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特表2024-542228光学分析システム及びその光学分析計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】光学分析システム及びその光学分析計
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/01 20060101AFI20241106BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G01N21/01 D
G01N21/27 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529785
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 IB2022061126
(87)【国際公開番号】W WO2023089545
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】110143041
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524187966
【氏名又は名称】ダーリャン メガ クリスタル バイオロジカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ティン イー-シェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユー-ツン
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB04
2G059EE01
2G059EE12
2G059FF08
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ22
2G059KK01
2G059KK03
2G059MM01
2G059MM05
(57)【要約】
本開示の光学分析計(100)は、固体光源エミッタ(10)、均一混合又は光分割素子(20、20’)、第1受光器(30)及び第2受光器(40)を含む。固体光源エミッタ(10)は、光源(1)を含み、光源(1)は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子(13)を含み、複数の発光素子(13)から発した光線は、均一混合又は光分割素子(20、20’)を通過して第1光線(L1)及び第2光線(L2)を形成し、第2光線(L2)は、測定対象流体(O)を通過した後、検出光線(L3)となる(即ち、第2光線(L2)は、測定対象流体(O)を通過した後、第2光線(L2)のうちの測定対象流体(O)によって吸収されていない部分が検出光線(L3)となる)。第1受光器(30)は、第1光線(L1)を受ける。第2受光器(40)は、検出光線(L3)を受ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含む固体光源エミッタ(10)であって、前記光源は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子(13)を含み、複数の前記発光素子(13)は、発光ダイオード、垂直共振器面発光レーザ又はレーザダイオードであり、それぞれ点滅頻度で非連続的に点灯可能であり、複数の前記点滅頻度は、互いに同じであるか又は互いに異なり、或いは、複数の前記点滅頻度は、部分的に同じであるか又は部分的に異なる、固体光源エミッタ(10)と、
均一混合又は光分割素子(20)であって、複数の前記発光素子(13)から発した光線が前記均一混合又は光分割素子(20)を通過した後に第1光線(L1)及び第2光線(L2)を形成し、前記第2光線(L2)が測定対象流体(O)を通過し、前記第2光線(L2)のうちの前記測定対象流体(O)によって吸収されない部分が検出光線(L3)を形成する、均一混合又は光分割素子(20)と、
前記第1光線(L1)を受ける第1受光器(30)と、
前記検出光線(L3)を受ける第2受光器(40)と、
を含む、ことを特徴とする光学分析計。
【請求項2】
前記第1光線(L1)が標準光強度を有する場合、前記第2光線(L2)の光強度と前記標準光強度とは、特定の比を示し、前記検出光線(L3)と前記標準光強度との比は、前記測定対象流体(O)の標準透過率であり、前記第1光線(L1)が動作光強度を有する場合、前記第2光線(L2)の前記光強度と前記動作光強度とは、前記特定の比を示し、前記検出光線(L3)と前記動作光強度との比は、前記測定対象流体(O)の動作透過率であり、前記標準光強度と前記動作光強度とは、異なり、前記標準透過率と前記動作透過率との比較結果を用いて、前記測定対象流体(O)の組成成分の変化を判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項3】
前記第1光線(L1)が標準光強度を有する場合、前記第1受光器(30)は、前記第1光線(L1)を受けて標準光強度信号を生成し、前記第1光線(L1)が減衰光強度を有する場合、前記第1受光器(30)は、前記第1光線(L1)を受けて減衰光強度信号を生成し、前記標準光強度信号と前記減衰光強度信号とを比較して変化量を取得し、前記均一混合又は光分割素子(20)は、前記変化量に基づいて前記第1光線(L1)の
光強度を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項4】
前記均一混合又は光分割素子(20)は、光積分球であり、前記光積分球は、光入口(21)、第1光出口(22)及び第2光出口(23)を含み、前記第1受光器(30)は、前記第1光出口(22)に位置合わせされ、前記第2受光器(40)は、前記第2光出口(23)に位置合わせされ、前記発光素子(13)から発した前記光線は、前記光入口(21)から前記光積分球に入り、前記第1光線(L1)は、前記第1光出口(22)から出射され、前記第2光線(L2)は、前記第2光出口(23)から出射される、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項5】
前記第1光出口(22)と前記光入口(21)とは、前記光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、前記第2光出口(23)と前記光入口(21)とは、前記光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、前記第1光出口(22)と前記第2光出口(23)とは、前記光積分球の中心に対して180度の中心角を有する、ことを特徴とする請求項4に記載の光学分析計。
【請求項6】
前記均一混合又は光分割素子(20’)は、貫通孔(24)を有する遮蔽板であり、前記第1受光器(30)は、前記遮蔽板に設けられるとともに、複数の前記発光素子(13)に対向して設けられ、複数の前記発光素子(13)から発した複数の前記光線の一部は、前記第1光線(L1)となって前記第1受光器(30)によって受けられ、複数の前記発光素子(13)から発した複数の前記光線の他の部分は、前記貫通孔(24)を通過して前記第2光線(L2)となる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項7】
隣接する2つの前記発光ピーク波長に対応する2つの前記発光素子(13)の複数の前記波長域は、複数の前記発光素子(13)のうちのそれぞれの前記波長域より広い連続波長域を形成するように部分的に重なり、或いは、隣接する2つの前記発光ピーク波長に対応する2つの前記発光素子(13)の複数の前記波長域は、重ならない、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項8】
複数の前記発光素子(13)は、順次発光し、前記順次発光とは、異なる位置にある同じ波長域の光を発する複数の前記発光素子(13)が同時に発光しないことを指し、或いは、複数の前記発光素子(13)は、一部同時発光し、前記一部同時発光とは、複数の前記発光素子(13)のうちの一部が同時に発光し、異なる複数の波長域の光を同時に放射することを指す、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項9】
前記固体光源エミッタ(10)は、複数の前記発光素子(13)の動作時の定電流バイアスを測定し、複数の前記発光素子(13)の前記定電流バイアスと前記固体光源エミッタ(10)のPN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて換算して前記固体光源エミッタ(10)の前記PN接合面温度を取得した後、複数の前記発光素子(13)の発光強度と前記PN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて、複数の前記発光素子(13)の発光強度の比を取得し、判断結果に基づいて前記第1受光器(30)により測定された、複数の前記発光素子(13)の発光強度値を補正する、基板(11)を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項10】
第1プロセッサ(50)及び第1表示機器(60)を更に含み、前記固体光源エミッタ(10)、前記第1受光器(30)及び前記第2受光器(40)は、前記第1プロセッサ(50)に接続され、前記第1プロセッサ(50)は、複数の前記光線を順次発するように前記固体光源エミッタ(10)を制御し、前記第1受光器(30)及び前記第2受光器(40)が受けた光の光強度信号は、前記第1表示機器(60)に表示される、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項11】
前記第1プロセッサ(50)に接続された第1無線通信モジュール(70)を更に含み、前記第1受光器(30)及び前記第2受光器(40)が受けた光の前記光強度信号は、前記第1無線通信モジュール(70)を介して外部電子装置に伝送可能であり、或いは、前記第1無線通信モジュール(70)は、前記外部電子装置からの制御信号を受信可能である、ことを特徴とする請求項10に記載の光学分析計。
【請求項12】
前記点滅頻度は、0.05回/秒~50000回/秒である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項13】
前記点滅頻度における前記発光素子(13)をオンにする時間区間は、0.00001秒~10秒であり、前記点滅頻度における前記発光素子(13)をオフにする時間区間は、0.00001秒~10秒である、ことを特徴とする請求項12に記載の光学分析計。
【請求項14】
隣接する2つの前記発光ピーク波長の差は、1nm~80nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項15】
隣接する2つの前記発光ピーク波長の前記差は、5nm~80nmである、ことを特徴とする請求項14に記載の光学分析計。
【請求項16】
各前記発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、15nm~50nmである、ことを特徴とする請求項15に記載の光学分析計。
【請求項17】
各前記発光ピーク波長に対応する前記波長半値全幅は、15nm~40nmである、ことを特徴とする請求項16に記載の光学分析計。
【請求項18】
隣接する2つの前記発光ピーク波長の差は、0.5nm以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項19】
隣接する2つの前記発光ピーク波長の前記差は、1nm~80nmである、ことを特徴とする請求項18に記載の光学分析計。
【請求項20】
複数の前記発光ピーク波長のうちの少なくとも一部の前記発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学分析計。
【請求項21】
光源を含む固体光源エミッタ(10)であって、前記光源は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子(13)を含み、複数の前記発光素子(13)は、発光ダイオード、垂直共振器面発光レーザ又はレーザダイオードであり、それぞれ点滅頻度で非連続的に発光可能であり、複数の前記点滅頻度は、互いに同じであるか又は互いに異なり、或いは、複数の前記点滅頻度は、部分的に同じであるか又は部分的に異なり、複数の前記発光素子(13)から発した光線は、第1光線(L1)及び第2光線(L2)を形成し、前記第2光線(L2)は、測定対象流体(O)を通過した後に検出光線(L3)となる、固体光源エミッタ(10)と、
前記第1光線(L1)を受ける第1受光器(30)と、
前記検出光線(L3)を受ける第2受光器(40)と、
を含み、
前記第1光線(L1)が標準光強度を有する場合、前記第2光線(L2)の光強度と前記標準光強度とは、特定の比を示し、前記検出光線(L3)と前記標準光強度との比は、前記測定対象流体(O)の標準透過率であり、前記第1光線(L1)が動作光強度を有する場合、前記第2光線(L2)の前記光強度と前記動作光強度とは、前記特定の比を示し、前記検出光線(L3)と前記動作光強度との比は、前記測定対象流体(O)の動作透過率であり、前記標準光強度と前記動作光強度とは、異なり、前記標準透過率と前記動作透過率との比較結果を用いて、前記測定対象流体(O)の組成成分の変化を判断する、ことを特徴とする光学分析計。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の光学分析計(100)と、
液体輸送部材(200)であって、前記測定対象流体(O)が前記液体輸送部材(200)内で輸送され、前記均一混合又は光分割素子(20)と前記第2受光器(40)が前記液体輸送部材(200)の両側に設けられ、前記第2光線(L2)が前記液体輸送部材(200)を通過して前記検出光線(L3)となって前記第2受光器(40)によって受けられる、液体輸送部材(200)と、
を含む、ことを特徴とする光学分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型光学分析の技術分野に関し、特に、光源からの光線をそれぞれ2つの受光器で受けて、光源の発光強度が減衰するか否かを判断する光学分析システム及びその光学分析計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学分析計は、シングルビーム分光計とダブルビーム分光計とに分けられる。シングルビーム分光計では、その検出原理は、光源から2つの検出光線を発して、それぞれ対応するモノクロメータを通過させた後、ビームスプリッターの回転によって、それぞれ吸収1に位置する測定対象液体を通過するように2つの検出光線を調整する。測定対象液体は、成分が異なるため、異なる波長の検出光線を吸収し、吸収セルを通過した検出光線が検出器によって受けられた後、測定対象液体の吸収スペクトルを得ることにより、測定対象液体の物理的性質又は化学的性質を検出することである。しかしながら、シングルビーム分光計は、ビームスプリッターのミラー回転によって異なる周波数の検出光線に切り替えるだけである。ミラー回転の速度が遅く、波長を迅速に切り替えることができない場合、測定対象物が迅速に流れる流体であると、完全な吸収スペクトルをリアルタイムに測定することができない。さらに、2つの検出光線は、いずれも吸収セルを通過してから検出器によって受けられる。そのため、元の検出光線の光強度を監視することができず、光源強度が減衰するか否かをリアルタイムに知ることが困難である。
【0003】
ダブルビーム分光計では、図1に示すように、その検出原理は、光源1から光線を発し、分光器21によって光線の経路を検出光経路P1と比較光経路P2とに分ける。検出光経路P1において、光線が吸収セル3に位置する測定対象液体を通過する。測定対象液体は、その成分が異なるため、異なる波長の光線を吸収する。吸収セル3を通過した光線が第1検出器4によって受けられ、測定対象液体の吸収スペクトルを得る。比較光経路P2において、光線が第2検出器5によって直接的に受けられて比較スペクトルを形成する。最後に、上記吸収スペクトルと比較スペクトルとを比較することにより、分析して測定対象液体の物理的性質又は化学的性質を検出する。しかしながら、図1に示すように、複数のミラーを用いる場合、ビームスプリッターR2を追加して比較光経路P2の方向を変更する。埃を防止するためにミラーの密閉性を向上させる必要があることに加えて、配置されたミラーの数が増えるため、従来の光学分析計の体積が大きくなるので、携帯製品を製造することができない。また、光線が分光器R1によって分光されて光強度が低すぎる場合、測定対象液体の光の吸収度が大きいと、スペクトルを形成することができない。一方で、分光器R1の角度が変化すると光強度の変化にも影響を与える。
【0004】
したがって、本発明は、どのように革新的なハードウェア設計によって従来のシングルビーム分光計とダブルビーム分光計の上記課題を効果的に改善するかを説明し、該課題は、依然として関連産業の開発業者と関連研究者が克服し解決するために懸命に努力し続ける必要がある課題である。
【発明の概要】
【0005】
これを鑑みて、本発明は、異なる波長域の光線を順次発することができる複数の発光素子を有し、2つの受光器を設け、2つの受光器が受けた光線の差を比較することにより、発光素子から発した光線の光強度が減衰するか否かを判断する、光学分析システム及びその光学分析計を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の実施例の光学分析計は、固体光源エミッタ、均一混合又は光分割素子、第1受光器及び第2受光器を含む。固体光源エミッタは、光源を含み、光源は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子を含み、複数の発光素子は、発光ダイオード、垂直共振器面発光レーザ又はレーザダイオードであり、それぞれ点滅頻度で非連続的に発光可能であり、複数の点滅頻度は、互いに同じであってもよく、互いに異なってもよく、或いは、複数の点滅頻度は、部分的に同じであってもよく、部分的に異なってもよい。複数の発光素子から発した光線は、均一混合又は光分割素子を通過した後に第1光線及び第2光線を形成し、第2光線は、測定対象流体を通過して測定対象流体によって吸収されないと検出光線となる。第1受光器は、第1光線を受ける。第2受光器は、検出光線を受ける。
【0007】
別の実施例では、第1光線が標準光強度を有する場合、第2光線の光強度と標準光強度とは、特定の比を示し、検出光線と標準光強度との比は、測定対象流体の標準透過率であり、第1光線が動作光強度を有する場合、第2光線の光強度と動作光強度とは、特定の比を示し、検出光線と動作光強度との比は、測定対象流体の動作透過率であり、標準光強度と動作光強度とは、異なる。標準透過率と動作透過率との比較結果を用いて、測定対象流体の組成成分の変化を判断してもよい。
【0008】
別の実施例では、第1光線が標準光強度を有する場合、第1受光器は、第1光線を受けて標準光強度信号を生成し、第1光線が減衰光強度を有する場合、第1受光器は、第1光線を受けて減衰光強度信号を生成し、標準光強度信号と減衰光強度信号との間の変化量を比較し、光分割素子は、変化量に基づいて第1光線の光強度を調整する。
【0009】
別の実施例では、均一混合又は光分割素子は、光積分球であり、光積分球は、光入口、第1光出口及び第2光出口を含み、第1受光器は、第1光出口に位置合わせされ、第2受光器は、第2光出口に位置合わせされ、複数の発光素子から発した複数の光線は、光入口から光積分球に入り、第1光線は、第1光出口から出射され、第2光線は、第2光出口から出射される。
【0010】
別の実施例では、第1光出口と光入口とは、光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、第2光出口と光入口とは、光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、第1光出口と第2光出口とは、光積分球の中心に対して180度の中心角を有する。
【0011】
別の実施例では、均一混合又は光分割素子は、貫通孔を有する遮蔽板であり、第1受光器は、遮蔽板に設けられるとともに、複数の発光素子に対向して設けられ、複数の発光素子から発した複数の光線の一部は、第1光線となって第1受光器によって受けられ、複数の発光素子から発した複数の光線の他の部分は、貫通孔を通過して第2光線となる。
【0012】
別の実施例では、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光素子の複数の波長域は、複数の発光素子のうちのそれぞれの波長域より広い連続波長域を形成するように部分的に重なるか、或いは、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光素子の複数の波長域は、重ならない。
【0013】
別の実施例では、異なる複数の波長域の複数の発光素子(13)は、異なる時間に発光する。
【0014】
別の実施例では、固体光源エミッタは、複数の発光素子の動作時の定電流バイアス値を測定し、複数の発光素子の定電流バイアスと固体光源エミッタのPN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて換算して固体光源のPN接合面温度を取得した後、複数の発光素子の発光強度とPN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて、複数の発光素子の発光強度の比を取得し、判断結果に基づいて第1受光器により測定された、複数の発光素子の発光強度値を補正する基板を更に含む。
【0015】
別の実施例では、本発明の光学分析計は、第1プロセッサ及び第1表示機器を更に含む。固体光源エミッタ、第1受光器及び第2受光器は、第1プロセッサに接続される。第1プロセッサは、複数の光線を順次発するように固体光源エミッタを制御する。第1受光器及び第2受光器が受けた光の光強度信号は、第1表示機器に表示される。
【0016】
別の実施例では、本発明の光学分析計は、第1プロセッサに接続された第1無線通信モジュールを更に含む。第1受光器及び第2受光器が受けた光の光強度信号は、第1無線通信モジュールを介して外部電子装置に伝送可能であり、或いは、第1無線通信モジュールは、外部電子装置からの制御信号を受信可能である。
【0017】
別の実施例では、点滅頻度は、0.05回/秒~50000回/秒である。
【0018】
別の実施例では、点滅頻度における発光素子をオンにする時間区間は、0.00001秒~10秒である。
【0019】
別の実施例では、点滅頻度における発光素子をオフにする時間区間は、0.00001秒~10秒である。
【0020】
別の実施例では、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、1nm~80nmである。
【0021】
別の実施例では、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、5nm~80nmである。
【0022】
別の実施例では、各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、15nm~50nmである。
【0023】
別の実施例では、各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、15nm~40nmである。
【0024】
別の実施例では、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、0.5nm以上である。
【0025】
別の実施例では、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、1nm~80nmである。
【0026】
別の実施例では、複数の発光ピーク波長のうちの少なくとも一部の発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下である。
【0027】
本発明の実施例に係る光学分析計は、固体光源エミッタ、第1受光器及び第2受光器を含む。固体光源エミッタは、光源を含み、光源は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子を含み、複数の発光素子は、発光ダイオード、垂直共振器面発光レーザ又はレーザダイオードであり、それぞれ点滅頻度で非連続的に発光可能であり、複数の点滅頻度は、互いに同じであってもよく、互いに異なってもよく、或いは、複数の点滅頻度は、部分的に同じであってもよく、部分的に異なってもよい。複数の発光素子から発した光線は、第1光線及び第2光線を形成し、第2光線は、測定対象流体を通過した後に検出光線となる(即ち、第2光線の測定対象流体を通過する場合に測定対象流体に吸収されない部分は、検出光線となる)。第1受光器は、第1光線を受ける。第2受光器は、検出光線を受ける。第1光線が標準光強度を有する場合、第2光線の光強度と標準光強度とは、特定の比を示し、検出光線と標準光強度との比は、測定対象流体の標準透過率であり、第1光線が動作光強度を有する場合、第2光線の光強度と動作光強度とは、特定の比を示し、検出光線と動作光強度との比は、測定対象流体の動作透過率であり、標準光強度と動作光強度とは、異なる。標準透過率と動作透過率との比較結果を用いて、測定対象流体の組成成分の変化を判断してもよい。
【0028】
本発明に係る光学分析システムは、光学分析計及び液体輸送部材を含み、測定対象液体は、液体輸送部材内で輸送され、第1受光器及び第2受光器は、液体輸送部材の両側に設けられ、第2光線は、液体輸送部材通過して検出光線となって第2受光器によって受けられる。
【0029】
本発明の光学分析システム及び光学分析計では、光源が異なる波長域の光線を発する複数の発光素子を有して1つずつ発光させることにより、従来技術におけるモノクロメータを設ける必要がなくなり、光学分析計の体積を大幅に低減することができる。また、本発明の光学分析計には、第1受光器及び第2受光器が設けられることにより、発光素子の光強度の減衰状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術における光学分析計の概略図である。
図2】本発明の光学分析計の一実施例の概略図である。
図3図2の光学分析計の断面図である。
図4】本発明の光学分析計の別の実施例の概略図である。
図5】本発明の光学分析計の固体光源エミッタの第1実施例の発光ダイオードの放射スペクトル図である。
図6】本発明の光学分析計の固体光源エミッタの第2実施例の発光ダイオードの放射スペクトル図である。
図7】本発明の光学分析計の固体光源エミッタの第3実施例の発光ダイオードの放射スペクトル図である。
図8】本発明の光学分析計の固体光源エミッタの一実施例の概略図である。
図9A】温度を測定することにより発光素子を補正する発光強度補正方法のフローチャートである。
図9B】本発明の第4発光ダイオードの相対強度と接合面温度との対応図である。
図9C】本発明の第4発光ダイオードの順方向バイアスと接合面温度の対応図である。
図10】本発明の光学分析システムの一実施例の概略図である。
図11】本発明の光学分析計の一実施例のシステムブロック図である。
図12】本発明の光学分析計に信号接続される電子装置のシステムブロック図である。
図13】本発明の光学分析計のまた別の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図2及び図3は、本発明の光学分析計の一実施例を示す。図2及び図3に示すように、本実施例の光学分析計100は、固体光源エミッタ10、均一混合又は光分割素子20、第1受光器30及び第2受光器40を含む。固体光源エミッタ10は、光源を含み、光源は、それぞれが、少なくとも1つの発光ピーク波長及び少なくとも1つの波長域を有する光を発する複数の発光素子13を含み、複数の発光素子13は、発光ダイオード、垂直共振器面発光レーザ又はレーザダイオードであり、それぞれ点滅頻度で非連続的に発光可能であり、複数の点滅頻度は、互いに同じであってもよく、互いに異なってもよく、或いは、複数の点滅頻度は、部分的に同じであってもよく、部分的に異なってもよい。
【0032】
複数の発光素子13から発した光線は、均一混合又は光分割素子20を通過した後に第1光線L1及び第2光線L2を形成し、第2光線L2は、測定対象流体を通過した後に検出光線L3となり、簡単に言えば、第2光線L2が測定対象流体を通過する場合、一部が測定対象流体Oによって吸収され、他の部分が測定対象流体によって吸収されず、第2光線L2のうちの測定対象流体Oによって吸収されない他の部分は、上記検出光線L3となる。第1受光器30は、第1光線L1を受ける。第2受光器40は、検出光線L3を受ける。第1光線L1が標準光強度を有する場合、第2光線L2の光強度と標準光強度とは、特定の比を示し(即ち、第1光線L1の標準光強度を第2光線L2の光強度で割った比が特定の比である)、検出光線L3と標準光強度との比は、測定対象流体Oの標準透過率であり、第1光線L1が動作光強度を有する場合、第2光線L2の光強度と動作光強度とは、特定の比を示し、検出光線L3と動作光強度との比は、測定対象流体の動作透過率であり、標準光強度と動作光強度とは、異なる。標準透過率と動作透過率とを比較することにより、比較結果に基づいて測定対象流体の組成成分の変化を判断することができる。例えば、測定対象流体は、プリント回路板(PCB)、半導体、石油化学工業又は食品加工業に必要な動作薬液とすることができ、標準透過率は、測定対象流体Oが正常動作時に必要な組成成分の割合及び濃度を有することを表し、標準透過率と動作透過率は、同じであるか又は差が許容範囲である場合、測定対象流体の組成は、依然として使用者のニーズに合致すると判断することができ、標準透過率と動作透過率は、異なり、かつ差が許容できない範囲である場合、測定対象流体Oは、組成成分の割合及び濃度が変化して正常動作時に必要な動作薬液ではなくなったと判断することができるため、現在の動作薬液を交換するか又は調整する必要がある。本発明は、第1光線L1を受ける第1受光器30と、測定対象流体を通過した検出光線L3を受ける第2受光器40とによって、現在の測定対象流体Oの透過率とその組成成分の割合及び濃度が正常動作時に必要な品質を満たすか否かをリアルタイムに監視するか又は動的に連続記録するか、又は耐用年数を更に推定して、測定対象流体Oを交換するか又は調整する準備作業を予め行うことができる。
【0033】
上記特定の比は、均一混合又は光分割素子20によって決定されてもよく、例えば、特定の比が50%であると、第1光線L1が標準光強度を有する場合、第2光線L2の光強度が標準光強度と同じであることを表し、第1光線L1が動作光強度を有する場合、第2光線L2の光強度が動作光強度と同じであることを表す。しかしながら、本発明は、特定の比が50%であることに限定されないが、固体光源エミッタ10のパワーを上げ過ぎないことを確保するために、好ましくは、25%~75%である。
【0034】
更に、検出光線L3は、第2光線L2が測定対象流体を通過して生成され、L3_intensity=L2_intensity*k1と表され、ここで、L3_intensityは、検出光線L3の光強度であり、L2_intensityは、第2光線L2の光強度であり、k1は、1以下の値であり、かつ測定対象流体Oの透過率に関連する。第1光線L1の光強度と第2光線L2の光強度とが特定の比を示すとき、L1_intensity=L2_intensity*k2と表され、ここで、L1_intensityは、第1光線L1の光強度であり、k2は、特定の比である。したがって、k2/k1=L3_intensity/L1_intensity(L3_intensity/L1_intensityを本発明では、測定対象流体Oの透過率として定義する)を導出することができ、即ち、測定対象流体Oの透過率と特定の比k2が変化しない場合、第1光線L1の光強度と検出光線L3の光強度とには、比例関係がある。換言すれば、第1光線L1の光強度が標準光強度から動作光強度になり、特定の比k2が変化しない場合、測定対象流体Oの透過率が変化しない限り、第1光線L1の光強度と検出光線L3の光強度との比も変化せず、測定対象流体の透過率が変化すると、それに応じて、第1光線L1の光強度と検出光線L3の光強度との比も変化し、k1もそれとともに変化する。このようにして、第1光線L1の光強度と第2光線L2の光強度が等しくなくても、測定対象流体Oの透過率が変化するか否か(即ち、測定対象流体Oの組成が変化するか否か)をスムーズに測定することができる。
【0035】
複数の発光素子13から発した光線は、均一混合又は光分割素子20を通過した後に第1光線L1及び第2光線L2を形成し、第2光線L2は、測定対象流体Oを通過した後に検出光線L3となる。第1受光器30は、第1光線L1を受ける。第2受光器40は、検出光線L3を受ける。第1光線L1が標準光強度を有する場合、第1受光器30は、第1光線L1を受けて標準光強度信号を生成し、第1光線L1が減衰光強度を有する場合、第1受光器30は、第1光線L1を受けて減衰光強度信号を生成し、標準光強度信号と減衰光強度信号との間の変化量を比較し、均一混合又は光分割素子20は、変化量に基づいて第1光線L1の光強度を調整して、一定範囲の光強度の測定システムを取得する。本発明では、第1光線L1を受ける第1受光器30によって、固体光源エミッタ10の光源の光強度が減衰するか否か、及び光強度信号減衰の変化量をリアルタイムに監視し、更に固体光源エミッタ10の光源を調整するか又は交換することができる。第1光線L1の光強度が低すぎると、検出光線L3の光強度もそれとともに低すぎて、測定された測定対象流体Oの透過率が不正確になるおそれがあるので、測定された測定対象流体Oの透過率の精度を一定に保つために、上記方法により、第1光線L1の光強度を特定の範囲に保つ必要がある。
【0036】
本実施例の均一混合又は光分割素子20は、光積分球であり、光積分球は、光入口21、第1光出口22及び第2光出口23を含み、第1受光器30は、第1光出口22に位置合わせされ、第2受光器40は、第2光出口23に位置合わせされ、複数の発光素子13から発した複数の光線は、光入口21から光積分球に入り、第1光線L1は、第1光出口22から出射され、第2光線L2は、第2光出口23から出射される。図2に示すように、第1光出口22と光入口21とは、光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、第2光出口23と光入口21とは、光積分球の中心に対して90度の中心角を有し、第1光出口22と第2光出口23とは、光積分球の中心に対して180度の中心角を有する。
【0037】
本実施例の均一混合又は光分割素子20の光積分球は、収容ハウジング6内に設けられる。固体光源エミッタ10と第1受光器30はそれぞれ、収容ハウジング6の側壁に設けられる。収容ハウジング6は、開口61を有する。開口61は、第2光線L2が開口61を通過して収容ハウジング6から発せられるように、第2光出口23に位置合わせされる。
【0038】
図4は、本発明の光学分析計の別の実施例を示す。図4に示すように、本実施例の一部の構成は、図2の実施例と同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。本実施例の均一混合又は光分割素子20’は、貫通孔24を有する遮蔽板である。第1受光器30は、遮蔽板に設けられるとともに、複数の発光素子13に対向して設けられる。複数の発光素子13から発した複数の光線の一部は、第1光線L1となって第1受光器30によって受けられ、複数の発光素子13から発した複数の光線の他の部分は、貫通孔24を通過して第2光線L2となる。第2光線L2は、測定対象流体Oを通過した後に検出光線L3となって、第2受光器40によって受けられる。同様に、第1光線L1の強度と検出光線L3の強度とが同じであるか否かを比較し、比較結果に基づいて複数の発光素子13から発した複数の光線の光強度を調整する。
【0039】
また、本発明の固体光源エミッタ10の光源の発光素子13から発した光線において、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光素子13の複数の波長域は、複数の発光素子13のうちのそれぞれの波長域より広い連続波長域を形成するように部分的に重なるか、あるいは、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光素子13の複数の波長域は、重ならない。
【0040】
図5に示すように、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光ダイオードの複数の波長域は、複数の発光ダイオードのうちのそれぞれの波長域より広い連続波長域を形成するように部分的に重なる。連続波長域は、180nm~2500nmである。図2において、合計で3つの発光ピーク波長及び対応する波長域がある。それらは、第1光線の第1発光ピーク波長(734nm)に対応する第1波長域、第2光線の第2発光ピーク波長(810nm)に対応する第2波長域、及び第3光線の第3発光ピーク波長(882nm)に対応する第3波長域である。第1発光ピーク波長と第2発光ピーク波長は、隣接する2つの発光ピーク波長であり、同様に第2発光ピーク波長と第3発光ピーク波長も隣接する2つの発光ピーク波長である。第1発光ピーク波長に対応する第1波長域は、660nm~780nmであり、第2光線の第2発光ピーク波長に対応する第2波長域は、710nm~850nmである。第1波長域と第2波長域とは、710nm~780nmで部分的に重なるため、第1波長域は、第2波長域とともに660nm~850nmの連続波長域を形成する。同様に、第2発光ピーク波長に対応する第2波長域は、710nm~850nmであり、第3光線の第3発光ピーク波長に対応する第3波長域は、780nm~940nmである。第2波長域と第3波長域とは、780nm~850nmで部分的に重なるため、第2波長域は、第3波長域とともに710nm~940nmの連続波長域を形成する。本発明では、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光ダイオードの複数の波長域の重なり部分が少ないほど好ましい。当然ながら、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光ダイオードの複数の波長域は、重ならなくてもよく、これについては後述する。
【0041】
隣接する2つの発光ピーク波長の差は、0.5nm以上であり、好ましくは、1nm~80nmであり、より好ましくは、5nm~80nmである。図2において、隣接する第1発光ピーク波長(734nm)と第2発光ピーク波長(810nm)との差は、76nmであり、隣接する第2発光ピーク波長(810nm)と第3発光ピーク波長(882nm)との差は、72nmである。特に断らない限り、本発明及び特許請求の範囲に記載の数値範囲の限定は、常に端値を含む。例えば、前述した、隣接する2つの発光ピーク波長の差が5nm~80nmであることは、5nm以上80nm以下である。
【0042】
図6の第2実施例を併せて参照すると、第2実施例は、第1実施例の派生実施例であるため、第2実施例における第1実施例と同じである部分について説明を省略する。第2実施例と第1実施例とは、第2実施例の光源が第1発光ダイオード、第4波長域を有する第4光線を発する第4発光ダイオード、第2発光ダイオード、第5波長域を有する第5光線を発する第5発光ダイオード、及び第3発光ダイオードの5つの発光ダイオードを含む点で相違する。第4光線は、第4波長域内で第4発光ピーク波長(772nm)を有し、第5光線は、第5波長域内で第5発光ピーク波長(854nm)を有する。図3において、発光ピーク波長は、小さい順に順次第1発光ピーク波長(734nm)、第4発光ピーク波長(772nm)、第2発光ピーク波長(810nm)、第5発光ピーク波長(854nm)及び第3発光ピーク波長(882nm)である。隣接する第1発光ピーク波長(734nm)と第4発光ピーク波長(772nm)との差は、38nmであり、隣接する第4発光ピーク波長(772nm)と第2発光ピーク波長(810nm)との差は、38nmであり、隣接する第2発光ピーク波長(810nm)と第5発光ピーク波長(854nm)との差は、44nmであり、隣接する第5発光ピーク波長(854nm)と第3発光ピーク波長(882nm)との差は、28nmである。
【0043】
図7の第3実施例を併せて参照すると、第3実施例は、第1実施例及び第2実施例の派生実施例であるため、第3実施例において第1実施例及び第2実施例と同じである部分について説明を省略する。第3実施例と第1実施例とは、第3実施例の光源が12個の発光ダイオードを含むという点で相違する。図8において、12個の発光ダイオードの発光ピーク波長は、小さい順に順次734nm(第1発光ピーク波長)、747nm、760nm、772nm(第4発光ピーク波長)、785nm、798nm、810nm(第2発光ピーク波長)、824nm、839nm、854nm(第5発光ピーク波長)、867nm及び882nm(第3発光ピーク波長)である。12個の発光ダイオードの発光ピーク波長のうち、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、順次13nm、13nm、12nm、13nm、13nm、12nm、14nm、15nm、15nm、13nm及び15nmである。第1実施例、第2実施例及び第3実施例において、発光素子13がレーザダイオードに変更される場合、隣接する2つの発光ピーク波長の差は、0.5nm以上、例えば1nmであってもよい。
【0044】
複数の発光ピーク波長のうちの少なくとも一部の発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下である。好ましくは、各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下である。例えば、前述の第1実施例、第2実施例及び第3実施例では、発光ピーク波長は、小さい順に順次734nm(第1発光ピーク波長)、747nm、760nm、772nm(第4発光ピーク波長)、785nm、798nm、810nm(第2発光ピーク波長)、824nm、839nm、854nm(第5発光ピーク波長)、867nm及び882nm(第3発光ピーク波長)である。好ましくは、第1光線の第1発光ピーク波長に対応する波長半値全幅、第2光線の第2発光ピーク波長に対応する波長半値全幅、第3光線の第3発光ピーク波長に対応する波長半値全幅、第4光線の第4発光ピーク波長に対応する波長半値全幅及び第5光線の第5発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下であり、好ましくは、15nm~50nmであり、より好ましくは、15nm~40nmである。他の説明されない747nm、760nm、785nm、798nm、824nm、839nm及び867nmの発光ピーク波長に対応する波長半値全幅(図4)も0nmより大きく60nm以下であり、好ましくは、15nm~50nmであり、より好ましくは、15nm~40nmである。本発明の実験操作において、前述の第1実施例、第2実施例及び第3実施例における発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、55nmである。発光素子13がレーザダイオードである場合、各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、0nmより大きく60nm以下、例えば1nmである。
【0045】
前述の隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光ダイオードの複数の波長域は、重ならなくてもよく、例えば、前述の第1実施例、第2実施例及び第3実施例における各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅は、15nmであり、各発光ピーク波長に対応する波長域の幅(即ち、波長域の最大値と最小値との差)は、40nmである。隣接する2つの発光ピーク波長の差は、80nmである。また、例えば、発光素子13がレーザダイオードであり、各発光ピーク波長に対応する波長半値全幅が1nmであり、波長域の幅が4nmであり、隣接する2つの発光ピーク波長の差が5nmである場合、隣接する2つの発光ピーク波長に対応する2つの発光素子(レーザダイオード)の複数の波長域は、重ならない。
【0046】
好ましくは、第1実施例、第2実施例及び第3実施例では、測定対象物の検出を行うために撮像装置を操作して測定対象物のスペクトル図を生成する場合、撮像装置は、携帯電話又はタブレットコンピュータである。前述したように、固体光源エミッタ10は、それぞれ点滅頻度で非連続的に点灯するように複数の発光ダイオードをそれぞれ制御することができる。複数の点滅頻度は、互いに同じであってもよく、互いに異なってもよく、或いは、複数の点滅頻度は、部分的に同じであってもよく、部分的に異なってもよい。前述の点滅頻度は、0.05回/秒~50000回/秒である。点滅頻度における発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間は、0.00001秒~10秒であり、点滅頻度における発光ダイオードをオフに(消灯)する時間区間は、0.00001秒~10秒である。点滅頻度の周期とは、連続する、発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間と、発光ダイオードをオフに(消灯)する時間区間との和を指し、点滅頻度の周期は、点滅頻度の逆数である。換言すれば、点滅頻度の周期は、複数の発光ダイオードを連続点灯する点灯時間区間と、直ちに中断することなく連続消灯する消灯時間区間との和であると理解することができる。点灯時間区間は、0.00001秒~10秒であり、消灯時間区間は、0.00001秒~10秒である。好ましくは、点滅頻度は、0.5回/秒~50000回/秒であり、より好ましくは、点滅頻度は、5回/秒~50000回/秒である。複数の発光ダイオードが非連続的に点灯する態様により、発光ダイオードから放射される光の熱エネルギーによる測定対象物(A)への影響を大幅に低減し、有機体を含有する測定対象物(A)の質的変化を回避することができるため、特に熱エネルギーに敏感な測定対象物(A)に適し、特に発光ダイオードから放射される波長域の光が近赤外光である場合により適する。
【0047】
また、複数の発光素子13は、順次発光する。前述の順次発光とは、異なる位置にある同じ波長域の光を発する複数の発光素子13が同時に発光しないことを指し、或いは、複数の発光素子13は、一部同時発光し、前述の一部同時発光とは、複数の発光素子13のうちの一部が同時に発光し、異なる波長域の光を同時に放射することを指す。また、スペクトルが連続的であり、隣接する2つの波長域の光が互いに干渉しないようにするために、別の好ましい実施例では、異なる波長域の複数の発光素子13を異なる時間で発光させる。例えば、6つの発光素子13がそれぞれ異なる6つの波長域を有する場合、隣接する2つの波長域の光が互いに干渉しないことを確保するために、6つの発光素子13は、異なる時間で発光する。
【0048】
図8は、本発明の固体光源エミッタの一実施例を示す。図8に示すように、本実施例の固体光源エミッタ10は、基板11、温度センサ12及び複数の発光素子13を含む。複数の発光素子13及び温度センサ12は、基板11の接合面111に設けられる。複数の発光素子のバイアス値を測定し、複数の発光素子13のバイアス値と接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて換算して接合面111の接合面温度を取得した後、複数の発光素子13の発光強度と接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて、複数の発光素子13の発光強度を取得して、複数の発光素子13の発光強度が変化するか否かを判断し、判断結果に基づいて複数の発光素子13から発した複数の光線の光強度を調整する。
【0049】
本発明の別の実施例では、固体光源エミッタ10は、複数の発光素子13の動作時の定電流バイアスを測定し、複数の発光素子13の定電流バイアスと固体光源エミッタ10のPN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて換算して固体光源エミッタ10のPN接合面温度を取得した後、複数の発光素子13の発光強度とPN接合面温度との数式、対応する表又は図に基づいて、複数の発光素子13の発光強度の比を取得し、判断結果に基づいて第1受光器30により測定された、複数の発光素子13からの光強度数値を補正する基板11を更に含む。
【0050】
各発光ダイオードの発光強度とその接合面温度(junction temperature)との反比例関係、及び発光ダイオードの放熱問題により、電流密度で動作する発光ダイオードの持続動作時間が長くなると、接合面温度が上昇して発光強度が低下するため、発光補正方法で発光強度の較正を行う必要がある。発光補正方法は、較正関係取得ステップP01と、順方向バイアス測定ステップP02と、比例関係取得ステップP03と、較正完了ステップP04と、を順次含む。図9Aに示すように、発光補正方法は、発光方法の後に実行されてもよく、前述のスペクトル検出方法におけるフィルタリングステップS03及び逆変換ステップS04は、発光補正方法の後に実行されてもよい。
【0051】
較正関係取得ステップP01では、各発光ダイオードの発光強度又は相対強度と接合面温度との数式、対応する表又は図を取得し、これらは、通常、発光ダイオードのメーカーによって提供される。図9Bは、第4発光ダイオードの相対強度と接合面温度との対応図であり、図9Bに示すように、第4発光ダイオードは、接合面温度が25℃である場合、第4発光ピーク波長が772nmであり、相対強度が100%とされる。また、各発光ダイオードの順方向バイアス(forward voltage)と接合面温度との数式、対応する表又は図を取得し、第4発光ダイオードは、接合面温度が25℃である場合、第4発光ピーク波長が772nmであり、順方向バイアスが2ボルトである。図9Cは、第4発光ダイオードの順方向バイアスと接合面温度との対応図である。発光強度又は相対強度と接合面温度との数式、対応する表又は図、及び発光ダイオードの順方向バイアスと接合面温度との数式、対応する表又は図の両者の取得方式について、「科学与工程技術期刊第三巻、第四期、民国九十六年、99~103頁、発光二極管接面温度的自動量測系統」(Journal of Science and Engineering Technology、Vol.3、No.4、pp.99-103(2007))、及び台湾特許出願公開第200818363号に開示された方式を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
順方向バイアス測定ステップP02では、発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間、例えば、点滅頻度における発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間で、発光ダイオードの順方向バイアスを同時に測定する。例えば、前述の実施例2及び実施例3では、第4発光ダイオードの点滅頻度は、約90.90回/秒であり、点滅頻度において発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間は、1ミリ秒(1ms)であり、点滅頻度において発光ダイオードをオフに(消灯)する時間区間は、10ミリ秒(10ms)であり、点滅頻度における第4発光ダイオードをオンに(点灯)する時間区間で、第4発光ダイオードの順方向バイアスを同時に測定すると、1.9ボルトである。
【0053】
比例関係取得ステップP03では、測定された順方向バイアスを、前述の発光ダイオードの順方向バイアスと接合面温度との数式、対応する表又は図を参照して、換算して接合面温度を取得する。例えば、測定された第4発光ダイオードの順方向バイアスが1.9ボルトであり、図9Cを参照して、接合面温度が50℃である。次いで、換算して取得された接合面温度を、前述の発光強度又は相対強度と接合面温度との数式、対応する表又は図を参照して、換算して発光強度又は相対強度を取得する。例えば、参照して取得された接合面温度が50℃であり、図9Bを対照して、第4発光ダイオードの相対強度が83%である。続いて、換算して取得された発光強度又は相対強度と、発光強度又は相対強度と接合面温度との数式、対応する表又は図中の特定の接合面温度での発光強度又は相対強度とを比較して比例関係を取得する。例えば、特定の接合面温度が25℃であり、25℃での第4発光ダイオードの相対強度が100%であり、接合面温度が25℃である場合の相対強度100%を50℃の場合の相対強度83%で割ると、比例関係が1.20倍である。
【0054】
較正完了ステップP04では、前述の初期スペクトルエネルギー分布曲線における発光ダイオードに対応する波長域の発光強度に比例関係を乗じて、発光強度の較正を達成し、或いは、発光ダイオードに対応する波長域の測定されたスペクトル信号に比例関係を乗じて、スペクトル信号の較正を達成する。上記波長域のスペクトル信号は、前述の測定対象物のスペクトル信号及び背景騒音で構成された測定対象物の時間領域信号であってもよい。例えば、光検出器又はコンピュータにより、第4発光ダイオードに対応する第4発光強度17.7xl07(a.u.)に1.20倍の比例関係を乗じて取得した発光強度は、特定の接合面温度(25℃)での第4発光ダイオードの発光強度と見なすことができる。
【0055】
なお、本発明では、光源の複数の発光ダイオードのうちの少なくとも1つの発光ダイオード、一部の発光ダイオード又は全ての発光ダイオードに対して発光補正方法を順次又は同時に実行する。好ましくは、本発明では、全ての発光ダイオードに対して発光補正方法を同時に実行し、このようにして取得したスペクトルエネルギー分布曲線は、特定の接合面温度(25℃)でのスペクトルエネルギー分布曲線と見なすことができ、取得したスペクトル信号は、特定の接合面温度(25℃)でのスペクトル信号と見なすことができる。
【0056】
図10は、本発明の光学分析システムの一実施例を示す。図10に示すように、本実施例の光学分析システムは、図2に示す光学分析計100に加えて、液体輸送部材200を更に含み、測定対象流体は、液体輸送部材200内で輸送され、均一混合又は光分割素子20と第2受光器40は、液体輸送部材200の両側に設けられ、第2光線L2は、液体輸送部材200を通過して検出光線L3となって第2受光器40によって受けられる。図10に示す光学分析システムは、図2に示す光学分析計100を含むが、本発明は、これに限定されず、図4に示す光学分析計も本発明の光学分析システムに適する。
【0057】
図11は、本発明の光学分析計の一実施例のシステムブロック図を示す。図11に示すように、本実施例の光学分析計は、前述の固体光源エミッタ10、均一混合又は光分割素子20、第1受光器30及び第2受光器40に加えて、第1プロセッサ50、第1表示機器60及び第1無線通信モジュール70を更に含む。固体光源エミッタ10、第1受光器30及び第2受光器40は、第1プロセッサ50に接続され、第1プロセッサ50は、複数の光線を順次発するように固体光源エミッタ10を制御し、第1受光器30及び第2受光器40が受けた光の光強度信号は、第1表示機器60に表示され、即ち、第1表示機器60は、第2光線L2が測定対象物を通過した後に生成された検出光線L3の吸収スペクトルを表示する。第1無線通信モジュール70は、第1プロセッサ50に接続され、第1受光器30及び第2受光器40が受けた光の光強度信号は、第1無線通信モジュール70を介して外部電子装置に伝送可能であり、或いは、第1無線通信モジュール70は、外部電子装置からの制御信号を受信可能である。
【0058】
図12は、本発明の光学分析計に信号接続される電子装置のシステムブロック図を示す。図12に示すように、外部電子装置は、例えば、モバイル装置又はコンピュータ装置などであってもよい。外部電子装置Eは、第2プロセッサ110、第2設定ユニット120、第2表示機器130及び第2無線通信モジュール140を含む。第2設定ユニット120、第2表示機器130及び第2無線通信モジュール140は、いずれも第2プロセッサ110に接続される。第2無線通信モジュール140は、第1無線通信モジュール70に信号接続され、第1受光器30及び第2受光器40が受けた光の光強度信号は、第1無線通信モジュール70及び第2無線通信モジュール140を介して外部電子装置Eに伝送され、第2プロセッサ110を介して第2表示機器130に伝送されて第2表示機器130に表示される。第2設定ユニット120から入力された設定値又は命令(制御信号)も第2プロセッサ110を介して第2無線通信モジュール140から第1無線通信モジュール70に伝送された後に、第1プロセッサ50に伝送されて固体光源エミッタ10を制御する。
【0059】
更に、上記実施例では、光学分析計により標準透過率と動作透過率とを比較し、比較結果に基づいて測定対象流体の組成成分の変化を判断し、光学分析計は、上記動作を行うプロセッサを含む。他の実施形態では、光学分析計に電気的に接続(有線接続又は無線接続)されたコンピュータ装置又はクラウドサーバによって比較し分析してもよい。
【0060】
また、図13は、本発明の光学分析計の別の実施例の概略図である。図13に示すように、図5と異なり、該光学分析計は、均一混合又は光分割素子20’を有さない(即ち、貫通孔24を有する遮蔽板を有さない)。この実施例では、固体光源エミッタ10から発した光線は、第1光線L1及び第2光線L2を含み、第1受光器30と第2受光器40は、測定対象流体Oの両側に位置し、第1受光器30は、固体光源エミッタ10から発した第1光線L1の進行方向に位置するが、固体光源エミッタ10から発した第2光線L2の進行方向に位置せず、第2受光器40は、第1光線L1が測定対象流体Oを通過して形成された第3光線L3の進行方向に位置する。
【0061】
第1光線L1が標準光強度を有する場合、第2光線L2の光強度と標準光強度とは、特定の比を示し、検出光線L3と標準光強度との比は、測定対象流体Oの標準透過率である。第1光線L1が動作光強度を有する場合、第2光線L2の光強度と動作光強度とは、特定の比を示し、検出光線L3と動作光強度との比は、測定対象流体の動作透過率であり、標準光強度と動作光強度とは、異なる。このように、標準透過率と動作透過率との比較結果を用いて、測定対象流体Oの組成成分の変化を判断する。
【0062】
以上のように、本発明は、従来技術における製品と比較すると、以下の複数の利点のうちの少なくとも1つを有する。
【0063】
本発明の1つの目的は、光源が異なる波長域の光線を発する複数の発光素子を有して1つずつ発光させることにより、光学分析計に従来技術におけるモノクロメータを設ける必要がなくなり、光学分析計の体積を大幅に低減することができることである。また、本発明の光学分析計には、第1受光器及び第2受光器が設けられることにより、発光素子の光強度の減衰状態を検出することができる。
【0064】
本発明の1つの目的は、均一混合又は光分割素子が光積分球であるという技術的特徴により、光積分球の体積が小さいため、従来のビームスプリッターの使用により体積が大きく携帯しにくいという問題を解決することができ、また、光積分球により、光線を均一に混合した後に特定の第1光出口と第2光出口から出射させることができ、従来の分光器の使用時に分光器の角度の変化による光強度への影響を更に解決することができることである。
【0065】
本発明の1つの目的は、均一混合又は光分割素子が遮蔽板であるという技術的特徴により、遮蔽板が有する貫通孔とその配置関係により、従来のビームスプリッターの使用により体積が大きく携帯しにくいという問題を解決することができることに加えて、貫通孔により一部の光線を通過させることもでき、従来の分光器の使用時に分光器の角度の変化による光強度への影響を更に解決することができることである。
【0066】
本発明の1つの目的は、第1光線を受ける第1受光器と、測定対象流体を通過した検出光線を受ける第2受光器とによって、現在の測定対象流体の透過率とその組成成分の割合及び濃度が正常動作時に必要な品質を満たすか否かをリアルタイムに監視するか又は動的に連続記録するか、又は耐用年数を更に推定して、測定対象流体を交換するか又は調整する準備作業を予め行うことができることである。
【0067】
本発明の1つの目的は、第1光線を受ける第1受光器によって、固体光源エミッタの光源の光強度が減衰するか否か、及び光強度信号の減衰の変化量をリアルタイムに監視し、更に固体光源エミッタの光源を調整するか又は交換することができることである。
【0068】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではなく、即ち、本発明の特許請求の範囲及び明細書に基づく簡単な等価変更及び修正は、いずれも本発明の範囲内に属する。また、本発明のいかなる実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的、利点又は特徴を達成するものとは限らない。また、要約及び発明の名称は、特許文献の検索を支援するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及された「第1」、「第2」などの用語は、要素(element)の名称を命名したり、異なる実施例又は範囲を区別したりするためのものに過ぎず、要素の数の上限又は下限を制限するためのものではない。
【符号の説明】
【0069】
1 光源
R1 分光器
R2 ビームスプリッター
3 吸収セル
4 第1検出器
5 第2検出器
P1 検出光経路
P2 比較光経路
6 収容ハウジング
10 固体光源エミッタ
11 基板
12 温度センサ
13 発光素子
20、20’ 均一混合又は光分割素子
21 光入口
22 第1光出口
23 第2光出口
24 貫通孔
30 第1受光器
40 第2受光器
50 第1プロセッサ
60 第1表示機器
61 開口
70 第1無線通信モジュール
100 光学分析計
110 第2プロセッサ
111 接合面
120 第2設定ユニット
130 第2表示機器
140 第2無線通信モジュール
200 液体輸送部材
L1 第1光線
L2 第2光線
L3 検出光線
O 測定対象流体
E 電子装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】