で直線または円形の寸法が使用されている限りにおいて、このような寸法は、このようなシステム、装置、および方法と組み合わせて使用できる形状の種類を制限することを意図するものではない。当業者であれば、このような直線寸法および円形寸法に相当するものは、あらゆる幾何学的形状に対して容易に決定できることが分かるであろう。さらに、上部、底部、上、下などの方向を示す用語が使用されている場合、それらは本明細書で開示されているシステム、装置、および方法を制限することを意図するものではない。当業者であれば、これらの用語は単に説明されているシステムおよび装置に関連するものであり、普遍的なものではないことが分かるであろう。
【0014】
図1は、保護ハウジングまたはエンクロージャ14内に1つのバッテリーセルまたは複数のバッテリーセル12またはパックが入れ子にされた、例示的な充電式バッテリーアセンブリ10を示している。通常、このようなエンクロージャ14は、事故に巻き込まれる可能性のある車両で使用する場合の保護と構造的安定性のために金属で形成される。ハウジング14には、ベント開口部16が含まれ、ベント開口部16にベントアセンブリ18を取り付けることができる。本開示による例示的なベントアセンブリ18は、図面の
図1~6に示されている。
【0015】
図2~4を参照すると、例示的なベントアセンブリ18は、通気基部分20、ベントカバー部分22、および内部拡張金属フィルタカラー24を含むことができる。ベント基部20およびベントカバー22は、金属または金属合金材料、またはバッテリーハウジング14内での破壊的な火災または爆発事象に十分に耐えることができる自動車用途に適しているその他の材料から形成、打ち抜き、または機械加工することができる。
【0016】
ベント基部20は、下方に延びるベント口28を備えた円筒形の底壁26を有していてもよい。ベント口28の外側には、バッテリーハウジング14のベント開口部16に取り外し可能に組み立てられるようにねじが切られている。ベント経路32は、ベント口28を通り、底壁30の開口部を通ってベントアセンブリ18の内部に延びている。ベントカバー22は、上壁34と下方に延びる側壁36を有し、自動車製造基準に準拠した溶接またはその他の固定手段によって基部20に固定されている。上壁34および/または側壁36には、ガスが出入りするベント開口部38が設けられていてもよい。ベントからのガスの流れ方向は、
図4の矢印で確認できる。
【0017】
図5および
図6を参照すると、例示的な拡張金属フィルタカラー24(
図5)と、巻かれてフィルタカラー24に成形される前の拡張金属のシートの画像が示されている。拡張金属フィルタカラー24は、複数のスリット40と伸張開口部を備えたVEMまたはDFEMのシートから作られ、穿孔金属とは異なり、落下やスクラップなしで製造される。
【0018】
図5では、拡張金属が複数の隣接層42に巻かれて金属フィルタカラー24を形成しているのがわかる。これらのスリット開口部40は、同時に切り裂かれ、伸張されて開き、燃焼炎粒子を流れる燃焼ガス経路とは異なる方向に向けるように設計されたガス流路を提供し、炎と炎の熱、および/または燃焼する発射粒子を迅速に消散させる。
【0019】
スリット開口部40の形状および/またはカラーベントのフィンは、従来の流路よりも火炎経路を長くする利点を提供する。従来の流路は、金網ベント開口部、または直線の拡張金属フィルター、または穴あき金属、またはワイヤ巻きフィルターの開口部をほぼ真っ直ぐに通過する。
【0020】
VEMまたはDFEMフィルターカラーのこの長いベントの流路は、火炎流の乱流を発生させることで、わずか 2 オフセット列層で火炎を消火できるが、これは、火炎を素早く除去し、その結果発生した高温の粒子で満たされたガスを除去しようとする場合に非常に望ましい。
【0021】
図6に示すように、開口スリット40の設計は、拡張金属シート44に沿って異なる位置に配置できるため、シート44を巻いたときに、異なる開口40が層ごとに、またはカラーベント24フィルタの巻きごとに隣接することにも留意する必要がある。スリット40を層ごとにオフセット配置すると、スリットは互いに密接または直接接触するため、結果として生じる炎の相変化によって炎の乱流と急速な熱除去がさらに促進される。したがって、オフセットDFEMを使用すると、炎で満たされたガス粒子の流れは1つの層から出て、その層のすぐ後ろの嵌合層にうまく広がるが、これは、炎の流路にスリット開口部のない平坦な領域をスリット開口部のある層の後ろに配置できるためである。
【0022】
指向流拡張金属(DFEM)フィルタおよび可変拡張金属(VEM)フィルタに関する詳細は、米国特許第10717032号(Greenwoodら)および米国特許第10676062号(Adamczykら)に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
図7は、別の例示的なベントアセンブリ118を示しており、ベント基部122には、ねじ付きベント口28の代わりに取り付けフランジ126が含まれている。ベントアセンブリ118は、取り付けフランジ126の穴128を貫通する留め具によって、バッテリーハウジング14に固定することができる。その他の点では、ベントアセンブリ118は、前述のものと同じ構造および動作である。
【0024】
図8は、ベント開口部上に配置された圧力均等化膜130をさらに含む別の例示的な実施形態を示している。均等化膜130は、大気の均等化を提供しながら、ほこりや湿気を遮断するために、PTFEまたはEPTFE材料から作製することができる。
【0025】
図9は、圧力均等化膜130と、ベントを外部の空気流から密閉するが、暴走イベントまたは過熱時に内部のガス圧力を迅速に排出できるエラストマー傘弁132の両方を含むさらなる例示的な実施形態を示している。
【0026】
図10および
図11を参照すると、平面形状の別の例示的なベントアセンブリ200が示され、説明されている。ベントアセンブリ200は、ベント基部220、ベントカバー部222、および内部の多層拡張金属フィルタ要素224から構成される。ベント基部220およびベントカバー222は、金属または金属合金材料、または自動車用途に適しており、バッテリーハウジング14内での破壊的な火災または爆発に十分に耐えることができるその他の材料から形成、打ち抜き、または機械加工することができる。
【0027】
ベント基部220は、バッテリーハウジング14の対応するベント口に一致する長方形、正方形、円形、またはその他の適切な形状にすることができ、1つ以上のベント口または開口部230を備えた底壁226を持つことができる。ベントアセンブリ200は、通気ベース220およびカバー222の整列した開口部234を貫通する留め具232によってバッテリーハウジング14に固定することができる。通気カバー222は、上壁240を有し、ガスが出入りできる1つ以上のベント開口部242が設けられる場合がある。
【0028】
図5および6に戻ると、平面フィルタ要素224は、例示の拡張金属フィルタカラーに関して上記で説明したのと同じ多層VEM材料で構成されている。ただし、この場合、多層VEM/DFEM などの材料は平らに置かれ、重ね合わされ、溶接または仮止めされて、向きと重ね合わせ/オフセットフィルタ開口部の配置を維持し、高温ガス材料用の同じ曲がりくねった出口経路を作成する。このフィルタ要素224は、熱暴走ガスとスラグ材料を、ベントアセンブリを通って上方にまっすぐに濾過し、上部から排出する。
【0029】
したがって、本明細書に記載の例示的な実施形態は、バッテリーハウジングからの熱、炎、および爆発性粒子の放出の両方を軽減するのに効果的な、ユニークで斬新な熱暴走ベントアセンブリを提供することがわかる。これらの理由から、本発明は、当該技術分野における重要な進歩を表し、かなりの商業的メリットを有すると考えられる。
【0030】
本明細書には、本発明を具体化する特定の構造が示され、説明されているが、当業者には、基礎となる発明概念の精神および範囲から逸脱することなく、部品のさまざまな変更および再配置が可能であり、添付の請求項の範囲によって示される場合を除き、本明細書に示され、説明されている特定の形態に限定されないことは明らかである。
【国際調査報告】