(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】改変可能な識別子を有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20241106BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024529552
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2022082440
(87)【国際公開番号】W WO2023089112
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルベス
(72)【発明者】
【氏名】サジェ アラン
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】シャミエレック ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】マウス ロルカ リリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロルカ ロドリゴ
(72)【発明者】
【氏名】エル バラムルガン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC50
4B162AD20
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置によって電気的に加熱されるように適合させるエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、少なくとも一つの改変可能なセグメントを含む複数のセグメントを有する格子パターンで情報を記憶する光学情報記憶要素、を備える。少なくとも一つの改変可能なセグメントは、第一の層および第二の層を備え、少なくとも一つの層のうちの少なくとも一つの光学特性は、改変されるように適合される。本発明は、情報記憶要素を製造するための方法、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システム、ならびにエアロゾル発生物品についての改変可能な補助的な情報を提供するためのエアロゾル発生物品上の多層情報記憶要素の使用にさらに関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置によって電気的に加熱されるように適合されたエアロゾル発生物品であって、
エアロゾル発生基体と、
少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数のセグメントを有する格子パターンで情報を記憶する光学情報記憶要素と、を備え、
前記少なくとも一つの改変可能なセグメントが、第一の層および第二の層を備え、少なくとも一つの層の少なくとも一つの光学特性が、改変されるように適合される、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記光学情報記憶要素が、第一の状態から第二の状態へと改変されるように適合され、前記少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性が、前記第一の状態と前記第二の状態との間で異なる、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記第一の状態では、前記セグメントが第一の光学的可読コードを形成し、かつ前記第二の状態では、前記セグメントが第二の光学的可読コードを形成し、前記第一の光学的可読コードおよび前記第二の光学的可読コードが各々、異なる情報コンテンツをコード化する、請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性が、前記第一の状態と前記第二の状態との間で均一に異なる、請求項2~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記第一の層が、前記第二の層の一つ以上の材料とは異なる少なくとも一つの材料を含む、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記第一の層および/または前記第二の層内に、二つ以上の異なる材料が配置される、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記第二の層の材料が、第一の層の異なる材料に重ね合わせられる、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
特にエアロゾル発生物品用の情報記憶要素を製造するための方法であって、
第一の材料層を、表面上に堆積させる工程と、
第二の材料層を、少なくとも部分的に前記第一の材料層上に堆積させる工程と、を備え
前記第一の材料層が、第一のパターンで形成され、かつ
前記第二の材料層が、第二のパターンで形成され、
前記第二のパターンが、前記第一のパターンに少なくとも部分的に対応する、方法。
【請求項9】
前記第二の層が、前記第二の層を堆積している間に、第二のパターンで形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記形成することが、物理的または化学的な材料の変化を誘発することを含む、請求項8~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記形成することが電磁放射を用いた照射を含む、請求項8~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記第一の材料層または第二の材料層を堆積する前または堆積する間に、物理的または化学的な材料の変化を誘起することによって、材料を加工可能にする工程をさらに含む、請求項8~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムであって、
前記エアロゾル発生装置内で前記エアロゾル発生物品が加熱するように適合され、
前記エアロゾル発生物品が、少なくとも二つの層を有する情報記憶要素を備え、前記情報記憶要素が、前記情報記憶要素の少なくとも一つの層を改変することによって、第一の状態から第二の状態へと改変可能であり、
前記エアロゾル発生装置が、前記第一の状態および前記第二の状態において前記情報記憶要素を読み取るように適合される、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置が、前記第一の状態および前記第二の状態の両方において、1ビットを超える情報を読み出すように適合される、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
エアロゾル発生物品について改変可能な補助的な情報を提供するための、前記エアロゾル発生物品上の多層情報記憶要素の使用であって、少なくとも一つの層が、少なくとも一つの改変可能なセグメントを含む複数のセグメントを備える、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生物品に関する。本発明はまた、情報記憶要素を製造するための方法、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システム、ならびにエアロゾル発生物品上の多層情報記憶要素の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2019/129378A1号は、吸入器用の消耗品を開示し、吸入器は加熱システムおよび光学読取装置を備える。消耗品は、消耗品についての情報を含有するしるしを備える。しるしは、温度閾値を上回る温度に曝露された時に消滅する場合がある。しるしは、第一のしるしおよび第二のしるしを含んでもよく、第二のしるしは、第一のしるしに重ね合わせて、第一のしるしの情報を歪め、そしてそれを読めないようにしてもよく、または温度閾値を上回る温度へと曝露された時に第一のしるしの次に現れてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル発生装置によって電気的に加熱されるように適合されたエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体と、少なくとも一つの改変可能なセグメントを含む複数のセグメントを有する格子パターンで情報を記憶する光学情報記憶要素とを備える。少なくとも一つの改変可能なセグメントは、第一の層および第二の層を備え、第一の層または第二の層のうちの少なくとも一つの少なくとも一つの光学特性は、改変されるように適合される。光学情報記憶要素に記憶された情報は、少なくとも一つのセグメントの光学特性を改変することによって変更されてもよい。改変可能な情報は、例えば、エアロゾル発生物品が未使用であるか、またはすでに使用されているかを表示してもよい。セグメントを改変することによって、改変された情報は、元の情報記憶およびコード化原理に基づいて、可読かつデコード可能なままとすることができる。例えば、光学情報記憶要素は、一次元バーコードまたは二次元マトリクスコードであってもよい。情報コンテンツの変化は、色、もしくは透明度、または一つもしくはいくつかのセグメントの両方を変化させることによって達成されてもよい。例えば、透明または白色のセグメントは、不透明または黒色のセグメントへと改変されてもよい。さらに、光学情報記憶要素は、エアロゾル発生物品の意図された使用中に改変されないままである、恒久的な情報コンテンツを保存するように、すなわち、情報コンテンツが、エアロゾル発生基体を加熱する時に光学情報記憶要素において達成される温度条件下で改変されないままになるように適合されてもよい。例えば、恒久的な情報コンテンツは、製造時間、製造元、推奨使用期限の日付、または製品タイプに関するデータであってもよい。具体的には、光学情報記憶要素は、改変可能なセグメントおよび改変不可能なセグメントに基づいて、改変可能な情報および改変不可能な情報の両方を記憶するように適合されてもよい。
【0004】
セグメントは、長方形のセグメントであってもよい。これは、検出器によるそれらの読みやすさを改善する場合がある。具体的には、セグメントは四角形であってもよい。他の実施形態では、セグメントは楕円形または円形であってもよい。すべてのセグメントは、同じタイプの形状、具体的には長方形、四角形、楕円形、または円形を有してもよい。
【0005】
セグメントは、離散セグメントであってもよい。具体的には、セグメントは重なっていなくてもよい。
【0006】
光学情報記憶要素は、第一の状態から第二の状態へと改変されるように適合されてもよく、少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性は、第一の状態と第二の状態との間で異なる。第一の状態および第二の状態は、例えば、エアロゾル発生物品が、使用されたことがあることを表示するための、ブール情報として、すなわち、使用されたかまたは使用されていないという、または、使用に関する追加的な情報、例えば、使用に関する長さ、時間、もしくは温度のうちの一つまたはいくつかとして、もしくはこうした追加的な情報とともに、のいずれかの、特定の情報の変化に対応する場合がある。
【0007】
光学特性の変化は、光学情報記憶要素をエアロゾル発生装置によって達成される物理的状態に曝露することによって誘発される場合がある。例えば、電磁放射への曝露、具体的には周囲条件とは異なる波長もしくは強度、またはその両方を有する電磁放射への曝露は、光学特性の変化を誘発する場合がある。さらに、周囲温度より高い、閾値温度を上回る温度、具体的には摂氏60度を上回る温度、またはエアロゾル発生基体を加熱する時に光学情報記憶要素内で達成される温度は、光学特性の変化を誘発する場合がある。光学情報記憶要素は、第三の状態へと改変されるようにさらに適合されてもよい。例えば、第一の状態から第二の状態への第一の移行は、光学情報記憶要素の製造中に、例えば、エアロゾル発生物品の識別またはロットに関する情報などの初期情報を記憶するために誘発されてもよい。第二の状態から第三の状態への第二の移行は、少なくともエアロゾル発生物品が使用されたという情報を記憶するために、エアロゾル発生物品の使用中に誘発されてもよい。
【0008】
第一の状態では、セグメントは、第一の光学的可読コードを形成してもよく、また第二の状態では、セグメントは、第二の光学的可読コードを形成してもよく、第一の光学的可読コードおよび第二の光学的可読コードは各々、異なる情報コンテンツをコード化する。第一の光学的可読コードは、改変していない状態にある一つ以上のセグメントを有する光学情報記憶要素に対応してもよい。第二の光学的可読コードは、改変した状態にある一つ以上のセグメントを有する光学情報記憶要素に対応してもよい。光学情報記憶要素は、二つ以上の改変可能なセグメントを備えてもよい。記憶された情報を改変するために、改変可能なセグメントのうちの一つ、複数、またはすべてを改変してもよい。個別の改変可能なセグメントまたは改変可能なセグメントの群は、それぞれ異なる物理的状態に基づいて、例えば、異なる温度閾値または異なる波長を有する放射に基づいて改変されてもよい。第一のコードおよび第二のコードは、共通の原理に従って、具体的には共通のアルゴリズムに基づいて、コード化およびデコードされてもよい。その結果、第一の状態にある光学情報記憶要素を読み、かつデコードするように適合された検出器はまた、第二の状態にある光学情報記憶要素も読み、かつデコードするように適合されてもよい。
【0009】
各情報コンテンツは、1ビット超の情報を有してもよい。その結果、光学情報記憶要素は、例えば、その使用に関する、ブール演算のイエス/ノー情報を含有するだけでなく、エアロゾル発生物品の製造のタイプまたは使用のうちの少なくとも一つに関するある特定の情報も含んでもよい。こうした情報は、使用中、またはエアロゾル発生物品が使用された時に生じた温度を含んでもよい。改変不可能な情報として、光学情報記憶要素は、推奨使用期限の日付に関する情報を含んでもよい。
【0010】
少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性は、第一の状態と第二の状態との間で均一に異なってもよい。セグメントは、空間的に最小の変更可能なユニットを画定してもよい。エアロゾル発生装置の光学検出器は、改変およびこれらの改変のサイズを特定するようにプログラムされてもよい。光学検出器は、セグメントのサイズの改変を特定するようにプログラムされてもよい。それ故に、一つの改変可能なセグメントとして、より小さいまたはより大きい空間的延長を有する改変をフィルタリングすることが可能である場合がある。
【0011】
少なくとも一つの改変可能なセグメントは、光学的に区別できる形状であってもよい。セグメントは、2ミリメートルより小さい、1ミリメートルより小さい、500マイクロメートルより小さい、または200マイクロメートルより小さい、そして具体的には100マイクロメートルより大きい辺の長さを有してもよい。セグメントは、100マイクロメートルより大きい、200ミリメートルより大きい、500マイクロメートルより大きい、または1ミリメートルより小さい、そして具体的には2ミリメートルより小さい辺の長さを有してもよい。セグメントは、異なる長さの辺を有する長方形であってもよく、または四角形であってもよい。エアロゾル発生装置の光学検出器は、より前の検出のデータをより後の検出と比較することによって、情報を記憶する光学情報記憶要素の変化を特定するようにプログラムされてもよい。エアロゾル発生装置の光学検出器または制御ユニットは、光学情報記憶要素に対する基準フレームを指定し、そしてその後、いくつかのセグメントまたはすべてのセグメントの検出された特性を分析することによって、光学情報記憶要素内のセグメントを特定するようにプログラムされてもよい。光学検出器または制御ユニットは、検出のデータをデータベース内に記憶されたデータと比較してもよく、記憶されたデータは、光学情報記憶要素内の一つ以上のセグメントのサイズ、形状、または位置のうちの少なくとも一つを含む。
【0012】
少なくとも一つの改変可能なセグメントは、三つ以上の層を備えてもよく、少なくとも一つの層のうちの少なくとも一つの光学特性は、改変されるように適合される。これは、三つ以上の層の光学特性のより多数の組み合わせに起因して、より高い情報密度を容易にする場合がある。少なくとも一つの異なる光学特性は、別の層と比較して一つの層で改変されてもよい。改変可能な光学特性は、色、透明度、色相、彩度、または明度のうちの一つ以上であってもよい。例えば、下層は、変更可能な色を有してもよく、中間層は、透明から第一の層の色とは異なるある特定の色へと改変可能であってもよく、そして上層は、透明から不透明、またはなおさらなる色へと改変可能であってもよい。それぞれの変化を誘発する周囲条件は、個々の層に対して異なってもよい。
【0013】
第一の層は、第二の層の一つ以上の材料とは異なる少なくとも一つの材料を含んでもよい。それ故に、情報は、これらの二つの異なる材料の組み合わせに基づいて記憶されてもよい。具体的には、情報は、これらの二つの材料の異なる光学特性に基づいて記憶されてもよい。例えば、第一の材料は、ある特定の色を有してもよく、第二の材料は、透明であってもよい。異なる材料は、異なるように改変可能であってもよい。例えば、第一の材料は、第一の色から第二の色へと改変可能であってもよく、また第二の材料は、透明から不透明へと改変可能であってもよく、または改変不可能であってもよい。それぞれの変化を誘発する物理的状態は、個々の材料に対して異なってもよい。
【0014】
二つ以上の異なる材料が、第一の層、もしくは第二の層、またはその両方に配置されてもよい。それ故に、情報は、材料の空間的配置に基づいて記憶されてもよく、異なる材料は、異なる光学特性を備える。例えば、情報は、異なる色を有するセグメントの空間的配置によって記憶されてもよい。異なる材料は、異なるように改変可能であってもよい。例えば、第一の材料は、第一の色から第二の色へと改変可能であってもよく、また第二の材料は、透明から不透明へと改変可能であってもよく、または改変不可能であってもよい。それぞれの変化を誘発する物理的状態は、個々の材料に対して異なってもよい。
【0015】
第二の層の材料は、異なる材料の第一の層に重ね合わせられてもよい。例えば、第一の層の材料は、ある特定の色を備えてもよく、また第二の層の材料は、透明であってもよく、かつ不透明へと改変可能であってもよい。その結果、情報は、セグメントの色および色の可視性に基づいて記憶されてもよい。
【0016】
光学特性は、色であってもよい。光学特性は、黒か白かであってもよい。光学特性は、透明度であってもよい。光学特性は、反射であってもよい。光学特性は、輝度であってもよい。光学特性は、光学情報記憶要素内に情報を記憶するために使用されてもよい。その結果、光学特性は、セグメントの空間的な分布に加えて、さらなる多次元性を提供すると見なされてもよい。
【0017】
光学特性は、不可逆的に改変可能であってもよい。例えば、ある特定の温度閾値以上の温度は、材料の光学特性を不可逆的に改変する場合があり、したがってエアロゾル発生物品が使用されたかどうかを表示する場合がある。
【0018】
光学特性は、可逆的に改変可能であってもよい。例えば、エアロゾル発生物品の時間制御された使用が実現されてもよい。例えば、光学検出器、エアロゾル発生装置の制御ユニットのそれぞれは、光学情報記憶要素内のセグメントがその初期状態に戻った後に、エアロゾル発生物品のさらなる使用を可能にするようにプログラムされてもよい。別の方法で、装置またはヒーターの停止によって使用が防止されてもよい。光学情報記憶要素内の材料は、熱的な活性化または照射によってその色を変化してもよく、またある特定の長さの時間の後にその当初の色へと戻るように変化してもよい。具体的には、材料は、10分超の後にのみ、その当初の状態へと戻るように変化してもよい。具体的には、材料は、1時間超の後にのみ、その当初の状態へと戻るように変化してもよい。光学情報記憶要素の改変は、異なる材料の異なる光学特性の変化に基づいてもよく、または異なる条件下での異なる材料の光学特性の変化に基づいてもよく、またはその両方であってもよい。
【0019】
光学特性は、温度閾値、好ましくは摂氏60度の温度閾値を超える温度への曝露によって改変可能であってもよい。その結果、エアロゾル発生基体の加熱中に光学情報記憶要素の所において生じる場合がある温度は、光学特性の改変を誘発する場合がある。
【0020】
光学特性は、放射、好ましくは電磁放射への曝露によって改変可能であってもよい。電磁放射は、赤外光、可視光、または紫外光であってもよい。放射は、エアロゾル発生物品の製造中、もしくは使用中、またはその両方に適用されてもよい。
【0021】
光学特性は、時間依存的に改変可能であってもよい。特に、材料の変化は、ある特定の条件、例えば、ある特定の温度または電磁放射へと曝露される時間に依存してもよい。
【0022】
光学情報記憶要素は、二次元コードを含んでもよい。具体的には、セグメントは、幅方向および長さ方向に相互に隣接して配設されてもよい。それ故に、一次元コードと比較して、より高い情報密度が使用可能な空間上に提供される場合がある。
【0023】
光学情報記憶要素は、マトリクスコードを含んでもよい。これは、例えば、積み重ねられたバーコード、すなわち、相互に隣接して配設されたいくつかのバーコードと比較すると、より高い情報密度を容易にする場合がある。
【0024】
エアロゾル発生物品は、二つ以上の光学情報記憶要素を備えてもよい。それ故に、少なくとも一つの光学情報記憶要素が、一つの光学情報記憶要素のみがエアロゾル発生物品上に存在する事例と比較すると、検出器の視野内にある確率が高くなる。その結果、検出器が、エアロゾル発生装置内またはエアロゾル発生装置において、例えば、エアロゾル発生装置の空洞内に配設される場合、エアロゾル発生物品は、特定の円周方向の向きに挿入される必要がない場合がある。複数の光学情報記憶要素は、エアロゾル発生物品上に存在することが好ましい。複数の光学情報記憶要素は、エアロゾル発生物品の周囲の周りに、またはエアロゾル発生物品の長軸方向に沿って存在することがより好ましい。光学情報記憶要素は、相互に整列されてもよい。一つ以上の情報記憶要素は、エアロゾル発生物品のマウスピースセクションの近くに位置付けられてもよく、またはマウスピースとは反対側の遠位端の近くに位置付けられてもよい。
【0025】
二つ以上の光学情報記憶要素は、相互から離隔していてもよい。二つ以上の光学情報記憶要素が検出器の視野内に存在する場合、検出器は、光学情報記憶要素間の境界、もしくは空の空間、またはその両方を検出することによって、単一の要素を区別してもよい。
【0026】
光学情報記憶要素は、単一のユニットとして検出可能にするために、マーカーまたは認識パターンを備えてもよい。例えば、四角形の光学情報記憶要素の二つ以上のコーナーは、特定のパターンを備えてもよい。
【0027】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体は加熱されてエアロゾルを放出するが燃焼しない、「加熱非燃焼式」物品であってもよい。エアロゾル発生基体は、たばこ材料を含んでもよい。たばこ材料は、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこ材料は、たばこ材料の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有してもよい。随意に、たばこ材料はまた、例えば、追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよい。こうしたカプセルは、たばこ材料の加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、たばこ材料の加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0028】
たばこ材料が均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料は、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5パーセントより大きいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよく、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、たばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、たばこ内因性結合剤、一つ以上の外来性結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせである一つ以上の固有の結合剤を含んでもよい。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
【0029】
本発明の第二の態様によると、特にエアロゾル発生物品用の、情報記憶要素を製造するための方法が提供される。方法は、第一の材料層を、表面上に堆積する工程と、第二の材料層を、少なくとも部分的に第一の材料層上に堆積する工程とを含み、第一の材料層は、第一のパターンで形成され、また第二の材料層は第二のパターンで形成され、第二のパターンは第一のパターンに少なくとも部分的に対応する。その結果、個々の層の特性およびそれらの空間的範囲に基づく情報コンテンツを有する、三次元情報記憶要素が形成されてもよい。
【0030】
第二の層は、その物理的特性において、具体的にはその誘導性、容量、磁化性、色、透明度、色相、彩度、または明度のうちの一つ以上に関して、改変可能であってもよい。例えば、第二の層の透明度は、透明から不透明へと改変されてもよい。その結果、下にある第一の層の一つ以上の色は、可視であってもうよく、または不可視であってもよい。
【0031】
第二の層は、少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数のセグメントを有する格子パターンで形成されてもよい。その結果、情報は、セグメントの光学特性に基づいて、情報記憶要素内に記憶されてもよい。情報は、セグメントの空間的配置に基づいて記憶されてもよい。
【0032】
第一の層は、第一の層を堆積する間に、第一のパターンで形成されてもよい。その結果、第一のパターンを形成するための追加的なプロセス工程は省略されてもよい。
【0033】
第二の層は、第二の層を堆積する間に、第二のパターンで形成されてもよい。その結果、第二のパターンを形成するための追加的なプロセス工程は省略されてもよい。堆積は、印刷によって行われてもよい。印刷は、複数のノズルを備える印刷ヘッドによって達成されてもよい。印刷ヘッドは、デジタル的に制御されてもよい。印刷ヘッドは、材料をスプレーするように構成されてもよい。印刷ヘッドは、一連の異なる材料を選択的にスプレーするように構成されてもよく、または異なる印刷ヘッドが、第一の層および第二の層に対して異なる材料をスプレーするように提供されてもよい。
【0034】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、物理的または化学的材料の変化を誘発することを含んでもよい。材料の変化は、一時的または永久的に情報に記憶されてもよい。材料の変化は、材料を処理可能にする場合があり、例えば、その粘度または結合特性を改変する場合がある。材料の変化は、第一の層および第二の層、またはその両方に使用されるような特定の材料に応じて誘発される場合がある。
【0035】
光レオロジー材料は、特定の電磁放射、例えば、紫外光または赤外光に曝露された時に、流動性、粘度、および他のレオロジー特性の変化を受ける場合がある。これらの材料の変化は、材料の堆積のために特に有益である。
【0036】
フォトクロミック材料は、特定の電磁放射に曝露された時に、物理的特性、もしくは色彩特性、またはその両方の変化を受ける場合がある。変更可能な特性は、具体的には透明度および色である。
【0037】
光化学材料は、化学反応に基づいて、その物理的特性および色彩特性の変化を受ける場合がある。隣接する材料との化学反応は、電磁放射によって誘発される場合がある。材料の変化は、情報記憶のためおよび材料を堆積するために使用されてもよい。
【0038】
プラズモン材料は、特定の電磁放射または特定の温度に曝露された時に、その物理的特性または色彩特性の可逆的な変化を受ける場合がある。具体的には、色の変化が誘発される場合がある。
【0039】
サーモクロミック材料または熱反応性材料は、特定の温度に曝露されたときに、その物理的特性または色彩特性の可逆的または不可逆的な変化を受ける場合がある。具体的には、色の変化または表面特性の変化は、特定の温度によって誘発される場合がある。
【0040】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方のために使用される材料は、インク様材料、すなわち、第一の状態で流体であり、次いで第二の状態で硬化して固体となる材料であってもよい。第一の層、もしくは第二の層、またはその両方に使用される材料は、モノマー、オリゴマー、顔料、もしくは光開始剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。材料は、紫外光に曝露された時に、硬化する場合があり、または色の変化を受ける場合がある。材料は、ロイコ染料系エポキシインクであってもよく、これは、ある特定の温度への曝露によって誘発される色の変化を受ける場合があり、またある特定の長さの時間後にその元の色に戻る。材料は、イソプロパノール複素環式有機染料を含んでもよく、そしてある特定の温度に曝露された時に不可逆的な色の変化を受ける場合がある。
【0041】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方のために使用される材料は、摂氏60度以上の温度で材料の変化を受ける場合がある。具体的には、材料は、摂氏60度~摂氏270度の温度範囲において材料の変化を受ける場合がある。具体的には、材料は、摂氏60度~摂氏120度の温度範囲において材料の変化を受ける場合がある。
【0042】
その結果、第一の材料または第二の材料の堆積は、周囲条件とは異なる条件下で実施される場合がある。具体的には、堆積は、堆積される材料の特定の流動性または粘度を設定するために、電磁放射の適用下で実施されてもよい。さらに、堆積は、特定の情報を記憶するために、具体的には材料特性、例えば、色によって特定の情報をコード化するために、電磁放射の適用下で実施されてもよい。
【0043】
材料の変化は、可逆的であってもよい。
【0044】
材料の変化は不可逆的であってもよい。特に、材料の変化は、一つの材料と直接接触する別の材料との相互作用であってもよい。こうした材料の変化は、具体的には二つの異なる材料の化学的相互作用であってもよい。
【0045】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、エッチングを含んでもよい。エッチングは、具体的には不可逆的な材料の変化を実施するために使用されてもよい。
【0046】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、電磁放射を用いた照射を含んでもよい。エッチングは、放射線ベースのエッチングであってもよい。
【0047】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、100ナノメートル~1000ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含んでもよい。波長は、特定の材料の材料変化が生じる波長に応じて選択されてもよい。
【0048】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、100ナノメートル~400ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含んでもよい。この波長範囲は、紫外光に対応する
【0049】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、400ナノメートル~800ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含んでもよい。この波長範囲は、人間の眼で見える光に対応する。
【0050】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、800ナノメートル~1000ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含んでもよい。この波長範囲は、赤外線放射に対応する。
【0051】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、熱的曝露を含んでもよい。
【0052】
第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の形成は、磁化を含んでもよい。それ故に、情報は、異なるように磁化されたセグメントのパターンに基づいて記憶されてもよい。
【0053】
第一の層を堆積する工程、もしくは第二の層を堆積する工程、またはその両方は、デジタル印刷方法を含んでもよい。その結果、インク様材料は、処理されてもよい。
【0054】
第一の層を堆積する工程、もしくは第二の層を堆積する工程、またはその両方は、付加製造法を含んでもよい。
【0055】
第一の層を堆積する工程、もしくは第二の層を堆積する工程、またはその両方は、インクジェット印刷、粉末焼結積層造形法、シート積層、材料噴射法のうちの一つを含んでもよい。
【0056】
方法は、第一の材料層または第二の材料層を堆積する前または堆積する間に、物理的または化学的な材料の変化を誘起することによって、材料を加工可能にする工程をさらに含んでもよい。例えば、材料の粘度は、インクのような材料を印刷するために、流体となるように変更されてもよい。材料を堆積した後、材料はその規定状態に戻っても、例えば、再度固体になってもよい。第一の層、もしくは第二の層、またはその両方の材料は、周囲条件とは異なる物理的条件下、例えば高温で、または電磁放射の印加の下でのみ処理可能であってもよい。好ましくは、材料を処理するための温度は、エアロゾル発生物品の貯蔵中または使用中の通常の周囲温度より高くてもよい。
【0057】
材料を処理可能にする工程は、粘度、流動性、透明度、および色のうちの少なくとも一つの変化を誘発することを含んでもよい。材料の変化はまた、材料の結合特性にも影響を与える場合がある。
【0058】
本発明の第三の態様によると、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内で加熱されるように適合される。エアロゾル発生物品は、少なくとも二つの層を有する情報記憶要素を備え、情報記憶要素は、情報記憶要素の少なくとも一つの層を改変することによって、第一の状態から第二の状態へと改変可能である。エアロゾル発生装置は、第一の状態および第二の状態において情報記憶要素を読み取るように適合される。情報記憶要素は、製造者、製造サイト、製造時間、推奨使用期限、または製品タイプに関する情報を含有してもよい。その結果、この情報に基づいて、システムは、エアロゾル発生物品を認証するように適合されてもよい。その結果、認証されていない物品の消費は動作不能にされる場合がある。識別された製品タイプに基づいて、エアロゾル発生装置の動作モードが設定されてもよい。具体的には、特定の動作モードは、加熱式たばこ製品(HTP)、ベイピングシステムを含むニコチン含有製品(NCP)、加熱式たばことニコチン含有製品のハイブリッド、薬草、またはそれらの組み合わせの各々に対して設定されてもよい。その結果、エアロゾル発生物品は、異なるタイプのエアロゾル発生装置とともに使用されてもよい。
【0059】
エアロゾル発生装置は、第一の状態および第二の状態の両方において、1ビットを超える情報を読み出すように適合されてもよい。情報記憶要素は、第一の状態と第二の状態の両方に対して、可読かつデコード可能なその改変可能な情報を同じやり方で提供してもよい。それ故に、情報記憶要素は、エアロゾル発生装置によって、第一の状態および第二の状態の両方において可読である。
【0060】
情報記憶要素は、少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数のセグメントを有する格子パターンを含んでもよい。格子パターンは、エアロゾル発生装置内の検出器に有線または無線で接続されたデータ処理ユニットによって実施される標準化された認識アルゴリズムのために有益である場合がある。具体的には、セグメントの可能な改変は、情報記憶要素が供される物理的状態に応じて予め決定されてもよい。改変可能なセグメントの総面積は、黒色から白色へと、または透明から不透明へと、または一つの色から別の色へと切り替えられてもよい。情報は、特定のコード化に基づいて格子パターン内に記憶されてもよい。コード化は、暗号署名または暗号化またはその両方であってもよい。その結果、情報記憶要素内の情報を偽造すること、またはこれにアクセスすることが防止される場合がある。
【0061】
エアロゾル発生装置は、改変された状態の少なくとも一つのセグメントを有する情報記憶要素を読み出すように適合された検出器を備えてもよい。検出器は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の受容空洞内に挿入されている時に、情報記憶要素が検出器の視野内に位置付けられるように、エアロゾル発生装置内に配置されてもよい。特に、検出器は、エアロゾル発生物品を受容するように適合されたエアロゾル発生装置の空洞の内側に面してもよい。
【0062】
検出器は、磁界および電磁放射のうちの少なくとも一つを検出するように適合されてもよい。検出器は、赤色、緑色、および青色を含む電磁放射の範囲を検出する能力を有するRGBセンサーであってもよい。検出器は、CCDセンサー(電荷結合素子センサー)であってもよい。検出器は、光学構成要素、例えば、レンズ、フィルター、コーティング、または偏光光学素子のうちの一つ以上を含んでもよい。検出器は、エアロゾル発生装置内に配置されるのに適切な寸法を有してもよい。具体的には、検出器は、1.2ミリメートルの最大側面長さを有してもよい。
【0063】
エアロゾル発生装置は、情報記憶要素の少なくとも一つの層を改変することによって、情報記憶要素を第一の状態から第二の状態へと改変するように適合されてもよい。それ故に、エアロゾル発生物品は、使用済みとしてマーキングされてもよく、また第二の使用が機能しないようにされてもよい。エアロゾル発生装置はまた、エアロゾル発生物品が使用された時に、どれぐらい長く、またはどの温度にて使用されたかという情報を記憶するために、情報記憶要素を改変するように適合されてもよい。
【0064】
エアロゾル発生装置は、放射源を備えてもよい。具体的には、放射源は電磁放射を発してもよい。放射源によって発せられる電磁放射は、100ナノメートル~1000ナノメートルの範囲の波長を有する電磁波であってもよい。放射源は、LED(発光ダイオード)、OLED(有機発光ダイオード)、QLED(量子ドット発光ダイオード)であってもよい。情報記憶要素で使用される一つ以上の材料は、一つ以上の波長の反射によって電磁放射に応答してもよい。情報記憶要素で使用される一つ以上の材料は、放射源の放射した電磁放射によって励起した状態へと移行されてもよく、また励起した状態のままにしておくことによって電磁放射を放射してもよい。励起した状態は、蛍光状態またはリン光状態であってもよい。放射源は、選択可能な電磁放射を発するように構成されてもよい。
【0065】
エアロゾル発生装置は、情報記憶要素を改変するために磁石を備えてもよい。磁石は、電磁石であってもよい。電磁石は、情報記憶要素の情報を改変および読み取るように適合されてもよい。磁石は、強磁性体であってもよい。エアロゾル発生装置は、複数の磁石、例えば電磁書き込みヘッド、電磁読み書きヘッド、または強磁性書き込みヘッドを備えてもよい。
【0066】
エアロゾル発生装置は、情報記憶要素に熱を加えることによって、情報記憶要素を改変するように適合されてもよい。熱は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生基体を加熱するためにも使用される装置を用いて発生してもよい。別の方法として、熱は、エアロゾル発生装置内の追加的な加熱手段を用いて発生してもよい。情報記憶要素は、エアロゾル発生装置の中へと挿入された時に、情報記憶要素が電気抵抗発熱体の近くに位置するように、エアロゾル発生物品上に位置してもよい。別の方法として、エアロゾル発生物品は、磁気誘導を通して熱を生成する発熱体を備えてもよく、またエアロゾル発生物品上の情報記憶要素の場所へと放散される熱は、情報記憶要素を変化させてもよい。別の代替として、発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入される時、エアロゾル発生物品の中へと挿入されてもよい。情報記憶要素の場所で作り出される温度は、摂氏60度以上の範囲であってもよい。具体的には、情報記憶要素の場所で作り出される温度は、摂氏60度~摂氏270度の範囲であってもよい。具体的には、情報記憶要素の場所で作り出される温度は、摂氏60度~摂氏120度の範囲であってもよい。
【0067】
エアロゾル発生システムの電子構成要素、具体的には検出器および励起源は、制御ユニットへと接続されてもよい。制御ユニットは、エアロゾル発生装置内に配設されてもよい。制御ユニットは、データ処理ユニット、データ記憶ユニット、およびデータ交換インターフェースを備えてもよい。データ交換インターフェースは、ネットワークとの接続を確立し、そして具体的には外部データ処理装置、例えば、サーバーとの接続を確立するように構成されてもよい。データ交換インターフェースは、無線通信、例えばWLAN、Bluetooth、またはセルラー方式通信プロトコルを介して、外部データ処理装置との接続を確立するように構成されてもよい。制御ユニットは、エアロゾル発生装置の他の電子構成要素、具体的には発熱体と接続されてもよい。制御ユニットは、エアロゾル発生物品の情報記憶要素から読まれた情報に応じて、エアロゾル発生装置の機能を制御するように構成されてもよい。特に、制御ユニットは、情報記憶要素から読まれた情報に基づいて、発熱体の機能を制御してもよい。
【0068】
本発明の第四の態様によると、エアロゾル発生物品について改変可能な補助的な情報を提供するための、エアロゾル発生物品上の多層情報記憶要素の使用であって、少なくとも一つの層が、少なくとも一つの改変可能なセグメントを含む複数のセグメントを備える、使用が提供される。多層情報記憶要素は、単層構造と比較して、より高い情報密度を提供する場合がある。さらに、情報記憶要素に記憶された情報は、少なくとも一つのセグメントの一つの層を改変することによって改変されてもよい。
【0069】
本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品は、本発明の第二の態様による方法によって製造されてもよい。
【0070】
本発明の第四の態様による多層情報記憶要素の使用は、その実施形態のうちのいずれかでの本発明の第一の態様による物品、または本発明の第三の態様によるシステムを用いて実施されてもよい。
【0071】
本発明は特許請求の範囲で定義される。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例】
【0072】
実施例1: エアロゾル発生装置によって電気的に加熱されるように適合されたエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体、少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数のセグメントを有する格子パターンで情報を記憶する光学情報記憶要素、を備え、少なくとも一つの改変可能なセグメントが、第一の層および第二の層を備え、少なくとも一つの層の少なくとも一つの光学特性が、改変されるように適合される、エアロゾル発生物品。
【0073】
実施例2:セグメントが、長方形のセグメントである、実施例1によるエアロゾル発生物品。
【0074】
実施例3:光学情報記憶要素が、第一の状態から第二の状態へと改変されるように適合され、少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性が、第一の状態と第二の状態との間で異なる、実施例1~2のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0075】
実施例4:第一の状態では、セグメントが第一の光学的可読コードを形成し、かつ第二の状態では、セグメントが第二の光学的可読コードを形成し、第一の光学的可読コードおよび第二の光学的可読コードが各々、異なる情報コンテンツをコード化する、実施例3によるエアロゾル発生物品。
【0076】
実施例5:各情報コンテンツが、1ビット超の情報を有する、実施例1~4のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0077】
実施例6:少なくとも一つの改変可能なセグメントの少なくとも一つの光学特性が、第一の状態と第二の状態との間で均一に異なる、実施例3~5のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0078】
実施例7:少なくとも一つの改変可能なセグメントが、光学的に区別できる、実施例1~6のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0079】
実施例8:少なくとも一つの改変可能なセグメントが、三つ以上の層を備え、少なくとも一つの層のうちの少なくとも一つの光学特性が、改変されるように適合される、実施例1~7のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0080】
実施例9:第一の層が、第二の層の一つ以上の材料とは異なる少なくとも一つの材料を含む、実施例1~8のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0081】
実施例10:第一の層および/または第二の層内に、二つ以上の異なる材料が配置される、実施例1~9のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0082】
実施例11:第二の層の材料が、第一の層の異なる材料に重ね合わせられる、実施例1~10のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0083】
実施例12:光学特性が、色である、実施例1~11のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0084】
実施例13:光学特性が、黒色または白色である、実施例1~12のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0085】
実施例14:光学特性が、透明度である、実施例1~13のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0086】
実施例15:光学特性が、反射である、実施例1~14のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0087】
実施例16:光学特性が、輝度である、実施例1~15のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0088】
実施例17:光学特性が、不可逆的に改変可能である、実施例1~16のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0089】
実施例18:光学特性が、可逆的に改変可能である、実施例1~17のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0090】
実施例19:光学特性が、温度閾値、好ましくは摂氏60度の温度閾値を超える温度への曝露によって改変可能である、実施例1~18のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0091】
実施例20:光学特性が、放射への曝露によって、好ましくは電磁放射によって改変可能である、実施例1~19のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0092】
実施例21:光学情報記憶要素が、二次元コードを備える、実施例1~20のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0093】
実施例22:光学情報記憶要素が、マトリクスコードを備える、実施例1~21のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0094】
実施例23:二つ以上の光学情報記憶要素を備える、実施例1~22のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0095】
実施例24:相互から離隔した二つ以上の光学情報記憶要素を備える、実施例1~23のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0096】
実施例25:光学情報記憶要素が、単一のユニットとして識別可能にするための認識パターンを備える、実施例1~24のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0097】
実施例26:特にエアロゾル発生物品用の情報記憶要素を製造するための方法であって、
第一の材料層を、表面上に堆積させる工程と、
第二の材料層を、少なくとも部分的に第一の材料層上に堆積させる工程と、を備え
第一の材料層が、第一のパターンで形成され、かつ
第二の材料層が、第二のパターンで形成され、
第二のパターンが、第一のパターンに少なくとも部分的に対応する、方法。
【0098】
実施例27:第二の層が改変可能である、実施例26による方法。
【0099】
実施例28:第二の層が、少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数の長方形のセグメントを用いて格子パターンで形成される、実施例26~27のいずれか一つによる方法。
【0100】
実施例29:第一の層が、第一の層を堆積する間に第一のパターンで形成される、実施例26~28のいずれか一つによる方法。
【0101】
実施例30:第二の層が、第二の層を堆積する間に第二のパターンで形成される、実施例26~29のいずれか一つによる方法。
【0102】
実施例31:形成することが、物理的または化学的な材料の変化を誘発することを含む、実施例26~30のいずれか一つによる方法。
【0103】
実施例32:材料の変化が、可逆的である、実施例26~31のいずれか一つによる方法。
【0104】
実施例33:材料の変化が、不可逆的である、実施例26~32のいずれか一つによる方法。
【0105】
実施例34:形成することが、エッチングを含む、実施例26~33のいずれか一つによる方法。
【0106】
実施例35:形成することが電磁放射を用いた照射を含む、実施例26~34のいずれかによる方法。
【0107】
実施例36:形成することが、100ナノメートル~1000ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含む、実施例26~35のいずれかによる方法。
【0108】
実施例37:形成することが、100ナノメートル~400ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含む、実施例26~36のいずれかによる方法。
【0109】
実施例38:形成することが、400ナノメートル~800ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含む、実施例26~37のいずれかによる方法。
【0110】
実施例39:形成することが、800ナノメートル~1000ナノメートルの波長の電磁放射を用いた照射を含む、実施例26~38のいずれかによる方法。
【0111】
実施例40:形成することが、熱的暴露を含む、実施例26~39のいずれか一つによる方法。
【0112】
実施例41:形成することが、磁化を含む、実施例26~40のいずれか一つによる方法。
【0113】
実施例42:第一の層および/または第二の層を堆積する工程が、デジタル印刷方法を含む、実施例26~41のいずれか一つによる方法。
【0114】
実施例43:第一の層および/または第二の層を堆積する工程が、付加製造法を含む、実施例26~42のいずれか一つによる方法。
【0115】
実施例44:第一の層および/または第二の層を堆積する工程が、インクジェット印刷、粉末焼結積層造形法、シート積層、材料噴射法のうちの一つを含む、実施例26~43のいずれか一つによる方法。
【0116】
実施例45:方法が、第一の材料層または第二の材料層を堆積する前または堆積する間に、物理的または化学的な材料の変化を誘起することによって、材料を加工可能にする工程をさらに含む、実施例26~44のいずれか一つによる方法。
【0117】
実施例46:材料を処理可能にする工程が、粘度、流動性、透明度、および色のうちの少なくとも一つの変化を誘発することを含む、実施例45による方法。
【0118】
実施例47:エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内で加熱されるように適合され、エアロゾル発生物品が、少なくとも二つの層を有する情報記憶要素を備え、情報記憶要素が、情報記憶要素の少なくとも一つの層を改変することによって、第一の状態から第二の状態へと改変可能であり、エアロゾル発生装置が、第一の状態および第二の状態において情報記憶要素を読むように適合される、エアロゾル発生システム。
【0119】
実施例48:エアロゾル発生装置が、第一の状態および第二の状態の両方において、1ビットを超える情報を読み出すように適合される、実施例47によるエアロゾル発生システム。
【0120】
実施例49:情報記憶要素が、少なくとも一つの改変可能なセグメントを備える複数のセグメントを有する格子パターンを備える、実施例47~48のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0121】
実施例50:エアロゾル発生装置が、改変された状態にある少なくとも一つのセグメントを有する情報記憶要素を読み出すように適合された検出器を備える、実施例47~49のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0122】
実施例51:検出器が、磁界および電磁放射のうちの少なくとも一つを検出するように適合される、実施例50によるエアロゾル発生システム。
【0123】
実施例52:エアロゾル発生装置が、情報記憶要素の少なくとも一つの層を改変することによって、情報記憶要素を第一の状態から第二の状態へと改変するように適合される、実施例47~51のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0124】
実施例53:エアロゾル発生装置が、情報記憶要素を改変するために磁石を備える、実施例47~52のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0125】
実施例54:エアロゾル発生装置が、情報記憶要素に熱を加えることによって情報記憶要素を改変するように適合される、実施例47~53のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0126】
実施例55:エアロゾル発生物品について改変可能な補助的な情報を提供するための、エアロゾル発生物品上の多層情報記憶要素の使用であって、少なくとも一つの層が、少なくとも一つの改変可能なセグメントを含む複数のセグメントを備える、使用。
【0127】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【
図2】
図2a~
図2eは、
図1の情報記憶要素の四つの単一の層の上面図、および情報記憶要素全体の上面図を示す。
【
図3】
図3は、複数の情報記憶要素の二本の帯を含む基体材料を示す。
【
図4a】
図4aは、各々が複数の情報記憶要素の帯を備える、二つのエアロゾル発生物品を示す。
【
図4b】
図4bは、複数の情報記憶要素の帯を備える、一つのエアロゾル発生物品を示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生装置の中へと挿入されたエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムを示す。
【
図6】
図6a~
図6cは、二つの材料の変化を受けるセグメントの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0129】
図1は、情報記憶要素1の斜視図を示す。七つのセグメント3は、格子パターンで配置される。セグメント3は四角形の形状を有する。セグメント3は、様々な数の層10、20、30、40を備え、またそれ故に一つの単一の層10のみを備えてもよく、またはいくつかの層10、20、30、40の構造を備えてもよい。セグメント3の各層10、20、30、40は、
図1および
図2での異なるハッチングパターンによって示されるように、異なる材料で作製されてもよい。各レベルを意味する各層10、20、30、40はまた、異なるセグメント3に対して異なる材料を有してもよい。この実施例に示すように、情報記憶要素1は、任意の外部形状を有してもよく、またその外部境界において正四角形または正方形である必要はない。しかしながら、外部形状は、制御ユニットの認識プログラムによって有効な情報記憶要素1を特定するのに役立つ認識パターンを表してもよい。
【0130】
図2aは、情報記憶要素1の最も低い層である第一の層10を示す。各正方形は、一つのセグメント3の第一の層すなわち最も低い層10を表す。
図2bは、第二の層20を示し、
図2cは、第三の層30を示し、そして
図2dは、情報記憶要素1の第四の層40すなわち最も上方の層を示す。ハッチングパターンで充填された正方形は、それぞれのセグメント3の現在のレベルにおいて存在する特定の材料を表す。充填されていない正方形は、このレベルまたは層10、20、30、40においてそれぞれのセグメント3に対していかなる材料層も存在しないことを表示する。
図2eは、情報記憶要素1全体の上面図を示す。その結果、各正方形は、一つのセグメント3の最も上の見ることができる層10、20、30、40を表す。例えば、最も左の行では、一方のセグメント3については層10が見ることができる最も上の層であり、またもう一方のセグメント3については層40が見ることができる最も上の層である。ハッチングパターンによって表示されるように、異なる材料は、異なる特性、具体的には異なる光学特性を有してもよい。これらの特性は、ある特定の条件下、例えば、ある特定の温度または電磁放射への曝露下で改変される場合がある。例えば、層40の材料は、黒色または不透明から透明へと改変されてもよい。その結果、異なる色、例えば、赤色、を有してもよい下にある層30の材料が見える場合がある。その結果、セグメント3は、黒色から赤色へと切り替えられ、これは、適切な検出器によって検出可能な保存された情報の変化を表す。
【0131】
図3は、担体表面5、例えばエアロゾル発生物品用のラッパー、具体的にはエアロゾル発生基体コアを包むためのラッパーを示す。表面5は、複数の情報記憶要素1の二本の帯7を含む。表面5は、第一の工程ではエンドレステープとして製造することができ、そしてその後の工程で適切な部品へと切断されてもよい。表面5の真ん中には分離線9が表示され、ここで、表面5は、
図4aに示すように、それらの遠位端において相互に向き合う二つのエアロゾル発生物品用のラッパーを生成するために、第一の部分および第二の部分に切断することができる。
【0132】
図4aは、マウスピース13および基体部15を備える二つのエアロゾル発生物品11を示す。マウスピース13はフィルター材料を含んでもよく、また基体部15は、ラッパーまたは担体表面5によって包まれるエアロゾル発生基体のコアを含んでもよい。各エアロゾル発生物品11は、マウスピース13に近接したその基体部15において複数の情報記憶要素1の帯7を備える。二つのエアロゾル発生物品11は各々、
図3に示すように、担体表面5の半分で90度回転した向きで巻かれる。二つのエアロゾル発生物品11は、
図4bに示すように、単一のエアロゾル発生物品11を得るために分離線9において切断される。
【0133】
図4bは、複数の情報記憶要素1の帯7を備える、一つのエアロゾル発生物品11を示す。帯7は、エアロゾル発生物品11の完全な円周線の周りに延びる。その結果、エアロゾル発生装置の中へと挿入された時、少なくとも一つの情報記憶要素1が検出器によって光学的に検出可能であることを確実にする。相互から区別できるようにするために、情報記憶要素1は、空間によって分離され、加えて別個の情報記憶要素1として特定されるために、対応する画像認識ソフトウエアによって認識することができるパターン、例えば、特定のコーナー要素を含む。
【0134】
図5は、エアロゾル発生装置19の中へと挿入されたエアロゾル発生物品11を備えるエアロゾル発生システム17を示す。その実施例では、情報記憶要素1の帯7は、マウスピース13に対して反対側のエアロゾル発生物品11の遠位端に配置される。検出器21は、情報記憶要素1の帯7に近接してエアロゾル発生装置19内に配設される。エアロゾル発生装置19内の停止部(図示せず)は、帯7が検出器21の視野内にあるように、エアロゾル発生物品11が常に一定の長さに対して挿入されることを確実にする。誘導コイル23は、エアロゾル発生装置19内に提供されて、エアロゾル発生物品11のエアロゾル発生基体25内のサセプタ24を誘導加熱する。別の方法として、装置の加熱ブレードは、基体内に挿入されている間に電気抵抗加熱によって加熱されてもよい。
【0135】
エアロゾル発生装置19は、制御ユニット26と、電源27、例えば電池と、電力充電およびデータポート29と、をさらに備える。励起源31は、エアロゾル発生装置19内に配置され、これが、情報記憶要素1のセグメント3のうちの一つ以上を励起する、または情報記憶要素1によって反射される放射を発する。励起源31は、電磁放射の供与源、例えば発光ダイオード、または磁石、またはこれに類するものであってもよい。エアロゾル発生装置19は、外部データ処理装置への無線通信を確立するために、例えば、データポート29の一部として、アンテナをさらに備えてもよい。エアロゾル発生物品11がエアロゾル発生物品11内で加熱される時、情報記憶要素のうちの少なくとも一つの、しかし好ましくはいくつかのセグメント3が材料の変化を受ける。
【0136】
図6a~
図6cは、二つの例示的な材料の変化を受けるセグメント3の断面図を示す。セグメント3は、表面5上に配置され、そして共通の基層または第一の層10、第二の層20および第三の層30の一部を備える。
図6aの第一の状態では、第二の層20は、特定の色、例えば、赤色を有してもよく、また第三の層30は、透明であってもよい。
図6aの第一の状態から
図6bの第二の状態への移行では、情報記憶要素1、具体的にはセグメント3は、例えば、摂氏90度などのある特定の温度に曝露され、これは第二の層20の色を、例えば、黄色へと改変する。
図6bの状態では、第三の層30は、透明のままである。
図6cの第三の状態への第二の移行では、情報記憶要素1は紫外光へと曝露される。これは、第三の層30を透明から不透明へと変化させる。その結果、第二の層20はもはや見えず、そしてセグメント3は暗く、または黒色に見える場合がある。
【0137】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的については、別段の表示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、すべての事例において「約」という用語によって修飾されることが理解される。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数字AはA±10%として理解される。この文脈内では、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用する一部の事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】