(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】がんを処置するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20241106BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241106BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241106BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P35/00
A61P15/00
A61K9/48
A61K45/00
A61K9/20
A61K9/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529542
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022080194
(87)【国際公開番号】W WO2023092104
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523473534
【氏名又は名称】オンコノヴァ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フラクトマン, スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】パリス, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ゲルダー, マーク エス.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB13
4C076CC27
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084MA65
4C084NA14
4C084ZA81
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA65
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB26
(57)【要約】
8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を含む固体医薬組成物を単独で、またはレトロゾールなどの第2の薬剤と組み合わせて対象に投与することにより、子宮内膜がんを処置する方法が本明細書に開示される。処置を必要とする対象に医薬組成物を投与することにより、子宮内膜がんを処置するための組成物および方法であって、医薬組成物が、単位剤形で、治療有効量の本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物および方法が本明細書に提供される。一部の実施形態では、方法は、単位剤形で、治療有効量の第2の化合物、例えば、エストロゲン遮断薬を含む第2の医薬組成物を投与することをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式(I)
【化24】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項2】
R
1がシクロアルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R
1がシクロペンチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
R
2がCNである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
R
3が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
R
4が-NR
5R
6である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
R
5およびR
6の一方が、水素である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
R
5およびR
6の一方が、フェニルである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
R
5およびR
6の一方が、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
R
5およびR
6の一方が、ピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
R
5およびR
6の一方が、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
R
4が、
【化25】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
R
7が水素である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R
8が水素である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
R
9が4-メチルピペラジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が、式(II)
【化26】
の化合物である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が、式(III)
【化27】
の化合物であり、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8である、
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
R
1がシクロアルキルである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
R
1がシクロペンチルである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
YがNR
11である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
R
11がアルキルである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
R
11がメチルである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
nが0である、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記薬学的に許容される塩が、一乳酸塩である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記治療有効量が、1日当たり約40mg~約500mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんが、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受けた、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記治療が、前記対象が前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられた、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、前記治療に応答しなかった、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が、前記治療の後に前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの再発を経験した、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記投与することが、経口である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記投与することが、静脈内である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記投与することが、1日1回である、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記投与することが、少なくとも4週間にわたって1日1回である、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記投与することが、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記投与することが、
(i)前記治療有効量が、約40mg~約500mgである、1日1回朝における投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記単位剤形が、約40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
単位剤形が、約48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記単位剤形が、カプセルである、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記投与することが、1日の朝に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記対象が、絶食状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記対象に治療有効量の第2の化合物を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体モジュレーターである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体ブロッカーである、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の化合物が、アロマターゼ阻害剤である、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の化合物が、レトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記単位剤形が、約2.5mgのレトロゾールを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記単位剤形が、錠剤である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の化合物が、プロゲスチンである、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記プロゲスチンが、酢酸メゲストロールである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記酢酸メゲストロールが、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記単位剤形が、約125mg/mLの酢酸メゲストロールを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記単位剤形が、経口懸濁物である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記酢酸メゲストロールが、1日当たり約625mgの用量で投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項46に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の化合物が、選択的エストロゲン受容体分解因子である、請求項46に記載の方法。
【請求項62】
前記第2の化合物が、血管内皮増殖因子阻害剤である、請求項46に記載の方法。
【請求項63】
前記第2の化合物が、ホスホイノシチド3-キナーゼ阻害剤である、請求項46に記載の方法。
【請求項64】
前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項46に記載の方法。
【請求項65】
前記第2の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項46に記載の方法。
【請求項66】
前記式(I)の化合物の前記投与が、経口であり、前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項46に記載の方法。
【請求項67】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与に先立つ、請求項46に記載の方法。
【請求項68】
前記第2の化合物の前記投与が、前記式(I)の化合物の前記投与に先立つ、請求項46に記載の方法。
【請求項69】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与と同時である、請求項46に記載の方法。
【請求項70】
子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式(I)
【化28】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
前記対象は、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受けた、方法。
【請求項71】
R
1がシクロアルキルである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
R
1がシクロペンチルである、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
R
2がCNである、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
R
3が水素である、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
R
4が-NR
5R
6である、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
R
5およびR
6の一方が、水素である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
R
5およびR
6の一方が、フェニルである、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
R
5およびR
6の一方が、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
R
5およびR
6の一方が、ピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
R
5およびR
6の一方が、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
R
4が、
【化29】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である、
請求項70に記載の方法。
【請求項82】
R
7が水素である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
R
8が水素である、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
R
9が4-メチルピペラジニルである、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
前記化合物が、式(II)
【化30】
の化合物である、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
前記化合物が、式(III)
【化31】
の化合物であり、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8である、
請求項81に記載の方法。
【請求項89】
R
1がシクロアルキルである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
R
1がシクロペンチルである、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
YがNR
11である、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
R
11がアルキルである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
R
11がメチルである、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
nが0である、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項70に記載の方法。
【請求項96】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記治療有効量が、1日当たり約40mg~約500mgである、請求項70に記載の方法。
【請求項98】
前記子宮内膜がんが、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項70に記載の方法。
【請求項99】
前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんが、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記治療が、前記対象が前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられた、請求項70に記載の方法。
【請求項101】
前記対象が、前記治療に応答しなかった、請求項70に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が、前記治療の後に前記子宮内膜がんの再発を経験した、請求項70に記載の方法。
【請求項103】
前記投与することが、経口である、請求項70に記載の方法。
【請求項104】
前記投与することが、静脈内である、請求項70に記載の方法。
【請求項105】
前記投与することが、1日1回である、請求項70に記載の方法。
【請求項106】
前記投与することが、少なくとも4週間にわたって1日1回である、請求項70に記載の方法。
【請求項107】
前記投与することが、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項70に記載の方法。
【請求項108】
前記投与することが、
(i)前記治療有効量が、約40mg~約500mgである、1日1回朝における投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項70に記載の方法。
【請求項109】
前記化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項110】
前記単位剤形が、約40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
単位剤形が、約48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む、請求項101に記載の方法。
【請求項112】
前記単位剤形が、カプセルである、請求項101に記載の方法。
【請求項113】
前記投与することが、1日の朝に行われる、請求項70に記載の方法。
【請求項114】
前記対象が、絶食状態である、請求項70に記載の方法。
【請求項115】
前記対象に治療有効量の第2の化合物を投与することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項116】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体モジュレーターである、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体ブロッカーである、請求項115に記載の方法。
【請求項118】
前記第2の化合物が、アロマターゼ阻害剤である、請求項115に記載の方法。
【請求項119】
前記第2の化合物が、レトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項115に記載の方法。
【請求項120】
前記第2の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項115に記載の方法。
【請求項121】
前記単位剤形が、約2.5mgのレトロゾールを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記単位剤形が、錠剤である、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記第2の化合物が、プロゲスチンである、請求項113に記載の方法。
【請求項124】
前記プロゲスチンが、酢酸メゲストロールである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記酢酸メゲストロールが、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記単位剤形が、約125mg/mLの酢酸メゲストロールを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記単位剤形が、経口懸濁物である、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
前記酢酸メゲストロールが、1日当たり約625mgの用量で投与される、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
前記第2の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項115に記載の方法。
【請求項130】
前記第2の化合物が、選択的エストロゲン受容体分解因子である、請求項115に記載の方法。
【請求項131】
前記第2の化合物が、血管内皮増殖因子阻害剤である、請求項115に記載の方法。
【請求項132】
前記第2の化合物が、ホスホイノシチド3-キナーゼ阻害剤である、請求項115に記載の方法。
【請求項133】
前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項115に記載の方法。
【請求項134】
前記第2の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項115に記載の方法。
【請求項135】
前記式(I)の化合物の前記投与が、経口であり、前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項115に記載の方法。
【請求項136】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与に先立つ、請求項115に記載の方法。
【請求項137】
前記第2の化合物の前記投与が、前記式(I)の化合物の前記投与に先立つ、請求項115に記載の方法。
【請求項138】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与と同時である、請求項115に記載の方法。
【請求項139】
子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式(I)
【化32】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
前記投与することは、少なくとも4週間にわたって1日1回である、方法。
【請求項140】
R
1がシクロアルキルである、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
R
1がシクロペンチルである、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
R
2がCNである、請求項139に記載の方法。
【請求項143】
R
3が水素である、請求項139に記載の方法。
【請求項144】
R
4が-NR
5R
6である、請求項139に記載の方法。
【請求項145】
R
5およびR
6の一方が、水素である、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
R
5およびR
6の一方が、フェニルである、請求項144に記載の方法。
【請求項147】
R
5およびR
6の一方が、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである、請求項144に記載の方法。
【請求項148】
R
5およびR
6の一方が、ピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項144に記載の方法。
【請求項149】
R
5およびR
6の一方が、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項144に記載の方法。
【請求項150】
R
4が、
【化33】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である、
請求項139に記載の方法。
【請求項151】
R
7が水素である、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
R
8が水素である、請求項150に記載の方法。
【請求項153】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである、請求項150に記載の方法。
【請求項154】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである、請求項150に記載の方法。
【請求項155】
R
9が4-メチルピペラジニルである、請求項150に記載の方法。
【請求項156】
前記化合物が、式(II)
【化34】
の化合物である、請求項150に記載の方法。
【請求項157】
前記化合物が、式(III)
【化35】
の化合物であり、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8である、
請求項150に記載の方法。
【請求項158】
R
1がシクロアルキルである、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
R
1がシクロペンチルである、請求項157に記載の方法。
【請求項160】
YがNR
11である、請求項157に記載の方法。
【請求項161】
R
11がアルキルである、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
R
11がメチルである、請求項160に記載の方法。
【請求項163】
nが0である、請求項157に記載の方法。
【請求項164】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項139に記載の方法。
【請求項165】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記治療有効量が、1日当たり約40mg~約500mgである、請求項139に記載の方法。
【請求項167】
前記子宮内膜がんが、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項139に記載の方法。
【請求項168】
前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんが、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受けた、請求項139に記載の方法。
【請求項170】
前記治療が、前記対象が前記子宮内膜がんと診断された後に与えられた、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記対象が、前記治療に応答しなかった、請求項169に記載の方法。
【請求項172】
前記対象が、前記治療の後に前記子宮内膜がんの再発を経験した、請求項169に記載の方法。
【請求項173】
前記投与することが、経口である、請求項139に記載の方法。
【請求項174】
前記投与することが、静脈内である、請求項139に記載の方法。
【請求項175】
前記化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項139に記載の方法。
【請求項176】
前記単位剤形が、約40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルを含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
単位剤形が、約48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む、請求項175に記載の方法。
【請求項178】
前記単位剤形が、カプセルである、請求項175に記載の方法。
【請求項179】
前記投与することが、1日の朝に行われる、請求項139に記載の方法。
【請求項180】
前記対象が、絶食状態である、請求項139に記載の方法。
【請求項181】
前記対象に治療有効量の第2の化合物を投与することをさらに含む、請求項139に記載の方法。
【請求項182】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体モジュレーターである、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体ブロッカーである、請求項181に記載の方法。
【請求項184】
前記第2の化合物が、アロマターゼ阻害剤である、請求項181に記載の方法。
【請求項185】
前記第2の化合物が、レトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項181に記載の方法。
【請求項186】
前記第2の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項181に記載の方法。
【請求項187】
前記単位剤形が、約2.5mgのレトロゾールを含む、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
前記単位剤形が、錠剤である、請求項186に記載の方法。
【請求項189】
前記第2の化合物が、プロゲスチンである、請求項178に記載の方法。
【請求項190】
前記プロゲスチンが、酢酸メゲストロールである、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
前記酢酸メゲストロールが、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記単位剤形が、約125mg/mLの酢酸メゲストロールを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記単位剤形が、経口懸濁物である、請求項191に記載の方法。
【請求項194】
前記酢酸メゲストロールが、1日当たり約625mgの用量で投与される、請求項191に記載の方法。
【請求項195】
前記第2の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項181に記載の方法。
【請求項196】
前記第2の化合物が、選択的エストロゲン受容体分解因子である、請求項181に記載の方法。
【請求項197】
前記第2の化合物が、血管内皮増殖因子阻害剤である、請求項181に記載の方法。
【請求項198】
前記第2の化合物が、ホスホイノシチド3-キナーゼ阻害剤である、請求項181に記載の方法。
【請求項199】
前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項181に記載の方法。
【請求項200】
前記第2の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項181に記載の方法。
【請求項201】
前記式(I)の化合物の前記投与が、経口であり、前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項181に記載の方法。
【請求項202】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与に先立つ、請求項181に記載の方法。
【請求項203】
前記第2の化合物の前記投与が、前記式(I)の化合物の前記投与に先立つ、請求項181に記載の方法。
【請求項204】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与と同時である、請求項181に記載の方法。
【請求項205】
子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式(I)
【化36】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
前記投与することが、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルである、方法。
【請求項206】
R
1がシクロアルキルである、請求項205に記載の方法。
【請求項207】
R
1がシクロペンチルである、請求項205に記載の方法。
【請求項208】
R
2がCNである、請求項205に記載の方法。
【請求項209】
R
3が水素である、請求項205に記載の方法。
【請求項210】
R
4が-NR
5R
6である、請求項205に記載の方法。
【請求項211】
R
5およびR
6の一方が、水素である、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
R
5およびR
6の一方が、フェニルである、請求項210に記載の方法。
【請求項213】
R
5およびR
6の一方が、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである、請求項210に記載の方法。
【請求項214】
R
5およびR
6の一方が、ピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項210に記載の方法。
【請求項215】
R
5およびR
6の一方が、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項210に記載の方法。
【請求項216】
R
4が、
【化37】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である、
請求項205に記載の方法。
【請求項217】
R
7が水素である、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
R
8が水素である、請求項216に記載の方法。
【請求項219】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである、請求項216に記載の方法。
【請求項220】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである、請求項216に記載の方法。
【請求項221】
R
9が4-メチルピペラジニルである、請求項216に記載の方法。
【請求項222】
前記化合物が、式(II)
【化38】
の化合物である、請求項216に記載の方法。
【請求項223】
前記化合物が、式(III)
【化39】
の化合物であり、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8である、
請求項216に記載の方法。
【請求項224】
R
1がシクロアルキルである、請求項223に記載の方法。
【請求項225】
R
1がシクロペンチルである、請求項223に記載の方法。
【請求項226】
YがNR
11である、請求項223に記載の方法。
【請求項227】
R
11がアルキルである、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
R
11がメチルである、請求項226に記載の方法。
【請求項229】
nが0である、請求項223に記載の方法。
【請求項230】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項205に記載の方法。
【請求項231】
前記化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である、請求項230に記載の方法。
【請求項232】
前記治療有効量が、1日当たり約40mg~約500mgである、請求項205に記載の方法。
【請求項233】
前記子宮内膜がんが、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項205に記載の方法。
【請求項234】
前記ホルモン受容体陽性子宮内膜がんが、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項205に記載の方法。
【請求項235】
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受けた、請求項205に記載の方法。
【請求項236】
前記治療が、前記対象が前記子宮内膜がんと診断された後に与えられた、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
前記対象が、前記治療に応答しなかった、請求項235に記載の方法。
【請求項238】
前記対象が、前記治療の後に前記子宮内膜がんの再発を経験した、請求項235に記載の方法。
【請求項239】
前記投与することが、経口である、請求項205に記載の方法。
【請求項240】
前記投与することが、静脈内である、請求項205に記載の方法。
【請求項241】
前記化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項205に記載の方法。
【請求項242】
前記単位剤形が、約40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルを含む、請求項241に記載の方法。
【請求項243】
単位剤形が、約48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む、請求項241に記載の方法。
【請求項244】
前記単位剤形が、カプセルである、請求項241に記載の方法。
【請求項245】
前記投与することが、1日の朝に行われる、請求項205に記載の方法。
【請求項246】
前記対象が、絶食状態である、請求項205に記載の方法。
【請求項247】
前記対象に治療有効量の第2の化合物を投与することをさらに含む、請求項205に記載の方法。
【請求項248】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体モジュレーターである、請求項247に記載の方法。
【請求項249】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体ブロッカーである、請求項247に記載の方法。
【請求項250】
前記第2の化合物が、アロマターゼ阻害剤である、請求項247に記載の方法。
【請求項251】
前記第2の化合物が、レトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項247に記載の方法。
【請求項252】
前記第2の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項247に記載の方法。
【請求項253】
前記単位剤形が、約2.5mgのレトロゾールを含む、請求項252に記載の方法。
【請求項254】
前記単位剤形が、錠剤である、請求項252に記載の方法。
【請求項255】
前記第2の化合物が、プロゲスチンである、請求項247に記載の方法。
【請求項256】
前記プロゲスチンが、酢酸メゲストロールである、請求項255に記載の方法。
【請求項257】
前記酢酸メゲストロールが、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項256に記載の方法。
【請求項258】
前記単位剤形が、約125mg/mLの酢酸メゲストロールを含む、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記単位剤形が、経口懸濁物である、請求項257に記載の方法。
【請求項260】
前記酢酸メゲストロールが、1日当たり約625mgの用量で投与される、請求項257に記載の方法。
【請求項261】
前記第2の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項247に記載の方法。
【請求項262】
前記第2の化合物が、選択的エストロゲン受容体分解因子である、請求項247に記載の方法。
【請求項263】
前記第2の化合物が、血管内皮増殖因子阻害剤である、請求項247に記載の方法。
【請求項264】
前記第2の化合物が、ホスホイノシチド3-キナーゼ阻害剤である、請求項247に記載の方法。
【請求項265】
前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項247に記載の方法。
【請求項266】
前記第2の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項247に記載の方法。
【請求項267】
前記式(I)の化合物の前記投与が、経口であり、前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項247に記載の方法。
【請求項268】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与に先立つ、請求項247に記載の方法。
【請求項269】
前記第2の化合物の前記投与が、前記式(I)の化合物の前記投与に先立つ、請求項247に記載の方法。
【請求項270】
前記式(I)の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与と同時である、請求項247に記載の方法。
【請求項271】
ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象に、治療有効量の第1の化合物であって、式(I)
【化40】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物である、第1の化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与すること、および
(ii)前記対象に、治療有効量の第2の化合物を投与すること
を含む、方法。
【請求項272】
R
1がシクロアルキルである、請求項271に記載の方法。
【請求項273】
R
1がシクロペンチルである、請求項271に記載の方法。
【請求項274】
R
2がCNである、請求項271に記載の方法。
【請求項275】
R
3が水素である、請求項271に記載の方法。
【請求項276】
R
4が-NR
5R
6である、請求項271に記載の方法。
【請求項277】
R
5およびR
6の一方が、水素である、請求項276に記載の方法。
【請求項278】
R
5およびR
6の一方が、フェニルである、請求項276に記載の方法。
【請求項279】
R
5およびR
6の一方が、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである、請求項276に記載の方法。
【請求項280】
R
5およびR
6の一方が、ピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項276に記載の方法。
【請求項281】
R
5およびR
6の一方が、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである、請求項276に記載の方法。
【請求項282】
R
4が、
【化41】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である、
請求項271に記載の方法。
【請求項283】
R
7が水素である、請求項282に記載の方法。
【請求項284】
R
8が水素である、請求項282に記載の方法。
【請求項285】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである、請求項282に記載の方法。
【請求項286】
R
9が、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである、請求項282に記載の方法。
【請求項287】
R
9が4-メチルピペラジニルである、請求項282に記載の方法。
【請求項288】
前記化合物が、式(II)
【化42】
の化合物である、請求項282に記載の方法。
【請求項289】
前記化合物が、式(III)
【化43】
の化合物であり、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8である、
請求項282に記載の方法。
【請求項290】
R
1がシクロアルキルである、請求項289に記載の方法。
【請求項291】
R
1がシクロペンチルである、請求項289に記載の方法。
【請求項292】
YがNR
11である、請求項289に記載の方法。
【請求項293】
R
11がアルキルである、請求項292に記載の方法。
【請求項294】
R
11がメチルである、請求項292に記載の方法。
【請求項295】
nが0である、請求項289に記載の方法。
【請求項296】
前記第1の化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項271に記載の方法。
【請求項297】
前記第1の化合物が、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である、請求項296に記載の方法。
【請求項298】
前記治療有効量が、1日当たり約40mg~約500mgである、請求項271に記載の方法。
【請求項299】
前記子宮内膜がんが、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項271に記載の方法。
【請求項300】
前記子宮内膜がんが、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである、請求項271に記載の方法。
【請求項301】
前記対象が、前記第1の化合物の前記投与に先立ち、かつ前記第2の化合物の前記投与に先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受けた、請求項271に記載の方法。
【請求項302】
前記治療が、前記対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられた、請求項301に記載の方法。
【請求項303】
前記対象が、前記治療に応答しなかった、請求項301に記載の方法。
【請求項304】
前記対象が、前記治療の後に前記子宮内膜がんの再発を経験した、請求項301に記載の方法。
【請求項305】
前記第1の化合物の前記投与が、経口である、請求項271に記載の方法。
【請求項306】
前記第1の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項271に記載の方法。
【請求項307】
前記第1の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項271に記載の方法。
【請求項308】
前記第1の化合物の前記投与が、少なくとも4週間にわたって1日1回である、請求項271に記載の方法。
【請求項309】
前記第1の化合物の前記投与が、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項271に記載の方法。
【請求項310】
前記第1の化合物の前記投与が、
(i)前記治療有効量が、約xx~約yyである、1日1回朝における投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルにおける経口である、請求項271に記載の方法。
【請求項311】
前記第1の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項271に記載の方法。
【請求項312】
前記第1の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項271に記載の方法。
【請求項313】
前記単位剤形が、約40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルを含む、請求項312に記載の方法。
【請求項314】
単位剤形が、約48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む、請求項312に記載の方法。
【請求項315】
前記単位剤形が、カプセルである、請求項312に記載の方法。
【請求項316】
前記投与することが、1日の朝に行われる、請求項271に記載の方法。
【請求項317】
前記対象が、絶食状態である、請求項271に記載の方法。
【請求項318】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体モジュレーターである、請求項271に記載の方法。
【請求項319】
前記第2の化合物が、エストロゲン受容体ブロッカーである、請求項271に記載の方法。
【請求項320】
前記第2の化合物が、アロマターゼ阻害剤である、請求項271に記載の方法。
【請求項321】
前記第2の化合物が、レトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項271に記載の方法。
【請求項322】
前記第2の化合物が、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項271に記載の方法。
【請求項323】
前記単位剤形が、約2.5mgのレトロゾールを含む、請求項322に記載の方法。
【請求項324】
前記単位剤形が、錠剤である、請求項322に記載の方法。
【請求項325】
前記第2の化合物が、プロゲスチンである、請求項271に記載の方法。
【請求項326】
前記プロゲスチンが、酢酸メゲストロールである、請求項325に記載の方法。
【請求項327】
前記酢酸メゲストロールが、医薬組成物にて投与され、前記医薬組成物が、単位剤形であり、前記単位剤形が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項326に記載の方法。
【請求項328】
前記単位剤形が、約125mg/mLの酢酸メゲストロールを含む、請求項327に記載の方法。
【請求項329】
前記単位剤形が、経口懸濁物である、請求項327に記載の方法。
【請求項330】
前記酢酸メゲストロールが、1日当たり約625mgの用量で投与される、請求項327に記載の方法。
【請求項331】
前記第2の化合物の前記投与が、1日1回である、請求項271に記載の方法。
【請求項332】
前記第2の化合物が、選択的エストロゲン受容体分解因子である、請求項271に記載の方法。
【請求項333】
前記第2の化合物が、血管内皮増殖因子阻害剤である、請求項271に記載の方法。
【請求項334】
前記第2の化合物が、ホスホイノシチド3-キナーゼ阻害剤である、請求項271に記載の方法。
【請求項335】
前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項271に記載の方法。
【請求項336】
前記第2の化合物の前記投与が、静脈内である、請求項271に記載の方法。
【請求項337】
前記第1の化合物の前記投与が、経口であり、前記第2の化合物の前記投与が、経口である、請求項271に記載の方法。
【請求項338】
前記第1の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与に先立つ、請求項271に記載の方法。
【請求項339】
前記第2の化合物の前記投与が、前記第1の化合物の前記投与に先立つ、請求項271に記載の方法。
【請求項340】
前記第1の化合物の前記投与が、前記第2の化合物の前記投与と同時である、請求項271に記載の方法。
【請求項341】
ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、固体医薬組成物であって、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である化合物を含む、固体医薬組成物を経口投与することであって、
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受け、前記治療が、前記対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、前記対象が、前記投与することに先立ち、前記治療に応答せず、
前記投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること
を含む、方法。
【請求項342】
子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象に、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む固体医薬組成物を経口投与することであって、
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受け、前記治療が、前記対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、前記対象が、前記投与することに先立ち、前記治療に応答せず、
前記投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および
(ii)前記対象に治療有効量のレトロゾールを経口投与すること
を含む、方法。
【請求項343】
子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象に、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む固体医薬組成物を経口投与することであって、
前記対象が、前記投与することに先立ち、前記子宮内膜がんのための前記化合物以外の治療を受け、前記治療が、前記対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、前記対象が、前記投与することに先立ち、前記治療に応答せず、
前記投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および
(ii)前記対象に治療有効量の酢酸メゲストロールを経口投与すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年11月18日出願の米国仮特許出願第63/280,948号の利益を主張するものであり、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
子宮内膜がんは、最も一般的な婦人科悪性疾患である。子宮内膜がんの大部分は、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ(PI3K)およびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路の両方に変更を有する。
【0003】
参照による組込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により具体的に個別に組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化1】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、
方法を提供する。
【0005】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化2】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、
方法を提供する。
【0006】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化3】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
対象は、投与に先立って、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受けた、
方法を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化4】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、少なくとも4週間にわたって1日1回である、
方法を提供する。
【0008】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化5】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)前記3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルである、
方法を提供する。
【0009】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、
(i)対象に、治療有効量の第1の化合物であって、式(I)
【化6】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物である、第1の化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与すること、および
(ii)対象に治療有効量の第2の化合物を投与すること
を含む、方法を提供する。
【0010】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に固体医薬組成物を経口投与することであって、固体医薬組成物が、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である化合物を含み、対象は、投与することに先立ち、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受け、治療は、対象が、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象は、投与することに先立ち、治療に応答せず、投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与することを含む方法を提供する。
【0011】
一部の実施形態では、本開示は、処置を必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、(i)対象に固体医薬組成物を経口投与することであって、固体医薬組成物が、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である化合物を含み、対象は、投与することに先立ち、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受け、治療は、対象が、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象は、投与することに先立ち、治療に応答せず、投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および(ii)対象に治療有効量のレトロゾールを経口投与することを含む方法を提供する。
【0012】
一部の実施形態では、本開示は、必要とする対象において子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの方法であって、(i)対象に固体医薬組成物を経口投与することであって、固体医薬組成物が、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である化合物を含み、対象は、投与することに先立ち、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受け、治療は、対象が、子宮内膜がん、例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がん、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象は、投与することに先立ち、治療に応答せず、投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および(ii)対象に治療有効量の酢酸メゲストロールを経口投与することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、CDK4/6阻害剤のKinMapを示す:化合物1、比較対照1、比較対照2および比較対照3。
【0014】
【
図2】
図2は、化合物1で処置されたがん細胞系が、比較対照1で処置されたがん細胞系と比較して、好中球減少の低減を示したことを実証する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の詳細な説明
処置を必要とする対象に医薬組成物を投与することにより、子宮内膜がんを処置するための組成物および方法であって、医薬組成物が、単位剤形で、治療有効量の本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物および方法が本明細書に提供される。一部の実施形態では、方法は、単位剤形で、治療有効量の第2の化合物、例えば、エストロゲン遮断薬を含む第2の医薬組成物を投与することをさらに含む。
【0016】
本開示の化合物
本明細書に開示される化合物は、式:
【化7】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩であり得る。
【0017】
本明細書に開示される化合物は、式:
【化8】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物
またはその薬学的に許容される塩であり得る。
【0018】
本明細書に開示される化合物は、式:
【化9】
の化合物の薬学的に許容される塩であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、薬学的に許容される塩であり得る。
【0019】
本明細書に開示される化合物は、式:
【化10】
の化合物の乳酸塩であり得、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである。
【0020】
一部の実施形態では、R1は、シクロアルキルである。一部の実施形態では、R1は、C3~C8シクロアルキルである。一部の実施形態では、R1は、置換されていないシクロペンチルである。一部の実施形態では、R1は、置換されたシクロペンチルである。一部の実施形態では、R2は、CNである。一部の実施形態では、R3は、水素である。
【0021】
一部の実施形態では、R4は、-NR5R6である。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、水素である。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、フェニルである。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、ヘテロシクリルで置換されたフェニルである。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、ヘテロシクリルで置換されたフェニルであり、ヘテロシクリルは、少なくとも1個の環窒素原子を含有する。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、C3~C8ヘテロシクリルで置換されたフェニルである。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、C6ヘテロシクリルで置換されたフェニルである。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、ピペラジニルで置換されたフェニルであり、ピペラジニルは、置換されていないかまたは置換されている。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、ピペラジニルで置換されたフェニルであり、ピペラジニルは、アルキルで置換されている。一部の実施形態では、R5およびR6の一方は、4-メチルピペラジニルで置換されたフェニルである。
【0022】
一部の実施形態では、R
4は、
【化11】
であり、
式中、
- R
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素である。
【0023】
一部の実施形態では、R7は、水素である。一部の実施形態では、R8は、水素である。一部の実施形態では、R9は、置換されていないかまたは置換されたヘテロシクリルである。一部の実施形態では、R9は、置換されていないかまたは置換されたピペラジニルである。一部の実施形態では、R9は、アルキルで置換されたピペラジニルである。一部の実施形態では、R9は、4-メチルピペラジニルである。
【0024】
一部の実施形態では、化合物は、式(II)
【化12】
の化合物である。
【0025】
一部の実施形態では、化合物は、式(III)
【化13】
の化合物であって、
式中、
- Yは、O、SまたはNR
11であり、
- 各R
10は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-OR
5、-SR
5もしくは-NR
5R
6(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)であり、
- R
11は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- nは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である、
化合物である。
【0026】
一部の実施形態では、R1は、シクロアルキルである。一部の実施形態では、R1は、C3~C8シクロアルキルである。一部の実施形態では、R1は、置換されていないシクロペンチルである。一部の実施形態では、R1は、置換されたシクロペンチルである。
【0027】
一部の実施形態では、Yは、NR11である。一部の実施形態では、R11は、アルキルである。一部の実施形態では、R11は、メチルである。一部の実施形態では、nは、0である。
【0028】
一部の実施形態では、化合物は、式:
【化14】
8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0029】
一部の実施形態では、化合物は、化合物を乳酸と組み合わせることにより形成された塩の形態である。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である。
【0030】
本明細書に記載されるいくつかの部分は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。任意選択の置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキシアルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロ-アルキル基、アルケニル基、ハロ-アルケニル基、アルキニル基、ハロ-アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基、ウレイド基、エポキシ基、およびエステル基が挙げられる。
【0031】
アルキル基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。
【0032】
直鎖状アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。
【0033】
分枝状アルキル基は、任意の数のアルキル基で置換された、任意の直鎖状アルキル基を含む。分枝状アルキル基の非限定的な例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる。
【0034】
置換アルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、1-クロロエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジフルオロエチル、および3-カルボキシプロピルが挙げられる。
【0035】
環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptlyl)、およびシクロオクチル基が挙げられる。環状アルキル基としては、縮合、架橋、およびスピロビシクル、ならびに高次縮合、架橋、およびスピロ系も挙げられる。環状アルキル基は、任意の数の直鎖状、分枝状、または環状アルキル基で置換されていてもよい。環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、2-メチル-シクロプロパ-1-イル、シクロプロパ-2-エン-1-イル、シクロブチル、2,3-ジヒドロキシシクロブタ-1-イル、シクロブタ-2-エン-1-イル、シクロペンチル、シクロペンタ-2-エン-1-イル、シクロペンタ-2,4-ジエン-1-イル、シクロヘキシル、シクロヘキサ-2-エン-1-イル、シクロヘプチル、シクロオクタニル、2,5-ジメチルシクロペンタ-1-イル、3,5-ジクロロシクロヘキサ-1-イル、4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-イル、3,3,5-トリメチルシクロヘキサ-1-イル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イル、デカヒドロアズレニル、ビシクロ-[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3-ジメチル[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが挙げられる。
【0036】
アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基のオレフィン(単数または複数)は、例えば、E、Z、シス、トランス、末端、またはエキソ-メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、エテニル、プロパ-1-エン-1-イル、イソプロペニル、ブタ-1-エン-4-イル、2-クロロエテニル、4-ヒドロキシブテン-1-イル、7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-4-エン-2-イル、および7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-3,5-ジエン-2-イルが挙げられる。
【0037】
アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキニル基が挙げられる。アルキニル(alkylnyl)またはアルキニレン基の三重結合は、内部にあっても末端にあってもよい。アルキニルまたはアルキニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、エチニル、プロパ-2-イン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、および2-メチル-ヘキサ-4-イン-1-イル;5-ヒドロキシ-5-メチルヘキサ-3-イン-1-イル、6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-3-イン-2-イル、および5-ヒドロキシ-5-エチルヘプタ-3-イン-1-イルが挙げられる。
【0038】
ハロ-アルキル基は、任意の数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子で置換された、任意のアルキル基であり得る。ハロ-アルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルケニル基であり得る。ハロ-アルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルキニル基であり得る。
【0039】
アルコキシ基は、例えば、任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基で置換された酸素原子であり得る。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含む。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびイソブトキシが挙げられる。
【0040】
アリール基は、複素環式であっても非複素環式であってもよい。アリール基は、単環式であっても多環式であってもよい。アリール基は、本明細書に記載される任意の数の置換基、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基、およびハロゲン原子で置換されていてもよい。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、トルイル、ナフチル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、チオフェニル、およびフリルが挙げられる。置換アリール基の非限定的な例としては、3,4-ジメチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-シクロプロピルフェニル、4-ジエチルアミノフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-(ジフルオロメトキシ)-フェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-ヨードフェニル、3-ヨードフェニル、4-ヨードフェニル、2-メチルフェニル、3-フルオロフェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,6-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,6-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル、3,4,5-トリクロロフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,4,5-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、3-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジエチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,5-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、3,4-ジエチルフェニル、2,3,4-トリエチルフェニル、2,3,5-トリエチルフェニル、2,3,6-トリエチルフェニル、2,4,5-トリエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-イソプロピルフェニル、3-イソプロピルフェニル、および4-イソプロピルフェニルが挙げられる。
【0041】
置換アリール基の非限定的な例としては、2-アミノフェニル、2-(N-メチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、2-(N-エチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、3-アミノフェニル、3-(N-メチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、3-(N-エチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-エチルアミノ)フェニル、および4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニルが挙げられる。
【0042】
複素環は、炭素でない環原子、例えば、N、O、S、P、Si、B、または任意の他のヘテロ原子を含有する、任意の環であってよい。複素環は、任意の数の置換基、例えば、アルキル基およびハロゲン原子で置換されていてもよい。複素環は、芳香族(ヘテロアリール)であっても非芳香族であってもよい。複素環の非限定的な例としては、ピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、スクシンアミド、マレイミド、モルホリン、イミダゾール、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピラン、およびテトラヒドロピランが挙げられる。
【0043】
複素環(ヘテロシクリル)の非限定的な例としては、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する単一の環を有する複素環式単位(その非限定的な例としては、ジアジリニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、オキサチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、ヒダントイニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン-2-オニル、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドール、および1,2,3,4-テトラヒドロキノリンが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの環を有し、これらの環のうちの1つが複素環式環である複素環式単位(その非限定的な例としては、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インドリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、およびデカヒドロ-1H-シクロオクタ[b]ピロリルが挙げられる)が挙げられる。
【0044】
ヘテロアリールの非限定的な例としては、i)単一の環を含有するヘテロアリール環(その非限定的な例としては、1,2,3,4-テトラゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、トリアジニル、チアゾリル、1H-イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピリミジニル、2-フェニルピリミジニル、ピリジニル、3-メチルピリジニル、および4-ジメチルアミノピリジニルが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの縮合した環を含有し、これらの縮合した環のうちの1つがヘテロアリール環であるヘテロアリール環(その非限定的な例としては、7H-プリニル、9H-プリニル、6-アミノ-9H-プリニル、5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、ピリド[2,3-d]ピリミジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1-H-インドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、8-ヒドロキシ-キノリニル、およびイソキノリニルが挙げられる)が挙げられる。
【0045】
本明細書におけるいずれの化合物も精製されてよい。本明細書における化合物は、少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋、または少なくとも99.9%純粋であり得る。
【0046】
薬学的に許容される塩
本明細書に開示される方法は、本明細書に記載される任意の化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供する。薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。本化合物に添加されて酸付加塩を生じる酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。本化合物に添加されて塩基付加塩を生じる塩基は、有機塩基であっても無機塩基であってもよい。
【0047】
酸付加塩は、本明細書に開示される化合物への酸の添加から生じ得る。一部の実施形態では、この酸は有機的なものである。一部の実施形態では、この酸は無機的なものである。一部の実施形態では、この酸は、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチジン酸(gentisinic acid)、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、またはイソニコチン酸である。一部の実施形態では、塩は、乳酸による酸付加塩である。一部の実施形態では、塩は、乳酸による8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルの酸付加塩である。
【0048】
一部の実施形態では、塩は、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチジン酸塩(gentisinate salt)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate salt)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩である。一部の実施形態では、塩は、乳酸塩である。一部の実施形態では、塩は、一乳酸塩である。一部の実施形態では、塩は、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である。
【0049】
金属塩は、本明細書に開示される化合物への無機塩基の添加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物、炭酸、重炭酸、またはリン酸などの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。この金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属(main group metal)であり得る。一部の実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0050】
一部の実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
【0051】
治療方法
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3キナーゼまたはPI3K)、タンパク質キナーゼB(AKT)およびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路は、多くのシグナル伝達経路の中心であり、多くの場合、子宮内膜がんを含むがんにおいて調節解除される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、これらのキナーゼ経路またはその部分、例えば、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を下方にモジュレートすることができる。一部の実施形態では、CDK、例えば、CDK4/6の過剰発現は、がんにおける細胞周期調節解除を引き起こす。一部の実施形態では、キナーゼ経路のモジュレーションは、細胞における増殖シグナル受け取りの妨害をもたらし得、よって、腫瘍成長を停止することができる。
【0052】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、サイクリン依存性キナーゼタンパク質CDK4の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK6の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK1の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK2の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK7の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK9の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK16の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK17の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、CDK4/6の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、他のCDK4/6阻害剤が失敗したがんの処置に使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、コロニー刺激因子受容体1(CSF1R)の阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、癌原遺伝子受容体チロシンキナーゼKITの阻害剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、AMPK関連タンパク質キナーゼ5(ARK5またはNUAK1)タンパク質の阻害剤である。ARK5は、細胞代謝の阻害を介して、Atk依存性細胞生存および遊走(例えば、転移の形成)を調節する。ARK5過剰発現は、複数の腫瘍において見出され、転移性乳がん、多発性骨髄腫および肝細胞癌における予後不良に関連付けられる。一部の実施形態では、ARK5の阻害は、PI3K/AKT/mTOR経路を介して細胞死を誘導する。一部の実施形態では、CDKおよびARK5阻害剤の組合せは、それぞれCDKおよびARK5を介した細胞周期(細胞増殖抑制性)および細胞代謝(細胞傷害性)を同時に阻害することにより、がん細胞における相乗効果を有する。
【0053】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物の機能活性プロファイルにおけるARK5の包含は、網膜芽細胞腫機能の喪失およびC-Myc過剰発現によるCDK4/6阻害剤に対する耐性の出現を克服する。C-Myc発現は、ARK5活性に依存し、ある特定の腫瘍の病因に関与する。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物の二重阻害効果は、CDK4/6阻害の有効性を最適化し、耐性の出現を低減させるための治療戦略を提供する。
本開示は、例えば、がんを処置するための、本明細書に開示される化合物の使用のための方法を提供する。
【0054】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)またはその薬学的に許容される塩は、許容されかつ区別された安全性プロファイルで、多数の腫瘍型において活性となり得る。
図2は、前臨床モデルにおいて、化合物1が、FDA承認されたCDK4/6阻害剤(表1における比較対照1)と比較して少ない好中球減少を引き起こしたことを示す。CDK4およびCDK6に対して、化合物1は、FDA承認されたCDK4/6阻害剤(表1における比較対照1、比較対照2および比較対照3)と匹敵するIC
50値も有した。化合物1は、CSF1R、ARK5、KITに対して、比較対照1、比較対照2および比較対照3よりも有意に低いIC
50値(1~3桁低い)を有した。化合物(1)は、CDK1、CDK2、CDK7、CDK9、CDK16およびCDK17に対して、比較対照1および比較対照2よりも有意に低いIC
50値(1~3桁低い)を有した。
【0055】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物、例えば、化合物1は、例えば、KinMapによって決定される通り(
図1)、化合物1ではないキナーゼ阻害剤と比較して、より広い阻害プロファイルを示す。
【0056】
本明細書に開示される方法を使用して、例えば、感染性疾患、増殖性疾患、がん、固形腫瘍、または液体腫瘍を処置することができる。本明細書に記載される化合物の組合せによって処置可能である腫瘍の非限定的な例としては、固形腫瘍、従来の化学療法による以前の処置に対して不応性である固形腫瘍、および初期化学療法に応答するがその後に再発した固形腫瘍を挙げることができる。一部の実施形態では、腫瘍は、子宮内膜がん腫瘍である。
【0057】
本明細書に開示される方法による腫瘍応答は、応答の固形腫瘍における応答評価判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST)分類に基づいて測定することができる。RECISTを使用するために、x線、CTスキャンまたはMRIスキャンで測定することができる少なくとも1個の腫瘍が存在しなければならない。RECISTは、応答の4種のカテゴリーを割り当てる:完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、進行性疾患(PD)および安定病態(SD)。RECISTの重要な特色は、測定可能な病変の最小サイズの定義、追跡するべき病変の数に関する指示、および二次元ではなく一次元の使用、腫瘍負荷の全体的な評価のための尺度を含む。
【0058】
一部の実施形態では、本開示は、子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0059】
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0060】
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0061】
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性(ER+/PR+)子宮内膜がんである。一部の実施形態では、本開示は、ER+/PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてER+/PR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ER+/PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてER+/PR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ER+/PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてER+/PR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、プロゲステロン受容体陽性(PR+)子宮内膜がんである。一部の実施形態では、本開示は、PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてPR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてPR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、PR+子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてPR+子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0064】
一部の実施形態では、投与することは、追加の治療、例えば、第2選択、第3選択、第4選択、第5選択、第6選択、または第7選択の治療を含む。一部の実施形態では、対象は、投与することに先立ち、子宮内膜がん(例えば、ホルモン受容体陽性子宮内膜がん)のための化合物以外の治療を受けた。一部の実施形態では、治療は、対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられた。一部の実施形態では、治療は、対象がホルモン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられた。一部の実施形態では、治療は、対象がエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんと診断された後に与えられた。一部の実施形態では、対象は、治療に応答しなかった。一部の実施形態では、対象は、治療の後に子宮内膜がんの再発を経験した。一部の実施形態では、対象は、治療の後にホルモン受容体陽性子宮内膜がんの再発を経験した。一部の実施形態では、対象は、治療の後にエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの再発を経験した。
【0065】
併用療法
本開示は、また、本明細書に開示される化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩と、エストロゲンブロッカーおよび/またはアロマターゼ阻害剤、例えば、レトロゾールとの組合せおよびそのようなものを使用するための方法を提供する。
【0066】
一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、第2の化合物、例えば、薬物と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、エストロゲン受容体モジュレーターと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、エストロゲン受容体ブロッカー、例えば、アロマターゼ阻害剤、例えば、レトロゾールと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、プロゲスチン、例えば、メゲストロールまたはそのエステル(例えば、酢酸メゲストロール)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、エストロゲン受容体分解因子(degrader)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、血管新生阻害剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物、例えば、式(I)の化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩は、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与される。
【0067】
エストロゲン受容体ブロッカー
エストロゲンは、一部のがん(例えば、子宮内膜がん)の成長を刺激または維持する。ホルモンに応答性(例えば、エストロゲンおよび/またはプロゲステロン受容体陽性)であると考えられる子宮内膜がんの処置は、エストロゲンレベルの減少またはエストロゲン効果の阻害を目標とする。一部の実施形態では、これらの介入は、腫瘍量の減少または腫瘍成長進行の遅延をもたらす。
【0068】
エストロゲンブロッカーは、エストロゲン(例えば、エストラジオール)の産生を遮断するか、またはエストロゲン(例えば、エストラジオール)が体内の生物学的効果を媒介することを防止する。エストロゲンブロッカーは、エストロゲン受容体を遮断することによりおよび/またはエストロゲン産生を直接阻害もしくは抑制することにより作用する。エストロゲンブロッカーは、エストロゲンブロッカーがエストロゲンの産生を低減させるか(アロマターゼ阻害剤および抗ゴナドトロピン薬)、またはエストロゲンブロッカーがエストロゲンに対する応答を低減させるか(抗エストロゲン薬およびエストロゲンアンタゴニスト)によってクラスに分けられる。より少ないエストロゲンを産生することにより、またはエストロゲンに対する応答を遮断することにより、エストロゲンブロッカーは、成長を刺激するためにエストロゲンを要求するがん細胞(例えば、子宮内膜細胞、子宮細胞)の成長を遅らせるかまたは阻害する。エストロゲンブロッカーの非限定的な例としては、アロマターゼ阻害剤、例えば、レトロゾール(フェマーラ)、アナストロゾール(アリミデックス)、エキセメスタン(アロマシン)、タモキシフェン、テストラクトン(テスラック(Teslac))、エタモキシトリフェトール、クロミフェン、およびラロキシフェンが挙げられる。
【0069】
本明細書に記載される化合物およびエストロゲンブロッカーの併用療法によってその活性をモジュレートすることができる細胞の非限定的な例としては、分泌細胞、繊毛を有する細胞、基底細胞、赤血球細胞、間葉系細胞、多能性間葉系細胞、前脱落膜細胞(predecidual cell)、上皮細胞、組織球、顆粒球、腺細胞、間質細胞、正常子宮内膜細胞(NEMC)、異型子宮内膜細胞(AEMC)、および子宮内膜癌細胞(EMCC)が挙げられる。
【0070】
本明細書に記載される化合物およびエストロゲンブロッカーの組合せによって処置可能である腫瘍の非限定的な例としては、固形腫瘍、従来の化学療法による以前の処置に対して不応性である固形腫瘍、および初期化学療法に応答し、例えば、疾患進行によって証明される通り、その後に再発する固形腫瘍が挙げられる。
【0071】
本明細書に記載される化合物およびエストロゲンブロッカーの組合せによって処置可能であるがんの非限定的な例としては、子宮内膜がん、ホルモン受容体陽性(HR+)である子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性(ER+)である子宮内膜がん、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性(ER+/PR+)、プロゲステロン受容体陽性(PR+)である子宮内膜がん、従来の化学療法による以前の処置に対して不応性である子宮内膜がん、および初期化学療法に応答するが、その後に再発する子宮内膜がんが挙げられる。
【0072】
アロマターゼ阻害剤
閉経後女性において、エストロゲンは主に、アロマターゼ酵素の作用に由来する。この酵素は、副腎アンドロゲン(例えば、アンドロステンジオンおよびテストステロン)をエストロンおよびエストラジオールに変換する。末梢組織およびがん組織におけるエストロゲン生合成の抑制は、アロマターゼ酵素を阻害することにより達成される。
【0073】
レトロゾールは、アロマターゼ酵素系の非ステロイド性競合的阻害剤である。レトロゾールは、アンドロゲンからエストロゲンへの変換を阻害する。レトロゾールは、性腺ステロイド産生を選択的に阻害するが、副腎ミネラルコルチコイドまたはグルココルチコイド合成には有意な効果がない。レトロゾールは、酵素のチトクロムP450サブユニットのヘムに競合的に結合することによりアロマターゼ酵素を阻害し、エストロゲン生合成の低減をもたらす。レトロゾールによる女性の処置は、血清エストロン、エストラジオールおよび硫酸エストロンを有意に低下させる。
【0074】
レトロゾールの構造は、下に描写される。
【化15】
4,4’-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチレン)ジベンゾニトリル。4,4’-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチレン)ジベンゾニトリルの薬学的に許容される塩を使用することもできる。
【0075】
プロゲスチン
プロゲスチンは、天然に存在するホルモンプロゲステロンの合成形態である。プロゲスチンは、身体におけるエストロゲン効果を相殺し、エストロゲンブロッカーと同様に機能する。プロゲスチンの非限定的な例としては、酢酸メゲストロール、アセトメプレゲノール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、ドロスピレノン、ゲストリノン、レボノルゲストレル、メドロゲストン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルゲストレル、オキセンドロン、酢酸オサテロン、トリメゲストン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、二酢酸エチノジオール、第三デソゲストレル(third desogestrel)、ゲストデン、ノルゲスチメート、ジエノゲスト、ネストロン、および酢酸ノメゲストロールが挙げられる。
【0076】
酢酸メゲストロールは、プロゲステロンの合成誘導体である。メゲストロールは、プロゲステロン受容体に結合し、体内のホルモンバランスを変化させ、これにより、エストロゲンに関連するがんが阻害または停止され得る。
【0077】
酢酸メゲストロールの構造は、下に描写される。
【化16】
17-ヒドロキシ-6-メチル プレグナ-4,6-ジエン-3,20-ジオンアセテート。
【0078】
選択的エストロゲン受容体分解因子
選択的エストロゲン受容体分解因子または下方調節因子(SERD)は、エストロゲン受容体に結合し、エストロゲン受容体を分解させ、よって下方調節させることができる。SERDは、他の同様のクラスの薬物、例えば、エストロゲンブロッカーおよびアロマターゼ阻害剤と共に、エストロゲン受容体感受性またはプロゲステロン受容体感受性がんの処置に使用される。
【0079】
血管新生阻害剤および血管内皮増殖因子阻害剤
血管新生阻害剤は、血管形成に干渉する。通常、このような化学的シグナルの血管新生刺激および阻害効果は、血管が必要とされる時間と場所でのみ血管が形成されるように釣り合っている。しかし、このようなシグナルは、不均衡になり、異常な状態または疾患、例えば、がんを生じ得る血管成長増加を引き起こす場合がある。
【0080】
血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管内皮細胞のための増殖因子である血管新生因子である。VEGFおよび他の内皮増殖因子が内皮細胞上の受容体に結合すると、このような細胞内のシグナルが惹起され、これにより、新しい血管の成長および生存が促進される。
【0081】
血管新生阻害剤は、血管成長における様々なステップに干渉する。一部の血管新生阻害剤は、VEGFを特異的に認識および結合して、VEGF受容体へのVEGFの結合を遮断する、モノクローナル抗体である。他の血管新生阻害剤は、VEGF、VEGF受容体、内皮細胞の表面にある他の受容体、または下流シグナル伝達経路における他のタンパク質に結合する。一部の血管新生阻害剤は、抗血管新生特性も有する免疫調節薬(免疫系を刺激または抑制する薬剤)である。VEGF阻害剤の非限定的な例としては、ベバシズマブ(アバスチン)、ソラフェニブ(ネクサバール)、スニチニブ(スーテント)、ニロチニブ(タシグナ)、パゾパニブ(ヴォトリエント)、およびダサチニブ(スプリセル)が挙げられる。
【0082】
PI3K阻害剤
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤は、ホスホイノシチド3-キナーゼ酵素のうち1種または複数種を阻害する。このような酵素は、細胞成長および生存、ならびに多くのがんにおいて高頻度で活性化される他のプロセスに関与する経路である、PI3K/AKT/mTOR経路の一部を形成する。このような酵素を阻害することにより、PI3K阻害剤は、細胞死を引き起こし、悪性細胞の増殖を阻害し、いくつかのシグナル伝達経路に干渉する。PI3K阻害剤は通常、再発したかまたは他のがん処置に無応答性である、ある特定のがんを処置するために与えられる。PI3K阻害剤の非限定的な例としては、アルペリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、およびイデラリシブが挙げられる。
【0083】
本開示の化合物の投与
化合物1
本明細書に開示される化合物、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)は、カプセルとして製剤化され得る。カプセルは、硬カプセルであり得る。カプセルは、軟カプセルであり得る。カプセルは、軟ゼラチンカプセルであり得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、硬カプセルとして製剤化することができ、硬カプセルは、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む。あるいは、本明細書に記載される化合物は、錠剤として製剤化され得る。
【0084】
一部の実施形態では、本開示は、単位剤形において、40mgの本明細書に記載される化合物に等価な量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0085】
一部の実施形態では、本開示は、単位剤形において、60mgの本明細書に記載される化合物に等価な量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0086】
一部の実施形態では、本開示は、単位剤形において、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む医薬組成物を提供する。
【0087】
一部の実施形態では、本開示は、単位剤形において、48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む医薬組成物を提供する。
【0088】
一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたは薬学的に許容される塩は、食物を摂取する少なくとも1時間前に、絶食状態で朝に水と共に嚥下される経口カプセルで投与される。一部の実施形態では、朝の用量は、一晩絶食後に、食物を摂取する1時間前に服用される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、毎日投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、4週間にわたり毎日投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間;および(ii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルにある。
【0089】
レトロゾール
本明細書に開示される化合物、例えば、レトロゾールは、錠剤として製剤化され得る。一部の実施形態では、レトロゾールは、錠剤として製剤化することができ、錠剤は、単位剤形において、治療有効量のレトロゾールおよび薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0090】
一部の実施形態では、レトロゾールは、経口投与のための2.5mg錠剤として提供される。錠剤は、例えば、黄色に着色されていてもよく、コーティングされていなくてもフィルムコーティングされていてもよい。不活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素、酸化鉄(II)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース一水和物、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、および二酸化チタンを含むことができる。一部の実施形態では、レトロゾールは、食物に関係なく1日に1回投与される1個の2.5mg錠剤の用量で与えられる。
【0091】
酢酸メゲストロール
本明細書に開示される化合物、例えば、酢酸メゲストロールは、懸濁物、例えば、経口投与に好適な懸濁物として製剤化され得る。一部の実施形態では、酢酸メゲストロール経口懸濁物は、5mL当たり625mgの酢酸メゲストロール(125mg/mL)を含有する。一部の実施形態では、酢酸メゲストロール経口懸濁物は、20mL当たり800mg(40mg/mL)を含有する。一部の実施形態では、酢酸メゲストロール経口懸濁物は、次の不活性成分のうち1種または複数種を含有する:アルコール(最大0.06%v/v)、ライム風味、クエン酸一水和物、ドクセート(decusate)ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、天然および人工のレモン風味、精製水、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、二水和物、ならびにスクロース。
【0092】
一部の実施形態では、酢酸メゲストロールは、錠剤として製剤化され得る。一部の実施形態では、錠剤は、20mg酢酸メゲストロールを含有する。一部の実施形態では、錠剤は、40mg酢酸メゲストロールを含有する。一部の実施形態では、酢酸メゲストロール錠剤は、次の不活性成分のうち1種または複数種を含有する:アカシア噴霧乾燥、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、リン酸水素カルシウム二水和物粉末、ラクトース含水微粉(lactose hydrous impalpable)、ステアリン酸マグネシウム、およびアルファ化デンプン。
【0093】
医薬組成物
本開示の医薬組成物は、本明細書に記載される任意の医薬化合物の、他の化学成分、例えば担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、および/または賦形剤との組合せ物であってもよい。医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、経口、非経口、眼部、皮下、経皮、鼻、膣、および局所投与をはじめとする種々の形態および経路によって、医薬組成物として治療有効量で投与され得る。医薬組成物は、本化合物を生物に投与することを容易にする。医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、吸入、経口、非経口、眼、耳、皮下、経皮、鼻、硝子体内、気管内、肺内、経粘膜、腟、および局所投与を含む種々の形態および経路によって、医薬組成物として治療有効量で投与され得る。
【0094】
製剤は、選択される投与経路に応じて改変してもよい。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、例えば、混合、溶解、乳化、封入、捕捉、または圧縮のプロセスによって製造することができる。
【0095】
本明細書で開示される方法で使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、飼料、食物、ペレット、ロゼンジ、液体、エリキシル剤、エアロゾル、吸入剤、スプレー、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ジェルタブ、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、坐剤 トローチ、水性または油性の懸濁物、軟膏、パッチ、ローション、歯磨剤、エマルション、クリーム、点滴薬、分散性粉末または顆粒、硬または軟ゲルカプセル中のエマルション、シロップ、フィトシューティカル(phytoceutical)、ニュートラシューティカル(nutraceutical)、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0096】
医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせることにより製剤化され得る。本明細書で開示される方法で使用するのに好適な薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、流動促進剤(glidant)、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、ガム、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗微生物剤、植物セルロース性材料、および球形化剤(spheronization agent)、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0097】
薬学的に許容される担体の非限定的な例としては、食塩溶液、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。さらなる担体としては、本明細書に開示される化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出調製物が挙げられ、マトリックスは、フィルム、リポソーム、微粒子、およびマイクロカプセルなどの成形品の形態である。
【0098】
経口投与のため、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、固体または液体となり得る単位剤形にすることにより製剤化され得る。経口固体形態の非限定的な例としては、対象による経口摂取のための、錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、または懸濁物が挙げられる。経口使用のための医薬調製物は、1種または複数種の固体賦形剤を、本明細書に記載される1種または複数種の化合物と混合し、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望に応じて好適な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得ることにより得ることができる。コアには、好適なコーティングを施すことができる。この目的のため、濃縮糖溶液を使用することができる。溶液は、賦形剤、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポール(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコール、または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。例えば、活性化合物用量の異なる組合せを識別または特徴付けるために、色素または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0099】
経口で使用することができる医薬調製物としては、ゼラチンから作製されたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールから作製された密封軟カプセルが挙げられる。経口で使用することができる医薬調製物は、コーティングされたおよびコーティングされていない錠剤を含む。一部の実施形態では、カプセルは、硬ゼラチンカプセルを含み、このカプセルは、薬学的なウシゼラチンおよび植物ゼラチンのうち1種または複数種を含む。ゼラチンは、アルカリ処理することができる。カプセルまたは錠剤は、フィラー、例えば、ラクトース、結合剤、例えば、デンプン、または滑沢剤、例えば、タルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および安定剤との混合物中に活性成分を含有することができる。軟カプセル中で、活性化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁することができる。安定剤を添加することができる。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に好適な投薬量で提供される。
【0100】
液体単位剤形の経口投与のため、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせることにより製剤化され得る。かかる担体は、対象による経口摂取のための錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、または懸濁物を製剤化するために使用され得る。経口溶解性製剤において使用される溶媒の非限定的な例としては、水、エタノール、イソプロパノール、食塩水、生理食塩水、DMSO、ジメチルホルムアミド、リン酸カリウム緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、リン酸ナトリウム緩衝液、4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、および食塩水クエン酸ナトリウム緩衝液(SSC)を挙げることができる。経口溶解性製剤において使用される共溶媒の非限定的な例としては、スクロース、尿素、クレモフォール(cremaphor)、DMSO、およびリン酸カリウム緩衝液を挙げることができる。
【0101】
非経口注射は、ボーラス注射または連続注入のために製剤化され得る。医薬組成物は、食塩水または注射用の水などの油性または水性ビヒクル中の無菌懸濁物、溶液、またはエマルションとして、非経口注射に好適な形態であってもよく、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有していてもよい。非経口投与のための医薬品製剤としては、水溶性形態における活性化合物の水溶液が挙げられる。活性化合物の懸濁物は、油性注入懸濁物として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするため、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水での構成のために、粉末形態であってもよい。
【0102】
活性化合物は、局所投与されてもよく、溶液、懸濁物、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バーム、クリーム、および軟膏などの多様な局所投与可能な組成物に製剤化することができる。そのような医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、張度増進剤(tonicity enhancing agent)、緩衝液、および保存剤を含有することができる。本開示の化合物は、対象の皮膚、または体腔、例えば、口、膣、膀胱、頭蓋、脊髄、胸部もしくは骨盤腔に局所的に適用され得る。本開示の化合物は、到達可能な体腔に適用され得る。
【0103】
本化合物は、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤、ならびにポリビニルピロリドンおよびPEGなどの合成ポリマーを含有する、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸などの直腸組成物において製剤化することもできる。本組成物の坐剤形態では、必要に応じてカカオバターと組み合わせた、脂肪酸グリセリドの混合物などの低融ワックスを使用してもよい。
【0104】
頬側または舌下投与のため、組成物は、錠剤、ロゼンジ、またはゲルであり得る。
【0105】
活性化合物の経皮投与に好適な製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを用いることができ、ポリマーまたは接着剤中に溶解または分散された親油性エマルションまたは緩衝水溶液であり得る。そのようなパッチは、医薬化合物の連続的、拍動的、またはオンデマンド型の送達のために構築され得る。経皮送達は、イオン導入パッチによって達成され得る。経皮パッチは、制御送達をもたらすことができる。吸収速度は、律速膜を使用することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲル内に化合物を捕捉することによって減速され得る。吸収促進剤を使用して、吸収を増大することができる。吸収促進剤または担体としては、皮膚への通過を補助する薬学的に許容される吸収性溶媒が挙げられ得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物および担体を含有するリザーバー、長期間にわたって制御された所定の速度で対象の皮膚に化合物を送達するための律速バルア、ならびに皮膚または眼にデバイスを固定するための接着剤を含む、包帯の形態であり得る。
【0106】
吸入による投与のため、活性化合物は、エアロゾル、蒸気、ミスト、または粉末としての形態であり得る。吸入は、鼻送達、経口送達、またはその両方を介して行われ得る。
【0107】
鼻または鼻腔内投与は、鼻を介した化合物の吹送、例えば、点鼻液および鼻スプレーを伴う。この投与経路は、局所および/または全身効果をもたらすことができる。本明細書に記載される化合物の鼻から肺への送達のために、吸入器または吹送器デバイスを使用することができる。
【0108】
医薬組成物は、例えば、必要に応じてデポもしくは持続放出製剤または移植物において、化合物を器官に直接注射することによって、局所または全身様式で投与することができる。医薬組成物は、高速放出製剤の形態で、延長放出製剤(extended release formulation)の形態で、または中間放出製剤(intermediate release formulation)の形態で提供されてもよい。高速放出形態は、即時放出をもたらすことができる。延長放出製剤は、制御放出または持続遅延放出をもたらすことができる。
【0109】
本明細書において提供される処置の方法または使用を実践する際、本明細書に記載される治療有効量の化合物が、処置すべき疾患または状態を有する対象に医薬組成物中で投与される。一部の実施形態では、対象は、ヒトなどの哺乳動物である。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効能、ならびに他の要因に応じて大きく異なり得る。化合物は、単独で使用されても、混合物の成分として1種または複数種の治療剤との組合せにおいて使用されてもよい。
【0110】
本明細書に記載の化合物を含む組成物の調製方法は、1種または複数種の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体とともに本化合物を製剤化して、固体、半固体、または液体の組成物を形成することを含む。固体組成物としては、例えば、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、およびカシェ剤が挙げられる。液体組成物としては、例えば、化合物が溶解した溶液、化合物を含むエマルション、または本明細書に記載の化合物を含むリポソーム、ミセル、もしくはナノ粒子を含有する溶液が挙げられる。半固体組成物としては、例えば、ゲル、懸濁物、およびクリームが挙げられる。この組成物は、液体溶液もしくは懸濁物、使用前に液体に溶解もしくは懸濁するのに好適な固体形態、またはエマルションであってもよい。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および他の薬学的に許容される添加剤といった無毒の少量の補助物質を含有していてもよい。
【0111】
本開示において使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、液体、粉末、ゲル、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、水性または油性の懸濁物、エマルション、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0112】
本開示において使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、結合剤、崩壊剤、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗微生物剤、球形化剤(spheronization agent)、可溶化剤、安定化剤、張度増強剤、緩衝剤ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
本明細書で開示される方法で使用するのに好適な薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、が挙げられる。
【0113】
本発明の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、化合物を迅速に作用させるように製剤化されていてもよい。即時放出製剤の非限定的な例としては、易溶解性の製剤が挙げられる。制御放出製剤は、活性薬剤の放出速度および放出プロファイルが生理学および時間治療学の要件に適合し得るように適応されているか、あるいは、プログラムされた速度で活性薬剤の放出をもたらすように製剤化されている、医薬品製剤であり得る。制御放出製剤の非限定的な例としては、顆粒、遅延放出顆粒、ヒドロゲル(例えば、合成または天然起源のもの)、他のゲル化剤(例えば、ゲル形成食物繊維)、マトリックスベースの製剤(例えば、少なくとも1種の活性成分が分散しているポリマー材料を含む製剤)、マトリックス内の顆粒、ポリマー混合物、および顆粒塊が挙げられる。
【0114】
場合により、制御放出製剤は、遅延放出形態である。遅延放出形態は、化合物の作用を長期間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。遅延放出形態は、1種または複数種の化合物の有効用量の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。
【0115】
制御放出製剤は、持続放出形態であってもよい。持続放出形態は、例えば、化合物の作用を長期間にわたって持続させるように製剤化されていてもよい。持続放出形態は、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって、本明細書に記載される任意の化合物の有効用量をもたらす(例えば、生理学的に有効な血液プロファイルをもたらす)ように製剤化されていてもよい。
【0116】
薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、Pa.: Mack Publishing Company、1995年);Hoover, John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975年;Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins、1999年)に見出すことができ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0117】
対象は、例えば、高齢成人、成人、青年、思春期前(pre-adolescent)、小児、幼児、乳児、新生児、および非ヒト動物であり得る。一部の実施形態では、対象は、患者である。
【0118】
本明細書に開示される方法は、医薬組成物の一部として本明細書に開示される化合物を投与することに関する。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物の組成物は、溶液、懸濁物、またはその両方の中に活性薬剤を含む液体を含むことができる。液体組成物は、ゲルを含むことができる。一部の実施形態では、液体組成物は、水性である。あるいは、組成物は、軟膏であり得る。一部の実施形態では、組成物は、in situでゲル化可能な水性組成物である。一部の実施形態では、組成物は、in situでゲル化可能な水溶液である。
【0119】
薬学的に許容される賦形剤は、医薬組成物中に、組成物の質量で約0.1%~約99%の間の質量で存在することができる。例えば、薬学的に許容される賦形剤は、医薬組成物中に、製剤の質量で約0.1%~約95%の間、約0.1%~約90%の間、約0.1%~約85%の間、約0.1%~約80%の間、約0.1%~約75%の間、約0.1%~約70%の間、約0.1%~約65%の間、約0.1%~約60%の間、約0.1%~約55%の間、約0.1%~約50%の間、約0.1%~約45%の間、約0.1%~約40%の間、約0.1%~約35%の間、約0.1%~約30%の間、約0.1%~約25%の間、約0.1%~約20%の間、約0.1%~約15%の間、約0.1%~約10%の間、約0.1%~約5%の間、または約0.1%~約1%の間の質量で存在することができる。
【0120】
薬学的に許容される賦形剤は、製剤の質量で約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、または約99.9%で存在することができる。
【0121】
投薬
本明細書に記載される医薬組成物は、精確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。単位剤形において、製剤は、1種または複数種の化合物の適切な分量を含有する単位用量に分割されている。単位投与量は、別個の分量の製剤を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、パッケージングされた注射剤、バイアル、またはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単一用量の再閉鎖不可能な容器内にパッケージングされていてもよい。複数用量の再閉鎖可能な容器を、例えば、保存剤と組み合わせて、または組み合わせずに使用してもよい。非経口注射用の製剤は、単位剤形で、例えばアンプル内に、また保存剤とともに複数用量容器内に提供されてもよい。
【0122】
本明細書に記載の化合物は、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約50mg~約55mg、約55mg~約60mg、約60mg~約65mg、約65mg~約70mg、約70mg~約75mg、約75mg~約80mg、約80mg~約85mg、約85mg~約90mg、約90mg~約95mg、約95mg~約100mg、約100mg~約125mg、約125mg~約150mg、約150mg~約175mg、約175mg~約200mg、約200mg~約225mg、約225mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約325mg、約325mg~約350mg、約350mg~約375mg、約375mg~約400mg、約400mg~約425mg、約425mg~約450mg、約450mg~約475mg、または約475mg~約500mgの範囲で組成物中に存在し得る。
【0123】
本明細書に記載の化合物は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、300約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、または約500の量で組成物中に存在し得る。
【0124】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、約0.1mg/kg~約500mg/kg、約1mg/kg~約500mg/kg、約0.1mg/kg~約300mg/kg、約1mg/kg~約300mg/kg、または約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で対象に投与され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、対象の約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、約100mg/kg、約120mg/kg、約150mg/kg、約160mg/kg、約180mg/kg、約200mg/kg、約240mg/kg、約250mg/kg、約300mg/kg、約350mg/kg、約360mg/kg、約400mg/kg、約450mg/kg、約500mg/kg、または約600mg/kgの量で対象に投与される。
【0125】
投薬レジメン
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1週間に1回、1週間に2回、または1週間に3回であり得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1日1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、28日間(1サイクル)にわたり1日1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1または複数の28日間サイクルにおいて1日1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、3週間にわたる連続した1日1回投与とそれに続く投与のない1週間の4週間サイクルにおいて投与される。
【0126】
一部の実施形態では、本開示は、子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化17】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、少なくとも4週間1日1回である、
方法を提供する。
【0127】
一部の実施形態では、本開示は、子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化18】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間;およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、
方法を提供する。
【0128】
本明細書に記載される化合物は、疾患または状態の発生前、その間、またはその後に投与してもよく、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは様々であり得る。例えば、化合物は、予防薬として使用されてもよく、疾患または状態の発生の見込みを低下または低減させるために、状態または疾患の傾向を有する対象に継続的に投与されてもよい。化合物および組成物は、対象に症状の発症中に投与されても、発症後可能な限り早くに投与されてもよい。化合物の投与は、症状の発症から最初の48時間以内、症状の発症から最初の24時間以内、症状の発症から最初の6時間以内、または症状の発症から3時間以内に開始されてもよい。初回投与は、本明細書に記載される任意の製剤を使用した、実践的な任意の経路によるもの、例えば、本明細書に記載される任意の経路によるものであり得る。
【0129】
化合物は、疾患または状態の発症が検出されるかまたは疑われてから実践的である限りすぐに、そして例えば、約1か月から約3か月など、疾患の処置に必要な時間の長さにわたって投与され得る。一部の実施形態では、化合物が投与され得る時間の長さは、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1か月間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2か月間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3か月間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4か月間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5か月間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約1年間、約13か月間、約14か月間、約15か月間、約16か月間、約17か月間、約18か月間、約19か月間、約20か月間、約21か月間、約22か月 約23か月間、約2年間、約2.5年間、約3年間、約3.5年間、約4年間、約4.5年間、約5年間、約6年間、約7年間、約8年間、約9年間、約10年間、約11年間、約12年間、約13年間、約14年間、約15年間、約16年間、約17年間、約18年間、約19年間、約20年間、約21年間、約22年間、約23年間、約24年間、または約25年間であり得る。処置の長さは対象毎に異なり得る。
【0130】
本明細書に記載される化合物の投与のための投薬スケジュールは、投薬レジメンの長さについて一貫したものであり得る。例えば、化合物は、毎日投与され得る。あるいはまたはそれに加えて、本明細書に記載される化合物の投与のための投薬スケジュールは、投薬が休止される時間部分を含むことができる。例えば、化合物は、3週間にわたり毎日投与されてもよく、次いで、1週間にわたり投与されなくてもよい。
【0131】
本明細書に記載される化合物の投与のための投薬スケジュールは、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日4回(QID)、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1か月に1回、1か月に2回、および2か月毎に1回を含むことができる。例えば、1日用量は、単一の用量で与えられてもよく、または間隔をあけて投与されるべき複数の用量に分割されてもよく、例えば、1日2回、1日3回など。例えば、100mgの1日用量は、例えば、1日1回(100mg)、1日2回(用量当たり50mg)与えられてもよい。
【0132】
複数の治療剤は、いずれかの順序でまたは同時に投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、別の治療剤、例えば、薬物、例えば、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて、またはそれによる処置の前もしくは後に投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回など、規則的な間隔で投与され、第2の治療剤は、毎日もしくは間欠的に、または必要に基づいて投与される。同時である場合、複数の治療剤は、単一の統合された形態でまたは複数の形態で、例えば、複数の別々の単位剤形として提供され得る。薬剤は、一緒にまたは別々に、単一のパッケージでまたは複数のパッケージで包装され得る。治療剤のうち1種またはすべては、複数の用量で与えられてもよい。同時でない場合、複数の用量間のタイミングは、約1か月間もの長さまで変動し得る。
【0133】
化合物1投薬レジメン
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、1日当たり、経口8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル40mgの1用量、60mgの1用量、80mgの1用量、120mgの1用量;160mgの1用量、または200mgの1用量であり得る。あるいは、本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、40mgを1日2回、60mgを1日2回、80mgを1日2回、または100mgを1日2回であり得る。一部の実施形態では、投薬は、経口である。一部の実施形態では、投薬レジメンは、1日当たり約200mg~約500mgの範囲に及び得、例えば、1日当たり約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mgとなり得る。
【0134】
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、1日当たり、経口8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル40mgの1用量、40mgの2用量、40mgの3用量、40mgの4用量、40mgの5用量、40mgの6用量、40mgの7用量、40mgの8用量、40mgの9用量、40mgの10用量、40mgの11用量、または40mgの12用量であり得る。一部の実施形態では、投薬は、経口である。
【0135】
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、1日当たり、経口8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル60mgの1用量、60mgの2用量、60mgの3用量、60mgの4用量、60mgの5用量、60mgの6用量、60mgの7用量、60mgの8用量であり得る。一部の実施形態では、投薬は、経口である。
【0136】
一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルは、1日1回投与される。一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルは、28日間(1サイクル)にわたり1日1回投与される。一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルは、1または複数の28日間サイクルにおいて1日1回投与される。一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルは、3週間にわたる連続した1日1回投与とそれに続く投与のない1週間の4週間サイクルにおいて投与される。
【0137】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0138】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0139】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0140】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0141】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0142】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0143】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0144】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0145】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0146】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0147】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0148】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0149】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0150】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0151】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0152】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0153】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0154】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0155】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0156】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0157】
レトロゾール投薬レジメン
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1週間に1回、1週間に2回、または1週間に3回であり得る。一部の実施形態では、投薬は、経口である。一部の実施形態では、好適な量のレトロゾールは、1日当たり約0.1mg~約100mgの範囲に及び得、例えば、1日当たり約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約2.5mg、 約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、または約50mgとなり得る。
【0158】
化合物1およびレトロゾール投薬レジメン
本明細書に開示される投薬レジメンは、例えば、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよびレトロゾールの組合せであり得る。一部の実施形態では、投薬は、経口である。一部の実施形態では、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルの好適な量は、1日当たり約40mg~約500mgの範囲に及び得、例えば、1日当たり約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mgとなり得、レトロゾールの好適な量は、1日当たり約0.1mg~20mgの範囲に及び得、例えば、1日当たり約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mgとなり得る。
【0159】
一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、60mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、80mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、120mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、160mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、200mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、240mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、280mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、320mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、360mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、400mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、440mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。一部の実施形態では、組合せは、例えば、1日1回投与される、480mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルおよび2.5mgのレトロゾールであり得る。
【0160】
一部の実施形態では、組合せは、1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、28日間(1サイクル)にわたり1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、1または複数の28日間サイクルにおいて1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、3週間にわたる連続した1日1回投与とそれに続く投与のない1週間の4週間サイクルにおいて投与される。
【0161】
一部の実施形態では、組合せは、1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、28日間(1サイクル)にわたり1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、1または複数の28日間サイクルにおいて1日1回投与される。一部の実施形態では、組合せは、3週間にわたる連続した1日1回投与とそれに続く投与のない1週間の4週間サイクルにおいて投与される。
【0162】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0163】
一部の実施形態では、本開示は、ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0164】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0165】
一部の実施形態では、本開示は、プロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてプロゲステロン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0166】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0167】
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてエストロゲン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0168】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0169】
一部の実施形態では、本開示は、再発性転移性低悪性度子宮内膜がんの処置を必要とする対象において再発性転移性低悪性度子宮内膜がんを処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0170】
一部の実施形態では、本開示は、変異、例えば、POLE変異によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0171】
一部の実施形態では、本開示は、変異、例えば、POLE変異によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0172】
一部の実施形態では、本開示は、ミスマッチ修復欠損(DMMR)によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0173】
一部の実施形態では、本開示は、ミスマッチ修復欠損(DMMR)によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0174】
一部の実施形態では、本開示は、マイクロサテライト不安定性(MSI)によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0175】
一部の実施形態では、本開示は、マイクロサテライト不安定性(MSI)によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【0176】
一部の実施形態では、本開示は、p53腫瘍抑制活性の変更によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、少なくとも4週間にわたる1日1回である、方法を提供する。
【0177】
一部の実施形態では、本開示は、p53腫瘍抑制活性の変更によって引き起こされる疾患を有する対象を処置する方法であって、対象に治療有効量の8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1 イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩およびレトロゾールの組合せを投与することを含み、投与することが、(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、およびii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間の4週間サイクルである、方法を提供する。
【実施例】
【0178】
(実施例1)
対象における疾患を処置するための本明細書に開示される経口医薬組成物を評価するための研究。
概要:この研究は、少なくとも1種の以前の処置を受けそれに失敗した進行がんを有する患者における8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の安全性、耐容性およびPK特徴を調査するための用量漸増研究である。この研究の主目標は、再発したおよび/または不応性の進行がんを有する患者における化合物1の反復した毎日の投薬の安全性および耐容性を評価することである。この研究の二次目標は、経口投与された化合物1の最大耐用量(MTD)および推奨第2相用量(RP2D)を確立することである。加えて、本研究は、がん患者における化合物1の有効性を探索する。
【0179】
研究設計:この研究は、用量漸増のために3+3設計を使用した用量設定研究である。用量コホート当たり3~6人の患者が、続いて、RP2Dにおいて最大12人の追加の患者が登録される。4用量レベルおよび増大化コホートに基づき、およそ36人の進行がんを有する患者が本研究において登録される。MTD/RP2Dを確立するために追加の用量漸増が要求される場合、用量レベル当たり3~6人の追加の患者が追加される。
【0180】
化合物(1)は、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む硬カプセルの形態で与えられる。初期用量は、28日間(1サイクル)にわたり1日1回服用される40mg(1個のカプセル)である。用量は、朝に、胃を空にした状態で服用される。用量漸増3+3研究における用量増分は、サイクル当たり40mgの化合物1である。用量レベルは、RP2D/MTDに達するまで、40mg、80mg、120mg、160mgなどである。最初のおよびその後のコホートにおける最初の3人の患者のそれぞれは、処置の最初の28日間において用量制限毒性(DLT)について評価される。いずれの患者もDLTを経験しない場合、次のコホートへの登録が、次の用量レベルで始まる。コホートにおける最初の3人の患者のうち1人の患者が、最初の28日間においてDLTを経験する場合、追加の3人の患者が、総計6人の患者のための当該コホートに登録される。コホートにおける6人の患者のうち1人のみが、最初の28日間においてDLTを経験する場合、次のコホートへの登録が、次の用量レベルで始まる。コホートにおける2人またはそれよりも多い患者が、最初の28日間においてDLTを経験する場合は常に、コホートは閉鎖される。当該コホートの用量は、「許容できない」とみなされ、以前の用量レベルは、MTDとして定義される。患者は、疾患進行もしくは不耐性または中断決定に達するまで本研究を続ける。
【0181】
研究目標およびエンドポイント
【0182】
この研究の主目標は、再発したおよび/または不応性の進行がんを有する患者における化合物1の反復した毎日の投薬の安全性および耐容性を評価することである。主要エンドポイントは、(DLT、有害事象(AE)、死亡および他の重篤AEを含む。
【0183】
この研究の二次目標は、再発したおよび/または不応性の進行がんを有する患者において、化合物1のMTDおよび経口投与された化合物1のRP2Dを確立し、経口投与後の化合物1の薬物動態を特徴付けることである。二次エンドポイントは、最大血漿濃度(Cmax)、血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)および半減期(t1/2)を含む。
【0184】
この研究の探索的目標は、適用可能な腫瘍に適切である場合は常に、RECISTに従った客観的応答によって化合物1の有効性を評価することである。非ホジキンリンパ腫およびCNS腫瘍の評価は、イメージング技法(CT、PET、MRI)によるものである。
【0185】
薬物動態
【0186】
血液試料は、薬物動態(PK)解析のため、第1のサイクルの1および8日目の用量前および後に、ならびにサイクル2および3の1日目の用量前に採取される。化合物(1)濃度は、検証された液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)アッセイによって血漿試料において決定される。化合物1のレベルは、PKプロファイルにおける指定の時点で決定される。
【0187】
次のPKパラメーターは、モデル非依存的解析を使用して導き出される:Cmaxに達するまでの時間(Tmax)、Cmax、t1/2、AUC0-t、AUC0-α、CL、およびVss。これらのパラメーターの記述統計学(平均、中央値、範囲、標準偏差)は、各用量群によって提供および要約される。
【0188】
CmaxおよびTmaxは、血漿濃度-時間プロファイルから決定され、t1/2βは、0.693/k(式中、kは、濃度-時間プロファイルの終末部分の対数線形回帰によって計算される終末排出速度定数である)として計算される。AUC0-tは、線形台形法則によって計算され、kを使用して無限大に外挿されて、AUC0-∞を得る。
【0189】
薬物動態パラメーターは、WinNonlinにおいて実行される標準非コンパートメント法を使用して、化合物1濃度-時間データから計算される。最大血漿濃度(Cmax)およびCmaxに達するまでの時間(Tmax)は、観測値である。血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)値は、線形台形法則の使用によって最後の定量化可能な試料(AUClast)へと計算される。最後の定量化可能な濃度を、濃度-時間プロファイルの終末相の勾配から決定される終末消失速度定数(terminal disposition rate constant)(λz)で割ることにより、AUC値は、無限大に外挿される(AUCinf)。終末半減期(T1/2)は、λzで割った0.693として計算される。見かけ上の経口クリアランス(Cl/F)は、投与された用量をAUCinf.4で割ることにより計算される。薬物動態データは、コホートごとに解析される。
【0190】
有効性解析。有効性変数は、RECIST基準、バージョン1.1を使用した最良の全奏効(ORR)である。客観的腫瘍応答は、原発性腫瘍型によって作表および要約される。保証される場合、応答の持続時間または進行までの時間などの追加の有効性エンドポイントが解析される。
【0191】
(実施例2)
対象における疾患を処置するための本明細書に開示される医薬組成物のPK/PD結果を評価するための研究
概要:この研究は、少なくとも1種の以前の処置を受けそれに失敗した進行性固形腫瘍を有する入院患者(in-patient)の安全性、耐容性およびPK特徴を調査するための用量漸増研究である。この研究の主目標は、再発したおよび/または不応性の進行がんを有する患者における8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の反復した毎日の投薬の安全性および耐容性を評価することである。この研究の二次目標は、化合物1のMTおよび経口投与された化合物1のRP2Dを確立することである。加えて、本研究は、がん患者における化合物1の有効性を探索する。
【0192】
研究設計:本研究は、処置期間(1年間)および経過観察期間(最後の用量の後90日間)を含む。対象は、悪性固形腫瘍または進行性(転移性または切除不能)悪性固形腫瘍を有することが病理学的に確認され、疾患進行または不耐性の毒性によって証明される通り、標準処置(例えば、標的化療法、化学療法、生物療法、免疫療法など)を以前に失敗している。現在がんのための有効な処置が存在しない場合、対象が本研究に含まれてもよい。
【0193】
本研究は、投薬量漸増および用量増大化コホートを含む2つのステージへと分けられる。第1の相は、MTDおよび/またはRP2Dを決定するための3+3設計を使用した用量漸増である。用量コホート当たり3~6人の患者が、続いて、RP2Dにおいて最大12人の追加の患者が登録される。およそ9~30人の患者が、第1の相において登録される。MTD/RP2Dを確立するために追加の用量漸増が要求される場合、用量レベル当たり3~6人の追加の患者が追加される。
【0194】
患者は、朝食前に絶食条件下、経口で研究薬物を受ける。化合物(1)は、3週間にわたり連続的に1日1回投与され、1週間中止される。安全性、耐容性および用量制限毒性は、4週間(28日)の投薬後に評価される。
【0195】
化合物(1)は、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む硬カプセルの形態で与えられる。用量(1個のカプセル)は、朝に、胃を空にした状態で服用される。用量漸増3+3研究における用量増分は、サイクル当たり40mgの化合物1である。用量レベルは、40mg、80mg、120mg、160mg、および200mgであるか、またはRP2D/MTDに達するまでである。本研究における最高漸増用量は、200mgに設定される。用量漸増は、実施例1に記載される通りに行われる。
【0196】
本研究の第2のステージは、用量増大化ステージである。用量増大化ステージは、9~12人のがん患者(主に、進行性乳がんおよび非小細胞肺がん患者、HR(+)およびHER2(-))を登録する。試験手順は、用量増大化相におけるものと同じである。
【0197】
研究目標およびエンドポイント
【0198】
この研究の主目標は、進行性固形腫瘍を有する患者における化合物1の耐性、安全性、および抗腫瘍有効性を評価することである。
【0199】
この研究の二次目標は、再発したおよび/または不応性の進行がんを有する患者における化合物1の単一および複数の用量の経口投与後の化合物1の薬物動態を特徴付けることである。二次エンドポイントは、最大血漿濃度(Cmax)、血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)および半減期(t1/2)を含む。本研究は、客観的奏効率ORR、無進行生存PFS、寛解の持続時間DOR、病勢コントロール率DCRなどを含む、固形腫瘍を有する患者における化合物1の有効性を評価する。
【0200】
薬物動態
【0201】
血液試料は、薬物動態(PK)解析のために、第1のサイクルの1および8日目の用量前および後に、ならびに第1のサイクルの4日目の用量前に採取される。化合物(1)PKは、実施例1に記載される通りに決定される。
有効性解析。この研究の有効性変数は、RECIST基準、バージョン1.1を使用した最良の全奏効(ORR)である。有効性解析は、(1)処置後に完全寛解(CR)および部分寛解(PR)を有する対象の比率として定義される客観的寛解率(ORR)、(2)処置後に完全寛解(CR)、部分寛解(PR)および疾患安定化(SD)を有する対象の比率として定義される病勢コントロール率(DCR)、(3)客観的寛解の初期記録から腫瘍進行の最初の出現またはいずれかの原因による死亡までの時間として定義される寛解までの時間(DOR)、ならびに(4)開始から腫瘍進行またはいずれかの原因による死亡までの処置として定義される無進行生存(PFS)を含む。
【0202】
(実施例3)
対象における本明細書に開示される経口医薬組成物とアロマターゼ阻害剤を評価するための投薬レジメン
本研究は、エストロゲン受容体陽性進行型または再発性子宮内膜がんを有する患者のための、アロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール)と組み合わせたプラセボに対するアロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール)と組み合わせた8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の無作為化二重盲検プラセボ対照研究である。
【0203】
研究設計:この研究は、1:1無作為化二重盲検研究を使用した処置応答研究である。患者は、2つの処置アームのうち1つへと無作為化される:アームA:(プラセボ):レトロゾール-プラセボ併用療法;およびアームB(実験):レトロゾール-化合物1併用療法。本研究における各サイクルは28日間の処置であり、腫瘍は12週間毎に評価される。
【0204】
化合物(1)は、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む硬カプセルの形態で与えられる。化合物(1)は、28日間(1サイクル)にわたり1日1回服用される。あるいは、化合物1は、3週間にわたり連続的に1日1回服用され、投与なしの1週間があり、総計28日間となる。疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで処置を続ける。化合物(1)は、朝に、胃を空にした状態で服用される。
【0205】
レトロゾールは、2.5mg錠剤の形態で与えられる。1個の2.5mgレトロゾール錠剤は、1~28日目(1サイクル)で1回服用される。疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで処置を続ける。レトロゾールは、朝に、化合物1またはプラセボのいずれかと同時に服用される。
【0206】
主要転帰尺度 主要転帰尺度は、比較対照アームに対する実験アームにおける無進行生存(PFS)の増加である。
【0207】
二次転帰尺度は以下である:
1.PFS:比較対照アームに対する実験アームにおけるPFS中央値の増加。
2.RECISTに従った全奏効率(ORR)。
3.少なくとも12週間にわたる病勢コントロール率(DCR)。
4.最初の後続治療までの時間(TFST):無作為化から最初の後続治療または死亡までの時間。
5.無進行生存2(PFS2):無作為化から第2の客観的疾患進行または死亡までの時間。
6.2番目の後続治療までの時間(TSST):無作為化から2番目の後続治療または死亡までの時間。
7.クオリティオブライフ質問票EORTC-QLQ-C30&EORTC-QLQ-EN24などの患者報告転帰(PRO)。これらは、患者によって回答されるべき検証された質問票である。結果は、記述でおよび1~10のスケールで報告される。
8.CTCAE v4.0によって評価される、処置関連有害事象を有する参加者の数。
9.2つの処置アームにおける遵守。
10.2つの処置アームにおける用量低減/中断。
【0208】
本開示の様々な化合物の毒性/有効性が、解析および比較される。
【0209】
(実施例4)
対象における本明細書に開示される経口医薬組成物とプロゲスチンを評価するための投薬レジメン
本研究は、エストロゲンを有する患者のための、プロゲスチン(例えば、酢酸メゲストロール)と組み合わせたプラセボに対するプロゲスチン(例えば、酢酸メゲストロール)と組み合わせた8-シクロペンチル(cyclopenty1)-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の無作為化二重盲検プラセボ対照研究である。
【0210】
研究設計:この研究は、1:1無作為化二重盲検研究を使用した処置応答研究である。患者は、2つの処置アームのうち1つへと無作為化される:アームA:(プラセボ):酢酸メゲストロール-プラセボ併用療法;およびアームB(実験):酢酸メゲストロール-化合物1併用療法。本研究における各サイクルは28日間の処置であり、腫瘍は12週間毎に評価される。
【0211】
化合物(1)は、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-l-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な48.4mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む硬カプセルの形態で与えられる。化合物(1)は、28日間(1サイクル)にわたり1日1回服用される。あるいは、化合物1は、3週間にわたり連続的に1日1回服用され、投与なしの1週間があり、総計28日間となる。疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで処置を続ける。化合物(1)は、朝に、胃を空にした状態で服用される。
【0212】
酢酸メゲストロールは、1日当たり625mgの経口懸濁物(1日当たり5mLの125mg/mL懸濁物または毎日小匙1杯)の形態で与えられる。1つの625mg酢酸メゲストロール用量は、1~28日目(1サイクル)で1回服用される。疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで処置を続ける。酢酸メゲストロールは、朝に、化合物1またはプラセボのいずれかと同時に服用される。
【0213】
主要転帰尺度 主要転帰尺度は、比較対照アームに対する実験アームにおける無進行生存(PFS)の増加である。
【0214】
二次転帰尺度は以下である:
1.PFS:比較対照アームに対する実験アームにおけるPFS中央値の増加。
2.RECISTに従った全奏効率(ORR)。
3.少なくとも12週間にわたる病勢コントロール率(DCR)。
4.最初の後続治療までの時間(TFST):無作為化から最初の後続治療または死亡までの時間。
5.無進行生存2(PFS2):無作為化から第2の客観的疾患進行または死亡までの時間。
6.2番目の後続治療までの時間(TSST):無作為化から2番目の後続治療または死亡までの時間。
7.クオリティオブライフ質問票EORTC-QLQ-C30&EORTC-QLQ-EN24などの患者報告転帰(PRO)。これらの転帰は、患者によって回答されるべき検証された質問票である。結果は、記述でおよび1~10のスケールで報告される。
8.CTCAE v4.0によって評価される、処置関連有害事象を有する参加者の数。
9.2つの処置アームにおける遵守。
10.2つの処置アームにおける用量低減/中断。
【0215】
本開示の様々な化合物の毒性/有効性が、解析および比較される。
【0216】
(実施例5)
in vitroマルチキナーゼ活性 - IC
50値
本研究は、HR+HER2-転移性乳がんのための処置進歩を表す、FDA承認されたCDK4/6阻害剤の比較対照1、比較対照2および比較対照3と比較した、化合物1のIC
50値(nM単位)を評価する。IC
50値は、収載されているキナーゼの50%阻害に必要とされる濃度を示す定量的尺度である。結果を表1に示す。
【表1】
【0217】
表1は、化合物1が、CDK4およびCDK6に対して、比較対照1、比較対照2および比較対照3と匹敵するIC50値を有したことを示す。化合物1は、CSF1R、ARK5およびKITに対して、比較対照1、比較対照2および比較対照3よりも有意に低いIC50値(1~3桁低い)を有した。化合物1は、CDK1、CDK2、CDK7、CDK9、CDK16およびCDK17に対して、比較対照1および比較対照2よりも有意に低いIC50値(1~3桁低い)も有した。この研究は、化合物1が、多数のキナーゼを阻害するのに高い有効性を有することを実証する。
【0218】
(実施例6)
対象における本明細書に開示される経口医薬組成物を評価するための投薬レジメン
本研究は、進行がんを有する患者における8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の第1相用量漸増研究である。患者は、新しいコホート毎に40mg毎日から開始して、40mg/日の増分で投薬量を漸増させて、化合物1を28日間サイクルにおいて毎日、または28日間サイクルの1~21日目のみで投薬される。200mg/日コホートにより用量制限毒性は観察されない。報告された有害事象は、重症度におけるグレード1または2であり、主に胃腸管(GI)障害である。
【0219】
(実施例7)
対象におけるアロマターゼ阻害剤と組み合わせた本明細書に開示される経口医薬組成物を評価するための投薬レジメン
本研究は、子宮内膜がんを有する患者のための、アロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール)と組み合わせた8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の非盲検多施設研究である。
【0220】
研究設計:この研究は、1日1回の経口によるレトロゾールと組み合わせた8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物1)の漸増用量の安全性および有効性を評価するための第1/2a相非盲検多施設研究である。子宮内膜がんを有するおよそ30人の患者が第1相研究に登録される。第1相研究の主目標は、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、1日1回経口投与される化合物1の漸増用量の安全性、耐容性、薬物動態(PK)、および薬力学(PD)を調査し、推奨される第2相用量(RP2D)を決定することである。用量漸増は、標準3+3設計に従う。子宮内膜がんを有するおよそ20人の患者が第2a相研究に登録される。疾患進行、患者離脱または容認できない薬物関連毒性が生じるまで、処置を続けることになる。第2a相研究の主目標は、治験責任医師評価によって決定される24週目の無進行生存(PFS)の測定基準によって測定される、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、1日1回経口投与された化合物1の有効性を調査することである。
【0221】
化合物1は、8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩として、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリルに等価な、40mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩に等価な40mgまたは60mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む透明な硬カプセルの形態で与えられる。化合物1の出発用量は、3+3設計で28日間の処置サイクル(1サイクル)にわたり1日1回服用される200mgである。1回の処置サイクルの後に、化合物1の用量は、40mg/日の増分で漸増し、新しいコホートは、増加された投薬量(例えば、処置サイクルにわたり1日1回服用される240mg)で登録され、以前のコホートは、漸増された用量まで漸増することが可能になる。最小有効生物学的用量(MBED)または最大耐用量(MTD)に達するまで処置を続け、RP2Dが決定される。第2a相研究において、化合物1は、第1相から得られるRP2Dで与えられる。化合物1は、朝に、胃を空にした状態で、水と共に、朝食を開始する少なくとも1時間前に服用される。
【0222】
化合物1用量修正および管理ガイドラインは、特に注目すべき有害事象(AESI)に依存する。用量低減は、用量漸増コホートのいずれにおいても最初の28日間は許可されないが、その後に許可される。化合物1の200mg/日を下回るいかなる用量修正要求も、本研究からの離脱をもたらすであろう。コホートが、用量制限毒性が全く観察されずに(n=3)または1人以下の患者が用量制限毒性を経験して(n=6)、28日間の投薬を完了した後に、用量漸増を行う。
【0223】
好中球減少のための用量修正:全血球数は、化合物1投与の開始前に、臨床的な必要が示される場合にモニタリングされる。用量修正は、有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAEグレード)に依存する:
i.CTCAEグレード1または2:化合物1の用量修正は要求されない
ii.CTCAEグレード3:毒性がグレード2またはそれ未満まで解消するまで用量を保留し、用量低減は要求されない
iii.CTCAEグレード3再発性:毒性がグレード2またはそれ未満まで解消するまで用量を保留し、次に低い用量で再開する
iv.CTCAEグレード4:化合物1を中断する
【0224】
レトロゾールは、2.5mg錠剤の形態で与えられる。1個の2.5mgレトロゾール錠剤は、1~28日目(1サイクル)で1回服用される。疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで処置を続ける。レトロゾールは、朝に、化合物1と同時に服用される。
【0225】
第1相主要転帰尺度:主要転帰尺度は、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、1日1回の経口により投与される化合物1の漸増用量の安全性、耐容性、PK、およびPDである。
【0226】
第2a相主要転帰尺度:主要転帰尺度は、24週目にPFSによって測定される、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、RP2Dで1日1回の経口により投与される化合物1の有効性である。
【0227】
第1相二次転帰尺度は、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、1日1回の経口により投与される化合物1のMBEDおよび/またはMTD、ならびにRP2Dである。
【0228】
第1および2a相二次転帰尺度は、固形腫瘍における応答評価判定基準(RECIST)バージョン1.1を使用することにより評価される、16および24週目の以下の有効性エンドポイントである:
1.治験責任医師評価による16週目のPFS
2.治験責任医師評価によるPFS中央値
3.完全奏効(CR)率
4.部分奏効(PR)率
5.安定病態(SD)率
6.全奏効率(ORRはCR+PRと等しい)
7.病勢コントロール率(DCRはCR+PR+SDと等しい)
8.応答の持続時間(DoR)
9.応答までの時間(TTR)
10.全生存期間(OS)
その上、第1相および第2a相治験の二次転帰尺度は、1日1回の経口によるレトロゾール2.5mgと組み合わせた、化合物1のRP2Dの安全性および耐容性を評価することである。
【0229】
第1相および第2a相探索的尺度は以下である:
1.エストロゲン/プロゲステロン受容体ステータス
2.RBステータス
3.組織におけるCCNE1/CCND1発現
4.ctDNAにおけるCCNE1/CCND1発現
5.POLE分子分類
6.DMMR分子分類
7.MSI分子分類
8.P53分子分類
9.次のものを含むPKパラメーター:
i.薬物の最大血漿濃度[Cmax]
ii.Cmaxに達するまでの時間(Tmax)
iii.終末半減期[T1/2]
iv.時間0から最後の定量化可能な試料の時間までの濃度-時間曲線下面積[AUC][AUC0-t]
v.無限大に外挿されたAUC[AUC0-∞],
vi.クリアランス[CL]
vii.定常状態での分布容積[Vss]
10.PD評価。
【0230】
薬物動態測定:薬物動態(PK)試料は、最初の28日間サイクルの1および8日目に全患者から採取されるであろう。PK試料は、両方の日の用量前に、次いで用量後0.5、1、2、4、6、8、10および24時間目に採集されるであろう。24時間試料は、28日間サイクルの2および9日目に投薬に先立ち採取され、単一用量前PK試料は、サイクル2および3の1日目に採集されるであろう。
【0231】
薬力学評価:血清TK1活性レベルのための薬力学(PD)試料は、スクリーニング時に、用量サイクル1の1、8、15、22日目の用量前に、次いで全用量サイクルの1日目の用量前に、および治験の終わり(EOT)に採集されるであろう。化合物1レトロゾール組合せ処置の効果は、検証されたDiviTum(登録商標)TKa技術を使用して評価される。PDパラメーターは、処置前および処置中の連続測定を使用した血清TKaレベルの変化に基づき計算され、TKa、薬物PK、および化合物1レトロゾール組合せ処置に対する患者応答の間の関係性は、各時点、各投薬コホート、および各特異的診断/腫瘍型に関して解析される。各パラメーターの記述統計学は、各用量群によって提供および要約される。
【0232】
組み入れ基準 患者は、本研究における組み入れのための次の基準を満たす:
1.インフォームドコンセント書面の署名時に、18歳であるか、または研究の管轄において法定同意年齢である
2.再発性転移性疾患または進行性(ステージIV)疾患を有する
3.転移性疾患のための全身性療法の1または2種の以前の系統の治療を受けたことがある
4.チェックポイント阻害剤、ホルモン療法、または化学療法を含む、子宮内膜がんのための3種以上の以前の系統の全身性療法を受けたことがない。限局化された疾患のための以前の外部照射療法、近接照射療法、および/または外科手術は許容され、治療の系統として計数されない
5.放射界の外側に測定可能な疾患を有する
6.利用できる局所性ミスマッチ修復(MMR)の免疫組織化学結果を有する;dMMRおよびMMRp患者は適格であり、研究目的のための記録となるであろう
7.0または1の米国東海岸癌臨床試験パフォーマンスステータス(Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status)(ECOG PS)を有する
8.エストロゲン/プロゲステロン受容体ステータスおよび分子分類解析に利用できる組織を有する
9.次によって示される適切な器官機能を有する:
a.絶対好中球計数(ANC)≧1.0×109/L
b.血小板≧100×109/L
c.ヘモグロビン≧9.0g/dL
d.国際標準化比(INR)≦1.5
e.コッククロフト-ゴールト式によって推定されるクレアチニンクリアランス≧60/mL
f.3.0×正常上限(ULN)を下回るアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)(または肝臓転移が存在する場合はALTおよびAST≦5×ULN)。
g.総血清ビリルビン<1.5×ULN;または総ビリルビン≦3.0×ULNと、十分に記録されたジルベール症候群を有する参加者における中央検査室の正常範囲内の直接ビリルビン。
10.ベースラインQTc間隔<470ミリ秒を有する。
11.経口薬物療法を嚥下することができる。
12.少なくとも12週間の平均余命を有する
13.性交および避妊/バリア要件
a.次の通りに定義される閉経後である:
i.患者の最後の月経期間が、いかなる代替医学的原因もなく、スクリーニングの12か月間よりも前に起こった、および
ii.患者の閉経後ステータスが、>40mIU/mLの血清卵胞刺激ホルモン濃度のスクリーニングによって確認される;もしくは
iii.患者が、外科的不妊法(両側卵巣摘出術および/または子宮摘出術)を受けた
または
b.閉経後ではない場合、スクリーニング時および研究エントリーの際に(サイクル1の1日目)に妊娠検査陰性でなければならない、ならびに
c.閉経後ではない場合、臨床研究における参加者について、避妊使用は、避妊方法に関する現地の規制と一致していなければならない。インタクトな卵巣を有する55歳未満の患者は、ホルモンの検証を受けるであろう。
14.ICFおよび本プロトコールに収載されている要件および制限の遵守を含む、署名されたインフォームドコンセントを出すことができる。
【0233】
除外基準:患者は、次のいずれかを示す場合、本研究において除外される:
1.過去にCDK4/6阻害剤を受けたことがある。
2.治験責任医師の見解において、患者が本研究に参加することを妨げるか、または患者に容認できないリスクを提示する、いずれかの有意な医学的状態、検査室異常、または精神医学的疾病を有する。
3.多形性心室頻拍(TdP)のリスクがある:フレデリシア(Fredericia)QT補正式を使用してQT/QTc間隔の著しいベースライン延長(例えば、QTc間隔>470ミリ秒の反復的な実証)を有するか、またはTdPの追加のリスク因子(例えば、心不全、低カリウム血症、QT延長症候群の家族歴)の病歴を有するか、またはQT/QTc間隔を延長する薬物療法を現在服用中である、患者。
4.研究手順および要件の参加遵守を限定する、進行中または活性感染、出血、うっ血性心不全、不安定狭心症、心不整脈、酸素依存性肺疾患、および精神医学的疾病/社会的状況を含むがこれらに限定されない、治験責任医師またはスポンサーの判断において、参加者が、研究処置を受けることをもしくはこの研究において追跡されることを妨げる、または他の点から参加者を本研究に不適切にする可能性がある、制御されない併発するもしくは有意な医学的疾病、重篤な根底にある医学的状態、異常検査室知見、または精神医学的疾病/社会的状況を有する。
5.チトクロムP450酵素(CYP)2C8およびCYP3A4の強い誘導剤および阻害剤を現在服用中であるか、または服用の5半減期以内である。
6.スクリーニングの<6か月前に起こる事象として定義される静脈性血栓塞栓性事象の最近の病歴を有する、また、現在治療中である、既知の根底にある凝固能亢進、または過去2年以内の大規模血栓塞栓性事象。
7.ベースライングレード≧2の下痢を有する。
8.グレード≧3の高カルシウム血症(補正血清カルシウム>12.5mg/dL)を有する。
9.妊娠中であるかまたは授乳婦である。
10.外科的創傷および部位(複数可)の術後治癒を可能にするために、スクリーニングの14日前以内に大手術を受けたことがある。
11.最近(スクリーニングの28日前以内に)弱毒生ワクチンを受けたことがある。
12.いずれかのヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはB型肝炎(HBV)ウイルス、C型肝炎ウイルス(HCV)、またはSARS-CoV-2(COVID-19)を含む、細菌もしくは真菌感染または活性ウイルス感染またはウイルス負荷を含む活性感染を有する。
13.次のものを除いて、いずれかの他のがんまたは悪性疾患を現在有するかまたは過去2年間に処置されたことがある:
a.皮膚の基底細胞癌を含む、非黒色腫皮膚がん
b.治癒的に処置された子宮頸部上皮内癌。
14.いずれかの臨床的に有意な制御されない心臓疾患および/または心再分極異常を有する。次のいずれかの病歴を有する:
a.心血管的病因の失神
b.病理学的起源の心室性不整脈
c.心突然停止
d.駆出率が低減されたうっ血性心不全の記録された病歴。
15.間質性肺炎を有するか、または次の通りに定義される肺機能の重症機能障害を有する:
a.正常予測値の≦50%の肺活量および肺の一酸化炭素拡散能(DLCO)、または
b.≦88%の周囲環境での安静時酸素(O2)飽和。
16.次のいずれかを含むがこれらに限定されない、いずれかの非研究用抗がん治療をスクリーニングの21日前以内に受けたことがあるか、現在受けているか、または本研究中に受けることを意図する:
a.抗がん剤
b.治験用薬剤
c.外科的介入
d.いずれかの放射線療法(孤立性病変への放射線を含む)を含む放射線介入(標的病変ではない病変への対症的放射線は許容できる)。
17.中枢神経系転移または髄膜癌腫症を有する。
18.レトロゾールによる処置の候補ではない。
【0234】
評価の第1相および第2a相スケジュール:第1相および第2a相治験は、スケジュールに従って進む:
i.インフォームドコンセントは、第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目に得られる
ii.参加者病歴および研究適格性審査
a.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目における人口統計
b.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目および-7から-1日目、ならびに第1の用量サイクルの1日目における組み入れ/除外基準
c.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目における治療歴および現在の医学的状態
d.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目における腫瘍組織学
e.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目におけるがんの診断および程度
f.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目における以前の抗新生物療法
g.-28日目から-1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりまで処置サイクルの持続時間を通して、最後の用量から15日後以内に始まる以前のおよび付随する薬物療法
iii.身体検査
a.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、および各後続用量サイクルの1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内に始まる全身身体検査を含む身体検査
b.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの1日目に、各後続用量サイクルの1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内に始まるECOG PS
c.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目における身長
d.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの1日目に、各後続用量サイクルの1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における体重
e.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの1および15日目に、各後続用量サイクルの1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内におけるバイタルサイン
iv.検査室評価
a.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの8±2日目および15日目に、各後続用量サイクルの1日目に、ならびに治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における血液学
b.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの8±2日目および15日目に、各後続用量サイクルの1日目に、ならびに治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における化学的検査
c.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における空腹時脂質パネル
d.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における空腹時グルコース
e.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における凝血
f.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、用量サイクル2の1日目に、用量サイクル3の1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における検尿
g.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの1日目に、各後続用量サイクルの1日目に、および治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における妊娠検査
v.薬物動態および薬力学評価
a.第1の用量サイクルの1日目に、第1の用量サイクルの8±2日目に、第2の用量サイクルの1日目に、第3の用量サイクルの日におけるPKサンプリングのための血液採取
b.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に;第1の用量サイクルの1、8±2、15および22日目に、各後続用量サイクルの1日目に、ならびに治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内におけるPDサンプリングのための血液採取
vi.腫瘍評価
a.第1の用量サイクルの開始に先立つ-28日目から-1日目に、および疾患進行、死亡、同意撤回、追跡不能(loss to follow up)、または参加者/保護者決断まで、研究の最初の年は8週間毎に、次いでその後は12週間毎に、ならびに治験の終わりまたは投薬の終わりにおける腫瘍評価(RECIST v1.1に従う)。PR/CRが報告される場合、応答が最初に記録された後の最後の4週間で確認評価が行われる
vii.心評価
a.第1の用量サイクルの開始に先立つ-7日目から-1日目に、第1の用量サイクルの1および8±2日目に、最大5サイクルまで各後続用量サイクルの1日目に、ならびに治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内における12誘導ECG。
b.治験責任医師に従って臨床的な必要が示される場合に処置相におけるEFによるECHOまたはMUGA
viii.他の安全性評価
a.最後の用量の30日後までおよび最後の用量の30日後の連続的な有害事象および重篤有害事象審査
ix.研究介入投与
a.化合物(1) 各用量サイクルの1~28日目
b.レトロゾール(2.5mg経口、毎日) 各用量サイクルの1~28日目
x.経過観察評価
a.治験の終わりまたは投薬の終わりに、最後の用量から15日後以内に;最後の用量の30日後の安全性経過観察中に、および12週間毎の生存経過観察における、適用可能な場合の新しい抗がん治療に関する情報の収集
b.最後の用量の30日後に、および治験の終わりの後に12週間毎にPFSおよび生存経過観察
【0235】
実施形態
実施形態1. ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象においてホルモン受容体陽性子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化19】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【0236】
実施形態2. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化20】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
対象は、投与することに先立ち、子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受けた、方法。
【0237】
実施形態3. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化21】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、少なくとも4週間1日1回である、方法。
【0238】
実施形態4. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、治療有効量の式(I)
【化22】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
投与することが、
(i)1日1回投与の連続した3週間の期間、および
ii)3週間の期間の直後の、投与なしの1週間
の4週間サイクルである、方法。
【0239】
実施形態5. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、
(i)対象に、治療有効量の第1の化合物であって、式(I)
【化23】
の化合物であって、
式中、
- R
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素であり、
- R
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CN、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ、置換されていないかもしくは置換されている)、または水素もしくはハロゲンであり、
- R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-CN、C(O)R
5、-C(O)OR
5、-C(O)NR
5R
6、-C(=N)NR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-NR
5R
6、-NR
5C(O)R
6、-NR
5C(O)OR
6、-OC(O)R
5、-OC(O)NR
5R
6、-S(O)
2R
5、-NHS(O)
2R
5もしくは-OS(O)
2R
5(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
5およびR
6は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
ただし、R
4が-NR
5R
6であり、R
5およびR
6の一方がピリジルである場合、R
2が-C(O)CH
3ではないことを条件とする、
化合物である、第1の化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与すること、および
(i)対象に、治療有効量の第2の化合物を投与すること
を含む、方法。
【0240】
実施形態6. ホルモン受容体陽性子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、対象に、固体医薬組成物であって、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩である化合物を含む、固体医薬組成物を経口投与することであって、
対象が、投与することに先立ち、子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受けており、治療が、対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象が、投与することに先立ち、治療に応答せず、
投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与することを含む、方法。
【0241】
実施形態7. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、
(i)対象に、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む固体医薬組成物を経口投与することであって、
対象が、投与することに先立ち、子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受けており、治療が、対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象が、投与することに先立ち、治療に応答せず、
投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および
(ii)対象に治療有効量のレトロゾールを経口投与すること
を含む、方法。
【0242】
実施形態8. 子宮内膜がんの処置を必要とする対象において子宮内膜がんを処置する方法であって、方法は、
(i)対象に、40mg~500mgの8-シクロペンチル-2-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボニトリル一乳酸塩を含む固体医薬組成物を経口投与することであって、
対象が、投与することに先立ち、子宮内膜がんのための化合物以外の治療を受けており、治療が、対象が子宮内膜がんと診断された後に与えられ、対象が、投与することに先立ち、治療に応答せず、
投与することが、3週間の1日1回投与を含む、経口投与すること、および
(ii)対象に治療有効量の酢酸メゲストロールを経口投与すること
を含む、方法。
【国際調査報告】