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特表2024-542207垂直表面上のタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置
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  • 特表-垂直表面上のタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置 図1
  • 特表-垂直表面上のタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】垂直表面上のタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/16 20060101AFI20241106BHJP
   E04F 21/165 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
E04F21/16 Q
E04F21/165 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529557
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022082149
(87)【国際公開番号】W WO2023094241
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021000029561
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524185788
【氏名又は名称】ヴェッランド,ミルコ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッランド,ミルコ
(57)【要約】
アクリル塗料、シリコーン、及び/又は軟質のセメント混合ペースト型の材料を塗り拡げ、整形することにより、垂直表面上にグラウトライン、目地、又はモルタルを作り、製品が下方に流れるのを防止するようになされた、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)において、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)は、塗布作業を迅速化し、作業者による労力を最小限まで軽減させるようになされる。セルフクリーニング装置は、プーリ(20)を通過するゴムベルト(21)によって駆動輪(11)のうちの少なくとも1つにより移動され、ヘラ(14)及び表面から余剰に吐出された前記製品(200)をクリーニングするようになされた、少なくとも1つのマイクロファイバローラ(17)を含む。マイクロファイバローラ(17)により、向き付け可能なディスペンサ(12)及び液体噴霧器(13)の全てのパラメータが調整される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラウトライン、目地、又はモルタルを作るために、アクリル塗料、シリコーン、及び/又は軟質のセメント混合ペースト型の材料を実践的且つ正確なやり方で塗り拡げ、整形するようになされた、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)であって、実施のための作業を高速化し、作業員による労力を最小限まで軽減させ、考え得る職業病からそれを保護するようになされ、前記垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)は、
- 長方形の形態を有し、発明品の内部構成要素を収容し、きわめて安定に/しっかりと保持し、保護するようになされたフレーム(11)と、
- 前記フレーム(10)の下面の対向する長辺付近に平行に係合し、ユーザハンドル(19)により動かされるようになされ、前記フレーム(10)の側面に沿って取り付けられ、表面に沿った前記発明品の移動を可能にする少なくとも2つの駆動輪(11)であって、ねじ山付きスプリングレギュレータ(32)によってその高さが調整可能な駆動輪(11)と、
- 前記フレーム(10)の前記下面の前方中央部分に係合し、下向きで、前記タイル間の空間内に挿入されるべき製品(200)を小型電気モータによって吐出するようになされた少なくとも1つの向き付け可能なディスペンサ(12)であって、前記フレーム(10)のすぐ近くに取り付けられ、吐出されるべき前記製品(200)を収容されるようになされたタンク(24)に接続され、前記タンク(24)に、1つの前記小型電気モータと、前記製品(200)が前記向き付け可能なディスペンサ(12)によって漸次吐出される際にそのカートリッジから前記製品(200)が出るようなやり方で前記製品を圧縮するようになされたピストンとが設けられる、少なくとも1つの向き付け可能なディスペンサ(12)と、
- 前記フレーム(10)の下側部分において前記向き付け可能なディスペンサ(12)の背後に係合し、電気ポンプにより、前記吐出された製品(200)を、前記製品(200)の塗り拡げ及びその後のクリーニングを有効にするようなやり方で噴霧するようになされた、少なくとも1つの液体噴霧器(13)であって、前記フレーム(10)内で前記フレームのすぐ近くに係合し、噴霧されるべき液体を収容するようになされた第二のタンク(25)に接続された、液体噴霧器(13)と、
- 前記フレーム(10)の前記下面において前記液体噴霧器(13)の背後に係合し、前記タイルの前記グラウトライン内に、以前に吐出された前記製品(200)を塗り拡げるようになされた少なくとも1つのヘラ(14)であって、顧客のニーズに基づいて交換可能及び調整可能な型であるヘラ(14)と、
- 前記フレーム(10)の前記下側部分において前記ヘラ(14)の後方部分と密接に係合し、プーリ(20)を通るゴムベルト(21)によって前記駆動輪(11)のうちの少なくとも1つにより、前記ヘラ(14)及び余剰に吐出された前記製品(200)の前記表面をクリーニングするようなやり方で動かされるようになされた、少なくとも1つのマイクロファイバローラ(17)であって、前記プーリ(20)が、前記マイクロファイバローラ(17)の上側部分において、前記ゴムベルト(21)の動きにより生じる回転が前記マイクロファイバローラ(17)に伝達されるようなやり方で係合し、前記ゴムベルト(21)が前記フレーム(10)内で係合し、ガイドのシステム(22)により交差するように、前記マイクロファイバローラ(17)が前記駆動輪(11)のとる速度よりも高速で回転するようなやり方で動作するようになされ、前記マイクロファイバローラ(17)が、第二の噴霧器(23)によって常に含水状態にされ、前記フレーム(10)内に係合され、前記第二のタンクに接続され、前記マイクロファイバローラ(17)が、前記フレーム(10)の前記下側部分において前記マイクロファイバローラ(17)の背後及び/又は前方に、前記マイクロファイバローラ(17)と密接に係合する少なくとも1つの第二のヘラ(16)によってクリーンな状態に保持されるようになされ、前記第二のヘラ(16)が、前記マイクロファイバローラ(17)との直接的接触及び前記マイクロファイバローラ(17)による回転を利用して、そこに付着した前記製品(200)を除去するようになされた、少なくとも1つのマイクロファイバローラ(17)と、
- 前記フレーム(10)内に取り付けられ、前記発明品の電気構成要素の全てを配線により調整して、前記向き付け可能なディスペンサ(12)、前記液体噴霧器(13)、前記ヘラ(14)、及び前記マイクロファイバローラ(17)が前記駆動輪(11)の動きに追従するようになされた少なくとも1つのマイクロコントローラ(27)であって、前記ユーザが、そこに接続され、前記フレーム(10)の上面に取り付けられたキーパッド(26)によって全ての機能にアクセスできるようになされた、マイクロコントローラ(27)と、
- 前記フレーム(10)内に係合し、前記駆動輪(11)及び前記発明品の前記電気構成要素の全てに電源供給するようになされた少なくとも1つの充電式バッテリ(28)と、
- 前記フレーム(10)の前記下面の端において係合し、前記発明品をその使用中に前記表面との接触によって安定に保持し、さらに精度を高めるようになされた、2つの小型車輪を備える少なくとも2つのガイド(15)と、
を含むことを特徴とする、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項2】
前記駆動輪(11)の距離は、前記フレーム(10)の内部に係合し、前記駆動輪(11)を通る軸(18)に沿って、ロッキングシステムにより、製品(200)の塗り拡げを妨げないようなやり方で調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項3】
前記駆動輪(11)に、無接続表面上であっても精密な線形の進行を保持するようなやり方で衝撃吸収システムが設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項4】
前記第二のヘラ(16)に、前記マイクロファイバローラ(17)上の前記製品(200)をより正確に除去するようになされた吸引システムが設けられ、前記吸引システムが前記タンク(24)に接続され、前記吸引された製品(200)を、それが再使用可能となるようなやり方で濾過し、回収するようになされることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項5】
前記タンク(24)及び前記タンク(25)が、その定常的なクリーニングと保守が可能であるように、前記フレーム(10)の前記上側部分において係合するドア(31)によって取り出し可能であることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項6】
前記タンク(24)が、前記製品(200)が終了した時に、前記フレーム(10)の前記表面に係合する、LED(30)を作動させるようになされた容量センサを含むことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項7】
前記第二のタンク(25)が、前記第二のタンク(25)内にある前記液体が終了した時に、前記フレーム(10)の前記表面に係合する、LED(29)を作動させるようになされた容量センサを含むことを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項8】
前記フレーム(10)の前記上側部分に係合し、前記装置がその使用中にとる水平及び/又は垂直位置を制御できるようにするようになされたアルコール水準器を含むことを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項9】
前記駆動輪(11)の付近に取り付けられ、前記駆動輪(11)のとる前記速度に関するデータを収集し、このようなデータを前記マイクロコントローラ(27)に、前記向き付け可能なディスペンサ(12)の吐出量が前記駆動輪(11)の前記速度に関して一定となるように送信するようになされた少なくとも1つの回転センサを含むことを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項10】
前記向き付け可能なディスペンサ(12)上に係合し、前記ユーザが使用中に前記向き付け可能なディスペンサ(12)の正確な向きに関する明確な情報を受信できるようになされたレーザポインタを含むことを特徴とする、請求項1~9の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【請求項11】
前記フレーム(10)の前記下側部分において係合し、前記発明品の使用中に画像を撮影するようになされたマイクロビデオカメラを含み、前記マイクロビデオカメラがネットワーク及び/又はBluetoothによって前記ユーザの移動機器に接続され、前記ユーザが前記作業の画像及び前記発明品の正しい動作を自分の移動機器上でリアルタイムで見ることができるようなやり方で接続されることを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載の垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、タイル間に漆喰材料を塗布し、塗布後にタイル表面に残った余剰のモルタルを除去する装置の製造の分野に関する。さらに詳しくは、垂直表面上のタイルのグラウトライン間にアクリル塗料、シリコーン、及び/又は漆喰等の材料を、当業界で用いられているマニュアル方式で得られるものよりも高速で塗り拡げるための電気機械装置が開示される。
【背景技術】
【0002】
先行技術
液状モルタルは、微細加工された、ごく低粘度のモルタルであり、床、シャワーウォール、又はこれに類する状況でタイル間に形成されるようなひびやグラウトラインを埋めるために使用される。
【0003】
モルタルは一般に、それをタイル表面全体に塗り拡げ、それをグラウトライン内に圧密に充填し、その後、余剰のモルタルをそれが乾燥する前にタイル表面から取り除くことによって塗布される。
【0004】
漆喰は、表面のモルタルを固化する前に除去する必要があるため、一度に小さい面積にしか塗布できず、これは大きな時間消費要因である。
【0005】
モルタルのタイル表面への塗布の内在的欠点は、正確に言えば、広範囲での作業を完遂するための時間的要求事項、及び前屈姿勢や膝をつく作業姿勢という労働強度である。
【0006】
これらの問題を解消するために、近年、様々な解決策が提案されている。
【0007】
一例は、GINO A.MAZZENGAへの米国特許出願第6260743B1号により提供される。この特許は、横方向に隣接する床タイル間に形成される目地部にモルタルを吐出するための装置を特許請求している。これは、可動フレームに取り付けられた、ある量のモルタルを収容したホッパを含む。この装置は、管状チャネルを通じてホッパに連結された複数のノズルセットを含む。ノズルセットは、フレームアセンブリの前面に対して平行に延びる取付ブラケットに取り付けられ、それによってノズルセット間の横方向の距離を、大きさの異なる床タイルにより形成される目地間の横方向の距離に合うように調整できる。ラックアンドピニオンが取付ブラケットに取り付けられ、ノズルアセンブリと床タイルとの間の縦方向の距離も調整可能である。
【0008】
他の例は、CHANDRAKANT R.YANDEへの米国特許出願第7614813B1号のそれである。この特許は、容器内に貯蔵された漆喰混合物を、開閉弁の設けられた正方形の歯の形状のトレーシングニップルを通じて吐出するモルタル吐出装置を特許請求しており、これは事前に敷かれたタイル間の空間に混合物を押し出す。また、この発明は、ユーティリティスタンド、モルタルフロート装置、及び直線を保持するためのトラッキングホイールも含む。装置を使用すると、材料は敷かれたタイルの縁部において所定の幅、ギャップで、又は軌道上を流れる。
【0009】
これらの技術的進歩及び幾つかの問題の解決にもかかわらず、これらの装置は非常にかさばり、手の届きにくい内部部品が多いため、その保守作業に労力を要し、とりわけ、今日市場で入手可能な技術を十分に利用しておらず、さらに、その構造から、垂直表面での使用には適していない。
【0010】
垂直表面の目地の充填となると問題は急増し、これは、漆喰は、いったん付着させると、直ちに扱わなければ下方に流れ落ちるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、タイル間にモルタルを塗り拡げる動作を格段に迅速化し、しかも同じやり方で、垂直表面で使用するための直感的で使い心地の良いツールを提供することにより、作業者に利益をもたらす装置を提案することである。構成部品の多くは交換可能で、容易に手が届き/取り外すことができ、先端技術のセンサの存在から、高精度なツールは、非常に高い結果を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の説明
本発明によれば、製品が下方に滴下するのを防止し、垂直表面上にグラウトライン、目地、又はモルタルを作るために、アクリル塗料、シリコーン、及び/又は軟質のセメント混合ペースト型の材料を実践的且つ正確なやり方で塗り拡げ、整形するための、革新的な装置が提供される。
【0013】
この装置により、有利な点として、塗装作業の全てが当業界で使用されているマニュアル方式で得られるものと比較して迅速化され、これには、吐出された余剰の製品をクリーニングすること、作業員による労力を最小化すること、作業員をあらゆる職業病から保護することが含まれる。
【0014】
この装置は、有利な態様として軽量の長方形のフレームで構成され、その中で少なくとも2つの駆動輪が平行に係合し、それによって本発明品は表面に沿って移動することができる。フレームの表面と係合し、駆動輪に接続される、ねじ山付きのスプリングレギュレータにより、表面に関するその高さを調整し、顧客のニーズに合わせ、いかなる種類の表面にも合わせることができる。
【0015】
駆動輪の動きは、本発明品の側面に沿って取り付けられた人間工学的ハンドルによりサポートされる。
【0016】
駆動輪は、有利な点として、衝撃吸収システムを備えることができ、それによって凹凸表面であっても作業を正確に行うことができる。
【0017】
好ましくは、装置の安定性は車輪を備えるガイドによってさらに確実にされ、これは前記フレームの下面の端において係合し、表面と接触した状態で設置される。
【0018】
タイルのグラウトライン間の塗布及び加工作業は、
・向き付け可能なディスペンサと、
・液体噴霧器と、
・ヘラと、
・含水マイクロファイバローラと、
・ローラをクリーニングするための第二のヘラ
からなるノズルパッケージによって確実に行われる。
【0019】
ノズルパッケージの、及び本発明品全般の電気構成要素は全て、有利な点として、電気構成要素に配線により接続される内部マイクロコントローラによって制御される。全ての調整は、フレームの表面に取り付けられたキーパッドを通じてユーザにより行うことができる。全構成要素の電気は、駆動輪の動きを含め、フレームの内側に取り付けられる充電式バッテリによって確保される。
【0020】
具体的には、フレームの下面の中央前方部分に下向きに取り付けられた向き付け可能なディスペンサは、そのすぐ近くに取り付けられたタンクに接続され、電気モータと製品を圧縮するピストンによって、製品は、前記製品が向き付け可能なディスペンサから吐出される時に、事前に装置に装填されたカートリッジから出る。好ましい実施形態のうちの1つにおいて、本発明は、前記向き付け可能なディスペンサと係合するレーザポインタを提供し、それによってユーザは使用中に、向き付け可能なディスペンサの正確な向きに関する明確な情報を受け取ることができ、さらに、本装置は、有利な点として、駆動輪の付近に取り付けられた回転センサを備えることができ、回転センサは、駆動輪がとる速度に関するデータを収集して、これらをマイクロコントローラに送信し、送出量を駆動輪自体の速度に関して一定にする。
【0021】
前記向き付け可能なディスペンサの背後に係合する液体噴霧器は、電気ポンプを通じて、事前に吐出された製品を、その塗り拡げとその後のそれのクリーニングが有効になるように噴霧し、液体噴霧器はまた、そのすぐ近くに係合し、噴霧すべき液体を収容した第二のタンクにも接続される。
【0022】
フレームの下面の、液体噴霧器の背後に係合するヘラにより、装置は、有利な点として、それが前方に移動する際にタイルのグラウトラインの内部に事前に吐出された製品を塗り拡げる。ヘラは好ましくは、交換可能なタイプで、顧客のニーズに合わせて、あらゆる表面で完璧に適合させ、作業できるように調整可能である。
【0023】
同じくフレームの下面であるが特に前記ヘラの後方部分と密接して係合するマイクロファイバローラは、ゴムベルトによって駆動輪のうちの少なくとも1つにより回転され、ゴムベルトは駆動輪に接続され、プーリを通り、プーリは、マイクロファイバローラの上部で使用され、ローラを回転させることができ、このようにして、それは常に前記ヘラをクリーニングするだけでなく、装置が表面の、グラウトラインから出て下方に滴下する、吐出された余剰の製品をクリーニングすることができるようにする。さらに、ゴムベルトは有利な点として、ガイドシステムにより交差するように動作し、それによって、プーリが設けられたマイクロコントローラは駆動輪がとる速度よりも高速で回転することができる。
【0024】
マイクロファイバローラのクリーニングは、一方で、フレームの内側に係合し、第二のタンクに接続され、それを常に含水状態にする第二の噴霧器によって、他方で、その後方及び/又は前方に密接に係合し、ローラとの直接的な接触とその回転を利用して、それに付着した製品を除去する第二のヘラによって確実に行われる。第二のヘラには吸引システムが提供され得、これは前記マイクロファイバローラ上の製品がより正確に除去されるようにするだけでなく、前記タンクに接続され、吸い取られた製品が濾過されて回収されるようにし、それによって製品の再使用が可能となり、廃棄が回避される。
【0025】
その好ましい実施形態のうちの1つにおいて、本発明は、フレームの上面に係合し、装置が使用中にとる水平と垂直とを制御できるようにするのに適した気泡水準器を含み得る。
【0026】
最後に、装置は有利な態様として、マイクロビデオカメラを含むことができ、これはフレームの下面において係合し、使用中の画像を撮影するようになされ、前記マイクロビデオカメラは、ネットワーク及び/又はBluetoothを介して何れかの移動機器に接続でき、このようにして、ユーザは撮影された画像の全てにアクセスし、装置の正しい機能をリアルタイムで確認することができる。
【0027】
本発明により提供される利点は以上の説明から明らかであり、添付の図面及び関係する詳細な説明から、さらに明らかとなるであろう。
【0028】
図面の説明
以下に、本発明を下記のような添付の図面を利用して、少なくとも、非限定的な例としての好ましい実施形態において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本特許出願による、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置100の縦断面の側面図を示す。
図2】本特許出願による、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置100の構成要素の底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の詳細な説明
ここで、本願の発明的概念に関する幾つかの実施形態を示す図面を利用して、非限定的又は拘束的な例により本発明を説明する。
【0031】
図1及び2を参照すると、本特許出願による、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置100の主要構成要素が示されている。特に、図1は、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置100の縦断面の側面図を示し、図2は、垂直表面上でタイルのグラウトライン間に材料を塗布するためのセルフクリーニング装置100に含まれる幾つかの構成要素の底面図を示す。
【0032】
本発明は、長方形の形態を有するフレーム10からなり、これは、本発明の内部構成要素を収容し、きわめて安定に/しっかりと保持し、保護するようになされる。
【0033】
前記フレーム10の内部に、正確には下面の2つの長辺の付近に、2対の平行な駆動輪11が係合し、フレーム10の側面に沿って係合するハンドル19によってユーザにより動かされるようになされ、それによって本発明品を表面に沿って移動させることができる。表面に係合し、前記駆動輪11に接続されたねじ山付きスプリングレギュレータ32によって、表面に関するその高さを調整することができる。前記駆動輪11の距離は、前記フレーム10の内部に係合し、前記駆動輪11を通る軸18に沿って、ロッキングシステムにより、製品200の塗り拡げを妨げないようなやり方で調整可能である。
【0034】
本発明品の安定性を改善するために、ホイール付きの4つのガイド15が前記フレーム10の下面の端に係合し、これらは、表面との接触によって装置100の使用中の精度を高める。
【0035】
製品200の吐出及びそれの加工は、後述の一連の構成要素により行われる。
【0036】
タイル間の空間の中に挿入される製品200の吐出は、電気モータによって向き付け可能なディスペンサ12により、確実に行われる。
【0037】
前記向き付け可能なディスペンサ12はタンク24に接続され、タンク24はすぐ近くに取り付けられ、吐出すべき前記製品200を収容するようになされ、電気モータとピストンを備え、ピストンは前記製品200を圧縮し、それによって、前記製品が前記向き付け可能なディスペンサ12を通じて吐出される際にそのカートリッジから出る。
【0038】
液体噴霧器13は、前記フレーム10の下面の、前記向き付け可能なディスペンサ12の背後に係合し、電気ポンプによって、事前に吐出された製品200を、その塗布とその後のクリーニングを有効にするように噴霧する。
【0039】
液体噴霧器13はまた、フレーム10内ですぐ近くに係合し、噴霧すべき液体を収容するようになされた、第二のタンク25にも接続される。
【0040】
前記タンク24と前記第二のタンク25の各々は容量センサを含み、これは、製品200及び/又は液体が終了すると、フレーム10の表面と係合するLED30~29を作動させるようになされる。前記フレーム10の上側部分と係合するドア31によって、前記タンク24~25を、それらの定常的なクリーニングと保守を可能にするように取り出すことができる。
【0041】
本発明は、前記フレーム10の下面の液体噴霧器13の背後に係合するヘラ14を提供し、これは、タイルのグラウトラインの内部に事前に吐出された製品200を塗り拡げる機能を実行する。ヘラ14は交換可能であり、顧客のニーズにしたがって調整可能である。
【0042】
プーリ20を備えるマイクロファイバローラ17は、前記ヘラ14の後部と密接に係合し、前記プーリ20を通るゴムベルト21によって駆動輪11の1つにより動かされるようになされ、前記グラウトラインの外側で、余剰に吐出された前記製品200から、前記ヘラ14と前記表面を常に、同時にその両方をクリーニングし、前記ゴムベルト21は前記フレーム10の内部で係合し、マイクロファイバローラ17が駆動輪11のとる速度よりも高速で回転するように、ガイドシステム22によって交差するように動作する。
【0043】
マイクロファイバローラ17自体は、前記第二のタンク25に接続された第二の噴霧器23から得られる水分によって、及び前記マイクロファイバローラ17の後方にそれと密接に係合する第二のヘラ16によって常にクリーンな状態であり、第二のヘラ16は、前記マイクロファイバローラプーリ20との直接的接触とその回転を利用して、すでに取り除かれて付着した製品200を取り除く。
【0044】
前記フレーム10内に取り付けられたマイクロコントローラ27は、本発明品の電気構成要素の全てを配線により調整し、それによって前記向き付け可能なディスペンサ12、前記液体噴霧器13、前記ヘラ14、及び前記マイクロファイバローラ17が前記駆動輪11の動きをサポートする。マイクロコントローラ27により提供される全ての機能と調整には、前記フレーム10の上面に取り付けられたキーパッド26によりアクセスできる。電気構成要素の動作のため、及び前記駆動輪11の運動のために必要な自律性及び電気エネルギーは、フレーム10の内部に取り付けられた充電式バッテリ28により確保される。
【0045】
最後に、当業者には明らかであるが、これまで説明した本発明に対して、付属の特許請求項により提供される保護範囲から逸脱することなく改良、追加、又は変更を加えることができる。
図1
図2
【国際調査報告】