(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法
(51)【国際特許分類】
G05B 13/04 20060101AFI20241106BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20241106BHJP
【FI】
G05B13/04
G06N20/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529805
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2022136000
(87)【国際公開番号】W WO2024016556
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202210861856.2
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523009621
【氏名又は名称】中控技術股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲ちゅ▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】劉 磊
(72)【発明者】
【氏名】馮 凱
(72)【発明者】
【氏名】王 家棟
【テーマコード(参考)】
5H004
【Fターム(参考)】
5H004GA01
5H004GA30
5H004GB01
5H004KB02
5H004KB04
5H004KB06
5H004KC01
5H004KC22
5H004KC24
5H004KC27
5H004KC28
5H004KC35
5H004KD62
(57)【要約】
本発明は、プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法を開示し、多入力1出力システムを基本サブシステムとすることで実現され、ステップ1、モデル設定および学習パラメータの自動選択と、ステップ2、パラメータ分布モデリングと、ステップ3、データ収集および処理と、ステップ4、モデルパラメータ学習と、ステップ5、モデルパラメータ検証と、ステップ6、モデル予測誤差の比較を含む。本発明では、プロセスの動的特性をオンラインで自律的に学習することができ、学習対象のパラメータが実際の物理的意味を持つように、学習対象のパラメータのタイプを予め設定されたモデルパラメータにしたがって自動的に選択することができ、また、学習過程において、予め設定されたモデルはモデル学習の結果に制約の効果を持つことによってモデルの信頼性を高め、パラメータの学習結果を検証し、予測結果を評価し、パラメータ・デッドバンドを設定することで、モデルパラメータの平滑性を高め、モデルパラメータの頻繁な変化による制御効果の変動を低減させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多入力1出力システムを基本サブシステムとすることで実現され、
全ての伝達関数モデルを設定し、各伝達関数モデルに対して計算して、学習対象のパラメータを自動的に選択するステップ1と、
学習に関与する各伝達関数モデルに対して、対数正規分布を用いて学習対象のパラメータの対数正規分布モデルを確立するステップ2と、
入力変数と出力変数データ、および入力変数と出力変数に対応する品質コードをオンラインで収集して、品質コードが悪い値のケースに対して処理を行うステップ3と、
ベイズ最適化理論に基づき、伝達関数モデル自律学習の数学的最適化モデルを確立し、差分進化アルゴリズムを用いて伝達関数モデルパラメータを最適化するステップ4と、
各伝達関数モデルの各パラメータに対して、正規性検証、パラメータ・デッドバンド判断および平均値検証を含むパラメータ検証を実行するステップ5と、
各多入力1出力システムに対して、元の伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、学習された伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、両者の大小関係に応じて多入力1出力システムの伝達関数モデルを更新するかどうかを決定し、その後にステップ1に戻って実行を継続するステップ6とを含むことを特徴とする、プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項2】
ステップ1では、伝達関数モデルの設定は、具体的に、
固定された2次システム+1次積分+純粋ラグ伝達関数モデルのテンプレート下で、各入力変数と各出力変数の間の伝達関数モデルを設定することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項3】
【請求項4】
ステップ1では、各伝達関数モデルを計算し、学習対象のパラメータを自動的に選択することは、具体的に、
まず、各伝達関数モデルに対して計算を行い、次に以下のように分析し、
ある伝達関数モデルのゲインが0であれば、当該伝達関数モデルはモデルオンライン学習に関与せず、
そうでなければ、2次システムの極点位置を決定し、(1)正の実数部を持つ根や純粋な虚数根がある場合、当該伝達関数モデルはモデルオンライン学習に関与せず、(2)負の実数部を持つ2つの共役複素根がある場合、伝達関数モデルの自然角周波数およびダンピング係数を計算し、モデルゲイン、自然角周波数およびダンピング係数を学習対象のパラメータとして使用し、上記(1)と(2)を除き、伝達関数モデルの分母多項式を実数領域で因数分解し、分解後のゼロでない全ての1次項係数とモデルゲインを学習対象のパラメータとして用いることを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項5】
ステップ2は、具体的に、
学習に関与する各伝達関数モデルに対して、ユーザが設定した分布形状に関連する係数にしたがって、対数正規分布パラメータを計算し、対数正規分布を用いて学習対象のパラメータをモデル化することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項6】
ステップ3は、具体的に、
入力変数と出力変数データ、および入力変数と出力変数に対応する品質コードをオンラインで収集し、以下のように判断・処理し、
入力変数について、品質コードの悪いデータが発生すれば、収集された全ての変数履歴データをクリアして再度収集し、
【請求項7】
ステップ4は、具体的に、
入力変数または出力変数のデータ量が予め設定された数まで蓄積されると、多入力1出力サブシステムのそれぞれに対して、ベイズ最適化理論に基づいて伝達関数モデル自律学習の数学的最適化モデルを確立し、
伝達関数モデルに応じてシステムのインパルス応答シーケンスを計算し、インパルス応答シーケンスとシステム入力変数の畳み込みを用いてシステム出力変数の予測シーケンスを計算し、
差分進化アルゴリズムを用いて伝達関数モデルパラメータを最適化することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項8】
差分進化アルゴリズムは、母集団進化、個体変異および個体選択の3つのステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項9】
ステップ5は、具体的に、
各伝達関数モデルの各パラメータに対して、正規性検証、パラメータ・デッドバンド判断および平均値検証の3つのフェーズを順次実行し、3つの段階が全て合格した場合、パラメータ学習結果は有効であり、そうでない場合、パラメータ学習結果は無効となり、元のパラメータに保持することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【請求項10】
ステップ6は、具体的に、
その後、ステップ1に戻って実行を継続することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス産業予測の技術分野に関し、具体的には、プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
20世紀末以来、プロセス産業は急速な発展を遂げ、その中にプロセス産業におけるモデル予測制御の成功した応用も含まれる。モデル予測制御は、従来のPID制御と比べ、マルチカップリングや大きなタイムラグなどの制御が困難な対象に適用できるだけでなく、プロセス条件や経済指標のような制約条件をモデル化し、最適化技術を利用して制御タスクを完了することもできる。したがって、モデル予測制御は、プロセス産業において幅広い応用が見込まれている。しかし、実際の生産において、プロセスの動的特性は、生産目標の変更、生産原料の比率の変更、設備の老朽化、触媒の活性不足などさまざまな要因によって変化する。この変化は、予測制御の予測モデルと実際プロセスの動的特性とのミスマッチという問題を引き起こす。したがって、予測モデルと実際プロセスの動的特性とのマッチングの度合いを高めることができれば、コントローラは、過程出力のより正確な予測を可能にし、ひいては制御効果を高めることができる。現在、業界には、非線形モデリング、多条件モデリング、オンライン同定、その他の方法など、動的特性が変化する問題に対処するためのアイデアや方法がいくつかある。既存の方法を実施する際には、以下の欠点がある。
【0003】
1つ目の欠点は、非線形モデリングと多条件モデリングの場合にある。プロセス産業では、「3伝達と1反応」(運動量伝達、熱伝達、質量伝達と化学反応)の過程が多いため、力学的モデリングの難易度が高くなり、また、現場の運転データで全ての運転条件をカバーすることは困難であるため、データ駆動型のモデリング方法では、局所的なモデルや一部の運転条件モデルしか構築できず、本番運転時に未知の条件下で運転される場合には、モデルをオンラインで学習する方法が依然として必要である。
【0004】
2つ目の欠点は、オンライン同定に対する方法である。一方では、既存の方法のほとんどは、動的特性をモデル化するために線形回帰を採用しており、パラメータに実際の物理的意味がなく、同定中にパラメータに対する合理的な制約もないため、同定パラメータの自由度が高すぎ、他方では、プロセスの動的特性はゆっくりと変化する傾向があり、現在運転中の予測モデルは、新たな動的特性パラメータの参考になるはずである。しかし、この2つの面を効果的に両立させる技術的方法はまだ見つかっていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記の技術的欠点を克服するために、プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法を提供する。
【0006】
この方法の特徴は以下のとおりである。第一に、実際プロセスの動的特性をオンラインで自律的に学習でき、多入力1出力のサブシステムで分割する方法は、多入力多出力システムに適用でき、もちろん、多入力多出力システムよりも簡単な他のシステムにも適用できる。第二に、学習対象のパラメータが実際の物理的意味を持つように、学習対象のパラメータのタイプを予め設定されたモデルパラメータにしたがって自動的に選択することができ、また、学習過程において、モデルの信頼性を向上させるために、予め設定されたモデルはモデルの学習結果に対して制約効果を持つ。第三に、モデルの信頼性をさらに向上させるために、パラメータの学習結果を検証し、モデルの予測結果を評価する。第四に、パラメータ・デッドバンドを設定することで、モデルパラメータの平滑性を高め、モデルパラメータの頻繁な変化による制御効果の変動を低減する。本発明の方法は、モデル知識と過程データを融合するオンライン学習方法であり、プロセス産業における予測制御のモデル自律学習に適用される。
【0007】
用語の説明:
1、ゲイン:拡大倍数。
2、自然角周波数:物体の振動速度を表す物理量であり、振動システムの固有特性に関係する。
3、ダンピング係数:2次以上のシステムにおいて、運動中にシステムのエネルギーが減少する特性を表すパラメータである。
4、対数正規分布:確率変数の対数が正規分布にしたがう場合、当該確率変数は対数正規分布にしたがう。
5、予測モデル:予測制御で使用される、数学的言語または数式で記述された物事間の量的関係。
6、パラメータ・デッドバンド:パラメータが変化した時、その変化が値を超えなければ、パラメータは変化していないとみなされることを意味する。
【0008】
その技術的問題を克服するために本発明が採用した技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0009】
プロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法であって、多入力1出力システムを基本サブシステムとすることで実現され、以下のようなステップを含む。
【0010】
ステップ1、モデルの設定および学習パラメータの自動選択:全ての伝達関数モデルを設定し、各伝達関数モデルを計算し、学習対象のパラメータを自動的に選択する。
【0011】
ここで、伝達関数モデルの設定は、具体的には、
固定された2次システム+1次積分+純粋ラグ伝達関数モデルのテンプレート下で、各入力変数と各出力変数の間の伝達関数モデルを設定することを含む。
【0012】
【0013】
【0014】
まず、各伝達関数モデルに対して計算を行い、次に以下のように分析し、
【0015】
【0016】
ステップ2、パラメータ分布モデリング:学習に関与する各伝達関数モデルに対して、対数正規分布を用いて学習対象のパラメータの対数正規分布モデルを確立する。具体的には以下を含む。
【0017】
【0018】
ステップ3、データの収集と処理:入力変数と出力変数のデータ、および入力変数と出力変数に対応する品質コードをオンラインで収集し、品質コードが悪い値のケースを処理する。具体的には以下を含む。
【0019】
【0020】
ステップ4、モデルパラメータ学習:ベイズ最適化理論に基づき、伝達関数モデル自律学習の数学的最適化モデルを確立し、差分進化アルゴリズムを用いて伝達関数モデルパラメータを最適化する。具体的には以下を含む。
【0021】
【0022】
伝達関数モデルに応じてシステムのインパルス応答シーケンスを計算し、インパルス応答シーケンスとシステム入力変数の畳み込みを用いてシステム出力変数の予測シーケンスを計算する。
【0023】
【0024】
【0025】
ステップ5、モデルパラメータ検証:各伝達関数モデルの各パラメータに対して、正規性検証、パラメータ・デッドバンド判断および平均値検証を含むパラメータ検証を実行する。具体的には以下を含む。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
ステップ6、モデル予測誤差の比較:元の伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、学習された伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、両者の大小関係に応じて多入力1出力システムの伝達関数モデルを更新するかどうかを決定し、その後ステップ1に戻って実行を継続する。具体的には以下を含む。
【0031】
【0032】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、本発明は、オンライン操作に対応できるモデルパラメータの自律学習技術であり、オンラインデータを用いてモデルパラメータを自律的に学習することができる。
2、本発明では、伝達関数テンプレートとして2次伝達関数の一般的な形式を採用し、安定した2次実数固有値システムモデルだけでなく、安定した2次共役複素根システムモデルも学習できるため、学習パラメータは明確な物理的意味を持つ。
3、本発明では、伝達関数モデルのオンライン学習結果の信頼性を2つの方法によって向上させる。1つ目の方法では、プロセスの先験的知識を伝達関数モデルの学習過程に融合し、先験的知識には、運転されているコントローラの伝達関数モデルの構造、パラメータ値、ゲインの符号、および係数から自動的に計算され、物理的意味を持つ伝達関数モデルの学習対象のパラメータのタイプが含まれる。2つ目の方法では、パラメータ検証と伝達関数モデルの予測誤差結果の比較の2つのステップを含み、パラメータが仮説検証に合格し、かつ伝達関数モデルが予測誤差結果比較に合格した場合のみ、伝達関数モデルパラメータを学習された結果に自動的に更新する。
4、本発明では、パラメータ・デッドバンドの方法を採用することで、伝達関数モデルパラメータの平滑性を向上させ、伝達関数モデルパラメータの変化がユーザによって設定されたデッドバンド内にある場合、伝達関数モデルパラメータは変化しないため、伝達関数モデルパラメータの平滑性が向上し、制御効果の安定性に寄与する。
他方では、伝達関数モデルのゲインは、大きいと制御が遅くなるが、小さいとシステムが不安定になる可能性があるので、ゲインの低減はより慎重に行う必要があり、また、対数正規分布の確率密度関数曲線は、最大値の左側ほど急峻な形状をしており、ゲインが小さくなるにつれて確率密度の減衰が早くなるので、このような先験的モデルは、ゲインが小さい場合のリスクをモデル化するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明に係るプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法のフローを示すブロック図である。
【
図2】モデルパラメータの検証ステップにおける正規性検証、パラメータ・デッドバンド判断および平均値検証の3フェーズを示すフローチャートである。
【
図3】異なるη
2における伝達関数モデルの学習結果と元の伝達関数モデルのステップ応答曲線を示す。
【
図4】パラメータ・デッドバンド方法を使用しない場合の伝達関数モデルの学習結果の一部と元の伝達関数モデルのステップ応答曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に対する当業者の理解をより容易にするために、図面および具体的な実施例を併せて本発明を以下にさらに詳しく説明するが、以下は本発明の保護範囲を限定することなく単なる例示に過ぎない。
【0035】
本発明に係るプロセス産業の予測制御に適用されるモデル自律学習方法は、多入力多出力システムに適用可能であり、具体的には、多入力1出力サブシステム分割に基づいているため、具体的な実施形態において、多入力1出力サブシステムを用いて詳細に説明する。
【0036】
以下は、2入力1出力サブシステムを例に挙げて説明するが、本実施例で説明する2入力1出力サブシステムに限定されるものではなく、他の多入力1出力サブシステムにも適用可能である。
【0037】
2入力1出力システムの現在の伝達関数モデルは、以下の式(7)で表示とする。
【0038】
ステップ1、モデルの設定および学習パラメータの自動選択:全ての伝達関数モデルを設定し、各伝達関数モデルを計算し、学習対象のパラメータを自動的に選択する。
【0039】
式(1)および式(7)にしたがって、本実施例では、2つの伝達関数モデルのパラメータを以下のように設定する。
【0040】
【0041】
【0042】
ステップ2、パラメータ分布モデリング:学習に関与する各伝達関数モデルに対して、対数正規分布を用いて学習対象のパラメータの対数正規分布モデルを確立する。
【0043】
2つの伝達関数モデルのいずれもゲインがゼロでなく、特性根の実数部が正でなく純粋な虚数根を持たないため、2つの伝達関数モデルのいずれも学習する必要がある。
【0044】
【0045】
ステップ3、データの収集と処理:入力変数と出力変数のデータ、および入力変数と出力変数に対応する品質コードをオンラインで収集し、品質コードが悪い値のケースを処理する。
【0046】
【0047】
ステップ4、モデルパラメータ学習:ベイズ最適化理論に基づき、伝達関数モデル自律学習の数学的最適化モデルを確立し、差分進化アルゴリズムを用いて伝達関数モデルパラメータを最適化する。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
ステップ5、モデルパラメータ検証:各伝達関数モデルの各パラメータに対して、正規性検証、パラメータ・デッドバンド判断および平均値検証を含むパラメータ検証を実行する。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
ステップ6、モデル予測誤差の比較:元の伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、学習された伝達関数モデルを用いて予測二乗平均平方根誤差を計算し、両者の大小関係に応じて多入力1出力システムの伝達関数モデルを更新するかどうかを決定し、その後ステップ1に戻って実行を継続する。
【0058】
【0059】
【0060】
その後、ステップ1に戻って繰り返し実行を続ける。
【0061】
他の具体的な実施例と併せて引き続き説明し、当該具体的な実施例は、式(12)に示す多入力1出力システムであり、入力変数は2つの分岐回路の水温設定値であり、出力変数はドライ回路の水温であり、制御方式は、2つの分岐回路を使用してドライ回路の水温を制御することである。多入力1出力システムとして、その具体的な実施形態は上述したものと同様であるため、実施プロセスの説明を省略し、本発明の効果に重点を置く。
【0062】
本番運転中のコントローラの伝達関数モデルを式(13)とすると、
【0063】
【0064】
【0065】
上記は、本発明の基本原理および好ましい実施形態のみを説明したが、当業者であれば、上記説明にしたがって多くの変形および改良を行うことが可能であり、これらの変形および改良は全て本発明の保護範囲に含まれるはずである。
【国際調査報告】